(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】小売店の保管及びディスプレイのためのオープンウォール型の温度制御された環境のための圧縮機制御システム
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20240614BHJP
F25D 19/00 20060101ALI20240614BHJP
F25D 17/06 20060101ALI20240614BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
F25D11/00 101E
F25D19/00 510Z
F25D17/06 303
F25B1/00 341U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575669
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 US2022031871
(87)【国際公開番号】W WO2022260915
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523195474
【氏名又は名称】ケーピーエス・グローバル・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】KPS GLOBAL LLC
【住所又は居所原語表記】4201 N.Beach Street,Fort Worth,TX 76137 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラフル・シャルマ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス・エム・コスタンザ
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045LA05
3L045MA13
3L045PA03
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA03
3L345AA19
3L345DD33
3L345DD35
3L345DD36
3L345EE06
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3L345EE33
3L345EE48
3L345FF25
3L345FF43
3L345KK03
3L345KK04
(57)【要約】
温度制御された環境の制御システムの例は、温度制御された環境に関連付けられた温度を示すセンサデータを監視することと、圧縮機サイクルの開始から最大圧縮機運転時間を超える時間、第1の設定点温度以下である温度及び圧縮機サイクルの開始から第1の最小圧縮機運転時間に達するまでの時間、圧縮機サイクルの開始から戻り空気流に関連付けられた温度が第1の設定点温度に達することなく閾値継続時間に達するまでの時間、及び第2のより高い設定点温度以下である温度、及び/又は最低温度以下である温度、圧縮機サイクルの開始から第2の、より短い最小圧縮機運転時間を超えるまでの時間、に基づいて、圧縮機サイクルを開始することと、圧縮機サイクルを終了することと、により動作する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度制御された環境のための制御システムであって、
前記温度制御された環境に関連付けられた冷蔵システム及び前記温度制御された環境に関連付けられた温度を示すセンサデータを捕捉するように構成された少なくとも1つのセンサに動作可能に接続されたコントローラと、
メモリであって、前記コントローラに通信可能に結合され、前記コントローラによって実行されると、前記コントローラに、
(a)戻り空気流に関連付けられた温度を示す少なくとも前記1つのセンサによって捕捉された前記センサデータを、前記戻り空気流が蒸発器コイルの入力に入る前に、監視することと、
(b)前記冷蔵システム内で冷媒の流れを始動させることによって圧縮機サイクルを開始することと、
(c)終了することであって、前記冷蔵システム内の前記冷媒の流れを停止することにより前記圧縮機サイクルを、
(i)前記圧縮機サイクルの開始から最大圧縮機運転時間に達するまでの継続時間、
(ii)第1の設定点温度以下である温度及び前記圧縮機サイクルの開始から第1の最小圧縮機運転時間に達する継続時間、
(iii)前記圧縮機サイクルの開始から、温度が前記第1の設定点温度に達することなく閾値継続時間を超えるまでの継続時間、及び第2の設定点温度以下である前記戻り空気流に関連付けられた温度であって、前記第2の設定点温度閾値が前記第1の設定点温度よりも高い、温度、又は、
(iv)最低温度以下である温度、及び前記圧縮機サイクルの開始から第2の最小圧縮機運転時間に達するまでの継続時間であって、前記第2の最小圧縮機運転時間が、前記第1の最小圧縮機運転時間よりも短い、継続時間、のうちの少なくとも1つに基づいて、終了することと、を行う実行可能命令を記憶するメモリと、を備える、制御システム。
【請求項2】
前記温度制御された環境に関連付けられた前記冷蔵システムが、
蒸発器コイルの入力から前記蒸発器コイルの出力まで流れる冷媒を受け取るように構成された蒸発器と、
前記蒸発器コイルの前記出力から前記冷媒を受け取り、前記受け取った冷媒を圧縮するように構成された圧縮機と、
前記圧縮機から冷媒を受け取り、前記冷媒を凝縮し、前記冷媒を前記蒸発器コイルの前記入力に供給するように構成された凝縮器と、を含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記最大圧縮機運転時間、前記第1の最小圧縮機運転時間、前記第2の最小圧縮機運転時間、前記閾値期間、前記第1の設定点温度、前記第2の設定点温度、及び前記最低温度、のうちの1つ以上が、ユーザからの入力に基づいて、設定される、請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記実行可能命令が、前記コントローラによって実行されると、前記コントローラに、
(d)前記圧縮機サイクルの終了から最大圧縮機オフ時間に達するまでの時間に応じて、ステップ(a)、(b)、及び(c)を繰り返すことを更に行わせる、請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記圧縮機サイクルの終了からの時間が、前記圧縮機サイクルの終了からの任意の除霜サイクル時間を含む、請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
ステップ(a)、(b)、及び(c)を繰り返すことが、前記圧縮機サイクルの終了からの時間が前記最大圧縮機オフ時間に達したことと、任意の除霜サイクルが終了したことと、の両方に応答する、請求項4に記載の制御システム。
【請求項7】
前記最大圧縮機オフ時間が、ユーザからの入力に基づいて、設定される、請求項4に記載の制御システム。
【請求項8】
コンピュータ実装方法であって、
(a)温度制御された環境の制御システムに関連付けられた1つ以上のプロセッサによって、前記温度制御された環境に関連付けられた温度を示す少なくとも1つのセンサによって捕捉されたセンサデータを監視することと、
(b)前記1つ以上のプロセッサによって、前記温度制御された環境に関連付けられた冷蔵システム内で冷媒の流れを始動させることによって圧縮機サイクルを開始することと、
(c)検出することであって、前記1つ以上のプロセッサによって、以下の状態のうちの1つ以上:
(i)前記圧縮機サイクルの開始から最大圧縮機運転時間に達するまでの継続時間、
(ii)第1の設定温度以下である温度及び前記圧縮機サイクルの開始から第1の最小圧縮機運転時間に達する継続時間、
(iii)前記圧縮機サイクルの開始から、温度が前記第1の設定温度に達することなく閾値継続時間を超えるまでの継続時間、及び第2の設定点温度以下である温度であって、前記第2の設定点温度閾値が前記第1の設定点温度よりも高い、温度、又は、
(iv)最低温度以下である温度、及び前記圧縮機サイクルの開始から第2の最小圧縮機運転時間に達するまでの継続時間であって、前記第2の最小圧縮機運転時間が前記第1の最小圧縮機運転時間よりも短い、継続時間、を検出することと、
(d)前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の状態を検出することに基づいて、前記冷蔵システム内の前記冷媒の流れを停止することにより、前記圧縮機サイクルを終了することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記温度制御された環境に関連付けられた前記冷蔵システムが、
蒸発器コイルの入力から前記蒸発器コイルの出力まで流れる冷媒を受け取るように構成された蒸発器と、
前記蒸発器コイルの前記出力から冷媒を受け取り、前記受け取った冷媒を圧縮するように構成された圧縮機と、
前記圧縮機から前記冷媒を受け取り、前記冷媒を凝縮し、前記冷媒を前記蒸発器コイルの前記入力に供給するように構成された凝縮器と、を含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
ユーザからの入力を受信することと、前記ユーザからの前記入力に基づいて設定される、前記最大圧縮機運転時間、前記第1の最小圧縮機運転時間、前記第2の最小圧縮機運転時間、前記閾値期間、前記第1の設定点温度、前記第2の設定点温度、及び前記最小温度、のうちの1つ以上を設定することと、を更に含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
(e)前記1つ以上のプロセッサによって、前記圧縮機サイクルの終了から最大圧縮機オフ時間に達するまでの時間を検出することに応じて、ステップ(a)~(d)を繰り返すことを更に含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記圧縮機サイクルの終了からの時間が、前記圧縮機サイクルの終了からの任意の除霜サイクル時間を含む、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
ステップ(a)~(d)を繰り返すことが、前記圧縮機サイクルの終了からの時間が前記最大圧縮機オフ時間を超えたことと、任意の除霜サイクルが終了したことと、の両方に応答する、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
ユーザから入力を受信することと、前記ユーザからの前記入力に基づいて、前記最大圧縮機オフ時間を設定することと、を更に含む、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、実行されると、温度制御された環境の制御システムに関連付けられた1つ以上のプロセッサに、
(a)前記温度制御された環境に関連付けられた温度を示す、少なくとも1つのセンサによって捕捉されたセンサデータを監視することと、
(b)前記冷蔵システム内で冷媒の流れを始動させることによって圧縮機サイクルを始めることと、
(c)検出することであって、
(i)前記圧縮機サイクルの開始から最大圧縮機運転時間に達するまでの継続時間、
(ii)第1の設定温度以下である温度及び前記圧縮機サイクルの開始から第1の最小圧縮機運転時間に達する継続時間、
(iii)前記圧縮機サイクルの開始から、温度が前記第1の設定温度に達することなく閾値継続時間を超えるまでの継続時間、及び第2の設定点温度以下である温度であって、前記第2の設定点温度閾値が前記第1の設定点温度よりも高い、温度、又は、
(iv)最低温度以下である温度、及び前記圧縮機サイクルの開始から第2の最小圧縮機運転時間に達するまでの継続時間であって、前記第2の最小圧縮機運転時間が前記第1の最小圧縮機運転時間よりも短い、継続時間、のうちの1つ以上の状態の存在を検出することと、
(d)前記1つ以上の状態を検出することに基づいて、前記冷蔵システム内の前記冷媒の流れを停止することによって前記圧縮機サイクルを終了することと、を行わせる命令を含む、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記温度制御された環境に関連付けられた前記冷蔵システムが、
蒸発器コイルの入力から前記蒸発器コイルの出力まで流れる冷媒を受け取るように構成された蒸発器と、
前記蒸発器コイルの前記出力から前記冷媒を受け取り、前記受け取った冷媒を圧縮するように構成された圧縮機と、
前記圧縮機から冷媒を受け取り、前記冷媒を凝縮し、前記冷媒を前記蒸発器コイルの前記入力に供給するように構成された凝縮器と、を含む、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記最大圧縮機運転時間、前記第1の最小圧縮機運転時間、前記第2の最小圧縮機運転時間、前記閾値期間、前記第1の設定点温度、前記第2の設定点温度、及び前記最低温度、のうちの1つ以上が、ユーザからの入力に基づいて設定される、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記命令が、前記1つ以上のプロセッサに、
(e)前記圧縮機サイクルの終了から最大圧縮機オフ時間に達するまでの時間を検出することに応じて、ステップ(a)~(d)を繰り返すことを更に行わせる、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記圧縮機サイクルの終了からの時間が、前記圧縮機サイクルの終了からの任意の除霜サイクル時間を含む、請求項18に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記1つ以上のプロセッサにステップ(a)~(d)を繰り返させる前記命令が、前記圧縮機サイクルの終了からの時間が前記最大圧縮機オフ時間を超えたことと、任意の除霜サイクルが終了したことと、の両方に応答する、請求項18に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、オープンウォール型の温度制御された環境に関し、より具体的には、オープンウォール型の温度制御された環境のための制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
温度制御された環境は、空間を設定温度まで冷却するように構成される。多くの温度制御された環境では、温度に敏感な製品(食品、医薬品など)が冷却された空間に配置される。温度に敏感な製品が不適切な温度に曝されると、温度に敏感な物品が劣化するか、又はそうでなければ使用不能になる可能性がある。
【0003】
理想的な動作条件では従来の温度制御された環境制御システムで十分であり得るが、オープンフロント(又はオープンウォール型)冷蔵システムに従来の技術を適用すると、蒸発器コイルに霜及び/又は氷が付着する原因になることがよくある。これは、温度制御された環境が湿気の多い場所に配置されている場合に特に起こる可能性が高い。結果として、従来のシステムは、通常の動作中に設定値の温度を達成することができないことが多い。したがって、従来の温度制御された環境では、蒸発器コイルを完全に除霜するため、又は電力を大量に消費する除霜技術を実施するためには、長い休止時間が必要であり、温度制御された環境のオペレータに追加の費用が発生する。前述の問題を考慮すると、蒸発器コイルをより効率的に除霜するための、温度制御された環境のための改善された制御システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、温度制御された環境のための制御システムであって、温度制御された環境に関連付けられた冷蔵システム及び温度制御された環境に関連付けられた温度を示すセンサデータを捕捉するように構成された少なくとも1つのセンサに動作可能に接続されたコントローラと、メモリであって、コントローラに通信可能に結合され、コントローラによって実行されると、コントローラに、(a)戻り空気流に関連付けられた温度を示す少なくとも1つのセンサによって捕捉されたセンサデータを、戻り空気流が蒸発器コイルの入力に入る前に、監視することと、(b)冷蔵システム内で冷媒の流れを始動させることによって圧縮機サイクルを開始することと、(c)終了することであって、冷蔵システム内の冷媒の流れを停止することによって圧縮機サイクルを、(i)圧縮機サイクルの開始から最大圧縮機運転時間に達するまでの継続時間、(ii)第1の設定点温度以下である温度及び圧縮機サイクルの開始から第1の最小圧縮機運転時間に達する継続時間、(iii)圧縮機サイクルの開始から、温度が第1の設定温度に達することなく閾値継続時間を超えるまでの継続時間、及び第2の設定点温度以下である戻り空気流に関連付けられた温度であって、第2の設定点温度閾値が第1の設定点温度よりも高い、温度、又は、(iv)最低温度以下である温度、及び圧縮機サイクルの開始から第2の最小圧縮機運転時間に達するまでの継続時間であって、第2の最小圧縮機運転時間が第1の最小圧縮機運転時間よりも短い、継続時間、のうちの1つ以上に基づいて、終了することと、を行わせる実行可能命令を記憶するメモリと、を備える、制御システムが提供される。
【0005】
別の実施形態では、コンピュータ実装方法であって、(a)温度制御された環境の制御システムに関連付けられた1つ以上のプロセッサによって、温度制御された環境に関連付けられた温度を示す少なくとも1つのセンサによって捕捉されたセンサデータを監視することと、(b)1つ以上のプロセッサによって、温度制御された環境に関連付けられた冷蔵システム内で冷媒の流れを始動させることによって圧縮機サイクルを開始することと、(c)検出することであって、1つ以上のプロセッサによって、(i)圧縮機サイクルの開始から最大圧縮機運転時間に達するまでの継続時間、(ii)第1の設定点温度以下である温度及び圧縮機サイクルの開始から第1の最小圧縮機運転時間に達する継続時間、(iii)圧縮機サイクルの開始から温度が第1の設定温度に達することなく閾値継続時間を超えるまでの継続時間、及び第2の設定点温度以下である温度であって、第2の設定点温度閾値が第1の設定点温度よりも高い、温度、又は、(iv)最低温度以下である温度、及び圧縮機サイクルの開始から第2の最小圧縮機運転時間に達するまでの継続時間であって、第2の最小圧縮機運転時間が第1の最小圧縮機運転時間よりも短い、継続時間、のうちの1つ以上を検出することと、(d)1つ以上のプロセッサによって、1つ以上の状態を検出することに基づいて、冷蔵システム内の冷媒の流れを停止することにより、圧縮機サイクルを終了することと、を含む、コンピュータ実装方法が提供される。
【0006】
なお別の実施形態では、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、実行されると、温度制御された環境の制御システムに関連付けられた1つ以上のプロセッサに、(a)温度制御された環境に関連する温度を示す、少なくとも1つのセンサによって捕捉されたセンサデータを監視することと、(b)冷蔵システム内で冷媒の流れを始動させることによって圧縮機サイクルを始めることと、(c)検出することであって、(i)圧縮機サイクルの開始から最大圧縮機運転時間に達するまでの継続時間、(ii)第1の設定点温度以下である温度及び圧縮機サイクルの開始から第1の最小圧縮機運転時間に達する継続時間、(iii)圧縮機サイクルの開始から、温度が第1の設定温度に達することなく閾値継続時間を超えるまでの継続時間、及び第2の設定点温度以下である温度であって、第2の設定点温度閾値が第1の設定点温度よりも高い、温度、又は、(iv)最低温度以下である温度、及び圧縮機サイクルの開始から第2の最小圧縮機運転時間に達するまでの継続時間であって、第2の最小圧縮機運転時間が、第1の最小圧縮機運転時間よりも短い、継続時間、のうちの1つ以上の状態の存在を検出することと、(d)1つ以上の状態を検出することに基づいて、冷蔵システム内の冷媒の流れを停止することによって圧縮機サイクルを終了することと、を行わせる命令を含む、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の教示に従って組み立てられたオープンウォール型の温度制御された環境(「TCE」)ユニットの斜視図である。
【
図2】
図1のTCEユニットの斜視図であり、視界から隠されたルーフ及び側パネルを有するTCEユニットの内部を例解している。
【
図3】制御システムを例解する、
図1のTCEユニットの部分背面斜視図である。
【
図4】
図1のTCEユニットの制御システムによって実装された制御ループを表すフロー図である。
【
図5】本開示の教示に従って、
図4の圧縮機オンサイクル402を実行するための制御ロジックを示すフロー図である。
【
図6A】本開示の教示に従って、
図4の自然除霜サイクル406Aを実行するための制御ロジックを示すフロー図である。
【
図6B】本開示の教示に従って、
図4の一次除霜サイクル406Bを実行するための制御ロジックを示すフロー図である。
【
図6C】本開示の教示に従って、
図4の二次除霜サイクル406Cを実行するための制御ロジックを示すフロー図である。
【
図6D】本開示の教示に従って、
図4のデマンド除霜サイクル406Dを実行するための制御ロジックを示すフロー図である。
【
図7-1】追加的に、本開示の制御ロジック、例えば制御システムを示す付録がここに添付され、参照により本開示に明示的に組み込まれる。
【
図7-2】追加的に、本開示の制御ロジック、例えば制御システムを示す付録がここに添付され、参照により本開示に明示的に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、概して、独立型ユニットであり得るか、又は複数のTCEユニットを含むレイアウトで構成され得る、オープンウォール型の温度制御された環境(「TCE」)ユニットのための制御システムを対象とする。TCEユニットは、構築が容易であり、消費者に快適なショッピング体験を提供する、エネルギ効率の良い冷蔵環境を提供することによって、既存の小規模及び大規模の冷蔵ソリューションを置き換え得る。本開示では、制御システムがTCEユニットでどのように実装されるかを詳述するが、本明細書で説明する制御システムは、業務用又は消費者向けの冷蔵庫、ウォークインクーラー、オープンフロント(又はオープンウォール型)冷蔵ケース、冷蔵型リーチインディスプレイケース、空調ユニットなどの他の温度制御された環境で実装され得る。
【0009】
図1において、TCEユニット100は、本開示の教示に従って組み立てられる。TCEユニット100は、後壁104、後壁104の反対側の開口部108、ルーフ112、及び開口部108を部分的に画定する第1及び第2の側壁116、118を含む部分的に密閉された冷蔵保管空間である。内部空間122は、地面又は床面126、後壁104、ルーフパネル112、並びに第1及び第2の側壁116、118によって画定される。バリア130はまた、内部空間122を少なくとも部分的に画定し、第1の側壁116と第2の側壁118との間の開口部108に配置される。バリア130は、閉位置にあるとき床又は接地126に密封的に係合し、バリア130が床又は接地126から離間される開位置に移動可能である。以下で更に考察されるように、バリア130は、TCEユニット100に外部環境からの物理的バリアと熱的バリアの両方を提供する。
【0010】
TCEユニット100は、内部の温度を維持し、内部空間122全体に冷蔵空気を分配する冷蔵システム134を有する。冷蔵システム134は、ルーフ112上に配置された凝縮器ユニット138と、内部空間122に配置された蒸発器142(
図2に示す)と、ルーフ112上に配置された送風機146と、送風機146とTCEユニット100の内部空間122を接続する断熱ダクト150と、を含む。凝縮器ユニット138は、冷媒を圧縮するように構成された圧縮機139と、冷媒が冷却され液体形態となる凝縮器とを備え、凝縮器を介して冷却される。蒸発器142は凝縮器から冷媒を受け取り、その冷媒を使用して蒸発器142のコイルを吹き抜ける空気から熱を抽出する。次に、冷却された空気は、蒸発器ファン162を介して内部空間122に分配される。制御システム154は、ルーフ112上、内部空間122上、又は蒸発器142内に配置され、冷蔵システム134に結合されて、TCEユニット100の冷蔵システム134を監視、分析、及び制御する。制御システム154は、冷蔵システム134の構成要素を直接的又は間接的に制御するように構成され得ることを理解されたい。例えば、間接制御シナリオでは、蒸発器は、制御システム154を介して閉じられると、凝縮器ユニット138の凝縮器において圧力の上昇が感知され、凝縮器スイッチを切ることを行わせる電子膨張弁(EEV)を含むことができる。追加的に、制御システム154は、凝縮器ユニット138の圧縮機139の動作に関連付けられた複数のオンサイクル及びオフサイクルを実行するように構成されている。このため、オンサイクル中、圧縮機139はオン状態にあり、冷媒を圧縮して冷却プロセスを始める。一方、オフサイクル中、圧縮機139はオフ状態にあり、それによって冷却プロセスが一時停止される。
【0011】
図5に関してより詳細に考察されるように、制御システム154は、達したいくつかの可能な閾値条件のうちの1つに基づいて、圧縮機139をオン状態からオフ状態に切り替えるように構成され得る。例えば、一例では、制御システム154は、圧縮機139のオン状態の開始からの時間を追跡し、所与の圧縮機サイクル内で最大圧縮機運転時間に達するまでの経過時間に基づいて、圧縮機139をオン状態からオフ状態に切り替えるように構成され得る。サイクル当たりのこの最大圧縮機運転時間は、ユーザによってプログラム可能であり得る。有利に、本明細書で提供されるユーザがプログラム可能な最大圧縮機運転時間は、従来のシステムと比較してユーザのニーズに基づいて(すなわち、特定の温度制御された環境及び/又は冷却される特定の製品に対して)製品温度のより良好な制御を可能にする。すなわち、従来のシステムは、複数のサイクルに対する累積最大運転時間(すなわち、静的最大圧縮機運転時間)を実装することができるが、圧縮機サイクルごとの最大圧縮機運転時間(すなわち、動的最大圧縮機運転時間)を実装することはできない。したがって、従来のシステムでは、圧縮機がどれだけ長く運転されているか(すなわち、最小圧縮機運転時間が達する長さ程度)を考慮せずに、特定の温度設定点に達した場合にのみ圧縮機がオン状態からオフ状態に切り替わり得る。しかしながら、圧縮機139が温度設定点に達せずに長時間運転している場合、これは圧縮機139又は冷蔵システム134の他の部分に問題があることを示している可能性がある。更に、高湿度条件では、冷蔵負荷の増加により、内部空間122を冷却するのに必要な時間が増加し得、この時間の間、蒸発器上に氷が蓄積する可能性があり、内部空間122を冷却するのに必要な時間が更に長くなり、これにより更に多くの氷が蓄積し、ひいては内部空間122を冷却するのに必要な時間の増加につながるなど、つまり、高湿度環境では、蒸発器142上に氷及び霜が蓄積するのを防止するために除霜が起こり得るように圧縮機サイクル当たりの最大運転時間後、圧縮機139のオンサイクルを終了することが重要であり得る。したがって、最大圧縮機運転時間を実装すると、圧縮機139がそのような問題を抱えながら無期限に運転し、製品が加温されることを防止することができる。
【0012】
オフサイクル中、制御システム154は、蒸発器142を高効率で、かつ蒸発器上に霜が蓄積することなく機能し続けるために、本明細書に開示される除霜サイクルを実施するように構成され得る。制御システム154はリモート又はローカルで動作されて、除霜サイクルを動作させるか、温度若しくはファン速度を変更するか、又は冷蔵システム134の他の機能を制御及び/若しくは動作させ得る。制御システム154は、蒸発器142又はTCEユニット100の内部空間122の他の領域に結合された1つ以上のセンサ、1つ以上のプロセッサ155、及び冷蔵システム134のオンサイクル、オフサイクル、除霜サイクル及び/又は他の機能若しくはプログラムの自動動作を可能にする実行可能命令を記憶するためのメモリ156を含み得る。冷蔵及び制御システム134、154は、TCEユニットのルーフ112上(又はその近く)に配設されているが、他の例では、冷蔵及び制御システム134、154は、異なるように配設され得る。例えば、送風機146、凝縮器ユニット138、及び制御システム154は、TCEユニット100の外部、地面126上に配置され得るか、又はTCEユニット100を画定するパネルのいずれかに取り付けられ得る。
【0013】
図1のTCEユニット100のルーフ112、側壁116、118、及び後壁104は、好ましくは、接続された断熱パネルを使用して構築される。ルーフ112は、一緒に連結された1つ以上の断熱パネルで構築され得る。同様に、第1及び第2の側壁116、118のそれぞれは、断熱フレームを介してルーフ112と背面パネル104の両方に接続された単一の断熱パネルを含む。背面パネル104は、ルーフ及び第1及び第2の側壁116、118に取り付けられる1つ以上の結合された断熱パネルを含み得る。一例では、TCEユニット100は、約9フィートの長さ(すなわち、第1及び第2の側壁116、118の間に延びる)、約9フィートの高さ(すなわち、地面126とルーフ112との間に延びる)、並びに約5フィートの幅(すなわち、開口部108と後壁104との間で測定される)を有し得る。しかしながら、他の例示的なTCEユニット100において、これらの寸法は、変化し得る。例えば、側壁116、118、及び/又は後壁104は、TCEユニット100の所望のサイズ及び形状に応じて、複数の接続された断熱パネルを含み得る。言い換えれば、TCEユニット100は、カスタマイズされ得る。パネルは、参照により本明細書に組み込まれる、「Insulated Structural Members for Insulated Panels and a Method of Making Same」と題された2017年11月16日に出願された米国特許第10,246,873号、「Method of Manufacturing Hybrid Insulation Panel」と題された2019年10月25日に出願された米国特許出願第16/663,910号、「Hybrid Insulating Panel,Frame,and Enclosure」と題された2019年9月25日に出願された米国特許出願第16/582,147号に開示されたハイブリッドフレームなどのハイブリッド断熱フレームによって互いに接続され得る。他の例では、フレームは、木材、金属、複合材料、発泡体、又は材料の組み合わせであり得る。
【0014】
ここで
図2を参照すると、
図1の部分的なTCEユニット100が例解されている。
図2では、エアカーテンアセンブリ158の一部、例えば、2020年11月24日に出願された「Accessible Cooling Environment」と題された米国特許出願第63/117,677号に説明されているエアカーテンアセンブリの一部であり、参照により本明細書に組み込まれている。このようにして、空気は、送風機146及び/又は蒸発器142のファン162によってTCEユニット100を通って循環される。送風機146及び/又はファン162は、圧縮機のオンサイクルとオフサイクルの両方で動作され得ることに注意されたい。この目的のために、空気除霜サイクルを実施するために、制御システム154は、圧縮機139のオフサイクル中に送風機146及び/又はファン162を動作させて、冷却されていない空気を内部空間122全体に分配する。これにより、より温かい空気が蒸発器142及び/又はそのコイルを通って循環して、除霜プロセスを支援する。
【0015】
図2に示されるように、第1の壁板176は、接地126から離間され、第2の壁板178から離間され、それによって、接地126とともに第1の開口部又はスロット182を形成し、第2の壁板178とともに第2の開口部又はスロット186を形成する。空気は、第1又は第2の開口部182、186のいずれかを通ってダクト180に流れる。天井板172は、TCEユニット100の内部空間122の製品空間への空気の流入を可能にする。動作中、エアカーテンアセンブリ158は、TCEユニット100の内部空間122への空気侵入を制限し、内部空間122内の製品の冷却を容易にする。蒸発器142のファン162及びルーフ112上の送風機146は、空気を開口部108に向けて導き、内部空間122全体に冷却空気を均一に分配する。次に、分配された空気は、後部ダクト180を通って循環し、ダクト150及び送風機146に入るか、又は蒸発器142の入力に入る。
【0016】
図1及び3では、制御システム154がより詳細に例解されている。制御システム154は、ルーフ112(
図3では隠されている)上及び/又はTCEユニット100の蒸発器142内に配置され、エアカーテンアセンブリ158及び/又は冷蔵システム134の様々な機能を制御するために結合される。例えば、制御システム154は、圧縮機139を制御してオンサイクル及びオフサイクルを実施することによって冷蔵システム134を動作させ、その間に除霜サイクルも実施される。いくつかの実施形態では、制御システム154はまた、補助除霜システムを含む。したがって、制御システム154は、制御システムが補助除霜システムを作動させて、蒸発器142のコイルに追加の熱を加える間、二次除霜サイクルを実施することもできる。いくつかの実施形態では、補助除霜システムは、ワイヤを介して電流が送られ、ワイヤから熱が放出させる電気除霜システムである。他の実施形態では、補助除霜システムは、蒸発器142を通過する際に冷媒がより温かくなるように冷媒ラインが逆転されるホットガス除霜システムである。補助除霜システムは、係合時に追加の電力を引き出すことを理解されたい。したがって、本明細書に開示される技術は、蒸発器142の効率的な動作を維持しながら、TCEユニット100によるエネルギ消費を低減するために、制御システム154によって実施される二次除霜サイクルの数を最小限にすることに関する。
【0017】
制御システム154はまた、蒸発器142に結合され、入力214における温度及び/また又は蒸発器142のコイルなどの蒸発器142の内部の温度に関連付けられたセンサデータを捕捉するように構成された少なくとも1つのセンサを含む。制御システム154はまた、内部空間122の温度に関連付けられたセンサデータを捕捉するために、内部空間122に配置された少なくとも1つのセンサを含み得る。
【0018】
図5に関してより詳細に考察されるように、一例では、制御システム154は、内部空間122の温度が第1のユーザプログラム可能温度設定点に達したことを示す受信センサデータに基づいて、圧縮機139をオン状態からオフ状態に切り替えることができる。第1の温度設定点は、例えば、冷却される製品のための理想的な温度設定点(例えば、36°F)であり得る。
【0019】
しかしながら、いくつかの例では、温度制御された環境に関連付けられた湿度レベルなどの外部条件に基づいて、内部空間122を第1の温度設定点まで冷却することが困難又は不可能である場合がある。したがって、いくつかの例では、制御システム154は、内部空間122の温度が第1の温度設定点に達することなくユーザがプログラム可能な閾値期間(例えば、35分)が経過した後に、第2のより高いユーザがプログラム可能な温度設定点に移行するように構成され得る。第2の温度設定値は、冷却される製品について許容されるがあまり理想的ではない温度(例えば、40°F)であり得る。したがって、圧縮機のオン状態が始動されてから閾値期間が経過し、内部空間122が第1の温度設定点に達していないことをセンサデータが示している場合、制御システム154は第2の温度設定点に移行し得る。この時点の後、第2の温度設定点に達すると、圧縮機サイクル中に第1の温度設定点に達していないにもかかわらず、制御システム154は、圧縮機139をオン状態からオフ状態に切り替え得る。
【0020】
対照的に、従来のシステムは典型的に、高湿度環境であっても、単一の温度設定値のみを使用し、例えば、温度設定値より数度以内にある温度と、温度設定値よりはるかに高い温度とを識別することができない。すなわち、温度設定値が36°Fである従来のシステムでは、40°Fの温度は、両方とも設定温度を超えているため、60°Fの温度と同じように扱われ、圧縮機は、たとえ何時間もかかるか、又はもはや起こらなかったとしても、単一の温度設定値に達するまで、無期限に運転し続ける。有利に、本明細書で提供される技術を使用すると、第2の温度設定点の実装により、制御システム154が、特に高湿度条件において、冷蔵空気及び製品の温度をより良好に維持することを可能にする。すなわち、上で考察されるように、高湿度条件では、冷却負荷の増加により、内部空間122を冷却するのに必要な時間が増加する可能性があり、この間、蒸発器上に氷が蓄積する可能性があり、内部空間122を冷却するのに必要な時間が更に増加し、これにより更に多くの氷が蓄積し、ひいては内部空間122を冷却するのに必要な時間の増加につながるなどである。したがって、高湿度条件では、第1の温度設定点に達するために圧縮機139を無期限に運転するのではなく、すなわち、蒸発器142上に氷及び霜が蓄積するのを防止するために除霜が起こり得るように、第2の温度設定点に達したら圧縮機139のオンサイクルを終了することが重要であり得る。
【0021】
制御システム154は、1つ以上のプロセッサ155と、1つ以上のプロセッサ155に通信可能に結合され、冷蔵システム134を動作させるための実行可能命令を記憶するメモリ156と、を含む。実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ155に、1つ上のセンサによって捕捉されたセンサデータを受信することと、そのセンサデータを分析して蒸発器142に関連付けられたステータス又は状態を識別することと、蒸発器142に信号を送信して、特定されたステータス又は状態に基づいて、加熱又は冷却することと、を行わせる。
【0022】
図3に示される一例では、制御システム154は、第1のセンサ211、第2のセンサ212、第3のセンサ213、及び導管216、又は第1のセンサ、第2のセンサ、及び第3のセンサ211、212、及び213を制御システム154に接続する温度ワイヤを含む。温度ワイヤ216は、蒸発器142の前面(すなわち、出口側)を通って走り、蒸発器142の背面(すなわち、入口側)を通って走っている。第1のセンサ211は、蒸発器142の入力214でコイルに入る前の戻り空気流内にあり、第2のセンサ212は、蒸発器142を凝縮器ユニット138に接続する吸引ライン215上に配置され、第3のセンサ213は、蒸発器142の内部、かつ蒸発器142のコイル間(すなわち、氷が最後に消える場所)に配置される。このように構成されているため、3つの温度センサ211、212、213は、蒸発器142上又はその近くの様々な場所にある制御システム154に温度に関する情報を中継して、どの除霜サイクルを実施すべきかを正確に判定し、除霜中及び冷却サイクルの間、蒸発器142を監視する。
【0023】
図4には、TCEユニット100の制御システム154によって実装される制御ループを表すフロー
図400が示される。制御システム154は、オンサイクル402中にオン状態で動作するように圧縮機139を制御することと、オフサイクル404中にオフ状態で動作するように圧縮機139を制御することとを交互に行う。一般的に言えば、制御システム154は、オンサイクル402中に内部空間122を冷却し、オフサイクル404中に内部空間122の温度を上昇させて、蒸発器142のコイル上に形成された霜及び/又は氷を除霜することを可能にする。
【0024】
以下により詳細に説明するように、オンサイクル402中、制御システム154は、閾値条件に達するまで圧縮機139をオン状態で動作させる。この時点で、制御システム154は、以下に説明するオフサイクル技術に従ってオフサイクル404を実施するためにTCEユニット100の構成要素の制御を始める。オフサイクル404が終了した後、制御システム154は、次いで、オンサイクル402の別のサイクルを実行する。オフサイクル404の間、制御システム154は、除霜サイクル406を実施するように構成される。例えば、制御システム154は、自然除霜サイクル406A、一次除霜サイクル406B、二次除霜サイクル406C、又はデマンド除霜サイクル406Dを実施し得る。
【0025】
オフサイクル404の開始時に、制御システム154は、メモリ156から指標を取得して、どの除霜サイクル406を実施するかを判定し得る。いくつかの実施形態では、メモリ156は、各除霜サイクルタイプに関連付けられたフラグを記憶する。これらの実施形態では、制御システム154は、オン状態に設定されたフラグに関連付けられた除霜サイクルタイプに対応する除霜サイクルを実施し得る。例えば、一次除霜サイクルフラグがオン状態に設定されている場合、制御システム154は、一次除霜サイクル406Bを実行するようにTCEユニット100の構成要素を制御することができる。追加的に、これらの実施形態では、制御システム154は、複数のフラグがオン状態に設定されている場合、制御システム154は、オン状態に設定されているフラグを有する除霜サイクルタイプの最高ランク又は優先順位に対応する除霜サイクル406を実行するように、異なる除霜サイクルタイプをランク付け又は優先順位付けし得る。
【0026】
他の実施形態では、メモリ156は、除霜サイクルタイプを特定の値に対応させる。これらの実施形態では、制御システム154は、メモリ156に記憶された特定のパラメータの値に対応する除霜サイクルタイプを実施し得る。例えば、制御システム154が一次除霜サイクルタイプを「一次」又は「01」の値に関連付ける場合、メモリ156が除霜サイクルタイプ設定として「プライマリ」又は「01」を示すとき、制御システム154は、一次除霜サイクル406Bを実行するためにTCEユニット100の構成要素を制御し得る。
【0027】
以下に説明するように、制御システム154は、除霜サイクル406の実行中にフラグ及び/又はパラメータ値を設定するように構成され得る。追加的に、制御システム154は、ユーザが提供した入力を受信して、ユーザが示した除霜サイクルタイプを実施するようにフラグ及び/又はパラメータ値を設定するように構成することができる。例えば、TCEユニット100は、TCEユニット100のオペレータが制御システム154の様々なパラメータ及び/又は設定を制御することができるリモートプログラミングインターフェース(例えば、クライアントデバイス上で実行されるアプリケーション)に関連付けられ得る。別の例として、TCEユニット100は、TCEユニット100のオペレータが制御システム154のパラメータ及び/又は設定を制御することができる1つ以上のユーザインターフェースを提示するように構成されたディスプレイを含み得る。次のオフサイクル404中に利用する除霜サイクルタイプの指標を設定することに加えて、ユーザインターフェースは、ユーザが、タイマー又はスケジューラをプログラムして、将来の所定の時間に除霜サイクルタイプの指標を設定することを可能にするように構成され得る。ユーザがプログラムしたタイマー又はスケジューラベースの除霜サイクルは、本明細書の他の場所で説明する除霜サイクルタイプの自動制御を妨げ得ないことを理解されたい。別の言い方をすれば、開示された技術は、ユーザが、ユーザがプログラムしたスケジュールと自動制御の両方に従って、TCEユニット100を動作させることを可能にする。
【0028】
上で説明したように、オンサイクル402中、制御システム154は、いくつかの可能な閾値条件のうちの1つに達するまで圧縮機139をオン状態で動作させる。ここで
図5を参照すると、一般的に言えば、圧縮機139をオン状態で動作させることは、圧縮機サイクルを開始する(502)ことから始まる。圧縮機サイクルが開始すると、圧縮機運転時間クロックも開始して(504)、現在のサイクルで圧縮機がオンであった時間を追跡し得る。一例として、圧縮機サイクルの終了をトリガする可能性のある閾値条件は、最大圧縮機運転時間に達することである(506)。例えば、この最大圧縮機運転時間は、ユーザからの入力、例えば0~300まで1分刻みでの時間量の選択に基づいて、設定され得る。例えば、第1の最大圧縮機運転時間の一例は、60分であり得る。したがって、圧縮機運転時間クロックが、圧縮機サイクルの開始から60分が経過したことを検出した場合、制御システム154は、(すなわち、オフサイクル404を始めるために)圧縮機サイクルを終了する(508)ことができる。
【0029】
圧縮機サイクルの終了を引き起こす可能性のある別の可能な閾値条件は、第1の温度設定点に達することである(510)。上で考察されるように、制御システム154は、内部空間122の温度に関連付けられたセンサデータを捕捉するために、内部空間122に配置された少なくとも1つのセンサを含み得る。第1の温度設定点は、例えば-50°F~100°Fの0,1°F刻みでの温度の選択など、ユーザからの入力に基づいて、設定され得る。例えば、第1の温度設定点は36°Fであり得る。具体的には、内部空間122に配置されたセンサが第1の温度設定点以下の温度を検出し(510)、第1の最小圧縮機運転時間に達すると(512)、制御システム154は圧縮機サイクルを終了し得る(508)。最小圧縮機運転時間は、ユーザからの入力、例えば0~300の1分刻みでの時間量の選択に基づいて、設定され得る。例えば、第1の最小圧縮機運転時間の一例は、15分であり得る。
【0030】
温度設定点を変更するための閾値時間が経過しても第1の温度設定点に達しない場合(514)、圧縮機サイクルの終了をトリガし得る別の考えられる閾値条件は、第2の温度設定点に達することである(516)。温度設定点を移行するための閾値時間量は、ユーザからの入力、例えば0~300まで1分刻みでの時間量の選択に基づいて、設定され得る。例えば、閾値時間量の一例は、35分であり得る。第1の温度設定点と同様に、第2の温度設定点は、ユーザからの入力、例えば、-50°F~100°Fの0.1°F刻みでの温度の選択に基づいて、設定され得る。しかしながら、一般的に言えば、第2の温度設定点は第1の温度設定点よりも高い。例えば、第1の温度設定値は40°Fであり得る。具体的には、温度設定点を移行するための閾値時間が経過した後(514)、内部空間122に配置されたセンサが第2の温度設定点以下の温度を検出し(516)、第1の最小圧縮機運転時間が達したとき(512)、制御システム154は、圧縮機サイクルを終了し得る(508)。注意として、閾値時間量は一般に第1の最小圧縮機運転時間より長いため、第1の最小圧縮機運転時間に達したかどうかを確認すること(512)は、設定点温度を移行する閾値期間が過ぎたこと(514)を考慮すると必要であり得ない。
【0031】
圧縮機サイクルの終了を引き起こす可能性のある更に別の可能な閾値条件は、最低温度に達することである(518)。最低温度は、温度制御された環境の最低許容温度であり得、例えば-50°F~100°Fの0.1°F刻みでの温度の選択など、ユーザからの入力に基づいて、設定され得る。例えば、最低温度は33°Fであり得る。具体的には、内部空間122に配置されたセンサが最低温度以下の温度を検出し(518)、第2の最小圧縮機運転時間に達すると(520)、制御システム154は圧縮機サイクルを終了し得る(508)。第2の最小圧縮機運転時間は、圧縮機の「最低限の」運転時間であり、ユーザからの入力、例えば、0~300の1分刻みの時間量の選択に基づいて、設定され得る。例えば、第2の最小圧縮機運転時間の一例は、5分であり得る。
【0032】
いずれの場合も、圧縮機サイクルが終了した後(508)、圧縮機オフタイムクロックもまた開始し(522)、最新のサイクルの終了から圧縮機が停止していた、例えば自然除霜サイクル406Aが起こるときの、時間量を追跡し得る。一般的に言えば、制御システム154は、いくつかの可能な閾値条件のうちの1つに達するまで、圧縮機139をオフ状態で動作させ得る。例えば、
図5に示すように、一例では、制御システム154は、最大圧縮機オフ時間に達するまで圧縮機139をオフ状態で動作させ得(524)、その時点で圧縮機が新しいサイクルを始めて、制御システム154は開始し得る(502)。最大圧縮機オフ時間は、ユーザからの入力、例えば0~300まで1分刻みでの時間量の選択に基づいて、設定され得る。例えば、最大圧縮機オフ時間の一例は、10分であり得る。任意のあらゆる除霜サイクルに費やされた時間は、最新のサイクルの終了時から圧縮機が停止していた時間量の判定に含まれ得る。更に、いくつかの例では、制御システム154は、最大圧縮機オフ時間に達し、任意の除霜サイクルが終了するまで、圧縮機が開始しない可能性がある。
【0033】
オンサイクル402中に、制御システム154はまた、センサデータを分析して、特定の除霜サイクル406が次のオフサイクル404中に実施されるべきかどうかを判定し得る。例えば、制御システム154は、蒸発器142の排気空気温度(例えば、ファン162の前に配置されたセンサを介して)及び蒸発器142への戻り空気流の温度(例えば、センサ211を介して)を分析することによって、蒸発器142の性能を分析し得る。いくつかの実施形態では、性能は、排気温度と戻り空気流温度との間の温度差を分析することによって判定される。他の実施形態では、性能は、排気温度及び/又は戻り空気流温度の他の分析を実施することによって判定される。追加的に、又は代替的に、制御システム154は、TCEユニット100の他の温度センサによって生成された他の温度値を分析し得る。通常動作及び/又はベースライン動作と比較して、性能が閾値パーセンテージ(例えば、80%、85%、90%、又はユーザがプログラムしたパーセンテージ)を下回った場合、制御システム154は、一次除霜サイクル406Bが次のオフサイクル404中に実行されるべきであることを示すようにメモリ156内の除霜タイプ指標を設定し得る。当然ながら、制御システム154は、TCEユニット100の構成要素の他の動作条件をそれぞれの閾値と比較して、特定の除霜サイクル406を実行する必要性を判定するように構成され得る。
【0034】
ここでオフサイクル動作の改善に目を向けると、制御システム154は、メモリ156に記憶された除霜サイクルタイプの指標に基づいて、異なる除霜サイクルタイプを実施するように構成され得る。したがって、以下では、異なる除霜サイクルタイプを実施するためにTCEユニット100の制御システム154によって実装される制御技術について説明する。
【0035】
図6Aから開始すると、
図4の自然除霜サイクル406Aを実行するための制御ロジックを示す例示的なフロー
図600が例解されている。一般的に言えば、二次除霜サイクル406B中、制御システム154は、空気除霜システムなどのより低出力の除霜システムを可能にする。例えば、空気除霜システムは、蒸発器142の送風機146及び/又はファン162であり得る。圧縮機139は、オフサイクル404中はオフ状態で動作するため、空気除霜システムによって循環される空気は、概して、蒸発器142のコイルの温度よりも温かい。自然除霜サイクル406Aを実行するとき、制御システム154は、圧縮機139のオフ時間に基づいて、制御サイクルを実行する。したがって、自然除霜サイクル406Aは、典型的に、他の除霜サイクルタイプ406よりも短く、実施に必要なエネルギが少なくて済む。したがって、TCEユニット100の電力使用量を低減するために、フラグがオン状態に設定されていない場合、及び/又はメモリ156に示される除霜サイクルタイプの他の指標がない場合には、自然除霜サイクル406Aが、制御システム154によって実行されるデフォルトの除霜サイクルタイプであり得る。
【0036】
自然除霜サイクル406Aは、空気除霜システムがオン状態で動作することを保証しながら、制御システム154が圧縮機139をオフ状態で動作するように切り替えるときに始まり得る。上で説明されるように、圧縮機139のオン状態とオフ状態との間の頻繁な切り替えは、圧縮機139の磨耗を増加させ、より頻繁なメンテナンスの必要性をもたらす。したがって、決定602で、制御システム154は、最小圧縮機オフ時間が達成されたかどうかを判定する。例えば、最小圧縮機オフ時間は、3分、5分、7分、10分、15分、又はユーザがプログラムした時間値であり得る。
【0037】
最小圧縮機オフ時間に達した後(「はい」)、制御システム154は、蒸発器142のコイルの温度を判定するためにセンサデータを取得する。例えば、センサ213は、蒸発器142のコイルの温度の正確な測定値を提供し得る。決定604で、制御システム154は、取得した温度値を温度閾値と比較して、蒸発器142のコイルが、後続のオンサイクルにおける蒸発器142の適切な性能を示す少なくとも閾値温度まで加温されたかどうかを判定する。例えば、二温度閾値は、37.0°F、38.0°F、39.5°F、又はユーザがプログラムした温度値であり得る。
【0038】
蒸発器142のコイルの感知された温度が閾値温度を超えている場合(「はい」)、制御システム154は、オフサイクル404を終了し、別のオンサイクル402を実行するようにTCEユニット100の構成要素を制御する(608)。一方、感知された温度が閾値温度未満である場合(「いいえ」)、蒸発器142のコイルは好ましい動作温度まで加温されていない。したがって、制御システム154は、一次除霜サイクル406Bが次のオフサイクル404中に実行されるように、メモリ156に指標を設定する(606)。蒸発器142が複数のコイル及び対応する温度センサを含む実施形態では、制御システム154は、感知された温度のいずれか1つが閾値温度を下回る場合に、一次除霜サイクルタイプを示すようにメモリ156に指標を設定し得る。決定604の結果に関係なく、制御システム154は、最小圧縮機オフ時間の満了後に次のオンサイクル402を実行することを理解されたい。
【0039】
図6Bに戻ると、
図4の自然除霜サイクル406Bを実行するための制御ロジックを示す例示的なフロー
図620が例解されている。自然除霜サイクル406Aと同様、二次除霜サイクル406B中、制御システム154は、空気除霜システムなどのより低出力の除霜システムを可能にする。自然除霜サイクル406Aとは異なり、制御システム154は、一次除霜サイクル406Bの継続時間を制御するコイル温度設定値を含む。したがって、最小圧縮機オフ時間の満了時に設定点コイル温度に達していない場合、一次除霜サイクル406Bは自然除霜サイクル406Aよりも長い期間運転し得る。それにもかかわらず、空気除霜システムは概して、二次除霜システムよりも少ない消費電力を引き出す。したがって、TCEユニット100の電力使用量を低減させるために、制御システム154は、二次除霜サイクル406Cを実行する前に一次除霜サイクル406Bを実行し得る。
【0040】
一次除霜サイクル406Bは、制御システム154が圧縮機139をオフ状態で動作するように切り替え、空気除霜システムをオン状態で動作するように制御する(622)ときに始まり得る。空気除霜システムが、オンサイクル402中にオン状態で動作する構成要素を含む場合、制御システム154は、空気除霜システムを同様に制御してオフ状態に切り替えることなく、圧縮機139を制御してオフ状態に切り替えることができる。
【0041】
決定624で、制御システム154は、最小圧縮機オフ時間が達成されたかどうかを判定する。例えば、最小圧縮機オフ時間は、3分、5分、10分、15分、又はユーザがプログラムした時間値であり得る。最小圧縮機オフ時間に達した後(「はい」)、制御システム154は、蒸発器142のコイルの温度を判定するためにセンサデータを取得する。例えば、制御システム154は、自然除霜サイクル406Aに関して上で説明される方法で温度データを取得することができる。決定626で、制御システム154は、取得した温度値を温度閾値と比較して、蒸発器142のコイルが、後続のオンサイクルにおける蒸発器142の適切な性能を示す少なくとも閾値温度まで加温されたかどうかを判定する。例えば、温度閾値は、37.0°F、38.0°F、39.5°F、又はユーザがプログラムした温度値であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、一次除霜サイクル406Bの最低温度閾値は、自然除霜サイクル406Aの最低温度閾値と同じである。他の実施形態では、一次除霜サイクル406Bの最低温度閾値は、自然除霜サイクル406Aの最低温度閾値よりも高いか、又は低い。
【0042】
内部空間122の温度が内部空間122内の物品に対する物品品質に影響を与える可能性がある点まで上昇すること可能にすることを回避するために、制御システム154は最大一次除霜時間設定でプログラムされ得る。例えば、最大一次除霜時間は、15分、20分、25分、又はユーザがプログラムした時間値であり得る。したがって、蒸発器142のコイルの感知された温度が最低温度閾値を下回り(「いいえ」、決定626)、最大一次除霜時間に達していない場合(「いいえ」、決定628)、制御システム154は、一次除霜システムの実行を継続し、蒸発器142のコイルの温度を示す追加の温度データを取得することができる。
【0043】
制御システム154が、最大一次除霜時間に達する前に、蒸発器142のコイルの温度が最低温度閾値を超えていることを感知した場合(「はい」、決定626)、それは、一次除霜サイクル406Bが蒸発器142のコイルを適切に除霜することができることを示す。したがって、制御システム154は、自然除霜サイクル406Aを示すようにメモリ156内の除霜サイクルタイプの指標を設定し(627)、別のオンサイクル402を実行するようにTCEユニット100の構成要素を制御し得る(634)。結果として、空気除霜システムは、次のオフサイクル404中にオン状態で動作されなくなり、それによってTCEユニット100の電力消費が低減される。
【0044】
一方、最大除霜時間が満たされる前に蒸発器142のコイルの温度が最低温度閾値を超えて上昇しない場合(決定628の「いいえ」)、決定630で、制御システム154は蒸発器142のコイルの現在の温度を二次温度閾値と比較する。二次温度閾値は、空気除霜システムが蒸発器142のコイルの除霜を十分に進めることができたかどうかを示す温度値に設定され得る。したがって、二次温度閾値は概して、一次除霜サイクル406Bの最低温度閾値よりも低い。例えば、二次温度閾値は、33.5°F、34.0°F、34.5°F、又はユーザがプログラムした温度値であり得る。
【0045】
制御システム154が、蒸発器142のコイルの温度が二次温度閾値を超えていると判断した場合(「はい」)、空気除霜システムは蒸発器142のコイルを十分に除霜することができると推測することができる(ただし、蒸発器のコイルを好ましいレベルまで除霜するには、空気除霜システムを更に動作させる必要がある)。したがって、制御システム154は、メモリ156内の除霜サイクルタイプの指標を変更することなく、別のオンサイクル402を実行するようにTCEユニット100の構成要素を制御し得る(634)。一方、制御システム154が蒸発器142のコイルの温度が二次温度閾値を下回っていると判断した場合(「いいえ」)、空気除霜システムが蒸発器142のコイルを十分に除霜することができないと推測することができる。したがって、制御システム154は、二次除霜サイクル406Cを示すようにメモリ156内の除霜サイクルタイプの指標を設定し(632)、別のオンサイクル402を実行するようにTCEユニット100の構成要素を制御し得る(634)。結果として、制御システム154は、次のオフサイクル404中に二次除霜サイクル406Cを実行する。蒸発器142が複数のコイル及び対応する温度センサを含む場合、制御システム154は、感知された温度のいずれか1つが閾値温度を下回る場合に、二次除霜サイクルタイプを示すようにメモリ156に指標を設定し得ることを理解されたい。
【0046】
図6Cに戻ると、
図4の二次除霜サイクル406Cを実行するための制御ロジックを示す例示的なフロー
図640が例解されている。一般的に言えば、二次除霜サイクル406C中、制御システム154は、ガス除霜システム及び/又は電気除霜システムなどのより高出力の二次除霜システムを可能にする。二次除霜サイクル406Cを実行する際の電力需要が増加するため、制御システム154は概して、他の除霜システムが蒸発器142のコイルを十分に除霜できなかったオフサイクル404中にのみ二次除霜サイクル406Cを実行することを理解されたい。
【0047】
二次除霜サイクル406Cは、制御システム154が圧縮機139をオフ状態で動作するように切り替え、二次除霜システムをオン状態で動作するように制御する(642)ときに始まり得る。制御システム154は、一次除霜サイクル406Bの決定624、626、及び628に関して説明したのと同様の形態で、決定644、646、及び650を進める。制御システム154は概して同じ論理ステップを実施するが、制御システム154は、決定646の最低コイル温度に対して異なる値を用いて構成され得、決定650の最大除霜時間は、一次除霜サイクル406Bの決定626及び626を実行するように構成されたものとは異なり得ることを理解されたい。例えば、最大二次除霜時間は30分であり得るが、最大一次除霜時間はわずか20分である。このため、二次除霜システムが蒸発器142のコイルを十分に除霜できない場合、TCEユニット100の1つ以上の構成要素に重大な欠陥が存在する可能性がある。したがって、最大二次除霜時間を長くすることによって、制御システム154には、より深刻な是正措置を始動する前に自己修正する追加の機会を提供する。
【0048】
制御システム154が、最大二次除霜時間に達する前に、蒸発器142のコイルの温度が最低温度閾値を超えていることを感知した場合(「はい」、決定646)、それは、二次除霜サイクル406Bが蒸発器142のコイルを適切に除霜することができることを示す。したがって、制御システム154は、自然除霜サイクル406Aを示すようにメモリ156内の除霜サイクルタイプの指標を設定し(648)、別のオンサイクル402を実行するようにTCEユニット100の構成要素を制御し得る(658)。結果として、二次除霜システムは、次のオフサイクル404中にオン状態で動作されなくなり、それによってTCEユニット100の電力消費が低減される。二次除霜サイクル406Cは一般に、蒸発器142のコイル上にかなりの凝縮があるときに実行されるため、制御システム154は、後続のオンサイクル402を実行する前に、蒸発器142のコイルから溶け出した凝縮物を収集及び/又は蒸発させるための滴下サイクルを実行し得る(647)。
【0049】
一方、最大除霜時間が満たされる前に蒸発器142のコイルの温度が最低温度閾値を超えて上昇しない場合(決定650の「いいえ」)、決定652で、制御システム154は蒸発器142のコイルの現在の温度を二次温度閾値と比較する。したがって、制御システム154は、一次除霜サイクル406Bの決定630に関して説明したものと同様の技術を実施し得る。
【0050】
制御システム154が、蒸発器142のコイルの温度が二次温度閾値を超えていると判断した場合(「はい」)、二次除霜システムは蒸発器142のコイルを十分に除霜することができると推測することができる(ただし、蒸発器のコイルを好ましいレベルまで除霜するには、二次除霜システムを更に動作させる必要がある)。したがって、制御システム154は、メモリ156内の除霜サイクルタイプの指標を変更することなく、別のオンサイクル402を実行するようにTCEユニット100の構成要素を制御し得る(658)。
【0051】
一方、制御システム154が蒸発器142のコイルの温度が二次温度閾値を下回っていると判断した場合(「いいえ」)、二次除霜システムもまた蒸発器142のコイルを十分に除霜することができないと推測することができる。したがって、一次除霜サイクル406Bも二次除霜サイクル406Cも、蒸発器142のコイルの温度を好ましい動作レベルに戻すことができない。したがって、制御システム154は、TCEユニット100のオペレータに警報を送信し得る(654)。例えば、警報は、クライアントデバイス上で実行されるアプリケーションにおける指標、クライアントデバイスに送信されるテキスト及び/又はプッシュメッセージ、TCEユニット100の出力デバイスによって生成される音声警報、又は他の当業者の既知の警報技術であり得る。いくつかの実施形態では、TCEユニット100の構成要素への損傷の可能性を防止するために、制御システム154は制御ループ400を終え、保守点検が完了するまで別のオンサイクル402を実行しない場合がある。他の実施形態では、内部空間122に位置する物品への損傷を防止するために、制御システム154は、後続のオンサイクル402を動作し続け得る。したがって、メモリ156は、二次除霜サイクル406Cが蒸発器142のコイルを適切に除霜することができない場合に、制御システム154の好ましい動作の指標を記憶し得る。
【0052】
図6Dに戻ると、
図4のデマンド除霜サイクル406Dを実行するための制御ロジックを示す例示的なフロー
図660が例解されている。一般的に言えば、デマンド除霜サイクル406Dは、内部空間を完全に除霜するために実行される。例えば、いくつかのシナリオでは、温度データがTCEユニット100内の最も寒い場所を示さないように、上で説明されるセンサが誤配置される可能性がある。結果として、制御システム154によって感知されずに、霜及び/又は氷が蓄積する可能性がある。したがって、TCEユニット100のオペレータは、検出されない霜及び/又は氷の蓄積に確実に対処するために、デマンド除霜サイクル406Dを時折実行し得る。その継続時間のため、デマンド除霜サイクル406Dは、多くの場合、物品が内部空間122に位置する可能性が低い所定の時間枠中に実施されるようにスケジュールされる。
【0053】
デマンド除霜サイクル406Bは、制御システム154が圧縮機139をオフ状態で動作するように切り替え、空気除霜システムをオン状態で動作するように制御する(662)ときに始まり得る。フロー
図660は、空気除霜システムが、TCEユニット100の電力消費を低減するためにデマンド除霜サイクル406D中にオン状態で動作することを示していることを理解されたい。とはいえ、他の実施形態では、制御システム154は代わりに二次除霜システムを制御してオン状態で動作させ、デマンド除霜サイクル406Dに関連付けられた休止時間を低減し得る。
【0054】
決定664で、制御システム154は、蒸発器142のコイルの閾値温度に達するまで空気除霜システムを動作させる。デマンド除霜サイクル406Dの閾値温度は、典型的に、一次除霜サイクル406B及び/又は二次除霜サイクル406Cの最低温度閾値よりも高いことを理解されたい。例えば、デマンド除霜サイクルの温度閾値は、50°F、55.0°F、58.5°F、又はユーザがプログラムした温度値であり得る。制御システム154が蒸発器142のコイルの閾値温度に達したこと(「はい」)を検出した後、制御システム154は、自然除霜サイクル406Aを示すようにメモリ156内の除霜サイクルタイプの指標を設定し(666)、別のオンサイクル402を実行するようにTCEユニット100の構成要素を制御し得る(668)。
【0055】
上で言及されるように、本明細書に説明されるシステム及び方法の態様は、1つ以上の制御システム及び/又はそのコントローラによって制御される。1つ以上の制御システムは、様々なアプリケーションプログラムを走らせ、関連するデータベースへのデータへのアクセス及びデータの記憶を含む、データへのアクセス及び記憶を行い、本明細書で説明されるような1つ以上の相互作用を可能にするように適合され得る。典型的に、制御システムは1つ以上のプログラム可能なデータ処理デバイスによって実装される。このようなデバイスのハードウェア要素、オペレーティングシステム、及びプログラミング言語は本質的に従来のものであり、当業者はそれらに十分精通していると推定される。
【0056】
1つ以上の制御システムはまた、1つ以上の処理システムと通信するための1つ以上の入出力インターフェースを含み得る。図示されていないが、1つ以上のそのようなインターフェースは、ネットワークを介した通信を可能にし、例えば、命令を電子的に送受信することを可能にし得る。通信リンクは、有線又は無線であり得る。
【0057】
1つ以上の制御システムは、1つ以上の出力機構(例えば、モニタ、プリンタ、タッチスクリーン、動き感知入力デバイス、スピーカ、オーディオ出力など)及び制御システムの1つ以上のユーザインターフェースとして機能する1つ以上の入力機構(キーボード、マウス、音声、タッチスクリーンなど)と相互接続するための適切な入出力ポートを更に含み得る。例えば、1つ以上の制御システムは、出力機構を駆動するためのグラフィックスサブシステムを含み得る。制御システムとシステムの入力又は出力機構の間のリンクは、有線接続であり得るか、又は無線通信を使用し得る。
【0058】
したがって、本明細書で提供されるシステム及び方法の態様は、関連する機能を制御するためのハードウェア及びソフトウェアを包含する。ソフトウェアは、コントローラ又は他のプログラム可能な機器に関連するステップを実施させるためのコード又は実行可能命令の形態を採り得、ここで、コード又は命令は、コントローラ又は他のマシンによって読み取り可能な媒体によって搬送されるか、又は他の方法で媒体に組み込まれる。このような動作を実装するための命令又はコードは、任意の有形読み取り可能な媒体に記憶又は搬送される任意の形態(例えば、ソースコード、オブジェクトコード、解釈されたコードなど)のコンピュータ命令の形態であり得る。
【0059】
本明細書で使用される場合、コンピュータ又は機械の「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。このような媒体は、多くの形態を採り得る。不揮発性記憶媒体には、例えば、図面に示される任意のコンピュータ内の任意の記憶装置などの光ディスク又は磁気ディスクが含まれる。揮発性記憶媒体には、そのようなコンピュータプラットフォームのメモリなどの動的メモリが含まれる。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の物理媒体、RAM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM、他のメモリチップ若しくはカートリッジ、又はコントローラがプログラミングコード及び/若しくはデータを読み取ることができる他の媒体が含まれる。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサに実行のために伝達することに関与する可能性がある。
【0060】
本明細書に説明される実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかであることに留意されたい。このような変更及び修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、またそれに付随する利点を損なうことなく行い得る。例えば、システム及び方法の様々な実施形態は、本明細書で提供される主題からの特徴及び機能の様々な組み合わせに基づいて、提供され得る。
【国際調査報告】