IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サエス・ゲッターズ・エッセ・ピ・アの特許一覧

特表2024-522635食品容器真空排気モジュール及びそのための食品容器を備える食品容器真空排気システム
<>
  • 特表-食品容器真空排気モジュール及びそのための食品容器を備える食品容器真空排気システム 図1
  • 特表-食品容器真空排気モジュール及びそのための食品容器を備える食品容器真空排気システム 図2
  • 特表-食品容器真空排気モジュール及びそのための食品容器を備える食品容器真空排気システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】食品容器真空排気モジュール及びそのための食品容器を備える食品容器真空排気システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 31/04 20060101AFI20240614BHJP
   B65D 81/20 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B65B31/04 Z
B65D81/20 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023575924
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2022065743
(87)【国際公開番号】W WO2022258774
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102021000015143
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511020829
【氏名又は名称】サエス・ゲッターズ・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・フィリッポ・バタヴィア
(72)【発明者】
【氏名】ジネーヴラ・デッラ・ポールタ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・カデッリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・コンテ
【テーマコード(参考)】
3E053
3E067
【Fターム(参考)】
3E053AA01
3E053BA05
3E053CA01
3E053CA09
3E053DA02
3E053DA03
3E053DA04
3E053GA19
3E053JA09
3E053JA10
3E067AB01
3E067AC01
3E067BA01A
3E067BA12A
3E067BB11A
3E067BB13A
3E067BB14A
3E067BC02A
3E067BC07A
3E067CA04
3E067FA01
3E067FC01
3E067GA01
3E067GD01
3E067GD02
(57)【要約】
本発明は、達成可能な真空に関して性能を向上させることが可能であり、また携帯可能で使用が容易である食品容器真空排気モジュール(31)、それを備える食品容器真空排気システム(300)、及びそのような食品容器真空排気システム(300)内で使用されるのに適した食品容器(33)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部及び底部を有するケース(11)を備える食品容器真空排気モジュール(10;20;31)であって、
前記ケースが吸引ヘッド(14’)を有する真空ポンプ(14)を収容し、
前記ケース(11)の前記底部には、前記吸引ヘッド(14’)を食品容器(33)の蓋(330)上に位置する真空排気調整手段と結合するための手段(140;12)が存在し、
前記真空ポンプ(14)の重量が100gと600gとの間に含まれ、そのポンプ流量が20000パスカルの残留圧力で少なくとも0.2l/分であり、
前記ケース(11)が、高さが10cmと25cmとの間に含まれ、幅が5cmと15cmとの間に含まれ、奥行が3cmと7cmとの間に含まれるボックスであって直径が10mmと80mmとの間に含まれるボックスに内接可能であり、高さが3mmと50mmとの間に含まれる2つの円形突起(12、13;312、313)が前記ケース(11)の前記底部に存在し、前記上述されたボックスの寸法のために考慮されない、食品容器真空排気モジュール。
【請求項2】
前記ポンプ流量が、15000パスカルの残留圧力で少なくとも0.1l/分である、請求項1に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項3】
前記真空ポンプ(14)が、ダブルヘッドT型ダイアフラムポンプ、シングルヘッドL型ポンプ、ローリングダイアフラムポンプ、線形ダイアフラムポンプから選択される、請求項1または2に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項4】
前記真空ポンプ(14)を除く前記食品容器真空排気モジュール(10;20;31)のすべての要素の累積重量が、250gと400gとの間に含まれる、請求項1から3のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項5】
好ましくは1Whと20Whとの間、より好ましくは2Whと15Whとの間に含まれるエネルギーを有する1以上の充電式バッテリパック(15、15’)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項6】
圧力変換器(18;28)、好ましくは0パスカル~100000パスカルの圧力範囲で動作する圧力変換器(18;28)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項7】
前記吸引ヘッド(14’)を自動的に排気するための弁(17)を備え、そのような弁が、好ましくは形状記憶合金(SMA)ワイヤ制御弁、電磁弁、または圧電弁から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項8】
ディスプレイ(19)を、好ましくは前記ケース(11)の前記上部に備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項9】
外部真空配管接続用の前記吸引ヘッド(14’)と連通するポートを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項10】
食品容器(33)に結合するための手段を有するガスボトル(231)を備え、前記ガスボトル(231)の内部容積が、好ましくは5cmと20cmとの間に含まれる、請求項1から9のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項11】
前記ケース(11)の材料が、プラスチック、好ましくはアクリロニトリルブタジエンスチレンプラスチック(ABS)またはポリカーボネート(PC)を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項12】
前記ケース(11)が、好ましくは15重量%と35重量%との間に含まれる量のガラス繊維で強化されたナイロンで設計された内部支持構造を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項13】
・電源モジュール(32)と、
・請求項1から12のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール(10;20;31)と、
・蓋(330)を有し、前記蓋(330)上に第1及び第2の突出結合円部(331、332)を有する食品容器(33)であって、前記円部(331、332)の高さが3mmと10mmとの間に含まれる、食品容器(33)と
を備える、食品容器真空排気システム。
【請求項14】
前記第1の結合円部(331)が前記食品容器(33)を真空排気するためのものであり、前記第2の結合円部(332)が前記真空排気モジュール(10;31)と機械的に結合するためのものである、請求項13に記載の食品容器真空排気システム。
【請求項15】
前記第1の結合円部(331)が前記食品容器(33)を真空排気するためのものであり、前記第2の結合円部(332)が、請求項10に記載の食品容器真空排気モジュール(20)から来るガスまたはガス混合物を前記食品容器(33)に導入するためのものである、請求項13に記載の食品容器真空排気システム。
【請求項16】
前記電源モジュール(32)が、請求項5から12のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール(10;31)に結合されるのに適したワイヤレス充電器であり、前記底部に充電インターフェース(13;313)が設けられる、請求項13または14に記載の食品容器真空排気システム。
【請求項17】
前記食品容器真空排気モジュール(10;20;31)用の電源コード及び変圧器を備える、請求項13から15のいずれか一項に記載の食品容器真空排気システム。
【請求項18】
100mmと220mmとの間に含まれる直径及び0.2リットルと2リットルとの間に含まれる内部容積を有する円形蓋(330)を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール(10;20;31)と結合するための食品容器。
【請求項19】
蓋(330)上に第1及び第2の突出結合円部(331、332)を備え、前記円部(331、332)の高さが3mmと10mmとの間に含まれる、請求項18に記載の食品容器。
【請求項20】
前記食品容器が、以下の特徴:
・第1の容器が、180mmと220mmとの間に含まれる蓋直径、及び1.3リットルと2.0リットルとの間に含まれる内部容積を有すること、
・第2の容器が、150mmと180mmとの間に含まれる蓋直径、及び0.75リットルと1.0リットルとの間に含まれる内部容積を有すること、
・第3の容器が、100mmと150mmとの間に含まれる蓋直径、及び0.2リットルと0.5リットルとの間に含まれる内部容積を有すること、
を有する3つの容器のキットの1つである、請求項18または19に記載の食品容器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
食品の寿命及び貯蔵を改善するための真空の使用、またはより正確には、減圧下での食品容器の使用は、例えば、特許文献1に記載されているように、何年も前から一般に知られている。
【0002】
前記特許に詳述されているシステムはかさばるが、家庭用のポータブルデバイスは、特許文献2~特許文献4に記載されている。
【0003】
言うまでもなく、好気性分解プロセスは容器内の酸素濃度に比例するので、食品容器内部の圧力が低いほど食品保存は良好である。この点に関して、家庭用の食品真空システムのほとんどが、限られた真空レベル、すなわち、約400mbar~約500mbar(40000パスカル~50000パスカル)ほどを実現することが可能であることに言及することは注目に値する。
【0004】
また、既知の技術のポータブルシステムに固有の追加の制限は、真空排気される容器との真空化ユニットの結合である。そのような動作は、時々、垂直に細長い要素が本質的に垂直な平面(容器の蓋)で蓋弁にしっかりと結合される必要があるので、完全に単純ではないことが多い。結合における間違いを回避するために、特に始動段階中に、食品容器上の真空モジュールの位置決めに細心の注意を払わなければならない。この問題は、正確な結合を保証し、したがってシステムが機能することを可能にする機械的拘束の使用によって克服することができ、これらの機械的拘束は通常移動可能であり、摩耗を受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5054266号明細書
【特許文献2】国際公開第2002/046062号パンフレット
【特許文献3】米国特許第7096893号明細書
【特許文献4】米国特許第7389629号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
真空排気装置の性能を向上させると、構成要素の重量に起因して、特に真空ポンプの重量に関して可搬性要件が失われ、そのようなシステムは、通常、大きい長方形のベースを有する常駐システムである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、食品容器内のより高い真空度を実現することが可能なポータブルシステムを用いて既知の技術の欠点を克服することであり、その第1の態様では、吸引ヘッドを有する真空ポンプを収容するケースを備える食品容器真空排気モジュールにあり、食品容器真空排気モジュールの底部には、真空ポンプ吸引ヘッドを食品容器と結合するための手段が存在し、真空ポンプ重量は100gと600gとの間に含まれ、そのポンプ流量は20000パスカルの残留圧力で少なくとも0.2l/分であり、ケースは、高さが10cmと25cmとの間に含まれ、幅が5cmと15cmとの間に含まれ、奥行が3cmと7cmとの間に含まれるボックスに内接可能であり、その直径が10mmと80mmとの間に含まれ、高さが3mmと50mmとの間に含まれる2つの円形突起がケースの底部に存在し、上述されたボックスの寸法のために考慮されない。好ましくは、本発明の真空排気モジュールは、15000パスカルで少なくとも0.1l/分の流量を有する真空ポンプを備える。
【0008】
特定の寸法を有する「ボックス内に内接可能」という用語は、ケースがそのようなボックス内に留まる/収容されることを示す。
【0009】
本発明による食品容器真空排気モジュールの技術的特徴の組合せは、真空排気モジュールと真空排気される食品容器との間の確実な結合に関して、システムの可搬性及び使いやすさと組み合わされた高度の動作性能を実現することを可能にする。
【0010】
所与の動作圧力におけるポンプ重量とポンプ流量の組合せは、当業者が、通常ポンプマニュアル内で真空ポンプ製造業者によって提供される情報を単に見ることにより、本発明を実践するために低減するのに適したポンプを明確に識別することを可能にする要素である。
【0011】
本発明は、以下の図を利用してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の最も好ましい実施形態による、食品容器真空排気モジュールの破断図の概略図である。
図2】本発明の第2の実施形態による、食品容器真空排気モジュールの破断図の概略図である。
図3】本発明の好ましい実施形態による、食品真空排気システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記の図は代表的な概略図及び図であり、そのため、寸法または寸法比は、本発明による特定の要素、構成要素、モジュール、システムを単に示すと見なされるべきであることが強調されるべきである。
【0014】
その上、電気トラック及び電気回路などのいくつかの補助要素は、本発明のコア及びその基礎となる原理を例示及び理解するために必須ではないので、表されていない。
【0015】
図1は、本発明による食品容器真空排気モジュール10の第1の実施形態の破断図を示し、第1の実施形態は、その下部がいくらか双眼鏡のような形状のケース11を備え、2つの円形要素12、13がケース11の底部から突出する。円形要素12、13は、外部環境とのインターフェース要素として機能し、各々が異なる機能を果たす。
【0016】
円形要素12は、真空排気される食品容器の蓋の上の適合する弁と結合するのに適している。例えば、前述特許文献2及び特許文献3に記載されているように、その詳細な構造及び真空排気される適切な食品容器と結合するための手段は、当業者に広く知られているので、本発明の主題ではないことに留意されたい。以下では、円形要素12はまた、同等に「真空化インターフェース」として定義される。
【0017】
円形要素13は、充電式バッテリ15、15’を充電するために充電ベースと結合するのに適した受信機を備える。バッテリ15、15’を充電するための詳細な構造及び結合手段、並びに充電制御ルーチンは、例えば、米国特許第2012/249064号明細書に記載されているように、当業者に広く知られており、携帯電話充電のために電気通信分野で広く普及しているので、本発明の主題ではないことに留意されたい。以下では、円形要素13はまた、同等に「充電インターフェース」として定義される。
【0018】
言うまでもなく、ケース11内には、モジュール10の動作状態並びに他の有用な情報、例えば真空レベル及びバッテリレベルを示すために、T字形ポンプ14及びディスプレイ19に電流を供給する充電式バッテリ15、15’に電流を送達するための適切な電気回路(図示せず)が存在する。バッテリ15、15’はまた、モジュール(図示せず)内に存在するプリント回路基板(PCB)である制御電子機器モジュールに電流を供給する。
【0019】
好ましくは、制御電子機器モジュールは、2つの動作モードである、食品容器真空排気モジュールが完全な真空化容量で動作するとき、すなわち、結合された容器内の残留圧力が約50mbar(5000パスカル)に達するときの標準モードと、残留圧力が約200mbar(20000パスカル)に留まるときの「ソフト真空」との間で切り替えることができるべきである。そのような二重動作モードは、より多くの多用途性を可能にし、ベリーなどの「ソフトシェル」食品と一緒の使用を可能にする。
【0020】
高圧動作の場合、本発明によるシステム、すなわち、20000パスカルの残留圧力で少なくとも0.2l/分の流量を有するポンプを備えるシステムは、短時間で目標圧力に達することを保証する。これは、標準モードに関連付けられた主な利点、すなわち、1分未満で50mbarに達する能力に関して、本発明の二次的利点である。
【0021】
ポンプ14は、2つの主要部分、すなわちモータ14”及び吸引ヘッド14’によって構成され、接続管140が吸引ヘッド14’を真空化インターフェース12と連通させる。バッテリ15、15’はまた、適切な真空レベルに達すると、結合された食品容器の解放を可能にするために、接続管170を介して真空化インターフェース12にも接続された開放弁17に電流を供給する。そのような真空レベルは、管180を介して真空化インターフェース12に接続された圧力変換器18によって測定することができる。開放弁17は、自動または手動で制御される場合があり、自動制御開放弁の場合、好ましいものは、形状記憶合金(SMA)ワイヤ、電磁弁、または圧電弁に基づくものである。
【0022】
上述されたように、本発明は、優れた真空レベルを実現することを可能にし、コンパクトかつ軽量であり、より具体的には、それらの仕様によれば、20000パスカルの残留圧力で少なくとも0.2l/分のポンプ流量を有するポンプの使用を特徴とする。
【0023】
そのような特徴は、通常、ポンプ自体とともに提供される分布曲線により、またはポンプを適切なテストベンチに接続することによって容易に検証することができる。この点に関して、ポンプ要件は、20000パスカル以下の残留圧力(実際の環境では、試験条件として絶対圧力値を表すことは意味がない)でポンプ流量が0.2l/分以上、好ましくは15000パスカルで0.1l/分以上である場合に満たされる。ポンプが使用されるのに適しているかどうかを検証する別の方法は、大気圧からの真空排気サイクル中に、直接測定された、もしくは流量/圧力曲線によって外挿された20000パスカルでのデータ点が少なくとも0.2l/分のポンプ流量を提供するかどうか、または好ましくは15000パスカルのデータ点が少なくとも0.1l/分のポンプ流量を提供するかどうかを検証することである。
【0024】
本発明は、好ましいポンプが、いわゆるダブルヘッドT型ダイアフラムポンプ、シングルヘッドL型ポンプ、ローリングダイアフラムポンプ、及び線形ダイアフラムポンプである場合でも、特定の圧力レベルで流量に関する上記の指定された条件を満たす限り、特定のタイプのポンプに限定されない。その上、そのようなポンプはまた、100gと600gとの間に含まれる重量を有するという条件を満たすものとする。
【0025】
ケース11の材料に関して、プラスチック、より好ましくはアクリロニトリルブタジエンスチレンプラスチック(ABS)またはポリカーボネート(PC)を使用することが好ましい。好ましい解決策は、ケースの形状及び選択されるプラスチック材料が射出成形プロセスに最適化されるようなものであり、上記で指定されたものが好ましい材料であるが、当業者は他の変形形態を選択する方法を直ちに知っており、例えば、Procedia CIRP、第90巻、2020年、504頁~509頁に掲載されたVassalloらによる論文「The impact of polymer selection and recycling on the sustainability of injection moulded parts」を参照されたい。
【0026】
好ましくは、ケース11は、強度と振動吸収を組み合わせることが最良の解決策であるため、好ましくは(支持構造の重量に対して計算された)15重量%と35重量%との間に含まれる量で、ガラス繊維で強化されたナイロンで設計された内部支持構造を有する。変異形態は、耐摩耗性、軽量性、強度、持続可能性/リサイクル性などの様々な特性の点の観点から有利であり得るので、材料再生プラスチック、バイオプラスチック、鋼、アルミニウム合金、または木材を構成するものとして含むことができる。
【0027】
より詳細には、食品容器真空排気モジュール10の最適で容易な取り扱い及び可搬性を維持するために、真空ポンプを除く構成要素の全重量は、250gと400gとの間に含まれるべきである。
【0028】
同じ理由で、ケース11の形状は、高さが10cmと25cmとの間に含まれ、幅が5cmと15cmとの間に含まれ、奥行が3cmと7cmとの間に含まれるボックスに内接可能である。直径が10mmと80mmとの間に含まれ、高さが3mmと50mmとの間に含まれる2つの円形突起は、ケース11の底部から突出し(すなわち、食品容器結合用部品)、上述されたボックスの寸法のために考慮されない。
【0029】
ケースの形状は、上記の幾何学的要件を満たす限り変化してもよいが、取り扱いを容易にするために丸みを帯びた形状を使用することが好ましく、下部が一対の双眼鏡に似たものが最も好ましい。
【0030】
図1に記載された食品容器真空排気モジュール10は、本発明による好ましい実施形態であり、その本質的な特徴は、本出願の最初の請求項に列挙されており、他のすべての特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって任意選択的であるかまたは容易に修正可能であることが強調されるべきである。
【0031】
この点に関して、圧力レベルは、それほど正確ではないが、真空ポンプによって吸収される動力から(圧力が低いほど、吸収電流は低くなる)、または真空ポンプの動作時間に基づく評価によって決定することができるので、その好ましい動作範囲が0パスカル~100000パスカルである圧力変換器18は、任意選択要素と見なされるべきである。
【0032】
そのエネルギーが好ましくは1Wh~20Whの間、より好ましくは2Whと15Whとの間である充電式バッテリを再充電する好ましい方法は、図3に概説されているもの、すなわち誘導ワイヤレス充電によるものである。あるいは、適切な変圧器によってケーブルを介して電力を供給するために、適切なソケットがケース11内に存在することができる。これはまた、バッテリが枯渇したときのモジュール動作、または常駐する充電式バッテリがない代替の(かつより軽量の)実施形態も可能にするが、これは電源ケーブル接続の制約のためにシステムの可搬性を打ち消す。
【0033】
本発明は特定のタイプのディスプレイに限定されないが、好ましいものは有機発光デバイス(OLED)である。また、いくつかの代替の実施形態では、ディスプレイは、異なる色インジケータを有するLEDライト、サウンドタイプ通信、触覚フィードバックなどの他のタイプの通信要素及びインターフェースと置き換えることができる。
【0034】
モジュールのオン操作は、ボタンまたは同様の機械的機構(レバー、機械スイッチ)を介して、またはタッチスクリーンディスプレイを介して実現されてもよい。オフにすることは、手動で設定されても、食品容器真空排気モジュールに接続された食品容器内で適切な真空が実現されると自動で駆動されてもよい。同時に、モジュール10は、いくつかの他の追加要素を提示することができ、例えば、真空ポンプの動作中のノイズに応じて真空ポンプマフラが追加されてもよい。
【0035】
また、別の任意選択要素は、変形可能な食品含有要素(すなわち、プラスチック袋/バッグ)を真空排気するために、またはより一般的には異なるタイプの食品容器用のバルブと結合するために、モジュールケースの外部の配管要素を真空ポンプ吸引ヘッドと接続するためのポートである。
【0036】
本発明による食品容器真空排気モジュール20の第2の実施形態の破断図の概略図が図2に示されている。図1に対する主な違いは、充電インターフェース13が、電子ドライバ232によって開閉が制御されるガスボトル231と置き換えられている一方で、充電式バッテリが、商用電源に接続するために食品容器真空排気モジュールケース内の適切なソケットを介して再充電することができ、商用電源ソケットに近接する必要なしにその可搬性及び使用を可能にすることである。
【0037】
ガスボトル231は、再充填可能または交換可能であり、その容積は、好ましくは5cmと20cmとの間に含まれる。交換可能なボトルは、異なるガスを食品容器に挿入することをより容易にし、したがって保護改質雰囲気を食品に調整して保存することを可能にし、そのような目的のために使用される好ましいガスは、窒素、二酸化炭素、アルゴン、及びそれらの混合物である。食品保存のための真空化と一緒になった様々なガスの役割に関するいくつかの情報は、例えば、A.R.Daviesによる書籍「Food Preservatives」の「Modified atmospheres and vacuum packaging」の章に見出すことができる。
【0038】
加えて、圧力変換器28は異なる位置に配置され、モジュール20に結合される容器は、ガスボトル231との流体密封結合のための適切なインターフェースを明らかに提示するものとする。
【0039】
その第2の態様では、本発明は、電源モジュール32と、食品容器真空排気モジュール31と、食品容器33とを備える、図3に示された食品容器真空排気システム300に固有であり、前記真空排気モジュール31は、吸引ヘッドを有する真空ポンプを収容するケースを備え、ケースの底部には、真空ポンプ吸引ヘッドを食品容器33と結合するための手段が存在する。このシステム300は、真空ポンプ重量が100gと600gとの間に含まれ、真空ポンプのポンプ流量が20000パスカルの残留圧力で少なくとも0.2l/分である(すなわち、真空排気モジュール10と同じである)ことと、食品容器33がその蓋330の上に第1及び第2の突出結合円部331、332を有し、前記円の高さが3mmと10mmとの間に含まれることとを特徴とする。
【0040】
真空排気モジュール31は、オン/オフボタン311を有し、下部には、真空化インターフェース312及び充電インターフェース313が存在する。
【0041】
食品容器蓋330上の第1の結合円部331は、食品容器33の能動的な真空化のためのものであり、それは、安全かつ効率的な方法で食品容器雰囲気を真空ポンプ吸引ヘッドと流体連通させるのに適した要素を提示することを意味する。すなわち、それは、例えば、開放弁の作動を介した食品容器からの真空排気モジュール31の解放中に、食品容器33への望ましくない空気の進入を防止することが可能な逆止弁を提示し、同時に、真空排気中の食品容器33からの真空排気モジュール31内のいかなる吐出も防止する。
【0042】
好ましい実施形態では、容器33の換気は、食品が消費/アクセスされるときに周囲空気が入ることを可能にするように開くことができる排出弁を介して直接行われる。この点に関して、好ましい解決策は、特許文献2に記載されているように、空気の進入を可能にするためにストラップなどの昇降機構の使用を想定している。
【0043】
食品容器蓋330の第2の結合円部332は、真空排気モジュール31の充電インターフェース313との機械的結合を介して動作中に真空システムに機械的安定性を提供するための単なる蓋突出部である。言うまでもなく、結合円部331、332の内径は、それぞれ、真空化インターフェース312及び充電インターフェース313の外径と実質的に一致しなければならない。
【0044】
ワイヤレス充電ベース32は、真空排気モジュール31の充電インターフェース313への適切な結合及びエネルギー伝達のための誘導充電要素322を有する。その上、それは、充電中に真空排気モジュール31を定位置に保持するために、その先端に隆起した縁部321、321’を提示する。
【0045】
システム300の変形形態は、図2に示された真空排気モジュール20を使用し、それによってシステムはワイヤレス充電ベースを含まないが、場合によっては支持ベースを含む。この変形形態では、第2の結合円部332は、真空排気モジュール20内のガスボトル231との接続中にガス状保護雰囲気を注入し、その後その切断後に容器を密封するための適切な流体密封インターフェースと置き換えられる。食品保存のために真空と改質雰囲気を組み合わせる利点は、例えば、米国特許第8240158号に記載されている。
【0046】
本発明による食品容器真空排気システム用の電源に関して、それは、電圧幹線への直接接続を可能にする変圧器、またはすでに概説されたように、真空排気モジュールに収容されたバッテリパックが、再充電ベース、好ましくはワイヤレス再充電ベースと結合されるか、または上述された変圧器を介して充電されることを可能にする変圧器であり得る。
【0047】
その第3の態様では、本発明は、本発明による食品容器真空排気モジュールと結合されるのに適した食品容器から構成され、前記容器は、蓋を含み、0.2リットルと2リットルの間に含まれる内部容積を有する。
【0048】
食品容器の蓋は、好ましくは、100mmと220mmとの間の直径を有する円形であり、その内部で到達する圧力レベルに対する耐性を改善するために凸形状を有する。蓋は、真空排気モジュールの充電インターフェース及び真空化インターフェースの位置及び外径と適合する2つの円形外側突起を有し、前記突起は、真空排気モジュールと容器との間の結合を改善する機能に加えて、構造補強リブとして作用することによって蓋構造を補強する機能を有する。
【0049】
本発明は、蓋が外部環境と真空排気された容器との間の圧力差に耐えることができる限り、いかなる蓋材料にもいかなる特定の蓋厚さにも限定されないことが強調されるべきである。そのようなパラメータの組合せは、食品容器内の最終的な真空レベル及び合理的な厚さを考慮して、当業者によって容易に確認可能である。最も有用な材料は、30MPaと300MPaとの間に含まれる曲げ強度を有する。好ましい実施形態では、蓋はプラスチック材料で作られ、その最小厚さは材料の曲げ強度に応じて選択され、より堅牢な材料の場合は約1mmから始まる。
【0050】
蓋の最小厚さは、通常、2つの食品容器真空排気モジュール突出部を収容するための窪みに対応する。
【0051】
好ましくは、容器は、第1、第2、及び第3の容器によって構成される食品容器のキットの一部であり、第1の容器は、180mmと220mmとの間に含まれる蓋直径、及び1.3リットルと2.0リットルとの間に含まれる内部容積を有し、第2の容器は、150mmと180mmとの間に含まれる蓋直径、及び0.75リットルと1.0リットルとの間に含まれる内部容積を有し、第3の容器は、100mmと150mmとの間に含まれる蓋直径、及び0.2リットルと0.5リットルとの間に含まれる内部容積を有する。
【符号の説明】
【0052】
10 食品容器真空排気モジュール、11 ケース、12 真空化インターフェース,円形要素、13 充電インターフェース,円形要素、14 T字形ポンプ、14’ 吸引ヘッド、14” モータ、15,15’ 充電式バッテリ、17 開放弁、18,28 圧力変換器、19 ディスプレイ、20,31 食品容器真空排気モジュール、32 電源モジュール,ワイヤレス充電ベース、33 食品容器、140,170 接続管、180 管、231 ガスボトル、232 電子ドライバ、300 食品容器真空排気システム、311 オン/オフボタン、312 真空化インターフェース、313 充電インターフェース、321,321’ 縁部、322 誘導充電要素、330 食品容器蓋、331 第1の結合円部,突出結合円部、332 第2の結合円部,突出結合円部
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部及び底部を有するケース(11)を備える食品容器真空排気モジュール(10;20;31)であって、
前記ケースが吸引ヘッド(14’)を有する真空ポンプ(14)を収容し、
前記ケース(11)の前記底部には、前記吸引ヘッド(14’)を食品容器(33)の蓋(330)上に位置する真空排気調整手段と結合するための手段(140;12)が存在し、
前記真空ポンプ(14)の重量が100gと600gとの間に含まれ、そのポンプ流量が20000パスカルの残留圧力で少なくとも0.2l/分であり、
前記ケース(11)が、高さが10cmと25cmとの間に含まれ、幅が5cmと15cmとの間に含まれ、奥行が3cmと7cmとの間に含まれるボックスであって直径が10mmと80mmとの間に含まれるボックスに内接可能であり、高さが3mmと50mmとの間に含まれる2つの円形突起(12、13;312、313)が前記ケース(11)の前記底部に存在し、前記上述されたボックスの寸法のために考慮されない、食品容器真空排気モジュール。
【請求項2】
前記ポンプ流量が、15000パスカルの残留圧力で少なくとも0.1l/分である、請求項1に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項3】
前記真空ポンプ(14)が、ダブルヘッドT型ダイアフラムポンプ、シングルヘッドL型ポンプ、ローリングダイアフラムポンプ、線形ダイアフラムポンプから選択される、請求項1または2に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項4】
前記真空ポンプ(14)を除く前記食品容器真空排気モジュール(10;20;31)のすべての要素の累積重量が、250gと400gとの間に含まれる、請求項1から3のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項5】
好ましくは1Whと20Whとの間、より好ましくは2Whと15Whとの間に含まれるエネルギーを有する1以上の充電式バッテリパック(15、15’)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項6】
圧力変換器(18;28)、好ましくは0パスカル~100000パスカルの圧力範囲で動作する圧力変換器(18;28)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項7】
前記吸引ヘッド(14’)を自動的に排気するための弁(17)を備え、そのような弁が、好ましくは形状記憶合金(SMA)ワイヤ制御弁、電磁弁、または圧電弁から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項8】
ディスプレイ(19)を、好ましくは前記ケース(11)の前記上部に備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項9】
外部真空配管接続用の前記吸引ヘッド(14’)と連通するポートを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項10】
食品容器(33)に結合するための手段を有するガスボトル(231)を備え、前記ガスボトル(231)の内部容積が、好ましくは5cmと20cmとの間に含まれる、請求項1から9のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項11】
前記ケース(11)の材料が、プラスチック、好ましくはアクリロニトリルブタジエンスチレンプラスチック(ABS)またはポリカーボネート(PC)を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項12】
前記ケース(11)が、好ましくは15重量%と35重量%との間に含まれる量のガラス繊維で強化されたナイロンで設計された内部支持構造を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項13】
2つの動作モード、すなわち、結合された前記容器(33)内の前記残留圧力が約50mbar(5000パスカル)に達する標準モードと前記残留圧力が約200mbar(20000パスカル)に留まるときの「ソフト真空」との間で切替可能な制御電子機器モジュールを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール。
【請求項14】
・電源モジュール(32)と、
請求項1から13のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール(10;20;31)と、
・蓋(330)を有し、前記蓋(330)上に第1及び第2の突出結合円部(331、332)を有する食品容器(33)であって、前記円部(331、332)の高さが3mmと10mmとの間に含まれる、食品容器(33)と
を備える、食品容器真空排気システム。
【請求項15】
前記第1の結合円部(331)が前記食品容器(33)を真空排気するためのものであり、前記第2の結合円部(332)が前記真空排気モジュール(10;31)と機械的に結合するためのものである、請求項14に記載の食品容器真空排気システム。
【請求項16】
前記第1の結合円部(331)が前記食品容器(33)を真空排気するためのものであり、前記第2の結合円部(332)が、請求項10に記載の食品容器真空排気モジュール(20)から来るガスまたはガス混合物を前記食品容器(33)に導入するためのものである、請求項14に記載の食品容器真空排気システム。
【請求項17】
前記電源モジュール(32)が、請求項5から12のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール(10;31)に結合されるのに適したワイヤレス充電器であり、前記底部に充電インターフェース(13;313)が設けられる、請求項14または15に記載の食品容器真空排気システム。
【請求項18】
前記食品容器真空排気モジュール(10;20;31)用の電源コード及び変圧器を備える、請求項14から16のいずれか一項に記載の食品容器真空排気システム。
【請求項19】
請求項1から13のいずれか一項に記載の食品容器真空排気モジュール(10;20;31)と結合するための食品容器であって、
100mmと220mmとの間に含まれる直径及び0.2リットルと2リットルとの間に含まれる内部容積を有する円形蓋(330)を含み、
前記蓋(330)上に第1及び第2の突出結合円部(331、332)を備え、前記円部(331、332)の高さが3mmと10mmとの間に含まれる、食品容器
【請求項20】
前記食品容器が、以下の特徴:
・第1の容器が、180mmと220mmとの間に含まれる蓋直径、及び1.3リットルと2.0リットルとの間に含まれる内部容積を有すること、
・第2の容器が、150mmと180mmとの間に含まれる蓋直径、及び0.75リットルと1.0リットルとの間に含まれる内部容積を有すること、
・第3の容器が、100mmと150mmとの間に含まれる蓋直径、及び0.2リットルと0.5リットルとの間に含まれる内部容積を有すること、
を有する3つの容器のキットの1つである、請求項19に記載の食品容器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
同じ理由で、ケース11の形状は、高さが10cmと25cmとの間に含まれ、幅が5cmと15cmとの間に含まれ、奥行が3cmと7cmとの間に含まれるボックスに内接可能である。直径が10mmと80mmとの間に含まれ、高さが3mmと50mmとの間に含まれる2つの円形突起12、13は、ケース11の底部から突出し(すなわち、食品容器結合用部品)、上述されたボックスの寸法のために考慮されない。
【国際調査報告】