(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】衣類に適した複合不織布地のデボスおよびフリーツ加工方法、およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
D04H 1/4374 20120101AFI20240614BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20240614BHJP
D04H 1/46 20120101ALI20240614BHJP
D04H 3/16 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
D04H1/4374
A41D31/00 502E
D04H1/46
D04H3/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576107
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 CN2021114780
(87)【国際公開番号】W WO2023024022
(87)【国際公開日】2023-03-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195556
【氏名又は名称】柿沼 公二
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス ハートマン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァディム クリコヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ダラス ルンド
(72)【発明者】
【氏名】ニナ グエン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア ジェイ ストウブ
(72)【発明者】
【氏名】シャオジュン チュー
【テーマコード(参考)】
4L047
【Fターム(参考)】
4L047AB02
4L047AB03
4L047BA01
4L047CA01
4L047CC01
4L047EA05
4L047EA14
(57)【要約】
本発明は、少なくとも第1繊維交絡ウェブと、第2繊維交絡ウェブと、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層とを有する複合不織布地に関する。複合不織布地は、1つまたは複数のデボス部および1つまたは複数のプリーツ構造を含む異なる特徴を含む。
【選択図】
図27A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合不織布地であって、
第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、および前記第1繊維交絡ウェブと前記第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層を含む第1領域と、並びに
デボス部および前記第2繊維交絡ウェブを含む第2領域であり、前記デボス部は、前記弾性層内に一体化された前記第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を含むものである、該第2領域と、
を備える、複合不織布地。
【請求項2】
前記第1繊維交絡ウェブおよび前記弾性層は、前記第1領域において集合的に第1厚さを有し、また前記デボス部は、前記第1厚さとは異なる第2厚さを有する、請求項1に記載の複合不織布地。
【請求項3】
前記第2厚さは、前記第1厚さよりも約50%小さい、請求項2に記載の複合不織布地。
【請求項4】
前記第1繊維交絡ウェブは第1色を有し、また前記弾性層は前記第1色とは異なる第3色を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の複合不織布地。
【請求項5】
前記第1領域において、前記第1色は視認可能であり、また前記第3色は視野から少なくとも部分的に遮蔽されている、請求項4に記載の複合不織布地。
【請求項6】
前記第2領域において、前記第3色は視認可能である、請求項4~5のいずれか1項に記載の複合不織布地。
【請求項7】
前記第1領域において、前記複合不織布地の第1外向き側が少なくとも部分的に前記第1繊維交絡ウェブによって形成され、また前記第2領域において、前記第1外向き側が少なくとも部分的に前記デボス部によって形成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の複合不織布地。
【請求項8】
前記複合不織布地の対向する第2外向き側が、前記第1領域および前記第2領域において、前記第2繊維交絡ウェブによって形成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の複合不織布地。
【請求項9】
第1色を有する第1繊維交絡ウェブと、第2色を有する第2繊維交絡ウェブと、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する第3色を有する弾性層とを含む、複合不織布地にグラフィックを付与する方法であって、
前記弾性層が前記第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を包み込む膜を形成するように、前記複合不織布地の第1外向き側の第2領域に熱および圧力のうち1つまたは複数を加えるステップを含み、熱および圧力のうち1つまたは複数を加えた後、前記第2領域における第1外向き側の色が第3色であり、前記第1領域における第1外向き側の色が第1色であり、第2領域が前記複合不織布地の第1外向き側にグラフィックを形成する、方法。
【請求項10】
前記熱および圧力は同時に加えられる、請求項9に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法。
【請求項11】
前記複合不織布地の第1外向き側の前記第2領域に熱および圧力のうちの1つまたは複数を加えている間に、変形可能面が前記複合不織布地の対向する第2外向き側に隣接して配置される、請求項9~10のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法。
【請求項12】
前記複合不織布地の対向する第2外向き側において、前記複合不織布地の色は前記第1領域および第2領域において第2色である、請求項9~11のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法。
【請求項13】
デボス加工ツールが前記複合不織布地の第2領域に熱および圧力のうちの1つまたは複数を加える、請求項9~12のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法。
【請求項14】
前記デボス加工ツールは、約170℃~約190℃の温度で、前記複合不織布地の第1外向き側の第2領域に約28~約32秒間熱を与えるように構成されている、請求項13に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法。
【請求項15】
前記デボス加工ツールは、約180℃で、前記複合不織布地の第1外向き側の第2領域に約30秒間熱を与えるように構成されている、請求項13~14のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法。
【請求項16】
前記第2領域における複合不織布地の厚さは、第1領域における前記複合不織布地の厚さよりも約50%小さい、請求項9~15のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法。
【請求項17】
前記複合不織布地における第2繊維交絡ウェブの厚さが、前記第1領域および前記第2領域のそれぞれの約95%以内である、請求項9~16のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法。
【請求項18】
少なくとも前記第1色は前記第3色と異なる、請求項9~17のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法。
【請求項19】
衣料物品であって、
衣料物品の少なくとも一部を構成する複合不織布地であり、前記複合不織布地は、第1領域および第2領域を含み、前記第1領域は、第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、および前記第1繊維交絡ウェブと前記第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層を含み、前記第2領域は、第1デボス部および前記第2繊維交絡ウェブを含み、前記第1デボス部は、前記弾性層内に一体化された前記第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を含むものである、該複合不織布地を備える、衣料物品。
【請求項20】
前記第1デボス部は第1グラフィックを形成している、請求項19に記載の衣料物品。
【請求項21】
前記第1デボス部は前記衣料物品の外面で視認可能である、請求項19~20のいずれか1項に記載の衣料物品。
【請求項22】
前記第1デボス部は、前記衣料物品の内面で視認不能である、請求項19~21のいずれか1項に記載の衣料物品。
【請求項23】
前記弾性層内に一体化された前記第2繊維交絡ウェブからの複数の繊維を含む第2デボス部をさらに含む、請求項19~22のいずれか1項に記載の衣料物品。
【請求項24】
前記第2デボス部は、前記第1グラフィックとは外観が異なる第2グラフィックを形成している、請求項23に記載の衣料物品。
【請求項25】
前記第2デボス部は、前記衣料物品の内面で視認可能である、請求項23~24のいずれか1項に記載の衣料物品。
【請求項26】
前記第2デボス部は、前記衣料物品の外面で視認不能である、請求項23~25のいずれか1項に記載の衣料物品。
【請求項27】
前記衣料物品は上半身用衣料品である、請求項19~26のいずれか1項に記載の衣料物品。
【請求項28】
前記衣料物品は下半身用衣料品である、請求項19~26のいずれか1項に記載の衣料物品。
【請求項29】
前記第1繊維交絡ウェブおよび前記弾性層は、前記第1領域において第1厚さを有し、前記第1デボス部は、前記第2領域において、前記第1厚さよりも約50%小さい第2厚さを有する、請求項19~28のいずれか1項に記載の衣料物品。
【請求項30】
複合不織布地であって、
第1繊維交絡ウェブと、
第2繊維交絡ウェブと、
弾性層と、
前記第1繊維交絡ウェブと前記第2繊維交絡ウェブとの間に配置された弾性層を有する第1領域と、
第1領域に対してデボス加工された第2領域であり、この第2領域において、前記弾性層は、第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を包み込んでデボス部を形成するフィルムの形態であり、また前記第2繊維交絡ウェブは前記デボス部の下に配置されるものである、該第2領域と、
を備える、複合不織布地。
【請求項31】
前記デボス部は、複数の繊維とフィルムとで形成されるマトリックス構造を含む、請求項30に記載の複合不織布地。
【請求項32】
前記デボス部は、前記複合不織布地の第1外向き側の第1領域と異なる色を有する、請求項30~31のいずれか1項に記載の複合不織布地。
【請求項33】
前記複合不織布地における前記第2繊維交絡ウェブの厚さが、前記第1領域および前記第2領域のそれぞれの約95%以内である、請求項30~32のいずれか1項に記載の複合不織布地。
【請求項34】
第1外向き側および反対側の第2外向き側を有する複合不織布地であって、
第1色を有する第1繊維交絡ウェブと、
第2色を有する第2繊維交絡ウェブと、
少なくとも前記第1色とは異なる第3色を有する弾性層と、
前記第1繊維交絡ウェブと前記第2繊維交絡ウェブとの間に配置された弾性層を有する第1領域と、
第1領域に対してデボス加工された第2領域であり、第1外向き側から見ると、第1領域では第1色と実質的に同一の色を有し、第2領域では第3色と実質的に同一の色を有する、該第2領域と、
を備える、複合不織布地。
【請求項35】
前記第2外向き側から見ると、前記複合不織布地の色は、前記第1領域および前記第2領域において前記第2色と実質的に同一である、請求項34に記載の複合不織布地。
【請求項36】
前記第2領域における前記複合不織布地の厚さが、前記第1領域における前記複合不織布地の厚さよりも約50%小さい、請求項34~35のいずれか1項に記載の複合不織布地。
【請求項37】
複合不織布地であって、
第1溶融温度を有する第1材料を含む第1繊維交絡ウェブと、
第2溶融温度を有する第2材料を含む第2繊維交絡ウェブと、並びに
第1融解温度よりも約40℃低い第3融解温度を有する第3材料を含む弾性層と、
を備え、
前記複合不織布地は、前記第1繊維交絡ウェブと前記第2繊維交絡ウェブとの間に弾性層が配置された第1領域と、前記第1領域に対してデボス加工された第2領域と、を含み、前記第2領域では前記弾性層は、前記第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を包み込んでデボス部を形成するフィルムの形態であり、前記第2繊維交絡ウェブは前記デボス部の下に配置されている、複合不織布地。
【請求項38】
前記デボス部は、前記複数の繊維と前記フィルムとで形成されるマトリックス構造を含む、請求項37に記載の複合不織布地。
【請求項39】
前記デボス部は、前記複合不織布地の第1外向き側の前記第1領域と異なる色を有する、請求項37~38のいずれか1項に記載の複合不織布地。
【請求項40】
前記デボス部の厚さが、前記第1領域における前記第1繊維交絡ウェブおよび弾性層の厚さより約50%小さい、請求項37~39のいずれか1項に記載の複合不織布地。
【請求項41】
複合不織布地であって、
第1繊維交絡ウェブと、
第2繊維交絡ウェブと、および
少なくとも前記第1繊維交絡ウェブを形成する繊維よりも溶融温度が低い弾性繊維で形成された弾性層であり、前記複合不織布地は、前記第1繊維交絡ウェブと前記第2繊維交絡ウェブとの間に前記弾性層が配置された第1領域と、前記第1領域に対してデボス加工された第2領域とを含み、前記第2領域において、前記弾性層は、前記第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を包み込んでデボス部を形成するフィルムの形態であり、また前記第2繊維交絡ウェブは前記デボス部の下に配置されているものである、該弾性層と、
を備える、複合不織布地。
【請求項42】
前記第1繊維交絡ウェブおよび前記第2繊維交絡ウェブのそれぞれは、弾性層を形成する弾性繊維の長さよりも短い長さの短繊維を含む、請求項41に記載の複合不織布地。
【請求項43】
前記弾性繊維は、メルトブローン繊維およびスパンボンド繊維の少なくとも一つを含む、請求項41~42のいずれか1項に記載の複合不織布地。
【請求項44】
前記デボス部は、前記複合不織布地の第1外向き側の前記第1領域とは異なる色を有する、請求項41~43のいずれか1項に記載の複合不織布地。
【請求項45】
プリーツ構造であって、
第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、および前記第1繊維交絡ウェブと前記第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層を含む複合不織布地と、
前記第2繊維交絡ウェブの最外面に隣接して配置される弾力回復性構造化布地と、並びに
前記複合不織布地と前記弾力回復性構造化布地とで形成された複数のプリーツと、
を備える、プリーツ構造。
【請求項46】
前記1つまたは複数の第1領域において、弾力回復性構造化布地を前記第2繊維交絡ウェブに固定する接着層をさらに含む、請求項45に記載のプリーツ構造。
【請求項47】
前記弾力回復性構造化布地は、前記1つまたは複数の第1領域で前記第2繊維交絡ウェブに固定され、1つまたは複数の第2領域で前記第2繊維交絡ウェブに固定されていない、請求項45~46のいずれか1項に記載のプリーツ構造。
【請求項48】
前記1つまたは複数の第1領域の各々は長さおよび幅を有し、該長さは前記1つまたは複数の第1領域における前記幅よりも長いものであり、また前記1つまたは複数の第2領域の各々は長さおよび幅を有し、該長さは前記1つまたは複数の第2領域における前記幅よりも長いものである、請求項47に記載のプリーツ構造。
【請求項49】
前記1つまたは複数の第1領域は、前記1つまたは複数の第2領域によって互いに分離されている、請求項47~48のいずれか1項に記載のプリーツ構造。
【請求項50】
前記1つまたは複数の第1領域の各々は、前記1つまたは複数の第2領域の長手方向軸線と平行に整列した長手方向軸線を有する、請求項47~49のいずれか1項に記載のプリーツ構造。
【請求項51】
前記1つまたは複数の第1領域の各々は、前記複数のプリーツのうちの1つまたは複数のプリーツの長手方向軸線と平行に整列した長手方向軸線を有する、請求項47~50のいずれか1項に記載のプリーツ構造。
【請求項52】
複数のプリーツを有する複合不織布地の製造方法であって、
弾力回復性構造化布地に張力を加え、弾力回復性構造化布地を緊張状態にするステップと、
複合不織布地の表面上に弾力回復性構造化布地を緊張状態にしたまま位置決めするステップと、
前記複合不織布地を前記1つまたは複数の第1領域で前記弾力回復性構造化布地に選択的に固定するステップと、
前記弾力回復性構造化布地に加えられた張力を解放して、複数のプリーツを形成するステップと、
を備える、方法。
【請求項53】
第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、および前記第1繊維交絡ウェブと前記第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層、を含む、請求項69~72のいずれか1項に記載の複合不織布地。
【請求項54】
前記弾力回復性構造化布地は前記第2繊維交絡ウェブの最外面に固定される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記弾力回復性構造化布地は、前記1つまたは複数の第2領域において、第2繊維交絡ウェブに固定されない、請求項53~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記1つまたは複数の第1領域の各々は長さおよび幅を有し、該長さは前記1つまたは複数の第1領域における幅よりも長いものであり、また前記1つまたは複数の第2領域の各々は長さおよび幅を有し、該長さは前記1つまたは複数の第2領域における幅よりも長いものである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記1つまたは複数の第1領域は、前記1つまたは複数の第2領域によって互いに分離されている、請求項55~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記弾力回復性構造化布地は、張力が解放された後に、前記1つまたは複数の第1領域において緊張状態に維持される、請求項52~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
衣料物品の少なくとも第1部分におけるプリーツ構造であって、
第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、前記第1繊維交絡ウェブと前記第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層を含む第1複合不織布地と、
前記第1複合不織布地の第1最外面に隣接して位置決めされる第1弾力回復性構造化布地と、および
前記第1複合不織布地と前記第1弾力回復性構造化布地とで形成された複数のプリーツと、
を備える、プリーツ構造。
【請求項60】
前記衣料物品は上半身用衣料品である、請求項59に記載のプリーツ構造。
【請求項61】
前記衣料物品は下半身用衣料品である、請求項59に記載のプリーツ構造。
【請求項62】
請求項59~61のいずれか1項に記載のプリーツ構造であって、さらに、
第3繊維交絡ウェブと、
第4繊維交絡ウェブと、前記第3繊維交絡ウェブと前記第4繊維交絡ウェブとの間に位置する第2弾性層とを含む第2複合不織布地と、
前記第2複合不織布地の第2最外面に隣接して配置される第2弾力回復性構造化布地と、
前記第2複合不織布地と前記第2弾力回復性構造化布地とで形成される複数の第2プリーツであり、前記第2弾力回復性構造化布地は前記第1弾力回復性構造化布地と面共有関係にあるものとする、該複数の第2プリーツと、
を備える、プリーツ構造。
【請求項63】
前記複数の第1プリーツは、前記衣料物品の最外面に位置している、請求項59~62のいずれか1項に記載のプリーツ構造。
【請求項64】
前記複数の第2プリーツは、前記衣料物品の最内面に位置している、請求項62~63のいずれか1項に記載のプリーツ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の各態様は、衣類および他の物品に適した複合不織布地のデボスおよびフリーツ加工方法、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の不織布地は、一般に衣料品には適さない特徴を有していた。これらの特徴と、例えば洗浄産業および個人衛生産業における最終的な使用のために、従来の不織布地製品は、編み物および/または織布製品に一般的に使用される仕上げ工程および技術とは相容れない可能性がある。その結果、従来の不織布地は、一般的に、衣料品に望ましい美的および/または機能的な特徴を欠いている。
【図面の簡単な説明】
【0003】
以下では、図面を参照して、本願の各態様の例を詳細に説明する。
【
図1】本願の各態様による、例示的な捺染複合不織布地の例示的なライフサイクルを示す図である。
【
図2】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織布地用の第1繊維ウェブを示す図である。
【
図3】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織布地用の捺染層を示す図である。
【
図4】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織布地用の第2繊維ウェブを示す図である。
【
図5】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織布地用の任意の第3繊維ウェブを示す図である。
【
図6】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織布地用の弾性層を示す図である。
【
図7】本願の各態様による、
図1の例示的な捺染複合不織布地および
図1の例示的な捺染複合不織布地による衣料品の例示的な製造方法を示す図である。
【
図8】本願の各態様による、
図7の製造プロセスを使用して製造された、内部繊維ウェブと捺染部品とを含む例示的な捺染層を示す図である。
【
図9】本願の各態様による、
図8の断面線9-9で切り取られた横断面図を示す。
【
図10】本願の各態様による、
図8の例示的な捺染層の代替捺染部品の横断面図を示す。
【
図11】本願の各態様による、
図7の製造プロセスを使用して製造された
図8の捺染層を有する例示的な捺染複合不織布地を示す図である。
【
図12】本願の各態様による、
図1の切断線12-12で切り取られた横断面図を示す。
【
図13】本願の各態様による、
図12のエリア13で切り取られた拡大図を示す。
【
図14】本願の各態様による、
図12のエリア14で切り取られた拡大図を示す。
【
図15】本願の各態様による、
図7の製造プロセスを使用して製造された、スパンレース層と捺染部品とを含む例示的な捺染層を示す図である。
【
図16】本願の各態様による、
図15の切断線16-16で切り取られた横断面図を示す。
【
図17】本願の各態様による、
図15の例示的な捺染層の代替捺染部品の横断面図を示す。
【
図18】本願の各態様による、
図7の製造プロセスを使用して製造された
図15の捺染層を有する例示的な捺染複合不織布地を示す図である。
【
図19】本願の各態様による、
図18の切断線19-19で切り取られた横断面図を示す。
【
図20】本願の各態様による、
図19のエリア20で切り取られた拡大図を示す。
【
図21】本願の各態様による、
図19のエリア21で切り取られた拡大図を示す。
【
図22】本願の各態様による、例示的な上半身用衣料品を示す図である。
【
図23】本願の各態様による、例示的な下半身用衣料品を示す図である。
【
図24】本願の各態様による、
図22の切断線24-24で切り取られた横断面図を示す。
【
図25】本願の各態様による、
図23の切断線25-25で切り取られた横断面図を示す。
【
図26】本願の各態様による、加工プロセスおよび技術で使用するための例示的な複合不織布地の分解図を示す図である。
【
図27A】本願の各態様による、デボス加工された部分を有する例示的な複合不織布地の第1外向き側を示す図である。
【
図27B】本願の各態様による、
図27Aの例示的な複合不織布地の第2面を示す図である。
【
図28】本願の各態様による、
図27Aの例示的な複合不織布地の断面図を示す図である。
【
図29】本願の各態様による、
図27Aの例示的な複合不織布地のデボス加工部分を形成する際に使用する、および
図27Aの例示的な複合不織布地を使用して衣料品を製造する際に使用するための例示的な製造プロセスを示す図である。
【
図30A】本願の各態様による、例示的な上半身用衣料品の外面を示す図である。
【
図30B】本願の各態様による、
図30Aの例示的な上半身用衣料品の内面を示す図である。
【
図31A】本願の各態様による、例示的な下半身用衣料品を示す図である。
【
図31B】本願の各態様による、例示的な下半身用衣料品の外面を示す図である。
【
図32A】本願の各態様による、例示的なプリーツ構造の第1外向き側を示す図である、
【
図32B】本願の各態様による、
図32Aの例示的なプリーツ構造の第2外向き側を示す図である、
【
図33】本願の各態様による、
図32Aの例示的なプリーツ構造の分解図を示す図である。
【
図34】本願の各態様による、
図32Aのプリーツ構造を形成するための製造プロセス、および
図32Aのプリーツ構造をさらに使用して衣料物品を製造するための例示的な製造プロセスを示す図である、
【
図35】本願の各態様による、例示的な上半身用衣料品を示す図である。
【
図36】本願の各態様による、例示的な下半身用衣料品を示す図である。
【
図37】本願の各態様による、
図35の例示的な上半身用衣料品の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明の主題は、法的な要件を満たすために、本願に詳細に説明される。しかしながら、説明自体は、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。むしろ、発明者らは、特許請求または開示される主題が、異なるステップ、または本明細書に記載されているステップに類似したステップの組み合わせを含むように、他の現在または将来の技術に関連して実施されることができることを想定する。また、「ステップ」および/または「ブロック」という用語は、本願では、使用される方法の異なる要素を示唆するために使用されてもよいが、個々のステップの順序が明示的に示されている場合を除き、本願で開示されるステップ間の任意の特定の順序を示唆していると解釈すべきではない。
【0005】
従来の不織布地は、一般に衣料品には適さない特徴を有していた。これらの特徴には、延伸性および回復性の欠如、大きな重量、ドレープ性の欠如、ざらざらした感触、対称的な面または表面、および断熱が期待される場合には断熱性の欠如が含まれ得る。従来の不織布地は、これらの特徴と、例えばクリーニング産業および個人衛製造業における最終的な使用のために、捺染が困難であり、外観性に欠く可能性がある。また、不織布地を捺染する場合、捺染による美しさが最も外側の表面に施されており、品質が悪く、磨耗などにより経時的に弱まる。このような捺染による美しさは、衣料品として好適な不織布地には好ましくない。
【0006】
本願の各態様は、衣料および他の物品に適した捺染複合不織布地およびその製造方法に関する。高いレベルでは、捺染複合不織布地は、1つまたは複数の繊維交絡ウェブと、捺染層(例えば、捺染部品を含む内層)とを含む。例示的な態様では、捺染複合不織布地は、第1繊維交絡ウェブと、内層とを含む。第1繊維交絡ウェブは、第1面と、対向側の第2面と、を含む。第1交絡ウェブの第1面は、捺染複合不織布地の第1装飾面側を少なくとも部分的に形成する。内層は、第1繊維交絡ウェブの第2面に隣接して配置する第1面を有する。内層の第1面は、捺染部品の第2部分よりも多く第1繊維交絡ウェブに組み込まれる第1部分を有する捺染部品を含む。
【0007】
他の例示的な態様では、捺染複合不織布地は、一体に積層されるおよび/または第1交絡ウェブおよび/または内層と交絡する1つまたは複数の追加層(例えば、第2繊維交絡ウェブ、第3繊維交絡ウェブおよび/または弾性層)を含むことができる。1つの態様では、捺染複合不織布地は、第1面と、捺染複合不織布地の第2装飾面側を少なくとも部分的に形成する前記第1面に対向する第2面とを有する第2繊維交絡ウェブを含む。したがって、内層は、内層の第1面が第1繊維交絡ウェブの第2面に隣接し、内層の第2面が第2繊維交絡ウェブの第1面に隣接するように、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブの間に位置する。
【0008】
これに加えて、本願の各態様によれば、捺染複合不織布地は、第1繊維交絡ウェブおよび第2繊維交絡ウェブの特徴、ならびに内層および/または任意の追加層の特徴のために、非対称に面していてもよい(例えば、捺染非対称面複合不織布地)。別の例示的な態様では、これらの特徴は、捺染複合不織布地が衣料品に適合するように構成され得る。捺染複合不織布地が衣料品に組み込まれたとき、第1装飾面側は衣料品の外側対向表面を形成し、第2装飾面側は物品の内側対向表面を形成する。したがって、第1交絡ウェブは、捺染非対称面複合不織布地が衣料品に組み込まれたときに、第1繊維交絡ウェブが外部環境に露出するのに適している特徴を有していてもよい。例えば、第1交絡ウェブを形成する繊維のデニールを、第2交絡ウェブを形成する繊維のデニールよりも約2倍大きくすることができるので、第1交絡ウェブが繊維を破壊することなく摩耗力に強く耐えることができ、これにより、捺染部品の耐久性を向上させることができる。
【0009】
第2繊維交絡ウェブは、その特徴により、捺染非対称面複合不織布地が衣料品を形成する際に、皮膚に面する表面を形成するのに適している。例えば、第2交絡ウェブを形成する繊維のデニールは、第2装飾面側が摩耗力にさらされることが少ないことから、第1交絡ウェブを形成する繊維のデニールの約半分とすることができる。また、より小さいデニールは、肌や肌に近い接触に対して快適なソフトな風合いを生み出すことができる。また、第2交絡ウェブは、ソフトな風合いを付与し、布地のドレープ性を向上させる(すなわち、布地を硬くしない)シリコーン樹脂被覆繊維を含んでいてもよい。
【0010】
本願で想定される捺染複合不織布地の他の非対称な特徴は、捺染部品および/または第1装飾面側および第2装飾面側に関連する異なる色特性を含む。一態様では、捺染部品は、第2装飾面側よりも第1装飾面側で視認性が高い。別の態様では、捺染部品は、第1装飾面側には視認可能であるが、第2装飾面側には視認できない。他の態様では、色特性は、第2装飾面側と比較して第1装飾面側でより顕著なヘザー効果の形であってもよい。捺染部品および異なる色特性は、不織布地で形成された衣料物品に所望の美しさを付与することができ、また、衣料物品のどちらの側が外側に向いていて、どちらの側が内側に向いているかについての視覚的な目印を着用者に提供することができる。また、さまざまな色特性により、衣料物品を両面着用(「内側を外にして着用する」衣料物品)に適したものとすることができる。例えば、布地の異なる層を形成する繊維を特定の色のものとし、および/または第2面と比較して着色繊維が第1面に選択的により移動するように交絡パラメータを選択することによって、異なる色特性を側面に付与することができる。
【0011】
捺染複合不織布地の1つまたは複数の追加層は、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に弾性層をさらに含んでもよい。弾性層は、捺染複合不織布地に延伸性および回復性を付与し、捺染複合不織布地を上半身用衣類および下半身用衣類のような衣料品に好適に使用可能にする。弾性層自体では、通常の摩耗に耐えるのに十分な引張強さを欠いている可能性がある。したがって、弾性層は、交絡プロセスを使用して、異なるウェブからの繊維を通して延在させて凝集構造を生成することにより、捺染複合不織布地に組み込まれる。
【0012】
いくつかの例示的な態様では、捺染複合不織布地の1つまたは複数の追加層は、弾性層とともに積層された追加交絡ウェブ(例えば、第3繊維交絡ウェブ)を含む。予め交絡ウェブの重量は、交絡された後に最小の厚さを有する軽量複合不織布地を得るように選択され得る。また、交絡ウェブの数、繊維デニール、繊維タイプ、繊維長などを選択して、布地を形成する繊維間に空気を捕捉することにより、強化された断熱性を提供する最終的な捺染複合不織布地を形成する。これに加えて、捺染複合不織布地を形成するために使用される異なるウェブの特性および/またはウェブの数は、捺染複合不織布地の各側面の異なる所望の最終特性を含む捺染不織布地の異なる所望の最終特性を達成するように調整することができる。その結果、延伸性と回復性を有し、ドレープ性に優れ、視覚的美しさに面白みがあり、耐摩耗性に優れ、ソフトな風合いを有する軽量な捺染非対称面複合不織布地が得られ、これにより、捺染複合不織布地はスポーツウェアに適した衣料品を形成するのに好適なものとなる。
【0013】
本願で想定した複合不織布地は様々な方法で仕上げることができる。例えば、テキスタイルは、選択された印刷技術を用いて、1つまたは複数パターン、図形、ロゴなどを印刷することができる。1つの例示的な態様では、交絡の前に1つまたは複数の繊維ウェブに捺染を施して、交絡中に捺染構成要素を不織布地に組み込むことができる。不織布地が衣料品を形成する際に、異なる技法を用いてテキスタイルの縁を縫い合わせることができる。例えば、布地の縁部を重ね合わせることができ、交絡プロセスを用いて布地の縁部から繊維を交絡させて縫い目を形成することができる。
【0014】
本願の各態様では、捺染複合不織布地がリサイクル可能であることも想定されており、いくつかの態様では、布地は完全にリサイクル可能であり得る。したがって、各態様では、交絡ウェブを形成するために選択される繊維は、一般にポリエステル繊維と呼ばれるリサイクルポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含むリサイクル材を含むことができる。これに加えて、弾性層を形成するために選択された材料は、完全にリサイクル可能であってもよい。リサイクル繊維および材料の使用は、捺染複合不織布地のカーボンフットプリントを減少させる。
【0015】
捺染層(例えば、捺染部品を含む内層)を第1繊維ウェブと1つまたは複数の追加層との間に配置して複合構造を形成することにより、捺染複合不織布地が形成される。複合構造を形成する前に、捺染技術を利用して捺染部品を内層上に形成することにより捺染層を形成することができる。また、ウェブの数、繊維デニール、個々のウェブの重量、繊維長、繊維色、および繊維被覆など、第1繊維ウェブ、内層、および1つまたは複数の追加層の性能の選択は、捺染複合不織布地の所望の最終性能に基づいている。捺染層を形成した後、第1繊維ウェブおよび1つまたは複数の追加層と組み合わせて複合構造を形成した後に機械的交絡プロセスが実施される。1つの例示的な態様では、機械的交絡プロセスはニードルパンチである。針の選択、縫い目密度、貫通深さ、貫通方向、針通過回数などのニードルパンチプロセスに関連する各パラメータは、非対称面捺染複合不織布地の所望の最終特性に基づいて選択される。例えば、パラメータは、所望の厚さ、所望の延伸および回復の程度、所望の重量、所望のドレープ性または剛性等を有する不織布地を製造するために選択され得る。
【0016】
本願の他の態様は、捺染複合不織布地の製造方法に関するものであり、一般に、この方法は、捺染層を形成すること、捺染層を第1繊維ウェブおよび/または1つまたは複数の追加層と組み合わせて複合構造を形成すること、および複合構造を交絡プロセスに付すことに関連する1つまたは複数のステップを含む。例示的な態様では、捺染複合不織布地の製造方法は、捺染層の第1面を第1繊維ウェブの第2面に隣接して配置して複合構造を形成するステップを含む。捺染層は、予め内層に付与された着色剤から少なくとも部分的に形成され得る捺染部品を含む。該製造方法はさらに、複合構造をニードル交絡プロセスに付し、ニードル交絡プロセス後、捺染部品の少なくとも一部を第1繊維ウェブに結合するステップをさらに含む。
【0017】
いくつかの例示的な態様では、捺染非対称面複合不織布地の製造方法は、捺染技術を用いて内層上に捺染部品を形成して捺染層を形成するステップと、捺染層の第1面を第1繊維ウェブの第2面に隣接して配置して複合構造を形成するステップとを含む。該方法は、複合構造を可変交絡プロセスに付す別のステップを含み、このステップでは、捺染部品の少なくとも一部と第1繊維ウェブの第1面とが、非対称面複合不織布地の第1装飾面側を少なくとも部分的に形成する。
【0018】
さらに例示的な態様では、捺染技術(例えば、デジタル捺染による着色剤の付与、昇華捺染による昇華性染料の付与など)を使用して、内層上に捺染部品を形成することができる。これらの態様では、捺染部品は、(すなわち、捺染複合不織布地に含まれる1つまたは複数の繊維交絡ウェブの繊維が交絡する前に)内層上に予め交絡して形成され得ることが想定される。これらの態様は、内層が繊維ウェブ(例えば、予め繊維交絡ウェブ)を含むことを想定し、さらに内層がスパンレース層であることおよび/またはスパンレース繊維を含んでもよいことを想定している。
【0019】
本願で使用する場合、用語「衣料品」は、着用者が着用する製品を包含することを意図する。したがって、これらは、上半身ガーメント(例えば、上着、tシャツ、プルオーバー、フードコート、ジャケット、コートなど)と、下半身ガーメント(例えば、ズボン、パンツ、タイツ、七分ズボン、ユニタードなど)とを含むことができる。衣料品は、帽子、手袋、袖(腕カバー、ふくらはぎスリーブ)、履物物品(靴の甲被等)等も含むことができる。衣料品に関連する場合、「内側対向表面」という用語は、着用者の身体表面に対向するように構成された表面を意味し、「外側対向表面」という用語は、着用者の身体表面から離れて外部環境に対向するように構成された表面を意味する。「最内面」という用語は、衣料品の他の層に対して着用者の身体表面に最も近い表面を意味し、「最外面」という用語は、衣料品の他の層に対して着用者の身体表面から最も遠い表面を意味する。
【0020】
本願で使用される用語「不織布地」は、機械的および/または化学的相互作用によって共に保持された、ニット、編み、編組構造、または他の構造化構造の形態ではない繊維を意味する。特定の態様では、不織布地は、マット材料を形成するために機械的に操作される繊維の集合体を含む。言い換えれば、不織布地は、繊維から直接製造されている。不織布地は、凝集構造を形成する異なる繊維ウェブを含むことができ、異なる繊維ウェブは、異なるまたは類似の繊維組成および/または異なる性質を有することができる。用語「繊維ウェブ」は、1つまたは複数の他の繊維ウェブと機械的に交絡する前の繊維ウェブを意味する。繊維ウェブは、X、Y平面に沿って延びる1つまたは複数の共通の方向に繊維を整列させるカーディングおよびラッピングプロセスを経た繊維を含み、所望の坪量が得られる。繊維ウェブはまた、繊維ウェブが操作可能な凝集構造を形成する(例えば、ローラへの交絡、ローラからの巻き戻し、積層等)ようにウェブの繊維をある程度交絡するライトニードルパンチプロセスまたは機械的交絡プロセスを受けてもよい。繊維ウェブは、複合不織布地を形成するために他の繊維ウェブと交絡する前に、印刷のような1つまたは複数の追加の処理ステップを経てもよい。複合不織布地に言及する場合、「繊維交絡ウェブ」という用語は、1つまたは複数の他の繊維ウェブと機械的に交絡した後の繊維ウェブを意味する。したがって、繊維交絡のウェブは、層を形成する繊維のウェブにもともと存在する繊維、ならびに交絡プロセスを通じて繊維交絡のウェブに移動した他の繊維のウェブに存在する繊維を含んでもよい。本願で使用される「内層」という用語は、不織布地の少なくとも2つの他の層の間に位置する不織布地層を意味する。本願で使用される「捺染層」という用語は、捺染部品を含む不織布地層を意味する。
【0021】
例示的な態様では、捺染層は、捺染複合不織布地の最外層の繊維ウェブ(例えば、第1繊維ウェブ)または層の内側に位置するように配置される。これらの態様は、捺染層、および捺染部品が外部環境にさらされることの少ない、またはさらされないことを想定している。そのため、捺染層や捺染部品が磨耗したり磨耗したりしにくくなる。別の例示的な態様では、内層における捺染層の配置は、捺染複合不織布地内の適切な位置に捺染層を固定することにも有利である。また、捺染層の特徴は、捺染複合不織布地の他の繊維ウェブおよび/または層よりも少ない交絡をもたらすことができる。したがって、捺染層は、捺染複合不織布地の内層であるように2つの繊維ウェブおよび/または層の間に配置され、捺染複合不織布地の外側層または最外層として配置されるよりも多くの交絡を捺染層に提供することができる。
【0022】
本願で想定される機械的交絡プロセスには、トゲ付き針または構造化針(例えば、二股針)を使用したニードル交絡(一般にニードルパンチと呼ばれる)、または、流体交絡が含まれ得る。本願で想定される態様では、使用される繊維の小さなデニールとニードルパンチプロセスに関連する様々なパラメータを微調整する能力のために、ニードルパンチを使用することができる。ニードルパンチは、一般に、一定の割合の繊維を、ほぼ水平方向(x、y平面に沿って延びる方向)からほぼ垂直方向(z方向)に再配置するために、トゲまたはスパイク付き針を使用する。一般に、ニードルパンチプロセスを参照すると、カーディング、ラッピング、予めニードルパンチを受けたウェブは、カーディング、ラッピング、予めニードルパンチを受けた他のウェブと積層され、積層されたウェブ構造体の反対側に位置するベッドプレートとストリッパプレートとの間を通過することができる。針板に固定されたトゲ付き針は、積層ウェブ構造体を通って出入りし、針が積層ウェブ構造体に出入りした後、ストリッパプレートは、針から繊維を剥離する。ニードルパンチ中のウェブ圧縮はストリッパプレートとベッドプレートとの間の距離を調整することにより制御され得る。積層ウェブ構造体が搬送システムに沿って縦方向に移動する間、針板は積層ウェブ構造体の長さをニードルパンチするように、積層ウェブ構造体に対して繰り返し係合および係合解除する。本願の態様では、搬送システムに沿って異なる点に順次配置される複数の針板の使用が想定され、異なる針板は、積層ウェブ構造体が縦方向に移動するときに、積層ウェブ構造体の異なる面(例えば、上面および下面)から積層ウェブ構造体を係合することができる。ニードルボードと積層ウェブ構成体との各接合は、本願では「パス」として知られている。得られるニードルパンチ不織布地の所望の特性(例えば、坪量、厚さ等)を得るために、特定の針板に関連するパラメータを調整することができる。異なるパラメータは、交絡パス中に使用されるcm2(n/cm2)あたりのニードルの数であるニードル密度(SD)と、ニードルがスタックウェブ構成から引き出される前にスタックウェブ構成を通過する距離である貫入深さ(PD)とを含んでもよい。ニードルパンチプロセスに関連するパラメータ、例えば、ベッドプレートとストリッパプレートとの間の間隔、および積層ウェブ構造体の搬送速度も一般に調整することができる。
【0023】
他のタイプの針も想定しているが、本願の各態様では、トゲ付き針(針の長さに沿って配置されたトゲ付き針)の使用を想定している。針上の返しは、重ねられたウェブ構造の第1面から反対側の第2面に移動するときに繊維を「捕捉」する。積層ウェブ構造体を通る針の動きは、第1装飾面側に近い位置から第2装飾面側に近い位置まで、トゲによって捕捉された繊維を効果的に移動または押し込み、さらに他の繊維との物理的相互作用を引き起こし、移動した繊維を摩擦などによって所定の位置に「ロック」するのを助ける。本願では、これらの針が第2装飾面側から第1装飾面側に向かって積層ウェブ構造体を通過することも想定される。例示的な態様では、針上の繊維と相互作用するトゲの数は、針の貫通深さに基づいてもよい。例えば、貫通深さが第1量である場合、全てのトゲが繊維と相互作用することができ、貫通深さが減少するにつれて、繊維と相互作用することができるトゲは全てのトゲよりも少なくなる。さらなる例示的な態様では、トゲのサイズは、ウェブで使用される繊維のデニールに基づいて調整することができる。例えば、バーブの寸法は、大デニール繊維の代わりに、小デニール(例えば、細い)繊維と接合するように選択することができ、これにより、大デニールではなく、小デニール繊維の選択的な移動を引き起こす。別の例では、トゲのサイズは、デニールの小さい繊維およびデニールの大きい繊維の両方と係合するように選択され、それにより、2種類の繊維を移動させてウェブを通すことができる。
【0024】
交絡の後、不織布地は、第1装飾面側と、これに対向する第2装飾面側とを含むことができ、これらの2つの装飾面側は、不織布地の内側に対して外側に対向し、かつ不織布地の最外面を含む。これにより、不織布地を観察したときに、第1装飾面側と第2装飾面側の両方が完全に視認される。第1装飾面側および第2装飾面側の両方は、一般に互いに平行でずれているx、y平面に沿って延びてもよい。
【0025】
本願で使用される「弾性層」という用語とは、少なくとも1つの配向軸上で延伸性および回復性を有する(すなわち、弾力回復性を有する)層を意味し、単一の配向軸上で延伸性および回復性を有する層と、複数の配向軸上で延伸性および回復性を有する層とを含む。配向軸の例としては、長さ方向、幅方向、x方向、y方向、および長さ方向、幅方向、x方向およびy方向から角度をなしてずれた任意の方向が含まれる。弾性層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー(TPEE)、TPUとTPEEの組み合わせなどの熱可塑性エラストマーで形成することができる。弾性層は、スパンボンド層、フィルム、ウェブ等を含むことができる。例示的な態様では、弾性層はスパンボンドTPEEまたはメルトブローンTPUを含むことができる。不織布地エラストマー材料(例えば、スパンボンドTPEEまたはメルトブローTPU)は、エラストマーフィルムよりも低い坪量を可能にする。同様に、ウェブは、通常、フィルムに対する繊維の性質のために、通気性および透過性が高く、通常、フィルムよりも柔軟性がある(すなわち、硬度が低い)。これらの要因(低坪量性、通気性および浸透性、柔軟性)は、特にこれらが望ましい特徴である衣料環境において、本願に記載された複合不織布地の例に理想的に使用することを可能にする。
【0026】
繊維の場合、デニールまたは繊維1本あたりのデニールという用語は、繊維の直線的な質量密度の測定単位であり、より具体的には、繊維9000メートルあたりの質量をグラム単位で表したものである。1つの例示的な態様では、繊維のデニールは、ASTMD1577-07を使用して測定することができる。繊維の直径は繊維のデニールと繊維の密度とに基づいて算出することができる。ここで想定される繊維は、一般にポリエステルと呼ばれるポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、多くの異なる材料(例えば、綿、ナイロンなど)で形成され得る。PET繊維は、元のPET繊維(未リサイクル繊維)とリサイクルPET繊維とを含むことができる。リサイクルPET繊維は、細断物由来の細断PET繊維と、再押し出しPET繊維(リサイクルPETチップを用いた再押し出し繊維)とを含む。さらに別の態様では、本願で想定される繊維は、不織布地に疎水性を付与するものとして構成され得る。
【0027】
本願で使用されるように、用語「シリコーン被覆繊維」とは、シリコーン被覆がその長さに沿って繊維を完全に覆うように、連続シリコーン被覆を有する繊維を指すことができる。一例では、繊維はコアを形成することができ、シリコーンはコアを囲むシースを形成することができる。他の例示的な態様では、「シリコーンコーティング繊維」という用語は、繊維長に沿った少なくとも一部の領域に断続的シリコーンコーティングを有する繊維を指すことができる。例えば、繊維上にシリコーンコーティングを塗布することができる。この態様では、特定の繊維ウェブが100重量%のシリコーンコーティング繊維を含む場合、本明細書では、ウェブを形成する繊維はシリコーンコーティングを含まない領域を有することができると想定する。本願では、シリコーン被覆繊維を、複合不織布地を形成する繊維のウェブに組み込むことを想定する。言い換えれば、例えばシリコーンスプレー仕上げ剤を用いて複合不織布地を形成した後、繊維にシリコーン被覆を施さない。
【0028】
本願では、不織布地に言及する際に、使用される用語「色」または「色特性」は、一般に、織物を形成する繊維の観察可能な色を指す。これらの態様では、色は、当分野で知られている染料、顔料、および/または着色剤を用いて繊維に提供することができる任意の色であってもよいことが想定される。したがって、繊維は、赤、オレンジ、黄色、緑、青、インジゴ、紫、白、黒およびその色度を含むがこれらに限定されない色を有するように構成することができる。1つの例示的な態様では、繊維の形成において、色を繊維に付与することができる(一般に、原液染めと呼ばれる)。原液染めでは、成形後のステップ(例えば、後染めステップ)で繊維に色を付加するのではなく、繊維を押し出す際に繊維に色を付加して繊維と一体化させる。
【0029】
色に関連する態様は、ある色が別の色と異なるかどうか、およびある色が別の色と実質的に同じであるかどうかを決定することをさらに考慮する。これらの態様では、色は、色の知覚に影響を与える可能性がある要因を標準化および/または定量化することによって、物体の色の色値を客観的に測定および/または計算する機器を使用することによって決定され得る、色数値を含んでもよい。このような機器には、比色計、分光放射計、分光光度計などが含まれるが、これらに限定されない。したがって、本願の態様は、繊維によって提供される織物の「色」が、比色計、分光放射計、および/または分光光度計を使用して測定および/または計算される色の数値を含み得ることを想定する。さらに、数字色値は、数字色値の色表現を提供する特定の色の特定の構成である色空間または色モデルと関連することができ、このように、各数字色値は、色空間または色モデルにおいて表される単一色に対応する。
【0030】
そのような決定は、比色計、分光放射計または分光光度計を用いて、例えば、第1色を有する第1織物の数字色値を測定および/または計算し、同じ機器を用いて、第2色を有する第2織物の数字色値を測定および/または計算し(すなわち、分光光度計が第1色の数字色値を測定するのであれば、分光光度計は第2色の数字色値を測定するために使用される)、そして、第1色の数字色値を第2色の数字色値と比較することによって、行うことができる。別の例では、この決定は、比色計、分光放射計または分光光度計を用いて織物の第1領域の数字色値を測定および/または計算し、同じ機器を用いて第2色を有する織物の第2領域の数字色値を測定および/または計算し、第1色の数字色値を第2色の数字色値と比較することによって行うことができる。数字色値が等しくない場合、第1色または第1色特性は第2色または第2色特性とは異なり、逆も同様である。
【0031】
さらに、2色間の視覚的差異は、第1色と第2色の数字色値の間の百分率差と相関することができ、色値間の百分率差が大きくなるにつれて、視覚的差異はより大きくなると考えられる。さらに、視覚的差異は、色空間またはモデルにおける色値の色表現間の比較に基づくことができる。例えば、第1色が黒または紺の表現色に対応する数値色値を有し、第2色が赤または黄色の表現色に対応する数値色値を有する場合、第1色と第2色との間の視覚的な区別は、赤色で表される色を有する第1色と黄色で表される色を有する第2色との間の視覚的な区別よりも大きい。
【0032】
「半透明」という用語は光の透過を意味し、「半透明」とは、光が物体の表面に照射されたときの物体の物理的特性を意味し、光の一部は物体を通過または透過し、光の一部は拡散、反射および/または吸収される。したがって、繊維ウェブおよび/または不織布地の1つまたは複数の追加層を説明する場合、「半透明」という用語は、光が部分的に通過する繊維ウェブまたは層を意味する。また、本願では、繊維ウェブまたは層が「少なくとも部分的に」半透明と記載される場合、「少なくとも部分的に」とは、繊維ウェブまたは層の部分、エリア、領域、または位置を意味し、ここで、繊維ウェブまたは層は半透明であり、その透過率を意味しないことが理解されるべきである。例えば、少なくとも部分的に半透明な捺染複合不織布地の繊維ウェブまたは層は、光が層のある部分、エリア、領域または位置を部分的に通過することを意味する。別の例では、少なくとも部分的に半透明な繊維ウェブまたは層は、繊維ウェブまたは層の1つまたは複数の部分では光が部分的に通過し、繊維ウェブまたは層の他の異なる部分では光が部分的に通過してもよく、あるいは通過しなくてもよいことを意味する。
【0033】
本願で使用される「捺染技術」という用語は、一般に、着色物質を基材(例えば、捺染不織布地複合布地の内層)に適用するプロセスを意味し、当業者に知られている任意の捺染プロセス、技術または方法を含む。一般に、着色物質は、着色剤、昇華性染料、またはその両方であってもよく、着色剤および昇華性染料は、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、インジゴ色、紫色、白色、黒色およびそれらの色合いを含むがこれらに限定されない色を有するように構成されてもよい。したがって、例示的な態様では、本願で想定される捺染技術は、1つまたは複数の着色剤を基材に転写する直接捺染技術を含み、直接捺染技術の例は、スクリーン捺染、回転捺染、デジタル捺染などを含む。本願で使用される「着色剤」という用語は、通常、インク、顔料、染料、または何かを着色する任意の他の物質を指し、本願で論じた少なくとも1つの直接捺染技術と互換性のあるインク、顔料、または染料の広い範囲を含むことができる。例示的な態様では、着色剤は、当業者に知られている市販のインク、またはデジタル捺染技術と共に使用される独自のインクを含むことができる。このインクは、水性または油性であってもよく、クラッキングインク、抜染インク、グリッターまたはシマーインク、グロスインク、メタリックインク、鏡面銀インク、プラスチゾルインク、ポリ塩化ビニルインク(PVCインク)、非PVCインク、フタル酸エステルインク、非フタル酸エステルインク、アクリルインク、スエードインク、油性アクリルインク、ポリウレタンインク、高密度インク、溶剤インク、紫外線インク、およびこれらの組み合わせ。を含むことができるが、これに限定されない。また、インクは、一般に市販インクに含まれない1つまたは複数の特性を有していてもよい特殊インクを含んでいてもよいと想定される。このような特性は、特殊インクに金属的、真珠光沢、変色性または反射性の外観を与えることができる視覚的特性を含むことができる。また、これらのインクのいずれも、インクの特定の特性または成分に影響を与えるか、またはインクに追加の特性または成分を与える添加剤を含むことができる。例えば、添加剤は、インクと特定のインクおよび材料との相溶性を向上させることができ、したがって、インクと捺染複合不織布地層の表面との相溶性を促進するために使用することができる。
【0034】
他の例示的な態様では、本願で想定される捺染技術は、昇華捺染技術を含む。本願で使用される「昇華捺染プロセス」という用語は、熱および圧力を利用して染料を基材に付与する捺染技術を意味する。一般に、昇華捺染プロセスは、基材(例えば、不織布地の内層)に親和性を有することができ、昇華捺染によって基材に付与される1つまたは複数の昇華性染料を適用することができる。昇華性染料は、植物由来または合成由来の着色剤を含むことができ、これらの着色剤は、微細に粉砕されて分散剤に含まれていてもよく、昇華性染料は、分子レベルで基材に注入され、材料に色を含浸させることができる。当業者が理解しているように、昇華捺染は、固体に熱を印加して、吸熱反応により固体を液相を介さずに気体にする昇華科学を利用している。
【0035】
昇華捺染は、液体中に溶解され、熱および圧力下で気体となり、相溶性基材と結合した後、再び固体に戻る固体感熱染料を含むことができる。そのため、昇華性染料が分子レベルで基材に注入される。また、本願で想定される昇華捺染プロセスは、様々な成分および技術を利用して、昇華性染料を基材(例えば、不織布地の内層)に付与することができ、異なる昇華捺染プロセスは、類似および/または異なる態様を含むことができる。例えば、1つのプロセスは昇華性染料を基材に直接付与することができるが、別のプロセスは転写シートを使用することができる。また、昇華捺染技術のいくつかは、昇華プリンタを含むことができ、および/または熱またはエネルギーを使用して昇華性染料を基材へ付着させることもできる。1つの非限定的な例では、1つまたは複数の昇華性染料は、熱プレスを使用して内層に転写することができ、内層およびその上に付与された1つまたは複数の昇華性染料は約195℃の温度に約1秒間晒される。そのため、1つまたは複数の昇華性染料が内層に転写され、内層の少なくとも一部に吸収される。その他の態様では、1つまたは複数の昇華性染料は、熱プレスを用いて内層に転写されてもよく、これにより、内層およびその上に付与された1つまたは複数の昇華性染料は、約225℃から約165℃、約220℃から約170℃、約215℃から約175℃、約210℃から約180℃、約205℃から約185℃、約200℃から約190℃、または約195℃に約30秒、約25秒、約20秒、約15秒、約10秒、約5秒晒される。本願で使用される「約」という用語は、通常、示される値の±10%以内であることを意味する。
【0036】
本願で使用される「捺染部品」という用語は、本願の各態様による捺染技術によって層上に適用される1つまたは複数の着色剤または昇華性染料によって層上に形成される画像、図形、デザインまたは視覚的なマークを意味する。また、捺染部品は、ロゴ、画像など、幾何学的形状、有機的形状、パターン、文字、数字など、ブランドに関連する形状を含む形状を含んでもよい。また、捺染部品は、少なくとも部分的に、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、インジゴ色、紫色およびそれらの色合いを含むがこれらに限定されない任意の色に構成され得る1つまたは複数の着色剤または昇華性染料によって提供される1つまたは複数の色で形成され得る。
【0037】
本願の更なる態様は、衣類および他の物品に適した複合不織布地のデボス加工およびプリーツ加工、およびその製造方法を対象とする。高レベルでは、複合不織布地は、第1繊維交絡ウェブと、第2繊維交絡ウェブと、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層を含む第1領域を含んでもよい。複合不織布地はまた、弾性層内に一体化された第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を含むデボス部と第2繊維交絡ウェブとを含む第2領域をさらに含んでもよい。
【0038】
高いレベルで続けると、プリーツ構造は、第1繊維交絡ウェブと、第2繊維交絡ウェブと、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層を含む複合不織布地を含んでもよい。プリーツ構造は、第2繊維交絡ウェブの最外面に隣接して配置される弾力回復性構造化織物をさらに含んでもよく、複合不織布地および弾力回復性構造化織物で形成された複数のプリーツをさらに含んでもよい。
【0039】
本願では、予め交絡されたウェブおよび得られる複合不織布地に関する様々な測定値が提供される。得られた複合不織布地の厚さは、精密厚さ計を用いて測定することができる。厚さを測定するために、例えば、織物を平アンビル上に配置し、標準的な固定荷重で押え足を上面から織物に押えることができる。精密厚さ計のダイヤルインジケータは厚さをmm単位で示す。坪量はISO 3801試験標準を使用して、グラム/平方メートル(gsm)単位で測定される。織物硬さは一般的にドレープ性に対応し、ASTMD 4032(2008)試験基準を用いて測定し、単位はキログラム力(Kgf)である。ASTM2594試験標準を用いて織物の伸びと回復を測定し、百分率で表す。本明細書で使用されるように、用語「伸張」は、指定された張力で指定された距離の増加として測定される織物特性を指し、一般に、オリジナル基準距離(即ち、静止長さまたは幅)の百分率として表される。本明細書で使用される用語「伸び」は、指定された張力まで延伸した後の、張力が解放される時間間隔中に、特定の基準(すなわち、静止長さまたは幅)の距離の増加を指し、一般に、オリジナル基準距離の百分率として表される。本明細書で使用される「回復」とは、織物がそのオリジナル基準距離(すなわち、その静止長さまたは幅)に戻る能力を指し、オリジナル基準距離の百分率として表される。熱抵抗は通常、ISO 11092試験標準を用いてRCT(M2*K/W)で測定した断熱特徴に相当する。
【0040】
特に明記されていない限り、本願に記載されているすべての測定は、不織布地が静止(未伸張)の状態で、標準的な周囲温度および圧力(25℃または298.15K、1バール)で測定される。
【0041】
図1は、本願で想定される複合不織布地の例示的なライフサイクルを示す図である。符号100は、第1繊維ウェブ110、捺染部品130(例えば、捺染層)を有する内層120、および交絡前の1つまたは複数の追加層140(例えば、第2繊維ウェブ、第3繊維ウェブ、および/または弾性層)を示す。本願では、いくつかの例示的な態様では、1つまたは複数の追加層140のうちのいずれかが任意であってもよいことが予想される。例示的な態様では、第1繊維ウェブ110、内層120、および1つまたは複数の追加層140を形成するために使用される繊維は、リサイクル繊維、特にリサイクルPET繊維を含むことができる。これに加えて、1つまたは複数の追加層140が弾性層を含む場合、本願の例示的な態様では、弾性層がリサイクル可能な材料で形成され得ることが想定される。矢印102は、第1繊維ウェブ110、内層120および/または1つまたは複数の追加層140内の繊維が互いに交絡し、1つまたは複数の繊維が他の層内に延在して凝集捺染複合不織布地150を形成する交絡ステップを概略的に示す。矢印104は、捺染複合不織布地150を捺染部品130を含む衣料品160に形成する加工ステップを概略的に示す。衣料品160は、上着用ガーメントとして示されているが、本願では、衣料品160は、上着用ガーメント、靴のアッパー、帽子、手袋、袖などの他の形態をとってもよいと想定される。衣料品160の寿命が終わると、着用者は、衣料品160を、例えば製造業者/小売業者に返却することができることが想定され、そこでは、衣料品160は、第1繊維ウェブ110、内層120、および/または1つまたは複数の追加層140のような繊維ウェブを形成するために使用される細断繊維および/または再押し出し繊維を形成するために、矢印106で示されるように完全にリサイクルされて、自己保持ループを形成することができる。この自己保持ループは、捺染衣料品(編み物、織布および不織布地衣料品を含む)の製造に一般に関連する炭素影響を低減する。
【0042】
図2は、他のウェブと交絡する前および/または他の層と積層する前の第1繊維ウェブ110を示している。例示的な態様では、捺染複合不織布地150の所望の最終特性を達成するために、第1繊維ウェブ110に関連する特性を選択することができる。上述したように、第1繊維ウェブ110は、他のウェブと交絡したおよび/または他の層と積層されたときに、捺染複合不織布地150の第1装飾面側を形成するものと想定される。捺染複合不織布地150を衣料品として形成する場合、第1装飾面側は外側対向表面を形成し、いくつかの態様では衣料品の最外面を形成すると想定される。したがって、第1繊維ウェブ110に関連する所望の性能は、例えば、耐久性および耐摩耗性と隠蔽性とを含む。例示的な態様では、第1繊維ウェブ110の秤量は、約1m2あたり20g(gsm)から約150gsm、約35gsmから約65gsm、約40gsmから約60gsm、約45gsmから約55gsm、または約50gsmである。第1繊維ウェブ110の坪量をこの範囲内に設定することにより、第1繊維ウェブ110と他のウェブおよび/または弾性層とを組み合わせた後の坪量が所望の範囲内にある不織布地を得ることができる。
【0043】
第1繊維ウェブ110は、例えば繊維210(概略的に示す)のような繊維で形成されており、この繊維210は、カーディングおよびラッピングプロセスにより、実質的に共通の方向に配向することができる。例示的な態様では、繊維210はPET繊維(リサイクルまたはバージン)を含むことができるが、ここでは他のバージンおよびリサイクル繊維タイプ(例えば、ポリアミド、綿など)も想定される。1つの例示的な態様では、繊維210は、100重量%のリサイクル繊維、例えば100重量%のリサイクルPET繊維を含むことができる。しかしながら、他の態様では、必要に応じて、繊維210は、100重量%のバージン繊維、またはバージン繊維とリサイクル繊維との他の組み合わせを含むことができる。繊維210の短繊維長は、約40mmから約60mm、約45mmから約55mmまたは約51mmの範囲内であってもよい。この繊維の長さを使用することにより、最適な交絡が得られる。例えば、40mm未満では繊維が交絡するのに十分な長さを有しない場合があり、60mm以上では交絡中に針が不織布地から引き抜かれた場合に繊維が実質的に交絡しなくなる場合がある。例示的な態様では、繊維210は、例えば、元の押し出しPETまたは再押し出しPETから形成され、規定された長さに切断されるときに、均一な長さを含んでもよい。他の態様では、繊維210は、例えば、繊維210が細断された繊維源からのものである場合に、ステープル長さの変化を含んでもよい。任意の態様およびすべての態様、ならびにそれらの変更は、本願の各態様内に含まれると想定される。
【0044】
繊維210は、約1.2D以上、または約1.2Dから約3.5D、約1.2Dから約1.7D、約1.3Dから約1.6D、または約1.5Dのデニールを含むことができる。この範囲のデニールを用いることにより、繊維210が破断しにくくなり、また捺染複合不織布地150の第1装飾面側の耐久性および耐摩耗性が向上する。また、第1繊維ウェブ110の坪量を維持したまま、この範囲内でデニールが選択されることにより、第1装飾面側の良好で均一な被覆が提供され、これは、第1装飾面側の耐久性特性の向上に寄与する。第1繊維ウェブ110の坪量を維持したまま、例えば3.5Dよりも大きいデニールを選択することにより、一部の場合、例えば捺染部品を露出させることが望ましい場合、または少なくとも部分的に露出させることが望ましい場合に、第1装飾面側に対してより少ない被覆を提供することができる。
【0045】
例示的な態様では、第1繊維ウェブ110を形成するために使用される繊維210は、第1色特性を含むことができる。例えば、繊維210が原液染めされるように形成されている場合、押出プロセス中に繊維210に第1色特性を付与することができる。例示的な態様では、本願では、他の色を想定しているが、色特性は白色であってもよい。原液染め繊維を使用して捺染複合不織布地150を形成することにより、形成後の染色プロセスが不要となり、捺染複合不織布地150のカーボンフットプリントの低減にさらに貢献する。別の例示的な態様では、繊維210は、第1繊維ウェブ110が少なくとも部分的に半透明になるように構成されてもよい。すなわち、予め交絡または後交絡の第1繊維ウェブ110は、捺染複合不織布地150の内層120の捺染部品130が、第1繊維ウェブ110を介して第1装飾面側に少なくとも部分的に視認できるようにする。
【0046】
図3は、他のウェブおよび/または層と交絡および/または積層する前に捺染部品130を有する内層120を示している。例示的な態様では、捺染部品130および/または捺染複合不織布地150の所望の最終特性を達成するために、内層120に関連する特性を選択することができる。通常、内層120は、本願で想定される少なくとも1つの捺染技術と互換性があり、所望の審美的特性を有する捺染部品130を含むことができるように構成されてもよい。一例では、内層120は、第1色特性(白色)と、1つまたは複数の着色物質を受容するように適合された少なくとも1つの面とを有し、これらは共同で捺染部品130を形成する。例示的な態様では、内層120は、本願で想定される繊維に関連する特徴を有する任意の選択された繊維で形成される繊維ウェブであってもよい。他の例示的な態様では、内層120は、捺染部品130に所望の審美的特性を提供するように構成された特徴を有するスパンレース層である。内層120に関連する他の態様について、以下でより詳細に説明する。
【0047】
図4~
図6は、それぞれ、捺染複合不織布地150の1つまたは複数の追加層140に含まれてもよい、例示的な繊維ウェブまたは例示的な層を示す。
図4は、他のウェブと交絡する前および/または他の層と積層する前の第2繊維ウェブ112を示す。例示的な態様では、捺染複合不織布地150の所望の最終特性を達成するために、第2繊維ウェブ112に関連する特性を選択することができる。上述したように、本願では、第2繊維ウェブ112は、他のウェブと交絡するときに、捺染複合不織布地150の反対側の第2装飾面側を形成すると想定する。捺染複合不織布地150が衣料品を形成するとき、本願では、第2装飾面側は衣料品の内側対向表面を形成し、いくつかの態様では、最内面を形成することが想定される。したがって、第2繊維ウェブ112に関連する特性は、例えば、ソフトな風合いまたは手触りを含む。例示的な態様では、第2繊維ウェブ112の坪量は、約20gsmから約150gsm、約1m2あたり35g(gsm)から約65gsm、約40gsmから約60gsm、約45gsmから約55gsm、または約50gsmである。例示的な態様では、第2繊維ウェブ112は、第1繊維ウェブ110と実質的に同じ秤量を有する。第2繊維ウェブ112の坪量をこの範囲に設定することにより、第2繊維ウェブ112を他ウェブと組み合わせ、および/または他の層と積層した後、所望の範囲の坪量を有する不織布地が得られる。
【0048】
第2繊維ウェブ112は、カーディングおよびクロスラッピングプロセスのために実質的に共通の方向に配向することができる繊維310(概略的に示す)および繊維312(概略的に示す)のような2種類の繊維で形成することができる。例示的な態様では、繊維310はPET繊維(リサイクルまたはバージン)を含んでもよいが、ここでは他のバージンおよびリサイクル繊維タイプ(例えば、ポリアミド、綿など)が考慮される。1つの例示的な態様では、繊維310は、100重量%のリサイクル繊維、例えば100重量%のリサイクルPET繊維を含んでもよい。しかしながら、他の態様では、繊維410は、所望に応じて、100重量%のバージン繊維、またはバージン繊維とリサイクル繊維の他の組み合わせを含むことができる。
【0049】
繊維312は、繊維310とは異なる特徴を有することを示す点線で示されている。繊維312は、例えば、シリコーン樹脂被覆繊維を含む。繊維312を第2繊維ウェブ112に組み込む前に、繊維312をシリコーン樹脂で被覆してもよい。例示的な態様では、第2繊維ウェブ112は、約10重量%から約100重量%の繊維312、約40重量%の繊維310と約60重量%の繊維312、約45重量%の繊維310と約55重量%の繊維312、約55重量%の繊維310と約45重量%の繊維312、または約60重量%の繊維310と約40重量%の繊維312を含むことができる。第2繊維ウェブ112は、約100重量%の繊維312を含むことができることが示されているとき、本願では、繊維312は、その長さに沿って間欠的にシリコーン樹脂で被覆されることが想定される。上記範囲内で繊維310および繊維312を用いることにより、第2繊維ウェブ112によって形成される第2面に良好な風合いを与えることができる。また、捺染複合不織布地150に良好なドレープ性を与える。言い換えれば、捺染複合不織布地150は、従来のクリーンスペースやパーソナルサニタリースペースで使用されていた不織布地のように硬くない。さらに、シリコーン被覆繊維は、絡合中により容易に移動することができるので、上記の範囲の繊維310および繊維312を用いて、本願に記載の繊維ウェブを絡合するには必要なニードル力の量を低減することができる。上記範囲を下回る範囲のシリコーン樹脂被覆繊維を組み込むと、着用時に、第2装飾面側では、乾燥や不快感を与えることがある。一方、上記範囲以上のシリコーン樹脂被覆繊維を組み込むと、第2装飾面側が滑らかに感じられ、これによっても、着用者に不快感を与える可能性がある。また、上記範囲以上のシリコーン樹脂被覆繊維を使用すると、カーディングワイヤが繊維と摩擦係合して均一なカーディングウェブを得ることができず、カーディングプロセスが困難になる可能性がある。さらに、上記範囲以上のシリコーン樹脂被覆繊維を使用すると、シリコーン樹脂によって摩擦力が低下し、捺染複合不織布地150の構造的完全性に影響を与えるため、繊維間に十分な交絡が生じない場合もある。
【0050】
シリコーン樹脂被覆繊維を利用することにより、後加工プロセスにおいて、捺染複合不織布地150にシリコーン樹脂仕上げ剤を添加する必要がなくなる。よく知られているように、布地の分野では、後加工プロセスでシリコーン柔軟仕上げ剤を編み物や織編物に添加することが一般的である。このプロセスを省略することにより、捺染複合不織布地150のカーボンフットプリントがさらに低減する。
【0051】
繊維310および312のそれぞれの短繊維長は、約40mmから約60mm、約45mmから約55mmまたは約51mmの範囲内であってもよい。繊維210と同様に、この長さは最適な絡合を提供することができる。例示的な態様では、繊維310および/または312は、繊維がバージン押出PETまたは再押出PETから形成され、定められた長さに切断される場合など、均一な長さを有することができる。他の態様では、繊維310および/または312は、例えば、繊維310および/または312が細断された繊維からのものである場合に、短繊維の長さの変化を含むことができる。任意の態様およびすべての態様、ならびにそれらの変更は、本願の各態様おいて含まれると想定される。
【0052】
繊維310および312の各々は、約1D以下のデニールを含むことができる。デニールは、例えば、約0.1D、約0.2D、約0.3D、約0.4D、約0.5D、約0.6D、約0.7D、約0.8D、または約0.9Dとすることができる。例示的な態様では、繊維310および312のデニールは、約0.6Dから約1D、約0.7Dから約0.9D、または約0.8Dとすることができる。この範囲のデニールを使用することは、第2繊維ウェブ112によって形成される第2装飾面側にソフトな風合いまたは手触りを与えることに寄与する。また、第2繊維ウェブ112の秤量を維持したまま、この範囲内のデニールを選択することは、第2装飾面側の良好な被覆を提供する。
【0053】
例示的な態様では、第2繊維ウェブ112を形成するために使用される繊維310および312の各々は、同じ色特性または異なる色特性を有してもよい。例示的な態様では、繊維310および312の両方は繊維210の第1色特性を含む。繊維210と同様に、繊維310および312のそれぞれはドープ染色されてもよく、得られる複合不織布地帛の後処理染色ステップの必要性をさらに低減する。
【0054】
図5は、他のウェブと交絡する前および/または他の層と積層する前の任意の第3繊維ウェブ114を示す。本願では、第3繊維ウェブ114は、捺染複合不織布地150に1つまたは複数の追加層140の一部として組み込まれる場合、第1繊維ウェブ110と第2繊維ウェブ112との間に位置することが想定される。例示的な態様では、捺染複合不織布地150の所望の最終特性を達成するために、第3繊維ウェブ114に関連する特性を選択することができる。例示的な態様では、第3繊維ウェブ114は、捺染複合不織布地150の所望の坪量、捺染複合不織布地150の所望の厚さ、捺染複合不織布地150の所望の断熱性、捺染複合不織布地150の所望のパイル等を達成するために、捺染複合不織布地150に組み込まれ得る。以下でさらに説明されるように、捺染複合不織布地150に視覚的な美しさを与えるために、第3繊維ウェブ114を形成する繊維は、第1繊維ウェブ110および第2繊維ウェブ112を形成するために使用される繊維とは異なる色特性を有することができる。第3繊維ウェブ114は、第1繊維ウェブ110および第2繊維ウェブ112と同様に、秤量が20gsmから約150gsm、1m2あたり約35g(gsm)から約65gsm、約40gsmから約60gsm、約45gsmから約55gsm、または約50gsmである。第3繊維ウェブ110の坪量をこの範囲内に設定することにより、第3繊維ウェブ114が他の繊維ウェブおよび/または弾性層と組み合わされた後の坪量が所望の範囲内にある不織布地が得られる。
【0055】
第3繊維ウェブ114は、例えば繊維410(概略的に示す)のような繊維で形成されており、この繊維410は、カーディングおよびクロスラッピングプロセスにより、実質的に共通の方向に配向することができる。例示的な態様では、繊維410はPET繊維(リサイクルまたはバージン)を含むことができるが、本願では、他のバージンおよびリサイクル繊維タイプ(例えば、ポリアミド、綿など)を想定している。1つの例示的な態様では、繊維410は、100重量%のリサイクル繊維、例えば100重量%のリサイクルPET繊維を含むことができる。しかしながら、他の態様では、必要に応じて、繊維410は、100重量%のバージン繊維、またはバージン繊維とリサイクル繊維との他の組み合わせを含むことができる。繊維210、310、312と同様に、繊維410の短繊維長は、約40mm~約60mm、約45mm~約55mmまたは約51mmの範囲であってもよい。例示的な態様では、繊維410は、繊維がバージン押出PETまたは再押出PETから形成され、定められた長さに切断される場合のように、均一な長さを有することができる。他の態様では、繊維410は、例えば、繊維410が細断された繊維由来からの場合、短繊維の長さの変化を含むことができる。任意の態様およびすべての態様、ならびにそれらの変更は、本願の各態様内に含まれると想定される。
【0056】
繊維410は、約1.2以上、約1.2Dから約3.5D、約1.3Dから約1.6D、または約1.5Dのデニールを含むことができる。この範囲のデニールを用いることにより、繊維410が破断しにくくなり、また捺染複合不織布地150の耐久性および耐摩耗性が向上する。第3繊維ウェブ114は、使用時に第1繊維ウェブ110と第2繊維ウェブ112との間に位置するので、ソフトな風合いを持つことが例えば第2繊維ウェブ112ほど重要ではない。第3繊維ウェブ114の坪量を維持したまま、この範囲のデニールを選択することにより、捺染複合不織布地150の全体的な被覆率および/または不透明度が向上する。
【0057】
いくつかの態様では、第3繊維ウェブ114を形成するために使用される繊維410は、第1色特性とは異なる第2色特性を含むことができる。これは、
図4において対角線シェーディングラインを用いて描かれている。本願では、繊維410が原液染めされ、捺染複合不織布地150のカーボンフットプリントがさらに低減されることを想定している。以下により詳細に説明されるように、第1繊維ウェブ110、第2繊維ウェブ112、および第3繊維ウェブ114の交絡の間、繊維410は他方の装飾面側ではなく、一方の装飾面側へより多く移動し、これにより、第2色特性が他の装飾面側よりも一方の装飾面側でより視覚的に識別可能または区分可能となるようにしてもよい。本願では、第1繊維ウェブ110の繊維210、第2繊維ウェブ112の繊維310、および第3繊維ウェブ114の繊維410は、シリコーン樹脂で被覆されていないものとする。
【0058】
図6は、1つまたは複数の追加層140の一部として含むことができる弾性層116を示している。例示的な態様では、弾性層116の秤量は、約20gsmから約150gsm、約50gsmから約70gsm、約55gsmから約65gsm、または約60gsmであってもよい。弾性層116の坪量は、得られる捺染複合不織布地の所望の坪量を達成するように選択することができる。本願の態様は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー(TPEEE)、TPUとTPEEEの組み合わせなどの熱可塑性エラストマーから弾性層116を形成することを想定する。弾性層は、スパンボンド層、フィルム、ウェブ等を含むことができる。特定の例示的な態様では、弾性層116は、TPEEスパンボンド層を含むことができる。いくつかの例示的な態様では、スパンボンド層は、延伸および回復性を維持しながら、例えばフィルムと比較してニードルパンチプロセスに優れていることが見出されている。一般に、弾性層116は、交絡過程において構造的完全性を実質的に維持しながら、捺染複合不織布地150に所望の延伸性および回復性を付与するように選択される。本願では、弾性層116が色特性を有することを想定している。例示的な態様では、本願では他の色特性を想定しているが、色特性は繊維210、310、および312に関連する第1色特性とすることができる。
【0059】
図7は、例示的な捺染複合不織布地150を製造し、衣料品160に組み込むための例示的な製造プロセスを示しており、このプロセスは符号700で示される。
図7における製造部品の説明は単に例示的なものであり、製造プロセス700の様々なステップの一般的な特徴を伝えることを意図している。さらに、これらのステップは順序で実行されるように示されているが、本願の各態様では、製造プロセス700は、1つまたは複数のステップの任意の組み合わせを含みうることが想定されており、ここで、任意のステップは、繰り返しまたは示されているものとは異なる順序で実行されてもよい。高いレベルでは、
図7は、製造プロセス700のいくつかの個別のステップを示しており、捺染技術を用いて捺染部品130を内層120上に形成して捺染層170を形成するステップと、捺染層170の第1面を第1繊維ウェブ110の第2面に隣接して配置して複合構造180を形成するステップと、複合構造180に交絡プロセスを施して捺染複合不織布地150を形成するステップと、捺染複合不織布地150を衣料品160に組み込むステップとを含む。
【0060】
ステップ702から、内層120が取得され、および/または提供される。ステップ704において、捺染技術を用いて捺染部品130を形成し、該捺染技術は、一般に内層120の第1面に着色物質132を付与するものとして記載される。ステップ706は、使用される捺染技術に関連する任意および/または追加のステップを記載し、この例では、使用された着色物質132および内層120が熱源707によって生成された熱を受ける硬化プロセスを一般に記載する。ステップ708において、捺染層170の第1面は、第1繊維ウェブ110の第2面に隣接して位置され、任意のサブステップにおいて、捺染層170の対向する第2面は、1つまたは複数の追加層140の第1面に隣接して配置する。第1繊維ウェブ110および捺染層170は、任意に1つまたは複数の追加層140を含んでもよい複合構造180を形成する。ステップ710は、一般に、複合構造180に第1条件711および第2条件712を含む交絡プロセスを施すことを説明する。例示的な態様では、第1条件711は、第1組のパラメータに関連するニードルパンチの第1パスであり、第2条件712は、第2組のパラメータに関連するニードルパンチの第2パスである。第1条件711および第2条件712は例示的なものに過ぎず、本願では、所望の捺染複合不織布地を達成するために、より多くまたはより少ない針パスを使用することができると想定される。ステップ714に示されるように、交絡プロセスの完了後、複合構造180は、捺染複合不織布地150になる。次いで、ステップ716において、捺染複合不織布地150が衣料品160に組み込まれる。製造プロセス700のステップに関連する追加の態様について、捺染層170および捺染複合不織布地150の構成例に関連して、以下でより詳細に説明する。
【0061】
図8は、第1繊維ウェブ110および/または1つまたは複数の追加層140と組み合わされる前の例示的な捺染層870を示す。図示するように、捺染層870は、第1面871を有し、内部繊維ウェブ820と捺染部品130とを含む。様々な態様では、内部繊維ウェブ820は、第3繊維ウェブ114に類似した1つまたは複数の特徴を有し、したがって、内部繊維ウェブ820を形成する繊維412も、繊維410に類似した1つまたは複数の特徴を含むことができる。しかしながら、この例では、繊維412は、繊維410とは異なる色特性を有するように記載され、捺染部品130が繊維820の内部繊維ウェブから視覚的に識別または区分できるように、繊維412の色特性が構成されてもよいと想定される。1つの例示的な態様では、繊維412の色特性は白色とすることができ、他の例示的な態様では、この色特性は、灰色または赤色、橙色、黄色、緑色、青色、インジゴ色または紫色のより明るい色調とすることができる。繊維412は原液染めされてもよく、他の繊維ウェブとの交絡の間、繊維412は、他方の装飾面側よりも一方の装飾面側に向かって移動してもよく、色特性が他方の装飾面側よりも一方の装飾面側の方でより視覚的に識別可能であるか、区分可能であるようにする。本願では、繊維412はシリコーン樹脂で被覆されていないことも想定される。
【0062】
他の例示的な態様では、第3繊維ウェブ114と同様に、内部繊維ウェブ820に関連する特性が、捺染複合不織布地150の所望の最終特性を達成するために選択されてもよいと想定される。例示的な態様では、所望の坪量、所望の厚さ、所望の断熱性、所望のパイル等を達成するために、内部繊維ウェブ820を捺染複合不織布地150に組み込むことができる。第3繊維ウェブ114と同様に、内部繊維ウェブ820の秤量は、約20gsmから約150gsm、約1m2あたり35g(gsm)から約65gsm、約40gsmから約60gsm、約45gsmから約55gsm、または約50gsmである。内部繊維ウェブ820の秤量は、内部繊維ウェブ820が他のウェブおよび/または層と組み込まれる後に、捺染複合不織布地150が所望の範囲内の秤量を有するように、この範囲内に設定される。
【0063】
上述したように、内部繊維ウェブ820は繊維412(概略的に示す)のような繊維で形成され、カーディングおよびクロスラッピングプロセスにより、実質的に共通の方向に配向することができる。例示的な態様では、繊維412はPET繊維(リサイクルまたはバージン)を含むことができるが、本願では、他のバージンおよびリサイクル繊維タイプ(例えば、ポリアミド、綿など)も想定される。1つの例示的な態様では、繊維412は、100重量%のリサイクル繊維、例えば100重量%のリサイクルPET繊維を含むことができる。しかしながら、他の態様では、必要に応じて、繊維412は、100重量%のバージン繊維、またはバージン繊維とリサイクル繊維との他の組み合わせを含むことができる。繊維410と同様に、繊維412の短繊維長は、約40mmから約60mm、約45mmから約55mm、または約51mmの範囲内であってもよい。例示的な態様では、繊維412は、例えば、繊維がバージン押し出しPETまたは再押し出しPETで形成され、規定された長さに切断されるときに、均一な長さを含むことができる。他の態様では、繊維412は、例えば、繊維412が細断された繊維由来からの場合、短繊維の長さの変化を含むことができる。任意の態様およびすべての態様、ならびにそれらの変更は、本願の各態様内に含まれると想定される。
【0064】
繊維412は、約1.2D以上、約1.2Dから約3.5D、約1.3Dから約1.6D、または約1.5Dのデニールを含むことができる。この範囲のデニールを用いることにより、繊維412が破断しにくくなり、また、捺染複合不織布地150の耐久性および耐摩耗性が向上する。内部繊維ウェブ820は、使用時に第1繊維ウェブ110と第2繊維ウェブ112との間に位置するので、ソフトな風合いを持つことが例えば第2ウェブ112よほど重要ではない。内部繊維ウェブ820の坪量を維持したまま、この範囲のデニールを選択することにより、捺染複合不織布地150の全体的な被覆率および/または不透明度が向上する。
【0065】
図8に示すように、捺染部品130は、第1面871にデジタル捺染法により付与された着色剤134で形成されている。上述のように、着色剤134は、捺染部品130に、例えば、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、インジゴ、色紫色、および/またはその色合いのような1つまたは複数の色特性を付与することができる。また、捺染部品130は、内部繊維ウェブ820の1つまたは複数の領域(未図示)に配置されており、また、捺染部品130が長方形として描かれている場合であっても、本願の例示的な態様では、捺染部品130は、画像、グラフィック、デザイン、視覚的なマーク、ロゴ、幾何学的形状、有機的形状、パターン、文字、数字などのようなブランドに関連する形状を含む1つまたは複数の形状を含むことができると想定される。
【0066】
図9は、
図8の捺染層870の横断面を示している。図示のように、捺染部品130を形成する着色剤134は、捺染層870の第1面871上に位置し、内部繊維ウェブ820を通って捺染層870の対向する第2面872に向かって部分的に延在する。着色剤134は、第1面871および内部繊維ウェブ820上に明瞭に描かれて表示されるが、着色剤134のこのような表示は例示的であることが理解されるべきである。したがって、本願の各態様では、着色剤134が、より少ない描画および/または不規則な態様で捺染層870に含まれ得ることを想定している。着色剤134は、内部繊維ウェブ820の繊維412に付着し、および/または繊維412に少なくとも部分的に吸収された部分を含み、繊維412に付着していない他の部分を含むことも想定される。
【0067】
図10は、捺染部品が着色剤の代わりに昇華性染料136によって形成される捺染層870の代替横断面を示す。したがって、昇華性染料136は、昇華捺染プロセスによって第1面871に付与することができる。昇華捺染プロセスとデジタル捺染プロセスとの違い、昇華性染料136と着色剤134との違いにより、昇華性染料136は着色剤134とは異なる方式で捺染層870に含有される。図示のように、昇華性染料136は捺染層870により多く吸着される。すなわち、昇華性染料136は、第1面871よりも上方には延在せず、部分的に内部繊維ウェブ820の内部を通って着色剤134よりも大きく延在している。同様に、
図9と同様に、昇華性染料136が第1面871上に明確に描かれ、内部繊維ウェブ820を貫通する表示は例示的なものであり、本願の各態様では、昇華性染料136が、より少ない描画および/または不規則な態様で捺染層870に含まれ得ることを想定している。昇華性染料136は、内部繊維ウェブ820の繊維412に結合され、付着し、および/または繊維412に少なくとも部分的に吸収される部分を含み、さらに、繊維412に接続されない、および/または繊維412から分離している他の部分を含むことも想定される。
【0068】
図11~
図14は、第1繊維ウェブ110、捺染層870(例えば、捺染部品130を含む内部繊維ウェブ820)、第2繊維ウェブ112、および弾性層116に交絡プロセスを施して形成される例示的な捺染複合不織布地850の各態様を示している。
図11は、第1繊維交絡ウェブ810から少なくとも部分的に形成された捺染複合不織布地850の第1装飾面側851を示す。
図12(捺染複合不織布地850の横断面が示されている)に最良に示すように、第1繊維交絡ウェブ810は、第1繊維ウェブ110からの繊維210と、第2繊維ウェブ112からの繊維310および312と、内部繊維ウェブ820からの繊維412とを含む。また、捺染複合不織布地850の第2装飾面側852は、主として繊維310および312を含む第2繊維交絡ウェブ812によって少なくとも部分的に形成されている。また、主に繊維412を含む内部繊維交絡ウェブ814は第1繊維交絡ウェブ810と第2繊維交絡ウェブ812との間に位置する。内部繊維交絡ウェブ814は、第1繊維交絡ウェブ810の第2面に隣接して配置する第1面の捺染部品130をさらに含む。また、弾性層116は、第1繊維交絡ウェブ810と第繊維交絡ウェブ812との間にも位置し、内部繊維交絡ウェブ814に隣接している。
【0069】
例示的な態様では、捺染部品130は、交絡パラメータ、繊維412の特徴、および/または着色剤134の特徴のために、捺染複合不織布地850の第1装飾面側851に捺染部品130が視認できるように、少なくとも部分的に第1繊維交絡ウェブ810を通して視認される。これに加えて、同じ理由で、内部繊維交絡ウェブ814の異なる領域と、捺染部品130の異なる部分とが、第1繊維交絡ウェブ810に異なる態様で組み込まれている。例示的な態様では、第1繊維交絡ウェブ810は、少なくとも部分的に半透明であってもよい。他の例示的な態様では、交絡プロセスのパラメータは、着色剤および/または昇華性染料の離散粒子と、捺染部品130を形成する着色剤および/または昇華性染料を含む繊維とが、第1繊維交絡ウェブ810および/または第1装飾面側851に移行するように構成することができる。
【0070】
図13は、
図12の捺染複合不織布地850の横断面の拡大図を示す。
図13には、内部繊維交絡ウェブ814の第1領域821が示されており、繊維210、310、312、412および捺染部品130の構成例が示されている。第1領域821は、捺染部品130の第1部分831を含み、第1領域821において、少なくともいくつかの着色剤134が繊維412に付着されて、繊維414を形成する。また、繊維412および414と繊維310および312は第1繊維交絡ウェブ810に組み込まれている。繊維414は、少なくとも1つの繊維414が捺染複合不織布地850の第1装飾面側851まで延在するように組み込まれている。また、捺染部品130の第1部分831は、繊維412に付着していない着色剤134の少なくともいくつかの離散粒子を含む。したがって、第1領域821において、第1装飾面側851は、少なくとも部分的に、捺染部品130の第1部分での着色剤134と繊維414とによって形成される。
【0071】
図14は、
図12の捺染複合不織布地850の横断面の拡大図を示す。
図14には、内部繊維交絡ウェブ814の第2領域822が示されており、繊維210、310、312、412および捺染部品130の構成例が示されている。第2領域822は、捺染部品130の第2部分832を含み、第1領域821と同様に、第2領域822において、着色剤134が繊維412に付着して繊維414を形成するとともに、繊維412に付着しない離散粒子としても含まれる。しかし、第1領域821とは異なり、第2領域822では、繊維412および414は第1繊維交絡ウェブ810から排除されている。繊維210、310および312は、第1領域821および第2領域822においても同様の構成を有する。具体的には、繊維210の少なくとも一部は、内部繊維交絡ウェブ814内に延在し、残りの繊維210は、内部繊維交絡ウェブ814および弾性層116を通って第2繊維交絡ウェブ812内にさらに延在している。また、繊維310および312の少なくとも一部は、弾性層116および内部繊維交絡ウェブ814を通って延在して、第1繊維交絡ウェブ810内に入る。
【0072】
図15は、第1繊維ウェブ110および/または1つまたは複数の追加層140と組み合わされる前の例示的な捺染層970を示す。図示のように、捺染層970は、第1面971を有し、スパンレース層920と捺染部品130とを含む。様々な態様では、スパンレース層920は、捺染部品130に所望の美しさを提供するように構成され、したがって、スパンレース層920は、捺染部品130を捺染および保持するのに適した1つまたは複数の特徴を含むことができる。例示的な態様では、スパンレース層920は、捺染部品130がスパンレース層920から視覚的に識別または区分されるように構成されてもよい。1つの例示的な態様では、スパンレース層920の色特性は白色であってもよく、他の例示的な態様では、該色特性は、灰色または赤色、橙色、黄色、緑色、青色、インジゴ色または紫色のより明るい色調であってもよい。他の例示的な態様では、スパンレース層920は、ウェブの形態であってもよいスパンレース繊維を含むことができる。別の例の態様では、スパンレース層920の坪量は、約20gsmから約150gsm、約30gsmから約50gsm、約35gsmから約45gsm、または約40gsmであってもよい。
【0073】
さらなる例示的な態様では、スパンレース層920はPETで形成されることが予想される。これらの態様では、また、スパンレース層920がPET繊維(リサイクルまたはバージン)を含むことを想定しているが、他のバージンおよびリサイクル繊維タイプ(例えば、ポリアミド、綿など)も想定される。1つの例示的な態様では、スパンレース層920の繊維は、100重量%のリサイクル繊維、例えば100重量%のリサイクルPET繊維を含むことができる。しかしながら、他の態様では、スパンレース層920の繊維は、必要に応じて、100重量%のバージン繊維、またはバージン繊維とリサイクル繊維との他の組み合わせを含むことができる。さらに別の態様では、スパンレース層920の繊維の短繊維長は、捺染複合不織布地950の他の繊維ウェブに含まれる繊維の短繊維長よりも長くてもよい。1つの例示的な態様では、スパンレース層920の繊維は、短繊維長の変化を含んでいてもよく、他の例示的な態様では、スパンレース層920の繊維は、スパンレース層920全体にわたって連続していてもよい。さらに別の態様では、スパンレース層920の繊維は、捺染部品130に所望の美しさを提供するスパンレース層920の特性を提供するように構成されたデニールを含むことができると想定される。別の例示的な態様では、スパンレース層920の繊維は、スパンレース層920に疎水性を与えるように、さらには捺染複合不織布地950に疎水性を与えるように構成することができる。任意の態様およびすべての態様、ならびにそれらの変更は、本願の各態様内に含まれると想定される。
【0074】
図15の例に戻る。捺染部品130は、昇華捺染プロセスにより第1面971に付与された昇華性染料136により形成されている。上述したように、昇華性染料136は、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、インジゴ色、紫色、および/またはその色合いのような1つまたは複数の色特性を捺染部品130に提供することができる。また、捺染部品130は、スパンレース層920の1つまたは複数の領域(未図示)に位置し、また、捺染部品130が長方形として描かれている場合であっても、本願の例示的な態様では、捺染部品130は、画像、グラフィック、デザイン、視覚的なマーク、ロゴ、幾何学的形状、有機的形状、パターン、文字、数字などのようなブランドに関連する形状を含む1つまたは複数の形状を含むことができると想定される。
【0075】
図16は、
図15の捺染層970の断面図を示す。図示のように、昇華性染料136は、第1面971に付与され、捺染層970の対向する第2面972に向かって少なくとも部分的にスパンレース層920に吸収される。昇華性染料136は、第1面971上に明瞭に描かれ、捺染層970を貫通して表示されるが、昇華性染料136のこのような表示は説明的であることが理解されるべきである。したがって、本願の各態様では、昇華性染料136が、より少ない描画および/または不規則な態様で捺染層970に含まれることを想定している。昇華性染料136は、スパンレース層920およびその繊維に結合され、付着し、および/または、スパンレース層920およびその繊維に少なくとも部分的に吸収される部分を含み、さらに、スパンレース層920およびその繊維に接続されない、および/またはスパンレース層920およびその繊維から分離している他の部分を含むことも想定される。
【0076】
図17は、昇華性染料136の代わりに着色剤134によって捺染部品130が形成された捺染層970の代替横断面を示している。したがって、着色剤134は、デジタル捺染プロセスによって第1面971に付与されることができる。デジタル捺染プロセスと昇華捺染プロセスとの違い、および着色剤134と昇華性染料136との違いにより、着色剤134は昇華性染料136とは異なる方式で捺染層970に含有される。図示のように、着色剤134は、捺染層970の第1面971の上に部分的に延在し、また、捺染層970の対向する第2面972に向かって部分的にスパンレース層920を通って延在する。着色剤134は、第1面971およびスパンレース層920の上に明瞭に描かれて表示されるが、着色剤134のこのような表示は説明的であることが理解されるべきである。したがって、本願の各態様では、着色剤134が、より少ない描画および/または不規則な態様で捺染層970に含まれ得ることを想定している。着色剤134は、スパンレース層920およびその繊維に少なくとも部分的に付着および/または吸収された部分を含み、さらに、スパンレース層920およびその繊維に接続されない他の部分を含むことも想定される。
【0077】
図18~
図21は、第1繊維ウェブ110、捺染層970(例えば、捺染部品130を含むスパンレース層920)、第2繊維ウェブ112、第3繊維ウェブ114、および弾性層116に交絡プロセスを施して形成される例示的な捺染複合不織布地950の各態様を示す。
図18は、第1繊維交絡ウェブ910から少なくとも部分的に形成された捺染複合不織布地950の第1装飾面側951を示す。
図19(捺染複合不織布地950の横断面が示されている)に最良に示すように、第1繊維交絡ウェブ910は、第1繊維ウェブ110からの繊維210と、第2繊維ウェブ112からの繊維310および312と、第3繊維ウェブ114からの繊維410とを含む。また、捺染複合不織布地950の第2装飾面側952は、主として繊維310および312を含む第2繊維交絡ウェブ912によって少なくとも部分的に形成されている。また、主に繊維410を含む第3繊維交絡ウェブ914は第1繊維交絡ウェブ910と第繊維交絡ウェブ912との間に位置する。スパンレース層920は、第1繊維交絡ウェブ910とび第3繊維交絡ウェブ914との間に位置し、第1繊維交絡ウェブ910の第2面に隣接して配置する第1面の捺染部品130をさらに含む。またに、弾性層116は、第2繊維交絡ウェブ912と第3繊維交絡ウェブ914との間に位置する。
【0078】
例示的な態様では、捺染部品130は、交絡パラメータ、繊維110の特徴、スパンレース層920、および/または昇華性染料136の特徴のために、捺染部品130が捺染複合不織布地950の第1装飾面側951に視認できるように、少なくとも部分的に第1繊維交絡ウェブ910を通して視認される。これに加えて、同じ理由で、スパンレース層920の異なる領域と、捺染部品130の異なる部分とが、第1繊維交絡ウェブ910に異なる態様で組み込まれている。
【0079】
図20は、
図19の捺染複合不織布地950の横断面の拡大図を示す。
図20には、スパンレース層920の第1領域921が示されており、繊維210、310、312、410、スパンレース層920の繊維416、および捺染部品130の構成例が示されている。第1領域921は、捺染部品130の第1部分931を含み、第1領域921において、少なくともいくつかの昇華性染料136が繊維416に付着されて、繊維418を形成する。また、繊維416および418と繊維310、312および410は第1繊維交絡ウェブ910に組み込まれている。繊維418は、少なくとも1つの繊維418が捺染複合不織布地950の第1装飾面側951まで延在するように組み込まれている。また、捺染部品130の第1部分931は、繊維416に付着していない昇華性染料136の少なくともいくつかの離散粒子を含む。したがって、第1領域921において、第1装飾面側951は、捺染部品130の第1部分931での昇華性染料136と繊維418とによって少なくとも部分的に形成される。
【0080】
図21は、
図19の捺染複合不織布地950の横断面の拡大図を示す。
図21には、スパンレース層920の第2領域922が示されており、繊維210、310、312、410、416、418および捺染部品130の構成例が示されている。第2領域922は、捺染部品130の第2部分932を含み、第1領域921と同様に、第2領域922において、昇華性染料136が繊維416に付着および/または結合されて繊維418を形成するとともに、繊維416に付着しない離散粒子としても含まれる。しかし、第1領域921とは異なり、第2領域922では、繊維416および418は第1繊維交絡ウェブ910から排除されている。繊維210、310、312および410は、第1領域921および第2領域922においても同様の構成を有する。具体的には、繊維210の少なくとも一部は、スパンレース層920を通って第3繊維交絡ウェブ914内に延在し、残りの繊維210は、弾性層116を通って第2繊維交絡ウェブ912にさらに延在している。また、繊維310および312の少なくとも一部は、弾性層116、第3繊維交絡ウェブ914、およびスパンレース層920を通って延在して、第1繊維交絡ウェブ910内に入る。また、繊維410の少なくとも一部は、スパンレース層920を通って第1繊維交絡ウェブ910内に延在し、残りの繊維410は、弾性層116を通って第2繊維交絡ウェブ912内に延在している。
【0081】
図22は、ジャケット、パーカー、長袖シャツ、ノースリーブシャツ、ベストなどの他の構成が想定されるが、半袖を有する上着用ガーメントの形態である例示的な下半身用衣料品1000を示している。図に示すように、下半身用衣料品1000は、第1複合不織布地1010と第2複合不織布地1020とで形成されている。本願の各態様では、第1複合不織布地1010および/または第2複合不織布地1020が、捺染複合不織布地150、850、950のいずれかと同一または類似の特徴を有してもよいことを想定している。図示されていないが、本願の各態様では、第1複合不織布地1010および/または第2複合不織布地1020が捺染層170、870、970のいずれかを含んでもよく、さらに、本願の各態様では、下半身用衣料品1000が捺染部品130を含んでもよいことも想定される。
【0082】
下半身用衣料品1000はいくつかの縫い目位置を含み、第1複合不織布地1010および/または第2複合不織布地1020は互いに接合されるか、下半身用衣料品1000の他の部分(例えば、袖部分、襟部分など)に接合される。第1縫い目位置1002は、下半身用衣料品1000の側部(例えば、サイド縫い目)の近傍にあり、第2縫い目位置1004は、下半身用衣料品1000の上部(例えば、襟部と袖との間に延びる縫い目)の近傍にある。また、第3縫い目位置1006は下半身用衣料品1000の襟部近傍にあり、第4縫い目位置1008は下半身用衣料品1000の袖部分の近傍にある。
【0083】
図23は、下半身用衣類の形態である例示的な下半身用衣料品1100を示す。なお、本願では、下半身用衣料品1100は、パンツとして示されているが、パンツ、七分丈、タイツ等の形態であってもよいことが想定される。図に示すように、下半身用衣料品1100は、第1複合不織布地1110と第2複合不織布地1120とで形成されている。本願の各態様では、第1複合不織布地1110および/または第2複合不織布地1120が、捺染複合不織布地150、850、950のいずれかと同一または類似の特徴を有してもよいことを想定している。図示されていないが、本願の各態様では、第1複合不織布地1110および/または第2複合不織布地1120が捺染層170、870、970のいずれかを含んでもよく、さらに、本願の各態様では、下半身用衣料品1100が捺染部品130を含んでもよいことも想定される。
【0084】
下半身用衣料品1100はいくつかの縫い目位置を含み、第1複合不織布地1110および/または第2複合不織布地1120は互いに結合されるか、下半身用衣料品1100の他の部分(例えば、腰、ポケット部分など)に接合される。第1縫い目位置1102は、下半身用衣料品11000の外側部分(例えば、サイド縫い目)の近傍にあり、第2縫い目位置1104は、下半身用衣料品11000の内側部分(例えば、インナー縫い目)の近傍にある。また、第3縫い目位置1106は、下半身衣料品1100のウエスト部(例えば、ベルト)の近傍にあり、第4縫い目位置1108は、下半身衣料品1100のポケットの近傍にある。
【0085】
図24は、
図22の上半身用衣料品の横断面図を示し、第1縫い目1001の例を示している。一般に、第1縫い目1001は、第1複合不織布地1010の繊維1030と第2複合不織布地1020の繊維1040との交絡によって形成される。また、第1複合不織布地1010は、第1複合不織布地1010の第1装飾面側1011を少なくとも部分的に形成する第1繊維交絡ウェブ1031と、第1複合不織布地1010の対向する第2装飾面側1012を少なくとも部分的に形成する第2繊維交絡ウェブ1032と、第1繊維交絡ウェブ1031と第2繊維交絡ウェブ1032との間に位置する第3繊維交絡ウェブ1033と、を含む。同様に、第2複合不織布地1020は、第2複合不織布地1020の第1装飾面側1021を少なくとも部分的に形成する第1繊維交絡ウェブ1041と、第2複合不織布地1020の対向する第2装飾面側1022を少なくとも部分的に形成する第2繊維交絡ウェブ1042と、第1繊維交絡ウェブ1041と第2繊維交絡ウェブ1042との間に位置する第3繊維交絡ウェブ1043と、をさらに含む。例示的な態様では、第1縫い目1001を形成することは、第1複合不織布地1010の第1装飾面側1111が第2複合不織布地1020の第1装飾面側1021に隣接するかまたは接触するように、第1複合不織布地1010の第1縁部1014を、第2複合不織布地1020の第2縁部1024に隣接して配置することを含んでもよい。そして、第1複合不織布地1010、第2複合不織布地1020をその位置に保持したまま、第1繊維交絡ウェブ1031、第2繊維交絡ウェブ1032、第3繊維交絡ウェブ1033のいずれかから得られる繊維1030と、第1繊維交絡ウェブ1041、第2繊維交絡ウェブ1042、第3繊維交絡ウェブ1043のいずれかから得られる繊維1040とが交絡するように、第1縁部1014と第2縁部1024に交絡プロセスを施す。
【0086】
図25は、
図23の下半身用衣料品1100の横断面図を示し、第2縫い目1101の例を示している。一般に、第2縫い目1101は、第1複合不織布地1110の繊維1130と第2複合不織布地1120の繊維1140との交絡によって形成される。また、第1複合不織布地1110は、第1複合不織布地1110の第1装飾面側1111を少なくとも部分的に形成する第1繊維交絡ウェブ1131と、第1複合不織布地1110の対向する第2装飾面側1112を少なくとも部分的に形成する第2繊維交絡ウェブ1132と、第1繊維交絡ウェブ1131と第2繊維交絡ウェブ1132との間に位置する第3繊維交絡ウェブ1133と、を含む。同様に、第2複合不織布地1120は、第2複合不織布地1120の第1装飾面側1121を少なくとも部分的に形成する第1繊維交絡ウェブ1141と、第2複合不織布地1120の対向する第2装飾面側1122を少なくとも部分的に形成する第2繊維交絡ウェブ1142と、第1繊維交絡ウェブ1141と第2繊維交絡ウェブ1142との間に位置する第3繊維交絡ウェブ1143と、を含む。例示的な態様では、第2縫い目1101を形成することは、第1複合不織布地1110の第2装飾面側1112が第2複合不織布地1120の第1装飾面側1121に隣接するかまたは接触するように、第1複合不織布地1110の第1縁部1114を第2複合不織布地1120の第2縁部1124に隣接して配置することを含むことができる。そして、第1複合不織布地1110、第2複合不織布地1120をその位置に保持したまま、第1繊維交絡ウェブ1131、第2繊維交絡ウェブ1132、第3繊維交絡ウェブ1133のいずれかから得られる繊維1130と、第1繊維交絡ウェブ1141、第2繊維交絡ウェブ1142、第3繊維交絡ウェブ1143のいずれから得られる繊維1140とが交絡するように、第1縁部1114、第2縁部1124に交絡処理を施す。
【0087】
図26は、複合不織布地1250に審美的および/または機能的特性を提供する製造プロセスで使用される複合不織布地1250の例の分解図を示しており、複合不織布地1250は、複合不織布地1250を組み込んだ衣料品に提供される。本願の様々な態様によれば、複合不織布地1250は、第1繊維ウェブ110、第2繊維ウェブ112、および弾性層116について交絡プロセスを実行することによって形成することができる。このため、
図26では、複合不織布地1250は、交絡プロセスを行った後であって、デボス部またはプリーツ構造を形成するための製造プロセスを行う前のものとして描かれている。
【0088】
図示のように、複合不織布地は、第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、および前記第1繊維交絡ウェブと前記第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層と、を含む。第1繊維ウェブ1210は、第1繊維ウェブ110からの繊維210を含み、複合不織布地1250の第1外向き側1251を少なくとも部分的に形成する。同様に、第2繊維ウェブ1212は、第2繊維ウェブ112からの繊維310、312を含み、複合不織布地1250(
図26には図示せず)の対向する第2外向き側1252を少なくとも部分的に形成する。弾性層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー(TPEE)、TPUとTPEEの組み合わせなどの熱可塑性エラストマーで形成されてもよい。特定の例示的な態様では、弾性層1216は、TPEEメルトブローン層を風組んでもよい。
【0089】
本願の態様は、繊維210、310、312が、本願で説明されたそれぞれの性質のいずれかを含み得ることを想定している。繊維210、310、312のこのような性質は、複合不織布地1250に要求される最終的な性質を達成するために、調整および/または選択的に含めてもよい。本願における同様の態様は、弾性層1216が、本願で論じたその性質のいずれかを含み得ることを想定している。さらに、複合不織布地1250に要求される最終的な特性を達成するために、弾性層1216のこのような特性を調整および/または選択的に含めてもよい。任意の態様およびすべての態様、ならびにそれらの変更は、本願の各態様内に含まれると想定される。
【0090】
説明していないが、本願の態様では、複合不織布地1250は、本願で論じた繊維および/または層の任意の交絡ウェブであってもよい、1つまたは複数の追加の繊維および/または層の交絡ウェブを含み得ると想定している。より具体的な態様では、複合不織布地1250の1つまたは複数の追加の繊維交絡ウェブおよび/または層のいずれかは、第1繊維交絡ウェブ810、910、1210、第2繊維交絡ウェブ812、912、1212、内部繊維交絡ウェブ814、第3繊維交絡ウェブ914、弾性層116、1216、内側層120、捺染層170、870、970、またはスパンレース層920であってもよい。追加の態様は、複合不織布地1250の所望の最終特性を達成するために、1つまたは複数の追加の繊維および/または層を調整および/または選択的に含み得る交絡ウェブの特性を想定する。さらなる態様では、複合不織布地1250の所望の最終特性を達成するために、1つまたは複数の追加の繊維交絡ウェブおよび/または層、第1繊維交絡ウェブ1210、第2繊維交絡ウェブ1212、および弾性層1216の配置を調整および/または構成し得ることが想定される。
【0091】
本発明の態様では、第1繊維交絡ウェブ1210、第2繊維交絡ウェブ1212、および/または弾性層1216の1つまたは複数の特性は、複合不織布地1250が、複合不織布地1250上にデボス部を形成する製造プロセスに適しているように構成され得ることが想定される。第1繊維交絡ウェブ1210、第2繊維交絡ウェブ1212および/または弾性層1216の特性の例としては、溶融温度、厚さ、色、秤量、材料組成、疎水性、親水性、繊維組成、繊維テーブル長、繊維デニールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
特定の例示的な態様では、第1繊維交絡ウェブ1210、第2繊維交絡ウェブ1212および弾性層1216は、それぞれ溶融温度を有する材料を含む。図示していないが、
図26の例では、第1繊維交絡ウェブ1210は、第1溶融温度を有する第1材料を含み、第2繊維交絡ウェブ1212は、第2溶融温度を有する第2材料を含み、弾性層1216は、第1材料の第1溶融温度よりも約40℃低い第3溶融温度を有する第3材料を含む。ここでの追加的な態様では、第1材料の第1溶融温度が、約210℃から約190℃、約205℃から約195℃、または約200℃であることを想定し、さらに、第2材料の第2溶融温度が、約210℃から約190℃、約205℃から約195℃、または約200℃であることを想定しているこれらの態様はまた、第3材料の第3溶融温度が約170℃から約150℃、約165℃から約155℃、または約160℃であることを想定している特定の例示的な態様では、第1材料の第1溶融温度は約200℃であり、第2材料の第2溶融温度は約200℃であり、第3材料の第3溶融温度は約160℃である本願において、「約」という用語は、一般に指示値の±10%以内を意味する。ここでの態様では、上記第1、第2、および第3材料、ならびにそれぞれの溶融温度は、上記材料層とは異なるものと関連付けられてもよいことがさらに想定される。例えば、第1繊維交絡ウェブ1210は、第2材料または第3材料で形成されていてもよい。同様に、第2繊維交絡ウェブ1212は、第1材料または第3材料で形成されていてもよい。同様に、弾性層1216は、第1材料または第2材料で形成されてもよい。本願の更なる態様では、第1繊維交絡ウェブ1210、第2繊維交絡ウェブ1212または弾性層1216を形成するために使用される第3材料で形成される材料の層は、第1材料および第2材料で形成される他の各層の間に位置することが想定される。さらに、本願の態様は、溶融温度の低い第3材料で形成された層が、層を形成する繊維の押出工程または捺染などの後押出工程で付与され得る色(ここでは「第3色」と呼ぶ)を含むことを想定する。
【0093】
図27A~
図28は、複合不織布地1250の第1外向き側1251にデボス部1230を形成する製造プロセスを実施した後の複合不織布地1250の様々な態様を示している。
図27Aおよび
図27Bには、複合不織布地1250が、第1繊維交絡ウェブ1210、第2繊維交絡ウェブ1212および弾性層1216の色特性を表すように概略的に示されている。したがって、
図27Aにおいて、対角線は繊維1210の第1交絡ウェブの第1色1241を示し、点は弾性層1216の第3色1243を示している。
図27Bにおいて、水平線は、第2巻回ウェブ1212の第2色1242を示している。
【0094】
図27Aは、複合不織布地1250の第1外向き側1251を示しており、図に示すように、デボス部1230は第1外向き側1251で視認可能である。複合不織布地1250は、第1領域1221および第2領域1222を含み、これらは、第1外向き側1251でも視認可能である。第1領域1221では、第1外向き側1251は第1繊維交絡ウェブ1210によって少なくとも部分的に形成され、その結果、第1領域1221では、第1繊維交絡ウェブ1210の第1色1241が第1外向き側1251で視認される。第2領域1222には、デボス部1230から少なくとも部分的に第1外向き側1251が形成されている。これにより、デボス部1230は、第2領域1222における第1外向き側1251で視認される。これに加えて、第1繊維交絡ウェブ1210の繊維210の少なくともいくつかは、第2領域1222においてデボス部1230内に一体化されているので、弾性層1216の第3色1243は、第2領域1222における第1外向き側1251で視認される。第3色1243は、弾性層1016を形成することができる繊維の押出中(例えば、被覆染色とも呼ばれる)に持続可能なインクレスプロセスによって追加されてもよく、第3色143は、弾性層1016を形成することができる繊維の押出後に、例えば本願で想定されるような捺染プロセスによって追加されてもよい。
【0095】
図27Bは、複合不織布地1250の対向する第2外向き側1252を示しており、図に示すように、デボス部1230は、対向する第2外向き側1252では視認不能である。対向する第2外向き側1252は、第1領域1221および第2領域1222において、第1外向き側1251とは異なり、第2繊維交絡ウェブ1212によって少なくとも部分的に形成されている。これにより、第1領域1221と第2領域1222とでは、第2繊維交絡ウェブ1212の第2色1242が対向する第2外向き側1252で視認される。
【0096】
ここでは、第1色1241が第3色1243と異なること、および/または、第1色1241が第2色1242および第3色1243と異なることが想定される。別の例示的な態様では、第2色1242は、第3色1243と異なる。他の例示的な態様では、第1色1241は第2色1242と実質的に同一であり、第1色1241は第3色1243と実質的に同一である。本願で論じた態様によれば、色は他の色と異なることが決定されてもよい。また、ある色の数値色値と、いずれかの数値色値に対する割合である数値色値との差に基づいて、ある色が他の色と「類似している」または「実質的に同一である」と判定することができる。第1色の数値色値と第2色の数値色値との差のパーセンテージが5%以下であれば、第1色と第2色とは「実質的に同一」である。
【0097】
図28は、複合不織布地1250の断面図である。図に示すように、第2領域1222は、第1領域1221に対してデボス加工されている。言い換えれば、第1領域1221における複合不織布地1250の厚みは、第2領域1222における複合不織布地1250の厚みよりも大きい。より具体的には、デボス部1230の厚さ1262は、第1領域1221における第1繊維交絡ウェブ1210および弾性層1216の厚さ1261よりも約50%小さい。これに加えて、複合不織布地1250における第2繊維ウェブ1212の厚さ1263は、第1領域1221と第2領域1222のそれぞれの約95%以内である。言い換えれば、第1領域1221における複合不織布地1250における第2繊維交絡ウェブ1212の厚さは、第2領域1222における複合不織布地1250における第2繊維交絡ウェブ1212の厚さの約95%以内である。
【0098】
様々な態様では、デボス部1230は、第1繊維交絡ウェブ1210および弾性層1216を含むが、第2繊維交絡ウェブ1212を含まない第2領域1222の一部を指してもよい。さらなる態様では、第1交絡ウェブ1210とデボス部1230における弾性層1216との関係および/または構成は、異なる方法で記述され得ることが想定される。1つの例示的な態様では、デボス部1230は、第1繊維交絡ウェブ1210からの複数の繊維212を包み込むフィルム状の弾性層1216を含んでもよい。本願で使用されるように、デボス部の繊維構造を記述するとき、「包み込む」という用語は、繊維表面積の少なくとも半分が弾性層のフィルム形態で囲まれていることを意味する。別の例示的な態様では、デボス部1230は、複数の繊維212およびフィルムで形成されたマトリックス構造を含んでもよい。
【0099】
図26A~28には、第1繊維交絡ウェブ1210、第2繊維交絡ウェブ1212および弾性層1216が異なる層として示されているが、ここでは、第1繊維交絡ウェブ1210および第2繊維交絡ウェブ1212が互いに交絡して弾性層1216を通って延び、凝集構造を形成することが想定される。しかしながら、1つの例示的な態様としては、第1繊維交絡ウェブ1210、第2繊維交絡ウェブ1212、および弾性層1216の各々は、複合不織布地1250の第1領域1221における異なる層の特徴を保持する。逆に、複合不織布地1250の第2領域1222では、第1繊維交絡ウェブ1210の繊維がデボス部1230で弾性層1216内に一体化されるので、第2繊維交絡ウェブ1212のみが固有の層の特徴を保持する。
【0100】
図29は、複合不織布地1250のデボス部1230を形成して衣料品1320に組み込むための例示的な製造プロセスを示しており、一般に符号1300で表される。
図29における部品の製造のいかなる説明も例示的であり、製造プロセス1300の様々なステップの一般的な特徴を伝達することを意味することを理解されたい。これに加えて、製造プロセス1300のステップは、順次実行されるものとして説明されているが、本願の態様では、製造プロセス1300は、1つまたは複数のステップの任意の組み合わせを含んでいてもよく、いずれのステップも、説明されている順序とは異なる順序で繰り返し実行されてもよいと想定されている。高いレベルでは、
図29は、一般的に、複合不織布地1250の第1外向き側1251の第2領域1222に熱および圧力のうちの1つまたは複数を加えてグラフィック1270を与えることを含む、製造プロセス1300の様々なステップを示している。
【0101】
ステップ1302から、複合不織布地1250が得られ、および/または提供される。複合不織布地1250は、第1色1241を有する第1繊維交絡ウェブ1210と、第2色1242(視認不能)を有する第2繊維交絡ウェブ1212と、第1繊維交絡ウェブ1210と第2繊維交絡ウェブ1212との間に位置する第3色1243を有する弾性層1216とを含む。第1色1241および第3色1243は、
図27Aおよび
図27Bと同様に示している。
【0102】
ステップ1304において、複合不織布地1250の第1外向き側1251上の第2領域1222に、弾性層1216が第1繊維交絡ウェブ1210からの複数の繊維を包み込むフィルムを形成するように、熱および圧力のうちの1つまたは複数1314(図示は矢印で示す)を加える。
図29の例では、デボス加工ツール1310は、複合不織布地1250の第2領域1222に熱および圧力のうちの1つまたは複数1314を加えるために使用される。デボス加工ツール1310は一例に過ぎず、本明細書では、例えば、レーザー、超音波溶接機などを含む他のツール方法が考えられる。デボス加工ツール1310は、ツーリング部品1312を含み、熱および圧力のうちの1つまたは複数1314の印加中に、ツーリング部品1312および/またはツーリング部品1312の表面(視認不能)に接触するかまたはほぼ接触する第1外向き側1251の部分に熱を伝達するように構成されている。さらに、ツーリング部品1312は円形を有するように描かれているが、本願の態様では、ツーリング部品1312および/またはその表面は、ブランドの商業製品に関連するデザイン、視覚的マーク、1つまたは複数の形状、および/または1つまたは複数の線状または曲線状の部分(例えば、標識、幾何学的形状、有機的形状、パターン、文字、数字など)を含み得ると想定されている。
【0103】
熱および圧力1314のうちの1つまたは複数の印加を開始するために、デボス加工ツール1310は、ツーリング部品1312および/またはその表面が、第1外向き側1251に接触するかまたはほぼ接触するように位置決めされる1222の第2領域で配置される。次いで、熱および圧力1314のうちの1つまたは複数が複合不織布地1250の第1外向き側1251の第2領域1222に加えられると、デボス加工ツール1310は適切な位置に保持される。熱および圧力のうちの1つまたは複数1314の印加を終了するために、デボス加工ツール1310は、ツーリング部品1312およびその表面が、第1外向き側1251から離間するように、1222の第2領域で再配置される。
【0104】
例示的な態様では、デボス加工ツール1310は、弾性層1216が第1繊維交絡ウェブ1210からの複数の繊維を包み込むフィルムを形成するのに十分な温度および持続時間で熱および圧力のうちの1つまたは複数1314を加えるように構成されている。他の例示的な態様では、デボス加工ツール1310は、約210℃~約160℃、約205℃~約165℃、約200℃~約170℃、約195℃~約175℃、約190℃~約180℃、約200℃~約190℃、または約195℃の温度で、第1外向き側方向1251の第2領域1222に、約80秒~約20秒、約75秒~約25秒、約70秒~約30秒、約65秒~約35秒、約60秒~約40秒、約55秒~約45秒、または約50秒間熱を与えるように構成されている。特定の例示的な態様では、デボス加工ツール1310は、第1外向き側1251の第2領域1222を、約190℃から約170℃の温度で約32秒から約28秒間熱を与えるように構成されている。別の特定の例示的な態様では、デボス加工ツール1310は、第1外向き側1251の第2領域1222を約180℃の温度で約30秒間熱を与えるように構成されている。本願において、「約」という用語は、一般に指示値の±10%以内を意味する。さらに別の特定の例示的な態様では、熱および圧力1314のうちの1つまたは複数が同時に加えられる。
【0105】
ステップ1304は、さらに、熱および圧力のうちの1つまたは複数1314の印加中に、複合不織布地1250の対向する第2外向き側1252が変形可能面1318に隣接して配置されるように、複合不織布地1250を変形可能面1318上に位置決めすることを含む。変形可能面1318は、熱および圧力のうちの1つまたは複数1314が加えられている間、対向する第2外向き側1252とのいかなる余熱接触も禁止および/または低減するように構成されている。従って、変形可能面1318は、絶縁性を有し、高い絶縁性材料(例えば、ゴム発泡体)で形成される。さらに、変形可能面1318は、熱および圧力のうちの1つまたは複数1314の印加中にツーリング部品1312および/またはその表面の形状に対応するように変形するように構成されている。
【0106】
ステップ1306において、熱および圧力1314のうちの1つまたは複数の印加が停止され、複合不織布地1250の第2領域1222において、弾性層1216は、第1繊維交絡ウェブ1210からの複数の繊維を包み込むフィルム1330を形成している。これにより、第2領域1222における第1外向き側1251の色は第3色1243となり、第1領域1221における第1外向き側1251の色は第1色1241となる。さらに、第2領域1222は、複合不織布地1250の第1外向き側1251にグラフィック1270を形成する。グラフィック1270は、ツーリング部品1312の形状および/またはその表面に対応する形状を有する。
図29の例では、グラフィック1270が円形であっても、本願の態様では、グラフィック1270は、ブランドの商業製品に関連するデザイン、視覚的なマーク、1つまたは複数の形状、および/または1つまたは複数の線状または曲線状の部分(例えば、標識、幾何学的形状、有機的形状、パターン、文字、数字など)を含むことができると想定される。これらの態様はまた、
図1270と異なる形状を有する図を、ツーリング部品1312と異なる形状を有するツーリング部品を有するデボス加工ツールを使用して形成することができることを想定している。
【0107】
1つの例示的な態様では、第2領域1222における複合不織布地1250の厚さは、第1領域1221における複合不織布地1250の厚さよりも約50%小さい。他の例示的な態様では、第2領域1222における複合不織布地の厚さは、第1領域1221における複合不織布地1250の厚さよりも約70%から約30%、約65%から約35%、約60%から約40%、または約55%から約45%小さい。さらなる例示的な態様では、複合不織布地1250における第2繊維交絡ウェブ1212の厚さは、第1領域1221および第2領域1222において互いに約95%から約85%、約90%または約95%以内である。本願において、「約」という用語は、一般に指示値の±10%以内を意味する。
【0108】
次いで、ステップ716において、捺染複合不織布地150が衣料品160に組み込まれる。複合不織布地1250は、衣料品1320の少なくとも一部を形成することができ、例示的な態様では、複合不織布地1250は、衣料品1320を形成するために1つまたは複数の他の織物(例えば、複合不織布地、織布および/または編物)と組み合わされる衣料品1320のパネルであることが想定される。
【0109】
図30Aおよび
図30Bは、複合不織布地1450を含む衣料品1400の例示的な上半身物品を示している。衣料品1400の上着は、
図30Aに示す長袖の上着の形態であり、衣料品1400の上着は、ジャケット、パーカー、半袖シャツ等であってもよいことを示している。
図30Bには、袖のない衣料品1400の上着が、ノースリーブのシャツやベスト等の形態であり得ることを示すために示されている。衣料品2800は、外向き面2810と内向き面(視認不能)とを含む。図に示すように、外向き面1401は、上半身用衣料品1400の最外面であり、同様に、内向き面1402は、上半身用衣料品1400の最内面である。さらに、複合不織布地1450の第1外向き側1451は、少なくとも部分的に上半身用衣料品1400の外向き面1401を形成し、複合不織布地1450の対向する第2外向き側1452は、少なくとも部分的に上半身用衣料品1400の内向き面1402を形成する。
【0110】
複合不織布地1450は、複合不織布地1250と同じ特徴を含むが、追加のデボス部を有する追加領域を含む。このようにして、複合不織布地1450は、第1領域1421、第2領域1422および第3領域1423を含む。第1領域1421は、第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、および第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層を含む。第2領域1422において、複合不織布地1450は、第1デボス部1431と第2繊維交絡ウェブとを含み、第3領域1423は、第2デボス部1432と第1繊維交絡ウェブとを含む。
【0111】
第1デボス部1431は、デボス部1230と同じ特徴を有し、従って、複合不織布地1450の第1外向き側1451に形成され、弾性層内に一体化された第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を含む。また、第1デボス部1431は、第1グラフィック1471を形成しており、
図30Aおよび
図30Bに示すように、上半身用衣料品1400の外向き面1401には視認可能であり、上半身用衣料品1400の内向き面1402には視認不能である。
【0112】
第2デボス部1432は、デボス部1230と同様の特徴を含むが、複合不織布地1450の反対側の第2外向き側1452に形成されている。したがって、デボス部1230とは異なり、第2デボス部1432は、弾性層内に一体化された第2繊維交絡ウェブからの複数の繊維を含む。第2デボス部1432は、第2グラフィック1472を形成しており、第2グラフィック1472は、1つの例示的な態様として、第1グラフィック1471とは異なる外観を有する。別の例示的な態様では、第2グラフィック1472は、第1グラフィック1471と実質的に同じ外観を有してもよい。また、
図30に示すように、第2デボス部1432は、上半身用衣料品1400の内向き面1402には視認可能であり、上半身用衣料品1400の外向き面1401には視認不能である。
【0113】
1つの例示的な態様では、第2デボス部1432はデボス部1230と同様に形成されてもよいが、デボス加工ツール1310は第1繊維交絡ウェブ1210の代わりに第2繊維交絡ウェブ1212に適用されてもよい。ここで、弾性層1216は、第2デボス部1432の色が第1デボス部1431と同様の第3色1243となるように、第2繊維交絡ウェブ1212からの複数の繊維を包み込むフィルムを形成する。1つの例示的な態様では、第2デボス部1432は、例えば、縫製またはケアラベルの貼付を伴う追加の製造プロセスを回避し、かつ、衣料品1400のより容易なリサイクルを容易にする衣料品1400のケア説明を含んでもよい。
【0114】
図31Aおよび31Bは、複合不織布地1550を含む下半身用衣料品1500の一例を示す。下半身用衣料品1500は、半ズボン、カプリパンツ、タイツ等の形態であることが予想されるが、下半身用衣料品は下半身衣類の形態であり、ズボンとして示されている。下半身用衣料品1500は、外向き面1501と内向き面1502とを含む。図に示すように、外向き面1501は、下半身用衣料品1500の最外面であり、同様に、内向き面1502は、下半身用衣料品1500の最内面である。さらに、複合不織布地1550の第1外向き側1551は、少なくとも部分的に外向き面1501を形成し、複合不織布地1550の対向する第2外向き側1552は、少なくとも部分的に内向き面1502を形成する。
【0115】
複合不織布地1550は、複合不織布地1250と同じ特徴を含むが、追加のデボス部を有する追加領域を含む。従って、複合不織布地1550は、第1領域1521、第2領域1522、第3領域1523、第4領域1524および第5領域1525を含む。第1領域1521は、第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、および第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層を含む。第2および第3領域1522,1523は、共に第2繊維交絡ウェブを含み、それぞれ第1デボス部1531および第2デボス部1532を含む。第4および第5の領域1524,1525は、いずれも第1繊維交絡ウェブを含み、それぞれ第3デボス部1533および第4デボス部1534を含む。
【0116】
第1および第2デボス部1531,1532は、デボス部1230と同じ特徴を有し、従って、複合不織布地1550の第1外向き側1551に形成され、弾性層内に一体化された第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を含む。また、第1デボス部1531は第1グラフィック1571を形成し、第2デボス部1532は第2グラフィック1572を形成する。
図31Aおよび31Bに示すように、第1および第2デボス部1531、1532は、下半身用衣料品1500の外向き面1501には視認可能であり、下半身用衣料品1500の内向き面1502には視認不能である。
【0117】
第3および第4デボス部1533、1534は、デボス部1230と同様の特徴を含むが、複合不織布地1550の反対側の第2外向き側1552に形成されている。従って、デボス部1230とは異なり、第3および第4デボス部1533,1534は、弾性層内に一体化された第2繊維交絡ウェブからの複数の繊維を含む。第3デボス部1533は第3グラフィック1573を形成し、第4デボス部1534は第4グラフィック1574を形成する。ここで、第1、第2、第3、および第4グラフィック1571、1572、1573、および1574のいずれかは、同じ外観または異なる外観を有することが想定される。また、
図31Aおよび31Bに示すように、第3、第4デボス部1533、1534は、下半身用衣料品1500の内向き面1502では視認可能であり、下半身用衣料品1500の外向き面1501では視認不能である。
【0118】
図32A-33は、複合不織布地1850、弾力回復性構造化織物1620、および複数のプリーツ1630を含むプリーツ構造1600の例を示している。本願で使用されるように、「構造化織物」という用語は、編み構造または織り構造のいずれかを有する織物を意味し、「弾力回復性」という用語は、張力を受けると織物が本来の長さに実質的に回復することを意味する。
図32Aは、複合不織布地1850によって少なくとも部分的に形成されたプリーツ構造1600の第1側1601を示し、
図32Bは、弾力回復性構造化織物1620によって少なくとも部分的に形成されたプリーツ構造1600の第2側1602を示す。さらに、以下で説明するように、プリーツ構造1600は、複数のプリーツ1630の山が第1側1601に形成され、複数のプリーツ1630の谷が第2側1602に形成されるように構成される。
【0119】
図33は、プリーツ構造1600の分解図を示し、複合不織布地1850は、第1繊維交絡ウェブ1810と、第2繊維交絡ウェブ1812と、第1繊維交絡ウェブ1810と第2繊維交絡ウェブ1812との間に位置する弾性層1816とを含む。複合不織布地1850は、第1繊維ウェブ110、第2繊維ウェブ112および弾性層116に交絡プロセスを施すことにより形成される。従って、第1交絡ウェブ1810は、第1ウェブ110からの繊維210(識別されない)を含み、複合不織布地1850の第1外向き側1851(
図32Aに示す)を少なくとも部分的に形成する。同様に、第2繊維ウェブ1812は、第2繊維ウェブ112からの繊維310、312(識別されない)を含み、複合不織布地1850の対向する第2外向き側1852を少なくとも部分的に形成する。弾性層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー(TPEE)、TPUとTPEEの組み合わせなどの熱可塑性エラストマーで形成されてもよい。
【0120】
弾力回復性構造化織物1620は、第2繊維交絡ウェブ1812の最外面1881に隣接して配置され、接着層1610を介して固定される。1つの例示的な態様では、接着層1610は、最外面1881の断続的な領域において、弾力回復性構造化織物1620が第2繊維交絡ウェブ1812に固定されるように、プリーツ構造1600に含まれる。
図33の例では、接着層1610は、1つまたは複数の第1領域1641における最外面1881に含まれ、1つまたは複数の第2領域1642における最外面1881には存在しない。このような接着層1610の構成の結果、弾力回復性構造化織物1620は、1つまたは複数の第1領域1641で第2繊維交絡ウェブ1812に固定され、1つまたは複数の第2領域1642で第2繊維交絡ウェブ1812に固定されていない。
【0121】
本願の態様は、1つまたは複数の第1領域1641の各々が長さおよび幅を有することを想定しており、長さは1つまたは複数の第1領域1641の幅よりも大きい。これらの例示的な態様を続けると、1つまたは複数の第2領域1642の各々は、長さおよび幅を有し、長さは、1つまたは複数の第2領域の幅よりも大きい。他の態様では、1つまたは複数の第1領域1641は、1つまたは複数の第2領域1642によって互いに分離されている。
【0122】
1つの例示的な態様として、接着層1610は、所定の温度に加熱されたときに溶融流動するように構成された熱活性化接着剤であってもよい。1つの態様では、接着層1610の熱活性化温度は、約125℃から約135℃までの範囲である1つの例示的な態様では、接着層1610の熱活性化温度は、第1繊維絡合ウェブ1810、第2繊維絡合ウェブ1812および弾性層1816の各々を形成する材料の溶融温度よりも低い(溶融温度は上記に記載されている)。他の態様では、接着層1610は、複合不織布地1850と化学的に結合するように、および/または弾力回復性構造化織物1620と機械的に結合するようにさらに構成され得ることが想定される。さらに、接着層1610は熱可塑性フィルムであってもよく、1つの例示的な態様では、接着層1610は熱可塑性エラストマーを含むことが想定される。別の例示的な態様では、接着層1610は、ベミス接着テープであってもよい。
【0123】
他の例示的な態様では、弾力回復性構造化織物1620は、伸長性および回復性を有するように構成される。従って、張力を加えると弾力回復性構造化織物1620は緊張状態に移行し、張力が解除されると弾力回復性構造化織物1620は緊張状態から静止状態に戻る。本願の他の態様では、弾力回復性構造化織物1620が、縦糸または横糸で編まれたメッシュ構造と、伸縮性および復元性を有する材料とを含むことが想定される。一例では、弾力回復性構造化織物1620は、弾性糸を含む第1材料および/またはポリエステルを含む第2材料を含む。
【0124】
本願のさらなる態様は、複合不織布地1850は、本願で論じた繊維および/または層の任意の交絡ウェブであってもよい、1つまたは複数の追加の繊維および/または層の交絡ウェブを含むことができることを想定している。より特定の態様では、複合不織布地1850の1つまたは複数の追加の繊維交絡ウェブおよび/または層のいずれかは、第1繊維交絡ウェブ810、910、1210、1810、第2繊維交絡ウェブ812、912、1212、1812、内部繊維交絡ウェブ814、第3繊維交絡ウェブ914、弾性層116、1216、1816、内側層120、捺染層170、870、970、またはスパンレース層920であってもよい。追加の態様は、複合不織布地1850の所望の最終特性を達成するために、1つまたは複数の追加の繊維および/または層を調整および/または選択的に含み得る交絡ウェブの特性を想定する。さらなる態様では、複合不織布地1850の所望の最終特性を達成するために、1つまたは複数の追加の繊維交絡ウェブおよび/または層、第1繊維交絡ウェブ1810、第2繊維交絡ウェブ1812、および弾性層1816の配置を調整および/または構成し得ることが想定される。
【0125】
1つの例示的な態様では、第1繊維交絡ウェブ1810、第2繊維交絡ウェブ1812および弾性層1816は、複合不織布地1850に、プリーツ構造1600を形成するのに適した織物硬度、伸縮性および/または回復を与えるようにそれぞれ構成されてもよい。一態様では、複合不織布地1850は、弾力回復性構造化織物1620の回復性に抵抗するには不十分な繊維硬度を有してもよい。別の態様では、第1繊維交絡ウェブ1810、第2繊維交絡ウェブ1812および弾性層1816は、接着層1610の活性化温度よりも高い溶融温度を有するように構成されていてもよい。本願の他の態様は、複合不織布地1850の所望の最終特性を達成するために、繊維210、310、312および弾性層1816の特性を調整および/または選択的に含め得ることを想定している。任意の態様およびすべての態様、ならびにそれらの変更は、本願の各態様内に含まれると想定される。
【0126】
図34は、フリー津構造1600を形成し、衣料品1720に組み込むための例示的な製造プロセスを示しており、通常は符号1700で表される。
図34における製造部品のいかなる説明も例示的であり、製造プロセス1700の様々なステップの一般的な特徴を伝達することを意味することを理解されたい。これに加えて、製造プロセス1700のステップは、順次実行されるものとして説明されているが、本願の態様では、製造プロセス1700は、1つまたは複数のステップの任意の組み合わせを含んでいてもよく、いずれのステップも、説明されている順序とは異なる順序で繰り返しまたは実行されてもよいことを想定している。
【0127】
高いレベルでは、
図34は、一般的に、弾力回復性構造化織物1620を緊張させることと、緊張状態にあるときに弾力回復性構造化織物1620を複合不織布地1850の表面に位置決めすることと、複合不織布地1850を1つまたは複数の第1領域1641において弾力回復性構造化織物1620に選択的に固定することと、弾力回復性構造化織物1620に加えられた張力を解放して複数のプリーツ1630を形成することとを含む、製造プロセス1700の様々なステップを描いている。
【0128】
ステップ1702から、複合不織布地1850が得られ、および/または提供される。複合不織布地1850は、第1繊維交絡ウェブ1810(視認不能)と、第2繊維交絡ウェブ1812と、第1繊維交絡ウェブ1810と第2繊維交絡ウェブ1812との間に位置する弾性層1816(視認不能)とを含む。
【0129】
ステップ1704において、第2繊維交絡ウェブ1812の最外面1881に接着層1610を塗布する。接着層1610は、1つまたは複数の第1領域1641に位置合わせされるように塗布される。例示的な態様では、1つまたは複数の第1領域1641の各々は、長さおよび幅を有し、長さは、1つまたは複数の第1領域1641の幅よりも大きい。これらの例示的な態様を続けると、1つまたは複数の第2領域1642の各々は、長さおよび幅を有し、長さは、1つまたは複数の第2領域1642における幅よりも大きい。他の態様では、1つまたは複数の第1領域1641は、1つまたは複数の第2領域1642によって互いに分離されている。1つの例示的な態様では、1つまたは複数の第1領域1641の長手方向軸は、1つまたは複数の第2領域1642の長手方向軸と平行に整列される。
【0130】
ステップ1706において、弾力回復性構造化織物1620が伸張される。態様では、弾力回復性構造化織物1620は、弾力回復性構造化織物1620をその経方向または横方向、または縦方向(矢印で示される)に伸長させることによって緊張させることができる。例示的な態様では、弾力回復性構造化織物1620に加えられる張力は、弾力回復性構造化織物1620を約55%伸長させるのに十分である。別の態様では、弾力回復性構造化織物1620に加えられた張力は、弾力回復性構造化織物1620を約75%から約25%、約70%から約30%、約65%から約35%、約60%から約40%、または約55%から約45%の割合で伸長させる。ステップ1708において、複合不織布地1850の第2繊維交絡ウェブ1812の最外面1881上に弾力回復性構造化織物1620を配置する。また、弾力回復性構造化織物1620は、緊張状態にあるときに位置決めされる。
【0131】
ステップ1710において、複合不織布地1850は、1つまたは複数の第1領域1641において弾力回復性構造化織物1620に選択的に固定される。例示的な態様では、複合不織布地1850および弾力回復性構造化織物1620は、接着層1610を活性化するのに十分な温度で加熱することによって選択的に固定されてもよい。
図34において、発熱素子1716は熱を加えるためのものであり、一態様では、発熱素子1716はホットプレスである。さらに別の例示的な態様では、複合不織布地1850および弾力回復性構造化織物1620は、約150℃~約160℃の温度で約10秒間の第1サイクル加熱を適用した後、約150℃~約160℃の温度で約10秒間の第2サイクル加熱を適用することによって選択的に固定されてもよい。他の態様では、複合不織布地1850と弾力回復性構造化織物1620との固定中に圧力を加えることもできる。ここでの態様は、加熱を停止した後、弾力回復性構造化織物1620を緊張状態に約20秒間保持することも想定されている。
【0132】
ステップ1712において、弾力回復性構造化織物1620に加えられた張力が解放されて、複数のプリーツ1630が形成され、さらにプリーツ構造1600(例えば、複数のプリーツ1630を有する複合不織織物1850)が形成される。解除されると、1つまたは複数の第1領域1641は、プリーツ構造1600の第2側1602に複数のプリーツ1630の谷を形成し、1つまたは複数の第2領域1642は、プリーツ構造1600の第1側1601に複数のプリーツ1630の山を形成する。ここでの態様では、接着層1610が弾力回復性構造化織物1620に少なくとも部分的に含浸し、これらの領域で編成構造または織構造を「ロック」するために、弾力回復性構造化織物1620は、1つまたは複数の第1領域1641において緊張状態に維持されることが想定される。図示されるように、複数のプリーツ1630の長手方向軸は、1つまたは複数の第1領域1641および/または1つまたは複数の第2領域1642の長手方向軸と平行に整列される。
【0133】
ステップ1714において、プリーツ構造1600が衣料品1720に組み込まれる。プリーツ構造1600は、衣料品1720の少なくとも一部を形成することができ、1つの例示的な態様は、プリーツ構造1600が衣料品1720のカフを形成することを想定しており、カフは、例えば、袖、ウエスト開口部、襟、ウエストバンド、遠位レッグカフなどに位置してもよい。
【0134】
図35は、複合不織布地1850によって形成された1つまたは複数の部分を有する上半身用衣料品2000を示しており、衣料品2000は、衣料品2000の1つまたは複数の位置にプリーツ構造1600を含む。同様に、
図36は、複合不織布地1850によって形成された1つまたは複数の部分を有する下半身用衣料品2100を示し、衣料品2100は、衣料品2100上の1つまたは複数の位置にプリーツ構造1600を含む。衣料品2000および衣料品2100の外向き面2001が示されている。衣料品2000の場合、プリーツ構造1600は、袖の端部に位置するカフを形成し、衣料品2100の場合、プリーツ構造1600は、衣料品2100の脚部の開口部に位置するカフを形成する。プリーツ構造1600は、衣料品2000に示されるようなウエスト開口部および衣料品2100のベルトを形成するためにも使用されることができる。
【0135】
カフの各々は、
図34に示された接着層1610に関連して、複合不織布地1850、弾力回復性構造化織物1620および複数の第1プリーツ1631を含むことができる。1つの例示的な態様では、カフは、弾力回復性構造化織物1620の表面が互いに隣接して配置されるように(すなわち、表面が面共有関係にあるように)、複合不織布地1850がカフの外向き面とカフの内向き側とを形成するように、プリーツ構造1600を折り曲げることによって形成され得る。
【0136】
図37は、衣料品2000の上着のカフの断面図であり、また、その断面の一部を拡大した図を示す。図示のように、プリーツ構造1600の外向き面である弾力回復性構造化織物1620の表面が、互いに隣接して配置する2つの表面を形成するように、プリーツ構造1600が折り畳まれるか、または再構成される(すなわち、これらの表面が面共有関係にある)。複合不織布地1850は、カフの外向き面とカフの内向き側とを形成する。これにより、複数の第1プリーツ1631が上半身用衣料品2000の最外面2001に位置し、複数の第2プリーツ1632が上半身用衣料品2000の最内面20012002に位置する。
【0137】
複数の第1プリーツ1631は、プリーツ構造1600の第1部分に含まれ、第1複合不織布地2050(すなわち、カフの外面を形成する複合不織布地1850の一部)と、第1弾力回復性構造化織物1621と、第1接着層1611とで形成される。同様に、複数の第2プリーツ1632は、プリーツ構造1600の第2部分に含まれ、第2複合不織布地1950(すなわち、カフの内向き側を形成する複合不織布地1850の一部)と、第2弾力回復性構造化織物1622と、第2接着層1612とで形成される。第1複合不織布地2050および第2複合不織布地1950は、いずれも複合不織布地1850の一部であるため、同一の特徴を有する。従って、第1複合不織布地2050は、第1繊維交絡ウェブ2010と、第2繊維交絡ウェブ2012と、第1繊維交絡ウェブ2010と第2繊維交絡ウェブ2012との間に位置する第1弾性層2016とを含む。同様に、第2複合不織布地1950は、第3繊維交絡ウェブ1910と、第4繊維交絡ウェブ1912と、第3繊維交絡ウェブ1910と第4繊維交絡ウェブ1912との間に位置する第2弾性層1916とを含む。1つの例示的な態様では、第1および第2複合不織布地2050、1950は、異なる複合不織布地に由来してもよいので、1つまたは複数の異なる特徴を含んでもよい。
【0138】
図37の拡大図に示されるように、第2繊維交絡ウェブ2012は、1つまたは複数の第1領域1641において第1弾力回復性構造化織物1621の第3面1625に固定された第1最外面2081を有し、第4繊維交絡ウェブ1912は、1つまたは複数の第1領域1641において第2弾力回復性構造化織物1622の第4面1626に固定された第2最外面1981を有する。1つまたは複数の第2領域1642では、第1および第2最外面2081、1981は、第1および第2弾力回復性構造化織物1621、1622にそれぞれ固定されておらず、それは、第1および第2複合不織布地2050、1950に山および谷を形成するのに少なくとも部分的に寄与する。さらに、第1弾力回復性構造化織物1621および第2弾力回復性構造化織物1622は、1つまたは複数の第1領域1641において緊張状態(すなわち、接着層1610によって緊張状態が維持される)とされ、1つまたは複数の第2領域1642において非緊張状態とされ、第1および第2複合不織布地2050、1950における山および谷の形成を容易にすることができる。
【0139】
様々な態様では、カフ全体において、第1および第2弾力回復性構造化織物1621、1622は隣接した位置を維持するが、別の方式で間隔を置いて配置してもよい。
図37では、第1弾力回復性構造化織物1621の第1面1623は、1つまたは複数の第2領域1642において第2弾力回復性構造化織物1622の第2面1624から分離されており、1つまたは複数の第1領域1641において、第1および第2面1623、1624は互いに接触しているように示されている。言い換えれば、第1および第2面1623,1624は、カフ全体にわたって面共有関係にある。
【0140】
図37の説明は例示的であり、ここでの様々な態様は、プリーツ構造1600がカフ全体にわたって1つまたは複数の異なる構造を有し得ることを考慮していることを理解されたい。一例では、第1および第2面1623、1624は、1つまたは複数の第1領域1641において間隔を置いて配置されていてもよい。別の例では、複数の第1プリーツ1631は、複数の第2プリーツ1632からオフセットされてもよい。
【0141】
以下の項は、本願で想定される概念の例示的な態様を表す。次の項のいずれかを複数の従属方式で組み合わせて、1つまたは複数の他の項に依存させることができる。また、従属項(前の項に明示的に依存する項)の任意の組み合わせは、本願で想定される態様の範囲内を逸脱することなく、任意に組み合わせてもよい。以下の項は例示に過ぎず、限定的なものではない。
【0142】
項1.捺染複合不織布地の製造方法であって、捺染部品を含む捺染層の第1面を第1繊維ウェブの第2面に隣接して配置して複合構造を形成するステップ、および複合構造をニードル交絡プロセスに付し、ニードル交絡プロセス後、捺染部品の少なくとも一部を第1繊維ウェブに組み込むステップを含む。
【0143】
項2 項1に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、捺染層は内部繊維ウェブであり、内部繊維ウェブは捺染部品の第1部分を含む第1領域、および捺染部品の第2部分を含む第2領域を有する。
【0144】
項3 項2に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、前記内部繊維ウェブの前記第2領域よりも、前記内部繊維ウェブの前記第1領域および前記第1繊維ウェブは大きな機械的交絡を有する。
【0145】
項4 項2~3のいずれか1項に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、前記複合構造を前記ニードル交絡プロセスに付した後、前記内部繊維ウェブの前記第1領域における繊維の少なくともいくつかは前記第1繊維ウェブと機械的に交絡し、かつ、前記内部繊維ウェブの前記第2領域における繊維の少なくともいくつかは前記第1繊維ウェブから機械的に独立している。
【0146】
項5 項4に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、前記捺染部品は、着色剤および昇華性染料から選択される少なくとも1つを含む。
【0147】
項6.項1~5のいずれか1項に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、前記捺染層はスパンレース層である。
【0148】
項7 項6に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、前記複合構造を前記ニードル交絡プロセスに付した後、前記第1繊維ウェブの繊維の少なくともいくつかは前記スパンレース層を通って延在し、前記捺染部品の第1部分は前記第1繊維ウェブに組み込まれ、前記捺染部品の第2部分は前記スパンレース層に組み込まれる。
【0149】
項8 項7に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、前記捺染部品の前記第2部分は前記第1繊維ウェブ組み込まれていない。
【0150】
項9 項4に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、捺染部品は、着色剤および昇華性染料から選択される少なくとも1つを含む。
【0151】
項10 項1~9のいずれか1項に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、捺染層はスパンレース繊維を含む。
【0152】
項11 項1~9のいずれか1項に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、捺染層は繊維ウェブを含む。
【0153】
項12 項1~11のいずれか1項に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、複合構造は、内層の第2面に隣接する第2繊維ウェブをさらに含む。
【0154】
項13 項1~12のいずれか1項に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、前記捺染部品は前記捺染層の前記第1面上にある。
【0155】
項14 項1~13のいずれか1項に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、前記捺染層の前記第1面を前記第1繊維ウェブの前記第2面に隣接して前記複合構造を形成する前に、内層上に前記捺染部品を捺染して前記捺染層を形成するステップをさらに含む。
【0156】
項15 項14に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、前記捺染部品の前記捺染は昇華捺染プロセスである。
【0157】
項16 項1~12のいずれか1項に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、捺染層の第1面を第1繊維ウェブの第2面に隣接して配置して複合構造を形成する前に、捺染層を形成するステップをさらに含む。
【0158】
項17 項16に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、捺染層を形成するステップは、昇華性染料を内層に付与するステップ、および付与した昇華性染料および内層に約185℃から約205℃の温度を約0.5秒から約1.5秒持続して付するステップを含む。
【0159】
項18 項1~17のいずれか1項に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、ニードル交絡プロセスは、第1条件を有する第1ニードル交絡プロセスと、第1条件と異なる第2条件を有する第2ニードル交絡プロセスと、を含む。
【0160】
項19 項1~18のいずれか1項に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、前記第1繊維ウェブに組み込まれる前記捺染部品の前記少なくとも一部は、前記捺染層の1種または複数種の繊維を含み、前記捺染層の前記1種または複数種の繊維は前記第1繊維ウェブ内まで延在している。
【0161】
項20 項1~19のいずれか1項に記載の捺染複合不織布地の製造方法であって、前記第1繊維ウェブに組み込まれる前記捺染部品の前記少なくとも一部は、前記第1繊維ウェブの第1面に少なくとも部分的に延在している。
【0162】
項21 捺染非対称面複合不織布地の製造方法であって、捺染技術を用いて内層上に捺染部品を形成して捺染層を形成するステップ、および前記捺染技術を用いた後、前記捺染層の第1面を第1繊維ウェブの第2面に隣接して配置して複合構造を形成するステップと、前記複合構造を可変交絡プロセスに付すステップをさらに含み、前記可変交絡プロセス後に、前記捺染部品の少なくとも一部と前記第1繊維ウェブの第1面とが、前記捺染非対称面複合不織布地の第1装飾面側を少なくとも部分的に形成する。
【0163】
項22 項21に記載の捺染非対称面複合不織布地の製造方法であって、捺染技術は着色剤を内層の第1面に付与するステップを含む。
【0164】
項23 項22のいずれか1項に記載の捺染非対称面複合不織布地の製造方法であって、複合構造を交絡プロセスに付した後、捺染部品の第1部分は第1繊維ウェブに組み込まれ、捺染部品の第2部分は第1繊維ウェブに組み込まれることから除外される。
【0165】
項24 項23に記載の捺染非対称面複合不織布地の捺染方法であって、内層は繊維ウェブである。
【0166】
項25 項23に記載の捺染非対称面複合不織布地の捺染方法であって、内層はスパンレース層である。
【0167】
項26 項21に記載の捺染非対称面複合不織布地の捺染方法であって、捺染技術は、内層の第1面上に昇華性染料を昇華捺染するステップを含む。
【0168】
項27 項26に記載の捺染非対称面複合不織布地の捺染方法であって、複合構造を可変交絡プロセスに付した後、昇華染色された内層の第1部分は昇華染色された内層の第2部分よりも多く第1繊維ウェブに組み込まれる。
【0169】
項28 項27に記載の捺染非対称面複合不織布地の捺染方法であって、前記内層は繊維ウェブである。
【0170】
項29 項27に記載の捺染非対称面複合不織布地の捺染方法であって、内層はスパンレース層である。
【0171】
項30 第1装飾面側を有する捺染複合不織布地であって、第1繊維交絡ウェブおよび内層を含み、前記第1繊維交絡ウェブは、前記第1装飾面側を少なくとも部分的に形成する第1面および対向側の第2面を有し、前記内層は、前記第1繊維交絡ウェブの前記第2面に隣接して配置する第1面を有し、第1面が第1部分および第2部分を有する捺染部品を含み、前記捺染部品の前記第1部分が前記捺染部品の前記第2部分よりも多く前記第1繊維ウェブに組み込まれる。
【0172】
項31 項30に記載の捺染複合不織布地であって、前記内層は繊維交絡ウェブである。
【0173】
項32 項30に記載の捺染複合不織布地であって、前記内層はスパンレース層である。
【0174】
項33 項30~32のいずれか1項に記載の捺染複合不織布地であって、捺染部品は昇華性染料または着色剤を含む。
【0175】
項34 第1装飾面側を有する捺染非対称面複合不織布地であって、非対称面不織布地は、第1繊維交絡ウェブおよび内層を含み、前記第1繊維交絡ウェブは、前記第1装飾面側を少なくとも部分的に形成する第1面および対向側の第2面を含み、前記内層は、前記第1繊維交絡ウェブの前記第2面に隣接して配置する第1面を有し、第1面が第1部分および第2部分を有する捺染部品を含み、前記捺染部品の前記第1部分が前記第1装飾面側を少なくとも部分的に形成し、また、前記捺染部品の前記第2部分が前記第1繊維交絡ウェブから除外される。
【0176】
項35 項34に記載の捺染非対称面複合不織布地であって、前記内層は内部繊維交絡ウェブを含む。
【0177】
項36 項34に記載の捺染非対称面複合不織布地であって、前記内層は内部スパンレース繊維ウェブを含む。
【0178】
項37 項34~36のいずれか1項に記載の捺染非対称面複合不織布地であって、捺染部品は昇華性染料または着色剤を含む。
【0179】
項38 項34~37のいずれか1項に記載の捺染非対称面複合不織布地であって、第2繊維交絡ウェブをさらに含む。
【0180】
項39 項38に記載の捺染非対称面複合不織布地であって、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層をさらに含む。
【0181】
項40 項38~39のいずれか1項に記載の捺染非対称面複合不織布地であって、第3繊維交絡ウェブをさらに含む。
【0182】
項41 上半身用衣料品であって、第1複合不織布地および第2複合不織布地を含み、前記第1複合不織布地は、第1繊維交絡ウェブを含み、第1縁部を有し、前記第2複合不織布地は、第2繊維交絡ウェブを含み、第2縁部および第1縫い目を有し、前記第1縫い目は、前記第1複合不織布地の前記第1縁部のうち前記第2縁部に隣接する部分に沿って形成され、前記第1繊維交絡ウェブの繊維の少なくともいくつかと前記第2繊維交絡ウェブの繊維の少なくともいくつかとが、交絡して前記第1縫い目を形成し、前記第1縫い目は前記上半身用衣料品の第1縫い目位置に形成される。
【0183】
項42 項41に記載の上半身用衣料品であって、前記第1縫い目位置は前記上半身用衣料品の側面部分の近傍にある。
【0184】
項43 項41に記載の上半身用衣料品であって、前記第1縫い目位置は前記上半身用衣料品の襟部分の近傍にある。
【0185】
項44 項41に記載の上半身用衣料品であって、前記第1縫い目位置は前記上半身用衣料品の袖部分の近傍にある。
【0186】
項45 項41~44のいずれか1項に記載の上半身用衣料品であって、前記第1複合不織布地は前記第1縁部に沿う接着層をさらに含む。
【0187】
項46 項41~45のいずれか1項に記載の上半身用衣料品であって、前記第1複合不織布地は第3縁部を含み、前記第2複合不織布地は前記第1複合不織布地の前記第3縁部に隣接する第4縁部を含む。
【0188】
項47 項46に記載の上半身用衣料品であって、第1複合不織布地の第3縁部のうち、第2複合不織布地の第4縁部に隣接する部分に沿って形成された第2縫い目をさらに含み、第1繊維交絡ウェブの繊維の少なくともいくつかと第2繊維交絡ウェブの繊維の少なくともいくつかとが、交絡して第2縫い目を形成し第2縫い目は上半身用衣料品の第2縫い目位置に形成される。
【0189】
項48 項47に記載の上半身用衣料品であって、前記第1縫い目位置は前記上半身用衣料品の側面部分の近傍にあり、前記第2縫い目位置は前記上半身用衣料品の襟部分の近傍にある。
【0190】
項49 項47に記載の上半身用衣料品であって、前記第1複合不織布地は前記第3縁部に沿う接着層をさらに含む。
【0191】
項50 下半身用衣料品であって、第1複合不織布地および第2複合不織布地を含み、前記、第1複合不織布地は、第1縁部を有し、第1繊維交絡ウェブを含み、前記第2複合不織布地は、第2繊維交絡ウェブを含み、第2縁部および第1縫い目を有し、前記第1縫い目は、前記第1複合不織布地の前記第1縁部のうち、前記第2縁部に隣接する部分に沿って形成され、前記第1繊維交絡ウェブの繊維の少なくともいくつかと前記第2繊維交絡ウェブの繊維の少なくともいくつかとが、交絡して第1縫い目を形成し、前記第1縫い目は前記下半身用衣料品の第1縫い目位置に形成される。
【0192】
項51 項50に記載の下半身用衣料品であって、前記第1縫い目位置は前記下半身用衣料品の外側部分の近傍にある。
【0193】
項52 項50に記載の下半身用衣料品であって、前記第1縫い目位置は前記下半身用衣料品の内側部分の近傍にある。
【0194】
項53 項50に記載の下半身用衣料品であって、前記第1縫い目位置は前記下半身用衣料品の腰部分の近傍にある。
【0195】
項54 項50~53のいずれか1項に記載の下半身用衣料品であって、前記第1複合不織布地は前記第1縁部に沿う接着層をさらに含む。
【0196】
項55 項50~54のいずれか1項に記載の下半身用衣料品であって、前記第1複合不織布地は第3縁部を含み、前記第2複合不織布地は、前記第1複合不織布地の前記第3縁部に隣接する第4縁部を含む。
【0197】
項56 項55に記載の下半身用衣料品であって、前記第1複合不織布地の前記第3縁部のうち、前記第2複合不織布地の前記第4縁部に隣接する部分に沿って形成された第2縫い目を含み、前記第1繊維交絡ウェブの繊維の少なくともいくつかと前記第2繊維交絡ウェブの繊維の少なくともいくつかとが、交絡して前記第2縫い目を形成し、前記第2縫い目は前記下半身用衣料品の第2縫い目位置に形成される。
【0198】
項57 項56に記載の下半身用衣料品であって、前記第1複合不織布地は前記第3縁部に沿う接着層をさらに含む。
【0199】
項58 衣料品の製造方法であって、衣料品は、第1複合不織布地と第2複合不織布地を含み、方法は、第1繊維ウェブを第2繊維ウェブの上方に配置するステップと、第1繊維ウェブの繊維と第2繊維ウェブの繊維とを機械的に交絡して、第1繊維ウェブを第1交絡ウェブにし、第2繊維ウェブを第2交絡ウェブにするステップであって、第1交絡ウェブおよび第2交絡ウェブは第1複合不織布地を形成するステップと、第3繊維ウェブを第4繊維ウェブの上方に配置するステップと、第3繊維ウェブの繊維と第4繊維ウェブの繊維とを機械的に交絡して、第3繊維ウェブを第3交絡ウェブにし、第4繊維ウェブを第4交絡ウェブにするステップであって、第3交絡ウェブおよび第4交絡ウェブは第2複合不織布地を形成するステップと、第1複合不織布地の第1縁部が第2複合不織布地の第2縁部に隣接するように第1複合不織布地および第2複合不織布地を配置するステップと、第1交絡ウェブと第2交絡ウェブの繊維の少なくともいくつか、および第3交絡ウェブと第4交絡ウェブの繊維の少なくともいくつかを機械的に交絡して、第1複合不織布地の第1縁部が第2複合不織布地の第2縁部に隣接して配置する位置に第1縫い目を形成するステップと、を含む衣料品の製造方法。
【0200】
項59 項58に記載の衣料品の製造方法であって、前記衣料品は上半身用衣料品である。
【0201】
項60 項58に記載の衣料品の製造方法であって、衣料品は下半身用衣料品である。
【0202】
項61 複合不織布地であって、第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、および第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層を含む第1領域、および第2領域とを含み、前記第2領域は、弾性層内に一体化された第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を含むデボス部、および第2繊維交絡ウェブを含む。
【0203】
項62 項61に記載の複合不織布地であって、第1繊維交絡ウェブおよび弾性層は、第1領域において集合的に第1厚さを有し、デボス部は、第1厚さとは異なる第2厚さを有する。
【0204】
項63 項62に記載の複合不織布地であって、第2厚さは、第1厚さよりも約50%小さい。
【0205】
項64 項61~63のいずれか1項に記載の複合不織布地であって、第1繊維交絡ウェブが第1色を有し、弾性層は第1色とは異なる第3色を有する。
【0206】
項65 項64に記載の複合不織布地であって、第1領域において、第1色は視認可能であり、第3色は視野から少なくとも部分的に遮蔽されている。
【0207】
項66 項64~65のいずれか1項に記載の複合不織布地であって、第2領域において、第3色は視認可能である。
【0208】
項67 項61~66のいずれか1項に記載の複合不織布地であって、第1領域において、複合不織布地の第1外向き側が少なくとも部分的に第1巻回された繊維ウェブによって形成され、第2領域では、第1外向き側が少なくとも部分的にデボス部によって形成される。
【0209】
項68 項61~67のいずれか1項に記載の複合不織布地、複合不織布地の対向する第2外向き側が、第1領域および第2領域において、第2繊維交絡ウェブによって形成されている。
【0210】
項69 第1色を有する第1繊維交絡ウェブ、第2色を有する第2繊維交絡ウェブ、および第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する第3色を有する弾性層を含む複合不織布地にグラフィックを付与する方法であって、弾性層が第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を包み込む膜を形成するように、複合不織布地の第1外向き側の第2領域に熱および圧力のうち1つまたは複数を加えるステップであり、熱および圧力のうち1つまたは複数を加えた後、第2領域における第1外向き側の色が第3色であり、第1領域における第1外向き側の色が第1色であり、第2領域が複合不織布地の第1外向き側にグラフィックを形成する、該ステップを含む。
【0211】
項70 項69に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法であって、複合不織布地の反対側の第2外向き側では、複合不織布地の色は第1領域および第2領域の第2色である。
【0212】
項71 項69~70のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法であって、熱および圧力は同時に加えられる。
【0213】
項72 項69~71のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法であって、複合不織布地の第1外向き側の第2領域に熱および圧力のうちの1つまたは複数を加えている間に、変形可能面が複合不織布地の対向する第2外向き側に隣接して配置される。
【0214】
項73 項69~72のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法であって、デボス加工ツールが複合不織布地の第2領域に熱および圧力のうちの1つまたは複数を加える。
【0215】
項74 項73に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法であって、デボス加工ツールは、約170℃~約190℃の温度で、複合不織布地の第1外向き側の第2領域に約28~約32秒間熱を与えるように構成されている。
【0216】
項75 項73~74のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法であって、デボス加工ツールは、約180℃で、複合不織布地の第1外向き側の第2領域に約30秒間熱を与えるように構成されている。
【0217】
項76 項69~75のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法であって、第2領域における複合不織布地の厚さは、第1領域における複合不織布地の厚さよりも約50%小さい。
【0218】
項77 項69~76のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法であって、複合不織布地における第2繊維交絡ウェブの厚さが、第1領域および第2領域のそれぞれの約95%以内である。
【0219】
項78 項69~77のいずれか1項に記載の複合不織布地にグラフィックを付与する方法であって、少なくとも第1色は第3色と異なる。
【0220】
項79 デボス部を有する複合不織布地の製造方法であって、第1繊維交絡ウェブと、第2繊維交絡ウェブと、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に配置された弾性層とを含む複合不織布地の第1外向き側にデボス加工ツールを配置するステップと、複合不織布地の第1外向き側にデボス加工ツールを適用して、デボス部を形成するステップと、を含む。
【0221】
項80 項194に記載の複合不織布地の製造方法であって、複合不織布地帛の第1外向き側は、少なくとも部分的に第1繊維交絡ウェブによって形成される。
【0222】
項81 項79~80のいずれか1項に記載のデボス部を有する複合不織布地の製造方法であって、デボス部は、弾性層内に一体化された第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を含む。
【0223】
項82 項79~81のいずれか1項に記載のデボス部を有する複合不織布地の製造方法であって、デボス部は、複合不織布地の第2外向き側に存在しない。
【0224】
項83 項79~82のいずれか1項に記載のデボス部を有する複合不織布地の製造方法であって、複合不織布地の第1外向き面は第1色であり、デボス部は、第1色とは異なる第2色である。
【0225】
項84 項79~83のいずれか1項に記載のデボス部を有する複合不織布地の製造方法であって、デボス加工ツールは、約170℃~約190℃の温度で、複合不織布地の第1外向き側に約28~約32秒間熱を与えるように構成されている。
【0226】
項85 項79~84のいずれか1項に記載のデボス部を有する複合不織布地の製造方法であって、デボス加工ツールは、約180℃で、複合不織布地の第1外向き側に約30秒間熱を与えるように構成されている。
【0227】
項86 項79~85のいずれか1項に記載のデボス部を有する複合不織布地の製造方法であって、デボス部における複合不織布地の厚さが、デボス部以外の領域における複合不織布地の厚さの半分以下である。
【0228】
項87 項79~86のいずれか1項に記載のデボス部を有する複合不織布地の製造方法であって、複合不織布地における第2繊維交絡ウェブの厚さが、デボス部とデボス部以外の領域とで実質的に同一である。
【0229】
項88 衣料物品であって、衣料物品の少なくとも一部を構成する複合不織布地であって、複合不織布地は、第1領域と第2領域を含み、第1領域は、第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、および第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層を含み、第2領域は、弾性層内に一体化された第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を含む第1デボス部、および第2繊維交絡ウェブを含む、複合不織布地を含む。
【0230】
項89 項88に記載の衣料物品であって、第1デボス部は第1グラフィックを形成している。
【0231】
項90 第8項~第89項のいずれか1項に記載の衣料物品であって、第1デボス部は衣料物品の外面で視認可能である。
【0232】
項91 項88~90のいずれか1項に記載の衣料物品であって、第1デボス部は、衣料物品の内面で視認不能である。
【0233】
項92 項88~91のいずれか1項に記載の衣料物品であって、弾性層内に一体化された第2繊維交絡ウェブからの複数の繊維を含む第2デボス部をさらに含む。
【0234】
項93 項92に記載の衣料物品であって、第2デボス部は、第1グラフィックとは外観が異なる第2グラフィックを形成している。
【0235】
項94 項92~93のいずれか1項に記載の衣料物品であって、第2デボス部は、衣料物品の内面で視認可能である。
【0236】
項95 項92に記載の衣料物品であって、第2デボス部は、第2デボス部は、衣料物品の外面で視認不能である。
【0237】
項96 項88~95のいずれか1項に記載の衣料物品であって、衣料物品は上半身用衣料品である。
【0238】
項97 項88~95のいずれか1項に記載の衣料物品であって、衣料物品は下半身用衣料品である。
【0239】
項98 項88~97のいずれか1項に記載の衣料物品であって、第1繊維交絡ウェブおよび弾性層は、第1領域において第1厚さを有し、第1デボス部は、第2領域において、第1厚さよりも約50%小さい第2厚さを有する。
【0240】
項99 複合不織布地であって、第1繊維交絡ウェブと、第2繊維交絡ウェブと、弾性層と、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に配置された弾性層を有する第1領域、および第1領域に対してデボス加工された第2領域であり、弾性層は、第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を包み込でデボス部を形成するフィルムの形態であり、第2繊維交絡ウェブはデボス部の下に配置される、該第2領域と、を含む。
【0241】
項100 項99に記載の複合不織布地であって、デボス部は、複数の繊維とフィルムとで形成されるマトリックス構造を含む。
【0242】
項101 項99~100のいずれか1項に記載の複合不織布地であって、デボス部は、複合不織布地の第1外向き側の第1領域と異なる色を有する。
【0243】
項102 項99~101のいずれか1項に記載の複合不織布地であって、複合不織布地における第2繊維交絡ウェブの厚さが、第1領域および第2領域のそれぞれの約95%以内である。
【0244】
項103 第1外向き側および反対側の第2外向き側を有する複合不織布地であって、第1色を有する第1繊維交絡ウェブと、第2色を有する第2繊維交絡ウェブと、少なくとも第1色とは異なる第3色を有する弾性層と、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に配置された弾性層を有する第1領域、および第1領域に対してデボス加工された第2領域であり、第1外向き側から見ると、第1領域では第1色と実質的に同一の色を有し、第2領域では第3色と実質的に同一の色を有する、該第2領域と、を含む。
【0245】
項104 項103に記載の複合不織布地であって、第2外向き側から見ると、複合不織布地の色は、第1領域および第2領域において第2色と実質的に同一である。
【0246】
項105 項103~104のいずれか1項に記載の複合不織布地であって、第2領域における複合不織布地の厚さが、第1領域における複合不織布地の厚さよりも約50%小さい。
【0247】
項106 複合不織布地であって、第1溶融温度を有する第1材料を含む第1繊維交絡ウェブと、第2溶融温度を有する第2材料を含む第2繊維交絡ウェブと、第1融解温度よりも約40℃低い第3融解温度を有する第3材料を含む弾性層と、を含み、複合不織布地は、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に弾性層が配置された第1領域と、第1領域に対してデボス加工された第2領域と、を含み、第2領域では弾性層は、第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を包み込んでデボス部を形成するフィルムの形態であり、第2繊維交絡ウェブはデボス部の下に配置されている。
【0248】
項107 項106に記載の複合不織布地であって、デボス部は、複数の繊維とフィルムとで形成されるマトリックス構造を含む。
【0249】
項108 項106~107のいずれか1項に記載の複合不織布地であって、デボス部は、複合不織布地の第1外向き側の第1領域と異なる色を有する。
【0250】
項109 項106~108のいずれか1項に記載の複合不織布地であって、デボス部の厚さが、第1領域における第1繊維交絡ウェブおよび弾性層の厚さより約50%小さい。
【0251】
項110 複合不織布地であって、第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、および少なくとも第1繊維交絡ウェブを形成する繊維よりも溶融温度が低い弾性繊維で形成された弾性層を含み、複合不織布地は、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に弾性層が配置された第1領域と、第1領域に対してデボス加工された第2領域とを含み、第2領域において、弾性層は、第1繊維交絡ウェブからの複数の繊維を包み込んでデボス部を形成するフィルムの形態であり、第2繊維交絡ウェブはデボス部の下に配置されている。
【0252】
項111 請求項61に記載の複合不織布地であって、第1繊維交絡ウェブおよび第2繊維交絡ウェブのそれぞれは、弾性層を形成する弾性繊維の長さよりも短い長さの短繊維を含む。
【0253】
項112 項110~109のいずれか1項に記載の複合不織布地であって、弾性繊維は、メルトブローン繊維およびスパンボンド繊維の少なくとも一つを含む。
【0254】
項113 項108~112のいずれか1項に記載の複合不織布地であって、デボス部は、複合不織布地の第1外向き側の第1領域とは異なる色を有する。
【0255】
項114 プリーツ構造であって、第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、および第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層を含む複合不織布地と、第2繊維交絡ウェブの最外面の近傍に位置する弾力回復性構造化織物と、複合不織布地と弾力回復性構造化織物とで形成された複数のプリーツと、を含む。
【0256】
項115 項114に記載のプリーツ構造であって、1つまたは複数の第1領域において、弾力回復性構造化織物を第2繊維交絡ウェブに固定する接着層をさらに含む。
【0257】
項116 項115に記載のプリーツ構造であって、接着層は熱可塑性フィルムを含む。
【0258】
項117 第115~第116項のいずれか1項に記載のプリーツ構造であって、接着層の厚さが約2mmである。
【0259】
項118 項114~117のいずれか1項に記載のプリーツ構造であって、弾力回復性構造化織物は、1つまたは複数の第1領域で第2繊維交絡ウェブに固定され、1つまたは複数の第2領域で第2繊維交絡ウェブに固定されていない。
【0260】
項119 項118に記載のプリーツ構造であって、1つまたは複数の第1領域の各々は、1つまたは複数の第1領域における幅よりも長い長さおよび幅を有し、1つまたは複数の第2領域の各々は、1つまたは複数の第2領域における幅よりも長い長さおよび幅を有する。
【0261】
項120 項118~119のいずれか1項に記載のプリーツ構造であって、1つまたは複数の第1領域は、1つまたは複数の第2領域によって互いに分離されている。
【0262】
項121 項118~120のいずれか1項に記載のプリーツ構造であって、1つまたは複数の第1領域の各々は、1つまたは複数の第2領域の長手方向軸と平行に整列した長手方向軸を有する。
【0263】
項122 項118~121のいずれか1項に記載のプリーツ構造であって、1つまたは複数の第1領域の各々は、複数のプリーツのうちの1つまたは複数のプリーツの長手方向軸と平行に整列した長手方向軸を有する。
【0264】
項123 複数のプリーツを有する複合不織布地の製造方法であって、弾力回復性構造化織物に張力を加え、弾力回復性構造化織物を緊張状態にするステップと、複合不織布地の表面上に弾力回復性構造化織物を緊張状態で配置するステップと、複合不織布地を1つまたは複数の第1領域で弾力回復性構造化織物に選択的に固定するステップと、弾力回復性構造化織物に加えられた張力を解放して、複数のプリーツを形成するステップと、を含む。
【0265】
項124 項123に記載の方法であって、弾力回復性構造化織物は、その静止長さの約50%から約60%の間で伸張される。
【0266】
項125 項123~124のいずれか1項に記載の方法であって、弾力回復性構造化織物は、その静止長さの約55%伸長される。
【0267】
項126 項123~125のいずれか1項に記載の方法であって、弾力回復性構造化織物は、複数のコースおよび複数のウェールズを有する編み構造を含む。
【0268】
項127 項126に記載の方法であって、弾力回復性構造化織物は、横方向に伸長される。
【0269】
項128 項126~127のいずれか1項に記載の方法であって、弾力回復性構造化織物は縦方向に伸長される。
【0270】
項129 項69~72のいずれか1項に記載の複合不織布地であって、第1繊維交絡ウェブと、第2繊維交絡ウェブと、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層と、を含む。
【0271】
項130 129項に記載の方法であって、弾力回復性構造化織物は、第2繊維交絡ウェブの最外面に固定される。
【0272】
項131 項129~130のいずれか1項に記載の方法であって、弾力回復性構造化織物は、1つまたは複数の第2領域において第2繊維交絡ウェブに固定されていない。
【0273】
項132 項131に記載の方法であって、1つまたは複数の第1領域の各々は、1つまたは複数の第1領域における幅よりも長い長さおよび幅を有し、1つまたは複数の第2領域の各々は、1つまたは複数の第2領域における幅よりも長い長さおよび幅を有する。
【0274】
項133 項131~132のいずれか1項に記載の方法であって、1つまたは複数の第1領域は、1つまたは複数の第2領域によって互いに分離されている。
【0275】
項134 項123~133のいずれか1項に記載の方法であって、弾力回復性構造化織物は、張力が解放された後、1つまたは複数の第1領域において緊張状態に維持される。
【0276】
項135 衣料物品の少なくとも第1部分におけるプリーツ構造であって、第1繊維交絡ウェブ、第2繊維交絡ウェブ、および第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する弾性層を含む第1複合不織布地、第1複合不織布地の第1最外面の近傍に位置する第1弾力回復性構造化織物、および第1複合不織布地と第1弾力回復性構造化織物とで形成された複数のプリーツを含む。
【0277】
項136 項135に記載のプリーツ構造であって、衣料物品は上半身用衣料品である。
【0278】
項137 項135に記載のプリーツ構造であって、衣料物品は下半身用衣料品である。
【0279】
項138 項135~137のいずれか1項に記載のプリーツ構造であって、第3繊維交絡ウェブと、第4繊維交絡ウェブと、第3繊維交絡ウェブと第4繊維交絡ウェブとの間に位置する第2弾性層とを含む第2複合不織布地、第2複合不織布地織物の第2最外面の近傍に位置する第2弾力回復性構造化織物、および第2複合不織布地と第2弾力回復性構造化織物とで形成される複数の第2プリーツを含み、第2弾力回復性構造化織物は第1弾力回復性構造化織物と面共有関係にある。
【0280】
項139 項135~137のいずれか1項に記載のプリーツ構造であって、複数の第1プリーツは、衣料物品の最外面に位置している。
【0281】
項140 項138~139のいずれか1項に記載のプリーツ構造であって、複数の第2プリーツは、衣料物品の最内面に位置している。
【国際調査報告】