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特表2024-522656発熱体のための制御回路を備えるエアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】発熱体のための制御回路を備えるエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20240614BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240614BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20240614BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/46
A24F40/57
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576113
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 EP2022067257
(87)【国際公開番号】W WO2022268994
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】21181554.3
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】ファリーヌ ロバン
(72)【発明者】
【氏名】ゲバラ ニコラ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC22
4B162AC34
4B162AC37
4B162AD20
4B162AD23
4B162AD32
(57)【要約】
エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱することによってエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生するためにエアロゾル発生装置で使用可能なエアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成された少なくとも一つの発熱体を備えるか、またはそれに接続可能である。エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた少なくとも一つの動作量を受信し、少なくとも一つの動作量を複数のクラスに関連付け、各クラスが、少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応し、各クラスに対するスコアを計算し、複数のクラスおよびクラスに対する計算されたスコアに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱状態を示す状態インジケータを決定するように構成された加熱制御回路を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルを発生するためにエアロゾル発生装置で使用可能なエアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成された少なくとも一つの発熱体を備えるか、またはそれに接続可能である、エアロゾル発生装置であって、
前記エアロゾル発生装置が、
前記少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた少なくとも一つの動作量を受信し、
前記少なくとも一つの動作量を複数のクラスに関連付け、各クラスが、前記少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応し、
各クラスのスコアを計算し、
前記複数のクラスおよび前記クラスに対する前記計算されたスコアに基づいて、前記少なくとも一つの発熱体の加熱状態を示す状態インジケータを決定するように構成された加熱制御回路を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記加熱制御回路が、前記決定された状態インジケータに基づいて、前記少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御することと、前記決定された状態インジケータに基づいてエアロゾル発生を開始または増加させるために、前記少なくとも一つの発熱体を起動することと、前記決定された状態インジケータに基づいてエアロゾル発生を停止または低減するために、前記少なくとも一つの発熱体を停止すること、のうちの一つ以上を行うようにさらに構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記加熱制御回路が、前記少なくとも一つの発熱体へのエネルギーの供給、前記少なくとも一つの発熱体の負荷サイクル、および前記少なくとも一つの発熱体を駆動するための駆動周波数のうちの一つ以上を制御することに基づいて、前記少なくとも一つの発熱体を制御、起動、および停止することのうちの一つ以上を行うように構成される、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの発熱体が、誘導加熱、抵抗加熱、およびマイクロ波加熱のうちの少なくとも一つに基づく、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つの動作量に関連付けられた各クラスの前記スコアが、前記少なくとも一つの動作量が前記それぞれのクラスに分類される確率を示す、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記加熱制御回路が、前記少なくとも一つの動作量を前記複数のクラスに関連付け、複数の数学的関数に基づいて各クラスの確率を計算するように構成され、各数学的関数が、前記複数のクラスのうちの一つに対する前記確率を、前記少なくとも一つの動作量の所定のスケールおよび所定の範囲のうちの少なくとも一つにマッピングする、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記少なくとも動作量に関連付けられた前記クラスの少なくとも一部に対する前記数学的関数の少なくとも一部が、少なくとも一つの定数セクション、少なくとも一つの三角形セクション、少なくとも一つの台形セクション、少なくとも一つの直線セクション、少なくとも一つの湾曲セクション、少なくとも一つのベルカーブセクション、および少なくとも一つのシグモイドセクションを含む、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つの動作量が、前記少なくとも一つの動作量の測定値に基づく、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つの動作量が、前記少なくとも一つの発熱体の前記動作に関連付けられた一つ以上のさらなる動作量の測定に由来する、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つの動作量が、前記少なくとも一つの発熱体の動作中の前記少なくとも一つの発熱体の電気挙動を示す、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つの動作量が、コンダクタンス、コンダクタンス導関数、コンダクタンス距離、前記コンダクタンスのパルス形状、前記コンダクタンスの勾配、抵抗、抵抗導関数、抵抗距離、前記少なくとも一つの発熱体に供給される電力、電力導関数、負荷サイクル、少なくとも一つの発熱体に供給される電流、および少なくとも一つの発熱体に供給される電圧、のうちの一つ以上を示す、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記加熱制御回路が、
複数の動作量を受信し、各動作量が前記少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられ、
前記複数の動作量のうちの各一つを複数のクラスに関連付け、各クラスが、前記少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応し、
各クラスに対するスコアを計算し、
前記決定された複数のクラスおよび前記複数の動作量に対する前記対応するスコアに、一つ以上の所定のルールのセットを適用することに基づいて、前記状態インジケータを決定し、各ルールが、前記複数の動作量のうちの一つの少なくとも一つのクラスと、前記複数の動作量のうちの少なくとも一つのさらなる動作量の少なくとも一つのクラスとの間の相互関係を示すように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記状態インジケータが、温度領域として与えられる、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、
エアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項15】
エアロゾル発生装置を動作させる方法であって、前記方法が、
前記エアロゾル発生装置の加熱制御回路を用いて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱してエアロゾルを発生するように構成された前記エアロゾル発生装置の少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた少なくとも一つの動作量を受信することと、
前記加熱制御回路を用いて、前記少なくとも一つの動作量を複数のクラスに帰属させることであって、各クラスが前記少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応する、帰属させることと、
前記加熱制御回路を用いて、各クラスのスコアを計算することと、
前記加熱制御回路を用いて、前記複数のクラスおよび前記クラスに対する前記計算されたスコアに基づいて、前記少なくとも一つの発熱体の加熱状態を示す状態インジケータを決定することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置およびシステムの分野に関する。特に、本開示は、加熱制御回路を有するエアロゾル発生装置、こうしたエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システム、こうしたエアロゾル発生装置またはシステムを動作させる方法、対応するコンピュータプログラム、およびこうしたプログラムを格納するコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、エアロゾル発生装置は、例えば、一つ以上の使用セッションで、エアロゾル発生物品によって発生されるエアロゾルを消費するために、ユーザーによって使用できる手持ち式装置として設計される。通常、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体、例えば、タバコ材料および/または液体を含む基体を含む。使用中または消費中にエアロゾルを発生するために、エアロゾル発生装置および/またはエアロゾル発生物品内の発熱体または熱源から熱を加えて、または伝達して、エアロゾル発生物品および/またはエアロゾル発生基体の少なくとも一部分を加熱することができる。
【0003】
エアロゾル発生装置と共に使用するための例示的なエアロゾル発生物品は、しばしば他の要素または構成要素と共に、棒の形態に組み立てられ得るエアロゾル発生基体を備え得る。このような棒状のエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置に少なくとも部分的に挿入される形状およびサイズで構成され得る。他の例示的なエアロゾル発生物品は、ユーザーによるエアロゾル消費中に蒸発され得る液体を含有するカートリッジを含み得る。カートリッジは、エアロゾル発生装置に少なくとも部分的に挿入される形状およびサイズで構成され得る。代替的に、カートリッジは、エアロゾル発生装置に固定して取り付けられ、液体をカートリッジに挿入することによって補充され得る。
【0004】
使用中または消費中にエアロゾルを発生するために、発熱体または熱源によって熱を供給して、エアロゾル発生基体または物品の少なくとも一部を加熱することができる。その中で、発熱体は、手持ち式装置または発熱体の手持ち式部分に配置され得る。別の方法として、または追加的に、発熱体の少なくとも一部または全体が、例えば、エアロゾル発生装置に取り付けられ、および/またはエアロゾル発生装置によって電力供給され得る棒またはカートリッジの形態で、エアロゾル発生物品と関連付けられ得るか、または配置され得る。
【0005】
発熱体の様々な形態および設計、ならびに様々な加熱技術は、現在、エアロゾル発生装置およびシステムの分野で使用されている。例示的なエアロゾル発生装置は、抵抗加熱に基づいてエアロゾル発生物品または基体を加熱するように構成され得る。このような装置は典型的には、発熱体として機能する抵抗加熱ブレードを備え、例えば、ブレードに基体または物品を少なくとも部分的に挿入することによって、エアロゾル発生基体または物品と接触させてもよく、エアロゾルは、加熱ブレードを抵抗加熱することによって発生されてもよい。別の方法として、例えばエアロゾル発生物品内に配置された、またはエアロゾル発生物品に連結された、またはエアロゾル発生装置内に配置された一つ以上の加熱コイルは、抵抗加熱に使用されてもよい。
【0006】
他の例示的なエアロゾル発生装置は、誘導加熱に基づいてエアロゾル発生物品または基体を加熱するように構成され得る。一例では、例えば、サセプタまたはサセプタ材料は、エアロゾル発生物品または基体、例えば、エアロゾル発生基体によって少なくとも部分的に囲まれた強磁性材料の平面金属バンドの形態で配置されてもよい。他の形態のサセプタは、エアロゾル発生基体または物品内に配置された粒子またはフレークを含み得る。別の実施例では、サセプタは、エアロゾル発生装置の一部である。エアロゾル発生物品または基体は、エアロゾル消費のためにエアロゾル発生装置に挿入され得る。交番磁界をサセプタに印加することに基づいて、例えば、エアロゾル発生装置内に配置された一つ以上のコイルまたは誘導コイルを使用して、渦電流(フーコー電流とも呼ばれる)をサセプタに発生し、それによってサセプタおよびその近傍のエアロゾル発生基体を加熱することができる。
【0007】
さらに他の例示的なエアロゾル発生装置は、例えば、ループギャップ共振器などの共振器、またはエアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品内に配置することができるマイクロ波発生器などの他のマイクロ波源を使用して、マイクロ波加熱に基づいてエアロゾル発生物品または基体を加熱するように構成され得る。
【0008】
概して、エアロゾル発生基体または物品をエアロゾルを発生するのに適した温度、温度領域、または温度範囲に加熱することが好ましい場合があり、これは例えば発生するエアロゾルの量の観点、風味の観点、および/または味覚の観点など、ユーザーに対して一貫した体験を提供するために、様々な使用セッションの間で実質的に一定であるか、または類似しているべきである。また、エアロゾル発生基体または物品(またはその一部)の過熱は、好ましくは回避されるべきであり、これは基体からの望ましくない物質の放出につながる可能性がある。
【0009】
したがって、例えば、加熱制御の改善を提供するなど、改善されたエアロゾル発生装置を提供することが望ましい場合がある。
【0010】
この問題は、独立請求項の主題によって達成される。任意選択の特徴は、従属請求項および以下の説明によって提供される。
【発明の概要】
【0011】
本開示の態様は、エアロゾル発生装置、そのようなエアロゾル発生装置を備えたエアロゾル発生システム、その使用、エアロゾル発生装置またはシステムを動作させる方法、対応するコンピュータプログラム、およびそのようなプログラムを保存するコンピュータ可読媒体に関する。本開示の一態様を参照して本明細書の上記および下記に提示される任意の開示は、本開示の任意の他の態様に等しく適用される。
【0012】
本開示の態様によると、エアロゾル発生基体および/またはエアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品の少なくとも一部を加熱することによって、または加熱することに基づいてエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生するためにエアロゾル発生装置と使用可能なエアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成された少なくとも一つの発熱体を備えるか、または接続可能および/または結合可能である。エアロゾル発生装置は、加熱制御回路を含み、加熱制御回路は、少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた少なくとも一つの動作量を受信および/または処理するように構成される。加熱制御回路は、少なくとも一つの動作量を複数のクラスに関連付けおよび/または帰属し、各クラスは、少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応し、各クラスに対するスコアを計算するようにさらに構成される。さらに、加熱制御回路は、複数のクラスおよびクラスに対する計算されたスコアに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱状態を示す状態インジケータを決定するように構成される。
【0013】
少なくとも動作量を加熱制御回路と複数のクラスに関連付け、各クラスの対応するスコアを計算して状態インジケータを決定することによって、少なくとも一つの発熱体の加熱状態を確実に、効率的かつ迅速に決定することができる。特に、温度またはその温度領域と相関し得る発熱体の加熱状態は、動作量をクラスと関連付けること、およびクラスのスコアを決定することに基づいて、効率的に近似および/または推定され得る。それによって、動作量の変動または不確実性を平滑化することができる一方、発熱体の加熱状態に関連する情報は有利に保持することができ、これにより発熱体の現在の加熱状態のより正確な決定をもたらし得る。次いで、発熱体は、例えば、動作量自体に基づいて発熱体を制御することと比較した時に、決定された状態インジケータに基づいて正確に制御または動作することができる。また、発熱体またはエアロゾル発生基体の過熱を効果的に回避することができる。
【0014】
本開示は概して、エアロゾル発生基体または物品を加熱してエアロゾルを発生するために使用され得る加熱の全ての技術に適用可能である。これには、例えば、本明細書で上述したように、抵抗加熱、誘導加熱、およびマイクロ波加熱が含まれる。したがって、エアロゾル発生装置および/またはその加熱制御回路は、抵抗加熱、誘導加熱、およびマイクロ波加熱のうちの一つ以上のために構成されてもよい。
【0015】
加熱制御回路は、例えばデータ処理のための一つ以上のプロセッサ、一つ以上のコントローラ、または一つ以上のマイクロコントローラを含んでもよい。随意に、加熱制御回路の少なくとも一部は、プリント回路基板上に実装されてもよい。別の方法として、または追加的に、加熱制御回路の少なくとも一部は、スマートチップまたはスマートデバイスとして実装されてもよい。別の方法として、または追加的に、加熱制御回路の少なくとも一部は、特定用途向け集積回路、ASICとして実装されてもよい。
【0016】
一実施例では、少なくとも一つの発熱体は、加熱ブレードを抵抗加熱するために、エアロゾル発生物品または基体に少なくとも部分的に挿入可能な一つ以上の加熱ブレードを備え得る。例えば、加熱制御回路は、電圧および/または電流を加熱ブレードに供給することに基づいて、加熱ブレードまたは要素を加熱するように構成され得る。
【0017】
別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの発熱体は、エアロゾル発生基体または物品と配置されるサセプタまたはサセプタ材料と相互作用する交番磁界を発生するための一つ以上のコイルまたは誘導コイルを備えてもよい。その中で、加熱制御回路は、例えば一連の加熱サイクルで、一つ以上のコイルを駆動するように構成されてもよい。
【0018】
別の方法として、または追加的に、発熱体は、マイクロ波源または発生器、例えば、ループギャップ共振器などの共振器を含むことができ、これは、エアロゾル発生基体または物品を加熱するために使用され得るマイクロ波を発生させるために、加熱制御回路によって駆動され得る。
【0019】
少なくとも一つの発熱体またはその一部は、エアロゾル発生装置によって構成されてもよく、および/またはエアロゾル発生装置に含まれてもよい。別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの発熱体またはその一部は、エアロゾル発生装置に連結可能および/または接続可能なエアロゾル発生物品によって構成されてもよく、および/またはそれに含まれてもよい。例えば、加熱コイルまたは加熱ブレードの少なくとも一部は、エアロゾル発生装置に結合および/または挿入することができるカートリッジ様または棒状のエアロゾル発生物品などのエアロゾル発生物品内に配置されてもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生物品内に配置されたサセプタの少なくとも一部は、少なくとも一つの発熱体とみなされてもよく、または少なくとも一つの発熱体を構成してもよい。
【0020】
別の方法として、または追加的に、発熱体の少なくとも一部は、エアロゾル発生物品内に配置されてもよく、発熱体の少なくとも一つのさらなる一部は、エアロゾル発生装置内に配置されてもよい。例えば、少なくとも一つの発熱体の一つ以上の受信コイルは、エアロゾル発生物品内に配置されてもよく、少なくとも一つの発熱体の一つ以上の励起コイルは、エアロゾル発生装置内に配置されてもよい。
【0021】
本明細書で使用される場合、少なくとも一つの動作量は、加熱制御回路による少なくとも一つの発熱体の動作または作動に関連する観測可能量またはパラメータに関連するか、またはそれらを指すことができる。その中で、少なくとも一つの発熱体の動作は、少なくとも一つの発熱体および/またはエアロゾル発生基体もしくは物品を加熱することを指してもよく、またはこれを含んでもよい。したがって、少なくとも一つの発熱体を動作させることは、発熱体を作動させて熱を発生すること、および/または発熱体、基体、および/または物品を加熱することを含み得る。例えば、少なくとも一つの動作量は、少なくとも一つの発熱体の動作、作動および/または加熱中の少なくとも一つの発熱体の電子的または電気的挙動または応答を示し得る。本明細書の少なくとも一つの動作量への任意の言及は、少なくとも一つの動作量の値を含むか、または指し得る。
【0022】
少なくとも一つの動作量は、本開示の文脈において、例えば、その値に基づいて、本明細書のクラスと呼ばれる複数のカテゴリーで分類可能および/または分類可能であり得る。クラスまたはカテゴリーの各々は、例えば、対応するクラスに関連付けられた動作量の所定の値の範囲内で、少なくとも一つの動作量の所定の特性または状態を記述する、示す、または表すことができる。したがって、各クラスは、対応する特性を有するか、または示す動作量、および/または対応するクラスに関連付けられた値を有する動作量を表し得る。
【0023】
非限定的かつ単に例示的な実施例では、少なくとも一つの動作量は、発熱体に供給される電圧を指してもよく、または示してもよい。該動作量に対して考えられるクラスは、例えば、クラス高電圧、低電圧、正電圧、負電圧、増加する電圧、減少する電圧などのうちの一つ以上を含みうる。
【0024】
動作量に対する複数のクラスは、例えば、経験的に決定または選択され得る。例えば、クラスの所定の特性は、例えば、発熱体の動作または加熱に関与し得る、一つ以上のさらなる動作量の関数として、量のある特定の範囲の値にわたる動作量の曲線または経過を評価することに基づいて定義され得る。
【0025】
本明細書で使用される場合、各クラスのスコアは、動作量がそれぞれのクラスおよび/またはそれぞれのクラスに関連付けられた対応する所定の特性と関連付け可能であるか、または関連付けられていることを示すことができる。一般的に、各クラスのスコアは、数値または二進値とすることができる。
【0026】
加熱制御回路は、例えば、その値に関して、動作量の処理および/または評価に基づいて、各クラスのスコアを計算または決定するように構成されてもよい。言い換えれば、各クラスに対するスコアを計算することは、動作量に関連付けられたクラスに対して少なくとも動作量を評価することを含み得る。例えば、動作量またはその対応する値は、加熱制御回路によって様々なクラスにマッピングされて、各クラスの対応するスコアを決定することができる。
【0027】
したがって、少なくとも一つの動作量またはその値は、複数のクラスおよび各クラスのスコアによって表され、かつ/または近似され得る。上述のように、これは、動作量の変動を補償すること、または動作量を、例えば、経時的に平滑化することを可能にし得、これは、状態インジケータ、したがって加熱状態を迅速で、信頼性が高く、かつ効率的に決定することを可能にし得る。
【0028】
本明細書で使用される場合、状態インジケータは、少なくとも一つの発熱体の加熱状態を示す、かつ/または記述することができる。概して、発熱体の加熱状態は、発熱体、エアロゾル発生基体、および発熱体によって加熱されるエアロゾル発生物品の少なくとも一部のうちの一つ以上の温度、温度領域、および/または温度範囲を示してもよく、および/またはそれらと相関してもよい。したがって、状態インジケータは、以下でより詳細に論じるように、温度制御を可能にする測定値または量を指してもよく、または示してもよい。
【0029】
一実施例では、加熱制御回路は、決定された状態インジケータに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御すること、決定された状態インジケータに基づいて、エアロゾル発生を開始または増加させるために、少なくとも一つの発熱体を起動すること、および決定された状態インジケータに基づいて、エアロゾル発生を停止または低減させるために、少なくとも一つの発熱体を停止することのうちの一つ以上を行うように構成され得る。随意に、加熱制御回路は、決定された状態インジケータを状態インジケータの所定の閾値と比較することに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御するように構成されてもよい。状態インジケータのそのような閾値は、例えば、エアロゾル発生装置のメモリまたはデータストレージに格納することができ、または、例えばエアロゾル発生装置の通信インターフェースを介して別のデータソースから取得することができる。
【0030】
例えば、加熱制御回路は、少なくとも一つの発熱体へのエネルギーの供給、少なくとも一つの発熱体の負荷サイクル、および少なくとも一つの発熱体を駆動するための駆動周波数のうちの一つ以上を制御および/または調整することに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御し、少なくとも一つの発熱体を起動し、および/または少なくとも一つの発熱体を停止するように構成されてもよい。エネルギーおよび/または負荷サイクルの供給を制御することは、供給電圧および供給電流の一方または両方を制御および/または調整することを含むことができる。しかしながら、一つ以上の他のパラメータまたは動作量は、例えば発熱体のタイプに応じて、または誘導加熱、抵抗加熱、またはマイクロ波加熱などの加熱に適用される技術に応じて、加熱制御回路によって制御され得ることが強調される。
【0031】
さらに、加熱制御回路は随意に、少なくとも一つの動作量に関連付けられた各クラスのスコアを決定論的に計算するように決定するように構成されてもよい。本明細書で使用される場合、こうした決定論的計算は、例えば、ニューラルネットワークを使用して、人工知能に基づく計算と対照的であり得る。したがって、動作量のクラスへの分類または分類、および対応するスコアの決定は、人工知能を使用して実行されない場合がある。したがって、クラスのスコアは、人工知能の使用と比較して、有意に削減された計算能力で決定され得る。また、エネルギー消費および/または計算時間を削減することができる。
【0032】
一実施例では、少なくとも一つの動作量に関連付けられる各クラスのスコアは、少なくとも一つの動作量がそれぞれのクラスに分類される確率を示し得る。言い換えれば、少なくとも一つの動作量に関連付けられた各クラスのスコアは、少なくとも一つの動作量が、それぞれのクラスおよび/またはそれぞれのクラスに関連付けられた対応する所定の特性の中にあるか、またはそれと関連付け可能である値を取る、有する、提示する、および/または採用する確率を示し得る。別の方法として、または追加的に、各クラスのスコアは、それぞれのクラスに分類される動作量に対する信頼レベルまたは信頼値を示し得る。この文脈では、各クラスのスコアは、それぞれのクラスのメンバーであるか、またはそれぞれのクラスと関連付け可能である動作量の程度または程度を示すメンバーシップ値と見なすことができる。確率は、例えば、ゼロ~1の値、0%~100%の値、または任意の他の適切な絶対値もしくは相対値の範囲として与えられてもよい。
【0033】
一例として、加熱制御回路は、少なくとも一つの動作量を複数のクラスに関連付け、複数の数学的関数に基づいて各クラスの確率またはスコアを計算するように構成されてもよく、各数学的関数は、スコアおよび/または複数のクラスのうちの一つに対する確率を、少なくとも一つの動作量の所定のスケールおよび所定の範囲のうちの少なくとも一つにマッピングする。別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの動作量に関連付けられた各クラスは、所定のスケールおよび少なくとも一つの動作量の所定の範囲のうちの少なくとも一つに、当該クラスの確率をマッピングする数学的関数によって表されてもよく、または数学的関数として与えられてもよい。こうした数学的関数のうちの一つ以上は、例えば、メモリまたはデータストレージに保存することができ、各クラスの確率および/またはスコアを計算するために動作量を評価するために、加熱制御回路によって使用されうる。
【0034】
一つ以上のクラスに対するこうした数学的関数のうちの一つ以上は、例えば、ソフトコードされた方程式または機能関係の形態でエアロゾル発生装置に実装され得る。少なくとも一つの動作量は、対応するスコアまたは確率を計算するために、一つ以上の数学的関数に対する入力として使用されうる。別の方法として、または追加的に、こうした数学的関数のうちの一つ以上は、ルックアップテーブルなどとして実施されうる。
【0035】
例えば、少なくとも動作量に関連付けられたクラスの少なくとも一部の数学的関数の少なくとも一部は、少なくとも一つの定数セクション、少なくとも一つの三角形セクション、少なくとも一つの台形セクション、少なくとも一つの直線セクション、少なくとも一つの湾曲セクション、少なくとも一つのベルカーブセクション、および少なくとも一つのシグモイドセクションを含み得る。また、こうしたセクションの任意の組み合わせも可能である。しかしながら、本開示は、前述のセクションのうちの一つ以上を有する数学的関数に限定されないことに留意されたい。原則として、クラスの確率またはスコアを明瞭に決定することができる任意の非周期的関数または任意の関数を、本開示の文脈において数学的関数として使用することができる。
【0036】
少なくとも一つの動作量は、例えば、少なくとも一つの動作量の測定に基づいてもよい。こうした測定は、例えば、一つ以上のセンサーに基づいて、かつ/または加熱制御回路またはその電源によって供給される供給電圧および/または電流を決定または監視することに基づいて、加熱制御回路によって実施されうる。
【0037】
別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの動作量は、少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた一つ以上のさらなる動作量の測定から導き出されるか、またはそれに基づいて決定されうる。例えば、少なくともその一部が測定され得る一つ以上のさらなる動作量を使用して、少なくとも一つの動作量を計算または計算することができる。
【0038】
一実施例では、少なくとも一つの動作量は、所定の期間にわたって平均化され得る。例えば、動作量は、特定のサンプリング周波数でサンプリングすることができ、動作量の一つのサンプル値は、サンプリング期間にわたる動作量の平均値に関連し得るか、または平均値とみなされ得る。
【0039】
本明細書で上述したように、少なくとも一つの動作量は、加熱制御回路による少なくとも一つの発熱体の動作または作動中の少なくとも一つの発熱体の電気的挙動を示し得る。例えば、発熱体の電気的挙動または応答は、動作量に依存してもよく、または動作量と相関してもよく、これは、動作量に基づいて電気的挙動の正確な決定を可能にすることができる。
【0040】
一例として、少なくとも一つの動作量は、コンダクタンス、コンダクタンス導関数、コンダクタンス距離、コンダクタンスのパルス形状、コンダクタンスの勾配、抵抗、抵抗導関数、抵抗距離、少なくとも一つの発熱体に供給される電力、電力導関数、負荷サイクル、少なくとも一つの発熱体に供給される電流、および少なくとも一つの発熱体に供給される電圧のうちの一つ以上を示し得る。こうした動作量は、加熱状態または状態インジケータの迅速で、信頼性が高く、かつ正確な決定を可能にし、それ故に発熱体またはその加熱状態の正確で、迅速で、かつ信頼性の高い制御を可能にする場合がある。
【0041】
利用される発熱体のタイプまたは加熱技術に応じて、前述の動作量のうちの一つ以上は、加熱制御回路および/または発熱体もしくは電源などの発熱体の一つ以上の構成要素に関連し得る。
【0042】
例えば、加熱が誘導加熱に基づく場合、加熱制御回路および/または発熱体は、一つ以上のコイルまたは誘導コイルを含みうる。この例では、コンダクタンス、抵抗、および/または一方もしくは両方の導関数など動作量は、状態インジケータを正確に決定することを可能にし得る。その中で、コンダクタンスまたは抵抗は、一つ以上のコイルのコンダクタンスまたは抵抗に関連し得る。こうした物理量または動作量は、例えば、一つ以上のコイル(または発熱体)に供給される、または一つ以上のコイルによって吸収される電圧および/または電流を測定することに基づいて決定されうる。一例として、こうした測定は、加熱制御回路またはその電源回路によって供給される直流を測定することに基づいて実施することができる。別の方法として、こうした測定は、一つ以上のコイルまたは発熱体に供給される交流電流の測定に基づいてもよい。
【0043】
本明細書で使用される場合、コンダクタンス距離、および同様に抵抗距離は、コンダクタンスまたは抵抗曲線上の所定の基準点間のコンダクタンスまたは抵抗の相対値を指し得る。その中で、コンダクタンスまたは抵抗曲線は、加熱状態、またはそれに関連する、または発熱体の加熱に関与する別の動作量の関数としてのコンダクタンスまたは抵抗の経過を示し得る。
【0044】
同様に、コンダクタンスのパルス形状または勾配は、加熱状態の関数として、時間の関数として、および/または加熱状態に関連するか、または発熱体の加熱に関与する別の動作量の関数として、コンダクタンスのパルス形状または勾配を指し得る。
【0045】
誘導加熱の例示的かつ非限定的な使用事例では、コンダクタンスは、発熱体の加熱状態の変化する関数であってもよく、これは随意に、発熱体の温度、温度領域、および/または温度範囲を示してもよく、または相関してもよい。例えば、コンダクタンスは、コンダクタンス対加熱状態または温度曲線上で一連の丘および谷を通して変化し得る。こうした曲線上の基準点は、例えば、曲線上の特定の丘および谷にそれぞれ関連する、局所最大値および局所最小値とすることができる。しかしながら、コンダクタンスまたは抵抗曲線上の任意の他の基準点を使用して、例えば、二つの極大値または極小値間の距離など、コンダクタンス距離または抵抗距離を画定することができることに留意されたい。
【0046】
加熱制御回路は、複数の動作量を受信するように構成されてもよく、各動作量は、少なくとも一つの発熱体の動作と関連付けられる。加熱制御回路は、複数の動作量のうちの各一つを複数のクラスに関連付けられ、各クラスが、少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応し、各クラスのスコアを計算し、決定された複数のクラス、ならびに複数の動作量に対する対応するスコアおよび/または確率に、一つ以上の所定のルールのセットを適用することに基づいて、状態インジケータを決定するようにさらに構成され得る。その中で、各ルールは、複数の動作量のうちの一つの少なくとも一つのクラスと、複数の動作量の少なくとも一つのさらなる動作量の少なくとも一つのクラスとの間の相互関係を示し得る。別の方法として、または追加的に、各ルールは、複数の動作量の一つの少なくとも一つのクラスを、少なくとも一つのさらなる動作量の少なくとも一つのクラスに関連付けてもよく、または関連付けてもよい。一実施例では、異なる動作量の異なるクラス間のそのような相互関係は、AND演算、OR演算、それらの組み合わせ、または別の演算として実装することができる。
【0047】
所定のルールのセットを適用することは、有利なことに、クラスおよび対応するスコアまたは確率によって反映されるように、様々な異なる動作量、またはその中に含まれる加熱状態に関連する情報を組み合わせることを可能にすることができる。特に、ルールのセットを適用することは、低い計算能力で状態インジケータの高速計算を可能にすることができる。また、状態インジケータの精度を高めることができ、全体的な加熱制御をさらに改善することができる。
【0048】
一実施例では、加熱制御回路は、所定のルールのセットの異なるルールを、決定された複数のクラス、ならびに複数の動作量に対する対応するスコアおよび/または確率に適用することによって決定された部分状態インジケータを組み合わせることに基づいて、状態インジケータを決定するように構成され得る。したがって、加熱制御回路は、決定された複数のクラスの少なくともサブセット、ならびに複数の動作量に対する対応するスコアおよび/または確率に、ルールのセットの単一のルールを適用することに基づいて、部分状態インジケータを決定するように構成され得る。
【0049】
随意に、部分状態インジケータのうちの一つ以上を使用して、状態インジケータを決定してもよい。例えば、部分状態インジケータのうちの一つ以上は、状態インジケータとして選択され得る。別の方法として、または追加的に、複数の部分状態インジケータを組み合わせて、または融合して、状態インジケータを決定することができる。
【0050】
一実施例では、加熱制御回路は、ルール固有の重み付け量、重み係数、または重みで、部分状態インジケータを重み付けるように構成され得る。一つ以上の重み、重み付け係数、または重み付け量は、事前に定義することができ、例えば、装置のメモリに保存することができる。概して、重みは、状態インジケータの決定のための対応するルールの重要性または関連性を反映し得る。したがって、ルール固有の重みを適用することは、状態インジケータおよび/または加熱制御の決定のための異なるルールの異なる重要性または関連性を考慮することを可能にすることができる。
【0051】
一例として、状態インジケータおよび/または一つ以上の部分状態インジケータは、温度領域として与えられる、温度領域を含む、および/または温度領域を示すことができる。本明細書で使用される場合、温度領域は、発熱体の現在の温度が分類されると予想される温度の領域または温度範囲に対応し得る。実際の温度を決定するのではなく、温度領域を決定することは、特に発熱体を正確に制御するために必要なすべての情報を保持しながら、低減された計算能力で発熱体の実際の温度の迅速かつ効率的な近似を可能にする場合がある。
【0052】
例示的な実施態様では、状態インジケータは、温度領域として、および少なくとも一つの発熱体の実際の加熱温度が温度領域内または温度領域内に入る確率として与えられてもよい。例えば、温度領域「高温」は、特定の温度と関連付けられてもよく、この温度領域に対して0.8の確率が決定されてもよい。したがって、この場合、発熱体は、80%の確率で「高温」領域にあるか、または「80%高温」であり、20%「非高温」または一つ以上の他のクラスにある。
【0053】
随意に、一つ以上の温度領域の確率を温度のスケールまたは範囲にマッピングする数学的関数を使用して、決定された確率および/または温度領域を発熱体の実際の温度に変換することができる。
【0054】
本開示のさらなる態様によると、本明細書の上記および下記に説明されるエアロゾル発生装置、およびエアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムが提供される。
【0055】
本明細書の上記および下記に説明されるエアロゾル発生装置の任意の特徴、機能および/または要素は、同様にエアロゾル発生システムに適用され、逆もまた同様である。概して、本開示の任意の態様を参照して上記および下記に提示される任意の開示は、本開示の任意の他の態様に等しく適用される。
【0056】
本開示のさらなる態様は、エアロゾルを発生させるための、本明細書の上記および下記に説明されるエアロゾル発生装置またはシステムの使用に関連し得る。
【0057】
本開示のさらなる態様は、エアロゾル発生装置またはシステム、例えば本明細書の上記および下記に説明される装置またはシステムを動作させる方法に関連する。方法は:
- エアロゾル発生装置の加熱制御回路を用いて、エアロゾル発生装置の少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた少なくとも一つの動作量を受信および/または処理することであって、少なくとも一つの発熱体が、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱してエアロゾルを発生し、かつ/またはエアロゾル発生装置に結合可能であるように構成される、受信および/または処理することと、
- 加熱制御回路を用いて、少なくとも一つの動作量を複数のクラスに帰属および/または関連付けることであって、各クラスが少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応する、帰属および/または関連付けることと、
- 加熱制御回路を用いて、各クラスのスコアを計算することと、
- 加熱制御回路を用いて、複数のクラスおよびクラスに対する計算されたスコアに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱状態を示す状態インジケータを決定することと、を含む。
【0058】
方法は、加熱制御回路を用いて、決定された状態インジケータに基づいて少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御することと、決定された状態インジケータに基づいてエアロゾル発生を開始または増加させるために少なくとも一つの発熱体を起動することと、決定された状態インジケータに基づいてエアロゾル発生を停止または低減するために少なくとも一つの発熱体を停止すること、のうちの一つ以上をさらに含みうる。
【0059】
別の方法として、または追加的に、方法は、決定された状態インジケータを状態インジケータの所定の閾値と比較することに基づいて、加熱制御回路を用いて、少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御することをさらに含んでもよい。
【0060】
随意に、少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御すること、発熱体を起動すること、および/または発熱体を停止することは、少なくとも一つの発熱体へのエネルギーの供給、少なくとも一つの発熱体の負荷サイクル、および少なくとも一つの発熱体を駆動するための駆動周波数のうちの一つ以上を制御することを含みうる。
【0061】
本明細書で上述したように、各クラスのスコアは、少なくとも一つの動作量がそれぞれのクラスに分類される確率を示し得る。別の方法として、または追加的に、各クラスのスコアを決定することは、少なくとも一つの動作量がそれぞれのクラスに含まれる確率を決定することを含みうる。
【0062】
一実施例では、少なくとも一つの動作量を複数のクラスに帰属および/または関連付け、各クラスに対する確率を計算することは、複数の数学的関数に基づいて、少なくとも一つの動作量を評価することを含んでもよく、各数学的関数は、複数のクラスのうちの一つに対する確率を、少なくとも一つの動作量の所定のスケールおよび所定の範囲のうちの少なくとも一つにマッピングする。
【0063】
随意に、方法は、エアロゾル発生装置を用いて少なくとも一つの動作量を測定することと、少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた一つ以上のさらなる動作量の測定から少なくとも一つの動作量を導出することと、所定の期間にわたって少なくとも一つの動作量を平均化することとのうちの一つ以上を含むことができる。測定から少なくとも一つの動作量を導出することは、例えば、少なくとも一つの動作量とは異なり得る、一つ以上の測定された動作量に基づいて動作量を計算することを含みうる。さらに、平均化は、例えば、所定の期間にわたる少なくとも一つの動作量の平均を計算することを含みうる。
【0064】
さらなる実施例では、方法は、
- 複数の動作量を受信することであって、各動作量が少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられている、受信することと、
- 複数の動作量のうちの各一つを複数のクラスに関連付けることであって、各クラスが、少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応する、関連付けることと、
- 各クラスに対するスコアを計算することと、
- 一つ以上の所定のルールのセットを、決定された複数のクラス、および複数の動作量に対する対応するスコアおよび/または確率に適用し、それによって、部分的状態インジケータのセットを生成することと、をさらに含む。
【0065】
その中で、各ルールは、複数の動作量のうちの一つの少なくとも一つのクラスと、複数の動作量の少なくとも一つのさらなる動作量の少なくとも一つのクラスとの間の相互関係を示し得る。例えば、部分状態インジケータの少なくともサブセットは、所定のルールのセットの異なるルールを適用することによって決定され得る。本明細書で使用される場合、少なくとも一つの動作量を受信すること、または複数の動作量を受信することは、それぞれの動作量を加熱制御回路で処理することを含みうる。
【0066】
随意に、方法は、加熱制御回路を用いて、ルール固有の重み付け量、重み、または重み係数を有する一つ以上の部分状態インジケータを重み付けすることをさらに含みうる。
【0067】
本開示のさらなる態様は、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生システムによって実行される時、本明細書の上記および下記に説明するように、方法のステップを実施するようにエアロゾル発生装置またはシステムに指示するコンピュータプログラムに関する。
【0068】
本開示のさらなる態様は、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生システムによって実行される時、本明細書の上記および下記に説明するように、方法のステップを実施するようにエアロゾル発生装置またはシステムに指示する、コンピュータプログラムを保存する非一時的コンピュータ可読媒体に関する。
【0069】
下記に非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【実施例
【0070】
実施例1:
エアロゾルを発生するためにエアロゾル発生装置で使用可能なエアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成された少なくとも一つの発熱体を備えるか、またはそれに接続可能なエアロゾル発生装置であって、
エアロゾル発生装置が、
少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた少なくとも一つの動作量を受信し、
少なくとも一つの動作量を複数のクラスに関連付け、各クラスが、少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応し、
各クラスのスコアを計算し、
複数のクラスおよびクラスに対する計算されたスコアに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱状態を示す状態インジケータを決定するように構成された、加熱制御回路を含む、エアロゾル発生装置。
実施例2:
加熱制御回路が、決定された状態インジケータに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御することと、決定された状態インジケータに基づいてエアロゾル発生を開始または増加させるために、少なくとも一つの発熱体を起動することと、決定された状態インジケータに基づいてエアロゾル発生を停止または低減するために、少なくとも一つの発熱体を停止すること、のうちの一つ以上を行うようにさらに構成される、実施例1に記載のエアロゾル発生装置。
実施例3:
加熱制御回路が、決定された状態インジケータを状態インジケータの所定の閾値と比較することに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御するようにさらに構成される、実施例1~2のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例4:
加熱制御回路が、少なくとも一つの発熱体へのエネルギーの供給、少なくとも一つの発熱体の負荷サイクル、および少なくとも一つの発熱体を駆動するための駆動周波数のうちの一つ以上を制御することに基づいて、少なくとも一つの発熱体を制御、起動、および/または停止するように構成される、実施例2および3のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例5:
少なくとも一つの発熱体が、誘導加熱、抵抗加熱、およびマイクロ波加熱のうちの少なくとも一つに基づく、実施例1~4のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例6:
加熱制御回路が、少なくとも一つの動作量に関連付けられた各クラスのスコアを決定論的に計算するように構成される、実施例1~5のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例7:
少なくとも一つの動作量に関連付けられた各クラスのスコアが、少なくとも一つの動作量がそれぞれのクラスに分類される確率を示す、実施例1~6のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例8:
加熱制御回路が、少なくとも一つの動作量を複数のクラスに関連付け、複数の数学的関数に基づいて各クラスの確率を計算するように構成され、各数学的関数が、複数のクラスのうちの一つに対する確率を、少なくとも一つの動作量の所定のスケールおよび所定の範囲のうちの少なくとも一つにマッピングする、実施例7に記載のエアロゾル発生装置。
実施例9:
少なくとも動作量に関連付けられたクラスの少なくとも一部の数学的関数の少なくとも一部が、少なくとも一つの定数セクション、少なくとも一つの三角形セクション、少なくとも一つの台形セクション、少なくとも一つの直線セクション、少なくとも一つの湾曲セクション、少なくとも一つのベルカーブセクション、および少なくとも一つのシグモイドセクションを含む、実施例8に記載のエアロゾル発生装置。
実施例10:
少なくとも一つの動作量が、少なくとも一つの動作量の測定に基づく、実施例1~9のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例11:
少なくとも一つの動作量が、少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた一つ以上のさらなる動作量の測定に由来する、実施例1~10のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例12:
少なくとも一つの動作量が所定の期間にわたって平均化される、実施例1~11のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例13:
少なくとも一つの動作量が、少なくとも一つの発熱体の動作中の少なくとも一つの発熱体の電気的挙動を示す、実施例1~12のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例14:
少なくとも一つの動作量が、コンダクタンス、コンダクタンス導関数、コンダクタンス距離、コンダクタンスのパルス形状、コンダクタンスの勾配、抵抗、抵抗導関数、抵抗距離、少なくとも一つの発熱体に供給される電力、電力導関数、負荷サイクル、少なくとも一つの発熱体に供給される電流、および少なくとも一つの発熱体に供給される電圧のうちの一つ以上を示す、実施例1~13のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例15:
加熱制御回路が、複数の動作量を受信し、各動作量が、少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられ、複数の動作量のうちの各一つを複数のクラスに関連付け、各クラスが、少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応し、各クラスに対するスコアを計算し、一つ以上の所定のルールのセットを決定された複数のクラス、および複数の動作量に対する対応するスコアおよび/または確率に適用することに基づいて、状態インジケータを決定し、各ルールが、複数の動作量のうちの一つの少なくとも一つのクラスと、複数の動作量の少なくとも一つのさらなる動作量の少なくとも一つのクラスとの間の相互関係を示すように構成される、実施例1~14のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例16:
加熱制御回路が、所定のルールのセットの異なるルールを、決定された複数のクラスに適用することによって決定された部分状態インジケータと、複数の動作量に対する対応するスコアおよび/または確率を組み合わせることに基づいて、状態インジケータを決定するようにさらに構成される、実施例15に記載のエアロゾル発生装置。
実施例17:
加熱制御回路が、部分状態インジケータをルール固有の重み付け量で重み付けるように構成される、実施例16に記載のエアロゾル発生装置。
実施例18:
状態インジケータが温度領域として与えられ、温度領域を含み、かつ/または温度領域として示される、実施例1~17のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例19:
状態インジケータが、温度領域、および少なくとも一つの発熱体の実際の加熱温度が温度領域内に収まる確率として与えられる、実施例18に記載のエアロゾル発生装置。
実施例20:
実施例1~19のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置と、
エアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
実施例21:
エアロゾル発生装置を動作させる方法であって、方法が、
エアロゾル発生装置の加熱制御回路を用いて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱してエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置の少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた少なくとも一つの動作量を受信することと、
加熱制御回路を用いて、少なくとも一つの動作量を複数のクラスに帰属させることであって、各クラスが少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応する、帰属させることと、
加熱制御回路を用いて、各クラスのスコアを計算することと、
加熱制御回路を用いて、複数のクラスおよびクラスに対する計算されたスコアに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱状態を示す状態インジケータを決定することと、を含む、方法。
実施例22:
加熱制御回路を用いて、決定された状態インジケータに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御することと、
決定された状態インジケータに基づいてエアロゾル発生を開始または増加させるために、少なくとも一つの発熱体を起動することと、
決定された状態インジケータに基づいてエアロゾル発生を停止または低減するために、少なくとも一つの発熱体を停止すること、のうちの一つ以上をさらに含む、実施例21に記載の方法。
実施例23:
加熱制御回路を用いて、決定された状態インジケータを状態インジケータの所定の閾値と比較することに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御することとをさらに含む、実施例21~22のいずれか一つに記載の方法。
実施例24:
少なくとも一つの発熱体を制御、起動、および/または停止することが、少なくとも一つの発熱体へのエネルギーの供給、少なくとも一つの発熱体の負荷サイクル、および少なくとも一つの発熱体を駆動するための駆動周波数のうちの一つ以上を制御することを含む、実施例22および23のいずれか一つに記載の方法。
実施例25:
少なくとも一つの動作量に関連付けられた各クラスのスコアが、決定論的に計算される、実施例21~24のいずれか一つに記載の方法。
実施例26:
各クラスのスコアが、少なくとも一つの動作量がそれぞれのクラスに分類される確率を示し、かつ/または各クラスのスコアを決定することが、少なくとも一つの動作量がそれぞれのクラスに分類される確率を決定することを含む、実施例21~25のいずれか一つに記載の方法。
実施例27:
少なくとも一つの動作量を複数のクラスに帰属させ、各クラスに対する確率および/またはスコアを計算することが、複数の数学的関数に基づいて、少なくとも一つの動作量を評価することを含み、各数学的関数が、複数のクラスのうちの一つに対する確率を、少なくとも一つの動作量の所定のスケールおよび所定の範囲のうちの少なくとも一つにマッピングする、実施例26に記載の方法。
実施例28:
少なくとも一つの動作量をエアロゾル発生装置で測定することと、
少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた一つ以上のさらなる動作量の測定から、少なくとも一つの動作量を導出することと、
所定の期間にわたって少なくとも一つの動作量を平均化すること、のうちの一つ以上をさらに含む、実施例21~27のいずれか一つに記載の方法。
実施例29:
複数の動作量を受信することであって、各動作量が少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられている、受信することと、
複数の動作量のうちの各一つを複数のクラスに関連付けることであって、各クラスが、少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応する、関連付けることと、
各クラスに対するスコアを計算することと、
一つ以上の所定のルールのセットを、決定された複数のクラス、および複数の動作量に対する対応するスコアおよび/または確率に適用することであって、それによって、部分的状態インジケータを生成し、各ルールが、複数の動作量のうちの一つの少なくとも一つのクラスと、複数の動作量のうちの少なくとも一つのさらなる動作量の少なくとも一つのクラスとの間の相互関係を示す、適用することとをさらに含む、実施例21~28のいずれか一つに記載の方法。
実施例30:
所定のルールのセットの異なるルールを適用することによって決定される部分状態インジケータを組み合わせることをさらに含む、実施例29に記載の方法。
実施例31:
加熱制御回路を用いて、ルール固有の重み付け量、重み付け係数、および/または重みを有する一つ以上の部分状態インジケータを重み付けすることをさらに含む、実施例29および30のいずれか一つに記載の方法。
実施例32:
エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生システムによって実行される時、エアロゾル発生装置またはシステムに、実施例21~31のいずれか一つに記載の方法のステップを実施するよう命令する、コンピュータプログラム。
33:
実施例32に記載のコンピュータプログラムを格納する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0071】
ここで、図を参照して実施例がさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1図1は、エアロゾル発生装置を有するエアロゾル発生システムを示す。
図2図2~7はそれぞれ、エアロゾル発生装置で状態インジケータを決定する態様を示す。
図3】同上。
図4】同上。
図5】同上。
図6】同上。
図7】同上。
図8図8は、エアロゾル発生装置またはシステムを動作させる方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図1は、エアロゾル発生装置100を有するエアロゾル発生システム500を示す。
【0074】
図1のシステム500は、エアロゾル発生基体210を有するエアロゾル発生物品200をさらに備える。エアロゾル発生装置100によって、エアロゾルは、基体210または物品200の少なくとも一部を加熱することに基づいて発生させることができる。
【0075】
図1に示す例示的なエアロゾル発生物品200は、棒形状であり、例えば、エアロゾル発生装置100の開口部を介して、エアロゾル発生装置100内に少なくとも部分的に挿入される形状およびサイズで構成され得る。他の例示的なエアロゾル発生物品200は、ユーザーによるエアロゾル消費中に蒸発され得る液体を含有するカートリッジを含み得る。カートリッジは、エアロゾル発生装置100に少なくとも部分的に挿入される形状およびサイズで構成され得る。代替的に、カートリッジは、エアロゾル発生装置に固定して取り付けられ、液体をカートリッジに挿入することによって補充され得る。
【0076】
エアロゾル発生物品200または基体210を加熱するために、エアロゾル発生装置100は、加熱制御回路110および一つ以上の発熱体120を備える。加熱制御回路112は、発熱体120に動作可能に結合されて、例えば、発熱体120がエアロゾルを発生するための所定の温度に加熱され得るように、その動作を制御する。
【0077】
加熱制御回路110は、一つ以上のプロセッサ112、および随意にメモリ114またはデータストレージ114を含む。例えば、ソフトウェア命令は、メモリ114に記憶されてもよく、メモリ114は、一つ以上のプロセッサ112によって実行されると、本明細書の上記および下記に説明されるように、装置100に一つ以上の機能を実行するように命令する。別の方法として、または追加的に、加熱制御回路110は、特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでもよく、または特定用途向け集積回路であってもよい。
【0078】
加熱制御回路114は、装置100を動作させるために、かつ/または少なくとも一つの発熱体120を加熱するために電力を提供する電源116をさらに備える。電源116は、例えば、電力を、例えばDCまたはAC電流の形態で発熱体210に供給するための一つ以上の電池、アキュムレーターおよび/またはコンデンサを備えてもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生装置100または電源116は、供給グリッドまたは他の電源を介して電力供給されてもよい。
【0079】
例えば、エアロゾル発生システム500は、エアロゾル発生装置100が電源116を再充電するために連結され得る受容装置(図示せず)を備え得る。
【0080】
エアロゾル発生装置100および/または加熱制御回路110は、抵抗加熱、誘導加熱、およびマイクロ波加熱のうちの一つ以上のために構成されてもよい。したがって、発熱体120および加熱制御回路110の様々な形態および設計が本明細書で想定される。
【0081】
例えば、エアロゾル発生装置100は、抵抗加熱に基づいてエアロゾル発生物品200または基体210を加熱するように構成されてもよく、発熱体120は、基体210の中に少なくとも部分的に挿入可能な一つ以上の抵抗ブレードを備えてもよい。別の方法として、発熱体120は、加熱制御回路110および/または電源116を介して電力を提供することによって抵抗加熱することができる一つ以上の加熱コイルを備えてもよい。こうしたコイルは、エアロゾル発生物品200に連結されてもよく、または一部であってもよく、例えば組み込まれてもよい。したがって、発熱体120および/または加熱制御回路110の少なくとも一部は、エアロゾル発生物品200に組み込まれてもよい。これは、例えばカートリッジ状のエアロゾル発生物品200の場合に当てはまり得る。
【0082】
エアロゾル発生装置100が誘導加熱に基づいてエアロゾル発生物品200または基体210を加熱するように構成される場合、サセプタまたはサセプタ材料は、例えば、エアロゾル発生基体によって少なくとも部分的に囲まれた強磁性材料の平坦な金属帯の形態で、または基体210内に配置された粒子またはフレークの形態で、エアロゾル発生物品200または基体210内に配置されてもよい。こうした構成では、発熱体210は、交番磁界に基づいて、サセプタ内に渦電流を誘導してエアロゾル発生基体210を加熱する、一つ以上の誘導コイルを備えてもよい。
【0083】
マイクロ波加熱のために、発熱体120は、エアロゾル発生物品200または基体210を加熱するための一つ以上の共振器またはマイクロ波発生器を備えてもよい。
【0084】
利用される加熱のタイプに応じて、一つ以上の動作量は、発熱体120の動作に関与してもよく、またはその動作を示してもよい。例えば、一つ以上の動作量は、発熱体120および/または基体210の加熱温度または加熱状態を示し得る。
【0085】
発熱体210の動作を実際に制御し、かつ例えば発熱体120の温度を調整するために、または発熱体120もしくは基体210が過熱するのを防止するために、加熱制御回路110は、一つ以上の動作量を受信および/または処理するように構成されている。
【0086】
例示的な動作量には、発熱体210または電源116などの加熱制御回路110の他の構成要素のコンダクタンスまたは抵抗が含まれ得るが、これらに限定されない。別の方法として、または追加的に、例えば、時間または別の動作量に対するコンダクタンスまたは抵抗の導関数を、動作量で使用することができる。別の方法として、または追加的に、コンダクタンスまたは抵抗距離、例えば、曲線上の二つの基準点間のコンダクタンスまたは抵抗対加熱状態または温度曲線の相対距離を使用することができる。別の方法として、または追加的に、コンダクタンスのパルス形状または抵抗は、例えば、経時的に、または別の動作量の関数として、動作量として使用することができる。別の方法として、または追加的に、例えば、時間または別の動作量に対するコンダクタンスの勾配または抵抗を、動作量として使用することができる。別の方法として、または追加的に、電力、電流、少なくとも一つの発熱体に供給される電圧、これらのうちの一つ以上からの導関数、および/または負荷サイクルを動作量として使用することができる。
【0087】
動作量のうちの一つ以上は、例えば電源116を介して発熱体120に供給される電力を決定および/または監視することに基づいて、加熱制御回路によって測定または決定することができる。別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生装置100は、一つ以上の動作量を決定するための一つ以上のセンサーを備えてもよい。別の方法として、または追加的に、一つ以上の動作量は、一つ以上の他の動作量に基づいて決定され、それから導き出されて、またはそれらに基づいて計算されてもよい。
【0088】
発熱体120の加熱制御または動作に使用される一つ以上の動作量は、所定の期間にわたって平均化またはサンプリングされてもよい。これにより、決定された量の短期的な変動を平滑化することができる。随意に、一つ以上の以前にサンプリングされた動作量を、現在の加熱サイクルの加熱制御のために使用することができるか、または考慮することができる。
【0089】
さらに、発熱体210の動作を制御し、かつ例えば発熱体120の温度を調整するために、または発熱体120もしくは基体210が過熱するのを防止するために、加熱制御回路110は、一つ以上の動作量の各々を複数のクラスに関連付けるように構成されていて、各クラスは、それぞれの動作量の所定の特性に対応するか、または示す。
【0090】
さらに、加熱制御回路110は、それぞれの動作量に関連付けられた各クラスのスコアを計算し、複数のクラスおよび考慮される一つ以上の動作量のクラスの計算されたスコアに基づいて、少なくとも一つの発熱体120の加熱状態を示す状態インジケータを決定するように構成される。
【0091】
その中で、状態インジケータおよび/または発熱体120の加熱状態は、発熱体210の温度、温度領域、および/または温度範囲と相関してもよく、またはそれらを示してもよい。
【0092】
したがって、少なくとも一つの動作量を複数のクラスに帰属または関連付け、各クラスのスコアを決定することに基づいて、加熱状態を推定または近似することができ、それによって発熱体210の温度、温度領域、および/または温度範囲を推定または近似することを可能にする。好ましくは、考慮される少なくとも一つの動作量のスコアのうちの一つ以上は、ゼロでなくてもよい。
【0093】
決定された状態インジケータに基づいて、加熱制御回路110は、少なくとも一つの発熱体120の加熱温度を制御してもよい。例えば、少なくとも一つの発熱体120の加熱温度は、決定された状態インジケータを、メモリ114に記憶され得る状態インジケータの所定の閾値と比較することに基づいて制御され得る。別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの発熱体210の加熱温度は、少なくとも一つの発熱体120へのエネルギーの供給、電源116を制御すること、少なくとも一つの発熱体120の負荷サイクル、および少なくとも一つの発熱体120または電源116などの加熱制御回路110の一つ以上の構成要素を駆動するための駆動周波数のうちの一つ以上を制御することに基づいて制御されてもよい。
【0094】
一実施例では、少なくとも一つの動作量に関連付けられる各クラスのスコアは、少なくとも一つの動作量がそれぞれのクラスに分類される確率を示し得る。したがって、状態インジケータまたは加熱状態は、考慮される各動作量に対する複数のクラスを決定すること、および動作量(またはその対応する電流値)が当該クラス内にある信頼レベル、程度、または程度を示し得る各クラスに対する確率を決定することに基づいて、推定または近似され得る。
【0095】
基本的な実施例では、発熱体120に供給される電圧は、動作量とみなされうる。電圧は、例えば、「高電圧」、「低電圧」、および「中電圧」として分類されてもよく、対応するスコアまたは0.2、0.2、および0.6の値は、供給される電流電圧に基づいてクラスに対して決定されてもよい。これは、供給される電圧の20%が、「高電圧および低電圧」クラスのメンバーであり、60%が「中電圧」クラスのメンバーであると解釈され得る。次いで、これは、これらのクラスおよびスコアに基づく状態インジケータが、特に発熱体120を過熱することなく、エアロゾルを発生するための適切な加熱状態を示すことを示し得る。前述の分類は例示に過ぎないことを強調する。他の分類は、例えば、クラス「負電圧および正電圧」、またはそれぞれの動作量の所定の特性を表す複数のクラスを有する任意の他の分類を含み得る。
【0096】
例示的な実施態様では、加熱制御回路110は、一つ以上の動作量を複数のクラスに関連付け、複数の数学的関数に基づいて各クラスの確率またはスコアを計算するように構成されてもよく、各数学的関数は、複数のクラスのうちの一つに対する確率またはスコアを、少なくとも一つの動作量の所定のスケールおよび所定の範囲のうちの少なくとも一つにマッピングする。
【0097】
図2~6はそれぞれ、エアロゾル発生装置100を用いて状態インジケータ(または部分状態インジケータ)を決定する態様を示す。特に、図2~6の各々は、各クラスの確率またはスコアを所定のスケールおよび/または少なくとも一つの動作量の所定の範囲にマッピングする複数の数学的関数に基づいて、図2~6の動作量1~5と呼ばれる例示的な動作量の分類を示す。クラスは、図2~6のクラス1.1~クラス5.2として例示的に示され、第一の整数は、それぞれの動作量を示し、第二の整数は、それぞれの動作量に関連付けられたクラスを列挙する。
【0098】
図2~6では、スコアは、考慮される範囲にわたる任意の単位における動作量(動作量1~5)に対する任意の単位で示される。各動作量について考慮される範囲は、それぞれのスケール上の動作量の最大値および最小値によって定義され得る。動作量に応じて、例えば、動作量が考慮されるスケールは、線形スケール、対数スケール、または任意の他の適切なスケールであってもよい。
【0099】
上述のように、各クラスのスコアは、動作量が、クラスのうちの一つ以上に該当するか、またはそれと関連付けられる値を有する確率を示し得る。こうした確率は、ゼロ~1、0%~100%の値、または別の適切な値範囲であってもよい。
【0100】
単一の動作量のすべてのクラスのスコアの合計、例えば、動作量1のクラス1.1および1.2のスコアは、所定の最大値と等しくてもよい。確率に関連するスコアの場合、単一の動作量に対するスコアの合計は、例えば、1または100%に等しくてもよい。
【0101】
図2~6の実施例では、それぞれの動作量の各クラスについて、参照番号130~138によって示される数学的関数が示される。簡略化の理由から、図2~6に示すクラスは、「クラス1.1~5.2」と称される。しかしながら、考慮される動作量に応じて、クラスは、電圧およびクラス「高電圧、低電圧、および中電圧」の例について上述したように、動作量の特定の特性に対応し得る。
【0102】
さらに、動作量に応じて、二つ以上のクラスを、それぞれの動作量に対して使用することができ、またはそれらと関連付けられることができる。図2、3、および6の実施例では、二つのクラス(クラス1.1、1.2、2.1、2.2、5.1、5.2)は、動作量(動作量1、2、5)に関連付けられるが、一方で、動作量3に関する図4の実施例では三つのクラス(クラス3.1、3.2、3.3)であり、動作量4に関する図5の実施例では五つのクラス(クラス4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)である。ただし、他の数のクラスも可能である。
【0103】
図2~6の参照番号140によって示されるように、少なくとも二つの異なるクラスに関連付けられた数学的関数130~138のうちの少なくとも二つは、特定の範囲または領域で重複することが好ましい。
【0104】
さらに、図2~6で分かるように、動作量の各値について、少なくとも一つのクラスの少なくとも一つのスコアはゼロではない。重複領域140では、複数のゼロではないスコアが、複数のクラスに対して決定され得る。
【0105】
様々な形状および形態の数学的関数を使用して、対応する動作量を、それをそれぞれのクラスに分類し、各クラスに対するスコアを決定することに基づいて記述することができる。例えば、各数学的関数は、一つ以上の定数セクション141、少なくとも一つの三角形セクション142、少なくとも一つの台形セクション143、少なくとも一つの直線セクション144、および少なくとも一つの湾曲セクション145を有し得る。また、一つのベルカーブセクションおよびシグモイドセクションなどの他の形状またはセクションも可能である。
【0106】
上述のように、一つ以上の動作量の各クラスのクラスおよびスコアに基づいて、加熱制御回路110は、発熱体120の加熱状態を示す状態インジケータ(または一つ以上の部分状態インジケータ)を計算することができる。例えば、状態インジケータまたは部分状態インジケータは、数値であってもよい。発熱体120を制御するために、決定された状態インジケータは閾値と比較されてもよい。例えば、状態インジケータが閾値に到達するか、またはそれを超える場合、過熱は加熱制御回路110によって検出されてもよく、発熱体120はオフされてもよく、および/または警告信号は加熱制御回路110によって発生されてもよい。
【0107】
しかしながら、状態インジケータまたは部分状態インジケータが数値である代わりに、状態インジケータおよび/または部分状態インジケータも、加熱状態を複数のクラス、例えば、「非常に冷たい、冷たい、温かい、高温、非常に高温」などの発熱体120の異なる温度領域または状態に関連するクラスに関連付けることに基づいて決定されてもよい。したがって、状態インジケータおよび/または部分状態インジケータは、複数のクラス、ならびに一つ以上の動作量の前述の分類と類似した発熱体120の実際の温度領域を推定または近似することができる、クラスに対応するスコアまたは確率として与えられてもよく、それらを含んでもよく、および/またはそれらを示してもよい。
【0108】
加熱制御回路110は、決定された状態インジケータに基づいて、および/または複数の部分状態インジケータに基づいて、発熱体120の一つ以上の動作量、温度、温度範囲、および/または温度領域の値を決定するようにさらに構成されてもよい。
【0109】
例えば、少なくとも一つの発熱体120の実際の温度、温度領域、および/または温度範囲は、部分状態インジケータおよび/または状態インジケータに対して複数のクラスを定義することによって決定することができ、各クラスは実際の温度、温度領域、および/または温度範囲と関連付けられる。例えば、クラス「非常に冷たい、冷たい、温かい、高温、非常に高温」は、これらのクラスの各々に、温度の範囲を度(または別のスケール)で関連付けることによって、部分状態インジケータおよび/または状態インジケータに対して定義され得る。したがって、発熱体120の実際の温度は、状態インジケータに基づいて決定され得る。
【0110】
図7は、エアロゾル発生装置100を用いて状態インジケータおよび/または部分状態インジケータを決定する別の例示的な態様を示す。特に、図7は、複数の動作量に対する決定された複数のクラスへの、一連の所定のルール1、2、...Xの適用を示す。図7に示す表の各行は、一つのルールに対応する。
【0111】
図7の実施例では、そのクラス1.1および1.2を有する図2の動作量1、そのクラス2.1および2.2を有する図3の動作量2、ならびにそのクラス3.1、3.2、および3.3を有する動作量3が、例示目的のために考慮される(図7の表の列2~4)。しかしながら、追加の、他の、またはより少ない動作量を考慮するか、または考慮することができることに留意されたい。
【0112】
さらに、図7の表は、各動作量1~3について、対応するクラス名(クラス1.1~クラス3.3)、および図7の列2~4の角括弧内に示される対応するスコアまたは確率を含み、そのスコアまたは確率は、それぞれの動作量を決定することに基づいて、上記に説明されたように決定されている。
【0113】
ルールに応じて、異なるクラスおよび対応するスコアまたは確率が考慮または考慮され得る。例えば、ルール1は、動作量1のクラス1.2のスコア(スコアa1)、動作量2のクラス2.1のスコア(スコアa2)、および動作量3のクラス3.3のスコア(スコアa3)を考慮に入れてもよく、ルールxについては、動作量1のクラス1.2のスコア(スコアx1)、動作量2のクラス2.1のスコア(スコアx2)、および動作量3のクラス3.2のスコア(スコアx3)が考慮されてもよい。その中で、各ルールは、考慮される動作量の複数のクラス間の相互関係を反映する。クラスの選択は、ルールごとに事前に定義され得るか、または一つ以上の基準、例えば、どのルールに対してどのクラスおよびスコアを考慮するかを定義するかが事前に定義され得る。
【0114】
しかしながら、どのルールに対してどのクラスおよびスコアを考慮するかを選択するために、異なる測定基準またはスキームも適用され得ることに留意されたい。例えば、最も高いスコア、最も低いスコア、または中程度のスコアを有するクラスは、各動作量に対して選択されてもよく、対応するルールを適用して、そのルールに対する部分状態インジケータを決定してもよい。また、例えば、一つ以上の数学的関数などの他の指標を適用して、各ルールについて考慮されるクラスおよびスコアを選択することができる。
【0115】
複数の動作量の複数のクラスおよび/またはスコアにルールを適用することにより、複数の動作量からの情報を、低い計算量で部分状態インジケータおよび/または状態インジケータに組み合わせまたはマージすることを可能にし得る。次いで、エアロゾル発生装置100および/または発熱体120の加熱状態は、部分状態インジケータおよび/または状態インジケータに基づいて正確に監視および制御され得る。
【0116】
したがって、状態インジケータまたは部分状態インジケータの各々は、例えば、複数の動作量についての情報を含む、発熱体120の全体的な加熱状態に関する概要または表示を提供することができる。したがって、加熱状態は、発熱体120の正確かつ迅速な制御を可能にすることができる、状態インジケータおよび/または部分状態インジケータによって正確に反映され得る。
【0117】
非限定的かつ単に例示的な実施例では、エアロゾル発生装置100および/または加熱制御回路110は、発熱体120の温度を制御するための比例積分微分PIDコントローラを含み得る。状態インジケータおよび/または部分状態インジケータを決定することによって、加熱制御回路110は、加熱状態を監視し、例えば発熱体120の適切な温度または加熱状態に向けて、PIDコントローラを制御または誘導することができる。また、例えば、過熱などの重要な状態を、確実かつ迅速に検出することができ、PIDコントローラおよび/または発熱体120の制御に基づいて適切な対策または措置を取ることを可能にする。
【0118】
図7を引き続き参照すると、選択されたまたは決定されたクラス、および各クラスに対する対応するスコアまたは確率(図7の角括弧内に示す)は、所定のルール1、...、Xのセットに基づいて評価することができる。上述のように、図7の表の各行は、単一のルールの適用に対応し、これは、図7の結果1~結果Xと呼ばれる対応する部分状態インジケータをもたらす。さらに、各ルールは、各ルールに対して考慮される動作量のクラス間の相互関係を示すか、または反映し得る。
【0119】
例えば、ルールは、AND条件、OR条件、それらの組み合わせ、または別の条件として実装され得る。図7に示す例では、AND演算を使用することは、それぞれのスコアa1が動作量1のクラス1.2(列2)、それぞれのスコアa2が動作量2のクラス2.1(列3)、およびそれぞれのスコアa3が動作量3のクラス3.3が、部分状態インジケータ「結果1」を提供するために考慮または組み合わせられることを意味し得る。
【0120】
部分状態インジケータおよび/または状態インジケータに基づいて、発熱体120の実際の温度、温度領域、および/または温度範囲が決定されてもよい。例えば、各部分状態インジケータおよび/または状態インジケータは、複数のクラスと関連付けられてもよく、各クラスは、実際の温度、温度領域、および/または温度範囲に関連付けられているか、またはそれらを表す。例えば、クラス「非常に冷たい、冷たい、温かい、高温、非常に高温」は、これらのクラスの各々に、温度の範囲を度または別のスケールで関連付けることによって定義され得る。
【0121】
さらに、ルールのうちの一つ(結果1、...、結果X)を適用することに基づいて決定される各部分状態インジケータ、および/またはそれに基づいて決定される状態インジケータは、発熱体120の実際の温度、温度領域、および/または温度範囲、ならびにクラスに対する対応する一つ以上のスコアに関連付けられた複数のクラスのうちの一つ以上を示し得る。
【0122】
一例では、部分状態インジケータ「結果1」は、0.5のスコアを有するクラス「温かい」を表し得、これは、第一の部分状態インジケータが50%の温かさであることを意味する。さらに、部分状態インジケータ「結果2」につながる第二のルールの適用は、0.2のスコアを有するクラス「冷たい」を表してもよく、これは発熱体120が約20%まで冷たい状態にあることを意味する。さらに、部分状態インジケータ「結果X」は、15%の確率でクラス「高温」を表すことができる。これらの部分状態インジケータに基づいて、加熱制御回路110は、状態インジケータを、例えば、45%のスコアを有するクラス「温かい」として決定し得る。
【0123】
各部分状態インジケータおよび/または状態インジケータはまた、複数のクラスおよびクラスの各々に対する対応するスコアを含み得ることに留意されたい。別の方法として、または追加的に、部分状態インジケータおよび/または状態インジケータの各々は、一つ以上のクラスおよび対応する一つ以上のスコアに基づいて、発熱体120の実際の温度に変換されてもよい。
【0124】
任意選択で、予め定義されたルールのセットを適用することに基づいて計算される部分状態インジケータを組み合わせて、状態インジケータを計算することができる。例えば、異なる部分状態インジケータは、状態インジケータを計算するために合計、平均化、乗算、またはその他の方法で使用されてもよい。
【0125】
各ルールに対する異なるレベルの関連性を反映するために、部分状態インジケータは、ルール固有の重み付け量、重みまたは重み付け係数で重み付けされ得る。
【0126】
図8は、例えば、図1~7の一つ以上に従って、エアロゾル発生装置100またはシステム500を動作させる方法を示すフローチャートを示す。
【0127】
ステップS1において、エアロゾル発生装置100の加熱制御回路110は、エアロゾル発生基体210の少なくとも一部を加熱してエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置100の少なくとも一つの発熱体120の動作に関連付けられた少なくとも一つの動作量を受信および/または処理する。
【0128】
ステップS2では、加熱制御回路110は、少なくとも一つの動作量を複数のクラスに関連付けるか、または属性付けし、各クラスは、少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応する。
【0129】
ステップS3では、加熱制御回路110は、各クラスに対するスコア、例えば、上述の確率を計算または計算する。したがって、各クラスのスコアを決定することは、少なくとも一つの動作量がそれぞれのクラスに分類される確率を決定することを含み得る。
【0130】
ステップS2およびS3のうちの一つ以上は、任意選択的に、複数の数学的関数に基づいて、少なくとも一つの動作量を評価することを含んでもよく、各数学的関数は、例えば、図2図6を参照して説明したように、複数のクラスのうちの一つの確率またはスコアを、少なくとも一つの動作量の所定のスケールおよび所定の範囲のうちの少なくとも一つにマッピングする。
【0131】
ステップS4では、加熱制御回路110は、複数のクラスおよびクラスに対する計算されたスコアに基づいて、少なくとも一つの発熱体120の加熱状態を示す状態インジケータを決定する。任意選択的に、所定のルールのセットを、ステップS4で、決定された複数のクラスおよび対応するスコアに適用して、部分状態インジケータを決定することができ、状態インジケータは、例えば、図7を参照して説明されるように、部分状態インジケータに基づいて決定することができる。
【0132】
随意のステップS5において、加熱制御回路110は、決定された状態インジケータに基づいて、少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御してもよい。これは、決定された状態インジケータを、状態インジケータの所定の閾値と比較することを含み得る。別の方法として、または追加的に、ステップS5は、少なくとも一つの発熱体120へのエネルギーの供給の一つ以上を制御することと、電源116を制御することと、少なくとも一つの発熱体120の負荷サイクルを制御することと、少なくとも一つの発熱体を駆動するための駆動周波数を制御することとを含んでもよい。120.
本発明は、図面および上記の説明で詳細に例示および説明されているが、そのような例示および説明は、例示的または代表的であり、限定するものではなく、本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の研究から、当業者によって理解され、かつ影響を及ぼされ得、および特許請求の範囲の実践であり得る。
【0133】
特許請求の範囲において、「含む、備える(comprising)」という単語は、それ以外の要素またはステップを除外するものではなく、また不定冠詞「a」もしくは「an」は、複数であることを除外するものではない。特定の尺度が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの尺度の組み合わせが有利に使用されることができないことを示唆していない。特許請求の範囲のいかなる参照符号も、その範囲を限定していると解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルを発生するためにエアロゾル発生装置で使用可能なエアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成された少なくとも一つの発熱体を備えるか、またはそれに接続可能である、エアロゾル発生装置であって、
前記エアロゾル発生装置が、
前記少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた少なくとも一つの動作量を受信し、
前記少なくとも一つの動作量を複数のクラスに関連付け、各クラスが、前記少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応し、
各クラスのスコアを計算し、
前記複数のクラスおよび前記クラスに対する前記計算されたスコアに基づいて、前記少なくとも一つの発熱体の加熱状態を示す状態インジケータを決定するように構成された加熱制御回路を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記加熱制御回路が、前記決定された状態インジケータに基づいて、前記少なくとも一つの発熱体の加熱温度を制御することと、前記決定された状態インジケータに基づいてエアロゾル発生を開始または増加させるために、前記少なくとも一つの発熱体を起動することと、前記決定された状態インジケータに基づいてエアロゾル発生を停止または低減するために、前記少なくとも一つの発熱体を停止すること、のうちの一つ以上を行うようにさらに構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記加熱制御回路が、前記少なくとも一つの発熱体へのエネルギーの供給、前記少なくとも一つの発熱体の負荷サイクル、および前記少なくとも一つの発熱体を駆動するための駆動周波数のうちの一つ以上を制御することに基づいて、前記少なくとも一つの発熱体を制御、起動、および停止することのうちの一つ以上を行うように構成される、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの発熱体が、誘導加熱、抵抗加熱、およびマイクロ波加熱のうちの少なくとも一つに基づく、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つの動作量に関連付けられた各クラスの前記スコアが、前記少なくとも一つの動作量が前記それぞれのクラスに分類される確率を示す、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記加熱制御回路が、前記少なくとも一つの動作量を前記複数のクラスに関連付け、複数の数学的関数に基づいて各クラスの確率を計算するように構成され、各数学的関数が、前記複数のクラスのうちの一つに対する前記確率を、前記少なくとも一つの動作量の所定のスケールおよび所定の範囲のうちの少なくとも一つにマッピングする、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記少なくとも動作量に関連付けられた前記クラスの少なくとも一部に対する前記数学的関数の少なくとも一部が、少なくとも一つの定数セクション、少なくとも一つの三角形セクション、少なくとも一つの台形セクション、少なくとも一つの直線セクション、少なくとも一つの湾曲セクション、少なくとも一つのベルカーブセクション、および少なくとも一つのシグモイドセクションを含む、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つの動作量が、前記少なくとも一つの動作量の測定値に基づく、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つの動作量が、前記少なくとも一つの発熱体の前記動作に関連付けられた一つ以上のさらなる動作量の測定に由来する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つの動作量が、前記少なくとも一つの発熱体の動作中の前記少なくとも一つの発熱体の電気挙動を示す、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つの動作量が、コンダクタンス、コンダクタンス導関数、コンダクタンス距離、前記コンダクタンスのパルス形状、前記コンダクタンスの勾配、抵抗、抵抗導関数、抵抗距離、前記少なくとも一つの発熱体に供給される電力、電力導関数、負荷サイクル、少なくとも一つの発熱体に供給される電流、および少なくとも一つの発熱体に供給される電圧、のうちの一つ以上を示す、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記加熱制御回路が、
複数の動作量を受信し、各動作量が前記少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられ、
前記複数の動作量のうちの各一つを複数のクラスに関連付け、各クラスが、前記少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応し、
各クラスに対するスコアを計算し、
前記決定された複数のクラスおよび前記複数の動作量に対する前記対応するスコアに、一つ以上の所定のルールのセットを適用することに基づいて、前記状態インジケータを決定し、各ルールが、前記複数の動作量のうちの一つの少なくとも一つのクラスと、前記複数の動作量のうちの少なくとも一つのさらなる動作量の少なくとも一つのクラスとの間の相互関係を示すように構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記状態インジケータが、温度領域として与えられる、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
請求項1に記載のエアロゾル発生装置と、
エアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項15】
エアロゾル発生装置を動作させる方法であって、前記方法が、
前記エアロゾル発生装置の加熱制御回路を用いて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱してエアロゾルを発生するように構成された前記エアロゾル発生装置の少なくとも一つの発熱体の動作に関連付けられた少なくとも一つの動作量を受信することと、
前記加熱制御回路を用いて、前記少なくとも一つの動作量を複数のクラスに帰属させることであって、各クラスが前記少なくとも一つの動作量の所定の特性に対応する、帰属させることと、
前記加熱制御回路を用いて、各クラスのスコアを計算することと、
前記加熱制御回路を用いて、前記複数のクラスおよび前記クラスに対する前記計算されたスコアに基づいて、前記少なくとも一つの発熱体の加熱状態を示す状態インジケータを決定することと、を含む、方法。
【国際調査報告】