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特表2024-522657液圧式の非人力ブレーキ設備のブレーキユニットのためのハイドロリックブロック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】液圧式の非人力ブレーキ設備のブレーキユニットのためのハイドロリックブロック
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/40 20060101AFI20240614BHJP
   B60T 13/138 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B60T8/40
B60T13/138 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576125
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 EP2022059685
(87)【国際公開番号】W WO2022263041
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】102021206074.9
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】カザール,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェー,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
3D048
3D246
【Fターム(参考)】
3D048CC54
3D048HH15
3D048HH18
3D048HH26
3D048HH53
3D048HH75
3D048HH77
3D048KK02
3D246BA02
3D246GB01
3D246GB02
3D246GB04
3D246GB37
3D246LA15B
3D246LA18A
3D246LA20B
3D246LA21A
3D246LA23A
3D246LA33Z
3D246LA57B
3D246LA61B
3D246LA63B
(57)【要約】
本発明の対象物は、液圧式の非人力・車両ブレーキ設備(1)のブレーキユニット(3)のハイドロリックブロック(20)の穿孔である。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のための液圧式の非人力ブレーキ設備のブレーキユニットのためのハイドロリックブロックであって、前記ハイドロリックブロック(20)は、ブレーキ液容器(11)を載置するために意図され、前記ブレーキ液容器(11)のための接続部(27’,27’’,27’’’)を有する上面(26)と、自動車のスプラッシュボードに前記ハイドロリックブロック(20)を取り付けるために構成され、マスタブレーキシリンダボア(15’)が連通する、前記上面(26)に接する取付面(29)と、非人力シリンダボア(8’)が連通し、前記非人力シリンダボア(8’)の中で非人力ブレーキ圧発生器(9)の非人力ピストン(5)をスライドさせるための電気モータ(6)を配置可能である、前記上面(26)および前記取付面(29)に接するモータ面(24)と、液圧式のホイールブレーキ(2)のための接続部(2’)と、前記非人力ブレーキ設備(1)のペダルストロークシミュレータ(18)のためのシミュレータシリンダボア(18’)とを有する、ハイドロリックブロックにおいて、前記非人力シリンダボア(8’)と前記シミュレータシリンダボア(18’)は前記上面(26)と前記マスタブレーキシリンダボア(15’)との間で前記ハイドロリックブロック(20)に設けられ、第2のリターンパイプ(23)が前記ハイドロリックブロック(20)の中で吐出弁(14)のための収容部(14’)から前記シミュレータシリンダボア(18’)を通って前記ブレーキ液容器(11)のための前記接続部(27’’)のうちの1つまで通じることを特徴とする、ハイドロリックブロック。
【請求項2】
前記第2のリターンパイプ(23)は前記吐出弁(14)のための前記収容部(14’)から前記マスタブレーキシリンダボア(15’)へと通じ、前記シミュレータシリンダボア(18’)からは前記モータ面(24)に対して斜めに前記ブレーキ液容器(11)のための前記接続部(27’’)へと通じることを特徴とする、請求項1に記載のハイドロリックブロック。
【請求項3】
前記第2のリターンパイプ(23)は前記マスタブレーキシリンダボア(15’)を径方向に貫くことを特徴とする、請求項1または2に記載のハイドロリックブロック。
【請求項4】
第1のリターンパイプ(22)が前記ハイドロリックブロック(20)の中で吐出弁(14)のための収容部(14’)から前記非人力シリンダボア(8’)へと通じ、前記非人力シリンダボア(8’)から前記ブレーキ液容器(11)のための前記接続部(27’)のうちの1つへと通じることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項または複数項に記載のハイドロリックブロック。
【請求項5】
前記吐出弁(14)のための前記収容部(14’)から来る前記第1のリターンパイプ(22)の区域が、前記接続部(27’)へと通じる前記第1のリターンパイプ(22)の区域とは異なる円周個所で前記非人力シリンダボア(8’)の溝(34)に連通することを特徴とする、請求項4に記載のハイドロリックブロック。
【請求項6】
前記ハイドロリックブロック(20)は前記モータ面(24)に向かい合うバルブ面(25)から突出するドーム(30)を有し、該ドームの中に前記非人力シリンダボア(8’)が延びており、前記ハイドロリックブロック(20)の中で前記ハイドロリックブロック(20)の前記上面(26)の前記ブレーキ液容器(11)のための前記接続部(27’’’)のうちの1つから前記非人力シリンダボア(8’)へと通じるブレーキパイプ(35)の区域が前記ドーム(30)のシリンダ壁を通って延びることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項または複数項に記載のハイドロリックブロック。
【請求項7】
前記ハイドロリックブロック(20)は、前記非人力ブレーキ設備(1)のブレーキ圧コントロールの弁(12,13,14,16,19)のための収容部(12’,13’,14’,16’,19’)を、前記モータ面(24)に向かい合う前記ハイドロリックブロック(20)のバルブ面(25)に有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項または複数項に記載のハイドロリックブロック。
【請求項8】
前記ホイールブレーキ(2)のための前記接続部(2’)は前記ハイドロリックブロック(20)の前記モータ面(24)に配置されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項または複数項に記載のハイドロリックブロック。
【請求項9】
前記ハイドロリックブロック(20)の中で前記マスタブレーキシリンダボア(15’)から分離弁(16)のための収容部(16’)へと通じるブレーキパイプ(43)が、前記ハイドロリックブロック(20)の前記上面(26)のほうを向く円周個所で前記マスタブレーキシリンダボア(15’)に連通することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項または複数項に記載のハイドロリックブロック。
【請求項10】
前記ハイドロリックブロック(20)の前記上面(26)の前記ブレーキ液備蓄容器(11)のための接続部(27’’’)のうちの1つは逆止め弁(10)のための同心的な収容部(10’)を有し、該収容部からブレーキパイプ(35)が前記ハイドロリックブロック(20)の中で前記非人力シリンダボア(8’)へと通じることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項または複数項に記載のハイドロリックブロック。
【請求項11】
前記非人力ブレーキ圧発生器(9)の前記電気モータ(6)への電流供給のためのモータ接続ボア(32)と、前記電気モータ(6)への、またはこれからの制御回線および/または信号回線のための信号ボア(33)とが、前記ハイドロリックブロック(20)を前記モータ面(24)から前記バルブ面(25)へと貫くように、前記非人力シリンダボア(8’)の周囲の仮想的な円弧上で前記ハイドロリックブロック(20)に設けられることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項または複数項に記載のハイドロリックブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提項の構成要件を有する、自動車のための液圧式の非人力ブレーキ設備のブレーキユニットのためのハイドロリックブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、スリップコントロールされる液圧式の非人力ブレーキ設備のハイドロリックユニットのための細長い直方体のハイドロリックブロックを開示しており、ハイドロリックブロックの上面にあるブレーキ液備蓄容器のための3つの接続部を有している。これらの接続部の下方でマスタブレーキシリンダボアが上面と平行に、上面に接する一方の幅狭面からこれと向かい合う幅狭面へと連続してハイドロリックブロックを貫通する。マスタブレーキシリンダボアの下方で、非人力シリンダボアがマスタブレーキシリンダボアに対して横向きに、ハイドロリックブロックの上面および両方の幅狭面に接する、ハイドロリックブロックの一方の広い面からこれと向かい合う広い面へと貫通する。非人力に
よるブレーキ圧を生成するために、非人力ピストンは電気モータによってボールねじを介して非人力シリンダボアの中でスライド可能である。電気モータは非人力シリンダボアに対して同軸にハイドロリックブロックの外部に配置され、ボールねじは-同じく電気モータおよび非人力シリンダボアに対して同軸に-電気モータと非人力ピストンとの間にある。電気モータとボールねじは非人力駆動装置を形成するとともに、非人力ピストンおよび非人力シリンダボアと共同で、液圧車両ブレーキ設備のための非人力ブレーキ圧発生器を形成する。ブレーキパイプによる液圧式のホイールブレーキのための接続部が、上面の近傍でブレーキ液備蓄容器のための接続部の高さで、ハイドロリックブロックの両方の広い面のうちの一方に設けられている。非人力ブレーキ設備のペダルストロークシミュレータのためのシミュレータシリンダボアが、公知のハイドロリックブロックの上面と向かい合う下面に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第102016202113A1号明細書
【発明の概要】
【0004】
請求項1の構成要件を有する本発明のハイドロリックブロックは、自動車のためのブレーキ圧コントロールが行われる液圧式の非人力ブレーキ設備のブレーキユニットのために意図される。ブレーキ圧コントロールとは、車両ブレーキ設備、車両ブレーキ設備のブレーキ回路、および/またはハイドロリックブロックに接続された、ブレーキ設備の液圧式のホイールブレーキでの、ブレーキ圧の生成とコントロールを意味する。ブレーキ圧コントロールは、特にスリップコントロールも含むことができる。スリップコントロールはたとえばアンチロックコントロール、トラクションコントロール、および/またはビークルダイナミックコントロールであり、これらについて略語ABS、ASR、および/またはFDRが慣用される。スリップコントロールは周知であり、ここでは詳しくは説明しない。
【0005】
ハイドロリックブロックは、車両ブレーキ設備、ブレーキ圧生成、および/またはブレーキ圧コントロール、および/またはスリップコントロールの液圧コンポーネントの機械的な取付け、および液圧的な配管の役目を果たす。このような液圧コンポーネントは、特に電磁弁、逆止め弁、ハイドロリザーバ、ダンパチャンバ、および圧力センサである。液圧コンポーネントは、多くの場合に円筒状の窪み、止まり穴、または貫通孔として部分的に直径段差を有するように構成される、ハイドロリックブロックの収容部に取り付けられる。「配管される」とは、収容部ないしその中に取り付けられた液圧コンポーネントがハイドロリックブロックにあるパイプを通して、車両ブレーキ設備の液圧配線図に即して接続されることを意味する。ただしパイプは、典型的には、必ずしもハイドロリックブロックに穿設されるわけではない。
【0006】
ハイドロリックブロックは、車両ブレーキ設備ないしそのスリップコントロールの液圧コンポーネントが実装されてブレーキユニットを構成し、ここで「実装される」とは、液圧コンポーネントが、そのためにそれぞれ意図されるハイドロリックブロックの収容部に取り付けられることを意味する。
【0007】
本発明は、特にハイドロリックブロックの穿孔、すなわち各液圧コンポーネントの間での、ないしはハイドロリックブロックにおけるその収容部の間での、パイプの案内に照準を定める。
【0008】
本発明によるハイドロリックブロックは、ブレーキ液備蓄容器を載置するために意図される上面を有する。ハイドロリックブロックは上面に、ブレーキ液備蓄容器のための1つまたは複数の接続部を有する。
【0009】
ハイドロリックブロックの上面に接するハイドロリックブロックの取付面は、ハイドロリックブロックないしブレーキユニットを、すなわち車両ブレーキ設備の液圧コンポーネントが実装されたハイドロリックブロックを、自動車のスプラッシュボードに取り付けるために構成される。この目的のためにハイドロリックブロックは取付面に、たとえば2つの標準化された雌ねじ穴を有し、その中に、ハイドロリックブロックないしブレーキユニットを自動車のスプラッシュボードへ取り付けるためのスタッドスクリューまたはスタッドボルトをねじ込み可能である。マスタブレーキシリンダボアがハイドロリックブロックの取付面で連通しており、それにより、ハイドロリックブロックと向かい合うように自動車のスプラッシュボードに取り付けられるブレーキペダルを介して、およびブレーキペダルをマスタブレーキシリンダピストンと枢着結合するペダルロッドを介して、マスタブレーキシリンダピストンを筋力によりマスタブレーキシリンダボアの中でスライド可能である。マスタブレーキシリンダボアは上面に対して平行に、ハイドロリックブロックの中を延びるのが好ましい。
【0010】
非人力によってブレーキ圧を生成するための非人力シリンダボアが、ハイドロリックブロックの上面とマスタブレーキシリンダボアとの間でマスタブレーキシリンダボアに対して横向きに、ハイドロリックブロックに設けられている。このようにマスタブレーキシリンダボアは非人力シリンダボアの下方にあり、すなわちマスタブレーキシリンダボアは、ハイドロリックブロックの上面と反対を向くほうの非人力シリンダボアの側にあり、ないしは、非人力シリンダボアと、上面に向かい合うハイドロリックブロックの下面との間にある。非人力シリンダボアは、非人力ブレーキ圧発生器を駆動するための電気モータを取り付けるために意図される、上面と取付面に接するハイドロリックブロックのモータ面で連通する。
【0011】
ペダルストロークシュミレータのためのシミュレータシリンダボアが、ハイドロリックブロックの上面とマスタブレーキシリンダボアとの間で、すなわちマスタブレーキシリンダボアの上方で、同じくマスタブレーキシリンダボアに対して横向きにハイドロリックブロックに設けられている。これは、モータ面と同じように上面と取付面に接する、モータ面に向かい合うハイドロリックブロックのバルブ面で連通するのが好ましい。
【0012】
本発明によると、第2のリターンパイプがハイドロリックブロックの中で車両ブレーキ設備の吐出弁のための収容部からシミュレータシリンダボアを通って、ブレーキ液容器のための接続部のうちの1つまで通じる。リターンパイプは、ハイドロリックブロックで穿孔またはその他の方式で製作されるブレーキ液のためのパイプである。第2のリターンパイプは、吐出弁のための収容部からシミュレータシリンダボアへ、およびシミュレータシリンダボアからモータ面に対して斜めに、ハイドロリックブロックの上面にあるブレーキ液容器のための接続部へと通じるのが好ましい。さらに、第2のリターンパイプはマスタブレーキシリンダへと通じることができる。
【0013】
第2のリターンパイプは、シミュレータピストンの裏面でシミュレータシリンダボアに連通するように、ハイドロリックブロックに配置される。シミュレータピストンはシミュレータシリンダボアを、シミュレータ弁によってマスタブレーキシリンダに接続される、シミュレータピストンの前面の圧力付勢可能な作業室と、無圧のブレーキ液容器と連通する、シミュレータピストンの裏面の無圧室とに分割する。第2のリターンパイプは、本発明によると、シミュレータシリンダボアの無圧室を通って延びる。
【0014】
第1のリターンパイプは、本発明の1つの実施形態では、ハイドロリックブロックの中で吐出弁のための収容部から非人力シリンダボアへ、および非人力シリンダボアからブレーキ液容器のための接続部のうちの1つへと通じる。両方のリターンパイプは、吐出弁のためのそれぞれ異なる収容部を、ブレーキ液容器のためのそれぞれ異なる接続部と接続するのが好ましい。第1のリターンパイプは、上で説明した第2のリターンパイプの案内に関わりなく具体化することができる。
【0015】
「パイプ」または「ボア」ないし「シリンダボア」と呼ぶハイドロリックブロックの貫通孔または止まり穴は、穿孔とは別様に製作されていてもよい。
【0016】
従属請求項は、独立請求項に記載されている発明の発展例と好ましい実施形態を対象としている。
【0017】
明細書および図面に開示されている一切の構成要件は、それ自体として単独で、または基本的に任意の組合せとして、本発明の実施形態で具体化されていてよい。本発明の1つの請求項または1つの実施形態のすべての構成要件ではなく、1つまたは複数の構成要件だけを有している本発明の実施形態も、原則として可能である。たとえば、補助ブレーキユニットのための接続部が、請求項1の特徴部とは異なる個所に配置される本発明の実施形態も可能である。
【0018】
次に、図面に示されている実施形態を参照しながら本発明について詳しく説明する。図面は次のものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】電気液圧式の非人力ブレーキ設備の液圧配線図である。
図2図1の車両ブレーキ設備のブレーキユニットの本発明によるハイドロリックブロックのモータ面である。
図3図2のハイドロリックブロックの、モータ面に向かい合うバルブ面である。
図3a図3の折曲した切断線A-Aに沿ったハイドロリックブロックの断面図である。
図3b図3の線B-Bに沿ったハイドロリックブロックの断面図である。
図4図2および3のハイドロリックブロックの穿孔の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
それぞれの図面は、部分的に異なる縮尺を含む部分的に簡略化した図である。
【0021】
図1に示す電気液圧式の非人力ブレーキ設備1は、4つのホイールブレーキ2を有する乗用車のために意図される。この非人力ブレーキ設備はブレーキユニット3を有していて、これに4つのホイールブレーキ2がブレーキパイプを介して接続されている。車両ブレーキ設備1は2回路ブレーキ設備として施工されており、それぞれ2つのホイールブレーキ2が1つのブレーキ回路に接続されている。
【0022】
非人力ブレーキングのために、ブレーキ設備3はピストン・シリンダ・ユニット4を有していて、そのピストン5は電気モータ6により、回転/並進変換ギヤとしてのねじ伝動装置7を介して、シリンダ8の中でスライド可能である。電気モータ6、ねじ伝動装置7、およびピストン・シリンダ・ユニット4は、非人力によるブレーキングのためのブレーキ圧を生成するためのブレーキユニット3の非人力ブレーキ圧発生器9を形成する。非人力ブレーキ圧発生器9によってブレーキ圧が生成される非人力ブレーキングは、意図される通常のブレーキ操作であり、すなわち常用ブレーキングである。
【0023】
逆止め弁10により、非人力ブレーキ圧発生器9は、すなわち非人力ブレーキ圧発生器9のピストン・シリンダ・ユニット4のシリンダ8は、ブレーキ液容器11のチャンバ11’’’に接続されており、および、互いに液圧的に並列につながれた各々のブレーキ回路で常用ブレーキ弁12を介して、ホイールブレーキ2が非人力ブレーキ圧発生器9のピストン・シリンダ・ユニット4のシリンダ8に接続されている。
【0024】
ブレーキ設備1は各々のホイールブレーキ2について取込弁13と吐出弁14を有していて、これらによってホイールブレーキ圧を各々のホイールブレーキ2で個別に制御可能である。それにより、ホイールブレーキ2におけるホイールブレーキ圧を、およびこれに伴ってホイールブレーキ2のブレーキ力を、通常の走行動作のときスリップなしに制御可能である。さらに、日常語では横滑りコントロールとも呼ばれる、アンチロックコントロール、トラクションコントロール、ビークルダイナミックコントロールなどのスリップコントロール、自動ブレーキング、車間距離コントロール、およびその他が可能である。このようなコントロールは周知であり、ここでは詳しくは説明しない。取込弁13と吐出弁14は、ホイールブレーキ圧コントロール弁機構13,14として把握することもできる。各々のブレーキ回路で、2つの取込弁13が液圧的に並列に、常用ブレーキ弁12によって非人力ブレーキ圧発生器9に接続されている。
【0025】
非人力ブレーキ圧発生器9のほか、ブレーキ設備1は筋力操作可能な2回路マスタブレーキシリンダ15を有していて、これに各々のブレーキ回路のホイールブレーキ2が、分離弁16および2つの取込弁13によって接続されている。マスタブレーキシリンダ15は、ホイールブレーキ2で調整されるべきホイールブレーキ圧についての目標値発生器としての役目を果たす。ブレーキ圧は、非人力ブレーキングのもとでは非人力ブレーキ圧発生器9によって生成される。マスタブレーキシリンダ15は非人力ブレーキングのもとでは、分離弁16が閉じることによってホイールブレーキ2から液圧的に分離される。非人力ブレーキ圧発生器9が故障した場合、マスタブレーキシリンダ15が筋力で操作されることでブレーキ圧が生成される(いわゆる補助ブレーキング)。
【0026】
閉じた分離弁16のもとで、ブレーキ液がマスタブレーキシリンダ15から押し除けられて、マスタブレーキシリンダ15のピストンとブレーキペダル17を動かせるようにするために、ブレーキユニット3は、1つのブレーキ回路でシミュレータ弁19を介してマスタブレーキシリンダ15に接続されたペダルストロークシミュレータ18を有している。ペダルストロークシミュレータ18は、ばね付勢されるピストンを有するピストン・シリンダ・ユニットである。
【0027】
図示して説明している本発明の実施形態では、取込弁13と分離弁16はそれぞれ無通電の基本位置にあるときに開く2/2方向制御電磁弁であり、非人力ブレーキ圧発生器9の常用ブレーキ弁12、吐出弁14、およびシミュレータ弁19はそれぞれ無通電の基本位置にあるとき閉じる2/2方向制御電磁弁である。
【0028】
電気液圧式の非人力ブレーキ設備1の液圧コンポーネント、すなわち、非人力ブレーキ圧発生器9の弁12,13,14,16,19,21、マスタブレーキシリンダ15、ペダルストロークシミュレータ18、およびその他のコンポーネント、たとえば圧力センサなどは、ブレーキユニット3のハイドロリックブロック20の収容部に配置され、ハイドロリックブロック20の穿孔によって、図1に示す車両ブレーキ設備1の液圧配線図に準じて互いに接続される。テスト弁21のための収容部21’は、収容部21’の底面から軸方向に、マスタブレーキシリンダボア15’を包囲する溝38へと通じるボア42によって、マスタブレーキシリンダボア15’(図3b)と連通する。溝38およびその中に連通するボア42は、図3bでは切断平面でずらして示されている。実際には、これらはハイドロリックブロック20の取付面29を見る視線で、ボア42および斜め穴39の後方にある。
【0029】
さらにテスト弁21のための収容部21’の底面から斜め穴39が、マスタブレーキシリンダボア15’と平行にマスタブレーキシリンダボア15’とバルブ面との間で第1のリターンパイプ22に通じる水平ボア40へと通じており、それにより、テスト弁21のための収容部21’は、ブレーキ液容器11のための接続部27’のうちの1つと接続される(図3b)。
【0030】
両方のブレーキ回路のうちの一方では、マスタブレーキシリンダ15はテスト弁21により、ブレーキ液備蓄容器11のチャンバ11’のうちの1つに接続されている。テスト弁21は、本実施例では、同じく無通電の基本位置にあるときに開く2/2方向制御電磁弁である。他方のブレーキ回路では、マスタブレーキシリンダ15はペダルストロークシミュレータ19の裏面に接続されていて、さらにこの裏面がブレーキ液容器11のチャンバ11’’に接続されており、それによって無圧である。ペダルストロークシミュレータ19の裏面と呼ぶのは、ペダルストロークシミュレータ19のピストンがペダルストロークシミュレータ19のシリンダを分割する、ペダルストロークシミュレータ19のシリンダの2つのチャンバのうちの一方である。ペダルストロークシミュレータ19の前面は、シミュレータ弁19によってマスタブレーキシリンダ15に接続されており、開いたシミュレータ19のもとでマスタブレーキシリンダ15により圧力で付勢される。
【0031】
一方のブレーキ回路では、吐出弁14は、非人力ブレーキ圧発生器9のピストン・シリンダ・ユニット4のシリンダ8に、ピストン・シリンダ・ユニット4のピストン5の周囲で通じる第1のリターンパイプ22によって、ブレーキ液容器11のチャンバ11’に接続されている。他方のブレーキ回路では、吐出弁14は第2のリターンパイプ23によって、マスタブレーキシリンダ15とともにブレーキ液容器11の別のチャンバ11’’に接続されている。
【0032】
図2はブレーキユニット3のハイドロリックブロック20のモータ面24を示しており、図3はバルブ面25を示している。ハイドロリックブロック20は、本実施例では、非人力ブレーキ設備1の液圧コンポーネントの機械的な取付と液圧的な配管の役目を果たす、平たい直方体の金属ブロックである。ハイドロリックブロック20は液圧コンポーネントが実装されて、車両ブレーキ設備1のブレーキユニット3を形成する。「平たい」とは、ハイドロリックブロック20が厚みよりもおよそ3倍から4倍だけ幅広であり、もしくは長いことを意味する。ハイドロリックブロック20の2つの向かい合う広い面は、本実施例ではほぼ正方形であり、モータ面24とバルブ面25を形成する。図2および3では、ハイドロリックブロック20が未実装で、すなわち液圧コンポーネントなしで、示されている。
【0033】
ここでは上面26と呼ぶハイドロリックブロック20の幅狭面は、ハイドロリックブロック20の上面26の上に配置されるブレーキ液容器11(図示せず)のチャンバ11’,11’’,11’’’のための接続部27’,27’’,27’’’としての3つの円筒状の止まり穴を有している。このときブレーキ液備蓄容器11の底面にある接続ニップルが、接続部27’,27’’,27’’’を形成するハイドロリックブロック20の止まり穴に入り、そこでOリングにより封止される。
【0034】
ハイドロリックブロック20には、マスタブレーキシリンダ15を形成するマスタブレーキシリンダボア15’が上面26に対して平行に、かつモータ面24とバルブ面25の間の中央に設けられている。図2および3では、マスタブレーキシリンダボア15’が破線で示されている。マスタブレーキシリンダボアは、本実施例ではハイドロリックブロック20の中央よりも若干下方で、ハイドロリックブロック20の上面26とこれに向かい合う下面28との間にあり、それによりマスタブレーキシリンダボア15’は、上面26と下面28の間でハイドロリックブロック20の中心平面に接線上で当接する。
【0035】
マスタブレーキシリンダボア15’はハイドロリックブロック20の幅狭面で開いており、ハイドロリックブロック20の当該幅狭面で連通し、ないしはそこに連通部を有している。マスタブレーキシリンダボア15’が開いている、ないしは連通している、ハイドロリックブロック20の幅狭面を、ここではハイドロリックブロック20の取付面29と呼ぶ。この取付面は、ハイドロリックブロック20の上面26、モータ面24、バルブ面25、および下面28に接しており、図示しない自動車のスプラッシュボードにハイドロリックブロック20を取り付けるために意図される。ハイドロリックブロック20は、上面26がブレーキ液容器11とともに上になるように、自動車のスプラッシュボードに取り付けられる。マスタブレーキシリンダボア15’はハイドロリックブロック20の取付面29で開いており、それにより、スプラッシュボードの向かい合う側に取り付けられるフットブレーキペダル17によって、マスタブレーキシリンダピストンをフットブレーキペダル17と枢着結合するペダルロッドを介して、マスタブレーキシリンダピストンがマスタブレーキシリンダボア15’の中でスライド可能である。フットブレーキペダル17とペダルロッドは、図2および3には図示していない。
【0036】
非人力ブレーキ圧発生器9のシリンダ8を形成する非人力シリンダボア8’がマスタブレーキシリンダボア15’に対して垂直にハイドロリックブロック20のモータ面24に設けられており、バルブ面25で一種のドーム30として突出する。非人力シリンダボア8’はマスタブレーキシリンダボア15’の若干上方にあり、すなわち、マスタブレーキシリンダボア15’とハイドロリックブロック20の上面26との間にある。非人力シリンダボア8’は、マスタブレーキシリンダボア15’のそばを僅少な間隔をおいて直角に通過し、ハイドロリックブロック20の取付面29の方向へオフセットされて若干偏心的に配置されている。
【0037】
図2には示さない非人力ブレーキ圧発生器9の電気モータ6は、非人力シリンダボア8’に対して同軸に、ハイドロリックブロック20のモータ面24の外側に配置される。減速ギヤとしての、および本実施例ではボールねじであるねじ伝動装置7としてのプラネタリギヤが、非人力シリンダボア8’に対して同軸に、電気モータ6と、非人力ブレーキ圧発生器9のピストン5との間に配置されている(図2には図示せず)。
【0038】
ハイドロリックブロック20のバルブ面25には、非人力シリンダボア8’に対して平行に、かつマスタブレーキシリンダボア15’に対して垂直に、ペダルストロークシミュレータ18のシリンダボア18’が設けられている。シリンダボア18’は、本実施例では、マスタブレーキシリンダボア15’とハイドロリックブロック20の上面26との間で、マスタブレーキシリンダボア15’よりも上面26の近くに、非人力シリンダボア8’と、ハイドロリックブロック20の取付面29に向かい合う幅狭面31との間にある。
【0039】
電磁弁12,13,14,16,19,21のための収容部12’,13’,14’,16’,19’,21’、および圧力センサなどのその他のコンポーネントのための収容部は、ハイドロリックブロック20のバルブ面25に設けられている。図3にそれぞれの電磁弁12,13,14,16,19,21またはその他のコンポーネントの符号に「’」を付して表されている収容部は、ハイドロリックブロック20の部分的に直径段差のある円筒状の窪みまたは止まり穴である。液圧コンポーネントは収容部に挿入され、周回するように圧密にかしめられる。電磁弁12,13,14,16,19,21のうち、本来の弁を形成する液圧式の区域は収容部の中にあり、バルブドームに格納される電機子や磁気コイルなどはハイドロリックブロック20のバルブ面25から突出する。
【0040】
ブレーキユニット3のハイドロリックブロック20は、図1に示す液圧配線図に即して穿孔される。「穿孔される」ないし「穿孔」とは、ハイドロリックブロック20に設けられるシリンダボア、電磁弁および接続部のための収容部、ならびにこれらを液圧配線図に即して接続するパイプを形成するボアを意味する。ハイドロリックブロック20はデカルト座標上で穿孔され、すなわちボア、収容部、接続部、パイプなどは相互に、およびハイドロリックブロック20の辺およびエッジに対して、平行および垂直にハイドロリックブロック20に設けられる。このことは、斜めに延びる個々のパイプやボアを排除するものではない。
【0041】
2つのホイールブレーキ2へと通じるブレーキパイプのための2つの接続部2’が、取付面29に向かい合う幅狭面31に沿ってモータ面24に設けられ、2つのホイールブレーキ2へと通じるブレーキパイプのための2つの接続部2’が、ハイドロリックブロック20の下面28の近傍でモータ面24に設けられている。「近傍に」とは、それぞれの接続部の半径よりも大きくない間隔を意味する。
【0042】
非人力シリンダボア8’と上面26との間に、モータ面24からバルブ面25へと連続する3つの貫通孔がモータ接続ボア32として、非人力ブレーキ圧発生器9の電気モータ6への電流供給のためにハイドロリックブロック20に設けられている。モータ接続ボア32は、非人力シリンダボア8’を中心とする仮想的な円弧上に、非人力シリンダボア8’と上面26との間でハイドロリックブロック20に設けられている。同じく、モータ接続ボア32が設けられている仮想的な円弧上に、電気モータ6への、またはこれからの、制御回線および/または信号回線のための信号ボア33がハイドロリックブロック20に設けられている。
【0043】
ハイドロリックブロック20にボアとして製作され、2つのホイールブレーキ2の吐出弁14のための収容部14’のうちの2つを、非人力ブレーキ圧発生器9のピストン・シリンダ・ユニット4のピストン5の周囲を通して、ブレーキ液容器11のチャンバ11’のうちの1つのための接続部27’のうちの1つと接続する、第1のリターンパイプ22が、図3に破線で示されている。ブレーキ液容器11のチャンバ11’のための接続部27’を起点として、第1のリターンパイプ22はまず斜め穴として接続部27’の底面から、非人力ブレーキ圧発生器9のピストン・シリンダ・ユニット4のシリンダ8を形成する非人力シリンダボア8’へと通じる。非人力シリンダボア8’から、第1のリターンパイプ22は取付面29の方向にオフセットされてさらに平行に下方に向かって、両方の吐出弁14のための両方の収容部14’の間を通ってハイドロリックブロック20の下面28へと延びる。ハイドロリックブロック20の取付面29に連通する横穴により(図示せず)、両方の収容部14’は第1のリターンパイプ22と接続されている。「斜め穴」とは、第1のリターンパイプ22の区域がブレーキ液リザーバ11のための接続部27’からモータ面24およびバルブ面25に対して斜めに、かつ-本実施例では取付面29および幅狭面31に対して平行に-非人力シリンダボア8’へと通じることを意味する。接続部27’から非人力シリンダボア8’までの区域を除いて、第1のリターンパイプ22は他のすべてのボアと同じく、ハイドロリックブロック20の面24,25,26,28,29,31およびエッジに対して平行に延びている。ブレーキ液容器11のための接続部27’から来る第1のリターンパイプ22の区域は、吐出弁14のための収容部14’へと通じる第1のリターンパイプ22の区域と同様に、組み付けられたときに非人力ブレーキ圧発生器9のピストン・シリンダ・ユニット4のピストン5がある非人力シリンダボア8’の径方向平面にある、非人力シリンダボア8’の溝34に連通する。第1のリターンパイプ22は、このようにして非人力ブレーキ圧発生器9のピストン・シリンダ・ユニット4のピストン5の周囲で案内され、非人力ブレーキ圧発生器9のピストン・シリンダ・ユニット4のシリンダ8と連通することはない。非人力シリンダボア8’の溝34は、図3では破線で示されている。
【0044】
第2のリターンパイプ23も同じく図3に破線で示されており、2つのホイールブレーキ2の吐出弁14のための両方の他の収容部14’からペダルストロークシミュレータ18のシリンダボア18’に向かって上方へ、およびそこからハイドロリックブロック20の幅狭面31の方向へオフセットされてさらに平行に上方に向かって、ブレーキ液容器11のチャンバ11’’の、第1のリターンパイプ22とは異なる接続部27’’まで通じる。
【0045】
ペダルストロークシミュレータ18のシリンダボア18’と、ブレーキ液容器11のチャンバ11’’の接続部27’’との間では、第2のリターンパイプ23は取付面28に対して、およびこれに向かい合うハイドロリックブロック20の幅狭面31に対しては平行に、ただしハイドロリックブロック20のモータ面24およびバルブ面25に対しては斜めに延びている。第2のリターンパイプ23の斜めの進行方向は、図3aに見ることができる。図3aの切断平面は、ペダルストロークシミュレータ18のシリンダボア18’に対して径方向に、取付面29の方向への、ないしは取付面29に向かい合うハイドロリックブロック20の幅狭面31の方向への、オフセットを有している。図3aの切断面のオフセットは、図3では切断線A-Aで図示されている。ペダルストロークシミュレータ18のシリンダボア18’と、ブレーキ液容器11のチャンバ11’’の接続部27’’との間でハイドロリックブロック20のモータ面24およびバルブ面25に対して斜めに延びている第2のリターンパイプ23の区域は、図3aでは切断平面にオフセットして示されている。実際には第2のリターンパイプ23の斜めの区域は、図3に見ることができるブレーキ液容器11のチャンバ11’’の接続部27’’に対して径方向オフセットを有している。
【0046】
横穴37は、吐出弁14のための両方の収容部14’を互いに接続する。
【0047】
第2のリターンパイプ23はマスタブレーキシリンダボア15’に連通し、それにより、2回路マスタブレーキシリンダ15のチャンバのうちの1つも、ペダルストロークシミュレータ18のシリンダボア18’によってブレーキ液容器11のチャンバ11’’のうちの1つと接続される。第2のリターンパイプ23は、ペダルストロークシミュレータ18のピストンの裏面にある、ブレーキ液容器11への接続によって無圧である、ペダルストロークシミュレータ18のシリンダボア18’の径方向平面に連通する。
【0048】
第2のリターンパイプ23は下面28からハイドロリックブロック20に穿孔されて、マスタブレーキシリンダボア15’を径方向に貫通しており、それは、第2のリターンパイプ23を穿孔するときに、ドリルがマスタブレーキシリンダボア15’から外に出るときマスタブレーキシリンダボア15’のシリンダ壁に対して斜めにではなく垂直に当たるようにするためである。それによってドリルは、マスタブレーキシリンダボア15’から外に出るときにマスタブレーキシリンダボア15’に対して接線方向へオフセットを受けることがなく、破断することがない。マスタブレーキシリンダボア15’は周回する溝41を有していて、その中に第2のリターンパイプ23が、互いに直径上で向かい合う2つの個所で径方向に連通する。
【0049】
図4は、取付面29に向かい合う幅狭面31を見る視線でハイドロリックブロック20の一部分を示している。ハイドロリックブロック20のバルブ面25から突出する、非人力シリンダボア8’を延長するドーム30を見ることができる。非人力シリンダボア8’は、ブレーキ液容器11の接続部27’’,27’’’と同様に実線で図示されている。接続部27’’’のうちの1つへ同軸に連通する、ハイドロリックブロック20にあるボアとして製作されるブレーキパイプが、折曲後に非人力シリンダボア8’と平行に、ドーム30の壁部で非人力シリンダボア8’の外部に延びており、非人力シリンダボア8’をドーム30で取り囲む、周回する溝36に連通している。
【0050】
ブレーキ液容器11のための接続部27’’’は、これを延長する窪み10’を、非人力シリンダボア8’へと通じるブレーキパイプ35にある逆止め弁10のための収容部として有している。逆止め弁10は図4では切換記号として示されている。
【0051】
マスタブレーキシリンダ15を換気するために、すなわちマスタブレーキシリンダ15の中のブレーキ液から気泡を取り除けるようにするために、マスタブレーキシリンダボア15’を両方の分離弁16のための収容部16’のうちの1つと接続するブレーキパイプ43が、ハイドロリックブロック20の上面26のほうを向く円周個所でマスタブレーキシリンダボア15’に接線方向で連通する(図3b)。図3では、ハイドロリックブロック20の取付面29にある非人力シリンダボア15’の連通部の右側近傍に、分離弁16のための収容部16’のうちの1つが、ハイドロリックブロック20の上面26に対して接線方向に配置されていることがわかる。
【符号の説明】
【0052】
1 ブレーキ設備
2 ホイールブレーキ
2’ 接続部
5 非人力ピストン
6 電気モータ
8’ 非人力シリンダボア
9 非人力ブレーキ圧発生器
10 逆止め弁
10’ 収容部
11 ブレーキ液容器
12 常用ブレーキ弁
12’ 収容部
13 取込弁
13’ 収容部
14 吐出弁
14’ 収容部
15’ マスタブレーキシリンダボア
16 分離弁
16’ 収容部
18 ペダルストロークシミュレータ
18’ シミュレータシリンダボア
19 シミュレータ弁
19’ 収容部
20 ハイドロリックブロック
22 第1のリターンパイプ
23 第2のリターンパイプ
24 モータ面
25 バルブ面
26 上面
27’27’’,27’’’ 接続部
29 取付面
30 ドーム
32 モータ接続ボア
33 信号ボア
34 溝
35 ブレーキパイプ
43 ブレーキパイプ
図1
図2
図3
図3a
図3b
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のための液圧式の非人力ブレーキ設備のブレーキユニットのためのハイドロリックブロックであって、前記ハイドロリックブロック(20)は、ブレーキ液容器(11)を載置するために意図され、前記ブレーキ液容器(11)のための接続部(27’,27’’,27’’’)を有する上面(26)と、自動車のスプラッシュボードに前記ハイドロリックブロック(20)を取り付けるために構成され、マスタブレーキシリンダボア(15’)が連通する、前記上面(26)に接する取付面(29)と、非人力シリンダボア(8’)が連通し、前記非人力シリンダボア(8’)の中で非人力ブレーキ圧発生器(9)の非人力ピストン(5)をスライドさせるための電気モータ(6)を配置可能である、前記上面(26)および前記取付面(29)に接するモータ面(24)と、液圧式のホイールブレーキ(2)のための接続部(2’)と、前記非人力ブレーキ設備(1)のペダルストロークシミュレータ(18)のためのシミュレータシリンダボア(18’)とを有する、ハイドロリックブロックにおいて、前記非人力シリンダボア(8’)と前記シミュレータシリンダボア(18’)は前記上面(26)と前記マスタブレーキシリンダボア(15’)との間で前記ハイドロリックブロック(20)に設けられ、第2のリターンパイプ(23)が前記ハイドロリックブロック(20)の中で吐出弁(14)のための収容部(14’)から前記シミュレータシリンダボア(18’)を通って前記ブレーキ液容器(11)のための前記接続部(27’’)のうちの1つまで通じることを特徴とする、ハイドロリックブロック。
【請求項2】
前記第2のリターンパイプ(23)は前記吐出弁(14)のための前記収容部(14’)から前記マスタブレーキシリンダボア(15’)へと通じ、前記シミュレータシリンダボア(18’)からは前記モータ面(24)に対して斜めに前記ブレーキ液容器(11)のための前記接続部(27’’)へと通じることを特徴とする、請求項1に記載のハイドロリックブロック。
【請求項3】
前記第2のリターンパイプ(23)は前記マスタブレーキシリンダボア(15’)を径方向に貫くことを特徴とする、請求項1または2に記載のハイドロリックブロック。
【請求項4】
第1のリターンパイプ(22)が前記ハイドロリックブロック(20)の中で吐出弁(14)のための収容部(14’)から前記非人力シリンダボア(8’)へと通じ、前記非人力シリンダボア(8’)から前記ブレーキ液容器(11)のための前記接続部(27’)のうちの1つへと通じることを特徴とする、請求項1または2に記載のハイドロリックブロック。
【請求項5】
前記吐出弁(14)のための前記収容部(14’)から来る前記第1のリターンパイプ(22)の区域が、前記接続部(27’)へと通じる前記第1のリターンパイプ(22)の区域とは異なる円周個所で前記非人力シリンダボア(8’)の溝(34)に連通することを特徴とする、請求項4に記載のハイドロリックブロック。
【請求項6】
前記ハイドロリックブロック(20)は前記モータ面(24)に向かい合うバルブ面(25)から突出するドーム(30)を有し、該ドームの中に前記非人力シリンダボア(8’)が延びており、前記ハイドロリックブロック(20)の中で前記ハイドロリックブロック(20)の前記上面(26)の前記ブレーキ液容器(11)のための前記接続部(27’’’)のうちの1つから前記非人力シリンダボア(8’)へと通じるブレーキパイプ(35)の区域が前記ドーム(30)のシリンダ壁を通って延びることを特徴とする、請求項1または2に記載のハイドロリックブロック。
【請求項7】
前記ハイドロリックブロック(20)は、前記非人力ブレーキ設備(1)のブレーキ圧コントロールの弁(12,13,14,16,19)のための収容部(12’,13’,14’,16’,19’)を、前記モータ面(24)に向かい合う前記ハイドロリックブロック(20)のバルブ面(25)に有することを特徴とする、請求項1または2に記載のハイドロリックブロック。
【請求項8】
前記ホイールブレーキ(2)のための前記接続部(2’)は前記ハイドロリックブロック(20)の前記モータ面(24)に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載のハイドロリックブロック。
【請求項9】
前記ハイドロリックブロック(20)の中で前記マスタブレーキシリンダボア(15’)から分離弁(16)のための収容部(16’)へと通じるブレーキパイプ(43)が、前記ハイドロリックブロック(20)の前記上面(26)のほうを向く円周個所で前記マスタブレーキシリンダボア(15’)に連通することを特徴とする、請求項1または2に記載のハイドロリックブロック。
【請求項10】
前記ハイドロリックブロック(20)の前記上面(26)の前記ブレーキ液容器(11)のための接続部(27’’’)のうちの1つは逆止め弁(10)のための同心的な収容部(10’)を有し、該収容部からブレーキパイプ(35)が前記ハイドロリックブロック(20)の中で前記非人力シリンダボア(8’)へと通じることを特徴とする、請求項1または2に記載のハイドロリックブロック。
【請求項11】
前記非人力ブレーキ圧発生器(9)の前記電気モータ(6)への電流供給のためのモータ接続ボア(32)と、前記電気モータ(6)への、またはこれからの制御回線および/または信号回線のための信号ボア(33)とが、前記ハイドロリックブロック(20)を前記モータ面(24)から前記バルブ面(25)へと貫くように、前記非人力シリンダボア(8’)の周囲の仮想的な円弧上で前記ハイドロリックブロック(20)に設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載のハイドロリックブロック。
【国際調査報告】