(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】エアロゾル生成デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20240614BHJP
【FI】
A24F40/465
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576148
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2022066612
(87)【国際公開番号】W WO2022263657
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】テイラー, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】コーワン, ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ホジソン, マシュー
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】
エアロゾル生成デバイスが説明される。本デバイスは、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのものである。本デバイスは、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域と、加熱アセンブリとを有する。加熱アセンブリは、インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するための磁場生成器と、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素とを備える。加熱要素は加熱領域内に突出し、インダクタコイルは少なくとも部分的に加熱領域内に突出している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域と、
加熱アセンブリであり、
インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素と
を備える加熱アセンブリと
を具備し、
前記加熱要素が前記加熱領域内に突出し、
前記インダクタコイルが少なくとも部分的に前記加熱領域内に突出している、エアロゾル生成デバイス。
【請求項2】
前記インダクタコイルが少なくとも部分的に前記加熱要素内に延在している、請求項1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項3】
前記インダクタコイルが前記加熱領域から流体的に隔離されている、請求項2に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項4】
前記加熱要素が空洞を備え、前記インダクタコイルが少なくとも部分的に前記空洞内に延在している、請求項2又は3に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項5】
前記空洞が前記加熱領域から隔離されている、請求項4に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項6】
前記空洞が、前記加熱要素を通る空気通路を少なくとも部分的に画定する、請求項4又は5に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項7】
前記加熱要素が、壁と、前記壁を通って連通する空気出口とを備える、請求項8に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項8】
前記加熱要素が、加熱部材と、前記加熱部材内の絶縁体とを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項9】
前記絶縁体が、前記インダクタコイルを前記加熱部材内で支持する、請求項8に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項10】
前記絶縁体が充填剤を含む、請求項8又は9に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項11】
前記コイルがコーティングを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項12】
前記絶縁体が、前記コイルを前記加熱部材から電気的に絶縁する、請求項8~11のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項13】
前記加熱材料が、前記インダクタコイルから間隔を空けて配置されている、請求項4~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項14】
前記インダクタコイルが、前記加熱材料から0.2mm未満の距離だけ間隔を空けて配置されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項15】
前記インダクタコイルが、前記加熱材料から0.1~0.2mmの間の距離だけ間隔を空けて配置されている、請求項14に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項16】
前記インダクタコイルが螺旋コイルである、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項17】
前記インダクタコイルの内径が1mm~1.5mmの間、及び/又は、前記インダクタコイルの外径が2mm~2.5mmの間である、請求項16に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項18】
前記加熱要素が管状である、請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項19】
前記加熱要素がブレードである、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項20】
前記インダクタコイルが、0.5mm~0.75mmの間の断面直径を有するコイルの巻線を備える、請求項1~18のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項21】
前記磁場生成器が、800kHz~1.5MHzの周波数で変動磁場を生成するように構成された、請求項1~20のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項22】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部分を受け入れるための受入部と、
加熱アセンブリであり、
インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素と
を備える加熱アセンブリと
を具備し、
前記インダクタコイルの少なくとも一部分及び前記加熱要素が前記受入部内に突出している、エアロゾル生成デバイス。
【請求項23】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部分を受け入れるための受入部と、
加熱アセンブリであり、
インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素と
を備える加熱アセンブリと
を具備し、
前記加熱要素と前記インダクタコイルとの間の間隔が0.2mm未満である、エアロゾル生成デバイス。
【請求項24】
エアロゾル生成デバイスのための加熱アセンブリであって、
変動磁場を生成するように構成された磁場生成器のためのインダクタコイルと、
エアロゾル生成デバイスの加熱領域内に延在するように配置された加熱要素であり、前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素と
を備え、
前記インダクタコイルが、少なくとも部分的に前記加熱要素内に延在している、加熱アセンブリ。
【請求項25】
請求項1~23のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス及び請求項24に記載の加熱アセンブリのうちの少なくとも一方と、エアロゾル生成材料を含む物品とを備えるシステム。
【請求項26】
前記物品には、前記変動磁場の侵入によって加熱可能な材料がない、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
加熱アセンブリであり、
インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素と
を備える加熱アセンブリ
を具備し、
前記インダクタコイルが、少なくとも部分的に前記加熱要素内に突出している、エアロゾル生成デバイス。
【請求項28】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
加熱アセンブリであり、
インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素と
を備える加熱アセンブリ
を具備し、
前記加熱要素と前記インダクタコイルとの間の間隔が0.2mm未満である、エアロゾル生成デバイス。
【請求項29】
エアロゾル生成デバイスのための加熱アセンブリであって、
変動磁場を生成するように構成された磁場生成器のためのインダクタコイルと、
前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素と
を備え、
前記インダクタコイルが、少なくとも部分的に前記加熱要素内に延在している、加熱アセンブリ。
【請求項30】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
ハウジングと、
エアロゾル生成品内に受け入れられて前記エアロゾル生成品を加熱するように構成された、前記ハウジングから突出している露出した加熱構成体と
を備えるエアロゾル生成デバイス。
【請求項31】
前記加熱構成体が、エアロゾル生成品内に受け入れられるように構成された、前記ハウジングから突出している加熱要素を備える、請求項30に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項32】
前記ハウジングが、前記加熱要素が突出している基部を備える、請求項31に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項33】
前記加熱構成体が、エアロゾル生成品内に受け入れられように構成された、前記ハウジングから突出している突出要素を備え、前記突出要素がインダクタコイルを備える、請求項30に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項34】
前記ハウジングが、前記突出要素が突出している基部を備える、請求項33に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項35】
前記加熱構成体が抵抗加熱構成体である、請求項30~34のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項36】
前記加熱構成体が誘導加熱構成体である、請求項30~34のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項37】
前記加熱構成体がインダクタコイルを備える、請求項36に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項38】
加熱領域が、前記露出した加熱構成体の周りに延在し、エアロゾル生成材料を含む前記物品を少なくとも部分的に受け入れるように構成された、請求項30~37のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項39】
請求項27、28、又は30~38のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイスと、
エアロゾル生成品と
を備えるエアロゾル供給システム。
【請求項40】
前記エアロゾル生成品が、前記加熱構成体を受け入れるように構成された穴を備える、請求項39に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項41】
前記エアロゾル生成品が、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料を含む加熱要素を備える、請求項39又は40に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項42】
エアロゾル生成品からエアロゾルを生成するための請求項27、28、又は30~38のいずれか一項に記載のデバイスの使用。
【請求項43】
前記加熱構成体を前記エアロゾル生成品に挿入するステップを含む、請求項42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスに関する。本発明はまた、エアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成デバイスのための加熱アセンブリと、エアロゾル生成材料を含む物品とを備えるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコなどの喫煙品は、使用中、タバコを燃焼させてタバコ煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を創出することによって、タバコを燃焼させるそのような物品に代わるものを提供する試みがなされている。そのような製品の例としては、材料を燃焼するのではなく加熱することで化合物を放出する加熱デバイスがある。材料は、例えば喫煙材でもよい。
【発明の概要】
【0003】
一態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスが提供される。本デバイスは、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域と、加熱アセンブリであって、インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素とを備える加熱アセンブリとを具備する。加熱要素は加熱領域内に突出し、インダクタコイルは少なくとも部分的に加熱領域内に突出している。
【0004】
インダクタコイルは少なくとも部分的に加熱領域内に延在してもよい。
【0005】
インダクタコイルは加熱領域から流体的に隔離されてもよい。
【0006】
加熱要素は空洞を備えてもよく、インダクタコイルは少なくとも部分的に空洞内に延在してもよい。
【0007】
空洞は加熱領域から流体的に隔離されてもよい。
【0008】
空洞は、加熱要素を通る空気通路を少なくとも部分的に画定してもよい。
【0009】
加熱要素は、壁と、壁を通って連通する空気出口とを備えてもよい。
【0010】
加熱要素は、加熱部材と、加熱部材内の絶縁体とを備えてもよい。
【0011】
絶縁体は、インダクタコイルを加熱部材内で支持してもよい。
【0012】
絶縁体は充填剤を含んでもよい。
【0013】
充填剤は空洞を満たしてもよい。
【0014】
充填剤は非伝導性材料であってもよい。
【0015】
充填剤はサーマルパテであってもよい。
【0016】
コイルはコーティングを含んでもよい。
【0017】
絶縁体は、コイルを加熱部材から電気的に絶縁してもよい。
【0018】
加熱材料が、インダクタコイルから間隔を空けて配置されている、請求項4~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【0019】
インダクタコイルと加熱材料との間の距離は0.1~0.2mmの間であってもよい。
【0020】
インダクタコイルは、加熱材料から0.2mm未満の距離だけ間隔を空けて配置されてもよい。
【0021】
インダクタコイルは、加熱材料から0.1~0.2mmの間の距離だけ間隔を空けて配置されてもよい。
【0022】
インダクタコイルは螺旋コイルであってもよい。
【0023】
インダクタコイルの内径は1mm~1.5mmの間であってもよい。
【0024】
インダクタコイルの外径は2mm~2.5mmの間であってもよい。
【0025】
加熱要素は管状であってもよい。
【0026】
加熱要素はブレードであってもよい。
【0027】
インダクタコイルは、断面直径が0.5mm~0.75mmの間のコイルの巻線を備えてもよい。
【0028】
磁場生成器は、800kHz~1.5MHzの周波数で変動磁場を生成するように構成されてもよい。
【0029】
加熱要素の内径は2.5mm~3mmであってもよい。
【0030】
加熱要素の外径は3.3mm~3.8mmであってもよい。
【0031】
一態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスが提供される。本デバイスは、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部分を受け入れるための受入部と、加熱アセンブリであって、インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素とを備える加熱アセンブリとを具備する。インダクタコイルの少なくとも一部分及び加熱要素は受入部内に突出している。
【0032】
一態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスが提供される。本デバイスは、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部分を受け入れるための受入部と、加熱アセンブリであって、インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素とを備える加熱アセンブリとを具備する。加熱要素とインダクタコイルとの間の間隔は0.2mm未満である。
【0033】
一態様によれば、エアロゾル生成デバイスのための加熱アセンブリであって、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器のためのインダクタコイルと、エアロゾル生成デバイスの加熱領域内に延在するように配置された加熱要素であり、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素とを備え、インダクタコイルが、少なくとも部分的に加熱要素内に延在している、加熱アセンブリが提供される。
【0034】
一態様によれば、上記のようなエアロゾル生成デバイスを備え、エアロゾル生成材料を含む物品をさらに備えるシステムが提供される。
【0035】
物品には、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料がなくてもよい。
【0036】
物品は消耗品であってもよい。
【0037】
加熱要素は、加熱領域から取外し可能であってもよい。加熱要素は交換可能であってもよい。
【0038】
加熱要素と受入部は同軸であってもよい。
【0039】
この態様のデバイスは、上記の特徴のうちの1つ又は複数又はすべてを適宜含むことができる。
【0040】
エアロゾル生成デバイスは、非燃焼性エアロゾル生成デバイスであってもよい。
【0041】
デバイスは、非燃焼加熱式デバイスとしても知られているタバコ加熱デバイスであってもよい。
【0042】
エアロゾル生成材料は非液体エアロゾル生成材料であってもよい。
【0043】
物品は、加熱領域に少なくとも部分的に受け入れられるような寸法であってもよい。
【0044】
一態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された加熱領域を画定する受入部と、加熱領域を加熱するように配置された加熱要素とを備える、エアロゾル生成デバイスが提供される。
【0045】
一態様によれば、エアロゾル生成材料を含む物品と、エアロゾル生成材料を加熱するためのエアロゾル生成デバイスであって、物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された加熱領域を備える、エアロゾル生成デバイスと、加熱要素とを具備するエアロゾル生成システムが提供される。
【0046】
一態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、加熱アセンブリであり、インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素とを備える加熱アセンブリを具備し、インダクタコイルは、少なくとも部分的に加熱要素内に突出している。
【0047】
一態様によれば、前述の態様のエアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成品とを備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0048】
エアロゾル生成品は、加熱構成体を受け入れるように構成された穴を備えてもよい。
【0049】
一態様によれば、エアロゾル生成品からエアロゾルを生成するための前述の態様のデバイスの使用方法が提供される。
【0050】
本方法は、加熱構成体をエアロゾル生成品に挿入するステップを含んでもよい。
【0051】
一態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、加熱アセンブリであり、インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素とを備える加熱アセンブリを具備し、加熱要素とインダクタコイルとの間の間隔が0.2mm未満である、エアロゾル生成デバイスが提供される。
【0052】
一態様によれば、前述の態様のエアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成品とを備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0053】
エアロゾル生成品は、加熱構成体を受け入れるように構成された穴を備えてもよい。
【0054】
一態様によれば、エアロゾル生成品からエアロゾルを生成するための、前述の態様のデバイスの使用方法が提供される。
【0055】
本方法は、加熱構成体をエアロゾル生成品に挿入するステップを含んでもよい。
【0056】
一態様によれば、エアロゾル生成デバイスのための加熱アセンブリであって、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器のためのインダクタコイルと、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素とを備え、インダクタコイルは、少なくとも部分的に加熱要素内に延在している、加熱アセンブリが提供される。
【0057】
一態様によれば、前述の態様のエアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成品とを備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0058】
エアロゾル生成品は、加熱構成体を受け入れるように構成された穴を備えてもよい。
【0059】
一態様によれば、エアロゾル生成品からエアロゾルを生成するための前述の態様のデバイスの使用方法が提供される。
【0060】
本方法は、加熱構成体をエアロゾル生成品に挿入するステップを含んでもよい。
【0061】
一態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、ハウジングと、エアロゾル生成品内に受け入れられてエアロゾル生成品を加熱するように構成された、ハウジングから突出している露出した加熱構成体とを備える、エアロゾル生成デバイスが提供される。
【0062】
加熱構成体は、エアロゾル生成品内に受け入れられるように構成された、ハウジングから突出している加熱要素を備えてもよい。
【0063】
ハウジングは、加熱要素が突出している基部を備えてもよい。
【0064】
加熱構成体は、エアロゾル生成品に受け入れられるように構成された、ハウジングから突出している突出要素を備えてもよい。
【0065】
ハウジングは、突出要素が突出している基部を備えてもよい。
【0066】
加熱構成体は抵抗加熱構成体であってもよい。
【0067】
加熱構成体は誘導加熱構成体であってもよい。
【0068】
加熱構成体はインダクタコイルを備えてもよい。
【0069】
加熱領域は、露出した加熱構成体の周りに延在してもよい。加熱領域は、エアロゾル生成材料を含む物品を少なくとも部分的に受け入れるように構成されてもよい。
【0070】
一態様によれば、前述の態様のエアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成品とを備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0071】
エアロゾル生成品は、加熱構成体を受け入れるように構成された穴を備えてもよい。
【0072】
エアロゾル生成品は加熱要素を備えてもよい。加熱要素は、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料を含んでもよい。
【0073】
一態様によれば、エアロゾル生成品からエアロゾルを生成するための前述の態様のデバイスの使用方法が提供される。
【0074】
本方法は、加熱構成体をエアロゾル生成品に挿入するステップを含んでもよい。
【0075】
これらの態様のデバイスは、上記の特徴のうちの1つ又は複数又はすべてを適宜含むことができる。
【0076】
次に、添付図面を参照していくつかの実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】エアロゾル生成デバイスと、デバイスに挿入された物品とを有するエアロゾル生成システムの前面斜視図である。
【
図2】
図1のエアロゾル生成システムを概略的に示す図である。
【
図3】
図1のエアロゾル生成システムの加熱構成体を概略的に示す図である。
【
図4】加熱部材が、インダクタコイルが配置された空洞を備える、
図1のエアロゾル生成システムの別の加熱構成体を概略的に示す図である。
【
図5】空洞内に配置された絶縁体をさらに含む、
図4の別の加熱構成体を概略的に示す図である。
【
図6】絶縁体が空洞を満たしている、
図5の別の加熱構成体を概略的に示す図である。
【
図7】加熱部材に空気入口及び出口が設けられた、
図4~
図6の別の加熱構成体を概略的に示す図である。
【
図8】別のエアロゾル生成システムを概略的に示す図である。
【
図9】別のエアロゾル生成システムを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
本明細書で使用するとき、「エアロゾル生成材料」という用語は、例えば、加熱される、照射される、又は任意の他の方法でエネルギーを与えられると、エアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、それらは活性物質及び/又は香味料を含有してもよいし含有しなくてもよい。エアロゾル生成材料は、任意のタバコ含有材料などの任意の植物性材料を含んでもよく、例えば、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含んでもよい。エアロゾル生成材料はまた、他の非タバコ製品を含んでもよく、非タバコ製品は、製品によっては、ニコチンを含有してもよいし、含有しなくてもよい。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、ゲル、又は蝋などの形態であってもよい。エアロゾル生成材料はまた、例えば、いくつかの材料を組み合わせたもの、又はブレンドしたものであってもよい。エアロゾル生成材料はまた、「喫煙材」としても知られている場合がある。
【0079】
エアロゾル生成材料は、結合剤及びエアロゾル形成剤を含んでもよい。任意選択で、活性剤及び/又は充填剤も存在してよい。任意選択で、水などの溶媒もまた存在し、エアロゾル生成材料の1つ又は複数の他の成分が、溶媒に溶けるものであっても溶けるものでなくてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は植物性材料を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料はタバコを実質的に含まない。
【0080】
エアロゾル生成材料は「アモルファス固体」を含んでもよいし、「アモルファス固体」であってもよい。「アモルファス固体」は「モノリシック固体」であってもよい。いくつかの実施形態では、アモルファス固体は乾燥ゲルであってもよい。アモルファス固体は、その中に液体などの何らかの流体を保持することができる固体材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、例えば、約50重量%、60重量%、又は70重量%のアモルファス個体~約90重量%、95重量%、又は100重量%のアモルファス固体を含んでもよい。
【0081】
エアロゾル生成材料はエアロゾル生成膜を含んでもよい。エアロゾル生成膜は、シートを含んでもよいし、シートであってもよく、任意選択で、細断されて細断シートを形成してもよい。エアロゾル生成シート又は細断シートはタバコを実質的に含まなくてもよい。
【0082】
典型的には、エアロゾル生成材料を燃やさずに又は燃焼させずに吸引することができるエアロゾルを形成するために、エアロゾル生成材料を加熱してエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置が知られている。このような装置は、「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」又は「タバコ加熱デバイス」、又はこれらに類似するものとしても記述されることがある。同様に、いわゆるeシガレットデバイスもあり、これは、典型的には、ニコチンを含有することも含有しないこともある、液体の形態のエアロゾル生成材料を気化する。エアロゾル生成材料は、装置に挿入することができるロッド、カートリッジ、又はカセットなどの形態であってもよく、これらの一部として提供されてもよい。エアロゾル生成材料を加熱して揮発させるためのヒーターは、装置の「恒久的」部分として設けられてもよい。
【0083】
エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成材料を含む物品を加熱するために受け入れることができる。この文脈の「物品」とは、使用時にエアロゾル生成材料を含む、又はエアロゾル生成材料を含有する構成要素であり、これは、使用時に加熱されて、エアロゾル生成材料、及び、任意選択で、他の成分を揮発させる。ユーザは、物品をエアロゾル供給デバイスに挿入してから、物品を加熱してエアロゾルを発生させることができ、続いてユーザはそれを吸引する。物品は、例えば、物品を受け入れるような大きさのデバイスの加熱チャンバに配置されるように構成された、予め定められた又は特定の大きさのものであってもよい。
【0084】
図1は、エアロゾル生成システム100の一例を示す。システム100は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイス101と、エアロゾル生成材料を含む交換可能な物品110とを備える。デバイス101は、エアロゾル生成材料を含む交換可能な物品110を加熱して、デバイス101のユーザが吸引することができるエアロゾル又は他の吸引可能な材料を生成するために使用することができる。
【0085】
デバイス101は、デバイス101の様々な構成要素を取り囲んで収容するハウジング103を備える。ハウジング103は細長い。デバイス101は、一端に開口104を有しており、デバイス101によって加熱するためにこの開口104を通して物品110を挿入することができる。物品110は、デバイス101によって加熱するためにデバイス101に完全又は部分的に挿入することができる。
【0086】
様々な実施形態において、デバイス101には開口がない。このような構成では、デバイス101又はその構成要素を、物品110の少なくとも一部分内に部分的に受け入れることができる。
【0087】
デバイス101は、押下されるなど操作されると、デバイス101を動作させるボタン又はスイッチなどのユーザが操作可能な制御要素106を備えてもよい。例えば、ユーザは、スイッチ106を押すことによってデバイス101を作動させることができる。
【0088】
デバイス101は、長手方向軸線102を定め、物品110は、デバイス101に挿入されたときにこの長手方向軸線102に沿って延在することができる。開口104は、長手方向軸線102に位置合わせされている。
【0089】
図2は、
図1のエアロゾル生成デバイス100の概略図であり、デバイス101の様々な構成要素を示している。デバイス101は、
図2に示されていない他の構成要素を含んでもよいし、
図2に示された構成要素のいくつかを含まなくてもよいことが認識されよう。
【0090】
図2に示すように、デバイス101は、エアロゾル生成材料を加熱するための装置200を含む。装置200は、加熱アセンブリ201、コントローラ(制御回路)202、及び電源204を含む。装置200は、本体アセンブリ210を備える。本体アセンブリ210は、筐体及びデバイスの一部を形成する他の構成要素を含んでもよい。加熱アセンブリ201は、デバイス101に挿入された物品110のエアロゾル生成媒体又は材料を加熱するように構成され、その結果、エアロゾルがエアロゾル生成材料から生成される。電源204は、加熱アセンブリ201に電力を供給し、加熱アセンブリ201は、供給された電気エネルギーをエアロゾル生成材料を加熱するための熱エネルギーに変換する。
【0091】
電源204は、例えば、再充電可能なバッテリー又は再充電できないバッテリーなどのバッテリーであってもよい。適切なバッテリーの例には、例えば、リチウムバッテリー(リチウム-イオンバッテリーなど)、ニッケルバッテリー(ニッケル-カドミウムバッテリーなど)、及びアルカリバッテリーが含まれる。
【0092】
電源204は、加熱アセンブリ201に電気的に結合されて、必要なときに、コントローラ202の制御下で電力を供給して、エアロゾル生成材料を加熱することができる。制御回路202は、ユーザが制御要素106を操作することに基づいて加熱アセンブリ201を作動及び停止させるように構成されてもよい。例えば、コントローラ202は、ユーザがスイッチ106を操作することに応答して、加熱アセンブリ201を作動させることができる。
【0093】
開口104に最も近いデバイス101の端部は、使用時にユーザの口に最も近いため、デバイス101の近位端(又は口側端部)107として知られていることがある。使用時、ユーザは、物品110を開口104に挿入し、ユーザ制御部106を操作して、エアロゾル生成材料の加熱を開始し、デバイス内で生成されたエアロゾルを引き込む。これによって、エアロゾルは、流路に沿って物品110を通ってデバイス101の近位端の方へ流れる。
【0094】
開口104から最も遠いデバイスの他端は、使用時にユーザの口から最も遠い端部であるため、デバイス101の遠位端108として知られていることがある。ユーザがデバイス内で生成されたエアロゾルを吸うと、エアロゾルは、デバイス101の近位端に向かう方向に流れる。デバイス101の特徴部に適用される近位及び遠位という用語は、このような特徴部の相対的な配置を、軸線102に沿った近位-遠位方向において互いに対して参照することによって説明される。
【0095】
加熱アセンブリ201は、物品110のエアロゾル生成材料を誘導加熱プロセスによって加熱するために様々な構成要素を備えてもよい。誘導加熱は、電磁誘導によって導電性加熱要素(サセプタなど)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導要素、例えば1つ又は複数のインダクタコイルと、交流などの変動電流を誘導要素に流すためのデバイスとを備えることができる。誘導要素の変動電流は変動磁場を生じる。
【0096】
変動磁場は、誘導要素に対して適切に配置されたサセプタに侵入し、サセプタ内に渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対して電気抵抗を有し、したがってこの抵抗に逆らって渦電流が流れることによって、サセプタがジュール加熱によって加熱される。サセプタが鉄、ニッケル、又はコバルトなどの強磁性材料を含む場合、サセプタの磁気ヒステリシス損失によっても、すなわち、磁性材料の磁気双極子の向きが、変動磁場と向きを合わせる結果として変動することによっても、熱を生成することができる。誘導加熱では、例えば、伝導による加熱と比較すると、熱はサセプタ内部で生成され、急速な加熱が可能になる。さらに、誘導要素とサセプタとの間の物理的な接触が全く必要なく、構造及び用途の自由度を大きくすることができる。
【0097】
装置200は、加熱される物品110を受け入れるように構成され、そのような寸法にされた加熱チャンバ211を含む。加熱チャンバ211は加熱領域215を画定する。本例では、物品110は概ね円筒状であり、加熱チャンバ211は、それに対応して形状が概ね円筒状である。しかしながら、他の形状も可能であろう。加熱チャンバ211は受入部212によって形成される。受入部212は、端壁213及び周壁214を含む。端壁213は受入部212の基部として機能する。いくつかの実施形態の受入部212は一体構成要素である。本明細書で使用するとき、「一体構成要素」という用語は、間に接合部が画定されないように、特徴部が一緒に形成されることを意味することが意図されている。他の実施形態では、受入部は2つ以上の構成要素を備える。
【0098】
加熱チャンバ211は、受入部212の内面によって画定される。受入部212は支持部材として機能する。受入部212は、概ね管状の部材を備える。受入部212は、デバイス101の長手方向軸線102に沿って軸線の周りに実質的に同軸に延在する。しかしながら、他の形状も可能であろう。受入部212(したがって加熱領域215)は、受入部212の近位端で開いており、その結果、デバイス101の開口104に挿入された物品110は、開口104を通って加熱チャンバ211によって受け入れることができる。受入部212は、受入部212の遠位端で、端壁213によって閉じられている。受入部212は、空気通路の一部を形成する1つ又は複数の導管を備えてもよい。使用時、物品110の遠位端は、加熱チャンバ211の端部に近接して又は係合して配置されてもよい。空気は、空気通路の一部を形成する1つ又は複数の導管を通り、加熱チャンバ211に入り、デバイス101の近位端に向かって物品110を通って流れることができる。
【0099】
受入部212は、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料なしに形成される。受入部212は、絶縁材料から形成されてもよい。例えば、受入部212は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyether ether ketone)などのプラスチックから形成されてもよい。他の適切な材料も可能である。受入部212は、加熱アセンブリ201が動作しているときに、アセンブリが剛性/丈夫さを保つことを確実にするような材料から形成されてもよい。受入部212に非金属材料を使用することは、デバイス101の他の構成要素の加熱を制限することを助けることができる。受入部212は、他の構成要素の支持を補助するために、剛性の高い材料から形成されてもよい。
【0100】
受入部212のための他の構成も可能であろう。例えば、一実施形態では、端壁213は、加熱アセンブリ201の一部によって画定される。いくつかの実施形態では、受入部212は、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料を含む。
【0101】
図2に示すように、加熱アセンブリ201は加熱要素220を備える。加熱要素220は、加熱領域215を加熱するように構成される。加熱領域215は加熱チャンバ211に画定される。いくつかの実施形態では、加熱チャンバ211は、加熱領域215の一部分又は加熱領域215の範囲を画定する。
【0102】
加熱領域215は、デバイス101による加熱のために物品を受け入れることができる領域又は容積部である。したがって、加熱領域215は加熱アセンブリ201によって少なくとも部分的に画定される。加熱領域215は、加熱要素220に隣り合う空間である。
図2に示すような加熱チャンバ211を備える実施形態では、加熱チャンバ211は加熱領域215の範囲を定める。すなわち、加熱チャンバは加熱領域215を画定する。いくつかの実施形態では、加熱要素220は加熱領域を画定する。
【0103】
図8に示すように、様々な実施形態において、装置には加熱チャンバがない。デバイス101は、ハウジングから突出している突出要素を備える。突出要素は加熱要素を備える。このような実施形態では、受入部及び加熱チャンバを省略することができ、突出要素は自由空間に囲まれてもよい。突出要素又は突出要素の少なくとも一部は、物品が突出要素にあるとき、デバイスの周壁などの周辺部材によって取り囲まれることがない。「加熱領域」という用語は、突出要素を取り囲む空間を含むと理解されよう。すなわち、加熱領域は、デバイス101の構成要素によって範囲を定められなくても、又は取り囲まれなくてもよい。
【0104】
加熱要素220は、加熱領域215を加熱するように加熱可能である。加熱要素220は誘導加熱要素である。すなわち、加熱要素220は、変動磁場の侵入によって加熱可能なサセプタを備える。いくつかの実施形態では、デバイス101はサセプタを備えず、サセプタは物品110に設けられる。いくつかの実施形態では、加熱要素は抵抗加熱要素である。サセプタは、電磁誘導による加熱に適した導電性材料を備える。例えば、サセプタは炭素鋼から形成されてもよい。他の適切な材料、例えば、鉄、ニッケル、又はコバルトなどの強磁性材料が使用されてもよいことは理解されよう。
【0105】
加熱アセンブリ201は磁場生成器240を備える。磁場生成器240は、加熱要素220に加熱を引き起こすように加熱要素220に侵入する1つ又は複数の変動磁場を生成するように構成される。磁場生成器240はインダクタコイル構成体241を含む。インダクタコイル構成体241は、インダクタ要素として機能するインダクタコイル242を備える。インダクタコイル242は螺旋コイルであるが、他の構成も考えられる。いくつかの実施形態では、インダクタコイル構成体241は、2つ以上のインダクタコイル242を備えてもよい。いくつかの実施形態における2つ以上のインダクタコイルは、互いに隣り合って配置されてもよく、軸線に沿って同軸に整列されてもよい。インダクタコイル構成体241は、以下に説明されるように、加熱要素220に配置される。
【0106】
いくつかの例では、使用時、インダクタコイルは、約240℃~約300℃の間又は約250℃~約280℃の間など、約200℃~約350℃の間の温度に加熱要素220を加熱するように構成される。
【0107】
いくつかの実施形態では、加熱要素は加熱構成体の一部を形成する。加熱構成体は、基部から突出している加熱要素を備える。他の実施形態では、加熱要素は物品にあり、加熱構成体は、基部から突出している突出部材を備える。いくつかの実施形態における加熱要素又は突出部材は、インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器を備える。いくつかの実施形態における加熱構成体は誘導加熱構成体である。いくつかの実施形態における加熱構成体は抵抗加熱構成体である。
【0108】
加熱要素220は加熱領域215内に延在している。突出要素として機能する加熱要素220は、加熱領域215内に突出する。加熱要素220は基部から立ち上がっている。加熱要素220は、周壁214から間隔を空けて配置されている。加熱アセンブリ201は、物品110が加熱チャンバ211によって受け入れられているとき、加熱要素220が物品110の遠位端内に延在するように構成される。加熱要素220は、使用時、物品110内に配置される。加熱要素220は、物品110のエアロゾル生成材料を内側から加熱するように構成され、このため、内側加熱要素と呼ばれる。
【0109】
実施形態では、基部は、受入部の端壁213以外の特徴部によって形成される。
【0110】
加熱要素220は、デバイスの長手方向軸線102に沿って(軸線方向に)加熱チャンバ211の遠位端から加熱チャンバ211内に延在する。いくつかの実施形態では、加熱要素220は、軸線102から間隔を空けて配置された加熱チャンバ211内に延在する。加熱要素220は、軸線102からずれていてもよいし、軸線102に平行でなくてもよい。1つの加熱要素220が示されているが、いくつかの実施形態では、加熱アセンブリ201は、複数の加熱要素220を備えることが理解されよう。いくつかの実施形態におけるそのような加熱要素は、互いから間隔を空けて配置されるが互いに平行である。
【0111】
インダクタコイル241は、銅などの導電性材料を含む螺旋コイルであってもよい。コイルは、支持部材の周りに螺旋状に巻かれたリッツ線などのワイヤから形成される。いくつかの実施形態では、支持部材は省略される。支持部材は管状である。コイル241は概ね管状の形状を画定する。インダクタコイル241は概ね円形の輪郭を有する。他の実施形態では、インダクタコイル241は、概ね正方形、長方形、又は楕円形などの異なる形状を有してもよい。コイル幅は、その長さに沿って増加又は減少してもよい。
【0112】
他のタイプのインダクタコイル、例えば平坦な螺旋状コイルが使用されてもよい。
【0113】
リッツ線は、複数の個別のワイヤを備え、これらのワイヤは個々に絶縁されており、これらが撚り合わされて単一のワイヤを形成する。リッツ線は、導体の表皮効果損失を低減させるように設計されている。ソリッドなどの他のワイヤのタイプも使用することができる。螺旋インダクタコイルの構成は螺旋インダクタコイルの軸線方向長さに沿って変化してもよい。例えば、インダクタコイル、又は各インダクタコイルは、インダクタンス、軸線方向長さ、半径、ピッチ、巻数などの値が実質的に同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0114】
加熱要素220は、加熱領域215内で突出し、物品110によって受け入れられる。
図2は、デバイス101に受け入れられた物品110を示す。物品110は、受入部212によって受け入れられる大きさである。物品110の長手方向軸線に垂直な物品110の外側寸法は、物品110を受入部212に挿入することができるように、デバイス101の長手方向軸線102に垂直なチャンバ211の内側寸法に実質的に対応している。いくつかの実施形態では、物品110の外側側面111と受入部212の内側側面217との間に隙間216が画定される。隙間216は、チャンバ211の軸線方向長さの少なくとも一部に沿う空気経路として機能することができる。物品110の挿入端112は、受入部212の基部に隣り合うように配置される。
【0115】
加熱要素220は、受入部212の遠位端から加熱領域215内に延在している。加熱要素220は端壁213から立ち上がっている。加熱要素220は加熱部材224を備える。加熱部材224は細長い。加熱要素220は、基端221と、反対側の自由端222とを備える。加熱部材224はピン又は柱である。他の形状も考えられ、例えば、いくつかの実施形態における加熱部材224はブレードである。加熱部材224はカラー225から立ち上がっている。カラーは、物品110の端部と密封するためのシールとして機能することができる。カラー225は省略されてもよい。
【0116】
加熱要素220は外面223を備える。外面223は、加熱要素220の周部を画定する。外面223は、基端221と自由端222との間に延在している。加熱要素220は概ね円筒形であるが、他の形状も考えられる。
【0117】
物品110は穴113を備える。穴113は、物品110に予め形成される。穴113は、実施形態では、物品110の管状部分によって形成される。いくつかの実施形態における穴113は、物品の長手方向軸線に沿って部分的に延在している。穴113は内面114を備える。穴113は閉鎖端115を有する。加熱部材224は、穴113に受け入れられるような大きさである。加熱部材224と穴113は、滑りばめを形成するような相補的な大きさである。穴の内面114は、加熱部材224と密着して、加熱要素220と物品110との間の熱伝達を最大にするように構成される。
【0118】
本実施形態における自由端222は鋭くない。
図4を参照すると、いくつかの実施形態では、物品110の穴113は省略される。いくつかの実施形態では、加熱要素の外側寸法は穴の外側寸法よりも大きい。そのような構成では、加熱要素は、物品110を変形及び/又は膨張させて物品110内に挿入されるように構成される。これを容易にするために、内側加熱要素220は、デバイス101に挿入される物品110を突き刺すように構成される。そのような実施形態では、加熱要素220の自由端222は、鋭い縁部又は尖端を備える。実施形態における加熱要素220の自由端222は、鋭い縁部、尖端、又は他の案内特徴部を備えて、物品110に加熱要素220を配置するのを補助する。
【0119】
図3は、加熱構成体201の拡大図を示す。この実施形態では、磁場生成器240のインダクタコイル242は、加熱要素220内に配置される。インダクタコイル242が、サセプタとして機能する内側加熱要素220内に配置される加熱構成体201を提供することは、知られているデバイスと比較してデバイスのサイズの大幅な縮小を可能にすることを補助する。加熱構成体201によってデバイス101のサイズ要件が減ると、例えば、携帯性及びコンパクト性がより良くなり、同じ大きさのデバイスでのバッテリー容量が増大し、及び/又は、加熱領域215がより大きくなって、より大きな物品110を収容する。いくつかの実施形態では、インダクタコイル242は、加熱要素220を形成する材料によって完全に包まれる。
【0120】
加熱要素220は、変動磁場が存在している状態で熱を生成するように構成された加熱材料を含む。加熱部材224は加熱材料から形成される。加熱部材224はサセプタとして機能する。いくつかの実施形態では、加熱部材224は、例えば加熱要素の外面を形成する加熱材料の層を備える。コイル242は、コイル242を加熱材料から電気的に絶縁し、コイル242の隣り合う巻きを電気的に絶縁するためにコーティングを備える。コーティングは絶縁体として機能する。動作時、変動電流がインダクタコイル242に流される。この変動電流は、加熱要素220の領域に変動磁場を生じさせ、これにより、この領域の加熱材料の温度が上昇する。この磁場によって加熱材料に引き起こされる加熱が加熱要素を加熱し、加熱要素は物品110に熱を伝え、以て、物品110の材料をエアロゾル化する。
【0121】
図4は、デバイス101の加熱構成体201の別の構成を示す。図に示すように、この例の加熱要素220は加熱部材420を備える。加熱部材420は空洞430を備える。この実施形態では、コイル242は前記空洞430内に少なくとも部分的に配置される。空洞430は任意の形状をとることができ、コイル242を完全に包含するか、又はコイルの巻線に接触する及び/若しくはコイルの巻線を部分的に包むかのいずれかであってもよい。空洞430は加熱領域215から流体的に隔離されている。コイル242を収容する加熱部材420に空洞430を有する構成を提供することは、加熱領域215に蓄積し得る凝縮物及び/又は残骸からコイルを隔離することによって、デバイス101の信頼性を向上させるのに役立つ。図のそれぞれに示した加熱要素220は、形状が概ね円筒状又は管状であるとして表されている。しかしながら、加熱要素220は、任意の形態又は形状をとることができる。その結果、コイルは、螺旋コイルであってもよいし、平坦な螺旋状コイル又は卵状コイルなど、磁場を生成することができる任意の他のコイル形態であってもよい。コイルの形態は、いくつかの実施形態では、加熱要素の形態又は形状の選択とは無関係である。
【0122】
加熱要素220は、空洞430にコイル242を支持するためにキャリア(図示せず)を備える。キャリアは、コイル巻線を定位置に維持する。そのようなキャリアの1つを
図5に示す。キャリアは省略されてもよく、例えば、コイル242は自己支持型であってもよい。いくつかの実施形態では、コイル242は加熱要素220に接合される。このような実施形態では、絶縁層又はコーティングが設けられる。
【0123】
図5は、
図4と同様の別の構成体を示す。
図4の実施形態のように、加熱要素220は、空洞430を備える加熱部材420を備える。この実施形態では、インダクタコイル242は空洞430内に包含されている。電気絶縁体500が、加熱部材420の空洞430に配置される。この実施形態では、絶縁体500は、インダクタコイル242の巻線と空洞の壁531との間に配置される。絶縁体500は支持体として機能する。自由端222の空洞壁は絶縁体500を有するように示されていないが、絶縁体500はまた、空洞壁531のこの部分に沿って配置されてもよい。自由端222は、加熱要素220の閉鎖端を形成する。絶縁体500は、サーマルパテ又は樹脂を含んでもよい。いくつかの実施形態における絶縁体500はプラスチック、例えばPEEKである。この実施形態において絶縁体500を設けることは、コイル242を加熱部材420から電気的に絶縁する役割を果たす。これは、コイル242に流される電気を加熱部材420が伝えることを防止する。この実施形態における絶縁体500はまた、加熱部材420に対してコイル242を空洞430内の定位置に支持するのに役立つ。加熱要素での熱の分散を補助する熱伝導性の絶縁体500が使用されてもよい。加熱要素220の、絶縁体500又はコイルで満たされていない空間は、チャンバ440を形成し、このチャンバは空気で満たされてもよい。チャンバ440の空気は、加熱要素220に沿って熱を対流させるように機能することができる。このような空気で満たされたチャンバ440を設けることはまた、使用時に物品110に近接する加熱要素220の縁部の周りに加熱要素220の熱を分散することができ、その結果、物品110の材料の加熱を改善する。
【0124】
図6は、加熱構成体201の別の構成を示す。この実施形態では、
図5の絶縁体500と同様の絶縁体600が、コイル242の周りの空洞430を満たしている。絶縁体600が設けられると、加熱部材に対してコイル242を定位置に支持し、デバイスの信頼性と寿命を確保する。絶縁体600は、サーマルパテなどの熱伝導体から形成されてもよい。絶縁体600としてサーマルパテを使用すると、加熱部材での熱の分散が改善され、使用時、物品がより効果的にエアロゾル化される。
【0125】
図7はさらなる実施形態を示す。この実施形態では、加熱部材420は、加熱部材420の壁721を通る空気出口750を備える。また、加熱要素220の基部を通る空気入口752も示す。概して、空気入口752は、デバイス101の外部と連通する経路(図示せず)と流体連通している。使用時、ユーザがデバイス101の吸い口で吸うと、空気はデバイス101に入り、空気入口752を通って加熱要素220に入り、加熱部材420の空洞430を通って移動して空気出口750を通って出る。次いで、空気は、挿入された物品の加熱されたエアロゾル生成材料を通過し、エアロゾル化された材料をユーザに提供する。空気入口752は、加熱要素220の基部に配置されているように
図7に示されているが、空気入口752は、加熱要素220の任意の位置に配置されてもよい。同様に、空気出口750は、加熱要素220の任意の位置に配置されてもよい。空気入口752及び空気出口750は1つだけ示されているが、加熱要素220は、任意の数の空気入口752及び空気出口750を備えてもよい。加熱要素220は、穴の開いた加熱部材420を備えてもよい。空洞430を通ってコイル242を通過する空気路を設ける利点の1つは、空気がコイルに接触しながら引き込まれるデバイス101を動作させると、引き込まれた空気によってコイル242を冷却することである。これにより、コイル242における望ましくない抵抗加熱損失が低減され、以て、デバイスの全体的な効率が向上し、バッテリー寿命が延びる。
図7に示し、上述したような実施形態は、先に説明した
図1から
図6のいずれかの実施形態と組み合わされてもよい。これは、説明した実施形態のいずれも、加熱要素220を通る少なくとも1つの空気入口752及び空気出口750が設けられていてよいことを意味する。
【0126】
図4~
図7に関連して説明した実施形態のいずれかの加熱部材420の壁721も、変動磁場が存在している状態で熱を生成するように構成された加熱材料を含んでもよい。加熱部材420は、前記加熱材料から構成されてもよいし、加熱部材420の外部又は内部に配置された支持層をさらに備えてもよい。加熱部材420は、加熱部材420の外面に配置された外側保護コーティングをさらに備えてもよい。前記外側コーティングは、エアロゾル生成材料の加熱を妨げないように熱伝導性であってもよい。
【0127】
前述の実施形態のいずれにおいても、コイル242は、コイル242の外面にコーティングを備えて、コイル242を酸化から保護し、隣り合うコイル巻線と加熱部材420との間の電気接触を防止することができる。このようなコーティングはエナメルを含んでもよい。
【0128】
上述の実施形態のいずれにおいても、コイル242は、加熱部材224及び/又は加熱材料から間隔を空けて配置されてもよい。コイル242は、加熱部材224及び/又は加熱材料から0.1mm~0.2mmの間だけ、間隔を空けて配置されてもよい。これは、コイル242の外周の間の距離が、加熱部材224の内面及び/又は加熱部材224に存在する加熱材料から0.1mm~0.2mmの間の距離であってもよいことを意味する。いくつかの実施形態では、コイル242の外周と加熱部材224の内面及び/又は加熱材料との間の距離は、0.2mm未満であってもよい。インダクタコイル242は螺旋コイルであってもよく、空洞430によって画定される加熱部材の内側容積部は、概ね円筒形であってもよい。加熱部材224は管状であってもよい。このような実施形態では、コイル242の外周と加熱部材224の内面及び/又は加熱材料との間の間隔は、コイル242の外周の周りで一定であってもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、コイル242の内径は1mm~1.5mmの間である。いくつかの実施形態では、コイル242の外径は2mm~2.5mmの間である。コイル242は、これらの実施形態では、螺旋であってもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、コイルの巻線の断面直径は0.5mm~0.75mmの間であってもよい。
【0131】
本明細書で説明する実施形態のいずれにおいても、磁場生成器240は、周波数が800kHz~1.5MHzを有する変動磁場を生成するように構成されてもよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、図に概ね示すように、インダクタコイル242は、カラー225に近接する端部から始まって、加熱要素220の長さに沿って部分的に延在する。しかしながら、前述の実施形態のいずれもまた、完全に加熱要素220の長さ全体に沿って延在するコイル242を備えてもよい。コイルはまた、加熱要素220に沿って部分的に延在してもよいが、カラーに近接した端部で始まらなくてもよい。例えば、コイル242は、加熱要素220の自由端222から延在することができる。コイル242は、特定の加熱プロファイルを与えるように、加熱要素220の任意の選択された長さにわたって延在してもよい。コイル242が配置され延在すると、加熱要素220及び物品110の特定の領域に沿って、加熱要素220、したがって物品110に、局所的な加熱を提供することができる。コイル242が加熱要素220の全長に沿って延在する場合、これは、加熱要素220の全長に沿って一貫した加熱を確実にし、物品110に供給される熱全体を増大させる。
【0133】
図8は別の実施形態を示す。
図8の実施形態は、加熱要素220がハウジング103から突出していることを除いて、
図2の実施形態に概ね対応する。このような実施形態では、デバイスには、加熱要素が受け入れられる受入部がない。すなわち、加熱領域215は、任意の他の構成要素によって取り囲まれる又は範囲を定められることはない。
【0134】
図3~
図7の加熱要素のいずれも、
図8のエアロゾル生成デバイスに使用することができる。いくつかの実施形態におけるインダクタコイルは、少なくとも一部分が、上記の構成体に対応する加熱要素にある。インダクタコイルは、少なくとも部分的に加熱領域内に延在している。いくつかの実施形態における加熱構成体は誘導加熱構成体である。いくつかの実施形態における加熱構成体は抵抗加熱構成体である。いくつかの実施形態では、抵抗加熱要素は
図8のデバイスに使用される。このような構成体では、加熱アセンブリ201は、加熱要素を抵抗加熱プロセスによって加熱するための構成要素を含む抵抗加熱生成器を備える。この場合、電流は抵抗加熱構成要素に直接加えられ、その結果、加熱構成要素に電流が流れることによって加熱構成要素はジュール加熱によって加熱される。抵抗加熱構成要素は、適切な電流が通過すると熱を生成するように構成された抵抗材料を備え、加熱アセンブリは、抵抗材料に電流を供給するための電気接点を備える。
【0135】
ハウジング103は、加熱要素220が突出している基部213aを画定する。加熱要素220は基部213aから立ち上がっている。加熱要素220は、物品110の少なくとも一部分を受けるように構成される。加熱要素220は露出している。「露出する」という用語は、ある特徴部の一部分が、別の特徴部によって取り囲まれておらず、その結果、その特徴部が外部範囲を超えて延在することを意味すると理解されよう。加熱要素220は、加熱チャンバ内に受け入れられていない。
図8のデバイスでは、加熱要素は、デバイスのハウジングの外部範囲を超えて延在する。
図8の実施形態では、基部から突出する加熱要素220全体は取り囲まれていない。いくつかの実施形態では、加熱要素220の実質的な部分は露出している。このような実施形態では、加熱要素の小部分は、デバイスのハウジングの外部範囲内に延在している。任意選択で、加熱要素220の少なくとも80%が露出し、任意選択で60%、及び任意選択で50%が露出している。
【0136】
図8はまた、本明細書に記載の実施形態のいずれかと共に使用するための物品110を示す。
図8の物品110は、
図2の物品110と概ね同じである。
図8の物品110は、
図8のエアロゾル生成デバイス101と共に使用することができる。物品110は穴113を備える。穴113は省略されてもよい。
図8の露出した加熱要素により、デバイスをより軽量でよりコンパクトにすることができ、洗浄のために加熱要素にアクセスすることが容易になる。
【0137】
図9は別の実施形態を示す。
図9の実施形態は、デバイス101が加熱要素220を備えていないことを除いて、
図8の実施形態に概ね対応する。上記の実施形態では、加熱要素220は突出要素として機能する。
図9を参照して説明する実施形態では、デバイスは突出要素243を備え、物品110は加熱要素を備える。突出要素243はインダクタコイル242を備える。
【0138】
このような実施形態では、デバイスには、加熱要素が受け入れられる受入部がない。すなわち、加熱領域215は、任意の他の構成要素によって取り囲まれる又は範囲を定められることはない。ハウジング103は、突出要素243が突出している基部213aを画定する。突出要素243は基部213aから立ち上がっている。突出要素243は、物品110の少なくとも一部分を受けるように構成される。突出要素243は露出している。「露出する」という用語は、ある特徴部の一部分が、別の特徴部によって取り囲まれておらず、その結果、その特徴部が外部範囲を超えて延在することを意味すると理解されよう。突出要素243は、加熱チャンバに受け入れられていない。
図9のデバイスでは、突出要素243は、デバイス101のハウジング103の外部範囲を超えて延在する。
図9の実施形態では、基部から突出している突出要素243全体は取り囲まれていない。いくつかの実施形態では、突出要素243の実質的な部分は露出している。このような実施形態では、突出要素243の小部分は、デバイス101のハウジング103の外部範囲内に延在している。任意選択で、突出要素243の少なくとも80%が露出し、任意選択で60%、及び任意選択で50%が露出している。
【0139】
突出要素243は、使用時、物品110内に配置されている。
【0140】
突出要素243はピン又は柱である。突出要素はロッドとして機能する。突出要素は細長い。他の形状も考えられ、例えば、いくつかの実施形態における加熱部材はブレードである。
【0141】
突出要素243は、デバイスの長手方向軸線102に沿って(軸線方向に)ハウジング103の近位端から延在する。いくつかの実施形態では、突出要素243は、軸線102から間隔を空けて延在する。突出要素243は、軸線102からずれていてもよいし、又は軸線102に平行でなくてもよい。1つの突出要素243が示されているが、いくつかの実施形態では、デバイス101は、複数の突出要素243を備えることが理解されよう。いくつかの実施形態におけるそのような突出要素は、互いから間隔を空けて配置されるが互いに平行である。
【0142】
突出要素243は、ハウジング103の端壁213aから立ち上がっている。突出要素243は、基端221aと、反対側の自由端222aとを備える。突出要素243はピン又は柱である。他の形状も考えられ、例えば、いくつかの実施形態における突出要素243はブレードである。
【0143】
突出要素243は外面223aを備える。外面223aは、突出要素243の周部を画定する。外面223aは、基端221aと自由端222aとの間に延在している。突出要素243は概ね円筒形であるが、他の形状も考えられる。
【0144】
物品110は穴113を備える。穴113は、物品110に予め形成される。穴113は、いくつかの実施形態では、物品110の管状部分によって形成される。いくつかの実施形態における穴113は、物品の長手方向軸線に沿って部分的に延在している。穴113は内面114を備える。穴113は閉鎖端115を有する。突出要素224は、穴113に受け入れられるような大きさである。突出要素243と穴113は、滑りばめを形成するような相補的な大きさである。穴の内面114は、突出要素243と密着して、突出要素243に物品110を保持するように構成される。
【0145】
本実施形態における自由端222aは鋭くない。
図9を参照すると、いくつかの実施形態では、物品110の穴113は省略される。いくつかの実施形態では、突出要素243の外側寸法は穴の外側寸法よりも大きい。そのような構成では、突出要素243は、物品110を変形及び/又は膨張させて物品110に挿入されるように構成される。これを容易にするために、突出要素243は、デバイス101に挿入される物品110を突き刺すように構成される。そのような実施形態では、突出要素243の自由端222aは、鋭い縁部又は尖端を備える。いくつかの実施形態における突出要素243の自由端222aは、鋭い縁部、尖端、又は他の案内特徴部を備えて、物品110に突出要素243を配置するのを補助する。
【0146】
インダクタコイル242は突出要素243に埋め込まれている。突出要素243は電気絶縁体である。突出要素243は、インダクタコイル242を保護し支持する。突出要素243は、サーマルパテ又は樹脂を含んでもよい。いくつかの実施形態における突出要素243はプラスチック、例えばPEEKである。
【0147】
物品110は、加熱要素として機能する加熱部材224を備える。加熱部材224は、変動磁場が存在している状態で熱を生成するように構成された加熱材料から形成される。加熱部材224はサセプタとして機能する。加熱部材224は管状である。加熱部材224は、突出要素243の周りに配置可能である。加熱部材224は、エアロゾル生成材料に埋め込まれている。いくつかの実施形態では、加熱部材224は、層又はコーティングをエアロゾル生成材料に形成する。いくつかの実施形態では、加熱部材224は、物品110の穴113の表面を形成する。加熱部材224は加熱材料の膜を備える。いくつかの実施形態では、加熱部材は、エアロゾル生成材料に分散された加熱材料の複数の粒子を含む。いくつかの実施形態では、加熱部材は加熱材料のコイルを備える。物品110に加熱部材224を設けると、露出した突出要素243が直接加熱されないので、デバイスの安全性が向上し、使用後及び物品110の取外し後に、ユーザが露出した突出要素243に誤って接触して火傷を負う可能性が減る。
【0148】
誘導加熱構成体を有する実施形態では、突出要素243は、突出部材として機能し、突出要素243の外側範囲を画定する本体を備える。本体は、突出要素243の露出した外面を画定する。いくつかの実施形態では、本体には、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料がない。
【0149】
上記の実施形態では、加熱構成体は誘導加熱構成体である。いくつかの実施形態では、抵抗加熱などの他のタイプの加熱構成体が使用される。デバイスの構成は概ね上記と同様であり、したがって詳細な説明は省略する。このような構成体では、加熱アセンブリ201は、加熱要素を抵抗加熱プロセスによって加熱するための構成要素を含む抵抗加熱生成器を備える。この場合、電流は抵抗加熱構成要素に直接加えられ、その結果、加熱構成要素に電流が流れることによって加熱構成要素はジュール加熱によって加熱される。抵抗加熱構成要素は、適切な電流が通過すると熱を生成するように構成された抵抗材料を備え、加熱アセンブリは、抵抗材料に電流を供給するための電気接点を備える。
【0150】
いくつかの実施形態では、加熱要素は、抵抗加熱構成要素自体を形成する。いくつかの実施形態では、抵抗加熱構成要素は、例えば伝導によって加熱要素に熱を伝える。
【0151】
上記の実施形態は、本発明の例を示すものとして理解されたい。本発明のさらなる実施形態も考えられる。任意の1つの実施形態に関連して説明した任意の特徴は、単独で、又は説明した他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、また、任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴、又は任意の他の実施形態の任意の組合せの1つ又は複数の特徴と組み合わせて使用されてもよいことを理解されたい。さらに、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、上記で説明していない均等物及び変更形態も用いられてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域と、
加熱アセンブリであり、
インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素と
を備える加熱アセンブリと
を具備し、
前記加熱要素が前記加熱領域内に突出し、
前記インダクタコイルが少なくとも部分的に前記加熱領域内に突出している、エアロゾル生成デバイス。
【請求項2】
前記インダクタコイルが少なくとも部分的に前記加熱要素内に延在している、請求項1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項3】
前記インダクタコイルが前記加熱領域から流体的に隔離されている、請求項2に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項4】
前記加熱要素が空洞を備え、前記インダクタコイルが少なくとも部分的に前記空洞内に延在している、請求項
2に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項5】
前記空洞が前記加熱領域から隔離されている、請求項4に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項6】
前記空洞が、前記加熱要素を通る空気通路を少なくとも部分的に画定する、請求項4又は5に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項7】
前記加熱要素が、壁と、前記壁を通って連通する空気出口とを備える、請求項
4に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項8】
前記加熱要素が、加熱部材と、前記加熱部材内の絶縁体とを備える、請求項
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項9】
前記絶縁体が、前記インダクタコイルを前記加熱部材内で支持する、請求項8に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項10】
前記コイルがコーティングを含む、請求項
8に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項11】
前記加熱材料が、前記インダクタコイルから間隔を空けて配置されている、請求項
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項12】
前記加熱要素が管状
又はブレードである、請求項
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項13】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部分を受け入れるための受入部と、
加熱アセンブリであり、
インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素と
を備える加熱アセンブリと
を具備し、
前記インダクタコイルの少なくとも一部分及び前記加熱要素が前記受入部内に突出している、エアロゾル生成デバイス。
【請求項14】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部分を受け入れるための受入部と、
加熱アセンブリであり、
インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素と
を備える加熱アセンブリと
を具備し、
前記加熱要素と前記インダクタコイルとの間の間隔が0.2mm未満である、エアロゾル生成デバイス。
【請求項15】
エアロゾル生成デバイスのための加熱アセンブリであって、
変動磁場を生成するように構成された磁場生成器のためのインダクタコイルと、
エアロゾル生成デバイスの加熱領域内に延在するように配置された加熱要素であり、前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素と
を備え、
前記インダクタコイルが、少なくとも部分的に前記加熱要素内に延在している、加熱アセンブリ。
【請求項16】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
加熱アセンブリであり、
インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素と
を備える加熱アセンブリ
を具備し、
前記インダクタコイルが、少なくとも部分的に前記加熱要素内に突出している、エアロゾル生成デバイス。
【請求項17】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
加熱アセンブリであり、
インダクタコイルを含む、変動磁場を生成するように構成された磁場生成器と、
前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素と
を備える加熱アセンブリ
を具備し、
前記加熱要素と前記インダクタコイルとの間の間隔が0.2mm未満である、エアロゾル生成デバイス。
【請求項18】
エアロゾル生成デバイスのための加熱アセンブリであって、
変動磁場を生成するように構成された磁場生成器のためのインダクタコイルと、
前記変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む加熱要素と
を備え、
前記インダクタコイルが、少なくとも部分的に前記加熱要素内に延在している、加熱アセンブリ。
【請求項19】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
ハウジングと、
エアロゾル生成品内に受け入れられて前記エアロゾル生成品を加熱するように構成された、前記ハウジングから突出している露出した加熱構成体と
を備えるエアロゾル生成デバイス。
【請求項20】
請求項1、13、14、16、17又は19のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス及び請求項15又は18に記載の加熱アセンブリのうちの少なくとも一方と、エアロゾル生成材料を含む物品とを備えるシステム。
【国際調査報告】