(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】自動リキッドハンドリングシステムを使用した液体の混合
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
G01N35/02 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576405
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 US2022031695
(87)【国際公開番号】W WO2022260895
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523464820
【氏名又は名称】レビティ・ヘルス・サイエンシズ,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】REVVITY HEALTH SCIENCES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー,アダム
(72)【発明者】
【氏名】ブロツキー,アンドリュー
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058EA02
2G058EA04
2G058FA07
(57)【要約】
自動リキッドハンドリングシステムを使用して液体を混合する方法は、第1の液体及び第2の液体の液体体積を、第1の液体供給部S1及び第2の液体供給部S2のうちの一方から混合容積内に交互に吸引し、それにより、吸引された液体体積が、混合容積内で第1の液体及び第2の液体の交互に界面をなす層の連続体を含む液体スタックを形成することと、第1の液体及び第2の液体の界面をなす層を、混合容積内での拡散によって互いに混合させ、混合液体を形成することと、混合液体を混合容積から吐出することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の液体及び第2の液体の液体体積を、第1の液体供給部及び第2の液体供給部のうちの一方から混合容積内に交互に吸引し、それにより、前記吸引された液体体積が、前記混合容積内で前記第1の液体及び前記第2の液体の交互に界面をなす層の連続体を含む液体スタックを形成することと、
前記第1の液体及び前記第2の液体の前記界面をなす層を、前記混合容積内での拡散によって互いに混合させ、混合液体を形成することと、
前記混合液体を前記混合容積から吐出することと、
を含む、自動リキッドハンドリングシステムを使用して液体を混合する方法。
【請求項2】
前記第2の液体は、前記第1の液体とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記液体スタックは、前記第2の液体の少なくとも2つの層とともに交互に連続して配置された前記第1の液体の少なくとも2つの層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記液体スタックは、前記第2の液体の少なくとも2つの層とともに交互に連続して配置された前記第1の液体の少なくとも3つの層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の液体及び前記第2の液体の前記層のそれぞれは、約3マイクロリットル~25マイクロリットルの範囲の体積を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記液体スタックにおける前記第1の液体の前記層の総体積は、前記液体スタックにおける前記第2の液体の前記層の総体積よりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記液体スタックにおける前記第1の液体の前記層の総体積は、前記液体スタックにおける前記第2の液体の前記層の総体積と実質的に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の液体及び前記第2の液体の前記界面をなす層を、前記混合容積内での拡散によって互いに混合させ、前記混合液体を形成することは、前記第1の液体及び前記第2の液体の前記界面をなす層を、少なくとも4秒間、前記混合容積内での拡散によって互いに混合させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の液体は、前記第2の液体とは異なる組成を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の液体は、DNA断片を含む反応混合物であり、前記第2の液体は、リガーゼ酵素を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の液体は、前記第2の液体とは異なる粘度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の液体は、前記第2の液体とは異なる化学組成を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記混合容積は、細長く、長手方向軸を有し、
前記液体スタックにおける前記第1の液体及び前記第2の液体の前記層は、前記長手方向軸に沿って重ねられる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の液体及び前記第2の液体の前記層のそれぞれは、層高さに対する層直径の比率が少なくとも0.016である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の液体及び前記第2の液体の前記層のそれぞれは、層液体体積と、前記第1の液体及び前記第2の液体の前記層のうちの隣接する層との界面表面積とを有し、
前記層液体体積に対する前記界面表面積の比率は、少なくとも0.02 1/mmである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の液体及び前記第2の液体の液体体積を、前記第1の液体供給部及び前記第2の液体供給部のうちの一方から前記混合容積内に交互に吸引することは、前記第1の液体及び前記第2の液体の前記液体体積を、プローブ入口を通して管状プローブ内に吸引することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記混合液体を前記混合容積から吐出することは、前記混合液体を、前記管状プローブから前記プローブ入口を通して吐出することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記管状プローブは、プローブ通路を備え、
前記液体スタックの少なくとも一部は、前記第1の液体及び前記第2の液体の前記界面をなす層を、前記混合容積内での拡散によって互いに混合させ、前記混合液体を形成する間、前記プローブ通路内に配置される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
導管通路を画定する可撓性導管が、前記管状プローブに流体結合され、
ポンプが、前記導管通路を介して前記プローブ入口に流体結合され、
前記液体スタックの少なくとも一部は、前記第1の液体及び前記第2の液体の前記界面をなす層を、前記混合容積内での拡散によって互いに混合させ、前記混合液体を形成する間、前記導管通路内に配置される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の液体及び前記第2の液体の液体体積を、前記第1の液体供給部及び前記第2の液体供給部のうちの一方から前記混合容積内に交互に吸引することは、前記管状プローブに結合されたポンプを自動的にプログラムに従って動作させ、前記第1の液体及び前記第2の液体を前記第1の液体供給部及び前記第2の液体供給部から吸引することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記混合液体を前記混合容積から吐出することは、前記ポンプを自動的にプログラムに従って動作させ、前記混合液体を、前記混合容積から前記管状プローブの前記プローブ入口を出るように吐出することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ポンプは、シリンジポンプ、ベローズ、蠕動ポンプ、又はスクリュー型ポンプである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の液体供給部は、前記第1の液体を収容する第1のリザーバを備え、
前記第2の液体供給部は、前記第2の液体を収容する第2のリザーバを備え、
前記第1の液体及び前記第2の液体の液体体積を、前記第1の液体供給部及び前記第2の液体供給部のうちの一方から前記混合容積内に交互に吸引することは、
前記プローブ入口を前記第1のリザーバ内に自動的にプログラムに従って位置決めすることと、
その後、前記第1の液体の第1の液体体積を、前記プローブ入口を通して前記管状プローブ内に自動的にプログラムに従って吸引することと、
その後、前記プローブ入口を前記第2のリザーバ内に自動的にプログラムに従って位置決めすることと、
その後、前記第2の液体の第2の液体体積を、前記プローブ入口を通して前記管状プローブ内に自動的にプログラムに従って吸引することと、
その後、前記プローブ入口を前記第1のリザーバ内に自動的にプログラムに従って位置決めすることと、
その後、前記第1の液体の第3の液体体積を、前記プローブ入口を通して前記管状プローブ内に自動的にプログラムに従って吸引することと、
その後、前記プローブ入口を前記第2のリザーバ内に自動的にプログラムに従って位置決めすることと、
その後、前記第2の液体の第4の液体体積を、前記プローブ入口を通して前記管状プローブ内に自動的にプログラムに従って吸引することと、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記吸引することは、前記第1の液体及び前記第2の液体の液体体積を、前記第1の液体供給部及び前記第2の液体供給部のうちの一方から複数のプローブ入口を通して複数の混合容積のそれぞれに交互に吸引し、それにより、前記吸引された液体体積が、前記混合容積のそれぞれにおけるそれぞれの液体スタックを形成することを含み、各液体スタックは、前記それぞれの混合容積における前記第1の液体及び前記第2の液体の交互に界面をなす層の連続体をそれぞれ含み、
前記混合させることは、前記第1の液体及び前記第2の液体の前記界面をなす層を、前記混合容積のそれぞれにおける拡散によって互いに混合させ、混合液体を形成することを含み、
前記吐出することは、前記それぞれの混合液体を前記混合容積のそれぞれから吐出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の液体及び前記第2の液体の液体体積を前記第1の液体供給部及び前記第2の液体供給部のうちの一方から交互に吸引することは、単一のポンプアクチュエータを自動的にプログラムに従って動作させ、前記第1の液体及び前記第2の液体の前記液体体積を、前記プローブ入口のそれぞれを通して吸引することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記それぞれの混合液体を前記混合容積から吐出することは、前記混合液体の第1の体積を第1のリザーバ内に、及び前記混合液体の第2の体積を第2のリザーバ内に吐出することを含み、
前記方法は、
前記混合液体の液体体積を前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバのうちの一方から前記混合容積内に交互に吸引し、それにより、前記混合液体の前記吸引された液体体積が、前記混合容積内で前記混合液体の交互に界面をなす層の連続体を含む第2の液体スタックを形成することと、
前記混合液体の前記界面をなす層を、前記混合容積内での拡散によって互いに混合させ、第2の混合液体を形成することと、
前記第2の混合液体を前記混合容積から吐出することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
第1の液体を含む第1の液体供給部及び第2の液体を含む第2の液体供給部とともに使用される自動リキッドハンドリングシステムであって、
圧力制御機構と、
混合容積と、
コントローラであって、
前記圧力制御機構を動作させ、前記第1の液体及び前記第2の液体の液体体積を、前記第1の液体供給部及び前記第2の液体供給部のうちの一方から混合容積内に交互に吸引し、それにより、前記吸引された液体体積が、前記混合容積内で前記第1の液体及び前記第2の液体の交互に界面をなす層の連続体を含む液体スタックを形成することと、
前記第1の液体及び前記第2の液体の前記界面をなす層を、前記混合容積内での拡散によって互いに混合させ、混合液体を形成することと、
前記圧力制御機構を動作させ、前記混合液体を前記混合容積から吐出することと、
を行うように構成される、コントローラと、
を備える、自動リキッドハンドリングシステム。
【請求項28】
前記圧力制御機構は、ポンプと、ポンプアクチュエータとを備える、請求項27に記載の自動リキッドハンドリングシステム。
【請求項29】
前記コントローラは、前記ポンプアクチュエータを自動的にプログラムに従って動作させ、前記第1の液体及び前記第2の液体の液体体積を吸引することと、前記第1の液体及び前記第2の液体の前記界面をなす層を拡散によって互いに混合させることと、前記ポンプアクチュエータを動作させ、前記混合液体を吐出することと、を行うように構成される、請求項28に記載の自動リキッドハンドリングシステム。
【請求項30】
プローブ入口を有する管状プローブを備え、前記自動リキッドハンドリングシステムは、前記第1の液体及び前記第2の液体の前記液体体積を、前記第1の液体供給部及び前記第2の液体供給部のうちの一方から、前記プローブ入口を通して前記混合容積内に交互に吸引するように構成される、請求項27に記載の自動リキッドハンドリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、自動リキッドハンドリングシステムに関し、より詳細には、自動リキッドハンドリングシステムを使用して液体を混合する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
実験室用のリキッドハンドリングシステムは、所定量の液体を移送及び操作するために使用される。1つ以上の液体試料をリキッドハンドリングシステム内の実験器具容器(例えば、マイクロウェルプレート又は試料管ホルダ)内に供給することができる。リキッドハンドリングシステムは、試料の一部を実験器具から取り出す(例えば、吸引による)及び/又は材料を実験器具内の試料に加える(例えば、吐出による)ために使用される1つ以上のピペッタを含むことができる。場合によっては、システム内において液体を混合することが望ましい又は必要となる場合がある。液体をロボットにより、及び場合によっては自動的にプログラムに従って混合することが望ましい又は必要となる場合がある。ロボット式実験室リキッドハンドリングシステム等のリキッドハンドラシステムは、典型的に、異なる組成を有する2つの液体を混合するために引き起こされた乱流又は剪断流を使用する。これらの混合方法は、高流速に依拠し、流体の流れを精密に制御することを必要とし得る。より高い流量では、より強力な、通常はより高価で嵩高な物理的基礎構造が必要となる。より精密な制御には、通常、より厳密な公差、したがって、より困難で費用のかかる製造が必要となる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書において、自動リキッドハンドリングシステムにおいて液体を混合する方法及び装置が提供される。1つの態様において、自動リキッドハンドリングシステムを使用して液体を混合する方法は、第1の液体及び第2の液体の液体体積を、第1の液体供給部及び第2の液体供給部のうちの一方から混合容積内に交互に吸引し、それにより、吸引された液体体積が、混合容積内で第1の液体及び第2の液体の交互に界面をなす層の連続体を含む液体スタックを形成することと、第1の液体及び第2の液体の界面をなす層を、混合容積内での拡散によって互いに混合させ、混合液体を形成することと、混合液体を混合容積から吐出することと、を含む。
【0004】
第2の液体は、第1の液体とは異なり得る。
【0005】
液体スタックは、第2の液体の少なくとも2つの層とともに交互に連続して配置された第1の液体の少なくとも2つの層を含むことができる。
【0006】
液体スタックは、第2の液体の少なくとも2つの層とともに交互に連続して配置された第1の液体の少なくとも2つの層を含むことができる。
【0007】
第1の液体及び第2の液体の層のそれぞれは、約3マイクロリットル~25マイクロリットルの範囲の体積を有することができる。
【0008】
幾つかの実施の形態において、液体スタックにおける第1の液体の層の総体積は、液体スタックにおける第2の液体の層の総体積よりも大きい。
【0009】
幾つかの実施の形態において、液体スタックにおける第1の液体の層の総体積は、液体スタックにおける第2の液体の層の総体積と実質的に等しい。
【0010】
幾つかの実施の形態において、第1の液体及び第2の液体の界面をなす層を、混合容積内での拡散によって互いに混合させ、混合液体を形成することは、第1の液体及び第2の液体の界面をなす層を、少なくとも4秒間、混合容積内での拡散によって互いに混合させることを含む。
【0011】
第1の液体は、第2の液体とは異なる組成を有することができる。
【0012】
幾つかの実施の形態において、第1の液体は、DNA断片を含む反応混合物であり、第2の液体は、リガーゼ酵素を含む。
【0013】
幾つかの実施の形態において、第1の液体は、第2の液体とは異なる粘度を有する。
【0014】
幾つかの実施の形態によれば、第1の液体は、第2の液体とは異なる化学組成を有する。
【0015】
幾つかの実施の形態によれば、混合容積は、細長く、長手方向軸を有し、液体スタックにおける第1の液体及び第2の液体の層は、長手方向軸に沿って重ねられる。
【0016】
幾つかの実施の形態において、第1の液体及び第2の液体の層のそれぞれは、層高さに対する層直径の比率が少なくとも0.016である。
【0017】
幾つかの実施の形態によれば、第1の液体及び第2の液体の層のそれぞれは、層液体体積と、第1の液体及び第2の液体の層のうちの隣接する層との界面表面積とを有し、層液体体積に対する界面表面積の比率は、少なくとも0.02 1/mmである。
【0018】
幾つかの実施の形態によれば、第1の液体及び第2の液体の液体体積を、第1の液体供給部及び第2の液体供給部のうちの一方から混合容積内に交互に吸引する動作は、第1の液体及び第2の液体の液体体積を、プローブ入口を通して管状プローブ内に吸引することを含む。
【0019】
混合液体を混合容積から吐出する動作は、混合液体を、管状プローブからプローブ入口を通して吐出することを含むことができる。
【0020】
幾つかの実施の形態によれば、管状プローブは、プローブ通路を備え、液体スタックの少なくとも一部は、第1の液体及び第2の液体の界面をなす層を、混合容積内での拡散によって互いに混合させ、混合液体を形成する動作の間、プローブ通路内に配置される。
【0021】
導管通路を画定する可撓性導管は、管状プローブに流体結合することができ、ポンプが、導管通路を介してプローブ入口に流体結合され、液体スタックの少なくとも一部は、第1の液体及び第2の液体の界面をなす層を、混合容積内での拡散によって互いに混合させ、混合液体を形成する動作の間、導管通路内に配置される。
【0022】
第1の液体及び第2の液体の液体体積を、第1の液体供給部及び第2の液体供給部のうちの一方から混合容積内に交互に吸引する動作は、管状プローブに結合されたポンプを自動的にプログラムに従って動作させ、第1の液体及び第2の液体を第1の液体供給部及び第2の液体供給部から吸引することを含むことができる。
【0023】
混合液体を混合容積から吐出する動作は、ポンプを自動的にプログラムに従って動作させ、混合液体を、混合容積から管状プローブのプローブ入口を出るように吐出することを含むことができる。
【0024】
ポンプは、シリンジポンプ、ベローズ、蠕動ポンプ、又はスクリュー型ポンプとすることができ、圧力を発生させる又は空気若しくは液体の体積を変位させることによって作用することができる。
【0025】
幾つかの実施の形態によれば、第1の液体供給部は、第1の液体を収容する第1のリザーバを備え、第2の液体供給部は、第2の液体を収容する第2のリザーバを備え、第1の液体及び第2の液体の液体体積を、第1の液体供給部及び第2の液体供給部のうちの一方から混合容積内に交互に吸引する動作は、プローブ入口を第1のリザーバ内に自動的にプログラムに従って位置決めすることと、その後、第1の液体の第1の液体体積を、プローブ入口を通して管状プローブ内に自動的にプログラムに従って吸引することと、その後、管状プローブ入口を第2のリザーバ内に自動的にプログラムに従って位置決めすることと、その後、第2の液体の第2の液体体積を、プローブ入口を通して管状プローブ内に自動的にプログラムに従って吸引することと、その後、管状プローブ入口を第1のリザーバ内に自動的にプログラムに従って位置決めすることと、その後、第1の液体の第3の液体体積を、プローブ入口を通して管状プローブ内に自動的にプログラムに従って吸引することと、その後、プローブ入口を第2のリザーバ内に自動的にプログラムに従って位置決めすることと、その後、第2の液体の第4の液体体積を、プローブ入口を通して管状プローブ内に自動的にプログラムに従って吸引することと、を含む。
【0026】
吸引する動作は、第1の液体及び第2の液体の液体体積を、第1の液体供給部及び第2の液体供給部のうちの一方から複数のプローブ入口を通して複数の混合容積のそれぞれに交互に吸引し、それにより、吸引された液体体積が、混合容積のそれぞれにおけるそれぞれの液体スタックを形成することを含むことができ、各液体スタックは、それぞれの混合容積における第1の液体及び第2の液体の交互に界面をなす層の連続体をそれぞれ含み、混合させる動作は、第1の液体及び第2の液体の界面をなす層を、混合容積のそれぞれにおける拡散によって互いに混合させ、混合液体を形成することを含むことができ、吐出する動作は、それぞれの混合液体を混合容積のそれぞれから吐出することを含むことができる。
【0027】
第1の液体及び第2の液体の液体体積を第1の液体供給部及び第2の液体供給部のうちの一方から交互に吸引することは、単一のポンプアクチュエータを自動的にプログラムに従って動作させ、第1の液体及び第2の液体の液体体積を、プローブ入口のそれぞれを通して吸引することを含むことができる。
【0028】
幾つかの実施の形態において、それぞれの混合液体を混合容積から吐出する動作は、混合液体の第1の体積を第1のリザーバ内に、及び混合液体の第2の体積を第2のリザーバ内に吐出することを含み、方法は、混合液体の液体体積を第1のリザーバ及び第2のリザーバのうちの一方から混合容積内に交互に吸引し、それにより、混合液体の吸引された液体体積が、混合容積内で混合液体の交互に界面をなす層の連続体を含む第2の液体スタックを形成することと、混合液体の界面をなす層を、混合容積内での拡散によって互いに混合させ、第2の混合液体を形成することと、第2の混合液体を混合容積から吐出することと、を更に含む。
【0029】
更なる態様において、第1の液体を含む第1の液体供給部及び第2の液体を含む第2の液体供給部とともに使用される自動リキッドハンドリングシステムは、圧力制御機構と、混合容積と、コントローラとを備える。コントローラは、圧力制御機構を動作させ、第1の液体及び第2の液体の液体体積を、第1の液体供給部及び第2の液体供給部のうちの一方から混合容積内に交互に吸引し、それにより、吸引された液体体積が、混合容積内で第1の液体及び第2の液体の交互に界面をなす層の連続体を含む液体スタックを形成することと、第1の液体及び第2の液体の界面をなす層を、混合容積内での拡散によって互いに混合させ、混合液体を形成することと、圧力制御機構を動作させ、混合液体を混合容積から吐出することと、を行うように構成される。
【0030】
圧力制御機構は、ポンプと、ポンプアクチュエータとを備えることができる。
【0031】
コントローラは、ポンプアクチュエータを自動的にプログラムに従って動作させ、第1の液体及び第2の液体の液体体積を吸引することと、第1の液体及び第2の液体の界面をなす層を拡散によって互いに混合させることと、ポンプアクチュエータを動作させ、混合液体を吐出することと、を行うように構成することができる。
【0032】
幾つかの実施の形態によれば、自動リキッドハンドリングシステムは、プローブ入口を有する管状プローブを備える。自動リキッドハンドリングシステムは、第1の液体及び第2の液体の液体体積を、第1の液体供給部及び第2の液体供給部のうちの一方から、プローブ入口を通して混合容積内に交互に吸引するように構成される。
【0033】
本発明の概要は、本態様及び実施形態の範囲を網羅しない。したがって、或る特定の態様及び実施形態が提示及び/又は概説されているものの、本態様及び実施形態は、本発明の概要における態様及び実施形態に限定されないことを理解すべきである。実際、本発明の概要に提示されている態様及び実施形態と同様及び/又は異なり得る他の態様及び実施形態は、本明細書、添付の図面及び/又は特許請求の範囲から明らかとなる。
【0034】
本発明の概要に記載されているが、添付の特許請求の範囲に示されない任意の態様及び実施形態は、本願又は1つ以上の継続特許出願における後の提示のために留保されることも理解すべきである。
【0035】
本発明の概要に記載されない、かつ、添付の特許請求の範囲に示されない任意の態様及び実施形態もまた、1つ以上の継続特許出願における後の提示のために留保されることも理解すべきである。
【0036】
本明細書の一部を構成する添付の図面は、本技術の実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本技術の実施形態に係る、自動リキッドハンドリングシステムを使用して液体を混合する方法を表すフローチャートである。
【
図2】本技術の実施形態に係る、自動リキッドハンドリングシステムを使用して液体を混合する更なる方法を表すフローチャートである。
【
図3】本技術の実施形態に係る、液体混合システムを備える例示的な自動リキッドハンドリングシステムの正面図である。
【
図4】2つの液体を混合するプロセスを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図5】2つの液体を混合するプロセスを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図6】2つの液体を混合するプロセスを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図7】2つの液体を混合するプロセスを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図8】2つの液体を混合するプロセスを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図9】層状液体スタックを収容する、
図3の自動リキッドハンドリングシステムのプローブの拡大部分断面図である。
【
図10】2つの液体を混合するプロセスの更なるステップを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図11】2つの液体を混合するプロセスの更なるステップを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図12】2つの液体を混合するプロセスの更なるステップを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図13】2つの液体を混合するプロセスの更なるステップを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図14】2つの液体を混合するプロセスの更なるステップを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図15】2つの液体を混合するプロセスの更なるステップを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図16】2つの液体を混合するプロセスの更なるステップを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図17】複数のプローブを使用して2つの液体を混合するプロセスを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図18】複数のプローブを使用して2つの液体を混合するプロセスを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図19】複数のプローブを使用して2つの液体を混合するプロセスを示す、
図3の自動リキッドハンドリングシステムの部分断面図である。
【
図20】
図3の自動リキッドハンドリングシステムの一部を形成するコントローラを表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ロボット式実験室リキッドハンドリングシステム等のリキッドハンドラシステムは、典型的に、異なる組成を有する2つの液体を混合するために引き起こされた乱流又は剪断流を使用する。これらの混合方法は、高流速に依拠し、流体の流れを精密に制御することを必要とし得る。本発明者らは、そのような技法が幾つかのリキッドハンドリング技術には不適であることを見出した。例えば、高スループットで低コストのリキッドハンドラ等の幾つかの自動リキッドハンドラは、異なる粘度を有する液体等の幾つかの液体を効果的に混合するのに必要な乱流を発生させるようには構成されない。
【0039】
本技術の実施形態に係る装置及び方法は、既知の液体混合方法の欠点に対処することができる。特に、本技術の実施形態に係る装置及び方法は、異なる組成の液体の体積を、高速又は乱流を伴わずに拡散混合を使用して効果的かつ迅速に混合することができる。本装置及び方法は、比較的小体積の液体(例えば、約10マイクロリットル~200マイクロリットルの範囲の微小流体体積)を混合するのに特に有利であり得る。この液体体積の範囲は、中間流体(mesofluidic)体積範囲と称する場合がある。
【0040】
図1は、本技術の幾つかの実施形態に係る、第1の液体(第1の液体供給部から)及び第2の液体(第2の液体供給部から)を混合する方法を表すフローチャートである。第1の液体及び第2の液体の液体体積を、第1の液体供給部及び第2の液体供給部のうちの一方から混合容積内に交互に吸引し、それにより、吸引された液体体積が、混合容積内で第1の液体及び第2の液体の交互に界面をなす層の連続体を含む液体スタックを形成する(ブロック52)。次いで、第1の液体及び第2の液体の界面をなす層を、混合容積内での拡散によって互いに混合させ、混合液体を形成する(ブロック54)。次いで、混合液体を混合容積から吐出する(ブロック56)。幾つかの実施形態において、第2の液体は、第1の液体とは異なる。
【0041】
図2を参照すると、本方法は、
図1の方法の産物である混合液体を更に混合することを更に含むことができる。混合液体を混合容積から吐出すること(ブロック56、
図1)は、混合液体の第1の体積を第1のリザーバ内に、及び混合液体の第2の体積を第2のリザーバ内に吐出することを含むことができる(ブロック60、
図2)。次いで、混合液体の液体体積を、第1のリザーバ及び第2のリザーバのうちの一方から混合容積内に交互に吸引し、それにより、混合液体の吸引された液体体積が、混合容積内で混合液体の交互に界面をなす層の連続体を含む第2の液体スタックを形成する(ブロック62)。次いで、混合液体の界面をなす層を、混合容積内での拡散によって互いに混合させ、第2の混合液体を形成する(ブロック64)。次いで、第2の混合液体を混合容積から吐出する(ブロック66)。
【0042】
第1の液体及び第2の液体を複数繰り返して層にすることで、第1の液体と第2の液体との間の総界面積が増大し、それにより、第1の液体と第2の液体との間の拡散速度が増す。向上した拡散速度により、乱流を必要とすることなく、十分高い混合速度をもたらすことができる。
【0043】
幾つかの実施形態において、自動リキッドハンドラは、それぞれの液体供給部から管状プローブ(例えば、ピペット)を通して第1の液体及び第2の液体の交互の層を混合容積内に吸い取り又は吸引し、混合液体を管状プローブから吐出する。管状プローブは、リキッドハンドリングシステム内で好都合かつ効果的に統合及び動作することができる。
【0044】
図3を参照すると、ここでは、本技術の或る特定の実施形態に係る一例示の液体混合システム101が示されている。図示の液体混合システム101は、本技術の図示の実施形態に係る自動リキッドハンドリングシステム110の一部を構成する。しかしながら、開示される方法、システム、及び装置は、他の設計のリキッドハンドリングシステムの一部を形成する、又は他の設計のリキッドハンドリングシステムとともに使用することができることを理解されたい。液体混合システム101は、リキッドハンドリングシステム110内で2つ以上の液体を混合するように構成される。液体混合システム101及びリキッドハンドリングシステム110は、
図1及び
図2を参照して上述した方法を実行又は実施するように使用及び構成することができる。
【0045】
幾つかの実施形態において、リキッドハンドリングシステム110は、第1の液体供給部S1及び第2の液体供給部S2を備える。後述するように、第1の液体供給部S1は、第1の液体C1の体積VSC1を含み、第2の液体供給部S2は、第2の液体C2の体積VSC2を含む(
図4)。液体混合システム101は、或る量の第1の液体C1及び第2の液体C2を互いに混合し、成分液体C1及びC2の混合液体M(
図11)を形成するように動作する。幾つかの実施形態において、第2の液体C2は、第1の液体C1とは異なる(例えば、成分液体C1、C2は、化学組成及び/又は粘度が互いに異なる)。
【0046】
図3を参照すると、図示の自動リキッドハンドリングシステム110は、プラットフォーム又はデッキ112と、フレーム114と、分析器116と、コントローラ120と、リキッドハンドラ130とを備える。幾つかの実施形態において、自動リキッドハンドリングシステム110は、ロボット式自動リキッドハンドリングシステムである。
【0047】
論考を目的として、また、図面に示すように、作業空間においては、鉛直に対応するZ軸、及び水平面を共に画定するX軸及びY軸が規定されている。
【0048】
図示の実施形態において、また
図4を参照すると、第1の液体供給部S1は、第1の液体C1の体積VSC1を収容するレセプタクル又はリザーバ171を有する容器170を備える。第2の液体供給部S2は、第2の液体C2の体積VSC2を収容するレセプタクル又はリザーバ173を有する容器172を備える。液体供給部S1、S2は、任意の好適な形態をとることができることが理解されよう。例えば、容器170、172は、別個の容器であっても、双方のリザーバ171、173を含む単一の容器(例えば、マルチウェルプレート)であってもよい。更なる例として、容器170、172は、開放蓋を有するベッセル、又は内容物にアクセスすることを可能にする閉鎖具(例えば、セプタム)を有するバイアルとすることができる。液体供給部S1、S2の一方又は双方は、それぞれの液体C1、C2を収容する2つ以上のリザーバを備えることができる。
【0049】
幾つかの実施形態において、リキッドハンドリングシステム110は、レセプタクル又はリザーバ175、177(
図12)をそれぞれ有する1つ以上の混合物収納容器174(
図4及び
図12)、176(
図12)を更に備える。後述するように、混合液体Mは、リザーバ(複数の場合もある)175、177内に吐出することができる。
【0050】
幾つかの実施形態において、リキッドハンドリングシステム110は、レセプタクル又はリザーバ179(
図16)をそれぞれ有する1つ以上の再混合物収納容器178を更に備える。後述するように、リザーバ(複数の場合もある)179内には再混合液体を吐出することができる。
【0051】
リキッドハンドラ130(
図3)は、圧力制御機構131と、プローブモジュール140と、導管又はチューブ160とを備える。リキッドハンドラ130は、コントローラ120によって制御することができる。
【0052】
プローブモジュール140(
図3)は、プローブモジュールベース142と、それに取り付けられる管状プローブ150とを備える。リキッドハンドリングシステム110は、プローブ位置決めシステム144を備える。例示的な実施形態において、プローブ位置決めシステム144は、モジュール位置決めアクチュエータ146と、プローブ位置決めアクチュエータ148とを備える。モジュール位置決めアクチュエータ146は、コントローラ120によって、プローブモジュール140をX軸及びY軸に沿ってデッキ112及び液体供給部S1、S2に対して移動させるように動作可能である。プローブ位置決めアクチュエータ148は、コントローラ120によって、プローブ150をZ軸に沿ってデッキ112及び液体供給部S1、S2に対して上下させるように動作可能である。しかしながら、当業者であれば、プローブ150を液体供給部S1、S2に対して移動させるために、任意の好適な位置決めシステムを使用することができることを理解するであろう。プローブモジュール位置決めアクチュエータ146及びプローブ位置決めアクチュエータ148は、例えば、電気モータを含むことができる。
【0053】
圧力制御機構131(
図3)は、チューブ160によってプローブ150に流体結合される。圧力制御機構131は、ポンプ132と、ポンプアクチュエータ134とを備える。ポンプアクチュエータ134は、コントローラ120によって、ポンプ132を駆動するように動作可能である。
【0054】
ポンプ132は、任意の好適なタイプのポンプとすることができる。幾つかの実施形態において、ポンプ132は、シリンジポンプである。
【0055】
ポンプアクチュエータ134は、任意の好適なタイプの力アクチュエータとすることができる。幾つかの実施形態において、ポンプアクチュエータ134は、電動アクチュエータである。幾つかの実施形態において、ポンプアクチュエータ134は、電動リニアアクチュエータである。
【0056】
図4を参照すると、例示的なプローブ150は、遠位端部150A及び近位端部150Bを有する。プローブ150は、遠位端部150Aに先端部153を有する細長い本体152を備える。プローブの内腔又は通路154は、プローブ150を通って、プローブ長手方向軸PAに沿って、プローブ入口156(先端部153にある)からプローブ近位ポート158(近位端部150Bにある)まで軸方向に延在する。幾つかの実施形態において、プローブ150は、ピペット又はカニューレである。例えば、プローブ150は、図示のような一部品ピペットとすることができる。
【0057】
図4を参照すると、チューブ160は、遠位端部160Aと、反対側の近位端部160B(
図3)とを有する。チューブの内腔又は通路164は、チューブ160を通って、チューブ長手方向軸TA(湾曲している場合がある)に沿って、チューブ入口166(遠位端部160Aにある)からポンプ132(近位端部160Bにある)まで軸方向に延在する。チューブ入口166は、プローブ近位ポート158に接続され、それにより、プローブ通路154及びチューブ通路164は、合わせて連続的に組合せ通路167を形成する。チューブ160は、可撓性のチューブとすることができる。
【0058】
混合システム101は、コントローラ120と、圧力制御機構131と、プローブ150と、混合容積151(
図4)とを備える。幾つかの実施形態において、混合容積151は、プローブ通路154及び/又はチューブ通路164によって画定される。
【0059】
以下、本技術の方法に従ったシステム110及び液体混合システム101の例示的な動作を、
図4~
図11を参照して説明する。以下の手順は例示的なものであり、操作者の所望に応じて改変することができることが理解されよう。これらの動作の全て又は一部は、コントローラ120によって実行することができる。
【0060】
液体供給部S1、S2及び混合物収納容器(複数の場合もある)174、176は、例えば、デッキ上に設けられる。液体供給部S1、S2は、手動で、又はコントローラ120によって自動的にプログラムに従って、適所に配置することができる。
【0061】
プローブモジュール位置決めシステム144は、プローブモジュール140を第1の液体供給部S1のリザーバ171と鉛直に位置合わせ又は整合されるように移動させる。次いで、プローブモジュール位置決めシステム144は、
図4に示されているように、プローブ150の先端部153をリザーバ171内の第1の液体C1の体積VSC1へと下降させる。次いで、ポンプアクチュエータ134は、ポンプ132を駆動し、プローブ通路154内に真空又は負圧を発生させ、第1の液体C1の所望の又は規定の体積VC1を、体積VSC1からプローブ入口156を通してプローブ通路154内に吸引するように動作する。吸引された体積VC1は、
図4に示されているように、混合容積151内で第1の層L1を形成する。
【0062】
次いで、プローブモジュール位置決めシステム144は、リザーバ171から先端部153を上昇させ、プローブモジュール140を第2の液体供給部S2のリザーバ173と鉛直に位置合わせ又は整合されるように移動させる。次いで、プローブモジュール位置決めシステム144は、
図5に示されているように、プローブ150の先端部153をリザーバ173内の第2の液体C2の体積VSC2へと下降させる。次いで、ポンプアクチュエータ134は、ポンプ132を駆動し、プローブ通路154内に真空又は負圧を発生させ、第2の液体C2の所望の又は規定の体積VC2を、体積VSC2からプローブ入口156を通してプローブ通路154内に吸引するように動作する。吸引された体積VC2は、
図5に示されているように、混合容積151内で第2の層L2を形成する。
【0063】
幾つかの実施形態において、次いで、プローブモジュール位置決めシステム144は、リザーバ173から先端部153を上昇させ、プローブモジュール140を第1の液体供給部S1のリザーバ171と鉛直に位置合わせ又は整合されるように移動させる。次いで、プローブモジュール位置決めシステム144は、
図5に示されているように、プローブ150の先端部153をリザーバ171内の第1の液体C1の体積VSC1へと下降させる。次いで、ポンプアクチュエータ134は、ポンプ132を駆動し、プローブ通路154内に真空又は負圧を発生させ、第1の液体C1の所望の又は規定の体積VC1を、体積VSC1からプローブ入口156を通してプローブ通路154内に吸引するように動作する。吸引された体積VC1は、
図6に示されているように、混合容積151内で第3の層L3を形成する。
【0064】
幾つかの実施形態において、次いで、プローブモジュール位置決めシステム144は、リザーバ171から先端部153を上昇させ、プローブモジュール140を第2の液体供給部S2のリザーバ173と鉛直に位置合わせ又は整合されるように移動させる。次いで、プローブモジュール位置決めシステム144は、
図7に示されているように、プローブ150の先端部153をリザーバ173内の第2の液体C2の体積VSC3へと下降させる。次いで、ポンプアクチュエータ134は、ポンプ132を駆動し、プローブ通路154内に真空又は負圧を発生させ、第2の液体C2の所望の又は規定の体積VC2を、体積VSC2からプローブ入口156を通してプローブ通路154内に吸引するように動作する。吸引された体積VC2は、
図7に示されているように、混合容積151内で第4の層L4を形成する。
【0065】
上記は、液体供給部S1からの第1の液体C1の体積VC1及び液体供給部S2からの第2の液体C2の体積VC2の更なる交互の層を、所望に応じて漸次形成するように繰り返すことができる。すなわち、プローブモジュール位置決めシステム144を使用して、プローブ先端部153を液体供給部S1及びS2に繰り返し交互に配置し、それぞれの体積VC1及びVC2を各配置中に吸引し、以前に吸引された層の下に液体C1、C2の更なる層を重ねる。これらの動作は、所望の数の層が形成されるか又は所望の総体積が混合容積151内に吸引されるまで継続することができる。
【0066】
図8を参照すると、吸引された液体体積VC1、VC2は、混合容積151における液体スタックLSを形成する。液体スタックLSは、第1の液体C1及び第2の液体C2の交互に界面をなす層L1~L16の連続体SAを含む。混合容積151は、細長く、層L1~L16は、混合容積151の長手方向軸XA(湾曲している場合がある)に沿って重なる(すなわち、層L1~L16は、プローブ長手方向軸PA及びチューブ長手方向軸TAに沿って重なる)。層L1~L16は、本明細書において、層Lとも称する場合がある。
【0067】
図9に示されているように、各層L1~L16は、直接隣接して配置され、層界面Iにおいて上下の層と同一平面で接触する。各層L1~L16の液体体積VC1、VC2は、両端部に界面表面E1、E2を有する(1つのみの界面表面を有する最端部の層を除く)。各層の上側界面表面E1は、先行する層の下側界面表面E2に界面Iにおいて接触する。すなわち、液体C1、C2の隣り合う層L1~L16間には介在する層は存在しない。しかしながら、吸引された液体体積VC1、VC2間の境界は、分離していない場合もある。なぜなら、通路154、164を通して液体体積VC1、VC2を引き込むことで、液体体積VC1、VC2にいくらかの撹拌が生じ、液体体積VC1、VC2が界面において互いに混合する場合があるためである。
【0068】
各層L1~L16の液体体積VC1、VC2は、混合容積151内に層L1~L16が存在する間、関連する界面Iにおいて、隣接する各層L1~L16の液体体積VC1、VC2内に拡散することが可能である。この拡散は、隣り合う液体体積VC1、VC2を互いに物理的に混合し、それにより、
図10に示されているように、混合容積151内で混合液体Mを形成する役目を果たす。
【0069】
プローブモジュール位置決めシステム144は、
図10に示されているように、プローブモジュール140を容器174のリザーバ175と鉛直に位置合わせ又は整合されるように移動させる。プローブモジュール位置決めシステム144は、プローブ150の先端部153をリザーバ175へと又はリザーバ175に隣接するように下降させることができる。次いで、ポンプアクチュエータ134は、ポンプ132を駆動し、プローブ通路154内に正圧を発生させ、
図11に示されているように、混合液体Mの所望の又は規定の体積を混合容積151からリザーバ175内に吐出するように動作する。その後、混合液体Mは、所望に応じて使用又は更に処理される。
【0070】
容器174は、吐出された混合液体を貯留するものの1つの例にすぎないことが理解されよう。例えば、混合液体Mは、(例えば、ガスクロマトグラフィ装置の)インジェクタ内又は別の液体を収容するリザーバ内に吐出することができる。
【0071】
液体スタックLSは、液体スタックLSの形成の完了とプローブ150からの混合液体Mの吐出との間の期間(保持時間)にわたって混合容積151内に保持することができ、それにより、記載したように、層L1~L16の液体体積VC1、VC2が拡散することを可能にする。保持時間は、所定の又は規定の最小期間とすることができる。幾つかの実施形態において、液体スタックLSの層の全てを、少なくとも4秒間、隣接して界面をなす層とともに拡散させる。幾つかの実施形態において、液体スタックLSの層の全てを、混合容積151内で、約4秒~100秒の範囲の滞留時間又は拡散混合時間にわたって、隣接して界面をなす層において拡散させる。
【0072】
図8は、16の層Lを含む液体スタックLSを示しているが、当業者であれば、実施形態に係る液体スタックは、より多数又は少数の層を含むことができることを理解するであろう。幾つかの実施形態において、液体スタックは、第1の液体C1の少なくとも3つの層と、第2の液体C2の少なくとも2つの層とを含む。
【0073】
幾つかの実施形態において、各層Lは、約1マイクロリットル~100マイクロリットルの範囲の液体体積を有する。幾つかの実施形態において、各層Lは、約3マイクロリットル~25マイクロリットルの範囲の微小流体液体体積を有する。
【0074】
第1の液体C1の層は、第2の液体C2の層とは異なる体積を有することができる(すなわち、リキッドハンドラ130は、異なる体積の液体C1、C2を吸い取る又は吸引することができる)。
【0075】
幾つかの実施形態において、液体スタックLSにおける第1の液体の総体積は、液体スタックLSにおける第2の液体の総体積と実質的に等しい。
【0076】
幾つかの実施形態において、液体スタックLSにおける第1の液体の総体積は、液体スタックLSにおける第2の液体の総体積とは異なる。
【0077】
幾つかの実施形態において、各層Lは、層高さH1(
図9)に対する層直径D1(
図9)の比率が少なくとも0.016である。
【0078】
幾つかの実施形態において、層の液体体積に対する各層の各界面表面E1、E2(
図9)の面積の比率は、少なくとも0.02 1/mmである。
【0079】
幾つかの実施形態において、液体供給部S1、S2内の液体C1、C2の量は、混合液体Mにおける液体C1、C2の所望の体積比をもたらすように選択される。また、層状体積VC1、VC2は、各供給体積VSC1、VSC2が混合容積151内に完全に吸引されるまで、記載されるように、交互に吸い取られる又は吸引される。
【0080】
幾つかの実施形態において、また
図12~
図16を参照すると、混合液体Mは、液体C1、C2のより完全で均一な物理的混合を達成するために、プローブ150から吐出された後に再混合することができる。この場合、混合液体Mの一部(体積VSM1)が、上述したポンプ132を使用して、混合容積151からリザーバ175内に吐出され、混合液体Mの別の部分(体積VSM2)が、ポンプ132を使用して、混合容積151から(例えば、容器176又は別の容器の)第2のリザーバ177内に吐出される。
【0081】
プローブモジュール位置決めシステム144は、プローブモジュール140をリザーバ175と鉛直に位置合わせ又は整合されるように移動させ、
図12に示されているように、プローブ150の先端部153を体積VSM1へと下降させる。次いで、ポンプアクチュエータ134は、ポンプ132を駆動し、プローブ通路154内に真空又は負圧を発生させ、体積VSM1のうちの所望の又は規定の体積VM1を、プローブ入口156を通してプローブ通路154内に吸引するように動作する。吸引された体積VM1は、
図12に示されているように、混合容積151内で第1の層LM1を形成する。
【0082】
次いで、プローブモジュール位置決めシステム144は、先端部153をリザーバ175から上昇させ、プローブモジュール140をリザーバ177と鉛直に位置合わせ又は整合されるように移動させ、
図13に示されているように、プローブ150の先端部153を体積VSM2へと下降させる。次いで、ポンプアクチュエータ134は、ポンプ132を駆動し、プローブ通路154内に真空又は負圧を発生させ、所望の又は規定の体積VM2を、体積VSM2からプローブ入口156を通してプローブ通路154内に吸引するように動作する。吸引された体積VM2は、
図13に示されているように、混合容積151内で第2の層LM2を形成する。
【0083】
液体スタックLSの形成について記載したものと同様に、上記は、リザーバ175、177からの混合液体Mの体積VM1、VM2の更なる交互の層を、所望に応じて漸次形成するように繰り返すことができる。すなわち、プローブモジュール位置決めシステム144を使用して、プローブ先端部153をリザーバ175、177内の混合液体体積VSM1、VSM2内に繰り返し交互に配置し、それぞれの体積VM1及びVM2を各配置中に吸引し、以前に吸引された層の下に混合液体の更なる層を重ねる。これらの動作は、所望の数の層が形成されるか、又は所望の総体積が混合容積151内に吸引されるまで継続することができる。
【0084】
図14を参照すると、吸引された液体体積VM1、VM2は、混合容積151内で液体スタックLSMを形成する。液体スタックLSMは、第1の液体C1及び第2の液体C2の交互に界面をなす層LM1~LM16(本明細書において総称して層LMと称する場合がある)の連続体SAMを含む。各層LM1~LM16は、直接隣接して配置され、層界面Iにおいて上下の層と同一平面で接触する。各層LM1~LM16の液体体積VM1、VM2は、両端部に界面表面を有する(1つのみの界面表面を有する最端部の層を除く)。各層の上側界面表面は、先行する層の下側界面表面に界面Iにおいて接触する。
【0085】
各層LM1~LM16の液体体積VM1、VM2は、混合容積151内に層LM1~LM16が存在する間、関連する界面Iにおいて、隣接する各層LM1~LM16の液体体積VM1、VM2内に拡散することが可能である。この拡散は、隣り合う液体体積VM1、VM2を互いに物理的に混合し、それにより、
図15に示されているように、混合容積内で混合液体RMを形成する役目を果たす。
【0086】
プローブモジュール位置決めシステム144は、
図15に示されているように、プローブモジュール140を収納リザーバ179と鉛直に位置合わせ又は整合されるように移動させる。プローブモジュール位置決めシステム144は、プローブ150の先端部153をリザーバ179へと又はリザーバ179に隣接するように下降させることができる。次いで、ポンプアクチュエータ134は、ポンプ132を駆動し、プローブ通路154内に正圧を発生させ、
図16に示されているように、再混合液体RMの所望の又は規定の体積を混合容積151からリザーバ179内に吐出するように動作する。その後、再混合液体RMは、所望に応じて使用又は更に処理することができる。
【0087】
容器178は、吐出された再混合液体RMを貯留するものの1つの例にすぎないことが理解されよう。例えば、再混合液体RMは、(例えば、ガスクロマトグラフィ装置の)インジェクタ内又は別の液体を収容するリザーバ内に吐出することができる。
【0088】
幾つかの実施形態において、液体スタックLSMは、液体スタックLSMの形成の完了とプローブ150からの再混合液体RMの吐出との間の期間(保持時間)にわたって混合容積151内に保持され、それにより、記載したように、層LM1~LM16の液体体積VM1、VM2が拡散することを可能にする。保持時間は、所定の又は規定の最小期間とすることができる。幾つかの実施形態において、液体スタックLSMの層の全てを、少なくとも4秒間、隣接して界面をなす層とともに拡散させる。幾つかの実施形態において、液体スタックLSMの層の全てを、約4秒~100秒の範囲の拡散時間にわたって、隣接して界面をなす層とともに拡散させる。
【0089】
図14は、16の層LM1~LM16を含む液体スタックLSMを示しているが、実施形態に係る液体スタックは、より多数又は少数の層を含むことができる。幾つかの実施形態において、液体スタックLSMは、液体C1の少なくとも3つの層と、液体C2の少なくとも2つの層とを含む。
【0090】
幾つかの実施形態において、液体スタックLSMの各層LMは、約3マイクロリットル~25マイクロリットルの範囲の液体体積を有する。
【0091】
幾つかの実施形態において、液体スタックLSMの各層LMは、層高さに対する層直径の比率が少なくとも0.016である。
【0092】
幾つかの実施形態において、層LMの液体体積に対する液体スタックLSMの各層LMの各界面表面E3、E4の面積の比率は、少なくとも0.02 1/mmである。
【0093】
本明細書に記載される動作は、コントローラ120によって又はコントローラ120を通じて実行することができる。アクチュエータ134、146、148及び自動リキッドハンドリングシステム110の他の装置は、電子制御することができる。幾つかの実施形態によれば、コントローラ120は、記載した吸引、吐出、及びプローブ位置決めのうちの幾つか、及び幾つかの実施形態においては全てをプログラムに従って実行する。アクチュエータ134、146、148の動作は、コントローラ120によって完全に自動的にプログラムに従って実行することができる。コントローラ120には、ユーザコマンドを受信するHMI122を設けることができる。
【0094】
幾つかの実施形態において、液体スタックLSを形成する上述した吸引及びプローブ移動動作のそれぞれは、コントローラ120によって自動的にプログラムに従って実行される。幾つかの実施形態において、混合液体Mを吐出する上述した動作は、コントローラ120によって自動的にプログラムに従って実行される。
【0095】
再混合液体スタックLSMを形成する上述した吸引及びプローブ移動動作のそれぞれは、コントローラ120によって自動的にプログラムに従って実行することができる。幾つかの実施形態において、再混合液体RMを吐出する上述した動作は、コントローラ120によって自動的にプログラムに従って実行される。
【0096】
図4及び
図8に示されているように、混合容積151は、プローブ通路154の一部及びチューブ通路164の一部の双方を含むことができる。すなわち、プローブ通路154及びチューブ通路164は、混合容積151として組み合わせて使用される。他の実施形態において、混合容積151は、全体的にプローブ通路154内に又は全体的にチューブ通路164内に画定することができる。
【0097】
幾つかの実施形態において、プローブ通路154は、約0.1mm~1mmの範囲の内径を有する。
【0098】
幾つかの実施形態において、チューブ通路164は、約0.5mm~1.5mmの範囲の内径を有する。
【0099】
幾つかの実施形態において、混合容積151の総容積は、約10マイクロリットル~100マイクロリットルの範囲である。
【0100】
幾つかの実施形態において、混合容積151の長さは、約20mm~200mmの範囲である。
【0101】
幾つかの実施形態において、混合容積151の内径に対する混合容積151の長さの比率は、少なくとも25である。
【0102】
図17~
図19を参照すると、ここでは、更なる実施形態に係るリキッドハンドリングシステム310及び混合システム301が示されている。リキッドハンドリングシステム310及び混合システム301は、後述の点を除いて、リキッドハンドリングシステム110及び混合システム101について記載したものと同様に構築されるとともに動作することができる。リキッドハンドリングシステム310の記載において、同様の構成要素及び特徴は、リキッドハンドリングシステム110の記載において使用したものと同じ参照符号を使用して参照される。
【0103】
リキッドハンドリングシステム310は、第1の液体供給部S1’及び第2の液体供給部S2’(
図17)を備えることができる。第1の液体供給部S1’は、第1の液体供給部S1’が、第1の液体C1のそれぞれの体積VSC1をそれぞれ収容する複数のリザーバ371を有する容器370を備えることを除いて、第1の液体供給部S1に対応する。第2の液体供給部S2’は、第2の液体供給部S2’が、第2の液体C2のそれぞれの体積VSC2をそれぞれ収容する複数のリザーバ373を有する容器372を備えることを除いて、第2の液体供給部S2に対応する。
【0104】
リキッドハンドリングシステム310は、プローブモジュール140の代わりにプローブモジュール340を備える。プローブモジュール340は、モジュールベース342に取り付けられてともに移動する複数の(限定はしないが、図示のように4つの)管状プローブ150を備える。プローブ位置決めシステム144に対応するプローブ位置決めシステム(図示せず)が、プローブモジュール340及びプローブ150をデッキ112及びリザーバ371、373に対して移動させるように動作可能である。
【0105】
リキッドハンドリングシステム310は、複数のポンプ132及びポンプアクチュエータ334を備える圧力制御機構331も備える。ポンプ132のそれぞれは、それぞれのチューブ160によってプローブ150のそれぞれに流体結合される。
【0106】
幾つかの実施形態において、ポンプアクチュエータ334は、動作時にポンプ332をまとめて駆動する共通のポンプアクチュエータとして、ポンプ132に接続される。すなわち、ポンプアクチュエータ334が1つの方向又はモードで作動されると、ポンプアクチュエータ334は、それにより、ポンプ132の全てを駆動し、プローブ150の通路154内に負圧又は吸引圧力を発生させ、ポンプアクチュエータ334が第2の方向又はモードで作動されると、ポンプアクチュエータ334は、それにより、ポンプ132の全てを駆動し、プローブ150の通路154内に正圧又は吐出圧力を発生させる。ポンプアクチュエータ334は、ポンプ132を実質的に同時に又は同調して駆動することができる。
【0107】
他の実施形態において、各ポンプ132には、関連するポンプ132を独立して制御するように動作することができる固有のポンプアクチュエータが設けられる。
【0108】
リキッドハンドリングシステム310は、本技術の方法に従って、リキッドハンドリングシステム110と実質的に同様に使用することができるが、ただし、液体体積VC1、VC2は、一群として(及び幾つかの実施形態において、実質的に同時に)複数のプローブ150の混合容積151内に吸引される、複数のプローブ150の混合容積151内で拡散する、及び複数のプローブ150の混合容積151から吐出される。
【0109】
例えば、
図17に示されているように、プローブモジュール位置決めシステム344は、プローブモジュール340を移動させて、プローブ150をリザーバ371のそれぞれと鉛直に位置合わせ又は整合されるように配置し、プローブ150の先端部153をそれぞれの体積VSC1へと下降させる。次いで、ポンプアクチュエータ334は、ポンプ132を駆動し、各プローブ通路154内に真空又は負圧を発生させ、体積VSC1のうちの所望の又は規定の体積VC1を、プローブの入口156を通して関連するプローブ150のプローブ通路154内に吸引するように動作する。吸引された体積VM1は、
図17に示されているように、プローブ150の混合容積151内でそれぞれの第1の層L1を形成する。
【0110】
次いで、プローブモジュール位置決めシステム344は、プローブモジュール340を移動させて、プローブ150をリザーバ373のそれぞれと鉛直に位置合わせ又は整合されるように配置し、
図18に示されているように、プローブ150の先端部153をそれぞれの体積VSC2へと下降させる。次いで、ポンプアクチュエータ334は、ポンプ132を駆動し、各プローブ通路154内に真空又は負圧を発生させ、所望の又は規定の体積VC2を、体積VSC2からプローブの入口156を通して関連するプローブ150のプローブ通路154内に吸引するように動作する。吸引された体積VC2は、
図18に示されているように、プローブ150の混合容積151内でそれぞれの第2の層L2を形成する。
【0111】
図4~
図11を参照して液体スタックLSの形成について記載したものと同様に、上記は、プローブモジュール340の各プローブ150に関連する混合容積内でそれぞれの液体スタックLSを所望に応じて漸次形成するように繰り返すことができる。各液体スタックLSの層は、各混合容積151内でそれぞれの混合液体を形成するように拡散させることができる。それぞれの混合液体は、上述したようにプローブ150からそれぞれ吐出することができる。さらに、吐出された混合液体は、
図12~
図16を参照して上述したものと同様に、幾つかのプローブ150において再混合することができる。
【0112】
幾つかの実施形態において、リキッドハンドラ330は、各層Lを4つのプローブ150内に実質的に同時に吸引する。幾つかの実施形態において、リキッドハンドラ330は、各層の混合液体M(又はRM)を4つのプローブ150から実質的に同時に吐出する。
【0113】
記載される混合システム301及び方法において、プローブ150における混合手順は、並列プロセスとして実行されることが理解されよう。したがって、混合システム301は、所与の時間内でより大きな体積の液体を混合することができる。
【0114】
図17~
図19を参照して上述した上記吸引、吐出、及びプローブ移動動作のそれぞれは、
図4~
図16を参照して上述したコントローラ120によって自動的にプログラムに従って実行することができる。
【0115】
図17~
図19は、4つのプローブ150を備えるプローブモジュール、及び4つのリザーバをそれぞれ備える液体供給部を示しているが、より多数又は少数のプローブ及びリザーバを使用して、記載のように、並列して又は同時に吸引及び混合を行うことができる。また、プローブ150のうちの2つ以上が同じリザーバから吸引することができる。
【0116】
第1の液体C1は、第2の液体C2とは異なる組成を有することができる。
【0117】
幾つかの実施形態において、第1の液体C1は、第2の液体C2とは異なる化学組成を有する。
【0118】
幾つかの実施形態において、第1の液体C1は、第2の液体C2とは異なる粘度を有する。幾つかの実施形態において、液体C1、C2のうちの一方は、他方の液体C1、C2の粘度よりも少なくとも15%高い粘度を有する。
【0119】
第1の液体C1及び第2の液体C2のうちの一方又は双方は、混合物とすることができる。
【0120】
幾つかの実施形態において、第1の液体C1は、第1の液体バイオリアクタであり、第2の液体C2は、第2の液体バイオリアクタである。
【0121】
幾つかの実施形態において、液体C1、C2は、DNAシークエンシングライブラリを調製するプロセスの一環として、本明細書に記載されるように混合される。幾つかの実施形態において、液体C1、C2は、次世代シークエンシング(NGS:Next Generation Sequencing)用の試料を調製するプロセスの一環として、本明細書に記載されるように混合される。幾つかの実施形態において、第1の液体C1は、DNA断片を含む反応混合物であり、第2の液体C2は、リガーゼ酵素及び反応バッファを含む。
【0122】
幾つかの実施形態において、液体C1、C2は、生体反応の一環として、本明細書に記載されるように混合される。幾つかの実施形態において、液体C1、C2は、SPRIビーズ洗浄のプロセスの一環として、本明細書に記載されるように混合される。幾つかの実施形態において、液体C1、C2は、DNAオリゴハイブリダイゼーションアッセイにおけるプロセスの一環として、本明細書に記載されるように混合される。
【0123】
幾つかの実施形態において、自動リキッドハンドリングシステム110は、互いに異なる粘度を有する2つの液体を混合するために使用される高スループットのリキッドハンドリングシステムである。例えば、幾つかの実施形態において、自動リキッドハンドリングシステム110は、高スループットのリキッドハンドリングシステムであり、第1の液体C1は、DNAシークエンシングライブラリを調製するプロセスの第1の反応成分であり、第2の液体C2は、DNAシークエンシングライブラリを調製するプロセスの第2の反応成分である。第1の反応成分は、DNA断片を含むことができ、第2の反応成分は、ライゲーションバッファを含むことができ、第2の反応成分は、第1の反応成分よりも低い粘度を有する。幾つかの実施形態において、第1の反応成分は、末端修復及びアデニル化(ERA:end repair and adenylation)反応バッファであり、第2の反応成分は、ライゲーション反応バッファである。例えば、シークエンシングライブラリ調製プロトコル(例えば、36マイクロリットルのERA及び36マイクロリットルのライゲーション反応バッファを混合する)において、リキッドハンドリングシステム110は、最初に6マイクロリットルのERA、次に6マイクロリットルのライゲーション反応バッファ、次に6マイクロリットルのERAを吸引し、それにより、交互になった6マイクロリットルのERA及びライゲーション反応バッファにおける液体スタックLSを形成する。
【0124】
第1の液体及び第2の液体の特性又は他の要因に応じて、様々なパラメータを改変又は選択することができる。これらのパラメータとして、例えば、層Lの高さ、混合容積内での液体スタックLSの保持時間、層L間の最小拡散時間、液体スタックLSにおける層Lの数、液体スタックLSの総体積、及び混合容積151の寸法(例えば、プローブ通路154及びチューブ通路164の内径)を挙げることができる。
【0125】
幾つかの実施形態に係る混合手順は、更なるステップを含むことができる。例えば、液体供給部S1、S2のクロスコンタミネーションを防止又は低減するために、吸引ステップの合間に先端部153を洗浄液又はすすぎ液に浸すことができる。
【0126】
幾つかの実施形態において、混合液体M(又は再混合液体RM)は、チューブ160を通してリザーバ又は装置(分析器116等)に移送し、混合液体M(又は再混合液体RM)を混合容積151から吐出することができる。
【0127】
本明細書に例示及び記載される容器及びリザーバは、例にすぎず、任意の好適なリザーバを使用することができる。例えば、液体体積VSC1、VSC2、VSM1、VSM2、M、及びRMを保持及び収納するリザーバは、液体試料を直接収容する一体凹部若しくはレセプタクルを備えるウェルプレート若しくはマイクロウェルプレート、又はバイアル若しくは他の個別のベッセル(トレイ、ラック、キャリア、又はプラッタに据え付けることができる)とすることができる、又はそれらを含むことができる。
【0128】
プローブ150は、一部品ピペット又はカニューレとして図に示されているが、他のタイプ及び構成の管状プローブを使用することができる。例えば、各プローブ150は、ピペッタと、ピペッタに取外し可能に取り付けられるピペットチップとを含むことができる。この場合、先端部153は、ピペットチップの一部を形成することができる。
【0129】
本技術の実施形態に係るシステム及びホルダは、例えば、生物化学及び化学処理、リキッドハンドリング、並びに実験室における試料の分析に使用することができる。分析機器116は、任意の適した装置又は機器とすることができる。
【0130】
コントローラ120ロジックの実施形態は、全体がソフトウェアによる実施形態の形態をとることができる、又はソフトウェアの態様及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができ、これら全ては概して「回路」又は「モジュール」という。幾つかの実施形態において、回路は、ソフトウェア及びハードウェアの双方を含み、ソフトウェアは、既知の物理的な属性及び/又は構成を有する特定のハードウェアとともに動作するように構成される。さらに、コントローラロジックは、媒体に具現されたコンピュータ使用可能プログラムコードを有するコンピュータ使用可能記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。ハードディスク、CD-ROM、光学記憶装置、送信媒体、例えば、インターネット若しくはイントラネットをサポートする送信媒体、又は他の記憶装置を含む、任意の適したコンピュータ可読媒体を利用することができる。
【0131】
図20は、コントローラ120において使用することができる回路又はデータ処理システム402の概略図である。回路及び/又はデータ処理システムは、任意の適した装置又は複数の装置におけるデジタル信号プロセッサ410に組み込むことができる。プロセッサ410は、アドレス/データバス411を介してHMI122及びメモリ412と通信する。プロセッサ410は、任意の商業的に入手可能な又はカスタム仕様のマイクロプロセッサとすることができる。メモリ412は、データ処理システムの機能を実施するために使用されるソフトウェア及びデータを含むメモリ装置の全体系を代表するものである。メモリ412は、限定するものではないが、キャッシュ、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、SRAM、及びDRAMといったタイプの装置を含むことができる。
【0132】
図20は、データ処理システムにおいて使用される幾つかのカテゴリのソフトウェア及びデータ、例えば、オペレーティングシステム414、アプリケーションプログラム416、入出力(I/O)デバイスドライバ418、及びデータ420をメモリ412が含むことができることを示している。
【0133】
データ420は、機器に固有のデータを含むことができる。
図20は、データ420が、液体供給部データ422と、実験器具データ424と、プローブデータ426と、手順データ428とを含むことができることも示している。
【0134】
液体供給部データ422は、液体供給部S1、S2の特性に関する又はそれを表すデータを含むことができる。
【0135】
液体供給部データ422は、例えば、各容器170、172、174、176、178、370、372に対する一意の識別子(例えば、シリアル番号)及び/又は名称、各リザーバ171、173、175、371、373に対する一意の識別子及び/又は名称、及び/又はリザーバ内に収容された液体C1、C2の記述を含むことができる。液体供給部データ422は、容器及び/又はリザーバの寸法を含むことができる。液体供給部データ422は、リザーバの空間的又は幾何学的レイアウト又は位置を表す位置データを含むことができる。
【0136】
実験器具データ424は、混合液体M又は再混合液体RMを受け取るように意図された容器の特性に関する又はそれを表すデータを含むことができる。
【0137】
プローブデータ426は、液体供給部S1、S2、デッキ112、及び/又はシステム110の他の部分に対するプローブ150の空間的又は幾何学的レイアウト又は位置を表すプローブ位置データを含むことができる。
【0138】
プローブデータ426は、例えば、各プローブ150に対する一意の識別子(例えば、シリアル番号)及び/又は名称を含むことができる。プローブデータ426は、プローブ150及び/又はプローブモジュール140、340の寸法を含むことができる。プローブデータ426は、プローブ150及びプローブモジュール140、340の空間的又は幾何学的レイアウト又は位置を表す位置データを含むことができる。
【0139】
手順データ428は、本明細書に記載の手順を実行するためのプロトコル又はステップのシーケンスを表すデータを含むことができる。ステップのシーケンスは、コントローラ120によって実行される上記のステップの全て又は一部を含むことができる。ステップのシーケンスは、例えば、分析シーケンスを含むことができる。
【0140】
図20は、アプリケーションプログラム416が、リキッドハンドラ130を制御するリキッドハンドラ制御モジュール436と、分析器制御モジュール438とを含むことができることも示している。リキッドハンドラ制御モジュール436は、プローブ位置決めシステム144(例えば、アクチュエータ146、148を含む)を制御するモジュールと、圧力制御機構(例えば、ポンプアクチュエータ134を含む)を制御するモジュールとを含むことができる。分析器制御モジュール438は、分析器116の動作を制御するように構成することができる。
【0141】
当業者によって理解されるように、オペレーティングシステム414は、データ処理システムとともに使用するのに適した任意のオペレーティングシステムとすることができる。I/Oデバイスドライバ418は、典型的に、I/Oデータポート(複数の場合もある)、データストレージ、及び或る特定のメモリ構成要素等の装置と通信するためにアプリケーションプログラム416によってオペレーティングシステム414を通じてアクセスされるソフトウェアルーティンを含む。アプリケーションプログラム416は、データ処理システムの様々な機能を実施するプログラムを例証するものであり、本技術の実施形態に係る動作をサポートする少なくとも1つのアプリケーションを含むことができる。最後に、データ420は、アプリケーションプログラム416、オペレーティングシステム414、I/Oデバイスドライバ418、及びメモリ412内に存在し得る他のソフトウェアプログラムによって使用される静的及び動的なデータを表す。
【0142】
当業者によって理解されるように、本技術の教示の恩恵を受けながら、他の構成も利用することができる。例えば、1つ以上のモジュールは、オペレーティングシステム、I/Oデバイスドライバ、又はデータ処理システムの他のこのような論理的な区分に組み込むことができる。したがって、本技術は、
図20の構成に限定されるものとして解釈すべきではなく、本明細書に記載の動作を実行することが可能な任意の構成を包含することを意図している。さらに、モジュールのうちの1つ以上は、他の構成要素、例えば、コントローラ120と通信することができる、又はコントローラ120に全体的若しくは部分的に組み込むことができる。
【0143】
本技術の例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照し、本技術について本明細書において説明してきた。図面において、領域又は特徴部分の相対的な大きさは、明瞭化のために誇張される場合がある。しかし、本技術は、多くの異なる形態で具現できるものであり、本明細書において記載されている実施形態に限定して解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が詳細かつ完全なものとなり、当業者に対して本技術の範囲を十分に伝えるように提供される。
【0144】
様々な要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションについて説明するために本明細書において「第1の」、「第2の」等の用語を使用する場合があるが、これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定すべきでないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、又はセクションを別の領域、層、又はセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、以下で論じる第1の要素、構成要素、領域、層、又はセクションは、本技術の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、又はセクションという用語となる場合がある。
【0145】
「の下に(beneath)」、「の下に(below)」、「の下側の(lower)」、「の上に(above)」、「の上側の(upper)」等のような空間的に相対的な用語は、図に示す、1つの要素又は特徴部の、別の要素(複数の場合もある)又は特徴部(複数の場合もある)に対する関係を述べるため、説明の容易さのために本明細書において使用することができる。空間的に相対的な用語は、図に示す向きに加えて、使用中又は動作中の装置の異なる向きを包含することが意図されることが理解されるであろう。例えば、図における装置が反転される場合、他の要素又は特徴部「の下に(below)」又は「の下に(beneath)」として述べられる要素は、他の要素又は特徴部「の上に(above)」向けられることになる。そのため、例示的な用語「の下に(below)」は、「の上に(above)」の向きと「の下に(below)」の向きの双方を包含し得る。装置は、その他の方法で(90度回転して又は他の向きに)向けることができ、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語(descriptors)は、相応して解釈される。
【0146】
本明細書において用いられる場合、別段明示される場合を除き、単数形「a」、「an」及び「the」は、複数形も包含することを意図される。本明細書において用いられる場合、「備える、含む(includes、comprises)」及び/又は「備えている、含んでいる(including、comprising)」という用語は、述べられている特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが更に理解されるであろう。構成要素が別の構成要素に「接続」又は「連結」されているという場合、それは、他の構成要素に直接的に接続若しくは連結されている場合があるか、又は介在する構成要素が存在する場合があることが理解されるであろう。本明細書において用いられる場合、「及び/又は(and/or)」という用語は、関連付けられて列挙された項目のうちの1つ以上の任意及び全ての組み合わせを含む。
【0147】
「自動的に(automatically)」という用語は、動作が、実質的に、場合によっては全体的に、人間による入力又は手動による入力なしに実行されるとともに、プログラムに従って指示又は実行される場合があることを意味する。
【0148】
「プログラムに従って(programmatically)」という用語は、コンピュータプログラムモジュール、コード、及び/又は指示によって電子的に指示及び/又は主に実行される動作をいう。
【0149】
「電子的に(electronically)」という用語は、構成要素間の無線接続及び有線接続の双方を含む。
【0150】
本開示の利益を考えると、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、当業者は多くの変形及び変更を行うことができる。したがって、図示の実施形態が例示のために述べられたにすぎず、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明を限定するものととらえられるべきではないことを理解しなければならない。したがって、添付の特許請求の範囲は、文字通り記載されている要素の組み合わせだけでなく、実質的に同じ方法で実質的に同じ機能を行い実質的に同じ結果を得るための全ての等価な要素も含むものとして読み取られるものとする。したがって、特許請求の範囲は、上記で具体的に図示及び説明したもの、概念的な等価物、及び本発明の基本的な概念を組み込むものをも含むと理解されたい。
【国際調査報告】