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特表2024-522684可変電動式トランスミッションシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】可変電動式トランスミッションシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F16H 37/06 20060101AFI20240614BHJP
   F16H 37/04 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
F16H37/06 D
F16H37/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576427
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 US2022032844
(87)【国際公開番号】W WO2022261327
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】63/209,720
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523464990
【氏名又は名称】ゴブリン・コーポレーション・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ウィラード・アーウィン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ロバート・アーウィン
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AA04
3J062AB03
3J062AB06
3J062AC02
3J062BA31
3J062CG02
3J062CG03
3J062CG13
3J062CG14
3J062CG83
(57)【要約】
トランスミッションの駆動比を設定するための遊星歯車システムは、外リング歯車と、複数の遊星歯車と、内太陽歯車と、外リング歯車、複数の遊星歯車、および内太陽歯車のうちの1つに結合された第1の回転入力と、外リング歯車、複数の遊星歯車、および内太陽歯車のうちの別の1つに結合された第2の回転入力と、外リング歯車、複数の遊星歯車、および内太陽歯車のうちの残りの1つに結合された回転出力とを含む。いくつかの場合には、遊星歯車システムは、第2の遊星歯車システムと組み合わされ、遊星歯車システムの第1の回転入力と第2の遊星歯車システムの第1の回転入力とは同じであり、3つの入力から2つの独立した出力を生成することが可能になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッションの駆動比を設定するためのシステムであって、
第1の歯車システムであって、
第1の歯車と、
第2の歯車と、
第3の歯車とを備え、前記第1の歯車、前記第2の歯車、および前記第3の歯車は各々、前記第1の歯車システムの他の歯車のうちの少なくとも1つに機械的に係合される、第1の歯車システムと、
前記第1の歯車に結合された第1の回転入力と、
前記第2の歯車に結合された第2の回転入力と、
前記第3の歯車に結合された第1の回転出力と
を備える、システム。
【請求項2】
第2の歯車システムであって、
第4の歯車と、
第5の歯車と、
第6の歯車とを備え、前記第4の歯車、前記第5の歯車、および前記第6の歯車は各々、前記第2の歯車システムの他の歯車のうちの少なくとも1つに機械的に係合され、前記第1の回転入力が、前記第1の歯車とは反対側で前記第4の歯車に結合される、第2の歯車システムと、
前記第5の歯車に結合された第3の回転入力と、
前記第6の歯車に結合された第2の回転出力と
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1の平歯車および第2の平歯車をさらに備え、前記第1の回転入力は、前記第1の平歯車を介して前記第1の歯車に結合され、前記第2の回転入力は、前記第2の平歯車を介して前記第2の歯車に結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の回転入力に結合された第1の回転入力軸受と、前記第2の回転入力に結合された第2の回転入力軸受とをさらに備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の回転出力に結合された1つまたは複数の回転出力軸受をさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の回転入力軸受および前記第2の回転入力軸受は、前記第1の回転出力軸受と同軸ではない、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の回転入力軸受、前記第2の回転入力軸受、および前記第1の回転出力軸受は、トランスミッションマウントに結合される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
動作中、前記第1の回転入力は、前記第3の歯車を介した前記第1の回転出力のニュートラル動作のために、前記第2の回転入力が前記第2の歯車を運動させる周速度と同じ周速度で前記第1の歯車を運動させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
動作中、前記第1の回転入力は、前記第3の歯車を介した前記第1の回転出力の前進動作のために、前記第2の回転入力が前記第2の歯車を運動させる周速度よりも速い周速度で前記第1の歯車を運動させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
動作中、前記第1の回転入力は、前記第3の歯車を介した前記第1の回転出力の後退動作のために、前記第2の回転入力が前記第2の歯車を運動させる周速度よりも遅い周速度で前記第1の歯車を運動させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の歯車は、外リング歯車であり、前記第2の歯車は、内太陽歯車であり、前記第3の歯車は、複数の遊星歯車である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の歯車は、外リング歯車であり、前記第2の歯車は、内太陽歯車であり、前記第3の歯車は、偏心歯車である、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記外リング歯車および前記内太陽歯車に係合する二重偏心歯車をさらに備え、前記偏心歯車は、前記二重偏心歯車に結合される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記外リング歯車と前記内太陽歯車のベース直径は等しく、前記二重偏心歯車は、円錐状であり、前記外リング歯車および前記内太陽歯車の前記等しいベース直径を収容する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記外リング歯車、前記内太陽歯車、および前記二重偏心歯車の各々上に歯をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記外リング歯車、前記内太陽歯車、および前記二重偏心歯車の各々に対する摩擦制御をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
動作中、前記第1の回転入力および前記第2の回転入力の運動は、所望の出力速度に達するまで同時に調整される、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
動作中、動力の伝達が反転され、前記第1の回転出力に制動力をもたらし、または動力源のエネルギー回復をもたらす、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
トランスミッションシステムを制御する方法であって、前記トランスミッションシステムは、第1の歯車、第2の歯車、および第3の歯車を含む第1の歯車システムであって、前記第1の歯車、前記第2の歯車、および前記第3の歯車が各々、前記第1の歯車システムの他の歯車のうちの少なくとも1つに機械的に係合される、第1の歯車システムと、前記第1の歯車に結合された第1の回転入力と、前記第2の歯車に結合された第2の回転入力と、前記第3の歯車に結合された第1の回転出力とを備える、方法において、
所望の第1の回転出力速度を受信するステップと、
一般速度線式を使用して、前記所望の第1の回転出力速度を生成するために必要な定速度線を判定するステップと、
前記トランスミッションシステムの前記第1の回転出力の実際の出力速度を測定するステップと、
前記所望の第1の回転出力速度を前記トランスミッションシステムの前記第1の回転出力の前記実際の出力速度と比較するステップと、
前記所望の第1の回転出力速度が前記トランスミッションシステムの前記第1の回転出力の前記実際の出力速度と一致するまで、前記トランスミッションシステムの前記第1の回転入力および前記トランスミッションシステムの前記第2の回転入力を調整するステップと、
効率マップに基づいて、前記トランスミッションシステムの前記第1の回転入力および前記トランスミッションシステムの前記第2の回転入力を前記所望の第1の回転出力についての最も効率的な速度対に最適化するステップと
を含む、方法。
【請求項20】
前記トランスミッションシステムは、第4の歯車、第5の歯車、および第6の歯車を含む第2の歯車システムであって、前記第4の歯車、前記第5の歯車、および前記第6の歯車が各々、前記第2の歯車システムの他の歯車のうちの少なくとも1つに機械的に係合され、前記第1の回転入力が、前記第1の歯車とは反対側で前記第4の歯車に結合される、第2の歯車システムと、前記第5の歯車に結合された第3の回転入力と、前記第6の歯車に結合された第2の回転出力とをさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
所望の第2の回転出力速度を受信するステップと、
一般速度線式を使用して、前記所望の第2の回転出力速度を生成するために必要な定速度線を判定するステップと、
前記トランスミッションシステムの前記第2の回転出力の実際の出力速度を測定するステップと、
前記所望の第2の回転出力速度を前記トランスミッションシステムの前記第2の回転出力の前記実際の出力速度と比較するステップと、
前記所望の第3の回転出力速度が前記トランスミッションシステムの第4の回転出力の前記実際の出力速度と一致するまで、前記トランスミッションシステムの前記第3の回転入力および前記トランスミッションシステムの前記第4の回転入力を調整するステップと、
効率マップに基づいて、前記トランスミッションシステムの前記第3の回転入力および前記トランスミッションシステムの前記第4の回転入力を前記所望の第2の回転出力についての最も効率的な速度対に最適化するステップと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
直線駆動運動について、前記トランスミッションシステムの前記第1の回転出力の前記実際の出力速度を前記トランスミッションシステムの前記第2の回転出力の前記実際の速度と一致させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
左旋回運動の指示を受信するステップと、
前記左旋回運動の前記指示に応答して、前記トランスミッションシステムの前記第1の回転出力の前記実際の速度を前記トランスミッションシステムの前記第2の回転出力の前記実際の速度に対して低下させるステップと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
右旋回運動の指示を受信するステップと、
前記右旋回運動の前記指示に応答して、前記トランスミッションシステムの前記第1の回転出力の前記実際の速度を前記トランスミッションシステムの前記第2の回転出力の前記実際の速度に対して増加させるステップと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記トランスミッションシステムの前記第1の回転入力は、第1のモータに結合され、前記トランスミッションシステムの前記第2の回転入力は、第2のモータに結合され、前記方法は、ゼロトルク荷重の下で前記第1のモータまたは前記第2のモータを始動するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
モータトルクリップルの伝達を低減させるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
トランスミッションの駆動比を設定するための結合システムであって、
左歯車システムと、
右歯車システムと、
前記左歯車システムおよび前記右歯車システムに結合された第1の回転入力と、
前記左歯車システムに結合された第2の左回転入力と、
前記右歯車システムに結合された第2の右回転入力と、
前記左歯車システムに結合された左回転出力と、
前記右歯車システムに結合された右回転出力と
を備える、結合システム。
【請求項28】
動作中、前記左回転出力の速度は、前記右回転出力の速度に依存しない、請求項27に記載の結合システム。
【請求項29】
トランスミッションシステムの駆動比を設定するためのシステムであって、
第1の歯車システムであって、
第1の歯車と、
第2の歯車と、
第3の歯車とを備え、前記第1の歯車、前記第2の歯車、および前記第3の歯車は各々、前記第1の歯車システムの他の歯車のうちの少なくとも1つに機械的に係合される、第1の歯車システムと、
前記第1の歯車に結合された第1の回転入力と、
前記第2の歯車に結合された第2の回転入力と、
前記第3の歯車に結合された第1の回転出力とを備え、前記第1の歯車システムは、モーメントオフセットを実現して、前記第1の回転入力、前記第2の回転入力、および前記第1の回転出力上でトルク力を支えるように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来のガソリン車およびディーゼル車は、温室効果ガスを放出し、ますます多くの国が放出量を低減させようとしているので、電気自動車および電気機器に対する要件が増大している。したがって、電気自動車および電気機器については、そのトランスミッションシステムを含めて、設計および効率がかつてないほどに重要になっている。電気自動車がこの増大する件を満たすには、より効率的でより柔軟なトランスミッションシステムが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
可変電動式トランスミッションシステムおよび方法が提供される。有利には、本明細書で説明する可変電動式トランスミッションシステムの単純な設計によって、電気自動車および/またはハイブリッド車/機器における個々の車輪を(たとえば、車軸に沿ってまたは一輪構成において)独立に制御することが可能になり、同時に、最も効率的な(たとえば、入力の)速度対を選択する方法を使用して、所望の出力速度をもたらす。加えて、本明細書で説明する可変電動式トランスミッションシステムおよび方法のいくつかの実施形態は、3入力2出力設計について入力の共有を可能にする結合設計を可能にする。さらに、本明細書で説明する可変電動式トランスミッションシステムのいくつかの実装形態において設けられる1つまたは複数の軸受によって支えられるモーメントオフセットをもたらすことによって、トルク増大が実現される。
【0003】
可変電動式トランスミッションシステムは、トランスミッションの駆動比を設定するために使用することができ、第1の歯車、第2の歯車、および第3の歯車を含む第1の歯車システムを含み、第1の歯車、第2の歯車、および第3の歯車は各々、第1の歯車システムの他の歯車のうちの少なくとも1つに機械的に係合する。システムは、第1の歯車に結合された第1の回転入力と、第2の歯車に結合された第2の回転入力と、第3の歯車に結合された第1の回転出力とをさらに含む。
【0004】
いくつかの場合には、システムは、第4の歯車、第5の歯車、および第6の歯車を含む第2の歯車システムをさらに含み、第4の歯車、第5の歯車、および第6の歯車は各々、第2の歯車システムの他の歯車のうちの少なくとも1つに機械的に係合する。いくつかの場合には、システムは、第1の歯車とは反対側で第4の歯車に結合された第1の回転入力と、第5の歯車に結合された第3の回転入力と、第6の歯車に結合された第2の回転出力とをさらに含む。
【0005】
いくつかの場合には、システムは、第1の平歯車および第2の平歯車をさらに含み、第1の回転入力は、第1の平歯車を介して第1の歯車に結合され、第2の回転入力は、第2の平歯車を介して第2の歯車に結合される。いくつかの場合には、システムは、第1の回転入力に結合された第1の回転入力軸受と、第2の回転入力に結合された第2の回転入力軸受とをさらに含む。いくつかの場合には、システムは、第1の回転出力に結合された1つまたは複数の回転出力軸受をさらに含む。いくつかの場合には、第1の歯車システムは、モーメントオフセットを実現して、第1の回転入力、第2の回転入力、および第1の回転出力に対するトルク力を支えるように構成される。いくつかの場合には、第1の回転入力軸受および第2の回転入力軸受は、第1の回転出力軸受と同軸ではない。いくつかの場合には、第1の回転入力軸受、第2の回転入力軸受、および第1の回転出力軸受は、トランスミッションマウントに結合される。
【0006】
いくつかの場合には、動作中、第1の回転入力は、第3の歯車を介した第1の回転出力のニュートラル動作のために、第2の回転入力が第2の歯車を運動させる周速度と同じ周速度で第1の歯車を運動させる。いくつかの場合には、動作中、第1の回転入力は、第3の歯車を介した第1の回転出力の前進動作のために、二次回転入力が第2の歯車を運動させる周速度よりも速い周速度で第1の歯車を運動させる。いくつかの場合には、動作中、第1の回転入力は、第3の歯車を介した第1の回転出力の後退動作のために、二次回転入力が第2の歯車を運動させる周速度よりも遅い周速度で第1の歯車を運動させる。
【0007】
いくつかの場合には、第1の歯車は、外リング歯車であり、第2の歯車は、内太陽歯車であり、第3の歯車は、複数の遊星歯車である。いくつかの場合には、第1の歯車は、外リング歯車であり、第2の歯車は、内太陽歯車であり、第3の歯車は、偏心歯車である。いくつかの場合には、システムは、外リング歯車および内太陽歯車に係合する二重偏心歯車をさらに含み、偏心歯車は、二重偏心歯車に結合される。いくつかの場合には、外リング歯車と内太陽歯車のベース直径は等しく、二重偏心歯車は、円錐状であり、外リング歯車および内太陽歯車の等しいベース直径を収容する。いくつかの場合には、システムは、外リング歯車、内太陽歯車、および二重偏心歯車の各々上に歯をさらに含む。いくつかの場合には、システムは、外リング歯車、内太陽歯車、および二重偏心歯車の各々に対する摩擦制御をさらに含む。
【0008】
いくつかの場合には、動作中、第1の回転入力および第2の回転入力の運動は、所望の出力速度に達するまで同時に調整される。いくつかの場合には、動作中、動力の伝達が反転され、第1の回転出力に制動力をもたらし、または動力源のエネルギー回復をもたらす。
【0009】
可変電動式トランスミッションシステムを制御する方法は、所望の第1の回転出力速度を受信するステップと、一般速度線式を使用して、所望の第1の回転出力を生成するために必要な定速度線を判定するステップと、トランスミッションシステムの第1の回転出力の実際の出力速度を測定するステップと、所望の第1の回転出力速度をトランスミッションシステムの第1の回転出力の実際の出力速度と比較するステップと、所望の第1の回転出力速度がトランスミッションシステムの第1の回転出力の実際の出力速度と一致するまで、トランスミッションシステムの第1の回転入力およびトランスミッションシステムの第2の回転入力を調整するステップと、効率マップに基づいて、トランスミッションシステムの第1の回転入力およびトランスミッションシステムの第2の回転入力を所望の第1の回転出力についての最も効率的な速度対に最適化するステップとを含む。
【0010】
いくつかの場合には、方法は、所望の第2の回転出力速度を受信するステップと、一般速度線式を使用して所望の第2の回転出力速度を生成するために必要な定速度線を判定するステップと、トランスミッションシステムの第2の回転出力の実際の出力速度を測定するステップと、所望の第2の回転出力速度をトランスミッションシステムの第2の回転出力の実際の出力速度と比較するステップと、所望の第2の回転出力速度がトランスミッションシステムの第2の回転出力の実際の出力速度と一致するまでトランスミッションシステムの第3の回転入力およびトランスミッションシステムの第4の回転入力を調整するステップと、効率マップに基づいて、トランスミッションシステムの第3の回転入力およびトランスミッションシステムの第4の回転入力を所望の第2の回転出力についての最も効率的な速度対に最適化するステップと、をさらに含む。
【0011】
いくつかの場合には、方法は、直線駆動運動について、トランスミッションシステムの第1の回転出力の実際の出力速度をトランスミッションシステムの第2の回転出力の実際の出力速度と一致させるステップをさらに含む。いくつかの場合には、方法は、左旋回運動の指示を受信するステップと、左旋回運動の指示に応答して、トランスミッションシステムの第1の回転出力の実際の速度をトランスミッションシステムの第2の回転出力の実際の速度に対して低下させるステップとをさらに含む。いくつかの場合には、方法は、右旋回運動の指示を受信するステップと、右旋回運動の指示に応答して、トランスミッションシステムの第1の回転出力の実際の速度をトランスミッションシステムの二次回転出力の実際の速度に対して増加させるステップとをさらに含む。
【0012】
いくつかの場合には、可変トランスミッションシステムの第1の回転入力は、第1のモータに結合され、トランスミッションシステムの第2の回転入力は、第2のモータに結合され、方法は、ゼロトルク荷重の下で第1のモータまたは第2のモータを始動するステップをさらに含む。いくつかの場合には、方法は、モータトルクリップルの伝達を低減させるステップをさらに含む。
【0013】
トランスミッションの駆動比を設定するための結合システムの形をした可変トランスミッションシステムは、左歯車システムと、右歯車システムと、左歯車システムおよび右歯車システムに結合された第1の回転入力と、左歯車システムに結合された第2の左回転入力と、右歯車システムに結合された第2の右回転入力と、左歯車システムに結合された左回転出力と、右歯車システムに結合された右回転出力とを含む。いくつかの場合には、動作中、左回転出力の速度は、右回転出力の速度に依存しない。
【0014】
この概要は、以下の詳細な説明においてさらに説明する選択された概念を簡略的に紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴または必須の特徴を識別することを意図するものでも、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】非固定遊星歯車セットを示す図である。
図2A】偏心歯車セットを示す図である。
図2B】偏心歯車セットを示す図である。
図3A】二重偏心歯車セットを示す図である。
図3B】二重偏心歯車セットを示す図である。
図3C】二重偏心歯車セットを示す図である。
図3D】二重偏心歯車セットを示す図である。
図4】対称歯形二重偏心歯車セットを示す図である。
図5】太陽歯車を出力として有する非固定遊星歯車セットについての速度対のグラフを示す図である。
図6】モータ速度を所望の動力の関数として選択するために使用される効率マップを示す図である。
図7】非固定遊星歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられるモーメントオフセットを示す図である。
図8A】偏心歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられる非対称歯形を示す図である。
図8B】偏心歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられる非対称歯形を示す図である。
図9】非固定遊星歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられる非対称歯形を示す図である。
図10】非対称歯形非固定遊星歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられる2つのモーメントオフセットを示す図である。
図11】T構成歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられるモーメントオフセットを示す図である。
図12】同じ第1の回転入力に結合されるが、異なる第2の回転入力源に結合された2つの非固定遊星歯車セットを示す図である。
図13】同じ第1の回転入力に結合されるが、異なる第2の回転入力源に結合された2つの非固定遊星歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられるモーメントオフセットを示す図である。
図14】トランスミッションシステムを制御する方法を示す図である。
図15】いくつかの実施形態において使用されるコントローラの構成要素を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
様々な電動式トランスミッションシステムおよび方法が提供される。有利には、本明細書で説明する可変電動式トランスミッションシステムの単純な設計は、電気自動車および/またはハイブリッド車/電気機器および/またはハイブリッド機器における個々の車輪の(たとえば、車軸に沿った、または一輪構成における)独立した制御を可能にし、同時に、最も効率的な(たとえば、入力の)速度対を選択する方法を使用して所望の出力速度を実現する。加えて、本明細書で説明する可変電動式トランスミッションシステムおよび方法のいくつかの実施形態は、3入力2出力設計について入力の共有を可能にする結合設計を可能にする。さらに、本明細書で説明する可変電動式トランスミッションシステムのいくつかの実装形態において設けられる1つまたは複数の軸受によって支えられるモーメントオフセットをもたらすことによって、トルク増大が実現される。
【0017】
図1図2A図2B図3A図3D、および図4に示す構成を含め、説明した可変電動式トランスミッションシステムに使用することができる歯車セットには多数の異なる構成がある。
【0018】
図1は、非固定遊星歯車セットを示す。図1を参照すると、非固定遊星歯車セット100は、外リング歯車102と、複数の遊星歯車104と、内太陽歯車106とを含む。いくつかの場合には、外リング歯車102は、第1の回転入力に結合され、内太陽歯車106は、第2の回転入力に結合され、複数の遊星歯車104は、(たとえば、遊星歯車キャリアを介して)回転出力に結合される。
【0019】
入力および出力をこのように構成すると、動作中、遊星歯車セット100は、複数の遊星歯車104を介して、回転出力のニュートラル動作のために(たとえば、互いに逆方向に)同じ周速度および/または回転速度で、外リング歯車102を運動させる第1の回転入力と、内太陽歯車106を運動させる第2の回転入力とを有し、複数の遊星歯車104を介して、回転出力の前進動作のために、太陽歯車106を運動させる第2の回転入力よりも速い周速度および/または回転速度で外リング歯車102を運動させる第1の回転入力を有し、複数の遊星歯車104を介して、回転出力の後退動作のために、太陽歯車106を運動させる第2の回転入力よりも遅い周速度および/または回転速度で外リング歯車102を運動させる第1の回転入力を有する。
【0020】
図2Aおよび図2Bは、偏心歯車セットを示す。図2Aおよび図2Bを参照すると、偏心歯車セット200は、外リング歯車202と、入力側206および出力側208を有する内太陽歯車204と、内太陽歯車204の出力側208に結合された偏心クランク歯車210と、外リング歯車202に結合された第1の回転入力と、内太陽歯車204の入力側206に結合された第2の回転入力と、偏心クランク歯車210に結合された第1の回転出力とを含む。
【0021】
入力および出力をこのように構成すると、動作中、偏心歯車セット200は、(たとえば、偏心クランク歯車210の軌道運動なし)偏心クランク歯車210のニュートラル動作のために(たとえば、互いに逆方向に)同じ周速度および/または回転速度で、外リング歯車202を運動させる第1の回転入力と、内太陽歯車204を運動させる第2の回転入力とを有し、偏心クランク歯車210の前進動作(たとえば、偏心クランク歯車210の正方向軌道運動)のために、内太陽歯車204を運動させる第2の回転入力よりも速い周速度および/または回転速度で外リング歯車202を運動させる第1の回転入力を有し、偏心クランク歯車210の後退動作(たとえば、偏心クランク歯車210の負方向軌道運動)のために、内太陽歯車204を運動させる第2の回転入力よりも遅い周速度および/または回転速度で外リング歯車202を運動させる第1の回転入力を有する。
【0022】
図3A図3Dは、二重偏心歯車セットを示す。図3Aおよび図3Bを参照すると、二重偏心歯車セット300は、外リング歯車302と、内太陽歯車304と、外リング歯車302および内太陽歯車304を係合する二重偏心歯車306と、二重偏心歯車306に結合された偏心クランク歯車308と、外リング歯車302に結合された第1の回転入力と、内太陽歯車304に結合された第2の回転入力と、偏心クランク歯車308に結合された第1の回転出力とを含む。
【0023】
入力および出力をこのように構成すると、動作中、偏心歯車セット300は、偏心クランク歯車308のニュートラル動作のために(たとえば、互いに逆方向に)同じ周速度および/または回転速度で、外リング歯車302を運動させる第1の回転入力と、内太陽歯車304を運動させる第2の回転入力とを有し、偏心クランク歯車308の前進動作のために、内太陽歯車304を運動させる第2の回転入力よりも速い周速度および/または回転速度で外リング歯車302を運動させる第1の回転入力を有し、偏心クランク歯車308の後退動作のために、内太陽歯車304を運動させる第2の回転入力よりも遅い周速度および/または回転速度で外リング歯車302を運動させる第1の回転入力を有する。
【0024】
図3Cおよび図3Dを参照すると、二重偏心歯車320は、偏心クランク歯車322に結合される(たとえば、内太陽歯車または外リング歯車は図示していない)。二重偏心歯車320は、内太陽歯車(たとえば、図3Aの内太陽歯車304)に係合するための内歯324と、外リング歯車(たとえば、図3Aの外リング歯車302)に係合するための外歯326とを含む。他の場合には、二重偏心歯車320は、摩擦制御(たとえば、二重偏心歯車、内太陽歯車、および/または外リング歯車は、摩擦を介して互いに対して運動させられる)を含む。上記で説明した偏心歯車セット200および遊星歯車セット100も、内歯および外歯ならびに/または摩擦制御を含んでもよいことを理解されたい。さらに、摩擦制御は、互いに対して動く物体(たとえば、歯車)の表面によって生成される摩擦力を使用することを指し、摩擦力は、他の場合には静止している物体を大幅な摺動なしに動かすのに十分な大きさを有する。
【0025】
図4は、対称歯形二重偏心歯車セットを示す。図4を参照すると、対称歯形二重偏心歯車セット400は、外リング歯車402と、内太陽歯車404と、外リング歯車402および内太陽歯車404に係合する円錐状二重偏心歯車406と、円錐状二重偏心歯車406に結合された偏心クランク歯車408と、外リング歯車402に結合された第1の回転入力と、内太陽歯車404に結合された第2の回転入力とを含む。いくつかの場合には、円錐状二重偏心歯車406に起因して、外リング歯車402と内太陽歯車404の直径は同じであり、有利には、他の構成および平衡荷重よりも入力速度を近付けることが可能になる。言い換えれば、円錐状二重偏心歯車406の円錐状は、外リング歯車402と内太陽歯車404の等しいベース直径を収容する。
【0026】
出力ならびに第1の入力および第2の入力は、上記の各システム/構成に対して定義されるが、出力ならびに第1の入力および/または第2の入力は、それぞれのシステムとともに説明する歯車のうちのいずれか1つに結合されてもよいことを理解されたい。
【0027】
図5は、太陽歯車を出力として有する非固定遊星歯車セットについての定速度線のグラフを示す。各線は、無限数の速度対で構成される。速度対は、入力(たとえば、第1の回転入力および第2の回転入力)の速度を表す数字の対を指す。理論上、速度対の範囲は無限であるが、実際の用途では、速度対は軸受、歯車装置、および回転入力最高速度によって限定される。速度対は、特定の機械構成(たとえば、遊星歯車セット、偏心歯車セット、二重偏心歯車セット、および/または対称歯形二重偏心歯車セット、ならびに歯車セット内の各歯車の歯数および/または直径)の一般制御法則によって生成される。一般制御法則は、出力に使用される歯車/要素によって定義される。
【0028】
非固定遊星歯車セットは、3つの潜在的な出力(たとえば、内太陽歯車、複数の遊星歯車、および外リング歯車)を有し、残りの2つの歯車は、入力に使用される。出力としての内太陽歯車(Ssun)の周速度および/または回転速度、出力としての複数の遊星歯車(Splanar)の周速度および/または回転速度、ならびに出力としての外リング歯車(Sring)の周速度および/または回転速度についての一般制御法則は次の通りである。
Ssun = ((Tsun + Tring)/Tsun) × Splanet - (Tring / Tsun) × Sring
Splanet = (Tring / (Tsun + Tring)) × Sring + (Tsun / (Tsun + Tring)) × Ssun
Sring = ((Tsun + Tring) /Tring) × Splanet - (Tsun / Tring) × Ssun
【0029】
「S」が周速度および/または回転速度を指し、「T」がその歯車の歯数を指すことを理解されたい。しかし、摩擦制御設計では、歯数をその構成要素の円周で置き換えることができる。
【0030】
偏心歯車セットの偏心クランク歯車の軌道運動の速度についての一般制御法則は次の通りである。
Sorbit = SRing - SSun × (TSun / TRing)
【0031】
一例として、出力としての複数の遊星歯車(Splanar)の周速度および/または回転速度についての一般制御法則は、一般速度線式をもたらす。
Y = ((TRing + TSun) / TRing) X - S (TRing / TSun)
【0032】
この数式によって、任意の所望の出力速度についての速度線を得ることができる。定速度線は、任意の所望の出力速度についての無限数の速度対を含む。実際、これによって、入力速度および出力速度の分離が可能になり、回転入力源に関する最大効率設定が可能になる。X変数およびY変数は、線(Y=mX+b)の傾き切片式から得られる同じ変数であることを理解されたい。いずれの場合も、一般速度線式では、出力速度がゼロであるとき、最終項(たとえば、"-S(TRing/TSun)")は削除され、数式によって特定の歯数についてのニュートラル速度線が得られる。
【0033】
図5を参照すると、出力として太陽歯車を有する非固定遊星歯車セットについての速度対のグラフ500が図示されている。グラフ500は、(たとえば、Y軸502に沿った)外リング歯車速度についての入力、および(たとえば、X軸504に沿った)複数の遊星歯車速度についての入力を含む。外リング歯車速度と複数の遊星歯車速度をニュートラル線506に沿って任意に組み合わせることによって、太陽歯車については出力速度がゼロになる。たとえば、複数の遊星歯車速度については入力が-100単位であり、外リング歯車速度については入力が-140単位である速度対(たとえば、点508として示されている)によって、太陽歯車については出力速度がゼロになる。複数の遊星歯車速度については入力が100単位であり外リング歯車速度については入力が140単位である速度対(たとえば、点510として示されている)によっても、太陽歯車については出力速度がゼロになる。実際、ニュートラル線506に沿って見られる任意の速度対によって、太陽歯車については出力速度がゼロになる。
【0034】
外リング歯車速度と複数の遊星歯車速度を850単位速度線512に沿って任意に組み合わせると、太陽歯車については出力速度が850単位になる。単位は、毎分回転数(RPM)、°/sなどであってもよい。たとえば、複数の遊星歯車速度については入力が180単位であり外リング歯車速度については入力が-100単位である速度対(たとえば、点514として示されている)によって、太陽歯車については出力速度が850単位になる。複数の遊星歯車速度について320単位および外リング歯車速度について100単位の入力を含む速度対(たとえば、点516として示されている)によって、太陽歯車については出力速度が850単位になる。実際、850単位速度線512に沿って見られる任意速度対によって、太陽歯車については出力速度が850単位になる。傾きは、歯車セットにおける歯数および/または歯車セットについての円周によって決定されるので、ニュートラル線506と850単位速度線512の両方について傾きは1.4である。いずれかの入力が変化すると、出力速度が変化することを理解されたい。
【0035】
以下の表1に示されているように、入力を変更することによって、出力が非直線的に変化する。たとえば、複数の遊星歯車については6000単位であり外リング歯車については8400単位である(かつ内太陽歯車については20歯であり、外リング歯車については50歯である)の速度対によって、太陽歯車については出力速度がゼロになる。遊星入力速度を1だけ増加させると、太陽歯車については出力速度が3.5増加する(たとえば、0から3.5に増加する)。両方の入力速度を1だけ増加させると、太陽歯車については出力速度が1しか増加せず(たとえば、0から1に増加する)、このことは、両方の入力速度が、所望の出力速度に到達するまで同時に変化したことを示す(たとえば、出力速度のより微細な制御を実現する)。しかし、単に外リング歯車の速度を(たとえば、8400単位から)8000単位に変更し、他のすべてを変更せずにおくことによって、内太陽歯車の出力は1000単位に変化する。
【0036】
表1は、電動式トランスミッションの全動作範囲をさらに示す。後退動作(10単位速度)から高前進速度(-1000単位速度)。デバイスの高非直線性態様も示されている。一次入力が9001から9500まで変化する(5.5%)と、出力速度は-2から-1000まで変化し、50000%増大する。
【0037】
【表1】
【0038】
以下の表2に示すように、変数(たとえば、出力として使用される歯車、いずれかの入力の速度、および/または歯車における歯数)が変化すると、出力速度が(いくつかの場合には、大幅に)変化する。
【0039】
【表2】
【0040】
上記の表は、2つの回転入力を介した出力速度の制御を表すが、必要な機能は、使用される制御方法のタイプに依存する。いくつかの用途では、制御は、入力モータ動力を指定し、システムが3つの対抗トルク(2つの入力および1つの出力)間の自然設定点を見つけることを可能にしてもよい。両方の速度入力が(上記で説明したように)指定された場合、システムは正方向に制御される。一方の速度入力が指定され、他方の入力動力が指定された場合、システムは、準正方向に制御される。両方の入力が動力制御される場合、システムは浮動制御される。実際、3つの主なタイプのシステム制御、すなわち、動力ベース制御、効率ベース制御、および速度ベース制御がある。入力のうちのいずれか1つは、共通の制御方法または異なる制御方法を使用してもよく、制御方法は、動作中に変更されてもよい。
【0041】
速度ベース制御は、(上記で説明したように)入力の速度を指定する。動力ベース制御は、駆動モータが利用可能な動力を(たとえば、スロットルを介して速度を制御するガソリン車の運転手と同様なパルス幅変調方法を介して)直接絞り込むことによって実現される。効率ベース制御は、モータの効率マップを使用して入力を制御する必要がある。このマップは、定動力曲線および各曲線の最高効率との交差を用いてプロットされる。得られる曲線を使用して、モータ速度が所望の動力の関数として指定される。
【0042】
図6は、モータ速度を所望の動力の関数として選択するために使用される効率マップを示す。図6を参照すると、モータの効率マップ600が示されている。20馬力602および30馬力604についての定動力曲線が効率マップ600をとともにプロットされている。最適効率曲線606もプロットされている。したがって、任意の所望の速度および/または動力入力について、最適効率曲線606に沿った最高効率点を選択することができる。たとえば、20馬力が必要である場合、20馬力602についての最適効率曲線606と定動力曲線の交差点608を入力として選択することができる。
【0043】
一例として、効率ベース制御を第1の入力として使用してもよく、動力ベース制御を第2の入力として使用してもよい。30%動力の出力が必要である場合、第1の入力は、その動力レベルでの最高効率に関連付けられた速度で動作する。二次入力は、単に最大動力の30%提供される。システムは、この場合、所与の入力および出力負荷についてシステムの自然出力速度に浮動する(これは準正方向制御である)。これは、一次入力の最高効率および二次入力の最適効率に関連付けられたトルクレベルであるか、それに近いレベルであるべきである。このことを実現するために、システムは、正しい遊星歯車比を選択することによって入力モータのトルク要件を平衡させる。
【0044】
上記で説明した3種の制御は、異なる用途に応じて修正することができる。ソフトスタートおよびより厳密な速度制御は、陽性制御の修正形態である複合速度調整を介して実施することができる。この場合、一次入力速度と二次入力速度の両方が一緒にかつ連携して変更される。これによって、出力速度のより厳密な制御が可能になる。車両の低速動作の場合、システムは、複合速度調整を選択してより優れた制御を実行し、次いで、加速および高速動作のための別のモードに切り替えてもよい。
【0045】
のこぎり歯制御は、陽性制御の別の修正形態である。この場合、第2の入力速度が調整され、第1の入力速度が固定される。第2の入力速度が所望の最大値に達した後、第1の入力速度と第2の入力速度の両方が、定速度線に沿って所望の最低の第2の入力速度に調整される。第2の入力速度は次いで、第1の入力速度が固定された状態で増加し、プロセスが繰り返される。これによって、両方の入力がより狭い速度範囲で動作することが可能になる。
【0046】
支持制御は、のこぎり歯制御の拡張形態である。この場合、のこぎり歯制御は、システムによって増幅され、「感じられる」ように設計される。これによって、従来のトランスミッションにおけるシフトがシミュレートされる。
【0047】
回生制動は、モータを発電機用の入力に利用することによって実現される。この場合、機械的出力がシステム入力になる。モータは、速度線に沿って運動してニュートラル速度線に達することによってこの入力に対抗するように制御される。いくつかの場合には、動作中、動力伝達が反転され、制動およびエネルギー回復がもたらされる。
【0048】
速度対の陽性制御選択は常に、第1の入力と第2の入力の両方の速度を指定する。速度対の陽性制御選択を実施するシステムはまず、一般速度線式を使用して、所望の出力速度を生成するために必要な定速度線を判定する。次に、現在の出力速度が測定され、所望の出力速度と比較される。速度対は次いで、入力速度を加速または減速して所望の出力速度を生成することによって調整される。入力(たとえば、モータ)から提供または除去される動力は、測定された速度と所望の速度との差に比例する。システムは、その制御アルゴリズムに基づいて動力を計算し制御する。制御アルゴリズムは特定の用途に依存する(たとえば、スポーツカー対トラック)。システムはまた、速度線に向かう各入力速度の進行を監視し、入力速度が集合的に動くように相対動力を調整する。所望の速度が実現された後、システムは現在の条件について(たとえば、効率マップに基づいて)最も効率的な速度対に最適化する。一次駆動装置に供給される動力が、測定され、効率マップから作成された動力対効率曲線と比較される。第1の入力の速度が、この速度に調整され、第2の入力が、その速度対についての対応する値に調整され、両方の入力が定速度線上に維持される。
【0049】
図7は、非固定遊星歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられるモーメントオフセットを示す。図7を参照すると、非固定遊星歯車セット700は、第1の平歯車704に結合された第1の回転入力702を含み、第1の平歯車704は、遊星歯車キャリア706に機械的に係合する(たとえば、第1の回転入力702は、第1の平歯車704を介して遊星歯車キャリア706を駆動する)。いくつかの場合には、遊星歯車キャリア706は、外歯を介して第1の平歯車704に機械的に係合され、いくつかの場合には、遊星歯車キャリア706は、摩擦制御を介して第1の平歯車704に機械的に係合される。遊星歯車キャリア706はまた、(たとえば、外歯または摩擦制御を介して)外リング歯車710および内太陽歯車712に機械的に係合された複数の遊星歯車708を含む。第1の回転入力702に結合された第1の回転入力軸受714は、第1の回転入力702上でトルク力を支えるために含まれている。
【0050】
非固定遊星歯車セット700は、第2の平歯車718に結合された第2の回転入力716をさらに含み、第2の平歯車718は、外リング歯車710に機械的に係合される(たとえば、第2の回転入力716は、第2の平歯車718を介して外リング歯車710を駆動する)。いくつかの場合には、外リング歯車710は、外歯を介して第2の平歯車718に機械的に係合され、いくつかの場合には、外リング歯車710は、摩擦制御を介して第2の平歯車718に機械的に係合される。外リング歯車710はまた、(たとえば、内歯または摩擦制御を介して)複数の遊星歯車708に機械的に係合される。第2の回転入力716に結合された第2の回転入力軸受719は、第2の回転入力716上でトルク力を支えるために含められる。この例では、第2の回転入力716は中空であり、それによって、第1の回転入力702を第2の回転入力内に配置することが可能になり、それによって、第1の回転入力702および第2の回転入力716が同じ軸に沿って揃えられ、かつ/または動作する。
【0051】
非固定遊星歯車セット700は、内太陽歯車712に結合された第1の回転出力720をさらに含み、内太陽歯車712は、(たとえば、外歯または摩擦制御を介して)複数の遊星歯車708に機械的に係合される。上記で説明したように、内太陽歯車712の運動は、複数の遊星歯車708/遊星歯車キャリア706および外リング歯車710の回転運動(たとえば、RPM)に依存する。第1の回転出力720に結合された1つまたは複数の出力軸受722はまた、第1の回転出力720上でトルク力を支えるために含められる。図示のように、第1の回転入力軸受714および第2の回転入力軸受719は、1つまたは複数の第1の回転出力軸受722と同軸ではなく、それによって、軸受714、719、および722上にトルク力が半径方向に加わる。いくつかの場合には、軸受714、719、および722は、トランスミッションマウントに結合され、機械のフレーム(たとえば、車両のフレーム)にトルク力を伝達するのを可能にする。
【0052】
有利には、この構成では、トルク増大および自動車用途において使用される必要がある速度範囲をもたらすモーメントオフセット724が実現される。実際、モーメントオフセット724なしでは、非固定遊星歯車セット700についてのトルク平衡は、入力されたモータトルク(たとえば、第1の回転入力702および第2の回転入力716を介して供給されるトルク)と第1の回転出力720上のトルクの和に過ぎず、それによって、それらの力が実質的に互いに打ち消し合うのでトルク増大は生じない。したがって、第1の平歯車704、第2の平歯車718、および軸受(たとえば、第1の回転入力軸受714、第2の回転入力軸受719、および1つまたは複数の出力軸受722)を付加することによって、非固定遊星歯車セット700においてモーメントオフセット724が実現される。図を見るとわかるように、モーメントオフセット724は、第1の平歯車704の半径と外リング歯車710の半径の和または第2の平歯車718の半径と遊星歯車キャリア706の半径の和に等しい。
【0053】
図8Aおよび図8Bは、偏心歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられる非対称性を示す。図8Aおよび図8Bを参照すると、偏心歯車セット800は、外リング歯車802と、入力側806および出力側808を有する遊星歯車804と、遊星歯車804の出力側808に結合された偏心クランク歯車810と、偏心クランク歯車810に結合された第1の回転出力812とを含む。第1の回転出力812は、第1の回転出力812に結合され、第1の回転出力812上でトルク力を支える第1の回転出力軸受814を含む。図示していないが、偏心歯車セット800は、外リング歯車802に結合された第1の回転入力と、遊星歯車804の入力側806に結合された第2の回転入力とをさらに含んでもよく、第1の回転入力および/または第2の回転入力は、トルク力を支える軸受を含んでもよい。
【0054】
いずれの場合も、偏心歯車セット800内に形成される非対称性(たとえば、外リング歯車802の周りの第1の回転出力812の位置にかかわらず遊星歯車804の中心が第1の回転出力812に揃うことがないことに留意されたい)は、図7に示すモーメントオフセット724のトルク増大と同様に、偏心歯車セット800におけるトルク増大を可能にする。したがって、偏心歯車セット800に取り付けられた軸受によって支えられる非対称性は、モーメントオフセットと見なすことができる。具体的には、第1の回転入力および第2の回転入力に動力が供給されると、偏心クランク歯車810に力が加えられる。この力は、偏心クランク歯車810とともに回転し、したがって、この力をフェーザ(たとえば、偏心モータにおけるフェーザと同様)と見なすことができる。このフェーザは、軸受(たとえば、第1の回転出力軸受814ならびに第1の回転入力および/または第2の回転入力に結合された軸受)において生じるフェーザによって対抗される。これらの反動的フェーザは、偏心歯車セット800におけるトルク増大を可能にする反力を生じさせる。したがって、この偏心歯車セット800は、トルク増大および自動車用途において使用される必要がある速度範囲を支持するモーメントオフセットを効果的に形成する。
【0055】
図9は、非固定遊星歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられる非対称性を示す。図9を参照すると、非固定遊星歯車セット900は、外リング歯車902と、(たとえば、図1および図7に示す複数の遊星歯車に対して)単一の遊星歯車904と、内太陽歯車906とを含む。図示していないが、この非固定遊星歯車セット900は、単一の遊星歯車904に結合された遊星歯車キャリアと、遊星歯車キャリアに結合された第1の回転出力と、出力リング歯車に結合された第1の回転入力と、内太陽歯車906に結合された第2の回転入力と、第1の回転入力および第2の回転入力ならびに第1の回転出力に結合された軸受とをさらに含む。したがって、単一の遊星歯車904のみを含むことによって、この非固定遊星歯車セット900は、図8Aおよび図8Bに関して上記で説明したフェーザ反力と同様のフェーザ反力を生じさせることによって、トルク増大および自動車用途において使用される必要がある速度範囲を支持する。
【0056】
図10は、非対称非固定遊星歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられる2つのモーメントオフセットを示す。図10を参照すると、非対称非固定遊星歯車セット1000は、第1の平歯車セット1004に結合された第1の回転入力1002を含み、第1の平歯車セット1004は、第1の回転入力シャフト1008を介して内太陽歯車1006に機械的に係合される(たとえば、第1の回転入力1002は、第1の平歯車セット1004および第1の回転入力シャフト1008を介して内太陽歯車1006を駆動する)。第1の回転入力は、第1のモータ1010によって駆動される。内太陽歯車は、(たとえば、外歯または摩擦制御を介して)複数の遊星歯車1012に機械的に係合される。第1の回転入力軸受1014および第1の回転入力シャフト軸受1016は、第1の回転入力1002および第1の回転入力シャフト1008上でトルク力を支えるために含められる。
【0057】
非対称非固定遊星歯車セット1000は、第2の平歯車1020に結合された第2の回転入力1018をさらに含み、第2の平歯車1020は、外リング歯車1022に機械的に係合される(たとえば、第2の回転入力1018は、第2の平歯車1020を介して外リング歯車1022を駆動する)。具体的には、外リング歯車1022は、第2の平歯車1020に機械的に係合された外歯1024を含む。いくつかの場合には、外リング歯車1022は、摩擦制御を介して第2の平歯車1020に機械的に係合される。第2の回転入力1018は、第2のモータ1026によって駆動される。外リング歯車1022は、(たとえば、外歯または摩擦制御を介して)複数の遊星歯車1012に機械的に係合される。第2の回転入力1018に結合された第2の回転入力軸受1028は、第2の回転入力1018上でトルク力を支えるために含まれる。
【0058】
非対称非固定遊星歯車セット1000は、遊星キャリア1032に結合された第1の回転出力1030をさらに含む。遊星キャリア1032は、複数の遊星歯車1012に結合される。複数の遊星歯車1012は、(たとえば、外歯または摩擦制御を介して)外リング歯車1022および内太陽歯車1006に機械的に係合される。上記で説明したように、遊星キャリア1032/複数の遊星歯車1012の運動は、内太陽歯車1006および外リング歯車1022の回転運動(たとえば、RPM)に依存する。第1の回転出力1030に結合された1つまたは複数の回転出力軸受1034も、第1の回転出力1030上でトルク力を支えるために含められる。図示のように、第1の回転入力軸受1014および回転入力軸受1028は、1つまたは複数の第1の回転出力軸受1034と同軸ではなく、それによって、軸受714、719、および722上にトルク力が半径方向に加わる。いくつかの場合には、軸受714、719、および722は、トランスミッションマウントに結合され、トルク力を機械のフレーム(たとえば、車両のフレーム)に伝達するのを可能にする。
【0059】
有利には、この構成では、トルク増大および自動車用途において使用される必要がある速度範囲をもたらす第1のモーメントオフセット1036(たとえば、第1の回転入力1002と第1の回転出力1030との間の垂直距離)および第2のモーメントオフセット1038(たとえば、第2の回転入力1018と第1の回転出力1030との間の垂直距離)が実現される。
【0060】
図11は、T構成歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられるモーメントオフセットを示す。図11を参照すると、T構成歯車セット1100は、キャリア/かさ歯車システム1104を駆動する第1の回転入力1102と、同じくキャリア/かさ歯車システム1104を駆動する第2の回転入力1106を含む。第1の回転入力1102は、第1のモータ1108によって駆動され、第2の回転入力1106は、第2のモータ1110によって駆動される。第1の回転入力1102に結合された第1の回転入力軸受1112は、第1の回転入力1102上でトルク力を支えるために含められ、第2の回転入力1106に結合された第2の回転入力軸受1114は、第2の回転入力1106上でトルク力を支えるために含められる。T構成歯車セット1100は、キャリア/かさ歯車システム1104によって駆動される第1の回転出力1116をさらに含む。有利には、この構成では、トルク増大、および三輪車および/またはオートバイ用途を含む自動車用途において使用される必要がある速度範囲をもたらすモーメントオフセット1118(たとえば、第1の回転入力軸受1112と第2の回転入力軸受1114との間の距離)が実現される。
【0061】
図12は、同じ第1の回転入力に結合されるが、異なる第2の回転入力源に結合された2つの遊星歯車セットを示す。図12を参照すると、左遊星歯車セット1200および右遊星歯車セット1210は、共通の/同じ第1の回転入力1220を共有するが、左遊星歯車セット1200は、右遊星歯車セット1210とは別の第2の回転入力1202を含み、右遊星歯車セット1210はまた、別個の第2の回転入力1212(たとえば、第3の回転入力)を含む。したがって、各遊星歯車セットは、2つの入力および1つの出力を含み、各遊星歯車セットが共通の第1の回転入力を含むので、システムは全体として(たとえば、両方の遊星歯車セットおよびそれらの回転入力および回転出力)3つの入力および2つの出力を含む。いくつかの場合には、共有される/共通の第1の回転入力が共通の歯車タイプに適用される(たとえば、共有される/共通の第1の回転入力が、2つの遊星歯車セットの各々上で内太陽歯車に適用される)。
【0062】
たとえば、左遊星歯車セット1200は、外リング歯車と、複数の遊星歯車と、内太陽歯車と、外リング歯車、複数の遊星歯車、および内太陽歯車のうちの1つに結合された第1の回転入力1220と、外リング歯車、複数の遊星歯車、および内太陽歯車のうちの別の1つに結合された第2の回転入力1202と、外リング歯車、複数の遊星歯車、および内太陽歯車のうちの残りの1つに結合された回転出力とを含む。右遊星歯車セット1210は、第2の外リング歯車と、第2の複数の遊星歯車と、第2の内太陽歯車と、第2の外リング歯車、第2の複数の遊星歯車、および第2の内太陽歯車のうちの1つに結合された第2の遊星歯車システムの第1の回転入力1220と、第2の外リング歯車、第2の複数の遊星歯車、および第2の内太陽歯車のうちの別の1つに結合された第3の回転入力1212と、第2の外リング歯車、第2の複数の遊星歯車、および第2の内太陽歯車のうちの残りの1つに結合された第2の回転出力とを含む。
【0063】
一例として、この実施形態は、2つの被駆動車輪を有するeアクスル構成を可能にする。車輪が(たとえば、自動車上の前輪などを旋回させるために)異なる速度で旋回する必要がある場合、システムは、左遊星歯車セット1200および右遊星歯車セット1210の各々について最適な速度対を判定することができ、第1の回転入力1220の速度は、各速度対において同じになる。
【0064】
図12は、同じ第1の回転入力に結合されるが、異なる第2の回転入力源に結合された2つの遊星歯車セットを示し、いくつかの場合には、2つの偏心歯車システム、2つの二重偏心歯車システム、または2つのオフセット二重偏心歯車システムが、同じ第1の回転入力に結合されるが、異なる第2の回転入力源に結合されてもよい。いくつかの場合には、異なるタイプの歯車システムが、同じ第1の回転入力に結合されるが、異なる第2の回転入力源(たとえば、遊星歯車セット、偏心歯車セット、二重偏心歯車セット、およびオフセット二重偏心歯車セットを含む2つの歯車セットの任意の組合せ)に結合されてもよい。いくつかの場合には、(たとえば、図13に関して説明するように)トルク増大および自動車用途において使用される必要がある速度範囲をもたらすためにモーメントオフセットがさらに含められる。
【0065】
図13は、同じ第1の回転入力に結合されるが、異なる第2の回転入力源に結合された2つの非固定遊星歯車セットに取り付けられた軸受によって支えられるモーメントオフセットを示す。図13を参照すると、左非固定遊星歯車セット1310および右非固定遊星歯車セット1340は、共通の/同じ第1の回転入力1302を共有するが、左非固定遊星歯車セット1310は、右遊星歯車セット1340とは別の第2の左回転入力1304を含み、右遊星歯車セット1340はまた、別個の第2の右回転入力1306(たとえば、第3の回転入力)を含む。この実施形態では、(たとえば、図7に示す第1の回転入力と同様に;第2の左回転入力1304および第2の右回転入力1306は各々、中空である)第1の回転入力1302が第2の左回転入力1304/第2の右回転入力1306内に位置付けられるので、第2の左回転入力1304は、第1の回転入力1302の左部分とラベル付けされ、第2の右回転入力1306は、第1の回転入力1302の右部分とラベル付けされる。したがって、各非固定遊星歯車セットは、2つの入力および1つの出力を含み、各遊星歯車セットが共通の第1の回転入力1302を含むので、システムは全体として(たとえば、両方の遊星歯車セット1310、1340およびそれらの回転入力および回転出力)3つの入力および2つの出力を含む。いくつかの場合には、共有される/共通の第1の回転入力1302が共通の歯車タイプに適用される(たとえば、共有される/共通の第1の回転入力が、2つの遊星歯車セットの各々上で内太陽歯車に適用される)。
【0066】
詳細には、左非固定遊星歯車セット1310は、第1の左平歯車1312に結合された第1の回転入力1302を含み、第1の左平歯車1312は、左外リング歯車1314に機械的に係合される(たとえば、第1の回転入力1302は、第1の左平歯車1312を介して左外リング歯車1314を駆動する)。いくつかの場合には、左外リング歯車1314は、外歯を介して第1の左平歯車1312に機械的に係合され、いくつかの場合には、左外リング歯車1314は、摩擦制御を介して第1の左平歯車1312に機械的に係合される。左外リング歯車1314は、(たとえば、外歯または摩擦制御を介して)左の複数の遊星歯車1316に機械的に係合される。第1の回転入力1302に結合された第1の左回転入力軸受1318は、第1の回転入力1302上でトルク力を支えるために含められる。
【0067】
上述のように、左非固定遊星歯車セット1310は、第2の左平歯車1320に結合された第2の左回転入力1304を含み、第2の左平歯車1320は、左遊星歯車キャリア1322に機械的に係合される(たとえば、第2の左回転入力1304は、第2の左平歯車1320を介して左遊星歯車キャリア1322を駆動する)。いくつかの場合には、左遊星歯車キャリア1322は、外歯を介して第2の左平歯車1320に機械的に係合され、いくつかの場合には、左遊星歯車キャリア1322は、摩擦制御を介して第2の左平歯車1320に機械的に係合される。左遊星歯車キャリア1322は、左の複数の遊星歯車1316に結合され、左の複数の遊星歯車1316は、(たとえば、外歯または摩擦制御を介して)左外リング歯車1314および左内太陽歯車1326に機械的に係合される。第2の左回転入力1304に結合された第2の左回転入力軸受1328は、第2の左回転入力1304上でトルク力を支えるために含められる。
【0068】
左非固定遊星歯車セット1310は、左内太陽歯車1326に結合された左回転出力1330をさらに含み、左内太陽歯車1326は、(たとえば、外歯または摩擦制御を介して)左の複数の遊星歯車1316に機械的に係合される。上記で説明したように、左内太陽歯車1326の運動は、左の複数の遊星歯車1316/左遊星歯車キャリア1322および左外リング歯車1314の回転運動(たとえば、RPM)に依存する。左回転出力1330に結合された1つまたは複数の左回転出力軸受1332も、左回転出力1330上でトルク力を支えるために含められる。この構成によって、トルク増大および自動車用途において使用される必要がある速度範囲をもたらすモーメントオフセット1334(たとえば、第1の回転入力1302/第2の左回転入力1304と左回転出力1330との間の垂直方向距離)が得られる。図示のように、第1の左回転入力軸受1318および第2の左回転入力軸受1328は、1つまたは複数の左回転出力軸受1332と同軸ではなく、それによって、軸受1318、1328、および1332上にトルク力が半径方向に加わる。いくつかの場合には、軸受1318、1328、および1332は、トランスミッションマウントに結合され、トルク力を機械のフレーム(たとえば、車両のフレーム)に伝達することを可能にする。
【0069】
右非固定遊星歯車セット1340は、第1の右平歯車1342に結合された第1の回転入力1302を含み、第1の右平歯車1342は、右外リング歯車1344に機械的に係合される(たとえば、第1の回転入力1302は、第1の右平歯車1342を介して右外リング歯車1344を駆動する)。いくつかの場合には、右外リング歯車1344は、外歯を介して第1の右平歯車1342に機械的に係合され、いくつかの場合には、右外リング歯車1344は、摩擦制御を介して第1の右平歯車1342に機械的に係合される。右外リング歯車1344は、(たとえば、外歯または摩擦制御を介して)右の複数の遊星歯車1346に機械的に係合される。第1の回転入力1302に結合された第1の右回転入力軸受1348は、第1の回転入力1302上でトルク力を支えるために含められる。
【0070】
右非固定遊星歯車セット1340は、第2の右平歯車1350に結合された第2の右回転入力1306をさらに含み、第2の右平歯車1350は、右遊星歯車キャリア1352に機械的に係合される(たとえば、第2の右回転入力1306は、第2の右平歯車1350を介して右遊星歯車キャリア1352を駆動する)。いくつかの場合には、右遊星歯車キャリア1352は、外歯を介して第2の右平歯車1350に機械的に係合され、いくつかの場合には、右遊星歯車キャリア1352は、摩擦制御を介して第2の右平歯車1350に機械的に係合される。右遊星歯車キャリア1352は、右の複数の遊星歯車1346に係合され、右の複数の遊星歯車1346は、(たとえば、外歯または摩擦制御を介して)右外リング歯車1344および右内太陽歯車1356に機械的に係合される。第2の右回転入力1306に結合された第2の右回転入力軸受1358は、第2の右回転入力1306上でトルク増大を支えるために含められる。
【0071】
右非固定遊星歯車セット1340は、右内太陽歯車1356に結合された右回転出力1360をさらに含み、右内太陽歯車1356は、(たとえば、外歯または摩擦制御を介して)右の複数の遊星歯車1346に機械的に係合される。上記で説明したように、右内太陽歯車1356の運動は、右の複数の遊星歯車1346/右遊星歯車キャリア1352および右外リング歯車1344の回転運動(たとえば、RPM)に依存する。右回転出力1360に結合された1つまたは複数の右回転出力軸受1362も、右回転出力1360上でトルク力を支えるために含められる。この構成によって、トルク増大および自動車用途において使用される必要がある速度範囲をもたらすモーメントオフセット1364(たとえば、第1の回転入力1302/第2の右回転入力1306と右回転出力1360との間の垂直方向距離)が得られる。
【0072】
図14は、トランスミッションシステム(たとえば、本明細書で説明する任意の可変電動式トランスミッションシステム)を制御する方法を示す。たとえば、トランスミッションシステムは、第1の歯車と、第2の歯車と、第3の歯車とを含む第1の歯車システムを含んでもよく、第1の歯車、第2の歯車、および第3の歯車は各々、他の歯車のうちの少なくとも1つに機械的に係合される。トランスミッションシステムは、第1の歯車に結合された第1の回転入力と、第2の歯車に結合された第2の回転入力と、第3の歯車に結合された第1の回転出力とをさらに含んでもよい。
【0073】
図14を参照すると、可変電動式トランスミッションシステムを制御する方法1400は、所望の第1の回転出力速度を受信するステップ(1402)と、一般速度線式を使用して所望の第1の回転出力速度を生成するのに必要な定速度線を判定するステップ(1404)と、トランスミッションシステムの第1の回転出力の実際の出力速度を測定するステップ(1406)と、所望の第1の回転出力速度をトランスミッションシステムの第1の回転出力の実際の出力速度と比較するステップ(1408)と、所望の第1の回転出力速度がトランスミッションシステムの第1の回転出力の実際の出力速度と一致するまで、トランスミッションシステムの第1の回転入力およびトランスミッションシステムの第2の回転入力を調整するステップ(1410)と、効率マップに基づいて、トランスミッションシステムの第1の回転入力およびトランスミッションシステムの第2の回転入力を所望の第1の回転出力についての最も効率的な速度対に最適化するステップ(1412)とを含む。
【0074】
いくつかの場合には、トランスミッションシステムの第1の回転入力は、第1のモータに結合され、トランスミッションシステムの第2の回転入力は、第2のモータに結合される。いくつかの場合には、方法1400は、ゼロトルク荷重の下で第1のモータおよび/または第2のモータを始動するステップをさらに含む。いくつかの場合には、方法1400は、モータトルクリップルの伝達を低減させるステップをさらに含む。
【0075】
いくつかの場合には、トランスミッションシステムは、第4の歯車と、第5の歯車と、第6の歯車とを含む第2の歯車システムをさらに含み、第4の歯車、第5の歯車、および第6の歯車は各々、第2の歯車システムにおける他の歯車のうちの少なくとも1つに機械的に係合される。トランスミッションシステムは、第1の歯車の反対側で第4の歯車に結合された第1の回転入力と、第5の歯車に結合された第3の回転入力と、第6の歯車に結合された第2の回転出力とをさらに含んでもよい。
【0076】
いくつかの場合には、方法1400は、所望の第2の回転出力速度を受信するステップと、一般速度線式を使用して、所望の第2の回転速度を生成するために必要な定速度線を判定するステップと、トランスミッションシステムの第2の回転出力の実際の出力速度を測定するステップと、所望の第2の回転出力速度をトランスミッションシステムの第2の回転出力の実際の出力速度と比較するステップと、所望の第2の回転出力速度がトランスミッションシステムの第2の回転出力の実際の出力速度と一致するまでトランスミッションシステムの第3の回転入力およびトランスミッションシステムの第4の回転入力を調整するステップと、効率マップに基づいて、トランスミッションシステムの第3の回転入力およびトランスミッションシステムの第4の回転入力を所望の第2の回転出力についての最も効率的な速度対に最適化するステップとをさらに含む。
【0077】
いくつかの場合には、方法1400は、直線駆動運動について、トランスミッションシステムの第1の回転出力の実際の出力速度をトランスミッションシステムの第2の回転出力の実際の速度と一致させるステップをさらに含む。いくつかの場合には、方法1400は、左旋回運動の指示を受信するステップと、左旋回運動の指示に応答して、トランスミッションシステムの第2の回転出力の実際の速度に対してトランスミッションシステムの第1の回転出力の実際の速度を低下させるステップとをさらに含む。いくつかの場合には、方法1400は、右旋回運動の指示を受信するステップと、右旋回運動の指示に応答して、トランスミッションシステムの二次回転出力の実際の速度に対してトランスミッションシステムの第1の回転出力の実際の速度を増加させるステップとをさらに含む。
【0078】
図15は、いくつかの実施形態において使用されるコントローラの構成要素を示すブロック図を示す。図15を参照すると、コントローラ1500は、システムバス1510を介して構成要素に接続された少なくとも1つのプロセッサ1505と、同じくシステムバス1510を介してコントローラの構成要素に接続された記憶デバイス1515と、システムバス1510を介してコントローラの構成要素に接続された入出力(「I/O」)インターフェース1520とを含むことができる。
【0079】
プロセッサ1505の例には、汎用中央演算処理装置(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向けプロセッサ、および論理デバイス、ならびに任意の他のタイプの処理デバイス、それらの組合せまたは変形例が含まれる。
【0080】
記憶デバイス1515は、トランスミッションシステムを制御する方法(たとえば、図14の方法1400および上記で説明した様々な実装形態)を実施するための命令1517ならびに1つまたは複数の効率マップ1519(たとえば、図6の効率マップ600)を記憶する。記憶デバイス1515は、システムメモリ(たとえば、集積またはリムーバブル)および/または大容量記憶デバイスを含む。記憶デバイス1515の例には、限定はしないが、ランダムアクセスメモリ、読取り専用メモリ、磁気ディスク、光ディスク、CD、DVD、フラッシュメモリ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または任意の他の適切な記憶媒体を含む、リムーバブル記憶媒体および非リムーバブル記憶媒体が含まれる。たとえば、記憶デバイス1515のシステムメモリは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)および/または読取り専用メモリ(「ROM」)を含むことができる。RAMは一般に、プロセッサ動作中にローカルストレージおよび/またはキャッシュを提供し、ROMは一般に、起動中などにコンピュータアーキテクチャ内の要素間で情報を転送するのを助ける基本ルーチンを記憶する。記憶デバイス1515が伝播信号または搬送波からなることはない。
【0081】
入出力インターフェース1520は、限定はしないが、第1の回転入力、第2の回転入力、第3の回転入力、第1の回転出力、および第2の回転出力を含む、本明細書で説明するトランスミッションシステムの要素に接続する。入出力インターフェース1520は、ユーザとコントローラ1500との間の通信を可能にするユーザインターフェースシステムに接続されてもよい。ユーザインターフェースシステムは、限定はしないが、ユーザからタッチジェスチャーを受信するためのタッチデバイス、ユーザによる非タッチジェスチャーおよび他の動きを検出するための動き入力デバイス、音声を検出するためのマイクロフォン、ハンドル、ジョイスティック、アクセルペダル、ブレーキペダル、ならびに他のタイプの入力デバイスなどの1つまたは複数の入力デバイスと、ユーザ入力を受信することのできる上記の入力デバイスに関連する処理要素とを含むことができる。ユーザインターフェースシステムはまた、限定はしないが、ディスプレイスクリーン、スピーカ、接触フィードバックのための接触デバイス、および他のタイプの出力デバイスなどの1つまたは複数の出力デバイスを含んでもよい。いくつかの場合には、入力デバイスと出力デバイスは、画像を描くとともにユーザからタッチジェスチャー入力を受信するタッチスクリーンディスプレイなどの単一のデバイスとして組み合わされてもよい。
【0082】
本明細書に記載されたいくつかの技法は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって実行されるプログラムモジュールなどの、コンピュータ実行可能命令の一般的な文脈において説明されてもよい。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実施するかまたは特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、およびデータ構造が含まれる。
【0083】
コントローラのいくつかの実施形態は、コンピュータプロセス、コンピューティングシステム、またはコンピュータプログラム製品もしくはコンピュータ可読媒体などの製造品として実装されてもよい。本明細書で説明するいくつかの方法およびプロセスは、コードおよび/またはデータとして具体化することができ、このようなコードおよび/またはデータは、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体上に記憶されてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、コンピュータシステムの形をした機械の使用が企図され、コンピュータシステム内では、命令のセットが、実行されたときに、システムに上記で説明した方法の任意の1つまたは複数の方法を実行させることができる。いくつかのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムによって読取り可能であり、コンピュータプロセスを実行するための命令のコンピュータプログラムを符号化する、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0084】
本明細書では、「記憶媒体」、「コンピュータ可読記憶媒体」、または「コンピュータ可読記憶媒体」という用語が一時的な搬送波または伝播信号からなることはないことを理解されたい。その代わり、「記憶」媒体は非一時的媒体を指す。
【0085】
図に提示された機能ブロック図、動作シナリオおよびシーケンス、ならびに流れ図は、本開示の新規の態様を実施するための例示的なシステム、環境、および方法を表す。説明を簡単にするために、本明細書に含まれる方法は、機能図、動作シナリオもしくはシーケンス、または流れ図の形であってもよく、一連の行為として記述されてもよいが、方法が行為の順序によって制限されず、いくつかの行為が、方法に従って、異なる順序で行われてもよく、かつ/または本明細書で図示し説明した行為の他の行為と同時に行われてもよいことを理解され諒解されたい。たとえば、当業者には、代替として、方法を状態図などにおいて一連の相互に関係付けられた状態またはイベントとして表すことができることが理解され諒解されよう。さらに、方法において示されたすべての行為が必ずしも新規の実装形態に必要ではない場合がある。
【0086】
一実装形態では、コントローラ1500は、概念的にデジタル/アナログ変換器と見なすことができ、この場合、デジタル情報(たとえば、100、150RPM速度入力)がアナログ信号に変換され、アナログ信号が、出力速度に達することを試みることによって処理されてこのような速度を生じさせる。
【0087】
例示的な実装形態では、トランスミッションシステムの駆動比を設定するためのシステムは、第1の歯車、第2の歯車、および第3の歯車を含む第1の歯車システムを含み、第1の歯車、第2の歯車、および第3の歯車は各々、第1の歯車システムの他の歯車のうちの少なくとも1つに機械的に係合される。システムは、第1の歯車に結合された第1の回転入力と、第2の歯車に結合された第2の回転入力と、第3の歯車に結合された第1の回転出力とをさらに含み、第1の歯車システムは、モーメントオフセットを実現して第1の回転入力、第2の回転入力、および第1の回転出力上でトルク力を支えるように構成される。
【0088】
本明細書で説明するトランスミッションシステムは、入力モータの回転と得られる出力を完全に分離する。これによって、モータにいくつかの利点がもたらされる。第1に、モータは、ゼロ荷重の下で起動することができ、したがって、高始動トルクのないモータを適用することができる。第2に、システムにおいて自己始動しなければならないモータは1つだけである。1つまたは複数のモータが回転すると、組合せ歯車セットが、すべての追加のモータに回転を導入し、始動機能を実現する。第3に、分離は、2つの方法によってモータトルクリップルを低減させる。第1に、モータがより高い回転速度で動作するのを可能にし、慣性特性によってトルクリップルを低減させ、第2に、機械的接続が分離されることによって、トルクリップルの伝達が減衰される。最後に、分離は、モータが限られた範囲の回転速度で動作するのを可能にし、それにもかかわらず全範囲の出力速度を実現するので、モータは、この限られた速度範囲において最適な効率が得られるように設計することができる。
【0089】
構造的特徴および/または行為に特有の文言で主題について説明したが、添付の特許請求の範囲に定義された主題は、必ずしも上記で説明した特定の特徴または行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記で説明した特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施する例として開示され、他の均等な特徴および行為が特許請求の範囲内であることが意図される。
【符号の説明】
【0090】
100 非固定遊星歯車セット
102 外リング歯車
104 遊星歯車
106 内太陽歯車
200 偏心歯車セット
202 外リング歯車
204 内太陽歯車
206 入力側
208 出力側
210 偏心クランク歯車
300 二重偏心歯車セット
302 外リング歯車
304 内太陽歯車
306 二重偏心歯車
308 偏心クランク歯車
320 二重偏心歯車
322 偏心クランク歯車
324 内歯
326 外歯
400 二重偏心歯車セット
402 外リング歯車
404 内太陽歯車
406 二重偏心歯車
408 偏心クランク歯車
700 非固定遊星歯車セット
702 第1の回転入力
704 第1の平歯車
706 遊星歯車キャリア
708 遊星歯車
710 外リング歯車
712 内太陽歯車
714 第1の回転入力軸受
716 第2の回転入力
718 第2の平歯車
719 第2の回転入力軸受
720 第1の回転出力
722 出力軸受
724 モーメントオフセット
800 偏心歯車セット
802 外リング歯車
804 遊星歯車
806 入力側
808 出力側
810 偏心クランク歯車
812 第1の回転出力
814 第1の回転出力軸受
900 非固定遊星歯車セット
902 外リング歯車
904 遊星歯車
906 内太陽歯車
1000 非対称非固定遊星歯車セット
1002 第1の回転入力
1004 第1の平歯車セット
1006 内太陽歯車
1008 第1の回転入力シャフト
1010 第1のモータ
1012 遊星歯車
1014 第1の回転入力軸受
1016 第1の回転入力シャフト軸受
1018 第2の回転入力
1020 第2の平歯車
1022 外リング歯車
1024 外歯
1026 第2のモータ
1028 第2の回転入力軸受
1030 第1の回転出力
1032 遊星キャリア
1034 回転出力軸受
1036 第1のモーメントオフセット
1100 T構成歯車セット
1102 第1の回転入力
1104 キャリア/かさ歯車システム
1106 第2の回転入力
1108 第1のモータ
1110 第2のモータ
1112 第1の回転入力軸受
1114 第2の回転入力軸受
1116 第1の回転出力
図1
図2A-2B】
図3A-3D】
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】