(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】天然耐摩耗剤を含むシェービング補助組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/36 20060101AFI20240614BHJP
B26B 21/44 20060101ALI20240614BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240614BHJP
A61Q 9/02 20060101ALI20240614BHJP
A61K 8/9706 20170101ALI20240614BHJP
A61K 8/99 20170101ALI20240614BHJP
A61K 8/96 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A61K8/36
B26B21/44 B
A61K8/73
A61Q9/02
A61K8/9706
A61K8/99
A61K8/96
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577192
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 US2022033387
(87)【国際公開番号】W WO2022266067
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315017030
【氏名又は名称】エッジウェル パーソナル ケア ブランズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Edgewell Personal Care Brands, LLC
【住所又は居所原語表記】1350 Timberlake Manor Parkway, Chesterfield, MO 63017 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100228005
【氏名又は名称】澤田 英之
(72)【発明者】
【氏名】ニッゲマン マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ロウ リンダ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA031
4C083AA111
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC582
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD571
4C083AD611
4C083BB01
4C083BB21
4C083BB41
4C083BB44
4C083BB45
4C083BB46
4C083BB47
4C083BB48
4C083BB51
4C083BB53
4C083CC21
4C083DD21
4C083DD28
4C083EE11
(57)【要約】
シェービング補助組成物は、押出石鹸基剤又は流込石鹸基剤等の石鹸基剤、及び1又は複数の多糖類より選択される天然耐摩耗剤を含む。前記1又は複数の多糖類としては、例えば、藻類抽出物、種子抽出物、植物浸出液、微生物浸出液、果実抽出物、動物由来のゲル化剤、又はそれらの組合せ等が挙げられる。一例として、前記1又は複数の多糖類は、寒天、キサンタンガム、又はそれらの組合せを含む。更に、前記シェービング補助組成物は、実質的に無水で且つ固体であってもよい。更に、前記シェービング補助組成物は、カミソリに組み込まれてもよい。例えば、前記シェービング補助組成物は、前記カミソリのカミソリカートリッジの上に、中に、又はそれに隣接して位置する、シェービング補助体、シェービング補助ストリップ等として、カミソリに組み込まれてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、シェービング補助組成物:
石鹸基剤;及び
1又は複数の多糖類より選択される天然耐摩耗剤。
【請求項2】
前記石鹸基剤が、C
12-C
22脂肪酸、その塩、又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項3】
前記石鹸基剤が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレン酸、それらの塩、又はそれらの組合せを含む、請求項2に記載のシェービング補助組成物。
【請求項4】
前記石鹸基剤が、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約75.0質量%~約99.5質量%の量で存在する、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項5】
前記石鹸基剤が、押出石鹸基剤又は流込石鹸基剤の1つより選択される、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項6】
前記1又は複数の多糖類が、藻類抽出物、種子抽出物、植物浸出液、微生物浸出液、果実抽出物、動物由来のゲル化剤、又はそれらの組合せより選択される、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項7】
前記1又は複数の多糖類が寒天を含み、及び前記石鹸基剤が押出石鹸基剤及び流込石鹸基剤からなる群より選択される、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項8】
前記1又は複数の多糖類が寒天を含み、前記多糖類がグアーガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、又はキサンタンガムを意図的に除外し、及び前記石鹸基剤が押出石鹸基剤及び流込石鹸基剤からなる群より選択される、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項9】
前記1又は複数の多糖類がキサンタンガムを含み、及び前記石鹸基剤が流込石鹸基剤からなる群より選択される、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項10】
前記1又は複数の多糖類が、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約0.25質量%~約15.0質量%の量で存在する、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項11】
前記1又は複数の多糖類が、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約0.5質量%~約3.0質量%の量で存在する、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項12】
前記シェービング補助組成物が意図的に合成潤滑剤重合体を除外する、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項13】
前記シェービング補助組成物が実質的に無水で且つ固体である、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項14】
前記シェービング補助組成物が、シェービング補助体、シェービング補助ストリップ、又はそれらの組合せの形態である、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項15】
1又は複数の皮膚軟化剤、潤滑剤、湿潤剤、保湿剤、コンディショナー、界面活性剤、乳化剤、皮膜形成剤、日焼け止め活性剤、老化防止活性剤、防虫剤、アミノ酸、着色剤、顔料、染料、不透明剤、pH調整剤、香料、充填剤、ビタミン及びその誘導体、防腐剤、防腐促進剤、キレート剤、分散剤、安定剤、スフィンゴ脂質、抗酸化剤、ミネラル、角質溶解剤、ホルモン化合物、鎮痛剤、抗アレルギー剤、H1又はH2抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、抗刺激剤、抗腫瘍剤、免疫系増強剤、免疫系抑制剤、抗座瘡剤、洗浄剤、麻酔薬、防腐剤、皮膚冷却化合物、皮膚保護剤、皮膚浸透促進剤、角質除去剤、染色剤、抗菌剤、吸収剤、発泡剤、発毛抑制剤、脱毛剤、脱色剤、色素沈着抑制剤、医薬品、球状粉末、抽出物、アルファ及びベータヒドロキシ酸、レチノール及びその誘導体、又はそれらの組合せを更に含む、請求項1に記載のシェービング補助組成物。
【請求項16】
請求項1に記載のシェービング補助組成物を含む、カミソリ。
【請求項17】
前記シェービング補助組成物が、前記カミソリのカミソリカートリッジの上に、又はそれに隣接して取り付けられたシェービング補助体として前記カミソリに組み込まれる、請求項16に記載のカミソリ。
【請求項18】
以下を含む、シェービング補助組成物の製造方法:
石鹸基剤を選択すること;
1又は複数の多糖類より選択される天然耐摩耗剤を選択すること;、及び
前記石鹸基剤と前記天然耐摩耗剤を組み合わせて前記シェービング補助組成物を形成すること。
【請求項19】
前記石鹸基剤が押出石鹸基剤より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記石鹸基剤が流込石鹸基剤より選択される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月14日に出願された米国仮出願第63/210,233号の優先権を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
技術分野
実施形態は、シェービング補助組成物における高耐摩耗性を提供する、石鹸基剤及び天然耐摩耗剤を含むシェービング補助組成物に関連する。
【背景技術】
【0002】
背景
剃り味を向上させる技術が利用可能である。例えば、髭剃り用ジェルは、比較的大量(例えば、>20質量%)のゲル化剤を使用してもよく、ゲルを形成するために比較的大量の水と共存してもよい。しかし、髭剃り用ジェルは、利便性を犠牲にして潤滑性を向上し得る。あるいは、シェービング補助組成物は、潤滑性、滑らかさ等を向上するためにカミソリ上に位置してもよい。前記シェービング補助組成物は、比較的低い水含量と比較的高い石鹸含量を有してもよい。しかし、そのようなシェービング補助組成物は、繰り返し使用すると時間の経過とともに摩耗する。ポリエチレンオキシド(PEO)等の合成潤滑剤重合体は、摩耗のために提案されているが、シェービング性能(例えば糸引き(stringiness))を犠牲にして機能する可能性がある。一方、シリコーン重合体は、持続可能性に関する懸念を生じる可能性がある。その上、半固体エステルは、PEO又はシリコーン重合体非存在下では、それ自体がそれほど効果的でない可能性がある。そのため、良好なシェービング性能を有し、持続可能性のある及び/又は天然耐摩耗剤を有するシェービング補助組成物を提供するために、かなりの改善の余地がある。
【発明の概要】
【0003】
要約
実施形態は、石鹸基剤と、多糖類より選択される天然耐摩耗剤とを含むシェービング補助組成物に関する。実施形態において、前記多糖類としては、グリコシド結合により共に結合した単糖単位で構成される1又は複数の重合炭水化物等が挙げられる。
前記石鹸基剤としては、C12-C22脂肪酸、その塩、又はそれらの組合せ等が挙げられる。例えば、前記石鹸基剤としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレン酸、それらの塩、又はそれらの組合せ等が挙げられる。塩は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、低級アルカノールアミン塩、又はそれらの組合せを含む。
前述の実施形態のいずれかにおいて、前記石鹸基剤としては、スキンケア成分、界面活性剤、スキンコンディショニング剤、吸収剤、着色剤、香料、又はそれらの組合せ等の添加剤等が挙げられるが、それらに限定されない。
前述の実施形態のいずれかにおいて、前記石鹸基剤は、押出石鹸基剤又は流込(poured)石鹸基剤より選択してもよい。しかし、前記石鹸基剤は、本発明のより広範な態様から逸脱することなく、当技術分野で既知の任意の従来プロセスにより製造されてもよい。
前述の実施形態のいずれかにおいて、前記石鹸基剤は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約50.0質量%~約99.5質量%の量で存在してもよい。例えば、前記石鹸基剤は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約75.0質量%~約99.5質量%の量で存在してもよい。
前述の実施形態のいずれかにおいて、前記多糖類は、藻類抽出物、種子抽出物、植物浸出液、微生物浸出液、果実抽出物、動物由来のゲル化剤、又はそれらの組合せより選択してもよい。一例として、前記多糖類としては寒天等が挙げられ、前記石鹸基剤は押出石鹸基剤又は流込石鹸基剤より選択してもよい。更に、前記多糖類は、グアーガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、及び/又はキサンタンガムを意図的に除外してもよい。別の例では、前記多糖類はキサンタンガムを含むことができ、前記石鹸基剤は流込石鹸基剤より選択してもよい。更に、前記シェービング補助組成物は、合成潤滑剤重合体を除外してもよい。
【0004】
前述の実施形態のいずれかにおいて、個別の多糖類又は多糖類の組合せは、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約0.25質量%~約15.0質量%の量で存在してもよい。例えば、前記個別の多糖類又は前記多糖類の組合せは、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約0.5質量%~約3.0質量%の量で存在してもよい。
前述の実施形態のいずれかにおいて、前記シェービング補助組成物は、実質的に、無水、含水、及び/又は個体であってもよい。例えば、前記シェービング補助組成物は、実質的に無水のシェービング補助組成物として、シェービング補助組成物の全重量に基づき、20.0質量%未満の量の水を含んでもよい。例えば、前記シェービング補助組成物は、約15.0質量%以下の量の水を含んでもよい。しかし、前記シェービング補助組成物は、実質的に含水のシェービング補助組成物として、シェービング補助組成物の全重量に基づき、20.0質量%を超える量の水を含んでもよい。更に、又はあるいは、前記シェービング補助組成物は、一定の乾燥条件下で、実質的に個体のシェービング補助組成物として、規定の形状及び/又はサイズを維持するように、共に保持された原子又は分子の集合体であってもよい。
【0005】
実施形態は、更に、前述のいずれかの実施形態におけるシェービング補助組成物を含むカミソリと関連する。前記シェービング補助組成物は、例えば、前記カミソリのカミソリカートリッジの上に、又はそれに隣接して取り付けられたシェービング補助体として、前記カミソリに組み込まれてもよい。前記シェービング補助組成物は、前記カミソリのカミソリカートリッジの中に、又は上に取り付けられたシェービング補助ストリップとして、前記カミソリに組み込まれてもよい。しかし、前記シェービング補助組成物は、本発明のより広範な態様から逸脱することなく、当技術分野で既知の他の形態又は構成でカミソリに組み込んでもよい。
実施形態は、更に、前述のいずれかの実施形態におけるシェービング補助組成物を製造する方法と関連する。例えば、前記方法は、前記石鹸基剤を選択すること、前記天然耐摩耗剤を選択すること、及び前記石鹸基剤と前記耐摩耗剤を組み合わせて前記シェービング補助組成物を形成することを含んでもよい。このように、例えば、前記方法は、押出石鹸基剤又は流込石鹸基剤を選択することを含んでもよい。更に、前記方法は、選択した石鹸基剤に基づき、前記多糖類を選択することを含んでもよい。更に、又はあるいは、前記方法は、前記シェービング補助組成物の最終pH値等の特定の条件における安定性に基づき、前記多糖類を選択することを含んでもよい。
実施形態は、更に、前述のいずれかの実施形態におけるシェービング補助組成物を使用する方法と関連する。例えば、前記シェービング補助組成物を使用する方法は、前記シェービング補助組成物を溶媒(例えば水)と接触させて前記シェービング補助組成物を活性化(例えば、潤滑を引き起こす等)することを含んでもよい。前記方法は、前記シェービング補助組成物を角質表面又は剛毛表面と接触させて、前記シェービング補助組成物の活性化又は活性化を補助することができる摩耗を引き起こすことを含んでもよい。
新規性があると考えられる本開示の特徴及び本発明の特徴的な要素は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載する。図は説明のみを目的とし、正確な縮尺で描かれない。しかし、本開示自体は、構成及び動作方法の両方に関して、以下の添付の図面と組み合わせて、以下に示す好ましい実施形態の説明を参照することにより、最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に従ったカミソリカートリッジの上又はそれに隣接するシェービング補助体としてカミソリに組み込まれたシェービング補助組成物の側面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に従ったシェービング補助組成物より形成されたシェービング補助体を含む交換カートリッジの斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に従ったシェービング補助組成物より形成されたシェービング補助体及びシェービング補助ストリップを含む交換カートリッジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
実施形態は、本明細書に記載する特徴及び/又は工程、並びに本明細書に記載する追加的な又は任意の成分、構成要素、工程、又は特徴を含むか、それらからなるか、及びそれらから本質的になることができ、又はそうでなければ当業者に理解され得る。本明細書において開示される全ての濃度は、別段明示されない限り、組成物の全重量に基づく質量パーセント(質量%)によることも理解される。適切な場合は、成分/構成要素の化粧品成分の国際命名法(INCI)名が提供される。この点に関して、用語「(及び)」は、この用語で区切られた列挙された構成要素の混合物に対するINCI指定である。本明細書に列挙される数値範囲は、いずれもその中に包含される全て部分範囲を含むことを意図しており、そのような範囲は、記載された範囲の下限値と上限値の間のあらゆる数字及び/又は分数を含むものと理解される。また、用語「約」は、特に明記しない限り、±20%の偏差を意味してもよい。
実施形態は、シェービング補助組成物及び前記シェービング補助組成物を有するカミソリに関する。前記シェービング補助組成物は、好ましくは、前記石鹸基剤及び/又は前記シェービング補助組成物の耐摩耗性を高めるために、石鹸基剤及び1又は複数の有効量の多糖類を含む。特に、前記シェービング補助組成物の耐摩耗性は、カミソリカートリッジの耐用年数に影響を与える可能性がある。特定の天然及び/又は生分解性多糖類の耐摩耗性を高める驚くべき効果は、シェービング性能を犠牲にすることなく更なる持続可能性の利点をもたらす。例えば、石鹸基剤及び1又は複数の多糖類耐摩耗剤を有するシェービング補助組成物は、市販のシェービング補助組成物と比較して同等又はより優れたシェービング性能を提供し得る。前記シェービング補助組成物は、限定することなく、交換用及び/又はカミソリカートリッジの寿命、石鹸の自然さ、石鹸の生分解性等の従来技術と比較して、持続可能性の利点を提供することもできる。
【0008】
カミソリ
シェービング補助組成物は浸食性であり、水の流れによって、又は摩耗の結果として、摩耗する能力を有する。実施形態において、シェービング補助組成物は、シェービング補助体としてカミソリに組み込まれてもよい。シェービング補助体の一般的な例は、商標名SCHICK(登録商標)で販売されている商品化された製品に見出すことができる。様々なタイプのシェービング補助体が、米国特許出願公開第2005/0011073号及び第2005/0015990号にも記載されており、その全体が本明細書に組み込まれる。
図1~2に示すように、カミソリ11における使用のための交換カートリッジ10は、シェービング補助体12を含む。前記シェービング補助体12は、手近な用途に適するように選択されたシェービング補助材料からなる浸食性固体である。石鹸基剤は、ウェットシェービング用途に特に適しており、シェービング補助材料(例えば、石鹸、潤滑剤、抵抗低減剤、脱毛剤、洗浄剤、医薬品、感覚剤、皮膚刺激剤等)を含んでもよい。図示されるように、前記シェービング補助体12は、前方部分16、後方部分18、第1側方部分20、第2側方部分22を有し、それらの全ては、カミソリカートリッジ26を受ける大きさを有し、中央に位置する開口部24の周囲に配置される。前記シェービング補助体部分16、18、20、22は、接触面30からベース面32まで延びている。シェービング動作中、前記接触面30は毛のある(hirsute)表面と接触し、前記カミソリカートリッジ26の刃先が毛のある(hirsute)表面を噛合わせる(engages)。
例示する実施形態において、前記シェービング補助体12は楕円形であるが、前記シェービング補助体12の他の形状、例えば、円形、長方形、又は実質的にあらゆる他の幾何学的形状、又は前記カミソリ11の構造的構成は、本発明のより広範な態様から逸脱することなく置き換えてもよい。例えば、前記シェービング補助体12は、代替の形状をとってもよく、及び/又は複数の部品を含んでもよく、例えば、前記シェービング補助体12の上述の部分は、互いに分離してもよい。同様に、前記開口部24は前記接触面30に配置されている一方、前記開口部24は、代わりに中央に位置する開口部24を形成するように相互に配置された複数のシェービング補助部品16、18、20、22によって形成してもよい。更に、前記開口部24は、前記表面30と32の間に延在しなくてもよい。そのような場合、前記ベース表面32と開口部24の間に延在し、前記開口部24と同一の又は異なる断面形状を有する第2の開口部が含まれてもよい。
【0009】
図1~2に示すように、シェービング補助体12は基部34と結合する。前記基部34のいくつかの実施態様は、基部34から横方向に延びる複数のタブ36を含む。前記タブ36は、梱包内に前記交換カートリッジ10を位置付けるために使用する。1つの実施形態において、前記基部34は、前記シェービング補助体12と一体的に形成される。用語「一体的に形成された」は、1又は複数のシェービング補助材料又はその構成要素からなり、少なくとも部分的に前記シェービング補助体12と同時に形成される基部34を意味し得る。前記基部34を形成するシェービング補助材料の部分は、前記交換カートリッジ10を前記カミソリ11に取り付けることができるように動作可能な十分な機械強度を最初から有するか、又は有するように加工される。一体型ベース14内に十分な機械強度を生成するために使用される適切なプロセス(例えば、硬化、圧縮等)は、前記シェービング補助材料に依存する。
図3に示すように、シェービング補助組成物は、シェービング補助体44に加えて又はその代替として、カミソリカートリッジ42の上に又はそれに隣接して取り付けられたシェービング補助ストリップ40として、カミソリ38内に組み込まれる。前記シェービング補助ストリップ40は、任意の所望の形状、位置、大きさ、割合等、又はそれらの組合せで提供されてもよい。シェービング補助ストリップの一般的な例は、商標名SCHICK(登録商標)で販売されている商品化された製品に見られる。様々なタイプのシェービング補助ストリップは、米国特許出願公開公報第2017/0216442号にも記載されており、その全体は本明細書に組み込まれる。
一実施形態において、シェービング補助組成物は、非水溶性材料(例えば、スチレン系重合体、オレフィン系重合体、生分解性重合体、又はそれらの組合せ)のマトリックス中に分散されて、1つ又は複数の刃先に隣接して前記カミソリカートリッジ42の中又は上に取り付けることができるシェービング補助ストリップを形成することができる。石鹸基剤及び1又は複数の多糖類を含むシェービング補助組成物は、任意で又は好ましくは、非水溶性材料のマトリックスを排除して、前記カミソリカートリッジの中又は上に取り付けることができるシェービング補助ストリップを形成することができる。いずれの場合でも、石鹸基剤及び1又は複数の多糖類耐摩耗剤を含むシェービング補助組成物は、シェービング中に水又は摩耗に曝されたとき、良好なシェービング性能(例えば、潤滑性、滑り性等)を提供する。
【0010】
石鹸基剤
石鹸基剤は、前記石鹸基剤に使用されるグリセロール及び脂肪酸の塩(例えば、最大約22個の炭素原子を有するカルボン酸ナトリウム塩等)の生成をもたらす、鹸化又は中和された植物油又は獣脂に由来してもよい。ココナッツ酸又は他の脂肪酸の一部(例えば、約25質量%以上)を有する過度脂肪含有の材料も使用することができる。一例として、前記石鹸基剤は、C12-C22脂肪酸及び/又はそれらの塩を含む。例えば、前記石鹸基剤は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレン酸、又はそれらの組合せを含んでもよい。前記石鹸基剤は、好ましくは、C12-C22脂肪酸の塩(例えば、これらに限定されないが、ナトリウム、カリウム)及び/又は低級アルカノールアミン塩(例えば、トリエタノールアミン(TEA)塩等)を含んでもよく、例えばステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ヤシ脂肪酸ナトリウム、イソステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ヤシ脂肪酸カリウム、イソステアリン酸カリウム、TEA-ステアリン酸等、又はそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。C12-C22脂肪酸及び/又はその塩は、例えば、シェービング補助組成物の全重量に基づき、60質量%以上の量、例えば、65質量%、70質量%、75質量%、80質量%、85質量%、90質量%、95質量%、99質量%で存在してもよく、それらの間の全ての数及び/又は分数も含まれる。しかし、前記石鹸基剤は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約50質量%~約99.5質量%、好ましくは約75質量%~約99.5質量%の量で存在してもよく、それらの間の全ての数及び/又は分数、例えば、80質量%、85質量%、90質量%、95質量%、99質量%、も含まれる。
前記石鹸基剤は、これらに限定されないが、スキンケア成分、界面活性剤、吸収剤、着色剤、香料、又はそれらの組合せ等の様々な添加剤を任意に含んでもよい。添加剤は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約0.001質量%~約40.0質量%の量で存在してもよい。添加剤は、例えば、シェービング補助組成物の全重量に基づき、0.0008質量%、0.1質量%、0.4質量%、1質量%、2質量%、3質量%、4質量%、5質量%、10質量%、15質量%、20質量%、25質量%、30質量%、40質量%、44質量%の量で存在してもよく、それらの間の全ての数及び/又は分数も含まれる。
【0011】
スキンケア成分としては、皮膚有益剤(例えば、皮膚軟化剤、潤滑剤、湿潤剤、保湿剤、コンディショナー等)、抗座瘡剤、老化防止剤、洗浄剤、発泡剤、毛髪成長阻害剤、植物抽出物、抗酸化剤、抗菌剤、抗炎症剤、収斂剤、抗刺激剤、脱毛剤、医薬品、角質除去剤(例えば、ヘチマ、海藻、オートミール、軽石、アプリコットの種等)、又はそれらの組合せ等が挙げられるが、それらに限定されない。皮膚有益剤としては、アロエバルバデンシス、ジメチコン、アラントイン、ヤシ脂肪酸スクロース、オレイルラノリン脂肪酸、チオ尿素、ココアバター、酢酸トコフェロール、PPG-33、ウンデセス-3、蜂蜜、藻類、又はそれらの組合せ等が挙げられるが、それらに限定されない。皮膚有益剤の更なる実施形態としては、グリセリン、グリコール(例えば、プロピレングリコール等)、脂肪族アルコール(例えば、C12-C25アルコール)、アジピン酸塩、安息香酸塩、イソパラフィン、エステル、又はそれらの組合せ等が挙げられるが、それらに限定されない。一例として、皮膚有益剤は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、最大14質量%(例えば、含まれる場合>0質量%)、好ましくは最大8質量%、及びより好ましくは最大2質量%の量で存在してもよい。スキンケア成分の更なる実施形態としては、ナトリウム又はカリウム塩(例えば、乳酸塩、塩化物、スルホン酸塩等)、ビタミン及びビタミン複合体、ヤシ脂肪酸、金属酸化物、油(例えば、ココアバター)、アロエベラ、抽出物(例えば、植物、果物、豆類等)、又はそれらの組合せ等が挙げられるが、それらに限定されない。一例として、そのようなスキンケア成分は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、最大10質量%、好ましくは最大5質量%、及びより好ましくは最大3質量%の量で存在してもよい。
【0012】
界面活性剤としては、イソステアロイル乳酸ナトリウム、イソステアリン酸アンモニウム、DEA-ミリスチン酸塩、アルキルグリセリルスルホン酸塩、ラウレス-16、又はそれらの組合せ等が挙げられるが、それらに限定されない。一例として、界面活性剤は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、最大9質量%、好ましくは最大7.5質量%、及びより好ましくは最大6質量%の量で存在してもよい。吸収剤としては、粘土又は粘土ベースの組成物、チョーク、タルク、シリカ、又はそれらの組合せ等が挙げられるが、それらに限定されない。添加してもよい粘土としては、ベントナイト、カオリン、又はそれらの組合せ等が挙げられるが、それらに限定されない。一例として、吸収剤は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、最大約9質量%、好ましくは最大約5質量%、及びより好ましくは最大約3質量%の量で存在してもよい。
実施形態は、着色剤として使用される染料又は顔料に敏感でない皮膚を有する使用者に適するものであってもよい。従って、シェービング補助組成物としては、二酸化チタン、マンガンバイオレット、酸化亜鉛、ウルトラマリン(例えば、ウルトラマリンブルー4)、オレンジ4、グリーン3、又はそれらの組合せ等の着色剤等が挙げられるが、それらに限定されない。一例として、着色剤は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、最大6質量%、好ましくは最大4質量%、及びより好ましくは最大1質量%の量で存在する。香料も添加することができ、これは組成物に望ましい香りを与えるために使用される着臭剤として作用し、組成物の他の構成要素のあまり望ましくない臭いを更にマスキングすることができる。香料に敏感でない皮膚を有する使用者に適し得る実施形態として、シェービング補助組成物は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、最大2質量%、好ましくは最大1.5質量%、及びより好ましくは最大約1質量%の量の香料を更に含んでもよい。
【0013】
好ましくは、前記石鹸基剤は、押出石鹸基剤又は流込石鹸基剤である。押出石鹸基剤の形成としては、鹸化又は中和生成物に添加するための第2相として様々な成分を配合するためのクラッチングプロセスの使用等が挙げられる。前記クラッチングプロセスの後、少なくとも水の一部を除去するために乾燥プロセスが採用される。次いで、得られた乾燥材料をペレット化して、融合プロセスに供し、追加の成分を添加してペレット化組成物を製造することができる。次いで、前記ペレット化組成物を精製及び押出して、押出石鹸基剤より押出シェービング補助組成物を形成することができ、これを更に最終的な所望の形状に加工することができる。
一方、流込石鹸基剤の調製は、獣脂又は植物性脂肪中のトリグリセリドを塩基と反応させて鹸化又は中和石鹸生成物(例えば、脂肪酸塩)及びグリセロールを生成することと、必要に応じて一部の水を除去することを含んでもよい。得られた生成物は必要に応じて精製され、追加の成分を前記生成物と混合するか、又は追加の成分無しで固化する。ただし、追加の成分を含まない固化石鹸は、後に再溶解して前記追加の成分と混合してもよい。いずれの場合も、前記混合した溶融石鹸基剤を型に注ぎ、冷却して成形されたシェービング補助組成物を形成してもよい。
特に、上記のプロセスは、従来方法の非限定的な例であり、それ故本発明のより広範な態様から逸脱することなく、上記方法の1又は複数の態様を容易に置き換えることができる。例えば、流込石鹸基剤の調製は、対応する脂肪塩及び追加成分を、水、グリセリン及び/又はプロピレングリコールの任意の種類の混合物に溶解することにより達成することができる。特に、押出石鹸基剤及び流込石鹸基剤は、実施形態での使用のために容易に市販で入手することができる。
【0014】
成形及び/又は押出成形されたシェービング補助組成物は、実質的に無水のシェービング補助組成物として、シェービング補助組成物の全重量に基づき、20.0質量%未満の量の水を含んでもよい。これに関して、前記シェービング補助組成物の1又は複数の成分は、吸収及び/又は吸着された水を伴ったものでもよく、そうでない場合、実質的に無水のシェービング補助組成物に持ち込まれる可能性がある。経済的、調達、及び/又は配合上の理由から、吸湿性材料を処理して水を完全に含まないようにすることは不利な場合がある。加えて、意図的に添加される可能性のある水を除去して、実質的に無水のシェービング補助組成物を提供することができる。従って、例えば、前記シェービング補助組成物は、合計で約10質量%以下の水を含んでもよい。
しかし、前記成形及び/又は押出成形されたシェービング補助組成物は、実質的に含水のシェービング補助組成物であってもよいことが理解される。例えば、既製で市販の流込石鹸基剤は最大約40質量%の含水量を有してもよいが、特注された特別な目的の流込石鹸基剤はより多くの又はより少ない含水量を有してもよい。一方、前記成形及び/又は押出成形されたシェービング補助組成物の形成も、最終的な含水量に影響する可能性がある。従って、前記成形及び/又は押出成形されたシェービング補助組成物には、(1又は複数の原材料による)前処理状態と比較して、より少ない水が存在する可能性があり、水は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、20.0質量%を超える量で依然として残存し、実質的に含水の組成物を提供する。
更に、又はあるいは、前記シェービング補助組成物は、一定の乾燥条件下で、実質的に固体のシェービング補助組成物として規定の形状及びサイズを維持するように、共に保持された原子又は分子の集合体であってもよい。多くの最終用途において、前記シェービング補助組成物は、例えば、シェービング中に水に曝されたときに潤滑要素として機能するシェービング補助体において、その設計された機能の一部として水に曝されてもよいことが理解される。従って、カミソリのシェービング補助組成物は、シェービングの前又はシェービング中に可溶化される前は、実質的に無水、含水、及び/又は固体であってもよい。
【0015】
天然耐摩耗剤
天然耐摩耗剤は、1又は複数の多糖類より選択してもよい。いかなる理論にも束縛されるものではないが、1又は複数の水溶性、天然、比較的安全、及び/又は生分解性のゲルを構築し、粘度を増加させる多糖類は、耐摩耗性を著しく向上させる柔軟なネットワークを構築しながら、押出成形された石鹸基剤又は溶融石鹸基剤を有するシェービング補助組成物中で水と結びつくことができると考えられる。従って、持続可能性を高めるために天然成分を使用して、より長持ちする石鹸を提供することができる。これに関して、前記シェービング補助組成物は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド(PEO)、PVP/ビニルアルコール共重合体、酢酸ビニル重合体及び共重合体、ポリアクリルアミド等の合成潤滑剤重合体を必要とせず、及び意図的に除外することができる。この技術的解決策は、潤滑及び/又は滑り要素として機能する交換用カートリッジに長持ちする石鹸を組み込む場合に特に有用である。
実施形態において、多糖類は、藻類抽出物、種子抽出物、植物浸出液、微生物浸出液、果実抽出物、動物由来のゲル化剤、又はそれらの組合せより選択してもよい。藻類抽出物としては、寒天、カラギーナン、アルギン酸塩、又はそれらの組合せ等が挙げられるが、それらに限定されない。種子抽出物としては、イナゴマメガム、グアーガム、ローカストビーンガム、又はそれらの組合せ等が挙げられるが、それらに限定されない。植物浸出液としては、アラビアガム、コンニャクガム、カラヤガム、トラガカントガム、ガッティガム、デンプン又はそれらの組合せ等が挙げられるが、それらに限定されない。微生物浸出液としては、キサンタンガム、セルロース又はその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルキル基をグラフトすることにより修飾されたセルロース等)、プルラン、又はそれらの組合せ等が挙げられるが、それらに限定されない。果物抽出物としては、ペクチン等が挙げられるが、それに限定されない。動物由来のゲル化剤としては、ゼラチン、カゼイネート、又はそれらの組合せ等が挙げられるが、それらに限定されない。従って、シェービング補助組成物としては、寒天、カラギーナン、アルギン酸塩、イナゴマメガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、コンニャクガム、カラヤガム、トラガカントガム、ガッティガム、キサンタンガム、デンプン、セルロース又はその誘導体、ペクチン、ゼラチン、及び/又はカゼイネート等が挙げられる。
【0016】
多糖類は、好ましくは、シェービング補助組成物の最終pH値等の特定の条件における安定性又は特性に基づいて選択してもよい。例えば、キサンタンガムは広範囲のpH値(例えば1~13)でゲル安定性を示すが、ペクチンは室温でアルカリ性のpH値で急速に分解する。更に、又はあるいは、多糖類は、石鹸基剤を製造するために使用するプロセスに基づいて選択してもよい。一例として、前記石鹸基剤が押出石鹸基剤である場合、使用する多糖類としては寒天等が挙げられる。他の例では、前記石鹸基剤が流込石鹸基剤である場合、使用する多糖類としては、寒天、キサンタンガム、又はそれらの組合せ等が挙げられる。更に、シェービング補助組成物は、グアーガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、又はそれらの組合せを意図的に除外してもよい。例えば、シェービング補助組成物中の石鹸基剤が押出石鹸基剤である場合、シェービング補助組成物は、1又は複数の前述の多糖類を意図的に除外してもよい。
天然耐摩耗剤は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約0.25質量%~約15.0質量%の量で存在してもよい。シェービング補助組成物中に存在する多糖類の合計濃度は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、例えば、0.5質量%~8.0質量%、例えば1.0質量%~3.0質量%であってもよく、それらの間の全ての数及び/又は分数も含まれる。特に、多糖類の混合物は、より低い濃度で更に効果的である可能性がある。このような効果的な量の多糖類を、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約50質量%~約99.5質量%、好ましくは約75質量%~約99.5質量%(それらの間の全ての数及び/又は分数も含む)の量で存在する石鹸基剤と組み合わせると、従来の水/石鹸溶液よりも実質的に高粘度の水との接触中に粘稠なゲルが生じる可能性があり、前記多糖類が結合添加剤として機能する可能性があり、前記多糖類が固形石鹸中の過剰な水分と結合する可能性があり、及び/又は前記多糖類が前記石鹸の液相に影響を与えたり安定化させたりする可能性がある。
【実施例】
【0017】
シェービング補助組成物の実施例
実施例の表1は、石鹸基剤及び多糖類より選択される天然耐摩耗剤を含むシェービング補助組成物を示す。前記石鹸基剤は押出石鹸基剤であってもよく、押出シェービング補助組成物中で1又は複数の多糖類と結合する。前記押出石鹸基剤は、例えば、パルミチン酸ナトリウム、ヤシ脂肪酸ナトリウム、イソステアリン酸ナトリウム、イソステアリン酸、水、パルミチン酸カリウム、グリセリン、イソステアロイル乳酸ナトリウム、ヤシ脂肪酸カリウム、イソステアリン酸カリウム、ヤシ脂肪酸スクロース、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール(PEG)-50シアバター、酢酸トコフェロール、ペンテト酸五ナトリウム、及び/又はエチドロン酸四ナトリウムを含んでもよい。前記石鹸基剤はまた、流込シェービング補助組成物中の1又は複数の多糖類と組み合わされた流込石鹸基剤であってもよい。前記流込石鹸基剤(メルトアンドポアソープ)としては、市販の石鹸基剤又は専用石鹸基剤等が挙げられる。
【表1】
表1に示す対応するおよその(±20%)濃度の成分を含む、様々な押出シェービング補助組成物及び流込シェービング補助組成物を耐摩耗性について評価した。シェービング補助組成物は、シェービング補助体の形態であった。耐摩耗性は、事前に選択した温度の水浴中でテクスチャー加工された面上及びこのテクスチャー加工された面とシェービング補助体との間に水の流れを維持し、シェービングプロセスをシミュレートするために前記シェービング補助体を摩耗させることによって測定した。水浴を通る水の流れは、毎分約0.08ガロン(gpm)であってもよく、水の温度は、約38°C~約42°Cであってもよい。前記シェービング補助体の摩耗は、テクスチャー加工された表面によるシェービング補助体の係合、及び振動運動におけるテクスチャー加工された表面を横切るシェービング補助体の移動を提供する装置によって影響を受ける。前記テクスチャー加工された表面は、32マイクロインチ(Ra)(約150グリット)の表面仕上げ番号を有するステンレス鋼パッドであることが好ましい。シェービング補助体のテクスチャー加工された表面上でのそれぞれの連続的な動き(前後)は、1サイクルである。1つの完全なサイクルは、各方向(前後)における約6インチの動きである。重りを使用して、前記シェービング補助体に300グラム(g)の負荷が維持される。一般的に、前記シェービング補助体の磨耗率は、サイクル当たり約0.002~約0.040ミリメートル(mm/サイクル)、好ましくは約0.002~約0.030mm/サイクル、より好ましくは約0.002~約0.018mm/サイクルである。
【0018】
実施例の表2は、摩耗について評価した様々な押出シェービング補助組成物の結果を示す。実施例1A~1Bは、二重に評価された同じコントロールサンプルである。コントロールサンプルは、市販の押出石鹸基剤のみからなり、それぞれ0.0074及び0.0088の摩耗値を示した。特に、驚くべきことに、寒天は、押出石鹸基剤中で試験した中で、評価した濃度範囲の下限と上限の両方で耐摩耗性が顕著に改善された唯一の天然耐摩耗剤であった(例2A~2D)。興味深いことに、押出シェービング補助組成物中の寒天の濃度が減少するにつれて、耐摩耗性には肯定的な傾向があった。しかし、他の多糖類は、評価した濃度範囲では摩耗に対して良好な性能を発揮しなかった。これらのうち、ローカストビーンガムを有する押出シェービング補助組成物のみが、濃度範囲の上限で摩耗の改善を示した(例5B)。
【表2】
【0019】
実施例の表3は、様々な流込シェービング補助組成物について摩耗について評価した結果を示す。実施例7及び10は、流込石鹸基剤のみからなる2つの異なるコントロールサンプルである(後者は、市販の溶融及び流込石鹸基剤である)。コントロールサンプルは、それぞれ0.0187及び0.0026の摩耗値を示した。特に、驚くべきことに、寒天及びキサンタンガムは、比較的低い初期摩耗値を有する溶融及び注入石鹸基剤における摩耗を顕著に改善する天然の耐摩耗剤であった(例8~9)。興味深いことに、寒天を含む流込シェービング補助組成物は、磨耗の向上における従来の困難を考慮すると、及び注入石鹸基剤の比較的高い初期磨耗値を考慮すると、顕著に改善された磨耗を示した(例11)。
【表3】
【0020】
従って、実施形態による摩耗の改善は、石鹸摩耗に対処しようとする従来の技術と少なくとも同等であるか、有利にはそれよりも優れている。更に、又はあるいは、本明細書で議論される技術的解決策は、石鹸摩耗に対処しようとする従来の技術では匹敵しない更なる持続可能性の利点(例えば、自然さ、生分解性、カートリッジの寿命等)を提供する。
【0021】
追加的な説明及び実施例
追加的な実施例には、シェービング補助組成物、カミソリ等のシェービング補助組成物を含む消費者製品、シェービング補助組成物の製造方法、及び/又はシェービング補助組成物の使用方法が含まれる。
実施例1としては、石鹸基剤及び1又は複数の多糖類より選択される天然耐摩耗剤を含むシェービング補助組成物等が挙げられる。
実施例2としては、実施例1のシェービング補助組成物等が挙げられ、前記石鹸基剤は、C12-C22脂肪酸、その塩、又はそれらの組合せを含む。
実施例3としては、実施例1~2のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、前記石鹸基剤は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレン酸、それらの塩、又はそれらの組合せを含む。
実施例4としては、実施例1~3のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、前記石鹸基剤は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約75.0質量%~約99.5質量%の量で存在する。
実施例5としては、実施例1~4のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、前記石鹸基剤は、押出石鹸基剤又は流込石鹸基剤の1つより選択される。
実施例6としては、実施例1~5のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、前記1又は複数の多糖類は、藻類抽出物、種子抽出物、植物浸出液、微生物浸出液、果実抽出物、動物由来のゲル化剤、又はそれらの組合せより選択される。
実施例7としては、実施例1~6のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、前記1又は複数の多糖類は寒天を含み、及び前記石鹸基剤は押出石鹸基剤及び流込石鹸基剤からなる群より選択される。
実施例8としては、実施例1~7のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、前記1又は複数の多糖類は寒天を含み、前記多糖類はグアーガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、又はキサンタンガムを意図的に除外し、及び前記石鹸基剤は押出石鹸基剤及び流込石鹸基剤からなる群より選択される。
実施例9としては、実施例1~8のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、前記1又は複数の多糖類はキサンタンガムを含み、及び前記石鹸基剤は流込石鹸基剤からなる群より選択される。
実施例10としては、実施例1~9のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、前記1又は複数の多糖類は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約0.25質量%~約15.0質量%の量で存在する。
実施例11としては、実施例1~10のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、前記1又は複数の多糖類は、シェービング補助組成物の全重量に基づき、約0.5質量%~約3.0質量%の量で存在する。
実施例12としては、実施例1~11のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、前記シェービング補助組成物は意図的に合成潤滑剤重合体を除外する。
実施例13としては、実施例1~12のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、前記シェービング補助組成物は実質的に無水で且つ固体である。
実施例14としては、実施例1~13のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、前記シェービング補助組成物は、シェービング補助体、シェービング補助ストリップ、又はそれらの組合せの形態である。
実施例15としては、実施例1~14のいずれかのシェービング補助組成物等が挙げられ、1又は複数の皮膚軟化剤、潤滑剤、湿潤剤、保湿剤、コンディショナー、界面活性剤、乳化剤、皮膜形成剤、日焼け止め活性剤、老化防止活性剤、防虫剤、アミノ酸、着色剤、顔料、染料、不透明剤、pH調整剤、香料、充填剤、ビタミン及びその誘導体、防腐剤、防腐促進剤、キレート剤、分散剤、安定剤、スフィンゴ脂質、抗酸化剤、ミネラル、角質溶解剤、ホルモン化合物、鎮痛剤、抗アレルギー剤、H1又はH2抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、抗刺激剤、抗腫瘍剤、免疫系増強剤、免疫系抑制剤、抗座瘡剤、洗浄剤、麻酔薬、防腐剤、皮膚冷却化合物、皮膚保護剤、皮膚浸透促進剤、角質除去剤、染色剤、抗菌剤、吸収剤、発泡剤、発毛促進剤、脱毛剤、脱色剤、色素沈着抑制剤、医薬品、球状粉末、抽出物、アルファ及びベータヒドロキシ酸、レチノール及びその誘導体、又はそれらの組合せを更に含んでもよい。
実施例16としては、実施例1~15のいずれかのシェービング補助組成物シェービング補助組成物を含むカミソリ等が挙げられる。
実施例17としては、実施例1~16のいずれかのカミソリ等が挙げられ、前記シェービング補助組成物は、前記カミソリのカミソリカートリッジの上に、又はそれに隣接して取り付けられたシェービング補助体として前記カミソリに組み込まれる。
実施例18としては、実施例1~17のいずれかのカミソリ等が挙げられ、前記シェービング補助組成物は、前記カミソリのカミソリカートリッジの上に、又はそれに隣接して取り付けられたシェービング補助ストリップとして前記カミソリに組み込まれる。
実施例19としては、石鹸基剤を選択すること、1又は複数の多糖類より選択される天然耐摩耗剤を選択すること、及び前記石鹸基剤と前記天然耐摩耗剤を組み合わせて前記シェービング補助組成物を形成することを含む、実施例1~15のいずれかのシェービング補助組成物の製造方法等が挙げられる。
実施例20としては、実施例1~19のいずれかの方法等が挙げられ、前記石鹸基剤は押出石鹸基剤より選択される。
実施例21としては、実施例1~19のいずれかの方法等が挙げられ、前記石鹸基剤は流込石鹸基剤より選択される。
実施例22としては、前記シェービング補助組成物を1又は複数の溶媒と接触させて前記シェービング補助組成物又は角質表面及び/又は剛毛表面を活性化し、前記シェービング補助組成物を活性化するか又は活性化を補助するために摩耗を引き起こすことを含む、実施例1~21のいずれかのシェービング補助組成物の使用方法等が挙げられる。
【0022】
本開示及び以下の特許請求の範囲において、単語「又は(or)」は、例えば、X、Y、又はZのリストがX又はY又はZ又はXY又はXZ又はYZ又はXYZを意味するような、包括的なリストを示す。同様に、1又は複数のX、Y、若しくはZのリスト、又はX、Y、Zのリスト、又ははそれらの組合せは、X又はY又はZ又はXY又はXZ又はYZ又はXYZを意味する。更に、表現「~に基づいて(based on)」は、閉ざされた条件の設定を表すために使用しない。例えば、「条件Aに基づいて(based on condition A)」と記載される工程は、条件A及び条件Bの両方に基づいてもよい。換言すると、表現「~に基づいて(based on)」は、「少なくとも部分的に~に基づいて(based at least in part on)」を意味するものと解釈すべきである。更に、単語「a」又は「an」は、「少なくとも1つ(at least one)」を示す。
【0023】
本開示は、特定の好ましい実施形態に関連して特に説明しているが、上記説明を考慮すれば、多くの代替、修正、及び変形は、当業者にとって明らかであることは明白である。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の範囲及び主旨の範囲内に含まれるそのような任意の代替、修正、及び変形を包含するものと考えられる。
【国際調査報告】