(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】喫煙物品及びエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240614BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20240614BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20240614BHJP
A24B 3/14 20060101ALI20240614BHJP
A24B 15/16 20200101ALI20240614BHJP
A24B 15/14 20060101ALI20240614BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240614BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/04
A24D3/17
A24B3/14
A24B15/16
A24B15/14
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577234
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 KR2022013837
(87)【国際公開番号】W WO2023043243
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0124937
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン テ
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ソン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ミン ヒ
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB16
4B043BC03
4B043BC04
4B045AA21
4B045AA41
4B045AB01
4B045BA02
4B045BA08
4B045BC17
4B045BC24
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC22
(57)【要約】
喫煙物品は、複数の媒質顆粒によって充填される媒質収容部と、前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾル生成する保湿剤収容部と、前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部とを含み、前記複数の媒質顆粒は非定型的な形状を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の媒質顆粒を含む喫煙物品であって、
前記喫煙物品は前記複数の媒質顆粒が充填される媒質収容部を含み、
前記複数の媒質顆粒は非定型的な形状を有する、喫煙物品。
【請求項2】
前記喫煙物品は、
前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部と、
前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部と、
をさらに含む、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記媒質収容部は、前記複数の媒質顆粒が塗布された平面シートが複数回折り畳まれて構成される、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記平面シートの一面に保湿剤が塗布される、請求項3に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記複数の媒質顆粒は、真円度が30%以上90%以下で構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記真円度は60%以上90%以下で構成される、請求項5に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記複数の媒質顆粒は、流動層の顆粒化工程を介して製造される、請求項1~4のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記流動層の顆粒化工程は、液相バインダの噴射方向と流動化空気の流れ方向が互いに対向する形態の工程である、請求項7に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記媒質収容部は平面シートの一面に保湿剤が塗布され、前記保湿剤が塗布された前記平面シートの一面に前記複数の媒質顆粒を配置した後、前記平面シートの一面が互いに対向するように折り畳まれた後追加的に複数回折り畳まれ、複数回折り畳まれた前記平面シートがラッパーによって包まれて形成される、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記平面シートの前記一面に塗布されていない前記複数の媒質顆粒は、前記喫煙物品を製造する過程で再使用される、請求項9に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記フィルタ部は、
内部にキャビティが存在する第1フィルタ部と、
内部がフィルタ物質によって完全に充填された第2フィルタ部と、
を含む、請求項2に記載の喫煙物品。
【請求項12】
喫煙物品と、
エアロゾル発生装置と、
を含み、
前記喫煙物品は、
複数の媒質顆粒によって充填される媒質収容部と、
前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部と、
前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部と、
を含み、
前記エアロゾル発生装置は、
前記喫煙物品を収容する細長型空洞と、
少なくとも前記喫煙物品の前記媒質収容部及び前記保湿剤収容部の一部分を加熱するヒーターと、
前記ヒーターと電気的に接続される制御部と、
を含み、
前記複数の媒質顆粒の真円度は90%以下である、エアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記複数の媒質顆粒の真円度は60%以上である、請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記複数の媒質顆粒は、液相バインダの噴射方向と流動化空気の流れ方向が互いに対向する形態の工程を介して製造される、請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下、実施形態は喫煙物品及びエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近ごろ、一般的な巻タバコの短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、巻タバコを燃焼させてエアロゾルを生成する方法でない、巻タバコ内のエアロゾル発生が加熱されることによりエアロゾルが生成される方法に関する需要が増加している。例えば、公開特許公報第10-2004-0077711号はタバコビードを有する喫煙品を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施形態に係る目的は、媒質顆粒の安着性及び分散性が向上した喫煙物品及びエアロゾル発生システムを提供することにある。
【0004】
一実施形態に係る目的は、消費者に均一なタバコの味を提供する喫煙物品及びエアロゾル発生システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る喫煙物品は、複数の媒質顆粒により充填される媒質収容部を含み、前記複数の媒質顆粒は非定型的な形状を有することができる。
【0006】
前記喫煙物品は、前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部と、前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部とをさらに含むことができる。
【0007】
前記媒質収容部は、前記複数の媒質顆粒が塗布された平面シートが複数回折り畳まれて構成されることができる。
【0008】
前記平面シートの一面に保湿剤が塗布されることができる。
【0009】
前記複数の媒質顆粒は、真円度が30%以上90%以下であってもよい。
【0010】
前記真円度は60%以上90%以下であってもよい。
【0011】
前記複数の媒質顆粒は、流動層の顆粒化工程を介して製造されることができる。
【0012】
前記流動層の顆粒化工程は、液相バインダの噴射方向と流動化空気の流れ方向が互いに対向する形態の工程であってもよい。
【0013】
前記媒質収容部は平面シートの一面に保湿剤が塗布され、前記保湿剤が塗布された前記平面シートの一面に前記複数の媒質顆粒を配置した後、前記平面シートの一面が互いに対向するように折り畳まれた後追加的に複数回折り畳まれ、複数回折り畳まれた前記平面シートがラッパーによって包まれて形成されることができる。
【0014】
前記平面シートの前記一面に塗布されていない前記複数の媒質顆粒は、前記喫煙物品を製造する過程で再使用されることができる。
【0015】
前記フィルタ部は、内部にキャビティが存在する第1フィルタ部と、内部がフィルタ物質によって完全に充填された第2フィルタ部とを含むことができる。
【0016】
一実施形態に係るエアロゾル発生システムは、喫煙物品と、エアロゾル発生装置とを含み、前記喫煙物品は、複数の媒質顆粒によって充填される媒質収容部と、前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部と、前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部とを含み、前記エアロゾル発生装置は、前記喫煙物品を収容する細長型空洞と、少なくとも前記喫煙物品の前記媒質収容部及び前記保湿剤収容部の一部分を加熱するヒーターと、前記ヒーターと電気的に接続される制御部とを含み、
【0017】
前記複数の媒質顆粒の真円度は90%以下であってもよい。
【0018】
前記複数の媒質顆粒の真円度は60%以上であってもよい。
【0019】
前記複数の媒質顆粒は、液相バインダの噴射方向と流動化空気の流れ方向が互いに対向する形態の工程を介して製造されることができる。
【発明の効果】
【0020】
一実施形態に係る喫煙物品及びエアロゾル発生システムは、媒質顆粒の分散性及び安着性を向上させることができる。
【0021】
一実施形態に係る喫煙物品及びエアロゾル発生システムは、消費者に均一なタバコの味を提供することができる。
【0022】
一実施形態に係る喫煙物品及びエアロゾル発生システムの効果は、以上で言及されたものなどに限定されず、言及されない異なる効果は、下記の記載によって当業者に明確に理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2A】一実施形態に係る平面シート上に複数の媒質顆粒が塗布された状態を概略的に示す図である。
【
図2B】一実施形態に係る平面シート上に複数の媒質顆粒が塗布された状態を概略的に示す図である。
【
図3A】一実施形態に係る複数の媒質顆粒が配置された平面シートが折り畳まれた状態で複数の媒質顆粒の分散性を概略的に示す図である。
【
図3B】一実施形態に係る複数の媒質顆粒が配置された平面シートが折り畳まれた状態で複数の媒質顆粒の分散性を概略的に示す図である。
【
図4】一実施形態に係る媒質顆粒の真円度を説明するための図である。
【
図5】一実施形態に係るエアロゾル発生装置を概略的に示す図である。
【
図6】一実施形態に係る喫煙物品とエアロゾル発生装置が結合された状態のエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
【
図7】一実施形態に係る流動層の顆粒化工程のうちトップ・スプレー方式の流動層の顆粒化工程を概略的に示す図である。
【
図8】様々な流動層の顆粒化工程によって製造された顆粒を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して実施形態について詳説する。しかし、本明細書で開示する特定の構造的又は機能的な説明は単に実施形態を説明するための目的として例示したものであり、実施形態は様々な異なる形態で実施され、本発明は本明細書で説明した実施形態に限定されるものではない。実施形態に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれているものと理解されなければならない。
【0025】
実施形態で用いられる用語は、単に、説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されることはない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0026】
異なるように定義さがれない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0027】
また、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく、同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。実施形態の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にするものと判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0028】
また、実施形態の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該の構成要素の本質や順番、又は順序などが限定されない。いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結されたり接続されるが、各構成要素間で別の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」され得ると理解できるのであろう。
【0029】
いずれかの実施形態に含まれる構成要素と共通の機能を含む構成要素は、他の実施形態で同じ名称を用いて説明することにする。逆の記載がない以上、いずれかの実施形態に記載した説明は他の実施形態にも適用され、重複する範囲で具体的な説明は省略することにする。
【0030】
本願で使用する用語「顆粒分散性」は、顆粒が平面シートに等しく分散する程度を指す。
【0031】
本願で使用する用語「顆粒フィルタの作業性」は、媒質収容部を製造する工程で媒質顆粒の一部がつぶれて微粉によって顆粒含有フィルタ部などの外観が汚染される恐れがあり、このような汚染のないフィルタ部を製造できる程度を指す。
【0032】
【0033】
図1を参照すると、一実施形態に係る喫煙物品100は、媒質収容部110、媒質収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部120、媒質収容部の他側に位置するフィルタ部130を含み、喫煙物品100のセグメント、即ち、媒質収容部110、保湿剤収容部120及びフィルタ部130は、それぞれセグメントラッパー(segment wrapper)140によって包まれ、セグメントラッパー140によって包まれたセグメントは、総括ラッパー150によって包まれる1つの喫煙物品が構成される。
【0034】
媒質収容部110は複数の媒質顆粒114によって充填され、複数の媒質顆粒114は非定型的な形状を有してもよい。複数の媒質顆粒114が一般的な球(sphere)型である場合、媒質収容部110を製造する工程で微粉が発生する可能性が減少し、顆粒フィルタの作業性が優れる。但し、複数の媒質顆粒114が完全な球型である場合、媒質収容部110を製造する工程で顆粒分散性が低下し、そのため、喫煙物品の喫味が低下する。したがって、複数の媒質顆粒114は基本的に球型を有するが、顆粒分散性を保持できるほどの非定型的な形状を有することが好ましい。
【0035】
フィルタ部130は、内部にキャビティが存在する第1フィルタ部132及び濾過物で内部が充填された第2フィルタ部134を含む。濾過物は、セルロース系の物質(例えば、アセテート、紙など)を含んでもよい。
【0036】
前記したように、顆粒型媒質を含むフィルタを製造時に顆粒の形状に応じて喫煙物品の媒質収容部の製造作業性に影響を及ぼし、顆粒型媒質を含む喫煙物品又はエアロゾル発生システムの製造時に媒質顆粒の適切な形状を導き出す必要性が提起される。
【0037】
図2A及び
図2Bは、一実施形態に係る平面シート上に複数の媒質顆粒が塗布された状態を概略的に示す図であり、
図2Aは、球型の顆粒114’が平面シート112上に塗布されて平面シート112が折り畳まれる場合に顆粒分散性が不良な状態を示す図であり、
図2Bは、非定型の顆粒114が平面シート112上に塗布されて平面シート112が折り畳まれる場合に顆粒分散性が良好な状態を示す図である。
【0038】
図2Aを参照すると、球型の顆粒114’は、平面シート112に対する安着性が低くて小さい衝撃にも四方に流動することができ、そのため、顆粒114’が配置されている平面シート112が広げられている状態はもちろん、平面シート112を折り畳んで顆粒114’を含む媒質収容部110を製造する過程で顆粒の分散性がより不良になる。一方、
図2Bを参照すると、非定型的な形状の顆粒114は、平面シート112に対する安着性が相対的に高いため容易に流動せず、したがって、顆粒114が配置されている平面シート112を折り畳んで顆粒114を含む媒質収容部110を製造する過程においても顆粒の分散性は良好に保持され得る。平面シート112上に接着成分を有するバインダ物質が塗布されることによって、平面シート112に対する複数の媒質顆粒114の安着性が向上されるが、このようなバインダ物質は、喫煙時に加熱されたエアロゾルと共に吸引され、喫煙物品の喫味を低下させることがある。複数の媒質顆粒114を平面シート112に配置する前平面シート112の一面にバインダ物質でない保湿剤が塗布されることで、保湿剤が平面シート112と複数の媒質顆粒114との間の付着性を一時的に向上させることができる。保湿剤は、喫煙物品内でエアロゾルを発生させるための物質として、喫煙物品の喫味に否定的な影響を与えない。即ち、喫煙物品100の媒質収容部110は、平面シート112の一面に保湿剤が塗布され、保湿剤の塗布された平面シート112の一面に複数の媒質顆粒114が配置された後、平面シート112の一面が互いに対向するように折り畳まれた後追加的に複数回折り畳まれ、複数回折り畳まれた平面シート112がラッパー140によって包まれて形成されてもよい。
【0039】
図3A及び
図3Bは、一実施形態に係る複数の媒質顆粒が配置された平面シートが折り畳まれた状態で複数の媒質顆粒の分散性を概略的に示す図である。
【0040】
図3A及び
図3Bを参照すると、球型の媒質顆粒114’が平面シート112上に配置されて複数回折り畳まれる場合、媒質収容部110内の顆粒分散性が不良な状態に保持され(
図3A参照)、非定型的な形状の媒質顆粒114が平面シート112上に配置されて複数回折り畳まれる場合、媒質収容部110内の顆粒分散性が良好な状態に保持され得る(
図3B参照)。
【0041】
図4は、一実施形態に係る媒質顆粒の真円度を説明するための図である。
【0042】
真円度は、粒子、ビード、顆粒などの球状物質の丸い程度を示す数値である。本願で真円度は、最大内接円中心法(Maximum Inscribed Circle、MIC)に基づいて算出される。
図4を参照すると、最大内接円中心法は、顆粒などの測定輪郭内に内接円を描いたとき半径が最も大きい円、すなわち、最大内接円Ciの中心を測定輪郭の中心とし、当該の最大内接円Ciの中心を有しながら測定輪郭に外接する円のうち半径が最も大きい円、すなわち、最大外接円Ccを描いたとき、最大外接円R
maxに比べて最大内接円R
minの半径R
min比を百分率で表現したものを真円度として規定する。
【0043】
複数の媒質顆粒114の真円度が高いほど顆粒フィルタの作業性は良好になるが、顆粒分散性は不良になる。反対に、媒質顆粒114の真円度が低いほど顆粒分散性は良好になる一方、顆粒フィルタの作業性は不良になる。したがって、媒質収容部110を構成している複数の媒質顆粒114が適切な数値範囲の真円度を有することで、顆粒分散性及び顆粒フィルタの作業性が全て良好になることから、喫煙物品の喫味が向上し得る。
【0044】
これに対する概略的な試験結果が下記の表1に示されている。
【表1】
【0045】
表1を参照すると、顆粒の真円度が90%を超過する場合に顆粒の分散性は概して不良である一方、顆粒の真円度が90%以下である場合には顆粒が平面シート上に配置された後複数回折り畳まれることにより、媒質収容部を構成したとき複数の媒質顆粒が比較的に等しく分散することが分かる。
【0046】
また、顆粒の真円度が30%未満である場合には顆粒の形態が過度に非定型的になり、顆粒製造時又は媒質収容部の製造時に顆粒の一部の破裂による微粉が発生してフィルタなどの汚染が発生した。顆粒の真円度が30%以上である場合、真円度がそれよりも低い時と比較して顆粒の破裂による微粉発生率が著しく減少し、顆粒の真円度が60%以上である場合は、顆粒の硬度が十分に高くて顆粒の破裂により喫煙物品のフィルタを汚染させる頻度が著しく減少した。即ち、喫煙物品に含まれている媒質顆粒の真円度は60%以上90%以下である場合に、顆粒の分散性と顆粒のフィルタ作業性の全てにおいて非常に良好であった。
【0047】
また、タバコの味、すなわち喫味は、顆粒が均等に分散しているかを意味する顆粒分散性及び顆粒のフィルタが媒質顆粒の微粉によって汚染されることなく製造されるかを意味する顆粒フィルタ作業性の両方に影響を受ける。表1に示すように、喫味は顆粒の真円度が、好ましくは30%以上90%以下、さらに好ましくは60%以上90%以下であるとき最も良好であることが分かる。
【0048】
図5及び
図6は、前記の好ましい真円度の範囲を有する複数の媒質顆粒を含む喫煙物品が使用される態様に関する。
【0049】
図5は、一実施形態に係るエアロゾル発生装置を概略的に示す図である。
【0050】
図5を参照すると、エアロゾル発生装置200は、喫煙物品100を収容する細長型空洞210、ヒーター220及び制御部230を含む。制御部230は、ヒーター220と電気的に接続して喫煙物品100を加熱するための温度を制御する。エアロゾル発生装置200は、エアロゾルを発生させる工程において、電源を供給するバッテリ240をさらに含んでもよい。
【0051】
図6は、一実施形態に係る喫煙物品とエアロゾル発生装置が結合された状態のエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
【0052】
図6を参照すると、エアロゾル発生システム10は、喫煙物品100及びエアロゾル発生装置200を含む。喫煙物品100は、エアロゾル発生装置200の細長型空洞210内にぴったりと結合され、喫煙物品100がエアロゾル発生装置200に結合されている状態でヒーター220は、少なくとも喫煙物品100の媒質収容部110及び保湿剤収容部120の一部を加熱してもよい。エアロゾル発生システム10の喫煙物品100に含まれている媒質収容部110内の複数の媒質顆粒114の真円度は90%以下であることが好ましい。複数の媒質顆粒114の真円度が90%を超過する場合、媒質顆粒114の平面シート112に対する安着性が低下して顆粒分散性が不良になるためである。
【0053】
また、エアロゾル発生システム10の喫煙物品100に含まれている媒質収容部110内の複数の媒質顆粒114の真円度は60%以上であることが好ましい。複数の媒質顆粒114の真円度が60%よりも小さければ、媒質顆粒114の硬度が減少して軽微な衝撃にも媒質顆粒114がつぶれて微粉が発生することで、媒質収容部110ないしフィルタ部130が微粉によって汚染される。また、複数の媒質顆粒114が平面シート112の一面に塗布された後平面シート112を折り畳んで媒質収容部110を形成する過程において、平面シート112で付着されずに脱落した複数の媒質顆粒114はその後の工程で再使用される。したがって、脱落した複数の媒質顆粒114が脱落して再使用されるためには、顆粒114の最小限の硬度を担保しなければならないため、複数の媒質顆粒114の真円度は60%以上であることが好ましい。
【0054】
図7及び
図8は、前記の好ましい真円度の範囲を有する複数の媒質顆粒を製造する工程及び当該工程によって製造された顆粒の形態に関する。
【0055】
図7は、一実施形態に係る流動層の顆粒化工程のうちトップ・スプレー(top-spraying)方式の流動層の顆粒化工程を概略的に示す図である。
【0056】
流動層の顆粒化工程(Fluidized Bed Granulation)は、粉体物質の密閉された容器500の内で加熱された暑い空気と共に混合させると、容器内に粉体が流動されて混合、顆粒化、及び乾燥過程を経て顆粒が形成される工程である。流動層の顆粒化工程は、トップ・スプレー(top-spraying)方式、バーターム・スプレー(bottom-spraying)方式、粉体フィーディング(poweder feeding)方式、及びローター・スプレー(rotor-spraying)方式の工程を含んでもよい。そのうち、トップ・スプレー方式の工程は、粉体530が互いに1つになる接着剤の役割を果たす液相バインダ510が噴射される方向と流動化空気520の流れ方向が互いに対向している形態の流動層の顆粒化工程であって、液相バインダ510が噴射される方向と流動化空気520の流れ方向が互いに同じ形態のバーターム・スプレー方式又は液相バインダ510が噴射される方向と流動化空気520の流れ方向が互いに垂直形態のローター・スプレー方式などの流動層の顆粒化工程に比べて当該工程を介して形成される顆粒の真円度が相対的に低い。これについて、
図8に詳細に図示されている。
【0057】
図8は、様々な流動層の顆粒化工程によって製造された顆粒の実際の形状を示す図である。
【0058】
図8は、順にローター・スプレー方式、粉体フィーディング方式、及びトップ・スプレー方式の流動層の顆粒化工程によって製造された顆粒の形状を示す。
【0059】
図8を参照すると、ローター・スプレー方式及び粉体フィーディング方式の流動層の顆粒化工程によって製造された顆粒に比べて、トップ・スプレー方式の工程により製造された顆粒の形態がより不規則で非定型的であることが分かる。即ち、トップ・スプレー方式の流動層の顆粒化工程によれば、真円度が相対的に低い顆粒を形成することに容易である。これは、液相バインダ510の噴射方向と流動化空気520の流れ方向が互いに向き合って配列されることで流動が逆方向になり粒子が不規則な形態に成長するためである。
【0060】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態に結合又は組み合せられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても適切な結果を達成することができる。
【0061】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【国際調査報告】