(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】喫煙物品及びエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240614BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20240614BHJP
A24B 15/14 20060101ALI20240614BHJP
A24F 40/30 20200101ALI20240614BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/04
A24B15/14
A24F40/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577329
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 KR2022013401
(87)【国際公開番号】W WO2023038412
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0119790
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン テ
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ソン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ミン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】アン、キ チン
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB16
4B043BB22
4B043BC04
4B045AA43
4B045BA02
4B045BA08
4B045BC17
4B045BC23
4B162AA03
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC22
(57)【要約】
一実施形態に係る喫煙物品は、複数の媒質顆粒によって充填される媒質収容部と、前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部と、前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部を含み、前記複数の媒質顆粒は0.25mm以上の直径を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の媒質顆粒によって充填される媒質収容部と、
前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部と、
前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部と、
を含み、
前記複数の媒質顆粒の直径は0.25mm以上である、喫煙物品。
【請求項2】
前記複数の媒質顆粒はタバコ顆粒を含む、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記媒質顆粒の前記直径は0.60mm以下である、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記媒質顆粒の前記直径は0.425mm以上である、請求項3に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記媒質収容部は、前記複数の媒質顆粒が塗布された平面シートが複数回折り畳まれて構成される、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記平面シートの一面に保湿剤が塗布される、請求項5に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記媒質収容部は、平面シートの一面に保湿剤が塗布され、前記保湿剤が塗布された前記平面シートの一面に前記複数の媒質顆粒を配置した後、前記平面シートの一面が互いに対向するように折り畳まれた後追加的に複数回折り畳まれ、複数回折り畳まれた前記平面シートがラッパーによって包まれて形成される、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記フィルタ部は、
内部にキャビティが存在する第1フィルタ部と、
内部が充填されている第2フィルタ部と、
を含む、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のの喫煙物品。
【請求項9】
前記複数の媒質顆粒は、液相バインダの噴射方向と流動化空気の流れ方向が互いに対向する形態の流動層の顆粒化工程を介して製造される、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項10】
喫煙物品と、
エアロゾル発生装置と、
を含み、
前記喫煙物品は、
複数のタバコ顆粒によって充填される顆粒収容部と、
前記顆粒収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部と、
前記顆粒収容部の他側に位置するフィルタ部と、
を含み、
前記エアロゾル発生装置は、
前記喫煙物品を収容する細長型空洞と、
少なくとも前記喫煙物品の前記顆粒収容部及び前記保湿剤収容部の一部を加熱するヒーターと、
前記ヒーターと電気的に接続される制御部と、
を含み、
前記複数のタバコ顆粒の直径は0.25mm以上である、
エアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記タバコ顆粒の前記直径は0.425mm以上0.60mm以下である、請求項10に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記複数のタバコ顆粒は、液相バインダの噴射方向と流動化空気の流れ方向が互いに対向する形態の流動層の顆粒化工程を介して製造される、請求項10に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下、実施形態は、喫煙物品及びエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近ごろ、一般的な巻タバコの短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、巻タバコを燃焼させてエアロゾルを生成する方法でない、巻タバコ内のエアロゾル発生が加熱されることによりエアロゾルが生成される方法に関する需要が増加している。例えば、公開特許公報第10-2019-0094176号は、非晶質炭酸マグネシウムを有する喫煙物品フィルタを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施形態に係る目的は、最適の大きさの媒質顆粒を有する喫煙物品及びエアロゾル発生システムを提供することにある。
【0004】
一実施形態に係る目的は、消費者に均一なタバコの味を提供する喫煙物品及びエアロゾル発生システムを提供することにある。
【0005】
一実施形態に係る目的は、ニコチン移行量が増進された喫煙物品及びエアロゾル発生システムを提供することにある。
【0006】
一実施形態に係る目的は、媒質顆粒を含有する紙フィルタの製造作業性が容易な喫煙物品及びエアロゾル発生システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る喫煙物品は、複数の媒質顆粒によって充填される媒質収容部と、前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部と、前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部とを含み、前記複数の媒質顆粒は0.25mm以上の直径を有する。
【0008】
前記複数の媒質顆粒はタバコ顆粒を含むことができる。
【0009】
前記媒質顆粒の前記直径は0.60mm以下であってもよい。
【0010】
前記媒質顆粒の前記直径は0.425mm以上であってもよい。
【0011】
前記媒質収容部は、前記複数の媒質顆粒が塗布された平面シートが複数回折り畳まれて構成されることができる。
【0012】
前記平面シートの一面に保湿剤が塗布されることができる。
【0013】
前記媒質収容部は、平面シートの一面に保湿剤が塗布され、前記保湿剤が塗布された前記平面シートの一面に前記複数の媒質顆粒を配置した後、前記平面シートの一面が互いに対向するように折り畳まれた後追加的に複数回折り畳まれ、複数回折り畳まれた前記平面シートがラッパーによって包まれて形成されることができる。
【0014】
前記フィルタ部は、内部にキャビティが存在する第1フィルタ部と、内部が充填されている第2フィルタ部とを含むことができる。
【0015】
前記複数の媒質顆粒は、液相バインダの噴射方向と流動化空気の流れ方向が互いに対向する形態の流動層の顆粒化工程を介して製造されることができる。
【0016】
一実施形態に係るエアロゾル発生システムは、喫煙物品と、エアロゾル発生装置とを含み、前記喫煙物品は、複数のタバコ顆粒によって充填される顆粒収容部と、前記顆粒収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部と、前記顆粒収容部の他側に位置するフィルタ部とを含み、前記エアロゾル発生装置は、前記喫煙物品を収容する細長型空洞と、少なくとも前記喫煙物品の前記顆粒収容部及び前記保湿剤収容部の一部を加熱するヒーターと、前記ヒーターと電気的に接続される制御部とを含み、前記複数のタバコ顆粒の直径は0.25mm以上である。
【0017】
前記タバコ顆粒の前記直径は0.425mm以上0.60mm以下であってもよい。
【0018】
前記複数のタバコ顆粒は、液相バインダの噴射方向と流動化空気の流れ方向が互いに対向する形態の流動層の顆粒化工程を介して製造されることができる。
【発明の効果】
【0019】
一実施形態に係る喫煙物品及びエアロゾル発生システムは、最適の大きさの媒質顆粒を有することができる。
【0020】
一実施形態に係る喫煙物品及びエアロゾル発生システムは、消費者に均一なタバコの味を提供することができる。
【0021】
一実施形態に係る喫煙物品及びエアロゾル発生システムは、ニコチン移行量を増進させることができる。
【0022】
一実施形態に係る喫煙物品及びエアロゾル発生システムは、媒質顆粒を含有する紙フィルタの製造作業性が容易である。
【0023】
一実施形態に係る喫煙物品及びエアロゾル発生システムの効果は、以上で言及されたものなどに限定されず、言及されない異なる効果は、下記の記載によって当業者に明確に理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】顆粒の大きさによる概略的な顆粒の分散性を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る平面シート上に複数の媒質顆粒が塗布された状態を概略的に示す図である。
【
図4】一実施形態に係るエアロゾル発生装置を概略的に示す図である。
【
図5】一実施形態に係る喫煙物品とエアロゾル発生装置が結合された状態のエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
【
図6】一実施形態に係る流動層の顆粒化工程のうちトップ・スプレー方式の流動層の顆粒化工程を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して実施形態について詳説する。しかし、本明細書で開示する特定の構造的又は機能的な説明は単に実施形態を説明するための目的として例示したものであり、実施形態は様々な異なる形態で実施され、本発明は本明細書で説明した実施形態に限定されるものではない。実施形態に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれているものと理解されなければならない。
【0026】
実施形態で用いられる用語は、単に、説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されることはない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0027】
異なるように定義さがれない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0028】
また、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく、同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。実施形態の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にするものと判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0029】
また、実施形態の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該の構成要素の本質や順番、又は順序などが限定されない。いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結されたり接続されるが、各構成要素間で別の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」され得ると理解できるのであろう。
【0030】
いずれかの実施形態に含まれる構成要素と共通の機能を含む構成要素は、他の実施形態で同じ名称を用いて説明することにする。逆の記載がない以上、いずれかの実施形態に記載した説明は他の実施形態にも適用され、重複する範囲で具体的な説明は省略することにする。
【0031】
本願で使用する用語「顆粒分散性」は、媒質顆粒又はタバコ顆粒が平面シートに等しく分散する程度を指す。
【0032】
本願で使用する用語「顆粒フィルタの作業性」は、媒質収容部を製造する工程で媒質顆粒の一部がつぶれて微粉によって顆粒含有フィルタ部などの外観が汚染される恐れがあり、このような汚染のないきれいなフィルタ部を製造できる程度を指す。
【0033】
【0034】
図1を参照すると、一実施形態に係る喫煙物品100は、媒質収容部110、媒質収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部120、媒質収容部の他側に位置するフィルタ部130を含み、喫煙物品100のセグメント、即ち、媒質収容部110、保湿剤収容部120及びフィルタ部130は、それぞれセグメントラッパー(segment wrapper)140によって包まれ、セグメントラッパー140によって包まれたセグメントは、総括ラッパー150によって包まれる1つの喫煙物品が構成される。
【0035】
媒質収容部110は、複数の媒質顆粒114によって充填され、複数の媒質顆粒114の直径は0.25mm以上であってもよい。複数の媒質顆粒114の大きさが小さ過ぎる場合、顆粒の大きさが大きい場合に比べて顆粒の非定型性が増加し、そのため、媒質収容部を製造する工程で微粉が発生して顆粒フィルタの作業性が低下し得るため、複数の媒質顆粒114の直径は0.25mm以上であることが好ましい。一方、顆粒114の直径が小さいほど、即ち、顆粒114の大きさが小さいほど複数の媒質顆粒114が平面シート上に塗布される場合、顆粒が等しく広がって顆粒分散性が優れる。複数の媒質顆粒114は、好ましくは、タバコ顆粒であってもよく、複数のタバコ顆粒の大きさが小さいほど、媒質収容部110内に含まれたタバコ顆粒の全体の表面積が増加することで、ユーザが喫煙物品100を一回吸い込むとき移行されるニコチン量を増加させることができる。一方、複数の媒質顆粒114又は複数のタバコ顆粒の直径が大きいほど、顆粒フィルタの作業性が優れる。従って、複数の媒質顆粒114又は複数のタバコ顆粒は小径を有するが、顆粒フィルタの作業性が優秀に保持され得るほどの直径を有することが好ましい。
【0036】
即ち、顆粒型媒質を含む喫煙物品を製造時顆粒の大きさは、喫煙物品の媒質収容部に含まれている顆粒の分散性、喫煙物品のニコチン移行量、及び媒質収容部の製造作業性に影響を及ぼし、顆粒型の媒質を含む喫煙物品又はエアロゾル発生システムの製造時に媒質顆粒の適切な大きさを導き出す必要性が提起される。
【0037】
一実施形態において、複数の媒質顆粒114の大きさは標準シーヴ規格(Standard Sieve Comparison)を基盤に決定される。標準シーヴ規格とは、標準シーヴ(Standard Sieve)を用いて選別された粒子又は顆粒の大きさを意味するものとして、規格の種類は、KS、JIS、ASTM、DIN、Tylerなどがある。本試験で使用された規格は、アメリカのASTM標準シーヴ規格を基盤にする。US-ASTM標準シーヴ規格が下記の表1に示されている。
【表1】
【0038】
表1を参考して、ASTM標準シーヴ規格を基盤とした試験結果が下記の表2に示されている。
【表2】
【0039】
表2を参照すると、顆粒の直径が0.60mmを超過する場合には顆粒の分散性は概して不良である一方、顆粒の直径が0.60mm以下である場合には、顆粒が平面シート上に配置された後複数回折り畳まれることにより媒質収容部を構成した際に複数の媒質顆粒114が比較的に等しく分散することが分かる。また、顆粒の直径が0.60mm以下である場合に顆粒の大きさが十分に小さく、媒質顆粒、好ましくは、タバコ顆粒に含まれているニコチンが移行される量が充分であることが分かる。
【0040】
一方、顆粒の直径が0.425mm未満である場合、顆粒の大きさが小さ過ぎて顆粒の製造時又は媒質収容部の製造時に顆粒の一部の破裂による微粉が発生してフィルタなどの汚染が発生する恐れがある。顆粒の直径が0.425mm以上である場合、直径がそれより小さい時と比較して顆粒の破裂による微粉発生率が著しく減少する。即ち、喫煙物品に含まれる媒質顆粒の直径は0.425mm以上0.6mm以下である場合に顆粒分散性及び顆粒フィルタの作業性が全て良好である。
【0041】
消費者が感じるタバコの味、即ち、喫味は、顆粒が等しく分散しているかを意味する顆粒分散性及び顆粒のフィルタが媒質顆粒の微粉によって汚染されずに製造されたかを意味する顆粒フィルタの作業性の全てに影響を受ける。表1を参照すると、喫味は顆粒の直径が、好ましくは0.25mm以上0.6mm以下、より好ましくは0.425mm以上0.6mm以下であるとき最も良好であることが分かる。
【0042】
図2は、顆粒の大きさによる概略的な顆粒の分散性を示す図である。
【0043】
図2を参照すると、前述した試験の結果として複数の媒質顆粒114の大きさ範囲により媒質顆粒が媒質収容部110内に等しく分散されているかが分かる。顆粒の大きさが相対的に小さい0.425mm以上0.60mm以下の直径範囲で複数の媒質顆粒114は、複数回折り畳まれた平面シート112の合間に等しく分布されていることが分かる。一方、顆粒の大きさが相対的に大きい0.60mm以上0.85mm以下の直径範囲で複数の媒質顆粒114は、複数回折り畳まれた平面シート112の間で等しく分布されず一側に偏って分布されている場合が多いことが分かる。
【0044】
図3は、一実施形態に係る平面シートの上に複数の媒質顆粒が塗布された状態を概略的に示す図である。
【0045】
図3を参照すると、喫煙物品100の媒質収容部110は、複数の媒質顆粒114が塗布された平面シート112が複数回折り畳まれて構成されている。複数の媒質顆粒114は、複数回折り畳まれた平面シート112の合間に挟まれた状態で媒質収容部110内に固定されてもよい。平面シート112上に接着成分を有するバインダ物質が塗布されることによって、平面シート112に対する複数の媒質顆粒114の安着性が向上されるが、このようなバインダ物質は、喫煙時に加熱されたエアロゾルと共に吸引されて喫煙物品の喫味を低下させることがある。複数の媒質顆粒114を平面シート112に配置する前平面シート112の一面にバインダ物質でない保湿剤が塗布されることで、保湿剤が平面シート112と複数の媒質顆粒114との間の付着性を一時的に向上させることができる。保湿剤は、喫煙物品内でエアロゾルを発生させるための物質として、喫煙物品の喫味に否定的な影響を与えない。即ち、喫煙物品100の媒質収容部110は、平面シート112の一面に保湿剤が塗布され、保湿剤の塗布された平面シート112の一面に複数の媒質顆粒114が配置された後、平面シート112の一面が互いに対向するように折り畳まれた後追加的に複数回折り畳まれ、複数回折り畳まれた平面シート112がラッパー140によって包まれて形成されてもよい。
【0046】
また、フィルタ部130は、内部にキャビティが存在する第1フィルタ部132及び濾過物で内部が充填される第2フィルタ部134を含んでもよい。濾過物は、セルロース系の物質(例えば、アセテート、紙など)を含んでもよい。
【0047】
図4及び
図5は、前記の好ましい直径範囲を有する複数の媒質顆粒を含む喫煙物品が使用される態様に関する。
【0048】
図4は、一実施形態に係るエアロゾル発生装置を概略的に示す図である。
【0049】
図4を参照すると、エアロゾル発生装置200は、喫煙物品100を収容する細長型空洞210、ヒーター220及び制御部230を含む。制御部230は、ヒーター220と電気的に接続して喫煙物品100を加熱するための温度を制御する。エアロゾル発生装置200は、エアロゾルを発生させる工程において、電源を供給するバッテリ240をさらに含んでもよい。
【0050】
図5は、一実施形態に係る喫煙物品とエアロゾル発生装置が結合された状態のエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
【0051】
図5を参照すると、エアロゾル発生システム10は、喫煙物品100及びエアロゾル発生装置200を含む。喫煙物品100は、エアロゾル発生装置200の細長型空洞210内にぴったりと結合され、喫煙物品100がエアロゾル発生装置200に結合されている状態でヒーター220は、少なくとも喫煙物品100の媒質収容部110及び保湿剤収容部120の一部を加熱してもよい。喫煙物品100の媒質収容部110は、複数の媒質顆粒114によって充填され、複数の媒質顆粒114の直径は0.25mm以上であってもよい。複数の媒質顆粒114の大きさが小さ過ぎる場合、顆粒の非定型性が増加し、そのため、媒質収容部を製造する工程で微粉が発生して顆粒フィルタの作業性が低下し得るため、複数の媒質顆粒114の直径は0.25mm以上であることが好ましい。
【0052】
エアロゾル発生システム10の喫煙物品100に含まれる媒質収容部110内の複数の媒質顆粒114、好ましくは、タバコ顆粒の直径は0.60mm以下であることが好ましい。タバコ顆粒の直径が0.60mmを超過する場合、タバコ顆粒の平面シート112に対する安着性が離隔して顆粒分散性が不良になるためである。
【0053】
また、エアロゾル発生システム10の喫煙物品100に含まれる媒質収容部110内の複数の媒質顆粒114、好ましくはタバコ顆粒の直径は、好ましくは0.25mm以上、より好ましくは0.425mm以上であってもよい。複数の媒質顆粒114の直径が小さ過ぎる場合、媒質顆粒114の硬度が減少して軽微な衝撃にも媒質顆粒114がつぶれて微粉が発生することで、媒質収容部110ないしフィルタ部130が微粉により汚染される。また、複数の媒質顆粒114が平面シート112の一面に塗布された後、平面シート112を畳んで媒質収容部110を形成する過程において、平面シート112で付着されず脱落した複数の媒質顆粒114は、その後の工程で再使用されることがある。従って、脱落した複数の媒質顆粒114が脱落されて再使用されるためには、顆粒114の最小限の硬度を担保しなければならないため、複数の媒質顆粒114の直径は、好ましくは0.25mm以上、より好ましくは0.425mm以上であってもよい。
【0054】
図6は、一実施形態に係る流動層の顆粒化工程のうちトップ・スプレー(top-spraying)方式の流動層の顆粒化工程を概略的に示す図であり、前記の好ましい大きさ範囲を有する複数の媒質顆粒を製造する工程及び該当工程によって製造された顆粒の大きさに関する。
【0055】
流動層の顆粒化工程(Fluidized Bed Granulation)は、粉体物質の密閉された容器500の内で加熱された暑い空気と共に混合させると、容器内に粉体が流動されて混合、顆粒化、及び乾燥過程を経て顆粒が形成される工程である。流動層の顆粒化工程は、トップ・スプレー(top-spraying)方式、バーターム・スプレー(bottom-spraying)方式、粉体フィーディング(poweder feeding)方式、及びローター・スプレー(rotor-spraying)方式の工程を含んでもよい。そのうち、トップ・スプレー方式の工程は、粉体530が互いに1つになる接着剤の役割を果たす液相バインダ510が噴射される方向と流動化空気520の流れ方向が互いに対向している形態の流動層の顆粒化工程であって、液相バインダ510が噴射される方向と流動化空気520の流れ方向が互いに同じ形態のバーターム・スプレー方式又は液相バインダ510が噴射される方向と流動化空気520の流れ方向が互いに垂直形態のローター・スプレー方式などの流動層の顆粒化工程に比べて、トップ・スプレー方式の工程は、微細粒子又は顆粒を容易かつ迅速に凝集させることができ、好ましい大きさ範囲を有する顆粒を生産するために容易である。
【0056】
以上のように実施形態がたとえ限定された図面によって説明されたが、該当の技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記に基づいて多様な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合わせられたり、他の構成要素又は均等物によって対置されたり置き換えられても適切な結果を達成することができる。
【0057】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【国際調査報告】