(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】イソキサゾリン化合物の結晶形
(51)【国際特許分類】
C07D 261/04 20060101AFI20240614BHJP
A61K 31/42 20060101ALI20240614BHJP
A61P 33/14 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
C07D261/04 CSP
A61K31/42
A61P33/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577338
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 US2022033662
(87)【国際公開番号】W WO2022266244
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/100305
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516001834
【氏名又は名称】エランコ・ユーエス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Elanco US Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ハン,リリ
(72)【発明者】
【氏名】ジン,チアオウェン
(72)【発明者】
【氏名】ロビン,ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】デ・ポール,スーザン・マーガレット
(72)【発明者】
【氏名】ウ,グアンミン
(72)【発明者】
【氏名】フ,ジンダン
(72)【発明者】
【氏名】スターム,スティーブン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC67
4C086GA15
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZB37
4C086ZC61
(57)【要約】
本開示は、2-メチル-N-[2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチル]-4-[(5S)-5-[3-クロロ-2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソキサゾール-3-イル]ベンズアミドの結晶形、それを調製する方法、およびそれを含む医薬組成物を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の化合物の結晶形であって、
【化1】
18.1°、19.5°、および22.3°の±0.2°の値である2θにピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを呈することを特徴とする、結晶形。
【請求項2】
前記結晶形は、実質的に純粋である、請求項1に記載の結晶形。
【請求項3】
活性成分としての請求項1または2に記載の結晶形と、少なくとも一つの薬学的に許容可能な担体または希釈剤とを含む、医薬組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の結晶形を調製する方法であって、該方法は、
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解するステップであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、前記溶解するステップで溶解される前記式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはそれらの組み合わせであり、また成分Aは、前記式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、好ましくは、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上であり、より好ましくは、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上である、溶解するステップと、
任意で、一つ以上の成分Bを添加するステップであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bは、水およびC
5~C
12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)のうちの一つ以上を含み、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上を含むものである、添加するステップとを含む、方法。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の結晶形を調製する方法であって、該方法は、
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解するステップであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、前記溶解するステップで溶解される前記式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、それらの組み合わせであり、また成分Aは、前記式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、好ましくは、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上であり、より好ましくは、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上である、溶解するステップと、
一つ以上の成分Bを添加するステップであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bは、水およびC
5~C
12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)のうちの一つ以上を含み、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上を含むものである、添加するステップと、
得られた固体を濾過、洗浄、および乾燥するステップとを含む、方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の方法によって調製された、式1の化合物の結晶形。
【請求項7】
式1の化合物の結晶形であって、
【化2】
4.6°、20.5°、および21.7°の±0.2°の値である2θにピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを呈することを特徴とする、結晶形。
【請求項8】
前記結晶形は、実質的に純粋である、請求項7に記載の結晶形。
【請求項9】
活性成分としての請求項7または8に記載の結晶形と、少なくとも一つの薬学的に許容可能な担体または希釈剤とを含む、医薬組成物。
【請求項10】
前記結晶形が、前記医薬組成物中の前記式1の化合物の総量の80%以上を構成する、請求項3または9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記医薬組成物が、動物、任意でネコおよび/またはイヌにおいて、有害生物の治療をするためのものである、請求項3または9に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記有害生物はマダニおよび/またはノミを含む、請求項3または9に記載の医薬組成物。
【請求項13】
請求項7または8に記載の結晶形を調製する方法であって、該方法は、
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解するステップであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、前記溶解するステップで溶解される前記式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはそれらの組み合わせであり、また成分Aは、前記式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、好ましくは、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上であり、より好ましくは、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上である、溶解するステップと、
一つ以上の成分Bを添加するステップであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bは、水およびC
5~C
12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)のうちの一つ以上を含み、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上を含むものである、添加するステップと、
前記一つ以上の成分Aと、前記一つ以上の成分Bとを留去するステップと、
得られた固体を濾過するステップと、を含む、方法。
【請求項14】
請求項7または8に記載の結晶形を調製する方法であって、該方法は、
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解するステップであって、前記溶解するステップで溶解される式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはそれらの組み合わせであり、また成分Aは、前記式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、好ましくは、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上であり、より好ましくは、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上である、溶解するステップと、
一つ以上の成分Bを添加するステップであって、成分Bは、水およびC
5~C
12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)のうちの一つ以上を含み、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上を含むものである、添加するステップと、
前記溶解するステップから形成された溶液を攪拌するステップと、
前記溶液から前記一つ以上の成分Aと前記一つ以上の成分Bとを留去するステップと、
一つ以上の追加の成分Bを添加するステップと、
前記一つ以上の追加の成分Bを含有する前記溶液から前記一つ以上の成分Aと前記一つ以上の成分Bとを留去するステップとを含む、方法。
【請求項15】
請求項13または14に記載の方法によって調製された、式1の化合物の結晶形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
本特許出願は、2021年6月16日に出願されたPCT出願番号第PCT/CN2021/100305号に対する優先権を主張する国際特許出願であり、その各々の開示は、その全体として本明細書で援用される。
【0002】
本発明は、式1のイソキサゾリン化合物の結晶形、それを調製する方法、およびそれを含む医薬組成物に関する。より詳細には、本発明は、2-メチル-N-[2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチル]-4-[(5S)-5-[3-クロロ-2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソキサゾール-3-イル]ベンズアミドの結晶形、それを調製する方法、およびそれを含む医薬組成物に関する。
【化1】
【背景技術】
【0003】
米国特許出願番号第17/125,365号(「US’365」)および国際特許出願第PCT/US20/65624号(国際公開第2021/127188号として公開。「WO’188」)は、動物(特に、温血動物および魚)の有害生物(特に、ノミ、マダニ、ダニ、ハエ、虫(worm)、およびシラミ)の治療および駆除における持続する半減期を有する式1(「式1の化合物」)の2-メチル-N-[2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチル]-4-[(5S)-5-[3-クロロ-2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソキサゾール-3-イル]ベンズアミド、およびその薬学的に許容可能な塩を開示している。
【0004】
US’365およびWO’188はまた、式1の化合物のみならずそのR-エナンチオマーを調製する方法も開示する。US’365およびWO’188に記載の方法で生成される式1の化合物は、非結晶である。しかしながら、US’365およびWO’188に開示の方法に基づいてスケールアップしたプロセスの実施を試みると、式1の化合物は、結晶性固体ではなく非晶形で得られた。こうした非晶形は、結晶性固体と比較して純度がより低く、また吸湿性がより高いため、商業生産にはあまり望ましくない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様は、式1の化合物の一つ以上の結晶形を提供することであり、これは、改善された(すなわち、低減された)吸湿性および改善された純度を有し、また大量(すなわち、工業規模または大規模な)生産により好適である。
【0006】
別の態様は、式1の化合物の一つ以上の結晶形を含有する医薬組成物を提供することである。
【0007】
別の態様は、式1の化合物の一つ以上の結晶形を調製する方法を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的および利点は、添付の特許請求の範囲と共に、以下の発明の詳細な説明から明らかになるであろう。本明細書に記述されていない特定の内容は、本発明の分野の当業者または類似の分野の当業者によって十分に認識および推測され得るので、その記述は省略される。
【0009】
本発明の一態様では、式1の化合物の結晶形A(「結晶形I」とも称する)であって、18.1°、19.5°、および22.3°の±0.2°の値である2θにピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを呈することを特徴とする、結晶形Aを提供する。
【0010】
本発明の一態様では、式1の化合物の結晶形B(「結晶形II」とも称する)であって、3.5°、19.2°、および22.3°の±0.2°の値である2θにピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを呈することを特徴とする、結晶形Bを提供する。
【0011】
本発明の一態様では、式1の化合物の結晶形C(「結晶形III」とも称する)であって、4.6°、20.5°、および21.7°の±0.2°の値である2θにピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを呈することを特徴とする、結晶形Cを提供する
【0012】
別の態様では、活性成分としての式1の化合物の一つ以上の結晶形と、少なくとも一の薬学的に許容可能な担体または希釈剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0013】
別の態様では、式1の化合物の結晶形Aを調製する方法であって、
【0014】
成分A中で式1の化合物を溶解することであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、非限定的な例としては、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸イソプロピル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、中鎖トリグリセリド(例えば、MIGLYOL(登録商標)812)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、メチルtert-ブチルエーテル(TBME)、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられ、成分Aの好ましい非限定的な例としては、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、中鎖トリグリセリド(例えば、MIGLYOL(登録商標)812)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、メチルtert-ブチルエーテル(TBME)、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられるものである、溶解することと、
【0015】
任意で、成分Bを添加することであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bの非限定的な例としては、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)のうちの一つ以上が挙げられ、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上が挙げられるものである、添加することと、
【0016】
任意で、一つ以上の成分Aと、存在する場合には一つ以上の成分Bとを留去することと、
【0017】
得られた固体を濾過することとを含む方法を提供する。
【0018】
一態様では、溶解するステップにおいて溶解される式1の化合物は、非晶形、結晶形、またはそれらの組み合わせであり得る。別の態様では、溶解するステップにおいて溶解される式1の化合物は、非晶形である。別の態様では、成分B(すなわち、貧溶媒)が存在する。
【0019】
別の態様では、式1の化合物の結晶形Bを調製する方法であって、
【0020】
成分A中で式1の化合物を溶解することであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、非限定的な例としては、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられ、成分Aの好ましい非限定的な例としては、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられるものである、溶解することと、
【0021】
任意で、成分Bを添加することであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bの非限定的な例としては、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)のうちの一つ以上が挙げられ、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上が挙げられるものである、添加することと、
【0022】
一つ以上の成分Aと、存在する場合には一つ以上の成分Bとを留去することと、
【0023】
得られた固体を濾過することとを含む方法を提供する。
【0024】
一態様では、溶解するステップにおいて溶解される式1の化合物は、非晶形、結晶形、またはそれらの組み合わせであり得る。別の態様では、溶解するステップにおいて溶解される式1の化合物は、非晶形である。別の態様では、成分B(すなわち、貧溶媒)が存在する。
【0025】
別の態様では、式1の化合物の結晶形Cを調製する方法であって、
【0026】
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解することであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、非限定的な例としては、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられ、成分Aの好ましい非限定的な例としては、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられるものである、溶解することと、
【0027】
一つ以上の成分Bを添加することであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bの非限定的な例としては、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)が挙げられ、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上が挙げられるものである、添加することと、
【0028】
任意で、一つ以上の成分Aと、一つ以上の成分Bとを留去することと、
【0029】
任意で、追加の成分Bを添加し、留去することと、
得られた固体を濾過することとを含む方法を提供する。
【0030】
一態様では、溶解するステップにおいて溶解される式1の化合物は、非晶形、結晶形、またはそれらの組み合わせであり得る。別の態様では、溶解するステップにおいて溶解される式1の化合物は、非晶形である。
【0031】
別の態様では、上述の方法によって調製された式1の化合物の結晶形A、B、またはCを提供する。
【0032】
上述の方法のいずれかの別の態様では、成分B(すなわち、貧溶媒)が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、サンプル1(非晶形の2-メチル-N-[2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチル]-4-[(5S)-5-[3-クロロ-2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソキサゾール-3-イル]ベンズアミドの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。
【0034】
【
図2】
図2は、フーリエ変換赤外分光法と連結した熱重量測定(TG-FTIR)によって生成されたサーモグラムを示し、サンプル1に対して10℃/分の加熱速度で最大350℃まで実施されたものである。
【0035】
【
図3】
図3は、10℃/分の加熱速度で最大250℃までのサンプル1の示差走査熱量測定(DSC)曲線を示す。
【0036】
【
図4】
図4は、サンプル1の動的水分吸脱着(DVS)の等温線を示す。水分含有量(薄線)および相対湿度(太線)の変化を時間の関数として示す。水分含有量は、DVS測定中のサンプルの質量変化から計算される。
【0037】
【
図5】
図5は、サンプル1のDVSの等温線を示す。水分含有量の変化を、相対湿度の関数として示している。水分含有量は、DVS測定中のサンプルの質量変化から計算される。
【0038】
【
図6】
図6は、DVS前(トレースA、上)およびDVS測定後(トレースB、下)のサンプル1のXRPDパターンのオーバーレイを示す。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0039】
【
図7】
図7は、下から上へ、サンプル2(トレースI)、3(トレースH)、4(トレースG)、5(トレースF)、6(トレースE)、7(トレースD)、Kaptonフィルム下で測定された11a-2(トレースC)、20(トレースB)、およびKaptonフィルム下で測定された12a(トレースA)である、サンプルのXRPDパターンのオーバーレイを示し、
図7の全てのサンプルは、結晶形Aである。回折図の一部にある5.6°の2θにおけるブロードなピークは、Kaptonフィルムに帰属される。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0040】
【
図8】
図8は、下から上へ、サンプル8(トレースC)、10(トレースB)、および26(トレースA)である、サンプルのXRPDパターンのオーバーレイを示し、
図8の全てのサンプルは結晶形Bである。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0041】
【
図9】
図9は、下から上へ、サンプル2(トレースB)、および10(トレースA)である、サンプルのXRPDパターンのオーバーレイを示す。サンプル2は結晶形Aであり、サンプル10は結晶形Bである。矢印は二つのXRPDパターン間の差異を指している。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0042】
【
図10】
図10は、サンプル2a(乾燥後の結晶形A)に対して実施されたTG-FTIRサーモグラムを示す。
【0043】
【
図11】
図11は、サンプル10a(乾燥後の結晶形B)に対して実施されたTG-FTIRサーモグラムを示す。
【0044】
【
図12】
図12は、サンプル13a(結晶形Aと結晶形Bの混合物)に対して実施されたTG-FTIRサーモグラムを示す。
【0045】
【
図13】
図13は、サンプル2(結晶形A)のXRPDパターンを示す。
【0046】
【
図14】
図14は、結晶化実験中に取得されたXRPDパターンのオーバーレイを示す。サンプル番号は、下から上へ、2(トレースP)、2a(トレースO)、3(トレースN)、4(トレースM)、5(トレースL)、6(トレースK)、7(トレースJ)、14(トレースI)、15(トレースH)、17(トレースG)、18(トレースF)、19(トレースE)、20(トレースD)、21(トレースC)、23(トレースB)、および28(トレースA)である。サンプル23のおよそ5.6°の2θにおけるブロードな反射は、湿潤サンプル23の測定に使用したKaptonフィルムのシグナルに対応する。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0047】
【
図15】
図15は、乾燥後の結晶形Aのサンプル2aのDSC曲線を示す。
【0048】
【
図16】
図16は、サンプル2aのDVSの等温線を示す。水分含有量(薄線)および相対湿度(太線)の変化を時間の関数として示す。水分含有量は、DVS測定中のサンプルの質量変化から計算される。
【0049】
【
図17】
図17は、サンプル2aのDVSの等温線を示す。水分含有量の変化を、相対湿度の関数として示している。水分含有量は、DVS測定中のサンプルの質量変化から計算される。
【0050】
【
図18】
図18は、サンプル2a(結晶形A)のDVS前(トレースB、下)およびDVS測定後(トレースA、上)のXRPDパターンのオーバーレイを示す。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0051】
【
図19】
図19は、サンプル10(結晶形B)のXRPDパターンを示す。
【0052】
【
図20】
図20は、乾燥後の結晶形Bのサンプル10aのDSC曲線を示す。
【0053】
【
図21】
図21は、乾燥後の結晶形Bのサンプル30aのDSC曲線を示す。
【0054】
【
図22】
図22は、サンプル10(結晶形B)のDVSの等温線を示す。水分含有量(薄線)および相対湿度(太線)の変化を時間の関数として示す。水分含有量は、DVS測定中のサンプルの質量変化から計算される。
【0055】
【
図23】
図23は、サンプル10(結晶形B)のDVSの等温線を示す。水分含有量の変化を、相対湿度の関数として示している。水分含有量は、DVS測定中のサンプルの質量変化から計算される。
【0056】
【
図24】
図24は、サンプル10(結晶形A)のDVS前(トレースB、下)およびDVS測定後(トレースA、上)のXRPDパターンのオーバーレイを示す。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0057】
【
図25】
図25は、機械的負荷実験中に得たXRPDパターンのオーバーレイを示すものであり、測定は、D8 Advance(Bruker ASX社、ドイツ国)分析器を使用して行われた。サンプル番号は、下から上へ、37(トレースD、基準の結晶形A)、38(トレースC、粉砕後の結晶形A)、39(トレースB、ボールミル処理後の結晶形A)、および40(トレースA、15バールでのプレス後の結晶形A)である。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0058】
【
図26】
図26は、機械的負荷実験中に得たXRPDパターンのオーバーレイを示すものであり、測定は、D8 Advance(Bruker ASX社、ドイツ国)分析器を使用して行われた。サンプル番号は、37(トレースB、基準の結晶形A)および38(トレースA、粉砕後の結晶形A)である。
【0059】
【
図27】
図27は、機械的負荷実験中に得たXRPDパターンのオーバーレイを示すものであり、測定は、D8 Advance(Bruker ASX社、ドイツ国)分析器を使用して行われた。サンプル番号は、37(トレースB、基準の結晶形A)および39(トレースA、ボールミル処理後の結晶形A)である。
【0060】
【
図28】
図28は、機械的負荷実験中に得たXRPDパターンのオーバーレイを示すものであり、測定は、D8 Advance(Bruker ASX社、ドイツ国)分析器を使用して行われた。サンプル番号は、37(トレースB、基準の結晶形A)および40(トレースA、15バールでのプレス後の結晶形A)である。
【0061】
【
図29】
図29は、ピークピッキングを行った、サンプル2a(結晶形A)のXRPDパターンを示す。
【0062】
【
図30】
図30は、ピークピッキングを行った、サンプル10a(結晶形B)のXRPDパターンを示す。
【0063】
【
図31】
図31は、温度の関数としての、酢酸エチル/ヘプタン1:3(曲線A)、2-プロパノール/水1:1(曲線B)、およびTBME/ヘプタン1:1(曲線C)中での結晶形Aの溶解度を示す。
【0064】
【
図32】
図32は、温度(ケルビン単位)の逆数に対する、酢酸エチル/ヘプタン1:3中での結晶形Aの溶解度の自然対数プロットを示す。
【0065】
【
図33】
図33は、温度(ケルビン単位)の逆数に対する、2-プロパノール/水1:1中での結晶形Aの溶解度の自然対数プロットを示す。
【0066】
【
図34】
図34は、温度(ケルビン単位)の逆数に対する、TBME/ヘプタン1:1中での結晶形Aの溶解度の自然対数プロットを示す。
【0067】
【
図35】
図35は、サンプル43(結晶形A+少量の結晶形B)からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0068】
【
図36】
図36は、サンプル44(結晶形A)からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0069】
【
図37】
図37は、サンプル45(結晶形A)からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0070】
【
図38】
図38は、サンプル46(結晶形A)からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0071】
【
図39】
図39は、サンプル47(結晶形A)からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0072】
【
図40】
図40は、サンプル48(結晶形A)からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0073】
【
図41】
図41は、サンプル49(結晶形A)からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0074】
【
図42】
図42は、サンプル50(結晶形A)からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0075】
【
図43】
図43は、サンプル51(結晶形A)からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0076】
【
図44】
図44は、サンプル52(結晶形A)からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0077】
【
図45】
図45は、小規模な実験での種結晶添加に用いたサンプル42(結晶形A)からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0078】
【
図46】
図46は、下から上へ、サンプル43(トレースC、結晶形AとBの混合物)、42(トレースB、結晶形A)、および10(トレースA、結晶形B)である、サンプルのXRPDパターンのオーバーレイを示す。矢印は、サンプル43の回折図で観察された結晶形Bのピークを示す。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0079】
【
図47】
図47は、下から上へ、サンプル42(トレースK)、43(トレースJ)、44(トレースI)、45(トレースH)、46(トレースG)、47(トレースF)、48(トレースE)、49(トレースD)、50(トレースC)、51(トレースB)、および52(トレースA)である、サンプルのXRPDパターンのオーバーレイを示し、
図47のサンプルは、少量の結晶形Bも含むサンプル43を除いて、すべて結晶形Aである。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0080】
【
図48】
図48は、実験48のグラフ表示を示し、温度(曲線B)および濁度(曲線A)を、時間の関数として示す。曲線Cにおけるマーカーは、種結晶添加点を表す。
【0081】
【
図49】
図49は、実験50および51のグラフ表示を示し、温度(曲線A)および濁度(実験50に関しては曲線C、実験51に関しては曲線B)を、時間の関数として示す。x軸上のマーカーは、種結晶添加点を表す。
【0082】
【
図50】
図50は、実験53のグラフ表示を示し、温度(曲線D)、水分量(曲線A)、コード長100~1000μmのカウント数(曲線E)、コード長10~100μmのカウント数(曲線B)、およびコード長<10μmのカウント数(曲線C)を時間の関数として示す。データ記録は、反応容器が既に60℃であったときに開始された。
【0083】
【
図51】
図51は、Particle Track G400プローブで収集した実験53のデータのグラフ表示を示し、コード長100~1000μmのカウント数(曲線C)、コード長10~100μmのカウント数(曲線A)、コード長<10μmのカウント数(曲線B)およびその平均二乗(曲線D)を時間の関数として示す。
【0084】
【0085】
【
図53】
図53は、下から上へ、サンプル53(トレースC)、42(トレースB、結晶形A)、および10(トレースA、結晶形B)である、サンプルのXRPDパターンのオーバーレイを示す。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0086】
【
図54】
図54は、サンプル53からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0087】
【
図55】
図55は、サンプル53に実施したTG-FTIRサーモグラムを示す。
【0088】
【
図56】
図56は、DMSO-d
6中で記録されたサンプル53のプロトン核磁気共鳴(
1H-NMR)スペクトルを示す。3.3ppmのピークはDMSO-d
6溶媒中に含有される水に対応し、2.5ppmのピークはDMSO-d
6溶媒に対応する。
【0089】
【
図57】
図57は、DMSO-d
6中で記録された式1の化合物の非晶形の
1H-NMRスペクトルを示す。3.3ppmのピークはDMSO-d
6溶媒中に含有される水に対応し、2.5ppmのピークはDMSO-d
6溶媒に対応する。
【0090】
【
図58】
図58は、サンプル53の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)結果を示し、HPLCクロマトグラム全体(上図)、保持時間5.9~7.1分に対応する範囲の拡大図(中央図)、および検出されたピークの要約表(下図)である。
【0091】
【
図59】
図59は、EasyViewerプローブで収集した実験54のデータのグラフ表示を示し、長さ100~1000μmの範囲での焦点画像内粒子のカウント数(曲線E)、長さ10~100μmの範囲での焦点画像内粒子のカウント数(曲線C)、長さ<10μmでの焦点画像内粒子のカウント数(曲線F)、濁度(曲線B)、温度(破線の曲線D)、および添加量(破線の曲線A)を時間の関数として示す。
【0092】
【
図60】
図60は、サンプル46(結晶形A)で種結晶添加した後での実験54においてEasyViewerプローブで観察された粒子を示す。
【0093】
【
図61】
図61は、第一の冷却を開始した後での実験54においてEasyViewerプローブで観察された粒子を示す。
【0094】
【
図62】
図62は、20℃での実験54の終了時にEasyViewerプローブで観察された粒子を示す。
【0095】
【
図63】
図63は、サンプル54(結晶形A)のXRPDパターンを示す。
【0096】
【
図64】
図64は、下から上へ、サンプル54(トレースC)、42(トレースB、結晶形A)、および10(トレースA、結晶形B)である、サンプルのXRPDパターンのオーバーレイを示す。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0097】
【
図65】
図65は、サンプル54からの光学顕微鏡画像を示し、そのままの粉末(左図)およびパラフィン油中に懸濁した粉末(右図)である。
【0098】
【
図66】
図66は、サンプル54で実施されたTG-FTIRサーモグラムを示す。
【0099】
【
図67】
図67は、DMSO-d
6中で記録されたサンプル54の
1H-NMRスペクトルを示す。3.3ppmのピークはDMSO-d
6溶媒中に含有される水に対応し、2.5ppmのピークはDMSO-d
6溶媒に対応する。
【0100】
【
図68】
図68は、サンプル54のHPLC結果を示し、HPLCクロマトグラム全体(上図)、保持時間5.9~7.1分に対応する範囲の拡大図(中央図)、および検出されたピークの要約表(下図)である。
【0101】
【
図69】
図69は、サンプル55(結晶形C)のXRPDパターンを示す。
【0102】
【
図70】
図70は、下から上へ、サンプル2(トレースA、結晶形A)、10(トレースB、結晶形B)、および55(トレースC、結晶形C)である、サンプルのXRPDパターンのオーバーレイを示す。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。
【0103】
【
図71】
図71は、結晶形Cのサンプル55のDSC曲線を示す。
【0104】
【
図72】
図72は、サンプル55の走査電子顕微鏡(SEM)画像を示す。倍率は左図が100倍、右図が250倍である。
【0105】
【
図73】
図73は、サンプル55のSEM画像を示す。倍率は左図が500倍、右図が1000倍である。
【0106】
【
図74】
図74は、サンプル55のSEM画像を示す。倍率は左図が3000倍、右図が9000倍である。
【0107】
【
図75】
図75は、下から上へ、サンプル63(トレースD)、63A(トレースC)、42(トレースB、結晶形A)、および55(トレースA、結晶形C)である、サンプルのXRPDパターンのオーバーレイを示す。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。矢印は結晶形Aの反射を指している。
【0108】
【
図76】
図76は、下から上へ、サンプル64(トレースE)、64A(トレースD)、64B(トレースC)、42(トレースB、結晶形A)、および55(トレースA、結晶形C)である、サンプルのXRPDパターンのオーバーレイを示す。回折図は、比較の目的でy軸方向にオフセットされている。矢印は結晶形Aの反射を指している。
【発明を実施するための形態】
【0109】
以下に、本発明をより詳細に説明することとする。別段の規定がない限り、本発明で使用されるすべての技術用語は、本発明の関連技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。
【0110】
参考文献として引用されるすべての刊行物の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0111】
本発明の一部分に開示された説明および実施形態は、本発明の他の部分の他の説明および実施形態に適用され得る。すなわち、本発明に開示された様々な要素のすべての組み合わせが、本発明の範囲内にある。さらに、本発明の範囲は、本明細書の以下に記載される特定の説明によって限定されるべきではない。
【0112】
さらに、好ましい方法またはサンプルが本明細書に記述されているが、それらに類似または同等のものが本発明の範囲内である。さらに、「含む」という用語は、オープンエンドの意味を有することを意図しており、特定されない追加の要素の包含が許容される。
【0113】
別途示されない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量や、例えば分子量、反応条件などの特徴を表現するすべての数字は、全ての場合において、「約」という用語で修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、別途示されない限り、以下の明細書および特許請求の範囲に記載される数値的特徴は、本発明の実施形態で取得されることが求められる所望の特徴に応じて変動し得る近似である。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、特定の値または範囲の5%以内、より好ましくは1%~2%以内であることを意味する。例えば、「約10%」とは、9.5%~10.5%、好ましくは9.8%~10.2%を指す。別の例において、「約100℃」とは、95℃~105℃、好ましくは98℃~102℃を指す。
【0114】
別途示されない限り、本開示のすべてのXRPD測定は、(STOE STADI Pの)Cu-Kα1でのモノクロメーターを使用して波長1.5405958Åで取得される。例外としては、本明細書に記載されるサンプル37~40および56~60、ならびに同様に本明細書に記載される溶解度試験後のサンプル42および55が含まれ、これら例外は、Cu-KαでD8 Advance(Bruker ASX社、ドイツ国)の分析器を使用して波長1.5405958Åで測定された。
【0115】
別段の指定がない限り、本願で報告された粉末X線回折試験からのピークの値は、この分野で典型的に観察可能な実験誤差を伴うものであることは、当業者には明らかであろう。具体的には、ピークは、本明細書に報告された値の±0.5°である角度変動の範囲内に位置すると解釈される。ピークは、本明細書に報告された値の±0.2°である角度変動の範囲内に位置すると解釈されることが好ましく、±0.1°である角度変動の範囲内に位置すると解釈されることがより好ましい。
【0116】
S-エナンチオマーは、R-エナンチオマーよりも活性であると考えられる。したがって、S-エナンチオマーが好ましい。
【0117】
式1の化合物の非晶形
本明細書に開示される式1の化合物の非晶形、ならびにUS’365およびWO’188における非晶形の特徴を以下に記載する。
【0118】
式1の化合物の非晶形の粉末X線回折(XRPD)を、
図1に示している。
【0119】
示差走査熱量測定(「DSC」)に供されると、式1の化合物のサンプルの非晶形は、0.4J/(g・℃)のΔC
pステップでは59℃でガラス転移を示した(
図3を参照)。
【0120】
式1の化合物のサンプルの非晶形は、残存量のイソプロパノールを含有するが、熱重量分析(TG-FTIR)において、最大約200℃の温度でイソプロパノールに対応する約0.9%の重量損失を有し得、また280℃以上で分解し得る(
図2を参照)。
【0121】
吸湿性試験(動的水分吸脱着、すなわちDVSによる)によると、式1の化合物の非晶形はわずかに吸湿性であり、相対湿度95%で五時間貯蔵するとほぼ1.5%の水を吸収する(
図4および5を参照)。式1の化合物の非晶形のDVS試験中においては結晶化は起こらず、非晶形は動態学的にかなり安定である(
図6を参照)。
【0122】
式1の化合物の結晶形
結晶形A
本開示の一態様では、式1の化合物の結晶形であって、18.1°、19.5°、および22.3°の±0.2°の値である回折角2θにピークを含むXRPDパターンを呈することを特徴とする、式1の化合物の結晶形を提供する。以下、この結晶形を、結晶形Aと称する。
【0123】
一態様では、結晶形Aは、3.5°、7.1°、8.9°、9.1°、9.6°、10.7°、12.6°、14.0°、16.9°、18.1°、18.4°、18.9°、19.5°、20.1°、21.0°、22.0°、22.3°、および22.7°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの三つ以上、四つ以上、五つ以上、六つ以上、七つ以上、八つ以上、九つ以上、十以上、十一以上、十二以上、十三以上、十四以上、十五以上、好ましくは四つ以上にピークを含むXRPDパターンを呈し得る。
【0124】
別の態様では、結晶形Aは、3.53°、7.10°、8.94°、9.12°、9.63°、10.68°、12.63°、13.95°、16.86°、18.06°、18.39°、18.90°、19.48°、20.10°、21.00°、22.00°、22.26°、および22.71°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの三つ以上、四つ以上、五つ以上、六つ以上、七つ以上、八つ以上、九つ以上、十以上、十一以上、十二以上、十三以上、十四以上、十五以上、好ましくは四以上にピークを含むXRPDパターンを呈し得る。
【0125】
詳細には、結晶形Aは、3.5°、7.1°、8.9°、9.1°、9.6°、10.7°、18.1°、18.4°、18.9°、19.5°、20.1°、21.0°、22.0°、22.3°、および22.7°の±0.2°の値である2θにピークを含むXRPDパターンを呈し得る。
【0126】
より詳細には、結晶形Aは、3.5°、7.1°、8.9°、9.1°、9.6°、10.7°、12.6°、14.0°、16.9°、18.1°、18.4°、18.9°、19.5°、20.1°、21.0°、22.0°、22.3°、および22.7°の±0.2°の値である2θにピークを含むXRPDパターンを呈し得る。(
図13参照。)
【0127】
結晶形Aは、示差走査熱量測定(DSC、10℃/分)において、開始点が約132℃であり、かつ、その最高点が約136℃である発熱ピークを有し得る。結晶形Aは、DSC(10℃/分)において約135.5±4℃に発熱ピークを有し得る。(
図15参照。)
【0128】
結晶形Aは、熱重量分析(TG-FTIR)において、最大約180℃の温度で約0.50%以下の重量損失であり得、280℃以上で分解し得る。一実施形態では、結晶形Aは、最大約180℃の温度で、約0.45%以下、約0.40%以下、約0.35%以下、約0.30%以下、約0.25%以下、約0.20%以下、または約0.15%以下の重量損失であり得る。(
図10参照。)
【0129】
本発明の別の態様では、式1の化合物の結晶形Aは、実質的に純粋な形態であり得る。
【0130】
一実施形態では、式1の化合物の結晶形Aは、結晶形において95%以上の純度を有し得る。
【0131】
一実施形態では、式1の化合物の結晶形Aは、以下の表1に記載される角度に対応するピーク強度およびÅ単位でのd値(d-spacing)を呈し得る。
【表1】
【0132】
式1の化合物の結晶形Aは、予想外かつ有意に改善された(すなわち、低減された)吸湿性を有することが見出され、結晶形Aは、結晶形Bよりも安定である(実施例27aおよび27bを参照)。
【0133】
式1の化合物の結晶形Aは、微量の残留水を含有する無水形態である。吸湿性試験(DVSによる)によると、結晶形Aはわずかに吸湿性であり、相対湿度95%で五時間貯蔵するとおよそ0.5%の水を吸収する(
図16および17を参照)。対照的に、式1の化合物の結晶形Bは、相対湿度95%で五時間貯蔵した後では最大1.2%の水を吸収していた(
図22および23を参照)。(式1の化合物の非晶形は、相対湿度95%で五時間貯蔵すると、およそ1.5%の水を吸収した。
図4および5を参照。)
【0134】
本開示に示されるように、式1の化合物の結晶形Aは、最大98.7面積%(HPLCによって決定される)を示した(実施例24lを参照)。
【0135】
競合的なスラリー実験の結果(実施例27aを参照)によると、式1の化合物の結晶形Aは、25℃~75℃の温度範囲にわたって、同じ化合物の結晶形Bよりも安定している。結晶形Aの融解温度および融解エンタルピーは結晶形Bのものよりも高いため、結晶形Aは安定した形態(少なくとも25℃~75℃の範囲にわたって)であり、二つの結晶形は単変の関係である。
【0136】
結晶形Cに対しては、結晶形Aは室温で安定した形態であるが、結晶形Cは30度以上で安定した形態である(実施例5bを参照)。
【0137】
結晶形B
本開示の一態様では、式1の化合物の結晶形であって、3.5°、19.2°および22.3°の±0.2°の値である回折角2θにピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを呈することを特徴とする、式1の化合物の結晶形を提供する。以下、この結晶形を、結晶形Bと称する(
図19を参照)。
【0138】
一態様では、結晶形Bは、3.5°、7.1°、9.1°、9.4°、9.8°、10.6°、11.1°、13.5°、17.7°、18.0°、18.6°、18.9°、19.2°、19.5°、19.8°、20.3°、21.0°、21.5°、22.3°、および22.7°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの三つ以上、四つ以上、五つ以上、六つ以上、七つ以上、八つ以上、九つ以上、十以上、十一以上、十二以上、十三以上、十四以上、十五以上、十六以上、十七以上、十八以上、十九以上、好ましくは四以上にピークを含むXRPDパターンを呈し得る。
【0139】
別の態様では、結晶形Bは、3.50°、7.05°、9.12°、9.42°、9.82°、10.59°、11.08°、13.45°、17.65°、18.04°、18.56°、18.94°、19.17°、19.45°、19.80°、20.28°、20.99°、21.47°、22.26°、および22.69°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの三つ以上、四つ以上、五つ以上、六つ以上、七つ以上、八つ以上、九つ以上、十以上、十一以上、十二以上、十三以上、十四以上、十五以上、十六以上、十七以上、十八以上、十九以上、好ましくは四以上にピークを含むXRPDパターンを呈し得る。
【0140】
詳細には、結晶形Bは、3.5°、7.1°、9.1°、9.4°、9.8°、11.1°、13.5°、17.7°、18.0°、19.2°、19.8°、21.5°、22.3°、および22.7°の±0.2°値である2θにピークを含むXRPDパターンを呈し得る。
【0141】
より詳細には、結晶形Bは、3.5°、7.1°、9.1°、9.4°、9.8°、10.6°、11.1°、13.5°、17.7°、18.0°、18.6°、18.9°、19.2°、19.5°、19.8°、20.3°、21.0°、21.5°、22.3°、および22.7°の±0.2°値である2θにピークを含むXRPDパターンを呈し得る。
【0142】
結晶形Bは、示差走査熱量測定(DSC、10℃/分)において、開始点が約124℃であり、かつ、その最高点が約133℃である発熱ピークを有し得る。結晶形Bは、DSC(10℃/分)において約132.6±4℃での発熱ピークを有し得る。(
図20および
図21を参照されたい。)
【0143】
結晶形Bは、熱重量分析(TG-FTIR)において、最大約250℃の温度で約1.0%以下の重量損失であり得、280℃以上で分解し得る。一実施形態では、結晶形Bは、最大約250℃の温度で、約0.95%以下、約0.90%以下、約0.85%以下、または約0.80%以下の重量損失であり得る。(
図11参照。)
【0144】
本発明の別の態様では、式1の化合物の結晶形Bは、実質的に純粋な形態であり得る。
【0145】
一実施形態では、式1の化合物の結晶形Bは、結晶形において95%以上の純度を有し得る。
【0146】
一実施形態では、式1の化合物の結晶形Bは、以下の表2に記載される角度に対応するピーク強度およびÅ単位でのd値(d-spacing)を呈し得る。
【表2】
【0147】
結晶形C
本開示の一態様では、式1の化合物の結晶形であって、4.6°、20.5°、および21.7°の±0.2°の値である回折角2θにピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを呈することを特徴とする、式1の化合物の結晶形を提供する。以下、この結晶形を、結晶形Cと称する(
図69を参照)。
【0148】
一態様では、結晶形Cは、4.6°、7.6°、12.4°、13.8°、18.0°、18.4°、20.0°、20.5°、および21.7°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの三以上、四以上、五以上、六以上、七以上、八以上、好ましくは四以上にピークを含むXRPDパターンを呈し得る。
【0149】
別の態様では、結晶形Cは、4.58°、7.56°、12.44°、13.79°、17.98°、18.42°、19.92°、20.54°、および21.69°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの三以上、四以上、五以上、六以上、七以上、八以上、好ましくは四以上にピークを含むXRPDパターンを呈し得る。
【0150】
詳細には、結晶形Cは、4.6°、12.4°、18.0°、18.4°、20.0°、20.5°、および21.7°の±0.2°値である2θにピークを含むXRPDパターンを呈し得る。
【0151】
より詳細には、結晶形Cは、4.6°、7.6°、12.4°、13.8°、18.0°、18.4°、20.0°、20.5°、および21.7°の±0.2°値である2θにピークを含むXRPDパターンを呈し得る。
【0152】
結晶形Cは、示差走査熱量測定(DSC、10℃/分)において、開始点が約140℃であり、かつ、その最高点が約143℃である発熱ピークを有し得る。結晶形Cは、DSC(10℃/分)において約142.8±4℃に発熱ピークを有し得る。(
図71を参照。)
【0153】
本発明の別の態様では、式1の化合物の結晶形Cは、実質的に純粋な形態であり得る。
【0154】
一実施形態では、式1の化合物の結晶形Cは、結晶形において95%以上の純度を有し得る。
【0155】
一実施形態では、式1の化合物の結晶形Cは、以下の表3に記載される角度に対応するピーク強度およびÅ単位でのd値(d-spacing)を呈し得る。
【表3】
【0156】
式1の化合物の結晶形A、B、およびCについて、XRPDパターンは、例えば、D8 Advance(Bruker ASX社、ドイツ国)分析器を使用して、Cu-Kα光源で照射されたとき、または例えば、Mythen1K検出器を備えたSTOE STADI P分析器を使用して、CuKα1光源で照射されたときに取得され得る。Cu-Kα(D8 Advance、Bruker社)またはCu-Kα1(STOE STADI P)の光源は、波長が1.5406Åであり得る。
【0157】
これらピークは、約10%、より詳細には約15%以上の、相対強度(I/Io)を有するピークであり得る。一実施形態では、これらピークは、約10%以上、約11%以上、約12%以上、約13%以上、約14%以上、約15%以上、約16%以上、約17%以上、約18%以上、約19%以上、約20%以上、約21%以上、約22%以上、約23%以上、約24%以上、約25%以上、約26%以上、約27%以上、約28%以上、約29%以上、約30%以上、約31%以上、約32%以上、約33%以上、約34%以上、約35%以上、約36%以上、約37%以上、約38%以上、約37%以上、または約40%以上の相対強度(I/Io)を有するピークであり得る。
【0158】
本明細書で使用される場合、「実質的に純粋」という用語は、少なくとも95%の純度、好ましくは97%の純度、またはより好ましくは99%の純度を意味し、ここで95%の純度では、式1の化合物のその他の結晶形(他の結晶形、非晶形など)は5%以下で存在する、97%の純度では、3%以下で存在する、および99%の純度では、1%以下で存在することを意味する。
【0159】
式1の化合物の結晶形Aを調製する方法
本発明の別の態様は、式1の化合物の結晶形Aを調製する方法を提供する。
【0160】
一実施形態では、方法は、
【0161】
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解することであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、
【化2】
式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはその組み合わせであり、また成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、非限定的な例としては、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンが挙げられ、成分Aの好ましい非限定的な例としては、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられるものである、溶解することと、
【0162】
任意で、一つ以上の成分Bを添加することであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bの非限定的な例としては、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)が挙げられ、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上である、添加することと、得られた固体を濾過することとを含む。
【0163】
別の実施形態では、方法は、
【0164】
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解するステップであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、
【化3】
式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはその組み合わせであり、また成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、非限定的な例としては、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンが挙げられ、成分Aの好ましい非限定的な例としては、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられるものである、溶解するステップと、
【0165】
任意で、一つ以上の成分Bを添加するステップであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bの非限定的な例としては、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)が挙げられ、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上である、添加するステップと、
【0166】
任意で、一つ以上の成分Aと、存在する場合には一つ以上の成分Bとを留去するステップと、
【0167】
固体を濾過、洗浄、および乾燥するステップと、を含む。
【0168】
別の実施形態では、方法は、
【0169】
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解するステップであって、攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、
【化4】
式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはその組み合わせであり、また成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、非限定的な例としては、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンが挙げられ、成分Aの好ましい非限定的な例としては、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられるものである、溶解するステップと、
【0170】
任意で、一つ以上の成分Bを添加するステップであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bの非限定的な例としては、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)が挙げられ、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上である、添加するステップと、
【0171】
任意で、一つ以上の成分Aを留去するステップと、
【0172】
懸濁液を、式1の化合物の既に調製された結晶形Aで種結晶添加するステップと、
【0173】
任意で、一つ以上の成分Bを添加するステップであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bの非限定的な例としては、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)が挙げられ、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上である、添加するステップと、
混合物を冷却するステップと、
混合物に温度サイクルを行うステップと、
混合物を攪拌するステップと、
固体を濾過、洗浄、および乾燥するステップと、を含む。
【0174】
式1の化合物の結晶形Aの大規模製造のための一実施形態では、
【化5】
方法は、
(a)式1の化合物を、任意に50~100mL、任意に70mLの酢酸エチル中に溶解して、溶液を形成するステップと、
(b)この(a)から溶液を、50~75℃に、任意に60℃に、約1K/分で加熱するステップと、
(c)200~400mLの、任意に280mLのヘプタンを、50~75℃で、任意に60℃で、2mL/分で添加するステップと、
(d)得られた微細懸濁液に、50~75℃で、任意に60℃で、式1の化合物の既に調製された結晶形A(約0.1重量%)で種結晶添加するステップと、
(e)15~25℃に、任意に20℃に、約2K/時間で冷却するステップと、
(f)15~25℃で、任意に20℃で、1時間待機することと、35~45℃に、任意に40℃に、約15K/時間で加熱することと、次いで15~25℃に、任意に20℃に、約5K/時間で冷却することと、2~5回、任意に3回繰り返すこととである温度サイクルを行うステップと、
(g)15~25℃で、任意に20℃で、約1日間攪拌するステップと、
(h)フリットガラス(空隙率4)で濾過し、酢酸エチル/ヘプタン(1:4)混合物30mLで、任意に30mLで、洗浄するステップと、
(i)フィルター上で、任意に約2時間の間、任意に減圧しながら、濾過ケーキを乾燥するステップと、
(j)回収された粉末を一晩、<5mbar、室温で乾燥するステップとを含む。
【0175】
式1の化合物の結晶形Aの大規模製造のためのさらに別の実施形態では、
【化6】
方法は、
(a)式1の化合物を、イソプロパノール中に、任意に60~100mL、任意に80mLに溶解して、溶液を形成するステップと、
(b)この(a)からの溶液を、50~75℃に、任意に60℃に、約1K/分で加熱するステップと、
(c)100~200mLの、任意に160mLの水を、50~75℃で、任意に60℃で、1mL/分で添加するステップと、
(d)得られた微細懸濁液に、50~75℃で、任意に60℃で、式1の化合物の既に調製された結晶形A(約0.1重量%)で種結晶添加するステップと、
(e)15~25℃に、任意に20℃に、約2K/時間で冷却するステップと、
(f)15~25℃で、任意に20℃で、1時間待機することと、35~45℃に、任意に40℃に、約15K/時間で加熱することと、次いで15~25℃に、任意に20℃に、約5K/時間で冷却することと、2~5回、任意に3回繰り返すこととである温度サイクルを行うステップと、
(g)15~25℃で、任意に20℃で、約1日間攪拌するステップと、
(h)フリットガラス(空隙率4)で濾過し、イソプロパノール/水(1:2)混合液30mLで、任意に30mLで、洗浄するステップと、
(i)フィルター上で、任意に約2時間の間、任意に減圧しながら、濾過ケーキを乾燥するステップと、
(j)回収された粉末を一晩、<5mbar、室温で乾燥するステップとを含む。
【0176】
式1の化合物の結晶形Bを調製する方法
本発明の別の態様は、式1の化合物の結晶形Bを調製する方法を提供する。
【0177】
一実施形態では、方法は、
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解することであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、
【化7】
成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、非限定的な例としては、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンが挙げられ、成分Aの好ましい非限定的な例としては、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられる、溶解することと、
【0178】
任意で、一つ以上の成分Bを添加することであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bの非限定的な例としては、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)のうちの一つ以上が挙げられ、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上である、添加することと、
【0179】
一つ以上の成分Aと、存在する場合には一つ以上の成分Bとを留去することと、
得られた懸濁液を濾過することとを含む。
【0180】
別の実施形態では、方法は、
成分A中で式1の化合物を溶解するステップであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、
【化8】
【0181】
式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはその組み合わせであり、また成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、非限定的な例としては、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンが挙げられ、成分Aの好ましい非限定的な例としては、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられる、溶解するステップと、
【0182】
一つ以上の成分Bを添加するステップであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bの非限定的な例としては、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)が挙げられ、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上である、添加するステップと、
【0183】
一つ以上の成分Aと、一つ以上の成分Bとを留去するステップと、得られた懸濁液を濾過するステップとを含む。
【0184】
式1の化合物の結晶形Cを調製する方法
本発明の別の態様は、式1の化合物の結晶形Cを調製する方法を提供する。
【0185】
一実施形態では、方法は、一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解することであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、
【化9】
当該溶解するステップで溶解する式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはその組み合わせであり、また成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、非限定的な例としては、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンが挙げられ、成分Aの好ましい非限定的な例としては、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、中鎖トリグリセリド(例えば、MIGLYOL(登録商標)812)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、メチルtert-ブチルエーテル(TBME)、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられる、溶解することと、
【0186】
一つ以上の成分Bを添加することであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bの非限定的な例としては、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)が挙げられ、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上である、添加することと、得られた固体を濾過することとを含む。
【0187】
別の実施形態では、方法は、一つ以上の成分A中で、約50~70℃、任意に約60℃の温度で、式1の化合物を溶解することであって、任意で攪拌しながら溶解するものであり、
【化10】
当該溶解するステップで溶解する式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはその組み合わせであり、また成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、非限定的な例としては、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンが挙げられ、成分Aの好ましい非限定的な例としては、C
1~C
4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、中鎖トリグリセリド(例えば、MIGLYOL(登録商標)812)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、メチルtert-ブチルエーテル(TBME)、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上が挙げられる、溶解することと、
【0188】
任意で、一つ以上の成分Bを添加することであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bの非限定的な例としては、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)が挙げられ、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上である、添加することと、
【0189】
溶解するステップおよび任意での添加するステップから形成された溶液を約35~60℃に、任意に約50℃に冷却することと、
【0190】
冷却した溶液を、任意で濃縮すること、任意で留去することと、濾過することと、乾燥することとを含む。
【0191】
別の実施形態では、方法は、
(a)一つ以上の成分Aおよび一つ以上の成分Bの混合物中で、約50~70℃、任意に約60℃の温度で、式1の化合物を溶解するステップであって、任意で攪拌しながら溶解するものであり、当該溶解するステップで溶解する式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはそれらの組み合わせであり、
【0192】
成分Aは、式1の化合物の非晶形を溶解するのに好適な有機溶媒であり、非限定的な例としては、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミン、任意に酢酸エチル、が挙げられ、
【0193】
成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bの非限定的な例としては、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)が挙げられ、好ましくはヘプタンであるものである、溶解するステップと、
(b)懸濁液が形成されるまで攪拌するステップと、
(c)式1の化合物を成分Aおよび成分B中に溶解することで形成された溶液を、約35~60℃に、任意に約45℃に、冷却するステップと、
(d)一つ以上の成分Aと、一つ以上の成分Bとを、任意に窒素気流下で、留去するステップと、
(e)追加の成分Bを、任意にヘプタンを、添加して、攪拌するステップと、
(f)一つ以上の成分Aおよび一つ以上の成分Bを、任意に窒素気流を用いて、任意に弱窒素気流を用いて、約35~60℃、任意に約45℃の温度で、留去するステップと、
(g)懸濁液をフリットガラス(空隙率)で濾過するステップと、
(h)フィルターを、任意に減圧しながら、乾燥するステップとを含む。
【0194】
一実施形態では、成分Bが上記の方法のいずれかまたは本開示の方法のいずれかで添加される場合、成分Aの成分Bに対する体積比(v/v)は、任意で約20:1~約1:20の範囲内であり得る。一実施形態では、成分Aの成分Bに対する体積比(v/v)は、約10:1~約1:10、約8:1~約1:8、約5:1~約1:5、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2の範囲内である。一実施形態では、成分Aの成分Bに対する体積比(v/v)は、約3:1、約2:1、約1:1、約4:5、約1:3、約1:10である。
【0195】
本開示の方法のいずれかの溶解するステップにおいては、式1の化合物は、非結晶性および/または結晶性であり得るが、これはC1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、およびトリエチルアミンからなる群から選択される一つ以上の溶媒中に溶解され得る。溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、およびメチルt-ブチルエーテルなどの単一の溶媒、またはその混合溶媒、例えばメタノールとメチルt-ブチルエーテルの混合溶媒であり得る。
【0196】
式1の化合物は、US’365およびWO’188に開示される方法に従って調製されてもよく、これら開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。しかしながら、本明細書に記載の実施形態はそれに限定されず、式1の化合物の非晶形は、関連技術分野の当業者に公知の任意の方法を使用して調製され得る。
【0197】
洗浄および乾燥するステップは、特に制限されない。洗浄は、溶解するステップで使用される溶媒を使用して実施することができる。乾燥することは、式1の化合物の結晶形の安定性に影響を与えない任意の方法で、例えば約40℃~約50℃の温度で、約15時間~30時間の間、実施され得る。
【0198】
上述のもの以外の溶媒が結晶化に使用される場合、別の結晶形が得られ得る。
【0199】
医薬的使用および医薬組成物
本発明の別の態様では、活性成分としての式1の化合物の一つ以上の結晶形と、少なくとも一の薬学的に許容可能な担体または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。別の態様では、式1の化合物の一つ以上の結晶形は、式1の化合物の結晶形A、B、およびCからなる群から選択される。
【0200】
US’365およびWO’188に開示されるように、式1の化合物は、摂取による抗ノミ(Ctenocephalides felis(ネコノミ))活性のインビトロでの評価で、<1ppmのEC50を呈することが見出された。同じ文献ではまた、式1の化合物が50日の半減期を有することも開示する。
【0201】
式1の化合物の一つ以上の結晶形またはその医薬組成物は、有害生物の治療および/または駆除に使用され得る。「有害生物」という用語は、動物上および動物内ならびに衛生分野における外部寄生生物および内部寄生生物を含む。特定の有害生物は、ノミ、マダニ、ダニ、ハエ、虫(worm)、およびシラミである。さらにより特定の有害生物は、ノミ、ハエ、ダニ、およびマダニである。
【0202】
本発明の文脈における動物は、脊椎動物を含むと理解される。この文脈における脊椎動物という用語は、例えば、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、およびヒトをはじめとする哺乳類を含むと理解される。本発明による脊椎動物の一つの好ましい群は、例えばウシ、ウマ、ブタ、ヒツジおよびヤギなどの家畜、例えばニワトリ、シチメンチョウ、ホロホロチョウおよびガチョウなどの家禽、例えばミンク、キツネ、チンチラ、ウサギなどの毛皮動物など、ならびに例えばフェレット、モルモット、ラット、ハムスター、ネコおよびイヌなどの伴侶動物、ならびにヒトを含めた温血動物を含む。本発明による好ましい脊椎動物のさらなる群は、サケを含めた魚類を含む。特に好ましい動物はネコおよびイヌである。
【0203】
本発明の文脈では、外部寄生生物は、特に昆虫、ダニ類(ダニおよびマダニ)、および甲殻類(フナムシ)であると理解される。これらには、以下の目の昆虫が含まれる。鱗翅目(Lepidoptera)、鞘翅目(Coleoptera)、ヨコバイ亜目(Homoptera)、半翅目(Hemiptera)、カメムシ亜目(Heteroptera)、双翅目(Diptera)、網翅上目(Dictyoptera)、アザミウマ目(Thysanoptera)、直翅目(Orthoptera)、シラミ目(Anoplura)、ノミ目(Siphonaptera)、ハジラミ目(Mallophaga)、シミ目(Thysanura)、シロアリ目(Isoptera)、チャタテムシ目(Psocoptera)および膜翅目(Hymenoptera)。しかしながら、特に言及され得る外部寄生生物は、ヒトまたは動物を悩ませ、病原体を担持するものであり、例えばイエバエ(Musca domestica)、オーストラリア産イエバエ(Musca vetustissima)、ヨーロッパ産イエバエの一種(Musca autumnalis)、ヒメイエバエ(Fannia canicularis)、ニクバエ(Sarcophaga carnaria)、ヒツジキンバエ(Lucilia cuprina)、ヒロズキンバエ(Lucilia sericata)、ウシバエ(Hypoderma bovis)、キスジウシバエ(Hypoderma lineatum)、オビキンバエ属のハエ(クリソミイア・クロロピガChrysomyia chloropyga)、ヒトヒフバエ(Dermatobia hominis)、ラセンウジバエ(Cochliomyia hominivorax)、ウマバエ(Gasterophilus intestinalis)、ヒツジバエ(Oestrus ovis)などのハエ、例えばノサシバエ(Haematobia irritans)、ノサシバエの亜種(Haematobia irritans exigua)、サシバエ(Stomoxys calcitrans)などのサシバエ、ウマバエ(アブ類)であって例えばゴマフアブ属の各種(Haematopota spp.)(例えばゴマフアブ(Haematopota pluvialis))およびアブ属の各種(Tabanus spp)(例えばアブ科アブ属のアブの一種(タバヌス・ニグロビタツスTabanus nigrovittatus))などのアブ科(Tabanidae)の亜科ならびに例えばメクラアブ属の各種(Chrysops spp.)(例えばメクラアブの一種(クリソプス・カエキュチエンスChrysops caecutiens))などのハネモンアブ亜科(Chrysopsinae)などの亜科を含むウマバエ、例えばヒツジシラミバエ(Melophagus ovinus)(ヒツジシラミバエ)などのシラミバエ科のハエ(Hippoboscid)、例えばGlossinia属の各種などのツェツェバエ、例えばヌカカ科(Ceratopogonidae)(ヌカカ科のヌカカ)、ブユ科(Simuliidae)(ブユ)、チョウバエ科(Psychodidae)(スナバエ)などの羽虫類(midge)のような他の刺咬昆虫のみならず、例えばアノフェレス属の各種(Anopheles spp)、ヤブカ属の各種(Aedes spp)およびイエカ属の各種(Culex spp)などの蚊である吸血昆虫、例えばネコノミ(Ctenocephalides felis)およびイヌノミ(Ctenocephalides canis)(ネコノミおよびイヌノミ)、インドネズミノミ(Xenopsylla cheopis)、ヒトノミ(Pulex irritans)、トリノミ(Ceratophyllus gallinae)、スナノミ(Dermatophilus penetrans)などのノミ、例えばケモノホソジラミ属の各種(Linognathus spp)、ブタジラミ属の各種(Haematopinus spp)、ウシジラミ属の各種(Solenopotes spp)、ヒトジラミ(Pediculus humanis)などの吸血シラミ(シラミ目(Anoplura))のみならず、例えばダマリニア属のヒツジハジラミ(Bovicola(Damalinia)ovis)、ダマリニア属のウシハジラミ(Bovicola(Damalinia)bovis)および他のボビコーラ属の各種などのハジラミ(ハジラミ目(Mallophaga))である。外部寄生生物はまた、例えばダニ(例えば、ウシショクヒヒゼンダニ(Chorioptes bovis)、ツメダニ属の各種(Cheyletiella spp.)、ニワトリダニ(Dermanyssus gallinae)、イエダニ属の各種(Ortnithonyssus spp.)、イヌニキビダニ(Demodex canis)、ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)、ヒツジキュウセンヒゼンダニ(Psoroptes ovis)およびヒツジツメダニ属の各種(Psorergates spp.)およびマダニなどのダニ目(Acarina)に属する構成員も含む。代表的なマダニは、例えばウシ、ウマ、ブタ、ヒツジおよびヤギなどの家畜、例えばニワトリ、シチメンチョウ、ホロホロチョウおよびガチョウなどの家禽、例えばミンク、キツネ、チンチラ、ウサギなどの毛皮動物ならびに例えばフェレット、モルモット、ラット、ハムスター、ネコおよびイヌなどの伴侶動物のみならず、ヒトおよび魚類を含めた温血動物を含む脊椎動物に外寄生することが好ましい、ウシマダニ属(Boophilus)、キララマダニ属(Amblyomma)、アノセントル属(Anocentor)、カクマダニ属(Dermacentor)、チマダニ属(Haemaphysalis)、イボマダニ属(Hyalomma)、イクソデス属(Ixodes)、リピセントル属(Rhipicentor)、マルガロプス属(Margaropus)、コイタマダニ属(Rhipicephalus)、ナガヒメダニ属(Argas)、オトビウス属(Otobius)およびヒメダニ属(Ornithodoros)などである。
【0204】
式1の化合物の結晶形はまた、正常な感受性を示し、ならびに広く使用されている殺寄生生物薬に対する耐性を示すものである動物有害生物の全てのまたは個々の発育段階に対して活性である。これは、耐性のある昆虫およびダニ目(Acarina)に属する構成員に特に当てはまる。本発明の活性物質の殺虫効果、殺卵効果、および/または殺ダニ効果は、それ自体が直接的に、すなわち例えば脱皮が発生したときに、直ちにもしくは何らかの時間が経過した後のいずれかで有害生物を殺傷すること、もしくはそれらの卵を破壊することによって、または例えば産まれた卵の数および/もしくはハッチング率を低減することによって間接的に、少なくとも50~60%の殺虫率(死亡率)に対応する良好な有効性で顕在化し得る。
【0205】
式1の化合物の結晶形はまた、特にイエバエ科(Muscidae)、ニクバエ科(Sarcophagidae)、アノフィリダエ科(Anophilidae)、およびカ科(Culicidae)の双翅目(Diptera)、直翅目(Orthoptera)、網翅上目(Dictyoptera)(例えば、ゴキブリ科(Blattidae)(ゴキブリ類)、例えばチャバネゴキブリ(Blatella germanica)、東洋ゴキブリ(Blatta orientalis)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana))、および膜翅目(Hymenoptera)(例えば、アリ科(Formicidae)(アリ類)およびスズメバチ科(Vespidae)(スズメバチ類)である衛生上の有害生物に対して使用することもできる。
【0206】
式(I)の化合物の結晶形はまた、魚類の外部寄生生物、特にカイアシ下綱(Copepoda)(例えば、ウオジラミ(Siphonostomatoida)目(フナムシ))の亜綱に対して有効でありながら、魚には十分に忍容性がある。
【0207】
式1の化合物の結晶形はまた、真正条虫亜綱(Eucestoda)および単節条虫亜綱(Cestodaria)である亜綱を含む条虫綱(Cestoda)の虫(worm)に対しても使用され得る。
【0208】
式1の化合物の結晶形はまた、植物の寄生ダニおよび寄生昆虫に対して持続可能な有効性を有する。ダニ目(Acarina)のハダニの場合、それらは、ハダニ科(ハダニ属の各種(Tetranychus spp.)およびマルハダニ属の各種(Panonychus spp.))の卵、若虫、および成虫に対して有効である。
【0209】
式1の化合物の結晶形は、ヨコバイ亜目(Homoptera)の吸汁昆虫、特にアブラムシ科(Aphididae)、ウンカ科(Delphacidae)、オオヨコバイ科(Cicadellidae)、キジラミ科(Psyllidae)、カタカイガラムシ科(Loccidae)、マルカイガラムシ科(Diaspididae)およびフシダニ科(Eriophydidae)(例えば、カンキツ果実のサビダニ)の有害生物、半翅目(Hemiptera)、カメムシ亜目(Heteroptera)およびアザミウマ目(Thysanoptera)の有害生物、ならびに鱗翅目(Lepidoptera)、鞘翅目(Coleoptera)、双翅目(Diptera)および直翅目(Orthoptera)の草食昆虫に対する、高い活性を有する。
【0210】
式1の化合物の結晶形は、土壌中の有害生物に対する土壌殺虫剤としても同様に好適である。
【0211】
したがって、式1の化合物の結晶形は、例えば穀物、綿、米、トウモロコシ、大豆、ジャガイモ、野菜、果物、たばこ、ホップ、カンキツ類、アボカド、および他の作物などの作物における吸汁昆虫および作物を食べる昆虫のすべての発育段階に対して有効である。
【0212】
式1の化合物の結晶形はまた、ネコブセンチュウ属(Meloidogyne)、シストセンチュウ属(Heterodera)、ネグサレセンチュウ属(Pratylenchus)、クキセンチュウ属(Ditylenchus)、Radopholus属、ネダニ属(Rizoglyphus)の種などの植物寄生性線虫にも有効である。
【0213】
式1の化合物の結晶形は、蠕虫類に対して有効である。蠕虫類は、それらが哺乳動物および家禽において、例えばヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマ、ロバ、ラクダ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ハムスター、ニワトリ、シチメンチョウ、ホロホロチョウ、および他の家畜鳥、ならびに外来鳥において、重篤な疾患を引き起こすことを理由として商業的に重要である。典型的な線虫としては、捻転胃虫属(Haemonchus)、毛様線虫属(Trichostrongylus)、オステルタギア属(Ostertagia)、ネマトジルス属(Nematodirus)、クーペリア属(Cooperia)、回虫属(Ascaris)、ブノストヌム属(Bunostonum)、腸結節虫属(Oesophagostonum)、シャベルチア属(Charbertia)、鞭虫属(Trichuris)、円虫属(Strongylus)、トリコネマ属(Trichonema)、ディクチオカウルス属(Dictyocaulus)、毛細線虫属(Capillaria)、ヘテラキス属(Heterakis)、トキソカラ属(Toxocara)、アスカリディア属(Ascaridia)、蟯虫属(Oxyuris)、鉤虫属(Ancylostoma)、ウンシナリア属(Uncinaria)、トキサスカリス属(Toxascaris)およびパラスカリス属(Parascaris)のものがある。吸虫には、特に、蛭状吸虫科(Fasciolideae)、特に肝蛭(Fasciola hepatica)が含まれる。
【0214】
本発明による式1の化合物の結晶形の殺虫作用は、言及される有害生物の致死率約50~60%に対応し、より好ましくは致死率90%を超え、最も好ましくは95~100%である。式(I)の化合物の結晶形は、好ましくは、未加工の形態で内部および外部に使用されるか、または好ましくは、製剤の技術分野で従来使用されているアジュバントと一緒に使用され、したがって例えば液体製剤(例えば、スポットオン、ポアオン(pour-on)、スプレーオン、エマルション、懸濁液、溶液、乳化性濃縮物、溶液濃縮物)、半固体製剤(例えば、クリーム、軟膏、ペースト、ゲル、リポソーム調製物)および固体調製物(例えば、カプセル、可溶性粉末を含む粉末、顆粒などを含む食品添加物錠剤、またはインプラントやマイクロ粒子などポリマー物質中に活性成分を埋め込むこと)を与える公知の手法で加工され得る。組成物と同様に、適用方法は、意図される目的および普及状況に応じて選択される。
【0215】
式1の化合物の結晶形は、単独で、または組成物の形態で投与することができる。実際には、本発明の化合物は通常、組成物の形態で、すなわち少なくとも一の許容可能な賦形剤との混合物で投与される。任意の許容可能な賦形剤の割合および性質は、本発明の選択された化合物の特性、選択された投与経路、ならびに獣医分野および医薬分野における標準的な慣行によって決定される。
【0216】
一実施形態では、本発明は、式1の化合物の一つ以上の結晶形と、少なくとも一つの許容可能な賦形剤とを含む、組成物を提供する。
【0217】
こうした治療および/または駆除を達成するために、式1の化合物の結晶形は、化合物を生体利用できるようにさせる任意の形態および経路で投与することができる。式1の化合物の結晶形は、経口を含む様々な経路によって、特に錠剤およびカプセルによって、投与することができる。式1の化合物の結晶形は、より具体的には、吸入、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、経皮的に、鼻腔内、直腸内、経膣的に、眼内、局所的に、舌下、および頬側、腹腔内、脂肪内(intraadiposally)、くも膜下腔内、および例えば、カテーテルまたはステントによる局所送達を介して、非経口経路で投与することができる。
【0218】
当業者は、選択された結晶形の特定の特徴、治療対象の障害または状態、障害または状態の段階、および他の関連する状況に応じて、適切な形態および投与経路を容易に選択することができる。本発明の医薬組成物は、例えば、咀嚼錠を含む錠剤、カプセル剤、カシェ剤、紙剤、トローチ剤、オブラート嚢、エリキシル剤、丸薬(boli)、軟膏、経皮パッチ、エアロゾル、吸入剤、坐剤、水剤、溶液、注射剤、および懸濁剤の形態で対象に投与され得る。
【0219】
「許容可能な賦形剤」という用語は、動物用組成物および医薬組成物の調製に典型的に使用される当該賦形剤を指し、使用される量で純粋かつ非毒性であるべきである。これらは概して、凝集体中で活性成分のビヒクルまたは媒体として機能することができる、固体、半固体、または液体の物質である。許容可能な賦形剤の一部の例としては、Remington’s Pharmaceutical SciencesおよびHandbook of Pharmaceutical Excipientsで確認され、希釈剤、ビヒクル、担体、軟膏基剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、甘味剤、香味剤、ゲル基剤、徐放性マトリクス、安定化剤、保存剤、溶媒、懸濁化剤、緩衝剤、乳化剤、染料、噴射剤、コーティング剤、およびその他が挙げられる。
【0220】
一実施形態では、組成物は経口投与用に適合され、例えば錠剤やカプセル、または例えば溶液もしくは懸濁液など経口投与に適合した液体製剤である。一実施形態では、組成物は経口投与に適合され、例えば経口投与用に適合された咀嚼可能な製剤などである。さらに別の実施形態では、組成物は、非経口投与に適合された例えば溶液または懸濁液またはペーストなどである、液体製剤または半固体製剤である。
【0221】
一実施形態では、組成物は注射投与に適合され、例えば注射投与用に適合された溶液または懸濁液などである。
【0222】
好ましくは外部寄生生物である有害生物の治療および/または駆除において対象で使用するための特定の組成物は、溶液、注射剤、例えば対象の身体に添加されると体液と一緒に乳濁液を形成する、水を含まない有機組成物、好ましくは油性の組成物である典型的なエマルション、マイクロエマルションおよび自己乳化組成物を含むエマルション、懸濁液(水剤)、ポアオン製剤、食品添加物、粉末、発泡錠剤を含む錠剤、丸薬(boli)、マイクロカプセルを含むカプセル、およびチュアブルトリートを含む。特に好ましい組成物形態は、錠剤、カプセル、食品添加物、またはチュアブルトリートである。
【0223】
本発明の組成物は、獣医および医薬技術分野で周知の様式で調製され、式1の化合物の少なくとも一つの結晶形を活性成分として含む。式1の化合物1の結晶形の量は、その特定の形態に応じて変動してもよく、便宜上、単位剤形の重量のうち1%~約50%、好ましくは約10%~約35%、より好ましくは約15%~約25%であり得る。本医薬組成物は、好ましくは単位剤形形態で製剤化され、各用量は、典型的には、本発明の結晶形を約0.5mg~約100mg含有する。治療投与量に影響を与える一つ以上の単位剤形を取り入れることができる。その他は、式1の化合物の任意の他の形態(他の可能な結晶形、非晶形など)で存在し得る。
【0224】
一実施形態では、本発明はまた、有害生物の治療をするための方法を提供し、方法は、それを必要とする対象に、有効量の式1の化合物の結晶形を投与することを含み、方法は、任意で、有効量の少なくとも一の追加の活性化合物または共結晶をさらに含む。
【0225】
一実施形態では、本発明はまた、有害生物を駆除するための方法を提供し、方法は、それを必要とする対象に、有効量の式1の化合物の結晶形を投与することを含み、方法は、任意で、有効量の少なくとも一の追加の活性化合物または共結晶をさらに含む。
【0226】
一実施形態では、本発明はまた、有害生物の治療または駆除をするための方法を提供し、方法は、対象の環境を、有効量の式1の化合物の結晶形と接触させることを含み、方法は、任意で、有効量の少なくとも一の追加の活性化合物または共結晶をさらに含む。
【0227】
したがって、本発明は、医薬の製造を含む、医薬としての本発明の結晶形の使用を提供する。一実施形態では、本発明は、有害生物の治療をするための式1の化合物の結晶形を含む医薬の製造を提供する。一実施形態では、本発明は、有害生物を駆除するための式1の化合物の結晶形を含む医薬の製造を提供する。
【0228】
「治療すること」、「治療する(ため)」、「治療された」、または「治療」という用語は、限定されないが、既存の症状の進行もしくは重症度を抑制、減速、停止、低減、改善、逆行させること、または障害、状態、もしくは疾患を予防することを含む。例えば、糸状虫成体の感染は、本発明の化合物を投与することによって治療されるであろう。治療は、治療的に適用または施与され得る。
【0229】
「駆除」、「駆除すること」、または「駆除された」という用語は、限定されないが、症状、障害、状態、または疾患のリスクを低下、低減、または改善すること、および動物を症状、障害、状態、または疾患から保護することを含むことを指す。駆除することは、治療的、予防的、または防止的な施与を指し得る。例えば、幼虫または未熟な有害生物は無症状であり得るが、幼虫または未熟な有害生物に作用して、成熟した有害生物による症候性または消耗性の感染へと感染が進行するのを予防することによって駆除されることとなる。
【0230】
したがって、本発明の結晶形を、有害生物、特に外部寄生生物の治療および/または駆除に使用することは、対象が罹患状態または死ぬべき運命であることを含めた症状を発現しているかどうかに関係なく、およびチャレンジの段階に関係なく、有害生物の生活環全体を通して様々な形態の有害生物に作用するために本発明の結晶形を使用することを指す。
【0231】
本明細書で使用される場合、「対象に投与」することは、皮膚、皮下、筋肉内、粘膜、粘膜下、経皮的な、経口の、または鼻腔内への投与を含むが、これらに限定されない。投与には、注射または局所投与、例えば、ポアオン投与またはスポットオン投与が含まれ得る。ポアオン法またはスポットオン法は、全ての動物を経口的にまたは注射によって治療することが困難または時間がかかるようなウシ、ウマ、ヒツジまたはブタなどの群棲動物での使用に特に有利である。その簡略化のため、この方法は、当然ながら、個々の家畜または愛玩動物を含む他のすべての動物にも使用することができ、獣医の専門家としての立会いなしにしばしば実施することができるため、動物の飼育者に非常に好まれる。
【0232】
用語「対象」および「患者」は、ヒトならびに非ヒト哺乳動物および魚が挙げられ、例えばイヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、フェレット、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、およびブタなどの本明細書に記載の脊椎動物を指す。特定の対象は、哺乳類である愛玩動物または伴侶動物、例えばイヌおよびネコ、ならびにマウス、モルモット、フェレット、およびウサギなどである。
【0233】
「有効量」という用語は、対象に所望の利益を与える量を意味し、治療および駆除の両方に関する投与を含む。当該量は、個々の対象によって異なることとなり、対象の全体的な身体状態、および治療対象である症状の根底にある原因の重症度、併用治療、および所望の応答を有益なレベルで維持するために使用される式1の化合物の結晶形の量を含む、いくつかの因子に依存することとなる。
【0234】
有効量は、公知の技術の使用によって、および類似の状況下で得られた結果を観察することによって、当業者としての主治医によって容易に決定可能である。有効量、用量を決定する際に、多くの因子が主治医によって検討されるものであり、限定されるものではないが、患者の種、患者の体格、年齢、および全体的な健康、関与する特定の状態、障害、感染または疾患、状態、障害または疾患の関与するまたは重症度の程度、個々の患者の応答、投与される特定の結晶形、投与様式、投与される調製物のバイオアベイラビリティ特性、選択される投与レジメン、併用薬の使用、ならびに他の関連する状況が挙げられる。本発明の有効量、治療投与量は、0.5mg~100mgの範囲であると予想される。特定の量は、当業者によって決定され得る。これら投与量は、約1kg~約20kgの体重である対象に基づくが、診断医は、体重がこの重量範囲外である対象に対して適切な用量を決定することができる。本発明の有効量、治療投与量は、対象に対して0.1mg~10mg/kgの範囲であると予想される。投与レジメンは、月1回、四半期ごと、半年ごと、または年1回の投与が予想される。
【0235】
式1の化合物の結晶形は、それに対して示されている有害生物を治療することをはじめとする、一つ以上の障害、疾患、または状態の治療のための一つ以上の他の活性化合物、共結晶、または療法と組み合わされ得る。式1の化合物の結晶形は、有害生物および他の障害を治療するための一つ以上の化合物、共結晶、または療法と組み合わせて、同時に、連続的に、または別々に投与され得る。
【0236】
したがって、本発明の組成物および方法は、任意に、有効量の少なくとも一つの追加の活性化合物および/または共結晶を含むことを含めることが理解される。本発明に有用な追加の活性化合物としては、ノミ、マダニ、ハエ、および蚊の治療をするために使用されるものが挙げられ、またミルベマイシンオキシム、イミダクロプリド、スピノサド、ピリプロキシフェン、プレメトリン(premethrin)、S-メトプレン、プラジカンテル、およびモキシデクチンなどの大環状ラクトンが挙げられる。さらなる例示的な追加の活性化合物としては、以下に限定されるものではないが、アフォキソラネル、ブロフラニリド、フルララネル、フルキサメタミド、イソシクロセラム、ロチラネル、モドフラネル(modoflaner)、ニコフルプロール(nicofluprole)、サロラネル、チゴラネル(tigolaner)、アルベンダゾール、カンベンダゾール、フェンベンダゾール、フルベンダゾール、メベンダゾール、オクスフェンダゾール、パラベンダゾール(parabendazole)、チアベンダゾール、トリクラベンダゾール、アミトラズ、デミジトラズ(demiditraz)、クロルスロン、クロサンテル、オキシクロナジド(oxyclonazide)、ラフォキサニド、シフェノトリン、デルタメトリン、フルメトリン、ペルメトリン、シロマジン、デルカンテル、ジアムフェネチド(diamphenetide)、ジシクラニル、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアメトキサム、アバメクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、ミルベマイシンオキシム、エモデプシド、エプシプランテル、フィプロニル、フルアズロン、フルヘキサホン(fluhexafon)、インドキサカルブ、レバミゾール、ルフェヌロン、メタフルミゾン、メトプレン、モネパンテル、モランテル、ニクロサミド、ニトロスカネート、ニトロキシニル、ノバルロン、オキサンテル、プラジカンテル、ピランテル、ピリプロール、ピリプロキシフェン、シサプロニル(sisapronil)、スピノサド、スピネトラムおよびトリフルメゾピリム、または前述のいずれかの塩が挙げられる。
【0237】
本発明の化合物の活性は、インビトロおよびインビボでの方法を含む様々な方法によって決定され得る。
【0238】
患者に投与される場合、式1の化合物の結晶形の総一日投与量は、投与経路、投与時間、併用での他の化合物のタイプ、または患者の年齢、性別、体重、状態、病歴などに応じて、変動し得る。したがって、化合物の投与量は、有害または重篤な有害作用を引き起こすことなく望ましい治療効果が達成される範囲内で決定され得る。
【0239】
医薬組成物は、経口または非経口剤形であり得る。
【0240】
経口剤形の場合、使用される担体は、甘味剤、結合剤、消散剤、可溶化剤、湿潤剤、乳化剤、等張剤、吸着剤、崩壊剤、抗酸化剤、消毒剤、潤滑剤、充填剤、香味剤、コーティング剤などを含み得る。例えば、担体としては、ラクトース、リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ヒュームドシリカ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、寒天、水、エタノール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、オレンジエッセンス、イチゴエッセンス、バニラ風味、オパドライホワイト等が挙げられ得る。
【0241】
利用可能な注射用担体の例としては、蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖溶液、擬似ブドウ糖溶液、アルコール、グリコールエーテル(例えば、ポリエチレングリコール400)、オイル、脂肪酸、脂肪酸エステル、グリセリド、界面活性剤、懸濁剤、乳化剤などが挙げられる。
【0242】
本発明の態様による医薬組成物の上記の説明は、それ自体が、有害生物の治療および/または駆除をするための方法の詳細に適用され得る。
【0243】
有害生物の治療および/または駆除をするための方法で使用される用量は、治療および/または駆除に有効な量であり得る。医薬組成物の用量の上記の説明は、それ自体が、有害生物の治療および/または駆除をするための方法に適用され得る。
【0244】
US’365およびWO’188に開示される式1の化合物の医薬的使用および医薬組成物に関する説明は、本発明による式1の化合物の結晶形のものに適用され得る。
【0245】
一態様では、上記の実施形態のいずれかにおいて、式1の化合物の結晶形は、
(a)式1の化合物の結晶形A、B、およびCからなる群から選択され得るか、
(b)式1の化合物の結晶形Aであり得るか、
(c)式1の化合物の結晶形Bであり得るか、
(d)式1の化合物の結晶形Cであり得るか、
(e)式1の化合物の結晶形AおよびBであり得るか、
(f)式1の化合物の結晶形AおよびCであり得るか、
(g)式1の化合物の結晶形BおよびCであり得るか、
(h)式1の化合物の結晶形A、BおよびCであり得る。
以下、本発明を、以下の実施例を参照してより詳細に説明することとする。しかしながら、これら実施例は例示のみを目的としており、本発明はこれら実施例によって限定されることを意図するものではない。
【0246】
分析装置および測定方法
1.粉末X線回折(XRPD)
【0247】
サンプルの粉末X線回折(XRPD)の分析を、MYTHEN1K分析器またはD8 Advance(Bruker ASX社、ドイツ国)分析器を備えたSTOE Stadi P回折計を用いて、1.500°の2θ~50.480°の2θの範囲で実施した。Mythen1K検出器を備えたSTOE Stadi Pについては、二枚のアセテートフィルムまたはKaptonフィルムの間でサンプル(約10mg~約20mgの粉末)を測定した。D8 Advance分析器については、サンプルを0.5mmの深さのシリコン単結晶サンプルホルダーで測定した。
【0248】
照射される表面領域上に粉末を分配するためのわずかな圧力の適用以外では、サンプルの調製に特別な処理は使用されなかった。すべての測定で周囲空気雰囲気を使用し、各サンプルを測定中に回転させた。
【0249】
測定は以下のとおり行った:
アノード物質(Kα):Cu-Kα(1.540598Å)でのD8 Advance分析器、またはCu-Kα1(1.540598Å)でのMYTHEN1K分析器を備えたSTOE Stadi P回折計
スキャン範囲:1.5°~50.5°
発電機の設定:40mA、40.0kV
スキャン速度:12秒/ステップ
温度:室温
ステップサイズ:0.02°の2θ
【0250】
2.示差走査熱量測定(DSC)
【0251】
示差走査熱量測定(DSC)分析を、-50℃~250℃の温度範囲で、10℃/分の加熱速度でQ2000(TA Instruments社)を使用し、周囲条件下で、閉鎖した金製またはアルミニウム製パン内に密封封止したサンプルに対して実施した。融点はピーク最大値として理解される。
【0252】
3.熱重量分析(TG-FTIR)
【0253】
熱重量分析(TG-FTIR)は、N2雰囲気中で、ピンホールを有するアルミニウム製サンプルパン内で、20℃~360℃の温度範囲内で、10℃/分の加熱速度でBruker社FT-IR分光計ベクター22に連結したNetzsch社Thermo-Microbalance TG209を用いて実施した。
【0254】
4.動的水分吸脱着(DVS)
【0255】
ProUmid社(旧Projekt Messtechnik社)よりのSPS11-100n Sorptions Prufsystemを使用して、吸脱着等温線を得た。約5mg~約20mgのサンプルを、微量天秤の上のアルミニウム製サンプルプランに入れ、50%の相対湿度(RH)で平衡化させてから、以下の応用測定プログラムを開始した。1時間当たり5%の湿度変化率を使用した。応用測定プログラムは、以下のように記述することができる:
(1)50%RHで2時間
(2)50→0%RH(5%/時間)、0%RHで5時間
(3)0→95%RH(5%/時間)、95%RHで5時間
(4)95→0%RH(5%/時間)、0%RHで5時間
(5)0→95%RH(5%/時間)、95%RHで5時間
(6)95→50%RH(5%/時間)、50%RHで2時間。
【0256】
等温線が完了したら、サンプルを回収して、XRPDで再分析した。
【0257】
4.吸湿性の分類
【0258】
吸湿性は、最初の質量と比較した、85%の相対湿度(RH)での質量増加に基づいて以下のように分類された:潮解性(十分に水が吸着して液体になる)、非常に吸湿性(≧15%の質量増加)、吸湿性(<15%であるが≧2%の質量増加)、わずかに吸湿性(<2%であるが≧0.2%の質量増加)、または非吸湿性(<0.2%の質量増加)。
【0259】
5.1H-NMR分析
【0260】
1H-NMR分析は、Bruker社DPX300分光計を用いて実施した。1H NMRスペクトルを、300.13MHzのプロトン周波数、30°励起パルス、1秒のリサイクル遅延、16スキャンの累積、および溶媒として重水素化DMSOを使用して記録した。化学シフトは、0ppmにおけるTMSに相対的に参照された。2.5ppmのピークは、DMSOの溶媒ピークに対応する。
【0261】
本開示の非限定的な実施形態を以下に記載する。
実施形態1.
式1の化合物の結晶形であって、
【化11】
18.1°、19.5°、および22.3°の±0.2°の値である2θにピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを呈することを特徴とする、結晶形。
【0262】
実施形態2.
XRPDパターンが、3.5°、7.1°、8.9°、9.1°、9.6°、10.7°、12.6°、14.0°、16.9°、18.4°、18.9°、20.1°、21.0°、22.0°、および22.7°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの一つ以上におけるピークをさらに含む、実施形態1に記載の結晶形。
【0263】
実施形態3.
XRPDパターンが、3.5°、7.1°、8.9°、9.1°、9.6°、10.7°、12.6°、14.0°、16.9°、18.4°、18.9°、20.1°、21.0°、22.0°、および22.7°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの二つ以上におけるピークをさらに含む、実施形態1に記載の結晶形。
【0264】
実施形態4.
XRPDパターンが、3.5°、7.1°、8.9°、9.1°、9.6°、10.7°、12.6°、14.0°、16.9°、18.4°、18.9°、20.1°、21.0°、22.0°、および22.7°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの三つ以上におけるピークをさらに含む、実施形態1に記載の結晶形。
【0265】
実施形態5.
XRPDパターンが、3.5°、7.1°、8.9°、9.1°、9.6°、10.7°、12.6°、14.0°、16.9°、18.4°、18.9°、20.1°、21.0°、22.0°、および22.7°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの四つ以上におけるピークをさらに含む、実施形態1に記載の結晶形。
【0266】
実施形態6.
XRPDパターンが、3.5°、7.1°、8.9°、9.1°、9.6°、10.7°、12.6°、14.0°、16.9°、18.4°、18.9°、20.1°、21.0°、22.0°、および22.7°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの五つ以上におけるピークをさらに含む、実施形態1に記載の結晶形。
【0267】
実施形態7.
XRPDパターンが、3.5°、7.1°、8.9°、9.1°、9.6°、10.7°、12.6°、14.0°、16.9°、18.4°、18.9°、20.1°、21.0°、22.0°、および22.7°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの六つ以上におけるピークをさらに含む、実施形態1に記載の結晶形。
【0268】
実施形態8.
該ピークが、約10%以上の相対強度(I/Io)を有する、実施形態1に記載の結晶形。
【0269】
実施形態9.
該ピークが、1.5406ÅのX線波長を使用するXRPDによって測定される、実施形態1に記載の結晶形。
【0270】
実施形態10.
該ピークの各2θ値が、±0.1°である角度変動を有する、実施形態1から9のいずれか一つに記載の結晶形。
【0271】
実施形態11.
DSCの発熱ピークが約135.5±4℃の温度にある、実施形態1~9のいずれか一つに記載の結晶形。
【0272】
実施形態12.
結晶形は、熱重量分析(TG-FTIR)において、最大約180℃で0.4%以下の重量損失を有する、実施形態1~9のいずれか一つに記載の結晶形。
【0273】
実施形態13.
結晶形は、実質的に純粋である、実施形態1~9のいずれか一つに記載の結晶形。
【0274】
実施形態14.
結晶形は、少なくとも95%純粋である、実施形態1に記載の結晶形。
【0275】
実施形態15.
活性成分としての実施形態1~14のいずれか一つに記載の結晶形と、少なくとも一の薬学的に許容可能な担体または希釈剤とを含む、医薬組成物。
【0276】
実施形態16.
結晶形が、医薬組成物中の式1の化合物の総量の80%以上を構成する、実施形態15に記載の医薬組成物。
【0277】
実施形態17.
医薬組成物は、動物、任意でネコおよび/またはイヌにおいて、有害生物の治療をするためのものである、実施形態15に記載の医薬組成物。
【0278】
実施形態18.
該有害生物はマダニおよび/またはノミを含む、実施形態15に記載の医薬組成物。
【0279】
実施形態19.
実施形態1~14のいずれか一つに記載の結晶形を調製する方法であって、該方法は、
【0280】
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解するステップであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、溶解するステップで溶解される式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはそれらの組み合わせであり、また成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、好ましくは、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上であり、より好ましくは、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上である、溶解するステップと、
【0281】
任意で、一つ以上の成分Bを添加するステップであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bは、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)のうちの一つ以上を含み、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上を含むものである、添加するステップとを含む、方法。
【0282】
実施形態20.
実施形態1~14のいずれか一つに記載の結晶形を調製する方法であって、該方法は、
【0283】
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解するステップであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、溶解するステップで溶解される式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、それらの組み合わせであり、また成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、好ましくは、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上であり、より好ましくは、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上である、溶解するステップと、
【0284】
一つ以上の成分Bを添加するステップであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bは、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)のうちの一つ以上を含み、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上を含むものである、添加するステップと、
【0285】
得られた固体を濾過、洗浄、および乾燥するステップとを含む、方法。
【0286】
実施形態21.
実施形態19または20に記載の方法によって調製された、式1の化合物の結晶形。
【0287】
実施形態22.
式1の化合物の結晶形であって、
【化12】
4.6°、20.5°、および21.7°の±0.2°の値である2θにピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを呈することを特徴とする、結晶形。
【0288】
実施形態23.
XRPDパターンが、7.6°、12.4°、13.8°、18.0°、18.4°、および20.0°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの一つ以上におけるピークをさらに含む、実施形態22に記載の結晶形。
【0289】
実施形態24.
XRPDパターンが、7.6°、12.4°、13.8°、18.0°、18.4°、および20.0°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの二つ以上におけるピークをさらに含む、実施形態22に記載の結晶形。
【0290】
実施形態25.
XRPDパターンが、7.6°、12.4°、13.8°、18.0°、18.4°、および20.0°からなる群から選択される±0.2°である2θの値の三つ以上におけるピークをさらに含む、実施形態22に記載の結晶形。
【0291】
実施形態26.
XRPDパターンが、7.6°、12.4°、13.8°、18.0°、18.4°、および20.0°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの四つ以上におけるピークをさらに含む、実施形態22に記載の結晶形。
【0292】
実施形態27.
XRPDパターンが、7.6°、12.4°、13.8°、18.0°、18.4°、および20.0°からなる群から選択される±0.2°の値である2θの五つ以上におけるピークをさらに含む、実施形態22に記載の結晶形。
【0293】
実施形態28.
XRPDパターンが、7.6°、12.4°、13.8°、18.0°、18.4°、および20.0°の±0.2°の値である2θにピークをさらに含む、実施形態22に記載の結晶形。
【0294】
実施形態29.
該ピークが、約10%以上の相対強度(I/Io)を有する、実施形態22に記載の結晶形。
【0295】
実施形態30.
該ピークが、1.5406ÅのX線波長を使用するXRPDによって測定される、実施形態22に記載の結晶形。
【0296】
実施形態31.
該ピークの各2θ値が、±0.1°である角度変動を有する、実施形態22~30のいずれか一つに記載の結晶形。
【0297】
実施形態32.
DSCの発熱ピークが約142.8±4℃の温度である、実施形態22~30のいずれか一つに記載の結晶形。
【0298】
実施形態33.
結晶形は、実質的に純粋である、実施形態22~30のいずれか一つに記載の結晶形。
【0299】
実施形態34.
結晶形は、少なくとも95%純粋である、実施形態22に記載の結晶形。
【0300】
実施形態35.
活性成分としての実施形態22~34のいずれか一つに記載の結晶形と、少なくとも一の薬学的に許容可能な担体または希釈剤とを含む、医薬組成物。
【0301】
実施形態36.
結晶形が、医薬組成物中の式1の化合物の総量の80%以上を構成する、実施形態15または35に記載の医薬組成物。
【0302】
実施形態37.
医薬組成物が、動物、任意でネコおよび/またはイヌにおいて、有害生物の治療をするためのものである、実施形態15または35に記載の医薬組成物。
【0303】
実施形態38.
該有害生物はマダニおよび/またはノミを含む、実施形態15または35に記載の医薬組成物。
【0304】
実施形態39.
実施形態22~34のいずれか一つに記載の結晶形を調製する方法であって、該方法は、
【0305】
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解するステップであって、任意で攪拌および/または加熱しながら溶解するものであり、溶解するステップで溶解される式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはそれらの組み合わせであり、また成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、好ましくは、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上であり、より好ましくは、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上である、溶解するステップと、
【0306】
一つ以上の成分Bを添加するステップであって、成分Bは、混合物の溶解度を下げる貧溶媒であり、成分Bは、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)のうちの一つ以上を含み、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上を含むものである、添加するステップと、
【0307】
一つ以上の成分Aと、一つ以上の成分Bとを留去するステップと、
【0308】
得られた固体を濾過するステップとを含む、方法。
【0309】
実施形態40.
実施形態22~34のいずれか一つに記載の結晶形を調製する方法であって、該方法は、
【0310】
一つ以上の成分A中で式1の化合物を溶解するステップであって、溶解するステップで溶解される式1の化合物は非晶形、一つ以上の結晶形、またはそれらの組み合わせであり、また成分Aは、式1の化合物を溶解するのに好適な有機溶媒であり、好ましくは、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、DMSO、エタノール、酢酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上であり、より好ましくは、C1~C4アルコール、アセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンジルアルコール、ブチロニトリル、クロロホルム、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸イソブチル、MEK、メタノール、中鎖トリグリセリド、NMP、1-オクタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、TBME、THF、トルエン、およびトリエチルアミンのうちの一つ以上である、溶解するステップと、
【0311】
一つ以上の成分Bを添加するステップであって、成分Bは、水およびC5~C12の環式または非環式炭化水素アルカン(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)のうちの一つ以上を含み、好ましくは水およびヘプタンのうちの一つ以上を含むものである、添加するステップと、
【0312】
溶解ステップから形成された溶液を攪拌するステップと、
【0313】
溶液から一つ以上の成分Aと一つ以上の成分Bとを留去するステップと、
【0314】
一つ以上の追加の成分Bを添加するステップと、
【0315】
一つ以上の追加の成分Bを含有する溶液から一つ以上の成分Aと一つ以上の成分Bとを留去するステップとを含む、方法。
【0316】
実施形態41.
実施形態39または40に記載の方法によって調製された、式1の化合物の結晶形。
【実施例】
【0317】
調製例:式1の化合物の調製
式1の化合物、2-メチル-N-[2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチル]-4-[(5S)-5-[3-クロロ-2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソキサゾール-3-イル]ベンズアミドを、以下に記載のプロセスに従って調製した。
【0318】
4-ブロモ-2-メチル-安息香酸メチル(10.0g、42.3mmol)、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(3.96mL、26.3mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.5g、2.12mmol)、ブチルジ-1-アダマンチルホスフィン(2g、5.29mmol)、およびトルエン(65mL)の混合物を、圧力容器に充填した。反応物をCOガス(約414kPa)で加圧し、85℃に一晩加熱した。反応物を室温に冷却した。反応混合物をセライト(Celite(登録商標))を通して濾過し、トルエンで洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中0~10%酢酸エチル)によって精製して、4-ホルミル-2-メチル-安息香酸メチルを得た。LC-MS(方法A)Rt=0.95分(イオン化なし)。
【0319】
MeOH(65mL)中の4-ホルミル-2-メチル-安息香酸メチル(2.05g、11.2mmol)およびNaOH水溶液(2M、65mL)の混合物を、室温で5時間攪拌した。反応混合物を濃HClでpH約1まで酸性化した。反応物を酢酸エチルで希釈し、有機層を分離し、水層を酢酸エチルで洗浄した。次いで、有機層をひとつに合わせ、無水MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、4-ホルミル-2-メチル-安息香酸を得た。LC-MS(方法B)Rt=0.71分、m/z=163.0[M-H]-。
【0320】
室温で、N2雰囲気下で、DCM(35mL)中の4-ホルミル-2-メチル-安息香酸(1.8g、10.4mmol)および塩化オキサリル(995μL、11.5mmol)の懸濁液に、DMF(25μL)を添加した。反応物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を濃縮して、未精製の酸塩化物を得た。DCM(35mL)中の2-アミノ-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)アセトアミド・HCl(2.25g、11.5mmol)およびNEt3(3.2mL、23mmol)の溶液を、0℃で未精製酸塩化物に添加し、次いで、反応物を室温に加温し、30分間攪拌した。反応物をDCM/水で希釈し、有機層を回収し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中0~10%のMeOH)により精製して、4-ホルミル-2-メチル-N-[2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチル]ベンズアミドを得た。LC-MS(方法A) Rt=0.69分、m/z=303.0[M+H]+。
【0321】
NH2OH溶液(32.6M水溶液、385μL、6.28mmol)を、MeOH(15mL)中の4-ホルミル-2-メチル-N-[2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチル]ベンズアミド(1.00g、3.14mmol)に添加し、反応物を室温で6時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去して、4-[(EおよびZ)-ヒドロキシイミノメチル]-2-メチル-N-[2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチル]ベンズアミドを得た。LC-MS(方法B)Rt=0.68分および0.70分、m/z=318.0[M+H]+。
【0322】
DMF(3.34mL)中の4-[(EおよびZ)-ヒドロキシイミノメチル]-2-メチル-N-[2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチル]ベンズアミド(1.08g、3.16mmol)の溶液に、N-クロロスクシンイミド(548mg、4.10mmol)を添加し、反応物を15分で40℃に加熱した。反応物を0℃に冷却し、1-クロロ-2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)-3-[1-(トリフルオロメチル)ビニル]ベンゼン(1.03g、3.15mmol)を添加し、続いてNEt3(484μL、3.47mmol)を添加した。反応物を室温で攪拌した。反応物を酢酸エチルおよびブラインで希釈した。有機層を分離し、さらにブラインで洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中0~60%酢酸エチル)によって精製して、表題化合物およびそのR-エナンチオマーを得た。LC-MS(方法A)Rt=1.38分、m/z=608.0[M+H]+。1HNMR(CDCl3,400MHz)δ8.04(dd,J=2,6Hz,1H),7.81(dd,J=2,6Hz,1H),7.47-7.56(m,3H),6.90(brs,1H),6.71(brs,1H),4.18-4.23(m,3H),3.84-4.00(m,3H),2.48(s,3H)。
【0323】
二つのエナンチオマーを、250mm×30mm(5μm)のカラム寸法をもつChiralpak(登録商標)AS-Hで、流量152ml/分、および添加剤として0.2%のN,N-ジメチルエチルアミンを含有する10%MeOHを含むCO2ベースの移動相でのSFCによって分離し、式1の化合物である(2-メチル-N-[2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチル]-4-[(5S)-5-[3-クロロ-2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソキサゾール-3-イル]ベンズアミド)、およびそのR-エナンチオマーである2-メチル-N-[2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチル]-4-[(5R)-5-[3-クロロ-2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソキサゾール-3-イル]ベンズアミドを得た。
【0324】
式1の化合物の結晶形Aの調製
実施例1:式1の化合物の結晶形Aの調製
室温で、15mLのエタノール/水2:1混合液を、調製の実施例(上記)中でそのR-エナンチオマーから分離した後の式1の化合物5.0327gに添加した。橙色のペーストが磁気攪拌棒の周囲に形成された。5分間攪拌した後、懸濁液が形成され、磁気攪拌棒の周囲の粘着性の物質が固体になった。スパチュラを使用して凝集塊を破壊し、15mLの溶媒混合物を添加した。二時間の攪拌後、濃縮した懸濁液が観察されたら、10mLの溶媒系を添加した。凝集塊はもはや観察されなかった。室温で一晩攪拌した後、懸濁液をフリットガラス(空隙率4)上で濾過した。湿潤ケーキは白色であり、母液はわずかに橙色であった。母液を使用して反応容器をすすいだ。10mLのエタノール/水2:1混合液を使用してケーキを洗浄した。この濾過ケーキを、減圧を適用してフィルター上で10分間乾燥させ、次いで容器に移し(8.141g)、室温、減圧下(<5mbar)でさらに乾燥させた。一晩乾燥した後、4.4091gの物質を回収し、XRPD分析にかけた(
図46、47、53、64、75、76を参照)。収率:88%。
【0325】
実施例1の結晶形Aは、本明細書ではサンプル42と称する。サンプル42の光学顕微鏡画像を
図45に示す。
【0326】
実施例2:式1の化合物の結晶形Aの調製
200μLのエタノール/水2:1混合液を、90.2mgの式1の化合物の非晶形に添加した。室温で攪拌しながら溶液を得た。5分後、沈殿が観察され、攪拌はもはや不可能であった。さらに600μLの溶媒混合物を追加し、室温でさらに攪拌を行った。三日間の攪拌後、得られた無色懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収した粉末を、XRPDにかけた。実施例2の結晶形Aは、本明細書ではサンプル2と称する(
図13および70を参照)。
【0327】
実施例2a:式1の化合物の結晶形Aの調製
実施例2からのサンプル2の残りを、室温、5mbarで一晩乾燥させた。この乾燥したサンプルを、本明細書ではサンプル2aと称する。XRPDパターンに変化はなく、式1の化合物の結晶形Aに対応していた(
図18および29を参照)。熱重量分析(TG-FTIR)では、25~180℃で0.13%の水の損失を示した(
図10を参照)。DSC分析では、融点135.5℃、開始点132.7℃が示され、その融解エンタルピーは65.6J/gであった(
図15を参照)。DVS分析は、5時間の相対湿度95%で、0.5%の水の吸収を示した(
図16および17を参照)。DVS後のXRPDパターンもまた、式1の化合物の結晶形Aに対応していた(
図18を参照)。
【0328】
実施例3:式1の化合物の結晶形Aの調製
200μLの2-プロパノール/水3:1混合液を、80.1mgの式1の化合物の非晶形に添加した。室温で攪拌しながら溶液を得た。10分後、沈殿が観察された。さらに400μLの溶媒混合物を追加し、室温でさらに攪拌を行った。三日間の攪拌後、この無色懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収された粉末を、XRPDにかけた(
図7および14を参照)。実施例3の結晶形Aは、本明細書ではサンプル3と称する。
【0329】
実施例4:式1の化合物の結晶形Aの調製
200μLの酢酸エチル/ヘプタン1:1混合液を、80.4mgの式1の化合物の非晶形に添加した。室温で攪拌しながら溶液を得た。三日後、溶液が依然として観察された。500μLのヘプタンをゆっくりと添加し、いくらかの粘着性である物質を含んだ濁った溶液を形成した。10分後、懸濁液が形成され始める。室温での5時間の攪拌後、この懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収された粉末を、XRPDにかけた(
図7および14を参照)。実施例4の結晶形Aは、本明細書ではサンプル4と称する。
【0330】
実施例5:式1の化合物の結晶形Aの調製
78.5mgの式1の化合物の非晶形を、室温で500μLのアセトニトリル中に溶解した。500μLの水を攪拌しながら滴加した。添加後、溶液中にいくらかの「油滴」が観察された。さらに1mLの水を追加し(アセトニトリルと水が1:3)、いくらかの油滴を有する濁った溶液を得た。室温でさらに攪拌した。三日間の攪拌後、無色懸濁液を得て、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収された粉末を、XRPDにかけた(
図7および14を参照)。実施例5の結晶形Aは、本明細書ではサンプル5と称する。
【0331】
実施例6:式1の化合物の結晶形Aの調製
91.1mgの式1の化合物の非晶形を、室温で500μLの1-プロパノール中に溶解した。攪拌しながら500μLの水を滴加した。添加後、濁った溶液が観察された。さらに1mLの水を追加した(1-プロパノールと水が1:3)が、沈殿は観察されなかった。室温でさらに攪拌した。三日間の攪拌後、無色懸濁液を得て、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収された粉末を、XRPDにかけた(
図7および14を参照)。実施例6の結晶形Aは、本明細書ではサンプル6と称する。
【0332】
実施例7:式1の化合物の結晶形Aの調製
81.8mgの式1の化合物の非晶形を、室温で500μLのTBME中に溶解した。攪拌しながら500μLのヘプタンを滴加した。添加後、依然として溶液が得られ、さらに500μLのヘプタンを追加し、濁った溶液を得た。さらに500μLのヘプタンを追加し、粘着性物質を含む溶液が形成され、ボルテックスと2分間の超音波処理にかけた。変化は観察されず、室温でさらに攪拌を行った。三日間の攪拌後、無色懸濁液を得て、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液ですすいだ。回収された粉末を、XRPDにかけた(
図7および14を参照)。実施例7の結晶形Aは、本明細書ではサンプル7と称する。
【0333】
実施例8:式1の化合物の結晶形Bの調製
83.8mgの式1の化合物の非晶形を、室温で500μLのMEK中に溶解した。攪拌しながら500μLのヘプタンを滴加した。沈殿は観察されず、さらに1mLのヘプタンを追加した(MEK:ヘプタン比1:3)。依然として溶液が得られ、室温でさらに攪拌を行った。三日間の攪拌後、沈殿は観察されなかったので、バイアルを開いて溶媒留去した。一日後、溶媒の1/3を留去し、沈殿を観察した。得られた懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液ですすいだ。回収された粉末を、XRPDにかけた(
図8を参照)。実施例8の結晶形Bは、本明細書ではサンプル8と称する。
【0334】
実施例9:式1の化合物の結晶形AおよびBの調製
92.9mgの式1の化合物の非晶形を、室温で500μLのTHF中に溶解した。バイアルを開いて、室温で溶媒留去した。三日後、油性の残渣を得た。室温、窒素気流下でさらに留去した。4日後、サンプルは依然として油性の残渣であった。400μLの酢酸イソブチルを油性の残渣に添加した。攪拌した後、室温で溶液を得た。1.2mLのヘプタン(3回の400μLで段階的に)をゆっくりと添加したが、沈殿は観察されなかった。溶液にサンプル6および10で種結晶添加した。種結晶は溶解しなかった。30分間の攪拌後、懸濁液を得て、その半分を濾過した(遠心ユニットフィルターPVDF、0.22μm、5分、5000rpm)。回収された粉末はサンプル11a-1と称し、XRPD(Kaptonフィルム)にかけた。残りの懸濁液を室温でさらに攪拌した。三日間の攪拌後、遠心ユニットフィルター(PTFE、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。回収された粉末はサンプル11a-2と称し、XRPD(Kaptonフィルム)にかけた(
図7を参照)。
【0335】
実施例10:式1の化合物の結晶形Aの調製
81.8mgの式1の化合物の非晶形を、室温で500μLのアセトニトリル中に溶解した。バイアルを開いて、室温で溶媒留去した。三日後、油性の残渣を得た。室温、窒素気流下でさらに留去した。4日後、サンプルは依然として油性の残渣であった。400μLのNMPを油性の残渣に添加した。攪拌した後、室温で溶液を得た。800μLの水(2回の400μLで段階的に)をゆっくりと添加して、沈殿が観察された。攪拌棒の周囲に粘着性物質を含む濁った溶液が形成された。ボルテックス処理後、懸濁液を得ることができ、遠心ユニットフィルター(PTFE、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過を行った。しかしながら、フィルター上には少量の粘着性物質のみが存在した。混合物を回収し、室温でさらに攪拌した。三日間の攪拌後、懸濁液を得た。遠心ユニットフィルター(PTFE、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。回収された粉末はサンプル12aと称し、XRPD(Kaptonフィルム)にかけた(
図7を参照)。
【0336】
実施例11:式1の化合物の結晶形A+Bの調製
74.6mgの式1の化合物の非晶形を、75℃で1mLの水中に懸濁した。5分間攪拌した後、攪拌棒の周囲に粘着性物質が形成された。一晩攪拌した後、攪拌棒の周囲に依然として凝集塊が観察され、スパチュラで掻き落とした。75℃で5時間さらに攪拌し、その後、懸濁液を遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収された粉末はサンプル13と称し、XRPDにかけた。XRPDパターンは、結晶形Bに帰属され得るいくつかの小さな追加的な反射(17.2°、19.2°、および21.5°の2θ)を伴って結晶形Aに対応していた。サンプル13の残りを、室温、5mbarで一晩乾燥させた。この乾燥後の残渣はサンプル13aと称し、XRPDにかけたが、これはサンプル13のXRPDパターンから変化を示さなかった。熱重量分析(TG-FTIR)は、25~170℃で0.74%の水の重量損失を示した(
図12を参照)。
【0337】
実施例12:式1の化合物の結晶形Aの調製
83mgの式1の化合物の非晶形を、75℃で0.5mLのエタノール/水1:1混合液中に懸濁した。5分間攪拌した後、油滴を含むエマルションが形成された。75℃で一晩攪拌し、懸濁液が形成され、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。回収された粉末はサンプル14と称し、XRPDにかけた(
図14を参照)。
【0338】
実施例13:式1の化合物の結晶形Aの調製
73.8mgの式1の化合物の非晶形を、60℃で0.5mLのメタノール/水2:1中に懸濁した。10分間攪拌した後、微細懸濁液が観察された。60℃で一晩攪拌し、懸濁液が形成され、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。回収された粉末はサンプル15と称し、XRPDにかけた(
図14を参照)。
【0339】
実施例14:式1の化合物の結晶形Aの調製
39.8mgのサンプル5および58.7mgのサンプル6を、1mLのエタノール/水1:9混合液中で室温で懸濁させた。ボルテックス処理および10分間の攪拌後、サンプル10で種結晶添加した。さらに1mLの溶媒混合物を追加し、室温でさらに撹拌を行った。三日間の攪拌後、この懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収された粉末はサンプル17と称し、XRPDにかけた(
図14および70を参照)。
【0340】
実施例15:式1の化合物の結晶形Aの調製
85mgの式1の化合物の非晶形を、室温で200μLのアセトン/水1:2混合液中で懸濁させた。粘着性物質が形成されたが、完全には溶解しなかった。ボルテックス処理後、濁った溶液を得た。二時間の攪拌後、非常に濃縮した懸濁液が形成され、1mLのアセトン/水混合液を添加した。三日間の攪拌後、この懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収された粉末はサンプル18と称し、XRPDにかけたが、これは結晶形Aに対応していた(
図14)。
【0341】
実施例16:式1の化合物の結晶形Aの調製
87.4mgの式1の化合物の非晶形を、室温で200μLのメタノール/水2:1混合液中で懸濁させた。粘着性物質が形成されたが、完全には溶解しなかった。二時間の攪拌後、非常に濃縮した懸濁液が形成され、1mLのメタノール/水混合液を添加した。三日間の攪拌後、この懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収された粉末はサンプル19と称し、XRPDにかけたが、これは結晶形Aに対応していた(
図14を参照)。
【0342】
実施例17:式1の化合物の結晶形Aの調製
72mgの式1の化合物の非晶形を、室温で200μLの2-プロパノール/ヘプタン1:1混合液中で懸濁させた。油滴を含む濁った溶液が形成された。二時間の攪拌後、非常に濃縮した懸濁液が形成され、0.5mLの1-プロパノール/水混合液を添加した。溶液を得て、室温でさらに攪拌した。三日後、懸濁液は形成されず、溶液を5℃でさらに攪拌した。三日間の攪拌後、5℃で懸濁液が形成され、遠心ユニットフィルター(PTFE、0.22μm、5分、5000rpm、5℃)を使用して濾過を行った。湿潤濾過ケーキはサンプル20と称し、XRPDにかけたが、これは結晶形Aに対応していた(
図7および14を参照)。
【0343】
実施例18:式1の化合物の結晶形Aの調製
79mgの式1の化合物の非晶形を、室温で200μLの1-プロパノール/水1:1混合液中で懸濁させた。油滴を含む濁った溶液が形成された。二時間の攪拌後、非常に濃縮した懸濁液が形成され、1mLの1-プロパノール/水混合液を添加した。三日間の攪拌後、この懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収された粉末はサンプル21と称し、XRPDにかけたが、これは結晶形Aに対応していた(
図14を参照)。
【0344】
実施例19:式1の化合物の結晶形Aの調製
41.8mgのサンプル18および31.6mgのサンプル19(合計73.4mg、結晶形A)を、0.6mLのヘプタン/アセトン9:1混合液中に室温で懸濁した。5分間攪拌した後、懸濁液にサンプル10(結晶形B)で種結晶添加した。室温での5日間の攪拌後、この懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PTFE、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収された湿潤粉末はサンプル23と称し、XRPDにかけたが、これは結晶形Aに対応していた(
図14を参照)。
【0345】
実施例20:式1の化合物の結晶形Bの調製
97mgの式1の化合物の非晶形を、室温で500μLのTBME中に溶解した。バイアルを開いて、溶媒留去した。4日後、乾燥した残渣を得て、スパチュラで掻き出した。得られた粉末はサンプル26と称し、XRPDにかけたが、これは結晶形Bに対応していた(
図8を参照)。
【0346】
実施例21:式1の化合物の結晶形Aの調製
500μLのメタノール/水1:1混合液を、101.2mgの式1の化合物の非晶形に添加した。粘着性物質が形成され、混合物を60℃に加熱した。10分間攪拌した後、粘着性物質が白色の固体に変わったので、200μLのメタノールを添加した。変化は観察されなかった。ボルテックス処理後、懸濁液を得て、60℃でさらに攪拌した。4日間の攪拌後、ガラス側面上に物質を含む溶液を得た。混合物をボルテックス処理にかけ、懸濁液を得た。さらに5時間の攪拌後、この懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PTFE、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収された湿潤粉末はサンプル28と称し、XRPDにかけたが、これは結晶形Aに対応していた(
図14を参照)。
【0347】
実施例22:式1の化合物の結晶形Bの調製
500μLのアセトン/ヘプタン1:1混合液を、99.4mgの式1の化合物の非晶形に添加し、混合物を60℃に加熱した。60℃で溶液を得た。次いで、加熱を停止し、温度を室温に放冷した。室温で、依然として溶液が観察されたので、さらに5℃で攪拌した。5℃で4日間攪拌した後、沈殿は観察されなかったので、バイアルを冷凍庫(-26℃)に一晩置いた。しかしながら、沈殿は発生しなかったので、0.5mLのヘプタンを添加し、アセトン/ヘプタン1:3比にさせた。沈殿は観察されなかったので、さらに5℃で攪拌を行った。5℃で5時間攪拌した後、変化は観察されなかった。したがって、溶液にサンプル2(結晶形A)およびサンプル10(結晶形B)で種結晶添加した。5℃で一晩攪拌した後、依然として溶液が観察された。0.5mLのヘプタンを室温でゆっくりと添加し、アセトン/ヘプタン1:5比にさせた。沈殿は観察されなかった。バイアルを開いて攪拌しながら溶媒留去した。2時間後、少量のみが留去し、懸濁液を得た。遠心ユニットフィルター(PTFE、0.22μm、5分、5000rpm)を使用して濾過した。バイアルを母液で洗い流した。回収された湿潤粉末はサンプル30と称し、XRPDにかけたが、これは結晶形Bに対応していた。サンプル30の残りを、室温、減圧下(<5mbar)で二日間乾燥させた。この乾燥後の残りはサンプル30aと称した。サンプル30aのDSC分析では、融解ピークが131℃、開始点124.8℃を示し、そのエンタルピーは58.2J/gであった(
図21を参照)。
【0348】
実施例22:式1の化合物の結晶形Aの調製
1mLのエタノール/水2:1混合液を、413.5mgの式1の化合物の非晶形に添加した。室温で二分間攪拌した後、粘着性物質を含む溶液が観察された。30分の攪拌後、非常に濃縮した懸濁液が観察されたので、2mLの溶媒混合物を添加した。室温で三日間攪拌後、この懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PVDF、0.22μm、5000rpm、5分)を使用して濾過した。バイアルを母液ですすいだ。回収された粉末は、サンプル37と称し、バイアルに入れ、室温および5mbarの減圧で一晩乾燥させ、次いでXRPDにかけたが、これは結晶形Aに対応した(
図25~28を参照)。
【0349】
実施例23a:粉砕実験
75mgのサンプル37を乳鉢に入れ、乳棒を用いて粉砕を行った。1分間の粉砕ステップを三回を行い、各砕ステップの間に粉末をスパチュラで中央に集めて一緒にした。実験の終了時に、粉末は、サンプル38と称し、スパチュラで掻き落としてXRPDにかけたが(
図25および26を参照)、これは結晶形Aに対応していたものの、よりブロードでより弱い強度の反射をもち、結晶性の喪失を示唆した。ベースラインの上昇は、非結晶化を示唆する。
【0350】
実施例23b:ボールミル実験
75mgのサンプル37を、二つの直径3mmの粉砕用ボールを有する容器に入れた。5分間の粉砕ステップを三回、それぞれ30/s
-1の回数で行った。この粉末は、サンプル39と称し、容器の縁に固着したので、スパチュラで掻き落とし、そしてXRPDにかけたが、これは結晶形Aに対応したものの、ピーク強度がわずかに低下していた(
図25および27を参照)。
【0351】
実施例23c:IRプレス実験
約100mgのサンプル37を、IRプレスダイセット内の二つのプランジャー(金属シリンダー)の間に置いた。このサンプルをIRプレスで5分間、15バールで圧縮した。回収された粉末は、サンプル40と称し、スパチュラでシリンダーから掻き落としてXRPDにかけたが(
図25および38を参照)、これは結晶形Aに対応していたものの、よりブロードでより弱い強度のピークであり、結晶性の喪失を示唆した。ベースラインの上昇は、非結晶化を示唆する。
【0352】
実施例24a:式1の化合物の結晶形AおよびBの調製
1.1714gの式1の化合物の非晶形を、EasyMax 102装置内で磁気攪拌棒と共に25-mLの反応容器に入れた。粉末に、15mLの2-プロパノール/水1:1混合液を添加した。バイアルの底部に粘着性物質が形成された。反応容器内に濁度プローブを入れた。攪拌を500rpmで開始したが、磁気攪拌棒が粘着性物質によって遮断された。スパチュラを使用してこの遮断を「破壊」した。2分間の攪拌後に懸濁液が形成された。加熱を開始し、1K/分で60℃にした。60℃で、微細懸濁液を得た。2mLの2-プロパノール/水1:1混合液を添加し、温度を65℃に上昇させた。溶液を65℃で得て、冷却を開始して、0.2K/時間で5℃にした。一晩攪拌した後、冷却速度を5K/時間に変更した。得られた懸濁液を、5℃で8時間さらに攪拌した。濃縮した懸濁液によって磁気攪拌棒が遮断されたため、攪拌の停止が観察された。濾過をフリットガラスフィルター(空隙率4)上で行った。反応容器を3mLの母液ですすいだ。ケーキを、約30分間、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。1.4266gの白色粉末を回収した。次いで、室温、減圧下(<5mbar)でさらなる乾燥を行った。一晩乾燥した後に1.0196gの粉末を回収した。収率:87%
【0353】
XRPDパターン(
図46、47を参照)は、少量の結晶形B(19.2°および21.5°の2θで見られる)を伴う結晶形Aに対応する。光学顕微鏡下では、小結晶が観察された。形状は決定できなかった(
図35を参照)。実施例24aの結晶形AおよびBは、本明細書ではサンプル43と称する。
【0354】
実施例24b:式1の化合物の結晶形Aの調製
1.1415gの式1の化合物の非晶形を、EasyMax 102装置内で磁気攪拌棒と共に25-mLの反応容器に入れた。粉末に、18mLの酢酸エチル/ヘプタン1:3混合液を添加した。バイアルの底部に粘着性物質が形成された。反応容器内に濁度プローブを入れた。攪拌を500rpmで開始したが、磁気攪拌棒が粘着性物質によって遮断された。スパチュラを使用してこの遮断を「破壊」した。2分間の攪拌後に懸濁液が形成された。加熱を開始し、1K/分で60℃にした。60℃で、懸濁液を得たので、冷却を開始して0.2K/時間で5℃にした。一晩攪拌した後、冷却速度を5K/時間に変更した。得られた懸濁液を、5℃で9時間さらに攪拌した。磁気攪拌棒が濃縮した懸濁液によって遮断されたことから攪拌の停止が観察された。濾過をフリットガラスフィルター(空隙率4)上で行った。反応容器を3mLの母液ですすいだ。ケーキを、約30分間、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。694.2mgの白色粉末を回収した。次いで、室温、減圧下(<5mbar)でさらなる乾燥を行った。一晩乾燥した後に692.1mgの粉末を回収した。収率:61%
【0355】
XRPDパターンは、結晶形Aに対応する(
図51を参照)。光学顕微鏡下では、小結晶(針状/柱状形状)が観察された(
図36を参照)。実施例24bの結晶形Aは、本明細書ではサンプル44と称する。
【0356】
実施例24c:式1の化合物の結晶形Aの調製
1.0314gの式1の化合物の非晶形を、EasyMax 102装置内で磁気攪拌棒と共に25-mLの反応容器に入れた。粉末に、9mLの2-プロパノールを添加した。攪拌を500rpmで開始し、物質の大部分が溶解したが、いくらか粘着性の物質が形成された。加熱を開始し、1K/分で60℃までにした。60℃で、透明な溶液が得られて、粘着性物質はもはや観察されなかった。0.5mL/分で9mLの水を添加した。約7mLの水を加えた後、局所的に沈殿が観察されたが、持続しなかった。添加後、溶液を60℃で観察した。冷却を開始し、5K/時間で23℃にした。約43℃で、濁った溶液を観察し、約5mgのサンプル42で種結晶添加した。種結晶は溶解しなかった。42℃で、濃縮した懸濁液が形成された。23℃で一晩攪拌した後、濃縮した懸濁液を得て、攪拌が困難であったため、攪拌速度を1000rpmに上昇させた。一時間攪拌した後、懸濁液をフリットガラス(空隙率4)上で濾過した。反応容器を3mLの母液ですすいだ。ケーキを、約30分間、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。893.2mgの白色粉末を回収した。次いで、室温、減圧下(<5mbar)でさらなる乾燥を行った。一晩乾燥した後に889.9mgの粉末を回収した。収率:86.3%。
【0357】
XRPDパターンは、結晶形Aに対応する(
図47を参照)。光学顕微鏡下では、小結晶(針状/柱状形状)が観察された(
図37を参照)。実施例24cの結晶形Aは、本明細書ではサンプル45と称する。
【0358】
実施例24d:式1の化合物の結晶形Aの調製
1.0063gの式1の化合物の非晶形を、EasyMax 102装置内で磁気攪拌棒と共に25-mLの反応容器に入れた。粉末に、4mLの酢酸エチルを添加した。物質の大部分は溶解したが、いくらかの粘着性物質が形成された。攪拌を500rpmで開始し、全ての物質が溶解した。加熱を開始し、1K/分で最高60℃にした。60℃で、透明な溶液を得たので、16mLのヘプタンを0.5mL/分で添加した。添加後、60℃で溶液が観察された。次いで冷却を開始し、5K/時間で23℃にした。47℃で、溶液に約5mgのサンプル42で種結晶添加し、濁った溶液を形成した。23℃で一晩攪拌した後、懸濁液をフリットガラス(空隙率4)上で濾過した。反応容器を3mLの母液ですすいだ。ケーキを、約30分間、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。714.9mgの白色粉末を回収した。次いで、室温、減圧下(<5mbar)でさらなる乾燥を行った。一晩乾燥した後に710mgの粉末を回収した。収率:70.6%
【0359】
XRPDパターンは、結晶形Aに対応する(
図47を参照)。光学顕微鏡下では、小結晶(針状/柱状形状)が観察された(
図38を参照)。実施例24dの結晶形Aは、本明細書ではサンプル46と称する。
【0360】
実施例24e:式1の化合物の結晶形Aの調製
994.9mgの式1の化合物の非晶形を、EasyMax 102装置内で磁気攪拌棒と共に25-mLの反応容器に入れた。粉末に、6mLの2-プロパノールを添加した。攪拌を500rpmで開始し、物質の大部分が溶解したが、いくらか粘着性の物質が形成された。温度を30℃に上昇させ、濁った溶液を得た。さらに1mLの2-プロパノールを追加し、透明な溶液を得た(一部の粒子は溶解しなかった)。8mLの水を0.5mL/分で添加し、各水滴の後で局所的に沈殿が観察された。約5mgのサンプル42での種結晶添加を、1mLの水を添加した後で行った。種結晶は溶解しなかった。水を添加後、溶液を30℃で観察した。冷却を開始し、5K/時間で25℃にした。25℃で一時間攪拌した後、懸濁液をフリットガラス(空隙率4)上で濾過した。反応容器を3mLの母液ですすいだ。ケーキを、約30分間、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。1.0197gの白色粉末を回収した。次いで、室温、減圧下(<5mbar)でさらなる乾燥を行った。
【0361】
887.4mgの粉末を一晩乾燥した後に回収した。収率:89.2%
XRPDパターンは、結晶形Aに対応する(
図47を参照)。光学顕微鏡下では、小結晶が観察された。形状は決定できなかった(
図39を参照)。実施例24eの結晶形Aは、本明細書ではサンプル47と称する。
【0362】
実施例24f:式1の化合物の結晶形Aの調製
1.002gの式1の化合物の非晶形を、EasyMax 102装置内で磁気攪拌棒と共に25-mLの反応容器に入れた。粉末に、2mLの2-プロパノールを添加して、粘着性物質が形成された。攪拌を500rpmで開始し、加熱を開始して1K/分で60℃にした。室温で濁った溶液が観察され、約38℃で懸濁液を得た。透明な溶液を60℃で観察し、3mLの水を0.1mL/分で添加した。攪拌速度は700rpmに上昇させた。水を添加した後、微細懸濁液を得たので、約5mgのサンプル42で種結晶添加を行った。60℃で30分間さらに攪拌し、その後、冷却を開始して2K/時間で22℃にした。次いで懸濁液をフリットガラス(空隙率4)上で濾過した。反応容器を3mLの母液で二回すすいだ。ケーキを、約30分間、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。1.3642gの白色粉末を回収した。次いで、室温、減圧下(<5mbar)でさらなる乾燥を行った。912.5mgの粉末を一晩乾燥した後に回収した。収率:91%
【0363】
XRPDパターンは、結晶形Aに対応する(
図47を参照)。光学顕微鏡下では、小結晶が観察された。形状は決定できなかった(
図40を参照)。実施例24fの結晶形Aは、本明細書ではサンプル48と称する。
図48は、以下のとおりこの実施例を示す:温度(青色曲線)および濁度(緑色曲線)を時間の関数として示す。橙色のマークは、種結晶添加点を表す。
【0364】
実施例24g:式1の化合物の結晶形Aの調製
1.0147gの式1の化合物の非晶形を、EasyMax 102装置内で磁気攪拌棒と共に25-mLの反応容器に入れた。粉末に、2mLの2-プロパノールを添加して、粘着性物質が形成された。攪拌を500rpmで開始し、加熱を開始して1K/分で60℃にした。60℃で透明な溶液が観察されたので、4mLの水を0.1mL/分で添加した。攪拌速度を700rpmに上昇させた。水を添加した後、微細懸濁液を得たので、約5mgのサンプル42で種結晶添加を行った。60℃で30分間さらに攪拌し、その後、冷却を開始して2K/時間で22℃にした。一晩攪拌した後、反応容器温度は依然として60℃であり、冷却プログラムは開始しなかった。懸濁液は、60℃で既に観察された。冷却を開始して10K/時間で22℃にし、次いで懸濁液を22℃で1時間30分間さらに攪拌した。懸濁液をフリットガラスフィルター(空隙率4)上で濾過した。反応容器を3mLの母液ですすいだ。ケーキを、約1時間、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。923.4mgの白色粉末を回収した。次いで、室温、減圧下(<5mbar)でさらなる乾燥を行った。一晩乾燥した後に921.5mgの粉末を回収した。収率:91%
【0365】
XRPDパターンは、結晶形Aに対応する(
図47を参照)。光学顕微鏡下では、小結晶が観察された。形状は決定できなかった(
図41を参照)。実施例24gの結晶形Aは、本明細書ではサンプル49と称する(
図41を参照)。
【0366】
実施例24h:式1の化合物の結晶形Aの調製
1.0088gの式1の化合物の非晶形を、EasyMax 102装置内で磁気攪拌棒と共に25-mLの反応容器に入れた。粉末に、2mLの2-プロパノールを添加して、粘着性物質が形成された。攪拌を500rpmで開始し、加熱を開始して1K/分で60℃にした。60℃で透明な溶液を観察し、4mLの水を0.1mL/分で添加した。攪拌速度を700rpmに上昇させた。水を添加した後、微細懸濁液を得て、サンプル42(約5mg)で種結晶添加を行った。さらに攪拌を60℃で1時間30分間行い、攪拌速度を700rpmに変更した。冷却を開始し、2K/時間で20℃にした。次いで、週末にかけて以下の温度サイクルを行うことをプログラムした:
- 1時間、20℃で待機
- 15K/時間で40℃に加熱
- 5K/時間で20℃に冷却
【0367】
これら三ステップを4回繰り返した。次いで、懸濁液を、20℃、1000rpmで1日攪拌した。濾過をフリットガラスフィルター(空隙率4)上で行った。反応容器を3mLの母液ですすいだ。ケーキを、約30分間、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。972.5mgの白色粉末を回収した。次いで、室温、減圧下(<5mbar)でさらなる乾燥を行った。
【0368】
一晩乾燥した後に927.8mgの粉末を回収した。収率:92%
【0369】
図49は、以下のとおりこの実施例を示す:温度(青色曲線)および濁度(緑色曲線)を時間の関数として示す。灰色のマークは、種結晶添加点を表す。
【0370】
XRPDパターンは、結晶形Aに対応する(
図47を参照)。光学顕微鏡下では、小結晶が観察された。形状は決定できなかった(
図42を参照)。実施例24hの結晶形Aは、本明細書ではサンプル50と称する。
【0371】
実施例24i:式1の化合物の結晶形Aの調製
1.0056gの式1の化合物の非晶形を、EasyMax 102装置内で磁気攪拌棒と共に25-mLの反応容器に入れた。粉末に、2mLの酢酸エチルを添加して、粘着性物質が形成された。攪拌を500rpmで開始し、加熱を開始して1K/分で60℃にした。60℃で透明な溶液を観察し、8mLのヘプタンを0.1mL/分で添加した。攪拌速度を700rpmに上昇させた。ヘプタン添加後、透明な溶液が観察され、サンプル42(約5mg)で種結晶添加を行った。種結晶は溶解しなかったので、冷却を開始して2K/時間で20℃にした。次いで、週末にかけて以下の温度サイクルを行うことをプログラムした:
- 1時間、20℃で待機
- 15K/時間で40℃に加熱
- 5K/時間で20℃に冷却
【0372】
これら三ステップを4回繰り返した。次いで、懸濁液を、20℃、1000rpmで1日攪拌した。濾過をフリットガラスフィルター(空隙率4)上で行った。反応容器を3mLの母液ですすいだ。ケーキを、約30分間、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。902.7mgの白色粉末を回収した。次いで、室温、減圧下(<5mbar)でさらなる乾燥を行った。900.9mgの粉末を一晩乾燥した後に回収した。収率:90%
【0373】
図49は、以下のとおりこの実施例を示す:温度(青色曲線)および濁度(緑色曲線)を時間の関数として示す。灰色のマークは、種結晶添加点を表す。
【0374】
XRPDパターンは、結晶形Aに対応する(
図47を参照)。光学顕微鏡下では、小結晶(針状/柱状形状)が観察された(
図43を参照)。実施例24iの結晶形Aは、本明細書ではサンプル51と称する。
【0375】
実施例24j:式1の化合物の結晶形Aの調製
1.0120gの式1の化合物の非晶形を、EasyMax 102装置内で磁気攪拌棒と共に25-mLの反応容器に入れた。粉末に、2mLの2-プロパノールを添加して、粘着性物質が形成された。攪拌を500rpmで開始し、加熱を開始して1K/分で60℃にした。60℃で透明な溶液が観察されたので、4mLの水を1mL/分で添加した。攪拌速度を700rpmに上昇させた。水を添加した後、懸濁液を得て、サンプル42で種結晶添加を行った。攪拌速度を700rpmに変更し、冷却を開始して10K/時間で20℃にした。20℃で2日と17時間(合計で65時間)攪拌した後、懸濁液をフリットガラスフィルター(空隙率4)上で濾過した。反応容器を4mLの母液ですすいだ。ケーキを、約1時間、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。956.3mgの白色粉末を回収した。次いで、室温、減圧下(<5mbar)でさらなる乾燥を行った。938.6mgの粉末を一晩乾燥した後に回収した。収率:93%
【0376】
XRPDパターンは、結晶形Aに対応する(
図47を参照)。光学顕微鏡下では、小結晶が観察された。形状は決定できなかった(
図44を参照)。実施例24jの結晶形Aは、本明細書ではサンプル52と称する。
【0377】
実施例24k:式1の化合物の結晶形Aの調製
40.0370gの式1の化合物の非晶形を、アンカー型攪拌棒を備えたEasyMax 402装置内において400-mLの反応容器に入れた。わずかに橙色の粉末に、80mLの2-プロパノールを添加した。攪拌を100rpmに設定し、加熱を開始して1K/分で60℃にした。60℃で、透明な橙色の溶液が観察されたので、160mLの水を1mL/分で添加した。約90mLの水を添加後、濁った溶液が観察された。水添加後に微細懸濁液が観察された。60℃でさらに攪拌し、懸濁液が形成された。サンプル46(約40mg)で種結晶添加を行った。さらに懸濁液を60℃で30分間攪拌し、攪拌速度を200rpmに変更した。次いで冷却を開始し、2K/時間で20℃にした。週末にかけて以下の温度サイクルを行うことをプログラムした:
- 1時間、20℃で待機
- 15K/時間で40℃に加熱
- 5K/時間で20℃に冷却
【0378】
これら三ステップを3回繰り返した。次いで、懸濁液を、20℃、200rpmで一日攪拌した。濾過をフリットガラスフィルター(空隙率4)上で行った。反応容器を25mLの母液ですすぎ、ケーキを30mLの2-プロパノール(2-prOH)/水1:2混合液で洗浄した。ケーキを、約2時間、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。38.9163gの白色粉末を回収した。次いで、室温、減圧下(<5mbar)でさらなる乾燥を行った。38.74gの粉末を一晩乾燥した後に回収した。収率:96.8%
【0379】
XRPDパターンは、結晶形Aに対応する(
図52および53を参照)。光学顕微鏡下では、小結晶が観察された。形状は決定できなかった(
図54を参照)。
1H-NMR分析では、NMRスペクトルが、式1の化合物の非晶形と一致するが、不純物をほとんど含有しないということを示す(
図56および57を参照)。少量の2-プロパノールが見られる。HPLC分析では、98面積%の純度を示す(
図58を参照)。熱重量分析(TG-FTIR)では、25~200℃で少量の水が観察されたことを示した(
図55を参照)。実施例24kの結晶形Aは、本明細書ではサンプル53と称する。
図50は、この実施例のグラフ表示を示し、時間の関数として温度、水の量、および粒子数曲線を示す。
図51は、この実施例のグラフ表示を示し、時間の関数として平均二乗および粒子数曲線を示す。
【0380】
実施例24l:式1の化合物の結晶形Aの調製
35.1697gの式1の化合物の非晶形を、アンカー型攪拌棒を備えたEasyMax 402装置内において400-mLの反応容器に入れた。わずかに橙色の粉末に、70mLの酢酸エチルを添加した。攪拌を100rpmに設定し、加熱を開始して1K/分で60℃にした。60℃で、透明な橙色の溶液が観察されたので、280mLのヘプタンを2mL/分で添加した。添加後、透明な溶液が得られたので、サンプル46(約40mg)で種結晶添加を行った。(
図60は、種結晶添加直後の結晶を示す。)種結晶は溶解せず、懸濁液が形成された。さらに懸濁液を60℃で30分間攪拌し、攪拌速度を200rpmに変更した。次いで冷却を開始し、2K/時間で20℃にした。(
図61は、冷却勾配が開始されたときの懸濁液形成後の結晶を示す。)週末にかけて以下の温度サイクルを行うことをプログラムした:
- 1時間、20℃で待機
- 15K/時間で40℃に加熱
- 5K/時間で20℃に冷却
【0381】
これら三ステップを3回繰り返した。(
図62は、プロセス終了時の懸濁液を示す。)次いで、懸濁液を、20℃、200rpmで一日攪拌した。濾過をフリットガラスフィルター(空隙率4)上で行った。反応容器を25mLの母液ですすぎ、ケーキを30mLの酢酸エチル/ヘプタン1:4混合液で洗浄した。ケーキを、約2時間、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。30.8252gの白色粉末を回収した。次いで、室温、減圧下(<5mbar)でさらなる乾燥を行った。30.7783gの粉末を一晩乾燥した後に回収した。収率:87.5%
【0382】
XRPDパターンは、結晶形Aに対応する(
図63および64を参照)。光学顕微鏡下では、小結晶(針状/柱状形状)が観察された(
図65を参照)。
1H-NMR分析では、NMRスペクトルが、式1の化合物の非晶形と一致するが、不純物をほとんど含有しないということを示す(
図67を参照)。HPLC分析では、98.7面積%の純度を示す(
図68を参照)。熱重量分析(TG-FTIR)は、25~200℃で少量の水が観察されたことを示した(
図66を参照)。実施例24lの結晶形Aは、本明細書ではサンプル54と称する。
図59は、時間の関数としての、温度、添加量、濁度、および粒子数曲線を有するこの実施例のグラフ表示を示す。
【0383】
実施例25a:式1の化合物の結晶形Bの調製
83.5mgの式1の化合物の非晶形を、室温で500μLのメタノール中に溶解した。バイアルを開いて、室温で溶媒留去した。三日後、ガラス質残渣を得て、窒素気流下でさらに留去した。5時間後、ガラス質残渣をスパチュラで回収し、XRPD分析にかけた(
図8、9、24、46、47、53、および64を参照)。実施例25aの結晶形Bは、本明細書ではサンプル10と称する。
1H-NMR分析は、サンプル10のNMRスペクトルが、式1の化合物の非晶形のNMRスペクトルと一致することを示し、残留する2-プロパノール(0.014当量)および残留するメタノール(0.5当量)が見られた。DVS分析は、五時間で、相対湿度95%での水の吸収1.2%を示した(
図22および23を参照)。
【0384】
実施例25b:式1の化合物の結晶形Bの調製
実施例25aからのサンプル10の残りを、室温、5mbarで一晩乾燥させた。実施例3bの結晶形Bは、本明細書ではサンプル10aと称する。サンプル10aのXRPDパターンは、サンプル10のXRPDパターンに対応していた(
図19、24、30を参照)。熱重量分析(TG-FTIR)では、25~250℃で0.80%の水の重量損失を示した(
図11を参照)。DSC分析では、0.2J/(g・℃)のΔC
pステップで、59℃でのガラス転移、融点132.5℃、開始点124℃を示し、その融解エンタルピーは45.7J/gであった(
図20を参照)。
【0385】
実施例26a:式1の化合物の結晶形Cの調製
1グラムの式1の化合物の非晶形を、60℃で酢酸エチル/n-ヘプタン(16V、1/3v/v)中に溶解し、次いで、1時間かけて50℃に冷却した。18時間保持した後、少量を取り分け、濾過し、XRPD分析にかけた(
図69、70、75、76を参照)。結晶形Cが得られたことを確認した後、このバッチを45℃で1Vに濃縮し、ヘプタン(5v×2)で交換して最終体積5Vにし、次いで20~25℃で濾過し、45℃で18時間オーブン内で乾燥させた。DSC分析では、融解ピーク142.8℃、開始点139.7℃を示し、その融解エンタルピーは58.3J/gであった(
図71を参照)。
【0386】
式1の化合物の結晶形Cに対して走査電子顕微鏡分光法(SEM)を実施した。六つの異なる倍率、すなわち、100×、250×、500×、1000×、3000×、および9000×を使用した。100×および250×でのSEM画像を
図72に示し、500×および1000×でのSEM画像を
図73に示し、3000×および9000×でのSEM画像を
図74に示す。
【0387】
実施例26aの結晶形Cは、本明細書ではサンプル55と称する。
【0388】
実施例26b:式1の化合物の結晶形Cの調製
1グラムの式1の化合物の非晶形を、16mLの酢酸エチル/ヘプタン1:3(v/v)混合液中に60℃で溶解した。溶液が得られて、温度を1時間で50℃に低下させた。一晩攪拌した後(およそ18時間)、懸濁液が形成されたので、1.5mLの懸濁液を濾過し、XRPD分析にかけた。結晶形Cを得た。
【0389】
次いで、温度を45℃に低下させ、反応容器を開いて溶媒留去した。一晩攪拌した後、3mLのみが留去したため、窒素気流でさらに留去させた。4時間後、残りの溶媒は約5体積であり、10mLのヘプタンをゆっくりと添加した。得られた懸濁液を45℃で1時間攪拌した。次いで、45℃、弱い窒素気流で、留去を開始した。一晩攪拌した後、約8体積の懸濁液が残った。懸濁液をフリットガラス(空隙率4)上で濾過した。ケーキを、減圧を適用してフィルター上で乾燥させた。粉末をXRPD分析にかけて、結晶形Cを得た。
【0390】
実施例26bの結晶形Cは、本明細書ではサンプル60と称する。
【0391】
実施例27a:競合的なスラリー平衡実験
53mgのサンプル42(結晶形A)および47mgのサンプル(結晶形C)を、1mLの酢酸エチル/ヘプタン(1:3)混合液中に室温で懸濁した。室温で二時間攪拌した後、さらに1mLの溶媒混合物を懸濁液に追加した。さらに1時間攪拌した後、懸濁液にサンプル42およびサンプル55(約10~20mg)で種結晶添加した。室温でさらに攪拌を一週間行った。次いでこの懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PTFE、0.2μm、5000rpm、室温)を使用して濾過した。回収された濾過ケーキをXRPD分析にかけたが、これは結晶形AおよびCの混合物に対応するパターンを示した。この得られた結晶形AおよびCの混合物は、本明細書ではサンプル56と称する。
【0392】
サンプル56からの残りの物質(約42mg)を、室温で0.5mLの酢酸エチル/ヘプタン(1:3)混合液中でさらに平衡化した。一か月の攪拌後、懸濁液を遠心ユニットフィルター(PTFE、0.2μm、5000rpm、室温)を使用して濾過した。回収された濾過ケーキをXRPD分析にかけたが、これは結晶形Cに対応するパターンを示した。この実施例27aの得られた結晶形Cは、本明細書ではサンプル56Aと称する。
【0393】
実施例27b:競合的なスラリー平衡実験
71mgのサンプル42(結晶形A)および73mgのサンプル55(結晶形C)を、1mLの酢酸エチル/ヘプタン(1:3)混合液中に60℃で懸濁させた。60℃で二時間攪拌した後、さらに1mLの溶媒混合物を懸濁液に追加した。さらに1時間攪拌した後、懸濁液にサンプル42およびサンプル55(約10~20mg)で種結晶添加した。60℃でさらに攪拌を行った。四日間の攪拌後、ガラス側面上の物質を含む溶液を得た。約25mgのサンプル42および25mgのサンプル55を添加し、懸濁液を得た。60℃でのさらに三日間の攪拌後、この懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PTFE、0.2μm、5000rpm、40℃)を使用して濾過した。回収された濾過ケーキを、XRPD分析にかけたが、これは結晶形Cに対応するパターンを示した。
【0394】
実施例27bの結晶形Cは、本明細書ではサンプル57と称する。
【0395】
実施例27c:競合的なスラリー平衡実験
111mgのサンプル42(結晶形A)および121mgのサンプル55(結晶形C)を、2mLの酢酸エチル/ヘプタン1:3混合液中に30℃で懸濁させた。30分間攪拌後、さらに2mLの溶媒混合物を追加した。30℃で一時間攪拌した後、懸濁液にサンプル42およびサンプル55(各サンプル約10mg)で種結晶添加した。さらに攪拌を30℃で二週間行った。次いでこの懸濁液の半分を、遠心ユニットフィルター(PTFE、0.2μm、5000rpm、30℃)を使用して濾過した。回収された濾過ケーキをサンプル63として示し、XRPD分析にかけた。XRPDパターンは、結晶形AおよびCの混合物に対応した(
図75を参照)。
【0396】
懸濁液の残りの半分をさらに四週間攪拌した(総攪拌時間は6週間)。平衡化中、一部の物質がバイアルの壁(懸濁液のすぐ上方)に再び観察されたため、すべての物質を懸濁液中に戻すために、混合物を一日二回ボルテックス処理にかけた。次いでこの懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PTFE、0.2μm、5000rpm、30℃)を使用して濾過した。回収された濾過ケーキをサンプル63Aとして示し、XRPD分析にかけた。XRPDパターンは、少量の結晶形Aを含む結晶形Cに対応していた(
図75を参照)。
【0397】
実施例27d:競合的なスラリー平衡実験
104mgのサンプル42(結晶形A)および105mgのサンプル55(結晶形C)を、2mLの酢酸エチル/ヘプタン1:3混合液中に35℃で懸濁させた。30分間攪拌後、さらに2mLの溶媒混合物を追加した。35℃で一時間攪拌した後、懸濁液にサンプル42およびサンプル55(各サンプル約10mg)で種結晶添加した。さらに攪拌を35℃で二週間行った。次いでこの懸濁液の半分を、遠心ユニットフィルター(PTFE、0.2μm、5000rpm、35℃)を使用して濾過した。回収された濾過ケーキをサンプル64として示し、XRPD分析にかけた。XRPDパターンは、少量の結晶形Aを含む結晶形Cに対応していた(
図76を参照)。
【0398】
残りの懸濁液をさらに二週間攪拌した(総攪拌時間は1ヶ月)。この懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PTFE、0.2μm、5000rpm、35℃)を使用して濾過した。回収された濾過ケーキはサンプル64Aと称し、XRPD分析にかけた。XRPDパターンは、結晶形AおよびCの混合物に対応し、結晶形Aの量は、サンプル64と比較して増加していた(
図76を参照)。
【0399】
サンプル64Aで回収された濾過ケーキを、回収された母液中で35℃でさらにスラリー化した。さらに攪拌を二週間行った(総攪拌時間は6週間)。平衡化中、一部の物質がバイアルの壁(懸濁液のすぐ上方)に再び観察されたため、すべての物質を懸濁液中に戻すために、混合物を一日二回ボルテックス処理にかけた。この懸濁液を、遠心ユニットフィルター(PTFE、0.2μm、5000rpm、35℃)を使用して濾過した。回収された濾過ケーキはサンプル64Bと称し、XRPD分析にかけた(
図76を参照)。
【0400】
実施例27e:競合的なスラリー平衡実験-結晶形Aおよび結晶形B
競合的なスラリー平衡実験を、式1の化合物の結晶形AおよびBに実施した。非結晶の出発物質は通常の有機溶媒中で溶解度が高いことを考慮すると、競合的なスラリー実験は、結晶形Aの懸濁液で開始して、次いでこれに、結晶形Bで、または結晶形Aおよび結晶形Bの混合物で種結晶添加した。したがって、純粋な有機溶媒中の式1の非結晶化合物の溶解度を下げ、結晶形Aの懸濁液を得るために、水、ヘプタン、およびシクロヘキサンの混合物が選択された。
【0401】
実施されたすべての実験において、平衡化時間の終了時に結晶形Aが得られ、結晶形BはXRPDパターンではもはや観察されなかった。したがって、結晶形Aは、結晶形AおよびBのより安定した形態である。
【表4】
【0402】
実施例27f:競合的なスラリー平衡実験-結晶形Aおよび結晶形C
競合的なスラリー平衡実験を、式1の化合物の結晶形AおよびCに実施した。
【表5】
【0403】
当業者であれば、本発明が、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得ることを認識するであろう。記載した実施形態は、すべての点において、例示としてのみ考慮され、限定するものではない。したがって、本発明の範囲は、前述の記載ではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲と同等の意味および範囲内にあるすべての変更が、本発明の範囲内に包含されるべきである。
【国際調査報告】