(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】廃棄物収集サブシステムを有する3Dプリントシステム
(51)【国際特許分類】
B29C 64/124 20170101AFI20240614BHJP
B29C 64/255 20170101ALI20240614BHJP
B29C 64/268 20170101ALI20240614BHJP
B29C 64/35 20170101ALI20240614BHJP
B29C 64/357 20170101ALI20240614BHJP
B29C 64/232 20170101ALI20240614BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240614BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240614BHJP
B33Y 40/00 20200101ALI20240614BHJP
【FI】
B29C64/124
B29C64/255
B29C64/268
B29C64/35
B29C64/357
B29C64/232
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y40/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577387
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 US2022034820
(87)【国際公開番号】W WO2022272011
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597013711
【氏名又は名称】スリーディー システムズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】エンスロー,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ラザティン,ダロルド テヘーロ
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AA44
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL12
4F213WL32
4F213WL43
4F213WL52
4F213WL67
4F213WL72
4F213WL74
4F213WL87
(57)【要約】
3次元プリントシステム(2)は、樹脂容器(6)と、作製サブシステム(26)と、廃棄物収集サブシステム(28)と、コントローラ(38)とを備える。樹脂容器は、光硬化性樹脂(8)を収容するように構成されている。作製サブシステムは、光硬化性樹脂の層ごとの選択的硬化によって3D物品(4)を形成するように構成される。作製サブシステムは、造形プレート(10)と、造形プレート支持構造(14)と、垂直移動機構(16)とを備える。廃棄物収集サブシステムは、造形プレート支持構造体に固定され、造形プレート支持構造体が上方に移動するときに部分的に重合した樹脂を捕捉するように構成される。コントローラは、(a)垂直移動機構を動作させて、造形プレート支持構造を下方位置に平行移動させ、(b)垂直移動機構を動作させて、廃棄物収集サブシステムを、樹脂を通って、部分的に重合した樹脂を廃棄物収集サブシステムから取り出すことができる位置まで上昇させるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D物品を製造するための3次元(3D)プリントシステムであって、
光硬化性樹脂を収容するように構成された容器;
前記光硬化性樹脂の層ごとの選択的硬化によって前記3D物品を形成するように構成され、造形プレートと、造形プレート支持構造と、垂直移動機構とを含む、作製サブシステム;
前記造形プレート支持構造に取り付けられ、該造形プレート支持構造が上方向に移動する際に部分的に重合した樹脂を捕捉するように構成される、廃棄物収集サブシステム;および
コントローラ
を備え、
前記コントローラは、
前記垂直移動機構を動作させて、前記造形プレート支持構造を下方位置に平行移動させ、
前記垂直移動機構を動作させて、前記廃棄物収集サブシステムを樹脂を通して上方に、部分的に重合した樹脂を前記廃棄物収集サブシステムから取り出すことができる位置まで上昇させるように構成される、
ことを特徴とする、
3次元(3D)プリントシステム。
【請求項2】
前記容器は、前記光硬化性樹脂を収容するための略矩形の側方容器領域を画定する壁を有し、前記造形プレートは、該造形プレートと前記容器の壁との間に矩形間隙を有する容器領域の大部分を占める略矩形の側方範囲を有し、前記廃棄物収集サブシステムは、前記矩形間隙内に配置された取入口を含み、前記造形プレートが上昇すると前記樹脂の一部が前記取入口に流入する、ことを特徴とする、請求項1に記載の3次元(3D)プリントシステム。
【請求項3】
前記廃棄物収集サブシステムは、前記造形プレートの縁に沿って支持される取入口と、前記造形プレートの下に支持される篩容器とを含み、前記造形プレートが上昇すると、前記樹脂が前記取入口に流入し、次いで前記篩容器を通過することを特徴とする、請求項1に記載の3次元(3D)プリントシステム。
【請求項4】
前記取入口は導管に結合され、前記取入口は前記導管よりも比較的広く、前記導管は前記篩容器に結合されることを特徴とする、請求項3に記載の3次元(3D)プリントシステム。
【請求項5】
前記廃棄物収集サブシステムは、前記取入口を前記篩容器に結合する導管を含み、前記造形プレートが上昇すると、前記樹脂が前記取入口に垂直に入り、次いで前記導管から前記篩容器まで横方向に流れることを特徴とする、請求項3に記載の3次元(3D)プリントシステム。
【請求項6】
前記廃棄物収集サブシステムは、前記取入口を前記篩容器に結合する導管を含み、前記導管は、前記造形プレートが上昇していないときに前記廃棄物収集システムから前記樹脂が逆流することを防止するための逆止弁を含むことを特徴とする、請求項3に記載の3次元(3D)プリントシステム。
【請求項7】
3D物品を製造するように構成された3次元(3D)プリントシステムを動作させる方法であって、
光硬化性樹脂を収容するように構成された容器;
前記光硬化性樹脂の層ごとの選択的硬化によって前記3D物品を形成するように構成され、造形プレートと、造形プレート支持構造と、垂直移動機構とを含む、作製サブシステム;および
前記造形プレート支持構造に取り付けられ、該造形プレート支持構造が上方向に移動する際に部分的に重合した樹脂を捕捉するように構成される、廃棄物収集サブシステム
を提供する工程、
前記垂直移動機構を動作させて、前記造形プレート支持構造を下方位置に平行移動させる工程、および
前記垂直移動機構を動作させて、前記廃棄物収集サブシステムを樹脂を通して上方に、部分的に重合した樹脂を前記廃棄物収集サブシステムから取り出すことができる位置まで上昇させる工程、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記容器は、前記光硬化性樹脂を収容するための略矩形の側方容器領域を画定する壁を有し、前記造形プレートは、該造形プレートと前記容器の壁との間に矩形間隙を有する容器領域の大部分を占める略矩形の側方範囲を有し、前記廃棄物収集サブシステムは、前記矩形間隙内に配置された取入口を含み、前記造形プレートが上昇すると前記樹脂の一部が前記取入口に流入する、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記廃棄物収集サブシステムは、前記造形プレートの縁に沿って支持される取入口と、前記造形プレートの下に支持される篩容器とを含み、前記造形プレートが上昇すると、前記樹脂が前記取入口に流入し、次いで前記篩容器を通過することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記廃棄物収集サブシステムは、前記取入口を前記篩容器に結合する導管を含み、前記造形プレートが上昇すると、前記樹脂が前記取入口に垂直に入り、次いで前記導管から前記篩容器まで横方向に流れることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記廃棄物収集サブシステムは、前記取入口を前記篩容器に結合する導管を含み、前記導管は、前記造形プレートが上昇していないときに前記廃棄物収集システムから前記樹脂が逆流することを防止するための逆止弁を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
3D物品を製造するための3次元(3D)プリントシステムであって、
光硬化性樹脂を収容するように構成され、前記光硬化性樹脂を横方向に囲む壁境界を画定する少なくとも1つの壁を含む、容器;
前記光硬化性樹脂の層ごとの選択的硬化によって前記3D物品を形成するように構成され、造形プレートと、造形プレート支持構造と、垂直移動機構とを含み、前記造形プレートと前記壁境界との間に間隙が横方向に画定される、作製サブシステム;
篩容器に流体的に結合された取入口を含み、該取入口は前記間隙内に横方向に位置決めされる、廃棄物収集サブシステム;
コントローラ
を備え、
前記コントローラは、
前記垂直移動機構を動作させて、前記造形プレートおよび前記廃棄物収集サブシステムを、前記光硬化性樹脂を通って上方に平行移動させ、前記造形プレートが上昇する際に前記取入口を通って前記篩容器内に前記光硬化性樹脂の流体流を誘導するように構成される
ことを特徴とする、3次元(3D)プリントシステム。
【請求項13】
前記壁境界は矩形であることを特徴とする、請求項12に記載の3次元(3D)プリントシステム。
【請求項14】
前記廃棄物収集サブシステムは、前記間隙に隣接する前記造形プレートの縁に沿って支持されることを特徴とする、請求項12に記載の3次元(3D)プリントシステム。
【請求項15】
逆止弁が、前記取入口と前記篩容器との間に流体的に結合され、前記造形プレートが上昇していないときに前記廃棄物収集システムから樹脂が逆流することを防止するように構成されることを特徴とする、請求項12に記載の3次元(3D)プリントシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この非仮特許出願は、35 U.S.C.119(e)の下で参照により本明細書に組み込まれる、「3D Printing System with Waste Collection Subsystem」と題されたAndrew Enslowらによる2021年6月25日出願の米国仮特許出願第63/215,165号に対する優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、液体光硬化性造形材料の層ごとの固化による3次元(3D)物品のデジタル作製のための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、部分的に硬化した光硬化性構築材料が樹脂容器内に蓄積するという問題に対する解決策に関する。
【背景技術】
【0003】
3Dプリントシステムは、製品のプロトタイピングおよび製造に広く使用されている。1つのタイプの3Dプリントシステムは、ステレオリソグラフィと呼ばれるプロセスを利用する。典型的なステレオリソグラフィシステムは、樹脂容器と、撮像システムと、樹脂容器によって保持された液体光硬化性樹脂内の造形プレートとを利用する。3次元(3D)物品は、放射線を使用して造形プレート上に光硬化性樹脂の層を選択的に画像化し固化させることによって、層ごとに製造される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
3D物品が作製されるとき、迷放射線は、3D物品の一部ではない光硬化性樹脂の意図しない部分硬化をもたらし得る。部分硬化は、放射線が存在しない場合でも樹脂中に伝播する傾向がある。時間が経つにつれて、樹脂は使用できなくなり、高コストで交換され、材料が無駄になる。
【0005】
本開示の第1の態様では、3次元(3D)プリントシステムは、3次元3D物品を層ごとに製造するように構成される。製造モードでは、3Dプリントシステムは、個々の層の選択的重合によって複数の層の垂直スタックを形成する。3Dプリントシステムは、樹脂容器と、作製サブシステムと、廃棄物収集サブシステムと、コントローラとを含む。樹脂容器は、光硬化性樹脂を収容するように構成されている。作製サブシステムは、光硬化性樹脂の層ごとの選択的硬化によって3D物品を形成するように構成される。作製サブシステムは、造形プレートと、造形プレート支持構造と、垂直移動機構とを含む。廃棄物収集サブシステムは、造形プレート支持構造に取り付けられ、造形プレート支持構造が上方向に移動する際に部分的に重合した樹脂を捕捉するように構成される。コントローラは、(a)垂直移動機構を動作させて、造形プレート支持構造を下方位置に平行移動させ、(b)垂直移動機構を動作させて、廃棄物収集サブシステムを樹脂を通して上方に、部分的に重合した樹脂を廃棄物収集サブシステムから取り出すことができる位置まで上昇させるように構成される。廃棄物収集サブシステムは、樹脂容器から破片および部分的に重合した樹脂塊を洗浄するための自動化された便利な方法を可能にする。
【0006】
一実装形態では、樹脂容器は、光硬化性樹脂を収容するための略矩形の側方容器領域を画定する壁を有する。造形プレートは、造形プレートと容器の壁との間に矩形間隙を有する容器領域の大部分を占める略矩形の側方範囲を有する。廃棄物収集サブシステムは、矩形間隙内に配置された取入口を含む。造形プレートが上昇すると、樹脂の一部が取入口に流入する。穿孔された造形プレートおよび矩形間隙の大部分を占める取入口、および廃棄物収集サブシステムの十分な上昇速度により、造形プレートを通過する樹脂の大部分は、廃棄物収集サブシステムを通過することになる。したがって、この実装形態は、破片および部分的に重合した樹脂を高度に除去することを可能にする。
【0007】
別の実装形態では、廃棄物収集サブシステムは、造形プレートの縁に沿って支持される取入口と、造形プレートの下に支持される篩(sieve)容器とを含む。導管が、取入口を篩容器に連結する。取入口は、導管よりも広い。樹脂は、垂直に取入口に入り、次いで、篩容器に入る前に導管に沿って90度曲がる。破片および部分的に重合した樹脂は、篩容器内に捕捉される。導管は、樹脂が篩容器から取入口に逆流することを防止するための逆止弁を含む。篩容器は、樹脂容器からの破片および部分的に重合した樹脂の除去を容易にするために、容易に取り外して交換することができる。
【0008】
本開示の第2の態様では、3次元(3D)プリントシステムは、3次元3D物品を層ごとに製造するように構成される。3Dプリントシステムは、容器と、作製サブシステムと、廃棄物収集サブシステムと、コントローラとを含む。容器は、光硬化性樹脂を含むように構成される。容器は、光硬化性樹脂を横方向に囲む壁境界を画定する少なくとも1つの壁を含む。作製サブシステムは、造形プレートと、造形プレート支持構造と、垂直移動機構とを含む。横方向間隙が、造形プレートと壁境界との間に画定される。廃棄物収集サブシステムは、篩容器に流体連結された取入口を含む。取入口は、間隙内に横方向に位置決めされる。コントローラは、垂直移動機構を動作させて、造形プレートおよび廃棄物収集サブシステムを、光硬化性樹脂を通して上方に平行移動させ、造形プレートが上昇するにつれて、光硬化性樹脂の流体流を、取入口を通って篩容器内に誘導するように構成される。
【0009】
様々な実装形態では、壁境界は、円形、楕円形、多角形、正方形、矩形、または不規則であり得る。特定の実装形態では、少なくとも1つの壁は4つの壁を含み、壁境界は矩形である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、3D物品4を製造するための3次元(3D)プリントシステム2の概略図である。システム2を説明する際に、相互に直交する軸X、Y、およびZが利用され、別称としてX軸、Y軸、およびZ軸と呼ばれる。軸XおよびYは、概して水平な横軸である。Z軸は、重力基準と概ね位置合わせされた垂直軸である。「概して」なる用語は、方向または大きさが必ずしも正確なものではなく、設計によるものであることを意味する。したがって、「概して水平」なる用語は、設計公差および製造公差内での水平(重力ベクトルに垂直)を意味する。「概ね位置合わせされた」なる用語は、設計公差および製造公差の範囲内で位置合わせされることを意味する。
【0012】
3Dプリントシステム2は、光硬化性樹脂8を収容するための樹脂容器6を含む。図示の実施形態では、光硬化性樹脂8は、とりわけ、モノマー、触媒、および充填剤を含む。触媒は、典型的には約450ナノメートル(nm)未満の波長を有する青色放射線、紫色放射線、または紫外線などの放射線の適用によって、樹脂8が固化および硬化されることを可能にする。樹脂容器6は、樹脂8を収容するために下壁9に接合された少なくとも1つの外側垂直壁7を備える。図示の実施形態では、少なくとも1つの外壁7は、矩形領域内に樹脂8を横方向に収容する4つの外壁7を含むことができる。あるいは、少なくとも1つの外壁7は、樹脂8を収容するための楕円形、円形、または他の閉じた形状を画定する単一の壁とすることができる。
【0013】
システム2は、3D物品4が形成される上面12を有する造形プレート10を含む。造形プレート支持構造14は、造形プレート10を支持する。垂直移動機構16は、造形プレート支持構造14を垂直に位置決めし、そうすることで造形プレート10を垂直に位置決めするように動作可能である。一実施形態では、垂直移動機構16は、親ねじに結合された固定モータを含む。造形プレート支持構造14は、親ねじを受けるねじ付き軸受を含む。モータが親ねじを回転させると、造形プレート支持構造14が上下に平行移動される。
【0014】
システム2は、造形プレート18の上面12または3D物品4に樹脂の薄層を形成するように構成された材料コーティングサブシステム18を含む。一実施形態では、材料コーティングサブシステム18は、横方向Y軸に沿って平行移動するゴムワイパーを含む。材料コーティングサブシステム18は、Yに沿ってワイパーの移動および位置決めを提供する親ねじ(垂直移動機構16について説明したものと同様)またはモータ駆動ベルトなどの横方向移動機構を含むことができる。そのような横方向移動機構は、従来のスキャナおよびプリンターなどの適用で当該技術において知られている。
【0015】
システム2は、造形平面22において光硬化性樹脂8の層を選択的に硬化させるための撮像サブシステム20を含む。図示の実施形態では、撮像システム20は、造形平面22に沿って走査する放射ビーム24を生成する。撮像システム20は、放射ビーム24を生成するレーザと、XおよびYに沿って造形平面22を横切って放射ビームを走査するための一対のガルバノミラーとを含む。造形プレート10、造形プレート支持構造14、垂直移動機構16、材料コーティングサブシステム18、および撮像サブシステム20は、集合的に作製サブシステム26と呼ばれる。
【0016】
システム2は、造形プレート10の上方移動中に光硬化性樹脂8から部分的に重合した材料および断片を除去するように構成された廃棄物収集サブシステム28を含む。廃棄物収集サブシステム28は、造形プレート支持構造14に機械的に結合される。廃棄物収集サブシステム28は、造形プレート10の縁部32に近接して配置された取入口30を含む。廃棄物収集サブシステム28は、取入口30を篩容器36に流体的に結合する導管34を含む。
【0017】
コントローラ38は、不揮発性または非一時的情報記憶装置42に結合されたプロセッサ40を含む。プロセッサ40は、コンピューティング技術の技術分野で知られているように、別称として処理ユニット(PU)または中央処理ユニット(CPU)と呼ばれることがある。非一時的情報記憶装置42は、フラッシュメモリおよび磁気ディスクドライブなどの他の大容量記憶装置のうちの1つまたは複数を含むことができ、これらはいずれもコンピューティング技術の技術分野において知られている。記憶装置42は、ソフトウェア命令を記憶する。コントローラ38は、プロセッサ40がソフトウェア命令を実行するときに作製サブシステム26を動作させるように構成される。
【0018】
コントローラ38は、以下の動作によって重合した材料および断片を容器6から取り除くように構成される:(A)コントローラ38は、垂直移動機構16を動作させて、廃棄物収集サブシステム28を容器6内に下降させる。これは、作製プロセスの一部であってもよい、または廃棄物収集サブシステム28を動作させる目的のためだけであってもよい。(B)コントローラ38は、垂直移動機構16を動作させて、廃棄物収集サブシステム28を上昇させる。廃棄物収集サブシステム28が上昇すると、光硬化性樹脂8は、取入口30に入り、導管34を通り、篩容器36を通る。部分的に重合した材料の塊および断片は、篩容器36内に捕捉され、蓄積される。(C)廃棄物収集サブシステム28が上昇され、必要に応じて篩容器36を取り外して交換することが可能になる。
【0019】
コントローラ38は、以下の工程によって3D物品4を作製または製造するように構成される:(a)コントローラ38は、垂直移動機構16を動作させて、(造形プレート10または3D物品4の以前に撮像された部分の)上面12を造形平面22に近接して位置決めし、(b)コントローラ38は、コーティングサブシステム18を動作させて、上面12上に光硬化性樹脂8の新しい層を形成し、(c)コントローラ38は、撮像サブシステム20を動作させて、光硬化性樹脂8の新しい層を選択的に硬化および固化させ、(a)~(c)を繰り返して3D物品4の製造を完了する。
【0020】
図2は、システム2の一部の概略平面図である。少なくとも1つの壁7は、樹脂8に接触する内面43を有し、したがって樹脂8の周囲に壁境界44を画定する。図示の実施形態では、光硬化性樹脂8を収容するための略矩形の側方容器領域46を画定する4つの内面43がある。矩形間隙48は、壁境界44と造形プレート10との間に横方向に画定される。廃棄物収集サブシステム28の取入口30は、矩形間隙48内に配置される。廃棄物収集サブシステム28が容器6を通って上昇されると、樹脂8の大部分が取入口30に流れ込み、部分的に重合した樹脂材料および断片の効率的な除去が可能になる。図示の実施形態では、取入口30は、X軸および矩形間隙48の主軸と概ね位置合わせされた主軸を有する。
【0021】
代替的な実施形態では、少なくとも1つの壁7は、円形、楕円形、または他の何らかの連続的な形状を有する片側壁境界44を画定する。他の代替案では、壁境界44は、三角形、多角形、または不規則な形状であり得、したがって、2、3、5、6、またはそれ以上の側面を有する。これらの代替実施形態のいずれについても、壁境界と造形プレート10との間に横方向間隙48が画定される。廃棄物収集サブシステム28の取入口30は、形状にかかわらず、間隙48内に位置決めされる。取入口30は、間隙48の一部を最適に覆う横方向の幾何学形状を有することができる。理想的には、取込口30は、間隙48の幾何学形状にできるだけ密接に合致し、取込口30が上方に平行移動する際に部分的に硬化した樹脂および破片の捕捉を最大限にする。
【0022】
図3Aは、廃棄物収集サブシステム28の実施形態の一部の等角図である。廃棄物収集サブシステム28は、造形プレート支持構造14の端部および下側に機械的に結合される。
図3Bは、廃棄物収集サブシステム28を通る側断面図である。取入口30と導管34との間には、屈曲部50がある。矢印52は、樹脂8が廃棄物収集サブシステム28を通って流れ出るときの樹脂8の流体経路を示す。廃棄物収集サブシステム28が樹脂8を通って上方に(+Z)平行移動されると、樹脂は、(a)Z軸に沿って取入口30に入り、(b)屈曲部50を通って90度の屈曲部を通って流れ、(c)導管34を通って篩容器36に流れ、(d)篩容器36の小さな孔または開口部を通って流れる。一実施形態では、篩容器36は交換可能な袋である。
【0023】
導管34は、逆止弁54を含む。逆止弁54は、廃棄物収集サブシステム28が上方に平行移動するときに導管34を通る樹脂の流れを可能にするように開くが、そうでなければ逆流を防止するために閉じるように構成される。したがって、篩容器36内に捕捉された廃棄物材料は、廃棄物収集サブシステム28が上方に平行移動していないときに樹脂容器6内に逆流しない。
【0024】
上述の特定の実施形態およびその適用は、例示のみを目的としており、添付の特許請求の範囲によって包含される修正および変形を排除するものではない。
【国際調査報告】