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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】人工弁アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577428
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 US2022033384
(87)【国際公開番号】W WO2022266065
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/210,646
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/348,085
(32)【優先日】2022-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・マイモン
(72)【発明者】
【氏名】タミール・エス・リーヴァイ
(72)【発明者】
【氏名】ジフ・ヨハナン
(72)【発明者】
【氏名】アナトリー・ドヴォルスキー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC05
4C097CC14
4C097DD09
4C097DD10
4C097DD12
4C097EE08
4C097SB02
4C097SB03
4C097SB10
(57)【要約】
弁移植手技中の、天然の弁尖または以前に移植された人工弁のホストの弁尖などの、人工弁を包囲する弁尖の変位のためのデバイス、アセンブリ、および方法が本明細書に開示される。一実施例として、弁アセンブリは、人工弁と、人工弁のフレームに連結された弁尖係合フレームとを含むことができる。弁尖係合フレームは、1つ以上の横木を画定する複数の係合フレームの支柱と、弁尖係合フレームの支柱の第1の横木から遠位方向に延在する複数のスパイクとを含むことができる。遠位に延在するスパイクは、弁アセンブリが部分的に拡張した状態にあるときに、弁アセンブリの外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖と係合し、そして弁アセンブリがさらに拡張されたときに、係合した天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁アセンブリであって、
人工弁であって、
複数の支柱を備え、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能である、弁フレームと、
前記弁フレーム内に据え付けられ、かつ前記人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える弁尖アセンブリと、を備える人工弁と、
前記弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ前記弁フレームに連結される、弁尖係合フレームであって、
1つ以上の支柱の横木を画定する複数の係合フレームの支柱であって、前記1つ以上の支柱の横木が、係合フレームの第1の横木を備え、かつ前記係合フレームの第1の横木が、その係合フレームの支柱から遠位方向に延在する複数の遠位に延在するスパイクをさらに備える、複数の係合フレームの支柱、を備える弁尖係合フレームと、を備え
前記複数の遠位に延在するスパイクが、前記弁アセンブリが部分的に拡張した状態にあるときに、前記弁アセンブリの外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖と係合し、また前記弁アセンブリがさらに拡張したときに、前記係合された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される、弁アセンブリ。
【請求項2】
前記複数の遠位に延在するスパイクが、角αで半径方向外向きに、かつ前記係合フレームの第1の横木のそれぞれの前記支柱から前記遠位方向に延在する、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項3】
前記弁尖係合フレームが、前記係合フレームの第1の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている、請求項1または2に記載の弁アセンブリ。
【請求項4】
前記弁尖係合フレームの前記支柱の1つ以上の横木が、前記係合フレームの第1の横木に対して遠位の支柱の少なくとも1つの追加的な横木を備え、かつ前記弁尖係合フレームが、前記追加的な支柱の横木の前記係合フレームの支柱から近位方向に延在する、複数の近位に延在するスパイクをさらに備える、請求項1または2に記載の弁アセンブリ。
【請求項5】
前記追加的な支柱の横木の前記係合フレームの支柱が、遠位に延在するスパイクを欠いている、請求項4に記載の弁アセンブリ。
【請求項6】
前記複数の近位に延在するスパイクが、前記追加的な支柱の横木から半径方向外向きに、かつ前記近位方向に、角βで延在する、請求項4または5に記載の弁アセンブリ。
【請求項7】
前記近位に延在するスパイクを備える前記少なくとも1つの追加的な支柱の横木が、係合フレームの第2の横木であり、かつ前記弁尖係合フレームが、前記係合フレームの第1の横木および前記係合フレームの第2の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている、請求項4~6のいずれか一項に記載の弁アセンブリ。
【請求項8】
前記弁尖係合フレームの前記1つ以上の支柱の横木が、前記遠位に延在するスパイクおよび前記近位に延在するスパイクを含む前記支柱の横木の間に配置された1つ以上の支柱の中間横木をさらに備え、前記1つ以上の支柱の中間横木のうちのいずれか1つがスパイクを欠いている、請求項4~6のいずれか一項に記載の弁アセンブリ。
【請求項9】
弁アセンブリであって、
人工弁であって、
半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームであって、前記弁フレームが、複数のフレーム横木を備え、各フレーム横木が、相互接続された支柱を備え、前記複数のフレーム横木が、
前記複数のフレーム横木の任意の他の横木に対して近位にある、弁フレームの流出横木と、
前記複数のフレーム横木の任意の他の横木に対して遠位にある弁フレームの流入横木と、
前記弁フレームの流出横木と前記弁フレームの流入横木との間に配置される少なくとも1つの弁フレームの中間横木であって、弁フレームの第1の中間横木を備える、少なくとも1つの弁フレームの中間横木と、を備える、弁フレームと、
前記弁フレーム内に据え付けられ、かつ前記人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える弁尖アセンブリと、を備える人工弁と、
前記少なくとも1つの弁フレームの中間横木の支柱の周囲に巻かれた少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤと、を備え、
前記少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤが、前記弁アセンブリが部分的に拡張した状態にあるときに、前記弁アセンブリの外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖と係合し、また前記弁アセンブリがさらに拡張したときに、前記係合された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される、弁アセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤが周囲に巻かれる前記少なくとも1つの弁フレームの中間横木が、単一の弁フレームの中間横木を備える、請求項9に記載の弁アセンブリ。
【請求項11】
すべての他のフレーム横木が、その外側に巻かれた係合ワイヤを欠いている、請求項10に記載の弁アセンブリ。
【請求項12】
前記複数のフレーム横木のうちの少なくとも1つの他の横木の支柱の周囲に巻かれた少なくとも1つの遠位弁尖係合ワイヤをさらに備え、前記少なくとも1つの他の横木が、前記近位弁尖係合ワイヤに対して遠位にある、請求項10に記載の弁アセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの他の横木が、前記複数のフレーム横木のうちの単一の横木を備える、請求項12に記載の弁アセンブリ。
【請求項14】
前記近位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる前記単一の横木、および前記遠位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる前記単一の横木を除いて、すべての他の弁フレームの横木が、それらの外側に巻かれる係合ワイヤを欠いている、請求項13に記載の弁アセンブリ。
【請求項15】
前記係合ワイヤがその周囲に巻かれる前記少なくとも1つの他の横木が、前記弁フレームの流入横木を備える、請求項12~14のいずれか一項に記載の弁アセンブリ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの弁フレームの中間横木が、弁フレームの第2の中間横木をさらに備え、かつ前記遠位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる前記少なくとも1つの他の横木が、前記弁フレームの第2の中間横木を備える、請求項12~14のいずれか一項に記載の弁アセンブリ。
【請求項17】
前記弁フレームの周囲の任意の特定の円周の場所における、前記弁フレームの第1の中間横木の各支柱と前記弁フレームの流出横木のそれぞれの前記支柱との間の軸方向距離が、同じ円周の場所における前記弁フレームの第2の中間横木の前記支柱と前記弁フレームの流入横木のそれぞれの前記支柱との間の軸方向距離より大きい、請求項16に記載の弁アセンブリ。
【請求項18】
弁アセンブリであって、
人工弁であって、
半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な、弁フレームと、
前記弁フレーム内に据え付けられ、かつ前記人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える、弁尖アセンブリと、
前記弁フレームに取り付けられ、かつ外側スカート流出端と外側スカート流入端との間に配置される浮動繊維部分を備え、前記浮動繊維部分が複数のフィラメントを含む、外側スカートと、を含む人工弁と、
前記外側スカートの周囲に配置され、かつ前記外側スカートに連結される、弁尖係合フレームであって、前記弁尖係合フレームが、係合フレームの支柱の少なくとも1つの横木、および前記係合フレームの支柱から延在する複数のスパイクを備える、弁尖係合フレームと、を備え、
前記スパイクが、前記弁アセンブリの外側の天然組織と係合して、前記天然組織を刺激するように構成される、弁アセンブリ。
【請求項19】
前記外側スカートが、流出織布部分および流入織布部分をさらに備え、かつ前記浮動繊維部分が、前記流出織布部分と前記流入織布部分との間に境界が付けられる、請求項18に記載の弁アセンブリ。
【請求項20】
前記弁尖係合フレームが、前記流出織布部分と前記流入織布部分との間に配置される、請求項19に記載の弁アセンブリ。
【請求項21】
前記複数のフィラメントが、前記半径方向に拡張した状態で半径方向外向きに湾曲する、請求項18~20のいずれか一項に記載の弁アセンブリ。
【請求項22】
前記係合フレームの支柱の少なくとも1つの横木が、係合フレームの支柱の2つの横木を備える、請求項18~21のいずれか一項に記載の弁アセンブリ。
【請求項23】
前記スパイクが、前記係合フレームの支柱によって画定される円周面に沿って延在する、請求項18~22のいずれか一項に記載の弁アセンブリ。
【請求項24】
前記スパイクが、前記係合フレームの支柱から半径方向外向きに、かつ軸方向に、ある角度で延在する、請求項18~22のいずれか一項に記載の弁アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年6月2日に出願された米国仮出願第63/348,085号、2021年6月15日に出願された米国仮出願第63/210,646号の利益を主張するものであり、そのすべては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、弁移植手技中に、以前に移植された人工弁の天然の弁尖またはホストの弁尖などの人工弁を包囲する弁尖の変位のための装置、アセンブリ、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
大動脈弁、肺動脈弁、および僧帽弁などの天然の心臓弁は、血液を心臓血管系全体に対して供給するために、心臓から、および心臓への、ならびに心腔の間での、適切な方向性のある流れを確実にするように機能する。様々な弁膜症によって、弁が機能しない状態になる可能性があり、人工弁で置き換えることが必要とされる可能性がある。心臓弁を修復または置換するために、外科的手技を実施することができる。外科手術は、多数の臨床的合併症を引き起こしやすいため、人工心臓弁をカテーテルの外側で送達しそして人工心臓弁を天然の機能不良弁の上へと移植する代替的なより低侵襲の技法が、長年にわたって開発されてきた。
【0004】
バルーン拡張型弁、自己拡張型弁、および機械的拡張型弁を含む、様々なタイプの人工心臓弁が、これまでに知られている。送達および移植の異なる方法も知られており、また移植の部位、および人工弁のタイプに応じて、方法は変化する場合がある。1つの例示的な技法としては、患者の大腿動脈または腸骨動脈に位置付けることができる切開部から、天然の機能不良弁に向かって、人工弁を捲縮した状態で送達するための、送達アセンブリの利用が挙げられる。人工弁が、所望の移植部位において適切に位置付けられると、人工弁は、例えば天然弁の弁輪などの、周囲の解剖学的構造に対して拡張することができ、そしてその後、送達アセンブリを回収することができる。
【0005】
天然の心臓弁内のこうした人工弁の移植手技中に、例えば、天然の弁尖は、人工弁の拡張によって脇に押される場合があり、天然の弁尖によって以前に提供された機能を人工弁尖が実行する。これは今度は、冠動脈狭窄のリスクを引き起こす場合がある。特に、天然の弁尖は、冠動脈入口を遮る、または別の方法で、人工弁のフレームを通って冠動脈入口への血流を阻害する場合がある。同様の問題が、新しい人工弁がその間に以前に移植された人工弁内に据え付けられる、バルブ・イン・バルブ(ViV)手技で発生する場合があり、例えば、以前に移植された人工弁の弁尖が同様に脇に押される場合、冠動脈狭窄のリスクを引き起こす。
【0006】
冠動脈アクセスの妨害を予防するための既存の方法は、既存の弁尖を引き裂くことに依存し、そして高い空間的精度および外科的スキルを必要とする。さらに、引き裂かれた弁尖の部分は、依然として、冠動脈入口を部分的に、または完全に妨害するように作用する場合がある。その結果、冠動脈狭窄を回避するために、人工弁の移植中に患者の身体内の既存の弁尖の位置に対処するうえで、改善が望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一態様によると、人工弁と、人工弁の弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ人工弁の弁フレームに連結された、弁尖係合フレームと、を備える、弁アセンブリが提供される。弁フレームは、複数の支柱を含み、かつ半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能である。人工弁は、弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える、弁尖アセンブリをさらに備える。
【0008】
弁尖係合フレームは、1つ以上の支柱の横木を画定する複数の係合フレームの支柱を備える。1つ以上の支柱の横木は、係合フレームの第1の横木を含む。弁尖係合フレームは、係合フレームの第1の横木の支柱からだけ遠位方向に延在する、複数の遠位に延在するスパイクをさらに備える。
【0009】
複数の遠位に延在する角度付きスパイクは、弁アセンブリが部分的に拡張された状態にあるときに、弁アセンブリの外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖と係合し、また弁アセンブリがさらに拡張されたときに、係合された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される。
【0010】
一部の実施例では、複数の遠位に延在するスパイクは、角αで半径方向外向きに、かつ係合フレームの第1の横木のそれぞれの支柱から遠位方向に延在する。
【0011】
一部の実施例では、弁アセンブリは、外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカートは、弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる。一部の実施例では、外側スカートは、弁フレームの外面の一部分、および/または弁尖係合フレームの外面の一部分の外側に据え付けられる。
【0012】
一部の実施例では、弁尖係合フレームは、係合フレームの第1の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている。
【0013】
一部の実施例では、外側スカート流出端は、複数の遠位に延在するスパイクに対して遠位にある。
【0014】
一部の実施例では、弁尖係合フレームの1つ以上の支柱の横木は、係合フレームの第1の横木に対して遠位の少なくとも1つの追加的な支柱の横木を備え、弁尖係合フレームは、追加的な支柱の横木の係合フレームの支柱から近位方向に延在する、複数の近位に延在するスパイクをさらに備える。
【0015】
一部の実施例では、複数の近位に延在するスパイクは、追加的な支柱の横木から半径方向外向きに、かつ近位方向に、角βで延在する。
【0016】
一部の実施例では、近位に延在するスパイクを備える少なくとも1つの追加の支柱の横木は、係合フレームの第2の横木であり、また弁尖係合フレームは、係合フレームの第1の横木および係合フレームの第2の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている。
【0017】
一部の実施例では、外側スカート流出端は、遠位に延在するスパイクおよび近位に延在するスパイクに対して遠位である。
【0018】
一部の実施例では、弁尖係合フレームの1つ以上の支柱の横木は、遠位に延在するスパイクおよび近位に延在するスパイクを含む支柱の横木の間に配置された1つ以上の支柱の中間横木をさらに備え、1つ以上の支柱の中間横木のうちのいずれか1つはスパイクを欠いている。
【0019】
一部の実施例では、外側スカート流出端は、遠位に延在するスパイクに対して遠位であり、また外側スカート流入端は、近位に延在するスパイクに対して近位である。
【0020】
一部の実施例では、各近位に延在するスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0021】
一部の実施例では、角βは、10~80度の範囲内である。
【0022】
一部の実施例では、角βは、20~70度の範囲内である。
【0023】
一部の実施例では、角βは、30~60度の範囲内である。
【0024】
一部の実施例では、各遠位に延在するスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0025】
一部の実施例では、角αは、10~80度の範囲内である。
【0026】
一部の実施例では、角αは、20~70度の範囲内である。
【0027】
一部の実施例では、角αは、30~60度の範囲内である。
【0028】
一部の実施例では、弁フレームの複数の支柱は、弁フレームの流出横木、弁フレームの流入横木、および弁フレームの流出横木と弁フレームの流入横木との間に配置される少なくとも1つの弁フレームの中間横木を含む、複数の支柱の横木を画定する。係合フレームの第1の横木の支柱は、弁フレームの流出横木に対して遠位である弁フレームの中間横木の支柱と整列する。
【0029】
一部の実施例では、少なくとも1つの弁フレームの中間横木は、弁フレームの第1の中間横木と、弁フレームの第2の中間横木と、弁フレームの第3の中間横木と、を備え、弁フレームの支柱は、弁フレームの流入横木の支柱を弁フレームの第3の中間横木の支柱と相互接続する弁フレーム遠位軸方向支柱をさらに備え、また係合フレームの第1の横木の支柱は、弁フレームの第1の中間横木の支柱と整列する。
【0030】
一部の実施例では、少なくとも1つの弁フレームの中間横木は、弁フレームの第1の中間横木および弁フレームの第2の中間横木を備え、係合フレームの第1の横木の支柱は、弁フレームの第1の中間横木の支柱と整列する。
【0031】
一部の実施例では、弁フレームの周囲の任意の特定の円周の場所における、弁フレームの第1の中間横木の各支柱と弁フレームの流出横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離は、同じ円周の場所における弁フレームの第2の中間横木の支柱と、弁フレームの流入横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離より大きい。
【0032】
本開示の別の態様によると、弁アセンブリのための弁尖係合フレームが提供され、弁尖係合フレームは、1つ以上の支柱の横木を画定する複数の係合フレームの支柱を備える。1つ以上の支柱の横木は、係合フレームの第1の横木を含む。弁尖係合フレームは、係合フレームの第1の横木の支柱からだけ遠位方向に延在する、複数の遠位に延在するスパイクをさらに備える。
【0033】
複数の遠位に延在する角度付きスパイクは、弁尖係合フレームが部分的に拡張した状態にあるときに、弁尖係合フレームの外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖と係合し、また弁尖係合フレームがさらに拡張されたときに、係合された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される。
【0034】
一部の実施例では、遠位に延在するスパイクは、鋭角αで半径方向外向きに、かつ係合フレームの第1の横木のそれぞれの支柱から遠位方向に延在する。
【0035】
一部の実施例では、弁尖係合フレームは、係合フレームの第1の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている。
【0036】
一部の実施例では、1つ以上の支柱の横木は、係合フレームの第1の横木に対して遠位の少なくとも1つの追加的な支柱の横木を備え、弁尖係合フレームは、追加的な支柱の横木の係合フレームの支柱から近位方向に延在する、複数の近位に延在するスパイクをさらに備える。
【0037】
一部の実施例では、近位に延在するスパイクは、追加的な支柱の横木から半径方向外向きに、かつ近位方向に、鋭角βで延在する。
【0038】
一部の実施例では、近位に延在するスパイクを備える少なくとも1つの追加の支柱の横木は、係合フレームの第2の横木であり、弁尖係合フレームは、係合フレームの第1の横木および係合フレームの第2の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている。
【0039】
一部の実施例では、弁尖係合フレームは、遠位に延在するスパイクおよび近位に延在するスパイクを含む支柱の横木の間に配置された1つ以上の支柱の中間横木をさらに備え、1つ以上の支柱の中間横木のうちのいずれか1つはスパイクを欠いている。
【0040】
一部の実施例では、各近位に延在するスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0041】
一部の実施例では、角βは、10~80度の範囲内である。
【0042】
一部の実施例では、角βは、20~70度の範囲内である。
【0043】
一部の実施例では、角βは、30~60度の範囲内である。
【0044】
一部の実施例では、各遠位に延在するスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0045】
一部の実施例では、角αは、10~80度の範囲内である。
【0046】
一部の実施例では、角αは、20~70度の範囲内である。
【0047】
一部の実施例では、角αは、30~60度の範囲内である。
【0048】
本開示の別の態様によると、人工弁および少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤを備える弁アセンブリが提供される。人工弁は、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられた弁尖アセンブリと、を備える。弁フレームは、複数のフレーム横木を備え、各フレーム横木は、相互接続された支柱を含む。複数のフレーム横木は、弁フレームの流出横木、弁フレームの流入横木、および弁フレームの流出横木と弁フレームの流入横木との間に配置される1つ以上の弁フレームの中間横木を含む。弁フレームの流出横木は、複数のフレーム横木のうちのいくつかの他の横木に対して近位にある。弁フレームの流入横木は、複数のフレーム横木のうちのいくつかの他の横木に対して遠位にある。少なくとも1つの弁フレームの中間横木は、弁フレームの第1の中間横木を備える。
【0049】
弁尖アセンブリは、人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える。少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤは、1つ以上の弁フレームの中間横木のうちの少なくとも1つの支柱の周囲に巻かれる。少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤは、弁アセンブリが部分的に拡張した状態にあるときに、弁アセンブリの外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖と係合し、また弁アセンブリがさらに拡張したときに、係合された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される。
【0050】
一部の実施例では、弁アセンブリは、外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカートは、弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる。
【0051】
一部の実施例では、少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤは、弁フレームの中間横木のすべての支柱の周囲に巻かれた、単一の連続的な近位弁尖係合ワイヤを備える。
【0052】
一部の実施例では、少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる弁フレームの中間横木は、1つ以上の弁フレームの中間横木の単一の横木を含む。
【0053】
一部の実施例では、すべての他のフレーム横木は、その外側に巻かれた係合ワイヤを欠いている。
【0054】
一部の実施例では、外側スカート流出端は、近位弁尖係合ワイヤに対して遠位にある。
【0055】
一部の実施例では、弁アセンブリは、複数のフレーム横木の少なくとも1つの他の横木の支柱の周囲に巻かれた少なくとも1つの遠位弁尖係合ワイヤをさらに備え、少なくとも1つの他の横木は、近位弁尖係合ワイヤに対して遠位にある。
【0056】
一部の実施例では、少なくとも1つの他の横木は、複数のフレームの横木の単一の横木を含む。
【0057】
一部の実施例では、近位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる単一の横木、および遠位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる単一の横木を除いて、すべての他の弁フレームの横木は、それらの外側に巻かれる係合ワイヤを欠いている。
【0058】
一部の実施例では、遠位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる少なくとも1つの他の横木は、弁フレームの流入横木を備える。
【0059】
一部の実施例では、外側スカート流出端は、近位弁尖係合ワイヤに対して遠位であり、また外側スカート流入端は、遠位弁尖係合ワイヤの近位である。
【0060】
一部の実施例では、少なくとも1つの弁フレームの中間横木は、弁フレームの第2の中間横木をさらに備え、遠位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる少なくとも1つの他の横木は、弁フレームの第2の中間横木を備える。
【0061】
一部の実施例では、外側スカート流出端は、近位弁尖係合ワイヤおよび遠位弁尖係合ワイヤに対して遠位である。
【0062】
一部の実施例では、弁フレームの周囲の任意の特定の円周の場所における、弁フレームの第1の中間横木の各支柱と弁フレームの流出横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離は、同じ円周の場所における弁フレームの第2の中間横木の支柱と、弁フレームの流入横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離より大きい。
【0063】
本開示の別の態様によると、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられた弁尖アセンブリと、を備える人工弁が提供される。弁フレームは、弁フレームの流出横木、弁フレームの流入横木、および弁フレームの流出横木と弁フレームの流入横木との間に配置される少なくとも1つの弁フレームの中間横木を含む、複数の相互接続された支柱の横木を備える。少なくとも1つの弁フレームの中間横木は、弁フレームの第1の中間横木を備える。弁尖アセンブリは、人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える。
【0064】
人工弁は、単一の弁フレームの中間横木の支柱と一体的に形成され、かつそこから遠位方向に延在する、複数の遠位に延在するスパイクをさらに備える。複数の遠位に延在するスパイクは、人工弁が部分的に拡張した状態にあるときに、人工弁の外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖と係合し、また人工弁がさらに拡張したときに、係合された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される。
【0065】
一部の実施例では、遠位に延在するスパイクは、鋭角αで半径方向外向きに、かつ係合フレームの第1の横木のそれぞれの支柱から遠位方向に延在する。
【0066】
一部の実施例では、人工弁は、外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカートは、人工弁の外面の外側に据え付けられる。
【0067】
一部の実施例では、外側スカート流出端は、遠位に延在するスパイクに対して遠位にある。
【0068】
一部の実施例では、人工弁は、遠位に延在するスパイクに対して遠位であり、かつそこから近位方向に延在する、別の単一の弁フレームの横木と一体的に形成される、複数の近位に延在するスパイクをさらに備える。
【0069】
一部の実施例では、近位に延在するスパイクは、追加的な支柱の横木から半径方向外向きに、かつ近位方向に、鋭角βで延在する。
【0070】
一部の実施例では、遠位に延在するスパイクを備える単一の横木および近位に延在するスパイクを備える単一の横木を除いて、すべての他の弁フレームの横木は、一体的に形成されるスパイクを欠いている。
【0071】
一部の実施例では、近位に延在するスパイクは、弁フレームの流入横木の支柱と一体的に形成される。
【0072】
一部の実施例では、外側スカート流出端は、遠位に延在するスパイクに対して遠位であり、また外側スカート流入端は、近位に延在するスパイクに対して近位である。
【0073】
一部の実施例では、少なくとも1つの弁フレームの中間横木は、弁フレームの第2の中間横木をさらに備え、また近位に延在するスパイクは、弁フレームの第2の中間横木の支柱と一体的に形成される。
【0074】
一部の実施例では、外側スカート流出端は、遠位に延在するスパイクおよび近位に延在するスパイクに対して遠位である。
【0075】
一部の実施例では、弁フレームの周囲の任意の特定の円周の場所における、弁フレームの第1の中間横木の各支柱と弁フレームの流出横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離は、同じ円周の場所における弁フレームの第2の中間横木の支柱と、弁フレームの流入横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離より大きい。
【0076】
一部の実施例では、各近位に延在するスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0077】
一部の実施例では、角βは、10~80度の範囲内である。
【0078】
一部の実施例では、角βは、20~70度の範囲内である。
【0079】
一部の実施例では、角βは、30~60度の範囲内である。
【0080】
一部の実施例では、各遠位に延在するスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0081】
一部の実施例では、角αは、10~80度の範囲内である。
【0082】
一部の実施例では、角αは、20~70度の範囲内である。
【0083】
一部の実施例では、角αは、30~60度の範囲内である。
【0084】
本開示の別の態様によると、弁アセンブリを患者の体内の天然の弁尖またはホストの弁尖の間に位置付けすることを含む方法が提供され、弁アセンブリは、人工弁および弁尖係合フレームを備える。人工弁は、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられた弁尖アセンブリと、を備える。弁尖アセンブリは、人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える。
【0085】
弁尖係合フレームは、弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームへと連結される。弁尖係合フレームは、半径方向外向きに鋭角αで、かつ弁尖係合フレームの係合フレームの第1の横木の支柱からのみ遠位方向に延在する、複数の遠位に延在する角度付きスパイクを備える。
【0086】
方法は、少なくとも遠位に延在する角度付きスパイクが天然の弁尖またはホストの弁尖と係合するまで、弁アセンブリを部分的に拡張することをさらに含む。
【0087】
方法は、遠位に延在する角度付きスパイクが天然の弁尖またはホストの弁尖と係合したままになるように、弁アセンブリをさらに拡張し、そして天然の弁尖またはホストの弁尖を、天然の弁尖またはホストの弁尖の折り曲げられた構成に対して遠位に抑えることをさらに含む。
【0088】
一部の実施例では、弁尖係合フレームは、係合フレームの第1の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている。
【0089】
一部の実施例では、方法は、遠位に延在する角度付きスパイクが、天然の弁尖またはホストの弁尖と係合したままであり、かつ部分的に拡張した状態でのその前進中に、天然の弁尖またはホストの弁尖を弁アセンブリと共に抑えるように、弁アセンブリを部分的に拡張する工程の後に、弁アセンブリを遠位方向に前進させる工程をさらに含む。
【0090】
一部の実施例では、弁尖係合フレームは、遠位に延在する角度付きスパイクに対して遠位にある、弁尖係合フレームの追加的な横木の支柱からだけ、半径方向外向きに、かつ近位方向に鋭角βで延在する、複数の近位に延在する角度付きスパイクをさらに備える。
【0091】
一部の実施例では、弁アセンブリを部分的に拡張する工程は、近位に延在する角度付きスパイクが、少なくとも天然の弁輪または天然の弁尖もしくはホストの弁尖と係合するまで、弁アセンブリを部分的に拡張することを含む。
【0092】
一部の実施例では、弁尖係合フレームは、遠位に延在する角度付きスパイクと近位に延在する角度付きスパイクとの間に追加的な支柱の横木を備え、また追加的な支柱の横木は、角度付きスパイクを欠いている。
【0093】
一部の実施例では、各近位に延在する角度付きスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0094】
一部の実施例では、角βは、10~80度の範囲内である。
【0095】
一部の実施例では、角βは、20~70度の範囲内である。
【0096】
一部の実施例では、角βは、30~60度の範囲内である。
【0097】
一部の実施例では、各遠位に延在する角度付きスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0098】
一部の実施例では、角αは、10~80度の範囲内である。
【0099】
一部の実施例では、角αは、20~70度の範囲内である。
【0100】
一部の実施例では、角αは、30~60度の範囲内である。
【0101】
本開示の別の態様によると、弁アセンブリを患者の体内の天然の弁尖またはホストの弁尖の間に位置付けすることを含む方法が提供され、弁アセンブリは、人工弁および少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤを備える。人工弁は、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられた弁尖アセンブリと、を備える。
【0102】
弁フレームは、弁フレームの流出横木、弁フレームの流入横木、および弁フレームの流出横木と弁フレームの流入横木との間に配置される少なくとも1つの弁フレームの中間横木を備える。少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤは、単一の弁フレームの中間横木の支柱の周囲に巻かれる。弁尖アセンブリは、人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える。
【0103】
方法は、近位弁尖係合ワイヤが天然の弁尖またはホストの弁尖と係合するまで、弁アセンブリを少なくとも部分的に拡張することをさらに含む。
【0104】
方法は、近位弁尖係合ワイヤが天然の弁尖またはホストの弁尖と係合したままになるように、弁アセンブリをさらに拡張し、そして天然の弁尖またはホストの弁尖を、天然の弁尖またはホストの弁尖の折り曲げられた構成に対して遠位に抑えることをさらに含む。
【0105】
一部の実施例では、少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤは、弁フレームの中間横木のすべての支柱の周囲に巻かれた、単一の連続的な近位弁尖係合ワイヤを備える。
【0106】
一部の実施例では、すべての他の弁フレームの支柱の横木は、その外側に巻かれたワイヤを欠いている。
【0107】
一部の実施例では、方法は、近位弁尖係合ワイヤが、天然の弁尖またはホストの弁尖と係合したままであり、かつ部分的に拡張した状態でのその前進中に、弁尖を弁アセンブリと共に抑えるように、弁アセンブリを部分的に拡張する工程の後に、弁アセンブリを遠位方向に前進させる工程をさらに含む。
【0108】
一部の実施例では、弁尖係合フレームは、近位弁尖係合ワイヤに対して遠位にある、別の単一の弁フレームの横木の支柱の周囲に巻かれた少なくとも1つの遠位弁尖係合ワイヤをさらに備える。
【0109】
一部の実施例では、少なくとも1つの遠位弁尖係合ワイヤは、弁フレームの横木のすべての支柱の周囲に巻かれた、単一の遠位弁尖係合ワイヤを備える。
【0110】
一部の実施例では、弁アセンブリを部分的に拡張する工程は、少なくとも遠位弁尖係合ワイヤが天然の弁輪または天然の弁尖もしくはホストの弁尖と係合するまで、弁アセンブリを部分的に拡張することを含む。
【0111】
一部の実施例では、近位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる単一の横木、および遠位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる単一の横木を除いて、すべての他の弁フレームの横木は、それらの外側に巻かれる係合ワイヤを欠いている。
【0112】
一部の実施例では、遠位弁尖係合ワイヤは、弁フレームの流入横木の支柱の周囲に巻かれる。
【0113】
一部の実施例では、少なくとも1つの弁フレームの中間横木は、弁フレームの第2の中間横木をさらに備え、また遠位弁尖係合ワイヤは、弁フレームの第2の中間横木の支柱の周囲に巻かれる。
【0114】
本開示の別の態様によると、患者の体内の天然の弁尖またはホストの弁尖の間に人工弁を位置付けることを含む方法が提供され、人工弁は、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられた弁尖アセンブリと、を備える。弁フレームは、弁フレームの流出横木、弁フレームの流入横木、および弁フレームの流出横木と弁フレームの流入横木との間に配置される少なくとも1つの弁フレームの中間横木を備える。
【0115】
人工弁は、単一の弁フレームの中間横木の支柱と一体的に形成され、かつ半径方向外向きに鋭角αで、かつ遠位方向でそこから延在する、複数の遠位に延在する角度付きスパイクをさらに備える。弁尖アセンブリは、人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える。
【0116】
方法は、少なくとも遠位に延在する角度付きスパイクが天然の弁尖またはホストの弁尖と係合するまで、人工弁を部分的に拡張することをさらに含む。
【0117】
方法は、遠位に延在する角度付きスパイクが天然の弁尖またはホストの弁尖と係合したままになるように、人工弁をさらに拡張し、そして天然の弁尖またはホストの弁尖を、天然の弁尖またはホストの弁尖の折り曲げられた構成に対して遠位に抑えることをさらに含む。
【0118】
一部の実施例では、弁フレームの他のすべての横木は、角度付きスパイクを欠いている。
【0119】
一部の実施例では、方法は、遠位に延在する角度付きスパイクが、天然の弁尖またはホストの弁尖と係合したままであり、かつ部分的に拡張した状態でのその前進中に、天然の弁尖またはホストの弁尖を人工弁と共に抑えるように、人工弁を部分的に拡張する工程の後に、人工弁を遠位方向に前進させる工程をさらに含む。
【0120】
一部の実施例では、人工弁は、遠位に延在する角度付きスパイクに対して遠位であり、またそこから鋭角βで半径方向外向きに、かつ近位方向に延在する、別の単一の弁フレームの横木と一体的に形成される、複数の近位に延在する角度付きスパイクをさらに備える。
【0121】
一部の実施例では、弁アセンブリを部分的に拡張する工程は、近位に延在する角度付きスパイクが、少なくとも天然の弁輪または天然の弁尖もしくはホストの弁尖と係合するまで、弁アセンブリを部分的に拡張することを含む。
【0122】
一部の実施例では、遠位に延在する角度付きスパイクを備える単一の横木および近位に延在する角度付きスパイクを備える単一の横木を除いて、すべての他の弁フレーム横木は、一体的に形成されるスパイクを欠いている。
【0123】
一部の実施例では、近位に延在する角度付きスパイクは、弁フレームの流入横木の支柱と一体的に形成される。
【0124】
一部の実施例では、少なくとも1つの弁フレームの中間横木は、弁フレームの第2の中間横木をさらに備え、近位に延在する角度付きスパイクは、弁フレームの第2の中間横木の支柱と一体的に形成される。
【0125】
一部の実施例では、各近位に延在する角度付きスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0126】
一部の実施例では、角βは、10~80度の範囲内である。
【0127】
一部の実施例では、角βは、20~70度の範囲内である。
【0128】
一部の実施例では、角βは、30~60度の範囲内である。
【0129】
一部の実施例では、各遠位に延在する角度付きスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0130】
一部の実施例では、角αは、10~80度の範囲内である。
【0131】
一部の実施例では、角αは、20~70度の範囲内である。
【0132】
一部の実施例では、角αは、30~60度の範囲内である。
【0133】
本開示の別の態様によると、弁アセンブリを患者の体内の天然の弁尖またはホストの弁尖の間に位置付けすることを含む方法が提供され、弁アセンブリは、人工弁および弁尖係合フレームを備える。人工弁は、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられた弁尖アセンブリと、を備える。弁尖アセンブリは、人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える。
【0134】
弁尖係合フレームは、弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームへと連結される。弁尖係合フレームは、半径方向外向きに鋭角αで、かつ弁尖係合フレームの係合フレームの第1の横木の支柱からのみ遠位方向に延在する、複数の遠位に延在する角度付きスパイクを備える。
【0135】
方法は、弁アセンブリを部分的に拡張することをさらに含む。
【0136】
方法は、遠位に延在する角度付きスパイクの天然の弁尖またはホストの弁尖との接触によって作り出された弁アセンブリからの触覚フィードバックを使用して、弁アセンブリが患者の体内で適正な位置にあることを確認することをさらに含む。
【0137】
方法は、弁アセンブリを患者の体内の所望の位置でさらに拡張することをさらに含む。
【0138】
一部の実施例では、弁尖係合フレームは、係合フレームの第1の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている。
【0139】
一部の実施例では、各遠位に延在する角度付きスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0140】
一部の実施例では、角αは、10~80度の範囲内である。
【0141】
一部の実施例では、角αは、20~70度の範囲内である。
【0142】
一部の実施例では、角αは、30~60度の範囲内である。
【0143】
本開示の別の態様によると、人工弁および弁尖係合フレームを備える弁アセンブリが提供される。人工弁は、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられた弁尖アセンブリと、を備える。弁フレームは、弁流出端と弁流入端との間に画定され、また円周状に延在するフレームセルの少なくとも1つの列を画定する交差した支柱を備える。弁尖アセンブリは、人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える。
【0144】
弁尖係合フレームは、弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームへと連結される。弁尖係合フレームは、係合フレームの第1の横木に沿って画定される第1の支柱と、係合フレームの第1の横木に対して遠位にある、係合フレームの第2の横木に沿って画定される第2の支柱とを含む。弁尖係合フレームは、3つの係合セルをさらに備え、各係合セルは、係合フレーム流出頂点から係合フレーム中間接合部へと延在する2つの第1の支柱と、2つの係合フレームの中間接合部から係合フレームの流入頂点へと延在する2つの第2の支柱とによって画定される。
【0145】
弁尖係合フレームは、3つの遠位に延在するフックをさらに備え、各遠位に延在するフックは、対応する係合フレーム流出頂点に一方の端で接続された湾曲した部分と、対応する流出頂点から半径方向に離れて位置付けられ、かつ遠位方向に向けられた反対側の自由端と、を備える。遠位に延在するフックは、弁アセンブリが部分的に拡張した状態にあるときに、湾曲した部分で、弁アセンブリの外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖の近位端を捕捉し、そして弁アセンブリがさらに拡張されたときに、捕捉された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される。
【0146】
一部の実施例では、弁フレームは、4つ以上のセルを有する列を備える。一部の実施例では、弁フレームは、6つのセルを有する列を備える。一部の実施例では、弁フレームは、9つのセルを有する列を備える。一部の実施例では、弁フレームは、12個のセルを有する列を備える。4つ以上のセルを備える弁フレームの列の任意の実施例は、弁尖係合フレームの少なくとも一部分の下にある列を参照する。
【0147】
一部の実施例では、弁尖係合フレームの第1の支柱および第2の支柱は、弁フレームの支柱のいずれとも整列していない。
【0148】
一部の実施例では、第2の支柱は第1の支柱より長い。
【0149】
一部の実施例では、弁アセンブリは、外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカートは、外側スカート流出端が遠位に延在するフックに対して遠位にあるように、弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる。
【0150】
一部の実施例では、弁アセンブリは、3つの近位に延在する角度付きスパイクをさらに備え、各々は、対応する係合フレーム流入頂点から半径方向外向きに、かつ近位方向に鋭角βで延在する。
【0151】
一部の実施例では、各近位に延在する角度付きスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0152】
一部の実施例では、角βは、10~80度の範囲内である。
【0153】
一部の実施例では、角βは、20~70度の範囲内である。
【0154】
一部の実施例では、角βは、30~60度の範囲内である。
【0155】
本開示の別の態様によると、弁アセンブリを患者の身体内の天然の弁尖またはホストの弁尖の間に位置付けることを含む方法が提供され、弁アセンブリは、人工弁および弁尖係合フレームを備える。人工弁は、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられた弁尖アセンブリと、を備える。弁フレームは、弁流出端と弁流入端との間に画定され、また円周状に延在するフレームセルの少なくとも1つの列を画定する交差した支柱を備える。弁尖アセンブリは、人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える。
【0156】
弁尖係合フレームは、弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームへと連結される。弁尖係合フレームは、係合フレームの第1の横木に沿って画定される第1の支柱と、係合フレームの第1の横木に対して遠位にある、係合フレームの第2の横木に沿って画定される第2の支柱とを含む。弁尖係合フレームは、3つの係合セルをさらに備え、各係合セルは、係合フレーム流出頂点から係合フレーム中間接合部へと延在する2つの第1の支柱と、2つの係合フレームの中間接合部から係合フレームの流入頂点へと延在する2つの第2の支柱とによって画定される。
【0157】
弁尖係合フレームは、3つの遠位に延在するフックをさらに備え、各遠位に延在するフックは、対応する係合フレーム流出頂点に一方の端で接続された湾曲した部分と、対応する流出頂点から半径方向に離れて位置付けられ、かつ遠位方向に向けられた反対側の自由端と、を備える。
【0158】
方法は、少なくとも遠位に延在するフックが湾曲した部分内の天然の弁尖またはホストの弁尖の近位端を捕捉するまで、弁アセンブリを部分的に拡張することをさらに含む。
【0159】
方法は、遠位に延在するフックが、天然の弁尖またはホストの弁尖に対抗して遠位方向に天然の弁尖またはホストの弁尖の折り曲げた構成へと押すように、弁アセンブリをさらに拡張することをさらに含む。
【0160】
一部の実施例では、弁フレームは、4つ以上のセルを有する列を含む。一部の実施例では、弁フレームは、6つのセルを有する列を備える。一部の実施例では、弁フレームは、9つのセルを有する列を備える。一部の実施例では、弁フレームは、12個のセルを有する列を備える。4つ以上のセルを備える弁フレームの列の任意の実施例は、弁尖係合フレームの少なくとも一部分の下にある列を参照する。
【0161】
一部の実施例では、係合フレーム流出頂点は、弁流出端に対して遠位にある。
【0162】
一部の実施例では、弁尖係合フレームの第1の支柱および第2の支柱は、弁フレームの支柱のいずれとも整列していない。
【0163】
一部の実施例では、第2の支柱は第1の支柱より長い。
【0164】
一部の実施例では、方法は、弁アセンブリを部分的に拡張する工程の後に、弁アセンブリを遠位方向に前進させる工程をさらに含み、これにより、遠位に延在するフックは、部分的に拡張した状態での前進中に、弁アセンブリと共にそれらの近位端を遠位方向に変位させるように、天然の弁尖またはホストの弁尖に対抗して押す。
【0165】
一部の実施例では、弁尖係合フレームは、3つの近位に延在する角度付きスパイクをさらに備え、各々が、対応する係合フレーム流入頂点から半径方向外向きに、かつ近位方向に鋭角βで延在する。
【0166】
一部の実施例では、各近位に延在する角度付きスパイクは、鋭利な遠位先端で終結する。
【0167】
一部の実施例では、角βは、10~80度の範囲内である。
【0168】
一部の実施例では、角βは、20~70度の範囲内である。
【0169】
一部の実施例では、角βは、30~60度の範囲内である。
【0170】
本開示の別の態様によると、人工弁および弁尖係合フレームを備える弁アセンブリが提供される。人工弁は、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられた弁尖アセンブリと、弁フレームへと取り付けられた外側スカートと、を備える。弁尖アセンブリは、人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える。外側スカートは、外側スカート流出端と外側スカート流入端との間に配置される浮動繊維部分を備える。浮動繊維部分は、半径方向に拡張した状態で弁フレームから離れるように半径方向外向きに延在する複数のフィラメントを含む。弁尖係合フレームは、外側スカートへと連結され、また係合フレームの支柱の少なくとも1つの横木、および係合フレームの支柱から延在する複数のスパイクを備える。スパイクは、弁アセンブリの外側の天然組織と係合して、天然組織を刺激するように構成される。
【0171】
本開示の別の態様によると、人工弁および弁尖係合フレームを備える弁アセンブリが提供される。人工弁は、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられた弁尖アセンブリと、弁フレームへと取り付けられた外側スカートと、を備える。弁尖アセンブリは、人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える。外側スカートは、半径方向に弁フレームから離れるように延在するシールリングを備える。弁尖係合フレームは、弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームに連結される。弁尖係合フレームは、係合フレームの支柱の少なくとも1つの横木、および係合フレームの支柱から延在する複数のスパイクを備える。スパイクは、天然組織と接触して、弁アセンブリを移植場所に固定するのに役立つように構成される。
【0172】
本開示の別の態様によると、人工弁および制限フレームを備える弁アセンブリが提供される。人工弁は、半径方向に圧縮された状態にある第1の直径から、自由な半径方向に拡張した状態にある第3の直径へと自己拡張するように構成された弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられた弁尖アセンブリと、を備える。弁尖アセンブリは、人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える。制限ベルトは、弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームへと連結される。制限フレームは、少なくとも1つの交差する制限支柱の横木を備える。制限フレームは、弁フレームをその展開した状態で第2の直径に限定するように構成され、第2の直径は第3の直径未満である。
【0173】
開示された技術のある特定の実施例は、上記の利点のうちのいくつかもしくはすべてを含んでもよく、または上記の利点のいずれも含まなくてもよい。さらなる利点は、本明細書に含まれる図面、記述、および特許請求の範囲から、当業者には容易に明らかである場合がある。開示された技術の態様および実施例は、本明細書で、以下の明細書および添付の特許請求の範囲にさらに記述される。
【0174】
別段の定義のない限り、本明細書で使用するすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が関連する技術分野における当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。不一致の場合には、定義を含む、本特許明細書が優先する。本明細書で使用される場合、不定冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、文脈が明瞭に別様を規定しない限り、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味する。
【0175】
以下の実施例およびその態様は、システム、ツール、および方法と併せて記述および図示され、これらは、模範的および例示的であることが意図されるが、範囲を限定するものではない。様々な実施例では、上述の問題のうちの1つ以上は、低減され、または除去され、一方で他の実施例は、他の利点または改善を対象とする。
【0176】
本開示の一部の実施例は、添付図面を参照しながら本明細書に記述される。図面と一緒に、記述は、一部の実施例がどのように実施されうるかを当業者に対して明らかにする。図面は、例示的な記述の目的のためのものであり、また本開示の基本的な理解のために必要な程度以上に詳細には、実施例の構造的な詳細を示すためのいかなる試みもなされない。明瞭性の目的で、図面に描写される一部の対象物は、実寸に比例していない。
【0177】
図面においては、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0178】
図1A図1Aは、一部の実施例による、人工弁の斜視図を示す。
図1B図1Bは、図1Aの人工弁のフレームの斜視図を示す。
図2図2は、一部の実施例による、バルーン拡張可能な人工装具を運ぶ送達装置を備える送達アセンブリの斜視図を示す。
図3図3は、天然の大動脈弁の断面図を示す。
図4A図4Aは、天然の大動脈弁内に移植された人工弁の側面図を示す。
図4B図4Bは、上行大動脈から見た図2Aの移植された人工弁を示す。
図5図5は、一部の実施例による、遠位に延在する角度付きスパイクを有する弁尖固定フレームの斜視図を示す。
図6A図6Aは、平坦な構成にある弁フレームを描写する、図1Bの弁フレームの側面立面図を示す。
図6B図6Bは、平坦な構成にある弁尖固定フレームを描写する、図5の弁尖固定フレームの側面立面図を示す。
図7図7は、図1A図1Bの人工弁を備える例示的な弁アセンブリおよび図5の弁尖固定フレームの斜視図を示す。
図8A図8Aは、図7の弁アセンブリの詳細図を示す。
図8B図8Bは、図8Aの線8B-8Bに沿った断面図を示す。
図9A図9Aは、一部の実施例による、図7の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図9B図9Bは、一部の実施例による、図7の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図9C図9Cは、一部の実施例による、図7の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図9D図9Dは、一部の実施例による、図7の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図10図10は、弁アセンブリの別の実施例の斜視図を示す。
図11図11は、一部の実施例による、平坦な構成にある弁尖固定フレームを描写する、2つの支柱の横木を含む弁尖固定フレームの側面立面図を示す。
図12図12は、図11の弁尖固定フレームを備える弁アセンブリの一例の斜視図を示す。
図13図13は、一部の実施例による、平坦な構成にある弁尖固定フレームを描写する、単一の支柱の横木を含む弁尖固定フレームの側面立面図を示す。
図14図14は、図13の弁尖固定フレームを備える弁アセンブリの一例の斜視図を示す。
図15A図15Aは、一部の実施例による、図14の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図15B図15Bは、一部の実施例による、図14の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図15C図15Cは、一部の実施例による、図14の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図15D図15Dは、一部の実施例による、図14の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図16A図16Aは、一体型の遠位に延在する角度付きスパイクを有する人工弁の異なる例を示す。
図16B図16Bは、一体型の遠位に延在する角度付きスパイクを有する人工弁の異なる例を示す。
図16C図16Cは、一体型の遠位に延在する角度付きスパイクを有する人工弁の異なる例を示す。
図17A図17Aは、一部の実施例による、機械的に拡張可能な人工弁の斜視図を示す。
図17B図17Bは、図17Aの人工弁のフレームの斜視図を示す。
図18図18は、一部の実施例による、図17A図17Bの人工弁と共に使用するための送達装置を備える送達アセンブリの斜視図を示す。
図19図19は、弁尖固定フレームの別の実施例の斜視図を示す。
図20図20は、図17A図17Bの人工弁を備える弁アセンブリおよび図19の弁尖固定フレームの、別の実施例の斜視図を示す。
図21A図21Aは、一部の実施例による、図20の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図21B図21Bは、一部の実施例による、図20の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図21C図21Cは、一部の実施例による、図20の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図22図22は、湾曲した支柱の単一の横木を含む、弁尖固定フレームの別の実施例の斜視図を示す。
図23図23は、図22の弁尖固定フレームを備える弁アセンブリの斜視図を示す。
図24図24は、一部の実施例による、人工弁の支柱の周囲に巻かれた弁尖係合ワイヤを含む弁アセンブリの斜視図を示す。
図25図25は、一部の実施例による、一体型の遠位に延在する角度付きスパイクを有する人工弁の斜視図を示す。
図26図26は、一部の実施例による、遠位に延在するフックを有する弁尖固定フレームの斜視図を示す。
図27図27は、遠位に延在するフックを有する弁尖固定フレームを備える例示的な弁アセンブリの斜視図を示す。
図28A図28Aは、一部の実施例による、図27の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図28B図28Bは、一部の実施例による、図27の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図28C図28Cは、一部の実施例による、図27の弁アセンブリを移植するための方法の段階を示す。
図29図29は、遠位に延在するフックを有する弁尖固定フレームを備える別の例示的な弁アセンブリの斜視図を示す。
図30図30は、浮動繊維部分を装備した外側スカートを備える人工弁の側面図を示す。
図31A図31Aは、図30の人工弁に連結された弁尖係合フレームを備える別の例示的な弁アセンブリの斜視図を示す。
図31B図31Bは、図31Aの線31B-31Bに沿った断面図を示す。
図32図32は、シールリングを備えた人工弁に連結された弁尖係合フレームを備える別の例示的な弁アセンブリの斜視図を示す。
図33図33は、天然の僧帽弁内に配置された図32の弁アセンブリを示す。
図34A図34Aは、人工弁に連結された制限フレームを備える例示的な弁アセンブリの斜視図を示す。
図34B図34Bは、図34Aの線34B-34Bに沿った断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0179】
以下の記述では、本開示の様々な態様が記述される。説明の目的のために、本開示の様々な異なる態様の完全な理解を提供するために、具体的な構成および詳細が記載される。しかしながら、当業者には、本明細書において提示されている具体的な詳細を有しないで本開示が実施されてもよいことは、明らかであろう。その上、周知の特徴は、本開示を不明瞭としないために、省略または簡略化されてもよい。
【0180】
図面の図の全体を通して、同じ要素の異なる実施例を意味するために、同じ参照符号に対する異なる上付き文字が使用される。開示されるデバイスおよびシステムの実施例は、同じ要素の異なる実施例の任意の組み合わせを含んでもよい。具体的には、上付き文字を有しない要素に対する任意の参照は、上付き文字を用いて示された同じ要素の任意の代替例を指す場合がある。特定の図面上に過度に数多くの参照符号および引き出し線を有することからの必要以上の混乱を回避するため、一部の構成要素は、1つ以上の図面を介して導入され、その構成要素を含むあらゆる後続の図面で明示的に特定はされない。
【0181】
図1Aおよび図1Bは、一部の実施例による、人工弁110の、人工弁110に取り付けられた軟質構成要素を有する、および有しない、斜視図を示す。図2は、一部の実施例による、送達アセンブリ10の斜視図を示す。送達アセンブリ10は、人工弁110、および送達装置12を含むことができる。人工弁110は、送達装置12上にあることができ、または送達装置12に取り外し可能に連結することができる。送達装置は、その近位端にハンドル30と、ハンドル30から遠位に延在し、その遠位端に取り付けられたノーズコーン36を有するノーズコーンシャフトとを含むことができる。
【0182】
本明細書で使用される場合、「近位」という用語は、一般的に、使用時にハンドル30またはハンドル30のオペレーターにより近い、任意のデバイスまたはデバイスの構成要素の側または端を指す。
【0183】
本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、一般的に、使用時にハンドル30またはハンドル30のオペレーターからより遠い、任意のデバイスまたはデバイスの構成要素の側または端を指す。
【0184】
本明細書で使用される場合、「人工弁」という用語は、半径方向に圧縮された状態または捲縮された状態と、半径方向に拡張した状態との間で、半径方向に拡張可能かつ圧縮可能である、カテーテルの外側で患者の標的部位へと送達可能な任意のタイプの人工弁を指す。それ故に、人工弁110は、送達中に圧縮状態で送達装置12によって捲縮または保持することができ、そしてその後、人工弁110が移植部位に到達すると、拡張した状態へと拡張することができる。拡張した状態は、圧縮された状態と完全に拡張した状態において到達する最大直径との間の、弁が拡張しうるある範囲の直径を含んでもよい。それ故に、複数の部分的に拡張した状態は、半径方向に圧縮された状態または捲縮された状態と、最大に拡張した状態との間の任意の拡張直径に関連する場合がある。
【0185】
本明細書で使用される場合、「複数の」という用語は、2つ以上を意味する。
【0186】
本開示の人工弁110は、天然の大動脈弁、天然の僧帽弁、天然の肺動脈弁、および天然の三尖弁内に取り付けられるように構成される任意の人工弁を含んでもよい。本開示で記述される送達アセンブリ10は、送達装置12と、人工弁110または人工装具アセンブリ100などのバルーン拡張可能な人工装具14とを含むが、当然のことながら、本開示の任意の実施例による送達装置12は、ステントまたは移植片などの人工弁以外の他の人工装具の移植に使用することができる。
【0187】
カテーテル送達可能な人工弁110は、弁110を、半径方向に圧縮または捲縮された状態で、様々な拡張機構を介して人工弁110を拡張することによって、天然の解剖学的構造標的部位に対して据え付けられる標的部位に向かって運ぶ送達アセンブリ10を介して移植の部位へと送達することができる。バルーン拡張可能な弁は、一般的に、バルーンを、人工弁内で膨張させ、それによって、人工弁110を、望ましい移植部位内で拡張する手順を含む。弁が十分に拡張されると、バルーンは収縮され、そして送達装置12と共に回収される。自己拡張可能な弁は、外側シャフト(20)の遠位部分または送達シャフトの遠位部分としても画定されてもよい、外側保持カプセルが、人工弁に対して近位に引き抜かれるとすぐに、自動的に拡張するよう形状設定されるフレームを含む。機械的に拡張可能な弁は、拡張のための機械的作動機構に依存する人工弁の範疇である。機械的作動機構は、通常、送達装置12のそれぞれの作動アセンブリに取り外し可能に連結し、拡張および係止アセンブリを作動させて人工弁を所望の直径に拡張するためのハンドル30を介して制御される、複数の拡張および係止アセンブリを含む。拡張および係止アセンブリは、人工弁が望ましい移植部位に適切に位置決めされると、送達装置12の回収を可能にするために、その望ましくない再圧縮および作動アセンブリの拡張および係止アセンブリからの切断を防止するために、弁の直径を任意選択で係止してもよい。
【0188】
送達アセンブリ10は、例えば、大動脈弁輪に対して据え付けるための人工大動脈弁を送達するために、僧帽弁輪に据え付けるための人工僧帽弁を送達するために、または任意の他の天然弁輪に据え付けるための人工弁を送達するために利用することができる。
【0189】
図2に図示した例示的な送達アセンブリ10としては、図1A図1Bに図示した人工弁110と同様とすることができるバルーン拡張可能な人工弁などのバルーン拡張可能な人工装具14だけでなく、下記でさらにより詳細に記述されることになる他の人工弁210(例えば、人工弁210、210、210)または弁アセンブリ100(例えば、弁アセンブリ100、100、100)の送達および移植のための送達装置12を挙げることができる。一部の実施例によると、送達装置12は、ハンドル30と、その遠位端上に据え付けられた膨張可能なバルーン26を有するバルーンカテーテル24と、を含む。バルーン拡張可能な人工装具14は、バルーンカテーテル24の外側で捲縮した状態で運ぶことができる。任意選択で、外側シャフト20は、バルーンカテーテル24の外側に同心円状に延在することができ、またプッシュシャフト22は、任意選択で、バルーンカテーテル24と外側シャフト20との間で、バルーンカテーテル24の外側に配置される。
【0190】
外側シャフト20、プッシュシャフト22、およびバルーンカテーテル24は、互いに対して軸方向に移動可能となるように構成することができる。例えば、外側シャフト20のバルーンカテーテル24に対する近位の向きの移動、またはバルーンカテーテル24の外側シャフト20に対する遠位の向きの移動は、人工装具14を、外側シャフト20から曝露することができる。送達装置12は、バルーンカテーテル24の管腔を通して延在するノーズコーンシャフトの遠位端(図2では視界から隠されている)に接続されたノーズコーン36をさらに含むことができる。
【0191】
外側シャフト20、プッシュシャフト22、バルーン26、バルーンカテーテル24、およびノーズコーン36は、ノーズコーンシャフトと共に、ナイロン、編組ステンレス鋼ワイヤ、またはポリエーテルブロックアミド(Pebax(登録商標)として市販されている)などの様々な好適な材料のうちのいずれかから形成することができる。一実施例では、外側シャフト20およびプッシュシャフト22は、シャフトの可撓性をその長さに沿って変化させるために、異なる材料から形成された長軸方向セクションを有する。別の実施例では、ノーズコーンシャフトは、ガイドワイヤ(図示せず)との摺動摩擦を最小化するために、Teflon(登録商標)から形成された内側ライナーまたは層を有する。
【0192】
バルーンカテーテル24、外側シャフト20、プッシュシャフト22、および任意選択で、ノーズコーンシャフトの近位端は、ハンドル30に連結することができる。人工装具14の送達中、ハンドル30は、ノーズコーンシャフト、バルーンカテーテル24、外側シャフト20、および/またはプッシュシャフト22などの送達装置12の構成要素を、患者の血管系を通して軸方向に前進させるまたは後退させるためだけでなく、人工装具14を拡張するように、バルーンカテーテル24上に据え付けられたバルーン26を膨張させるため、および人工装具14が移植部位に据え付けられると、バルーン26を収縮させ、かつ送達装置12を後退させるために、オペレーター(例えば、臨床医または外科医)によって操作することができる。
【0193】
ハンドル30は、送達装置12の遠位端部分の曲率を調整するように構成されたステアリング機構を含むことができる。図示した実施例では、ハンドル30は、図示した回転可能なノブ32のうちの1つなどの調整部材を含み、これは、今度はプルワイヤの近位端部分に動作可能に連結される。プルワイヤは、ハンドル30から外側シャフト20を通して遠位に延在することができ、また外側シャフト20の遠位端において、またはその近傍で外側シャフト20へと取り付けられた遠位端部分を有する。ノブ32を回転することは、プルワイヤの張力を増加または減少することができ、それによって、送達装置12の遠位端部分の曲率を調整することができる。送達装置のためのステアリング機構または屈曲機構に関するさらなる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,339,384号に見出すことができる。ハンドル30は、もう一方の図示された回転可能なノブ32などの調整部材を含む調整機構をさらに含むことができる。調整機構は、バルーンカテーテルに対してプッシュシャフト620の軸方向位置を調整するように構成することができる。
【0194】
人工装具14を、送達中捲縮した状態で送達装置12によって運び、そしてそれをバルーン膨張によって拡張して天然の心臓弁輪内に固定することができる。1つの例示的な移植手技では、人工装具14は、当初、膨張可能なバルーン26の近位で、バルーンカテーテル24の外側に捲縮される。人工装具14は、バルーン26の場所とは異なる場所において捲縮されるので、人工装具14は、バルーン26の上に捲縮される場合に可能であることになるプロファイルより低いプロファイルへと捲縮することができる。このより低いプロファイルは、臨床医が、送達装置12(捲縮された人工弁110もしくは210、または捲縮された弁アセンブリ100を含む)を、患者の血管系を通して治療場所へと、より簡単に舵取りすることを可能にする。捲縮された人工装具のより低いプロファイルは、腸骨動脈などの特に狭い患者の血管系の部分を通して舵取りするとき、特に役立つ。
【0195】
バルーン26は、そのバルーン近位端において、バルーンカテーテル24へと固定することができ、またその遠位端において、バルーンカテーテル24またはノーズコーン36のいずれかへと固定することができる。プッシュシャフト22の遠位端部分は、人工装具14の流出端(例えば、以下でさらに記述される弁流出端112または212)の近位へと位置付けられる。
【0196】
移植部位に到達するとき、そしてバルーン膨張の前に、プッシュシャフト22は、遠位に前進し、その遠位端部分が人工装具14の流出端に接触し、かつそれを押し、デバイス14をそれと共に遠位に押すことを可能にする。プッシュシャフト22の遠位端は、デバイスの捲縮した構成にある人工装具14の流出端と係合するように寸法設定される。一部の実装では、プッシュシャフト22の遠位端部分は、半径方向外向きに裾が広がったようにすることができ、その捲縮した状態で人工装具14に接触することができるより広い直径において終結する。次いで、プッシュシャフト22を遠位に前進し、捲縮した人工装具14がバルーン26の周囲に配置されるまで、プッシュシャフト22を用いて人工装具14を押すことができ、その時点でバルーン26を膨張させて、人工装具14を半径方向に拡張することができる。人工装具14が天然の弁輪内でその機能的な直径へと拡張すると、バルーン26を収縮させることができ、そして送達装置12を、患者の身体から回収することができる。
【0197】
特定の実装では、その上に組み立てられた人工装具(本明細書全体を通してより詳細に記述される人工弁110、210、510のうちのいずれか、および弁アセンブリ100、300、400、および600のうちのいずれかを含む)を有する送達装置12(以下でさらに記述される送達装置12または12のうちのいずれかを含む)は、保管および最終的な使用のためにエンドユーザーに供給することができる滅菌パッケージ内に包装することができる。特定の実装では、人工弁(典型的に、ウシ心膜組織または他の天然もしくは合成組織から作製される)の弁尖は、それらが完全にまたは実質的に脱水され、かつ水分補給流体を有しないで部分的または完全な捲縮状態で貯蔵されることができるように、製造プロセス中に処理される。このようにして、人工装具(例えば、バルーン拡張可能な人工弁110、210、バルーン拡張可能な弁アセンブリ100、機械的に拡張可能な人工弁310、510、および機械的に拡張可能な弁アセンブリ300、400、および600のうちのいずれか、これらは本明細書全体を通してより詳細に記述される)と、送達装置12と、を含有するパッケージは、いかなる液体も含まないようにすることができる。乾燥保管のための組織弁尖を処理するための方法は、米国特許第8,007,992号および同第8,357,387号に開示されており、これらの文書の両方は、参照により、本明細書に組み込まれる。
【0198】
図1A図1Bは、拡張した状態で図示されているバルーン拡張可能な弁とすることができる、人工弁110の実施例を示す。人工弁110は、弁流出端112と弁流入端114とを備えることができる。一部の事例では、弁流出端112は、人工弁110の近位端であり、また弁流入端114は、人工弁110の遠位端である。別の方法として、例えば、弁の送達アプローチに応じて、流出端を、人工弁の遠位端とすることができ、また流入端を、近位弁の遠位端とすることができる。
【0199】
本明細書で使用される場合、「流出」という用語は、人工弁の、血液が弁110を通して、そして弁110の外に流れる領域を指す。
【0200】
本明細書で使用される場合、「流入」という用語は、人工弁の、血液が弁110を通して、そして弁110の中へと流れる領域を指す。
【0201】
弁110は、半径方向に圧縮された構成と半径方向に拡張された構成との間で移動可能な環状弁フレーム116と、弁フレーム116内に据え付けられた弁尖アセンブリ150と、を備える。弁フレーム116は、ステンレス鋼、ニッケル系合金(例えば、コバルト-クロムまたはMP35N合金などのニッケル-コバルト-クロム合金)、ポリマー、またはそれらの組み合わせなど、しかしこれらに限定されない、塑性変形可能な材料を含む、様々な好適な材料で作製することができる。塑性変形可能な材料で構築される場合、弁フレーム116は、バルーンカテーテル24上で半径方向に圧縮された状態へと捲縮することができ、そしてその後、膨張可能なバルーンまたは同等の拡張機構によって、患者の体内で拡張することができる。別の方法としてまたは追加的に、弁フレーム116は、ニッケルチタン合金(例えば、ニチノール)など、しかしこれらに限定されない形状記憶材料で作製することができる。形状記憶材料で構築される場合、弁フレーム116は、半径方向に圧縮された状態へと捲縮することができ、また送達装置12のシャフトまたは同等の機構の中へと挿入することによって、圧縮された状態で拘束することができる。
【0202】
図1A図1Bに図示する実施例では、弁フレーム116は、複数の交差した支柱118を含む環状のステント様の構造である。本出願では、「支柱」という用語は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,993,394号および同第9,393,110号に記述される、軸方向支柱、角度付き支柱、支持ポスト、交連ウィンドウ、および任意の類似の構造を包含する。支柱118は、弁フレーム116の任意の細長い部材または部分であってもよい。弁フレーム116は、セル138の1つ以上の列を集合的に画定することができる複数の支柱横木を含むことができる。弁フレーム116は、示すように、流入端114から流出端112まで、一定の直径を有する円筒状または実質的に円筒状の形状を有することができる、またはフレームは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,155,619号に開示されているように、フレームの高さに沿って直径を変化することができる。
【0203】
支柱118の端部分は、弁流出端112において頂点156を形成し、また弁流入端114において頂点158を形成する。支柱118は、流出頂点156と流入頂点158との間に形成された追加的な弁フレーム接合部120において交差することができる。弁フレーム接合部120は、流出端112と流入端114との間で、相互から、かつ/または頂点156、158から均等または不均等に離隔することができる。
【0204】
一部の実施例によると、弁フレームの支柱118は、複数の角度付き支柱および垂直支柱または軸方向支柱を含む。図1A図1Bは、バルーン拡張可能な人工弁を表すことができるがこれらに限定されない、人工弁110の一タイプの実施例を示す。図1Bに図示した人工弁110の弁フレーム116は、角度付き支柱125、127、129、131、133、および軸方向支柱134、136の横木を備える。こうした実施例では、支柱は、フレームの拡張または圧縮を許容するように、互いに対して旋回可能または曲げ可能であってもよい。例えば、弁フレーム116は、単一の材料片(金属管など)から、様々なプロセス(レーザー切断、電鋳、および/または物理蒸着など、しかしこれらに限定されない)を用いて形成されることができ、一方でヒンジ等がない場合に半径方向に折り畳む/拡張する能力を保持する。
【0205】
弁尖アセンブリ150は、少なくとも部分的に弁フレーム116内に位置付けられ、かつ流入端114から流出端112への人工弁110を通る血液の流れを調節するように構成された複数の弁尖152(例えば、3つの弁尖)を含む。図1に示す実施例では、三尖弁配置で折り畳まれるように配設された3つ弁尖152を示す一方で、人工弁110が、任意の他の数の弁尖152を含むことができることは、明らかであろう。隣接する弁尖152は、弁フレーム116のそれぞれの部分に(直接的または間接的に)連結された交連154を形成するように一緒に配設することができ、それによって弁尖アセンブリ150の少なくとも一部分をフレーム116へと固定することができる。弁尖152は、生物学的材料(例えば、心膜)、生体適合性合成材料、または他のこうした材料から全体的にまたは一部を作製することができる。弁尖アセンブリ150を人工弁110のフレーム116に連結することができる様態を含む、経カテーテル的な人工心臓弁に関連するさらなる詳細は、例えば、米国特許第6,730,118号、同第7,393,360号、同第7,510,575号、同第7,993,394号、および同第8,652,202号、ならびに米国特許出願公開第2018/0325665号に見出だすことができ、これらのすべては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0206】
一部の実施例によると、人工弁110は、少なくとも1つのスカートまたは密封部材をさらに備えることができる。内側スカート142は、弁フレーム116の内表面に固定することができ、弁周囲の漏れを防止または減少させるように、例えば、密封部材として機能するように構成される。内側スカート142は、弁フレーム116への弁尖152のための固定領域としてさらに機能することができ、かつ/または、例えば、弁捲縮中、もしくは人工弁110の作動サイクル中に、弁フレーム116との接触によって引き起こされる場合がある損傷に対して弁尖152を保護するように機能することができる。追加的に、または代替的に、人工弁110は、弁フレーム116の外面上に据え付けられ、例えば、弁フレーム116と人工弁がそれに対して据え付けられている天然弁輪の周囲組織との間に保持される密封部材として機能する外側スカート144を備えることができ、それによって、人工弁110を過ぎる弁周囲漏出(PVL)のリスクを低減する。
【0207】
内側スカート142および/または外側スカート144のいずれも、様々な合成材料(例えば、PET)または天然組織(例えば、心膜組織)など、しかしこれらに限定されない、様々な好適な生体適合性材料で作製することができる。一部の実施例では、内側スカート142は、弁フレーム116の内面の周囲に連続的に延在する単一の材料のシートを含む。一部の実施例では、外側スカート144は、図1Aに図示した人工弁110の外側スカート144に示すように、弁フレーム116の外面の周りに連続的に延在する材料の単一のシートを備える。
【0208】
図1Bおよび図6Aは、弁尖およびスカートなどのその他の構成要素が取り外された、人工弁110の弁フレーム116を示す。図1Bは、その機能的構成に対応する環状の構成にある弁フレーム116を示し、一方で図6Aは、図示の目的で平坦な構成にある弁フレーム116を示す。弁フレーム116は、一部の実施例では、弁フレームの流出横木124と、弁フレームの流入横木132と、複数の弁フレームの中間横木126、128、130を含む、角度付き支柱の複数の列または横木を備えることができる。
【0209】
図1Bおよび図6Aに図示する実施例では、弁フレーム116は、弁流出端112において端と端を接して配設され、かつ円周状に延在する角度付き支柱125の弁フレームの流出横木124と;円周状に延在する角度付き支柱127の弁フレームの第1の中間横木126と;円周状に延在する角度付き支柱129の弁フレームの第2の中間横木128と;円周状に延在する角度付き支柱131の弁フレームの第3の中間横木130と;弁流入端114において円周状に延在する角度付き支柱133の弁フレームの流入横木132と、を備える。
【0210】
複数の実質的に真っ直ぐな近位軸方向支柱134を使用して、弁フレームの流出横木124の角度付き支柱125を、弁フレームの第1の中間横木126の角度付き支柱127と相互接続することができる。具体的には、各弁フレーム近位軸方向支柱134は、2つの角度付き支柱127の上端の収束によって画定される場所から、2つの角度付き支柱125の下端の収束によって画定される別の場所へと延在する。
【0211】
同様に、複数の実質的に真っ直ぐな遠位軸方向支柱136を使用して、弁フレームの流入横木132の角度付き支柱133を、弁フレームの第3の中間横木130の角度付き支柱131と相互接続することができる。具体的には、各弁フレームの遠位軸方向支柱136は、2つの角度付き支柱133の上端の収束によって画定される場所から、2つの角度付き支柱131の下端の収束によって画定される別の場所へと延在する。
【0212】
弁フレーム近位軸方向支柱134の軸方向長さは、弁フレーム遠位軸方向支柱136の軸方向長さとは異なることができる。例えば、図示した実装では、弁フレーム近位軸方向支柱134は、弁フレーム遠位軸方向支柱136より長くすることができる。一部の実施例では、弁フレーム近位軸方向支柱134のうちの少なくともいくつか(例えば、3つ)は、弁尖アセンブリ150のそれぞれの交連154を据え付けるように構成された、交連ウィンドウ122とも呼ばれる、軸方向に延在するウィンドウフレーム部分を画定することができる。
【0213】
支柱は、弁フレーム116の複数のセル138を集合的に画定する。フレーム116の流入端において、弁フレームの流入横木132の角度付き支柱133、弁フレームの遠位軸方向支柱136、および弁フレームの第3の中間横木130の角度付き支柱131は、セル138の下方列を画定する。弁フレームの第3の中間横木130、第2の中間横木128、および第1の中間横木126の、角度付き支柱131、129、および127はそれぞれ、セル138の2つの中間列を画定する。弁フレームの流出横木124の角度付き支柱125、弁フレームの近位軸方向支柱134、および弁フレームの第1の中間横木126の角度付き支柱127は、セル138の上方列を画定する。弁フレームの近位軸方向支柱134の比較的より大きい長さは、上方セル138によって画定される比較的より大きい開口部をもたらす。
【0214】
図3は、左心室50を上行大動脈54から分離する、複数の天然の弁尖58(例えば、3つの弁尖であるが、図3の簡略化された図示では、2つのみが図示されている)を有する、天然弁の大動脈根の解剖学的構造を示す。図4A図4Bは、天然弁の大動脈弁輪52内に移植された例示的な人工弁110を示す。人工弁110は、人工弁110の拡張に伴い、天然の弁尖またはホストの弁尖が半径方向外向きに押されるように、天然の弁尖またはホストの弁尖の間に展開されてもよい。こうした構成は、図4A図4Bで図示されるように、人工弁110が天然弁内で展開されるか、または以前に展開されたホスト人工弁内で展開されるか、のいずれかをもたらす場合がある。
【0215】
天然の弁尖またはホストの弁尖を外向きに半径方向に押すことは、様々な病気を引き起こす場合がある。例えば、図4Aは、大動脈弁輪52から近位に、または流出方向に延在する天然の弁尖58を概略的に示す。弁尖58は、天然の大動脈弁の流れチャネルと大動脈壁56との間に位置付けられる。特に、冠動脈入口は、大動脈の表面上に位置付けられる場合がある。人工弁が天然の大動脈弁内で拡張すると、拡張した人工弁が天然の弁尖58を外向きに半径方向に押し、これにより天然の弁尖58が冠動脈60、62の心門を妨害し、これが冠動脈の病気につながる可能性がある。人工弁が、大動脈弁輪52内の以前に拡張された人工弁またはホスト人工弁内で拡張した場合、同様の懸念がもたらされる場合がある。
【0216】
冠動脈60、62への血流の妨害を回避するために、天然の弁尖またはホストの弁尖(すなわち、天然の大動脈弁の弁尖または以前に移植された人工弁の弁尖)は、既存の弁の構造内の新しい人工弁の移植中に、ずらされる、および/または折り曲げられる可能性がある。
【0217】
一部の実施例では、弁アセンブリ100が開示される。弁アセンブリ100(例えば、図7図8Bに示す)は、人工弁110と、弁フレーム116から半径方向外向きに配置され、かつそれに連結されている弁尖係合フレーム170(例えば、図5に示す)とを備える。弁尖係合フレーム170は、弁アセンブリ100移植の手技中に、天然の弁尖またはホストの弁尖のうちの1つ、いくつか、またはすべてを、冠動脈のレベルから離れるように係合および位置付けるように設計されたスパイクなどの弁尖係合特徴を備え、それによって冠動脈への血管アクセスを維持する。弁尖係合フレーム170は、係合フレームの第1の横木176と呼ばれる支柱の少なくとも1つの横木を備え、これは、一部の実装形態では、複数の遠位に延在する角度付きスパイク186が提供される単一の横木とすることができる。一部の実施例では、弁尖係合フレーム170は、係合フレームの第1の横木176(および遠位に延在する角度付きスパイク186)の遠位に、少なくとも1つの追加的な支柱の横木をさらに備え、これは、一部の実装では、遠位に延在する角度付きスパイク186とは反対向きに、近位に延在する角度付きスパイク188が提供される単一の横木とすることができる。
【0218】
弁尖係合フレーム170は、環状形状に構成された複数の係合フレームの支柱174を備える。係合フレームの支柱174は、少なくとも1つの横木を画定し、これは、弁尖係合フレーム170の近位端または流出端において複数の第1の角度付き支柱177によって画定される係合フレームの第1の横木176と呼ぶことができる。第1の角度付き支柱177は、一部の実装形態では、半径方向外向きに、かつそこから遠位方向に(すなわち、下向きまたは流入端に向かって)延在する、遠位に延在する角度付きスパイク186を備える唯一の支柱とすることができる。
【0219】
別の言い方をすると、鋭角α(例えば、図8Bに示す)が、係合フレームの第1の横木176の第1の角度付き支柱177によって画定される環状表面175と、各遠位に延在する角度付きスパイク186との間に画定される。角αは、各遠位に延在する角度付きスパイク186と、流入端114から流出端112へと延在する中央長軸方向軸との間に同様に画定することができ、遠位に延在する角度付きスパイク186が、中央長軸方向軸、または中央長軸方向軸に平行に延在する任意の軸と平行ではないことを意味する。一部の実施例では、角αは、10~80度の範囲内である。一部の実施例では、角αは、20~70度の範囲内である。一部の実施例では、角αは、30~60度の範囲内である。
【0220】
遠位に延在する角度付きスパイク186は、弁アセンブリ100が部分的に拡張されたときに天然の弁尖またはホストの弁尖と係合する(そして一部の事例では貫通する)ように構成され、そして弁アセンブリ100がその最終的な拡張直径までさらに拡張される際に、弁尖と係合したままである。一部の実施例では、各遠位に延在する角度付きスパイク186は、鋭利な遠位先端187で終結する。
【0221】
図5および図6Bは、弁尖係合フレーム170の実施例を示す。図5は、人工弁110から取り外された環状の構成にある弁尖係合フレーム170を示し、また図6Bは、図示の目的のために平坦な構成にある弁尖係合フレーム170を示す。一部の実施例では、弁尖係合フレーム170は、弁尖係合フレーム170の実施例について示される4つの横木など、角度付き支柱の複数の横木を含む。
【0222】
弁尖係合フレーム170は、円周状に延在する第1の角度付き支柱177の係合フレームの第1の横木176、円周状に延在する第2の角度付き支柱179の係合フレームの第2の横木178、円周状に延在する第3の角度付き支柱181の係合フレームの第3の横木180、および円周状に延在する第4の角度付き支柱183の係合フレームの第4の横木182を備える。複数の実質的に真っ直ぐな軸方向支柱184を使用して、係合フレームの第4の横木182の第4の角度付き支柱183を、係合フレームの第3の横木180の第3の角度付き支柱181と相互接続することができる。具体的には、各係合フレームの軸方向支柱184は、2つの第4の角度付き支柱183の上端の収束によって画定される場所から、2つの第3の角度付き支柱181の下端の収束によって画定される別の場所へと延在する。
【0223】
係合フレームの支柱は、複数の係合フレームセル172を集合的に画定する。係合フレーム170の流入端において、係合フレームの第4の横木182の第4の角度付き支柱183、係合フレーム軸方向支柱184、および係合フレームの第3の横木180の第3の角度付き支柱181は、セル172の下方列を画定する。係合フレームの第3、第2、および第1の横木180、178、および176の角度付き支柱181、179、および177はそれぞれ、セル172の2つの上方列を画定する。
【0224】
図7は、人工弁110の外側に据え付けられ、一緒に弁アセンブリ100を形成する、弁尖係合フレーム170を示す。弁尖係合フレーム170は、係合フレームの第1の横木176、第2の横木178、第3の横木180、および第4の横木182の角度付き支柱が、それぞれ、弁フレームの第1の中間横木126、第2の中間横木128、第3の中間横木130、および流入横木132の角度付き支柱と整列するように構成される。同様に、係合フレーム軸方向支柱184は、弁フレームの遠位軸方向支柱136と整列し、また係合フレームセル172の3つの列は、弁フレーム116のセル138の対応する下方の3つの列と整列する。
【0225】
このようにして、係合フレーム接合部190は、図8Aに示すように、弁フレーム接合部120へと連結することができる。「弁フレーム接合部120」という用語は、弁フレーム116の交点支柱118によってそれらの間に画定される、流出頂点156、流入頂点158、または任意の他の非頂点接合部のうちのいずれかを指す。同様に、「係合フレーム接合部190」という用語は、弁尖係合フレーム170の支柱174と交差することによってそれらの間に画定される流入頂点、流出頂点、または任意の他の非頂点接合部のうちのいずれかを指す。
【0226】
図8Aに図示する実施例では、弁尖係合フレーム170は、縫合糸106で弁フレーム116に連結される。一部の実施例では、弁尖係合フレーム170は、縫合糸106を受容するように構成された係合フレーム接合部190のうちのいずれかに形成される開口部として形成することができる、係合フレーム接合部開口部192を備える。注目すべきは、図示の目的で、縫合糸106が、図8Aにのみ示されており、そして弁アセンブリのその他の図には示されていないことである。他の実施例では、弁尖係合フレーム170は、様々な他のやり方(例えば、締結具、溶接、接着剤など)で弁フレーム116に連結することができる。係合フレーム接合部190を弁フレーム接合部120に連結することによって、弁尖係合フレーム170は、例えば、弁フレーム116と同時に拡張および/または収縮することができる。
【0227】
一部の実施例では、弁尖係合フレーム170は、弁フレーム116に取り外し可能なように結合される(例えば、縫合糸106および/または締結具を用いて)。本明細書で使用される場合、「取り外し可能なように結合される」という用語は、2つの構成要素が一緒に連結され、そして構成要素のいずれかを塑性変形させることなく分離することができるようなやり方で連結されることを意味する。他の実施例では、弁尖係合フレーム170は、構成要素のうちの少なくとも1つを塑性変形させることなく、2つの構成要素を分離することができないようなやり方で、永久的に連結することができる。
【0228】
弁尖係合フレームは、様々な好適な塑性変形可能な材料(例えば、ステンレス鋼等)および/または自己拡張型材料(例えば、ニチノール)のうちのいずれかで作製することができる。弁尖係合フレームが塑性的に拡張可能な材料を含む場合、弁尖係合フレーム(それ故に、弁アセンブリ)は、外側シャフト内で半径方向に圧縮された状態へと捲縮することができ、次いで、送達装置の膨張可能なバルーンまたは同等の拡張機構によって患者の体内で拡張することができる。弁尖係合フレームが自己拡張型材料を含む場合、弁尖係合フレーム(それ故に、弁アセンブリ)を、半径方向に圧縮された状態へと捲縮し、そして送達装置のシャフト、カプセル、または同等の機構によって圧縮された状態で制約することができる。本体の内側に入ると、弁アセンブリを外側シャフトから前進させることができ、これは弁アセンブリを部分的に拡張した直径へと、そしてさらに最終的な機能的直径へと拡張することを可能にする。好適な塑性変形可能な材料としては、ステンレス鋼、ニッケル系合金(例えば、コバルト-クロムまたはMP35N合金などのニッケル-コバルト-クロム合金)、ポリマー、またはそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0229】
一部の実施例では、係合フレームの第1の横木176は、遠位に延在する角度付きスパイク186のみを含み、また近位方向など、他の向きに延在する任意の他のスパイクを欠いている。一部の実施例では、弁尖係合フレーム170の角度付き支柱の単一の横木、すなわち、係合フレームの第1の横木176は、複数の遠位に延在する角度付きスパイク186を含み、一方で、存在する場合、その任意の他の横木は、遠位に延在する角度付きスパイクを欠いている。
【0230】
一部の実施例では、弁尖係合フレーム170は、唯一その支柱から延在する、複数の近位に延在する角度付きスパイク188が提供される、係合フレームの第1の横木176の遠位にある角度付き支柱の別の横木をさらに含む。例えば、図5および図6Bに図示する弁尖係合フレーム170は、係合フレームの第4の横木182を備え、これはまた、弁尖係合フレーム170の流出端において最も遠位の横木であり、半径方向外向きかつ近位方向に(すなわち、上向きまたは流出端に向かって)延在する近位に延在する角度付きスパイク188を有する複数の第4の角度付き支柱183によって画定される。一部の実施例では、各近位に延在する角度付きスパイク188は、鋭利な遠位先端189で終結する。
【0231】
別の言い方をすると、鋭角β(例えば、図8Bに示す)は、環状表面175と各近位に延在する角度付きスパイク188との間に画定される。角βは、各近位に延在する角度付きスパイク188と、中央長軸方向軸との間に同様に画定することができ、近位に延在する角度付きスパイク188が、中央長軸方向軸、または中央長軸方向軸に平行に延在する任意の軸と平行ではないことを意味する。角βは、角αと同様とすることができ、または異なることができる。一部の実施例では、角βは、10~80度の範囲内である。一部の実施例では、角βは、20~70度の範囲内である。一部の実施例では、角βは、30~60度の範囲内である。
【0232】
それ故に、遠位に延在する角度付きスパイク186および近位に延在する角度付きスパイク188の両方は、中央長軸方向軸から離れるように半径方向外向きに向けられるが、スパイクは、それらのそれぞれの角度付き支柱から反対向きに、そして具体的には、相互に向かって延在する。
【0233】
存在する場合、近位に延在する角度付きスパイク188は、天然の弁輪(大動脈弁輪など)またはホストの弁尖の天然の基部部分(すなわち、以前に移植された弁の波形線に近接近して、弁輪への天然の弁尖取り付けの領域、または以前に移植された弁のフレームへのホストの弁尖取り付けの領域により近い)と係合する(および一部の事例では、貫通する)ように構成されている。対照的に、遠位に延在する角度付きスパイク186は、それらの自由端により近い領域において(すなわち、それらの流出部分に沿って)、天然の弁尖またはホストの弁尖と係合する(また一部の事例では貫通する)ように構成される。
【0234】
弁尖係合フレーム170が、弁尖係合フレーム170の流出端および流入端の近位および遠位横木の間に配置された1つ以上の中間横木などの3つ以上の支柱の横木を含む場合、中間横木は、遠位に延在する角度付きスパイク186または近位に延在する角度付きスパイク188のいずれかなどの任意のタイプの角度付きスパイクを欠いていることが好ましい。例えば、係合フレームの第1の横木176は、複数の遠位に延在する角度付きスパイク186を含み、また係合フレームの第4の横木182は、複数の近位に延在する角度付きスパイク188を含む一方で、それらの間に配置される弁尖係合フレーム170の2つの中間横木、すなわち、係合フレームの第2の横木178および係合フレームの第3の横木180はそれぞれ、比較的滑らかな第2の角度付き支柱179および第3の角度付き支柱181を含み、それらは、遠位に延在する角度付きスパイク186および/または近位に延在する角度付きスパイク188のいずれも欠いている。弁尖係合フレーム170の実施例では、2つの中間横木が図示されているが、任意の他の数の支柱の中間横木が企図されることが理解されるべきである。
【0235】
図9A図9Dは、弁アセンブリ100などの弁アセンブリ100の移植中に天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げるための例示的な方法の段階を示す。簡単のために、内側スカートまたは外側スカートは示されていない。弁アセンブリは、本明細書全体を通して、天然の弁尖58を折り曲げるように、天然の心臓弁(例えば、天然の大動脈弁)内に移植されるとして記述され、かつおよび示されてもよい(図9A図9D図15A図15D図21A図21C図28A図28Bなど)が、同じ方法が、変更すべきところは変更して、その間に弁アセンブリを以前に移植された人工弁の中に移植することができるViV手技に対しても、以前に移植された弁のホストの弁尖を折り曲げるように同様に適用可能であることが理解される。
【0236】
弁アセンブリ100は、弁アセンブリ100を天然の心臓弁輪内に送達、位置付け、および固定するために使用することができる、送達装置12へと連結することができる。図示した移植手技では、弁アセンブリ100は、経大腿動脈送達アプローチを使用して、天然の大動脈弁輪52内に移植される。他の実施例では、弁アセンブリ100は、他の場所(例えば、僧帽弁、三尖弁、および/または肺動脈弁)に、以前に移植された人工弁内(すなわち、ViV手技中に)に、かつ/または他の送達アプローチ(例えば、経心尖、経大動脈、経中隔など)を使用して移植することができる。
【0237】
弁アセンブリ100は、弁アセンブリ100を送達装置の遠位端部分に配置された膨張可能なバルーン26の外側に、または上述のようにバルーン26の近位の位置において、バルーンカテーテル24の外側に位置付け、かつ弁アセンブリ100を捲縮状態へと半径方向に圧縮することによって、送達装置12の遠位端部分に取り外し可能に連結することができる。バルーン26および半径方向に圧縮された弁アセンブリ100を備える送達装置12の遠位端部分は、患者の血管系の中へと経皮的に挿入し、かつ移植部位に向かって前進させることができる。図9Aに示すように、弁アセンブリ100が大動脈弁輪52内またはそれに隣接して配置される場合、バルーンを膨張させて、人工弁110を、それに連結された弁尖係合フレーム170と共に、捲縮された状態から、半径方向に拡張することができる(任意選択で、捲縮された弁アセンブリ100がプッシュシャフト22によってバルーン26の外側に押された後に)。
【0238】
弁アセンブリ100が天然の弁尖58に対抗して拡張すると、近位に延在する角度付きスパイク188は、それらの基部部分において弁尖58と係合し、これは、天然の弁尖58の場合、大動脈弁輪52により近い弁尖の一部分になることができ、またはViV手技については、それらが以前に移植された人工弁のフレームに取り付けられる波形線により近い弁尖の一部分になることができる。一部の実施例では、近位に延在する角度付きスパイク188は、それらの遠位領域または基部領域において天然の弁尖またはホストの弁尖の組織の中へと貫通する。一部の実施例では、近位に延在する角度付きスパイク188は、大動脈弁輪52などの心臓弁輪に係合する(すなわち、その中への貫通を有して、または有しないで、対抗して押される)。
【0239】
対照的に、遠位に延在する角度付きスパイク186は、弁尖の自由端により近い上方部分または近位部分において弁尖58と係合する。一部の実施例では、遠位に延在する角度付きスパイク186は、それらの近位領域または上方領域において天然の弁尖またはホストの弁尖の組織の中へと貫通する。
【0240】
図9Aは、部分的に膨張したバルーン26の外側の部分的に拡張した状態にある弁アセンブリ100を示し、近位に延在する角度付きスパイク188は、天然の弁尖58の基部部分と係合し、一方で遠位に延在する角度付きスパイク186は、それらの自由端により近い、弁尖58の上方部分と係合する。遠位に延在する角度付きスパイク186および/または近位に延在する角度付きスパイク188のいずれかの天然の弁尖またはホストの弁尖との係合は、弁アセンブリ100の部分的に拡張した状態で開始するが、遠位に延在する角度付きスパイク186および/または近位に延在する角度付きスパイク188の各々は、異なる部分的な拡張直径において係合を開始することができる。
【0241】
一部の実施例では、近位に延在する角度付きスパイク188は、遠位に延在する角度付きスパイク186と弁尖の上方部分との係合の前に、天然の弁尖もしくはホストの弁尖または包囲する弁輪と係合することができる。一部の実施例では、近位に延在する角度付きスパイク188は、遠位に延在する角度付きスパイク186と弁尖の上方部分との係合の後に、天然の弁尖もしくはホストの弁尖または包囲する弁輪と係合することができる。一部の実施例では、近位に延在する角度付きスパイク188は、天然の弁尖もしくはホストの弁尖または包囲する弁輪と係合することができ、同時に、遠位に延在する角度付きスパイク186は、弁尖の上方部分と係合することができる。
【0242】
人工弁110の機能サイズへの弁アセンブリ100のさらなる拡張は、天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げる機能を果たす。図9Bは、完全に膨張したバルーン26の外側の完全に拡張した弁アセンブリ100を示す。人工弁の機能的直径へのこの拡張中に、弁フレーム116および弁尖係合フレーム170の両方は、軸方向で短縮され、これにより、遠位に延在する角度付きスパイク186を有する係合フレームの第1の横木176によって画定される、弁尖係合フレーム170の流出端は、弁尖係合フレーム170の場合、係合フレームの第4の横木182によって画定される、弁尖係合フレーム170の流入端に向かって遠位に移動する。
【0243】
近位に延在する角度付きスパイク188は、弁アセンブリ100の半径方向の拡張の間、大動脈弁輪52に対して(または、ViV手技については、ホストの弁尖がそれに沿って以前に移植された弁のフレームに取り付けられる波形線に対して)軸方向位置に保持され、これは、遠位に延在する角度付きスパイク186が遠位に移動し、かつ、天然の弁尖またはホストの弁尖の近位部分を、スパイクによって抑え、それによって弁尖を遠位/下方におよび冠動脈60、62の心門から離れるように折り曲げることを可能にする。
【0244】
弁アセンブリ100の選択された直径に到達すると、図9Cに示すように、送達装置12のバルーン26を収縮させることができる。次いで、送達装置12は、患者の身体から引き抜かれ、図9Dに示すように、左心室50から大動脈54の中への血流を調節するために、弁アセンブリ100を大動脈弁輪52内に残すことができる。図9Dにさらに示すように、移植された弁アセンブリ100の周囲の天然の弁尖またはホストの弁尖は、遠位に延在する角度付きスパイク186で冠動脈60、62の心門の遠位に保持され、それ故に、天然の弁尖58が冠動脈入口を完全にまたは部分的に覆う可能性を低減する。天然の弁尖58は、弁の弁尖152の近位端の遠位に変位していてもよい。移植に伴い、弁の弁尖152は、天然の弁尖58に対する人工装具の置き換えとして動作する。
【0245】
図1Aは、弁流入端114までずっと延在する、人工弁110の従来の外側スカート144を示す。外側スカート144の主要な役割は、天然の解剖学的構造に対してPVL密封を提供することであるため、弁尖係合フレーム170が弁フレーム116へと連結されて弁アセンブリ100を形成するとき、外側スカート144は、一部の実施例では、弁アセンブリ100の外面上に据え付けることができ、これは、弁尖係合フレーム170の外面の部分だけでなく、弁フレーム116の外面の部分も含むことができる。しかしながら、一部の構成では、特に、弁アセンブリ100が、弁フレームの流入横木132と整列された係合フレームの第4の横木182を備える弁尖係合フレーム170を含む場合、弁の流入端までずっと延在する外側スカートは、近位に延在する角度付きスパイク188を隠し、そしてそれらが天然の弁尖またはホストの弁尖と適切に係合するのを防止する場合がある。
【0246】
一部の実施例では、図10に示すように、弁尖係合フレーム170の外面の外側に据え付けられる(図示された実施例における弁フレーム116の外面のいかなる部分とも接触することなく)外側スカート144は、外側スカート流出端146が遠位に延在する角度付きスパイク186の遠位にあり、かつ外側スカート流入端148が、近位に延在する角度付きスパイク188の近位にあるように、外側スカート流出端146と外側スカート流入端148との間に延在する。このようにして、外側スカート144は、弁尖係合フレーム170の外側に据え付けることができ、また弁尖係合フレーム170のスパイクのうちのいずれかを隠すことなく、天然の解剖学的構造に対して密封部材として機能することができる。
【0247】
図11は、2つの支柱の横木、すなわち、遠位に延在する角度付きスパイク186を備える係合フレームの第1の横木176および近位に延在する角度付きスパイク188を備える係合フレームの第2の横木178しか含まず、かつ、それらの間にあるいずれかの中間横木を欠いていて、これにより、係合フレームの第1の横木および第2の横木は一緒に、係合フレームセル172の単一の列を画定することを除いて、弁尖係合フレーム170のうちのいずれかの実施例と同様な弁尖係合フレーム170の別の実施例を示す。
【0248】
図12は、係合フレームの第1の横木176の第1の角度付き支柱177が、弁フレームの第1の中間横木126の角度付き支柱127と整列し、また係合フレームの第2の横木178の第2の角度付き支柱179が、弁フレームの第2の中間横木128の角度付き支柱129と整列するように、弁フレーム116へと連結された弁尖係合フレーム170を備える弁アセンブリ100の実施例を示す。
【0249】
一部の実施例では、図12に示すように、外側スカート流出端146は、近位に延在する角度付きスパイク188に対して遠位(したがって、遠位に延在する角度付きスパイク186に対しても同様に遠位)であり、一方で、外側スカート流入端148は、弁流入端114に向かってずっと延在することができる。
【0250】
図13は、単一の横木支柱のみ、すなわち、遠位に延在する角度付きスパイク186を備える係合フレームの第1の横木176を含み、かつ近位に延在する角度付きスパイク188を欠いていることを除いて、弁尖係合フレーム170または170の任意の実施例と同様の、弁尖係合フレーム170の別の実施例を示す。
【0251】
図14は、係合フレームの第1の横木176の第1の角度付き支柱177が、弁フレームの第1の中間横木126の角度付き支柱127と整列するように、弁フレーム116に連結された弁尖係合フレーム170を備える弁アセンブリ100の実施例を示す。一部の実施例では、図14にさらに示すように、外側スカート流出端146は、遠位に延在する角度付きスパイク186に対して遠位であり、一方で、外側スカート流入端148は、弁流入端114に向かってずっと延在することができる。
【0252】
弁尖係合フレーム170を備える弁アセンブリ100は近位に延在する角度付きスパイク188を欠いているため、天然の弁尖またはホストの弁尖に対する弁アセンブリ100の単なる拡張は、弁尖の上方部分を遠位/下向きに折り曲げるべきである一方で、弁アセンブリを適所に保持する反力を提供する係合特徴の欠如に起因して、弁尖の所望の折り曲げられた構成をもたらさない場合がある。こうした場合には、送達装置は、弁尖の適正な位置付けおよび折り曲げを支援するために利用されてもよい。
【0253】
図15A図15Dは、遠位に延在する角度付きスパイク186を備え、かつ近位に延在する角度付きスパイク188を欠くことができる、弁アセンブリ100の移植中に天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げるための例示的な方法の段階を示す。簡単のために、内側スカートまたは外側スカートは示されていない。弁アセンブリ100は、図9A図9Dと併せて上述したのと同じ様態で、送達装置12の外側で移植部位に向かって運ぶことができる。図15Aは、部分的に拡張されたバルーンの外側で部分的に拡張した状態にある弁アセンブリ100を示し、これにより遠位に延在する角度付きスパイク186は、上述のような天然の弁尖またはホストの弁尖と係合する。
【0254】
遠位に延在する角度付きスパイク186が弁尖と係合すると、送達装置は、図15Bに示すように、弁アセンブリ100のこの部分的に拡張した状態で、弁アセンブリ100を遠位に(例えば、左心室50に向かって)押すために利用される。弁アセンブリ100全体のこの遠位の変位は、それと共に天然の弁尖の流入端を、冠動脈60、62の心門から離れるように、同じ方向に運ぶ。天然の弁尖またはホストの弁尖が所望通りに位置付けられると、図15Cに示すように、弁アセンブリ100は、その最終的な機能的直径までさらに拡張することができ(例えば、バルーン26をさらに膨張させることによって)、その後、バルーン26を収縮させ、そして、図15Dに示すように、天然の弁尖が冠動脈の心門から離れるように折り曲げられた状態で、弁アセンブリ100を適所に移植したまま、送達装置12を患者の身体から回収することができる。
【0255】
一部の実施例では、弁フレーム216の単一の支柱の横木と一体的に形成された遠位に延在する角度付きスパイク286と、任意選択で弁フレーム216の別の単一の支柱の横木と一体的に形成される近位に延在する角度付きスパイク288と、を備える人工弁210が提供され、これにより、人工弁は、弁アセンブリ100について上述したものと同様の様態だが、弁尖係合フレームに連結することなく、利用することができる。人工弁210は、人工弁110と他のすべての点で同様であり、同様の特徴を指す同様の参照番号を有し、そして簡潔性の目的で、さらに記述しない。
【0256】
図16Aは、弁フレームの第1の中間横木226の角度付き支柱227から延在する複数の遠位に延在する角度付きスパイク286と、弁フレームの流入横木232の角度付き支柱233から延在する複数の近位に延在する角度付きスパイク288と、を備えることを除いて、人工弁110と同様とすることができる、人工弁210の実施例を示す。
【0257】
遠位に延在する角度付きスパイク286は、弁尖係合フレーム170の第1の横木176から延在する遠位に延在する角度付きスパイク186の任意の実施例について記述されるのと同じ様態で、弁フレームの第1の中間横木226から延在するように実装されてもよい。近位に延在する角度付きスパイク288は、弁尖係合フレーム170の第4の横木182から延在する近位に延在する角度付きスパイク188の任意の実施例について記述されるのと同じ様態で、弁フレームの流入横木232から延在するように実装されてもよい。弁フレームの第2の中間横木228および弁フレームの第3の中間横木230などの中間横木の残りのものは、係合フレームの第2の横木178および係合の第3の横木180について上述したのと同じ様態にある、いかなるタイプの角度付きスパイクも欠いたままである。
【0258】
外側スカート244は、外側スカート流出端246が遠位に延在する角度付きスパイク286に対して遠位にあり、かつ外側スカート流入端248が、近位に延在する角度付きスパイク288に対して近位にある実施例を含む、弁アセンブリ100の外側スカート144について上述した任意の実施例に従って、弁フレーム216の外面の周囲に延在することができる(外側スカート244、外側スカート流出端246、および外側スカート流入端248は、図16Aでは図示されないが、それぞれ、図1Aに示す外側スカート144、外側スカート流出端146、および外側スカート流入端148、と概して同様とすることができる)。
【0259】
人工弁210は、送達装置12によって送達することができ、かつ図9A図9Dと併せて上記に記述される同じ工程に従って、冠動脈の心門の妨害を防止するために天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げるように、変更すべきところは変更して移植することができる。
【0260】
図16Bは、弁フレームの第1の中間横木226の角度付き支柱227から延在する複数の遠位に延在する角度付きスパイク286と、弁フレームの第2の中間横木228の角度付き支柱229から延在する複数の近位に延在する角度付きスパイク288と、を備えることを除いて、人工弁110と同様とすることができる、人工弁210の別の実施例を示す。
【0261】
遠位に延在する角度付きスパイク286は、弁尖係合フレーム170の第1の横木176から延在する遠位に延在する角度付きスパイク186の任意の実施例について記述されるのと同じ様態で、弁フレームの第1の中間横木226から延在するように実装されてもよい。近位に延在する角度付きスパイク288は、弁尖係合フレーム170の第2の横木178から延在する近位に延在する角度付きスパイク188の任意の実施例について記述されるのと同じ様態で、弁フレームの第2の中間横木228から延在するように実装されてもよい。人工弁210の支柱の横木の残りのものは、いかなるタイプの角度付きスパイクも欠いたままである。
【0262】
外側スカート244は、例えば、外側スカート流出端246が遠位に延在する角度付きスパイク286および近位に延在する角度付きスパイク288の両方に対して遠位にあるように、弁アセンブリ100について記述したものと同様の様態で弁フレーム216の外面の周りに延在することができる。人工弁210は、弁アセンブリ100のものと同じ様態で、変更すべきところは変更して、天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げるために移植中に利用することができる。
【0263】
図16Cは、弁フレームの第1の中間横木226の角度付き支柱227から延在する複数の遠位に延在する角度付きスパイク286を備え、かつ人工弁210および210の実施例とは異なり、人工弁210が近位に延在する角度付きスパイクを欠いていることを除いて、人工弁110と同様とすることができる、人工弁210の別の実施例を示す。
【0264】
遠位に延在する角度付きスパイク286は、弁尖係合フレーム170の第1の横木176から延在する遠位に延在する角度付きスパイク186の任意の実施例について記述されるのと同じ様態で、弁フレームの第1の中間横木226から延在するように実装されてもよい。人工弁210の他のすべての支柱の横木は、いかなるタイプの角度付きスパイクも欠いたままである。
【0265】
外側スカート244(明瞭性のために図16Cには図示せず)は、例えば、外側スカート流出端246が遠位に延在する角度付きスパイク286に対して遠位にあるように、弁アセンブリ100について記述したものと同様の様態で、弁フレーム216の外面の周囲に延在することができる。
【0266】
人工弁210は、送達装置12によって送達することができ、かつ図15A図15Dと併せて上記に記述される同じ工程に従って、冠動脈の心門の妨害を防止するために天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げるように、変更すべきところは変更して移植することができる。
【0267】
図17Aおよび図17Bは、一部の実施例による、機械的に拡張可能な人工弁310の、人工弁310に取り付けられた軟質構成要素を有する、および有しない、斜視図を示す。図18は、一部の実施例による、機械的に拡張可能な人工弁310などの機械的に拡張可能な人工装具と共に使用するための送達装置12だけでなく、以下でさらに詳細に記述されることになる人工弁510または機械的に拡張可能な弁アセンブリ300、400、600も含むことができる送達アセンブリ10の斜視図を示す。
【0268】
人工弁110と同様に、人工弁310は、弁流出端312と弁流入端314との間に画定される、交差するフレームの支柱318で作製された分解できない単一の格子フレームとすることができる、環状弁フレーム316と、弁フレーム316内に据え付けられた弁尖アセンブリ350とを含む。弁尖アセンブリ350だけでなく、内側スカート342(図17Aでは視界から隠されているが、図1Aの内側スカート142と機能的に同様とすることができる)または外側スカート344も、弁尖アセンブリ150、内側スカート142、および外側スカート144とすべての点で同様とすることができ、また簡潔性の目的で、さらに記述しない。
【0269】
バルーン拡張可能な弁、または別の方法として自己拡張可能な弁を表すことができる人工弁110とは異なり、人工弁310は、機械的機構を利用して拡張することができる。例えば、人工弁310は、弁流出端312に対抗して流入端314に向かって軸方向に力を加える一方で、弁流入端314を固定された位置に維持することによって半径方向に拡張することができる。別の方法として、人工弁310は、弁流出端312を固定された位置に維持しながら弁流入端314に対抗して軸方向の力を加えることによって、または流入端314および流出端312にそれぞれ反対向きの軸方向の力を加えることによって拡張することができる。
【0270】
バルーン拡張可能な人工弁110と共に使用するための上述の送達装置12と同様に、送達装置12は、ハンドル30および外側シャフト20だけでなく、外側シャフト20内に配置することができ、かつそれに対して相対的に任意選択で軸方向に移動可能とすることができる任意選択で追加的な送達シャフト28も含むことができる。しかしながら、バルーンカテーテル24および膨張可能なバルーン26の代わりに、送達装置12は、作動したときに人工弁310(または人工弁510)を半径方向に拡張および/または半径方向に圧縮するように構成された複数の作動アセンブリ40を含む。
【0271】
図17A図17Bに示すように、人工弁310は、弁フレーム316の内面に据え付けられ、かつその周囲に等間隔にされる1つ以上のアクチュエータ360を含むことができる。アクチュエータ360の各々は、それぞれの作動アセンブリ40と解放可能な接続を形成するように構成することができる。
【0272】
図17Bに図示される人工弁310の弁フレーム316は、湾曲した支柱325、327、329、333の横木と、軸方向支柱またはポスト334、335、336とを備える。湾曲した支柱は、弁フレーム316の周囲に円周状に延在する複数のセル338を画定する。弁フレーム316の片側のみが図17Bに図示されているが、当然のことながら弁フレーム316は、示される部分と実質的に同一の反対側を有する環状構造を形成する。図示する実施例では、弁フレーム316は、弁流出端312を画定する湾曲した支柱325の弁フレームの流出横木324と、湾曲した支柱327の弁フレームの第1の中間横木326と、湾曲した支柱329の弁フレームの第2の中間横木328と、弁流入端314を画定する湾曲した支柱333の弁フレームの流入横木332と、を備える。
【0273】
セル338は、第1のセル339および第2のセル340を含むことができる。各第1のセル339は、楕円の長軸頂点に配置された流出頂点356および流入頂点358を含む、軸方向に延在する楕円形形状を有することができる。各第1のセル339は、第1のセル339の外側周辺部内に配置されたそれぞれの第2のセル340をさらに備えることができる。第2のセル340は、楕円の短軸頂点に配置された近位接合部320aおよび遠位接合部320bを含む、円周状に延在する楕円形形状を有することができる。楕円形として図示されているが、セル338のいずれも、様々な他の形状のうちのいずれか、例えば、六角形、三角形、涙滴形、長方形、正方形、小判型等を有することができることが理解される。
【0274】
述べられるように、フレームは、複数の近位ポスト335および遠位ポスト336を含む、複数の軸方向に延在する支柱またはポストを備えることができる。近位ポスト335(図示した実施例では上方ポストとして示されている)は、弁流出端312へと延在することができ、また遠位ポスト336(図示した実施例では下方ポストとして示されている)は弁流入端314へと延在することができる。一対の近位ポストおよび遠位ポストについて、各近位ポスト335は、対応する遠位ポスト336と軸方向に整列することができる。近位ポスト335および遠位ポスト336の1つ以上の対は、アクチュエータ360として構成することができる。弁フレーム316は、隣接する円周状に配置される第1のセル339の各対の間に配置される追加的な軸方向支持ポスト334をさらに備えることができ、またアクチュエータ360は、第1のセルおよび第2のセルを通って、頂点356、358および弁フレーム接合部320a、320bを通して延在し、かつそれらに連結するように配置することができる。軸方向支持ポスト334は、湾曲した支柱325、327、329、333を介して一緒に連結することができる。
【0275】
各第1のセル339は、弁フレームの流出横木324の2つの湾曲した支柱325と、弁フレームの流入横木332の2つの湾曲した支柱333とによって形成される。各湾曲した支柱325は、一方の端でアクチュエータ360の近位ポスト335へと連結し、またもう一方の端で軸方向支持ポスト334へと連結する。各湾曲した支柱333は、一方の端でアクチュエータ360の遠位ポスト336へと連結し、また、もう一方の端で軸方向支持ポスト334へと連結する。
【0276】
各第2のセル340は、弁フレームの第1の中間横木326の2つの湾曲した支柱327と、弁フレームの第2の中間横木328の2つの湾曲した支柱329とによって形成される。湾曲した支柱327の下方端/遠位端、および湾曲した支柱329の上方端/近位端は、軸方向支持ポスト334へと接続することができる。湾曲した支柱327の上方端/近位端は、それぞれのアクチュエータ360の近位ポスト335へと接続することができる。湾曲した支柱329の下方端/遠位端は、それぞれのアクチュエータ360の遠位ポスト336へと連結することができる。
【0277】
各近位ポスト335は、それぞれ第1のセルの対および第2のセルの対の流出頂点356および近位接合部320aを通して延在し、かつそれらに連結することができる。各遠位ポスト336は、それぞれ第1のセルの対および第2のセルの対の流入頂点358および遠位接合部320bを通して延在し、かつそれらに連結することができる。図示した実施例では、弁フレーム316は、円周状に一列に延在する6つの第1のセル339を備え、各第1のセル339内に第2のセル340を有し、また6対の近位ポスト335および遠位ポスト336は、それぞれセル339、340の対へと連結している。しかしながら、他の実施例では、弁フレーム316は、列内に、より多いまたはより少ない数の第1のセル339を備えることができ、また対応して、より多いまたはより少ない数の第2のセル340および/またはポスト335、336の対を備えることができる。
【0278】
一部の実施例では、ポスト335、336の各対は、アクチュエータ360として構成することができる。例えば、図示した実装では、6つのポストの対335、336の各々は、アクチュエータ360として構成される。他の実施例では、ポストの対335、336のすべてがアクチュエータである必要はない。ポストの対335、336がアクチュエータとして構成される場合、ねじ付きロッド362は、339、340の対の各ポストを通して延在して、フレーム310の半径方向の圧縮および拡張を生じさせる。遠位ポスト336は、その近位端部分に配置され、かつねじ付きロッド362を係合するように構成されるねじ付きナット364を備えることができる。ねじ付きロッド362の第1の方向(例えば時計回り)での回転は、近位ポスト335および遠位ポスト336の相互に向かう対応する軸方向移動を生じ、弁フレーム316を拡張することができ、またねじ付きロッド362の第2の方向(例えば、反時計回り)での回転は、近位ポスト335および遠位ポスト336を相互から離れるように対応する軸方向移動を生じ、フレームを圧縮する。弁フレーム316が圧縮された状態から拡張した状態へと移動するにつれて、近位ポスト335と遠位ポスト336との間の間隙を狭くすることができる。
【0279】
ねじ付きロッド362は、軸方向に離隔した場所(弁流出端312および弁流入端314)において弁フレーム316へと固定されているので、ねじ付きロッド362を回転させることは、流出端312と流入端314との相互に対する軸方向移動を生じて、弁フレーム316の半径方向の拡張または圧縮を生じる。例えば、流出端312および流入端314を相互に向かって移動することは、弁フレーム316を軸方向に短縮させ、かつ半径方向に拡張させる。
【0280】
図17Bに示すように、軸方向支持ポスト334は、長軸方向に延在することができ、またその近位部分において、交連ウィンドウ322などの交連支持部材を含むことができる。各軸方向支持ポスト334はまた、弁流入端314に向かって延在することもでき、そして外側スカート344の部分が半径方向内向きに延在するのを防止または軽減する役割も果たすことができる。軸方向支持ポスト334の遠位部分は、内側スカート342および/または外側スカート344の部分を連結することができる支持体としてさらに役割を果たすことができる。
【0281】
述べられるように、図17Bは、弁フレーム316の片側のみを示す。交連ウィンドウ322を備える1つの軸方向支持ポスト334のみが図17Bに示されているが、注目すべきは、弁フレーム316は任意の数の軸方向支持ポスト334を備えることができ、任意の数の軸方向支持ポストが交連ウィンドウ322を備えることができることである。例えば、弁フレーム316は6つの軸方向支持ポスト334を備えることができ、そのうちの3つは交連ウィンドウ322も含む。一部の実装では、例えば、弁フレームは、1つ、2つ、3つ、または4つの交連ウィンドウを備えることができる。
【0282】
送達装置12は、人工弁310へと取り外し可能に連結することができる複数の作動アセンブリ40を含む。例えば、各作動アセンブリ40は、人工弁310のそれぞれのアクチュエータ360に連結することができる。各作動アセンブリ40は、支持管またはスリーブ44と、スリーブ44の管腔を通して延在するドライバ42と、を備えることができる。作動アセンブリは、外側シャフト20または送達シャフト28の1つ以上の管腔内に少なくとも部分的に半径方向に配置され、かつ1つ以上の管腔を通して軸方向に延在することができる。
【0283】
各ねじ付きロッド362は、それぞれの作動アセンブリ40へと取り外し可能に連結されるように構成された頭部部分(図示せず)を含むことができる。ねじ付きロッド362の頭部部分は、弁流出端312に当接し、また、例えば、弁フレーム316の半径方向の拡張中に、遠位に方向付けられた力を近位ポストへと加えるために使用することができる。スリーブ44およびドライバ42の遠位端部分は、ねじ付きロッド362および/または弁フレーム316の近位端(例えば、流出端)と係合または当接するように構成することができる。スリーブ44およびドライバ42の近位部分は、送達装置12のハンドル30に動作可能に連結することができる。ハンドル30は、ドライバ42の回転を引き起こすように動作することができ、これはねじ付きロッド362の対応する回転へと変換される。ねじ付きロッド362の回転は、相互に対して弁流入端314および弁流出端312の軸方向移動を引き起こして、弁フレーム316の半径方向の拡張(または圧縮)を引き起こす。
【0284】
人工弁310が患者の体内の選択された移植部位において移植されるとき、患者の天然の解剖学的構造(例えば、天然の大動脈弁輪)は、弁フレーム316を圧縮する傾向があることになる人工弁310に対抗して半径方向の力を加える場合がある。しかしながら、ねじ付きロッド362のねじ付きナット364との係合は、こうした力が弁フレーム316を圧縮するのを防止し、それによってフレームが所望の半径方向に拡張した状態に係止されたままになることを確実にする。
【0285】
図19は、例えば、図20に示す、弁アセンブリ300を形成するために人工弁310へと連結することができる、弁尖係合フレーム370の実施例を示す。弁尖係合フレーム370は、弁尖係合フレーム170について上述した様々な実施例と同様とすることができ、また複数の遠位に延在する角度付きスパイク386が提供された、少なくとも1つの支柱の横木を備えることができる。一部の実施例では、弁尖係合フレーム370は、遠位に延在する角度付きスパイク386とは反対向きに、近位に延在する角度付きスパイク388が提供された別の支柱の横木をさらに備える。
【0286】
弁尖係合フレーム370は、環状形状に構成された複数の係合フレームの支柱374を備える。係合フレームの支柱374は、少なくとも1つの横木を画定し、これは、弁尖係合フレーム370の近位端または流出端において複数の第1の湾曲した支柱377によって画定される係合フレームの第1の横木376と呼ぶことができる。第1の湾曲した支柱377は、半径方向外向きかつ遠位方向(すなわち、流入端の下向きまたは流入端に向かって)に延在する遠位に延在する角度付きスパイク386を備え、また遠位に延在する角度付きスパイク186について上述される任意の実施例と同一とすることができる。
【0287】
図19に示す弁尖係合フレーム370の実施例は、円周状に延在する第1の湾曲した支柱377の係合フレームの第1の横木376と、円周状に延在する第2の湾曲した支柱379の係合フレームの第2の横木378とを備える。係合フレームの支柱374は、係合フレームセル372の単一の列を集合的に画定する。
【0288】
一部の実施例では、係合フレームの第1の横木376は、遠位に延在する角度付きスパイク386のみを含み、また近位方向など、他の向きに延在する任意の他のスパイクを欠いている。一部の実施例では、弁尖係合フレーム370の湾曲した支柱の単一の横木、すなわち、係合フレームの第1の横木376は、複数の遠位に延在する角度付きスパイク386を含む。一部の実施例では、弁尖係合フレーム370は、係合フレームの第1の横木376に対して遠位に、湾曲した支柱の別の横木をさらに含み、近位に延在する角度付きスパイク188について上述される任意の実施例と同一とすることができる複数の近位に延在する角度付きスパイク388が提供される。例えば、図19に図示した弁尖係合フレーム370は、第1の横木376の第1の湾曲した支柱377から延在する遠位に延在する角度付きスパイク386と、第2の横木378の第2の湾曲した支柱379から延在する近位に延在する角度付きスパイク388とを備える。
【0289】
図20は、人工弁310の外側に据え付けられ、一緒に弁アセンブリ300を形成する、弁尖係合フレーム370を示す。弁尖係合フレーム370は、係合フレームの第1の横木376および第2の横木378の湾曲した支柱が、それぞれ、弁フレームの第1の中間横木326および第2の中間横木328の湾曲した支柱と整列するように構成される。これは今度は、係合フレームセル372の単一の列が、人工弁310の第2のセル340の列と整列することをもたらす。弁尖係合フレーム370は、弁尖係合フレーム170を人工弁110へと連結するための実施例のうちのいずれか1つに記述されるのと同じ様態で、人工弁310へと連結することができる。
【0290】
一部の実施例では、図20にさらに示すように、外側スカート344は、外側スカート流出端346が、遠位に延在する角度付きスパイク386および近位に延在する角度付きスパイク388の両方に対して遠位にあり、一方で外側スカート流入端348が、弁流入端314までずっと延在することができるように、弁尖係合フレーム370の外面の周囲に配置される。
【0291】
図21A図21Cは、弁アセンブリ300などの弁アセンブリ300の移植中に天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げるための例示的な方法の段階を示す。簡単のために、内側スカートまたは外側スカートは示されていない。弁アセンブリ300は、弁アセンブリ300を天然の心臓弁輪内に送達、位置付け、および固定するために使用することができる、送達装置12へと連結することができる。図示した移植手技では、弁アセンブリ300は、経大腿動脈送達アプローチを使用して、天然の大動脈弁輪52内に移植される。他の実施例では、弁アセンブリ300は、他の場所(例えば、僧帽弁、三尖弁、および/または肺動脈弁)に、以前に移植された人工弁内(すなわち、ViV手技中に)に、かつ/または他の送達アプローチ(例えば、経心尖、経大動脈、経中隔など)を使用して移植することができる。
【0292】
弁アセンブリ300は、上述のように、送達装置12の作動アセンブリ40へと取り外し可能に連結され、そして患者の血管系を通して移植部位(例えば、大動脈弁輪)に向かって圧縮された状態で前進することができる。図21Aに示すように、弁アセンブリ300が大動脈弁輪52内またはそれに隣接して配置されるとき、作動アセンブリ40は、上述のように、人工弁310を、それへと連結された弁尖係合フレーム370と共に、捲縮状態から半径方向に拡張するために利用することができる。
【0293】
弁アセンブリ300が天然の弁尖58に対抗して拡張すると、近位に延在する角度付きスパイク388は、それらの基部部分において弁尖58と係合し、これは、天然の弁尖58の場合、大動脈弁輪52により近い弁尖の一部分になることができ、またはViV手技については、それらが以前に移植された人工弁のフレームに取り付けられる波形線により近い弁尖の一部分になることができる。一部の実施例では、近位に延在する角度付きスパイク388は、それらの遠位領域または基部領域において天然の弁尖またはホストの弁尖の組織の中へと貫通する。一部の実施例では、近位に延在する角度付きスパイク388は、大動脈弁輪52などの心臓弁輪に係合する(すなわち、その中への貫通を有して、または有しないで、対抗して押される)。
【0294】
対照的に、遠位に延在する角度付きスパイク386は、弁尖の自由端により近い上方部分または近位部分において弁尖58と係合する。一部の実施例では、遠位に延在する角度付きスパイク386は、それらの近位領域または上方領域において天然の弁尖またはホストの弁尖の組織の中へと貫通する。
【0295】
図21Aは、部分的に拡張した状態にある弁アセンブリ300を示し、近位に延在する角度付きスパイク388は、天然の弁尖58の基部部分と係合し、一方で遠位に延在する角度付きスパイク386は、それらの自由端により近い、弁尖58の上方部分と係合する。遠位に延在する角度付きスパイク386および/または近位に延在する角度付きスパイク388のいずれかの天然の弁尖またはホストの弁尖との係合は、弁アセンブリ300の部分的に拡張した状態で開始するが、遠位に延在する角度付きスパイク386および/または近位に延在する角度付きスパイク388の各々は、異なる部分的な拡張直径において係合を開始することができる。
【0296】
一部の実施例では、近位に延在する角度付きスパイク388は、遠位に延在する角度付きスパイク386と弁尖の上方部分との係合の前に、天然の弁尖もしくはホストの弁尖または包囲する弁輪と係合することができる。一部の実施例では、近位に延在する角度付きスパイク388は、遠位に延在する角度付きスパイク386と弁尖の上方部分との係合の後に、天然の弁尖もしくはホストの弁尖または包囲する弁輪と係合することができる。一部の実施例では、近位に延在する角度付きスパイク388は、天然の弁尖もしくはホストの弁尖または包囲する弁輪と係合することができ、同時に、遠位に延在する角度付きスパイク386は、弁尖の上方部分と係合することができる。
【0297】
人工弁310の機能サイズへの弁アセンブリ300のさらなる拡張は、天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げる機能を果たす。図21Bは、作動アセンブリ40のドライバ42を介してアクチュエータ360のねじ付きロッド362へとさらなる回転移動を適用することによって、完全に拡張された弁アセンブリ300を示す。人工弁の機能的直径へのこの拡張中に、弁フレーム316および弁尖係合フレーム370の両方は、軸方向で短縮され、これにより、遠位に延在する角度付きスパイク386を有する係合フレームの第1の横木376によって画定される、弁尖係合フレーム370の流出端は、弁尖係合フレーム370の場合、係合フレームの第2の横木378によって画定される、弁尖係合フレーム370の流入端に向かって遠位に近似される。近位に延在する角度付きスパイク388は、弁尖係合フレーム370の流入端を比較的一定の位置に保持する反力を提供する機能を果たし、遠位に延在する角度付きスパイク386が遠位に移動し、そしてそれと共に天然の弁尖またはホストの弁尖の上方部分を抑えることを可能にし、それによって、それらを遠位/下向きに、かつ冠動脈60、62の心門から離れるように折り曲げる。
【0298】
弁アセンブリ300の選択された直径に到達すると、作動アセンブリ40は、アクチュエータ360から連結を外すことができ、次いで、図21Cに示すように、左心室50から大動脈54の中への血流を調節するために、弁アセンブリ300を大動脈弁輪52内に残して、送達装置12を患者の身体から引き抜くことができる。図21Cにさらに示すように、移植された弁アセンブリ300の周囲の天然の弁尖またはホストの弁尖は、冠動脈60、62の心門の妨害を回避するために折り曲げられたままである。
【0299】
人工弁310の一部の設計では、図17A図19全体を通して図示するように、第2のセル340は、バルーン拡張可能な弁または図1A図1Bに図示した人工弁110などの他のタイプの人工弁のある特定の設計のセルより比較的大きくすることができる。こうした設計では、弁フレーム316の第2のセル340と整列する係合フレームセル372を画定する弁尖係合フレーム370は、弁拡張中により大きい短縮を経験する場合があり、有利なことに、遠位に延在する角度付きスパイク386および近位に延在する角度付きスパイク388をより大きい軸方向距離に沿って相互に対して近似し、それによって、天然の弁尖またはホストの弁尖をより長い経路にわたって折り曲げ、それらを冠動脈の心門からさらに離れるように遠ざけることを潜在的にもたらす。
【0300】
図22は、単一の横木支柱のみ、すなわち、遠位に延在する角度付きスパイク386を備える係合フレームの第1の横木376を含み、かつ近位に延在する角度付きスパイク388を欠いている、上述の弁尖係合フレーム170といくらか同様である弁尖係合フレーム370の別の実施例を示す。
【0301】
図23は、係合フレームの第1の横木376の第1の湾曲した支柱377が弁フレームの第1の中間横木326の湾曲した支柱327と整列するように、弁フレーム316に連結された弁尖係合フレーム370を備える弁アセンブリ300の実施例を示す。一部の実施例では、図23にさらに示すように、外側スカート流出端346は、遠位に延在する角度付きスパイク386に対して遠位であり、一方で、外側スカート流入端348は、弁流入端314に向かってずっと延在することができる。
【0302】
近位に延在する角度付きスパイク388がない場合、送達装置は、図15A図15Dと併せて記述されたものと同様な様態で、変更すべきところは変更して適正な位置付けおよび弁尖の折り曲げを支援するために利用されてもよい。弁アセンブリ300は、図21A図21Cと併せて上述したのと同じ様態で、送達装置12によって移植部位に向かって運ぶことができる。弁アセンブリ300が大動脈弁輪52内またはそれに隣接して配置されるとき、作動アセンブリ40は、人工弁310を、それへと連結された弁尖係合フレーム370と共に、捲縮状態から半径方向に拡張するために利用することができる。
【0303】
遠位に延在する角度付きスパイク386が弁尖と係合すると、送達装置12は、弁アセンブリ300のこの部分的に拡張した状態で、弁アセンブリ300を遠位に(例えば、左心室50に向かって)押すために利用される。弁アセンブリ300全体のこの遠位の変位は、それと共に天然の弁尖の流入端を、冠動脈60、62の心門から離れるように、同じ方向に運ぶ。天然の弁尖またはホストの弁尖が所望により位置付けられると、弁アセンブリ300は、その最終的な機能的直径へとさらに拡張することができ(例えば、ドライバ42を介してねじ付きロッド362へとさらなる回転移動を適用することによって)、その後、作動アセンブリ40をアクチュエータ360から連結を外すことができ、次いで、天然の弁尖を冠動脈の心門から離れるように折り曲げた、適所に移植された弁アセンブリ300を残して、送達装置12を患者の身体から引き抜くことができる。
【0304】
一部の実施例では、弁尖係合フレームの代わりに、天然の弁尖またはホストの弁尖の上方部分と係合するように構成された、人工弁の単一の横木の周囲に巻かれた少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤ486を含む、弁アセンブリ400が提供される。一部の実施例では、弁アセンブリ400は、近位弁尖係合ワイヤを有する横木に対して遠位にある、人工弁の別の単一の横木の周囲に巻かれた少なくとも1つの遠位弁尖係合ワイヤ488をさらに備える。
【0305】
図24は、弁フレームの第1の中間横木326の湾曲した支柱327の周囲に巻かれた少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤ486と、弁フレームの第2の中間横木328の湾曲した支柱329の周囲に巻かれた少なくとも1つの遠位弁尖係合ワイヤ488とを有する人工弁310を備える、弁アセンブリ400の実施例を示す。簡単のために、弁尖またはスカートなどの弁アセンブリ400の軟質構成要素は、図24では図示しない。
【0306】
一部の実施例では、弁アセンブリ400は、弁フレームの第1の中間横木326などの横木全体の周囲に連続的な様態で巻かれた単一の近位弁尖係合ワイヤ486を備えることができる。他の実施例では、弁アセンブリは、各々が第1の中間横木326の別個の湾曲した支柱327の周囲に巻かれた複数のワイヤ486などの、各々が横木の1つ以上のセクションの周囲に巻かれた、複数の近位弁尖係合ワイヤ486を備えることができる。
【0307】
一部の実施例では、弁アセンブリ400は、フレームの第2の中間横木328などの横木全体の周囲に連続的な様態で巻かれた単一の遠位弁尖係合ワイヤ488を備えることができる。他の実施例では、弁アセンブリは、各々が第1の中間横木326の別個の湾曲した支柱327の周囲に巻かれた複数のワイヤ488などの、各々が横木の1つ以上のセクションの周囲に巻かれた、複数の遠位弁尖係合ワイヤ488を備えることができる。
【0308】
近位弁尖係合ワイヤ486および/または遠位弁尖係合ワイヤ488のいずれかの巻きは、それらの間に溝を形成するように、湾曲した支柱に沿って相互から離隔することができる。それ故に、弁アセンブリ400が半径方向に拡張するとき、天然の弁尖またはホストの弁尖は、溝の中へと半径方向に延在して、それらの間の係合接触を増加させることができる。
【0309】
近位弁尖係合ワイヤ486は、弁アセンブリ400がそれらに対抗して部分的に拡張されたときに、包囲する天然の弁尖またはホストの弁尖と係合するように構成され、また弁アセンブリ400のさらなる拡張中に、弁尖との係合を保持し、これにより天然の弁尖またはホストの弁尖の係合した部分、(例えば、流出部分)は、弁アセンブリ400の外側で滑らないことになるが、むしろ、弁アセンブリ400の短縮中に係合ワイヤ486と共に抑えられ、弁尖を冠動脈心門から離れるように折り曲げることを可能にすることになる。それ故に、近位弁尖係合ワイヤ486は、単に、移植後のその最終的な拡張した状態で弁の十分な保持力を提供する様態で、包囲する組織と接触する場合がある摩擦要素として設計されるだけでなく、むしろ、弁アセンブリの半径方向拡張中に、包囲する弁尖の流出部分を軸方向で抑えることになる、著しくより大きい摩擦相互作用として設計される。
【0310】
遠位弁尖係合ワイヤ488は、存在する場合、天然の弁輪または天然の弁尖もしくはホストの弁尖の基部と係合し、また弁アセンブリ400の流入部分がこれらの係合した基部部分から軸方向に滑って外れるのを防止する様態でこの係合を保持するように構成され、一方で、弁尖の流出部分は、弁アセンブリの半径方向の拡張中にこれらの基部部分に対抗して折り曲げられる。
【0311】
近位弁尖係合ワイヤ486および/または遠位弁尖係合ワイヤ488のうちのいずれかの様々な態様は、弁アセンブリ400の半径方向拡張中に天然の弁尖またはホストの弁尖との十分な係合を確実にするのに役立つように改変することができる。例えば、様々な材料のタイプ、剛直さ、幅、厚さだけでなく、巻きの量および密度ならびに巻かれるセルまたは支柱セクションの量および場所を含む、巻きの構成を選ぶことができる。
【0312】
一部の実施例では、近位弁尖係合ワイヤ486および/または遠位弁尖係合ワイヤ488は、金属ワイヤまたはケーブル(例えば、MP35N、ステンレス鋼、ニチノールなど)および/または高分子材料で作製することができる。一部の実施例では、近位弁尖係合ワイヤ486および/または遠位弁尖係合ワイヤ488は、包囲する組織との摩擦係合を増加させるように、それらの外面に沿ってテクスチャ加工することができる。
【0313】
近位弁尖係合ワイヤ486および遠位弁尖係合ワイヤ488は、上述のように、異なる役割を果たす必要があるため(すなわち、ワイヤ486は、弁尖の流出部分を軸方向で抑える必要があり、一方でワイヤ488は、弁アセンブリ400が軸方向に滑って外れるのを防止する必要がある)、各々を異なる材料で作製することができ、かつ/または異なる形状もしくは寸法(例えば、異なるテクスチャ)を有することができ、かつ/または各々は、それぞれの支柱の周囲を異なる構成(例えば、異なる巻きの密度およびこれに類するもの)で巻くことができる。
【0314】
一部の実施例では、外側スカート344は、外側スカート流出端346が近位弁尖係合ワイヤ486および遠位弁尖係合ワイヤ488の両方に対して遠位にあるように、弁フレーム316の外面の周囲に配置され、一方で、外側スカート流入端348は、弁流入端314までずっと延在することができる。
【0315】
弁アセンブリ400は、例えば、図21A図21Cと併せて記述される以下の工程によって、変更すべきところは変更して、移植手技の間、天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げるために利用することができる。
【0316】
図24に図示する弁アセンブリ400は、近位弁尖係合ワイヤ486および遠位弁尖係合ワイヤ488の両方を含むが、代替的な実施例では、弁アセンブリは、弁フレーム(例えば、弁フレームの第1の中間横木326)の単一の支柱の横木の周囲に巻かれた近位弁尖係合ワイヤ486のみを含むことができ、また遠位弁尖係合ワイヤ488または任意の他の支柱の横木の周囲に巻かれた任意の他のワイヤを欠いている。こうした実施例では、外側スカート流出端は、近位弁尖係合ワイヤ486に対して遠位にあり、一方で外側スカート流入端は、弁フレームの流入端に向かってずっと延在することができる。遠位弁尖係合ワイヤがない場合、送達装置は、弁アセンブリ300について上述したものと同様の様態で、変更すべきところは変更して、弁尖の適正な位置付けおよび折り曲げを支援するために利用されてもよい。
【0317】
図24に図示した弁アセンブリ400は、機械的に拡張可能な人工弁310の支柱の周囲に巻かれた近位弁尖係合ワイヤ486および遠位弁尖係合ワイヤ488を示すが、近位弁尖係合ワイヤ486、および任意選択で遠位弁尖係合ワイヤ488は、人工弁110などの他のタイプの人工弁と組み合わせて同様に使用することができることが理解される。こうした実施例(図示せず)では、近位弁尖係合ワイヤ486は、例えば、第1の中間横木126の角度付き支柱127の周囲に巻くことができる。加えて、遠位弁尖係合ワイヤ488は、近位弁尖係合ワイヤ486に対して遠位にある、1つの他の横木の支柱の周囲に任意選択で巻くことができる。一実施例では、遠位弁尖係合ワイヤ488は、弁フレームの流入横木132の角度付き支柱133の周囲に巻かれる。別の実施例では、遠位弁尖係合ワイヤ488は、弁フレームの第3の中間横木130の角度付き支柱131の周囲に巻かれる。また別の実施例では、遠位弁尖係合ワイヤ488は、弁フレームの第2の中間横木128の角度付き支柱129の周囲に巻かれる。任意のこうした構成では、外側スカート流出端146は、近位弁尖係合ワイヤ486に対して遠位にある。
【0318】
一部の実施例では、弁フレーム516と一体的に形成され、かつ人工弁510の角度付き支柱から直接的に延在する、遠位に延在する角度付きスパイク586、および任意選択で近位に延在する角度付きスパイク588を備える機械的に拡張可能な人工弁510が提供され、これにより人工弁は、弁アセンブリ300について上述したものと同様の様態で利用することができるが、弁尖係合フレームに結合されない。人工弁510は、人工弁310と他の点で同様であってもよく、同様の特徴を指す同様の参照番号を有し、そして簡潔性の目的で、さらに記述しない。
【0319】
図25は、弁フレームの第1の中間横木526の湾曲した支柱527から延在する複数の遠位に延在する角度付きスパイク586と、弁フレームの第2の中間横木528の湾曲した支柱529から延在する複数の近位に延在する角度付きスパイク588と、を備えることを除いて、人工弁310と同様とすることができる、人工弁510の実施例を示す。簡単のために、弁尖またはスカートなどの人工弁510の軟質構成要素は、図示しない。
【0320】
遠位に延在する角度付きスパイク586は、弁尖係合フレーム170の第1の横木376から延在する遠位に延在する角度付きスパイク386の任意の実施例について記述されるのと同じ様態で、弁フレームの第1の中間横木526から延在するように実装されてもよい。近位に延在する角度付きスパイク588は、弁尖係合フレーム370の第2の横木378から延在する近位に延在する角度付きスパイク388の任意の実施例について記述されるのと同じ様態で、弁フレームの第2の中間横木528から延在するように実装されてもよい。外側スカート544は、外側スカート流出端546が遠位に延在する角度付きスパイク586および近位に延在する角度付きスパイク588に対して遠位にあるように、弁フレーム516の外面の周囲に延在することができる(外側スカート544および外側スカート流出端546は、図25には示さないが、図1Aに示す外側スカート144および外側スカート流出端146とそれぞれ機能的に同様とすることができる)。
【0321】
人工弁510は、送達装置12によって送達することができ、かつ図21A図21Cと併せて上記に記述される同じ工程に従って、冠動脈の心門の妨害を防止するために天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げるように、変更すべきところは変更して移植することができる。
【0322】
別の実施例では、人工弁510は、弁フレームの第1の中間横木526から延在する遠位に延在する角度付きスパイク586を含むことができるが、弁フレームの第2の中間横木528(または弁フレーム516の任意の他の横木)は、延在する角度付きスパイク(または任意の他のスパイク)を欠いているままである。こうした実施例(図示せず)では、外側スカート流出端546は、遠位に延在する角度付きスパイク586に対して遠位とすることができる。このタイプの人工弁は、送達装置12によって送達することができ、また天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げで冠動脈の心門の妨害を防止するために、弁アセンブリ310について、変更すべきところは変更して上記に記述されるのと同じ工程に従って移植することができる。
【0323】
図17A図23全体を通して図示される人工弁310の実施例は、弁流出端312と弁流入端314との間の真ん中において第1のセル339内に位置付けられた第2のセル340を示す。一部の実施例では、第1の中間横木326の湾曲した支柱327の曲率は、流出横木324の対応する湾曲した支柱325の曲率と同一であり、また第2の中間横木328の湾曲した支柱329の曲率は、流入横木332の対応する湾曲した支柱333の曲率と同一である。一部の実施例では、弁フレーム316の周囲の任意の特定の円周の場所における、第1の中間横木326の各湾曲した支柱327と流出横木324のそれぞれの湾曲した支柱325との間の軸方向距離は、第2の中間横木328の湾曲した支柱329と、同じ円周の場所における流入横木332のそれぞれの湾曲した支柱333との間の軸方向距離と同一である。
【0324】
対照的に、図25に図示した人工弁510の実施例は、弁流出端512より弁流入端514に概して近い第2のセル540を示す。一部の実施例では、第1の中間横木526の湾曲した支柱527の曲率は、流出横木524の対応する湾曲した支柱525の曲率とは異なり、また第2の中間横木528の湾曲した支柱529の曲率は、流入横木532の対応する湾曲した支柱533の曲率とは異なる。一部の実施例では、弁フレーム516の周囲の任意の特定の円周の場所における、第1の中間横木526の各湾曲した支柱527と流出横木524のそれぞれの湾曲した支柱525との間の軸方向距離は、同じ円周の場所における、第2の中間横木528の湾曲した支柱529と流入横木532のそれぞれの湾曲した支柱533との間の軸方向距離より大きい。例えば、図示した実装では、湾曲した支柱527および529の各対が軸方向支持ポスト334と収束する接合部は、流入横木332の湾曲した支柱333が同じ軸方向支持ポスト334と収束する接合部に対して近接近の状態にある。
【0325】
一部の事例では、人工弁310などの人工弁のサイズ、および天然の解剖学的構造内のその位置は、移植されると弁フレームの第1の中間横木326を天然の弁尖またはホストの弁尖の流出領域に対して過度に近位に定置し、これは、弁尖のこれらの領域との不適切な係合をもたらす場合がある。こうした場合には、例えば、人工弁510の第2のセル540について示すように、第2のセルを弁流入端により近い位置へと下降させることは、半径方向の拡張中にそれらを折り曲げるための天然の弁尖またはホストの弁尖との適正な係合を確実にするために有利である場合がある。
【0326】
それ故に、一部の実施例では、弁アセンブリ300または400のうちのいずれかで利用される人工弁310の第2のセル340は、図25と併せて上述したように、弁の流入端のより近くに位置付けることができる。同様に、図23に図示する第2のセル540のより低い位置は、結合しておらず、そして他の実施例では、人工弁510は、図17A図23と併せて第2のセル340について上述したように、流入端および流出端の両方から等しく距離を置いて第1のセルの真ん中に位置付けられた第2のセルを含むことができることが理解される。
【0327】
人工弁移植手技における別の重要な因子は、人工弁を心臓弁の弁輪内に適切に位置付けることである。ほとんどの従来の移植手技は、蛍光透視法および/または超音波検査を使用して、展開の前に天然弁の弁輪内に人工弁を適切に位置付ける。こうした撮像モダリティは、外延的かつ複雑な機器を伴い、また一部の状況では、その精度に限界も有する場合がある。
【0328】
一部の実施例によると、遠位に延在する角度付きスパイクを有する弁尖係合フレームを含む、弁アセンブリ100、300、400などの弁アセンブリのうちのいずれかだけでなく、一体的に形成された遠位に延在する角度付きスパイクを含む、人工弁210または510などの任意の人工弁を利用して、天然の弁輪に対する人工弁の適正な位置付けを確認するために、ユーザーにフィードバックを提供することができる。
【0329】
例えば弁アセンブリまたは人工弁を、送達装置12によって移植部位へと運ぶことができ、そして上述の方法(送達装置12のバルーン26を膨張させること、または送達装置12の作動アセンブリ40を介した機械的拡張を含む)のうちのいずれかを利用して、遠位に延在する角度付きスパイク186、286、386、586のうちのいずれかを含み、かつ存在する場合、それぞれの近位に延在する角度付きスパイク188、288、388、588のうちのいずれかも含んでもよいスパイクが、天然の弁尖またはホストの弁尖へと係合する(すなわち、包囲する組織の中への貫通を伴うまたは伴わない接触)まで、部分的に拡張される。一部の事例では、スパイクは、天然の弁尖の石灰化した領域と係合することができる。
【0330】
スパイクの天然の弁尖またはホストの弁尖との係合によって作り出される触覚フィードバックを使用して、ユーザーは、人工弁の適正な位置付けを確認することができる。適正な位置決めが確認することで、ユーザーは、使用中の送達装置および人工弁のタイプに応じて、バルーンをさらに膨張する、または作動アセンブリをさらに動作して、天然弁の弁輪(またはViV手技については以前に移植された弁の中)の所望の位置への人工弁のさらなる拡張をもたらすことができる。
【0331】
一部の実装では、ユーザーは、蛍光透視法、心エコーなどの追加的な位置決め技法に依存してもよい。例えば、送達アセンブリの心臓の中への当初の前進中に、ユーザーは、蛍光透視、心エコー、および/または他の撮像方法を使用して、天然の弁輪または他の展開部位に対するカテーテル、人工弁、および/または位置決め要素の向きおよび位置の視覚的な確認を提供してもよい。ユーザーはまた、例えば、スパイクからの触覚フィードバックを使用して上述した人工弁の位置付け中に、位置決め要素によって提供される触覚フィードバックに加えて、送達システムの様々な要素の向きおよび位置の視覚的な確認を提供するために、蛍光透視、心エコー、および/または他の撮像方法も使用してもよい。それ故に、触覚フィードバックは、天然弁の弁輪に対するスパイク/人工弁の相対的な位置に対する別の重要な感覚的なキューをユーザーに提供する。
【0332】
一部の実装形態では、本明細書上記に開示される人工弁および/または人工装具アセンブリのうちののいずれかの遠位に延在するスパイクおよび/または近位に延在するスパイクのうちのいずれかは、必ずしも角度付けられておらず、角αおよび/または角βが0度であり、これにより、対応するスパイクが環状表面175と同一平面上にあることを意味する。こうした角度が付いていないスパイクと包囲する解剖学的構造(例えば、遠位に延在するスパイクの場合の天然の弁尖またはホストの弁尖、または近位に延在するスパイクに対する弁尖もしくは天然の弁輪の基部)の間の係合が、上述の方法のうちのいずれかによる弁尖の折り曲げを容易にするのに十分である事例では、こうした構成は、円筒状の金属片(または任意の他の関連する材料)から、支柱およびそこから延在する角度が付いていないスパイクをレーザー切断することなどの、より単純な製造技法を介して製造される利点を有してもよい。
【0333】
それ故に、弁アセンブリ100(弁アセンブリ100、100、100を含む)または300(弁アセンブリ300、300を含む)のうちのいずれか、および人工弁210(人工弁210、210、210を含む)または510のうちのいずれかは、角度付きまたは角度なしのいずれかとすることができる遠位に延在するスパイクであけでなく、角度付きまたは角度なしとすることができる近位に延在するスパイクも含むことができる。任意選択で角度が付いていないスパイクを除いて、こうした弁アセンブリまたは人工弁のうちのいずれかは、本明細書上記で記述される実施例のうちのいずれかとすべての他の点で同様であることになり、簡潔性のために、さらに記述しない。
【0334】
本明細書に記述される人工弁および/または弁尖係合フレームのうちのいずれかの任意の流入横木、流出横木、または中間横木を含む、本明細書全体を通して支柱の横木への任意の言及は、角度付き支柱または湾曲した支柱とすることができるが、軸方向支柱ではない、一連の相互接続された支柱を含む列を指す。
【0335】
一部の実施例では、弁アセンブリ600は、その流出頂点において厳密に3つのセルおよび3つの遠位に延在するフックを含む、人工弁および弁尖係合フレームを備える。一部の実施例では、弁尖係合フレームは、その流入頂点において3つの近位に延在する角度付きスパイクをさらに含む。
【0336】
図26は、一部の実施例による、弁尖係合フレーム670を示す。弁尖係合フレーム670は、係合フレームの第1の横木676の第1の支柱677および係合フレームの第2の横木678の第2の支柱679などの、交差する係合フレームの支柱674によって画定される3つの拡大された係合フレームセル672を含む。第1の支柱677および第2の支柱679は、比較的真っ直ぐな角度付き支柱または湾曲した支柱のいずれかとすることができる。各係合フレームセル672は、2つの第1の支柱677の上端の収束によって画定される係合フレーム流出頂点692と、2つの第2の支柱679の下端の収束によって画定される係合フレーム流入頂点694との間に延在する。3つのセル672は、第1の支柱677の下端および第2の支柱679の上端の収束によって画定される、係合フレーム中間接合部690において相互に接続される。
【0337】
図26でさらに示すように、弁尖係合フレーム670は、係合フレーム流出頂点692から延在する3つの遠位に延在するフック686を備える。各遠位に延在するフックは、対応する流出頂点692へと一端で接続された逆U字形状の湾曲した部分696と、対応する流出頂点692から半径方向に離れるように位置付けられ、かつ遠位/下向きに向けられた反対側の自由端698とを含むことができる。遠位に延在するフック686は、弁アセンブリ600が部分的に拡張した状態へと拡張されたときに、1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖の近位端を湾曲した部分696内に捕捉し、そして弁アセンブリ600がさらに拡張したときに、捕捉した天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される。
【0338】
一部の実施例では、図26にも示すように、弁尖係合フレーム670は、近位にかつ係合フレーム流入頂点694から半径方向に離れるように延在する近位に延在する角度付きスパイク688を備える。係合フレーム流入頂点694の向きを含む全体的な特性は、近位に延在する角度付きスパイク188について上述した実施例と同様とすることができる。しかしながら弁尖係合フレーム670は、弁尖係合フレーム170の支柱から延在することができる著しくより大きい数の近位に延在する角度付きスパイク188と比較して、3つの係合フレーム流出頂点692から延在する3つの近位に延在する角度付きスパイク688のみを含むため、近位に延在する角度付きスパイク688は、天然の弁尖またはホストの弁尖の天然弁輪または基部部分に対して、弁尖係合フレーム670を適所に保持する同様の機能を達成するように、複数の近位に延在する角度付きスパイク188より長く、より太く、かつ/またはより鋭利であってもよい。
【0339】
図27は、上述のような人工弁110と、それへと連結された弁尖係合フレーム670とを備える、弁アセンブリ600の一実施例を示す。示すように、人工弁110のセル138の各列は、弁尖係合フレーム670の3つのセル672と比較して、図示した実施例での12個のセルなどのより大きい数のセルを含むことができる。簡単のために、弁尖およびスカートなどの弁アセンブリ600の軟質構成要素は、図示しない。
【0340】
一部の実施例では、弁アセンブリ600は、3つの係合フレームセル672を含む弁尖係合フレーム670と、より大きい数のセルを有する、弁尖係合フレーム670がそれに対して連結される領域に沿って少なくとも1つの列を含む人工弁とを備える。一部の実施例によると、弁アセンブリ600は、12個のセルを有する(図27に図示する実施例でのように)、少なくとも1つの列を含む人工弁を備える。一部の実施例によると、弁アセンブリ600は、9個のセルを有する(図示せず)、少なくとも1つの列を含む人工弁を備える。一部の実施例によると、弁アセンブリ600は、6個のセルを有する(図29に図示する実施例でのように)、少なくとも1つの列を含む人工弁を備える。
【0341】
弁アセンブリ100または300を有する事例とは異なり、例えば、係合フレームの支柱174は、各フレームのセルおよび支柱の異なる数およびサイズに起因して、必ずしも人工装具フレームの支柱と整列しなくてもよい。一部の実施例では、弁アセンブリ600は、3つのセルの少なくとも1つの列も含む人工弁を備えることができる(実施例は図示せず)。こうした実施例は、係合フレームの支柱674を弁フレームの支柱と整列することができるように、弁尖係合フレーム670のものと同様のサイズおよび形状のフレームセルを含むことができる。別の方法として、こうした実施例は、弁尖係合フレーム670のセルとは異なるサイズまたは形状を有するフレームセルを含むことができ、これにより、たとえ各フレームが3つのセルの列を含むとしても、各フレームの支柱は必ずしも整列しない。
【0342】
弁尖係合フレーム170は、縫合糸または他の締結具を用いて弁フレームへと連結することができる。一部の実施例では、係合フレーム流出頂点692、係合フレーム流入頂点694、および係合フレーム中間接合部690は、人工弁の接合部(任意選択で、人工弁の頂点を含む)に連結され、こうした連結は、係合フレーム接合部190を弁フレーム接合部120へと連結するための上述の任意の実施例に従って達成することができる。
【0343】
図27に図示する実施例では、係合フレーム流出頂点692は、弁フレームの第1の中間横木126の角度付き支柱127の上端の収束によって画定される弁フレーム接合部120へと連結され、係合フレーム中間接合部690は、弁フレームの第3の中間横木130の角度付き支柱131の上端の収束によって画定される弁フレーム接合部120へと連結され、また係合フレーム流入頂点694は、弁フレーム116の流入頂点158へと連結される。一般に、人工弁のフレームの外側の係合フレーム流出頂点692の位置は、係合フレーム流出頂点692から延在する遠位に延在するフック686を、半径方向の拡張中に天然の弁尖またはホストの弁尖と適切に係合し、かつ折り曲げるレベルにおいて定置するように選ぶことができる。
【0344】
一部の実施例では、係合フレームの第1の横木676の第1の支柱677の長さと係合フレームの第2の横木678の第2の支柱679の長さは同一ではない。例えば、図27に図示する第2の支柱679は、第1の支柱677より長い。係合フレームセル672のこの非対称形状は、弁フレーム116の中間列のセルより高いセルの下方列を装備した人工弁110と組み合わせて使用される場合に必要とされる場合がある。
【0345】
図28A図28Bは、弁アセンブリ600などの弁アセンブリ600の移植中に天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げるための例示的な方法の段階を示す。弁アセンブリ600は、図9A図9Dと併せて上述したのと同じ様態で、送達装置12の外側で移植部位に向かって運ぶことができる。簡単のために、膨張可能なバルーンを含む送達装置12は図示していない。図28Aは、遠位に延在するフック686が天然の弁尖またはホストの弁尖の近位端に接触し、そして近位に延在する角度付きスパイク688が天然の弁尖またはホストの弁尖(または大動脈弁輪)の基部と係合する(例えば、その中へと貫通する)ように、部分的に拡張した状態にある弁アセンブリ600を示す。
【0346】
人工弁110の機能サイズへの弁アセンブリ600のさらなる拡張は、天然の弁尖またはホストの弁尖を折り曲げる機能を果たす。図28Bは、完全に拡張した弁アセンブリ600を示す。人工弁の機能的直径へのこの拡張の間、弁フレーム116および弁尖係合フレーム670の両方は、軸方向で短縮され、これにより、係合フレーム流出頂点692は、係合フレーム流入頂点694に向かって遠位に移動する。
【0347】
近位に延在する角度付きスパイク688は、弁アセンブリ600の半径方向の拡張の間、大動脈弁輪52に対して(または、ViV手技については、ホストの弁尖がそれに沿って以前に移植された弁のフレームに取り付けられる波形線に対して)軸方向位置に保持され、これは、遠位に延在するフック686が遠位に移動し、かつ、天然の弁尖またはホストの弁尖の近位端を、スパイクによって抑え、それによって弁尖を遠位/下方におよび冠動脈60、62の心門から離れるように折り曲げることを可能にする。
【0348】
弁アセンブリ600の選択された直径に到達すると、送達装置12は、連結を外し、そして左心室50から大動脈54の中への血流を調節するために、弁アセンブリ600を大動脈弁輪52内に残して、患者の身体から引き抜くことができる。移植された弁アセンブリ600の周囲の天然の弁尖またはホストの弁尖は、遠位に延在するフック686で冠動脈60、62の心門の遠位に保持され、それ故に、天然の弁尖58が冠動脈入口を完全にまたは部分的に覆う可能性を低減する。天然の弁尖58は、弁の弁尖152の近位端の遠位に変位していてもよい。移植に伴い、弁の弁尖152は、天然の弁尖58に対する人工装具の置き換えとして動作する。
【0349】
一部の実施例では、弁尖係合フレーム670は、いかなる近位に延在する角度付きスパイクも有しないで、遠位に延在するフック686のみを含むことができる(実施例は図示せず)。近位に延在する角度付きスパイク688がない場合、送達装置は、図15A図15Dと併せて記述されたものと同様な様態で、変更すべきところは変更して適正な位置付けおよび弁尖の折り曲げを支援するために利用されてもよい。弁アセンブリ600は、図28Aと併せて上述したのと同じ様態で、送達装置12によって移植部位に向かって運び、そして部分的に拡張することができる。
【0350】
遠位に延在するフック686が弁尖の近位端と接触すると、送達装置12を利用して、弁アセンブリのこの部分的に拡張した状態で弁アセンブリ600を遠位に押すことができる。弁アセンブリ600全体のこの遠位の変位は、それと共に天然の弁尖の近位端を、冠動脈60、62の心門から離れるように、同じ方向に運ぶ。天然の弁尖またはホストの弁尖が所望により位置付けられると、弁アセンブリ600は、その最終的な機能的直径へとさらに拡張することができ、その後、送達装置12は、天然の弁尖が冠動脈の心門から離れるように折り曲げられた状態で適所に移植された弁アセンブリ600を残して、連結を外すことができ、また患者の身体から引き抜くことができる。
【0351】
図29は、上述のような機械的に拡張可能な人工弁310と、それへと連結された弁尖係合フレーム670とを備える、弁アセンブリ600の別の実施例を示す。示すように、人工弁310は、6つの第1のセル339の列内に含有される6つの第2のセル340の列を含むことができ、一方で、弁尖係合フレーム670は、3つのセルを含む。簡単のために、弁尖およびスカートなどの弁アセンブリ600の軟質構成要素は、図示しない。
【0352】
この実施例では、係合フレーム流出頂点692は、弁フレームの流入横木332の湾曲した支柱325の下端と軸方向支持ポスト334との収束を画定する接合部において弁フレームへと連結され、係合フレーム中間接合部690は、弁フレームの第1の中間横木326の湾曲した支柱327の下端と軸方向支持ポスト334との収束を画定する接合部において連結され、そして係合フレーム流入頂点694は、軸方向支持ポスト334を有する弁フレームの流入横木332の湾曲した支柱333の上端の収束を画定する接合部において弁フレームへと連結される。弁尖係合フレーム670の実施例とは異なり、係合フレームの第1の横木676の第1の支柱677の長さは、係合フレームの第2の横木678の第2の支柱679の長さと等しい。
【0353】
弁アセンブリ600の移植は、図21A図21Cと併せて上述したのと同じ様態で、変更すべきところは変更して。手技の間に送達装置12を利用することができることを除いて、図28A図28Bと併せて上述のものと同様とすることができる。同様に、図29では近位に延在する角度付きスパイク688を用いて図示しているが、弁アセンブリ600は、近位に延在する角度付きスパイクを欠いている弁尖係合フレーム670を備えることができ、これは、上述のように、弁尖の適正な位置決めおよび折り曲げを支援するために、変更すべきところは変更して送達装置を利用することによって同様に移植することができることが理解される。
【0354】
人工弁の一部のタイプの外側スカートは、血栓形成および組織成長のために利用可能な表面積を増加させるように構成された、フレームから半径方向外向きに延在して包囲する組織に接触することができる複数のより糸または繊維を含むことができる。図30は、外側スカート流出端146と外側スカート流入端148との間に延在する浮動繊維部分160を装備した外側スカート144を含むことを除いて、上述の人工弁110と同様とすることができる例示的な人工弁110を示す。一部の実装では、外側スカート140は、それぞれ、外側スカート流出端146および外側スカート流入端148から延在する流出織布部分147および流入織布部分149を含む。浮動繊維部分160は、流出織布部分147および流入織布部分149によって長軸方向軸と平行な方向に境界が付けられる、または縁が付けられるように、流出織布部分147と流入織布部分149との間に配置することができる。浮動繊維部分160は、半径方向外向きに湾曲して、「フワフワした」構成を形成する複数のフィラメント162を備えることができる。一部の実装では、フィラメントは、テクスチャ加工されたフィラメント162とすることができる。
【0355】
フィラメント162は、流出織布部分147と流入織布部分149との間に延在することができる。図示した実施例では、フィラメント162は、一方向にのみ(例えば、人工弁110の長軸方向軸に平行に)延在する。しかしながら、他の実施例では、フィラメント162は、ある角度で流出織布部分と流入織布部分との間に延在することができる。一部の実施例では、様々なフィラメント162が、様々な方向(例えば、様々な角度)のうちのいずれかで延在することができる。一部の実施例では、異なるフィラメント162は、異なる角度で延在することができる。例えば、フィラメント162の1つの群は第1の方向で延在することができ、一方でフィラメントの少なくとも1つの他の群は、第1の方向とは異なる第2の方向で延在することができる。任意の数のフィラメントまたはフィラメントの群は、相互に対して任意の数の異なる向きの方向に延在することができる。一部の実施例では、浮動繊維部分160は、フィラメント162の複数の層を含む(例えば、重なり合って)ことができる。
【0356】
ある特定の実施例では、浮動繊維部分160は、人工弁の半径方向に拡張した状態に対応する第1の、天然の、または弛緩した構成と、人工弁の半径方向に圧縮された状態に対応する第2の、細長い、または張力がかった構成との間で弾性的に伸縮可能とすることができる。一部の実施例では、追加的に、または代替的に、フィラメント162は、人工弁110が捲縮または半径方向に圧縮された構成にあるときに、弁フレーム116または弁フレームの周囲に配置された外側スカートの基層に当接するように、また人工弁110が拡張した構成にある(例えば、「フワフワした」構成を作り出すために)ときに、それらが外向きに湾曲して弁フレーム116から半径方向に離れるように延在するようにサイズ設定することができる。この構成は、人工弁110の周囲の組織内方成長を促進することができ、これは有利なことにPVLの減少をもたらすことができる。浮動繊維部分を作り出すための様々な織り方のパターンおよび技法に関連するさらなる詳細は、米国特許公開第2019/0192296号に開示されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0357】
繊維162は、PET、ナイロン、ePTFE、UHMWPEなどの様々な生体適合性熱可塑性ポリマー、または他の好適な天然繊維もしくは合成繊維のうちのいずれかを含むことができる。ある特定の実施例では、浮動繊維部分160は、織機で織ることができ、次いで、所望のサイズおよび構成を達成するために熱処理または熱硬化することができる。例えば、選択された材料に依存して、熱硬化が部分160を生じさせることができる。熱硬化はまた、テクスチャ加工されたフィラメント162のテクスチャ加工効果を引き起こす、またはテクスチャ加工の量を増加させることもできる。熱硬化はまた、ポリマー表面に血栓形成特性を誘発することもでき、これはPVL密封のために有益である場合がある。
【0358】
図31Aは、人工弁110の外側スカート146の浮動繊維部分160へと連結され、かつその周囲に配置された弁尖係合フレーム170を備える弁アセンブリ100の実施例を示す。図31Bは、図31Aの線31B-31Bに沿った断面図を示す。特定のタイプの弁尖係合フレーム170図31A図31Bに図示するが、任意の他のタイプの弁尖係合フレームを利用することができる。浮動繊維部分160に取り付けられた弁尖係合フレーム170は、係合フレームの支柱174の少なくとも1つの横木を含むことができ、そこから、鋭利な先端191で終結する複数のスパイク185が延在する。
【0359】
図示した実施例では、弁尖係合フレーム170は、弁尖係合フレーム170について上述した構成と同様の構成で、係合フレームセル172の単一の列を画定する係合フレームの第1の横木176および係合フレームの第2の横木178などの、2つの支柱の横木を含むことが示されている。主な違いは、遠位に延在するスパイクおよび近位に延在するスパイクの両方を含むことができるスパイク185は、必ずしも角度を付けられていないが、むしろ、係合フレームの支柱174によって画定される同じ平面(例えば、円周面)に沿って延在するように形成することができることであり、スパイク185の先端191を、例えば、弁フレーム116から半径方向に離れるように延在する代わりに、係合フレームの支柱174の同じ平面に沿って置くことができることを意味する。それにもかかわらず、他の実施例では、浮動繊維部分160の周囲に配置された弁尖係合フレーム170のスパイク185は、弁尖係合フレーム170、170、および170に関して上述したのと同じ様態で角度を付けることができる。
【0360】
弁尖係合フレーム170の支柱185は、係合フレームの第1の横木176から延在する遠位に延在するスパイク186および係合フレームの第2の横木178から延在する近位に延在するスパイク188を含むように示されているが、他の弁尖係合フレーム170、170、および170について上記に図示され、かつ記述された実施例とは異なり、第1の角度付き支柱177および第2の角度付き支柱179を含む係合フレームの支柱174のうちのいずれかは、第1の角度付き支柱177から任意選択で延在することができる近位に延在するスパイク188と、第2の角度付き支柱179から任意選択で延在することができる遠位に延在するスパイク186とを含む(構成は明示的に示されていない)を含む、そこから両方向に延在するスパイク185を含むことができることが理解される。さらに、弁尖係合フレーム170は、例えば、例示的な弁尖係合フレーム170について図示した4つの横木などの、係合フレームの支柱174の三つ以上の横木を含むことができる。こうした配設では、係合フレームの第2の横木および係合フレームの第3の横木(両方とも係合リングの第1の横木と係合フレームの第4の横木との間に配置される)などの中間横木は、必ずしもスパイクを欠いているわけではなく(例示的な弁尖係合フレーム170の事例のように)、むしろ近位方向および遠位方向の両方でそれらの支柱から延在することができるスパイク185も含むことができる。
【0361】
示すように、弁尖係合フレーム170は、浮動繊維部分160の外側、任意選択で外側スカート流出端146と流出スカート流入端148との間、および一部の実施例では、流出織布部分147と流入織布部分149との間に配置することができる。浮動繊維部分160のフィラメント162は、半径方向に拡張された構成では比較的緩い様態で半径方向外向きに湾曲しているため、フィラメントの部分は、係合フレームの支柱174と弁フレーム116との間で押しつぶすことができ、弁尖係合フレーム170の上方および下方だけでなく、係合フレームセル172の開口部を通して延在する部分などのフィラメントの残りの部分は、依然として、弁フレーム116から離れるように、かつ包囲する組織に向かって、半径方向外向きに膨らむ、または湾曲することができる。フィラメント162は、外側スカート144に沿ってやや緩い様態で延在するため、角度付きスパイクまたは平面内スパイクを含み、また近位または遠位方向での任意の向きを含む、任意の向きで延在するスパイク185は、鋭利な先端191が隣接するフィラメント162の間で間隔を置いて通過することができるため、外側スカート144を損傷するリスクを提起しない。
【0362】
弁アセンブリ100は、弁アセンブリ100、100、および100のうちのいずれかについて上述のように、ホストの弁尖を係合し、かつ下降または折り曲げるために任意選択で利用することができる一方で、弁アセンブリ100の別の任意選択での有利な利用は、天然組織に対する改善された固定のためであり、これは、比較的非狭窄の解剖学的構造を有する患者(慢性大動脈弁閉鎖不全または大動脈弁逆流を患う患者など)での重要性、および/または典型的な人工心臓弁のために十分な構造を提供しない移植場所(例えば、天然の僧帽弁または天然の三尖弁)における重要性が増加している可能性がある。こうした場合には、弁尖係合フレーム170のスパイク185は、弁アセンブリ100と天然組織との間の摩擦を増加させ、また天然組織に対する移動に抵抗するように構成することができる。
【0363】
上述のように、浮動繊維部分160のフィラメント162は、外側スカート144の表面積を増加させて血液凝固を改善するように設計される。フィラメント162がそれから形成される繊維は、フィラメント162とスカート144を通って流れる血液との間の細胞レベルで生物学的応答または相互作用を促進するようにサイズ設定することができる。例えば、血液細胞は典型的に、2μm~15μmのサイズの範囲である。例えば、赤血球の直径は典型的に、6μm~8μmの範囲であり、また血小板の直径は典型的に、2μm~3μmの範囲である。それ故に、血液細胞の直径(例えば、1μm~20μm)にほぼ一致するサイズ設定される直径を有する繊維を利用することは、細胞レベルでフィラメントと血液細胞との間の相互作用を促進することができる。
【0364】
外向きに湾曲したフィラメント162は、弁(例えば、弁と包囲する組織との間)を通り過ぎる血液の流れを妨害し、移植後に弁アセンブリ100を通り過ぎて漏れる血液の速度および体積を低減することができる。フィラメント162によって提供される流れの妨害は、外側スカート144の近くの血液の滞留時間を増加させることができる。これは、上述の繊維直径と一緒に、血栓形成を誘発し、またスカートと包囲する組織との間の密封を促進することができる。
【0365】
それにもかかわらず、血栓は、移植の瞬間から経過する特定の期間にわたって形成される場合があり、その間、PVL密封は不完全である場合がある。それ故に、こうした期間を最小へと低減することが望ましい場合があり、弁尖係合フレーム170のスパイク185は、鋭利な先端191と包囲する解剖学的構造との間の係合に起因して、包囲する組織に局所的な外傷を引き起こす。これは、スパイク185と包囲する組織との間の係合の部位に局所化された急速な生物学的応答を促進することができ、これは、外側スカート144のフィラメント162に沿った血栓形成の持続時間を著しく短縮することができる。それ故に、弁尖係合フレーム170と、浮動繊維部分160を装備した外側スカート144との組み合わせは、PVL密封を急速に増加させる様態で、フィラメント162の外側の生物学的応答および血栓形成を強化することができる。
【0366】
従来の人工弁110は、天然の大動脈弁輪52内など、多くの天然の心臓弁またはオリフィスの内側への定置のために適切にサイズ設定される場合がある。しかしながら、より大きい天然弁(例えば、三尖天然弁または僧帽天然弁)では、こうした従来の人工弁110は、より大きい弁輪の中へとに固定するためには小さすぎる場合がある。この場合、人工弁は、天然の弁輪の内側で十分に拡張し、かつ天然の弁輪に対して適切に密封するために十分に大きくなくてもよい。
【0367】
図32は、人工弁110のフレーム弁116へと連結され、かつその周囲に半径方向に配置される弁尖係合フレーム170を備える弁アセンブリ100の実施例を示す。人工弁110は、シールリング164を備える外側スカート144を含むことを除いて、図1A図1Bと併せて上述の人工弁110と同様とすることができる。シールリング164は、弁アセンブリ100が天然の弁輪内に移植されるとき、弁フレーム116と天然の弁輪との間に存在する場合があるいかなるギャップも完全に覆うようにサイズ設定されることが望ましい。
【0368】
外側スカート144は、シールリング164が取り付けられる弁フレーム116の周囲に配置される平坦な基層(図1Aに図示した外側スカート144と同様の様態で)をさらに含むことができ、または扁平な基層を含むことなくシールリング164のみを含むことができる。シールリング164は、弁フレーム116および/または人工弁110の内側スカート142へと連結(例えば、縫合)することができる。一部の実装形態では、示すように、シールリング164は、弁流入端114の周囲に配置することができる。
【0369】
弁アセンブリ100の弁尖係合フレーム170は、弁アセンブリ100と併せて上述した任意の実施例に従って形成することができ、これは、弁尖係合フレーム170、170、170、または170のうちの任意の1つとして実装されることによって、角度付きスパイクまたは平面内スパイクのいずれかとすることができる複数のスパイク185を有する、係合フレームの支柱174の任意の数の横木を含むことができ、また係合フレームの支柱174のうちのいずれかから任意の方向に突出することができることを意味することを含む。図示した実施例では、弁尖係合フレーム170は、係合フレームの支柱174のいくつかの横木を含むように示され、図示した実施例では中間横木を画定する支柱などの係合フレームの支柱174の少なくとも一部は、支柱の両側から延在するスパイク185を含むことができる。言い換えれば、弁アセンブリ100内に備えられる弁尖係合フレーム170は、図32の弁尖係合フレーム170の真ん中の横木の係合フレームの支柱174について図示するように、同じ係合フレームの支柱174の対向する縁から延在する、遠位に延在するスパイク186および近位に延在する支柱188の両方を任意選択で含むことができる。スパイクは、角度付きまたは角度を有しない(すなわち、弁アセンブリの中心軸に平行な方向に延在する)のいずれかとすることができる。
【0370】
一部の実装では、外側スカート144が、シールリング164が取り付けられる基層をさらに含む場合、弁尖係合フレーム170は、外側スカートのこの基層に取り付ける(例えば、縫合する)ことができる。代替的な実装では、弁尖係合フレーム170は、弁アセンブリ100、100、および100のうちのいずれかについて上述したのと同じ様態で、弁フレーム116に直接的に取り付けることができる。
【0371】
図33は、天然の僧帽弁70内に移植された弁アセンブリ100を描写する。弁アセンブリ100は、天然の僧帽弁のものなど、より大きい天然の弁輪内での展開のために特に好適であり、これは、一部の事例では、典型的な人工弁を適所に保持するのに十分な解剖学的構造を欠くことが可能である。これは、人工弁110の周囲に配置された弁尖係合フレーム170が、天然組織(例えば、天然の僧帽弁の弁尖)との摩擦係合の増加を提供し、それによって、典型的な人工弁が不適切である場合がある天然の僧帽弁のような場所であってさえも、天然組織に対する移動に抵抗する弁アセンブリの能力を改善するためである。弁尖係合フレーム170は、弁アセンブリ100を適所により良好に保持するように機能するが、シールリング164の直径の増加は、弁アセンブリ100が人工弁110の直径よりサイズが大きくなる可能性がある天然の弁輪の範囲内に移植される場合でさえも、適切なPVL密封を提供することができる。
【0372】
図示した実施例などの一部の実装では、シールリング164は、シールリング164が僧帽弁70と弁フレーム116との間の任意の間隙または開口部を完全に覆うことを可能にする様態で、僧帽弁70の心房側(すなわち、図33で、左心房68に面する側)に当接するように構成することができる。シールリング164は、好ましくは血液の流れに対して不浸透性であり、弁アセンブリ100の外面と天然組織との間で左心房68の中へと血液が流れて戻るのを効果的に遮断し、血液のすべて、または実質的にすべてが左心房68から左心室50へと弁尖アセンブリ150を通過することを確実にする。こうした実装では、シールリング164はまた、左心室50に向かう移動に対抗して、弁アセンブリ100を適所により良好に保持するように機能することもできる。
【0373】
別の方法として、または追加的に、シールリング164は、リング164の外面が天然の弁輪の周囲の凹凸に適合し、かつそれを密封することができるように、天然の弁輪(例えば、僧帽弁の弁輪)内でその少なくとも一部分を押しつぶさせるように構成された、比較的圧縮可能な、または押しつぶすことができる材料で作製することができる。
【0374】
一部の実装では、シールリング164は、組織の過成長または血栓形成を促進するように構成されたテクスチャ加工された外面を含み、これにより、経時的に、こうした組織の過成長は、天然組織に対するPVL密封を改善する。
【0375】
一部の実施例では、シールリング164は、その自由な状態、すなわち押しつぶされていない状態で、弁フレーム116から半径方向に離れるように少なくとも2mm、または少なくとも5mmの距離まで延在することができる。一部の実施例では、シールリング164は、圧縮可能または押しつぶすことができるインサート166および布カバー165を含むことができる。例えば、押しつぶすことができるインサート166は、シリコーン系材料で作製することができるが、他の圧縮可能な材料を使用することもできる。布カバー165は、例えば、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエステル織物などの任意の生体適合性の織物で形成することができる。他の実装形態では、シールリング164は、平坦な布材料のシートを巻いて円筒様の部材を形成することによって形成することができる。
【0376】
天然の僧帽弁70での使用が図示されているが、弁アセンブリ100は、天然の三尖弁80、拡張した大動脈弁、または任意の他の拡大したオリフィス内に同様に移植することができることが理解される。こうした拡大した天然弁またはオリフィス内の移植のための提案された弁アセンブリ100の利用は、有利なことに、こうしたシナリオで代替的に使用することができるドッキングステーションなどの追加的なデバイスの補助を必要とすることなく、天然組織に対する適切な固定およびPVL密封の両方を提供し、それ故に移植手技を単純化することができる。
【0377】
述べられるように、人工弁を、バルーンの膨張によって、人工弁に対して拡張力を加える機械的アクチュエータを作動することによって、または、送達装置のシースから人工弁がその機能的サイズへと自己拡張することができるように人工弁を展開することによって拡張することができる。自己拡張可能な人工弁の欠点は、患者の血管系内の外側シースから解放されたときに非常に急速に拡張し、これが移植部位に外傷を引き起こす可能性があること、または移植中に人工弁が正しく整列されない可能性があることである。こうした場合には、人工弁の拡張を制限する拘束機構を、追加的な拡張のために利用される別の機構と組み合わせて利用することができる。例えば、シースからの展開に伴う人工弁の最大拡張を、人工弁の機能サイズ未満の直径に制限するために、拘束機構を利用することができ、人工弁のさらなる拡張は、バルーン膨張または機械的拡張機構の利用によって、人工弁を機能サイズにさらに拡張することによって達成することができる。
【0378】
自己拡張可能な人工弁は、一部の実装形態では、半径方向に圧縮された状態にある第1の直径から、自由に半径方向に拡張した状態にある第2の直径へと自己拡張するように構成された自己拡張可能な弁フレームを含むことができる。「自由に半径方向に拡張した状態」という用語は、外部制限力がそれへと加えられていないときに第2の直径に到達する、人工弁の最終的な拡張した状態を指す。弁アセンブリは、自己拡張可能な人工弁と、自己拡張可能な弁フレームに対して半径方向外向きに配置され、かつそれに連結された制限フレームと、を含み、制限フレームは、自己拡張可能な弁フレームをその展開した状態で第2の直径に制限するように構成され、第2の直径は第3の直径より小さい。弁フレームの展開した状態は、弁フレームが送達装置の包囲するシースまたはカプセルによって制限されず、最大自己拡張直径まで自由に自己拡張する状態を指し、これは、制限フレームがそれに取り付けられている場合第3の直径とすることができるが、以下にさらに記述するように、未だアクチュエータまたは膨張可能なバルーンなどの追加的な拡張モダリティによってさらに拡張されていない。
【0379】
図34Aは、自己拡張可能な人工弁310の外側に据え付けられ、一緒に例示的な弁アセンブリ700を形成する、制限フレーム770の例を示す。図34Bは、図34Aの線34B-34Bに沿った断面図を示す。弁アセンブリ700の人工弁310は、フレーム316が、半径方向に圧縮された状態にある第1の直径から、自由に半径方向に拡張した状態の第2の直径へと自己拡張するように構成される、少なくとも部分的に自己拡張型であるという追加を有して、図17A図17Bに関して人工弁310について上述した任意の実施例に従って実装することができる。すなわち、人工弁310が送達シャフト28の外へと展開され、かつ制限フレーム(770)に連結されない場合など、外部制限力がない場合、人工弁310は、例えば、移植部位においてより狭い解剖学的寸法によって縛られないと仮定して、こうした自由な状態におけるその最大自己拡張直径である第2の直径へと完全に拡張することができる。
【0380】
制限フレーム770は、弁フレーム316から半径方向外向きに配置され、かつ弁フレーム316へと連結される。制限フレーム770は、弁フレーム316の支柱318へと直接的に縫合することによってなど、弁フレーム316へと直接的に連結することができ、または弁フレーム316を取り囲むことができる外側スカート344へと連結(例えば、縫合)することによってなど、間接的に連結することができる。制限フレーム770は、環状形状で構成される複数の制限支柱774を含む。制限支柱774は、制限フレーム770の近位端または流出端において複数の第1の角度付き支柱777によって画定される、制限第1の横木776と称することができる、少なくとも1つの横木を画定する。制限ベルト770は、制限フレームの第1の横木776と称される少なくとも1つの支柱の横木を含む。一部の実施例では、制限フレーム770は、制限フレームの第1の横木776に対して遠位の少なくとも1つの追加的な支柱の横木をさらに備える。
【0381】
図34A図34Bに示す図示された実施例から明らかになるように、制限フレーム770が必ずしもスパイクを含まないことを除いて、図19図20と併せて上述した弁尖係合フレーム370と概して同様とすることができる。それにもかかわらず、他の実装では、弁尖係合フレーム170、170、170、170、370、または370のうちのいずれかなどの弁尖係合フレームもまた、制限フレームとして同様に利用することができることが理解されるべきである。こうした場合には、弁尖係合フレーム170または370もまた、制限フレームであり、また係合フレームの支柱174または374もまた、制限支柱であり、ホストの弁尖を係合すること、および弁フレームの自己拡張可能性を制限することの両方のために機能することを可能にする。
【0382】
述べられるように、制限フレームは、自己拡張可能なフレームの自己拡張可能性の間に達成される最終的な直径を、第2の直径より小さい第3の直径に限定するように設計される。これは、より剛直な材料から制限支柱774を形成し、制限フレーム770を弁フレーム316より少ししか拡張可能ではないようにさせる(それらに適用される能動的な拡張がない場合)ことによって達成することができる。別の方法として、または追加的に、これは、フレームの支柱318の寸法に対して、少なくとも1つの方向に沿ってより大きい寸法を有するように制限支柱774を形成することによって達成することができる。図34Bに示すように、フレームの支柱318は、第1の厚さT1(半径方向に画定される)および第1の幅W1を有することができ、一方で、制限支柱774は、第2の厚さT2および第2の幅W2を有することができる。一部の実施例では、第2の幅W2は、例えば、図34Bに図示するように、第1の幅W1より大きい。一部の実施例では、第2の厚さT2は、第1の厚さT1より大きい。一部の実施例では、第2の幅W2は第1の幅W1より大きく、また第2の厚さT2は第1の厚さT1より大きい。
【0383】
上述のように、制限フレーム770は、弁尖係合フレーム370に対して示される構成と同様に、2つの制限支柱の横木を有するように図34A図34Bに図示されるが、代替的な実装では、制限フレーム770は、弁尖係合フレーム370に対して示されるような単一の横木を含む、任意の他の数の支柱の横木を含むことができることが理解されるべきである。さらに、制限フレーム770は、いかなるスパイクも欠いて34A~図34Bに図示されるが、他の実装では、制限フレームは、弁尖係合フレーム370もしくは170について上述のような角度付きスパイク、または係合フレーム170について上述したような平面内スパイクとすることができる、スパイクを含むことができる。
【0384】
使用時に、自己拡張可能な弁フレーム316を含む弁アセンブリ700の機械的に拡張可能な人工弁310は、半径方向に捲縮した状態で送達することができ、送達シャフト28または外側シャフト20内に第1の直径で保持することができる。移植の部位に到達すると、弁アセンブリ700は、送達装置12の鞘の外に展開され、これにより、人工弁310は、弁フレーム316の周囲に配置された制限フレーム770によって指定される第3の直径まで自己拡張することができる。第3の直径に到達した後、アクチュエータ360は、上述のように作動アセンブリ40を介してなど、作動して、弁アセンブリ700を第3の直径より大きい第4の直径へとさらに拡張することができる。アクチュエータ360によって適用される拡張力は、制限フレーム770の制限力を超えるように設計されて、第3の直径を越えるその追加的な拡張を可能にする。
【0385】
弁アセンブリ700は、自己拡張可能および機械的に拡張可能の両方である人工弁310を含むように図示および記述されるが、他の実装では、弁アセンブリは、自己拡張可能かつバルーン拡張可能とすることができる人工弁を含むことができる。例えば、任意選択で、自己拡張可能な弁フレーム116、または自己拡張可能な人工弁の任意の他の設計を有する上述の人工弁110に似ることができる、自己拡張可能な人工弁には、弁フレームに連結された制限フレームを提供することができ、制限ベルトは、上述の任意の実施例に従って実装することができ、弁尖係合フレーム170の4つの横木のもの、弁尖係合フレーム170の2つの横木のもの、弁尖係合フレーム170について示すような単一の横木のもの、または任意の他の数の横木のもの、と類似の様態で配設された、制限支柱の少なくとも1つの横木または複数の横木を含み、また図34A図34Bと併せて制限フレーム770について記述されるように、スパイクを欠くことができ、または、弁尖係合フレーム170、170、170のうちのいずれかについて図示されるようなスパイク、もしくは、弁尖係合フレーム170について記述され、かつ図示されるような平面内スパイクを含むことができる。自己拡張可能な弁フレームに連結された制限フレームは、上述のように、より広いまたはより太い支柱を装備して、弁アセンブリの自己拡張可能性を第3の直径へと限定することができる。
【0386】
使用時に、こうした弁アセンブリは、半径方向に捲縮した状態で送達することができ、外側シャフト20内の第1の直径以内に保持することができる。移植の部位に到達すると、弁アセンブリは、送達装置12の鞘の外に展開され、これにより、人工弁は、弁フレームの周囲に配置された制限フレームによって指定される第3の直径まで自己拡張することができる。第3の直径に到達した後、人工弁の管腔内に配置されたバルーン26を膨張して、弁アセンブリを、第3の直径より大きい第4の直径へとさらに拡張することができる。バルーン260によって加えられる拡張力は、制限フレーム770の制限力を超えるように設計されて、第3の直径を越えてその追加的な拡張を可能にする。
【0387】
(開示される技術の追加的な実施例)
開示された主題の上述の実装を考慮して、本出願は、以下に列挙する追加的な実施例を開示する。注目すべきは、別個の一実施例の1つの特徴、または組み合わせ、および任意選択で、1つ以上のさらなる実施例の1つ以上の特徴との組み合わせて取られるその実施例の2つ以上の特徴は、本出願の開示の中に収まるさらなる実施例である。
【0388】
実施例1. 弁アセンブリであって、
人工弁であって、
複数の支柱を備え、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能である、弁フレームと、
弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える弁尖アセンブリと、を備える人工弁と、
弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームに連結される、弁尖係合フレームであって、
1つ以上の支柱の横木を画定する複数の係合フレームの支柱であって、1つ以上の支柱の横木が、係合フレームの第1の横木を備え、かつ係合フレームの第1の横木が、その係合フレームの支柱から遠位方向に延在する複数の遠位に延在するスパイクをさらに備える、複数の係合フレームの支柱、を備える弁尖係合フレームと、を備え
複数の遠位に延在するスパイクが、弁アセンブリが部分的に拡張した状態にあるときに、弁アセンブリの外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖と係合し、また弁アセンブリがさらに拡張したときに、係合された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される、弁アセンブリ。
【0389】
実施例2. 複数の遠位に延在するスパイクが、角αで半径方向外向きに、かつ係合フレームの第1の横木のそれぞれの支柱から遠位方向に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1の弁アセンブリ。
【0390】
実施例3. 弁尖係合フレームが、係合フレームの第1の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例1または2の弁アセンブリ。
【0391】
実施例4. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が複数の遠位に延在するスパイクに対して遠位にあるように、外側スカートが弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~3のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0392】
実施例5. 弁尖係合フレームの1つ以上の支柱の横木が、係合フレームの第1の横木に対して遠位の少なくとも1つの追加的な支柱の横木を備え、かつ弁尖係合フレームが、追加的な支柱の横木の係合フレームの支柱から近位方向に延在する、複数の近位に延在するスパイクをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例1または2の弁アセンブリ。
【0393】
実施例6. 追加的な支柱の横木の係合フレームの支柱が、遠位に延在するスパイクを欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例5の弁アセンブリ。
【0394】
実施例7. 複数の近位に延在するスパイクが、追加的な支柱の横木から半径方向外向きに、かつ近位方向に、角βで延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例5または6の弁アセンブリ。
【0395】
実施例8. 近位に延在するスパイクを備える少なくとも1つの追加的な支柱の横木が、係合フレームの第2の横木であり、かつ弁尖係合フレームが、係合フレームの第1の横木および係合フレームの第2の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例5~7のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0396】
実施例9. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が遠位に延在するスパイクおよび近位に延在するスパイクに対して遠位にあるように、外側スカートが弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例8の弁アセンブリ。
【0397】
実施例10. 弁尖係合フレームの1つ以上の支柱の横木が、遠位に延在するスパイクおよび近位に延在するスパイクを含む支柱の横木の間に配置された1つ以上の支柱の中間横木をさらに備え、1つ以上の支柱の中間横木のうちのいずれか1つがスパイクを欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例5~7のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0398】
実施例11. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が遠位に延在するスパイクに対して遠位にあり、かつ外側スカート流入端が近位に延在するスパイクに対して近位にあるように、外側スカートが弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例10の弁アセンブリ。
【0399】
実施例12. 各近位に延在するスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例5~11のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0400】
実施例13. 角βが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例7の弁アセンブリ。
【0401】
実施例14. 角βが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例13の弁アセンブリ。
【0402】
実施例15. 角βが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例14の弁アセンブリ。
【0403】
実施例16. 各遠位に延在するスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~15のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0404】
実施例17. 角αが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例2の弁アセンブリ。
【0405】
実施例18. 角αが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例17の弁アセンブリ。
【0406】
実施例19. 角αが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例18の弁アセンブリ。
【0407】
実施例20. 弁フレームの複数の支柱が、
弁フレームの流出横木と、
弁フレームの流入横木と、
弁フレームの流出横木と弁フレームの流入横木との間に配置される少なくとも1つの弁フレームの中間横木と、を備える複数の支柱の横木を画定し、
係合フレームの第1の横木の支柱が、弁フレームの流出横木に対して遠位である弁フレームの中間横木の支柱と整列する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~19のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0408】
実施例21. 少なくとも1つの弁フレームの中間横木が、弁フレームの第1の中間横木と、弁フレームの第2の中間横木と、弁フレームの第3の中間横木と、を備え、弁フレームの支柱が、弁フレームの流入横木の支柱を弁フレームの第3の中間横木の支柱と相互接続する弁フレーム遠位軸方向支柱をさらに備え、かつ係合フレームの第1の横木の支柱が、弁フレームの第1の中間横木の支柱と整列する、本明細書の任意の実施例、特に実施例20の弁アセンブリ。
【0409】
実施例22. 少なくとも1つの弁フレームの中間横木が、弁フレームの第1の中間横木および弁フレームの第2の中間横木を含み、係合フレームの第1の横木の支柱が、弁フレームの第1の中間横木の支柱と整列している、本明細書の任意の実施例、特に実施例20の弁アセンブリ。
【0410】
実施例23. 弁フレームの周囲の任意の特定の円周の場所における、弁フレームの第1の中間横木の各支柱と弁フレームの流出横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離が、同じ円周の場所における弁フレームの第2の中間横木の支柱と弁フレームの流入横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離より大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例22の弁アセンブリ。
【0411】
実施例24. 弁アセンブリのための弁尖係合フレームであって、
1つ以上の支柱の横木を画定する複数の相互接続された係合フレームの支柱であって、1つ以上の支柱の横木が、係合フレームの第1の横木を含む、複数の相互接続された係合フレームの支柱と、
係合フレームの第1の横木の支柱からだけ遠位方向に延在する、複数の遠位に延在するスパイクと、を備え、
複数の遠位に延在するスパイクが、弁尖係合フレームが部分的に拡張した状態にあるときに、弁尖係合フレームの外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖と係合し、また弁尖係合フレームがさらに拡張されたときに、係合された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される、弁尖係合フレーム。
【0412】
実施例25. 遠位に延在するスパイクが、鋭角αで半径方向外向きに、かつ係合フレームの第1の横木のそれぞれの支柱から遠位方向に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例24の弁尖係合フレーム。
【0413】
実施例26. 弁尖係合フレームが、係合フレームの第1の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例24または25の弁尖係合フレーム。
【0414】
実施例27. 1つ以上の支柱の横木が、係合フレームの第1の横木に対して遠位の少なくとも1つの追加的な支柱の横木を備え、かつ弁尖係合フレームが、追加的な支柱の横木の係合フレームの支柱から近位方向に延在する、複数の近位に延在するスパイクをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例24または25の弁尖係合フレーム。
【0415】
実施例28. 近位に延在するスパイクが、追加的な支柱の横木から半径方向外向きに、かつ近位方向に、鋭角βで延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例27の弁尖係合フレーム。
【0416】
実施例29. 近位に延在するスパイクを備える少なくとも1つの追加的な支柱の横木が、係合フレームの第2の横木であり、かつ弁尖係合フレームが、係合フレームの第1の横木および係合フレームの第2の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例27または28のいずれか1つの弁尖係合フレーム。
【0417】
実施例30. 遠位に延在するスパイクおよび近位に延在するスパイクを含む支柱の横木の間に配置された1つ以上の支柱の中間横木をさらに備え、1つ以上の支柱の中間横木のうちのいずれか1つがスパイクを欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例27または28の弁尖係合フレーム。
【0418】
実施例31. 各近位に延在する角度付きスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例24~30のいずれか1つの弁尖係合フレーム。
【0419】
実施例32. 角βが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例28の弁尖係合フレーム。
【0420】
実施例33. 角βが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例32の弁尖係合フレーム。
【0421】
実施例34. 角βが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例33の弁尖係合フレーム。
【0422】
実施例35. 各近位に延在する角度付きスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例24~34のいずれか1つの弁尖係合フレーム。
【0423】
実施例36. 角αが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例25の弁尖係合フレーム。
【0424】
実施例37. 角αが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例36の弁尖係合フレーム。
【0425】
実施例38. 角αが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例37の弁尖係合フレーム。
【0426】
実施例39. 弁アセンブリであって、
人工弁であって、
半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームであって、弁フレームが、複数のフレーム横木を備え、各フレーム横木が、相互接続された支柱を備え、複数のフレーム横木が、
複数のフレーム横木の任意の他の横木に対して近位にある、弁フレームの流出横木と、
複数のフレーム横木の任意の他の横木に対して遠位にある弁フレームの流入横木と、
弁フレームの流出横木と弁フレームの流入横木との間に配置される少なくとも1つの弁フレームの中間横木であって、弁フレームの第1の中間横木を備える、少なくとも1つの弁フレームの中間横木と、を備える、弁フレームと、
弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える弁尖アセンブリと、を備える人工弁と、
少なくとも1つの弁フレームの中間横木の支柱の周囲に巻かれた少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤと、を備え、
少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤが、弁アセンブリが部分的に拡張した状態にあるときに、弁アセンブリの外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖と係合し、また弁アセンブリがさらに拡張したときに、係合された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される、弁アセンブリ。
【0427】
実施例40. 少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤが周囲に巻かれる少なくとも1つの弁フレームの中間横木が、単一の弁フレームの中間横木を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例39の弁アセンブリ。
【0428】
実施例41. すべての他のフレーム横木が、その外側に巻かれた係合ワイヤを欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例38または40の弁アセンブリ。
【0429】
実施例42. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が近位弁尖係合ワイヤに対して遠位にあるように、外側スカートが弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例39~41のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0430】
実施例43. 複数のフレーム横木のうちの少なくとも1つの他の横木の支柱の周囲に巻かれた少なくとも1つの遠位弁尖係合ワイヤをさらに備え、少なくとも1つの他の横木が、近位弁尖係合ワイヤに対して遠位にある、本明細書の任意の実施例、特に実施例40の弁アセンブリ。
【0431】
実施例44. 少なくとも1つの他の横木が、複数のフレーム横木のうちの単一の横木を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例43の弁アセンブリ。
【0432】
実施例45. 近位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる単一の横木、および遠位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる単一の横木を除いて、すべての他の弁フレームの横木が、それらの外側に巻かれる係合ワイヤを欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例43または44の弁アセンブリ。
【0433】
実施例46. 遠位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる少なくとも1つの他の横木が、弁フレームの流入横木を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例43~45のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0434】
実施例47. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が近位弁尖係合ワイヤに対して遠位にあり、かつ外側スカート流入端が遠位弁尖係合ワイヤに対して近位にあるように、外側スカートが弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例46の弁アセンブリ。
【0435】
実施例48. 少なくとも1つの弁フレームの中間横木が、弁フレームの第2の中間横木をさらに備え、かつ遠位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる少なくとも1つの他の横木が、弁フレームの第2の中間横木を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例43~45のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0436】
実施例49. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が近位弁尖係合ワイヤおよび遠位弁尖係合ワイヤに対して遠位にあるように、外側スカートが弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例48の弁アセンブリ。
【0437】
実施例50. 弁フレームの周囲の任意の特定の円周の場所における、弁フレームの第1の中間横木の各支柱と弁フレームの流出横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離が、同じ円周の場所における弁フレームの第2の中間横木の支柱と弁フレームの流入横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離より大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例48の弁アセンブリ。
【0438】
実施例51. 人工弁であって、
半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームであって、
弁フレームの流出横木と、
弁フレームの流入横木と、
弁フレームの流出横木と弁フレームの流入横木との間に配置される少なくとも1つの弁フレームの中間横木であって、弁フレームの第1の中間横木を備える、少なくとも1つの弁フレームの中間横木と、を備える相互接続された支柱の複数のフレーム横木を備える、弁フレームと、
単一の弁フレームの中間横木の支柱と一体的に形成され、かつそこから遠位方向に延在する、複数の遠位に延在するスパイクと、
弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える、弁尖アセンブリと、を備え、
複数の遠位に延在するスパイクが、人工弁が部分的に拡張した状態にあるときに、人工弁の外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖と係合し、また人工弁がさらに拡張したときに、係合された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される、人工弁。
【0439】
実施例52. 遠位に延在するスパイクが、鋭角αで半径方向外向きに、かつ弁フレームの第1の中間横木のそれぞれの支柱から遠位方向に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例51の人工弁。
【0440】
実施例53. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が遠位に延在するスパイクに対して遠位にあるように、外側スカートが人工弁の外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例51または52の人工弁。
【0441】
実施例54. 遠位に延在するスパイクに対して遠位であり、かつそこから近位方向に延在する、追加的な単一の弁フレームの横木と一体的に形成される、複数の近位に延在するスパイクをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例51または52の人工弁。
【0442】
実施例55. 近位に延在するスパイクが、追加的な弁フレームの横木から半径方向外向きに、かつ近位方向に、鋭角βで延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例54の人工弁。
【0443】
実施例56. 遠位に延在するスパイクを備える単一の横木および近位に延在するスパイクを備える単一の横木を除いて、すべての他の弁フレーム横木が、一体的に形成されるスパイクを欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例54または55の人工弁。
【0444】
実施例57. 近位に延在するスパイクが、弁フレームの流入横木の支柱と一体的に形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例54または55の人工弁。
【0445】
実施例58. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が遠位に延在するスパイクに対して遠位にあり、かつ外側スカート流入端が近位に延在するスパイクに対して近位にあるように、外側スカートが弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例57の人工弁。
【0446】
実施例59. 少なくとも1つの弁フレームの中間横木が、弁フレームの第2の中間横木をさらに備え、また近位に延在するスパイクが、弁フレームの第2の中間横木の支柱と一体的に形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例54または55の人工弁。
【0447】
実施例60. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が遠位に延在するスパイクおよび近位に延在するスパイクに対して遠位にあるように、外側スカートが人工弁の外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例59の人工弁。
【0448】
実施例61. 弁フレームの周囲の任意の特定の円周の場所における、弁フレームの第1の中間横木の各支柱と弁フレームの流出横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離が、同じ円周の場所における弁フレームの第2の中間横木の支柱と弁フレームの流入横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離より大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例60の人工弁。
【0449】
実施例62. 各近位に延在するスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例54~61のいずれか1つの人工弁。
【0450】
実施例63. 角βが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例60の人工弁。
【0451】
実施例64. 角βが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例60の人工弁。
【0452】
実施例65. 角βが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例60の人工弁。
【0453】
実施例66. 各遠位に延在する角度付きスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例54~61のいずれか1つの人工弁。
【0454】
実施例67. 角αが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例60の人工弁。
【0455】
実施例68. 角αが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例60の人工弁。
【0456】
実施例69. 角αが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例60の人工弁。
【0457】
実施例70. 方法であって、
弁アセンブリを患者の身体内の天然の弁尖またはホストの弁尖の間に位置付けることであって、弁アセンブリが、
半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える弁尖アセンブリと、を備える、人工弁と、
弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームに連結される、弁尖係合フレームであって、鋭角Αで半径方向外向きに、かつ弁尖係合フレームの係合フレームの第1の横木の支柱からだけ遠位方向に延在する、複数の遠位に延在する角度付きスパイクを備える、弁尖係合フレームと、を備える、位置付けることと、
少なくとも遠位に延在する角度付きスパイクが天然の弁尖またはホストの弁尖と係合するまで、弁アセンブリを部分的に拡張することと、
遠位に延在する角度付きスパイクを天然の弁尖またはホストの弁尖と係合したままにし、かつ天然の弁尖またはホストの弁尖を天然の弁尖またはホストの弁尖の折り曲げられた構成に対して遠位に抑えるように、弁アセンブリをさらに拡張することと、を含む、方法。
【0458】
実施例71. 弁尖係合フレームが、係合フレームの第1の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例70の方法。
【0459】
実施例72. 遠位に延在する角度付きスパイクが、天然の弁尖またはホストの弁尖と係合したままであり、かつ部分的に拡張した状態でのその前進中に、天然の弁尖またはホストの弁尖を弁アセンブリと共に抑えるように、弁アセンブリを部分的に拡張する工程の後に、弁アセンブリを遠位方向に前進させる工程をさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例71の方法
【0460】
実施例73. 弁尖係合フレームが、遠位に延在する角度付きスパイクに対して遠位にある、弁尖係合フレームの追加的な横木の支柱からだけ、半径方向外向きに、かつ近位方向に鋭角βで延在する、複数の近位に延在する角度付きスパイクをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例70の方法。
【0461】
実施例74. 弁アセンブリを部分的に拡張する工程が、近位に延在する角度付きスパイクが少なくとも天然の弁輪または天然の弁尖もしくはホストの弁尖と係合するまで、弁アセンブリを部分的に拡張することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例73の方法。
【0462】
実施例75. 弁尖係合フレームが、遠位に延在する角度付きスパイクと近位に延在する角度付きスパイクとの間に追加的な支柱の横木を備え、また追加的な支柱の横木が、角度付きスパイクを欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例73または74の方法。
【0463】
実施例76. 各近位に延在する角度付きスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例73~75のいずれか1つの方法。
【0464】
実施例77. 角βが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例73~76のいずれか1つの方法。
【0465】
実施例78. 角βが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例77の方法。
【0466】
実施例79. 角βが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例78の方法。
【0467】
実施例80. 各遠位に延在する角度付きスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例70~79のいずれか1つの方法。
【0468】
実施例81. 角αが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例70~80のいずれか1つの方法。
【0469】
実施例82. 角αが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例81の方法。
【0470】
実施例83. 角αが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例82の方法。
【0471】
実施例84. 方法であって、
弁アセンブリを患者の身体内の天然の弁尖またはホストの弁尖の間に位置付けることであって、弁アセンブリが、
人工弁であって、
半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームであって、フレームが、弁フレームの流出横木と、弁フレームの流入横木と、弁フレームの流出横木と弁フレームの流入横木との間に配置される少なくとも1つの弁フレームの中間横木と、を備える、弁フレームと、
弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える弁尖アセンブリと、を備える人工弁と、
単一の弁フレームの中間横木の支柱の周囲に巻かれた少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤと、を備える、位置付けることと、
少なくとも近位弁尖係合ワイヤが天然の弁尖またはホストの弁尖と係合するまで、弁アセンブリを部分的に拡張することと、
近位弁尖係合ワイヤを天然の弁尖またはホストの弁尖と係合したままにし、かつ天然の弁尖またはホストの弁尖を天然の弁尖またはホストの弁尖の折り曲げられた構成に対して遠位に抑えるように、弁アセンブリをさらに拡張することと、を含む、方法。
【0472】
実施例85. 少なくとも1つの近位弁尖係合ワイヤが、弁フレームの中間横木のすべての支柱の周囲に巻かれた、単一の連続的な近位弁尖係合ワイヤを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例84の方法。
【0473】
実施例86. 弁フレームのすべての他の支柱の横木が、その外側に巻かれたワイヤを欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例84または85の方法。
【0474】
実施例87. 近位弁尖係合ワイヤが、天然の弁尖またはホストの弁尖と係合したままであり、かつ部分的に拡張した状態でのその前進中に、弁尖を弁アセンブリと共に抑えるように、弁アセンブリを部分的に拡張する工程の後に、弁アセンブリを遠位方向に前進させる工程をさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86の方法。
【0475】
実施例88. 弁尖係合フレームが、近位弁尖係合ワイヤに対して遠位にある、別の単一の弁フレームの横木の支柱の周囲に巻かれた少なくとも1つの遠位弁尖係合ワイヤをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例87の方法。
【0476】
実施例89. 少なくとも1つの遠位弁尖係合ワイヤが、弁フレームの横木のすべての支柱の周囲に巻かれた、単一の遠位弁尖係合ワイヤを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例88の方法。
【0477】
実施例90. 弁アセンブリを部分的に拡張する工程が、少なくとも遠位弁尖係合ワイヤが天然の弁輪または天然の弁尖もしくはホストの弁尖と係合するまで、弁アセンブリを部分的に拡張することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例88または89の方法。
【0478】
実施例91. 近位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる単一の横木、および遠位弁尖係合ワイヤがその周囲に巻かれる単一の横木を除いて、すべての他の弁フレームの横木が、それらの外側に巻かれる係合ワイヤを欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例88~90のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0479】
実施例92. 遠位弁尖係合ワイヤが、弁フレームの流入横木の支柱の周囲に巻かれる、本明細書の任意の実施例、特に実施例88または91のいずれか1つの方法。
【0480】
実施例93. 少なくとも1つの弁フレームの中間横木が、弁フレームの第2の中間横木をさらに備え、また遠位弁尖係合ワイヤは、弁フレームの第2の中間横木の支柱の周囲に巻かれる、本明細書の任意の実施例、特に実施例88~91のいずれか1つの方法。
【0481】
実施例94. 方法であって、
人工弁を患者の体内で天然の弁尖またはホストの弁尖の間に位置付けることであって、前記人工弁が、
半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームであって、弁フレームが、弁フレームの流出横木と、弁フレームの流入横木と、弁フレームの流出横木と弁フレームの流入横木との間に配置される少なくとも1つの弁フレームの中間横木と、を備える、弁フレームと、
単一の弁フレームの中間横木の支柱と一体的に形成され、かつ半径方向外向きに鋭角Αで、かつ遠位方向でそこから延在する、複数の遠位に延在する角度付きスパイクと、
弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える弁尖アセンブリと、を備える、位置付けることと、
少なくとも遠位に延在する角度付きスパイクが天然の弁尖またはホストの弁尖と係合するまで、人工弁を部分的に拡張することと、
遠位に延在する角度付きスパイクを天然の弁尖またはホストの弁尖と係合したままにし、かつ天然の弁尖またはホストの弁尖を天然の弁尖またはホストの弁尖の折り曲げられた構成に対して遠位に抑えるように、人工弁をさらに拡張することと、を含む、方法。
【0482】
実施例95. 弁フレームのすべての他の横木が、角度付きスパイクを欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例94の方法。
【0483】
実施例96. 遠位に延在する角度付きスパイクが、天然の弁尖またはホストの弁尖と係合したままであり、かつ部分的に拡張した状態でのその前進中に、天然の弁尖またはホストの弁尖を人工弁と共に抑えるように、人工弁を部分的に拡張する工程の後に、人工弁を遠位方向に前進させる工程をさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例95の方法。
【0484】
実施例97. 人工弁が、遠位に延在する角度付きスパイクに対して遠位であり、またそこから鋭角βで半径方向外向きに、かつ近位方向に延在する、別の単一の弁フレームの横木と一体的に形成される、複数の近位に延在する角度付きスパイクをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例94の方法。
【0485】
実施例98. 人工弁を部分的に拡張する工程が、近位に延在する角度付きスパイクが少なくとも天然の弁輪または天然の弁尖もしくはホストの弁尖と係合するまで、弁アセンブリを部分的に拡張することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例97の方法。
【0486】
実施例99. 遠位に延在する角度付きスパイクを備える単一の横木および近位に延在する角度付きスパイクを備える単一の横木を除いて、すべての他の弁フレームの横木が、一体的に形成されるスパイクを欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例97または98の方法。
【0487】
実施例100. 近位に延在する角度付きスパイクが、弁フレームの流入横木の支柱と一体的に形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例97~99のいずれか1つの方法。
【0488】
実施例101. 少なくとも1つの弁フレームの中間横木が、弁フレームの第2の中間横木をさらに備え、また近位に延在する角度付きスパイクが、弁フレームの第2の中間横木の支柱と一体的に形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例97~99のいずれか1つの方法。
【0489】
実施例102. 各近位に延在する角度付きスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例97~101のいずれか1つの方法。
【0490】
実施例103. 角βが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例97~102のいずれか1つの方法。
【0491】
実施例104. 角βが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例103の方法。
【0492】
実施例105. 角βが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例104の方法。
【0493】
実施例106. 各遠位に延在する角度付きスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例94~105のいずれか1つの方法。
【0494】
実施例107. 角αが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例94~106のいずれか1つの方法。
【0495】
実施例108. 角αが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例107の方法。
【0496】
実施例109. 角αが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例108の方法。
【0497】
実施例110. 方法であって、
弁アセンブリを患者の身体内の天然の弁尖またはホストの弁尖の間に位置付けることであって、弁アセンブリが、
半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な弁フレームと、弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える弁尖アセンブリと、を備える、人工弁と、
弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームに連結される、弁尖係合フレームであって、鋭角Αで半径方向外向きに、かつ弁尖係合フレームの係合フレームの第1の横木の支柱からだけ遠位方向に延在する、複数の遠位に延在する角度付きスパイクを備える、弁尖係合フレームと、を備える、位置付けることと、
弁アセンブリを部分的に拡張することと、
遠位に延在する角度付きスパイクの天然の弁尖またはホストの弁尖との接触によって作り出された弁アセンブリからの触覚フィードバックを使用して、弁アセンブリが患者の身体内で適正な位置にあることを確認することと、
弁アセンブリを患者の体内の所望の位置にさらに拡張することと、を含む、方法。
【0498】
実施例111. 弁尖係合フレームが、係合フレームの第1の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例110の方法。
【0499】
実施例112. 各遠位に延在する角度付きスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例110または111の方法。
【0500】
実施例113. 角αが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例110~112のいずれか1つの方法。
【0501】
実施例114. 角αが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例113の方法。
【0502】
実施例115. 角αが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例114の方法。
【0503】
実施例116. 弁アセンブリであって、
人工弁であって、
弁流出端と弁流入端との間に画定される弁フレームであって、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能であり、かつ円周状に延在するフレームセルの少なくとも1つの列を画定する交差した支柱を備える、弁フレームと、
弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える弁尖アセンブリと、を備える人工弁と、
弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームに連結される、弁尖係合フレームであって、
係合フレームの第1の横木に沿って画定される第1の支柱と、
係合フレームの第1の横木に対して遠位にある、係合フレームの第2の横木に沿って画定される第2の支柱と、
各係合セルが、係合フレーム流出頂点から係合フレーム中間接合部へと延在する2つの第1の支柱と、2つの係合フレームの中間接合部から係合フレームの流入頂点へと延在する2つの第2の支柱とによって画定される、3つの係合セルと、
各遠位に延在するフックが、対応する係合フレーム流出頂点へと一方の端で接続された湾曲した部分と、対応する流出頂点から半径方向に離れるように位置付けられ、かつ遠位方向の向きにされた反対側の自由端と、を備える、3つの遠位に延在するフックと、を備える、弁尖係合フレームを備え、
遠位に延在するフックが、弁アセンブリが部分的に拡張した状態にあるときに、湾曲した部分で、弁アセンブリの外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖の近位端を捕捉し、そして弁アセンブリがさらに拡張されたときに、捕捉された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される、弁アセンブリ。
【0504】
実施例117. 弁フレームが、4つ以上のセルを有する列を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例116の弁アセンブリ。
【0505】
実施例118. 弁フレームが、6つのセルを有する列を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例117の弁アセンブリ。
【0506】
実施例119. 弁フレームが、12個のセルを有する列を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例118の弁アセンブリ。
【0507】
実施例120. 係合フレーム流出頂点が、弁流出端に対して遠位にある、本明細書の任意の実施例、特に実施例116~119のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0508】
実施例121. 弁尖係合フレームの第1の支柱および第2の支柱が、弁フレームの支柱のいずれとも整列していない、本明細書の任意の実施例、特に実施例116~120のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0509】
実施例122. 第2の支柱が第1の支柱より長い、本明細書の任意の実施例、特に実施例116~121のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0510】
実施例123. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が遠位に延在するフックに対して遠位にあるように、外側スカートが弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例116~122のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0511】
実施例124. 3つの近位に延在する角度付きスパイクをさらに備え、各々が、対応する係合フレーム流入頂点から半径方向外向きに、かつ近位方向に鋭角βで延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例116~123のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0512】
実施例125. 各近位に延在する角度付きスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例124の弁アセンブリ。
【0513】
実施例126. 角βが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例123または125の弁アセンブリ。
【0514】
実施例127. 角βが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例126の弁アセンブリ。
【0515】
実施例128. 角βが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例127の弁アセンブリ。
【0516】
実施例129. 方法であって、
弁アセンブリを患者の身体内の天然の弁尖またはホストの弁尖の間に位置付けることであって、弁アセンブリが、
人工弁であって、
半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能であり、弁流出端と弁流入端との間に画定され、かつ円周状に延在するフレームセルの少なくとも1つの列を画定する交差した支柱を備える、弁フレームと、
弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える弁尖アセンブリと、を備える人工弁と、
弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームに連結される、弁尖係合フレームであって、
各係合セルが、係合フレーム流出頂点から係合フレーム中間接合部へと延在する2つの第1の支柱と、2つの係合フレームの中間接合部から係合フレームの流入頂点へと延在する2つの第2の支柱とによって画定される、3つの係合セルと、
各遠位に延在するフックが、対応する係合フレーム流出頂点へと一方の端で接続された湾曲した部分と、対応する流出頂点から半径方向に離れるように位置付けられ、かつ遠位方向の向きにされた反対側の自由端と、を備える、3つの遠位に延在するフックと、を備える弁尖係合フレームと、を備える、位置付けることと、
少なくとも遠位に延在するフックが湾曲した部分内の天然の弁尖またはホストの弁尖の近位端を捕捉するまで、弁アセンブリを部分的に拡張することと、
方法は、遠位に延在するフックが、天然の弁尖またはホストの弁尖に対抗して遠位方向に天然の弁尖またはホストの弁尖の折り曲げられた構成へと押すように、弁アセンブリをさらに拡張することと、を含む、方法。
【0517】
実施例130. 弁フレームが、4つ以上のセルを有する列を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例129の方法。
【0518】
実施例131. 弁フレームが、6つのセルを有する列を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例130の方法。
【0519】
実施例132. 弁フレームが、12個のセルを有する列を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例131の方法。
【0520】
実施例133. 係合フレーム流出頂点が、弁流出端に対して遠位にある、本明細書の任意の実施例、特に実施例129~132のいずれか1つの方法。
【0521】
実施例134. 弁尖係合フレームの第1の支柱および第2の支柱が、弁フレームの支柱のいずれとも整列していない、本明細書の任意の実施例、特に実施例129~133のいずれか1つの方法。
【0522】
実施例135. 第2の支柱が第1の支柱より長い、本明細書の任意の実施例、特に実施例129~134のいずれか1つの方法。
【0523】
実施例136. 弁アセンブリを部分的に拡張する工程の後に、弁アセンブリを遠位方向に前進させる工程をさらに含み、これにより、遠位に延在するフックが、部分的に拡張した状態での前進中に、弁アセンブリと共にそれらの近位端を遠位方向に変位させるように、天然の弁尖またはホストの弁尖に対抗して押す、本明細書の任意の実施例、特に実施例129~135のいずれか1つの方法。
【0524】
実施例137. 弁尖係合フレームが、3つの近位に延在する角度付きスパイクをさらに備え、各々が、対応する係合フレーム流入頂点から半径方向外向きに、かつ近位方向に鋭角βで延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例129~135のいずれか1つの方法。
【0525】
実施例138. 各近位に延在する角度付きスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例137の方法。
【0526】
実施例139. 角βが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例137または138の方法。
【0527】
実施例140. 角βが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例139の方法。
【0528】
実施例141. 角βが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例140の方法。
【0529】
実施例142. 弁アセンブリであって、
人工弁であって、
半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な、弁フレームと、
弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える弁尖アセンブリと、
弁フレームに取り付けられ、かつ外側スカート流出端と外側スカート流入端との間に配置される浮動繊維部分を備え、浮動繊維部分が複数のフィラメントを含む、外側スカートと、を含む人工弁と、
外側スカートの周囲に配置され、かつ外側スカートに連結される、弁尖係合フレームであって、弁尖係合フレームが、係合フレームの支柱の少なくとも1つの横木、および係合フレームの支柱から延在する複数のスパイクを備える、弁尖係合フレームと、を備え、
前記スパイクが、前記弁アセンブリの外側の天然組織と係合して、前記天然組織を刺激するように構成される、弁アセンブリ。
【0530】
実施例143. 外側スカートが、流出織布部分および流入織布部分をさらに備え、かつ浮動繊維部分が、流出織布部分と流入織布部分との間に境界が付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例142の弁アセンブリ。
【0531】
実施例144. 弁尖係合フレームが、流出織布部分と流入織布部分との間に配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例143の弁アセンブリ。
【0532】
実施例145. 複数のフィラメントの少なくとも一部が、テクスチャ加工されたフィラメントである、本明細書の任意の実施例、特に実施例142~144のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0533】
実施例146. 複数のフィラメントが、半径方向に拡張した状態で半径方向外向きに湾曲する、本明細書の任意の実施例、特に実施例142~145のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0534】
実施例147. 複数のフィラメントが繊維を含み、外側スカートの周囲の血栓形成を促進するために、繊維が1μm~20μmの直径を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例142~146のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0535】
実施例148. 係合フレームの支柱の少なくとも1つの横木が、係合フレームの支柱の2つの横木を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例142~147のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0536】
実施例149. スパイクが、係合フレームの支柱によって画定される円周面に沿って延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例142~148のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0537】
実施例150. スパイクが、係合フレームの支柱から半径方向外向きに、かつ軸方向に、ある角度で延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例142~148のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0538】
実施例151. 弁アセンブリであって、
人工弁であって、
半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能な、弁フレームと、
弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える弁尖アセンブリと、
弁フレームへと取り付けられ、かつ半径方向で弁フレームから離れるように延在するシールリングを備える外側スカートと、を備える人工弁と、
弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームに連結される、弁尖係合フレームであって、弁尖係合フレームが、係合フレームの支柱の少なくとも1つの横木、および係合フレームの支柱から延在する複数のスパイクを備える、弁尖係合フレームと、を備え、
スパイクが、天然組織と接触して、弁アセンブリを移植場所に固定するのに役立つように構成される、弁アセンブリ。
【0539】
実施例152. 弁尖係合フレームが、弁フレームへと直接的に縫合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例151の弁アセンブリ。
【0540】
実施例153. 外側スカートが、弁フレームの周囲に配置され、かつ弁フレームに連結された基層をさらに備え、シールリングが基層に連結され、かつ弁尖係合フレームが基層に連結される、本明細書の任意の実施例、特に実施例151の弁アセンブリ。
【0541】
実施例154. シールリングが、それを通る血流に対して不浸透性である、本明細書の任意の実施例、特に実施例151~153のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0542】
実施例155. シールリングが、組織過成長を促進するように構成されたテクスチャ加工された外面を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例151~154のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0543】
実施例156. シールリングが、圧縮可能である、本明細書の任意の実施例、特に実施例151~155のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0544】
実施例157. シールリングが、圧縮可能なインサートおよび布カバーを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例156の弁アセンブリ。
【0545】
実施例158. 圧縮可能なインサートが、シリコーン系の材料を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例157の弁アセンブリ。
【0546】
実施例159. シールリングが、円筒様の形態を形成するように自身の上に巻かれた布の平坦なシートを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例151~157のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0547】
実施例160. シールリングが、人工弁の流入端の周囲に配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例151~159のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0548】
実施例161. シールリングが、弁フレームから少なくとも2mmの距離へと、半径方向に離れるように延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例151~160のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0549】
実施例162. シールリングが、弁フレームから少なくとも5mmの距離へと、半径方向に離れるように延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例151~160のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0550】
実施例163. 係合フレームの支柱の少なくとも1つの横木が、係合フレームの支柱の2つの横木を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例151~162のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0551】
実施例164. スパイクが、係合フレームの支柱によって画定される円周面に沿って延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例151~163のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0552】
実施例165. スパイクが、係合フレームの支柱から半径方向外向きに、かつ軸方向に、鋭角で延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例151~163のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0553】
実施例166. 弁アセンブリであって、
人工弁であって、
半径方向に圧縮された状態にある第1の直径から、自由な半径方向に拡張した状態にある第3の直径へと自己拡張するように構成された弁フレームと、
弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える、弁尖アセンブリと、を備える人工弁と、
弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームに連結される制限フレームであって、交差する制限支柱の少なくとも1つの横木を備える、制限フレームと、を備え、
制限フレームが、弁フレームをその展開した状態で第2の直径へと限定するように構成され、第2の直径が第3の直径未満である、弁アセンブリ。
【0554】
実施例167. 弁フレームが、複数の交差した支柱を備え、弁フレームの支柱が、第1の太さおよび第1の幅を画定し、かつ各制限支柱が、第2の太さおよび第2の幅を画定する、本明細書の任意の実施例、特に実施例166の弁アセンブリ。
【0555】
実施例168. 第2の幅が、第1の幅より大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例167の弁アセンブリ。
【0556】
実施例169. 第2の太さが、第1の太さより大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例167または168の弁アセンブリ。
【0557】
実施例170. 制限フレームが、弁フレームへと直接的に縫合される、本明細書の任意の実施例、特に実施例166~169のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0558】
実施例171. 人工弁が、弁フレームの周囲に配置され、かつ弁フレームに連結された外側スカートをさらに備え、制限フレームが外側スカートに連結されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例166~169のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0559】
実施例172. 係合フレームの支柱の少なくとも1つの横木が、ジグザグ状の係合フレームの支柱の単一の横木を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例166~171のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0560】
実施例173. 係合フレームの支柱の少なくとも1つの横木が、係合フレームの支柱の2つの横木を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例166~171のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0561】
実施例174. 制限フレームが、係合フレームの支柱から延在する複数のスパイクをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例166~173のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0562】
実施例175. スパイクが、係合フレームの支柱によって画定される円周面に沿って延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例174の弁アセンブリ。
【0563】
実施例176. スパイクが、係合フレームの支柱から半径方向外向きに、かつ軸方向に、鋭角で延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例174の弁アセンブリ。
【0564】
実施例177. 人工弁が、第3の直径より大きい直径への弁フレームの半径方向拡張を生成するように構成された複数のアクチュエータをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例166~176のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0565】
実施例178. 各アクチュエータが、対応するねじ付きナットと係合するねじ付きロッドを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例177の弁アセンブリ。
【0566】
実施例179. 各ねじ付きロッドが、回転するように構成され、これにより弁フレームの流入頂点および流出頂点が相互に向かって軸方向に移動し、かつ弁フレームを半径方向に拡張する、本明細書の任意の実施例、特に実施例178の弁アセンブリ。
【0567】
実施例180. 弁アセンブリであって、
人工弁であって、
複数の支柱を備え、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張した状態との間で移動可能である、弁フレームと、
弁フレーム内に据え付けられ、かつ人工弁を通る流れを調節するように構成された複数の弁尖を備える、弁尖アセンブリと、を備える人工弁と、
弁フレームから半径方向外向きに配置され、かつ弁フレームに連結される、弁尖係合フレームであって、
1つ以上の支柱の横木を画定する複数の係合フレームの支柱であって、1つ以上の支柱の横木が、係合フレームの第1の横木を含む、複数の係合フレームの支柱と、
係合フレームの第1の横木の支柱からだけ遠位方向に延在する、複数の遠位に延在するスパイクと、を備える弁尖係合フレームと、を備え
複数の遠位に延在するスパイクが、弁アセンブリが部分的に拡張した状態にあるときに、弁アセンブリの外側に位置付けられた1つ以上の天然の弁尖またはホストの弁尖と係合し、また弁アセンブリがさらに拡張したときに、係合された天然の弁尖またはホストの弁尖を遠位に折り曲げるように構成される、弁アセンブリ。
【0568】
実施例181. 遠位に延在するスパイクが、鋭角αで半径方向外向きに、かつ係合フレームの第1の横木のそれぞれの支柱から遠位方向に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例180の弁アセンブリ。
【0569】
実施例182. 弁尖係合フレームが、係合フレームの第1の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例180または181の弁アセンブリ。
【0570】
実施例183. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が遠位に延在するフックに対して遠位にあるように、外側スカートが弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例180~182のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0571】
実施例184. 弁尖係合フレームの1つ以上の支柱の横木が、係合フレームの第1の横木に対して遠位の少なくとも1つの追加的な支柱の横木を備え、かつ弁尖係合フレームが、追加的な支柱の横木の係合フレームの支柱から近位方向に延在する、複数の近位に延在するスパイクをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例180の弁アセンブリ。
【0572】
実施例185. 近位に延在するスパイクが、追加的な支柱の横木から半径方向外向きに、かつ近位方向に、鋭角βで延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例184の弁アセンブリ。
【0573】
実施例186. 近位に延在するスパイクを備える少なくとも1つの追加的な支柱の横木が、係合フレームの第2の横木であり、かつ弁尖係合フレームが、係合フレームの第1の横木および係合フレームの第2の横木以外の任意の他の支柱の横木を欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例184または185の弁アセンブリ。
【0574】
実施例187. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が遠位に延在するスパイクおよび近位に延在するスパイクに対して遠位にあるように、外側スカートが弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例186の弁アセンブリ。
【0575】
実施例188. 弁尖係合フレームの1つ以上の支柱の横木が、遠位に延在するスパイクおよび近位に延在するスパイクを含む支柱の横木の間に配置された1つ以上の支柱の中間横木をさらに備え、1つ以上の支柱の中間横木のうちのいずれか1つがスパイクを欠いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例184または185の弁アセンブリ。
【0576】
実施例189. 外側スカート流出端および外側スカート流入端を備える外側スカートをさらに備え、外側スカート流出端が遠位に延在するスパイクに対して遠位にあり、かつ外側スカート流入端が近位に延在するスパイクに対して近位にあるように、外側スカートが弁アセンブリの外面の外側に据え付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例188の弁アセンブリ。
【0577】
実施例190. 各近位に延在するスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例184~189のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0578】
実施例191. 角βが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例185の弁アセンブリ。
【0579】
実施例192. 角βが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例191の弁アセンブリ。
【0580】
実施例193. 角βが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例192の弁アセンブリ。
【0581】
実施例194. 各遠位に延在するスパイクが、鋭利な遠位先端で終結する、本明細書の任意の実施例、特に実施例180~193のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0582】
実施例195. 角αが、10度~80度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例181の弁アセンブリ。
【0583】
実施例196. 角αが、20度~70度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例195の弁アセンブリ。
【0584】
実施例197. 角αが、30度~60度の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に実施例196の弁アセンブリ。
【0585】
実施例198. 弁フレームの複数の支柱が、
弁フレームの流出横木と、
弁フレームの流入横木と、
弁フレームの流出横木と弁フレームの流入横木との間に配置される少なくとも1つの弁フレームの中間横木と、を備える複数の支柱の横木を画定し、
係合フレームの第1の横木の支柱が、弁フレームの流出横木に対して遠位である弁フレームの中間横木の支柱と整列する、本明細書の任意の実施例、特に実施例180~197のいずれか1つの弁アセンブリ。
【0586】
実施例199. 少なくとも1つの弁フレームの中間横木が、弁フレームの第1の中間横木と、弁フレームの第2の中間横木と、弁フレームの第3の中間横木と、を備え、弁フレームの支柱が、弁フレームの流入横木の支柱を弁フレームの第3の中間横木の支柱と相互接続する弁フレーム遠位軸方向支柱をさらに備え、かつ係合フレームの第1の横木の支柱が、弁フレームの第1の中間横木の支柱と整列する、本明細書の任意の実施例、特に実施例198の弁アセンブリ。
【0587】
実施例200. 少なくとも1つの弁フレームの中間横木が、弁フレームの第1の中間横木および弁フレームの第2の中間横木を含み、係合フレームの第1の横木の支柱が、弁フレームの第1の中間横木の支柱と整列している、本明細書の任意の実施例、特に実施例198の弁アセンブリ。
【0588】
実施例201. 弁フレームの周囲の任意の特定の円周の場所における、弁フレームの第1の中間横木の各支柱と弁フレームの流出横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離が、同じ円周の場所における弁フレームの第2の中間横木の支柱と弁フレームの流入横木のそれぞれの支柱との間の軸方向距離より大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例200の弁アセンブリ。
【0589】
明瞭性のために別個の実施例の文脈で記述された、開示された技術のある特定の特徴は、単一の実施例において組み合わせで提供されてもよいことが理解される。反対に、簡潔のために、単一の実施例の文脈で記述される、開示された技術の様々な特徴はまた、別個に、または任意の好適な部分組み合わせで、または開示された技術の任意の他の記述された実施例において好適なものとして、提供されてもよい。実施例の文脈で記述されたいかなる特徴も、そのようなものとして明示的に特定されない限り、その実施例の本質的特徴とみなされるべきではない。
【0590】
本開示の原理が適用されてもよい数多くの可能な実施例を考慮して、例示される実施例は、好ましい実施例に過ぎず、かつ範囲を限定するものと取られるべきではないことが、認識されるべきである。そうではなく、範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、これらの請求項の範囲および趣旨に含まれるすべてのものを特許請求する。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図29
図30
図31A
図31B
図32
図33
図34A
図34B
【国際調査報告】