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特表2024-522731筋痛の処置における使用のためのクルクミノイドを含む組成物
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  • 特表-筋痛の処置における使用のためのクルクミノイドを含む組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】筋痛の処置における使用のためのクルクミノイドを含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/12 20060101AFI20240614BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240614BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20240614BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240614BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240614BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240614BHJP
   A61K 9/51 20060101ALI20240614BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20240614BHJP
【FI】
A61K31/12
A61P21/00
A61P3/02
A61P43/00 111
A61K47/36
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K9/51
A23L33/105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577436
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 EP2022066392
(87)【国際公開番号】W WO2022263558
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】2108511.3
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラヴァル,ジュリー
(72)【発明者】
【氏名】ファンカ-ベルトン、パスカーレ エリザベス レネー
(72)【発明者】
【氏名】ナランホ モダド,サンドラ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C084
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB07
4B018LB08
4B018MD08
4B018MD61
4B018ME14
4B018MF01
4C076AA65
4C076BB01
4C076CC21
4C076EE30
4C076EE38
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZA94
4C084ZC21
4C084ZC41
4C084ZC751
4C206AA01
4C206AA02
4C206CB14
4C206KA01
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZA94
4C206ZC21
4C206ZC41
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、対象において、運動の間および/または後に、機能的活動を改善および/もしくは維持するため、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防するための、改善されたクルクミノイド組成物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象において、運動の間および/または後に、機能的活動を改善および/もしくは維持すること、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防することにおける使用のための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニンを含む組成物であって、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい、前記組成物。
【請求項2】
対象において、運動の間および/または後に、機能的活動を改善および/もしくは維持するため、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防するための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニンを含む組成物の使用であって、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい、前記使用。
【請求項3】
対象において、運動の間および/または後に、機能的活動を改善および/もしくは維持するため、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防するための方法であって、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニンを含む組成物の有効量の、それを必要とする対象への投与を含み、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば、約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい、前記方法。
【請求項4】
運動の後の対象における筋疼痛および/または筋疲労の経口投与による処置における使用のための医薬の製造のための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニン(単数または複数)を含む組成物。
【請求項5】
機能的活動を改善および/もしくは維持することが、筋回復を改善および/もしくは維持すること、筋機能を改善および/もしくは維持すること、筋力を改善および/もしくは維持すること、筋強度を改善および/もしくは維持すること、ならびに/または主観的ウェルネスおよびウェルビーイングを改善および/もしくは維持することに起因する、請求項1~4に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項6】
筋機能が、等尺性および等速性の機能である、請求項5に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項7】
筋痛が、遅発性筋痛および/または急性筋痛である、請求項1~4に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項8】
運動の間および/もしくは後の対象においてクレアチンキナーゼ(CK)のレベルを低下させることにおける、または運動の間および/もしくは後の対象においてクレアチンキナーゼ(CK)のレベルの増大を予防することにおける使用のための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニンを含む組成物であって、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい、前記組成物。
【請求項9】
クルクミノイドが、クルクミンおよびその第I相または第II相代謝物、デメトキシクルクミンおよびその第I相または第II相代謝物、ビスデメトキシシクルクミンおよびその第I相または第II相代謝物ならびにそれらの混合物である、請求項1~8に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項10】
クルクミノイドが、クルクミン、デメトキシクルクミン(DMC)、ビスデメトキシシクルクミン(BDMC)およびそれらの混合物から選択される、請求項9に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項11】
組成物が、30mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mgまたは90mg~約1500mg、1400mg、1200mg、1110mg、1000mg、900mg、800mg、700mg、600mg、500mg、400mg、300mg、250mg、200mg、150mg、100mgまたは95mg、例えば約70mg~約300mg、または約70mg~約200mg、または約70mg~約100mg、例えば90mgのクルクミノイドの量を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項12】
クルクミノイドが、ターメリック(Curcuma longa)の根(根茎)、オレオレジンターメリック根、脱脂オレオレジンターメリック根およびそれらの混合物からの抽出および任意に精製、例えばエタノール抽出により提供される、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項13】
アカシアゴムが、組成物の約30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%~約85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、例えば組成物の約50重量%~約60重量%または組成物の約58重量%の量におけるものである、請求項1~12のいずれか一項に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項14】
1つ以上のサポニン(単数または複数)が、キラヤサポニン(単数または複数)、ユッカサポニン、チャサポニン、ピーナッツサポニン、ホウレンソウサポニン、サトウダイコンサポニン、ヤムサポニン、ブラックベリーサポニン、甘草根サポニン、サクラソウ根サポニン、チョウセンニンジンサポニンおよびそれらの混合物から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項15】
少なくとも1つのサポニン(単数または複数)が、組成物の約0.1重量%~約5重量%、例えば組成物の重量により約0.5%w/w~約3%w/wまたは約1.3%w/wの量において存在する、請求項1~14のいずれか一項に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項16】
組成物が、約100nm~約10000nm、例えば約100nm~約700nmまたは約1000nm~約6000nmの平均直径を有する粒子を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項17】
クルクミノイドを含む組成物が、約50mg/日、約60mg/日、70mg/日、80mg/日、90mg/日、100mg/日、150mg/日、200mg/日、300mg/日~約1400mg/日、1300mg/日、1200mg/日、1100mg/日、1000mg/日、900mg/日、800mg/日、700mg/日、600mg/日、500mg/日、400mg/日、例えば約70mg/日~約100mg/日、例えば約90mg/日の量においてクルクミノイドを提供するために、投与または使用されてもよい、請求項1~16のいずれか一項に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項18】
組成物の投与量が、約100mg~約500mg、例えば約300mgであり、クルクミノイドの日用量が、約50mg/日~約500mg/日、例えば約70mg/日~約90mg/日である、請求項1~17のいずれか一項に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項19】
組成物が、約70mg/日~約90mg/日のクルクミノイドの量においてクルクミノイドを提供するために、約54mg/日~約69mg/日のクルクミンならびに16mg/日~約21mg/日のDMCおよびBDMCと共に、投与または使用されてもよい、請求項1~18のいずれか一項に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項20】
組成物が、単一の日用量として投与または使用されてもよい、請求項1~19のいずれか一項に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項21】
組成物が、医薬、栄養補助食品または食品組成物として提示される、請求項1~20のいずれか一項に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項22】
対象が、ヒトである、請求項1~21のいずれか一項に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【請求項23】
ヒトが、男性または女性である、請求項22に記載の使用のための組成物、使用または方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、対象において、運動の間および/または後に、機能的活動を改善および/もしくは維持するため、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防するための、改善されたクルクミノイド組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ターメリックは、ターメリック植物(Curcuma longa)の根から得られる、広範に用いられる香辛料であり、また着色/香味物質である。それは、アジア諸国における伝統医学において何世紀にもわたり用いられており、多くの健康状態を改善することが示されてきた。
【0003】
ターメリックは、米国食品医薬品局(FDA)のGRAS(食品医薬品局合格証(generally recognised as safe))物質リスト上にある。
【0004】
ターメリックは、意図される使用に依存して、局所、経口を含む、または吸入による、異なる経路により与えられた場合においてすら有効であることが見出された。ターメリックの主要な構成要素は、総クルクミノイド含有物のうちの70~85%までを構成するクルクミン(ジフェルロイルメタン)であり、デメトキシクルクミンおよびビス-デメトキシクルクミンが残りを含む(Aggarwal, B. B., & Shishodia, S. (2004). Annals of the New York Academy of Sciences, 1030, 434-441)。クルクミンおよびクルクミノイドは、それらの抗酸化および抗炎症特性に起因して、特に多様な健康状態を調節することにおけるそれらの潜在的な効力に関して、大規模に調査されてきた(Hewlings, S., & Kalman, D. (2017). Curcumin: A Review of Its’ Effects on Human Health. Foods, 6(10), 92)。クルクミンおよびクルクミノイドの分子構造は、それらのフリーラジカル除去活性を担っており、一方、クルクミンの保護的効果もまた、Nrf-2活性化とNFカッパB阻害との組み合わせに強力に関連する(Aggarwal & Harikumar, 2009;Williams, Sorribas, & Howes, 2011)。これら2つの細胞経路のクルクミンの調節は、それぞれ、ARE遺伝子(抗酸化剤応答エレメント、特に、HO-1、GSH合成酵素、SOD、カタラーゼの発現を調節する)の誘導、ならびにシクロオキシゲナーゼ-2活性(COX-2)の減少および炎症促進性サイトカイン産生(例えば、TNFアルファ、IL1ベータ、IL6)に関与する(Menon, V. P., & Sudheer, A. R. (2007). Advances in Experimental Medicine and Biology, 第595巻、pp. 105-125;Esatbeyoglu, Tら(2012年、5月29日)、Angewandte Chemie - International Edition、第51巻、pp. 5308-5332.)。マウスにおける前臨床研究は、ダウンヒル運動の後のクルクミンおよびクルクミノイドのいくつかの利益、例えば、筋再生、長時間の自発的なランニングによる遅発性筋痛(DOMS)に関連する行動の改善、IL-6、TNFアルファ、CKおよび過酸化水素により誘導された酸化ストレスのレベルの軽減を示した(Kawanishi, N., et al. (2013). Biochemical and Biophysical Research Communications, 441(3), 573-578;Davis, J. M.,et al. (2007). American Journal of Physiology - Regulatory Integrative and Comparative Physiology, 292(6))。これらの研究の間、ターメリック食品は経口で動物に与えられたが、一方で、Thaloorおよび同僚らは、マウスを腹腔内でクルクミンで処置し、局所凍結傷害の後で正常な筋構造物を修復することができた(Thaloor, D., et al. (1999). American Journal of Physiology - Cell Physiology, 277(2 46-2))。全てのこれらの結果は、クルクミンおよびクルクミノイドが、炎症および酸化ストレスに対するそれらの生理学的効果を通して、運動誘発性の筋損傷(EIMD)および関連する筋傷害に対して、正の効果を有することができることを示す。
【0005】
ターメリック(Curcuma longa L.)抽出物は、世界中で、良好な安全性プロフィールを伴う長い使用の歴史を有する。しかし、運動後の筋回復および筋機能において効果を有するためには、非常に高い用量のターメリック標準抽出物(6000mgまで)または増強された処方物(600~2500mg)が投与されることが必要である。
【0006】
例えば、Drobnic F. Etら(Journal of the international society of sport nutrition. 2014. 11:31)の臨床研究においては、400mgのクルクミノイドを含む2000mgの処方物が用いられた。200~1060mgのクルクミノイドが用いられた、高レベルのクルクミノイドを用いた他の研究もまた、何らの顕著な筋痛の軽減の結果を示さなかった(Nicol et al., European Journal of Applied Physiology, 2015, 115 (8): 1769-77;またはJager R. et al, Nutrients 2019 Jul 23 11(7))。
【発明の概要】
【0007】
発明の要旨
本発明者らは、驚くべきことに、クルクミノイド、アカシアゴムおよびキラヤ属を含む特定の組成物が、例えば運動または激しい運動の後で、筋痛および機能的な筋肉の活動に対して改善された効果を有することを見出した。
【0008】
本発明の組成物は、標準的なターメリック抽出物とは異なり、著しくより低い活性化合物の投与量を用いる場合ですら、筋痛および機能的な筋肉の活動に対して正の効果を可能にする。
【0009】
運動後の筋回復および筋機能において影響を有するためには、非常に高い用量のターメリック標準抽出物(6000mgまで)または増強された処方物(600~2500mg)を投与することが必要とされる。
【0010】
本発明の組成物により、はるかに低いクルクミノイド用量で、筋痛、機能的な筋肉の活動、主観的ウェルネスおよびウェルビーイング(perceived wellness and wellbeing)ならびに主観的運動強度(perceived exertion)に対する、類似のまたは改善された効果すら示される。本発明の組成物は、わずか90mgのクルクミノイドの日用量においてすら、対象において、運動後に、筋痛を軽減し、機能的な筋肉の活動を改善する。
【0011】
これは、活性なクルクミノイドの日用量の10~20倍の減少である。
有効日用量の減少は、同じ効力を有する投与フォーマットが小さくなるというさらなる利点を有する(すなわち、より小さな丸剤を製造することができる)。別の利点は、活性化合物(クルクミノイド)の投与はまた、1つの日用量における単一の投与量として提示されることである。活性化合物の1つの単一の日用量の可能性を伴う、本発明の組成物のより小さな用量における提示は、運動後の筋痛および機能的な筋肉の活動の管理において正の効果を有するであろう。
【0012】
したがって、第1の側面において、本発明は、対象において、機能的活動を改善および/もしくは維持すること、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防することにおける使用のための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニン(キラヤ属など)を含む組成物を提供し、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
【0013】
第2の側面において、本発明は、対象において、機能的活動を改善および/もしくは維持するため、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防するための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニン(キラヤ属など)を含む組成物の使用を提供し、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
【0014】
第3の側面において、本発明は、対象において、機能的活動を改善および/もしくは維持するため、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防するための方法を提供し、該方法は、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニン(キラヤサポニンなど)を含む組成物の有効量の、それを必要とする対象への投与を含み、およびここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
【0015】
機能的活動の低下および/または筋痛は、以下の状態のうちの1つ以上により引き起こされるものであってもよい:運動(激しい運動など)、外傷、筋炎、炎症性ミオパチーなど。
好ましい態様において、機能的活動の低下および/または筋痛は、激しい運動などの運動により引き起こされる。
【0016】
したがって、本発明は、対象において、運動の間および/または後に、機能的活動を改善および/もしくは維持すること、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防することにおける使用のための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニンを含む組成物(キラヤ属など)を提供し、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
【0017】
したがって、本発明は、対象において、運動の間および/または後に、機能的活動を改善および/もしくは維持するため、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防するための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニン(キラヤ属など)を含む組成物の使用を提供し、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
【0018】
したがって、本発明は、対象において、運動の間および/または後に、機能的活動を改善および/もしくは維持するため、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防するための方法を提供し、該方法は、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニン(キラヤサポニンなど)を含む組成物の有効量の、それを必要とする対象への投与を含み、およびここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
【0019】
本発明の記述される側面のうちの1つ以上に関して提供される詳細、例、および優先度は、本明細書においてさらに記載され、本発明の全ての側面について同等に適用される。本明細書において別段に示されない限り、または文脈により別段に明らか矛盾しない限り、本明細書において下に記載される態様、例および優先度の、それらの全ての可能なバリエーションにおける任意の組み合わせが、本発明により包含される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、主観的ウェルネスおよびウェルビーイングの評価についての心理測定的試験である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
前述の一般的記載および以下の詳細な説明はいずれも例示的かつ説明的なものにすぎず、請求されるとおりの態様を制限するものではないことが理解されるべきである。本明細書において、別段に特に記述されない限り、単数形の使用は、複数形を含む。本明細書において用いられる場合、別段に記述されない限り、「または(or)」の使用は、「および/または(and/or)」を意味する。さらに、用語「含むこと(including)」ならびに他の形態、例えば「含む(include)」および「含まれる(included)」の使用は、限定的ではない。
【0022】
本明細書において用いられるセクションの見出しは、組織化を目的とするにすぎず、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、記事、書籍などを含むがこれらに限定されない、本願において列記される全ての文書または文書の部分は、本明細書において議論される文書の部分について、ならびにそれの全体において、本明細書により明示的に参考として援用される。
【0023】
本発明により、対象において、機能的活動を改善および/もしくは維持することならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防することにおける使用のための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニン(キラヤ属など)を含む組成物が提供され、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
かかる組成物は、本明細書において以後、「本発明の使用のための組成物」または「本発明の組成物」として言及され得る。
【0024】
機能的活動の低下および/または筋痛は、以下の状態のうちの1つ以上により引き起こされるものであってもよい:運動(激しい運動など)、外傷、筋炎、炎症性ミオパチーなど。
好ましい態様において、機能的活動の低下および/または筋痛は、激しい運動などの運動により引き起こされる。
【0025】
したがって、本発明は、対象において、運動の間および/または後に、機能的活動を改善および/もしくは維持すること、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防することにおける使用のための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニンを含む組成物(キラヤ属など)を提供し、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
【0026】
本発明はまた、対象において、機能的活動を改善および/もしくは維持するため、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防するための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニン(キラヤサポニンなど)を含む組成物の使用を提供し、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
かかる使用は、本明細書において以後、「本発明の使用」として言及される場合がある。
【0027】
機能的活動の低下および/または筋痛は、以下の状態のうちの1つ以上により引き起こされるものであってもよい:運動(激しい運動など)、外傷、筋炎、炎症性ミオパチーなど。
好ましい態様において、機能的活動の低下および/または筋痛は、激しい運動などの運動により引き起こされる。
【0028】
したがって、本発明は、対象において、運動の間および/または後に、機能的活動を改善および/もしくは維持するため、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防するための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニン(キラヤ属など)を含む組成物の使用を提供し、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
【0029】
本発明によりまた、対象において、運動の間および/または後に、機能的活動を改善および/もしくは維持すること、ならびに/または筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防するための方法が提供され、該方法は、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニン(キラヤサポニンなど)を含む組成物の有効量の、それを必要とする対象への投与を含み、およびここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
かかる方法は、本明細書において以後、「本発明の方法」として言及される場合がある。
【0030】
本発明により、本明細書において記載される使用のための組成物、方法または使用において、筋痛は、遅発性筋痛および/または急性筋痛であってよい。好ましい態様において、筋痛は、運動誘発性筋痛である。
本発明において、「遅発性筋痛(DOMS)」は、不慣れなまたは激しい運動の後に筋肉において数時間~数日間にわたり感じられる、疼痛およびこわばり感を指す場合がある。
【0031】
痛みは、運動の24~72時間後に最も強く感じられる。それは、筋繊維に小規模な損傷(微小外傷)を引き起こす伸張性の(長期の)運動により引き起こされると考えられる。
遅発性筋痛は、運動誘発性筋損傷の1つの症状である。他方は、運動の間および直後に現れる急性筋痛である。
【0032】
本発明において、「急性筋痛(AMS)」とは、激しい身体的運動の間、その直後、24時間後までに、筋肉において感じられる疼痛を指す場合がある。疼痛は、筋肉を収縮した直後に現れ、それは、それを弛緩させた後2分または3分から数時間までのうちに消えるであろう。
【0033】
以下の原因が、急性筋痛について提案されてきた:乳酸およびH+などの筋細胞における運動の化学的最終代謝産物の蓄積、または筋疲労(筋が疲労してそれ以上収縮することができない)。
【0034】
本発明の組成物、使用または方法の一態様において、機能的活動を改善および/もしくは維持することは、以下のうちの1つ以上に起因する:筋回復を改善および/もしくは維持すること、筋機能を改善および/もしくは維持すること、筋力を改善および/もしくは維持すること、筋強度を改善および/もしくは維持すること、または主観的ウェルネスおよびウェルビーイングを改善および/もしくは維持すること、または主観的運動強度を改善および/もしくは維持すること。
【0035】
本発明において、「筋力(muscle power)」とは、時間の単位あたりに行われる仕事の量として定義される場合がある。加速、跳躍および投擲におけるように、可能な限り短い時間において最大の力(maximum force)を発揮する能力。本発明において、「筋強度(muscle strength)」は、負荷に対して適用することができる最大の力、として定義される場合があり、一方、力(power)は、この最大の力を適用することができる速度に対して比例する。筋力および筋強度を評価するための方法、例えば本明細書の例において用いられる方法(高さ、速度および力(power)を記録する垂直跳躍測定試験)は、当該分野において周知である。
【0036】
本発明において、「主観的ウェルネスおよびウェルビーイング」とは、個々に、または複合的に、疲労、睡眠の質、一般的な筋痛、ストレス、および気分を指す場合がある。
本発明において、「主観的運動強度」とは、呼吸の困難および疲弊(exhaustion)を指す場合がある。
一態様において、筋機能は、等尺性および/または等速性の筋機能である。
【0037】
一態様において、機能的活動に対する改善(すなわち、筋回復の改善、筋機能の改善、筋力の改善、筋強度の改善、ならびに/または主観的ウェルネスおよびウェルビーイングの改善)は、運動の間であるか、または運動後の初めの24時間におけるものである。
【0038】
別の態様において、機能的活動に対する改善(すなわち、筋回復の改善、筋機能の改善、筋力の改善、筋強度の改善、ならびに/または主観的ウェルネスおよびウェルビーイングの改善)は、運動の24時間後、例えば運動の24~72時間後、例えば48時間後またはそれより後に、認知される。
【0039】
一態様において、筋痛の緩和、処置、軽減および/または予防は、運動の間、または運動後の初めの24時間またはそれより長い時間の後で認知される。
別の態様において、筋痛の緩和、処置、軽減および/または予防は、運動の24時間後、例えば運動の24~72時間後、例えば48時間後またはそれより後に、認知される。
一態様において、対象は、健康な対象である。
【0040】
本発明はまた、運動の間および/もしくは後の対象においてクレアチンキナーゼ(CK)のレベルを低下させることにおける、または運動の間および/もしくは後の対象においてクレアチンキナーゼ(CK)のレベルの増大を予防することにおける使用のための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニンを含む組成物に関し、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
【0041】
本発明はまた、運動の間および/もしくは後の対象においてクレアチンキナーゼ(CK)のレベルを低下させることにおける、または運動の間および/もしくは後の対象においてクレアチンキナーゼ(CK)のレベルの増大を予防することにおける使用のための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニンを含む組成物の使用に関し、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
【0042】
本発明はまた、運動の間および/もしくは後の対象においてクレアチンキナーゼ(CK)のレベルを低下させることにおける、または運動の間および/もしくは後の対象においてクレアチンキナーゼ(CK)のレベルの増大を予防することにおける使用のための方法に関し、該方法は、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニンを含む組成物の有効量の、それを必要とする対象への投与を含み、ここで、クルクミノイドを含む組成物は、クルクミノイドを、約50mg/用量~約300mg/用量、例えば、約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量または300mg/用量の量において提供するために、投与または使用されてもよい。
【0043】
本発明はまた、対象において、経口投与により、運動の間および/もしくは後の対象においてクレアチンキナーゼ(CK)のレベルを低下させることにおける、または運動の間および/もしくは後の対象においてクレアチンキナーゼ(CK)のレベルの増大を予防することにおける使用のための、医薬の製造のための、i)クルクミノイド;ii)加工デンプンおよび/またはアカシアゴム;ならびにiii)1つ以上のサポニン(単数または複数)を含む組成物に関する。
【0044】
クレアチンキナーゼ(CK)は、筋肉(骨格筋など)における損傷の周知のバイオマーカーである。CKのレベルは、当該分野において周知の技術を用いて、血液中で測定してもよい。本願の発明者らは、本発明の組成物が、運動の間のCKの形成を予防し、これを減少させることを示した。
【0045】
「本発明の使用のための組成物」、「本発明の使用」の、および「本発明の方法」の組成物は、コロイド状懸濁液もしくはエマルションの形態におけるものであっても、または、固体の形態におけるもの、例えば粉末の形態におけるものであってもよい。
【0046】
本明細書に使用されるとき、用語「エマルション」は、大抵は混合しない2つの液体を組み合わせることによって形成されるタイプのコロイドを指す。典型的には、液体の1つが他の液体の分散体を含有する。
【0047】
ときには、用語「コロイド」および「エマルション」は互換的に使用されるが、本明細書に使用されるときは、用語エマルションは、混合物の両方の相が液体である場合に適用する。コロイド中の粒子は、任意の物質の相であることができる。そのため、エマルションはコロイドのタイプであるが、すべてのコロイドがエマルションであるとは限らない。ある態様において、本発明の組成物は、時折コロイド状懸濁液として同定されるコロイド状の溶液を形成し、これは、物質(クルクミノイドのような固体など)が液体中に規則的に懸濁されている混合物である。
【0048】
本発明のいくつかの組成物はフェヌグリークを含まない、例えば、いくつかの本発明の組成物はフェヌグリーク繊維(すなわち、フェヌグリークから得られたまたは得られ得る繊維)を含まない。
【0049】
本発明の組成物は、組成物の5重量%未満または組成物の2.5重量%未満などの、少量のポリオールおよび/または好ましくは1または2の単糖単位を有する低分子量糖を含んでいてもよい。代替的に、本発明の組成物は、ポリオールおよび/または1または2の単糖単位を有するものなどの低分子量糖を含まなくてもよい、すなわち、いくつかの組成物は、ポリオールおよび/または1または2の単糖単位を有するものなどの低分子量糖を全く含有しない。
【0050】
本発明の組成物において、粒子は、約200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1000nm、1100nm、1200nm、1300nm、1400nmまたは1500nm~約9000nm、8000nm、7000nm、6000nm、5000nm、4000nm、3000nmまたは2000nm、例えば、約1000nm~約6000nmの平均直径を有し得る。粒子はまた、約200nm~約600nm、または約300nm~約500nmまたは約400nmの平均直径を有し得る。
【0051】
例えば、組成物がエマルションまたはコロイドの形態である場合、組成物は、例えば、約550nm~約700nmの平均直径を有する粒子および約100nm~約250nmの平均直径を有する粒子を含んでいてもよく、平均直径は約400nmになる。
【0052】
組成物が粉末などの固体の形態である場合、組成物は、例えば、約2000nm~約4000nmなどの約1000nm~約6000nmの平均直径を有する粒子を含んでいてもよい。
【0053】
本発明の組成物中の粒子は、ミセルの形態であってもよい。
本発明の組成物において、例えば、組成物が固体の形態である場合、粒子は、噴霧乾燥などの当技術分野において知られているかかる技法を使用して形成されてもよい。
【0054】
粒子の形成後(例えば、噴霧乾燥などの乾燥後)、粒子をすりつぶすおよび/または粉砕(ボールミルなど)して、より均一なサイズを提供してもよい。
【0055】
ロードされたクルクミンミセルのサイズおよび形態は、動的光散乱(DLS)、およびゼータ電位(Z-電位)、および走査型電子顕微鏡(SEM)によって分析された。DLSおよびゼータ電位分析については、(25±0.1℃)の温度で90°の固定散乱角でHe/Neレーザー(λ=633nm)を備えたZetasizer Nano ZS(NanoZS90、Malvern Instrument Ltd.、英国)で分析する。例えば、粒子のサイズは、CQ-MO-304法によって測定してもよい。
【0056】
本発明の組成物において、クルクミノイドは、任意の供給源から得られ得る。しかしながら、クルクミノイドは天然源から得られることが好ましい、すなわち、クルクミノイドは合成ではなく、植物ベースである。
【0057】
本明細書において記載される方法または使用において、クルクミノイドは、クルクミンおよびその第I相または第II相代謝物、デメトキシクルクミンおよびその第I相または第II相代謝物、ビスデメトキシシクルクミンおよびその第I相または第II相代謝物ならびにそれらの混合物からなる群より選択されてもよい。例えば、第I相または第II相代謝物は、クルクミングルクロニド、クルクミンスルファート、DMCグルクロニド、DMCスルファート、BDMCグルクロニド、BDMCスルファート、テトラヒドロクルクミン(THC)、THCグルクロニド、THCスルファート、ヘキサヒドロクルクミン(HHC)、HHCグルクロニド、HHCスルファート、およびそれらの混合物からなる群より選択されてもよい。
【0058】
本明細書において記載される使用のための組成物、方法または使用において、クルクミノイドは、それらの未代謝の形態(すなわち、遊離の形態)、例えば、グルクロニドまたはスルファートの付加を経験していないクルクミン、DMCおよびBDMCの形態におけるものであってもよい。
【0059】
本発明の組成物は、組成物の少なくとも約10重量%、少なくとも約25重量%のクルクミノイド、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約重量99%のクルクミノイドを含んでもよい。
【0060】
例えば、本明細書において記載される方法または使用において、組成物において、クルクミノイドは、組成物の約20重量%~約60重量%、例えば約25重量%~約50重量%、または約28重量%~約48重量%などの量で存在し得る。
【0061】
例えば、本明細書において記載される方法または使用において、本発明の組成物において、クルクミノイドは、約30mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mgまたは90mg~約1500mg、1400mg、1200mg、1100mg、1000mg、900mg、800mg、700mg、600mg、500mg、400mg、300mg、250mg、200mg、150mg、100mgまたは95mg、例えば約70mg~約300mg、または約70mg~約200mg、または約70mg~約100mg、例えば90mgの量において、存在してもよい。
【0062】
クルクミノイドは、ターメリック(Curcuma longa)の根(根茎)、オレオレジンターメリック根、脱脂オレオレジンターメリック根およびそれらの混合物からの抽出および任意の精製によって提供されてもよく、すなわち、クルクミノイドは、抽出物中の総クルクミノイドのパーセンテージに基づいて、約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%~約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%または45%のクルクミノイドなどの約30%~約100%クルクミノイドを含むターメリックの抽出物または精製抽出物の形態であってもよい。
【0063】
クルクミノイドがターメリックの抽出物として提供される場合、ターメリックは、水/アルコール混合物またはアルコールなどのアルコールベース抽出溶媒、有機ベースの抽出溶媒、またはクルクミノイドの高収率を有することを可能にする任意の他の技術および溶媒を使用して抽出してもよい。例えば、アルコールベース抽出溶媒は、水/メタノール(すなわち、水とメタノールの混合物)または水/エタノール(すなわち、水とエタノールの混合物)またはメタノールまたはエタノールであってもよい。
【0064】
抽出溶媒が水/アルコール混合物を含む場合、水対アルコールの比は、約25:75~約1:99、例えば約20:80~約5:95または約10:90であってもよい。例えば、抽出溶媒は、約25:75~約1:99、例えば約20:80~約5:95または約10:90の比の水/エタノールであってもよい。
【0065】
ターメリック抽出物をさらに精製して、抽出物中の総クルクミノイドのパーセンテージに基づいて、約30%から約100%のクルクミノイド、例えば約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%から約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%または45%のクルクミノイドを含む、クルクミノイドの抽出物を提供してもよい。
【0066】
抽出物の精製は、当技術分野において知られているかかる技法を使用して実施してもよい。典型的には、抽出物は、100%メタノールまたは100%エタノールなどのアルコールベース溶媒を使用して精製される。
ターメリック抽出物を任意に乾燥させて、過剰な溶媒を除去してもよい。
【0067】
クルクミノイドが先に定義したターメリック抽出物の形態で提供される場合、組成物は、組成物の約30重量%~約80重量%、例えば約35重量%~約45重量%などのターメリック抽出物を含んでいてもよい。例えば、組成物は、組成物の約35重量%(すなわち、35%)~約45重量%ターメリック抽出物を含んでいてもよく、ここで、ターメリック抽出物は、ターメリック抽出物の約85重量%~約95重量%クルクミノイドを含み、組成物の約30重量%(すなわち30%)~約43重量%クルクミノイドを含む組成物を提供する。
【0068】
クルクミノイドは、液体または粉末、例えば粉末として提供されてもよい。例えば、粉末のターメリック抽出物。
【0069】
本明細書に使用されるとき、用語「クルクミノイド」は、クルクミン、デメトキシクルクミン(DMC)、およびビスデメトキシクルクミン(BDMC)を包含する。例えば、ターメリック抽出物は、約70%~約85%クルクミン(約75%~約80%など)、約10%~約25%DMC(約15%~約20%など)および約0%~約10%BDMCを含んでいてもよい。例えば、組成物は、約60mg~約90mgのクルクミノイドを、約54mg~約69mgのクルクミン6mg~約11mgのDMCおよびBDMCと共に含んでもよい。好ましい態様において、組成物は、クルクミノイドを、約70、80、90、95、100、150、200、250mg/日~約1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、850、800、750、700、650、600、550、500、450、400、350、300mg/日のクルクミノイド、例えば約70mg/日~約150mg/日のクルクミノイド、例えば約70mg/日~約90mg/日のクルクミノイドの量において提供するために、投与または使用されてもよい。一態様において、クルクミンとDMC/BDMCとの間の比は、7:3~8:2である。好ましい態様において、提供されるクルクミンは、約54mg/日~約69mg/日であり、DMCおよびBDMCは、16mg/日~約21mg/日である。
【0070】
本明細書において記載される方法または使用において、アカシアゴム(またはアラビアゴム)は、組成物において、組成物の約30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%~約85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、例えば組成物の約50重量%~約60重量%または組成物の約58重量%の量において存在してもよい。
【0071】
本明細書において記載される方法または使用において、加工デンプンは、組成物において、組成物の約40重量%~約65重量%、例えば組成物の約50~約60%、または組成物の約58重量%の量において存在してもよい。
【0072】
サポニンは、天然に存在するグリコシドの群であり、植物界において主に見出される。それらは、糖鎖単位にカップリングされた非炭水化物アグリコンを含む。サポニンは、ステロイド性およびトリテルペンサポニンの2つの群に分けられる。100を超えるステロイド性サポニン、およびさらにより多くの数のトリテルペンサポニンが、これまでに同定されている(K. Hostettmann, & A. Marston, Saponins(Cambridge University Press、1995年)。本明細書において用いられる場合、用語「サポニン(単数または複数)」は、天然由来(キラヤまたはユッカサポニンなど)または合成由来の1つ以上のサポニン、ならびに任意の植物性、動物性または細菌性のサポニンのソース、例えば、キラヤ属、ユッカなどから得られるかまたはこれから得ることができる抽出物を含む。
本発明のサポニンは、天然由来または合成由来のものであってよい。それは、同じまたは異なる由来の、1つ以上のサポニンであってもよい。
【0073】
例えば、サポニン(単数または複数)は、ダイズ、マメ(bean)、エンドウマメ(pea)、ナス属およびネギ属の種、トマト、アスパラガス、チャ、ピーナッツ、ホウレンソウ、サトウダイコン、ヤム、ブラックベリー、甘草根、サクラソウ根、セネガ根、チャ、チョウセンニンジン、キラヤ属(Quillaja saponariaなど)、ユッカ属(Yucca shidigeraなど)、および/またはカスミソウなどの植物から得られるか、またはこれから得ることができ得る。一態様において、1つ以上のサポニンは、キラヤサポニン(単数または複数)である。1つの好ましい態様において、サポニンは、ショウガサポニンではない。
【0074】
本発明において用いられる1つ以上のサポニンは、高度に精製されたものであっても、または様々な濃度のサポニンを含む天然の抽出物であってもよい。
【0075】
ある態様において、1つ以上のサポニン(単数または複数)は、天然または合成由来の精製されたキラヤサポニン(単数または複数)、または、キラヤ属から得られた、もしくはこれから得ることができる抽出物およびそれらの混合物から選択される。
【0076】
本明細書において用いられる場合、用語「キラヤサポニン(単数または複数)」、「ユッカサポニン(単数または複数)」などは、キラヤ属、またはユッカ属のメンバーのうちのいずれか、またはサポニンを含む植物のうちの任意のもの、例えば前記のものから得られるか、またはこれから得ることができるものであってよい、1つ以上のサポニンを意味する。キラヤサポニンもしくはキラヤサポニンの混合物(またはユッカサポニンもしくはユッカサポニンの混合物)は、合成または天然由来のものであってよい。
【0077】
当業者により理解されるとおり、本明細書において用いられる場合、「~から得ることができる」という用語は、サポニン(単数または複数)が、植物から得ることができるか、植物から単離することができるか、または代替的なソースから、例えば化学合成もしくは酵素による生成により得ることができることを意味する。一方、用語「得られる」は、本明細書において用いられる場合、サポニン(単数または複数)が、直接的に植物から誘導されることを意味する。例えば、一態様において、サポニン(単数または複数)は、「サポニン(単数または複数)を含む天然の抽出物」であってもよい。
【0078】
少なくとも1つのサポニンは、天然または合成由来のものであってよい。
「精製されたサポニン(単数または複数)」とは、前記のとおりの1つ以上のサポニン(キラヤサポニン(単数または複数)および/またはユッカサポニン(単数または複数)など)の、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%の濃度を有する、天然または合成由来の1つ以上のサポニンを意味する。
【0079】
「サポニン(単数または複数)を含有する抽出物」とは、例えばこれらに限定されないが、ダイズ、マメ、エンドウマメ、カラスムギ、ナス属およびネギ属の種、トマト、アスパラガス、チャ、ピーナッツ、ホウレンソウ、サトウダイコン、ヤム、ブラックベリー、甘草根、サクラソウ根、セネガ根、キラヤ属(Quillaja saponariaなど)、ユッカ属(Yucca shidigeraなど)および/またはカスミソウから誘導されてもよい、前記のとおりの少なくとも1つの型のサポニンを含む、任意の天然の抽出物を意味する。
【0080】
本発明により、少なくとも1つのサポニンは、単一のソースから誘導されても、複数のソースから誘導されてもよい。
本発明により、少なくとも1つのサポニンを含有する抽出物は、単一のソースから誘導されても、複数のソースから誘導されてもよい。
【0081】
一態様において、サポニン構成成分は、少なくとも5%wt/wt、または少なくとも10%wt/wt、または少なくとも15%wt/wt、または少なくとも20%wt/wt、または少なくとも25%wt/wt、または少なくとも30%wt/wt、または少なくとも35%wt/wt、または少なくとも40%wt/wt、または少なくとも50%wt/wt、または少なくとも60%wt/wt、または少なくとも70%wt/wt、または少なくとも80%wt/wtのサポニンを有する、キラヤ属抽出物、チャ抽出物、甘草抽出物、ビートルート抽出物、サトウダイコン抽出物、チョウセンニンジン抽出物、カラスムギ抽出物、ユッカ抽出物またはこれらの混合物などの、天然の抽出物である。一態様において、サポニン構成成分は、少なくとも60%のサポニン、例えば65%wt/wtのサポニンを有する、キラヤ属抽出物であってよい。
【0082】
好ましい態様において、サポニン(単数または複数)は、キラヤ属である。本明細書において用いられる場合、用語「キラヤ属」は、天然または合成由来の1つ以上の精製されたキラヤサポニン、ならびにキラヤ属から得られた、またはこれから得ることができる抽出物を含む。
【0083】
本発明の組成物のサポニン(単数または複数)(キラヤサポニンなど)は、組成物の約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、1重量%、1.2重量%、1.3重量%、1.4重量%、1.5重量%、1.6重量%、1.7重量%、1.8重量%、1.8重量%、2重量%、2.5重量%、3重量%、3.5重量%、4重量%、または4.5重量%~約5重量%、4.5重量%、4重量%、3.5重量%、3重量%、2.5重量%、2.4重量%、2.3重量%、2.2重量%、2重量%、1.5重量%、1重量%、0.8重量%、0.6重量%、0.5重量%、または0.2重量%まで、例えば組成物の約0.4重量%~約3重量%、例えば0.5重量%~約2.5重量%または約0.65重量%または約2重量%の量において存在してもよい。好ましい態様において、1つ以上のサポニン(単数または複数)は、1つ以上のキラヤサポニン(単数または複数)である。一態様において、キラヤサポニンは、精製されたキラヤサポニンである。より好ましい態様において、1つ以上のサポニンは、キラヤ属から得られた、またはこれから得ることができる抽出物として提供されてもよい。
【0084】
本発明において、「精製されたキラヤサポニン」とは、少なくとも80%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも99%の純度を有する、天然または合成由来の1つ以上のキラヤサポニンを指す場合がある。
【0085】
本発明のプロセスにおいて用いられるサポニン(単数または複数)(精製されたキラヤサポニン(単数または複数)など、またはサポニン(単数または複数)を含むキラヤ属からのもの、もしくはこれから得ることができるキラヤ属抽出物など)は、任意の形態におけるもの、例えば液体または固体であってよい。例えば、固体、例えば粉末の形態において、サポニン(単数または複数)を用いてもよい。
【0086】
本発明のプロセスにおいて用いられるキラヤサポニン(単数または複数)(精製されたキラヤサポニン、またはサポニン(単数または複数)を含むキラヤ属からのもの、もしくはこれから得ることができる抽出物など)は、任意の形態におけるもの、例えば液体または固体であってよい。例えば、固体、例えば粉末の形態において、キラヤ属抽出物を用いてもよい。
【0087】
サポニン(単数または複数)(キラヤサポニンなど)が本発明の組成物中に存在する場合、水および/またはアルコールなどの他の溶媒を、固体または液体のサポニン(単数または複数)(キラヤ属など)に添加してもよい。
【0088】
好ましい態様において、1つ以上のサポニンは、キラヤサポニン(単数または複数)であり、最終組成物において、約0.5%~約5%、例えば約0.8~約2%、例えば約1%~1.5%、例えば約1.3%wt/wtにおいて存在する。
【0089】
本明細書において記載される方法または使用において、組成物は、任意に、植物および/または野菜油(plant and/or vegetable oil)を含んでいてもよい。例えば、本発明の組成物は、ココナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油(落花生油)、カノーラ油を包含する菜種油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、およびそれらの混合物からなる群から選択される植物および/または野菜油を含んでいてもよい。
【0090】
本発明の組成物中に存在する植物および/または野菜油は、組成物の約1重量%~約20重量%、例えば約2.5重量%~約10重量%または約5重量%の植物および/または野菜油の量で存在していてもよい。
【0091】
本明細書において記載される使用のための組成物、方法または使用の好ましい態様において、組成物は、約30~約40%のターメリック根茎エタノール抽出物(少なくとも80%、例えば少なくとも90%のクルクミノイドを有する)、約55~約65%のアカシアゴム、約3~約7%のヒマワリ油、および約1~約3%のキラヤ抽出物を有する。
【0092】
本明細書に別段の記載がない限り、記されている重量パーセントは、得られた(乾燥)組成物の総重量に基づいている。
【0093】
本発明により、本明細書において記載される方法または使用において、クルクミノイドを含む組成物は、「医薬組成物」または「食品組成物」などの(好適な)組成物の形態において提供されてもよい。
【0094】
特定の態様において、クルクミノイドを含む組成物は、医薬組成物(これはまた、医薬処方物または獣医用組成物としても言及される場合がある)、またはクルクミノイドおよび適宜任意に薬学的に許容し得る賦形剤または(機能的)食品に許容し得る成分を含む機能性食品組成物の形態において、提供されてもよい。
【0095】
「機能性食品組成物」は、本明細書において用いられる場合、ヒトまたは動物(例えば機能性食品組成物、すなわち、ドリンク、餌またはペットフードまたは食品、ドリンク、餌もしくはペットフード補助食品)のための、栄養補助食品組成物、機能性食品組成物、食事性(dietary)または食品製品または栄養補助食品を指す。機能性食品組成物は、飲料、乳製品、ベーカリー製品などとして提示することができる。
【0096】
飲料、乳製品、ベーカリー製品などの機能的食品において用いられる場合、本発明の組成物は、クルクミノイドの有効量(少なくとも90mgのクルクミノイドなど)を提供するために、前記食品製品中に(例えば、液体または固体の形態において)組み込まれる。
【0097】
本明細書において用いられる場合、薬学的に(または獣医学的に)許容し得る賦形剤についての参照は、当業者に公知であるとおり、薬学的に(または獣医学的に)許容し得るアジュバント、希釈剤、および/または担体を指す場合がある。
【0098】
食品に許容し得る成分は、当該分野において公知のもの(本明細書においてまた薬学的に許容し得る賦形剤として言及されるものを含む)、および天然または非天然であってよいもの、すなわち、それらの構造が天然に存在しても存在しなくてもよいものを含む。ある例において、それらは、天然の化合物に由来しても、後から修飾されてもよい(例えば、マルトデキストリン)。
【0099】
「薬学的に許容し得る」(または獣医学的に許容し得る)により、本発明者らは、組成物のさらなる構成成分が無菌およびパイロジェンフリーであることを意味する。かかる構成成分は、本発明の抽出物と適合性であり、そのレシピエントにとって有害ではないという意味において、「許容し得る」ものでなければならない。したがって、「薬学的に許容し得る」は、処方物の一部を形成することにおいて用いられる、単に賦形剤として作用することを意図される、すなわち、それ自体が生物学的活性を有することを意図されない、任意の化合物(単数または複数)を含む。したがって、薬学的に許容し得る賦形剤は、一般的に、安全であり、非毒性であり、生物学的に望ましくないものでも、または別段に望ましくないもののいずれでもない。当業者は、本発明の抽出物(例えば、本明細書において記載されるような当業者に公知であるとおりの医薬組成物などの組成物の形態におけるもの)は、経口、直腸、鼻、肺、頬側、舌下、経皮、大槽内、腹腔内、および非経口(皮下、筋肉内、クモ膜下内、静脈内および皮内を含む)経路によるものなどの、任意の好適な経路により、患者または対象(例えば、ヒトまたは動物の患者または対象)に投与されてもよいことを理解するであろう。特に、本発明の抽出物は、経口投与されてもよい。かかる例において、本発明による医薬組成物は、経口経路による投与のために特に処方されてもよい。好適な医薬用(または獣医用)担体として、不活性な固体の希釈剤または充填剤、無菌の水溶液および多様な有機溶媒が挙げられる。固体の担体の例は、ラクトース、白土、スクロース、シクロデキストリン、マルトデキストリン、タルク、ゼラチン、シリカ、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、アラビアゴム、加工デンプン、およびセルロースの低級アルキルエーテルである。液体の担体の例は、糖蜜、ピーナッツ油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレンおよび水である。さらに、担体または希釈剤は、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの当該分野において公知の任意の持続放出材料を、単独で、またはロウと混合された状態で含んでもよい。
【0100】
経口投与のための医薬(または獣医)組成物として、硬質または軟質のカプセル、錠剤、トローチ、糖衣錠、丸剤、ロゼンジ、粉末および顆粒などの固体の投与形態が挙げられる。適切な場合には、それらは、腸溶性コーティングなどのコーティングと共に調製してもよく、または、それらは、当該分野において周知の方法に従って、持続または長期放出などの、活性成分の制御放出を提供するために処方してもよい。経口投与のための液体の投与形態として、溶液、エマルション、水性または油性の懸濁液、シロップおよびエリキシルが挙げられる。
【0101】
経口投与のために意図されるものなどの、本明細書において記載される組成物(例えば、医薬または食品組成物)は、当業者に公知の方法に従って、例えば組成物の構成成分を混合物にすることより、調製してもよい。
【0102】
本明細書において記載されるとおりのかかる組成物は、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤などの食品成分からなる群より選択される1つ以上のさらなる構成成分を含んでもよい。錠剤は、活性成分(単数または複数)を、錠剤の製造のために好適な非毒性の薬学的に許容し得る賦形剤(または成分)との混合物において含んでもよい。これらの賦形剤(または成分)は、例えば、以下であってよい:炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性な希釈剤;造粒剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチ、マルトデキストリンまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;および潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク。錠剤は、コーティングされていなくともよく、または、それらは、胃腸管における崩壊および吸収を遅延させて、それによりより長い期間にわたり持続的な作用を提供するために、公知の技術によりコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を使用してもよい。
【0103】
本明細書において記載される方法および使用において、哺乳動物は、ヒトであってよい。
【0104】
クルクミノイドを含む本発明の組成物の特定の処方物は、はるかにより良好な効力を有するので、当該処方物は、より低い投与量で処方することができる。
【0105】
好ましい態様において、組成物は、クルクミノイドの単一用量を、約50mg/用量、約60mg/用量、70mg/用量、80mg/用量、90mg/用量、100mg/用量、150mg/用量、200mg/用量300mg/用量から、約1400mg/用量、1300mg/用量、1200mg/用量、1100mg/用量、1000mg/用量、900mg/用量、800mg/用量、700mg/用量、600mg/用量、500mg/用量、400mg/用量まで、例えば約70mg/用量~約100mg/用量、例えば約90mg/用量の量において提供するように処方される。
【0106】
本明細書において記載される方法/使用の好ましい態様において、組成物は、単一用量処方物として、処方および/または投与されてもよい。例えば、組成物は、少なくとも90mgのクルクミノイド含有量を有する単一用量(例えば、300mgの処方物)として処方されてもよい。
【0107】
さらに、本発明の組成物の非常に高い効力により、クルクミノイドの投与量(日用量など)をまた、減少させることができる。
【0108】
本明細書において記載される方法/使用において、組成物は、約50mg/日、約60mg/日、70mg/日、80mg/日、90mg/日、100mg/日、150mg/日、200mg/日、300mg/日~約1400mg/日、1300mg/日、1200mg/日、1100mg/日、1000mg/日、900mg/日、800mg/日、700mg/日、600mg/日、500mg/日、400mg/日、例えば約70mg/日~約100mg/日、例えば約90mg/日の量においてクルクミノイドを提供するために、投与または使用されてもよい。例えば、組成物は、少なくとも90mg/日のクルクミノイド含有量を有する単一用量(例えば300mgの)として処方されてもよい。
【0109】
例えば、組成物は、体重1kgあたり約1~約10mg、例えば体重1kgあたり約2.5~約7.5mg、例えば体重1kgあたり約5mg、または例えば体重1kgあたり約1.29mg(体重70kgについて90mgのクルクミノイド)の量において、クルクミノイドを提供してもよい。
【0110】
好ましい態様において、投与量は、300mgのものであり、クルクミノイドの日用量は、約70mg/日~約150mg/日のクルクミノイド、例えば約70mg/日~約100mg/日のクルクミノイド、例えば約90mg/日のクルクミノイドである。
【0111】
本発明の組成物の投与のタイミングおよび期間は、変化することができる。例えば、組成物は、運動ルーチンを開始する前、運動ルーチンの間、または運動ルーチンの後で投与してもよい。
【0112】
本発明の一態様において、送達の方法は、液体、固体またはペーストの形態において、経口である。
経口投与のための固体投与形態は、カプセル、錠剤、カプレット、ピル、トローチ、チュアブル、ロゼンジ、粉末および顆粒を含んでもよい。カプセルは、典型的には、本発明の組成物を含むコア材料、およびコア材料を封入するシェル壁を含む。コア材料は、固体、液体またはエマルションであってよい。シェル壁材料は、ソフトゼラチン、ハードゼラチン、またはポリマーを含んでもよい。好適なポリマーとして、これらに限定されないが、以下が挙げられる:セルロース性ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセタート、セルロースアセタートフタラート、セルロースアセタートトリメリタート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシナートおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム;アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリラート、アンモニオメチルアクリラート、エチルクリラート、メチルメタクリラート、および/またはエチルメタクリラートから形成されるもの(例えば、商品名「Eudragit」下において販売されるコポリマー);ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタート、ポリビニルアセタートフタラート、ビニルアセタートクロトン酸コポリマー、およびエチレン-ビニルアセタートコポリマーなどのビニルポリマーおよびコポリマー;ならびにシェラック(精製されたlac)。いくつかのかかるポリマーはまた、味覚マスキング剤として機能してもよい。
【0113】
錠剤、丸剤などは、圧縮され、複数回圧縮され、複数の層にされ、および/またはコーティングされてもよい。コーティングは、単一であっても複数であってもよい。一態様において、コーティング材料は、植物、真菌または微生物から抽出された多糖、または糖と糖タンパク質との混合物を含んでもよい。非限定的な例として、コーンスターチ、コムギデンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、セルロース、ヘミセルロース、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、インスリン、ペクチン、マンナン、アラビアゴム、ローカストビーンガム、メスキートガム、グアーガム、カラヤガム、ゲッチガム(gum ghatti)、トラガカントガム、布海苔、カラギーナン、寒天、アルギナート、キトサン、またはジェランガムが挙げられる。別の態様において、コーティング材料は、タンパク質を含んでもよい。好適なタンパク質として、これらに限定されないが、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ホエイタンパク質、ダイズタンパク質、コメタンパク質、およびトウモロコシタンパク質が挙げられる。代替的な態様において、コーティング材料は、脂肪または油脂、特に高温で融解する脂肪または油脂を含んでもよい。脂肪または油脂は、水素付加されていても、部分的に水素付加されていてもよく、好ましくは、植物に由来するものである。脂肪または油脂は、グリセリド、遊離脂肪酸、脂肪酸エステル、またはそれらの混合物を含んでもよい。なお別の例において、コーティング材料は、可食性のロウを含んでもよい。可食性のロウは、動物、昆虫または植物に由来するものであってよい。非限定的な例として、ミツロウ、ラノリン、ヤマモモ(bayberry)ロウ、カルナウバロウ、およびコメヌカロウが挙げられる。錠剤および丸剤は、さらに、腸溶性コーティングにより調製されてもよい。
【0114】
例えば、最終製品が飲料である場合、本発明の組成物は、約70、80、90、100、150、200、250mg/日~約1000、900、850、800、750、700、650、600、550、500、450、400、350、300mg/日のクルクミノイド、例えば約70mg/日~約150mg/日のクルクミノイド、例えば約70mg/日~約90mg/日のクルクミノイドの、クルクミノイドの最終用量を得るように、最終製品に加えられるであろう。例えば、組成物は、クルクミノイドを、体重1kgあたり約1~約10mg、例えば体重1kgあたり約2.5~約7.5mgまたは体重1kgあたり約5mg、例えば体重1kgあたり約1.29mg(70kgの体重について90mgのクルクミノイド)の量において提供してもよい。
【0115】
あるいは、本明細書において開示される組成物を具体化する粉末または顆粒が、食品製品中に組み込まれてもよい。好ましい態様において、食品製品は、経口投与のためのドリンクであってもよい。好適なドリンクの非限定的な例として、フルーツジュース、フルーツドリンク、人工的に香味付けされたドリンク、人工的に甘味付けされたドリンク、炭酸飲料、スポーツドリンク、液体の乳製品、シェイクその他が挙げられ、これに、賦形剤もまた添加されてもよい。経口投与のための他の好適な手段として、好適な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁剤、希釈剤、甘未剤、着色剤および香味剤を含む、水性または非水性の溶液、エマルション、懸濁液、ならびに非発泡性の顆粒から再構成された溶液および/または懸濁液が挙げられる。さらに、本明細書において完全に参考として援用される米国特許第7,223,417号において開示されるとおりのチュアブルの形態を用いてもよい。
【0116】
ここで開示される飲料製品は、任意に、香味組成物、すなわち、1つ以上の香味構成成分、例えば、天然または合成のフルーツの香味、植物の香味、他の香味、およびそれらのうちの任意のものの混合物を含む。ここで用いられる場合、用語「フルーツの香味」とは、一般的に、種子植物の可食性の生殖部分から誘導される香味を指す。含まれるのは、種子に甘い果肉が付随するもの、例えば、バナナ、トマト、クランベリーなど、および小さな多肉質の液果を有するものの両方である。液果という用語はまた、ここで、集合果、すなわち、「真」の液果ではないが、一般的に液果として受け入れられるものを含むように用いられる。用語「フルーツの香味」中にまた含まれるのは、天然のソースから誘導されるフルーツの香味を模倣するように作られた、合成により調製された香味である。好適なフルーツまたは液果のソースの例として、液果全体またはその部分、液果のジュース、液果のジュースの濃縮物、液果のピュレおよびそのブレンド、乾燥させた液果の粉末、乾燥させた液果のジュース粉末などが挙げられる。
【0117】
組成物はまた、固体の食材であってもよい。固体の食材の好適な例として、食品バー、グミ、スナックバー、クッキー、ブラウニー、マフィン、クラッカー、チュアブルガム、アイスクリームバー、フローズンヨーグルトバー、噛み応えのある(chewy)スナックなどが挙げられる。一態様において、方法は、上記のとおりの組成物を、一日あたり複数回投与することを含み、または、液体として服用される場合、混合されて終日服用されてもよい。
【0118】
送達の方法の代替的またはさらなる態様において、組成物はまた、運動と組み合わせて用いられてもよい。例えば、組成物は、運動の前、間、または直後に与えられてもよい。かかる態様において、組成物は、例えば、スポーツドリンクの形態におけるものであってもよい。
【0119】
典型的には、本明細書において記載される本発明の方法の使用における、クルクミノイドを含む本発明の組成物(クルクミノイドを含む医薬または食品組成物など)の投与の期間は、2日間より長い、3日間より長い、4日間より長い、5日間より長い、6日間より長い、7日間より長い;1週間より長い、2週間より長い、3週間より長い、4週間より長い、5週間より長い、6週間より長い、7週間より長い、8週間より長い、9週間より長い、10週間より長い、1か月間より長い、1か月間より長い、2か月間より長い、3か月間より長い、4か月間より長い、5か月間より長い、6か月間より長い、7か月間より長い、8か月間より長い、9か月間より長い、10か月間より長い、11か月間より長い、12か月間より長いものである。
【0120】
「対象」とは、ヒト、または、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシを含むがこれらに限定されない非ヒト動物、ならびにサルおよびチンパンジーを含むがこれらに限定されない非ヒト霊長類を指す。好ましい態様において、対象は、ヒト(女性または男性)である。
【0121】
「投与」または「投与すること」とは、本明細書において提供される化合物または組成物を、意図される機能を行うように、個体に導入する経路を指す。用いることができる投与の経路の例として、これらに限定されないが、経口、非経口投与、例えば皮下、静脈内、または筋肉内注射もしくは注入などが挙げられる。
【0122】
「健康な対象」とは、任意の顕著な疾病を罹患するとは知られておらず、母集団に対応する個体を指す。
【0123】
本明細書において用いられる場合、用語「処置」(および、同様に、「処置すること」)は、医学の分野におけるその通常の意味を取る。特に、当該用語は、疾患または障害(例えば、筋疼痛(muscle pain)などの筋痛)に関連する1つ以上の臨床的症状の重篤度の軽減(例えば、少なくとも10%の軽減、例えば少なくとも20%、30%または40%の軽減、例えば少なくとも50%の軽減)を達成すること(これは、当業者に公知の技術(例えば医師による)、または例において記載されるものを用いて決定されてもよい)、ならびに/あるいは、疾患または障害の進行を遅延させること(すなわち、例えばそのように処置されない患者においてかかるものと予測される時間と比較した場合に、疾患または障害がより重篤な状態へと進行するためにかかる時間の量を増大すること)を指す場合がある。本明細書において用いられる場合、用語「予防(prevention)」(および、同様に、「予防すること(preventing)」)とは、疾患または障害の予防(prophylaxis)についての参照を含む(逆もまた然り)。特に、当該用語は、患者(または健康な対象)が状態を発症する可能性の軽減(例えば、少なくとも10%の軽減、例えば少なくとも20%、30%または40%の軽減、例えば少なくとも50%の軽減)を達成することを指す場合がある。
【0124】
本明細書において医学的状態と関連して用いられる場合、用語「軽減すること(reducing)」とは、観察される量をより小さくすること、またはサイズを減少させること(すなわち、筋疼痛を軽減すること、血中のCKレベルを低下させること)を指す場合がある。特に、当該用語は、患者(または健康な対象)が状態を発症する可能性の軽減(例えば、少なくとも10%の軽減、例えば少なくとも20%、30%または40%の軽減、例えば少なくとも50%の軽減)を達成することを指す場合がある。
【0125】
本発明の組成物により達成される処置することまたは軽減は、経口摂取の24時間後、または本発明の組成物の摂取の48時間後、72時間後、4日後、5日後、1週間後に達成されてもよい。
【0126】
誤解の回避のために、本発明の所与の側面、特色またはパラメータに対する選好、選択肢、具体的な特色などは、文脈が別段示さない限り、本発明の同じまたは他の側面、特色およびパラメータについて示されるような他の任意のおよび全ての選好、選択肢、具体的な特徴などと組み合わせて開示されたと見なされるべきである。
【0127】
本明細書に使用されるときの用語「約」は、例として、測定可能な値(反応混合物中の具体的な構成要素の量または重量など)を指す場合、特定された量に対して±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、または具体的に±0.1%の変動を指す。例えば、本発明の組成物中の成分のパーセンテージに関して±0.5%の変動は、与えられたパーセンテージに対して0.5%の変動を意味し、すなわち、10%の±0.5%は、9.5%~10.5%の変動を意味する。
【0128】

試験処方物
試験処方物は、ターメリック(Curcuma longa)根、アカシアゴム、ヒマワリ油およびキラヤ属抽出物から得られた天然の粉末化された抽出物を含んでなる。それは、栄養補助食品としての使用のために開発され、これについて意図される。それは、前臨床およびヒトでの研究において、既に安全について試験されている。
【0129】
処方は、30~40%のターメリック根茎エタノール抽出物、55~65%のアカシアゴム、3~7%のヒマワリ油、1~3%のキラヤ属抽出物である。キラヤ属の構成成分は、乾燥重量により約65%のサポニンを含む抽出物粉末である。
クルクミノイド含有量は、30%w/wであり、23%(w/w)のクルクミン含有量、ならびに約7%(w/w)のDMCおよびBDMC(w/w)(総重量に対して)である。
【0130】
本研究の主な目的は、男性について、運動後72時間以内の運動誘発性筋疼痛に対する、GOLD(登録商標)(試験処方物)の5日間の補給の効果の、プラセボに対する差異を評価することである。評価は、スクワット活動の間(2回の試行の後)の主観的四頭筋における筋痛について、VAS(0~100mm)を用いて、ベースライン(損傷を与える運動の前後)および3日間にわたり24時間ごとに行われる。
【0131】
第2の目的は、運動後72時間以内の以下のアウトカムに対する、Turmipure GOLD(登録商標)(試験処方物)の5日間の補給を、プラセボに対して評価することである(評価は、ベースライン(損傷を与える運動の前後)および3日間にわたり24時間ごとに行われる):
- 対象の全体(男性および女性)についての、スクワット活動の間(2回の試行の後)の主観的四頭筋の筋痛についての、VAS(0~100mm)を用いての、運動誘発性筋疼痛に対する効果の差異;
- 男性と、対象の全体(男性および女性)とについての、血液試料中のクレアチンキナーゼ循環レベルにより評価される、運動誘発性筋損傷に対する効果の差異;
- 男性と、対象の全体(男性および女性)とについての、等尺性および等速性の四頭筋の筋機能(Biodexを用いて膝の伸展の間のトルク、力、および仕事量を記録すること)、ピークパワー(垂直跳躍試験の間に、3回の試行の最高成績および平均について、高さ、速度、および力を記録すること)、ならびに可動域(膝の屈曲の間に関節角度計を用いて)を通しての、筋機能回復に対する効果の差異;
- 男性と、対象の全体(男性および女性)とについての、主観的ウェルネスおよびウェルビーイング(疲労、睡眠の質、一般的な筋痛、ストレス、および気分を評価する心理測定的試験により評価される)に対する、効果の差異;
- 男性と、対象の全体(男性および女性)とについての、Turmipure Gold(登録商標)(試験処方物)の補給の、プラセボに対する、主観的運動強度(運動の間)に対する効果の差異。
【0132】
これは、優位性研究(差異を決定するための試験)である。したがって、第1の仮説は、適度に活動的な成人における運動誘発性の筋の疼痛および機能回復を改善するための、Turmipure Gold(登録商標)(試験処方物)のプラセボに対する優位性を示すことを目的とするであろう。
【0133】
試料サイズの計算は、先の類似の研究に基づき(Xia, Z., J. M. Cholewa, D. Dardevet, T. Huang, Y. Zhao, H. Shang, Y. Yang, et al. 2018.「Effects of Oat Protein Supplementation on Skeletal Muscle Damage, Inflammation and Performance Recovery Following Downhill Running in Untrained Collegiate Men.」、Food and Function 9 (9): 4720-29)、実験された各々のパラメーターについて、損傷を与える運動の直前および直後、ならびに24、48および72時間にわたり、Turmipure Gold(試験処方物)とプラセボ群との間で、曲線下面積(AUC)を比較することを目的とする。5%レベルにおける両側検定について、Turmipure Gold(登録商標)(試験処方物)とプラセボとの間の有意差を検出するための80%の検出力(power)を確保するためには、処置群により合計29人の評価可能な対象が必要となるであろう。群ごとに15%の評価不可能な対象を仮定すると、1群あたり合計35人までの男性対象を無作為化してもよい。さらに、10人の女性もまた含まれているであろうが、試料サイズの計算のためには考慮されなかった。
【0134】
研究は、無作為化された二重盲検のプラセボ対照の交差試験である。それらの無作為化により、参加者は、Turmipure Gold(登録商標)(試験処方物)およびプラセボ製品の5日間の投与シークエンスを決定するために、この交差試験の2つの群のうちの1つに無作為に割り当てられる。1つの群は、第1相の間に新たな試験製品(試験処方物)を、第2相の間にプラセボを摂取し、第2の群は、第1相の間にプラセボを、第2相の間に新たな試験製品(試験処方物)を摂取する。
【0135】
参加者は、Turmipure GOLD(登録商標)(試験処方物)(300mg)またはプラセボ(300mg)のいずれかを、毎日、5日間にわたり、>1カプセル/1日1回で服用するように指示される。
1- TPG/プラセボ群:300mg/カプセル(第1相)のTurmipure GOLD(登録商標)(TPG)試験処方物、および染色されたアカシアゴムのカプセル1つあたり300mg(第2相)。
2- プラセボ/TPG群:300mg/カプセル(第2相)のTurmipure GOLD(登録商標)(TPG)試験処方物、および染色されたアカシアゴムのカプセル1つあたり300mg(第1相)。
【0136】
参加者は、全ての参入基準を満たし、除外基準のいずれをも提示しない場合に、研究において登録される。コーク(アイルランド)の倫理委員会から、倫理的承認が与えられた。
【0137】
参加者は、以下の基準の全てを満たす場合に、研究に含められる:
1.健康で自由に生活している男性および女性。
2.年齢:25~45歳。
3.18.5~28kg/m2のBMIを有する。
4.適度に活動的であり、週15~20kmのランニングを行っている。
5.週1~4時間のトレーニングを行っており、最大1時間の下半身の重荷重またはウェイトトレーニング(例えば、ヒルランニングまたはハイキング、HIT運動、スクワット、ランジ(Lunges)、レッグプレス、ベンチステップなど)を行っている。
6.研究プロトコルへ、および研究製品に従うことへの同意。
7.研究期間の間、カフェイン、喫煙およびアルコール摂取を、1日あたりタバコ5本以下、および、女性および男性について、それぞれ1.5または2杯以下の飲酒に制限することを望んでいる。また、アルコール摂取は、運動誘発性筋損傷の前24時間は許可されないであろう。
8.第1の試験の前3日間、各々の損傷を誘発する運動の前5日間、および各々の補給相の間、にわたりトレーニングを控えることを望んでいる(これは、スイミング、低い強度でのサイクリング、普通でない距離のウォーキングなどの能動的な回復運動を含む(しかし、かかることは、14日間のウォッシュアウトの間には推奨されるべきである))。
9.各々の補給相の間、運動誘発性筋損傷の24時間前から72時間後まで、パラセタモール、NSAID、その他などの抗炎症/鎮痛薬の使用を控えることを望んでいる。
【0138】
10.損傷を誘導する運動の後72時間にわたり、以下のような「回復」処置を挽掛けることを望んでいる:
a.水治療法-冷水浸漬、温水浸漬、またはコントラスト療法(ならびに、ジャクジー、蒸し風呂、またはサウナ)
b.マッサージ-セルフ、フォームローリングなど
c.ストレッチ
d.圧着衣類(compression garment)
e.局所適用-Tiger Balm、Deep Heatなど
【0139】
参加者は、以下の基準のうちの少なくとも1つを提示した場合、除外される:
1.関節炎、間接障害、慢性疼痛症候群、筋の障害疾患(例えば、線維筋痛症など)の任意の指標を有する参加者。
2.関節における、または下肢における、研究の登録の前6か月以内の外科手術または顕著な傷害の病歴、または研究の間に行われるであろう外科手術または侵襲性の手技についての予測される必要性。
3.スクリーニングの前4週間および研究全体の間に、オメガ-3-脂肪酸、生菌補助食品、ビタミン、ミネラル、または任意の栄養補助食品(植物学的なものを含む)を、特に関節の健康を維持するために用いていること。潜在的な補助食品として、これらに限定されないが、ベータ-アラニン、クレアチン、HMB、カルノシン、タウリン、アンドロステンジオン、DHEA、ホエイタンパク質、またはプレワークアウト補助食品が挙げられる。
4.任意の特定の食事制限、例えば高タンパク質、菜食主義、ビーガンなどに従っていること。
5.抗生物質、緩下剤、または免疫抑制薬などの、任意の薬物を服用していること。
6.登録の前3か月以内の糖質コルチコイド注射またはヒアルロン酸注射の履歴。
7.運動競技のレース(ハーフマラソンまたはマラソン、サイクリングツアーまたはトライアスロン)のためのトレーニングのピークに近いかまたはピークにある参加者。
8.現在の顕著な心血管、肺、腎臓、肝臓、消化器(炎症性腸症候群を含む)、感染性疾患、全身性疾患、免疫障害、または代謝/内分泌障害(真性糖尿病を含む)、または補助食品の摂取および/もしくは研究目的の評価を妨げるであろう他の疾患(少なくとも3か月にわたり安定な薬物療法を受けてない、非管理の高血圧、非管理の甲状腺機能亢進症(thyroidism)もしくは過度の血中の脂質を含む)の病歴。
9.参加者が、研究者の意見において、彼/彼女が研究の要件に従う能力を損なうであろう、任意の同時の医学的または精神医学的状態を有する。
10.登録の時点において、薬物および/またはアルコール中毒の履歴を有する参加者。
【0140】
11.任意の先の、または同時の、がんの診断(腸または結腸の良性または悪性の腫瘍を含む)。
12.研究に干渉し得る現在の疾病(例えば、長期の重篤な下痢症、逆流症/重篤な嚥下の困難)。
13.試験製品の構成成分に対する既知のアレルギー、または生薬製品に対する感受性、または食品アレルギーの病歴を有する。
14.任意の抗凝固薬またはヘパリン処置(アスピリンを含む)を受けている参加者。
15.妊娠中または授乳中の女性。
16.スクリーニングにおいて、臨床的に顕著な異常な検査成績。
17.現在任意の他の臨床治験に関与しているか、または無作為化の前90日以内に知見に参加している参加者。
18.研究者の意見において、対象が研究またはその処置(measures)を完了する能力に対して有害な影響を及ぼし得るか、または、対象に対して顕著なリスクを提起し得る、任意の他の状態。
19.医学的な処置または勧告に対する非遵守の履歴。
20.運動誘発性筋損傷の後苦痛であり得るスクワット運動を行うことまたは多くの階段を下降することを、その日常業務の活動において必要とされる参加者。
【0141】
参加者の食事における栄養の摂取量を評価するために、完全な研究の補給相の間に食品アンケート(5日間の食品日記)を行う。
参加者の身体的活動について評価するために、各々の補給相のベースライン(損傷を与える運動の前)において、活動アンケート(IPAQ)を行う。
女性ホルモン周期を評価するために、月経がある女性参加者は、月経アンケートを完了する。
【0142】
処置群の間でVAS(視覚的アナログスケール、0~100mm)により評価される、四頭筋における主観的筋痛は、各々の補給相のAUC0-72hrs(運動の前、および直接的に、24時間、48時間、72時間後の測定からの曲線下面積)分析を用いて決定される。
筋の回復/機能/力/強度は、以下により評価される:(1)Biodex(膝の伸展、3回の試行の最良の成績および平均)を用いてトルク、力および仕事量を記録する、等尺性および等速性の四頭筋の機能;(2)高さ、速度、および力(3回の試行の最良の成績および平均)を記録する、垂直跳躍試験を用いるピークパワー;(3)関節角度計(膝の屈曲)を用いる可動範囲は、各々の補給相のAUC0-72hrs(運動の前、および直接的に、24時間、48時間、72時間後の測定からの曲線下面積)分析を用いて決定される。
【0143】
疲労、睡眠の質、一般的な筋痛、ストレス、および気分を評価する心理測定的試験により評価される、主観的ウェルネスおよびウェルビーイング(表1を参照)は、各々の補給相のAUC0-72hrs(運動の前、および直接的に、24時間、48時間、72時間後の測定からの曲線下面積)分析を用いて決定される(Hooper SL et al. Sport Med. 1995; 20(5): 321-327, Buchheit M. et al, J. Sci. Med. Sport. 2013 ; 16(6):550-5)。
【0144】
図1.主観的ウェルネスおよびウェルビーイングの評価についての心理測定的試験。
【0145】
主観的運動強度のボルグスケール(Borg Rating)により評価される主観的運動強度は、各々の補給相の運動の間に得られるベースライン値からの変化により決定される(M.H Milot et al Clin Interv Aging 2019; 14:9-16)。
【0146】
群間の差分を、処置群、結果(sequence)、補給相を固定効果として、対象がネストされた結果(subject nested sequence)をランダム効果として含む、統計学的な反復測定に対する混合モデル(mixed model on repeated measure:MMRM)を用いて評価する。
一次および二次アウトカムの差分を、適切な分析、および必要な場合には共変数(例えば、ベースラインの活性レベルまたは食事)を用いて評価する。
【0147】
以下の表は、33~34人の参加者についてのデータを提示する。
【表1】
表1. 2回の用量の処置(運動の前日、および同日)の後の、運動前VAS(0~100mm)を用いた、2回のスクワットの後の四頭筋の疼痛評価
【0148】
【表2】
表2. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、VAS(0~100mm)を用いた、2回のスクワットの後の四頭筋の疼痛評価についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0149】
【表3】
表3. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、血中クレアチンキナーゼ(U/L)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0150】
【表4】
表4. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足(dominant leg)における3回のトライアルのうちの最良のものとしての、等速性ピークトルク(Nm)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0151】
【表5】
表5. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルのうちの最良のものとしての、等速性ピークトルク(Nm)についての、運動の0時間、24時間、48時間および72時間後における、ベースライン(運動前)からの変化
【0152】
【表6】
表6. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルの平均としての、等速性ピークトルク(Nm)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0153】
【表7】
表7. 2回、3回または4回の用量(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間および48時間後)の後の、利き足における3回のトライアルの平均としての、等速性ピークトルク(Nm)についての、運動の0時間、24時間および48時間後における、ベースライン(運動前)からの変化
【0154】
【表8】
表8. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルのうちの最良のものとしての、等速性最大反復仕事量(Max Rep Work)(J)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0155】
【表9】
表9. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルのうちの最良のものとしての、最大反復仕事量(J)についての、運動の0時間、24時間、48時間および72時間後におけるベースライン(運動前)からの変化
【0156】
【表10】
表10. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルの平均としての、最大反復仕事量(J)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0157】
【表11】
表11. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルの平均としての、最大反復仕事量(J)についての、運動の0時間、24時間、48時間および72時間後におけるベースライン(運動前)からの変化
【0158】
【表12】
表12. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルのうちの最良のものとしての、等速性の力(W)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0159】
【表13】
表13. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルのうちの最良のものとしての、等速性の力(W)についての、運動の0時間、24時間、48時間および72時間後におけるベースライン(運動前)からの変化
【0160】
【表14】
表14. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルの平均としての、等速性の力(W)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0161】
【表15】
表15. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルの平均としての、等速性の力(W)についての、運動の0時間、24時間、48時間および72時間後におけるベースライン(運動前)からの変化
【0162】
【表16】
表16. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルのうちの最良のものとしての、等尺性ピークトルク(Nm)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0163】
【表17】
表17. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルのうちの最良のものとしての、等尺性ピークトルク(Nm)についての、運動の0時間、24時間、48時間および72時間後におけるベースライン(運動前)からの変化
【0164】
【表18】
表18. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルの平均としての、等尺性ピークトルク(Nm)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0165】
【表19】
表19. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における3回のトライアルの平均としての、等尺性ピークトルク(Nm)についての、運動の0時間、24時間、48時間および72時間後におけるベースライン(運動前)からの変化
【0166】
【表20】
表20. 2回の用量の処置(運動の前日、および同日)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルのうちの最良のものとしての、運動前のピークパワースコア(W)による筋力評価
【0167】
【表21】
表21. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルのうちの最良のものとしての、ピークパワースコア(W)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0168】
【表22】
表22. 3回および4回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間および48時間後)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルのうちの最良のものとしての、ピークパワースコア(W)についての、運動の24時間および48時間後における、ベースライン(運動前)からの変化
【0169】
【表23】
表23. 2回の用量の処置(運動の前日、および同日)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルの平均としての、運動前のピークパワースコア(W)による筋力評価
【0170】
【表24】
表24. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルの平均としての、ピークパワースコア(W)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0171】
【表25】
表25. 3回または4回の用量(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間および48時間後)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルの平均としての、ピークパワースコア(W)についての、運動の24時間および48時間後における、ベースライン(運動前)からの変化
【0172】
【表26】
表26. 2回の用量の処置(運動の前日、および同日)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルのうちの最良のものとしての、運動前の高さ(cm)による筋機能評価
【0173】
【表27】
表27. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルのうちの最良のものとしての高さ(cm)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0174】
【表28】
表28. 3回または4回の用量(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間および48時間後)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルのうちの最良のものとしての、高さ(cm)についての、運動の24時間および48時間後における、ベースライン(運動前)からの変化
【0175】
【表29】
表29. 2回の用量の処置(運動の前日、および同日)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルの平均としての、運動前の高さ(cm)による筋機能評価
【0176】
【表30】
表30. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルの平均としての、高さ(cm)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0177】
【表31】
表31. 3回または4回の用量(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間および48時間後)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルの平均としての、高さ(cm)についての、運動の24時間および48時間後における、ベースライン(運動前)からの変化
【0178】
【表32】
表32. 2回の用量の処置(運動の前日、および同日)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルのうちの最良のものとしての、運動前の速度(m/s)による筋機能評価
【0179】
【表33】
表33. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルのうちの最良のものとしての、速度(m/s)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0180】
【表34】
表34. 3または4回の用量(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間および48時間後)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルのうちの最良のものとしての速度(m/s)についての、運動の24時間および48時間後における、ベースライン(運動前)からの変化
【0181】
【表35】
表35. 2回の用量の処置(運動の前日、および同日)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルの平均としての、運動前の速度(m/s)による筋機能評価
【0182】
【表36】
表36. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルの平均としての、速度(m/s)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0183】
【表37】
表37. 3回、4回および5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、垂直跳躍の3回のトライアルの平均としての、速度(m/s)についての、運動の24時間、48時間および72時間後における、ベースライン(運動前)からの変化
【0184】
【表38】
表38. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、利き足における、膝の屈曲の間の可動域(角度)についての、運動前後72時間にわたるAUC値
【0185】
【表39】
表39. 5回の用量の処置(運動の前日、および同日、ならびに運動の24時間、48時間および72時間後)の後の、運動の72時間後における、利き足における、膝の屈曲の間の可動域(角度)についての、ベースライン(運動前)からの変化
【0186】
表1において見ることができるとおり、スクワット運動の間に、プラセボ処置群は、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、顕著により多くの疼痛を有した(+44.61%)。
表20、26および32において見ることができるとおり、垂直跳躍運動の間に、プラセボ処置群は、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、顕著により低い力、高さおよび速度を示す(最良の跳躍について、それぞれ-0.71%、-0.62%および-0.39%)。このことは、表23、29および35において、3回の跳躍の平均をまとめた場合に顕著により低い力(-0.62%)およびより低い高さ(-0.34%)、ならびにより遅い速度(-0.31%)についての傾向により、確認される。
【0187】
表2において見ることができるとおり、スクワット運動の間に、(ダウンヒル運動の前後を比較する)5日間の評価全体の間に、プラセボ処置群は、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、より多くの疼痛を有した(+7.4%)。
表3において見ることができるとおり、プラセボ処置群は、(ダウンヒル運動の前後を比較する)5日間の評価全体の間に、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、より多くの血中クレアチンキナーゼを示す(+29.64%)。
【0188】
表4および6において見ることができるとおり、(ダウンヒル運動の前後を比較する)5日間の評価全体の間に、プラセボ処置群は、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、より低い等速性ピークトルク(Nm)レベルを示す(3回の試行の最良のものまたは平均を考慮して、それぞれ-1.17%および-0.67%)。表5において、3回のトライアルのうちの最良のものを考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群に対して、+100.62%、+22.53%、+112.93%および+28.26%の差分により、より低い等速性ピークトルク(Nm)の損失を示す(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間、48時間および72時間後に、直接的に比較された、ベースラインからの変化)。表7において、3回のトライアルの平均を考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群に対して、+14.21%、+20.56%および+26.46%の差分により、より低い等速性ピークトルク(Nm)の損失を示す(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間および48時間後に、直接的に比較された、ベースラインからの変化)。
【0189】
表8および10において見ることができるとおり、(ダウンヒル運動の前後を比較する)5日間の評価全体の間に、プラセボ処置群は、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、より低い等速性最大反復仕事量(J)レベルを示す(それぞれ3回の試行の最良のものまたは平均を考慮して、-3.37%および-3.93%)。表9において、3回のトライアルのうちの最良のものを考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、顕著に、プラセボ群に対して、+21.21%、+96.47%、+15.39%および+110.30%の差分により、より低い等速性最大反復仕事量(J)損失を示す(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間、48時間および72時間後に、直接的に比較された、ベースラインからの変化)。表11において、3回のトライアルの平均を考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群に対して、+30.27%、+62.23%、+13.99%および+65.82%の差分により、より低い等速性最大反復仕事量(J)損失を示す(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間、48時間および72時間後に、直接的に比較された、ベースラインからの変化)。
【0190】
表12および14において見ることができるとおり、(ダウンヒル運動の前後を比較する)5日間の評価全体の間に、プラセボ処置群は、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、より低い等速性の力(W)レベル示す(それぞれ3回の試行の最良のものまたは平均を考慮して、-1.34%および-0.98%)。表13において、3回のトライアルのうちの最良のものを考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群に対して、+30.61%、+78.33%、+14.16%および+266.67%の差分により、より低い等速性の力(W)の損失示す(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間、48時間および72時間後に、直接的に比較された、ベースラインからの変化)。表15において、3回のトライアルの平均を考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群との30.27%、62.23%、13.99%および65.82%の差分により、より低い等速性の力(W)の損失を示す(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間、48時間および72時間後に、直接的に比較された、ベースラインからの変化)。
【0191】
表12および14において見ることができるとおり、(ダウンヒル運動の前後を比較する)5日間の評価全体の間に、プラセボ処置群は、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、より低い等速性の力(W)レベルを示す(それぞれ3回の試行の最良のものまたは平均を考慮して、-1.34%および-0.98%)。表13において、本発明の試験処方物(TPG)群は、3回のトライアルのうちの最良のものを考慮して、プラセボ群に対して、+30.61%、+78.33%、+14.16%および+266.67%の差分により、より低い等速性の力(W)の損失を示す(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間、48時間および72時間後に、直接的に比較された、ベースラインからの変化)。表15において、3回のトライアルの平均を考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群との30.27%、62.23%、13.99%および65.82%の差分により、より低い等速性の力(W)の損失を示す(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間、48時間および72時間後に、直接的に比較された、ベースラインからの変化)。
【0192】
表12および14において見ることができるとおり、(ダウンヒル運動の前後を比較する)5日間の評価全体の間に、プラセボ処置群は、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、より低い等尺性ピークトルク(Nm)レベルを示す(それぞれ3回の試行の最良のものまたは平均を考慮して、-2.10%および-2.53%)。表17において、3回のトライアルのうちの最良のものを考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群に対して、+37.62%、+50.59%および+60.46%の差分により、より低い等尺性ピークトルク(Nm)の損失(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間および48時間後に、直接的に比較された、ベースラインからの変化)、および72時間におけるベースラインよりも良好なレベルによる完全な回復を示す。表19において、3回のトライアルの平均を考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群に対して、+33.95%、+35.39%および+67.82%の差分により、顕著により低い等尺性ピークトルク(Nm)の損失(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間および48時間後に、直接的に比較された、ベースラインからの変化)、および72時間におけるベースラインよりも良好なレベルによる完全な回復を示す。
【0193】
表21および24において見ることができるとおり、(ダウンヒル運動の前後を比較する)5日間の評価全体の間に、プラセボ処置群は、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、より低いピークパワースコア(W)レベル示す(それぞれ3回の試行の最良のものまたは平均を考慮して、-1.2%および-1.13%)。表22において、3回の垂直跳躍の試行のうちの最良のものを考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群に対して+539.39%の差分により、より低いピークパワースコア(W)の損失(ダウンヒル運動の24時間後に比較されたベースラインからの変化)、および48時間におけるベースラインよりも良好なレベルによる完全な回復を示す。表25において、3回の垂直跳躍の試行の平均を考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群に対して、+414.29%の差分により、より低いピークパワースコア(W)の損失(ダウンヒル運動の24時間後に比較されたベースラインからの変化)、および48時間におけるベースラインよりも良好なレベルによる完全な回復を示す。
【0194】
表27および30において見ることができるとおり、(ダウンヒル運動の前後を比較する)5日間の評価全体の間に、プラセボ処置群は、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、より低い高さ(cm)レベルを示す(それぞれ3回の試行の最良のものまたは平均を考慮して、-1.2%および-1.04%)。表28において、3回の垂直跳躍の試行のうちの最良のものを考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群に対して、+2625%および1085.71%の差分により、より低い高さ(cm)の損失を示す(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間および48時間後に比較された、ベースラインからの変化)。表31において、3回の垂直跳躍の試行の平均を考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群に対して、+184.21%および680%の差分により、より低い高さ(cm)の損失を示す(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間および48時間後に比較された、ベースラインからの変化)。
【0195】
表33および36において見ることができるとおり、(ダウンヒル運動の前後を比較する)5日間の評価全体の間に、プラセボ処置群は、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、より低い速度(m/s)レベルを示す(3回の試行の最良のものまたは平均を考慮して、それぞれ-0.8%および-2.03%)。表34において、3回の垂直跳躍の試行のうちの最良のものを考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群に対して、+157.89%および975%の差分により、より低い速度(m/s)の損失を示す(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間および48時間後に比較された、ベースラインからの変化)。表37において、3回の垂直跳躍の試行の平均を考慮して、本発明の試験処方物(TPG)群は、プラセボ群に対して、+182.35%および720%の差分により、より低い速度(m/s)の損失(それぞれ、ダウンヒル運動の24時間および48時間後に比較された、ベースラインからの変化)、および72時間におけるベースラインよりも良好なレベルによる完全な回復を示す。
【0196】
表38において見ることができるとおり、(ダウンヒル運動の前後を比較する)5日間の評価全体の間に、プラセボ処置群は、本発明の試験処方物(TPG)処置群よりも、より低い可動域(角度)レベルを示す(-0.76%)。表39において、本発明の試験処方物(TPG)群は、72時間において、膝の屈曲の間に、ベースラインよりも、プラセボよりも良好なレベルの可動域(角度)により、完全な回復を示す。
【0197】
まとめると、このことは、本発明の試験処方物(TPG)補給は、運動の間および/もしくは後の対象における筋痛を緩和、処置、軽減および/もしくは予防することに役立つことができ、処置筋疼痛および/または筋疲労において使用することができることを示す。それはまた、本発明の試験処方物(TPG)補給は、対象において、運動の間および/または運動の後に、機能的活動、筋回復、筋機能、筋力および筋強度を改善および/もしくは維持することに役立つことができることを示す。
【0198】
本明細書において例において示されるとおり、試験処方物(TPG)による処置は、疼痛(VASスケール)、損傷バイオマーカー(クレアチンキナーゼの循環レベル)、等尺性および等速性の機能(四頭筋におけるトルク、力、および仕事量)、ピークパワー(垂直跳躍の高さ、速度および力)、可動域(膝の屈曲)、主観的ウェルネスおよびウェルビーイング(心理測定的試験)、ならびに運動の間の主観的運動強度(評価尺度)を通して、筋回復の改善をもたらす。試験処方物による補給は、男性および女性において、独立して、および一緒に、プラセボに対して、より良好な改善を示す。このことは、クルクミノイド含有処方物が、機能的活動(筋の強度、力、筋回復など)に対する、および女性の対象における筋痛の軽減に対する影響を、初めて示すものである。
【0199】
このことは、本発明の試験処方物(TPG)は、機能的活動(筋の強度、力、筋回復など)に対して、および運動後の筋痛を軽減することに対して、影響を有すること、ならびに、この効果は、標準的なクルクミン補助食品処方物と比較した場合に、はるかにより低いクルクミノイドの用量を用いて達成されることを示す。
図1
【国際調査報告】