(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】エアロゾル生成デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240614BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240614BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20240614BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
A24F40/465
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577448
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 EP2022066625
(87)【国際公開番号】W WO2022263668
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】マクグラス, コーナー
(72)【発明者】
【氏名】ホールデン, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス, ホルヘ
(72)【発明者】
【氏名】ホジソン, マシュー
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC22
(57)【要約】
エアロゾル生成デバイス(101)が記載される。上記デバイスはエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する。上記デバイスは、エアロゾル生成材料を含む物品(110)の少なくとも一部を受け入れるための加熱区域(215)を画定する周壁(214)を備える容器(212)を有する。細長リブ(700)が加熱区域内に突出している。細長リブは、物品と周壁との間に空気流路を設けるために、加熱区域で受け入れられる物品の少なくとも一部を周壁から離隔するように配置されている物品設置面(704)を有する。細長リブは、周壁周りで少なくとも部分的に周方向に延在する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受け入れるための加熱区域を画定する周壁を備える容器と、
前記加熱区域内に突出している細長リブであり、前記細長リブが、前記物品と前記周壁との間に空気流路を設けるために、前記加熱区域で受け入れられる物品の少なくとも一部を前記周壁から離隔するように配置されている物品設置面を備える、細長リブと、を具備し、
前記細長リブが前記周壁周りで少なくとも部分的に周方向に延在する、エアロゾル生成デバイス。
【請求項2】
前記細長リブが、前記容器の前記周壁周りに少なくとも部分的に螺旋状の経路を形成している、請求項1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項3】
前記細長リブが、前記容器の前記周壁周りに前記物品と接触する完全な螺旋状経路を形成している、請求項2に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項4】
前記細長リブが切れ目を備える、請求項3に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項5】
前記細長リブが少なくとも2巻きの螺旋状経路を備え、各巻きが切れ目を備える、請求項4に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項6】
前記細長リブの前記少なくとも2巻きの前記螺旋状経路の少なくとも2つの切れ目の各々が、前記容器の前記周壁の同一の円周角度位置にある、請求項5に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項7】
前記細長リブの前記少なくとも2巻きの前記螺旋状経路の少なくとも2つの切れ目の各々が、前記容器の前記周壁の異なる円周角度位置にある、請求項5に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項8】
前記細長リブが、前記容器の前記周壁周りで周方向にのみ不連続的に延在する、請求項4~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項9】
前記細長リブが複数の細長リブのうちの1つである、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項10】
前記容器と前記細長リブとが一体形成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項11】
前記物品を加熱するように構成された加熱要素を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項12】
前記容器が前記加熱要素を備える、請求項11に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項13】
前記加熱要素が、磁場の侵入によって加熱可能な材料を備える、請求項11又は12に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項14】
前記加熱要素が、電流の印加下で加熱するように構成された材料を備える、請求項11~13のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項15】
前記細長リブ又は複数の細長リブが前記加熱要素の一部を形成している、請求項11~14のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項16】
前記加熱要素が前記容器内で直立している、請求項12に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項17】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受け入れるための加熱区域を画定する周壁を備える容器と、
前記加熱区域に突出する少なくとも1つの物品設置面を備える細長リブであり、前記物品設置面が前記加熱区域の長手方向軸線に対する軸線長よりも長い周長を有する、細長リブと、を具備する、エアロゾル生成デバイス。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成材料を含む物品であり、前記物品が前記エアロゾル生成デバイスの前記加熱区域に少なくとも部分的に受け入れられることが可能である、物品と、を備える、エアロゾル生成デバイスシステム。
【請求項19】
前記物品が管状であり、円形断面を備える、請求項18に記載のエアロゾル生成デバイスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスに関する。本発明は、エアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成材料を備える物品と、を具備するシステムにも関する。
【背景】
【0002】
材料から化合物を取り出す方法及びデバイスは、そのような化合物の吸入の娯楽的又は医薬的な利益をユーザに提供するために、長らく使用されてきた。燃やさせずに化合物を放出する製品を提供するための試みがなされてきた。そのような製品の例として、材料を燃やさずに加熱することにより化合物を放出する加熱デバイスがある。材料は、例えば、ニコチンを含んでいてもよい。
【概要】
【0003】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受け入れるための加熱区域を画定する周壁を備える容器と、
加熱区域内に突出している細長リブであり、物品と周壁との間に空気流路を設けるために、加熱区域で受け入れられる物品の少なくとも一部を周壁から離隔するように配置されている物品設置面を備える、細長リブと、を具備し、
細長リブが周壁周りで少なくとも部分的に周方向に延在する、エアロゾル生成デバイスが提供される。
【0004】
細長リブは、容器の周壁周りに少なくとも部分的に螺旋状の経路を形成していてもよい。
【0005】
細長リブは、容器の周壁周りに物品と接触する完全な螺旋状経路を形成していてもよい。
【0006】
細長リブは、切れ目を備えていてもよい。
【0007】
細長リブは、各巻きが切れ目を備える螺旋状経路を少なくとも2巻き具備していてもよい。
【0008】
細長リブの螺旋状経路の上記少なくとも2巻きの少なくとも2つの切れ目の各々は、容器の周壁の同一の円周角度位置にあってもよい。
【0009】
細長リブの螺旋状経路の上記少なくとも2巻きの少なくとも2つの切れ目の各々は、容器の周壁の異なる円周角度位置にあってもよい。
【0010】
細長リブは、容器の周壁周りに周方向にのみ不連続的に延在してもよい。
【0011】
細長リブの断面形状は台形であってもよい。細長リブの台形断面の2つの平行な辺のうちの短い辺は、物品設置面であってもよい。
【0012】
細長リブの断面形状は矩形であってもよい。リブの矩形断面の物品設置面の角はアールが付いていてもよい。細長リブの断面形状は楕円形であってもよい。細長リブの断面形状は三角形であってもよい。細長リブの三角断面はアールの付いた頂点を有していてもよい。
【0013】
細長リブは、途切れていてもよい。
【0014】
細長リブは、物品を部分的に変形させるように構成されていてもよい。
【0015】
細長リブは、複数の細長リブのうちの1つであってもよい。
【0016】
複数の細長リブの各々が、少なくとも部分的に周壁周りの周方向に延在してもよい。
【0017】
複数の周縁リブは、周壁周りの螺旋状経路を画定してもよい。
【0018】
複数の周縁リブの隣り合う周縁リブは、周方向に互いに離隔されていてもよい。複数の周縁リブの隣り合う周縁リブは、軸線方向に互いに離隔されていてもよい。軸線方向流路は、少なくともいくつかの周縁リブにより加熱区域に沿って画定されてもよい。
【0019】
容器と細長リブとは、一体形成されていてもよい。
【0020】
容器と細長リブとは、一体的構成要素であってもよい。
【0021】
エアロゾル生成デバイスは、物品を加熱するように構成された加熱要素を備えていてもよい。
【0022】
容器は加熱要素を備えていてもよい。
【0023】
容器は管状部材であってもよい。
【0024】
加熱要素は、磁場の侵入により加熱可能な材料を備えていてもよい。
【0025】
加熱要素は、材料を通る電流の印加下で加熱するように構成された材料を備えていてもよい。
【0026】
細長リブ又は複数の細長リブは、加熱要素の一部を形成していてもよい。
【0027】
加熱要素は、容器内で直立していてもよい。
【0028】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受け入れるための加熱区域を画定する周壁を備える容器と、
加熱区域に突出する少なくとも1つの物品設置面を備える細長リブであって、物品設置面が加熱区域の長手方向軸線に対する軸線長より長い周長を有する、細長リブと、を具備する、エアロゾル生成デバイスが提供される。
【0029】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、上述された任意のエアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成材料を含む物品であり、エアロゾル生成デバイスの加熱区域に少なくとも部分的に受け入れられることが可能である物品と、を備える、エアロゾル生成デバイスシステムが提供される。
【0030】
物品は管状であってもよく、円形断面を備えていてもよい。
【0031】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受け入れるための加熱区域と、加熱区域を加熱するために配置された加熱要素を備える加熱構成体と、物品と螺合するように構成された加熱区域内のねじ構成体と、を具備した、エアロゾル生成デバイスが提供される。
【0032】
ねじ構成体は、物品の外側と螺合するように構成された雌ねじ山を備えていてもよい。
【0033】
ねじ構成体は、物品に螺合するように構成された雄ねじ山を備えていてもよい。
【0034】
加熱要素はねじ構成体を備えていてもよい。
【0035】
加熱要素は、加熱区域を少なくとも部分的に取り囲んでいてもよい。
【0036】
加熱要素は、加熱区域を画定する容器の少なくとも一部を形成していてもよい。
【0037】
加熱要素は管状部材を備えていてもよく、ねじ構成体は管状部材の内側にねじ山を備えていてもよい。
【0038】
加熱要素は加熱区域に突出していてもよい。
【0039】
ねじ構成体は軸及び軸上のねじ山を備えていてもよい。
【0040】
軸は先細りになっていてもよい。
【0041】
ねじ山は、軸の自由端から延びていてもよい。
【0042】
ねじ山は、軸の長さに沿って一定のピッチを有していてもよい。
【0043】
ねじ山は、熱伝導材料を備えていてもよい。
【0044】
ねじ山は、加熱区域の変化する磁場の侵入により加熱可能であってもよい。
【0045】
エアロゾル生成デバイスは、加熱区域でねじ構成体を回転させるように構成された作動機構を備えていてもよい。
【0046】
作動機構は作動装置を備えていてもよい。
【0047】
作動装置は電動モータを備えていてもよい。
【0048】
作動機構は、加熱区域内への物品の挿入に応答して、加熱区域でねじ構成体を回転させるように構成されていてもよい。
【0049】
エアロゾル生成デバイスは、加熱区域を画定しねじ構成体を備える容器を具備していてもよい。
【0050】
加熱要素は加熱区域に突出していてもよい。
【0051】
加熱要素は平面状周縁面を備えていてもよい。
【0052】
エアロゾル生成デバイスは、変化する磁場を生成するように構成されたインダクタコイルを含む場生成装置を備えていてもよい。
【0053】
加熱要素は、加熱区域の変化する磁場の侵入により加熱可能であってもよい。
【0054】
加熱要素は、抵抗加熱構成体の一部を備えていてもよい。
【0055】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、エアロゾル生成デバイスの加熱区域に受け入れられるエアロゾル生成材料を含む物品を加熱するための加熱要素であって、エアロゾル生成材料を含む物品と螺合するように構成されたねじ構成体を備える加熱要素が提供される。
【0056】
加熱要素は、変化する磁場の侵入により加熱可能な材料を備えていてもよい。
【0057】
加熱要素は、抵抗加熱要素であってもよい。
【0058】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、前述のデバイスと、エアロゾル生成材料を含む物品とを備えるシステムが提供される。
【0059】
物品は、デバイスのねじ構成体と相互作用するように構成された物品ねじ山を備えていてもよい。
【0060】
物品の物品ねじ山は、雌ねじ穴であってもよい。
【0061】
物品の物品ねじ山は、物品の外側にあってもよい。
【0062】
物品は、加熱要素を受け入れるように構成された予備形成された穴を備えていてもよい。
【0063】
ねじ構成体は、上記穴の面と係合するように構成されていてもよい。
【0064】
物品は、ねじ構成体と係合するように構成された係合特徴を備えていてもよい。
【0065】
係合特徴は、穴、カラー、肩部、隆起、突出部、凹部、へり、面取り部、厚みが増した領域、厚みが減じた領域、面、及び縁のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0066】
ねじ構成体は、物品の比較的弾性の高い係合特徴と係合するように構成されていてもよい。
【0067】
ねじ構成体は、物品の比較的弾性の低い係合特徴と係合するように構成されていてもよい。
【0068】
物品は物品の外側を備えていてもよく、ねじ構成体は、物品が加熱区域に受け入れられるとき、物品の外側に対して変形及び膨張のうち少なくとも1つを行うように構成されていてもよい。
【0069】
ねじ構成体は、物品を圧縮するように構成されていてもよい。
【0070】
ねじ構成体は、物品の外側に窪みを形成するように構成されていてもよい。
【0071】
物品は外側を備えていてもよく、ねじ構成体は、物品が加熱区域に受け入れられるとき、物品の外側に対して変形及び膨張のうち少なくとも1つを行うように構成されていてもよい。物品の挿入は、ねじ構成体を変形するように構成されていてもよい。
【0072】
物品は消耗品であってもよい。
【0073】
加熱要素は、加熱区域から着脱可能であってもよい。加熱要素は、交換可能であってもよい。
【0074】
加熱要素は、基部から直立していてもよい。加熱要素は、自由端に鋭い縁、又は点を備えていてもよい。加熱要素は、ピンであってもよい。加熱要素は、加熱区域に受け入れられた物品を貫くように構成されていてもよい。
【0075】
加熱要素及び容器は、同軸線にあってもよい。
【0076】
この態様の装置は、必要に応じて、1つ若しくは複数又は全ての上述された特徴を含んでいてもよい。
【0077】
エアロゾル生成デバイスは、不燃性エアロゾル生成デバイスであってもよい。
【0078】
デバイスは、非燃焼加熱式デバイスとしても公知である、タバコ加熱デバイスであってもよい。
【0079】
エアロゾル生成材料は、非液体エアロゾル生成材料であってもよい。
【0080】
物品は、加熱区域内に少なくとも部分的に受け入れられるように寸法設定されていてもよい。
【0081】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料を備える物品の少なくとも一部を受け入れるように構成された加熱区域を画定する容器と、加熱区域を加熱するように配置された加熱要素と、を具備する、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスが提供される。
【0082】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料を備える物品と、物品の少なくとも一部を受け入れるように構成された加熱区域を備える、エアロゾル生成材料を加熱するためのエアロゾル生成デバイスと、加熱要素と、を具備する、エアロゾル生成システムが提供される。
【0083】
これらの態様の装置は、必要に応じて、1つ若しくは複数又は全ての上述された特徴を含んでいてもよい。
【0084】
次に、単なる例として、添付図面を参照して、実施形態が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【
図1】エアロゾル生成デバイス及びデバイスに挿入される物品を有するエアロゾル生成システムの正面斜視図である。
【
図2】
図1のエアロゾル生成システムの概略図である。
【
図3】加熱区域の内表面にねじ構成体を有する
図1のエアロゾル生成システムの概略図である。
【
図3a】
図3のエアロゾル生成システムと共に使用するための物品の例の概略図である。
【
図3b】
図3のエアロゾル生成システムと共に使用するための雄ねじ物品の例の概略図である。
【
図4】ねじ構成体がデバイスの容器の内表面に形成されている、他のエアロゾル生成システムの概略図である。
【
図4a】
図4又は
図5のエアロゾル生成システムと共に使用するための予備形成された穴を有する物品の概略図である。
【
図5】内部加熱要素にねじ山が設けられている
図1の他のエアロゾル生成システムの概略図である。
【
図5a】
図5のエアロゾル生成システムと共に使用するための雌ねじ物品の概略図である。
【
図6】
図5によるデバイスが容器及び加熱要素のうちの少なくとも1つを回転させるための作動機構を備える、請求項1に記載の他のエアロゾル生成システムの概略図である。
【
図7】
図1又は
図2のエアロゾル生成システムと共に使用するための細長リブが設けられている容器の概略図である。
【
図8A】物品が内部に挿入された状態の、
図7の容器の概略図である。
【
図8B】物品が内部に挿入された状態の、
図7の容器の概略図である。
【
図9】容器の円周周りの細長リブに切れ目を有する、
図7の容器の概略図である。
【
図10A】
図7の容器と共に使用するための三角形断面の細長リブの概略図である。
【
図10B】
図7の容器と共に使用するための矩形断面の細長リブの概略図である。
【
図10C】
図7の容器と共に使用するための楕円形断面の細長リブの概略図である。
【
図11A】物品が容器に挿入された状態の、
図10Aによる三角形リブを伴う、
図7による容器の概略図である。
【
図11B】物品が容器に挿入された状態の、
図10Aによる三角形リブを伴う、
図7による容器の概略図である。
【詳細な説明】
【0086】
本明細書で使用される用語「エアロゾル生成材料」は、例えば加熱、放射線照射、又は他の任意の方法でエネルギー付与されたときに、エアロゾルを生成できる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、活性物質及び/又は風味材料を含んでいても含んでいなくてもよい、固体、液体、又はゲルの形態であってもよい。エアロゾル生成材料は、任意のタバコ含有材料など、任意の植物性材料を含んでいてもよく、例えば、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。エアロゾル生成材料は、製品によってニコチンを含んでいても含んでいなくてもよい、他のタバコでない製品も含んでいてもよい。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、ゲル、蝋などの形態であってもよい。エアロゾル生成材料は、例えば、材料の組み合わせ又は配合物でもあってもよい。エアロゾル生成材料は「喫煙材」としても公知であってもよい。
【0087】
エアロゾル生成材料は、結合剤及びエアロゾル形成剤を備えていてもよい。任意選択で、活性剤及び/又は充填剤も存在していてもよい。任意選択で、水などの溶媒も存在しており、エアロゾル生成材料の1つ又は複数の他の構成要素は、溶媒に可溶であっても可溶でなくてもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は植物材料を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料はタバコを実質的に含まない。
【0088】
エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」を備えていてもよく、又は「非晶質固体」であってもよい。非晶質固体は「一体構造固体」であってもよい。いくつかの実施形態において、非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その中に液体などの流体をいくらか保持できる固体材料である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、例えば、約50、60、又は70重量%~約90、95、又は100重量%の非晶質固体を備えていてもよい。
【0089】
エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成膜を備えていてもよい。エアロゾル生成膜は、細断シートを形成するために任意選択で細断され得るシートを備えていてもよく、又はそのシートであってもよい。エアロゾル生成シート又は細断シートは、タバコを実質的に含まなくてもよい。
【0090】
エアロゾル生成材料を加熱し、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの構成要素を揮発させ、エアロゾル生成材料を燃やさずに又は燃焼させずに、吸入され得るエアロゾルを典型的には形成する装置が知られている。そのような装置は、「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」、「タバコ加熱デバイス」、又は類似名として時折説明される。同様に、ニコチンを含んでいても含んでいなくてもよい液体の形態のエアロゾル生成材料を典型的には気化させる、いわゆるeシガレットデバイスも存在する。エアロゾル生成材料は、装置内に挿入され得る棒、カートリッジ、カセットなどの形態であってもよく、又は装置内に挿入され得る棒、カートリッジ、カセットなどの一部として提供されていてもよい。エアロゾル生成材料を加熱し揮発させる加熱器は、装置の「常設的」部位として提供されていてもよい。
【0091】
エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成材料を備える物品を、加熱するために受け入れることができる。この文脈における「物品」は、エアロゾル生成材料及び任意選択で他に使用されている構成要素を揮発させるために加熱される、使用時にエアロゾル生成材料を含む又は含有する構成要素である。物品が加熱され、ユーザがその後吸入するエアロゾルを生ずる前に、ユーザは物品をエアロゾル供給デバイス内に挿入してもよい。物品は、例えば、物品を受け入れるようにサイズ設定されたデバイスの加熱室内に配置されるように構成された、予め定められた又は特定のサイズであってもよい。
【0092】
図1はエアロゾル生成システム100の例を示す。システム100は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイス101と、エアロゾル生成材料を備える取替可能物品110と、を具備する。デバイス101のユーザにより吸入され得るエアロゾル又は他の吸入可能材料を生成するべく、デバイス101は、エアロゾル生成材料を備える取替可能物品110を加熱するために使用されてもよい。
【0093】
デバイス101は、デバイス101の様々な構成要素を囲み収容する筐体103を備える。筐体103は細長い。デバイス101は、物品110がデバイス101によって加熱されるために挿入され得る開口部104を一端に有する。物品110は、デバイス101によって加熱されるために、デバイス101内に完全に又は部分的に挿入されてもよい。
【0094】
デバイス101は、被操作時、例えば押下時、にデバイス101を操作する、ボタン又はスイッチなどの、ユーザ操作可能制御要素106を備えていてもよい。例えば、ユーザは、スイッチ106を押下することでデバイス101を起動してもよい。
【0095】
デバイス101は、物品110がデバイス101内に挿入された際に沿って延伸してもよい長手方向軸線102を画定する。開口部104は、長手方向軸線102と一直線になっている。
【0096】
図2は、デバイス101の様々な構成要素を示す、
図1のエアロゾル生成システム100の概略図である。デバイス101は
図2に示されていない他の構成要素を含んでいてもよいこと、及び
図2に示されるいくつかの構成要素はいくつかの実施形態において存在しない場合があることが理解されよう。
【0097】
図2に示されるように、デバイス101は、エアロゾル生成材料を加熱するための装置200を含む。装置200は、加熱アセンブリ201と、制御装置(制御回路)202と、電源204とを含む。装置200は本体アセンブリ210を備える。本体アセンブリ210は、シャーシ、及びデバイスの一部を形成する他の構成要素を含んでいてもよい。加熱アセンブリ201は、エアロゾルがエアロゾル生成材料から生成されるように、デバイス101内に挿入された物品110のエアロゾル生成材料を加熱するように構成されている。電源204は加熱アセンブリ201に電力を供給し、加熱アセンブリ201は、エアロゾル生成材料を加熱するために、供給された電気エネルギーを熱エネルギーに変換する。
【0098】
電源204は、例えば、充電式バッテリー又は非充電式バッテリーなどの、バッテリーであってもよい。好適なバッテリーの例には、例えば、リチウムバッテリー(リチウムイオンバッテリーなど)、ニッケルバッテリー(ニッケルカドミウムバッテリーなど)、及びアルカリバッテリーが含まれる。
【0099】
電源204は、エアロゾル生成材料を加熱するべく、必要時に制御装置202の制御下で電力を供給するために加熱アセンブリ201と電気的に結合されていてもよい。制御回路202は、ユーザが制御要素106を操作したことに基づいて、加熱アセンブリ201を起動及び停止するように構成されていてもよい。例えば、制御装置202は、ユーザがスイッチ106を操作したことに応答して、加熱アセンブリ201を起動してもよい。
【0100】
デバイス101の開口部104に最も近い端部は、使用時にユーザの口に最も近いため、デバイス101の近位端(口端)107として公知であってもよい。使用時、ユーザは開口部104に物品110を挿入し、ユーザ制御106を操作してエアロゾル生成材料の加熱を開始し、デバイスに生成されたエアロゾルを吸う。これに起因して、エアロゾルは、流路に沿って物品110を通りデバイス101の近位端に向かって流れる。
【0101】
デバイスの開口部104から最も遠い他端部は、使用時にユーザの口から最も遠い端部であるため、デバイス101の遠位端108として公知であってもよい。ユーザがデバイスに生成されたエアロゾルを吸うと、エアロゾルはデバイス101の近位端に向かう方向に流れる。デバイス101の特徴に適用される近位及び遠位という用語は、軸線102に沿った近位遠位方向における、そのような特徴の互いに対する相対的配置を参照することにより説明される。
【0102】
加熱アセンブリ201は、例えば誘導加熱工程又は抵抗加熱工程を経て物品110のエアロゾル生成材料を加熱するための様々な構成要素を備えていてもよい。誘導加熱は、電磁誘導により導電性加熱要素(サセプタなど)を加熱する工程である。誘導加熱アセンブリは、誘導要素、例えば1つ又は複数のインダクタコイルと、交流などの変化する電流を誘導要素を通して流すためのデバイスとを備えていてもよい。誘導要素内の変化する電流は変化する磁場を生ずる。変化する磁場は、誘導要素に対して好適に配置されたサセプタに侵入し、サセプタ内部に渦電流を生成する。サセプタが渦電流に対する電気抵抗を有することにより、この抵抗に対する渦電流の流れに起因してサセプタがジュール加熱により加熱される。サセプタが鉄、ニッケル、又はコバルトなどの強磁性材料を備えている場合、サセプタの磁気ヒステリシス損失によっても、すなわち磁気双極子が変化する磁場と整列することで磁性材料の磁気双極子の配向が変化することによっても、熱が生成され得る。例えば伝導による加熱と比較して、誘導加熱では熱がサセプタ内部に生成されるため、迅速な加熱が可能となる。さらに、誘導要素とサセプタとの間に物理的接触が何も必要ないため、構築と応用の自由度が高まることが可能となる。代わりに、抵抗加熱は、電気抵抗を直接通る電流の印加に応答して材料の電気抵抗から生じるジュール加熱効果を利用する。
【0103】
装置200は、加熱される物品110を受け入れるように構成され寸法設定された加熱室211を含む。加熱室211は加熱区域215を画定する。本例において、物品110は略円筒状であり、対応して加熱室211も略円筒状の形状である。しかし、他の形状も可能となる。加熱室211は容器212により形成されている。容器212は端壁213と周壁214とを含む。端壁213は容器212の基部として機能する。実施形態における容器212は一体的構成要素である。本明細書で使用される用語「一体的構成要素」は、特徴間に接合部が画定されずに特徴が共に形成されていることを意味することが意図される。他の実施形態において、容器212は2つ以上の構成要素を備える。
【0104】
加熱室211は、容器212の内表面により画定される。容器212は支持部材として機能する。容器212は略管状部材を備える。容器212は、デバイス101の長手方向軸線102に沿って周囲に延在し、実質的に同軸線にある。しかし、他の形状も可能となる。容器212(及びそれに伴う加熱区域215)は、デバイス101の開口部104に挿入される物品110が開口部104を通って加熱室211により受け入れられ得るように、その近位端において開口している。容器212は、端壁213により、その遠位端において閉鎖している。容器212は、空気路の一部を形成する1つ又は複数の導管を備えていてもよい。物品110の遠位端は、使用時、加熱室211の端部に近接して又は係合して配置されてもよい。空気が、空気路の一部を形成する1つ又は複数の導管を通過し、加熱室211に入り、物品110を通ってデバイス101の近位端に向かって流れてもよい。
【0105】
容器212は、断熱性材料から形成されていてもよい。例えば、容器212は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのプラスチックから形成されていてもよい。他の好適な材料も可能である。容器212はそのような材料から形成されていてもよく、加熱アセンブリ201の動作時にアセンブリが剛性/固体のままでいることを保証する。非金属製材料を容器212に使用することで、デバイス101の他の構成要素の加熱を制限することを援助できる。容器212は、他の構成要素の支持を助成するために、剛性材料から形成されていてもよい。
【0106】
容器212のための他の構成も可能となる。例えば、一実施形態において、端壁213は加熱アセンブリ201の一部によって画定される。実施形態において、容器212は、変化する磁場の侵入により加熱可能な材料を備える。いくつかの実施形態において、容器212は、抵抗ジュール加熱により加熱可能な材料を備える。
【0107】
図3に図示されるように、加熱アセンブリ201は、加熱区域215を囲んで配置された加熱要素320を備えていてもよい。このような構成において、加熱要素320は容器212を形成している。加熱要素320は周壁214を画定する。加熱要素320は加熱区域215を加熱するように構成されている。加熱区域215は加熱室211で画定される。実施形態において、加熱室211は、加熱区域215の一部、又は加熱区域215の範囲を画定する。
【0108】
加熱要素320は、加熱区域215を加熱するために加熱可能である。加熱要素320は、誘導加熱要素、又は抵抗加熱要素であってもよい。すなわち、加熱要素320は、変化する磁場の侵入により加熱可能なサセプタ、又は電源から電流を直接通すことによって加熱可能な抵抗材料を備えていてもよい。加熱部材320がサセプタを具備する場合、サセプタは、電磁誘導による加熱に好適な導電性材料を備える。例えば、サセプタは炭素鋼から形成されていてもよい。他の好適な材料、例えば鉄、ニッケル、又はコバルトなどの強磁性材料が使用され得ることが理解されよう。
【0109】
図2に示されるように、加熱アセンブリ201は磁場生成装置250を備える。磁場生成装置250は、加熱要素320を加熱するように、加熱要素320に侵入する1つ又は複数の変化する磁場を生成するように構成されている。磁場生成装置250は、インダクタコイル構成体251を含む。インダクタコイル構成体は、インダクタ要素として機能するインダクタコイル252を備える。インダクタコイル252は螺旋状コイルであってもよいが、他の構成体も想定される。実施形態において、インダクタコイル構成体251は2つ以上のインダクタコイルを備える。実施形態における上記2つ以上のインダクタコイルは、互いに隣り合って配置されており、軸線に沿って同軸線に整列されていてもよい。
【0110】
いくつかの例において、磁場生成装置250は、使用時、加熱要素320を、約240℃~約300℃又は約250℃~約280℃などの約200℃~約350℃の温度に加熱するように構成されている。加熱要素が抵抗加熱要素である例において、加熱要素内の抵抗加熱によって同様又は同一の温度に達してもよい。
【0111】
インダクタコイル252は、銅などの導電性材料を備える螺旋状コイルであってもよい。上記コイルは、支持部材(図示せず)周りに螺旋状に巻かれる、リッツ線などの電線から形成されていてもよい。支持部材は、容器212又は他の構成要素により形成されている。実施形態において、支持部材は省略されている。支持部材は管状である。コイル252は略管状形状を画定する。インダクタコイルは略円形外形を有する。他の実施形態において、インダクタコイルは、略正方形、矩形、又は楕円形などの異なる形状を有していてもよい。上記コイルの幅は、その長さに沿って大きくなってもよく、又は小さくなってもよい。
【0112】
他の種類のインダクタコイル、例えば平面渦巻状コイルが使用されていてもよい。螺旋状コイルでは、サセプタを受け入れるための細長いインダクタ区域を画定することが可能であり、細長いインダクタ区域に受け入れられるサセプタの細長い長さを提供する。変化する磁場にさらされるサセプタの長さは、最大になってもよい。螺旋状コイル構成体を用いて包囲されたインダクタ区域を設けることで、磁場の磁束集中を助成することが可能となる。
【0113】
リッツ線は、個別に絶縁され単一の電線を形成するために共に撚り合わされた、複数の個別の電線を備える。リッツ線は、導体の表皮効果損失を低減するように設計されている。単線などの他の種類の電線が使用されてもよい。螺旋状インダクタコイルの様態は、その軸線長に沿って変化してもよい。例えば、インダクタコイル、又は各インダクタコイルは、インダクタンス、軸線長、半径、ピッチ、巻数などの実質的に同一又は異なる値を有していてもよい。実施形態において、
図4及び5に示されるような加熱要素420は、加熱区域215内に延出する。突出要素として機能する加熱要素420は、加熱区域215内に突出している。加熱要素420は基部から直立している。加熱要素420は周壁214から離隔されている。加熱アセンブリ201は、物品110が加熱室211によって受け入れられるとき加熱要素420が物品110の遠位端内へ延出するように構成されている。加熱要素420は、使用時に物品110内に配置される。加熱要素420は、内部から物品110のエアロゾル生成材料を加熱するように構成されており、この理由により内部加熱要素と呼称される。
【0114】
加熱要素420は、デバイスの長手方向軸線102に沿って(軸線方向)、加熱室211の遠位端から加熱室211内へ延出する。実施形態において、加熱要素420は、軸線102から離隔した加熱室211内へ延出する。加熱要素420は、軸線102に対して、軸線から外れていてもよく、又は非平行であってもよい。1つの加熱要素420が示されているが、実施形態において、加熱アセンブリ201は複数の加熱要素420を備えることが理解されよう。実施形態におけるそのような加熱要素は、互いに離隔されているが互いに平行である。
【0115】
任意の記載される実施形態の加熱要素320、420が磁化率を介して加熱を利用するとき、インダクタコイル252は容器212外部に配置されてもよい。インダクタコイルは、加熱区域215を取り囲んでいてもよい。螺旋状インダクタコイルは、サセプタとして機能する加熱要素320、420の少なくとも一部の周りに延在してもよい。螺旋状インダクタコイルは、加熱要素320、420に侵入する変化する磁場を生成するように構成されている。螺旋状インダクタコイルは、加熱室211及び長手方向軸線102と同軸に配置されている。
【0116】
図示される実施形態は、加熱区域215の周りに配置された加熱要素320と加熱区域215内に配置された少なくとも1つの加熱要素420とのいずれか一方を含むデバイスを示しているが、任意の記載される実施形態は、加熱区域215を囲む加熱要素320と加熱区域215内の1つ又は複数の加熱要素420との両方を利用してもよい。
【0117】
加熱要素420は、加熱区域215内で突出し物品110によって受け入れられる。
図2はデバイス101内で受け入れられる物品110を示す。物品110は、容器212によって受け入れられるようにサイズ設定されている。容器212内への物品110の挿入を可能にするため、物品110の長手方向軸線に垂直な物品110の外形寸法は、デバイス101の長手方向軸線102に垂直な室211の内形寸法と実質的に一致している。実施形態において、物品110の外側111と容器212の内側217との間に、空隙216が画定される。空隙216は、室211の軸線長の少なくとも一部に沿った空気通路として機能できる。物品110の挿入端112は、容器212の基部と隣り合うように配置される。
【0118】
図2はデバイス101の基本構造を図示する。ねじ構成体などの特定の特徴がこの図において省略されているのは、
図3~5で示される実施形態に関してそれら特定の特徴の様々な想定される構成が検討されるためである。しかし、
図2は、デバイス101の加熱区域215内に配置された物品110を全体的に示す。この図は、物品のエアロゾル生成材料が加熱されてもよく、ユーザが物品/デバイスからエアロゾル化した材料を吸ってもよい、使用時の構成である。
【0119】
図3はデバイス101の構成体を図示する。見られるように、容器212はねじ構成体350を備える。この実施形態において、ねじ構成体350は、容器212の内表面に配置されたねじ山351を備える。ねじ山は螺旋状である。ねじ構成体350のピッチは、ねじ構成体350全体が容器212の長さに沿って約2又は3巻き(巻総数)を備えるように、この図においてはある程度大きく示されているが、本明細書に記載される任意のねじ構成体に対して任意の特定のピッチ又は巻数が想定される。一般に、ねじ構成体の長さに沿ってピッチがより大きいと、したがってねじ山総数がより少ないと、デバイス内への挿入に必要な回転数が最小限になる。いくつかの実施形態において、ねじ構成体の巻総数は1つ~5つである。
図3において、加熱要素320は、加熱区域215を囲んで配置されている。このことは物品110が外側から加熱されることを意味する。
【0120】
実施形態におけるねじ構成体350は、加熱要素320の一部を形成するか、又は加熱要素320に近接して配置される構成要素であってもよい。ねじ構成体350が加熱要素320の一部であるとき、又はそうでなければ熱伝導性であるとき、ねじ構成体350のねじ山351が、加熱要素320に接触している又は近接している物品110の表面積を大きくする。このことは使用中の物品110の加熱率の上昇を助長し、以て物品110内の材料のより迅速なエアロゾル化、より高いエアロゾル化効果、及びデバイスのより高い全体的効率をもたらす。加えて、ねじ構成体を設けることで、物品110がデバイス101内に単純に且つ確実に挿入され得ることを保証する。
【0121】
図3aは、本明細書に記載される任意の実施形態のデバイス101と共に使用するための物品110の例を示す。見られるように、物品110は略円筒状の形状であるが、他の形状も想定される。
図3aの物品110は、加熱区域215内に送られねじ構成体350と係合するとき、ねじ山315が物品110及び物品110のエアロゾル生成材料との接触表面積を増加させるように、ねじ山351が物品110を変形及び/又は膨張させる程度に、一般に柔軟性がある。上述のように、この接触表面積の上昇はデバイス101のエアロゾル化効果を高める。
【0122】
図3bは、
図3のデバイス101、又は雌ねじ容器212をさらに含む他の任意の企図されるデバイス101と共に使用するための物品110の例を示す。図に見られるように、物品110には雄ねじ山353が設けられている。雄ねじ山353は、物品110が使用時にデバイス101の加熱区域215へより容易且つより正確に螺入するように、容器212の内表面に配置されたねじ構成体350と整合するように構成されている。柔軟性がより低い物品が、このような雄ねじ山を伴って使用されてもよい。雄ねじ山の使用は、デバイス内における物品のより確実な配置ももたらし、さらに加熱要素320と物品110との間の接触表面積すなわち熱経路の増加ももたらす。
【0123】
図4は本発明のさらなる実施形態を示す。この実施形態において、容器212にはその内表面にねじ構成体350が再び設けられている。ねじ構成体350は、
図3に関連して説明された構成体350と略同一である。しかし、この実施形態においては、容器212及びねじ構成体350は加熱材料を含まない。
図3aと
図3bとの両方の物品110が、
図4のデバイス101と共に使用されてもよい。
図4のデバイス101は、加熱要素420が加熱区域215の内部に代わりに配置されている点で、
図3のデバイス101と異なる。加熱要素420はピンの形態であり、使用時に物品110を貫くように構成されている。図から見られるように、物品110内への要素420の挿入を容易にするために、加熱要素420の自由端222にはスパイクが設けられている。この実施形態において、加熱要素は直線状ピンである。上記ピンの外側は円筒状である。加熱要素420はねじ構成体を含まない。物品110の加熱要素420への下方圧力は、物品110を貫き、その後物品110に埋め込まれる。加熱要素420は、誘導加熱又は抵抗加熱によって、熱をもたらし物品110の内容物を内部から加熱するように構成されており、以て物品110内のエアロゾル生成材料をエアロゾル化する。この実施形態において、容器の内表面にあるねじ構成体350は、加熱区域215における物品110のより確実な配置をもたらすだけではなく、物品110を加熱要素420で貫くために必要な力の提供を助成する。物品110の回転運動は、ねじ構成体350によって、物品110を加熱要素420のピン上に動かす直線運動に変えられる。このことにより、公知のデバイスと比較して、ユーザが物品110を加熱要素420上に押すことによって物品110に働く過剰で直接的な直線下方力により引き起こされ得る、物品110の破損又は損傷を防止できる。
【0124】
図示されないが、本明細書の一実施形態は、
図3と
図4との実施形態の組み合わせを伴う。すなわち、ねじ構成体350を有するデバイス101の一実施形態は、加熱区域215周りに配置された加熱要素320と加熱区域215内に突出する加熱要素420との両方を含む。内部加熱要素420を有する任意の実施形態は、複数の内部加熱要素420を備えていてもよい。外部加熱要素と内部加熱要素との両方を含むことで、より迅速な加熱をもたらすこと、及び物品110の熱分布がより良好になることを含めて、物品110の加熱効果が高まる。
【0125】
図4aは本発明の任意の実施形態、特に、加熱区域215内に突出する内部ピン形状加熱要素420を備える
図4及び5の実施形態、と共に使用するための物品110の例を示す。この図に示される物品110は、内部穴表面114を有する内部穴113を備える。穴113は、物品110内に予備形成されている。穴113は、実施形態では、物品110の管状部によって形成されている。実施形態における穴113は、物品の長手方向軸線に沿って部分的に延在する。穴113は閉鎖端115を有する。加熱要素420は、穴113に受け入れられるようにサイズ設定されている。加熱要素420及び穴113は、相補的にサイズ設定されている。穴113を設けることで、ピン加熱要素420の物品110内への挿入が一般に容易になる。穴の内表面114は、加熱要素420と物品110との間の伝熱を最大化するために、加熱要素と密着するように構成されている。
【0126】
実施形態において、加熱要素の外形寸法は穴の外形寸法よりも大きい。このような構成体において、加熱要素は、デバイス101内に挿入される物品110を変形及び/又は膨張させるように構成されている。上記変形及び/又は膨張を容易にするために、内部加熱要素420は、デバイス101内に挿入される物品110を貫くように構成されている。このような実施形態において、加熱要素420の自由端222は、鋭い縁、又は点を備える。実施形態における加熱要素420の自由端222は、物品110内での加熱要素420の位置設定を助成するための鋭い縁、点、又は他の案内特徴を備える。
【0127】
図4aに示される物品110は、そのような内部加熱要素420を備える、本明細書に記載される任意の実施形態と共に使用されることが想定される。
【0128】
図5は本発明のさらなる実施形態を示す。この実施形態において、内部ピン加熱要素420が提供される。加熱要素420には、その外表面223にねじ構成体450が設けられている。ねじ構成体450は、加熱要素420の一部を形成していてもよく、又はそうでなければ熱伝導性であってもよい。前述の実施形態のねじ構成体350と同様に、ねじ構成体450は、加熱要素420と物品110との間の接触表面積すなわち熱経路を増加させ、以て加熱要素420の物品110への加熱効果を高める。加熱要素420は、軸及び軸上のねじ山と共に形成されている。実施形態において、軸は先細りになっている。実施形態における軸は、加熱要素の自由端に向かって先細りになっている。実施形態において、ねじ山450は、加熱要素の自由端に向かって延在する。
【0129】
挿入を容易にするために、加熱要素420には、その自由端222にスパイクがさらに設けられていてもよい。物品110は、使用時、加熱要素420のねじ構成体450上で回転され、加熱要素420が物品110を貫くことを可能にする。図示されないが、記載される任意の実施形態において、加熱分布及び加熱力を高めるために、加熱要素320も加熱区域215を囲って配置されていてもよい。加えて、どの図にも図示されないが、本発明の任意の実施形態が、
図5に示されるような雄ねじ山ピン加熱要素420と、さらに
図3に示されるような加熱区域を画定する雌ねじ山容器212とを含んでいてもよい。容器212と加熱要素420とのこれらのねじ構成体の組み合わせは、確実な嵌合性と、挿入の容易性と、向上した加熱有効性と、各個別の実施形態に関連する全体的なデバイスの効率と、をさらに高める。
【0130】
図5aは本発明の任意の実施形態と共に使用するための物品110の例を示す。
図5aの物品110の穴113にはねじ構成体550が設けられていることを除き、
図5aの物品110は
図4aの物品110と略同一である。内部加熱要素420の外表面のねじ構成体450と整合する、ねじ構成体550を有する穴113を設けることで、物品110内への加熱要素420の挿入の容易性と、さらに加熱要素420と物品110との間の接触表面積すなわち熱経路とがさらに向上する。穴113を有していない又は直線面を持つ穴113を有する物品110と比較して、ねじ構成体550を有する
図5aの物品110は、柔軟性がより低い物品110が本発明に記載されるようなデバイス101で使用されることを可能にするために、採用されてもよい。
【0131】
外部及び内部加熱要素320及び420、上記加熱要素上のねじ構成体350及び450、物品の内部及び外部ねじ構成体353及び550、並びに/又は物品の直線面を持つ内部穴113などの、各実施形態に関する前述の特徴の任意の組み合わせが企図される。
【0132】
加熱要素320及び420、並びにそれら加熱要素上のねじ構成体350及び450は、直径が一定であるものとして一般に表されているが、いくつかの実施形態において、加熱要素はその長さに沿って(長手方向軸線102に沿って)先細りになっていてもよい。先細りになった内部ピン加熱要素420は、使用中の物品110内への加熱要素420の挿入をさらに助成することができる。
【0133】
加熱室215内部の雄ねじ構成体450を備えた加熱要素420を具備する任意の実施形態において、デバイス101は、加熱要素420及び/又は容器212を、ねじ構成体350、450と共に、加熱区域215及び挿入される物品に対して回転させる手動式又は電動式手段をさらに備えていてもよい。加熱要素420及び/又はねじ構成体450は、物品110からデバイス101にかかる圧力の検知などにより、物品110の挿入時に自動的に回転するように構成されていてもよい。包含された作動機構によるねじ構成体450及び/又は加熱要素420の電動回転は、ユーザが物品110を加熱区域215の加熱要素450上に動かすことを助成する。
【0134】
図6は作動機構600を含むデバイス101の実施形態を示す。上記のように、作動機構600は、加熱区域215に対する、ねじ構成体350、450を伴った加熱要素420及び/又は容器212の回転を駆動するように構成されていてもよい。作動機構600は、電源204によって電力供給されてもよく、加熱区域215における物品110の検知/挿入時に、スイッチを介して又は自動的に起動されてもよい。作動機構600は、容器212と加熱要素420とのうちの一方又は両方を回転させるように構成されていてもよいため、本明細書に記載される任意の実施形態に含まれてもよい。
【0135】
図7~11はデバイス101の容器212の実施形態を図示する。これらの図に示される実施形態の容器212は、前述の実施形態に関連して説明された具体的特徴の任意の組み合わせと組み合わせられてもよい。例えば、
図7~11の容器212には、加熱区域215を囲って配置された、容器212を形成し周壁214を画定する加熱要素320が設けられていてもよい。代替的に、又は加えて、デバイス101は加熱区域215内に突出する加熱要素420を備えていてもよい。
【0136】
図7は容器212の実施形態を図示する。この実施形態において、容器には1つ又は複数の細長リブ700が設けられている。図から見られるように、1つ又は複数のリブ700は、容器212の内表面214から容器212の中心軸線に向かって内向きに突出する、細長い突出の形態をとっていてもよい。
【0137】
1つ又は複数のリブ700は、容器212の長手方向軸線102に対して角度をつけて延在する。このことは、1つ又は複数の細長リブ700の最も長い寸法が、容器212の内表面214周りにて周方向に少なくとも部分的に延在することを意味する。言い換えると、1つ又は複数のリブ700が容器212の内表面214の円周周りに延在する長さは、1つ又は複数の細長リブが長手方向軸線102に沿って延在する長さより大きい。図示を補助するために、リブ軸線750が
図7に図示されている。リブ軸線750はリブの長手方向軸線であり、リブの長さに沿ったリブの断面の中間点である。本開示におけるリブの延在方向又は経路方向の以後の検討において、その方向はこの軸線の方向と同等であるものとする。
【0138】
図7において、1つ又は複数のリブ700の断面701は台形形状を有する。しかし、他の形状も想定され、
図10A~11Bを参照して検討される。
図7に示されるようなこのような台形断面形状により、1つ又は複数のリブ700の比較的平坦な表面は、容器に挿入される物品110を顕著に変形させるようには構成されていない。代わりに、1つ又は複数のリブ700の機能は、物品110の外周周りで、物品110を容器212の内表面214から分離することである。
【0139】
図8A及び8Bは、物品110が内部に挿入された状態の
図7の実施形態による容器212を示す。
図8Aは、図の視点から見られるような容器の背壁上の1つ又は複数のリブ700が見える状態を維持している。この図は例示のみを目的としている。
図8Bは、内部に挿入された物品110を有する容器212の実際の断面により近い。しかし、図の閲覧者により近い内表面214上の1つ又は複数のリブ700は、例示のみを目的として、点線でまだ示されている。
【0140】
図から見られるように、物品110が容器212内に挿入されるとき、物品110の外表面と容器212の内周表面214との分離により空隙800が生ずる。空隙800はそこに空気が流れることを可能にするように構成されており、したがって空気通路800としても示され得る。空隙800の厚さ、すなわち物品110の外表面と容器212の内表面214との間の分離は、1つ又は複数のリブ700の高さ702(
図8Cに示す)に依存し、台形断面リブ700の場合、リブの高さに略等しい。理解され得るように、物品110と容器212の内表面214との間の分離は、それらの間の、物品の外表面をわたる全体的な最大空気流量を増加させる。したがって、分離の大きさは、特定の最大空気流量又は作動空気流量を選択するために決められてもよい。
【0141】
図7~8Bの1つ又は複数のリブ700は、容器の内表面214周りに螺旋状に延在する1つの連続螺旋状リブ700であることが示されている。このような構成は、容器と物品110との間に、開放端104から基端213までの螺旋状空気流路を提供する。使用時、ユーザによって開放端104から空気が吸われる。このことにより容器内の圧力が降下し、容器の開口部近傍から容器と物品110との間に空気の流入が生じる。空気が基端から入って物品110を通過し、物品110の加熱により生じるエアロゾル化材料を集めるように、物品110そのものは通気性がある。
図7~8Bの実施形態のように円周要素と共に空気流路を設けることで、物品の外表面と容器の内表面214との間の1つ又は複数の空気流路の長さを制御できる可能性が生ずる。
【0142】
それに応じて、所望の空気流特性をもたらすために、1つ又は複数のリブ700の高さを調節することによって、且つ上記1つ又は複数のリブ700により提供される1つ又は複数の空気流路の形状及び長さを調節することによって、空気流路の長さ及び全体的な空気流量が選択されてもよい。
図7~8Bの実施形態においてこの選択が行われ得る1つの方法は、螺旋状リブ700の巻数を増やすことである。全体的な空気流量を増加させるために1つ若しくは複数のリブ700の物品設置面704の幅703(
図8C参照)が調節される場合があり、又は螺旋形状リブ700により多くの巻きを設けさせるために1つ若しくは複数のリブ700の全幅705が調節される場合があること、も予期される。物品設置面704は、使用時に物品110の外表面に接触し、したがって容器212内での物品110の位置設定を助成する、1つ又は複数のリブ700の面であるため、そのように呼ばれる。
【0143】
上述のように、
図7~8Bは、1つ又は複数のリブ700が、基端213から開放端104まで完全に又は部分的に、容器212の内周周りに螺旋状に延在する単一の連続螺旋状リブ700であることを示す。しかし、他の実施形態も想定される。例えば、
図9は、1つ又は複数のリブ700が容器の長さに沿って略螺旋状に延在する一連の不連続リブ700として提供されている、容器212の実施形態を示す。このように、
図9に示される実施形態は、螺旋状リブ700の不連続性を除き、
図7に示される実施形態と類似している。
【0144】
この実施形態においては、隣り合う巻き900及び901のリブ700が概して同一の円周角度位置にあることが示されている。しかし、例えば隣り合う巻きを通る直接的に軸線方向の任意の空気流路を回避するために、隣り合う巻き900及び901のリブが互いから周方向にずれる場合があることが予期される。他の実施形態において、1つ又は複数のリブ700は螺旋状構成体では全くないが、各リブは完全な周方向に延在していてもよい。この場合、1つ又は複数のリブ700は容器の円周周りに不連続的でなければならないことが明らかである。しかし、リブ700は、容器の円周周りのある角度位置に小さい切れ目を含み、隣り合うリブ700が類似形状を有するが別の角度位置にその切れ目を含む、完全に近い円周リブであってもよい。そのような構成体の空気流路は、隣り合うリブ700の切れ目の間に180°の円周角度変位を与えることによって、最大化される。他の実施形態において、1つ又は複数のリブ700の各々は、互いに異なる角度で、又は等しい角度及び異なる角度の任意の組み合わせで、それぞれ延在していてもよい。
【0145】
1つ又は複数のリブ700は、異なる断面形状も有していてもよい。
図8Cから最も明確に見られるように、
図7~9に示されるリブ700は台形断面を有する。この形状によって、1つ又は複数のリブ700は、物品設置面704から軸線方向に先細りする。容器212の開放端104から軸線方向に典型的には挿入される物品の挿入の容易性を保証するために、この先細りの縁は有用である。先細りの縁がないと、物品の遠位端がリブ縁に引っかかり、その結果損傷するおそれがある。本開示の1つ又は複数のリブ700は、例えば容器212が加熱要素320である、加熱要素320の一部を形成していてもよい。すなわち、1つ又は複数のリブ700自体が、変化する磁場の存在下で、又は抵抗加熱により、加熱するように構成されている材料から形成されていてもよい。そのような実施形態において、物品設置面704の幅703は、幅703が容器212の物品110との総接触面積と比例するため、使用時の物品110の接触加熱面積と比例する。
【0146】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のリブ700のみが、変化する磁場の存在下で、又は抵抗加熱により、加熱するように構成されている材料から形成されており、容器の残部はその材料から形成されていない。1つ又は複数のリブ700と物品との間の総接触面積と1つ又は複数のリブ700によって接触されていない物品110の面積との比率は、事実上、物品110に適用される熱強度と上記物品110周囲にもたらされる最大空気流量との比率である。上記比率は、例えば、1つ若しくは複数のリブ700の数、1つ若しくは複数のリブ700の物品設置面704の幅703、1つ若しくは複数のリブ700の全幅705、螺旋状リブ構成の巻数、又は不連続リブ構成の1つ若しくは複数のリブ700の長さ、のうちの1つ又は複数を選択することによって、選択され得る。1つ又は複数のリブ700を設けることの他の利点は、物品110が容器212内に挿入される際の物品110への掴持が強まることである。リブ700は物品110を変形させないように構成されているものとしてここまで説明されてきたが、周方向に対向するリブ700の物品設置面704間の物品110と容器212との相対的な直径によって、リブが物品110を僅かに変形させる場合があることが想定される。
【0147】
1つ又は複数のリブ700の断面は、台形以外の形状を有していてもよい。形状のいくつかの例が
図10A~10Cに示される。
図10Aは三角形断面リブ710の例を示す。この実施形態では、物品110の顕著な変形がない場合、有効な物品設置面704が先細り点であるため、リブ710と物品との間の接触がより小さいことが明らかである。この三角形断面は、
図11A及び11Bを参照してより詳細に検討される。
図10Bは矩形断面リブ711の例を示す。このような断面の利点は、物品設置面704がリブ711の全幅705に対して最大化されることである。最大化により、全幅705あたりの利用可能な加熱接触面積が増加する。利用可能な加熱接触面積が増加することは、例えば螺旋状構成において、より多くのリブ巻数、したがって物品110を通るより長い流路が、加熱接触面積を損なわずに設けられ得ることを意味する。なぜなら、物品設置面704の同等の幅703を有する台形断面リブ700と比較して、矩形断面リブ711によって占められる容器212に沿った軸線方向空間はより小さくなるためである。矩形断面リブ711は直角縁を伴って
図10Bに示される。容器212内への物品110の挿入の際に物品110の損傷を回避し、且つ挿入を容易にするために、リブ711にアールの付いた縁が設けられていてもよい。
図10Cは楕円形断面を有するリブ712の例を示す。リブの楕円形形状は、容器212内への物品110の挿入をさらに容易にする。上述のように、リブ700、712は、加熱要素320の一部を形成していてもよい。この場合、リブ712の寸法は、三角形リブと同様に、接触加熱表面積が大きくなるように、リブが物品110を少なくとも部分的に変形させるような寸法に決められることが理想的であろう。
【0148】
図11A及び11Bは容器212内に挿入された物品の詳細を示し、容器212はその内表面214に三角形断面リブ710を備える。この構成において、リブ710は、物品110を部分的に変形させているものとして見られる。この場合、物品設置面704は物品110の変形量に比例する。示されるように、物品110の変形にも関わらず、物品110と容器内表面214との間に空隙800がまだ設けられている。リブが加熱要素320の一部も形成している場合、加熱接触表面積も増加し、以て物品110の総加熱も増加する。螺旋状構成に三角形リブ710も配置されている場合、物品110は所定位置に螺入されてもよく、より簡単でより確実な挿入方法をユーザに提供する。このような構成は、
図10Cに示されるような楕円形断面リブ712と共にも利用され得る。接触面積及び挿入の容易性をさらに引き上げるために、三角形リブ710の断面は、鋭い点よりも、加熱区域内に延びるアールの付いた点を有していてもよい。
【0149】
記載される任意の実施形態において、デバイス101は、物品110内に配置されたサセプタ加熱要素を加熱するように構成された変化する磁場を生じさせることによって、物品110を加熱するように構成されていてもよい。すなわち、物品自体が加熱要素をさらに備えていてもよい。実施形態において、物品内に配置されるサセプタ加熱要素は、加熱区域に配置されたとき、変化する磁場の存在下で熱を生成し、以て物品を加熱し、エアロゾル生成材料からエアロゾル化材料を生じさせる。記載されるいくつかの実施形態において、加熱構成体は誘導加熱構成体である。他の実施形態において、抵抗加熱などの他の種類の加熱構成体が使用される。上記デバイスの構成は全般に上述の通りであり、そのため詳細な説明は省略される。そのような構成体において、加熱アセンブリ201は、抵抗加熱工程を経て加熱要素を加熱するための構成要素を含む抵抗加熱生成装置を備える。この場合、電流は抵抗加熱構成要素に直接印加され、その結果加熱構成要素に生じた電流の流れにより、加熱構成要素がジュール加熱によって加熱される。抵抗加熱構成要素は、好適な電流が流れたときに熱を生成するように構成された抵抗材料を備え、加熱アセンブリ201は、抵抗材料に電流を供給するための電気接点を備える。
【0150】
実施形態において、加熱要素は抵抗加熱構成要素そのものを形成する。実施形態において、抵抗加熱構成要素は、例えば伝導によって、熱を加熱要素に伝達する。
【0151】
上記の実施形態は、本発明の例示的例として理解されるべきである。本発明のさらなる実施形態が想定される。任意の1つの実施形態に関連して説明された任意の特徴は、単一で又は説明された他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、他の任意の実施形態又は他の任意の実施形態の任意の組み合わせの1つ又は複数の特徴とも組み合わせて使用されてもよいことが理解されるべきである。さらに、上述されていない均等物及び変更形態も、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく採用されてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受け入れるための加熱区域を画定する周壁を備える容器と、
前記加熱区域内に突出している細長リブであり、前記細長リブが、前記物品と前記周壁との間に空気流路を設けるために、前記加熱区域で受け入れられる物品の少なくとも一部を前記周壁から離隔するように配置されている物品設置面を備える、細長リブと、を具備し、
前記細長リブが前記周壁周りで少なくとも部分的に周方向に延在する、エアロゾル生成デバイス。
【請求項2】
前記細長リブが、前記容器の前記周壁周りに少なくとも部分的に螺旋状の経路を形成している、請求項1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項3】
前記細長リブが、前記容器の前記周壁周りに前記物品と接触する完全な螺旋状経路を形成している、請求項2に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項4】
前記細長リブが切れ目を備える、請求項3に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項5】
前記細長リブが少なくとも2巻きの螺旋状経路を備え、各巻きが切れ目を備える、請求項4に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項6】
前記細長リブの前記少なくとも2巻きの前記螺旋状経路の少なくとも2つの切れ目の各々が、前記容器の前記周壁の同一の円周角度位置にある、請求項5に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項7】
前記細長リブの前記少なくとも2巻きの前記螺旋状経路の少なくとも2つの切れ目の各々が、前記容器の前記周壁の異なる円周角度位置にある、請求項5に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項8】
前記細長リブが、前記容器の前記周壁周りで周方向にのみ不連続的に延在する、請求項
4に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項9】
前記細長リブが複数の細長リブのうちの1つである、請求項
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項10】
前記容器と前記細長リブとが一体形成されている、請求項
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項11】
前記物品を加熱するように構成された加熱要素を備える、請求項
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項12】
前記容器が前記加熱要素を備える、請求項11に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項13】
前記加熱要素が、磁場の侵入によって加熱可能な材料を備える、請求項1
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項14】
前記加熱要素が、電流の印加下で加熱するように構成された材料を備える、請求項1
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項15】
前記細長リブ又は複数の細長リブが前記加熱要素の一部を形成している、請求項1
1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項16】
前記加熱要素が前記容器内で直立している、請求項12に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項17】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受け入れるための加熱区域を画定する周壁を備える容器と、
前記加熱区域に突出する少なくとも1つの物品設置面を備える細長リブであり、前記物品設置面が前記加熱区域の長手方向軸線に対する軸線長よりも長い周長を有する、細長リブと、を具備する、エアロゾル生成デバイス。
【請求項18】
請求項1
又は1
7に記載のエアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成材料を含む物品であり、前記物品が前記エアロゾル生成デバイスの前記加熱区域に少なくとも部分的に受け入れられることが可能である、物品と、を備える、エアロゾル生成デバイスシステム。
【請求項19】
前記物品が管状であり、円形断面を備える、請求項18に記載のエアロゾル生成デバイスシステム。
【国際調査報告】