(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】肺健康維持のための細菌及びハーブ抽出物ニュートラシューティカルブレンド
(51)【国際特許分類】
A23L 33/135 20160101AFI20240614BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240614BHJP
【FI】
A23L33/135
A23L33/105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577507
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 US2022072975
(87)【国際公開番号】W WO2022266650
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】301044015
【氏名又は名称】ザ ユーエイビー リサーチ ファウンデイション
(71)【出願人】
【識別番号】523469308
【氏名又は名称】レスバイオティック ニュートリション,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラール,チャリサース ヴィヴェク
(72)【発明者】
【氏名】ウェンガー,ナンシー
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE05
4B018MD01
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4B018MD86
4B018ME14
4B018MF01
(57)【要約】
栄養補助食品として製剤化されたハーブ抽出物及びプロバイオティクスサプリメントの組み合わせは、プロバイオティクスの抗炎症メカニズムと併せて気管支肺疾患の症状を軽減するのに役立つ。3つのLactobacillus種株をヒト対象の腸内壁に送達して、気管支肺疾患の結果又は原因物質としての好中球性炎症を軽減するプロバイオティクスニュートラシューティカル組成物の実施形態が提供される。3つのLactobacillus種株に加えて、本組成物は、呼吸緩和のためにホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカ由来のハーブ抽出物を含むことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルであって、前記食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルが、Lactobacillus plantarum RSB11.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127171)、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127172)、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127173)から選択される少なくとも生存可能な1つのプロバイオティクス細菌株と、少なくとも1つのハーブであって、前記少なくとも1つのハーブが、ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカからなる群から選択される、少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物を含むハーブ混合物と、を含む、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【請求項2】
前記プロバイオティクス細菌株Lactobacillus plantarum RSB11.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127171)、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127172)、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127173)のうちの2つ又は3つの混合物と、少なくとも1つのハーブであって、前記少なくとも1つのハーブが、ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカからなる群から選択される、少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物を含むハーブ混合物と、を含む、請求項1に記載の食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【請求項3】
前記細菌株Lactobacillus plantarum RSB11.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127171)、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127172)、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127173)の混合物と、少なくとも1つのハーブであって、前記少なくとも1つのハーブが、ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカからなる群から選択される、少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物を含むハーブ混合物と、を含む、請求項1に記載の食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【請求項4】
前記細菌株Lactobacillus plantarum RSB11.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127171)、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127172)、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127173)の混合物と、少なくとも1つのハーブであって、前記少なくとも1つのハーブが、ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカからなる群から選択される、少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物を含むハーブ混合物と、からなる、請求項1に記載の食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【請求項5】
少なくとも1つのLactobacillus種が加熱殺菌されている、請求項2に記載の栄養補助食品。
【請求項6】
前記細菌混合物中の前記Lactobacillus plantarum RSB11.RTM、前記Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM、及び前記Lactobacillus rhamnosus RSB13.RTMの重量パーセント(重量%)が、それぞれ、RSB11.RTMは1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり、RSB12.RTMは1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり、RSB13.RTMは1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり、総重量パーセントが少なくとも1つの賦形剤で100重量%に調整されており、細菌混合物:賦形剤の比率が、約10:約1、約7:約1、約5:約1、約4:約1、約3:約1、約2:約1、約1:約1、約1:約2、約1:約3、約1:約4、約1:約5、約1:約7、約1:約10である、請求項3に記載の食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【請求項7】
前記ハーブ混合物中の前記ハーブ、又はその抽出物の重量パーセント(重量%)が、それぞれ、ターメリック抽出物は1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり、ホーリーバジル抽出物は1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり、ヴァサカ抽出物は1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり、総重量パーセントが少なくとも1つの賦形剤で100重量%に調整されている、請求項1に記載の食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【請求項8】
(i)前記細菌混合物が、Lactobacillus plantarum RSB11.RTM、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM、並びにステアリン酸マグネシウム、シリカ、及びMCCからなる賦形剤からなり、(ii)前記ハーブ混合物が、ターメリック抽出物、ホーリーバジル抽出物、及びヴァサカ抽出物からなる、請求項3に記載の食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【請求項9】
前記細菌及び前記少なくとも1つのハーブ又はハーブ抽出物に加えて、栄養的に許容される担体、栄養的に許容される希釈剤、栄養的に許容される賦形剤、栄養的に許容されるアジュバント、又は栄養的に活性な成分を更に含む、請求項6に記載の食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【請求項10】
少なくとも1つの栄養的に活性な成分を含む、請求項3に記載の食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【請求項11】
前記少なくとも1つの栄養的に活性な成分が、ビタミン、微量栄養素、ミネラル、プレバイオティクス繊維、脂肪酸、アミノ酸、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項10に記載の食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【請求項12】
前記少なくとも1つのビタミンが、アスコルビン酸(ビタミンC)、D、E、A、E、K、チアミン(B1)、リボフラビン(B2)、ナイアシン(B3)、パントテン酸(B5)、B6、B7、B9、B12、又はそれらの任意の組み合わせであり、前記少なくとも1つのミネラルが、硫黄、カリウム、塩素、ナトリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、ヨウ素、クロム、モリブデン、セレン、コバルト、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項11に記載の食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【請求項13】
経口消費のために製剤化されている、請求項1に記載の食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【請求項14】
前記食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルが、カプセル、マイクロカプセル、錠剤、顆粒、粉末、トローチ、丸剤、懸濁剤、及びシロップからなる群から選択される経口摂取可能な形態である、請求項9に記載の食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月17日に出願された「PROBIOTIC BACTERIA MIX AND HERB-BASED NUTRACEUTICALS FOR LUNG HEALTH MAINTENANCE」と題された米国仮特許出願第63/211,887号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、肺の健康の維持のためのプロバイオティクス細菌及びハーブベースのニュートラシューティカル組成物の実施形態を包含する。
【背景技術】
【0003】
肺及び腸のマイクロバイオームは、十分に確立されており、種は、16SリボソームRNA遺伝子の配列決定に基づいたマイクロバイオーム分析によって特徴付けられ続けている(Rogers et al.,(2015)Thorax 70:74-81、Segata et al.,(2012)Nat.Methods 9:811-814)。ディスバイオシスは、喘息(Hilty et al.,(2010)PLoS One 5:e8578、Marri et al.2013)、嚢胞性線維症(Zhao et al.,2012、Coburn et al.,2015)、気管支肺異形成(Lal&Ambalavanan(2017)Early Hum.Dev.105:35-39)、及び慢性閉塞性肺疾患(Bowerman et al.,(2020)Nat.Commun.11:5886、Huang et al.,(2010)OMICS 14:9-59)における寄与因子であることが示されている。
【0004】
腸においても肺においても、ディスバイオシスの下流効果は、好中球性炎症である。気道上皮への損傷後、コラーゲンは、マトリックスメタロペプチダーゼ9(MMP-9)によって曝露及び切断される(Gaggar et al.,(2008)J.Immunol.180):5662-5669、Malik et al.,(2007)J.Immunol.178:1013-1020)。MMP-9及びプロリルエンドペプチダーゼ(PE)は、コラーゲン断片を切断して、トリペプチドプロリン-グリシン-プロリン(PGP)のアセチル化形態(Ac-PGP)を遊離させる(Lin et al.,(2008)Am.J.Pathol.173:144-153、Malik et al.,(2007)J.Immunol.178:1013-1020)。Ac-PGPは、CXCR2受容体に結合して、好中球性炎症を誘発する(Weathington et al.,(2006)Nat.Med.12:317-323)。
【0005】
したがって、腸マイクロバイオームは、粘膜免疫応答の調節を介して遠位粘膜部位に影響を与えることができ、かつ細菌副産物及び代謝産物によって間接的な効果を誘発している(Russell et al.,(2012)EMBO Rep.13:440-447、Anand&Mande(2018)Front Microbiol.9:2147)。したがって、プロバイオティクスは、腸内摂取することができ、腸-肺軸を通して肺の健康に依然として影響を与えることができる(Enaud et al.,(2020)Front Cell Infect.Microbiol.10:9)。
【発明の概要】
【0006】
栄養補助食品として製剤化されたハーブ抽出物及びプロバイオティクスサプリメントの組み合わせは、プロバイオティクスの抗炎症メカニズムと併せて気管支肺疾患の症状を軽減するのに役立つ。本開示は、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルの実施形態を包含し、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、Lactobacillus plantarum RSB11.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127171)、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127172)、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127173)から選択される少なくとも生存可能な1つのプロバイオティクス細菌株と、少なくとも1つのハーブであって、少なくとも1つのハーブが、ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカからなる群から選択され得る、少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物を含むハーブ混合物とを含むことができる。
【0007】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、プロバイオティクス細菌株Lactobacillus plantarum RSB11.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127171)、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127172)、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127173)のうちの2つ又は3つの混合物と、少なくとも1つのハーブであって、少なくとも1つのハーブが、ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカからなる群から選択され得る、少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物を含むハーブ混合物とを含むことができる。
【0008】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、細菌株Lactobacillus plantarum RSB11.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127171)、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127172)、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127173)の混合物と、少なくとも1つのハーブであって、少なくとも1つのハーブが、ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカからなる群から選択され得る、少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物を含むハーブ混合物とを含むことができる。
【0009】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、細菌株Lactobacillus plantarum RSB11.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127171)、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127172)、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127173)の混合物と、少なくとも1つのハーブであって、少なくとも1つのハーブが、ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカからなる群から選択され得る、少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物を含むハーブ混合物とからなり得る。
【0010】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのLactobacillus種は、加熱殺菌することができる。
【0011】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、細菌混合物中のLactobacillus plantarum RSB11.RTM、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTMの重量パーセント(重量%)は、それぞれ、RSB11.RTMは1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり得、RSB12.RTMは1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり得、RSB13.RTMは1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり得、総重量パーセントが少なくとも1つの賦形剤で100重量%に調整されており、細菌混合物:賦形剤の比率は、約10:約1、約7:約1、約5:約1、約4:約1、約3:約1、約2:約1、約1:約1、約1:約2、約1:約3、約1:約4、約1:約5、約1:約7、約1:約10であり得る。
【0012】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、ハーブ混合物中のハーブ、又はその抽出物の重量パーセント(重量%)は、それぞれ、ターメリック抽出物は1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり、ホーリーバジル抽出物は1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり、ヴァサカ抽出物は1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり得、総重量パーセントが少なくとも1つの賦形剤で100重量%に調整されている。
【0013】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル細菌混合物は、Lactobacillus plantarum RSB11.RTM、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM、並びにステアリン酸マグネシウム、シリカ、及びMCCからなる賦形剤からなり得、ハーブ混合物は、ターメリック抽出物、ホーリーバジル抽出物、及びヴァサカ抽出物からなり得る。
【0014】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、経口消費のために製剤化することができる。
【0015】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、細菌及び少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物に加えて、栄養的に許容される担体、栄養的に許容される希釈剤、栄養的に許容される賦形剤、栄養的に許容されるアジュバント、又は栄養的に活性な成分を更に含むことができる。
【0016】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、カプセル、マイクロカプセル、錠剤、顆粒、粉末、トローチ、丸剤、懸濁剤、及びシロップからなる群から選択される経口摂取可能な形態であり得る。
【0017】
本開示の更なる態様は、添付の図面と併せて考慮されるとき、以下に記載される、その様々な実施形態の詳細な説明の検討後、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】ヒト気管支上皮細胞(NHBE)におけるMMP-9経路を上方調節することによる好中球性炎症に対するディスバイオシスの影響についてのモデルを概略的に示す。
【
図2】ヒト腸上皮細胞(IEC)における全身性MMP-9を上方調節することによる全身性好中球性炎症に対するディスバイオシスの影響についてのモデルを概略的に示す。
【
図3】NHBEにおけるMMP-9経路を介するディスバイオシス誘発好中球性炎症を減少させることに対するresBの影響についてのモデルを概略的に示す。
【
図4】IECにおけるMMP-9経路を介する全身性ディスバイオシス媒介好中球性炎症を減少させることに対するresBの影響についてのモデルを概略的に示す。
【
図5】MMP-9レベルが増加する濃度でのE.coliの添加でNHBE細胞において増加することを示す。
【
図6A】Proteobacteria(E.coli)が慢性肺疾患のインビトロ(NHBE)ディスバイオシスモデルにおいてMMP-9サージをもたらすことを示す。E.coliが対照と比較してNHBE細胞上清から単離されたN-アセチルプロリン-グリシン-プロリン(Ac-PGP)濃度を増加させることを示す(*P<0.05)。侵害刺激は、対照と比較してE.coli曝露の効果を増幅する(*P<0.05)。
【
図6B】Proteobacteria(E.coli)が慢性肺疾患のインビトロ(NHBE)ディスバイオシスモデルにおいてMMP-9サージをもたらすことを示す。E.coli曝露NHBE細胞が対照と比較して上清中のMMP-9 mRNAレベルの増加を示すことを示す(*P<0.05)。
【
図7A】Proteobacteria(E.coli)が慢性肺疾患のインビボ(マウス)ディスバイオシスモデルにおいてMMP-9経路サージをもたらすことを示す。LPS処置C57BL/6仔マウスが肺組織における肺胞低形成及び単純化を示すことを示す。
【
図7B】Proteobacteria(E.coli)が慢性肺疾患のインビボ(マウス)ディスバイオシスモデルにおいてMMP-9経路サージをもたらすことを示す。肺胞分岐数(RAC)が対照と比較してLPS処置マウスにおいて有意に減少したことを示す(*P<0.05)。
【
図7C】Proteobacteria(E.coli)が慢性肺疾患のインビボ(マウス)ディスバイオシスモデルにおいてMMP-9経路サージをもたらすことを示す。ミエロペルオキシダーゼ(MPO)レベルが対照と比較してLPS処置マウスの気管支肺胞洗浄液(BALF)において有意に増加したことを示す(*P<0.05)。
【
図7D】Proteobacteria(E.coli)が慢性肺疾患のインビボ(マウス)ディスバイオシスモデルにおいてMMP-9経路サージをもたらすことを示す。好中球エラスターゼ(NE)レベルが対照と比較してLPS処置マウスのBALFにおいて有意に増加したことを示す(*P<0.05)。
【
図7E】Proteobacteria(E.coli)が慢性肺疾患のインビボ(マウス)ディスバイオシスモデルにおいてMMP-9経路サージをもたらすことを示す。Ac-PGPレベルが、HPLCによって測定して、対照と比較してLPS処置マウスの気管支肺胞洗浄液(BALF)において有意に増加したことを示す(*P<0.05)。
【
図8A】Ac-PGPの機能獲得がインビボで慢性肺疾患を引き起こすことを示す。Ac-PGP処置マウスが酸素正常状態及び侵害刺激下でのRAC数の減少を示すことを示す(*P<0.05)。
【
図8B】Ac-PGPの機能獲得がインビボで慢性肺疾患を引き起こすことを示す。MPO濃度が、ELISAによって測定して、酸素正常状態及び侵害刺激下のAc-PGP処置マウスにおいて増加したことを示す(*P<0.05)。
【
図8C】Ac-PGPの機能獲得がインビボで慢性肺疾患を引き起こすことを示す。BALF中のNE濃度が酸素正常状態及び侵害刺激下のAc-PGP処置マウスにおいて増加したことを示す(*P<0.05)。
【
図8D】Ac-PGPの機能獲得がインビボで慢性肺疾患を引き起こすことを示す。右心室肥大(RVH)が酸素正常状態及び侵害刺激下のAc-PGP処置マウスにおいて増加したことを示す(*P<0.05)。
【
図9A】Ac-PGP阻害剤アルギニン-トレオニン-アルギニン(RTR)での処置によるAc-PGPの機能喪失がインビボでの慢性肺疾患に対して保護的であることを示す。新生野生型C57BL/6マウスがRTR、LPS、及びRTR+LPS、並びに酸素正常状態及び侵害刺激での処置に無作為割り付けされたことを示す。
【
図9B】Ac-PGP阻害剤アルギニン-トレオニン-アルギニン(RTR)での処置によるAc-PGPの機能喪失がインビボでの慢性肺疾患に対して保護的であることを示す。侵害刺激下、LPS+RTR処置マウスが、LPS単独で処置されたマウスと比較して有意により高いRACを示したことを示す(*P<0.05)。
【
図9C】Ac-PGP阻害剤アルギニン-トレオニン-アルギニン(RTR)での処置によるAc-PGPの機能喪失がインビボでの慢性肺疾患に対して保護的であることを示す。侵害刺激下、LPS+RTR処置マウスが、LPS単独で処置されたマウスよりも有意に低いMPO濃度を示したことを示す(*P<0.05)。
【
図9D】Ac-PGP阻害剤アルギニン-トレオニン-アルギニン(RTR)での処置によるAc-PGPの機能喪失がインビボでの慢性肺疾患に対して保護的であることを示す。侵害刺激下、LPS+RTR処置マウスが、LPS単独で処置されたマウスよりも有意により低い重度のRVHを示したことを示す(*P<0.05)。
【
図10】本開示のresBブレンド#1が増加する濃度のE.coli下でインビトロ(NHBE)でのMMP-9カスケードを逆転させることを示す。
【
図11】ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカ、並びにビタミンDを含むハーブ抽出物が、プロバイオティクス株RSB11、RSB12、又はRSB13の培養成長に対する阻害効果を有さないことを示す。
【
図12】ヴァサカ、ターメリック、及びオーガニックホーリーバジルを含むハーブ抽出物が、E.coliで処理されたNHBE中のMMP-9を減少させることを示す。
【
図13】resBブレンド#1と組み合わせたヴァサカ、ターメリック、及びオーガニックホーリーバジルを含むハーブ抽出物が、E.coliに曝露されたNHBE中のMMP-9を減少させることを示す。
【
図14】resBブレンド#1と組み合わせた微量栄養素ビタミンDがE.coliに曝露されたNHBE中のMMP-9を減少させることを示す。
【
図15】resBブレンド#1と組み合わせた微量栄養素ビタミンD及びプレバイオティクス繊維イヌリンがE.coliに曝露されたNHBE中のMMP-9を減少させることを示す。
【
図16A】resBでの処置がLPS曝露のインビボマウスモデルにおいて肺構造を改善することを示す。マウス肺組織の組織学スライドを示す。
【
図16B】resBでの処置がLPS曝露のインビボマウスモデルにおいて肺構造を改善することを示す。resBで処置されたマウスにおける平均線形切片(MLI)がLPSに曝露されたのみのマウスにおけるよりも低いことを示す(
*P<0.05)。
【
図17A】resB(ハーブ抽出物+resBブレンド#1)がインビボで肺における好中球性炎症を軽減することを示す。LPS+resBで処置されたマウスが生理食塩水+LPSで処置されたマウスと比較して有意により低いBALペレット細胞数を示すことを示す(*P<0.05)。
【
図17B】resB(ハーブ抽出物+resBブレンド#1)がインビボで肺における好中球性炎症を軽減することを示す。LPS+resBで処置されたマウスが生理食塩水+LPSで処置されたマウスと比較して有意により低いBAL好中球数を示すことを示す(*P<0.05)。
【
図17C】resB(ハーブ抽出物+resBブレンド#1)がインビボで肺における好中球性炎症を軽減することを示す。LPS+resBで処置されたマウスが生理食塩水+LPSで処置されたマウスと比較して有意により低いBAL MPOレベルを示すことを示す(*P<0.05)。
【
図18A】resBがインビボでMMP-9経路の活性を減少させることを示す。resBがマウス肺組織中のMMP-9 mRNAレベルを低下させることを示す(*P<0.05、****P<0.0001)。
【
図18B】resBがインビボでMMP-9経路の活性を減少させることを示す。resBがBAL中のMMP-9タンパク質レベルを低下させることを示す(*P<0.05、****P<0.0001)。
【
図19A】resBがインビボで炎症促進マーカーC反応性タンパク質を減少させることを示す。resBがBAL中のC反応性タンパク質(CRP)レベルを低下させることを示す(****P<0.0001)。
【
図19B】resBがインビボで炎症促進マーカーC反応性タンパク質を減少させることを示す。resBが血清中のC反応性タンパク質(CRP)レベルを低下させることを示す(**P<0.01、****P<0.0001)。
【
図20】resBで治療された健康及び喘息性非喫煙者及び喫煙者の1ヶ月の非盲検無作為化臨床試験のコンソートフローチャートを示す。
【
図21】安全性集団におけるベースラインで収集された参加者人口統計データの頻度表である。
【
図22】安全性集団における健康状態及びMEDRA SOCによる有害事象及び重度有害事象の頻度表である。
【
図23】ベースラインから4週目までの喘息性集団におけるFEV1によって測定される場合、肺機能の改善を示す(*P<0.05)。
【
図24】resBを1ヶ月間服用した喘息性喫煙者及び非喫煙者における血清SCFAレベルの増加を示す(*P<0.05)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、記載される特定の実施形態に限定されず、したがって、当然ながら、変動し得る。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のみにかない、本開示の範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるので、限定することを意図するものではない。
【0020】
本開示の実施形態は、別段の指示がない限り、当該技術分野の範囲内にある医療、生化学、分子生物学、薬理学などの技術を用いるであろう。そのような技法は文献で十分に説明されている。
【0021】
例は、当業者に、本明細書において開示及び特許請求される方法を実施する方法並びに組成物及び化合物を使用する方法の完全な開示及び説明を提供するために示される。数値(例えば、量、温度など)に関して精度を保証するように努力がなされてはいるが、いくらかの誤差及び偏差が考慮されるべきである。別段の指示がない限り、部は重量部であり、温度は℃であり、圧力は大気圧又はその付近である。標準温度及び圧力は、20℃及び1気圧と定義されている。
【0022】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図するものではないことを理解されたい。本開示では、ステップが、これが論理的に可能である異なる順序で行われ得ることも可能である。本開示の実施形態は、限定することを意図するものではない、本明細書に記載される例を超える測定を含む追加の実施形態に適用することができることも可能である。本開示の実施形態は、限定することを意図するものではない、本明細書に記載される例を超える他の測定技法と組み合わせるか、又は統合することができることが更に可能である。
【0023】
本明細書で使用される場合、以下の用語は、特に明記しない限り、それらに帰属する意味を有する。本開示において、「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含有すること(containing)」、及び「有すること(having)」などは、米国特許法においてそれらに帰される意味を有することができ、「含む(includes)」、「含むこと(including)」などを意味することができ、本開示によって包含される方法及び組成物に適用されるとき、「~から本質的になること(consisting essentially of)」又は「本質的になる(consists essentially)」などは、本明細書に開示されるもののような組成物を指すが、これは追加の構造基、組成物成分、又は方法ステップ(又は上述のような類似体若しくはその誘導体)を含有し得る。しかしながら、そのような追加の構造基、組成物成分、又は方法ステップなどは、本明細書に開示される対応する組成物又は方法のものと比較して、組成物又は方法の基本的かつ新規の特徴に実質的な影響を与えない。本開示によって包含される方及び組成物に適用されるとき、「~から本質的になること」又は「本質的になる」などは、列挙されているものの基本的又は新規の特徴が列挙されているものよりも多いものの存在によって変化されない限り、列挙されているものよりも多いものの存在を可能にするが、先行技術実施形態を除外する。
【0024】
値の範囲が提供される場合、文脈がはっきりと別段に指示しない限り、下限の単位の10分の1まで、その範囲の上限と下限との間の各介在値と、その記述された範囲内の任意の他の記述された値又は介在値が、本開示内に包含される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、より小さな範囲に含まれてもよく、また、記述された範囲内の任意の明確に除外された限定を前提として、本開示内に包含される。記述された範囲が、限界の一方又は両方を含む場合、それらの含まれた限界の一方又は両方を除外する範囲もまた、本開示に含まれる。
【0025】
そのような範囲形式は、利便性及び簡潔性のために使用され、よって、範囲の限界として明示的に列挙された数値だけでなく、各数値及び部分範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分範囲も含むように柔軟に解釈されるべきであることを理解されたい。例えば、1~6などの範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、並びにその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、3、4、5、及び6が具体的に開示されるとみなされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0026】
例示すると、「約0.1%~約5%」の濃度範囲は、約0.1wt%~約5wt%の明示的に列挙された濃度だけでなく、個々の濃度(例えば、1%、2%、3%、及び4%)及び示された範囲内の部分範囲(例えば、0.5%、1.1%、2.2%、3.3%、及び4.4%)も含むと解釈されるべきである。「約」という用語は、修飾される数値の±1%、±2%、±3%、±4%、±5%、±6%、±7%、±8%、±9%、又は±10%以上を含むことができる。
【0027】
定義
開示される主題を説明し、特許請求する際に、以下の用語は、以下に記載される定義に従って使用される。
【0028】
本明細書で使用される「細菌集団」という用語は、細菌種の単一株からなる均一な細菌集団、又は単一細菌種若しくは複数の種のうちの少なくとも2つの区別可能な株からなる不均一な細菌集団を指す。
【0029】
本明細書で使用される「気管支肺疾患」という用語は、肺及び気管支樹を含む、呼吸器系の疾患を指す。肺疾患としては、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、喘息、サルコイドーシス、慢性気管支炎、気管支肺異形成、肺線維症、肺炎、及び成人呼吸窮迫症候群が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される「呼吸器疾患」という用語は、呼吸器系に関連する疾患又は状態を意味する。例としては、気道炎症、アレルギー、喘息、呼吸障害、嚢胞性線維症(CF)、アレルギー性鼻炎(AR)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺高血圧症、肺炎症、気管支炎、気道閉塞、気管支収縮、微生物感染症、及び重度急性呼吸器症候群(SARS)又は重度急性呼吸器症候群コロナウイルス2(COVID)などのウイルス感染症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書で使用される「組成物」という用語は、指定された量で指定された成分を含む生成物、及び指定された量での指定された成分の組み合わせから、直接的又は間接的に、得られる任意の生成物を指す。
【0031】
本明細書で使用される「食品製品」という用語は、植物若しくは動物由来の、又は炭水化物、タンパク質、脂肪ビタミン、ミネラルなどの栄養体を含有する合成源のいずれかの任意の消費可能な物質を包含することが意図されている。この製品は、ヒトによる又は動物による消費が意図されている。
【0032】
本明細書で使用される「製剤」という用語は、患者又は医師へを含む配給に利用可能であり得る、好ましくは水又は他の薬学的に許容される担体などの希釈剤を含む、成分のストック溶液、又は組成物を指す。
【0033】
本明細書で使用される「凍結乾燥された(freeze-dried)」及び「凍結乾燥された(lyophilized)」という用語は、最初に凍結され、含水量が真空によって除去された細菌細胞の調製物を指す。
【0034】
本明細書で使用される「不活性化されたプロバイオティクス」又は「不活性化された微生物」という用語は、生物の代謝活性又は生殖能力が低下又は破壊されたことを意味する。しかしながら、不活性化された生物は、依然として、細胞レベルで、それらの生物学的グリコール-タンパク質及びDNA/RNA構造の少なくとも一部分を保持する。本明細書で使用される場合、「不活性化された」という用語は、「生存不可能な」と同義である。
【0035】
本明細書で使用される「Lactobacillus」という用語は、グラム陽性、通性嫌気性、又は微好気性、桿状、非胞子形成細菌の属を指す。それらは、乳酸細菌群の主要な部分である(すなわち、それらは糖を乳酸に変換する)。本開示の好ましい実施形態は、Lactobacillus種Lactobacillus plantarum、Lactobacillus acidophilus、及びLactobacillus rhamnosusのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの株を含む。
【0036】
本明細書で使用される「ニュートラシューティカル」という用語は、(強化食品又は栄養補助食品としての)健康上の利益を提供する食品を指す。
【0037】
本明細書で使用される「プロバイオティクス」という用語は、適切な量で投与されるとき、宿主に健康上の利益を与えることができる、微生物を指す。プロバイオティクス微生物は、毒性、生存性、接着性、及び有益効果の欠如に関連するいくつかの要件を満たさなければならない。これらのプロバイオティクス特徴は、同種の細菌の間でさえ、株依存性である。したがって、全てのプロバイオティクス要件においてより良好な性能を有する株を見つけることが重要である。
【0038】
「減少させること」という用語は、程度、量、又は度が減少することを意味する。
【0039】
略語:
気管支肺異形成:BPD、慢性閉塞性肺疾患:COPD、慢性閉塞性肺疾患の急性増悪:AECOPD、嚢胞性線維症:CF、急性呼吸窮迫症候群:ARDS、重症急性呼吸器症候群:SARS、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2:COVID、プロリン-グリシン-プロリン:PGP、N-アセチル-プロリン-グリシン-プロリン:Ac-PGP、ヒト気管支上皮細胞:NHBE、ヒト腸上皮細胞:IEC、気管支肺胞洗浄液:BALF、アルギニン-トレオニン-アルギニン:RTR、ミエロペルオキシダーゼ:MPO、気管支肺胞洗浄液:BAL、リポ多糖:LPS
【0040】
説明
本開示は、Lactobacillus種のプロバイオティクス株をヒト又は動物対象に送達することができるニュートラシューティカル組成物の実施形態を包含する。レシピエント対象の腸管の上皮内層への栄養補助食品と組み合わされる。そのような組成物の摂取は、炎症及び肺疾患の他の病理学的状態の緩和につながり得、消化管の健康にも利益を提供し得る。したがって、本開示のプロバイオティクス組成物は、対象患者において増殖可能な生体生物としてLactobacillusの少なくとも1つの株を含むことができるが、これに限定されないが、加熱殺菌された非増殖性株などの非生体株も含むことができる。本開示のいくつかの有利な組成物は、そのうちの少なくとも1つの種が生存可能である3つのLactobacillus種の組み合わせを含む。本開示の組成物は、各々が増殖性、又は増殖性及び非増殖性株の組み合わせであり得る、同じLactobacillus種又は複数の種の複数の区別可能な株を含み得ることが更に企図される。本開示の組成物のいくつかの実施形態では、追加の細菌種又はその株は、Lactobacillus種に含まれ得る。
【0041】
有利には、3つのLactobacillus種を含む組成物を提供することは有益であることが見出されている。最も有利なのは、そのうちの少なくとも1つの種がレシピエント対象の腸において生存可能である種Lactobacillus plantarum、Lactobacillus acidophilus、及びLactobacillus rhamnosusの混合物である。具体的には、株Lactobacillus plantarum RSB11.RTM、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTMは、本開示の栄養補助食品における使用に有利であることが見出されている。ブダペスト条約の要件に従って、本明細書における「Lactobacillus plantarum RSB11.RTM、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM」への全ての言及に関して、Lactobacillus plantarum RSB11.RTM、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTMとして指定された株の生体培養物は、2021年11月19日にAmerican Type Culture Collection Patent Depositoryに寄託され、それぞれ、寄託番号PTA-127171(Lactobacillus plantarum RSB11.RTM)、PTA-127172(Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM)、及びPTA-127173(Lactobacillus rhamnosus RSB13.RTM)を受けた。
【0042】
細菌株に加えて、本開示の組成物は、プロバイオティクス細菌と併せて呼吸窮迫の症状からの検出可能な緩和を提供することができるハーブ混合物を更に含む。本開示の組成物に、ターメリック、オーガニックホーリーバジル、及びヴァサカの群のうちの少なくとも1つ、2つ、及び最も有利なことには、全ての3つのハーブ、又はそれらの抽出物を含むことが有利であることが見出されている。
【0043】
本開示の組成物は、1つ以上の生存可能なLactobacillus plantarum RSB11.RTM、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM細菌株を少なくとも1つのハーブ抽出物と一緒に含むが、ニュートラシューティカル又は栄養補助食品の当業者に周知であり、レシピエント動物又はヒトの健康に寄与することを意図している1つ以上のニュートラシューティカル又は栄養補助食品を更に含むことができる。よって、本明細書で使用される「栄養補助食品」又は「ニュートラシューティカル」という用語には、ビタミン、微量栄養素、ミネラル、繊維、脂肪酸、及びアミノ酸が含まれるが、これらに限定されない。本開示の組成物とともに使用するための好適な栄養補助食品には、これらに限定されないが、アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンD、E、A、E、K、チアミン(B1)、リボフラビン(B2)、ナイアシン(B3)、パントテン酸(B5)、B6、B7、B9、及びB12などのビタミン;硫黄、カリウム、塩素、ナトリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、ヨウ素、クロム、モリブデン、セレン、及びコバルトなどのミネラル;タンパク質及びアミノ酸、イヌリンなどの繊維などが含まれる。
【0044】
加えて、本開示は、必要とする患者に、ある体積の本明細書に記載されるプロバイオティクス組成物を投与することによって、慢性肺疾患に関連する症状を軽減する方法の実施形態を包含する。気管支肺異形成(BPD)、嚢胞性線維症(CF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、乳児から高齢までに及ぶ慢性肺疾患である。これらの呼吸器疾患は合わせて、毎年2500万人超のアメリカ人が罹患する。全てのこれらの呼吸器疾患における一般的な問題は、好中球流入による肺への損傷によって開始される炎症であり、細胞外マトリックス(ECM)リモデリング、続いて肺構造及び機能の障害につながる持続的な炎症プロセスをもたらす。
【0045】
現在、気道は出生時でさえ無菌ではなく、多様なマイクロバイオームによって占有されており、病原性及び共生細菌の集団である気道マイクロバイオームは、肺疾患の発症中に不均衡(ディスバイオシス)であることが発見されている。マイクロバイオームの研究は新たに発展している分野であるが、肺マイクロバイオームについてはあまり研究されていない。ECM分解に由来するトリペプチドN-アセチル-プロリン-グリシン-プロリン(Ac-PGP)は、好中球性炎症及び内皮透過性を増強することによって様々な成人慢性肺疾患において重要な役割を果たすことが確立されている。細菌は、肺損傷及びECM分解を開始することによってAc-PGP放出を促進する。現在、
図1に示される、炎症性カスケードは、Lactobacillusによって阻害又は防止されることが示されている。したがって、プロバイオティクス-Lactobacillus種は、好中球性炎症の軽減によって様々な肺疾患における肺の炎症を軽減することが企図される。
【0046】
肺マイクロバイオームは、乳児及び成人の両方において十分に確立されている。肺マイクロバイオームのディスバイオシスは、COPD、BPD、喘息、及びCFなどの呼吸器疾患の特徴である。データは、有害な好中球性炎症が肺におけるディスバイオシスに起因し得ることを示す。ヒト気管支上皮(HBE)細胞、マウスモデル、及びヒトBPD患者における研究は、MMP-9、PE、及びAc-PGPのレベルの増加を通して好中球性炎症を生じることにおけるガンマ-プロテオバクテリアの直接的な影響を示す。肺ディスバイオシスと肺疾患との関係が確立されている(Lal&Ambalavanan(2017)Early Hum.Dev.105:35-39)。
【0047】
より長期間にわたる研究の焦点となってきた腸マイクロバイオームは、肺マイクロバイオームとの実質的な関係を有する。Lachnospira、Veillonella、Faecalibacterium、及びRothiaの集団の減少は、生後最初の100日間に喘息のリスクがある小児において観察される。COPD及び喘息患者は、多くの場合、同程度の重症度の併発消化器症状を有する。L.rhamnosusの経口投与は、小児における院内呼吸器感染を軽減した。これらの2つの環境間の相互作用は、細菌副産物への免疫応答、吸引による物理的交換、及び代謝副産物による連通によって発生し得る。
【0048】
Lactobacillus細菌種は、腸を超えたシグナル伝達におけるそれらの共生的な役割で知られている。M’Rabet et al.,(2005)は、乳酸産生細菌が、増強された休止値によって測定される場合、肺疾患の治療における気道狭窄に対するそれらの有益な効果について広く確立されていることを示した。ショウガ及びビタミンDと組み合わせたLactobacillus rhamnosusは、抗炎症特性の相乗効果を通して筋骨格疾患及び損傷に影響を与えることが示されている(Heck et al.,2018)。
【0049】
腸マイクロバイオータは、CD8+T細胞、Th17、IL-25、IL-13、プロスタグランジンE2、及び/又はNF-κB依存性経路を通した局所的又は長期的相互作用を介して、腸免疫系及び肺免疫系の両方に影響を与える。肺マイクロバイオータは、粘膜免疫に影響を与え、好中球動員、受容体2(TLR2)によって媒介される炎症促進性サイトカインの産生、及びTヘルパー17(Th17)細胞によって刺激されるβ-ディフェンシン2などの、抗菌ペプチドの放出を通して免疫寛容に寄与する。
【0050】
データは、プロバイオティクスLactobacillus種が、慢性肺疾患のインビトロ及び動物モデルにおいて炎症を阻害することを示す。したがって、本開示は、BPD、COPD、CF、及びARDSなどの気管支肺病理の軽減をもたらすことができる摂取可能なプロバイオティクス栄養補助食品の実施形態を包含する。プロバイオティクス細菌に加えて、本開示のニュートラシューティカル組成物は、レシピエント対象の呼吸器の健康の改善につながり得る、ある特定のハーブ植物種の抽出物を更に含む。したがって、プロバイオティクス療法は、プロバイオティクス混合物を形成するために、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus acidophilus、及びLactobacillus rhamnosusなどの様々なLactobacillus種の組み合わせを含む。1つは生体細菌のみを有し、他は少なくとも1つの熱不活性化細菌を有する、本開示の製剤が、本開示の実施形態として企図される。
【0051】
ハーブ抽出物は、呼吸器疾患の症状を軽減することが示されている。最も具体的には、ホーリーバジル、ターメリック、ヴァサカは、短期間で症状を軽減し、肺の健康を改善することができるが、プロバイオティクスは、バイオシスを回復させ、長期間で疾患進行を停止するように働く。
【0052】
ハーブ抽出物は、呼吸器炎症及び疾患の症状からの緩和を提供することができる。ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカは、伝統的に東洋医術において使用されている植物であり、科学的かつ人類学的に文書化された抗炎症用途を有する。ホーリーバジルは、その抗酸化、抗菌、及び抗炎症特性で知られている。同様に、ターメリックは、抗がん、抗酸化、抗炎症、及びフリーラジカル捕捉能力の記録を有する。ヴァサカは、TNF-α及びIL-6を下方調節することによって、適切な呼吸機能を補助し、炎症を減少させることが特に知られている。データは、プレート当たりのコロニー数によって測定される場合、これら3つの化合物の、RSB11.RTM、RSB12.RTM、RSB13.RTMの増殖に対する影響を示さない。プロバイオティクスサプリメントブレンドへのハーブ抽出物の添加は、Lactobacillusプロバイオティクスの十分に特徴付けられた抗炎症メカニズムと併せて、気管支肺疾患の症状を軽減するのに役立ち得る。
【0053】
トゥルシーとしても知られる、ホーリーバジルは、インド亜大陸に固有のLamiaceae科からの医療用芳香族ハーブである(Jamshidi&Cohen(2017)Evid.Based Complement Alternat.Med.2017:9217567)。動物モデルにおける研究は、ホーリーバジルの葉抽出物が抗痙攣及び抗不安活性を有することを示している(Okoli et al.,(2010)Pharmacognosy Res.2:36-40、Okomolo et al.,(2011)Afr.J.Tradit.Complement.Altern.Med.8:181-190)。ホーリーバジル水性葉抽出物はまた、ウシモデルにおいて免疫応答を改善することに有望な効果を示している(Mukherjee et al.2005)。インビトロ及び動物研究は、ホーリーバジル葉が、アダプトジェニック(Jothie et al.,(2016)Phytother.Res.30:805-814)、免疫調節(Sutili et al.,(2016)J.Anim.Physiol.Anim.Nutr.(Berl)100:1113-1120、Godhwani et al.,(1988)J.Ethnopharmacol.24:193-198)、抗がん(Lin et al.,(2014)Am.J.Chin.Med.42:743-767)、抗炎症(Godhwani et al.,(1987)J.Ethnopharmacol.21:153-163、Kelm et al.,(2000)Phytomed.7:7-13)、抗酸化(Kelm et al.,(2000)Phytomed.7:7-13)、及び抗菌(Nakamura et al.,(1999)Mem.Inst.Oswaldo Cruz 94:675-678)効果を含む強力な薬理学的作用を有することを証明する。
【0054】
ターメリックは、一般的な香味料であり、伝統的な薬剤である(Esatbeyoglu et al.,(2012)Angew Chem.Int.Ed.Engl.51):5308-5332、Heger et al.,(2014)Pharmacol.Rev.66:222-307)。この植物に由来するポリフェノールであるクルクミンは、生物学的及び薬理学的活性の多様なセットを担ういくつかの代謝産物に還元される。いくつかの研究では、クルクミンは、抗がん、抗酸化、抗炎症、抗菌、及びフリーラジカル捕捉を含む一連の薬理学的効果を示している(Lim et al.,(2001)J.Neurosci.21:8370-8377)。
【0055】
ヴァサカは、特に呼吸器疾患の治療に使用されているアーユルヴェーダ医学及びユナニ医学において周知の植物である。その活性アルカロイド化合物には、バシシン、バシシノン、及び他の誘導体が含まれる(Gantait&Panigrahi(2018)J.Genet.Eng.Biotechnol.16:545-552)。バシシン及びバシシノンは、インビトロ及びインビボで気管支拡張活性を示す(Cambridge et al.,(1962)Nature 196:1217)。ヴァサカ由来のアルカロイド画分は、抗炎症特性を有し、TNF-α及びIL-6を減少させる(Amala&Sujatha(2021)Bioimpacts 11:15-22)。ヴァサカは、呼吸機能を改善し、鎮咳特性を有する(Narimanian et al.,(2005)Phytomed.12:539-547、Dhuley J.N.(1999)J.Ethnopharmacol.67:361-365)。
【0056】
本開示に従って、栄養補助食品として製剤化されたハーブ抽出物及びプロバイオティクスサプリメントの組み合わせは、プロバイオティクスの抗炎症メカニズムと併せて気管支肺疾患の症状を軽減するのに役立つ。したがって、本開示は、3つのLactobacillus株(RSB11.RTM、RSB12.RTM、RSB13.RTM)をヒト対象の腸内層に送達して、気管支肺疾患の結果としての好中球性炎症を軽減するプロバイオティクス医薬組成物の実施形態を包含する。3つのLactobacillus株のうちの少なくとも1つは、レシピエント対象において増殖が可能な生体生物の集団であるべきである。細菌株の組み合わせに含まれるLactobacillusの非生体株は、これに限定されないが、加熱殺菌された非増殖性株であり得る。
【0057】
3つのLactobacillus株に加えて、本組成物は、呼吸緩和のためにホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカ由来のハーブ抽出物を含むことができる。本開示の組成物は、したがって、いずれの天然に存在する対応物も含まない人工組成物である。
【0058】
したがって、本開示の一態様は、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルの実施形態を包含し、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、Lactobacillus plantarum RSB11.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127171)、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127172)、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127173)から選択される少なくとも生存可能な1つのプロバイオティクス細菌株、並びに少なくとも1つのハーブであって、少なくとも1つのハーブが、ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカからなる群から選択され得る、少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物を含むハーブ混合物とを含むことができる。
【0059】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、プロバイオティクス細菌株Lactobacillus plantarum RSB11.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127171)、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127172)、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127173)のうちの2つ又は3つの混合物と、少なくとも1つのハーブであって、少なくとも1つのハーブが、ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカからなる群から選択され得る、少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物を含むハーブ混合物とを含むことができる。
【0060】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、細菌株Lactobacillus plantarum RSB11.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127171)、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127172)、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127173)の混合物と、少なくとも1つのハーブであって、少なくとも1つのハーブが、ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカからなる群から選択され得る、少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物を含むハーブ混合物とを含むことができる。
【0061】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、細菌株Lactobacillus plantarum RSB11.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127171)、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127172)、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM(ATCC特許寄託番号PTA-127173)の混合物と、少なくとも1つのハーブであって、少なくとも1つのハーブが、ホーリーバジル、ターメリック、及びヴァサカからなる群から選択され得る、少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物を含むハーブ混合物とからなり得る。
【0062】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのLactobacillus種は、加熱殺菌することができる。
【0063】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、細菌混合物中のLactobacillus plantarum RSB11.RTM、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTMの重量パーセント(重量%)は、それぞれ、RSB11.RTMは1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり得、RSB12.RTMは1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり得、RSB13.RTMは1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり得、総重量パーセントが少なくとも1つの賦形剤で100重量%に調整されており、細菌混合物:賦形剤の比率は、約10:約1、約7:約1、約5:約1、約4:約1、約3:約1、約2:約1、約1:約1、約1:約2、約1:約3、約1:約4、約1:約5、約1:約7、約1:約10であり得る。
【0064】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、ハーブ混合物中のハーブ、又はその抽出物の重量パーセント(重量%)は、それぞれ、ターメリック抽出物は1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり得、ホーリーバジル抽出物は1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり得、ヴァサカ抽出物は1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%であり得、総重量パーセントが少なくとも1つの賦形剤で100重量%に調整されている。
【0065】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカル細菌混合物は、Lactobacillus plantarum RSB11.RTM、Lactobacillus acidophilus RSB12.RTM、及びLactobacillus rhamnosus RSB13.RTM、並びにステアリン酸マグネシウム、シリカ、及びMCCからなる賦形剤からなり得、ハーブ混合物は、ターメリック抽出物、ホーリーバジル抽出物、及びヴァサカ抽出物からなり得る。
【0066】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、経口消費のために製剤化することができる。
【0067】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、細菌及び少なくとも1つのハーブ、又はその抽出物に加えて、1つ以上の栄養的に許容される担体、1つ以上の栄養的に許容される希釈剤、1つ以上の栄養的に許容される賦形剤、1つ以上の栄養的に許容されるアジュバント、若しくは栄養的に活性な成分、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0068】
本開示のこの態様の実施形態では、ニュートラシューティカルは、少なくとも1つの栄養的に活性な成分を更に含むことができる。
【0069】
本開示のこの態様の実施形態では、少なくとも1つの栄養的に活性な成分は、ビタミン、微量栄養素、ミネラル、プレバイオティクス繊維、脂肪酸、アミノ酸、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0070】
本開示のこの態様の実施形態では、少なくとも1つのビタミンは、アスコルビン酸(ビタミンC)、D、E、A、E、K、チアミン(B1)、リボフラビン(B2)、ナイアシン(B3)、パントテン酸(B5)、B6、B7、B9、B12、又はそれらの任意の組み合わせであり得、少なくとも1つのミネラルは、硫黄、カリウム、塩素、ナトリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、ヨウ素、クロム、モリブデン、セレン、コバルト、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0071】
本開示のこの態様の実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、経口消費のために製剤化することができる。
【0072】
本開示のこの態様の実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、細菌及び少なくとも1つのハーブ又はハーブ抽出物に加えて、栄養的に許容される担体、栄養的に許容される希釈剤、栄養的に許容される賦形剤、栄養的に許容されるアジュバント、又は栄養的に活性な成分を更に含むことができる。
【0073】
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、食品製品、栄養補助食品、医療用食品、又はニュートラシューティカルは、カプセル、マイクロカプセル、錠剤、顆粒、粉末、トローチ、丸剤、懸濁剤、及びシロップからなる群から選択される経口摂取可能な形態であり得る。
【0074】
本開示の実施形態は、実施例及び対応する本文及び図面に関連して説明されるが、本開示をこれらの説明の実施形態に限定する意図はない。それとは反対に、意図は、本開示の実施形態の趣旨及び範囲内に含まれる全ての代替物、修飾物、及び等価物を網羅することである。
【実施例】
【0075】
実施例1
【表1】
【表2】
aKarallief、Cambridge、MA、USAによって供給されるヴァサカ抽出物(Adhatoda vasica、葉)
bStar Hi Herbs、Kamataka、Indiaよって供給されるホーリーバジル抽出物(Ocimum sanctum、葉)
cNaturex、Franceによって供給されるターメリック抽出物(Curcuma longa、根)。
【0076】
【0077】
【0078】
実施例4
ハーブ抽出物
1.Adathoda vasicaの葉からのヴァサカ抽出物 植物部分:葉
製造業者(Karalieff,Inc、Cambridge、MA、U.S.A.)によるヴァサカ抽出:
ヴァサカ葉を、エタノール及び水とともに抽出機に入れる。抽出は、抽出物をハーブベッドに再ポンプすることによって、閉鎖システムにおいて塊を加熱することによる。このプロセスを繰り返し、5ミクロンサイズのポリプロピレンフィルターバッグに通して濾過する。抽出物を、減圧下、低温で濃縮する。これを乾燥機ユニットに入れ、生成物を粉末形態で乾燥及び分離する。これをマルチミルにおいて微細なメッシュサイズに更に粉末化する。均一な粒子サイズまでふるいにかける。生成物をデキストリンとともにブレンダーにおいて混合し、均一かつ均質なバッチを作製する。最後に、生成物を100℃~105℃で2時間加熱滅菌し、パッケージング前にふるいにかける。最終生成物は、約20重量%のサポニンを含有する。
2.クルクミノイドを含有するターメリック(Curcuma longa L.)根
製造業者(Naturea,Inc、South Hackensack、NJ、U.S.A.)によるターメリック抽出:
抽出溶媒:アセトン100%、次いでエタノール100%、抽出比:25:1
組成:クルクミノイド:HPLCによる95%超、クルクミン:HPLCによる70.00~80.00%、ビスデメトキシクルクミン:HPLCによる2.50~6.50%、デメトキシクルクミン:HPLCによる15.00~25.00%、含水量:2%未満、粒子サイズ:40メッシュを通して100%。
3.Ocimum sanctumの乾燥葉からのホーリーバジル抽出物
製造業者(STAR Hi Herbs Pvt Ltd.、Bangalore、India)によるホーリーバジル抽出:
最終抽出比:10:1 溶媒:メタノール
化学分析:ウルソール酸及びオレノール酸:HPLCによる2.5%w/w以上。
【0079】
実施例5
細菌株についての重量パーセント(重量%)範囲
RSB11.RTM:1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%
RSB12.RTM:1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%
RSB13.RTM:1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%
MCC:100重量%まで
細菌混合物:賦形剤(MCCなど)の例示的な比率
約10:約1、約7:約1、約5:約1、約4:約1、約3:約1、約2:約1、約1:約1、約1:約2、約1:約3、約1:約4、約1:約5、約1:約7、約1:約10。
【0080】
実施例6
ニュートラシューティカル混合物中のニュートラシューティカルについての重量パーセント(重量%)範囲
ターメリック抽出物:1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%
オーガニックホーリーバジル抽出物:1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%
ヴァサカ抽出物:1%~30%、5%~30%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~30%、10%~20%、10%~15%、15%~30%、20%~30%
MCC:100重量%まで
【0081】
細菌混合物:ニュートラシューティカル混合物の例示的な比率
約10:約1、約7:約1、約5:約1、約4:約1、約3:約1、約2:約1、約1:約1、約1:約2、約1:約3、約1:約4、約1:約5、約1:約7、約1:約10
【国際調査報告】