(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオンの調製のための方法
(51)【国際特許分類】
C07D 401/14 20060101AFI20240614BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20240614BHJP
C07D 209/48 20060101ALI20240614BHJP
C07D 205/04 20060101ALI20240614BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20240614BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240614BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240614BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20240614BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/5377
C07D209/48
C07D205/04
A61K47/20
A61P35/00
A61P35/02
A61K47/54
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577550
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 US2022034028
(87)【国際公開番号】W WO2022271557
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508027464
【氏名又は名称】セルジーン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CELGENE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100221523
【氏名又は名称】佐藤 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(72)【発明者】
【氏名】カラスキーリョ-フロレス,ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジエン
(72)【発明者】
【氏名】コロナ,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】デル バリェ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ダン,ロバート フランシス
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル,メーガン
(72)【発明者】
【氏名】フェレッティ,アントニオ シー
(72)【発明者】
【氏名】ハイド,リチャード マーティン
(72)【発明者】
【氏名】カッシム,アムデ
(72)【発明者】
【氏名】コータレ,モヒト
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】パーダム,ジェフリー ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】ランガナタン,クリシュナクマール
(72)【発明者】
【氏名】タバレス-グレコ,ポーラ エイ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン,ケルビン ヒン-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,チェンミン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076CC27
4C076CC46
4C076DD55
4C076DD55Q
4C076EE59
4C076FF01
4C076FF63
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC73
4C086GA07
4C086GA12
4C086GA13
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
(57)【要約】
本明細書には、種々の障害を治療、予防及び管理するのに有用である(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログの調製のための方法が提供される。本方法から得られる種々の中間体及び生成物の固体形態も提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを調製するための方法であって、
(ステップ1.0)式(II):
【化2】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを環化させて、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを提供するステップと、
(ステップ1.1)任意選択的に、前記式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを前記化合物の塩に変換するステップと
を含む方法。
【請求項2】
ステップ1.0が、酸の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸が、ベンゼンスルホン酸である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ1.0で調製される前記式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、ベシル酸塩である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップ1.0が、アセトニトリル、メチルテトラヒドロフラン、水又はこれらの組合せの溶媒中で行われる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップ1.1において、前記式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、前記化合物の塩酸塩に変換される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ステップ1.1において、前記式(I)の化合物の塩が、塩基性水溶液と接触され、続いて酸性化される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記塩基性水溶液が、重炭酸塩溶液である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
酸性化が、塩酸の添加を含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
ステップ1.1が、水溶液及び有機溶媒を含む二相混合物中で行われる、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ1.1が、酢酸エチル(EtOAc)、イソプロパノール(IPA)又は水の溶媒中で行われる、請求項6~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記式(II)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、
(ステップ2.a)式(II-A):
【化3】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン又はその塩と反応させるステップ
を含む方法によって調製される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ステップ2.aが、塩基の存在下で行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記塩基が、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記式(II-A)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、
(ステップ2.b)式(II-B):
【化4】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを塩素化するステップ
を含む方法によって調製される、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
ステップ2.bの塩素化が、塩化メシル(MsCl)の存在下で行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ステップ2.bが、塩基の存在下で行われる、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記塩基が、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記式(II-B)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、
(ステップ2.c)式(V):
【化5】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンズアルデヒドと反応させるステップ
を含む方法によって調製される、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ステップ2.cが、還元剤の存在下で行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記還元剤が、水素化ホウ素試薬である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記水素化ホウ素試薬が、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ステップ2.cが、酸の存在下で行われる、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記酸が、トリフルオロ酢酸である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記式(II)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、
(ステップ2.0)式(III):
【化6】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログを、式(V):
【化7】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログと反応させるステップ
を含む方法によって調製される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
ステップ2.0において、前記式(III)の化合物のビス塩酸塩が使用される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ステップ2.0において、前記式(III)の化合物のビスシュウ酸塩が使用される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
ステップ2.0が、還元剤の存在下で行われる、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記還元剤が、水素化ホウ素試薬である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記水素化ホウ素試薬が、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ステップ2.0が、酸の存在下で行われる、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記酸が、トリフルオロ酢酸である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログが、
(ステップ3.0)式(IV):
【化8】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログをホルムアルデヒド源と反応させるステップ
を含む方法によって調製される、請求項25~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
式(IV)の化合物の塩が、式(IV)の化合物の遊離塩基形態に変換され、前記遊離塩基形態が、その後、ステップ3.0で使用される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
式(IV)の化合物の前記遊離塩基形態が、式(IV)の化合物の塩を塩基性水溶液及び任意選択的に有機溶媒と接触させることによって形成される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記有機溶媒が、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
式(IV)の化合物の前記塩が、メタンスルホン酸塩である、請求項33~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記ホルムアルデヒド源が、ジメチルホルムアミド(DMF)である、請求項33~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
ステップ3.0が、有機マグネシウム試薬の存在下で行われる、請求項33~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記有機マグネシウム試薬が、iPrMgCl・LiClである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
ステップ3.0が、テトラヒドロフラン(THF)、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)若しくはジメチルホルムアミド(DMF)又はこれらの混合物を含む溶媒中で行われる、請求項33~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
ステップ3.0のための反応温度が、約-30~約10℃である、請求項33~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
ステップ3.0において、前記式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、前記化合物のビス塩酸塩に変換される、請求項33~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
(ステップ3.a)ステップ3.0で調製された前記式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログをNa
2S
2O
5と反応させて、式:
【化9】
のスルホン酸ナトリウム化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログを提供するステップと、
(ステップ3.b)前記スルホン酸ナトリウム化合物を前記式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログに変換するステップと
をさらに含む、請求項25~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
ステップ3.aが、エタノール及び水の混合溶媒中で行われる、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
ステップ3.bが、塩基の存在下で行われる、請求項44又は45に記載の方法。
【請求項47】
前記塩基が、炭酸カリウムである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
ステップ3.bにおいて、前記式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、前記化合物のビスシュウ酸塩に変換される、請求項44~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記式(IV)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログが、
(ステップ4.0)4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン又はその塩を4-ブロモ-3-フルオロベンズアルデヒドと反応させるステップ
を含む方法によって調製される、請求項33~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
ステップ4.0において、4-(アゼチジン-3-イル)モルホリンの塩酸塩が使用される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
ステップ4.0が、還元剤の存在下で行われる、請求項49又は50に記載の方法。
【請求項52】
前記還元剤が、水素化ホウ素試薬である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記水素化ホウ素試薬が、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
ステップ4.0において、前記式(IV)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、前記化合物のメタンスルホン酸塩に変換される、請求項49~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
ステップ4.0が、アセトニトリル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)又はメタノールの溶媒中で行われる、請求項49~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記式(V)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、
(ステップ5.0)式(VI):
【化10】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを還元するステップ
を含む方法によって調製される、請求項25~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
ステップ5.0が、水素化によって行われる、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
水素化が、水素ガスを使用して達成される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
ステップ5.0が、触媒の存在下で行われる、請求項56~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記触媒が、パラジウム炭素である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記式(VI)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、
(ステップ6.0)式:
【化11】
の(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアート、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを3-ニトロフタル酸無水物と反応させるステップ
を含む方法によって調製される、請求項56~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
ステップ6.0が、塩基の存在下で行われる、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記塩基が、ルチジンである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
ステップ6.0が、活性化試薬の存在下で行われる、請求項61~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記活性化試薬が、1,1’-カルボニルジイミダゾールである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記式(VI)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、
(ステップ6.a)式:
【化12】
の(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアート、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを、式:
【化13】
のエチル4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-カルボキシラートと反応させるステップ
を含む方法によって調製される、請求項56~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
ステップ6.aが、塩基の存在下で行われる、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記塩基が、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
エチル4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-カルボキシラートは、
(ステップ6.b)4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオンをクロロギ酸エチルと反応させるステップ
を含む方法によって調製される、請求項66~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
ステップ6.bが、塩基の存在下で行われる、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記塩基が、トリメチルアミン(TEA)である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
式Iの化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、
(ステップ1.0)式(II)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを環化させて、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを提供するステップと、
(ステップ1.1)任意選択的に、前記式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを前記化合物の塩に変換するステップと
を含む方法によって調製され、前記式(II)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、
(ステップ2.0)式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログを式(V)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログと反応させるステップ
を含む方法によって調製され、前記式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログが、
(ステップ3.0)式(IV)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログをホルムアルデヒド源と反応させるステップ
を含む方法によって調製され、前記式(IV)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログが、
(ステップ4.0)4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン又はその塩を4-ブロモ-3-フルオロベンズアルデヒドと反応させるステップ
を含む方法によって調製され、前記式(V)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、
(ステップ5.0)式(VI)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを還元するステップ
を含む方法によって調製され、前記式(VI)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが、
(ステップ6.0)(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアート、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを3-ニトロフタル酸無水物と反応させるステップ
を含む方法によって調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項73】
化合物1のビスベシル酸塩。
【請求項74】
化合物2、化合物2-a、化合物2-b、化合物3、化合物4、化合物5若しくは化合物6である化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログ。
【請求項75】
化合物1:
【化14】
のベシル酸塩を含む固体形態であって、化合物1のベシル酸塩の形態Bである、固体形態。
【請求項76】
約6.7、7.5及び17.2°2θにおけるピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる、請求項75に記載の固体形態。
【請求項77】
前記XRPDパターンが、約16.0及び23.5°2θにおけるピークをさらに含む、請求項76に記載の固体形態。
【請求項78】
前記XRPDパターンが、約9.4及び11.3°2θにおけるピークをさらに含む、請求項77に記載の固体形態。
【請求項79】
図1に示されるXRPDパターンと一致するXRPDパターンによって特徴付けられる、請求項75に記載の固体形態。
【請求項80】
化合物3:
【化15】
の塩酸塩を含む、固体形態。
【請求項81】
化合物3の塩酸塩の形態Aであり、約14.6、19.4及び21.8°2θにおけるピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる、請求項80に記載の固体形態。
【請求項82】
前記XRPDパターンが、約15.8及び22.8°2θにおけるピークをさらに含む、請求項81に記載の固体形態。
【請求項83】
前記XRPDパターンが、約8.8、14.3及び14.9°2θにおけるピークをさらに含む、請求項82に記載の固体形態。
【請求項84】
図5に示されるXRPDパターンと一致するXRPDパターンによって特徴付けられる、請求項81に記載の固体形態。
【請求項85】
化合物3の塩酸塩の形態Bであり、約14.3、15.4及び16.2°2θにおけるピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる、請求項80に記載の固体形態。
【請求項86】
前記XRPDパターンが、約14.8、17.8及び19.4°2θにおけるピークをさらに含む、請求項85に記載の固体形態。
【請求項87】
前記XRPDパターンが、約7.8及び21.0°2θにおけるピークをさらに含む、請求項86に記載の固体形態。
【請求項88】
図7に示されるXRPDパターンと一致するXRPDパターンによって特徴付けられる、請求項85に記載の固体形態。
【請求項89】
化合物4:
【化16】
のメタンスルホン酸塩を含む、固体形態。
【請求項90】
化合物4のメタンスルホン酸塩の形態Aであり、約18.6、20.3及び20.8°2θにおけるピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる、請求項89に記載の固体形態。
【請求項91】
前記XRPDパターンが、約16.7及び22.7°2θにおけるピークをさらに含む、請求項90に記載の固体形態。
【請求項92】
前記XRPDパターンが、約8.0及び24.6°2θにおけるピークをさらに含む、請求項91に記載の固体形態。
【請求項93】
図10に示されるXRPDパターンと一致するXRPDパターンによって特徴付けられる、請求項90に記載の固体形態。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月21日に出願された米国特許出願第63/213,043号明細書に対する優先権の利益を主張するものであり、これは、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本明細書には、種々の障害を治療、予防及び管理するのに有用である(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログの調製のための方法が提供される。
【背景技術】
【0003】
癌は、主に、所与の正常組織に由来する異常細胞の数の増加、これらの異常細胞による隣接組織の浸潤又は悪性細胞の所属リンパ節へのリンパ性若しくは血液媒介性の拡散及び転移を特徴とする。臨床データ及び分子生物学的研究により、癌は、特定の条件下で新生物に進行し得る小さい新生物発生前変化から始まる多段階プロセスであることが示されている。新生物性病変は、特に、新生物性細胞が宿主の免疫監視を回避する条件下でクローン的に進化し、浸潤、増殖、転移及び不均一性の能力の増大を発現させ得る。患者の新生物性細胞を根絶するために、現在の癌治療は、手術、化学療法、ホルモン療法及び/又は放射線処置を含み得る。癌治療学の最近の進歩は、非特許文献1によって説明されている。
【0004】
血液悪性腫瘍は、骨髄などの血液形成組織又は免疫系の細胞で始まる癌である。血液悪性腫瘍の例は、白血病、リンパ腫及び骨髄腫である。血液悪性腫瘍のより具体的な例としては、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、多発性骨髄腫(MM)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、ホジキンリンパ腫(HL)、T細胞リンパ腫(TCL)、バーキットリンパ腫(BL)、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)及び骨髄異形成症候群(MDS)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0005】
(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオンを含む特定の4-アミノイソインドリン-1,3-ジオン化合物は、種々の血液癌細胞株に対して有効であると報告されている。特許文献1及び特許文献2を参照されたく、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0322647号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2020/0325129号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Rajkumar et al.in Nature Reviews Clinical Oncology 11,628-630(2014)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン及びそのラセミ化合物の合成方法は、米国特許出願公開第2019/0322647号明細書に既に記載されている。(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを調製するための効率的で大規模生産可能な方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態において、本明細書には、式(I):
【化1】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを調製するための方法であって、
(ステップ1.0)式(II):
【化2】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを環化させて、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを提供するステップと、
(ステップ1.1)任意選択的に、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを化合物の塩に変換するステップと
を含む方法が提供される。
【0010】
一実施形態において、本明細書には、化合物1:
【化3】
のベシル酸塩を含む固体形態(例えば、形態B)が提供される。
【0011】
一実施形態において、本明細書には、化合物3:
【化4】
の塩酸塩を含む固体形態(例えば、形態A又は形態B)が提供される。
【0012】
一実施形態において、本明細書には、化合物4:
【化5】
のメタンスルホン酸塩を含む固体形態(例えば、形態A)が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】化合物1のベシル酸塩の形態Bの代表的なXRPDパターンを提供する。
【
図2】化合物1のベシル酸塩の形態Bの代表的なTGAサーモグラムを提供する。
【
図3】化合物1のベシル酸塩の形態Bの代表的なDSCサーモグラムを提供する。
【
図4】参照サンプル(b)と比較して、本明細書に記載される方法に従って生成された化合物1の塩酸塩の形態A(a)の代表的なXRPDパターンを提供する。
【
図5】化合物3の塩酸塩の形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
【
図6】化合物3の塩酸塩の形態Aの代表的なDSCサーモグラムを提供する。
【
図7】化合物3の塩酸塩の形態Bの代表的なXRPDパターンを提供する。
【
図8】化合物3の塩酸塩の形態Bの代表的なTGAサーモグラムを提供する。
【
図9】化合物3の塩酸塩の形態Bの代表的なDSCサーモグラムを提供する。
【
図10】化合物4のメタンスルホン酸塩の形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
【
図11】化合物4のメタンスルホン酸塩の形態Aの代表的なDSCサーモグラムを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
6.1 定義
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、本明細書で提供される「方法」という用語は、本明細書で提供される化合物を調製するのに有用である、本明細書で提供される方法を指す。本明細書で提供される方法(例えば、出発材料、試薬、保護基、溶媒、温度、反応時間、精製)の修正形態も本開示によって包含される。一般に、本明細書で提供される一実施形態の技術的教示は、本明細書で提供される任意の他の実施形態に開示されるものと組み合わせることができる。
【0015】
「1つの(a)」又は「1つの(an)」という語の使用は、特許請求の範囲及び/又は本明細書において「含む」という用語と共に使用される場合、「1つ」を意味することができるが、「1つ又はそれ以上」、「少なくとも1つ」及び「1つ又は2以上」の意味とも一致する。
【0016】
本明細書で使用される場合、「含む」及び「包含する」という用語は、互換的に使用することができる。「含む」及び「包含する」という用語は、言及された記載の特徴又は構成要素の存在を特定すると解釈されるべきであるが、1つ若しくは複数の特徴若しくは構成要素又はそれらの群の存在又は付加を排除しない。さらに、「含む」及び「包含する」という用語は、「からなる」という用語によって包含される例を含むことが意図される。したがって、「からなる」という用語は、本発明のより具体的な実施形態を提供するために、「含む」及び「包含する」という用語の代わりに使用することができる。
【0017】
「からなる」という用語は、主題が、それを構成する記載された特徴又は構成要素の少なくとも90%、95%、97%、98%又は99%を有することを意味する。別の実施形態では、「からなる」という用語は、後に続く任意の詳述の範囲から、達成されるべき技術的効果にとって必須でないものを除いて、任意の他の特徴又は構成要素を排除する。
【0018】
本明細書で使用される場合、「又は」という用語は、任意の1つ又は任意の組合せを意味する包括的な「又は」として解釈されるべきである。したがって、「A、B又はC」は、以下のいずれかを意味する:「A;B;C;A及びB;A及びC;B及びC;A、B及びC」。この定義の例外は、要素、機能、ステップ又は行為の組合せが何らかの方法で本質的に相互に排他的である場合にのみ生じ得る。
【0019】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「添加する」、「反応させる」又は「処理する」などの用語は、1つの反応物、試薬、溶媒、触媒又は反応基などを別の反応物、試薬、溶媒、触媒又は反応基などと接触させることを意味する。反応物、試薬、溶媒、触媒又は反応基などは、個別に、同時に又は別々に添加することができ、且つ任意の順序で添加することができる。反応物、試薬、溶媒、触媒又は反応基などは、それぞれ一度に(一度に全て若しくはある期間にわたって送達され得る)又は別々に(この場合にも一度に全て若しくはある期間にわたって送達され得る)添加することができる。これらは、熱の存在又は非存在下で添加することができ、任意選択的に、不活性雰囲気中で添加することができる。「反応する」は、その場形成又は反応基が同じ分子内にある場合には分子内反応を指し得る。
【0020】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「変換する」という用語は、手元の化合物を、手元で所望の化合物の形成をもたらすのに適した反応条件にさらすことを指す。
【0021】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「塩」という用語は、本明細書で提供される化合物中に存在し得る酸性基又は塩基性基の塩を含むが、これらに限定されない。本質的に塩基性である化合物は、種々の無機酸及び有機酸と共に様々な種類の塩を形成することができる。このような塩基性化合物の塩を調製するために使用され得る酸は、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストラート、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロキシナフトエ酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ムスカート、ナプシル酸塩、硝酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トリエチオジド及びパモ酸塩を含むがこれらに限定されない、アニオンを含む塩を形成するものである。アミノ基を含む化合物は、上述の酸に加えて、種々のアミノ酸との塩も形成することができる。本質的に酸性である化合物は、種々のカチオンとの塩基塩を形成することができる。このような塩の非限定的な例としては、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、いくつかの実施形態では、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、カリウム塩及び鉄塩が挙げられる。本質的に酸性である化合物は、アミノ基を含む化合物との塩基塩も形成することができる。
【0022】
本明細書で使用される場合且つ他に規定されない限り、「溶媒和物」という用語は、非共有結合分子間力によって結合された化学量論量又は非化学量論量の溶媒をさらに含む化合物を意味する。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
【0023】
本明細書で使用される場合且つ他に規定されない限り、「立体異性体」という用語は、本明細書で提供される全ての鏡像異性的/ステレオマー的に純粋な化合物及び鏡像異性的/ステレオマー的に濃縮された化合物を包含する。
【0024】
構造又はその一部の立体化学が示されていない(例えば、太線又は破線を用いる)場合、その構造又はその一部は、鏡像異性的に純粋な化合物、鏡像異性的に濃縮された化合物、ジアステレオマー的に純粋な化合物、ジアステレオマー的に濃縮された化合物及びこれらの化合物のラセミ混合物を全て包含するとして解釈されるべきである。
【0025】
他に記載されない限り、本明細書で互換的に使用される「鏡像異性的に濃縮された」及び「鏡像異性的に純粋な」という用語は、1つの鏡像異性体の重量パーセントが、ラセミ組成物の対照混合物中のその1つの鏡像異性体の量よりも大きい(例えば、重量により1:1を超える)組成物を指す。例えば、(S)-鏡像異性体の鏡像異性的に濃縮された調製物は、(R)-鏡像異性体に対して50重量%を超える、例えば少なくとも75重量%、さらに少なくとも80重量%の(S)-鏡像異性体を有する化合物の調製物を意味する。いくつかの実施形態では、濃縮は、80重量%をはるかに超えることができ、「実質的に光学的に濃縮された」、「実質的に鏡像異性的に濃縮された」、「実質的に鏡像異性的に純粋な」又は「実質的に非ラセミ」調製物が提供され、これらは、他方の鏡像異性体に対して少なくとも85重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%の一方の鏡像異性体を有する組成物の調製物を指す。一実施形態では、組成物は、他方の鏡像異性体に対して約99重量%の一方の鏡像異性体を有する。一実施形態では、組成物は、他方の鏡像異性体に対して少なくとも99重量%を超える一方の鏡像異性体を有する。いくつかの実施形態では、鏡像異性的に濃縮された組成物は、単位質量当たりの治療的有用性に関して、その組成物のラセミ混合物よりも高い効力を有する。
【0026】
本明細書で使用される場合且つ他に規定されない限り、「固体形態」という用語及び関連用語は、主に液体又は気体状態ではない物理的形態を指す。本明細書で使用される場合、「固体形態」(単数及び複数)という用語は、半固体を包含する。固体形態は、結晶性、非晶質、部分結晶性、部分非晶質又はこれらの形態の混合物であり得る。
【0027】
本明細書で提供される固体形態は、様々な結晶化度又は格子秩序を有し得る。本明細書で提供される固体形態は、任意の特定の結晶化度又は格子秩序によって限定されず、0~100%の結晶性であり得る。結晶化度を決定する方法は当業者に知られており、例えばSuryanarayanan,R.,X-Ray Power Diffractometry,Physical Characterization of Pharmaceutical Salts,H.G.Brittain,Editor,Mercel Dekkter,Murray Hill,N.J.,1995,pp.187-199に記載されるものであり、これは、参照によりその全体が本明細書に援用される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される固体形態は、約0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100%の結晶性である。
【0028】
本明細書で使用される場合且つ他に規定されない限り、本明細書で使用される「結晶性」という用語及び関連用語は、物質、成分、生成物又は形態を説明するために使用される場合、例えばX線回折で決定したときに、その物質、成分、生成物又は形態が実質的に結晶性であることを意味する。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,Lippincott,Williams and Wilkins,Baltimore,MD(2005);The United States Pharmacopeia,23rd edition,1843-1844(1995)を参照されたい。
【0029】
本明細書で使用される場合且つ他に規定されない限り、本明細書中の1つ及びそれ以上の「結晶形態」という用語並びに関連用語は、結晶性である固体形態を指す。結晶形態には単一成分結晶形態及び多成分結晶形態が含まれ、且つ多形体、溶媒和物、水和物及び他の分子複合体並びに塩、塩の溶媒和物、塩の水和物、塩の共結晶、塩の他の分子複合体及びこれらの多形体が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、物質の結晶形態は、非晶質形態及び/又は他の結晶形態を実質的に含まなくてもよい。特定の実施形態では、物質の結晶形態は、重量ベースで約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%又は50%未満の1つ又はそれ以上の非晶質形態及び/又は他の結晶形態を含有し得る。特定の実施形態では、物質の結晶形態は、物理的及び/又は化学的に純粋であり得る。特定の実施形態では、物質の結晶形態は、物理的及び/又は化学的に約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%又は90%純粋であり得る。
【0030】
物質の結晶形態は、いくつかの方法によって得ることができる。このような方法には、溶融再結晶、溶融冷却、溶媒再結晶、閉鎖空間(例えば、ナノポア又はキャピラリー内など)での再結晶、表面又は鋳型上(例えば、ポリマー上など)での再結晶、添加剤(例えば、共結晶対分子など)の存在下での再結晶、脱溶媒和、脱水、急速蒸発、急速冷却、徐冷、蒸気拡散、昇華、粉砕及び溶媒滴下粉砕が含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
他に規定されない限り、本明細書中の1つ及びそれ以上の「多形体」及び「多形形態」という用語及び関連用語は、本質的に同じ分子又はイオンからなる2つ以上の結晶形態を指す。異なる結晶形態と同様に、異なる多形体は、結晶格子内の分子又はイオンの異なる配置又は立体構造の結果として、例えば融解温度、融解熱、溶解度、溶解速度及び/又は振動スペクトルなどの異なる物理的特性を有し得る。多形体により示される物理的特性の違いは、貯蔵安定性、圧縮性及び密度(製剤及び製品の製造において重要)並びに溶解速度(バイオアベイラビリティにおいて重要な因子)などの薬学的パラメータに影響を与え得る。安定性の違いは、化学反応性の変化(例えば、1つの多形体を含む場合、別の多形体を含む場合よりも剤形が急速に変色するような酸化の相違)若しくは機械的変化(例えば、動力学的に好ましい多形体は熱力学的により安定な多形体に変化するため、貯蔵時に錠剤が砕けること)又はその両方(例えば、1つの多形体の錠剤が高湿度でより破壊されやすいこと)に起因し得る。溶解度/溶解の違いの結果として、極端な場合、いくつかの多形転位によって効力の喪失が生じることもあり、他の極端な場合、毒性が生じることもある。さらに、結晶の物理的特性は、加工において重要であり得る(例えば、1つの多形体は溶媒和物を形成する可能性が高いか、又は濾過及び洗浄して不純物を除くのが困難であり得、粒子形状及びサイズ分布が多形体間で異なり得る)。
【0032】
本明細書で使用される場合且つ他に規定されない限り、本明細書で使用される「非晶質」、「非晶質形態」という用語及び関連用語は、X線回折で決定したときに、問題の物質、成分又は生成物が実質的に結晶性でないことを意味する。特に、「非晶質形態」という用語は、無秩序な固体形態、すなわち長距離の結晶秩序を欠いた固体形態を説明する。特定の実施形態では、物質の非晶質形態は、実質的に他の非晶質形態及び/又は結晶形態を含まないこともある。他の実施形態では、物質の非晶質形態は、重量ベースで約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%又は50%未満の1つ又はそれ以上の他の非晶質形態及び/又は結晶形態を含有し得る。特定の実施形態では、物質の非晶質形態は、物理的及び/又は化学的に純粋であり得る。特定の実施形態では、物質の非晶質形態は、物理的及び/又は化学的に約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%又は90%純粋であり得る。特定の実施形態では、物質の非晶質形態は、付加的な構成要素又は成分(例えば、非晶質形態をさらに安定化するのに役立ち得る添加剤、ポリマー又は賦形剤)を含み得る。特定の実施形態では、非晶質形態は、固溶体であり得る。
【0033】
物質の非晶質形態は、いくつかの方法によって得ることができる。このような方法には、加熱、溶融冷却、急速溶融冷却、溶媒蒸発、急速溶媒蒸発、脱溶媒和、昇華、粉砕、ボールミル粉砕、低温粉砕、スプレー乾燥及び凍結乾燥が含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
結晶形態及び非晶質形態を特徴付けるための技術には、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)、X線粉末回折法(XRPD)、単結晶X線回折法、振動分光法、例えば赤外線(IR)及びラマン分光法、固体及び溶液核磁気共鳴(NMR)分光法、光学顕微鏡法、ホットステージ光学顕微鏡法、走査電子顕微鏡法(SEM)、電子線結晶学及び定量分析、粒径分析(PSA)、表面積分析、溶解度測定、溶解測定、元素分析並びにカールフィッシャー分析が含まれるが、これらに限定されない。特徴的な単位格子パラメータは、限定はされないが、単結晶回折及び粉末回折を含むX線回折及び中性子回折などの1つ又はそれ以上の技術を用いて決定され得る。粉末回折データを分析するのに有用な技術には、例えば、2つ以上の固相を含むサンプル中の単相に関連する回折ピークを分析するために使用され得るリートベルト精密化などのプロファイルの精密化が含まれる。粉末回折データを分析するのに有用な他の方法には、当業者が結晶性粉末を含むサンプルから単位格子パラメータを決定できるようにする、単位格子の指標化が含まれる。
【0035】
固体形態は、本明細書で提供される結晶形態などの特定の固体形態に特有の明確な物理的特徴付けデータを示し得る。これらの特徴付けデータは、例えば、X線粉末回折、示差走査熱量測定、熱重量分析及び核磁気共鳴分光法を含む、当業者に知られている種々の技術によって得ることができる。これらの技術によって提供されるデータは、特定の固体形態を特定するために使用され得る。当業者は、これらの特徴付け技術の1つを実行して、得られたデータが、特定の固体形態の特徴であると特定されている本明細書で提供される参照データと「一致する」かどうかを決定することにより、固体形態が本明細書で提供される形態の1つであるかどうかを決定することができる。参照固体形態のものと「一致する」特徴付けデータは、当業者により、参照固体形態と同じ固体形態に相当すると理解される。データが「一致する」かどうかを分析する際、例えば実験誤差及び日常的なサンプル間の分析のばらつきのため、特定の特徴付けデータ点は合理的な程度まで変動する可能性があるが、それでも所与の固体形態を記述し得ることが当業者によって理解される。
【0036】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「ハロ」又は「ハロゲン」などの用語は、-F、-Cl、-Br又は-Iを意味する。
【0037】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「アルキル」という用語は、非分枝又は分枝状の飽和一価炭化水素鎖を意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル及びヘキシルなどの(C1~C6)アルキル基が挙げられるが、これらに限定されない。より長いアルキル基には、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシル基が含まれる。アルキル基は、非置換であるか、又は1つ若しくは複数の適切な置換基で置換され得る。アルキル基は、炭素及び/又は水素(すなわちジュウテリウム又はトリチウム)の同位体が濃縮されることにより、天然存在度のアルキル基のアイソトポログでもあり得る。本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「アルケニル」という用語は、1つ又はそれ以上の炭素-炭素二重結合を含有する、非分枝又は分枝状の一価の炭化水素鎖を意味する。本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「アルキニル」という用語は、1つ又はそれ以上の炭素-炭素三重結合を含有する非分枝又は分枝状の一価の炭化水素鎖を意味する。
【0038】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して別の基に連結されたアルキル基(すなわち-O-アルキル)を意味する。アルコキシ基は、非置換であるか、又は1つ若しくは複数の適切な置換基で置換され得る。アルコキシ基の例としては、-O-メチル、-O-エチル、-O-プロピル、-O-イソプロピル、-O-2-メチル-1-プロピル、-O-2-メチル-2-プロピル、-O-2-メチル-1-ブチル、-O-3-メチル-1-ブチル、-O-2-メチル-3-ブチル、-O-2,2-ジメチル-1-プロピル、-O-2-メチル-1-ペンチル、3-O-メチル-1-ペンチル、-O-4-メチル-1-ペンチル、-O-2-メチル-2-ペンチル、-O-3-メチル-2-ペンチル、-O-4-メチル-2-ペンチル、-O-2,2-ジメチル-1-ブチル、-O-3,3-ジメチル-1-ブチル、-O-2-エチル-1-ブチル、-O-ブチル、-O-イソブチル、-O-t-ブチル、-O-ペンチル、-O-イソペンチル、-O-ネオペンチル及び-O-ヘキシルなどの(C1~C6)アルコキシ基が挙げられるが、これらに限定されない。より長いアルコキシ基には、-O-ヘプチル、-O-オクチル、-O-ノニル及び-O-デシル基が含まれる。アルコキシ基は、炭素、酸素及び/又は水素(すなわちジュウテリウム又はトリチウム)の同位体が濃縮されることにより、天然存在度のアルコキシ基のアイソトポログでもあり得る。
【0039】
本明細書で使用される場合且つ他に規定されない限り、「シクロアルキル」又は「カルボシクリル」という用語は、環状であり、且つ炭素原子間の交互又は共鳴二重結合を含まない3~15、3~9、3~6又は3~5つの炭素原子を含有するアルキルの一種を意味する。1~4つの環を含有し得る。非置換シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキルは、1つ又はそれ以上の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、アリール基又はヘテロアリール基と縮合したシクロアルキルであり得る。
【0040】
本明細書で使用される場合且つ他に規定されない限り、「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロシクリル」という用語は、1つ又はそれ以上、いくつかの実施形態では1~3つの炭素原子が、限定はされないが、N、S及びOなどのヘテロ原子によって置換されたシクロアルキルを意味する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、3~15、3~9、3~6又は3~5つの炭素及びヘテロ原子を含有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、アリール基又はヘテロアリール基と縮合したヘテロシクロアルキルであり得る。C3~6などの接頭辞がヘテロシクロアルキル基を指すために使用される場合、炭素の数(この例では3~6つ)がヘテロ原子も含むことを意味する。例えば、C3~6ヘテロシクロアルキル基は、例えば、テトラヒドロピラニル(5つの炭素原子及び炭素原子を置換する1つのヘテロ原子)を含むことを意味する。
【0041】
本明細書で使用される場合且つ他に規定されない限り、「アリール」という用語は、5~14個の環原子を含有する炭素環式芳香環を意味する。炭素環式アリール基の環原子は、全て炭素原子である。アリール環構造には、単環式、二環式又は三環式化合物及びベンゾ縮合炭素環式部分、例えば5,6,7,8-テトラヒドロナフチルなどの、1つ又はそれ以上の環構造を有する化合物が含まれる。特に、アリール基は、単環式、二環式又は三環式環であり得る。代表的なアリール基には、フェニル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、フェナントレニル及びナフチルが含まれる。
【0042】
本明細書で使用される場合且つ他に規定されない限り、「ヘテロアリール」という用語は、特定の実施形態では、約5員~約15員の単環式又は多環式芳香族環基を指し、環基内の原子の1つ又はそれ以上、いくつかの実施形態では1~3つがヘテロ原子、すなわちN、O又はSを含むがこれらに限定されない、炭素以外の元素である。ヘテロアリール基は、任意選択的に、ベンゼン環に縮合され得る。ヘテロアリール基には、フリル、イミダゾリル、インドリニル、ピロリジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N-メチルピロリル、キノリニル及びイソキノリニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「アルコール」という用語は、-OH基で置換された任意の化合物を意味する。アルコール基は、酸素及び/又は水素(すなわちジュウテリウム又はトリチウム)の同位体が濃縮されることにより、天然存在度のアルコール基のアイソトポログでもあり得る。
【0044】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「アミノ」又は「アミノ基」という用語は、式-NH2、-NH(アルキル)、-NH(アリール)、-N(アルキル)2、-N(アリール)2又は-N(アルキル)(アリール)の一価の基を意味する。アミノ基は、炭素、窒素及び/又は水素(すなわちジュウテリウム又はトリチウム)の同位体が濃縮されることにより、天然存在度のアミノ基のアイソトポログでもあり得る。
【0045】
他に記載されない限り、反応性官能基(限定はされないが、カルボキシ、ヒドロキシ及びアミノ部分など)を含有する、本明細書で提供される化合物の調製に有用な中間体を含む本明細書で提供される化合物は、その保護誘導体も含む。「保護誘導体」は、反応部位(単数又は複数)が1つ又はそれ以上の保護基(遮断基としても知られている)で遮断された化合物である。カルボキシ部分に適した保護基には、ベンジル、t-ブチルなど、及びそのアイソトポログが含まれる。アミノ基及びアミド基に適した保護基には、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが含まれる。ヒドロキシに適した保護基には、ベンジルなどが含まれる。他の適切な保護基は、当業者によく知られている。保護基の選択及び使用並びに保護基を導入及び除去するための反応条件は、参照によりその全体が本明細書に援用されるGreene’s Protective Groups in Organic Synthesis,4th edition,John Wiley&Sons,New York,2007に記載されている。
【0046】
当技術分野で知られているアミノ保護基には、T.W.Green,Protective Groups in Organic Synthesisに詳細に記載されるものが含まれる。アミノ保護基には、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、C1~10アルキル(例えば、アラルキル基)、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリール及び5~14員ヘテロアリール基が含まれるが、これらに限定されず、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール及びヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4又は5つのRdd基で置換され;
Raaの各例は、独立して、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリール及び5~14員ヘテロアリールから選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4又は5つのRdd基で置換され;
Rbbの各例は、独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリール及び5~14員ヘテロアリールから選択されるか、又はN原子に結合した2つのRcc基が連結して、3~14員ヘテロシクリル若しくは5~14員ヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4又は5つのRdd基で置換される。
Rccの各例は、独立して、水素、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリール及び5~14員ヘテロアリールから選択されるか、又はN原子に結合した2つのRcc基が連結して、3~14員ヘテロシクリル若しくは5~14員ヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4又は5つのRdd基で置換される。
Rddの各例は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORee、-ON(Rff)2、-N(Rff)2、-N(Rff)3
+X-、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-CO2H、-CO2Ree、-OC(=O)Ree、-OCO2Ree、-C(=O)N(Rff)2、-OC(=O)N(Rff)2、-NRffC(=O)Ree、-NRffCO2Ree、-NRffC(=O)N(Rff)2、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff)2、-OC(=NRff)N(Rff)2、-NRffC(=NRff)N(Rff)2、-NRffSO2Ree、-SO2N(Rff)2、-SO2Ree、-SO2ORee、-OSO2Ree、-S(=O)Ree、-Si(Ree)3、-OSi(Ree)3、-C(=S)N(Rff)2、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)2Ree、-P(=O)(Ree)2、-OP(=O)(Ree)2、-OP(=O)(ORee)2、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリールから選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4若しくは5つのRgg基で置換されるか、又は2つのジェミナルRdd置換基が連結して、=O又は=Sを形成することができる。
Reeの各例は、独立して、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3~10員ヘテロシクリル及び3~10員ヘテロアリールから選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4又は5つのRgg基で置換され;
Rffの各例は、独立して、水素、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール及び5~10員ヘテロアリールから選択されるか、又はN原子に結合した2つのRff基が連結して、3~14員ヘテロシクリル若しくは5~14員ヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4又は5つのRgg基で置換され;及び
Rggの各例は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-OC1~6アルキル、-ON(C1~6アルキル)2、-N(C1~6アルキル)2、-N(C1~6アルキル)3X、-NH(C1~6アルキル)2X、-NH2(C1~6アルキル)X、-NH3X、-N(OC1~6アルキル)(C1~6アルキル)、-N(OH)(C1~6アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC1~6アルキル、-SS(C1~6アルキル)、-C(=O)(C1~6アルキル)、-CO2H、-CO2(C1~6アルキル)、-OC(=O)(C1~6アルキル)、-OCO2(C1~6アルキル)、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1~6アルキル)2、-OC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)C(=O)(C1~6アルキル)、-NHCO2(C1~6アルキル)、-NHC(=O)N(C1~6アルキル)2、-NHC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)NH2、-C(=NH)O(C1~6アルキル)、-OC(=NH)(C1~6アルキル)、-OC(=NH)OC1~6アルキル、-C(=NH)N(C1~6アルキル)2、-C(=NH)NH(C1~6アルキル)、-C(=NH)NH2、-OC(=NH)N(C1~6アルキル)2、-OC(NH)NH(C1~6アルキル)、-OC(NH)NH2、-NHC(NH)N(C1~6アルキル)2、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2(C1~6アルキル)、-SO2N(C1~6アルキル)2、-SO2NH(C1~6アルキル)、-SO2NH2、-SO2C1~6アルキル、-SO2OC1~6アルキル、-OSO2C1~6アルキル、-SOC1~6アルキル、-Si(C1~6アルキル)3、-OSi(C1~6アルキル)3-C(=S)N(C1~6アルキル)2、C(=S)NH(C1~6アルキル)、C(=S)NH2、-C(=O)S(C1~6アルキル)、-C(=S)SC1~6アルキル、-SC(=S)SC1~6アルキル、-P(=O)2(C1~6アルキル)、-P(=O)(C1~6アルキル)2、-OP(=O)(C1~6アルキル)2、-OP(=O)(OC1~6アルキル)2、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3~10員ヘテロシクリル、5~10員ヘテロアリールであるか;又は2つのジェミナルRgg置換基が連結して、=O若しくは=Sを形成することができ;
X-は、対イオンである。
【0047】
本明細書で使用される場合、「対イオン」は、電子的中性を維持するために、正に帯電した第4級アミンと会合する負に帯電した基である。例示的な対イオンとしては、ハロゲン化物イオン(例えば、F-、Cl-、Br-、I-)、NO3
-、ClO4
-、OH-、H2PO4
-、HSO4
-、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、10-カンファースルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホン酸、エタン-1-スルホン酸-2-スルホン酸など)及びカルボン酸イオン(例えば、酢酸、エタン酸、プロパン酸、安息香酸、グリセリン酸、乳酸、酒石酸、グリコール酸など)が挙げられる。対イオンには、キラル対イオンも含まれ、そのいくつかは、ラセミ混合物のキラル分割に有用であり得る。例示的なキラル対イオンとしては、(S)-(+)マンデル酸、(D)-(+)酒石酸、(+)2,3-ジベンゾイル-D-酒石酸、N-アセチル-L-ロイシン及びN-アセチル-L-フェニルアラニンが挙げられる。
【0048】
例えば、アミド基(例えば、-C(=O)Raa)などのアミノ保護基としては、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3-フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3-ピリジルカルボキサミド、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p-フェニルベンズアミド、o-ニトフェニルアセトアミド、o-ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’-ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3-(p-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3-(o-ニトロフェニル)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4-クロロブタンアミド、3-メチル-3-ニトロブタンアミド、o-ニトロシンアミド、N-アセチルメチオニン誘導体、o-ニトロベンズアミド及びo-(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
カルバメート基(例えば、-C(=O)ORaa)などのアミノ保護基には、メチルカルバメート、エチルカルバマンテ、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9-(2-スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9-(2,7-ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート、2,7-ジ-t-ブチル-[9-(10,10-ジオキソ-10,10,10,10-テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD-Tmoc)、4-メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2-フェニルエチルカルバメート(hZ)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1-ジメチル-2-ハロエチルカルバメート、1,1-ジメチル-2,2-ジブロモエチルカルバメート(DB-t-BOC)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1-メチル-1-(4-ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1-(3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-1-メチルエチルカルバメート(t-Bumeoc)、2-(2’-及び4’-ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2-(N,N-ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t-ブチルカルバメート(Boc)、1-アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1-イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4-ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8-キノリルカルバメート、N-ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p-メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p-ニトベンジルカルバメート、p-ブロモベンジルカルバメート、p-クロロベンジルカルバメート、2,4-ジクロロベンジルカルバメート、4-メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9-アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2-メチルチオエチルカルバメート、2-メチルスルホニルエチルカルバメート、2-(p-トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2-(1,3-ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4-メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4-ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2-ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2-トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1-ジメチル-2-シアノエチルカルバメート、m-クロロ-p-アシルオキシベンジルカルバメート、p-(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5-ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2-(トリフルオロメチル)-6-クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m-ニトロフェニルカルバメート、3,5-ジメトキシベンジルカルバメート、o-ニトロベンジルカルバメート、3,4-ジメトキシ-6-ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o-ニトロフェニル)メチルカルバメート、t-アミルカルバメート、S-ベンジルチオカルバメート、p-シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p-デシルオキシベンジルカルバメート、2,2-ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o-(N,N-ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1-ジメチル-3-(N,N-ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1-ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2-ピリジル)メチルカルバメート、2-フラニルメチルカルバメート、2-ヨードエチルカルバメート、イソボリンルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p-(p’-メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1-メチルシクロブチルカルバメート、1-メチルシクロヘキシルカルバメート、1-メチル-1-シクロプロピルメチルカルバメート、1-メチル-1-(3,5-ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-(p-フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-フェニルエチルカルバメート、1-メチル-1-(4-ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p-(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6-トリ-t-ブチルフェニルカルバメート、4-(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート及び2,4,6-トリメチルベンジルカルバメートが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
スルホンアミド基(例えば、-S(=O)2Raa)などのアミノ保護基には、p-トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,-トリメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6-ジメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6-テトラメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6-ジメトキシ-4-メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β-トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9-アントラセンスルホンアミド、4-(4’,8’-ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド及びフェナシルスルホンアミドが含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
他のアミノ保護基には、フェノチアジニル-(10)-カルボニ誘導体、N’-p-トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’-フェニルアミノチオカルボニル誘導体、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N-アセチルメチオニン誘導体、4,5-ジフェニル-3-オキサゾリン-2-オン、N-フタルイミド、N-ジチアスクシンイミド(Dts)、N-2,3-ジフェニルマレイミド、N-2,5-ジメチルピロール、N-1,1,4,4-テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5-置換1,3-ジメチル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、5-置換1,3-ジベンジル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、1-置換3,5-ジニトロ-4-ピリドン、N-メチルアミン、N-アリルアミン、N-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N-3-アセトキシプロピルアミン、N-(1-イソプロピル-4-ニトロ-2-オキソ-3-ピロオリン-3-イル)アミン、第4級アンモニウム塩、N-ベンジルアミン、N-ジ(4-メトキシフェニル)メチルアミン、N-5-ジベンゾスベリルアミン、N-トリフェニルメチルアミン(Tr)、N-[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N-9-フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N-2,7-ジクロロ-9-フルオレニルメチレンアミン、N-フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N-2-ピコリルアミノN’-オキシド、N-1,1-ジメチルチオメチレンアミン、N-ベンジリデンアミン、N-p-メトキシベンジリデンアミン、N-ジフェニルメチレンアミン、N-[(2-ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N-(N’,N’-ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’-イソプロピリデンジアミン、N-p-ニトロベンジリデンアミン、N-サリチリデンアミン、N-5-クロロサリチリデンアミン、N-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N-シクロヘキシリデンアミン、N-(5,5-ジメチル-3-オキソ-1-シクロヘキセニル)アミン、N-ボラン誘導体、N-ジフェニルボリン酸誘導体、N-[フェニル(ペンタカルボニルクロム-又はタングステン)カルボニル]アミン、N-銅キレート、N-亜鉛キレート、N-ニトロアミン、N-ニトロソアミン、アミンN-オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミダート、ジベンジルホスホルアミダート、ジフェニルホスホルアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o-ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4-ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2-ニトロ-4-メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド及び3-ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)が含まれるが、これらに限定されない。
【0052】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「ヒドロキシル保護基」という用語は、ヒドロキシル基における望ましくない反応を防止するのに適した保護基を指す。ヒドロキシル保護基の例としては、アリル、メチル、2-メトキシエトキシメチル(MEM)、メトキシメチル(MOM)、メトキシチオメチル、t-ブトキシメチル、トリ-イソプロピルシリルオキシメチル(TOM)、エチル、1-エトキシエチル、イソプロピル、t-ブチル、ベンジル、トリチル(Tr)、ジメトキシトリチル(DMT)、モノメトキシトリチル(MMT)、p-メトキシベンジル(PMB)、アセチル、クロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、ピバロイル(Piv)、ベンゾイル、p-フェニルベンゾイル、トリメチルシリル(TMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)及びテトラヒドロピラニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヒドロキシル保護基の付加的な例は、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis,4th edition,John Wiley&Sons,New York,2007に記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0053】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、基又は試薬についての頭字語又は記号は、以下の定義を有する:HPLC=高速液体クロマトグラフィ;THF=テトラヒドロフラン;CH3CN=アセトニトリル;HOAc=酢酸;DCM=ジクロロメタン;IPA=イソプロピルアルコール;MTBE=メチルtert-ブチルエーテル、CPME=シクロペンチルメチルエーテル;DMF=ジメチルホルムアミド;NMP=N-メチル-2-ピロリドン;EtOAc=酢酸エチル;MsCl=塩化メシル;DIEA=ジイソプロピルエチルアミン;TEA=トリエチルアミン。
【0054】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「置換された」又は「置換」という用語は、化学構造又は部分を記述するために使用される場合、限定はされないが、アルキル、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキル;アルコキシアルキル;アロイル;ハロ;ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル);ヘテロシクロアルキル;ハロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ);ヒドロキシ;アルコキシ;シクロアルキルオキシ;ヘテロシロオキシ;オキソ;アルカノイル;アリール;ヘテロアリール(例えば、インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル及びピリミジル);アリールアルキル;アルキルアリール;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;アルキルヘテロアリール;ヘテロシクロ;ヘテロシクロアルキル-アルキル;アリールオキシ、アルカノイルオキシ;アミノ;アルキルアミノ;アリールアミノ;アリールアルキルアミノ;シクロアルキルアミノ;ヘテロシクロアミノ;一置換及び二置換アミノ;アルカノイルアミノ;アロイルアミノ;アラルカノイルアミノ;アミノアルキル;カルバミル(例えば、CONH2);置換カルバミル(例えば、CONH-アルキル、CONH-アリール、CONH-アリールアルキル又は窒素上に2つの置換基がある場合);カルボニル;アルコキシカルボニル;カルボキシ;シアノ;エステル;エーテル;グアニジノ;ニトロ;スルホニル;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;アリールアルキルスルホニル;スルホンアミド(例えば、SO2NH2);置換スルホンアミド;チオール;アルキルチオ;アリールチオ;アリールアルキルチオ;シクロアルキルチオ;ヘテロシクロチオ;アルキルチオノ;アリールチオノ;及びアリールアルキルチオノなどの置換基によってその水素原子の1つ又はそれ以上が置換された、その構造又は部分の誘導体を指す。いくつかの実施形態では、置換基は、それ自体、限定はされないが、本明細書に記載されるものなどの1つ又はそれ以上の化学部分で置換され得る。
【0055】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「約」及び「およそ」という用語は、与えられた値が近似値であることを明記するために使用される。例えば、「約」という用語は、反応温度に関連して使用される場合、表示される温度には、30%、25%、20%、15%、10%又は5%以内の温度偏差が包含されることを示す。同様に、「約」という用語は、反応時間に関連して使用される場合、表示される期間には、30%、25%、20%、15%、10%又は5%以内の期間偏差が包含されることを示す。
【0056】
本明細書で使用される場合且つ他に規定されない限り、「約」及び「およそ」という用語は、特定の固体形態を特徴付けるために提供される数値又は値の範囲、例えば具体的な温度又は温度範囲、例えば融解温度、脱水温度、脱溶媒和温度又はガラス転移温度を記述するものなど;質量変化、例えば温度又は湿度の関数としての質量変化など;例えば質量又は百分率における溶媒若しくは含水量;又はピーク位置、例えばIR若しくはラマン分光法又はXRPDによる分析におけるものなどに関連して使用される場合、その値又は値の範囲は、当業者にとって合理的であるとみなされる程度まで逸脱する可能性があるが、それでも特定の固体形態を記述し得ることを示す。例えば、特定の実施形態では、「約」及び「およそ」という用語は、これに関連して使用される場合、数値又は値の範囲が、記載される値又は値の範囲の25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%又は0.25%以内で変動し得ることを示す。例えば、いくつかの実施形態では、XRPDピーク位置の値は、最大±0.2度2θで変動し得るが、それでも特定のXRPDピークを記述する。一実施形態では、XRPDピーク位置の値は、最大±0.1度2θで変動し得る。本明細書で使用される場合、数値又は値の範囲の前に記載のチルダ(すなわち「~」)は、「約」又は「およそ」を示す。
【0057】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「水素化」という用語は、不飽和結合に水素原子を付加する化学方法を指す。
【0058】
本明細書で使用される場合且つ他に記載されない限り、「アイソトポログ」は、同位体的に濃縮された化合物である。「同位体的に濃縮された」という用語は、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する原子を指す。「同位体的に濃縮された」は、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する少なくとも1つの原子を含有する化合物も指し得る。「同位体組成」という用語は、所与の原子について存在する各同位体の量を指し、「天然の同位体組成」は、所与の原子について天然に存在する同位体組成又は存在量を指す。
【0059】
本開示は、非限定的な実施形態を例示することが意図される以下の詳細な説明及び例示的な実施例を参照することによってより詳細に理解することができる。
【0060】
本明細書で提供されるほとんどの実施形態及び実施例は、化合物の(S)-鏡像異性体に関するが、キラル反応物、試薬、溶媒、触媒又は配位子などの立体化学を反転させる場合、提供される方法により、化合物の対応する(R)-鏡像異性体を調製可能であることは理解されるべきである。
【0061】
6.2 方法
いくつかの実施形態では、本明細書には、式(I):
【化6】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを調製するための方法であって、
(ステップ1.0)式(II):
【化7】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを環化させて、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを提供するステップと、
(ステップ1.1)任意選択的に、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを化合物の塩に変換するステップと
を含む方法が提供される。
【0062】
いくつかの実施形態では、ステップ1.0は、酸の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ1.0は、無機酸の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ1.0は、塩酸、硫酸、硝酸又はリン酸の存在下で行われる。一実施形態では、ステップ1.0は、塩酸の存在下で行われる。
【0063】
いくつかの実施形態では、ステップ1.0は、有機酸の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ1.0は、RbCOOH(式中、Rbは、水素、置換若しくは非置換C1~10アルキル、置換若しくは非置換C1~10ハロアルキル又は置換若しくは非置換C5~14アリールである)の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ1.0は、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸又は安息香酸の存在下で行われる。
【0064】
いくつかの実施形態では、ステップ1.0は、RbSO3H(式中、Rbは、水素、置換若しくは非置換C1~10アルキル、置換若しくは非置換C1~10ハロアルキル又は置換若しくは非置換C5~14アリールである)の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ1.0は、スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、メタンスルホン酸又はトリフルオロメタンスルホン酸の存在下で行われる。一実施形態では、ステップ1.0は、ベンゼンスルホン酸の存在下で行われる。
【0065】
いくつかの実施形態では、ステップ1.0で調製される式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、式(I)の化合物の塩である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の塩は、その窒素原子の1つ又はそれ以上のプロトン化によって生じ得る。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の塩は、式(I)の化合物の塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、スルホン酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩、カンファースルホン酸塩、メシル酸塩又はトリフル酸塩であり得る。一実施形態では、式(I)の化合物のベシル酸塩は、ステップ1.0で調製される。一実施形態では、ベシル酸塩は、ビスベシル酸塩である。
【0066】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物と酸とのモル比は、約1:4~約1:7である。一実施形態では、式(II)の化合物と酸とのモル比は、約1:5.5である。
【0067】
ステップ1.0は、環化反応に適した溶媒中で行われ得る。いくつかの実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グリム、ジグリム、ジメチルアセトアミド若しくはN-メチル-2-ピロリドン又はこれらの混合物である。一実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。別の実施形態では、溶媒は、アセトニトリル及びメチルtert-ブチルエーテルの混合物である。さらに別の実施形態では、溶媒は、アセトニトリル及び酢酸イソプロピルの混合物である。またさらに別の実施形態では、溶媒は、アセトニトリル、メチルテトラヒドロフランと、任意選択的に水との混合物である。
【0068】
いくつかの実施形態では、化学量論量の水のみが添加される。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物と水とのモル比は、約1:1~約1:3である。一実施形態では、式(II)の化合物と水とのモル比は、1:2である。
【0069】
ステップ1.0は、環化反応に適した反応温度で行われ得る。いくつかの実施形態では、反応温度は、約20℃~約100℃である。いくつかの実施形態では、ステップ1.0は、溶媒の還流温度で行われる。一実施形態では、反応温度は、約55℃である。
【0070】
いくつかの実施形態では、ステップ1.0の反応時間は、約10時間~約20時間である。一実施形態では、反応時間は、約16時間である。
【0071】
一実施形態では、ステップ1.0は、ベンゼンスルホン酸の存在下で行われ、溶媒は、アセトニトリル及びメチルテトラヒドロフランの混合物であり、式(I)の化合物のビスベシル酸塩が調製される。
【0072】
いくつかの実施形態では、ステップ1.1において、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、化合物の異なる塩に変換される。一実施形態では、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、化合物の塩酸塩に変換される。
【0073】
いくつかの実施形態では、ステップ1.1において、式(I)の化合物の塩は、塩基性水溶液と接触され、これは、続いて、酸性化される。いくつかの実施形態では、塩基性水溶液は、重炭酸塩溶液からなる。いくつかの実施形態では、酸性化は、塩酸又はその溶液を添加することを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、ステップ1.1は、水溶液及び有機溶媒を含む二相混合物中で行われる。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グリム、ジグリム、ジメチルアセトアミド若しくはN-メチル-2-ピロリドン又はこれらの混合物である。一実施形態では、有機溶媒は、メチルテトラヒドロフランである。別の実施形態では、有機溶媒は、酢酸エチル又はイソプロピルアルコールの混合物である。
【0075】
いくつかの実施形態では、ステップ1.1は、約0℃~約25℃の反応温度で行われる。一実施形態では、反応温度は、約15℃である。
【0076】
ステップ1.1の一実施形態では、式(I)の化合物のビスベシル酸塩は、式(I)の化合物の塩酸塩に変換される。一実施形態では、ビスベシル酸塩(例えば、酢酸エチル又はイソプロピルアルコールの混合物の溶媒中)は、重炭酸カリウム水溶液の添加によって中和又は塩基性化され、次に塩酸の添加によって酸性化されて塩酸塩を提供する。一実施形態では、塩酸塩は、さらなる湿式粉砕及び/又は共粉砕を受ける。
【0077】
いくつかの実施形態では、本明細書には、式(II)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを調製するための方法であって、
(ステップ2.a)式(II-A):
【化8】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン又はその塩と反応させるステップ
を含む方法が提供される。
【0078】
いくつかの実施形態では、ステップ2.aの出発材料の1つとして、4-(アゼチジン-3-イル)モルホリンの塩が使用される。一実施形態では、4-(アゼチジン-3-イル)モルホリンの塩酸塩が使用される。
【0079】
いくつかの実施形態では、式(II-A)の化合物と4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン又はその塩とのモル比は、約2:1~約1:2である。一実施形態では、式(II-A)の化合物と、4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン又はその塩とのモル比は、約1:1である。
【0080】
いくつかの実施形態では、ステップ2.aは、塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ2.aは、窒素含有塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ2.aは、NH4OH、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、ピリジン、ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)の存在下で行われる。一実施形態では、塩基は、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)である。
【0081】
いくつかの実施形態では、式(II-A)の化合物と塩基とのモル比は、約1:2~約1:4である。一実施形態では、式(II-A)の化合物と塩基とのモル比は、約1:3である。
【0082】
ステップ2.aは、反応に適した溶媒中で行われ得る。一実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。
【0083】
いくつかの実施形態では、ステップ2.aは、約0℃~約40℃の反応温度で行われる。一実施形態では、反応温度は、約30℃である。
【0084】
いくつかの実施形態では、ステップ2.aは、約8時間~約24時間の反応時間で行われる。一実施形態では、反応時間は、約16時間である。
【0085】
一実施形態では、式(II-A)の化合物は、塩基としてジイソプロピルエチルアミンの存在下で4-(アゼチジン-3-イル)モルホリンの塩酸塩と反応され、式(II-A)の化合物と4-(アゼチジン-3-イル)モルホリンとのモル比は、約1:1であり、式(II-A)の化合物と塩基とのモル比は、約1:3であり、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一実施形態では、反応温度は、約30℃であり、反応時間は、約16時間である。一実施形態では、式(II)の化合物は、酢酸エチル中での選択抽出と、その後のシリカゲルを用いたクロマトグラフ分離とによって精製される。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書には、式(II-A)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログの調製のための方法であって、
(ステップ2.b)式(II-B):
【化9】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを塩素化するステップ
を含む方法が提供される。
【0087】
ステップ2.bは、塩素化に適した任意の塩素化試薬の存在下で行われ得る。いくつかの実施形態では、塩素化試薬は、塩化チオニル、塩化オキサリル、三塩化リン又は塩化メシル(MsCl)である。一実施形態では、塩素化試薬は、塩化メシル(MsCl)である。
【0088】
いくつかの実施形態では、式(II-B)の化合物と塩素化試薬とのモル比は、約1:1~約1:3である。一実施形態では、式(II-B)の化合物と塩素化試薬とのモル比は、約1:2である。
【0089】
いくつかの実施形態では、ステップ2.b.は、塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ2.bは、窒素含有塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、塩基は、NH4OH、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)である。一実施形態では、塩基は、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)である。
【0090】
いくつかの実施形態では、式(II-B)の化合物と塩基とのモル比は、約1:2~約1:4である。一実施形態では、式(II-B)の化合物と塩基とのモル比は、約1:3である。
【0091】
ステップ2.bは、反応に適した溶媒中で行われ得る。一実施形態では、溶媒は、N-メチル-2-ピロリドンである。
【0092】
いくつかの実施形態では、ステップ2.bは、約-5℃~約40℃の反応温度で行われる。一実施形態では、反応温度は、約30℃である。
【0093】
いくつかの実施形態では、ステップ2.bは、約6時間~約24時間の反応時間で行われる。一実施形態では、反応時間は、約12時間である。
【0094】
一実施形態では、式(II-B)の化合物は、塩基としてジイソプロピルエチルアミンの存在下で塩化メシルと反応され、式(II-B)の化合物と塩化メシルとのモル比は、約1:2であり、式(II-B)の化合物と塩基とのモル比は、約1:3であり、溶媒は、N-メチル-2-ピロリドンである。一実施形態では、反応温度は、約30℃であり、反応時間は、約12時間である。一実施形態では、式(II-A)の化合物は、メチルtert-ブチルエーテル中での選択抽出と、その後のシリカゲルを用いたクロマトグラフ分離とによって精製される。
【0095】
いくつかの実施形態では、本明細書には、式(II-B)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログの調製のための方法であって、
(ステップ2.c)式(V):
【化10】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンズアルデヒドと反応させるステップ
を含む方法が提供される。
【0096】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物と2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンズアルデヒドとのモル比は、約1:1~約1:2である。一実施形態では、式(V)の化合物と、2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンズアルデヒドとのモル比は、約1:1.3である。
【0097】
いくつかの実施形態では、ステップ2.cは、還元剤の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、還元剤は、水素化ホウ素試薬である。いくつかの実施形態では、水素化ホウ素試薬は、水素化ホウ素ナトリウム、トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムである。一実施形態では、水素化ホウ素試薬は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0098】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物と還元剤とのモル比は、約1:1~約1:3である。一実施形態では、式(V)の化合物と還元剤とのモル比は、約1:1.5である。
【0099】
いくつかの実施形態では、ステップ2.cは、触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ2.cは、酸触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ2.cは、ルイス酸触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ルイス酸触媒は、チタンテトラ(イソプロポキシド)又は二塩化亜鉛である。他の実施形態では、ステップ2.cは、ブレンステッド酸触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ブレンステッド酸触媒は、有機酸である。いくつかの実施形態では、有機酸は、RbCOOH形態のカルボン酸であり、Rbは、水素、置換若しくは非置換C1~10アルキル、置換若しくは非置換C1~10ハロアルキル又は置換若しくは非置換C5~14アリールである。いくつかの実施形態では、ブレンステッド酸触媒は、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸又は安息香酸である。一実施形態では、ステップ2.cは、トリフルオロ酢酸の存在下で行われる。
【0100】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物と触媒とのモル比は、約1:4~約1:6である。一実施形態では、式(V)の化合物と触媒とのモル比は、約1:5である。
【0101】
ステップ2.cは、反応に適した溶媒中で行われ得る。一実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。
【0102】
いくつかの実施形態では、ステップ2.cは、約-5℃~約40℃の反応温度で行われる。一実施形態では、反応温度は、約30℃である。
【0103】
いくつかの実施形態では、ステップ2.cは、約0.5時間~約5時間の反応時間で行われる。一実施形態では、反応時間は、約2.5時間である。
【0104】
一実施形態では、式(V)の化合物は、触媒としてトリフルオロ酢酸の存在下で2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンズアルデヒド及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムと反応され、式(V)の化合物と2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンズアルデヒドとのモル比は、約1:1.3であり、式(V)の化合物とシアノ水素化ホウ素ナトリウムとのモル比は、約1:1.5であり、式(V)の化合物とトリフルオロ酢酸とのモル比は、約1:5であり、溶媒は、ジクロロメタンである。一実施形態では、反応温度は、約30℃であり、反応時間は、約2.5時間である。一実施形態では、式(II-B)の化合物は、メタノールによるクエンチングと、その後のシリカゲルを用いたクロマトグラフ分離とによって精製される。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書には、式(II)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログの調製のための方法であって、
(ステップ2.0)式(III):
【化11】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログを、式(V):
【化12】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログと反応させるステップ
を含む方法が提供される。
【0106】
いくつかの実施形態では、ステップ2.0において式(III)の化合物の塩が使用される。一実施形態では、塩は、塩酸塩である。一実施形態では、塩は、シュウ酸塩である。一実施形態では、塩は、ビスシュウ酸塩である。一実施形態では、塩は、ビス塩酸塩である。
【0107】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物と式(III)の化合物とのモル比は、約1:1~約1:2である。一実施形態では、式(V)の化合物と式(III)の化合物とのモル比は、約1:1.2である。
【0108】
いくつかの実施形態では、ステップ2.0は、還元剤の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、還元剤は、水素化ホウ素試薬である。いくつかの実施形態では、水素化ホウ素試薬は、水素化ホウ素ナトリウム、トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムである。一実施形態では、水素化ホウ素試薬は、トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウムである。
【0109】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物と還元剤とのモル比は、約1:1~約1:2である。一実施形態では、式(V)の化合物と還元剤とのモル比は、約1:1.5である。
【0110】
いくつかの実施形態では、ステップ2.0は、触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ2.0は、酸触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ2.0は、ルイス酸触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ルイス酸触媒は、チタンテトラ(イソプロポキシド)又は二塩化亜鉛である。他の実施形態では、ステップ2.0は、ブレンステッド酸触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ブレンステッド酸触媒は、有機酸である。いくつかの実施形態では、有機酸は、RbCOOH形態のカルボン酸であり、Rbは、水素、置換若しくは非置換C1~10アルキル、置換若しくは非置換C1~10ハロアルキル又は置換若しくは非置換C5~14アリールである。いくつかの実施形態では、ブレンステッド酸触媒は、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸又は安息香酸である。一実施形態では、ステップ2.0は、トリフルオロ酢酸の存在下で行われる。
【0111】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物と触媒とのモル比は、約1:1~約1:5である。一実施形態では、式(V)の化合物と触媒とのモル比は、約1:3である。
【0112】
ステップ2.0は、反応に適した溶媒中で行われ得る。一実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。
【0113】
一実施形態では、式(V)の化合物は、触媒としてトリフルオロ酢酸の存在下で式(III)の化合物のビス塩酸塩及びトリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウムと反応され、式(V)の化合物と式(III)の化合物とのモル比は、約1:1.2である。
【0114】
1つの例示的な実施形態では、式(V)の化合物は、触媒としてトリフルオロ酢酸の存在下で式(III)の化合物のビスシュウ酸塩及びトリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウムと反応され、式(V)の化合物と式(III)の化合物とのモル比は、約1:1.2である。
【0115】
いくつかの実施形態では、本明細書には、式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログの調製のための方法であって、
(ステップ3.0)式(IV):
【化13】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログをホルムアルデヒド源と反応させるステップ
を含む方法が提供される。
【0116】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物の塩は、まず式(IV)の化合物の遊離塩基形態に変換された後、ホルムアルデヒド源と反応される。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物の遊離塩基形態は、式(IV)の化合物の塩を塩基性水溶液及び任意選択的に有機溶媒と接触させることによって形成される。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物の遊離塩基形態は、式(IV)の化合物の塩を塩基性水溶液と接触させることによってその場で形成され、次に単離することなくホルムアルデヒド源と反応される。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物の遊離塩基形態は、ホルムアルデヒド源との反応前に精製及び/又は単離される。いくつかの実施形態では、塩基性水溶液は、水酸化ナトリウム水溶液である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物と水酸化ナトリウムとのモル比は、約1:2.8である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルである。
【0117】
一実施形態では、式(IV)の化合物の塩は、メタンスルホン酸塩である。一実施形態では、塩は、ビスメタンスルホン酸塩である。
【0118】
ステップ3.0は、反応に適した任意のホルムアルデヒド源の存在下で行われ得る。いくつかの実施形態では、ホルムアルデヒド源は、パラホルムアルデヒド、1,3,5-トリオキサン又はジメチルホルムアミド(DMF)である。一実施形態では、ホルムアルデヒド源は、ジメチルホルムアミド(DMF)である。
【0119】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物とホルムアルデヒド源とのモル比は、約1:1~約1:3である。一実施形態では、式(IV)の化合物とホルムアルデヒド源とのモル比は、約1:1.9である。
【0120】
いくつかの実施形態では、ステップ3.0は、有機金属試薬の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ3.0は、有機リチウム、有機マグネシウム又は有機亜鉛試薬の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ3.0は、有機マグネシウム試薬の存在下で行われる。一実施形態では、有機マグネシウム試薬は、iPrMgCl・LiClである。
【0121】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物と有機金属試薬とのモル比は、約1:1~約1:2である。一実施形態では、式(IV)の化合物と有機金属試薬とのモル比は、約1:1.6である。
【0122】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、ステップ3.0において有機金属試薬に変換される。いくつかの実施形態では、有機金属試薬は、その場で形成されるか又はそれから単離される。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、有機リチウム、有機マグネシウム又は有機亜鉛試薬に変換される。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、有機マグネシウム試薬に変換される。いくつかの実施形態では、有機マグネシウム試薬は、式(IV)の化合物をマグネシウム金属の一種及び任意選択的に触媒と接触させることによって形成される。別の実施形態では、有機マグネシウム試薬は、式(IV)の化合物をiPrMgCl・LiClと接触させることによって形成される。
【0123】
ステップ3.0は、反応に適した溶媒中で行われ得る。一実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)若しくはジメチルホルムアミド(DMF)又はこれらの混合物である。別の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。
【0124】
いくつかの実施形態では、ステップ3.0は、約-30~約10℃の反応温度で行われる。一実施形態では、反応温度は、約-20℃である。
【0125】
いくつかの実施形態では、ステップ3.0で形成された式(III)の化合物は、化合物の塩に変換される。一実施形態では、塩は、塩酸塩である。一実施形態では、塩は、ビス塩酸塩である。いくつかの実施形態では、塩は、式(III)の化合物を塩酸と反応させることによって形成される。一実施形態では、式(III)の化合物は、メチルテトラヒドロフラン、イソプロピルアルコール(IPA)及び水の混合物の溶媒中で塩酸と反応される。
【0126】
いくつかの実施形態では、方法は、
(ステップ3.a)ステップ3.0で調製された式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログをNa
2S
2O
5と反応させて、式:
【化14】
のスルホン酸ナトリウム化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログを提供するステップと、
(ステップ3.b)スルホン酸ナトリウム化合物を式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログに変換するステップと
をさらに含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物の遊離塩基形態は、ステップ3.0から単離され、次にステップ3.aにおいてNa2S2O5と反応される。いくつかの実施形態では、Na2S2O5は、プロトン性溶媒中の溶液として添加される。一実施形態では、Na2S2O5は、エタノール若しくは水又はこれらの組合せ中の溶液として添加される。他の実施形態では、Na2S2O5は、固体として添加される。
【0128】
いくつかの実施形態では、ステップ3.bは、塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ3.bは、アルカリ金属塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、塩基は、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩又はリン酸二水素塩である。いくつかの実施形態では、塩基は、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaHCO3、KHCO3、Na3PO4、K3PO4、Na2HPO4、K2HPO4、NaH2PO4又はKH2PO4である。一実施形態では、塩基は、炭酸ナトリウム(Na2CO3)である。
【0129】
ステップ3.bは、反応に適した溶媒中で行われ得る。一実施形態では、溶媒は、酢酸エチル(EtOAc)若しくは水又はこれらの混合物の混合物である。
【0130】
いくつかの実施形態では、ステップ3.bで形成された式(III)の化合物は、化合物の塩に変換される。一実施形態では、塩は、シュウ酸塩である。一実施形態では、塩は、ビスシュウ酸塩である。いくつかの実施形態では、塩は、式(III)の化合物をシュウ酸と反応させることによって形成される。一実施形態では、式(III)の化合物は、イソプロピルアルコール(IPA)若しくは水又はこれらの混合物の溶媒中でシュウ酸と反応される。
【0131】
一実施形態では、式(IV)の化合物は、テトラヒドロフランの溶媒中、iPrMgCl・LiClの存在下でジメチルホルムアミドと反応され;式(III)の化合物の遊離塩基形態が単離され;エタノール及び水中のNa2S2O5の溶液が次に添加され;次に酢酸エチル及び水の混合物の溶媒中でスルホン酸ナトリウム化合物が炭酸ナトリウムと反応される。一実施形態では、式(III)の化合物は、イソプロピルアルコール(IPA)及び水の混合物の溶媒中で式(III)の化合物をシュウ酸で処理することによってビスシュウ酸塩に変換される。
【0132】
いくつかの実施形態では、本明細書には、式(IV)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログの調製のための方法であって、
(ステップ4.0)4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン又はその塩を4-ブロモ-3-フルオロベンズアルデヒドと反応させるステップ
を含む方法が提供される。
【0133】
いくつかの実施形態では、ステップ4.0において4-(アゼチジン-3-イル)モルホリンの塩が使用される。一実施形態では、4-(アゼチジン-3-イル)モルホリンの塩酸塩が使用される。一実施形態では、4-ブロモ-3-フルオロベンズアルデヒドと4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン塩酸塩とのモル比は、約1:1である。
【0134】
いくつかの実施形態では、ステップ4.0は、還元剤の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、還元剤は、水素化ホウ素試薬である。いくつかの実施形態では、水素化ホウ素試薬は、水素化ホウ素ナトリウム、トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムである。一実施形態では、水素化ホウ素試薬は、トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウムである。一実施形態では、4-ブロモ-3-フルオロベンズアルデヒドとトリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウムとのモル比は、約1:1.7である。
【0135】
いくつかの実施形態では、ステップ4.0は、触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ4.0は、酸触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ4.0は、ルイス酸触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ルイス酸触媒は、チタンテトラ(イソプロポキシド)又は二塩化亜鉛である。他の実施形態では、ステップ4.0は、ブレンステッド酸触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、ブレンステッド酸触媒は、有機酸である。いくつかの実施形態では、ブレンステッド酸触媒は、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸又は安息香酸である。一実施形態では、4-(アゼチジン-3-イル)モルホリンの塩酸塩は、酸源である。
【0136】
ステップ4.0は、反応に適した溶媒中で行われ得る。一実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。
【0137】
いくつかの実施形態では、ステップ4.0で形成された式(IV)の化合物は、化合物の塩に変換される。一実施形態では、塩は、クエン酸塩である。一実施形態では、塩は、クエン酸であり、ビスクエン酸塩である。一実施形態では、塩は、メタンスルホン酸塩である。一実施形態では、メタンスルホン酸塩は、ビスメタンスルホン酸塩である。一実施形態では、式(IV)の化合物のクエン酸塩は、ステップ4.0において式(IV)の化合物のメタンスルホン酸塩に変換される。
【0138】
いくつかの実施形態では、ステップ4.0において、式(IV)の化合物のクエン酸塩は、式(IV)の化合物をクエン酸と反応させることによって形成される。一実施形態では、式(IV)の化合物は、シクロペンチルメチルエーテルの溶媒中でクエン酸と反応される。
【0139】
いくつかの実施形態では、ステップ4.0において、式(IV)の化合物のメタンスルホン酸塩は、式(IV)の化合物のクエン酸塩を塩基性水溶液で処理し、その後、メタンスルホン酸により酸性化することによって形成される。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物のクエン酸塩は、任意選択的にシクロペンチルメチルエーテルの溶媒の存在下において水酸化ナトリウムの水溶液で処理される。いくつかの実施形態では、メタンスルホン酸による酸性化は、メタノール若しくはシクロペンチルメチルエーテル又はこれらの混合物の溶媒の存在下で行われる。
【0140】
一実施形態では、4-ブロモ-3-フルオロベンズアルデヒドは、4-(アゼチジン-3-イル)モルホリンの塩酸塩及びトリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウムと反応され;及び式(IV)の化合物は、任意選択的に、まず化合物のクエン酸塩に変換された後、クエン酸塩が化合物のメタンスルホン酸塩に変換される。
【0141】
いくつかの実施形態では、本明細書には、式(V)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログの調製のための方法であって、
(ステップ5.0)式(VI):
【化15】
の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを還元するステップ
を含む方法が提供される。
【0142】
いくつかの実施形態では、ステップ5.0は、水素化条件下で行われる。一実施形態では、水素化は、水素ガスの存在下で行われる。他の実施形態では、水素化は、移動水素化条件下で行われる。いくつかの実施形態では、移動水素化条件は、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、ギ酸又はギ酸アンモニウムを含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、ステップ5.0は、炭素、アルミナ、アルカリ土類炭酸塩、クレイ、セラミック又はセライトを含む種々の担体上のパラジウム、白金、ロジウム又はルテニウム触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、水素化は、パラジウム触媒の存在下で行われる。一実施形態では、触媒は、パラジウム炭素(Pd/C)である。
【0144】
ステップ5.0は、反応に適した溶媒中で行われ得る。一実施形態では、溶媒は、イソプロピルアルコール(IPA)である。
【0145】
1つの例示的な実施形態では、式(VI)の化合物は、触媒としてパラジウム炭素の存在下で水素ガスと反応される。
【0146】
いくつかの実施形態では、本明細書には、式(VI)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログの調製のための方法であって、
(ステップ6.0)式:
【化16】
の(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアート又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを3-ニトロフタル酸無水物と反応させるステップ
を含む方法が提供される。
【0147】
いくつかの実施形態では、ステップ6.0において(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアートの塩が使用される。一実施形態では、(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアートの塩酸塩が使用される。
【0148】
いくつかの実施形態では、ステップ6.0は、塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、塩基は、窒素含有塩基である。いくつかの実施形態では、塩基は、NH4OH、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、ピリジン、ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)である。一実施形態では、塩基は、ルチジンである。一実施形態では、ルチジンは、2,3-ルチジン、2,4-ルチジン、2,5-ルチジン、2,6-ルチジン、3,4-ルチジン若しくは3,5-ルチジン又はこれらの混合物である。
【0149】
いくつかの実施形態では、ステップ6.0は、活性化試薬の存在下で行われる。一実施形態では、活性化試薬は、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)である。
【0150】
ステップ6.0は、反応に適した溶媒中で行われ得る。一実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸エチル(EtOAc)及びメチルテトラヒドロフランの混合物である。
【0151】
一実施形態では、(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアートの塩酸塩は、塩基としてのルチジンと、活性化試薬としての1,1’-カルボニルジイミダゾールとの存在下で3-ニトロフタル酸無水物と反応される。
【0152】
いくつかの実施形態では、本明細書には、式(VI)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログの調製のための方法であって、
(ステップ6.a)式:
【化17】
の(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアート又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを、式:
【化18】
のエチル4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-カルボキシラートと反応させるステップ
を含む方法が提供される。
【0153】
いくつかの実施形態では、ステップ6.aにおいて、(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアートの塩が使用される。一実施形態では、(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアートの塩酸塩が使用される。
【0154】
いくつかの実施形態では、(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアートと、エチル4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-カルボキシラートとのモル比は、約1:2~2:1である。一実施形態では、(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアートと、エチル4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-カルボキシラートとのモル比は、約1:1である。
【0155】
いくつかの実施形態では、ステップ6.aは、塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、塩基は、窒素含有塩基である。いくつかの実施形態では、塩基は、NH4OH、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、ピリジン、ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)である。一実施形態では、塩基は、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)である。
【0156】
いくつかの実施形態では、(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアートと塩基とのモル比は、約1:1~1:2である。一実施形態では、(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアートと塩基とのモル比は、約1:1.4である。
【0157】
ステップ6.aは、反応に適した溶媒中で行われ得る。一実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。
【0158】
いくつかの実施形態では、ステップ6.aは、約60℃~約80℃の反応温度で行われる。一実施形態では、反応温度は、約68℃である。
【0159】
いくつかの実施形態では、ステップ6.aは、約6時間~約18時間の反応時間で行われる。一実施形態では、反応時間は、約10時間である。
【0160】
1つの例示的な実施形態では、(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアートは、塩基としてジイソプロピルエチルアミンの存在下でエチル4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-カルボキシラートと反応され、(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアートとエチル4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-カルボキシラートとのモル比は、約1:1であり、(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアートとジイソプロピルエチルアミンとのモル比は、約1:1.4であり、溶媒は、テトラヒドロフランである。一実施形態では、反応温度は、約68℃であり、反応時間は、約10時間である。一実施形態では、式(VI)の化合物は、メチルtert-ブチルエーテルによる沈殿、ジクロロメタン中への抽出並びにヘキサン及び酢酸エチルの混合物によるトリチュレーションによって精製される。
【0161】
いくつかの実施形態では、本明細書には、エチル4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-カルボキシラートの調製のための方法であって、
(ステップ6.b)4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオンをクロロギ酸エチルと反応させるステップ
を含む方法が提供される。
【0162】
いくつかの実施形態では、4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオンとクロロギ酸エチルとのモル比は、約2:1~約1:2である。一実施形態では、4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオンとクロロギ酸エチルとのモル比は、約1:1.25である。
【0163】
いくつかの実施形態では、ステップ6.bは、塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、塩基は、窒素含有塩基である。いくつかの実施形態では、塩基は、NH4OH、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、ピリジン、ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)である。一実施形態では、塩基は、トリメチルアミン(TEA)である。
【0164】
いくつかの実施形態では、4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオンと塩基とのモル比は、約1:1~約1:2である。一実施形態では、4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオンと塩基とのモル比は、約1:1.13である。
【0165】
ステップ6.bは、反応に適した溶媒中で行われ得る。一実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一実施形態では、ジメチルホルムアミドは、無水である。
【0166】
いくつかの実施形態では、ステップ6.bは、約0℃~約30℃の反応温度で行われる。一実施形態では、反応温度は、約22℃である。
【0167】
いくつかの実施形態では、ステップ6.bは、約6時間~約18時間の反応時間で行われる。一実施形態では、反応時間は、約10時間である。
【0168】
一実施形態では、4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオンは、塩基としてジイソプロピルエチルアミンの存在下でクロロギ酸エチルと反応され、4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオンとクロロギ酸エチルとのモル比は、約1:1.25であり、4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオンとジイソプロピルエチルアミンとのモル比は、約1:1.13であり、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一実施形態では、反応温度は、約22℃であり、反応時間は、約10時間である。一実施形態では、4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-カルボキシラートは、任意選択的に、濾過と、その後の酢酸エチル中への選択抽出とによって精製される。
【0169】
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、経路全体を通して、1つ又はそれ以上の中間体及び/又は生成物のキラル純度の改善をもたらす。
【0170】
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、経路全体を通して、1つ又はそれ以上の中間体及び/又は生成物の不純物プロファイルの改善をもたらす。
【0171】
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、経路全体を通して、1つ又はそれ以上の中間体及び/又は生成物のより収束的な合成をもたらす。
【0172】
上記の実施形態の組合せの全てが本発明によって包含される。
【0173】
一実施形態では、本明細書には、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログの調製のための方法であって、
(ステップ1.0)式(II)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを環化させて、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを提供するステップと、
(ステップ1.1)任意選択的に、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを化合物の塩に変換するステップと
を含む方法が提供され、式(II)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、
(ステップ2.0)式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログを式(V)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログと反応させるステップ
を含む方法によって調製され、式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログは、
(ステップ3.0)式(IV)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログをホルムアルデヒド源と反応させるステップ
を含む方法によって調製され、式(IV)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログは、
(ステップ4.0)4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン又はその塩を4-ブロモ-3-フルオロベンズアルデヒドと反応させるステップ
を含む方法によって調製され、式(V)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、
(ステップ5.0)式(VI)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを還元するステップ
を含む方法によって調製され、式(VI)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、
(ステップ6.0)(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアート又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを3-ニトロフタル酸無水物と反応させるステップ
を含む方法によって調製される。
【0174】
別の実施形態では、本明細書には、
(ステップ1.0)式(II)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを環化させて、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを提供するステップと、
(ステップ1.1)任意選択的に、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを化合物の塩に変換するステップと
を含む方法により、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを調製するための方法が提供され、式(II)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、
(ステップ2.0)式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログを式(V)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログと反応させるステップ
を含む方法によって調製され、式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログは、
(ステップ3.0)式(IV)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログをホルムアルデヒド源と反応させるステップと、
(ステップ3.a)ステップ3.0で調製された式(III)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログをNa2S2O5と反応させて、スルホン酸ナトリウム化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログを提供するステップと、
(ステップ3.b)スルホン酸ナトリウム化合物を式(IV)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログに変換するステップと
を含む方法によって調製され、式(IV)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、
(ステップ4.0)4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン又はその塩を4-ブロモ-3-フルオロベンズアルデヒドと反応させるステップ
を含む方法によって調製され、式(V)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、
(ステップ5.0)式(VI)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを還元するステップ
を含む方法によって調製され、式(VI)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、
(ステップ6.0)(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアート又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを3-ニトロフタル酸無水物と反応させるステップ
を含む方法によって調製される。
【0175】
別の実施形態では、本明細書には、
(ステップ1.0)式(II)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを環化させて、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを提供するステップと、
(ステップ1.1)任意選択的に、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを化合物の塩に変換するステップと
を含む方法により、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを調製するための方法が提供され、式(II)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、
(ステップ2.a)式(II-A)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン又はその塩と反応させるステップ
を含む方法によって調製され、式(II-A)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、
(ステップ2.b)式(II-B)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを塩素化するステップ
を含む方法によって調製され、式(II-B)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、
(ステップ2.c)式(V)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンズアルデヒドと反応させるステップ
を含む方法によって調製され、式(V)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、
(ステップ5.0)式(VI)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログを還元するステップ
を含む方法によって調製され、式(VI)の化合物、又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログは、
(ステップ6.a)(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアート又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログをエチル4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-カルボキシラートと反応させるステップ
を含む方法によって調製され、エチル4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-カルボキシラートは、
(ステップ6.b)4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオンをクロロギ酸エチルと反応させるステップ
を含む方法によって調製される。
【0176】
6.3 化合物及び固体形態
一実施形態では、本明細書には、その固体形態(例えば、結晶性形態)を含む、本明細書で提供される方法で使用される中間体化合物又は本明細書で提供される方法によって調製される生成物化合物が提供される。
【0177】
一実施形態では、本明細書には、化合物1:
【化19】
のビスベシル酸塩が提供される。
【0178】
一実施形態では、本明細書には、化合物1のベシル酸塩を含む固体形態(例えば、形態B)が提供される。化合物1の特定の塩及び固体形態(化合物1の塩酸塩の形態Aと、化合物1のベシル酸塩の形態Aとを含む)は、米国特許出願公開第2021-0115019号明細書に記載されており、その全体は、参照により本明細書に援用される。
【0179】
一実施形態では、本明細書には、化合物2:
【化20】
又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが提供される。
【0180】
一実施形態では、本明細書には、化合物2-a:
【化21】
又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが提供される。
【0181】
一実施形態では、本明細書には、化合物2-b:
【化22】
又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが提供される。
【0182】
一実施形態では、本明細書には、化合物3:
【化23】
又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログが提供される。
【0183】
一実施形態では、本明細書には、化合物3の塩が提供される。一実施形態では、塩は、塩酸塩である。一実施形態では、塩酸塩は、二塩酸塩である。一実施形態では、本明細書には、化合物3の塩酸塩を含む固体形態(例えば、形態A又は形態B)が提供される。一実施形態では、塩は、シュウ酸塩である。一実施形態では、シュウ酸塩は、ビスシュウ酸塩である。
【0184】
一実施形態では、本明細書には、化合物4:
【化24】
又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはアイソトポログが提供される。
【0185】
一実施形態では、本明細書には、化合物4の塩が提供される。一実施形態では、塩は、メタンスルホン酸塩である。一実施形態では、メタンスルホン酸塩は、ビスメタンスルホン酸塩である。一実施形態では、本明細書には、化合物4のメタンスルホン酸塩を含む固体形態(例えば、形態A)が提供される。
【0186】
一実施形態では、本明細書には、化合物5:
【化25】
又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが提供される。
【0187】
一実施形態では、本明細書には、化合物6:
【化26】
又はその塩、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物若しくはアイソトポログが提供される。
【0188】
5.3.1 化合物1のベシル酸塩の形態B
一実施形態では、本明細書には、化合物1:
【化27】
のベシル酸塩を含む固体形態が提供され、固体形態は、(化合物1のベシル酸塩の)形態Bである。
【0189】
いくつかの実施形態では、固体形態における化合物1とベンゼンスルホン酸とのモル比は、約1:1~約1:2の範囲である。一実施形態では、モル比は、約1:2である(すなわちビスベシル酸塩)。
【0190】
一実施形態では、形態Bは、結晶性である。一実施形態では、形態Bは、実質的に結晶性である。一実施形態では、形態Bは、中程度に結晶性である。一実施形態では、形態Bは、部分的に結晶性である。
【0191】
化合物1のベシル酸塩の形態Bの代表的なXRPDパターンは、
図1に提供される。
【0192】
一実施形態では、本明細書には、およそ以下の位置:4.7、6.7、7.5、9.4、10.2、11.3、12.1、13.4、14.3、16.0、17.2、18.6、19.9、21.4、22.4、23.5、24.6及び26.9°2θに位置するXRPDピークの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17個又は全てによって特徴付けられる、化合物1のベシル酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、固体形態は、ピークの3つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの5つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの7つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの9つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの11個によって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの全てによって特徴付けられる。
【0193】
一実施形態では、本明細書には、約6.7、7.5及び17.2°2θにおけるピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる、化合物1のベシル酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、XRPDパターンは、約16.0及び23.5°2θにおけるピークをさらに含む。一実施形態では、XRPDパターンは、約9.4及び11.3°2θにおけるピークをさらに含む。一実施形態では、XRPDパターンは、約6.7、7.5、9.4、11.3、16.0、17.2、22.4、23.5及び26.9°2θにおけるピークを含む。
【0194】
一実施形態では、本明細書には、
図1に示されるXRPDパターンと一致するXRPDパターンによって特徴付けられる、化合物1のベシル酸塩を含む固体形態が提供される。
【0195】
一実施形態では、XRPDパターンは、Cu Kα放射線を用いて得られる。
【0196】
形態Bの代表的な熱重量分析(TGA)及び示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムは、それぞれ
図2及び
図3に提供される。一実施形態では、本明細書には、約25℃から約125℃まで加熱したときに約2.1%の重量損失を示す、化合物1のベシル酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、約25℃から約200℃まで加熱したときに約2.7%の重量損失を示す、化合物1のベシル酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、
図2に示されるTGAサーモグラムと一致するTGAサーモグラムによって特徴付けられる、化合物1のベシル酸塩を含む固体形態が提供される。
【0197】
一実施形態では、本明細書には、DSCによって特徴付けられるように、開始温度が約164℃の熱イベント(吸熱)を示す、化合物1のベシル酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、熱イベントは、約175℃のピーク温度も有する。一実施形態では、本明細書には、
図3に示されるDSCサーモグラムと一致するDSCサーモグラムによって特徴付けられる、化合物1のベシル酸塩を含む固体形態が提供される。
【0198】
一実施形態では、化合物1のベシル酸塩の形態Bは、(i)アセトニトリル中の化合物1のベシル酸塩の混合物に逆溶媒を添加してスラリーを生じさせることと、(ii)スラリーをスラリー化して、化合物のベシル酸塩の形態Bを提供することとによって調製される。一実施形態では、逆溶媒は、MeTHFである。一実施形態では、逆溶媒は、MTBEである。一実施形態では、アセトニトリル中の化合物1のベシル酸塩の混合物は、アセトニトリル中の化合物1の遊離塩基の溶液(例えば、約55℃)にベンゼンスルホン酸を添加することによって形成される。一実施形態では、アセトニトリル中の化合物1の遊離塩基の溶液は、水も含有する。(ii)の一実施形態では、スラリーは、約20℃で一定期間(例えば、約1時間~約24時間、例えば約6時間又は一晩)スラリー化される。
【0199】
一実施形態では、本明細書には、化合物1のベシル酸塩の形態Bと、化合物1の遊離塩基の1つ又はそれ以上の形態(例えば、非晶質形態及び結晶性形態)とを含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、化合物1のベシル酸塩の形態Bと、化合物1の非晶質ベシル酸塩とを含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、化合物1のベシル酸塩の形態Bと、化合物1のベシル酸塩の1つ又はそれ以上の他の結晶性形態とを含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、化合物1のベシル酸塩の形態Bと、本明細書で提供される化合物1の塩の1つ又はそれ以上の形態(例えば、非晶質又は結晶性)とを含む固体形態が提供される。
【0200】
5.3.2 化合物3の塩酸塩の形態A
一実施形態では、本明細書には、化合物3:
【化28】
の塩酸塩を含む固体形態が提供され、固体形態は、(化合物3の化合物の)形態Aである。
【0201】
いくつかの実施形態では、固体形態における化合物3と塩酸とのモル比は、約1:1~約1:2の範囲である。一実施形態では、モル比は、約1:2である(すなわち二塩酸塩)。
【0202】
一実施形態では、形態Aは、結晶性である。一実施形態では、形態Aは、実質的に結晶性である。一実施形態では、形態Aは、中程度に結晶性である。一実施形態では、形態Aは、部分的に結晶性である。
【0203】
一実施形態では、形態Aは、化合物3の塩酸塩の無水形態(無水物)である。
【0204】
化合物3の塩酸塩の形態Aの代表的なXRPDパターンは、
図5に提供される。一実施形態では、本明細書には、およそ以下の位置:8.8、10.9、14.3、14.6、14.9、15.8、17.3、17.6、18.4、19.4、19.8、20.5、21.8、22.8、23.5、24.2、24.7、25.2、26.0、26.4、26.8、27.7、28.0、28.4及び28.8°2θに位置するXRPDピークの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24個又は全てによって特徴付けられる、化合物3の塩酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、固体形態は、ピークの3つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの5つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの7つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの9つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの11個によって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの全てによって特徴付けられる。
【0205】
一実施形態では、本明細書には、約14.6、19.4及び21.8°2θにおけるピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる、化合物3の塩酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、XRPDパターンは、約15.8及び22.8°2θにおけるピークをさらに含む。一実施形態では、XRPDパターンは、約8.8、14.3及び14.9°2θにおけるピークをさらに含む。一実施形態では、XRPDパターンは、約8.8、14.3、14.6、14.9、15.8、17.6、18.4、19.4、21.8及び22.8°2θにおけるピークを含む。
【0206】
一実施形態では、本明細書には、
図5に示されるXRPDパターンと一致するXRPDパターンによって特徴付けられる、化合物3の塩酸塩を含む固体形態が提供される。
【0207】
一実施形態では、XRPDパターンは、Cu Kα放射線を用いて得られる。
【0208】
形態Aの代表的な示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムは、
図6に提供される。一実施形態では、本明細書には、DSCによって特徴付けられるように、開始温度が約178℃の熱イベント(吸熱)を示す、化合物3の塩酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、
図6に示されるDSCサーモグラムと一致するDSCサーモグラムによって特徴付けられる、化合物3の塩酸塩を含む固体形態が提供される。
【0209】
一実施形態では、本明細書には、化合物3の塩酸塩の形態Aと、化合物3の遊離塩基の1つ又はそれ以上の形態(例えば、非晶質形態及び結晶性形態)とを含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、化合物3の塩酸塩の形態Aと、化合物3の非晶質塩酸塩とを含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、化合物3の塩酸塩の形態Aと、化合物3の塩酸塩の1つ又はそれ以上の他の結晶性形態とを含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、化合物3の塩酸塩の形態Aと、本明細書で提供される化合物3の塩の1つ又はそれ以上の形態(例えば、非晶質又は結晶性)とを含む固体形態が提供される。
【0210】
5.3.3 化合物3の塩酸塩の形態B
一実施形態では、本明細書には、化合物3:
【化29】
の塩酸塩を含む固体形態が提供され、固体形態は、(化合物3の化合物の)形態Bである。
【0211】
いくつかの実施形態では、固体形態における化合物3と塩酸とのモル比は、約1:1~約1:2の範囲である。一実施形態では、モル比は、約1:2である(すなわち二塩酸塩)。
【0212】
一実施形態では、形態Bは、結晶性である。一実施形態では、形態Bは、実質的に結晶性である。一実施形態では、形態Bは、中程度に結晶性である。一実施形態では、形態Bは、部分的に結晶性である。
【0213】
一実施形態では、形態Bは、化合物3の塩酸塩の溶媒和物である。一実施形態では、形態Bは、化合物3の塩酸塩の水和物である。
【0214】
化合物3の塩酸塩の形態Bの代表的なXRPDパターンは、
図7に提供される。一実施形態では、本明細書には、およそ以下の位置:7.8、11.8、14.3、14.8、15.4、16.2、16.8、17.8、18.5、19.4、19.7、20.5、21.0、22.4、22.8、23.3、23.8、24.2、25.1、26.1、26.4、27.0、27.2、27.5、27.8、28.0及び28.7°2θに位置するXRPDピークの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26個又は全てによって特徴付けられる、化合物3の塩酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、固体形態は、ピークの3つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの5つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの7つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの9つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの11個によって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの全てによって特徴付けられる。
【0215】
一実施形態では、本明細書には、約14.3、15.4及び16.2°2θにおけるピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる、化合物3の塩酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、XRPDパターンは、約14.8、17.8及び19.4°2θにおけるピークをさらに含む。一実施形態では、XRPDパターンは、約7.8及び21.0°2θにおけるピークをさらに含む。一実施形態では、XRPDパターンは、約7.8、11.8、14.3、14.8、15.4、16.2、17.8、19.4、20.5及び21.0°2θにおけるピークを含む。
【0216】
一実施形態では、本明細書には、
図7に示されるXRPDパターンと一致するXRPDパターンによって特徴付けられる、化合物3の塩酸塩を含む固体形態が提供される。
【0217】
一実施形態では、XRPDパターンは、Cu Kα放射線を用いて得られる。
【0218】
形態Bの代表的な熱重量分析(TGA)及び示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムは、それぞれ
図8及び
図9に提供される。一実施形態では、本明細書には、約25℃から約125℃まで加熱したときに約5.2%の重量損失を示す、化合物3の塩酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、
図8に示されるTGAサーモグラムと一致するTGAサーモグラムによって特徴付けられる、化合物3の塩酸塩を含む固体形態が提供される。
【0219】
一実施形態では、本明細書には、DSCによって特徴付けられるように、開始温度が約130℃の熱イベント(吸熱)を示す、化合物3の塩酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、
図9に示されるDSCサーモグラムと一致するDSCサーモグラムによって特徴付けられる、化合物3の塩酸塩を含む固体形態が提供される。
【0220】
一実施形態では、本明細書には、化合物3の塩酸塩の形態Bと、化合物3の遊離塩基の1つ又はそれ以上の形態(例えば、非晶質形態及び結晶性形態)とを含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、化合物3の塩酸塩の形態Bと、化合物3の非晶質塩酸塩とを含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、化合物3の塩酸塩の形態Bと、化合物3の塩酸塩の1つ又はそれ以上の他の結晶性形態とを含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、化合物3の塩酸塩の形態Bと、本明細書で提供される化合物3の塩の1つ又はそれ以上の形態(例えば、非晶質又は結晶性)とを含む固体形態が提供される。
【0221】
5.3.4 化合物4のメタンスルホン酸塩の形態A
一実施形態では、本明細書には、化合物4:
【化30】
のメタンスルホン酸塩を含む固体形態が提供され、固体形態は、(化合物4のメタンスルホン酸塩の)形態Aである。
【0222】
いくつかの実施形態では、固体形態における化合物4とメタンスルホン酸とのモル比は、約1:1~約1:2の範囲である。一実施形態では、モル比は、約1:2である(すなわちビスメタンスルホン酸塩)。
【0223】
一実施形態では、形態Aは、結晶性である。一実施形態では、形態Aは、実質的に結晶性である。一実施形態では、形態Aは、中程度に結晶性である。一実施形態では、形態Aは、部分的に結晶性である。
【0224】
化合物4のメタンスルホン酸塩の形態Aの代表的なXRPDパターンは、
図10に提供される。一実施形態では、本明細書には、およそ以下の位置:8.0、9.3、10.4、12.2、13.1、13.9、16.0、16.7、18.0、18.6、20.3、20.8、21.3、22.2、22.7、22.9、23.2、24.1、24.6、25.1、25.9、26.3、27.9、28.4、29.1及び29.5°2θに位置するXRPDピークの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25個又は全てによって特徴付けられる、化合物4のメタンスルホン酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、固体形態は、ピークの3つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの5つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの7つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの9つによって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの11個によって特徴付けられる。一実施形態では、固体形態は、ピークの全てによって特徴付けられる。
【0225】
一実施形態では、本明細書には、約18.6、20.3及び20.8°2θにおけるピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる、化合物4のメタンスルホン酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、XRPDパターンは、約16.7及び22.7°2θにおけるピークをさらに含む。一実施形態では、XRPDパターンは、約8.0及び24.6°2θにおけるピークをさらに含む。一実施形態では、XRPDパターンは、約8.0、10.4、13.1、13.9、16.0、16.7、18.6、20.3、20.8、22.7及び24.6°2θにおけるピークを含む。
【0226】
一実施形態では、本明細書には、
図10に示されるXRPDパターンと一致するXRPDパターンによって特徴付けられる、化合物4のメタンスルホン酸塩を含む固体形態が提供される。
【0227】
一実施形態では、XRPDパターンは、Cu Kα放射線を用いて得られる。
【0228】
化合物4のメタンスルホン酸塩の形態Aの代表的な示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムは、
図11に提供される。一実施形態では、本明細書には、DSCによって特徴付けられるように、開始温度が約213℃の熱イベント(吸熱)を示す、化合物4のメタンスルホン酸塩を含む固体形態が提供される。一実施形態では、熱イベントは、約216℃のピーク温度も有する。一実施形態では、本明細書には、
図11に示されるDSCサーモグラムと一致するDSCサーモグラムによって特徴付けられる、化合物4のメタンスルホン酸塩を含む固体形態が提供される。
【0229】
一実施形態では、化合物4のメタンスルホン酸塩の形態Aは、CPME中の化合物4の混合物(例えば、約50~約60℃)にメタンスルホン酸を添加してスラリーを生じさせることと、(ii)スラリーをスラリー化して、化合物4のメタンスルホン酸塩の形態Aを提供することとによって調製される。(ii)の一実施形態では、スラリーは、約20℃で一定期間(例えば、約1時間~約24時間、例えば約3~約4時間)スラリー化される。
【0230】
一実施形態では、本明細書には、化合物4のメタンスルホン酸塩の形態Aと、化合物4の遊離塩基の1つ又はそれ以上の形態(例えば、非晶質形態及び結晶性形態)とを含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、化合物4のメタンスルホン酸塩の形態Aと、化合物4の非晶質メタンスルホン酸塩とを含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、化合物4のメタンスルホン酸塩の形態Aと、化合物4のメタンスルホン酸塩の1つ又はそれ以上の他の結晶性形態とを含む固体形態が提供される。一実施形態では、本明細書には、化合物4のメタンスルホン酸塩の形態Aと、本明細書で提供される化合物4の塩の1つ又はそれ以上の形態(例えば、非晶質又は結晶性)とを含む固体形態が提供される。
【0231】
上記の実施形態の組合せの全てが本発明によって包含される。
【実施例】
【0232】
本明細書で使用される場合、これらの方法、スキーム及び実施例で使用される記号及び慣習は、特定の略語が具体的に定義されているかどうかに関わりなく、現代の科学文献、例えばJournal of the American Chemical Society又はJournal of Biological Chemistryで使用されるものと一致している。限定はされないが、具体的には、実施例及び本明細書全体で以下の略語が使用され得る:g(グラム);mg(ミリグラム);mL(ミリリットル);μL(マイクロリットル);M(モル濃度);mM(ミリモル濃度);μM(マイクロモル濃度);eq.(当量);mmol(ミリモル);Hz(ヘルツ);MHz(メガヘルツ);hr又はhrs(時間);min(分);及びMS(質量分析)。他に規定されない限り、本明細書で提供される化合物中の含水量は、カールフィッシャー(KF)法によって決定される。
【0233】
以下の実施例の全てについて、他に規定されない限り、当業者に知られている標準的な後処理及び精製方法を利用することができる。他に規定されない限り、全ての温度は、℃(セ氏温度)で表される。全ての反応は、他に言及されない限り、室温で実施した。本明細書に示される合成方法論は、特定の実施例の使用により適用可能な化学を例示することが意図され、本開示の範囲を示すものではない。
【0234】
実施例1:(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
【化31】
エチル4-ニトロ-1,3-ジオキソ-イソインドリン-2-カルボキシラート(化合物10)の合成:4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオン(化合物11、440g、2.29mol)及びTEA(262g、2.59mol、359mL)の乾燥DMF(2.2L)中の溶液を0℃に冷却し、クロロギ酸エチル(313g、2.89mol、275mL)を5分かけて滴下した。反応混合物を22℃で10時間攪拌した。混合物を冷水(10L)にゆっくり添加し、得られた懸濁液を5分間攪拌した。懸濁液を濾過し、フィルターケーキを水(1L)で洗浄した。固体を酢酸エチル(5L)で溶解させ、有機相をHCl水(1M、1L)、水(2L)及び塩水(2L)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、化合物10(360g、59%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz CDCl
3)δ ppm 8.24(d,J=7.6Hz,1H),8.19(d,J=8.4Hz,1H),8.06-8.02(m,1H),4.49(q,J=7.2Hz,2H),1.44(t,J=6.8Hz,3H).
【0235】
tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(4-ニトロ-1,3-ジオキソ-イソインドリン-2-イル)-5-オキソ-ペンタノアート(化合物6)の合成:化合物10(165g、625mmol)及びDIEA(113g、874mmol、153mL)の乾燥THF(1700mL)中の溶液に、tert-ブチル(4S)-4,5-ジアミノ-5-オキソ-ペンタノアート塩酸塩(149g、625mmol)を添加し、10時間加熱還流させた。反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をメチルtert-ブチルエーテル(5L)で希釈し、20℃で1時間攪拌した。懸濁液を濾過し、フィルターケーキをDCM(4L)で溶解させた。有機相を水(1.5Lx3)、塩水(1.5L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。有機相を濾過し、減圧下で濃縮して薄黄色の油を得た。この油をヘキサン/酢酸エチル(10/1、2L)で希釈し、薄黄色の懸濁液が形成されるまで攪拌した。懸濁液を濾過し、フィルターケーキをトリチュレートし、真空中で濃縮して、化合物6(175g、74%)を薄黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz CDCl3)δ ppm 8.12(d,J=8.0Hz,2H),7.94(t,J=8.0Hz,1H),6.48(s,1H),5.99(s,1H),4.84-4.80(m,1H),2.49-2.44(m,2H),2.32-2.27(m,2H),1.38(s,9H).
【0236】
tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノアート(化合物5)の合成:化合物6(170.0g、450.5mmol、1.00eq)のDMA(1.00L)中の懸濁液に、窒素下でパラジウム炭素(50.0g、純度10%)を添加した。懸濁液を真空下で脱気し、水素ガスで数回パージした。混合物を25℃で16時間、水素ガス(50psi)下で攪拌した。混合物を濾過し、濾液を冷却水(3.0L)中に注いだ。混合物を10℃で1時間攪拌し、濾過した。フィルターケーキを水(700mL)で洗浄し、DCM(1.00L)中に溶解させた。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物5(107g、68%)を緑色の固体として得た。1H NMR(400MHz DMSO-d6)δ ppm 7.52(s,1H),7.43(dd,J=8.4,7.2Hz,1H),7.13(s,1H),6.95-6.99(m,2H),6.42(s,2H),5.75(s,1H),4.47-4.51(m,1H),2.32-2.33(m,1H),2.14-2.20(m,3H),1.32(s,9H);HPLC純度,100.0%;SFC純度,100.0%ee。
【0237】
2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンズアルデヒド(化合物8)の合成:4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-2-フルオロベンズアルデヒド(370.0g、1.38mol、1.00eq)のTHF(1.85L)中の溶液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(78.7g、413.6mmol、0.30eq)の水(1.85L)中の溶液を10℃で滴下した。混合物を27℃で16時間攪拌した。TEA(80mL)を滴下し、10分間攪拌した。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(600mLx4)で抽出した。合わせた有機相を塩水(1.50L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィにより残渣を精製して、化合物8(137.5g、76%)を黄色の油として得た。1H NMR(400MHz CDCl3)δ ppm 10.34(s,1H),7.86(dd,J=8.0,7.2Hz,1H),7.25(s,1H),7.22(d,J=4.4Hz,1H),4.79(d,J=6.0Hz,2H),1.91(t,J=6.0Hz,1H).
【0238】
tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-((2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンジル)アミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノアート(化合物2-b)の合成:化合物5(100.0g、287.9mmol、1.00eq)及び化合物8(57.7g、374.3mmol、1.30eq)の乾燥DCM(1.00L)中の溶液に、TFA(164.1g、1.44mol、5.00eq)を0℃で添加した。反応混合物を28℃で2時間攪拌した。この溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(27.1g、431.8mmol、1.50eq)を0℃で添加した。混合物を28℃で30分間攪拌した。反応混合物をMeOH(600mL)の添加によりクエンチし、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィにより残渣を精製して、化合物2-b(110.0g、74.0%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 7.56(s,1H),7.50(dd,J=8.4,7.2Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),7.02-7.18(m,4H),6.94-7.01(m,2H),4.57(d,J=6.0Hz,2H),4.47-4.53(m,3H),2.31-2.35(m,1H),2.15-2.22(m,3H),1.31(s,9H);HPLC純度,94.0%;SFC純度,100.0%ee。
【0239】
tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-((4-(クロロメチル)-2-フルオロベンジル)アミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノアート(化合物2-a)の合成:化合物2-b(100.0g、206.0mmol、1.00eq)のNMP(430.0mL)中の溶液に、DIEA(79.9g、617.9mmol、3.00eq)及びMsCl(47.2g、411.9mmol、2.00eq)を0℃で添加した。氷浴を除去し、反応を28℃で10時間攪拌した。反応を冷却水(<10℃、2.0L)中に注ぎ、10分間攪拌した。混合物をメチルtert-ブチルエーテル(750mLx3)で抽出した。合わせた有機層を塩水(1.25L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィにより残渣を精製して、化合物2-a(86.0g、81.2%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz DMSO-d6)δ ppm 7.55(s,1H),7.50(dd,J=8.4,7.2Hz,1H),7.38(t,J=8.0Hz,1H),7.31(dd,J=10.8,1.6Hz,1H),7.23(dd,J=8.0,1.6Hz,1H),7.16(s,1H),7.11(t,J=6.4Hz,1H),7.00(d,J=7.2Hz,1H),6.95(d,J=8.4Hz,1H),4.74(s,2H),4.61(d,J=6.4Hz,2H),4.49-4.53(m,1H),2.29-2.38(m,1H),2.16-2.25(m,3H),1.30(s,9H);HPLC純度,98.0%;SFC純度,100.0%ee。
【0240】
tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノアート(化合物2)の合成:4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン塩酸塩(化合物7 HCl、30.5g、170.7mmol、1.00eq)及びDIEA(66.2g、512.0mmol、3.00eq)のDMSO(350.0mL)中の溶液に、化合物2-a(86g、170.65mmol、1.00eq)のDMSO(350.0mL)中の溶液を15℃で滴下した。反応混合物を28℃で16時間攪拌した。反応混合物を半分飽和した冷塩水(<10℃、2.5L)中に注ぎ、酢酸エチル(1.50L、1.00L、800.0mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和塩水(1.50L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィにより残渣を精製して、化合物2(68.3g、65.7%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz DMSO-d6)δ ppm 7.55(s,1H),7.50(dd,J=8.4,7.2Hz,1H),7.31(t,J=8.0Hz,1H),7.16(s,1H),6.94-7.10(m,5H),4.56(d,J=6.4Hz,2H),4.49-4.52(m,1H),3.54-3.55(m,6H)3.31-3.32(m,3H),2.81-2.88(m,3H),2.29-2.38(m,1H),2.15-2.25(m,7H),1.30(s,9H);HPLC純度,100.0%;SFC純度,100.0%ee。
【0241】
(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)の合成:化合物2(30.0g、49.2mmol、1.00eq)及びベンゼンスルホン酸(31.1g、196.8mmol、4.00eq)のアセトニトリル(480.0mL)中の溶液を3時間攪拌して還流させた。反応を20℃に冷却し、冷塩水:飽和重炭酸ナトリウム溶液(1:1、<10℃、2.0L)中に注ぎ、酢酸エチル(1.0L)で抽出した。有機相を冷塩水:飽和重炭酸ナトリウム溶液(1:1、<10℃、1.00L)でもう一度洗浄した。合わせた水相を酢酸エチル(500.0mLx2)で抽出した。合わせた有機相を冷塩水(<10℃、1.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィにより粗生成物を精製して、化合物1(17.5g、66.0%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 11.10(s,1H),7.54(t,J=8.0Hz,1H),7.30(t,J=8.0Hz,1H),7.04-7.10(m,4H),7.00(d,J=8.4Hz,1H),5.07(dd,J=12.8,5.2Hz,1H),4.58(d,J=6.4Hz,2H),3.53-3.55(m,6H),3.30-3.32(m,2H),2.81-2.89(m,4H),2.54-2.61(m,2H),2.20(m,4H)2.03-2.06(m,1H);HPLC純度,100.0%;SFC純度,97.2%ee;LCMS(ESI)m/z536.1[M+H]+。
【0242】
実施例2:(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
【化32】
tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノアート(化合物6)の合成:酢酸エチル(245mL、5V)、3-ニトロフタル酸無水物(49.1g、0.25mol、1eq)及びtert-ブチル(S)-4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノアート塩酸塩(59.2g、0.25mol、1eq)を反応器に投入し、15~20℃に冷却した。CDI(66.7g、0.41mol、1.5eq)のDMF(245mL、5V)中の予め作製された溶液を投入し、混合物を20~25℃で1時間攪拌した。反応を15%(wt/wt)クエン酸水溶液(10V)によりクエンチした。EtOAc(5V)を添加し、混合物を攪拌し、相を分割及び分離した。水層をEtOAc(5V)で抽出し、合わせた有機層を5%(wt/wt)クエン酸水溶液で2回洗浄した(それぞれ5Vで洗浄)。有機層を5Vになるまで減圧蒸留し、5Vの一定体積を維持しながらiPrOH(10V)を添加して、さらに連続的に減圧蒸留した。最終留出物をiPrOHで13Vに希釈し、さらに操作することなく次のステップで使用した。溶液収率91%。
【0243】
tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノアート(化合物5)の合成:化合物6のiPrOH溶液を水素化反応器に投入した。10%パラジウム炭素(50%ウェット、4.65g 5wt%)を投入した。反応混合物を40~50℃で16時間、50~60psiH2下で攪拌した。反応混合物を濾過し、フィルターケーキをiPrOHで3回洗浄した(それぞれ1Vで洗浄)。溶液を5Vになるまで減圧蒸留し、周囲温度まで冷却し、シーディングした(1wt%)。水(20V)を20~25℃で投入した。得られたスラリーを3~8℃に4~8時間冷却した。濾過により固体を収集し、冷水で3回洗浄した(それぞれ1.5Vで洗浄)。固体を減圧下35~45℃で乾燥させて、化合物5を収率87%で得た。1H NMR(500MHz DMSO-d6)δ(ppm):7.52(s,1H),7.43(dd,J=8.4,7.0Hz,1H),7.13(s,1H),6.97(ddd,J=10.9,7.7,0.61Hz,2H),6.43(s,2H),4.49(m,1H),2.33(m,1H),2.17(m,3H),1.32(s,9H);HPLC純度,99.2%;キラル純度,99.9%ee;LCMS(ESI)m/z 348.2,[M+H]+,292.2[M-t-Bu+H]+.1H NMRによる残留IPA:0.7モル%。
【0244】
4-(1-(4-ブロモ-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-イル)モルホリン(化合物4)の合成:4-ブロモ-3-フルロベンズアルデヒド(化合物14、82g、396mmol)及び4-(アゼチジン-3-イル)-モルホリン塩酸塩(化合物7 HCl、72g、396mmol)のアセトニトリル(820ml)中の混合物を25±5℃で少なくとも3時間攪拌した。混合物を10±5℃に冷却し、混合物の温度を30℃よりも低く維持しながら、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(130g、594mmol)を4回に分けて添加した。混合物の温度を25±5℃に調整し、反応が完了するまで少なくとも30分間攪拌した。温度を30℃よりも低く維持しながら、混合物を予冷した(10~15℃)クエン酸水溶液(400mlの水中152g、792mmol)中に移した。クエンチング方法が完了したら、温度を45℃以下に保持しながら、混合物を約560ml(7体積)に濃縮した。次に、混合物をトルエン(320ml)で洗浄した。水相にTHFを添加し、NaOH水溶液(320ml、10N)を用いてpHを12超に調整した。相を分離し、水相を除去した。有機相を塩水で洗浄し、続いてTHF(約3L)の添加によりKF≦0.10%になるまで濃縮した。混合物を濾過して、任意の無機物を除去し、生成物の化合物4をTHF中の溶液として収率95%で単離した。
【0245】
ナトリウム(2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)フェニル)(ヒドロキシ)メタンスルホナート(化合物13)の合成:化合物4(520g、1.58mol)のTHF(380ml)中の溶液を-15±5℃に冷却した。温度を-10℃よりも低く維持しながら、iPrMgCl・LiCl(1.3M、1823ml、2.37mol)のTHF溶液を少なくとも1時間にわたって添加した。添加が完了したら、反応混合物の温度を0±5℃に調整し、少なくとも1時間攪拌した。マグネシウム化が完了したら、混合物を-15±5℃(目標-15℃~-20℃)に冷却し、温度を-10℃よりも低く維持しながら、DMF(245mlg、3.16mol)のTHF(260ml)中の溶液を少なくとも1時間にわたってゆっくり添加した。次に、混合物の温度を-15±5℃に調整し、少なくとも4時間攪拌した。
【0246】
反応が完了したら、温度を-5℃よりも低く維持しながら、反応混合物を少なくとも1時間にわたって3NのHCl水溶液(2600ml)中に投入した。次に、混合物の温度を5±5℃に調整し、攪拌を停止し、少なくとも15分間混合物を沈降させた。層を分離した。生成物を含有する下側の水層を2-MeTHF(2600ml)で洗浄した。次に、水層に2-MeTHF(2600ml)を投入し、バッチの温度を-10±5℃に調整した。冷却した混合物に、温度を-5℃よりも低く維持しながら、混合物のpHが10~11の間になるまで5NのNaOH(728ml、3.64mol)水溶液を添加した。混合物の温度を5±5℃に調整し、少なくとも15分間攪拌した。混合物の攪拌を停止し、混合物を少なくとも15分間沈降させた。層を分離し、下側の水層を2-MeTHF(2600ml)で2回逆抽出した。合わせた有機層を水(1040mL)で洗浄し、有機溶液を蒸発乾固させて、372gの粗化合物3の遊離塩基が油として得られた(収率85%)。1H NMR(DMSO-d6)δ(ppm):10.18(s,1H),7.78(t,J=7.7Hz,1H),7.23-7.35(m,2H),3.66(s,2H),3.51-3.60(m,4H),3.26-3.47(m,2H),2.72-2.97(m,3H),2.12-2.32(m,4H).
【0247】
粗化合物3の遊離塩基(4.3kg)を100%DCMによりシリカゲル(8.6kg)上に吸着させ、12.9kgのシリカゲル(100%DCMを充填)を含有する60Lカラムにロードし、DCM(86L)で溶出させた後、1%のMeOH/DCM(40L)、3%のMeOH/DCM(80L)及び10%のMeOH/DCM(40L)で連続的に溶出させた。画分を収集し、38℃以下で濃縮して、化合物3を精製油(3.345kg、収率66%)として得た。
【0248】
化合物3の一部(1.0kg、3.59mol)をエタノール(16.0L、16vol)中に20±5℃で溶解させ、混合物を40℃に加熱した。Na2S2O5(622.0g、3.27mol;0.91eq)の水(2L、2vol)中の溶液を20±5℃で調製し、遊離塩基溶液に40℃で添加して、オフホワイトの懸濁液を得た。バッチを攪拌し、40℃で2時間維持してから、20±5℃に冷却し、1~2時間攪拌した。バッチを濾過し、エタノール(2x2.0L、2x2vol)で洗浄して、オフホワイトの固体を得た。湿ったケーキを40℃で18時間、真空下で乾燥させ、約1.88kgの化合物13を得た。
【0249】
2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンズアルデヒド(化合物3)の合成:化合物13(1.88kg)を酢酸エチル(15.0L)中に20±5℃で溶解させた。2MのNa2CO3溶液(合計15.0L使用)を添加して、pHを10.0に調整した。バッチを20±5℃で1~1.5時間攪拌した。反応が完了したら、相を分離し、有機層を塩水(2.0L)で洗浄した。有機層を35~38℃で濃縮乾固させて、852.0gの化合物3を無色の油(収率81%)として得た。
【0250】
2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンズアルデヒドビスシュウ酸塩(化合物3のビスシュウ酸塩)の合成:化合物3の油の一部(187g、0.67mol)をイソプロパノール(1125ml)及び水(375ml)中に溶解させた。この遊離塩基混合物の第1の部分(約30%)(480ml)を、シュウ酸(125g、1.38mol)のIPA(1125ml)/水(375ml)中の溶液に60±5℃で少なくとも30分間にわたってゆっくり添加した。遊離塩基混合物の第2の部分(約20%)(320ml)を、反応混合物に60±5℃で少なくとも30分間にわたってゆっくり添加した。反応混合物を60±5℃で少なくとも90分間攪拌した。遊離塩基混合物の第3の部分(約25%)(約400ml)を、反応混合物に60±5℃で少なくとも30分間にわたってゆっくり添加し、反応混合物を60±5℃で少なくとも90分間攪拌した。残りの遊離塩基溶液(400ml)を、反応混合物に60±5℃で少なくとも30分間にわたってゆっくり添加し、反応混合物を60±5℃で少なくとも90分間攪拌した。混合物の温度を少なくとも1時間にわたって20±5℃(目標20℃)に調整し、混合物を20±5℃で少なくとも16時間攪拌してから、濾過した。ケーキをIPA(2x375ml)で3回洗浄し、窒素をゆっくり流しながら乾燥オーブン内で≦40℃で乾燥させ、261gの化合物3のビスシュウ酸塩(収率85%)を得た。1H NMR(DMSO-d6)δ(ppm):10.21(s,1H),7.87(t,J=7.6Hz,1H),7.42-7.56(m,2H),4.31(s,2H),3.89-4.03(m,2H),3.75-3.89(m,2H),3.60(br t,J=4.3Hz,4H),3.26(br t,J=6.9Hz,1H),2.37(br s,4H).
【0251】
tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノアート(化合物2)の合成:アセトニトリル(6.8L、8.0X Vol)を30Lの被覆された円筒型反応器に添加した。化合物5(0.845kg、1.00X Wt)及び化合物3のビスシュウ酸塩(1.35kg、1.60X Wt)を反応器に投入した後、追加のアセトニトリル(5.9L、7.0X Vol)を投入した。反応器の内容物を攪拌しながら20±5℃まで平衡化した。バッチ温度を20±5℃に維持しながら、トリフルオロ酢酸(0.19L、0.22X Vol)を滴下した。反応混合物を20±5℃で5分以上攪拌してから、バッチ温度を20±5℃に維持しながら、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.13kg、015X Wt)を固体として添加した。トリフルオロ酢酸を添加し、次にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加するプロセスをさらに5回繰り返した。最後の添加後、反応混合物を採取し、反応の進行を決定した。反応を一晩20±5℃に保持した。次に、バッチ温度を20±5℃に維持しながら、反応混合物を水(3.4L、4.0X Vol)によりクエンチした。次に、混合物を20±5℃で30分以上攪拌し、得られたスラリーを3Lの焼結ガラスフィルターにより濾過し、濾液を清浄な容器に注いだ。反応器をアセトニトリル(0.4L、0.5X Vol)ですすぎ、すすぎ液を3L焼結ガラスフィルターの内容物に通し、主バッチを含有する容器に濾液を注いだ。容器の内容物を30℃以下のバッチ温度において、減圧下で約5X Volまで濃縮した。残渣を清浄な反応器に移し、2-MeTHF(2.5L、3.0X Vol)ですすいで、移行を完了させた。追加の2-MeTHF(10.1L、12.0X Vol)を反応器に添加した後、水(3.4L、4.0X Vol)を添加した。混合物を20±5℃で15分以上攪拌してから、20±5℃で10分以上沈降させた後、底部の水層を新しい容器に移した。バッチ温度を25℃以下に維持しながら、重炭酸ナトリウム水溶液(5.3L、6.3X Vol、9%wt/wt)を攪拌しながら30分かけて反応器に添加した。混合物を20±5℃において15分以下で攪拌してから、20±5℃で10分以上沈降させた後、底部の水層を新しい容器に移した。重炭酸ナトリウム水洗浄をさらに2回繰り返して、使用済み水層の約6.6のpHを達成した。次に、NaClの飽和水溶液(0.85L、1.0X Vol)を攪拌しながら反応器に添加した。混合物を20±5℃で15分以上攪拌してから、10分以上沈降させた後、底部の水層を新しい容器に移した。残りの有機物を約40℃のバッチ温度で約5X Volのバッチ体積まで減圧下で濃縮した。残留量にアセトニトリル(5.1L、6.0X Vol)を添加し、得られた溶液を約40℃のバッチ温度で約5X Volのバッチ体積まで減圧下で濃縮した。アセトニトリルの添加及び真空下での濃縮のプロセスをさらに2回繰り返して、含水量約1%の蒸留終点に到達させた。2回の1.7L(2.0X Vol)によるすすぎと共に、アセトニトリル溶液を清浄な容器に移し、一晩5℃に保持した。次に、アセトニトリル溶液を3L焼結ガラスフィルターにより濾過した後、1.7L(2.0X Vol)のアセトニトリルによるすすぎを行い、濾液を清浄な容器に注いだ。濾液を清浄な反応器に移し、容器を1.7L(2.0X Vol)のアセトニトリルで2回すすいで、移行を完了させた。十分なアセトニトリル(およそ0.6L)を添加して、反応器中の全体積を約14Lに調整した。反応器の内容物の溶液アッセイが得られ、次のステップで使用するために存在する化合物2の量を計算した(結果=1.3kg=1.00X Wt、プロセスの残りの部分のため)。
【0252】
(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオンビスベシル酸塩(化合物1のビスベシル酸塩)の合成:前のステップからの化合物2のアセトニトリル溶液を、反応器内の全体積が約16Lになるようにアセトニトリル(ほぼ2L)で希釈した。溶液を攪拌しながら10±5℃まで冷却し、96時間その範囲内に保持した。反応混合物に窒素ガスを散布し、バッチ温度を10±10℃に維持しながら、ベンゼンスルホン酸(1.86kg、1.43X Wt)を添加した。次に、反応器の温度を20±5℃に調整し、混合物をその温度で60分間攪拌した。アセトニトリル(ほぼ0.4L)の添加により、散布の間の溶媒損失を考慮するために反応混合物の全体積を16Lに調整して戻した。次に、反応混合物を約30分にわたって55±5℃に加熱し、反応の完了のためにその範囲に15~16時間保持した。次に、混合物を50±5℃に冷却し、バッチ温度を50±5℃に維持しながらMTBE(3.9L、3.0X Vol)を添加した。混合物を50±5℃で約1.5時間攪拌させて、自己シーディングしたスラリーを確立した。追加のMTBE(3.9L、3.0X Vol)を50±5℃で約1.75時間にわたって反応器に添加した。スラリーを約1.75時間にわたって20±5℃に冷却し、その温度範囲に一晩保持した。ブフナー漏斗を用いてスラリーを濾過した。反応器をMTBEで2回すすぎ(それぞれ3.9L、3.0X Vol)、すすぎ液を使用して、ブフナー漏斗内の固体を洗浄した。乾燥トレイ上で固体を40℃で約23時間、減圧下(15~150mbar)で乾燥させて、1.62kg(77.9%)の化合物1のビスベシル酸塩を得た。
【0253】
(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン塩酸塩(化合物1 HCl)の合成:化合物1のビスベシル酸塩(120g、1当量)の2-MeTHF(25L/kg)中の懸濁液を反応器に添加し、10℃で攪拌した。KHCO3(32.5g、2.4当量)の水(1.8L、6L/kg)中の溶液を40分間にわたってスラリーに添加した。混合物をさらに30分間攪拌した。次に、バッチを沈降させ、その時点で、水(底部)層を分離し、廃棄した。NaClの水溶液(5%、5L/kg、575ml)を有機層に添加し、混合物を10分間攪拌し、その後、温度を20℃に上昇させた。バッチを沈降させ、その時点で、水(底部)層を廃棄した。塩水をもう一度繰り返した。追加の2-MeTHF(500ml)を添加して有機層を希釈し、1ml当たり約20mgの濃度の生成物が得られた。HCl(合計0.98eq.)の2-MeTHF中の溶液を調製し、次にその一部(全体の20%、約0.2eq.に相当)を約10分間にわたって反応混合物に添加した。化合物1の塩酸塩のシード(約5%wt)を添加したが、溶解しなかった。バッチを激しい攪拌下に1時間保持した。スラリーに、HCl溶液の残りの部分(約0.78eq.)を一定の速度で3時間にわたって添加した。激しい攪拌を維持した。添加が完了したら、バッチを1時間保持し、その後、バッチを濾過し、3L/kgの2-MeTHFで3回洗浄した。フィルターケーキを22℃の真空オーブンに12時間入れ、その時点で、温度を40℃に上昇させた。化合物1の塩酸塩の乾燥ケーキ(58g、収率75%)が得られ、包装された。アキラルHPLC純度:98.91%;キラルHPLC純度:99.68%.
【0254】
実施例3:化合物1のビスベシル酸塩から化合物1の塩酸塩を調製するための付加的な情報
化合物1の遊離塩基は塩基水溶液に敏感であり、ラセミ化が観察された。この速度は、時間及び温度に敏感である(表1)。化合物1の結晶性ビスベシル酸塩の単離により、pH変動の必要性が回避される。結晶性遊離塩基は、不十分な形態でもあり、それにより濾過が遅くなり、ラセミ化のリスクが増大する。濾過中にもラセミ化が観察された。表2のキラル純度データにより、結晶性遊離塩基と比べて、より安定したビスベシル酸塩を単離する利点が強調される。
【0255】
【0256】
【0257】
単離した化合物1の遊離塩基からの化合物1の塩酸塩の結晶化から、アキラル純度及びキラル純度の両方に関して、向上は観察されなかった。遊離塩基の単離は、結晶化度の低い材料をもたらし、この結果、濾過が遅くなり、最終的に時間と共にキラル純度が低下した。単離した遊離塩基のHPLC純度は95.8%であり、キラル純度は97.5%であった(表2)。一方、ビスベシル酸塩の遊離塩基化と、それに続く塩酸塩の溶液からの結晶化とを含む実施例2の方法は、大幅な向上をもたらした(表3)。特定の理論により限定されるわけではないが、純度の向上にとって重要なものは、この塩分解の二相性である。
【0258】
【0259】
実施例4:(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
【化33】
tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノアート(化合物6)の合成:3-ニトロフタル酸無水物(化合物12、35.15g、176.6mmol、1.00eq)の酢酸エチル(350mL)中の溶液に、tert-ブチル(4S)-4,5-ジアミノ-5-オキソ-ペンタノアート塩酸塩(化合物9 HCl、43.22g、181.1mmol、1.025eq)、DMF(70mL)及び2-MeTHF(110mL)を25℃で添加した。2,6-ルチジン(23.4mL、201mmol、1.14eq)をゆっくり添加して、25℃以下で温度を維持した。混合物を25℃で1時間エージングさせた後、5℃に冷却した。CDI(4.17g、25.7mmol、0.146eq)を添加し、温度が5℃に戻るまで攪拌した。別の分量のCDI(4.62g、28.5mmol、0.161eq)を添加し、温度が5℃に戻るまで攪拌した。CDI(8.87g、54.7mmol、0.310eq)を添加し、温度が5℃に戻るまで攪拌した。CDI(8.91g、54.9mmol、0.311eq)を添加し、温度が5℃に戻るまで攪拌した。混合物を20℃まで温め、CDI(16.4g、101.1mmol、0.573eq)を添加し、混合物を20℃で16時間時間エージングさせた。混合物を5℃に冷却し、温度を維持しながら、30wt%クエン酸及び5wt%NaClの溶液(350mL)をゆっくり添加した。混合物を20℃まで温め、30分間エージングさせた。相を分割及び分離した。有機相をEtOAc(175mL)で希釈し、5wt%クエン酸の溶液(175mL)で希釈し、蒸留(75トル、50℃)により、175mLのEtOAc体積になるまで濃縮した。350mLのiPrOHにより最終体積175mLまで、一定体積蒸留(75トル、50℃)により溶媒をiPrOHに変更した。留出物を200mLのiPrOHで希釈して、次のステップで使用するために化合物6を溶液として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ(ppm):8.18-8.13(m,2H),7.96(t,J=7.8Hz,1H),6.34(s,1H),5.59(s,1H),4.90(dd,J=10.1,4.6Hz,1H),2.61(ddt,J=14.6,10.1,6.1Hz,1H),2.49(ddt,J=14.2,8.7,5.2Hz,1H),2.44-2.29(m,2H),1.44(s,9H).
【0260】
tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノアート(化合物5)の合成:化合物6のiPrOH溶液(375mL)に、5%パラジウム炭素(1.23g、3.5wt%、ウェット)を添加した。混合物を窒素で5回パージし、水素で3回パージした。混合物を水素(50psi)で加圧し、50℃で16時間エージングした。混合物を室温に冷却し、窒素で3回パージし、濾過して触媒を除去し、フィルターケーキをiPrOH(20mL)で3回洗浄した。濾液を200mLまで濃縮し、22℃でシーディングし(0.454g、1.3wt%)、45分間エージングさせた。水(1325mL)を22℃で3時間かけて添加した。水の添加後、混合物を2時間かけて8℃に冷却し、8℃で1時間エージングした。スラリーを濾過し、ケーキを冷水(200mL)で3回すすぎ、50℃の真空下で乾燥させて、化合物5を黄色の固体として得た(47.97g、収率80.6%、LC純度99.62%、1H NMR効力103%)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ(ppm):7.46(dd,J=8.3,7.0Hz,1H),7.19(d,J=7.2Hz,1H),6.89(d,J=8.3Hz,1H),6.28(s,1H),5.41(s,1H),5.28(s,2H),4.83(dd,J=9.3,6.0Hz,1H),2.52(p,J=7.0Hz,2H),2.36-2.29(m,2H),1.44(s,9H).13C NMR(126MHz,CDCl3)δ(ppm):171.80,171.12,169.64,168.27,145.70,135.50,132.20,121.43,112.98,80.99,53.04,32.23,28.02,24.36.LCMS(ESI):m/z 291.9[M+H-tBu]
【0261】
4-(1-(4-ブロモ-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-イル)モルホリンビスメタンスルホン酸塩(化合物4のビスメタンスルホン酸塩)の合成:アセトニトリル(1000ml)中の4-ブロモ-3-フルオロベンズアルデヒド(化合物14、102g、493mmol)及び4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン塩酸塩(化合物7 HCl、90g、493mmol)の混合物を約20~25℃の温度で2~3時間攪拌した。スラリーを約10~15℃の温度に冷却し、バッチ温度を30℃以下に維持しながら、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(STAB、162g、739mmol)を約45分間にわたって4回に分けて添加した。スラリーを約20~25℃の温度で少なくとも30分間攪拌してから、クエン酸水溶液(191g、500mlの水中に986mmol)により約40~45℃の温度で2時間にわたってクエンチした。クエンチング方法が完了したら、45℃以下の温度で真空蒸留によりバッチ体積を約700mlまで減少させた。シクロペンチルメチルエーテル(CPME、400ml)を水溶液に添加して、約1100mlの最終体積を得た。10NのNaOH水溶液の添加によりpHを約8~9に調整した(添加した体積は約430ml)。相を分離し、水相を廃棄した。pHが8以下になるように有機相を塩水(100ml)で2回洗浄し、余分のCPMEの添加により体積を約1000mlに調整した。KFが0.15%以下になるまで、CPMEの添加により減圧下でバッチを一定体積で蒸留した。CPMEを添加して(必要に応じて)、蒸留の最後にバッチを1000mlの体積に調整した。乾燥CPME溶液を周囲温度でシーディングした(500~750mg)。シーディングした乾燥CPMEスラリーを50~60℃の温度に加熱してから、200mlのCPME中のメタンスルホン酸を4~5時間にわたって投入した。次に、スラリーを4~5時間にわたって20℃に冷却し、20℃で3~4時間保持し、濾過し、CPMEですすぎ、35~40℃の真空オーブン内で16時間かけて乾燥させて、化合物4のビスメタンスルホン酸塩を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz DMSO-d
6)δ(ppm):10.62(br s,1-2H),7.85(t,J=7.8Hz,1H),7.58(dd,J=9.5Hz,1.9Hz,1H),7.34(dd,J=8.2Hz,1.8Hz,1H),4.55-4.24(m,7H),3.84(br s,4H),3.14(m,4H);HPLC純度,99.8%,LCMS(ESI)m/z 329.1/331.1[M/M+2]
+.生成物のXRPDパターンは、
図10に示される。生成物のDSCサーモグラムは、
図11に示される。
【0262】
4-(1-(4-ブロモ-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-イル)モルホリン(化合物4)の調製:化合物4のビスメタンスルホン酸塩(70g、134mmol)のt-ブチルメチルエーテル中のスラリーを10±5℃に冷却した。バッチ温度を約15℃に維持しながら、NaOHの水溶液(2N、201ml、403mmol)を少なくとも30分間にわたって添加した。NaOHの添加後、バッチ温度を20±5℃に上昇させ、約20分間にわたって攪拌した。有機層を分離し、水(210ml)で3回洗浄した。続いて、THF(約1.05L)の添加により、KF≦0.10%になるまで有機層を濃縮した。生成物の化合物4をTHF溶液として溶液収率95%で単離した。
【0263】
2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンズアルデヒド二塩酸塩(化合物3 ジ-HCl)の調製:次に、化合物4(44g、134mmol)のTHF溶液(合計体積約350ml)を-20±5℃に冷却した。温度を-10℃よりも低く維持しながら、iPrMgCl・LiCl(1.3M、176ml、228mmol)のTHF溶液を30分間にわたって添加した。添加が完了したら、バッチを-20±5℃で16~22時間攪拌した。次に、バッチ温度を-15℃以下に維持しながら、DMF(21ml、268mmol)を30分間にわたってゆっくり添加した。バッチを-20±5℃で6~24時間攪拌した。次に、2-MeTHF(350ml)を30分間にわたってバッチに添加した後、バッチ温度を-10℃以下に保持しながら、3NのHCl(235ml、704mmol)をゆっくり添加した。HCl水の添加後、バッチを0±5℃まで温め、2NのNaOH水(154ml、309mmol)をゆっくり添加して、溶液のpHを約8~9に調整した。バッチを約30分間攪拌してから、20±5℃まで温めた。有機層を分離し、15%のNaCl水(3x140ml)で洗浄した。続いて、2-MeTHFの添加により、KF≦0.10%になるまで有機層を濃縮した。
【0264】
そのようにして得られた2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンズアルデヒドの遊離塩基の一部(37.4g、134mmol)を2-MeTHF(合計約420ml)中に溶解させ、それにイソプロパノール(420ml)及び水(21ml)を20±5℃で添加した。次に、バッチを50±5℃に加熱し、HClのIPA溶液(5~6N、28ml、全HCl体積の半分)を1時間にわたって添加した。バッチに2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンズアルデヒド二塩酸塩(700mg)をシーディングし、1時間エージングさせた。次に、残りのHCl(28ml)を1時間にわたって添加した。バッチを50±5℃で4時間攪拌してから、20±5℃に8時間に冷却した。スラリーを濾過し、IPA(210ml)で洗浄し、50±5℃においてフィルターケーキを真空下で乾燥させて、化合物3の二塩酸塩(36g、収率75%)を得た。
1H NMR(DMSO-d
6)δ(ppm):12.32-12.55(m,1H),10.23(s,1H),7.93(t,J=7.6Hz,1H),7.66(d,J=10.5Hz,1H),7.58(d,J=7.9Hz,1H),4.80(br s,2H),4.48-4.70(m,2H),4.30(br s,4H),3.78-4.00(m,5H),2.93-3.15(m,2H).2つの多形形態が得られた。形態A(無水)のXRPDパターン及びDSCサーモグラムは、それぞれ
図5及び
図6に示される。形態B(水和物)のXRPDパターン、TGAサーモグラム及びDSCサーモグラムは、それぞれ
図7、
図8及び
図9に示される。
【0265】
tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノアート(化合物2)の合成:化合物5(12g、34.5mmol、1.0eq)及び化合物3の二塩酸塩(14.56g、41.5mmol、1.2eq)のMeCN(96ml)中の混合物を0~5℃に冷却した。内部温度を10℃よりも低く維持しながら、トリフルオロ酢酸(TFA、2.0ml、26mmol、0.75eq)を添加した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(STAB、2.75g、12.95mmol、0.375eq)を添加した。TFA及びSTABの添加をさらに3回繰り返した。TFA及びSTABを合計4回添加したら、反応を0~5℃で1時間エージングさせた。次に、10%の塩水溶液(108ml)を1時間にわたって反応混合物に添加し、IPAc(96ml)により分配させた。混合物を20~25℃まで温め、30分間エージングさせた。次に、層を分離し、有機層を2.0MのK3PO4(114ml)で洗浄した。使用済み水層のpHは、約8.5~9.0のpHを有さなければならない。層を再度分離し、各洗浄の間に30分間置いて、有機相を8.5%のNaHCO3(2x60ml)で洗浄した後、24%の塩水(60ml)で洗浄した。有機画分を50℃付近の内部温度で72mlまで蒸留した。トルエン(72ml)を添加して体積を144mlにし、含水量が0.1未満になるまで50℃においてフィード及びブリードにより一定体積で蒸留を続けた。混合物を50℃に加熱し、アセトニトリル(48ml)を添加した後、内部温度を45℃よりも高く維持しながらヘプタン(144ml)をゆっくり添加した。反応を50℃で2時間保持した。完了したら、反応を4時間にわたって20~25℃にゆっくり冷却し、20~25℃で一晩(16時間)保持した。次に、黄色のスラリーを濾過し、黄色のケーキをアセトニトリル/ヘプタン/トルエンの1:3:3混合物(3x48ml)で置換洗浄した。次に、50℃の窒素下で最終ケーキを減圧下で乾燥させて、99.0%超のLCAPを有する化合物2(単離モル収率87.7%)が提供された。HPLC純度,99.85%;キラル純度,>99.9%ee。1H NMR(DMSO-d6,500MHz)δ(ppm)7.55(s,1H),7.51(dd,J=7.2,8.4Hz,1H),7.32(t,J=7.9Hz,1H),7.16(s,1H),7.0-7.1(m,5H),4.57(d,J=6.3Hz,2H),4.5-4.5(m,1H),3.5-3.6(m,6H),3.3-3.4(m,3H),2.8-2.9(m,3H),2.3-2.4(m,1H),2.1-2.3(m,7H),1.31(s,9H);LCMS m/z 610.3[M+H]+.
【0266】
(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオンビスベシル酸塩(化合物1のビスベシル酸塩)の合成:55℃で攪拌した化合物2(130g、1.0当量)のMeCN(1.56L、12L/kg)中の懸濁液に、MeCN(0.39L、3L/kg)及び水(0.01L、2.0当量)中のベンゼンスルホン酸(185g、5.5当量)の溶液を添加した。混合物を55℃で16時間攪拌した。反応のエージング後、化合物1のビスベシル酸塩の結晶性シード(1.3g、1wt%)をバッチに投入した結果、黄色のスラリーが形成された。次に、スラリーを90分間にわたって20℃に冷却した。2-MeTHF(1.3L、10L/kg)を20℃で2時間かけてバッチにゆっくり添加した。バッチを20℃でさらに4時間攪拌した。次に、黄色のスラリーを濾過し、黄色のケーキをMeTHF(1.3L、10L/kg)により再度スラリー化した後、置換MeTHF(0.65L、5L/kg)洗浄を行った。次に、50℃の窒素下で最終ケーキを減圧下で乾燥させて、化合物1のビスベシル酸塩を得た(160g、収率88.4%)。HPLC純度:98.39%;キラルHPLC純度:100%。生成物のXRPDパターン、TGAサーモグラム及びDSCサーモグラムは、それぞれ
図1、
図2及び
図3に示される。
【0267】
(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン塩酸塩(化合物1 HCl)の合成:EtOAc(4.68L、15.6L/kg)及び2-プロパノール(0.12L、0.4L/kg)中の化合物1のビスベシル酸塩(300g、1当量)の懸濁液を15℃で攪拌した。この懸濁液に、KHCO
3(82.4g、2.5当量)の水(1.8L、6L/kg)中の溶液を30分かけて添加した。混合物を30~60分かけて20℃に加熱してから、30分間攪拌した。バッチを30分間沈降させ、その時点で水(底部)層を廃棄した。リッチな有機層に水(1.2L、4L/kg)を添加し、反応器の内容物を30分間攪拌した。バッチを30分間沈降させ、その時点で水(底部)層を廃棄した。リッチな有機ストリームに、2-プロパノール(2.375L、7.9L/kg)を添加してから、ストリームを濾過した。水を濾液に添加して、含水量を8≦KF≦8.2に調整した。上記の攪拌溶液に20℃で0.2NのHCl(38mL、0.025当量、8wt%の水を含むEtOAC/IPA 2:1、v/v中で調製)を10分かけて添加した。この混合物に、化合物1の塩酸塩の結晶性シード(1.6g、0.5wt%)を添加し、反応器の内容物を20℃で30分間攪拌した。この懸濁液に、0.2NのHCl(1.44L、0.945当量、8wt%の水を含むEtOAC/IPA 2:1、v/v中で調製)を4.5時間かけて添加した。このスラリーを14時間攪拌してから、濾過し、EtOAC/IPA(750mL、2.5L/kg、2:1 v/v、8wt%の水を含む)で洗浄した後、IPA(750mL、2.5L/kg)で洗浄した。固体を40℃において真空下で乾燥させて、化合物1の塩酸塩(170g、収率90%)を得た。アキラルHPLC純度:99.91%;キラルHPLC純度:99.58%。XRPD分析(
図4)では、参照サンプル(b)との比較により、生成物(a)が化合物1の塩酸塩の形態Aであると確認された。
【0268】
上記の実施形態は、単に例示的であることが意図され、当業者は、日常的な実験のみを使用して、特定の化合物、材料及び手順の多数の均等物を認識又は確認することができるであろう。このような均等物の全ては、特許請求される主題の範囲内にあると考えられ、特許請求の範囲によって包含される。
【0269】
本明細書で参照される特許、特許出願及び刊行物の全ては、その全体が本明細書に援用される。本出願中の任意の参考文献の引用又は特定は、このような参考文献が特許請求される主題に対する先行技術として利用可能であることの承認ではない。
【国際調査報告】