(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】材料粒子を個別に分配するための装置
(51)【国際特許分類】
A01C 7/14 20060101AFI20240614BHJP
A01C 15/18 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A01C7/14 Z
A01C15/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577941
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2022066351
(87)【国際公開番号】W WO2022263537
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】102021115886.9
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523473110
【氏名又は名称】ホーナング,ヒューバート
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホーナング,ヒューバート
【テーマコード(参考)】
2B052
2B054
【Fターム(参考)】
2B052BA02
2B052CA06
2B052EB04
2B052EB06
2B052EB11
2B054AA02
2B054BA01
2B054CA01
2B054CB08
2B054DD09
2B054DD23
2B054DE02
(57)【要約】
本発明は、材料粒子(S)、特に、種子及び/又は肥料を計量又は個別に分配するための装置(10)であって、その内部に、バルク形態のばらばらの材料粒子を貯蔵するための少なくとも1つのチャンバを有する少なくとも1つの貯蔵容器と、貯蔵容器のチャンバ内に突出し、チャンバ内のバルク形態のばらばらの材料粒子、特に、単一の材料粒子(S)から所定量の材料粒子(S)を受容するための少なくとも1つのバケット受容エリア(24)を有する駆動輸送手段(22)を有する少なくとも1つの単粒化装置(20)とを有し、駆動輸送手段(22)は、バルク形態の材料粒子を通す少なくとも1つのバケット受容領域(24)をガイドし、バケット受容領域(24)内に受容された少なくとも1つの材料粒子(S)をチャンバ外に、重力(G)に逆らって搬送するように設計された、装置(10)に関する。少なくとも1つのバケット受容領域(24)は、駆動輸送手段(22)に取り外し可能に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料粒子(S)、特に種子及び/又は肥料を、農地に計量分提供又は個別に分配するための装置(10)であって、
少なくとも1つの貯蔵容器の内部に、バルク形態のばらばらの材料粒子を貯蔵するための少なくとも1つのチャンバを有する少なくとも1つの前記貯蔵容器を有し、
前記貯蔵容器の前記チャンバ内に突出し、前記チャンバ内のバルク形態の前記ばらばらの材料粒子からの所定量の材料粒子(S)を、特に単一の材料粒子(S)を、受容するための少なくとも1つのスクープレセプタクル(24)を有する駆動輸送手段(22)を有する少なくとも1つの単粒化装置(20)を有し、
前記駆動輸送手段(22)は、バルク形態の前記ばらばらの材料粒子を通す少なくとも1つのスクープレセプタクル(24)をガイドし、前記スクープレセプタクル(24)に受容された少なくとも1つの材料粒子(S)を前記チャンバ外に、重力(G)に逆らって搬送するように構成され、
前記少なくとも1つのスクープレセプタクル(24)は、前記駆動輸送手段(22)に取り外し可能に接続され、
前記スクープレセプタクル(24)は、前記輸送手段(22)に接続された状態で、前記輸送手段(22)から突出し、前記少なくとも1つの材料粒子(S)を受容するためのレセプタクルクリアランス(50a)を有する突出部として設計され、
前記レセプタクルクリアランス(50a)は、窪みとして構成され、前記窪みは、窪んだベースエリア(54)と、前記窪みを少なくとも部分的に画定する周辺部(56)とを有し、前記レセプタクルクリアランス(50a)の前記窪んだベースエリア(54)は、流体の流れが、特に空気の流れが、前記レセプタクルクリアランス(50a)を通過するための少なくとも1つの貫通孔(58)を有することを特徴とする、装置(10)。
【請求項2】
前記スクープレセプタクル(24)は、前記レセプタクルクリアランス(50a)を有するヘッド領域(50)と、前記輸送手段(22)に接続するためのウェブ領域(52)とを有する、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記窪んだベースエリアは、前記少なくとも1つの貫通孔を通って流入する流体の流れが、前記レセプタクルクリアランス内において、全体的に又は複数の部分的な流れで、例えば2つの部分的な流れで、流体ルーティングによりガイドされるように、前記流体ルーティングでさらに構成され、前記流体ルーティングは、特に、前記窪んだベースエリアの表面上及び前記レセプタクルクリアランスの前記周辺部内の突出構造によって形成される、請求項1又は2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記単粒化装置(20)は、少なくとも2つの輸送手段(22)の移動速度に関して、相互に独立した態様で、駆動することができる前記少なくとも2つの輸送手段(22)を有し、及び/又は請求項1~3のいずれか一項に記載の前記装置(10)は、少なくとも2つの単粒化装置(20)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記少なくとも2つの輸送手段(22)は、互いに平行になるように配置される、請求項4に記載の装置(10)。
【請求項6】
各単粒化装置(20)は、それぞれのチャンバに割り当てられ、前記チャンバと共同して、それぞれ他の単粒化モジュールとは独立して動作可能な単粒化モジュールを形成する、請求項4又は5に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記装置(10)は、前記少なくとも2つの輸送手段(22)を駆動するために設けられた共通の駆動装置を有し、前記少なくとも2つの輸送手段は、トランスファーボックスを介して前記駆動装置に接続される、請求項3~6のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項8】
前記トランスファーボックスは、切り替え可能なギアボックスを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記単粒化装置は、少なくとも1つのワイパー装置(30)を有し、それによって、過剰の材料粒子(S)を、割り当てられたチャンバ内で拭き取ることができ、前記所定量の材料粒子が前記スクープレセプタクル(24)内に確実に受容されるようにする、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項10】
前記ワイパー装置(30)は、少なくとも1つの機械的ワイパー要素(32)を含む、請求項9に記載の装置(10)。
【請求項11】
前記機械的ワイパー要素(32)は、前記輸送手段に対して回転及び/又は振動するように移動可能であり、及び/又は、ブラシ要素を含む、請求項10に記載の装置(10)。
【請求項12】
前記単粒化装置は、前記割り当てられた輸送手段(22)に取り外し可能に接続された複数のスクープレセプタクル(24)を有し、前記割り当てられた輸送手段(22)は、前記スクープレセプタクル(24)が取り外し可能に締結される回転コンベヤベルトを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項13】
前記単粒化装置の前記少なくとも1つの輸送手段(22)は、少なくとも1つの第1のシャフト(26)及び第2のシャフト(28)によってガイドされ、前記第1のシャフト(26)は、特に、駆動シャフトを含み、前記第2のシャフト(28)は、特に、前記回転輸送手段(22)のための偏向シャフトを含み、前記輸送手段(22)をガイドするためのシャフト(26、28)は、前記割り当てられた輸送手段(22)の前記スクープレセプタクル(24)内に受容された前記少なくとも1つの材料粒子(S)が、重力(G)によって前記スクープレセプタクル(24)内にもう保持されず、自由落下領域に落下する反転点をマークする、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記単粒化装置(20)の下流側に配置された送出装置(40)は、前記自由落下領域から進み、土地の方向に延在し、圧縮空気と衝突することができる、少なくとも1つの分配ダクト(42)を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのスクープレセプタクル(24)のサイズは、受容される前記少なくとも1つの材料粒子(S)のサイズ、又は受容される前記材料粒子(S)の量に適合することができる、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願を相互参照
本出願は、ドイツ特許出願第10 2021 115 886.9号の優先権を主張するものであり、内容を参照することにより援用される。
【0002】
本発明は、材料粒子、特に、種子及び/又は肥料を、計量分提供し(metering)又は農地に個別に分配する(distributing)ための装置に関し、この装置は、少なくとも1つの貯蔵容器を有し、その貯蔵容器の内部に、バルク形態のばらばらの材料粒子(loose material particles)を貯蔵するための少なくとも1つのチャンバを有する。
【背景技術】
【0003】
種子を単粒化(singularizing)するための装置は、原則として、例えば、特許文献1から知られており、その下部領域に、貯蔵容器のベース部(a part of the base)の一部を形成し、容器内に締結されるスリーブ上に取り付けられるセル状ディスクを有する貯蔵容器を有する単粒播種機が開示されている。均一に分配されたセルは、セル状ディスク上に配置され、ある程度の遊びを備えたカバーディスクによって下向きに終端される。さらに、セルに従って配置された種子ガイドチューブは、セル状ディスクに固定的に接続され、仮想の円錐台形のエンベロープ内で回転し、種子ガイドチューブの自由端は、粒子出口位置を形成する。剛体セル状ディスクが使用される場合、顧客の要求に合うように装置を適合及び変形するための選択肢は限定される。
【0004】
種子粒子塊から種子粒子を単粒化し、種子粒子を播種するための装置も、特許文献2から知られており、この装置は、種子容器を有し、ベース部が、駆動可能に、回転可能に取り付けられた分配機であり、このベース部に沿った周囲の近傍に、少なくとも1つの一連の貫通孔を有し、分配機ディスクの上側にそれぞれ1つの種子粒子を受容するための凹部を有する。分配機筐体が容器上に配置され、分配機ディスクの周囲は、分配機筐体の下方で回転する。貫通孔の凹部に位置する種子粒子を分配機ラインに排出するための装置は、分配機筐体の領域において分配機ディスクの下に配置され、この分配機ラインは播種シャフトにつながっている。装置は、複数のエジェクタピンを備え、エジェクタピンの直径は、分配機ディスク内の貫通孔の利用可能な幅よりもいくぶん小さい。この装置でも、顧客の要求に合うように装置を適合及び変形するための選択肢は限定される。
【0005】
計量又は播種ユニットの回転コンベヤディスクは、特許文献3から知られており、このコンベヤディスクは、穀物を輸送するための複数のクリアランスを有する。コンベヤディスクは、種子粒子、肥料等の粒状材料のための計量ユニットの筐体内で回転する。外周上のコンベヤディスクは、コンベヤディスクの少なくとも1回転にわたって分離されるべき少なくとも1つの粒子を受容するための少なくとも1つのクリアランスを有する。少なくとも1つのクリアランスは、内側エンベロープ面の溝形状の輪郭特徴と相互作用するとき、ほぼ接線方式で、内側エンベロープ面に隣接する出口開口部の方向に、1つの粒子又は複数の粒子を搬送するためのコンベヤポケットを形成する。少なくとも1つのクリアランスは、ディスク内に取り外し可能に固定されるインサート要素内のコンベヤディスクの外周上に配置される。また、冒頭で述べた文献の場合と同様に、顧客の要求に合うように装置を適合及び変形するための選択肢はまた、この装置においても限定される。
【0006】
さらに、圧力勾配又は圧縮空気に基づく種子材料単粒化装置が知られている。
【0007】
例えば、特許文献4から知られているのは、穀物、例えば、種子、肥料等の形態の粒状材料を個別に吐出する(dispense)ための農業機械の計量装置である。この計量装置は、圧力差原理に従って動作する。この計量装置は、チャンバ内に穀物投入部及び種子材料リザーバを有する筐体を含む。回転可能に配置され、湾曲した経路上に規則的に配置されたクリアランスを有する、粒子を受容するための計量部材が、チャンバを画定する。クリアランスは、チャンバをより低い圧力レベルを有する領域に接続する。粒子は、圧力差の結果としてクリアランスによって誘導され、粒子は、続いて、計量部材の回転によって、湾曲経路に沿って、粒子送出(deliver)領域に搬送される。粒子送出領域内の圧力レベルは、誘導気流を形成し、それによって、粒子は、種子材料計量ラインの方向に、ガイド要素のガイド経路の方向に、方向変化する。さらに、種子材料計量ライン内の空気流の結果として、粒子は、活発な加速を経験する。
【0008】
負圧の使用、従って、単粒化される種子等の材料粒子の単粒化における誘導の影響は、粒子間の破壊粒子又は異物の蓄積というリスクをもたらす。破壊粒子又は異物は、そこでは単粒化装置において単粒化される材料粒子の空間を占めるか、又は該空間に置き換わる可能性がある。従って、所望の材料粒子以外の粒子が、農地方向に排出される。これは、材料粒子の不均一な分布につながり得る。さらに、汚れ、金属の削り屑、岩石、又は同様の異物の混入等の破壊粒子は、それらが永久的に堆積される場合、機械に損傷を与える可能性がある。
【0009】
球状粒子を単粒化するためのさらなる解決策は、特許文献5に記載されている。ここで、球体は、貯蔵容器内の振動装置によって単粒化され、管内に前方に向けられ、そこにある球体は貯蔵中に互いの上に残る。球体を除去又は搬送するために、コンベヤライン内の球体を落下点に搬送する気流が、ファンによって生成される。
【0010】
最後に、特許文献6は、コンベヤベルトを有する単粒化装置の解決策を開示しており、一方、特許文献7は、個別の粒子播種機の播種開口部から過剰の種子粒子を拭き取るための装置を開示しており、播種開口部は、回転ドラム又はディスクに取り付けられ、圧力差で衝突する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許出願公開第DE 1 582 116 A号
【特許文献2】独国実用新案第DE 81 20 598.8 U1号
【特許文献3】独国特許出願公開第DE 10 2014 216 370 A1号
【特許文献4】欧州特許出願公開第EP 3 050 419 A1号
【特許文献5】独国実用新案第DE 201 13 941 U1号
【特許文献6】米国特許第US 2,770,440号
【特許文献7】独国特許出願公開第DE 10 2004 042 519 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、材料粒子を計量又は個別に分配するための改良された装置を提供することにあり、材料粒子の信頼性のある、正確な、可変の分配を可能にし、同時に、機器の摩耗を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するために、請求項1の特徴を有する材料粒子の個別の分配のための装置が提案される。
【0014】
本発明の一態様によれば、材料粒子、特に、種子及び/又は肥料を、計量又は農地に個別に分配するための装置であって、その内部に、バルク形態のばらばらの材料粒子を貯蔵するための少なくとも1つのチャンバを有する少なくとも1つの貯蔵容器と、貯蔵容器のチャンバ内に突出し、チャンバ内のバルク形態のばらばらの材料粒子、特に、単一の材料粒子から、所定量の材料粒子を受容するための少なくとも1つのスクープレセプタクルを有する駆動輸送手段を有する少なくとも1つの単粒化装置とを有する装置が提案される。駆動輸送手段は、ここでは、バルク形態のばらばらの材料粒子を通す少なくとも1つのスクープレセプタクルをガイド又は移動(受容)し、スクープレセプタクルに受容された少なくとも1つの材料粒子をチャンバ外に、重力(G)に逆らって搬送(輸送)するように構成され、少なくとも1つのスクープレセプタクルは、駆動輸送手段に取り外し可能に接続される。分配される材料粒子のタイプに応じて、所定量の材料粒子を提供(計量)するのも望ましい場合がある。
【0015】
このタイプの装置を使用すると、所定量、特に、種子粒及び/又は肥料粒子等の個別の材料粒子を、農地に均一に堆積又は分配することが可能である。本発明の焦点は、それぞれ、材料粒子の単純化された単粒化、又は所定量で材料粒子を提供すること(計量分提供すること)にある。バルク形態のばらばらの材料からの材料粒子の受容、及び本発明による解決策による、供給容器から単粒化装置を介した下流側の送出装置への材料粒子の輸送は、特に穏やかな態様(manner)で、実質的に重力を利用することによって行われる。バルク形態のばらばらの材料を通すようにガイドされるスクープレセプタクルには、重力の影響下で、所定量の材料粒子、特に、1つの材料粒子が装填される。少なくとも1つの材料粒子は、少なくとも1つのスクープレセプタクル内に受容され、重力によって保持され、輸送手段によってチャンバから所定の送出点まで搬送される。送出点の領域において、少なくとも1つの材料粒子は、例えば、重力の影響下で、送出装置に移送される。
【0016】
原則として、本発明による装置は、空気圧で動作する要素を必要とすることなく、材料粒子の単粒化、又は材料粒子の計量及び分配を可能にする。従って、本発明のさらなる焦点となる概念は、所望であれば、種子を単粒化するための負圧又は圧縮空気の公知の使用を省くことができることにある。
【0017】
原理的には、顧客が望むならば、送出装置、すなわち、単粒化装置の下流側に、又は単粒化装置と平行に、追加的に空気圧要素を任意に配置することも当然ながら可能であり、その結果、圧縮空気又は負圧に少なくとも部分的に基づく分配が可能になる。負圧が使用される公知の解決策とは対照的に、材料粒子の個別の分配のための装置内の汚れ粒子及び異物は、圧縮空気の助けを借りて、送出装置を介して外部からさらに吐出され得る。また、圧縮空気、負圧、又はそれらの組み合わせを使用することによって、単粒化装置から送出装置への送出を容易にすることも可能である。
【0018】
スクープレセプタクルは、輸送手段に接続された状態で輸送手段から突出し、少なくとも1つの材料粒子を受容するためのレセプタクルクリアランスを有する突出部として設計される。さらに、スクープレセプタクルは、スクープと同様の態様で、少なくとも1つの材料粒子又は規定された材料粒子量を受容するためのベースから離れる方向を向いたクリアランス(レセプタクルクリアランス)を有するヘッド領域と、輸送手段に接続するためのウェブ領域とを有することができる。スクープの場合のように、クリアランスは、窪んだベースエリアと、窪みを少なくとも部分的に画定する周辺部とを有する窪み(トラフ)として構成することができる。本明細書におけるクリアランスはまた、例えば、自由端の領域において周辺部が中断、下降等されるという点で、横方向に開くこともできる。さらに、ウェブ領域は、ヘッド領域よりも狭く又は広く設計される必要はないが、ヘッド領域と同一平面上に移行することができる。また、ヘッド領域、特に、レセプタクルは、ウェブの長手方向軸に対して軸方向に対称であるように配置される必要はない。
【0019】
本発明の改良によれば、レセプタクルクリアランスの窪んだベースエリアは、レセプタクルクリアランスを通過する流体、特に、空気の流れのための少なくとも1つの貫通孔を有するようにすることができる。材料粒子の特に単純かつ穏やかな処理は、少なくとも1つの材料粒子の、スクープレセプタクルからの貫通孔を介した流体支持送出(output)によって、再び可能になる。空気が流体として使用されない場合、他の流体、すなわち、液体又は気体を使用することができ、これは、種子及び/又は肥料の送出に関して有利でもあり得、例えば、播種直前に種子を湿らせる液体肥料、液体又は気体農薬、又は匹敵する溶液を使用することができる。
【0020】
本明細書における窪んだベースエリアは、少なくとも1つの貫通孔を通って流入する流体の流れが、流体ルーティングにより、レセプタクルクリアランス内において、全体的に又は複数の部分的な流れで、例えば2つの部分的な流れで、ガイドされるような態様で、流体ルーティングによりさらに構成され、その結果、その所望の軌道内の少なくとも1つの受容した材料粒子を、スクープレセプタクルのレセプタクルクリアランスから自由落下領域内に向ける。流体ルーティングは、窪んだベースエリアの表面上及びレセプタクルクリアランスの周辺領域内の突出構造によって構成することができ、異なる形状及び設計(例えば、縦溝、隆起、楔形凸等による)は、受容される材料粒子に応じて好都合なものとしてよい。
【0021】
空気供給は、別個の装置によって供給することができ、特に、その相対的な高さに関して、及びスクープレセプタクルに対するその傾きに関して、調整可能であるように設計することができる。このようにして、装置は、スクープレセプタクルに圧縮空気を送出することができ、この圧縮空気は、所定の迎角で気流としてスクープレセプタクルの貫通孔内に流れ、スクープレセプタクルから送出される少なくとも1つの材料粒子の所望の軌道を支持するように、レセプタクルの内部で目標を定めて、任意で、偏向及び/又は分割される。
【0022】
スクープレセプタクルは、割り当てられた輸送手段にねじ止め又はスナップ嵌めすることができる。例えば、ウェブ領域は、ここでは、外ねじ、又は、内ねじを有する締結開口部を有することができ、これは、輸送手段の締結開口部内の対応する内ねじ又は輸送手段の対応する外ねじ(例えば、締結ピン等)にねじ止めされる。類似のスナップ嵌め接続(又は匹敵する、容易に取り外し可能なタイプの接続)も考えられ、輸送手段のスクープレセプタクルの容易な取り外し性及び接続性を可能にする。
【0023】
輸送手段のスクープレセプタクルの容易な取り外し性及び接続性によって、装置を、単粒化される異なる材料粒子、又は送出される材料粒子量に容易に適合させることができる。さらに、損傷の場合には、容易で迅速な修理を行うことができる。最後に、輸送手段の複数のスクープレセプタクルの場合、数及び配置もまた、特定の用途に応じて容易に変更することもできる。
【0024】
本発明の改良によれば、単粒化装置は、少なくとも2つの輸送手段を有し、2つの輸送手段は、それらの移動速度に関して(及び対応して、割り当てられた駆動ユニットの駆動回転速度に関して)相互に独立した態様で駆動することができるようにすることができる。代替的に又は追加的に、本発明による装置は、一実施形態において、複数の単粒化装置を含むようにすることができる。この結果、分布手順、すなわち(例えば、施肥又は播種の際の)材料粒子の送出がより効率的になるように、複数の輸送手段が提供される。少なくとも2つの輸送手段(1つの単粒化装置又は複数の単粒化装置)を設けることによって、2つ以上の材料粒子、特に、種子又は肥料粒子を、1つの同じ列に、又は複数の平行な列に堆積させることができる。このプロセスでは、単粒化された材料粒子を、共通の下流の送出装置によって、又はそれぞれの輸送手段もしくはそれぞれの単粒化装置に割り当てられた複数の送出装置によって、堆積又は送出させることができる。
【0025】
さらに、少なくとも2つの単粒化装置、又は、少なくとも2つの輸送手段は、別々にオン及びオフに切り換えることができ、すなわち、各単粒化装置の輸送手段の駆動を、特に、オン及びオフに切り換えることができる。オン及びオフの切り換えは、機械的又は電子的に、特に、制御された態様でも行うことができる。結果として、面積当たりの必要な種子の、及び/又は必要な肥料の特定の量(kg/ha)を容易に計算し、対応して適合させることができる。
【0026】
さらに、少なくとも2つの輸送手段は、それらが同じ単粒化装置に割り当てられているか、又は少なくとも2つの単粒化装置に割り当てられているかに関係なく、相互に平行になるように配置されている。
【0027】
装置のモジュラー構造の観点から、各単粒化装置は、それぞれのチャンバに割り当てられ、チャンバと共同して、任意で、さらに提供される、それぞれ他の単粒化モジュールから独立して動作することができる、単粒化モジュールを構成するようにすることができる。
【0028】
本発明によれば、装置のモジュラー構造が提供されるか、又はそれと組み合わせて提供されるかにかかわらず、全ての輸送手段を駆動する共通の駆動装置(1つ又は複数の単粒化装置への割り当てとは無関係に)、又は、単粒化装置の輸送手段のための、若しくは任意で単粒化モジュールの輸送手段のための共通の駆動装置とすることができる。この目的のために、輸送手段への直接的な接続、又は、例えば、切り替え可能なトランスファーボックスによって確立される間接的な接続を設けることができる。このようにして、単純な設計の実施形態において、装置の全ての輸送手段、又は単粒化装置もしくは単粒化モジュールの全ての輸送手段は、割り当てられた共通の駆動装置によって同じ回転速度で駆動することができる。
【0029】
ここでの駆動装置は、地面上、すなわち、農地(田畑)上で、共同で実行され、追加の駆動ユニットを省くことができるように、地面に沿った装置の変位(走行運動)によって駆動される単純なローラによって駆動することができる。この場合、田畑上での材料粒子の送出中の装置の移動速度と、輸送手段の移動速度(従って送出レート)との間の所定の比が予め定義される。
【0030】
さらに考えられる設計の実施形態は、駆動モータ等の駆動ユニットによって共通の駆動装置が実行され、従って、装置の走行速度とは無関係に輸送手段を駆動することを提供する。このような駆動装置は、例えば、電子制御ユニット又はコンピュータ制御ユニット及び/又は機械的制御ユニットによって制御することができる。そのような制御ユニットは、動作中に、送出材料粒子、例えば、種子又は肥料粒子の量を適合させることを可能にする。
【0031】
トランスファーボックスの場合、共通駆動装置の駆動トルク(その設計とは無関係に)は、固定又は可変比で、個別の輸送手段、単粒化装置、又は単粒化モジュールの輸送手段の駆動手段に分配することができる。可変比の場合、ギア比は、切り替え可能なギアボックスによって変更することができる。輸送手段の駆動手段が、トランスファーボックスによって結合又は分離されるという点で、輸送手段がオフに切り換えられるようにすることもできる。
【0032】
さらに、単粒化ユニットの複数の輸送手段のための共通の駆動装置の代わりに、それぞれの輸送手段に相互に独立した態様で割り当てられて、後者を駆動する複数の別個の個別の駆動装置を設けることも考えられる。ここでも、少なくとも1つの個別の駆動装置を制御可能とすることができる。
【0033】
しかしながら、個別の輸送手段を、それらの駆動回転速度に関して相互に独立した態様で動作させる可能性の結果として、共通の駆動装置において個別の駆動装置をオン及びオフに切り換えることによって、及び/又は、トランスファーボックスにおいてギア比を適合させることによって、又は、独立した個別の駆動装置を設けることによって、各列において異なる数の材料粒子を堆積させることが可能である。これは、特に、異なる土壌品質の場合に有利である。
【0034】
本発明の1つの設計の実施形態によれば、貯蔵容器の内部に複数のチャンバ又はチャンバ隔壁を構成することが有利であり得る。この目的のために、追加の容器、例えば、交換可能なプラスチック容器を内部に配置することができ、例えば、チャンバは、容器の壁によって画定される。さらに、チャンバは、適切な隔壁を使用することによって構成することができる。あるいは、貯蔵容器に一体成形された隔壁の形態で、貯蔵容器内のチャンバを画定することが可能である。提供されるチャンバの数に応じて、貯蔵容器のベース部に提供される送出開口の数は、例えば、各チャンバがベース部に送出開口を割り当てられるように適合することができる。貯蔵容器内に複数のチャンバを設けることによって、チャンバ内にバルク形態の異なる材料粒子、例えば、異なる種子タイプの種子粒子、又は、第1のチャンバ内の種子粒子、同様に、第2のチャンバ内の肥料粒子を貯蔵することが可能である。
【0035】
少なくとも2つの単粒化装置の少なくとも2つの輸送手段は、本発明によれば、上述したように、並列に、又は、相互にオフセットされるように配置することができる。
【0036】
既に上述したように、並列配置の場合、オン及びオフに切り替えることができる輸送手段の複数の個別の駆動装置を任意で駆動する共通駆動装置を、任意で使用することができる。特に、単純な設計の実施形態において、平行に配置された輸送手段は、従って、1つの駆動装置によって共同で駆動される。設計の実施形態に応じて、ギアボックスを設けることによって、オン及びオフに切り換えることができる複数の個別の駆動装置の間で、駆動装置を分散させることができ、その結果、個別の単粒化装置、従って、輸送手段を自律的に作動させることが可能になる。
【0037】
複数の単粒化装置は、単一のチャンバ又は複数のチャンバから供給することができる。それとは無関係に、又はそれと組み合わせて、装置は、少なくとも1つのワイパー装置を有することができ、その手段によって、スクープレセプタクルを越えて突出する過剰の材料粒子は、例えば、所定量の材料粒子が確実にスクープレセプタクル内に受容されるようにするために、割り当てられたチャンバ内で拭き取ることができる。個別のチャンバとしての、又は、複数のチャンバもしくはチャンバ隔壁を有する粒子供給の設計の実施形態に応じて、及びその中に受容される粒子に応じて、単一のワイパー装置を提供してもよく、これはまた、並列に配置された複数のチャンバ隔壁の場合に好都合でもあり、又は、各チャンバもしくはチャンバ隔壁に、別個のワイパー要素を割り当てることができる。
【0038】
ワイパー装置は、機械的ワイパー要素として構成され得る少なくとも1つのワイパー要素を備えることができ、機械的ワイピングによって、スクープレセプタクル内に受容される所定量の材料粒子を超える過剰の材料粒子をスクープレセプタクルから拭き取ることができる。このようにして、ワイパー要素は、例えば、ブラシ要素、テキスタイル要素、又はゴムリップ、弾性シリコーンストリップ等の形態の弾性要素の形態で構成することができる。ブラシ要素、テキスタイル又は弾性要素の剛毛の弾性変形能力によって、過剰の材料粒子を、特に穏やかな態様で拭き取ることを可能にする。
【0039】
しかしながら、ワイパー装置はまた、流体流れを含むこともでき、過剰の材料粒子を、例えば、圧縮空気によって使用される流体によって吹き飛ばし、スクープレセプタクルからチャンバ内に戻すことができる。スクープレセプタクルからの材料粒子の送出に関して説明したように、他の流体もまた、空気以外の他の気体又は液体を含んでいてもよい。
【0040】
少なくとも1つの機械的ワイパー要素の場合、ワイパー要素は受動的に作用する、すなわち、輸送手段によって移動する少なくとも1つのスクープレセプタクルが、例えば、移動するスクープレセプタクルを通過して移動される位置に固定して配置され、移動するスクープレセプタクルを横切って受動的に拭き取る(摺動する)ことができる。しかしながら、代替的に、少なくとも1つの機械的ワイパー要素は、例えば、輸送手段に対する回転及び/又は振動運動を実施するように駆動することもできる。受動的影響(例えば、自由に回転するローラ)と能動的影響(駆動される発振方式で往復運動することができる)との組み合わせも考えられる。
【0041】
当然のことながら、ワイパー装置は、互いに組み合わせて、複数の機械的ワイパー要素(能動的及び/又は受動的に)及び/又は流体流れを含んでいてもよい。このようにして、受動的又は能動的な機械的ワイパー要素としてのブラシ要素を、例えば、圧縮空気ジェットと組み合わせることもできる。
【0042】
さらに、輸送手段の数を、提供されるチャンバの数に適合させることが考えられ、逆もまた同様である。2つのチャンバを有する設計の実施形態において、第1の輸送手段によって第1のチャンバ内に貯蔵された材料粒子を単粒化した態様で送出すること、及び第2の輸送手段によって第2のチャンバ内に貯蔵された材料粒子を単粒化した態様で送出することが可能である。このようにして、材料粒子は、それぞれ、互いに別々に、共通の送出装置の方向に、又は別個の送出装置の方向に輸送することができる。材料粒子が、それぞれ、共通の送出装置の方向に、又は別個の送出装置の方向に、互いに別々に輸送されるかどうかに応じて、材料粒子は、相互に平行な列又は共通の列で堆積され得る。さらに、異なる材料粒子、特に、種子及び肥料を、相互に別個の態様で堆積させることが可能である。
【0043】
輸送手段の非平行配置においてでも、2つの別個の輸送手段によって、同じ又は別のタイプの材料粒子を、1つの同じ列で、農地に連続的に堆積させることが可能になる。
【0044】
同じタイプの材料粒子は、2つの独立した輸送手段によって、又は、2つの単粒化装置の非モジュラー構造の場合に、貯蔵容器の1つの同じチャンバから供給することができる。
【0045】
輸送手段は、それらの互いの配置とは無関係に、同時に又は自律的に制御及び動作することができる。
【0046】
並列配置の場合、輸送手段の目標とする、オン又はオフの切り換えは、それに応じて、列をオフにすることができる。これにより、ユーザは、目標を定めて、互いに隣接する異なる材料粒子、例えば、異なる種子タイプ、又は種子及び肥料粒子を堆積させることが可能になる。
【0047】
非平行配置の場合、又は2つの輸送手段が、材料粒子を同じ送出装置に輸送する場合、列で堆積される特定の材料粒子の添加及び/又は材料粒子の量も同様に調節することができる。
【0048】
下流の1つ又は複数の送出装置(a)を含む複数の輸送手段が設けられている場合、ユーザは、目標を定めて、個別の輸送及び送出ラインを、オン又はオフに切り換えることによって、又は、さらにオンに切り換えることによって、農地の個別の材料粒子列間の異なる間隔を画定することができる。
【0049】
多数のスクープレセプタクルが、同じ輸送手段に、例えば、列で取り外し可能に締結されることができるような態様で、輸送手段のうちの1つ、特に、回転コンベヤベルトを、その幅に関して、サイズ設定することが有利であり得る。そのような設計の実施形態において、スクープレセプタクルを、レセプタクルクリアランス間の間隔が異なる複数の列において輸送手段に締結することができる。すなわち、第1の列におけるスクープレセプタクル間の間隔は、例えば、第2の列のスクープレセプタクル間の間隔とは異なる。このようにして、個別の列に、異なる数のスクープレセプタクル、例えば、第1の列に100個のスクープレセプタクル、第2の列に50個のスクープレセプタクル、及びさらなる列に30個のスクープレセプタクルを設けることができる。従って、異なる量の材料粒子を、単一の輸送手段の列に送出することができる。本明細書におけるスクープレセプタクルは、均一に分散された態様で、輸送手段に締結することができる。これが望ましい場合、スクープレセプタクルは、例えば、不均一に分散された態様で、すなわち、第1の列において、例えば、互いに異なる間隔を有するように、輸送手段に締結することもできる。
【0050】
あるいは、輸送手段は、それぞれ、複数のスクープレセプタクルを有する1つの列のみを有することもできる。複数の輸送手段の場合、個別の輸送手段内のスクープレセプタクル間の間隔はまた、個別の輸送手段が、上記で説明したように、異なる数のスクープレセプタクルを有することができるように、ここでは異なるサイズであるように選択することもできる。
【0051】
複数の輸送手段を有する本発明の設計の実施形態の結果として、それぞれ広がった列は、別個にオン及びオフに切り換えることができる。結果として、所望の列間隔を選択することが可能になる。
【0052】
代替的に又は追加的に、単粒化装置の輸送手段、特に、回転コンベヤベルトは、第1及び第2のシャフトによってガイドされ、第1のシャフトは、特に、駆動シャフトを含み、第2のシャフトは、特に、回転コンベヤベルト用の偏向シャフトを含むようにすることができる。
【0053】
駆動シャフトは、さらに、改善された駆動の目的のために、輸送要素又は輸送要素上に構成された嵌合構造と相互作用する、歯付き要素又は匹敵する突出状構造(スタッド等)を備えることができる。歯付き要素(又は匹敵する構造)と、輸送要素の嵌合構造との間の相互作用は、例えば、駆動シャフトと輸送要素との間の力及びトルクのより良好な伝達を保証するように、回転コンベヤベルト上の対応する嵌合構造における歯付き要素又は匹敵する突出状構造の間の少なくとも部分的な係合によって起こり得る。第1及び第2のシャフトは、2つの互いに平行な軸上に配置することができる。あるいは、軸は、互いにある角度を成すこともできる。さらに、2つより多いシャフトによって輸送要素をガイドすることが有利であり得る。これは、特に、構造及び空間に関して、単粒化装置のそれぞれの設計の実施形態に応じて異なる。少なくとも1つのシャフトによって輸送要素をガイドする代わりに、1つの輸送要素を、リング形のローラトラック上を摺動するように配置することができ、輸送要素は、適切な駆動要素、例えば、歯付き要素を備えた歯車によって駆動することができる。
【0054】
本明細書における第1のシャフト又は第2のシャフト(又は任意で追加のシャフト、例えば、偏向シャフト)は、反転点(a reversal point)又は反転領域に印を付けることができ、そこでは、スクープレセプタクル内に受容された少なくとも1つの材料粒子はもう重力によってスクープレセプタクル内に保持されず、自由落下領域においては、重力の影響下で地面の方向に落下する。
【0055】
この実施形態において、さらに、送出装置は、自由落下領域から進み、土地の方向に延在し、任意で、圧縮空気と衝突することができる、少なくとも1つの分配ダクトを有するようにすることができる。
【0056】
自由落下領域内の単粒化された材料粒子は、少なくとも1つの送出装置の方向に送出される。スクープレセプタクル内に受容された少なくとも1つの材料粒子は、もう重力によってスクープレセプタクル内に保持されず、重力の影響下で下方に落下する、画定された自由落下領域において送出装置に材料粒子を送出することによって、材料粒子は、画定された数で、又は画定されたサイクルレートで送出装置に供給されることが保証される。結果として、農地の方向への均一な供給、又は粒子の均一な分布が可能になるだけである。複数のスクープレセプタクルが、輸送手段に配置されるとき、均一又は異なる間隔が、スクープレセプタクル間に提供されてもよい。
【0057】
本発明のさらなる設計の実施形態によれば、輸送手段の少なくとも1つのスクープレセプタクルの外側にある材料粒子は、ワイパー要素によって拭き取られた後、戻し装置によって貯蔵容器に戻すことができ、戻し装置は、特に、圧縮空気ダクトを備えることができる。
【0058】
従って、存在する過剰の材料粒子(例えば、スクープレセプタクルの外側)を輸送要素又はスクープレセプタクルから拭き取ることができるワイパー要素を、自由落下領域の近傍に設けることができる。既に上述したように、ワイパー要素は、機械的ワイパー要素(ワイパーブラシ、弾性ワイパーストリップ等)として、及び/又は流体作用を有するワイパー要素として構成することができる。輸送要素に向かって垂直方向に延在する機械的ワイパー要素の場合、機械的ワイパー要素は、輸送要素及び/又は後者に接続されたスクープレセプタクルとわずかに摺接し(受動的影響)、及び/又は能動的に移動することができる。ワイパー要素の部分上の摺接は、ワイパー要素上に構成されたプラスチック及び/又はテキスタイルのフリンジ又は要素によって構成することができる。次いで、拭き取られた材料粒子は、戻し装置によって貯蔵容器内に戻すことができる。戻し装置は、圧縮空気供給が割り当てられるチャネル及び/又はトレンチとして構成することができ、その結果、材料粒子は、貯蔵容器のチャンバの方向に圧縮空気流で戻される。複数の輸送手段が存在する場合、輸送手段の各々は、好ましくは、例えば、1つのワイパー要素及び1つの戻り装置を割り当てることができる。これは、異なる材料粒子が使用されているときでも、チャンバへの別個の戻り供給を可能にする。
【0059】
代替的に又は追加的に、スクープレセプタクルの設計の実施形態及び輸送手段によるスクープレセプタクルのガイドはまた、所定量の材料粒子のみ、又は1つの材料粒子のみが重力によってスクープレセプタクル内に保持でき、スクープレセプタクルから過剰な滑りが生じてチャンバ内に落下するような態様で、自由落下領域の前の所定領域のスクープレセプタクルが既に傾斜しているように、設計することもできる。この解決策は、拭き取りのためのさらなる要素を省くことができる、特に単純で費用効果の高い変形例を表す。
【0060】
本発明のさらなる任意の設計の実施形態によれば、送出装置は、自由落下領域から進み、土地の方向に延在し、圧縮空気と衝突することができる、少なくとも1つの分配ダクトを含む。この分配ダクトは、農地に広げるために、単粒化された材料粒子を搬送する複数のホースに開くことができる、又は、複数のダクトを複数のホースに設けることができる。
【0061】
本発明のさらなる設計の実施形態によれば、少なくとも1つのスクープレセプタクルのレセプタクルクリアランスのサイズ、特に、深さ、幅、及び/又は長さは、受容される(少なくとも1つの)材料粒子のサイズに適合可能であるように設計することができる。この目的のために、スクープレセプタクルを、弾性的に伸長する態様で、又は機械的に、サイズが適合可能であるように設計するようにすることができる。機械的適合は、成形片をスクープレセプタクルに挿入することによって、又はねじ作用クランプの原理と同様に、ねじによって開始される態様で、クリアランスの直径を増減させることによって、変更することができる。同じことが、例えば、インサートを使用することによって適合可能であるように設計されてもよい、スクープレセプタクルの内部における流体ルーティングの適合性にも当てはまる。結果として、装置を、顧客の要求に容易に個別に適合可能とさせることができる。
【0062】
本発明のさらなる設計の実施形態によれば、単粒化装置は振動インデューサを備える。後者は、個別の圧縮空気パルスを放出する装置を含むことができる。短期間の振動を可能にする装置による振動インデューサの設計も同様に考慮される。振動インデューサは、好ましくは、単粒化装置中又は上に配置され、後者に導入された振動又は圧縮空気パルスが、同様に、スクープレセプタクルからの過剰の材料粒子の解放及び/又はスクープレセプタクルから自由落下領域への送出を容易にするようにする。
【0063】
本発明のさらに有利な設計の実施形態によれば、装置は、商用車、好ましくは、農業用車に締結することができる。
【0064】
さらに、「含む(comprising)」、「有する(have)」又は「備える(with)」等の用語は、任意の他の特徴又はステップを排除しないことを指摘しておく。さらに、単数のステップ又は特徴を示す用語「1つの(a)」又は「その(the)」は、複数の特徴又はステップを排除せず、逆もまた同様である。
【0065】
本発明のさらなる特徴及び利点は、本発明の複数の例示的な実施形態の以下の説明、及び従属請求項から得られる。
【0066】
本発明は、添付の図面を参照して、以下に、より詳細に説明される。図面は、本発明の複数の特徴を互いに組み合わせて示す。しかしながら、当業者であれば、当然のことながら、これらの特徴を、相互に独立した態様で考慮することができ、また、潜在的に組み合わせて、この目的のために発明のステップを実施する必要なく、さらに好都合な組み合わせを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】材料粒子の個別の分布のための本発明による装置を等角図で示す。
【
図3】
図1に関連して回転した位置にある
図1及び2の装置を示す。
【
図4】上から見た本発明による装置のスクープレセプタクルの異なる変形例の比較を示す。
【
図5】本発明による装置のスクープレセプタクルの異なる変形例の比較を等角図で示す。
【
図6】上から見た本発明による装置のスクープレセプタクルの異なる変形例の比較を示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図面は、例として、本発明の実施形態を簡略化された概略図で示す。本発明による計量及び個別分配装置は、符号10で示され、商用車、好ましくは、農業用車(図示せず)に公知の態様で固定することができる。
【0069】
本装置10は、実質的に、3つの要素、すなわち、貯蔵容器(図示せず)から材料粒子Sを搬送する輸送手段22を有し、貯蔵容器内に受容されたバルク形態の材料粒子から、所定量の材料粒子S、特に、図示されるような個別の材料粒子Sを単粒化するように多数のスクープレセプタクル24を有する単粒化装置20と、単粒化材料粒子Sを取り扱うことができ、それによって単粒化材料粒子Sを農地に送出する送出装置40と、過剰の材料粒子Sを単粒化装置20から放出するようにするワイパー装置30とから構成される。図示の実施形態のように、圧縮空気分配装置60をさらに設けることができる。
【0070】
単粒化装置20は、既に説明したように、図示の実施形態において、回転コンベヤベルトとして構成された輸送手段22を備える。例えば、コンベヤベルト22は、テキスタイル又は弾性の基礎材料、例えば、ゴムから構成することができ、コンベヤベルトを長手方向に安定させ(例えば、鋼線又はケーブルを使用して)、スクープレセプタクル24を締結するのに役立ち(例えば、移動方向に対して横方向に配置され、
図1の参照符号22aで示されるインサート要素の形態の)、例えば、金属又は耐荷重プラスチック材料のインサート要素を有する。あるいは、輸送ベルト又は輸送チェーンを設けることもでき、この場合、例えば、スクープレセプタクルを締結するための締結要素を、チェーンリンクに設けることができる。
【0071】
インサート要素22aによって示されるコンベヤベルト22は、個別のインサート要素22aの間に溝状の窪みを備える内部構造22bを有し、これは、駆動シャフト26からコンベヤベルトへの駆動力の改善された力の伝達をさらに可能にする。このようにして、例えば、内部構造22bの溝状の窪みに係合することができるウェブ状の突出部の形態の嵌合構造26bが、駆動シャフト26の外側26aに設けられる。
【0072】
駆動シャフト26の駆動は、ここでは図示されていない。本明細書の説明における概要で論じたように、これに関しては、様々な変形例が考えられる。
【0073】
貫通孔として現在構成され、スクープレセプタクル24を輸送手段(
図2も参照)に締結するのに役立つ締結レセプタクル22cは、コンベヤベルト22の外側に見ることができる。代替的に、他の設計変形例、例えば、貫通するように設計される必要のない締結レセプタクルとしてのねじ穴も考えられる。
【0074】
図示の実施形態において、全ての締結レセプタクル22cが、スクープレセプタクル24を備えているわけではなく、コンベヤベルトの回転方向に、同一の間隔を有する複数列(同図では2列)の締結レセプタクル22cが設けられていることも分かる。当然のことながら、2列の代わりに、コンベヤベルトの回転方向に、同一の間隔又は異なる間隔を有する、より多い又はより少ない列の締結レセプタクル22cを設けることもできる。締結レセプタクル22cの数は可変であり、従って、計量され、単粒化される材料粒子(種子、肥料)に適合させることができる。さらに、計量され、単粒化される異なる材料粒子(種子、肥料)のための異なるサイズ及び形状のスクープレセプタクルを、締結レセプタクルに取り外し可能に締結することができる。
【0075】
スクープレセプタクル24は、以下でより詳細に説明される構造であり、輸送手段に締結するために、ねじ24a及びインサート24bの形態の締結手段24a、24bを有し、両方とも、コンベヤベルトの内側から締結レセプタクル22cに挿入され、そのための取り外し可能なねじ接続を形成するように、スクープレセプタクルの対応するねじ穴24cに係合される。スクープレセプタクル24を輸送手段の対応する締結構造上に又はその中にクリップ留め又はスナップフィットする等の、他の取り外し可能な締結機構も、当然のことながら同様に考えられる。
【0076】
スクープレセプタクル24は、ヘッド領域50及びウェブ領域52を含む。ヘッド領域50は、材料粒子又は粒子S(単一材料粒子Sを受容するために示される実施形態において)を受容するのに役立ち、この目的のために、レセプタクルクリアランス50a(
図2参照)を有し、これは、レセプタクルクリアランス50aが特定の平均サイズの単一材料粒子S(例えば、ナタネ粒子)を正確に1つ受容することができるようなサイズ及び形状である。さらに、
図2及び
図4~
図6において、クリアランス50aは、周辺部56によって画定され、トラフのように窪んだベースエリア54を有することが分かる。ベースエリア54は、貫通孔58を有し、有空気又は他の流体の流れが、レセプタクルクリアランス50aを通過することを可能にする。
【0077】
計量され、単粒化される材料粒子(種子、肥料)のタイプに応じて、レセプタクルクリアランス50aのサイズ及び形状は変えてよく、その結果、装置10は、変化に富んだ特定の用途に適合させることができる(
図4~6を参照されたい、同じ参照符号は同じ特徴について本明細書で使用され、変形に応じて1つ以上のアポストロフィを有し、例えば、24、24'、24''及び24'''とする)。この目的のために、取り外し可能に締結されたスクープレセプタクル24は容易に交換することができ、又はレセプタクルクリアランス50a及び/又は貫通孔58もしくは58''''のサイズに関して、追加のインサート58a(同
図6)によって適合させることができる。また、
図6において、窪んだベースエリア54の領域において、流体ルーティング構造58bがインサート58aによって提供され、この流体ルーティング構造58bは、貫通孔58''''(
図6のFの2つの矢印で示される)を通って流入する流体の流れの偏向及び目標とする分離(targeted separation)が達成されることがさらに見られる。結果として、スクープレセプタクル24内の流体ルーティング又は空気ルーティングの目標形状が達成され、これにより、受容した材料粒子を最適な態様で前方にルーティングすることが可能になる。従って、横方向に開いたレセプタクルクリアランス50a(周辺部56の領域が中断又は低くなっている)を有するか、又は代替の貫通孔及び流体ルーティング構造を有するスクープレセプタクル24を使用することもできる。流体ルーティング構造は、当然のことながら、スクープレセプタクル24のクリアランス50aの内面上に直接構成することもできる。
【0078】
ウェブ領域52は、輸送手段に接続するのに役立ち、その自由端には、既に説明したねじ穴24cが設けられている。ウェブ領域52は、図示の実施形態のように、ヘッド領域50よりも狭くすることができ、この移行部において同一平面上、又はより広く構成することができる。
【0079】
スクープレセプタクル24は、金属材料、プラスチック材料、又はこれらの組み合わせ、例えば、金属ウェブ領域と、プラスチック材料から構成されるヘッド領域とから構成することができ、ウェブ領域は、ヘッド領域のプラスチック材料にインサート成形することができる。
【0080】
輸送手段22は、最終的に、さらなる第2のシャフト28によってガイドされ、第2のシャフト28は、第1のシャフト26と協働して、コンベヤベルト22に張力をかけ、コンベヤベルト22の回転運動をガイドする。
【0081】
バルク形態(分配される)のばらばらの材料粒子を貯蔵するのに役立つ貯蔵容器のチャンバ内の単粒化装置20の配置は示されていない。単粒化装置20のスクープレセプタクル24は、バルク形態の材料粒子を通すようにガイドされ、スクープレセプタクル24が、スクープレセプタクル24のレセプタクルクリアランス50内の少なくとも1つの材料粒子Sを受容することができる(充填することができる)ようになっている。従って、第2のシャフト28は、例えば、チャンバ内で自由に回転する偏向シャフトとして、例えば、第2のシャフト28に横方向に取り付けられたベアリングフランジ28a、28bによって、回転可能に取り付けられるか、又は支持され得る。同時に、これらのベアリングフランジ28a、28bは、スクープレセプタクルが組み立てられた状態で自由に回転できるように寸法決めされる。従って、これらのベアリングフランジ28a、28bはまた、異なるサイズで寸法決めされたスクープレセプタクル24に適合可能となるように、第2のシャフト28上で交換可能であるように組み立てることもできる。
【0082】
さらに、特定の用途に応じて、特定の用途に応じて、輸送手段の範囲Eの直線によって画定される角度であって、第1及び第2のシャフト26及び28の2つの回転軸D1及びD2によって、及び、重力Gの向きの軸Gによって形成される角度α(
図7参照)も、ベアリングフランジ28a、28bのサイズの選択によって変更することができる。この角度αは、0°(垂直配置)から60°までの間で選択することができるが、通常は45°までである。作用する重力(レセプタクルクリアランス50a内に材料粒子Sを保持する)、及び材料粒子Sがスクープレセプタクル24によって、もう支持されない自由落下領域に落下する放出点(反転点でもある)は、範囲Eの直線の向きによって影響される。
【0083】
本明細書における材料粒子Sの軌道は、スクープレセプタクルの設計の実施形態、輸送手段の移動速度、及び選択した注入点に応じて異なり、さらに、流体、例えば、圧縮空気の投入に影響され得る。図示の実施形態において、圧縮空気分配装置60は、圧縮空気を、その反転点で、締結されたスクープレセプタクル24に目標を定めて送出し、圧縮空気はスクープレセプタクルの孔58を通って供給され、このようにして、受容した材料粒子Sの改善された解放を可能にし、同時に、材料粒子Sの軌道を決定することに関与する。また、サイズに関して互いに異なる(例えば、
図4~6)それぞれのスクープレセプタクル24への最適な流れを確保するために、圧縮空気分配装置60は、高さ調整可能なように配置される(
図7の二重矢印Hによって示される)。
【0084】
装置10はさらに、単粒化装置20から過剰の材料粒子Sを開放するように、ワイパー装置30を備える。図示の実施形態におけるこのワイパー装置30は、ワイパーブラシの形態の機械的ワイパー要素として構成される。ワイパーブラシは、装置10の一部上の固定位置に組み立てられ、単粒化装置20を横切って摺動するという点で受動的に作用させることができる。しかしながら、代替的に、ワイパーブラシは、輸送手段に対して移動され、例えば、コンベヤベルト22の回転方向に対して横方向に振動するように移動されるという点で、能動的に作用させることもできる。
【0085】
最後に、装置10は、図示の実施形態において、単粒化装置20に直接接続され、関連する分配ホース44を有する2つの分配ダクト42を有する送出装置40を含む。ここに示される分配ダクト42の数及び接続された分配ホース44の数は、純粋に例として選択され、また、2つより多い又は2つより少ない数を含んでもよい。図示の実施形態における分配ダクト42は、圧縮空気供給部46によって吹き込まれる圧縮空気Fと衝突する。代替的に、ダクト又はホースの下部領域に吸引ユニットを配置することもでき、これは、材料粒子Sの軌道を支持するための負圧を生成する。
【0086】
本発明の装置は、変化に富んだ材料粒子の、単純で、信頼性があり、特に穏やかな計量及び単粒化を可能にし、その結果、装置は、農業分野における広範な応用分野で使用することができる。装置の単純で複雑でない適合性によって、種子及び/又は肥料が用途に非常に特定の態様で広げることが可能となり、これにより、この技術を、土壌の変化、又は、栄養素、異物の混入等の点で、土壌品質の変化に使用することができ、各播種された植物が経時的に十分な栄養素を確実に受容することができる。
【0087】
図示される実施形態は、視覚化によってその機能モードを説明することができるように、簡略化された実施形態で本発明を表す。本明細書に示す機構は、播種機の作業幅に応じて多数設けることができる。さらに、異なる種子タイプ及び/又は肥料を同時に広げることができるように、異なる貯蔵容器を有するモジュラー構造が考えられる。個別のモジュールは互いに独立して動作することができ、変化に富んだ用途を可能にする。
【国際調査報告】