(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】操作されたポリメラーゼ
(51)【国際特許分類】
C12N 9/10 20060101AFI20240614BHJP
C12N 15/54 20060101ALI20240614BHJP
C12Q 1/6844 20180101ALI20240614BHJP
【FI】
C12N9/10 ZNA
C12N15/54
C12Q1/6844 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577945
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 US2022034021
(87)【国際公開番号】W WO2022266462
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523473143
【氏名又は名称】エレメント バイオサイエンシズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アンブローソ, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ロペス, テイラー
(72)【発明者】
【氏名】クライン, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】サーデ, バージニア
(72)【発明者】
【氏名】ケリンガー, マシュー
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QR08
(57)【要約】
ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチド伸長反応では、野生型ポリメラーゼ酵素と比較して、向上した熱安定性、3’修飾ヌクレオチドの向上した取り込み、及び改善したウラシル耐性を示す古細菌、原核生物、及び真核生物ポリメラーゼの操作されたバリアントが、本明細書に提供される。複合ポリメラーゼを形成し、結合複合体を形成し、三元複合体を形成するための操作されたポリメラーゼの使用、及び核酸配列決定反応を行うための使用も、提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作されたポリメラーゼであって、
配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、アミノ酸置換D141A及びE143Aを有するアミノ酸配列であって、前記操作されたポリメラーゼが、配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型ポリメラーゼと比較して、鎖終結ヌクレオチド類似体を組み込む能力が増加している、前記アミノ酸配列を含む、前記操作されたポリメラーゼ。
【請求項2】
前記アミノ酸置換が、アミノ酸位置L416に追加の置換を更に含む、請求項1に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項3】
前記追加の置換が、L416S、L416I、L416A、L416V、またはL416Gである、請求項2に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項4】
前記アミノ酸置換が、アミノ酸位置Y417に追加の置換を更に含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項5】
前記追加の置換が、Y417A、Y417T、Y417G、またはY417Sである、請求項2~4のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項6】
前記アミノ酸置換が、アミノ酸位置P418に追加の置換を更に含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項7】
前記追加の置換が、P418A、P418G、またはP418Sである、請求項2~6のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項8】
前記アミノ酸置換が、アミノ酸位置I529に追加の置換を更に含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項9】
前記追加の置換が、I529H、I529T、またはI529Lである、請求項2~8のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項10】
前記アミノ酸置換が、第1のアミノ酸位置L416に第1の追加の置換、及び第2のアミノ酸位置Y417に第2の追加の置換を更に含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項11】
前記第1の追加の置換が、L416S、L416I、L416A、L416V、またはL416Gであり、前記第2の追加の置換が、Y417A、Y417T、Y417G、またはY417Sである、請求項10に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項12】
前記アミノ酸置換が、第3のアミノ酸位置P418に第3の追加の置換を更に含む、請求項11に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項13】
前記第3の追加の置換が、P418A、P418G、またはP418Sである、請求項12に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項14】
前記アミノ酸置換が、第4のアミノ酸位置I529に第4の追加の置換を更に含む、請求項10~13のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項15】
前記第4の追加の置換が、I529H、I529T、またはI529Lである、請求項14に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項16】
前記アミノ酸置換が、アミノ酸位置Y10、E14、H48、D75、C104、A115、C130、C269、D305、E328、L416、Y417、P418、A493、S500、M501、R515、I529、N567、A568、E569、S577、K610、N657、E700、N705、S717、K762、G763、L764、G765、K766、Q767、及びM768から選択される1つ以上のアミノ酸位置に1つ以上の追加の置換を更に含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項17】
前記アミノ酸配列が、配列番号12、14、18、20、27、39、66、76、85、86、114、117、118、124、128、129、130、138、163、164、189、194、207、225、233、235、289、291、310、319、323、333、353、346、361、364、362、366、392、及び393から選択されるアミノ酸配列のうちの1つと少なくとも90%同一である、請求項1~16のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項18】
前記アミノ酸配列が、配列番号12、14、18、20、27、39、66、76、85、86、114、117、118、124、128、129、130、138、163、164、189、194、207、225、233、235、289、291、310、319、323、333、353、346、361、364、362、366、392、及び393から選択されるアミノ酸配列のうちの1つである、請求項1~17のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項19】
前記アミノ酸配列が、配列番号1に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、請求項1~18のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項20】
前記アミノ酸配列が、配列番号1に記載のアミノ酸配列と少なくとも91%同一である、請求項1~19のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項21】
前記アミノ酸配列が、配列番号1に記載のアミノ酸配列と少なくとも92%同一である、請求項1~20のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項22】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも93%同一である、請求項1~21のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項23】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも94%同一である、請求項1~22のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項24】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%同一である、請求項1~23のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項25】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも96%同一である、請求項1~24のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項26】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも97%同一である、請求項1~25のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項27】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも98%同一である、請求項1~26のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項28】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも99%同一である、請求項1~27のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項29】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも99.1%同一である、請求項1~28のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項30】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも99.2%同一である、請求項1~29のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項31】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも99.3%同一である、請求項1~30のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項32】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも99.4%同一である、請求項1~31のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項33】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも99.5%同一である、請求項1~32のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項34】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも99.6%同一である、請求項1~33のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項35】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも99.7%同一である、請求項1~34のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項36】
前記アミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも99.8%同一である、請求項1~35のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項37】
前記アミノ酸置換が、配列番号271のアミノ酸配列に特定されるパームドメイン内の追加の置換を更に含む、請求項1~36のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項38】
前記アミノ酸置換が、配列番号273のアミノ酸配列に特定されるパームドメイン内の追加の置換を更に含む、請求項1~37のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項39】
前記アミノ酸置換が、前記操作されたポリメラーゼの3’~5’エキソヌクレアーゼ活性を除去する、請求項1~38のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項40】
前記操作されたポリメラーゼが、配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型ポリメラーゼと比較して、増加した熱安定性を示す、請求項1~39のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項41】
前記操作されたポリメラーゼが、配列番号1のアミノ酸配列を有する前記野生型ポリメラーゼと比較して、増加した取り込み率を示す、請求項1~40のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項42】
前記増加した平均取り込み率が、配列番号1のアミノ酸配列を有する前記野生型ポリメラーゼの平均取り込み率の少なくとも5倍である、請求項1~41のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項43】
前記増加した平均取り込み率が、配列番号1のアミノ酸配列を有する前記野生型ポリメラーゼの平均取り込み率の少なくとも10倍である、請求項1~42のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項44】
前記増加した平均取り込み率が、配列番号1のアミノ酸配列を有する前記野生型ポリメラーゼの平均取り込み率の少なくとも20倍である、請求項1~43のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項45】
前記増加した平均取り込み率が、配列番号1のアミノ酸配列を有する前記野生型ポリメラーゼの平均取り込み率の少なくとも50倍である、請求項1~44のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項46】
前記操作されたポリメラーゼが、配列番号1のアミノ酸配列を有する前記野生型ポリメラーゼと比較して、糖部分の2’位または3’位に鎖終結部分を含むヌクレオチド類似体の増加した取り込み率を示す、請求項1~45のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項47】
前記操作されたポリメラーゼが、配列番号1のアミノ酸配列を有する前記野生型ポリメラーゼと比較して、増加したウラシル耐性を示す、請求項1~46のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項48】
組成物であって、
請求項1~47のいずれか1項に記載の1つ以上の操作されたポリメラーゼと、
1つ以上の核酸鋳型分子と、
3’伸長可能な末端を有するヌクレオチド重合開始部位を含む1つ以上の分子と、を含む、前記組成物。
【請求項49】
前記1つ以上の核酸鋳型分子が、線形核酸分子または環状核酸分子である、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記1つ以上の核酸鋳型分子が、クローン増幅された鋳型分子を含む、請求項48または49のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項51】
前記1つ以上の核酸鋳型分子の各々が、関心対象の標的配列の1つのコピー、または関心対象の標的配列の2つ以上のタンデムコピーを有するコンカテマーを含む、請求項48~50のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項52】
ヌクレオチド重合開始部位を含む前記1つ以上の分子が、前記核酸鋳型分子の一部にハイブリダイズする核酸プライマーを含むか、またはヌクレオチド重合開始部位を含む前記1つ以上の分子が、前記核酸鋳型分子の自己プライミング末端部分を含む、請求項48~51のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項53】
前記1つ以上の操作されたポリメラーゼ、前記1つ以上の核酸鋳型分子、及び前記1つ以上のヌクレオチド重合開始部位が、1つ以上の複合ポリメラーゼを形成し、各複合ポリメラーゼが、
核酸二本鎖に結合した前記操作されたポリメラーゼを含み、前記二本鎖が、核酸プライマーにハイブリダイズする前記核酸鋳型分子のうちの1つを含む、請求項48~52のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項54】
前記1つ以上の核酸鋳型分子が、同じ関心対象の標的配列または異なる関心対象の標的配列を含む、請求項48~53のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項55】
前記1つ以上の複合ポリメラーゼが、多価分子を更に含み、前記多価分子が、
(a)コアと、
(b)複数のヌクレオチドアームであって、各々が、
(i)コア結合部分、
(ii)スペーサー、
(iii)リンカー、及び
(iv)ヌクレオチド単位を含む、前記複数のヌクレオチドアームと、を含む、請求項48~54のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項56】
前記コアが、前記コア結合部分を介して前記ヌクレオチドアームの各々に結合し、前記コア結合部分が、前記スペーサーに結合し、前記スペーサーが、前記リンカーに結合し、前記リンカーが、前記ヌクレオチド単位に結合する、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
前記リンカーが、2~6個のサブユニットを有する脂肪族鎖、または2~6個のサブユニットを有するオリゴエチレングリコール鎖を含む、請求項55または56のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項58】
前記複数のヌクレオチドアームが、前記コア結合部分を介して前記コアに結合し、前記コアに結合した前記ヌクレオチドアームの各々が、同じ種類のヌクレオチド単位を有し、前記ヌクレオチド単位が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTPを含む、請求項55~57のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項59】
前記1つ以上の多価分子が、1つの種類の多価分子を含み、前記多価分子の各種類が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される同じ種類のヌクレオチド単位を有する、請求項55~58のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項60】
前記1つ以上の多価分子が、2つ以上の種類の多価分子を含み、前記多価分子の各種類が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される同じ種類のヌクレオチド単位を有する、請求項55~59のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項61】
前記1つ以上の多価分子中の少なくとも1つの多価分子が、フルオロフォアで標識される、請求項55~60のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項62】
前記1つ以上の複合ポリメラーゼが、複数のヌクレオチドを更に含み、前記複数のヌクレオチド中のヌクレオチドが、芳香族塩基、5炭素糖、及び1~10個のリン酸基を含む、請求項53~61のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項63】
前記複数のヌクレオチドが、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される1つの種類のヌクレオチドを含む、請求項62に記載の組成物。
【請求項64】
前記複数のヌクレオチドが、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及び/またはdUTPからなる群から選択される2つ以上の種類のヌクレオチドを含む、請求項62または63のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項65】
前記複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドが、フルオロフォアで標識される、請求項61~64のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項66】
前記複数のヌクレオチドが、フルオロフォア標識を欠く、請求項61~64のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項67】
前記複数のヌクレオチド中の前記ヌクレオチドのうちの少なくとも1つが、糖基の3’炭素位に結合した除去可能な鎖終結部分を含み、前記除去可能な鎖終結部分が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アリール基、ベンジル基、アジド(azide)基、アジド(azido)基、O-アジドメチル基、アミン基、アミド基、ケト基、イソシアネート基、リン酸基、チオ基、ジスルフィド基、炭酸基、尿素基、またはシリル基を含み、前記除去可能な鎖終結部分が、前記糖基上に伸長可能な3’OH部分を生成するために化学化合物を用いて開裂可能である、請求項61~66のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項68】
前記1つ以上の複合ポリメラーゼが、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込みを阻害する複数の非触媒二価カチオンを更に含み、前記非触媒二価カチオンが、ストロンチウムまたはバリウムを含む、請求項53~67のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項69】
前記1つ以上の複合ポリメラーゼが、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込みを促進する複数の触媒二価カチオンを更に含み、前記触媒二価カチオンが、マグネシウムまたはマンガンを含む、請求項53~68のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項70】
前記1つ以上の複合ポリメラーゼが、支持体に固定化されるか、または前記支持体上のコーティングに固定化される、請求項53~69のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項71】
前記支持体に固定化された前記1つ以上の複合ポリメラーゼの密度が、1mm
2当たり10
2~10
9である、請求項53~70のいずれか1項に記載の操作されたポリメラーゼ。
【請求項72】
前記1つ以上の固定化された複合ポリメラーゼが、前記支持体上の所定の部位に固定化されるか、または前記支持体上のランダムな部位に固定化される、請求項70または71のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項73】
前記コーティングが、少なくとも4つの分岐を有する分岐ポリエチレングリコール(PEG)を含む少なくとも1つの親水性ポリマーコーティング層を含む、請求項70~72のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項74】
前記親水性ポリマーコーティングが、45度以下の水接触角を有する、請求項73に記載の組成物。
【請求項75】
前記1つ以上の固定化された複合ポリメラーゼが互いに流体連通して、前記支持体上の前記1つ以上の固定化された複合ポリメラーゼが、試薬の溶液と超並列方法で反応するように、前記試薬の溶液を前記支持体上に流すことを可能にする、請求項70~74のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項76】
前記1つ以上の複合ポリメラーゼが、第1及び第2の結合複合体を更に含み、
(1)前記第1の結合複合体が、第1の核酸プライマー、第1の操作されたポリメラーゼ、及びコンカテマー鋳型分子の第1の部分に結合し、それによって前記第1の結合複合体を形成する第1の多価分子を含み、前記多価分子の第1のヌクレオチド単位が、前記第1の操作されたポリメラーゼに結合し、
(2)前記第2の結合複合体が、第2の核酸プライマー、第2の操作されたポリメラーゼ、及び同じコンカテマー鋳型分子の第2の部分に結合し、それによって前記第2の結合複合体を形成する前記第1の多価分子を含み、前記第1の多価分子の第2のヌクレオチド単位が、前記第2の操作されたポリメラーゼに結合し、
前記第1及び第2の結合複合体が、同じ第1の多価分子を含み、親和性複合体を形成する、請求項55~76のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項77】
1つ以上の複合ポリメラーゼを形成する方法であって、
1つ以上の操作されたポリメラーゼを、(i)1つ以上の核酸鋳型分子及び(ii)1つ以上の核酸プライマーと接触させて、前記1つ以上の複合ポリメラーゼを形成することを含み、前記複合ポリメラーゼのうちの少なくとも1つが、核酸二本鎖に結合した操作されたポリメラーゼを含み、前記核酸二本鎖が、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含み、
前記1つ以上の操作されたポリメラーゼが、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、置換Asp141Ala及びGlu143Alaを有するアミノ酸配列を含む、前記方法。
【請求項78】
前記1つ以上の核酸鋳型分子が、線形核酸分子、環状核酸分子、または線形核酸分子及び環状核酸分子の混合物である、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記1つ以上の核酸鋳型分子が、クローン増幅された鋳型分子を含む、請求項77または78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記核酸分子のうちの少なくとも1つが、関心対象の標的配列のコピー、または関心対象の標的配列の2つ以上のタンデムコピーを有するコンカテマーを含む、請求項77~79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記1つ以上の核酸分子が、複数の核酸分子であり、前記複数の核酸分子が、同じ関心対象の標的配列または異なる関心対象の標的配列を含む、請求項77~80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記1つ以上の複合ポリメラーゼを1つ以上の多価分子と接触させることを更に含み、前記多価分子のうちの少なくとも1つが、
(a)コアと、
(b)複数のヌクレオチドアームと、を含み、前記ヌクレオチドアームのうちの少なくとも1つが、
(i)コア結合部分、
(ii)スペーサー、
(iii)リンカー、及び
(iv)ヌクレオチド単位を含み、
前記コアが、前記コア結合部分を介して前記ヌクレオチドアームのうちの前記少なくとも1つに結合し、前記スペーサーが、前記リンカーに結合し、前記リンカーが、前記ヌクレオチド単位に結合する、請求項77~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記リンカーが、2~6個のサブユニットを有する脂肪族鎖、または2~6個のサブユニットを有するオリゴエチレングリコール鎖を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記複数のヌクレオチドアームが、同じ種類のヌクレオチド単位を有し、前記ヌクレオチド単位が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される、請求項82または83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記1つ以上の多価分子が、1つの種類の多価分子を含み、各多価分子が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される同じ種類のヌクレオチド単位を含む、請求項82~85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
前記1つ以上の多価分子が、2つ以上の種類の多価分子を含み、前記2つ以上の種類の多価分子が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及び/またはdUTPからなる群から選択される2つ以上の種類のヌクレオチド単位を含む、請求項82~85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記1つ以上の多価分子中の少なくとも1つの多価分子が、フルオロフォアで標識される、請求項82~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記接触させることが、前記1つ以上の多価分子の相補的ヌクレオチド単位が、前記複合ポリメラーゼのうちの1つ以上に結合するのに好適な条件下で行われる、請求項82~88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
前記1つ以上の複合ポリメラーゼを、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込みを阻害する1つ以上の非触媒二価カチオンと接触させることを更に含み、前記非触媒二価カチオンが、ストロンチウムまたはバリウムを含む、請求項82~88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
前記1つ以上の複合ポリメラーゼを1つ以上のヌクレオチド単位と接触させることを更に含み、前記ヌクレオチド単位のうちの少なくとも1つが、芳香族塩基、5炭素糖、及び1~10個のリン酸基を含む、請求項77~89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記1つ以上のヌクレオチド単位が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される1つの種類のヌクレオチド単位を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記1つ以上のヌクレオチド単位が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及び/またはdUTPからなる群から選択される2つ以上の種類のヌクレオチド単位の任意の組み合わせの混合物を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記1つ以上のヌクレオチド単位のうちの少なくとも1つが、フルオロフォアで標識される、請求項90~92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記1つ以上のヌクレオチド単位が、フルオロフォア標識を欠いている、請求項90~92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項95】
前記1つ以上のヌクレオチド単位のうちの少なくとも1つが、糖基の3’炭素位に結合した除去可能な鎖終結部分を含み、前記除去可能な鎖終結部分が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アリール基、ベンジル基、アジド(azide)基、アジド(azido)基、O-アジドメチル基、アミン基、アミド基、ケト基、イソシアネート基、リン酸基、チオ基、ジスルフィド基、炭酸基、尿素基、またはシリル基を含み、前記除去可能な鎖終結部分が、前記糖基上に伸長可能な3’OH部分を生成するために化学化合物を用いて開裂可能である、請求項90~94のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
前記1つ以上の複合ポリメラーゼを1つ以上のヌクレオチド単位と前記接触させることが、前記1つ以上のヌクレオチド単位の相補的ヌクレオチド単位が、前記1つ以上の複合ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下で行われる、請求項90~95のいずれか1項に記載の方法。
【請求項97】
前記1つ以上の操作されたポリメラーゼが、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であり、置換Asp141Ala及びGlu143Alaを有するアミノ酸配列を含む、請求項77~96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
前記1つ以上の複合ポリメラーゼを、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込みを促進する1つ以上の触媒二価カチオンと接触させることを更に含み、前記触媒二価カチオンが、マグネシウムまたはマンガンを含む、請求項90~97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記1つ以上の複合ポリメラーゼが、支持体に固定化されるか、または前記支持体上のコーティングに固定化される、請求項77~98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記支持体に固定化された前記1つ以上の複合ポリメラーゼの密度が、1mm
2当たり10
2~10
9である、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記1つ以上の固定化された複合ポリメラーゼが、前記支持体上の所定の部位に固定化されるか、または前記支持体上のランダムな部位に固定化される、請求項99または100のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記コーティングが、少なくとも4つの分岐を有する分岐ポリエチレングリコール(PEG)を含む少なくとも1つの親水性ポリマーコーティング層を含む、請求項99~101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
前記親水性ポリマーコーティングが、45度以下の水接触角を有する、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記1つ以上の固定化された複合ポリメラーゼが互いに流体連通して、前記支持体上の前記1つ以上の固定化された複合ポリメラーゼが、試薬の溶液と超並列方法で反応するように、前記試薬の溶液を前記支持体上に流すことを可能にする、請求項99~103のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
第1の結合複合体及び第2の結合複合体を形成することを更に含み、前記第1及び第2の結合複合体を形成することが、
a)第1の核酸プライマー、第1の操作されたポリメラーゼ、及び第1の多価分子をコンカテマー鋳型分子の第1の部分に結合し、それによって前記第1の結合複合体を形成することであって、前記第1の多価分子の第1のヌクレオチド単位が、前記第1の操作されたポリメラーゼに結合する、前記形成することと、
b)第2の核酸プライマー、第2の操作されたポリメラーゼ、及び前記第1の多価分子を同じコンカテマー鋳型分子の第2の部分に結合し、それによって前記第2の結合複合体を形成することであって、前記第1の多価分子の第2のヌクレオチド単位が、前記第2の操作されたポリメラーゼに結合する、前記形成することと、を含み、
同じ多価分子を含む前記第1及び第2の結合複合体が、親和性複合体を形成する、請求項82~104のいずれか1項に記載の方法。
【請求項106】
核酸配列決定を実施するための方法であって、
(a)第1のセットの操作されたポリメラーゼを、(i)複数の核酸鋳型分子、及び(ii)複数の核酸プライマーと接触させることであって、
前記接触させることが、前記操作されたポリメラーゼが核酸鋳型分子及び前記核酸プライマーに結合するのに好適な条件下で行われ、それによって、第1のセットの複合ポリメラーゼを形成し、前記第1のセットの複合ポリメラーゼの各々が、核酸二本鎖に結合した前記操作されたポリメラーゼを含み、
前記核酸二本鎖が、前記核酸プライマーのうちの1つにハイブリダイズする前記核酸鋳型分子のうちの1つを含み、
前記操作されたポリメラーゼが、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、アミノ酸置換Asp141Ala及びGlu143Alaを有するアミノ酸配列を含む、前記接触させることと、
(b)第1のセットの多価結合複合体を形成するために、前記第1のセットの複合ポリメラーゼを、複数の多価分子と接触させることであって、
前記複数の多価分子中の各多価分子が、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、
各ヌクレオチドアームが、ヌクレオチド単位に結合し、
前記接触させることが、
前記多価分子の相補的ヌクレオチド単位を前記第1のセットの複合ポリメラーゼのうちの少なくとも2つに結合し、それによって第1のセットの多価結合複合体を形成することと、
前記第1のセットの多価結合複合体の核酸プライマーへの各多価分子の相補的ヌクレオチドの取り込みを阻害することと、に好適な条件下で行われる、前記接触させることと、
(c)前記第1セットの多価結合複合体を検出することと、
(d)前記第1セットの多価結合複合体内の前記相補的ヌクレオチドのヌクレオチド塩基を識別し、それによって前記核酸鋳型分子の配列を決定することと、を含む、前記方法。
【請求項107】
(e)前記第1のセットの多価結合複合体を解離することであって、前記解離することが、
前記第1のセットの操作されたポリメラーゼ及びそれらの結合した多価分子を除去することと、
前記複数の核酸二本鎖を保持することと、を含む、前記解離することと、
(f)前記複数の前記保持した核酸二本鎖を、第2のセットの操作されたポリメラーゼが前記複数の前記保持した核酸二本鎖に結合し、それによって第2のセットの複合ポリメラーゼを形成するのに好適な条件下で、前記第2のセットの操作されたポリメラーゼと接触させることであって、
各複合ポリメラーゼが、核酸二本鎖に結合した第2の操作されたポリメラーゼを含み、
前記第2のセットの操作されたポリメラーゼが、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、アミノ酸置換Asp141Ala及びGlu143Alaを有するアミノ酸配列を含む、前記接触させることと、
(g)前記第2のセットの複合ポリメラーゼを複数のヌクレオチド単位と接触させることであって、
前記接触させることが、相補的ヌクレオチド単位を前記第2のセットの複合ポリメラーゼのうちの少なくとも2つに結合し、それによって複数のヌクレオチド結合複合体を形成させるのに好適な条件下で行われ、
前記条件が、前記ヌクレオチド結合複合体の前記プライマーへの前記結合した相補的ヌクレオチド単位のヌクレオチドの取り込みを促進するのに好適である、前記接触させることと、を更に含む、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
(h)前記複数のヌクレオチド結合複合体内の前記相補的ヌクレオチド単位を検出することを更に含む、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
(i)前記複数のヌクレオチド結合複合体内の前記相補的ヌクレオチド単位のヌクレオチド塩基を識別することを更に含む、請求項106~108のいずれか1項に記載の方法。
【請求項110】
前記第1のセットの複合ポリメラーゼを、ステップ(b)の前記複数の多価分子と前記接触させることが、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込みを阻害する非触媒二価カチオンの存在下で行われ、前記非触媒二価カチオンが、ストロンチウムまたはバリウムを含む、請求項106~109のいずれか1項に記載の方法。
【請求項111】
前記第2のセットの複合ポリメラーゼを、ステップ(g)の前記複数のヌクレオチド単位と前記接触させることが、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込みを促進する触媒二価カチオンの存在下で行われ、前記触媒二価カチオンが、マグネシウムまたはマンガンを含む、請求項107~110のいずれか1項に記載の方法。
【請求項112】
ステップ(a)の前記複数の核酸鋳型分子が、クローン増幅された鋳型分子を含む、請求項106~111のいずれか1項に記載の方法。
【請求項113】
ステップ(a)の前記複数の核酸鋳型分子中の前記核酸鋳型分子のうちの少なくとも1つが、関心対象の標的配列のコピーを含むか、または関心対象の標的配列の2つ以上のタンデムコピーを有するコンカテマーを含む、請求項106~112のいずれか1項に記載の方法。
【請求項114】
ステップ(a)の前記複数の核酸鋳型分子が、同じ標的配列または異なる標的配列を含む、請求項106~113のいずれか1項に記載の方法。
【請求項115】
前記多価分子のうちの少なくとも1つの前記ヌクレオチドアームのうちの少なくとも1つが、
(i)コア結合部分、
(ii)スペーサー、及び
(iii)リンカー、を含み、
前記多価分子のうちの前記少なくとも1つの前記コアが、前記コア結合部分を介して前記ヌクレオチドアームのうちの少なくとも1つに結合し、前記スペーサーが、前記リンカーに結合し、前記リンカーが、前記ヌクレオチドアームのうちの前記少なくとも1つによって担持される前記ヌクレオチド単位に結合する、請求項106~114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
前記リンカーが、2~6個のサブユニットを有する脂肪族鎖、または2~6個のサブユニットを有するオリゴエチレングリコール鎖を含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記多価分子のうちの前記少なくとも1つの前記コアに結合した前記複数のヌクレオチドアームが、同じ種類のヌクレオチド単位を有し、前記ヌクレオチド単位が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される、請求項115または116のいずれか1項に記載の方法。
【請求項118】
前記複数の多価分子が、1つの種類の多価分子を含み、各多価分子が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される1つの種類のヌクレオチド単位を含む、請求項115~117のいずれか1項に記載の方法。
【請求項119】
前記複数の多価分子が、2つ以上の種類の多価分子を含み、前記2つ以上の種類の多価分子が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及び/またはdUTPから選択される2つ以上の種類のヌクレオチド単位を含む、請求項115~118のいずれか1項に記載の方法。
【請求項120】
前記複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子が、フルオロフォアで標識される、請求項106~119のいずれか1項に記載の方法。
【請求項121】
ステップ(a)及び(b)における前記接触させることが、25~75℃の等温温度で行われる、請求項106~120のいずれか1項に記載の方法。
【請求項122】
ステップ(c)の前記検出すること及びステップ(d)の前記識別することが、25~75℃の等温温度で行われる、請求項106~121のいずれか1項に記載の方法。
【請求項123】
ステップ(g)の前記複数のヌクレオチド単位のうちの少なくとも1つが、芳香族塩基、5炭素糖、及び1~10個のリン酸基を含む、請求項107~123のいずれか1項に記載の方法。
【請求項124】
ステップ(g)の前記複数のヌクレオチド単位が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTPからなる群から選択される1つの種類のヌクレオチド単位を含むか、またはdATP、dGTP、dCTP、dTTP、及び/またはdUTPからなる群から選択される2つ以上の種類のヌクレオチド単位の任意の組み合わせの混合物を含む、請求項107~123のいずれか1項に記載の方法。
【請求項125】
ステップ(g)の前記複数のヌクレオチド単位のうちの少なくとも1つが、フルオロフォアで標識される、請求項107~124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項126】
ステップ(g)の前記複数のヌクレオチド単位が、フルオロフォア標識を欠く、請求項107~125のいずれか1項に記載の方法。
【請求項127】
ステップ(g)の前記複数のヌクレオチド単位のうちの少なくとも1つが、糖基の3’炭素位に結合した除去可能な鎖終結部分を含み、前記除去可能な鎖終結部分が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アリール基、ベンジル基、アジド(azide)基、アジド(azido)基、O-アジドメチル基、アミン基、アミド基、ケト基、イソシアネート基、リン酸基、チオ基、ジスルフィド基、炭酸基、尿素基、またはシリル基を含み、前記除去可能な鎖終結部分が、前記糖基上に伸長可能な3’OH部分を生成するために化学化合物を用いて開裂可能である、請求項107~126のいずれか1項に記載の方法。
【請求項128】
ステップ(a)の前記第1のセットの複合ポリメラーゼが、支持体に固定化されるか、または前記支持体上のコーティングに固定化される、請求項106~127のいずれか1項に記載の方法。
【請求項129】
前記支持体に固定化された前記第1のセットの複合ポリメラーゼの密度が、1mm
2当たり10
2~10
9である、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記第1のセットの複合ポリメラーゼが、前記支持体上の所定の部位に固定化されるか、または前記支持体上のランダムな部位に固定化される、請求項128または129のいずれか1項に記載の方法。
【請求項131】
前記コーティングが、少なくとも4つの分岐を有する分岐ポリエチレングリコール(PEG)を含む少なくとも1つの親水性ポリマーコーティング層を含む、請求項128~130のいずれか1項に記載の方法。
【請求項132】
前記親水性ポリマーコーティングが、45度以下の水接触角を有する、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記第1のセットの固定化された複合ポリメラーゼが互いに流体連通して、前記支持体上の前記第1のセットの固定化された第1の複合ポリメラーゼが、試薬の溶液と超並列方法で反応するように、前記試薬の溶液を前記支持体上に流すことを可能にする、請求項128~132のいずれか1項に記載の方法。
【請求項134】
第1の結合複合体及び第2の結合複合体を形成することを更に含み、前記第1及び第2の結合複合体を形成することが、
a)第1の核酸プライマー、第1の操作されたポリメラーゼ、及び第1の多価分子をコンカテマー鋳型分子の第1の部分に結合し、それによって前記第1の結合複合体を形成することであって、前記第1の多価分子の第1のヌクレオチド単位が、前記第1の操作されたポリメラーゼに結合する、前記形成することと、
b)第2の核酸プライマー、第2の操作されたポリメラーゼ、及び前記第1の多価分子を同じコンカテマー鋳型分子の第2の部分に結合し、それによって前記第2の結合複合体を形成することであって、前記第1の多価分子の第2のヌクレオチド単位が、前記第2の操作されたポリメラーゼに結合する、前記形成することと、を含み、
同じ多価分子を含む前記第1及び第2の結合複合体が、親和性複合体を形成する、請求項106~133のいずれか1項に記載の方法。
【請求項135】
ステップ(a)の前記接触させることが、前記第1のセットの操作されたポリメラーゼ及び前記複数の核酸プライマーを、コンカテマー核酸鋳型分子の異なる部分と接触させて、同じコンカテマー鋳型分子上で、前記第1のセットの操作されたポリメラーゼから少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼを形成することを含み、
ステップ(b)の前記接触させることが、前記複数の多価分子からの単一の多価分子を第1及び第2の複合ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下で、同じコンカテマー鋳型分子上の前記少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼに接触させることを含み、
前記単一の多価分子の少なくとも第1のヌクレオチド単位が、前記第1の複合ポリメラーゼに結合し、
前記第1の複合ポリメラーゼが、前記コンカテマー鋳型分子の第1の部分にハイブリダイズして、それによって第1の結合複合体を形成する第1のプライマーを含み、前記単一の多価分子の少なくとも第2のヌクレオチド単位が、前記第2の複合ポリメラーゼに結合し、
前記第2の複合ポリメラーゼが、前記コンカテマー鋳型分子の第2の部分にハイブリダイズする第2のプライマーを含み、それによって第2の結合複合体を形成し、
ステップ(b)の前記接触させることが、前記第1及び第2の結合複合体における前記結合した第1及び第2のヌクレオチド単位のポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適な条件下で行われ、
前記第1及び第2の結合複合体が、親和性複合体を形成する同じ多価分子に結合し、
ステップ(c)の前記検出することが、同じコンカテマー鋳型分子上で前記第1及び第2の結合複合体を検出することを含み、
ステップ(d)の前記識別することが、前記第1の結合複合体中の前記第1のヌクレオチド単位を識別し、それによって前記コンカテマー鋳型分子の前記第1の部分の配列を決定することと、前記第2の結合複合体中の前記第2のヌクレオチド単位を識別し、それによって前記コンカテマー鋳型分子の前記第2の部分の配列を決定することと、を含む、請求項106~134のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2022年6月15日に作成された当該ASCIIコピーは、52269WO_CRF_sequencelistingという名前で、2,585,266バイトのサイズである。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年3月25日に出願された米国特許出願第17/705,011号、2022年3月25日に出願された同第17/705,020号、2022年3月25日に出願された同第17/705,043号、及び2021年6月18日に出願された米国仮出願第63/212,540号の利益及び優先権を主張し、これらの各々は、全ての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願を通して、様々な刊行物、特許、及び/または特許出願が、参照される。本開示が関連する最先端の技術をより完全に記載するために、刊行物、特許、及び/または特許出願の開示は、参照によりそれらの全体が本出願に組み込まれる。
【0004】
本開示は、改善された熱安定性のために操作され、ヌクレオチド類似体の改善された結合及び/またはヌクレオチド類似体の改善された結合及び取り込み、ならびに改善されたウラシル耐性を示す変異体ポリメラーゼを提供する。例示的なヌクレオチド類似体としては、3’鎖終結部分を含むヌクレオチドが挙げられる。変異体ポリメラーゼは、野生型ポリメラーゼと比較して、増加した取り込み率を示す。
【背景技術】
【0005】
次世代配列決定(NGS)技術は、分子生物学的技術、分類学、農業科学、医学診断、及び新しい治療法の開発で使用されるシークエンシングデータを取得するための強力なツールとなっている。本開示は、標識されたまたは非標識された鎖終結ヌクレオチドを使用する任意の核酸配列決定方法を実施するのに有用である操作されたポリメラーゼを提供し、鎖終結ヌクレオチドは、糖3’位に3’-O-アジド基(または3’-O-メチルアジド基)または任意の他の種類の大型のブロック基を含む。例えば、操作されたポリメラーゼは、標識された多価分子及び非標識された鎖終結ヌクレオチドを使用して、親和性による配列決定法(SBA)を実施するために使用することができる。更に、操作されたポリメラーゼは、標識された鎖終結ヌクレオチドを使用する合成による配列決定(SBS)方法を実施するために、及び非標識された鎖終結ヌクレオチドを使用する結合による配列決定(SBB)方法を実施するために使用することができる。
【0006】
DNAの鎖に単一のヌクレオチドの単独での添加は、容易に検出するのに十分なシグナルを生成しない。現在利用可能なSBS技術は、正確なベースコールを行うのに十分な感度を持つ検出方法と相まって、ヌクレオチド付加のノイズに対するシグナルを増加させることによって、この問題を克服している。最も商業的に成功したプラットフォームは、空間的に制約されたマトリックス中でモノクローナル鋳型DNA増幅を使用して、イントロゲートする複数のコピーの配列を含む別個のDNAアイランドを生成する。この増幅の結果は、全てのコピーへの単一のDNA塩基の添加が、シグナルノイズ問題を克服するのに十分な方法で検出モダリティを濃縮するような、DNAコピーの「コロニー」である。複数の空間的に制約された同一のコピーのDNAの配列決定は、DNAコロニー内の全てのコピーが互いに対して同じ位置(N、N+1、N+2、N+3など)に残ることを確実にするために、1つ及び1つのみのヌクレオチド塩基を付加することができることを確実にするために制御されたステップ機構への依存度を更に高める。
【0007】
SBSを実行するために必要な分子エンジンは、DNAポリメラーゼである。インビボでは、このクラスの酵素は、DNA複製及びゲノムの完全性を維持することに関与している。天然条件下で、DNA依存性DNAポリメラーゼ(dDdP)は、5’から3’の方向に、DNAへのデオキシヌクレオチド三リン酸塩(dNTP)の付加を触媒し、プライマーDNA末端の3’ヒドロキシルと、入力ヌクレオチドの5’αホスフェートとの間にホスホジエステル結合を作製する。この化学反応は、正しい入力dNTPと鋳型塩基との間の水素結合により、正しいWatson-Crick塩基対に対して高い忠実度で生じる。この「正しい」塩基対合は、触媒アミノ酸を整列させてホスホジエステル結合形成を効率的に行う酵素の立体構造変化を誘導する。新たに添加されたdNTPはまた、DNA鎖を更に伸長するために次の触媒ラウンドで使用される3’OHを有する。
【0008】
単一のdNTPのみがSBSサイクルごとにDNAの増殖鎖に添加されることを確実にするために、可逆的に終結されたdNTPが使用される。これらの塩基は、dNTPの3’ヒドロキシルへの修飾を含み、その後の取り込みラウンドを遮断する。商業的に最も成功した可逆的ターミネーターは、3’メチルアジドであるが、3’アミノアリル、及び3’オキシアミンを含む他のターミネーターもまた使用されている。これらの可逆的に終結されたdNTPの各々は、同じ方法で機能し、一旦取り込まれると、3’ヒドロキシルが存在しないため、嵩高い3’ブロックは、次のヌクレオチドの付加を阻害する。触媒に曝露すると、3’ブロックは反応して、次のサイクル中に新しいホスホジエステル結合を形成することができる3’ヒドロキシルを再生成する。有効であるが、これらの巨大な3’修飾は、ポリメラーゼにとっての課題を提示する。
【0009】
高忠実度ゲノム複製及び安定性に対する進化的必要性は、104~107の取り込み事象ごとに非Watson-Crick塩基対のみを取り込むポリメラーゼをもたらした。ポリメラーゼはまた、多くの場合、細胞環境における膨大な過剰のヌクレオチドを区別する必要がある。ヌクレオチド間の区別は、典型的には、2’ヒドロキシルの存在がヌクレオチド結合部位でアミノ酸側鎖と立体的に衝突して、ヌクレオチド結合及び触媒作用に対して選択する立体ゲートを介して行われる。更に、ヌクレオチドの3’ヒドロキシルへの損傷または修飾もまた、生存不可能な3’ヒドロキシルを含有する塩基がDNA合成を阻害する鎖ターミネーターとして機能し得るため、酵素によって感知される。これらの望ましくない塩基の識別は、不適切なヌクレオチド基質がより弱い全体的な親和性で結合し、ホスホジエステル結合形成が102~104桁の速度でよりゆっくりと生じる動的経路を介して生じる。これは、結合形成のために触媒アミノ酸を適切に整列させる誘導フィットの欠如に起因する。その結果、自然に進化したポリメラーゼは、可逆的鎖ターミネーターヌクレオチドの取り込みが悪い。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、改善された熱安定性のために操作され、ヌクレオチド類似体の改善された結合及び/またはヌクレオチド類似体の改善された結合及び取り込み、ならびに改善されたウラシル耐性を示す変異体ポリメラーゼを提供する。操作されたポリメラーゼは、様々な状況で使用し得、以下でより詳細に記載されるように、様々な特性を有し得る。
【0011】
本開示は、結合複合体(例えば、三元複合体)を提供し、各々がヌクレオチドを含む。本開示は、複数の三元複合体を提供し、各々が、核酸二本鎖及びヌクレオチドに結合する変異体または野生型DNAポリメラーゼを含み、核酸二本鎖は、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含み、三元複合体において、ヌクレオチドは、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチドの反対側の位置で核酸プライマーの3’末端に結合している。いくつかの実施形態において、三元複合体において、ヌクレオチドは、核酸二重鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けていないか、またはヌクレオチドは、核酸二重鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けている。いくつかの実施形態において、野生型DNAポリメラーゼは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、変異体DNAポリメラーゼは、配列番号1と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、変異体DNAポリメラーゼは、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのものであり、配列番号2~274または288~375または及び385~397のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、アミノ酸置換D141A及びE143A(Asp141Ala及びGlu143Ala)を含む。いくつかの実施形態において、三元複合体は、核酸二本鎖からの変異体または野生型ポリメラーゼを解離することなく安定した状態を保ち(または低減された解離を示し)、安定した三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間を示す。いくつかの実施形態において、複数の三元複合体は、複数の非触媒二価カチオンまたは複数の触媒二価カチオンを更に含む。いくつかの実施形態において、複数の非触媒二価カチオンは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムを含む。いくつかの実施形態において、触媒二価カチオンは、マグネシウム及び/またはマンガンを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からの変異体ポリメラーゼは、配列番号1、393、または391に対して、少なくとも85%の配列同一性、少なくとも90%の配列同一性、または少なくとも95%の配列同一性、または少なくとも96%の配列同一性、または少なくとも97%の配列同一性、または少なくとも98%の配列同一性、または少なくとも99%の配列同一性、または少なくとも99.1%の配列同一性、または少なくとも99.2%の配列同一性、または少なくとも99.3%の配列同一性、または少なくとも99.4%の配列同一性、または少なくとも99.5%の配列同一性、または少なくとも99.6%の配列同一性、または少なくとも99.7%の配列同一性、または少なくとも99.8%の配列同一性、またはより高いパーセントの配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、変異体DNAポリメラーゼは、Leu416、Tyr417、Pro418、Ala493、Arg515、Ile529、及びAsn567からなる群から選択される2つ以上の位置のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、エキソヌクレアーゼ-マイナス活性を付与することができるアミノ酸置換D141A及びE143Aを含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、野生型アミノ酸骨格配列(例えば、配列番号1または391)を有するポリメラーゼと比較して、望ましい特徴を示す。例えば、変異体ポリメラーゼは、増加した熱安定性(Tm)を示す。別の例では、変異体ポリメラーゼは、糖2’位及び/または3’糖位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を含むヌクレオチド類似体の増加した取り込み率を示す。更に別の例では、変異体ポリメラーゼは、増加したウラシル耐性を示す。この段落に記載の1つ以上の特性は、本開示に記載の様々な実施形態における任意の例示的な変異体ポリメラーゼに現れ得る。この段落に記載の特性は、本開示を通して「例示的な変異体ポリメラーゼ特性」と称される。
【0014】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを含む三元複合体において、複数の固定化された複合ポリメラーゼは、同じ関心対象の標的配列または異なる関心対象の標的配列を有する核酸鋳型分子を含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを含む三元複合体において、ヌクレオチドは、芳香族塩基、5炭素糖、及び1~10個のリン酸基を含み、ヌクレオチドの芳香族塩基は、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシルを含む。ヌクレオチドは、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTPを含む。ヌクレオチドは、フルオロフォアで標識することができる。ヌクレオチドは、フルオロフォアを欠き得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを含む三元複合体において、ヌクレオチドは、鎖終結部分を含む。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合され得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、プライマー伸長反応中の新生鎖における後続のヌクレオチド単位または遊離ヌクレオチドのポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害することができる。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、糖がリボースまたはデオキシリボース糖部分を含む3’糖ヒドロキシル位に結合される。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、3’糖ヒドロキシル位から除去可能/開裂可能であり、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込み反応において後続のヌクレオチドとともに伸長可能な3’OH糖基を有するヌクレオチドを生成する。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アリール基、ベンジル基、アジド(azide)基、アミン基、アミド基、ケト基、イソシアネート基、リン酸基、チオ基、ジスルフィド基、炭酸基、尿素基、またはシリル基を含む。いくつかの実施形態において、鎖終結部分アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリルは、ピペリジンを用いたテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)を用いて、または2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)を用いて開裂可能/除去可能であり、鎖終結部分アリール及びベンジルは、H2 Pd/Cを用いて開裂可能/除去可能であり、鎖終結部分アミン、アミド、ケト、イソシアネート、リン酸塩、チオ、ジスルフィドは、β-メルカプトエタノール、またはジチオトリトール(DTT)を含むチオール試薬を用いて開裂可能/除去可能であり、鎖終結部分アミン、アミド、ケト、イソシアネート、リン酸塩、チオ、ジスルフィドは、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、ビス-スルホトリフェニルホスフィン(BS-TPP)、またはトリ(ヒドロキシプロピル)ホスフィン(THPP)を含むホスフィン試薬を用いて開裂可能/除去可能であり、鎖終結部分アミン、アミド、ケト、イソシアネート、リン酸塩、チオ、ジスルフィドは、4-ジメチルアミノピリジン(4-DMAP)を用いて開裂可能/除去可能であり、鎖終結部分炭酸塩は、MeOH中の炭酸カリウム(K2CO3)を用いて、ピリジン中のトリエチルアミンを用いて、または酢酸(AcOH)中のZnを用いて開裂可能/除去可能であり、鎖終結部分尿素及びシリルは、フッ化テトラブチルアンモニウム、ピリジン-HFを用いて、フッ化アンモニウムを用いて、またはトリエチルアミントリヒドロフロリドを用いて開裂可能である。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、亜硝酸で開裂され得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、亜硝酸塩を含む溶液、例えば、亜硝酸塩と、酸、例えば、酢酸、硫酸、または硝酸との組み合わせを使用して開裂され得る。いくつかの更なる実施形態において、当該溶液は、有機酸を含み得る。この段落に記載の1つ以上の特性は、本開示に記載の様々な実施形態において、任意の例示的な鎖終結部分に現れ得る。この段落に記載される特性は、本開示を通して「鎖終結部分の実施形態」と称される。
【0017】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを含む三元複合体において、ヌクレオチドは、開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合する鎖終結部分を含み、鎖終結部分は、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。例えば、いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、3’-O-アジドまたは3’-O-アジドメチル基を含む。いくつかの実施形態において、鎖終結部分アジド(azide)、アジド(azido)、及びアジドメチル基は、誘導体化トリ-アルキルホスフィン部分、誘導体化トリ-アリールホスフィン部分、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、ビス-スルホトリフェニルホスフィン(BS-TPP)、またはトリ(ヒドロキシプロイル)ホスフィン(THPP)を含むホスフィン化合物を用いて開裂可能/除去可能であり、鎖終結部分アジド(azide)、アジド(azido)、及びアジドメチル基は、4-ジメチルアミノピリジン(4-DMAP)を用いて開裂可能/除去可能である。いくつかの実施形態において、システムにおいて、ヌクレオチド類似体は、3’-デオキシヌクレオチド、2’,3’-ジデオキシヌクレオチド、3’-メチル、3’-アジド、3’-アジドメチル、3’-O-アジドアルキル、3’-O-エチニル、3’-O-アミノアルキル、3’-O-フルオロアルキル、3’-フルオロメチル、3’-ジフルオロメチル、3’-トリフルオロメチル、3’-スルホニル、3’-マロニル、3’-アミノ、3’-O-アミノ、3’-スルフヒドラル、3’-アミノメチル、3’-エチル、3’ブチル、3’-tertブチル、3’-フルオレニルメチルオキシカルボニル、3’tert-ブチルオキシカルボニル、3’-O-アルキルヒドロキシルアミノ基、3’-ホスホロチオート、及び3-O-ベンジル、またはそれらの誘導体からなる群から選択される鎖終結部分を含む。いくつかの実施形態において、3’-O-アミノ基、3’-O-アミノメチル基、3’-O-メチルアミノ基、またはそれらの誘導体のうちの1つ以上を含む鎖終結部分は、亜硝酸を利用する機構を介して、または亜硝酸を含む溶液を使用して、亜硝酸を用いて開裂され得る。いくつかの実施形態において、3’-O-アミノ基、3’-O-アミノメチル基、3’-O-メチルアミノ基、またはそれらの誘導体のうちの1つ以上を含む鎖終結部分は、亜硝酸塩を含む溶液を使用して開裂され得る。いくつかの実施形態において、例えば、亜硝酸塩は、酢酸、硫酸、または硝酸などの酸と組み合わせられ得るか、またはそれらと接触させ得る。いくつかの更なる実施形態において、例えば、亜硝酸塩は、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸などの有機酸と組み合わせられ得るか、またはそれらと接触させ得る。この語句はまた、基のサブセットを指す場合、「アジド(azide)を含む鎖終結部分」、または「アジド(azido)を含む鎖終結部分」、または「アジドメチルを含む鎖終結部分」として述べることができるが、依然としてこの段落に列挙される実施形態を含み得る。「鎖終結部分は、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む」という語句は、本開示を通して、この段落に記載の1つ以上の鎖終結部分特性のうちのいずれかを指すために使用される。
【0018】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを含む三元複合体において、野生型または変異体DNAポリメラーゼは、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ない。いくつかの実施形態において、野生型または変異体DNAポリメラーゼは、蛍光標識DNAポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、野生型または変異体DNAポリメラーゼは、フルオロフォアを欠く。いくつかの実施形態において、DNAポリメラーゼは、蛍光標識DNAポリメラーゼを含み、ヌクレオチドは、フルオロフォアを欠く。いくつかの実施形態において、DNAポリメラーゼは、フルオロフォアを欠き、ヌクレオチドは、蛍光標識ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、DNAポリメラーゼは、蛍光標識DNAポリメラーゼを含み、ヌクレオチドは、蛍光標識ヌクレオチドを含む。この段落に記載の1つ以上の特性は、本開示に記載の様々な実施形態における任意の例示的なフルオロフォア分子に現れ得る。この段落で説明される特性は、本開示を通して「フルオロフォアの実施形態」と称される。
【0019】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを含む三元複合体において、核酸鋳型分子は、様々な形態をとり得る。例えば、核酸鋳型分子は、線形核酸分子、環状核酸分子、または線形核酸分子と環状核酸分子の両方の混合物を含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子は、クローン増幅された鋳型分子を含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子は、関心対象の標的配列の1つのコピーを含む。いくつかの実施形態において、複数の核酸鋳型分子中の核酸鋳型分子は、同一の関心対象の標的配列または異なる関心対象の標的配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子は、関心対象の標的配列(例えば、コンカテマー)の2つ以上のタンデムコピーを含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子は、少なくとも1つのウリジンヌクレオチドを含むか、またはウリジンヌクレオチドを欠く。この段落に記載の1つ以上の特性は、本開示に記載の様々な実施形態において、任意の核酸鋳型に現れ得る。この段落で説明される特性は、本開示を通して「核酸鋳型の実施形態」と称される。
【0020】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを含む三元複合体において、複数の三元複合体が、固定化される。例えば、三元複合体は、支持体に固定化することができるか、または支持体上のコーティングに固定化することができる。いくつかの実施形態において、支持体上のコーティングは、少なくとも4つの分岐を有する分岐ポリエチレングリコール(PEG)を含む少なくとも1つの親水性ポリマーコーティング層を含み、コーティングは、45度以下の水接触角を有する。いくつかの実施形態において、支持体は、支持体上の化学基を介して少なくとも支持体の一部に共有結合した官能化ポリマーコーティング層、官能化ポリマーコーティングにグラフトされたオリゴヌクレオチドプライマー、ならびにプライマー及び官能化ポリマーコーティング上の水溶性保護コーティングを含む。いくつかの実施形態において、支持体に固定化された複数の三元複合体の密度は、1mm2当たり102~106である。いくつかの実施形態において、複数の三元複合体は、支持体上の所定の部位に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の三元複合体は、支持体上のランダムな部位に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の固定化された三元複合体は互いに流体連通して、支持体上の複数の固定化された三元複合体が、試薬の溶液と超並列方法で反応するように、試薬の溶液を支持体上に流すことを可能にし、試薬は、可溶性プライマー、DNAポリメラーゼ、ヌクレオチド、二価カチオン及び/または緩衝液を含む。この段落に記載の1つ以上の特性は、本開示に記載の様々な実施形態における任意の例示的な三元複合体に現れ得る。この段落で説明される特性は、本開示を通して「固定化の実施形態」と称される。
【0021】
本開示は、複数の結合複合体(例えば、複数の三元複合体)を提供し、各々が多価分子を含む。多価分子を含む複数の結合複合体または三元複合体は、結合複合体または三元複合体について上述したのと同じ特性のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体は、様々な形態をとり得る。例えば、多価分子を含む三元複合体において、複数の多価分子中の個々の多価分子は、(a)コアと、(b)(i)コア結合部分、(ii)PEG部分を含むスペーサー、(iii)リンカー、及び(iv)ヌクレオチド単位を含む、複数のヌクレオチドアームと、を含み得、コアは、それらのコア結合部分を介して複数のヌクレオチドアームに結合し、スペーサーは、リンカーに結合し、リンカーは、ヌクレオチド単位に結合する。いくつかの実施形態において、コアは、ストレプトアビジン型またはアビジン型部分を含み、コア結合部分は、ビオチンを含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、2~6個のサブユニットを有する脂肪族鎖、または2~6個のサブユニットを有するオリゴエチレングリコール鎖を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、芳香族部分を更に含む。例示的なスペーサーを
図16A(上)に示し、例示的なリンカーを
図16A(下)及び
図16Bに示す。例示的なヌクレオチドアームを
図15Bに示す。例示的な多価分子を、
図14A、14B、及び15Aに示す。いくつかの実施形態において、ヌクレオチド単位は、芳香族塩基、5-炭素糖、及び1~10個のリン酸基を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、塩基を介してヌクレオチド単位に結合する。いくつかの実施形態において、コアに結合する複数のヌクレオチドアームは、同じ種類のヌクレオチド単位を有し、ヌクレオチド単位の種類は、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、複数の多価分子は、1つの種類の多価分子を含み、複数の各多価分子は、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される同じ種類のヌクレオチド単位を有する。いくつかの実施形態において、複数の多価分子は、2つ以上の種類の多価分子の任意の組み合わせの混合物を含み、各種類が、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及び/またはdUTPからなる群から選択されるヌクレオチド単位を有する。この段落に記載の1つ以上の特性は、本開示に記載の様々な実施形態における任意の例示的な多価分子に現れ得る。この段落に記載される特性は、本開示を通して「多価分子の実施形態」と称される。
【0022】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体において、複数の多価分子は、蛍光標識された多価分子を含む。いくつかの実施形態において、個々の蛍光標識多価分子のコアは、所与の多価分子中のヌクレオチドアームに結合するヌクレオチド単位に対応するフルオロフォアに結合する。いくつかの実施形態において、多価分子のヌクレオチドアームのうちの少なくとも1つは、フルオロフォアに結合するリンカー及び/またはヌクレオチド塩基を含み、所与のリンカーまたはヌクレオチド塩基に結合するフルオロフォアは、ヌクレオチドアームのヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシル)に対応する。いくつかの実施形態において、多価分子は、フルオロフォアを欠く。
【0023】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体において、複数の多価分子中の多価分子のうちの少なくとも1つは、開裂可能な部分を介して3’OH糖位に結合する鎖終結部分を有するヌクレオチド単位を含み、これは、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体において、野生型または変異体DNAポリメラーゼは、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ない。いくつかの実施形態において、野生型または変異体DNAポリメラーゼは、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれをも含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体において、核酸鋳型分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む核酸鋳型の実施形態を含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体において、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、固定化の実施形態に従って固定化され得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体において、複数の三元複合体は、第1及び第2の三元複合体に結合して、第1の親和性複合体を形成する単一の多価分子を含む少なくとも第1及び第2の三元複合体を含む。いくつかの実施形態において、第1の三元複合体は、コンカテマー鋳型分子の第1の部分にハイブリダイズする第1のプライマーに結合する第1のDNAポリメラーゼ(例えば、第1の変異または野生型DNAポリメラーゼ)を含み、単一の多価分子の第1のヌクレオチド単位は、第1のプライマーに結合し、それによって第1の三元複合体を形成する。いくつかの実施形態において、第2の三元複合体は、同じコンカテマー鋳型分子の第2の部分にハイブリダイズする第2のプライマーに結合する第2のDNAポリメラーゼ(例えば、第2の変異または野生型DNAポリメラーゼ)を含み、単一の多価分子の第2のヌクレオチド単位は、第2のプライマーに結合し、それによって第2の三元複合体を形成する。多価分子に結合する第1及び第2の三元複合体は、第1の親和性複合体を形成する。いくつかの実施形態において、第1及び/または第2の三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間の間、解離することなく安定した状態を保つ。
【0028】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体において、第1の親和性複合体は、単一の多価分子が第1、第2、第3、及び第4の三元複合体に結合する少なくとも第3及び第4の三元複合体を更に含む。いくつかの実施形態において、第3の三元複合体は、コンカテマー鋳型分子の第3の部分にハイブリダイズする第3のプライマーに結合する第3のDNAポリメラーゼ(例えば、第3の変異または野生型DNAポリメラーゼ)を含み、単一の多価分子の第3のヌクレオチド単位は、第3のプライマーに結合し、それによって第3の三元複合体を形成する。いくつかの実施形態において、第4の三元複合体は、同じコンカテマー鋳型分子の第4の部分にハイブリダイズする第4のプライマーに結合する第4のDNAポリメラーゼ(例えば、第4の変異または野生型DNAポリメラーゼ)を含み、単一の多価分子の第4のヌクレオチド単位は、第4のプライマーに結合し、それによって第4の三元複合体を形成する。いくつかの実施形態において、多価分子に結合する第1、第2、及び第3の三元複合体は、第1の親和性複合体を形成する。いくつかの実施形態において、多価分子に結合する第1、第2、第3、及び第4の三元複合体は、第1の親和性複合体を形成する。いくつかの実施形態において、第3及び/または第4の三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間の間、解離することなく安定した状態を保つ。
【0029】
本開示は、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼを使用して、ヌクレオチドを含む結合複合体(例えば、三元複合体)を形成する核酸配列決定方法を提供する。本開示は、核酸配列決定のための方法であって、(a)(i)複数の野生型または変異体DNAポリメラーゼ、及び(ii)複数の核酸二本鎖であって、各々、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含む、複数の核酸二本鎖を接触させることであって、接触させることは、複数の複合ポリメラーゼであって、各々、核酸二本鎖に結合する野生型または変異体DNAポリメラーゼを含む、複数の複合ポリメラーゼを形成するのに好適な条件下で行われ、複数の野生型DNAポリメラーゼは、配列番号1と100%同一であるか、または複数の変異体DNAポリメラーゼは、配列番号1と少なくとも85%同一である(例えば、配列番号2~274または288~375または385~397のアミノ酸配列のうちのいずれか1つと少なくとも85%同一である)アミノ酸配列を含む、接触させることと、(b)複数の複合ポリメラーゼを、(iii)複数のヌクレオチド、及び(iv)複数の触媒二価カチオンと接触させることであって、接触させることは、複数の三元複合体であって、各々、核酸二本鎖及びヌクレオチドに結合する野生型または変異体DNAポリメラーゼを含む複数の三元複合体を形成するのに好適な条件下で行われ、三元複合体において、ヌクレオチドは、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチドの反対側の位置で、核酸プライマーの3’末端に結合し、条件は、核酸プライマーの3’末端に結合するヌクレオチドのポリメラーゼ触媒による取り込みを促進するのに好適である、接触させることと、(c)複数の三元複合体を検出することと、(d)複数の三元複合体における複数の取り込まれたヌクレオチドを識別することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、ステップ(b)の個々の三元複合体において、ヌクレオチドは、核酸二重鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けていないか、またはヌクレオチドは、核酸二重鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けている。いくつかの実施形態において、三元複合体は、核酸二本鎖からの変異体または野生型ポリメラーゼを解離することなく安定した状態を保ち(または低減された解離を示し)、安定した三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間を示す。いくつかの実施形態において、触媒二価カチオンは、マグネシウム及び/またはマンガンを含む。いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼは、同じ関心対象の標的配列または異なる関心対象の標的配列を有する核酸鋳型分子を含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、アミノ酸置換D141A及びE143Aを含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを含む三元複合体を用いる核酸配列決定において、(a)(i)複数の野生型または変異体DNAポリメラーゼ、及び(ii)複数の核酸二本鎖であって、各々、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含む、核酸二本鎖を接触させることであって、接触させることは、複数の複合ポリメラーゼであって、各々、核酸二本鎖に結合する野生型または変異体DNAポリメラーゼを含む複数の複合ポリメラーゼを形成するのに好適な条件下で行われ、複数の野生型DNAポリメラーゼは、配列番号1と100%同一であるか、または複数の変異体DNAポリメラーゼは、配列番号2~274または288~375または385~397と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含む、接触させることと、(b)複数の複合ポリメラーゼを、(iii)複数のヌクレオチド、及び(iv)複数の非触媒二価カチオンと接触させることであって、接触させることは、複数の三元複合体を形成するのに好適な条件下で行われ、各々、核酸二本鎖及びヌクレオチドに結合する野生型または変異体DNAポリメラーゼを含み、三元複合体において、ヌクレオチドは、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチドの反対側の位置で、核酸プライマーの3’末端に結合し、条件は、核酸プライマーの3’末端に結合するヌクレオチドのポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適である、接触させることと、(c)複数の三元複合体を検出することと、(d)複数の三元複合体における複数の結合したヌクレオチドを識別することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、非触媒二価カチオンは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムを含む。いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼは、同じ関心対象の標的配列または異なる関心対象の標的配列を有する核酸鋳型分子を含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、アミノ酸置換D141A及びE143Aを含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド単位を含み得る三元複合体を用いる核酸配列決定方法では。ヌクレオチド単位は、芳香族塩基、5-炭素糖(例えば、リボースまたはデオキシリボース)、及び1つ以上のリン酸基(例えば、1~10個のリン酸基)を含み得、ヌクレオチドの芳香族塩基は、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシルを含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される1つの種類のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及び/またはdUTPからなる群から選択される2つ以上の種類のヌクレオチドの任意の組み合わせの混合物を含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチド中のヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、フルオロフォアで標識される。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、フルオロフォア標識を欠く。この段落に記載の1つ以上の特性は、本開示に記載の様々な実施形態における任意の例示的なヌクレオチド単位に現れ得る。この段落に記載の特性は、本開示を通して「例示的なヌクレオチド単位特性」と称される。
【0032】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、複数のDNAポリメラーゼは、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、複数のDNAポリメラーゼは、複数のヌクレオチドを含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、複数のヌクレオチドにおけるヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、鎖終結部分を含み、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、複数の核酸鋳型分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む核酸鋳型の実施形態を含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、これは、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、固定化の実施形態に従って固定化され得る。
【0036】
本開示は、多価分子を含む結合複合体(例えば、三元複合体)を用いる核酸配列決定方法を提供する。本開示は、核酸配列決定のための方法であって、(a)(i)複数の野生型または変異体DNAポリメラーゼ、及び(ii)複数の核酸二本鎖であって、各々、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含む、核酸二本鎖を接触させることであって、接触させることは、各々、核酸二本鎖に結合する変異DNAポリメラーゼを含む複数の複合ポリメラーゼを形成するのに好適な条件下で行われ、複数の野生型DNAポリメラーゼは、配列番号1と100%同一であるか、または複数の変異体DNAポリメラーゼは、配列番号1と少なくとも85%同一である(例えば、配列番号2~274または288~375または385~397のアミノ酸配列のうちのいずれか1つと少なくとも85%同一である)アミノ酸配列を含む、接触させることと、(b)複数の複合ポリメラーゼを、(iii)複数の多価分子、及び(iv)複数の非触媒二価カチオンと接触させることであって、複数の多価分子が、各々、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、各ヌクレオチドアームが、ヌクレオチド単位を含み、接触させることは、複数の三元複合体を形成するのに好適な条件下で行われ、各々、核酸二本鎖及び多価分子に結合する変異体DNAポリメラーゼを含み、三元複合体において、多価分子の1つのヌクレオチド単位は、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチドの反対側の位置での核酸プライマーの3’末端に結合し、複数の三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間の間、解離することなく安定した状態を保ち、接触させることは、多価分子の結合ヌクレオチド単位のポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適な条件下で行われる、接触させることと、(c)複数の三元複合体を検出することと、(d)複数の三元複合体における核酸プライマーの3’末端に結合する複数のヌクレオチド単位を識別し、それによって複数の核酸鋳型分子の配列を決定することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、アミノ酸置換D141A及びE143Aを含む。
【0037】
更に別の例において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した例示的な変異体ポリメラーゼの特性のうちの1つ以上の特性を示す。代替的または追加的に、変異体ポリメラーゼは、増加したウラシル耐性(例えば、配列番号361、362、363、364、366、367、374、または375のうちのいずれか、または配列番号385~397のうちのいずれか)を示す。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、アミノ酸置換D141A及びE143Aを含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、三元複合体は、核酸二本鎖からの変異または野生型ポリメラーゼを解離することなく安定した状態を保ち(または低減された解離を示し)、安定した三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間を示す。いくつかの実施形態において、複数の非触媒二価カチオンは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムを含む。いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼは、同じ関心対象の標的配列または異なる関心対象の標的配列を有する核酸鋳型分子を含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、三元複合体において、多価分子のヌクレオチド単位は、核酸二本鎖に結合され、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けていないか、またはヌクレオチド単位は、核酸二本鎖に結合され、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けている。
【0040】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、この方法は、親和性複合体を形成することを更に含み、(1)複数の野生型または変異体DNAポリメラーゼ及び複数の核酸プライマーを、コンカテマー核酸鋳型分子の異なる部分と接触させて、同じコンカテマー鋳型分子上に少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼを形成するステップと、(2)複数の多価分子を、同じコンカテマー鋳型分子上の少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼに、複数の多価分子からの単一の多価分子を第1及び第2の複合ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下で接触させるステップであって、単一の多価分子の少なくとも第1のヌクレオチド単位は、コンカテマー鋳型分子の第1の部分にハイブリダイズし、それによって第1の三元複合体を形成する第1のプライマーを含む第1の複合ポリメラーゼに結合し、単一の多価分子の少なくとも第2のヌクレオチド単位は、コンカテマー鋳型分子の第2の部分にハイブリダイズし、それによって第2の三元複合体を形成する第2のプライマーを含む第2の複合ポリメラーゼに結合して、接触させることが、第1及び第2の三元複合体中の結合した第1及び第2のヌクレオチド単位のポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適な条件下で行われ、同じ多価分子に結合する第1及び第2の三元複合体が親和性複合体を形成する、接触させるステップと、(3)同じコンカテマー鋳型分子上で第1及び第2の三元複合体を検出するステップと、(4)第1の三元複合体中の第1のヌクレオチド単位を識別し、それによってコンカテマー鋳型分子の第1の部分の配列を決定し、第2の三元複合体中の第2のヌクレオチド単位を識別し、それによってコンカテマー鋳型分子の第2の部分の配列を決定するステップと、を含む。いくつかの実施形態において、親和性複合体を形成するための方法では、ステップ(4)の識別することは、第1の三元複合体中の第1のプライマーの3’末端に結合する第1のヌクレオチド単位を識別し、それによってコンカテマー鋳型分子の第1の部分の配列を決定することと、第2の三元複合体中の第2のプライマーの3’末端に結合する第2のヌクレオチド単位を識別し、それによってコンカテマー鋳型分子の第2の部分の配列を決定することと、を含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、多価分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、多価分子の実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、多価分子は、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、個々の多価分子のコアは、ヌクレオチドアームに結合するヌクレオチド単位に結合し、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、多価分子のヌクレオチドアームのうちの少なくとも1つは、フルオロフォアに結合するリンカー及び/またはヌクレオチド塩基を含み、所与のリンカーまたはヌクレオチド塩基に結合するフルオロフォアは、ヌクレオチドアームのヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシル)に対応する。
【0043】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、複数の多価分子中の多価分子のうちの少なくとも1つは、開裂可能な部分を介して3’OH糖位に結合する鎖終結部分を有するヌクレオチド単位を含み、これは、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、複数のDNAポリメラーゼは、蛍光標識DNAポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、複数のDNAポリメラーゼは、フルオロフォアを欠く。
【0045】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、複数の核酸鋳型分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む核酸鋳型の実施形態を含み得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、多価分子を含む三元複合体を用いる核酸配列決定方法では、多価分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む固定化の実施形態に従って固定化され得る。
【0047】
本開示は、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼ、多価分子、及びヌクレオチドを用いる二相核酸配列決定方法を提供する。本開示は、核酸配列決定のための方法であって、(a)(i)複数の第1の野生型または変異体DNAポリメラーゼと、(ii)複数の核酸二本鎖であって、各々、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含む、複数の核酸二本鎖と、を接触させることであって、接触させることは、複数の第1の複合ポリメラーゼ(各々、核酸二本鎖に結合する第1の野生型または変異体DNAポリメラーゼを含む)を形成するのに好適な条件下で行われ、複数の第1の野生型DNAポリメラーゼは、配列番号1と100%同一であるアミノ酸配列を含むか、または複数の第1の変異体DNAポリメラーゼは、配列番号1と少なくとも85%同一である(例えば、配列番号2~274または288~375または385~397のアミノ酸配列のうちのいずれか1つと少なくとも85%同一である)アミノ酸配列を含む、接触させることと、(b)複数の第1の複合ポリメラーゼを、(iii)複数の多価分子、及び(iv)複数の非触媒二価カチオンと接触させることであって、複数の多価分子は、各々、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、各ヌクレオチドアームは、ヌクレオチド単位を含み、接触させることは、複数の第1の三元複合体(各々、核酸二本鎖に結合する第1の野生型または変異体DNAポリメラーゼ、及び多価分子を含む)を形成するのに好適な条件下で行われ、第1の三元複合体では、多価分子のヌクレオチド単位は、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチドの反対側の位置での核酸プライマーの3’末端に結合し、接触させることが、多価分子の結合したヌクレオチド単位のポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適な条件下で行われる、接触させることと、(c)複数の第1の三元複合体を検出し、核酸プライマーの3’末端に結合するヌクレオチド単位を識別し、それによって核酸鋳型分子の配列を決定することと、(d)複数の第1の野生型または変異体ポリメラーゼ及び複数の第1の三元複合体を除去することによって解離し、複数の核酸二重鎖を保持することと、(e)ステップ(d)の保持された核酸二重鎖を、(i)複数の第2の野生型または変異体DNAポリメラーゼ、(ii)複数のヌクレオチド、及び(iii)複数の触媒二価カチオンと接触させることであって、複数の第2の野生型DNAポリメラーゼは、配列番号1と100%同一であるアミノ酸配列を含むか、または、複数の第2の変異体DNAポリメラーゼは、配列番号1と少なくとも85%同一である(例えば、配列番号2~274または288~375または385~397のアミノ酸配列のうちのいずれか1つと少なくとも85%同一である)アミノ酸配列を含み、ステップ(e)の接触が、複数の第2の三元複合体(各々、ステップ(d)の保持された核酸二本鎖及びヌクレオチドに結合した第2の野生型または変異体DNAポリメラーゼを含む)を形成するのに好適な条件下で行われ、第2の三元複合体において、ヌクレオチドは、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチドの反対側の位置で核酸プライマーの3’末端に結合し、条件は、核酸プライマーの3’末端に結合したヌクレオチドのポリメラーゼ触媒による取り込みを促進するのに好適である、接触させることと、(f)複数の第2の三元複合体を検出し、第2の三元複合体内の取り込まれたヌクレオチドを識別することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、ステップ(f)の検出することは、任意選択的である。いくつかの実施形態において、ステップ(f)の識別することは、任意選択的である。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、アミノ酸置換D141A及びE143Aを含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、第1の三元複合体において、多価分子のヌクレオチド単位は、核酸二本鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けていないか、またはヌクレオチド単位は、核酸二本鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けている。いくつかの実施形態において、第2の三元複合体において、ヌクレオチドは、核酸二重鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けていないか、またはヌクレオチドは、核酸二重鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けている。
【0049】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、第1の変異体DNAポリメラーゼは、例示的な変異体ポリメラーゼ特性に関連して上記の1つ以上の特性を含む。更に別の例では、第1の変異体ポリメラーゼは、増加したウラシル耐性(例えば、配列番号361、362、363、364、366、367、374、または375のうちのいずれか、または配列番号385~397のうちのいずれか)を示す。
【0050】
いくつかの実施形態において、第1の野生型または変異体DNAポリメラーゼは、蛍光標識DNAポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、第1の野生型または変異体DNAポリメラーゼは、フルオロフォアを欠く。
【0051】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、第2の変異体DNAポリメラーゼは、例示的な変異体ポリメラーゼ特性に関連して上記の1つ以上の特性を含む。更に別の例において、第2の変異体ポリメラーゼは、増加したウラシル耐性(例えば、配列番号361、362、363、364、366、367、374、または375のうちのいずれか、または配列番号385~397のうちのいずれか)を示す。
【0052】
いくつかの実施形態において、第2の野生型または変異体DNAポリメラーゼは、蛍光標識DNAポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、第2の変異体DNAポリメラーゼは、フルオロフォアを欠く。
【0053】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、ステップ(b)の複数の非触媒二価カチオンは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムを含む。いくつかの実施形態において、ステップ(e)の複数の触媒二価カチオンは、マグネシウム及び/またはマンガンを含む。いくつかの実施形態において、ステップ(b)の複数の第1の三元複合体は、核酸二本鎖からの変異体または野生型ポリメラーゼを解離することなく安定した状態を保ち(または低減された解離を示し)、安定した三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間を示す。いくつかの実施形態において、ステップ(e)における複数の第2の三元複合体は、核酸二本鎖からの変異体または野生型ポリメラーゼを解離することなく安定した状態を保ち(または低減された解離を示し)、安定した三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間を示す。
【0054】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを使用する二相核酸配列決定方法は、(g)複数の第2の野生型または変異体DNAポリメラーゼを除去し、ステップ(f)の複数の核酸二本鎖を保持することと、(h)ステップ(g)の保持された核酸二本鎖を、複数の第1の野生型または変異体DNAポリメラーゼ、複数の多価分子、及び複数の非触媒二価カチオンと接触させることであって、接触させることが、別の複数の第1の三元複合体を形成するのに好適な条件下で行われ、接触させることが、多価分子の結合ヌクレオチド単位のポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適な条件下で行われる、接触させることと、(i)ステップ(h)で形成された複数の第1の三元複合体を検出し、核酸プライマーの3’末端に結合するヌクレオチド単位を識別し、それによって核酸鋳型分子の配列を決定することと、(j)複数の第1の野生型または変異体ポリメラーゼ及び複数の多価分子を除去することによってステップ(h)で形成された複数の第1の三元複合体を解離し、複数の核酸二本鎖を保持することと、(k)ステップ(j)の複数の保持された核酸二本鎖を、複数の第2の野生型または変異体DNAポリメラーゼ、複数のヌクレオチド、及び複数の触媒二価カチオンと接触させることであって、接触させることが、別の複数の第2の三元複合体を形成するのに好適な条件下で行われ、条件が、核酸プライマーの3’末端に結合したヌクレオチドのポリメラーゼ触媒による取り込みを促進するのに好適である、接触させることと、(l)ステップ(k)で形成された複数の第2の三元複合体を検出し、第2の三元複合体における複数の取り込まれたヌクレオチドを識別することと、(m)ステップ(g)~(l)を少なくとも1回繰り返すことと、を更に含む。いくつかの実施形態において、ステップ(l)の検出することは、任意選択的である。いくつかの実施形態において、ステップ(l)の識別することは、任意選択的である。いくつかの実施形態において、ステップ(h)の複数の第1の三元複合体は、核酸二本鎖からの変異体または野生型ポリメラーゼを解離することなく安定した状態を保ち(または低減された解離を示し)、安定した三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間を示す。いくつかの実施形態において、ステップ(k)の複数の第2の三元複合体は、核酸二本鎖からの変異体または野生型ポリメラーゼを解離することなく安定した状態を保ち(または低減された解離を示し)、安定した三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間を示す。
【0055】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、非触媒二価カチオンは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムを含み、触媒二価カチオンは、マグネシウムまたはマンガンを含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法は、(1)複数の野生型または変異体DNAポリメラーゼ及び複数の核酸プライマーを、コンカテマー核酸鋳型分子の異なる部分と接触させて、同じコンカテマー鋳型分子上に少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼを形成するステップと、(2)複数の多価分子を、同じコンカテマー鋳型分子上の少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼに、複数の多価分子からの単一の多価分子を第1及び第2の複合ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下で接触させるステップであって、単一の多価分子の少なくとも第1のヌクレオチド単位は、コンカテマー鋳型分子の第1の部分にハイブリダイズし、それによって第1のコンカテマー三元複合体を形成する第1のプライマーを含む第1の複合ポリメラーゼに結合し、単一の多価分子の少なくとも第2のヌクレオチド単位は、コンカテマー鋳型分子の第2の部分にハイブリダイズし、それによって第2のコンカテマー三元複合体を形成する第2のプライマーを含む第2の複合ポリメラーゼに結合して、接触させることが、第1及び第2のコンカテマー三元複合体中の結合した第1及び第2のヌクレオチド単位のポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適な条件下で行われ、同じ多価分子に結合する第1及び第2のコンカテマー三元複合体が親和性複合体を形成する、接触させるステップと、(3)同じコンカテマー鋳型分子上で第1及び第2のコンカテマー三元複合体を検出するステップと、(4)第1のコンカテマー三元複合体中の第1のヌクレオチド単位を識別し、それによってコンカテマー鋳型分子の第1の部分の配列を決定し、第2のコンカテマー三元複合体中の第2のヌクレオチド単位を識別し、それによってコンカテマー鋳型分子の第2の部分の配列を決定するステップと、を含む、親和性複合体を形成することを更に含む。いくつかの実施形態において、ステップ(4)の識別することは、第1のコンカテマー三元複合体中の第1のプライマーの3’末端に結合し、それによってコンカテマー鋳型分子の第1の部分の配列を決定する第1のヌクレオチド単位を識別することと、第2のコンカテマー三元複合体中の第2のプライマーの3’末端に結合し、それによってコンカテマー鋳型分子の第2の部分の配列を決定する第2のヌクレオチド単位を識別することとを含む。
【0057】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、多価分子の実施形態のうちのいずれかを含み得る多価分子が存在し得る。潜在的特性のうちのいずれか。
【0058】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、多価分子は、フルオロフォアを欠く。いくつかの実施形態において、多価分子は、フルオロフォアで標識される。いくつかの実施形態において、ステップ(b)の複数の多価分子は、蛍光標識された多価分子であり、ステップ(c)は、複数の第1の三元複合体からの蛍光シグナルを検出することと、核酸プライマーの3’末端に結合するヌクレオチド単位を識別し、それによって核酸鋳型分子の配列を決定することと、を含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、多価分子のヌクレオチド単位のうちの少なくとも1つは、開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合する鎖終結部分を含み、これは、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、ステップ(e)及び/または(k)のヌクレオチドは、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド単位特性を含むヌクレオチド単位を含む。いくつかの実施形態において、ステップ(e)の複数のヌクレオチドは、フルオロフォアを欠く。いくつかの実施形態において、ステップ(e)の複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つが、フルオロフォアで標識される。
【0060】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、ステップ(e)及び/または(k)の複数のヌクレオチドは、開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合する鎖終結部分を含み、これは、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、ステップ(e)の複数のヌクレオチドは、開裂可能な部分を介して3’OH糖位に結合する鎖終結部分を含み、ステップ(f)は、核酸プライマーに取り込まれた鎖終結ヌクレオチドを開裂剤と接触させて鎖終結部分を除去し、それによって3’伸長可能な末端を有する複数の核酸プライマーを生成することを更に含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数の第2の野生型または変異体DNAポリメラーゼは、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、複数の第2の野生型DNAポリメラーゼまたは変異体DNAポリメラーゼは、複数のヌクレオチドを含み、これらは、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、核酸鋳型分子を含み、核酸鋳型分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む核酸鋳型の実施形態を含み得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数の第1の複合ポリメラーゼは、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む固定化の実施形態に従って固定化される。
【0065】
本開示は、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼを提供する。本明細書内で使用される「組換え変異体9°N DNA」は、本段落及び以下の段落に記載される特性のうちのいずれかを含み得る。例えば、組換え変異体9°N DNAは、配列番号280または281または282の骨格アミノ酸配列を含み得、以下を含む2つ以上のアミノ酸置換変異のうちの少なくとも1つまたは任意の組み合わせを有し得る:(1)位置408のロイシン(L)は、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、バリン(V)、グリシン(G)、トレオニン(T)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、フェニルアラニン(F)、もしくはメチオニン(M)で置換され、(2)位置409のチロシン(Y)は、アラニン(A)、トレオニン(T)、セリン(S)、グリシン(G)、バリン(V)、イソロイシン(I)、もしくはチロシン(Y)で置換され、(3)位置410のプロリン(P)は、グリシン(G)、セリン(S)、バリン(V)、システイン(C)、リシン(K)、イソロイシン(I)、トレオニン(T)、もしくはアラニン(A)で置換され、(4)位置485のアラニン(A)は、セリン(S)もしくはバリン(V)で置換され、(5)位置492のセリン(S)は、グリシン(G)で置換され、(6)位置507のリシン(K)は、ロイシン(L)、トレプトファン(W)、チロシン(Y)、プロリン(P)、もしくはフェニルアラニン(F)で置換され、(7)位置521のイソロイシンは、ヒスチジン(H)、トレオニン(T)、バリン(V)、セリン(S)、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、もしくはフェニルアラニン(F)で置換され、及び/または(8)位置559のリシン(K)は、アスパラギン酸(D)で置換される。いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼは、アミノ酸置換D141A及びE143Aを更に含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、配列番号280または281または282の骨格アミノ酸配列を含み、以下を含むアミノ酸置換変異の組み合わせを有する:(i)位置408のロイシン(L)は、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはチロシン(Y)で置換され、(ii)位置409のチロシン(Y)は、アラニン(A)で置換され、位置410のプロリン(P)は、グリシン(G)で置換され、位置485のアラニン(A)は、セリン(S)で置換され、位置507のリシン(K)は、ロイシン(L)で置換され、位置521のイソロイシンは、ヒスチジン(H)で置換され、位置559のリシン(K)は、アスパラギン酸(D)で置換される。配列番号280の骨格配列に基づき、置換変異L408S、Y409A、P418G、A485S、K507L、I521H、及びK559D(配列番号376)を有する変異体9°N DNAポリメラーゼ。配列番号281の骨格配列に基づき、置換変異L408S、Y409A、P418G、A485S、K507L、I521H、及びK559D(配列番号379)を有する変異体9°N DNAポリメラーゼ。配列番号282の骨格配列に基づき、置換変異L408S、Y409A、P418G、A485S、K507L、I521H、及びK559D(配列番号382)を有する変異体9°N DNAポリメラーゼ。配列番号280の骨格配列に基づき、置換変異L408F、Y409A、P418G、A485S、K507L、I521H、及びK559D(配列番号377)を有する変異体9°N DNAポリメラーゼ。配列番号281の骨格配列に基づき、置換変異L408F、Y409A、P418G、A485S、K507L、I521H、及びK559D(配列番号380)を有する変異体9°N DNAポリメラーゼ。配列番号282の骨格配列に基づき、置換変異L408F、Y409A、P418G、A485S、K507L、I521H、及びK559D(配列番号383)を有する変異体9°N DNAポリメラーゼ。いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼは、アミノ酸置換D141A及びE143Aを更に含む。
【0067】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、配列番号280または281または282の骨格アミノ酸配列を含み、以下を含むアミノ酸置換変異の組み合わせを有する:(i)位置408のロイシン(L)は、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはチロシン(Y)で置換され、(ii)位置409のチロシン(Y)は、アラニン(A)で置換され、位置410のプロリン(P)は、グリシン(G)で置換され、位置485のアラニン(A)は、セリン(S)で置換され、位置492のセリン(S)は、グリシン(G)で置換され、位置507のリシン(K)は、ロイシン(L)で置換され、位置521のイソロイシンは、ヒスチジン(H)で置換され、位置559のリシン(K)は、アスパラギン酸(D)で置換される。配列番号280の骨格配列に基づき、置換変異L408F、Y409A、P418G、A485S、S492G、K507L、I521H、及びK559D(配列番号378)を有する変異体9°N DNAポリメラーゼ。配列番号281の骨格配列に基づき、置換変異L408F、Y409A、P418G、A485S、S492G、K507L、I521H、及びK559D(配列番号381)を有する変異体9°N DNAポリメラーゼ。配列番号282の骨格配列に基づき、置換変異L408F、Y409A、P418G、A485S、S492G、K507L、I521H、及びK559D(配列番号384)を有する変異体9°N DNAポリメラーゼ。いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼは、アミノ酸置換D141A及びE143Aを更に含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、核酸鋳型分子と、3’伸長可能な末端を有するヌクレオチド重合開始部位とを更に含む。核酸鋳型分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、核酸鋳型の実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、核酸鋳型分子と、3’伸長可能な末端を有するヌクレオチド重合開始部位と、少なくとも1つのヌクレオチドとを更に含み、少なくとも1つのヌクレオチドは、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド単位特性を含むヌクレオチド単位を含む。
【0070】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子に結合する組換え変異体9°N DNAポリメラーゼと、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチドと反対側の位置で核酸プライマーの3’末端に結合する少なくとも1つのヌクレオチドとを含む三元複合体の一部である。いくつかの実施形態において、三元複合体において、ヌクレオチドは、核酸二重鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けていないか、またはヌクレオチドは、核酸二重鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けている。
【0071】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、核酸鋳型分子と、3’伸長可能な末端を有するヌクレオチド重合開始部位と、フルオロフォアで標識される少なくとも1つのヌクレオチドまたは少なくとも1つのヌクレオチドがフルオロフォア標識を欠く少なくとも1つのヌクレオチドとを更に含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、核酸鋳型分子と、3’伸長可能な末端を有するヌクレオチド重合開始部位と、開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合する鎖終結部分を含む少なくとも1つのヌクレオチドとを更に含み、これは上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0073】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得る、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、少なくとも1つのヌクレオチドを含み、これは、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ない。
【0074】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、少なくとも1つの多価分子を更に含み、これは、上記の潜在的特徴のうちのいずれかを含む、多価分子の実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0075】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、少なくとも1つの多価分子を更に含み、これは、上述のように、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、少なくとも1つの蛍光標識された多価分子を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの多価分子は、フルオロフォアで標識されたコアを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの多価分子は、フルオロフォアに結合するリンカー及び/またはヌクレオチド単位を有する1つ以上のヌクレオチドアームを含む。いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、フルオロフォアを欠く多価分子を更に含む。
【0076】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合する鎖終結部分を有するヌクレオチド単位を含む少なくとも1つの多価分子を更に含み、これは、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0077】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得るポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、ポリメラーゼを含み、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ない少なくとも1つの多価分子を更に含み、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、核酸鋳型分子と、3’伸長可能な末端を有するヌクレオチド重合開始部位と、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込みを促進する複数の触媒二価カチオンとを更に含み、触媒二価カチオンは、マグネシウム及び/またはマンガンを含む。
【0079】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、核酸鋳型分子と、3’伸長可能な末端を有するヌクレオチド重合開始部位と、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込みを阻害する複数の非触媒二価カチオンとを更に含み、非触媒二価カチオンは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムを含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、組換え変異体9°N DNAポリメラーゼは、複数の核酸鋳型分子及び複数のヌクレオチド重合開始部位に結合する複数の変異体DNAポリメラーゼを更に含み、これは、核酸二本鎖がオリゴヌクレオチドプライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含む場合、複数の複合変異体DNAポリメラーゼ(各々、核酸二本鎖に結合する変異体DNAポリメラーゼを含む)を形成する。いくつかの実施形態において、複数の複合変異体DNAポリメラーゼは、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、固定化の実施形態に従って固定化される。
【0081】
本開示は、変異体9°N DNAポリメラーゼ及びヌクレオチドを用いる核酸配列決定方法を提供する。本開示は、核酸配列決定方法であって、(a)(i)複数の変異体9°N DNAポリメラーゼ、及び(ii)複数の核酸二本鎖であって、各々、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含む複数の核酸二本鎖を接触させることであって、接触させることは、複数の複合ポリメラーゼであって、各々、核酸二本鎖に結合する変異体9°N DNAポリメラーゼを含む複数の複合ポリメラーゼを形成するのに好適な条件下で行われる、接触させることと、(b)複数の複合ポリメラーゼを、(iii)複数のヌクレオチド、及び(iv)複数の触媒または非触媒二価カチオンと接触させることであって、接触させることは、複数の三元複合体であって、各々、核酸二本鎖及びヌクレオチドに結合する変異体DNAポリメラーゼを含む複数の三元複合体を形成するのに好適な条件下で行われ、三元複合体において、ヌクレオチドは、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチドの反対側の位置で、核酸プライマーの3’末端に結合し、条件は、核酸プライマーの3’末端に結合するヌクレオチドのポリメラーゼ触媒による取り込みを促進するのに好適であるか、または条件は、核酸プライマーの3’末端に結合するヌクレオチドのポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適である、接触させることと、(c)複数の三元複合体を検出することと、(d)複数の三元複合体における複数の取り込まれたヌクレオチドを識別することと、を含む、方法を提供する。先に記載される変異体ポリメラーゼの説明(例えば、変異体9°N DNAポリメラーゼについての上記の段落)も、ここに適用される。
【0082】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及びヌクレオチドを用いる配列決定方法では、複数の三元複合体は、核酸二本鎖からの変異体または野生型ポリメラーゼを解離することなく安定した状態を保ち(または低減された解離を示し)、安定した三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間を示す。
【0083】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及びヌクレオチドを用いる配列決定方法では、ヌクレオチドは、核酸二本鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けていないか、またはヌクレオチドは、核酸二本鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けている。
【0084】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及びヌクレオチドを用いる配列決定方法では、複数の触媒二価カチオンは、マグネシウム及び/またはマンガンを含む。いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及びヌクレオチドを用いる配列決定方法では、複数の非触媒二価カチオンは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムを含む。
【0085】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及びヌクレオチドを用いる配列決定方法では、複数の変異体9°N DNAポリメラーゼは、複数の蛍光標識ポリメラーゼを含むか、または複数の変異体9°N DNAポリメラーゼは、フルオロフォアを欠く。
【0086】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及びヌクレオチドを用いる配列決定方法では、複数のヌクレオチド中の個々のヌクレオチドは、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド単位特性を含むヌクレオチド単位を含む。
【0087】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及びヌクレオチドを用いる配列決定方法では、これらは、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0088】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及びヌクレオチドを用いる配列決定方法では、複数のヌクレオチド中のヌクレオチドの少なくとも1つは、開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合する鎖終結部分を含み、これは、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0089】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及びヌクレオチドを用いる配列決定方法では、複数の核酸鋳型分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む核酸鋳型の実施形態を含み得る。
【0090】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及びヌクレオチドを用いる配列決定方法では、複数の複合ポリメラーゼは、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、固定化の実施形態に従って固定化される。
【0091】
本開示は、変異体9°N DNAポリメラーゼ及び多価分子を用いる配列決定方法を提供し、これらの各々は、先に記載されており、それらの説明も本明細書に適用される。
【0092】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及び多価分子を用いる配列決定方法では、複数の三元複合体は、核酸二本鎖からの変異体または野生型ポリメラーゼを解離することなく安定した状態を保ち(または低減された解離を示し)、安定した三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間を示す。
【0093】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及び多価分子を用いる配列決定方法では、三元複合体において、多価分子のヌクレオチド単位は、核酸二本鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けていないか、またはヌクレオチド単位は、核酸二本鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けている。
【0094】
いくつかの実施形態において、親和性複合体を形成することを更に含む、変異体9°N DNAポリメラーゼ及び多価分子を用いる配列決定方法では、Candidatus Altiarchaealesからのポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法について前述したものと同様のステップ(ステップ(1)~(4))を含んだ、親和性複合体を形成するための方法は、親和性複合体を形成することを更に含み、これらのステップは、(a)複数の変異体9°N DNAポリメラーゼ及び複数の核酸プライマーを、コンカテマー核酸鋳型分子の異なる部分と接触させて、同じコンカテマー鋳型分子上に少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼを形成するステップと、(b)複数の多価分子を、同じコンカテマー鋳型分子上の少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼに、複数の多価分子からの単一の多価分子を第1及び第2の複合ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下で接触させるステップであって、単一の多価分子の少なくとも第1のヌクレオチド単位は、コンカテマー鋳型分子の第1の部分にハイブリダイズし、それによって第1の三元複合体を形成する第1のプライマーを含む第1の複合ポリメラーゼに結合し、単一の多価分子の少なくとも第2のヌクレオチド単位は、コンカテマー鋳型分子の第2の部分にハイブリダイズし、それによって第2の三元複合体を形成する第2のプライマーを含む第2の複合ポリメラーゼに結合して、接触させることが、第1及び第2の三元複合体(それぞれ)中の結合した第1及び第2のヌクレオチド単位のポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適な条件下で行われ、同じ多価分子に結合する第1及び第2の三元複合体が親和性複合体を形成する、接触させるステップと、(c)同じコンカテマー鋳型分子上で第1及び第2の三元複合体を検出するステップと、(d)第1の三元複合体中の第1のヌクレオチド単位を識別し、それによってコンカテマー鋳型分子の第1の部分の配列を決定し、第2の三元複合体中の第2のヌクレオチド単位を識別し、それによってコンカテマー鋳型分子の第2の部分の配列を決定するステップと、を含む。いくつかの実施形態において、ステップ(d)の識別することは、第1の三元複合体中の第1のプライマーの3’末端に結合し、それによってコンカテマー鋳型分子の第1の部分の配列を決定する第1のヌクレオチド単位を識別することと、第2の三元複合体中の第2のプライマーの3’末端に結合し、それによってコンカテマー鋳型分子の第2の部分の配列を決定する第2のヌクレオチド単位を識別することとを含む。
【0095】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及び多価分子を用いる配列決定方法では、非触媒二価カチオンは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムを含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及び多価分子を用いる配列決定方法では、個々の多価分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、多価分子の実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及び多価分子を用いる配列決定方法では、複数の多価分子は、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0098】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及び多価分子を用いる配列決定方法では、複数の多価分子中の多価分子のうちの少なくとも1つは、開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合する鎖終結部分を有するヌクレオチド単位を含み、これは、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及び多価分子を用いる配列決定方法では、これらのうちのいずれかが、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0100】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及び多価分子を用いる配列決定方法では、複数の核酸鋳型分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む核酸鋳型の実施形態を含み得る。
【0101】
いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼ及び多価分子を用いる配列決定方法では、複数の複合ポリメラーゼは、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、固定化の実施形態に従って固定化される。
【0102】
本開示は、変異体9°N DNAポリメラーゼ、多価分子、及びヌクレオチドを用いる二相核酸配列決定方法を提供する。本開示は、核酸配列決定方法であって、(a)(i)複数の第1の変異体9°N DNAポリメラーゼと、(ii)複数の核酸二本鎖(各々、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含む)を接触させることであって、接触させることは、複数の第1の複合ポリメラーゼ(各々、核酸二本鎖に結合する第1の変異体9°N DNAポリメラーゼを含む)を形成するのに好適な条件下で行われる、接触させることと、(b)複数の第1の複合ポリメラーゼを、(iii)複数の多価分子、及び(iv)複数の非触媒二価カチオンと接触させることであって、複数の多価分子は各々、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、各ヌクレオチドアームは、ヌクレオチド単位を含み、接触させることは、複数の第1の三元複合体であって、各々、核酸二本鎖に結合する第1の変異体9°N DNAポリメラーゼ、及び多価分子を含む複数の第1の三元複合体を形成するのに好適な条件下で行われ、第1の三元複合体では、多価分子のヌクレオチド単位は、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチドの反対側の位置での核酸プライマーの3’末端に結合し、接触させることが、多価分子の結合したヌクレオチド単位のポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適な条件下で行われる、接触させることと、(c)複数の第1の三元複合体を検出し、核酸プライマーの3’末端に結合するヌクレオチド単位を識別し、それによって核酸鋳型分子の配列を決定することと、(d)複数の第1の変異体9°Nポリメラーゼ及び複数の多価分子を除去することによって複数の第1の三元複合体を解離し、複数の核酸二重鎖を保持することと、(e)ステップ(d)の保持された核酸二重鎖を、(i)複数の第2の変異体9°N DNAポリメラーゼ、(ii)複数のヌクレオチド、及び(iii)複数の触媒二価カチオンと接触させることであって、ステップ(e)の接触が、複数の第2の三元複合体であって、各々、ステップ(d)の保持された核酸二本鎖及びヌクレオチドに結合した第2の変異体9°N DNAポリメラーゼを含む複数の第2の三元複合体を形成するのに好適な条件下で行われ、第2の三元複合体において、ヌクレオチドは、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチドの反対側の位置で核酸プライマーの3’末端に結合し、条件は、核酸プライマーの3’末端に結合したヌクレオチドのポリメラーゼ触媒による取り込みを促進するのに好適である、接触させることと、(f)複数の第2の三元複合体を検出し、第2の三元複合体内の取り込まれたヌクレオチドを識別することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、ステップ(f)の検出することは、任意選択的である。いくつかの実施形態において、ステップ(f)の識別することは、任意選択的である。いくつかの実施形態において、非触媒二価カチオンは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムを含み、触媒二価カチオンは、マグネシウムまたはマンガンを含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法は、(g)複数の第2の変異体9°N DNAポリメラーゼを除去し、ステップ(f)の複数の核酸二本鎖を保持することと、(h)ステップ(g)の保持された核酸二本鎖を、複数の第1の変異体9°N DNAポリメラーゼ、複数の多価分子、及び複数の非触媒二価カチオンと接触させることであって、接触させることが、別の複数の第1の三元複合体を形成するのに好適な条件下で行われ、接触させることが、多価分子の結合ヌクレオチド単位のポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適な条件下で行われる、接触させることと、(i)ステップ(h)で形成された複数の第1の三元複合体を検出し、核酸プライマーの3’末端に結合するヌクレオチド単位を識別し、それによって核酸鋳型分子の配列を決定することと、(j)複数の第1の変異体9°Nポリメラーゼ及び複数の多価分子を除去することによってステップ(h)で形成された複数の第1の三元複合体を解離し、複数の核酸二本鎖を保持することと、(k)ステップ(j)の複数の保持された核酸二本鎖を、複数の第2の変異体9°N DNAポリメラーゼ、複数のヌクレオチド、及び複数の触媒二価カチオンと接触させることであって、接触させることが、別の複数の第2の三元複合体を形成するのに好適な条件下で行われ、条件が、核酸プライマーの3’末端に結合したヌクレオチドのポリメラーゼ触媒による取り込みを促進するのに好適である、接触させることと、(l)ステップ(k)で形成された複数の第2の三元複合体を検出し、第2の三元複合体における複数の取り込まれたヌクレオチドを識別することと、(m)ステップ(g)~(l)を少なくとも1回繰り返すことと、を含む、方法を更に含む。いくつかの実施形態において、ステップ(l)の検出することは、任意選択的である。いくつかの実施形態において、ステップ(l)の識別することは、任意選択的である。いくつかの実施形態において、非触媒二価カチオンは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムを含み、触媒二価カチオンは、マグネシウムまたはマンガンを含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、そのいずれかを前述のように突然変異させることができる。
【0105】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数の第1の変異体9°N DNAポリメラーゼは、核酸二本鎖からの第1の変異体9°N DNAポリメラーゼを解離することなく安定した状態を保つ(または低減された解離を示す)、ステップ(b)における複数の第1の三元複合体を形成し、安定した三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間を示す。
【0106】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数の第2の変異体9°N DNAポリメラーゼは、核酸二本鎖からの第1の変異体9°N DNAポリメラーゼを解離することなく安定した状態を保つ(または低減された解離を示す)、ステップ(e)における複数の第1の三元複合体を形成し、安定した三元複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間を示す。
【0107】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法は、第1の三元複合体において、多価分子のヌクレオチド単位が核酸二重鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けていないか、またはヌクレオチド単位が核酸二重鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けている。いくつかの実施形態において、第2の三元複合体において、ヌクレオチドは、核酸二重鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けていないか、またはヌクレオチドは、核酸二重鎖に結合し、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けている。
【0108】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、本方法は、Candidatus Altiarchaealesからのポリメラーゼに関して前述の親和性複合体を形成することを更に含み、同様のステップ(ステップ(1)~(4))を含み、(a)複数の野生型または変異体DNAポリメラーゼ及び複数の核酸プライマーをコンカテマー核酸鋳型分子の異なる部分と接触させて、同じコンカテマー鋳型分子上の少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼを形成するステップと、(b)複数の多価分子を、同じコンカテマー鋳型分子上の少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼに、複数の多価分子からの単一の多価分子を第1及び第2の複合ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下で接触させるステップであって、単一の多価分子の少なくとも第1のヌクレオチド単位は、コンカテマー鋳型分子の第1の部分にハイブリダイズし、それによって第1のコンカテマー三元複合体を形成する第1のプライマーを含む第1の複合ポリメラーゼに結合し、単一の多価分子の少なくとも第2のヌクレオチド単位は、コンカテマー鋳型分子の第2の部分にハイブリダイズし、それによって第2のコンカテマー三元複合体を形成する第2のプライマーを含む第2の複合ポリメラーゼに結合して、接触させるステップが、第1及び第2のコンカテマー三元複合体中の結合した第1及び第2のヌクレオチド単位のポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適な条件下で行われ、同じ多価分子に結合する第1及び第2のコンカテマー三元複合体が親和性複合体を形成する、接触させるステップと、(c)同じコンカテマー鋳型分子上で第1及び第2のコンカテマー三元複合体を検出するステップと、(d)第1のコンカテマー三元複合体中の第1のヌクレオチド単位を識別し、それによってコンカテマー鋳型分子の第1の部分の配列を決定し、第2のコンカテマー三元複合体中の第2のヌクレオチド単位を識別し、それによってコンカテマー鋳型分子の第2の部分の配列を決定するステップと、を含む。いくつかの実施形態において、ステップ(d)の識別することは、第1のコンカテマー三元複合体中の第1のプライマーの3’末端に結合し、それによってコンカテマー鋳型分子の第1の部分の配列を決定する第1のヌクレオチド単位を識別することと、第2のコンカテマー三元複合体中の第2のプライマーの3’末端に結合し、それによってコンカテマー鋳型分子の第2の部分の配列を決定する第2のヌクレオチド単位を識別することと、を含む。
【0109】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数の第1の変異体9°N DNAポリメラーゼは、複数の蛍光標識された第1の変異体9°N DNAポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、複数の第1の変異体9°N DNAポリメラーゼは、フルオロフォアを欠く。いくつかの実施形態において、複数の第2の変異体9°N DNAポリメラーゼは、複数の蛍光標識された第1の変異体9°N DNAポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、複数の第2の変異体9°N DNAポリメラーゼは、フルオロフォアを欠く。
【0110】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、多価分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、多価分子の実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0111】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数の多価分子は、複数の蛍光標識された多価分子を含む。いくつかの実施形態において、複数の中の個々の多価分子のコアは、ヌクレオチドアームに結合するヌクレオチド単位に対応するフルオロフォアに結合する。いくつかの実施形態において、多価分子のヌクレオチドアームのうちの少なくとも1つは、フルオロフォアに結合するリンカー及び/またはヌクレオチド塩基を含み、所与のリンカーまたはヌクレオチド塩基に結合するフルオロフォアは、ヌクレオチドアームのヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシル)に対応する。いくつかの実施形態において、ステップ(b)の複数の多価分子は、蛍光標識された多価分子であり、ステップ(c)は、複数の第1の三元複合体からの蛍光シグナルを検出することと、核酸プライマーの3’末端に結合するヌクレオチド単位を識別し、それによって核酸鋳型分子の配列を決定することと、を含む。いくつかの実施形態において、複数の多価分子は、フルオロフォアを欠く。
【0112】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数の1つ以上の多価分子のヌクレオチド単位のうちの少なくとも1つは、開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合する鎖終結部分を含み、これは、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数のヌクレオチド中の個々のヌクレオチドは、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド単位特性を含むヌクレオチド単位を含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数のヌクレオチド中のヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、蛍光標識ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、フルオロフォア標識を欠く。
【0115】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数の第2の変異体9°N DNAポリメラーゼは、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、複数のポリメラーゼは、1つ以上のヌクレオチドを含み、これらのうちのいずれかは、蛍光標識され得るか、または蛍光標識され得ず、上記のフルオロフォアの実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0116】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数のヌクレオチドにおけるヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合する鎖終結部分を含み、これは、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0117】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、ステップ(e)の複数のヌクレオチドは、開裂可能な部分を介して3’OH糖位に結合する鎖終結部分を含み、ステップ(f)は、核酸プライマーに取り込まれた鎖終結ヌクレオチドを開裂剤と接触させて鎖終結部分を除去し、それによって3’伸長可能な末端を有する複数の核酸プライマーを生成することを更に含む。
【0118】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数の核酸鋳型分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む核酸鋳型の実施形態を含み得る。
【0119】
いくつかの実施形態において、変異体9°Nポリメラーゼを用いる二相核酸配列決定方法では、複数の第1の複合ポリメラーゼは、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む固定化の実施形態に従って固定化される。
【0120】
本特許または出願書類は、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラーの図(複数可)を含むこの特許または特許出願の公報のコピーは、要求及び必要な費用の支払いにより米国特許商標庁によって提供される。
【0121】
本明細書に開示される組成物及び方法の新規利点及び特性は、添付の特許請求の範囲に詳細に述べられる。本開示の組成物及び方法の特性及び利点のより良好な理解は、例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明及び付属の図面を参照することにより得られる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【
図1】様々なヌクレオチド濃度の3’メチルアジドdCTPの存在下でのCandidatus Altiarchaeales古細菌からの精製された野生型及び変異体DNAポリメラーゼの生成物の形成速度を比較するグラフである。グラフは、配列番号105、129、130、134、141、149、151、及び155のアミン酸配列を有する変異体ポリメラーゼに関するデータを示す。
【0123】
【
図2】Bstポリメラーゼ(例えば、Geobacillus stearothermophilusからのDNAポリメラーゼI)の変異体による3’-メチルアジドヌクレオチドの相対取り込みの割合(%)を示すグラフである。
【0124】
【
図3A】(
図3A~
図3Hとして提示される8つのシート)は、表1(8つのシート)であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおけるCandidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの野生型(配列番号1)及び変異体バリアント(配列番号2~157)の相対的な取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表1に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号2~157)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表1に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図3B】(
図3A~
図3Hとして提示される8つのシート)は、表1(8つのシート)であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおけるCandidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの野生型(配列番号1)及び変異体バリアント(配列番号2~157)の相対的な取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表1に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号2~157)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表1に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図3C】(
図3A~
図3Hとして提示される8つのシート)は、表1(8つのシート)であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおけるCandidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの野生型(配列番号1)及び変異体バリアント(配列番号2~157)の相対的な取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表1に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号2~157)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表1に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図3D】(
図3A~
図3Hとして提示される8つのシート)は、表1(8つのシート)であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおけるCandidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの野生型(配列番号1)及び変異体バリアント(配列番号2~157)の相対的な取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表1に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号2~157)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表1に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図3E】(
図3A~
図3Hとして提示される8つのシート)は、表1(8つのシート)であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおけるCandidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの野生型(配列番号1)及び変異体バリアント(配列番号2~157)の相対的な取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表1に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号2~157)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表1に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図3F】(
図3A~
図3Hとして提示される8つのシート)は、表1(8つのシート)であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおけるCandidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの野生型(配列番号1)及び変異体バリアント(配列番号2~157)の相対的な取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表1に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号2~157)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表1に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図3G】(
図3A~
図3Hとして提示される8つのシート)は、表1(8つのシート)であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおけるCandidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの野生型(配列番号1)及び変異体バリアント(配列番号2~157)の相対的な取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表1に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号2~157)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表1に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図3H】(
図3A~
図3Hとして提示される8つのシート)は、表1(8つのシート)であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおけるCandidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの野生型(配列番号1)及び変異体バリアント(配列番号2~157)の相対的な取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表1に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号2~157)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表1に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【0125】
【
図4A】表2であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおける、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの変異体バリアント(配列番号158~255)の相対取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表2に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号158~255)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表2に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図4B】表2であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおける、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの変異体バリアント(配列番号158~255)の相対取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表2に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号158~255)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表2に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図4C】表2であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおける、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの変異体バリアント(配列番号158~255)の相対取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表2に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号158~255)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表2に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図4D】表2であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおける、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの変異体バリアント(配列番号158~255)の相対取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表2に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号158~255)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表2に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図4E】表2であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおける、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの変異体バリアント(配列番号158~255)の相対取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。表2に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号158~255)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表2に列挙しない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【0126】
【
図5A】表3であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおける、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの変異体バリアント(配列番号288~375及び385~390及び394~397)の相対取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。アミノ酸配列配列番号353、354、及び386を有する変異体ポリメラーゼは、切断型変異体であり、切断部位は、アスタリスク(*)で示される。表3に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号288~375及び385~390)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表3に記載されていない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図5B】表3であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおける、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの変異体バリアント(配列番号288~375及び385~390及び394~397)の相対取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。アミノ酸配列配列番号353、354、及び386を有する変異体ポリメラーゼは、切断型変異体であり、切断部位は、アスタリスク(*)で示される。表3に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号288~375及び385~390)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表3に記載されていない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図5C】表3であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおける、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの変異体バリアント(配列番号288~375及び385~390及び394~397)の相対取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。アミノ酸配列配列番号353、354、及び386を有する変異体ポリメラーゼは、切断型変異体であり、切断部位は、アスタリスク(*)で示される。表3に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号288~375及び385~390)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表3に記載されていない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図5D】表3であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおける、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの変異体バリアント(配列番号288~375及び385~390及び394~397)の相対取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。アミノ酸配列配列番号353、354、及び386を有する変異体ポリメラーゼは、切断型変異体であり、切断部位は、アスタリスク(*)で示される。表3に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号288~375及び385~390)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表3に記載されていない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【
図5E】表3であり、42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおける、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼの変異体バリアント(配列番号288~375及び385~390及び394~397)の相対取り込み活性を記載する。バリアントは、発現株から除去された溶解物中に存在する。アミノ酸配列配列番号353、354、及び386を有する変異体ポリメラーゼは、切断型変異体であり、切断部位は、アスタリスク(*)で示される。表3に記載される変異体ポリメラーゼ(配列番号288~375及び385~390)の全ては、遺伝子型がこれらの置換変異を表3に記載されていない場合でも、置換変異D141A及びE143Aを含む。
【0127】
【
図6A】表4であり、Candidatus altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼにおける様々なアミノ酸置換変異(配列番号1に対する)、ならびに9°N DNAポリメラーゼ(配列番号280に対する)、VENT DNAポリメラーゼ(配列番号283に対する)、DEEP VENT DNAポリメラーゼ(配列番号284に対する)、Geobacillus stearothermophilus DNAポリメラーゼ(配列番号275に対する)、Pfu DNAポリメラーゼ(配列番号285に対する)、及びPyrococcus abyssi DNAポリメラーゼ(配列番号286に対する)における同等のアミノ酸置換変異を記載する。
【
図6B】表4であり、Candidatus altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼにおける様々なアミノ酸置換変異(配列番号1に対する)、ならびに9°N DNAポリメラーゼ(配列番号280に対する)、VENT DNAポリメラーゼ(配列番号283に対する)、DEEP VENT DNAポリメラーゼ(配列番号284に対する)、Geobacillus stearothermophilus DNAポリメラーゼ(配列番号275に対する)、Pfu DNAポリメラーゼ(配列番号285に対する)、及びPyrococcus abyssi DNAポリメラーゼ(配列番号286に対する)における同等のアミノ酸置換変異を記載する。
【
図6C】表4であり、Candidatus altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼにおける様々なアミノ酸置換変異(配列番号1に対する)、ならびに9°N DNAポリメラーゼ(配列番号280に対する)、VENT DNAポリメラーゼ(配列番号283に対する)、DEEP VENT DNAポリメラーゼ(配列番号284に対する)、Geobacillus stearothermophilus DNAポリメラーゼ(配列番号275に対する)、Pfu DNAポリメラーゼ(配列番号285に対する)、及びPyrococcus abyssi DNAポリメラーゼ(配列番号286に対する)における同等のアミノ酸置換変異を記載する。
【0128】
【
図7A】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)と9°N DNAポリメラーゼ(配列番号280に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【
図7B】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)と9°N DNAポリメラーゼ(配列番号280に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【0129】
【
図8A】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)とVENT DNAポリメラーゼ(配列番号283に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【
図8B】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)とVENT DNAポリメラーゼ(配列番号283に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【
図8C】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)とVENT DNAポリメラーゼ(配列番号283に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【0130】
【
図9A】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)とDEEP VENT DNAポリメラーゼ(配列番号284に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【
図9B】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)とDEEP VENT DNAポリメラーゼ(配列番号284に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【0131】
【
図10A】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)とGeobacillus stearothermophilus DNAポリメラーゼ(配列番号275に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【
図10B】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)とGeobacillus stearothermophilus DNAポリメラーゼ(配列番号275に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【0132】
【
図11A】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)とPfu DNAポリメラーゼ(配列番号285に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【
図11B】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)とPfu DNAポリメラーゼ(配列番号285に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【0133】
【
図12A】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)と、Pyrococcus abyssiポリメラーゼ(配列番号286に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【
図12B】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)と、Pyrococcus abyssiポリメラーゼ(配列番号286に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【0134】
【
図13A】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)とRB69ポリメラーゼ(配列番号287に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【
図13B】Candidatus altiarchaeales古細菌からの野生型DNAポリメラーゼ(配列番号1に対して)とRB69ポリメラーゼ(配列番号287に対して)との間のアミノ酸配列アラインメントである。
【0135】
【
図14A】複数のヌクレオチドアームに結合する一般的なコアを含む多価分子の概略図である。
【0136】
【
図14B】複数のヌクレオチドアームに結合するデンドリマーコアを含む多価分子の概略図である。
【0137】
【
図15A】複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含む多価分子の概略図であり、ヌクレオチドアームは、ビオチン、スペーサー、リンカー、及びヌクレオチド単位を含む。
【0138】
【
図15B】コア結合部分、スペーサー、リンカー、及びヌクレオチド単位を含むヌクレオチドアームの概略図である。
【0139】
【
図16A】例示的なスペーサーの化学構造、及び11原子リンカー、16原子リンカー、23原子リンカー、及びN3リンカーを含む様々な例示的なリンカーの化学構造を示す。
【0140】
【
図16B】リンカー1~9を含む様々な例示的なリンカーの化学構造を示す。
【0141】
【
図17A】ヌクレオチド単位に連結/結合する様々な例示的なリンカーの化学構造を示す。
【0142】
【
図17B】ヌクレオチド単位に連結/結合する様々な例示的なリンカーの化学構造を示す。
【0143】
【
図17C】ヌクレオチド単位に連結/結合する様々な例示的なリンカーの化学構造を示す。
【0144】
【
図18】例示的なヌクレオチドアームの化学構造を示す。この実施例では、ヌクレオチド単位は、ピリミジン塩基の5位またはプリン塩基の7位でプロパルギルアミン結合を介してリンカーに接続される。このヌクレオチドアームは、例示的なビオチン化ヌクレオチドアームを示す。
【0145】
【
図19】3’メチルアジドdCTPの存在下でのCandidatus Altiarchaeales古細菌からの精製された野生型及び変異体DNAポリメラーゼの生成物の形成速度を比較する棒グラフである。グラフは、配列番号39、297、27、164、または225のアミノ酸配列を有する変異体ポリメラーゼに関するデータを示す。
【0146】
【
図20】操作れたポリメラーゼ(例えば、配列番号27)を使用してフローセルに固定化されたポロニー上のプライマー伸長反応の結果を示す一連のグラフであり、伸長生成物の長さは、キャピラリー電気泳動によってモニタリングされた。
【発明を実施するための形態】
【0147】
定義:
本明細書に提供される見出しは、本開示の様々な態様の制限ではなく、その態様は、本明細書を全体として参照することにより理解することができる。
【0148】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、別段の定義がない限り、当業者により一般に理解される意味を有する。一般に、本明細書に記載の分子生物学、核酸化学、タンパク質化学、遺伝学、微生物学、トランスジェニック細胞産生、及びハイブリダイゼーションの技術に関連する用語は、当該技術分野で周知であり、一般的に使用される。本明細書に記載の技法及び手順は、一般に、当該技術分野で周知の従来の方法に従って、ならびに本明細書全体を通して引用及び考察される様々な一般的でより具体的な参考文献に記載されるとおりに実施される。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Third ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.2000)を参照されたい。Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates(1992)も参照されたい。本明細書に関連する命名法、ならびに本明細書に記載される実験手順及び技術は、当該技術分野において周知かつ一般的に使用されるものである。
【0149】
本明細書の文脈で別段の要求がない限り、単数形の用語は、複数形を含むものとし、複数形の用語は、単数形を含むものとする。単数形の「a」、「an」、及び「the」、ならびに任意の単語の単数使用は、1つの指示対象に明示的及び明確に限定されない限り、複数の指示対象を含む。
【0150】
代替用語(例えば、「または」)の使用は、代替物の1つもしくは両方、またはそれらの任意の組み合わせのいずれかを意味すると理解される。
【0151】
本明細書で使用される「及び/または」という用語は、他のものの有無にかかわらず、指定された特性または構成要素の各々の特定の開示を意味するものとする。例えば、本明細書の「A及び/またはB」などの語句で使用される「及び/または」という用語は、「A及びB」、「AまたはB」、「A」(Aのみ)、及び「B」(Bのみ)を含むことが意図される。同様に、「A、B、及び/またはC」などの語句で使用される「及び/または」という用語は、以下の態様:「A、B、及びC」、「A、B、またはC」、「AまたはC」、「AまたはB」、「BまたはC」、「A及びB」、「B及びC」、「A及びC」、「A」(Aのみ)、「B」(Bのみ)、及び「C」(Cのみ)の各々を包含することが意図される。
【0152】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「comprising(を含む)」、「including(を含む)」、「having(を有する)」及び「containing(を含有する)」という用語、ならびに本明細書で使用されるそれらの文法的バリアントは、リスト内の1つの項目または複数の項目が、記載された項目に置換または追加され得る他の項目を除外しないように、非限定的であることが意図される。態様が「comprising(を含む)」という言語を用いて本明細書に記載される場合、そうでなければ、「consisting of(~からなる)」及び/または「consisting essentially of(本質的に~からなる)」という意味において記載される類似の態様もまた提供されることが理解される。
【0153】
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、当業者によって決定される特定の値または組成物に対する許容される誤差範囲内にある値または組成物を指し、それは、その値または組成物がどのように測定または決定されるか、すなわち、測定システムの限界に一部依存する。例えば、「about(約)」または「approximately(およそ)」は、当該技術分野での習慣に従って1または1を超える標準偏差内にあることを意味し得る。代替的に、「about(約)」または「approximately(およそ)」は、測定システムの限界に応じて、10%まで(すなわち、±10%)またはそれ以上の範囲を意味し得る。例えば、約5mgは、4.5mg~5.5mgの間の任意の数を含むことができる。更に、特に生体系または生体過程に関して、この用語は、1桁まで、または値の最大5倍までを意味し得る。特定の値または組成物が本開示で提供される場合、別段の記載がない限り、「about(約)」または「approximately(およそ)」の意味は、その特定の値または組成物について許容される誤差範囲内であると想定されるべきである。また、値の範囲及び/またはサブ範囲が提供される場合、範囲及び/またはサブ範囲は、範囲及び/またはサブ範囲のエンドポイントを含むことができる。
【0154】
「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」という用語ならびに本明細書で使用される他の関連用語は、同義的に使用され、アミノ酸のポリマーを指し、任意の特定の長さに限定されない。ポリペプチドは、天然及び非天然アミノ酸を含み得る。ポリペプチドとしては、組換え型または化学合成型が挙げられる。また、ポリペプチドには、タンパク質分解切断、リボソームスキッピングによる切断、ヒドロキシル化、メチル化、脂質化、アセチル化、SUMO化、ユビキチン化、グリコシル化、リン酸化、及び/またはジスルフィド結合形成などの翻訳後修飾をまだ受けていない前駆体分子も含まれる。これらの用語は、タンパク質配列の天然及び人工タンパク質、タンパク質断片及びポリペプチド類似体(変異タンパク質、バリアント、キメラタンパク質、及び融合タンパク質など)、ならびに翻訳後、またはそうでなければ共有結合的もしくは非共有結合的に修飾されたタンパク質を包含する。
【0155】
「ポリメラーゼ」及びそのバリアントという用語は、本明細書で使用される場合、ヌクレオチド(その類似体を含む)の核酸鎖への重合を触媒することができる任意の酵素を含む。典型的には、必ずしもそうではないが、そのようなヌクレオチド重合は、鋳型依存的な様式で生じ得る。典型的には、ポリメラーゼは、ヌクレオチド結合及び/またはヌクレオチド重合の触媒作用が起こり得る1つ以上の活性部位を含む。いくつかの実施形態において、ポリメラーゼは、例えば、3’~5’エキソヌクレアーゼ活性または5’~3’エキソヌクレアーゼ活性などの他の酵素活性を含む。いくつかの実施形態において、ポリメラーゼは、鎖置換活性を有する。ポリメラーゼは、限定されないが、天然に存在するポリメラーゼ及びその任意のサブユニット及び切断、変異体ポリメラーゼ、バリアントポリメラーゼ、組換え、融合またはそうでなければ操作されたポリメラーゼ、化学修飾ポリメラーゼ、合成分子またはアセンブリ、ならびにヌクレオチド重合を触媒する能力を保持する任意の類似体、誘導体、またはそれらの断片(例えば、触媒活性断片)を含むことができる。いくつかの実施形態において、ポリメラーゼは、細胞から単離され得るか、または組換えDNA技術もしくは化学合成方法を使用して生成され得る。いくつかの実施形態において、ポリメラーゼは、原核生物、真核生物、ウイルス、またはファージ生物で発現され得る。いくつかの実施形態において、ポリメラーゼは、翻訳後修飾タンパク質またはそれらの断片であり得る。ポリメラーゼは、原核生物、真核生物、ウイルス、またはファージに由来し得る。ポリメラーゼは、DNA誘導DNAポリメラーゼ及びRNA誘導DNAポリメラーゼを含む。
【0156】
本明細書で使用される場合、「忠実度」という用語は、鋳型依存性DNAポリメラーゼによるDNA重合の精度を指す。DNAポリメラーゼの忠実度は、典型的には、エラー率(不正確なヌクレオチド、すなわち、鋳型ヌクレオチドに相補的でないヌクレオチドを取り込む頻度)によって測定される。DNA重合の正確性または忠実度は、DNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性及び3’~5’エキソヌクレアーゼ活性の両方によって維持される。
【0157】
本明細書で使用される場合、「結合複合体」という用語は、核酸二本鎖、ポリメラーゼ、及び多価分子の遊離ヌクレオチドまたはヌクレオチド単位を一緒に結合することによって形成される複合体を指し、ここで、核酸二本鎖は、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含む。結合複合体では、遊離ヌクレオチドまたはヌクレオチド単位は、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチドの反対側の位置で核酸プライマーの3’末端に結合され得るか、または結合され得ない。「三元複合体」は、核酸二重鎖、ポリメラーゼ、及び多価分子の遊離ヌクレオチドまたはヌクレオチド単位を一緒に結合することによって形成される結合複合体の一例であり、遊離ヌクレオチドまたはヌクレオチド単位は、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチドと反対側の位置で(核酸二重鎖の一部として)核酸プライマーの3’末端に結合される。
【0158】
「持続時間」という用語及び関連用語は、結合複合体が、成分のうちのいずれも解離することなく安定した状態を保つ時間の長さを指し、結合複合体の成分は、核酸鋳型及び核酸プライマー、ポリメラーゼ、多価分子のヌクレオチド単位または遊離(例えば、非結合)ヌクレオチドを含む。ヌクレオチド単位または遊離ヌクレオチドは、鋳型分子中のヌクレオチド残基に相補的であり得るか、または非相補的であり得る。ヌクレオチド単位または遊離ヌクレオチドは、核酸鋳型分子内の相補的ヌクレオチド残基の反対側の位置で核酸プライマーの3’末端に結合することができる。持続時間は、結合複合体の安定性及び結合相互作用の強度を示す。持続時間は、結合複合体の開始及び/または持続時間を観察することによって、例えば、結合複合体の標識された成分からのシグナルを観察することによって測定することができる。例えば、1つ以上のヌクレオチドを含む標識されたヌクレオチドまたは標識された試薬は、結合複合体中に存在してもよく、したがって、結合複合体の持続時間中に標識からのシグナルが検出されることを可能にする。1つの例示的な標識は、蛍光標識である。結合複合体(例えば、三元複合体)は、ポリメラーゼ、鋳型分子、プライマー及び/またはヌクレオチド単位もしくはヌクレオチドのうちのいずれかの間の相互作用の解離を引き起こす条件にさらされるまで安定した状態を保つ。例えば、解離条件は、結合複合体を、洗剤、EDTA、及び/または水のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせと接触させることを含む。いくつかの実施形態において、結合複合体は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間の間、解離することなく安定した状態を保つ。
【0159】
「核酸」、「ポリヌクレオチド」、及び「オリゴヌクレオチド」という用語ならびに本明細書で使用される他の関連用語は、同義的に使用され、ヌクレオチドのポリマーを指し、任意の特定の長さに限定されない。核酸としては、組換え型及び化学合成型が挙げられる。核酸としては、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、ヌクレオチド類似体を使用して生成されたDNAまたはRNAの類似体(例えば、ペプチド核酸及び天然に存在しないヌクレオチド類似体)、ならびにDNA及びRNAを含有するキメラ型が挙げられる。核酸は、一本鎖または二本鎖であり得る。核酸は、ヌクレオチドのポリマーを含み、ヌクレオチドは、天然または非天然塩基及び/または糖を含む。核酸は、天然に存在するヌクレオシド間結合、例えば、ホスホジエステル結合を含む。核酸は、ホスホロチオエート、ホスホロチオレート、またはペプチド核酸(PNA)結合を含む、非天然ヌクレオシド間結合を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、1つの種類のポリヌクレオチドまたは2つ以上の異なる種類のポリヌクレオチドの混合物を含む。
【0160】
本明細書で使用される「プライマー」という用語及び関連する用語は、DNA及び/またはRNAポリヌクレオチド鋳型とハイブリダイズし、二本鎖分子を形成することができる天然または合成のうちのいずれかのオリゴヌクレオチドを指す。プライマーは、任意の長さを有し得るが、典型的には、4~50ヌクレオチドの範囲である。典型的なプライマーは、5’末端及び3’末端を含む。プライマーの3’末端は、ポリメラーゼ媒介プライマー伸長反応におけるヌクレオチド重合開始部位として機能する3’OH部分を含むことができる。代替的に、プライマーの3’末端は、3’OH部分を欠くことができるか、またはポリメラーゼ媒介反応においてヌクレオチド重合を阻害する末端3’ブロック基を含むことができる。プライマーの長さに沿った任意の1つのヌクレオチド、または1つを超えるヌクレオチドは、検出可能なレポーター部分で標識することができる。プライマーは、溶液中(例えば、可溶性プライマー)であり得るか、または支持体(例えば、捕捉プライマー)に固定化され得る。
【0161】
「鋳型核酸」、「鋳型ポリヌクレオチド」、「標的核酸」、「標的ポリヌクレオチド」、「鋳型鎖」、及び他の変形は、相補的な核酸鎖を生成するための基礎核酸分子として機能する核酸鎖を指す。鋳型核酸の配列は、相補鎖の配列に部分的または完全に相補的であり得る。鋳型核酸は、天然に存在する源、組換え型から得ることができるか、または任意の種類の核酸類似体を含むように化学的に合成することができる。鋳型核酸は、直鎖、環状、または他の形態であり得る。鋳型核酸は、染色体、ゲノム、オルガネラ(例えば、ミトコンドリア、葉緑体、またはリボソーム)、組換え分子、クローニング、増幅、cDNA、前駆体mRNAもしくはmRNAなどのRNA、オリゴヌクレオチド、新鮮な凍結パラフィン包埋組織から得られた全ゲノムDNA、針生検、無細胞循環DNA、または任意の種類の核酸ライブラリを含む任意の形態で単離され得る。鋳型核酸分子は、原核生物、真核生物(例えば、ヒト、植物、及び動物)、真菌、ならびにウイルス;細胞;組織;正常または罹患細胞または組織、血液、尿、血清、リンパ液、腫瘍、唾液、肛門及び膣分泌物、羊水試料、汗、ならびに精液を含む体液;環境試料;培養試料;または組換え分子生物学もしくは化学合成方法を使用して調製される合成核酸分子を含む、任意の源から単離され得る。鋳型核酸は、配列決定及び組成分析を含む核酸分析に供され得る。
【0162】
核酸分子に関して使用される場合、「ハイブリダイズする(hybridize)」または「ハイブリダイズする(hybridizing)」、または「ハイブリダイゼーション」という用語または他の関連用語は、二本鎖核酸を形成するための2つの異なる核酸間の水素結合を指す。ハイブリダイゼーションはまた、二本鎖領域を有する自己ハイブリダイゼーション分子を形成するために、単一の核酸分子の2つの異なる領域間の水素結合も含む。ハイブリダイゼーションは、二本鎖二本鎖(duplex double-stranded)核酸、または核酸分子内の二本鎖領域を形成するためのWatson-CrickまたはHoogstein結合を含むことができる。二本鎖核酸、または単一の核酸の2つの異なる領域は、完全に相補的であり得るか、または部分的に相補的であり得る。相補的核酸鎖は、それらの全長にわたって互いにハイブリダイズする必要はない。相補的塩基対合は、標準的なA-TまたはC-G塩基対合であり得るか、または他の形態の塩基対合相互作用であり得る。二本鎖核酸は、ミスマッチ塩基対合ヌクレオチドを含むことができる。
【0163】
「ヌクレオチド」という用語及び関連用語は、芳香族塩基、5つの炭素糖(例えば、リボースまたはデオキシリボース)、及び少なくとも1つのリン酸基を含む分子を指す。カノニカルまたは非カノニカルヌクレオチドは、用語の使用と一致する。いくつかの実施形態において、リン酸塩は、一リン酸塩、二リン酸塩、または三リン酸塩、または対応するリン酸塩類似体を含む。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のリン酸基を含む。「ヌクレオシド」という用語は、芳香族塩基及び糖を含む分子を指す。
【0164】
ヌクレオチド(及びヌクレオシド)は、典型的には、天然に存在する、置換された、修飾された、または操作されたバリアント、またはそれらの類似体を含む、核酸中に一般的に見られる、置換または非置換の窒素含有親ヘテロ芳香族環を含むヘテロ環状塩基を含む。ヌクレオチド(またはヌクレオシド)の塩基は、適切な相補的塩基とWatson-Crick及び/またはHoogstein水素結合を形成することができる。例示的な塩基としては、例えば、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、アデニン(A)、エテノアデニン、N6-Δ2-イソペンテニルアデニン(6iA)、N6-Δ2-イソペンテニル-2-メチルチオアデニン(2ms6iA)、N6-メチルアデニン、グアニン(G)、イソグアニン、N2-ジメチルグアニン(dmG)、7-メチルグアニン(7mG)、2-チオピリミジン、6-チオグアニン(6sG)、ヒポキサンチン及びO6-メチルグアニン;7-デアザデニン(7-デアザ-A)及び7-デアザグアニン(7-デアザ-G)などの7-デアザ-プリン;シトシン(C)、5-プロピニルシトシン、イソシトシン、チモシン(T)、4-チオチミン(4sT)、5,6-ジヒドロチルチミン、O4-メチルチミン、ウラシル(U)、4-チオウラシル(4sU)、及び5,6-ジヒドロウロウラシル(ジヒドラシル;D);ニトロインドール及び4-メチルインドールなどのインドール;ニトロピロールなどのピロール;ネブラリン;イノシン;ヒドロキシメチルシトシン;5-メチルシトシン(methycytosine);塩基(Y);ならびにメチル化、グリシル化、及びアシル化塩基部分などのプリン及びピリミジンが挙げられるが、これらに限定されない。更なる例示的な塩基は、Fasman,1989,in“Practical Handbook of Biochemistry and Molecular Biology”,pp.385-394,CRC Press,Boca Raton,Flaに見出され得る。
【0165】
ヌクレオチド(及びヌクレオシド)は、典型的には、糖部分、例えば、炭素環式部分(Ferraro and Gotor 2000Chem.Rev.100:4319-48)、非環式部分(Martinez,et al.,1999 Nucleic Acids Research 27:1271-1274、Martinez,et al.,1997 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters vol.7:3013-3016)、及び他の糖部分(Joeng,et al.,1993J.Med.Chem.36:2627-2638、Kim,et al.,1993J.Med.Chem.36:30-7、Eschenmosser 1999 Science 284:2118-2124及び米国特許第5,558,991号)を含む。糖部分は、リボシル、2’-デオキシリボシル、3’-デオキシリボシル、2’,3’-ジデオキシリボシル、2’,3’-ジデヒドロジデオキシリボシル、2’-アルコキシリボシル、2’-アジドリボシル、2’-アミノリボシル、2’-フルオリボシル、2’-メルカプトリボキシル、2’-アルキルトリボシル、3’-アルコキシリボシル、3’-アジドリボシル、3’-アミノリボシル、3’-フルオリボシル、3’-メルカプトリボキシル、3’-アルキルトリボシルカルボシル、非環式、または他の修飾糖を含む。
【0166】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドは、1つ、2つ、または3つのリン原子の鎖を含み、その鎖は、典型的には、エステルまたはホスホラミド結合を介して糖部分の5’炭素に結合する。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドは、リン原子が介在するO、S、NH、メチレン、またはエチレンと一緒に連結されるリン鎖を有する類似体である。いくつかの実施形態において、鎖内のリン原子は、O、S、またはBH3を含む置換側基を含む。いくつかの実施形態において、鎖は、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホルジチオエート、及びO-メチルホスホロアミダイト基を含む類似体で置換されたホスフェート基を含む。
【0167】
核酸に関して使用される場合、「伸長する(extend)」、「伸長する(extending)」、「伸長」、及び他のバリアントという用語は、1つ以上のヌクレオチドの核酸分子への取り込みを指す。ヌクレオチドの取り込みは、核酸鎖の末端3’OH末端への1つ以上のヌクレオチドの重合を含み、核酸鎖の伸長をもたらす。ヌクレオチドの取り込みは、天然ヌクレオチド及び/またはヌクレオチド類似体を用いて行うことができる。典型的には、必ずしもそうではないが、ヌクレオチドの取り込みは、鋳型依存的な様式で生じる。DNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼによって触媒されるプライマー伸長を含む、核酸分子を伸長する任意の好適な方法が、使用され得る。
【0168】
「レポーター部分(reporter moiety)」、「レポーター部分(reporter moieties)」という用語または関連用語は、検出可能なシグナルを生成する、または生成させる化合物を指す。レポーター部分は、「標識」と呼ばれることもある。発光、光発光、電気発光、生物発光、化学発光、蛍光、リン光、発色団、放射性同位体、電気化学、質量分析、ラマン、ハプテン、親和性タグ、原子、または酵素を含む、任意の好適なレポーター部分が、使用され得る。レポーター部分は、化学的または物理的変化(例えば、熱、光、電気的、pH、塩濃度、酵素活性、または近接事象)に起因する検出可能なシグナルを生成する。近接事象には、2つのレポーター部分が互いに近づいたり、互いに会合したり、互いに結合したりすることが含まれる。同じ反応または異なる反応において異なるレポーター部分の存在をモニタリングすることができるように、各々が他のレポーター部分と区別することができる波長で励起放射線を吸収及び/または蛍光を発するようにレポーター部分を選択することは、当業者に周知である。スペクトル的に異なる放出プロファイルを有するか、または最小限の重複スペクトル放出プロファイルを有する2つ以上の異なるレポーター部分を選択することができる。レポーター部分は、ヌクレオチド、ヌクレオシド、核酸、酵素(例えば、ポリメラーゼまたは逆転写酵素)、または支持体(例えば、表面)に連結(例えば、作動可能に連結)することができる。
【0169】
レポーター部分(または標識)は、蛍光標識またはフルオロフォアを含む。蛍光標識またはフルオロフォアとして機能し得る例示的な蛍光部分としては、フルオレセイン及びフルオレセイン誘導体、例えば、カルボキシフルオレセイン、テトラクロロフルオレセイン、ヘキサクロロフルオレセイン、カルボキシナプトフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、NHS-フルオレセイン、ヨードアセトアミドフルオレセイン、フルオレセインマレイミド、SAMSA-フルオレセイン、フルオレセインチオセミカルバジド、カルボヒドラジノメチルチオアセチル-アミノフルオレセイン、ローダミン及びローダミン誘導体、例えば、TRITC、TMR、リサミンローダミン、テキサスレッド、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン10、NHS-ローダミン、TMR-ヨードアセトアミド、リサミンローダミンBスルホニルクロライド、リサミンローダミンBスルホニルヒドラジン、テキサスレッドスルホニルクロライド、テキサスレッドヒドラジド、クマリン及びクマリン誘導体、例えば、AMCA、AMCA-NHS、AMCA-スルホ-NHS、AMCA-HPDP、DCIA、AMCE-ヒドラジド、BODIPY及び誘導体、例えば、BODIPY FL C3-SE、BODIPY 530/550 C3、BODIPY 530/550 C3-SE、BODIPY 530/550 C3ヒドラジド、BODIPY 493/503 C3ヒドラジド、BODIPY FL C3ヒドラジド、BODIPY FL IA、BODIPY 530/551 IA、Br-BODIPY 493/503、Cascade Blue及び誘導体、例えば、Cascade Blueアセチルアジド、Cascade Blueカダベリン、Cascade Blueエチレンジアミン、Cascade Blueヒドラジド、Lucifer Yellow及び誘導体、例えば、Lucifer Yellowヨードアセトアミド、Lucifer YellowCH、シアニン及び誘導体、例えば、インドリウム系シアニン色素、ベンゾ-インドリウム系シアニン色素、ピリジウム系シアニン色素、チオゾリウム系シアニン色素、キノリニウム系シアニン色素、イミダゾリウム系シアニン色素、Cy3、Cy5、ランタニドキレート及び誘導体、例えば、BCPDA、TBP、TMT、BHHCT、BCOT、ユーロピウムキレート、テルビウムキレート、Alexa Fluor色素、DyLight色素、Atto色素、LightCycler Red色素、CAL Flour色素、JOE、及びそれらの誘導体、Oregon Green色素、WellRED色素、IRD色素、フィコエリスリン及びフィコビリン色素、Malachite green、スチルベン、DEG色素、NR色素、近赤外線色素、及びHaugland,Molecular Probes Handbook,(Eugene,Oreg.)6th Edition、Lakowicz,Principles of Fluorescence Spectroscopy,2nd Ed.,Plenum Press New York(1999)、またはHermanson,Bioconjugate Techniques,2nd Editionに記載のものなどの当該技術分野で既知の他のもの、またはそれらの任意の誘導体、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。シアニン色素は、スルホン化された形態または非スルホン化された形態のいずれかで存在し得、2つの窒素原子間のポリメチン架橋によって分離される2つのインドレニン、ベンゾ-インドリウム、ピリジウム、チオゾリウム、及び/またはキノリニウム基からなる。市販のシアニンフルオロフォアとしては、例えば、Cy3(1-[6-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシ)-6-オキソヘキシル]-2-(3-{1-[6-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシ)-6-オキソヘキシル]-3,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン}プロパ-1-エン-1-イル)-3,3-ジメチル-3H-インドリウムまたは1-[6-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシ)-6-オキソヘキシル]-2-(3-{1-[6-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシ)-6-オキソヘキシル]-3,3-ジメチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン}プロパ-1-エン-1-イル)-3,3-ジメチル-3H-インドリウム-5-スルホネート)、Cy5(1-(6-((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)-6-オキソヘキシル)-2-((1E,3E)-5-((E)-1-(6-((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-5-インドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3,3-ジメチル-3H-インドール-1-イウムまたは1-(6-((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)-6-オキソヘキシル)-2-((1E,3E)-5-((E)-1-(6-((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-5-スルホインドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3,3-ジメチル-3H-インドール-1-イウム-5-スルホネート)、及びCy7(1-(5-カルボキシペンチル)-2-[(1E,3E,5E,7Z)-7-(1-エチル-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)ヘプタ-1,3,5-トリエン-1-イル]-3H-インドリウムまたは1-(5-カルボキシペンチル)-2-[(1E,3E,5E,7Z)-7-(1-エチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)ヘプタ-1,3,5-トリエン-1-イル]-3H-インドリウム-5-スルホネート)が挙げられ、ここで「Cy」は「シアニン」を表し、最初の数字は2つのインドレニン基の間の炭素原子の数を識別する。インドレニンではなくオキサゾール誘導体であるCy2、及びベンゾ誘導体化Cy3.5、Cy5.5、及びCy7.5は、この規則の例外である。
【0170】
いくつかの実施形態において、レポーター部分は、単一の励起及び画像化ステップの下で複数の分類を行うことができるように、FRET対であり得る。本明細書で使用される場合、FRETは、励起交換(Forster)移行、または電子交換(Dexter)移行を含み得る。
【0171】
「連結した(linked)」、「結合した(joined)」、「結合した(attached)」、及びそれらのバリアントという用語は、特定の手順での使用に耐えるのに十分な安定性を有する化合物または分子の任意の組み合わせ間の任意のタイプの融合、結合、接着、または会合を含む。手順は、ヌクレオチド一過性結合、ヌクレオチドの取り込み、デブロッキング、洗浄、除去、流動、検出、画像化、及び/または特定を含むことができるが、これらに限定されない。そのような連結は、例えば、共有結合、イオン結合、水素結合、双極子-双極子結合、親水性結合、疎水性結合、または親和性結合、ファンデルワールス力を伴う結合または会合、機械的結合などを含むことができる。いくつかの実施形態において、そのような連結は、例えば、一本鎖または二本鎖の線形核酸分子の末端を一緒に連結して環状分子を形成するように、分子内に生じる。いくつかの実施形態において、そのような連結は、核酸分子と固体表面との連結、タンパク質と検出可能なレポーター部分との連結、ヌクレオチドと検出可能なレポーター部分との連結などを含むが、これらに限定されない、異なる分子の組み合わせ間、または分子と非分子との間で生じ得る。連結のいくつかの例は、例えば、Hermanson,G.,“Bioconjugate Techniques”,Second Edition(2008)、Aslam,M.,Dent,A.,“Bioconjugation:Protein Coupling Techniques for the Biomedical Sciences”,London:Macmillan(1998)、Aslam,M.,Dent,A.,“Bioconjugation:Protein Coupling Techniques for the Biomedical Sciences”,London:Macmillan(1998)で見出され得る。
【0172】
本明細書で使用される「作動可能に連結された」及び「作動可能に結合された」という用語または関連する用語は、構成要素の並置を指す。並置された構成要素は、共有結合で連結することができる。例えば、2つの核酸成分を酵素的にライゲーションすることができ、その際、2つの成分を結合する連結は、ホスホジエステル連結からなる。第1の核酸成分及び第2の核酸成分は、一緒に連結することができ、第1の核酸成分は、第2の核酸成分に機能を付与することができる。例えば、プライマー結合配列と関心対象の配列との間の連結は、プライマーに結合することができる部分を有する核酸ライブラリ分子を形成する。別の例において、導入遺伝子(例えば、関心対象のポリペプチドまたは核酸配列をコードする核酸)は、連結がベクターに含まれる導入遺伝子配列の発現または機能を可能にするベクターにライゲーションされ得る。いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、導入遺伝子の発現に影響を与える宿主細胞調節配列(例えば、プロモーター配列)に作動可能に連結される。いくつかの実施形態において、ベクターは、プロモーター配列、エンハンサー、転写及び/または翻訳開始配列、転写及び/または翻訳終結配列、ポリペプチド分泌シグナル配列などを含む少なくとも1つの宿主細胞調節配列を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞調節配列は、導入遺伝子のレベル、タイミング、及び/または位置の発現を制御する。
【0173】
いくつかの実施形態において、支持体は、固体、半固体、または両方の組み合わせである。いくつかの実施形態において、支持体は、多孔質、半多孔質、非多孔質、または多孔質の任意の組み合わせである。いくつかの実施形態において、支持体は、実質的に平面、凹面、凸面、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態において、支持体は、例えばキャピラリーまたはキャピラリーの内面を含む円筒形であり得る。
【0174】
いくつかの実施形態において、支持体の表面は、実質的に平滑であり得る。いくつかの実施形態において、支持体は、隆起、エッチング、細孔、三次元足場、またはそれらの任意の組み合わせを含む、規則的または不規則にテクスチャを有し得る。
【0175】
いくつかの実施形態において、支持体は、球形、半球形、円筒形、バレル形、トロイダル形、円盤形、ロッド状、円錐形、三角形、立方体、多角形、管状、またはワイヤー状を含む任意の形状を有するビーズを含む。
【0176】
支持体は、ガラス、溶融シリカ、シリコン、ポリマー(例えば、ポリスチレン(PS)、マクロ多孔質ポリスチレン(MPPS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET))、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の材料から製造され得る。ガラス基板及びプラスチック基板の両方の様々な組成物が、企図される。
【0177】
いくつかの実施形態において、支持体の表面は、1つ以上の化合物でコーティングされ、支持体上に不動態化層を生成する。いくつかの実施形態において、支持体は、支持体上の改善された核酸ハイブリダイゼーション及び増幅性能を可能にする低い非特異的結合表面を含む。一般に、支持体は、共有結合または非共有結合している低化学修飾層、例えば、シラン層、ポリマーフィルム、及び複数の核酸鋳型分子を支持体に固定化するために使用され得る1つ以上の共有結合または非共有結合しているオリゴヌクレオチドの1つ以上の層を含み得る。
【0178】
いくつかの実施形態において、表面コーティングの親水性の程度(または水溶液との「濡れ性」)は、例えば、小さな水滴が表面に配置され、表面との接触角が、例えば、光学張力計を使用して測定される水接触角の測定によって評価され得る。いくつかの実施形態において、静止接触角が、決定され得る。いくつかの実施形態において、前進接触角または後退接触角が、決定され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される親水性の低結合支持体の水接触角は、約0度から約30度の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される親水性の低結合支持体の水接触角は、50度、40度、30度、25度、20度、18度、16度、14度、12度、10度、8度、6度、4度、2度、または1度以下であり得る。多くの場合、接触角は、40度以下である。当業者は、本開示の所与の親水性、低結合性支持体の表面が、この範囲内の任意の場所の値を有する水接触角を示し得ることを認識するであろう。
【0179】
本開示は、支持体に固定化された複数の(例えば、2つ以上の)核酸鋳型を提供する。いくつかの実施形態において、固定化された複数の核酸鋳型は、同じ配列を有するか、または異なる配列を有する。いくつかの実施形態において、複数の核酸鋳型内の個々の核酸鋳型分子は、支持体上の異なる部位に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の核酸鋳型内の2つ以上の個々の核酸鋳型分子が、支持体上の部位に固定化される。いくつかの実施形態において、支持体は、アレイに配置された複数の部位を含む。「アレイ」という用語は、一連の部位を形成するために、支持体上の所定の配置にある複数の部位を含む支持体を指す。部位は、離散的であり、格子間領域によって分離され得る。いくつかの実施形態において、支持体上の所定の部位は、行または列の一次元に配置することができるか、または行及び列の二次元に配置することができる。いくつかの実施形態において、複数の所定の部位は、組織化された様式で支持体上に配置される。いくつかの実施形態において、複数の所定の部位は、直線、六角形パターン、グリッドパターン、反射対称性を有するパターン、回転対称性を有するパターンなどを含む、任意の組織化されたパターンにおいて配置される。部位の異なるペア間のピッチは、同じであり得るか、または異なり得る。いくつかの実施形態において、支持体は、核酸鋳型アレイを形成するために、1mm2当たり約102~1015個の部位の表面密度で複数の部位に固定化された核酸鋳型分子を有し得る。いくつかの実施形態において、支持体は、少なくとも102個の部位、少なくとも103個の部位、少なくとも104個の部位、少なくとも105個の部位、少なくとも106個の部位、少なくとも107個の部位、少なくとも108個の部位、少なくとも109個の部位、少なくとも1010個の部位、少なくとも1011個の部位、少なくとも1012個の部位、少なくとも1013個の部位、少なくとも1014個の部位、少なくとも1015個の部位、またはそれ以上を含み、これらの部位は、支持体上の所定の配置にある。いくつかの実施形態において、支持体上の複数の所定の部位(例えば、102~1015個の部位またはそれ以上)を核酸鋳型で固定化されて、核酸鋳型アレイを形成する。いくつかの実施形態において、固定化された表面捕捉プライマーへのハイブリダイゼーションによって複数の所定の部位に固定化される核酸鋳型、または核酸鋳型は、表面捕捉プライマーに共有結合している。いくつかの実施形態において、複数の所定の部位で固定化され、例えば、102~1015個の部位またはそれ以上で固定化される核酸鋳型。いくつかの実施形態において、支持体上の複数の部位に固定化された核酸鋳型は、線形もしくは環状核酸鋳型分子、または線形分子と環状分子の両方の混合物を含む。いくつかの実施形態において、固定化された核酸鋳型は、クローン増幅されて、複数の所定の部位において固定化された核酸ポロニーを生成する。いくつかの実施形態において、個々の固定化核酸鋳型分子は、関心対象の標的配列の1つのコピーを含むか、または関心対象の標的配列の2つ以上のタンデムコピーを有するコンカテマーを含む。
【0180】
いくつかの実施形態において、支持体上のランダムな配置にある複数の部位を含む支持体は、本明細書において、その上にランダムに配置される部位を有する支持体と称される。支持体上でランダムに配置された部位の配置は、事前に決定されていない。複数のランダムに配置された部位は、無秩序及び/または予測不可能な方法で支持体上に配列される。いくつかの実施形態において、支持体は、少なくとも102個の部位、少なくとも103個の部位、少なくとも104個の部位、少なくとも105個の部位、少なくとも106個の部位、少なくとも107個の部位、少なくとも108個の部位、少なくとも109個の部位、少なくとも1010個の部位、少なくとも1011個の部位、少なくとも1012個の部位、少なくとも1013個の部位、少なくとも1014個の部位、少なくとも1015個の部位、またはそれ以上を含み、これらの部位は、支持体上にランダムに配置される。いくつかの実施形態において、支持体上の複数のランダムに配置される部位(例えば、102~1015個の部位またはそれ以上)を核酸鋳型で固定化されて、核酸鋳型で固定化された支持体を形成する。いくつかの実施形態において、固定化された表面捕捉プライマーへのハイブリダイゼーションによって複数のランダムに配置される部位に固定化される核酸鋳型、または核酸鋳型は、表面捕捉プライマーに共有結合している。いくつかの実施形態において、複数のランダムに配置される部位で固定化される、例えば、102~1015個の部位またはそれ以上で固定化される核酸鋳型。いくつかの実施形態において、支持体上の複数の部位で固定化される核酸鋳型は、上記に列挙される潜在的特性のうちのいずれかを含む核酸鋳型の実施形態を含み得、いくつかの実施形態において、固定化された核酸鋳型は、クローン増幅されて、複数のランダムに配置される部位において固定化された核酸ポロニーを生成する。
【0181】
いくつかの実施形態において、支持体上の所定のまたはランダムな部位に固定化された核酸鋳型分子に関して、支持体上の複数の固定化された核酸鋳型分子は互いに流体連通して、試薬(例えば、ポリメラーゼ、多価分子、ヌクレオチド、二価カチオン及び/または緩衝液などを含む酵素)の溶液を支持体上に流すことを可能にし、その結果、支持体上の複数の固定化された核酸鋳型分子を超並列方法で試薬と反応させることができる。いくつかの実施形態において、複数の固定化された核酸鋳型分子の流体連通を使用して、ヌクレオチド結合アッセイを実施し、及び/または複数の固定化された核酸鋳型分子上でヌクレオチド重合反応(例えば、プライマー伸長もしくは配列決定)を実施し、ならびに超並列配列決定のための検出及び画像化を実施することができる。いくつかの実施形態において、「固定化された」という用語及び関連用語は、核酸分子または酵素が共有結合または非共有結合相互作用を介して支持体に直接結合されるか、または核酸分子または酵素が支持体上のコーティングに結合される、所定の位置またはランダムな配置で支持体に結合される核酸分子または酵素(例えば、ポリメラーゼ)を指す。
【0182】
本明細書で使用される場合、「配列決定」という用語及びそのバリアントは、典型的には、核酸鋳型分子内の少なくともいくつかのヌクレオチド(それらの核酸塩基成分を含む)の同一性を決定することによって、核酸鎖から配列情報を取得することを含む。いくつかの実施形態において、核酸分子の所与の領域を「配列決定」は、配列決定される領域内の各ヌクレオチド及び全てのヌクレオチドを識別することを含むが、いくつかの実施形態において、「配列決定」は、領域内の一部のヌクレオチドのみの同一性が決定される一方で、一部のヌクレオチドの同一性がはっきりしないままであるか、または誤って決定される方法を含む。任意の好適な配列決定方法が、使用され得る。例示的な実施形態において、配列決定は、無標識またはイオンベースの配列決定方法を含むことができる。いくつかの実施形態において、配列決定は、標識または染料含有ヌクレオチドまたは蛍光ベースのヌクレオチド配列決定方法を含むことができる。いくつかの実施形態において、配列決定は、ポロニーベースの配列決定またはブリッジ配列決定方法を含むことができる。いくつかの実施形態において、配列決定には、合成による配列、ハイブリダイゼーションによる配列、または結合による配列の手順を用いる、超並列した配列決定プラットフォームを含む。超並列した合成による配列の手順の例としては、ポロニー配列決定、パイロ配列決定(例えば、454 Life Sciencesから、米国特許第7,211,390号、同第7,244,559号、及び同第7,264,929号)、鎖ターミネーター配列決定(例えば、Illuminaから、米国特許第7,566,537号、Bentley 2006 Current Opinion Genetics and Development 16:545-552、及びBentley,et al.,2008 Nature 456:53-59、イオン感受性配列決定(例えば、Ion Torrentから)、プローブアンカーライゲーション配列決定(例えば、Complete Genomics)、DNAナノボール配列決定、ナノ細孔DNA配列決定が挙げられる。単一分子配列決定の例としては、Heliscope単一分子配列決定、及び単一分子リアルタイム(SMRT)配列決定が挙げられる。ハイブリダイゼーションによる配列の例としては、SOLiD配列決定(例えば、Life Technologiesから、WO2006/084132)が挙げられる。結合による配列決定の例としては、Omniome配列決定(例えば、米国特許第10,246,744号)が挙げられる。
【0183】
操作されたポリメラーゼ
本開示は、アミノ酸置換及び/または切断型アミノ酸配列を有する変異体ポリメラーゼ、変異体ポリメラーゼをコードする核酸、ならびに変異体ポリメラーゼを含むシステム及びキットを含む組成物を提供する。変異体ポリメラーゼを使用する方法であって、核酸二本鎖を結合するための方法、相補的ヌクレオチドを結合するための方法、または相補的ヌクレオチド単位を有する多価分子を結合するための方法、相補的ヌクレオチドを取り込むための方法、または相補的ヌクレオチド単位を取り込むための方法、プライマーを伸長するための方法、及び核酸配列決定方法が、本明細書において更に提供され、本方法は、本明細書に記載の変異体ポリメラーゼのうちのいずれかを使用する。変異体ポリメラーゼは、野生型ポリメラーゼと比較して、ヌクレオチド類似体の増加した取り込みを含む所望の特徴を示すように操作される。一実施形態において、変異体ポリメラーゼは、最近識別された新規のBファミリー及びAファミリーポリメラーゼの指向進化に由来するポリペプチドまたはその断片を含み、変異体ポリメラーゼは、正しいWatson-Crick塩基対合のための高い識別を維持しながら、それらの特異性の改善を示す。1つの例示的なポリメラーゼ酵素は、2018年に最初に識別されたCandidatus altiarchaeales古細菌種(例えば、配列番号1または391)に由来する。この酵素は、9°N、Pfu、VENT、DEEP VENT、及びPyrococcus abyssiと42%未満の配列同一性を含み、極端な進化的分岐を示し、これは、9°N、Pfu、VENT、DEEP VENT、及びPyrococcus abyssiポリメラーゼが高温(例えば、95℃超)で熱安定性を有する一方で、Candidatus altiarchaeales古細菌ポリメラーゼが約68℃の最適触媒温度を有する低温(例えば、75℃未満)で熱安定性を有するという事実によって更に証明され得る。75℃未満の温度で活性を示す別の例示的なポリメラーゼ酵素は、Geobacillus stearothermophilus(例えば、配列番号275)に由来する。Candidatus altiarchaeales古細菌ポリメラーゼは、約25~50℃、または約45~75℃、または約65~75℃の温度範囲でヌクレオチド結合及び取り込み活性を示す。Candidatus altiarchaeales古細菌ポリメラーゼは、約65~75℃の温度範囲で最適なヌクレオチド結合及び取り込み活性を示す。Candidatus altiarchaeales古細菌ポリメラーゼは、適度に熱安定性のあるポリメラーゼ(例えば、中熱ポリメラーゼ)である。1つ以上の変異を有するCandidatus altiarchaeales古細菌配列骨格を有する操作されたポリメラーゼは、約25~50℃、または約45~75℃、または約50~65℃、または約50~60℃の温度範囲でヌクレオチド結合、ヌクレオチド単位結合、ヌクレオチドの取り込み、ヌクレオチド単位取り込み、及び/または核酸配列決定反応を行うために使用することができる。例えば、9°N、Pfu、VENT、DEEP VENT、及びPyrococcus abyssiポリメラーゼなどの熱安定性ポリメラーゼは、典型的な循環ステップが90~95℃を超える温度またはより高い温度で行われるPCR反応に使用するのに好適である。当業者は、本明細書に記載の熱安定性ポリメラーゼが、例えば、約25~50℃、または約45~75℃などのより低い温度範囲で行われる、ヌクレオチド結合、ヌクレオチドの取り込み、及び/または核酸配列決定反応に使用するのに好適ではあり得ないことを理解するであろう。
【0184】
ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、鋳型非依存性ポリメラーゼ、逆転写酵素、またはヌクレオチドの取り込みを触媒することができる他の酵素を含む。古細菌ポリメラーゼは、多くの場合、好熱性生物に由来し、したがって、熱安定性または耐熱性酵素のクラスを表すことができる。したがって、古細菌ポリメラーゼに由来するポリペプチド骨格は、高温への繰り返しの曝露、緩衝条件の変化などによる分解に対する熱安定性が向上した酵素またはその他の耐性が向上した酵素の適用によって改善され得る用途のために、可逆的なターミネーターヌクレオチド(核酸伸長を防ぐ除去可能な化学基)の取り込みを更に強化するための望ましいタンパク質工学的標的を提供する。
【0185】
Candidatus altiarchaeales古細菌配列骨格を有し、1つ以上の変異を含む操作されたポリメラーゼが、野生型ポリメラーゼと比較して、ヌクレオチド類似体の増加した取り込み率を示すという驚くべき発見をした。野生型Candidatus altiarchaeales古細菌ポリメラーゼと比較して、操作されたポリメラーゼのうちのいくつかは、3’鎖終結基を有するヌクレオチド類似体への増加した結合親和性、ウラシル含有鋳型分子の反対側にdATPヌクレオチドを取り込む改善した能力(例えば、ウラシル耐性変異体ポリメラーゼ)、多価分子の相補的ヌクレオチド単位に結合する改善した能力、及び最大約75℃までの増加した熱安定性を含む、1つ以上の望ましい特徴を示した。Geobacillus stearothermophilus骨格(例えば、Bstポリメラーゼ)に基づき、変異体配列を含む操作されたポリメラーゼが、ヌクレオチド類似体の改善された取り込みを示すことも示す。
【0186】
本開示は、標識されたまたは非標識された鎖終結ヌクレオチドを使用する任意の核酸配列決定方法を実施するのに有用である操作されたポリメラーゼを提供し、鎖終結ヌクレオチドは、糖3’位に3’-O-アジド基(または3’-O-メチルアジド基)または任意の他の種類の大型のブロック基を含む。例えば、操作されたポリメラーゼは、標識された多価分子及び非標識された鎖終結ヌクレオチドを使用して、親和性による配列決定法(SBA)を実施するために使用することができる。更に、操作されたポリメラーゼは、標識された鎖終結ヌクレオチドを使用する合成による配列決定(SBS)方法を実施するために、及び非標識された鎖終結ヌクレオチドを使用する結合による配列決定(SBB)方法を実施するために使用することができる。
【0187】
DNAの親和性による配列決定(SBA)は、理想的には、(a)n+1塩基の検出を必要とし、標的核酸配列の2つ以上のコピー、当該標的核酸配列の1つ以上の領域に相補的な2つ以上のプライマー核酸分子、及び2つ以上のポリメラーゼを必要とし、ポリマーヌクレオチドコンジュゲートが2つ以上のヌクレオチド部分を含む当該組成物中の当該ポリマーヌクレオチドコンジュゲートと当該標的核酸配列の当該2つ以上のコピーとの間に多価結合複合体が形成されることを可能にするのに十分な条件下で、当該組成物を多価分子(例えば、ポリマーヌクレオチドコンジュゲート)と接触させる2つ以上のポリメラーゼを必要とし、検出基質は、その後、洗浄され、(b)単一の取り込みのみが生じるように、非標識ヌクレオチドの構造的修飾(「ブロック基」)が、単一のヌクレオチドの取り込みを確実にするために必要であるが、ポリヌクレオチド鎖へのいかなる更なるヌクレオチドの取り込みも防ぐ。次いで、ブロック基は、配列決定されるDNAの完全性を妨げない反応条件下で、除去可能でなければならない。次いで、配列決定サイクルは、次の多価ポリメラーゼコンジュゲートDNA複合体などのN+1検出を続行することができる。実用的用途であるために、親和性ステップは、(a)30秒超の画像化をするのに十分に長く持続する安定した基質と、(b)複数の配列決定サイクルを容易にするために、プロセス全体が、高収率で非常に特異的な化学的及び酵素的ステップからなるべきであるステッピングステップとの両方を必要とする。
【0188】
DNAの合成による配列決定(SBS)は、理想的には、配列決定されるオリゴヌクレオチドの反対側の正しい相補的ヌクレオチドの制御された(すなわち一度に1つ)取り込みを必要とする。これにより、各ヌクレオチド残基が一度に1つ配列決定するように、複数のサイクルでヌクレオチドを追加することによって正確な配列決定が可能になり、したがって、非制御の一連の取り込みが発生することを防ぐ。取り込まれたヌクレオチドは、標識部分の除去及びその後の次の配列決定ラウンドの前に、それに結合した適切な標識を使用して読み取られる。単一の取り込みのみが生じることを確実にするために、配列決定ヌクレオチドの構造的修飾(「ブロック基」)は、単一のヌクレオチドの取り込みを確実にするために必要であるが、その後、ポリヌクレオチド鎖へのいかなる更なるヌクレオチドの取り込みも防ぐ。次いで、ブロック基は、配列決定されるDNAの完全性を妨げない反応条件下で、除去可能でなければならない。次いで、配列決定サイクルは、次のブロックされ、標識されたヌクレオチドの取り込みを続行することができる。実用的用途であるために、複数の配列決定サイクルを容易にするために、プロセス全体は、高収率で非常に特異的な化学的及び酵素的ステップからなるべきである。
【0189】
配列決定による結合(SBB)は、(a)プライミングされた鋳型核酸を、三元複合体安定化条件下で少なくとも2つの別個の混合物と順次接触させるステップであって、少なくとも2つの別個の混合物は、各々、ポリメラーゼ及びヌクレオチドを含み、それによって、順次接触させるステップは、三元複合体安定化条件下で、プライミングされた鋳型核酸が、鋳型における第1、第2、及び第3の塩基の種類塩基の種類のヌクレオチド同族体を用いて接触されるプライミングされた鋳型核酸をもたらす、順次接触させるステップと、(b)少なくとも2つの別個の混合物を調べて、三元複合体が形成されたかどうかを決定するステップと、(c)プライミングされた鋳型核酸分子の次の正しいヌクレオチドを識別するステップであって、次の正しいヌクレオチドは、三元複合体がステップ(b)で検出された場合、第1、第2、または第3の塩基の種類の同族体として識別され、次の正しいヌクレオチドは、ステップ(b)での三元複合体の不在に基づいて、第4の塩基の種類のヌクレオチド同族体であると推定される、識別するステップと、(d)次の正しいヌクレオチドを、ステップ(b)の後、プライミングされた鋳型核酸を添加し、それによって伸長プライマーを産生するステップと、(e)伸長プライマーを含むプライミングされた鋳型核酸のためのステップ(a)~(d)を繰り返すステップと、を含む、核酸の配列決定するための方法を必要とする。
【0190】
本明細書に記載のポリペプチドは、ポリメラーゼ活性などの酵素活性を有するポリペプチドを含むが、これらに限定されず、しばしばファミリーとして記載される。多くの場合、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、鋳型非依存性ポリメラーゼ、逆転写酵素、またはヌクレオチド結合及びヌクレオチドの取り込み(例えば、プライマー伸長)が可能な他の酵素である。多くのDNAポリメラーゼが、当該技術分野で既知であり、そのような酵素は、場合によっては、本明細書に記載の組成物を生成するために変異される。DNAポリメラーゼファミリーのメンバーは、多くの場合、他の既知のDNAポリメラーゼファミリーメンバーに対するポリメラーゼ活性、活性部位構造、ドメインホモロジー/機能、または配列ホモロジーの観点から定義される。例えば、DNAポリメラーゼとしては、E.coli DNAポリメラーゼI、E.coli DNAポリメラーゼII、またはDNAポリメラーゼファミリーの他のメンバーが挙げられるが、これらに限定されない。既知の熱安定性DNAポリメラーゼとしては、Taqポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、及び9°Nポリメラーゼ、またはDNAポリメラーゼファミリーの他のメンバーが挙げられる。野生型DNAポリメラーゼは、真核生物、原核生物、またはウイルス起源などの任意の数の起源から得られるか、得られ得、いくつかの実施形態において、本開示の目的のために、古細菌起源から得られるか、得られ得る。いくつかの実施形態において、配列番号1~274及び288~375及び385~397のうちのいずれかのアミノ酸配列を含むポリメラーゼは、DNAポリメラーゼファミリーのメンバーである。
【0191】
本明細書では、配列番号1または391と少なくとも85%の同一性、及び配列番号1または391の残基に従って番号付けられたポリペプチド配列の位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567で少なくとも1つの変異を有する配列を含むポリペプチドが、更に提供される。場合によっては、本明細書に記載のポリペプチドは、配列番号1または391と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、または99.8%の同一性を有する配列を含む。場合によっては、本明細書に記載のポリペプチドは、配列番号1または391と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、または99.8%の同一性を有する配列、ならびに配列番号1の番号付けに従って位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567で少なくとも1つの変異を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、配列番号1または2~268または288~375または385~397のうちのいずれかと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、または99.8%の同一性を有し、配列番号1、393、または391の位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちの1つ以上に類似する位置で少なくとも1つの変異を有するポリペプチドが、本明細書に開示される。
【0192】
本明細書では、配列番号1または391と少なくとも85%の同一性、ならびに配列番号1または391の残基に従って番号付けられたポリペプチド配列の位置G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、R468、A493、K495、N499、M501、Y502、F507、R515、I529、及び/またはN567で少なくとも1つの変異を有する配列を含む、ポリペプチドが、更に提供される。場合によっては、本明細書に記載のポリペプチドは、配列番号1または391と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、または99.8%の同一性を有する配列を含む。場合によっては、このポリペプチドはまた、配列番号1、393、または391の番号付けに従って位置G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、R468、A493、K495、N499、M501、Y502、F507、R515、I529、及び/またはN567で少なくとも1つの変異を有する。いくつかの実施形態において、配列番号1または2~268または288~375または385~397と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、または99.8%の同一性を有し、配列番号1または391の位置G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、R468、A493、K495、N499、M501、Y502、F507、R515、I529、及び/またはN567のうちの1つ以上に類似する位置で少なくとも1つの変異を有するポリペプチドが、本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、変異体ポリペプチドは、配列番号1、393、または391のアミノ酸残基に従って番号付けられたポリペプチド配列の位置(複数可)D9、Y10、I11、E14、E27、F37、M41、H48、P45、L50、K51、Q54、K58、K61、I63、I68、E73、D75、E77、M84、Q87、V91、G96、E102、K105、V107、A115、E116、L124、P126、N132、M142、R170、E179、D191、E205、K225、V239、R256、I272、E291、D305、E308、E310、E328、I343、T344、S372、E434、Y448、V465、R467、G474、N480、R483、D488、A498、S500、M501、Y502、R509、E516、S520、K538、F539、D560、V564、M565、A568、E569、D573、K574、S577、E578、E581、M583、K610、T618、D636、N657、T675、K682、V689、E700、N705、S717、E730、S746、E758、K762、G763、L764、G765、K766、Q767、及び/またはF773で少なくとも1つの変異を更に含む。
【0193】
本開示は、野生型ポリメラーゼと比較して、ヌクレオチド類似体の結合及び識別の増加した能力及びヌクレオチド類似体の改善された取り込みを示す、ポリメラーゼ酵素に関連する変異体ポリペプチドを含む組成物及び方法を提供する。ヌクレオチド類似体には、例えば、糖2’または3’位に結合した鎖終結基を含むヌクレオチドが含まれる。鎖終結基は、アジド(azide)、アジド(azido)、もしくはアジドメチル基、または別の種類の鎖終結基を含む。操作されたDNAポリメラーゼは、配列番号1または391のアミノ酸配列を有する野生型ポリメラーゼと比較して、ヌクレオチド類似体の増加した取り込み率を示す。表1(
図3A~
図3H)に示されるデータは、ヌクレオチド類似体の増加した取り込み率を示す多数の例示的な変異体ポリメラーゼを提供する。
【0194】
本開示は、配列番号1または391のアミノ酸配列を有する野生型ポリメラーゼと比較して、増加した熱安定性を有する変異体ポリメラーゼ酵素を含む組成物及び方法を提供する。
【0195】
本開示は、ウラシル含有核酸鋳型分子の配列決定のために使用することができる変異体ポリメラーゼ酵素を含む組成物及び方法を提供する。変異体ポリメラーゼは、核酸鋳型分子内のウラシル塩基の反対側の位置で核酸プライマーの3’末端にdATPを取り込むための増加した能力を有するウラシル耐性を示すことができる。変異体ポリメラーゼはまた、核酸鋳型分子内のウラシル塩基と反対側の位置で多価分子のアデニン担持ヌクレオチド単位に結合し得る。ウラシル耐性を示す例示的な変異体ポリメラーゼは、配列番号361、362、363、364、366、367、374、または375のうちのいずれか1つ、または配列番号385~397のうちのいずれかのアミノ酸配列を含む。
【0196】
本明細書に記載のポリメラーゼにおける変異は、ポリペプチド内に存在するアミノ酸残基に対する1つ以上の変化を様々に含む。付加、置換、または欠失は全て、変異体ポリペプチドを生成するために使用される変異の例である。いくつかの実施形態において、置換は、1つのアミノ酸の代替アミノ酸との交換を含み、そのような代替アミノ酸は、サイズ、形状、コンフォメーション、または化学構造に関して元のアミノ酸とは異なる。いくつかの実施形態において、変異は、保存的または非保存的である。保存的変異は、類似の化学特性を有するアミノ酸とのアミノ酸の置換を含む。付加は、多くの場合、ポリペプチドのN末端、C末端、または内部位置に1つ以上のアミノ酸の挿入を含む。場合によっては、付加は、融合ポリペプチドを含み、1つ以上の追加のポリペプチドが、ポリペプチドに接続される。いくつかの実施形態において、かかる追加のポリペプチドは、追加の活性を有するドメイン、または追加の機能(例えば、発現の改善、精製の補助、溶解性の改善、固体支持体への結合、または他の機能)を有する配列を含む。多くの場合、本明細書に記載のポリペプチドは、1つ以上の非アミノ酸基を含む。融合ポリペプチドは、任意選択的に、1つ以上のタンパク質を接続するアミノ酸または他の化学リンカーを含む。任意の数の変異は、本明細書に記載のポリペプチドまたはポリペプチドの部分、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、または50を超える変異に導入され得る。
【0197】
いくつかの実施形態において、ドメイン全体(定義された機能を有するポリペプチドの部分)が、他のポリペプチドからのドメインに付加されるか、欠失されるか、または置換される。例示的なドメインとしては、DNA/RNA結合ドメイン、ヌクレオチド結合ドメイン、ヌクレアーゼドメイン、核局在化ドメインなどの細胞内局在化ドメイン、または他のドメインが挙げられる。いくつかの実施形態において、本開示の方法及び組成物は、スペーサーもしくは標識として機能し、及び/またはSNAPタグ、アビジン部分、ストレプトアビジン部分、エピトープタグ、蛍光タンパク質、親和性タグ、金属結合(すなわち、His6(配列番号398)もしくはポリヒスチジンタグ)などのリンカーの付着を提供する、ドメインの付着を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の変異は、触媒部位または結合ドメインに存在する。例えば、ポリペプチドは、配列番号1に開示される核酸結合ドメインを含む。ドメインは、場合によっては、例えば、配列番号1の位置354~773での残基、または代替的に、残基249~253、392~396、598~601、613~615、673~676、及び/または681~683を含む、DNAまたはRNA結合部位を含む。そのような部位は、配列番号1に対する他の配列のアラインメントの後に類似の位置に見出すことができる(例えば、
図7A~
図7B、
図8A~
図8C、
図9A~
図9B、
図10A~
図10B、
図11A~
図11B、
図12A~
図12B、及び
図13A~
図13Bを参照されたい)。いくつかの実施形態において、ドメインは、配列番号1の位置1~135、136~347、348~454、455~504、505~624、または625~773での残基を含むポリメラーゼドメイン、またはそれらの位置等価物を含む(例えば、
図6A~
図6Cの表4、及び
図7A~
図7B、
図8A~
図8C、
図9A~
図9B、
図10A~
図10B、
図11A~
図11B、
図12A~
図12B、及び
図13A~
図13Bを参照されたい)。場合によっては、ポリペプチドは、活性部位を含む。ポリペプチドの活性部位は、配列番号1の残基D412、D547、及び/またはD549、またはそれらの位置等価物を含み得る(例えば、
図6A~
図6Cの表4、及び
図7A~
図7B、
図8A~
図8C、
図9A~
図9B、
図10A~
図10B、
図11A~
図11B、
図12A~
図12B、及び
図13A~
図13Bを参照されたい)。そのような部位は、しばしば、他のドメイン内の類似の位置に見出され(例えば、比較のために2つ以上の配列を整列させることによって識別され)、そのようなドメインを含むポリペプチドは、本明細書に記載の方法及び組成物と一致する。
【0198】
本明細書で使用される場合、アミノ酸残基または配列位置を「取り囲む」という用語は、命名された残基から離れた1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12もしくはそれ以上の残基からの残基、すなわち、命名された残基からN末端またはC末端での残基での置換、欠失、挿入、または翻訳後修飾のような修飾を含み、それを取り込む、当技術分野における通常の意味を有する。いくつかの文脈では、当業者に理解されるように、命名された残基からの12個を超える残基または配列位置NまたはC末端は、配列または構造(すなわち、3次元)文脈に基づいて命名された残基を「取り囲む」とみなすことができる。
【0199】
本明細書に記載の残基の置換または修飾はまた、ヒドロキシプロリン、N-ホルミルメチオニン、セレノメチオニン、セレノシステイン、ホスホチロシン、ホスホヒスチジンなどを含むが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の非標準アミノ酸を取り込み得るか、または含み得ることが理解される。本明細書に記載の変異、修飾、切断、置換などは、当該技術分野、特に分子生物学及び/またはタンパク質工学の技術分野で既知であるような任意の方法によって行われ得る。かかる方法は、変異原性及び/または部分的に変性したプライマーを使用した部位特異的変異原性、インビトロ遺伝子組み立て、遺伝子編集(例えば、CRISPRまたは関連方法による)などを含み得る。本明細書に記載の変異体または操作されたタンパク質は、当該技術分野で既知であるような任意のかかる手段によって、更に発現、単離、及び/または精製され得る。関連する方法は、Green,M.and Sambrook,J.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第4版)に記載されており、これは、参照によりその全体が、特に組換え、修飾、改変、及び操作された遺伝子配列を修飾、導入、及び発現させるための方法、ならびに操作されたタンパク質を抽出、単離、及び/または精製するための方法の開示に関して本明細書に組み込まれる。
【0200】
本明細書に開示されるポリペプチドは、野生型酵素と比較して、より高い熱安定性、より高い3’-O-アジドメチル誘導体化ヌクレオシドの取り込み率、及び/または増加したウラシル耐性を示すヌクレオチドポリメラーゼとして機能することが示されている。本明細書に開示されるポリペプチドは、複製または合成中の核酸の伸長のために使用され得るか、または例えば、取り込み不能またはブロックされたヌクレオチドの使用によってヌクレオチド付加部位に捕捉され得るか、または必要な塩もしくは補因子が存在しない条件下で使用することができる。本明細書に開示されるポリペプチドは、例えば、ポリヌクレオチド配列決定用途、例えば、合成による配列決定及び結合用途による配列決定に利用され得る。
【0201】
本開示は、典型的には、ヌクレオチド類似体の改善された取り込みを示す複製ポリメラーゼを含む、ファミリーBポリメラーゼのアミノ酸配列骨格を含む操作されたDNAポリメラーゼを提供する。ファミリーB型ポリメラーゼの例としては、ファミリーB古細菌DNAポリメラーゼ及びPhi29ポリメラーゼが挙げられる。いくつかの実施形態において、操作されたDNAポリメラーゼは、Thermococcus、Pyrococcus、Methanococcus、またはCandidatusから選択され得るファミリーB古細菌DNAポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、操作されたDNAポリメラーゼは、Candidatus Altiarchaeales古細菌DNAポリメラーゼ、9°Nポリメラーゼ(THERMINATORポリメラーゼを含む)、VENTポリメラーゼ、DEEP VENTポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、Pyrococcus abyssiポリメラーゼ、またはRB69ポリメラーゼからのアミノ酸配列骨格を含む。いくつかの実施形態において、操作されたDNAポリメラーゼは、Geobacillus(例えば、Geobacillus stearothermophilus)を含むファミリーA型ポリメラーゼのアミノ酸配列骨格に基づくことができる。
【0202】
操作されたDNAポリメラーゼは、関心対象のDNAポリメラーゼ(例えば、野生型または変異体ポリメラーゼ)のアミノ酸配列に1つ以上の変異を導入することによって設計及び調製することができ、結果として生じる操作されたポリメラーゼの表現型を決定することができる。2つ以上の変異部位のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせは、1つの種類のポリメラーゼから、第2の種類のポリメラーゼにおける位置等価部位に移すことができる。例えば、Candidatus Altiarchaeales古細菌DNAポリメラーゼからの2つ以上の変異部位のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを、9°Nポリメラーゼ(THERMINATORポリメラーゼを含む)、VENTポリメラーゼ、DEEP VENTポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、Pyrococcus abyssiポリメラーゼ、及び/またはRB69ポリメラーゼの位置等価部位に導入することができる(例えば、
図6A~
図6Cの表4を参照されたい)。変異は、2つ以上のアミノ酸の置換、挿入、欠失、及び/または切断のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。
【0203】
残基の機能的等価物は、配列内の類似の位置(例えば、配列アラインメント)及び/または酵素(例えば、DNAポリメラーゼ)の三次元構造を占め、既知の酵素内の既知のアミノ酸残基と実質的に同じ機能を果たす1つ以上のアミノ酸残基を含む。機能的に等価なアミノ酸置換は、別のポリペプチドで同じ機能的役割を有する塩基性ポリペプチドの特定の位置に1つ以上のアミノ酸残基を含む。機能的に等価なアミノ酸置換は、保存的及び/または非保存的アミノ酸置換のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。
図6A~6Cの表4は、Candidatus Altiarchaeales古細菌DNAポリメラーゼ及び機能的に等価なアミノ酸部位、例えば、9°N DNAポリメラーゼ(配列番号280または281に対する)、THERMINATOR(配列番号282に対する)、VENT DNAポリメラーゼ(配列番号283に対する)、DEEP VENT DNAポリメラーゼ(配列番号284に対する)、Pfu DNAポリメラーゼ(配列番号285に対する)、Pyrococcus abyssi DNAポリメラーゼ(配列番号286に対する)、及びGeobacillus stearothermophilus DNAポリメラーゼ(配列番号275に対する)における部位でのアミノ酸残基の例を列挙する。
【0204】
野生型ポリペプチド配列は、しばしば、タンパク質または酵素工学が変異ポリペプチドを生成するための出発点である。いくつかの実施形態において、変異ポリペプチドは、少なくとも1つのアミノ酸残基によって野生型ポリペプチドとは異なる。しばしば、変異ポリペプチドは、少なくとも1つのアミノ酸残基によって最も近い野生型ポリペプチドとは異なる。いくつかの実施形態において、変異ポリペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸残基によって野生型ポリペプチドとは異なる。いくつかの実施形態において、変異ポリペプチドは、少なくとも3つ、4つ、5つ、または少なくとも6つのアミノ酸残基によって野生型ポリペプチドとは異なる。しばしば、野生型配列は、野生型配列内の少なくとも1つの変異を含むポリペプチドをアラインメントすることによって識別される、最も近い野生型配列である。いくつかの実施形態において、野生型ポリペプチド配列は、天然に存在するポリペプチドの配列を含む。
【0205】
アミノ酸置換は、ポリペプチド内の選択された位置のアミノ酸残基を、類似のサイズ、形状、コンフォメーション、化学構造、電荷、及び/または疎水性などの類似のまたは異なる生化学的特性を有する異なるアミノ酸に置き換えることを指す。アミノ酸置換は、保存的または非保存的アミノ酸置換であり得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチド内の選択された位置のアミノ酸残基は、極性側鎖を有するアミノ酸で置き換えることができる。極性側鎖を有するアミノ酸の例としては、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リシン、セリン、及びトレオニンが挙げられる。いくつかの実施形態において、ポリペプチド内の選択された位置のアミノ酸残基は、非極性側鎖を有するアミノ酸で置き換えることができる。非極性側鎖を有するアミノ酸の例としては、アラニン、システイン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリフィック、トリプトファン、チロシン、及びバリンが挙げられる。いくつかの実施形態において、ポリペプチド内の選択された位置のアミノ酸残基は、疎水性側鎖を有するアミノ酸で置き換えることができる。疎水性側鎖を有するアミノ酸の例としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、チロシン、及びトリプトファンが挙げられる。いくつかの実施形態において、ポリペプチド内の選択された位置のアミノ酸残基は、非荷電側鎖を有するアミノ酸で置き換えることができる。非荷電側鎖を有するアミノ酸の例としては、グリシン、セリン、システイン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、及びトレオニンが挙げられる。いくつかの実施形態において、ポリペプチド内の選択された位置のアミノ酸残基は、正に荷電した側鎖を有するアミノ酸で置き換えることができる。正に荷電した側鎖を有するアミノ酸の例としては、アルギニン、ヒスチジン、及びリシンが挙げられる。いくつかの実施形態において、ポリペプチド内の選択された位置のアミノ酸残基は、負に荷電した側鎖を有するアミノ酸で置き換えることができる。負に荷電した側鎖を有するアミノ酸の例としては、アスパラギン酸及びグルタミン酸が挙げられる。
【0206】
本開示は、配列番号1または391の骨格アミノ酸配列を含み、F22、E26、V34、A35、K52、K58、I72、E79、M84、C104、I112、C130、E150、S162、C269、I272、R296、P335、G355、R359、E370、D381、G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、D439、S440、S443、C450、R468、K473、V489、Q492、A493、L494、K495、L496、N499、M501、Y502、F507、C514、R515、C517、T522、I529、N567、E569、S577、R608、K610、L611、D622、K633、V651、D653、T660、A669、Q673、T683、R697、S717、R723、I750、L751、及び/またはE760を含む1つ以上の位置でアミノ酸置換変異を有するCandidatus Altiarchaeales古細菌から変異体ポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換変異はまた、位置D141及びE143を含むことができる。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、配列番号1、393、または391の残基に従って番号付けられたポリペプチド配列の位置D9、Y10、I11、E14、E27、F37、M41、P45、H48、L50、K51、Q54、K61、I63、I68、E73、D75、E77、M84、Q87、V91、G96、E102、K105、V107、A115、E116、L124、P126、N132、M142、R170、E179、D191、E205、K225、V239、R256、I272、E291、D305、E308、E310、E328、I343、T344、S372、E434、Y448、V465、R467、G474、N480、R483、D488、A498、S500、Y502、R509、E516、S520、K538、F539、D560、V564、M565、A568、D573、K574、E578、E581、M583、D680、T618、D636、N657、T675、E680、K682、V689、E700、N705、S717、E730、S746、E758、K762、G763、L764、G765、K766、Q767、及び/またはF773で少なくとも1つの変異を更に含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、配列番号391に示される配列QGSYT(単一の文字コード)を含むC末端に追加のアミノ酸を更に含む。
【0207】
いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からの変異体ポリメラーゼは、F22L、E26G、V34I、A35E、A35T、K58M、I72F、E79K、E79V、M84T、C104S、I112F、C130S、C130R、E150K、S162S、C269S、C269V、I272N、P335Q、G355S、E370D、D381Y、G403A、H405P、H405S、D406H、R414S、S415A、S415G、S415V、L416V、L416G、L416T、L416A、L416S、L416I、L416F、L416Y、L416M、Y417T、Y417S、Y417G、Y417A、Y417V、Y417I、P418S、P418G、P418V、P418C、P418K、P418I、P418T、P418A、D439S、S440N、S443N、C450S、R468A、R468V、R468S、R468K、R468H、R468G、K473A、V489I、Q492R、492C、Q492F、Q492A、Q492G、A493V、A493S、L494V、K495G、K495A、K495Q、K495S、K495V、L496A、L496G、L496S、L496R、L496H、L496N、L496I、L496M、L496C、L496Y、N499G、N499A、N499S、N499V、M501I、Y502T、Y502V、Y502S、Y502R、Y502G、Y502N、Y502A、Y502Q、Y502P、Y502H、Y502F、F507S、C514S、R515L、R515W、R515Y、R515P、R515F、C517S、T522S、T522A、I529H、I529T、I529V、I529S、I529G、I529A、I529L、I529F、N567D、E569G、S577I、R608K、K610E、L611S、D622T、K633R、V651M、D653G、T660S、T683A、A669D、Q673I、R697G、S717G、R723H、I750V、L751M、及び/またはE760Gを含む2つ以上のアミノ酸置換のうちのいずれか1つまたは任意の組み合わせを有する配列番号1または391のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換変異はまた、D141A及びE143Aを含むことができる。いくつかの実施形態において、Candidatus altiarchaeales古細菌からの変異体ポリメラーゼは、D9N、Y10F、I11F、E14K、E14G、E27R、F37S、M41L、P45S、H48R、L50P、K51R、Q54L、K58R、K61E、I63T、I63V、I68V、E73K、D75N、E77G、M84L、Q87H、V91Q、G96S、E102R、K105R、V107I、A115V、E116G、L124Q、P126S、N132S、M142L、R170H、E179R、D191G、E205K、K225E、V239I、R256H、R256K、I272V、E291R、D305N、E308R、E310R、E328Q、I343V、T344I、S372N、E434R、Y448H、V465M、R467C、G474S、G474D、N480I、R483H、D488N、A498G、S500G、M501V、Y502F、R509H、E516G、S520N、S520G、K538R、F539Y、D560G、D560E、V564I、M565V、A568V、D573N、K574R、E578N、E581G、M583K、T618A、D636G、N657D、T675A、E680D、K682I、V689A、E700K、N705D、N705S、S717N、E730R、S746C、E758R、K762R、G763V、G763S、L764W、G765A、K766S、Q767K、及び/またはF773Sを含む、(配列番号1、393、または391の番号付けに従って)2つ以上のアミノ酸置換のうちのいずれか1つまたは任意の組み合わせを更に含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、配列番号391に示される配列QGSYT(単一の文字コード)を含むC末端に追加のアミノ酸を更に含む。
【0208】
より大きなポリペプチドのセグメントまたは部分が、本明細書に更に記載される。任意選択的に、セグメントは、特に本明細書に記載の逆転写酵素ドメインまたはポリメラーゼドメインとの関連で、ヌクレオチドの取り込み及び核酸伸長活性などの触媒活性を有する。配列番号1~391の任意のサブセットに由来するセグメントのうちのいずれか1つと、N末端またはC末端の少なくとも1つの追加の残基(例えば、+1残基)とを含むポリペプチドが、本明細書に記載される。
【0209】
いくつかの実施形態において、N末端及びC末端の両方が、少なくとも1つの追加の残基、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、または100超の追加の残基を有する。例えば、隣接N末端アスパラギン酸、隣接C末端アルギニン、またはそれらの組み合わせなどの配列番号1及び2~391(+1残基)のうちのいずれか、または配列番号1に対する配列番号1及び2~391のうちのいずれかのアラインメントによって識別された残基などの追加の残基を含むポリペプチドであって、配列番号1を含むポリペプチドに寄与する単一の変異残基または他の残基を説明する、ポリペプチドが、本明細書に記載される。例えば、隣接N末端グルタミン、隣接C末端ヒスチジン、またはそれらの組み合わせなどの配列番号1及び2~391(+1残基)のうちのいずれか、または配列番号1に対する配列番号1及び2~391のうちのいずれかのアラインメントによって識別された残基などの追加の残基を含むポリペプチドであって、配列番号1を含むポリペプチドに寄与する単一の変異残基または他の残基を説明する、ポリペプチドが、本明細書に記載される。例えば、隣接N末端バリン、隣接C末端システイン、またはそれらの組み合わせなどの配列番号1及び2~391(+1残基)のうちのいずれか、または配列番号1に対する配列番号1及び2~391のうちのいずれかのアラインメントによって識別された残基などの追加の残基を含むポリペプチドであって、配列番号1を含むポリペプチドに寄与する単一の変異残基または他の残基を説明する、ポリペプチドが、本明細書に記載される。例えば、隣接N末端トレオニン、隣接C末端システイン、またはそれらの組み合わせなどの配列番号1及び2~391(+1残基)のうちのいずれか、または配列番号1に対する配列番号1及び2~391のうちのいずれかのアラインメントによって識別された残基などの追加の残基を含むポリペプチドであって、配列番号1を含むポリペプチドに寄与する単一の変異残基または他の残基を説明する、ポリペプチドが、本明細書に記載される。例えば、隣接N末端アスパラギン酸、隣接C末端ロイシン、またはそれらの組み合わせなどの配列番号1及び2~391(+1残基)のうちのいずれか、または配列番号1に対する配列番号1及び2~391のうちのいずれかのアラインメントによって識別された残基などの追加の残基を含むポリペプチドであって、配列番号1を含むポリペプチドに寄与する単一の変異残基または他の残基を説明する、ポリペプチドが、本明細書に記載される。例えば、隣接N末端アスパラギン酸、隣接C末端アルギニン、またはそれらの組み合わせなどの配列番号1及び2~391(+1残基)のうちのいずれか、または配列番号1に対する配列番号1及び2~391のうちのいずれかのアラインメントによって識別された残基などの追加の残基を含むポリペプチドであって、配列番号1を含むポリペプチドに寄与する単一の変異残基または他の残基を説明する、ポリペプチドが、本明細書に記載される。例えば、隣接N末端トレオニン、隣接C末端トレオニン、またはそれらの組み合わせなどの配列番号1及び2~391(+1残基)のうちのいずれか、または配列番号1に対する配列番号1及び2~391のうちのいずれかのアラインメントによって識別された残基などの追加の残基を含むポリペプチドであって、配列番号1を含むポリペプチドに寄与する単一の変異残基または他の残基を説明する、ポリペプチドが、本明細書に記載される。例えば、隣接N末端トレオニン、隣接C末端アスパラギン、またはそれらの組み合わせなどの配列番号1及び2~391(+1残基)のうちのいずれか、または配列番号1に対する配列番号1及び2~391のうちのいずれかのアラインメントによって識別された残基などの追加の残基を含むポリペプチドであって、配列番号1を含むポリペプチドに寄与する単一の変異残基または他の残基を説明する、ポリペプチドが、本明細書に記載される。例えば、隣接N末端トレオニン、隣接C末端セリン、またはそれらの組み合わせなどの配列番号1及び2~391(+1残基)のうちのいずれか、または配列番号1に対する配列番号1及び2~391のうちのいずれかのアラインメントによって識別された残基などの追加の残基を含むポリペプチドであって、配列番号1を含むポリペプチドに寄与する単一の変異残基または他の残基を説明する、ポリペプチドが、本明細書に記載される。
【0210】
本開示は、Geobacillus stearothermophilusからのポリメラーゼ(例えば、配列番号275~279)を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号275の位置314、332、334、368、381、385、417、434、454、471、528、601、615、635、649、654、655、656、657、658、659、665、680、682、702、706、707、710、714、758、760、及び/または829でまたはその周辺で、1つ以上の変異、例えば、置換、欠失、もしくは挿入を有する1つ以上のポリペプチドを提供する。配列番号275と少なくとも85%の同一性を有し、配列番号275の残基に従って番号付けられたポリペプチド配列の位置314、332、334、368、381、385、417、434、454、471、528、601、615、635、649、654、655、656、657、658、659、665、680、682、702、706、707、710、714、758、760、及び/または829で少なくとも1つの変異を有する配列を含むポリペプチドが、更に提供される。場合によっては、本明細書に記載のポリペプチドは、配列番号275と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、または99.8%の同一性を有する配列を含む。場合によっては、本明細書に記載のポリペプチドは、配列番号275と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、または99.8%の同一性を有する配列、ならびに配列番号275の番号付けに従って位置314、332、334、368、381、385、417、434、454、471、528、601、615、635、649、654、655、656、657、658、659、665、680、682、702、706、707、710、714、758、760、及び/または829での少なくとも1つの変異を含む。
【0211】
いくつかの実施形態において、配列番号1~257、288~375、及び385~397のうちのいずれかと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、または99.8%の同一性を有し、配列番号1の位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、及び/または529のうちの1つ以上に類似する位置で少なくとも1つの変異を有するポリペプチドが、本明細書に開示される。
【0212】
本明細書では、配列番号275と少なくとも85%の同一性を有し、配列番号275の残基に従って番号付けられたポリペプチド配列の位置R615、Y654、S655、Q656、I657、E658、L659、D680、H682、R702、K706、A707、F710、Y714、H829、D314、I332、I334、K368、K381、I385、K417、K434、I454、D471、I528、K601、K635、I649、I665、K758、及び/またはK760で少なくとも1つまたはそれ以上の変異を有する配列を含むポリペプチドが、更に提供される。場合によっては、本明細書に記載のポリペプチドは、配列番号275と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、または99.8%の同一性を有する配列を含む。
【0213】
本明細書に記載する例示的なポリペプチド変異体を、表1(
図3A~3H)、表2(
図4A~
図4E)、及び表3(
図5A~
図5E)に列挙する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のポリペプチドは、配列番号1または391と少なくとも85%の同一性を有し、表1(
図3A~
図3H)、表2(
図4A~
図4E)、または表3(
図5A~
図5E)に示される変異のうちの少なくとも1つを更に示す、配列を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のポリペプチドは、配列番号1または2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性と実質的な同一性、またはその配列同一性の同一性を有し、表1(
図3A~3H)、表2(
図4A~
図4E)または表3(
図5A~
図5E)に示される変異のうちの少なくとも1つを更に示す、配列を有する。本明細書で企図され、開示される追加のポリペプチドは、表1(
図3A~
図3H)、表2(
図4A~
図4E)、または表3(
図5A~
図5E)の位置のうちの少なくとも1つに類似する位置で少なくとも1つの変異を有し、表1(
図3A~
図3H)、表2(
図4A~
図4E)、または表3(
図5A~
図5E)に示される位置の全てまで含み、場合によっては、相同位置に表1(
図3A~3H)、表2(
図4A~
図4E)、または表3(
図5A~
図5E)に示される変異のうちの1つ以上を有するポリペプチドになる、DNAポリメラーゼドメインを含む。
【0214】
表1、2、及び3は、異なる記号における、Candidatus Altiarchaeales古細菌からの野生型(配列番号1)DNAポリメラーゼに対する様々な変異体バリアントの相対的な取り込み活性を表す。記号「0」は、実験データに基づいて、変異体バリアントが、野生型と比較して、有意でない取り込み活性を有するか、または取り込み活性において有意な増強を有しないことを表す。記号「+」は、実験データに基づいて、変異体バリアントが、野生型と比較して、取り込み活性においてある程度の増強を有することを表す。記号「++」は、実験データに基づいて、変異体バリアントが、野生型と比較して、取り込み活性において高度な増強を有することを表す。
【0215】
いくつかの実施形態において、1つ以上の変異体バリアントは、増加した平均取り込み率が、配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型ポリメラーゼの平均取り込み率の少なくとも5倍であることを示す。いくつかの実施形態において、1つ以上の変異体バリアントは、増加した平均取り込み率が、配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型ポリメラーゼの平均取り込み率の少なくとも10倍であることを示す。いくつかの実施形態において、1つ以上の変異体バリアントは、増加した平均取り込み率が、配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型ポリメラーゼの平均取り込み率の少なくとも20倍であることを示す。いくつかの実施形態において、1つ以上の変異体バリアントは、増加した平均取り込み率が、配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型ポリメラーゼの平均取り込み率の少なくとも50倍であることを示す。
【0216】
本開示は、結合及び/またはヌクレオチド類似体を取り込むことを改善するためにある特定のドメインで変異される、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを提供する。例えば、配列番号269~274を参照されたい。
【0217】
例えば、配列番号269のアミノ酸配列を含むN末端ドメインは、1つ以上の位置Y10、K58、V91、C104、及び/またはC130で変異させることができる。いくつかの実施形態において、配列番号269のアミノ酸配列を含むドメインは、2つ以上のアミノ酸置換Y10F、Y10A、Y10V、Y10I、Y10L、Y10M、Y10W、K58M、V91Q、V91A、V91I、V91L、V91M、V91F、V91Y、V91W、V91S、V91T、V91N、C104S、C130S、及び/またはC130Rのうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。
【0218】
配列番号270のアミノ酸配列を含むエキソヌクレアーゼドメインは、1つ以上の位置D141、E143、C269、及び/またはP335Qで変異させることができる。いくつかの実施形態において、配列番号270のアミノ酸配列を含むドメインは、2つ以上のアミノ酸置換D141A、E143A、C269S、及び/またはP335のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換変異は、3’から5’エキソヌクレアーゼ活性(例えば、校正活性)をノックアウトするためにD141A及びE143Aを含むことができる。
【0219】
いくつかの実施形態において、配列番号271のアミノ酸配列を含むパーム(1)ドメイン(例えば、第1のパームドメイン)は、1つ以上の位置G355、E370、D381、G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、D439、S440、S443、及び/またはC450で変異させることができる。いくつかの実施形態において、配列番号271のアミノ酸配列を含むドメイン(例えば、第1のパームドメイン)は、2つ以上のアミノ酸置換G355S、E370、D381Y、G403A、H405P、H405S、D406H、R414S、S415A、L416V、L416G、L416T、L416A、L416S、L416I、L416F、L416Y、L416M、Y417T、Y417S、Y417G、Y417A、Y417V、Y417I、P418S、P418G、P418V、P418C、P418K、P418I、P418T、P418A、D439S、S440N、S443N、及び/またはC450Sのうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。
【0220】
いくつかの実施形態において、配列番号272のアミノ酸配列を含むフィンガードメイン(例えば、フィンガードメイン)は、1つ以上の位置R468、K473、V489、Q492、A493、L494、K495、N499、M501、及び/またはY502で変異させることができる。いくつかの実施形態において、配列番号272のアミノ酸配列を含むドメイン(例えば、フィンガードメイン)は、2つ以上のアミノ酸置換R468A、R468V、R468S、R468K、R468H、R468G、K473A、V489I、Q492R、Q492C、Q492F、Q492A、Q492G、A493V、A493S、L494V、K495G、K495A、K495Q、K495S、K495V、N499G、N499A、N499S、N499V、M501I、Y502T、Y502V、Y502S、Y502R、Y502G、Y502N、Y502A、Y502Q、Y502P、Y502H、及び/またはY502Fのうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、配列番号272のアミノ酸配列を含むドメイン(例えば、フィンガードメイン)は、2つ以上のアミノ酸置換G474S、G474D、N480I、R483H、D488N、A498G、S500G、M501V、及び/またはY502Fのうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを更に含む。
【0221】
いくつかの実施形態において、配列番号273のアミノ酸配列を含むパーム(2)ドメイン(例えば、第2のパームドメイン)は、1つ以上の位置及び/またはF507、C514、R515、C517、I529、N567、E569、S577、R608、K610、及び/またはL611で変異させることができる。いくつかの実施形態において、配列番号273のアミノ酸配列を含むドメイン(例えば、第2のパームドメイン)は、2つ以上のアミノ酸置換F507S、C514S、R515L、R515W、R515Y、R515P、R515F、C517S、I529H、I529T、I529V、I529S、I529G、I529A、I529L、I529F、N567D、E569G、S577I、R608K、K610E、L611S及び/またはD622のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、配列番号273のアミノ酸配列を含むドメイン(例えば、第2のパームドメイン)は、2つ以上のアミノ酸置換E516G、S520N、S520G、K538R、F539Y、D560G、D560E、V564I、M565V、A568V、D573N、K574R、E578N、E581G、M583K、及び/またはD622Tのうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを更に含む。
【0222】
いくつかの実施形態において、配列番号274のアミノ酸配列を含む親指ドメイン(例えば、親指ドメイン)は、1つ以上の位置V651、D653、A669、Q673、E680、R697、S717、R723、I750、及び/またはE760で変異させることができる。いくつかの実施形態において、配列番号274のアミノ酸配列を含むドメイン(例えば、親指ドメイン)は、2つ以上のアミノ酸置換V651M、D653G、E680D、A669D、Q673I、R697G、S717G、R723H、I750V、及び/またはE760Gのうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、配列番号274のアミノ酸配列を含むドメイン(例えば、親指ドメイン)は、2つ以上のアミノ酸置換D636G、T675A、K682I、V689A、N705D、S717N、E730R、S746C、及び/またはE758Rのうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを更に含む。
【0223】
本開示は、ヌクレオチド類似体の取り込み率を増加させるために2つ以上の位置で変異されるCandidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からの変異体ポリメラーゼは、L416、Y417、P418、A493、及び/またはI529からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換変異を有する配列番号1または391のアミノ酸配列を含む(例えば、表1(
図3A~
図3H)、表2(
図4A~
図4E)、または表3(
図5A~
図5E)を参照されたい)。いくつかの実施形態において、位置L416のアミノ酸置換変異は、非極性アミノ酸または極性非荷電アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置L416のアミノ酸置換変異は、バリン、グリシン、トレオニン、アラニン、セリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、またはメチオニンを含む。いくつかの実施形態において、位置Y417のアミノ酸置換変異は、非極性アミノ酸または極性非荷電アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置Y417のアミノ酸置換変異は、トレオニン、セリン、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、またはチロシンを含む。いくつかの実施形態において、位置P418のアミノ酸置換変異は、極性非荷電アミノ酸、非極性アミノ酸、または正に荷電したアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置P418のアミノ酸置換変異は、セリン、グリシン、バリン、システイン、リシン、イソロイシン、トレオニン、またはプロリンを含む。いくつかの実施形態において、位置A493のアミノ酸置換変異は、非極性アミノ酸または極性非荷電アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置A493のアミノ酸置換変異は、バリンまたはセリンを含む。いくつかの実施形態において、位置I529のアミノ酸置換変異は、正に荷電したアミノ酸、極性非荷電アミノ酸、または非極性アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置I529のアミノ酸置換変異は、ヒスチジン、トレオニン、バリン、セリン、グリシン、アラニン、ロイシン、フェニルアラニンを含む。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からの変異体ポリメラーゼは、位置L416S、Y417A、P418G、A493S、及びI529Hのアミノ酸置換変異を有する配列番号1または391のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からの変異体ポリメラーゼは、位置L416F、Y417A、P418G、A493S、及びI529Hのアミノ酸置換変異を有する配列番号1のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換変異はまた、D141A及びE143Aを含むことができる。
【0224】
いくつかの実施形態において、本開示によるポリペプチドは、単一点変異(例えば、表1(
図3A~
図3H)、表2(
図4A~
図4E)、または表3(
図5A~
図5E)を参照されたい)を含み得る。いくつかの実施形態において、配列番号1または391における単一点変異は、G403A、H405P、H405S、D406H、R414S、S415A、S415G、S415V、L416V、L416G、L416T、L416A、L416S、L416I、L416L、Y417T、Y417S、Y417G、Y417A、Y417V、Y417I、P418S、P418G、P418V、P418C、P418K、P418I、P418T、R468A、R468V、R468S、R468K、R468H、R468G、A493V、K495G、K495A、K495Q、K495S、K495V、N499G、N499A、N499S、N499V、S500G、M501I、Y502T、Y502V、Y502S、Y502R、Y502G、Y502N、Y502A、Y502Q、Y502P、Y502H、Y502F、F507S、I529H、I529T、I529V、I529S、I529G、I529A、I529L、及び/またはI529Fのうちの1つ以上、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、配列番号1または391における単一点変異は、Y502V、Y502S、Y502Q、Y502P、Y502H、Y502G、Y502、Y502A、S415V、S415G、S415A、R468V、R468S、R468K、R468H、R468G、R468A、R414S、L416V、L416S、L416A、I529V、I529S、I529H、I529G、I529A、I529H、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。
【0225】
いくつかの実施形態において、本開示によるポリペプチドは、配列番号1または391のアミノ酸配列を含み、多重変異、例えば、表1(
図3A~
図3H)、表2(
図4A~
図4E)、または表3(
図5A~
図5E)を参照されたい)、例えば、G403A、H405P、H405S、D406H、R414S、S415A、S415G、S415V、L416V、L416G、L416T、L416A、L416S、L416I、L416L、Y417T、Y417S、Y417G、Y417A、Y417V、Y417I、P418S、P418G、P418V、P418C、P418K、P418I、P418T、R468A、R468V、R468S、R468K、R468H、R468G、A493V、K495G、K495A、K495Q、K495S、K495V、N499G、N499A、N499S、N499V、M501I、Y502T、Y502V、Y502S、Y502R、Y502G、Y502N、Y502A、Y502Q、Y502P、Y502H、Y502F、F507S、I529H、I529T、I529V、I529S、I529G、I529A、I529L、及び/またはI529Fのうちの2つ以上、またはそれらの任意の組み合わせの変異を含み得る。
【0226】
いくつかの実施形態において、本開示によるポリペプチドは、配列番号1または391のアミノ酸配列を含み、二重変異(例えば、表1(
図3A~
図3H)、表2(
図4A~
図4E)、または表3(
図5A~
図5E)を参照されたい)を有し、例えば、Y417V_P418V、Y417V_P418S、Y417V_P418A、Y417T_P418K、Y417S_P418S、Y417S_P418G、Y417S_P418A、Y417G_P418V、Y417G_P418S、Y417G_P418G、Y417G_P418C、Y417G_P418A、Y417A_P418V、Y417A_P418S、Y417A_P418G、Y417A_P418A、S415V_Y417S、S415V_Y417A、S415V_P418V、S415V_P418S、S415V_P418G、S415V_L416V、S415V_L416S、S415G_Y417V、S415G_Y417S、S415G_P418V、S415G_P418S、S415G_P418G、S415G_P418A、S415G_L416V、S415G_L416S、S415G_L416G、S415G_L416A、S415A_Y417G、S415A_Y417A、S415A_P418G、S415A_L416S、L416V_P418S、L416V_P418G、L416S_Y417G、L416S_Y417A、L416S_P418V、L416S_P418G、L416G_Y417G、L416G_Y417A、L416G_P418G、L416G_P418A、L416A_Y417S、L416A_P418S、L416A_P418G、及び/またはL416A_P418Aのうちの1つ以上、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0227】
いくつかの実施形態において、本開示によるポリペプチドは、配列番号1または391のアミノ酸配列を含み、三重変異を有し得る。いくつかの例示的な実施形態において、三重変異(例えば、表1(
図3A~
図3H)、表2(
図4A~
図4E)、または表3(
図5A~
図5E)を参照されたい)は、Y417V_P418V_Y502S、Y417V_P418G_Y502G、Y417V_P418A_Y502R、Y417S_P418V_Y502R、Y417S_P418G_Y502S、Y417G_P418G_Y502V、Y417G_P418A_Y502N、Y417G_P418A_Y502G、Y417A_P418S_Y502R、G403A_H405S_D406H、A493V_K495V_N499S、A493V_K495V_N499G、A493V_K495V_N499A、A493V_K495S_N499V、A493V_K495S_N499S、A493V_K495S_N499G、A493V_K495Q_N499V、A493V_K495Q_N499G、A493V_K495Q_N499A、A493V_K495G_N499V、A493V_K495G_N499S、A493V_K495G_N499G、A493V_K495G_N499A、A493V_K495A_N499G、A493V_K495A_N499A、A493V_K495S_N499G、L416A_Y417A_P418A、L416A_Y417A_P418G、L416A_Y417A_P418I、L416A_Y417S_P418A、L416A_Y417S_P418G、L416A_Y417S_P418S、L416G_Y417G_P418G、L416I_Y417A_P418G、L416I_Y417A_P418S、L416I_Y417G_P418A、L416I_Y417I_P418V、L416S_Y417A_P418G、L416S_Y417G_P418A、L416T_Y417A_P418A、L416T_Y417G_P418A、L416V_Y417A_P418A、L416V_Y417G_P418G、L416I_Y417S_P418S、及び/またはL416V_Y417V_P418Gのうちの1つ以上、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0228】
いくつかの実施形態において、本開示によるポリペプチドは、配列番号1または391のアミノ酸配列を含み、四重変異(例えば、(
図3A~
図3H)、表2(
図4A~
図4E)、または表3(
図5A~
図5E)を参照されたい)を有し得る。いくつかの例示的な実施形態において、四重変異は、H405P_A493V_K495G_N499A、A493V_K495S_N499A_Y502T、A493V_K495Q_N499G_F507S、A493V_K495G_N499G_M501I、L416A_Y417A_P418A_I529L、L416A_Y417A_P418A_I529H、L416A_Y417A_P418S_I529H、L416A_Y417G_P418A_I529H、L416A_Y417G_P418G_I529H、L416A_Y417G_P418S_I529H、L416G_Y417T_P418S_I529H、L416I_Y417A_P418A_I529L、L416I_Y417A_P418G_I529F、L416I_Y417A_P418S_I529H、L416I_Y417G_P418A_I529L、L416I_Y417S_P418G_I529H、L416L_Y417Y_P418P_I529H、L416S_Y417A_P418G_I529H、L416S_Y417A_P418G_I529F、L416S_Y417A_P418T_I529H、L416S_Y417G_P418G_I529H、L416S_Y417G_P418V_I529H、L416T_Y417A_P418A_I529H、L416T_Y417A_P418G_I529H、L416T_Y417G_P418A_I529H、L416V_Y417A_P418A_I529H、L416V_Y417A_P418G_I529S、L416V_Y417A_P418G_I529T、L416V_Y417A_P418G_I529H、L416V_Y417A_P418S_I529、L416V_Y417G_P418A_I529H、L416V_Y417G_P418G_I529H、L416V_Y417G_P418S_I529H、及び/またはL416V_Y417T_P418S_I529Hのうちの1つ以上、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0229】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示される、酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、19個の他の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。
【0230】
本明細書に開示される3’または5’修飾基質。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置403、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換G403Aを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置405、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換H405PまたはH405Sを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置406、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換D406Hを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置414、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換R414Sを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置415、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換S415A、S415G、またはS415Vを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置416、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換L416V、L416G、L416T、L416A、またはL416Sを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置417、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換Y417T、Y417S、Y417G、Y417A、Y417V、またはY417Iを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置418、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換P418S、P418G、P418V、P418C、P418K、P418I、またはP418Tを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置468、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換R468A、R468V、R468S、R468K、R468H、またはR468Gを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置493、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換A493VまたはA493Sを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置495、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換K495G、K495A、K495Q、K495S、またはK495Vを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置499、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換N499G、N499A、N499S、またはN499Vを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置501、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換M501Iを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置502、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換Y502T、Y502V、Y502S、Y502R、Y502G、Y502N、Y502A、Y502Q、Y502P、Y502H、またはY502Fを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置507、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換F507Sを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置515、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換R515L、R515W、R515Y、R515P、またはR515Fを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置529、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換I529H、I529T、I529V、I529S、I529G、I529A、I529L、またはI529Fを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置567、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換N567Dを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、もしくは挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示される、酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置405、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換H405PまたはH405Sを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0231】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示される、酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置406、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換D406Hを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0232】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示される、酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置414、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換R414Sを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0233】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置415、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換S415A、S415G、またはS415Vを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0234】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置416、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換L416V、L416G、L416T、L416A、L416S、L416I、またはL416Lを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、417、418、468、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0235】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置417、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換Y417T、Y417S、Y417G、Y417A、Y417V、Y417I、またはY417Yを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、418、468、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0236】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置418、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換P418S、P418G、P418V、P418C、P418K、P418I、P418T、またはP418Pを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、417、468、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0237】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置468、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換R468A、R468V、R468S、R468K、R468H、またはR468Gを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、417、418、493、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0238】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置493、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換A493VまたはA493Sを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、495、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0239】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置495、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換K495G、K495A、K495Q、K495S、またはK495Vを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、499、501、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0240】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置499、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換N499G、N499A、N499S、またはN499Vを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、501、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0241】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置501、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換M501Iを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、502、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0242】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置502、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換Y502T、Y502V、Y502S、Y502R、Y502G、Y502N、Y502A、Y502Q、Y502P、Y502H、またはY502Fを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、507、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0243】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置507、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換F507Sを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、515、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0244】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置515、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換R515L、R515W、R515Y、R515P、またはR515Fを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、529、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0245】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置529、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換I529H、I529T、I529V、I529S、I529G、I529A、I529L、またはI529Fを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、515、及び/または567のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0246】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物及び方法は、本明細書に開示されるような酵素の熱安定性及び/または酵素が修飾基質、例えば3’もしくは5’修飾基質を受容する能力に影響を及ぼし得る1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、配列番号1、393、または391の位置567、またはそれらの任意の組み合わせ、またはそれらのホモログもしくはオーソログで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、20個の天然アミノ酸(すなわち、W、I、M、P、F、G、A、V、L、H、E、R、K、D、N、Y、C、S、T、もしくはQ)または当業者に既知の非天然アミノ酸との当該残基の置換を含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異(複数可)は、置換N567Dを含み得る。いくつかの実施形態において、当該変異は、位置403、405、406、414、415、416、417、418、468、493、495、499、501、502、507、515、及び/または529のうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせで、またはそれらを取り囲む位置もしくは場所で、1つ以上の置換、欠失、または挿入のような、他の位置で1つ以上の変異と組み合わせられ得る。
【0247】
いくつかの実施形態において、本方法及び組成物は、増加した熱安定性、及び特に3’ブロックヌクレオチドなどの非標準ヌクレオチドの取り込みに対する増加した耐性を有するポリメラーゼバリアントを提供する。いくつかの実施形態において、本開示の方法及び組成物は、配列番号2~274または288~375または385~397に対して、100%、少なくとも99.8%、少なくとも99.7%、少なくとも99.6%、少なくとも99.5%、少なくとも99.4%、少なくとも99.3%、少なくとも99.2%、少なくとも99.1%、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%の配列同一性を有する1つ以上のポリペプチドを含み、本開示の方法及び組成物は、配列番号2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、100%、少なくとも99.8%、少なくとも99.7%、少なくとも99.6%、少なくとも99.5%、少なくとも99.4%、少なくとも99.3%、少なくとも99.2%、少なくとも99.1%、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%の配列同一性を有する1つ以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、本開示の方法及び組成物は、配列番号2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、100%、少なくとも99.8%、少なくとも99.7%、少なくとも99.6%、少なくとも99.5%、少なくとも99.4%、少なくとも99.3%、少なくとも99.2%、少なくとも99.1%、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%の配列同一性を有し、R615K、Y654A、Y654D、Y654E、Y654F、Y654G、S655A、S655G、S655V、Q656A、Q656G、Q656N、Q656S、Q656V、I657A、I657G、I657S、I657V、E658A、E658D、E658G、E658S、E658V、L659A、L659G、L659P、L659S、L659V、D680A、D680G、D680I、D680L、D680N、D680S、D680V、H682A、H682G、H682N、H682Q、H682S、H682V、R702A、R702G、R702H、R702K、R702S、R702V、K706H、K706K、K706R、A707G、A707S、A707T、F710A、F710D、F710E、F710G、F710Q、F710S、F710T、F710V、Y714A、Y714D、Y714E、Y714F、Y714G、Y714S、Y714W、H829A、及び/またはH829Gから選択される1つ以上の変異、またはそれらの任意の組み合わせを有する、1つ以上のポリペプチドを含む。
【0248】
いくつかの実施形態において、本方法及び組成物は、3’ブロックヌクレオチドなどの非標準ヌクレオチドの取り込みに対する増加した耐性、及び特に増強した耐熱性を有するポリメラーゼバリアントを提供する。いくつかの実施形態において、本開示の方法及び組成物は、配列番号2~274または288~375または385~397において、100%、少なくとも99.8%、少なくとも99.7%、少なくとも99.6%、少なくとも99.5%、少なくとも99.4%、少なくとも99.3%、少なくとも99.2%、少なくとも99.1%、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%の配列同一性を有する1つ以上のポリペプチドを含み、本開示の方法及び組成物は、配列番号2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、100%、少なくとも99.8%、少なくとも99.7%、少なくとも99.6%、少なくとも99.5%、少なくとも99.4%、少なくとも99.3%、少なくとも99.2%、少なくとも99.1%、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%の配列同一性を有する1つ以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、本開示の方法及び組成物は、配列番号2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、100%、少なくとも99.8%、少なくとも99.7%、少なくとも99.6%、少なくとも99.5%、少なくとも99.4%、少なくとも99.3%、少なくとも99.2%、少なくとも99.1%、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%の配列同一性を有し、D314E、I332L、I334L、K368R、K381R、I385L、K417R、K434R、I454L、D471E、I528L、K601R、K635R、I649L、I665L、K758R、及び/またはK760Rから選択される1つ以上の変異、またはそれらの任意の組み合わせを有する、1つ以上のポリペプチドを含む。
【0249】
いくつかの実施形態において、本方法及び組成物は、増加した熱安定性、及び特に3’ブロックヌクレオチドなどの非標準ヌクレオチドの取り込みに対する増加した耐性を有するポリメラーゼバリアントを提供する。いくつかの実施形態において、本開示の方法及び組成物は、配列番号2~274または288~375または385~397に対して、100%、少なくとも99.8%、少なくとも99.7%、少なくとも99.6%、少なくとも99.5%、少なくとも99.4%、少なくとも99.3%、少なくとも99.2%、少なくとも99.1%、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%の配列同一性を有する1つ以上のポリペプチドを含み、本開示の方法及び組成物は、配列番号2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、100%、少なくとも99.8%、少なくとも99.7%、少なくとも99.6%、少なくとも99.5%、少なくとも99.4%、少なくとも99.3%、少なくとも99.2%、少なくとも99.1%、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%の配列同一性を有する1つ以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、本開示の方法及び組成物は、配列番号2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、100%、少なくとも99.8%、少なくとも99.7%、少なくとも99.6%、少なくとも99.5%、少なくとも99.4%、少なくとも99.3%、少なくとも99.2%、少なくとも99.1%、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%の配列同一性を有し、R615K、Y654A、Y654D、Y654E、Y654F、Y654G、S655A、S655G、S655V、Q656A、Q656G、Q656N、Q656S、Q656V、I657A、I657G、I657S、I657V、E658A、E658D、E658G、E658S、E658V、L659A、L659G、L659P、L659S、L659V、D680A、D680G、D680I、D680L、D680N、D680S、D680V、H682A、H682G、H682N、H682Q、H682S、H682V、R702A、R702G、R702H、R702K、R702S、R702V、K706H、K706K、K706R、A707G、A707S、A707T、F710A、F710D、F710E、F710G、F710Q、F710S、F710T、F710V、Y714A、Y714D、Y714E、Y714F、Y714G、Y714S、Y714W、H829A、H829G D314E、I332L、I334L、K368R、K381R、I385L、K417R、K434R、I454L、D471E、I528L、K601R、K635R、I649L、I665L、K758R、及び/またはK760Rから選択される1つ以上の変異、またはそれらの任意の組み合わせを有する、1つ以上のポリペプチドを含む。
【0250】
本開示は、増加した熱安定性を示す切断ポリペプチド、例えば、配列番号353または354のアミノ酸配列を有するポリメラーゼである、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを提供する。
【0251】
本開示は、ヌクレオチド類似体の取り込み率を増加させるために2つ以上の位置で変異されるCandidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からの変異体ポリメラーゼは、L416、Y417、P418、A493、及び/またはI529からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換変異を有する配列番号1または391のアミノ酸配列を含み、K58、R515、N567、E569、S577、K610、及び/またはS717からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換変異も含む。いくつかの実施形態において、位置K58のアミノ酸置換変異は、極性非荷電アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置K58のアミノ酸置換変異は、メチオニンを含む。いくつかの実施形態において、位置R515のアミノ酸置換変異は、非極性アミノ酸または極性非荷電アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置R515のアミノ酸置換変異は、ロイシン、トリプトファン、チロシン、プロリン、またはフェニルアラニンを含む。いくつかの実施形態において、位置N567のアミノ酸置換変異は、負に荷電したアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置N567のアミノ酸置換変異は、アスパラギン酸を含む。いくつかの実施形態において、位置E569のアミノ酸置換変異は、非極性アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置E569のアミノ酸置換変異は、グリシンを含む。いくつかの実施形態において、位置S577のアミノ酸置換変異は、非極性アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置S577のアミノ酸置換変異は、イソロイシンを含む。いくつかの実施形態において、位置K610のアミノ酸置換変異は、負に荷電したアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置K610のアミノ酸置換変異は、グルタミン酸を含む。いくつかの実施形態において、位置S717のアミノ酸置換変異は、非極性アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置S717のアミノ酸置換変異は、グリシンを含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換変異はまた、D141A及びE143Aを含むことができる。
【0252】
本開示は、配列番号1または391を含む野生型ポリメラーゼと比較して、ヌクレオチド類似体の取り込み率を増加させるために2つ以上の位置で変異させる、Candidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、配列番号1または391のアミノ酸配列を有する野生型ポリメラーゼと比較して、増加した熱安定性を示す。例えば、変異体ポリメラーゼは、約25~50℃または約45~75℃の温度範囲において、増加した熱安定性を示す。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、配列番号1または2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%同一であるか、またはより高いレベルの配列同一性であるアミノ酸配列を含む。変異体ポリメラーゼは、この段落に記載される特徴のうちのいずれかを含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からの変異体ポリメラーゼは、配列番号1、393、または391に対して、少なくとも85%の配列同一性、少なくとも90%の配列同一性、または少なくとも95%の配列同一性、または少なくとも96%の配列同一性、または少なくとも97%の配列同一性、または少なくとも98%の配列同一性、または少なくとも99.8%、少なくとも99.7%、少なくとも99.6%、少なくとも99.5%、少なくとも99.4%、少なくとも99.3%、少なくとも99.2%、少なくとも99.1%、少なくとも99%の配列同一性であるか、またはより高いパーセントの配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、変異体DNAポリメラーゼは、Leu416、Tyr417、Pro418、Ala493、Arg515、Ile529、及びAsn567からなる群から選択される2つ以上の位置のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせでアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、エキソヌクレアーゼ-マイナス活性を付与することができるアミノ酸置換D141A及びE143Aを含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、野生型アミノ酸骨格配列(例えば、配列番号1または391)を有するポリメラーゼと比較して、望ましい特徴を示す。例えば、変異体ポリメラーゼは、増加した熱安定性(Tm)を示す。別の例では、変異体ポリメラーゼは、糖2’位及び/または3’糖位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を含むヌクレオチド類似体の増加した取り込み率を示す。更に別の例では、変異体ポリメラーゼは、増加したウラシル耐性を示す。この段落に記載の1つ以上の特性は、本開示に記載の様々な実施形態における任意の例示的な変異体ポリメラーゼに現れ得る。この段落に記載の特性は、本開示を通して「例示的な変異体ポリメラーゼ特性」と称される。
【0253】
本開示は、ヌクレオチド類似体の取り込み率を増加させるために1つ以上の位置で変異されるCandidatus Altiarchaeales古細菌からのポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からの変異体ポリメラーゼは、配列番号2~274または288~375または385~397のアミノ酸配列のうちのいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0254】
本開示は、1つ以上の位置で変異される9°N DNAポリメラーゼ及びTHERMINATORポリメラーゼを含む古細菌ファミリーB DNAポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、変異体9°N及びTHERMINATORポリメラーゼは、位置Y7、T55、V106、D132、I264、Y291、P328、S348、L352、K363、E374、G395、W397、D398、R406、S407、L408、Y409、P410、Y431、D432、P435、C442、R460、R465、Y481、R484、A485、I486、K487、I488、N491、F493、Y494、Y499、C506、K507、C509、I521、K559、K561、P569、E600、K602、I603、D614、V643、E645、V661、Q665、R689、R709、I715、I744、及び/またはD754で1つ以上のアミノ酸置換変異を含む、配列番号280、281、または282に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、またはより高い割合の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、配列番号280の1つ以上のアミノ酸置換は、それぞれ、配列番号1~274または288~375または385~397のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むCandidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼの位置Y7、K58、C104、C130、C269、R296、P335、G355、R359、E370、D381、G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、D439、S440、S443、C450、R468、K473、V489、Q492、A493、L494、K495、L496、N499、S500、M501、Y502、F507、C514、R515、C517、I529、N567、E569、S577、R608、K610、L611、D622、V651、D653、A669、Q673、R697、S717、R723、I750、及びE760でアミノ酸置換と位置的に等価である。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼ及び9°Nポリメラーゼ、VENTポリメラーゼ、DEEP VENTポリメラーゼ、Geobacillus stearothermophilusポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、及びPyrococcus abyssiポリメラーゼの位置的に等価なアミノ酸位置を、
図6A~
図6Cに示される表4に列挙する。また、
図7A~
図7B、
図8A~
図8C、
図9A~
図9B、
図10A~
図10B、
図11A~
図11B、
図12A~
図12B、及び
図13A~
図13Bの配列アラインメントも参照されたい。
【0255】
本開示は、1つ以上の位置で変異される9°N DNAポリメラーゼを含む古細菌ファミリーB DNAポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼは、位置Y7、T55、V106、D132、I264、Y291、P328、S348、L352、K363、E374、G395、W397、D398、R406、S407、L408、Y409、P410、Y431、D432、P435、C442、R460、R465、Y481、R484、A485、I486、K487、I488、N491、F493、Y494、Y499、C506、K507、C509、I521、K559、K561、P569、E600、K602、I603、D614、V643、E645、V661、Q665、D672、R689、R709、I715、I744、及び/またはD754で1つ以上のアミノ酸置換変異を含む、配列番号280に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、またはより高い割合の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、位置129のアミノ酸は、メチオニンまたはアラニンであり得る。いくつかの実施形態において、配列番号280の1つ以上のアミノ酸置換は、それぞれ、配列番号1~274または288~375または385~397のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むCandidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼの位置K58、C104、C130、C269、R296、P335、G355、R359、E370、D381、G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、D439、S440、S443、C450、R468、K473、V489、Q492、A493、L494、K495、L496、N499、S500、M501、Y502、F507、C514、R515、C517、I529、N567、E569、S577、R608、K610、L611、D622、V651、D653、A669、Q673、R697、S717、R723、I750、及びE760でアミノ酸置換と位置的に等価である。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼ及び9°Nポリメラーゼの位置的に等価なアミノ酸位置を、
図6A~
図6Cに示される表4に列挙する。また、
図7A~
図7Cの配列アラインメントも参照されたい。
【0256】
本開示は、1つ以上の位置で変異される9°N DNAポリメラーゼを含む古細菌ファミリーB DNAポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、変異体9°N DNAポリメラーゼは、位置Y7、T55、V106、D132、I264、Y291、P328、S348、L352、K363、E374、G395、W397、D398、R406、S407、L408、Y409、P410、Y431、D432、P435、C442、R460、R465、Y481、R484、A485、I486、K487、I488、N491、F493、Y494、Y499、C506、K507、C509、I521、K559、K561、P569、E600、K602、I603、D614、V643、E645、V661、Q665、D672、R689、R709、I715、I744、及び/またはD754で1つ以上のアミノ酸置換変異を含む、配列番号281に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、またはより高い割合の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、位置129のアミノ酸は、メチオニンまたはアラニンであり得る。いくつかの実施形態において、配列番号281の1つ以上のアミノ酸置換は、それぞれ、配列番号1~274または288~375または385~397のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むCandidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼの位置K58、C104、C130、C269、R296、P335、G355、R359、E370、D381、G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、D439、S440、S443、C450、R468、K473、V489、Q492、A493、L494、K495、L496、N499、S500、M501、Y502、F507、C514、R515、C517、I529、N567、E569、S577、R608、K610、L611、D622、V651、D653、A669、Q673、R697、S717、R723、I750、及びE760でアミノ酸置換と位置的に等価である。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼ及び9°Nポリメラーゼの位置的に等価なアミノ酸位置を、
図6A~
図6Cに示される表4に列挙する。また、
図7A~
図7Bの配列アラインメントも参照されたい。
【0257】
本開示は、1つ以上の位置で変異されるTHERMINATOR DNAポリメラーゼを含む古細菌ファミリーB DNAポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、変異体THERMINATORポリメラーゼは、位置Y7、T55、V106、D132、I264、Y291、P328、S348、L352、K363、E374、G395、W397、D398、R406、S407、L408、Y409、P410、Y431、D432、P435、C442、R460、R465、Y481、R484、A485、I486、K487、I488、N491、F493、Y494、Y499、C506、K507、C509、I521、K559、K561、P569、E600、K602、I603、D614、V643、E645、V661、Q665、D672、R689、R709、I715、I744、及び/またはD754で1つ以上のアミノ酸置換変異を含む、配列番号282に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、またはより高い割合の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、位置129のアミノ酸は、メチオニンまたはアラニンであり得る。いくつかの実施形態において、配列番号282の1つ以上のアミノ酸置換は、それぞれ、配列番号1~274または288~375または385~397のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むCandidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼの位置K58、C104、C130、C269、R296、P335、G355、R359、E370、D381、G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、D439、S440、S443、C450、R468、K473、V489、Q492、A493、L494、K495、L496、N499、S500、M501、Y502、F507、C514、R515、C517、I529、N567、E569、S577、R608、K610、L611、D622、V651、D653、A669、Q673、R697、S717、R723、I750、及びE760でアミノ酸置換と位置的に等価である。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼ及びTHERMINATORポリメラーゼの位置的に等価なアミノ酸位置は、
図6A~
図6Cに示される表4に列挙される9°Nポリメラーゼの位置に対応する。また、
図7A~
図7Bの配列アラインメントも参照されたい。
【0258】
本開示は、1つ以上の位置で変異されるVENT DNAポリメラーゼを含む古細菌ファミリーB DNAポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、変異体VENT DNAポリメラーゼは、位置Y7、K61、V106、D132、V266、G293、P330、S350、L354、A365、E376、G398、W400、E401、R409、S410、L411、Y412、P413、Y434、D435、P438、C445、R463、K468、Y484、R487、A488、I489、K490、L491、N494、I496、Y1035、Y1040、S1047、K1048、C1050、I1062、K1490、K1492、S1500、E1531、R1533、I1534、D1545、V1574、D1576、V1592、Q1596、D1604、R1620、K1640、I1646、I1675、及び/またはD1685で1つ以上のアミノ酸置換変異を含む、配列番号283に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、またはより高い割合の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、配列番号283の1つ以上のアミノ酸置換は、それぞれ、配列番号1~274または288~375または385~397のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むCandidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼの位置K58、C104、C130、C269、R296、P335、G355、R359、E370、D381、G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、D439、S440、S443、C450、R468、K473、V489、Q492、A493、L494、K495、L496、N499、S500、M501、Y502、F507、C514、R515、C517、I529、N567、E569、S577、R608、K610、L611、D622、V651、D653、A669、Q673、R697、S717、R723、I750、及びE760でアミノ酸置換と位置的に等価である。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼ及びVENTポリメラーゼの位置的に等価なアミノ酸位置を、
図6A~
図6Cに示される表4に列挙する。また、
図8A~
図8Cの配列アラインメントも参照されたい。
【0259】
本開示は、1つ以上の位置で変異されるDEEP VENT DNAポリメラーゼを含む古細菌ファミリーB DNAポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、変異体DEEP VENT DNAポリメラーゼは、位置Y7、K61、V106、D132、I264、Y291、P328、S348、L352、E363、E374、G396、W398、E399、R407、S408、L409、Y410、P411、Y432、D433、P436、C443、R461、R466、Y482、R485、A486、I487、K488、I489、N492、I494、Y1032、Y1037、C1044、K1045、C1047、I1059、K1097、L1099、A1107、E1138、K1140、I1141、D1152、V1181、E1183、V1199、Q1203、E1210、R1227、P1247、I1253、I1282、及び/またはD1292で1つ以上のアミノ酸置換変異を含む、配列番号284に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、またはより高い割合の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、配列番号284の1つ以上のアミノ酸置換は、それぞれ、配列番号1~274または288~375または385~397のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むCandidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼの位置K58、C104、C130、C269、R296、P335、G355、R359、E370、D381、G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、D439、S440、S443、C450、R468、K473、V489、Q492、A493、L494、K495、L496、N499、S500、M501、Y502、F507、C514、R515、C517、I529、N567、E569、S577、R608、K610、L611、D622、V651、D653、A669、Q673、R697、S717、R723、I750、及びE760でアミノ酸置換と位置的に等価である。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼ及びDEEP VENTポリメラーゼの位置的に等価なアミノ酸位置を、
図6A~
図6Cに示される表4に列挙する。また、
図9A~
図9Cの配列アラインメントも参照されたい。
【0260】
本開示は、1つ以上の位置で変異されるPfu DNAポリメラーゼを含む古細菌ファミリーB DNAポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、変異体Pfu DNAポリメラーゼは、位置Y7、K61、V106、E150、I264、Y291、P328、S348、L352、E363、E374、G396、W398、E399、R407、S408、L409、Y410、P411、Y432、D433、P436、C443、R461、T466、Y482、K485、A486、I487、K488、L489、N492、F494、Y495、Y500、C507、K508、C510、I522、K560、L562、S570、E601、K603、V604、D615、V644、E646、A662、Q666、E673、K690、P710、I716、I745、及び/またはD755で1つ以上のアミノ酸置換変異を含む、配列番号285に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、またはより高い割合の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、配列番号285の1つ以上のアミノ酸置換は、それぞれ、配列番号1~274または288~375または385~397のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むCandidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼの位置K58、C104、C130、C269、R296、P335、G355、R359、E370、D381、G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、D439、S440、S443、C450、R468、K473、V489、Q492、A493、L494、K495、L496、N499、S500、M501、Y502、F507、C514、R515、C517、I529、N567、E569、S577、R608、K610、L611、D622、V651、D653、A669、Q673、R697、S717、R723、I750、及びE760でアミノ酸置換と位置的に等価である。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼ及びPfuポリメラーゼの位置的に等価なアミノ酸位置を、
図6A~
図6Cに示される表4に列挙する。また、
図11A~
図11Bの配列アラインメントも参照されたい。
【0261】
本開示は、1つ以上の位置で変異されるPyrococcus abyssi DNAポリメラーゼを含む古細菌ファミリーB DNAポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、変異体Pyrococcus abyssi DNAポリメラーゼは、位置Y7、K61、V106、N132、I264、Y291、P328、S348、L352、E363、E374、G396、W398、E399、R407、S408、L409、Y410、P411、Y432、D433、P436、C443、R461、K466、Y482、R485、A486、I487、K488、I489、N492、Y494、Y495、Y500、C507、K508、C510、I522、K559、L561、S569、E600、K602、I603、D614、V643、E645、V661、Q665、E672、K689、P709、I715、I744、及び/またはD754で1つ以上のアミノ酸置換変異を含む、配列番号286に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、またはより高い割合の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、配列番号286の1つ以上のアミノ酸置換は、それぞれ、配列番号2~274または288~375または385~397のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むCandidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼの位置K58、C104、C130、C269、R296、P335、G355、R359、E370、D381、G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、D439、S440、S443、C450、R468、K473、V489、Q492、A493、L494、K495、L496、N499、S500、M501、Y502、F507、C514、R515、C517、I529、N567、E569、S577、R608、K610、L611、D622、V651、D653、A669、Q673、R697、S717、R723、I750、及びE760でアミノ酸置換と位置的に等価である。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼ及びPyrococcus abyssiポリメラーゼの位置的に等価なアミノ酸位置を、
図6A~
図6Cに示される表4に列挙する。また、
図12A~
図12Bの配列アラインメントも参照されたい。
【0262】
本開示は、1つ以上の位置で変異されるGeobacillus stearothermophilus DNAポリメラーゼを含む古細菌ファミリーA DNAポリメラーゼを提供する。いくつかの実施形態において、変異体Geobacillus stearothermophilus DNAポリメラーゼは、位置G10、D59、A97、Q123、S240、G277、E325、G342、R343、E349、A359、G384、E386、L387、L394、L395、L396、A397、A398、E420、A421、S424、K431、K450、W455、K476、Q479、P480、L481、A482、A483、A486、M488、E489、V493、G504、S505、L507、N527、N573、L575、S585、E632、R634、K635、D647、I689、H691、A707、G711、D718、P744、Y772、S799、V828、及び/またはE840で1つ以上のアミノ酸置換変異を含む、配列番号275に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、またはより高い割合の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、配列番号275の1つ以上のアミノ酸置換は、それぞれ、配列番号1~274または288~375または385~397のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むCandidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼの位置K58、C104、C130、C269、R296、P335、G355、R359、E370、D381、G403、H405、D406、R414、S415、L416、Y417、P418、D439、S440、S443、C450、R468、K473、V489、Q492、A493、L494、K495、L496、N499、S500、M501、Y502、F507、C514、R515、C517、I529、N567、E569、S577、R608、K610、L611、D622、V651、D653、A669、Q673、R697、S717、R723、I750、及びE760でアミノ酸置換と位置的に等価である。いくつかの実施形態において、Candidatus Altiarchaeales古細菌ポリメラーゼ及びGeobacillus stearothermophilusポリメラーゼの位置的に等価なアミノ酸位置を、
図6A~
図6Cに示される表4に列挙する。また、
図10A~
図10Bの配列アラインメントも参照されたい。
【0263】
本開示は、検出可能なレポーター部分に作動可能に連結されたポリメラーゼを提供する。本明細書に記載のポリメラーゼのうちのいずれかは、本明細書に記載の任意のポリメラーゼの野生型または変異体アミノ酸配列骨格を有するポリメラーゼを含む、検出可能なレポーター部分で標識することができ、これには、Candidatus Altiarchaeales古細菌DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号1~274または288~375または385~397のうちのいずれか)、Geobacillus DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号275~279)、9°N DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号280及び281)、THERMINATOR DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号282)、VENT DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号283)、DEEP VENT DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号284)、Pfu DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号285)、Pyrococcus abyssi DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号286)、及びRB69 DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号287)が含まれる。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、化学的または物理的変化(例えば、熱、光、電気的、pH、塩濃度、酵素活性、またはFRETなどの近接事象)に起因する検出可能なシグナルを生成する。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、発光部分、蛍光部分、または消光剤を含む。いくつかの実施形態において、検出可能な部分は、FRETドナーまたはアクセプターとして作用する蛍光部分を含む。検出可能なレポーター部分は、N末端、C末端、または任意の内部位置でポリメラーゼに結合することができる。検出可能なレポーター部分は、ポリメラーゼが核酸鋳型分子、核酸プライマー、またはヌクレオチドに結合する能力を妨げない方法でポリメラーゼに結合する。検出可能なレポーター部分は、ヌクレオチドの取り込みを含むポリメラーゼの触媒活性を妨げない方法でポリメラーゼに結合する。
【0264】
本開示は、親和性精製、切断、または可溶化のための2つ以上の外因性アミノ酸配列のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせに作動可能に連結される、本明細書に記載のDNAポリメラーゼのうちのいずれかを含む組換え融合ポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態において、組換え融合ポリペプチドは、本明細書に記載の野生型及び変異体ポリメラーゼのうちのいずれか、ならびに本明細書に記載の表4(
図6A~
図6C)に示される部位に対して位置的に等価な変異部位である部位で置換変異を有するポリメラーゼを含み、これには、Candidatus Altiarchaeales古細菌DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号1~274または288~375または385~397のうちのいずれか)、Geobacillus DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号275~279)、9°N DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号280及び281)、THERMINATOR DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号282)、VENT DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号283)、DEEP VENT DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号284)、Pfu DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号285)、Pyrococcus abyssi DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号286)、及びRB69 DNAポリメラーゼ(例えば、配列番号287)のアミノ酸配列骨格配列を有するポリメラーゼが含まれる。
【0265】
いくつかの実施形態において、組換え融合ポリペプチドは、少なくとも1つの親和性精製タグ配列に対してそれらのN末端及び/またはC末端(複数可)で作動可能に連結される、本明細書に記載の野生型及び変異体ポリメラーゼのうちのいずれかを含み、親和性精製タグ配列(複数可)は、ヒスチジンタグ(例えば、ヘキサ-ヒスチジンタグ(配列番号398))、FLAGタグ、T7タグ、Strep IIタグ、Sタグ(例えば、膵臓リボヌクレアーゼA由来)、HAタグ(例えば、ヒトインフルエンザヘマグルチニンタンパク質由来)及び/またはc-Mycタグを含む。
【0266】
いくつかの実施形態において、組換え融合ポリペプチドは、少なくとも1つのポリペプチド切断配列に対してそれらのN末端及び/またはC末端(複数可)で作動可能に連結される、本明細書に記載の野生型及び変異体ポリメラーゼのうちのいずれかを含むか、またはポリペプチド切断配列は、親和性タグ配列とポリメラーゼ配列のN末端またはC末端との間に配置することができる。いくつかの実施形態において、ポリペプチド切断配列は、プロテアーゼまたは還元条件で認識及び切断することができる。いくつかの実施形態において、ポリペプチド切断配列は、トロンビン切断配列、TEV切断配列(例えば、AcTEV及びProTEVを含むtobacco etchウイルスから)、第Xa因子切断配列、エンテロキナーゼ切断配列、及びSUMO切断配列(例えば、Ulp1、Senp2、及びSUMOstarを含む小ユビキチン様修飾)を含む。
【0267】
いくつかの実施形態において、組換え融合ポリペプチドは、マルトース結合タンパク質(MBP)、小ユビキチン様修飾因子(SUMO)、及びグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)を含む、可溶化を改善するための少なくとも1つの外因性アミノ酸配列に対してN末端及び/またはC末端(複数可)で作動可能に連結される、本明細書に記載の野生型及び変異体ポリメラーゼのうちのいずれかを含む。
【0268】
ポリメラーゼを含むシステム
本開示は、1つ以上の変異体ポリメラーゼと、自己プライミング3’末端を有する少なくとも1つの核酸鋳型分子と、を含むシステムを提供する。いくつかの実施形態において、1つ以上の変異体ポリメラーゼは、自己プライミング3’末端を有する少なくとも1つの核酸鋳型分子に結合してもしなくてもよい。いくつかの実施形態において、鋳型分子の自己プライミング3’末端は、ヌクレオチド重合のための開始部位を提供する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。
【0269】
本開示は、1つ以上の変異体ポリメラーゼと、少なくとも1つの核酸鋳型分子と、少なくとも1つの核酸プライマーと、を含むシステムを提供する。いくつかの実施形態において、1つ以上の変異体ポリメラーゼは、少なくとも1つの核酸鋳型分子及び少なくとも1つの核酸プライマーに結合してもしなくてもよい。いくつかの実施形態において、プライマーは、ヌクレオチド重合のための開始部位を提供する。いくつかの実施形態において、プライマーは、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込み反応のための3’伸長可能な末端を含むか、またはプライマーは、3’伸長不可能な末端を含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子は、少なくとも1つのウリジンヌクレオチドを含むか、またはウリジンヌクレオチドを欠く。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。
【0270】
いくつかの実施形態において、本システムは、核酸二本鎖に結合した1つ以上の変異体ポリメラーゼを含み、各々、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型を含み、それによって複合ポリメラーゼを形成する。いくつかの実施形態において、プライマーは、ヌクレオチド重合のための開始部位を提供する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、自己プライミング3’末端を有する核酸鋳型分子に結合して、別個のプライマー分子を欠く複合ポリメラーゼを形成する。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子は、少なくとも1つのウリジンヌクレオチドを含むか、またはウリジンヌクレオチドを欠く。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。
【0271】
いくつかの実施形態において、システムは、1つ以上の変異体ポリメラーゼ、少なくとも1つの核酸鋳型分子、及びヌクレオチド重合のための開始部位を含み、変異体ポリメラーゼは、溶液中にあり、核酸鋳型分子は、溶液中にあり、開始部位(例えばプライマー)は、溶液中にある。いくつかの実施形態において、システムは、1つ以上の変異体ポリメラーゼ、少なくとも1つの核酸鋳型分子、及びヌクレオチド重合のための開始部位を含み、システムは、溶液中にある変異体ポリメラーゼ、溶液中にあるかもしくは支持体に固定化された核酸鋳型分子、ならびに溶液中にあるかもしくは支持体に固定化された開始部位(例えば、プライマー)の任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、システムは、1つ以上の変異体ポリメラーゼ、少なくとも1つの核酸鋳型分子、及びヌクレオチド重合のための開始部位を含み、システムは、溶液中にある変異体ポリメラーゼ、溶液中にあるかもしくは支持体に固定化された核酸鋳型分子、ならびに溶液中にあるかもしくは支持体に固定化された開始部位(例えば、プライマー)の任意の組み合わせを含む。
【0272】
システムにおけるいくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、配列番号1または391のアミノ酸配列を有する野生型ポリメラーゼと比較して、増加した熱安定性を示す。例えば、変異体ポリメラーゼは、約25~50℃または約45~75℃の温度範囲で増加した熱安定性を示す。
【0273】
システムにおけるいくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、配列番号1または391を含む野生型ポリメラーゼと比較して、ヌクレオチド類似体の増加した取り込み率を示し、ヌクレオチド類似体は、糖2’位及び/または3’糖位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を含む。
【0274】
いくつかの実施形態において、システムは、1つ以上の変異体ポリメラーゼと、複数の核酸二本鎖と、を含み、各々、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上のポリメラーゼ及び核酸二本鎖は、複数のヌクレオチドを更に含む。1つ以上の変異体ポリメラーゼは、核酸二本鎖に結合していても、結合してもしなくてもよい。1つ以上の変異体ポリメラーゼは、ヌクレオチドのうちの1つに結合してもしなくてもよい。いくつかの実施形態において、1つまたは変異体ポリメラーゼは、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型を含む核酸二本鎖に結合し、それによって複合ポリメラーゼを形成し、システムは、複数のヌクレオチドを更に含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。
【0275】
システムにおけるいくつかの実施形態において、ヌクレオチドは、取り込まれることなく、複合ポリメラーゼに結合することができる。いくつかの実施形態において、相補的ヌクレオチドは、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けることなく、複合ポリメラーゼに結合し、相補的ヌクレオチドが鋳型鎖内の相補的ヌクレオチドと反対側の位置でプライマーの3’末端に結合する三元複合体を形成することができる。
【0276】
システムにおけるいくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、塩基、糖、及び少なくとも1つのリン酸基を含む。例えば、ヌクレオチド単位は、芳香族塩基、5-炭素糖(例えば、リボースまたはデオキシリボース)、及び1つ以上のリン酸基(例えば、1~10個のリン酸基)を含み得、ヌクレオチドの芳香族塩基は、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシルを含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される1つの種類のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及び/またはdUTPからなる群から選択される2つ以上の種類のヌクレオチドの任意の組み合わせの混合物を含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチド中のヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、フルオロフォアで標識される。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、フルオロフォア標識を欠く。この段落に記載の1つ以上の特性は、本開示に記載の様々な実施形態における任意の例示的なヌクレオチド単位に現れ得る。この段落に記載の特性は、本開示を通して「例示的なヌクレオチド単位特性」と称される。
【0277】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数のヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオチドが、1つ、2つ、または3つのリン原子の鎖を含み、その鎖は、典型的には、エステルまたはホスホラミド結合を介して糖部分の5’炭素に結合する。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、リン原子が介在するO、S、NH、メチレン、またはエチレンと一緒に連結されるリン鎖を有する類似体である。いくつかの実施形態において、鎖内のリン原子は、O、S、またはBH3を含む置換側基を含む。いくつかの実施形態において、鎖は、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホルジチオエート、及びO-メチルホスホロアミダイト基を含む類似体で置換されたホスフェート基を含む。
【0278】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するヌクレオチド類似体を含む。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、プライマー伸長反応中の新生鎖における後続のヌクレオチド単位または遊離ヌクレオチドのポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害することができる。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、糖がリボースまたはデオキシリボース糖部分を含む3’糖ヒドロキシル位に結合される。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、3’糖ヒドロキシル位から除去可能/開裂可能であり、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込み反応において後続のヌクレオチドとともに伸長可能な3’OH糖基を有するヌクレオチドを生成する。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アリール基、ベンジル基、アジド(azide)基、アミン基、アミド基、ケト基、イソシアネート基、リン酸基、チオ基、ジスルフィド基、炭酸基、尿素基、またはシリル基を含む。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、例えば、鎖終結部分を化学薬品、pH変化、光または熱と反応させることによって、ヌクレオチドから開裂可能/除去可能である。いくつかの実施形態において、鎖終結部分アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリルは、ピペリジンを有するテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)、または2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾ-キノン(DDQ)を用いて開裂可能である。いくつかの実施形態において、鎖終結部分アリール及びベンジルは、H2 Pd/Cを用いて開裂可能である。いくつかの実施形態において、鎖終結部分アミン、アミド、ケト、イソシアネート、リン酸塩、チオ、ジスルフィドは、ホスフィン、またはβ-メルカプトエタノールもしくはジチオトリトール(DTT)を含むチオール基を用いて開裂可能である。いくつかの実施形態において、鎖終結部分炭酸塩は、MeOH中の炭酸カリウム(K2CO3)、ピリジン中のトリエチルアミン、または酢酸(AcOH)中のZnを用いて開裂可能である。いくつかの実施形態において、鎖終結部分尿素及びシリルは、テトラブチルアンモニウムフルオリド、ピリジン-HF、フッ化アンモニウム、またはトリエチルアミントリヒドロフルオリドを用いて開裂可能である。鎖終結部分を含むヌクレオチド類似体のこの段落に記載の1つ以上の特性は、本開示に記載の様々な実施形態において、任意の例示的なヌクレオチド類似体に現れ得る。この段落に記載のヌクレオチド類似体の特性は、本開示を通して「例示的なヌクレオチド類似体特性」と称される。同様に、この段落に記載の1つ以上の鎖終結部分の特性は、本開示に記載の様々な実施形態において、任意の例示的な鎖終結部分に現れ得る。「鎖終結部分の実施形態」という語句は、本開示を通して、この段落に記載の1つ以上の鎖終結部分の特性のうちのいずれかを指すために使用される。
【0279】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数のヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオチドは、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するターミネーターヌクレオチド類似体を含む。いくつかの実施形態において、鎖終結部分はアジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、3’-O-アジドまたは3’-O-アジドメチル基を含む。いくつかの実施形態において、鎖終結部分アジド(azide)、アジド(azido)、及びアジドメチル基は、ホスフィン化合物を用いて開裂可能/除去可能である。いくつかの実施形態において、ホスフィン化合物は、誘導体化トリアルキルホスフィン部分または誘導体化トリアリールホスフィン部分を含む。いくつかの実施形態において、ホスフィン化合物は、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)またはビススルホトリフェニルホスフィン(BS-TPP)またはトリ(ヒドロキシプロイル)ホスフィン(THPP)を含む。いくつかの実施形態において、開裂剤は、4-ジメチルアミノピリジン(4-DMAP)を含む。いくつかの実施形態において、システムにおいて、ヌクレオチド類似体は、3’-デオキシヌクレオチド、2’,3’-ジデオキシヌクレオチド、3’-メチル、3’-アジド、3’-アジドメチル、3’-O-アジドアルキル、3’-O-エチニル、3’-O-アミノアルキル、3’-O-フルオロアルキル、3’-フルオロメチル、3’-ジフルオロメチル、3’-トリフルオロメチル、3’-スルホニル、3’-マロニル、3’-アミノ、3’-O-アミノ、3’-スルフヒドラル、3’-アミノメチル、3’-エチル、3’ブチル、3’-tertブチル、3’-フルオレニルメチルオキシカルボニル、3’tert-ブチルオキシカルボニル、3’-O-アルキルヒドロキシルアミノ基、3’-ホスホロチオート、及び3-O-ベンジル、またはそれらの誘導体からなる群から選択される鎖終結部分を含む。この段落に記載の1つ以上の特性は、本開示に記載の様々な実施形態において、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む任意の鎖終結部分に現れ得る。「鎖終結部分は、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む」という語句は、本開示を通して、この段落に記載の1つ以上の鎖終結部分特性のうちのいずれかを指すために使用される。
【0280】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数のヌクレオチドは、検出可能なレポーター部分、例えば、フルオロフォアを欠く複数のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数のヌクレオチドは、検出可能なレポーター部分で標識された複数のヌクレオチドを含む。検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、ヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、塩基から開裂可能/除去可能であるリンカーによってヌクレオチド塩基に結合する。
【0281】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、塩基上の開裂可能なリンカーは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アリール基、ベンジル基、アジド(azide)基、アミン基、アミド基、ケト基、イソシアネート基、リン酸基、チオ基、ジスルフィド基、炭酸基、尿素基、またはシリル基を含む開裂可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、塩基上の開裂可能なリンカーは、開裂可能な部分を化学薬品、pH変化、光または熱と反応させることによって、塩基から開裂可能/除去可能である。いくつかの実施形態において、開裂可能な部分アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリルは、ピペリジンを有するテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)、または2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾ-キノン(DDQ)を用いて開裂可能である。いくつかの実施形態において、開裂可能な部分アリール及びベンジルは、H2 Pd/Cを用いて開裂可能である。いくつかの実施形態において、開裂可能な部分アミン、アミド、ケト、イソシアネート、リン酸塩、チオ、ジスルフィドは、ホスフィン、またはβ-メルカプトエタノールもしくはジチオトリトール(DTT)を含むチオール基を用いて開裂可能である。いくつかの実施形態において、開裂可能な部分炭酸塩は、MeOH中の炭酸カリウム(K2CO3)、ピリジン中のトリエチルアミン、または酢酸(AcOH)中のZnを用いて開裂可能である。いくつかの実施形態において、開裂可能な部分尿素及びシリルは、テトラブチルアンモニウムフルオリド、ピリジン-HF、フッ化アンモニウム、またはトリエチルアミントリヒドロフルオリドを用いて開裂可能である。
【0282】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、塩基上の開裂可能なリンカーは、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む開裂可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、開裂可能な部分アジド(azide)、アジド(azido)、及びアジドメチル基は、ホスフィン化合物を用いて開裂可能/除去可能である。いくつかの実施形態において、ホスフィン化合物は、誘導体化トリアルキルホスフィン部分または誘導体化トリアリールホスフィン部分を含む。いくつかの実施形態において、ホスフィン化合物は、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)またはビススルホトリフェニルホスフィン(BS-TPP)またはトリ(ヒドロキシプロイル)ホスフィン(THPP)を含む。いくつかの実施形態において、開裂剤は、4-ジメチルアミノピリジン(4-DMAP)を含む。
【0283】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、鎖終結部分(例えば、糖2’及び/または糖3’位)ならびに塩基上の開裂可能なリンカーは、同じまたは異なる開裂可能な部分を有する。いくつかの実施形態において、鎖終結部分(例えば、糖2’及び/または糖3’位)ならびに塩基に連結された検出可能なレポーター部分は、同じ化学薬品を用いて化学的に開裂可能/除去可能である。いくつかの実施形態において、鎖終結部分(例えば、糖2’及び/または糖3’位)及び塩基に連結された検出可能なレポーター部分は、異なる化学薬品を用いて化学的に開裂可能/除去可能である。
【0284】
いくつかの実施形態において、システムは、1つ以上の変異体ポリメラーゼと、核酸二本鎖と、を含み、各々、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上のポリメラーゼ及び核酸二本鎖は、複数の多価分子を更に含む。1つ以上の変異体ポリメラーゼは、核酸二本鎖に結合していても、結合してもしなくてもよい。1つ以上の変異体ポリメラーゼは、多価分子のうちの1つ以上に結合してもしなくてもよい。いくつかの実施形態において、1つまたは変異体ポリメラーゼは、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型を含む核酸二本鎖に結合し、それによって複合ポリメラーゼを形成し、システムは、複数の多価分子を更に含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。
【0285】
本システムのいくつかの実施形態において、複数の多価分子の少なくとも1つの多価分子は、(a)コアと、(b)複数のヌクレオチドアームであって、(i)コア結合部分と、(ii)PEG部分を含むスペーサーと、(iii)リンカーと、(iv)ヌクレオチド単位とを含む、複数のヌクレオチドアームと、を含み、コアは複数のヌクレオチドアームに結合し、スペーサーはリンカーに結合し、リンカーはヌクレオチド単位に結合する。いくつかの実施形態において、ヌクレオチド単位は、塩基、糖、及び少なくとも1つのリン酸基を含み、リンカーは、塩基を介してヌクレオチド単位に結合する。例示的なスペーサーを
図16A(上)に示す。様々な例示的なリンカーを
図16A(下)及び
図16Bに示す。ヌクレオチド単位に連結/結合する様々なリンカーの例を
図17A~17Cに示し、ピリミジン塩基の5位置またはプリン塩基の7位置がプロパルギルアミン結合を介してリンカーに結合する(
図18も参照されたい)。いくつかの実施形態において、コアは、ストレプトアビジン型またはアビジン型部分を含み、コア結合部分は、ビオチンを含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、2~6個のサブユニットを有する脂肪族鎖、または2~6個のサブユニットを有するオリゴエチレングリコール鎖を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、芳香族部分を更に含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、脂肪族鎖またはオリゴエチレングリコール鎖を含み、両方のリンカー鎖は、2~6個のサブユニットを有する。いくつかの実施形態において、リンカーは、芳香族部分も含む。例示的なスペーサーを
図16A(上)に示し、例示的なリンカーを
図16A(下)及び
図16Bに示す。例示的なヌクレオチドアームを
図15Bに示す。例示的な多価分子を、
図14A、14B、及び15Aに示す。いくつかの実施形態において、ヌクレオチド単位は、芳香族塩基、5炭素糖、及び1~10個のリン酸基を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、塩基を介してヌクレオチド単位に結合する。いくつかの実施形態において、コアに結合する複数のヌクレオチドアームは、同じ種類のヌクレオチド単位を有し、ヌクレオチド単位の種類は、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、複数の多価分子は、1つの種類の多価分子を含み、複数の各多価分子は、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される同じ種類のヌクレオチド単位を有する。いくつかの実施形態において、複数の多価分子は、dATP、dGTP、dCTP、dTTP及び/またはdUTPからなる群から選択されるヌクレオチド単位を有する2つ以上の種類の多価分子の任意の組み合わせの混合物を含む。この段落に記載の1つ以上の特性は、本開示に記載の様々な実施形態における任意の例示的な多価分子に現れ得る。この段落に記載される特性は、本開示を通して「多価分子の実施形態」と称される。
【0286】
システムにおけるいくつかの実施形態において、ヌクレオチドアームは、ヌクレオチドアームのヌクレオチド単位が、遊離ヌクレオチドと同様の方法でポリメラーゼ酵素と相互作用することができるように設計される。ヌクレオチドアームのヌクレオチド単位は、核酸鋳型及び核酸プライマー(例えば、ヌクレオチド会合)と複合体化されたポリメラーゼに結合することができる。ヌクレオチド単位はまた、複合ポリメラーゼから解離し、同じ複合ポリメラーゼに再結合するか、または多価分子に近接する異なる複合ポリメラーゼに結合することができる。多価分子は、複数のヌクレオチドアームを含むため、単一の多価分子のヌクレオチド単位は、同時に複数の複合ポリメラーゼに結合することができる。多価分子は、ヌクレオチド結合反応におけるシグナルを増強することができるヌクレオチドの局所濃度を効果的に増加させる。
【0287】
システムにおけるいくつかの実施形態において、多価分子のヌクレオチド単位は、取り込まれることなく、複合ポリメラーゼに結合することができる。いくつかの実施形態において、多価分子の相補的ヌクレオチド単位は、ポリメラーゼ触媒による取り込みを受けることなく、複合ポリメラーゼに結合し、相補的ヌクレオチドが鋳型鎖内の相補的ヌクレオチドと反対側の位置でプライマーの3’末端に結合することができる。
【0288】
システムにおけるいくつかの実施形態において、多価分子のヌクレオチド単位は、複合ポリメラーゼに結合し、(例えば、ポリメラーゼと複合体化された)伸長可能なプライマーの3’末端に取り込むことによってプライマー伸長を受けることができ、プライマー伸長をもたらす。ヌクレオチド単位が糖3’OHを含む場合、その後のヌクレオチドを新生の伸長プライマーに取り込むことができる。ヌクレオチド単位が、ブロック基で置換された糖3’OHを含む場合、その後のヌクレオチドが新生の伸長プライマー鎖に取り込まれるのをブロックする。(多価分子の)ヌクレオチド単位は、鋳型鎖内の相補的ヌクレオチドの反対側にある位置でプライマーの3’末端に結合することができる。ヌクレオチド単位は、ポリメラーゼ触媒による反応においてヌクレオチドの取り込みを受け、それによってプライマーを1つのヌクレオチドだけ伸長することができる。
【0289】
システムにおけるいくつかの実施形態において、多価分子のコア単位は、異なる種類のヌクレオチド単位を担持する異なる多価分子との区別を可能にする方法で、検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)で標識することができる。例えば、第1の多価分子のコア単位は、第1のフルオロフォアで標識され、第1の多価分子は、dGTPヌクレオチド単位を有する複数のヌクレオチドアームを含む。第2の多価分子のコア単位は、(第1のフルオロフォアとは異なる)第2のフルオロフォアで標識され、第2の多価分子は、dATPヌクレオチド単位を有する複数のヌクレオチドアームを含む。ヌクレオチド単位の結合及び取り込み事象を検出することができ、ヌクレオチド単位の特異的塩基(多価分子の一部として)は、コア上の検出可能なレポーター部分の検出及び識別に基づいて識別することができる。
【0290】
システムにおけるいくつかの実施形態において、多価分子のコアは、異なる種類のヌクレオチド単位を担持する異なる多価分子との区別を可能にする方法で、検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)で標識することができる。例えば、第1の多価分子のコアは、第1のフルオロフォアで標識され、第1の多価分子は、dGTPヌクレオチド単位を有する複数のヌクレオチドアームを含む。第2の多価分子のコアは、(第1のフルオロフォアとは異なる)第2のフルオロフォアで標識され、第2の多価分子は、dATPヌクレオチド単位を有する複数のヌクレオチドアームを含む。ヌクレオチド単位の結合及び取り込み事象を検出することができ、ヌクレオチド単位の特異的塩基(多価分子の一部として)は、第1及び第2のコア上の検出可能なレポーター部分の検出及び識別に基づいて識別することができる。
【0291】
システムにおけるいくつかの実施形態において、多価分子のヌクレオチドアームの少なくとも1つのリンカーは、異なる種類のヌクレオチド単位を担持する異なる多価分子との区別を可能にする方法で、検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)で標識することができる。例えば、第1の多価分子の少なくとも1つのリンカーは、第1のフルオロフォアで標識され、第1の多価分子は、dGTPヌクレオチド単位を有する複数のヌクレオチドアームを含む。第2の多価分子の少なくとも1つのリンカーは、(第1のフルオロフォアとは異なる)第2のフルオロフォアで標識され、第2の多価分子は、dATPヌクレオチド単位を有する複数のヌクレオチドアームを含む。ヌクレオチド単位の結合及び取り込み事象を検出することができ、ヌクレオチド単位の特異的塩基(多価分子の一部として)は、第1及び第2のリンカー上の検出可能なレポーター部分の検出及び識別に基づいて識別することができる。
【0292】
システムにおけるいくつかの実施形態において、多価分子のヌクレオチドアームの少なくとも1つのヌクレオチド単位(例えば、ヌクレオ塩基)は、異なる種類のヌクレオチド単位を担持する異なる多価分子との区別を可能にする方法で、検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)で標識することができる。例えば、第1の多価分子の少なくとも1つのヌクレオチド単位は、第1のフルオロフォアで標識され、第1の多価分子は、dGTPヌクレオチド単位を有する複数のヌクレオチドアームを含む。第2の多価分子の少なくとも1つのヌクレオチド単位は、(第1のフルオロフォアとは異なる)第2のフルオロフォアで標識され、第2の多価分子は、dATPヌクレオチド単位を有する複数のヌクレオチドアームを含む。ヌクレオチド単位の結合及び取り込み事象を検出することができ、ヌクレオチド単位の特異的塩基(多価分子の一部として)は、第1及び第2のヌクレオチド単位上の検出可能なレポーター部分の検出及び識別に基づいて識別することができる。
【0293】
システムにおけるいくつかの実施形態において、多価分子のヌクレオチドアームに結合する少なくとも1つのヌクレオチド単位は、異なる種類のヌクレオチド単位を担持する異なる多価分子との区別を可能にする方法で、検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)で標識することができる。例えば、第1の多価分子のヌクレオチド単位は、第1のフルオロフォアで標識され、第1の多価分子は、dGTPヌクレオチド単位を有する複数のヌクレオチドアームを含む。第2の多価分子のヌクレオチド単位は、(第1のフルオロフォアとは異なる)第2のフルオロフォアで標識され、第2の多価分子は、dATPヌクレオチド単位を有する複数のヌクレオチドアームを含む。ヌクレオチド単位の結合及び取り込み事象を検出することができ、ヌクレオチド単位の特異的塩基(多価分子の一部として)は、ヌクレオチド単位上の検出可能なレポーター部分の検出及び識別に基づいて識別することができる。
【0294】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数の多価分子の個々の多価分子は、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、複数のヌクレオチドアームは、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びdUTPからなる群から選択される同じ種類のヌクレオチド単位を有する。
【0295】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数の多価分子の少なくとも1つの多価分子は、1つ、2つ、または3つのリン原子の鎖を有するヌクレオチド単位を含み、その鎖は、典型的には、エステルまたはホスホラミド結合を介して糖部分の5’炭素に結合する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのヌクレオチド単位は、リン原子が介在するO、S、NH、メチレン、またはエチレンと一緒に連結されるリン鎖を有する類似体である。いくつかの実施形態において、鎖内のリン原子は、O、S、またはBH3を含む置換側基を含む。いくつかの実施形態において、鎖は、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホルジチオエート、及びO-メチルホスホロアミダイト基を含む類似体で置換されたホスフェート基(例えば、1~10のリン酸基)を含む。
【0296】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数の多価分子中の個々の多価分子は、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、個々のヌクレオチドアームは、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するヌクレオチド単位を含む。
【0297】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド類似体特性を含むヌクレオチド類似体を含むヌクレオチド単位を含む。
【0298】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するターミネーターヌクレオチド類似体を含むヌクレオチド単位を含む。鎖終結部分は、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合することができる。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0299】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、コアは、検出可能なレポーター部分で標識される。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。所与のコアに結合するフルオロフォアは、ヌクレオチドアームのヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシル)に対応する。
【0300】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、ヌクレオチドアームに結合するヌクレオチド単位を含み、リンカー及び/またはヌクレオチド単位は、検出可能なレポーター部分で標識される。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。所与のリンカーまたはヌクレオチド塩基に結合するフルオロフォアは、ヌクレオチドアームのヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシル)に対応する。
【0301】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、コアは、ストレプトアビジン型またはアビジン型部分を含み、コア結合部分は、ビオチンを含む。いくつかの実施形態において、コアは、アビジンタンパク質、ならびに少なくとも1つのビオチン部分に結合することができる任意の誘導体、類似体、及び他の非天然形態のアビジンを含むストレプトアビジン型またはアビジン型部分を含む。アビジン部分の他の形態としては、天然及び組換えアビジン及びストレプトアビジン、ならびに誘導体化分子、例えば、非グリコシル化アビジン及び切断ストレプトアビジンが挙げられる。例えば、アビジン部分は、アビジンの脱グリコシル化形態、Streptomyces(例えば、Streptomyces avidinii)によって産生される細菌ストレプトアビジン、ならびに誘導体化形態、例えば、N-アシルアビジン、例えば、N-アセチル、N-フタリル、及びN-スクシニルアビジン、ならびに市販の製品ExtrAvidin(商標)、Captavidin(商標)、Neutravidin(商標)、及びNeutralite Avidin(商標)を含む。一般的なコアが複数のヌクレオチドアームにコンジュゲートされる例示的な多価分子を、
図14Aに示す。多価分子の例示的な設計を
図15Aに示し、これは、複数のヌクレオチドアームに結合した(attached)/結合した(bound)コア(例えば、ストレプトアビジンコア)を示し、ヌクレオチドアームは、コア結合部分(例えば、ビオチン)、スペーサー、リンカー、及びヌクレオチド単位を含む。ビオチン、スペーサー、リンカー、及びヌクレオチド単位を含む例示的なビオチン化ヌクレオチドアームを
図15Bに示す。
【0302】
いくつかの実施形態において、システムは、核酸二本鎖に結合した1つ以上の変異体ポリメラーゼを含み、各々、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型を含み、それによって複合ポリメラーゼを形成し、このシステムは、少なくとも1つのカチオンを更に含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのカチオンは、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、カルシウム、リチウム、ニッケル、及びコバルトからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、カチオンは、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込みを促進する触媒二価カチオンを含み、触媒二価カチオンは、マグネシウムまたはマンガンを含む。いくつかの実施形態において、カチオンは、ポリメラーゼ触媒によるヌクレオチドの取り込みを阻害する非触媒二価カチオンを含み、非触媒二価カチオンは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムを含む。
【0303】
いくつかの実施形態において、システムは、核酸二本鎖に結合した1つ以上の変異体ポリメラーゼを含み、各々、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含み、それによって複合ポリメラーゼを形成する。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子は、線形核酸分子、または環状核酸分子、または線形核酸分子と環状核酸分子の両方の混合物を含む。いくつかの実施形態において、複数の核酸鋳型分子中の核酸鋳型分子は、同一の関心対象の標的配列または異なる関心対象の標的配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型は、潜在的特性分子のうちのいずれも、増幅された核酸分子を含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子は、クローン増幅された鋳型分子または単一の核酸鋳型分子を含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子は、関心対象の標的配列の1つのコピーを含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子は、関心対象の標的配列(例えば、コンカテマー)の2つ以上のタンデムコピーを含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子は、少なくとも1つのウリジンヌクレオチドを含むか、またはウリジンヌクレオチドを欠く。いくつかの実施形態において、プライマーは、ヌクレオチド重合のための開始部位を提供する。いくつかの実施形態において、核酸プライマーは、伸長可能な3’末端または伸長不可能な3’末端を含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。
【0304】
システムにおけるいくつかの実施形態において、複合ポリメラーゼは、支持体に固定化され、核酸鋳型、核酸プライマー、及び/またはポリメラーゼのうちのいずれも支持体に固定化される。いくつかの実施形態において、システムは、支持体に固定化された複数の複合ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、約102~1015個の複合ポリメラーゼは、支持体上の異なる部位において支持体に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼは、支持体上の所定の部位(例えば、位置)に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼは、支持体上のランダムな部位(例えば、位置)に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の固定化された複合DNAポリメラーゼは、互いに流体連通して、試薬(例えば、ポリメラーゼ、多価分子、ヌクレオチド、及び/または二価カチオンなどを含む酵素)の溶液を支持体上に流すことを可能にし、その結果、支持体上の複数の固定化された複合ポリメラーゼを超並列方法で試薬の溶液と反応させることができる。
【0305】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、支持体は、平面または非平面の支持体を含む。支持体は、固体または半固体であり得る。いくつかの実施形態において、支持体は、多孔質、半多孔質、または非多孔質であり得る。いくつかの実施形態において、支持体の表面は、1つ以上の化合物でコーティングされ、支持体上に不動態化層を生成することができる。いくつかの実施形態において、不動態化層は、多孔質または半多孔質層を形成する。いくつかの実施形態において、核酸プライマーまたは鋳型、またはポリメラーゼを不動態化層に結合して、プライマー、鋳型、及び/またはポリメラーゼを支持体に固定化することができる。いくつかの実施形態において、支持体は、支持体上の改善された核酸ハイブリダイゼーション及び増幅性能を可能にする低い非特異的結合表面を含む。一般に、支持体は、共有結合または非共有結合している低化学修飾層、例えば、シラン層、ポリマーフィルム、及び複数の核酸鋳型分子を支持体に固定化するために使用することができる1つ以上の共有結合または非共有結合しているオリゴヌクレオチドの1つ以上の層を含み得る。いくつかの実施形態において、支持体は、支持体上の化学基を介して少なくとも支持体の一部に共有結合した官能化ポリマーコーティング層、官能化ポリマーコーティングにグラフトされたプライマー、ならびにプライマー及び官能化ポリマーコーティング上の水溶性保護コーティングを含むことができる。いくつかの実施形態において、官能化ポリマーコーティングは、ポリ(N-(5-アジドアセト-アミジルペンチル)アクリルアミド-co-アクリルアミド(PAZAM)を含む。いくつかの実施形態において、支持体は、少なくとも1つの親水性ポリマーコーティング層、及び複数のオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つの層を有する表面コーティングを含む。親水性ポリマーコーティング層は、ポリエチレングリコール(PEG)を含むことができる。親水性ポリマーコーティング層は、少なくとも4つの分岐を有する分岐PEGを含むことができる。いくつかの実施形態において、低非特異的結合コーティングは、45度以下の水接触角を有する。
【0306】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数の複合DNAポリメラーゼは、第1及び第2の結合複合体、ならびに親和性複合体を形成する多価分子を更に含み、(i)第1の結合複合体が、第1の核酸プライマー、第1のDNAポリメラーゼ、及びコンカテマー鋳型分子の第1の部分に結合し、それによって第1の結合複合体を形成する第1の多価分子を含み、多価分子の第1のヌクレオチド単位が、第1のDNAポリメラーゼに結合し、(ii)第2の結合複合体が、第2の核酸プライマー、第2のDNAポリメラーゼ、及び同じコンカテマー鋳型分子の第2の部分に結合し、それによって第2の結合複合体を形成する第1の多価分子を含み、多価分子の第2のヌクレオチド単位は、第2のDNAポリメラーゼに結合し、同じ多価分子を含む第1及び第2の結合複合体は、親和性複合体を形成する。いくつかの実施形態において、第1のポリメラーゼは、本明細書に記載の任意の野生型または変異体ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、第2のポリメラーゼは、本明細書に記載の任意の野生型または変異体ポリメラーゼを含む。コンカテマー鋳型分子は、関心対象の配列のタンデム反復配列と、少なくとも1つのユニバーサル配列決定プライマー結合部位と、を含む。第1及び第2の核酸プライマーは、コンカテマー鋳型分子に沿って配列決定プライマー結合部位に結合することができる。
【0307】
いくつかの実施形態において、システムにおいて、複数の複合DNAポリメラーゼは、第1及び第2の結合複合体、ならびに親和性複合体を形成する多価分子を更に含み、(i)第1の結合複合体が、第1の核酸プライマー、第1のDNAポリメラーゼ、及び第1の鋳型分子に結合し、それによって第1の結合複合体を形成する第1の多価分子を含み、多価分子の第1のヌクレオチド単位が、第1のDNAポリメラーゼに結合し、(ii)第2の結合複合体が、第2の核酸プライマー、第2のDNAポリメラーゼ、及び第2の鋳型分子に結合し、それによって第2の結合複合体を形成する第1の多価分子を含み、多価分子の第2のヌクレオチド単位は、第2のDNAポリメラーゼに結合し、同じ多価分子を含む第1及び第2の結合複合体は、親和性複合体を形成する。いくつかの実施形態において、第1のポリメラーゼは、本明細書に記載の任意の野生型または変異体ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、第2のポリメラーゼは、本明細書に記載の任意の野生型または変異体ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、第1及び第2の鋳型分子は、クローン増幅された鋳型分子である。いくつかの実施形態において、第1及び第2の鋳型分子は、互いに近接して局在化されている。例えば、クローン増幅された第1及び第2の鋳型分子は、ブリッジ増幅を介して生成され、支持体上の同じ位置または特性に固定化される線形鋳型分子を含む。第1及び第2の鋳型分子は、関心対象の配列と、少なくとも1つのユニバーサル配列決定プライマー結合部位と、を含む。第1及び第2の核酸プライマーは、それぞれ、第1及び第2の鋳型分子上の配列決定プライマー結合部位に結合することができる。
【0308】
いくつかの実施形態において、システムは、(a)1つ以上の変異体ポリメラーゼ、(b)核酸鋳型分子、(c)3’伸長可能な末端または3’伸長不可能な末端を有する核酸プライマー、及び(d)複数のヌクレオチドまたは複数の多価分子を含む反応混合物を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の変異体ポリメラーゼは、核酸鋳型分子に結合していない。いくつかの実施形態において、1つ以上の変異体ポリメラーゼは、核酸プライマーに結合していない。いくつかの実施形態において、1つ以上の変異体ポリメラーゼは、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型を含む核酸二本鎖に結合し、それによって複合ポリメラーゼを形成する。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子は、少なくとも1つのウリジンヌクレオチドを含むか、またはウリジンヌクレオチドを欠く。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、少なくとも1つのウリジンヌクレオチドを含むか、またはウリジンヌクレオチドを欠く。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。
【0309】
いくつかの実施形態において、反応混合物は、(e1)少なくとも1つのヌクレオチドを複合ポリメラーゼに結合させることを可能にするか、または少なくとも1つの多価分子を複合ポリメラーゼに結合させることを可能にするが、非触媒性二価カチオンが、ポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害する、少なくとも1つの非触媒性二価カチオンを更に含む。いくつかの実施形態において、非触媒二価カチオンは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムを含む。
【0310】
いくつかの実施形態において、反応混合物は、(e2)少なくとも1つのヌクレオチドを複合ポリメラーゼに結合させることを可能にするか、または少なくとも1つの多価分子を複合ポリメラーゼに結合させることを可能にする少なくとも1つの触媒二価カチオンを更に含み、触媒二価カチオンは、ポリメラーゼ触媒による取り込みを促進する。いくつかの実施形態において、触媒二価カチオンは、マグネシウム及び/またはマンガンを含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型及び核酸プライマーは、溶液中にある。いくつかの実施形態において、核酸鋳型及び/または核酸プライマーは、支持体に固定化されるか、または支持体上のコーティングに固定化される。
【0311】
システムにおけるいくつかの実施形態において、反応混合物は、ヌクレオチド結合反応(または多価分子結合反応)を行う際に使用するのに好適である。いくつかの実施形態において、反応混合物は、ヌクレオチドの取り込み反応(または多価分子のヌクレオチド単位の取り込み反応)を行う際の使用に好適である。いくつかの実施形態において、反応混合物は、ヌクレオチドが伸長可能なプライマーの3’末端に取り込まれる(または多価分子のヌクレオチド単位が伸長可能なプライマーの3’末端に取り込まれる)プライマー伸長反応を行う際の使用に好適である。
【0312】
いくつかの実施形態において、システムは、少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼを有する複数の複合ポリメラーゼを含み、(a)第1の複合ポリメラーゼは、第1の核酸プライマーにハイブリダイズする第1の核酸鋳型分子を含む第1の核酸二重鎖に結合する第1の変異体ポリメラーゼを含み、(b)第2の複合ポリメラーゼは、第2の核酸プライマーにハイブリダイズする第2の核酸鋳型分子を含む第2の核酸二重鎖に結合する第2の変異体ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、第1及び第2の核酸鋳型分子は、同じまたは異なる配列を含む。いくつかの実施形態において、第1及び第2の核酸鋳型分子は、クローン増幅される。いくつかの実施形態において、第1及び/または第2の核酸鋳型分子は、少なくとも1つのウリジンヌクレオチドを含むか、またはウリジンヌクレオチドを欠く。いくつかの実施形態において、第1及び第2のプライマーは、伸長可能な3’末端または伸長不可能な3’末端を含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。
【0313】
システムにおけるいくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼ(第1及び第2の複合ポリメラーゼを含む)は、支持体に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼの密度は、1mm2当たり約102~1015個の複合ポリメラーゼを含み、これらは、支持体に固定化される。システムにおけるいくつかの実施形態において、第1及び第2の核酸鋳型分子は、支持体上の異なる部位に固定化される。いくつかの実施形態において、支持体は、アレイに配置された複数の部位を含む。いくつかの実施形態において、支持体上の部位は、行または列の一次元に配置されるか、または行及び列の二次元に配置される。いくつかの実施形態において、複数の部位は、ランダムまたは組織化された様式、または両方の組み合わせで支持体上に配置される。いくつかの実施形態において、複数の部位は、直線または六角形のパターンを含む任意のパターンで配置される。いくつかの実施形態において、支持体は、1mm2当たり約102~1015個の部位またはそれ以上を含み、これらは、核酸鋳型で固定化されて、核酸鋳型アレイを形成する。いくつかの実施形態において、複数の部位で固定化された核酸鋳型、例えば、核酸鋳型分子は、1mm2当たり約102~1015個の部位またはそれ以上で固定化され、固定化された核酸鋳型は、クローン増幅されて、複数の部位で固定化された核酸ポロニーを生成する。いくつかの実施形態において、支持体上に固定化された複数の核酸鋳型分子は、互いに流体連通して、試薬(例えば、複数の酵素(例えば、ポリメラーゼ)、複数のヌクレオチド、及び/または複数の多価分子)の溶液を支持体上に流すことを可能にし、その結果、支持体上に固定化された複数の核酸鋳型分子を超並列方法で複数の試薬と反応させることができる。いくつかの実施形態において、支持体上に固定化された複数の核酸ポロニーの流体連通を使用して、ヌクレオチド結合アッセイを実施し、及び/またはヌクレオチドの取り込みアッセイ(例えば、プライマー伸長または配列決定)を本質的に同時に複数の核酸ポロニー上で実施することができる。いくつかの実施形態において、支持体上に固定化された複数の核酸ポロニーの流体連通を使用して、超並列配列決定のための検出及び画像化を実施することができる。いくつかの実施形態において、「固定化された」という用語及び関連用語は、共有結合または非共有結合相互作用を介して支持体に直接結合されるか、または支持体上のコーティングに結合される核酸分子または酵素を指す。いくつかの実施形態において、コーティングは、45度以下の水接触角を有する低非特異的結合コーティングを含む。
【0314】
キット
本開示は、本明細書に記載の変異体ポリメラーゼを含むキットを提供する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。いくつかの実施形態において、キットは、少なくとも1つのカチオンを更に含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのカチオンは、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、カルシウム、リチウム、ニッケル、及びコバルトからなる群から選択される。
【0315】
いくつかの実施形態において、キットは、伸長可能な3’末端または伸長不可能な3’末端を有する複数の核酸プライマーを更に含む。いくつかの実施形態において、プライマーのうちの少なくとも1つは、支持体に固定され得る。いくつかの実施形態において、固定化プライマー(例えば、キャプチャプライマー)を使用して、核酸鋳型にハイブリダイズすることができる。いくつかの実施形態において、プライマーのうちの少なくとも1つは、鋳型分子に付加されたアダプター配列(例えば、ユニバーサルアダプター配列)にハイブリダイズすることができる配列決定プライマーを含む。
【0316】
いくつかの実施形態において、キットは、上記のような複数のヌクレオチド単位を更に含む。
【0317】
いくつかの実施形態において、システムまたはキットにおいて、複数のヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオチドが、1つ、2つ、または3つのリン原子の鎖を含み、その鎖は、典型的には、エステルまたはホスホラミド結合を介して糖部分の5’炭素に結合することができる。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、リン原子が介在するO、S、NH、メチレン、またはエチレンと一緒に連結されるリン鎖を有する類似体である。いくつかの実施形態において、鎖内のリン原子は、O、S、またはBH3を含む置換側基を含む。いくつかの実施形態において、鎖は、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホルジチオエート、及びO-メチルホスホロアミダイト基を含む類似体で置換されたホスフェート基を含む。
【0318】
いくつかの実施形態において、システムまたはキットにおいて、複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、ターミネーターヌクレオチド類似体を含み、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド類似体特性を含む。
【0319】
いくつかの実施形態において、システムまたはキットにおいて、複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するターミネーターヌクレオチド類似体を含む。鎖終結部分は、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合することができる。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0320】
いくつかの実施形態において、システムまたはキットにおいて、複数のヌクレオチドは、検出可能なレポーター部分で標識された複数のヌクレオチドを含むが、検出可能なレポーター部分も欠くことができる。検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、ヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、塩基から開裂可能/除去可能であるリンカーによってヌクレオチド塩基に結合する。
【0321】
いくつかの実施形態において、キットにおいて、鎖終結部分(例えば、糖2’及び/または糖3’位)ならびに塩基上の開裂可能なリンカーは、同じまたは異なる開裂可能な部分を有する。いくつかの実施形態において、鎖終結部分(例えば、糖2’及び/または糖3’位)ならびに塩基に連結された検出可能なレポーター部分は、同じ化学薬品で化学的に開裂可能/除去可能である。いくつかの実施形態において、鎖終結部分(例えば、糖2’及び/または糖3’位)及び塩基に連結された検出可能なレポーター部分は、異なる化学薬品を用いて化学的に開裂可能/除去可能である。
【0322】
本開示は、配列番号1~268または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%同一である、またはより高いレベルの配列同一性であるアミノ酸配列を含む、少なくとも1つの変異体ポリメラーゼを含むキットまたはシステムを提供し、キットは、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、多価分子の実施形態のうちのいずれかを含み得る、複数の多価分子を更に含む。
【0323】
いくつかの実施形態において、システムまたはキットにおいて、複数の多価分子の少なくとも1つの多価分子は、1つ、2つ、または3つのリン原子の鎖を有するヌクレオチド単位を含み、その鎖は、典型的には、エステルまたはホスホラミド結合を介して糖部分の5’炭素に結合する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのヌクレオチド単位は、リン原子が介在するO、S、NH、メチレン、またはエチレンと一緒に連結されるリン鎖を有する類似体である。いくつかの実施形態において、鎖内のリン原子は、O、S、またはBH3を含む置換側基を含む。いくつかの実施形態において、鎖は、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホルジチオエート、及びO-メチルホスホロアミダイト基を含む類似体で置換されたホスフェート基を含む。
【0324】
いくつかの実施形態において、システムまたはキットにおいて、複数の多価分子中の個々の多価分子は、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、個々のヌクレオチドアームは、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するヌクレオチド単位を含む。
【0325】
いくつかの実施形態において、システムまたはキットにおいて、複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド類似体特性を含むターミネーターヌクレオチド類似体を含むヌクレオチド単位を含む。
【0326】
いくつかの実施形態において、システムまたはキットにおいて、複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するターミネーターヌクレオチド類似体を含むヌクレオチド単位を含む。鎖終結部分は、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合することができる。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0327】
いくつかの実施形態において、システムまたはキットにおいて、複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、コアは、検出可能なレポーター部分で標識される。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、キットにおいて、複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、複数のヌクレオチドアームに結合されたコアを含み、多価分子の少なくとも1つのヌクレオチドアームは、検出可能なレポーター部分で標識されるリンカー及び/または塩基を含む。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。
【0328】
いくつかの実施形態において、システムまたはキットにおいて、個々の多価分子は、アビジン様部分を有するコアを含み、コア結合部分は、ビオチンを含む。いくつかの実施形態において、コアは、アビジンタンパク質、ならびに少なくとも1つのビオチン部分に結合することができる任意の誘導体、類似体、及び他の非天然形態のアビジンを含むストレプトアビジン型またはアビジン型部分を含む。アビジン部分の他の形態としては、天然及び組換えアビジン及びストレプトアビジン、ならびに誘導体化分子、例えば、非グリコシル化アビジン及び切断ストレプトアビジンが挙げられる。例えば、アビジン部分は、アビジンの脱グリコシル化形態、Streptomyces(例えば、Streptomyces avidinii)によって産生される細菌ストレプトアビジン、ならびに誘導体化形態、例えば、N-アシルアビジン、例えば、N-アセチル、N-フタリル、及びN-スクシニルアビジン、ならびに市販の製品ExtrAvidin(商標)、Captavidin(商標)、Neutravidin(商標)、及びNeutralite Avidin(商標)を含む。
【0329】
いくつかの実施形態において、システムまたはキットにおいて、少なくとも1つの変異体ポリメラーゼ、カチオン、プライマー、複数のヌクレオチド及び/または複数の多価分子を含む1つ以上の容器を含む。変異体ポリメラーゼ、カチオン、プライマー、及び/または複数のヌクレオチドは、任意の組み合わせで組み合わせることができ、単一の容器に含めることができるか、または別個の容器、もしくはそれらの任意の組み合わせに含めることができる。変異体ポリメラーゼ、カチオン、プライマー、及び/または複数の多価分子は、任意の組み合わせで組み合わせることができ、単一の容器に含めることができ、または別個の容器、もしくはそれらの任意の組み合わせに含めることができる。
【0330】
キットは、ヌクレオチド結合反応、ヌクレオチドの取り込み反応、及び/または複数のヌクレオチドを使用する核酸配列決定反応を行うためのキットの使用説明書を含むことができる。このキットは、多価分子結合反応、多価分子の取り込み反応、及び/または複数の多価分子を使用する核酸配列決定反応を行うためのキットの使用説明書を含むことができる。
【0331】
変異体ポリメラーゼ、ベクター、及び宿主細胞をコードする核酸
本開示は、配列番号2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%同一、またはより高いレベルの配列同一性であるアミノ酸配列を含む、本明細書に記載の変異体ポリメラーゼのうちのいずれかをコードする核酸を提供する。
【0332】
本開示は、配列番号2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%同一、またはより高いレベルの配列同一性であるアミノ酸配列を含む、本明細書に記載の変異体ポリメラーゼのうちのいずれかをコードする、少なくとも1つの核酸(例えば、トランス遺伝子)に作動可能に連結されるベクターを提供する。いくつかの実施形態において、ベクターは、プロモーター配列、エンハンサー、転写及び/または翻訳開始配列、転写及び/または翻訳終結配列、ポリペプチド分泌シグナル配列などを含む少なくとも1つの宿主細胞調節配列を含む。プロモーター配列は、構成的または誘導的プロモーター配列であり得る。いくつかの実施形態において、ベクター内のプロモーター配列は、変異体ポリメラーゼをコードする少なくとも1つの核酸に作動可能に連結されて、宿主細胞による変異体ポリメラーゼの発現を制御し得る。いくつかの実施形態において、ベクターは、発現ベクターを含む。
【0333】
本開示は、配列番号2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%同一、またはより高いレベルの配列同一性であるアミノ酸配列を含む、本明細書に記載の変異体ポリメラーゼのうちのいずれかをコードする、少なくとも1つの核酸(例えば、トランス遺伝子)に作動可能に連結されるベクター(例えば、発現ベクター)を保有する宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態において、ベクターは、変異体ポリメラーゼをコードする少なくとも1つの核酸に作動可能に連結されるプロモーター配列を含み、プロモーター配列は、宿主細胞による変異体ポリメラーゼの発現を制御する。
【0334】
本開示は、複数の宿主細胞を提供し、複数の宿主細胞中の個々の宿主細胞は、配列番号2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%同一またはより高いレベルの配列同一性であるアミノ酸配列を含む、本明細書に記載の変異体ポリメラーゼのうちのいずれかをコードする少なくとも1つの核酸(例えば、トランス遺伝子)に作動可能に連結されるベクター(例えば、発現ベクター)を保有する。いくつかの実施形態において、ベクターは、変異体ポリメラーゼをコードする少なくとも1つの核酸に作動可能に連結されるプロモーター配列を含み、プロモーター配列は、宿主細胞による変異体ポリメラーゼの発現を制御する。
【0335】
方法
本開示は、複数の変異体ポリメラーゼを調製するための方法であって、配列番号2~274または288~375または385~397のうちのいずれかに対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%同一、またはより高いレベルの配列同一性を有する、本明細書に記載の変異体ポリメラーゼのうちのいずれかをコードする少なくとも1つの核酸(例えば、トランス遺伝子)に作動可能に連結されるベクター(例えば、発現ベクター)を保有する、複数の宿主細胞を培養することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、宿主細胞中のベクターは、変異体ポリメラーゼをコードする少なくとも1つの核酸に作動可能に連結されるプロモーター配列を含み、プロモーター配列は、宿主細胞による変異体ポリメラーゼの発現を制御する。いくつかの実施形態において、複数の宿主細胞は、複数の宿主細胞による複数の変異体ポリメラーゼを発現するのに好適な条件下で培養される。いくつかの実施形態において、本方法は、複数の宿主細胞から複数の変異体ポリメラーゼを回収すること(例えば、単離/濃縮すること)を更に含む。
【0336】
修飾ヌクレオチドを核酸鎖に取り込むための組成物及び方法が、本明細書に提供される。ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、鋳型非依存性ポリメラーゼ、逆転写酵素、またはヌクレオチド伸長可能な他の酵素を様々に含む。野生型DNAポリメラーゼは、一般に、糖の3’位への修飾などのある特定の種類のヌクレオチド修飾を許容しない。この特性は、野生型DNAポリメラーゼが、配列決定などの用途のための可逆的または不可逆的ターミネーター(核酸伸長を防ぐ除去可能な化学基)の取り込みを容易にするために、有意に修飾されることを必要とする。修飾されたヌクレオチドを取り込む変異体ポリメラーゼを用いた配列決定する方法が、本明細書に更に提供される。更に、操作されたDNAポリメラーゼの使用は、酵素の耐熱性または酵素がより高い温度で機能する能力を犠牲にすることなく、伸長する核酸鎖に修飾ヌクレオチドを取り込むことができる酵素の開発を可能にする。この特性は、DNAポリメラーゼが、古細菌ポリメラーゼ骨格、より具体的には、好熱性または耐熱性古細菌のDNAポリメラーゼ配列に由来する骨格に基づいて操作される場合、特に増強される。操作されたポリメラーゼは、本明細書に記載の1つ以上のポリメラーゼの形態をとり得る。
【0337】
熱安定性及び/または高忠実度が操作されたDNAポリメラーゼは、等温配列決定または伸長技術において有用であり得る。等温技術は、とりわけ、SDA、LAMP、SMAP、ICAN、SMARTを含み、本明細書に開示される追加の技術を更に含み得る。これらの技術では、伸長反応は、例えば、鎖置換反応を使用して一定温度で進行するか、またはいくつかの追加の例示的な実施形態において、プライミングされた一本鎖鋳型、特にプライミングされた多価鋳型を含むプライミングされた一本鎖鋳型から伸長する。いくつかの実施形態において、操作されたDNAポリメラーゼは、鎖置換能力を有する。増幅依存性の方法では、サンプル、プライマー、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ、及び基質の混合物を一定温度でインキュベートすることによって、単一のステップで等温増幅を完了することができる。これは、必要なステップの数を減らし、熱ランプステップを排除し、各配列決定または伸長サイクルの合計サイクル時間を短縮し、同時に、各サイクルに必要な反応時間を短縮する。増幅を伴わない方法では、等温方法は、温度上昇または主要な構成要素または試薬への追加の熱応力に起因する時間の損失なしに、配列決定サイクル中の新生核酸鎖の結合、検出、及び伸長を可能にする。
【0338】
本開示の方法及び組成物に従って使用することができるDNAポリメラーゼには、ウイルス、細菌、古細菌、及び真核生物のポリメラーゼ、ならびにそれらのホモログ及びオーソログが含まれる。いくつかの実施形態において、DNAポリメラーゼとしては、古細菌DNAポリメラーゼ、例えば、Candidatus altiarchaeales古細菌DNAポリメラーゼ、ならびにそれらのホモログ及びオーソログ、ならびにそれらの操作、変異、及び/または切断されたバリアント、原核生物DNAポリメラーゼ、例えば、Geobacillus stearothermophilusポリメラーゼ(例えば、Bstポリメラーゼ)、ならびにそれらのホモログ及びオーソログ、ならびにそれらの操作、変異、及び/または切断されたバリアント、Sulfolobus shibatae及びSulfolobus solfataricus Dpo4ポリメラーゼ、を含むSulfolobus sp.Dpo4ポリメラーゼ、ならびに関連するYファミリーポリメラーゼ、ならびにそれらのホモログ及びオーソログ、ならびにそれらの操作、変異、及び/または切断されたバリアント、他の熱安定性ポリメラーゼ、例えば、Thermus aquaticus DNAポリメラーゼ、ならびにそれらのホモログ及びオーソログ、ならびにそれらの操作、変異、及び/または切断されたバリアント、Pyrococcus furiosus DNAポリメラーゼ、ならびにそれらのホモログ及びオーソログ、ならびにそれらの操作、変異、及び/または切断されたバリアント、及び/または真核性DNAポリメラーゼ、例えば、Saccharomyces cerevisiae PolBまたはHomo Sapiens PolBまたは他の真核性Xファミリーポリメラーゼ、ならびにそれらのホモログ及びオーソログ、ならびにそれらの操作、変異、及び/または切断されたバリアントが挙げられるが、これらに限定されない。他のDNAポリメラーゼ及び相同またはオーソロガスポリメラーゼは、当該技術分野で既知であり、本開示内で明示的に企図される。
【0339】
増強した耐熱性を有する変異ポリペプチドを含む組成物及び方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、そのような変異ポリペプチドは、ポリメラーゼ活性(例えば、変異核酸ポリメラーゼ)を有する。いくつかの実施形態において、耐熱性は、最も近い野生型酵素、例えば、最も近い野生型酵素配列を含む野生型酵素と比較して、増加したTm、分解に対する耐性、及び/または機能的活性(例えば、ヌクレオチドの取り込み)を高温で維持する能力を含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、最も近い野生型酵素と比較して、約1、2、5、10、15、20、25、または約30℃増加するTmを含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリペプチドは、最も近い野生型酵素と比較して、少なくとも1、2、5、10、15、20、25、または少なくとも30℃増加するTmを含む。変異体ポリメラーゼは、しばしば、最も近い野生型酵素と比較して、少なくとも1~10℃、5~15℃、4~20℃、2~10℃、4~15℃、20~30℃、10~60℃、または25~35℃増加するTm値を含む。いくつかの実施形態において、ポリメラーゼ活性は、kcat、kcat/Km、または所与の期間の取り込まれたヌクレオチドの収率を含む。いくつかの実施形態において、ポリメラーゼ活性は、いくつかの実施形態において、kcat、kcat/Km、または所与の期間の取り込まれた修飾ヌクレオチド、例えば3’-O-アジドメチル修飾ヌクレオチドの収率を含む。いくつかの実施形態において、高温で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用して、より低温で機能する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。例えば、約37℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。いくつかの実施形態において、約42℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。いくつかの実施形態において、約55℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。いくつかの実施形態において、約60℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。いくつかの実施形態において、少なくとも50℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。いくつかの実施形態において、少なくとも60℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。いくつかの実施形態において、37~95℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。いくつかの実施形態において、37~95℃、37~60℃、37~55℃、37~42℃、40~60℃、50~80℃、42~55℃、55~60℃、55~95℃、60~95℃、または40~80℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。いくつかの実施形態において、42~95℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。いくつかの実施形態において、40~80℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。いくつかの実施形態において、37~55℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。いくつかの実施形態において、50~95℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。いくつかの実施形態において、60~95℃で機能する変異体ポリメラーゼは、未修飾ヌクレオチドを利用する最も近い野生型酵素の最適活性の少なくとも99%、98%、95%、90%、85%、または少なくとも80%維持する。
【0340】
いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、少なくとも37℃の温度で機能する最も近い関連野生型配列と比較して増加したkcatを有する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、少なくとも42℃の温度で機能する最も近い関連野生型配列と比較して増加したkcatを有する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、少なくとも55℃の温度で機能する最も近い関連野生型配列と比較して増加したkcatを有する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、少なくとも60℃の温度で機能する最も近い関連野生型配列と比較して増加したkcatを有する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、少なくとも80℃の温度で機能する最も近い関連野生型配列と比較して増加したkcatを有する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、少なくとも90℃の温度で機能する最も近い関連野生型配列と比較して増加したkcatを有する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、37~95℃、37~60℃、37~55℃、37~42℃、40~60℃、50~80℃、42~55℃、55~60℃、55~95℃、60~95℃、または40~80℃の温度で機能する最も近い関連野生型配列と比較して増加したkcatを有する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、37~55℃の温度で機能する最も近い関連野生型配列と比較して増加したkcatを有する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、35~80℃の温度で機能する最も近い関連野生型配列と比較して増加したkcatを有する。
【0341】
例えば、鎖終結部分(例えば、ブロック基/部分)を有する糖2’及び/または3’位で修飾された修飾ヌクレオチドを取り込むための増加した能力を示す酵素に関する変異ポリペプチドを含む組成物及び方法が、本明細書に提供される。例示的な修飾ヌクレオチドには、核酸合成中、当該ヌクレオチド(しばしば「ターミネーター」ヌクレオチドと称される)の取り込み後に、成長する核酸鎖へのそのような追加の(例えば、その後の)ヌクレオチドの取り込みを低減または阻害するための任意の修飾が含まれる。鎖終結部分は、上記の鎖終結部分の実施形態の潜在的特性のうちのいずれかを含み得る。3’修飾または「ターミネーター」ヌクレオチドの他の形態が可能である。いくつかの実施形態において、本開示は、少なくとも1つのヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体が、糖2’または3’位で修飾されていないヌクレオチドである、当該組成物を提供する。
【0342】
いくつかの実施形態において、本開示は、任意の特定の動作順序に関係なく、1)同一の配列の2つ以上の反復を含む標的核酸と、当該標的核酸の1つ以上の領域に相補的な2つ以上のプライマー核酸と、2つ以上のポリメラーゼ分子と、を含む組成物を提供するステップと、2)当該組成物を、当該ポリマー-ヌクレオチドコンジュゲートとステップ(a)の組成物との間に結合複合体を形成するのに十分な条件下で、ポリマー-ヌクレオチドコンジュゲートを含む多価結合組成物と接触させるステップであって、ポリマー-ヌクレオチドコンジュゲートが、ヌクレオチドの2つ以上のコピー及び任意選択的に1つ以上の検出可能な標識を含む、接触させるステップと、3)当該結合複合体を検出し、それによって標的核酸ポリマーにおける当該ヌクレオチドの同一性を確立するステップと、を含む、標的核酸におけるヌクレオチドの同一性を決定する方法における、本明細書に開示される操作されたポリメラーゼバリアントを利用する方法を提供する。いくつかの更なる実施形態において、本開示は、標的核酸がDNAである、及び/または標的核酸が、例えば、ローリングサークル増幅、ブリッジ増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、等温ブリッジ増幅、ローリングサークル多重置換増幅(RCA/MDA)、及び/またはリコンビナーゼベースの複製もしくは増幅方法などの、DNA複製または増幅の任意の一般的に実施される方法によって複製されている、当該方法を提供する。いくつかの更なる実施形態において、本開示は、検出可能な標識が蛍光標識である、及び/または複合体を検出することが蛍光測定を含む、当該方法を提供する。いくつかの更なる実施形態において、本開示は、多価結合組成物が1つの種類のポリマーヌクレオチドコンジュゲートを含み、多価結合組成物が2つ以上の種類のポリマーヌクレオチドコンジュゲートを含む、及び/または2つ以上の種類のポリマーヌクレオチドコンジュゲートの各種類が異なる種類のヌクレオチドを含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、結合複合体がブロックヌクレオチドを更に含み、特にブロックヌクレオチドが3’-O-アジドメチル、3’-O-アルキルヒドロキシルアミノ、または3’-O-メチルヌクレオチドを含む、当該方法を提供する。いくつかの更なる実施形態において、本開示は、接触させることが、ストロンチウムイオン、バリウムイオン、マグネシウムイオン、及び/またはカルシウムイオンの存在下で行われる、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ポリメラーゼ分子が、変異、化学修飾、または必要なイオンもしくは補因子の非存在によって触媒的に不活性にされた場合など、ポリメラーゼ分子が触媒的に不活性である、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示はまた、ポリメラーゼ分子が触媒的に活性である、及び/または結合複合体がブロックされたヌクレオチドを含まない、当該方法も提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、結合複合体が約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1秒を超える持続時間を有する、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、結合複合体が約0.1~0.25秒、もしくは約0.25~0.5秒、もしくは約0.5~0.75秒、もしくは約0.75~1秒、もしくは約1~2秒、もしくは約2~3秒、もしくは約3~4秒、もしくは約4~5秒を超える持続時間を有する、及び/または本方法が15℃以上、20℃以上、25℃以上、35℃以上、37℃以上、42℃以上、55℃以上、60℃以上、もしくは72℃以上、または前述のうちのいずれかによって定義される範囲内で実施されるかまたは実施され得る、当該方法を提供する。結合複合体は、ポリメラーゼ、鋳型分子、プライマー、及び/またはヌクレオチド単位もしくはヌクレオチドのうちのいずれかの間の相互作用の解離を引き起こす条件にさらされるまで安定した状態を保ち得る。例えば、解離条件は、結合複合体を、洗剤、EDTA、及び/または水のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせと接触させることを含む。いくつかの実施形態において、本開示は、結合複合体が、検出ステップにおいて20を超えるコントラストノイズ比を示す表面上に堆積されるか、それに結合するか、またはそれにハイブリダイズされる、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、組成物が極性非プロトン性溶媒を取り込んだ緩衝条件下で堆積される、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、接触させることが、当該ヌクレオチドが当該標的核酸の次の塩基に相補的であるときに当該結合複合体を安定化し、当該ヌクレオチドが当該標的核酸の当該次の塩基に相補的でないときに当該結合複合体を不安定化する条件下で行われる、当該方法を提供する。
【0343】
いくつかの実施形態において、本開示は、当該ポリマーヌクレオチドコンジュゲート(例えば、多価分子)が複数の分岐を有するポリマーを含み、当該第1のヌクレオチドの当該複数のコピーが当該分岐に結合し(
図14A及び14Bならびに15Aを参照)、特に当該第1のポリマーが、星型、櫛型、架橋、ボトルブラシ型、またはデンドリマー構成を有する、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、当該ポリマーヌクレオチドコンジュゲートが、アビジン、ビオチン、親和性タグ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の結合基を含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、(a)の組成物とポリマーヌクレオチドコンジュゲートとの間に形成される当該結合複合体を不安定化して、当該ポリマーヌクレオチドコンジュゲートを除去する解離ステップを更に含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、標的核酸の当該次の塩基に相補的であるヌクレオチドを当該プライマー核酸に取り込むための伸長ステップを更に含み、任意選択的に、伸長ステップが当該解離ステップとしてまたはその後に現在生じる、当該方法を提供する。
【0344】
いくつかの実施形態において、本開示は、ヌクレオチド(例えば、多価分子)の2つ以上の分岐及び2つ以上のコピーを有する分岐ポリマーを含む組成物を提供し、当該ヌクレオチドは、第1の複数の当該分岐またはアームに結合し、任意選択的に、1つ以上の相互作用部分は、第2の複数の当該分岐またはアームに結合する。いくつかの実施形態において、当該組成物は、ポリマー上に1つ以上の標識を更に含み得る。いくつかの実施形態において、本開示は、ヌクレオシドがポリマー当たり少なくとも4つのヌクレオチドの表面密度を有する、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ポリメラーゼ反応中に伸長した核酸鎖への取り込みを防ぐように修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含むか、または取り込む、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、当該組成物は、ポリメラーゼ反応中に伸長した核酸鎖への取り込みを防ぐように可逆的に修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含み得るか、または取り込み得る。いくつかの実施形態において、本開示は、1つ以上の標識が、蛍光標識、FRETドナー、及び/またはFRETアクセプターを含む、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、当該組成物は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16個またはそれ以上の分岐またはアーム、または2、4、8、16、32、64個またはそれ以上の分岐またはアームを含み得る。いくつかの実施形態において、分岐またはアームは、中央部分から放射状に放射し得る。いくつかの実施形態において、当該組成物は、1つ以上の相互作用部分を含み得、その相互作用部分は、アビジンまたはストレプトアビジン、ビオチン部分、親和性タグ、酵素、抗体、ミニボディ、受容体、または他のタンパク質、非タンパク質タグ、金属親和性タグ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、本開示は、ポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ乳酸、またはポリグリコール酸を含む、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体が、リンカーを介して分岐またはアームに結合し、特にリンカーがPEGを含み、PEG部分が約1K、約2K、約3K、約4K、約5K、約10K、約15K、約20K、約50K、約100K、約150K、または約200K、または約200Kを超える平均分子量を有する、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、リンカーがPEGを含み、PEG部分が約5K~約20Kの平均分子量を有する、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、少なくとも1つのヌクレオチドもしくはヌクレオチド類似体が、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオシド、もしくはリボヌクレオシドを含む、及び/またはヌクレオチドもしくはヌクレオチド類似体が、ヌクレオチドもしくはヌクレオチド類似体の5’末端を介してリンカーにコンジュゲートされる、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体のうちの1つが、デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、チミジン、デオキシウリジン、デオキシシチジン、アデノシン、グアノシン、5-メチル-ウリジン、及び/またはシチジンを含み、リンカーの長さが1~1,000nmである、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、少なくとも1つのヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体が、ポリメラーゼ反応または配列決定反応中に伸長を阻害するように修飾されたヌクレオチドであり、例えば、少なくとも1つのヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体が、3’ヒドロキシル基を欠くヌクレオチドであり、3’位にブロック基を含有するように修飾されたヌクレオチド、及び/または3’-O-アジド基、3’-O-アジドメチル基、3’-O-アルキルヒドロキシルアミノ基、3’-ホスホロチオエート基、3’-O-マロニル基、もしくは3’-O-ベンジル基で修飾されたヌクレオチドである、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、少なくとも1つのヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体が、3’位で修飾されていないヌクレオチドである、当該組成物を提供する。
【0345】
いくつかの実施形態において、本開示は、任意の特定の順序に関係なく、1)変異体ポリメラーゼと、鋳型鎖と、鋳型鎖に少なくとも部分的に相補的な相補鎖とを含む核酸分子とを提供するステップと、2)核酸分子を1つ以上の核酸結合組成物と接触させるステップと、3)核酸結合組成物の核酸分子への結合を検出するステップと、4)当該核酸分子の当該相補鎖に取り込まれる末端ヌクレオチドの同一性を決定するステップと、を含む、核酸分子の配列を決定する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、当該末端ヌクレオチドを当該相補鎖に取り込むことと、1つ以上の追加の反復のための当該接触、検出、及び取り込むステップを繰り返し、それによって当該核酸分子の当該鋳型鎖の配列を決定することと、を更に含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、当該核酸分子は、固体支持体に繋留され、特に、固体支持体は、ガラスまたはポリマー基質、少なくとも1つの親水性ポリマーコーティング層、及び少なくとも1つの親水性ポリマーコーティング層に結合した複数のオリゴヌクレオチド分子を含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、少なくとも1つの親水性ポリマーコーティング層がPEGを含み、及び/または少なくとも1つの親水性ポリマー層が少なくとも8つの分岐を有する分岐状親水性ポリマーを含む実施形態を更に含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、複数のオリゴヌクレオチド分子が、少なくとも500個の分子/mm2、少なくとも1,000個の分子/mm2、少なくとも5,000個の分子/mm2、少なくとも10,000個の分子/mm2、少なくとも20,000個の分子/mm2、少なくとも50,000個の分子/mm2、少なくとも100,000個の分子/mm2、または少なくとも500,000個の分子/mm2の表面密度で存在する、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、当該核酸分子が固体支持体上でクローン増幅されている、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、クローン増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、多重置換増幅(MDA)、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列ベース増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、リアルタイムSDA、ブリッジ増幅、等温ブリッジ増幅、ローリングサークル増幅、円-円増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、リコンビナーゼ依存性増幅、一本鎖結合(SSB)タンパク質依存性増幅、またはそれらの任意の組み合わせの使用を含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、1つ以上の核酸結合組成物が、フルオロフォアで標識され、検出するステップが、蛍光画像の使用を含む、ならびに特に蛍光画像が二波長励起/四波長放射蛍光画像を含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、4つの異なる核酸結合組成物であって、各々、異なるヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含む、4つの異なる核酸結合組成物を使用して、末端ヌクレオチドの同一性を決定し、4つの異なる核酸結合組成物は、それぞれ別々のフルオロフォアで標識され、検出するステップは、4つのフルオロフォア全てを励起するのに十分な波長での同時または単一の励起と、それぞれのフルオロフォアを各々検出するのに十分な波長での蛍光発光の画像化とを含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、4つの異なる核酸結合組成物であって、各々、異なるヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含む4つの異なる核酸結合組成物を使用して、末端ヌクレオチドの同一性を決定し、4つの異なる核酸結合組成物は、それぞれ、Cy3または励起もしくは放出特性が類似した染料もしくはフルオロフォア、Cy3.5または励起もしくは放出特性が類似した染料もしくはフルオロフォア、Cy5または励起もしくは放出特性が類似した染料もしくはフルオロフォア、ならびにCy5.5または励起もしくは放出特性が類似した染料もしくはフルオロフォアで標識され、検出するステップは、532nm、568nm、及び633nmの任意の2つでの同時励起、ならびにそれぞれ、約570nm、592nm、670nm、及び702nmでの蛍光放出の画像化を含む、及び/または蛍光画像が二重波長励起/二重波長放出の蛍光画像を含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、4つの異なる核酸結合組成物であって、各々、異なるヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含む、4つの異なる核酸結合組成物を使用して、末端ヌクレオチドの同一性を決定し、1つ、2つ、3つ、または4つの異なる核酸結合組成物は、それぞれ、各々、異なるフルオロフォアまたはフルオロフォアのセットで標識され、検出するステップは、1つ、2つ、3つ、または4つのフルオロフォアまたはフルオロフォアのセットを励起するのに十分な波長での同時または単一の励起と、それぞれのフルオロフォアを各々検出するのに十分な波長での蛍光発光の画像化と、を含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、3つの異なる核酸結合組成物であって、各々、異なるヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含む、3つの異なる核酸結合組成物を使用して、末端ヌクレオチドの同一性を決定し、1つ、2つ、または3つの異なる核酸結合組成物は、それぞれ、各々、異なるフルオロフォアまたはフルオロフォアのセットで標識され、検出するステップは、1つ、2つ、または3つのフルオロフォアまたはフルオロフォアのセットを励起するのに十分な波長での同時の励起と、それぞれのフルオロフォアを各々検出するのに十分な波長での蛍光発光の画像化と、を含み、第4のヌクレオチドの検出が、「暗い」または非標識スポットまたは標的ヌクレオチドの位置を参照して決定されるか、または決定可能である、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、多価結合組成物が3つの種類のポリマーヌクレオチドコンジュゲートからなり、3つの種類のポリマーヌクレオチドコンジュゲートの各種類が異なる種類のヌクレオチドを含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、結合複合体の検出が、非結合または溶液媒介性ポリマーヌクレオチドコンジュゲートの不在下で行われる、当該方法を提供する。
【0346】
いくつかの実施形態において、本開示は、4つの異なる核酸結合組成物または3つの異なる核酸結合組成物であって、各々、異なるヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含む、4つの異なる核酸結合組成物または3つの異なる核酸結合組成物を使用して、末端ヌクレオチドの同一性を決定し、4つまたは3つの異なる核酸結合組成物のうちの1つが第1のフルオロフォアで標識され、1つが第2のフルオロフォアで標識され、1つが第1及び第2のフルオロフォアの両方で標識され、ならびに1つが標識されていないかまたは不在であり、検出するステップが第1の励起波長及び第2の励起波長での同時励起を含み、ならびに画像が第1の蛍光放出波長及び第2の蛍光放出波長で得られる、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、第1のフルオロフォアがCy3または励起もしくは放出特性が類似した染料もしくはフルオロフォアであり、第2のフルオロフォアがCy5または励起もしくは放出特性が類似した染料もしくはフルオロフォアであり、第1の励起波長が532nmまたは568nmであり、第2の励起波長が633nmであり、第1の蛍光放出波長が約570nmであり、第2の蛍光放出波長が約670nmである、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、検出ラベルが、単一の励起及び画像化ステップの下で複数の分類を行うことができるように、FRET対の1つ以上の部分を含むことができる、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、接触、検出、ならびに取り込み/伸長ステップを含む配列決定反応サイクルが、30分未満、20分未満、または10分未満で実行される、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、配列決定の実行にわたるベースコール精度の平均Qスコアが、30以上、及び/または40以上である、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、識別された末端ヌクレオチドの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%が、30を超える及び/または40以上のQスコアを有する、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、本明細書において識別される末端ヌクレオチドの少なくとも95%が、30を超えるQスコアを有する、当該方法を提供する。
【0347】
いくつかの実施形態において、本開示は、任意選択的に、本明細書において開示される操作されたポリメラーゼバリアント、本明細書において開示される1つ以上の核酸結合組成物を含む試薬、及び緩衝液を提供する。例えば、いくつかの実施形態において、本開示は、試薬を提供し、当該試薬は、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の核酸結合組成物を含み、各核酸結合組成物は、単一の種類のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、本開示の試薬は、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の核酸結合組成物を含み、各核酸結合組成物は、単一の種類のヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含み、当該ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体は、それぞれ、ATP、ADP、AMP、dATP、dADP、及びdAMPからなる群からの1つ以上、TTP、TDP、TMP、dTTP、dTDP、dTMP、UTP、UDP、UMP、dUTP、dUDP、及びdUMPからなる群からの1つ以上、CTP、CDP、CMP、dCTP、dCDP、及びdCMPからなる群からの1つ以上、ならびにGTP、GDP、GMP、dGTP、dGDP、及びdGMPからなる群からの1つ以上に対応し得る。いくつかの他の例またはいくつかの更なる例では、本開示は、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の核酸結合組成物を含むか、または更に含む試薬を提供し、各核酸結合組成物は、単一の種類のヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含み、当該ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体は、それぞれ、ATP、ADP、AMP、dATP、dADP、dAMP、TTP、TDP、TMP、dTTP、dTDP、dTMP、UTP、UDP、UMP、dUTP、dUDP、dUMP、CTP、CDP、CMP、dCTP、dCDP、dCMP、GTP、GDP、GMP、dGTP、dGDP、及びdGMPからなる群からなる1つ以上に対応し得る。
【0348】
いくつかの実施形態において、本開示は、本明細書において開示されるポリメラーゼバリアント、本明細書において開示される核酸結合組成物、及び/または本明細書において開示される試薬を含む、本明細書において開示される方法(複数可)を実施するためのシステムを提供する。いくつかの実施形態において、システムは、当該繋留された核酸分子と当該核酸結合組成物及び/または当該試薬との連続的な接触を繰り返し実行するように、ならびに1つ以上の核酸分子への核酸結合組成物の結合の検出のために構成される。
【0349】
いくつかの実施形態において、本開示は、本明細書に開示される操作されたポリメラーゼバリアントを含み、粒子を更に含み、当該粒子は、複数の酵素またはタンパク質結合基質を含み、酵素またはタンパク質結合基質は、1つ以上の酵素またはタンパク質と結合して、1つ以上の結合複合体を形成し、当該結合は、1つ以上の結合複合体の位置、存在、または持続性の観察によってモニタリングまたは識別され得る、組成物を提供する。いくつかの実施形態において、当該粒子は、ポリマー、分岐ポリマー、デンドリマー、リポソーム、ミセル、ナノ粒子、または量子ドットを含み得る。いくつかの実施形態において、当該基質は、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ヌクレオチド類似体、またはヌクレオシド類似体を含み得る。いくつかの実施形態において、酵素またはタンパク質結合基質は、ポリメラーゼと結合することができる薬剤を含み得る。いくつかの実施形態において、酵素またはタンパク質は、ポリメラーゼ、特に本明細書に開示されるような操作されたポリメラーゼバリアントを含み得る。いくつかの実施形態において、1つ以上の結合複合体の位置、存在、または持続性の当該観察は、蛍光検出を含み得る。いくつかの実施形態において、本開示は、本明細書において開示されるような複数の異なる粒子を含む組成物を提供し、各粒子は、単一の種類のヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体を含み、各ヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体は、検出可能に異なる放射または励起波長の蛍光標識と会合する。いくつかの実施形態において、本開示は、粒子上に1つ以上の標識を更に含む、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体が少なくとも4個のヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体の表面密度を有する、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体が、1μm2当たり0.001~1,000,000、1μm2当たり0.01~1,000,000、1μm2当たり0.1~1,000,000、1μm2当たり1~1,000,000、1μm2当たり10~1,000,000、1μm2当たり100~1,000,000、1μm2当たり1,000~1,000,000、1μm2当たり1,000~100,000、1μm2当たり10,000~100,000、または1μm2当たり50,000~100,000、または前述の値のうちの任意の2つによって定義される範囲内の表面密度を有する、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体がヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体内に存在する、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、組成物が、ポリメラーゼ反応中に伸長した核酸鎖への取り込みを防ぐように修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含むか、または取り込む、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、組成物が、ポリメラーゼ反応中に伸長核酸鎖への取り込みを防ぐように可逆的に修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含むか、または取り込む、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、1つ以上の標識が、蛍光標識、FRETドナー、及び/またはFRETアクセプターを含む、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、基質がリンカーを介して粒子に結合する、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、少なくとも1つのヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体が、ポリメラーゼ反応または配列決定反応中に伸長を阻害するように修飾されたヌクレオチド、例えば、3’ヒドロキシル基を欠くヌクレオチド、3’位にブロック基を含有するように修飾されたヌクレオチド、3’-O-アジド基、3’-O-アジドメチル基、3’-O-アルキルヒドロキシルアミノ基、3’-ホスホロチオエート基、3’-O-マロニル基、もしくは3’-O-ベンジル基で修飾されていないヌクレオチド、及び/または3’位で修飾されていないヌクレオチドである、当該組成物を提供する。
【0350】
いくつかの実施形態において、本開示は、順序に関係なく、1)鋳型鎖及び鋳型鎖に少なくとも部分的に相補的な相補鎖を含む核酸分子を提供するステップと、2)本明細書に開示される操作されたポリメラーゼバリアントと、1つ以上の核酸結合組成物とを接触させるステップと、3)核酸結合組成物の核酸分子への結合を検出するステップと、4)当該核酸分子の当該相補鎖に取り込まれる末端ヌクレオチドの同一性を決定するステップと、を含む、核酸分子の配列を決定する方法を提供する。いくつかの実施形態において、当該方法は、当該末端ヌクレオチドを当該相補鎖に取り込むことと、1つ以上の追加の反復のための当該接触、検出、及び取り込むステップを繰り返し、それによって当該核酸分子の当該鋳型鎖の配列を決定することと、を更に含み得る。いくつかの実施形態において、本開示は、当該核酸分子が固体支持体上でクローン増幅されている、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、クローン増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、多重置換増幅(MDA)、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列ベース増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、リアルタイムSDA、ブリッジ増幅、等温ブリッジ増幅、ローリングサークル増幅、円-円増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、リコンビナーゼ依存性増幅、一本鎖結合(SSB)タンパク質依存性増幅、またはそれらの任意の組み合わせの使用を含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、接触、検出、及び取り込みステップを含む配列決定反応サイクルが、30分未満、20分未満、または10分未満で実行される、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、配列決定の実行にわたるベースコール精度の平均Qスコアが、30以上、または40以上である、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、識別された末端ヌクレオチドの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%が、30を超える、または40を超えるQスコアを有する、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、識別された末端ヌクレオチドの少なくとも95%が、30を超えるQスコアを有する、当該方法を提供する。
【0351】
いくつかの実施形態において、本開示は、本明細書に開示される1つ以上の操作されたポリメラーゼバリアントと、任意選択的に、本明細書に開示される1つ以上の多価核酸結合組成物と、を含む試薬を提供する。
【0352】
いくつかの実施形態において、本開示は、本明細書に開示される組成物のうちのいずれか、及び/または本明細書に開示される試薬のうちのいずれか、1つ以上の緩衝液、ならびにそれらの使用説明書を含むキットを提供する。
【0353】
いくつかの実施形態において、本開示は、表面に結合した、または表面と会合した標識核酸複合体のコントラストノイズ比(CNR)を増加させるのに使用するための、本明細書に開示される組成物または試薬を提供する。
【0354】
いくつかの実施形態において、本開示は、表面に結合した、または表面と会合した標識核酸複合体からのシグナルの持続時間の制御を確立または維持するのに使用するための、本明細書に開示される組成物または試薬を提供する。
【0355】
いくつかの実施形態において、本開示は、表面に結合した、または表面と会合した標識核酸複合体からの蛍光、発光、電気、電気化学、比色、放射性、磁気、または電磁シグナルの持続時間の制御を確立または維持するのに使用するための、本明細書に開示される組成物または試薬を提供する。
【0356】
いくつかの実施形態において、本開示は、核酸配列決定及び/または遺伝子型決定アプリケーションの特異性、精度、または読み取り長さを増加させるために、または結合、合成による配列決定、単一分子配列決定、もしくはアンサンブル配列決定方法によって使用するために、本明細書に開示される組成物または試薬を提供する。
【0357】
本明細書に開示される標的核酸の配列を決定する方法は、a)配列決定される鋳型鎖及び伸長されるプライマー鎖を含む二本鎖または部分的に二本鎖の標的核酸分子を、開示される核酸結合組成物のうちの1つ以上及び操作されたポリメラーゼバリアントのうちの1つ以上と接触させることと、b)核酸結合組成物の核酸分子への結合を検出し、それによって当該核酸分子上の当該1つ以上の核酸結合組成物のうちの1つの存在及び相補鎖に取り込まれる次のヌクレオチド(すなわち、N+1または末端ヌクレオチド)の同一性を決定することと、を含む。
【0358】
配列決定方法は、N+1または末端ヌクレオチドをプライマー鎖に取り込むことと、次いで、1つ以上の追加の反復のための接触、検出、及び取り込むステップを繰り返し、それによって核酸分子の鋳型鎖の配列を決定することとを更に含み得る。三元結合複合体を検出するステップの後、プライミングされた標的核酸のプライミングされた鎖を1つの塩基に対して伸長してから、別のラウンドの分析を行う。プライミングされた標的核酸は、多価結合組成物中のポリマーに結合しているコンジュゲートしたヌクレオチドを使用して、または多価結合組成物が除去された後に提供される非コンジュゲートもしくは非繋留の遊離ヌクレオチドを使用して伸長され得る。
【0359】
プライミングされた標的核酸の伸長は、鎖上のブロックされたヌクレオチド(例えば、3’ブロックされたヌクレオチド)または触媒不活性であるポリメラーゼの使用に起因して、防止または阻害され得る。ポリマーヌクレオチドコンジュゲート中のヌクレオチドが、核酸の伸長を防ぐブロック基を有する場合、ヌクレオチドの取り込みは、ブロック基を当該ヌクレオチドから除去することによって(例えば、当該ヌクレオチドをそのポリマー、分岐ポリマー、デンドリマー、粒子などから分離することによって)達成され得る。プライミングされた標的核酸の伸長が、触媒的に不活性であるポリメラーゼの使用のために阻害される場合、ヌクレオチドの取り込みは、金属イオンなどの補因子または活性化剤の提供によって達成され得る。
【0360】
三元複合体の検出は、ヌクレオチド残基の取り込みの前、同時に、または取り込まれた後に達成される。いくつかの実施形態において、プライミングされた標的核酸は、ポリメラーゼ及び/または核酸結合部分の結合のための複数のプライミングされた位置を有する標的核酸を含み得る。いくつかの実施形態において、複数のポリメラーゼは、例えば標的核酸分子内の複数の部位において、単一の標的核酸分子に結合し得る。いくつかの実施形態において、複数のポリメラーゼは、複数のヌクレオチドを含む本明細書に開示される多価結合組成物に結合し得る。いくつかの実施形態において、標的核酸分子は、同一の配列の複数のコピーを含む核酸分子を生成するために、鎖置換合成、ローリングサークル増幅、クエリ配列の複数のコピーの連結もしくは融合、または当該技術分野で既知であるか、または本明細書の他の場所に開示される他のそのような方法の生成物であり得る。したがって、いくつかの実施形態において、複数のポリメラーゼは、クエリ配列の複数の同一または実質的に同一のコピーを含む標的核酸内の複数の同一または実質的に同一の位置で結合し得る。いくつかの実施形態において、当該複数のポリメラーゼは、次いで、1つ以上の多価結合複合体との相互作用に関与し得るが、いくつかの実施形態において、標的核酸内の結合部位の数は、少なくとも2つであり、ならびにポリマーヌクレオチドコンジュゲートなどの粒子ヌクレオチドコンジュゲート上に存在するヌクレオチドまたは基質部分の数もまた、2以上である。
【0361】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物及び方法は、合成及び/または配列決定反応中の新生核酸鎖の伸長に使用され得る操作されたポリメラーゼバリアント、ならびに配列決定反応中の1つ以上の塩基の検出に使用され得る操作されたポリメラーゼバリアントを提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、3’修飾ヌクレオチドを伸長する核酸鎖に取り込むこと、新生核酸鎖を伸長すること、及び/または伸長する核酸鎖内の特定の塩基を検出または識別することにおける、開示されたポリメラーゼバリアントの使用を提供する。
【0362】
多価結合組成物を他の要素と組み合わせて提供して、例えば、核酸配列中の特定の位置でヌクレオチドの識別を提供するために、最適化されたシグナルを提供することが有利であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、低バックグラウンド結合または低レベルのタンパク質結合、特に親水性またはポリマーコーティングされた表面を提供する表面と組み合わせて提供される。代表的な表面は、例えば、2019年3月25日に出願された米国特許出願第16/363,842号に見出すことができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0363】
いくつかの実施形態において、核酸分子は、例えば、鋳型鎖のアダプター核酸配列または固体支持体に繋留されているプライマー核酸配列へのハイブリダイゼーションによって、固体支持体の表面に繋留されている。いくつかの実施形態において、固体支持体は、ガラス、融着シリカ、シリコン、またはポリマー基質を含む。いくつかの実施形態において、固体支持体は、1つ以上の親水性ポリマー層(例えば、PEG層)を含む低非特異性結合コーティングを含み、親水性ポリマー層のうちの少なくとも1つは、分岐ポリマー分子(例えば、4、8、16、または32個の分岐を含む分岐PEG分子)を含む。いくつかの実施形態において、低非特異的結合コーティングは、45度以下の水接触角を有する。
【0364】
固体支持体は、1μm2当たり約1,000プライマー分子から1μm2当たり約1,000,000プライマー分子の範囲の表面密度で、少なくとも1つの親水性ポリマー層に繋留されたオリゴヌクレオチドアダプターまたはプライマーを含む。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドプライマーの表面密度は、1μm2当たり少なくとも1,000、少なくとも10,000、少なくとも100,000、少なくとも1,000,000分子であり得る。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドプライマーの表面密度は、1μm2当たり最大1,000,000、最大100,000、最大10,000、または最大1,000分子であり得る。この段落に記載の下限値及び上限値のうちのいずれかを組み合わせて、本開示に含まれる範囲を形成され得、例えば、いくつかの実施形態において、プライマーの表面密度は、1μm2当たり約10,000個の分子から1μm2当たり約100,000個の分子の範囲であり得る。当業者は、プライマー分子の表面密度が、この範囲内の任意の値、例えば、1μm2当たり約455,000分子を有し得ることを認識するであろう。
【0365】
当業者は、一連の反復配列決定反応において、時折、1つ以上の部位が所与のサイクル中にヌクレオチドを取り込むことができず、したがって、1つ以上の部位が伸長する核酸鎖の大部分と同期化されないことを認識するであろう。配列決定シグナルが標的核酸の単一のコピーで生じる反応に由来する条件下では、これらの取り込みの失敗は、出力配列に別個のエラーをもたらす。本開示の目的は、配列決定反応におけるこのタイプのエラーを低減するための方法を提供することである。更なる例については、三元ポリメラーゼ複合体の早期解離時に再結合の増加した確率を提供することによって、伸長する鎖に取り込むことが可能な多価基質の使用は、塩基が取り込まれていない「スキップ」サイクルの頻度を低減することができる。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、単独で、または本明細書に開示される多価基質と組み合わせて、本明細書に開示される操作されたポリメラーゼバリアントの使用を企図する。本開示は、本明細書に開示される1つ以上の操作されたポリメラーゼバリアントと、ヌクレオシド部分が遊離または可逆的に修飾された5’リン酸塩、二リン酸塩、または三リン酸塩部分を有するヌクレオチド内に含まれ、ヌクレオチドが不安定または開裂可能な結合を介して本明細書に開示される粒子またはポリマーに接続される1つ以上の多価結合基質と、を含む実施形態を明示的に企図する。いくつかの実施形態において、本開示は、本明細書に開示される操作されたポリメラーゼバリアント及び/または多価基質の使用の結果としてのスキップされた取り込みによる固有のエラー率の低減を企図する。
【0366】
本開示はまた、所与の配列からの、またはそれに関連する配列決定シグナルが、標的配列の複数のコピーを含有する定義可能な領域に由来する、またはそれに由来する配列決定反応も企図する。標的配列の複数のコピーを取り込む配列決定方法は、定義された領域内に複数の同時配列決定反応の存在によりシグナルを増幅することができ、各々が独自のシグナルを提供するという利点を有する。定義された領域内の複数の信号の存在はまた、多数の正しいベースコールからの信号が少数のスキップされたまたは誤ったベースコールからの信号を圧倒することができるという事実によって、任意の単一のスキップされたサイクルの影響も低減させる。本開示は、以前のサイクルでスキップされ得る部位での取り込みを提供するために、伸長反応中、または伸長サイクルの別個の部分中に、遊離非標識ヌクレオチドを含めることを更に企図する。例えば、取り込みサイクルの間、またはその後に、非標識ブロックヌクレオチドは、それらがスキップされた部位に取り込まれ得るように添加され得る。非標識ブロックヌクレオチドは、特定のサイクル中に存在する、または存在していた多価結合基質(複数可)に結合するヌクレオチドと同じ種類(複数可)であり得るか、または、1、2、3、4またはそれよりも多くの種類の非標識ブロックヌクレオチドの混合物が、含まれ得る。
【0367】
各配列決定サイクルが完全に進行すると、定義された領域内の各反応は、同一のシグナルを提供する。しかしながら、本明細書の他の箇所に記載されるように、一連の反復配列決定反応では、時折、1つ以上の部位が所与のサイクル中にヌクレオチドを取り込むことができず、したがって、1つ以上の部位が伸長する核酸鎖の大部分と同期化されない。「位相する」と称されるこの問題は、シグナルが1つ以上のサイクルをスキップした部位からのスプリアスシグナルで汚染されると、配列決定シグナルの分解をもたらす。これは、同様に、ベース識別における誤りの可能性を生じさせる。複数のサイクルを通るスキップされたサイクルの進行性劣化はまた、各サイクルによる配列決定シグナルの進行性劣化によって、有効な読み取りの長さを低減させる。位相エラーを低減させるための方法、及び/または配列決定反応における読み取りの長さを改善するための方法を提供することが、本開示の更なる目的である。
【0368】
配列決定方法は、標的配列の複数の連結または非連結コピーを含む標的核酸または複数の標的核酸を、本明細書に記載の多価結合組成物と接触させることを含むことができる。当該標的核酸、または標的配列の複数の連結または非連結コピーを含む複数の標的核酸を、1つ以上の粒子-ヌクレオチドコンジュゲートと接触させることは、所与の配列決定サイクルでイントロゲートする正しいヌクレオチドの実質的に増加した局所濃度を提供し得、したがって、不適切な取り込みまたは位相した核酸鎖(すなわち、1つ以上のスキップされたサイクルを有した伸長する核酸鎖)からのシグナルを抑制し得る。
【0369】
核酸配列情報を得る方法は、当該鋳型核酸または複数の標的核酸が、標的配列の複数の連結または非連結コピーを含む標的核酸または複数の標的核酸を、1つ以上の粒子ヌクレオチドコンジュゲートと接触させることを含むことができる。いくつかの実施形態において、この方法は、遊離ヌクレオチド、標識された遊離ヌクレオチド、タンパク質もしくはペプチドに結合したヌクレオチド、または標識されたタンパク質もしくはペプチドに結合したヌクレオチドを含む一価リガンドを使用して観察される平均読み取りの長さと比較して、5%、10%、15%、20%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、300%、またはそれ以上の平均読み取りの長さの増加をもたらす。いくつかの実施形態において、この方法は、野生型ポリメラーゼまたは現在利用可能なポリメラーゼバリアント、遊離ヌクレオチド、標識された遊離ヌクレオチド、タンパク質もしくはペプチド結合ヌクレオチド、または標識されたタンパク質もしくはペプチド結合ヌクレオチドを含む一価リガンドを使用して観察される平均読み取りの長さと比較して、10NT、20NT、25NT、30NT、50NT、75NT、100NT、125NT、150NT、200NT、250NT、300NT、350NT、400NT、500NT、またはそれ以上の平均読み取りの長さの増加をもたらす。
【0370】
核酸配列情報を得る方法は、当該標的核酸または複数の標的核酸が、標的配列の複数の連結または非連結コピーを含む標的核酸または複数の標的核酸を、1つ以上の操作されたポリメラーゼバリアントと、任意選択的に1つ以上の粒子ヌクレオチドコンジュゲートと接触させることを含むことができる。この方法は、塩基の誤認、存在しない塩基の報告、または正しい塩基の報告が行われないことの減少によって示されるように、配列決定のエラー率の減少をもたらす。いくつかの実施形態において、当該配列決定のエラー率の減少は、野生型酵素もしくは現在利用可能な酵素、または遊離ヌクレオチド、標識された遊離ヌクレオチド、タンパク質もしくはペプチド結合ヌクレオチド、または標識されたタンパク質もしくはペプチド結合ヌクレオチドを含む一価リガンドを使用して観察されるエラー率と比較して、5%、10%、15%、20% 25%、50%、75%、100%、150%、200%、またはそれ以上の減少を含み得る。
【0371】
配列決定のための操作されたポリメラーゼバリアントの使用は、より正確な塩基読み出しを提供する。核酸配列決定のための開示される組成物及び方法は、約20~約50の範囲の配列決定の実行にわたる塩基読み出し精度の平均Qスコアを提供する。いくつかの実施形態において、平均Qスコアは、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、または少なくとも50である。当業者は、平均Qスコアがこの範囲内、例えば、約32の任意の値を有し得ることを認識するであろう。
【0372】
いくつかの実施形態において、核酸配列決定のための開示される組成物及び方法は、識別される末端(またはN+1)ヌクレオチドの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%に対して30を超えるQスコアを提供する。いくつかの実施形態において、核酸配列決定のための開示される組成物及び方法は、識別される末端(またはN+1)ヌクレオチドの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%に対して35を超えるQスコアを提供する。いくつかの実施形態において、核酸配列決定のための開示される組成物及び方法は、識別される末端(またはN+1)ヌクレオチドの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%に対して40を超えるQスコアを提供する。いくつかの実施形態において、核酸配列決定のための開示される組成物及び方法は、識別される末端(またはN+1)ヌクレオチドの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%に対して45を超えるQスコアを提供する。いくつかの実施形態において、核酸配列決定のための開示される組成物及び方法は、識別される末端(またはN+1)ヌクレオチドの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%に対して50を超えるQスコアを提供する。
【0373】
開示される低非特異的結合支持体及び関連する核酸ハイブリダイゼーション及び増幅方法は、当業者に既知の様々な異なる細胞、組織、または試料タイプのうちのいずれかに由来する核酸分子の分析に使用され得る。例えば、核酸は、真核生物(動物、植物、真菌、原生生物など)、古細菌、または真正細菌に由来する、細胞または1つ以上の種類の細胞を含む組織試料から抽出され得る。場合によっては、核酸は、原核細胞、または接着性もしくは非接着性真核細胞などの真核細胞から抽出され得る。核酸は、例えば、一次または不死化齧歯類、ブタ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、霊長類、またはヒト細胞株から様々に抽出される。核酸は、様々な異なる細胞、臓器、または組織タイプ(例えば、白血球、赤血球、血小板、上皮細胞、内皮細胞、ニューロン、グリア細胞、星状細胞、線維芽細胞、骨格筋細胞、平滑筋細胞、配偶子、または心臓、肺、脳、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、胸腺、膀胱、胃、結腸、もしくは小腸からの細胞)のうちのいずれかから抽出され得る。核酸は、正常または健康な細胞から抽出され得る。代替的にまたは組み合わせて、酸は、がん細胞などの疾患のある細胞から、または宿主に感染している病原性細胞から抽出される。いくつかの核酸は、細胞型の異なるサブセット、例えば、免疫細胞(T細胞、細胞傷害性(キラー)T細胞、ヘルパーT細胞、アルファベータT細胞、ガンマデルタT細胞、T細胞前駆細胞、B細胞、B細胞前駆細胞、リンパ球幹細胞、骨髄前駆細胞、リンパ球、顆粒球、ナチュラルキラー細胞、形質細胞、記憶細胞、好中球、好酸球、好塩基球、肥満細胞、単球、樹状細胞、及び/またはマクロファージ、またはそれらの任意の組み合わせ)、未分化ヒト幹細胞、分化誘導されたヒト幹細胞、希少細胞(例えば、循環腫瘍細胞(CTC)、循環上皮細胞、循環内皮細胞、循環子宮内膜細胞、骨髄細胞、前駆細胞、泡沫細胞、間葉細胞、またはトロホブラスト)から抽出され得る。他の細胞が、企図され、本明細書の開示と一致する。
【0374】
いくつかの実施形態において、本開示は、任意の特定の動作順序に関係なく、1)同一の配列の2つ以上の反復を含む標的核酸と、当該標的核酸の1つ以上の領域に相補的な2つ以上のプライマー核酸と、2つ以上のポリメラーゼ分子と、を含む組成物を提供するステップであって、当該ポリメラーゼ分子が、本明細書に開示されるような1つ以上の操作されたポリメラーゼバリアントを含み得る、提供するステップと、2)当該組成物を、ポリマー-ヌクレオチドコンジュゲートとステップ(a)の組成物との間に結合複合体を形成するのに十分な条件下で、当該ポリマー-ヌクレオチドコンジュゲートを含む多価結合組成物と接触させるステップであって、ポリマー-ヌクレオチドコンジュゲートが、ヌクレオチドの2つ以上のコピー及び任意選択的に1つ以上の検出可能な標識を含む、接触させるステップと、3)当該結合複合体を検出し、それによって標的核酸ポリマーにおける当該ヌクレオチドの同一性を確立するステップと、を含む、標的核酸におけるヌクレオチドの同一性を決定する方法を提供する。いくつかの更なる実施形態において、本開示は、標的核酸がDNAである、及び/または標的核酸が、例えば、ローリングサークル増幅、ブリッジ増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、等温ブリッジ増幅、ローリングサークル多重置換増幅(RCA/MDA)、及び/またはリコンビナーゼベースの複製もしくは増幅方法などの、DNA複製または増幅の任意の一般的に実施される方法によって複製されている、当該方法を提供する。いくつかの更なる実施形態において、本開示は、検出可能な標識が蛍光標識である、及び/または複合体を検出することが蛍光測定を含む、当該方法を提供する。いくつかの更なる実施形態において、本開示は、多価結合組成物が1つの種類のポリマーヌクレオチドコンジュゲートを含み、多価結合組成物が2つ以上の種類のポリマーヌクレオチドコンジュゲートを含む、及び/または2つ以上の種類のポリマーヌクレオチドコンジュゲートの各種類が異なる種類のヌクレオチドを含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、結合複合体がブロックヌクレオチドを更に含み、特にブロックヌクレオチドが3’-O-アジドメチル、3’-O-アルキルヒドロキシルアミノ、または3’-O-メチルヌクレオチドである、当該方法を提供する。いくつかの更なる実施形態において、本開示は、接触させることが、ストロンチウムイオン、バリウムイオン、マグネシウムイオン、及び/またはカルシウムイオンの存在下で行われる、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ポリメラーゼ分子が、変異、化学修飾、または必要なイオンもしくは補因子の非存在によって触媒的に不活性にされた場合など、ポリメラーゼ分子が触媒的に不活性である、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示はまた、ポリメラーゼ分子が触媒的に活性である、及び/または結合複合体がブロックされたヌクレオチドを含まない、当該方法も提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、結合複合体が約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、もしくは2秒を超える持続時間を有する、及び/または本方法が15℃以上、20℃以上、25℃以上、35℃以上、37℃以上、42℃以上、55℃以上、60℃以上、もしくは72℃以上、または前述のうちのいずれかによって定義される範囲内で実施されるか、または実施され得る、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、結合複合体が、検出ステップにおいて20を超えるコントラストノイズ比を示す表面上に堆積されるか、それに結合するか、またはそれにハイブリダイズされる、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、組成物が極性非プロトン性溶媒を取り込んだ緩衝条件下で堆積される、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、接触させることが、当該ヌクレオチドが当該標的核酸の次の塩基に相補的であるときに当該結合複合体を安定化し、当該ヌクレオチドが当該標的核酸の当該次の塩基に相補的でないときに当該結合複合体を不安定化する条件下で行われる、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、当該ポリマーヌクレオチドコンジュゲートが複数の分岐を有するポリマーを含み、当該第1のヌクレオチドの当該複数のコピーが当該分岐に結合し、特に当該第1のポリマーが、星型、櫛型、架橋、ボトルブラシ型、またはデンドリマー構成を有する、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、当該ポリマーヌクレオチドコンジュゲートが、アビジン、ビオチン、親和性タグ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の結合基を含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、(a)の組成物とポリマーヌクレオチドコンジュゲートとの間に形成される当該結合複合体を不安定化して、当該ポリマーヌクレオチドコンジュゲートを除去する解離ステップを更に含む、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、標的核酸の当該次の塩基に相補的であるヌクレオチドを当該プライマー核酸に取り込むための伸長ステップを更に含み、任意選択的に、伸長ステップが当該解離ステップとしてまたはその後に現在生じる、当該方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ヌクレオチドの2つ以上の分岐及び2つ以上のコピーを有する分岐ポリマーを含む組成物を提供し、当該ヌクレオチドは、第1の複数の当該分岐またはアームに結合し、任意選択的に、1つ以上の相互作用部分は、第2の複数の当該分岐またはアームに結合する。いくつかの実施形態において、当該組成物は、ポリマー上に1つ以上の標識を更に含み得る。いくつかの実施形態において、本開示は、ヌクレオシドがポリマー当たり少なくとも4つのヌクレオチドの表面密度を有する、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、後続のヌクレオチド(またはヌクレオチド類似体)がポリメラーゼ反応中に伸長した核酸鎖への取り込みを防ぐように修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含むか、または取り込むことを含む、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、当該組成物は、後続のヌクレオチド(またはヌクレオチド類似体)がポリメラーゼ反応中に伸長した核酸鎖への取り込みを可能にするように可逆的に修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含み得るか、または取り込み得る。いくつかの実施形態において、本開示は、1つ以上の標識が、蛍光標識、FRETドナー、及び/またはFRETアクセプターを含む、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、当該組成物は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16個またはそれ以上の分岐またはアーム、または2、4、8、16、32、64個またはそれ以上の分岐またはアームを含み得る。いくつかの実施形態において、分岐またはアームは、中央部分から放射状に放射し得る。いくつかの実施形態において、当該組成物は、1つ以上の相互作用部分を含み得、その相互作用部分は、アビジンまたはストレプトアビジン、ビオチン部分、親和性タグ、酵素、抗体、ミニボディ、受容体、または他のタンパク質、非タンパク質タグ、金属親和性タグ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、本開示は、ポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ乳酸、またはポリグリコール酸を含む、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体が、リンカーを介して分岐またはアームに結合し、特にリンカーがPEGを含み、PEG部分が約1K、約2K、約3K、約4K、約5K、約10K、約15K、約20K、約50K、約100K、約150K、または約200K、または約200Kを超える平均分子量を有する、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、リンカーがPEGを含み、PEG部分が約5K~約20Kの平均分子量を有する、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、少なくとも1つのヌクレオチドもしくはヌクレオチド類似体が、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオシド、もしくはリボヌクレオシドを含む、及び/またはヌクレオチドもしくはヌクレオチド類似体が、ヌクレオチドもしくはヌクレオチド類似体の5’末端を介してリンカーにコンジュゲートされる、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体のうちの1つが、デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、チミジン、デオキシウリジン、デオキシシチジン、アデノシン、グアノシン、5-メチル-ウリジン、及び/またはシチジンを含み、リンカーの長さが1~1,000nmである、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、少なくとも1つのヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体が、ポリメラーゼ反応または配列決定反応中に伸長を阻害するように修飾されたヌクレオチドであり、例えば、少なくとも1つのヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体が、3’ヒドロキシル基を欠くヌクレオチドであり、3’位にブロック基を含有するように修飾されたヌクレオチド、及び/または3’-O-アジド基、3’-O-アジドメチル基、3’-O-アルキルヒドロキシルアミノ基、3’-ホスホロチオエート基、3’-O-マロニル基、もしくは3’-O-ベンジル基で修飾されたヌクレオチドである、当該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、少なくとも1つのヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体が、3’位で修飾されていないヌクレオチドである、当該組成物を提供する。
【0375】
いくつかの実施形態において、ブロック基は、1つ以上のヌクレオチドに結合し得る。例えば、糖3’OH位を閉塞、除去、または保護することは、情報が損失しないように、単一の塩基対を超えるDNAプライマー鋳型の不注意な伸長を防止する。成功した3’ブロックグループの基準は、一般的に次のように概説されている:1)ポリメラーゼ酵素は、伸長する核酸鎖に3’ブロック基を運ぶdNTPを正確かつ効率的に取り込むべきであり、2)迅速かつ完全な非ブロック化のための穏やかな条件が利用可能であるべきであり、3)ポリメラーゼは、3’基の非ブロック化の際に合成を再開始または再開することができるべきである。
【0376】
いくつかの実施形態において、3’ブロック基は、鋳型に依存した様式で取り込まれ、迅速に非ブロック化して伸長可能な3’OH基を得ることができる基を含む。代表的なブロック基として、例えば、エステル及びエーテルが挙げられる。他の代表的な3’ブロック基としては、-F、-NH2、-OCH3、-N3、-PO3、-NHCOCH3、2-ニトロベンゼン炭酸塩、2,4-ジニトロベンゼンスルフェニル、及びテトラヒドロフラニルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、有用なブロック基の特性は、本明細書に開示される複数の例示的なブロック基とともに示されている、取り込み及び鎖終結を含む。追加の例示的なブロック基は、低級(1~4個の炭素)アルカン酸及び置換された低級アルカン酸エステル、例えば、ホルミル、アセチル、イソプロパノイル、α-フルオロ及びα-クロアセチルエステルなど;アルキルエーテル、リン酸ブロック基などのエーテルブロック基;2-ニトロベンジルなどの炭酸ブロック基;2-4-ジニトロベンゼンスフレニル、及びテテラヒドロチオフラニルエーテルブロッキング基)を含み得る。更なる例示的なブロック基としては、MOM(CH2OCH3)及びアリル(CH2-CH=CH2)が挙げられるが、これらに限定されず、これらは高収率で切断され得る。
【0377】
本開示はまた、核酸分子を標識する方法も企図し、この方法は、核酸分子にヌクレオチドまたはヌクレオシド分子を取り込むことを含み、ヌクレオチドまたはヌクレオシド分子は、開裂可能なリンカーを介して検出可能な標識に連結される塩基を有する。いくつかの実施形態において、取り込むステップは、末端トランスフェラーゼ、ポリメラーゼ、または逆転写酵素を介して達成され得る。いくつかの実施形態において、塩基は、プリンまたはピリミジンであり得る。いくつかの実施形態において、塩基は、デアザプリンであり得る。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドまたはヌクレオシド分子は、リボースまたはデオキシリボース糖部分を有することができる。いくつかの実施形態において、リボースまたはデオキシリボース糖は、2’または3’酸素原子を介して結合した保護基を含むことができる。いくつかの実施形態において、保護基を除去して、3’-OH基を露出させることができる。いくつかの実施形態において、分子は、デオキシリボヌクレオチド三リン酸であり得る。いくつかの実施形態において、検出可能な標識は、フルオロフォア、発色団、電気化学標識、またはスピン標識であり得る。いくつかの実施形態において、リンカーは、酸に不安定なリンカー、光解離性リンカーであり得るか、またはジスルフィド結合を含有し得る。いくつかの実施形態において、検出可能な標識及び/または開裂可能なリンカーは、第2のヌクレオチドまたはヌクレオシドの核酸分子への取り込みを防ぐのに十分なサイズまたは化学的性質であり得る。
【0378】
本開示は、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法を提供し、複数の変異体ポリメラーゼを、(i)複数の核酸鋳型分子及び(ii)複数の核酸プライマーと、複数の変異体ポリメラーゼを複数の核酸鋳型分子及び複数の核酸プライマーに結合するのに好適な条件下で接触させ、それによって複数の複合ポリメラーゼ(各々、核酸二本鎖に結合した変異体ポリメラーゼを含む)を形成し、核酸二本鎖は、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含む、ステップ(a)を含む。いくつかの実施形態において、複数の変異体ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、複数の変異体ポリメラーゼは、本明細書に記載の複数の組換え変異体ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。いくつかの実施形態において、変異体DNAポリメラーゼは、配列番号1を含む野生型ポリメラーゼと比較して、約25~50℃または約45~75℃の温度範囲で増加した熱安定性を示す。
【0379】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、プライマーは、3’伸長可能な末端または3’伸長不可能な末端を含む。いくつかの実施形態において、複数の核酸鋳型分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む核酸鋳型の実施形態を含み得る。
【0380】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、複数の核酸鋳型分子及び/または複数の核酸プライマーは、溶液中にあるか、または支持体に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の核酸鋳型分子及び/または複数の核酸プライマーが支持体に固定化される場合、組換え変異体ポリメラーゼとの結合は、複数の固定化された複合ポリメラーゼを生成する。いくつかの実施形態において、複数の核酸鋳型分子及び/または核酸プライマーは、支持体上の102~1015個の異なる部位に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の鋳型分子及び核酸プライマーと複数の組換え変異体ポリメラーゼとの結合は、支持体上の102~1015個の異なる部位に固定化された複数の複合ポリメラーゼを生成する。いくつかの実施形態において、支持体上の複数の固定化された複合ポリメラーゼは、事前に決定された部位または支持体上のランダムな部位に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の固定化された複合ポリメラーゼは、互いに流体連通して、試薬(例えば、ポリメラーゼ、多価分子、ヌクレオチド、及び/または二価カチオンを含む酵素)の溶液を支持体上に流すことを可能にし、その結果、支持体上の複数の固定化された複合ポリメラーゼを超並列方法で試薬の溶液と反応させる。
【0381】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法は、一般に、(a)複数の変異体ポリメラーゼを、(i)複数の核酸鋳型分子と、(ii)複数の核酸プライマーと接触させて、複数の複合ポリメラーゼを形成することと、(b1)複数の複合ポリメラーゼを、複数の多価分子と接触させて、複数の多価複合ポリメラーゼを形成することと、を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、ステップ(c1):複合ポリメラーゼに結合する多価分子を検出することを更に含む。いくつかの実施形態において、本方法は、ステップ(d1):複合ポリメラーゼに結合する多価分子の相補的ヌクレオチド単位を識別することを更に含む。
【0382】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法は、ステップ(b1):複数の複合ポリメラーゼを、複数の多価分子と接触させることを更に含み、複数の中の個々の多価分子は、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、各ヌクレオチドアームは、ヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド単位)に結合する。いくつかの実施形態において、複合ポリメラーゼへの多価分子の相補的ヌクレオチド単位の結合は、複数の多価複合ポリメラーゼを形成する。いくつかの実施形態において、ステップ(b1)の接触させることは、多価分子中の少なくとも1つの相補的ヌクレオチド単位を複合ポリメラーゼのうちの少なくとも1つに結合するのに好適な条件下で行われる。いくつかの実施形態において、条件は、複数の多価複合ポリメラーゼのプライマーへの相補的ヌクレオチド単位の取り込みを阻害するのに好適である。いくつかの実施形態において、ステップ(b1)の接触させることは、多価分子のうちの少なくとも1つのヌクレオチドを複合ポリメラーゼのうちの少なくとも1つに結合するのに好適な条件下で行われるが、結合したヌクレオチドは、核酸プライマーの3’末端に取り込まない。
【0383】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、複数の多価分子中の個々の多価分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、多価分子の実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0384】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、複数の複合ポリメラーゼと複数の多価分子との結合は、少なくとも1つの親和性複合体を形成し、本方法は、以下のステップ:(a)第1の核酸プライマー、第1のDNAポリメラーゼ、及び第1の多価分子をコンカテマー鋳型分子の第1の部分に結合し、それによって第1の結合複合体を形成するステップであって、第1の多価分子の第1のヌクレオチド単位が、第1のDNAポリメラーゼに結合する、形成するステップと、(b)第2の核酸プライマー、第2のDNAポリメラーゼ、及び第1の多価分子を同じコンカテマー鋳型分子の第2の部分に結合し、それによって第2の結合複合体を形成するステップであって、第1の多価分子の第2のヌクレオチド単位は、第2のDNAポリメラーゼに結合し、同じ多価分子を含む第1及び第2の結合複合体は、親和性複合体を形成する、形成するステップと、を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリメラーゼは、本明細書に記載の任意の野生型または変異体ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、第2のポリメラーゼは、本明細書に記載の任意の野生型または変異体ポリメラーゼを含む。コンカテマー鋳型分子は、関心対象の配列のタンデム反復配列と、少なくとも1つのユニバーサル配列決定プライマー結合部位と、を含む。第1及び第2の核酸プライマーは、コンカテマー鋳型分子に沿って配列決定プライマー結合部位に結合することができる。
【0385】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、複数の複合ポリメラーゼと複数の多価分子との結合は、少なくとも1つの親和性複合体を形成し、本方法は、以下のステップ:(a)第1の核酸プライマー、第1のDNAポリメラーゼ、及び第1の多価分子を第1の鋳型分子に結合し、それによって第1の結合複合体を形成するステップであって、第1の多価分子の第1のヌクレオチド単位が、第1のDNAポリメラーゼに結合する、形成するステップと、(b)第2の核酸プライマー、第2のDNAポリメラーゼ、及び第1の多価分子を第2の鋳型分子に結合し、それによって第2の結合複合体を形成するステップであって、第1の多価分子の第2のヌクレオチド単位は、第2のDNAポリメラーゼに結合し、同じ多価分子を含む第1及び第2の結合複合体は、親和性複合体を形成する、形成するステップと、を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリメラーゼは、本明細書に記載の任意の野生型または変異体ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、第2のポリメラーゼは、本明細書に記載の任意の野生型または変異体ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、第1及び第2の鋳型分子は、クローン増幅された鋳型分子である。いくつかの実施形態において、第1及び第2の鋳型分子は、互いに近接して局在化されている。例えば、クローン増幅された第1及び第2の鋳型分子は、ブリッジ増幅を介して生成され、支持体上の同じ位置または特性に固定化される線形鋳型分子を含む。第1及び第2の鋳型分子は、関心対象の配列と、少なくとも1つのユニバーサル配列決定プライマー結合部位と、を含む。第1及び第2の核酸プライマーは、それぞれ、第1及び第2の鋳型分子上の配列決定プライマー結合部位に結合することができる。
【0386】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、複数の多価分子中の多価分子中の少なくとも1つは、検出可能なレポーター部分で標識される。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、多価分子のコアは、フルオロフォアで標識され、多価分子の所与のコアに結合するフルオロフォアは、ヌクレオチドアームのヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシル)に対応する。いくつかの実施形態において、多価分子のヌクレオチドアームの少なくとも1つは、フルオロフォアに結合するリンカー及び/またはヌクレオチド塩基を含み、所与のリンカーまたはヌクレオチド塩基に結合するフルオロフォアは、ヌクレオチドアームのヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシル)に対応する。
【0387】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、複数の多価分子は、各々が、ヌクレオチド類似体(例えば、ヌクレオチド類似体単位)で結合した複数のヌクレオチドアームを有する少なくとも1つの多価分子を含み、ヌクレオチド類似体は、糖2’及び/または3’位に鎖終結部分を含む。いくつかの実施形態において、複数の多価分子は、各々が、鎖終結部分を欠くヌクレオチド単位に結合した複数のヌクレオチドアームを含む少なくとも1つの多価分子を含む。
【0388】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b1)の接触させることは、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、カルシウム、リチウム、ニッケル、及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンの存在下で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(b1)の接触させることは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムの存在下で行われる。
【0389】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(a)の接触させることは、約25~51℃の温度範囲から選択される一定温度で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(b1)の接触させることは、約25~51℃の温度範囲から選択される一定温度で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(a)及び(b1)の接触させることは、約25~51℃の温度範囲(例えば、等温温度)から選択される一定温度で行われる。
【0390】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法は、ステップ(c1):複合ポリメラーゼに結合する多価分子を検出することを更に含む。いくつかの実施形態において、検出することは、複合ポリメラーゼに結合する多価分子を検出することを含み、多価分子の相補的ヌクレオチド単位は、プライマーに結合するが、相補的ヌクレオチド単位の取り込みは、阻害される。いくつかの実施形態において、多価分子は、検出可能なレポーター部分で標識されて検出を可能にする。いくつかの実施形態において、標識された多価分子は、多価分子のコア、リンカー、及び/またはヌクレオチド単位の塩基に結合したフルオロフォアを含む。
【0391】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法は、ステップ(d1):複合ポリメラーゼに結合する多価分子の相補的ヌクレオチド単位を識別することを更に含む。いくつかの実施形態において、多価分子の相補的ヌクレオチド単位を識別することは、核酸鋳型の配列を決定するために使用することができる。いくつかの実施形態において、多価分子は、複数の複合ポリメラーゼに結合する相補的ヌクレオチド単位(例えば、ヌクレオチド塩基アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシル)の識別を可能にするために、ヌクレオチドアームに結合した特定のヌクレオチド単位に対応する検出可能なレポーター部分で標識される。いくつかの実施形態において、ステップ(c1)の検出すること及びステップ(d1)の識別することは、核酸鋳型分子の配列を決定するために使用することができる。
【0392】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法は、一般に、(a)複数の変異体ポリメラーゼを、(i)複数の核酸鋳型分子と、(ii)複数の核酸プライマーと接触させて、複数の複合ポリメラーゼを形成することと、(b2)複数の複合ポリメラーゼを、複数のヌクレオチドと接触させて、複数のヌクレオチド複合ポリメラーゼを形成することと、を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、ステップ(c2):ヌクレオチド複合ポリメラーゼのプライマーに取り込まれる相補的ヌクレオチドを検出することを更に含む。いくつかの実施形態において、本方法は、ステップ(d2):ヌクレオチド複合ポリメラーゼのプライマーに取り込まれる相補的ヌクレオチドの塩基を識別することを更に含む。
【0393】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法は、ステップ(b2):ステップ(a)の複数の複合ポリメラーゼを、複数のヌクレオチドからの相補的ヌクレオチドを、複数の複合ポリメラーゼからの複合ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下で、複数のヌクレオチドと接触させ、それによってヌクレオチド複合ポリメラーゼを形成することを更に含む。いくつかの実施形態において、ステップ(b2)の接触させることは、結合した相補的ヌクレオチドのヌクレオチド複合ポリメラーゼのプライマーへの取り込みを促進するのに好適な条件下で行われ、それによって複数のヌクレオチド複合ポリメラーゼを形成する。いくつかの実施形態において、ステップ(b2)においてプライマーの3’末端にヌクレオチドを取り込むことは、プライマー伸長反応を含む。いくつかの実施形態において、ステップ(b2)の接触させることは、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、カルシウム、リチウム、ニッケル、及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンの存在下で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(b2)の接触させることは、マグネシウム及び/またはマンガンの存在下で行われる。いくつかの実施形態において、複数の中の個々のヌクレオチドは、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド単位の特性を含むヌクレオチド単位を含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、天然ヌクレオチド(例えば、非類似体ヌクレオチド)またはヌクレオチド類似体を含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチド中の個々のヌクレオチドは、2’及び/または3’糖位に結合した鎖終結部分を含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、除去可能であるか、または除去不可能である2’及び/または3’鎖終結部分を含む。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。いくつかの実施形態において、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基は、ホスフィン化合物を用いてヌクレオチドから除去可能である。当業者であれば、他の除去可能な鎖終結部分が可能であることを認識するであろう。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、検出可能なレポーター部分で標識された複数のヌクレオチドを含む。検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、ヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、塩基から開裂可能/除去可能であるか、または塩基から除去可能ではないリンカーによってヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、複数の中のヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、検出可能なレポーター部分で標識されない。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドに結合する特定の検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)は、ヌクレオチド塩基(例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTP)に対応して、ヌクレオチド塩基の検出及び識別を可能にすることができる。
【0394】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(a)の接触させることは、約25~51℃の温度範囲から選択される一定温度で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(b2)の接触させることは、約25~51℃の温度範囲から選択される一定温度で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(a)及び(b2)の接触させることは、約25~51℃の温度範囲(例えば、等温温度)から選択される一定温度で行われる。
【0395】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法は、ステップ(c2):ヌクレオチド複合ポリメラーゼのプライマーに取り込まれる相補的ヌクレオチドを検出することを更に含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、検出可能なレポーター部分で標識されて検出を可能にする。
【0396】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法は、ステップ(d2):ヌクレオチド複合ポリメラーゼのプライマーの3’末端に取り込まれる相補的ヌクレオチドの塩基を識別することを更に含む。いくつかの実施形態において、ステップ(c2)の検出すること及びステップ(d2)の識別することは、核酸鋳型分子の配列を決定するために使用することができる。
【0397】
代替的に、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法は、ステップ(b2):ステップ(a)の複数の複合ポリメラーゼを、複数のヌクレオチドからの相補的ヌクレオチドを、複数の複合ポリメラーゼからの複合ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下で、複数のヌクレオチドと接触させ、それによってヌクレオチド複合ポリメラーゼを形成することを更に含む。いくつかの実施形態において、ステップ(b2)の接触させることは、ヌクレオチド結合を促進するが、ヌクレオチド複合ポリメラーゼのプライマーの3’末端への結合した相補的ヌクレオチドの取り込みを阻害するのに好適な条件下で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(b2)の接触させることは、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、カルシウム、リチウム、ニッケル、及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンの存在下で行われる。複数の複合ポリメラーゼは、少なくとも2つの別個の混合物と順次接触させることができ、各混合物は、操作されたポリメラーゼ及びヌクレオチドを含む。接触させることは、鋳型内の第1、第2、及び第3の塩基の種類のための同族体と安定した三元複合体を形成するのに好適な条件下で行われる。本方法は、ステップ(c3)である三元複合体が形成されたかどうかを決定するために少なくとも2つの別々の混合物を調べることを更に含む。本方法は、ステップ(d3)であるプライミングされた鋳型核酸分子の次の正しいヌクレオチドを識別することを更に含み、三元複合体がステップ(c3)で検出された場合、次の正しいヌクレオチドは、第1、第2、または第3の塩基の種類の同族体として識別され、ステップ(c3)での三元複合体の不在に基づいて、次の正しいヌクレオチドは、第4の塩基の種類のヌクレオチド同族体であると推定される。本方法は、ステップ(e3)であるステップ(c3)の後にプライミングされた鋳型核酸のプライマーに次の正しいヌクレオチドを添加し、それによって伸長されたプライマーを生成することと、ステップ(f3)である伸長したプライマーを含むプライミングされた鋳型核酸においてステップ(a)~(e3)を繰り返すことと、を更に含む。
【0398】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b1)の複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、多価分子の実施形態のうちのいずれかを具現化し得る。
【0399】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b1)の複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、1つ、2つ、または3つのリン原子の鎖を有するヌクレオチド単位を含み、その鎖は、典型的には、エステルまたはホスホラミド結合を介して糖部分の5’炭素に結合する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのヌクレオチド単位は、リン原子が介在するO、S、NH、メチレン、またはエチレンと一緒に連結されるリン鎖を有する類似体である。いくつかの実施形態において、鎖内のリン原子は、O、S、またはBH3を含む置換側基を含む。いくつかの実施形態において、鎖は、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホルジチオエート、及びO-メチルホスホロアミダイト基を含む類似体で置換されたホスフェート基を含む。
【0400】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b1)の複数の多価分子中の個々の多価分子は、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、個々のヌクレオチドアームは、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するヌクレオチド単位を含む。
【0401】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b1)の複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド類似体特性を含むターミネーターヌクレオチド類似体を含むヌクレオチド単位を含む。
【0402】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b1)の複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するターミネーターヌクレオチド類似体を含むヌクレオチド単位を含む。鎖終結部分は、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合することができる。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0403】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b1)の複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、コアは、検出可能なレポーター部分で標識される。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、多価分子に結合する特定の検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)は、ヌクレオチド単位の塩基(例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTP)に対応して、ヌクレオチド塩基の検出及び識別を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、多価分子のヌクレオチドアームのうちの少なくとも1つは、フルオロフォアに結合するリンカー及び/またはヌクレオチド塩基を含み、所与のリンカーまたはヌクレオチド塩基に結合するフルオロフォアは、ヌクレオチドアームのヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシル)に対応する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの多価分子は、フルオロフォアを欠く。
【0404】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b1)の複数の多価分子中の多価分子の少なくとも1つのヌクレオチドアームは、検出可能なレポーター部分に結合するヌクレオチド単位を有する。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、ヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、多価分子に結合する特定の検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)は、ヌクレオチド単位の塩基(例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTP)に対応して、ヌクレオチド塩基の検出及び識別を可能にすることができる。
【0405】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b1)の多価分子のコアは、アビジン様部分を含み、コア結合部分は、ビオチンを含む。いくつかの実施形態において、コアは、アビジンタンパク質、ならびに少なくとも1つのビオチン部分に結合することができる任意の誘導体、類似体、及び他の非天然形態のアビジンを含むストレプトアビジン型またはアビジン型部分を含む。アビジン部分の他の形態としては、天然及び組換えアビジン及びストレプトアビジン、ならびに誘導体化分子、例えば、非グリコシル化アビジン及び切断ストレプトアビジンが挙げられる。例えば、アビジン部分は、アビジンの脱グリコシル化形態、Streptomyces(例えば、Streptomyces avidinii)によって産生される細菌ストレプトアビジン、ならびに誘導体化形態、例えば、N-アシルアビジン、例えば、N-アセチル、N-フタリル、及びN-スクシニルアビジン、ならびに市販の製品ExtrAvidin(商標)、Captavidin(商標)、Neutravidin(商標)、及びNeutralite Avidin(商標)を含む。
【0406】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b2)の複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、塩基、糖、及び少なくとも1つのリン酸基を含む。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド単位の特性を含むヌクレオチド単位を含む。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体ではない。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体を含む。
【0407】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b2)の複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、1つ、2つ、または3つのリン原子の鎖を含み、この鎖は、典型的には、エステルまたはホスホラミド結合を介して糖部分の5’炭素に結合する。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、リン原子が介在するO、S、NH、メチレン、またはエチレンと一緒に連結されるリン鎖を有する類似体である。いくつかの実施形態において、鎖内のリン原子は、O、S、またはBH3を含む置換側基を含む。いくつかの実施形態において、鎖は、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホルジチオエート、及びO-メチルホスホロアミダイト基を含む類似体で置換されたホスフェート基を含む。
【0408】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b2)の複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチド。ヌクレオチドは、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド類似体特性を含むターミネーターヌクレオチド類似体の形態をとり得る。
【0409】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b2)の複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するターミネーターヌクレオチド類似体を含み、これは、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0410】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b2)の複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、検出可能なレポーター部分を含む。いくつかの実施形態において、ステップ(b2)の複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、標識されたヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、ヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、塩基から開裂可能/除去可能であるリンカーによってヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、複数の中のヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、検出可能なレポーター部分で標識されない。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドに結合する特定の検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)は、ヌクレオチド塩基(例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTP)に対応して、ヌクレオチド塩基の検出及び識別を可能にすることができる。
【0411】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b2)の複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド類似体特性を含む末端ヌクレオチド類似体を含む。
【0412】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b2)の複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む開裂可能な部分を含む、塩基上の開裂可能なリンカーを含む。いくつかの実施形態において、開裂可能な部分アジド(azide)、アジド(azido)、及びアジドメチル基は、ホスフィン化合物を用いて開裂可能/除去可能である。いくつかの実施形態において、ホスフィン化合物は、誘導体化トリアルキルホスフィン部分または誘導体化トリアリールホスフィン部分を含む。いくつかの実施形態において、ホスフィン化合物は、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)またはビススルホトリフェニルホスフィン(BS-TPP)またはトリ(ヒドロキシプロイル)ホスフィン(THPP)を含む。いくつかの実施形態において、開裂剤は、4-ジメチルアミノピリジン(4-DMAP)を含む。
【0413】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(b2)の複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、糖2’及び/または糖3’位に鎖終結部分、ならびに塩基上の開裂可能なリンカーを含み、糖上の鎖終結部分及び塩基上の開裂可能なリンカーは、同じまたは異なる開裂可能な部分を有する。いくつかの実施形態において、鎖終結部分(例えば、糖2’及び/または糖3’位)ならびに塩基に連結された検出可能なレポーター部分は、同じ化学薬品で化学的に開裂可能/除去可能である。いくつかの実施形態において、鎖終結部分(例えば、糖2’及び/または糖3’位)及び塩基に連結された検出可能なレポーター部分は、異なる化学薬品を用いて化学的に開裂可能/除去可能である。
【0414】
いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、ステップ(a)の支持体は、平面または非平面の支持体を含む。支持体は、固体または半固体であり得る。いくつかの実施形態において、支持体は、多孔質、半多孔質、または非多孔質であり得る。いくつかの実施形態において、支持体の表面は、1つ以上の化合物でコーティングされ、支持体上に不動態化層を生成することができる。いくつかの実施形態において、不動態化層は、多孔質または半多孔質層を形成する。いくつかの実施形態において、核酸プライマー、鋳型及び/またはポリメラーゼを不動態化層に結合して、プライマー、鋳型、及び/またはポリメラーゼを支持体に固定化することができる。いくつかの実施形態において、支持体は、支持体上の改善された核酸ハイブリダイゼーション及び増幅性能を可能にする低い非特異的結合表面を含む。一般に、支持体は、共有結合または非共有結合している低化学修飾層、例えば、シラン層、ポリマーフィルム、及び複数の核酸鋳型分子を支持体に固定化するために使用することができる1つ以上の共有結合または非共有結合しているオリゴヌクレオチドの1つ以上の層を含み得る。いくつかの実施形態において、支持体は、支持体上の化学基を介して少なくとも支持体の一部に共有結合した官能化ポリマーコーティング層、官能化ポリマーコーティングにグラフトされたプライマー、ならびにプライマー及び官能化ポリマーコーティング上の水溶性保護コーティングを含むことができる。いくつかの実施形態において、官能化ポリマーコーティングは、ポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-co-アクリルアミド(PAZAM)を含む。いくつかの実施形態において、支持体は、少なくとも1つの親水性ポリマーコーティング層、及び複数のオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つの層を有する表面コーティングを含む。親水性ポリマーコーティング層は、ポリエチレングリコール(PEG)を含むことができる。親水性ポリマーコーティング層は、少なくとも4つの分岐を有する分岐PEGを含むことができる。いくつかの実施形態において、支持体は、45度以下の水接触角を有する低非特異的結合コーティングを含む。いくつかの実施形態において、支持体に固定化された、または支持体上のコーティングに固定化された複数の複合ポリメラーゼの密度は、1mm2当たり約102~106、または1mm2当たり約106~109、または1mm2当たり約109~1012、または1mm2当たり約1012~1015である。いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼは、支持体に固定化されるか、または支持体上の所定の部位で支持体上のコーティング(または支持体上のコーティング)に固定化されるか、または支持体上のランダムな部位での支持体上のコーティング(または支持体上のコーティング)に固定化される。本開示は、変異体ポリメラーゼをヌクレオチドに結合するための方法であって、(a)変異体ポリメラーゼを、(i)核酸鋳型分子、及び(ii)核酸プライマーに接触させることであって、接触させることは、変異体ポリメラーゼを核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子に結合するのに好適な条件下で行われ、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子が核酸二本鎖を形成する、接触させることを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、組換え変異体ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、プライマーは、3’伸長可能な末端または3’伸長不可能な末端を含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、例示的な変異体ポリメラーゼの特性に関連して上記に列挙される1つ以上の特性を含む。
【0415】
いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼをヌクレオチドに結合させるための方法は、(b)変異体ポリメラーゼを、少なくとも1つのヌクレオチドを核酸二本鎖に結合する変異体ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下で、複数のヌクレオチドと接触させることを更に含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、カルシウム、リチウム、ニッケル、及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンの存在下で、複数のヌクレオチドと接触させる。いくつかの実施形態において、ステップ(b)の接触させることは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムの存在下で行われる。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼに結合する少なくとも1つのヌクレオチドは、伸長可能なまたは伸長不可能なプライマーの3’末端に取り込まない。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、糖2’または3’位に鎖終結部分を有する少なくとも1つのヌクレオチド類似体を含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、鎖終結部分を欠く少なくとも1つのヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、(c)ポリメラーゼに結合するがプライマーの3’末端に取り込まれていない少なくとも1つのヌクレオチドを検出することを更に含む。いくつかの実施形態において、本方法は、(d)ポリメラーゼに結合するがプライマーの3’末端に取り込まれていない少なくとも1つのヌクレオチドを識別することを更に含む。
【0416】
本開示は、ヌクレオチド、核酸鋳型分子の配列、または変異体ポリメラーゼを取り込むか、または変異体ポリメラーゼを結合するための方法であって、(a)変異体ポリメラーゼを、(i)核酸鋳型分子及び(ii)核酸プライマーに接触させることを含み、接触させることは、変異体ポリメラーゼを、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子に結合するのに好適な条件下で行われ、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子が核酸二本鎖を形成する、方法を提供する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、本明細書に記載の特性を含む組換え変異体ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。いくつかの実施形態において、プライマーは、3’伸長可能な末端を含む。
【0417】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを取り込むための方法は、(b)変異体ポリメラーゼを、少なくとも1つのヌクレオチドを核酸二本鎖に結合する変異体ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下で、複数のヌクレオチドと接触させることを更に含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、カルシウム、リチウム、ニッケル、及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンの存在下で、複数のヌクレオチドと接触させる。いくつかの実施形態において、ステップ(b)の接触させることは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムの存在下で行われる。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、糖2’または3’位に鎖終結部分を有する少なくとも1つのヌクレオチド類似体を含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、鎖終結部分を欠く少なくとも1つのヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、(c)少なくとも1つのヌクレオチドを取り込むのに好適な条件下で、少なくとも1つのヌクレオチドを伸長可能なプライマーの3’末端に取り込むことを更に含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼに結合するヌクレオチド及びヌクレオチドを取り込むのに好適な条件は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを取り込むのに好適な条件は、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、カルシウム、リチウム、ニッケル、及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのヌクレオチドは、変異体ポリメラーゼに結合し、伸長可能なプライマーの3’末端に取り込む。いくつかの実施形態において、ステップ(c)においてプライマーの3’末端にヌクレオチドを取り込むことは、プライマー伸長反応を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、(d)ステップ(c)の伸長可能なプライマーの3’末端に少なくとも1つのヌクレオチドを取り込むことを少なくとも1回繰り返すことを更に含む。いくつかの実施形態において、本方法は、ステップ(c)及び/または(d)において少なくとも1つの取り込まれたヌクレオチドを検出することを更に含む。いくつかの実施形態において、本方法は、ステップ(c)及び/または(d)において少なくとも1つの取り込まれたヌクレオチドを識別することを更に含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子の配列は、変異体ポリメラーゼに結合するヌクレオチドを検出及び識別することによって決定することができる。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子の配列は、プライマーの3’末端に取り込まれるヌクレオチドを検出及び識別することによって決定することができる。
【0418】
本開示は、核酸鋳型分子の配列を決定するための方法であって、(a)変異体ポリメラーゼを、(i)核酸鋳型分子及び(ii)核酸プライマーに接触させることを含み、接触させることは、変異体ポリメラーゼを、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子に結合するのに好適な条件下で行われ、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子が核酸二本鎖を形成する、方法を提供する。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、組換え変異体ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、例示的な変異体ポリメラーゼの特性に関連して上記に列挙される1つ以上の特性を含む。
【0419】
いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子の配列を決定するための方法は、(b)変異体ポリメラーゼを、少なくとも1つのヌクレオチドを核酸二本鎖に結合する変異体ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下で、複数のヌクレオチドと接触させることを更に含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、カルシウム、リチウム、ニッケル、及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンの存在下で、複数のヌクレオチドと接触させる。いくつかの実施形態において、ステップ(b)の接触させることは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムの存在下で行われる。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、糖2’または3’位に鎖終結部分を有する少なくとも1つのヌクレオチド類似体を含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、鎖終結部分を欠く少なくとも1つのヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、(c)少なくとも1つのヌクレオチドを取り込むのに好適な条件下で、少なくとも1つのヌクレオチドを伸長可能なプライマーの3’末端に取り込むことを更に含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼに結合するヌクレオチド及びヌクレオチドを取り込むのに好適な条件は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを取り込むのに好適な条件は、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、カルシウム、リチウム、ニッケル、及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのヌクレオチドは、変異体ポリメラーゼに結合し、伸長可能なプライマーの3’末端に取り込む。いくつかの実施形態において、ステップ(c)においてプライマーの3’末端にヌクレオチドを取り込むことは、プライマー伸長反応を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、(d)ステップ(c)の伸長可能なプライマーの3’末端に少なくとも1つのヌクレオチドを取り込むことを少なくとも1回繰り返すことを更に含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、検出可能なレポーター部分で標識された複数のヌクレオチドを含む。検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含んでも含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、ヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、塩基から開裂可能/除去可能であるリンカーによってヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、複数の中のヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、検出可能なレポーター部分で標識されない。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドに結合する特定の検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)は、ヌクレオチド塩基(例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTP)に対応して、ヌクレオチド塩基の検出及び識別を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、本方法は、ステップ(c)及び/または(d)において少なくとも1つの取り込まれたヌクレオチドを検出することを更に含む。いくつかの実施形態において、本方法は、ステップ(c)及び/または(d)において少なくとも1つの取り込まれたヌクレオチドを識別することを更に含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子の配列は、変異体ポリメラーゼに結合するヌクレオチドを検出及び識別し、それによって核酸鋳型の配列を決定することによって決定することができる。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子の配列は、プライマーの3’末端に取り込まれるヌクレオチドを検出及び識別し、それによって核酸鋳型の配列を決定することによって決定することができる。
【0420】
いくつかの実施形態において、核酸鋳型の配列を決定するための方法では、核酸二本鎖に結合する複数のポリメラーゼは、少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼを有する複数の複合ポリメラーゼを含み、(a)第1の複合ポリメラーゼは、第1の核酸プライマーにハイブリダイズする第1の核酸鋳型を含む第1の核酸二重鎖に結合する第1の変異体ポリメラーゼを含み、(b)第2の複合ポリメラーゼは、第2の核酸プライマーにハイブリダイズする第2の核酸鋳型を含む第2の核酸二重鎖に結合する第2の変異体ポリメラーゼを含み、(c)第1及び第2の核酸鋳型は、異なる配列を含み、(d)第1及び第2の核酸鋳型は、クローン増幅され、(e)第1及び第2のプライマーは、伸長可能な3’末端または伸長不可能な3’末端を含み、(f)複数の複合ポリメラーゼは、支持体に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の複合ポリメラーゼの密度は、1mm2当たり約102~1015個の複合ポリメラーゼであり、これらは、支持体に固定化される。
【0421】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを結合するための方法、及びヌクレオチドを組み込むための方法、及びヌクレオチドを使用して核酸鋳型を配列決定するための方法では、複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、塩基、糖、及び少なくとも1つのリン酸基を含む。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド単位の特性を含むヌクレオチド単位を含む。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体ではない。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体を含む。
【0422】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを結合するための方法、及びヌクレオチドを取り込むための方法、ならびに核酸鋳型を配列決定するための方法では、複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、1つ、2つ、または3つのリン原子の鎖を含み、その鎖は、典型的には、エステルまたはホスホラミド結合を介して糖部分の5’炭素に結合する。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、リン原子が介在するO、S、NH、メチレン、またはエチレンと一緒に連結されるリン鎖を有する類似体である。いくつかの実施形態において、鎖内のリン原子は、O、S、またはBH3を含む置換側基を含む。いくつかの実施形態において、鎖は、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホルジチオエート、及びO-メチルホスホロアミダイト基を含む類似体で置換されたホスフェート基を含む。
【0423】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを結合するための方法、及びヌクレオチドを取り込むための方法、及び核酸鋳型を配列決定するための方法では、複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド類似体特性を含むターミネーターヌクレオチド類似体を含む。
【0424】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを結合するための方法、及びヌクレオチドを取り込むための方法、及び核酸鋳型を配列決定するための方法では、複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するターミネーターヌクレオチド類似体を含む。鎖終結部分は、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合することができる。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0425】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを結合するための方法、及びヌクレオチドを取り込むための方法、及び核酸鋳型を配列決定するための方法では、複数のヌクレオチドは、検出可能なレポーター部分で標識された複数のヌクレオチドを含む。検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、ヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、塩基から開裂可能/除去可能であるリンカーによってヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、複数の中のヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、検出可能なレポーター部分で標識されない。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドに結合する特定の検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)は、ヌクレオチド塩基(例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTP)に対応して、ヌクレオチド塩基の検出及び識別を可能にすることができる。
【0426】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを結合するための方法、及びヌクレオチドを取り込むための方法、及び核酸鋳型を配列決定するための方法では、塩基上の開裂可能なリンカーである鎖終結部分は、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合することができる。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを結合するための方法、及びヌクレオチドを取り込むための方法、及び核酸鋳型を配列決定するための方法では、塩基上の開裂可能なリンカーは、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む開裂可能な部分を含む。鎖終結部分は、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合することができる。
【0427】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを結合するための方法、及びヌクレオチドを取り込むための方法、及び核酸鋳型を配列決定するための方法では、鎖終結部分(例えば、糖2’及び/または糖3’位)、ならびに塩基上の開裂可能なリンカーは、同じまたは異なる開裂可能な部分を有する。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0428】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを結合するための方法、及びヌクレオチドを取り込むための方法、及びヌクレオチドを使用して核酸鋳型を配列決定するための方法では、変異体ポリメラーゼは、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型を含む核酸二本鎖に結合し、それによって複合ポリメラーゼを形成し、核酸鋳型は、クローン増幅された鋳型分子または単一の核酸鋳型分子を含む。いくつかの実施形態において、核酸プライマーは、伸長可能な3’末端または伸長不可能な3’末端を含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型、核酸プライマー、及び/またはポリメラーゼのうちのいずれかは、支持体に固定化される。
【0429】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドを結合するための方法、及びヌクレオチドを取り込むための方法、及び核酸鋳型を配列決定するための方法では、支持体は、平面または非平面の支持体を含む。支持体は、固体または半固体であり得る。いくつかの実施形態において、支持体は、多孔質、半多孔質、または非多孔質であり得る。いくつかの実施形態において、支持体の表面は、1つ以上の化合物でコーティングされ、支持体上に不動態化層を生成することができる。いくつかの実施形態において、不動態化層は、多孔質または半多孔質層を形成する。いくつかの実施形態において、核酸プライマーまたは鋳型、またはポリメラーゼを不動態化層に結合して、プライマー、鋳型、及び/またはポリメラーゼを支持体に固定化することができる。いくつかの実施形態において、支持体は、支持体上の改善された核酸ハイブリダイゼーション及び増幅性能を可能にする低い非特異的結合表面を含む。一般に、支持体は、共有結合または非共有結合している低化学修飾層、例えば、シラン層、ポリマーフィルム、及び複数の核酸鋳型分子を支持体に固定化するために使用することができる1つ以上の共有結合または非共有結合しているオリゴヌクレオチドの1つ以上の層を含み得る。いくつかの実施形態において、支持体は、支持体上の化学基を介して少なくとも支持体の一部に共有結合した官能化ポリマーコーティング層、官能化ポリマーコーティングにグラフトされたプライマー、ならびにプライマー及び官能化ポリマーコーティング上の水溶性保護コーティングを含むことができる。いくつかの実施形態において、官能化ポリマーコーティングは、ポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-co-アクリルアミド(PAZAM)を含む。いくつかの実施形態において、支持体は、少なくとも1つの親水性ポリマーコーティング層、及び複数のオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つの層を有する表面コーティングを含む。親水性ポリマーコーティング層は、ポリエチレングリコール(PEG)を含むことができる。親水性ポリマーコーティング層は、少なくとも4つの分岐を有する分岐PEGを含むことができる。いくつかの実施形態において、支持体は、45度以下の水接触角を有する低非特異的結合コーティングを含む。
【0430】
本開示は、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法であって、(a)複数の第1の変異体ポリメラーゼを、(i)複数の核酸鋳型分子及び(ii)複数の核酸プライマーに接触させることを含み、接触させることは、複数の第1の変異体DNAポリメラーゼを複数の核酸鋳型分子及び複数の核酸プライマーに結合するのに好適な条件下で行われ、それによって複数の第1の複合ポリメラーゼであって、各々が、核酸二本鎖に結合する第1の変異体DNAポリメラーゼを含む複数の第1の複合ポリメラーゼを形成し、核酸二本鎖は、核酸プライマーにハイブリダイズする核酸鋳型分子を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、複数の第1の変異体ポリメラーゼは、組換え変異体ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、複数の第1の変異体ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。
【0431】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、プライマーは、3’伸長可能な末端または3’伸長不可能な末端を含む。いくつかの実施形態において、複数の核酸鋳型分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む核酸鋳型の実施形態を含み得る。
【0432】
いくつかの実施形態において、複数の核酸鋳型分子及び/または複数の核酸プライマーは、溶液中にあるか、または支持体に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の核酸鋳型分子及び/または複数の核酸プライマーが支持体に固定化される場合、第1の組換え変異体ポリメラーゼとの結合は、複数の固定化された第1の複合ポリメラーゼを生成する。いくつかの実施形態において、複数の核酸鋳型分子及び/または核酸プライマーは、支持体上の102~1015個の異なる部位に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の鋳型分子及び核酸プライマーと複数の第1の組換え変異体ポリメラーゼとの結合は、支持体上の102~1015個の異なる部位に固定化される複数の第1の複合ポリメラーゼを生成する。いくつかの実施形態において、支持体上の複数の固定化された第1の複合ポリメラーゼは、事前に決定された部位または支持体上のランダムな部位に固定化される。いくつかの実施形態において、複数の固定化された第1の複合ポリメラーゼは、互いに流体連通して、試薬(例えば、ポリメラーゼ、多価分子、ヌクレオチド、及び/または二価カチオンを含む酵素)の溶液を支持体上に流すことを可能にし、その結果、支持体上の複数の固定化された複合ポリメラーゼを超並列方法で試薬の溶液と反応させる。
【0433】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法は、ステップ(b):複数の第1の複合ポリメラーゼを複数の多価分子と接触させて、複数の多価複合ポリメラーゼを形成することを更に含む。いくつかの実施形態において、複数の多価分子中の個々の多価分子は、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、各ヌクレオチドアームは、ヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド単位)に結合する。いくつかの実施形態において、ステップ(b)の接触させることは、多価分子の相補的ヌクレオチド単位を複数の第1の複合ポリメラーゼのうちの少なくとも2つに結合し、それによって複数の多価複合ポリメラーゼを形成するのに好適な条件下で行われる。いくつかの実施形態において、条件は、複数の多価複合ポリメラーゼのプライマーへの相補的ヌクレオチド単位の取り込みを阻害するのに好適である。いくつかの実施形態において、複数の多価分子は、複数のヌクレオチドアームを有する少なくとも1つの多価分子であって、各々が、ヌクレオチド類似体(例えば、ヌクレオチド類似体単位)で結合する少なくとも1つの多価分子を含み、ヌクレオチド類似体は、糖2’及び/または3’位に鎖終結部分を含む。いくつかの実施形態において、複数の多価分子は、複数のヌクレオチドアームを含む少なくとも1つの多価分子を含み、各々が、鎖終結部分を欠くヌクレオチド単位に結合する。いくつかの実施形態において、複数の多価分子中の多価分子中の少なくとも1つは、検出可能なレポーター部分で標識される。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、ステップ(b)の接触させることは、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、カルシウム、リチウム、ニッケル、及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンの存在下で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(b)の接触させることは、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウムの存在下で行われる。
【0434】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法、または複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法は、ステップ(c):複数の多価複合ポリメラーゼを検出することを更に含む。いくつかの実施形態において、検出することは、複合ポリメラーゼに結合する多価分子を検出することを含み、多価分子の相補的ヌクレオチド単位は、プライマーに結合するが、相補的ヌクレオチド単位の取り込みは、阻害される。いくつかの実施形態において、多価分子は、検出可能なレポーター部分で標識されて検出を可能にする。いくつかの実施形態において、標識された多価分子は、多価分子のコア及び/またはヌクレオチド単位の塩基に結合するフルオロフォアを含む。
【0435】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法、または複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法は、ステップ(d):複数の第1の複合ポリメラーゼに結合する相補的ヌクレオチド単位の塩基を識別し、それによって核酸鋳型の配列を決定することを更に含む。いくつかの実施形態において、多価分子は、複数の第1の複合ポリメラーゼに結合する相補的ヌクレオチド単位(例えば、ヌクレオチド塩基アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシル)の識別を可能にするために、ヌクレオチドアームに結合する特定のヌクレオチド単位に対応する検出可能なレポーター部分で標識される。
【0436】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法、または複数の複合ポリメラーゼを形成するための方法では、
【0437】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、本方法は、複数の第1の複合ポリメラーゼを複数の多価分子と結合させて、少なくとも1つの親和性複合体を形成することを含み、本方法は、(a)複数のDNAポリメラーゼ及び複数の核酸プライマー(第1及び第2のプライマーを含む)を第1及び第2の鋳型分子と接触させて、第1及び第2の鋳型分子上に、それぞれ、少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼを形成するステップと、(b)複数の多価分子を、少なくとも第1及び第2の複合ポリメラーゼに、複数の多価分子からの単一の多価分子を第1及び第2の複合ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下で接触させるステップであって、単一の多価分子の少なくとも第1のヌクレオチド単位は、第1の鋳型分子にハイブリダイズする第1のプライマーを含む第1の複合ポリメラーゼに結合し、それによって第1の結合複合体(第1の三元複合体)を形成し、単一の多価分子の少なくとも第2のヌクレオチド単位は、第2の鋳型分子にハイブリダイズする第2のプライマーを含む第2の複合ポリメラーゼに結合し、それによって第2の結合複合体(第2の三元複合体)を形成し、接触させることが、第1及び第2の結合複合体中の結合した第1及び第2のヌクレオチド単位のポリメラーゼ触媒による取り込みを阻害するのに好適な条件下で行われ、同じ多価分子に結合する第1及び第2の結合複合体が親和性複合体を形成する、接触させるステップと、(c)第1及び第2の鋳型分子上の第1及び第2の結合複合体をそれぞれ検出するステップと、(d)第1の結合複合体中の第1のヌクレオチド単位を識別し、それによって第1の鋳型分子の配列を決定し、第2の結合複合体中の第2のヌクレオチド単位を識別し、それによって第2の鋳型分子の配列を決定するステップと、を含む。いくつかの実施形態において、複数のDNAポリメラーゼは、本明細書に記載の任意の野生型または変異体ポリメラーゼを含む。第1及び第2の鋳型分子は、クローン増幅された鋳型分子である。いくつかの実施形態において、第1及び第2の鋳型分子は、互いに近接して局在化されている。例えば、クローン増幅された第1及び第2の鋳型分子は、ブリッジ増幅を介して生成され、支持体上の同じ位置または特性に固定化される線形鋳型分子を含む。第1及び第2の鋳型分子は、関心対象の配列と、少なくとも1つのユニバーサル配列決定プライマー結合部位と、を含む。第1及び第2の核酸プライマーは、それぞれ、第1及び第2の鋳型分子上の配列決定プライマー結合部位に結合することができる。
【0438】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法は、ステップ(e):複数の多価複合ポリメラーゼを解離し、複数の第1の変異体DNAポリメラーゼ及びそれらの結合した多価分子を除去し、複数の核酸二本鎖を保持することを更に含む。
【0439】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法は、ステップ(f):ステップ(e)の複数の保持された核酸二重鎖を、複数の第2の組換え変異体DNAポリメラーゼと接触させることであって、接触させることは、複数の第2の変異体DNAポリメラーゼを複数の保持された核酸二重鎖に結合させるのに好適な条件下で行われ、それによって複数の第2の複合ポリメラーゼであって、各々が、核酸二重鎖に結合した第2の変異体DNAポリメラーゼを含む、複数の第2の複合ポリメラーゼを形成する、接触させることを更に含む。いくつかの実施形態において、変異体ポリメラーゼは、上で考察した1つ以上の例示的な変異体ポリメラーゼの特性を含む。
【0440】
いくつかの実施形態において、ステップ(a)の複数の第1の変異体ポリメラーゼは、ステップ(f)の複数の第2の変異体ポリメラーゼとしてアミノ酸配列と100%同一であるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態において、ステップ(a)の複数の第1の変異体ポリメラーゼは、ステップ(f)の複数の第2の変異体ポリメラーゼのアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有する。
【0441】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法は、ステップ(g):複数の第2の複合ポリメラーゼを複数のヌクレオチドと接触させることであって、接触させることは、複数のヌクレオチドからの相補的ヌクレオチドを第2の複合ポリメラーゼのうちの少なくとも2つに結合するのに好適な条件下で行われ、それによって複数のヌクレオチド複合ポリメラーゼを形成する、接触させることを更に含む。いくつかの実施形態において、ステップ(g)の接触させることは、結合した相補的ヌクレオチドのヌクレオチド複合ポリメラーゼのプライマーへの取り込みを促進するのに好適な条件下で行われ、それによって複数のヌクレオチド複合ポリメラーゼを形成する。いくつかの実施形態において、ステップ(g)においてプライマーの3’末端にヌクレオチドを取り込むことは、プライマー伸長反応を含む。いくつかの実施形態において、ステップ(g)の接触させることは、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、カルシウム、リチウム、ニッケル、及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンの存在下で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(g)の接触させることは、マグネシウム及び/またはマンガンの存在下で行われる。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、天然ヌクレオチド(例えば、非類似体ヌクレオチド)またはヌクレオチド類似体を含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、除去可能であるか、または除去不可能である2’及び/または3’鎖終結部分を含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、検出可能なレポーター部分で標識された複数のヌクレオチドを含む。検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、ヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、塩基から開裂可能/除去可能であるか、または塩基から除去可能ではないリンカーによってヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、複数の中のヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、検出可能なレポーター部分で標識されない。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドに結合する特定の検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)は、ヌクレオチド塩基(例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTP)に対応して、ヌクレオチド塩基の検出及び識別を可能にすることができる。
【0442】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法は、ステップ(h):ヌクレオチド複合ポリメラーゼのプライマーに取り込まれる相補的ヌクレオチドを検出することを更に含む。いくつかの実施形態において、複数のヌクレオチドは、検出可能なレポーター部分で標識されて検出を可能にする。いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、検出ステップは、省略される。
【0443】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法は、ステップ(i):ヌクレオチド複合ポリメラーゼのプライマーに取り込まれる相補的ヌクレオチドの塩基を識別することを更に含む。いくつかの実施形態において、ステップ(i)における取り込まれた相補的ヌクレオチドの識別は、ステップ(d)における複数の第1の複合ポリメラーゼに結合する多価分子の相補的ヌクレオチドの同一性を確認するために使用することができる。いくつかの実施形態において、ステップ(i)の識別は、核酸鋳型分子の配列を決定するために使用することができる。いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、識別ステップは、省略される。
【0444】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法は、ステップ(j):ステップ(g)が、複数の第2の複合ポリメラーゼを、2’及び/または3’鎖終結部分を有する少なくとも1つのヌクレオチドを含む複数のヌクレオチドと接触させることによって行われる場合、取り込まれたヌクレオチドから鎖終結部分を除去することを更に含む。
【0445】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法は、ステップ(k):ステップ(a)~(j)を少なくとも1回繰り返すことを更に含む。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子の配列は、変異体ポリメラーゼに結合するが、ステップ(c)及び(d)においてプライマーの3’末端に取り込まない多価分子を検出及び識別することによって決定することができる。いくつかの実施形態において、核酸鋳型分子の配列は、ステップ(h)及び(i)でプライマーの3’末端に取り込むヌクレオチドを検出及び識別することによって決定(または確認)することができる。
【0446】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(b)の複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、多価分子の実施形態のうちのいずれかを具体化し得る。
【0447】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定する方法では、ステップ(b)の複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、1つ、2つ、または3つのリン原子の鎖を有するヌクレオチド単位を含み、その鎖は、典型的には、エステルまたはホスホラミド結合を介して糖部分の5’炭素に結合する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのヌクレオチド単位は、リン原子が介在するO、S、NH、メチレン、またはエチレンと一緒に連結されるリン鎖を有する類似体である。いくつかの実施形態において、鎖内のリン原子は、O、S、またはBH3を含む置換側基を含む。いくつかの実施形態において、鎖は、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホルジチオエート、及びO-メチルホスホロアミダイト基を含む類似体で置換されたホスフェート基を含む。
【0448】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定する方法では、ステップ(b)の複数の多価分子中の個々の多価分子は、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、個々のヌクレオチドアームは、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するヌクレオチド単位を含む。
【0449】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(b)の複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド類似体特性を含むターミネーターヌクレオチド類似体を含むヌクレオチド単位を含む。
【0450】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(b)の複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するターミネーターヌクレオチド類似体を含むヌクレオチド単位を含む。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合する。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0451】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(b)の複数の多価分子中の少なくとも1つの多価分子は、複数のヌクレオチドアームに結合するコアを含み、コアは、検出可能なレポーター部分で標識される。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、多価分子に結合する特定の検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)は、ヌクレオチド単位の塩基(例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTP)に対応して、ヌクレオチド塩基の検出及び識別を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、多価分子のヌクレオチドアームの少なくとも1つは、フルオロフォアに結合するリンカー及び/またはヌクレオチド塩基を含み、所与のリンカーまたはヌクレオチド塩基に結合するフルオロフォアは、ヌクレオチドアームのヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシル)に対応する。
【0452】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(b)の複数の多価分子中の多価分子の少なくとも1つのヌクレオチドアームは、検出可能なレポーター部分に結合するヌクレオチド単位を有する。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、ヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、多価分子に結合する特定の検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)は、ヌクレオチド単位の塩基(例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTP)に対応して、ヌクレオチド塩基の検出及び識別を可能にすることができる。
【0453】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(b)の多価分子のコアは、アビジン様部分を含み、コア結合部分は、ビオチンを含む。いくつかの実施形態において、コアは、アビジンタンパク質、ならびに少なくとも1つのビオチン部分に結合することができる任意の誘導体、類似体、及び他の非天然形態のアビジンを含むストレプトアビジン型またはアビジン型部分を含む。アビジン部分の他の形態としては、天然及び組換えアビジン及びストレプトアビジン、ならびに誘導体化分子、例えば、非グリコシル化アビジン及び切断ストレプトアビジンが挙げられる。例えば、アビジン部分は、アビジンの脱グリコシル化形態、Streptomyces(例えば、Streptomyces avidinii)によって産生される細菌ストレプトアビジン、ならびに誘導体化形態、例えば、N-アシルアビジン、例えば、N-アセチル、N-フタリル、及びN-スクシニルアビジン、ならびに市販の製品ExtrAvidin(商標)、Captavidin(商標)、Neutravidin(商標)、及びNeutralite Avidin(商標)を含む。
【0454】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(a)~(j)の各々は、約25~75℃の温度範囲から選択される温度で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(a)及び(b)の接触させることは、約25~75℃の温度範囲(例えば、等温温度)から選択される一定温度で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(c)及び(d)の検出及び識別することは、約25~75℃の温度範囲(例えば、等温温度)から選択される一定温度で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(e)の解離することは、約25~75℃の温度範囲(例えば、等温温度)から選択される一定温度で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(f)及び(g)の接触させることは、約25~75℃の温度範囲(例えば、等温温度)から選択される一定温度で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(h)及び(i)の検出及び識別することは、約25~75℃の温度範囲(例えば、等温温度)から選択される一定温度で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(j)の除去することは、約25~75℃の温度範囲(例えば、等温温度)から選択される一定温度で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(a)~(j)は、約25~75℃の温度範囲(例えば、等温温度)から選択される一定温度で行われる。
【0455】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(g)の複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、塩基、糖、及び少なくとも1つのリン酸基を含む。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド単位の特性を含むヌクレオチド単位を含む。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体ではない。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体を含む。
【0456】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(g)の複数のヌクレオチドのうちの少なくとも1つのヌクレオチドは、1つ、2つ、または3つのリン原子の鎖を含み、この鎖は、典型的には、エステルまたはホスホラミド結合を介して糖部分の5’炭素に結合する。いくつかの実施形態において、複数の中の少なくとも1つのヌクレオチドは、リン原子が介在するO、S、NH、メチレン、またはエチレンと一緒に連結されるリン鎖を有する類似体である。いくつかの実施形態において、鎖内のリン原子は、O、S、またはBH3を含む置換側基を含む。いくつかの実施形態において、鎖は、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホルジチオエート、及びO-メチルホスホロアミダイト基を含む類似体で置換されたホスフェート基を含む。
【0457】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(g)の複数のヌクレオチド中の少なくとも1つのヌクレオチドは、上で考察した1つ以上の例示的なヌクレオチド類似体特性を含むターミネーターヌクレオチド類似体を含む。
【0458】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(g)の複数のヌクレオチド中の少なくとも1つのヌクレオチドは、糖2’位、糖3’位、または糖2’及び3’位に鎖終結部分(例えば、ブロック部分)を有するターミネーターヌクレオチド類似体を含む。鎖終結部分は、上記の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合することができる。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0459】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(g)の複数のヌクレオチド中の少なくとも1つのヌクレオチドは、検出可能なレポーター部分(例えば、少なくとも1つの標識ヌクレオチド)を含む。検出可能なレポーター部分は、フルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、ヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、塩基から開裂可能/除去可能であるリンカーによってヌクレオチド塩基に結合する。いくつかの実施形態において、複数の中のヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、検出可能なレポーター部分で標識されない。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドに結合する特定の検出可能なレポーター部分(例えば、フルオロフォア)は、ヌクレオチド塩基(例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、またはdUTP)に対応して、ヌクレオチド塩基の検出及び識別を可能にすることができる。
【0460】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、ステップ(g)の複数のヌクレオチド中の少なくとも1つのヌクレオチドは、開裂可能な部分を介して3’-OH糖位に結合する鎖終結部分を有することを含む、塩基上の開裂可能なリンカーを含み、これは、上述の鎖終結部分の実施形態のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、鎖終結部分は、上記の潜在的特性のうちのいずれかを含む、アジド(azide)、アジド(azido)、またはアジドメチル基を含む。
【0461】
いくつかの実施形態において、1つ以上の核酸鋳型分子の配列を決定するための方法では、支持体は、平面または非平面支持体を含む。支持体は、固体または半固体であり得る。いくつかの実施形態において、支持体は、多孔質、半多孔質、または非多孔質であり得る。いくつかの実施形態において、支持体の表面は、1つ以上の化合物でコーティングされ、支持体上に不動態化層を生成することができる。いくつかの実施形態において、不動態化層は、多孔質または半多孔質層を形成する。いくつかの実施形態において、核酸プライマー、鋳型及び/またはポリメラーゼを不動態化層に結合して、プライマー、鋳型、及び/またはポリメラーゼを支持体に固定化することができる。いくつかの実施形態において、支持体は、支持体上の改善された核酸ハイブリダイゼーション及び増幅性能を可能にする低い非特異的結合表面を含む。一般に、支持体は、共有結合または非共有結合している低化学修飾層、例えば、シラン層、ポリマーフィルム、及び複数の核酸鋳型分子を支持体に固定化するために使用することができる1つ以上の共有結合または非共有結合しているオリゴヌクレオチドの1つ以上の層を含み得る。いくつかの実施形態において、支持体は、支持体上の化学基を介して少なくとも支持体の一部に共有結合した官能化ポリマーコーティング層、官能化ポリマーコーティングにグラフトされたプライマー、ならびにプライマー及び官能化ポリマーコーティング上の水溶性保護コーティングを含むことができる。いくつかの実施形態において、官能化ポリマーコーティングは、ポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-co-アクリルアミド(PAZAM)を含む。いくつかの実施形態において、支持体は、少なくとも1つの親水性ポリマーコーティング層、及び複数のオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つの層を有する表面コーティングを含む。親水性ポリマーコーティング層は、ポリエチレングリコール(PEG)を含むことができる。親水性ポリマーコーティング層は、少なくとも4つの分岐を有する分岐PEGを含むことができる。いくつかの実施形態において、支持体は、45度以下の水接触角を有する低非特異的結合コーティングを含む。いくつかの実施形態において、支持体に固定化された、または支持体上のコーティングに固定化された複数の第1の複合ポリメラーゼの密度は、1mm2当たり約102~106、または1mm2当たり約106~109、または1mm2当たり約109~1012である。いくつかの実施形態において、複数の第1の複合ポリメラーゼは、支持体に固定化されるか、支持体上の所定の部位(または支持体上のコーティング)で支持体上のコーティングに固定化されるか、または支持体上のランダムな部位(または支持体上のコーティング)で支持体上のコーティングに固定化される。
【実施例】
【0462】
以下の実施例は、例示的であることを意味し、本開示の実施形態を更に理解するために使用することができ、本教示の範囲を何ら限定するものと解釈されるべきではない。
【0463】
実施例1:変異体ポリメラーゼの明確な溶解物調製
【0464】
【0465】
変異体ポリメラーゼのうちの1つをコードする核酸に作動可能に連結された発現ベクターを保有する宿主細胞を、調製した。宿主細胞を、変異体ポリメラーゼを発現するのに好適な条件下で培養した。宿主細胞をプレート形式で増殖させ、発現後に遠心分離した。細胞ペレットを、緩衝液(20mM Tris-HCl(pH8.8)、10mM KCl、10mM(NH4)2SO4))中のリゾチームで処理することによって溶解し、再び遠心分離した。上清をPCRプレートに移し、60℃で30分間熱ショックした。次いで、熱ショックを与えた溶解物を遠心分離によって浄化し、上清をヌクレオチドの取り込みアッセイのための新しいプレートに移した。
【0466】
実施例2:ヌクレオチドの取り込みアッセイ
【0467】
Atto染料標識DNA鋳型を使用して、DNA二本鎖を調製した。標識したDNA鋳型を、反応緩衝液(Tris-HCl(pH7.5)、NaCl、EDTA)中のプライマーでアニールした。二本鎖を、浄化した溶解物(実施例1に記載)と混合し、42℃に平衡化させた。ヌクレオチドの取り込み反応は、鋳型上の次の塩基に対応する3’メチルアジドヌクレオチド(例えば、dCTP-N3)の追加で開始した。反応を42℃で30秒間進め、EDTA及びホルムアミドでクエンチした。n+1対nの分析を、キャピラリー電気泳動によって行った。
【0468】
42℃での伸長ポリヌクレオチド鎖のN+1位における3’メチルアジドヌクレオチドの取り込みにおける、Candidatus altiarchaeales古細菌からのDNAポリメラーゼのバリアントの相対活性を、表1(
図3A~
図3H)、表2(
図4A~
図4E)、及び表3(
図5A~
図5E)に記載する。
【0469】
結果を、表1(
図3A~
図3H)、表2(
図4A~
図4E)、及び表3(
図5A~
図5Eに示す。表1(
図3A~
図3H)では、Candidatus Altiarchaeales古細菌からの野生型ポリメラーゼは、#1(例えば、配列番号1)と示された。Candidatus Altiarchaeales古細菌からの変異体ポリメラーゼクローンは、#2~80(例えば、それぞれ配列番号2~80、表1の
図3A~
図3Hも参照)と示され、以下の変異を含有した:2:Y502V、3:Y502S、4:Y502Q、5:Y502P、6:Y502H、7:Y502G、8:Y502F、9:Y502A、10:S415V、11:S415G、12:S415A、13:R468V、14:R468S、15:R468K、16:R468H、17:R468G、18:R468A、19:R414S、20:L416V、21:L416S、22:L416A、23:I529V、24:I529S、25:I529H、26:I529G、27:I529A、28:Y417V_P418V、29:Y417V_P418S、30:Y417V_P418A、31:Y417T_P418K、32:Y417S_P418S、33:Y417S_P418G、34:Y417S_P418A、35:Y417G_P418V、36:Y417G_P418S、37:Y417G_P418G、38:Y417G_P418C、39:Y417G_P418A、40:Y417A_P418V、41:Y417A_P418S、42:Y417A_P418G、43:Y417A_P418A、44:S415V_Y417S、45:S415V_Y417A、46:S415V_P418V、47:S415V_P418S、48:S415V_P418G、49:S415V_L416V、50:S415V_L416S、51:S415G_Y417V、52:S415G_Y417S、53:S415G_P418V、54:S415G_P418S、55:S415G_P418G、56:S415G_P418A、57:S415G_L416V、58:S415G_L416S、59:S415G_L416G、60:S415G_L416A、61:S415A_Y417G、62:S415A_Y417A、63:S415A_P418G、64:S415A_L416S、65:L416V_P418S、66:L416V_P418G、67:L416S_Y417G、68:L416S_Y417A、69:L416S_P418V、70:L416S_P418G、71:L416G_Y417G、72:L416G_Y417A、73:L416G_P418G、74:L416G_P418A、75:L416A_Y417S、76:L416A_P418S、77:L416A_P418G、78:L416A_P418A、79:Y417V_P418V_Y502S、80:Y417V_P418G_Y502G。
【0470】
表1(
図3A~
図3H)において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からの変異体ポリメラーゼクローンは、#81~157(例えば、それぞれ、配列番号81~157)と示され、以下の変異を含有した:81:Y417V_P418A_Y502R、82:Y417S_P418V_Y502R、83:Y417S_P418G_Y502S、84:Y417G_P418G_Y502V、85:Y417G_P418A_Y502N、86:Y417G_P418A_Y502G、87:Y417A_P418S_Y502R、88:G403A_H405S_D406H、89:A493V_K495V_N499S、90:A493V_K495V_N499G、91:A493V_K495V_N499A、92:A493V_K495S_N499V、93:A493V_K495S_N499S、94:A493V_K495S_N499G、95:A493V_K495Q_N499V、96:A493V_K495Q_N499G、97:A493V_K495Q_N499A、98:A493V_K495G_N499V、99:A493V_K495G_N499S、100:A493V_K495G_N499G、101:A493V_K495G_N499A、102:A493V_K495A_N499G、103:A493V_K495A_N499A、104:A493V_K495S_N499G、105:L416A_Y417A_P418A、106:L416A_Y417A_P418G、107:L416A_Y417A_P418I、108:L416A_Y417S_P418A、109:L416A_Y417S_P418G、110:L416A_Y417S_P418S、111:L416G_Y417G_P418G、112:L416I_Y417A_P418G、113:L416I_Y417A_P418S、114:L416I_Y417G_P418A、115:L416I_Y417I_P418V、116:L416S_Y417A_P418G、117:L416S_Y417G_P418A、118:L416T_Y417A_P418A、119:L416T_Y417G_P418A、120:L416V_Y417A_P418A、121:L416V_Y417G_P418G、122:L416I_Y417S_P418S、123:L416V_Y417V_P418G、124:H405P_A493V_K495G_N499A、125:A493V_K495S_N499A_Y502T、126:A493V_K495Q_N499G_F507S、127:A493V_K495G_N499G_M501I、128:L416A_Y417A_P418A_I529L、129:L416A_Y417A_P418A_I529H、130:L416A_Y417A_P418S_I529H、131:L416A_Y417G_P418A_I529H、132:L416A_Y417G_P418G_I529H、133:L416A_Y417G_P418S_I529H、134:L416G_Y417T_P418S_I529H、135:L416I_Y417A_P418A_I529L、136:L416I_Y417A_P418G_I529F、137:L416I_Y417A_P418S_I529H、138:L416I_Y417G_P418A_I529L、139:L416I_Y417S_P418G_I529H、140:L416L_Y417Y_P418P_I529H、141:L416S_Y417A_P418G_I529H、142:L416S_Y417A_P418G_I529F、143:L416S_Y417A_P418T_I529H、144:L416S_Y417G_P418G_I529H、145:L416S_Y417G_P418V_I529H、146:L416T_Y417A_P418A_I529H、147:L416T_Y417A_P418G_I529H、148:L416T_Y417G_P418A_I529H、149:L416V_Y417A_P418A_I529H、150:L416V_Y417A_P418G_I529S、151:L416V_Y417A_P418G_I529T、152:L416V_Y417A_P418G_I529H、153:L416V_Y417A_P418S_I529H、154:L416V_Y417G_P418A_I529H、155:L416V_Y417G_P418G_I529H、156:L416V_Y417G_P418S_I529H、157:L416V_Y417T_P418S_I529H。
【0471】
表2(
図4A~
図4E)において、Candidatus Altiarchaeales古細菌からの変異体ポリメラーゼクローンは、#158~255(例えば、配列番号158~255)と示され、以下の変異を含有した:158:Y502I、159:L416A_Y417G_P418A、160:L416I_Y417A_P418A、161:L416V_Y417A_P418G、162:L416A_Y417A_P418S、163:L416I_Y417S_P418G、164:L416V_Y417A_P418S、165:L416A_Y417I_P418T、166:L416S_Y417G_P418V、167:L416S_Y417G_P418G、168:L416V_Y417G_P418A、169:L416A_Y417A_P418V、170:L416V_Y417T_P418I、171:L416V_Y417V_P418A、172:S415V_Y417A_A493V_K495G_N499S、173:H405P_A493V_K495V_N499A、174:A493V_K495S_N499G_F507S、175:L416S_Y417A_P418G_I529H_R608K、176:L416S_Y417A_P418G_I529H_K473A、177:L416S_Y417A_P418G_I529H_L496A、178:L416S_Y417A_P418G_I529H_V489I、179:L416S_Y417A_P418G_I529H_R515L、180:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S、181:L416S_Y417A_P418G_I529H_D622T、182:L416S_Y417A_P418G_I529H_Q492R、183:L416S_Y417A_P418G_I529H_Q673I、184:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_D622T、185:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_Q492R、186:L416S_Y417A_P418G_I529H_K473A_L496A、187:L416S_Y417A_P418G_I529H_K473A_Q492R、188:L416S_Y417A_P418G_I529H_K473A_R515L、189:L416S_Y417A_P418G_I529H_L496A_A493S_Q492R、190:L416S_Y417A_P418G_I529H_L496A_A493S_V489I、191:L416S_Y417A_P418G_I529H_L496A_R515L、192:L416S_Y417A_P418G_I529H_L496A_V489I、193:L416S_Y417A_P418G_I529H_Q492R_P335Q、194:L416S_Y417A_P418G_I529H_Q492R_Q673I、195:L416S_Y417A_P418G_I529H_R515L_Q492R、196:L416S_Y417A_P418G_I529H_R515L_Q673I、197:L416S_Y417A_P418G_I529H_R608K_A493S、198:L416S_Y417A_P418G_I529H_R608K_L496A、199:L416S_Y417A_P418G_I529H_R608K_Q492R、200:L416S_Y417A_P418G_I529H_V489I_A493S、201:L416S_Y417A_P418G_I529H_V489I_Q492R、202:L416S_Y417A_P418G_I529H_V489I_R515L、203:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L、204:L416S_Y417A_P418G_A493S_I529H_K610E、205:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_L496G、206:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L_L611S、207:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_L496S_D439S、208:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515W、209:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_L496A、210:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_Q492C_L496R、211:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R723H、212:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_D653G_A669D_S717G_I750V、213:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_L496S、214:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515Y、215:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_Q492G_L496A、216:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_S443N_Q492F、217:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R697G、218:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_L496H、219:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_Q492A_L496S、220:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_L494V_L496N、221:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_V651M、222:L416S_Y417A_P418G_A493S_I529H_E569G、223:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L_S717G、224:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_S717G、225:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L_N567D、226:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_L496R、227:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_Q492G、228:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L_S577I、229:L416S_Y417A_P418G_A493S_I529H_K58M、230:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515P、231:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_Q492G_L496I、232:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_L496N、233:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515F、234:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_D381Y_Q492R_L496M、235:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_S443N、236:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_E370D、237:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_E760G、238:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_Q492T_L496S、239:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_L496C、240:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_L496I、241:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_L496Y、242:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_G355S_S440N_R515L、243:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_Q492L_L496M、244:L416F_Y417A_P418G_A493S_I529H_R515L_N567D、245:L416Y_Y417A_P418G_A493S_I529H_R515L_N567D、246:L416S_Y417T_P418G_I529H_A493S_R515L_N567D、247:L416M_Y417A_P418G_A493S_I529H_R515L_N567D、248:L416A_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L_N567D、249:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L_N567D_C104S、250:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L_N567D_C514S、251:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L_N567D_C130S、252:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L_N567D_C130R、253:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L_N567D_C450S、254:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L_N567D_C517S、255:L416S_Y417A_P418G_I529H_A493S_R515L_N567D_C269S。
【0472】
実施例3:Geobacillus stearothermophilusからの変異体ポリメラーゼ
【0473】
変異R615K、Y654A、Y654D、Y654E、Y654F、Y654G、S655A、S655G、S655V、Q656A、Q656G、Q656N、Q656S、Q656V、I657A、I657G、I657S、I657V、E658A、E658D、E658G、E658S、E658V、L659A、L659G、L659P、L659S、L659V、D680A、D680G、D680I、D680L、D680N、D680S、D680V、H682A、H682G、H682N、H682Q、H682S、H682V、R702A、R702G、R702H、R702K、R702S、R702V、K706H、K706K、K706R、A707G、A707S、A707T、F710A、F710D、F710E、F710G、F710Q、F710S、F710T、F710V、Y714A、Y714D、Y714E、Y714F、Y714G、Y714S、Y714W、H829A、H829G、D314E、I332L、I334L、K368R、K381R、I385L、K417R、K434R、I454L、D471E、I528L、K601R、K635R、I649L、I665L、K758R、及びK760Rは、Bstポリメラーゼ(例えば、Geobacillus stearothermophilus)において個別にまたは様々な組み合わせのいずれかで作製された。代表的なBstバリアントによる3’-アジドメチルヌクレオチドの取り込みの改善を、
図2に示す。
【0474】
実施例4:反応速度
【0475】
精製された酵素を、42℃の反応緩衝液中で、鋳型位置にdGを含有するアニールされた基質DNAと過剰にプレインキュベートした。反応は、正しいdCTP-3’-O-メチルアジドヌクレオチドの添加によって開始し、進行させた。様々な時点で、反応をサンプリングし、EDTA及びホルムアミドの添加によってクエンチして、反応を停止させた。クエンチしたサンプルを、キャピラリー電気泳動によって分析した。生成物の形成対時間を、指数方程式に当てはめて、見かけの反応速度を求めた。野生型酵素(配列番号1)を、配列番号39、297、27、164、または225のアミノ酸配列を有する操作させた酵素と比較する、結果を、
図19に示す。
【0476】
実施例5:プライマー伸長反応
【0477】
フローセルは、増幅されたポロニーのフィールドを空間的に分離し、個別に含むように調製した。制御された様式で、適切な緩衝液、操作されたポリメラーゼ(例えば、配列番号27)、dNTP-3’-O-メチルアジド、及び触媒金属を含有する伸長混合物を、増幅したポロニーと反応させて、理想的には、N個の長さの配列決定プライマーの3’末端に単一のヌクレオチドを組み込むようにした。反応は、溶液を除去し、広範囲に洗浄することにより停止した。次いで、N+1の伸長生成物に対応するブロックされた配列決定プライマーを、切断試薬と反応させて、メチルアジドブロッキング基を除去し、伸長可能な3’OH基を再生した。切断後、増幅したポロニーを、広範囲に洗浄して、任意の微量の切断試薬を除去した。増幅されたポロニーの各空間的に分離されたフィールドがN+1、N+4、N+6、N+8に伸長されるように、このプロセスを2、4、6、8回繰り返した。次いで、伸長した配列決定プライマーを除去し、キャピラリー電気泳動によって分析した。結果を
図20に示す。
【0478】
実施例6:多価分子及びヌクレオチドを使用した配列決定
【0479】
2段階の配列決定反応は、その上に固定化された複数のコンカテマー鋳型分子(例えば、固定化されたポロニー)を有するフローセル上で実施した。
【0480】
第1段階の配列決定反応は、複数の可溶性配列決定プライマーを、フローセルに固定化されたコンカテマー鋳型分子にハイブリダイズして、固定化されたプライマー-コンカテマー二本鎖を形成することによって実施した。複数の第1の配列決定ポリメラーゼを、フローセル上に流し(例えば、固定化されたプライマー-コンカテマー二本鎖に接触させる)、配列決定ポリメラーゼを二本鎖に結合させるのに好適な条件下でインキュベートして、複合ポリメラーゼを形成した。例示的な第1の配列決定ポリメラーゼは、配列番号1~274または288~375または385~397のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。蛍光標識された多価分子の混合物(例えば、約20~100nMの異なる濃度で)を、非触媒カチオン(例えば、ストロンチウム、バリウム、及び/またはカルシウム)を含む緩衝液の存在下でフローセル上に流し、多価分子の相補的ヌクレオチド単位を複合ポリメラーゼに結合するのに好適な条件下でインキュベートして、ヌクレオチド単位のポリメラーゼ触媒による取り込みなしに親和性複合体を形成した。蛍光標識された多価分子を、それらのコアで標識した。複合ポリメラーゼを洗浄した。複合ポリメラーゼに結合したままの蛍光標識多価分子の画像を得た。洗剤を含む緩衝液で洗浄することによって、固定化されたコンカテマー(保持された二本鎖)にハイブリダイズする配列決定プライマーを保持しつつ、第1の配列決定ポリメラーゼ及び多価分子を除去した。
【0481】
第1の段階の配列決定反応は、コンカテマー鋳型分子(例えば、ポロニー)上に複数の親和性複合体を形成するのに好適であった。例えば、第1の段階の配列決定反応は、(a)第1の核酸プライマー、第1のポリメラーゼ、及び第1の多価分子をコンカテマー鋳型分子の第1の部分に結合し、それによって第1の結合複合体を形成することであって、第1の多価分子の第1のヌクレオチド単位が、第1のポリメラーゼに結合する、形成することと、(b)第2の核酸プライマー、第2のポリメラーゼ、及び第1の多価分子を同じコンカテマー鋳型分子の第2の部分に結合し、それによって第2の結合複合体を形成することであって、第1の多価分子の第2のヌクレオチド単位は、第2のポリメラーゼに結合し、同じ多価分子を含む第1及び第2の結合複合体は、第1の親和性複合体を形成する、形成することと、を含んだ。
【0482】
第2の段階の配列決定反応は、保持された二本鎖を複数の第2の配列決定ポリメラーゼと接触させて、複合ポリメラーゼを形成することによって実施した。例示的な第2の配列決定ポリメラーゼは、配列番号1~274または288~375または385~397のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。非標識ヌクレオチド類似体(例えば、3’O-メチルアジドヌクレオチド)の混合物(例えば、約1~5uMの異なる濃度で)を、触媒カチオン(例えば、マグネシウム及び/またはマンガン)を含む緩衝液の存在下で複合ポリメラーゼに添加し、相補的ヌクレオチドを複合ポリメラーゼに結合し、ヌクレオチドのポリメラーゼ触媒による取り込みを促進して新生の伸長した配列決定プライマーを生成するのに好適な条件下でインキュベートした。複合ポリメラーゼを洗浄した。画像は取得されなかった。取り込まれた非標識ヌクレオチド類似体を、3’O-メチルアジド基を除去し、伸長可能な3’OH基を生成する開裂試薬と反応させた。
【0483】
代替的な第2の段階の配列決定反応では、蛍光標識されたヌクレオチド類似体(例えば、3’O-メチルアジドヌクレオチド)の混合物(例えば、約1~5uM)を、触媒カチオン(例えば、マグネシウム及び/またはマンガン)を含む緩衝液の存在下で複合ポリメラーゼに添加し、相補的ヌクレオチドを複合ポリメラーゼに結合し、ヌクレオチドのポリメラーゼ触媒による取り込みを促進して新生の伸長した配列決定プライマーを生成するのに好適な条件下でインキュベートした。複合ポリメラーゼを洗浄した。複合ポリメラーゼの一部として、取り込まれた蛍光標識ヌクレオチド類似体の画像を得た。取り込まれた蛍光標識ヌクレオチド類似体を、3’O-メチルアジド基を除去し、伸長可能な3’OH基を生成する開裂試薬と反応させた。
【0484】
洗剤を含む緩衝液で洗浄することによって、コンカテマー(保持された二重鎖)にハイブリダイズする新生の伸長した配列決定プライマーを保持しつつ、第2の配列決定ポリメラーゼを除去した。反復する配列決定反応は、第1の段階及び第2の段階の配列決定反応の複数サイクルを実施して、伸長した順方向配列決定プライマー鎖を生成することによって実施した。36サイクルの配列決定の実行から得られた例示的な位相率を
図20に示す。
【配列表】
【国際調査報告】