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特表2024-522802パワーシフトの制御が改良された小型レンズによりレンズを被覆するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】パワーシフトの制御が改良された小型レンズによりレンズを被覆するための方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/00 20060101AFI20240614BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
G02C7/00
G02B3/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578012
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 EP2022066520
(87)【国際公開番号】W WO2022263611
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】21305844.9
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598142955
【氏名又は名称】エシロール アンテルナショナル
【氏名又は名称原語表記】ESSILOR INTERNATIONAL
【住所又は居所原語表記】147,rue de Paris,F-94277 Charenton-le-Pont,France
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ デュク
(72)【発明者】
【氏名】エレーヌ ギユー
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006BA04
(57)【要約】
少なくとも一部が小型レンズで覆われた少なくとも1つの主表面を有する、複数の光学レンズを被覆するための方法であって、方法は、複数の光学レンズから少なくとも1つの第1の光学レンズを被覆流体の中に浸漬すること(DIP)と、少なくとも1つの第1の光学レンズを被覆流体から制御された引き抜き速度で引き抜くこと(WDW)と、少なくとも1つの第1の光学レンズに堆積した被覆層の厚さを測定すること(MEAS)と、測定された厚さに基づいて調整された引き抜き速度を決定すること(ADJ)と、引き抜くステップ(WDW)の間に調整された引き抜き速度を使用して、複数の光学レンズから少なくとも他の光学レンズを浸漬し(DIP)、引き抜き(WDW)、測定し(MEAS)、決定する(ADJ)ステップを繰り返すこととを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が小型レンズ(18)で覆われた少なくとも1つの主表面(14、16)を有する複数の光学レンズ(10)を被覆するための方法であって、
前記複数の光学レンズからの少なくとも1つの第1の光学レンズ(10)を、被覆流体(112)の中に浸漬すること(DIP)と、
前記少なくとも1つの第1の光学レンズ(10)を、前記被覆流体(112)から、制御された引き抜き速度で引き抜くこと(WDW)と、
前記少なくとも1つの第1の光学レンズ(10)に堆積した被覆層(20)の厚さを測定すること(MEAS)と、
前記測定された厚さに基づいて、調整された引き抜き速度を決定すること(ADJ)と、
前記複数の光学レンズ(10)からの少なくとも他の光学レンズ(10)に、前記浸漬し(DIP)、引き抜き(WDW)、測定し(MEAS)、かつ決定する(ADJ)ステップを、前記調整された引き抜き速度を前記引き抜くステップ(WDW)の間に使用して、繰り返すことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、前記第1の光学レンズ(10)に堆積した前記被覆層(20)を乾燥させる(DRY)ステップを含み、前記測定するステップ(MEAS)は、前記引き抜くステップ(WDW)と前記乾燥させるステップ(DRY)との間に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記第1の光学レンズ(10)に堆積した前記被覆層(20)を乾燥させるステップ(DRY)、及び前記第1の光学レンズ(10)に堆積した前記被覆層(20)を硬化させるステップ(HRD)を含み、前記測定するステップ(MEAS)は、前記乾燥させるステップ(DRY)と前記硬化させるステップ(HRD)との間に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記第1の光学レンズ(10)に堆積した前記被覆層(20)を硬化させるステップ(HRD)を含み、前記測定するステップ(MEAS)は、前記硬化させるステップ(HRD)の後に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記測定するステップ(MEAS)は、非接触光学方法を通して実施される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記浸漬するステップ(DIP)が実施される浸漬アセンブリ内の前記被覆流体(112)の粘度の連続した調整を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記調整された引き抜き速度は、前記被覆層(20)の前記測定された厚さと所望の公称厚さとの差の経験関数に基づいて決定される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記経験関数は、前記被覆流体(112)の流体特性、並びに前記主表面(14、16)及び小型レンズ(18)の表面機構及び物理特性に更に依存する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記引き抜き速度は、前記引き抜くステップ(WDW)の間は一定に保たれる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記引き抜き速度は、前記引き抜くステップ(WDW)の間に次第に低減する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも一部が小型レンズ(18)で被覆された少なくとも1つの主表面(14、16)を有する光学レンズを被覆するための被覆アセンブリ(100)であって、
前記被覆アセンブリ(100)は、
被覆流体(112)を受領するためのタンク(110)、及び少なくとも1つの光学レンズ(10)を前記被覆流体(112)内に浸漬し、前記光学レンズ(10)を制御された引き抜き速度で引き抜くための少なくとも1つの移動部材(120)を含む、浸漬アセンブリと、
前記少なくとも1つの光学レンズ(10)に堆積した被覆層(20)の厚さを測定するための測定システム(MSYS)と、
処理装置(PROC)及びメモリ(MEM)を含む制御システム(CTRL)であって、前記制御システム(CTRL)は、前記測定システム(MSYS)及び前記移動部材(120)を制御するように構成される、制御システム(CTRL)と
を含み、
前記制御システム(120)は、前記測定された厚さに基づいて、調整された引き抜き速度を決定するように構成される、被覆アセンブリ(100)。
【請求項12】
処理装置(PROC)にアクセス可能であり、前記処理装置(PROC)によって実行される時に、前記処理装置(PROC)に請求項1~10のいずれか一項に記載の方法の少なくとも一部を実行させる1つ又は複数の記憶された命令シーケンスを含む、コンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の前記コンピュータプログラムの1つ又は複数の記憶された命令シーケンスを記憶する、非一時的記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼科光学の分野に属する。本開示は、一般に光学レンズの被覆に関する。
【0002】
詳細には、少なくとも一部が小型レンズで覆われた主表面を有する光学レンズを被覆するための方法、並びに対応するアセンブリ、コンピュータプログラム、及び記憶媒体が開示される。
【背景技術】
【0003】
眼科業界では、光学レンズに表面処理を施すことが数十年間知られている。
【0004】
例えば眼科レンズなどの光学物品は、所望の光強度を提供するために形状されたベースレンズ基板、及びベースレンズ基板を擦過による損傷から防ぐために、ベースレンズ基板の少なくとも1つの表面を覆う耐摩擦被覆を概して含む。
【0005】
硬質被覆で光学レンズを被覆するために、最も一般的な方法は、浸漬被覆及び回転被覆である。
【0006】
浸漬被覆方法で既知のよく起こる問題は、得られる硬質被覆の厚さを制御することである。
【0007】
多くの用途に対して、光学物品の強度の局所変化を提供する、マイクロレンズなどの複数の小型レンズをベースレンズ基板上に提供することが望ましいことが発見されてきた。例えば、米国特許出願公開第2017/0131567号明細書から、レンズの表面に形成された複数のマイクロレンズを含むレンズが公知であり、マイクロレンズによって提供された強度の局所変化は、近視の進行を抑え又は遅らせることができる。
【0008】
これについて、その表面の少なくとも1つの上に小型レンズを含む基板を被覆することは、小型レンズに得られる光学強度に影響を与える。この影響は、基板を製造する時に、事前に小型レンズの光学強度を調整することによって補償され得る。しかしそのような調整は、硬質被覆の特定の予期した厚さの影響を補償するためのみに計算され得る。
【0009】
従って、被覆層に起因する小型レンズのパワーシフトをより良く制御するために、浸漬工程中に光学レンズに堆積した被覆流体又は固体層の厚さの改良された制御に対する需要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、被覆流体又は固体の層の厚さをより良く制御する方法を提供することにより、これらの態様を改良することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
その目的のために、本発明は、少なくとも一部が小型レンズで覆われた少なくとも1つの主表面を有する複数の光学レンズ、好ましくは眼科レンズを被覆するための方法に関し、方法は、
- 複数の光学レンズから少なくとも1つの第1の光学レンズを被覆流体の中に浸漬することと、
- 少なくとも1つの第1の光学レンズを被覆流体から制御された引き抜き速度で引き抜くことと、
- 少なくとも1つの第1の光学レンズに堆積した被覆の厚さを測定することと、
- 測定された厚さに基づいて調整された引き抜き速度を決定することと、
- 引き抜くステップの間に調整された引き抜き速度を使用して、複数の光学レンズから少なくとも他の光学レンズを浸漬し、引き抜き、測定し、決定するステップを繰り返すことと
を含む。
【0012】
この方法は、被覆流体又は固体の層の厚さをより良く制御することができる。これは、次いで被覆層に起因して、マイクロレンズのパワーシフトの制御を向上させる。全ての完成品のより良い信頼性及び効率を得るために、マイクロレンズの光学強度の分配を高める。
【0013】
方法は、第1の光学レンズに堆積した被覆層を乾燥させるステップを含んでもよく、測定するステップは、引き抜くステップと乾燥させるステップとの間に実施される。
【0014】
この特徴は、できる限り早く厚さを測定することにより、引き抜き速度の調整をより速くでき、調整の応答速度を改善する。
【0015】
方法は、第1の光学レンズに堆積した被覆層を乾燥させるステップ、及び第1の光学レンズに堆積した被覆層を硬化させるステップを含んでもよく、測定するステップは、乾燥させるステップと硬化させるステップとの間に実施される。
【0016】
この特徴は、被覆流体の層の測定された厚さを、完成品におけるこの層の最終厚さに近づけることができ、前記最終厚さをより正確に制御できる一方で、引き抜き速度を調整する前の待機時間を低く抑える。
【0017】
方法は、第1の光学レンズに堆積した被覆層を硬化させるステップを含んでもよく、測定するステップは、硬化させるステップの後に実施される。
【0018】
この特徴は、引き抜き速度の調整の反応を犠牲にして、被覆層の最終厚さを最も正確に制御することができる。
【0019】
測定するステップは、非接触光学方法を通して実施されてもよい。
【0020】
この特徴は、速く正確な測定が可能であり、乾燥及び/又は硬化中に被覆層に影響を与えない。
【0021】
方法は、浸漬するステップが実施される浸漬アセンブリ内の被覆流体の粘度の連続した調整を含んでもよい。
【0022】
この特徴は、引き抜き速度とレンズに堆積した被覆流体の層の厚さとの間の関係を一貫させることができる。
【0023】
調整された引き抜き速度は、被覆層の測定された厚さと所望の公称厚さとの差の経験関数に基づいて決定されてもよい。
【0024】
この特徴は、特定の流体及び既知の型のレンズに対する引き抜き速度を正確に調整することができる。
【0025】
経験関数は、被覆流体の流体特性、並びに光学レンズの主表面及び小型レンズの表面機構及び物理特性に更に依存してもよい。
【0026】
引き抜き速度は、引き抜くステップの間は一定に保たれてもよい。
【0027】
引き抜き速度は、引き抜くステップの間に次第に低減してもよい。
【0028】
本発明は、少なくとも一部が小型レンズで被覆された少なくとも1つの主表面を有する光学レンズを被覆するための被覆アセンブリにも関し、アセンブリは、
- 被覆流体を受領するためのタンク、及び少なくとも1つのレンズを被覆流体内に浸漬し、レンズを制御された引き抜き速度で引き抜くための少なくとも1つの移動部材を含む、浸漬アセンブリと、
- 少なくとも1つのレンズに堆積した被覆層の厚さを測定するための測定システムと、
- 処理装置及びメモリを含む制御システムであって、制御システムは、測定システム及び移動部材を制御するように構成される、制御システムと
を含み、
制御システムは、測定された厚さに基づいて調整された引き抜き速度を決定するように構成される。
【0029】
本発明は、処理装置にアクセス可能であり、処理装置によって実行される時に、処理装置に上記のような方法の少なくとも一部を実行させる1つ又は複数の記憶された命令シーケンスを含む、コンピュータプログラムにも依拠する。
【0030】
本発明は、上記のようなコンピュータプログラムの1つ又は複数の記憶された命令シーケンスを記憶する、非一時的記憶媒体にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明による方法を通して獲得したレンズの側面図である。
図2】本発明による方法のステップの図式表現である。
図3】本発明による方法を実施するための被覆アセンブリの概略図である。
図4】先行技術から製造方法を実施した時に獲得した小型レンズの被覆層の厚さのグラフである。
図5】先行技術から製造方法を実施した時に獲得した小型レンズのパワーシフトのグラフである。
図6】本発明による製造方法を実施した時に獲得した小型レンズの被覆層の厚さのグラフである。
図7】本発明による製造方法を実施した時に獲得した小型レンズのパワーシフトのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明による方法を通して獲得した光学レンズ10が、図1に示されている。
【0033】
光学レンズ10は、好ましくは、凸側14(前側若しくは物体側とも呼ばれる)及び凹側16(裏側若しくは眼球側とも呼ばれる)を含む2つの主表面を画定する、有機又は無機材料から作成された本体12を含む、眼科レンズである。
【0034】
光学レンズ10は、凸側に配置された小型レンズ18、及び少なくとも小型レンズ18の上、好ましくは両方の主表面の上に延在する被覆層20を含む。
【0035】
別法として、小型レンズ18は、光学レンズ10の凹側16の上、又は凸側14及び凹側16の両方の上に配置されてもよい。
【0036】
より詳細には、次の通りに、小型レンズは、光学レンズ10のような光学デバイスの光強度の局所変化を誘発する、離散光学要素である。
【0037】
小型レンズ18は、小型レンズ18がその上に配置される主表面上に隆起及び/又は凹部を形成してもよい。小型レンズ18の輪郭は、円形又は多角形、例えば六角形であってもよい。
【0038】
一実施形態によれば、小型レンズ18は、マイクロレンズであってもよい。マイクロレンズは、球形、円環であってもよく、又は非球面形状を有してもよい。マイクロレンズは、単一焦点、又は円柱強度、又は非合焦点を有してもよい。
【0039】
好ましい実施形態では、小型レンズ又はマイクロレンズは、近視又は遠視の進行を防ぐために使用することができる。その場合、光学レンズ10は、近視又は遠視を矯正するために光強度を提供する本体12を含み、小型レンズ又はマイクロレンズは、着用者が近視である場合に本体12の光強度より大きい光強度、又は着用者が遠視である場合に本体12の光強度より低い光強度をそれぞれ提供してもよい。
【0040】
他の実施形態では、小型レンズ18又はマイクロレンズは、フレネル構造、各フレネル構造を画定する回折構造、永久技術バンプ、又は位相シフト要素であってもよい。それらは、マイクロプリズムなどの屈折光学要素、又は小さい突起若しくは空洞などの光拡散光学要素、或いは光学レンズ10の主表面に粗さを生成するあらゆる型の要素であることも可能である。
【0041】
一実施形態では、小型レンズ18又はマイクロレンズは、米国特許出願公開第2021109379A1号明細書に記載されたようなπ-フレネル小型レンズ、すなわち位相跳躍が2πの多値である一焦点のフレネルレンズと反対に、位相関数が、公称波長でπ位相跳躍を有するフレネル小型レンズであってもよい。そのような小型レンズは、不連続形状を有する構造を含む。換言すると、そのような構造の形状は、小型レンズが属する光学レンズの主表面のベースレベルからの距離の観点から、不連続性を示す高度関数、又は不連続性を示す微分関数によって記載されてもよい。
【0042】
本発明の小型レンズ18は、0.5マイクロメータ(μm)以上及び1.5ミリメートル(mm)以下の直径を有する、円に内接可能な外形形状を有してもよい。
【0043】
本発明の小型レンズ18は、小型レンズ18がその上に配置される主表面に垂直方向に測定して、0.1μm以上及び50μm以下の高さを有する。
【0044】
主表面は、あらゆる微細構造の中心点を含む、平面、球面、球面円柱、又は更に複雑面であることが可能な表面と定義することができる。この主表面は、微細構造がレンズ内に埋め込まれる時に仮想面であり、又は微細構造が埋め込まれていない時に眼科レンズの物理的外面14、16に近い若しくは同一であることが可能である。
【0045】
微細構造の高さは、次いでこの主表面に局所の垂直な軸に対して決定することができ、微細構造の各点について、軸に沿って主表面に対する最大正偏差から最小負偏差を引いた差を計算する。
【0046】
小型レンズ18は、周期的若しくは疑似周期的配置を有してもよく、又は任意の位置も有してもよい。小型レンズの配置の例は、一定のグリッドステップを備えたグリッド、ハニカム配置、複数の同心輪、又は例えば微細構造の間に空間がない連続配置であってもよい。
【0047】
これらの小型レンズ18は、光波面の強度、曲率、又は光偏差の修正を提供してもよく、波面の強度の修正は、構造が吸収性であってもよく、0%~100%の範囲の波面強度を局所的に吸収してもよく、曲率の修正は、構造が波面曲率を+/-20ジオプトリの範囲で局所的に修正してもよく、光偏差の修正は、構造が光を+/-1°から+/-30°までの範囲の角度で局所的に散乱してもよい。
【0048】
小型レンズ18の間の距離は、構造(別個の微細構造)の大きさの0倍(連続)から3倍までの範囲であってもよい。
【0049】
被覆層20は、好ましくは硬質被覆として公知の型からなる。硬質被覆は、概して単層被覆であるが、二重層構造も有してもよい。硬質被覆は、例えばアクリル化合物、エポキシ化合物、エポキシアクリル化合物、シラン化合物、エポキシシラン化合物、ポリウレタンアクリル化合物、シロキサン化合物、及び前述の化合物のあらゆる混合物から作成される。硬質被覆は堅牢であり、それらの縁部は、水分に曝された時に典型的な使用を通して、より軟質の被覆の縁部より劣化を受け難く、それらの波長透過率は、経時的に使用を通して一定に維持される。
【0050】
被覆層20は、浸漬被覆の技術に基づいて、図2を参照して以下に記載された本発明による方法を通して塗布される。
【0051】
方法は、被覆アセンブリ100を使用して実施され、その例は図3に示されている。
【0052】
被覆アセンブリ100は、被覆流体112を含有するタンク110、及び光学レンズ10を被覆流体112の中に浸漬するための移動部材120を含む、浸漬アセンブリを含む。被覆アセンブリは、制御システムCTRL及び測定システムMSYSも含む。
【0053】
被覆流体112は、例えば揮発性溶剤内に溶解された、被覆層20を形成するための材料の溶液である。そのような被覆流体112は、例えばニスである。
【0054】
移動部材120は、実質的に垂直な浸漬軸に沿って移動するロッド122、浸漬軸に沿ってロッド122を駆動させるための駆動アセンブリ124、及び方法の間に少なくとも1つの光学レンズ10を保持できる、ロッド122上に置かれた少なくとも1つのレンズホルダ126を含む。
【0055】
制御システムは、プログラムを実行するように構成された処理装置PROC、並びに命令及びデータを記憶するメモリMEMを含む。
【0056】
制御システムは、測定システム及び移動部材を制御するように構成される。
【0057】
メモリは、処理装置にアクセス可能であり、処理装置によって実行される時に、制御システムに記載された方法を実行させる1つ又は複数の記憶された命令シーケンスを記憶する。
【0058】
測定システムは、光学レンズ10に堆積した被覆層20の厚さを測定するように構成される。
【0059】
測定システムは、好都合なことに、非接触方法、好ましくは光学方法を通して前記厚さを測定するように適合される。
【0060】
そのような方法の例は、スペクトル反射方法又はエリプソメトリ法を含む。
【0061】
測定システムは、例えば、FILMETRICSによってアップグレードされたUPG-F10-AR-HCソフトウェアを備えたF10-AR分光計、FILMETRICSによるF10-HC分光計、又はARCOPTICSによるArcspectro Thinfilm NIR分光計である。
【0062】
測定システムは、測定プローブを接触せずに光学レンズ10に近づけるために関節アーム上に装着された前記プローブを含み、次いで測定後にプローブを取り除いてもよい。
【0063】
被覆アセンブリ100は、粘度制御システムVCTに接続された、被覆流体112内に沈めた粘度測定ツール128を更に含んでもよい。粘度制御システムVCTは、粘性剤を含有する少なくとも1つの側部タンク132に流体接続し、更にタンク110に接続された、少なくとも1つのポンプ130にも接続される。
【0064】
粘度制御システムVCTは、粘度測定ツール128で粘度を周期的に測定し、測定された粘度値を所定の所望値と比べることにより、方法の間に被覆流体112の粘度を監視するように構成される。粘度制御システムは、その粘性を所定の所望値により近づけるように調整するために、被覆流体112を含有するタンク112内に1つ又は複数の粘性剤を注入するために、少なくとも1つのポンプ130を作動させるようにも構成される。
【0065】
方法は、準備するステップPREPを含み、その間に、少なくとも1つの光学レンズ10は、レンズホルダ126の1つの上に準備され、被覆アセンブリ100の中に載置される。
【0066】
被覆アセンブリ100の中に載置された各光学レンズ10は、上記のように少なくとも1つの主表面上に本体12及び小型レンズ18を含む。
【0067】
被覆流体112が、光学レンズ10の主表面の1つのみ又はそのような面の一部の上に塗布される場合、準備ステップは、光学レンズ10の残余部を膜で覆うことを含み、膜はその後剥がされる。
【0068】
方法は、次いで浸漬するステップDIPを含み、その間に、光学レンズ10は、タンク110内に含有された被覆流体112内に沈められる。
【0069】
ロッド122は、光学レンズ10が所望通りに部分的又は完全に沈められるまで、制御システムの制御下で駆動アセンブリ124によって押し下げられる。
【0070】
方法は、次いで引き抜くステップWDWを含み、その間に、光学レンズ10は、制御された引き抜き速度で被覆流体から引き抜かれ、光学レンズ10の少なくとも一部の上に被覆流体を堆積した層が残る。
【0071】
堆積した層の厚さは、引き抜き速度だけではなく、被覆流体112の流体特性、並びに光学レンズ10の主表面14、16及び小型レンズ18の物理及び機械特性にも依存する。
【0072】
引き抜き速度は、制御システムによって制御され、引き抜くステップにわたって一定に保持することができ、又は引き抜くステップの間に低減することができる。引き抜き速度は、引き抜くステップの間に増加されてもよい。
【0073】
引き抜き速度のそのような低減又は増加は、それぞれ基準開始引き抜き速度から始めて、あらゆる型の時間の低減又は増加関数に従って実施することができる。
【0074】
方法は次いで乾燥させるステップDRYを含み、その間に、被覆流体内に含有された溶剤の少なくとも一部は蒸発し、被覆層20を形成する被覆材料が残る。
【0075】
溶剤の蒸発を通して、被覆材料は、光学レンズ10を覆う硬質層を形成する。そのような蒸発は、気流の使用を通し、並びに周囲圧力及び周囲温度の制御を通して加速されてもよい。
【0076】
方法は、次いで硬化させるステップHRDを含み、その間に、被覆層20を形成する被覆材料は硬化される。
【0077】
硬化させるステップは、例えば光重合を通して、被覆材料に含有された有機化合物の重合を含んでもよい。
【0078】
方法は、最終ステップRDYを含み、その間に、完成した光学レンズ10は、被覆アセンブリ100から取り出される。
【0079】
方法は、測定するステップMEASも含み、その間に、被覆層20の厚さが測定される。
【0080】
被覆層20の厚さは、上記の方法の1つにより、測定システムによって、例えば光学レンズ10の光軸Xに沿って測定される。
【0081】
測定は数秒で済み、従って被覆工程を著しく遅らせることはない。
【0082】
測定するステップは、乾燥させるステップの後及び硬化させるステップの前に行ってもよい。これにより、測定された厚さは、完成した光学レンズ10の被覆層20の厚さに近づけることができ、溶剤の容量は取り除かれるが、硬化させるステップを通して待つ必要がなく、より速い測定が可能になる。
【0083】
別法として、測定するステップは、最終的な厚さに対する精度を犠牲にして、可能な限り早い測定を行うために、引き抜くステップの後、乾燥させるステップの前に行うことができる。
【0084】
別法として、測定するステップは、速度を犠牲にして、完成品に対する被覆層20の厚さの最も正確な測定を得るために、硬化させるステップの後に行うことができる。
【0085】
方法は、調整ステップADJを更に含み、その間に、引き抜くステップの間に使用した引き抜き速度は、被覆層20の測定した厚さに基づいて、将来の光学レンズ10のために調整される。
【0086】
測定された厚さは、測定するステップの時に被覆層20の所望の公称厚さと比較され、引き抜き速度は、その差に基づいて調整される。
【0087】
より具体的には、引き抜き速度は、被覆層の測定された厚さと所望の公称厚さとの差が、1.5%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%以上、又はそれを超える場合に調整される。
【0088】
引き抜き速度の調整は、測定された厚さと所望の経験上の厚さとの差の経験関数を通して決定されてもよい。
【0089】
経験関数は、被覆流体112の流体特性、並びに/又は光学レンズ10の主表面14、16及び小型レンズ18の物理及び機械特性にも依存してもよい。
【0090】
別法として、調整は、通常公知の制御ループ関数を通して決定される。
【0091】
調整された引き抜き速度は、更なる調整が引き抜き速度に行われるまで、被覆アセンブリ100内に載置されたあらゆる更なる光学レンズ10に対して引き抜くステップの間に使用される。
【0092】
厚さの測定が早く行われるほど、引き抜き速度は速く調整することができ、被覆材料を不正確な厚さで被覆されたレンズの数が低減する。
【0093】
こうして本発明による方法は、小型レンズを含む光学レンズに塗布した被覆層の厚さのより良い制御を可能にする。
【0094】
これは、完成品内の小型レンズのパワーシフトの変動を低減する。
【0095】
図4~7は、引き抜き速度を手動で制御する先行技術からの方法を上記の方法と比較することにより、被覆層の厚さ及び小型レンズのパワーシフトの変動における、この向上を示す。
【0096】
図4は、小型レンズを含む複数のレンズを被覆するために、先行技術からの製造方法を実施する時の経時的な被覆厚さのグラフである。図4は、時間に対する引き抜き速度も示し、厚さ測定に基づいて前記引き抜き速度を2回手動で調整した。
【0097】
図5は、同じ時間尺度で被覆されたレンズの小型レンズの測定されたパワーシフトの対応するグラフである。
【0098】
図4及び5は、溶剤の蒸発に起因する、経時的な被覆流体の流体特性、特にその厚さの変動を示す。これにより、被覆層の厚さに0.4マイクロメータの変動が生じ、続いてパワーシフトに0.2ジオプトリの変動が生じる。
【0099】
溶剤の粘度及び引き抜き速度は手動で調整され、この変動を制限するために、被覆層の測定された厚さに基づいて、引き抜き速度の両方の調整の間に50分の間隔を取る。
【0100】
図6は、図4に対応するグラフであり、上記のように引き抜き速度の自動調整を実施する。被覆層の厚さは、連続して測定され、引き抜き速度はそれに応じて連続して調整される。
【0101】
図7は、この方法で獲得したレンズのパワーシフトを示し、パワーシフトに0.05ジオプトリの変動を示し、こうして前の値に比べて大きく改善した。
【0102】
厚さの変動は、こうして約85%だけ低減することができ、パワーシフトの変動は、0.2ジオプトリ(d)から0.05dに低減した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
厚さの変動は、こうして約85%だけ低減することができ、パワーシフトの変動は、0.2ジオプトリ(d)から0.05dに低減した。
本開示は、下記の発明の態様を含む。
<態様1>
少なくとも一部が小型レンズ(18)で覆われた少なくとも1つの主表面(14、16)を有する複数の光学レンズ(10)を被覆するための方法であって、
前記複数の光学レンズからの少なくとも1つの第1の光学レンズ(10)を、被覆流体(112)の中に浸漬すること(DIP)と、
前記少なくとも1つの第1の光学レンズ(10)を、前記被覆流体(112)から、制御された引き抜き速度で引き抜くこと(WDW)と、
前記少なくとも1つの第1の光学レンズ(10)に堆積した被覆層(20)の厚さを測定すること(MEAS)と、
前記測定された厚さに基づいて、調整された引き抜き速度を決定すること(ADJ)と、
前記複数の光学レンズ(10)からの少なくとも他の光学レンズ(10)に、前記浸漬し(DIP)、引き抜き(WDW)、測定し(MEAS)、かつ決定する(ADJ)ステップを、前記調整された引き抜き速度を前記引き抜くステップ(WDW)の間に使用して、繰り返すことと
を含む、方法。
<態様2>
前記方法は、前記第1の光学レンズ(10)に堆積した前記被覆層(20)を乾燥させる(DRY)ステップを含み、前記測定するステップ(MEAS)は、前記引き抜くステップ(WDW)と前記乾燥させるステップ(DRY)との間に実施される、態様1に記載の方法。
<態様3>
前記方法は、前記第1の光学レンズ(10)に堆積した前記被覆層(20)を乾燥させるステップ(DRY)、及び前記第1の光学レンズ(10)に堆積した前記被覆層(20)を硬化させるステップ(HRD)を含み、前記測定するステップ(MEAS)は、前記乾燥させるステップ(DRY)と前記硬化させるステップ(HRD)との間に実施される、態様1に記載の方法。
<態様4>
前記方法は、前記第1の光学レンズ(10)に堆積した前記被覆層(20)を硬化させるステップ(HRD)を含み、前記測定するステップ(MEAS)は、前記硬化させるステップ(HRD)の後に実施される、態様1に記載の方法。
<態様5>
前記測定するステップ(MEAS)は、非接触光学方法を通して実施される、態様1~4のいずれか一項に記載の方法。
<態様6>
前記方法は、前記浸漬するステップ(DIP)が実施される浸漬アセンブリ内の前記被覆流体(112)の粘度の連続した調整を含む、態様1~5のいずれか一項に記載の方法。
<態様7>
前記調整された引き抜き速度は、前記被覆層(20)の前記測定された厚さと所望の公称厚さとの差の経験関数に基づいて決定される、態様1~6のいずれか一項に記載の方法。
<態様8>
前記経験関数は、前記被覆流体(112)の流体特性、並びに前記主表面(14、16)及び小型レンズ(18)の表面機構及び物理特性に更に依存する、態様7に記載の方法。
<態様9>
前記引き抜き速度は、前記引き抜くステップ(WDW)の間は一定に保たれる、態様1~8のいずれか一項に記載の方法。
<態様10>
前記引き抜き速度は、前記引き抜くステップ(WDW)の間に次第に低減する、態様1~8のいずれか一項に記載の方法。
<態様11>
少なくとも一部が小型レンズ(18)で被覆された少なくとも1つの主表面(14、16)を有する光学レンズを被覆するための被覆アセンブリ(100)であって、
前記被覆アセンブリ(100)は、
被覆流体(112)を受領するためのタンク(110)、及び少なくとも1つの光学レンズ(10)を前記被覆流体(112)内に浸漬し、前記光学レンズ(10)を制御された引き抜き速度で引き抜くための少なくとも1つの移動部材(120)を含む、浸漬アセンブリと、
前記少なくとも1つの光学レンズ(10)に堆積した被覆層(20)の厚さを測定するための測定システム(MSYS)と、
処理装置(PROC)及びメモリ(MEM)を含む制御システム(CTRL)であって、前記制御システム(CTRL)は、前記測定システム(MSYS)及び前記移動部材(120)を制御するように構成される、制御システム(CTRL)と
を含み、
前記制御システム(120)は、前記測定された厚さに基づいて、調整された引き抜き速度を決定するように構成される、被覆アセンブリ(100)。
<態様12>
処理装置(PROC)にアクセス可能であり、前記処理装置(PROC)によって実行される時に、前記処理装置(PROC)に態様1~10のいずれか一項に記載の方法の少なくとも一部を実行させる1つ又は複数の記憶された命令シーケンスを含む、コンピュータプログラム。
<態様13>
態様12に記載の前記コンピュータプログラムの1つ又は複数の記憶された命令シーケンスを記憶する、非一時的記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が小型レンズ(18)で覆われた少なくとも1つの主表面(14、16)を有する複数の光学レンズ(10)を被覆するための方法であって、
前記複数の光学レンズからの少なくとも1つの第1の光学レンズ(10)を、被覆流体(112)の中に浸漬すること(DIP)と、
前記少なくとも1つの第1の光学レンズ(10)を、前記被覆流体(112)から、制御された引き抜き速度で引き抜くこと(WDW)と、
前記少なくとも1つの第1の光学レンズ(10)に堆積した被覆層(20)の厚さを測定すること(MEAS)と、
前記測定された厚さに基づいて、調整された引き抜き速度を決定すること(ADJ)と、
前記複数の光学レンズ(10)からの少なくとも他の光学レンズ(10)に、前記浸漬し(DIP)、引き抜き(WDW)、測定し(MEAS)、かつ決定する(ADJ)ステップを、前記調整された引き抜き速度を前記引き抜くステップ(WDW)の間に使用して、繰り返すことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、前記第1の光学レンズ(10)に堆積した前記被覆層(20)を乾燥させる(DRY)ステップを含み、前記測定するステップ(MEAS)は、前記引き抜くステップ(WDW)と前記乾燥させるステップ(DRY)との間に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記第1の光学レンズ(10)に堆積した前記被覆層(20)を乾燥させるステップ(DRY)、及び前記第1の光学レンズ(10)に堆積した前記被覆層(20)を硬化させるステップ(HRD)を含み、前記測定するステップ(MEAS)は、前記乾燥させるステップ(DRY)と前記硬化させるステップ(HRD)との間に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記第1の光学レンズ(10)に堆積した前記被覆層(20)を硬化させるステップ(HRD)を含み、前記測定するステップ(MEAS)は、前記硬化させるステップ(HRD)の後に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記測定するステップ(MEAS)は、非接触光学方法を通して実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記浸漬するステップ(DIP)が実施される浸漬アセンブリ内の前記被覆流体(112)の粘度の連続した調整を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記調整された引き抜き速度は、前記被覆層(20)の前記測定された厚さと所望の公称厚さとの差の経験関数に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記経験関数は、前記被覆流体(112)の流体特性、並びに前記主表面(14、16)及び小型レンズ(18)の表面機構及び物理特性に更に依存する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記引き抜き速度は、前記引き抜くステップ(WDW)の間は一定に保たれる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記引き抜き速度は、前記引き抜くステップ(WDW)の間に次第に低減する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも一部が小型レンズ(18)で被覆された少なくとも1つの主表面(14、16)を有する光学レンズを被覆するための被覆アセンブリ(100)であって、
前記被覆アセンブリ(100)は、
被覆流体(112)を受領するためのタンク(110)、及び少なくとも1つの光学レンズ(10)を前記被覆流体(112)内に浸漬し、前記光学レンズ(10)を制御された引き抜き速度で引き抜くための少なくとも1つの移動部材(120)を含む、浸漬アセンブリと、
前記少なくとも1つの光学レンズ(10)に堆積した被覆層(20)の厚さを測定するための測定システム(MSYS)と、
処理装置(PROC)及びメモリ(MEM)を含む制御システム(CTRL)であって、前記制御システム(CTRL)は、前記測定システム(MSYS)及び前記移動部材(120)を制御するように構成される、制御システム(CTRL)と
を含み、
前記制御システム(120)は、前記測定された厚さに基づいて、調整された引き抜き速度を決定するように構成される、被覆アセンブリ(100)。
【請求項12】
処理装置(PROC)にアクセス可能であり、前記処理装置(PROC)によって実行される時に、前記処理装置(PROC)に請求項1~10のいずれか一項に記載の方法の少なくとも一部を実行させる1つ又は複数の記憶された命令シーケンスを含む、コンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の前記コンピュータプログラムの1つ又は複数の記憶された命令シーケンスを記憶する、非一時的記憶媒体。
【国際調査報告】