(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】解剖学的特徴の再建及び/又は増大のための方法及び移植可能なプロテーゼ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/12 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
A61F2/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578033
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 US2022035716
(87)【国際公開番号】W WO2023278697
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507084844
【氏名又は名称】デボル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】パーカー,イアン,ケー.
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン,ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】グレイ,エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】パガン-オルティス,エンジェル
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA19
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC02
4C097DD01
4C097EE08
(57)【要約】
生体適合性材料の組織浸透可能な本体を有する移植可能なプロテーゼは、本体の近位端から遠位端に延在する本体の長手軸の周りに径方向又は周方向に配置された複数の本体構成要素を含む。長手軸は、プロテーゼの中心軸を画定し得る。本体構成要素はそれぞれ、空洞を画定する外側層を含む。外側層は、略円錐形状である、及び/又は、プリーツ状であってよい。フィラーは、空洞内に配置されてよい。本体は、基部に取り付けられてよい。本体は、ヒトの乳房の解剖学的形状を増大及び/又は再建するように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端と、前記近位端から離間した遠位端と、を含み、ヒトの乳房の解剖学的形状を増大及び/又は再建するように構成された、生体適合性材料の組織浸透可能な本体を備える移植可能なプロテーゼであって、
前記本体は、前記近位端から前記遠位端に延在する前記本体の長手軸の周りに周方向に配置された複数の本体構成要素を含み、
前記複数の本体構成要素はそれぞれ、空洞を画定する円錐形状を有する外側層を備える、移植可能なプロテーゼ。
【請求項2】
前記プロテーゼは、プロテーゼ本体の前記近位端に取り付けられた基部を含む、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項3】
前記複数の本体構成要素はそれぞれ、前記基部及び/又は互いに取り付けられている、請求項2に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項4】
前記複数の本体構成要素のうちの1つ以上の前記外側層は、プリーツ状である、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項5】
前記複数の本体構成要素のうちの少なくとも2つの外側層は、プリーツ状である、請求項4に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項6】
前記複数の本体構成要素のうちの1つ以上は、前記空洞内にフィラー材料を含む、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項7】
前記フィラー材料は、少なくとも1つのフィラー層を含む、請求項6に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのフィラー層は、複数のプリーツを含む及び/又は円錐形状を有する、請求項7に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのフィラー層は、前記本体構成要素の前記外側層の形状に対応する形状を有する、請求項7に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項10】
前記少なくとも1つのフィラー層は、複数のペタルを含む、請求項7に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項11】
前記本体は、1つ以上の段の本体構成要素を含み、
前記1つ以上の段は、前記プロテーゼの前記長手軸に沿って積層される、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項12】
前記複数の本体構成要素はそれぞれ、前記長手軸から離れる外向きの径方向を向いた1つ以上の空隙を有する開口端を含み、
前記1つ以上の空隙は、脂肪及び/又は組織が前記本体を充填して通過するのを可能にし、前記移植可能なプロテーゼを膨らませるように構成された、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項13】
前記複数の本体構成要素はそれぞれ、前記開口端とは反対側の閉鎖端を含む、請求項12に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項14】
前記複数の本体構成要素は、圧縮可能及び/又は圧潰可能である、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項15】
前記複数の本体構成要素は、予め形成される、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項16】
前記本体は、中空コアを含み、
前記複数の本体構成要素は、前記中空コアの周りに配置された、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項17】
前記中空コアは、前記本体の下端に取り付けられた基部に取り付けられ、
前記基部は、前記中空コアの第1の端と整列して前記中空コアへのアクセスを前記基部を通して可能にする開口を有する、請求項16に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項18】
前記長手軸は、前記プロテーゼの中心軸を画定する、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項19】
近位端と、前記近位端から離間した遠位端と、含み、ヒトの乳房の解剖学的形状を増大及び/又は再建するように構成された、生体適合性材料の組織浸透可能な本体を備える移植可能なプロテーゼであって、
前記本体は、前記近位端から前記遠位端に延在する前記本体の長手軸の周りに配置された複数の本体構成要素を含み、
前記本体構成要素はそれぞれ、空洞を画定するプリーツ状の外側層及び前記本体に取り付けられた基部を備える、移植可能なプロテーゼ。
【請求項20】
前記複数の本体構成要素のうちの1つ以上は、前記空洞に第1のフィラー層を含む、請求項19に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項21】
前記第1のフィラー層は、複数のペタルを含む、請求項20に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項22】
前記第1のフィラー層は、略円錐形状である及び/又はプリーツ状である、請求項20に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項23】
前記第1のフィラー層と、前記複数の本体構成要素のうちの前記1つ以上の前記外側層と、は同じ形状である、請求項20に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項24】
前記本体は、1つ以上の段の本体構成要素を含み、
前記1つ以上の段は、前記長手軸に沿って積層される、請求項19に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項25】
前記複数の本体構成要素はそれぞれ、前記長手軸から離れる外向きの径方向に向いた1つ以上の空隙を有する開口端を含み、
前記1つ以上の空隙は、脂肪及び/又は組織が前記本体を充填して通過するのを可能にし、前記移植可能なプロテーゼを膨らませるように配置された、請求項19に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項26】
前記複数の本体構成要素はそれぞれ、前記開口端とは反対側の閉鎖端を含む、請求項25に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項27】
前記複数の本体構成要素は、圧縮可能及び/又は圧潰可能である、請求項19に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項28】
前記複数の本体構成要素は、予め形成される、請求項19に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項29】
前記複数の本体構成要素のうちの1つ以上の前記外側層は、円錐形状である、請求項19に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項30】
前記長手軸は、前記プロテーゼの中心軸を画定する、請求項19に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項31】
移植可能なプロテーゼを製作する方法であって、
それぞれが空洞を画定する外側層を含んだ、複数の本体構成要素を提供する行為であって、前記外側層は、円錐形状を有する、及び/又は、プリーツ状である行為(a)、
前記複数の本体構成要素を前記プロテーゼの長手軸の周りに周方向、及び外向きの径方向に配置して、ヒトの乳房の解剖学的形状を増大及び/又は再建するように構成された本体を形成する行為(b)、及び、
前記複数の本体構成要素を共に固定する行為(c)、
を含む、方法。
【請求項32】
行為(c)は、本体セグメントそれぞれの1つ以上の部分を、隣接する本体セグメントの1つ以上の部分に取り付けることを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
行為(a)は、前記複数の本体構成要素のうちの1つ以上の前記外側層をプリーツ状にすることを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記複数の本体構成要素のうちの1つ以上を基部に取り付ける行為(d)をさらに備える、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
ステップ(b)は、
前記長手軸周りに第1の複数の本体構成要素を配置して第1の段を形成すること、及び
前記長手軸周りに第2の複数の本体構成要素を配置して、前記長手軸に沿った第1の段の上に積層された第2の段を形成すること、
を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記長手軸は、前記プロテーゼの中心軸を画定する、請求項31に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項37】
近位端と、前記近位端から離間した遠位端と、を含む、適合性材料の組織浸透可能な本体を備える移植可能なプロテーゼであって、
前記本体は、前記近位端から前記遠位端に延在する前記本体の長手軸の周りに配置された複数の本体構成要素を含み、
前記本体構成要素はそれぞれ、空洞を画定する外側層、前記空洞内に位置するフィラー、及び、前記本体に取り付けられた基部を備える、移植可能なプロテーゼ。
【請求項38】
前記フィラーは、ペタルを有する少なくとも1つの層を含む、請求項37に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項39】
前記フィラーは、プラグを含む、請求項37に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項40】
前記複数の本体構成要素のうちの1つ以上の前記外側層は、円錐形状である及び/又はプリーツ状である、請求項37に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項41】
前記フィラーは、第1のフィラー層を含み、
前記第1のフィラー層は、円錐形状である及び/又はプリーツ状である、請求項40に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項42】
前記フィラーは、第2のフィラー層を含み、
前記第2のフィラー層は、円錐形状である及び/又はプリーツ状である、請求項41に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項43】
前記複数の本体構成要素のうちの1つ以上の前記外側層は、プリーツ状である、請求項37に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項44】
前記複数の本体構成要素のうちの1つ以上の外側層及び前記フィラーは、同じ形状である、請求項37に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項45】
前記外側層は、前記内側層よりも大きい、請求項44に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項46】
前記複数の本体構成要素は、圧縮可能及び/又は圧潰可能である、請求項37に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項47】
前記複数の本体構成要素は、予め形成される、請求項37に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項48】
前記長手軸は、前記プロテーゼの中心軸を画定する、請求項37に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項49】
前記複数の本体構成要素は、前記本体を構成するように配置されて、ヒトの乳房の解剖学的形状を増大及び/又は再建する、請求項37に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項50】
それぞれが空洞を画定する外側層を含んだ、複数の本体構成要素を提供する行為であって、前記外側層は、前記空洞内にフィラー材料を含む行為(a)、
前記複数の本体構成要素を、前記プロテーゼの長手軸の周りの周方向及び外向きの径方向に配置する行為(b)、及び、
前記複数の本体構成要素を共に固定する行為(c)、
を含む、方法。
【請求項51】
行為(c)は、本体セグメントそれぞれの1つ以上の部分を、隣接する本体セグメントの1つ以上の部分に取り付けることを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
行為(a)は、前記複数の本体構成要素のうちの1つ以上の前記空洞にフィラー材料を挿入することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記フィラー材料は、略円錐形状である及び/又はプリーツ状であるフィラー層を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記フィラー材料は、複数のペタルを含むフィラー層を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記複数の本体構成要素のうちの1つ以上を基部に取り付ける行為(d)をさらに備える、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
ステップ(b)は、
前記長手軸周りに第1の複数の本体構成要素を配置して第1の段を形成すること、及び
前記長手軸周りに第2の複数の本体構成要素を配置して、前記長手軸に沿った第1の段の上に積層された第2の段を形成すること、
を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項57】
前記長手軸は、前記プロテーゼの中心軸を画定する、請求項50に記載の方法。
【請求項58】
行為(b)は、前記複数の本体構成要素を配置して、ヒトの乳房の解剖学的形状を増大及び/又は再建するように構成された本体を形成することを含む、請求項50に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互作用
2021年7月2日に出願された米国特許出願第63/218,231号及び2021年7月2日に出願された第63/218,236号の各号に係る米国特許法第119条(a)~(d)又は第365条(b)の下に、外国の優先権の利益を主張するものであり、各号は参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、移植可能なプロテーゼに関し、より詳細には、ヒトの乳房を含む解剖学的特徴の再建及び/又は増大のためのプロテーゼに関する。
【背景技術】
【0003】
乳房再建は、本来、乳がんの診断及び外科的治療に追従して実施される。しかしながら、乳がんの高いリスクにある個人であることを示し得る遺伝子検査の結果に応じて、予防オプションとして乳房再建を選択する患者が増加している。
【0004】
乳房再建は、概して、自家と非自家に分類され得る。自家再建の場合、患者自身の組織は、患者の体の別の部分から採取された後、乳房を再建するために使用される。非自家再建の場合、乳房マウンドを再建するために、生理食塩水、シリコーン、又はゲルインプラントなどの人工インプラントが採用される。
【0005】
自家再建は、概して、患者の腹部領域から組織フラップを採取することを含む。この処置は、患者の組織への脈管供給を維持することができ、概して、患者にとって美的に満足な結果を提供する。しかしながら、このような処置は、脈管供給を再接続するための可能な顕微鏡手術を伴い、時間がかかることがあり、比較的長い回復時間を必要とし得る。また、組織が除去された領域において機能的欠損及び弱点を生じ得る。この技術は、腹容積が不足している、又は筋量の減少を負担できない患者には利用できない場合がある。
【0006】
乳房再建処置の大多数に関与する非自家再建では、単一段階もしくは中間再建処置、又は二段階再建処置が採用され得る。乳房の切除と再建は、同時に(単一段階)実施され得る、又は複数の処置(二段階)に亘って段階分けされ得る。各処置において、乳房インプラントは、通常、胸筋より下に、すなわち、胸筋下に配置されて、皮膚を通して見えるインプラントを隠し、比較的堅いインプラントを筋肉で覆う。
【0007】
単一段階処置において、乳房下に小さな切開がなされた後、乳房組織は、完全に解剖されて除去される。続いて、胸筋はその下端で切離され、筋下面は発達してインプラントを収容するのに十分なサイズの胸筋下ポケットを生じる。無細胞真皮マトリックス(ADM)は、通常、筋肉を再接着し、インプラント下に補強を追加するために採用される。
【0008】
単一段階処置は、概して、時間をかけて調整できないため、美容的な結果に対して多くの制御を提供しない。これらの処置はまた、インプラントが筋肉下ポケットのサイズに対して大きすぎる場合、潜在的に組織壊死を引き起こし得る。
【0009】
二段階処置において、最初の外科的段階は、単一段階処置と同様である。しかしながら、筋肉下ポケットにインプラントを配置するのではなく、最初にADMをポケットに配置し、その後に組織エキスパンダを配置する。ADMは、組織エキスパンダの収容の必要に応じて操作された後、適所へ固定される。最初の外科的段階に続いて、組織エキスパンダは、胸筋の下の空間をゆっくり拡張してポケットを生じるために、外科処置後の複数の来院で充填される。十分なサイズのポケットが形成されると、通常、最初の処置の6ヶ月後に、第2の外科的処置が行われて、エキスパンダを除去し、エキスパンダによって生じた筋肉下ポケットに乳房インプラントを挿入する。
【0010】
乳房再建におけるより最近の傾向は、筋肉下ポケットが生じるのを避ける、胸筋の上でのインプラントの胸筋前配置である。このような処置中、インプラントは、通常、インプラントを部分的にのみ覆うスリングとしてADMを使用するのではなく、ADMで完全に包まれる。
【0011】
乳房は、三次元の線維脂肪筋膜系による形状であると報告されている。この系の2つの層は、乳房体を包囲し、亘って互いに融合し、乳腺周囲靱帯(CML)として特定された構造で胸壁に定着される。乳房の外周を画定するCMLは、脂肪のリングを包み、環状の付着域として胸部の深在筋膜に付着される、浅在筋膜コラーゲン線維で構成された3Dのおおよそ円形の構造である。
【0012】
本開示の目的は、乳房を増大及び/又は再建するための方法及びプロテーゼを提供することである。
【発明の概要】
【0013】
本開示は、ヒトの乳房を含む解剖学的特徴を増大及び/又は再建するための方法及び移植可能なプロテーゼに関する。
【0014】
一実施形態によると、移植可能なプロテーゼは、生体適合性材料の組織浸透可能な本体を含み、本体は、近位端と、近位端から離間した遠位端と、を含む。本体は、ヒトの乳房の解剖学的形状を増大及び/又は再建するように構成される。本体はまた、近位端から遠位端に延在する本体の長手軸の周りに周方向に配置された複数の本体構成要素を含む。複数の本体構成要素はそれぞれ、空洞を画定する円錐形状を有する外側層を含む。
【0015】
別の実施形態によると、移植可能なプロテーゼは、生体適合性材料の組織浸透可能な本体を含み、本体は、近位端と、近位端から離間した遠位端と、を含む。本体は、ヒトの乳房の解剖学的形状を増大及び/又は再建するように構成される。本体はまた、近位端から遠位端に延在する本体の長手軸の周りに配置された複数の本体構成要素を含み、本体構成要素はそれぞれ、空洞を画定するプリーツ状の外側層及び本体に取り付けられた基部を含む。
【0016】
別の実施形態によると、移植可能なプロテーゼを製作する方法が開示される。方法は、それぞれが空洞を画定する外側層を含んだ、複数の本体構成要素を提供する行為(a)を含む。外側層は、円錐形状を有する、及び/又は、プリーツ状である。方法はまた、複数の本体構成要素をプロテーゼの長手軸の周りに周方向、及び径方向外向きに配置して、ヒトの乳房の解剖学的形状を増大及び/又は再建するように構成された本体を形成する行為(b)、及び、複数の本体構成要素を共に固定する行為(c)を含む。
【0017】
別の実施形態によると、移植可能なプロテーゼは、生体適合性材料の組織浸透可能な本体を含み、本体は、近位端と、近位端から離間した遠位端と、を含む。本体はまた、近位端から遠位端に延在する本体の長手軸の周りに配置された複数の本体構成要素を含み、本体構成要素はそれぞれ、空洞を画定する外側層、空洞内に位置するフィラー、及びプロテーゼ本体に取り付けられた基部を含む。
【0018】
別の実施形態によると、移植可能なプロテーゼを製作する方法が開示される。方法は、それぞれが空洞を画定する外側層を含んだ、複数の本体構成要素を提供する行為(a)を含む。外側層は、空洞内にフィラー材料を含む。方法はまた、複数の本体構成要素をプロテーゼの長手軸の周りに周方向及び径方向外向きに配置する行為(b)、及び、複数の本体構成要素を共に固定する行為(c)を含む。
【0019】
本開示は、この点において限定されないので、上述の概念及び以下で議論する追加の概念は、任意の好適な組み合わせで配置され得ることを理解されたい。
【0020】
本教示の、前述及び他の態様、実施形態、並びに特徴は、添付の図面と併せて以下の説明からより完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示の態様は、例として、添付の図面を参照して以下に説明される。
【0022】
【
図2】本開示の一実施形態に係る乳房再建及び/又は増大のための移植可能なプロテーゼの斜視図である。
【
図4】
図2のプロテーゼの本体の底面斜視図である。
【
図6】一実施形態に係る移植可能なプロテーゼの本体構成要素の上面斜視図である。
【
図7】一実施形態に係る移植可能なプロテーゼの本体構成要素の底面斜視図である。
【
図8】別の実施形態に係る移植可能なプロテーゼの本体構成要素の上面斜視図である。
【
図9A】一実施形態に係る移植可能なプロテーゼの本体構成要素の分解図である。
【
図10】別の実施形態に係る本体構成要素の上面斜視図である。
【
図11】別の実施形態に係る本体構成要素の上面斜視図である。
【
図12】別の実施形態に係る移植可能なプロテーゼの本体構成要素の上面斜視図である。
【
図13】未組み立ての構成にある
図12の本体構成要素を示す。
【
図14】別の実施形態に係る移植可能なプロテーゼの本体構成要素を示す。
【
図15A】別の実施形態に係る移植可能なプロテーゼの本体構成要素の分解図である。
【
図16A】別の実施形態に係る移植可能なプロテーゼの本体構成要素の分解図である。
【
図17A】別の実施形態に係る移植可能なプロテーゼの本体構成要素の分解図である。
【
図18A】別の実施形態に係る移植可能なプロテーゼの本体構成要素の分解図である。
【
図19】一実施形態に係る移植可能なプロテーゼの概念図である。
【
図20】別の実施形態に係る移植可能なプロテーゼの概念図である。
【
図21】別の実施形態に係る移植可能なプロテーゼの概念図である。
【
図22】別の実施形態に係る移植可能なプロテーゼの概念図である。
【
図23】別の実施形態に係る移植可能なプロテーゼの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、ヒトの乳房を含む解剖学的特徴を増大及び/又は再建するのに特に適した移植可能なプロテーゼに向けられる。しかしながら、プロテーゼは、軟組織及び筋壁又は他の解剖学的領域の解剖学的欠陥及び弱点を修復するのに好適であり得る。本明細書における目的では、「欠陥を修復する」というフレーズは、欠陥及び/又は潜在的な欠陥を改良、増大、及び/又は再建する行為を含む。
【0024】
理解を容易にするため、及び本開示の範囲を限定することなく、プロテーゼは、特に乳房再建に関連して以下に説明される。しかしながら、プロテーゼはそのように限定されるものでなく、当業者には明らかであるように、他の解剖学的処置においても採用され得る。例えば、限定されるものでないが、プロテーゼ、又はプロテーゼの態様は、ヘルニア、胸壁もしくは腹壁再建、又は肥満患者に生じ得るものなどの大きな欠陥のために採用され得る。プロテーゼは、このような属性に寄与する、それぞれ独立して又は組み合わせて、1つ以上の特徴を含んでもよい。
【0025】
以下にさらに説明するように、プロテーゼは、胸筋前乳房再建処置に特に適用され得る。
【0026】
胸筋前乳房再建
図1Aから
図1Fは、胸筋前乳房再建処置の一実施形態を示す。
【0027】
図1Aに示されるように、乳房の下部に組織フラップ102を形成するために、初期切開100がなされ得る。フラップ102は、
図1Bに示されるように、乳房組織へのアクセスを提供し、腫瘍の除去又は他の成長を可能にするために、離間して広げられ得る。可能な場合、皮膚及び乳首乳輪複合体を保存することが望ましい。
【0028】
図1Cに示されるように、乳房体104は、クーパー靱帯の基部と共に除去され得る。その後、
図1Dに示されるように、乳腺周囲靱帯(CML)106は、乳房のための望ましい直径の基部を再び確立するように、締め付けられ得る。例えば、CMLは、乳房の術前直径基部に対応するように締め付けられてもよい、又は、CMLが老化及び/又は他の要因によって時間の経過と共に伸びて弛んだ場合、さらに締め付けられてもよい。
【0029】
図示のように、CMLは、連続縫合糸がCMLの周り及び/又はCMLを通って配置された後、上方に引っ張られて組織を締め上げ、基部を締め付ける、巾着縫合技術を使用して締め付けられ得る。しかしながら、乳房の基部を再び確立するために他の処置が検討されている。
【0030】
CMLが締め付けられた後、
図1Eに示されるように、プロテーゼインプラント108は、乳房体の除去によって生じた解剖学的空洞に挿入され得る。挿入前に、インプラントは、患者から脂肪吸引された脂肪移植片で塗布されてよい。いくつかの実施形態において、脂肪移植片は、プロテーゼの軟化を助け得る、及び/又は、プロテーゼ内及び周辺に形成される新しい脂肪及び/又は組織の播種を提供し得る。脂肪移植片はまた、処置中に組織を除去することによって作成された空間を流体が充填する可能性を減少させ得る。しかしながら、インプラントは、挿入前に脂肪移植片で塗布される必要はないことを理解されたい。
【0031】
所望により、脂肪移植片は、標準的な吸引脂肪技術を使用して患者から採取されてよい。吸引された脂肪は、現場で処理されて、油を除去し、処置のためにより精製された脂肪を提供してよい。処理された脂肪は、プロテーゼを塗布するために他の技術が検討されているが、シリンジ又は同様のデバイスを使用して、プロテーゼの様々な表面及び様々な空隙内に適用され得る。
【0032】
挿入されると、インプラントは、デバイスの基部に沿って配置された縫合糸又は他の留め具を使用してCMLに固定され得る。プロテーゼの移植に続いて、
図1Fに示されるように、切開は、張力なしで閉鎖され得る。
【0033】
初期再建処置に続いて、乳房への脂肪移植は、乳房の所望の形状及び/又は感触、及び/又は両方の乳房間の対称性を達成するために、1つ以上の処置で時間をかけて実施され得る。例えば、いくつかの実施形態において、処理脂肪は、乳房に、及びプロテーゼの様々な空隙に注入され得る。
【0034】
プロテーゼ及び製作概念
本開示は、より詳細には、乳房再建及び/又は増大などのための移植可能なプロテーゼに向けられる。一態様によると、移植可能なプロテーゼは、解剖学的空間内での配置のための生体適合性の組織浸透可能な本体を含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、本体は、乳房の解剖学的形状を再建及び/又は増大するなどのような、三次元構成を有し得る。プロテーゼは、プロテーゼ内及びその周りの開放空間を充填するために、脂肪及び/又は組織の内方成長を助長するように構成され得る。プロテーゼは、脂肪及び/又は組織が構造を通して充填及び通過し、再建又は増大された乳房を膨らませるようにするために、チャンバ、空洞、チャネル、開口、ポケット、及び/又は、細孔に限定されないが、これらを含む、複数の空隙を有する構造を採用し得る。プロテーゼの全体的な所望の構造は、効率的な手法でその製作に様々な構成を採用してよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、プロテーゼは、プロテーゼの所望の形状を作成するために組み立てられ得る複数の本体構成要素を使用して製作された本体を含んでよい。いくつかの実施形態において、本体構成要素は、三次元(3D)構成を有してよく、脂肪及び/又は組織を受容するための1つ以上の空洞を含んでよい。いくつかの実施形態において、本体構成要素は、プロテーゼにかさを追加するように、及び/又は、脂肪及び/又は組織を受容するための空隙を作成するように、空洞内にフィラー材料を含み得る。いくつかの実施形態において、本体構成要素は、組み立て中に3D構成に変換され得る二次元(2D)構成を有し得る。このようにして、個々の構成要素は、プロテーゼの所望の配置(例えば、形状及び/又は空隙の数)を作成するために、比較的複雑でない手法で製作された後、組み立てられ得る。本体構成要素はまた、所望の量の弾力性と支持を有するプロテーゼを提供するように構成され得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、プロテーゼは、胸筋などの筋膜に対する配置のために、基部又は底面などの近位端を含み得る。いくつかの実施形態において、基部は、プロテーゼ本体に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、基部は、平面状であってもよく、凸状を含むがこれに限定されない、概して丸みを帯びた形状を有してもよい。このような構成は、胸筋に対する、及び乳腺周囲靱帯内でのプロテーゼの位置決め及び配置を容易にし得、これにより胸壁上のプロテーゼの位置が確立され得る。このようにして、インプラントと解剖学的構造との間の相互作用により、球とソケットのような配置が作成され得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、複数の本体構成要素は、プロテーゼの長手軸の周りに径方向及び/又は周方向に配置されてよい。いくつかの実施形態において、長手軸は、プロテーゼの近位端から遠位端に延在し得る。いくつかの実施形態において、長手軸は、プロテーゼ本体の中心軸を画定し得る。いくつかの実施形態において、長手軸は、本体の中心軸から離間(例えば、オフセット)してよい。いくつかの実施形態において、長手軸は、中心軸に平行であってもよく中心軸から離間してもよい。
【0039】
次に図を参照すると、
図2から
図5は、本開示の一実施形態による乳房再建及び/又は増大に好適なプロテーゼ108を示す。少なくとも
図2及び
図3に示されるように、プロテーゼは、所望の形状のインプラントを形成するために共に接合された複数の本体構成要素112(
図4、及び
図6から
図7も参照)を有する本体110を含んでよい。本体構成要素は、プロテーゼの組み立てを容易にするために予め形成されてよい。いくつかの実施形態において、プロテーゼは、本明細書に記載されるように、プロテーゼ本体に取り付けられる基部111を含んでよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、
図2、
図6、及び
図12に示されるように、例えば、各本体構成要素は、脂肪及び/又は組織を受容するための空洞114を有する第1の開口端113を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるように、プロテーゼの1つ以上の本体構成要素は、空洞内に位置したフィラー材料116を含み得る(例えば、
図9A、
図9B、及び
図15Aから
図18Bを参照)。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、プロテーゼに対してかさを追加し得る、及び/又は、脂肪及び/又は組織を受容するための各々の空洞内に複数の空隙118(
図2を参照)を作成し得る。
【0041】
図6及び
図7に示されるように、本体構成要素は、脂肪及び/又は組織を受容するための空洞114を画定する外側層120を含み得る。いくつかの実施形態において、
図6、
図7、
図12、及び
図14に示されるように、外側層は、概して円錐形状を有し得る。いくつかの実施形態において、
図12に示されるように、外側層は、本体構成要素の長手軸Yに対して対称であってよい。そのような実施形態において、組み立てられた本体構成要素が本体構成要素の長手軸Yに対して対称であっても非対称であってもよいように、フィラー材料は、任意の好適な配置(例えば、プリーツ状、非プリーツ状、円錐状など)を有してよい。
【0042】
概して円錐形状を有するものとして示されているが、当業者には明らかであるように、外側層が他の実施形態において他の好適な形状を有し得ることは理解されることであろう。例えば、いくつかの実施形態において、外側層は、略円筒形(例えば、
図8を参照)、長方形、正方形、他の多角形、又は他の好適な形状であってよい。
【0043】
図2、
図6、
図8、及び
図12に示されるように、いくつかの実施形態において、外側層は、第1の開口端とは反対側にある第2の端122を含む。いくつかの実施形態において、第2の端122は、閉鎖端であってよい。このような実施形態において、フィラー材料及び/又は脂肪及び/又は組織は、開口端を介して本体構成要素内に挿入され得る。いくつかの実施形態において、第2の閉鎖端は、本体構成要素の先端を含み得る。いくつかの実施形態において、本体構成要素は、各々の先端で互いに接合され得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、第2の端は、少なくとも部分的に開放され得る。いくつかの実施形態において、第2の端は完全に開放されてもよい。いくつかの実施形態において、第2の端は、(第2の端が未組み立ての位置では開放され、組み立ての位置にあるときは閉鎖されるように)プロテーゼの別の部分に接続されてよい。
【0045】
いくつかの実施形態において、本体構成要素の開口端の直径は、閉鎖端の直径よりも大きくてよい。いくつかの実施形態において、本体構成要素のサイズは、開口端から閉鎖端に向かって下方にテーパ状であってよい。理解されるように、本体構成要素の直径は、他の好適なやり方で減少してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、直径は、階段状に減少してもよい。他の実施形態において、本体構成要素が略円筒形である場合など(
図8を参照)、開口端及び閉鎖端の直径は同じであってよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、
図12及び
図14に示されるように、プロテーゼの閉鎖端は、概して円錐形の先端を含み得る。他の実施形態において、
図6及び
図7に示されるように、閉鎖端は、丸みを帯びた又は概して平坦な形状を有してもよい。いくつかの実施形態において、外側層の平面な閉鎖端は、本体構成要素の長手軸Yに実質的に垂直に延在してよい(
図1、
図2、及び
図6を参照)。理解されるように、閉鎖端は、当業者に明らかであるように、他の実施形態において他の好適な形状及び配置を有してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態において、
図6及び
図7に示されるように、本体構成要素の外側層は、本体構成要素の圧縮性を容易にするために、及び/又は、本体構成要素の外面に空隙を画定するために、プリーツ124を含み得る。いくつかの実施形態において、プリーツは、本体構成要素の長手軸Yに対して対称に配置されてよい。他の実施形態において、プリーツは、長手軸に対して非対称に配置されてもよい。理解されるように、プリーツは、任意の好適な形状及びサイズを有し得る。例えば、プリーツは、当業者に明らかであるように、U字形、V字形、又は他の任意の好適な形状であってよい。
【0048】
図9Aから
図11、及び
図16Aから
図18Bに示されるように、本体構成要素は、様々な実施形態において異なる配置を有するフィラー材料を含み得る。当業者によって理解されるように、フィラー層は、互いに同じ構成又は異なる構成を有してもよい。例えば、限定されるものではないが、別個のフィラー層は、異なる形状、異なるサイズ、異なる厚さ、及び/又は、それらの任意の所望の組み合わせを含んでよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、
図9A及び
図9Bに示されるように、フィラー材料は、材料の複数のペタル126を含み得る。いくつかの実施形態において、図示されるように、フィラー材料は、フィラー層がそれぞれ複数のペタルを有する、1つ以上のペタル状フィラー層128a、128bを含んでよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、
図10及び
図11に示されるように、プロテーゼは、外側層の空洞内に1つのペタル状フィラー層128a(例えば、ペタルを有する1つのフィラー層)を含んでよい。他の実施形態において、
図9A及び
図9Bに示されるように、プロテーゼは、外側層の空洞内に第1及び第2のペタル状フィラー層128a、128bを含んでもよい。理解されるように、本体構成要素は、本体構成要素の所望の形状及び/又は特性(例えば、所望の数の空隙及び/又は所望のプロテーゼの圧縮性)を達成するために、他の実施形態において2つを超える数のペタル状フィラー層を含んでよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、
図9Aに示されるように、ペタル状フィラー層は、4つのペタル126を含み得る。或いは、所望により、ペタル状フィラー層は、他の実施形態において、より多く又はより少ない数のペタルを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、
図9及び
図10に示されるように、ペタル状フィラー層は2つのペタルを含み得る。他の実施形態において、ペタル状フィラー層はまた、3つのペタル、又は4つよりも多いペタルを含み得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、ペタル状フィラー層上のペタルの形状及びサイズは同一であってよい。他の実施形態において、各ペタルの形状及びサイズは、ペタルごとに異なってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ペタル状フィラー層は、2つの比較的短いペタルと2つの比較的長いペタルとを含み得る。いくつかの実施形態において、各ペタル状フィラー層上のペタルの配置は同じであってよい。例えば、
図9Aに示されるように、第1及び第2のペタル状フィラー層128a、128bはそれぞれ、同じ形状及びサイズを有する4つのペタルを含み得る。他の実施形態において、ペタル状フィラー層上のペタルの配置(例えば、形状、サイズ、及び数)は、層ごとに異なってよい。いくつかの実施形態において、組み立てられた構成において、
図9Bに示されるように、ペタルは互いにオフセットされてよい。例えば、一実施形態において、各フィラー層は、長手軸Y周りにおよそ90°の角度で、1つの層のペタルが別の層のペタルからオフセットされて4つのペタルを含み得る。別の実施形態において、ペタルはまた、いくつかの実施形態において整列してよい。理解されるように、他の実施形態において、ペタル状フィラー層は、異なるサイズのペタル、異なる形状のペタル、異なる間隔のペタル、異なる材料、異なる厚さ、及び/又はそれらの任意の所望の組み合わせを有してよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、
図9Aに示されるように、組み立てられた構成において、ペタル状フィラー層は、本体構成要素の長手軸周りに積み重ねられた配置で位置決めされ得る。他の実施形態において、ペタル状フィラー層は、空洞内で互いに隣りに位置決めされてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、ペタル状フィラー層は、ペタルを有する材料の平面シートを含み得る。このような実施形態において、ペタル状フィラー層は、組み立てられる前に2D構成を有し、組み立てられた際に3D構成を有し得る(例えば、
図9Aを参照)。いくつかの実施形態において、ペタル状フィラー層は、平面シートを中央部分に対して折り曲げることによって、2D構成から3D構成に変換され得、組み立てられた構成において、ペタル状フィラー層の第1の端130(例えば、閉鎖端)を形成し得る。いくつかの実施形態において、ペタル状フィラー層は、第1の端130で、外側層及び/又は別のペタル状フィラー層に取り付けられ得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、外側層はまた、1つ以上のペタル126を含んでよい(
図14を参照)。このような実施形態において、ペタルは、概して円錐形状(又は他の好適な形状)の本体構成要素を形成する際に、外側層の1つ以上の部分を折り曲げることによって形成され得る。いくつかの実施形態において、ペタルは、空洞の開口端から外側に遠ざかるように延在し得る。理解されるように、形状、サイズ、厚さ、及び材料は、ペタルごとに異なっていてよいが、いくつかの実施形態において、ペタルは、同じ形状、サイズ、厚さ、及び材料を有してもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、フィラー材料はまた、外側層によって形成された空洞に挿入されたより小さな本体副構成要素を含んでよい。いくつかの実施形態において、より小さな本体副構成要素は、プラグを含み得る。例えば、プリーツの有無に関係なく、より小さな円錐層は、かさを増加させ、空隙空間を増加させ、及び/又は脂肪及び/又は組織を支持するための追加の表面積を提供するために、外側層内に挿入され得る。いくつかの実施形態において、内側のより小さな本体副構成要素は、本体構成要素の外側層のサイズの約25%~75%であり得る。本体構成要素はまた、当業者には明らかであるように、他の実施形態において他の好適なフィラー材料を含んでよい。
【0057】
図15A及び
図15Bは、より小さな円錐形の内側フィラー層132を含む本体副構成要素が、円錐形の外側層に挿入された一実施形態を示す。これらの図に示されるように、いくつかの実施形態において、内側層及び外側層は、同じ構成(例えば、形状)を有し得る。例えば、内側層及び外側層は、プリーツがない略円錐形状であってよい。他の実施形態において、
図16Aから
図17Bに示されるように、内側層及び外側層は、異なる構成を有してもよい。例えば、
図16A及び
図16Bに示されるように、内側層はプリーツ状でないが、外側層はプリーツ状であってよい。
図17A及び
図17Bに示されるように、外側層120はプリーツ状でないが、内側フィラー層132は、プリーツ状であってよい。内側層及び外側層は、両方とも円錐状であるとして示されているが、内側層及び/又は外側層は、他の好適な形状、及び/又は、1つの層に対して円錐形状、及び別の層に対して非円錐形状を含むがこれに限定されない異なる形状の組み合わせを採用してもよいことを理解されたい。
【0058】
いくつかの実施形態において、本体副構成要素は、単一の内側フィラー層のみを含み得る(例えば、
図16Aから
図17Bを参照)。他の実施形態(例えば、
図18A及び
図18Bを参照)において、本体構成要素は、2つ以上の内側フィラー層を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、これらの図に示されるように、本体構成要素は、プリーツ状外側層の空洞内に3つのプリーツ状フィラー層又は副構成要素を含み得る。上記を鑑みて理解されるように、本体構成要素が、1つを超える本体副構成要素又はフィラー層を含む実施形態において、フィラー層は、同じ配置を有してよい。例えば、
図18Aに示されるように、フィラー層132a~132cはそれぞれ、円錐形状であってもよくプリーツ状であってもよい。フィラー層はまた、他の実施形態において異なる配置を有し得る。いくつかの実施形態において、フィラー層は、1つ以上のより小さな本体構成要素及びプリーツ状フィラー層を含み得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、
図18A及び
図18Bに示されるように、内側フィラー層は、互いの隣に(例えば、隣接して)配置されてよい。他の実施形態において、内側フィラー層は、本体構成要素の長手軸に沿って互いに積み重ねられてよい(例えば、
図9A及び
図9Bに示される入れ子式の内側のペタル状フィラー層と同様に)。
【0060】
いくつかの実施形態において、本体構成要素は、より小さな内側本体構成要素及びペタル状の内側フィラー層を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、円錐形の内側フィラー層は、1つ以上のペタル状フィラー層で入れ子式であってもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、本体構成要素及び/又は本体副構成要素は、プラグを含み得る。一実施形態において、プロテーゼは、Davol社から入手可能なPERFIXプラグ及び/又はPHASIXプラグから形成された、本体構成要素及び/又は本体副構成要素を含み得る。
【0062】
本明細書に記載されるように、組み立てられた際、本体構成要素は、概して半球状の構成を有するプロテーゼを形成し得る。
図19から
図22は、プロテーゼの本体を形成するために共に取り付けられた本体構成要素の様々な配置の実施形態を示す。いくつかの実施形態において、
図20及び
図21に示されるように、例えば、本体構成要素は、同じ構成を有してよく、共に取り付けられて、プロテーゼの本体を形成してもよい。他の実施形態において、
図22に示されるように、プロテーゼの本体は、異なる構成を有する本体構成要素から形成されてもよい。
【0063】
図2及び
図3に示されるように、いくつかの実施形態において、本体構成要素は、プロテーゼの長手軸Lの周りに径方向及び/又は周方向に配置され得る。本明細書における目的では、プロテーゼの長手軸はまた、プロテーゼ本体の長手軸を画定し得る。そのような実施形態において、本体構成要素の第2の閉鎖端(例えば、先端)は、長手軸L周りに互いに隣接して位置し得る。これらの図に示されるように、各本体構成要素の空洞が外側に向かって配向されてその中の脂肪及び/又は組織を受け入れる及び/又は受容するように、本体構成要素は、外向き径方向に向いた開口端に配向され得る。
【0064】
このような実施形態において、本体構成要素は、長手軸で互いに取り付けられてよい。このような実施形態において、中空コアは、長手軸周りの本体構成要素の配置を介して形成されてよい。他の実施形態において、
図19に示されるように、プロテーゼは、複数の本体構成要素が取り付けられ得る中空コア構造を含んでよい。そのような実施形態において、中空コア構造の長手軸は、プロテーゼの長手軸と整列してよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、
図2及び
図3に示されるように、長手軸は、プロテーゼの中心軸Cを画定し得る。他の実施形態において、
図23に示されるように、長手軸はまた、中心軸Cから離間(例えば、オフセット)してよい。いくつかの実施形態において、長手軸は、中心軸に平行であってもよく中心軸から離間してもよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、プロテーゼは、1つ以上の段の本体構成要素を含み得る。このような実施形態において、各段は、プロテーゼの長手軸の周りに配置された複数の本体構成要素を含んでよく、本体構成要素の閉鎖端は、互いに隣接している。いくつかの実施形態において、第1の段が基部に隣接し、第2の段が第1の段の上に積み重ねられ、第3の段が第2の段の上に積み重ねられるなど、段は、プロテーゼの長手軸Lに沿って互いに積み重ねられてよい。
【0067】
いくつかの実施形態において、各段は、異なる数の本体構成要素を含んでもよいが、各段は、同じ数の本体構成要素を含んでもよい。例えば、
図2及び
図3に示されるように、本体プロテーゼは、5つの本体構成要素を有する基部に隣接する第1の段、及び、単一の本体構成要素を有する、第1の段の上に積み重ねられた第2の段を含んでよい。いくつかの実施形態において、本体構成要素の構成は、段ごとに異なってもよいが、各段の本体構成要素は、同じ構成(例えば、形状及びサイズ)を含んでもよい。
【0068】
複数の段の本体構成要素を有する実施形態において、各段は、プロテーゼの長手軸の周りに配置された本体構成要素を有してよい。いくつかの実施形態において、プロテーゼ本体の上層は、単一の本体構成要素のみを有し得、長手軸に実質的に整列し得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、本体構成要素は、プロテーゼの本体を形成するために、例えば、本体構成要素の第2の端(例えば、先端)を介するなどして互いに取り付けられ得る。隣接する本体部分の他の部分はまた、他の実施形態において互いに取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、本体構成要素は、縫合及び/又は超音波溶接を介して互いに取り付けられてよい。理解されるように、本体構成要素は、他の好適なやり方を介して互いに取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、プロテーゼ本体は、縫合を介するなどして、基部に取り付けられてよい(
図5の縫合134を参照)。プロテーゼ本体はまた、超音波溶接など、他の好適な方法を介して基部に取り付け可能であってもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、本体構成要素の底段のみが基部に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、本体構成要素は全て、基部に取り付け可能であってよい。例えば、いくつかの実施形態において、各本体構成要素の第2の端は、いくつかの実施形態において、基部に取り付けられ得る。理解されるように、本体構成要素の他の部分はまた、基部に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、本体構成要素は、縫合、超音波溶接、及び/又は任意の他の好適な方法を介して基部に取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、本体構成要素は、互いにではなく、基部にのみ取り付けられ得る。
【0071】
さらに他の実施形態において、本体構成要素は、プロテーゼの他の好適な部分に取り付けられ得る。例えば、
図19に示されるように、本体構成要素は、中空コア構造136に取り付けられてよく、中空コア構造136の周りに径方向及び/又は周方向に配置されてよい。いくつかの実施形態において、本体構成要素は、互いにではなく、中空コアに取り付けられ得る。
【0072】
いくつかの実施形態において、コアは他の好適な構造を有してよいが、中空コアは、円筒形構造を含んでよい。例えば、いくつかの実施形態において、中空コアは、正方形、長方形、円錐形、又は他の好適な形状であってよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、中空コアは、基部に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、基部は、コアが底端で開放されるように環状形状を含んでよい。このような実施形態において、基部は、中空コアの第1の端と整列して、基部を通して中空コアへのアクセスを可能にする開口を有してよい。いくつかの実施形態において、中空コアの上部はまた、開放されてよい。このような実施形態において、脂肪及び/又は組織は、中空コア内に及びその周りに移動し得る。
【0074】
いくつかの実施形態において、
図2及び
図5に示されるように、例えば、基部は、CML及び/又は隣接した組織又は筋肉に対する所望の位置にプロテーゼを取り付けるための支持を提供するように構成されてよい。基部は、プロテーゼを隣接した組織に位置決め及び/又は固定化を促す任意の好適な形状及び/又はサイズを有するように構成され得る。いくつかの実施形態において、基部は、シートを含み得る。基部は、いくつかの実施形態において、互いに取り付けられた1つ以上の層を含んでよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、基部の底面は平坦であってよい。底面はまた、他の好適な構成を有してよい。例えば、底面は、凸形状などの概して丸みを帯びた形状を有してよい。
【0076】
プロテーゼ本体は、基部に取り付けられているものとして示され、説明されているが、いくつかの実施形態において、プロテーゼは、プロテーゼ本体のみを含んでよい。このような実施形態において、本体は、周囲の組織及び/又は筋肉に(例えば、縫合によって)直接取り付けられ得る。このような実施形態において、本体の底面は、周囲の筋膜へ取付けるために構成され得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、
図5に示されるように、基部は、隣接した組織及び/又は筋肉に対するプロテーゼの位置決め及び/又は固定化を容易にするために、隣接した組織及び/又は筋肉を貫通してグリップするように配置された1つ以上のグリップ138を含み得る。いくつかの実施形態において、グリップは、プロテーゼの底から外側に延在し得る。
【0078】
プロテーゼは、他の実施形態において、より多く又はより少ないグリップを含んでもよいが、いくつかの実施形態において、
図5に示されるように、プロテーゼは、3つのグリップ138を含んでもよい。例えば、他の実施形態において、プロテーゼは、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のグリップを含んでよい。いくつかの実施形態において、グリップは、基部の底面の周縁の周りに位置決めされてよい。例えば、グリップは、プロテーゼの周縁の周りに等間隔で配置されてもよい。他の実施形態において、グリップは、他の好適な位置に位置決めされてもよい。例えば、プロテーゼは、プロテーゼの底の中央に位置決めされた単一のより大きなグリップを含んでよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、各グリップは、プロテーゼを隣接した組織及び/又は筋肉に位置決め及び/又は固定するための1つ以上の歯を含み得る。いくつかの実施形態において、グリップは、1つ以上のステープル、タック、又は他の好適なグリッパ及び/又は留め具を含み得る。いくつかの実施形態において、
図5に示されるように、グリップは、プロテーゼの底から外側に延在し得る。
【0080】
本開示を鑑みて理解されるように、プロテーゼのサイズは、共に接合された本体構成要素のサイズ、形状、及び/又は数によって画定され得る。しかしながら、所望のサイズのプロテーゼは、患者によって異なり得る。したがって、いくつかの用途において、材料を除去及び/又は追加することによって、プロテーゼのサイズ及び/又はかさを調整することが望ましい場合がある。例えば、限定されるものでないが、プロテーゼのサイズ及び/又はかさは、本体構成要素のうちの1つ以上から、1つ以上の本体構成要素を除去すること、及び/又はフィラー材料の一部又は全てを除去することによって、減少され得る。
【0081】
いくつかの実施形態において、プロテーゼは、再建処置の前に組み立てられる本体構成要素で、予め形成され得る。例えば、再建の前に、本明細書に記載されるように、本体構成要素は、1つ以上の本体構成要素を互いに、又はプロテーゼの別の好適な部分に取り付けることによって、プロテーゼ本体を形成するために組み立てられ得る。いくつかの用途において、予め形成されたプロテーゼは、移植のための所望の形状を作成するために切り取られてよい。例えば、限定されるものでないが、1つ以上の本体構成要素(例えば、外側層及び/又はフィラー材料)は、カスタマイズされたインプラント形状を作成するために切り取られてよい。このような例において、本体構成要素はそれぞれ、特定の用途に対するプロテーゼの所望のサイズ及び形状に応じて、任意の所望の量で切り取られ得る。
【0082】
他の実施形態において、外科医は、カスタマイズされたプロテーゼの形状を作成するために、追加の本体構成要素をプロテーゼに追加し得る。このような実施形態において、異なる本体構成要素がプロテーゼ本体に追加され得るが、同じ本体構成要素がプロテーゼ本体に追加されてよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の本体構成要素は、プロテーゼ本体への取り付け前に切り取られ得る。
【0083】
いくつかの実施形態において、プロテーゼは、予め形成されていなくてもよく、代わりに、再建処置と連携して(例えば、処置前又は処置中に)、外科医によって組み立てられて、カスタマイズされたインプラント形状を作成してもよい。このような実施形態において、プロテーゼは、外科医によって組み立てられ得る、複数の本体構成要素及び/又は他のプロテーゼ構成要素(例えば、基部及び/又は中空コア)を有するキットを含み得る。例えば、外科医は、カスタマイズされたインプラント形状を達成するために、1つ以上の本体構成要素を、共に又は他の好適な構成要素に、選択する及び取り付けてよい。各本体構成要素は、同じ構成を有してもよい、又は異なる構成を有してもよい。いくつかの実施形態において、外科医はまた、所望により、組み立て中に1つ以上の本体構成要素を切り取り得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、本体構成要素はまた、予め形成されてよい。いくつかの実施形態において、本体構成要素は、別の本体構成要素、基部、又はプロテーゼ本体の別の好適な部分に取り付ける前に3D構成に変換される2D構成を含み得る。いくつかの実施形態において、2D構成は、(
図13を参照)開放されて3D構成を形成してもよいシートを含み得る(
図12を参照)。
【0085】
比較的複雑なインプラントを製作するために、様々な構造配置及び/又は製造技術が採用され得る。
【0086】
長期的な異物の問題を気にすることなく、乳房再建又は増大のための耐久性のある軽量の移植可能なプロテーゼを提供することが望ましい場合がある。
【0087】
一態様によると、プロテーゼは、吸収性材料から製作され得る。一実施形態において、プロテーゼは、乳房のより自然な外観及び感触を促進するために、P4HB(ポリ-4-ヒドロキシブチレート)などの比較的吸収の遅い材料から製作されて、脂肪及び/又は組織が最終的にプロテーゼを充填し、取って替わるように乳房の長期間の支持を提供し得る。多孔性材料は、各実施形態において必要とされないが、材料は、脂肪の通過及び/又はプロテーゼ内の組織の内方成長を促進するために十分な多孔性であってよい。プロテーゼは、編材、織材、及び/又は不織材を含んでよい。
【0088】
一実施形態において、プロテーゼは、ロードアイランド州ウォリックのDavol社から入手可能なP4HBから製造されたPHASIXメッシュで製作され得る。他の好適な材料として、Galateaから入手可能なGalaFLEX、Novus Scientificから入手可能なTIGRマトリックス、Allergenから入手可能なSERI外科用スカフォールド、Goreから入手可能なBIO-A、及びEthiconから入手可能なULTRAPROが含まれてよいが、これらに限定されない。所望により、Phasixなどの不織材料は、メッシュの代替として又はメッシュとともに採用されて、プロテーゼのために比較的より柔らかいプロファイルを提供し得る。いくつかの用途において、プロテーゼ又はプロテーゼの1つ以上の部分を、ポリプロピレン及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むがこれらに限定されない非吸収性材料から製作することが望ましい場合がある。
【0089】
いくつかの用途において、1つ以上の特性を提供するために、プロテーゼを材料で塗布することが望ましい場合がある。例えば、これに限定されるものでないが、出血を最小限に抑え、血清腫の形成を最小限に抑え、及び/又は組織の内方成長を容易にすることが望ましい場合がある。一実施形態において、プロテーゼは、Davol社から入手可能なアリスタAHで塗布されてよい。
【0090】
いくつかの用途において、プロテーゼが比較的滑らかな外面を有することが望ましい場合がある。一態様によると、プロテーゼの3D構造は、P4HB又はコラーゲンを含むがこれらに限定されない材料の外側層で覆われてもよい。このような実施形態において、プロテーゼは、プロテーゼ本体に重ね、プロテーゼ本体の形状に対応する外側層を含んでよい。理解されるように、他の実施形態において、1つ以上の本体構成要素は、比較的滑らかな外面を有するように配置されてもよく、滑らかな外側層を有してもよい。このような実施形態において、外側層は、本体構成要素をプロテーゼ本体に取り付ける前に、本体構成要素に適用され得る。
【0091】
プロテーゼの特定の用途において、圧縮後の永久変形に対する所望の抵抗量を提供するように構築されることが望ましい場合がある。一実施形態において、プロテーゼは、その高さHの40%の縦方向圧縮を受けた後、その元の高さHの10%以下(すなわち、≦10%)の高さに減少させるよう構築されてもよい。高さの減少は、圧縮に続いて1回以上で判定されてもよい。一実施形態において、高さの減少は、t=0の時点とt=12週の時点で判定されてもよい。しかしながら、当業者に明らかであるように、プロテーゼは、永久変形に対して任意の好適な抵抗量を提供するように構成され得ることを理解されたい。
【0092】
切除された空間を、移植脂肪組織とともに、インプラントの治癒及び統合中に支持し得る、移植可能なプロテーゼを提供することが望ましい場合がある。
【0093】
一態様によると、プロテーゼは、乳房内の生体力学的力に対抗するための圧縮強度を有し得る。一実施形態において、インプラントは、t=0の時点における25%の縦方向圧縮で少なくとも3.1lbf(すなわち、≧3.1lbf)の圧縮強度を有し得、t=12週の時点における25%の縦方向圧縮で少なくとも2.4lbf(すなわち、≧2.4lbf)の圧縮強度を有し得る。しかしながら、当業者に明らかであるように、プロテーゼは、任意の好適な圧縮強度を有するように構成されてよいことを理解されたい。
【0094】
一態様によると、プロテーゼは、デバイスの機械的完全性を維持するのに十分な接続強度を有する接続を採用してよい。一実施形態において、インプラントは、t=0の時点で少なくとも1.0lbf(すなわち、≧1.0lbf)の接続強度を有する接続を採用してよい。しかしながら、当業者に明らかであるように、プロテーゼは、任意の好適な量の接続強度を有するように構成されてもよい。
【0095】
プロテーゼの全体的な所望の構造は、効率的な手法でその製作に様々な構成を採用してよい。
【0096】
本教示は、様々な実施形態及び実施例に関連して説明されているが、本教示がこのような実施形態又は実施例に限定されることを意図するものではない。逆に、本教示は、当業者に明らかであるように、様々な代替、修正、及び同等物を包含する。したがって、上述の説明及び図は、例示に過ぎない。
【0097】
本開示の様々な態様は、単独で、組み合わせて、又は前述の実施形態において記載されたものでない様々な配置で使用され得、そのため、前述の説明において示された又は図示された構成要素の詳細及び配置に限定されない。例えば、一実施形態に記載の態様は、他の実施形態に記載の態様と任意の手法で組み合わせてもよい。
【0098】
本開示の態様はまた、提供された例の方法として具現され得る。方法の一部として実施される行為は、任意の好適なやり方で順序付けられてよい。したがって、実施形態は、図示の順序とは異なる順序で行為が行われるように構成されてもよく、これには、例示的な実施形態において順次の行為として示されているものの、いくつかの行為を同時に行うことを含んでもよい。
【0099】
本特許出願及びその発行される任意の特許における目的では、本明細書及び特許請求の範囲において、本明細書において使用される不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、逆が明らかに示されない限り、「少なくとも1つの」を意味するものと理解されるべきである。本明細書及び特許請求の範囲において、本明細書で使用される「及び/又は」というフレーズは、連結された要素の「いずれか又は両方」すなわち、場合によっては連接して存在し、他の場合には選択的に存在する要素を意味するものとして理解されるべきである。「及び/又は」に列挙された複数の要素は、同様のやり方で、すなわち、結合された要素の「1つ以上」で解釈されるべきである。他の要素は、特定的に特定された要素に関連付けられているか否かに関わらず、「及び/又は」の節によって特定的に特定された要素以外、選択的に存在してもよい。
【0100】
特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」などのような序数の用語を使用して請求項要素を修飾することは、単独では、請求項要素の優先、優位、又は順序、又は方法の行為が実行される時間的順序を示すものではなく、請求項要素を区別するために、特定の名前を有する1つの請求項要素を、同じ名前(ただし、序数の用語の使用のため)を有する他の要素から区別するために、単にラベルとして使用される。
【0101】
また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明の目的のためであり、限定的なものとして見なされるべきではない。本明細書において、「含む」、「備える」、「有する」、「含有する」、「関与する」、及びこれらの変形を使用することは、その後に列挙される項目及びその同等物、並びに追加の項目を包含することを意味する。
【国際調査報告】