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特表2024-522807改良された液体ガス試料気化器調整システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】改良された液体ガス試料気化器調整システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/02 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
F17C13/02 301Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578038
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 US2022050431
(87)【国際公開番号】W WO2023172306
(87)【国際公開日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】17/687,949
(32)【優先日】2022-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519193482
【氏名又は名称】ムスタング サンプリング, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】MUSTANG SAMPLING, LLC
【住所又は居所原語表記】Ritmore Glen, Route 68 North, Ravenswood, West Virginia 26164 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン, ケネス オー.
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー, ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】パルチ, ウィリアム シー.
(72)【発明者】
【氏名】ハートソン, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】クエリー, ティモシー エル.
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB04
3E172BD01
3E172BD03
3E172BD10
3E172GA24
3E172JA08
(57)【要約】
改良された流量、圧力及び熱制御を提供する構成成分を正確に決定するために液体試料を効率的に気化させるための改良された液体気化及び調整システム、ならびに関連する方法であって、改良は、抵抗温度検出器、掃引屈曲部、インライン熱遮断部、流れ緩衝入力マニホールド、4つのヒータユニットを備えた改良されたマルチパスヒータ気化器構造、気化器出力混合マニホールド、及び許容閾値を超える流量損失/容積容量のリスクなしに加熱又は流れ異常の危険性がある場合に部分的な停止の能力を提供する制御要素と、改良されたモジュール式熱気化器エンクロージャとの組み合わせを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料入力と、液体試料を受け取り、受け取った前記液体試料を気化した試料を受け取るように動作可能なアキュムレータタンクに送られる蒸気ガスに変換するように動作可能な気化器と、前記アキュムレータタンクから出力された蓄積された前記気化した試料を調整して下流の分析器に少なくとも第1の蒸気試料出口経路によって送るためにその圧力を低下させるための加熱圧力調整器とを含む、液体用の改良された気化器及び調整システムであって、前記改良が、順次、
a)前記液体試料入力と一列の抵抗温度検出器ユニットと、
b)前記抵抗温度検出器ユニットと一列の下流に位置する掃引屈曲部と、
c)前記掃引屈曲部と一列の下流に位置する熱エネルギー伝達を最小限に抑えるための熱遮断部と、
d)前記熱遮断部と一列の下流に位置する流れ緩衝入力マニホールドであって、前記流れ緩衝入力マニホールドが液体試料入力受け取り室を含み、圧力降下を低減し、流量の均一性を提供するために、前記受け取り室内の前記液体試料入力を前記受け取り室からの複数の出力に分割する、流れ緩衝入力マニホールドと、
e)前記気化器が、複数の液体試料気化器入力であって、
i)上端及び下端を有するヒータカートリッジであって、前記ヒータカートリッジが、選択長さの細長い電動式発熱体を含む、ヒータカートリッジと、
ii)コイルチュービングセグメントであって、前記細長い電気ヒータ要素の選択長さよりも長く、それより上に延びる選択高さ、及び前記細長い電気発熱体との前記コイルチュービングの接触面積を増加させ、前記コイルチュービングセグメントにわたる圧力降下を制限するように構成された、巻回間の間隔を狭めた螺旋状ラッピングを有する、コイルチュービングセグメントと、
iii)前記コイルチュービングセグメントの下方に配置された熱電対と、
iv)出力部と、を特徴とする前記複数の液体試料気化器入力のそれぞれに関連付けられた前記流れ緩衝入力マニホールド及びヒータカートリッジユニットからの複数の出力に対応する複数の液体試料入力及び蒸気出力を収容する気化器ハウジングを含み、
f)前記気化器ハウジングからの複数の蒸気出力に対応する複数の蒸気入力であって、各蒸気入力は蒸気流を終了させるための遮断弁を含む、複数の蒸気入力を組み込んだ出口マニホールドであって、前記出口マニホールドが、それぞれの複数の蒸気入力を共通蒸気出力流に混合するための内部蒸気アキュムレータ室と、前記内部蒸気アキュムレータ室からの前記共通出力流のための出力と、前記出口マニホールド出力流に関連付けられた出口マニホールド熱電対と、前記出口マニホールド熱電対によって温度異常が検出された場合に前記アキュムレータタンクへの流れを防止するための遮断弁とを含む、出口マニホールドと、を備え、
前記気化器ハウジングが、後壁と、上壁と、底壁と、前縁部及び前記底壁に近接して前記後壁に取り付けられた後部セクションを画定する傾斜した取り付けプレートとを含み、前記取り付けプレートが、前記底壁に対して前記後壁から鋭角に突出し、前記取り付けプレートが、前記後部セクションの方向に前記前縁部に形成され、選択距離だけそこから延在するテーパ状スロットを有する少なくとも1つの受け入れスロットを含み、
各コイルチュービングセグメントが、画定された直径及び第1の長さの細長い円筒形通路と、前記コイルの細長い円筒形通路に略直交して配置された下部セグメントとを含み、各ヒータ要素が、前記細長い円筒形通路の直径に対応する直径を有し、前記ヒータカートリッジの下端が、前記角度付き取り付けプレートの前記受け入れスロットを通って突出し、前記ヒータカートリッジの前記下端を係合して前記ヒータカートリッジを前記取り付けプレートに固定するための取り外し可能なクランプ、
前記ヒータカートリッジが、前記取り外し可能なクランプを前記ヒータカートリッジ及び前記取り付けプレートの下端から解放し、前記ヒータカートリッジを前記コイルチュービングセグメントからスライドさせることによって取り外し可能である、液体用の改良された気化器及び調整システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの蒸気試料出口経路が、前記アキュムレータタンクから一列であり、加熱圧力調整器、ロータメータ、圧力解放弁及び下流分析のための下流蒸気試料出口と、ロータメータ及び未使用の蒸気試料を出力するための質量流量コントローラを含むバイパス経路とを含む、請求項1に記載の液体用の改良された気化器及び調整システム。
【請求項3】
前記バイパス経路が、前記未使用の蒸気試料を再利用する、請求項2に記載の液体用の改良された気化器及び調整システム。
【請求項4】
センサ、ヒータ、熱電対、ソレノイドバルブ、及びロータメータを含む電気的に制御された構成要素を制御するためのPIDコントローラをさらに備える、請求項3に記載の液体用の改良された気化器及び調整システム。
【請求項5】
センサ、ヒータ、熱電対、ソレノイドバルブ、及びロータメータを含む電気的に制御された構成要素を制御するためのPLCコントローラをさらに備える、請求項3に記載の液体用の改良された気化器及び調整システム。
【請求項6】
熱質量流量コントローラをさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の液体用の改良された気化器及び調整システム。
【請求項7】
液体試料入力と、液体試料を受け取り、受け取った液体試料を気化した試料を受け取るように動作可能なアキュムレータタンクに送られる蒸気ガスに変換するように動作可能な気化器と、前記アキュムレータタンクから出力された蓄積された気化した試料を調整して下流の分析器に少なくとも第1の蒸気試料出口経路によって送るためにその圧力を低下させるための加熱圧力調整器とを含む、液体用の改良された気化器及び調整システムであって、前記改良が、順次、
a)前記液体試料入力と一列の抵抗温度検出器ユニットと、
b)前記抵抗温度検出器ユニットと一列の下流に位置する掃引屈曲部と、
c)前記掃引屈曲部と一列の下流に位置する熱エネルギー伝達を最小限に抑えるための熱遮断部と、
d)前記熱遮断部と一列の下流に位置する流れ緩衝入力マニホールドであって、前記流れ緩衝入力マニホールドが、液体試料入力受け取り室であって、前記受け取り室内の前記液体試料入力を前記受け取り室から選択された数の出力に分割する、液体試料入力受け取り室を含む、流れ緩衝入力マニホールドと、
e)前記流れ緩衝入力マニホールドからの選択された数の出力に対応する選択された数の液体試料気化器入力及び気化した蒸気出力を収容する気化器ハウジングであって、前記気化器ハウジングが、後壁、上壁及び底壁であって、前記上壁が選択された数の液体試料気化器入力を含み、前記底壁が選択された数の気化した蒸気出力を含む、後壁、上壁及び底壁と、前縁部及び前記底壁に近接して前記後壁に取り付けられた後部セクションを画定する傾斜した取り付けプレートとを含み、前記取り付けプレートが、前記底壁に対して前記後壁から鋭角に突出し、前記取り付けプレートが、前記後部セクションの方向に前記前縁部に形成され選択距離だけそこから延在するテーパ状スロットを有する少なくとも1つの受け入れスロットを含む、気化器ハウジングと、
f)上部、底部、及び前記気化器ハウジング内の選択された数の液体試料気化器入力のそれぞれに関連付けられたそれらの間に配置された細長い電動式発熱体であって、前記細長い電動式発熱体が選択長さ及び選択直径を有する、細長い電動式発熱体を有するヒータユニットと、
g)前記気化器ハウジング内の連続長のチュービングであって、前記細長い電動式発熱体の選択長さより長い選択高さ、及び前記コイルチュービングと前記細長い電動式発熱体の接触面積を増大させ、圧力を制限するように構成された、巻回管の間隔を減少させた螺旋状ラッピングを有するコイルチュービングセグメントに貫通し、前記コイル状チュービングセグメントが、前記細長い電動式発熱体の前記選択直径に対応する直径の細長い円筒形通路と、前記細長い円筒形通路に略直交して配置された下部セグメントと蒸気出力セグメントとを画定する、連続長のチュービングと、
前記コイルチュービングセグメントの下方に配置された熱電対と、
前記ヒータユニットを前記取り付けプレートに固定するために前記ヒータユニットの底部に係合するための取り外し可能なクランプであって、前記チュービングの前記蒸気出口セグメントが、前記取り付けプレートの前記テーパ状スロットを通って前記底壁内の前記それぞれの気化蒸気出口に至り、前記ヒータユニットが、前記取り外し可能なクランプを前記底部及び前記取り付けプレートから解放し、前記ヒータユニットを前記コイルチュービングセグメントの前記底部からスライドさせることによって取り外し可能である、取り外し可能なクランプと、
h)前記気化器ハウジングからの前記選択された数の気化蒸気出力に対応する選択された数の蒸気入力を組み込んだ出口マニホールドであって、各蒸気入力が、蒸気流を終了するための遮断弁を含み、前記出口マニホールドが、それぞれの選択された数の蒸気入力を共通蒸気出力流に混合するための内部蒸気アキュムレータ室と前記内部蒸気アキュムレータ室からの前記共通出力流のための出力を含む、出口マニホールドと、
i)前記出口マニホールド出力流に関連付けられた出口マニホールド熱電対と、前記出口マニホールド熱電対によって温度異常が検出された場合に、前記アキュムレータタンクへの流れを防止するための遮断弁と、を含む、液体用の改良された気化器及び調整システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの蒸気試料出口経路が、前記アキュムレータタンクから一列であり、加熱圧力調整器、ロータメータ、圧力解放弁及び下流分析のための下流蒸気試料出口と、ロータメータ及び未使用の蒸気試料を出力するための質量流量コントローラを含むバイパス経路とを含む、請求項7に記載の液体用の改良された気化器及び調整システム。
【請求項9】
後壁と、上壁及び底壁と、
前記上壁内の上部入口と、
前記底壁内の下部出口と、
前縁部及び前記底壁に近接して前記後壁に取り付けられた後部セクションを画定する傾斜した取り付けプレートであって、前記底壁に対して前記後壁から鋭角に突出し、前記後部セクションの方向に前記前縁部に形成され、選択距離だけそこから延在するテーパ状スロットを有する少なくとも1つの受け入れスロットを含む、取り付けプレートと、
前記入口を通過して液体入力を画定する連続長のチュービングと、コイル間の間隔ギャップを制限するピッチを有するコイル状チュービングセクションであって、前記コイル状セクションが、画定された直径及び第1の長さの細長い円筒形通路を画定する、コイル状チュービングセクションと、前記コイルの細長い円筒形通路に略直交して配置された下部セグメントと、前記下部出口を通過する蒸気出力セグメント長と、
上部、底部、及びそれらの間に配置された電動式発熱体を有する取り外し可能な細長いヒータカートリッジであって、前記ヒータカートリッジが、前記発熱体がチュービングコイル状セクションの長さよりも短い長さを有し、前記底部が前記傾斜した取り付けプレートの前記受け入れスロットを通って突出する、前記細長い円筒形通路の直径に対応する直径を有する、ヒータカートリッジと、
前記ヒータカートリッジを前記取り付けプレートに固定するために前記ヒータカートリッジの前記下部に係合するための取り外し可能なクランプであって、前記チュービングの前記蒸気出口セグメントが、前記取り付けプレートの前記テーパ状スロットを通って前記底壁の前記下部出口に至り、
ヒータカートリッジが、前記取り外し可能なクランプを前記ヒータカートリッジの前記下部及び前記取り付けプレートから解放し、前記ヒータカートリッジを前記コイル状チュービングセクションの前記底部からスライドさせることによって取り外し可能である、前記取り外し可能なクランプと、を備える、改良された防爆気化器エンクロージャ。
【請求項10】
前記チュービングの前記温度を検出するために前記チュービングの前記下部セグメントに取り付けられた熱電対をさらに備える、請求項9に記載の改良された防爆気化器エンクロージャ。
【請求項11】
前記熱電対がタイプJの熱電対上のボルトである、請求項10に記載の改良された防爆気化器エンクロージャ。
【請求項12】
前記コイル状チュービングセクションが前記ヒータカートリッジの上方に延在する、請求項9から11のいずれか一項に記載の改良された防爆気化器エンクロージャ。
【請求項13】
前記コイル状チュービングセクションのピッチが、コイル間のギャップを最小限に抑えて、前記ヒータカートリッジ上のホットスポット形成を最小限に抑え、前記コイル状チュービングセクションと前記ヒータカートリッジとの間の熱交換を最大化する、請求項12に記載の改良された防爆気化器エンクロージャ。
【請求項14】
分析のための液体試料流を気化及び調整する改善された方法であって、試料流入力と、液体試料を受け取り、受け取った前記液体試料を蒸気ガスに変換するように動作可能な気化器であって、前記蒸気ガスは、気化した試料を受け取るように動作可能なアキュムレータタンクに送られる、気化器と、前記アキュムレータタンクから出力された蓄積された前記気化した試料を調整して、下流の分析器への通過のためにその圧力を低下させるための加熱圧力調整器とを含み、前記改善された方法は、
抵抗温度検出器を用いて入力液体試料温度を検出するステップと、
前記液体試料流を掃引屈曲部、インライン熱遮断部、及び気化器液体入力マニホールドにそれぞれ通過させて、前記液体試料流を流量、圧力、及び温度が同一の選択された複数の気化器液体入力流に分割するステップと、
前記選択された複数の気化器液体入力流の各々を、前記選択された複数に対応する複数の気化経路を有する気化器エンクロージャ内に出力するステップであって、各気化経路が、上部液体入口及び下部気化ガス出力と、ヒータカートリッジとコイル状中間セクションとの間の熱伝達接触面積を増加させるように構成された前記ヒータカートリッジの周りに螺旋状に巻かれた前記コイル状中間セクションとを有するチュービングと、前記下部気化ガス出力に関連付けられた温度検出気化ガス出力熱電対とを備える、ステップと、
前記複数の気化経路からの前記出力を受け取るための前記複数の気化経路に対応する複数の入力を有する気化ガス混合マニホールドに前記気化ガス出力を入力するステップであって、前記入力の各々が、前記気化ガス出力熱電対による温度異常の検出時に前記マニホールドへの気化ガス入力を終了させるための遮断弁に関連付けられ、前記気化ガス混合マニホールドが、混合室と、前記混合気化試料のための出口とを含む、入力するステップと、
前記出力された混合気化試料の温度を検出するための熱電対を含むチュービングを介して前記気化ガス混合マニホールドから前記混合気化試料を出力するステップであって、前記熱電対が、前記熱電対によって選択閾値を超える熱異常が検出されたときに前記気化ガス混合マニホールドからの流れを終了させるためのソレノイド制御バルブに関連付けられている、出力するステップと、
前記混合気化試料を試料アキュムレータに入力するステップと、
蓄積された気化した試料の温度を維持し、ジュールトムソン凝縮を防止しながら、前記蓄積された気化した試料を前記試料アキュムレータから加熱レギュレータに出力して前記試料圧力を低下させるステップと、
構成成分の分析のために前記加熱レギュレータから前記蓄積された気化試料を通過させるステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、極低温液化天然ガス(LNG)の効率的な気化及び測定のための改善されたシステム及び方法に関し、非極低温液体天然ガス(NGL)の特定の処理に適用可能であり、最も詳細には、分析のために容器から抽出された液体天然ガス試料を気化させることに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、米国特許第7,484,404号明細書及びその子孫ならびに米国特許第8,056,399号明細書及びその子孫に記載及び開示されているシステムが直面する同様の問題に関する。LNGは、生産現場から天然ガスを採取し、不純物を除去し、天然ガスを液化して製造される。液化プロセスでは、ガスは約-162℃(-260°F)の温度に冷却される。この凝縮した極低温液体形態の天然ガスの1体積は、気化した天然ガスの体積の約1/600を占める。典型的には、天然ガスは、容器への積み込み及び輸送又は搬送のために液体形態に変換される。パイプライン、貯蔵タンク、輸送車両はすべて、天然ガスを収容するための容器を備える。例として、LNGは、典型的には貯蔵タンクに積み出しされる受け入れ施設への輸送のために船舶に積み込まれる。このプロセスでは、特に管理移送の面において、出荷品のBTU値/成分は、例えば、蒸発などによって輸送中に変化を受けやすいため、成分及びエネルギー値(BTU値)の正確な分析が重要である。
【0003】
ガス試料調整における正確な分析の重要な部分は、ガス含有容器、例えばパイプラインからプローブを介して抽出された液体試料の気化プロセスに関係する。液体試料が抽出されると、液体試料は、典型的には、比較的小さい直径を有するステンレス鋼チュービングなどの耐食性超合金を介して始まりのプローブから気化、圧力調整のために試料コンディショナに、そして最終的に分析のためにクロマトグラフなどの分析器に伝達される。
【0004】
抽出された液体試料が気化すると、蒸気段階は、一般的な分析器/クロマトグラフにとって許容可能な圧力である、例えば、10~30psig(68.9kPa~206.8kPa)などの比較的低圧ゾーンまで大幅に減圧される。液体から蒸気へのプロセス全体の間、予備気化を防止し、蒸気を蒸気相曲線外の温度及び圧力に維持して、凝縮の形態でのジュールトムソン炭化水素露点降下のリスクを最小限に抑えることが重要である。
【0005】
このような凝縮が起こると、分析器/クロマトグラフへの入力が液体で汚れる可能性があり、得られた測定値の完全性が損なわれ、例えばカラムのブリードからクロマトグラフに損傷が生じる可能性がある。良くてもゴーストピークなどからの誤った読み取り値が生成され、最悪の場合、分析器は使用不能になる。液体から蒸気への変換中の不均一な流れ及び圧力降下はまた、誤った読み取り値、ならびにシステムの動作精度及び効率の低下をもたらす可能性がある。
【0006】
したがって、不正確さを回避するために、気化器に対する液体試料の完全性を維持し、気化した液体試料を最小の圧力及び温度変動で維持することが重要である。
【0007】
気化自体に関連する問題に目を向けると、液体天然ガス(NGL)及び特に極低温LNGなどの低炭素数炭化水素液が加熱によって気化する気化装置は、液体試料入口ポートに近接した温度勾配の発達を被る可能性がある。そのような温度が気化熱を超える場合、液体試料の予備気化が生じる可能性がある。抽出された液体試料が気化器入力付近で部分的又は完全に気化されるが、フラッシュ気化室に到達する前に、気化器を出る気化された試料の完全性は、異なる時間に気化器に分離して入る生成物成分(軽質、中質、及び重質)の望ましくない分割によって損なわれる可能性がある。このような分割又は分離は、一般に、誤ったエネルギー含有量及び組成分析をもたらす。さらに、予備気化された試料がその後の冷却又は圧力低下にさらされ、気化室への通過中に部分的な再凝縮を引き起こす場合、さらに望ましくない組成成層/分割が生じる可能性がある。さらに、気化器入力で予備気化が発生する場合、液体から気体への膨張によって生成される冷却効果は、入口ポートの上流に外部氷結を生成し、それによって、試料の均一性及び完全性をさらに損なう熱異常を増大させる場合がある。さらに、気化した試料の分割/凝縮を防止することによって試料の完全性を維持しながら、気化した流れの再混合、及び減圧レベル及び流量レベルであっても継続した動作を可能にするために、気化器が故障した場合に冗長性を提供する複数の経路を有する液体試料気化器及び調整システムを提供することが望ましい。最後に、システムが安定化するための始動時間を最小限に抑え、管理移送操作のためのより低い圧力であっても適切な試料流量を保証することが非常に望ましい。
【0008】
別の問題は、従来技術の構成物において生じる。気化エンクロージャは、要素が、典型的には、カートリッジを支持プレートプラットフォーム上に固定するために溶接タブを使用してエンクロージャ内に垂直に取り付けられ、コイル状熱交換チュービング内に位置付けられるため、ヒータカートリッジ要素の交換を容易にしない。その結果、ヒータカートリッジユニットの故障又は交換、分解及び再組み立てを示唆する加熱性能の低下には、時間及び労力の要件に加えて、熟練を必要とする困難の程度、及び不必要に長期間にわたる停止が伴う。
【0009】
したがって、始まりから分析までの試料処理の改善、及び蒸気エンクロージャアセンブリの改善及び改善に対する継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の例示的な非限定的な実施形態は、関連技術の液体ガス気化及び測定システムに関連する前述及び他の欠点を克服することができる。
【0011】
本発明の目的は、液体試料から液体ガス蒸気を効率的かつ正確にサンプリング及び調整するための改良されたシステム及び方法を提供することである。
【0012】
本発明の目的は、適切な試料流量を維持しながらジュールトムソン凝縮を回避するために、試料調整プロセス全体を通して適切な温度、圧力を維持しながら液体試料の予備気化を防止する信頼性の高い液体試料気化器調整システムを提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、圧力損失から凝縮することなく、試料の予備気化混合及び気化後混合を向上させることである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、熱交換を改善し、ヒータカートリッジの有効寿命を延ばし、メンテナンス及び交換のためのアクセスを容易にする、コイル状チュービングでラップされたヒータカートリッジを備える熱交換要素の効率的なモジュール式取り付けを提供する改善された防爆気化器エンクロージャを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記及び他の目的を達成するために、本発明による一実施形態は、試料入力と、液体試料を受け取り、受け取った液体試料ガスを気化した試料を受け取るように動作可能なアキュムレータタンクに送られる蒸気ガスに変換するように動作可能な気化器と、アキュムレータタンクから出力された蓄積された気化した試料を調整して下流の分析器に送るためにその圧力を低下させるための加熱圧力調整器とを含む、液体用の改良された気化器及び調整システムを含み、改良は、順次、液体試料入力と一列の抵抗温度検出器ユニットと、抵抗温度検出器ユニットと一列の下流に位置する掃引屈曲部と、掃引屈曲部と一列の下流に位置する熱エネルギー伝達を最小限に抑えるための熱遮断部と、熱遮断部と一列の下流に位置する流れ緩衝入力マニホールドであって、流れ緩衝入力マニホールドが液体試料入力受け取り室を含んで、圧力降下を低減し、流量の均一性を提供するために、受け取り室内の液体試料入力を受け取り室からの複数の出力に分割する、流れ緩衝入力マニホールドと、を含み、気化器は、複数の液体試料気化器入力であって、i)上端及び下端を有するヒータカートリッジであって、ヒータカートリッジは、選択長さの細長い電動式発熱体を含む、ヒータカートリッジと、ii)コイルチュービングセグメントであって、細長い電気ヒータ要素の選択長さよりも長く、それより上に延びる選択高さ、及び細長い電気発熱体とのコイルチュービングの接触面積を増加させ、コイルチュービングセグメントにわたる圧力降下を制限するように構成された、巻回間の間隔を狭めた螺旋状ラッピングを有する、コイルチュービングセグメントと、iii)コイルチュービングセグメントの下方に配置された熱電対と、iv)出力部と、を特徴とする複数の液体試料気化器入力のそれぞれに関連付けられた流れ緩衝入力マニホールド及びヒータカートリッジユニットからの複数の出力に対応する複数の液体試料入力及び蒸気出力を収容する気化器ハウジングを含み、システムは、気化器ハウジングからの複数の蒸気出力に対応する複数の蒸気入力であって、各蒸気入力は蒸気流を終了させるための遮断弁を含む、複数の蒸気入力を組み込んだ出口マニホールドであって、出口マニホールドは、それぞれの複数の蒸気入力を共通蒸気出力流に混合するための内部蒸気アキュムレータ室と、内部蒸気アキュムレータ室からの共通出力流のための出力と、出口マニホールド出力流に関連付けられた出口マニホールド熱電対と、出口マニホールド熱電対によって温度異常が検出された場合にアキュムレータタンクへの流れを防止するための遮断弁とを含む、出口マニホールドと、を含み、気化器ハウジングは、後壁と、上壁と、底壁と、前縁部及び底壁に近接して後壁に取り付けられた後部セクションを画定する傾斜した取り付けプレートとを含み、取り付けプレートは、底壁に対して後壁から鋭角に突出し、取り付けプレートは、後部セクションの方向に前縁部に形成され、選択距離だけそこから延在するテーパ状スロットを有する少なくとも1つの受け入れスロットを含み、各コイルチュービングセグメントは、画定された直径及び第1の長さの細長い円筒形通路と、コイルの細長い円筒形通路に略直交して配置された下部セクションとを含み、各ヒータ要素は、細長い円筒形通路の直径に対応する直径を有し、ヒータカートリッジの下端は、角度付き取り付けプレートの受け入れスロットを通って突出し、気化器ハウジングは、ヒータカートリッジを取り付けプレートに固定するためにヒータカートリッジの下端に係合するための取り外し可能なクランプを含み、ヒータカートリッジは、取り外し可能なクランプをヒータカートリッジ及び取り付けプレートの下端から解放し、ヒータカートリッジをコイルチュービングセグメントからスライドさせることによって取り外し可能である。
【0016】
本発明のさらなる実施形態は、少なくとも1つの蒸気試料出口経路がアキュムレータタンクから一列であり、加熱圧力調整器、ロータメータ、圧力解放弁及び下流分析のための下流蒸気試料出口と、ロータメータ及び未使用の蒸気試料を出力するための質量流量コントローラを含むバイパス経路とを含む、液体用の調整システムを特徴とする。
【0017】
前述の本発明のさらなる実施形態は、バイパス経路が未使用の蒸気試料をリサイクルすることを特徴とする。
【0018】
液体用の改良された気化器及び調整システムのさらに別の実施形態は、センサ、ヒータ、熱電対、ソレノイドバルブ及びロータメータを含む電気的に制御される構成要素を制御するためのPIDコントローラを特徴とする。或いは、液体用の気化器及び調整システムは、センサ、ヒータ、熱電対、ソレノイドバルブ及びロータメータを含む電気的に制御される構成要素を制御するためのPLCコントローラを特徴とする。
【0019】
他の実施形態では、前述のいずれかによる改善された気化器及び調整システムは、熱質量流量コントローラを特徴とする。
【0020】
別の実施形態における本発明は、後壁と、上壁及び底壁と、上壁内の上部入口と、底壁内の下部出口と、前縁部及び底壁に近接して後壁に取り付けられた後部セクションを画定する傾斜した取り付けプレートであって、底壁に対して後壁から鋭角に突出し、後部セクションの方向に前縁部に形成され、選択距離だけそこから延在するテーパ状スロットを有する少なくとも1つの受け入れスロットを含む、取り付けプレートと、入口を通過して液体入力を画定する連続長のチュービングと、コイル間の間隔ギャップを制限するピッチを有するコイル状チュービングセクションであって、画定された直径及び第1の長さの細長い円筒形通路を画定する、コイル状チュービングセクションと、コイルの細長い円筒形通路に略直交して配置された下部セグメントと、下部出口を通過する蒸気出力セグメント長と、上部、底部、及びそれらの間に配置された電動式発熱体を有する取り外し可能な細長いヒータカートリッジであって、発熱体がチュービングコイル状セクションの長さよりも短い長さを有し、底部が傾斜した取り付けプレートの受け入れスロットを通って突出する、細長い円筒形通路の直径に対応する直径を有する、ヒータカートリッジと、ヒータカートリッジを取り付けプレートに固定するためにヒータカートリッジの下部に係合するための取り外し可能なクランプであって、チュービングの蒸気出口セグメントが、取り付けプレートのテーパ状スロットを通って底壁の下部出口に至り、ヒータカートリッジが、取り外し可能なクランプをヒータカートリッジの下部及び取り付けプレートから解放し、ヒータカートリッジをコイル状チュービングセクションの底部からスライドさせることによって取り外し可能である、取り外し可能なクランプと、を特徴とする、改良された防爆気化器エンクロージャである。
【0021】
本発明の別の態様は、分析のために液体試料流を気化及び調整する改善された方法を特徴とし、改善された方法は、抵抗温度検出器で液体試料温度を検出するステップと、液体試料流を掃引屈曲部、熱遮断部、及び気化器入力マニホールドにそれぞれ通過させて、液体試料流を流量、圧力、及び温度が実質的に同一の選択された複数の気化器入力流に分割するステップと、選択された複数の気化器入力流の各々を、選択された複数に対応する複数の気化経路を有する気化器エンクロージャ内に出力するステップであって、各気化経路は、上部液体入口及び下部気化ガス出力と、ヒータカートリッジとコイル状中間セクションとの間の熱伝達接触面積を最大化するようにヒータカートリッジの周りに螺旋状に巻かれたコイル状中間セクションとを有するチュービングと、下部気化ガス出力に関連付けられた温度検出気化ガス出力熱電対とを備える、出力するステップと、入力の各々は、気化ガス出力熱電対による温度異常の検出時にマニホールドへの気化ガス入力を終了させるための遮断弁に関連付けられる、複数の気化経路からの出力を受け取るための複数の気化経路に対応する複数の入力を有する気化ガス混合マニホールドに気化ガス出力を入力するステップであって、気化ガス混合マニホールドは、混合室と、混合気化試料のための出口とを含む、入力するステップと、出力された混合気化試料の温度を検出するための熱電対を含むチュービングを介して気化ガス混合マニホールドから混合気化試料を出力するステップであって、熱電対は、熱電対によって選択閾値を超える熱異常が検出されたときに気化ガス混合マニホールドからの流れを終了させるためのソレノイド制御バルブに関連付けられている、出力するステップと、混合気化試料を試料アキュムレータに入力するステップと、蓄積された気化した試料の温度を維持し、ジュールトムソン凝縮を防止しながら、蓄積された気化した試料を試料アキュムレータから加熱調整器に出力して試料圧力を低下させるステップと、構成成分の分析のために加熱調整器から蓄積された蒸気試料を通過させるステップと、を含む。
【0022】
本発明の他の目的は、後壁と、上壁及び底壁と、上壁内の上部入口と、底壁内の下部出口と、前縁部及び底壁に近接して後壁に取り付けられた後部セクションを画定する傾斜した取り付けプレートであって、底壁に対して後壁から鋭角に突出し、後部セクションの方向に前縁部に形成され、選択距離だけそこから延在するテーパ状スロットを有する少なくとも1つの受け入れスロットを含む、取り付けプレートと、入口を通過して液体入力を画定する連続長のチュービングと、コイル間の間隔ギャップを制限するピッチを有するコイル状セクションであって、画定された直径及び第1の長さの細長い円筒形通路を画定する、コイル状チュービングセクションと、コイルの細長い円筒形通路に略直交して配置された下部セグメントと、下部出口を通過する蒸気出力セグメント長と、上部、底部、及びそれらの間に配置された電動式発熱体を有する取り外し可能な細長いヒータカートリッジであって、発熱体がチュービングコイル状セクションの長さよりも短い長さを有し、底部が傾斜した取り付けプレートの受け入れスロットを通って突出する、細長い円筒形通路の直径に対応する直径を有する、ヒータカートリッジと、ヒータカートリッジを取り付けプレートに固定するためにヒータカートリッジの下部に係合するための取り外し可能なクランプであって、チュービングの蒸気出口セグメントが、取り付けプレートのテーパ状スロットを通って底壁の下部出口に至る、改良された防爆気化器エンクロージャによって提供される。
【0023】
本インテリジェントな制御発明によって提供される改良点は、より高い流量での圧力降下を最小限に抑えるため拡大された気化器のチュービングの直径と、測定装置を通過する間の圧力降下を回避するための抵抗温度検出器(RTD)ユニットの掃引屈曲部と、RTDによって検出されるように、温度変動の大部分を有する任意の液体試料入力のためのバイパスと、下にある気化器からの熱伝達を最小限に抑え、下にある気化器に導入される混合相試料の導入を防止するためのインライン熱遮断部と、圧力降下を減少させて流量の均一性を向上させる拡大された入力混合室を有する流緩衝入力マニホールドと、巻回間の間隔を最小限に抑え、ホットスポットを回避しながらコイルを通過する試料への加熱ロッドからの熱伝達を最大化し、許容閾値を超える流量損失/容積容量のリスクなしに、関連する熱電対によって検出される特定のヒータからの加熱が損なわれる又は流れの異常の場合に部分的な停止のための能力も提供しながら、気化器の長さにわたって圧力降下を最小限に抑えるための拡大された直径のマルチラップされた螺旋状コイルチュービングを有するマニホールド出力によって供給される4つのヒータユニットを有する向上したマルチパスヒータ気化器構成とを含む。
【0024】
本発明は、許容閾値外にある異常な読み取り値の検出時に作動可能なソレノイド遮断弁を有する温度、圧力、及び流量の検出という文脈の中で、完全に自動化されるPID制御ユニットに依存して完全に「インテリジェント」である能力を有するシステムを企図し、関連するバイパスは、気化及び調整経路からの試料入力を完全に又は部分的にリダイレクトする。
【0025】
本発明によって企図される改良されたマルチパス防爆気化器エンクロージャアセンブリを参照すると、カートリッジの寿命の延長、間隔の均一性、モジュール式部品の取り付け、及び従来技術では見られないアクセスの容易さを提供するより正確なマルチパス構造が企図されている。
【0026】
本発明の例示的な非限定的な実施形態を以下に詳細に説明する。明確な理解を提供するために特定の構成及び寸法が説明されているが、任意の開示された寸法及び構成は例示目的のためにのみ提供されていることを理解されたい。当業者は、別段の指定がない限り、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の寸法及び構成が使用され得ることを認識するであろう。
【0027】
本明細書で使用される場合、「実質的に(substantially)」、「相対的に(relatively)」、「一般的に(generally)」、「約(about)」、及び「およそ(approximately)」は、そのように修正された特性からの許容可能な変動を示すことを意図した相対的な修飾語である。それらは、それが修飾する絶対値又は特性に限定されることを意図するものではなく、むしろそのような物理的又は機能的特性に近づく又は近似することを意図している。
【0028】
詳細な説明において、「一実施形態」、「実施形態」、又は「実施形態では」への言及は、言及されている特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。さらに、「一実施形態」、「実施形態」、又は「実施形態では」への別々の言及は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。しかしながら、そのような実施形態は、特に明記しない限り、及び当業者に容易に明らかになることを除いて、相互に排他的ではない。したがって、本発明は、本明細書に記載の実施形態の任意の様々な組み合わせ及び/又は統合を含むことができる。
【0029】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。「含む(include)」及び/又は「有する(have)」という根本的な用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、少なくとも1つの他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅することを意図していることが理解されよう。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていない、又はそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の特徴を含むことができる。
【0031】
本明細書で使用される場合、値の範囲への任意の言及は、明示的に反対のことが述べられていない限り、該範囲の端点を含む、その範囲内のすべての値を包含することが意図されていることも理解されよう。
【0032】
本明細書で使用される場合、「ガス」は、液体の気化から生じる任意のタイプの蒸気ガスを意味する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「液体」は、液化天然ガス及びそれらの混合物を含む二原子などの気化及び分析を受け得る極低温液体、ならびに液体天然ガスなどの炭化水素含有液体物質を含む非極低温液体、ならびに同等物を含む任意の種類の液体を意味する。
【0034】
本明細書で使用される場合、「接続される」は、直接的又は間接的にかかわらず、物理的な、恒久的に取り付けられる、又は調整可能に取り付けられることを含む。したがって、指定されない限り、「接続される」は、任意の動作上機能的な接続を包含することが意図される。
【0035】
以下の説明では、本発明を実施することができる特定の例示的な実施形態を表す例示目的で提供される添付の図面を参照する。
【0036】
以下の説明では、本発明を実施することができる特定の例示的な実施形態を表す例示目的で提供される添付の図面を参照する。以下に示される実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするために十分に詳細に記載される。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、現在知られている構造的及び/又は機能的均等物に基づく構造的変更を行うことができることを理解されたい。
【0037】
以下の詳細な説明を考慮すると、本明細書の発明は、従来技術の問題を軽減しながら著しく増強された効率を提供するための改善された液体ガス気化及び調整システム及びその方法を提供することが当業者に明らかになるはずである。
【0038】
本発明の態様は、添付の図面を参照してその例示的な非限定的な実施形態を詳細に説明することによってより容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】米国特許第7484404号から抽出された従来技術の図のコピーである。
図2】本発明による気化測定装置の概略図である。
図3】本発明による気化測定システムの一実施形態の図である。
図4】本発明の一実施形態によるRTD(抵抗温度検出器)アセンブリの詳細図である。
図5】本発明の一実施形態による掃引チューブ屈曲部の図である。
図6】本発明の一実施形態による気化器アセンブリ入力マニホールドの上面図である。
図7】本発明の一実施形態による、4つのブラケットに取り付けられた発熱体を有する気化器エンクロージャアセンブリの正面図である。
図8】本発明の一実施形態によるブラケットに取り付けられた気化器発熱体を示す、図7の気化器エンクロージャの断面A-Aに沿った側面切欠図である。
図9】本発明の一実施形態による気化器アセンブリ出力マニホールドの正面図である。
図10図7及び図8に示す本発明の実施形態によるヒータ取り付けブラケットの正面図である。
図11図7及び図8に示す本発明の実施形態による気化器ヒータ取り付けブラケットの側面図である。
図12図7及び図8に示す本発明の実施形態による気化器ガスチュービングコイルの側面図である。
図13図7及び図8に示す本発明の気化器ガスチュービングの実施形態の底面図である。
図14】本発明の一実施形態による熱絶縁遮断部の側面図である。
図15図14の熱絶縁遮断部の斜視図である。
図16】構築された本発明の一実施形態の写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は従来技術を示す。図面は、本出願人の米国特許第7,484,404号明細書及び米国特許第9,057,668号明細書を含むその子孫から抽出される。図1の従来技術の実施形態では、LNGは、キャビネットP110の上部付近に位置する入口ポートP111を介して気化器キャビネットP110に入力される。第1段気化器P112はLNGの一部分を受け取り、第2段P113はLNGの残りを受け取る。LNGをキャビネットに運ぶパイプ長は、入口パイプ内のLNGの加熱を最小限に抑えるために可能な限り短く保たれる。第2段気化器P113は、図示のように4つのカートリッジヒータを利用する。この従来技術では、第1段及び第2段の両方がLNGを加熱し、それをアキュムレータP118に蓄積された蒸気ガスに変換する。また、第1及び第2の段P112及びP113の各々、ならびにアキュムレータP118には、キャビネットP110からLNG蒸気戻りラインに排出するチュービングP132が接続される。ヒータP135は、出口チューブ内のガスがガス状形態のままであるように、出口チューブを最低温度以上に保つようにLNG気化器キャビネット内に位置する。システム内の蒸気圧も監視される。
【0041】
この図示された従来技術の実施形態では、蒸気ガスは、上部でアキュムレータP118に入り、アキュムレータ内部のチューブP119を介して運ばれ、蒸気圧は、アキュムレータタンクP118からサンプリングされ、アキュムレータタンクP118の上部近くのチュービングP120を介して分析のためにポートP134を通って除去される。PID制御質量流量アセンブリP114は、試料の流れの不規則性を最小限に抑える。
【0042】
図2及び図3は、本発明によるシステムの一実施形態の図を示す。液体含有供給源容器210(タンク、パイプライン、船舶、鉄道車両、トラックなど)は、システムによる処理のための液体を提供する。例えば、液化天然ガス(LNG)、液体窒素、液体水素が極低温である場合、その液体供給原料。本発明はまた、液体天然ガス(NGL)などの他の非低温液体供給原料にも使用可能である。液体は、弁付き出力部212を介して供給源容器210から抽出され、例えば出願人の特許第8,056,399号明細書に記載されているタイプの従来の断熱真空ジャケット付きチュービング214を介して下流の調整キャビネット211に伝達される。キャビネットの内部では、流体の流れの異常及び遅れ時間の中断を最小限に抑えながら均一な試料の流れを促進し、入口圧力の変動を補償するために、制御弁が組み込まれ、液体バイパスに関連付けられたPID(比例-積分-微分)制御システム230と関連付けられたペンシルバニア州HatfieldのBrooks Instrument製のBrooks 5850i Mass Flow Controllerなどの熱式質量流量計225、すなわち、流量制御器が、質量流量計225がトリガ試料入口の流れの異常を検出したときに作動して入力液体試料を方向転換する。適切な動作入力条件では、液体試料は、1/4インチ(0.635cm)のより大きい径のチュービングを通過して、液体温度を監視するための抵抗温度検出器(RTD)216(図4も参照されたい)に送られ、流れの乱れを最小限に抑えるため掃引屈曲部218(図5も参照されたい)を通過し、上流の熱がRTD216に移動するのを防ぐため断熱器220(図14及び図15も参照されたい)を通過する。絶縁部から、液体は気化器入力分配マニホールド222に進み、そこで流れ(図6も参照されたい)に分割され、入口チューブ224を通過して、防爆マルチパス気化器エンクロージャ226に収容されたブラケット702(図7図8図10及び図11も参照されたい)に取り付けられた個々の気化器ユニット228の上部に進む。気化器エンクロージャ226内のフラッシュ室への導入まで、液体入力はライン条件に維持されて予備気化を防止しているが、これは、当技術分野で周知のように、LNGなどの極低温液体は、熱エネルギーにさらされるとすぐに気化し始めるためである。したがって、キャビネット内の様々な装置、特にエンクロージャ226を収容するマルチパス気化器を接続するエンクロージャ211内のチュービングの長さは、好ましくは可能な限り短く保たれ、すなわち、液体、特に極低温液体がエンクロージャのフラッシュゾーンに導入される前に気化する可能性を最小限に抑える。
【0043】
図3の図示の実施形態では、継手224を通ってマニホールド222から出る4つの分割された試料流は、電気ヒータカートリッジを包むステンレス鋼シースの周りに密に巻かれた気化器ユニットの試料チュービングの上部を備える3/16インチ(0.46cm)のチュービング229に導入されて、シースの露出領域から生じるホットスポット形成を最小限に抑えながらフラッシュ気化を達成するための効率的な熱伝達のための接触面積を最大化する。
【0044】
個々の気化器ユニット228のそれぞれは、それぞれのカートリッジベース809(図7図8図12及び13も参照されたい)のそれぞれに係合するチューブクランプ811によって、エンクロージャ226内でブラケット702に確実に取り付けられる。気化した試料は、出力チューブ232を介してマルチパス気化器エンクロージャ226から出て、それぞれの出力蒸気流を混合するための出力マニホールドアセンブリ234(図9も参照されたい)に進む。マニホールドアセンブリは、関連する熱電対230によって気化器ヒータユニット異常の検出時に、それぞれの気化器ユニット228からの蒸気流を終結させるために、それぞれの出力チューブ232ごとに専用の遮断弁236を組み込む。次いで、気化された試料は、出力マニホールド234から、熱電対237を含むチュービング238を通り、熱電対によって検出された蒸気温度が50°F(10℃)未満である場合に流れを終結させるソレノイド制御バルブ241を通り、試料蓄積器242に入る。重大なシステム誤動作の場合にアキュムレータ242への液体の導入を防止する別の遮断弁240も設けられる。
【0045】
気化された試料が通常の動作下でアキュムレータ242に導入された後、混合されたアキュムレータ試料は、複数の流れのうちの1つでアキュムレータ242から出力される。図2に示すように、それらは、試料捕捉流250及びより高い流量の試料リサイクル/バイパス流252を含む。実質的な試料容積を必要としない試料捕捉流250は、本出願人から入手可能なMustang Heated Regulator(MHR)などの加熱圧力調整器260、又は代替的に、本出願人の特許である米国特許第11,144,078号明細書に記載されているタイプのアップグレードされた調整可能な多段調整器を最初に通過することによって、分析器試料捕捉シリンダに向けられる、又はさらには直接分析器に向けられる。圧力調整に続いて、試料流は、圧力計261、圧力解放弁262、及びロータメータ264を通過し、そこから混合アキュムレータ気化試料はキャビネット210を出て、試料収集グラブシリンダ、複合サンプリング収集シリンダ、又は下流の分析器に直接進む。専用の試料をグラブシリンダの個別のセットに同時に送り、分析器に直接送ることが望ましいより大きなシステムでは、複数の試料捕捉流を使用することができる。例えば、図3に示すシステムは、各々がそれ自体の加熱圧力調整器260などを含む、2つの並列試料捕捉流を含む。アキュムレータ242から大量の混合試料出力を受け取ることが考えられる再循環/バイパス流252は、ロータメータ248を含み、液体源への再循環又はフレアのために再循環流の流れを導くためにインライン質量流量コントローラ225及びゲージ227に関連付けられる。
【0046】
開示された実施形態では、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)コントローラ又はPID(比例-積分-微分)制御システム250のいずれかを使用して、接続された構成要素にわたって強固な制御を提供し、応答時間を改善し、データロギングを可能にすることができる。ケース付きPLC/PID制御システム250は、外部キャビネットに取り付けられ、センサ、ヒータ、熱電対、ソレノイド弁、及び流量計を含む内部の電気的に制御される構成要素に、有線接続を介して物理的に、又は従来の信号受信要素を介して無線通信技術のいずれかで接続される。さらに、PLC/PID制御システム250は、気化器エンクロージャ内の強化されたヒータカートリッジ制御に段階的なソリッドステートリレーを接続することを可能にし、これは、温度を限られた範囲、例えば+/-1/2℃で制御する能力によるエネルギーパルスを回避することによってカートリッジの寿命を延ばす利点を提供する。PLCコントローラの場合、適切にプログラムされると、システムソフト始動を可能にしてヒータのオーバーシュート及びシステムショックを防止し、同時にアラーム機能を改善し、デューティ負荷インジケータを有するソリッドステートリレーを強化する。
【0047】
本発明の文脈において使用可能なPLC/PIDコントローラの例には、ウィスコンシン州ミルウォーキーのRockwell Automation製のAllen Bradley Micro800 ControllerシリーズのPLC、及び米国ペンシルバニア州メカノスブルク及び米国ミズーリ州セントルイスのWatlowのOven Industries製のPIDが含まれる。選択閾値を超えるシステムパラメータ(温度圧力又は流量)偏差を示す動作異常の信号を受信すると、又はシステム電力損失の場合に、PLC/PIDコントローラは迅速に応答して、選択されたソレノイド制御バルブ及び質量流量コントローラ225を通電又は非通電にすることによって、流れを局所的又は全体的に自動的に終了させる。
【0048】
ここでより詳細な図、図4図14を参照すると、それらは、上記で言及された特定の構成要素のいくつかをより詳細に示す。
【0049】
図4は、従来の熱電対よりも入口温度測定の精度を向上させ、測定装置を通る圧力損失を最小限に抑えるプログラマブル抵抗熱デバイス(RTD)216を備えるアセンブリ400の詳細を示す。極低温液体がT字管402を通過するとき、一部はRTDに向けられる。アセンブリは、適切なNPT継手404を有する1/4インチ(0.635cm)入力チューブに一列で固定された雌分岐T字管402を通過するときに、供給源容器又はタンク210からの液体試料の温度を検出する。温度を表す信号は、RTDが、ねじカバー接続ヘッド406で封止された防爆ハウジング内に完全に収容される、送信機(図示せず)によってシステム制御ユニットに送信される。RTDに依存することにより、他の電気的測定値を参照することなく、単一点較正のための確立された抵抗に基づく線形特性が提供される。従来の熱電対と比較して、RTDは、2つ以上の基準電圧の必要性に基づく不確実性を排除し、一方が低温接合である少なくとも2つのセンサを必要とする従来の熱電対とは異なり、RTDは、特定の電子機器に関連する較正を必要としない。この実施形態のRTD216はまた、入力流体の検出された温度が、液体試料が、流入する液体組成物の軽質成分からのより重質な炭化水素成分の予備気化又は分割を受けるであろう予め選択された最小値を超える場合に、液体入力を下にある気化器アセンブリから離れるように向けるためのバイパスループに関連付けられる。
【0050】
図5は、短い長さの絶縁チュービングによって分岐ティー402に接続された掃引屈曲部218の実施形態を詳述する。掃引屈曲部は、流体経路内の標準的なエルボ継手の実装から一般的に生じる圧力損失を低減するために、継手502と、90°の角度を成す長さ1/4インチ(0.635cm)のチュービング501とを含む。圧力損失を最小限に抑え、予備気化を回避することによって、掃引屈曲部は、20psi(138kPa)まで低下しても、より低い圧力で動作能力を提供する。
【0051】
図14及び図15に飛ぶと、NPT継手1404を通過し、長さ断熱体1402を貫通する1/4インチ(0.635cm)の流体通路1502を収容する外側断熱体1402を記載する、本出願人の米国特許第11,248,735号明細書に開示されている構造に対応する熱絶縁部/遮断部220の実施形態をそれらは示す。NPT継手は、断熱体1402の端面から突出し、相補的な端面凹部1504に位置する。通路1502及び断熱体の構造は、下にある気化器エンクロージャ226からマニホールド222を介した熱移動から起こり得る流入する液体試料の望ましくない予備気化を防止するために、継手間の熱エネルギー伝達を最小限に抑える。
【0052】
ここで図6を参照すると、熱絶縁部/遮断部220を通過した後、流入する液体流は、入力流分割マニホールド222に入る。図6に示すように、マニホールド222は、NPT継手出口606を通って3/16インチ(0.46cm)IDチュービングに出力される入力部604からの流入する流れを4つの均一な個別の流れに分割する、機械加工された内部チャネルを含む本体602によって確立される。このマニホールドアセンブリ構造は、下にある気化器アセンブリ226への入力液体の均一な分配を促進する。
【0053】
図7図13は、マルチパス気化器エンクロージャ226及びその構成要素を示す。図7に示すマルチパス気化器構造のそれぞれは、電力供給シャフトカラーによってエンクロージャ226内で取り付けブラケット702に固定されて、上部フィードスルー802及び下部フィードスルー804に対応するようにエンクロージャ内で正確な位置合わせを提供し、エンクロージャ226内の各ユニット228の正確な角度を提供し、エンクロージャ壁からの分離を維持し、それぞれのユニット228間に均一な間隔を確立し、メンテナンスアクセスを容易にする。試料搬送チューブ1228は、上部入口セグメント1229と、コイル状チュービングセクション1227と、下部出口セグメント1232とを含む。
【0054】
流入する液体試料を効果的に蒸気に変換し、ヒータカートリッジユニット228に含まれる実際の発熱体808のエンクロージャ内部への曝露を最小限に抑えるために、コイルチュービングセクション1227は、ヒータカートリッジの上部の曝露を防止するために、その上端807の上方に延びるように、ユニット228を備えるそれぞれの包囲されたヒータカートリッジの長さよりも長い選択高さを有する。チュービングセクションはまた、巻回間の間隔を最小限に抑え、熱交換を強化するためのヒータカートリッジとのコイルチュービングセクション1227の接触面積を最大にし、コイルチュービング長さにわたる圧力降下を最小限に抑えるために、一定のピッチでヒータカートリッジの周りに螺旋状に巻き付けられる。各気化器ユニット228は、取り外し可能なチューブクランプ811によって係合されてそれぞれのスロット810内の取り付けブラケット702に固定される熱交換コイルの下でヒータ要素808から延在する下部突出取り付けセクション809を含む。J型熱電対230上のボルトは、チュービング1230の直交して突出するセグメントに沿ってコイルチュービングセクション1227の下方に配置される。直線状のチュービングセグメント1230は、(不要な圧力降下を回避するために)鈍角の屈曲部で終了し、気化器エンクロージャ出口804と位置合わせしてそこを通過するセグメント232につながる。
【0055】
気化器ユニット取り付けブラケット702は、図10及び図11に詳述される。それは、ブラケットを気化器エンクロージャ226の内部後壁に固定するための取り付けボルト孔1009を有する下部取り付けプレート部分806を含む。保持プレート部分1007は、取り付けプレート部分806から一定の角度で突出する。プレート部分807の反対側の縁部から直交して配置され、延在するのは、それぞれのユニットを位置的に安定させるために取り付けチューブクランプ811と協働するように寸法決めされた一組の4つの蒸気ユニット保持スロット810である。気化ユニット保持スロット810は、チュービングセグメント232の通過に対応するのに十分な幅、及び下にあるエンクロージャ出口804と位置合わせする長さを提供するように寸法決めされたスロット延長部812に対して先細になる。
【0056】
したがって、エンクロージャ構造は、アクセスの容易さを向上させ、メンテナンスを簡素化する。実際には、これは、チューブクランプ811を緩めて取り外し、ユニットをスロット810を通して摺動させることによって、ヒータカートリッジ要素を取り付けプレート702から容易に取り外すことができるモジュール式構造を提供する。次いで、交換用のヒータ要素カートリッジをコイル状チュービングに再挿入し、チューブクランプ811を使用してスロット810を通して固定することができる。
【0057】
図9は、図示の実施形態による気化器出口マニホールドアセンブリ234を示す。気化器マニホールドは、入力部232を組み込んだ一体型出口マニホールドと、4つの流れを1つに混合するのに必要な空間を減少する試料経路のそれぞれに取り付けられた遮断弁236とを備える。出口マニホールドアセンブリ234の本体は、気化器出力のアキュムレータとして機能し、出力部238を通るより均一な下流の流れを促進しながら、差圧降下及び遅延時間の増加を効果的に緩和する拡大された内部室を提供するように機械加工されるアルミニウムブロックを含む。各遮断弁236は手動で操作することができるが、好ましくは、関連する熱電対によって検出されるヒータ異常によって気化器(複数可)出力が損なわれる可能性があるときに、気化器ユニット228のうちの1つ以上からの流れを終了するためにPIDコントローラシステム250による電子制御を受ける。そのような場合、損傷した気化器ユニットからの出力は、対応するバルブ236によって停止して、マニホールドアセンブリ234がそのような停止から生じる最小差圧及び流れ損失を受ける適切な出口容積流を提供し続けながら、損なわれたガス流を隔離することができる。
【0058】
ガスが出力マニホールド234を出ると、手動遮断弁240に関連付けられた別の熱電対(図示せず)を通って、次いで極低温ソレノイドバルブ241を通って1/4インチ(0.635cm)のチュービングを通って移動し、冗長性は、いかなる液体も、図1に示す本出願人の従来技術に記載されたタイプの下流のアキュムレータ装置242の上部に導入されるのを防止するために組み込まれる。要するに、蒸気は、アキュムレータの上部を通って入り、チューブを介してアキュムレータ242内の低い内部位置に運ばれ、その内壁に向けられて、アキュムレータ242内に既に存在する蒸気ガスと混合する。蓄積された試料の抽出は、出願人の米国特許第9,562,833号明細書に記載されるようなグラブ試料システム又は複合試料システムの設計要件との適合性のために試料圧力をさらに低下させるためバルブ付きチュービングを通過して加熱圧力調整器に至る出力チューブを介して達成されるか、又は分析器/クロマトグラフのすぐ下流で達成される。
【0059】
試験によって確立された比較性能は、本発明によって提供される著しい動作改善を実証する。極低温LNGよりも低い沸点を有する基準極低温流体として液体窒素を使用する比較試験では、1)RTDによって測定されるように周囲から-300°F(-184℃)への冷却までの圧力依存性の安定した気化温度を達成するためのシステム始動時間、2)バイパス質量流量コントローラにおける試料流量、及び3)RTDの前の液体試料入力からアキュムレータタンクの入力まで測定された圧力降下を測定した。具体的には、従来技術と図3及び図16に示す本発明の実施形態との間の試験は、29%増加した流量及び72%減少した圧力降下を提供しながら、システム起動時間を62%~66%減少させることを確認した。これらの結果は、従来技術のシステムよりも著しく改善された性能を実証する。さらに、試験は、本発明が20psi(138kPa)という低い入口圧力及び開始周囲温度110°F(43℃)でさえ完全な動作条件を達成することができ、システムが30分の動作上望ましい閾値下で約4分安定化することを示した。要するに、より速い始動時間は、より低い入力圧力、例えば50psi(344kPa)未満で処理する場合でも、運転コストの削減、運転性能の向上、回復時間の改善、及びそれぞれの入口圧力に対してより高い内部蓄積圧力を維持する能力に対応する。要するに、システムは、低く変化するプロセス圧力を受ける場合でも、より速い回復時間及び向上した性能を提供する。
【0060】
本発明の様々な態様が上記の例示的な非限定的な実施形態を参照して特に示され説明されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な追加の態様及び実施形態が企図され得ることが当業者によって理解されるであろう。本発明の他の態様、目的及び利点は、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の研究から得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、LNGバンカリング船で一般的に経験される約14psi(97kPa)レベル未満、さらには10psi(69kPa)までの非常に低い試料圧力であっても、熱条件、容積流量及び気化を維持しながらシステム全体の圧力降下の減少を示し、より良好な制御を示す定常状態条件を改善することによって、関連する分析器への通過のための調整中に液体試料気化プロセスの実質的により優れた制御をもたらすシステムを提供する。本発明はまた、より高速な始動を可能にするインテリジェントな性能を提供し、孤立した異常が検出された場合でも継続的な性能を可能にするためシャットダウンを回避する。本発明は、より低い圧力での動作を提供するだけでなく、オペレータが所望する実質的に完全に自動化された制御を提供することによって、例えば船舶から陸上への大規模な移送動作のための汎用性も提供する。さらに、本発明は、熱交換を最大にし、有用なカートリッジ寿命を延ばす傾斜したモジュール式ヒータカートリッジユニットを使用する改善された気化器エンクロージャ構造を提供する。効率的なメンテナンス及び交換を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16
【国際調査報告】