(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】不具合発生時にブレーキ力増強を低減する方法
(51)【国際特許分類】
B60T 8/94 20060101AFI20240614BHJP
B60T 8/17 20060101ALI20240614BHJP
B60T 8/34 20060101ALI20240614BHJP
B60T 13/74 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B60T8/94
B60T8/17 B
B60T8/34
B60T13/74 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578058
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2022055690
(87)【国際公開番号】W WO2022268367
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】102021206459.0
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】フォレルト ヘルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ヴァグナー ヨッヘン
【テーマコード(参考)】
3D048
3D246
【Fターム(参考)】
3D048BB07
3D048CC41
3D048CC54
3D048HH15
3D048HH18
3D048HH42
3D048HH70
3D048HH74
3D048QQ07
3D246BA02
3D246DA01
3D246GA01
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3D246JA12
3D246JB11
3D246JB41
3D246LA10Z
3D246LA15Z
3D246LA16Z
3D246LA63Z
3D246MA02
3D246MA21
3D246MA23
(57)【要約】
スリップコントロール(9)を有する液圧式の非人力・車両ブレーキ設備(1)で不具合発生時に許容されない高いブレーキ圧を回避するために、本発明は液圧式の機能信号(14,15)を提案し、その存在のもとでは、非人力ブレーキ圧発生器(2,10)の電子式の機能信号が欠如している場合にブレーキ圧生成またはブレーキ力増強が低減される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御可能なブレーキ倍力装置(19)または第1の非人力ブレーキ圧発生器(2)と、第2の非人力ブレーキ圧発生器(10)を備えるスリップコントロール(9)とを有する車両ブレーキ設備のブレーキ力増強を低減させる方法において、前記ブレーキ倍力装置(19)もしくは前記第1の非人力ブレーキ圧発生器(2)および/または前記第2の非人力ブレーキ圧発生器(10)は液圧式の機能信号(14,15)を伝送し、該機能信号が存在する場合には、前記第1のブレーキ倍力装置(2)のブレーキ力増強、または前記第1の非人力ブレーキ圧発生器(2)のブレーキ圧生成、または前記第2の非人力ブレーキ圧発生器(10)のブレーキ圧生成もしくはブレーキ力増強が低減または停止されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記機能信号(14,15)がブレーキ圧に重ねて変調されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スリップコントロール(9)の前記第2の非人力ブレーキ圧発生器(10)は不連続的に送出をするハイドロポンプを有し、それによって前記第2の非人力ブレーキ圧発生器によるブレーキ圧生成の際に引き起こされるブレーキ圧変化が前記第2の非人力ブレーキ圧発生器(10)の機能信号(15)として利用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は前記ブレーキ倍力装置(19)または前記第1の非人力ブレーキ圧発生器(2)または前記第2の非人力ブレーキ圧発生器(10)の電気式又は電子式の機能信号が欠如しているケースでのみ適用されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項または複数項に記載の方法。
【請求項5】
前記車両ブレーキ設備(1)は電気機械式のブレーキ倍力装置(19)を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項または複数項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルの構成要件を有する、特に液圧式の車両ブレーキ設備のブレーキ力増強を低減する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車のために、アンチロックブレーキコントロール(ABS)、トラクションコントロール(ASR)、ビークルダイナミックコントロール(FDR)などのスリップコントロールを有する液圧式の車両ブレーキ設備が知られている。このような車両ブレーキ設備は、典型的には、フットブレーキペダルを介して筋力で操作可能な、ブレーキ倍力装置を備えたマスタブレーキシリンダを有している。スリップコントロールは、通常、ブレーキ倍力装置が故障した場合に同じくブレーキ力を増強することができるハイドロポンプを有している。このような車両ブレーキ設備における1つの問題は、-たとえば信号ケーブルの断線の結果として-、ブレーキ倍力装置の機能性を報知する電気的または電子的な機能信号が故障したときに生じ得る。このようなケースでは、ブレーキ倍力装置が機能しているにもかかわらず、スリップコントロールのハイドロポンプがブレーキ力を増強し、すなわち、ブレーキ倍力装置とスリップコントロールが両方ともブレーキ力を増強する。調量された減速がほぼ不可能となり、もしくは少なくとも困難となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、不具合に起因する二重のブレーキ力増強を回避し、通常の程度まで、もしくはそれ以下まで、ブレーキ力増強を低減し、または、調量された減速が可能となる程度までブレーキ力増強を低減することにある。本発明の根底にある思想は、液圧式の機能信号をブレーキ倍力装置もしくはブレーキ圧発生器から特に液圧式の車両ブレーキ設備のスリップコントロールへ、および/またはその逆にスリップコントロールからブレーキ倍力装置もしくはブレーキ圧発生器へ、伝送することにある。液圧式の機能信号は、電気式または電子式の機能信号に追加して伝送されるのが好ましく、液圧式の機能信号は既存のブレーキパイプや、ブレーキ液を通す車両ブレーキ設備のボアを通じて伝送することができる。機能信号を伝送するための別途の液圧配管は必要ないが、本発明はこれを排除するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
液圧式の機能信号が、ブレーキ倍力装置によるブレーキ力増強を報知すると、またはブレーキ圧発生器によるブレーキ圧生成を報知すると、たとえばブレーキ倍力装置またはブレーキ圧発生器の機能不良が電子式に報知されている場合であっても、車両ブレーキ設備のスリップコントロールの非人力ブレーキ圧発生器によってブレーキ力が増強されることはなく、または、スリップコントロールの非人力ブレーキ圧発生器の、および/もしくはブレーキ倍力装置の、ブレーキ力増強が少なくとも低減される。
【0005】
その逆に本発明によれば、スリップコントロールの液圧式の機能信号が、スリップコントロールの非人力ブレーキ圧発生器によるブレーキ力増強を報知したときには、ブレーキ倍力装置のブレーキ力増強が停止または少なくとも低減される。
【0006】
本発明による方法を実施するために、車両ブレーキ設備は制御可能なブレーキ倍力装置を有する。「制御可能な」とは、ブレーキ力増強を制御可能またはコントロール可能であることを意味する。このことは負圧式ブレーキ倍力装置では、たとえば作業室の圧力、負圧室の圧力、または作業室と負圧室の圧力差を制御可能である電磁弁を用いて行うことができる。車両ブレーキ設備は、本発明によると、特に電気モータまたは電気機械式のリニアアクチュエータによってブレーキ力を増強する電気機械式のブレーキ倍力装置を有するのが好ましい。電気機械式のブレーキ倍力装置は、ブレーキ力増強を電子式に制御またはコントロールする可能性を提供する。
【0007】
ブレーキ倍力装置に代えて、車両ブレーキ設備は、外部エネルギーを用いてブレーキ圧を生成する第1の非人力ブレーキ圧発生器を有することもできる。このケースでは、スリップコントロールの第2のブレーキ圧発生器によるブレーキ圧増強またはブレーキ圧生成を液圧式の機能信号が報知したときに、第1の非人力ブレーキ圧発生器により生成されるブレーキ圧の大きさを低減し、または、第1の非人力ブレーキ圧発生器を停止する。制御可能なブレーキ倍力装置と、これに追加して第1の非人力ブレーキ圧発生器とを有する車両ブレーキ設備も可能である。
【0008】
ブレーキ倍力装置または第1の非人力ブレーキ圧発生器のほか、車両ブレーキ設備は、本発明による方法を実施するために、第2の非人力ブレーキ圧発生器を備えるスリップコントロールを有する。このようなスリップコントロールは、たとえばアンチロックブレーキコントロール(ABS)、トラクションコントロール(ASR)、ビークルダイナミックコントロール(FDR)などである。このようなスリップコントロールは周知であり、ここでは説明しない。
【0009】
従属請求項は、独立請求項に記載されている発明の発展例と好ましい実施形態を対象としている。
【0010】
本発明の1つの実施形態は、液圧式の機能信号をブレーキ圧に重ねて変調することを意図する。すなわち、機能信号がブレーキ圧に加算される。この機能信号は、たとえば圧力振動である。液圧式の機能信号は、車両ブレーキ設備の操作によるブレーキ圧推移から明らかに認識可能に区別されるのがよく、ブレーキングをできる限り僅かしか損なわず、たとえばフットブレーキペダルに対してできる限り僅かしか影響しないのがよい。
【0011】
制御可能なブレーキ倍力装置のブレーキ圧増強を制御もしくはコントロールすることで、または、第1の非人力ブレーキ圧発生器を制御もしくはコントロールすることで、機能信号を生成することが容易に可能である。第2の非人力ブレーキ圧発生器がピストンポンプを有している場合、その不連続的な送出形態に基づいて脈動するブレーキ圧を、機能信号として利用することができる。
【0012】
明細書および図面に開示されている一切の構成要件は、それ自体として単独で、または基本的に任意の組合せとして、本発明の実施形態で具体化されていてよい。本発明の1つの請求項または1つの実施形態のすべての構成要件ではなく、1つまたは複数の構成要件だけを有している本発明の実施形態も、原則として可能である。
【0013】
次に、図面を参照しながら本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明による方法が実施される、乗用車のための1つの液圧式の車両ブレーキ設備の模式的に簡略化した回路図である。
【
図2】本発明による方法が実施される、乗用車のための別の液圧式の車両ブレーキ設備の模式的に簡略化した回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
原則として、図中では同じ部品には同じ符号が付されている。
【0016】
図1に模式的に簡略化して示す車両ブレーキ設備1は、自動車のための液圧式の非人力・車両ブレーキ設備である。本実施例では、これは2回路・非人力・車両ブレーキ設備1として施工されており、4つの液圧ホイールブレーキ11を有していて、そのうちそれぞれ2つが1つのブレーキ回路に割り当てられる。
【0017】
常用ブレーキングのための非人力によるブレーキ圧を生成するために、車両ブレーキ設備1は、第1の非人力ブレーキ圧発生器2を有している。本実施例では、第1の非人力ブレーキ圧発生器2はピストン・シリンダ・ユニット3を有していて、そのピストン4が電気モータ5によりねじ伝動装置6を介して、たとえばボールねじ(サーキュレーティングボールスクリュー)を介して、シリンダ7の中でスライド可能である。電気モータ5とねじ伝動装置6には、たとえばプラネタリギヤなどの図示しない減速ギヤが間に介在していてよい。たとえば電気モータで駆動されるハイドロポンプを有する、これ以外の非人力ブレーキ圧発生器も可能である(図示せず)。
【0018】
第1の非人力ブレーキ圧発生器2は、フットブレーキペダル8の、またはその代替として図示しないハンドブレーキレバーの、ペダルストロークまたはペダル踏力に依存してブレーキ圧を生成する。非人力による常用ブレーキングは、機能性のある車両ブレーキ設備1のもとで意図されるブレーキ操作である。
【0019】
第1の非人力ブレーキ圧発生器2に、厳密に言うと第1の非人力ブレーキ圧発生器2のピストン・シリンダ・ユニット3のシリンダ7に、たとえばアンチロック(ブレーキ)コントロール(ABS)、トラクションコントロール(ASR)、および/またはビークルダイナミックコントロール(FDR)を有するスリップコントロール9が接続されている。このようなコントロールは周知であり、ここでは説明しない。
【0020】
スリップコントロール9は、本実施例ではスリップコントロール中にブレーキ圧を生成するための、およびブレーキ液を送出するための、ハイドロポンプを各々のブレーキ回路に有する第2の非人力ブレーキ圧発生器10を有している。これらのハイドロポンプは共通の電気モータによって駆動される。第2の非人力ブレーキ圧発生器10は、図面ではハイドロポンプの回路記号によって記号で図示されている。車両ブレーキ設備1、ブレーキ回路、および/またはホイール個別的にホイールブレーキ11でのブレーキ圧コントロールのために、スリップコントロール9は取込弁と吐出弁と別のバルブ12とを有している。バルブ12は(取込弁および吐出弁も)、図面では電磁弁の回路記号によって記号で図示されている。
【0021】
スリップコントロール9にホイールブレーキ11が接続されている。第1の非人力ブレーキ圧発生器2が故障したとき、車両ブレーキ設備1の操作のためのブレーキ圧はスリップコントロール9の第2の非人力ブレーキ圧発生器10によって生成される。これはいわゆる補助ブレーキングである。
【0022】
ブレーキ圧生成とスリップコントロールは、中央の電子制御装置13によって制御ないしコントロールされる。
【0023】
たとえば電気ケーブルの断線の結果として、第1の非人力ブレーキ圧発生器2の機能を、すなわち第1の非人力ブレーキ圧発生器2によるブレーキ圧の生成を表示する電子式の機能信号が故障すると、第2の非人力ブレーキ圧発生器10によってブレーキ圧が生成される。仮に第1の非人力ブレーキ圧発生器2が機能していると、第2の非人力ブレーキ圧発生器10は第1の非人力ブレーキ圧発生器2のブレーキ圧を、車両ブレーキ設備1を損傷させ得る許容されない値まで増大させることになりかねない。
【0024】
これを回避するために本発明は、機能を、すなわち両方の非人力ブレーキ圧発生器2,10によるブレーキ圧の生成を、それぞれ他方の非人力ブレーキ圧発生器10,2に報知する、すなわち別の冗長的な経路で報知する、第2の冗長的な機能信号を意図する。両方の非人力ブレーキ圧発生器2,10の各々は、それがブレーキ圧を生成するときに液圧式の機能信号14,15を生成する。これらの機能信号が、生成されるブレーキ圧に重ねて変調され、それによってブレーキパイプ、ブレーキ液を通すボアなどを通じてさらに伝えられる。
【0025】
本実施例では第1の非人力ブレーキ圧発生器2は、自身が生成するブレーキ圧に追加して、たとえば正弦波形の圧力振動を生成するように作動する。この圧力振動の振幅は小さいので、車両ブレーキ設備1の動作を妨害することはない。
【0026】
第2の非人力ブレーキ圧発生器10は、本実施例ではピストンポンプをハイドロポンプとして有していて、これが、ピストン行程によって周期的に中断される送出形態に基づき、特徴的な脈動する圧力信号を引き起こし、この圧力信号が第2の機能信号15として、第2の非人力ブレーキ圧発生器10の機能を報知するために利用される。
【0027】
特に、車両ブレーキ設備1の機能を損なわず、またはできる限り僅少にしか損なわず、車両運転者に対して影響を及ぼさず、またはできる限り僅少にしか及ぼさず、車両ブレーキ設備の作動時のブレーキ圧推移から区別可能であるように構成される、上記以外の液圧式の機能信号も可能である。
【0028】
両方の非人力ブレーキ圧発生器2,10の液圧式の機能信号14,15は、分散型の電子式の制御装置16,17によって処理される。しかし、両方の非人力ブレーキ圧発生器2,10のうちの1つの電子式の機能信号が欠如しているが、当該非人力ブレーキ圧発生器2,10の液圧式の機能信号16,17が存在しているときには、それぞれ他方の非人力ブレーキ圧発生器10,2は作動されず、または、少なくとも他方の非人力ブレーキ圧発生器10,2によって生成されるブレーキ圧が低減されて、車両ブレーキ設備1の損傷を回避するとともに、車両ブレーキ設備1の調量された操作を可能にする。
【0029】
図2は、第1の非人力ブレーキ圧発生器2に代えて、フットブレーキペダル8によって操作可能であるマスタブレーキシリンダ18を有する車両ブレーキ設備1を示している。マスタブレーキシリンダ18は、図面では電気モータの回路記号によって記号で図示する電気機械式のブレーキ倍力装置19を有している。ブレーキ倍力装置19は電子式に制御可能ないしコントロール可能であり、すなわち、そのブレーキ力増強を調整可能ないし調節可能である。これ以外の制御可能ないしコントロール可能なブレーキ倍力装置、たとえば負圧式ブレーキ倍力装置も可能であり、その作業室と負圧室の圧力を、またはこれら両方のチャンバの圧力差を、たとえば電磁弁によって制御可能ないしコントロール可能である。
【0030】
マスタブレーキシリンダ18を有する車両ブレーキ設備1が操作されるとブレーキ倍力装置19がブレーキ力を増強し、ブレーキ倍力装置19は液圧式の機能信号14を生成するように、すなわち、たとえば生成されるブレーキ圧に重ねて圧力振動を変調するように、制御される。第2の非人力ブレーキ圧発生器10の電子式の機能信号が欠如しているが、第2の非人力ブレーキ圧発生器10の液圧式の機能信号15が存在しているときには、ブレーキ倍力装置19のブレーキ力増強が低減され、またはブレーキ倍力装置19が停止される。
【0031】
第1の非人力ブレーキ圧発生器2またはブレーキ倍力装置19の電子式の機能信号が欠如しているケースにおいて、第1の非人力ブレーキ圧発生器2またはブレーキ倍力装置19の液圧式の機能信号14が存在しているときには、第2の非人力ブレーキ圧発生器10が停止され、もしくは作動されず、または少なくともそのブレーキ圧生成が、すなわち第2の非人力ブレーキ圧発生器10により生成されるブレーキ圧の大きさもしくはブレーキ圧増強が、低減される。
【符号の説明】
【0032】
1 車両ブレーキ設備
2 第1の非人力ブレーキ圧発生器
9 スリップコントロール
10 第2の非人力ブレーキ圧発生器
14,15 液圧式の機能信号
19 ブレーキ倍力装置
【手続補正書】
【提出日】2023-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御可能なブレーキ倍力装置(19)または第1の非人力ブレーキ圧発生器(2)と、第2の非人力ブレーキ圧発生器(10)を備えるスリップコントロール(9)とを有する車両ブレーキ設備のブレーキ力増強を低減させる方法において、前記ブレーキ倍力装置(19)もしくは前記第1の非人力ブレーキ圧発生器(2)および/または前記第2の非人力ブレーキ圧発生器(10)は液圧式の機能信号(14,15)を伝送し、該機能信号が存在する場合には、前
記ブレーキ倍力装置(2)のブレーキ力増強、または前記第1の非人力ブレーキ圧発生器(2)のブレーキ圧生成、または前記第2の非人力ブレーキ圧発生器(10)のブレーキ圧生成もしくはブレーキ力増強が低減または停止されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記機能信号(14,15)がブレーキ圧に重ねて変調されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スリップコントロール(9)の前記第2の非人力ブレーキ圧発生器(10)は不連続的に送出をするハイドロポンプを有し、それによって前記第2の非人力ブレーキ圧発生器によるブレーキ圧生成の際に引き起こされるブレーキ圧変化が前記第2の非人力ブレーキ圧発生器(10)の機能信号(15)として利用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は前記ブレーキ倍力装置(19)または前記第1の非人力ブレーキ圧発生器(2)または前記第2の非人力ブレーキ圧発生器(10)の電気式又は電子式の機能信号が欠如しているケースでのみ適用されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1
項に記載の方法。
【請求項5】
前記車両ブレーキ設備(1)は電気機械式のブレーキ倍力装置(19)を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1
項に記載の方法。
【国際調査報告】