(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】ブレーキシステムおよびブレーキシステムを運転するための方法
(51)【国際特許分類】
B60T 7/12 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
B60T7/12 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578062
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2022065928
(87)【国際公開番号】W WO2022268542
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】102021206563.5
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ボロス ラースロー
(72)【発明者】
【氏名】ベルガー ヨラム
(72)【発明者】
【氏名】ダッデダ ジャン アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】フライエンシュタイン ハイコ
【テーマコード(参考)】
3D246
【Fターム(参考)】
3D246BA02
3D246DA01
3D246GA21
3D246GB01
3D246GB30
3D246HB12A
3D246JB11
3D246JB27
3D246JB32
3D246LA10Z
(57)【要約】
本発明は、自動車のためのブレーキシステム(1)に関し、液圧力を生ぜしめるために構成された操作装置(2)と、前記操作装置(2)によって生ぜしめられた液圧力を自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに伝達するために構成された伝達装置(6,7)と、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を低下させるために構成された液圧ユニット(31)(電磁弁31)を備えたアンチロックブレーキシステム(3)と、自動緊急ブレーキ装置(4)と、を有しており、該自動緊急ブレーキ装置は、センサデータを用いて対象物リストを算出し、かつ新たに加わるセンサデータを用いて前記対象物リストを連続的に更新するために構成され、また、前記対象物リストを用いて第1の時点で制動事象を算出し、かつ制動事象が算出されると液圧力を生ぜしめるように前記操作装置(2)を駆動制御するために構成され、また、更新された前記対象物リストを用いて前記第1の時点の後の第2の時点で、前記制動事象がさらに存在するかどうかを検知するために構成され、そして、前記制動事象がもはや存在しないことが算出されると、前記液圧ユニット(31)を、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられた液圧力を低下させるように直接的に駆動制御するために構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のためのブレーキシステム(1)において、
液圧力を生ぜしめるために構成された操作装置(2)と、
前記操作装置(2)によって生ぜしめられた液圧力を自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに伝達するために構成された伝達装置(6,7)と、
自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を低下させるために構成された液圧ユニット(31)を備えたアンチロックブレーキシステム(3)と、
自動緊急ブレーキ装置(4)と、を有しており、該自動緊急ブレーキ装置は、
センサデータを用いて対象物リストを算出し、かつ新たに加わるセンサデータを用いて前記対象物リストを連続的に更新するために構成され、
また、前記対象物リストを用いて第1の時点で制動事象を算出し、かつ制動事象が算出されると液圧力を生ぜしめるように前記操作装置(2)を駆動制御するために構成され、
また、更新された前記対象物リストを用いて前記第1の時点の後の第2の時点で、前記制動事象がさらに存在するかどうかを検知するために構成され、
そして、前記制動事象がもはや存在しないことが算出されると、前記液圧ユニット(31)を、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられた液圧力を低下させるように直接的に駆動制御するために構成されている、
自動車のためのブレーキシステム(1)。
【請求項2】
前記操作装置(2)が、ブレーキ圧を上昇させるために構成された電気機械式のブレーキ倍力装置(22)を有している、請求項1記載のブレーキシステム(1)。
【請求項3】
前記自動緊急ブレーキ装置(4)はさらに、前記制動事象がもはや存在しないことを前記自動緊急ブレーキ装置(4)が算出すると、液圧力を低下させるように前記操作装置(2)を駆動制御するために構成されている、請求項1または2記載のブレーキシステム(1)。
【請求項4】
前記自動緊急ブレーキ装置(4)は、複数のセンサデータを融合し、かつ前記第1の時点の後で融合されたセンサデータを用いて、前記制動事象がさらに存在するかどうかを算出するために構成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のブレーキシステム(1)。
【請求項5】
前記自動緊急ブレーキ装置(4)は、自動車の軌道および/または自動車の周囲の対象物の軌道を算出し、かつ算出された前記軌道を用いて、前記制動事象がさらに存在するかどうかを算出するために構成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のブレーキシステム(1)。
【請求項6】
前記自動緊急ブレーキ装置(4)は、前記制動事象がもはや存在しないことを算出した後で、生ぜしめようとする液圧力を前記操作装置(2)が完全に生ぜしめる前に、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を低下させるように前記アンチロックブレーキシステム(3)を駆動制御するために、構成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のブレーキシステム(1)。
【請求項7】
前記緊急ブレーキ装置(4)を前記液圧ユニット(31)に直接接続するバイパス接続が設けられており、前記緊急ブレーキ装置(4)は、前記制動事象がもはや存在しないことが算出されると、前記バイパス接続を介した信号を用いて自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を低下させるように、前記液圧ユニット(31)を直接的に駆動制御するために構成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のブレーキシステム(1)。
【請求項8】
自動車のブレーキシステム(1)を運転するための方法において、
センサデータを用いて対象物リストを算出し、この際に、前記対象物リストを新たに加わるセンサデータを用いて連続的に更新するステップ(S1)と、
前記対象物リストを用いて第1の時点で制動事象を算出するステップ(S2)と、
前記ブレーキシステム(1)の操作装置(2)により液圧力を生ぜしめ、この際に、前記ブレーキシステム(1)の伝達装置(6,7)により、前記操作装置(2)によって生ぜしめられた液圧力を自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに伝達するステップ(S3)と、
更新された前記対象物リストを用いて前記第1の時点の後の第2の時点で、前記制動事象がさらに存在するかどうかを算出するステップ(S4)と、
前記制動事象がもはや存在しないことが算出されると、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を前記ブレーキシステム(1)のアンチロックブレーキシステム(3)の液圧ユニット(31)によって低下させるステップと、
を有している、自動車のブレーキシステム(1)を運転するための方法。
【請求項9】
複数のセンサデータを融合し、この際に、前記第1の時点の後で融合されたセンサデータを用いて、前記制動事象がさらに存在するかどうかを算出する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
自動車の軌道および/または自動車の周囲の対象物の軌道を算出し、算出された前記軌道を用いて、前記制動事象がさらに存在するかどうかを算出する、請求項8または9記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のためのブレーキシステム、および自動車のためのブレーキシステムを運転するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なブレーキ倍力装置は、負圧倍力装置(真空倍力装置)として作業するかまたは液圧式に作業する。効果的な内燃機関、ハイブリッド駆動装置を有する新規の車両、または純粋な電気自動車において、ブレーキシステムのために標準的な形式で真空に依存しない解決策が用いられる。これは、負圧倍力装置として作業しないブレーキ倍力装置であると解釈されてよい。
【0003】
真空に依存しない電気機械式のブレーキ倍力装置の一例は、ボッシュ社の”iBooster”(アイブースタ)である。電磁式のブレーキ倍力装置では、ブレーキ圧を迅速に上昇させることができ、電子制御を介して非常に精確に調整することができる。これは特に自動緊急ブレーキシステムのために好適である。何故ならば、特に自動緊急制動時に、より短い制動距離が得られるからである。
【0004】
特許文献1によれば、電気機械式のブレーキ倍力装置が公知である。ここでは、ブレーキシステム、およびブレーキシステムを運転するための方法が提案されており、この場合、ブレーキシステムは、車両固有のセンサ装置および/または制御装置によって提供される制御信号を考慮して、増圧信号を提供し、液圧ユニットを介して増圧信号をホイールブレーキシリンダに転送するように設計されている。
【0005】
電気機械式のブレーキ倍力装置を有していない車両において、自動式のブレーキ介入は一般的な形式でもっぱら、ドライビングダイナミクスのための運転者アシストシステム、例えばESP(“Elektronisches Stabilitaetsprogramm”「エレクトロニックスタビリティプログラム」)システムを介して行われる。
【0006】
アンチロックブレーキシステム(ABS)は、たいていのブレーキシステムの別の構成要素である。アンチロックブレーキシステムは、自動車の少なくとも1つのホイールにおけるホイールスリップを自動的に制御する。標準的な形式で、ABSコントロールユニットは、手動で開始された非常ブレーキ状況の場合、ホイールにおける回転数の急激な変化を検知して、ホイールにおけるブレーキ圧を、ABS液圧装置を介して、つまり圧力管に取り付けられている2つの電磁弁を介して低下させる。この場合、最初に第1の電磁弁がマスタブレーキシリンダに通じる管路を閉鎖する。ホイール回転数がさらに低下すると、第2の電磁弁によってブレーキ液が放出され、ブレーキ圧が容易に低下する。液圧ユニット内の電動ポンプがこのブレーキ液を再びシステム内にポンピングで戻す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許公開第102009001401号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明は、独立請求項の特徴を有する、自動車のためのブレーキシステムおよび自動車のブレーキシステムを運転するための方法を提供する。
【0009】
好適な実施例は、それぞれの従属請求項の対象物である。
【0010】
第1の態様によれば、本発明は、自動車のためのブレーキシステムに関し、このブレーキシステムは、液圧力を生ぜしめるために構成された操作装置と、操作装置によって生ぜしめられた液圧力を自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに伝達するために構成された伝達装置と、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を低下させるために構成された液圧ユニット(電磁弁ユニット)を備えたアンチロックブレーキシステムと、自動緊急ブレーキ装置と、を有しており、この自動緊急ブレーキ装置は、センサデータを用いて対象物リストを算出し、かつ新たに加わるセンサデータを用いて対象物リストを連続的に更新するために構成され、また、対象物リストを用いて第1の時点で制動事象を算出し、かつ制動事象が算出されると液圧力を生ぜしめるように操作装置を駆動制御するために構成され、また、更新された対象物リストを用いて第1の時点の後の第2の時点で、制動事象がさらに存在するかどうかを検知するために構成され、そして、制動事象がもはや存在しないことが算出されると、液圧ユニットを、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられた液圧力を低下させるように直接的に駆動制御するために構成されている。
【0011】
第2の態様によれば、本発明は、自動車のブレーキシステムを運転するための方法に関する。対象物リストがセンサデータを用いて算出され、この際に、対象物リストが新たに加わるセンサデータを用いて連続的に更新される。制動事象が対象物リストを用いて第1の時点で算出される。液圧力がブレーキシステムの操作装置により生ぜしめられ、この際に、ブレーキシステムの伝達装置が、操作装置によって生ぜしめられた液圧力を自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに伝達する。更新された対象物リストを用いて第1の時点の後の第2の時点で、制動事象がさらに存在するかどうか算出される。制動事象がもはや存在しないことが算出されると、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力がブレーキシステムのアンチロックブレーキシステムの液圧ユニットによって低下させられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、誤検知検出に非常に素早く反応できるようにする。この場合、検出とは、まず第1に制動事象、つまり自動制動を必要とする可能な危険状況が検出される、ということであると解釈されてよい。したがって、誤検知検出の際に、事故の危険に関する状況が危機的ではなくても、自動緊急ブレーキが作動される。次いで、センサデータのより精確な評価に基づいて、または別のセンサデータを利用して、自動制動が必要ないことが検知される。この場合、少なくとも1つのホイールブレーキにおける制動力が、アンチロックブレーキシステムを用いて低下される。
【0013】
したがって、本発明は、自動緊急ブレーキ装置(英語:autonomous emergency braking system;AEBシステム)を有するアンチロックブレーキシステムの液圧ユニットの連結を提供する。この場合、自動緊急ブレーキ装置は、アクティブセーフティの重要な部分である。特に発生した誤検知検出および検知漏れ検出に関連した比較検討をする必要がある。検知漏れ検出は最も防止されなければならない。何故ならば、この場合、危険な状況を検知できないからである。誤検知検出の回数が多いと、従来形式で強い制動が頻繁に行われ、それによって同様に、例えば追突事故による危険が発生する。
【0014】
本発明によれば、ブレーキ圧を低下させるためにアンチロックブレーキシステムが使用されるので、操作装置がブレーキ圧を完全に上昇させる前に、既にブレーキ圧低下が得られることによって、強すぎる制動は避けられる。
【0015】
操作装置によるブレーキ圧上昇は、一般的に少なくとも150ミリ秒続く。アンチロックブレーキシステムによって圧力を逃がすことによって、誤検知検出が確認されたときに(制動事象がもはや存在しない場合でも)、上昇するブレーキ圧は例えば30ミリ秒より短い時間で低下される。これにより、修正後に最小の制動作用だけが残り、顕著な速度変化が生じることもない。
【0016】
したがって、自動緊急ブレーキ装置は、ブレーキ圧がESPシステムを介して低下されるブレーキシステムにおけるよりも少なくとも1サイクルだけ早期にブレーキ圧を低下させることができる。これは、自動緊急ブレーキ装置で待ち時間の連鎖がみられる場合、顕著な低下を示す。
【0017】
さらに、望ましくない制動プロセスの早期の中断は、走行感覚に好ましい影響を与える。何故ならば、運転者は僅かな影響を感じるだけだからである。さらに、ひょっとすると発生する小さい衝撃は、同乗者の注意を高めるためにも役立つ。
【0018】
ブレーキシステムの別の実施例によれば、操作装置は、ブレーキ圧を上昇させるために構成された電気機械式のブレーキ倍力装置を有している。この場合、電気機械式のブレーキ倍力装置は、真空に依存しない。
【0019】
ブレーキシステムの別の実施例によれば、自動緊急ブレーキ装置はさらに、制動事象がもはや存在しないことを自動緊急ブレーキ装置が算出すると、液圧力を低下させるように操作装置を駆動制御するために構成されている。これにより、ブレーキ圧はさらに低下される。
【0020】
ブレーキシステムの別の実施例によれば、自動緊急ブレーキ装置は、複数のセンサデータを融合し、かつ第1の時点の後で融合されたセンサデータを用いて、制動事象がさらに存在するかどうかを算出するために構成されている。それによって、同型式の複数のセンサ(もしくは複数のカメラもしくはレーダセンサ)のセンサデータまたは様々なセンサのセンサデータも融合され得る。これによって、実際に制動事象が存在するかどうかの検知がさらに改善される。例えば個別のセンサのセンサデータに基づいて制動事象が検出され、自動制動が開始されたときに、センサ融合を用いて新たな評価がもたらされた場合、アンチロックブレーキシステムの駆動制御により修正が行われ得る。
【0021】
ブレーキシステムの別の実施例によれば、自動緊急ブレーキ装置は、自動車の軌道および/または自動車の周囲の対象物の軌道を算出し、かつ算出された軌道を用いて、制動事象がさらに存在するかどうかを算出するために構成されている。例えば、対象物のトラッキングが実施されてよい。トラッキングを用いて、衝突が見込まれないことが判明した場合、アンチロックブレーキシステムの駆動制御により修正が行われ得る。これによって、実際に制動事象が存在するかどうかの算出が精確に実施され得る。
【0022】
ブレーキシステムの別の実施例によれば、自動緊急ブレーキ装置は、制動事象がもはや存在しないことを算出した後で、生ぜしめようとする液圧力を操作装置が完全に生ぜしめる前に、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を低下させるようにアンチロックブレーキシステムを駆動制御するために、構成されている。それによって、ブレーキシステムは非常に迅速に誤検知検出に反応することができる。
【0023】
別の実施例によれば、ブレーキシステムは、信号を伝達するために、緊急ブレーキ装置を液圧ユニットに直接接続するバイパス接続を有しており、この場合、緊急ブレーキ装置は、制動事象がもはや存在しないことが算出されると、バイパス接続を介して、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を低下させるように、液圧ユニットを直接的に駆動制御するために構成されている。これによって、液圧ユニットは迅速かつ直接的に駆動制御される。
【0024】
ブレーキシステムの別の実施例によれば、自動緊急ブレーキ装置は、少ないセンサデータに基づいて制動事象を検知するために構成されている。例えば、自動緊急ブレーキ装置は、1つだけのまたは2つのビデオフレーム、ライダーフレームおよび/またはレーダフレームを評価することができる。したがって、一方では高いロバスト性を有するAEBシステムが得られ、他方では最新の消費者テストその他によってカバーされない実際のケースにおいて、より高い効果が得られる。このブレーキシステムは、介入方式をよりプログレッシブにおよびひいては時間的により早く選択できるようにする。何故ならば非常に迅速な修正のための可能性が得られるからである。この時間は、緊急ブレーキシステムの有効性にダイレクトに換算できる。特に歩行者保護において、改善された反応時間は顕著な改善をもたらす。
【0025】
ロバスト性は、状況的な不確定性が高くなっているかまたは状況が突然に深刻化(例えば視界が遮られている影響下で)することになり得るシナリオが実行される場合に、特に重要である。このような状況は、重要であり、したがって実際の消費者保護テストにおいても、およびここでもますます焦点となる。このような状況の一例は、人間または子供が道路上で2台の車両の間に歩んできた場合、例えば雨または劣悪な光の状態等の場合によっては不都合な周囲条件下でも発生する。ここで、自動ブレーキ装置のためにパラメータの、よりプログレッシブな調整が選択され、それによって100ミリ秒まで早期にフルブレーキが開始され、緊急の場合に100ミリ秒まで早期に実施され得る。その結果、歩行者との衝突が完全に避けられるかまたは少なくとも歩行者との衝突速度が著しく低下され得る。その結果、歩行者の負傷リスクは著しく低下せしめられ、歩行者の頭と例えばフロントガラスとの接触を避けることができる。
【0026】
別の実施例によれば、ブレーキシステムは、ESPシステム並びに、自動緊急ブレーキ装置とESPシステムとの間のインターフェースを有しており、この場合、ESPシステムは、アンチロックブレーキシステムを制御するために構成されている。インターフェースを介して自動緊急ブレーキ装置は、操作装置による圧力上昇の自主的な操作がまだ終わっていなくても、圧力を低下させるための指令をアンチロックブレーキシステムによってESPシステムに伝達することができる。
【0027】
さらに、本発明による手順は、回生ブレーキ装置における手順とは一線を画す。回生ブレーキ装置においては、できるだけ高い回生率を得るために、ブレーキトルクの協調が実行される、つまり様々な状況下でホイールブレーキシリンダのブレーキトルクが様々な形式で回生ブレーキ装置の最新のブレーキトルクに適合される。
【0028】
ブレーキシステムの別の実施例によれば、さらに、運転者が手動で制動するかどうかが算出される。運転者が手動で制動する場合、アンチロックブレーキシステムは、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を低下させるために駆動制御されない。したがって、運転者は最終的なコントロールを、ブレーキ動作を介して維持できるようにしなければならない。
【0029】
例えば、まず非常ブレーキは交差点の横断通行に基づいて行われ得る。状況を新たに評価した後でその他のセンサデータを用いてアンチロックブレーキシステムの駆動制御によって修正が行われる。横断通行時の介入は、例えば衝突が予見可能ではあるが関与した車両の精確な軌道がまだ高い不確実性を有しているときに開始され得る。次いで、速度の大きな低下および衝突点の大きな移動が実行され得る。衝突点の大きな移動は、時間の経過に伴って自乗的に増大するので、この場合、より早期に介入することが特に重要である。状況の新たな評価に基づいて、介入を修正できるかまたは完全に中断でき、したがって、不介入との差が殆ど存在しないくらいに効果を低下させることができる。
【0030】
別の例として、衝突コース上で交差する車両に基づいて自動ブレーキ操作の作動が行われてよい。自動緊急ブレーキ装置は、ブレーキ操作によって最適な衝突点を駆動制御する。別の測定に従って、衝突点が不都合な位置、つまり例えば車室内に移動することが明らかになった場合、制動の取り消しにより状況の悪化を防ぐことができる。
【0031】
ブレーキシステムを運転するための方法の別の実施例によれば、複数のセンサデータが融合され、この際に、第1の時点の後で融合されたセンサデータを用いて、制動事象がさらに存在するかどうかが算出される。
【0032】
ブレーキシステムを運転するための方法の別の実施例によれば、自動車の軌道および/または自動車の周囲の対象物の軌道が算出され、この際に、算出された軌道を用いて、制動事象がさらに存在するかどうかが算出される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の1実施例によるブレーキシステムのブロック図である。
【
図2】時間の関数としての加速度の変化の一例を示す図である。
【
図3】時間の関数としての速度の変化の一例を示す図である。
【
図4】時間の関数としての走行距離の変化の一例を示す図である。
【
図5】様々な走行状況の経時変化の一例を示す図である。
【
図6】高い作動限界値を有する制動事象を算出するための経時変化の一例を示す図である。
【
図7】低い作動限界値を有する制動事象を算出するための経時変化の一例を示す図である。
【
図8】本発明の1実施例によるブレーキシステムを運転するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
すべての図面中、同じまたは機能的に同じ要素および装置には同じ符号が付けられている。方法ステップの番号設定は明瞭にするためのものであり、一般的に特定の時間的な連続を意味するものではない。特に複数の方法ステップを同時に実行することも可能である。
【0035】
図1は、自動車のためのブレーキシステム1のブロック図を示す。ブレーキシステム1は操作装置2を有しており、この操作装置2によって液圧力が生ぜしめられる。操作装置2は、ブレーキペダル21と電気機械式のブレーキ倍力装置22とを有している。ブレーキペダル21に力が加えられると、電気機械式のブレーキ倍力装置22が作動され、液圧力が生ぜしめられる。
【0036】
さらに、ブレーキシステム1は伝達装置6,7を有しており、これらの伝達装置6,7は、操作装置2によって生ぜしめられた液圧力を自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに伝達する。さらに、ブレーキシステム1はアンチロックブレーキシステム3を有しており、このアンチロックブレーキシステム3は、電気機械式のブレーキ倍力装置22に通じる伝達装置の第1のセクション6と、ホイールブレーキに通じる伝達装置の第2のセクション7との間に配置されている。
【0037】
ブレーキシステム1は自動緊急ブレーキ装置4を有している。緊急ブレーキ装置4はセンサデータを用いて対象物リストを算出する。このために緊急ブレーキ装置4は、例えばレーダセンサ、ライダーセンサおよび車両カメラ等のセンサデータを評価することができる。緊急ブレーキ装置4は、対象物トラッキングを実行し、新たに加えられるセンサデータを用いて対象物リストを連続的に更新する。この際に、複数のサブプロセスが実行されてよい。
【0038】
したがって、まず関連付けステップで、最新の測定からどのデータが既に検知された対象物に属するか、つまり関連付けられるかが算出される。
【0039】
アップデートステップで、最新の測定が対象物リストの対象物の対象物ステータスにどのような影響を及ぼすかについて算出される。例えば、まず道路使用者または障害物として分類された対象物が、新たなセンサデータを用いて新たに分類される。例えば潜り抜けられないまたは乗り越えられない対象物は、新たな測定に基づいて潜り抜けられるかまたは乗り越えられる対象物として分類され得る。これによって、特に、対象物リストの対象物がさらに重要であるかどうかが決定され得る。
【0040】
さらに、予測ステップが実行され、この予測ステップで、対象物がどのように移動しているかが予測される、つまり対象物の軌道が算出される。自分の自動車の軌道も算出され、更新されてよい。
【0041】
対象物リストを用いて、第1の時点で自動緊急ブレーキ装置4が制動事象を算出し、ブレーキ操作を開始する。操作装置2は、緊急ブレーキ装置4が制動事象を算出すると、緊急ブレーキ装置4によって液圧力を生ぜしめるために駆動制御される。
【0042】
緊急ブレーキ装置4は、制動事象がさらに存在するかどうかを、新たに加わるセンサデータを用いて連続的に検査する。対象物の新たな評価に基づいて、例えば別の分類のためにまたは見込まれる変更された運動変化のために、後の第2の時点で制動事象がもはや存在しなければ、緊急ブレーキ装置4は液圧ユニット31を直接的に駆動制御する。すると、液圧ユニット31は、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられている液圧力を低下させる。
【0043】
液圧力の低下は、アンチロックブレーキシステム3の液圧ユニット31の通常の機能形式によって行われ得る。したがって、液圧ユニット31は、液圧ユニット31の弁を開放および閉鎖することによって、またブレーキ液をポンプで戻すことによってホイールブレーキに加えられるブレーキ圧を低下させる。
【0044】
これと平行して、緊急ブレーキ装置4は液圧力を低下させるために操作装置2を駆動制御することができる。
【0045】
それによって、緊急ブレーキ装置4は、制動事象が検知された場合、電子式のブレーキ倍力装置22およびアンチロックブレーキシステム3に目標減速に関する制御信号8を伝送し、また制動事象がもはや存在しないことが検知された場合、ブレーキ操作を中断するための制御信号9を伝送する。この場合、液圧ユニット31を駆動制御するために、バイパス接続が使用され、このバイパス接続を介して液圧ユニット31に直接アクセスすることができる。さらに、運転者が自分で制動するかどうかの信号5が、電子式のブレーキ倍力装置22からアンチロックブレーキシステム3に伝送される。運転者が自分で制動しない場合にだけ、ブレーキ圧の低下が実行される。
【0046】
自動緊急ブレーキ装置4は、比較的早期に作動させるために、つまり制動事象を算出するために構成されている。このために考慮されるデータは、センサデータまたは融合されたセンサデータ、並びにその他の情報、例えばセンサおよび融合の待ち時間を含んでいてよい。
【0047】
ブレーキの迅速な開放の効果は、
図2乃至
図4に示されている。
【0048】
図2は、加速度の変化の一例を時間の関数として示す。
図2には加速度aをm/s
2で時間の関数として示す。
図3は、速度をm/sで時間の関数として示す。最後に
図4は、走行距離sの、制動によって得られる短縮をメートルで時間の関数として示す。衝突が検出されると、速度を低下させかつ衝突点をずらすためのできるだけ高い効果を得るために、制動力はできるだけ迅速に高められる。しかしながら、このような効果が望まれておらず修正が迅速に行われると、この効果は作動されないのと同じである。加速度変化21、速度変化23および距離変化25は、最初に開始された介入のための加速度、速度および距離に相当し、加速度変化22、速度変化24および距離変化26は、修正された介入に相当する。
【0049】
アンチロックブレーキシステム3の介入時に、短いブレーキ圧上昇により速度vが少しだけ低下される。相対的な車両位置、つまり制動によって短縮された走行距離sは、最初の介入時に数メートルであるが、修正によって数センチメートルに短縮される。
【0050】
図5は、様々な走行状況51,52,53の経時変化の一例を示し、この場合、様々な測定周期n~n+5(時間tの関数としての)における衝突のリスクが、それぞれグラフで示されている。この場合、リスクに関して、非常に高いリスク54から非常に低いリスク57まで区別されている、つまり、例えば4段階で区別されている。しかしながら本発明は、所定数の段階に限定されるものではない。
【0051】
第1の変化51において、算出されたリスクはまず最も低い段階から2番目に低い段階、2番目に高い段階へと上昇し、次いで再び最も低い段階へと低下する。第2の変化52において、算出されたリスクはまず最も低い段階から2番目に低い段階へ上昇し、2番目に低い段階にとどまり、次いで再び最も低い段階へと低下する。第3の変化53において、リスクは、それぞれの周期で最も低い段階から最も高い段階へと上昇する。
【0052】
図6は、高い作動限界値を有する制動事象を算出するための経時変化の一例を示す。このシナリオは、最も高い段階が得られるときに初めて作動される。したがって、第3の変化53においてのみ、周期n+3で制動事象が検知され、ブレーキ操作が開始される。3周期の後、つまり周期n+5でブレーキ圧は完全に上昇される。
【0053】
図7は、低い作動限界値を有する制動事象を算出するための経時変化の一例を示す。このシナリオは、2番目に高い段階が得られると、既に作動される。したがって、第1の変化でも周期n+2で制動事象が検知される。しかしながら、次いでリスクは再び低下するので、液圧ユニット31は、液圧力を低下させるために駆動制御される。第3の変化53において、周期n+2で制動事象を既に検知することができ、ブレーキ操作が開始され得る。本発明は、能力に基づいて、作動されたブレーキ操作に迅速に抗することができ、既に早期に制動事象を、つまり有利には例えば
図7に示した方法に従って検出することができる。これによって、例えば1つの周期がより早期に反応され得る。プログレッシブな作動に基づいて、より早期に制動され得る。開始されたブレーキ操作は、状況が切迫していない、つまり制動事象がもはや存在しないことが明らかになると直ちに、顕著な速度変化を開始させる前に修正される。
【0054】
図8は、ブレーキシステム、特に上記ブレーキシステム1を運転するための方法のフローチャートを示す。
【0055】
第1の方法ステップS1で、センサデータを用いて対象物リストが算出され、この際に、対象物リストは新たに加わるセンサデータを用いて連続的に更新される。
【0056】
方法ステップS2で、制動事象が対象物リストを用いて第1の時点で算出される。
【0057】
方法ステップS3で、ブレーキシステム1の操作装置2によって液圧力が生ぜしめられ、この際にブレーキシステム1の伝達装置6,7が、操作装置2によって生ぜしめられた液圧力を自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに伝達する。
【0058】
方法ステップS4で、更新された対象物リストを用いて、第1の時点の後に位置する第2の時点で、制動事象がさらに存在するかどうかが算出される。このために、センサによって第1の時点の後に算出された、融合されたセンサデータが考慮される。特に、対象物の分類および/または対象物の算出された軌道が、制動事象がさらに存在するかどうかを検知するために考慮される。さらに、制動事象がもはや存在しないことが算出されると、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力がブレーキシステム1のアンチロックブレーキシステムの液圧ユニットによって低下される。
【符号の説明】
【0059】
1 ブレーキシステム
2 操作装置
3 アンチロックブレーキシステム
4 自動緊急ブレーキ装置
5 信号
6 伝達装置、伝達装置の第1のセクション
7 伝達装置、伝達装置の第2のセクション
8 制御信号
9 制御信号
21 ブレーキペダル、加速度変化
22 ブレーキ倍力装置、加速度変化
23 速度変化
24 速度変化
25 距離変化
26 距離変化
31 液圧ユニット、電磁弁
51 走行状況、第1の変化
52 走行状況、第2の変化
53 走行状況、第3の変化
54,55,56,57 リスク
a 加速度
n,n+1,n+2,n+3,n+4,n+5 測定周期、周期
s 走行距離
t 時間
v 速度
【手続補正書】
【提出日】2023-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のためのブレーキシステム(1)において、
液圧力を生ぜしめるために構成された操作装置(2)と、
前記操作装置(2)によって生ぜしめられた液圧力を自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに伝達するために構成された伝達装置(6,7)と、
自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を低下させるために構成された液圧ユニット(31)を備えたアンチロックブレーキシステム(3)と、
自動緊急ブレーキ装置(4)と、を有しており、該自動緊急ブレーキ装置は、
センサデータを用いて対象物リストを算出し、かつ新たに加わるセンサデータを用いて前記対象物リストを連続的に更新するために構成され、
また、前記対象物リストを用いて第1の時点で制動事象を算出し、かつ制動事象が算出されると液圧力を生ぜしめるように前記操作装置(2)を駆動制御するために構成され、
また、更新された前記対象物リストを用いて前記第1の時点の後の第2の時点で、前記制動事象がさらに存在するかどうかを検知するために構成され、
そして、前記制動事象がもはや存在しないことが算出されると、前記液圧ユニット(31)を、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられた液圧力を低下させるように直接的に駆動制御するために構成されている、
自動車のためのブレーキシステム(1)。
【請求項2】
前記操作装置(2)が、ブレーキ圧を上昇させるために構成された電気機械式のブレーキ倍力装置(22)を有している、請求項1記載のブレーキシステム(1)。
【請求項3】
前記自動緊急ブレーキ装置(4)はさらに、前記制動事象がもはや存在しないことを前記自動緊急ブレーキ装置(4)が算出すると、液圧力を低下させるように前記操作装置(2)を駆動制御するために構成されている、請求項1または2記載のブレーキシステム(1)。
【請求項4】
前記自動緊急ブレーキ装置(4)は、複数のセンサデータを融合し、かつ前記第1の時点の後で融合されたセンサデータを用いて、前記制動事象がさらに存在するかどうかを算出するために構成されている、請求項1
または2記載のブレーキシステム(1)。
【請求項5】
前記自動緊急ブレーキ装置(4)は、自動車の軌道および/または自動車の周囲の対象物の軌道を算出し、かつ算出された前記軌道を用いて、前記制動事象がさらに存在するかどうかを算出するために構成されている、請求項1
または2記載のブレーキシステム(1)。
【請求項6】
前記自動緊急ブレーキ装置(4)は、前記制動事象がもはや存在しないことを算出した後で、生ぜしめようとする液圧力を前記操作装置(2)が完全に生ぜしめる前に、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を低下させるように前記アンチロックブレーキシステム(3)を駆動制御するために、構成されている、請求項1
または2記載のブレーキシステム(1)。
【請求項7】
前記
自動緊急ブレーキ装置(4)を前記液圧ユニット(31)に直接接続するバイパス接続が設けられており、前記緊急ブレーキ装置(4)は、前記制動事象がもはや存在しないことが算出されると、前記バイパス接続を介した信号を用いて自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を低下させるように、前記液圧ユニット(31)を直接的に駆動制御するために構成されている、請求項1
または2記載のブレーキシステム(1)。
【請求項8】
自動車のブレーキシステム(1)を運転するための方法において、
センサデータを用いて対象物リストを算出し、この際に、前記対象物リストを新たに加わるセンサデータを用いて連続的に更新するステップ(S1)と、
前記対象物リストを用いて第1の時点で制動事象を算出するステップ(S2)と、
前記ブレーキシステム(1)の操作装置(2)により液圧力を生ぜしめ、この際に、前記ブレーキシステム(1)の伝達装置(6,7)により、前記操作装置(2)によって生ぜしめられた液圧力を自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに伝達するステップ(S3)と、
更新された前記対象物リストを用いて前記第1の時点の後の第2の時点で、前記制動事象がさらに存在するかどうかを算出するステップ(S4)と、
前記制動事象がもはや存在しないことが算出されると、自動車の少なくとも1つのホイールブレーキに加えられる液圧力を前記ブレーキシステム(1)のアンチロックブレーキシステム(3)の液圧ユニット(31)によって低下させるステップと、
を有している、自動車のブレーキシステム(1)を運転するための方法。
【請求項9】
複数のセンサデータを融合し、この際に、前記第1の時点の後で融合されたセンサデータを用いて、前記制動事象がさらに存在するかどうかを算出する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
自動車の軌道および/または自動車の周囲の対象物の軌道を算出し、算出された前記軌道を用いて、前記制動事象がさらに存在するかどうかを算出する、請求項8または9記載の方法。
【国際調査報告】