(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】車両のためのブレーキ制御装置、および車両のためのブレーキ制御装置を作動させる方法
(51)【国際特許分類】
B60T 8/17 20060101AFI20240614BHJP
B60T 17/18 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B60T8/17 C
B60T17/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578678
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2022068621
(87)【国際公開番号】W WO2023280876
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021207067.1
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】バスマン,オトマール
(72)【発明者】
【氏名】クンツ,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,ウルス
【テーマコード(参考)】
3D049
3D246
【Fターム(参考)】
3D049BB05
3D049CC02
3D049CC07
3D049HH39
3D049HH42
3D049HH47
3D049HH48
3D049HH51
3D049RR11
3D049RR13
3D246BA02
3D246BA08
3D246DA01
3D246EA05
3D246GA01
3D246GB39
3D246GC14
3D246HA03A
3D246HA04A
3D246HA08A
3D246HA32A
3D246HA37A
3D246JA12
3D246JB41
3D246LA02Z
3D246LA51Z
3D246MA03
3D246MA16
(57)【要約】
本発明は車両(F)のためのブレーキ制御装置(10)を提供し、車両のブレーキブースタ装置(BV)および電気機械(EM)と接続された制御装置(SE)を含み、制御装置(SE)は、ブレーキブースタ装置(BV)の動作失陥または動作不良を認識し、発電機ブレーキトルクとしての電気機械(EM)の第1のブレーキトルク(M1)の最小値(minM1)を認識するためにセットアップされ、第1のブレーキトルク(M1)の最小値(minM1)は、電気機械(EM)により生成可能なすべての車両速度において最小の絶対値を有するブレーキトルクに相当し、および制御装置は、ブレーキブースタ装置(BV)の動作失陥または動作不良が認識されたときにブレーキ要求について電気機械(EM)により第1のブレーキトルク(M1)の少なくとも最小値(minM1)が生成されるように、電気機械(EM)を作動させるようにセットアップされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のブレーキアクションを制御可能である、車両(F)のためのブレーキ制御装置(10)において、
車両のブレーキブースタ装置(BV)および電気機械(EM)と接続された、または接続可能である、制御装置(SE)を含み、前記制御装置(SE)は、
前記ブレーキブースタ装置(BV)の動作失陥または動作不良を認識し、
発電機ブレーキトルクとしての前記電気機械(EM)の第1のブレーキトルク(M1)の最小値(minM1)を認識および/または認知するためにセットアップされ、前記第1のブレーキトルク(M1)の前記最小値(minM1)は、前記電気機械(EM)により生成可能なすべての車両速度において最小の絶対値を有するブレーキトルクに相当し、および前記制御装置は、
前記ブレーキブースタ装置(BV)の動作失陥または動作不良が認識されたときにブレーキ要求について前記電気機械(EM)により前記第1のブレーキトルク(M1)の少なくとも前記最小値(minM1)が生成されるように、前記電気機械(EM)を作動させるようにセットアップされる、ブレーキ制御装置。
【請求項2】
ペダルセンサ装置(PS)を含み、および/または前記制御装置(SE)は前記ペダルセンサ装置(PS)と接続されて、車両でのブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの操作を判定するためにセットアップされ、前記制御装置(SE)は、ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの操作から運転者によるブレーキ要求を推定するためにセットアップされる、請求項1に記載のブレーキ制御装置(10)。
【請求項3】
前記ペダルセンサ装置(PS)は前記ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの圧力および/または力および/または位置を認識するためにセットアップされ、前記制御装置(SE)は、前記ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの前記圧力および/または力および/または位置からブレーキ要求の程度を推定し、これを少なくとも部分的に前記電気機械で第1のブレーキトルク(M1)として生成するためにセットアップされる、請求項2に記載のブレーキ制御装置(10)。
【請求項4】
さらに前記制御装置(SE)は、
前記アクセルペダルが放されたことを認識し、前記最小値よりも大きい、もしくはこれに等しい、一定の第1のブレーキトルクを前記電気機械(EM)に要求するために、および/または、
前記ブレーキペダルの操作を前記ペダルセンサ装置(PS)を通じて認識し、前記ブレーキ要求の程度に依存して前記第1のブレーキトルクを生成するために、および/または、
前記ブレーキペダルの操作を別のセンサ機構を通じて認識し、前記最小値よりも大きい、もしくはこれに等しい、一定の第1のブレーキトルクを要求するために、および/または、
前記ブレーキペダルの操作を別のセンサ機構を通じて認識し、前記第1のブレーキトルクを所定の特性曲線に従って要求するために、
セットアップされる、請求項2または3に記載のブレーキ制御装置(10)。
【請求項5】
前記制御装置(SE)は液圧ブレーキ設備および/または別のブレーキ装置と接続され、ブレーキ要求があったときに前記液圧ブレーキ設備(HB)および/または前記別のブレーキ装置(WB)で、前記第1のブレーキトルクの前記最小値(minM1)と共同で所定の全体ブレーキトルクを車両で生じさせる第2のブレーキトルク(M2)を生成するためにセットアップされる、請求項1から4までのいずれか1項に記載のブレーキ制御装置(10)。
【請求項6】
前記制御装置(SE)は車両のバッテリと接続され、前記バッテリの充電状態を認知もしくは判定し、および/または前記電気機械(EM)の容認可能な過負荷動作を認知もしくは判定し、所定の時間の間、前記最小値よりも大きい前記第1のブレーキトルク(M1)を前記電気機械(EM)の前記容認可能な過負荷動作に基づいて要求し、および/または前記最小値よりも大きい前記第1のブレーキトルクを前記バッテリの容認可能な過負荷状態で要求するためにセットアップされる、請求項1から5までのいずれか1項に記載のブレーキ制御装置(10)。
【請求項7】
車両のブレーキアクションを制御するために、車両(F)のためのブレーキ制御装置(10)を作動させる方法において、次の各ステップを含み、
請求項1から6までのいずれか1項に記載のブレーキ制御装置(10)によってブレーキアクションを実行するためのブレーキ要求および/または必要性が認識(S1)されることと、
前記ブレーキブースタ装置(BV)の動作失陥または動作不良が認識(S2)されることと、
発電機ブレーキトルクとしての前記電気機械(EM)の第1のブレーキトルク(M1)の最小値(minM1)が判定(S3)されることとを含み、前記第1のブレーキトルク(M1)の前記最小値(minM1)は、前記電気機械(EM)により生成可能なすべての車両速度で最小の絶対値を有するブレーキトルクに相当し、および、
前記ブレーキブースタ装置(BV)の動作失陥または動作不良のもとで、かつブレーキ要求および/またはブレーキアクションの必要性のもとで、前記電気機械(EM)により前記第1のブレーキトルク(M1)の少なくとも前記最小値(minM1)が生成(S4)されることとを含む、方法。
【請求項8】
ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルでのペダル操作によるブレーキ要求のもとでペダルセンサ装置(PS)および/または別のセンサ機構によって前記ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの圧力および/または力および/または位置が認識され、前記ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの前記圧力および/または力および/または位置からブレーキ要求の程度が推定され、一定の、または当該程度に依存する、第1のブレーキトルクが生成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アクセルペダルが放されたことが認識され、前記最小値よりも大きい、もしくはこれに等しい、一定の第1のブレーキトルクが前記電気機械(EM)に要求され、および/または
前記ペダルセンサ装置(PS)を通じて前記ブレーキペダルの操作が認識され、前記ブレーキ要求の程度に依存して前記第1のブレーキトルクが生成され、および/または
別のセンサ機構を通じて前記ブレーキペダルの操作が認識され、前記最小値よりも大きい、もしくはこれに等しい、一定の第1のブレーキトルクが要求され、および/または
別のセンサ機構を通じて前記ブレーキペダルの操作が認識され、所定の特性曲線に従って前記第1のブレーキトルクが要求される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
液圧ブレーキ設備(HB)および/または別のブレーキ装置(WB)でブレーキ要求のもとで第2のブレーキトルク(M2)が生成され、これが前記第1のブレーキトルクの前記最小値(minM1)と共同で車両の所定の全体ブレーキトルクを生じさせる、請求項7から9までのいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のためのブレーキ制御装置に関し、および、車両のためのブレーキ制御装置を作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気式に作動する車両における通常の駆動コンセプトは、電気機械のブレーキ作用を援用することができる。そのために、ブレーキ動作が要求されたときに電子制御することができるブレーキ力発生器またはブレーキブースタが知られている。
【0003】
周知のとおり、車両では液圧式のブレーキシステムを利用することができ、特にブレーキ力増強に関して、さまざまなブレーキシステムが存在する。ブレーキシステムの故障時にブレーキ力増強が行われなくなることがあり、運転者は、機械式のフォールバックレベルでブレーキペダルを通じて液圧を生成することができ、これをホイールブレーキによって車両の減速へと転化することができる。
【0004】
電気車両は電気モータによって加速され、ブレーキをかけたときに電気モータによってエネルギーを回収することができる(回生)。エネルギーを回収するために、電気モータが抵抗トルク(その双曲線出力に相当)を生成し、これが車両を相応に減速させることができる。回生は、通常、ブレーキシステムによって制御されるが、それは、走行安定性を確保するため、または少なくとも高めるためであり、さらに、電気モータのブレーキトルクが回転数すなわち車両速度に強く依存するからでもある。しかし、運転者は多くの場合に一定の減速を実現しようとするので(液圧ブレーキトルクや電気機械式のブレーキトルクの残存)、ブレーキトルクの生成の制御が必要となり得る。したがってブレーキシステムの故障発生時には、多くの場合に回生も不作動化されるのが普通である。
【0005】
特許文献1には、全輪駆動可能な車両のドライブトレーンが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2013/083243A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、請求項1に記載されている車両のためのブレーキ制御装置、および、請求項7に記載されている車両のためのブレーキ制御装置を作動させる方法を提供する。
【0008】
好ましい発展例は従属請求項の対象である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の根底にある思想は、ブレーキブースタ装置の動作失陥または動作不良が生じた場合に、発電機ブレーキトルクを生成することで車両の減速出力を改善することができる、車両のためのブレーキ制御装置、および車両のためのブレーキ制御装置を作動させる方法を提供することにある。
【0010】
機械的なフォールバックレベルで減速を補助して、ブレーキ力増強の故障時にこれを改善することができるという利点があり、このことは、追加の発電機ブレーキトルクを利用することで、同じペダル力により、発電機ブレーキトルクがないときよりも強い車両減速が可能になるという形で行われる。
【0011】
このとき、発電機としての電気機械の動作能力について、現在の能力の考慮が行われることが可能であるという利点がある。このとき発電機が寄与する減速割合(ブレーキトルクに占める割合)を考慮することができる。
【0012】
本発明によると、車両のブレーキアクションを制御可能である、車両のためのブレーキ制御装置は、車両のブレーキブースタ装置および電気機械と接続された、または接続可能である、制御装置を含み、制御装置は、ブレーキブースタ装置の動作失陥または動作不良を認識し、発電機ブレーキトルクとしての電気機械の第1のブレーキトルクの最小値を認識および/または認知するためにセットアップされ、第1のブレーキトルクの最小値は、電気機械により生成可能なすべての車両速度において最小の絶対値を有するブレーキトルクに相当し、および制御装置は、ブレーキブースタ装置の動作失陥または動作不良が認識されたときにブレーキ要求について少なくとも第1のブレーキトルクの最小値が電気機械により生成されるように、電気機械を作動させるようにセットアップされる。
【0013】
動作失陥とは、ブレーキブースタ装置の機能の全面的または部分的な失陥であり得る。動作不良とは、ブレーキ力増強の制約につながり得る、考えられるあらゆる不良、またはその他の種類の機能不良であり得る。
【0014】
発電機ブレーキトルクは車両の速度上昇に伴って減ることがあり、たとえば道路交通規則や製造者により設定される、車両で許容される速度範囲にわたって、最小値がすべての速度にわたって判定もしくは事前決定されていてよく、または判定もしくは事前決定することができる。ブレーキ要求は運転者によって、または制御部によって(自律的に)、行うことができる。
【0015】
ブレーキアクションとは、たとえば摩擦トルクおよび/または発電機ブレーキトルクおよび/またはその他の何らかの方式での車両に対するブレーキ力によってホイールの回転を遅くするための、車両でのブレーキプロセスであり得る。
【0016】
このとき車両での設定に基づく減速を追求することができ、この設定は利用者によって任意に低く、または高く(強く)、選択可能であってもよい。
【0017】
このとき発電機としての電気機械の動作状態を判定することができ、このことは、電気機械がその瞬間に、または全般的に、たとえば当該機械で生成可能なすべての速度にわたって、発電機ブレーキトルクをどの程度まで印加することができるかの度合いに相当し得る。たとえば車両の速度が上昇したとき、生成可能な第1のブレーキトルクは、速度が低いときよりも少なくなり得る。車両のすべての速度にわたって、電気機械が発電機として作動したときに少なくとも印加可能であり得る第1のブレーキトルクの最小値を判定することができる。
【0018】
そして、発電機としての、すなわち発電機ブレーキトルクを生成する装置としての、電気機械の能力についての知見に応じて、第1のブレーキトルクをたとえばアダプティブに適合化可能に、かつ時間を通じてダイナミックに、増大および/または低減させて、第1のブレーキトルクに関わる設定に達するように、たとえば少なくとも最小値に達するように、あるいは他のブレーキ装置の第2のブレーキトルクとの合計として達するようにすることができる。
【0019】
換言すると、車両での全体ブレーキトルクについての設定のどれだけの割合を発電機によって提供できるかを常時、または現在の(見積られるべき)状況のもとで見積ることができ、そして、他の(第2の)ブレーキトルクをどれだけの割合まで低減することができるかを見積ることができる。電気機械に、または駆動部もしくはブレーキシステムのその他のコンポーネントに、故障が生じていなければ、最小値を常に印加可能であり得るからである。
【0020】
車両は、電気機械を含むことができる駆動部を有する乗用車であってよい。
【0021】
すなわちブレーキ力増強の失陥または動作不良のもとで、および/または機械的なフォールバックレベルのときに、車両の電気機械(電気モータ)を一種の独立した別のブレーキ回路とみなすことができ、その可能なブレーキ作用を液圧式のブレーキ作用に加えて活用することができる。電気モータの双曲線出力に応じて、高い回転数のもとでは最小のトルクしか可能でないので、利用可能なブレーキトルクはそれによって設定されていてよい(ないし、電気モータの出力が高くなるほど、高い回転数ないし車両速度のもとでのブレーキトルクは大きくなる)。さらに、高い速度のもとでも実現可能な減速だけを、特に最小値だけを、電気モータに常に要求するという選択肢もある。好ましくは電気機械およびブレーキ制御装置の付属のコンポーネントの正常な機能形態のもとで常に利用できるこのようなトルクを、フォールバックレベルでのブレーキ作用の設計のために考慮に入れることができ、あるいは、低い速度のもとではさらに大きい(第1の)発電機ブレーキトルクを要求して、車両のブレーキ作用に必要なペダル力を、およびこれに伴って標準状態(ブレーキ力増強がなされる)と故障発生時との間のブレーキ作用の差異を、いっそう低減するという選択肢もある。たとえば機械的なフォールバックレベルのときに実現可能な減速は、たとえば第2のブレーキトルクのみによって、または最小値のみによって、または両者を合わせたものによって、500Nのペダル力のもとで2.44m/s2であり得る。
【0022】
ブレーキ制御装置の好ましい実施形態では、ブレーキ制御装置はペダルセンサ装置を含み、および/または制御装置はペダルセンサ装置と接続され、車両でのブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの操作を判定するためにセットアップされ、制御装置は、ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの操作から運転者によるブレーキ要求を推定するためにセットアップされる。
【0023】
操作は運転者によって行うことができる。
【0024】
ブレーキ制御装置の好ましい実施形態では、ペダルセンサ装置は、ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの圧力および/または力および/または位置を認識するためにセットアップされ、制御装置は、ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの圧力および/または力および/または位置からブレーキ要求の程度を推定し、これを少なくとも部分的に電気機械で第1のブレーキトルクとして生成するためにセットアップされる。
【0025】
当該程度は休止位置からのペダルの調節角または偏向に相当していてよく、要求されるブレーキアクションの強さを反映する。そして要求されるブレーキトルクの程度に応じて、およびその結果としてのブレーキ作用の強さに応じて、最小値で足りる場合には、もしくは、最小値を生成するための速度よりも低い速度のもとで電気機械が作動していて、それに応じて最小値よりも大きい第1のブレーキトルクを生成できる場合には、電気機械によって単独で生成することができ、または、たとえば液圧ブレーキ設備や別のブレーキ設備の第2のブレーキトルクと共同で生成することができる。
【0026】
ブレーキ制御装置の好ましい実施形態では、さらに制御装置は、アクセルペダルが放されたことを認識し、最小値よりも大きい、もしくはこれに等しい、一定の第1のブレーキトルクを電気機械に要求するために、および/またはブレーキペダルの操作をペダルセンサ装置を通じて認識し、ブレーキ要求の程度に依存して第1のブレーキトルクを生成するために、および/またはブレーキペダルの操作を別のセンサ機構を通じて認識し、最小値よりも大きい、もしくはこれに等しい、一定の第1のブレーキトルクを要求するために、および/またはブレーキペダルの操作を別のセンサ機構を通じて認識し、第1のブレーキトルクを所定の特性曲線に従って要求するために、セットアップされる。
【0027】
程度に依存して生成することができるブレーキトルクは、スケーリング係数を用いて、運転者により実際にブレーキペダルで生成される力から換算して、たとえば比例するように、具体化することができ、このスケーリング係数は電気機械および達成可能な最小値に依存して決めることができ、アダプティブに変更することができ、または設定されていてよい。
【0028】
ブレーキ制御装置の好ましい実施形態では、制御装置は液圧ブレーキ設備および/または別のブレーキ装置と接続され、ブレーキ要求があったときに液圧ブレーキ設備および/または別のブレーキ装置で、第1のブレーキトルクの最小値と共同で所定の全体ブレーキトルクを車両で生じさせる第2のブレーキトルクを生成するためにセットアップされる。
【0029】
このとき全体トルクを生成するために、少なくとも最小値を電気機械により提供することができ、電気機械の最新の動作状態が許容する場合には、最小値よりも大きい第1のブレーキトルクを提供して、機械的なフォールバックレベルをいっそう良好にサポートすることもできる。その場合、全体ブレーキトルクが高くなっていてよく、または第2のブレーキトルクの割合を低減することができる。
【0030】
ブレーキ制御装置の好ましい実施形態では、制御装置は車両のバッテリと接続され、バッテリの充電状態を認知もしくは判定し、および/または電気機械の容認可能な過負荷動作を認知もしくは判定し、所定の時間の間、最小値よりも大きい第1のブレーキトルクを電気機械の容認可能な過負荷動作に基づいて要求し、および/または最小値よりも大きい第1のブレーキトルクをバッテリの容認可能な過負荷状態で要求するためにセットアップされる。
【0031】
ブレーキシステムおよび/またはブレーキ制御装置からのこのような要求のもとで電気機械を一時的な過負荷動作で作動させて、現在可能な全体ブレーキトルクを、または第1のブレーキトルクを、少なくとも一時的に引き上げることができる。さらに、若干引き上げられたバッテリ充電状態を電気駆動部が一時的に可能にするという選択肢がある。最大の充電状態は、通常、バッテリの最善の耐用期間が保証されるように選択される。稀に発生するエラー状況では、特に、バッテリについて既知である、一時的にはバッテリの損傷につながらない、または少なくとも過負荷動作について同様に許容可能であり得る、容認可能な過負荷状態のもとで、それを一時的に放棄することができる。最大限可能な発電機ブレーキトルクがブレーキシステムに通知されることで、そのようにして最大限可能な減速を実現可能である。
【0032】
ブレーキ設備は、摩擦ブレーキまたはその他のどのような種類の非発電機ブレーキでも含むことができる。
【0033】
さらに、運転者ブレーキ希望の判定に関する信号に加えて、ダイナミックな走行状態に関する情報を含む、要求されるブレーキトルクを適合化するためのベースにすることができる別の量も利用することができるのが好ましい。特にリヤアクスルでのブレーキトルクが要求されるとき、それによって状況的に最大のブレーキ作用を、車両安定性を維持したうえで、または少なくともこれを改善するために、実現することができる。このような信号は、たとえばホイール回転数信号および/またはステアリング角および/またはヨーレートおよび/または横方向加速度であってよい。それに応じて第1および/または第2のブレーキトルクを目的に即して利用し、適合化することができる。追加的に個々のホイールでの液圧生成を低減することができ(ブレーキ力分散またはABS機能)、それは特に、場合により生じる調節精度の制約を、ブレーキトルクの生成のための別の調節器(たとえば自動パーキングブレーキAPB)によって補償するためである。このような走行ダイナミック状態の考慮は、たとえば相応の、かつそのために必要な、信号を利用可能であり、発電機ブレーキトルクを相応に適合化して設定するためにブレーキ制御装置が当該信号をまだ処理できる限りにおいて、可能であり得る。ブレーキ制御装置がこのような信号を相応に処理できなくなると、アクセルペダルが放されたときただちに、発電機制御部がそれ自体で一定の低い回生トルクをエンジンブレーキトルクのように生成することができる。このような一定の低い回生ブレーキトルクは、車両がどのような走行状態にあるときでも安定して保たれ、その際に駆動されるアクスルが相応に考慮されるように、選択することができる。
【0034】
本発明によると、車両のブレーキアクションを制御するために、車両のためのブレーキ制御装置を作動させる方法において、本発明によるブレーキ制御装置によってブレーキアクションを実行するためのブレーキ要求および/または必要性が認識されることと、ブレーキブースタ装置の動作失陥または動作不良が認識されることと、発電機ブレーキトルクとしての電気機械の第1のブレーキトルクの最小値が判定されることとが行われ、第1のブレーキトルクの最小値は、電気機械により生成可能なすべての車両速度で最小の絶対値を有するブレーキトルクに相当し、および、ブレーキブースタ装置の動作失陥または動作不良のもとで、かつブレーキ要求および/またはブレーキアクションの必要性のもとで、電気機械により第1のブレーキトルクの少なくとも最小値が生成されることが行われる。
【0035】
ブレーキ制御装置および/またはブレーキ設備によってブレーキアクションを制御し、実行する必要性が生じ得る。
【0036】
本方法の好ましい実施形態では、ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルでのペダル操作によるブレーキ要求のもとでペダルセンサ装置および/または別のセンサ機構によってブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの圧力および/または力および/または位置が認識され、ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの圧力および/または力および/または位置からブレーキ要求の程度が推定され、一定の、または当該程度に依存する、第1のブレーキトルクが生成される。
【0037】
別のセンサ機構は、車両、加速度、力、ペダル運動またはペダル圧力のために通常使用されるセンサ、ナビゲーションシステム、またはその他のあらゆる種類のセンサ機構であってよい。別のセンサ機構は独立したセンサ機構として、たとえばペダルセンサや車両および/またはブレーキ制御装置のその他のコンポーネントから独立して、準備しておき、作動させることができる。
【0038】
本方法の好ましい実施形態では、アクセルペダルが放されたことが認識され、最小値よりも大きい、もしくはこれに等しい、一定の第1のブレーキトルクが電気機械に要求され、および/またはペダルセンサ装置を通じてブレーキペダルの操作が認識され、ブレーキ要求の程度に依存して第1のブレーキトルクが生成され、および/または別のセンサ機構を通じてブレーキペダルの操作が認識され、最小値よりも大きい、もしくはこれに等しい、一定の第1のブレーキトルクが要求され、および/または別のセンサ機構を通じてブレーキペダルの操作が認識され、所定の特性曲線に従って第1のブレーキトルクが要求される。
【0039】
この特性曲線は、たとえば第1のブレーキトルクについての、または電気機械の発電機能力に関しての、非線形の特性曲線であってよい。
【0040】
そのようにしてブレーキシステムの故障発生時に、および/またはブレーキブースタ装置の動作不良もしくは失陥のもとで、さまざまな選択肢に基づいて電気機械を車両の制動に取り入れることができる。
【0041】
運転者がアクセルペダルを完全に放すとただちに、ブレーキペダルの操作に関わりなく一定の第1のブレーキトルクを生成するように電気機械を作動させることができる。このブレーキトルクは、内燃機関の(引き上げられた)エンジンブレーキトルクに似た作用をする。
【0042】
さらに、運転者がブレーキペダルを操作するとただちに、ブレーキシステムで利用可能でありブレーキ制御装置に含まれる、またはこれと接続されていてよい、ペダルストロークセンサ(PTS)を通じて、運転者ブレーキ希望を認識することができ、制御装置はインターフェースを介して相応の第1のブレーキトルクを電気機械に要求することができる。このブレーキトルクは、最大で利用できる、または利用可能な、第1のブレーキトルクまでの範囲内で、運転者ブレーキ希望に応じて(PTSを通じてセンシングされながら)変更することができる。このときの前提条件は、PTSセンサとECU(制御装置)が少なくともその程度までまだ機能していることであり得る。
【0043】
さらに、運転者がブレーキペダルを操作するとただちに、ブレーキシステムで利用可能でありブレーキ制御装置に含まれる、またはこれと接続されていてよい、圧力センサ(DS)を通じて、運転者ブレーキ希望を認識することができ、制御装置はインターフェースを介して相応の第1のブレーキトルクを電気機械に要求することができる。この第1のブレーキトルクは、最大で利用できる、または利用可能な、第1のブレーキトルクまでの範囲内で、運転者ブレーキ希望に応じて(DSを通じてセンシングされながら)変更することができる。このときの前提条件は、PTSセンサとECU(制御装置)が少なくともその程度までまだ機能していることであり得る。
【0044】
ブレーキシステムに関する構成要件をブレーキ制御装置との関連で適用することもでき、その逆も成り立つ。
【0045】
ブレーキペダル操作のセンシングは、ブレーキペダルにある独立したセンサ機構(別のセンサ機構)によって行うこともできる(たとえばBLS)。ブレーキペダルが操作されたことが認識されると、電気機械が一定のブレーキトルクを生成することができる。
【0046】
運転者ブレーキ希望のセンシングは、ブレーキペダルにある独立したセンサ機構(たとえばペダルストロークセンサ)によって行うことができる。運転者ブレーキ希望(ブレーキペダルストローク)に応じて、これに比例する、または非線形の特性曲線を通じて設定される、ブレーキトルクを電気機械が生成することができる。
【0047】
このように電気機械は、一定のブレーキトルク、ブレーキペダル位置に比例するブレーキトルク、および/または非線形の特性曲線によって定義されるブレーキトルクを生成することができる。そしてこの第1のブレーキトルクを、運転者がブレーキペダルの操作時に生成する液圧ブレーキトルクに重ね合わせることができ、それにより車両は、液圧ブレーキトルクだけで可能であるよりも強い減速を実現することができる。
【0048】
発電機ブレーキトルクに加えて、1つまたは複数の別の調節器を通じて第2のブレーキトルクも要求できるのがさらに好ましいことがあり得る。このことは、たとえば電気式のパーキングブレーキまたは内燃機関のエンジンブレーキトルクであってよい。このとき、制御装置はこれらのブレーキトルクをコーディネートし、運転者にとって最善のブレーキ作用と調量可能性とを実現できるように要求することができる。このことは車両のブレーキシステムおよびブレーキ制御装置にとって、所望の減速を上記のセンサの信号から、および/または電気機械により、判定することができる限りにおいて可能であり得る。
【0049】
さらに、電気駆動部および/または使用されるその他の調節器はインターフェースを介して、現在可能である第1および/または第2のブレーキトルクを通知/判定することができ、そのようにして可能なブレーキ作用を最善に活用することができる。
【0050】
本方法の好ましい実施形態では、液圧ブレーキ設備および/または別のブレーキ装置でブレーキ要求のもとで第2のブレーキトルクが生成され、これが第1のブレーキトルクの最小値と共同で車両の所定の全体ブレーキトルクを生じさせる。
【0051】
現在利用可能な第2のブレーキトルクの判定を行うことができ、および/または近い将来に利用可能である第2のブレーキトルクを見積ることができ、生成可能な全体ブレーキトルクを認識することができる。
【0052】
本方法の好ましい実施形態では、電気機械の動作状態、およびそこから生成可能な電気機械の第1のブレーキトルクを、常時、または所定の時間インターバルをおいて、判定することができる。
【0053】
ブレーキ制御装置は、本方法との関連で挙げた構成要件およびその利点によって特徴づけることもでき、その逆も成り立つ。
【0054】
本発明の各実施形態のその他の構成要件と利点は、添付の図面を参照して行う以下の説明から明らかとなる。
【0055】
次に、図面の模式的な図に示されている実施例を参照しながら、本発明について詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本発明の1つの実施例に基づくブレーキ制御装置を示す模式図である。
【
図2】電気機械でのブレーキトルクを示すグラフである。
【
図3】本発明の1つの実施例に基づく、車両のためのブレーキ制御装置を作動させる方法の各方法ステップを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図中、同じ符号は同じ部材ないし機能が同じ部材を表している。
【0058】
図1は、本発明の1つの実施例に基づくブレーキ制御装置の模式図を示している。
【0059】
車両のブレーキアクションを制御可能である、車両Fのためのブレーキ制御装置10は、ブレーキブースタ装置BVおよび車両の電気機械EMと接続された、または接続可能である、制御装置SEを有し、制御装置SEは、ブレーキブースタ装置BVの動作失陥または動作不良を認識し、発電機ブレーキトルクとしての電気機械EMの第1のブレーキトルクM1の最小値minM1を認識および/または認知するためにセットアップされ、第1のブレーキトルクM1の最小値minM1は、電気機械EMにより生成可能なすべての車両速度において最小の絶対値を有するブレーキトルクに相当し、および制御装置は、ブレーキブースタ装置BVの動作失陥または動作不良が認識されたときにブレーキ要求について第1のブレーキトルクM1の少なくとも最小値minM1が電気機械EMにより生成されるように、電気機械EMを作動させるようにセットアップされる。ブレーキ制御装置10はペダルセンサ装置PSを含むことができ、および/またはブレーキ制御装置において制御装置SEがペダルセンサ装置PSと接続されていてよく、ブレーキ制御装置は、車両のブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの操作を判定するためにセットアップされ、制御装置SEは、ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの操作から運転者によるブレーキ要求を推定するためにセットアップされる。
【0060】
さらに、ブレーキ制御装置10およびその制御装置SEが接続されていてよい、車両の液圧ブレーキ設備HBおよび/または別のブレーキ装置WBで、第2のブレーキトルクM2をブレーキ要求のもとで生成することができ、これが第1のブレーキトルクの最小値minM1と共同で、所定の全体ブレーキトルクを車両で生じさせることができる。
【0061】
図2は、電気機械でのブレーキトルクのグラフを示している。
【0062】
図2aには、電気機械が自ら生成することができ、車両が動くときに電気機械も共に回転することができる、角速度ωに換算された車両の速度に対する第1のブレーキトルクM1の依存性が示されている。このとき、第1のブレーキトルクの最小値minM1を生成可能であり得る最大の速度ω
maxを定義することができる。
【0063】
これよりも低い速度では、双曲線出力に基づいていっそう高い第1のブレーキトルクを生成することができるという利点があり、たとえば車両でのシステム設計(電気機械および/またはバッテリ充電)のために、最大のトルクM1maxも定義することができる。そして過負荷動作のために、双曲線をP0へとずらすことができる。
【0064】
図2bでは、(それぞれのセンサ機構からの)アクセルペダルGPとブレーキペダルBPが時間tに対して示されている。アクセルペダルGPはt1からtnの間には放されていてよい。この時間中、電気機械で一定の第1のブレーキトルクM1を生成することができる。そしてブレーキペダルBPがt2とt3の間で操作されると、
図2bの一番下の図のように、第1のブレーキトルクに加えて、たとえば最小値minM1に加えて、一定の追加トルクを追加することができる。あるいはその一方で、ブレーキペダルBPでの偏向または圧力の程度に合わせて適合化された、変更された追加トルクを第1のブレーキトルクのために生成することもできる(3番目の図)。これはt2で、またはそれよりも後の時点t4で始まって、t3で終わることができる。
【0065】
図3は、本発明の1つの実施例に基づく、車両のためのブレーキ制御装置を作動させる方法の各方法ステップのブロック図を示している。
【0066】
車両のブレーキアクションを制御するために、車両のためのブレーキ制御装置を作動させる方法では、本発明によるブレーキ制御装置によってブレーキアクションを実行するためのブレーキ要求および/または必要性が認識S1されることと、ブレーキブースタ装置の動作失陥または動作不良が認識S2されることと、発電機ブレーキトルクとしての電気機械の第1のブレーキトルクの最小値が判定S3されることとが行われ、第1のブレーキトルクの最小値は、電気機械により生成可能なすべての車両速度で最小の絶対値を有するブレーキトルクに相当し、および、ブレーキブースタ装置の動作失陥または動作不良のもとで、かつブレーキ要求および/またはブレーキアクションの必要性のもとで、電気機械により第1のブレーキトルクの少なくとも最小値が生成S4されることが行われる。
【0067】
好ましい実施例を取りあげて本発明を上で全面的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、多様な仕方で改変可能である。
【符号の説明】
【0068】
10 ブレーキ制御装置
BV ブレーキブースタ装置
EM 電気機械
F 車両
M1 第1のブレーキトルク
M2 第2のブレーキトルク
minM1 最小値
PS ペダルセンサ装置
SE 制御装置
WB 別のブレーキ装置
【手続補正書】
【提出日】2023-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のブレーキアクションを制御可能である、車両(F)のためのブレーキ制御装置(10)において、
車両のブレーキブースタ装置(BV)および電気機械(EM)と接続された、または接続可能である、制御装置(SE)を含み、前記制御装置(SE)は、
前記ブレーキブースタ装置(BV)の動作失陥または動作不良を認識し、
発電機ブレーキトルクとしての前記電気機械(EM)の第1のブレーキトルク(M1)の最小値(minM1)を認識および/または認知するためにセットアップされ、前記第1のブレーキトルク(M1)の前記最小値(minM1)は、前記電気機械(EM)により生成可能なすべての車両速度において最小の絶対値を有するブレーキトルクに相当し、および前記制御装置は、
前記ブレーキブースタ装置(BV)の動作失陥または動作不良が認識されたときにブレーキ要求について前記電気機械(EM)により前記第1のブレーキトルク(M1)の少なくとも前記最小値(minM1)が生成されるように、前記電気機械(EM)を作動させるようにセットアップされる、ブレーキ制御装置。
【請求項2】
ペダルセンサ装置(PS)を含み、および/または前記制御装置(SE)は前記ペダルセンサ装置(PS)と接続されて、車両でのブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの操作を判定するためにセットアップされ、前記制御装置(SE)は、ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの操作から運転者によるブレーキ要求を推定するためにセットアップされる、請求項1に記載のブレーキ制御装置(10)。
【請求項3】
前記ペダルセンサ装置(PS)は前記ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの圧力および/または力および/または位置を認識するためにセットアップされ、前記制御装置(SE)は、前記ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの前記圧力および/または力および/または位置からブレーキ要求の程度を推定し、これを少なくとも部分的に前記電気機械で第1のブレーキトルク(M1)として生成するためにセットアップされる、請求項2に記載のブレーキ制御装置(10)。
【請求項4】
さらに前記制御装置(SE)は、
前記アクセルペダルが放されたことを認識し、前記最小値よりも大きい、もしくはこれに等しい、一定の第1のブレーキトルクを前記電気機械(EM)に要求するために、および/または、
前記ブレーキペダルの操作を前記ペダルセンサ装置(PS)を通じて認識し、前記ブレーキ要求の程度に依存して前記第1のブレーキトルクを生成するために、および/または、
前記ブレーキペダルの操作を別のセンサ機構を通じて認識し、前記最小値よりも大きい、もしくはこれに等しい、一定の第1のブレーキトルクを要求するために、および/または、
前記ブレーキペダルの操作を別のセンサ機構を通じて認識し、前記第1のブレーキトルクを所定の特性曲線に従って要求するために、
セットアップされる、請求項2または3に記載のブレーキ制御装置(10)。
【請求項5】
前記制御装置(SE)は液圧ブレーキ設備および/または別のブレーキ装置と接続され、ブレーキ要求があったときに前記液圧ブレーキ設備(HB)および/または前記別のブレーキ装置(WB)で、前記第1のブレーキトルクの前記最小値(minM1)と共同で所定の全体ブレーキトルクを車両で生じさせる第2のブレーキトルク(M2)を生成するためにセットアップされる、請求項1から
3までのいずれか1項に記載のブレーキ制御装置(10)。
【請求項6】
前記制御装置(SE)は車両のバッテリと接続され、前記バッテリの充電状態を認知もしくは判定し、および/または前記電気機械(EM)の容認可能な過負荷動作を認知もしくは判定し、所定の時間の間、前記最小値よりも大きい前記第1のブレーキトルク(M1)を前記電気機械(EM)の前記容認可能な過負荷動作に基づいて要求し、および/または前記最小値よりも大きい前記第1のブレーキトルクを前記バッテリの容認可能な過負荷状態で要求するためにセットアップされる、請求項1から
3までのいずれか1項に記載のブレーキ制御装置(10)。
【請求項7】
車両のブレーキアクションを制御するために、車両(F)のためのブレーキ制御装置(10)を作動させる方法において、次の各ステップを含み、
請求項1から
3までのいずれか1項に記載のブレーキ制御装置(10)によってブレーキアクションを実行するためのブレーキ要求および/または必要性が認識(S1)されることと、
前記ブレーキブースタ装置(BV)の動作失陥または動作不良が認識(S2)されることと、
発電機ブレーキトルクとしての前記電気機械(EM)の第1のブレーキトルク(M1)の最小値(minM1)が判定(S3)されることとを含み、前記第1のブレーキトルク(M1)の前記最小値(minM1)は、前記電気機械(EM)により生成可能なすべての車両速度で最小の絶対値を有するブレーキトルクに相当し、および、
前記ブレーキブースタ装置(BV)の動作失陥または動作不良のもとで、かつブレーキ要求および/またはブレーキアクションの必要性のもとで、前記電気機械(EM)により前記第1のブレーキトルク(M1)の少なくとも前記最小値(minM1)が生成(S4)されることとを含む、方法。
【請求項8】
ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルでのペダル操作によるブレーキ要求のもとでペダルセンサ装置(PS)および/または別のセンサ機構によって前記ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの圧力および/または力および/または位置が認識され、前記ブレーキペダルおよび/またはアクセルペダルの前記圧力および/または力および/または位置からブレーキ要求の程度が推定され、一定の、または当該程度に依存する、第1のブレーキトルクが生成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アクセルペダルが放されたことが認識され、前記最小値よりも大きい、もしくはこれに等しい、一定の第1のブレーキトルクが前記電気機械(EM)に要求され、および/または
前記ペダルセンサ装置(PS)を通じて前記ブレーキペダルの操作が認識され、前記ブレーキ要求の程度に依存して前記第1のブレーキトルクが生成され、および/または
別のセンサ機構を通じて前記ブレーキペダルの操作が認識され、前記最小値よりも大きい、もしくはこれに等しい、一定の第1のブレーキトルクが要求され、および/または
別のセンサ機構を通じて前記ブレーキペダルの操作が認識され、所定の特性曲線に従って前記第1のブレーキトルクが要求される、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
液圧ブレーキ設備(HB)および/または別のブレーキ装置(WB)でブレーキ要求のもとで第2のブレーキトルク(M2)が生成され、これが前記第1のブレーキトルクの前記最小値(minM1)と共同で車両の所定の全体ブレーキトルクを生じさせる、請求項
7に記載の方法。
【国際調査報告】