(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネートの新規結晶形
(51)【国際特許分類】
C07D 471/16 20060101AFI20240614BHJP
A61P 27/14 20060101ALI20240614BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240614BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20240614BHJP
A61K 31/4375 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
C07D471/16 CSP
A61P27/14
A61P17/00
A61P17/04
A61K31/4375
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578948
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 EP2022066945
(87)【国際公開番号】W WO2022268849
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519418237
【氏名又は名称】ジェイダブリュー・ファーマシューティカル・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】JW PHARMACEUTICAL CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン,キム トローンセゴー
(72)【発明者】
【氏名】ラーセン,フレミング ホフマン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB09
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA89
(57)【要約】
1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネートの新規結晶形、それを含む医薬組成物が提供される。また、アトピー性皮膚炎(AD)、痒み(itch)、掻痒症(pruritus)及び様々な形の蕁麻疹(urticaria)、例えば、慢性特発性蕁麻疹亜型などの疾患の治療のための新規結晶形の使用が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凡そ約2θ=8.6、11.9及び/又は15.8(±0.2度)の(°2θ)で一つ以上のXRPD反射を特徴とする結晶性1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネート一水和物。
【請求項2】
約(°2θ)8.6、11.9、15.8及び/又は25.8(±0.2度)で一つ以上のXRPD反射を有することを特徴とする請求項1に記載の結晶性化合物。
【請求項3】
約(°2θ)8.6、9.9、11.9、13.3、15.8、16.1、17.3及び/又は21.7(±0.2度)で一つ以上のXRPD反射を特徴とする請求項1又は2に記載の結晶性化合物。
【請求項4】
約8.6、11.9及び15.8(±0.2度)で一つ以上のXRPD反射を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の結晶性化合物。
【請求項5】
約(°2θ)8.6、11.9、15.8及び25.8(±0.2度)で一つ以上のXRPD反射を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の結晶性化合物。
【請求項6】
約(°2θ)8.6、9.9、11.9、13.3、15.8、16.1、17.3及び21.7(±0.2度)で一つ以上のXRPD反射を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の結晶性化合物。
【請求項7】
前記結晶性化合物が、
図1のXRPDパターンと本質的に類似したXRPDパターンを有する請求項1~6のいずれか1項に記載の結晶性化合物。
【請求項8】
図1のXRPDパターンに従ったXRPDパターンを有する請求項1~6のいずれか1項に記載の結晶性化合物。
【請求項9】
前記結晶性化合物が、180、60.0、50.3及び/又は34.2ppm±0.2ppmのうちの一つ以上でピークを有する固体
13C CP/MAS NMRスペクトルを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の結晶性化合物。
【請求項10】
前記結晶性化合物が、180、146.7、140.5、138.1、130.1、118.2、60.0、56.8、50.3及び/又は34.2ppm±0.2ppmのうちの一つ以上でピークを有する固体
13C CP/MAS NMRスペクトルを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の結晶性化合物。
【請求項11】
図5の
13C CP/MAS NMRスペクトルと本質的に類似した
13C CP/MAS NMRスペクトルを有することを特徴とする請求項9又は10に記載の結晶性化合物。
【請求項12】
図5の
13C CP/MAS NMRスペクトルに従った
13C CP/MAS NMRスペクトルを有することを特徴とする請求項9又は10に記載の結晶性化合物。
【請求項13】
約(°2θ)8.6、9.9、11.9、13.3、15.8、16.1、17.3及び21.7(±0.2度)で一つ以上のXRPD反射をさらに特徴とする請求項9~13のいずれか1項に記載の結晶性化合物。
【請求項14】
結晶性化合物が、表1に示される単結晶X線結晶構造解析(SXRC)パラメータを有することを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の結晶性化合物。
【請求項15】
約138.4±2℃で開始値を有する吸熱イベントを含むDSC曲線を有する請求項1~14のいずれか1項に記載の結晶性塩。
【請求項16】
1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンとコハク酸とのモル比が、2:1.2~2:0.8の範囲、好ましくは約2:1であることを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の結晶性化合物。
【請求項17】
1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネートと水とのモル比が、1:0.8~1:1.2の範囲、好ましくは約2:1であることを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の結晶性化合物。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の結晶性塩及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項19】
アトピー性皮膚炎、痒み、掻痒症及び様々な形態の蕁麻疹から選択される疾患の治療に使用するための請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物又は医薬組成物。
【請求項20】
蕁麻疹形態が、慢性特発性蕁麻疹亜型を含むことを特徴とする請求項19に記載の化合物又は医薬組成物。
【請求項21】
慢性特発性蕁麻疹亜型が、コリン性蕁麻疹を含むことを特徴とする請求項20に記載の化合物又は医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネートの新規結晶形、1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネートを含む医薬組成物、ならびにアトピー性皮膚炎(AD)、痒み、痒症及び様々な形の蕁麻疹、例えば慢性特発性蕁麻疹亜型、例えばコリン性蕁麻疹などの疾患の治療のための新規結晶形の使用に関する。また、本発明の結晶形の製造方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第9586959号は、数ある化合物の中でも、化合物1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミン及びその薬学的に許容される塩及びそれを含む医薬組成物に関するものである。この特許文献1は、化合物1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンの多数の塩の製造を開示している。
【0003】
1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンは、強力なヒスタミン4受容体阻害効果を示し、肥満細胞、好酸球などの炎症細胞のヒスタミン誘導浸潤を抑制する効果を示している。従って、この化合物は、強力な抗炎症及び抗痒み効果を有しているので、ADを含む特許文献1に開示されているような様々な疾患の治療に有用である。
【0004】
化学化合物の異なる結晶性固体形態は、医薬品の選択された有効成分として多かれ少なかれ適合できるようにする化学的安定性、物理的安定性、吸湿性、融点、溶解度、溶解速度、形態及びバイオアベイラビリティなどの明確な物理的特性を有することがある。
【0005】
また、化学物質はいくつかの異なる結晶性固体の形態で存在する可能性があり、これらには同じ統合式を共有する異なる様々な多形性の形態(例:無水化物)と同じ統合式を共有しない同じ化学物質の様々な溶媒和物(例:半水和物、一水和物及び二水和物)が含まれる。このような結晶性固体形態は、異なる結晶構造を有し、物理的特性が多様である。異なる結晶性固体形態は、例えば、融点、XRPDパターン、スペクトル特性(例:FT-IR、Raman及びSS-NMR)及びその他の物理的・化学的特性などによって互いに区別することができる。化学物質は非晶質形態で存在することもある。
【0006】
従って、選択された実際の結晶形は、医薬品有効成分の開発及び製造において重要な役割を果たしている。単結晶形が求められる場合は、結晶化工程が頑健であり、多形的に純粋な態で目的の結晶形態を安定的に生成して、関連製造工程及び/又は保管中に結晶形態が変化しない(例えば、異なる結晶形態に相互変換)ことが重要である。
【0007】
本発明による新規な結晶形は、ヘミスクシネート、すなわち、コハク酸の各分子に対して結晶格子に2つの分子の1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジンのある塩形態である。
【0008】
1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジンの多くの異なる塩が確認された。一部の塩は、乾燥時に相互変換したり、比較的低温で水を失ったりするいくつかの形成形態の無水化物、一水和物及び二水和物として存在するので、医薬品開発には適していない。
【0009】
1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネート一水和物の1つの結晶形が確認された(以下、形態Fという)。
【0010】
形態Fはチャンネル水和物であり、一般にチャンネル水和物/溶媒和物は、溶媒分子がチャンネル内外に容易に出入りし、結晶格子の崩壊を引き起こすため、あまり安定ではない。形態Fの場合、水分子はコハク酸分子と同じ分子平面に位置し、水和物を安定化させ、形態Fを錠剤などの固形医薬品に使用するのに特に有用となる。さらに、形態Fは、結晶格子を崩壊させことなく、60℃の真空オーブンなどの中程度の乾燥条件下で乾燥することができる(
図8参照)。また、形態Fは、大規模な乾燥に適していることが分かった。
【0011】
また、晶癖と粒径分布は、形態Fのバッチ間で非常に類似しており、粒径分布データは医薬品の加工性と関連して有望である。
【0012】
実験により、形態Fは、非晶質化を起こすことなく微細化を許容することが実証された。
【0013】
さらに、形態Fは、より高い薬物負荷を許容するヘミスクシネート塩である。これは、高用量の場合や、患者のコンプライアンスを最大限高めるために、錠剤をできるだけ小さく保つために非常に有益である。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、凡そ約2θ=8.6、11.9及び/又は15.8(±0.2度)の(°2θ)で一つ以上のXRPD反射を特徴とする結晶性1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネート一水和物に関する。
【0015】
本発明はまた、前記結晶形及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0016】
一実施態様において、本発明は、アトピー性皮膚炎、痒み、掻痒症及び慢性特発性蕁麻疹亜型を含む様々な形態の蕁麻疹から選択される疾患の治療のための、前記の化合物又は医薬組成物に関する。
【0017】
本発明の基本となる技術的課題は、1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンの他の結晶性及び/又は非晶質形態の欠点、例えば、様々な湿度と結晶化プロセス中の結晶形成能力、ろ過特性、溶解度、熱力学的特性、(例えば、水分吸収による)安定性n問題、密度及び変形(例えば、他の多形形態又は水和物/無水物への相互変換)を回避することである。
【0018】
定義
本明細書で使用される用語「rt」又は「室温」は、適用される温度が重要ではなく、正確な温度値を保持する必要がないことを示す。通常、「rt」又は「室温」は、約15℃~約25℃の温度を意味すると理解される[例えば、EU薬局方7.5、1.2(2012)参照]。
【0019】
本明細書で使用される用語「溶媒和物」は、溶媒分子が化学量論的又は非化学量論的方式で化合物の結晶格子に組み込まれた結晶性化合物を表す。溶媒分子が水である場合、本明細書では「水和物」という用語が使用される。
【0020】
水和物の形態は、1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネート分子に対する水分子のモル比率により決定される。
【0021】
「一水和物」という用語は、1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネート1モル当たり水0.8~1.2モルを意味する。
【0022】
本明細書で使用される用語「非吸湿性」は相対湿、約0%~80%の間の薬物物質の質量増加が0.2重量%未満であることを示す。
【0023】
本発明の文脈において、用語「XRPD反射ピーク」は、XRPDパターンにおける特定の2θ位置を示し、ここで、信号対雑音(欧州薬局方の項目2.2.46に従って計算)は3/1より大きい。「ピークの不在」は、本明細書では、本発明の化合物のサンプルのXRPDにおける最高ピークの最大1%、例えば、0.5%又は0.2%の強度を有するピーク、すなわち、バックグラウンドシグナルを上回る検出可能なXRPDピークを有さないピークと定義される。
【0024】
XRPDパターンにおいて、回折線プロファイルの主な特徴は、2θ位置、ピーク高さ、ピーク面積及び形状(例えば、ピーク幅又は非対称、解析関数、経験的表現によって特徴づけられる)である。例えば、強度は、サンプル製剤によって影響され、ピークの幅は粒径によって影響されるため、2θ位置が最も重要な要素である。X線回折実験では、回折ピークに加えて、XRPDパターンにピークが重なる多かれ少なかれ均一なバックグラウンドが生成される。サンプル製剤以外にも、例えば、サンプルホルダ、空気及び装置からの拡散散乱、検出器のノイズ、X線管からの一般的な放射線などのその他の機器パラメータなどの因子もバックグラウンドに影響を及ぼす。ピーク対バックグラウンド比は、バックグラウンドの最小化及び/又は長時間の露光時間の選択によって増加させることができる。
【0025】
略語
DSC:時差注射熱量計
DVS:動的蒸気吸着
TGA:熱重量分析
XRPD:X線粉末回折
13C CP/MAS NMR:13C交差分極マジックアングルスピニング核磁気共鳴
SXRD:単結晶X線回折
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】形態Fに対するXRPDパターン(3~60°2θ)
【
図2】形態Fに対するXRPDパターン(3~30°2θ)
【
図4】形態Fの絶対結晶構造を示すORTREP図。見やすくするために水素原子は除いた。
【
図5】形態Fの
13C CP/MAS NMRスペクトル。脂肪族炭素の積分値の合計は5.18となり、分子の側鎖の炭素4個とコハク酸分子の一つのCH
2からの炭素1個とよく一致しているため、これがヘミコハク酸塩であることが確認された。
【
図6】形態FのTGAを60℃の一定温度で24時間行った。
【
図8】形態FのXRPDを様々な期間60℃の真空中で保管した。高速XRPD(9分)及び一般XRPD(1時間)の各時点で記録された。
【
図9】粉末として製造された形態FのXRPD(上部回折パターン)、5.5の圧力で製造された錠剤(中間回折パターン)及び7.0の圧力で製造された錠剤(下部回折パターン)。
【
図10】A)a軸、B)b軸、C)c軸及びD)分子平面に沿って示した形態Fの単結晶構造。炭素原子は灰色、窒素原子は青色、酸素原子は赤色、臭素原子はオレンジ色で表示される。b軸に沿って塩基環系が反対方向に積み重なっていることが分かり、分子平面に沿ってコハク酸と水が塩基分子間の平面に位置していることが分かる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
下記表1は、形態FのSXRDを示す。
単結晶X線分析
【表1】
【0028】
一実施態様において、本発明は、1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネートの結晶形に関する 。
【0029】
さらなる実施態様において、本発明は、XRPD反射が、約(゜2θ)8.6、11.9、15.8及び/又は25.8(±0.2度)で一つ以上のXRPD反射を含む、前記で定義した結晶性化合物に関する。
【0030】
さらなる一実施態様において、本発明は、XRPD反射、が約(゜2θ)8.6、9.9、11.9、13.3、15.8、16.1、17.3及び/又は21.7(±0.2度)で一つ以上のXRPD反射を含む、前記で定義した結晶性化合物に関する。
【0031】
さらなる実施態様において、本発明は、XRPD反射が、約8.6、11.9及び15.8(±0.2度)で一つ以上のXRPD反射を含む、前記で定義した結晶性化合物に関する。
【0032】
さらなる実施態様において、本発明は、XRPD反射が、約(゜2θ)8.6、11.9、15.8及び25.8(±0.2度)でXRPD反射を含む、前記で定義した結晶性化合物に関する。
【0033】
さらなる実施態様で、本発明は、XRPD反射が、約(゜2θ)8.6、9.9、11.9、13.3、15.8、16.1、17.3及び21.7(±0.2度)でXRPD反射を含む、前記で定義した結晶性化合物に関する。
【0034】
さらなる実施態様において、本発明は、
図1のXRPDパターンと本質的に類似したXRPDパターンを有する、前記で定義した結晶性化合物に関する。
【0035】
さらなる実施態様において、本発明は、
図1のXRPDパターンに従ったXRPDパターンを有する、前記で定義した結晶性化合物に関する。
【0036】
さらなる実施態様において、本発明は、180、60.0、50.3及び/又は34.2ppm±0.2ppmのうちの一つ以上でピークを有する固体13C CP/MAS NMRスペクトルを特徴とする、前記で定義した結晶性化合物に関する。
【0037】
さらなる実施態様において、本発明は、180、146.7、140.5、138.1、130.1、118.2、60.0、56.8、50.3及び/又は34.2ppm±0.2ppmのうちの一つ以上でピークを有する固体13C CP/MAS NMRスペクトルを特徴とする、前記で定義した結晶性化合物に関する。
【0038】
さらなる実施態様において、本発明は、
図5の
13C CP/MAS NMRスペクトルと本質的に類似した
13C CP/MAS NMRスペクトルを有することを特徴とする、前記で定義した結晶性化合物に関する。
【0039】
さらなる実施態様において、本発明は、
図5の
13C CP/MAS NMRスペクトルに従った
13C CP/MAS NMRスペクトルを有する、前記で定義した結晶性化合物に関する。
【0040】
さらなる実施態様において、本発明は、約(゜2θ)8.6、9.9、11.9、13.3、15.8、16.1、17.3及び21.7(±0.2度)で一つ以上のXRPD反射をさらに特徴とする、前記で定義された13C CP/MAS NMRスペクトルを有する、結晶性化合物に関する。
【0041】
さらなる実施態様において、本発明は、約138.4±2℃で開始値を有する吸熱イベントを含むDSC曲線を有する前記の結晶性化合物に関する。
【0042】
本発明のさらなる実施態様において、形態Fは、表1に提供されたものと実質的に同じ単結晶パラメータを有することを特徴とする。
【0043】
本発明のより特に好ましい実施態様において、形態Fは、
図4に示すような単結晶X線結晶構造解析(SXRC)によって得られる構造を有する。
【0044】
さらなる実施態様において、本発明は、1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネートとコハク酸とのモル比が、2:1.2~2:0.8の範囲、好ましくは約2:1である前記の結晶性化合物に関する。
【0045】
さらなる実施態様において、本発明は、1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネートと水とのモル比が、1:0.8~1:1.2の範囲、好ましくは約2:1である前記の結晶性化合物に関する。
【0046】
形態Fの製造方法
本発明の結晶形は、遊離塩基の形態の1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンを低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール及びこれらの混合物)、アセトン、アセトニトリル、低級アルキルアセテート(例えば、酢酸エチル及び酢酸プロピル)、テトラヒドロフラン及びそれら溶媒と様々な量の水及び/又は液体炭化水素(例えば、ヘキサン及びヘプタン)の混合物などの適した溶媒で、室温で結晶化するか、又は室温下の温度、例えば、0℃以下、好適には-18℃に冷却して製造することができる。
【0047】
具多的な一実施態様において、溶媒は1-プロパノールであり、結晶化は室温又は室温以上、又は-18℃のなどの低温で行われる。
【0048】
本発明の結晶形は、必要量のコハク酸の存在下、適当な溶媒中で遊離塩基を加熱し、水を添加した後、反応混合物を冷却することによって形成される。
【0049】
コハク酸の量は、1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミン1当量に対して、好適には0.5~0.6、より好適には0.55当量である。
【0050】
1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンを、適切には反応混合物を40℃に加熱し、溶媒中に懸濁させ、大部分の1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンが溶解すれば、少量の水を添加する。水の量対溶媒の量は、適切には1:15~1:25の範囲、適切には1:20の範囲である。
【0051】
本発明の結晶性形態Fは、例えば、1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンのスルフェート塩を製造するためにはるかに多量の強酸から製造される塩の形態と比較して、より穏やかな反応条件、すなわち、約0.5当量の弱酸コハク酸が使用されるので、他の塩の形態よりも有利である。
【0052】
穏やかな反応条件のため、最終的な塩形成中に1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミン分子の分解が実質的になく、不純物の負担が著しく低く、主に分解が減少した結果、より高純度の製品が得られる。
【0053】
本発明のさらなる態様は、本発明の結晶性化合物及び少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物に関する。医薬組成物は、経口剤形、好ましくは錠剤及び/又はカプセルであってもよい。
【0054】
さらに、本発明は、固形薬剤の製造のための本発明の結晶性化合物の使用に関する。
【0055】
別の実施態様において、本発明は、有効量の本発明の結晶性化合物及び薬学的に許容される担体を含む固体医薬組成物、並びにその製造方法に関する。また、本発明は、アトピー性皮膚炎(AD)、痒み、掻痒症及び様々なタイプの蕁麻疹のいずれかのような疾患及び障害を含む、米国特許第9586959号に記載の疾患又は障害のいずれかの治療に使用するための、本発明の医薬組成物及び/又は本発明の結晶性化合物に関する。
【0056】
本発明の結晶性化合物を含む本発明の医薬組成物は、一つ以上の薬学的に許容される賦形剤をさらに含むことができる。このような賦形剤は、好ましくは、希釈剤、甘味剤、緩衝剤、滑沢剤、流動化剤、香味剤、潤滑剤、保存剤、界面活性剤、湿潤剤、結合剤、崩壊剤及び増粘剤からなる群から選択される。医薬組成物分野で公知された他の賦形剤も使用することができる。また、医薬組成物は、前記群のうちの1つ内の2つ以上の賦形剤の組み合わせを含むこともできる。
【0057】
本発明の結晶性化合物を含む本発明の医薬組成物に使用できる適切な結合剤は、例えば、メチルセルロースなどのアルキルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシブチルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのヒドロキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロースのアルカリ金属塩、カルボキシメチルエチルセルロースなどのカルボキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロースエステル、デンプン1551などのデンプン、ナトリウムカルボキシメチルデンプンなどの変性デンプン、ペクチン、キトサン、ヘパリン及びヘパリノイドなどのキチン誘導体、アルギン酸などの多糖類、アルカリ金属及びそのアンモニウム塩、カラギーナン、ガラクトマンナン、トラガカント、寒天、アラビアガム、グアーガム及びキサンタンガム、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、メタクリル酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ビニルアセテートとポリビニルピロリドンとの共重合体、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド及びエチレンオキサイドとプロピレンオキシドの共重合体、例えば、ポロキサマー及びポロキサミン、コポビドンをさらに含む。
【0058】
本発明の結晶性化合物を含む本発明の医薬組成物に使用できる適切な希釈剤は、例えば、炭酸カルシウム、イ塩基性リン酸カルシウム、イ塩基性リン酸カルシウム二水和物、三塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ化微晶質セルロースを含む微晶質セルロース、粉末セルロース、デキストレート、デキストリン、デキストロース賦形剤、フルクトース、カオリン、ラクチトール、無水ラクトース、ラクトース一水和物、マンニトール、ソルビトール、デンプン、変性デンプン、塩化ナトリウム、スクロース、圧縮性砂糖、製菓用砂糖、ラクトース一水和物と微晶質セルロース(75:25)の噴霧乾燥混合物(Microcelac(登録商標)として市販されている)、微晶質セルロースとコロイド状二酸化ケイ素(98:2)の空洞処理された噴霧乾燥混合物(Prosolv(登録商標)として市販されている)をさらに含む。
【0059】
本発明の結晶性化合物を含む本発明の医薬組成物に使用できる適切な滑沢剤は、例えば、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、デンプン及びステアリン酸マグネシウムをさらに含む。
【0060】
本発明の結晶性化合物を含む本発明の医薬組成物に使用できる適切な崩壊剤は、例えば、デンプン、イオン交換樹脂、例えば、アンバーライト、架橋ポリビニルピロリドン、改質セルロースコム、例えばクロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ドデシル硫酸ナトリウム、変性コーンスターチ、微晶質セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、アルギン酸、アルギネート及び粉末セルロースをさらに含む。
【0061】
本発明の結晶性化合物を含む本発明の医薬組成物に使用できる適切な潤滑剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸マグネシウムをさらに含む。
【0062】
いくつかの製剤、例えば錠剤は、本発明の結晶性化合物と同じ位置又は領域でXRPD反射ピークを有するか、又は広いピークを有する成分を含有することができる。これらは、純粋な結晶性塩単独とは対照的に、本発明の結晶性化合物を含む製剤に対してXRPD実験を行う場合、本発明の結晶性化合物のXRPDパターン又はピークの一部を隠す可能性がある。すなわち、本発明の結晶性化合物の製剤に対してXRPD実験を行った場合、本発明の結晶性化合物のすべてのXRPD反射ピークを常に見ることはできない。
【0063】
従って、一実施態様によれば、本発明は、薬学的に許容されるビヒクル、賦形剤又は薬学的に許容される担体(複数可)とともに本願に定義される結晶性化合物を含む医薬組成物に関し、ここで、前記薬学的に許容されるビヒクル、賦形剤又は薬学的に許容される担体(複数可)は、本発明の結晶性化合物の一つ以上のXRPD反射ピークと重なり、隠れる一つ以上のXRPD反射ピークを含むXRPD反射ピークを示す一つ以上の成分を含む。
【0064】
固体NMRでも同じ問題が発生する可能性があり、例えば、セルロース成分からの強い信号がスペクトル領域60~110ppmに予想され、スペクトル領域15~40ppmでステアレートからのピークが172ppm付近のカルボニルピークとともに観察される。
【0065】
従って、一実施態様によれば、本発明は薬学的に許容されるビヒクル、賦形剤又は薬学的に許容される担体(複数可)とともに本願に定義された結晶性化合物を含む医薬組成物に関し、ここで、前記薬学的に許容されるビヒクル、賦形剤又は薬学的に許容される担体(複数可)は、本発明の結晶性化合物の一つ以上の13C CP/MAS NMRピークと重なり、隠れる一つ以上のピークを含み得る13C CP/MAS NMRスペクトルを特徴とする一つ以上の成分を含む。
【0066】
任意の結晶形態のl-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミン又はその塩から得たXRPDパターンを、実施例1から得られ、
図1に示された形態FのXRPDパターンと比較して、1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンの他の結晶形の不在を検査することができる。この比較のために、
図1に示されたXRPDパターンは、本発明の形態Fの100%純粋な結晶性化合物のXRPDパターンとみなすことができる。
【0067】
本願に開示される多形形態を特徴付けるために使用された試験方法に対する説明
XRPD:
XRPDパターンは、入射CuKα放射線を使用し、45kV及び40mAで動作するPANalytical X’pert Empyrean回折計で収集された。XRPDパターンは、3~60度の2θ範囲で0.013°のステップのサイズ、198.645秒の計数時間及び透過形状で収集されたた。25回繰り返してまとめた。入射ビーム経路には、放物線形のビームCuW/Si(ハイブリッドMPD)モノクロメイトと10mm固定マスク、固定散乱防止スリット1/8°及び1/16°の固定発散スリットを共に配置して、CuKαX線がサンプルを通過して検出器上に集中させた。回折ビーム経路には、空気から生成されるバックグラウンドを最小化するために、長い散乱防止延長線を配置した。また、入射及び回折ビーム経路の両方に0.02radのソーラースリットを配置して軸方向発散による広幅化を最小化した。
【0068】
XRPDで測定された強度は、サンプルの配向(配向効果)により同じ結晶構造のサンプル間にかなり異なる場合がある。XRPDで測定された強度は、実験誤差も含まれる。測定されたピーク強度は、使用された装置、使用された試験条件、サンプルサイズ、材料の結晶化度(構造的順の度合い)及びサンプル製剤のような様々な実験要因によって異なる。
【0069】
より良い粒子統計のために、サンプルを3μm厚さのフォイル上に置き、16秒の速度で一回転させた。回折パターンから240mmの位置にある活性長さが3.347°のPIXel RTMS検出器を使用して収集された。
【0070】
SS-NMR
13C及び1Hについて、それぞれ150.9及び600.13MHzのLarmor周波数で動作するBruker Avance III HD 600 NMR機器を使用して、固体13C交差分極(CP)マジックアングルスピニング(MAS)NMRスペクトルを記録した。実験は、4mm(外径、o.d.)スピンナーが取り付けられた二重調整CP/MASプローブを使用して行った。すべてのサンプルは、4mm(o.d.)ジルコニアスピンナーにパッキングされた。CP/MASNMRスペクトルは、獲得中の可変振幅交差分極及び高出力プロトンデカプリング(TPPM)を使用して記録された。作動条件は以下の通りである:温度:294K;接触時間:6ms;リサイクル遅延:16秒、128スキャン;スピン速度14.1kHz。化学シフトは、α-グリシンの外部サンプル(テトラメチルシランの信号に対して176.5ppmに割り振られたカルボニル炭素化学シフト)を基準とした。
【0071】
TGA
熱重量分析(TGA)
TA Instruments社製のTGA550機器を使用してTGA実験を行った。測定のために、約1-10mgのサンプルをセラミックパンに入れた。サンプル温度を10℃/分で25℃~500℃まで昇温した。パージガスとして窒素を50mL/分の流量で使用した。
【0072】
DSC
時差注射熱量計(DSC)
DSC:窒素雰囲気下で加熱速度10℃/分。測定のために、約1~2mgのサンプルを開放型アルミニウムパンに入れた。TA Instruments社製からの機器Q20。
【0073】
DVS:
機器:DVS理点
方法:物質約5mgをAlパンに添加し、開放ループモードを使用して、20-30-40-50-60-70-80-70-60-50-40-30-20-10-0-10-20-30-40-50-60-70-80-90-80-70-60-50-40-30-20-10-0%RHに従って2サイクル連続中に段階的RH変更に露出させた。200mL/分のガス流量と25℃を使用して実験を行った。適用されたdm/dt基準は、5分間のウィンドウの間、0.001重量%/分であり、基準はないが6時間に設定された0%RHのステップを除いてすべてのステップで最大許容時間は150分であった。
【0074】
単結晶X線回折
データは、アトラスCCD領域検出器を備えたSuperNova、二重回折計を使用して収集した(温度:120(2)K;CuKa放射線λ=1.5418Å;データ収集方法:ωスキャン)。詳細は、前記の表を通じて確認することができる。構造を解釈するために使用されたプログラム:CrysAlisPro, Agilent Technologies, Version 1.171.37.34 (release 22-05-2014 CrysAlis171 .NET), ShelXL (Sheldrick, 2008):構造改良に使用及びOlex2 (Dolomanov et al., 2009):ORTEP構造作成に使用。
【0075】
特許請求の範囲に記載されたものを含め、分光学的特性について本出願で与えられた誤差範囲は、分光学分野の当業者によく知られた要因に多かれ少なかれ依存する可能性があり、サンプル製剤、例えば、粒径分布、又は結晶形態が製剤の一部である場合、製剤の組成だけでなく機器変動及びその他の要因により変わり得る。。
【0076】
以下に、本発明を、例示的で非限定的な実施例によってさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0077】
実施例1:1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミンヘミスクシネート一水和物の製造
1-(8-ブロモピリド[2,3-e][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-4-イル)-N-メチルアゼチジン-3-アミン(1.0当量)及びコハク酸(0.55当量)を混合した。1-プロパノール(40mL/g)を加えた。反応混合物を40℃に加熱し、不活性雰囲気下で撹拌した。水(2mL/g)を加え、反応混合物を40℃で30分間撹拌した後、60分かけて20℃に冷却させた。生成された混合物を20℃で18時間撹拌した。
【0078】
反応混合物をろ過し、ろ過ケーキを1-プロパノール(5mL/g)で洗浄した後、真空下50℃で乾燥させた。分離された結晶性化合物の1H NMRでヘミスクシネートの存在を確認した(1H NMR(600 MHz): 9.95 ppm (s, 1H), 8.89 ppm (d, J=2.3 Hz, 1H), 8.58 ppm (d, J = 2.3 Hz, 1H), 4.78-5.01 ppm (m, 1H), 4.31-4.55 ppm (m, 2H), 3.94-4.10 ppm (m, 1H), 3.76 ppm (tt, J=4.9, 7.2 Hz, 1H), 2.33 ppm (s, 3H), 2.39 ppm (s, 2H, スクシネート))。スクシネートの積分が2つの水素の相対量にすぎないという事実により、モル比が1.0:0.5であることが確認された。
【0079】
【国際調査報告】