(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】解剖学的形状の再建及び/又は増大のための方法及び移植可能なプロテーゼ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/12 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
A61F2/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579225
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 US2022035059
(87)【国際公開番号】W WO2023278290
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507084844
【氏名又は名称】デボル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】パーカー,イアン,ケー.
(72)【発明者】
【氏名】レフンケ,ロバート,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】コネリー,アリス,エム.
(72)【発明者】
【氏名】グレイ,エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】パイン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】マルチェソー,ケリー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC11
4C097EE07
4C097FF03
(57)【要約】
解剖学的形状の再建及び/又は増大のためのプロテーゼ。プロテーゼは、ヒト乳房の解剖学的形状を再建し、及び/又は増大させるための三次元形態を有し得る。プロテーゼは、プロテーゼ内及びその周りの空いている空間を満たすために、脂肪及び/又は組織の内方成長を促すように構成され得る。プロテーゼは、複数の空洞を有する構造を用いて、脂肪及び/又は組織が構造を満たすと共にそれを通過し、並びに再建及び/又は増大された乳房の解剖学的形状を膨らませることを可能にし得る。プロテーゼは、プロテーゼの一方又は両方の端部からアクセス可能であり得る中空コアを含み得る。プロテーゼは、コアの周りに配置され、及びプロテーゼの所望の形状を作り出すために接合され得る複数のセグメント及び/又は材料層を使用して製作され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植可能なプロテーゼであって、
近位端部及び前記近位端部から離間された遠位端部を有する生体適合性材料の本体であって、
コア軸に沿って延在する中空コア構造であって、その近位端部における近位開口部及びその遠位端部における遠位開口部を含む中空コア構造と;
前記中空コア構造に取り付けられた複数の本体セグメントであって、前記中空コア構造の周りに周方向に配置され、前記複数の本体セグメントのそれぞれは、前記コア軸から離れる半径方向外向きの方向に延在する、複数の本体セグメントと;
前記複数の本体セグメントによって形成された複数の空洞であって、前記中空コア構造から離れる方に面して前記半径方向外向きの方向に配置された複数の空洞と
を含む本体
を含む移植可能なプロテーゼ。
【請求項2】
前記複数の本体セグメントのそれぞれは、隣接する本体セグメントに接続されて、前記複数の空洞を形成する、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項3】
前記本体の前記遠位端部に取り付けられた遠位材料層をさらに含む、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項4】
前記遠位層は、前記本体セグメントの1つ以上に取り付けられる、請求項3に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項5】
前記遠位層は、前記中空コアの前記遠位開口部を覆って、その前記遠位端部から前記中空コアへのアクセスを防止する、請求項4に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項6】
前記遠位層は、それを貫通する開口部を含み、前記開口部は、前記中空コアの前記遠位開口部と位置合わせされる、請求項4に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項7】
前記遠位層における前記開口部は、前記中空コアの前記遠位開口部よりも大きい、請求項6に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項8】
前記遠位層は、環状形態を有する、請求項6に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項9】
前記遠位端部に対向する前記本体の前記近位端部に取り付けられた近位材料層をさらに含み、前記近位層は、それを貫通する開口部を有し、前記開口部は、前記中空コアの前記近位開口部と位置合わせされて、前記近位層を通した前記中空コアへのアクセスを可能にする、請求項3に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項10】
前記近位層における前記開口部は、前記中空コアの前記近位開口部よりも大きい、請求項9に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項11】
前記近位層は、環状形態を有する、請求項9に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項12】
前記近位層は、前記本体セグメントの1つ以上に取り付けられる、請求項9に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項13】
各本体セグメントは、前記コア軸から離れる半径方向外向きの方向に延在する複数の本体層を含む、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項14】
各本体セグメントは、一緒に結合された本体層の複数の対を含む、請求項13に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項15】
本体層の各対の前記本体層は、一緒に結合される、請求項14に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項16】
前記本体は、円錐台形状を有する、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項17】
前記本体は、吸収性材料で形成される、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項18】
前記本体は、P4HB(ポリ-4-ヒドロキシブチレート)で形成される、請求項17に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項19】
前記本体は、組織浸透性である、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項20】
前記本体は、メッシュ生地で形成される、請求項19に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項21】
前記メッシュ生地は、組織浸透性である、請求項20に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項22】
前記複数の空洞は、脂肪及び/又は組織が前記本体を満たすと共にそれを通過し、及び前記移植可能なプロテーゼを膨らませることを可能にするように構成される、請求項19に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項23】
前記本体は、ヒト乳房の解剖学的形状を増大させ、及び/又は再建するように構成される、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項24】
移植可能なプロテーゼを製作する方法であって、
(a)複数の本体セグメントを、移植可能な生体適合性材料のシートに取り付ける行為と;
(b)行為(a)後、前記シートをチューブ形態に丸めて、コア軸の周りに中空コア構造を形成する行為であって、前記複数の本体セグメントは、前記中空コア構造から半径方向外向きの方向に延在し、及び前記コア軸の周りに周方向に配置される、行為と;
(c)行為(b)後、前記チューブ形態において前記シートを固定する行為と
を含む方法。
【請求項25】
行為(a)は、前記複数の本体セグメントのそれぞれを、前記コア軸と平行な方向に延在するように前記シート上に配置することと、前記コア軸を横断する方向において、前記シート上で前記複数の本体セグメントを互いに離間させることとを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
各本体セグメントの1つ以上の部分を、隣接する本体セグメントの1つ以上の部分に取り付けて、本体を形成する行為(d)をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記複数の本体セグメントを有する前記本体内に複数の空洞を形成する行為(e)をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
行為(e)は、前記コア軸に沿った方向に積み重ねられた空洞の複数の階層において前記複数の空洞を配置することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
行為(e)は、各階層で同じ形態を有するように前記空洞を形成することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
行為(e)は、第1の階層の前記空洞を第1の形態で形成することと、第2の階層の前記空洞を、前記第1の形態と異なる第2の形態で形成することとを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
行為(b)は、前記コア軸の周りで前記本体セグメントの部分を互いに離れて分離させて、前記複数の空洞を形成することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
各本体セグメントは、前記シートから離れる方向に延在する複数の本体層を含み、及び行為(d)は、各本体層を、隣接する本体層に取り付けることを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
各本体セグメントは、前記シートから離れる方向に延在する複数の本体層を含み、及び行為(d)は、対向する本体層の対を前記層の第1の縁に沿って互いに接合することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
行為(d)は、円錐台形状を有する前記本体を形成することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
行為(d)は、ヒト乳房の解剖学的形状を増大させ、及び/又は再建するための形態を有する前記本体を形成することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
前記本体セグメントは、吸収性材料で形成される、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
前記本体セグメントは、P4HB(ポリ-4-ヒドロキシブチレート)で形成される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記本体セグメントは、組織浸透性である、請求項24に記載の方法。
【請求項39】
前記本体は、メッシュ生地で形成される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記メッシュ生地は、組織浸透性である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
移植可能なプロテーゼであって、
三次元形態の生体適合性材料を有する本体であって、
コア軸に沿って位置する中空コアと;
前記中空コアの周りに周方向に配置される複数の本体セグメントであって、前記複数の本体セグメントのそれぞれは、前記コア軸から離れる半径方向外向きの方向に延在し、各本体セグメントは、材料のシートから製作された少なくとも4つの本体層を含み、前記シートは、第1の折り目及び前記第1の折り目を横断する第2の折り目の周りで折られる、複数の本体セグメントと;
前記複数の本体セグメントによって形成された複数の空洞であって、前記中空コアから離れる前記半径方向外向きの方向に面する複数の空洞と
を含む本体
を含む移植可能なプロテーゼ。
【請求項42】
前記本体層のそれぞれは、前記第2の折り目に沿って一緒に結合される、請求項39に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項43】
前記第2の折り目は、前記コア軸に平行な方向に延在する、請求項40に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項44】
前記第2の折り目は、前記第1の折り目を第1の折り目セグメントと第2の折り目セグメントとに分け、前記第1及び第2の折り目セグメントは、前記コア軸に対して半径方向に延在する、請求項41に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項45】
前記第1の折り目セグメントは、前記本体層の第1の対を一緒に結合し、及び前記第2の折り目セグメントは、前記本体層の第2の対を一緒に結合する、請求項44に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項46】
前記本体層の第1及び第2の対のそれぞれは、内側本体層及び外側本体層を含み、前記本体層の第1及び第2の対の前記内側本体層は、互いに面し、及び前記本体層の第1及び第2の対の前記外側本体層間に位置する、請求項45に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項47】
各本体層は、前記本体セグメントの近位端部から遠位端部まで延在する外周縁部を含み、前記本体層の第1及び第2の対のそれぞれの前記内側及び外側本体層は、前記本体セグメントの前記近位端部と前記遠位端部との間の前記外周縁部に隣接する第1の位置で互いに取り付けられる、請求項46に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項48】
前記本体セグメントの前記内側本体層は、前記近位端部と前記第1の位置との間の前記外周縁部に隣接する第2の位置で互いに取り付けられる、請求項47に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項49】
前記本体セグメントの各外側本体層は、前記近位端部と前記第1の位置との間の前記外周縁部に隣接する第2の位置において、隣接する本体セグメントの前記外側本体層に取り付けられる、請求項48に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項50】
前記本体セグメントの各外側本体層は、前記第1の位置と前記本体セグメントの前記遠位端部との間の第3の位置において、隣接する本体セグメントの前記外側本体層に取り付けられる、請求項48に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項51】
前記第1及び第2の折り目セグメントは、前記本体の前記近位端部に位置する、請求項47に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項52】
各本体セグメントの前記第1及び第2の折り目セグメントにおいて前記本体の前記近位端部に取り付けられた近位材料層をさらに含む、請求項51に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項53】
前記第2の折り目は、前記第1の折り目に対して垂直である、請求項41に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項54】
前記近位端部は、第1の直径を有し、及び前記遠位端部は、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する、請求項51に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項55】
前記本体は、円錐台形状を有する、請求項41に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項56】
前記本体は、吸収性材料で形成される、請求項41に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項57】
前記本体は、P4HB(ポリ-4-ヒドロキシブチレート)で形成される、請求項56に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項58】
前記本体は、組織浸透性である、請求項41に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項59】
前記本体は、メッシュ生地で形成される、請求項58に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項60】
前記メッシュ生地は、組織浸透性である、請求項59に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項61】
前記複数の空洞は、脂肪及び/又は組織が前記本体を満たすと共にそれを通過し、及び前記移植可能なプロテーゼを膨らませることを可能にするように構成される、請求項58に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項62】
前記本体は、ヒト乳房の解剖学的形状を増大させ、及び/又は再建するように構成される、請求項41に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項63】
前記中空コアを形成するために前記コア軸に沿って位置する中空コア構造をさらに含み、前記複数の本体セグメントは、前記中空コア構造に接続される、請求項41に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項64】
移植可能なプロテーゼを製作する方法であって、
(a)生体適合性材料の複数のシートを提供する行為と;
(b)前記複数のシートの1つを第1の折り線に沿って、及び前記第1の折り線を横断する第2の折り線に沿って折って、少なくとも4つの本体層を含む本体セグメントを形成する行為と;
(c)前記複数のシートのそれぞれについて行為(b)を繰り返して、複数の本体セグメントを形成する行為と;
(d)前記複数の本体セグメントをコア軸の周りに周方向に配置して、三次元形態を有する移植可能な本体を形成する行為であって、前記本体層は、前記コア軸から離れる半径方向外向きの方向に面する複数の空洞を形成する、行為と
を含む方法。
【請求項65】
行為(d)は、前記複数の本体セグメントをコア構造に取り付けることを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記コア構造は、中空構造である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記コア構造は、材料のコアシートを含み、行為(d)は、前記複数の本体セグメントを前記コアシートに取り付けることと、その後、前記コアシートを前記コア軸の周りで丸めて、前記中空コア構造を形成することとを含み、前記複数の本体セグメントは、前記コア構造から半径方向外向きの方向に延在し、及び前記コア軸の周りに周方向に配置される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
行為(d)は、前記本体層の部分を互いに離れて分離させて、前記複数の空洞を形成することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
行為(b)は、前記第1の折り線に沿った第1の折り目及び前記第2の折り線に沿った第2の折り目を有する前記本体セグメントを形成することを含み、前記第2の折り目は、前記第1の折り目を第1の折り目セグメントと第2の折り目セグメントとに分ける、請求項64に記載の方法。
【請求項70】
行為(d)は、前記第1及び第2の折り目セグメントが、前記コア軸から離れる半径方向外向きの方向に延在し、及び前記第2の折り目が、前記コア軸に平行な軸方向に延在する状態で各本体セグメントを配置することを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
各本体層を、隣接する本体層に取り付ける行為(e)をさらに含む、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
行為(e)は、前記本体層を一緒に溶接することを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
各本体セグメントは、前記第1の折り目セグメントによって結合された本体層の第1の対及び前記第2の折り目セグメントによって結合された本体層の第2の対を含み、前記本体層の第1及び第2の対は、前記第2の折り目によって互いに結合される、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記本体層の第1及び第2の対のそれぞれは、内側本体層及び外側本体層を含み、前記本体層の第1及び第2の対の前記内側本体層は、互いに面し、及び前記本体層の第1及び第2の対の前記外側本体層間に位置する、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
各本体層は、前記本体セグメントの近位端部から遠位端部まで延在する外周縁部を含み、行為(e)は、前記本体層の第1の対の前記内側及び外側本体層を互いに取り付けることと、前記本体層の第2の対の前記内側及び外側本体層を互いに取り付けることとを含み、前記内側及び外側本体層は、前記本体セグメントの前記近位端部と前記遠位端部との間の前記外周縁部に隣接する第1の位置で互いに取り付けられる、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
行為(e)は、各本体セグメントの前記近位端部から前記第1の位置まで延在する前記外周縁部のセグメントに隣接する第2の位置において、前記本体セグメントの各外側本体層を、隣接する本体セグメントの前記外側本体層に取り付けることを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
行為(e)は、前記第1の位置から各本体セグメントの前記遠位端部まで延在する前記外周縁部のセグメントに隣接する第3の位置において、前記本体セグメントの各外側本体層を、隣接する本体セグメントの前記外側本体層に取り付けることを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
各本体セグメントは、近位端部及び遠位端部を含み、前記方法は、前記遠位端部に対向する前記本体セグメントの前記近位端部に近位材料層を取り付ける行為(f)をさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項79】
前記近位層は、それを貫通する開口部を有し、及び行為(f)は、前記開口部を前記コア軸と位置合わせすることを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記近位端部に対向する前記本体セグメントの前記遠位端部に遠位材料層を取り付ける行為(g)をさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
行為(g)は、前記コア軸の上に前記遠位層を位置決めすることを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
各本体セグメントの少なくとも1つの本体層は、その前記遠位端部にタブを含み、行為(g)は、前記遠位層を各タブに取り付けることを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
移植可能なプロテーゼであって、
近位端部及び前記近位端部から離間された遠位端部を有する生体適合性材料の組織浸透性本体であって、前記近位端部から前記遠位端部まで長手方向軸に沿って延在し、
前記長手方向軸の周りに周方向に配置され、及び前記長手方向軸から離れる方に面して半径方向外向きの方向に延在する複数の空洞であって、前記近位端部と前記遠位端部との間で前記長手方向軸に沿って積み重ねられた第1の階層、第2の階層及び第3の階層に配置され、前記第2の階層は、前記第1の階層と前記第3の階層との間に位置する、複数の空洞
を含む本体
を含み、前記第1の階層、前記第2の階層及び前記第3の階層のそれぞれは、少なくとも第1及び第2の空洞を含み、前記第1の階層における前記第1の空洞は、前記本体の前記近位端部から前記遠位端部への方向に延在する第1の半径方向平面に沿って、前記第3の階層における前記第1の空洞と位置合わせされ、前記第1の階層における前記第2の空洞は、前記本体の前記近位端部から前記遠位端部への方向に延在する第2の半径方向平面に沿って、前記第3の階層における前記第2の空洞と位置合わせされ、前記第1の半径方向平面は、前記第2の半径方向平面から周方向にオフセットされ、前記第1の階層における前記空洞は、第1の形状を有し、及び前記第3の階層における前記空洞は、第3の形状を有し、前記第1の形状は、前記第3の形状と異なる、移植可能なプロテーゼ。
【請求項84】
前記第2の階層における前記空洞は、前記第1及び第3の階層における前記空洞から周方向にオフセットされる、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項85】
前記第2の階層における前記空洞は、前記第1の階層における前記空洞を、前記第3の階層における前記空洞から分離させる、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項86】
前記第2の階層における前記空洞は、前記第1及び第3の形状と異なる第2の形状を有する、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項87】
前記第1の階層における各空洞は、周縁部を含み、前記周縁部の第1の部分は、シェブロン形状を有する、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項88】
前記周縁部の第2の部分は、湾曲形状を有する、請求項87に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項89】
前記複数の空洞は、前記近位端部から前記遠位端部に向かう前記長手方向軸の方向にサイズが減少する、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項90】
前記空洞の第1、第2及び第3の階層のそれぞれは、外径を有し、各階層の前記外径は、前記近位端部から前記遠位端部までの前記長手方向軸の前記方向に減少する、請求項89に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項91】
前記空洞の第1の階層は、前記近位端部に隣接して位置し、及び前記空洞の第3の階層は、前記遠位端部に隣接して位置する、請求項90に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項92】
前記第3の階層は、前記第1の階層よりも小さい外径を有し、及び前記第2の階層は、前記第3の階層よりも小さい外径を有する、請求項91に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項93】
各階層に設けられた前記空洞は、同じサイズを有する、請求項89に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項94】
前記複数の空洞のそれぞれは、前記半径方向外向きの方向に増加するサイズを有する、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項95】
前記複数の空洞のそれぞれは、前記半径方向外向きの方向に増加する幅を有する、請求項94に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項96】
前記複数の空洞のそれぞれは、前記コア軸を横断する方向において、対応する空洞軸に沿って延在する、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項97】
前記複数の空洞のそれぞれの前記空洞軸は、互いの空洞に対して異なる、請求項96に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項98】
前記複数の空洞のそれぞれの前記空洞軸は、前記近位端部に対してある角度に向けられ、前記第1の階層における各空洞の前記空洞軸の前記角度は、前記近位端部に対して第1の角度を有し、前記第1の角度は、前記第1の階層における各空洞について同じである、請求項97に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項99】
前記第2の階層における各空洞の前記空洞軸の角度は、前記近位端部に対して第2の角度を有し、前記第2の角度は、前記第2の階層における各空洞について同じである、請求項97に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項100】
前記第1の階層における前記空洞の前記空洞軸の前記第1の角度は、前記第2の階層における前記空洞に関する前記空洞軸の第2の角度と異なる、請求項98に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項101】
前記本体は、円錐台形状を有する、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項102】
前記本体は、球形状を有する、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項103】
前記本体は、チューブ形状を有する、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項104】
前記本体は、前記近位端部及び/又は前記遠位端部において平面形態を有する、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項105】
前記本体の前記近位端部に位置する生体適合性材料の第1の層及び前記本体の前記遠位端部に位置する生体適合性材料の第2の層をさらに含み、前記第1及び第2の層のそれぞれは、前記コア軸を横断する方向に向けられる、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項106】
前記本体は、吸収性材料で形成される、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項107】
前記本体は、メッシュ生地で形成される、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項108】
前記メッシュ生地は、組織浸透性である、請求項107に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項109】
前記本体は、メッシュ生地の複数のシートを含む、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項110】
前記メッシュ生地の複数のシートは、一緒に接続されて、前記複数の空洞を形成する、請求項109に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項111】
前記長手方向軸に沿って位置する中空コア構造をさらに含み、前記メッシュ生地の複数のシートは、前記中空コア構造に接続される、請求項110に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項112】
前記本体は、ヒト乳房の解剖学的形状を増大させ、及び/又は再建するように構成される、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項113】
前記第1及び第2の層は、吸収性材料で形成される、請求項105に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項114】
前記第1及び第2の層は、メッシュ生地で形成される、請求項113に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項115】
前記メッシュ生地は、組織浸透性である、請求項114に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項116】
前記複数の空洞は、組織浸透性である、請求項83に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項117】
移植可能なプロテーゼであって、
近位端部及び前記近位端部から離間された遠位端部を有する生体適合性材料の組織浸透性本体であって、前記近位端部から前記遠位端部まで長手方向軸に沿って延在し、
前記長手方向軸の周りに周方向に配置され、及び前記長手方向軸から離れる方に面して半径方向外向きの方向に延在する複数の空洞であって、前記複数の空洞のそれぞれは、前記長手方向軸を横断する方向において、対応する空洞軸に沿って延在し、前記複数の空洞は、前記近位端部と前記遠位端部との間で前記長手方向軸に沿って積み重ねられた第1の階層、第2の階層及び第3の階層に配置され、前記第2の階層は、前記第1の階層と前記第3の階層との間に位置する、複数の空洞
を含む本体
を含み、前記第1の階層、前記第2の階層及び前記第3の階層のそれぞれは、少なくとも2つの空洞を含み、前記第1の階層における各空洞の前記空洞軸は、前記本体の前記近位端部に対して第1の角度を有し、前記第2の階層における各空洞の前記空洞軸は、前記本体の前記近位端部に対して第2の角度を有し、前記第3の階層における各空洞の前記空洞軸は、前記本体の前記近位端部に対して第3の角度を有し、前記第1、第2及び第3の角度は、互いに異なる、移植可能なプロテーゼ。
【請求項118】
前記空洞軸の前記第1の角度は、前記第1の階層における各空洞について同じである、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項119】
前記空洞軸の前記第2の角度は、前記第2の階層における各空洞について同じである、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項120】
前記空洞軸の前記第3の角度は、前記第3の階層における各空洞について同じである、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項121】
前記複数の空洞のそれぞれの前記空洞軸は、互いの空洞に対して異なる、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項122】
前記複数の空洞は、前記近位端部から前記遠位端部に向かう前記長手方向軸の方向にサイズが減少する、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項123】
前記空洞の第1、第2及び第3の階層のそれぞれは、外径を有し、各階層の前記外径は、前記近位端部から前記遠位端部までの前記長手方向軸の前記方向に減少する、請求項122に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項124】
前記空洞の第1の階層は、前記近位端部に隣接して位置し、及び前記空洞の第3の階層は、前記遠位端部に隣接して位置する、請求項123に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項125】
前記第3の階層は、前記第1の階層よりも小さい外径を有し、及び前記第2の階層は、前記第3の階層よりも小さい外径を有する、請求項124に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項126】
各階層に設けられた前記空洞は、同じサイズを有する、請求項122に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項127】
前記複数の空洞のそれぞれは、前記半径方向外向きの方向に増加するサイズを有する、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項128】
前記複数の空洞のそれぞれは、前記半径方向外向きの方向に増加する幅を有する、請求項127に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項129】
前記本体は、円錐台形状を有する、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項130】
前記本体は、前記近位端部及び/又は前記遠位端部において平面形態を有する、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項131】
前記本体の前記近位端部に位置する生体適合性材料の第1の層及び前記本体の前記遠位端部に位置する生体適合性材料の第2の層をさらに含み、前記第1及び第2の層のそれぞれは、前記長手方向軸を横断する方向に向けられる、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項132】
前記本体は、吸収性材料で形成される、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項133】
前記本体は、メッシュ生地で形成される、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項134】
前記メッシュ生地は、組織浸透性である、請求項133に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項135】
前記本体は、メッシュ生地の複数のシートを含む、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項136】
前記メッシュ生地の複数のシートは、一緒に接続されて、前記複数の空洞を形成する、請求項135に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項137】
前記長手方向軸に沿って位置する中空コア構造をさらに含み、前記メッシュ生地の複数のシートは、前記中空コア構造に接続される、請求項136に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項138】
前記本体は、ヒト乳房の解剖学的形状を増大させ、及び/又は再建するように構成される、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項139】
前記第1及び第2の層は、吸収性材料で形成される、請求項131に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項140】
前記第1及び第2の層は、メッシュ生地で形成される、請求項139に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項141】
前記メッシュ生地は、組織浸透性である、請求項140に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項142】
前記複数の空洞は、組織浸透性である、請求項117に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項143】
移植可能なプロテーゼであって、
三次元形態の生体適合性材料を有する本体であって、近位端部及び前記近位端部に対向する遠位端部を有し、
前記本体の前記近位端部と前記遠位端部との間に位置する複数の本体セグメントであって、前記近位端部から前記遠位端部への方向に延在する長手方向軸の周りに周方向に配置され、前記複数の本体セグメントのそれぞれは、前記長手方向軸から離れる半径方向外向きの方向に延在し、及び前記本体の前記近位端部から前記遠位端部まで延在する外周縁部を有して、前記本体の外側輪郭を画定する、複数の本体セグメントと;
前記複数の本体セグメントによって形成された複数の空洞であって、前記長手方向軸から離れる前記半径方向外向きの方向に面する複数の空洞と
を含む本体
を含み、
前記複数の本体セグメントは、前記本体の前記近位端部と前記本体の前記遠位端部との間に位置し、及び前記近位端部から前記遠位端部に向かう方向に延在する軸方向において互いに離間された第1及び第2の接続部で互いに接続された第1及び第2の本体層を含み、
前記複数の本体セグメントは、前記第1及び第2の本体層に接続された第3及び第4の本体層をさらに含み、前記第3の本体層は、前記軸方向において前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に位置する第3の接続部で前記第1の本体層に接続され、前記第4の本体層は、前記軸方向において前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に位置する第4の接続部で前記第2の本体層に接続される、移植可能なプロテーゼ。
【請求項144】
前記接続部のそれぞれは、前記それぞれの本体層の前記外周縁部に隣接して位置する、請求項143に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項145】
前記第1及び第3の本体層は、前記本体の前記近位端部でさらに一緒に接続され、及び前記第2及び第4の本体層は、前記本体の前記近位端部でさらに一緒に接続される、請求項143に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項146】
前記第1及び第3の本体層は、前記本体の前記近位端部で第1の折り目に沿って一緒に接続され、及び前記第2及び第4の本体層は、前記本体の前記近位端部で第2の折り目に沿って一緒に接続される、請求項145に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項147】
前記第1及び第2の折り目は、前記コア軸から離れ、及び前記本体層の前記外周縁部に向かう前記半径方向外向きの方向に延在する、請求項146に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項148】
前記第2の接続部は、前記本体の前記遠位端部に位置する、請求項143に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項149】
前記第1、第3及び第4の接続部は、前記本体の前記近位端部と前記遠位端部との間及び隣接する本体層間に位置する唯一の接続部である、請求項148に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項150】
前記第1、第2、第3及び第4の接続部のそれぞれは、本体層間に溶接部を含む、請求項143に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項151】
前記本体の前記近位端部に取り付けられた近位層及び前記本体の前記遠位端部に取り付けられた遠位層をさらに含む、請求項143に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項152】
前記本体層の少なくともいくつかは、前記本体の前記遠位端部にタブを含み、前記遠位層は、各タブに取り付けられる、請求項151に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項153】
前記本体層の少なくともいくつかは、前記本体の前記近位端部に位置する折り線によって一緒に接続され、前記近位層は、各折り線に取り付けられる、請求項151に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項154】
前記本体は、組織浸透性である、請求項143に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項155】
前記生体適合性材料は、メッシュ生地を含む、請求項143に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項156】
前記メッシュ生地は、組織浸透性である、請求項155に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項157】
前記本体は、メッシュ生地の複数のシートを含む、請求項143に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項158】
前記メッシュ生地の複数のシートは、一緒に接続されて、前記複数の空洞を形成する、請求項157に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項159】
前記本体は、ヒト乳房の解剖学的形状を増大させ、及び/又は再建するように構成される、請求項143に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項160】
前記本体は、吸収性材料で形成される、請求項143に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項161】
前記複数の空洞は、組織浸透性である、請求項143に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項162】
前記長手方向軸に沿って位置する中空コア構造をさらに含み、前記複数の本体セグメントは、前記中空コア構造に接続される、請求項143に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項163】
移植可能なプロテーゼであって、
三次元形態の生体適合性材料を有する本体であって、
コア軸に沿って位置する中空コアであって、近位端部及び遠位端部を有し、前記遠位端部は、前記遠位端部から前記中空コアへのアクセスを阻止するために閉鎖され、前記近位端部は、前記近位端部から前記中空コアへのアクセスを可能にするための開口部を含む、中空コアと;
前記中空コアの周りに周方向に配置される複数の本体セグメントであって、前記複数の本体セグメントのそれぞれは、前記コア軸から離れる半径方向外向きの方向に延在する、複数の本体セグメントと;
前記複数の本体セグメントによって形成された複数の空洞であって、前記中空コアから離れる前記半径方向外向きの方向に面する複数の空洞と
を含む本体
を含む移植可能なプロテーゼ。
【請求項164】
前記複数の本体セグメントのそれぞれは、隣接する本体セグメントに接続されて、前記複数の空洞を形成する、請求項163に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項165】
前記中空コアの前記遠位端部を覆い、及び前記本体の遠位端部に取り付けられる遠位材料層をさらに含む、請求項163に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項166】
前記遠位層は、前記本体セグメントの1つ以上に取り付けられる、請求項165に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項167】
前記遠位端部に対向する前記本体の近位端部に取り付けられた近位材料層をさらに含み、前記近位層は、それを貫通する開口部を有し、前記開口部は、前記中空コアの前記近位端部と位置合わせされて、前記近位層を通した前記中空コアへのアクセスを可能にする、請求項166に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項168】
前記近位層は、環状形態を有する、請求項167に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項169】
前記近位層は、前記本体セグメントの1つ以上に取り付けられる、請求項167に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項170】
各本体セグメントは、前記コア軸から離れる半径方向外向きの方向に延在する複数の本体層を含む、請求項163に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項171】
各本体セグメントは、一緒に結合された本体層の複数の対を含む、請求項170に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項172】
本体層の各対の前記本体層は、一緒に結合される、請求項171に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項173】
前記本体は、円錐台形状を有する、請求項163に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項174】
前記本体は、吸収性材料で形成される、請求項163に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項175】
前記本体は、P4HB(ポリ-4-ヒドロキシブチレート)で形成される、請求項174に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項176】
前記本体は、組織浸透性である、請求項163に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項177】
前記本体は、メッシュ生地で形成される、請求項176に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項178】
前記メッシュ生地は、組織浸透性である、請求項177に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項179】
前記複数の空洞は、脂肪及び/又は組織が前記本体を満たすと共にそれを通過し、及び前記移植可能なプロテーゼを膨らませることを可能にするように構成される、請求項176に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項180】
前記本体は、ヒト乳房の解剖学的形状を増大させ、及び/又は再建するように構成される、請求項163に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項181】
前記中空コアを形成するために前記コア軸に沿って位置する中空コア構造をさらに含み、前記複数の本体セグメントは、前記中空コア構造に接続される、請求項163に記載の移植可能なプロテーゼ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
35 U.S.C.§119(a)~(d)又は35 U.S.C.§365(b)の下、2021年6月30日出願の米国特許出願第63/217,054号、2021年6月30日出願の同第63/217,075号、2021年6月30日出願の同第63/217,089号、2021年6月30日出願の同第63/217,105号及び2021年6月30日出願の同第63/217,170号の外国優先権の利益が主張され、それらの各々が参照により本明細書に援用される。
【0002】
分野
本開示は、移植可能なプロテーゼ、より詳細には、ヒト乳房を含む解剖学的形状の再建及び/又は増大のためのプロテーゼに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
乳房再建は、主に、乳癌の診断及び外科治療に続いて実施される。しかしながら、乳癌のリスクが高い個人を指摘し得る遺伝子検査の結果に応じて、予防のための選択肢として乳房再建を選択する患者が一層増加している。
【0004】
乳房再建は、一般的に、自己移植及び非自己移植として分類され得る。自己移植再建では、患者自身の組織が患者の体の別の部位から採取され、その後、乳房を再建するために使用される。非自己移植再建では、人工インプラント、例えば食塩水、シリコーン又はゲルインプラントが乳房の膨らみを再建するために用いられる。
【0005】
自己移植再建は、一般的に、患者の腹部から組織弁を採取することを伴う。この処置は、患者の組織への血管の供給を維持することができ、一般的に患者に対して見た目が美しい結果をもたらす。しかしながら、そのような処置は、時間がかかり得、血管の供給を再接続するために顕微鏡手術を伴う可能性があり、比較的長い回復時間を要する。組織が除去された部位に機能障害及び弱さも生じさせ得る。この技術は、腹部のボリュームがないか又は筋肉量の減少の余裕がない一部の患者で利用できない場合がある。
【0006】
様々な乳房再建処置の大部分を含む非自己移植再建では、単一段階若しくは中間再建処置又は二段階再建処置を用い得る。乳房切除術及び乳房の再建は、同時に実施され得る(単一段階)か、又は複数の処置に段階分けされ得る(二段階)。各処置において、乳房インプラントは、一般に、胸筋の下(below the pectoral muscle)、すなわち胸筋下(sub-pectoral)に配置され、インプラントが皮膚を通して見えないように隠し、比較的硬質なインプラントを筋肉で覆う。
【0007】
単一段階処置では、乳房組織は、完全に切り離されて、乳房の下に小さい切開部が作られた後に除去される。続いて、胸筋は、その下方端部において引き離され、筋肉下平面は、インプラントを収容するのに十分なサイズの胸筋下ポケットを作り出すために展開される。無細胞真皮マトリクス(ADM)は、一般に、筋肉を再び取り付け、インプラントの下側をさらに補強するために用いられる。
【0008】
単一段階処置は、一般的に、時間が経つと調整できないため、美容的結果をあまり制御することができない。これらの処置は、筋肉下ポケットのサイズに対してインプラントが大きすぎる場合に組織壊死をもたらす可能性もあり得る。
【0009】
二段階処置では、初期の手術段階は、単一段階処置と同様である。しかしながら、筋肉下ポケット中にインプラントを配置するのではなく、初めにADMがポケットに配置され、それに組織拡張器の配置が続く。ADMは、組織拡張器を収容するために必要に応じて操作され、その後、適所に固定される。初期の手術段階に続いて、組織拡張器が複数回の術後通院にわたって満たされ、胸筋の下の空間をゆっくりと拡張させて、ポケットを作り出す。十分なサイズのポケットが形成されると、一般に初期処置の6か月後に第2の外科的処置が実施されて、拡張器を除去し、拡張器によって作り出された筋肉下ポケットに乳房インプラントを挿入する。
【0010】
乳房再建のより最近の傾向は、筋肉下ポケットを作ることを回避するために、胸筋の最上部へのインプラントの胸筋前(pre-pectoral)配置を伴う。そのような処置中、インプラントは、一般に、ADMを吊り器具として使用してインプラントを部分的にのみ覆うのではなく、ADMで完全に包まれる。
【0011】
乳房は、三次元の線維脂肪性の筋膜系によって形作られることが報告されている。この系の2つの層が乳房体を囲んでその周りで一緒に融合させ、それを、乳房周囲靭帯(CML)として特定される構造内で胸壁に留める。乳房の周囲を画定するCMLは、浅筋膜のコラーゲン線維で構成された3Dのほぼ円形の構造であり、これは、脂肪の輪を包んで、それを円形接着ゾーンとして胸部の深筋膜に取り付ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本開示の目的は、乳房を増大させ、及び/又は再建するための方法及びプロテーゼを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
概要
本開示は、解剖学的形状を増大させ、及び/又は再建するための方法及び移植可能なプロテーゼに関する。
【0014】
一実施形態では、移植可能なプロテーゼは、近位端部及び近位端部から離間された遠位端部を有する生体適合性材料の本体を含む。本体は、コア軸に沿って延在する中空コア構造と、中空コア構造に取り付けられた複数の本体セグメントと、複数の本体セグメントによって形成された複数の空洞とを含む。中空コア構造は、その近位端部における近位開口部及びその遠位端部における遠位開口部を含む。本体セグメントは、中空コア構造の周りに周方向に配置され、複数の本体セグメントのそれぞれは、コア軸から離れる半径方向外向きの方向に延在する。空洞は、中空コア構造から離れる方に面して半径方向外向きの方向に配置される。
【0015】
一実施形態では、移植可能なプロテーゼは、三次元形態の生体適合性材料を有する本体を含む。本体は、コア軸に沿って位置する中空コアと、中空コアの周りに周方向に配置される複数の本体セグメントと、複数の本体セグメントによって形成された複数の空洞とを含む。中空コアは、遠位端部及び近位端部を有し、遠位端部は、遠位端部から中空コアへのアクセスを阻止するために閉鎖され、及び近位端部は、近位端部から中空コアへのアクセスを可能にするための開口部を含む。複数の本体セグメントのそれぞれは、コア軸から離れる半径方向外向きの方向に延在する。複数の空洞は、中空コアから離れる半径方向外向きの方向に面する。
【0016】
一実施形態では、移植可能なプロテーゼを製作する方法が提供される。方法は、(a)複数の本体セグメントを、移植可能な生体適合性材料のシートに取り付ける行為と;(b)行為(a)後、シートをチューブ形態に丸めて、コア軸の周りに中空コア構造を形成する行為であって、複数の本体セグメントは、中空コア構造から半径方向外向きの方向に延在し、及びコア軸の周りに周方向に配置される、行為と;(c)行為(b)後、チューブ形態においてシートを固定する行為とを含む。
【0017】
一実施形態では、移植可能なプロテーゼは、三次元形態の生体適合性材料を有する本体を含む。本体は、コア軸に沿って位置する中空コアと、中空コアの周りに周方向に配置される複数の本体セグメントと、複数の本体セグメントによって形成された複数の空洞とを含む。複数の本体セグメントのそれぞれは、コア軸から離れる半径方向外向きの方向に延在する。各本体セグメントは、材料のシートから製作された少なくとも4つの本体層を含み、シートは、第1の折り目及び第1の折り目を横断する第2の折り目の周りで折られる。複数の空洞は、中空コアから離れる半径方向外向きの方向に面する。
【0018】
一実施形態では、移植可能なプロテーゼを製作する方法が提供される。方法は、(a)生体適合性材料の複数のシートを提供する行為と;(b)複数のシートの1つを第1の折り線に沿って、及び第1の折り線を横断する第2の折り線に沿って折って、少なくとも4つの本体層を含む本体セグメントを形成する行為と;(c)複数のシートのそれぞれについて行為(b)を繰り返して、複数の本体セグメントを形成する行為と;(d)複数の本体セグメントをコア軸の周りに周方向に配置して、三次元形態を有する移植可能な本体を形成する行為であって、本体層は、コア軸から離れる半径方向外向きの方向に面する複数の空洞を形成する、行為とを含む。
【0019】
一実施形態では、移植可能なプロテーゼは、三次元形態の生体適合性材料を有する本体を含み、本体は、近位端部及び近位端部に対向する遠位端部を有する。本体は、本体の近位端部と遠位端部との間に位置する複数の本体セグメントと、複数の本体セグメントによって形成された複数の空洞とを含む。複数の本体セグメントは、近位端部から遠位端部への方向に延在する長手方向軸の周りに周方向に配置される。複数の本体セグメントのそれぞれは、長手方向軸から離れる半径方向外向きの方向に延在し、及び本体の近位端部から遠位端部まで延在する外周縁部を有して、本体の外側輪郭を画定する。複数の空洞は、長手方向軸から離れる半径方向外向きの方向に面する。複数の本体セグメントは、本体の近位端部と長手方向軸との間に位置し、及び近位端部から遠位端部に向かって延在する軸方向において互いに離間された第1及び第2の接続部で互いに接続された第1及び第2の本体層を含む。複数の本体セグメントは、第1及び第2の本体層に接続された第3及び第4の本体層をさらに含む。第3の本体層は、軸方向において第1の接続部と第2の接続部との間に位置する第3の接続部で第1の本体層に接続され、及び第4の本体層は、軸方向において第1の接続部と第2の接続部との間に位置する第4の接続部で第2の本体層に接続される。
【0020】
一実施形態では、移植可能なプロテーゼは、近位端部及び近位端部から離間された遠位端部を有する生体適合性材料の組織浸透性本体を含み、本体は、近位端部から遠位端部まで長手方向軸に沿って延在する。本体は、長手方向軸の周りに周方向に配置され、及び長手方向軸から離れる方に面して半径方向外向きの方向に延在する複数の空洞を含む。複数の空洞は、近位端部と遠位端部との間で長手方向軸に沿って積み重ねられた第1の階層、第2の階層及び第3の階層に配置される。第2の階層は、第1の階層と第3の階層との間に位置する。第1の階層、第2の階層及び第3の階層のそれぞれは、少なくとも第1及び第2の空洞を含む。第1の階層における第1の空洞は、本体の近位端部から遠位端部への方向に延在する第1の半径方向平面に沿って、第3の階層における第1の空洞と位置合わせされる。第1の階層における第2の空洞は、本体の近位端部から遠位端部への方向に延在する第2の半径方向平面に沿って、第3の階層における第2の空洞と位置合わせされる。第1の半径方向平面は、第2の半径方向平面から周方向にオフセットされる。第1の階層における空洞は、第1の形状を有し、及び第3の階層における空洞は、第3の形状を有し、第1の形状は、第3の形状と異なる。
【0021】
一実施形態では、移植可能なプロテーゼは、近位端部及び近位端部から離間された遠位端部を有する生体適合性材料の組織浸透性本体を含み、本体は、近位端部から遠位端部まで長手方向軸に沿って延在する。本体は、長手方向軸の周りに周方向に配置され、及び長手方向軸から離れる方に面して半径方向外向きの方向に延在する複数の空洞を含む。複数の空洞のそれぞれは、長手方向軸を横断する方向において、対応する空洞軸に沿って延在する。複数の空洞は、近位端部と遠位端部との間で長手方向軸に沿って積み重ねられた第1の階層、第2の階層及び第3の階層に配置され、第2の階層は、第1の階層と第3の階層との間に位置する。第1の階層、第2の階層及び第3の階層のそれぞれは、少なくとも2つの空洞を含む。第1の階層における各空洞の空洞軸は、本体の近位端部に対して第1の角度を有し、第2の階層における各空洞の空洞軸は、本体の近位端部に対して第2の角度を有し、及び第3の階層における各空洞の空洞軸は、本体の近位端部に対して第3の角度を有する。第1、第2及び第3の角度は、互いに異なる。
【0022】
上記は、本開示の非限定的な概要である。他の態様、実施形態及び/又は特徴は、以下の説明から明らかになる。
【0023】
本開示の様々な実施形態は、いくつかの利点を提供し得、及び従来技術のプロテーゼのいくつかの欠点を克服し得る。本開示の実施形態は、同じ利点を共有していなくてもよく、及び共有しているものは、全ての状況下で利点を共有していなくてもよい。
【0024】
本開示の態様を、以下で例として添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】一態様による移植可能なプロテーゼの上面の斜視図である。
【
図3】
図2の移植可能なプロテーゼの側面図である。
【
図4】
図2の移植可能なプロテーゼの上面図である。
【
図5】
図2の移植可能なプロテーゼの底面図である。
【
図6】
図2の移植可能なプロテーゼの底面の斜視図である。
【
図7】一態様による移植可能なプロテーゼの上面の斜視図である。
【
図8】一態様による、
図2~7の移植可能なプロテーゼの本体の製作の概略図である。
【
図9】一態様による、
図2~7の移植可能なプロテーゼの本体の製作の概略図である。
【
図10A】一態様による、
図2~9の移植可能なプロテーゼの本体セグメントの製作の概略図である。
【
図10B】一態様による、
図2~9の移植可能なプロテーゼの本体セグメントの製作の概略図である。
【
図10C】一態様による、
図2~9の移植可能なプロテーゼの本体セグメントの製作の概略図である。
【
図14】一態様による、本体セグメント間の接続部を概略的に示す、移植可能なプロテーゼの本体の斜視図である。
【
図15】一態様による、本体の遠位端部に接続された遠位層を概略的に示す、移植可能なプロテーゼの本体の斜視図である。
【
図16】遠位層におけるタブと、移植可能なプロテーゼの本体との間の接続部を示す、
図15の拡大図である。
【
図17】空洞が階層に配置されている、
図2~7の移植可能なプロテーゼの本体を示す。
【
図18】空洞が階層に配置されている、
図2~7の移植可能なプロテーゼの本体を示す。
【
図19】一態様による、空洞が近位端部に対して角度を付けられている、
図2~7の移植可能なプロテーゼの本体を示す。
【
図20】一態様による、シュラウドで覆われている、
図2~7の移植可能なプロテーゼを示す。
【
図21】一態様による、事前に形作られたシュラウドを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の態様は、本開示の態様による例示的な実施形態を示す図を参照して本明細書で説明されることが理解されるべきである。本明細書で説明する例示的な実施形態は、必ずしも本開示の全ての態様を示すことを意図せず、いくつかの例示的な実施形態を説明するために使用される。そのため、本開示の態様は、例示的な実施形態を考慮して狭義に解釈されることを意図しない。そのため、本明細書で説明する様々な概念及び実施形態は、開示される概念及び実施形態が任意の特定の実施方法に限定されないため、任意の多数の方法で実施され得ることが理解されるべきである。さらに、本開示の態様は、単独で又は本開示の他の態様との任意の好適な組み合わせで使用され得ることが理解されるべきである。
【0027】
本開示は、解剖学的形状を増大させ、及び/又は再建するための移植可能なプロテーゼに関するが、プロテーゼは、軟組織及び筋肉壁又は他の解剖学的領域における解剖学的欠損及びそれらの弱さを治すのに好適であり得る。語句「欠損を治す」は、欠損及び/又は潜在的な欠損を修復し、補い、及び/又は再建する行為を含む。
【0028】
理解しやすくするために、本開示の範囲を限定することなく、プロテーゼは、下記では特に乳房再建及び/又は豊胸に関連して説明される。しかしながら、当業者に明白であるように、プロテーゼは、そのように限定されず、他の解剖学的処置で用いられ得ることが理解されるべきである。例えば、限定されないが、プロテーゼ又はプロテーゼの態様は、ヘルニア、胸若しくは腹壁の再建又は太りすぎの患者に生じ得るものなどの大きい欠損に用いられ得る。プロテーゼは、1つ以上の特徴を含み得、それぞれ独立して又は組み合わせてそのような特質に寄与する。
【0029】
下記でさらに説明するように、プロテーゼは、胸筋前乳房再建処置を用いる特定の応用を有し得る。
【0030】
胸筋前乳房再建
図1A~1Fに胸筋前乳房再建処置の一実施形態を示す。
【0031】
図1Aに示すように、初期切開部200が作られて、乳房の下部に組織弁を形成する。
図1Bに示すように、弁202は、乳房組織へのアクセスをもたらし、及び腫瘍又は他の増殖部を除去できるようにするために広げられ得る。皮膚及び乳輪乳頭を保存することが望ましい。
【0032】
図1Cに示すように、乳房体204がクーパー靭帯の基部と一緒に除去される。その後、
図1Dに示すように、乳房周囲靭帯(CML)が締め付けられて、乳房の所望の直径の基部を再確立する。例えば、CMLは、乳房の術前の直径の基部に対応するように締め付けられるか、又はCMLが伸張されて、加齢及び/又は他の要因のために時間と共に緩んでいる場合、より一層締め付けられ得る。
【0033】
図示の通り、CMLは、巾着縫合技術を使用して締め付けられ得、連続縫合206がCMLの周りに及び/又はそれを通して配置され、その後、上方に引っ張られて、組織を上方に確実に掴み、基部を締め付ける。しかしながら、乳房の基部の再確立に他の処置が考慮される。
【0034】
CMLが締め付けられると、
図1Eに示す通り、乳房体を除去することによって作り出された乳房の空洞中にプロテーゼインプラント208が挿入され得る。挿入前に、インプラントは、患者から脂肪吸引された脂肪移植片でコーティングされ得る。脂肪移植片は、プロテーゼを柔らかくし、及び/又はプロテーゼ内及びその周辺に新しい脂肪及び/又は組織が形成されるための素地を提供することを促進し得る。脂肪移植片は、処置中、組織の除去によって作り出された空間を流体が満たす可能性も低下させる。
【0035】
脂肪移植片は、標準的な脂肪吸引技術を使用して患者から採取され得る。吸引された脂肪は、油を除去して、より精製された脂肪を処置に提供するためにその場で処理され得る。処理された脂肪は、シリンジ又は同様の機器を使用してプロテーゼの様々な表面及び様々な空洞内に塗布され得るが、プロテーゼのコーティングのために他の技術も考えられる。
【0036】
挿入されると、インプラントは、縫合糸又は機器の基部に沿って配置された他の留め具を使用してCMLに固定され得る。プロテーゼの移植後、切開部200は、
図1Fに示す通り、張力をかけずに閉じられ得る。
【0037】
初期の再建処置後、乳房の所望の形状、及び/又は感触、及び/又は両乳房間の対称性を達成するために、時間が経つにつれて、1つ以上の処置によって乳房中への追加的な脂肪移植が実施され得る。
【0038】
プロテーゼ及び製作の概念
本開示は、より詳細には、解剖学的形状の再建及び/又は増大のためのプロテーゼに関する。一態様によれば、移植可能なプロテーゼは、ヒト乳房の解剖学的形状を再建し、及び/又は増大させるための三次元形態を有し得る。プロテーゼは、脂肪及び/又は組織の内方成長を促して、プロテーゼ内及びその周りの空いている空間を満たすように構成され得る。プロテーゼは、脂肪及び/又は組織が本体構造を満たすと共にそれを通過し、及び再建及び/又は増大された乳房の解剖学的形状を膨らませることを可能にするために、複数の空洞を有する本体構造を用い得る。プロテーゼの所望の構造全体は、効率的な方法でのその製作のために様々な構造物を用い得る。
【0039】
一態様によれば、プロテーゼは、プロテーゼの所望の形状を作り出すように配置され得る複数のセグメントを使用して製作され得る。このようにして、個々のセグメントは、比較的複雑でない方法で製作されてから、プロテーゼの所望の空洞を作り出すように組み立てられ得る。セグメントは、所望の量の弾力及び支持を有するプロテーゼを提供するようにも構成され得る。
【0040】
一態様によれば、移植可能なプロテーゼは、プロテーゼの所望の全体形状を作り出すように一緒に接合された複数の材料層を含み得る。層は、互いに直接又は隣接する二次元材料層と接合され得る1つ以上の三次元層又は構造を含み得る。各三次元層又は構造は、複数の空洞、例えば脂肪及び/又は組織を受け入れるための三次元空洞を含み得る。
【0041】
一態様によれば、プロテーゼは、プロテーゼの製作中、所望の空洞を有する3D構造に拡張するように構成された1つ以上の本体セグメントを用い得る。例えば、限定されないが、本体セグメントは、折り畳まれた層及び/又は一緒に接合された複数の材料層を含み得るため、各セグメントの拡張によって折り目及び/又は層を引き離して、脂肪及び/又は組織を受け入れるための3D空洞を形成する。拡張した本体セグメントは、任意の好適なパターンで接合されて、所望の形状、サイズ及び/又は配置構成を有する空洞を形成し得る。本体セグメントは、拡張されると組織及び/又は脂肪受け入れ空洞が設けられる、プリーツのある、ハニカム様の又は他の好適な3D構造を有する本体構造を形成するように構成され得る。
【0042】
一態様によれば、本体セグメントのそれぞれは、隣接する本体セグメントに接続されて、空洞を形成し得る。
【0043】
一態様によれば、遠位材料層は、本体構造の遠位端部に取り付けられ得る。遠位層は、本体セグメントの1つ以上に取り付けられ得る。本体は、中空コアを含み得る。いくつかの応用では、遠位層は、その遠位端部から中空コアへのアクセスを防止するために中空コアの遠位開口部を覆い得る。いくつかの応用では、遠位層は、それを貫通する開口部を含み得、この開口部は、中空コアの遠位開口部と位置合わせされ、そこへのアクセスが可能にされる。遠位層は、環状形態を有し得る。乳房再建及び/又は豊胸では、遠位層は、乳房の乳頭及び/又は乳輪の下にあり、及びそれらを支えるように位置決めされ得る。
【0044】
一態様によれば、近位材料層は、遠位端部に対向する本体の近位端部に取り付けられ得る。近位層は、それを貫通する開口部を有し得、この開口部は、中空コアの近位開口部と位置合わせされて、近位層を通した中空コアへのアクセスを可能にする。近位層は、環状形態を有し得る。近位層は、本体セグメントの1つ以上に取り付けられ得る。乳房再建及び/又は豊胸では、近位層は、胸壁に位置決めされ得る。
【0045】
一態様によれば、各本体セグメントは、コア軸から離れる半径方向外向きの方向に延在する複数の本体層を含み得る。各本体セグメントは、一緒に結合された本体層の複数の対を含み得る。本体層の各対の本体層は、一緒に結合され得る。
【0046】
一態様によれば、本体は、円錐台状又は半球状の形状を有し得る。
【0047】
一態様によれば、本体は、吸収性材料で形成され得る。例えば、限定されないが、本体は、P4HB(ポリ-4-ヒドロキシブチレート)で形成され得る。
【0048】
一態様によれば、本体は、組織浸透性であり得る。本体は、メッシュ生地で形成され得、及びメッシュ生地は、組織浸透性であり得る。
【0049】
一態様によれば、プロテーゼは、所望の配置構成の空洞を作り出すために互いに積み重ねられる複数の階層又は列の空洞を含み得る。
【0050】
各階層は、同じ形状、サイズ、相対位置及び/又は相対的な向きを有する空洞を含み得る。1つの階層における空洞は、形状、サイズ、位置及び/又は向きに関して、別の階層における空洞と異なり得る。各階層は、別の階層に対して異なるサイズ及び/又は形状を有し得る。
【0051】
各階層は、本体の近位端部に対して同じ角度を有する空洞を含み得る。1つの階層における空洞は、本体の近位端部に対して、別の階層と比較して異なる角度を付けられ得る。
【0052】
いくつかの応用では、プロテーゼは、例えば、外科医によって切り取って整えられて、移植のための所望の形状を作り出し得る形態を有し得る。例えば、限定されないが、プロテーゼの1つ以上の層及び/又は個々の構造は、切り取って整えられて、カスタマイズされたインプラント形状を作り出し得る。
【0053】
一態様によれば、プロテーゼは、胸筋に配置するための近位面を備え得る。近位面は、平面的であり得るか、又は全体的に丸みのある形状、例えば、限定されないが、凸形状を有し得る。そのような形態は、胸筋に及び乳房周囲靭帯内でプロテーゼを位置決めし、配置することを容易にし得、これにより胸壁上でのプロテーゼの位置を確立する。このようにして、インプラントと解剖学的構造との間の相互作用がボールソケットのような配置構成を作り出し得る。
【0054】
一態様によれば、プロテーゼは、3D本体構造を覆うための外側シュラウドを含み得る。シュラウドは、本体構造の上を覆うように配置されてそれに取り付けられ得る生地層を含み得る。必要に応じて、シュラウドは、本体の外形に対応する、事前に形作られた3D形状を有し得る。シュラウドは、本体セグメントの縁を覆って、前方組織弁との接触面を柔らかくし得る。シュラウドは、急速な内方成長を促して、血管化され、膠原化された線維組織の連続層を形成し、これは、プロテーゼの上方での脂肪組織層の増殖を支援して促し得る。
【0055】
様々な構造配置構成及び/又は製造技術は、比較的複雑なインプラントを製作するために用いられ得る。
【0056】
図2~6に示す例示的な一実施形態では、プロテーゼ20は、解剖学的形状を再建し、及び/又は増大させるように構成された本体22を含み得る。本体22は、再建及び/又は増大の一部として組織及び/又は脂肪の増殖を支援するように構成され得る。
【0057】
一実施形態では、本体22は、ヒト乳房の解剖学的形状を再建し、及び/又は増大させるために三次元形態で形成され得る。例えば、限定されないが、プロテーゼは、全体的に円錐台状又は半球状の形状を有し得、患者の胸筋に隣接して位置決めされる比較的大きい近位又は下方端部及び下方端部に対向する比較的小さい遠位又は上方端部を備える。プロテーゼの本体の少なくとも一部分の外側寸法は、プロテーゼの近位又は下方端部24から遠位又は上方端部26に向かう方向に全体的に減少し得る。必要に応じて、本体の一部分の外側寸法は、遠位端部に向かって減少する前に最初に一定であり得る。
【0058】
本体の外側輪郭は、プロテーゼの所望の形態を与えるように1つ以上のセグメントによって輪郭を付けられる。一実施形態では、外側輪郭は、互いに対して異なる向きにされる複数の直線セグメントによって画定され得る。他の実施形態では、本体の外側輪郭は、所望の形態を達成するために、当業者に明白であるように、凸状若しくは凹状のいずれかである単一の湾曲セグメント、複数の湾曲セグメント、単一の直線セグメント又は湾曲セグメントと直線セグメントとの組み合わせによって画定され得る。
【0059】
図5~6に示す例示的な一実施形態では、本体は、プロテーゼのコア軸30に沿って延在するコア28を含み得る。いくつかの応用では、中空コアを用いることが望ましい場合がある。例えば、限定されないが、中空コアは、脂肪及び/又は組織がプロテーゼの本体を満たすと共にそれを通過することを可能にする。別の非限定的な例では、外科医は、血管柄付き皮弁茎を血管と一緒に中空コアの一方の端部に引き入れ得る。
【0060】
一態様によれば、コア軸30は、本体22の中心に沿って延在し得、中空コアは、本体内の中心に位置する。一実施形態では、本体は、コア軸の周りで対称的である形態を用い得る。しかしながら、本体は、当業者に明白であるように、非対称的な形態を用い得ることを理解されたい。
【0061】
一態様によれば、コア28は、中空コアを画定する壁32を有するチューブ構造を含み得る。そのような配置構成は、増大又は再建されている解剖学的空間を支えるために、プロテーゼに所望の量のコラム強度をもたらし得る。一実施形態では、コア28は、チューブ形態に丸められるか又は他の方法で形作られる材料のシートから形成され得る。しかしながら、当業者に明白であるように、中空コアは、任意の好適な方法で形成され得る。例えば、限定されないが、コアは、特定の応用に好適な直径を有する、ある長さの予め作られたチューブ状材料を用い得る。
【0062】
いくつかの応用では、手術部位でのプロテーゼの配置及び/又は取り付けを容易にするために1つ以上の特徴を提供することが望ましい場合がある。
図2~6に示す例示的な一実施形態では、プロテーゼは、本体の近位又は下方端部24に結合された近位層又は基部34を含み、乳房の空洞内でのプロテーゼの配置及び取り付けを容易にし得る。例えば、限定されないが、基部は、プロテーゼをCML及び/又は隣接する組織若しくは筋肉に適所に取り付けるための支持をもたらすように構成され得る。
【0063】
近位層又は基部34は、プロテーゼを隣接する組織に位置決めし、及び/又は固定することにつながる任意の好適な形状及び/又はサイズを有するように構成され得る。例えば、限定されないが、基部34は、手術部位に対応し、及び/又は再建に用いられる特定の処置に好適な平面又は非平面形態を有し得る。一実施形態では、基部は、位置決め及び隣接する組織との接触を容易にするような輪郭形状を有して構成され得る。例えば、限定されないが、基部は、湾曲輪郭、例えばCML内に収まるように構成された凸状湾曲外表面、例えばボールソケット型配置構成を有し得る。しかしながら、当業者に明白であるように、基部は、平面的又は非平面的のいずれかの任意の好適な形状を用い得ることを理解されたい。
【0064】
基部34は、プロテーゼを位置決めするために掴まれ、操作されるように構成され得る。1つ以上の留め具、例えば、限定されないが、縫合糸、タック及びステープルが基部を下層における筋肉及び/又は組織に取り付けるために用いられ得る。基部は、生体適合性材料、例えばプロテーゼの本体に使用するための材料の層から形成され得る。
【0065】
いくつかの応用では、基部34は、その下面から突出する複数のグリップ部(図示せず)を含み得、グリップ部は、プロテーゼの位置決め及び/又は固定を容易にするために、隣接する組織及び/又は筋肉に侵入してそれらを確実に掴むように構成される。
【0066】
いくつかの応用では、基部は、開放した拡張形態に基部を保持することを促進するための支持体を含み得る。例えば、限定されないが、支持体は、基部の外周縁部又はそれに近接して、基部の周りに延在する弾性リングを含み得る。支持体は、再吸収性材料で形成され得るため、時間が経つにつれて本体によって再吸収されるが、必要に応じて、支持体は、非再吸収性材料で形成され得る。一実施形態では、支持体は、再吸収性材料で形成され、再吸収中に支持体が分解するときに支持体を封じ込めるように構成された封じ込めスリーブによって囲まれ得る。
【0067】
いくつかの応用では、プロテーゼのコア28にアクセスすることが望ましい場合がある。一態様によれば、本体の近位又は下方端部24において、コアの近位端部は、近位コア開口部35を含み、中空コアへのアクセスを可能にし得る。一実施形態では、近位層又は基部34は、近位コア開口部35及び/又はコアのコア軸30と位置合わせされる内側開口部36の設けられた環状形態を有し得る。
図5~6に示すように、基部の内側開口部36は、コア28よりも大きくてよいため、コアの半径方向外側に位置する本体の近位又は下方部分は、プロテーゼが移植されると、隣接する組織に曝露され得る。しかしながら、必要に応じて、基部開口部は、コアと同じサイズを有し得るか又はそれよりも小さくてよいことを理解されたい。
【0068】
加えて又は代わりに、プロテーゼは、近位又は下方端部に対向する、本体の遠位又は上方端部26に結合された材料の遠位又は上方層38を含み得る。遠位層38は、乳房の空洞内に位置決めされると、乳房の乳輪及び/又は乳頭の領域と一致するように構成され得る。遠位層は、乳房の空洞内に位置決めされると、存在する場合、乳房の乳輪及び/又は乳頭を支えるように構成され得る。
【0069】
図4に示す一実施形態では、遠位層38は、本体の遠位又は上方端部26において、コアの遠位端部を完全に覆って中空コア28を閉じ、プロテーゼの遠位端部26からのアクセスを防止するように構成され得る。そのような形態は、乳房の乳輪及び乳頭の下に位置決めしてそれらを支えるために望ましい場合がある。しかしながら、必要に応じて、遠位材料層には、それを貫通する開口部が設けられ、これは、遠位コア開口部と位置合わせするように位置決めされ、プロテーゼの遠位又は上方端部からコアへのアクセスをもたらし得る。
【0070】
図7に示す一実施形態では、遠位層38は、遠位コア開口部及び/又はコアのコア軸30と位置合わせされる内側開口部39が設けられた環状形態を有し得る。図示の通り、遠位層の内側開口部39は、コア28よりも大きくてよいため、コアの半径方向外側に位置する本体の遠位又は上方部分は、プロテーゼが移植されると、隣接する組織に曝露され得る。しかしながら、必要に応じて、遠位層開口部は、コアと同じサイズを有し得るか又はそれよりも小さくてよいことを理解されたい。
【0071】
上述の通り、本体22は、解剖学的再建の一部として組織及び/又は脂肪の増殖を支援するように構成され得る。
図2~7に示す例示的な一実施形態では、本体22は、コア軸30の周りに配置され、及びコア28を囲む複数の外向きの空洞40を含み得る。空洞は、脂肪及び/又は組織が構造を満たすと共にそれを通過し、及び再建及び/又は増大された乳房を膨らませることを可能にするようなサイズにされ得るか、そのように形作られ得るか、配置され得るか、又は他の方法で構成され得る。いくつかの応用では、プロテーゼの移植前に、選択した量の脂肪を空洞内に配置することが望ましい場合があるが、必須ではない。
【0072】
一態様によれば、プロテーゼ本体22は、所望の形態の空洞を作り出すように配置された複数の本体セグメント42を含み得る。
図2~7に示す一実施形態では、本体セグメント42は、コア28の周りに周方向に配置され、コアから半径方向外向きの方向に延在して花弁様形態を形成し得る。本体セグメント42は、一緒に及び/又はコア28に取り付けられて、本体セグメントの位置を維持し得、及び/又はプロテーゼの構造的完全性に寄与し得る。この点に関して、当業者に明白であるように、本体セグメント42は、任意の好適な技術を使用して、一緒に及び/又はコア28に取り付けられ得る。しかしながら、いくつかの実施形態に関して、本体セグメントは、中空コア構造に取り付けられる必要がないことが理解されるべきである。例えば、本体は、中空コア構造を含まなくてもよく、及び本体セグメントは、コア軸の周りで及びそこから離間されて互いに取り付けられて中空コアを形成し得る。
【0073】
図8~9に示す一実施形態では、各本体セグメント42は、近位又は下方端部から遠位又は上方端部まで延在する外周縁部44を有し得る。近位端部及び遠位端部は、本体の近位端部及び遠位端部に対応し得る。各本体セグメントは、コア28に沿って位置決めされた内周縁部46、本体の近位端部24に位置決めされた近位又は下方周縁部48及び本体の遠位端部26に位置決めされた遠位又は上方周縁部50を含み得る。外周縁部44は、本体セグメントの近位周縁部48から遠位周縁部50まで延在し、プロテーゼの所望の形状を形成するために任意の好適な形態を有し得る。
【0074】
一実施形態では、各本体セグメントの内周縁部46は、外周縁部44がコアから半径方向に離間された状態でコアに固定され得る。
【0075】
図8に示す例示的な一実施形態では、コア28は、材料のシート又は層52から形成され得る。本体セグメント42は、互いに対して離間された位置でコア材料に取り付けられ得る。図示の通り、各本体セグメント42は、その内周縁部46がコア材料のシートの長さにわたって延在する状態で配置され得る。
【0076】
図9に示すように、本体セグメント42がコア材料のシート52に取り付けられた後、シート52は、コア軸30の周りでチューブ形態に丸められ得、これにより、本体セグメント42は、コア軸30の周りにファンのような配置構成で配置され、各本体セグメントは、コアから離れて半径方向外向きの方向に延在する。コア材料のシートの対向端部54、56が重ね合わされ、シートをチューブ形態において維持して中空コア構造を形成するために一緒に固定され得る。
【0077】
本体セグメント42は、コア材料のシート52に取り付けられ得、コア材料の重なり合う端部54、56は、1つ以上の位置で一緒に固定され得る。一実施形態では、4つの接続部58、例えば超音波溶接部は、各本体セグメントをコア材料に、及びコア材料の対向端部を一緒に取り付けるために用いられ得る。コア材料の対向端部は、重ね合わされ、及び互いに接続され得る。しかしながら、所望の取り付けレベルを達成するために、任意の数の溶接部が用いられ得ることを理解されたい。さらに、当業者に明白であるように、本体セグメント及び/又はコア材料は、任意の好適な固定技術を使用して固定され得ることが理解されるべきである。
【0078】
本開示の一態様によれば、各本体セグメント42は、複数の材料層を含み得る。複数の材料層は、コアに接続されるユニタリー構造又はモジュールとして形成され得る。そのような配置構成は、コアに個別に取り付けられる必要がある別個の構成部品の数を減らすことにより、プロテーゼの製作を容易にし得る。しかしながら、必要に応じて、当業者に明白であるように、個々の材料層は、コアに別々に取り付けられ得る。
【0079】
例示的な一実施形態では、各本体セグメント42は、一体構造として一緒に接合された複数の本体層を含み得る。
図10A~13に示す一実施形態では、各本体セグメント42は、コア28に取り付けられ、半径方向外向きの方向に延在する4つの本体層54を含み得る。各本体セグメント42のための本体層54は、本体層55a、55bの2つの対に配置され得、層の対の各層54は、それらの半径方向に延在する近位周縁部48に沿って互いに接合される。各本体セグメントの本体層も、コアの長さ部分に沿って軸方向に延在するそれらの内周縁部46に沿って互いに接合され得る。
【0080】
図10A~11に示す例示的な一実施形態では、各本体セグメント42は、4つの本体層を形成するために第1の軸58及び第2の軸60の周りで折られた単一の材料シート56から形成され得る。
図10Aに示すように、材料のシートは、第1の折り目62に沿って第1の軸58の周りで折られて、各対の本体層を接合する近位周縁部48を形成し得る。
図10Bに示すように、その後、材料のシート56は、第2の折り目64に沿って第2の軸60の周りで折られて、本体層の内周縁部46を形成し得る。第2の折り目64は、第1の折り目62を第1及び第2の折り目セグメント62a、62bに分割する。一実施形態では、第1及び第2の折り目62、64は、互いに垂直であり得る。しかしながら、当業者に明白であるように、材料のシート56は、互いに対して任意の所望の角度に向けられた任意の数の折り目に沿って折られて、任意の好適な形態及び/又は数の本体層を有する本体セグメントを形成し得る。
【0081】
上述の通り、本体22の外側輪郭は、プロテーゼの所望の形態を作り出すような輪郭を付けられ得る。
図10Aに示す一実施形態では、本体セグメントを形成する材料のシートは、八角形を有し得、シートの各象限のそれぞれが本体セグメントの本体層の1つを形成する。
図10Cに示すように、八角形のシートは、第1のセグメント44a、第2のセグメント44b及び第3のセグメント44cを有する外周縁部44を有する各本体層を生じさせ、この外周縁部は、本体セグメントの近位端部から遠位端部まで延在する。
【0082】
一実施形態では、第1のセグメント44aは、コア軸30に平行な方向に所望の長さだけ延在するように構成され得、第3のセグメント44cは、第1のセグメント44a及びコア軸30を横断する方向に所望の長さだけ延在するように配置される。第2のセグメント44bは、第1のセグメント44aから第3のセグメント44cまで、第1及び第3のセグメントの両方に対して非平行及び非垂直である角度で延在するように配置され得る。このようにして、第1のセグメント44aの外側寸法は、近位端部から第2のセグメント44bに向かう方向において内周縁部46に対して一定であり得、及び第2のセグメントは、角度を付けられ得るため、その外側寸法は、第1のセグメント44aから、本体の遠位端部26に位置する第3のセグメント44cに向かって減少する。
【0083】
一実施形態では、第3のセグメント44cは、第1のセグメント44aに垂直に配置され得、及び第2のセグメント44bは、本体セグメントの近位端部24に対して35°~40°の角度で配置され得る。当業者に明白であるように、シートのサイズ及び形態は、プロテーゼの本体を形成するのに好適な任意のサイズ及び形状の本体層を有する本体セグメントを形成するように選択され得ることを理解されたい。異なるサイズ及び形態を有する本体を形成するために、異なるサイズ及び/又は形態のシートが用いられ得ることも理解される。
【0084】
図10A~13に示す一実施形態では、タブ66は、各本体セグメントの1つ以上の本体層の第3のセグメント44cから延在し得る。下記でさらに説明するように、本体に遠位層38を取り付けるためにタブ66が用いられ得る。しかしながら、タブは、各実施形態に必須ではなく、及び/又はタブの数は、ある実施形態の特定の配置構成次第で変わり得ることを理解されたい。
【0085】
本体22の空洞40は、所望の形態の空洞を形成するように、隣接する本体層54を一緒に接合することによって形成され得る。
【0086】
図14に示す例示的な一実施形態では、本体セグメント42は、本体22の近位端部24と遠位端部26との間に位置する第1及び第2の接続部70、72において、互いに接続された第1及び第2の本体層54a、54bを含み得る。第1及び第2の接続部70、72は、コア軸30から離間され、及び本体の近位端部から遠位端部に向かって延在する近位から遠位方向に離間され得る。一実施形態では、第2の接続部72は、本体の遠位端部26にごく接近して位置し得る。
【0087】
本体セグメントは、第1及び第2の本体層54a、54bに接続された第3及び第4の本体層54c、54dも含み得る。一実施形態では、第3の本体層54cは、近位から遠位方向において、第1の接続部70と第2の接続部72との間に位置する第3の接続部74で第1の本体層54aに接続され得る。第4の本体層54dは、近位から遠位方向において、第1の接続部70と第2の接続部72との間に位置する第4の接続部76で第2の本体層54bに接続され得る。
【0088】
図14に示すような一実施形態では、第1、第2、第3及び第4の接続部のそれぞれは、それぞれの本体層の外周縁部に隣接して位置し得る。一実施形態では、第1、第2、第3及び第4の接続部は、本体の近位端部と遠位端部との間及び隣接する本体層間に位置する唯一の接続部である。しかしながら、当業者に明白であるように、任意の数の接続部が本体層間に用いられ、本体層に沿ったいずれかの位置に位置して、任意の好適な配置構成の空洞を有する本体を形成し得ることを理解されたい。
【0089】
第1及び第3の本体層54a、54cは、本体の近位端部24でさらに一緒に接続され得、第2及び第4の本体層54b、54dは、本体の近位端部24でさらに一緒に接続され得る。一実施形態では、第1及び第3の本体層54a、54cは、第1の折り目セグメント62aに沿って一緒に接続され得、第2及び第4の本体層54b、54dは、第2の折り目セグメント62bに沿って一緒に接続され得る。図示の通り、各折り目セグメント62a、62bは、コア軸から離れて本体層の外周縁部に向かって半径方向外向きの方向に延在するような向きにされ得る。
【0090】
空洞の密度及び/又はサイズは、層間の接続部の数及び/又は間隔によって変更され得る。例えば、接続部を一緒により近くに配置することにより、比較的小さく、密度が高い空洞を形成し得、及び接続部の間隔をさらに広げることにより、比較的大きく、密度が低い空洞を形成し得る。必要に応じて、本体構造は、様々な材料層間の接続部のパターンを変更することにより、異なるサイズ及び/又は密度の空洞を有する領域を含み得る。
【0091】
一実施形態では、本体層54は、超音波スポット溶接部などの溶接接続部を使用して一緒に接続され得る。しかしながら、当業者に明白であるように、本体層は、任意の好適な固定又は接合技術、例えば、限定されないが、縫合糸、ステープル及びタックを使用して接続され得ることを理解されたい。
【0092】
上述の通り、移植可能なプロテーゼは、本体の近位端部24に取り付けられた近位層34を含み得る。
図5及び
図6に示す一実施形態では、近位層34は、第1及び第2の折り目セグメント62a、62bのそれぞれに取り付けられ得る。図示の通り、近位層は、接続部58、例えば超音波スポット溶接部の対によって折り目セグメントに取り付けられ得る。しかしながら、当業者に明白であるように、近位層は、任意の好適な固定又は接合技術、例えば、限定されないが、縫合糸、ステープル及びタックを使用して本体に接続され得ることを理解されたい。
【0093】
移植可能なプロテーゼは、本体の遠位端部26に取り付けられた遠位層38を含み得る。
図15~16に示す一実施形態では、遠位層38は、本体セグメントに設けられた各タブ66に取り付けられ得る。図示の通り、遠位層は、接続部58、例えば超音波スポット溶接部によってタブに取り付けられ得る。しかしながら、当業者に明白であるように、遠位層は、任意の好適な固定又は接合技術、例えば、限定されないが、縫合糸、ステープル及びタックを使用してタブに接続され得ることを理解されたい。
【0094】
いくつかの応用では、コア軸に沿って複数の階層に空洞を配置することが望ましい場合がある。
図17~18に示す例示的な一実施形態では、空洞40は、本体の近位端部24と遠位端部26との間でコア軸30に沿って積み重ねられた第1の階層T
1、第2の階層T
2及び第3の階層T
3に配置され得る。第2の階層T
2は、第1の階層T
1と第3の階層T
3との間に位置し得る。
図18に示すように、各階層は、少なくとも第1の空洞40a-1、40b-1、40c-1及び第2の空洞40a-2、40b-2及び40c-2を含み得る。
【0095】
図18に示す一実施形態では、第1の階層T
1における第1の空洞40a-1は、本体の近位端部から遠位端部への方向に延在する第1の半径方向平面P
1に沿って、第3の階層T
3における第1の空洞40c-1と位置合わせされ得る。第1の階層T
1における第2の空洞40a-2は、本体の近位端部から遠位端部への方向に延在する第2の半径方向平面P
2に沿って、第3の階層T
3における第2の空洞40c-2と位置合わせされ得る。第1の半径方向平面は、第2の半径方向平面から周方向にオフセットされ得る。
【0096】
一実施形態では、第2の階層T
2における空洞40bは、第1及び第3の階層T
1、T
3における空洞40a、40cから周方向にオフセットされ得る。
図17~18に示すように、第2の階層における空洞40bは、第1の階層における空洞40aを第3の階層における空洞40cから分離し得る。
【0097】
一実施形態では、各階層は、対応する階層において同じ形状を有する空洞を含み得る。一実施形態では、第1の階層T1における空洞は、第1の形状を有し得、及び第3の階層T3における空洞は、第1の形状と異なる第3の形状を有し得る。第2の階層T2における空洞は、第1及び/又は第3の形状と異なる第2の形状を有し得る。しかしながら、空洞は、各階層内及び/又は階層間に同じ又は異なる形状を有し得ることを理解されたい。
【0098】
図17~18に示す一実施形態では、第1の階層T
1における各空洞40aは、シェブロン形状を有する第1の部分80及び湾曲形状を有する第2の部分82を有する周縁部を含み得る。図示の通り、周縁部の第2の部分82は、第1の部分80から本体の遠位端部に向かう方向に延在する凹状湾曲を有し得る。周縁部の第1の部分80は、第2の階層T
2において、隣接する空洞間に少なくとも部分的に位置し得る。
【0099】
図17~18に示す例示的な一実施形態では、空洞40は、コア軸30の方向において本体の近位端部24から遠位端部26に向かってサイズが減少し得る。空洞の第1、第2及び第3の階層のそれぞれは、近位端部から遠位端部への方向に減少する外径を有し得る。一実施形態では、第3の階層T
3は、第1の階層T
1の外径よりも小さい外径を有し得る。第2の階層T
2は、第3の階層T
3の外径よりも小さい外径を有し得る。
【0100】
一実施形態では、各階層に設けられた空洞は、対応する階層において同じサイズを有し得る。階層内の各空洞は、コア軸から離れて本体の外周縁部に向かう半径方向外向きの方向にサイズが増加し得る。一実施形態では、各空洞は、半径方向外向きの方向に増加する幅を有し得る。当業者に明白であるように、各階層における空洞は、異なるサイズを有するように構成され得ることを理解されたい。
【0101】
空洞40のそれぞれは、コア軸30を横断する方向において、対応する空洞軸CAに沿って延在し得る。空洞軸CAは、空洞40の長さ部分に沿って延在し、及び空洞のほぼ中心領域に位置する。一実施形態では、空洞のそれぞれに対する空洞軸は、互いの空洞に対して異なり得る。各空洞軸は、互いの空洞に対して異なる方向に向けられ得る。各空洞軸は、本体の近位端部24に対して角度を付けられ得る。
【0102】
図19に示すように、第1の階層T
1における各空洞40aの空洞軸CA1は、第1の角度A
1を有し得、第2の階層T
2における各空洞40bの空洞軸CA2は、第2の角度A
2を有し得、及び第3の階層T
3における各空洞40cの空洞軸CA3は、第3の角度A
3を有し得る。一実施形態では、第1、第2及び第3の角度は、互いに異なり得る。例えば、限定されないが、第1の角度A
1は、第2の角度A
2及び/又は第3の角度A
3よりも小さくてよく、第2の角度A
2は、第3の角度A
3よりも小さくてよい。しかしながら、第1、第2及び第3の角度は、同じ角度であり得るか、又は第1、第2及び第3の角度のいずれか2つが同じであり、残りの角度が他の2つの角度と異なり得ることを理解されたい。
【0103】
一実施形態では、空洞軸CA1の第1の角度A1は、第1の階層T1における各空洞40aについて同じであり得る。空洞軸CA2の第2の角度A2は、第2の階層T2における各空洞40bについて同じであり得る。空洞軸CA3の第3の角度A3は、第3の階層T3における各空洞40cについて同じである。しかしながら、各階層における空洞の空洞軸は、互いに同じ角度を有する必要はなく、及び空洞軸の角度は、対応する階層において異なり得ることを理解されたい。
【0104】
プロテーゼの本体22は、特定の応用に好適であり得る任意の所望の形状を有するように構成され得る。図面に示すような例示的な一実施形態では、本体は、乳房再建及び/又は豊胸に好適であり得る円錐台形状を有し得る。他の好適な形態の例は、限定されないが、球形状、半球形状及びチューブ形状を含み得る。図示の通り、本体は、近位端部24及び/又は遠位端部26において平面形態を有し得る。しかしながら、近位端部及び遠位端部の一方又は両方は、非平面形態、例えば、限定されないが、湾曲形態を用い得る。例えば、限定されないが、近位及び/又は遠位端部は、凹又は凸形状を有し得る。
【0105】
いくつかの応用では、胸筋前インプラント乳房再建又は豊胸に使用されるとき、プロテーゼの本体22と、隣接する組織、例えば前方組織弁との間の接触面を柔らかくすることが望ましい場合がある。
図20に示す例示的な一実施形態では、本体の外側輪郭を覆うためにシュラウド90が設けられ得る。一実施形態では、シュラウド90は、生体適合性材料の可撓性シートを含み得、これは、本体22の上を覆うように配置され、及びプロテーゼの少なくとも基部34に固定される。
図21に示す一実施形態では、シュラウド90は、本体に対応し、及びその上を覆うように適合する三次元形状に事前に形作られ得る。例えば、限定されないが、シュラウドは、ドーム様形状を有して構成され得、これは、基部に固定され得る。このようにして、シュラウドは、花弁及び/又は本体セグメントの縁を覆って、隣接する組織とのそれらの接触面を柔らかくし得る。シュラウドは、プロテーゼに比較的滑らかな外表面を提供し得る。
【0106】
シュラウド90は、柔軟なメッシュ生地を含み得、これは、組織の内方成長を支援して、プロテーゼの前方輪郭全体にわたり、血管化され、膠原化された線維組織の連続層を作り出し、これによりプロテーゼの上方での脂肪組織層の増殖を支援して促す。プロテーゼ、特に花弁及び/又は本体セグメントの縁間の接触面を柔らかくすることに加えて、シュラウドは、自家脂肪移植(AFT)の必要性を低下させ得、及び/又はAFTによって作り出される追加的な体積を増加させ得る。シュラウドは、プロテーゼを、シュラウドを用いないプロテーゼを認識するよりも早くに認識させないようにし得る。シュラウドは、移植された脂肪をプロテーゼの外表面に保持し、及び脂肪の残存性を高め得る。縁を柔らかくすること及び脂質生成を促すことの複合効果が術後の自家脂肪移植術の必要性を低下させ得る。しかしながら、プロテーゼの各実施形態に対してシュラウドが必要とされるわけではないことを理解されたい。
【0107】
乳房再建又は豊胸のために、長期にわたる異物の懸念なく、耐久性があり、軽量な移植可能なプロテーゼを提供することが望ましい場合がある。
【0108】
一態様によれば、プロテーゼは、吸収性材料から製作され得る。一実施形態では、プロテーゼは、ゆっくり吸収される材料、例えばP4HB(ポリ-4-ヒドロキシブチレート)から製作され、乳房に長期間の支持をもたらし、脂肪及び/又は組織がプロテーゼを最終的に満たし、及びそれに置き換わるため、乳房のより自然な見た目及び感触を促し得る。材料は、プロテーゼ内での脂肪の通過及び/又は組織の内方成長を促すのに十分に多孔質であり得るが、多孔質材料は、各実施形態に必要なわけではない。プロテーゼは、編み、織り及び/又は不織材料を含み得る。
【0109】
一実施形態では、本体及びシュラウドを含むプロテーゼは、用いられる場合、P4HBから製造されるPHASIXメッシュ(Davol, Inc.(Warwick, RI)から入手可能)で製作され得る。他の好適な材料は、限定されないが、GalaFLEX(Galateaから入手可能)、TIGR Matrix(Novus Scientificから入手可能)、SERI Surgical Body(Allergenから入手可能)、BIO-A(Goreから入手可能)及びULTRAPRO(Ethiconから入手可能)を含み得る。必要に応じて、代替形態として、不織材料、例えばPhasixが用いられ得るか、又はメッシュと一緒にプロテーゼに比較的軟らかい輪郭を提供し得る。いくつかの応用では、非吸収性材料、例えば、限定されないが、ポリプロピレン及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からプロテーゼ又はプロテーゼの1つ以上の部分を製作することが望ましい場合がある。
【0110】
補修生地の平らなシートを使用して、本体の上を覆うように形成されるシュラウドを用いる実施形態に関して、ドームとして事前に形作られるシュラウドと比較して、比較的伸縮可能な生地を用いることが望ましい場合がある。例えば、限定されないが、シュラウドをドームとして事前に形作るために使用される材料の伸縮をおよそ50%上回る伸縮量を有する生地を用いることが望ましい場合がある。一実施形態では、本体の上を覆い、及びその周りにシュラウドを形成するためにGalaFlexLITEが用いられ得る。しかしながら、当業者に明白であるように、シュラウドを形成するために他の伸縮性材料が用いられ得ることを理解されたい。
【0111】
いくつかの応用では、1つ以上の特性を提供する材料でプロテーゼをコーティングすることが望ましい場合がある。例えば、限定されないが、出血を最小限にし、漿液腫の形成を最小限にし、及び/又は組織の内方成長を促すことが望ましい場合がある。一実施形態では、プロテーゼは、Arista AH(Davol, Inc.から入手可能)でコーティングされ得る。
【0112】
プロテーゼの特定の応用に関して、圧縮後の永久変形に対して所望の量の抵抗を提供するように構築されることが望ましい場合がある。一実施形態では、プロテーゼは、その高さHの40%の垂直方向の圧縮を受けた後、高さが低くされるか、又はその元の高さHの10%以下(すなわち≦10%)を有するように構築され得る。高さの低下は、その後の1回以上の圧縮によって決定され得る。一実施形態では、高さの低下は、時点t=0及び時点t=12週間に決定され得る。しかしながら、当業者に明白であるように、プロテーゼは、永久変形に対して任意の好適な量の抵抗を提供するように構成され得ることを理解されたい。
【0113】
回復及びインプラントの統合中、移植された脂肪組織と一緒に、切除された空間を支持し得る移植可能なプロテーゼを提供することが望ましい場合がある。
【0114】
一態様によれば、プロテーゼは、乳房内の生体力学的な力に抵抗するような圧縮強度を有し得る。一実施形態では、インプラントは、時点t=0で25%の垂直方向の圧縮で少なくとも3.1lbf(すなわち≧3.1lbf)の圧縮強度及び時点t=12週間で25%の垂直方向の圧縮で少なくとも2.4lbf(すなわち≧2.4lbf)を有し得る。しかしながら、当業者に理解されるように、プロテーゼは、任意の好適な量の圧縮強度を有するように構成され得ることを理解されたい。
【0115】
一態様によれば、プロテーゼは、機器の機械的完全性を維持するのに十分な接続強度を有する接続部を用い得る。一実施形態では、インプラントは、時点t=0で少なくとも1.0lbf(すなわち≧1.0lbf)の接続強度を有する接続部を用い得る。しかしながら、当業者に理解されるように、プロテーゼは、任意の好適な量の接続強度を有するように構成され得ることを理解されたい。
【0116】
本特許出願及びそれに関するいずれかの特許の目的として、本明細書及び特許請求の範囲で使用されるような不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、明らかに特段の記載がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。本明細書及び特許請求の範囲で使用されるような語句「及び/又は」は、そのように等位接続された要素の「いずれか又は両方」、すなわちある場合には接続的に存在し、及び他の場合には離接的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」で列挙される複数の要素は、同じようにみなされるべきであり、すなわち要素の「1つ以上」がそのように等位接続される。他の要素は、任意選択的に、「及び/又は」の節によって具体的に特定された要素以外に、具体的に特定した要素に関連するか又はしないかに関わらず存在し得る。
【0117】
本明細書では、「包含する」、「含む」、「有する」、「含有する」、「伴う」及び/又はそれらの変形の使用は、その前に列挙された項目及びその均等物並びに追加的な項目を含むことを意味する。
【0118】
明らかに特段の記載がない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、本明細書で特許請求されるいずれかの方法では、方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも方法のステップ又は行為が列挙される順序に限定されないことも理解されるべきである。
【0119】
様々な実施形態の上記の説明は、単にその説明を意図するものであり、他の実施形態、修正形態及び均等物が本開示の範囲内にある。
【国際調査報告】