(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】生体認証可能なスマートカードのモバイル登録のための構造及び方法
(51)【国際特許分類】
G06K 7/015 20060101AFI20240614BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20240614BHJP
G06F 21/32 20130101ALI20240614BHJP
G06K 19/073 20060101ALI20240614BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
G06K7/015
G06K19/07 180
G06K19/07 090
G06F21/32
G06K19/073 054
G06K19/077 176
G06K19/077 244
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579233
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2022067268
(87)【国際公開番号】W WO2022269000
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517124778
【氏名又は名称】ズワイプ アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, ローベルト
(57)【要約】
生体認証可能なスマートカードを、スマートカードの生体認証登録中にスマートフォンに関して位置合わせするための構造であって、構造は、スマートカードを受容するためのスマートカード領域と、構造をスマートフォンに関して所定の位置に位置合わせするためのガイドとを備え、位置合わせ構造は、スマートカードがスマートカード領域内に受容され、構造がスマートフォンに関して所定の位置に位置合わせされているとき、スマートカードがスマートフォンの近距離無線通信アンテナの近くに位置して、スマートカードはアンテナから電力を受け取るように構成されている、構造。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体認証可能なスマートカードを、前記スマートカードの生体認証登録中にスマートフォンに関して位置合わせするための構造であって、前記構造は、
前記スマートカードを受容するためのスマートカード領域と、
前記構造を前記スマートフォンに関して所定の位置に位置合わせするためのガイドと、を備え、
前記位置合わせ構造は、前記スマートカードが前記スマートカード領域内に受容され、前記構造が前記スマートフォンに関して前記所定の位置に位置合わせされているとき、前記スマートカードが前記スマートフォンの近距離無線通信アンテナに近接して位置して、前記スマートカードは前記アンテナから電力を受け取るように構成されている、構造。
【請求項2】
前記スマートカード領域は、前記構造の切り取り部によって画定され、前記切り取り部は、前記スマートカードを保持するように構成されている、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記構造は、折り畳みテンプレート構造を含む、請求項1又は2に記載の構造。
【請求項4】
前記スマートカード領域は、強磁性、透磁性、又は磁気反射性の要素を備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の構造。
【請求項5】
前記要素は、フェライト及び/又はミューメタル材料を含む、請求項4に記載の構造。
【請求項6】
前記ガイドは、前記構造の縁部及び/又は1つ以上の位置合わせマークを含み、前記構造の前記縁部及び/又は1つ以上の位置合わせマークは、前記構造を前記スマートフォンの縁部と位置合わせするために構成されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の構造。
【請求項7】
前記構造は、紙ベースの材料から形成されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の構造。
【請求項8】
第1の電話機モデルの電話機又は電話機ファミリのための第1のガイドと、第2の電話機モデル又は電話機ファミリのための第2のガイドとを備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の構造。
【請求項9】
前記構造は、前記構造の一部を除去することにより、前記第1のガイド及び前記第2のガイドのうちのどちらが使用のために露出されるかを選択することを可能にするように構成されている、請求項8に記載の構造。
【請求項10】
生体認証可能なスマートカードの生体認証登録のためのシステムであって、前記システムは、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の構造と、
生体認証可能なスマートカードと、
スマートフォンと、を備え、前記スマートカードは電源を備えていない、システム。
【請求項11】
前記スマートカードは約86×54ミリメートルのサイズを有し、前記スマートカードは、アンテナを備え、非接触通信プロトコルを介して通信するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記スマートカードは指紋センサを備え、前記スマートカードの登録は前記指紋センサを使用して実行されることができ、前記スマートカードは前記指紋センサを用いて生体認証可能である、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
生体認証スマートカードを登録する方法であって、前記方法は、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の構造の前記スマートカード領域内にスマートカードを置くことと、
前記ガイドを使用して、前記構造をスマートフォンに関して位置合わせすることと、
前記スマートフォンから前記スマートカードに前記スマートフォンの近距離無線通信アンテナを介して電力を供給することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記スマートカード及び構造は両方とも前記スマートフォンの上に置かれるか、又は両方とも前記スマートフォンの下に置かれる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ユーザに、前記スマートフォンの画面上命令を介して、前記スマートフォンに関する前記構造の前記位置合わせを調整するように指示することを含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記スマートフォンと前記スマートカードとの間の近距離無線通信の信号強度を決定することと、前記決定された信号強度に基づいて前記位置合わせを調整するように前記ユーザに指示することと、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ユーザが前記スマートカードの指紋センサに指を提示することと、
前記スマートカードの前記指紋センサを使用して指紋画像を獲得することと、
前記獲得された指紋画像から生体認証参照データを生成することと、
前記参照データを前記スマートカード上に保存することと、を含む、請求項13乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記スマートフォンに関する前記構造の前記位置合わせは、前記構造の縁部を前記スマートフォンの縁部に位置合わせすることによって実行される、請求項13乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記構造をスマートフォンに関して位置合わせすることと、
ユーザの第1の指を前記スマートカードに登録することと、
前記電話機、前記構造、又は前記スマートカードの配向を変更することと、
前記構造を前記スマートフォンに関して再位置合わせすることと、
前記ユーザの第2の指を前記スマートカードに登録することと、を含む、請求項13乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
方法であって、
登録中に生体認証可能なスマートカードに電力を提供するために使用されるスマートフォンを特定することと、
スマートフォンに関する前記スマートカードのための位置であって、前記スマートカードが前記スマートフォンの近距離無線通信アンテナに近接して位置して、前記スマートカードは前記アンテナから電力を受け取ることができるような位置を特定することと、
構造を前記スマートフォンに関して位置合わせするためのガイド、及び前記スマートカードを受容するためのスマートカード領域を有する前記構造の設計図を作成することと、を含み、
前記スマートカード領域及びガイドは、前記スマートカードが前記スマートカード領域によって受容され、前記構造が前記ガイドに従って前記スマートフォンに関して位置合わせされているとき、前記スマートカードは前記スマートフォンに対して前記特定された位置に位置する、方法。
【請求項21】
前記スマートカードのための位置を前記特定することは、前記スマートカードと前記スマートフォンとの間の実質的に最適な近距離無線通信のための位置を特定することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、
前記設計図によるガイド及びスマートカード領域を有する構造を製造することを含む、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
方法であって、
ユーザのスマートフォンのモデルを特定することと、
生体認証可能なスマートカードを、前記スマートカードの生体認証登録中に、前記特定されたスマートフォンモデルに関して位置合わせするための構造を選択することであって、前記構造は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の構造である、選択することと、
前記選択された構造を前記ユーザに送ることと、を含む、方法。
【請求項24】
前記構造を前記ユーザに、登録されるべき生体認証可能なスマートカードとともに送ることを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
生体認証可能なスマートカードをユーザに送る要求を受け取ることであって、前記要求は、前記ユーザが所有するスマートフォンの前記モデルの表示を含む、請求項23又は24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体認証可能なスマートカードを、スマートカードの生体認証登録中にスマートフォンに関して位置合わせするための構造と、対応する登録システム及びいくつかの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートカードなどの生体認証可能なデバイスは、ますます広く使用されており、例えば、アクセスカード、クレジットカード、デビットカード、プリペイカード、ロイヤルティカード、IDカードなどが含まれる。スマートカードは、データを記憶する能力、並びに、例えば近距離無線通信(NFC)などの非接触技術を介して、ユーザ及び/又は外部デバイスと対話する能力を有する電子カードである。これらのスマートカードは、アクセスを可能にしたり、トランザクションを承認したりするために、読み取り機と対話して情報を伝達することができる。
【0003】
指紋認証などの生体認証は、ますます広く使用されるようになっている。完全な搭載生体認証を有するスマートカードは、生体認証システム・オン・カード(BSoC)と呼ばれ、スマートカードの安全な機能へのアクセスを可能にするために、例えば金融取引を承認するために、統合された生体認証キャプチャデバイス(指紋センサなど)を介してユーザと対話することができる。
【0004】
生体認証可能なスマートカードは、それらが使用されることができる前に、登録プロセス(例えば、ユーザの指紋の獲得及び登録)を完了する必要がある。登録中、スマートカードに統合された生体認証キャプチャデバイスを使用することが望ましい。これにより、ネットワークを介した生体認証データの潜在的に安全でない送信の必要性が回避され、代わりに、生体認証データを、外部記憶装置又は送信を必要とせずに、スマートカードに安全に保持することができる。また、現在獲得されているユーザの生体認証データを以前に保存された生体認証参照データと照合することによる後の認証に使用されるのとまったく同じキャプチャデバイスが登録に使用されるので、生体認証本人確認プロセスの精度も向上する。そのようなプロセスには、スマートカードが給電されることが必要である。
【0005】
搭載電源を有さないスマートカードの場合、登録プロセス中、WO2020/002678(A1)に開示されているような、電気接続を介してスマートカードに電力を提供するように構成された内部バッテリを有する受動的な登録デバイス/スリーブを介して、使用するためのカードに電力が供給されることがある。あるいは、スマートカードのISO/IEC7816接触プレートとの接続、又は、例えばISO/IEC14443-3インターフェースを使用して、非接触式に接続する専用インターフェースデバイスとの接続を介して引き出される電力など、外部電源への有線接続を介して、電力がスマートカードに供給されることがある。しかしながら、このアプローチを介して引き出される電流に関連する外部電源からの技術的制約、並びにスマートカード自体で大きな電力を処理することにおける困難が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、本発明は、生体認証可能なスマートカードを、スマートカードの生体認証登録中にスマートフォンに関して位置合わせするための構造であって、構造は、スマートカードを受容するためのスマートカード領域と、構造をスマートフォンに関して所定の位置に位置合わせするためのガイドと、を備え、位置合わせ構造は、スマートカードがスマートカード領域内に受容され、構造がスマートフォンに関して所定の位置に位置合わせされているとき、スマートカードがスマートフォンの近距離無線通信アンテナに近接して位置して、スマートカードはアンテナから電力を受け取るように構成されている、構造を提供する。
【0007】
いかなる追加のハードウェアも必要としないので、(例えば、カード所有者に属する)スマートフォンを使用して、登録中に近距離無線通信(NFC)アンテナを介してスマートカードに電力を供給することは有利である。このようにして、無線接続が利用され、電力が、スマートフォンのNFCアンテナとの非接触結合を介して、スマートカードのアンテナを使用して採取される。多くの現代のスマートフォンは、この目的に好適なNFCアンテナを備えている。
【0008】
また、モバイル登録は、自宅でも外出先でも、ユーザが柔軟に登録を行うことを可能にする。しかしながら、モバイル登録にスマートフォンを使用することの1つの課題は、多くのスマートフォンからのNFCフィールドは、特定の位置で登録用スマートカードに給電することのみに十分であるし、ユーザが、スマートカードを特定し、電話機の傍らの好適な位置に安定して保持することは困難であることである。
【0009】
これらの問題により、モバイル登録の成功率は低くなる可能性があり、モバイル登録は、ユーザにとって苛立たしく、時間がかかる可能性がある。
【0010】
本発明の少なくともいくつかの実施形態による構造は、登録中のスマートカードの位置決めを誘導するように、登録プロセス中のユーザを支援し、
・登録中のカードへの十分で安定したエネルギー供給と、
・安定した通信と、
・生体認証機能を呈するのに良好な人間工学と、を可能にする。
【0011】
構造は、低コストで、製造、出荷、及び廃棄することができる。それは、生体認証カードのモバイル登録のユーザ経験及び成功率を大幅に改善する。構造は、関連する追加コスト及び環境フットプリントを伴うスリーブ又は同様の使い捨てデバイスの出荷を回避し得る。
【0012】
構造は、所定の位置によって、最適で安定した電力がスマートフォンのアンテナからスマートカードに提供されることが保証されるように構成され得る。所定の位置は、スマートカード(又はスマートカードのアンテナ)とスマートフォンのアンテナとの間の最大重複を必ずしも提供しなくてもよいが、スマートフォンとスマートカードとの間の最良のエネルギー伝達及び通信安定性を提供するように決定され得る。
【0013】
「最適な」電力及び「最良の」エネルギー伝達を論じるとき、これは、スマートカードの生体認証登録の特定の制約内の最適な電力/エネルギーとして解釈されるべきであることが理解されよう。例えば、ユーザが位置合わせを実行するために、スマートカード及び構造は電話機表面に対して平らであらねばならいという点で、位置は制限され得る。
【0014】
スマートカード領域は、構造内の切り取り部によって画定され得、切り取り部は、スマートカードを所定の位置に、例えば機械的に、保持するように構成され得る。スマートカードは、その周囲の一部において、切り取り部にある構造の縁部によって保持され得る。スマートカードは、摩擦嵌合で保持され得る。あるいは、又は加えて、スマートカードは、スマートカード領域の上のタブ又はカバーによって所定の位置に保持され得る。他の実施形態では、スマートカード領域は、スマートカードを所定の位置に保持するための接着剤を含み得る。
【0015】
スマートカードの一部又は全てが、スマートカード領域内に配置され得る。例えば、スマートカード領域は、スマートカード領域内に受容されたスマートカードが、構造及び/又はスマートフォンの縁部を超えて延在するように構成され得る。
【0016】
スマートカード領域は、スマートカードがその上に静置するように構成され得る裏面を有し得る。
【0017】
構造は、折り畳み構造を含み得る。折り畳み構造は、接着剤により折り畳み位置に保持され得る。接着剤は、点状のりなどの点状接着剤を含み得る。構造が折り畳み構造を含む場合、スマートカードは、折り畳み構造によって所定の位置に保持され得る。例えば、構造は、構造が折りたたまれる前にスマートカードがスマートカード領域に受容可能であって、構造が折りたたまれているとき、スマートカードは折り畳み構造の2つの部分の間に保持されるように構成され得る。
【0018】
スマートカード領域は、強磁性又は磁気透過性若しくは反射性要素を含み得る。要素は、その近接で近距離無線通信を改善するように、特に、スマートカード領域に配置されたスマートカードと、構造が位置合わせされているスマートフォンとの間の近距離無線通信を改善するように構成され得る。
【0019】
要素は、フェライト及び/又はミューメタル材料を含み得る。フェライトは、少量の割合の、ストロンチウム、バリウム、マンガン、ニッケル、及び亜鉛などの1つ以上の追加金属元素を配合された、大量の割合の酸化鉄(III)(Fe2O3、錆)を混合及び焼成することによって作られたセラミック材料である。それは、強磁性であり、つまり、磁化されたり、又は磁石に引き寄せられることができる。ミューメタル材料は、非常に高い透磁率を有するニッケル-鉄軟質強磁性合金である。ミューメタルは、典型的には、80,000~100,000の相対透磁率値を有する。
【0020】
要素は、箔層などのコーティングの形態であり得る。このコーティングは、スマートカード領域の一部又は全てに存在し得る。
【0021】
ガイドは、構造の縁部及び/又は1つ以上の位置合わせマークを含み得、構造の縁部及び/又は1つ以上の位置合わせマークは、構造をスマートフォンの縁部と位置合わせするように構成されている。例えば、登録中、ユーザは、構造の2つの隣り合う縁部をスマートフォンの2つの縁部と位置合わせし得る。あるいは、又は加えて、ユーザは、位置合わせマークをスマートフォンの特定の1つ又は複数の縁部と位置合わせし得る。位置合わせマークは、矢印及び/又はテキストなどの視覚的インジケータを含み得、例えば、構造の特定の縁部をスマートフォンと位置合わせするようにユーザに指示する。
【0022】
構造は、段ボール、カードストック、板紙、紙などの紙ベースの材料から形成され得る。これにより、製造が安価でリサイクルが容易になる。
【0023】
構造は、第1のスマートフォンモデル又はスマートフォンモデルファミリのための(すなわち、それらについて登録方法で使用するための)第1のガイドと、第2のスマートフォンモデル又はスマートフォンモデルファミリのための第2のガイドとを含み得る。このようにして、単一の構造が、ある範囲のスマートフォンモデルに好適であり得る。構造は、任意の数のスマートフォンモデルについて使用するための任意の数のガイドを含み得る。
【0024】
構造は、構造の一部を除去することによって、ガイドのうちのどれが使用のために露出されるかの選択を可能にするように構成され得る。例えば、2つ(又は任意の数)のガイドが、単一の構造の一部として提供され、構造の一部分上の1つのガイドは、別のガイドを取り囲んでいる。構造の周囲部分を除去して内側ガイドを露出させるために、ミシン目が構造内に存在し得る。あるいは、単一の構造は、構造に変更を加えることなく使用可能な複数のガイドを含み得る。
【0025】
位置合わせ構造は、スマートカードがスマートカード領域内に受容されているとき、スマートフォンがスマートカードとアンテナを介して通信できるように構成され得る。
【0026】
第2の態様によれは、本発明は、生体認証可能なスマートカードの生体認証登録のためのシステムであって、システムは、(本明細書に記載の任意選択的な特徴部のうちのいずれかを含む)第1の態様による構造と、生体認証可能なスマートカードと、スマートフォンと、を備え、スマートカードは電源を含まない、システムを提供する。
【0027】
スマートカードは、(ISO/IEC7810に準ずる)ID-1カードに従うサイズを有し得る。特に、スマートカードは、85.60mm(+0.12mm/-0.13mm)×53.98mm(+0.05mm/-0.06mm)のサイズと、2.88~3.48mmの半径を有する丸みを帯びた隅と、0.76(+0.08mm/-0.08mm)の厚さとを有し得る。スマートカードは、より一般的には、約86×54ミリメートルのサイズを有し得る。
【0028】
スマートカードは、スマートフォンから電力を受け取り、かつ/又はスマートフォンと通信するためのNFCアンテナを備え得る。
【0029】
スマートカードは、アンテナを備え得、例えばISO/IEC14443-3などの無線/非接触通信プロトコルを介して通信するように構成され得る。スマートカードは、そのようなプロトコルを介してスマートフォンと通信するように構成され得る。スマートカードは、スマートカードチップを含み得る。
【0030】
スマートカードは、指紋センサであり得る搭載生体認証キャプチャデバイスを備え得る。スマートカードの登録は、スマートカードの生体認証キャプチャデバイスを使用して実行され得、スマートカードは、生体認証キャプチャデバイスを用いて生体認証可能であり得る。
【0031】
NFCを介してスマートカードに電力を供給することに加えて、スマートフォンはまた、登録のためにコマンドをスマートカードに送信したり、かつ/又はスマートカードからデータを受信したり、かつ/又はその内臓ディスプレイを介したフィードバックで、ユーザを誘導し得る。
【0032】
第3の態様によれば、本発明は、生体認証可能なスマートカードを登録する方法であって、方法は、(本明細書に記載の任意選択的な特徴部のうちのいずれかを含む)第1の態様による構造のスマートカード領域内にスマートカードを置くことと、ガイドを使用して構造をスマートフォンと位置合わせすることと、スマートフォンからスマートカードにスマートフォンの近距離無線通信アンテナを介して電力を供給することと、を含む、方法を提供する。
【0033】
スマートカード及び構造は、スマートフォンの上又は下に置かれ得、それは、スマートフォンのNFCアンテナの位置に依存し得る。例えば、スマートフォンのNFCアンテナが電話機の背側に近接して位置する場合、スマートカード及び構造は、NFCアンテナにより近接して信号強度を改善するために、スマートフォンの下に置かれ得る。これは、登録中にスマートカードに最適で安定した電力を供給する助けとなる。上述したように、「最適」エネルギーを論じるとき、これは、登録方法の特定の制約内の最適エネルギーとして解釈されるべきであることが理解されよう。例えば、ユーザが位置合わせを実行するために、スマートカード及び構造は電話機表面に対して平らであらねばならない、及び/又はスマートカードの生体認証キャプチャデバイスがアクセス可能であらねばならない、及び/又はスマートカードがスマートフォンの配向若しくはスマートフォンの縁部と大まかに位置合わせされ得るという点で、位置は制限され得る。
【0034】
方法は、スマートフォンの画面上命令を介して、構造のガイドをスマートフォンに関してどのように位置合わせするかをユーザに指示することを含み得る。方法は、スマートフォンの画面上命令を介して、スマートフォンに関する構造の位置合わせを調整するようにユーザに指示することを含み得る。この微調整は、スマートフォンからスマートカードへの電力供給を改善する助けとなり得る。
【0035】
方法は、スマートフォンとスマートカードとの間の近距離無線通信の信号強度を決定することと、決定された信号強度に基づいて位置合わせを調整するようにユーザに指示することと、を含み得る。信号強度は、スマートフォンからの測定値によって決定され得る。信号強度の決定と調整とは、リアルタイムで実行され得、かつ/又は反復され得る。ユーザは、スマートフォンの画面に表示された命令を介して指示され得る。
【0036】
方法は、ユーザが、指紋などの生体認証識別子をスマートカードの生体認証キャプチャデバイスに提示することと、スマートカードの生体認証キャプチャデバイスを使用して生体認証プローブデータを獲得することと、生体認証プローブデータから生体認証参照データを生成することと、生体認証参照データをスマートカードに保存することと、を含み得る。生体認証キャプチャデバイスは指紋センサであり得、生体認証プローブデータは指紋画像であり得、生体認証参照データは、指紋画像に基づく指紋参照データであり得る。
【0037】
方法は、ユーザに登録命令を提示することを含み得る。登録命令は、スマートフォンの画面上及び/又は構造自体上に提示され得る。例えば、命令は、構造の表面に印刷され得る。
【0038】
スマートフォンに関する構造の位置合わせは、構造の縁部をスマートフォンの縁部に関して位置合わせすることによって実行され得る。
【0039】
方法は、構造をスマートフォンに関して位置合わせすることと、ユーザの第1の生体認証識別子(例えば、彼らの右親指)を獲得することと、電話機、構造、及びスマートカードのうちの1つ以上の配向を変更することと、構造をスマートフォンに関して再位置合わせすることと、ユーザの第2の生体認証識別子(例えば、彼らの左親指)を獲得することと、を含み得る。第1及び第2の生体認証識別子は、スマートフォンによってユーザに示され得る(例えば、「カードのセンサの上に右親指を置いてください」)。スマートフォンに関する構造の再位置合わせは、構造の第2のガイドを用いて実行され得る。例えば、再位置合わせは、構造の第2の異なるガイドをスマートフォンの同じ又は異なる1つ(又は複数)の縁部と位置合わせすることによって実行され得る。あるいは、再位置合わせは、構造の第1のガイドをスマートフォンの異なる1つ(又は複数)の縁部と位置合わせすることによって実行され得る。この配向変更及び再位置合わせは、異なる指(特に異なる手の指)の指紋画像を獲得することを容易にすることができる。
【0040】
第4の態様によれば、本発明は、方法であって、登録中に生体認証可能なスマートカードに電力を提供するために使用されるべきスマートフォンを特定することと、スマートフォンに関するスマートカードのための位置であって、スマートカードがスマートフォンの近距離無線通信アンテナに近接して位置して、スマートカードがアンテナから電力を受け取ることができるような位置を特定することと、構造をスマートフォンに関して位置合わせするためのガイド、及びスマートカードを受容するためのスマートカード領域を有する構造の設計図を作成することと、を含み、スマートカード領域及びガイドは、スマートカードがスマートカード領域によって受容され、構造がガイドに従ってスマートフォンに関して位置合わせされているとき、スマートカードはスマートフォンに対して特定された位置に位置する、方法を提供する。
【0041】
構造は、本明細書に記載の任意選択的な特徴部のうちのいずれかを含む、第1の態様による構造であり得る。
【0042】
スマートカードのための位置を特定することは、スマートカードとスマートフォンとの間の実質的に最適な近距離無線通信のための位置を特定することを含み得る。前に論じられたように、最適な近距離無線通信は、登録方法の特定の制約内の最適なエネルギーとして解釈されるべきである。例えば、ユーザが位置合わせを実行するために、スマートカード及び構造は電話機表面に対して平らであらねばならない、及び/又はスマートカードの生体認証キャプチャデバイスはアクセス可能であらねばならない、及び/又はスマートカードは電話機の配向若しくは電話機の縁部と大まかに位置合わせされ得るという点で、位置は制限され得る。最適な近距離無線通信は、登録中にスマートフォンからスマートカードに供給されるべき最小閾値の電力を含み得る。
【0043】
スマートカードの決定された位置は、実質的に最適な近距離無線通信のための位置、又はそのような位置から1cm又は0.5cm以内であり得る。
【0044】
第1の態様におけるスマートフォンに関する構造の所定の位置は、実質的に最適な近距離無線通信のための位置として同様に規定され得る。
【0045】
方法は、設計図によるガイド及びスマートカード領域を有する構造を製造することを含み得る。
【0046】
第5の態様によれば、本発明は、方法であって、ユーザのスマートフォンのモデルを特定することと、生体認証可能なスマートカードを、スマートカードの生体認証登録中に、特定されたスマートフォンモデルに関して位置合わせするための構造を選択することであって、構造は、(本明細書に記載の任意選択的な特徴部のうちのいずれかを含む)第1の態様による構造である、選択することと、選択された構造をユーザに送ることと、を含む、方法を提供する。
【0047】
構造は、郵便を介してユーザに送られ得る。したがって、構造は、郵便配達サービスによってエンドユーザに配達されるように構成され得る。特に、構造は、典型的な書簡の形状及びサイズ内に適合し得る。例えば、構造は、24cm×16cm×5mm未満の寸法を有し得る。
【0048】
構造は、カード所有者がモバイル登録に好適なスマートフォンを所有していることと、この目的にそれを使用する意欲とを示した場合に、未実装とすることができるスリーブ用区画を含み得る。これにより、スリーブハードウェアのコストが節約され、スリーブハードウェア及びそのバッテリの廃棄が回避される。
【0049】
方法は、構造をユーザに、登録されるべき生体認証可能なスマートカードとともに送ることを含み得る。配達目的で、スマートカードは、スマートカード領域内に取り付けられ得る。
【0050】
方法は、生体認証可能なスマートカードをユーザに送る要求を受け取ることを含み得、要求は、ユーザが所有するスマートフォンのモデルの表示を含み得る。要求は、ユーザから又は彼らの銀行若しくは他のカードプロバイダから送られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
ここで、本発明の特定の好ましい実施形態を、単に例として、添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【
図1】生体認証可能なスマートカードを、スマートカードの生体認証登録中にスマートフォンに関して位置合わせするための構造の平面図である。
【
図1a】生体認証可能なスマートカードを、スマートカードの生体認証登録中にスマートフォンに関して位置合わせするための別の構造の平面図である。
【
図2】構造が折り畳まれた、
図1に示された構造の第2の平面図である。
【
図3】生体認証可能なスマートカードの生体認証登録のためのシステムの概略図である。
【
図4】登録プロセス中の
図3のシステムの平面図である。
【
図5】生体認証可能なスマートカードの生体認証登録のための別のシステムの概略図である。
【
図6】登録プロセスの2つの異なる段階中の
図5のシステムの2つの平面図を示す。
【
図7】生体認証可能なスマートカードを、スマートカードの生体認証登録中にスマートフォンに関して位置合わせするための複数の構造を備える担持体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、カードから作製された担持体20であって、生体認証可能なスマートカード10を、スマートカード10の生体認証登録中にスマートフォンに関して位置合わせするための構造21を備える担持体20を示す。構造21は、構造21の縁部において、カードのミシン目によって担持体20から分離可能である。
【0053】
構造21は、スマートカード10を受容するためのスマートカード領域22を備え、スマートカード領域22は、箔コーティング23を備える。箔コーティング23は、フェライト又はミューメタル材料から作製され、その近接において近距離無線通信(NFC)効率を改善するように構成されている。
図1に示された構造21では、スマートカード領域22は、(構造がスマートフォンと位置合わせされているとき)スマートカード10がスマートフォンの右側に延在するので、スマートカード10全体を保持するのに十分な大きさである。
【0054】
構造21はまた、(
図2を参照して、以下でより詳細に説明するように)構造21を折り畳み構成に保持するための接着点24を備える。
【0055】
スマートカード10は、ID-1カード(ISO/IEC7810を参照)のフォームファクタを有し、したがって、85.60×53.98×0.76ミリメートル(プラス又はマイナス許容公差)の公称寸法と、半径が2.88~3.48mmの丸みを帯びた隅とを有する。
【0056】
スマートカード10は、接触プレート11(ISO/IEC7816-1、-2を参照)と、ISO/IEC1443-3などの、非接触プロトコルを介して通信するように構成されているNFCアンテナ13とを備える。
【0057】
スマートカード10はまた、スマートカード10へのユーザの登録中及びその後の、スマートカード10によるユーザの生体認証中に、指紋データを獲得するために使用されるように構成されている指紋センサ12の形態の生体認証キャプチャデバイスを備える。
【0058】
使用中、構造21は、中央の破線に沿って折り畳まれて、
図2に示されたような構造を形成する。
図1の構造21の左側に示された切り取り部によって、構造21が折り畳まれたときに、(3つの側部において)カードの縁部によって部分的に囲まれているスマートカード領域22が形成されることになる。この縁部は、登録プロセス中にスマートカード10をスマートカード領域22内の所定の位置に保持する助けとなる。
【0059】
図1aは、生体認証可能なスマートカード10を、スマートカード10の生体認証登録中にスマートフォンに関して位置合わせするための構造21を備える代替カード担持体20を示す。この構造21は、
図1に示された構造21に類似しており、同じ参照番号は同一の特徴部を示す。しかしながら、
図2に示された構造21は、スマートカード領域22aが構造21の右側に延在していないので、スマートカード10の一部のみを保持するように構成されているスマートカード領域22aを有する。そのような構成は、構造21が折り畳まれたときに、依然として、スマートカード10の縁部によって3つの縁部において部分的に囲まれていることを考えれば、スマートカード10を依然として安全に保持することができることが理解されよう。
【0060】
図2は、登録プロセスで使用するために折り畳まれた後の(
図1に示されたものと同一の)構造31を示す。ここで、構造の前面は、登録中に構造31をスマートフォンとどのように位置合わせするかをユーザに示す矢印及びテキストの形態のいくつかのガイド表示32を備えることが分かる。示された構成では、構造31は、矢印によって示されたように、その底部ガイド縁及び右側ガイド縁に沿って、スマートフォンの底部ガイド縁及び右側ガイド縁と位置合わせされる。
【0061】
構造31のガイド(すなわち、ガイド表示32及びガイド縁)は、他の形態をとることができ、例えば、ガイド表示32は省略することができ、したがって、ガイドは、単に構造31のガイド縁である。あるいは、又は加えて、1つ以上のガイドウィンドウが構造31に形成され得、構造31のガイド縁及び/又はガイドウィンドウをスマートフォンの特定の縁部又は他の特徴部と位置合わせするようにユーザに通知する命令が、ユーザに与えられ得る。
【0062】
図3は、スマートカード10の生体認証登録のためのシステムの一部としての
図2の構造31及びスマートカード10を示す。システムは、その背面の方に位置する近距離無線通信アンテナ41を有するスマートフォン40を備える。
【0063】
図4を参照すると、登録プロセス中の使用において、スマートカード10は、前述したように、構造31のスマートカード領域22内に配置される。次いで、構造31は、スマートフォン51の背後に、その背面に接触して配置され、ガイド32に従って、スマートフォン51の底縁及び右側縁と位置合わせされる。
【0064】
スマートフォン51は、スマートカード10の存在を検出し、登録プロセスは、スマートフォン51上のアプリケーション53によって案内される。この位置合わせされた位置で、スマートフォン51は、登録のために、スマートカード10に電力をNFCアンテナ52を介して提供する。
【0065】
スマートフォン51は、NFCアンテナ52に対するスマートカード10の位置が最適以下であるかどうか、例えば、登録に十分な電力がスマートカード10に供給されていないかどうかを検出するように構成されている。その場合、アプリケーション53は、構造31及びスマートカード10の位置をそれに応じて調整することにおいて、ユーザを案内する。そのような案内は、スマートフォン51によってスマートカード10に供給される電力の信号強度測定値に基づいており、リアルタイムで動的である。
【0066】
いったんスマートカード10が、登録に十分な、安定した電力を供給されることができる位置になると、アプリケーション53は、登録プロセスを通してユーザを案内する。登録プロセスは、ユーザがスマートカード10の指紋センサ12に指を提示することと、スマートカードの指紋センサ12を使用して1つ以上の指紋画像を獲得することと、スマートカード10のセンサ、MCU、又は安全な要素内の獲得された指紋画像に基づいて生体認証参照データを生成することと、生体認証参照データをスマートカード10に保存することと、を含む。
【0067】
登録のための別のシステムを
図5に示す。このシステムは、
図2~4のものと同じである、NFCアンテナ71を有するスマートカード60及びスマートフォン70を備えるが、スマートカード60の生体認証登録中にスマートカード60をスマートフォン70に関して位置合わせするための異なる構造61を利用する。
【0068】
このシステムでは、構造61は、構造61の頂部及び底部の両方にガイドを備え、各々がガイド表示及びガイド縁を含む。構造61の頂部にあるガイドは、構造61がスマートフォン70に対して第1の配向にあるときに指紋を登録するためのものであり、構造61の底部にあるガイドは、構造61が第2の配向にあるときにそれをスマートフォン70と位置合わせするためのものである。
【0069】
ガイド表示は、スマートフォン70と位置合わせされる縁部を示す矢印及びテキストである。構造の頂部及び底部にあるガイドが構造61(及びカード60)の中心から等距離であるという点で、構造は対称である。この対称性の故に、構造は、構造61の配向に応じて構造61の頂部又は底部ガイド縁のいずれかに沿って、スマートフォンの縁部と位置合わせすることができる。
【0070】
したがって、この構造61は、登録のための第1のスキャンシーケンスの前のスマートフォン70の縁部との位置合わせと、スマートフォン70に対する構造61の(したがって、スマートカード60の)配向の変更と、次いで登録のための第2のスキャンシーケンスの前のスマートフォンの同じ縁部との再位置合わせと、を含む登録プロセスで使用することができる。これを、
図6を参照してより詳細に説明する。
【0071】
図6は、例えば左手側で左親指を登録するために、スマートフォンの左側に延在するスマートカード10を用いて第1の指を登録するために、スマートフォン83及びスマートカード82がどのように配置されるかを(図の左側に)示す。この設定では、(
図5に示された)構造61の底部にあるガイドが、スマートフォン83の底縁と位置合わせされる。この設定では、ユーザは、左手の指又は親指をスキャンする間、スマートフォン83を、位置合わせされた構造61及びスマートカード82とともに右手で保持し得る。
【0072】
図6の右側は、スマートフォン83及びスマートカード82をどのように再配置及び再位置合わせすることができるかを示しており、スマートカード80は次いで、第2の指、例えば右手の親指を登録するために、スマートフォン81の右側に延在する。この設定では、構造61及びそれとともにスマートカード80が、構造61の平面に垂直な軸を中心に180°回転され、
図5の構造の頂部のガイドが、スマートフォン81の底部と位置合わせされる。この設定では、ユーザは、右手の指又は親指をスキャンする間、スマートフォン81を、再位置合わせされた構造61及びスマートカード80とともに左手で保持し得る。
【0073】
本明細書に記載の構造は、異なる寸法、アンテナ位置、及びスマートフォンに対するスマートカードの最適位置を有する異なる携帯電話機のために異なる変形態様で提供され得る。
【0074】
図7に示されたように、一度に複数のモデルの携帯電話機に対応するために、単一のカード構造90は、複数の事前カットされたガイドを提供し、各ガイドは、異なる電話機モデル又はファミリのためのものであり、各々には、電話機グループ又はファミリのための電話機モデルインジケータ91がそれに応じて印されている。構造90には、使用のために露出される特定のガイドの選択を可能にするために、様々なガイドの間に(
図7に示された破線に沿って)ミシン目が設けられている。この選択は、ミシン目に沿って引き裂いて、使用されない1つ又は複数の周りのガイドに関連する構造90の部分を除去することによって達成される。
【0075】
本明細書に記載の構造を設計及び製造するために、以下の方法が利用され得る。
【0076】
第一に、構造設計者は、登録中に生体認証可能なスマートカードに電力を提供するために使用される特定のスマートフォンを特定する。
【0077】
次に、構造設計者は、スマートフォンに関するスマートカードのための位置であって、スマートカードがスマートフォンの近距離無線通信アンテナに近接して位置して、スマートカードがアンテナから電力を受け取ることができるような位置を特定する。
【0078】
位置は、任意の好適な方法で決定され得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、位置は、スマートフォンのNFCアンテナの位置及び構成の知識に基づいて、分析的に決定され得る。例えば、位置は、単純にスマートカードがNFCアンテナに最も近い位置を決定することによって、決定され得る。
【0080】
あるいは、又は加えて、位置は、実験によって決定され得る。この実験は、スマートカードに十分な及び/又は最大の電源を提供する位置を決定するために、考え得る異なる位置を試験することを含み得る。簡単な実装態様では、これは、十分な電力がどこで受け取られるかを決定するために、スマートカードをスマートカードに対して異なる位置に単に配置することを含み得る。より複雑な実装態様では、スマートカード(又はスマートカードをエミュレーションするように構成された試験ツール)は、どの位置がスマートフォンから十分な及び/又は最大の電源を提供するかを決定するために、スマートフォンから受け取った電力の程度を示すフィードバックを、スマートフォン又は別の試験デバイスのいずれかに提供し得る。
【0081】
いったんスマートカードの位置が決定されると、構造設計者は構造の設計図を作成する。構造は、上述のガイド表示及び/又はガイド縁など、構造をスマートフォンに関して位置合わせするためのガイドと、スマートカードを受容するためのスマートカード領域とを有する。スマートカード領域及びガイドは、スマートカードがスマートカード領域によって受容され、構造がガイドに従ってスマートフォンと位置合わせされているとき、スマートカードはスマートフォンに対して特定された位置に位置するように設計される。
【0082】
設計図は、
図1及び2を参照して上で検討されたような折り畳み設計図であり得る。
【0083】
構造設計者は、複数の異なるスマートフォンモデルに好適な位置を決定し得る。したがって、構造設計者は、
図7に示されたような、異なるモデルのための複数の異なるガイドを備える構造の設計図を作成し得る。
【0084】
いったん設計図が完成すると、1つ以上の構造が、設計図に従って製造され得る。任意の好適な製造方法が使用され得る。例えば、製造は、ガイド表示を一枚のカードに適用するための印刷プロセスと、一枚のカードからガイドを切断し、ミシン目も形成する穴あけプロセスと、を含み得る。
【0085】
スマートカード発行機関には、複数の異なるモデルのスマートフォンでの使用に好適な複数の異なる構造が提供され得る。
【0086】
スマートカード発行機関が、銀行から、ユーザから、又は内部ワークフローに起因して、ユーザにスマートカードを発行する要求を受け取ると、スマートカード発行機関は、まず、ユーザが所有するスマートフォンのモデルを特定する。これは、要求の内容に基づいて決定されてもよいし、データベースから取得されてもよいし、又はユーザから若しくは要求発出者からのいずれかから要求されてもよい。
【0087】
次いで、スマートカード発行機関は、複数の異なる構造の中から、特定されたスマートフォンモデルに対応する好適な構造を選択する。次いで、選択された構造は、例えば郵便によって、スマートカードとともにユーザに送られる。このプロセスは、専用の個人化事務局、履行センタ、又は発行機関とは異なる他のエンティティによって処理されてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、スマートカードは、ユーザに送る前に構造に取り付けられ得る。例えば、スマートカードは、構造のスマートカード領域に接着剤によって貼り付けられ得る。
【国際調査報告】