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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】トライアルインプラント
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20240614BHJP
   A61F 2/30 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A61B17/56
A61F2/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579314
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2022067297
(87)【国際公開番号】W WO2022269015
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】102021116548.2
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520113158
【氏名又は名称】クモビス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100145791
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 志麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100221327
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 亮
(72)【発明者】
【氏名】レオンハルト,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】パマー,セバスチャン
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA04
4C097AA07
4C097AA10
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC01
4C097CC20
4C097MM03
4C160LL12
4C160LL24
4C160LL26
4C160LL28
4C160LL70
(57)【要約】
本発明は、特に脊椎手術、完全膝もしくは股関節部体内プロテーゼまたは肩プロテーゼ用の、トライアルインプラント(10)に関し、少なくとも1つのヘッド(12)と、少なくとも1つの補強芯(16)と、少なくとも1つの柄(18)とを有し、ヘッド(12)は3Dプリンティングによって製造され、ヘッド(12)および柄(18)はプラスチックから作られている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に脊椎手術、完全膝もしくは股関節部体内プロテーゼまたは肩プロテーゼ用の、トライアルインプラント(10)であって、少なくとも1つのヘッド(12)と、少なくとも1つの補強芯(16)と、少なくとも1つの軸部(18)とを有し、前記ヘッド(12)は3Dプリンティングによって製造され、前記ヘッド(12)および前記軸部(18)はプラスチックから作られている、トライアルインプラント(10)。
【請求項2】
前記補強芯(16)が、強化された材料および/または複合材料からなる、請求項1に記載のトライアルインプラント(10)。
【請求項3】
前記補強芯(16)の材料が、少なくとも部分的にCFRPから、および/または、少なくとも部分的に金属からなる、請求項2に記載のトライアルインプラント(10)。
【請求項4】
前記トライアルインプラント(10)が装着されたときに前記補強芯(16)が前記ヘッド(12)と前記軸部(18)の両方によって完全に収納されるように、前記ヘッド(12)と前記軸部(18)の両方に凹部(20a、20b)が設けられている、請求項1から3の一項に記載のトライアルインプラント(10)。
【請求項5】
組み立てられたときにヘッド(12)と軸部(18)が前記補強芯(16)を完全に覆い、それにより前記補強芯(16)が完全に隠される、請求項5に記載のトライアルインプラント(10)。
【請求項6】
ヘッド(12)と軸部(18)とが接着処理および/または接合処理によって互いと接合されている、請求項1から5の一項に記載のトライアルインプラント(10)。
【請求項7】
前記補強芯(16)が、前記ヘッド(12)および/または前記軸部(18)に対する回転を防ぐ幾何学形状を有する、請求項1から6の一項に記載のトライアルインプラント(10)。
【請求項8】
前記ヘッド(12)および/または補強芯(16)および/または軸部(18)の要素のうち少なくとも1つに造影剤が含まれている、請求項1から7の一項に記載のトライアルインプラント(10)。
【請求項9】
前記造影剤が少なくとも部分的に硫酸バリウムからなる、請求項1から8の一項に記載のトライアルインプラント(10)。
【請求項10】
前記トライアルインプラント(10)が色分けを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のトライアルインプラント(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば脊椎手術用、完全膝もしくは股関節部体内プロテーゼ用、または肩プロテーゼ用の、トライアルインプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
変形性椎間板疾患、脊椎不安定症、または脊椎すべり症などの変形性の腰部および腰仙疾患の場合、患部分節内の椎間板を除去し、次いでその結果生じた椎間空間に、ケージとしても知られるインプラントを挿入することにより、脊髄分節が外科的に強固にされる。ケージを挿入するには、はじめに2つの患部椎体間の患者個人の寸法を決定する必要がある。これは、安定性の理由から、2つの椎体を融合させるための可能な最も大きいケージが移植されるのが好ましいためである。手術中に椎間空間に挿入されるトライアルインプラントは、必要なインプラント寸法を決定するために使用される。したがって、複数の異なるトライアルインプラントを連続的に使用して、使用するケージの最良の可能な寸法を決定することができる。トライアルインプラント自体は、椎間空間への挿入、椎間空間内での位置合わせ、および椎間空間からの最終的な除去の間に、2つの隣り合う患部椎体が(さらに)傷つけられることがないようにするために、一定の強度と形状を有さなければならない。椎間空間の寸法を決定する間にトライアルインプラントを安全に取り扱うために、細長い操作部または軸部がトライアルインプラントに設けられるのが一般的であり、この軸部は、十分な伸び剛性、剪断剛性、曲げ剛性、およびねじり剛性を有さなければならない。全体の、すなわち柄を含む、トライアルインプラントは、通常、削摩製造工程を使用して一つの物品として製造される。中実材料からのトライアルインプラントの削摩による製造は、製造時間と製造工数の面で高コストであることが知られており、またあまりリソース効率的でない。
【0003】
そのようなトライアルインプラントは、例えば、独国第112021001452(T5)号明細書または欧州特許第1648351(B1)号明細書から知られている。
【0004】
また、モジュール式のトライアルインプラントシステムが、独国特許出願公開第102008030260(A1)号明細書から知られている。これによると、トライアルインプラントシステムはモジュール式の設計であり、少なくとも1つのトライアルインプラントは、少なくとも1つの第1のトライアルインプラント部と、少なくとも1つの第2のトライアルインプラント部とを備え、少なくとも1つの第1のトライアルインプラント部と第2のトライアルインプラント部は、互いに対して異なる連結姿勢で互いと連結されることが可能である。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の課題は、上述されたタイプのトライアルインプラントを、有用な形で、特に、トライアルインプラントがより迅速かつ容易に個人に合わせられることができ、よりコスト効率的に製造されることが可能となるような形で、さらに発展させることである。
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を有するトライアルインプラントにより、本発明に従って解決され、請求項1によれば、特に脊椎手術、完全膝もしくは股関節部体内プロテーゼまたは肩プロテーゼ用の、トライアルインプラントが提供され、トライアルインプラントは、少なくとも1つのヘッドと、少なくとも1つの補強芯と、少なくとも1つの軸部とを有し、ヘッドは3Dプリンティングによって製造され、ヘッドおよび軸部はプラスチックから作られる。
【0007】
本発明は、ヘッド、軸部、および補強芯の要素のみからなる容易に作製可能なトライアルインプラントが提供されるという基本的発想に基づき、少なくとも、適切なケージを決定するために椎間空間に挿入されるトライアルインプラントのヘッドは、3Dプリンティングによって製造される。ヘッドの3Dプリンティングは、個人用トライアルインプラントのコスト効果的で迅速な製造を可能にし、患部椎体の個々の解剖学的状態が容易に考慮され得る。よって、ヘッドは、3Dプリンティングを使用して個人に合わせられることが可能である。これは、ヘッドの寸法が患者個人の状況に合わせて適合され得ることを意味する。このトライアルインプラントは、「小」(S)、「中」(M)、もしくは「大」(L)などの標準化されたサイズで利用可能であり得、または、事前の撮像手順の評価に基づいて、迅速な試作品作製を使用して直接作られ得る。トライアルインプラントの補強芯は、ヘッドと軸部の複合体の中に完全に配置され、少なくとも、トライアルインプラントの充分な曲げ剛性およびねじり剛性を保証する。ヘッドは好ましくは、軸部と連結し、補強芯を受け入れるための細長い段付き部を有する。この複数部品設計はまた、柄および補強芯が種々のヘッドと組み合わせられることも可能にする。軸部は、同じく3Dプリンティング、または旋盤、射出成形等の従来の方法を使用して製造され得る。ヘッドおよび軸部の材料は、トライアルインプラントが一回のみ使用される場合はポリプロピレン(PP)、トライアルインプラントが望ましくは複数回使用される場合はポリフェニルスルホン(PPSU)であり得、後者の使用には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、または別のポリエーテルケトンも考えられる。
【0008】
1つの可能な例示的実施形態では、補強芯は、強化された材料および/または複合材料からなる。これは、補強芯の材料の選択が、補強芯に有利な硬さをすでに実現できることを意味する。例えば材料中の繊維による補強は、長手方向の配向などの配向を有することもでき、それにより、補強芯の長手方向などの特定の方向では別の方向よりも補強が顕著になる。
【0009】
可能な補強芯の材料は、チタン合金やステンレス鋼などの金属材料であり得るが、炭素繊維強化ポリエーテルエーテルケトン(CF/PEEK)などの炭素繊維強化プラスチック(CFRP:carbon fiber reinforced plastics)も使用され得る。金属基複合材などの複合材料も考えられる。
【0010】
別の可能な例示的実施形態では、補強芯の材料は、少なくとも部分的にCFRPから、および/または、少なくとも部分的に金属からなる。これは、良好~非常に良好な剛性を可能にし、この剛性は、少ない材料使用および小さい設置空間であっても、脊椎インプラントとして使用するのに特に適し、適合されている。
【0011】
別の可能な例示的実施形態では、トライアルインプラントが装着されたときに補強芯がヘッドと軸部の両方によって完全に収納されるように、ヘッドと軸部の両方に凹部が設けられる。これは、補強芯が例えば患者組織と直接接触するのを防止する。そして、ヘッドと軸部の両方が、例えば繊維補強を有さずに、少なくともそれらが組織と接触する外側(全体)または表面に、生体適合性材料を備えるかまたは適合性材料からなることができる。
【0012】
ヘッドおよび軸部は、凹部を通じて補強芯に押し付けられることが可能である。ヘッドの凹部は、好ましくは、オフセットされたその断面に設けられる。ヘッドおよび軸部内の凹部の合計の長手方向範囲は、補強芯の長手方向範囲に対応しており、そのため、補強芯は、トライアルインプラントが装着されたとき、すなわちヘッドと軸部が連結されたときに、トライアルインプラントの中に遊びなく収納される。
【0013】
ヘッドの凹部とシャンクの凹部はいずれも、長手方向の延びに関して少なくとも短い断面テーパを有することができ、それにより、ヘッドおよびシャンクは、それらの実際の連結にかかわらず補強芯から滑って外れないように固定される。
【0014】
別の可能な例示的実施形態では、装着されたときに、ヘッドと軸部が補強芯を完全に収納して覆い、それにより補強芯が完全に隠される。
【0015】
組み立てられた状態では、補強芯が患者の組織と接触しないように、補強芯は、完全にヘッドと軸部との複合体の内部に配置される。
【0016】
別の可能な例示的実施形態では、ヘッドと軸部は、接着処理および/または接合処理によって互いと接合される。
【0017】
補強芯の挿入後にまたは補強芯に載せた後に、ヘッドと軸部をそれらの接触表面で互いと糊付けする可能性に加えて、この2つの部品をプラスチック溶着によって接合することも考えられる。さらに、ヘッドまたは軸部のどちらかが段付きのスリーブ、すなわちヘッドまたは軸部の段付き部よりも小さい周囲長を有するスリーブ、を連結エリアに有し、そのスリーブが、ヘッドと軸部が補強芯に沿って一緒に押されたときに補強芯とヘッドまたは軸部との間の反対側の凹部に押し込まれるような寸法になっていることも考えられる。
【0018】
さらなる可能な例示的実施形態では、補強芯は、ヘッドおよび/または軸部に対する回転を防ぐ幾何学形状を有する。
【0019】
三角形や四角形形状など、補強芯の周部またはヘッドおよび軸部の凹部の周部に関する多角形形状は、ヘッドと軸部とが補強芯の上に押し付けられた後に互いに対してねじれるのを防ぎ、トライアルインプラントが椎間空間内で干渉なく位置合わせされることを可能にする。
【0020】
また、1つまたは複数の隆起部または突状部等を設けることも考えられる。
【0021】
さらなる可能な例示的実施形態では、ヘッドおよび/または補強芯および/または軸部の要素のうち少なくとも1つに造影剤が含まれている。この造影剤は、対応する要素が、X線診断、磁気共鳴イメージング、または超音波検査などの撮像手順においてより良好に可視化されることを可能にし、それにより、治療を行う外科医が、トライアルインプラントを患部椎間空間に最適に位置合わせし、使用されるケージの必要寸法を決定することが可能となる。造影剤を備える要素はまた、例えばこのトライアルインプラントを完全膝もしくは股関節部体内プロテーゼまたは肩プロテーゼとして使用する場合に、他の外科的領域で使用するためにより良好に視覚化され得る。造影剤は、対応する要素内に閉じ込められている。
【0022】
さらなる可能な例示的実施形態では、造影剤は、少なくとも部分的に硫酸バリウムからなる。造影剤の成分としての硫酸バリウムは、非毒性のバリウム化合物であり、X線に対する不透過性のために、好ましくはX線診断においてX線陽性造影剤として使用される。
【0023】
別の可能な例示的実施形態では、トライアルインプラントは色分けを有する。トライアルインプラントの色分けは、トライアルインプラントの寸法、またはトライアルインプラントの材料やトライアルインプラントの硬さなどのその他の特性が、手術中に迅速に視覚的に判定されることを可能にする。
【0024】
ヘッドと軸部とが異なる色分けを有することも考えられる。したがって、ヘッドの色分けはその高さを示すことができ、ここでヘッドの高さは、椎体から椎体までのその延びと理解されるものとし、一方、軸部の色分けはその長さを示すことができる。同様に、色分けは、例えば完全膝もしくは股関節部体内プロテーゼ用または肩プロテーゼ用の、ヘッドの異なる寸法および/または幾何学的形状に割り当てられることも可能である。
【0025】
本発明の実施形態は、次いで図面を参照して以下で説明される。それらは、実施形態を実際の縮尺で示すことは必ずしも意図されておらず、説明のために有用である場合には、図面は、図式化されたおよび/または若干歪められた形態で示される。図面から直接認識することが可能な教示への追加に関して、関連する最新技術が参照される。実施形態の形状および詳細については、本発明の全般的な発想から逸脱することなく、様々な改変および変更がなされ得ることが留意されるべきである。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に開示される本発明の特徴は、個々にまたは任意の組み合わせで、本発明のさらなる発展にとって不可欠である場合もある。加えて、詳細な説明、図面、および/または特許請求の範囲に開示される特徴のうち少なくとも2つのあらゆる組み合わせが、本発明の範囲に入る。本発明の全般的な発想は、下記で図示され、説明される好ましい実施形態の形態または詳細の通りに制限されるものではなく、また、特許請求の範囲に請求される主題と比べて制限されることになる主題に制限されることもない。述べられている設計範囲の場合、述べられている制限内にある値は、制限値としても開示されるものとし、必要に応じて使用および請求され得る。簡潔性のために、以下では、同一のもしくは類似する部分、または同一のもしくは類似する機能をもつ部分には、同じ参照符号が使用される。
【0026】
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、以下の好ましい実施形態の説明および図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】予備組み立てされた状態にある、本発明によるトライアルインプラントの例示的実施形態を示す図である。
図2】組み立てられた状態にある、本発明によるトライアルインプラントの図1からの例示的実施形態を示す図である。
図3】予備組み立てされた状態にある、本発明によるトライアルインプラントのさらなる例示的実施形態を示す図である。
図4】さらに予備組み立てされた状態にある、図3からの例示的実施形態の図である。
図5】組み立てられた状態にある、図3からの例示的実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、予備組み立てされた状態にある、本発明による脊椎手術用のトライアルインプラント10の例示的実施形態を示す。
【0029】
トライアルインプラント10は、少なくとも1つのヘッド12、少なくとも1つの補強芯16、および少なくとも1つの軸部18を備えている。
【0030】
ヘッド12は、段付き部14および第1の凹部20aを備えている。
【0031】
ヘッド12の段付き部14および軸部18は、円形の断面を有する(すなわち、断面はインプラントの長手軸に対して直角である)。
【0032】
ヘッド12の外側周縁部は丸められている。
【0033】
軸部18は、第2の凹部20bおよび連結部22を備える。
【0034】
凹部20a、20bは、完全にヘッド12または軸部18の内部に配置されているため、図1では入力側のみが示されている。
【0035】
補強芯16は、正方形形状を有する。詳細には、補強芯16の長手軸に対して直角の断面が正方形である。
【0036】
凹部20a、20bの周方向形状は、補強芯16の周方向形状に対応している。
【0037】
ヘッド12および軸部18内の凹部20a、20bの共通の長さは、補強芯16の長手方向の延びに対応する。
【0038】
その結果、補強芯16は、組み立てられた状態では、図2に示すように完全にヘッド12と軸部18によって収容され、それらによって覆われる。
【0039】
補強芯16の正方形形状は、ヘッド12と軸部18が、長手軸を中心に、したがって互いに対しても、回転するのを防止する。
【0040】
少なくともヘッド12は、3Dプリンティングを使用して個人に合わせられており、すなわち、治療を受ける患者の患部椎間空間の状態に合わせて適合されている。
【0041】
軸部18も3Dプリンティングを使用して製造され得るが、旋盤などの機械加工製造工程を使用して中実材料から製造されていることも考えられる。
【0042】
ヘッド12および軸部18は、プラスチックから作られる。
【0043】
ヘッド12の段付き部14および軸部18の丸い形状ならびにヘッド12の丸められた周縁部は、トライアルインプラント10の挿入および除去の間に、組織および/または椎体が傷つけられたり損傷したりすることがないことを保証する。
【0044】
ヘッド12は、挿入されるケージの寸法決定のために患者の椎間空間を測定するために使用される。軸部18は、挿入、位置決め、および除去を可能にする。
【0045】
トライアルインプラント10を保持するおよび/または案内するためのさらなる器具が、軸部18の連結部22に配置されるかまたは取り付けられることが可能である。
【0046】
ヘッド12と軸部18は、同じ材料から作られることも異なる材料から作られることも可能である。ヘッド12および軸部18の材料は、トライアルインプラント10が一回のみ使用される場合はポリプロピレン(PP)、トライアルインプラント10が複数回使用される場合はポリフェニルスルホン(PPSU)であり得、後者の場合は様々なポリエーテルケトンが考えられる。
【0047】
チタン合金やステンレス鋼などの金属材料ならびに炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が補強芯16に使用されることが可能であり、また金属基複合材などの複合材料の使用も可能である。
【0048】
図2では、トライアルインプラントが装着されるときに、ヘッド12の段付き部14と軸部18とが互いと連結される。
【0049】
段付き部14および軸部18の接触面同士は接着され得る。しかし、段付き部14と軸部18とがプラスチック溶着によって共に接合されることが可能である。
【0050】
ヘッド12および/または軸部18はいずれも、造影剤、この場合には硫酸バリウム、を含んでいる。造影剤は、対応する要素が、X線診断、磁気共鳴イメージング、または超音波検査などの撮像手順においてより良好に可視化されることを可能にし、それにより、治療を行う外科医が、トライアルインプラントを患部椎間空間に最適に位置合わせし、挿入されるケージの必要寸法を決定することが可能となる。造影剤は、製造中にヘッド12および軸部18それぞれの材料に適切に混合される。これは、ヘッド12および可能性としては柄18も3Dプリンティングを使用して製造されるので、特に容易である。
【0051】
トライアルインプラントはまた、色分けを有し、ここでは「大きい」バージョンのヘッドが白である。中間サイズが赤、小さいサイズが青など、他のサイズがさらに他の色で視覚化され得る。原則として、必要に応じて色分けおよび関連するサイズを定めることが可能である。トライアルインプラントの色分けは、トライアルインプラントの寸法、またはトライアルインプラントの材料やトライアルインプラントの硬さなどの他の特性を、手術中に迅速に視覚的に記録するためにも使用することができる。
【0052】
また、ヘッドと軸部がそれぞれ異なる色分けを有することも考えられる。したがって、ヘッドの色分けはその高さを示すことができ、ここでヘッドの高さは、椎体から椎体までのその延びと理解されるものとし、一方、軸部の色分けはその長さを示すことができる。
【0053】
図3は、予備組み立てされた状態にある、本発明による完全膝体内プロテーゼ用のトライアルインプラント10の例示的実施形態を示す。
【0054】
トライアルインプラント10は、上記で図1および図2を参照して説明された例示的実施形態に基本的に似ている。したがって、以下では違いのみをより詳細に説明する。
【0055】
上記で図1を参照して説明した例示的実施形態と比べて、ヘッド12の形状は、完全膝体内プロテーゼとして使用する用途に適合されている。
【0056】
この例示的実施形態では、トライアルインプラント10はやはり、少なくとも1つのヘッド12、少なくとも1つの補強芯16、および少なくとも1つの軸部18を備えている。
【0057】
ヘッド12は、段付き部14を有する。
【0058】
図3でも、ヘッド12または軸部18の凹部20a、20bは、完全にヘッド12または軸部18の内部に配置されているため、入力側のみが示されている。
【0059】
図4に示す予備組み立てされた状態では、補強芯16は、まだヘッド12と軸部18によって完全に収容されてはいない。代わりに、ヘッド12と軸部18との間に隙間を見ることができる。
【0060】
しかし、図5に示す組み立てられた状態では、補強芯16は、ヘッド12および軸部18によって完全に収容され、軸部18はヘッド12と直接接触している。
【0061】
図3図5の例示的実施形態では、ここでも少なくともヘッド12が、3Dプリンティングを利用して個人に合わせられており、すなわち、治療される患者の身体患部の状態に合わせて適合されている。
【0062】
軸部18はやはり3Dプリンティングを使用して製造され得るが、旋盤などの機械加工製造工程を使用して中実材料から製造されていることも考えられる。
【0063】
ヘッド12および軸部18は、プラスチックから作られる。
【0064】
詳細には、ヘッド12は、挿入されるインプラントの寸法決定のために患者の解剖学的構造内の空間を測定するために使用される。軸部18は、挿入、位置決め、および除去を可能にする。
【0065】
チタン、チタン合金、またはステンレス鋼などの金属材料ならびに炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が補強芯16に使用されることが可能であり、また金属基複合材などの複合材料の使用も可能である。
【符号の説明】
【0066】
10 脊椎手術用のトライアルインプラント
12 ヘッド
14 ヘッドの段付き部
16 補強芯
18 シャンク
20a、20b 凹部
22 連結部
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】