(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】ハイブリッド枕
(51)【国際特許分類】
A47G 9/10 20060101AFI20240614BHJP
A47C 27/15 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A47G9/10 B
A47C27/15 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579374
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022034916
(87)【国際公開番号】W WO2022272072
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513221651
【氏名又は名称】シーリー テクノロジー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】マヌシャク,ブライアン エム
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン,ロビー
(72)【発明者】
【氏名】ビーモン,ジェイムズ エイ
(72)【発明者】
【氏名】プラテック,アレン エム
【テーマコード(参考)】
3B096
3B102
【Fターム(参考)】
3B096AA01
3B096AB09
3B096AD02
3B096AD04
3B096AD06
3B096AD07
3B096AD08
3B102AA01
3B102AB02
3B102AB07
3B102AC01
(57)【要約】
ハイブリッド枕は、凹部を画定するクッション材を含む。コイルパネルは、クッション材の凹部内に配置されており、複数のコイルばねと、上側布層と、下側布層とで形成されている。上側布層と下側布層とは、複数のコイルばねの間、及び第1コイルパネルの外周縁に沿って、接合されている。また、ゲル層は、クッション材の凹部内でコイルパネルを覆って配置される。枕を製造する方法は、液体ゲルを型に分注すること、型においてコイルパネルを液体ゲルの上部に配置すること、フォーム前駆体を型に分注すること、及びコイルパネルに固定されるクッション材を形成するためにフォーム前駆体を発泡させることを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部を画定するクッション材と、
前記クッション材の前記凹部内に配置されるコイルパネルと、ここで前記コイルパネルは、複数のコイルばねと、上側布層と、下側布層とで形成されており、前記上側布層と前記下側布層とは、前記複数のコイルばねの間、及び前記コイルパネルの外周縁に沿って、接合されており、
前記クッション材の前記凹部内で前記コイルパネルを覆って配置されるゲル層と
を備える、ハイブリッド枕。
【請求項2】
前記ゲル層は、ゲル成形ばねアレイを形成するために前記コイルパネルの一方側に成形される、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項3】
前記クッション材は、前記ゲル層と反対の前記ゲル成形ばねアレイに配置される成形フォームを含んでおり、
前記成形フォームと前記ゲル層とは、前記コイルパネルの外周の周りで互いに固定されている、
請求項2に記載のハイブリッド枕。
【請求項4】
前記クッション材の前記成形フォームは、前記ゲル成形ばねアレイを少なくとも部分的に取り囲んでいる、
請求項3に記載のハイブリッド枕。
【請求項5】
前記ゲル層は、前記クッション材の前記凹部から延びている、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項6】
前記コイルパネルは、前記ゲル層と前記クッション材の前記成形フォームとの間で完全に包み込まれている、
請求項3に記載のハイブリッド枕。
【請求項7】
前記ハイブリッド枕の第1側面は、第1の感触を有しており、前記ハイブリッドの第2側面は、前記第1の感触と異なる第2の感触を有する、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項8】
前記ゲル成形ばねアレイは、前記ハイブリッド枕の第1表面を画定しており、前記成形フォームは、前記ハイブリッド枕の第2表面を画定しており、
前記ハイブリッド枕の前記第1側面は、第1の感触を有しており、前記ハイブリッドの前記第2側面は、前記第1の感触と異なる第2の感触を有する、
請求項3に記載のハイブリッド枕。
【請求項9】
前記上側布層と前記下側布層とは、不織布材料又は疎水性材料で形成されている、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項10】
前記ハイブリッド枕は、
前記第1コイルパネルと反対の前記クッション材の第2凹部内に配置される第2コイルパネルと、ここで前記第2コイルパネルは、複数の第2コイルばねと、第2上側布層と、第2下側布層とで形成されており、前記第2上側布層と前記第2下側布層とは、前記複数の第2コイルばねの間、及び前記第2コイルパネルの外周縁に沿って、接合されており、
前記クッション材の前記第2凹部内で前記第2コイルパネルを覆って配置される第2ゲル層と
をさらに備える、請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項11】
ハイブリッド枕を製造する方法であって、前記方法は、
型に液体ゲルを分注すること、
前記型において前記液体ゲルの上部にコイルパネルを配置すること、ここで前記コイルパネルは、複数のコイルばねと、上側布層と、下側布層とで形成されており、前記上側布層と前記下側布層とは、前記複数のコイルばねの間、及び前記第1コイルパネルの外周縁に沿って、接合されており、
フォーム前駆体を前記型に分注すること、
前記コイルパネルに固定されるクッション材を形成するために前記フォーム前駆体を発泡させること
のステップを備えており、
前記液体ゲルは、ゲル層が前記コイルパネル上に配置されるように凝固する、方法。
【請求項12】
前記クッション材と前記ゲル層とは、前記コイルパネルの外周の周りで互いに固定されている、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コイルパネルは、前記ゲル層と前記クッション材との間で完全に包み込まれている、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記液体ゲルは、前記フォーム前駆体を発泡させるステップの間に凝固する、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記液体ゲルは、フォーム前駆体を前記型に分注する前にゲル成形ばねアレイが形成されるように、前記フォーム前駆体を発泡させるステップの前に凝固する、
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
成形ハイブリッド枕であって、
凹部を画定するクッション材と、
前記クッション材の前記凹部内に配置されるコイルパネルと、ここで前記コイルパネルは、複数のコイルばねと、上側布層と、下側布層とで形成されており、前記上側布層と前記下側布層とは、前記複数のコイルばねの間、及び前記第1コイルパネルの外周縁に沿って、接合されており、
前記クッション材の前記凹部内で前記コイルパネルを覆って配置されるゲル層と
を備えており、
前記上側布層と前記下側布層のうち少なくとも1つは、前記ゲル層と前記複数のコイルばねの回旋との間の接触を防止する、成形ハイブリッド枕。
【請求項17】
前記複数のばねはそれぞれ、3インチ未満の包まれた高さと、2インチ未満の直径とを有する、
請求項16に記載の成形ハイブリッド枕。
【請求項18】
前記ゲル層は、前記複数のばねの最外行を越えて外側に延びている、
請求項16に記載の成形ハイブリッド枕。
【請求項19】
前記上側布層と前記下側布層とは、前記ゲル層を越えて外側に延びている、
請求項16に記載の成形ハイブリッド枕。
【請求項20】
前記上側布層と前記下側布層とは、不織布材料又は疎水性材料で形成されている、
請求項16に記載の成形ハイブリッド枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、2021年6月24日に出願された米国仮特許出願第63/214,503号に基づく優先権を主張し、その全体の開示はこれを参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ハイブリッド枕に関するものである。特に、本発明は、コイルパネルとフォーム快適層内に埋め込まれたゲル層とを含む成形ハイブリッド枕に関するものである。
【背景技術】
【0003】
サポートクッションの有効性と望ましさとは、幾分かは、使用者が長時間に渡ってサポートクッションにどれだけ快適にいられるかの機能である。この点について、多くの使用者は、柔軟なフォームでつくられたサポートクッション、特にマットレスが望ましいと感じる。しかし、マットレス及び枕等の身体サポートクッションの耐用年数を通して、柔軟なフォームは、高さと硬度とを失い得る。そしてサポートクッションの耐久性の低下は、身体サポートクッションの快適性の減少という結果をもたらし得る。
【0004】
もちろん、身体サポートクッションの反発性と快適性とができるだけ長く維持されることが望ましく、これら製品の耐久性、快適性、及び反発性を改良することが絶え間なく望まれている。従って、耐久性、快適性、及び反発性のそのような改良を可能とし、長期間に渡ってそのような特徴が維持されることを可能とする、身体サポートクッションは、非常に望ましく且つ有益である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、ハイブリッド枕等のハイブリッド身体サポートクッションを含む。いくつかの実施形態において、ハイブリッド枕は、ゲルとフォームとの間のコイルパネルを包み込むゲル層と共にフォームクッション構造に一体に形成される1つ以上のコイルパネルを含む様々な層を備える。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態において、枕の形態の例示的な身体サポートクッションは、凹部を画定するクッション材を含む。ゲル成形ばねアレイを集合的に形成する、コイルパネルとゲル層とは、凹部内に配置される。
【0007】
いくつかの実施形態において、クッション材の上側表面に画定される凹部は、概して矩形であるが、凹部が、コイルパネル及びゲル層(すなわちゲル成形ばねアレイ)の形状とサイズとに従って、様々な外周形状で形成され、様々な深さを有し得ることが考えられる。
【0008】
いくつかの実施形態において、コイルパネルは、行及び/又は列のアレイ状又はマトリックス状に展開された複数のコイルばねで形成されている。上側第1布層は、それぞれのコイルばねの上端部を覆って配置されており、下側第2布層は、それぞれのコイルばねの下端部の下に配置される。第1及び第2布層は、コイルばねの間で接合、例えば溶着されており、それによりコイルポケットを形成する。コイルばねの端部は、布層と直接接触してもよく、又は代替的に、クッション又はスクリム等の材料片がコイルばねと布層との間に配置されてもよい。そのような中間材料は、コイルばねが布層を突き出る、又は別の方法で布層を引裂くことを防止し得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、布層は、ゲル層がコイルばねに浸透、潜行、又は他の別の方法で接触することを、最小化する又は完全に防止することを可能とする。このため、いくつかの実施形態において、第1及び第2布層は、疎水性布、防水対応布等である。
【0010】
いくつかの実施形態において、ゲル層は、枕上に位置する使用者の身体又はその一部からの熱が放散されることができる放熱器又はヒートシンクとして作用することによって冷却効果を提供することができるエラストマゲル状材料の実質的に均一な層である。
【0011】
いくつかの実施形態において、ゲル層は、実質的に滑らかである外側表面を有し得るが、ゲルの表面形状及び手触りは、ゲルが注がれる型の表面に対応して決定され得る。さらに、ゲルはまた、枕の表面に沿って濃度が変化してもよい。ゲルの外周縁又は外周は、規則的又は不規則な形状であってもよく、ゲル層は、厚さ及び/又は濃度が変化してもよい。例えば、ゲルの厚さは、ゲルの外周に向かう領域と比較して、中央において大きくあり得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、枕は、2つ以上のコイルパネル及び/又は2つ以上のゲル成形ばねアレイを含む。例えば、クッション材の上側表面に渡って配置される複数のゲル成形ばねアレイがあってもよく、又は枕が上側表面上の第1ゲル成形ばねアレイと下側表面上の第2ゲル成形ばねアレイとを含んでもよい。
【0013】
本発明のいくつかの例示的な実施形態によれば、型が提供され、液体ゲルは、型に分注される。液体ゲルが型に分注された後、コイルパネルは、型においてゲルの上部に配置される。コイルパネルとゲルとを型に配置した後、液体フォーム前駆体は、型に分注され、液体前駆体は、クッション材を形成するために発泡する。
【0014】
いくつかの他の実施形態によれば、ゲル層をクッション材と同じ型で形成するのではなく、ゲル層は、ゲル層が個々に形成された後にクッション材に適用されてもよい。コイルパネルは依然として、コイルパネルがクッション材と一体となるように、フォーム前駆体を提供する前に型に提供され得る。代替的に、コイルパネルとゲル層の両方は、形成後のクッション材に適用されてもよい。
【0015】
本発明のさらなる特徴及び利点は、本明細書の説明、図面、及び非限定的な実施例の考慮の後、当業者に対して明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に従ってつくられた例示的なハイブリッド枕の斜視図である。
【0017】
【0018】
【
図3】
図2に示されるコイルパネルの分解斜視図である。
【0019】
【
図3A】
図2に示されるコイルパネルの詳細断面図である。
【0020】
【
図3B】
図2に示されるコイルパネルのコイルパターンの概略層図である。
【0021】
【
図4】本発明に従ってつくられた他の例示的なハイブリッド枕の分解透視図である。
【0022】
【
図5】成形ハイブリッド枕を形成する例示的な方法を描写したフローチャートである。
【0023】
【
図6】コイルパネルにおいて使用される他の例示的なコイルパターンの概略層図である。
【0024】
【
図7】第1パターンの複数の開口を画定するコイルパネルにおいて使用される一の例示的な布層の上面図である。
【0025】
【
図8】複数の中央溶着部内の開口を画定するコイルパネルにおいて使用される他の例示的な布層の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、ハイブリッド枕等のハイブリッド身体サポートクッションを含む。いくつかの実施形態において、ハイブリッド枕は、フォームクッション構造に一体に形成される1つ以上のコイルパネルを含むと共に、ゲルとフォームとの間のコイルパネルを包み込むゲル層を含む、様々な層を備える。1つ以上のコイルパネルの使用により、使用者の要望に対して様々な特性の調整のためにチューニングすることが可能となる。非限定的な例として、薄い枕を欲する使用者もあれば、より厚い枕を欲する使用者もあり得る。なおさらに、より硬い感触を好む使用者もあれば、より柔らかい感触を好む使用者もあり得る。
【0027】
最初に
図1を参照すると、例示的な身体サポートクッション10の斜視図が提供されており、即座の教示の目的、及び参照の容易のために、身体サポートクッション10は、枕又はハイブリッド枕とも呼ばれる。しかし、本発明に従ってつくられた身体サポートクッションは、エンドユーザの身体の1つ以上の部分をサポートする様々な構造で具現化され得る。用語身体サポートクッションは、非限定的な例として、椅子及び家具用の寝具及び/又はクッション、枕、医療装置及び器具用のパッド(例えば車椅子シートパッド、車椅子パッド、医療パッド、病院担架パッド、手術台パッド、位置決めパッド)、家具用のパッド(例えば室内装飾パッド、家具クッション、家具パッド)、運動器具及び装置用のパッド(例えば運動用クッション、スポーツ及び運動用パッド、体操マット)、レクリエーション器具及び装置用のパッド(例えばキャンプ及び睡眠マット)、衣料品用のパッド(例えばブラストラップ、ショルダパッド、靴の裏張り、ブーツの裏張り)、家庭用品用のパッド(例えば抗疲労マット、マットレスパッド、マットレスカバー、枕トップマットレスの枕トップ部分であるマットレス「トッパ」、枕等)、パッドアクセサリ(例えばブリーフケースのショルダストラップ、コンピュータキャリーケース、財布、手袋等)、ペットベッド等を含む様々なタイプの支持体を含み得る。従って、任意のこれらタイプの構造及びその他のものは、用語枕又は身体サポートクッションの範囲内に入り得、互換的に使用される。
【0028】
依然として
図1を参照すると、例示的なハイブリッド枕10は、枕10の外周縁18における又はその周囲における弓形湾曲によって接合される、弓形上側表面14と針状下側表面16と、を有する概して矩形の外周形状を有する。例示的な枕において、枕10の、上側表面14と下側表面16との間の高さ又は距離は、約2~10インチである。いくつかの他の実施形態において、その高さは、約3~5インチである。しかし、この範囲は、網羅的なものではなく、他のサイズも利用され得ることと、理解されるべきである。
【0029】
例示的な枕は、縦(長手)及び横(短手)寸法の一方又は両方において弓形であってもよい。同様に、例示的な枕は、枕の外周縁における又はその周囲における直線又は弓形湾曲によって接合される概して平坦な上側表面及び/又は下側表面を有してもよく、又は代替的に上側表面及び/又は下側表面は、全体的に弓形であってもよい。本明細書で使用されるように、「外周縁」は、枕の形状を画定する1つ以上の縁であり得る。例示的な枕はまた、示された矩形状以外の様々な形状を有してもよく、従って、形状は、限定されるものと考えられるべきでない。
【0030】
次に
図2を参照して、例示的な枕10は、クッション材30を含む。前述したように、例示的な枕10は、針状の上側及び下側表面14、16を有する概して矩形の外周形状を有する。このため、
図2に示されるように、例示的なクッション材30は、湾曲した下側表面34と湾曲した上側表面35とを有する矩形の外周形状を有する。クッション材30の上側表面35はまた、凹部36を画定し、該凹部は、以下でさらに説明されるゲル成形ばねアレイ52を集合的に形成する、コイルパネル40及びゲル層50を、受け入れる。もちろん、本発明のクッション材は、身体サポートクッションの用途によって、任意の数の様々な形状であってもよい。例えば、他の実施形態において、クッション材の上側及び下側表面は、平面状であり得、及び/又は、任意の形状及びサイズのリブ、突出、及び他の突起を有する表面、クッション材を部分的に、ほぼ完全に、又は全体を通って延びる、溝、くぼみ、及び他の開口を有する表面を有してもよい。
【0031】
クッション材30に関して、例示的な枕10において、クッション材30は、粘弾性フォーム(「記憶性フォーム」又は「低反発性フォーム」と呼ばれることもある)でできている。しかし、他の実施形態において、クッション材は、本発明が含む意図及び範囲から逸脱することなく、様々な材料でできていてもよく、ラテックスフォーム又は網目状の非粘弾性フォームが使用されてもよいが、これらに限定されない。
【0032】
クッション材は、様々な実施形態を通して様々なフォームで形成されてもよく、以下の概要は、非網羅的なものである。例えば、連続気泡又は非網目状の粘弾性フォームが使用されてもよい。いくつかの実施形態において、温度応答性のフォームが使用され得る。使用者の身体温度の範囲(又はその上で休息している使用者の身体への接触又は近接によって枕10が露出されている温度の範囲)における温度応答性は、重要な利点を提供し得る。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、材料が10℃~30℃の温度範囲を通して国際標準化機構(ISO)規格3386によって測定される少なくとも10%の硬度変化を示した場合、材料は、温度変化に対して「応答性」であるとみなされる。他の実施形態において、フォームが温度に対して実質的に鈍感であることが望ましくあり得る。本明細書で使用されるように、材料が10℃~30℃の温度範囲を通して国際標準化機構(ISO)規格3386によって測定される10%未満の硬度変化を示した場合、材料は、温度変化に対して「実質的に鈍感」である。いくつかの実施形態において、軟質ポリウレタンフォームが使用され得、いくつかの実施形態において、網目状フォームが利用され得る。
【0033】
枕10のクッション材は、使用者の身体又はその一部からの圧力を枕10又はより一般的に身体サポートクッション10に渡って分散させることができる様々な言及された軟質フォームの何れかで構成され得る。いくつかの例示的な実施形態において、使用される軟質フォームの密度は概して、使用者の首及び肩を支持するのに十分な密度を有する。そのような軟質フォームは、ラテックスフォーム、網目状又は非網目状の粘弾性フォーム(記憶性フォーム又は低反発性フォームと呼ばれることもある)、網目状又は非網目状の非粘弾性フォーム(「従来型」フォームと呼ばれることもある)、ポリウレタン高反発性フォーム、発泡ポリマフォーム(例えば発泡エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリスチレン、又はポリエチレン)等、又はそれらの任意の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
【0034】
例示的なクッション材30は、低反発性と同様に十分な密度と硬度とを有する粘弾性フォームであり、圧力が、均一に吸収され、枕10のクッション材30に渡って均等に分散されることを可能とする。概して、そのような粘弾性フォームは、約室温(例えば21℃~23℃)において、プレートから材料のサンプルに対して材料の初期の厚さの少なくとも40%の圧縮の圧力を及ぼすことによって測定される、少なくとも10Nから80Nを超えない硬度を有しており、ここで40%の圧縮は、国際標準化機構(ISO)2439硬度測定規格によって確立される設定時間で保持される。いくつかの実施例において、身体サポートクッション又は枕10は、約70kg/m3~約110kg/m3の密度と約25N~約50Nの硬度とを有する粘弾性フォームで構成されたフォームを利用し得る。いくつかの実施形態において、粘弾性フォームは、所望の快適度合いと身体に適合する品質とを提供するために、約10N、約20N、約30N、約40N、約50N、約60N、約70N、又は約80Nの硬度を有し得る。
【0035】
枕10の例示的なクッション材30に使用される粘弾性フォームはまた、所望の快適度合い、身体に適合する品質、並びに高まる材料の耐久性の度合い、の提供をアシストする密度を有し得る。いくつかの実施形態において、粘弾性フォームは、約30kg/m3以上、約150kg/m3以下の密度を有し得る。いくつかの実施形態において、枕10に使用される粘弾性フォームの密度は、約30kg/m3、約40kg/m3、約50kg/m3、約60kg/m3、約70kg/m3、約80kg/m3、約90kg/m3、約100kg/m3、約110kg/m3、約120kg/m3、約130kg/m3、約140kg/m3、又は約150kg/m3であり得る。もちろん、特定の密度を有する粘弾性フォームの選択は、フォームの硬度、フォームが圧力に対して反応する挙動、及びフォームの全体的な感触を含む他の特性に影響を与えるが、所望の密度と硬度とを有する粘弾性フォームが所望の特定の用途のために容易に選択され得ることが認識される。
【0036】
クッション材30の上側表面35に画定される例示的な凹部36は、概して矩形であるが、凹部36が、例えばコイルパネル40及びゲル層50(すなわちゲル成形ばねアレイ52)の形状とサイズとに従って、様々な外周縁形状で形成され得、決定された様々な深さを有し得ることが考えられる。凹部36は、身体サポートクッション10の形成方法によって、様々な方法で形成され得る。例えば、
図5を参照して後述される例示的な実施形態において、クッション材30は、フォームでできており、液体ジェルとコイルパネルとは、型(例えばコイルとゲルとを含んで個々に成形されるシートの形態)に配置され、フォームの前駆体は、発泡がコイルパネル40とゲルとの周りで生じるように適用される。従って、そのような実施形態において、液体ゲルがゲル層50にセットされて発泡前駆体がセットされると、得られるクッション材30は、凹部36を画定するために、発泡プロセス中においてコイルパネル40とゲル層50との周りで変位する。代替的に、いくつかの実施形態において、コイル/ゲルシートは、別々の型において共に形成され得、硬化されると、例示的な枕を形成するために、クッション材の液体前駆体が周りにある他の型に配置され得る。さらなる実施形態及び他の代替として、クッション材が独立して形成される場合、凹部はまた、その中に形成され得る、又はクッション材が形成された後に切断され得る。
【0037】
次に、クッション材30の凹部36内に配置され、ゲル成形ばねアレイ52の一部を形成する、コイルパネル40に向けて、
図3-3Aを参照すると、例示的なコイルパネル40は、行及び/又は列のアレイ状又はマトリックス状に展開されている複数のコイルばね44で形成されている。上側第1布層46は、それぞれのコイルばね44の上端部を覆って配置されており、下側第2布層47は、それぞれのコイルばね44の下端部の下に配置されている。第1及び第2布層46、47は、コイルばね44の間で接合、例えば溶着されており、それにより、コイルポケットを形成する。コイルばね44の端部は、布層46、47と直接接触してもよく、又は代替的に、クッション又はスクリム等の材料片がコイルばね44と布層46、47との間に配置されてもよい。そのような中間材料は、コイルばね44が布層46、47を突き出る、又は別の方法で布層46、47を引裂くことを防止し得る。第1及び第2布層46、47は、コイルパネル40を画定するために、第1及び第2布層46、47の外周縁49に沿って、追加的に接合、例えば溶着される。さらに、2つの布層46、47は、2つの別個の布片であってもよく、又は他の実施形態においては、ばねを覆って折り畳まれて開口端で接合される単一の布片であってもよい。
図3Aに示されるコイルばね44間の空間は、第1及び第2布層46、47間の溶着の実例であり、限定することが意図されるものでない。例えば、いくつかの実施形態において、第1及び第2布層46、47の溶着接合は、約3mm~約5mmの幅を有してもよい。同様に、第1及び第2布層46、47によって形成されるコイルポケットのサイズは、その中に収容されるコイルばねのサイズに基づいて変化し得る。
【0038】
第1及び第2布層46、47は、様々な材料でできていてもよい。材料の非限定的な実施例は、不織布、経編、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、スペーサ生地等を含む。しかし、このリストは、非網羅的である。一実施例として、不織布が使用される場合、不織布には、削りくず、傷(scabs)、穴、及び/又は切れ端を含むがこれに限定されない様々な欠陥がないことが望ましくあり得る。付加的に、不織布が使用され得るいくつかのそのような実施例において、不織布の重量は、約40g/m2~約80g/m2の間であり得る。他の実施例において、第1及び第2布層46、47は、異なる材料でできていてもよい。例えば、第1布層46は、スパンレースメッシュ布(例えば約70g/m2の重量を有する)であってもよく、第2布層47は、前述のような不織布であってもよい。
【0039】
前述され、
図2に示されるように、ゲル層50は、コイルパネル40に隣接して配置されている。そのように、いくつかの実施形態において、少なくとも第1布層46の布が、ゲル層50がコイルばね44に浸透、潜行、又は他の別の方法で接触することを、最小化する又は完全に防止することを可能とすることが望ましい。より具体的に、そのような布は、ばねを束縛し及び/又はそれらの機能性を低下させ得るゲルがばねの回旋の間に浸透、潜行、又は他の別の方法で接触することを、最小化する又は防止し得る。このため、第1及び第2布層46、47は、いくつかの実施形態において、疎水性布、防水対応布等である。
【0040】
いくつかの実施形態において、第1及び第2布層の材料は、コイルパネル40が圧縮されたときに空気が容易に逃げないように、空気の透過性を制限し得る。同様に、枕の圧縮力が開放されるとき、コイルパネル40の膨張は、第1及び第2布層46、47を通る空気の引きが遅いため、ゆっくりと生じ得る。いくつかの実施形態において、第1及び第2布層の材料は、特定の位置に位置する空気透過性部分を有する空気不透過性であってもよい。空気の透過位置のサイズ、数、及び/又は位置を制御することによって、布層46、47及びコイルパネル40に出入りする空気の流れも制御され得る。
【0041】
例えば、次に
図7-8を参照すると、いくつかの例示的な実施形態によれば、コイルパネルは、コイル及びパネルを通る空気流れの量を変化させる複数の空気流れの開口を画定し得る。より具体的に、いくつかの実施形態において、第1及び/又は第2布層は、それぞれのパネルを通る空気流れを改善するために、様々な密度の開口を有し得る。
図7において、複数のコイルばね444を覆って配置されている例示的な第1布層446は、1平方インチ当たり多数の開口448を画定している。第1及び/又は第2布層における開口のサイズ及び密度を修正することはもちろん、コイルパネルを通る空気流れを調整することになる。
【0042】
図8は、代替のパターンの開口を有する他の例示的な第1布層546を示している。この示された実施形態において、第1布層546をコイルばね544の間で第2布層(図示されない)に溶着することに加えて、第1布層546は、それぞれのコイルばね544内に中央溶着部547を形成するために、コイルばね544の中央部分において、第2布層に追加的に溶着される。
図8に示されるように、開口548は、空気流れを可能にするために、これら中央溶着部547内に画定される。非限定的な実施例として、中央溶着部547の直径は、約21mm~約25mmであり、開口548の直径は、約9mm~約10mmである。
図7-8の上述の説明は、第1布層に向けられているが、第2布層が同様に、第1布層の代わりに、又は第1布層に加えて、本発明の第1及び第2コイルパネルのうち1つ以上の内に開口を含み得ることが理解されるべきである。
【0043】
再度
図3及び3Aに戻るが、次にコイルパネル40の複数のコイルばね44に焦点を当てると、例示的なコイルパネル40の1平方フィート当たりのコイルの数は、約14~約250の範囲内であり得る。コイルばね44は、コイルパネル40内において様々なサイズ及び数であってもよい。いくつかの非限定的な実施形態において、例えば、コイルばねは、最大約3インチの直径、及び圧縮された高さにおいて最大約3インチの高さであり得る。ばねは、無負荷の高さを有してもよく、また完全に緩められた高さである無負荷より短い負荷高さを有してもよい。非限定的な実施例として、約20mm~約26mmの無負荷又はコイルフリーの高さと、約18mm~約20mmの負荷又は圧縮高さとを有するコイルミニばねが使用され得る。代替的に、第2の非限定的な実施例として、約90mm~約110mmの無負荷又はコイルフリーの高さと、約27.5mm~約32.5mmの負荷又は圧縮高さとを有するより大きいコイルが使用され得る。コイルばねは、いくつかの実施例において、17.5ワイヤゲージ(例えば約1.25mmの直径のワイヤ)又は19.5ワイヤゲージで構成され得る。コイルばねは、一貫したワイヤサイズ(直径)を有してもよく、ワイヤサイズがコイルばねに渡って変化してもよい。コイルばねは、いくつかの実施例において、コイルを構成するために、約3と4分の3回転(±4分の1回転)され得る。構成されるとき、コイルを形成するワイヤのそれぞれの端部は、コイルばね構造の中にあり得る。コイルばねは、様々な形状を有してもよく、例えば、樽、円筒、又は砂時計の形状であってもよい。ピッチと直径とは、対称又は非対称であってもよく、コイルばねが圧縮されたときに線形又は非線形の応答を有することを可能とする。しかし、他のサイズ、形状、及びバリエーションが利用されてもよい。例えば、コイルばねは、1つ又は両方のコイルの直径が変化し得るコイルインコイル設計であってもよく、例えば円錐設計であってもよい。なおさらにコイルの種類の組み合わせが利用されてもよい。
【0044】
コイルばね44は、第1及び第2布層46、47の係合及び接合によって負荷され得る。具体的に、コイルばね44は、約0.1重量ポンド~約0.8重量ポンドで予荷重され得る。コイルばね44はまた、ばね定数が変化してもよい。すなわち、コイルばね44のばね定数は、約0.2lbs/in~約3.0lbs/inであり得る。また、ばね定数は、枕10の表面に渡って同じ又は同じ範囲であってもよく、又は代替的に、場所によって範囲が変化してもよく、又は変化してもよい。
【0045】
コイルばね44はまた、ばね定数が変化してもよい。すなわち、コイルばね44のばね定数は、約0.2lbs/in~約3.0lbs/inであり得る。また、ばね定数は、コイルパネル40に渡って同じ又は同じ範囲であってもよく、又は代替的に、場所によって範囲が変化してもよく、又は変化してもよい。
【0046】
前述されたように、コイルばね44は、無負荷の高さを有してもよく、また完全に緩められた高さである無負荷より短い負荷高さを有してもよい。ばね44は、2つの布層46、47の係合及び接合によって負荷され得る。ばねのこの初期負荷は、ばね44の初期の支持力及び/又は押し戻し力によって提供され得る。
【0047】
次に
図3Bを参照して、例示的なコイルパネル40において、コイルばね44は、方向Axの行及び方向Ayの列に配置されている。しかし、次に
図6を参照して、他の例示的なコイルパネル340において、複数のコイルばね344は依然として、方向Axの行に配置されているが、コイルばね344は、
図3Bの前の実施形態のように方向Ayの列に整列されていない。その代わり、1列おきに、距離Oオフセットされている。他のパターンのコイルばねも、身体サポートクッションの設計特性及び考慮事項によって、考えられる。
【0048】
図2に示される例示的な枕10は、ゲル成形ばねアレイ52の一部として単一のコイルパネルのみを含んでいるが、ゲル成形ばねアレイ52が2つ以上のコイルパネルを有してもよいことが理解されるべきである。同様に、クッション材の上側表面に渡って配置される複数のゲル成形ばねアレイがあってもよい。ゲル成形ばねアレイ及び/又はコイルパネルの数及び位置は、身体サポートクッションのサイズ、又は他の設計特性及び考慮事項に左右され得る。
【0049】
次にもう一度
図2に戻ると、上述されたように、コイルパネル40の上方に配置されているのはゲル層50である。より具体的に、例示的なゲル層50は、コイルパネル40の最外のコイル44を越えて外側に延びているが、コイルパネル40の第1及び第2布層46、47は、コイルパネル40とゲル層50とが互いに隣接しているときにゲル層50を越えて外側に延びている。しかし、他の実施形態において、ゲル層50は、コイルパネル40とゲル層50とが互いに隣接しているときに第1及び第2布層46、47を越えて外側に延びていてもよい。さらに、1つのゲル層50のみが示されているが、他の実施形態において第2ゲル層もまたクッション材の下側表面に配置され得ることが考えられる。
【0050】
枕10に含まれるゲル層50は概して、枕10上に位置する使用者の身体又はその一部からの熱が放散されることができる放熱器又はヒートシンクとして作用することによって冷却効果を提供することができるエラストマゲル状材料の実質的に均一な層で構成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、ゲル層50は、Dow Chemical Company Corp.(Midland, Mich.)によってそれぞれ製造され販売される、Hyperlast(登録商標)LU1046ポリオール、Hyperlast(登録商標)LP5613イソシアネート、及び熱可塑性ポリウレタンフィルム又はタルクパウダを組み合わせることによってつくられたポリウレタンベースのゲルで構成され得、国際標準化機構(ISO)22007-2容積比熱測定規格によって確立された0.1776W/m*Kの熱伝導率、0.1184mm2/sの熱拡散率、及び1.503MJ/(m3K)の容積比熱を有するゲルインサートを製造するために組み合わされ得る。しかし、熱の量を吸収して冷却効果を提供することができる多数の他のタイプのゲルが、本実施形態に従って使用され得、本明細書に説明される主題の意図及び範囲から逸脱することなく、所望の熱伝導率、熱拡散率、容積比熱を有するように製造され得ることも考えられる。
【0051】
いくつかの実施形態において、ゲル層50は、実質的に滑らかである外側表面を有し得るが、ゲルの表面形状及び手触りは、ゲルが注がれる型の表面に対応して決定され得る。さらに、ゲルはまた、枕の表面に沿って濃度が変化してもよい。本発明の身体サポートクッションを形成する例示的な方法の以下の説明で理解されるように、ゲルの外周縁又は外周は、規則的な形状又は不規則であってもよい。さらに、ゲルはまた、厚さ及び/又は濃度が変化してもよい。例えば、ゲルの厚さは、ゲルの外周に向かう領域と比較して、中央において大きくあり得る。
【0052】
例示的な枕10において、ゲル層50の外側表面は、ゲル層50の外側表面とクッション材30の上側表面35とが身体サポートクッション10の上側表面14を集合的に形成するように、クッション材30の上側表面35と実質的に同一面である。ゲル層50の外側表面は、面を画定する材質が異なっていても、枕10の反対側(すなわち下側表面16)と概して対称である形状を形成し得る。しかし、前述されたように、他の形状が利用されてもよい。
【0053】
しかし、いくつかの他の実施形態によれば、ゲル層は、材料が同一面にならないような方法で、クッション材に囲まれていてもよい。例えば、ゲル層は、周囲のクッション材内ではめ込まれる又は凹んでいてもよく、又はゲル層は、一部又は全体において、クッション材の上側表面を越えて外側に延びていてもよい。例えば、ゲルの外側表面は、リブ又はバンプ等、別の概して平面状の枕の上側表面を越えて延びる1つ以上の特徴を画定してもよい。同様に、コイルパネルに隣接する凹部内に単に配置する代わりに、追加のゲルがフォームの凹み(divots)内に配置されてもよい。
【0054】
さらに枕10の密度と硬度とに関して、上記で示されたように、ゲル層50の密度は概して、クッション材30の密度と異なる。
図2に示される例示的な枕10において、クッション材30、例えば粘弾性フォームの密度は、使用者の首及び肩を支持するのに十分であるが、ゲル層50は、使用者の頭を支持するのに十分であるより高い密度を有する。より具体的に、例示的なクッション材は、約40kg/m
3~約80kg/m
3の密度と約25N~約50Nの硬度とを有する粘弾性フォームで構成されており、一方で例示的なゲル層50は、約800kg/m
3~約1200kg/m
3の密度と約25~50のショアOOO硬度とを有する非常に柔らかいポリウレタンで構成されている。もちろん、クッション材及びゲルの両方の特定の密度及び他の支持特性は、サポートクッションの設計特性によって変化し得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、クッション材30、コイルパネル40、及びゲル層50のうちの1つ以上は、ネット材(図示されない)で個別に又は集合的に覆われ得る。ネット材は、編み糸又は繊維がそれらの交差において溶解され、ループされ、又は結ばれ、編み糸又は繊維間に開いた空間を有する布となる任意の織物であり得る。織物を構成するために使用される編み糸又はフィラメントのタイプによって、その特性は、耐久性において変化し得る。ネット材は、シングルニットジャージ、ダブルニットジャージ、ダブルリブニットで形成されてもよく、耐火性又は非耐火性の織物でできていてもよく、約50~約850CFMの多孔性を有していてもよい。耐火性の織物は、非限定的な実施例として、耐火性レーヨン、改質アクリル、ケブラ、nomax及び他のものを含み得る。非耐火性の織物は、非限定的な実施例として、未処理のポリエステル、レーヨン、又は綿を含み得る。
【0056】
依然として
図2を参照すると、カバー60もまた、クッション材30とゲル成形ばねアレイ52との周りに配置されている。例示的な枕10において、カバー60は、布でできているが、他の実施形態において、綿、綿ブレンド、100%ポリエステル布等の透湿布、レーヨン、ナイロン、又は性能及び伸縮性を高めるためのスパンデックスブレンド布、又は前記の何れかのブレンドを含むがこれに限定されない様々な材料が使用され得る。このリストは、非網羅的であり、他の材料が使用されてもよい。カバー20の布は、キルトされてもよく、及び/又は「硬い」側又は「柔らかい」側のラベルを含むがこれに限定されない様々なデザインを含んでもよい。カバー60はまた、枕10の外周を画定し、従って、カバー20内に位置する様々な層の形状は、カバー20の外周縁と共に枕10の形状を画定する。カバー60はまた、使用者に対する冷却感を高めるために、いくつかの実施形態において、相変化材料を含み得る。望ましい場合、概して薄い布で形成された枕ケースは、カバー20を覆って配置され得ることが考えられる。例示的なカバー20は、外周縁18の周りで閉じられており、枕10の内部にアクセスするため又は代替的に望ましいときにカバー60の洗浄のために内部の内容物を除去するためのクロージャ62を含む。クロージャ62は、層の配置をその中で容易にするために、枕10の1つ以上の側面に沿って延び得る。クロージャ62は、ジッパ、ボタン、スナップ、面ファスナ等を含むがこれに限定されない様々なタイプであり得る。
【0057】
次に
図4を参照すると、本発明に従ってつくられた第2の例示的な身体サポートクッション110は同様に、クッション材130a、130bの上側表面135上のゲル成形ばねアレイ152を含んでいるが、クッション材130a、130bの下側表面134上の第2ゲル成形ばねアレイ152も含んでいる。
【0058】
それぞれのゲル成形ばねアレイ152は、
図2を参照して上述されたゲル成形ばねアレイ52と実質的に同じである、コイルパネル140とゲル層150とを含んでいる。具体的に、それぞれのコイルパネル140は、第1及び第2布層146、147に包まれており、
図2及び3を参照して上述されたコイルパネル40と実質的に同じである、複数のコイル又はばね144を含んでいる。
図4に示された実施形態において、クッション材130の上側表面135におけるコイルパネル140とクッション材130の下側表面134におけるコイルパネル140とは、同じ特性を有してもよく、又は身体サポートクッション110の2つの側面において異なる感触を提供するために異なる特性を有してもよい。
【0059】
枕110に含まれているそれぞれのゲル層150は、枕110上に位置する使用者の身体又はその一部からの熱が放散される放熱器又はヒートシンクとして作用することによって冷却効果を提供することができるエラストマゲル材料の実質的に均一の層で構成されている。
【0060】
コイルパネル140とゲル層150とはまた同様に、
図2を参照して上述された実質的に同じ方法でクッション材130a、130bに配置される。
図4に示されるように、クッション材130a、130bは、クッション材130a、130bを形成するためにまとめられる上側フォーム片130aと下側フォーム片130bとで形成される。しかし、他の実施形態によれば、単一のクッション材で同様の両面枕が形成され得る。
【0061】
次に
図5を参照すると、本発明に従ってつくられるハイブリッド枕を製造する例示的な方法は、形状及びサイズが変化し得るが、いくつかの実施形態において、
図2に示される身体サポートクッション10と概して同様の外周形状を有する、型で始まる。例えば、型は、
図1及び
図4に示される例示的な枕10、110のクラウン形状を画定する湾曲した上半分及び下半分を有する矩形であり得る。しかし、上述されたサポートクッションの任意の形状及びデザインは、単一の型又は工具で形成されることができる。型は、以下で説明されるように、第1半分と第2半分とで形成され得る。
【0062】
例示的な実施形態によれば、第1ステップ210において、液体ゲルは、型に分注される。ゲルの量は、型のサイズ及び/又は深さ、同様に最終的に成形されるハイブリッド枕の特定の設計、によって変化し得る。以下でさらに説明されるように、いくつかの例示的な実施形態によれば、液体ゲルではなく固体ゲルもまた、型に提供され得る。
【0063】
液体ゲルが型に分注された後、ステップ220において、コイルパネルは、型のゲルの上部に配置される。その結果の構造は、上述されたゲル成形ばねアレイ52、152と同様のゲル成形ばねアレイを形成するためにコイルパネルの一方側に成形されるゲル層を生じさせる。液体ゲルとコイルパネルとは、型に個別に適用されるが、他の実施形態において、ゲル層とコイルパネルとは、組み合わされた構造として型に適用されてもよい。すなわち、本発明のいくつかの例示的な実施形態によれば、ゲル層は、コイルパネルに適用される前又は後に、個々に成形されて、型に配置されてもよい。そのような実施例において、ゲル層は、配置のために除去される裏打ちに形成されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、例えば
図4に示される例示的な枕110を参照して上述されたように、例示的な枕には、2つ以上のコイルパネルが含まれている。従って、そのような実施形態において、該方法は、追加のコイルパネル及び/又はゲル層を型に配置する追加のステップを備える。例えば、折り畳まれ閉じられる2つの側面を有する型において、ゲル(液体又は固体)とコイルパネルとは、型が閉じる前に2つの側面のそれぞれに提供され得る。同様に、追加のゲル層とコイルパネルとは、複数のゲル成形ばねアレイがあるサポートクッションを提供するために、型の第2の部分に提供されてもよい。
【0065】
コイルパネルとゲル層とを型に配置した後、ステップ230において、液体フォーム前駆体は、型に分注される。その後、型は閉じ得、液体前駆体は、クッション材を形成するためにステップ240において発泡する。言い換えると、成形された形態は、ゲル層と反対側のゲル成形ばねアレイに配置される。例示的な実施形態によれば、この発泡ステップ240は、コイルパネルとゲル層とを結果として生じるクッション材に接続する。具体的に、発泡ステップ240の間、ゲル層と成形フォームとは、コイルパネルの外周の周りで互いに固定されていると考えられる。このようにして、クッション材の成形フォームは、ゲル層とクッション材の成形フォームとの間で完全に包み込まれるコイルパネルを伴ってゲル成形ばねアレイを少なくとも部分的に取り囲む。液体ゲルが型に提供される実施形態において、ゲルは、液体前駆体が発泡する前又はその間に凝固し得ると考えられる。とにかく、発泡ステップが完了すると、型は開き得、身体サポートクッションは取り除かれる。
【0066】
ゲルが最初に液体として提供される実施形態によれば、得られるゲル層の濃度は、得られるサポートクッションに渡って変化し得る。ゲル液体が型に注がれて型の底に向かって沈むとき、液体ゲルは、いくつかの実施形態において、その中央でより厚い深さと、外周縁付近でより薄い深さとを有する。従って、液体ゲルで製造された例示的な枕は、枕の縁に向かって最終ゲル層が少なく、枕のクラウン領域内では多くの最終ゲル層を有し得る。同様に、液体ゲルが沈むことにより、得られるゲル層は、いくつかの実施形態において、不規則な形状を有し得る。
【0067】
他の実施形態によれば、ゲル層の濃度が枕に渡って変化するようにクッション材と同じ型にゲル層を形成するのではなく、ゲル層は、ゲル層が個々に形成された後に、クッション材に適用されてもよい。コイルパネルは依然として、コイルパネルがクッション材と一体となるように、フォーム前駆体を提供する前に型に提供され得る。代替的に、コイルパネルとゲル層の両方は、形成後のクッション材に適用されてもよい。
【0068】
上述の例示的な枕のそれぞれは追加的に、含水量に対する特性を改善し、カビの成長を抑制するために、銅等の添加剤を含み得る。濾過用の炭素又は炭の添加剤等、他の添加剤は、難燃性を改善するため、又はフォームの匂いを改善するために提供されてもよい。他の添加剤、例えば、グラファイト、アルミニウム、銀、炭、ゲル等も、当該技術分野で知られている様々な利点のために含まれ得る。例示的な枕へのさらなる添加は、若返り特性のための遠赤外線放射を提供し得る。なおさらに、枕の1つ以上の層は、使用者に対する冷却感を高めるために、ナノバイオ材料又は相変化材料(PCM)でコーティングされ得る。これらの相変化材料(PCM)は、市販の有機材料、無機材料、固体材料及び生体物質を含むがこれに限定されないコーティングであり得る。付加的に、1つ以上の層は、当該技術分野で知られるような、殺生物剤、防腐剤、臭気遮断剤、芳香、顔料、染料、汚れ防止、帯電防止剤、防汚剤、防水剤、透湿剤等をさらに含み得る。
【0069】
当業者であれば、本発明の教示又は以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、追加の実施形態も可能であることを認識する。この詳細な説明、特に本明細書に開示された例示的な実施形態の具体的な詳細は、主に理解を明確にするために与えられており、そこから不必要な限定と理解されるべきでなく、修正は、本開示を読むにあたり当業者にとって明らかとなり、特許請求される発明の意図又は範囲から逸脱することなく、行われ得る。
【国際調査報告】