(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】ハイブリッド枕
(51)【国際特許分類】
A47G 9/10 20060101AFI20240614BHJP
A47C 27/15 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A47G9/10 B
A47C27/15 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579377
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022034928
(87)【国際公開番号】W WO2022272079
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513221651
【氏名又は名称】シーリー テクノロジー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】マヌシャク,ブライアン エム
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン,ロビー
(72)【発明者】
【氏名】ビーモン,ジェイムズ エイ
(72)【発明者】
【氏名】プラテック,アレン エム
【テーマコード(参考)】
3B096
3B102
【Fターム(参考)】
3B096AA01
3B096AB09
3B096AD02
3B096AD04
3B096AD07
3B102AA01
3B102AB02
3B102AB07
3B102AC01
(57)【要約】
ハイブリッド枕は、第1コイルパネルと第2コイルパネルとを含んでおり、第1コイルパネルと第2コイルパネルとは、その間に間隙を画定する内側シェルを形成するために外周縁に沿って接合される。第1コイルパネルは、複数のコイルばねと、上側布層と、下側布層とで形成されており、上側布層と下側布層とは、複数のコイルばねの間、及び第1コイルパネルの外周縁に沿って、接合される。第2コイルパネルは、複数の第2コイルばねと、第2上側布層と、第2下側布層とで形成されており、第2上側布層と第2下側布層とは、複数のコイルばねの間、及び第2コイルばねの外周縁に沿って、接合される。支持材は、内側シェルの間隙に配置されており、1つ以上の追加の層は、内側シェルの周りに配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコイルばねと、上側布層と、下側布層とで形成される第1コイルパネルと、ここで前記上側布層と前記下側布層とは、前記複数のコイルばねの間、及び前記第1コイルパネルの外周縁に沿って、接合されており、
複数の第2コイルばねと、第2上側布層と、第2下側布層とで形成される第2コイルパネルと、ここで前記第2上側布層と前記第2下側布層とは、前記複数のコイルばねの間、及び前記第2コイルパネルの外周縁に沿って、接合されており、
前記第1コイルパネルと前記第2コイルパネルとは、その間に間隙を画定する内側シェルを形成するために、前記外周縁に沿って接合されており、
前記内側シェルの前記間隙に配置される支持材と、
前記内側シェルの周りに配置される1つ以上の追加の層と
を備える、ハイブリッド枕。
【請求項2】
前記1つ以上の追加の層は、前記第1コイルパネルの外側表面、前記第2コイルパネルの外側表面、又は前記第1コイルパネル及び前記第2コイルパネルのそれぞれの外側表面に沿って延びる断熱材層を含む、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項3】
前記1つ以上の追加の層は、
前記第1コイルパネルの外側面側に配置される第1シェル材と前記第2コイルパネルの外側面側に配置される第2シェル材とで形成される外側シェルと、ここで前記第1シェル材と前記第2シェル材とは、前記外側シェルの外周に沿って接合されて前記内側シェルを取り囲んでおり、
前記外側シェルの周りに配置されるカバーと
を有する、請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項4】
前記第1コイルパネルと前記第2コイルパネルとは、前記外周縁に沿って超音波溶接によって接合される、又は裁縫される、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項5】
前記第1コイルパネル及び前記第2コイルパネルの前記外周縁は、少なくとも1つのジッパによって接合される、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項6】
前記断熱材層は、繊維材料、フォーム材料、又はそれらの組み合わせで形成される、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項7】
前記断熱材層は、ネット材を含む、
請求項6に記載のハイブリッド枕。
【請求項8】
前記第1シェル材と前記第2シェル材とは、フォームで形成される、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項9】
前記第1シェル材と前記第2シェル材とは、ダウンを含む、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項10】
前記第1シェル材と前記第2シェル材とは、ダウンプルーフ材をさらに含む、
請求項9に記載のハイブリッド枕。
【請求項11】
前記支持材は、フォームプレートである、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項12】
前記支持材は、ポリウレタンフォーム又はラテックスフォームで形成される、
請求項11に記載のハイブリッド枕。
【請求項13】
前記ポリウレタンフォームは、粘弾性フォームである、
請求項12に記載のハイブリッド枕。
【請求項14】
前記フォームプレートは、複数の開口を画定する、
請求項11に記載のハイブリッド枕。
【請求項15】
前記支持材は、チップクッション材で満たされたネット材を含む、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項16】
前記第1上側布層、前記第2上側布層、前記第1下側布層、及び前記第2下側布層のうち少なくとも1つは、複数の開口を画定する、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項17】
前記第1コイルパネル及び前記第2コイルパネルのうち少なくとも1つは、第1ばね定数の前記複数のコイルばねの第1部分と、前記第1ばね定数と異なる第2ばね定数の前記複数のコイルばねの第2部分とを含む、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項18】
前記第1シェル材及び前記第2シェル材のうち少なくとも1つは、ネット材によって覆われている、
請求項1に記載のハイブリッド枕。
【請求項19】
複数のコイルばねと、上側布層と、下側布層とで形成される第1コイルパネルと、ここで前記上側布層と前記下側布層とは、前記複数のコイルばねの間、及び前記第1パネルの外周縁に沿って、接合されており、前記上側布層と下側布層とは、複数の開口を画定しており、
複数の第2コイルばねと、第2上側布層と、第2下側布層とで形成される第2コイルパネルと、ここで前記第2上側布層と前記第2下側布層とは、前記複数の第2コイルばねの間、及び前記第2パネルの外周縁に沿って、接合されており、前記第2上側布層と前記第2下側布層とは、複数の開口を画定しており、
前記第1コイルパネルと前記第2コイルパネルとは、前記外周縁に沿って接合されてその間に間隙を画定しており、
ポリウレタン又はラテックスで形成されており、前記第1パネルと前記第2パネルとの間の前記間隙に配置される、支持材と、
前記第1コイルパネルの外側面側に配置される第1シェル材と前記第2コイルパネルの外側面側に配置される第2シェル材とで形成される外側シェルと、ここで前記第1シェル材と前記第2シェル材とは、前記外側シェルの外周縁に沿って接合されて前記第1コイルパネルと前記第2コイルパネルとを取り囲んでおり、
前記外側シェルの周りに配置されるカバーと
を備える、ハイブリッド枕。
【請求項20】
前記第1シェル材と前記第2シェル材とは、ダウンを含む、
請求項19に記載のハイブリッド枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、2021年6月24日に出願された米国仮特許出願第63/214,505号に基づく優先権を主張し、その全体の開示はこれを参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ハイブリッド枕に関するものである。特に、本発明は、コイルパネルと、フォーム層と、カバー材又はダウンフィル布を含み得る外側シェルとを含むハイブリッド枕に関するものである。
【背景技術】
【0003】
サポートクッションの有効性と望ましさとは、幾分かは、使用者が長時間に渡ってサポートクッションにどれだけ快適にいられるかの機能である。この点について、多くの使用者は、柔軟なフォームでつくられたサポートクッション、特にマットレスが望ましいと感じる。しかし、マットレス及び枕等の身体サポートクッションの耐用年数を通して、柔軟なフォームは、高さと硬度とを失い得る。そしてサポートクッションの耐久性の低下は、身体サポートクッションの快適性の減少という結果をもたらし得る。
【0004】
もちろん、身体サポートクッションの反発性と快適性とができるだけ長く維持されることが望ましく、これら製品の耐久性、快適性、及び反発性を改良することが絶え間なく望まれている。従って、耐久性、快適性、及び反発性のそのような改良を可能とし、長期間に渡ってそのような特徴が維持されることを可能とする、身体サポートクッションは、非常に望ましく且つ有益である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、枕等のハイブリッド身体サポートクッションを含む。いくつかの実施形態において、ハイブリッド枕は、コイルパネルと、フォーム層と、カバー材料又はダウンフィル布を含み得る外側シェルとを含む様々な層を備える。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態において、下側の第1コイルパネルと上側の第2コイルパネルとは、その間に間隙を画定する内側シェルを形成するために外周縁に沿って接合されており、間隙に配置されるクッション材又は支持材を伴う。
【0007】
いくつかの実施形態において、断熱材層は、内側シェルの周りに配置される。同様に、いくつかの実施形態において、外側シェルは、断熱材層の外側に配置される。
【0008】
いくつかの実施形態において、第1及び第2コイルパネルはそれぞれ、複数のコイルばねで形成されており、上側第1布層は、それぞれのコイルばねの上端部を覆って配置されており、下側第2布層は、それぞれのコイルばねの下端部の下に配置される。第1及び第2布層は、コイルばねの間で接合、例えば溶着されており、それにより、コイルポケットを形成する。第1及び第2布層は、第1コイルパネル及び第2コイルパネルのそれぞれを画定するために、第1及び第2布層の外周縁に沿って追加的に接合、例えば溶着される。
【0009】
いくつかの実施形態において、第1コイルパネル及び/又は第2コイルパネルは、コイルとパネルとを通る空気流れの量を変化させるために複数の空気流れの開口を画定し得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、コイルパネルのうち1つ又は両方において、コイルばねは、全て同様の構成を有してもよいが、他の実施形態において、コイルばねの構成は、コイルパネルを渡って変化してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、コイルの数及び/又は位置は、コイルパネルを渡って変化し得る。同様に、いくつかの実施形態において、コイルの構成が異なる種々のゾーンがある。いくつかの実施例において、これらのゾーンは、柔らかいコイルばねゾーンと硬いコイルばねゾーンとを含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、第1コイルパネルと第2コイルパネルとの間に画定された間隙内に配置される支持材は、粘弾性フォームプレートである。他の実施形態において、支持材は、ラテックスフォームプレートである。特定の材料に関わらず、いくつかの実施形態において、フォームプレートには、枕内の空気流れと冷却とを高めることを可能とする穴又は開口が設けられる。穴又は開口の数は、所望される空気流れの量とフォーム又はラテックスの特性とによって変化し得る。例えば、より厚いフォーム又はより密度が高いフォームは、開口のない空気流れが最小となり得、従って、薄い又は密度が低いフォームより、より多くの開口を必要とし得る。いくつかの実施形態において、支持材の残余と比較して、より高い密度の第1領域における開口がある。
【0012】
いくつかの実施形態において、支持材は、チップフォーム又はチップラテックス等のチップクッション材で満たされたネット材を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、外側シェルは、第1コイルパネルの外側面側に配置される第1シェル材と第2コイルパネルの外側面側に配置される第2シェル材とで形成される。第1及び第2シェル材は、外側シェルの外周縁に沿って接合されており、それにより、内側シェルを取り囲むが、いくつかの実施形態において、外側シェルは、一側面、複数の側面に沿って開口してもよく、又は完全に接合されていなくてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、第1及び第2シェル材のそれぞれは、フォームパネルである。上側シェル材と下側シェル材とは、同じタイプのフォームであってもよいが、枕の側面に異なる感触を提供するために異なる厚さ又は特性を有してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、外側シェルは、その内部表面にダウンプルーフ材を含んでおり、密封して閉じられ得る、又はダウンの除去を可能とするクロージャを含み得る、ダウンフィル布シェルでできている。
【0016】
いくつかの実施形態において、カバーは、外側シェルの周りに配置される。いくつかの例示的な実施形態において、カバーは、布でできており、キルトされてもよく、及び/又は「硬い」側又は「柔らかい」側のラベルを含むがこれに限定されない様々なデザインを含んでもよい。カバーはまた、使用者に対して冷却感を高めるために、いくつかの実施形態において、相変化材料を含み得る。望ましい場合、概して薄い布で形成された枕ケースは、カバーを覆って配置され得ることが考えられる。いくつかの例示的なカバーは、外周縁の周りで閉じられており、枕の内部にアクセスするため又は代替的に望ましいときにカバーの洗浄のために内部の内容物を除去するためのクロージャを含む。クロージャは、層の配置をその中で容易にするために、枕の1つ以上の側面に沿って延び得る。
【0017】
本発明のさらなる特徴及び利点は、本明細書の説明、図面、及び非限定的な実施例の考慮の後、当業者に対して明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に従ってつくられた例示的なハイブリッド枕の斜視図である。
【0019】
【0020】
【0021】
【
図3】本発明に従ってつくられた他の例示的な枕の分解斜視図である。
【0022】
【
図4】本発明に従ってつくられたさらに他の例示的な枕の分解斜視図である。
【0023】
【
図5A】第1パターンの複数の開口を画定するコイルパネルに使用される一の例示的な布層の上面図である。
【0024】
【
図5B】第2の密なパターンの複数の開口を画定するコイルパネルに使用される第2の例示的な布層の上面図である。
【0025】
【
図5C】複数の中央溶着部内の開口を画定するコイルパネルに使用される第3の例示的な布層の上面図である。
【0026】
【
図6A】コイルパネルに使用される一の例示的なコイルパターンの概略層図である。
【0027】
【
図6B】コイルパネルに使用される他の例示的なコイルパターンの概略層図である。
【0028】
【
図6C】コイルパネルに使用される他の例示的なコイルパターンの概略層図である。
【0029】
【
図6D】コイルパネルに使用される他の例示的なコイルパターンの概略層図である。
【0030】
【
図6E】コイルパネルに使用される他の例示的なコイルパターンの概略層図である。
【0031】
【
図6F】コイルパネルに使用される他の例示的なコイルパターンの概略層図である。
【0032】
【
図6G】コイルパネルに使用される他の例示的なコイルパターンの概略層図である。
【0033】
【
図6H】コイルパネルに使用される他の例示的なコイルパターンの概略層図である。
【0034】
【
図7A】第1パターンの複数の開口を画定する例示的なフォームプレートの上面図である。
【0035】
【
図7B】第2パターンの複数の開口を画定する他の例示的なフォームプレートの上面図である。
【0036】
【
図7C】第3パターンの複数の開口を画定する他の例示的なフォームプレートの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、枕等のハイブリッド身体サポートクッションを含む。いくつかの実施形態において、ハイブリッド枕は、フォームとコイルばねとを含む様々な層と、より硬い又は柔らかい感触又は他の特性等、エンドユーザのために所望の感触を提供するための追加の層又は構造とを備える。様々な層は、使用者の所望に対して様々な特性の調整のために、チューニングされ得る。非限定的な実施例として、薄い枕を欲する使用者もあれば、より厚い枕を欲する使用者もあり得る。なおさらに、より硬い感触を好む使用者もあれば、より柔らかい感触を好む使用者もあり得る。これら特性及び他の特性の全ては、エンドユーザのために最も好ましい枕の感触を提供するために、「チューニング」又は変化し得る。
【0038】
最初に
図1を参照すると、例示的な身体サポートクッション10の斜視図が提供されており、即座の教示の目的、及び参照の容易のために、身体サポートクッション10は、枕又はハイブリッド枕とも呼ばれる。しかし、本発明に従ってつくられた身体サポートクッションは、エンドユーザの身体の1つ以上の部分をサポートする様々な構造で具現化され得る。用語身体サポートクッションは、非限定的な例について、椅子及び家具用の寝具及び/又はクッション、枕、医療装置及び器具用のパッド(例えば車椅子シートパッド、車椅子パッド、医療パッド、病院担架パッド、手術台パッド、位置決めパッド)、家具用のパッド(例えば室内装飾パッド、家具クッション、家具パッド)、運動器具及び装置用のパッド(例えば運動用クッション、スポーツ及び運動用パッド、体操マット)、レクリエーション器具及び装置用のパッド(例えばキャンプ及び睡眠マット)、衣料品用のパッド(例えばブラストラップ、ショルダパッド、靴の裏張り、ブーツの裏張り)、家庭用品用のパッド(例えば抗疲労マット、マットレスパッド、マットレスカバー、枕トップマットレスの枕トップ部分であるマットレス「トッパ」、枕等)、パッドアクセサリ(例えばブリーフケースのショルダストラップ、コンピュータキャリーケース、財布、手袋等)、ペットベッド等を含む様々なタイプの支持体を含み得る。従って、任意のこれらタイプの構造及びその他のものは、用語枕又は身体サポートクッションの範囲内に入り得、互換的に使用される。
【0039】
依然として
図1を参照すると、例示的なハイブリッド枕10は、枕10の外周縁16における又はその周囲における弓形湾曲によって接合される、弓形上側表面12と針状下側表面14と、を有する概して矩形の外周形状を有する。枕10はまた、その1つ以上の側面に沿った少なくとも1つのクロージャ18を有するカバー20を備える。クロージャ18は、ジッパ、ボタン、スナップ、及び面ファスナを含むがこれらに限定されない様々なタイプであり得る。クロージャ18は、枕10のカバー20が例えば使用者が枕の特性を変化することを所望する場合に内部の構成要素を変更するために(例えば枕を睡眠者の背、横、腹に合わせるために)、開口することを可能とする。また、内部の構成要素の除去に伴って、カバー20は、定期的に洗浄され得る。
【0040】
例示的な枕は、縦(長手)及び横(短手)寸法の一方又は両方において弓形であってもよい。同様に、例示的な枕は、枕10の外周縁における又はその周囲における直線又は弓形湾曲によって接合される概して平坦な上側表面及び/又は下側表面を有してもよく、又は代替的に上側表面及び/又は下側表面は、全体的に弓形であってもよい。本明細書で使用されるように、「外周縁」は、枕10の形状を画定する1つ以上の縁であり得る。例示的な枕はまた、示された矩形状以外の様々な形状を有してもよく、従って、形状は、限定されるものと考えられるべきでない。
【0041】
次に
図2-2Aを参照すると、例示的なハイブリッド枕10は、以下で説明されるように、特定の特性を提供する複数の層を含む。具体的に、
図2-2Aに示される例示的な枕10は、下側の第1コイルパネル30と上側の第2コイルパネル32とを含んでおり、これらは、第1及び第2コイルパネル30、32間の間隙40を画定する内側シェル31を形成するために第1及び第2コイルパネル30、32の外周縁39に沿って接合される。例示的なハイブリッド枕10において、クッション材又は支持材42は、間隙40に配置されているが、他の実施形態において、支持材42は、本発明の意図及び範囲から逸脱することなく、省略される又は他の材料に置き換えられてもよい。第1及び第2コイルパネル30、32は、内側シェル31を形成するために、超音波溶接(すなわち溶着)、裁縫、及び/又は他の留め具の形態によって共に接合され得る。接合された第1及び第2コイルパネル30、32、又は他の内側シェル31は、全外周の周りで完全に閉じられてもよく、又はいくつかの実施形態において、一側面に沿った開口が設けられてもよい。該開口は、ジッパ、ボタン、スナップ、及び面ファスナを含むがこれらに限定されない様々なタイプのクロージャ(示されない)を含んでもよい。該開口は、支持材42をそこに配置することを可能とし、望ましい場合、後で支持材42を除去することを可能とする。
【0042】
図2に示されるように、断熱材層50は、内側シェル31の周りに配置される。すなわち、第1コイルパネル30の外側表面に沿って延びる断熱材層50と第2コイルパネル32の外側表面に沿って延びる他の断熱材層50とがある。しかし、他の実施形態において、断熱材層は、第1コイルパネル30又は第2コイルパネル32の一方のみの外側表面を覆って配置されるのみであってもよく、又は断熱材層は、完全に省略されてもよい。また、断熱材層50の外側において、外側シェル60、62が示されており、同様に、外側シェル60、62の外側において、カバー20が示されており、以下でそれぞれさらに説明される。
【0043】
依然として
図2-2Aを参照するが、次に例示的な枕10の第1及び第2コイルパネル30、32に焦点を当てると、第1及び第2コイルパネル30、32のそれぞれは、行及び/又は列のアレイ状又はマトリックス状に展開された複数のコイルばね34(
図2Aに示される)で形成されている。
図2-2Aに示される実施形態において、複数のコイルばね34は、行及び列に配置されているが、他の構成も考えられる。例えば、複数のコイルばねが
図2に示されるように2つの垂直な次元で整列されるのではなく、複数のコイルばねは、一方の次元において整列されて他方の次元においてオフセットされてもよい。行及び列当たりのコイルばねの数もまた、変化してもよい。同様にマトリックスのサイズも、第1及び第2コイルパネル30、32のサイズによって変化してもよい。
【0044】
図2Aに示されるように、例示的な第1コイルパネル30は、それぞれのコイルばね34の上端部を覆って配置される上側第1布層35と、それぞれのコイルばね34の下端部の下に配置される下側第2布層37とを含む。第1及び第2布層35、37は、コイルばね34の間で接合、例えば溶着されており、それにより、コイルポケットを形成する。第1及び第2布層は、第1コイルパネル30及び第2コイルパネル32のそれぞれを画定するために、第1及び第2布層35、37の外周縁39に沿って、追加的に接合、例えば溶着される。
図2Aに示されるコイルばね34間の空間は、第1及び第2布層35、37間の溶着の実例であり、限定することが意図されるものでない。例えば、いくつかの実施形態において、第1及び第2布層35、37の溶着接合は、約3mm~約5mmの幅を有してもよい。同様に、第1及び第2布層35、37によって形成されるコイルポケットのサイズは、その中に収容されるコイルばねのサイズに基づいて変化し得る。明白に示されていないが、第2コイルパネル32は同様に、上側第1布層と下側第2布層とで構成されており、上側第1布層と下側第2布層とは、複数のコイルばねの周りにコイルポケットを形成するために複数のコイルばね間で接合され、第1及び第2布層の外周縁に沿って接合される。
【0045】
第1及び第2布層35、37は、様々な材料でできていてもよい。材料の非限定的な実施例は、不織布、経編、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、スペーサ布等を含む。しかし、このリストは、非網羅的である。一実施例として、不織布が使用される場合、不織布には、削りくず、傷(scabs)、穴、及び/又は切れ端を含むがこれに限定されない様々な欠陥がないことが望ましくあり得る。付加的に、不織布が使用され得るいくつかのそのような実施例において、不織布の重量は、約40g/m2~約80g/m2の間であり得る。他の実施例において、第1及び第2布層35、37は、異なる材料でできていてもよい。例えば、第1布層35は、スパンレースメッシュ布(例えば約70g/m2の重量を有する)であってもよく、第2布層37は、前述のような不織布であってもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、第1及び第2布層の材料は、第1及び第2コイルパネル30、32が圧縮されたときに空気が容易に逃げないように、空気の透過性を制限し得る。同様に、枕の圧縮力が開放されるとき、第1及び第2コイルパネル30、32の膨張は、第1及び第2布層35、37を通る空気の引きが遅いため、ゆっくりと生じ得る。いくつかの実施形態において、第1及び第2布層の材料は、特定の位置に位置する空気透過性部分を有する空気不透過性であってもよい。空気の透過位置のサイズ、数、及び/又は位置を制御することによって、布及び第1及び第2コイルパネル30、32に出入りする空気の流れも制御され得る。
【0047】
例えば、次に
図5A-5Cを参照すると、いくつかの例示的な実施形態によれば、第1コイルパネル及び/又は第2コイルパネルは、コイル及びパネルを通る空気流れの量を変化させる複数の空気流れの開口を画定し得る。より具体的に、いくつかの実施形態において、第1及び/又は第2布層は、それぞれのパネルを通る空気流れを改善するために、様々な密度の開口を有し得る。
図5Aにおいて、複数のコイルばね434を覆って配置されている例示的な第1布層435は、1平方インチ当たり多数の開口437を画定しており、
図5Bにおいて比較すると、複数のコイルばね534を覆って配置されている他の例示的な第1布層535は、1平方インチ当たりより多数の開口537を画定している。従って、開口のサイズ及び密度は、装置を通る空気流れを変化させるために変化し得る。
【0048】
図5Cは、代替のパターンの開口を有する他の例示的な第1布層635を示している。この示された実施形態において、第1布層635をコイルばね634の間で第2布層(図示されない)に溶着することに加えて、第1布層635は、それぞれのコイルばね634内に中央溶着部645を形成するために、コイルばね634の中央部分において、第2布層に追加的に溶着される。
図5Cに示されるように、開口647は、空気流れを可能にするために、これら中央溶着部645内に画定される。非限定的な実施例として、中央溶着部645の直径は、約21mm~約25mmであり、開口647の直径は、約9mm~約10mmである。
図5A-5Cの上述の説明は、第1布層に向けられているが、第2布層が同様に、第1布層の代わりに、又は第1布層に加えて、本発明の第1及び第2コイルパネルのうち1つ以上の内に開口を含み得ることが理解されるべきである。
【0049】
再度
図2及び2Aに戻るが、次に第1及び第2コイルパネル30、32の複数のコイルばね34に焦点を当てると、例示的な第1及び第2コイルパネル30、32の1平方フィート当たりのコイルの数は、約14~約250の範囲内であり得る。コイルばね34は、第1及び第2コイルパネル30、32内において様々なサイズ及び数であってもよい。いくつかの非限定的な実施形態において、例えば、コイルばねは、最大約3インチの直径、及び圧縮された高さにおいて最大約3インチの高さであり得る。ばねは、無負荷の高さを有してもよく、また完全に緩められた高さである無負荷より短い負荷高さを有してもよい。非限定的な実施例として、約20mm~約26mmの無負荷又はコイルフリーの高さと、約18mm~約20mmの負荷又は圧縮高さとを有するコイルミニばねが使用され得る。代替的に、第2の非限定的な実施例として、約90mm~約110mmの無負荷又はコイルフリーの高さと、約27.5mm~約32.5mmの負荷又は圧縮高さとを有するより大きいコイルが使用され得る。コイルばねは、いくつかの実施例において、17.5ワイヤゲージ(例えば約1.25mmの直径のワイヤ)又は19.5ワイヤゲージで構成され得る。コイルばねは、一貫したワイヤサイズ(直径)を有してもよく、ワイヤサイズがコイルばねに渡って変化してもよい。コイルばねは、いくつかの実施例において、コイルを構成するために、約3と4分の3回転(±4分の1回転)され得る。構成されるとき、コイルを形成するワイヤのそれぞれの端部は、コイルばね構造の中にあり得る。コイルばねは、様々な形状を有してもよく、例えば、樽、円筒、又は砂時計の形状であってもよい。ピッチと直径とは、対称又は非対称であってもよく、コイルばねが圧縮されたときに線形又は非線形の応答を有することを可能とする。しかし、他のサイズ、形状、及びバリエーションが利用されてもよい。例えば、コイルばねは、1つ又は両方のコイルの直径が変化し得るコイルインコイル設計であってもよく、例えば円錐設計であってもよい。なおさらにコイルの種類の組み合わせが利用されてもよい。
【0050】
コイルばね34は、第1及び第2布層の係合及び接合によって負荷され得る。前述されたように、いくつかの実施形態において、コイルばね34は、約18mm~約20mmの高さまで予荷重され得、それにより、おおよそ同じ高さのコイルポケットを提供する。付加的に、コイルばね34は、約0.09重量ポンド~約0.8重量ポンドで予荷重され得、さらに0.5インチで約0.45重量ポンド~約1.85重量ポンドの圧縮を有し得る。
【0051】
いくつかの例示的な実施形態によれば、コイルパネルの一方又は両方において、コイルばねは、全て同様の構成を有してもよく、又は他の実施形態において、コイルばねの構成は、コイルパネルに渡って変化してもよい。同様に、コイルばねの密度は、コイルパネルに渡って変化してもよい。さらに、コイルばねは、ばね定数が変化してもよい。すなわち、コイルばねのばね定数は、約0.3lbs/in~約3.0lbs/inであり得る。また、ばね定数は、コイルパネルに渡って同じ又は同じ範囲であってもよく、又は代替的に、場所によって範囲が変化してもよく、又は変化してもよい。従って、例示的な枕は、より硬い領域とより硬くない領域とを有し得る。同様に、例示的な枕は、基礎をなす上側コイルパネルに基づく1つ以上のコイル特性を有する上側表面を有してもよく、基礎をなす下側コイルパネルに基づく同じ又は異なる一連のコイル特性を有する下側表面を有してもよい。従って、本発明に従ってつくられた例示的な枕は、枕の一側面に1つの感触を有し、枕の第2の側面に異なる感触を有し得る。
【0052】
図6A-6Hを簡潔に追加的に参照すると、本発明のコイルパネル内で使用されるコイルの様々なパターンを例示する様々な概略図が提供されている。それぞれの図は、例示的な枕10の、第1コイルパネル30、第2コイルパネル32、又は第1及び第2コイルパネル30、32の両方として使用され得る他の例示的なコイルパネル730、830、930、1030、1130、1230、1330、1430を示している。
図6A-6Hに示されるように、コイルパネル730、830、930、1030、1130、1230、1330、1430は、図において円で表されている様々なコイルのパターンを有し得る。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、
図6A-6Eに描写されるように、コイルの数及び/又は位置は、コイルパネルを渡って変化し得る。最初に
図6Aを参照すると、例示的なコイルパネル730は、x及びy座標方向の両方(すなわち行及び列)においてストライプを形成するコイル734を含む。これらの行及び列は、頭からつま先及び/又はわきからわきの方向に対応し得る。
図6Bを参照すると、例示的なコイルパネル830は、グループ833に配置されるコイル834を含んでおり、グループ833間に画定され、x及び/又はy方向に延びる、チャネル835を伴う。例示的なコイルパネル830において、グループ833は、実質的に正方形であるが、様々な形状によって画定されてもよく、いくつかの実施形態において、矩形、円形、又は任意の他の望ましい形状であってもよい。
図6Cを参照すると、例示的なコイルパネル930は、チェッカーボード配置に配置されたコイル934を含む。
図6Dを参照すると、例示的なコイルパネル1030は、例えば正方形1035の中央にコイルがない中空領域1037を有する正方形1035のパターンに配置されたコイル1034を含む。もちろん、正方形1035以外の他の形状が使用されてもよい。
図6Eを参照すると、例示的なコイルパネル1130は、コイルがn番目の位置1137毎に除去されているパターンで配置されたコイル1134を含む。例えば、例示的なコイルパネル1130において、3番目毎のコイルは、それぞれの行に沿って、コイル間の1つのコイルのオフセットを伴って除去されている。しかし、他の実施形態において、コイルは、他の頻度で、x方向又はy方向の何れか又は両方で除去されてもよい。
【0054】
さらなる実施形態において、
図6F-6Hに描写されるように、コイルの構成が異なる種々のゾーンがある。いくつかの実施例において、これらのゾーンは、柔らかいコイルばねゾーンと硬いコイルばねゾーンとを含み得る。具体的に
図6Fを参照すると、例示的なコイルパネル1230は、コイルばねの中央ゾーン1237とコイルばねの外周ゾーン1239とを含んでおり、それぞれは、異なる構造、従ってコイルばねのばね定数等の異なる特性のコイルばねを有する。非限定的な実施例として、外周ゾーン1239における複数のコイルばねの第1部分は、第1ばね定数をもたらす17.25ワイヤゲージで構成され得、一方で中央ゾーン1237における複数のコイルばねの第2部分は、第1ばね定数と異なる第2ばね定数をもたらす19.5ワイヤゲージで構成され得る。同様に、外周及び中央コイルばねには、異なった予荷重がされ得る。非限定的な実施例として、中央ゾーン1237におけるコイルばねには、予荷重がされ得ず、一方で外周ゾーン1239におけるコイルばねには、約0.09重量ポンド~約0.23重量ポンドの予荷重がされ得、さらに0.5インチで約0.45重量ポンド~約0.55重量ポンドの圧縮を有し得る。
図6Gを参照すると、例示的なコイルパネル1330は、柔らかい又は硬くあり得る中間ゾーン1337を含んでおり、一方で上端及び下端又はそのゾーン1339は、柔らかい又は硬いの他方であり得る。
図6Hを参照すると、例示的なコイルパネル1430は、硬い外周又は縁ゾーン1439と、縁ゾーン1439と比較して柔らかい複数の内部ゾーン1437とを含む。
【0055】
次にもう一度
図2及び2Aに戻ると、前述されたように、第1及び第2コイルパネル30、32の外周縁39は、第1及び第2コイルパネル30、32間に間隙40を画定するように接合され、そこに配置される支持材42を伴う。即席の実施形態において、支持材42は、間隙40内に配置されるフォームプレート43を含む。フォームプレート43は、粘弾性フォーム(「記憶性フォーム」又は「低反発性フォーム」と呼ばれることもある)を含むがこれに限定されない様々な材料で形成され得る。他の実施形態において、本明細書でさらに説明されるように、ラテックスフォームが利用されてもよく、又は非網目状の非粘弾性フォームが使用されてもよい。
【0056】
様々なフォームは、様々な実施形態を通して利用されてもよく、以下の概要は、非網羅的なものである。例えば、連続気泡の非網目状の粘弾性フォームが使用されてもよい。いくつかの実施形態において、温度応答性のフォームが使用され得る。使用者の身体温度の範囲(又はその上で休息している使用者の身体への接触又は近接によって枕10が露出されている温度の範囲)における温度応答性は、重要な利点を提供し得る。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、材料が10℃~30℃の温度範囲を通して国際標準化機構(ISO)規格3386によって測定される少なくとも10%の硬度変化を示した場合、材料は、温度変化に対して「応答性」であるとみなされる。他の実施形態において、フォームが温度に対して実質的に鈍感であることが望ましくあり得る。本明細書で使用されるように、材料が10℃~30℃の温度範囲を通して国際標準化機構(ISO)規格3386によって測定される10%未満の硬度変化を示した場合、材料は、温度変化に対して「実質的に鈍感」である。いくつかの実施形態において、軟質ポリウレタンフォームが使用され得、いくつかの実施形態において、網目状フォームが利用され得る。
【0057】
支持材42は、使用者の身体又はその一部から圧力を枕10に渡って分散させることができる様々な言及された軟質フォームの何れかで構成され得る。いくつかの例示的な実施形態において、外側部分に使用される軟質フォームの密度は概して、使用者の首及び肩を支持するのに十分な密度を有する。そのような軟質フォームは、ラテックスフォーム、網目状又は非網目状の粘弾性フォーム(記憶性フォーム又は低反発性フォームと呼ばれることもある)、網目状又は非網目状の非粘弾性フォーム(「従来型」フォームと呼ばれることもある)、ポリウレタン高反発性フォーム、発泡ポリマフォーム(例えば発泡エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリスチレン、又はポリエチレン)等を含み得るが、これらに限定されない。
図2に示される実施形態において、フォームプレート43は、低反発性と同様に十分な密度と硬度とを有する粘弾性フォームで構成されており、圧力が、均一に吸収され、枕10のフォームプレート43に渡って均等に分散されることを可能とする。概して、そのような粘弾性フォームは、約室温(例えば21℃~23℃)において、プレートから材料のサンプルに対して材料の初期の厚さの少なくとも40%の圧縮の圧力を及ぼすことによって測定される、少なくとも10Nから80Nを超えない硬度を有しており、ここで40%の圧縮は、国際標準化機構(ISO)2439硬度測定規格によって確立される設定時間で保持される。例示的なフォームプレート43は、約70kg/m
3~約110kg/m
3の密度と約25N~約50Nの硬度とを有する粘弾性フォームで構成される。いくつかの他の例示的な実施形態において、粘弾性フォームは、所望の快適度合いと身体に適合する品質とを提供するために、約10N、約20N、約30N、約40N、約50N、約60N、約70N、又は約80Nの硬度を有する。
【0058】
枕10に使用するために本明細書において説明される粘弾性フォームはまた、所望の快適度合い、身体に適合する品質、並びに高まる材料の耐久性の度合い、の提供をアシストする密度を有し得る。いくつかの実施形態において、フォームプレート43に使用される粘弾性フォームの密度は、約30kg/m3以上、約150kg/m3以下である。いくつかの実施形態において、枕10のフォームプレート43に使用される粘弾性フォームの密度は、約30kg/m3、約40kg/m3、約50kg/m3、約60kg/m3、約70kg/m3、約80kg/m3、約90kg/m3、約100kg/m3、約110kg/m3、約120kg/m3、約130kg/m3、約140kg/m3、又は約150kg/m3である。もちろん、特定の密度を有する粘弾性フォームの選択は、フォームの硬度、フォームが圧力に対して反応する挙動、及びフォームの全体的な感触を含む他の特性に影響を与えるが、所望の密度と硬度とを有する粘弾性フォームが所望の特定の用途のために容易に選択され得ることが認識される。
【0059】
さらに、例示的なフォームプレート43は概して平坦な形状であるが、他の実施形態において、表面が平面であってもよく又は他の形状であってもよいことも考えられる。例えば、他の実施形態において、フォームプレートの上部及び底部の表面は、任意の形状及びサイズのリブ、突出、及び他の突起を有する表面、フォームプレートを部分的に、ほぼ完全に、又は全体を通って延びる、溝、くぼみ、及び他の開口を有する表面を含む非限定的な非平面であり得る。
【0060】
フォームプレート43の特定の材料に関わらず、いくつかの実施形態において、フォームプレート43は、ネット材(図示されない)で覆われていても、覆われていなくてもよい。ネット材は、編み糸又は繊維がそれらの交差において溶解され、ループされ、又は結ばれ、編み糸又は繊維間に開いた空間を有する布となる任意の織物であり得る。織物を構成するために使用される編み糸又はフィラメントのタイプによって、その特性は、耐久性において変化し得る。ネット材は、シングルニットジャージ、ダブルニットジャージ、ダブルリブニットで形成されてもよく、耐火性又は非耐火性の織物でできていてもよく、約50~約850CFMの多孔性を有していてもよい。耐火性の織物は、非限定的な実施例として、耐火性レーヨン、改質アクリル、ケブラ、nomax及び他のものを含み得る。非耐火性の織物は、非限定的な実施例として、未処理のポリエステル、レーヨン、又は綿を含み得る。
【0061】
次に
図7A-Cを参照すると、本発明に従ってつくられた支持材1542、1642、1742の追加の実施形態が描写されている。これらの例示的な支持材は、
図2に関して上述された例示的なフォームプレート43と同様のフォームプレート43であり、例示的な枕10においてそのように使用され得る。しかし、これらの実施形態において、支持材1542、1642、1742には、枕10内の空気流れと冷却とを高めることを可能とするための穴又は開口が設けられている。穴又は開口の数は、所望される空気流れの量とフォーム又はラテックスの特性とによって変化し得る。
図7Aに示される例示的な支持材1542において、2行1544の開口1545が非限定的な実施例において提供されている。しかし、
図7Bに示される例示的な支持材1642において、行1644の数と開口1645の数とは、増加しており、フォームの特性、その厚さ、フォームの密度、及び開口のないフォームを通って移動し得る空気流れの量、となり得る。例えば、より厚いフォーム又はより密度が高いフォームは、開口のない空気流れが最小となり得、従って薄い又は密度が低いフォームより多くの開口を必要とし得る。さらに、
図7Aに示される支持材1542の開口1545と比較して、
図7Bの支持材1642の開口1645は、より大きいサイズである。言い換えると、本発明の支持材は、約1.1~6.7lb/ft
3の範囲の密度を有するフォームプレートであってもよく、及び/又は異なるサイズの穴を有してもよい。開口の数が増加し得る又はサイズが増加し得ることにおいて増加した空気流れを提供することが望ましくあり得る。これはまた、より柔らかい支持材をもたらし得る。代替的に、少ない空気流れが望ましい場合、開口の数は、減少され得、より硬い支持材をもたらし得る。
図7Cに示される例示的な支持材1742に示されるように、支持材1742の残余と比較して、より高い密度の第1領域1750における開口1745があり得る。いくつかの実施例において、第1領域1750は、マットレスの足領域に対応し得るが、枕の特定の領域に関連付けられるより高い開口の集中があり得るため、これは、限定されるものとして理解されるべきでない。他の実施形態において、支持材の外周に沿ったより高い開口の集中があってもよく、又は代替的に、支持材の中央内により高い開口の集中があってもよい。さらに、開口の配置及び集中は、企図される使用に基づいて変化し得、例えば、開口の位置、集中、及び/又はサイズは、枕が横向き寝用、仰向け寝用、及び/又はうつぶせ寝用かどうかによって変化し得る。
【0062】
穴又は開口のサイズ又は形状も変化し得る。
図7A-7Cに示される開口1545、1645、1745は、全て円形であるが、これは限定されるものとして理解されるべきでない。いくつかの実施形態において、開口は、そこに空気流れを可能とする、六角形、八角形、正方形、三角形、又は任意の形状の開口であってもよい。同様に、開口のサイズ(例えば直径)も変化してもよい。例えば、開口の直径は、約1/8インチ~約1インチで変化してもよい。いくつかの実施形態において、開口の全ては、同じサイズであってもよく、一方で他の実施形態において、開口は、支持材に渡ってサイズが変化してもよい。例えば、開口は、支持材の外周に沿ってより大きくてもよく、又は代替的に、開口は、支持材の中央においてより大きくてもよい。他の実施例において、様々なサイズの開口の非対称な分布があってもよい。
【0063】
もう一度
図2に戻ると、前述されたように、断熱材層50は、第1コイルパネル30の外側表面と第2コイルパネル32の外側表面との両方に配置されている。しかし、他の実施形態において、断熱材層50は、第1コイルパネル30又は第2コイルパネル32の何れかの外側表面を覆ってのみ配置されてもよく、又は本発明の意図及び範囲から逸脱することなく、完全に省略されてもよい。断熱材層50は、様々な材料で形成され得る。いくつかの実施形態において、断熱材層50は、繊維材料、スペーサ生地、フォーム、又は他の断熱特性を有する材料であり得る。いくつかの実施例において、スペーサ生地は、双方向に伸びる生地で形成されもよく、水平方向等、例えばベッドに対して頭からつま先、及び横方向にわきからわきに、2つの次元に伸縮可能であることを意味する。スペーサ生地は、織布又はニット材料を含んでもよく、及び/又はポリエチレン、ポリエステル、他のプラスチック、又はこれらの任意の組み合わせ等を含む押し出しプラスチック材料を含んでもよい。いくつかの実施形態において、断熱材層50は、不織布材料又はハイロフト材料で形成されてもよい。用語「不織布」は、織物業界において、織られても編まれてもない生地を示すために使用される。不織布繊維は概して、小さい繊維をシート又は織物の形態にまとめて、それらを化学、機械、熱、又は溶剤処理によって接着させることによって製造される工作繊維である。用語「非高密度」は、接着繊維の溶融及び再凝固によって互いに接着されていない繊維を指す。「ハイロフト」は、繊維より多くの空気を含有する繊維構造に与えられる用語である。一般に、ハイロフト繊維は、より多くの暖かさを保持する。そのようなハイロフト材料は、ファイバーフィル、断熱材等のそのような用途において使用される高さのある低密度の材料である。繊維は、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、シルク、アクリル、アセテート、及び/又はレーヨンを含むがこれに限定されない、滑らか又は滑りやすい表面を有する材料でつくられ得る。他の実施例において、断熱材層50は、ウール、ダウン等の天然繊維であってもよい。いくつかの実施形態において、断熱材層50は、他の束ねられていない材料を収容するネット材料をさらに含む。
【0064】
依然として
図2を参照すると、前述されたように、断熱材層50の外側において外側シェル60、62もまた示されている。より具体的に、第1シェル材60は、第1コイルパネル30の外側面側に配置されており、第2シェル材62は、第2コイルパネル32の外側面側に配置されている。例示的な第1及び第2シェル60、62は、外側シェル60、62の外周縁に沿って接合されており、それにより断熱材層50と内側シェル31とを取り囲んでいるが、いくつかの実施形態において、外側シェル60、62は、一側面に沿って開口してもよく、複数の側面に沿って開口してもよく、又は完全に接合されていなくてもよい。該開口は、様々な層をそこに配置すること可能とし、望ましい場合、後で除去することを可能とする。第1及び第2シェル材60、62は、外側シェル60、62を形成するために、溶着、裁縫、及び/又は他の留め具の形態によって共に接合され得る。
【0065】
例示的な枕10において、第1及び第2シェル材60、62のそれぞれは、フォームパネルであり、枕10の側面に異なる感触を提供するために、下側の第1シェル材60は、比較的厚く、上側の第2シェル材62は、比較的薄い。即席の実施例において、外側シェル60、62は、ポリウレタンフォーム又はラテックスフォームを含むがこれに限定されない前述のフォームの何れかで形成され得る。さらに、上側シェル材62と下側シェル材60とは、同じタイプのフォームであってもよいが、枕の側面に異なる感触を提供するために異なる特性を有してもよく、加えて又はその代わりに第1及び第2シェル材60、62の厚さを変化させてもよい。もちろん、フォーム特性は、枕の両側の感触を等しくするために同じであってもよい。第1及び第2シェル材60、62の特定の材料に関わらず、いくつかの実施形態において、第1及び第2シェル材60、62は、ネット材(図示されない)で覆われてもよく、又は覆われていなくてもよい。ネット材は、編み糸又は繊維がそれらの交差において溶解され、ループされ、又は結ばれ、編み糸又は繊維間に開いた空間を有する布となる任意の織物であり得る。織物を構成するために使用される編み糸又はフィラメントのタイプによって、その特性は、耐久性において変化し得る。ネット材は、シングルニットジャージ、ダブルニットジャージ、ダブルリブニットで形成されてもよく、耐火性又は非耐火性の織物でできていてもよく、約50~約850CFMの多孔性を有していてもよい。耐火性の織物は、非限定的な実施例として、耐火性レーヨン、改質アクリル、ケブラ、nomax及び他のものを含み得る。非耐火性の織物は、非限定的な実施例として、未処理のポリエステル、レーヨン、又は綿を含み得る。いくつかの実施形態によれば、外側シェル60、62は、内側シェル31の一方又は両側の断熱材層50に加えて又は代替的に使用され得る。
【0066】
依然として
図2を参照すると、前述されたように、カバー20は、外側シェル60、62の周りに配置されている。例示的な枕10において、カバー20は、布でできているが、他の実施形態において、綿、綿ブレンド、100%ポリエステル布等の透湿布、レーヨン、ナイロン、又は性能及び伸縮性を高めるためのスパンデックスブレンド布、又は前記の何れかのブレンドを含むがこれに限定されない様々な材料が使用され得る。このリストは、非網羅的であり、他の材料が使用されてもよい。カバー20の布は、キルトされてもよく、及び/又は「硬い」側又は「柔らかい」側のラベルを含むがこれに限定されない様々なデザインを含んでもよい。カバー20はまた、枕10の外周を画定し、従って、カバー20内に位置する様々な層の形状は、カバー20の外周縁と共に枕10の形状を画定する。カバー20はまた、使用者に対する冷却感を高めるために、いくつかの実施形態において、相変化材料を含み得る。望ましい場合、概して薄い布で形成された枕ケースは、カバー20を覆って配置され得ることが考えられる。例示的なカバー20は、外周縁16の周りで閉じられており、枕10の内部にアクセスするため又は代替的に望ましいときにカバー20の洗浄のために内部の内容物を除去するためのクロージャ18を含む。クロージャ18は、層の配置をその中で容易にするために、枕10の1つ以上の側面に沿って延び得る。
【0067】
前述されたように、外周縁16に沿って接合される上側及び下側表面12、14は、使用者が枕10の何れかの側面をひっくり返すことによって、それぞれ利用され得る。上記で説明された1つ以上の構成要素の特性を調整することによって、枕10の上側及び下側表面12、14は、異なる感触を提供し得、又は両側で同じ感触を提供し得る。例えば、例示的な枕の一方側は、他方の側より硬く又は柔らかくあり得る。なおさらに、例示的な枕の一方側は、他方の側と同じ冷却能力を有してもよく、又は他方の側より多い又は少ない冷却能力を有してもよい。例示的な枕はまた、その外周縁に沿ったガセット(図示されない)を含んでもよく、より高さの高いより厚い枕を可能とする。
【0068】
次に
図3を参照すると、本発明に従ってつくられた他の例示的な枕110は、
図2-2Aに関して上述された第1及び第2コイルパネル30、32と実質的に同様の第1及び第2コイルパネル130、132を含んでおり、第1及び第2コイルパネル130、132間に画定される間隙140と間隙140内に配置される支持材142とを伴っている。しかし、
図3に示される例示的な枕110において、支持材142は、
図2を参照して上述された粘弾性フォームでつくられたフォームプレート43と比較して、ラテックスプレート143を含む。例示的なラテックスプレート143は、時には不快となり得る、湿気、匂い、又は他の特性、を改良するための他の添加剤を追加的に有し得る。さらに、ラテックスプレート143はまた、隣接する層間における滑り、貼り付き、束ね等の軽減を助長するためにネット材(図示されない)によって取り囲まれてもよく、又は取り囲まれていなくてもよい。
【0069】
例示的な枕110はまた、その内部表面にダウンプルーフ材を含んでおり、密封して閉じられ得る又はダウンの除去を可能とするクロージャを含み得る、ダウンフィル布シェル182でできた外側シェル180を含む。
図2に示される例示的な枕10と同様に、
図3に示される枕110はまた、ダウンフィル布シェルに加えてカバー170を含む。
【0070】
また、
図2-2Aを参照して上述された枕10と同様に、この実施形態において、ダウンフィル布シェル182によって画定された外側シェル180と、外周に沿って接合された第1及び第2コイルパネル130、132によって形成された内側シェル131とがある。従って、上述されたように、同様の外側シェル及び内側シェルの配置が提供されている。
【0071】
次に
図4を参照すると、本発明に従ってつくられた他の例示的な枕210は、
図2-2Aに関して上述された第1及び第2コイルパネル30、32と実質的に同様の第1及び第2コイルパネル230、232を含んでおり、パネル230、232間に画定される間隙240と間隙240内に配置される支持材242とを伴っている。しかし、
図4に示される例示的な枕210において、支持材242は、チップフォーム又はチップラテックス等のチップクッション材244で満たされたネット材243を含む。連続的なフォームプレート又はラテックスプレート構造が利用された先の実施形態とは対照的に、即席の実施形態は、枕210のさらなる異なった感触を提供するためにチップクッション材を利用する。チップクッション材244は、約1/4インチ~約1-1/2インチの範囲のサイズであり得、一貫した硬さであってもよく、又は様々な硬さのフォームを収容してもよい。
【0072】
さらに、先の枕10、110とは異なり、
図4に示される例示的な枕210において、カバー270は、第1及び第2コイルパネル230、232によって形成された内側シェル231の周りに直接配置される。従って、この例示的な実施形態において、カバー270自体が外側シェルとみなされ得る。
【0073】
上述の例示的な枕のそれぞれは追加的に、含水量に対する特性を改善し、カビの成長を抑制するために、銅等の添加剤を含み得る。濾過用の炭素又は炭の添加剤等、他の添加剤は、難燃性を改善するため、又はフォームの匂いを改善するために提供されてもよい。他の添加剤、例えば、グラファイト、アルミニウム、銀、炭、ゲル等も、当該技術分野で知られている様々な利点のために含まれ得る。例示的な枕へのさらなる添加は、若返り特性のための遠赤外線放射を提供し得る。なおさらに、枕の1つ以上の層は、使用者に対する冷却感を高めるために、ナノバイオ材料又は相変化材料(PCM)でコーティングされ得る。これらの相変化材料(PCM)は、市販の有機材料、無機材料、固体材料及び生体物質を含むがこれに限定されないコーティングであり得る。付加的に、1つ以上の層は、当該技術分野で知られるような、殺生物剤、防腐剤、臭気遮断剤、芳香、顔料、染料、汚れ防止、帯電防止剤、防汚剤、防水剤、透湿剤等をさらに含み得る。
【0074】
当業者であれば、本発明の教示又は以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、追加の実施形態も可能であることを認識する。この詳細な説明、特に本明細書に開示された例示的な実施形態の具体的な詳細は、主に理解を明確にするために与えられており、そこから不必要な限定と理解されるべきでなく、修正は、本開示を読むにあたり当業者にとって明らかとなり、特許請求される発明の意図又は範囲から逸脱することなく、行われ得る。
【国際調査報告】