(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】視力改善のための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20240614BHJP
A61P 27/10 20060101ALI20240614BHJP
A61K 33/04 20060101ALI20240614BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P27/10
A61K33/04
A61K9/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579438
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 IB2022000343
(87)【国際公開番号】W WO2022269348
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518104223
【氏名又は名称】アズーラ オフサルミックス エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボスワース,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】アルスター,ヤイル
(72)【発明者】
【氏名】エプスティン-バラッシュ,ヒラ
(72)【発明者】
【氏名】ラファエリ,オマー
(72)【発明者】
【氏名】グリーソン,マルク
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076BB24
4C076CC10
4C084AA17
4C084MA58
4C084NA14
4C084ZA33
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA08
4C086HA25
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA23
4C086MA58
(57)【要約】
本明細書には、視力低下および/または乾性眼症候群を処置するための組成物および方法が記載されている。このような組成物は、サリチル酸、二硫化セレンなどの角質溶解剤を含む。このような組成物の眼瞼内面への局所投与は、視力低下および/または乾性眼症候群に罹患している患者に処置効果をもたらす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視力の改善を必要とする個体における視力を改善する方法であって、眼科的もしくは薬学的に許容可能なビヒクルまたは担体中に角質溶解剤を含む組成物を前記個体に提供することを含み、前記組成物が、前記角質溶解剤を前記個体の眼瞼の眼瞼縁または眼表面に送達するのに適した方法で前記個体の前記眼瞼または眼に投与される、方法。
【請求項2】
前記組成物が、定期的に前記個体に提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が、少なくとも2週間の期間にわたって定期的に前記個体に投与される、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、少なくとも1か月の期間にわたって定期的に前記個体に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
定期的投与が、前記組成物を少なくとも週1回投与することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
定期的投与が、前記組成物を少なくとも週2回投与することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記個体が、マイボーム腺機能不全(MGD)またはリッドワイパー上皮障害(LWE)と診断されていない、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記個体が、マイボーム腺機能不全(MGD)またはリッドワイパー上皮障害と診断されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記個体がコンタクトレンズを装用していない、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記個体がコンタクトレンズを装用している、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物中の前記角質溶解剤の濃度が、約0.01重量%~約10重量%の間である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記角質溶解剤が二硫化セレンである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が、眼科的に許容可能な担体中に0.1重量%の二硫化セレンを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
眼科的に許容可能な担体が、少なくとも1つの眼科的に許容可能なビヒクルおよび少なくとも1つの眼科的に許容可能な賦形剤を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、前記個体の前記眼の眼瞼結膜の少なくとも一部に投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が分散液または懸濁液である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物が親水性である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が油脂性基剤を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が均質である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物がアプリケーターにより投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記アプリケーターが、前記個体の指である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記視力が、患者に対する視覚機能についての質問、または主観的尺度を使用して測定される改善もしくは客観的尺度を使用して測定される改善のいずれかによって改善される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記患者に対する視覚機能についての質問が、アンケートを使用する、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記アンケートが、OSDI、VAS、またはCLDEQ-8であり得る、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
視覚機能が、1か月間の定期的投与後にOSDI視覚機能スケールで測定された場合、少なくとも2ポイント改善される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
視覚機能が、2か月間の定期的投与後にOSDI視覚機能スケールで測定された場合、少なくとも5ポイント改善される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
視覚機能が、読書、夜間の運転、コンピューターによる作業、およびテレビの視聴を含む側面において改善される、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記主観的尺度が、視力、超視力、コントラスト感度、グレア視力、PAMを使用した視力、明所視条件下での視力、および暗所視条件下での視力のうちいずれか1つ、またはそれらの組合せである、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記客観的尺度が、視質収差計、客観的散乱像、およびダブルパスシステムのうちいずれか1つ、またはそれらの組合せである、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年6月24日に提出された米国仮特許出願第63/214,690号の利益を主張するものであり、その全体が参照により引用される。
【背景技術】
【0002】
角膜組織や眼の表面の他の部分が炎症を起こし、組織の適切な機能が妨げられると、視力に悪影響を及ぼす可能性がある。炎症の一般的な原因として、例えば、薬剤(例えば、抗ヒスタミン剤、β遮断剤、利尿剤など)、乾燥しているか、または煙の多い環境にいること、病態(例えば、糖尿病、関節リウマチなどの自己免疫疾患など)、ヘルペス、および眼の手術などが挙げられる。
【0003】
多くの場合、眼組織の炎症は、乾性眼症候群を示す症状を引き起こす。乾性眼症候群は、夜間視力低下、眼の灼熱感、かゆみ、もしくは刺すような感覚、光過敏症、涙目、まぶたの赤みおよび/または痛み、ならびに眼からの粘液分泌など、さまざまな症状を伴う一般的な病態である。乾性眼症候群の主な原因は、角膜組織の炎症を引き起こす、個体の1つまたは複数の油腺および/または涙管の機能不全である。
【0004】
乾性眼症候群に対する現在の処置には、涙液産生を増加、維持、または誘発し、かつ炎症を治癒する処置が含まれる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、角質溶解剤を含む組成物が開示される。いくつかの実施形態では、本明細書において提供される組成物は、対象の眼表面または周囲組織、例えば、眼瞼縁および/または眼瞼結膜に組成物を眼科的に投与することによって、視力低下を処置する方法に使用される。
【0006】
本明細書では、視力の改善を必要とする個体における視力を改善する方法が開示され、その方法は、眼科的または薬学的に許容可能なビヒクルまたは担体中に角質溶解剤を含む組成物を個体に提供することを含み、この組成物は、角質溶解剤を個体の眼瞼の眼瞼縁または眼表面に送達するのに適した方法で個体の眼瞼または眼に投与される。
【0007】
組成物は、定期的に個体に提供され得る。組成物は、少なくとも2週間の期間にわたって定期的に個体に投与され得る。組成物は、少なくとも1か月の期間にわたって定期的に個体に投与され得る。定期的投与は、組成物を少なくとも週に1回投与することを含み得る。定期的投与は、組成物を少なくとも週に2回投与することを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、個体は、マイボーム腺機能不全(MGD)またはリッドワイパー上皮障害(lid wiper epitheliopathy)(LWE)と診断されていない。
【0009】
いくつかの実施形態では、個体はMGDと診断されていない。
【0010】
いくつかの実施形態では、個体はLWEと診断されていない。
【0011】
いくつかの実施形態では、個体は、マイボーム腺障害(MGD)またはリッドワイパー上皮障害(LWE)と診断されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、個体はMGDと診断されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、個体はLWEと診断されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、個体はコンタクトレンズを装用していない。
【0015】
いくつかの実施形態では、個体はコンタクトレンズを装用している。
【0016】
上記組成物中の角質溶解剤の濃度は、約0.01重量%~約10重量%の間であり得る。
【0017】
角質溶解剤は二硫化セレンであり得る。組成物は、眼科的に許容可能な担体中に0.1重量%の二硫化セレンを含み得る。
【0018】
眼科的に許容可能な担体は、少なくとも1つの眼科的に許容可能なビヒクル、および少なくとも1つの眼科的に許容可能な賦形剤を含み得る。
【0019】
組成物は、上記個体の上記眼の眼瞼結膜の少なくとも一部に投与可能である。
【0020】
組成物は、分散液または懸濁液であり得る。組成物は親水性であり得る。組成物は油脂性基剤を含み得る。組成物は均質であり得る。
【0021】
組成物は、アプリケーターにより投与可能である。アプリケーターは、上記個体の指であり得る。
【0022】
視力は、患者に対する視覚機能についての質問、または主観的尺度を使用して測定される改善もしくは客観的尺度を使用して測定される改善のいずれかによって改善され得る。
【0023】
視覚機能は、アンケートを使用して評価可能である。アンケートは、OSDI(例えば、www.supereyecare.com/resources/OSDI.pdfを参照)、VAS、Berkeley Dry Eye Flow Chart(DEFC、例えば、www.researchgate.net/figure/The-Berkeley-Dry-Eye-Flow-Chart-DEFC-https-doiorg-101371-journalpone0190752g001_fig1_322688369を参照)、またはCLDEQ-8(例えば、cdn-links.lww.com/permalink/icl/a/icl_2016_04_08_hicksoncurran_15-146_sdc1.pdfを参照)であり得る。
【0024】
視覚機能は、1か月間の定期的投与後にOSDI視覚機能スケールで測定された場合、少なくとも2ポイント改善可能である。視覚機能は、2か月間の定期的投与後にOSDI視覚機能スケールで測定された場合、少なくとも5ポイント改善可能である。視覚機能は、読書、夜間の運転、コンピューターによる作業、テレビの視聴などを含む側面において改善可能である。
【0025】
主観的尺度は、視力(Visual acuity)、超視力、コントラスト感度、グレア視力、PAMを使用した視力、明所視条件下での視力、および暗所視条件下での視力のうちいずれか1つであるか、またはそれらの組合せであり得る。客観的尺度は、視質収差計(Visual Quality Aberrometer)、客観的散乱像(Objective Scatter Image)、およびダブルパスシステム(Double Pass System)のうちいずれか1つであるか、またはそれらの組合せであり得る。特定の実施形態では、主観的尺度は視力である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】眼表面に関して正常に機能する、例示的な眼瞼の断面概略図を図示する。
【
図2A】眼表面疾患指数(OSDI)視覚機能サブスケールによって測定した、処置の2週間後、1か月後、1.5か月後、および3か月後に対象に見られた視力の変化を示す。
【
図2B】眼表面疾患指数(OSDI)視覚機能サブスケールによって測定した、処置の2週間後、1か月後、1.5か月後、および3か月後に対象に見られた視力の変化を示す。
【
図2C】眼表面疾患指数(OSDI)視覚機能サブスケールによって測定した、処置の2週間後、1か月後、1.5か月後、および3か月後に対象に見られた視力の変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書における様々な実施形態では、眼障害およびその症状の処置を必要とする個体(例えば、コンタクトレンズを装用していない個体、および/またはマイボーム腺機能不全(MGD)と診断されていない個体)の眼(例えば、眼球または眼瞼)に、治療有効量の、本明細書に提供される薬理学的活性物質を投与することによって、眼障害およびその症状を処置する方法が提供される。特定の実施形態では、方法は、視力を改善すること、乾性眼症候群またはその症状を処置することを含む。ある特定の実施形態では、方法は、乾性眼症候群またはその症状を処置することを含む。ある実施形態では、方法は、眼乾燥、眼の痛み、眼の炎症、または本明細書に記載される任意の他の障害もしくは症状を処置することを含み、例えば、そのような障害もしくは症状は、視力低下または乾性眼症候群に関連する。
【0028】
本明細書におけるある実施形態では、視力低下の処置を必要とする個体(例えば、コンタクトレンズを装用していない個体および/またはマイボーム腺機能不全(MGD)と診断されていない個体)の眼またはその周囲組織(例えば、眼瞼結膜、眼瞼(例えば、眼瞼縁))に角質溶解剤を投与することなどによって、視力低下を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態では、視力低下の処置は、視力低下に関連する1つまたは複数の症状を処置することを含む。特定の実施形態では、視力低下に関連する症状は、個体および/または臨床医によって識別可能な症状である。ある実施形態では、本明細書で提供される方法は、非限定的な例として、炎症、乾燥、痛み、またはそれらの組合せなどの、視力低下に関連するあらゆる症状を処置することに関連する。
【0029】
特定の実施形態では、角質溶解剤は、過酸化ベンゾイル、コールタール、ジトラノール、サリチル酸、二硫化セレン、α-ヒドロキシ酸、尿素、乳酸、ホウ酸、レチノイン酸、チオグリコール酸ナトリウム、アラントイン、亜鉛ピリチオン、L-ピロリドンカルボン酸亜鉛、セレオシステイン、セレノメチオニン、カプトプリル、ゾフェノプリル、チオプロニン、ペニシラミン、L-システイン、グルタチオン、ジチオスレイトール、チオルファン、システアミン、ブシラミン、ジメルカプロール、1,1-エタンジチオール、ジメルカプトコハク酸、フラン-2-イルメタンチオール、オマパトリラート、オボチオールA、レンチアプリル、チオサリチル酸、チキソコルトール、マイコチオール、コエンザイムA、コエンザイムB、ジスルフィラム、サマプリンA、ジキサントゲン、パンテチン、フルスルチアミン、オクトチアミン、スルブチアミン、プロスルチアミン、チラム、リポ酸、レンチオニン、アホエン、アリシン、ゲモパトリラト、チオエタノール、チオリン脂質、チオコレステロール、12-メルカプトドデカン酸、23-(9-メルカプトノニル)-3,6,9,12,15,18,21-ヘプタオキサトリコサン酸、およびスルファネゲンからなる群から選択される。特定の実施形態では、角質溶解剤は、過酸化ベンゾイル、コールタール、ジトラノール、サリチル酸、二硫化セレン、α-ヒドロキシ酸、尿素、乳酸、チオグリコール酸ナトリウム、亜鉛ピリチオン、またはL-ピロリドンカルボン酸亜鉛である。いくつかの実施形態では、角質溶解剤は二硫化セレンである。
【0030】
また、本明細書におけるある実施形態では、視力低下および/または乾性眼症候群の処置を必要とする個体(例えば、コンタクトレンズを装用していない個体および/またはマイボーム腺機能不全(MGD)と診断されていない個体)の眼またはその周囲組織(例えば、眼瞼結膜、眼瞼(例えば、眼瞼縁)または眼瞼結膜)に角質溶解剤を投与することなどによって、視力低下および/または乾性眼症候群を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態では、乾性眼症候群および/または視力低下の処置は、乾性眼症候群および/または視力低下に関連する症状を処置することを含む。特定の実施形態では、乾性眼症候群および/または視力低下に関連する症状は、個体および/または臨床医によって識別可能な症状である。ある実施形態では、本明細書で提供される方法は、非限定的な例として、炎症、乾燥、痛み、またはそれらの組合せなど、乾性眼症候群および/または視力低下に関連するあらゆる症状を処置することに関連する。特定の実施形態では、角質溶解剤は、過酸化ベンゾイル、コールタール、ジトラノール、サリチル酸、二硫化セレン、α-ヒドロキシ酸、尿素、乳酸、チオグリコール酸ナトリウム、亜鉛ピリチオン、またはL-ピロリドンカルボン酸亜鉛である。いくつかの実施形態では、角質溶解剤は二硫化セレンである。
【0031】
いくつかの実施形態では、個体はコンタクトレンズを装用していない。
【0032】
いくつかの実施形態では、個体は、コンタクトレンズ装用時不快症(contact lens discomfort)と診断されていない。
【0033】
いくつかの実施形態では、個体はコンタクトレンズを装用している。
【0034】
いくつかの実施形態では、個体は、マイボーム腺機能不全(MGD)と診断されていない。
【0035】
いくつかの実施形態では、個体は、リッドワイパー上皮症(LWE)と診断されていない。
【0036】
いくつかの実施形態では、個体はマイボーム腺機能不全(MGD)と診断されている。
【0037】
いくつかの実施形態では、個体はリッドワイパー上皮症(LWE)と診断されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、個体(例えば、処置を必要とする個体)は、霧視を有する。
【0039】
様々な実施形態において、本明細書で提供される療法は、個体(例えば、コンタクトレンズを装用していない個体および/またはマイボーム腺機能不全(MGD)と診断されていない個体)の眼、またはその周囲組織(例えば、眼瞼結膜、眼瞼(例えば、眼瞼縁))に組成物を投与することを含む。典型的には、本明細書に記載される実施形態の目的のために、個体の眼は、眼構成要素(すなわち、眼球(eye globe)または「眼球(eyeball)」)、および眼瞼構成要素(例えば、上眼瞼および下眼瞼を含む)を含む。ある例では、上眼瞼と下眼瞼は、それぞれが一般に眼瞼結膜を含み、眼瞼結膜は、眼瞼の内側(または少なくともその一部)を覆う組織である。いくつかの実施態様では、本明細書に提供される療法は、個体の眼瞼結膜および/または眼瞼縁の少なくとも一部に組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される療法は、個体の片眼に組成物を投与することを含む。他の実施形態では、本明細書で提供される療法は、個体の両眼に組成物を投与することを含む。
【0040】
いくつかの例では、リッドワイパー(lid wiper)領域は、瞼板結膜から後眼瞼縁の頂部まで延在する結膜粘膜形態を有する、肥厚した上皮の「唇状部(lip)」であり、角膜前涙液膜の分布を助ける。
【0041】
本明細書に記載される様々な実施形態では、本明細書に記載される活性薬剤または組成物の投与は、それを必要とする個体の眼または眼瞼などの周囲組織に上記活性薬剤または組成物を投与することによって達成される。ある実施形態では、個体の眼への局所使用は、局所眼投与、(例えば、局所)眼瞼(palpebra)(眼瞼(lid))投与(例えば、眼瞼(lid)の内側および/もしくは外側)、またはこれらの組合せを含む。ある好ましい実施形態では、(例えば、直接)投与は、眼瞼内面への(例えば、局所)投与である。より好ましい実施形態では、投与は、眼瞼内面のリッドワイパー領域への(例えば、直接)投与であるか、またはこれを含む。ある実施形態では、投与は、眼瞼のリッドワイパー領域および重層扁平上皮領域および/または瞼板下襞(subtarsal fold)領域への(例えば直接)投与であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、投与は、眼瞼のリッドワイパー領域、重層扁平上皮領域、および眼瞼下襞領域への(例えば直接)投与であるか、またはこれを含む。ある実施形態では、投与は、眼瞼のリッドワイパー領域、重層扁平上皮領域、瞼板下襞領域、および重層円柱上皮領域への(例えば、直接)投与であるか、またはこれを含む。他の様々な実施形態では、眼瞼のマイボーム腺開口部への投与も行われない。
【0042】
図1は、例示的な眼の表面および眼瞼の一部の概略図を示す。図に示されるように、眼瞼の端部において睫毛を観察することができる。睫毛から内側に向かって、眼瞼内面は、睫毛の近位に位置する重層扁平上皮領域を含む。眼瞼内面に沿って、さらに、重層扁平上皮はリッドワイパー領域に通じており、これは、(例えば、正常に機能する眼瞼において)眼表面と接触する内面の領域である。いくつかの例では、視力低下をもたらす、眼表面に影響を及ぼす疾患に個体が罹患している場合、眼瞼内面の他の部分も眼表面と接触する可能性がある。リッドワイパー領域から(例えば、眼瞼内面に沿って睫毛の遠位方向に)移動すると、眼瞼内面は、瞼板下襞領域および重層円柱上皮領域を含む。いくつかの例では、眼瞼結膜は、例えばリッドワイパー領域に前縁を有するなど、眼瞼内面の全体または一部にわたって延在している。
【0043】
本明細書に記載の角質溶解剤および角質形成剤は、(例えば、訓練を受けた専門家または医師による)急性療法、または(例えば、患者もしくは介護者の手によるか、あるいは訓練を受けた専門家もしくは医師による)慢性療法のいずれかとして有用である。薬剤は、ある実施形態では、本明細書に記載されるアッセイおよび方法(例えば、実施例に記載されるもの)を使用して試験される。
【0044】
一実施形態では、視力低下の処置を必要とする患者(例えば、コンタクトレンズ装用していない個体および/またはマイボーム腺機能不全(MGD)と診断されていない個体)における視力低下を処置する方法であって、角質溶解剤または角質形成剤を含む組成物を局所投与することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、角質溶解剤は、アラントイン、過酸化ベンゾイル、二硫化セレン、SeCl4、Na2SeO3などの無機セレン化合物、エブセレン(2-フェニル-1,2-ベンゾイソセレナゾール-3(2H)-オン)などの有機セレン化合物またはその類似体、コールタール、ジトラノール、サリチル酸、二硫化セレン、α-ヒドロキシ酸、尿素、乳酸、チオグリコール酸ナトリウム、亜鉛ピリチオン、またはL-ピロリジオンカルボン酸亜鉛から選択される。いくつかの実施形態では、角質溶解剤は、過酸化ベンゾイル、コールタール、ジトラノール、サリチル酸、二硫化セレンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、角質溶解剤は二硫化セレンである。いくつかの実施形態では、角質溶解剤はサリチル酸である。いくつかの実施形態では、角質溶解剤はレチノイン酸ではない。
【0045】
ある実施形態では、薬剤は、炎症またはその他の有害な眼症状を引き起こすなどの望ましくない副作用を最小限に抑えることが望ましい。
【0046】
ある実施形態では、例えば角質(keratin)の産生レベルが低い対象に対して、強くない、もしくは弱い角質溶解剤および/または角質形成剤が、本明細書に記載される方法および製剤において使用される。このような強くない、もしくは弱い角質溶解剤および/または角質形成剤は、任意選択で、維持療法の現場において使用される。強くない、もしくは弱い角質溶解剤および/または角質形成剤には、より低濃度の活性角質溶解剤および/または活性角質形成剤、ならびに(例えば、本明細書に記載される方法によって決定される)固有活性(inherent activity)が低い角質溶解剤および/または角質形成剤が含まれる。ある実施形態では、強くない、もしくは弱い角質溶解剤および/または角質形成剤はホウ酸ではない。
【0047】
ある実施形態では、組成物は、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む。一実施形態では、角質溶解剤は過酸化ベンゾイルである。別の実施形態では、角質溶解剤はコールタールである。別の実施形態では、角質溶解剤はジトラノールである。別の実施形態では、角質溶解剤はサリチル酸である。別の実施形態では、角質溶解剤は硫化セレン(例えば、二硫化セレン)である。本明細書で使用される場合、「硫化セレン(selenium sulfide)」および「二硫化セレン(selenium disulfide)」という用語は、互換的に使用され、セレンと硫黄の比が約1:2であるSeS2の式を有する化合物を指す。別の実施形態では、角質溶解剤は亜鉛ピリチオンである。別の実施形態では、角質溶解剤はL-ピロリドンカルボン酸亜鉛である。
【0048】
いくつかの実施形態では、複数の角質溶解剤が使用される。
【0049】
いくつかの実施形態では、角質閉塞への角質溶解剤の投与は、角質細胞間の密着結合を形成するデスモソームのタンパク質分解をもたらす。いくつかの実施形態では、角質溶解剤の投与は、ジスルフィド結合の加水分解を含む溶解をもたらす。いくつかの実施形態では、角質溶解剤の投与は角質の産生を低減させる。
【0050】
いくつかの実施形態では、治療有効量の角質溶解剤は、約0.01%以上である。いくつかの実施形態では、治療有効量の角質溶解剤は、約0.01%~約30%(例えば、約0.01%~約10%、約0.01%~約5%、約0.01%~約2.5%、約0.01%~約1%、約0.1%~約10%、約0.1%~約5%、約0.1%~約2.5%、約0.1%~約1%、またはそれらのうちの任意の範囲)である。いくつかの実施形態では、治療有効量の角質溶解剤は、約0.01%~約10%である。いくつかの実施形態では、治療有効量の角質溶解剤は、少なくとも約0.01%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2.0%、約2.1%、約2.2%、約2.3%、約2.4%、約2.5%、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、治療有効量の角質溶解剤は、少なくとも約0.01%、例えば少なくとも約0.05%、約0.1%、約1%、約2%、約2.5%、約5%、約10%以上である。いくつかの実施形態では、治療有効量の角質溶解剤は、約10%以下、例えば、約5%以下、約2.5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、またはそれ未満である。いくつかの実施形態では、治療有効量の角質溶解剤は、約0.01%~約30%、例えば、約0.01%~約10%、約0.1%~約10%、または約0.1%~約30%である。
【0051】
特定の実施形態では、角質溶解剤は二硫化セレンである。
【0052】
いくつかの実施形態では、組成物は、約0.01%~約30%(例えば、約0.01%~約10%、約0.01%~約5%、約0.01%~約2.5%、約0.01%~約1%、約0.1%~約10%、約0.1%~約5%、約0.1%~約2.5%、約0.1%~約1%、またはそれらのうちの任意の有用な範囲)の二硫化セレンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.01%~約10%の二硫化セレンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも約0.01%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2.0%、約2.1%、約2.2%、約2.3%、約2.4%、約2.5%、またはそれ以上の二硫化セレンを含む。いくつかの実施形態では、組成物中の二硫化セレンの濃度は、少なくとも約0.01%、例えば少なくとも約0.05%、約0.1%、約1%、約2%、約2.5%、約5%、約10%、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、組成物中の二硫化セレンの濃度は約10%以下、例えば約5%以下、約2.5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、またはそれ未満である。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.01%~約30%の二硫化セレン、例えば、約0.01%~約10%、約0.1%~約10%、または約0.1%~約30%の二硫化セレンを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、二硫化セレンを含む組成物は、懸濁液、エマルション、クリーム、ローション、ゲル(例えば、水性もしくは非水性)、または軟膏である。いくつかの実施形態では、二硫化セレンを含む組成物は、半固形組成物である。いくつかの実施形態では、二硫化セレンを含む組成物は、ローションである。いくつかの実施形態では、二硫化セレンを含む組成物はクリームである。いくつかの実施形態では、二硫化セレンを含む組成物は軟膏である。いくつかの実施形態では、二硫化セレンを含む組成物は懸濁液である。いくつかの実施形態では、二硫化セレンを含む組成物は分散液である。いくつかの実施形態では、二硫化セレンを含む組成物は溶液である。他の実施形態では、組成物は、懸濁液、疎水性油状物、泡、リポソーム、エマルション、ローション、微粒子、または他の適切な製剤である。
【0054】
いくつかの実施形態では、組成物は、プロスタグランジンの産生に関与する酵素であるプロスタグランジンシンターゼの阻害剤である無機セレン化合物を含む。この阻害効果を示すセレン化合物は、SeCl4およびNa2SeO3を含む。プロスタグランジンの炎症誘発作用が角化を促進することが知られており、したがって、プロスタグランジンの産生を妨げるこれらの水溶性無機セレン化合物は、角化の軽減に役立つ可能性がある。
【0055】
いくつかの実施形態では、組成物は有機セレン化合物を含む。エブセレンなどの有機セレン化合物は、シクロオキシゲナーゼ酵素およびリポオキシゲナーゼ酵素を阻害し、過酸化水素、ならびに膜結合リン脂質およびコレステリルエステルヒドロパーオキサイドを含むヒドロパーオキサイドの捕捉剤として作用する抗酸化剤および抗炎症剤である。抗炎症剤は角化を阻害することが知られており、したがって、エブセレンおよび他の有機セレン類似体は、この抗酸化/抗炎症活性を通じて角質溶解剤として機能し得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、角質溶解剤および/または角質形成剤を含む製剤は、マイボーム腺開口部用の薬理学的薬剤ではない追加の薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤はホホバワックスまたはホホバ抽出物を含有しない。いくつかの実施形態では、製剤はホウ酸を含まない。いくつかの実施形態では、製剤はレチノイン酸を含まない。あるいは、いくつかの実施形態では、角質溶解剤および/または角質形成剤を含む製剤は、任意の追加のマイボーム腺開口部用の薬理学的薬剤以外のあらゆる追加の薬剤を除外する。
【0057】
ある実施形態では、組成物は局所麻酔剤を含む(例えば、さらに含む)。いくつかの実施形態では、局所麻酔剤は、アミノアミド局所麻酔剤、またはアミノエステル局所麻酔剤から選択される。
【0058】
本明細書で使用される場合、「局所麻酔剤」という用語は、疼痛感の可逆的な消失(reversible absence)を誘発する薬剤を指す。いくつかの実施形態では、局所麻酔剤は、疼痛感覚の可逆的な消失を誘発することに加えて、一時的な筋肉麻痺も誘発する可能性がある。
【0059】
本明細書に記載される局所麻酔剤は、例えば医師または訓練を受けた他の専門家の指導の下で、主に急性療法として有用である。薬剤は、ある実施形態では、本明細書に記載されるアッセイおよび方法を使用して試験される。
【0060】
いくつかの実施形態では、局所麻酔剤はアミノアミドである。いくつかの実施形態では、局所麻酔剤はアミノエステルである。いくつかの実施形態では、局所麻酔剤は、2つ以上の局所麻酔剤の組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記の組合せは、アミノアミド局所麻酔剤およびアミノエステル局所麻酔剤を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、局所麻酔剤は、ベンゾカイン、クロロプロカイン、コカイン、シクロメチカイン、ジメトカイン、ラロカイン、ピペロカイン、プロポキシカイン、プロカイン、ノボカイン、プロパラカイン、テトラカイン、およびアメソカインからなる群から選択されるアミノエステルである。
【0062】
いくつかの実施形態では、局所麻酔剤は、アルティカイン、ブピバカイン、シンコカイン、ジブカイン、エチドカイン、レボブピバカイン、リドカイン、リグノカイン、メピバカイン、プリロカイン、ロピバカイン、およびトリメカインからなる群から選択されるアミノアミドである。
【0063】
いくつかの実施形態では、局所麻酔剤は、リドカインとプリロカインとの組合せ、またはリドカインとテトラカインとの組合せである。
【0064】
いくつかの実施形態では、局所麻酔剤は天然由来の局所麻酔剤である。いくつかの実施形態では、天然由来の局所麻酔剤は、サキシトキシン、ネオサキシトキシン、テトロドトキシン、メントール、オイゲノール、およびコカインからなる群から選択される。
【0065】
いくつかの実施形態では、局所麻酔剤は血管収縮剤と混合され、血管を収縮させることによって局所麻酔の持続時間を延長させる。いくつかの実施形態では、塩酸プリロカインは、エピネフリンと混合される。いくつかの実施形態では、リドカイン、ブピバカインはエピネフリンと混合される。いくつかの実施形態では、イオントカインは、リドカインおよびエピネフリンと混合される。いくつかの実施形態では、セプトカインは、アルティカインとエピネフリンの組合せ物と混合される。いくつかの実施形態では、局所麻酔剤であるブピバカインまたはリドカインは、ステロイドと組み合わせて混合される。
【0066】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、局所)組成物は、薬学的に適切なまたは許容可能な担体(例えば、薬学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、生理学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、または生理学的に適切な(または許容可能な)担体と組み合わされる。例示的な賦形剤は、例えば、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro,21st Ed.Mack Pub.Co.,Easton,PA(2005))」に記載されている。保存剤などの他の添加剤は、任意選択で提供される。
【0067】
ある実施形態では、本明細書で提供される組成物は、任意の適切な追加の薬剤または添加剤を含む。特定の実施形態では、添加剤は、例えば、本明細書で提供される組成物もしくは製剤の性能および/または効能を向上させるなどのために含まれる。いくつかの例では、例えば、本明細書で提供される組成物は、浸透促進剤および/または界面活性剤(例えば、イオン性、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、脂質(例えば、オレイン酸またはカプリル酸)、BNZなど)を含む。いくつかの例では、本明細書で提供される組成物は、例えば本明細書に記載される工程に従って、他の方法で薬物浸透を改善する賦形剤、および/または、例えば眼瞼もしくは水晶体上に存在するプラークまたは角化を可溶化するように機能する賦形剤を含む。
【0068】
ある特定の実施形態では、薬学的に許容可能な組成物は、本質的に、少なくとも1つの角質溶解剤(例えば、本明細書に記載されるもの)および眼科的に許容可能な担体からなる。ある特定の実施形態では、薬学的に許容可能な組成物は、少なくとも1つの角質溶解剤(例えば、本明細書に記載されるもの)および眼科的に許容可能な担体からなる。
【0069】
本明細書では、様々な眼障害(例えば、乾性眼症候群)の処置を必要とする個体(例えば、患者)における種々の眼障害(例えば、乾性眼症候群)を処置するための方法であって、本明細書に記載される組成物を、処置を必要とする個体(例えば、患者)に局所投与すること(例えば、個体の1つまたは複数の眼瞼内面に投与すること)を含む、方法が記載される。いくつかの実施形態では、個体は、(例えば、眼の病態および/または別の病態のために)療養中の患者などである。いくつかの例では、そのような療法は、いくつかの実施形態において、(薬剤の濃度または薬剤の固有活性のいずれかに関して)より強力な薬理学的薬剤が利用されるような、急性療法である。一実施形態では、維持的使用により、低濃度の薬剤、または固有活性の低い薬剤が使用可能となる。維持的使用は、一実施形態では、患者が医療提供者を日常的に訪問することを伴う。急性的使用と維持的使用の両方は、任意選択で眼を保護するデバイスまたは器具の使用を伴う。一実施形態では、急性的使用は医療提供者により実行され、維持的使用は、患者または介護者などの非医療提供者により実行される。いくつかの実施形態では、患者は、薬理学的薬剤(例えば、角質溶解剤を含む組成物)を自身に(例えば、自身の1つまたは複数の眼瞼内面に)適用する。一実施形態では、このような投与は長期間にわたって行われ、この患者投与の複数回投与方式を説明する1つの方法は、慢性的使用である。概して、慢性的使用または患者投与の使用には、薬理学的薬剤の別の製剤または第2の製剤が推奨される。一実施形態では、別の製剤または第2の製剤は、より低濃度の薬理学的薬剤を利用する。別の実施形態では、第2の製剤または別の製剤は、第1の製剤よりも活性の低い薬理学的薬剤を利用する。
【0070】
いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む組成物の局所投与は、(例えば異常な)角化(例えば不全角化(pk))が軽減されるまで行われる。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む組成物の局所投与は、角質化の軽減が達成された後に定期的に行われる。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む組成物の局所投与は、単回投与である。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む組成物の局所投与は、定期的投与である。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む組成物の局所投与は、1日1回行われる。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む組成物の局所投与は、1日2回行われる。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む組成物の局所投与は、週2回行われる。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む組成物の局所投与は、夜間または夕方に行われる。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む組成物の局所投与は、光に眼を曝さない期間の後に行われる。
【0071】
いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む、局所投与用の組成物は、半固形の組成物である。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む、局所投与用の組成物は均質である。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む、局所投与用の組成物は分散液である。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む、局所投与用の組成物は親水性である。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む、局所投与用の組成物は、油脂性基剤を有する。いくつかの実施形態では、眼科的に許容可能な担体中に治療有効量の少なくとも1つの角質溶解剤を含む、局所投与用の組成物は、少なくとも1つの眼科的に許容可能な賦形剤を有する。ある実施形態では、局所投与用の組成物は、非水性ゲルなどのゲルである。
【0072】
ある好ましい実施形態では、半固形製剤または他の粘性製剤(例えば、ゲル(例えば、ゲルエマルション懸濁泡)、クリームもしくは軟膏、または、懸濁液、疎水性油状物、泡、リポソーム、エマルション、ローション、微粒子などの他の製剤)が利用される。いくつかの例では、そのような製剤は、処置される部位(例えば、外傷、異常な角質化などの機能不全部位)またはその近くで薬理活性製剤を維持することを容易にする。いくつかの例では、半固形製剤または他の粘性製剤は、投与部位からほとんど移動しない。
【0073】
いくつかの実施形態では、薬理学的薬剤を含む組成物の局所投与は週に1回行われる。いくつかの実施形態では、薬理学的薬剤を含む組成物の局所投与は、週に2回行われる。いくつかの実施形態では、薬理学的薬剤を含む組成物の局所投与は、1日おきに行われる。いくつかの実施形態では、薬理学的薬剤を含む組成物の局所投与は、毎日行われる。いくつかの実施形態では、薬理学的薬剤を含む組成物の局所投与は、1日に数回行われる。
【0074】
いくつかの実施形態では、上記方法は、急性処置シナリオにおける処置を含む。別の実施形態では、上記方法は、処置を受けたことのない患者の処置を含む。別の実施形態では、上記方法は、慢性処置シナリオにおける処置を含む。別の実施形態では、上記方法は、維持療法シナリオにおける処置を含む。急性処置シナリオでは、薬理学的薬剤の投与量は、慢性処置シナリオまたは維持療法シナリオで使用される薬理学的薬剤の投与量よりも多くなり得る。急性処置シナリオでは、薬理学的薬剤は、慢性処置シナリオで使用される薬理学的薬剤とは異なり得る。いくつかの実施形態では、治療過程は、治療の初期段階で急性処置シナリオとして開始され、その後慢性処置シナリオまたは維持療法シナリオに移行する。いくつかの実施形態では、急性処置シナリオで投与される薬理学的薬剤は局所麻酔剤であり、慢性処置シナリオまたは維持療法シナリオで投与される薬理学的薬剤は角質溶解剤および/もしくは角質形成剤である。いくつかの実施形態では、急性処置シナリオで投与される薬理学的薬剤は、角質溶解剤および/または角質形成剤であり、慢性処置シナリオもしくは維持療法シナリオで投与される薬理学的薬剤は、角質溶解剤および/または角質形成剤である。
【0075】
ある臨床症状では、患者は、本明細書に記載される治療薬のいずれかのより高濃度の製剤を投与することにより医師または医療専門家によって施される初期処置を必要とする場合がある。より高濃度の製剤が必要な場合、その適用は、眼表面または周囲組織の刺激または破壊の影響を最小限に抑えるために、眼の保護またはその他の作業が必要になる場合がある。このような手順に続いて、患者は、家に持ち帰って定期的に眼瞼内面に適用するための、活性薬剤の異なる製剤を与えられる場合がある。このような適用は、製剤活性および治療の所望の製品プロファイルに応じて、毎日2回、1日1回、毎週、週2回、隔週、または毎月行うことができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、乾燥、ゴロゴロ感、チクチク感、痛み、刺激、灼熱感、または目やになどの乾性眼症候群の1つまたは複数の症状の改善を実現する。いくつかの実施形態では、そのような症状の改善は、眼表面疾患指数(OSDI)、主観的視力評価(例えば、VAS)、または別の主観的スコアリングシステム(例えば、CLDEQ-8)によって評価可能である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、視力低下および/または乾性眼症候群に関連する眼瞼の症候の改善を実現する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、視力低下および/または乾性眼症候群に関連する涙液層の症候の改善を実現する。いくつかの実施形態では、上記方法は、CLDEQ-8測定ツールにおける改善を実現する。いくつかの実施形態では、上記方法は、視力の改善を実現する。いくつかの実施形態では、上記方法は、主観的視力評価(例えば、眼表面疾患指数(OSDI)または視覚アナログ尺度、VASによって評価される)の改善を実現する。いくつかの実施形態では、視力低下および/または乾性眼症候群の1つまたは複数の症状の改善は、(例えば、本明細書で提供される方法による)組成物の投与から約1か月以内、例えば3か月以内、2か月以内、6週間以内、4週間以内、3週間以内、2週間以内、1週間以内、3日以内、2日以内、またはそれより早くに観察される。いくつかの実施形態では、視力低下および/または乾性眼症候群の1つまたは複数の症状の改善は、(例えば、本明細書で提供される方法による)組成物の投与の約3か月以内に観察される。いくつかの実施形態では、視力低下および/または乾性眼症候群の症状の改善は、例えば1週間、2週間、3週間、4週間、1か月間、2か月間、3か月間、またはそれ以上の投与期間にわたって継続する。
【0077】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、温湿布の適用、壊死組織切除、および/または治療的圧出(例えば、手動による圧出またはLipiFlowなどの機器を使用する物理的圧出)などの1つまたは複数の追加の治療的介入をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、個体の眼において壊死組織切除または治療的圧出と組み合わせた壊死組織切除を実施することをさらに含む。いくつかの実施形態では、壊死組織切除は一方の眼において実施され、治療的圧出と組み合わせた壊死組織切除は他方の眼において行われる。いくつかの実施形態では、治療的介入(本明細書では物理的介入とも呼ばれる)は、本明細書で提供される組成物の投与後に行われる。例えば、いくつかの実施形態では、物理的介入は、本明細書で提供される組成物の投与の少なくとも約5分後、例えば、本明細書で提供される組成物の投与の少なくとも約10分後、約20分後、約30分後、約1時間後、約2時間後、約4時間後、約8時間後、約12時間後、約24時間後、約48時間後、約72時間後、約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約1か月後、6週間後、3か月後、またはそれより長い期間の後実施される。いくつかの実施形態では、組成物は定期的に投与され、物理的介入は、組成物の初回投与の約1か月後などに、単回実施される。
【0078】
本明細書に記載される処置方法の一態様は、組成物を局所投与する位置である。一実施形態では、薬理学的薬剤を含む組成物は、眼またはその周囲組織に刺激がほとんど、または全く起こらないように投与される。一実施形態では、薬理学的薬剤(例えば、角質溶解剤)を含む組成物は、それを必要とする個体の眼瞼内面(例えば、上眼瞼の一方もしくは両方、および/または下眼瞼の一方もしくは両方)に投与される。
【0079】
本明細書に記載される処置方法のさらなる一実施形態は、眼への刺激を避けるために眼に提供される保護要素の使用である。本明細書に記載される製剤は、一般に非刺激性であるが、いくつかの実施形態(例えば、高濃度の薬剤であるか、または敏感な眼に使用する場合)では、保護要素は、患者に安全性および快適性のさらなる層を提供する。一実施形態では、薬理学的薬剤を含む組成物は、薬理学的薬剤と角膜および/または結膜との接触を減らすことで、眼への刺激を軽減するためにアイシールドを眼に装着した状態で投与される。いくつかの実施形態では、アイシールドはコンタクトレンズまたはアイカバーである。いくつかの実施形態では、アイカバーは、自己粘着性を有する。一実施形態では、薬理学的薬剤を含む組成物は、薬理学的薬剤と角膜および/または結膜との接触を減らすことで、眼への刺激を軽減するために、眼瞼が眼球から引き離されている状態で投与される。
【0080】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「and」、および「the」は、文脈上別段の規定がない限り、複数の参照対象を含む。したがって、例えば、「薬剤(an agent)」に対する言及は、複数のそのような薬剤を含み、「細胞」に対する言及は、1つまたは複数の細胞(または複数の細胞)、および当業者には既知のその等価物などに対する言及を含む。本明細書において、分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性について範囲が使用される場合、その範囲および範囲内の特定の実施形態のすべての組合せならびに下位組合せが含まれることが意図される。数値または数値範囲に言及する場合の「約(about)」という用語は、言及される数値または数値範囲が、実験上の変動の範囲内(または統計的誤差の範囲内)での近似値であることを意味し、したがって、数値または数値範囲は、記載された数値または数値範囲の1%~15%の間で変動する場合がある。「含む(comprising)」という用語(および「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「有する(having)」または「含む(including)」などの関連する用語)は、他の特定の実施形態、例えば、本明細書に記載される任意の物質、組成物、方法、または工程などの実施形態において、記載される特徴から「なる(consist of)」または「本質的になる(consist essentially of)」ことを除外することを意図するものではない。
【0081】
本明細書で使用される場合、「処置する(treat)」、「処置している(treating)」、または「処置(treatment)」という用語は、慢性処置シナリオまたは急性処置シナリオのいずれかにおいて、視力低下および/またはなどの本明細書に記載される障害の症状を低減、緩和、軽減、除去、緩和、または減弱することを含む。一実施形態では、処置は末端管閉塞の低減を含む。
【0082】
視力低下、および/またはなどの本明細書に記載される障害の症状の「再発(recurrence)」または「再発低減(reducing relapse)」という用語は、慢性的な治療シナリオにおける症状である。
【0083】
本明細書で使用される場合、「角質溶解剤(keratolytic agent)」および/または「角質形成剤(keratoplastic agent)」という用語は、角質化した閉塞物を軟化させ、破壊し、溶解し、可溶化し、もしくは緩める薬剤、または角質化した閉塞物の形成を防ぐ薬剤を指す。具体的には、「角質溶解剤」という用語は、角質の軟化および溶解を促進するために使用される薬剤を指し、「角質形成剤」という用語は、角質の産生を低減させるために使用される薬剤を指す。
【0084】
「ローション」という用語は、エマルション液剤形を表す。この剤形は、一般に、皮膚に外用するためのものである(US FDA Drug Nomenclature Monograph,number C-DRG-00201)。
【0085】
「クリーム」という用語は、通常、ビヒクルとして20%超の水および揮発性物質および/または50%未満の炭化水素、ワックスまたはポリオールを含有するエマルション半固形剤形を表す。クリームはローションよりも粘性が高い。この剤形は、一般に皮膚に外用するためのものである(US FDA Drug Nomenclature Monograph,number C-DRG-00201)。
【0086】
「軟膏」という用語は、通常、ビヒクルとして20%未満の水および揮発性物質および/または50%超の炭化水素、ワックスまたはポリオールを含む半固形剤形を表す。この剤形は、一般に、皮膚または粘膜に外用するためのものである(US FDA Drug Nomenclature Monograph, number C-DRG-00201)。
【0087】
「溶液」という用語は、溶媒または相互に混和可能な溶媒の混合液に溶解した1つまたは複数の化学物質を含有する、透明で均質な液体剤形を表す(US FDA Drug Nomenclature Monograph,number C-DRG-00201)。
【0088】
「懸濁液」という用語は、溶解していないが、溶媒のバルクの少なくとも一部を通して懸濁し得る固体粒子を含有する、不均質な混合液を指す。
【0089】
本明細書で提供される薬剤の濃度は、wt%、w/w%、またはw/v%などの任意の適切な測定値により決まる。特定の例では、濃度はwt%(例えば、w/w%またはw/v%)である。
【0090】
「約(about)」という用語は、例えば、記載された目的を達成するのに適した、あらゆる許容可能な量を意味する。いくつかの例では、「約(about)」は、例えば、±20%、または±10%、または±5%を指す。
【0091】
本明細書で使用される場合、「含んでいる(comprising)」は、「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」の明示的開示も含む。
【実施例】
【0092】
実施例1.薬理学的活性製剤
【0093】
高粘度製剤は、例えば、本明細書に提供される開示に従って投与するために調製される。クリーム、軟膏、エマルション、懸濁液、細粒などの任意の適切な製剤が任意選択で利用される。様々な実施形態では、例示的な眼軟膏製剤は、次の配合に従って調製される。
【0094】
【0095】
【0096】
軟膏製剤/半固形製剤、界面活性剤製剤のなどの他の製剤が、本明細書において企図され、提供される。
【0097】
0.5%塩化ベンザルコニウム溶液を使用して、ウサギの眼に異常角膜炎(abnormal keratitis)を誘起する。一方の眼に本明細書で提供される軟膏を、他方の眼に対照軟膏を受けるように各ウサギを割り当てる。リッドワイパーおよび/または結膜襞(conjunctival folds)内などの眼瞼内面を評価する。
【0098】
実施例2:視力改善の臨床評価
【0099】
視力低下を有する患者を、対照(N=26)、または0.1%二硫化セレン(n=9)、0.5%二硫化セレン(n=26)、もしくは1%二硫化セレン(n=34)を含む薬剤製剤で処置した。処置は、週2回、両眼の下眼瞼に医療品を塗布することからなった。患者を経過観察し、2週間後、1か月後、6週間後、3か月後に眼表面疾患指数(OSDI)を使用して視力評価を行った。
図2A~2Cは、OSDI視力評価によって評価された、ベースラインからの患者の変化を示す(例えば、OSDI眼症状サブスケール、ベースラインからの変化(
図2A)、OSDI視機能サブスケール、ベースラインからの変化(
図2B)、およびOSDI環境トリガサブスケール、ベースラインからの変化(
図2C)に基づく)。
図2A~2Cで見られるように、0.5%二硫化セレンおよび1%二硫化セレンで処置した患者の視力は、改善しただけでなく、2週~3か月間の継続的な改善を示した。†は、対照との有意差(p<0.10)、°は対照との有意差(p<0.05)、~はベースラインとの有意差(p<0.10)、*はベースラインとの有意差(p<0.05)を表す。
【0100】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、かつ記載されてきたが、そのような実施形態が例示としてのみ提供されることは、当業者には明らかであろう。本発明が、本明細書内に提供される特定の例によって限定されることは意図されていない。本発明は、前述の明細書を参照して記載されてきたが、本明細書における実施形態の記載および図示は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。本発明から逸脱することなく、多数の変形形態、変更形態、および置換形態が当業者に思い浮かぶであろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書で説明される特定の描写、構成または相対的比率に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する様々な代替形態が、本発明を実行する際に使用され得ることが理解されるべきである。したがって、本発明は、そのような代替形態、修正形態、変形形態または同等形態も網羅することが企図される。下記の特許請求の範囲は、本発明の範囲を規定するものであり、この特許請求の範囲およびその同等物の範囲内の方法および構造が、特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。
【国際調査報告】