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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】X線撮影装置用伸縮カラム
(51)【国際特許分類】
   B66F 7/02 20060101AFI20240614BHJP
   B66F 19/00 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B66F7/02 E
B66F19/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579454
(86)(22)【出願日】2023-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 KR2023000337
(87)【国際公開番号】W WO2023132706
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】10-2022-0002461
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0035791
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523481986
【氏名又は名称】ディーアールジェム コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】DRGEM CORPORATION
【住所又は居所原語表記】E-7F, 60 Haan-ro, Gwangmyeong-si, Gyeonggi-do 14322 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リュウ フン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ウォンソプ
(57)【要約】
X線撮影装置用伸縮カラムは、メインカラム、メインカラムの一側に昇降可能に設置されるサブカラム、およびメインカラムの他側に設けられ、サブカラムの重量を補償する重量補償部を含み、重量補償部は、サブカラムの昇降高さに応じてワイヤの巻き取り半径が変化するように形成されるカム、およびカムの回転に応じて伸縮し、サブカラムの重量を補償するように弾性力を提供する弾性部材を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインカラム;
前記メインカラムの一側に昇降可能に設置されるサブカラム;
前記メインカラムの他側に設けられ、前記サブカラムの重量を補償する重量補償部を含み、
前記重量補償部は、前記サブカラムの昇降高さに応じてワイヤの巻き取り半径が変化するように形成されるカムと、前記カムの回転に応じて伸縮し、前記サブカラムの重量を補償するように弾性力を提供する弾性部材を含み、
前記カムは所定の角度区間で円周方向に沿って一方向に行くほど半径が次第に大きくなる形状であることを特徴とする、X線撮影装置用伸縮カラム。
【請求項2】
前記重量補償部は、
前記メインカラムに設置される第1固定プーリと、前記第1固定プーリに対して昇降可能に設置される移動プーリと、一端が前記メインカラムに結合され、他端が前記移動プーリと第1固定プーリを経て前記サブカラムに結合される第1ワイヤと、前記移動プーリの昇降に連動して回転するように設置されるカムユニットと、前記カムユニットの回転に連動して伸縮し、前記サブカラムに弾性力を提供する弾性部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載のX線撮影装置用伸縮カラム。
【請求項3】
前記サブカラムは、前記メインカラムの一側に昇降可能に設置される第1サブカラムと、前記第1サブカラムの一側に昇降可能に設置される第2サブカラムを含むことを特徴とする、請求項1に記載のX線撮影装置用伸縮カラム。
【請求項4】
前記第1サブカラムの昇降に連動して前記第2サブカラムの昇降が行われるようにする連動機構をさらに含み、
前記連動機構は、前記第1サブカラムの上端に設置される第2固定プーリと、一端が前記メインカラムに結合され、他端が前記第2固定プーリを経て前記第2サブカラムに結合される第4ワイヤを含むことを特徴とする、請求項3に記載のX線撮影装置用伸縮カラム。
【請求項5】
メインカラム;
前記メインカラムの一側に昇降可能に設置されるサブカラム;
前記メインカラムの他側に設けられ、前記サブカラムの重量を補償する重量補償部を含み、
前記重量補償部は、
前記メインカラムに設置される第1固定プーリと、前記第1固定プーリに対して昇降可能に設置される移動プーリと、一端が前記メインカラムに結合され、他端が前記移動プーリと第1固定プーリを経て前記サブカラムに結合される第1ワイヤと、前記移動プーリの昇降に連動して回転するように設置されるカムユニットと、前記カムユニットの回転に連動して伸縮し、前記サブカラムに弾性力を提供する弾性部材と、一端が前記移動プーリの一側に結合され、他端が前記カムユニットの一側に巻き取られる第2ワイヤと、一端が前記弾性部材に結合され、他端が前記カムユニットの他側に巻き取られる第3ワイヤを含むことを特徴とする、X線撮影装置用伸縮カラム。
【請求項6】
前記カムユニットは、回転時に前記第2ワイヤの巻き取り半径が変化するように形成されるカムと、前記カムの一側に前記カムと一体に回転するように設置され、前記第3ワイヤが巻き取られるカムプーリを含むことを特徴とする、請求項5に記載のX線撮影装置用伸縮カラム。
【請求項7】
前記移動プーリの昇降に応じた前記カムのトルクが前記弾性部材の伸縮に応じた前記カムプーリのトルクに対して反力トルクとして作用することを特徴とする、請求項6に記載のX線撮影装置用伸縮カラム。
【請求項8】
前記重量補償部は前記弾性部材の一側に設置される第3固定プーリを含み、前記第2ワイヤは前記第3固定プーリを経て前記カムユニットの一側に巻き取られることを特徴とする、請求項5に記載のX線撮影装置用伸縮カラム。
【請求項9】
前記サブカラムは、前記メインカラムの一側に昇降可能に設置される第1サブカラムと、前記第1サブカラムの一側に昇降可能に設置される第2サブカラムを含み、
前記第1サブカラムの昇降に連動して前記第2サブカラムの昇降が行われるようにする連動機構をさらに含み、
前記連動機構は、前記第1サブカラムの上端に設置される第4固定プーリと、一端が前記メインカラムの一側に結合され、他端が前記第4固定プーリを経て前記第2サブカラムの一側に結合される第4ワイヤを含むことを特徴とする、請求項8に記載のX線撮影装置用伸縮カラム。
【請求項10】
メインカラム;
前記メインカラムの一側に昇降可能に設置されるサブカラム;
前記メインカラムの他側に設けられ、前記サブカラムの重量を補償する重量補償部を含み、
前記サブカラムは、前記メインカラムの一側に昇降可能に設置される第1サブカラムと、前記第1サブカラムの一側に昇降可能に設置される第2サブカラムを含み、
前記重量補償部は、前記メインカラムの下部に設置される第1固定プーリと、前記第1固定プーリに対して昇降可能に前記第1固定プーリの上部に設置される移動プーリと、一端が前記メインカラムに結合され、他端が前記移動プーリと第1固定プーリを経て前記サブカラムに結合される第1ワイヤと、前記移動プーリの昇降に連動して回転するように設置されるカムと、前記カムの両側に前記カムと一体に回転するように設置される一対のカムプーリと、一端が前記移動プーリの一側に結合され、他端が前記カムに巻き取られる第2ワイヤと、前記カムプーリの回転に連動して伸縮し、前記サブカラムに弾性力を提供する弾性部材と、一端が前記カムプーリに巻き取られ、他端が前記弾性部材に結合される第3ワイヤと、前記第1サブカラムの上端に回転可能に設置される第2固定プーリと、一端が前記第2サブカラムに結合され、他端が前記第2固定プーリを経て前記メインカラムに結合される第4ワイヤを含むことを特徴とする、X線撮影装置用伸縮カラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は均一な力で容易に昇降させることができるX線撮影装置用伸縮カラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、挙動が不便な重症患者または手術途中にX線撮影が必要な場合、患者がX線撮影室に直接行かず、移動型X線撮影装置を必要な場所に移動させて撮影する場合が多い。移動型X線撮影装置の例としては、KR10-2011-0062397A、KR10-2012-0095460Aが開示されている。
【0003】
図1は従来の移動型X線撮影装置の構成図である。移動型X線撮影装置は、ディスプレイ27が搭載された本体1、本体1に垂直に設置されたカラム2、カラム2に取り付けられるアーム3、アーム3に備えられるX線ソース4を含んで構成される。カラム2はメインカラム5とサブカラム6を含み得、アーム3は複数の単位アーム7,8,9が多段伸縮可能に設けられることができる。移動時の安全のためにカラム2およびアーム3の長さを短縮することができ、撮影時にはX線ソース4を適切な地点に位置させるためにカラム2およびアーム3の長さを延びることができる。
【0004】
従来の移動型X線撮影装置はカラム2の長さ(高さ)を延長または短縮させるための別途の駆動源を備えるが、カラム2が迅速に動くことができないためX線ソース4を短時間内にユーザの所望する地点に位置させるのが難しいという問題がある。
【0005】
他の例として、手動でカラム2の長さを延長または短縮することができ、小さな大きさの力でもアーム3と共にサブカラム6を昇降させることができるように、アーム3とサブカラム6の重量を補償するための重りが用いられた。しかし、重りなどによって重量を補償する場合、移動型X線撮影装置の全体重量が増加して移動性が低下する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、別途の駆動源や重りなしでも手動で迅速でかつ容易に所望する地点に位置させ得るX線撮影装置用伸縮カラムを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、弾性部材の弾性力を用いてアームとサブカラムの重量を補償できるX線撮影装置用伸縮カラムを提供することにある。
【0008】
本発明のまた他の目的は、アームとサブカラムの昇降高さに応じた弾性部材の弾性力の変化に関係なく、均一な力でアームとサブカラムを昇降させることができるX線撮影装置用伸縮カラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、メインカラム;前記メインカラムの一側に昇降可能に設置されるサブカラム;前記メインカラムの他側に設けられ、前記サブカラムの重量を補償する重量補償部を含み、前記重量補償部は、前記サブカラムの昇降高さに応じてワイヤの巻き取り半径が変化するように形成されるカムと、前記カムの回転に応じて伸縮し、前記サブカラムの重量を補償するように弾性力を提供する弾性部材を含むX線撮影装置用伸縮カラムが提供される。
【0010】
一特徴によれば、前記重量補償部は、前記メインカラムに設置される第1固定プーリと、前記第1固定プーリに対して昇降可能に設置される移動プーリと、一端が前記メインカラムに結合され、他端が前記移動プーリと第1固定プーリを経て前記サブカラムに結合される第1ワイヤと、前記移動プーリの昇降に連動して回転するように設置されるカムユニットと、前記カムユニットの回転に連動して伸縮し、前記サブカラムに弾性力を提供する弾性部材を含み得る。
【0011】
他の特徴によれば、前記重量補償部は、一端が前記移動プーリの一側に結合され、他端が前記カムユニットの一側に巻き取られる第2ワイヤと、一端が前記弾性部材に結合され、他端が前記カムユニットの他側に巻き取られる第3ワイヤを含み得る。
【0012】
また他の特徴によれば、前記カムユニットは、回転時に前記第2ワイヤの巻き取り半径が変化するように形成されるカムと、前記カムの一側に前記カムと一体に回転するように設置され、前記第3ワイヤが巻き取られるカムプーリを含み得る。
【0013】
また他の特徴によれば、前記移動プーリの昇降に応じた前記カムのトルクが前記弾性部材の伸縮に応じた前記カムプーリのトルクに対して反力トルクとして作用し得る。
【0014】
また他の特徴によれば、前記サブカラムは、前記メインカラムの一側に昇降可能に設置される第1サブカラムと、前記第1サブカラムの一側に昇降可能に設置される第2サブカラムを含み得る。
【0015】
また他の特徴によれば、前記第1サブカラムの昇降に連動して前記第2サブカラムの昇降が行われるようにする連動機構をさらに含み、前記連動機構は、前記第1サブカラムの上端に設置される第2固定プーリと、一端が前記メインカラムに結合され、他端が前記第2固定プーリを経て前記第2サブカラムに結合される第4ワイヤを含み得る。
【0016】
また他の特徴によれば、前記重量補償部は前記弾性部材の一側に設置される第3固定プーリを含み、前記第2ワイヤは前記第3固定プーリを経て前記カムユニットの一側に巻き取られ得る。
【0017】
また他の特徴によれば、前記サブカラムは、前記メインカラムの一側に昇降可能に設置される第1サブカラムと、前記第1サブカラムの一側に昇降可能に設置される第2サブカラムを含み、前記第1サブカラムの昇降に連動して前記第2サブカラムの昇降が行われるようにする連動機構をさらに含み、前記連動機構は、前記第1サブカラムの上端に設置される第4固定プーリと、一端が前記メインカラムの一側に結合され、他端が前記第4固定プーリを経て前記第2サブカラムの一側に結合される第4ワイヤを含み得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明によるX線撮影装置用伸縮カラムによれば、弾性部材の弾性力を用いてアームとサブカラムの重量を補償することによって、別途の駆動源や重りなしで手動にて迅速かつ容易にカラムの長さを延長または短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来の移動型X線撮影装置の構成図。
図2】本発明の第1実施形態によるX線撮影装置用伸縮カラムの構成図。
図3】本発明の第1実施形態によるX線撮影装置用伸縮カラムの構成図。
図4】本発明の第1実施形態により算出されたカムプロファイル。
図5】本発明の第1実施形態によるカムの側面図。
図6】本発明の第1実施形態による伸縮カラムの斜視図。
図7】本発明の第1実施形態による伸縮カラムの斜視図。
図8】本発明の第1実施形態による伸縮カラムの側面図。
図9】本発明の第1実施形態による伸縮カラムの正面図。
図10】本発明の第1実施形態による伸縮カラムの後面図。
図11】本発明の第1実施形態によるメインカラムと第1サブカラムのスライド結合を示す部分拡大図。
図12】本発明の第1実施形態による第1サブカラムと第2サブカラムのスライド結合を示す部分拡大図。
図13】本発明の第1実施形態による重量補償部を示すメインカラムの部分拡大図。
図14】本発明の第1実施形態によるカムユニットの分解斜視図。
図15】本発明の第2実施形態によるX線撮影装置用伸縮カラムの構成図。
図16】本発明の第2実施形態によるX線撮影装置用伸縮カラムの構成図。
図17】本発明の第2実施形態による伸縮カラムの斜視図。
図18】本発明の第2実施形態による伸縮カラムの斜視図。
図19】本発明の第2実施形態による伸縮カラムの側面図。
図20】本発明の第2実施形態による伸縮カラムの正面図。
図21】本発明の第2実施形態による伸縮カラムの後面図。
図22】本発明の第2実施形態によるメインカラムと第1サブカラムのスライド結合を示す部分拡大図。
図23】本発明の第2実施形態による第1サブカラムと第2サブカラムのスライド結合を示す部分拡大図。
図24】本発明の第2実施形態による重量補償部を示すメインカラムの部分拡大図。
図25】本発明の第2実施形態によるカムユニットの斜視図。
図26】本発明の第2実施形態によりメインカラムと第1サブカラムを連結する第1ワイヤの部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では本発明の実施形態に関して添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下で説明する実施形態は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が発明を容易に実施できる程度に詳細に説明するためのものに過ぎなく、本発明の保護範囲がこれにより限定されることを意味するものではない。そして、本発明の様々な実施形態を説明するにあたり、同じ技術的特徴を有する構成要素に対しては同じ図面符号を使用する。
【0021】
本発明によるX線撮影装置用伸縮カラムは、メインカラムと、メインカラムに対して昇降可能に設置されるサブカラムと、ユーザが小さい力でも容易にサブカラムを昇降させることができるようにサブカラムの重量を補償する重量補償部を含む。また、サブカラムの昇降高さの変化に関係なく均一な力でサブカラムを昇降させることができるように、重量補償部はカムとカムプーリを有するカムユニットを含む。以下では、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0022】
図2ないし図14は本発明の第1実施形態によるX線撮影装置用伸縮カラムに関する図である。
【0023】
図2図3に示すように、X線撮影装置用伸縮カラム100は、メインカラム200、メインカラム200に対して昇降可能に設置されるサブカラム300、およびサブカラム300の重量を補償する重量補償部400を含む。
【0024】
重量補償部400は、メインカラム200に設置される第1固定プーリ410および移動プーリ420と、メインカラム200とサブカラム300を連結する第1ワイヤ430と、サブカラム300の昇降高さに応じて移動プーリ420と連結された第2ワイヤ480の巻き取り半径が変化するカム450と、カム450の回転に応じて伸縮し、第3ワイヤ490によりサブカラム300に弾性力を提供する弾性部材470を含む。
【0025】
本発明の第1実施形態によれば、重量補償部400によりサブカラム300の重量が補償されることで、ユーザは小さい力でも容易にサブカラム300を一定の速度で昇降させることができる。また、重量補償部400は、サブカラム300の昇降時にサブカラム300の高さに関係なく均一な力を加えてサブカラム300を一定の速度で昇降させることができるようにする。
【0026】
メインカラム200は移動式X線撮影装置のボディ(1,図1を参照)に垂直に設置され、内部には多数のプーリとワイヤを含む重量補償部400が設置されるように空間部が形成される。この時、メインカラム200は移動式X線撮影装置のボディ1の上に軸回転が可能に設置されることができる。
【0027】
サブカラム300はメインカラム200の一側に昇降可能に設置される。一例として、メインカラム200の一側にスライドレール(図示せず)が形成され、サブカラム300にはメインカラム200のスライドレールに沿って上下方向にスライド移動できるように多数のローラ(図示せず)が設けられることができる。
【0028】
なお、端部にX線ソース(4,図1を参照)を有するアーム(3,図1を参照)がサブカラム300の一側に昇降可能に設置され得る。この時、アームは多段伸縮が可能なように形成され得、重量補償部400はX線ソース4とアーム3を含むサブカラム300の重量を補償する。
【0029】
重量補償部400はメインカラム200の下端部に回転可能に設置される第1固定プーリ410と、第1固定プーリ410の上部に離隔して昇降可能に設置される移動プーリ420と、第1固定プーリ410および移動プーリ420を経てメインカラム200とサブカラム300を連結する第1ワイヤ430を含み得る。
【0030】
この時、第1固定プーリ410と移動プーリ420の個数は必要に応じて適宜選択することができる。一例として、一つの第1固定プーリ410の上部に一対の移動プーリ420が並んで設置されることができる。第1ワイヤ430は一端がメインカラム200の一側に結合され、移動プーリ420と第1固定プーリ410の周囲に沿って巻かれた後に他端がサブカラム300に結合され得る。
【0031】
第1固定プーリ410および移動プーリ420を経て第1ワイヤ430がメインカラム200とサブカラム300を連結することにより、メインカラム200に対するサブカラム300の昇降時に、移動プーリ420が第1固定プーリ410に対して昇降することになる。
【0032】
この時、サブカラム300の昇降はユーザによって手動で行われるが、重量補償部400はサブカラム300の重量にもかかわらず、少ない力でも容易にサブカラム300を一定の速度で昇降させることができるようにする役割をする。
【0033】
このため、サブカラム300に弾性力を提供する弾性部材470がメインカラム200の空間部に設置される。弾性部材470は移動プーリ420の昇降に連動して伸縮するように設置され、移動プーリ420とともにサブカラム300に弾性力を提供することによってサブカラム300の重量を補償する。例えば、弾性部材470により提供される弾性力がサブカラム300の重量と平衡をなす場合、ユーザは少ない力でも容易にサブカラム300を一定の速度で昇降させることができる。
【0034】
図面には弾性部材470の例として伸縮する引張ばねが示されているが、これは一つの実施形態であり、必要に応じてガスばねやトーションばねなど弾性力を提供する多様な形態の弾性部材470を適用することができる。
【0035】
なお、サブカラム300の昇降に応じて弾性部材470から提供される弾性力が変化し得る。例えば、弾性部材470として引張ばねが適用された場合、サブカラム300を下げるほど引張ばねが次第に伸張して弾性力が増加し、そのためユーザがサブカラムを下げるために必要な力も次第に大きくなる。
【0036】
本発明の第1実施形態によれば、サブカラム300の昇降高さの変化に関係なく、均一な力でサブカラム300を昇降させることができるようにカムユニット440が提供される。
【0037】
カムユニット440は移動プーリ420の昇降に連動して回転するように設置され得る。例えば、第2ワイヤ480の一端が移動プーリ420の一側に結合され、他端がカムユニット440の一側に巻き取られ得る。
【0038】
また、弾性部材470はカムユニット440の回転に連動して伸縮するように設置され得る。例えば、第3ワイヤ490の一端が弾性部材470に結合され、他端がカムユニット440の他側に結合され得る。
【0039】
より詳細には、カムユニット440は、回転時に第2ワイヤ480の巻き取り半径が変化するように形成されるカム450と、カム450の一側にカム450と一体に回転するように設置され、第3ワイヤ490が巻き取られるカムプーリ460を含んでなる。一例として、カム450の両側にそれぞれ一つずつ一対のカムプーリ460が設置され、弾性部材470の上端で並んで延びる一対の第3ワイヤ490が一対のカムプーリ460にそれぞれ巻き取られ得る。
【0040】
この場合、サブカラム300の上昇時に引張ばねが縮小されることにより第3ワイヤ490が緩められるようにカムプーリ460が回転する。この時、カムプーリ460とともにカム450が回転することによりカム450に第2ワイヤ480が巻き取られ、第2ワイヤ480は移動プーリ420を上側に引っ張って移動プーリ420が第1固定プーリ410の上部に移動する。
【0041】
逆に、サブカラム300の下降時にはサブカラム300と共に移動プーリ420が下降し、第2ワイヤ480が緩められるようにカム450が回転する。この時、カム450と共にカムプーリ460が回転することによりカムプーリ460に第3ワイヤ490が巻き取られ、第3ワイヤ490により引張ばねが伸張する。
【0042】
ここで、カム450は回転時に第2ワイヤ480の巻き取り半径が変化するようにカムプロファイル(profile)が形成される。これは、弾性部材470の伸縮に応じたカムプーリ460のトルクと、移動プーリ420の昇降に応じたカム450のトルクが相互反力トルクとして作用するようにすることにより、サブカラム300の高さに関係なく、均一な力でサブカラム300を昇降させることができるようにするためである。
【0043】
図4は本発明の第1実施形態によるカムプロファイルであり、カムプーリ460の回転角度に応じた引張ばねのばね力とカムプーリ460のトルクを計算し、これを補償するためのカム450のトルクからカム450半径を算出して、カムプーリ460の回転角度に応じたカムプロファイルを示すグラフである。
【0044】
図5を参照すると、カム450は一側に回転軸の挿入のための軸孔451を有し、所定の角度区間で円周方向に沿って一方向に行くほど半径が次第に大きくなる形状である。また、全体的にサブカラム300の昇降区間と対応する所定の角度区間内に螺旋形に形成された曲面452と、螺旋形曲面452の一端で回転軸方向に形成される直線面453を有する。さらに、直線面453の一側には第2ワイヤ480の他端が固定される第2ワイヤ固定部(454,図5には図示せず、14に図示されている)が形成され、カム450の螺旋形曲面452には第2ワイヤ480を巻き取るための第1巻き取り溝(456,図5には図示せず、14に図示されている)が形成される。
【0045】
そのため、サブカラム300の下降時に引張ばねが伸張してカムプーリ460のトルクが増加する時、カム450の第2ワイヤ480巻き取り半径は次第に増加してカム450のトルクが増加するようになる。逆に、サブカラム300の上昇時には引張ばねが縮小されてカムプーリ460のトルクが減少し、カム450の第2ワイヤ480巻き取り半径が次第に減少してカム450のトルクが減少するようになる。
【0046】
この時、カム450のトルクはカムプーリ460のトルクに対して反力トルクとして作用して引張ばねの弾性力とサブカラム300の重量差を補償し、ユーザはサブカラム300の高さや引張ばねの伸張長さに関係なく、均一な力でサブカラム300を昇降させることができる。
【0047】
X線撮影装置用伸縮カラム100が、メインカラム200と、メインカラム200の一側に昇降可能に設置されるサブカラム300と、メインカラム200に設置されてサブカラム300の重量を補償する重量補償部400を含む点は図6ないし図10を参照するとより詳細に把握することができる。
【0048】
メインカラム200の下端にはメインカラム200を支持するための支持プレート210が結合され、この支持プレート210は移動式X線撮影装置のボディ1に結合され得る。図面では四角形状の支持プレート210を示しているが、これは一つの例であり、円形の支持プレート210が移動式X線撮影装置のボディ1に回転可能に結合されることもできる。
【0049】
メインカラム200は、支持プレート210の幅方向に所定間隔離隔して垂直に設置される一対のメインフレーム220と、一対のメインフレーム220の上端に結合される上端フレーム230と、メインフレーム220の後方に所定間隔離隔してメインフレーム220と並んで設置される支持フレーム240と、支持フレーム240の上端をメインフレーム220の後端に結合する結合フレーム250を含む。一例として、結合フレーム250は4個の単位フレームが四角形状に結合されてなる。
【0050】
メインフレーム220はサブカラム300の昇降方向を案内する役割をし、メインフレーム220と支持フレーム240の間の離隔空間には重量補償部400を構成する多数のプーリとカムユニット440および弾性部材470が設置される。
【0051】
なお、サブカラム300はメインカラム200の一側に昇降可能に設置される第1サブカラム310と、第1サブカラム310の一側に昇降可能に設置される第2サブカラム320を含んでなる。
【0052】
第1サブカラム310はメインカラム200の前面に昇降可能に設置されるが、一対のメインフレーム220の前面に上下方向にそれぞれスライド移動が可能に結合される一対のサブフレーム311と、一対のサブフレーム311の後方内側にサブフレーム311と並んで設置される一対の移動フレーム312を含む。この時、一対のサブフレーム311と一対の移動フレーム312は上端と下端にそれぞれ結合されるカバーフレーム313により一体に結合される。
【0053】
第2サブカラム320は第1サブカラム310の前面に昇降可能に設置される。第2サブカラム320は一対のサブフレーム311の内側に上下方向にスライド移動が可能にそれぞれ結合される一対の昇降フレーム321と、一対の昇降フレーム321の前面に結合されてサブフレーム311の前方に配置される昇降プレート322と、昇降プレート322の前面に結合されるアーム支持ブラケット323を含む。図面に示していないが、アーム支持ブラケット323には多段伸縮が可能であり、端部にX線ソース4が備えられるアーム3が結合されることができる。
【0054】
以下、図11図12を参照してメインカラム200に対する第1サブカラム310および第2サブカラム320の昇降構造について詳細に説明する。
【0055】
図11に図示のように、第1サブカラム310は一対の移動フレーム312の外側に多数の第1ローラ314が備えられ、この第1ローラ314はメインカラム200のメインフレーム220の内側に形成される第1スライド溝221にスライド移動可能に結合される。そのため、メインカラム200に対する第1サブカラム310の昇降時、移動フレーム312の第1ローラ314がメインフレーム220の第1スライド溝221に沿って移動するようになる。
【0056】
図12に図示のように、第2サブカラム320は一対の昇降フレーム321の外側に多数の第2ローラ324が備えられ、この第2ローラ324は第1サブカラム310のサブフレーム311の内側に形成される第2スライド溝(図示せず)にスライド移動可能に結合される。そのため、第1サブカラム310に対する第2サブカラム320の昇降時、昇降フレーム321の第2ローラ324がサブフレーム311の第2スライド溝に沿って移動するようになる。
【0057】
図13は重量補償部を示すメインカラムの部分拡大図であるが、説明の便宜上支持フレームの図示は省略した。図示のように、メインカラム200の下端部に第1固定プーリ410が設置される。第1固定プーリ410は支持プレート210の上側に結合される支持ブラケット411により回転可能に支持され得る。
【0058】
また、支持フレーム240の上端の結合フレーム250にカムユニット440が回転可能に設置される。カムユニット440は、例えば結合フレーム250を前後方向に貫通する回転軸により回転可能に支持され得る。
【0059】
図14に図示のように、カムユニット440は巻き取り半径が変化するように形成されるカム450と、カム450の一側にカム450と一体に回転するように設置される少なくとも一つ以上のカムプーリ460を含む。図面ではカム450の両側にそれぞれ一つずつ一対のカムプーリ460が結合された例を示している。カム450とカムプーリ460は一体に形成されることができ、他の例としては、カム450とカムプーリ460がそれぞれ別の部材で形成された後に一体に回転可能に結合されることもできる。
【0060】
図5を参照して説明したように、カム450は全体的にサブカラム300の昇降区間と対応する所定の角度区間内に螺旋形に形成された曲面452と、螺旋形曲面452の一端で回転軸方向に形成される直線面453を有する。また、直線面453の一側には第2ワイヤ480の他端が固定されるように凹溝455を有する第2ワイヤ固定部454が形成され、カム450の螺旋形曲面452には第2ワイヤ480を巻き取るための第1巻き取り溝456が形成される。
【0061】
また、カムプーリ460の外周面に沿って第2巻き取り溝461が形成され、カムプーリ460の一側に第3ワイヤ固定部462が形成される。第3ワイヤ固定部462には第3ワイヤ490の一端が結合され、そのため、カムプーリ460の回転時に第3ワイヤ490がカムプーリ460の第2巻き取り溝461に巻き取られる。
【0062】
再び図13を参照すると、カムユニット440の下部に一対の移動プーリ420が昇降および回転可能に設置される。例えば、「逆U」字形状の昇降ブラケット421の下端に一対の移動プーリ420の回転軸が結合され得る。
【0063】
この時、昇降ブラケット421の上端には第2ワイヤ480の一端が結合され、第2ワイヤ480の他端はカム450の第1巻き取り溝456を通過して第2ワイヤ固定部454に結合される。そのため、移動プーリ420の昇降時に第2ワイヤ480がカム450に巻かれたり緩められたりする。
【0064】
移動プーリ420の下部に第1固定プーリ410が設置される。一例として、第1固定プーリ410は支持プレート210の上側面に結合される「U」字形状の支持ブラケット411の上端に回転可能に支持され得る。
【0065】
第1固定プーリ410と一対の移動プーリ420の間に第1ワイヤ430が連結されるが、第1ワイヤ430の一端はメインカラム200の一側に結合され、他端は一対の移動プーリ420と第1固定プーリ410を経て第1サブカラム310の一側に結合される。
【0066】
このため、メインフレーム220の下段部の一側に第1固定具222が結合されて後方に突出し、一対の移動フレーム312を横切って固定具ブラケット315が結合され、固定具ブラケット315の中央に第2固定具316が結合されて後方に突出する。
【0067】
この時、第1ワイヤ430は一端が第1固定具222に結合され、他端は一対の移動プーリ420と第1固定プーリ410を経て第2固定具316に結合され、これによりメインカラム200とサブカラム300が第1ワイヤ430により連結される。
【0068】
第1固定プーリ410の一側に弾性部材470が設置される。本実施形態は弾性部材470として引張ばねを示しているが、これは一つの例であり、必要に応じてガスばねやトーションばねなど弾性力を提供する多様な形態の弾性部材470を適用することができる。
【0069】
弾性部材470は一対の第3ワイヤ490により一対のカムプーリ460とそれぞれ連結される。例えば、弾性部材470の上端に第3固定具471が設けられ、第3固定具471の両端にそれぞれ一つずつ一対の第3ワイヤ490の一端が結合され得る。第3ワイヤ490の他端はカムプーリ460の第2巻き取り溝461を通過して第3ワイヤ固定部462に結合され、そのため、カムプーリ460の回転時に第3ワイヤ490がカムプーリ460に巻き取られる。
【0070】
一方、本発明の第1実施形態によれば、第1サブカラム310と第2サブカラム320の昇降が連動してなるようにする連動機構を含み得、これについては図7図9を参照して説明する。
【0071】
図7図9を参照すると、第1サブカラム310の上端に第2固定プーリ500が回転可能に設置される。第2固定プーリ500は一対の移動フレーム312の上端を横切って設置される回転軸によって回転可能に支持され、第4ワイヤ510が第2固定プーリ500を経てメインカラム200と第2サブカラム320を連結する。
【0072】
この時、メインカラム200の下部に一対のメインフレーム220を横切って第4固定具223が結合され、この第4固定具223に第4ワイヤ510の一端が結合される。第4ワイヤ510の他端は第2サブカラム320の昇降プレート322の下端に結合された第5固定具325に結合される。
【0073】
この時、第2固定プーリ500には所定間隔で相互離隔して一対の巻き取り溝が形成され得、それぞれの巻き取り溝に一つずつ、一対の第4ワイヤ510が第2固定プーリ500を経てメインカラム200の第4固定具223と第2サブカラム320の第5固定具325にそれぞれ結合され得る。
【0074】
以下、本発明の第1実施形態によるX線撮影装置用伸縮カラム100の昇降作動について詳細に説明する。
【0075】
メインカラム200に対して第1サブカラム310と第2サブカラム320を最大に上昇させた状態でユーザが第2サブカラム320を下に押して下降させると、第2サブカラム320の昇降プレート322に一端が結合された第4ワイヤ510が第2固定プーリ500を押して第1サブカラム310の下降が行われる。第1サブカラム310の下降時に第1ワイヤ430により移動プーリ420が第1固定プーリ410方向に下降し、カム450に巻き取られていた第2ワイヤ480が緩められることによりカム450が回転し、カム450と共に回転するカムプーリ460が第3ワイヤ490を巻き取って弾性部材470を伸張させる。
【0076】
逆に、メインカラム200に対して第1サブカラム310と第2サブカラム320を最大に下降させた状態でユーザが第2サブカラム320を上側に上昇させると、第2サブカラム320と共に第1サブカラム310が上昇する。この時、弾性部材470の弾性回復力によってカムプーリ460に巻き取られていた第3ワイヤ490が緩められることによりカムプーリ460が回転する。そして、カムプーリ460とともにカム450が回転することにより第2ワイヤ480を巻き取って移動プーリ420を上昇させて、第1サブカラム310の上昇が行われる。
【0077】
この時、弾性部材470の弾性力は第1および第2サブカラム310,320の重量を補償してユーザが少ない力で容易に第1および第2サブカラム310,320を昇降させることができるようにする役割をする。また、弾性部材470の弾性力の変化時、カム450のトルクがカムプーリ460のトルクに対して反力トルクとして作用して、弾性部材470の弾性力と第1および第2サブカラム310,320の重量差を補償することについて前述した。
【0078】
なお、前述した実施形態の場合、第1サブカラム310の昇降に連動して第2サブカラム320が昇降する連動式伸縮カラムを例に挙げて説明した。しかし、本発明の第1実施形態によるカム450と弾性部材470を含む重量補償部400が、第2サブカラム320の昇降が完了した後に、次いで第1サブカラム310が昇降するか、第1サブカラム310の昇降が完了した後に、次いで第2サブカラム320が昇降するように構成される非連動式伸縮カラムにも適用することができる。
【0079】
図15ないし図26は本発明の第2実施形態によるX線撮影装置用伸縮カラムに関する図である。X線撮影装置用伸縮カラム1000は、メインカラム2000と、メインカラム2000に対して昇降可能に設置されるサブカラム3000と、サブカラム3000の重量を補償する重量補償部4000を含む。
【0080】
重量補償部4000は、メインカラム2000に設置される第1固定プーリ4100および移動プーリ4200と、メインカラム2000とサブカラム3000を連結する第1ワイヤ4300と、サブカラム3000の昇降高さに応じてワイヤの巻き取り半径が変化するカム4410と、カム4410の回転に応じて伸縮し、弾性力を提供する弾性部材4500を含む。
【0081】
メインカラム2000は移動式X線撮影装置のボディ(1,図1を参照)に垂直に設置され得、内部には多数のプーリとワイヤを含む重量補償部4000が設置されるように空間部が形成される。
【0082】
サブカラム3000はメインカラム2000の一側に昇降可能に設置される。一例として、メインカラム2000の一側にスライドレール(図示せず)が形成され、サブカラム3000にはスライドレールに沿って上下方向にスライド移動できるように多数のローラが設けられることができる。
【0083】
なお、端部にX線ソース(4,図1を参照)を有するアーム(3,図1を参照)がサブカラム3000の一側に昇降可能に設置されることができる。この時、アームは多段伸縮が可能に形成され得、重量補償部4000はX線ソースとアームを含むサブカラム3000の重量を補償する。
【0084】
重量補償部4000はメインカラム2000の上端部に回転可能に設置される第1固定プーリ4100と、第1固定プーリ4100の下部に離隔して昇降可能に設置される移動プーリ4200と、第1固定プーリ4100および移動プーリ4200を経てメインカラム2000とサブカラム3000を連結する第1ワイヤ4300を含み得る。
【0085】
この時、第1固定プーリ4100と移動プーリ4200および第1ワイヤ4300の個数は必要に応じて適宜選択することができる。また、一例として、第1ワイヤ4300は一端がメインカラム2000の上端に結合され、移動プーリ4200と第1固定プーリ4100の周囲に沿って複数回巻かれた後に他端がサブカラム3000に結合され得る。
【0086】
第1固定プーリ4100および移動プーリ4200を経て第1ワイヤ4300がメインカラム2000とサブカラム3000を連結することにより、メインカラム2000に対するサブカラム3000の昇降時に、移動プーリ4200が第1固定プーリ4100に対して昇降するようになる。
【0087】
この時、サブカラム3000の昇降はユーザによって手動で行われるが、重量補償部4000はサブカラム3000の重量にもかかわらず、少ない力でも容易にサブカラム3000を昇降させることができるようにする役割をする。
【0088】
このため、サブカラム3000に弾性力を提供する弾性部材4500がメインカラム2000の空間部に設置される。弾性部材4500は移動プーリ4200の昇降に応じて伸縮するように設置され、移動プーリ4200とともにサブカラム3000に弾性力を提供することによってサブカラム3000の重量を補償する。例えば、弾性部材4500により提供される弾性力がサブカラム3000の重量と平衡をなす場合、ユーザは少ない力でも容易にサブカラム3000を昇降させることができる。
【0089】
一方、サブカラム3000の昇降に応じて弾性部材4500から提供される弾性力が変化し得る。例えば、弾性部材4500として引張ばねが適用された場合、サブカラム3000を下げるほど引張ばねが次第に伸張して弾性力が増加し、そのため、ユーザがサブカラムを下げるために必要な力も次第に大きくなる。
【0090】
サブカラム3000の昇降高さの変化に関係なく、均一な力でサブカラム3000を昇降させることができるようにカムユニット4400が提供される。カムユニット4400は移動プーリ4200の昇降に連動して回転するように設置され得る。例えば、第2ワイヤ4600の一端が移動プーリ4200の一側に結合され、他端がカムユニット4400の一側に巻き取られ得る。この時、必要に応じて第2ワイヤ4600は弾性部材4500の一側に設置される第3固定プーリ4700を経てカムユニット4400の一側に巻き取られ得る。
【0091】
また、弾性部材4500はカムユニット4400の回転に連動して伸縮するように設置され得る。例えば、第3ワイヤ4800の一端が弾性部材4500に結合され、他端がカムユニット4400の他側に結合され得る。
【0092】
より詳細には、カムユニット4400は回転時に第2ワイヤ4600の巻き取り半径が変化するように形成されるカム4410と、カム4410の一側にカム4410と一体に回転するように設置され、第3ワイヤ4800が巻き取られるカムプーリ4430を含んでなる。
【0093】
この場合、サブカラム3000の上昇時に引張ばねが縮小されることにより第3ワイヤ4800が緩められるようにカムプーリ4430が回転する。そして、カムプーリ4430とともにカム4410が回転することによりカム4410に第2ワイヤ4600が巻き取られ、第2ワイヤ4600は移動プーリ4200を下へ引っ張る。
【0094】
逆に、サブカラム3000の下降時には移動プーリ4200が上昇し、第2ワイヤ4600が緩められるようにカム4410が回転する。そして、カム4410と共にカムプーリ4430が回転することによりカムプーリ4430に第3ワイヤ4800が巻き取られ、第3ワイヤ4800により引張ばねが伸張する。
【0095】
この時、カム4410は回転時に第2ワイヤ4600の巻き取り半径が変化するようにカムプロファイル(profile0)が形成される(図4を参照)。これは、弾性部材4500の伸縮に応じたカムプーリ4430のトルクと、移動プーリ4200の昇降に応じたカム4410のトルクが相互反力トルクとして作用するようにすることにより、サブカラム3000の高さに関係なく、均一な力でサブカラム3000を昇降させることができるようにするためである。例えば、カムプーリ4430の回転角度に応じた引張ばねのばね力とカムプーリ4430のトルクを計算し、これを補償するためのカム4410のトルクからカム4410の半径を算出し、カムプーリ4430の回転角度に応じたカムプロファイルを導き出すことができる。
【0096】
カム4410は円周方向に沿って一方向に行くほど半径が次第に大きくなる形状であり、全体的にサブカラム3000の昇降区間と対応する所定の角度区間内に螺旋形に形成された外周面と、螺旋形の外周面の終端に形成される直線面を有する。また、カム4410の螺旋形の外周面には第2ワイヤ4600を巻き取るための巻き取り溝(4420,図25を参照)が形成され、直線面の一側には第2ワイヤ4600を固定するための固定部が形成される。
【0097】
そのため、サブカラム3000の下降時に引張ばねが伸張してカムプーリ4430のトルクが増加する時、カム4410の第2ワイヤ4600の巻き取り半径は次第に増加してカム4410のトルクが増加する。この時、カム4410のトルクはカムプーリ4430のトルクに対して反力トルクとして作用して引張ばねの弾性力とサブカラム3000の重量差を補償し、ユーザはサブカラム3000の高さや引張ばねの伸張長さに関係なく、均一な力でサブカラム3000を昇降させることができる。
【0098】
X線撮影装置用伸縮カラム1000が、メインカラム2000と、メインカラム2000の一側に昇降可能に設置されるサブカラム3000と、メインカラム2000に設置されてサブカラム3000の重量を補償する重量補償部4000を含む点は図17ないし図21を参照するとより詳細に把握することができる。
【0099】
メインカラム2000の下端にはメインカラム2000を支持するための支持プレート2100が結合され、この支持プレート2100は移動式X線撮影装置のボディに結合され得る。
【0100】
メインカラム2000は、支持プレート2100の幅方向に所定間隔離隔して垂直に設置される一対のメインフレーム2200と、一対のメインフレーム2200の上端に結合される上端フレーム2300と、メインフレーム2200の後方に所定間隔離隔してメインフレーム2200と並んで設置される一対の支持フレーム2400を含む。
【0101】
メインフレーム2200はサブカラム3000の昇降方向を案内する役割をし、支持フレーム2400には重量補償部4000を構成する多数のプーリが設置される。
【0102】
サブカラム3000はメインカラム2000の一側に昇降可能に設置される第1サブカラム3100と、第1サブカラム3100の一側に昇降可能に設置される第2サブカラム3200を含んでなる。
【0103】
第1サブカラム3100はメインカラム2000の前面に昇降可能に設置されるが、一対のメインフレーム2200の前面に上下方向にそれぞれスライド移動可能に結合される一対のサブフレーム3110と、一対のサブフレーム3110の後方内側にサブフレーム3110と並んで設置される一対の移動フレーム3120を含む。この時、一対のサブフレーム3110と一対の移動フレーム3120は上端に結合されるカバーフレーム3130と下端に結合される下端フレーム3140により一体に結合される。
【0104】
第2サブカラム3200は第1サブカラム3100の前面に昇降可能に設置される。第2サブカラム3200は一対のサブフレーム3110の内側に上下方向にスライド移動可能にそれぞれ結合される一対の昇降フレーム3210と、一対の昇降フレーム3210の前面に結合されてサブフレーム3110の前方に配置される昇降プレート3220と、昇降プレート3220の前面に結合されるアーム支持ブラケット3230を含む。図面に示していないが、アーム支持ブラケット3230には多段伸縮が可能であり、端部にX線ソースが備えられるアームが結合され得る。
以下、図22図23を参照してメインカラム2000に対する第1サブカラム3100および第2サブカラム3200の昇降構造について詳細に説明する。
【0105】
図22に図示のように、第1サブカラム3100は一対の移動フレーム3120の外側に多数の第1ローラ3150が備えられ、この第1ローラ3150はメインカラム2000のメインフレーム2200の内側に形成される第1スライド溝2210にスライド移動可能に結合される。そのため、メインカラム2000に対する第1サブカラム3100の昇降時、移動フレーム3120の第1ローラ3150がメインフレーム2200の第1スライド溝2210に沿って移動するようになる。
【0106】
図23に図示のように、第2サブカラム3200は一対の昇降フレーム3210の外側に多数の第2ローラ3240が備えられ、この第2ローラ3240は第1サブカラム3100のサブフレーム3110の内側に形成される第2スライド溝3160にスライド移動可能に結合される。そのため、第1サブカラム3100に対する第2サブカラム3200の昇降時に、昇降フレーム3210の第2ローラ3240がサブフレーム3110の第2スライド溝3160に沿って移動するようになる。
【0107】
なお、図24に図示のように、メインカラム2000の支持フレーム2400の上端に第1固定プーリ4100とカムユニット4400が回転可能に設置される。この時、第1固定プーリ4100とカムユニット4400は同一軸線上に結合されるが、第1固定プーリ4100とカムユニット4400は相互独立して回転する。すなわち、カムユニット4400は例えばベアリング(図示せず)などによって第1固定プーリ4100の回転軸に回転が自在に結合される。
【0108】
図25に図示のように、カムユニット4400は巻き取り半径が変化するように形成されるカム4410と、カム4410の一側にカム4410と一体に回転するように設置される少なくとも一つ以上のカムプーリ4430を含む。カム4410とカムプーリ4430は一体に形成されることができ、他の例として、カム4410とカムプーリ4430がそれぞれ別個の部材で形成された後に一体に回転可能に結合されることもできる。
【0109】
再び図24を参照すると、第1固定プーリ4100とカムユニット4400の下部には複数の第1ガイドプーリ4900が回転軸によって回転可能に設置される。第1ガイドプーリ4900はカム4410に巻き取られるワイヤと、カムプーリ4430に巻き取られるワイヤの巻き取り方向を案内する役割をする。
【0110】
第1ガイドプーリ4900の下部に移動プーリ4200が昇降可能に設置され、移動プーリ4200の回転軸に「U」字形状のワイヤ固定ブラケット4210が結合される。
【0111】
移動プーリ4200の下部には第3固定プーリ4700が設置される。一例として、第3固定プーリ4700は支持フレーム2400の上側面に結合される第1支持ブラケット4710により回転可能に支持され得る。
【0112】
移動プーリ4200と第3固定プーリ4700の間には第2ガイドプーリ5000が第2支持ブラケット5100により回転可能に設置され得る。第2ガイドプーリ5000はワイヤ固定ブラケット4210に一端が結合されて第3固定プーリ4700を経て上向きに延びる第2ワイヤ4600の移動方向を案内する役割をする。
【0113】
第1固定プーリ4100と移動プーリ4200を経て第1ワイヤ4300がメインカラム2000と第1サブカラム3100を連結する。図24とともに図26を参照すると、第1ワイヤ4300の一端が固定具によってメインカラム2000の上端フレーム2300に結合され、他端は移動プーリ4200と第1固定プーリ4100に複数回巻かれた後に固定具により第1サブカラム3100の移動フレーム3120に結合される。そのため、第1サブカラム3100の昇降時に第1固定プーリ4100に対して移動プーリ4200が昇降するようになる。
【0114】
再び図24を参照すると、移動プーリ4200の昇降に連動してカムユニット4400が回転するように移動プーリ4200とカムユニット4400の間に第2ワイヤ4600が連結される。詳細には、第2ワイヤ4600の一端がワイヤ固定ブラケット4210に結合され、他端は第3固定プーリ4700を経てカム4410の巻き取り溝4420の一側に結合され、そのため、移動プーリ4200の昇降時に第2ワイヤ4600がカム4410に巻かれたり緩められたりする。
【0115】
また、カムプーリ4430と弾性部材4500が第3ワイヤ4800により連結されるが、第3ワイヤ4800の一端が弾性部材4500の上端に結合され、他端は上向きに延びてカムプーリ4430に巻き取られる。そのため、カム4410の回転時にカムプーリ4430がカム4410と共に一体に回転すると、それに連動して弾性部材4500が伸縮し得、弾性部材4500の伸縮に連動してカムプーリ4430とともにカム4410の回転が行われることもできる。
【0116】
なお、本発明の第2実施形態によれば、第1サブカラム3100の昇降に連動して第2サブカラム3200の昇降が行われるようにする連動機構を含み得、これについては図20図21を参照して説明する。
【0117】
図20図21を参照すると、第1サブカラム3100の上端に第4固定プーリ5200が回転可能に設置され、第4ワイヤ5300が第1サブカラム3100の第4固定プーリ5200を経てメインカラム2000と第2サブカラム3200を連結する。
【0118】
ここで、第4固定プーリ5200は第1サブカラム3100の昇降に連動して第2サブカラム3200が昇降する時、第1サブカラム3100に対する第2サブカラム3200のストローク比を決める役割をし、このために、例えば第4固定プーリ5200は互いに異なる2個の半径を有する2段半径プーリで構成されることができる。
【0119】
この時、第4ワイヤ5300の一端はメインカラム2000の下部の支持プレート2100の上側面に設置される固定ブラケット5400に結合され、他端は第1サブカラム3100の第4固定プーリ5200を経て第2サブカラム3200の昇降フレーム3210に結合される(図23を参照)。
【0120】
以下では、本発明の第2実施形態によるX線撮影装置用伸縮カラム1000の昇降作動について詳細に説明する。
【0121】
メインカラム2000に対して第1サブカラム3100と第2サブカラム3200を最大に上昇させた状態でユーザが第2サブカラム3200を下へ押して下降させると、第2サブカラム3200の昇降フレーム3210に一端が結合された第4ワイヤ5300が第4固定プーリ5200を押して第1サブカラム3100の下降が行われる。
【0122】
第1サブカラム3100の下降時に第1ワイヤ4300により移動プーリ4200が第1固定プーリ4100方向に上昇し、カム4410に巻き取られていた第2ワイヤ4600が緩められることによりカム4410が回転し、カム4410と共に回転するカムプーリ4430が第3ワイヤ4800を巻き取って弾性部材4500を伸張させる。
【0123】
逆に、メインカラム2000に対して第1サブカラム3100と第2サブカラム3200を最大に下降させた状態でユーザが第2サブカラム3200を上側に上昇させると、第1サブカラム3100と共に第2サブカラム3200が上昇し、カムプーリ4430に巻き取られていた第3ワイヤ4800が弾性部材の弾性力によって緩められることによりカムプーリ4430が回転する。この時、カムプーリ4430とともにカム4410が回転することにより第2ワイヤ4600を巻き取って移動プーリ4200を下降させる。
【0124】
この時、第1サブカラム3100の昇降に連動して昇降する第2サブカラム3200のストローク比は2段半径プーリで構成される第4固定プーリ5200により決定される。弾性部材4500の弾性力は第1および第2サブカラム3100,3200の重量を補償してユーザが少ない力で容易に第1および第2サブカラム3100,3200を下降させることができるようにする役割をする。
【0125】
また、弾性部材4500の弾性力の変化時に、カム4410のトルクがカムプーリ4430のトルクに対して反力トルクとして作用して、弾性部材4500の弾性力と第1および第2サブカラム3100,3200の重量差を補償することは前述した。
【0126】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の特許請求の範囲を外れることなく多様に変形して実施できると理解することができる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明のX線撮影装置用伸縮カラムによれば、別途の駆動源や重りなしで手動にて迅速かつ容易にカラムの長さが延長または短縮されることができる。
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【国際調査報告】