(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】物体検知方法及び物体検知装置
(51)【国際特許分類】
G06T 7/13 20170101AFI20240614BHJP
【FI】
G06T7/13
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579455
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2021102347
(87)【国際公開番号】W WO2022266996
(87)【国際公開日】2022-12-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523481997
【氏名又は名称】烟台創迹軟件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャー,シュージン
(72)【発明者】
【氏名】リー,シャン
(72)【発明者】
【氏名】シュー,グワン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,インゴフン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,イエ
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096BA03
5L096CA02
5L096DA01
5L096FA06
5L096FA16
5L096FA69
5L096MA07
(57)【要約】
物体検知方法は、物体を含む画像を取得する画像取得ステップと、矩形の第1検知枠を用いて、画像における物体を検知する第1検知ステップと、検知された物体に対応する非矩形の第2検知枠を設定する検知枠設定ステップと、第2検知枠を用いて物体を検知する第2検知ステップと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を含む画像を取得する画像取得ステップと、
矩形の第1検知枠を用いて、前記画像における前記物体を検知する第1検知ステップと、
検知された前記物体に対応する非矩形の第2検知枠を設定する検知枠設定ステップと、
前記第2検知枠を用いて前記物体を検知する第2検知ステップと、を含む物体検知方法。
【請求項2】
前記検知枠設定ステップは、
前記第1検知ステップで検知された前記物体に対し、複数の非矩形の検知枠を適用するステップと、
前記複数の非矩形の検知枠ごとの信頼度を取得するステップと、
前記複数の非矩形の検知枠のうち、前記信頼度が予め設定された閾値未満の検知枠を前記第2検知枠の候補から除外するステップと、を含む請求項1に記載の物体検知方法。
【請求項3】
前記検知枠設定ステップは、
前記信頼度が前記閾値以上の検知枠の中心座標を取得するステップと、
前記中心座標を用いて、前記物体の輪郭の検知を行うステップと、
前記検知枠と、前記物体の前記輪郭とを比較し、前記物体の前記輪郭の全てを含む検知枠を前記第2検知枠として設定するステップと、を含む請求項2に記載の物体検知方法。
【請求項4】
前記検知枠設定ステップは、前記物体に適用された前記複数の非矩形の検知枠を、前記物体の位置でクラスタリングし、同じクラスタ内の他の検知枠と傾きの異なる検知枠を前記第2検知枠の候補から除外するステップを含む請求項2に記載の物体検知方法。
【請求項5】
前記検知枠設定ステップは、前記画像を撮影した撮影装置の位置情報から、前記物体の傾きを推定し、推定される傾きと異なる傾きを有する非矩形の検知枠を前記第2検知枠の候補から除外するステップを含む請求項2に記載の物体検知方法。
【請求項6】
前記検知枠設定ステップは、
前記物体の輪郭の検知を行うステップと、
複数の非矩形の検知枠と、前記物体の前記輪郭とを比較し、前記物体の前記輪郭の全てを含む検知枠を前記第2検知枠として設定するステップと、を含む請求項1に記載の物体検知方法。
【請求項7】
前記検知枠設定ステップは、前記画像を撮影した撮影装置の位置情報から、前記物体の傾きを推定し、推定される傾きを有する非矩形の検知枠を前記第2検知枠として設定するステップを含む請求項1に記載の物体検知方法。
【請求項8】
前記検知枠設定ステップは、
前記第1検知ステップで検知された前記物体に対し、複数の非矩形の検知枠を適用するステップと、
前記複数の非矩形の検知枠ごとの信頼度を取得するステップと、
前記信頼度が最も高い検知枠を前記第2検知枠として設定するステップと、を含む請求項1に記載の物体検知方法。
【請求項9】
再検知であるか否かを判定するステップをさらに備え、
前記再検知である場合、前回の画像と今回の画像との差分領域について、前記第1検知ステップ、前記検知枠設定ステップ、及び前記第2検知ステップを実施する請求項1~8の何れか一項に記載の物体検知方法。
【請求項10】
前記第2検知枠は、平行四辺形又は台形である請求項1~9の何れか一項に記載の物体検知方法。
【請求項11】
物体を含む画像を取得する画像取得部と、
矩形の第1検知枠を用いて、前記画像における前記物体を検知する第1検知部と、
検知された前記物体に対応する非矩形の第2検知枠を設定する検知枠設定部と、
前記第2検知枠を用いて前記物体を検知する第2検知部と、を備える物体検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像から物体を検知する物体検知方法及び物体検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートリテール時代の到来に伴い、棚の位置、商品の数、又は商品の置き場所などの情報は小売り企業に対して重要なものとなっている。また、棚の商品の動向を把握することは、販売活動と経営方針を決定する上で大きな意味を持っている。棚の商品の動向を人間が当該棚に行かずに把握するためには、棚の商品を検知及び識別し、棚の商品陳列情報を精確に把握する必要がある。
【0003】
特許文献1には、商品の検知方法の一例が開示されている。特許文献1では、陳列商品の画像を取得し、画像の中の商品を検知し、各商品の空間位置関係に基づいて、各商品の画像を切り取って商品の分類を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第110738123号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、長方形又は正方形などの矩形の枠を用いて各商品の画像を切り取る構成となっている。しかしながら、商品の画像を取得する際の撮影角度などによっては、画像内の商品の外形が変形し、矩形ではなくなることがある。この場合は、切り取った画像に、検知すべき商品の一部が含まれないこと、又は検知すべき商品以外の画像が含まれることがあり、商品の検知精度が低下してしまう。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためのものであり、物体の検知精度を向上させることができる物体検知方法及び物体検知装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る物体検知方法は、物体を含む画像を取得する画像取得ステップと、矩形の第1検知枠を用いて、画像における物体を検知する第1検知ステップと、検知された物体に対応する非矩形の第2検知枠を設定する検知枠設定ステップと、第2検知枠を用いて物体を検知する第2検知ステップと、を含む。
本発明に係る物体検知装置は、物体を含む画像を取得する画像取得部と、矩形の第1検知枠を用いて、画像における物体を検知する第1検知部と、検知された物体に対応する非矩形の第2検知枠を設定する検知枠設定部と、第2検知枠を用いて物体を検知する第2検知部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の物体検知方法及び物体検知装置によれば、検知された物体に対応する非矩形の第2検知枠を用いて物体を検知することで、物体の検知精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る物体情報取得システムの概略構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る物体情報取得システムの制御ブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る物体情報取得処理のフローチャートである。
【
図4】撮影装置2で撮影された棚の正面画像の一例である。
【
図5】実施の形態1に係る物体検知処理のフローチャートである。
【
図6】実施の形態1に係る第1検知部による検知結果の一例である。
【
図7】実施の形態1に係る第2検知部による検知結果の一例である。
【
図8】実施の形態2に係る物体情報取得処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の物体検知方法及び物体検知装置について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る物体情報取得システム100の概略構成図である。本実施の形態の物体情報取得システム100は、スーパーマーケットなどの小売店舗で用いられるものであり、店舗内の棚Sに収容された商品である物体Pを自動的に検知及び識別し、棚Sに収容される物体Pの情報を取得するものである。物体情報取得システム100は、処理装置1と撮影装置2とからなる。処理装置1は、CPU及びメモリを備えるPC又はクラウド上のサーバなどである。撮影装置2は、店舗の天井又は壁に設置され、棚Sの正面の画像を撮影するカメラである。処理装置1と撮影装置2とは、有線又は無線で通信可能に接続される。撮影装置2で撮影された画像は、処理装置1に送信される。
【0012】
図2は、実施の形態1に係る物体情報取得システム100の制御ブロック図である。処理装置1は、画像から物体Pを検知する物体検知部10と、検知された物体Pを識別する物体識別部20と、記憶部30とを有する。物体検知部10及び物体識別部20は、CPUがプログラムを実行することによって実現される機能部である。又は、物体検知部10及び物体識別部20は、専用の処理回路によって実現されてもよい。
【0013】
物体検知部10は、画像取得部11と、第1検知部12と、検知枠設定部13と、第2検知部14とを有する。画像取得部11は、撮影装置2によって撮影された画像を取得し、第1検知部12へ送信する。第1検知部12は、ディープラーニングを用いたSSD(Single Shot Multibox Detector)などのアルゴリズムを用いて、取得した画像における物体Pを検知する。第1検知部12では、矩形の第1検知枠F1を用いて物体Pの検知が行われる。
【0014】
検知枠設定部13は、第1検知部12で検知された物体Pに対応する非矩形の第2検知枠F2を設定する。第2検知部14は、検知枠設定部13で設定された第2検知枠F2を用いて物体Pを検知し、検知結果を物体識別部20に送信する。
【0015】
物体識別部20は、棚情報及び商品情報に基づき、物体検知部10の第2検知部14で検知された画像に含まれる物体Pを識別する。物体識別部20では、既知の機械学習を用いたアルゴリズムによって物体Pの種類及び商品名が識別される。
【0016】
記憶部30は、例えば、RAM、ROM又はフラッシュメモリなどの揮発性又は不揮発性のメモリである。記憶部30は、物体検知部10及び物体識別部20で実行されるプログラム及びプログラムで用いられる各種パラメータ、並びに棚情報、商品情報、検知枠データ及び検知履歴などを記憶する。棚情報は、店舗内における各棚Sの場所、各棚Sに収容される商品のカテゴリ、各棚Sの段数及びサイズ、各棚Sにおける検知枠の数を含む。商品情報は、商品の種類及び名称などの識別情報を含む。検知枠データは、検知枠設定部13で設定される第2検知枠F2の候補となる複数の非矩形の検知枠のデータである。
【0017】
図3は、実施の形態1に係る物体情報取得処理のフローチャートである。本処理は、処理装置1により定期的に実行される。まず、システムの初期化が行われる(S1)。ここでは、物体情報取得処理の各パラメータに初期値が設定される。パラメータは、検知枠の数、棚の段ごとに検知可能な最大検知枠数、棚の最大段数、検知枠の種類などである。そして、撮影装置2によって、棚Sの正面の画像が撮影され、処理装置1の画像取得部11にて取得される(S2)。
【0018】
そして、物体検知部10にて、取得された画像に基づき物体検知処理が実行される(S3)。これにより、画像に含まれる複数の物体Pが検知される。物体検知処理により物体Pが検知されると、物体識別部20によって、物体識別処理が実行される(S4)。これにより、検知された物体Pが識別され、棚Sに収容される物体Pの情報を取得することができる。取得された物体Pの情報は、管理サーバ等に送信され、販売データの把握又は商品管理等に用いられる。
【0019】
続いて、本実施の形態の物体検知処理について説明する。
図4は、撮影装置2で撮影された棚Sの正面画像の一例である。ここで、一般的な物体検知のアルゴリズムでは、長方形又は正方形の矩形の検知枠を用いて物体検知が行われる。しかしながら、撮影装置2を天井又は壁の上方に設置し、上方から棚Sの画像を撮影した場合、
図4に示すように、画像内の物体Pの外形は矩形から変形してしまう。そこで、本実施の形態の物体検知処理では、物体を検知する検知枠を画像の変形に適した検知枠に設定した上で、画像の検知を行うものである。
【0020】
図5は、実施の形態1に係る物体検知処理のフローチャートである。本処理では、まず取得された画像に基づき、第1検知部12による第1検知が行われる(S31)。ここでは、矩形の第1検知枠F1を用いて物体Pが検知される。
図6は、実施の形態1に係る第1検知部12による検知結果の一例である。
【0021】
続いて、検知枠設定部13によって、検知された各物体Pに対し、記憶部30に記憶される複数の非矩形の検知枠が適用され、検知枠ごとの信頼度が取得される(S32)。複数の非矩形の検知枠の形状は、平行四辺形、台形、円形、又は楕円形などである。また、形状ごとに複数のサイズの枠を含む。そして、第1検知により検知された物体Pを含む矩形の第1検知枠F1の中心座標に、非矩形の検知枠の中心座標を一致させて、非矩形の検知枠の信頼度が取得される。検知枠ごとの信頼度は、物体Pに複数の非矩形の検知枠を適用した場合の、検知枠内の物体Pの面積の大きさ(物体Pと非矩形の検知枠との共通箇所の面積の大きさ)、又は検知枠内の物体P以外の面積の大きさ(物体Pと非矩形の検知枠との共通していない箇所の面積の大きさ)に基づき取得される。具体的には、検知枠内の物体Pの面積が大きいほど信頼度が高く、検知枠内の物体P以外の面積が小さいほど信頼度が高くなる。言い換えると、検知枠の面積に対する物体Pの面積の割合が高いほど信頼度が高くなる。
【0022】
続いて、検知枠設定部13は、複数の非矩形の検知枠のフィルタリングを行う(S33)。ここでは、複数の非矩形の検知枠のうち、予め設定された閾値よりも信頼度が低い検知枠を候補から除外する。そして、検知枠設定部13は、物体Pごとに、信頼度が閾値以上の複数の非矩形の検知枠の中心座標を取得する(S34)。検知枠設定部13は、取得した中心座標を用いて、画像における物体Pごとの輪郭検知を行い、物体Pの輪郭の位置情報を取得する(S35)。物体Pの輪郭検知には、エッジ検出などの既知の輪郭検知アルゴリズムが用いられる。ここでは、複数の非矩形の検知枠の中心座標ごとに物体Pの輪郭検知が行われる。なお、ステップS33で信頼度の低い検知枠をフィルタリングしていることにより、非矩形の検知枠の中心座標が物体Pの外部に位置し、物体Pの輪郭を検知できないという異常が発生することを抑制できる。
【0023】
検知枠設定部13は、非矩形の検知枠と、物体Pの輪郭とを比較する(S36)。そして、物体Pの輪郭の全てを含む非矩形の検知枠を第2検知枠F2として設定する(S37)。ステップS36及びステップS37は、物体Pごとに行われ、各物体Pに対応する第2検知枠F2が設定される。設定された第2検知枠F2の形状及び位置は、記憶部30に記憶される。ここで、物体Pの輪郭の全てを含む非矩形の検知枠が複数ある場合は、信頼度が最も高い検知枠を第2検知枠F2とする。信頼度は、上記のように検知枠の面積に対する物体Pの面積の割合に基づき求められる。また、信頼度が最も高い検知枠が複数ある場合は、何れか1つを選択して第2検知枠F2とする。この場合、重なり面積を計算する重複検知アルゴリズムを用い、お互いの重なり面積の割合が閾値以上であれば同じものであると判断し、1つのみを残してもよい。これにより、物体Pごとに最適な検知枠が選択される。
【0024】
そして、第2検知部14による第2検知を行う(S38)。第2検知では、設定された第2検知枠F2を用いて物体Pが検知される。
図7は、実施の形態1に係る第2検知部14による検知結果の一例である。
【0025】
図7に示すように、本実施の形態の物体検知処理を行うことで、物体Pの外形に沿った第2検知枠F2での物体Pの検知を行うことができる。これにより、撮影角度の影響などにより、画像における物体Pが変形した場合も、物体Pの一部が検知されなくなること、及び物体P以外の物体を検知することを抑制することができ、物体Pの検知精度を向上させることができる。特に、棚Sに収容された商品などの、密集して配置された物体Pについては、物体の外形に沿った検知枠を用いることで、精度が向上するとともに、検知速度も向上する。
【0026】
なお、物体検知処理においては、検知精度をさらに向上させるため、下記の処理を行ってもよい。
図4に示すように、棚Sにおける物体Pの位置によって、物体Pの変形、すなわち物体Pの傾きが異なる。例えば、棚Sの右側に配置される物体Pと、左側に配置される物体Pの傾きは異なる。そこで、検知枠設定部13は、ステップS33でフィルタリングされた複数の非矩形の検知枠を、物体Pの棚Sの位置でクラスタリングし、同じクラスタ内の他の検知枠と傾きの異なる検知枠をエラーとして検出し、候補から除外してもよい。又は、検知枠設定部13は、撮影装置2の位置情報から、物体Pの傾きを推定し、推定される傾きと異なる傾きを有する非矩形の検知枠をエラーとして検出し、候補から除外してもよい。さらに、検知枠設定部13は、棚情報に基づき、棚のサイズよりも大きい非矩形の検知枠をエラーとして検出し、候補から除外してもよい。
【0027】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る物体情報取得処理のフローチャートである。本実施の形態における物体情報取得システム100の構成は、実施の形態1と同じである。
【0028】
本実施の形態の物体情報取得処理においては、実施の形態1と同様に初期化(S1)及び画像の取得(S2)が実施される。そして、物体検知部10にて、検知履歴に基づき、今回の検知が再検知であるか否かが判断される(S11)。再検知とは、棚Sに対して過去に物体検知が行われ、棚Sの物体に対する第2検知枠F2が記憶されている場合である。今回の検知が再検知でない場合、すなわち最初の検知である場合は(S11:NO)、実施の形態1と同様に物体検知処理(S3)及び物体認識処理(S4)が実行される。
【0029】
一方、今回の検知が再検知である場合(S11:YES)、前回の検知時に撮影装置2で取得された画像と、今回、撮影装置2で撮影された画像との差分が取得される(S12)。そして、差分領域に対して、物体検知処理(S3)及び物体識別処理(S4)が実行される。すなわち、本実施の形態では、前回から変更があった領域についてのみ、物体Pの検知及び物体Pの識別を行い、その他の領域における物体Pの情報は前回と同じであるとされる。
【0030】
本実施の形態によると、変化のあった領域についてのみ、物体検知処理及び物体識別処理を行うことで、再検知の場合の処理負担の軽減及び処理速度の向上を実現することができる。
【0031】
以上が実施の形態の説明であるが、上記の実施の形態は変形及び組み合わせることが可能である。例えば、実施の形態1では、検知枠設定部13が
図5のステップS32~S36の処理を行って第2検知枠F2を設定したが、これに限定されるものではない。例えば、検知枠設定部13は、撮影装置2の位置情報から、物体Pの傾きを推定し、推定される傾きを有する非矩形の検知枠を第2検知枠F2として設定してもよい。又は、検知枠設定部13は、
図5のステップS32で取得した信頼度が最も高い検知枠を第2検知枠F2として設定してもよい。又は、検知枠設定部13は、第1検知部12により検知された物体Pの輪郭検知を行い、記憶部30に記憶された複数の非矩形の検知枠と、物体Pの輪郭とを比較し、物体Pの輪郭を含む検知枠を第2検知枠F2として設定してもよい。
【0032】
また、物体検知部10は、矩形の第1検知枠F1を第2検知枠F2の候補の一つとし、
図5のステップS32~S36の処理を行ってもよい。物体検知部10は、第1検知枠F1が物体Pの輪郭を全て含み、非矩形の検知枠よりも信頼度が高い場合は、第1検知枠F1を第2検知枠F2とする。又は、物体検知部10は、第1検知枠F1とは異なる大きさの矩形の検知枠を第2検知枠F2の候補とし、
図5のステップS32~S36の処理を行ってもよい。
【0033】
また、上記の実施の形態は、小売店の店舗の棚Sの画像から商品である物体Pを検知するものであるが、これに限定されるものではなく、複数の物体を含む画像から物体を検知する方法に適用することができる。
【0034】
さらに、上記の実施の形態では、処理装置1が物体検知部10と物体識別部20とを有する構成としたが、物体検知部10を有する物体検知装置と、物体識別部20を有する物体識別装置とを別体で構成してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 処理装置、2 撮影装置、10 物体検知部、11 画像取得部、12 第1検知部、13 検知枠設定部、14 第2検知部、20 物体識別部、30 記憶部、100 物体情報取得システム、F1 第1検知枠、F2 第2検知枠、P 物体、S 棚。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明に係る物体検知方法は、物体を含む画像を取得する画像取得ステップと、矩形の第1検知枠を用いて、画像における物体を検知する第1検知ステップと、検知された物体に対応する非矩形の第2検知枠を設定する検知枠設定ステップと、第2検知枠を用いて物体を検知する第2検知ステップと、を含み、検知枠設定ステップは、物体の輪郭の検知を行うステップと、複数の非矩形の検知枠と、物体の輪郭とを比較し、物体の輪郭の全てを含む検知枠を第2検知枠として設定するステップと、を含む。
本発明に係る物体検知装置は、物体を含む画像を取得する画像取得部と、矩形の第1検知枠を用いて、画像における物体を検知する第1検知部と、検知された物体に対応する非矩形の第2検知枠を設定する検知枠設定部と、第2検知枠を用いて物体を検知する第2検知部と、を備え、検知枠設定部は、物体の輪郭の検知を行い、複数の非矩形の検知枠と、物体の輪郭とを比較し、物体の輪郭の全てを含む検知枠を第2検知枠として設定する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を含む画像を取得する画像取得ステップと、
矩形の第1検知枠を用いて、前記画像における前記物体を検知する第1検知ステップと、
検知された前記物体に対応する非矩形の第2検知枠を設定する検知枠設定ステップと、
前記第2検知枠を用いて前記物体を検知する第2検知ステップと、を含
み、
前記検知枠設定ステップは、
前記物体の輪郭の検知を行うステップと、
複数の非矩形の検知枠と、前記物体の前記輪郭とを比較し、前記物体の前記輪郭の全てを含む検知枠を前記第2検知枠として設定するステップと、を含む物体検知方法。
【請求項2】
前記物体の前記輪郭の全てを含む検知枠が複数ある場合は、信頼度が最も高い検知枠が前記第2検知枠として設定される請求項1に記載の物体検知方法。
【請求項3】
前記検知枠設定ステップは、
前記第1検知ステップで検知された前記物体に対し、
前記複数の非矩形の検知枠を適用するステップと、
前記複数の非矩形の検知枠ごとの信頼度を取得するステップと、
前記複数の非矩形の検知枠のうち、前記信頼度が予め設定された閾値未満の検知枠を前記第2検知枠の候補から除外するステップと、を含む請求項1に記載の物体検知方法。
【請求項4】
前記信頼度は、前記検知枠の面積に対する前記物体の面積の割合が高いほど高く設定される請求項2又は3に記載の検知方法。
【請求項5】
前記検知枠設定ステップは、前記物体に適用された前記複数の非矩形の検知枠を、前記物体の位置でクラスタリングし、同じクラスタ内の他の検知枠と傾きの異なる検知枠を前記第2検知枠の候補から除外するステップを含む請求項
3に記載の物体検知方法。
【請求項6】
前記検知枠設定ステップは、前記画像を撮影した撮影装置の位置情報から、前記物体の傾きを推定し、推定される傾きと異なる傾きを有する非矩形の検知枠を前記第2検知枠の候補から除外するステップを含む請求項
3に記載の物体検知方法。
【請求項7】
再検知であるか否かを判定するステップをさらに備え、
前記再検知である場合、前回の画像と今回の画像との差分領域について、前記第1検知ステップ、前記検知枠設定ステップ、及び前記第2検知ステップを実施する請求項1~
6の何れか一項に記載の物体検知方法。
【請求項8】
前記第2検知枠は、平行四辺形又は台形である請求項1~
7の何れか一項に記載の物体検知方法。
【請求項9】
物体を含む画像を取得する画像取得部と、
矩形の第1検知枠を用いて、前記画像における前記物体を検知する第1検知部と、
検知された前記物体に対応する非矩形の第2検知枠を設定する検知枠設定部と、
前記第2検知枠を用いて前記物体を検知する第2検知部と、を備え
、
前記検知枠設定部は、
前記物体の輪郭の検知を行い、
複数の非矩形の検知枠と、前記物体の前記輪郭とを比較し、前記物体の前記輪郭の全てを含む検知枠を前記第2検知枠として設定する物体検知装置。
【国際調査報告】