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▶ サーナオミクス インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】製造物および組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20240614BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240614BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20240614BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240614BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240614BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20240614BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
A61K45/00
A61P3/06
A61P9/10 101
A61P9/10
A61P9/00
A61P1/18
A61K31/713
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579479
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022034965
(87)【国際公開番号】W WO2022272108
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/214,608
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/318,287
(32)【優先日】2022-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509127310
【氏名又は名称】サーナオミクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サマルスキー, ドミトリー
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA361
4C084ZA451
4C084ZA661
4C084ZC331
4C084ZC332
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA45
4C086ZA66
4C086ZC33
4C086ZC75
(57)【要約】
核酸製造物および組成物ならびにそれらの使用が提供される。特に、APOC3遺伝子発現を調節するか、それに干渉するか、またはそれを阻害する核酸製造物が、提供される。その製造物は、APOC3遺伝子から転写されたRNAの少なくとも一部分と少なくとも部分的に相補的である少なくとも第1の核酸塩基配列を有する、連結性ヌクレオシドの少なくとも第1の領域を含むオリゴマー化合物であり得、前記第1の核酸塩基配列が以下の配列:配列番号1~39またはその一部分から選択される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
APOC3の発現を阻害する能力があるオリゴマー化合物であって、前記化合物が、APOC3遺伝子から転写されたRNAの少なくとも一部分と少なくとも部分的に相補的である少なくとも第1の核酸塩基配列を有する連結性ヌクレオシドの少なくとも第1の領域を含み、前記第1の核酸塩基配列が、表1aおよび2aの配列(配列番号1~391)またはその一部分から選択され、前記一部分が、好ましくは、少なくとも18ヌクレオチドの長さを有する、オリゴマー化合物。
【請求項2】
前記第1の核酸塩基配列と少なくとも部分的に相補的である少なくとも第2の核酸塩基配列を有する連結性ヌクレオシドの少なくとも第2の領域をさらに含み、表1cおよび2cの配列(配列番号401~791)またはその一部分から選択され、前記一部分が、好ましくは少なくとも8、9、10、または11ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも10ヌクレオチドの長さを有する、請求項1に記載のオリゴマー化合物。
【請求項3】
前記第1の核酸塩基配列が以下の配列:配列番号175、293、262、297、277、366、337、254、274、286、137、149、280、343、225、221、185、373、121、281、331、367、296、28、345、328、339、278、271、212、223、369、276、332、300、341、334、138、193、340、31、167、275、191、336、90、346、219、283、213、23、24、285、347、370、206、282、342、272、303、220、209、29、89、291、117、372、218、368、148、217、128、338、171、94、324、および299、またはその一部分から選択される、請求項1または2に記載のオリゴマー化合物。
【請求項4】
前記第2の核酸塩基配列が以下の配列:配列番号575、693、662、697、677、766、737、654、674、686、537、549、680、743、625、621、585、773、521、681、731、767、696、428、745、728、739、678、671、612、623、769、676、732、700、741、734、538、593、740、431、567、675、591、736、490、746、619、683、613、423、424、685、747、770、606、682、742、672、703、620、609、429、489、691、517、772、618、768、548、617、528、738、571、494、724、および699、またはその一部分から選択される、請求項3に記載のオリゴマー化合物。
【請求項5】
前記第1の核酸塩基配列が以下の配列:配列番号277、337、28、343、369、366、274、367、336、332、293、373、280、221、334、286、149、193、328、175、262、254、185、328、271、137、225、167、297、および191、またはその一部分から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項6】
前記第2の核酸塩基配列が以下の配列:配列番号677、737、428、743、769、766、674、767、736、732、693、773、680、621、734、686、549、593、728、575、662、654、585、728、671、537、625、567、697、および591、またはその一部分から選択される、請求項5に記載のオリゴマー化合物。
【請求項7】
前記第1の核酸塩基配列が、以下の配列:配列番号28、277、336、337、366、367、および369、またはその一部分から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項8】
前記第2の核酸塩基配列が以下の配列:配列番号428、677、736、737、766、767、および769、またはその一部分から選択される、請求項7に記載のオリゴマー化合物。
【請求項9】
前記連結性ヌクレオシドの第1の領域が、18~35個、好ましくは18~20個、より好ましくは18個または19個、さらにより好ましくは19個の連結性ヌクレオシドから本質的になる、請求項1から8のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項10】
前記連結性ヌクレオシドの第2の領域が、10~35個、好ましくは10~20個、より好ましくは10~16個、さらにより好ましくは10~15個の連結性ヌクレオシドから本質的になる、請求項2から9のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項11】
前記第2のヌクレオシド領域の少なくとも一部分と直接的または間接的に連結された前記第1のヌクレオシド領域の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの相補的二重鎖領域を含み、任意で前記二重鎖領域が、10~19個、12~19個、12~15個の塩基対、または14個の塩基対の長さを有し、前記二重鎖領域内に1つのミスマッチがあってもよい、請求項2から10のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項12】
前記第1および第2のヌクレオシド領域のそれぞれが、5’から3’への方向性を有し、それにより、それぞれ、その5’領域および3’領域を定義する、請求項11に記載のオリゴマー化合物。
【請求項13】
前記第1のヌクレオシド領域の5’領域が前記第2のヌクレオシド領域の3’領域と、例えば相補的塩基対形成により、直接的もしくは間接的に連結され、好ましくは、前記第1のヌクレオシド領域の5’末端ヌクレオシドが前記第2のヌクレオシド領域の3’末端ヌクレオシドと塩基対形成する、請求項12に記載のオリゴマー化合物。
【請求項14】
前記第1のヌクレオシド領域の3’領域が前記第2のヌクレオシド領域の5’領域と直接的または間接的に連結され、好ましくは、前記第1のヌクレオシド領域が、前記第2のヌクレオシド領域と、例えばホスフェート、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート(phosphorodithoate)により、直接的かつ共有結合性に連結されている、請求項12または13に記載のオリゴマー化合物。
【請求項15】
1つまたは複数のリガンドをさらに含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項16】
前記1つまたは複数のリガンドが、前記第2のヌクレオシド領域および/または前記第1のヌクレオシド領域とコンジュゲートされている、請求項15に記載のオリゴマー化合物。
【請求項17】
前記1つまたは複数のリガンドが、3’領域で、好ましくは第2のヌクレオシド領域および/もしくは第1のヌクレオシド領域の3’末端と、ならびに/または前記第2のヌクレオシド領域の5’末端とコンジュゲートされている、請求項12に従属する場合の請求項16に記載のオリゴマー化合物。
【請求項18】
前記1つまたは複数のリガンドが、細胞膜または細胞表面上の特定の標的に結合する脂質、炭水化物、アプタマー、ビタミン、および/またはペプチドなどの、細胞へ方向づける任意の部分である、請求項15から17のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項19】
前記1つまたは複数のリガンドが1つまたは複数の炭水化物を含む、請求項18に記載のオリゴマー化合物。
【請求項20】
前記1つまたは複数の炭水化物が、単糖、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖、または多糖であり得る、請求項19に記載のオリゴマー化合物。
【請求項21】
前記1つまたは複数の炭水化物が、1つまたは複数のヘキソース部分を含むかまたはそれからなる、請求項20に記載のオリゴマー化合物。
【請求項22】
前記1つまたは複数のヘキソース部分が、1つもしくは複数のガラクトース部分、1つもしくは複数のラクトース部分、1つもしくは複数のN-アセチル-ガラクトサミン部分、および/または1つもしくは複数のマンノース部分である、請求項21に記載のオリゴマー化合物。
【請求項23】
前記1つまたは複数の炭水化物が1つまたは複数のN-アセチル-ガラクトサミン部分を含む、請求項22に記載のオリゴマー化合物。
【請求項24】
2つまたは3つ、好ましくは3つのN-アセチル-ガラクトサミン部分を含む、請求項23に記載のオリゴマー化合物。
【請求項25】
前記1つまたは複数のリガンドが、前記オリゴマー化合物、好ましくはその第2のヌクレオシド領域に、直鎖状立体配置または分岐状立体配置で付着している、請求項15から24のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項26】
前記1つまたは複数のリガンドが、前記オリゴマー化合物に二分岐状または三分岐状立体配置として付着している、請求項25に記載のオリゴマー化合物。
【請求項27】
前記化合物が、前記連結性ヌクレオシドの第1の領域および前記連結性ヌクレオシドの第2の領域からなる、請求項1から26のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項28】
前記オリゴマー化合物が、前記第1および第2のヌクレオシド領域を含む一本鎖を含み、前記第1のヌクレオシド領域の少なくとも一部分が前記第2のヌクレオシド領域の少なくとも一部分と直接的または間接的に連結され、その結果、前記少なくとも部分的に相補的な二重鎖領域を形成する、請求項11に記載のオリゴマー化合物。
【請求項29】
前記第1のヌクレオシド領域が、第2のヌクレオシド領域と比較してより多い数の連結性ヌクレオシドを有し、それにより、第1のヌクレオシド領域の追加の数の連結性ヌクレオシドが、第1のヌクレオシド領域と第2のヌクレオシド領域を連結するヘアピンループを形成する、請求項28に記載のオリゴマー化合物。
【請求項30】
前記ヘアピンループが前記第1のヌクレオシド領域の3’領域に存在する、請求項12に従属する場合の請求項29に記載のオリゴマー化合物。
【請求項31】
前記ヘアピンループが4個または5個の連結性ヌクレオシドを含む、請求項29または30に記載のオリゴマー化合物。
【請求項32】
前記一本鎖が、配列番号792~803から、配列番号792、793、796、800、および803から、好ましくは配列番号796および803から選択される核酸塩基配列、または配列番号803の核酸塩基配列を有する、請求項28から31のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項33】
前記一本鎖が表3bから選択され、任意で、コンストラクトA28(14-4)mFまたはA277(12-5)のうちの1つである、請求項32に記載のオリゴマー化合物。
【請求項34】
ヌクレオシド間連結を含み、少なくとも1つのヌクレオシド間連結が修飾ヌクレオシド間連結である、請求項1から33のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項35】
前記修飾ヌクレオシド間連結が、ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結である、請求項34に記載のオリゴマー化合物。
【請求項36】
1~15個のホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結を含む、請求項35に記載のオリゴマー化合物。
【請求項37】
7個、8個、9個、または10個のホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結を含む、請求項36に記載のオリゴマー化合物。
【請求項38】
1個または複数のホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結を第1のヌクレオシド領域の5’領域に含む、請求項12に従属する場合の請求項35から37のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項39】
1個または複数のホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結を第2のヌクレオシド領域の5’領域に含む、請求項12に従属する場合の請求項35から38のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項40】
ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結を、ヘアピンループに存在するヌクレオチドの数に依存して、ヘアピンループの少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個、好ましくは少なくとも5個の隣接したヌクレオシドの間に含む、請求項29に従属する場合の請求項35から39のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項41】
ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結を、前記ヘアピンループに存在する各隣接したヌクレオシドの間に含む、請求項40に記載のオリゴマー化合物。
【請求項42】
少なくとも1ヌクレオシドが修飾糖を含む、請求項1から41のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項43】
前記修飾糖が、2’修飾糖、ロックド核酸(LNA)糖、(S)-拘束性エチル二環式核酸糖、トリシクロ-DNA糖、モルホリノ、アンロックド核酸(UNA)糖、およびグリコール核酸(GNA)糖から選択される、請求項42に記載のオリゴマー化合物。
【請求項44】
前記2’修飾糖が、2’-O-メチル修飾糖、2’-O-メトキシエチル修飾糖、2’-F修飾糖、2’-アラビノ-フルオロ修飾糖、2’-O-ベンジル修飾糖、および2’-O-メチル-4-ピリジン修飾糖から選択される、請求項43に記載のオリゴマー化合物。
【請求項45】
少なくとも1つの修飾糖が、2’-O-メチル修飾糖である、請求項44に記載のオリゴマー化合物。
【請求項46】
少なくとも1つの修飾糖が、2’-F修飾糖である、請求項44または45に記載のオリゴマー化合物。
【請求項47】
糖がリボースである、請求項45または46に記載のオリゴマー化合物。
【請求項48】
第1のヌクレオシド領域の5’領域の最初のヌクレオシドから下流への2位および14位のいずれかにおけるヌクレオシドの糖が、2’-O-メチル修飾を含有しない、請求項12に従属する場合の請求項45から47のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項49】
第1のヌクレオシド領域の5’領域の最初のヌクレオシドから下流への9~11位のいずれかにおける第1のヌクレオシド領域のヌクレオシドのいずれかに位置が対応する、第2のヌクレオシド領域のヌクレオシドの糖が、2つもしくは1つの2’-O-メチル修飾を含有するか、または2’-O-メチル修飾を含有しない、請求項12に従属する場合の請求項45から48のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項50】
第1のヌクレオシド領域の5’領域の最初のヌクレオシドから下流への2位および14位のいずれかにおけるヌクレオシドの糖が、2’-F修飾を含有する、請求項49に記載のオリゴマー化合物。
【請求項51】
第1のヌクレオシド領域の5’領域の最初のヌクレオシドから下流への9~11位のいずれかにおける第1のヌクレオシド領域のヌクレオシドの1個、2個、またはいずれかに位置が対応する、第2のヌクレオシド領域のヌクレオシドの糖が、2’-F修飾を含有する、請求項49または50に記載のオリゴマー化合物。
【請求項52】
第2のヌクレオシド領域の3’末端位置が2’-F修飾を含有する、請求項50または51に記載のオリゴマー化合物。
【請求項53】
第1のヌクレオシド領域の5’領域から始まる奇数番号のヌクレオシドのうちの1個もしくは複数が修飾され、および/または第1のヌクレオシド領域の5’領域から始まる偶数番号のヌクレオチドのうちの1個もしくは複数が修飾され、典型的には、偶数番号のヌクレオチドの修飾が奇数番号のヌクレオチドの修飾とは異なる第2の修飾である、請求項12に従属する場合の請求項47から52のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項54】
第2のヌクレオシド領域の3’領域から始まる奇数番号のヌクレオシドのうちの1個または複数が、第1のヌクレオシド領域の奇数番号のヌクレオシドの修飾とは異なる修飾によって修飾されている、請求項53に記載のオリゴマー化合物。
【請求項55】
第2のヌクレオシド領域の3’領域から始まる偶数番号のヌクレオシドのうちの1個または複数が、請求項54に記載の第1のヌクレオシド領域の偶数番号のヌクレオシドの修飾とは異なる修飾によって修飾されている、請求項53または54に記載のオリゴマー化合物。
【請求項56】
第1のヌクレオシド領域の修飾された偶数番号のヌクレオシドのうちの少なくとも1個または複数が、第1のヌクレオシド領域の、異なって修飾された奇数番号のヌクレオシドのうちの少なくとも1個または複数と隣接している、請求項53から55のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項57】
第2のヌクレオシド領域の修飾された偶数番号のヌクレオシドのうちの少なくとも1個または複数が、第2のヌクレオシド領域の、異なって修飾された奇数番号のヌクレオシドのうちの少なくとも1個または複数と隣接している、請求項53から56のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項58】
第1のヌクレオシド領域の5’領域から始まる奇数番号のヌクレオシドのうちの1個または複数の糖が2’-O-メチル修飾糖である、請求項53から57のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項59】
第1のヌクレオシド領域の5’領域から始まる偶数番号のヌクレオシドのうちの1個または複数が2’-F修飾糖である、請求項53から58のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項60】
第2のヌクレオシド領域の3’領域から始まる奇数番号のヌクレオシドのうちの1個または複数の糖が2’-F修飾糖である、請求項53から59のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項61】
第2のヌクレオシド領域の3’領域から始まる偶数番号のヌクレオシドのうちの1個または複数が2’-O-メチル修飾糖である、請求項53から61のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項62】
第1のヌクレオシド領域の複数の隣接したヌクレオシドの糖が共通の修飾により修飾されている、請求項42から61のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項63】
第2のヌクレオシド領域の複数の隣接したヌクレオシドの糖が共通の修飾により修飾されている、請求項42から62のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項64】
ヘアピンループの複数の隣接したヌクレオシドの糖が共通の修飾により修飾されている、請求項29に従属する場合の請求項53から63のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項65】
前記共通の修飾が2’-F修飾糖である、請求項62から64のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項66】
前記共通の修飾が2’-O-メチル修飾糖である、請求項62から64のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項67】
前記複数の隣接した2’-O-メチル修飾糖が、前記第1および/または第2のヌクレオシド領域の少なくとも8個の隣接したヌクレオシドに存在する、請求項66に記載のオリゴマー化合物。
【請求項68】
前記複数の隣接した2’-O-メチル修飾糖が、前記ヘアピンループの3個または4個の隣接したヌクレオシドに存在する、請求項66に記載のオリゴマー化合物。
【請求項69】
前記ヘアピンループが、修飾糖を有する少なくとも1ヌクレオシドを含む、請求項29に従属する場合の請求項42に記載のオリゴマー化合物。
【請求項70】
前記少なくとも1ヌクレオシドが、異なって修飾された糖を有するヌクレオシドと隣接している、請求項69に記載のオリゴマー化合物。
【請求項71】
前記修飾糖が2’-O-メチル修飾糖であり、前記異なって修飾された糖が2’-F修飾糖である、請求項70に記載のオリゴマー化合物。
【請求項72】
非修飾糖部分を有する1個または複数のヌクレオシドを含む、請求項1から71のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項73】
前記非修飾糖が第2のヌクレオシド領域の5’領域に存在する、請求項72に記載のオリゴマー化合物。
【請求項74】
前記非修飾糖がヘアピンループに存在する、請求項29に従属する場合の請求項72または73に記載のオリゴマー化合物。
【請求項75】
第1のヌクレオシド領域および/もしくは第2のヌクレオシド領域の1個もしくは複数のヌクレオシドが逆位ヌクレオシドであり、かつその糖の3’炭素および隣接したヌクレオシドの糖の3’炭素を介して、隣接したヌクレオシドに付着しており、ならびに/または第1のヌクレオシド領域および/もしくは第2のヌクレオシド領域の1個もしくは複数のヌクレオシドが逆位ヌクレオシドであり、かつその糖の5’炭素および隣接したヌクレオシドの糖の5’炭素を介して、隣接したヌクレオシドに付着している、請求項1から74のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項76】
平滑末端化されている、請求項1から75のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項77】
第1または第2のヌクレオシド領域がオーバーハングを有する、請求項1から75のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項78】
連結性ヌクレオチドの第1の領域が表1bまたは表2bから、好ましくは請求項3、5、または7のいずれか一項に記載の核酸塩基配列を有する表1bのエントリーから選択される、請求項1から77のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項79】
連結性ヌクレオチドの第2の領域が表1dまたは表2dから、好ましくは請求項4、6、または8のいずれか一項に記載の核酸塩基配列を有する表1bのエントリーから選択される、請求項1から78のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項80】
請求項1から79のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物および生理的に許容される添加物を含む組成物。
【請求項81】
請求項1から79のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物を含む薬学的組成物。
【請求項82】
薬学的に許容される添加物、希釈剤、抗酸化剤、および/または防腐剤をさらに含む、請求項81に記載の薬学的組成物。
【請求項83】
前記オリゴマー化合物が唯一の薬学的活性薬剤である、請求項81または82に記載の薬学的組成物。
【請求項84】
前記薬学的組成物が、スタチン不耐性である患者または個体および/またはスタチンが禁忌である患者または個体に投与される、請求項83に記載の薬学的組成物。
【請求項85】
前記薬学的組成物が1つまたは複数のさらなる薬学的活性薬剤をさらに含む、請求項81または82に記載の薬学的組成物。
【請求項86】
1つ以上の前記さらなる薬学的活性薬剤が、APOC3とは異なる標的、好ましくはPCSK9;Vascepa;Vupanorsen;ロスバスタチンおよびシンバスタチンなどのスタチン;フェノフィブレートなどのフィブレート;ならびに/またはスタチンおよびエゼチミブなどのLDL-コレステロール低下性化合物に方向づけられているさらなるオリゴマー化合物である、請求項85に記載の薬学的組成物。
【請求項87】
前記オリゴマー化合物および前記さらなる薬学的活性薬剤が同時にまたは任意の順番で投与される、請求項85または86に記載の薬学的組成物。
【請求項88】
ヒトまたは動物の医学または治療における使用のための、請求項1から79のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項89】
疾患または障害を治療し、寛解させ、および/または防止する方法における使用のための、請求項1から79のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項90】
前記疾患または障害が、APOC3関連疾患もしくは障害、またはAPOC3発現レベルの低下を必要とする疾患もしくは障害であり、前記疾患または障害が好ましくは、混合型脂質代謝異常を含む脂質代謝異常;家族性高カイロミクロン血症を含む高カイロミクロン血症;高トリグリセリド血症、好ましくは重度高トリグリセリド血症および/または500mg/dlより上の血中トリグリセリドレベルを有する高トリグリセリド血症;軽度炎症を含む炎症;アテローム性動脈硬化症;心筋梗塞、脳卒中、および末梢動脈疾患などの主要有害心血管イベント(MACE)を含むアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD);ならびに急性膵炎を含む膵炎から選択される、請求項89に記載の使用のための化合物。
【請求項91】
請求項1から79のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物の、治療を必要としている個体への投与を含む、疾患または障害を治療する方法。
【請求項92】
オリゴマー化合物が個体に皮下投与または静脈内投与される、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
遺伝子機能分析ツールとしての研究における使用のための、請求項1から79のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物の使用。
【請求項94】
疾患または障害の治療のための医薬の製造における、請求項1から79のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
この出願は、2つの米国仮特許出願、2021年6月24日に出願された第63/214,608号、および2022年3月9日に出願された第63/318,287号の恩恵および優先権を主張し、その米国仮特許出願の内容は、全体として参照により本明細書に組み入れられている。
【0002】
アポリポタンパク質C3(APOC3)遺伝子発現を調節し、特にそれに干渉しまたはそれを阻害する核酸製造物および組成物、ならびにそれらの使用が提供される。具体的な実施形態は、動物においてAPOC3 mRNAおよびタンパク質の発現を低下させるための方法、化合物、および組成物を提供する。そのような方法、化合物、および組成物は、脂質代謝異常、高トリグリセリド血症、高カイロミクロン血症、およびアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)などのAPOC3関連障害を治療するか、防止するか、または寛解させるのに有用である。
【背景技術】
【0003】
トリグリセリドは、グリセロールの3つの脂肪酸とのエステルである。それらは、脂肪およびエネルギーの貯蔵としての役割を果たし、血流によって輸送される。血中トリグリセリドの過剰レベルは、様々な障害の原因物質またはバイスタンダーとして早くから認識されている。最近の証拠は、ASCVDおよびこの用語の下に包含されまたはそれに関連した障害において、部分的には、上昇したレベルのコレステロール(特に、LDLコレステロール)と合わせての、原因としての働きを示唆している。上昇したレベルのトリグリセリドと関連した障害のより包括的なリストは、下記でさらに開示された実施形態において示されている。
【0004】
アポリポタンパク質C3は、肝臓および小腸によって分泌される。それは、超低密度リポタンパク質(VLDL)およびカイロミクロンを含むトリグリセリドリッチなリポタンパク質に見出すことができる。それは、脂質異化反応、特にトリグリセリド異化反応の、ならびにVLDL、LDL、およびHDLリポタンパク質のクリアランスの負の制御に関与している。APOC3の分子機能は、リポタンパク質リパーゼおよび肝性リパーゼの阻害である。
【0005】
疾患
高トリグリセリド血症とも呼ばれる、異常な量の循環トリグリセリドは、とりわけ、そのような異常な量が、特にそれらが長期にわたって持続する場合には、心血管系の障害および/または炎症を伴い得るという事実に負っている、それ自体、認められた障害である。
【0006】
治療
確立された治療には、ロスバスタチンおよびシンバスタチンなどのスタチン、加えてフェノフィブレートなどのフィブレートの投与が挙げられる。しかしながら、スタチンは、副作用を引き起こす可能性があり、ある特定の患者はスタチン不耐性である。
【0007】
したがって、APOC3関連疾患を治療する治療の必要性が依然としてある。したがって、本発明者らは、そのような疾患の治療のための化合物、方法、および薬学的組成物を提供することを目指す。
【0008】
発現したmRNAを相補的に結合することができる二本鎖RNA(dsRNA)は、RNA干渉(RNAi)と名づけられている機構によって、遺伝子発現をブロックし得ることが示されている(Fireら、1998、Nature.1998年2月19日;391(6669):806~11、およびElbashirら、2001、Nature.2001年5月24日;411(6836):494~8)。短いdsRNAは、脊椎動物を含む多くの生物体において遺伝子特異的な転写後サイレンシングを命令し、遺伝子機能を研究するための有用なツールになっている。RNAiは、RNA誘導性サイレンシング複合体(RISC)、そのRISC複合体へ負荷されたサイレンシングトリガーと相同なメッセンジャーRNAを破壊する配列特異的な多成分性ヌクレアーゼによって、媒介される。siRNA、アンチセンスRNA、およびマイクロRNAなどの干渉RNA(iRNA)は、遺伝子サイレンシング、すなわち、タンパク質の遺伝子翻訳をmRNA分子の分解を通して阻害することにより、タンパク質の形成を妨げるオリゴヌクレオチドである。遺伝子サイレンシング剤は、医学における治療的適用としてますます重要になってきている。
【0009】
Journal of Pathology(2012;226巻、p365~379)におけるWattsおよびCoreyによれば、核酸サイレンシングトリガーを設計するために用いることができるアルゴリズムがあるが、これらの全てが、厄介な制限をもつ。アルゴリズムは、標的mRNAの三次構造またはRNA結合タンパク質の関与などの因子を考慮しないため、強力なsiRNAを同定するために様々な実験方法を要し得る。したがって、最小のオフターゲット効果を有する強力な核酸サイレンシングトリガーの発見は複雑な過程である。これらの高度に荷電した分子の医薬開発のために、それらは、経済的に合成され、標的組織へ分配され、細胞に侵入し、および毒性の許容限度内で機能し得ることが必要である。したがって、目的は、RNAiにより遺伝子発現を調節し、特に阻害するオリゴマー化合物を含む、本明細書に記載されているような血栓閉塞性疾患の治療のための化合物、方法、および薬学的組成物を提供することである。
【発明の概要】
【0010】
アポリポタンパク質C3(APOC3)遺伝子発現を調節し、特にそれに干渉しまたはそれを阻害する核酸製造物、および関連した治療的使用が提供される。具体的なオリゴマー化合物および配列は本明細書に記載されている。この概要は、下記の詳細な説明においてさらに記載されている簡略化された形を提供する。この概要は、主張された主題の重要な特徴または必須の特徴を特定することを意図するものではなく、主張された主題の範囲を決定するために用いられることを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1a】プライマリーヒト肝実質細胞における、候補に関するAPOC3リードの用量曲線を示す図である。
図1b】プライマリーヒト肝実質細胞における、ヒト化マウス研究関するAPOC3リードの用量曲線を示す図である。
図2】マウスへ用量を投与する時点および試料を採取するための時点を含むタイムラインを示す図である。
図3】対照動物と比較した場合の、APOC3ターゲティングmxRNAコンストラクトで治療された動物についての残存肝臓APOC3 mRNAおよび血漿中APOC3タンパク質レベルを示す図である。
図4】対照(PBS)と比較した場合の、APOC3ターゲティングmxRNAコンストラクトで治療された動物の血清中トリグリセリドおよび血清中の総コレステロールを示す図である。
図5a】対照動物と比較した場合の、APOC3ターゲティングmxRNAコンストラクト(10mg/kg)で治療された動物についての肝臓組織中の残存APOC3 mRNAの平均パーセントを示す図である。
図5b】対照動物と比較した場合の、APOC3ターゲティングmxRNAコンストラクト(10mg/kg)で治療された動物についてのELISAを用いて測定された血漿中APOC3タンパク質レベルを示す図である。
図6a】2週目および6週目における、対照動物と比較した場合の、APOC3ターゲティングmxRNAコンストラクトで治療された動物の血清中のトリグリセリド(TG)の平均パーセントを示す図である。
図6b】2週目および6週目における、対照動物と比較した場合の、APOC3ターゲティングmxRNAコンストラクトで治療された動物の血清中の総コレステロール(TC)レベルを示す図である。
図7】ヒト化肝臓を有するマウスにおける化合物A28(14-4)mF(STP125Gとも名づけられた)で実施された持続期間研究の図式的概観を示す図である。
図8a】対照群と治療群の間での持続期間研究に観察された場合の時間の関数としてのAPOC3 mRNAを示す図である。
図8b】対照群と治療群の間での持続期間研究に観察された場合の時間の関数としてのAPOC3タンパク質ノックダウンを示す図である。
図9a】対照群と治療群の間での時間の関数としての血清中トリグリセリドレベルを示す図である。
図9b】対照群と治療群の間での時間の関数としての血清中総コレステロールレベルを示す図である。
図10】持続期間研究に用いられたマウスのヒト化肝臓を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下は非限定的態様である:
態様1. APOC3の発現を阻害する能力があるオリゴマー化合物であって、前記化合物が、APOC3遺伝子から転写されたRNAの少なくとも一部分と少なくとも部分的に相補的である少なくとも第1の核酸塩基配列を有する連結性ヌクレオシドの少なくとも第1の領域を含み、前記第1の核酸塩基配列が、配列番号1~391の配列、またはその一部分から選択され、前記一部分が、好ましくは、少なくとも18ヌクレオチドの長さを有する、オリゴマー化合物。
【0013】
特に好ましい実施形態は、mxRNAに関する:さらなる詳細について、さらに下記の実施形態およびそれらの議論を参照されたい。
【0014】
加えて、本明細書に開示されたアンチセンスおよびセンス領域は、複数の標的へ方向づけられている化合物についてのビルディングブロックとしての役割を果たし得る。そのような化合物の一般的な構築は、WO2020/065602に記載されている。
【0015】
さらに、および下記でさらに開示されているように、開示された実施形態はまた、二本鎖RNA(dsRNA)に関する。センスおよびアンチセンスRNA鎖を接続するヘアピン様構造を有するmxRNAとは対照的に、dsRNAは、ヘアピンループを欠き、したがって、dsRNAは、2つの鎖を含む。
【0016】
態様2. 態様1に記載のオリゴマー化合物および生理的に許容される添加物を含む組成物。
態様3. 態様1に記載のオリゴマー化合物を含む薬学的組成物。
態様4. ヒトまたは動物の医学または治療における使用のための、態様1に記載のオリゴマー化合物。
態様5. 疾患または障害を治療する方法における使用のための、態様1に記載のオリゴマー化合物。
態様6. 態様1に記載のオリゴマー化合物の、治療を必要としている個体への投与を含む、疾患または障害を治療する方法。
態様7. 遺伝子機能分析ツールとしての研究における使用のための、態様1に記載のオリゴマー化合物の使用。
態様8. 疾患または障害の治療のための医薬の製造における、態様1に記載のオリゴマー化合物の使用。
【0017】
さらなる実施形態は、例としてのみ、下に記載されている。これらの例は、本出願人に現在、わかっている、開示された実施形態を実践する最良の方法を代表するが、それらは、これが達成され得る唯一の方法ではない。
【0018】
本明細書に記載されたベネフィットおよび利点が、1つの実施形態に関係する場合もあるし、いくつかの実施形態に関係する場合もあることは理解されているだろう。実施形態は、述べられた問題のいずれかもしくは全部を解決するもの、または述べられたベネフィットおよび利点のいずれかもしくは全部を有するものに限定されない。
【0019】
本明細書に記載されているような異なる態様および実施形態の特徴は、当業者に明らかであるように、必要に応じて、組み合わされてもよく、任意の他の態様と組み合わされてもよい。
【0020】
定義
以下の定義は、全体を通して開示された実施形態に関連する。多くの場合、定義は、それぞれの定義、それ自体に加えて、好ましい実施形態になる、可能な実行の非包括的なリストを提供する。
【0021】
特定の定義が提供されない限り、本明細書に記載された分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品的および薬学的化学に関連して用いられる命名法、ならびにそれらの手順および技術は、当技術分野において周知であり、かつ一般的に用いられるものである。標準技術が、化学合成および化学分析に用いられてもよい。ある特定のそのような技術および手順は、例えば、「Carbohydrate Modifications in Antisense Research」、SangviおよびCookによる編集、American Chemical Society、Washington D.C.、1994;「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、第21版、2005;ならびに「Antisense Drug Technology,Principles,Strategies,and Applications」、Stanley T.Crookeによる編集、CRC Press、Boca Raton、Florida;ならびにSambrookら、「Molecular Cloning,A laboratory Manual」、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989(それらは、目的に応じて参照により本明細書に組み入れられている)に見出すことができる。許可される場合、本開示を通して参照された全ての特許、出願、公開された出願、および他の刊行物、ならびに他のデータは、全体として参照により本明細書に組み入れられている。
【0022】
別途指示がない限り、以下の用語は以下の意味をもつ:
本明細書で用いられる場合、「添加物」は、オリゴマー化合物の送達に適している、本明細書に提供されているような組成物に加えられる任意の化合物または化合物の混合物を意味する。
【0023】
本明細書で用いられる場合、「ヌクレオシド」は、核酸塩基部分および糖部分を含む化合物を意味する。ヌクレオシドには、天然に存在するヌクレオシド(DNAおよびRNAに見出されるような)および修飾ヌクレオシドが挙げられるが、それらに限定されない。ヌクレオシドは、ホスフェート部分と連結されてもよく、ホスフェート連結性ヌクレオシドはまた、「ヌクレオチド」と呼ばれる。
【0024】
本明細書で用いられる場合、「化学修飾」または「化学修飾された」は、天然に存在する対応物と比較した場合、化合物における化学的差異を意味する。オリゴヌクレオチドの化学修飾には、ヌクレオシド修飾(糖部分修飾および核酸塩基修飾を含む)およびヌクレオシド間連結修飾が挙げられる。オリゴヌクレオチドに関して、化学修飾は、核酸塩基配列だけの差異を含まない。
【0025】
本明細書で用いられる場合、「フラノシル」は、4個の炭素原子および1個の酸素原子を含む5員環を含む構造を意味する。
【0026】
本明細書で用いられる場合、「天然に存在する糖部分」は、天然に存在するRNAに見出されるようなリボフラノシルまたは天然に存在するDNAに見出されるようなデオキシリボフラノシルを意味する。本明細書で言及される場合、「天然に存在する糖部分」はまた、「非修飾糖部分」とも名づけられる。特に、本明細書で言及される場合、そのような「天然に存在する糖部分」または「非修飾糖部分」は、糖部分の2’位に-H(DNA糖部分)または-OH(RNA糖部分)、特に糖部分の2’位に-H(DNA糖部分)を有する。
【0027】
本明細書で用いられる場合、「糖部分」は、ヌクレオシドの天然に存在する糖部分または修飾糖部分を意味する。本明細書で用いられる場合、「修飾糖部分」は、置換型糖部分または糖代替物を意味する。
【0028】
本明細書で用いられる場合、「置換型糖部分」は、置換されているフラノシルを意味する。置換型糖部分には、2’位、3’位、5’位、および/または4’位に置換基を含むフラノシルが挙げられるが、それらに限定されない。ある特定の置換型糖部分は二環式糖部分である。
【0029】
本明細書で用いられる場合、「2’置換型糖部分」は、2’位にHまたはOH以外の置換基を含むフラノシルを意味する。別途指示がない限り、2’置換型糖部分は、二環式糖部分ではない(すなわち、2’置換型糖部分の2’置換基は、フラノシル環の別の原子と架橋を形成しない)。
【0030】
本明細書で用いられる場合、「MOE」は-OCHCHOCHを意味する。
【0031】
本明細書で用いられる場合、「2’-Fヌクレオシド」は、2’位にフッ素を含む糖を含むヌクレオシドを指す。別途指示がない限り、2’-Fヌクレオシドにおけるフッ素は、リボ位置にある(天然リボースのOHを置き換える)。RNA鎖にハイブリダイズした、均一に修飾された2’-フッ化(リボ)オリゴヌクレオチドの二重鎖は、リボヌクレアーゼH基質ではないが、ara類似体はリボヌクレアーゼH活性を保持する。
【0032】
本明細書で用いられる場合、用語「糖代替物」は、フラノシルを含まず、かつヌクレオシドの天然に存在する糖部分を置き換える能力がある構造であって、その結果として、生じたヌクレオシドサブユニットが、一緒に連結しおよび/または他のヌクレオシドと連結して、相補的オリゴマー化合物とハイブリダイズする能力があるオリゴマー化合物を形成する能力がある、構造を意味する。そのような構造は、フラノシルとは異なる数の原子を含む環(例えば、4員環、6員環、または7員環);フラノシルの酸素の非酸素原子(例えば、炭素、硫黄、または窒素)での置き換え;または原子の数の変化と酸素の置き換えの両方を含む。そのような構造はまた、置換型糖部分について記載されたものに対応する置換(例えば、追加の置換基を含んでもよい、6員炭素環式の二環式糖代替物)を含んでもよい。糖代替物はまた、より複雑な糖置き換え(例えば、ペプチド核酸の非環系)を含む。糖代替物には、非限定的に、モルホリノ、シクロヘキセニル、およびシクロヘキシトールが挙げられる。
【0033】
本明細書で用いられる場合、「二環式糖部分」は、4~7員環の2個の原子を接続して、第2の環を形成して、結果として二環式構造を生じる架橋を含む4~7員環(例えば、フラノシルが挙げられるが、それに限定されない)を含む修飾糖部分を意味する。ある特定の実施形態において、4~7員環は、糖環である。ある特定の実施形態において、4~7員環はフラノシルである。ある特定のそのような実施形態において、架橋は、フラノシルの2’-炭素と4’-炭素を接続する。
【0034】
本明細書で用いられる場合、「ヌクレオチド」は、ホスフェート連結基をさらに含むヌクレオシドを意味する。本明細書で用いられる場合、「連結性ヌクレオシド」は、ホスフェート連結によって連結されていてもよいし、されていなくてもよく、したがって、それには、「連結性ヌクレオチド」が挙げられるが、それに限定されない。本明細書で用いられる場合、「連結性ヌクレオシド」は、連続的なひと続きで接続されているヌクレオシド(すなわち、連結されているそれらの間に追加のヌクレオシドが存在しない)である。
【0035】
本明細書で用いられる場合、「核酸塩基」は、糖部分と連結されて、オリゴヌクレオチドへの組込みの能力があるヌクレオシドを生じることができる原子群であって、前記原子群が、別のオリゴヌクレオチドまたは核酸の相補的な天然に存在する核酸塩基と結合し、より具体的には水素結合する能力がある、原子群を意味する。核酸塩基は、天然に存在してもよいし、修飾されていてもよい。
【0036】
本明細書で用いられる場合、用語「非修飾核酸塩基」または「天然に存在する核酸塩基」は、RNAまたはDNAの天然に存在する複素環式核酸塩基:プリン塩基アデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基チミン(T)、シトシン(C)(5-メチルCを含む)、およびウラシル(U)を意味する。
【0037】
本明細書で用いられる場合、「修飾核酸塩基」は、天然に存在する核酸塩基ではない任意の核酸塩基を意味する。
【0038】
本明細書で用いられる場合、「修飾ヌクレオシド」は、天然に存在するRNAまたはDNAヌクレオシドと比較して、少なくとも1つの化学修飾を含むヌクレオシドを意味する。修飾ヌクレオシドは、修飾糖部分および/または修飾核酸塩基を含み得る。
【0039】
本明細書で用いられる場合、「二環式ヌクレオシド」または「BNA」は、二環式糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0040】
本明細書で用いられる場合、「ロックド核酸ヌクレオシド」または「LNA」は、4’-CH-O-2’架橋を含む二環式糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0041】
本明細書で用いられる場合、「2’-置換型ヌクレオシド」は、糖部分の2’位に、HまたはOH以外の置換基を含むヌクレオシドを意味する。別途指示がない限り、2’-置換型ヌクレオシドは、二環式ヌクレオシドではない。
【0042】
本明細書で用いられる場合、「デオキシヌクレオシド」は、天然に存在するデオキシリボヌクレオシド(DNA)に見出されるような2’-Hフラノシル糖部分を含むヌクレオシドを意味する。ある特定の実施形態において、2’-デオキシヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含んでもよいし、またはRNA核酸塩基(例えば、ウラシル)を含んでもよい。
【0043】
本明細書で用いられる場合、「オリゴヌクレオチド」は、複数の連結性ヌクレオシドを含む化合物を意味する。ある特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つもしくは複数の非修飾リボヌクレオシド(RNA)および/もしくは非修飾デオキシリボヌクレオシド(DNA)ならびに/または1つもしくは複数の修飾ヌクレオシドを含む。
【0044】
本明細書で用いられる場合、「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの修飾ヌクレオシドおよび/または少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間連結を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0045】
好ましい修飾ヌクレオシド間連結は、天然に存在するホスホジエステルと比較して、増加した安定性を与えるものである。「安定性」は、特に、酵素触媒性加水分解を含む加水分解に対する安定性、エキソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼを含む酵素に対する安定性を意味する。
【0046】
そのような修飾ヌクレオシド間連結についての好ましい位置には、一本鎖オリゴマー化合物の末端およびヘアピンループが挙げられる。例えば、5’末端から数えて1番目と2番目のヌクレオシドおよび2番目と3番目のヌクレオシドを接続するヌクレオシド間連結、ならびに/または3’末端から数えて1番目と2番目のヌクレオシドおよび2番目と3番目のヌクレオシドを接続するヌクレオシド間連結が修飾されている。加えて、3’末端の末端ヌクレオシドをリガンド、例えばGalNAcと接続する連結が修飾されていてもよい。
【0047】
上記で論じられているように、好ましい位置は、前記一本鎖オリゴマー化合物のヘアピンループ内である。特に、ヘアピンループ内の全ての連結、1つを除く全ての連結、または連結の大部分が修飾されている。本明細書で用いられる場合、「ヘアピンループ内の連結」は、塩基対形成に関与しないヌクレオシドの間の連結を言う。例えば、5ヌクレオシドからなるヘアピンループにおいて、塩基対形成に関与しないヌクレオシドの間に4つの連結がある。好ましくは、用語「ヘアピンループ内の連結」はまた、ステムをループへ接続する連結、すなわち、塩基対形成ヌクレオシドを非塩基対形成ヌクレオシドへ接続する連結に及ぶ。一般的に、本明細書に記載されているようなヘアピンおよびmxRNAにおいて2つのそのような位置がある。
【0048】
最も好ましいのは、修飾ヌクレオシド間連結が、末端とヘアピンループ内の両方にあることである。本明細書で用いられる場合、「連結」または「連結基」は、2つ以上の他の原子群を一緒に連結する原子群を意味する。
【0049】
本明細書で用いられる場合、「ヌクレオシド間連結」は、オリゴヌクレオチドにおける隣接したヌクレオシドの間での共有結合性連結を意味する。
【0050】
本明細書で用いられる場合、「天然に存在するヌクレオシド間連結」は、3’から5’へのホスホジエステル連結を意味する。本明細書で用いられる場合、「修飾ヌクレオシド間連結」は、天然に存在するヌクレオシド間連結以外の任意のヌクレオシド間連結を意味する。特に、本明細書で言及される場合の「修飾ヌクレオシド間連結」は、ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結などの修飾リン連結基を含み得る。
【0051】
本明細書で用いられる場合、「末端のヌクレオシド間連結」は、オリゴヌクレオチドまたはその限定された領域の最後の2つのヌクレオシドの間の連結を意味する。
【0052】
本明細書で用いられる場合、「リン連結基」は、リン原子を含む連結基を意味し、ホスホジエステル連結基などの、天然に存在するRNAもしくはDNAに存在するような天然に存在するリン連結基、またはホスホロチオエートもしくはホスホロジチオエート連結基などの、天然に存在するRNAもしくはDNAに一般的には存在しない修飾リン連結基を含み得る。したがって、リン連結基には、非限定的に、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホネート、メチルホスホネート、ホスホラミダート、ホスホロチオアミダート、チオノアルキルホスホネート、ホスホトリエステル類、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェートを挙げることができる。
【0053】
本明細書で用いられる場合、「ヌクレオシド間リン連結基」は、2つのヌクレオシドを直接、連結するリン連結基を意味する。
【0054】
本明細書で用いられる場合、「オリゴマー化合物」は、2つ以上の下部構造を含むポリマー構造を意味する。ある特定の実施形態において、オリゴマー化合物は、修飾オリゴヌクレオチドなどのオリゴヌクレオチドを含む。ある特定の実施形態において、オリゴマー化合物は、1つまたは複数のコンジュゲート基および/または末端基および/またはリガンドをさらに含む。ある特定の実施形態において、オリゴマー化合物はオリゴヌクレオチドからなる。ある特定の実施形態において、オリゴマー化合物は、1つまたは複数の連結性モノマー糖部分の骨格を含み、各連結性モノマー糖部分が、複素環式塩基部分と直接的または間接的に付着している。ある特定の実施形態において、オリゴマー化合物はまた、複素環式塩基部分と連結されていないモノマー糖部分を含み、それにより、脱塩基性部位を提供し得る。オリゴマー化合物は、核酸塩基配列に関してのみ、すなわち、A、G、C、U(またはT)の配列を特定することにより、定義される場合がある。そのような場合、糖-ホスフェート骨格の構造は、特に制限されず、修飾糖および/または修飾ホスフェートを含んでもよいし、含まなくてもよい。他方、オリゴマー化合物は、より包括的に、すなわち、核酸塩基配列だけでなく、骨格の構造、特に、糖の修飾状態(非修飾型、2’-OMe修飾型、2’-F修飾型など)および/またはホスフェートの修飾状態も特定することにより、定義される場合がある。
【0055】
本明細書で用いられる場合、「末端基」は、オリゴヌクレオチドの3’末端かもしくは5’末端のいずれか、または両方に付着した1個または複数の原子を意味する。ある特定の実施形態において、末端基は、1つまたは複数の末端基ヌクレオシドを含む。
【0056】
本明細書で用いられる場合、「コンジュゲート」または「コンジュゲート基」は、オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物と結合した原子または原子群を意味する。ある特定の実施形態において、コンジュゲート基は、リガンドを修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物へ連結する。一般的に、コンジュゲート基は、それらが付着している化合物の1つまたは複数の性質を改変することができ、その性質には、薬力学的、薬物動態学的、結合、吸収、細胞分布、細胞取込み、電荷、および/またはクリアランスの性質が挙げられるが、それらに限定されない。
【0057】
本明細書で用いられる場合、コンジュゲート基の関連における「コンジュゲートリンカー」または「リンカー」は、任意の原子または原子群を含むコンジュゲート基の一部分を意味し、それは、オリゴヌクレオチドをコンジュゲート基の別の一部分へ共有結合性に連結する。ある特定の実施形態において、オリゴマー化合物上の付着点は、オリゴヌクレオチドの3’末端ヌクレオシドの3’-ヒドロキシル基の3’-酸素原子である。ある特定の実施形態において、オリゴマー化合物上の付着点は、オリゴヌクレオチドの5’末端ヌクレオシドの5’-ヒドロキシル基の5’-酸素原子である。ある特定の実施形態において、オリゴマー化合物への付着を形成するための結合は、切断可能な結合である。ある特定のそのような実施形態において、そのような切断可能な結合は、切断可能な部分の全部または一部を構成する。
【0058】
ある特定の実施形態において、コンジュゲート基は、切断可能な部分(例えば、切断可能な結合または切断可能なヌクレオシド)および1つまたは複数のリガンド、例えば炭水化物クラスター部、例えば、「GalNAc」とも呼ばれるN-アセチル-ガラクトサミンクラスター部を含み得るリガンド部を含む。ある特定の実施形態において、炭水化物クラスター部は、リガンドの数およびアイデンティティによって同定される。例えば、ある特定の実施形態において、炭水化物クラスター部は、2つのGalNAc基を含む。例えば、ある特定の実施形態において、炭水化物クラスター部は、3つのGalNAc基を含み、これは特に好ましい。ある特定の実施形態において、炭水化物クラスター部は4つのGalNAc基を含む。そのようなリガンド部は、オリゴマー化合物に、切断可能な部分、例えば切断可能な結合または切断可能なヌクレオシドを介して付着する。リガンドは、直鎖状または分岐状立体配置、例えば、二分岐状または三分岐状立体配置で配置され得る。「歯ブラシ」とも呼ばれる好ましい炭水化物クラスターは、以下の式を有する:
ただし、前記構造式において、1つ、2つ、または3つのホスホジエステル連結がまた、ホスホチオネート連結によって置換され得る。
【0059】
本明細書で用いられる場合、「切断可能な部分」は、生理的条件下で切断されることが可能である結合または基を意味する。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、細胞、またはエンドソームもしくはリソソームなどの細胞内コンパートメントの内側で切断される。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、ヌクレアーゼなどの内因性酵素によって切断される。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、1つ、2つ、3つ、4つ、または4つより多い切断可能な結合を有する原子群を含む。ある特定の実施形態において、切断可能な部分はホスホジエステル連結である。
【0060】
本明細書で用いられる場合、「切断可能な結合」は、破壊されることが可能である任意の化学結合を意味する。
【0061】
本明細書で用いられる場合、「炭水化物クラスター」は、リンカー基と付着した1個または複数の炭水化物残基を有する化合物を意味する。
【0062】
本明細書で用いられる場合、「修飾炭水化物」は、天然に存在する炭水化物と比べて、1つまたは複数の化学修飾を有する任意の炭水化物を意味する。
【0063】
本明細書で用いられる場合、「炭水化物誘導体」は、炭水化物を出発物質または中間体として用いて、合成され得る任意の化合物を意味する。
【0064】
本明細書で用いられる場合、「炭水化物」は、天然に存在する炭水化物、修飾炭水化物、または炭水化物誘導体を意味する。炭水化物は、炭素(C)、水素(H)、および酸素(O)原子を含む生体分子である。炭水化物には、単糖、二糖類、三糖類、四糖類、オリゴ糖類、または多糖類、例えば、1つもしくは複数のガラクトース部分、1つもしくは複数のラクトース部分、1つもしくは複数のN-アセチル-ガラクトサミン部分、および/または1つもしくは複数のマンノース部分を挙げることができる。特に好ましい炭水化物はN-アセチル-ガラクトサミンである。
【0065】
本明細書で用いられる場合、「鎖」は、連結性ヌクレオシドを含むオリゴマー化合物を意味する。
【0066】
本明細書で用いられる場合、「一本鎖」または「一本鎖の」は、その間に中断を含まず、連続的なひと続きで接続されている連結性ヌクレオシドを含むオリゴマー化合物を意味する。そのような一本鎖は、ヘアピン構造での安定な自己二重鎖を形成する能力があるように、十分な自己相補性の領域を含んでもよい。
【0067】
本明細書で用いられる場合、「ヘアピン」は、自己相補性で、かつ方向性が反対である、鎖における配列の間での塩基対形成により形成された二重鎖を含む一本鎖オリゴマー化合物を意味する。
【0068】
本明細書で用いられる場合、「ヘアピンループ」は、自己相補性配列のハイブリダイゼーションの結果として生成されるヘアピンにおける連結性ヌクレオシドの、対形成されていないループを意味する。生じた構造は、ループまたはU形のように見える。
【0069】
特に、shRNAとも表示される短いヘアピンRNAは、二重鎖領域、およびその二重鎖を形成する領域を接続するループを含む。ループを所有しない二重鎖領域の末端は、平滑末端化されている場合もあるし、または3’および/もしくは5’オーバーハングを所有する場合もある。平滑末端化コンストラクトが優先される。
【0070】
本明細書で用いられる場合、「方向性」は、糖部分の5’炭素によって定義される5’末端、および糖部分の3’炭素によって定義される3’末端があることを意味する、糖部分における炭素原子のナンバリングの化学的慣習に基づいた、オリゴヌクレオチドの末端から末端への化学的配向を意味する。二重鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドにおいて、それぞれの鎖は、それらの間で塩基対形成を可能にするように逆の5’から3’への方向で伸びている。
【0071】
本明細書で用いられる場合、「二重鎖」(または「dup」とも略される)は、その間で、非共有結合性で配列特異的な相互作用によって一緒にハイブリダイズした、オリゴヌクレオチドの2つ以上の相補的鎖領域または鎖を意味する。最も一般的には、二重鎖におけるハイブリダイゼーションは、核酸塩基アデニン(A)とチミン(T)および/もしくはアデニン(A)とウラシル(U)の間、ならびに/またはグアニン(G)とシトシン(C)の間である。二重鎖は、自己相補性がハイブリダイゼーションをもたらしている、一本鎖構造の一部である場合もあるし、または二本鎖コンストラクトにおけるそれぞれの鎖の間でのハイブリダイゼーションの結果としての場合もある。
【0072】
本明細書で用いられる場合、「二本鎖」または「二本鎖の」は、お互いにハイブリダイズしているオリゴマー化合物のペアを意味する。ある特定の実施形態において、二本鎖オリゴマー化合物は、第1および第2のオリゴマー化合物を含む。
【0073】
本明細書で用いられる場合、「発現」は、遺伝子が最終的にタンパク質を生じる過程を意味する。発現には、転写、転写後修飾(例えば、スプライシング、ポリアデニル化、5’-キャップの付加)、および翻訳が挙げられるが、それらに限定されない。
【0074】
本明細書で用いられる場合、「転写」または「転写された」は、DNAの標的配列が、酵素RNAポリメラーゼによってRNA(特に、mRNA)へ複写される、DNAに基づいた遺伝子発現のいくつかの工程の1番目を意味する。転写の間、DNA配列は、RNAポリメラーゼによって読まれ、そのRNAポリメラーゼが、一次転写産物と呼ばれる相補的な逆平行のRNA配列を産生する。
【0075】
本明細書で用いられる場合、「標的配列」は、オリゴマー化合物が、APOC3発現に関して所望の活性を生じるようにハイブリダイズすることを意図される配列を意味する。オリゴヌクレオチドは、生理的条件下でのハイブリダイゼーションを可能にし得る、それらの標的配列と十分な相補性を有する。
【0076】
本明細書で用いられる場合、核酸塩基に関する場合の「核酸塩基相補性」または「相補性」は、別の核酸塩基と塩基対形成する能力がある核酸塩基を意味する。例えば、DNAにおいて、アデニン(A)は、チミン(T)と相補的である。例えば、RNAにおいて、アデニン(A)は、ウラシル(U)と相補的である。DNAとRNAの両方において、グアニン(G)は、シトシン(C)と相補的である。ある特定の実施形態において、相補的核酸塩基は、それの標的配列の核酸塩基と塩基対形成する能力があるオリゴマー化合物の核酸塩基を意味する。例えば、オリゴマー化合物のある特定の位置における核酸塩基が標的配列のある特定の位置における核酸塩基と水素結合する能力があるならば、オリゴマー化合物と標的配列との間の水素結合の位置は、その核酸塩基対において相補的であると考えられる。ある特定の修飾を含む核酸塩基は、対応物の核酸塩基と対形成する能力を維持する場合があり、したがって、まだなお、核酸塩基相補性の能力がある。
【0077】
本明細書で用いられる場合、核酸塩基に関しての「非相補的な」は、お互いに水素結合を形成しない、核酸塩基のペアを意味する。
【0078】
本明細書で用いられる場合、オリゴマー化合物(例えば、連結性ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド)に関しての「相補的な」は、そのようなオリゴマー化合物またはその領域の、標的配列と、またはオリゴマー化合物それ自体の領域と、核酸塩基相補性を通して、ハイブリダイズする能力を意味する。
【0079】
相補的なオリゴマー化合物は、ヌクレオシドごとに核酸塩基相補性を有する必要はない。むしろ、いくつかのミスマッチが許容される。ある特定の実施形態において、相補的なオリゴマー化合物または領域は、核酸塩基の70%において相補的(70%相補的)である。ある特定の実施形態において、相補的なオリゴマー化合物または領域は、80%>相補的である。ある特定の実施形態において、相補的なオリゴマー化合物または領域は、90%>相補的である。ある特定の実施形態において、相補的なオリゴマー化合物または領域は、少なくとも95%相補的である。ある特定の実施形態において、相補的なオリゴマー化合物または領域は、100%相補的である。
【0080】
本明細書で用いられる場合、オリゴマー化合物に関しての「自己相補性」は、内部相補的鎖領域の核酸塩基ハイブリダイゼーションの結果として、それ自体の上で折り畳まれ、二重鎖を生じ得る化合物を意味する。その場合、鎖領域が、どれくらい一緒に接近し、および/またはどれくらい長いかに依存して、その化合物は、ヘアピンループ、ジャンクション、バルジ、または内部ループを形成し得る。
【0081】
本明細書で用いられる場合、「ミスマッチ」は、オリゴマー化合物と標的配列、および/またはオリゴマー化合物の自己相補的領域がアライメントされた場合、標的配列の対応する位置における、またはオリゴマー化合物が自己相補性の結果としてハイブリダイズする時のオリゴマー化合物自体の対応する位置における核酸塩基と対形成する能力がない、オリゴマー化合物の核酸塩基を意味する。
【0082】
本明細書で用いられる場合、「ハイブリダイゼーション」は、相補的なオリゴマー化合物(例えば、オリゴマー化合物とそれの標的配列)の対形成を意味する。特定の機構に限定されないが、対形成の最も一般的な機構は、相補的核酸塩基の間でのワトソン・クリック型、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン型の水素結合であり得る、水素結合を含む。
【0083】
本明細書で用いられる場合、「特異的にハイブリダイズする」は、オリゴマー化合物の、1つの核酸部位と、それが別の核酸部位とハイブリダイズするより高い親和性でハイブリダイズする能力を意味する。
【0084】
本明細書で用いられる場合、オリゴマー化合物またはその領域に関しての「完全に相補的な」は、オリゴマー化合物またはその領域の各核酸塩基が、相補的な核酸標的配列またはそのオリゴマー化合物の自己相補的な領域の核酸塩基と対形成する能力があることを意味する。したがって、完全に相補的なオリゴマー化合物またはその領域は、それの標的配列またはそのオリゴマー化合物の自己相補的な領域に対して、ミスマッチまたはハイブリダイズされない核酸塩基を含まない。
【0085】
本明細書で用いられる場合、「パーセント相補性」は、標的核酸の等しい長さの部分と相補的である、オリゴマー化合物の核酸塩基のパーセンテージを意味する。パーセント相補性は、標的核酸における対応する位置の核酸塩基に相補的であるオリゴマー化合物の核酸塩基の数を、オリゴマー化合物の全長で割ることにより、計算される。
【0086】
本明細書で用いられる場合、「パーセント同一性」は、第1の核酸における核酸塩基の総数で割られた、第2の核酸における対応する位置での核酸塩基と同じ型(化学修飾とは無関係)である第1の核酸における核酸塩基の数を意味する。
【0087】
本明細書で用いられる場合、「調節」は、調節前の分子、機能、または活性の量または質と比較した場合の分子、機能、または活性の量または質の変化を意味する。例えば、調節には、遺伝子発現における変化、増加(刺激または誘導)または減少(阻害または低下)が挙げられる。
【0088】
本明細書で用いられる場合、ヌクレオシドに関しての「修飾の型」または1つの「型」のヌクレオシドは、ヌクレオシドの化学修飾を意味し、修飾されたおよび修飾されていないヌクレオシドを含む。したがって、別途指示がない限り、「第1の型の修飾を有するヌクレオシド」は、修飾されていないヌクレオシドであってもよい。
【0089】
本明細書で用いられる場合、「異なって修飾された」は、修飾がないことを含む、お互いに異なる化学修飾または化学置換基を意味する。したがって、例えば、MOEヌクレオシドと非修飾の天然に存在するRNAヌクレオシドは、天然に存在するヌクレオシドが修飾されていないとは言え、「異なって修飾されている」。同様に、DNAオリゴヌクレオチドとRNAオリゴヌクレオチドは、両方が天然に存在する非修飾ヌクレオシドであるにしても、「異なって修飾されている」。異なる核酸塩基を含むことを除いて同じであるヌクレオシドは、異なって修飾されていない。例えば、2’-OMe修飾糖部分および非修飾アデニン核酸塩基を含むヌクレオシドと、2’-OMe修飾糖部分および非修飾チミン核酸塩基を含むヌクレオシドは、異なって修飾されていない。
【0090】
本明細書で用いられる場合、「同じ型の修飾」は、修飾がないことを含む、お互いと同じである修飾を指す。したがって、例えば、2つの非修飾RNAヌクレオシドは、そのRNAヌクレオシドが修飾されていないとは言え、「同じ型の修飾」を有する。同じ型の修飾を有するそのようなヌクレオシドは、異なる核酸塩基を含んでもよい。
【0091】
本明細書で用いられる場合、1つもしくは複数の「領域」、または1つもしくは複数の「一部分」は、特に特許請求の範囲および本明細書で提供されているような定義に関して、本明細書で定義されているような機能または特性を有する複数の連結性ヌクレオシドを意味する。典型的には、そのような領域または一部分は、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、または少なくとも13個の連結性ヌクレオシドを含む。例えば、そのような領域は、13~20個の連結性ヌクレオシド、例えば、13~16個または18~20個の連結性ヌクレオシドを含み得る。典型的には、本明細書で定義されているような第1の領域は、18~20ヌクレオシドから本質的になり、本明細書で定義されているような第2の領域は、13~16個の連結性ヌクレオシドから本質的になる。
【0092】
本明細書で用いられる場合、「薬学的に許容される担体または希釈剤」は、動物へ投与することにおける使用に適した任意の物質を意味する。ある特定の実施形態において、薬学的に許容される担体または希釈剤は滅菌食塩水である。ある特定の実施形態において、そのような滅菌食塩水は薬学的グレードの食塩水である。
【0093】
本明細書で用いられる場合、「置換基(substituent)」および「置換基(substituent group)」は、指定された親化合物の原子または基を置き換える原子または基を意味する。例えば、修飾ヌクレオシドの置換基は、天然に存在するヌクレオシドに見出される原子または基とは異なる任意の原子または基である(例えば、修飾2’-置換基は、HまたはOH以外のヌクレオシドの2’位における任意の原子または基である)。置換基は、保護され得、または無保護であり得る。ある特定の実施形態において、本開示の化合物は、親化合物の1つの位置または1つより多い位置に置換基を有する。置換基はまた、他の置換基とさらに置換されてもよく、直接的に、または酸素もしくはアルキル基もしくはヒドロカルビル基などの連結基を介して、親化合物に付着してもよい。
【0094】
そのような置換基は、糖部分上の修飾として存在し得、特に、置換基は、糖部分の2’位に存在する。別途指示がない限り、置換基としての使用に受け入れられる基には、非限定的に、ハロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、カルボキシル、アルコキシ、アルコキシアルキレン、およびアミノ置換基のうちの1つまたは複数が挙げられる。本明細書で記載されているようなある特定の置換基は、糖部分の環に直接的に付着した修飾(例えば、糖環へ直接的に付着したフルオロなどのハロ)、またはそれ自体、糖部分と直接的に連結されている酸素連結原子を経由して、糖部分の環と間接的に連結された修飾(例えば、酸素原子と連結された、メトキシエチレンなどのアルコキシアルキレン、全体としては、糖部分の2’位に付着した、本明細書に記載されているようなMOE置換基を提供する)を表し得る。
【0095】
本明細書で用いられる場合、「アルキル」は、飽和直鎖状または分岐状の一価C1~6炭化水素ラジカルを意味し、メチルが、糖部分の2’位における置換基として最も好ましいアルキルである。アルキル基は、典型的には、糖の2’位の酸素連結原子に付着し、したがって、全体として、本明細書に記載されているようなオリゴマー化合物の糖部分上に-OCH置換基などの-Oアルキル置換基を提供する。これは、当業者によってよく理解されているだろう。
【0096】
本明細書で用いられる場合、「アルキレン」は、一般式-C2n-(式中、nは1~6である)の飽和直鎖状または分岐状二価炭化水素ラジカルを意味する。メチレンまたはエチレンが好ましいアルキレンである。
【0097】
本明細書で用いられる場合、「アルケニル」は、直鎖状または分岐状不飽和一価C2~6炭化水素ラジカルを意味し、エテニルまたはプロペニルが、糖部分の2’位における置換基として最も好ましいアルケニルである。当技術分野においてよく理解されているように、アルケニルラジカルに存在する不飽和度は、少なくとも1つの炭素間二重結合の存在である。アルケニル基は、典型的には、糖の2’位における酸素連結原子に付着し、したがって、全体としては、本明細書に記載されているようなオリゴマー化合物の糖部分上に-OCHCH=CH置換基などの-Oアルケニル置換基を提供する。これは当業者によく理解されているだろう。
【0098】
本明細書で用いられる場合、「アルキニル」は、直鎖状または分岐状不飽和C2~6炭化水素ラジカルを意味し、エチニルが糖部分の2’位における置換基として最も好ましいアルキニルである。当技術分野においてよく理解されているように、アルキニルラジカルに存在する不飽和度は、少なくとも1つの炭素間三重結合の存在である。アルキニル基は、典型的には、糖の2’位における酸素連結原子に付着し、したがって、全体としては、本明細書に記載されているようなオリゴマー化合物の糖部分上に-Oアルキニル置換基を提供する。これは当業者によく理解されているだろう。
【0099】
本明細書で用いられる場合、「カルボキシル」は、一般式-COHを有するラジカルである。
【0100】
本明細書で用いられる場合、「アシル」は、本明細書で定義されているようなカルボキシルラジカルからのヒドロキシル基の除去により形成されるラジカルを意味し、一般式-C(O)-X(式中、Xは典型的にはC1~6アルキルである)を有する。
【0101】
本明細書で用いられる場合、「アルコキシ」は、C1-6アルキル基などのアルキル基と酸素原子の間で形成されるラジカルを意味し、酸素原子が、アルコキシ基を親分子(例えば、糖部分の2’位において)または本明細書で定義されているようなアルキレン基などの別の基へ付着させるために用いられる。アルコキシ基の例には、非限定的に、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、およびtert-ブトキシが挙げられる。本明細書で用いられる場合、アルコキシ基は、任意で、さらに置換基を含んでもよい。
【0102】
本明細書で用いられる場合、アルコキシアルキレンは、同様に本明細書に定義されているようなアルキレン基に付着する本明細書に定義されているようなアルコキシ基を意味し、アルコキシ基の酸素原子がアルキレン基に付着し、アルキレンが親分子に付着している。アルキレン基は、典型的には、糖の2’位における酸素連結原子に付着し、したがって、全体としては、本明細書に記載されているようなオリゴマー化合物の糖部分上に-OCHCHOCH置換基などの-Oアルキレンアルコキシ置換基を提供する。これは当業者によく理解されており、一般的には、本明細書で定義され、かつ当技術分野において公知であるように、MOE置換基と呼ばれる。
【0103】
本明細書で用いられる場合、「アミノ」は、一級、二級、および三級アミノ基を含む。
【0104】
本明細書で用いられる場合、「ハロ」および「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素から選択される原子を意味する。
【0105】
本明細書で用いられる場合、用語「mxRNA」は、特に、全体として参照により本明細書に組み入れられている、WO2020/044186に定義されているように理解される。
【0106】
本明細書に記載されているようなオリゴマー化合物は、生理的関連条件下でハイブリダイゼーションを維持するのに十分な相補性があるならば、一方もしくは両方の鎖の一方もしくは両方の末端に1個もしくは複数のハイブリダイズしていないヌクレオシド(オーバーハング)、および/または1個もしくは複数の内部のハイブリダイズしていないヌクレオシド(ミスマッチ)を有してもよいこともまた理解されているだろう。あるいは、本明細書に記載されているようなオリゴマー化合物は、少なくとも1つの末端において平滑末端化されていてもよい。
【0107】
本明細書において用語「含むこと(comprising)」は、同定された方法工程または要素を含むことを意味するように用いられるが、そのような工程または要素は、排他的リストを構成せず、そのようなものとして、追加の工程または要素が存在してもよい。
【0108】
さらに、用語「含む(includes)」が詳細な説明または特許請求の範囲に用いられる限りでは、そのような用語は、「含むこと(comprising)」が特許請求の範囲において移行語として用いられる時に解釈されるように、用語「含むこと(comprising)」と類似した様式で包含的であることを意図される。
【0109】
以下の例示的実施形態(項目)が提供される:
1. APOC3の発現を阻害する能力があるオリゴマー化合物であって、前記化合物が、APOC3遺伝子から転写されたRNAの少なくとも一部分と少なくとも部分的に相補的である少なくとも第1の核酸塩基配列を有する連結性ヌクレオシドの少なくとも第1の領域を含み、前記第1の核酸塩基配列が、:表1aおよび2a(配列番号1~391)の配列またはその一部分から選択され、前記一部分が、好ましくは、少なくとも18ヌクレオチドの長さを有する、オリゴマー化合物。
【0110】
前記第1の領域はまた、アンチセンス領域と呼ばれ、前記第2の領域はまたセンス領域と呼ばれる。下記の好ましい実施形態に開示されているように、前記2つの領域は、同じ鎖に、好ましくは隣接する様式で、位置してもよい。これは、mxRNAとも呼ばれる、ヘアピン分子を生じる。他方、前記2つの領域は、別々の鎖に位置してもよく、それは、二本鎖RNA(dsRNA)を生じ、好ましくは、各鎖が、それぞれの領域からなる。
【0111】
さらに、前記領域は、muRNAについてのビルディングブロックとしての役割を果たし得る(上記の態様1を参照)。言い換えれば、本明細書に定義されているような前記第1および第2の領域は、muRNAの以下の定義に従って、それぞれ、第1の領域および第3の領域として用いられ得る:
少なくとも以下を含む核酸コンストラクト(muRNA):
(a)APOC3遺伝子から転写されるRNAの少なくとも第1の一部分と少なくとも部分的に相補的である第1の核酸部分;
(b)別の遺伝子から転写されるRNAの少なくとも第2の一部分と少なくとも部分的に相補的である第2の核酸部分;
(c)(a)の前記第1の核酸部分と第1の核酸二重鎖領域を形成するように、それと少なくとも部分的に相補的である第3の核酸部分;および
(d)(b)の前記第2の核酸部分と第2の核酸二重鎖領域を形成するように、それと少なくとも部分的に相補的である第4の核酸部分。
【0112】
muRNAに関連した好ましい実施形態およびさらなる態様は、WO2020/065602に開示されている。
【0113】
2. 第1の核酸塩基配列と少なくとも部分的に相補的である少なくとも第2の核酸塩基配列を有する連結性ヌクレオシドの少なくとも第2の領域をさらに含み、:表1cおよび2c(配列番号401~791)の配列またはその一部分から選択され、前記一部分が、少なくとも11ヌクレオチドの長さを有するか、または前記一部分が好ましくは、少なくとも8、9、10、もしくは11ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも10ヌクレオチドの長さを有する、項目1に記載のオリゴマー化合物。
【0114】
3. 第1の核酸塩基配列が以下の配列:配列番号175、293、262、297、277、366、337、254、274、286、137、149、280、343、225、221、185、373、121、281、331、367、296、28、345、328、339、278、271、212、223、369、276、332、300、341、334、138、193、340、31、167、275、191、336、90、346、219、283、213、23、24、285、347、370、206、282、342、272、303、220、209、29、89、291、117、372、218、368、148、217、128、338、171、94、324、および299またはその一部分から選択される、項目1または2に記載のオリゴマー化合物。
【0115】
4. 第2の核酸塩基配列が以下の配列:配列番号575、693、662、697、677、766、737、654、674、686、537、549、680、743、625、621、585、773、521、681、731、767、696、428、745、728、739、678、671、612、623、769、676、732、700、741、734、538、593、740、431、567、675、591、736、490、746、619、683、613、423、424、685、747、770、606、682、742、672、703、620、609、429、489、691、517、772、618、768、548、617、528、738、571、494、724、および699またはその一部分から選択される、項目3に記載のオリゴマー化合物。
【0116】
5. 第1の核酸塩基配列が以下の配列:配列番号277、337、28、343、369、366、274、367、336、332、293、373、280、221、334、286、149、193、328、175、262、254、185、328、271、137、225、167、297、および191またはその一部分から選択される、項目1から4のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0117】
6. 第2の核酸塩基配列が以下の配列:配列番号677、737、428、743、769、766、674、767、736、732、693、773、680、621、734、686、549、593、728、575、662、654、585、728、671、537、625、567、697、および591またはその一部分から選択される、項目5に記載のオリゴマー化合物。
【0118】
7. 第1の核酸塩基配列が、以下の配列:配列番号28、277、336、337、366、367、および369、好ましくは配列番号28もしくは277、より好ましくは配列番号28またはその一部分から選択される、項目1から6のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0119】
これらの実施形態は、驚くほど目覚ましいパフォーマンスを与えるアンチセンス核酸塩基配列を定義する。証拠として、実施例が参照される。
【0120】
8. 第2の核酸塩基配列が以下の配列:配列番号428、677、736、737、766、767、および769、好ましくは配列番号428もしくは677、より好ましくは配列番号428またはその一部分から選択される、項目7に記載のオリゴマー化合物。
【0121】
9. 連結性ヌクレオシドの第1の領域が、18~35個、好ましくは18~20個、より好ましくは18個または19個、さらにより好ましくは19個の連結性ヌクレオシドから本質的になる、項目1から8のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0122】
10. 連結性ヌクレオシドの第2の領域が、11~35個、好ましくは11~20個、より好ましくは13~16個、さらにより好ましくは14個もしくは15個、最も好ましくは14個の連結性ヌクレオシドから本質的になり;または、連結性ヌクレオシドの第2の領域が、10~35個、好ましくは10~20個、より好ましくは10~16個、さらにより好ましくは10~15個の連結性ヌクレオシドから本質的になる、項目2から9のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0123】
11. 第2のヌクレオシド領域の少なくとも一部分と直接的または間接的に連結された第1のヌクレオシド領域の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの相補性二重鎖領域を含み、好ましくは前記二重鎖領域が、11~19個、より好ましくは14~19個、さらにより好ましくは14個または15個の塩基対、最も好ましくは14個の塩基対の長さを有し、前記二重鎖領域内に1つのミスマッチがあってもよく;または第2のヌクレオシド領域の少なくとも一部分と直接的または間接的に連結された第1のヌクレオシド領域の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの相補性二重鎖領域を含み、好ましくは前記二重鎖領域が、10~19個、より好ましくは12~19個、さらにより好ましくは12~15個の塩基対の長さを有し、前記二重鎖領域内に1つのミスマッチがあってもよい、項目2から10のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0124】
12. 第1および第2のヌクレオシド領域のそれぞれが、5’から3’への方向性を有し、それにより、それぞれ、その5’領域および3’領域を定義する、項目11に記載のオリゴマー化合物。
【0125】
13. 第1のヌクレオシド領域の5’領域が第2のヌクレオシド領域の3’領域と、例えば相補的塩基対形成により、直接的もしくは間接的に連結され、および/または第1のヌクレオシド領域の3’領域が第2のヌクレオシド領域の5’領域と直接的もしくは間接的に連結され、好ましくは第1のヌクレオシド領域の5’末端ヌクレオシドが第2のヌクレオシド領域の3’末端ヌクレオシドと塩基対形成し;または第1のヌクレオシド領域の5’領域が第2のヌクレオシド領域の3’領域と、例えば相補的塩基対形成により、直接的もしくは間接的に連結され、好ましくは第1のヌクレオシド領域の5’末端ヌクレオシドが第2のヌクレオシド領域の3’末端ヌクレオシドと塩基対形成する、項目12に記載のオリゴマー化合物。
【0126】
14. 第1のヌクレオシド領域の3’領域が第2のヌクレオシド領域の5’領域と直接的または間接的に連結され、好ましくは第1のヌクレオシド領域が、第2のヌクレオシド領域と、例えばホスフェート、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート(phosphorodithoate)により、直接的かつ共有結合性に連結されている、項目12または13に記載のオリゴマー化合物。
【0127】
15. 1つまたは複数のリガンドをさらに含む、項目1から14のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0128】
16. 1つまたは複数のリガンドが、第2のヌクレオシド領域および/または第1のヌクレオシド領域とコンジュゲートされている、項目15に記載のオリゴマー化合物。
【0129】
17. 1つまたは複数のリガンドが、3’領域で、好ましくは第2のヌクレオシド領域および/もしくは第1のヌクレオシド領域の3’末端と、ならびに/または第2のヌクレオシド領域の5’末端とコンジュゲートされている、項目12に従属する場合の項目16に記載のオリゴマー化合物。
【0130】
18. 1つまたは複数のリガンドが、細胞膜または細胞表面上の特定の標的に結合する脂質、炭水化物、アプタマー、ビタミン、および/またはペプチドなどの任意の、細胞へ方向づける部分である、項目15から17のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0131】
19. 1つまたは複数のリガンドが1つまたは複数の炭水化物を含む、項目18に記載のオリゴマー化合物。
【0132】
20. 1つまたは複数の炭水化物が、単糖、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖、または多糖であり得る、項目19に記載のオリゴマー化合物。
【0133】
21. 1つまたは複数の炭水化物が、1つまたは複数のヘキソース部分を含むかまたはそれからなる、項目20に記載のオリゴマー化合物。
【0134】
22. 1つまたは複数のヘキソース部分が、1つもしくは複数のガラクトース部分、1つもしくは複数のラクトース部分、1つもしくは複数のN-アセチル-ガラクトサミン部分、および/または1つもしくは複数のマンノース部分である、項目21に記載のオリゴマー化合物。
【0135】
23. 1つまたは複数の炭水化物が1つまたは複数のN-アセチル-ガラクトサミン部分を含む、項目22に記載のオリゴマー化合物。
【0136】
24. 2つまたは3つ、好ましくは3つのN-アセチル-ガラクトサミン部分を含む、項目23に記載のオリゴマー化合物。
【0137】
25. 1つまたは複数のリガンドが、オリゴマー化合物、好ましくはその第2のヌクレオシド領域に、直鎖状立体配置または分岐状立体配置で付着している、項目15から24のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0138】
26. 1つまたは複数のリガンドが、オリゴマー化合物に二分岐状または三分岐状立体配置として付着している、項目25に記載のオリゴマー化合物。
【0139】
27. 化合物が、連結性ヌクレオシドの第1の領域および連結性ヌクレオシドの第2の領域からなる、項目1から26のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0140】
前記領域のそれぞれは、別々の鎖からなって、それにより、二本鎖RNA(dsRNA)を生じてもよい。特に好ましいdsRNAは、19ヌクレオシドの第1の鎖の長さ、および14または15、好ましくは14ヌクレオシドの第2の領域の長さを有するものである。領域または鎖の長さを定義するために用いられる場合、用語「ヌクレオシド」および「ヌクレオチド」(「nt」と略される場合がある)は同等に用いられる。
【0141】
28. オリゴマー化合物が、第1および第2のヌクレオシド領域を含む一本鎖を含み、前記一本鎖が二量体化し、それにより、第1のヌクレオシド領域の少なくとも一部分が第2のヌクレオシド領域の少なくとも一部分と直接的または間接的に連結され、その結果、少なくとも部分的に相補的な二重鎖領域を形成する、項目12に記載のオリゴマー化合物。
【0142】
言い換えれば、オリゴマー化合物は、第1および第2のヌクレオシド領域を含む一本鎖を含み、第1のヌクレオシド領域の少なくとも一部分が、第2のヌクレオシド領域の少なくとも一部分と直接的または間接的に連結され、その結果、少なくとも部分的に相補的な二重鎖領域を形成する。
【0143】
29. 第1のヌクレオシド領域が、第2のヌクレオシド領域と比較してより多い数の連結性ヌクレオシドを有し、それにより、第1のヌクレオシド領域の追加の数の連結性ヌクレオシドが、第1のヌクレオシド領域と第2のヌクレオシド領域を連結するヘアピンループを形成する、項目28に記載のオリゴマー化合物。
【0144】
そのような化合物はまた、本明細書ではヘアピンまたはmxRNAと呼ばれる。
【0145】
30. ヘアピンループが第1のヌクレオシド領域の3’領域に存在する、項目12に従属する場合の項目29に記載のオリゴマー化合物。
【0146】
31. ヘアピンループが4個または5個の連結性ヌクレオシドを含む、項目29または30に記載のオリゴマー化合物。
【0147】
特に有利なのは、19ヌクレオシドの第1の領域、14ヌクレオチドの第2の領域、および5ヌクレオチドのヘアピンループの長さであり、ヘアピンにおける5ヌクレオチドが、第1の領域の5個の3’末端ヌクレオシドである。ヘアピンまたはmxRNAのそのような分子構築はまた、本明細書で「14-5-14」と名づけられている。
【0148】
32. 一本鎖が、配列番号792~803から、好ましくは配列番号792、793、796、800、および803から、最も好ましくは配列番号796および803から選択される核酸塩基配列、特に配列番号803の核酸塩基配列を有する、項目28から31のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0149】
33. 一本鎖が表3bから、特にコンストラクトA28(14-4)mFおよびA277(12-5)から選択され、A28(14-4)mFが特に有利である、項目32に記載のオリゴマー化合物。
【0150】
34. ヌクレオシド間連結を含み、少なくとも1つのヌクレオシド間連結が修飾ヌクレオシド間連結である、項目1から33のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0151】
特定の修飾ヌクレオシド間連結が、以下に続く実施形態の主題である。ある特定の修飾ヌクレオシド間連結は、当技術分野において公知であり、例えば、Huら、Signal Transduction and Targeted Therapy(2020)5:101に記載されている。
【0152】
35. 修飾ヌクレオシド間連結が、ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結である、項目34に記載のオリゴマー化合物。
【0153】
36. 1~15個のホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結を含む、項目35に記載のオリゴマー化合物。
【0154】
37. 7個、8個、9個、または10個のホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結を含む、項目36に記載のオリゴマー化合物。
【0155】
38. 1個または複数のホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートヌクレオシド間連結を第1のヌクレオシド領域の5’領域に含む、項目12に従属する場合の項目35から37のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0156】
39. 1個または複数のホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートヌクレオシド間連結を第2のヌクレオシド領域の5’領域に含む、項目12に従属する場合の項目35から38のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0157】
40. ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結を、ヘアピンループに存在するヌクレオチドの数に依存して、ヘアピンループの少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個、好ましくは少なくとも5個の隣接したヌクレオシドの間に含む、項目28に従属する場合の項目35から39のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0158】
41. ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートのヌクレオシド間連結を、ヘアピンループに存在する各隣接したヌクレオシドの間に含む、項目40に記載のオリゴマー化合物。
【0159】
42. 少なくとも1ヌクレオシドが修飾糖を含む、項目1から41のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0160】
好ましい修飾糖は、以下に続く実施形態の主題である。ある特定の修飾糖は当技術分野において公知であり、例えば、Huら、Signal Transduction and Targeted Therapy(2020)5:101に記載されている。
【0161】
43. 修飾糖が、2’修飾糖、ロックド核酸(LNA)糖、(S)-拘束性エチル二環式核酸糖、トリシクロ-DNA糖、モルホリノ、アンロックド核酸(UNA)糖、およびグリコール核酸(GNA)糖から選択される、項目42に記載のオリゴマー化合物。
【0162】
44. 2’修飾糖が、2’-O-メチル修飾糖、2’-O-メトキシエチル修飾糖、2’-F修飾糖、2’-アラビノ-フルオロ修飾糖、2’-O-ベンジル修飾糖、および2’-O-メチル-4-ピリジン修飾糖から選択される、項目43に記載のオリゴマー化合物。
【0163】
45. 少なくとも1つの修飾糖が、2’-O-メチル修飾糖である、項目44に記載のオリゴマー化合物。
【0164】
46. 少なくとも1つの修飾糖が、2’-F修飾糖である、項目44または45に記載のオリゴマー化合物。
【0165】
47. 糖がリボースである、項目45または46に記載のオリゴマー化合物。
【0166】
48. 第1のヌクレオシド領域の5’領域の最初のヌクレオシドから下流への2位および14位のいずれかにおけるヌクレオシドの糖が、2’-O-メチル修飾を含有しない、項目12に従属する場合の項目45から48のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0167】
49. 特に配列A277(12-5)およびA28(14-4)mF由来の、第1のヌクレオシド領域の5’領域の最初のヌクレオシドから下流への9~11位のいずれかにおける第1のヌクレオシド領域のヌクレオシドのいずれかに位置が対応する、第2のヌクレオシド領域のヌクレオシドの糖が、2’-O-メチル修飾を含有しない、項目12に従属する場合の項目45から48のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0168】
50. 第2のヌクレオシド領域の3’末端位置が2’-O-メチル修飾を含有しない、項目45から49のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0169】
51. 第1のヌクレオシド領域の5’領域の最初のヌクレオシドから下流への2位および14位のいずれかにおけるヌクレオシドの糖が、2’-F修飾を含有する、項目49または50に記載のオリゴマー化合物。
【0170】
52. 第1のヌクレオシド領域の5’領域の最初のヌクレオシドから下流への9~11位のいずれかにおける第1のヌクレオシド領域のヌクレオシドのいずれかに位置が対応する、第2のヌクレオシド領域のヌクレオシドの糖が、2’-F修飾を含有する、項目49から51のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0171】
53. 第2のヌクレオシド領域の3’末端位置が2’-F修飾を含有する、項目51または52に記載のオリゴマー化合物。
【0172】
54. 第1のヌクレオシド領域の5’領域から始まる奇数番号のヌクレオシドのうちの1個もしくは複数が修飾され、および/または第1のヌクレオシド領域の5’領域から始まる偶数番号のヌクレオチドのうちの1個もしくは複数が修飾され、典型的には、偶数番号のヌクレオチドの修飾が奇数番号のヌクレオチドの修飾とは異なる第2の修飾である、項目12に従属する場合の項目47から53のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0173】
55. 第2のヌクレオシド領域の3’領域から始まる奇数番号のヌクレオシドのうちの1個または複数が、第1のヌクレオシド領域の奇数番号のヌクレオシドの修飾とは異なる修飾によって修飾されている、項目54に記載のオリゴマー化合物。
【0174】
56. 第2のヌクレオシド領域の3’領域から始まる偶数番号のヌクレオシドのうちの1個または複数が、項目55に記載の第1のヌクレオシド領域の偶数番号のヌクレオシドの修飾とは異なる修飾によって修飾されている、項目54または55に記載のオリゴマー化合物。
【0175】
57. 第1のヌクレオシド領域の修飾された偶数番号のヌクレオシドのうちの少なくとも1個または複数が、第1のヌクレオシド領域の、異なって修飾された奇数番号のヌクレオシドのうちの少なくとも1個または複数と隣接している、項目54から56のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0176】
58. 第2のヌクレオシド領域の修飾された偶数番号のヌクレオシドのうちの少なくとも1個または複数が、第2のヌクレオシド領域の、異なって修飾された奇数番号のヌクレオシドのうちの少なくとも1個または複数と隣接している、項目54から57のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0177】
59. 第1のヌクレオシド領域の5’領域から始まる奇数番号のヌクレオシドのうちの1個または複数の糖が2’-O-メチル修飾糖である、項目54から58のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0178】
60. 第1のヌクレオシド領域の5’領域から始まる偶数番号のヌクレオシドのうちの1個または複数が2’-F修飾糖である、項目54から59のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0179】
61. 第2のヌクレオシド領域の3’領域から始まる奇数番号のヌクレオシドのうちの1個または複数の糖が2’-F修飾糖である、項目54から60のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0180】
62. 第2のヌクレオシド領域の3’領域から始まる偶数番号のヌクレオシドのうちの1個または複数が2’-O-メチル修飾糖である、項目54から61のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0181】
63. 第1のヌクレオシド領域の複数の隣接したヌクレオシドの糖が共通の修飾により修飾されている、項目42から62のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0182】
64. 第2のヌクレオシド領域の複数の隣接したヌクレオシドの糖が共通の修飾により修飾されている、項目42から63のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0183】
65. ヘアピンループの複数の隣接したヌクレオシドの糖が共通の修飾により修飾されている、項目31に従属する場合の項目54から64のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0184】
66. 共通の修飾が2’-F修飾糖である、項目63から65のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0185】
67. 共通の修飾が2’-O-メチル修飾糖である、項目63から65のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0186】
68. 複数の隣接した2’-O-メチル修飾糖が、第1および/または第2のヌクレオシド領域の少なくとも8個の隣接したヌクレオシドに存在する、項目67に記載のオリゴマー化合物。
【0187】
69. 複数の隣接した2’-O-メチル修飾糖が、ヘアピンループの3個または4個の隣接したヌクレオシドに存在する、項目67に記載のオリゴマー化合物。
【0188】
70. ヘアピンループが、修飾糖を有する少なくとも1ヌクレオシドを含む、項目29に従属する場合の項目42に記載のオリゴマー化合物。
【0189】
71. 前記少なくとも1ヌクレオシドが、異なって修飾された糖を有するヌクレオシドと隣接している、項目70に記載のオリゴマー化合物。
【0190】
72. 修飾糖が2’-O-メチル修飾糖であり、異なって修飾された糖が2’-F修飾糖である、項目71に記載のオリゴマー化合物。
【0191】
73. 非修飾糖部分を有する1個または複数のヌクレオシドを含む、項目1から72のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0192】
74. 非修飾糖が第2のヌクレオシド領域の5’領域に存在する、項目73に記載のオリゴマー化合物。
【0193】
75. 非修飾糖がヘアピンループに存在する、項目29に従属する場合の項目73または74に記載のオリゴマー化合物。
【0194】
76. 第1のヌクレオシド領域および/もしくは第2のヌクレオシド領域の1個もしくは複数のヌクレオシドが逆位ヌクレオシドであり、かつその糖の3’炭素および隣接したヌクレオシドの糖の3’炭素を介して、隣接したヌクレオシドと付着しており、ならびに/または第1のヌクレオシド領域および/もしくは第2のヌクレオシド領域の1個もしくは複数のヌクレオシドが逆位ヌクレオシドであり、かつその糖の5’炭素および、隣接したヌクレオシドの糖の5’炭素を介して、隣接したヌクレオシドと付着している、項目1から75のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0195】
77. 平滑末端化されている、項目1から76のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0196】
78. 第1または第2のヌクレオシド領域がオーバーハングを有する、項目1から76のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0197】
79. 連結性ヌクレオチドの第1の領域が表1bまたは表2bから、好ましくは項目3、5、または7のいずれか一項目に定義されているような核酸塩基配列を有する表1bのエントリーから選択される、項目1から78のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0198】
80. 連結性ヌクレオチドの第2の領域が表1dまたは表2dから、好ましくは項目4、6、または8のいずれか一項目に定義されているような核酸塩基配列を有する表1bのエントリーから選択される、項目1から79のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0199】
81. 項目1~80のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物および生理的に許容される添加物を含む、組成物。
【0200】
82. 項目1~80のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物を含む薬学的組成物。
【0201】
83. 薬学的に許容される添加物、希釈剤、抗酸化剤、および/または防腐剤をさらに含む、項目82に記載の薬学的組成物。
【0202】
84. オリゴマー化合物が唯一の薬学的活性薬剤である、項目82または83に記載の薬学的組成物。
【0203】
85. 薬学的組成物が、スタチン不耐性である患者または個体および/またはスタチンが禁忌である患者または個体へ投与することができる、項目84に記載の薬学的組成物。
【0204】
86. 薬学的組成物が1つまたは複数のさらなる薬学的活性薬剤をさらに含む、項目82または83に記載の薬学的組成物。
【0205】
87. さらなる薬学的活性薬剤が、APOC3とは異なる標的、好ましくはPCSK9;Vascepa;Vupanorsen;ロスバスタチンおよびシンバスタチンなどのスタチン;フェノフィブレートなどのフィブレート;ならびに/またはスタチンおよびエゼチミブなどのLDL-コレステロール低下性化合物に方向づけられているさらなるオリゴマー化合物である、項目86に記載の薬学的組成物。
【0206】
88. オリゴマー化合物およびさらなる薬学的活性薬剤が同時にまたは任意の順番で投与することができる、項目86または87に記載の薬学的組成物。
【0207】
89. ヒトまたは動物の医学または治療における使用のための、項目1から80のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0208】
90. 疾患または障害を治療し、寛解させ、および/または防止する方法における使用のための、項目1から80のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物。
【0209】
91. 疾患または障害が、APOC3関連疾患もしくは障害、またはAPOC3発現レベルの低下を必要とする疾患もしくは障害であり、前記疾患または障害が好ましくは、混合型脂質代謝異常を含む脂質代謝異常;家族性高カイロミクロン血症を含む高カイロミクロン血症;高トリグリセリド血症、好ましくは重度高トリグリセリド血症および/または500mg/dlより上の血中トリグリセリドレベルを有する高トリグリセリド血症;軽度炎症を含む炎症;アテローム性動脈硬化症;心筋梗塞、脳卒中、および末梢動脈疾患などの主要有害心血管イベント(MACE)を含むアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD);ならびに急性膵炎を含む膵炎から選択される、項目90に記載の使用のための化合物。
【0210】
92. 項目1から80のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物の、治療を必要としている個体への投与を含む、疾患または障害を治療する方法。
【0211】
93. オリゴマー化合物が個体に皮下投与または静脈内投与される、項目92に記載の方法。
【0212】
93. 遺伝子機能分析ツールとしての研究における使用のための、項目1から80のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物の使用。
【0213】
94. 疾患または障害の治療のための医薬の製造における、項目1から80のいずれか一項目に記載のオリゴマー化合物の使用。疾患または障害は、好ましくは、上記の項目91に示されているのと同じである。
【0214】
オリゴマー化合物により達成される効果
本明細書に記載されているようなオリゴマー化合物の使用によって、特にインビトロでまたはヒト肝実質細胞から本質的になる肝臓組織において、APOC3 mRNAの有意な低下が、例えば、本明細書に開示された実施例に示されているように、達成され得る。加えて、例えばヒト肝実質細胞から本質的になる肝臓を有するマウスの、血漿中レベルでのAPCO3タンパク質の有意な低下が、本明細書に記載されているようなオリゴマーコンストラクトを用いることにより達成され得る。特に、これらの効果は、例えばヒト肝実質細胞から本質的になる肝臓を有するマウスにおいて、6週間などの長期間にわたって持続し得る。
【0215】
加えて、本明細書に記載されているようなオリゴマー化合物を用いることにより、特にヒト肝実質細胞から本質的になる肝臓を有するマウスの、血清中のトリグリセリドレベルの有意な程度の低下が、同様に6週間などの長期間にわたって、達成され得る。予想外でかつ驚くべき所見は、特に同じマウスの、血清中のトリグリセリドの低下に加えて、血清中のコレステロールのレベルの有意な低下が、同時に、6週間などの長期間にわたって達成される。
【0216】
ある特定の実施形態において、前述の有益な効果が、2’-フルオロ修飾と2’-O-メチル修飾の交互直列を有する通常のshRNA分子と比較して、リボース単位のそれぞれの2’位上に合計5個のフッ素置換基などの減少した数のフッ素置換基を有するshRNAコンストラクトの形をとる、本明細書に記載されているようなオリゴマー化合物を用いることにより、達成され得る。
【0217】
さらに、ある特定の実施形態において、言及された効果は、通常のshRNA分子と比較して、例えば29個の連結性ヌクレオシドの減少した長さを有する、本明細書に記載されているようなshRNAコンストラクトの形をとる、本明細書に記載されているようなオリゴマー化合物を用いることにより達成される。同じ効果はまた、驚くべきことに、約10ヌクレオシドのセンス鎖の長さを有するそのようなコンストラクトについても達成することができる。
【0218】
前述の効果は、特にマウスに関して、約10mg/kg体重~30mg/kg体重の用量を用いることにより達成され得る。
【0219】
オリゴマー化合物のコンストラクト
以下の表は、本明細書に記載されているようなオリゴマー化合物のアンチセンス鎖およびセンス鎖の核酸塩基配列、ならびに修飾オリゴマー化合物のアンチセンス鎖およびセンス鎖の定義(核酸塩基配列、糖修飾、および、適切な場合、修飾ホスフェートを含む表記法)を示す。
【0220】
用いられる表記法は、当技術分野において一般的であり、以下の意味の通りである:
Aはアデニンを表す;
Uはウラシルを表す;
Cはシトシンを表す;
Gはグアニンを表す。
Pは、好ましいが不可欠ではない、末端ホスフェート基を表す;
mは、下線を引いたヌクレオシドの糖の2’位におけるメチル修飾を表す;
fは、下線を引いたヌクレオシドの糖の2’位におけるフルオロ修飾を表す。
rは、非修飾(2’-OH)リボヌクレオチドを示す;
(ps)または#は、ホスホロチオエートのヌクレオシド間連結を表す;
iは、3’-3’または5’-5’であり得る逆位ヌクレオシド間連結を表す;
vpは、ビニルホスホネートを表す;
mvpは、メチルビニルホスホネートを表す;
3xGalNAcは、三価GalNAcを表す。
【0221】
時々、ヌクレオシドは、読みやすいように、角括弧内に示されている。この表記法は構造的要素または修飾を示さない。
【0222】
示されているという範囲において、5’-末端ホスフェート(「P」)の存在は任意である。逆に、5’-末端ホスフェートが示されていないという範囲において、それの存在は、同様に任意である。一般的に、哺乳動物細胞へ投与されることになっている化合物において5’-末端ホスフェートの必要性はなく、それの欠如の場合、哺乳動物キナーゼが、5’-末端ホスフェートを付加するからである。
【0223】
さらに、「A277(12-5)mF」のような表記法が用いられる場合、用語「A277」は、APOC3に関するRNAiに適した配列を指定し、丸括弧内の最初の数字、すなわち、この場合、12は、shRNA内の二重鎖領域内の塩基対の数を指定し、丸括弧内の2番目の数字、この場合、5は、shRNAのヘアピンループに存在するヌクレオチドの数を指定する。丸括弧内のハイフンの後に指定がない場合には、そのループが5ヌクレオチドからなることを意味する。
【0224】
下記の表1a~1dは、実施例に従って選択された376個のコンストラクトのアンチセンス鎖およびセンス鎖の核酸塩基配列および糖-ホスフェート骨格修飾を示す。上記の開示された30個の好ましいオリゴマー化合物は、これらの376個のコンストラクトから選択されている。表1aにおけるナンバリングは、配列表における対応するエントリーの番号と一致する。表1cについて、以下が適用される:配列表のエントリー番号=表のエントリー番号+400。
【0225】
下記の表2a~2dは、さらなる15個の例示的コンストラクトのアンチセンス鎖およびセンス鎖の核酸塩基配列および糖-ホスフェート骨格修飾を示す。配列表における対応するエントリーについて、以下が適用される:表2aのエントリー番号+376=配列表のエントリー番号;表2cのエントリー番号+776=配列表のエントリー番号。
【0226】
下記の表3a~3bは、12個のさらなる例示的コンストラクトの核酸塩基配列および糖-ホスフェート骨格修飾を示す。
【0227】
本明細書に記載された組成物および方法の範囲は、上記の表におけるものに対応する配列であって、アンチセンス(ガイド)鎖(本明細書における項目に定義されているような第1の領域)が、RNA分子に存在し得る任意の核酸塩基を含み得、言い換えれば、アデニン(A)、ウラシル(U)、グアニン(G)、またはシトシン(C)のいずれかであり得る、配列にまで及ぶこともまた留意されるべきである。追加として、本組成物および方法の範囲は、表1aまたは表1bにおけるものに対応する配列であって、センス(パッセンジャー)鎖(本明細書における項目に定義されているような第2の領域)が、RNA分子に存在し得る任意の核酸塩基を含み得、言い換えれば、アデニン(A)、ウラシル(U)、グアニン(G)、またはシトシン(C)のいずれかであり得るが、好ましくは、アンチセンス(ガイド)鎖(本明細書における項目に定義されているような第1の領域)の5’核酸塩基と相補的である核酸塩基である、配列にまで及ぶ。
【0228】
方法は、特定の順序で実施される一連の行動であるとして示され、記載されているが、方法がその順序の順番によって限定されないことは理解および認識されるべきである。例えば、いくつかの行動は、本明細書に記載されたものとは異なる順番で起こり得る。加えて、行動は、別の行動と同時に起こり得る。さらに、場合によっては、本明細書に記載された方法を実行するために全部の行動が必要とされるとは限らない場合がある。
【0229】
本明細書に記載された方法の工程の順番は例示的であるが、工程は、任意の適切な順番で、または適切な場合には同時に行われてもよい。追加として、本明細書に記載された主題の範囲から逸脱することなく、方法のいずれかにおいて、工程が付加もしくは置換されてもよく、または個々の工程が方法のいずれかから除去されてもよい。上で記載された例のいずれかの態様は、記載された他の例のいずれかの態様と組み合わされて、さらなる例を形成してもよい。
【0230】
好ましい実施形態の上の記載が例としてのみ示されていること、および様々な改変が当業者によってなされ得ることは理解されているだろう。上で記載されていることは、1つまたは複数の実施形態の例を含む。もちろん、前述の態様を記載することを目的として、上記の化合物、組成物、または方法のあらゆる考えられる改変および変化を記載することは不可能であるが、当業者は、様々な態様の多くのさらなる改変および並べ替えが可能であることを理解し得る。したがって、記載された態様は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る全てのそのような変化、改変、およびバリエーションを包含することを意図される。
【実施例
【0231】
以下の実施例は、本開示のある特定の実施形態を示し、限定するものではない。さらに、特定の実施形態が提供される場合、それらの特定の実施形態の一般的な適用が企図される。例えば、特定のモチーフまたは修飾パターンを有するオリゴヌクレオチドの開示は、同じまたは類似したモチーフまたは修飾パターンを有する追加のオリゴヌクレオチドについての合理的な裏付けを提供する。
【0232】
本明細書で開示されているようなRNAiコンストラクトの合成は、当業者に公知の合成方法、例えば、https://en.wikipedia.org/wiki/Oligonucleotide_synthesis{2022年2月16日に検索}(このウェブサイト上に開示された方法は全体として参照により本明細書に組み入れられている)に開示された合成方法を用いて、行われている。この参考文献に開示された合成方法との唯一の違いは、支持体上に固定化されたGalNacホスホラミダイトが、本合成方法において最初の合成工程中に用いられることである。
【0233】
実施例1
材料および方法
細胞培養:
HepG2(ATCCカタログ 85011430)細胞を、10%FBS、20mM L-グルタミン、10mM HEPES pH7.2、1mMピルピン酸ナトリウム、1×MEM非必須アミノ酸、および1×ペニシリン/ストレプトマイシンを追加したEMEM(EMEM完全)における隔週の継代により維持した。
【0234】
APOC3標的同定および二重鎖調製:
APOC3への標的を、RefSeq配列ID NM_000040に示されているようなヒトAPOC3 mRNA配列へのバイオインフォマティク分析により同定し、特に、本明細書に記載されているようなコンストラクトは、スプライスバリアントおよびアイソフォームとは無関係にAPOC3 mRNAをターゲットするべきであることが考慮されている。非対称性二重鎖(14ヌクレオチドのセンス鎖、19ヌクレオチドのアンチセンス鎖)としての376個の標的を、合成のために選択した。化合物を、分子生物学グレードの水に50uMまで溶解し、95℃で5分間、加熱し、続いて、室温まで徐々に冷却することにより、アニールさせた。
【0235】
APOC3 - 一次スクリーニング:
トランスフェクションの当日、HepG2細胞を、トリプシン処理により収集し、計数し、96ウェル組織培養処理プレートにおいて20%FBSを含む50uL完全EMEM中、ウェルあたり10,000細胞で播種した。細胞を、RNAiMax(ThermoFisher)を介する3重において各それぞれのAPOC3二重鎖の2pモルでのトランスフェクションの前に4時間、休ませた。簡単に述べれば、8pモルの各二重鎖を100uL OptiMEM中に希釈し、合計200uLの複合物を生じるように、100uL OptiMEM中の0.8uLのRNAiMaxと穏やかに混合した。10%FBSでの50/50 EMEM/OptiMEMの100uLの体積における20nM二重鎖の最終混合物として、50uLの各RNAiMax複合化二重鎖を、HepG2細胞の各それぞれの3重のウェルへ加えた。
【0236】
トランスフェクションから72時間後、細部を回収し、PureLink Pro 96全RNA精製キット(ThermoFisher、12173011A)を用いて、製造会社のプロトコールに従ってRNAを単離した。回収されたRNAを、Lunaユニバーサルプローブ1ステップRT-qPCRキット(NEB、E3006)を用いるTaqman qPCRにより、APOC3発現についてアッセイした。2つの別々のqPCRアッセイを、各試料について、共通のGAPDH VICプローブ(ThermoFisher、4326317E)で多重化された2つの別々のAPOC3 Taqmanプローブセットを用いて、実施した。サーモサイクリングおよびデータ取得を、Applied Biosystems QuantStudio 3 リアルタイムPCRシステムで実施した。一次スクリーニングの結果に基づいて、いずれかのプローブで評価された場合、少なくとも70%標的ノックダウンを示す77個のオリゴマー化合物のサブセットが選択された。これらの77個の化合物は、上記の項目3および4により定義される。
【0237】
APOC3 - 二次スクリーニング:
一次スクリーニングからのデータに基づいて、最も良く機能した30個のAPOC3二重鎖のさらに絞られたセットを用量曲線において試験した。前のように、HepG2細胞をトリプシン処理により収集し、96ウェル組織培養プレートにおいて20%FBSを含む50uL完全EMEM中にウェルあたり10,000細胞で播種し、4時間、休ませた。トランスフェクション複合物は、合計360uLの複合物を生じるように、180uL OptiMEM中の36pモルの各二重鎖を180uL OptiMEM中2.16uL RNAiMaxと穏やかに混合することにより、形成された。その後、2倍の希釈系列を、基本OptiMEMを用いて実施した。10%FBSでの50/50 EMEM/OptiMEMの100uLの体積中50nMから0.32nMまでの最終希釈系列を生じるように、各希釈物の50uLをHepG2細胞のそれぞれの3重へ加えた。
【0238】
トランスフェクションから72時間後、細胞を回収し、PureLink Pro 96全RNA精製キット(ThermoFisher、12173011A)を用いて、製造会社のプロトコールに従ってRNAを単離した。回収されたRNAを、Lunaユニバーサルプローブ1ステップRT-qPCRキット(NEB、E3006)を用いるTaqman qPCRによって、APOC3発現についてアッセイした。単一のqPCRアッセイを、各試料について、共通のGAPDH VICプローブ(ThermoFisher、4326317E)で多重化されたAPOC3 Taqmanプローブセットを用いて、実施した。サーモサイクリングおよびデータ取得を、Applied Biosystems QuantStudio 3 リアルタイムPCRシステムで実施した。
【0239】
実施例2
結果
下記の表4は、実施例に従って選択された30個のコンストラクトについてのIC50値(nMでの)を示す。
【0240】
1桁~2桁のナノモル範囲でのIC50データは、本明細書に記載されているような多数のコンストラクトの傑出したパフォーマンスを実証する。
【0241】
実施例3
材料および方法
細胞培養:
ヒトプライマリー肝実質細胞(プールされた5人のドナー - Sekisui XenoTech、HPCH05+)を、実験の直前に解凍し、肝実質細胞プレーティングサプリメントパック(Gibco、CM3000)を追加した1×完全Williams培地(Gibco、A1217601)中で培養した。FBS濃度を、化合物の安定性のために製造レシピから最終2.5%(5%とは対照的に)へ改変した。
1×完全WEM:2.5%FBS、1μMデキサメタゾン、ペニシリン/ストレプトマイシン(100U/mL/100μg/mL)、4μg/mlヒトインスリン、2mM GlutaMAX、15mM HEPES、pH7.4)。
【0242】
肝実質細胞を、コラーゲンI(ラット尾)コーティング化96ウェル組織培養プレート(Gibco、A1142803)上にプレーティングした。
【0243】
APOC3化合物調製:
化合物を、PBS中10mg/mLに溶解し、95℃で5分間、加熱し、続いて、氷上で急冷することによりアニールさせた。
【0244】
APOC3化合物トランスフェクション:
トランスフェクションの当日、プライマリーヒト肝実質細胞を、45mLのヒトOptiThaw(Sekisui Xenotech、K8000)において解凍し、200gで5分間、遠心分離させた。細胞を、2×完全WEM中に再懸濁し、計数した。その後、細胞を、96ウェルの1型ラット尾コラーゲンプレート上に50uLの2×完全WEM中ウェルあたり25,000細胞でプレーティングし、トランスフェクション前に4時間、休ませ、付着させた。
【0245】
化合物を基本WEM中2uMへさらに希釈した。7段階の5倍希釈系列を、基本WEM中2uMから0.000128uMまで、調製した。1×完全WEM 100uLの体積中1uMから0.000064uMまでの最終希釈系列として、50uLの各希釈物を、プレーティングされた肝実質細胞のそれぞれの3重へ加えた。
【0246】
トランスフェクションから72時間後、細胞を回収し、PureLink Pro 96全RNA精製キット(ThermoFisher、12173011A)を用いて、製造会社のプロトコールに従ってRNAを単離した。回収されたRNAを、Lunaユニバーサルプローブ1ステップRT-qPCRキット(NEB、E3006)を用いるTaqman qPCRによって、APOC3発現についてアッセイした。単一のqPCRアッセイを、各試料について、共通のGAPDH VICプローブ(ThermoFisher、4326317E)で多重化されたAPOC3 Taqmanプローブセット(Hs00906501_g1-FAM)を用いて、実施した。サーモサイクリングおよびデータ取得を、Applied Biosystems QuantStudio 3/5 リアルタイムPCRシステムで実施した。
【0247】
結果
図1aからわかるように、A28構造およびA277構造の両方のいくつかのバリエーションは優れた活性を示した。
【0248】
図1bからわかるように、全ての分子は優れた活性を生じた。
【0249】
実施例4
研究プロトコール
「ヒト肝臓-uPA-SCID雄マウス、非GLPにおける候補スクリーニング研究のためのmxRNAリード」と題する研究についての以下の研究プロトコールは、動物実験および研究が完了する前に作成されており、したがって、未来時制を用いている。しかしながら、前記研究はすでに完全に行われているため、「未来時制」の各使用は、研究プロトコールの以下の説明において「過去時制」として見なされるべきである。
【0250】
研究目的
この非GLP研究の目的は、ヒト肝臓-uPA-SCIDマウスモデルを用いてAPOC3をターゲットする候補GalNAc-siRNAコンストラクトについての2つの選択されたmxRNAリードの用量および持続応答効果を評価することであった。化合物は皮下に投与され、マウスは14日間および42日間、生存した。
【0251】
剖検の前に、血漿および血清を収集した。剖検時、動物あたり3つの肝臓生検(2mm)を、別々のバイアルにおけるRNAlater中に保存し、瞬間冷凍し、-80℃で貯蔵した。さらに3つの肝臓生検(2mm)を採取し、同じバイアルにおいて瞬間冷凍し、-80℃で貯蔵した。
【0252】
法規制の順守
この非GLP研究は、食品医薬品局の医薬品安全性試験実施基準(GLP)規制(21 CFR Part 58)に従って行われるものではない。
【0253】
動物保護順守
下記で記載および実施された手順は、実験動物のケアと使用に関する指針、USDA APHIS、動物保護法に従って、および/または標準操作手順書に従って、行われるだろう。
【0254】
このプロトコールは試験設備IACUC委員会により検閲され、認可されている。
【0255】
研究スケジュール
順化/検疫終了日程:≧5日間
ベースライン手順日程:ベースライン手順なし 手順開始日0 日程:暫定:12月、試験材料待ち
剖検開始:治療後14日目および42日目
生存中、研究完了:治療後6週目
予備報告書:スポンサーによる要求なし、データのみ
発行される最終報告書:要求なし
【0256】
試験系情報
動物試験
一般名:マウス
品種/クラス:齧歯類 - ヒト肝臓-uPA-SCIDマウス
動物の数(雄雌別):36匹の雄、全てナイーブ
年齢範囲:14~19週目
体重範囲:およそ20グラム
この研究に用いられたマウスは、ヒト肝臓-uPA-SCIDマウスであった。各マウスの肝実質細胞の約80%は、ヒト肝実質細胞によって置き換えられている。当業者は、そのようなマウスを作製する方法を知っている;これらの方法の少なくとも一部は、全体として参照により本明細書に組み入れられている、P.MeulemanおよびG.Leroux-Roels、Antiviral Res. 2008年12月;80(3):231~8に示され、参照される。
【0257】
順化期間:
持続期間:
全ての動物を、担当獣医による解放の前の最短期間の5日間の間、順化させられ、その解放時点において、動物の全体的な健康が評価されるだろう。順化から解放されない動物は、それに応じて治療され、解放前にさらなる評価が実施されるだろう。順化期間からの全記録は研究ファイルに残るだろう。
【0258】
動物識別方法および位置:
動物は、連番を割り当てられるだろう。動物は、各動物を永久に識別するように耳切りされるだろう。この方法は、麻酔されている間、耳介に穴または切り込みをパンチすることを含む。あるいは、動物は、それらの尾に刺青を入れられてもよい。動物番号、性別、ベンダー、系統、研究ディレクター、および研究番号を表示するケージカードもまた、各動物ケージに貼られるだろう。
【0259】
研究設計
設計詳細
この研究は、1つの型のマウス、36匹のヒト肝臓-uPA-SCIDマウスを有するだろう。動物は、治療タイプ、投薬量、および生存期間によって分類されるだろう。各動物は、試験材料の皮下注射によって治療されるだろう。群1Aおよび1Bは、対照用量のPBSを受ける4匹の動物を有するだろう。群2A、2B、2C、3A、3B、および3Cは、1つの用量(10または30mg/kg)を受け、用量の量ごとに4匹の動物を含む。全ての動物は14日間または42日間、生き続けるだろう。詳細について下記の研究表6を参照。
【0260】
剖検前、動物は、深く麻酔され、終末部採血が大静脈を通して実施されるだろう。動物あたりに収集される標的血液体積は、血清分離チューブと血漿分離チューブの間で等しく分割されるだろう最少1.2mLで、できるだけ多くの血液である。分離後(セクション14.10参照)、血清は、2つの別々のバイアルにおいて等しく分割され、血漿もまた、2つの別々のバイアルに分けられるだろう(下記の実施例参照)。
・1.2mLの血液=血清分離チューブについて0.6mLおよび血漿分離チューブについて0.6mL
・血清(分離後0.3mL)=0.15mL×2バイアル
・血漿(分離後0.3mL)=0.15mL×2バイアル
上記の血清および血漿試料は、ラベルが貼られ、瞬間冷凍され、-80℃で貯蔵されるだろう。
最少の1.2mL体積を超えて収集された追加の血液は、血清分離チューブに入れられ、処理され、血清が、ラベル付きのバイアルへ移され、齧歯類脂質分析のために4℃で冷蔵されるだろう。
注:血清および血漿は、タンパク質を測定するために用いられ、溶血または血塊形成を避けるように注意するべきである。
【0261】
剖検時、3つの2mm生検パンチを、左、中央、および右の肝葉から採取し、別々のバイアルに入れ、RNAlater中、15分間、浸し、瞬間冷凍し、-80℃で貯蔵するだろう。左、中央、および右の肝葉からの別の3つの2mm肝臓生検を、1つのバイアルに入れ、瞬間冷凍し、-80℃で貯蔵するだろう。肝臓の残りは、瞬間冷凍し、10mLコニカルチューブにおいて-80℃で貯蔵するだろう。
【0262】
研究設計の変更
研究が進行するにつれて、このプロトコールに変更が加えられてもよい。研究または研究対象の安全性に負に影響する可能性を有する(プロトコールへの)変化は、IACUC認可を必要とする。
【0263】
動物組入れおよび除外基準
獣医学的プレスクリーニング中に不健康であると見なされるいかなる動物も、研究から除外され、可能な場合には予備動物と交換されるだろう。生存について、治療後、死亡または瀕死状態で見出された動物は、可能な場合には予備動物により、研究プロトコール修正を経て、交換されてもよい。
【0264】
動物処分
研究の終了時点において、動物は安楽死されるだろう。
【0265】
投与経路
首筋における皮下注射。200uLの注射体積。
【0266】
結果
図3は、対照動物と比較した場合の、14日目における、異なるmxRNAコンストラクトで治療された動物の肝臓組織中のAPOC3 mRNAおよび血漿中のAPOC3タンパク質レベルのパーセント低下への用量応答効果を明らかにしている。
加えて、以下の注釈が図3に適用される:
A28(14-4)mF-10=A28(14-4)mF 10mg/kg用量群
A28(14-4)mF-30=A28(14-4)mF 30mg/kg用量群
A277(12-5)-10=A277(12-5) 10mg/kg用量群
A277(12-5)-30=A277(12-5) 30mg/kg用量群
【0267】
図4は、対照動物と比較した場合の、14日目における、異なるAPOC3ターゲティングmxRNAコンストラクトで治療された動物の血清中のトリグリセリドおよび総コレステロールの平均パーセント低下への用量応答効果を明らかにしている。
【0268】
図5aおよび5bは、対照動物と比較した場合の、14日目(2週目)および6週目における、異なるAPOC3ターゲティングmxRNA(10mg/kg)コンストラクトで治療された動物の肝臓組織中のAPOC3 mRNAおよび血漿中のAPOC3タンパク質レベルの平均パーセント低下への持続期間効果を明らかにしている。さらに、これらの図に関して、A277(12-5)群からの異常値が除外されていることに留意されたい。
【0269】
図6aおよび6bは、対照動物と比較した場合の、14日目(2週目)および6週目における、異なるAPOC3ターゲティングmxRNA(10mg/kg)コンストラクトで治療された動物の血清中のトリグリセリド(TG)および総コレステロール(TC)の平均パーセント低下への持続期間効果を明らかにしている。これらの図に関して、A277(12-5)群からの異常値が除外されていることに留意されたい。
【0270】
結果の概要
A28(14-4)mF APOC3ターゲティングmxRNAコンストラクト:
・対照群と比較した場合、APOC3 mRNAの2週目における88%抑制、6週目において78%で維持された。
・対照群と比較した場合、血漿中APOC3レベルの6週目における90%低下、6週目において85%で持続した。
・対照群と比較した場合、血清中トリグリセリドレベルの2週目における32%低下、6週目には41%低下へ増加した。
・対照群と比較した場合、血清中総コレステロールレベルの2週目における43%低下、6週目において33%で維持された。
A277(12-5) APOC3ターゲティングmxRNAコンストラクト:
・対照群と比較した場合、APOC3 mRNAの2週目における56%抑制、6週目において42%で維持された。
・対照群と比較した場合、血漿中APOC3レベルの6週目における83%低下、6週目において84%で持続した。
・対照群と比較した場合、血清中トリグリセリドレベルの2週目における8%低下、6週目には52%低下へ増加した。
・対照群と比較した場合、血清中総コレステロールレベルの2週目における36%低下、6週目には低下が失われた。
【0271】
結論
コンストラクトA28(14-4)mFは、傑出した活性を生じ、2週目時点において30mg/kg投薬量で、ターゲットされたタンパク質の98%の下方制御があった。さらに、コンストラクトA28(14-4)mFは、2週目および6週目の両方において、10mg/kg投薬量で優れた(タンパク質ノックダウン)活性を持続した。
【0272】
実施例5
実施例4で詳細に記載されたプロトコールに従って、化合物A28(14-4)mF(STP125Gとも名づけられた)の効果が、より長い期間にわたって観察されている。この拡大研究の概観について図7を参照されたい。対応する結果は、図8aおよび8b(それぞれ、APOC3 mRNAおよびタンパク質ノックダウン)ならびに図9aおよび9b(トリグリセリドおよび総コレステロールレベル)に示されている。
【0273】
いくつかの態様が注目に値する:
・10mg/kgの単一用量が、6週間の期間の間、mRNAおよびタンパク質のノックダウンに十分であり、リバウンドは、研究の終わりに向かってゆっくり明らかになっていった。
・トリグリセリド(APOC3に関連していると主に考えられる血中の脂肪レベル)だけでなく、総コレステロールもまた下方制御される。
・後者の所見の評価において、研究に用いられたマウスの性質が考慮されなければならない。図10は、ヒト化肝臓の細胞の20~25パーセントの推定割合が、マウス細胞のままであることを示している。A28A(14-4)mFは、マウスAPOC3をターゲットしない。結果として、サイレンスされていないマウスAPOC3が、観察されたトリグリセリドおよび総コレステロールレベルに寄与する。したがって、純粋にヒト系におけるこれらの2つの血中脂肪の下方制御は、この研究で観察された結果を超えると予想される。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
【配列表】
2024522882000001.app
【国際調査報告】