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特表2024-522904アシル化インスリンを含む医薬組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】アシル化インスリンを含む医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/28 20060101AFI20240614BHJP
   C07K 14/62 20060101ALI20240614BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240614BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240614BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240614BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240614BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240614BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A61K38/28
C07K14/62
A61K47/10
A61K47/02
A61K9/08
A61P3/10
A61K45/00
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580355
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 CN2022101204
(87)【国際公開番号】W WO2022268208
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】202110709826.5
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523485755
【氏名又は名称】ガン アンド リー ファーマシューティカルズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GAN & LEE PHARMACEUTICALS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】IP Department Niu Jianghong, No.8 Nanfeng West 1st Street, Huoxian, Tongzhou District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガン ジョンル
(72)【発明者】
【氏名】チェン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン インイン
(72)【発明者】
【氏名】ビ ジュアンジュアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン マン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ ファンカイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ザイユ
(72)【発明者】
【氏名】ニュウ ジャンホン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB11
4C076CC30
4C076DD23
4C076DD26
4C076DD37
4C076DD38
4C076FF11
4C076FF31
4C084AA03
4C084AA19
4C084BA01
4C084DB34
4C084MA02
4C084MA17
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA12
4C084ZC35
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA17
4H045BA18
4H045EA23
4H045FA10
4H045GA23
(57)【要約】
本発明は、アシル化インスリン製剤、アシル化インスリンと長時間作用型GLP-1化合物との医薬組成物、並びに上記製剤及び医薬組成物の医学的用途に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アシル化インスリンと、
2.3モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンと、
45~60mMのフェノールと、
0~10mMのm-クレゾールと、
10mM~20mMのNaClと、
1.5%の(重量/重量)のグリセリンと、
5~10mMのNaHPO
を含む医薬組成物であって、
そのうち、
前記アシル化インスリンのインスリン母体は、A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン又はA14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリンであり、前記アシル化インスリンのアシル基部分は、前記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結され、前記アシル基部分は下記式(D)で表され、
W1-(W2)-(W3)- (D)、
式中、
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、nは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20であり、
W3は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
W2は酸性アミノ酸残基であり、
W1は20~24個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、但し、形式上、ヒドロキシ基は前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの1つから除去されており、
W1、W2及びW3の間はアミド結合で連結され、及び
W2及びW3の式(D)における出現順番は独立的に互換可能である、
医薬組成物。
【請求項2】
前記nは、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18若しくは19、好ましくは、nは、5、6、7、8、11、12、13、14、15、16、17若しくは18、好ましくは、nは、5、6、7、8、11、12、13、14、15若しくは16、好ましくは、nは、5、6、7、8、11、12、13、14若しくは15であり、及び/又は
mは1~6の整数、好ましくは、mは1、2、3若しくは4、好ましくは、mは1若しくは2、好ましくは、mは1であり、及び/又は
W1は20~23個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、好ましくは、W1は20、21又は22個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、但し、形式上、ヒドロキシ基は既に前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの1つから除去されている、
請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記W3は、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、又は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、好ましくは、W3は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、及び/又は
W2はγGlu、αGlu、βAsp、αAsp、γ-D-Glu、α-D-Glu、β-D-Asp又はα-D-Aspから選ばれるアミノ酸残基であり、好ましくは、W2はγGlu又はβAspから選ばれ、及び/又は
W1はHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH19-CO-、HOOC-(CH20-CO-、HOOC-(CH21-CO-又はHOOC-(CH22-CO-であり、好ましくは、W1はHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH20-CO-又はHOOC-(CH22-CO-である、
請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記式(D)は、W3のC末端により前記インスリン母体のリジン残基又はN-末端アミノ酸残基のアミノ基に連結されている、
請求項1~3の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記アシル基部分は、前記インスリン母体のリジン残基のεアミノ基に連結されている、
請求項1~4の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-10xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-24xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-10xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリンとうインスリンから選ばれ、
好ましくは、前記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリンというインスリンから選ばれ、
好ましくは、前記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリンというインスリンから選ばれる、
請求項1~5の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記アシル化インスリンの含有量は約0.3mMより高く、好ましくは約0.3~9mM、好ましくは約0.6~8.4mM、好ましくは約0.6~7.2mM、好ましくは約0.6~6.0mM、好ましくは約0.6~4.2mM、好ましくは約0.6~3.6mM、好ましくは約0.6~3.0mM、好ましくは約0.6~2.4mM、好ましくは約0.6~2.1mM、好ましくは約0.9~1.8mM、好ましくは約0.9~1.5mM、好ましくは約1.2~1.5mMであり、及び/又は
フェノールの含有量は、約45mM、約46mM、約47mM、約48mM、約49mM、50mM、約51mM、約52mM、約53mM、約54mM、約55mM、約56mM、約57mM、約58mM、約59mM、若しくは約60mMであり、及び/又は
m-クレゾールの含有量は、約0mM、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、若しくは約10mMであり、及び/又は
NaClの含有量は、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、若しくは約20mMであり、及び/又は
前記医薬組成物のpHは6.5~8.5であり、好ましくはpHは6.5~8.0、好ましくはpHは7.0~7.8、好ましくはpHは7.2~7.6、更に好ましくはpHは7.4である、
請求項1~6の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
約0.9~1.5mMのアシル化インスリンと、
約2.3モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンと、
約45mMのフェノールと、
約10mMのm-クレゾールと、
約20mMのNaClと、
約15mg/mLのグリセリンと、
約5~10mMのNaHPOとを含む医薬組成物であって、
pH値が約6.5~8.0であり、
そのうち、前記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリンである、医薬組成物。
【請求項9】
約1.2mMのアシル化インスリンと、
約2.3モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンと、
約45mMのフェノールと、
約10mMのm-クレゾールと、
約20mMのNaClと、
約15mg/mLのグリセリンと、
約5mMのNaHPOとを含む医薬組成物であって、
pH値が約7.4であり、
そのうち、前記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリンである、医薬組成物。
【請求項10】
インスリン分泌性GLP-1化合物及びアシル化インスリンを含む医薬組成物であって、
そのうち、前記インスリン分泌性GLP-1化合物と前記アシル化インスリンとのモル比は、少なくとも約1:100であり、好ましくは少なくとも約3:100、好ましくは少なくとも約5:100、好ましくは少なくとも約8:100、好ましくは約(3:100)~(100:100)、好ましくは約(5:100)~(80:100)、好ましくは約(8:100)~(50:100)、好ましくは約(10:100)~(50:100)、好ましくは約(13:100)~(50:100)、好ましくは約(13:100)~(40:100)、好ましくは約(13:100)~(35:100)、好ましくは約(13:100)~(27:100)、好ましくは約(13:100)~(20:100)であり、
前記アシル化インスリンは請求項1~9の何れか1項に定義された通りであり、
前記インスリン分泌性GLP-1化合物は、N-ε26-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-ε26-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセトアミド)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、若しくはN-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセトアミド)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-ε30-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(s)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセトアミド)エトキシ]エトキシ)アセチル](ValGlu22Lys30Arg26、34-GLP-1(7-37))ペプチド、若しくはN-ε23-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(s)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセトアミド)エトキシ]エトキシ)アセチル](ValGlu22Lys23Arg26,34-GLP-1(7-37))ペプチドであり、又は、
前記インスリン分泌性GLP-1化合物は下記式(B)によって表され、
[Acy-(L1)-(L2)]-G1 (B)、
式中、G1はGLP-1(7-37)(配列番号5)に対応する位置34でArgを有し、及び位置8でAla又はGlyを有するGLP-1類似体であり、[Acy-(L1)-(L2)]は前記GLP-1類似体の位置26のLys残基のεアミノ基に連結される置換基であり、そのうち、rは1~10の整数であり、qは0又は1~10の整数であり、
Acyは20~24個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり但し、形式上、ヒドロキシ基は既に前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの1つから除去されており、
L1はγGlu、αGlu、βAsp、αAsp、γ-D-Glu、α-D-Glu、β-D-Asp又はα-D-Aspから選ばれるアミノ酸残基であり、
L2は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
Acy、L1及びL2の間はアミド結合で連結され、及び
L1及びL2の式(B)における出現順番は独立的に互換可能である、
医薬組成物。
【請求項11】
G1は[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(配列番号6)又は[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(配列番号7)であり、好ましくは[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドであり、及び/又は
rは1、2、3、4、5又は6であり、好ましくは、rは1、2、3又は4、好ましくは、rは1又は2、好ましくは、rは1であり、及び/又は
qは0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり、好ましくは、qは0、1、2、3又は4であり、より好ましくは、qは0、1又は2であり、及び/又は
Acyは20~23個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、好ましくは、Acyは20、21又は22個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、但し、形式上、ヒドロキシ基は既に前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの1つから除去されている、
請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
L2は、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、又は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、好ましくは、L2は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、及び/又は
L1はγGlu又はβAspから選ばれ、好ましくはL1はγGluであり、及び/又は
AcyはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH19-CO-、HOOC-(CH20-CO-、HOOC-(CH21-CO-又はHOOC-(CH22-CO-であり、好ましくは、AcyはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH20-CO-又はHOOC-(CH22-CO-である、
請求項10~11の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
式(B)において、Acy、L1及びL2の間はアミド結合で順に連結され、L2のC末端は前記GLP-1類似体の位置26のLys残基のεアミノ基に連結される、
請求項10~12の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記インスリン分泌性GLP-1化合物は、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[23-カルボキシトリコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[23-カルボキシトリコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[20-カルボキシエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[22-カルボキシドコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[20-カルボキシエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[22-カルボキシドコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又は
N-ε26-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、という化合物から選ばれ、及び/又は
前記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-10xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-24xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-10xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリンというインスリンから選ばれる、
請求項10~13の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記インスリン分泌性GLP-1化合物は、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又は
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドという化合物から選ばれ、及び/又は
前記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリンというインスリンから選ばれる、
請求項10~14の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記アシル化インスリンの含有量は約0.3mMより高く、好ましくは約0.3~9mM、好ましくは約0.6~8.4mM、好ましくは約0.6~7.2mM、好ましくは約0.6~6.0mM、好ましくは約0.6~4.2mM、好ましくは約0.6~3.6mM、好ましくは約0.6~3.0mM、好ましくは約0.6~2.4mM、好ましくは約0.6~2.1mM、好ましくは約0.9~1.8mM、好ましくは約0.9~1.5mM、好ましくは約1.2~1.5mMである、
請求項10~15の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記組成物は、亜鉛イオン、グリセリン、フェノール、m-クレゾール、NaCl、及び/又はNaHPOを更に含む、
請求項10~16の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記亜鉛イオンの含有量は、少なくとも約1.5モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンであり、好ましくは約1.5~12モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリン、好ましくは約1.5~10モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリン、好ましくは約1.5~8モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリン、好ましくは約1.5~6モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリン、好ましくは約1.5~4.5モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリン、好ましくは約1.5~3.5モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリン、好ましくは約1.5~2.3モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンであり、及び/又は
前記グリセリンの含有量は、約2.5%(重量/重量)以下であり、好ましくは約2%(重量/重量)以下、好ましくは約0.3%~約2%(重量/重量)、好ましくは約0.5%~約1.8%(重量/重量)、好ましくは約0.7%~約1.8%(重量/重量)、好ましくは約1%~約1.8%(重量/重量)、好ましくは約1.5%~約1.7%(重量/重量)であり、及び/又は
前記フェノールの含有量は、約30~70mMであり、好ましくは約40~65mM、好ましくは約45~60mM、好ましくは約45mM、約46mM、約47mM、約48mM、約49mM、50mM、約51mM、約52mM、約53mM、約54mM、約55mM、約56mM、約57mM、約58mM、約59mM、約60mM、約61mM、約62mM、約63mM、約64mM、若しくは約65mMであり、及び/又は
前記m-クレゾールの含有量は、約0~35mMであり、好ましくは約0~20mM、好ましくは約0~10mM、好ましくは約0mM、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、若しくは約15mMであり、及び/又は
前記NaClの含有量は、約0~150mMであり、好ましくは約5~120mM、好ましくは約10~120mM、好ましくは約10~100mM、好ましくは約10~75mM、好ましくは約10~50mM、好ましくは約10~30mM、好ましくは約10~20mM、好ましくは約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、若しくは約20mMであり、及び/又は
前記NaHPOの含有量は、約0~75mMであり、好ましくは約5~60mM、好ましくは約5~50mM、好ましくは約5~25mM、好ましくは約5~15mM、好ましくは約5~10mMであり、及び/又は
前記医薬組成物のpHは約6.5~8.5であり、好ましくはpHは約6.8~8.2、好ましくはpHは約7.0~8.2、好ましくはpHは7.2~7.6、更に好ましくはpHは7.4又は7.6である、
請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
約0.9~1.5mMのアシル化インスリンと、
前記アシル化インスリンに対するモル比が少なくとも約8:100、好ましくは約(8:100)~(50:100)、好ましくは約(10:100)~(50:100)、好ましくは約(13:100)~(50:100)、好ましくは約(13:100)~(40:100)、好ましくは約(13:100)~(35:100)、好ましくは約(13:100)~(27:100)、好ましくは約(13:100)~(20:100)であるインスリン分泌性GLP-1化合物と、
約1.5~2.3モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンと、
約45~60mMのフェノールと、
約0~10mMのm-クレゾールと、
約10~20mMのNaClと、
約15~17mg/mLのグリセリンと、
約5~10mMのNaHPOとを含む医薬組成物であって、
pH値が約6.5~8.0であり、
そのうち、前記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリンであり、及び
前記インスリン分泌性GLP-1化合物は、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又は
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドである、
医薬組成物。
【請求項20】
約1.2mMのアシル化インスリンと、
少なくとも約0.096mM、好ましくは約0.096~0.6mM、好ましくは約0.12~0.6mM、好ましくは約0.16~0.6mM、好ましくは約0.16~0.48mM、好ましくは約0.16~0.42mM、好ましくは約0.16~0.32mM、好ましくは約0.16~0.24mMのインスリン分泌性GLP-1化合物と、
約1.5~2.3モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンと、
約45~60mMのフェノールと、
約0~10mMのm-クレゾールと、
約10~20mMのNaClと、
約15~17mg/mLのグリセリンと、
約5~10mMのNaHPOとを含む医薬組成物であって、
pH値が約6.5~8.0であり、
そのうち、前記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリンであり、及び
前記インスリン分泌性GLP-1化合物は、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又は
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドである、
医薬組成物。
【請求項21】
薬物として使用される、
請求項1~20の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能異常を治療又は予防するために用いられる、
請求項1~20の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能異常を治療又は予防するための薬物の製造における、請求項1~20の何れか一項に記載の医薬組成物の用途。
【請求項24】
糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能異常を治療又は予防する方法であって、治療有効量の請求項1~20の何れか一項に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年6月25日に提出された、第CN202110709826.5号の中国発明特許出願の優先権を主張し、上記出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、糖尿病に関連する医学的病状を治療するための医薬組成物の分野に関し、具体的にはアシル化インスリンの医薬組成物、アシル化インスリンと長時間作用型GLP-1化合物との医薬組成物、並びに上記医薬組成物の医学的用途に関する。
【背景技術】
【0003】
インスリンは、糖尿病及び糖尿病に関連する疾患、又は糖尿病に起因する疾患の治療に使用でき、正常な代謝調節を維持するために必要である。しかし、ヒトインスリンなどの天然インスリンは作用時間が短いため、患者は頻繁に注射する必要があり、注射に伴う多くの不快感を患者に与えてしまう。
【0004】
現在市販されているインスリン系薬物としては、例えば、インスリンリスプロ(Insulin Lispro)、インスリンアスパルト(Insulin Aspart)、インスリンアスパルト30、インスリンデテミル(Insulin Detemir)、インスリングラルギン(Insulin Glargine)、インスリンデグルデク(Insulin Degludec)などがある。しかし、今まで、1日1回の皮下注射よりも低い頻度で投与されるインスリン製品の市販は、承認されていない。従って、当業者は、高頻度のインスリン注射によって引き起こされる不便さや不快感を改善するために、薬効が良く、作用時間がより長く、注射頻度がより低いインスリン誘導体又は類似体を入手するために取り組んでいる。
【0005】
CN101573133B及びWO2009/010428は、未修飾インスリンと比較して作用時間がより長い、PEG化(PEGylated)延長インスリンを含む製剤を開示している。
【0006】
WO2013086927A1及びWO2018/024186は、長時間作用型ヒトインスリン類似体のアシル化誘導体を開示している。
【0007】
更に、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)及びその類似体並びに誘導体は、糖尿病及び糖尿病に関連する疾患を治療する別の非常に重要なペプチドである。GLP-1は、主に回腸末端、結腸及び直腸粘膜のL細胞によって分泌される腸管ペプチドホルモンで、グルコース依存性インスリンの分泌、β細胞の分化と増殖を促進し、グルカゴンの分泌を抑制する。2型糖尿病患者の数が世界中で急速に増加しているため、より効果的で投与が容易な薬物の必要性が高まっている。例えば、2つの有効成分であるインスリンとGLP-1ペプチドを含む複合製剤は、非常に効果的な治療剤となる可能性がある。
【0008】
WO2009/063072には、GLP-1ペプチド(例えばリラグルチド)と基礎インスリン誘導体(例えばインスリンデグルデク)を含む医薬組成物が開示されているが、当該組成物は依然として1日1回より低い注射頻度を達成できなかった。
【0009】
従って、より優れた物理的と化学的安定性、より長い作用時間、及びより良い薬効を有する複合製剤は、現在でも依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
従来技術の少なくとも1つの欠点を克服若しくは改善するため、又は有用な代用品を提供するために、本発明の第1態様は、アシル化インスリンを含む新規医薬組成物を提供する。上記のアシル化インスリンを含む新規医薬組成物は、市販されているインスリンデグルデク(商品名「トレシーバ」若しくは「Tresiba」)又は他のインスリン誘導体の製剤と比較して、予想外に顕著に増加した効力、有効性又は薬効、より長い持続作用時間、より長いインビボ半減期、良好な生物学的利用能、より良好な安全性を有し、また、より満足な物理的安定性、化学的安定性及び溶解性を有する。
【0011】
本発明の第2態様は、アシル化インスリンと新規長時間作用型GLP-1化合物を含む新規医薬組成物を更に提供し、当該医薬組成物は弱められないだけでなく、予想外に上記アシル化インスリン及び上記GLP-1化合物の単一製剤よりも優れた薬効、物理的安定性、化学的安定性、持続作用時間、インビボ半減期を示し、特に本発明の医薬組成物におけるアシル化インスリンとGLP-1化合物は、予想外に相乗的血糖降下効果及びHb1Ac降下効果などの相乗的薬効を有する。また、本発明の組合せ製剤は、他のアシル化インスリンと長時間作用型GLP-1化合物との組合せ製剤(例えばリラグルチドとインスリンデグルデクとの組合せ製剤(商品名:Xultophy))と比較して、予想外により良好な薬効、持続作用時間、インビボ半減期、物理的安定性、化学的安定性などを有する。本発明により提供される上記アシル化インスリンとGLP-1化合物を含む組合せ製剤は、糖尿病患者の1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回又はそれよりも低い頻度での皮下治療を可能にする長い薬物動態(以下、PKともいう)特性を良好に実現することができる。
【0012】
本発明の第1態様に記載の医薬組成物は、アシル化インスリンと、2.3モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンと、45~60mMのフェノールと、0~10mMのm-クレゾールと、10~20mMのNaClと、1.5%(重量/重量)のグリセリンと、5~10mMのNaHPOと、を含み、
【0013】
そのうち、上記アシル化インスリンのインスリン母体は、A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン(配列番号1及び配列番号2はそれぞれA鎖及びB鎖を表す)又はA14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン(配列番号3及び配列番号4はそれぞれA鎖及びB鎖を表す)であり、上記アシル化インスリンのアシル基部分は、上記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結され、上記アシル基部分は下記式(D)で表され、
W1-(W2)-(W3)- (D)、
式中、
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、nは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20であり、
W3は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
W2は酸性アミノ酸残基であり、
W1は20~24個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、但し、形式上、ヒドロキシ基は既に上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの1つから除去されており、
W1、W2及びW3の間はアミド結合で連結され、及び
W2及びW3の式(D)における出現順番は独立的に互換可能である。
【0014】
一実施形態において、nは、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18若しくは19、好ましくは、nは、5、6、7、8、11、12、13、14、15、16、17若しくは18、好ましくは、nは、5、6、7、8、11、12、13、14、15若しくは16、好ましくは、nは、5、6、7、8、11、12、13、14若しくは15である。
【0015】
一実施形態において、mは1~6の整数であり、好ましくは、mは1、2、3若しくは4、好ましくは、mは1若しくは2、好ましくは、mは1である。
【0016】
別の実施形態において、W1は20~23個の炭素原子を含む脂肪族二酸、好ましくはW1は20、21若しくは22個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、但し、形式上、ヒドロキシ基は既に上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの1つから除去されている。
【0017】
一実施形態において、W3は、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、又は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、好ましくは、W3は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-である。
【0018】
別の実施形態において、W2はγGlu、αGlu、βAsp、αAsp、γ-D-Glu、α-D-Glu、β-D-Asp又はα-D-Aspから選ばれるアミノ酸残基であり、好ましくは、W2はγGlu又はβAspから選ばれる。
【0019】
別の実施形態において、W1はHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH19-CO-、HOOC-(CH20-CO-、HOOC-(CH21-CO-又はHOOC-(CH22-CO-であり、好ましくは、W1はHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH20-CO-又はHOOC-(CH22-CO-である。
【0020】
一実施形態において、式(D)は、W3のC末端により上記インスリン母体のリジン残基又はN-末端アミノ酸残基のアミノ基に連結されている。
【0021】
一実施形態において、上記アシル基部分は上記インスリン母体のリジン残基のεアミノ基に連結されている。
【0022】
一実施形態において、上記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-10xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-24xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-10xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリンというインスリンから選ばれ、
【0023】
一実施形態において、上記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリンというインスリンから選ばれ、
【0024】
一実施形態において、上記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリンというインスリンから選ばれる。
【0025】
一実施形態において、アシル化インスリンの含有量は、約0.3mMより高く、好ましくは約0.3~9mM、好ましくは約0.6~8.4mM、好ましくは約0.6~7.2mM、好ましくは約0.6~6.0mM、好ましくは約0.6~4.2mM、好ましくは約0.6~3.6mM、好ましくは約0.6~3.0mM、好ましくは約0.6~2.4mM、好ましくは約0.6~2.1mM、好ましくは約0.9~1.8mM、好ましくは約0.9~1.5mM、好ましくは約1.2~1.5mMである。
【0026】
別の実施形態において、フェノールの含有量は、約45mM、約46mM、約47mM、約48mM、約49mM、50mM、約51mM、約52mM、約53mM、約54mM、約55mM、約56mM、約57mM、約58mM、約59mM、若しくは約60mMである。
【0027】
別の実施形態において、m-クレゾールの含有量は、約0mM、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、若しくは約10mMである。
【0028】
別の実施形態において、NaClの含有量は、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、若しくは約20mMである。
【0029】
別の実施形態において、医薬組成物のpHは6.5~8.5であり、好ましくはpHは6.5~8.0、好ましくはpHは7.0~7.8、好ましくはpHは7.2~7.6、更に好ましくはpHは7.4である。
【0030】
一実施形態において、本発明の第1態様の医薬組成物は、
約0.9~1.5mMのアシル化インスリンと、約2.3モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンと、約45mMのフェノールと、約10mMのm-クレゾールと、約20mMのNaClと、約15mg/mLのグリセリンと、約5~10mMのNaHPOと、を含み、pH値が約6.5~8.0であり、
そのうち、上記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリンである。
【0031】
一実施形態において、本発明の第1態様の医薬組成物は、
約1.2mMのアシル化インスリンと、約2.3モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンと、約45mMのフェノールと、約10mMのm-クレゾールと、約20mMのNaClと、約15mg/mLのグリセリンと、約5mMのNaHPOと、を含み、pH値が約7.4であり、
そのうち、上記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリンである。
【0032】
本発明の第2態様は、インスリン分泌性GLP-1化合物とアシル化インスリンを含む医薬組成物を提供し、
そのうち、上記インスリン分泌性GLP-1化合物と上記アシル化インスリンとのモル比は、少なくとも約1:100であり、好ましくは少なくとも約3:100、好ましくは少なくとも約5:100、好ましくは少なくとも約8:100、好ましくは約(3:100)~(100:100)、好ましくは約(5:100)~(80:100)、好ましくは約(8:100)~(50:100)、好ましくは約(10:100)~(50:100)、好ましくは約(13:100)~(50:100)、好ましくは約(13:100)~(40:100)、好ましくは約(13:100)~(35:100)、好ましくは約(13:100)~(27:100)、好ましくは約(13:100)~(20:100)であり、
上記アシル化インスリンは、本発明の第1態様に記載の医薬組成物におけるアシル化インスリンである。
【0033】
一実施形態において、上記インスリン分泌性GLP-1化合物は、N-ε26-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-ε26-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセトアミド)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、若しくはN-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセトアミド)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-ε30-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(s)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセトアミド)エトキシ]エトキシ)アセチル](ValGlu22Lys30Arg26、34-GLP-1(7-37))ペプチド、若しくはN-ε23-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(s)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセトアミド)エトキシ]エトキシ)アセチル](ValGlu22Lys23Arg26、34-GLP-1(7-37))ペプチドであり、
別の実施形態において、上記インスリン分泌性GLP-1化合物は下記式(B)で表され、
[Acy-(L1)-(L2)]-G1 (B)、
式中、G1はGLP-1(7-37)(配列番号5)に対応する位置34でArgを有し、及び位置8でAla又はGlyを有するGLP-1類似体であり、[Acy-(L1)-(L2)]は上記GLP-1類似体の位置26のLys残基のεアミノ基に連結される置換基であり、そのうち、rは1~10の整数であり、qは0又は1~10の整数であり、
Acyは20~24個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、但し、形式上、ヒドロキシ基は既に上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの1つから除去されており、
L1はγGlu、αGlu、βAsp、αAsp、γ-D-Glu、α-D-Glu、β-D-Asp又はα-D-Aspから選ばれるアミノ酸残基であり、
L2は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
Acy、L1及びL2の間はアミド結合で連結され、及び
L1及びL2の式(B)における出現順番は独立的に互換可能である。
【0034】
発明者らは、驚くべきことに、本発明の第2態様の医薬組成物に記載のインスリン分泌性GLP-1化合物と上記アシル化インスリンとのモル比が約8:100である場合、好ましくは約10:100、好ましくは約13:100である場合、含有量が2倍であるアシル化インスリンを含む単一製剤よりも良好な薬効を有することを実現でき、本発明の第2態様の医薬組成物に記載のインスリン分泌性GLP-1化合物と上記アシル化インスリンとのモル比が約20:100である場合、含有量が2倍であるアシル化インスリンを含む単一製剤、及び含有量が2倍であるGLP-1化合物を含む単一製剤の何れかよりも更に良好な薬効を有することを同時に実現できることを見出した。
【0035】
一実施形態において、G1は[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(配列番号6)又は[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(配列番号7)であり、好ましくは[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドである。
【0036】
別の実施形態において、rは1、2、3、4、5又は6であり、好ましくは、rは1、2、3又は4、好ましくは、rは1又は2、好ましくは、rは1である。
【0037】
別の実施形態において、qは0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり、好ましくは、qは0、1、2、3又は4であり、より好ましくは、qは0、1又は2である。
【0038】
別の実施形態において、Acyは20~23個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、好ましくは、Acyは20、21、又は22個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、但し、形式上、ヒドロキシ基は既に上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの1つから除去されている。
【0039】
一実施形態において、L2は、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、又は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、好ましくは、L2は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-である。
【0040】
別の実施形態において、L1はγGlu又はβAspから選ばれ、好ましくはL1はγGluである。
【0041】
別の実施形態において、AcyはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH19-CO-、HOOC-(CH20-CO-、HOOC-(CH21-CO-又はHOOC-(CH22-CO-であり、好ましくは、AcyはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH20-CO-又はHOOC-(CH22-CO-である。
【0042】
一実施形態において、式(B)におけるAcy、L1及びL2の間は順にアミド結合で連結され、L2のC末端は上記GLP-1類似体の位置26のLys残基のεアミノ基に連結される。
【0043】
一実施形態において、インスリン分泌性GLP-1化合物は、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[23-カルボキシトリコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[23-カルボキシトリコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[20-カルボキシエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[22-カルボキシドコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[20-カルボキシエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[22-カルボキシドコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又は
N-ε26-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、という化合物から選ばれる。
【0044】
別の実施形態において、アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-10xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-24xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-10xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-13xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-14xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-16xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-17xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-19xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-20xOEG)、desB30ヒトインスリンというインスリンから選ばれる。
【0045】
一実施形態において、アシル化インスリンの含有量は、約0.3mMより高く、好ましくは約0.3~9mM、好ましくは約0.6~8.4mM、好ましくは約0.6~7.2mM、好ましくは約0.6~6.0mM、好ましくは約0.6~4.2mM、好ましくは約0.6~3.6mM、好ましくは約0.6~3.0mM、好ましくは約0.6~2.4mM、好ましくは約0.6~2.1mM、好ましくは約0.9~1.8mM、好ましくは約0.9~1.5mM、好ましくは約1.2~1.5mMである。
【0046】
一実施形態において、本発明の第2態様の組成物は、亜鉛イオン、グリセリン、フェノール、m-クレゾール、NaCl、及び/又はNaHPOを更に含む。
【0047】
一実施形態において、亜鉛イオンの含有量は、少なくとも約1.5モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンであり、好ましくは約1.5~12モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリン、好ましくは約1.5~10モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリン、好ましくは約1.5~8モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリン、好ましくは約1.5~6モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリン、好ましくは約1.5~4.5モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリン、好ましくは約1.5~3.5モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリン、好ましくは約1.5~2.3モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンである。
【0048】
一実施形態において、グリセリンの含有量は約2.5%(重量/重量)以下であり、好ましくは約2%(重量/重量)以下、好ましくは約0.3%~約2%(重量/重量)、好ましくは約0.5%~約1.8%(重量/重量)、好ましくは約0.7%~約1.8%(重量/重量)、好ましくは約1%~約1.8%(重量/重量)、好ましくは約1.5%~約1.7%(重量/重量)である。
【0049】
別の実施形態において、フェノールの含有量は約30~70mMであり、好ましくは約40~65mM、好ましくは約45~60mM、好ましくは約45mM、約46mM、約47mM、約48mM、約49mM、50mM、約51mM、約52mM、約53mM、約54mM、約55mM、約56mM、約57mM、約58mM、約59mM、約60mM、約61mM、約62mM、約63mM、約64mM、若しくは約65mMである。
【0050】
別の実施形態において、m-クレゾールの含有量は約0~35mMであり、好ましくは約0~20mM、好ましくは約0~10mM、好ましくは約0mM、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、若しくは約15mMである。
【0051】
別の実施形態において、NaClの含有量は約0~150mMであり、好ましくは約5~120mM、好ましくは約10~120mM、好ましくは約10~100mM、好ましくは約10~75mM、好ましくは約10~50mM、好ましくは約10~30mM、好ましくは約10~20mM、好ましくは約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、若しくは約20mMである。
【0052】
別の実施形態において、NaHPOの含有量は約0~75mMであり、好ましくは約5~60mM、好ましくは約5~50mM、好ましくは約5~25mM、好ましくは約5~15mM、好ましくは約5~10mMである。
【0053】
別の実施形態において、本発明の第2態様の医薬組成物のpHは約6.5~8.5であり、好ましくはpHは約6.8~8.2、好ましくはpHは約7.0~8.2、好ましくはpHは7.2~7.6、更に好ましくはpHは7.4又は7.6である。
【0054】
一実施形態において、本発明の第2態様の医薬組成物は、
約0.9~1.5mMのアシル化インスリンと、
上記アシル化インスリンに対するモル比が少なくとも約8:100、好ましくは約(8:100)~(50:100)、好ましくは約(10:100)~(50:100)、好ましくは約(13:100)~(50:100)、好ましくは約(13:100)~(40:100)、好ましくは約(13:100)~(35:100)、好ましくは約(13:100)~(27:100)、好ましくは約(13:100)~(20:100)であるインスリン分泌性GLP-1化合物と、
約1.5~2.3モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンと、
約45~60mMのフェノールと、
約0~10mMのm-クレゾールと、
約10~20mMのNaClと、
約15~17mg/mLのグリセリンと、
約5~10mMのNaHPOと、を含み、
pH値が約6.5~8.0であり、
そのうち、上記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリンであり、且つ
上記インスリン分泌性GLP-1化合物は、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又は
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドである。
【0055】
一実施形態において、本発明の第2態様の医薬組成物は、
約1.2mMのアシル化インスリンと、
少なくとも約0.096mM、好ましくは約0.096~0.6mM、好ましくは約0.12~0.6mM、好ましくは約0.16~0.6mM、好ましくは約0.16~0.48mM、好ましくは約0.16~0.42mM、好ましくは約0.16~0.32mM、好ましくは約0.16~0.24mMのインスリン分泌性GLP-1化合物と、
約1.5~2.3モルの亜鉛イオン/6モルのアシル化インスリンと、
約45~60mMのフェノールと、
約0~10mMのm-クレゾールと、
約10~20mMのNaClと、
約15~17mg/mLのグリセリンと、
約5~10mMのNaHPOと、を含み、
pH値が約6.5~8.0であり、
そのうち、上記アシル化インスリンは、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-11xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリンであり、且つ
上記インスリン分泌性GLP-1化合物は、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又は
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドである。
【0056】
本発明の第3態様は、薬物として使用される本発明の第1態様及び第2態様に記載の医薬組成物の用途を提供する。
【0057】
本発明の第4態様は、糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能異常を治療又は予防するための、本発明の第1態様及び第2態様に記載の医薬組成物を提供する。
【0058】
本発明の第5態様は、糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能異常を治療又は予防するための薬物の製造における、本発明の第1態様及び第2態様に記載の医薬組成物の用途を提供する。
【0059】
本発明の第6態様は、有効量の本発明の第1態様及び第2態様に記載の医薬組成物を投与することを含む、糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能異常を治療又は予防する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1a】中等用量での化合物2の単一製剤及び化合物11の単一製剤、低用量での化合物2と化合物11を含む医薬組成物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果を示す。
図1b図1aに対応して、中等用量での化合物2の単一製剤及び化合物11の単一製剤、低用量での化合物2と化合物11を含む医薬組成物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果の△AUCを示す。
図1c】中等用量での化合物2の単一製剤、化合物11の単一製剤、化合物2と化合物11を含む医薬組成物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果を示す。
図1d図1cに対応して、中等用量での化合物2の単一製剤、化合物11の単一製剤、化合物2と化合物11を含む医薬組成物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果の△AUCを示す。
図1e】中等用量での化合物2の単一製剤及び化合物11の単一製剤、低用量での化合物2と化合物11を含む医薬組成物及び溶媒の、db/dbマウスに対するHbA1c降下効果を示す。
図1f】中等用量での化合物2の単一製剤、化合物11の単一製剤、化合物2と化合物11を含む医薬組成物及び溶媒の、db/dbマウスに対するHbA1c降下効果を示す。
図2a】高用量での化合物2の単一製剤、化合物11の単一製剤及びデグルデクリラグルチド組成物(対照組成物)、低用量での化合物2と化合物11を含む医薬組成物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果を示す。
図2b図2aに対応して、高用量での化合物2の単一製剤、化合物11の単一製剤及びデグルデクリラグルチド組成物、低用量での化合物2と化合物11を含む医薬組成物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図2c】高用量での化合物2の単一製剤、化合物11の単一製剤、デグルデクリラグルチド組成物(対照組成物)並びに化合物2と化合物11を含む医薬組成物、中等用量での化合物2と化合物11を含む医薬組成物、低用量での化合物2と化合物11を含む医薬組成物及び溶媒の、db/dbマウスに対するHbA1c降下効果を示す。
図2d】高用量での化合物2の単一製剤、化合物11の単一製剤及びデグルデクリラグルチド組成物、低用量での化合物2と化合物11を含む医薬組成物及び溶媒の、db/dbマウスに対するTG降下効果を示す。
図3a】化合物2の単一製剤、対照例1の単一製剤、デグルデク製剤及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果を示す。
図3b】化合物2の単一製剤、対照例1の単一製剤、デグルデク製剤及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果の△AUCを示す。
図3c】化合物2の単一製剤、対照例1の単一製剤、デグルデク製剤及び溶媒の、db/dbマウスへの初回投与後の48時間にOGTTを行う血糖降下効果を示す。
図3d】化合物2の単一製剤、対照例1の単一製剤、デグルデク製剤及び溶媒の、db/dbマウスに対するHbA1c降下効果を示す。
図3e】化合物2の単一製剤、対照例1の単一製剤、デグルデク製剤及び溶媒の、db/dbマウスに対するTG降下効果を示す。
図4a】化合物2の単一製剤、デグルデク製剤及び溶媒の、GKラットに対する血糖降下効果を示す。
図4b図4aに対応して、化合物2の単一製剤、デグルデク製剤及び溶媒の、GKラットに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図4c】化合物2の単一製剤、デグルデク製剤及び溶媒の、GKラットに対するHbA1c降下効果を示す。
図4d】化合物2の単一製剤、デグルデク製剤及び溶媒の、GKラットに対するTG降下効果を示す。
図4e】化合物2の単一製剤、デグルデク製剤及び溶媒の、GKラットに対するGSP降下効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
定義
ここで、インスリンという用語は、ヒトインスリンなどの天然に存在するインスリン、及びそのインスリン類似体、インスリン誘導体を含む。
【0062】
インスリン類似体という用語は、形式上、天然インスリンに存在する1つ又は複数のアミノ酸残基の欠乏及び/又は置換(置換え)、及び/又は1つ又は複数のアミノ酸残基の追加により、天然に存在するインスリン(例えば、ヒトインスリン)の構造から誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを含む。追加及び/又は置換されるアミノ酸残基は、コード可能なアミノ酸残基、又は他の天然に存在するアミノ酸残基、又は純粋な合成アミノ酸残基であってよい。好ましくは、追加及び/又は置換されるアミノ酸残基はコード可能なアミノ酸残基である。
【0063】
ここで、「インスリン誘導体」という用語は、化学的に修飾された天然に存在するインスリン又はインスリン類似体を指し、この修飾は、例えば、インスリン骨格の1つ又は複数の位置への側鎖の導入、又はインスリン上のアミノ酸残基の基の酸化又は還元、又は遊離カルボキシ基のエステル基への変換、又は遊離アミノ基又はヒドロキシ基のアシル化であってよい。本発明のアシル化インスリンは、インスリン誘導体に属する。
【0064】
「インスリン母体」という用語は、インスリン誘導体又はアシル化インスリンのインスリン部分(本明細書では、母体インスリンとも呼ばれる)を指し、例えば、本発明において、インスリン誘導体又はアシル化インスリンの、側鎖に連結されていない、又はアシル基が追加されていない部分を指す。インスリン母体は、ヒトインスリンやブタインスリンなど、天然に存在するインスリンであってよい。一方、母体インスリンはインスリン類似体であってよい。
【0065】
ここで、「アミノ酸残基」という用語は、その中の水素原子が既にアミノ基から除去され、及び/又はヒドロキシ基が既にカルボキシ基から除去され、及び/又は水素原子が既にスルフヒドリル基から除去されたアミノ酸を含む。不正確に、アミノ酸残基はアミノ酸と呼ばれてよい。
【0066】
特に断りのない限り、本明細書に言及されたアミノ酸は何れも、L-アミノ酸である。
【0067】
ここで、アルキレングリコールという用語は、オリゴ/ポリアルキレングリコール部分及びモノアルキレングリコール部分を含む。モノアルキレングリコールとポリアルキレングリコールは、例えば、モノエチレングリコールとポリエチレングリコールに基づく鎖、モノプロピレングリコールとポリプロピレングリコールに基づく鎖、及びモノブチレングリコールとポリブチレングリコールに基づく鎖、即ち繰り返し単位である-CHCHO-、-CHCHCHO-又は-CHCHCHCHO-に基づく鎖を含む。アルキレングリコール部分は、単分散(明確に定義された長さ/分子量を有する)であっても、多分散(明確に定義されていない長さ/平均分子量を有する)であってもよい。モノアルキレングリコール部分は、それぞれの末端に異なる基が含まれた-OCHCHO-、-OCHCHCHO-又は-OCHCHCHCHO-を含む。
【0068】
「脂肪族二酸」という用語は、少なくとも2つの炭素原子を有し、飽和又は不飽和である直鎖又は分岐鎖脂肪族ジカルボン酸を含む。脂肪族二酸の非限定的な例は、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、ドコサン二酸及びテトラコサン二酸である。
【0069】
「基礎インスリン」という用語は、通常又は正常なヒトインスリンよりも作用持続期間が長いインスリンを意味する。
【0070】
本明細書において、「薬効」又は「効力」とは、ある作用又は効果(例えば、血糖降下)を生じる薬物又は活性化合物の能力を指す。例えば、同じ用量を投与する場合、本発明のインスリン誘導体はインスリンデグルデク又は他の既存のインスリン誘導体と比べて、より高い血糖降下の効果又は作用が生じられる。
【0071】
「糖尿病」という用語は、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病(妊娠中)、及び高血糖症を引き起こす他の状態を含む。この用語は、膵臓が不十分なインスリンを産生し、又は体の細胞がインスリンに適切に応答できないため、細胞によるグルコースの吸収が阻害される代謝障害に使用される。その結果、グルコースは血中に蓄積する。
【0072】
1型糖尿病は、インスリン依存性糖尿病(IDDM)及び若年発症糖尿病とも呼ばれ、β-細胞の破壊によって引き起こされ、一般的に、絶対的なインスリン欠乏になる。2型糖尿病は、非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)及び成人発症糖尿病とも呼ばれ、主要なインスリン抵抗性、及びそれによる相対的なインスリン欠乏、及び/又はインスリン抵抗性を有する主要なインスリン分泌障害に関連している。
【0073】
本明細書に使用される「GLP-1類似体」又は「GLP-1の類似体」という用語は、ヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1(7-37))の変異体であるペプチド又は化合物を指し、そのうち、GLP-1(7-37)の1つ又は複数のアミノ酸残基が置換され、及び/又はその中の1つ又は複数のアミノ酸残基が欠乏され、及び/又はそれに1つ又は複数のアミノ酸残基が追加されている。具体的に、GLP-1(7-37)の配列は配列表中の配列番号5に示される。配列番号5に示される配列を有するペプチドは、「天然」GLP-1又は「天然」GLP-1(7-37)と呼ばれてもよい。
【0074】
配列表において、配列番号5の最初のアミノ酸残基(ヒスチジン)は、1と番号付けられている。しかし、以下では、この分野で確立された慣例に従って、当該ヒスチジン残基の番号は7と決められ、且つ、その後のアミノ酸残基もそれに従って番号付けられ、最後は番号37のグリシンである。従って、一般的に、本明細書で言及されるGLP-1(7-37)配列のアミノ酸残基の番号付け又は位置の番号付けは、位置7のHisで始まり、位置37のGlyで終わる配列である。
【0075】
[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドは、GLP-1(7-37)(配列番号5)の位置8及び位置34に対応する位置でそれぞれGly及びArgを有するGLP-1類似体である。[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドは、GLP-1(7-37)(配列番号5)の位置34に対応する位置でArgを有するGLP-1類似体である。具体的に、[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド及び[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドのアミノ酸配列は、それぞれ配列表中の配列番号6及び配列番号7に示される。
【0076】
GLP-1ペプチド又はその類似体の場合、本明細書に使用される「誘導体」という用語は、1つ又は複数の置換基が既に上記ペプチドと共有結合されている、化学的に修飾されたGLP-1ペプチド又は類似体を指す。置換基は、側鎖と呼ばれてもよい。
【0077】
本明細書において、インスリン又はGLP-1化合物の命名は、以下の原則に従って実施され、即ち、ヒトインスリンに対する突然変異及び修飾(例えば、アシル化)、又は天然GLP-1(7-37)の突然変異及び修飾(例えば、アシル化)によって、名前が付けられる。アシル基部分の命名は、IUPAC命名法に従って、及び他の場合では、ペプチド命名法に従って命名される。例えば、下記のアシル基部分を命名する。
【0078】
【化1】
【0079】
例えば、「エイコサンジアシル-γGlu-OEG-OEG」、「エイコサンジアシル-γGlu-2xOEG」又は「エイコサンジアシル-gGlu-2xOEG」又は「19-カルボキシノナデカノイル-γGlu-OEG-OEG」と命名することができ、そのうち、OEGは-NH(CHO(CHOCHCO-(即ち、2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]アセチル)という基の略語を示し、γGlu(及びgGlu)は、L配置であるアミノ酸γグルタミン酸の略語である。又は、アシル基部分は、IUPAC命名法(OpenEye、IUPAC形式)に従って命名することができる。当該命名法に従って、本発明の上記アシル基部分は、[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル]、又は[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]-アミノ]-エトキシ]-エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]と呼ばれる。
【0080】
例えば、以下に示される配列/構造は、「A14E、B16H、B25H、B29K(Nεエイコサンジアシル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン」又は「A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン」と呼ばれ、ヒトインスリン中の位置A14のアミノ酸Yが既にEに突然変異され、ヒトインスリン中の位置B16のアミノ酸Yが既にHに突然変異されて、ヒトインスリン中の位置B25のアミノ酸Fが既にHに突然変異され、ヒトインスリン中の位置B29のアミノ酸Kが既にB29のリジン残基のε窒素(Nεと呼ばれる)で残基であるエイコサンジアシル-gGlu-2xOEGによりアシル化されて修飾され、且つヒトインスリン中の位置B30のアミノ酸Tが欠乏されていることを示す。
【0081】
【化2】
【0082】
インスリンは、膵臓中のβ-細胞から分泌されたポリペプチドホルモンであり、AとBその2本のポリペプチド鎖からなり、上記A鎖とB鎖は2つの鎖間ジスルフィド結合によって連結されている。また、上記A鎖は、1つの鎖内ジスルフィド結合を有することを特徴とする。
【0083】
コードする各インスリン類似体のポリペプチドの核酸配列は、Beaucage et al.(1981)Tetrahedron Letters 22:1859~1869に記載された方法、又はMatthes et al.(1984)EMBO Journal 3:801~805に記載された方法などの確立された標準的な方法により合成して製造することができる。
【0084】
一具体的な実施形態において、上記医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む。本明細書で使用される「賦形剤」という用語は、広義的に、活性治療成分以外の任意の成分を指す。賦形剤は、不活性物質、活性のない物質及び/又は薬学的活性のない物質であってもよい。賦形剤は、例えば、担体、溶媒、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、希釈剤とする、及び/又は、投与及び/又は活性物質の吸収を改善するといった様々な目的に使用することができる。薬物活性成分と異なる賦形剤との配合は、当該分野で知られているものであり、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(例えば、第19版(1995)と任意の更新版)を参照する。
【0085】
幾つかの実施形態において、本明細書で言及され、数字又は間隔に関して与えられる特定の値は、その特定の値またはその近傍であると理解され得る。幾つかの実施形態において、「約」という用語は、記載された値の±10%を指し、例えば、約100mMは100mM±10mMを含み、10%は10%±1%を含むなどである。
【0086】
本明細書において、「有効量」という用語は、非治療と比較して、患者の治療を有効にするのに十分な用量を指す。
【0087】
患者の便宜上、患者は、本発明のアシル化インスリン医薬組成物の投与から本発明のアシル化インスリン医薬組成物の次の投与までの時間間隔(時間遅延)を日数で同じ長さ又はほぼ同じ長さにすることを好むと仮定する。更に、患者は、アシル化インスリン医薬組成物を週に1回、即ち、毎週の日曜日など、毎週の同じ曜日に投与することを好むと予想してもよい。1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、これは6日おきにアシル化インスリン医薬組成物を投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことになる。一部の患者にとっては、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、5日おきに又はほぼ5日おきにアシル化インスリン医薬組成物を投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことが必要であり得る。他の患者にとっては、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、4日おきに又はほぼ4日おきにアシル化インスリン医薬組成物を投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことが必要であり得る。他の患者にとっては、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、3日おきに又はほぼ3日おきにアシル化インスリン医薬組成物を投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことが必要であり得る。更に、他の患者は、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、週に2回、例えば、各回の投与の間に約3~4日おきにアシル化インスリン医薬組成物を投与することが有利であると感じ得る。一部の患者にとっては、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、2日おきに又はほぼ2日おきにアシル化インスリン医薬組成物を投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことが必要であり得る。他の患者にとっては、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、1日おきに又はほぼ1日おきにアシル化インスリン医薬組成物を投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことが必要であり得る。一部の患者にとっては、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、7日おきに又はほぼ7日おきにアシル化インスリン医薬組成物を投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことが必要であり得る。更に、他の患者は、毎週、毎月又は毎年に、正確な同じ長さの時間間隔(日数)でアシル化インスリン医薬組成物を投与しない可能性がある。1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、一部の患者は、場合によっては、5日~7日おきの時間間隔でアシル化インスリン医薬組成物を投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことができる。1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、他の患者は、場合によっては、4日~6日おきの時間間隔でアシル化インスリン医薬組成物を投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことができる。1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、更に、他の患者は、場合によっては、3日~7日おきの時間間隔でアシル化インスリン医薬組成物を投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことができる。
【0088】
本発明の主な標的となる疾患及び病状は、糖尿病(1型又は2型)又は高血糖症を特徴とする他の病状であるというものの、大体、その中のインスリンの代謝作用が臨床的関連性又はメリットを有する代謝疾患及び病状であり、例えば、前糖尿病、耐糖能異常、メタボリックシンドローム、肥満、悪液質、インビボのβ-細胞損傷/死亡、過食症や炎症などである。これらのタイプの病状はすべて、上記疾患又は病状を罹患した対象の安定した代謝状態から利益を得ることが知られている、又は考えられている。
【0089】
略語
NaHPOは、リン酸水素二ナトリウムである。
NaOHは、水酸化ナトリウムである。
OEGは、アミノ酸残基-NH(CHO(CHOCHCO-である。
OSuは、スクシンイミド-1-イルオキシ-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルオキシである。
OtBuは、オキシ-tert-ブチルである。
HClは、塩化水素である。
γGlu又はgGluは、γL-グルタミル基である。
NHSは、N-ヒドロキシスクシンイミドである。
DCCは、ジシクロヘキシルカルボジイミドである。
AEEAは、2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)酢酸である。
OHは、ヒドロキシラジカルである。
Glyは、グリシンである。
Argは、アルギニンである。
TFAは、トリフルオロ酢酸である。
HbA1cは、糖化ヘモグロビンである。
GSPはグリコシル化血清タンパク質である。
TGはトリグリセライドである。
【実施例
【0090】
以下の実施例は、限定的ではなく、例示的に提供される。
【0091】
対照例1
A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン(対照化合物1)
【化3】
【0092】
1、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリンの製造
インスリン類似体を製造する従来の方法によってA14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリンを製造した(具体的な方法は、Glendorf T、Sorensen AR、Nishimura E、Pettersson I、& Kjeldsen T:Importance of the Solvent-Exposed Residues of the Insulin B Chain α-Helix for Receptor Binding; Biochemistry 2008 47 4743-4751を参照)。A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン(5g、0.888mmol)を100mMのNaHPO水溶液(150mL)に溶解し、アセトニトリル(100mL)を加え、1NのNaOHでpHをpH10~12.5に調整した。tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBu(0.948g、0.976mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解し、インスリン溶液に徐々に加えた。pHを10~12.5に維持した。120分間後、反応混合物を水(150mL)に加え、1NのHCl水溶液でpHを5.0に調整した。遠心分離により沈殿を分離し、凍結乾燥させた。凍結乾燥した粗生成物をトリフルオロ酢酸(60mL)とジクロロメタン(60mL)の混合溶液に加え、室温で30分間撹拌した。混合物を約30mLに濃縮し、氷冷したn-ヘプタン(300mL)に注ぎ、ろ過により沈殿した生成物を分離し、n-ヘプタンで2回洗浄した。真空で乾燥した後、イオン交換クロマトグラフィー(Resource Q、42.5%のエタノールにおける0.25%~1.25%の酢酸アンモニウム勾配、pH7.5)、逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル、水、TFA)により精製し、精製された画分を合併し、1NのHClでpHを5.2に調整し、沈殿物を分離し、凍結乾燥させ、表題化合物5を得た。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1063.6852[M+6H]6
【0093】
2、中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBuの製造
2.1 tert-ブチルエイコサンジアシル-OSu
窒素ガス保護の条件で、エイコサン二酸モノtert-ブチル(20g、50.17mmol)とNHS(5.77g、50.17mmol)をジクロロメタンに混合し、トリエチルアミン(13.95mL)を加え、得られた混濁混合物を室温で撹拌してから、DCC(11.39g、55.19mmol)を加え、更に一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮し、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧でほぼ乾燥になるまで濃縮し、真空で一晩乾燥させ、24.12g(収率97%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-OSuを得た。
LC-MS(Scie×100API):m/z=496.36(M+1)
【0094】
2.2 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBu
tert-ブチルエイコサンジアシル-OSu(24.12g、48.66mmol)をジクロロメタン(250mL)に溶解して撹拌し、順にH-Glu-OtBu(10.88g、53.53mmol)、トリエチルアミン(12.49mL)、水を加え、それを加熱して清澄な溶液を得て、当該溶液を室温で4時間撹拌した。次に10%のクエン酸水溶液(200mL)を加え、分液し、下層有機相に飽和食塩水を加えて水洗し、分液後に下層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧でほぼ乾燥になるまで濃縮し、真空で一晩乾燥させた。27.27g(収率96%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBuを得た。
LC-MS(Scie×100API):m/z=584.44(M+1)
【0095】
2.3 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBu
窒素ガス保護の条件で、tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBu(27.27g、46.71mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、トリエチルアミン(11.99mL)を加えて10分間撹拌し、更にNHS(5.38g、50.17mmol)を加えてから、DCC(10.60g、51.38mmol)を加えた。室温で混合物を一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮し、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧でほぼ乾燥になるまで濃縮し、メチルtert-ブチルエーテルを加え、30分間撹拌し、吸引ろ過し、ろ過ケーキを真空で一晩乾燥させ、25.76g(収率81%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBuを得た。
LC-MS(Scie×100API):m/z=681.46(M+1)
【0096】
2.4 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBu
tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBu(25.76g、37.83mmol)をジクロロメタン(250mL)に溶解して撹拌し、順に2xAEEA(11.66g、37.83mmol)、トリエチルアミン(9.71mL)、水(25mL)を加え、それを加熱して清澄な溶液を得て、当該溶液を室温で4時間撹拌した。次に10%のクエン酸水溶液(200mL)を加え、分液し、下層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に下層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧でほぼ乾燥になるまで濃縮し、真空で一晩乾燥させた。30.75g(収率93%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBuを得た。
LC-MS(Scie×100API):m/z=874.59(M+1)
【0097】
2.5 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBu
窒素ガス保護の条件で、tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBu(30.75g、35.18mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、トリエチルアミン(9.03mL)を加えて10分間撹拌し、更にNHS(4.05g、35.18mmol)を加えてから、DCC(7.98g、38.70mmol)を加えた。室温で混合物を一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮し、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧でほぼ乾燥になるまで濃縮し、真空で一晩乾燥させ、31.09g(収率91%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBuを得た。
LC-MS(Scie×100API):m/z=971.61(M+1)
【0098】
実施例1
A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン(化合物1)
【化4】
【0099】
対照例1のパート1と類似するステップに従って、化合物A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリンを製造した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1305.4716[M+6H]6
【0100】
中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(12xOEG-OSu)-OtBuの製造は、対照例1のパート2と類似するステップに従って行った。
LC-MS(Scie×100API):m/z=2423.35(M+1)
【0101】
実施例2
A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリン(化合物2)
【化5】
【0102】
対照例1のパート1と類似するステップに従って、化合物A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xOEG)、desB30ヒトインスリンを製造した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1310.1425[M+6H]6
【0103】
中間体tert-ブチルドコサンジアシル-γGlu-(12xOEG-OSu)-OtBuの製造は、対照例1のパート2と類似するステップに従って行った。
LC-MS(Scie×100API):m/z=2451.38(M+1)
【0104】
実施例3
A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリン(化合物3)
【化6】
【0105】
対照例1のパート1と類似するステップに従って、化合物A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xOEG)、desB30ヒトインスリンを製造した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1247.47[M+7H]7
【0106】
中間体tert-ブチルドコサンジアシル-γGlu-(18xOEG-OSu)-OtBuの製造は、対照例1のパート2と類似するステップに従って行った。
LC-MS(Scie×100API):m/z=3320.83(M+1)
【0107】
実施例4
A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-24xOEG)、desB30ヒトインスリン(化合物4)
【化7】
【0108】
対照例1のパート1と類似するステップに従って、化合物A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-24xOEG)、desB30ヒトインスリンを製造した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=873.35[M+11H]11
【0109】
中間体tert-ブチルドコサンジアシル-γGlu-(24xOEG-OSu)-OtBuの製造は、対照例1のパート2と類似するステップに従って行った。
LC-MS(Scie×100API):m/z=4192.27(M+1)
【0110】
実施例5
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(化合物5)
【化8】
【0111】
1、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドの製造
一般的なタンパク質組み換え発現方法により、[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを製造した(具体的な方法は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual (Fourth Edition),Michael R. Green,Cold Spring Harbor Press,2012を参照)。[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(5g、1.48mmol)を100mMのNaHPO水溶液(150mL)に溶解し、アセトニトリル(100mL)を加え、1NのNaOHでpHをpH10~12.5に調整した。tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu(2xOEG-OSu)-OtBu(1.59g、1.63mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解し、[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド溶液に徐々に加えた。pHを10~12.5に維持した。120分間後、反応混合物を水(150mL)に加え、1NのHCl水溶液でpHを5.0に調整した。遠心分離により沈殿を分離し、凍結乾燥させた。粗生成物をトリフルオロ酢酸(60mL)とジクロロメタン(60mL)の混合溶液に加え、室温で30分間撹拌した。混合物を約30mLに濃縮し、氷冷したn-ヘプタン(300mL)に注ぎ、ろ過により沈殿した生成物を分離し、n-ヘプタンで2回洗浄した。真空で乾燥した後、生成物をイオン交換クロマトグラフィー(Resource Q、42.5%のエタノールにおける0.25%~1.25%の酢酸アンモニウム勾配、pH7.5)、逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル、水、TFA)により精製し、精製された画分を合併し、1NのHClでpHを5.2に調整し、沈殿物を分離し、凍結乾燥させて表題化合物を得た。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1028.79[M+4H]4
【0112】
2、中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBuの製造
2.1 tert-ブチルエイコサンジアシル-OSu
窒素ガス保護の条件で、エイコサン二酸モノtert-ブチル(20g、50.17mmol)とNHS(5.77g、50.17mmol)をジクロロメタン(400mL)に混合し、トリエチルアミン(13.95mL)を加え、得られた混濁混合物を室温で撹拌してから、DCC(11.39g、55.19mmol)を加え、それを更に一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮し、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて水洗し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧でほぼ乾燥になるまで濃縮し、真空で一晩乾燥させ、24.12g(収率97%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-OSuを得た。
LC-MS(Scie×100API):m/z=496.36(M+1)
【0113】
2.2 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBu
tert-ブチルエイコサンジアシル-OSu(24.12g、48.66mmol)をジクロロメタン(250mL)に溶解して撹拌し、順にH-Glu-OtBu(10.88g、53.53mmol)、トリエチルアミン(12.49mL)、水(25mL)を加え、それを加熱して清澄な溶液を得て、当該溶液を室温で4時間撹拌した。次に10%のクエン酸水溶液(200mL)を加え、分液し、下層有機相に飽和食塩水を加えて水洗し、分液後に下層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧でほぼ乾燥になるまで濃縮し、真空で一晩乾燥させた。27.27g(収率96%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBuを得た。
LC-MS(Scie×100API):m/z=584.44(M+1)
【0114】
2.3 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu(OSu)-OtBu
窒素ガス保護の条件で、tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBu(27.27g、46.71mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、トリエチルアミン(11.99mL)を加えて10分間撹拌し、更にNHS(5.38g、50.17mmol)を加えてから、DCC(10.60g、51.38mmol)を加えた。室温で混合物を一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮し、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて水洗し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧でほぼ乾燥になるまで濃縮し、メチルtert-ブチルエーテルを加え、30分間撹拌し、吸引ろ過し、ろ過ケーキを真空で一晩乾燥させ、25.76g(収率81%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBuを得た。
LC-MS(Scie×100API):m/z=681.46(M+1)
【0115】
2.4 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBu
tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBu(25.76g、37.83mmol)をジクロロメタン(250mL)に溶解して撹拌し、順に2xAEEA(11.66g、37.83mmol)、トリエチルアミン(9.71mL)、水(25mL)を加え、それを加熱して清澄な溶液を得て、当該溶液を室温で4時間撹拌した。次に10%のクエン酸水溶液(200mL)を加え、分液し、下層有機相に飽和食塩水を加えて水洗し、分液後に下層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧でほぼ乾燥になるまで濃縮し、真空で一晩乾燥させた。30.75g(収率93%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBuを得た。
LC-MS(Scie×100API):m/z=874.59(M+1)
【0116】
2.5 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBu
窒素ガス保護の条件で、tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBu(30.75g、35.18mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、トリエチルアミン(9.03mL)を加えて10分間撹拌し、更にNHS(4.05g、35.18mmol)を加えてから、DCC(7.98g、38.70mmol)を加えた。室温で混合物を一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮し、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて水洗し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧でほぼ乾燥になるまで濃縮し、真空で一晩乾燥させ、31.09g(収率91%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBuを得た。
LC-MS(Scie×100API):m/z=971.61(M+1)
【0117】
実施例6
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(化合物6)
【化9】
【0118】
実施例5のパート1と類似するステップに従って、N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを製造した
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=992.52[M+4H]4
【0119】
中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OEG-OSu)-OtBuの製造は、実施例5のパート2と類似するステップに従って行った。
LC-MS(Scie×100API):m/z=826.54(M+1)
【0120】
実施例7
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(化合物7)
【化10】
【0121】
実施例5のパート1と類似するステップに従って、N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを製造した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=956.25[M+4H]4
【0122】
中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBuの製造は、実施例5のパート2と類似するステップに従って行った。
LC-MS(Scie×100API):m/z=681.46(M+1)
【0123】
実施例8
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(化合物8)
【化11】
【0124】
実施例5のパート1と類似するステップに従って、N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを製造した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=959.75[M+4H]4
【0125】
中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBuの製造は、実施例5のパート2と類似するステップに従って行った。
LC-MS(Scie×100API):m/z=681.46(M+1)
【0126】
実施例9
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(化合物9)
【化12】
【0127】
実施例5のパート1と類似するステップに従って、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを製造した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1021.78[M+4H]4
【0128】
実施例10
N-ε26-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(化合物10)
【化13】
【0129】
実施例5のパート1と類似するステップに従って、N-ε26-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを製造した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=949.24[M+4H]4
【0130】
中間体tert-ブチルオクタデカンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBuの製造は、実施例5のパート2と類似するステップに従って行った。
LC-MS(Scie×100API):m/z=653.43 (M+1)
【0131】
実施例11
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(化合物11)
【化14】
【0132】
実施例5のパート1と類似するステップに従って、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを製造した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1035.80[M+4H]4
【0133】
中間体tert-ブチルドコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBuの製造は、実施例5のパート2と類似するステップに従って行った。
LC-MS(Scie×100API):m/z=999.64(M+1)
【0134】
実施例12
本実験は、本発明のアシル化インスリン製剤の化学的安定性を測定することを目的とする。
【0135】
アシル化インスリン製剤
化合物2を10mMの無水リン酸水素二ナトリウム溶液に、下記表の各製剤におけるインスリン最終濃度の2倍になるように溶解し、下記表の各成分の量に応じてフェノール、m-クレゾール、グリセリン及び塩化ナトリウムを混合した後、化合物2の溶液に加え、pHを7.4に調整し、次に下記表の酢酸亜鉛の量に応じて化合物2の溶液に一度にゆっくりと加え、pHを7.4に調整し、最終的には表1に記載のアシル化インスリン製剤を生成し、Znの含有量は、Zn/アシル化インスリン6モル(「Zn/6ins」と略す)として表す。
【0136】
【表1】
【0137】
本実施例において、製剤の化学的安定性は、25℃及び37℃で14日間及び21日間保存した後の高分子量タンパク質(HMWP)の0日目に対する変化で示されてもよく、また、25℃及び37℃で14日間及び21日間保存した後の関連物質の量の変化で示されてもよい。
【0138】
高分子量タンパク質(HMWP)の測定
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって高分子量タンパク質(HMWP)の含有量を測定し、型式及び規格Shodex PROTEIN kw-802.5のカラムで、カラム温度30℃、サンプルセル温度5℃で、0.1%のアルギニン溶液3L、氷酢酸750mL及びアセトニトリル1250mLを含む移動相を用いて0.5mL/分の流速で試験した。検出波長は276nmで、試料注入量は10μLであった。表2は、25℃及び37℃で、0日目に対する14日目及び21日目のHMWPの増加量を示した。
【0139】
【表2】
【0140】
上記の表から、本発明の上記異なる濃度条件でのアシル化インスリン製剤におけるHMWPの量の経時変化は非常にゆっくりと増加していることが分かり、上記アシル化インスリン製剤は何れも、優れた化学的安定性を有することを示した。
【0141】
関連物質の量の測定
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によってインスリン関連物質の含有量を測定し、Kromasil 300A-5μm-C4(4.6×150mm)カラムで、カラム温度35℃、サンプルセル温度5℃で、溶出相を用いて1.0mL/分の流速で試験した。溶出は、以下からなる移動相で行った。
A相は、0.18Mの無水硫酸ナトリウム、10%のアセトニトリル(v/v)を含み、85%のリン酸でpH値を2.3に調整し、
B相は75%のアセトニトリル(v/v)であった。
勾配:0~40分間で64%/36% A/Bの線形変化、40~65分間で10%/90% A/Bの線形変化、65~66分間で64%/36% A/Bの線形変化、66~70分間で64%/36% A/Bの等勾配。
検出波長は214nmであった。
【0142】
表3は、25℃及び37℃で、0日目に対する14日目及び21日目の関連物質の増加量を示した。
【0143】
【表3】
【0144】
上記の表から、本発明の上記異なる濃度条件でのアシル化インスリン製剤におけるインスリン関連物質の量の経時変化も非常にゆっくりと増加していることが分かり、上記アシル化インスリン製剤は非常に安定していることを示した。
【0145】
実施例13
本実験は、本発明のアシル化インスリン製剤の化学的安定性を測定することを目的とする。
【0146】
下記の表4中の各成分の量に応じて、実施例12と類似するステップに従って、表4中のアシル化インスリン製剤を製造した。また、実施例12と類似するステップに従って、HMWP及び関連物質の0日目に対する14日目及び35日目の変化を測定した。下記の表5及び6は、異なる配合法によるアシル化インスリン製剤のHMWP及び関連物質の変化を示している。
【0147】
【表4】
【0148】
【表5】
【0149】
【表6】
【0150】
上記の表から、本発明の上記アシル化インスリン製剤におけるインスリンのHMWP及び関連物質の量の経時変化も非常にゆっくりと増加していることが分かり、上記アシル化インスリン製剤は非常に安定していることを示した。
【0151】
実施例14
本実験は、アシル化インスリン及びGLP-1化合物を含む本発明の組成物の化学的安定性を測定することを目的とする。
【0152】
アシル化インスリン及びGLP-1化合物を含む組成物
下記の表7中の各成分の量に応じて、実施例12と類似するステップに従って、アシル化インスリン(化合物2)及びGLP-1(化合物11)を含む組成物を製造した。また、実施例12と類似するステップに従って、組成物におけるアシル化インスリンのHMWPの0日目に対する14日目及び35日目の変化を測定した。下記の表8は、異なる配合法による組成物におけるアシル化インスリンのHMWPの変化を示した。
【0153】
【表7】
【0154】
【表8】
【0155】
上記の表から、本発明の上記アシル化インスリン及びGLP-1組成物におけるアシル化インスリンのHMWP量の経時変化は非常にゆっくりと増加していることが分かり、GLP-1化合物の存在がアシル化インスリンの安定性に影響を与えないことを示した。
【0156】
実施例15
2型糖尿病db/dbマウスにおける薬力学的研究
本研究の目的は、糖尿病の場合に、2型糖尿病db/dbマウスに対するアシル化インスリン及びGLP-1化合物を含む本発明の組成物の長期血糖降下及びHbA1c効果を実証することである。
【0157】
2型糖尿病db/dbマウスにおいて、化合物2及び化合物11を含む組成物1~3及び5~7、並びに参照として化合物2を含む単一製剤10、化合物11を含む単一製剤11及び溶媒群を試験した。
使用した製剤又は組成物の組成を表9に示した。
【0158】
【表9-1】
【0159】
【表9-2】
【0160】
8~9週齢の雄db/db(Cavens)マウスを障壁環境内の適した飼育箱で、標準食品及び精製水を自由に摂取できる状態で飼育し、環境条件を相対湿度40%~60%、温度22℃~24℃に制御した。1~2週間の順応期間後、実験に使用し始めた。
【0161】
当日の実験開始前にランダムな血糖を評価し、マウスの体重を測定した。ランダムな血糖及び体重に応じてマウスを合計13群、各群5匹で溶媒群又は治療群にランダムに配分し、マウスに以下の処理を施した。溶媒を皮下注射し、又は低用量(化合物2が5U/kg)の医薬組成物1、組成物2、組成物5、組成物6、組成物7を皮下注射し、又は中等用量(化合物2が10U/kg)の医薬組成物1、組成物3、組成物5、組成物6、組成物7を皮下注射し、又は製剤10(化合物2が10U/kg)を皮下注射し、又は製剤11(化合物11が96.8μg/kgで計算)皮下注射する。
【0162】
皮下投与方式(5mL/kg)により、頚背部に皮下注射により投与し、0日目、3日目、6日目、9日目、12日目、15日目、18日目、21日目にそれぞれ投与し、初回投与後に3時間、6時間、9時間、24時間、48時間、72時間のランダムな血糖を検出し、その後1日1回モニターした。研究終了後、EDTA抗凝固剤を用いて全血中の糖化ヘモグロビン(Hb1Ac)の割合を測定した。
【0163】
ラットの尾部をアルコール綿球で掃除し、使い捨ての採血針で尻尾から血滴を採取し、血糖値測定器及び付属の試験紙(ロシュ)により測定した。各医薬組成物について時間に対する血糖の用量応答曲線をプロットした。本発明の医薬組成物による血糖への影響を説明するために、個々の用量応答曲線毎に、0からモニタリング終点までの血糖-時間曲線下面積差(△AUC)を計算した。そのうち、△AUC値が小さいほど、血糖降下効果が良くなり、薬効が良くなることを示した。
【0164】
図1a~図1fは、アシル化インスリン及びGLP-1化合物を含む本発明の医薬組成物が、アシル化インスリン単剤及びGLP-1単剤と比較して、投与後に2型糖尿病db/dbマウスにおいて予想外に相乗的な糖減少薬効及びHb1Ac降下効果を有することを示した。
【0165】
具体的には、図1a及び図1bは、アシル化インスリン及びGLP-1化合物を含む低用量での医薬組成物7の血糖降下効果が、単一製剤10及び製剤11の両方よりも明らかに優れ、そのうち、単一製剤10に含まれるアシル化インスリンの量が低用量での組成物7におけるアシル化インスリンの2倍に相当し、単一製剤11に含まれるGLP-1化合物の量が低用量での組成物7におけるGLP-1化合物の2倍に相当し、本発明の医薬組成物におけるアシル化インスリン及びGLP-1化合物が予想外に相乗的な血糖降下効果を有することを示した。低用量での組成物1及び組成物2は、製剤10と比較して、同等及びそれ以上の血糖降下効果を有し、低用量での組成物5及び組成物6は、製剤11と比較して、同等及びそれ以上の血糖降下効果を有し、アシル化インスリン及びGLP-1化合物の相乗効果の存在下で、より少ないアシル化インスリンとGLP-1化合物の総量を用いて、同等又はそれ以上の血糖降下効果を達成できることを示した。
【0166】
図1c及び図1dは、アシル化インスリン及びGLP-1化合物の相乗的な血糖降下効果の存在下で、各組成物に含まれるアシル化インスリンの用量が同じである場合、少量のGLP-1化合物を加えた組成物が、アシル化インスリン単剤のみを含む医薬組成物と比較して、血糖降下効果が明らかに向上し、且つ中等用量での組成物1、組成物3、組成物5、組成物6、組成物7が製剤11と比較して、何れも同等又はそれ以上の血糖降下効果を有することを示した。
【0167】
図1eは、低用量での組成物7が製剤10及び製剤11よりも良好なHb1Ac降下効果を有し、アシル化インスリン及びGLP-1化合物が予想外に相乗的なHb1Ac降下効果を有することを示した。
【0168】
図1fは、アシル化インスリン及びGLP-1化合物の相乗的なHb1Ac降下効果の存在下で、各組成物に含まれるアシル化インスリンの用量が同じである場合、少量のGLP-1化合物を加えた組成物が、アシル化インスリン単剤又はGLP-1化合物のみを含む医薬組成物と比較して、Hb1Ac降下効果が明らかに向上することを示した。
【0169】
実施例16
2型糖尿病db/dbマウスにおける長期薬力学的研究
実施例15と類似する実験ステップを参照して、2型糖尿病db/dbマウスにおいて長期薬効研究を行った。
【0170】
2型糖尿病db/dbマウスにおいて、化合物2及び化合物11を含む組成物5、組成物9及び組成物10、並びに参照として化合物2を含む単一製剤10、化合物11を含む単一製剤11、デグルデクリラグルチド組成物及び溶媒群を試験した。
【0171】
上記製剤又は組成物において、デグルデクリラグルチド組成物は対照組成物として、ノボノルディスク社から購入したインスリンデグルデクリラグルチド注射液(商品名:Xultophy)であり、残りの各製剤又は組成物の具体的な構成は表10に示した。
【0172】
【表10】
【0173】
8~9週齢の雄db/db(Cavens)マウスを障壁環境内の適した飼育箱で、標準食品及び精製水を自由に摂取できる状態で飼育し、環境条件を相対湿度40%~60%、温度22℃~24℃に制御した。1~2週間の順応期間後、実験に使用し始めた。
【0174】
当日の実験開始前にランダムな血糖を評価し、マウスの体重を測定した。ランダムな血糖及び体重に応じてマウスを合計14群、各群7匹で溶媒群又は治療群にランダムに配分し、マウスに以下の処理を施した。溶媒皮下注射、又はを低用量の医薬組成物5、組成物9、組成物10皮下注射し、又は中等用量の医薬組成物5、組成物9、組成物10を皮下注射し、又は高用量の医薬組成物5、組成物9、組成物10を皮下注射し、又は中等用量の製剤10を皮下注射し、又は高用量の製剤10を皮下注射し、又は高用量の製剤11を皮下注射し、又は高用量のデグルデクリラグルチド組成物を皮下注射した。そのうち、低用量の場合、組成物におけるアシル化インスリンの用量を5U/kgとして投与量を計算し、中等用量の場合、組成物又は製剤におけるアシル化インスリンの用量を10U/kgとして投与量を計算し、高用量の場合、1回目は組成物5、組成物9、組成物10、製剤10におけるアシル化インスリンの用量を20U/kgとして、デグルデクリラグルチド組成物におけるインスリンデグルデクの用量を7U/kgとして、製剤11におけるGLP-1化合物の用量を250μg/kgとして投与量を計算し、2~11回目は組成物5、組成物9、組成物10、製剤10におけるアシル化インスリンの用量を15U/kgとして、デグルデクリラグルチド組成物におけるインスリンデグルデクの用量を5.25U/kgとして、製剤11におけるGLP-1化合物の用量を189μg/kgとして投与量を計算した。
【0175】
皮下投与方式(5mL/kg体重)により、頚背部に皮下注射により投与し、溶媒とデグルデクリラグルチドとの組成物を1日1回で合計33回投与し、組成物5、組成物9、組成物10、製剤10及び製剤11を0日目、3日目、6日目、9日目、12日目、15日目、18日目、21日目、24日目、27日目、30日目にそれぞれ投与し、初回投与後の3時間、6時間、9時間、12時間、24時間及び48時間にマウス血糖を評価し、3日目~33日目に毎日投与前に血糖をモニターし、血糖-時間曲線下面積(AUC)を計算した。群分け前及び投与後の16日目にマウスの糖化ヘモグロビン(Hb1Ac)割合を測定し、糖化ヘモグロビンの変化(△Hb1Ac)を計算した。実験終了時にマウスの非抗凝固全血を採取し、遠心分離後に血清を採取し、ELISA試薬キットを用いて血清中のトリグリセライド(TG)値を検出した。
【0176】
図2a~図2dは、アシル化インスリン及びGLP-1化合物を含む本発明の医薬組成物が、アシル化インスリン単剤、GLP-1単剤と比較して、投与後に2型糖尿病db/dbマウスにおいて予想外に相乗的な糖減少薬効、Hb1Ac降下効果及びトリグリセライド降下効果を有し、また1日1回の高用量のデグルデクリラグルチド組成物と比較して、本発明の3日1回投与する医薬組成物がより良好な薬効を有することを示した。
【0177】
具体的には、図2a及び図2bは、低用量でのアシル化インスリン及びGLP-1化合物を含む医薬組成物5、組成物9及び組成物10の血糖降下効果、低用量での組成物5の血糖降下効果が高用量での製剤10に相当し、そのうち、製剤10におけるアシル化インスリンの用量が低用量での組成物5におけるアシル化インスリンの3倍以上に相当し、少量のGLP-1化合物の存在下で、低用量のアシル化インスリンを投与することで、高用量のアシル化インスリンと同等又はそれ以上の血糖降下効果を達成できることを示す。3日1回投与する低用量での組成物9の血糖降下効果は、1日1回投与する高用量での対照組成物(デグルデクリラグルチド組成物)の血糖降下効果に相当し、アシル化インスリン及びGLP-1化合物を含む本発明の医薬組成物は市販されている組成物製品であるデグルデクリラグルチドと比較して予想外により良好な血糖降下効果を有することを示した。低用量での組成物10の血糖降下効果は、高用量での単一製剤10よりも明らかに優れ、且つ高用量での製剤11に相当し、そのうち、製剤10におけるアシル化インスリンの含有量は組成物10におけるアシル化インスリンの3倍以上であり、製剤11におけるGLP-1化合物の含有量は組成物10におけるGLP-1化合物の3倍以上であり、以上から、本発明の医薬組成物におけるアシル化インスリン及びGLP-1化合物が予想外に相乗的な血糖降下効果を有することが分かった。
【0178】
図2cは、3日1回投与する中等用量での組成物5のHbA1c降下効果が1日1回投与する高用量でのデグルデクリラグルチド組成物に相当し、少量の本発明の医薬組成物を使用することで、デグルデクリラグルチド組成物に相当するHbA1c降下効果を達成でき、本発明の医薬組成物がより良好な薬効を有することを示した。低用量での組成物10のHbA1c降下効果が高用量での製剤10及び製剤11よりも明らかに優れ、本発明の医薬組成物におけるアシル化インスリン及びGLP-1化合物は相乗的なHbA1c降下効果を有することを示した。
【0179】
図2dは、低用量での組成物10のTG降下効果が高用量でのデグルデクリラグルチド組成物よりも明らかに優れ、本発明の医薬組成物のTG降下効果がデグルデクリラグルチド組成物より優れることを示した。低用量での組成物10のTG降下効果が高用量での製剤10及び高用量での製剤11に相当し、本発明の医薬組成物におけるアシル化インスリン及びGLP-1化合物が相乗的なTG降下効果を有することを示した。
【0180】
実施例17
2型糖尿病db/dbマウスにおける長期薬力学的研究
本研究の目的は、糖尿病の場合に2型糖尿病db/dbマウスに対する本発明のアシル化インスリン製剤の長期血糖降下効果、HbA1c降下効果及びTG降下効果を実証することである。
【0181】
2型糖尿病db/dbマウスにおいて、化合物2を含む製剤、並びに参照として対照化合物1を含む製剤、デグルデク製剤、正常対照群及び溶媒対照群を試験した。
【0182】
上記製剤において、デグルデク製剤は対照製剤2として、ノボノルディスク社から購入したインスリンデグルデク注射液(Tresiba)であり、残りの製剤の具体的な構成は表11に示した。
【0183】
【表11】
【0184】
8~9週齢のdb/db(Cavens)マウス及び正常なマウスを障壁環境内の適した飼育箱で、標準食品及び精製水を自由に摂取できる状態で飼育し、環境条件を相対湿度40%~60%、温度22℃~24℃に制御した。1~2週間の順応期間後、実験に使用し始めた。
【0185】
当日の実験開始前にランダムな血糖を評価し、マウスの体重を測定した。ランダムな血糖及び体重に応じてマウスを合計4群、各群10匹で対照群又は治療群にランダムに配分し、マウスに以下の処理を施した。溶媒を皮下注射し、又は化合物2を含む製剤2を皮下注射し、又は対照化合物1を含む対照製剤1を皮下注射し、又はインスリンデグルデクを含む対照製剤2を皮下注射した。そのうち、1回~4回投与の場合、投与量は何れも30U/kgであり、5回~10回投与の場合、投与量は何れも37.5U/kgであった。
【0186】
皮下投与方式(5mL/kg体重)により、頚背部に皮下注射により投与し、0日目、3日目、7日目、10日目、13日目、16日目、19日目、22日目、25日目、28日目にそれぞれ投与し、毎回投与前及び最終投与後の72時間にマウス血糖を評価し、血糖-時間曲線下面積の変化(ΔAUC)を計算した。食事のシミュレーションを行うために、試験中、1回投与後の48時間に経口糖耐量試験(OGTT)を行い、グルコース溶液(100mg/mL、10mL/kg)の強制経口投与後の30分、60分、及び120分に血糖を測定した。研究終了後、EDTA抗凝固剤を用いて全血中の糖化ヘモグロビン(Hb1Ac)の割合を検出し、同時に非抗凝固全血を採取し、遠心分離後に血清を採取してELISA試薬キットを用いて血清中のトリグリセライド(TG)値を測定した。
【0187】
図3a~図3fは、アシル化インスリンを含む本発明の製剤は、デグルデク製剤、対照化合物1を含む製剤と比較して、同じ用量で2型糖尿病db/dbマウスにおいて予想外に血糖降下、Hb1Ac降下及びTG降下効果が向上することを示した。
【0188】
実施例18
非肥満2型糖尿病(T2DM)初期のモデルラット(GKラット)における長期薬力学的研究
本研究の目的は、糖尿病の場合に非肥満2型糖尿病(T2DM)初期のモデルラット(GKラット)に対する本発明のアシル化インスリン製剤の長期血糖降下効果、HbA1c降下効果、TG降下効果及びGSP降下効果を実証することである。
【0189】
GKラットにおいて、化合物2を含む製剤、並びに参照としてデグルデク製剤、正常対照群及び溶媒対照群を試験した。上記製剤の構成は表12に示した。
【0190】
スクリーニングに合格したGKラット(ランダムな血糖及び糖化ヘモグロビンがそれぞれ正常Wistarラットの20%及び30%より高い)及び正常ラットを障壁環境内の適した飼育箱で、標準食品及び精製水を自由に摂取できる状態で飼育し、環境条件を相対湿度40%~60%、温度22℃~24℃に制御した。1~2週間の順応期間後、実験に使用し始めた。
【0191】
当日の実験開始前にランダムな血糖を評価し、GKラットの体重を測定した。ランダムな血糖、体重及び糖化ヘモグロビンに応じて、ラットを合計3群、各群6匹で対照群又は治療群にランダムに配分し、ラットに以下の処理を施した。溶媒を皮下注射し、又は化合物2を含む製剤2を皮下注射し、又はデグルデクを含む対照製剤2を皮下注射し、投与量は何れも10U/kgであった。
【0192】
皮下投与方式(1mL/kg体重)により、頚背部に皮下注射により投与(S.C.)し、溶媒及びデグルデク製剤を1日1回で、合計32回投与し、化合物2を含む製剤2を0日目、4日目、8日目、12日目、16日目、20日目、24日目、28日目にそれぞれ投与し、毎回投与前及び最終投与後の72時間にマウス血糖を評価し、血糖-時間曲線下面積の変化(ΔAUC)を計算した。試験前日に4時間絶食させ、ラット糖化ヘモグロビン(HbA1c)を検出し、研究終了後にEDTA抗凝固剤を用いて全血中の糖化ヘモグロビン(Hb1Ac)の割合を検出し、同時に非抗凝固全血を採取し、遠心分離後に血清を採取してELISA試薬キットを用いて血清中の糖化血清アルブミン(GSP)及びトリグリセライド(TG)値を測定した。
【0193】
図4a~図4eは、アシル化インスリンを含む本発明の製剤は、デグルデク製剤と比較して、同じ用量で非肥満2型糖尿病(T2DM)初期のモデルラットにおいて予想外に血糖降下、Hb1Ac降下、GSP降下及びTG降下効果が向上することを示した。
【0194】
実施例19
本実験は、アシル化インスリン及びGLP-1化合物を含む本発明の組成物の化学的安定性を測定することを目的とする。
下記の表12の各成分の量に応じて、実施例12と類似するステップに従って、表12の組成物を製造した。また、実施例12と類似するステップに従って、0日目に対する19日目及び33日目のHMWPの変化、及び0日目に対する19日目の関連物質の変化を測定した。下記の表13及び14は、異なる組成物における化合物2のHMWP及び関連物質の変化を示した。
【0195】
【表12】
【0196】
【表13】
【0197】
【表14】
【0198】
上記の表から、本発明の上記アシル化インスリン及びGLP-1組成物におけるアシル化インスリンのHMWP及び関連物質の量の経時変化は非常にゆっくりと増加していることが分かり、GLP-1化合物の存在がアシル化インスリンの安定性に影響を与えないことを示した。
【0199】
実施例20
A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン(化合物12)
【化15】
【0200】
対照例1のパート1と類似するステップに従って、化合物A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンを製造した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1165.0674[M+11H]6
【0201】
中間体tert-ブチルドコサンジアシル-γGlu-(6xOEG-OSu)-OtBuの製造は、対照例1のパート2と類似するステップに従って行った。
LC-MS(Scie×100API):m/z=1579.94 (M+1)
【0202】
実施例21
A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン(化合物13)
【化16】
【0203】
対照例1のパート1と類似するステップに従って、化合物A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンを製造した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1160.3997[M+6H]6
【0204】
中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(6xOEG-OSu)-OtBuの製造は、対照例1のパート2と類似するステップに従って行った。
【0205】
実施例22 薬物動態
本実施例は、本発明の製剤のインビボ薬物動態特性を説明することを目的とする。
【0206】
SDラットの薬物動態
SDラット48匹、各群12匹(雌と雄がそれぞれ半分)を、製剤2の低用量群、製剤2の中等用量群、及び製剤2の高用量群に分け、皮下注射により15、30、60nmol/kgをそれぞれ投与し、更に、静脈注射群に対して、静脈注射により30nmol/kgを投与した。製剤2の低中高用量群に対して、投与前(0分)、投与後の3時間、6時間、9時間、12時間、24時間、36時間、48時間、72時間、96時間、120時間にそれぞれ採血して薬物血中濃度を測定し、製剤2の静脈注射群に対して、投与前(0分)、投与後の5分、15分、0.5時間、3時間、9時間、24時間、36時間、48時間、72時間、96時間、120時間に採血して薬物血中濃度を測定した。WinNonLin(8.0.0.3176)ソフトウェアのノンコンパートメントモデルを用いて薬物動態パラメータt1/2、Tmax、Cmax、AUClast、AUCinf、Vd、Cl、MRTlast、及びFを計算した。
【0207】
【表15】
【0208】
上記の実験結果から、本発明の製剤2は、SDラットにおいて、より長い半減期、より長いMRT、及びより高い生物学的利用能を示すことが分かった。
【0209】
配列表
配列番号1:
A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリンA鎖:
Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Glu Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn
配列番号2:
A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリンB鎖:
Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu His Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe His Tyr Thr Pro Lys
配列番号3:
A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリンA鎖:
Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Glu Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn
配列番号4:
A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリンB鎖:
Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Glu Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe His Tyr Thr Pro Lys
配列番号5:
GLP-1-(7-37)ペプチド
His Ala Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Val Ser Ser Tyr Leu Glu Gly Gln Ala Ala Lys Glu Phe Ile Ala Trp Leu Val Lys Gly Arg Gly
配列番号6:
[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド
His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Val Ser Ser Tyr Leu Glu Gly Gln Ala Ala Lys Glu Phe Ile Ala Trp Leu Val Arg Gly Arg Gly
配列番号7:
[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド
His Ala Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Val Ser Ser Tyr Leu Glu Gly Gln Ala Ala Lys Glu Phe Ile Ala Trp Leu Val Arg Gly Arg Gly
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
【配列表】
2024522904000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2c
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2d
【国際調査報告】