(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】超音波システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580365
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 EP2022067698
(87)【国際公開番号】W WO2023275030
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523486394
【氏名又は名称】ムクス エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】エアロヴ,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】シンシオ,マグナス
(72)【発明者】
【氏名】ディアス,エム イザベル オー エム ゴンカルヴェス ブイ
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE09
4C601HH29
4C601JB37
4C601JC05
4C601JC06
4C601JC13
4C601JC37
(57)【要約】
本開示は、トランスデューサーアレイ内の複数の素子から複数の超音波信号を関心領域に送信するように構成される超音波トランスデューサーであって、前記超音波トランスデューサーは、前記関心領域からの複数の後方散乱超音波信号を受信しサンプリングするように更に構成される、前記超音波トランスデューサーと;前記複数の後方散乱超音波信号のそれぞれの時間領域における局所位相パラメータを計算するように、前記時間領域における前記後方散乱超音波信号の前記局所位相パラメータのそれぞれについて中心周波数を計算するように構成される、処理ユニットと;前記中心周波数を合計することによって受信機ビームフォーミングを実施するように構成されるビームフォーマーと、を備え、前記超音波システムは更に、前記合計した中心周波数に基づき、前記関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成するように構成される、前記超音波システムに関する。本開示は、更に、関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成するための超音波方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波システムであって、
トランスデューサーアレイ内の複数の素子から複数の超音波信号を関心領域に送信するように構成される超音波トランスデューサーであって、前記超音波トランスデューサーは前記関心領域からの複数の後方散乱超音波信号を受信しサンプリングするように更に構成される、前記超音波トランスデューサーと、
処理ユニットであって、
前記複数の後方散乱超音波信号のそれぞれについて時間領域における局所位相パラメータを計算するように、
前記時間領域における前記後方散乱超音波信号の前記局所位相パラメータのそれぞれについて中心周波数を計算するように構成される、前記処理ユニットと、
前記中心周波数を合計することによって受信機ビームフォーミングを実施するように構成されるビームフォーマーと、を備え、
前記超音波システムは更に、前記合計した中心周波数に基づき、前記関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成するように構成される、前記超音波システム。
【請求項2】
前記超音波システムは、前記関心領域の少なくとも一部にわたる前記合計した中心周波数の分散を計算または演算するように構成される、先行請求項のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項3】
前記超音波システムは、アテローム性動脈硬化プラークを特徴付けるための超音波システムであり、前記超音波トランスデューサーは、トランスデューサーアレイ内の複数の素子から少なくとも1つの動脈壁内の関心領域に複数の超音波信号を送信するように構成されており、前記超音波システムは、前記合計した中心周波数に基づき及び/または前記合計した中心周波数の前記分散に基づき、前記少なくとも1つの動脈壁内の前記アテローム性動脈硬化プラークを特徴付けるように、更に構成される、先行請求項のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項4】
前記超音波システムは、組織を特徴付けるための超音波システムであり、前記超音波トランスデューサーは、トランスデューサーアレイ内の複数の素子から前記組織中の関心領域に複数の超音波信号を送信するように構成されており、前記システムは、前記合計した中心周波数に基づき及び/または前記合計した中心周波数の前記分散に基づき、前記組織を特徴付けるように、更に構成される、先行請求項のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項5】
前記超音波システムは、前記合計した中心周波数及び前記関心領域のモデルに基づき、前記関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成するように構成され、前記関心領域の前記モデルは、前記関心領域の異なる構造についての後方散乱に関する情報を含む、物理的モデルである、先行請求項のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項6】
前記超音波システムは、前記受信機ビームフォーミングを実施する前に、前記局所位相パラメータを計算しかつ前記中心周波数を計算するように構成される、先行請求項のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項7】
前記超音波システムは、前記合計した中心周波数に基づき及び/または前記合計した中心周波数の前記分散に基づき、頸動脈プラーク組成などのプラーク組成を決定するように更に構成される、先行請求項のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの画像は、前記複数の超音波信号を反射する前記関心領域内の構造のサイズの表現を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項9】
前記処理ユニットは、前記合計した中心周波数に基づき、前記構造のサイズを演算及び/または抽出するように更に構成される、請求項8に記載の超音波システム。
【請求項10】
前記処理ユニットは、周波数変換を伴わない前記後方散乱超音波信号に基づいて前記中心周波数を計算するように構成される、先行請求項のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項11】
前記ビームフォーマーは、前記中心周波数のみを合計するように構成される、先行請求項のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項12】
前記超音波システムは、前記複数の超音波信号を送信する処理、前記複数の後方散乱超音波信号を受信する処理、及び前記受信した複数の後方散乱超音波信号を複数の焦点距離に関して処理する処理を繰り返すように構成される、先行請求項のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項13】
前記局所位相パラメータは、前記複数の後方散乱超音波信号を前記後方散乱超音波信号の複素表現に変換することによって、好ましくは、ヒルベルト変換を計算することによって計算される、先行請求項のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項14】
超音波方法であって、
トランスデューサーアレイの複数の素子から複数の超音波信号を関心領域に送信することと、
前記関心領域からの複数の後方散乱超音波信号を受信しサンプリングすることと、
前記複数の後方散乱超音波信号のそれぞれについて時間領域における局所位相パラメータを計算することと、
前記時間領域における前記後方散乱超音波信号の前記局所位相パラメータのそれぞれについて中心周波数を計算することと、
前記中心周波数を合計することによって受信機ビームフォーミングを実施することと、
前記合計した中心周波数に基づき、前記関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成することと、の工程を含む、前記超音波方法。
【請求項15】
超音波システムであって、
トランスデューサーアレイ内の複数の素子から複数の超音波信号を関心領域に送信するように構成される超音波トランスデューサーであって、前記超音波トランスデューサーは前記関心領域からの複数の後方散乱超音波信号を受信しサンプリングするように更に構成される、前記超音波トランスデューサーと、
前記複数の後方散乱超音波信号のそれぞれについて時間領域における局所位相パラメータを計算するように構成される、処理ユニットと、
前記局所位相パラメータを合計することによって受信機ビームフォーミングを実施するように構成されるビームフォーマーと、を備え、
前記処理ユニットは、
前記時間領域における前記後方散乱超音波信号の前記局所位相パラメータのそれぞれについて中心周波数を計算するように更に構成され、
前記超音波システムは更に、前記合計した中心周波数に基づき、前記関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成するように構成される、前記超音波システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波システム、特に超音波イメージングシステム、及び超音波方法、特に超音波イメージング方法に関する。開示された超音波システム及び方法は、対象の動脈壁におけるアテローム性動脈硬化プラークの特徴付けなどの関心領域の物理的特性を表すパラメータを計算及び/または抽出する能力に関する改善を含む。
【背景技術】
【0002】
医療用超音波は、超音波に基づくイメージング技術である。本技術は、身体構造の画像を作成するために使用され得る。その目的は、多くの場合、疾患の源を見つけることであるが、妊婦の検査などの他の目的にも使用されている。超音波は、ヒトが聞き取ることができる周波数よりも高い周波数を有する音波である。ソノグラムとしても知られる超音波画像は、トランスデューサーアレイに配置された素子を有するトランスデューサーを使用して作成される。トランスデューサーアレイ内の素子は、超音波を媒体に伝播させる。超音波が物体または媒体中の他の変動によって反射されると、反射された超音波は、トランスデューサーによって受信される。次いで、受信された信号を処理し、画像を作成することができる。
【0003】
超音波の処理では、ビームフォーミングは送信及び受信の両方に適用され得、これにより指向性及び結果として生じるデータの感度が改善される。一般に、ビームフォーミングを、超音波信号の生成(送信ビームフォーミング)及び反射超音波信号の処理(受信ビームフォーミング)のための電子パラメタリゼーションならびに信号変換を制御する技術と称することができる。
【0004】
後方散乱超音波エネルギーは、音の波長及び伝播方向に関連する組織特性、例えば、細胞/構造/成分のサイズ、形状ならび密度に依存する。その結果、後方散乱パルスの周波数成分は、組織の微細構造の特性に依存することになる。しかしながら、トランスデューサーの励振及び形状は、伝達される超音波場を決定し、したがって、後方散乱超音波の周波数にも大きな影響を及ぼす。したがって、後方散乱超音波データの周波数スペクトルの分析においてトランスデューサーの影響を除去するために、何らかの種類の正規化を導入することが重要である。これは、複数の手法で実現可能である。一般的に、スペクトルは、同一のトランスデューサーによって受信された、参照ファントム、または同一の調査深度の水中に置かれた鏡板からのスペクトルによって分割される。正しい方法でこれらの正規化を使用することにより、周波数スペクトルからトランスデューサーの作用が効果的に除去される。その結果は、臨床医に組織特有の情報を付与することができるスペクトルである。
【0005】
スペクトル分析による組織構造の評価で超音波技術を適用する最近の進歩にもかかわらず、この技術は、依然として、比較的劣った信号対雑音比及び画像分解能の問題を有している。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、従来の超音波システムと比較して精度に関して改善を導入する、超音波システム及び方法に関する。本開示の第1の態様は、超音波システムであって、
トランスデューサーアレイ内の複数の素子から複数の超音波信号を関心領域に送信するように構成される超音波トランスデューサーであって、前記超音波トランスデューサーは関心領域からの複数の後方散乱超音波信号を受信しサンプリングするように更に構成される、前記超音波トランスデューサーと、
処理ユニットであって、
複数の後方散乱超音波信号のそれぞれまたは群の時間領域における局所位相パラメータを計算するように、
時間領域における後方散乱超音波信号の局所位相パラメータのそれぞれについて中心周波数を計算するように構成される、前記処理ユニットと、
中心周波数を合計することによって受信機ビームフォーミングを実施するように構成されるビームフォーマーと、を備え、
前記超音波システムは更に、合計した中心周波数に基づき、関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成するように構成される、前記超音波システムに関する。
【0007】
周波数測定及び超音波のスペクトル分析では、特に、高い空間分解能を同時に達成しながら、良好な信号対雑音比を達成することは通常、困難である。本発明者は、ビームフォーミングを用いる超音波システムにおいて、複数の後方散乱超音波信号のそれぞれまたは群の時間領域における局所位相パラメータを計算することによって、及び任意の受信ビームフォーミングが行われる前に、時間領域で依然として動作している中心周波数を計算することによって、精度を改善できることを認識した。超音波システムでは、通常、送信ビームフォーミング部と受信ビームフォーミング部とが存在している。送信ビームフォーミング中、トランスデューサーアレイの各素子によって送信される超音波は、通常、焦点化ポイントにおける合計ビームを得るために個別に遅延される。その後、トランスデューサーは受信モードに切り替わる。素子に衝突する後方散乱圧力は、関心領域の散乱体によって生成される。圧力は、トランスデューサー内の信号に変換される。次いで、信号を遅延させ、平均化して、振動する超音波ラインの形態の1つの無線周波数(RF)ラインを作成する。この操作は、一般に受信ビームフォーミングと称される。ここに開示された超音波システムでは、生の超音波信号は受信処理において直接に使用される。局所位相パラメータは、複数の後方散乱超音波信号のそれぞれについて時間領域において計算される。これは、例えば、複数の後方散乱超音波信号を、例えばヒルベルト変換を計算することによって、後方散乱超音波信号の複素表現に変換することによって行うことができる。次いで、複素表現に基づき、中心周波数は、時間領域における後方散乱超音波信号の局所位相パラメータのそれぞれについて計算することができる。
図1Bは、上述したような個々の後方散乱超音波信号で動作するように構成される処理ユニット(106)の形態のこの追加の工程を示す。追加の処理は、時間遅延の前または後に行うことができる。次いで、受信ビームフォーミングを、計算された中心周波数に適用することができる。
【0008】
更なる周波数分析では、モデルを、関心領域の構造(例えば、セル)のサイズを推定するために使用することができる。上述した方法は、周波数のその後の分析において改善された精度を提供することが判明している。
図3A~
図3Cは、領域の周波数画像の一例を示す。
図3Aは、異なるサイズの構造に関する理論周波数応答を示す。領域301は、異なるサイズの構造を有する明確に画定された領域を示しており、これによって画像において明確に画定された周波数偏移が引き起こされる。
図3Bは、従来の超音波システムの周波数画像を示す。
図3Cは、本明細書に開示された超音波システムの周波数画像を示す。
【0009】
本開示は更に、
トランスデューサーアレイの複数の素子からの複数の超音波信号を関心領域に送信することと、
関心領域からの複数の後方散乱超音波信号を受信しサンプリングすることと、
複数の後方散乱超音波信号のそれぞれについて時間領域における局所位相パラメータを計算することと、
時間領域における後方散乱超音波信号の局所位相パラメータのそれぞれについて中心周波数を計算することと、
中心周波数を合計することによって受信機ビームフォーミングを実施することと、
合計した中心周波数に基づき、関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成することと、の工程を含む、超音波方法に関する。
【0010】
当業者であれば、本明細書に開示された超音波方法は、本明細書に開示された超音波システムのあらゆる実施形態を用いて行われ得ることを認識するであろう。したがって、本方法は、本明細書に開示された超音波システムが実施するように構成される、あらゆる工程を実行できる。
【0011】
本明細書に開示する超音波システム及び方法の実施形態は、以下の図面で提供される。図面は例示であり、本開示の超音波システム及び方法の特徴のいくつかを示すことを意図しており、本開示の発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本明細書に開示する超音波システムの一実施形態による送信ビームフォーマーを備えた送信側の実施形態を示す。
【
図1B】本明細書に開示する超音波システムの一実施形態による受信ビームフォーマーを備えた受信側の実施形態を示す。
【
図2】本明細書に開示する超音波方法の実施形態を示す。
【
図3A】構造の変化に関する理論的後方散乱周波数(A)と、従来の超音波システムを使用して測定された後方散乱周波数(B)と、本明細書に開示された超音波システムを使用して測定された後方散乱周波数との比較を示す。
【
図3B】構造の変化に関する理論的後方散乱周波数(A)と、従来の超音波システムを使用して測定された後方散乱周波数(B)と、本明細書に開示された超音波システムを使用して測定された後方散乱周波数との比較を示す。
【
図3C】構造の変化に関する理論的後方散乱周波数(A)と、従来の超音波システムを使用して測定された後方散乱周波数(B)と、本明細書に開示された超音波システムを使用して測定された後方散乱周波数との比較を示す。
【
図4A】従来の超音波システム(A)と、本明細書に開示されている超音波システム(B)とを使用した、頸動脈プラークの超音波画像の比較を示す。
【
図4B】従来の超音波システム(A)と、本明細書に開示されている超音波システム(B)とを使用した、頸動脈プラークの超音波画像の比較を示す。
【
図5】異なる散乱体サイズに関する中心周波数偏移の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、超音波システムであって、
トランスデューサーアレイ内の複数の素子から複数の超音波信号を関心領域に送信するように構成される超音波トランスデューサーであって、前記超音波トランスデューサーは関心領域からの複数の後方散乱超音波信号を受信しサンプリングするように更に構成される、前記超音波トランスデューサーを含む、前記超音波システムに関する。
【0014】
好ましくは、超音波システムは、送信ビームフォーマーを備える。当業者であれば、一般的に、送信ビームフォーミングを実装する方法を知っているであろう。
図1Aは、本明細書に開示する超音波システム(100)の一実施形態による送信ビームフォーマーを備えた送信側の実施形態を示す。複数の並列パルスが生成される。パルスは、通常、1~20MHz、例えば10MHzで生成することができるが、任意の適切な周波数が可能である。並列パルスは個別に遅延される。トランスデューサーアレイ(101)内の複数の素子(102)は、焦点化ポイント(103)において合計ビームを得るために超音波信号(104)を送信するように構成される。パルス間の相対的な遅延は、超音波パルスが、それらの位相を揃えて同時に焦点化ポイント(103)に到達するように構築され得る。好ましくは、超音波システムは、受信ビームフォーマーを更に備える。当業者であれば、一般的に、受信ビームフォーミングを実装する方法を知っているであろう。しかしながら、本明細書に開示された超音波システムの受信側は、更なる処理を含む。
図1Bは、本明細書に開示する超音波システム(100)の一実施形態による受信ビームフォーマーを備えた受信側の実施形態を示す。1つの点(103)からの後方散乱超音波(105)は、トランスデューサーアレイ(101)内の素子(102)に衝突する。次いで、信号が遅延される。受信機における遅延は、素子(102)における受信信号の時間差に対応し得る。超音波システムは、処理ユニット(106)を更に備えてもよく、処理ユニット(106)は、任意の適切な方法でトランスデューサーに統合または接続されてもよい。処理ユニットは、複数の後方散乱超音波信号のそれぞれについて、時間領域における局所位相パラメータを計算するように構成されてもよい。処理ユニットは、時間領域における後方散乱超音波信号の局所位相パラメータのそれぞれについて中心周波数を計算するように、更に構成されてもよい。より具体的には、局所位相パラメータ及び中心周波数は、各素子における各サンプルについて計算することができる。トランスデューサーが、例えば64の素子を含み、2048のサンプルが受信される場合、処理ユニットは、2048×64の局所位相パラメータ及び中心周波数を計算するように構成され得る。一実施形態では、処理ユニットは、複数の後方散乱超音波信号のそれぞれにおける各サンプルの時間領域における局所位相パラメータを計算するように構成される。処理ユニットは、計算された位相パラメータのすべてについて中心周波数を計算するように更に構成され得る。この超音波システムは、中心周波数を合計することによって受信機ビームフォーミングを実施するように構成される受信ビームフォーマー(107)を更に備えることができる。ビームフォーマーは、ハードウェア、ソフトウェアまたはこれらの組み合わせで実装され得る。合計した中心周波数、及び好ましくは関心領域のモデルに基づき、処理ユニットは、関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成するように更に構成されてもよい。
【0015】
超音波システムの一般的な慣行を破ると言われる可能性があるが、受信ビームフォーミングが実施される前に中心周波数を計算することによって、周波数データは、受信ビームフォーミング後に周波数計算を行う場合よりも、より正確になる。したがって、超音波システムは、受信機ビームフォーミングを実施する前に、局所位相パラメータを計算しかつ中心周波数を計算するように構成されてもよい。「中心周波数」は広く解釈され、中心周波数が係数で乗算されるシナリオを包含するものとする。複数の後方散乱超音波信号のそれぞれについての時間領域における局所位相パラメータは、ビームフォーミング前に計算されるのに対して、各局所位相パラメータについての中心周波数は、ビームフォーミング後に計算されるということが想定され得る。したがって、処理ユニットは、複数の後方散乱超音波信号のそれぞれについて、時間領域における局所位相パラメータを計算するように構成されてもよい。
【0016】
ビームフォーマーは、局所位相パラメータの加算により受信機ビームフォーミングを実施するように構成されることができる。次いで処理ユニットは、合計された局所位相パラメータについて中心周波数を計算することができる。一実施形態では、ビームフォーミング工程において合計されたサンプルは、中心周波数が位相パラメータから計算される前に、後方散乱超音波信号の振幅に従って加重される。
【0017】
一実施形態では、超音波システムは、関心領域の少なくとも一部にわたる合計された中心周波数の分散を計算するまたは演算するように構成される。本発明者らは、受信ビームフォーミングを実施する前に中心周波数を計算すると、合計された中心周波数の分散を、関心領域における組織を特徴付けるために使用できることを見出した。
【0018】
好ましくは、処理ユニットは、時間領域における後方散乱超音波信号の局所位相パラメータのそれぞれについて中心周波数を計算するように構成される。したがって、処理ユニットは、周波数変換を伴わない後方散乱超音波信号に基づいて中心周波数を計算するように構成されてもよい。その後、ビームフォーマーは、中心周波数を、好ましくは中心周波数のみを合計することができる。本システム及び本方法は、後方散乱パルスがガウス形状であるという仮定に基づき得る。
【0019】
一実施形態によれば、超音波システムは、組織を特徴付けるための超音波システムであり、超音波トランスデューサーは、トランスデューサーアレイ内の複数の素子から組織中の関心領域に複数の超音波信号を送信するように構成されており、システムは、合計した中心周波数に基づき、組織を特徴付けるように、更に構成される。後方散乱超音波エネルギーは、音の波長及び伝播方向に関連する組織特性、例えば、細胞/構造のサイズ、形状ならび密度に依存する。その結果、後方散乱パルスの周波数成分は、組織の微細構造の特性に依存することになる。したがって、超音波システムは、後方散乱中心周波数を使用して構造サイズを推定するように更に構成されてもよい。
【0020】
更なる実施形態によれば、超音波システムは、動脈壁及びアテローム性動脈硬化プラークを特徴付けるための超音波システムであり、超音波トランスデューサーは、トランスデューサーアレイ内の複数の素子から少なくとも1つの動脈壁内の関心領域に複数の超音波信号を送信するように構成されており、超音波システムは、合計した中心周波数に基づき、少なくとも1つの動脈壁内のアテローム性動脈硬化プラークを特徴付けるように、更に構成される。これらに限定されないが、心筋の特徴付け、乳房病変の特徴付け、甲状腺病変、前立腺病変、切除したリンパ節における微小転移の検出、ならびに肝脂肪症の定量化及び子宮頸部熟化の検出を含む、他の用途が可能である。
【0021】
超音波システムは、合計した中心周波数及び関心領域のモデルに基づき、関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成するように構成される。関心領域のモデルは、関心領域の異なる構造についての後方散乱に関する情報を含む、物理的モデルであり得る。当業者であれば、構造の物質及び/またはサイズが超音波をどのように散乱させるか、特に、後方散乱された中心周波数が散乱体の半径とどのように相関するのかについての数学的記述を含む、構造の物理的モデルであり得る、このようなモデルを実装することができるであろう。
図5は、種々のサイズの構造(108)に関する中心周波数偏移の例を示す。トランスデューサー(101)は、超音波信号を送信し、後方散乱超音波信号を受信するように構成される。
【0022】
超音波システムは、超音波イメージング装置であり得る。中心周波数、または中心周波数偏移、または中心周波数から生成される他のパラメータを提示する有用な方法は、色またはグレースケールが異なる周波数を表す周波数画像などの画像を使用してもよい。このような実施形態では、超音波システムは、関心領域の少なくとも1つの画像を表示するためのディスプレイを更に備えてもよい。少なくとも1つの画像は、複数の超音波信号を反射する関心領域内の構造のサイズの表現を含み得る。処理ユニットは、合計した中心周波数に基づき、構造のサイズを演算及び/または抽出するように更に構成され得る。ユーザーに画像を提示する必要がない場合もある。あるいは、システムは、例えば、リスト、表またはデータベースの形態で周波数を生成するように構成されてもよく、リスト、表またはデータベースから、更なるパラメータを導出することができる。更に、画像は、動脈プラークが特徴付けられている表現を含んでもよく、画像は、例えばカラーマップとして表された、アテローム性動脈硬化プラーク及び/または動脈プラークに関連するリスクの構造または組成の翻訳表現を含む。
図4は、従来の超音波システムを使用したプラークの超音波画像の比較を示し、周波数分析/処理は、ビームフォーミング後(A)及び本開示の超音波システムを使用した後(B)に実施される。見てわかるように、本開示の超音波システムはより高い精度を提供し、これは、改善された空間分解能として知覚されてもよい。処理ユニットは、合計した中心周波数に基づき、関心領域における細胞または成分、例えば、線維及び/または非細胞性物質のサイズを推定するように構成され得る。
【0023】
一実施形態では、超音波システムは、合計した中心周波数に基づき、組織組成、好ましくは頸動脈プラーク組成を決定するように構成される。組織組成または頸動脈プラーク組成は、動脈壁の物理的特性の定量値、例えば動脈壁のパーセンテージもしくは割合、細胞及び/または構造のサイズ、または定量化された診断値、例えば計算されたプラークリスクスコアを含むことができる。超音波システムは、プラーク破裂のリスクと関連するプラーク成分を検出するように構成されてもよい。中心周波数偏移と、コラーゲン及び平滑筋細胞の量(ポジティブの場合)ならびにマクロファージ及びコアサイズ(ネガティブの場合)との間に相関関係が存在することが判明している。これらのプラーク特性は、安定なプラークの記載と一致し、その逆も同様である。
【0024】
トランスデューサーのアレイ状に配置された複数の素子は、通常、1つの画像の1つのラインを生成するように構成される。したがって、超音波システムは、合計した中心周波数及び関心領域のモデルに基づき、画像のラインを生成するように構成され得る。このプロセスが繰り返される場合、すなわち、複数の超音波信号が送信され、局所位相パラメータ及び中心周波数が計算され、受信機ビームフォーミングが実施される場合、複数のラインを含む全体画像が生成され得る。
図1Aの例におけるトランスデューサープローブは、超音波信号を送信するように構成される7つの素子(102)を含む。典型的なトランスデューサーは、例えば、1列に配置された64、192、256または512の素子を有する。トランスデューサーはまた、m×nの素子のアレイ状に配置された素子、すなわち、一方向のmの素子及び他方向のnの素子を有することもできる。これらの素子は、電気信号を超音波信号に変換し、後方散乱超音波信号を受信した電気信号に変換し、更に処理ユニットによって処理されるように構成された圧電素子であり得る。
図1Bは、7つの素子(102)が超音波を電気信号に変換するように構成された受信側を示す。更に、超音波システムは、複数の超音波信号を送信する処理、複数の後方散乱超音波信号を受信する処理、及び受信した複数の後方散乱超音波信号を複数の焦点距離に関して処理する処理を繰り返すように構成されることができる。
【0025】
局所位相パラメータは、通常、複数の後方散乱超音波信号を後方散乱超音波信号の複素表現に変換することによって、例えば、ヒルベルト変換または直交復調を計算することによって計算され得る。複素データを使用し、後方散乱データにおけるサンプル間の時間領域位相差を取得し、中心周波数の推定に使用することができる。一方法は、通常、瞬時周波数と称される、位相導関数を測定することである。位相差を導出するために一般的に使用される別の方法は、複素自己相関法である。
【0026】
中心周波数計算の例
中心周波数は、以下の例に従って計算することができる。複数のサンプルがトランスデューサーアレイの各素子に集められる。例えば、サンプルは、n=1~mのベクトルである。
sampleHT=サンプルのヒルベルト変換、
sampleComplex(n)=サンプル(n)+i*sampleHT(n)、
sampleConj(n)=sampleComplex(n)*conj(sampleComplex(n-1))であり、conjは共役であり[sampleConjにおける各サンプルは、いくつかの近接するサンプルで平均化されてもよい]、
サンプル間の位相差=PD=arctan(IMAG(sampleConj)/REAL(sampleConj))であり、arctanは四象限逆正接であり、IMAGは虚数部であり、REALは実数部であり、
中心周波数=PD/(2*pi)*Fsであり、Fsはサンプルのサンプリング周波数である。
【0027】
超音波方法
本開示は、更に、関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成するための超音波方法に関する。
図2は、本明細書に開示する超音波方法(200)の実施形態を示す。実施形態では、超音波方法(200)は、
トランスデューサーアレイの複数の素子からの複数の超音波信号を関心領域に送信することと(201)、
関心領域からの複数の後方散乱超音波信号を受信しサンプリングすることと(202)、
複数の後方散乱超音波信号のそれぞれについて時間領域における局所位相パラメータを計算することと(203)、
時間領域における後方散乱超音波信号の局所位相パラメータのそれぞれについて中心周波数を計算することと(204)、
中心周波数を合計することによって受信機ビームフォーミングを実施することと(205)、
合計した中心周波数に基づき、関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成することと(206)、の工程を含む。
【0028】
好ましくは、中心周波数を計算する工程は、受信機ビームフォーミングを実施する工程よりも前に行われる。方法の工程は、順番に実行されてもよい。好ましくは、方法は、送信ビームフォーミングを実施する工程を含む。
【0029】
発明の更なる詳細
1.超音波システムであって、
トランスデューサーアレイ内の複数の素子から複数の超音波信号を関心領域に送信するように構成される超音波トランスデューサーであって、前記超音波トランスデューサーは前記関心領域からの複数の後方散乱超音波信号を受信しサンプリングするように更に構成される、前記超音波トランスデューサーと、
処理ユニットであって、
前記複数の後方散乱超音波信号のそれぞれまたは群の時間領域における局所位相パラメータを計算するように、
前記時間領域における前記後方散乱超音波信号の前記局所位相パラメータのそれぞれについて中心周波数を計算するように構成される、前記処理ユニットと、
前記中心周波数を合計することによって受信機ビームフォーミングを実施するように構成されるビームフォーマーと、を備え、
前記超音波システムは更に、前記合計した中心周波数に基づき、前記関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成するように構成される、前記超音波システム。
【0030】
2.前記超音波システムは、組織を特徴付けるための超音波システムであり、前記超音波トランスデューサーは、トランスデューサーアレイ内の複数の素子から前記組織中の関心領域に複数の超音波信号を送信するように構成されており、前記システムは、前記合計した中心周波数に基づき、前記組織を特徴付けるように、更に構成される、項目1に記載の超音波システム。
【0031】
3.前記超音波システムは、アテローム性動脈硬化プラークを特徴付けるための超音波システムであり、前記超音波トランスデューサーは、トランスデューサーアレイ内の複数の素子から少なくとも1つの動脈壁内の関心領域に複数の超音波信号を送信するように構成されており、前記超音波システムは、前記合計した中心周波数に基づき、前記少なくとも1つの動脈壁内の前記アテローム性動脈硬化プラークを特徴付けるように、更に構成される、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0032】
4.前記超音波システムは、前記合計した中心周波数及び前記関心領域のモデルに基づき、前記関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成するように構成される、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0033】
5.前記関心領域のモデルは、前記関心領域の異なる構造についての後方散乱に関する情報を含む、物理的モデルである、項目4に記載の超音波システム。
【0034】
6.前記超音波システムは更に、前記合計した中心周波数に基づき、画像のラインを生成するように構成される、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0035】
7.前記超音波システムは、複数の超音波信号の前記送信と、局所位相パラメータ及び中心周波数の前記計算とを繰り返し、複数のラインを含む画像を生成するために受信機ビームフォーミングを実施するように構成される、項目6に記載の超音波システム。
【0036】
8.前記超音波システムは、前記受信機ビームフォーミングを実施する前に、前記局所位相パラメータを計算しかつ前記中心周波数を計算するように構成される、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0037】
9.前記超音波システムは、前記合計した中心周波数に基づき、頸動脈プラーク組成などのプラーク組成を決定するように更に構成される、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0038】
10.前記頸動脈プラーク組成は、動脈壁の物理的特性の定量値、例えば前記動脈壁のパーセンテージもしくは割合、細胞及び/または構造のサイズ、または定量化された診断値、例えば計算されたプラークリスクスコアを含む、項目9に記載の超音波システム。
【0039】
11.前記超音波トランスデューサーは、電気信号を超音波信号に変換し、前記後方散乱超音波信号を受信した電気信号に変換し、更に前記処理ユニットによって処理されるように構成された圧電素子を含む、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0040】
12.前記関心領域の少なくとも1つの画像を表示するためのディスプレイを更に含む、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0041】
13.前記少なくとも1つの画像は、前記複数の超音波信号を反射する前記関心領域内の構造のサイズの表現を含む、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0042】
14.前記処理ユニットは、前記合計した中心周波数に基づき、前記構造のサイズを演算及び/または抽出するように更に構成される、項目13に記載の超音波システム。
【0043】
15.前記処理ユニットは、合計した前記中心周波数に基づき、前記関心領域における細胞または成分、例えば、線維及び/または非細胞性物質のサイズを推定するように構成される、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0044】
16.前記処理ユニットは、周波数変換を伴わない前記後方散乱超音波信号に基づいて前記中心周波数を計算するように構成される、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0045】
17.前記ビームフォーマーは、前記中心周波数のみを合計するように構成される、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0046】
18.前記超音波システムは、前記複数の超音波信号を送信する処理、前記複数の後方散乱超音波信号を受信する処理、及び前記受信した複数の後方散乱超音波信号を複数の焦点距離に関して処理する処理を繰り返すように構成される、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0047】
19.前記局所位相パラメータは、前記複数の後方散乱超音波信号を前記後方散乱超音波信号の複素表現に変換することによって、好ましくは、ヒルベルト変換を計算することによって計算される、先行項目のいずれか1つに記載の超音波システム。
【0048】
20.前記中心周波数は、前記複素表現に基づいて計算される、項目19に記載の超音波システム。
【0049】
21.超音波方法であって、
トランスデューサーアレイの複数の素子からの複数の超音波信号を関心領域に送信することと、
前記関心領域からの複数の後方散乱超音波信号を受信しサンプリングすることと、
前記複数の後方散乱超音波信号のそれぞれについて時間領域における局所位相パラメータを計算することと、
前記時間領域における前記後方散乱超音波信号の前記局所位相パラメータのそれぞれについて中心周波数を計算することと、
前記中心周波数を合計することによって受信機ビームフォーミングを実施することと、
前記合計した中心周波数に基づき、前記関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成することと、の工程を含む、前記超音波方法。
【0050】
22.前記工程は連続している、項目21に記載の超音波方法。
【0051】
23.前記中心周波数を計算する前記工程は、前記受信機ビームフォーミングを実施する工程の前に行われる、項目21~22のいずれか1つに記載の超音波方法。
【0052】
24.超音波システムであって、
トランスデューサーアレイ内の複数の素子から複数の超音波信号を関心領域に送信するように構成される超音波トランスデューサーであって、前記超音波トランスデューサーは前記関心領域からの複数の後方散乱超音波信号を受信しサンプリングするように更に構成される、前記超音波トランスデューサーと、
前記複数の後方散乱超音波信号のそれぞれについて時間領域における局所位相パラメータを計算するように構成される、処理ユニットと、
前記局所位相パラメータを合計することによって受信機ビームフォーミングを実施するように構成されるビームフォーマーと、を備え、
前記処理ユニットは、
前記時間領域における前記後方散乱超音波信号の前記局所位相パラメータのそれぞれについて中心周波数を計算するように更に構成され、
前記超音波システムは更に、前記合計した中心周波数に基づき、前記関心領域の物理的特性を表す少なくとも1つのパラメータを生成するように構成される、前記超音波システム。
【国際調査報告】