(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】除草剤組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 47/06 20060101AFI20240614BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20240614BHJP
A01N 35/10 20060101ALI20240614BHJP
A01N 43/40 20060101ALI20240614BHJP
A01N 43/90 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A01N47/06 Z
A01P13/00
A01N35/10
A01N43/40 101H
A01N43/90 103
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580462
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2022068244
(87)【国際公開番号】W WO2023280701
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520222106
【氏名又は名称】シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ジョイス フィリップ マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァズ ダ シルヴァ ジョアオ レナート
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA06
4H011BB05
4H011BB09
4H011BB10
4H011BB12
4H011DF04
(57)【要約】
本発明は、(A)除草有効量の式(I)
(式中、Gは、水素、-C(O)CH
3、及び-C(O)OCH
3からなる群から選択される)
の化合物と;(B)アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCアーゼ)阻害除草剤と、を含む除草剤組成物に関する。本発明は、さらに、本発明の除草剤組成物を含む雑草の防除方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)除草有効量の式(I)
【化1】
(式中、Gは、水素、-C(O)CH
3、及び-C(O)OCH
3からなる群から選択される)
の化合物と;
(B)アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCアーゼ)阻害除草剤と、
を含む除草剤組成物。
【請求項2】
式(I)の前記化合物が、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)
【化2】
からなる群から選択される、請求項1に記載の除草剤組成物。
【請求項3】
式(I)の前記化合物が式(Ic)である、請求項1又は請求項2に記載の除草剤組成物。
【請求項4】
成分(B)が、クレトジム(B1)、クロジナホップ(B2)フェノキサプロップ(B3)、フルアジホップ(B4)、ハロキシホップ(B5)ピノキサデン(B6)及びプロパキザホップ(B7)、又はいずれかの成分(B)の農薬上許容されるエステル若しくは塩からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項5】
成分Bが、クレトジム(B1)、クロジナホップ(B2)、クロジナホップ-プロパルギル(B2a)、フェノキサプロップ(B3)、フェノキサプロップ-P-エチル(B3b)、フルアジホップ(B4)、フルアジホップ-P-ブチル(B4a)、ハロキシホップ(B5)、ハロキシホップ-P-メチル(B5a)ピノキサデン(B6)及びプロパキザホップ(B7)からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項6】
成分Bがクレトジムである、請求項1~5のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項7】
前記組成物が追加の除草剤成分(C)をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項8】
成分(C)が、グリホサート、グルホシネート、2,4-D、ジカンバ、アセトクロル、メトラクロル、S-メトラクロル、及びピロキサスルホンからなる群から選択される除草剤である、請求項7に記載の除草剤組成物。
【請求項9】
ある部位における雑草の防除方法であって、請求項1~8のいずれか一項に記載の除草剤組成物の雑草防除量を前記部位に施用することを含む、方法。
【請求項10】
作物植物と雑草とを含む部位における雑草の選択的防除方法であって、請求項1~9のいずれか一項に記載の除草剤組成物の雑草防除量を前記部位に施用することを含む、方法。
【請求項11】
前記作物植物が除草剤耐性形質を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記作物植物が、成分(B)及び/又は(C)に対する耐性が得られる除草剤耐性形質を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記作物植物がダイズ又は綿である、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記雑草が、アロペクルス属の種(Alopecurus sp.)、カラスムギ属の種(Avena sp.)、ジギタリア属の種(Digitaria sp.)、エキノクロア属の種(Echinochloa sp.)、エレウシネ属の種(Eleusine sp.)、ロリウム属の種(Lolium sp.)、セタリア属の種(Setaria sp.)、及びソルガム属の種(Sorghum sp.)からなる群から選択される種を含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有用植物の作物中の雑草の防除が得られる除草剤有効成分の組合せを含む新規な除草剤組成物に関する。本発明は、有用植物の作物中の雑草の防除方法、及び雑草を防除するための除草剤組成物の使用をさらに提供する。式(I)
【化1】
の化合物は、国際公開第2015/197468号により公知であり、これによって作物中の問題となる雑草の有効な防除が行われる。除草剤有効成分の組合せは、有用植物の作物中の問題となる植物(雑草)の防除の増加及び/又は拡大のために農業に用いられることが多い。幾つかの事例では、上記組合せによって、有益な加算より大きい(相乗的)効果を得ることができ、これによって、例えば、より少ない施用量での効率的な雑草防除が可能となり得る。本発明は、式(I)の化合物を含む新規な組成物に基づいている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
したがって、本発明によると、(A)除草有効量の式(I)
【化2】
(式中、Gは、水素、-C(O)CH
3、及び-C(O)OCH
3からなる群から選択される)
の化合物と;
(B)アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCアーゼ)阻害除草剤と、
を含む除草剤組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本発明の好ましい一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)、(Ib)及び(Ic)
【化3】
からなる群から選択される。
【0004】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物は、その農薬上許容される塩を含めた式(Ia)の化合物である。本発明の別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物である。本発明の別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ic)の化合物である。
【0005】
本発明の好ましい一実施形態では、ACCアーゼ阻害除草剤(B)は、クレトジム(B1)、クロジナホップ(B2)フェノキサプロップ(B3)、フルアジホップ(B4)、ハロキシホップ(B5)ピノキサデン(B6)、及びプロパキザホップ(B7)、又はいずれかの成分(B)の農薬上許容されるエステル若しくは塩からなる群から選択される。成分(B)は、異なる鏡像異性体としても存在することができ、したがって、成分(B)は、ラセミ混合物、1種の鏡像異性体、又は鏡像異性体に富む形態として存在することができる。本発明のより好ましい一実施形態では、ACCアーゼ阻害除草剤(B)は、クレトジム(B1)、クロジナホップ(B2)(クロジナホップ-プロパルギル(B2a)等)、フェノキサプロップ(B3)(フェノキサプロップ-P-エチル(B3b)等)、フルアジホップ(B4)(フルアジホップ-P-ブチル(B4a)等、ハロキシホップ(B5)(ハロキシホップ-P-メチル(B5a)等)ピノキサデン(B6)、及びプロパキザホップ(B7)からなる群から選択される。
【0006】
本発明の好ましい一実施形態では、成分(B)はクレトジム(B1)である。
【0007】
本発明の別の実施形態では、成分(B)は、クロジナホップ(B2)又はクロジナホップ-プロパルギル(B2a)である。
【0008】
本発明の別の実施形態では、成分(B)は、フェノキサプロップ(B3)又はフェノキサプロップ-P-エチル(B3a)である。
【0009】
本発明の別の実施形態では、成分(B)は、フルアジホップ(B4)又はフルアジホップ-P-ブチル(B4a)である。
【0010】
本発明の別の実施形態では、成分(B)は、ハロキシホップ(B5)又はハロキシホップ-P-メチル(B5a)である。
【0011】
本発明の別の実施形態では、成分(B)はピノキサデン(B6)である。
【0012】
本発明の別の実施形態では、成分(B)はプロパキザホップ(B7)である。
【0013】
本発明の別の実施形態では、式(I)の化合物は式(Ic)の化合物であり、成分Bは、クレトジム(B1、フルアジホップ(B4)、ハロキシホップ(B5)、及びピノキサデン(B6)(全ての上記化合物の農薬上許容される塩及び/又はエステルを含む)からなる群から選択される。
【0014】
より好ましい一実施形態本発明では、除草剤組成物は、以下の表1中に開示される成分(A)及び(B)の混合物を含む。
【0015】
【0016】
一般に、式(I)の化合物と成分Bの化合物との混合比(重量基準)は、0.01:1~100:1、より好ましくは0.025:1~20:1、さらにより好ましくは1:30~20:1である。例えば、本発明の好ましい組成物の好ましい比の範囲が、以下の表2~4中に示される。*成分(B)が別の形態(例えば、塩/エステル)で存在する場合、これらは置換され得ることを理解すべきである。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
当業者は、前出の表2、3、及び4中に記載の組成物番号M1.001~M1.011、M2.001~M2.011、及びM3.001~M3.011のいずれか1つのA:Bの最も好ましい比の範囲も同様に1:30~16:1となり、それぞれの比は、混合物のパートナーに依存して最適化することができることを理解するであろう。例えば、1:30、1:20、1:10、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、20:1 30:1のおおよその比も想定される。
【0021】
本発明の好ましい一実施形態では、ACCアーゼ阻害除草剤(B)は、クレトジム(B1)、クロジナホップ(B2)フェノキサプロップ(B3)、フルアジホップ(B4)、ハロキシホップ(B5)ピノキサデン(B6)、及びプロパキザホップ(B7)、又はいずれかの成分(B)の農薬上許容されるエステル若しくは塩からなる群から選択される。成分(B)は、異なる鏡像異性体としても存在することができ、したがって、成分(B)は、ラセミ混合物、1種の鏡像異性体、又は鏡像異性体に富む形態として存在することができる。本発明のより好ましい一実施形態では、ACCアーゼ阻害除草剤(B)は、クレトジム(B1)、クロジナホップ(B2)(クロジナホップ-プロパルギル(B2a)等)、フェノキサプロップ(B3)(フェノキサプロップ-P-エチル(B3b)等)、フルアジホップ(B4)(フルアジホップ-P-ブチル(B4a)等、ハロキシホップ(B5)(ハロキシホップ-P-メチル(B5a)等)ピノキサデン(B6)、及びプロパキザホップ(B7)からなる群から選択される。
【0022】
本発明の組成物は、1種以上の追加の除草剤有効成分をさらに含むことができ、これによって3元、4元、又はさらには5元以上の混合物を得ることができることをさらに理解すべきである。例えば、本発明の組成物は、2種以上の(B)成分、例えば2種、3種、又は4種の(B)成分を含むことができる。本発明の別の実施形態では、除草剤組成物は、1種以上の追加の除草剤成分(C)をさらに含む。成分(C)は、例えば、グリホサート(若しくはその許容される塩)、グルホシネート(若しくはL-グルホシネート)若しくはその許容される塩、アウキシン除草剤(例えば、2,4-D又はジカンバ、それらの許容される塩を含む)、HPPD阻害除草剤、又はVLCFA除草剤を含むことができ、特に、アセトクロル、メトラクロル及びS-メトラクロル、並びにピロキサスルホンからなる群から選択されるもの、好ましくはS-メトラクロルを含むことができる。
【0023】
本発明の別の態様によると、ある部位における雑草の防除方法であって、上記部位に雑草防除量の本発明の組成物を施用することを含む方法が提供される。
【0024】
本発明の別の実施形態では、作物植物と雑草とを含む部位における雑草を選択的に防除する方法であって、上記部位に雑草防除量の本発明による組成物を施用することを含む方法が提供される。好ましい一実施形態では、作物植物はダイズである。この状況では、雑草としては、例えば、遺伝子組み換えトウモロコシを含めた自生のトウモロコシ(コーン)を挙げることができる。
【0025】
本発明の組成物中で施用される場合、成分(A)は、典型的には25~2000g ha、特に25、50、75、100、125、150、200、250、300、400、500、750、800、1000、1250、1500、1800、又は2000g/haの割合で施用される。このような割合の成分(A)は、典型的には5~2000g/haの成分Bに関連して、さらに具体的には、5、10、15、20、25、50、75、100、120、125、140、150、200、240、250、300、400、480、500、750、1000、1250、1500、1800、又は2000g/haの成分(B)に関連して施用される。本明細書中に記載される実施例は、本発明において使用され得る成分A及びBの比率の範囲を例示するが、これに限定されない。
【0026】
施用される本発明による組成物の量は、施用される化合物;処理の対象、例えば植物、土壌又は種子;処理の種類、例えば噴霧、散布又は種子ドレッシング;又は施用時間等の様々な要因に依存する。農業実務において、本発明による組成物の施用量は、所望の効果の種類に依存し、典型的には、1ヘクタールあたり30~4000gの総組成物の範囲であり、より一般的には30~2000g/haの間の範囲である。施用は、一般的に、組成物を噴霧することによって行われ、典型的には、トラクタに取り付けられた噴霧器によって広い領域に対して行われるが、他の方法、例えば、散布(粉末用)、ドリップ又はドレンチも使用することができる。
【0027】
有効成分を組み合わせる場合、任意の所与の有効成分の組合せについて予測される活性(E)は、いわゆるColby式に従い、以下のように算出することができる(Colby,S.R.,Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combination,Weeds,15巻,第20-22頁;1967):
ppm=有効成分(a.i.)のmg/L
X=p ppmの有効成分を使用した第1の有効成分による作用%
Y=q ppmの有効成分を使用した第2の有効成分による作用%。
【0028】
Colbyによれば、p+q ppmの有効成分を使用した有効成分A+Bの予測される作用は、以下の式によって表される:
【数1】
【0029】
実際に観察された作用(O)が予測される作用(E)よりも大きい場合、組合せの作用は超相加的であり、すなわち相乗効果がある。数学的には、相乗作用は、(O-E)の差の正の値に対応する。純粋に相補的な活性の付加(予測される活性)の場合、前記差(O-E)は0である。前記差(O-E)の負の値は、予測される活性と比較した活性の損失を示す。
【0030】
したがって、本発明の組合せは、任意の相加的な除草活性を利用し、特定の実施形態は、相乗効果を示すことさえある。これは、有効成分の組合せの作用が個々の成分の作用の合計よりも大きいときはいつでも起こる。
【0031】
本発明の組合せはまた、有効な除草活性を媒介するために、各個々の成分によって得られる活性と比較して拡張された活性スペクトルを提供し得、及び/又は単独で使用される場合よりも組み合わせて使用される場合に、より低い割合の個々の成分の使用を可能にし得る。
【0032】
さらに、本発明の組成物は、化合物A単独の効果と比較した場合、増加した作物耐性を示し得ることも可能である。これは、有効成分の組合せの作用が有効成分の1つの単独の作用よりも有用な作物に害を与えない場合に起こる。
【0033】
本明細書を通して、「組成物」という表現は、連続的に、すなわち数時間又は数日等の適度に短い期間で次々に施用される場合、例えば単一の「レディミックス」形態、「タンクミックス」等の単一の有効成分の別々の製剤から構成される組合せスプレー混合物、及び単一の有効成分の組合せ使用の、成分(A)及び(B)の様々な混合物又は組合せを意味すると解釈されるべきである。成分(A)及び(B)を施用する順序は、本発明を実施するために必須ではない。
【0034】
本明細書で使用される「除草剤」という用語は、植物の成長を抑制又は改変する化合物を意味する。「除草有効量」という用語は、植物の成長に対して抑制効果又は改変効果を生じさせることができるそのような化合物又はそのような化合物の組合せの量を意味する。効果を抑制又は改変することとしては、自然発生からの全ての逸脱、例えば、死滅、遅延、葉焼け、白化、萎縮等が含まれる。
【0035】
本明細書で使用される「部位」という用語は、植物が成長している、又は栽培植物の種子が播種されている、又は種子が土壌に配置されるであろう圃場を意味する。これには、土壌、種子及び実生、並びに定着した植生が含まれる。
【0036】
「植物」という用語は、種子、実生、若木、根、塊茎、茎、柄、葉及び果実を含む植物の全ての物理的部分を指す。
【0037】
「植物繁殖材料」という用語は、植物の全ての生殖部分、例えば種子又は植物の栄養部分、例えば挿し穂及び塊茎を示す。これには、厳密な意味での種子、並びに根、果実、塊茎、球根、根茎及び植物の一部が含まれる。
【0038】
本明細書で使用される「毒性緩和剤」という用語は、除草剤と組み合わせて使用される場合、非標的生物に対する除草剤の望ましくない効果を減少させる化学物質を意味し、例えば、毒性緩和剤は、除草剤による傷害から作物を保護するが、除草剤が雑草を死滅させるのを防止しない。
【0039】
本発明による組成物を使用することができる有用植物の作物としては、多年生及び一年生作物、例えばベリー植物、例えばブラックベリー、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリー及びイチゴ;穀類、例えば大麦、トウモロコシ(コーン)、キビ、オート麦、米、ライ麦、ソルガム・ライコムギ及び小麦;繊維植物、例えば綿、亜麻、麻、ジュート及びサイザル麻;農作物、例えば砂糖及び飼料ビート、コーヒー、ホップ、マスタード、ナタネ(キャノーラ)、ケシ、サトウキビ、ヒマワリ、茶及びタバコ;果樹、例えば、リンゴ、アンズ、アボカド、バナナ、サクランボ、柑橘類、ネクタリン、モモ、ナシ及びプラム;草、例えばバミューダグラス、ブルーグラス、ベントグラス、ムカデグラス、フェスク、ライグラス、St.オーギュスチングラス及びシバ;ハーブ、例えばバジル、ボラージ、ニラ、コリアンダー、ラベンダー、ラバージ、ミント、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージ、タイム;マメ科植物、例えば豆、レンズマメ、エンドウマメ及びダイズ;ナッツ、例えばアーモンド、カシューナッツ、粉砕ナッツ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、ペカン、ピスタチオ及びクルミ;パーム、例えば油ヤシ;観賞植物、例えば花、低木及び樹木;他の樹木、例えばカカオ、ココナッツ、オリーブ及びゴム;野菜、例えば、アスパラガス、ナス、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、キュウリ、ニンニク、レタス、マロー、メロン、オクラ、タマネギ、コショウ、ジャガイモ、カボチャ、ダイオウ、ホウレンソウ及びトマト;ブドウ、例えばブドウが挙げられる。しかしながら、本発明の組成物は、綿又はダイズ作物、特にダイズ作物中の雑草の防除に特に有用である。
【0040】
作物は、天然に存在するもの、従来の育種方法によって得られるもの、又は遺伝子工学によって得られるものであると理解されるべきである。それらには、いわゆるアウトプット形質(例えば、改善された貯蔵安定性、より高い栄養価及び改善された風味)を含む作物が含まれる。
【0041】
作物は、従来の育種方法又は遺伝子工学によって除草剤又は除草剤のクラス(例えば、ALS阻害剤、GS阻害剤、EPSPS阻害剤、PPO阻害剤、ACCase阻害剤及びHPPD阻害剤)に対して耐性となった作物も含むと理解されるべきである。従来の育種方法によってイミダゾリノン、例えばイマザモクスに対して耐性となった作物の例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ)である。遺伝子工学的方法によって除草剤に対して耐性となった作物の例としては、例えば、商品名RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)で市販されているグリホサート耐性及びグルホシネート耐性品種が挙げられる。遺伝子工学によってPPO阻害除草剤に対して耐性となった作物の例は当技術分野において公知であり、例えば国際公開第95/34659号に記載されている。遺伝子工学によってHPPD阻害除草剤に対して耐性となった作物の例は当技術分野において公知であり、例えば、国際公開第2011/063411号、国際公開第2011/063413号、国際公開第2012/082542号、国際公開第2012/082548号、国際公開第2010/085705号、及び国際公開第2011/068567号に記載されている。本発明の組成物、特に2,4-D(又はその農薬上許容されるエステル若しくは塩)を含むいずれかのものは、2,4-D除草剤に対して耐性となるように操作されている作物、例えば、Enlist(商標)作物、特にEnlistE3(商標)Soybeansにおいて潜在的有用性を有する。本発明の組成物、特にジカンバ(又はその農薬上許容されるエステル若しくは塩)を含むいずれかのものは、ジカンバ除草剤に対して耐性となるように操作されている作物、例えばRoundup Ready 2 Xtend(商標)Soybeansにおいて潜在的有用性を有する。
【0042】
本発明の組成物は、典型的には、作物中の多種多様な単子葉及び双子葉の雑草種を防除するために使用することができる。本発明の組成物によって、アロペクルス属の種(Alopecurus sp.)(例えば、アロペクルス・ミオスロイデス(Alopecurus myosuroides)(ALOMY))、カラスムギ属の種(Avena sp.)ジギタリア属の種(Digitaria sp.)(例えば、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)(DIGSA)、ススキメヒシバ(Digitaria insularis)(TRCIN))、エキノクロア属の種(Echinochloa sp.)(例えば、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG))、エレウシネ属の種(Eleusine sp.)(例えば、オヒシバ(Eleusine indica)(ELEIN))、ロリウム属の種(Lolium sp.)、セタリア属の種(Setaria sp.)(例えば、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)))、及びソルガム属の種(Sorghum sp.)(例えば、セイバンモロコシ(Sorghum halepense)(SORHA)の特に良好な防除が行われる。本発明の全ての態様において、任意の特定の実施形態では、例えば、防除される、及び/又は成長阻害される雑草は、1種以上の除草剤、例えば、メソトリオン等のHPPD阻害剤除草剤、アトラジン等のPSII阻害剤除草剤、又はグリホサート等のEPSPS阻害剤に対して耐性又は抵抗性である単子葉又は双子葉雑草であり得る。同様に、本発明の組成物(1種以上の追加の農薬を含むものを含む)は、1種以上の毒性緩和剤をさらに含むことができる。特に、以下の毒性緩和剤が特に好ましい:ベノキサコール、クロキントセット(クロキントセット-メキシル等)、シプロスルファミド、ジクロルミド、フェンクロラゾール(フェンクロラゾール-エチル等)、フェンクロリム、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン(イソキサジフェン-エチル等)、メフェンピル(メフェンピル-ジエチル等)、メトカミフェン、及びオキサベトリニル。
【0043】
本発明の組成物は、作物の植え付け前又は植え付け後、雑草が現れる前(出芽前施用)又は雑草が現れた後(出芽後施用)に施用することができる。毒性緩和剤が本発明の混合物と組み合わされる場合、式(I)の化合物と毒性緩和剤との混合比は、100:1から1:10、特に20:1から1:1であることが好ましい。
【0044】
毒性緩和剤及び本発明の組成物を同時に施用することが可能である。例えば、毒性緩和剤及び本発明の組成物は、出芽前の部位に施用されても、又は出芽後の作物に施用されてもよい。また、毒性緩和剤及び本発明の組成物を連続的に施用することが可能である。例えば、毒性緩和剤は種子処理として種子を播種する前に施用されてもよく、本発明の組成物は出芽前の部位に施用されても、又は出芽後の作物に施用されてもよい。
【0045】
本発明の組成物は、例えば、国際公開第2015/197468号に記載されるような製剤中に好都合に使用することができる。
【実施例】
【0046】
生物学的効率
B1 出芽後効率
以下の種:エキノクロア・クルスガリ(Echinochloa crus-gali)(ECHCG)、ネズミムギ(Lolium multiflorum)(LOLMU)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びススキメヒシバ(Digitaria insularis)(TRCIN)を含む植物に対して、本発明の様々な組成物の効率の試験を行った。組成物は、出芽後に施用し、示される特定の施用後日数(DAA)において試験を評価した。試験を評価し(100=植物全体の損傷;0=植物に損傷なし)、結果を以下の表B1~B4中に以下に示す。
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【国際調査報告】