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特表2024-522928チェーン付着物剥離装置付きダンプトラック荷台
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】チェーン付着物剥離装置付きダンプトラック荷台
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/04 20060101AFI20240614BHJP
   B60P 1/30 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B60P1/04 Z
B60P1/30 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023581010
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 US2022034646
(87)【国際公開番号】W WO2023278233
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】17/362,240
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524003068
【氏名又は名称】ディヴァイン ホールディングス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルデラス マイケル ジャスティン
(57)【要約】
本発明は、チェーン粘着物剥離装置を有する荷台付きのダンプトラックであって、荷台は、底面と、2つの側壁と、材料を保持するように構成された内側と、前壁と、後縁とを有する。荷台は、上昇位置と、平坦な非上昇位置とを有する。荷台の内側にはチェーン付着物剥離装置が取り付けられており、このチェーン付着物剥離装置は、側壁に近接して平行に配置された2本の荷台サイドチェーンと、サイドチェーンの間に間隔を置いて配置された少なくとも1本の荷台インナーチェーンと、荷台サイドチェーンにほぼ垂直であり、サイドチェーンに取り付けられ、荷台の前部と後部との間に配置されているが、荷台の底面には取り付けられていない少なくとも1本の荷台クロスチェーンとを有している。チェーンは、荷台の底面と直接接触し、荷台が平坦で非上昇位置にあるときに荷台の底面に横たわるのに十分な長さを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーン付着物剥離装置を有するダンプトラックであって、
前記ダンプトラックは、荷台を有し、
前記荷台は、上昇位置と、平坦な非上昇位置とを有し、
前記荷台は、底面と、2つの側壁と、材料を保持するように構成された内側と、前壁と、後縁とを有し、
前記2つの側壁は、それぞれ、少なくとも1つの側壁チェーン取付点を有し、
前記前壁は、少なくとも1つの前壁チェーン取付点を有し、
前記荷台の内側には、前記チェーン付着物剥離装置があり、
前記チェーン付着物剥離装置は、前記2つの側壁に近接して平行に配置された2本の荷台サイドチェーンと、前記荷台サイドチェーンの間に離間して配置された少なくとも1本の荷台インナーチェーンと、前記荷台サイドチェーンに取り付けられ、かつ前記荷台サイドチェーンに対してほぼ垂直であり、前記荷台の前記前壁と前記後縁との間に配置された少なくとも1本の荷台クロスチェーンとを有し、
前記少なくとも1本の荷台クロスチェーンは、前記前壁に近接する荷台前クロスチェーンと、前記荷台の前記後縁に近接する荷台後クロスチェーンとを備え、
前記荷台サイドチェーン、前記少なくとも1本の荷台インナーチェーン、および前記少なくとも1本の荷台クロスチェーンがチェーングリッドを形成し、
前記チェーングリッドは、前記荷台の底面に取り付けられず、
少なくとも1本の側壁チェーンが、一端で前記荷台サイドチェーンの1つに取り付けられ、第2の端部で前記側壁チェーン取付点に取り付けられ、
少なくとも1本の前壁チェーンが、一端で前記荷台前クロスチェーンに取り付けられ、第2の端部で前記前壁チェーン取付点に取り付けられ、
前記荷台サイドチェーン及び前記少なくとも1本の荷台インナーチェーンは、それぞれ第1及び第2の端部を有し、
前記荷台サイドチェーン及び前記少なくとも1本の荷台インナーチェーンの各々について、前記第1の端部は前記荷台前クロスチェーンに取り付けられ、前記第2の端部は前記荷台後クロスチェーンに取り付けられ、
前記荷台前クロスチェーンおよび前記荷台後クロスチェーンは、前記荷台に取り付けられず、
前記チェーングリッドは、前記荷台が前記上昇位置に移動され、前記非上昇位置に移動されるときに移動し、
前記少なくとも1つの前壁チェーン取付点のうちの複数の前壁チェーン取付点が、前記荷台の前記前壁にわたって離間され、
前記少なくとも1本のインナーチェーン、前記荷台サイドチェーン、及び前記少なくとも1本のクロスチェーンは、前記荷台が前記平坦な非上昇位置にあるときに前記荷台の前記底面と直接接触して横たわるのに十分な長さを有し、それによって前記チェーン付着物剥離装置を形成する、ダンプトラック。
【請求項2】
請求項1に記載のダンプトラックであって、2つの端部を有する少なくとも1本の張力チェーンをさらに備え、前記端部の一方は、テールゲートに近接して前記側壁の一方に取り付けられ、他方の端部は、前記荷台サイドチェーンに近接して前記荷台後クロスチェーンに取り付けられる、ダンプトラック。
【請求項3】
請求項2に記載のダンプトラックであって、前記少なくとも1つの側壁チェーン取付点から前記荷台の前記底面までの距離と、前記少なくとも1つの前壁チェーン取付点のそれぞれから前記荷台の前記底面までの距離とがほぼ等しい、ダンプトラック。
【請求項4】
請求項3に記載のダンプトラックであって、前記少なくとも1本の側壁チェーンは、前記荷台から前記前壁に向かって、前記荷台の前記底面に対する垂線から約20から30度傾斜している、ダンプトラック。
【請求項5】
請求項4に記載のダンプトラックであって、前記荷台は、前記荷台の後方に前記テールゲートを有し、
前記テールゲートは、前記側壁に取り付けられ、ヒンジで連結され、
前記テールゲートには、少なくとも1つのテールゲート取付点があり、
前記少なくとも1本の荷台クロスチェーンは、荷台中央クロスチェーンを含み、
前記荷台中央クロスチェーンは、前記荷台の前記前壁から前記後縁までほぼ同じ距離に位置し、
少なくとも1本のテールゲートチェーンが2つの端部を有し、前記テールゲートチェーンの第1の端部が前記荷台中央クロスチェーンに取り付けられ、前記テールゲートチェーンの第2の端部が前記少なくとも1つのテールゲート取付点に取り付けられる、ダンプトラック。
【請求項6】
請求項5に記載のダンプトラックであって、前記テールゲートチェーンは2本であり、
前記2本のテールゲートチェーンは、前記2つの側壁からほぼ等距離で前記荷台の中央に近接して前記荷台中央クロスチェーンに取り付けられる、ダンプトラック。
【請求項7】
請求項6に記載のダンプトラックであって、少なくとも1本の壁クロスチェーンが、前記側壁および前記前壁のうちの1つの上に位置決めされ、前記荷台に対してほぼ平行であり、
前記少なくとも1本の壁クロスチェーンは、2つの端部を有し、
前記壁クロスチェーンの第1の端部は、前記側壁チェーンに取り付けられ、前記壁クロスチェーンの第2の端部は、前記前壁チェーンに取り付けられる、ダンプトラック。
【請求項8】
請求項7に記載のダンプトラックであって、前記平坦な非上昇位置において、前記荷台クロスチェーンは、前記荷台の後端から約4から15フィートの位置で前記ダンプトラックの荷台に載置される、ダンプトラック。
【請求項9】
請求項8に記載のダンプトラックであって、前記壁クロスチェーンは、前記側壁チェーンから前記前壁チェーンまで延び、少なくとも1本の角壁チェーンを含む、ダンプトラック。
【請求項10】
チェーン付着物剥離装置を有するダンプトラックであって、
前記ダンプトラックは荷台を有し、
前記荷台は、上昇位置と、平坦な非上昇位置とを有し、
前記荷台は、底面と、2つの側壁と、材料を保持するように構成された内側と、前壁と、後縁とを有し、
前記2つの側壁は、それぞれ、少なくとも1つの側壁チェーン取付点を有し、
前記前壁は、少なくとも1つの前壁チェーン取付点を有し、
前記荷台の内側には、前記チェーン付着物剥離装置があり、
前記チェーン付着物剥離装置は、前記2つの側壁に近接して平行に配置された2本の荷台サイドチェーンと、前記荷台サイドチェーンの間に離間して配置された少なくとも1本の荷台インナーチェーンと、前記荷台サイドチェーンにほぼ垂直であり、前記荷台サイドチェーンに取り付けられ、前記荷台の前記前壁と前記後縁との間に配置された少なくとも1本の荷台クロスチェーンとを有し、
前記少なくとも1本の荷台クロスチェーンは、前記前壁に近接する荷台前クロスチェーンと、前記荷台の前記後縁に近接する荷台後クロスチェーンとをさらに備え、
前記荷台サイドチェーン、前記少なくとも1本の荷台インナーチェーン、および前記少なくとも1本の荷台クロスチェーンがチェーングリッドを形成し、
前記チェーングリッドは、前記荷台の底面に取り付けられず、
少なくとも1本の側壁チェーンが、第1の端部で前記荷台サイドチェーンのうちの1つに取り付けられ、第2の端部で前記側壁チェーン取付点に取り付けられ、
少なくとも1本の前壁チェーンが、第1の端部において前記荷台前クロスチェーンに、かつ前記前壁チェーン取付点に取り付けられ、
前記荷台サイドチェーン及び前記少なくとも1本の荷台インナーチェーンは、それぞれ第1及び第2の端部を有し、
前記荷台サイドチェーン及び前記少なくとも1本の荷台インナーチェーンの各々について、前記第1の端部は前記荷台前クロスチェーンに取り付けられ、前記第2の端部は前記荷台後クロスチェーンに取り付けられ、
前記荷台前クロスチェーンおよび前記荷台後クロスチェーンは、前記荷台に取り付けられず、
前記チェーングリッドは、前記荷台が前記上昇位置に移動され、前記非上昇位置に移動されるときに移動し、
前記少なくとも1つの前壁チェーン取付点のうちの複数の前壁チェーン取付点は、前記荷台の前記前壁にわたって離間され、
前記荷台は、荷台の後方にテールゲートを有し、
前記テールゲートは、前記側壁に取り付けられ、ヒンジで連結され、
前記テールゲートには、少なくとも1つのテールゲート取付点があり、
前記少なくとも1本の荷台クロスチェーンは、荷台中央クロスチェーンを含み、
前記荷台中央クロスチェーンは、前記荷台の前記前壁から前記後縁までの距離とほぼ同じ距離にあり、
少なくとも1本のテールゲートチェーンは2つの端部を有し、
前記テールゲートチェーンの第1の端部は、前記荷台中央クロスチェーンに取り付けられ、前記テールゲートチェーンの第2の端部は、前記少なくとも1つのテールゲート取付点に取り付けられ、
前記少なくとも1本のインナーチェーン、前記荷台サイドチェーン、及び前記少なくとも1本のクロスチェーンは、前記荷台の底面と直接接触し、前記荷台が前記平坦な非上昇位置にあるときに前記荷台の底面に横たわるのに十分な長さを有し、それによって前記チェーン付着物剥離装置を形成する、ダンプトラック。
【請求項11】
請求項10に記載のダンプトラックであって、少なくとも1本の壁クロスチェーンは、前記側壁および前記前壁のうちの1つの上に位置決めされ、前記荷台に対してほぼ平行であり、
前記少なくとも1本の壁クロスチェーンは、前記側壁チェーンから前記前壁チェーンまで延び、少なくとも1本の角壁チェーンを含む、ダンプトラック。
【請求項12】
請求項11に記載のダンプトラックであって、前記少なくとも1つの側壁チェーン取付点から前記荷台の前記底面までの距離と、前記少なくとも1つの前壁チェーン取付点から前記荷台の前記底面までの距離とがほぼ等しい、ダンプトラック。
【請求項13】
請求項12に記載のダンプトラックであって、前記少なくとも1本の側壁チェーンは、前記荷台から前記前壁に向かって、前記荷台の底面に対する垂線から約20から30度傾斜している、ダンプトラック。
【請求項14】
請求項13に記載のダンプトラックであって、前記テールゲートチェーンの第1の端部は、前記荷台の中央に近接して前記荷台中央クロスチェーンに取り付けられている、ダンプトラック。
【請求項15】
請求項14に記載のダンプトラックであって、2本のテールゲートチェーンがある、ダンプトラック。
【請求項16】
請求項15に記載のダンプトラックであって、前記平坦な非上昇位置において、前記荷台後クロスチェーンは、前記ダンプトラックの荷台の前記後縁から約4から15フィートの位置で荷台上に載置される、ダンプトラック。
【請求項17】
請求項16に記載のダンプトラックであって、前記テールゲート取付点は、前記テールゲートのほぼ中央である、ダンプトラック。
【請求項18】
チェーン付着物剥離装置を有するダンプトラックであって、
上昇位置と平坦な非上昇位置とを有する荷台を備え、
前記荷台は、底面と、2つの側壁と、材料を保持するように構成された内側と、前壁と、後縁とを有し、
前記2つの側壁は、それぞれ、少なくとも1つの側壁チェーン取付点を有し、
前記前壁は、少なくとも1つの前壁チェーン取付点を有し、
前記荷台の内側には、前記チェーン付着物剥離装置があり、
前記チェーン付着物剥離装置は、前記側壁に近接して平行に配置された2本の荷台サイドチェーンと、前記荷台サイドチェーンの間に離間して配置された少なくとも1本の荷台インナーチェーンと、前記荷台サイドチェーンにほぼ垂直であり、前記荷台サイドチェーンに取り付けられ、前記荷台の前記前壁と前記後縁との間に配置された少なくとも1本の荷台クロスチェーンとを有し、
前記少なくとも1本の荷台クロスチェーンは、前記前壁に近接する荷台前クロスチェーンと、前記荷台の前記後縁に近接する荷台後クロスチェーンとをさらに備え、
前記荷台サイドチェーン、前記少なくとも1本の荷台インナーチェーン、および前記少なくとも1本の荷台クロスチェーンがチェーングリッドを形成し、
前記チェーングリッドは、前記荷台の底面に取り付けられず、
少なくとも1本の側壁チェーンが、第1の端部で前記荷台サイドチェーンのうちの1つに取り付けられ、第2の端部で前記側壁チェーン取付点に取り付けられ、
少なくとも1本の前壁チェーンが、第1の端部において前記荷台前クロスチェーンに、かつ前記前壁チェーン取付点に取り付けられ、
前記荷台サイドチェーン及び前記少なくとも1本の荷台インナーチェーンは、それぞれ第1及び第2の端部を有し、
前記荷台サイドチェーン及び前記少なくとも1本の荷台インナーチェーンの各々について、第1の端部が前記荷台前クロスチェーンに取り付けられ、第2の端部が前記荷台後クロスチェーンに取り付けられ、
前記荷台前クロスチェーン及び前記荷台後クロスチェーンは、前記荷台に取り付けられておらず、
前記チェーングリッドは、前記荷台が前記上昇位置に移動され、前記非上昇位置に戻されるときに移動し、
前記少なくとも1つの前壁チェーン取付点のうちの複数の前壁チェーン取付点は、前記荷台の前記前壁にわたって離間され、
前記荷台は、荷台の後方にテールゲートを有し、
前記テールゲートは、前記2つの側壁に取り付けられ、ヒンジで連結され、
前記テールゲートには、少なくとも1つのテールゲート取付点があり、
前記チェーングリッドは、荷台中央クロスチェーンを有し、
前記荷台中央クロスチェーンは、前記荷台の前記前壁から前記後縁までの距離とほぼ同じ距離の前記荷台クロスチェーンであり、
少なくとも1本のテールゲートチェーンは、2つの端部を有し、前記テールゲートチェーンの第1の端部は、前記荷台中央クロスチェーンに取り付けられ、前記テールゲートチェーンの第2の端部は、前記少なくとも1つのテールゲート取付点に取り付けられ、
前記チェーン付着物剥離装置は、2つの端部を有する少なくとも1本の張力チェーンをさらに含み、
前記張力チェーンの第1の端部は、前記テールゲートに近接して前記側壁のうちの1つに取り付けられ、前記張力チェーンの第2の端部は、前記荷台サイドチェーンのうちの1つに近接して前記荷台後クロスチェーンに取り付けられ、
前記少なくとも1本のインナーチェーン、前記荷台サイドチェーン、及び前記少なくとも1本のクロスチェーンは、前記荷台の底面と直接接触し、前記荷台が前記平坦な非上昇位置にあるときに前記荷台の底面に横たわるのに十分な長さを有し、それによって前記チェーン付着物剥離装置を形成する、ダンプトラック。
【請求項19】
請求項18に記載のダンプトラックであって、前記荷台サイドチェーンの少なくとも1本と前記少なくとも1本のインナーチェーンとの間の距離は、約22から30インチの範囲内であり、前記少なくとも1本のクロスチェーンと第2の少なくとも1本のクロスチェーンとの間の距離は、約22から30インチの範囲内である、ダンプトラック。
【請求項20】
請求項18に記載のダンプトラックであって、前記チェーングリッドを作るために、1つよりも多いグリッドサイズが使用される、ダンプトラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、本発明の第1の出願である。
【0002】
(連邦支援研究に関する記述)
該当しない。付録は適用できない。
【0003】
本発明は、ダンプトラックの荷台(bed)に関し、より詳細には、荷台の底面に付着した物質を効果的に除去するダンプトラックの荷台用チェーン装置に関する。
【背景技術】
【0004】
スキッドステア(Skid Steer)、ホイールローダ、トラクタ、又はバックホーなどの掘削機械は、バケットを使用し、掘削して材料を所望の場所に移動させるために使用される。掘削される材料は、土壌、泥、粘土、岩、破砕コンクリート、アスファルト、又は他の材料を含んでもよい。粘性のある土、泥、粘土を掘削する場合、バケットの内壁に物質が付着し、バケットの容量が減少し、掘削機の作業効率が低下することがある。
【0005】
掘削された材料のより大きな積載量のために、掘削機器は、ダンプトラック、ホッパートラック、V底トラック、エンドダンプトラック、運搬トラックなどの運搬機に材料を積載する。ダンプトラックは、後部にヒンジ式テールゲートを有する蓋なし荷台を備え、前部を平坦な非上昇位置から上昇位置まで上昇させるための油圧ラムを備え、荷台内の材料をトラックの後方の地面に落とすことができる。ダンプトラックについては、掘削機器について上述した問題と同じ問題が生じる場合があり、掘削材料又は他の運搬材料がダンプトラックの荷台(ダンプボックスとも呼ばれる)に付着し、荷台を空にするために前側ヘッドボード(ダンプトラックの運転台に最も近い)を持ち上げてヒンジ式テールゲートを解放することによって荷台を「ダンプ」するときに容易に剥離されない場合がある。
【0006】
付着物が付いた荷台を清掃することは、典型的には、作業を停止し、掘削機器を停止し、付着している粘着性材料を取り除くという長いプロセスを伴う。材料の粘着を防止する周知の方法は、荷台又はプラスチックライナー上に油を使用すること、及び荷台の底面に穴をあけることを含む。これらの方法は、非常に限られた有効性しか有さない。
【0007】
掘削バケットの内側に取り付けられた1つ又は複数のチェーンを使用して付着物を除去することが開示されている。しかしながら、チェーンがどのように取り付けられるか、または取り付けられるチェーンの構成についてはほとんど記載されていない。チェーンは、「H」または「X」構成であり得、チェーンは、終点において取り付けられ、チェーンの残りは、緩み、バケットの底面に沿って横たわることが開示されている。単一のチェーンおよび2つのチェーンが開示されている。重い1インチチェーンが開示されている。
【0008】
中国特許第212026383号は、粘土又は他の材料を除去するための掘削バケット内のペンダント装置を開示している。このペンダントは、バケットの内側の後部に取り付けられたチェーンまたはワイヤと、チェーンの自由端に取り付けられた重りと、を使用する。一実施形態では、3つのペンダントがあり、3つの離間したクロスワイヤがペンダントに取り付けられている。バケットが空になると、ペンダントは揺動してバケットを空にするのを助ける。
【0009】
上記の参考文献のいずれも、特許請求に係る発明を開示していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、チェーン付着物剥離装置を有するダンプトラックの荷台であって、荷台は、荷台底面と、2つの側壁と、材料を保持するように構成された内側と、前壁と、後縁とを有する。荷台は、上昇位置と、平坦な非上昇位置とを有する。荷台の内側にはチェーンシステムが取り付けられており、チェーンシステムは、2つの側壁に近接して平行に配置された2本の荷台サイドチェーンと、荷台サイドチェーンの間に間隔を置いて配置された少なくとも1本の荷台インナーチェーンと、荷台サイドチェーンに取り付けられ、荷台の前部と後部との間に配置され、少なくとも1本の荷台インナーチェーンに取り付けられているが、荷台の底面には取り付けられていない少なくとも1本の荷台クロスチェーンと、を有する。少なくとも1本のクロスチェーンは、前壁に近接する前クロスチェーンと、後縁に近接する後クロスチェーンと、中央クロスチェーンとを含む。荷台サイドチェーン、少なくとも1本の荷台インナーチェーン、および少なくとも1本の荷台クロスチェーンは、グリッドを形成する。側壁チェーンは、荷台の側壁上の側壁取付点で、サイドチェーンに取り付けられる。前壁チェーンは、荷台前クロスチェーンと荷台の前壁の前壁取付点とに取り付けられる。荷台サイドチェーン、荷台インナーチェーン、及び荷台クロスチェーンは、荷台の底面の後部で後クロスチェーンに取り付けられていない。前壁取付点は、荷台の前壁を横切って間隔を置いて配置される。少なくとも1本の荷台インナーチェーン、荷台サイドチェーン、および少なくとも1本の荷台クロスチェーンは、荷台の底面と接触し、荷台が平坦かつ非上昇位置にあるときに荷台の底面と直接接触して横たわるのに十分な長さを有する。
【0011】
任意選択的に、チェーン付着物剥離装置を有する荷台は、テールゲートに取り付けられ、他端が荷台中央クロスチェーンに取り付けられた少なくとも1本のテールゲートチェーンも含む。テールゲートチェーンは、荷台が非上昇位置にあるときに荷台チェーンが荷台の底面に横たわることを可能にするのに十分な長さを有する。荷台が上昇位置にあり、テールゲートが揺動して開くと、テールゲートチェーンがグリッドを引き出して下方に引き、付着している材料を取り除く。
【0012】
本発明の適用可能性のさらなる領域は、以下に示される詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示のみを目的とするものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
図1図1は、テールゲートが閉じられた状態の、平坦で非上昇位置にある本発明の実施形態の上面図である。
図2図2は、テールゲートが開いた状態の持ち上げ位置にある本発明の実施形態の側面図である。
図3図3は、チェーンシステムの一部である。
図4図4は、角を形成し、壁クロスチェーンを有する側壁チェーン及び前壁チェーンを有する荷台側壁及び荷台前壁である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好ましい実施形態の以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本発明、その適用、又は使用を限定することを決して意図するものではない。
【0015】
図1図2、および図3に示すように、本発明は、チェーン付着物剥離装置100を有するダンプトラックであり、荷台(ダンプボックスとも呼ばれる)10は、底面12および2つの側壁11と、材料を保持するように構成された内側1と、(テールゲートにおける)後縁13と、(トラックキャブに近接する)前壁14とを有する。荷台の内側には、チェーン付着物剥離装置5が取り付けられており、チェーン付着物剥離装置5は、2つの側壁11に近接して平行に配置された2本の荷台サイドチェーン51と、サイドチェーンの間にほぼ平行に間隔を置いて配置された少なくとも1本の荷台インナーチェーン52と、荷台サイドチェーンに取り付けられ、荷台の後縁13と前壁14との間に配置され、少なくとも1本の荷台インナーチェーンに取り付けられているが、荷台の底面12には取り付けられていない少なくとも1本の荷台クロスチェーン53とを有する。荷台サイドチェーン、少なくとも1本の荷台インナーチェーン及び少なくとも1本のクロスチェーンは、近似グリッドを形成する。荷台前クロスチェーン76は、前壁14に近接している。側壁チェーン58は、一端で荷台サイドチェーン51に取り付けられ、他端で側壁チェーン取付点60に取り付けられる。前壁チェーン62は、一端で前クロスチェーン76に取り付けられ、他端で前壁取付点15に取り付けられる。前壁取付点15は、前壁を横切って間隔を置いて配置される。少なくとも1本の荷台インナーチェーン、荷台サイドチェーン、および少なくとも1本の荷台クロスチェーンは、荷台の底面と直接接触し、荷台が平坦な非上昇位置にあるときに荷台の底面に横たわるのに十分な長さを有する。
【0016】
図4に示すように、好ましい実施形態では、側壁チェーン58および前壁チェーン62は、少なくとも1本の壁クロスチェーン61を有する。別の好ましい実施形態では、複数の壁クロスチェーン61があり、それらは、側壁チェーン58から前壁チェーン62まで、角を横切って切れ目なく接続され、コーナ交差壁チェーン63を形成する。壁のクロスチェーン間の距離「e」は、約6インチから30インチの範囲である。好ましくは、この距離は約14から30インチである。より好ましくは、この距離は約22から30インチである。
【0017】
好ましい実施形態では、図1及び図2に更に示すように、チェーン付着物剥離装置5を有するダンプトラック荷台は、テールゲートチェーンの一端でテールゲート取付点72においてヒンジ式テールゲート64に取り付けられ、テールゲートチェーンの他端で中央クロスチェーン74に取り付けられた少なくとも1本のテールゲートチェーン66も含む。中央クロスチェーン74は、荷台10の中央に近接し、前壁14および後縁13からほぼ等距離にある。中央クロスチェーン74への取付けは、荷台10の2つの側壁11からほぼ等距離である。テールゲートチェーン64を中央クロスチェーン74に近接して取り付けることによって、ダンプトラックが上昇位置にあり、テールゲートが揺動して開くときに、グリッド全体が引き出されて下に下がる。チェーンを後クロスチェーン68に取り付けることは、グリッド全体を持ち上げることに失敗する。後クロスチェーン68は、荷台の後部に最も近いクロスチェーンである。テールゲートチェーンは、荷台が非上昇位置にあるときに、グリッドが荷台の底面と直接接触して横たわることを可能にするのに十分な長さを有する。上昇位置では、テールゲートチェーンは、グリッドを引き出して下方に移動させ、荷台から付着物を除去する。
【0018】
好ましい実施形態では、張力チェーン78が、荷台の後縁13に近接して側壁11の一端に取り付けられる。張力チェーンの他端は、荷台サイドチェーン51に接続された後クロスチェーン68に近接してチェーングリッド56に取り付けられている。好ましくは、2つの張力チェーン78があり、それぞれが荷台側チェーン51で後クロスチェーン68に接続されている。荷重がダンプされ、荷台が非上昇位置に戻った後、張力チェーン78は、グリッドを荷台の所定位置に引き戻す。
【0019】
チェーン付着物剥離装置は、金属チェーンで作られる。サイドチェーン、インナーチェーン、クロスチェーン、テールゲートチェーンのそれぞれは、同じチェーン材料であってもよく、異なるチェーン材料であってもよい。チェーン材料は、荷台が空にされるために持ち上げられたときに落下して下方に落ち、付着している材料を荷台の底面から引き出すのに十分なほど金属であり、重いことが重要である。また、チェーン材料は、丈夫であり、湿った状態、非常に摩耗性の高い状態、岩のような状態、および破砕状態を含む好ましくない状態に耐えることができることが重要である。
【0020】
本発明に好適な典型的なチェーンとしては、グレードG30、G43、G70、G80、G100、及びG120が挙げられるが、これらに限定されない。リンクのサイズは、岩や砂利を捕らえて引き出すのに十分な大きさであるが、破片で塞がれるほど小さくはない。好ましくは、リンクは、約1/8から1インチの範囲である。より好ましくは、リンクは約1/4から3/4インチである。より好ましくは、リンクは3/8から1/2インチである。
【0021】
図1図2及び図3に示すように、荷台サイドチェーン、少なくとも1本の荷台インナーチェーン、及び少なくとも1本の荷台クロスチェーンで作られたチェーングリッド56は、好ましい寸法を有することができる。寸法は、荷台のサイズおよび運搬される材料に応じて変わる。より小さい荷台はより小さいグリッドを有し、より大きい荷台はより大きいグリッドを有し得る。好ましくは、グリッドサイズは、グリッドの周囲によって測定される荷台のサイズの約75%である。設置されると、グリッドは荷台の前壁に近接して配置され、後クロスチェーン68と荷台の後縁13との間に空間を残す。好ましい実施形態では、サイドチェーンとインナーチェーンとの間の距離「b」は、約6インチから30インチの範囲内であり得る。好ましくは、この距離は約14から30インチである。より好ましくは、この距離は約22から30インチである。クロスチェーン間の距離「a」は、約6から30インチの範囲である。好ましくは、この距離は約14から30インチである。より好ましくは、この距離は約22から30インチである。
【0022】
任意選択的に、距離「a」は距離「b」に等しい。荷台前クロスチェーン76から前壁取付点15までの距離「d」は、約6から30インチの範囲である。好ましくは、この距離は約14から30インチである。より好ましくは、この距離は約22から30インチである。荷台サイドチェーン51から側壁チェーン58の側壁取付点60までの距離「c」は、約6から30インチの範囲内である。好ましくは、この距離は約14から30インチである。より好ましくは、この距離は約22から30インチである。
【0023】
好ましくは、5から20本のインナーチェーンが存在する。より好ましくは、15から20本のインナーチェーンが存在する。インナーチェーンの最適本数は、荷台のサイズに依存し、より大きな荷台はより多くのインナーチェーンを有する。好ましくは、5から20本のクロスチェーンが存在する。より好ましくは、15から20本のクロスチェーンが存在する。インナーチェーンの最適本数は、荷台のサイズに依存し、より大きな荷台はより多くのインナーチェーンを有する。
【0024】
グリッドは、荷台側面に平行な構成、または荷台側面に対して斜めの構成など、異なる構成を有することができる。他の構成もまた、本発明において企図される。本数の構成が試みられ、付着物を除去するのに効果がないことが分かった。異なるグリッドの組み合わせも考えられる。荷台の底面にはより小さなグリッドを使用し、側部および前端のより大きなグリッドと組み合わせることができる。付着物が効果的に除去されたのは、サイドチェーン、少なくとも1本のインナーチェーン、少なくとも1本のクロスチェーンの組み合わせのみであった。
【0025】
図2に示すように、荷台が付着物を空にするために持ち上げられると、チェーングリッドは、荷台の底面から、特に荷台の前壁において離れて落下し、荷台の底面からチェーングリッドまでの距離を作り出す。グリッドは、前壁チェーン取付点15において前壁チェーン62によって、側壁チェーン取付点60において側壁チェーン58によって、および張力チェーン取付点80において張力チェーン78によって、前壁および側壁に取り付けられる。任意選択的に、グリッドは、荷台中央クロスチェーンに取り付けられたテールゲートチェーンによってテールゲートに取り付けられる。グリッドは荷台に取り付けられていないが、平坦で非上昇位置にあるときには荷台と直接接触している。グリッドは、後クロスチェーンによって荷台に取り付けられていない。これにより、荷台が持ち上げられたときに、グリッド56が外側に移動して落下することが可能になる。この構成は、効果的に付着物を除去し、荷台を空にする。好ましくは、グリッドが移動する距離は、1から12インチである。荷台が大きくなればなるほど、この距離は大きくなる。例えば、大規模な採掘装置の場合、荷台は、60から100トンもの数トンの土および破片を保持することができ、この距離は、数フィートになる可能性がある。
【0026】
荷台の前壁へのチェーン取付点は、取り外し可能な取付部または固定された取付部であり得る。取り外し可能な取付部は、シャックルおよび他のタイプの強固なクリップを含む。好ましくは、固定された取り付けは溶接を含む。
【0027】
荷台サイドチェーンは、好ましくは溶接または他の形態の取り付けによって、少なくとも1本の荷台クロスチェーンに固定して取り付けられ得る。好ましくは、少なくとも1本の荷台インナーチェーンは、溶接または他の取付け形態によって少なくとも1本の荷台クロスチェーンに取り付けられる。テールゲートチェーンは、溶接または他の取付け形態によって荷台中央クロスチェーンに取り付けられる。テールゲートチェーンは、テールゲートのほぼ中央の取付点72でテールゲートに取り付けられることが好ましい。テールゲートチェーンが、後クロスチェーンのグリッドの角に取り付けられている場合、テールゲートチェーンは、グリッドの角を引っ張るが、グリッド全体を移動させず、付着物を効果的に除去することができない。図2に示すように、荷台が上昇位置にあるとき、テールゲート64は、揺動して開き、テールゲートチェーン66は、グリッドを後方に向けて、荷台の縁部13に向けて下方に引っ張る。この移動により、付着材料が荷台から空になる。テールゲートチェーンの長さは、約10から14フィートであり、荷台の長さに応じて調整可能である。図1に示すように、平坦な非上昇位置では、後クロスチェーン68は、テールゲートが閉じられたときに、荷台の後縁13から4から15フィートの荷台の底面12に横たわる。距離が約18インチ未満である場合、グリッドは荷台内で適切に再配置されない。
【0028】
図1は、平坦な非持ち上げ位置にある本発明の好ましい実施形態を示す。チェーングリッド56は、荷台底面12と直接接触して置かれている。荷台は、側壁取付点60の少なくとも1本の側壁チェーン58で側壁11に取り付けた。荷台はまた、前壁チェーン取付点15の少なくとも1本の前壁チェーン62で前壁14に取り付けた。
【0029】
図1に示すように、側壁チェーン58は、荷台の底面に対する垂線(図1に70として示す)から約20から30度で、荷台から前壁14に向かって前方に傾斜している。もし、サイドチェーンが荷台の底面に対して垂直であるならば、上昇位置から非上昇位置に戻るときに、荷台内のグリッドを再配置するのに十分な張力はない。側壁チェーン取付点60の少なくとも1つは、前壁14に近接している。側壁チェーン58は、サイドチェーンに取り付けられ、任意選択で少なくとも1本の荷台クロスチェーン53に取り付けられる。好ましい実施形態では、荷台サイドチェーン51は、側壁チェーンに取り付けられ、前壁チェーン取付点15には取り付けられない。側壁チェーンは、荷台サイドチェーン、荷台インナーチェーン及び荷台クロスチェーンが荷台の底面と直接接触して横たわることを可能にするのに十分な長さである。好ましい実施形態では、約8から20本の側壁チェーンが存在する。より好ましい実施形態では、約10から15本の側壁チェーンが存在する。
【0030】
好ましい実施形態では、側壁チェーン取付点60から荷台12の底面までの距離と、前壁チェーン取付点15から荷台12の底面までの距離とは、ほぼ同じである。前壁チェーン取付点の高さが側壁チェーン取付点よりも高い場合、グリッドは中央で垂れ下がり、荷台の底面から持ち上がらない。
【0031】
実施形態は、本発明の原理及びその実際の適用を当業者に最も良く説明するために選択され、記載された。本発明の範囲から逸脱することなく、対応する図を参照して上述したような例示的な実施形態に対して様々な変更を行うことができるので、上記の説明に含まれ、添付の図面に示される全ての事項は、限定ではなく例示として解釈されるべきであることが意図される。したがって、本発明の広さおよび範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、本明細書に添付された以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】