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特表2024-522937固体吸着剤からPFASを回収するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】固体吸着剤からPFASを回収するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   B01D 11/02 20060101AFI20240614BHJP
   B01J 20/34 20060101ALI20240614BHJP
   B01J 20/20 20060101ALI20240614BHJP
   B09B 3/80 20220101ALI20240614BHJP
   B09B 3/00 20220101ALI20240614BHJP
【FI】
B01D11/02 A
B01J20/34 C
B01J20/34 D
B01J20/20 B
B09B3/80 ZAB
B09B3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518943
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 AU2022050559
(87)【国際公開番号】W WO2022256863
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】2021901696
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523460567
【氏名又は名称】エンバイロパシフィック、サービシズ、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ENVIROPACIFIC SERVICES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リッキー、ジェームズ、レッグ
(72)【発明者】
【氏名】キャメロン、シアラー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ドミニク、ヘイボール
(72)【発明者】
【氏名】ルーク、アンドリュー、パーキンソン
【テーマコード(参考)】
4D004
4D056
4G066
【Fターム(参考)】
4D004AA47
4D004AB08
4D004BA10
4D004CA40
4D004CA43
4D004CB01
4D004CB31
4D004CC15
4D004DA02
4D004DA03
4D004DA06
4D056AB17
4D056AC06
4D056BA20
4D056CA22
4D056DA01
4G066AA05B
4G066BA09
4G066CA32
4G066DA07
4G066GA01
4G066GA11
4G066GA32
(57)【要約】
ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去するための溶媒抽出プロセスが開示される。このプロセスは、PFAS含有吸着剤の床に実質的に純粋な溶媒を高温で導入すること、PFAS含有溶媒を吸着剤から連続的に除去することを含み、導入および除去は、所望の量のPFASが吸着剤から除去されるまで同時にかつ連続的に実行される。ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)を環境に優しい生成物に分解するプロセスも開示される。プロセスは、50ppmを超える濃度でPFASを含有する水溶液を提供すること、少なくとも1つの超音波トランスデューサを使用して、水溶液中のPFASの実質的にすべてを二酸化炭素およびフッ化物に分解するのに十分な周波数および電力で、かつ十分な時間にわたって、水溶液を超音波にかけることを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去するための溶媒抽出プロセスであって、
高温で実質的に純粋な溶媒を前記PFAS含有吸着剤の床に導入すること、および
PFAS含有溶媒を前記吸着剤から連続的に除去することを含み、
前記導入および除去を、所望の量のPFASが前記吸着剤から除去されるまで、同時にかつ連続的に実行する、溶媒抽出プロセス。
【請求項2】
前記導入および除去がソックスレー抽出装置内で実行される、請求項1に記載の溶媒抽出プロセス。
【請求項3】
前記溶媒が低イオン強度溶媒である、請求項1および2のいずれか一項に記載の溶媒抽出プロセス。
【請求項4】
前記溶媒がアルコール溶媒である、請求項1~3のいずれか一項に記載の溶媒抽出プロセス。
【請求項5】
前記溶媒がC-Cアルコールである、請求項4に記載の溶媒抽出プロセス。
【請求項6】
前記C-Cアルコールが、メタノール、エタノール、およびn-プロパノールからなる群から選択される、請求項5に記載の溶媒抽出プロセス。
【請求項7】
前記C-Cアルコールがメタノールである、請求項6に記載の溶媒抽出プロセス。
【請求項8】
前記高温が、前記溶媒の沸点またはその付近である、請求項1~7のいずれか一項に記載の溶媒抽出プロセス。
【請求項9】
前記高温が約60℃を超える、請求項1~8のいずれか一項に記載の溶媒抽出プロセス。
【請求項10】
前記吸着剤が活性炭である、請求項1~9のいずれか一項に記載の溶媒抽出プロセス。
【請求項11】
前記活性炭が粒状活性炭(GAC)である、請求項10に記載の溶媒抽出プロセス。
【請求項12】
PFAS用の吸着剤として再使用するのに適した再生吸着剤を提供する、請求項1~11のいずれか一項に記載の溶媒抽出プロセス。
【請求項13】
PFAS含有溶媒を提供する、請求項1~12のいずれか一項に記載の溶媒抽出プロセス。
【請求項14】
PFAS含有吸着剤から吸着剤を再生するプロセスであって、前記PFAS含有吸着剤を請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセスに供することを含む、プロセス。
【請求項15】
PFAS用の吸着剤としての使用に適した再生吸着剤であって、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセスから得られる、再生吸着剤。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセスから得られるPFAS含有溶媒。
【請求項17】
ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去するための連続ソックスレー抽出のプロセスであって、
フラスコと、連続溶媒流を可能にする寸法の液体アームを有する抽出器と、凝縮器とを組み立てること、
前記PFAS含有吸着剤を前記抽出器に入れ、溶媒を前記フラスコに入れること、ならびに
前記ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去するために、前記溶媒を加熱して、前記凝縮器、抽出器、およびフラスコを通る前記溶媒の流れを作り出すこと、を含む、プロセス。
【請求項18】
前記抽出器がソックスレー抽出器である、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記PFAS含有吸着剤が、前記抽出器内のガラスまたはセルロースシンブル内に配置される、請求項17および18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記溶媒が低イオン強度溶媒である、請求項17~19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記溶媒がアルコール溶媒である、請求項17~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
前記溶媒がC-Cアルコールである、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記C-Cアルコールが、メタノール、エタノール、およびn-プロパノールからなる群から選択される、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
前記C-Cアルコールがメタノールである、請求項23に記載のプロセス。
【請求項25】
前記高温が、前記溶媒の沸点またはその付近である、請求項17~24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
前記高温が約60℃より高い、請求項17~25のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記吸着剤が活性炭である、請求項17~26のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項28】
前記活性炭が粒状活性炭(GAC)である、請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)を環境に優しい生成物に分解するプロセスであって、
50ppmを超える濃度でPFASを含有する水溶液を提供すること、ならびに
少なくとも1つの超音波トランスデューサを使用して、前記溶液中の前記PFASの実質的にすべてを二酸化炭素およびフッ化物に分解するのに十分な周波数および電力で、かつ十分な時間にわたって、前記水溶液を超音波にかけること、を含む、プロセス。
【請求項30】
前記超音波トランスデューサの周波数が少なくとも1000kHzである、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記超音波トランスデューサの周波数が1140kHzである、請求項30に記載のプロセス。
【請求項32】
前記超音波トランスデューサの電力が少なくとも200W/L入力である、請求項29~31のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項33】
前記超音波トランスデューサの電力が250W/L入力である、請求項32に記載のプロセス。
【請求項34】
前記水溶液中のPFASの濃度が約75ppmである、請求項29~33のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項35】
前記PFASが、少なくとも約1mg/時の速度で分解される、請求項29~34のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項36】
前記PFASが約1mg/時~約2mg/時の速度で分解される、請求項29~35のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項37】
PFASを含有する前記水溶液が、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセスから得られるPFAS含有溶媒から得られる、請求項29~36のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項38】
PFASを含有する前記水溶液が、前記PFAS含有溶媒から実質的に全ての前記溶媒を除去して粗PFAS組成物を提供し、次いで前記粗PFAS組成物を水と混合して、PFASを含有する前記水溶液を提供することによって得られる、請求項37に記載のプロセス。
【請求項39】
ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去し、PFASを環境に優しい生成物に分解するためのシステムであって、
前記PFAS含有吸着剤の床に実質的に純粋な溶媒を高温で導入し、PFAS含有溶媒を前記吸着剤から連続的に除去するように構成された溶媒抽出ステーションであって、前記導入および除去が同時に連続的に実行される、溶媒抽出ステーションと、
前記溶媒抽出ステーションから得られたPFASを分解するように構成されたPFAS分解ステーションであって、前記溶媒抽出ステーションから得られた前記PFASの水溶液を、前記溶液中の前記PFASの実質的にすべてを二酸化炭素およびフッ化物に分解するのに十分な周波数および電力で、かつ十分な時間にわたって超音波にかけるように構成された少なくとも1つの超音波トランスデューサを備える、PFAS分解ステーションと、を含む、システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権書類
本出願は、2021年6月7日に出願された「PROCESSES FOR RECOVERING PFAS FROM SOLID SORBENTS」と題する豪国仮特許出願第2021901696号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、パーフルオロアルキル物質(PFAS)汚染物質の取り扱いに関し、より具体的には、PFASが吸着された固体基材からPFASを除去するプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)は、C-F結合の疎水性尾部と、カルボン酸またはスルホネートなどの親水性頭部基とからなる化学物質のクラスである[1]。PFASは、広範囲の用途で使用されてきた履歴があるが、注目すべきは、水性フィルム形成フォーム(AFFF)での使用、および消火用途、訓練、および備蓄物資の偶発的な放出の一部としての環境への放出である[2]。その後、世界中の水源が、0.07μg/Lという現在のUSEPA飲料水限界よりも高いPFASレベルで汚染されている[3]。より懸念されるのは、直接曝露されていない個体の血流中のPFASの検出である[4]。
【0004】
PFASは環境中で自然に分解することはなく、したがって、世界中の水源および土壌からPFASを除去するために即時の改善戦略が必要である[5]。理想的には、PFASはその場で破壊されるが、ほとんどの環境でPFASの濃度が非常に低いため、これらの戦略は実行不可能である。代わりに、捕捉および破壊(または保存)戦略が効果的な改善のために最も実行可能である。
【0005】
PFASは、一般に、イオン交換樹脂、逆浸透、および粒状活性炭(GAC)を含む活性炭を使用して水から捕捉される。吸着技術は、工業規模で水源からPFASを捕捉するために使用されている段階にある。GACは、大量の汚染水からのGACの吸着のための最も簡単で現在最も費用効果の高い方法である[7]。
【0006】
しかし、PFASで汚染された吸着剤を再生または処分する経済的かつ環境的に責任のある方法はまだ存在しない。GACは、一般に、高温蒸気処理によって再生される[8]。このプロセスは、PFASを除去するのに有効であることさえ示されている場合、PFASを放出し、再度捕捉を必要とする。GAC上でのPFASの熱破壊は、いくつかの有望な実験結果を用いて調査されている[9]が、このプロセスの大規模な実施は成功せず、GACはプロセス中で熱酸化され、したがって再生されない。2020PFAS学会の専門家は、PFASの影響を受けた媒体の安全な破壊において許容可能な結果を示した破壊方法が現在ないことに同意した[10]。その結果、PFASの影響を受けた吸着剤は、保存されなければならず、またはPFASは、吸着剤が再び使用されるために吸着剤から首尾よく溶出されなければならない。
【0007】
吸着剤からのPFASの溶出後、PFASの破壊(または保存)のための手順を実施しなければならない。PFASを分解する際の困難さは、PFASの分解生成物が、より短い鎖のPFAS液体(潜在的に有毒)または気体(CF4、温室効果ガス)を含むことである。したがって、いずれの破壊方法も、PFASを二酸化炭素およびフッ化物に完全に無機化することが不可欠である。これまでのところ、超音波破壊は、実証された完全な変換を伴うPFASの確実な無機化のための最も有望な結果を有する[14]。超音波は、急速に崩壊するキャビテーションを介して気泡を誘導し、2000~4000Kの範囲の温度を誘導することができる。[15]。PFAS分子は両親媒性であり、これらのキャビテーション気泡の蒸気-水界面に移動し、その後、気泡が崩壊するにつれて熱分解される[14]。音波処理は、流水を処理することができる91L反応器におけるPFOS分解の例が報告されており、工学的に大きな課題を伴わずにスケーリングする能力を有する[16]。200nMのPFO(AまたはS)の超音波破壊のコストは、US$10m-3(8.14c/kWhの電気コストを想定)であると計算されている[17]。
【0008】
このように、公知のプロセスに関連する問題の1つ以上を克服する固体吸着剤からPFASを溶出するプロセスが必要とされている。代替的または追加的に、固体吸着剤からPFASを溶出するためのより効率的なプロセスが必要とされている。代替的または追加的に、公知のプロセスに関連する問題の1つまたは複数を克服するPFASを破壊するためのプロセスが必要とされている。代替的または追加的に、PFASを破壊するためのより効率的なプロセスが必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、PFAS汚染媒体からのPFASの安全な処分または破棄のためのプロセスに関する本発明者らの研究から生じる。
【0010】
第1の態様では、ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去するための溶媒抽出プロセスであって、高温で実質的に純粋な溶媒をPFAS含有吸着剤の床に導入すること、およびPFAS含有溶媒を吸着剤から連続的に除去することを含み、導入および除去を、所望の量のPFASが吸着剤から除去されるまで、同時にかつ連続的に実行する、溶媒抽出プロセスが本明細書に開示される。
【0011】
いくつかの実施形態では、導入および除去がソックスレー抽出装置内で実行される。
【0012】
いくつかの実施形態では、溶媒が低イオン強度溶媒である。これらの実施形態のいくつかにおいて、溶媒が、C-Cアルコールなどのアルコール溶媒である。C-Cアルコールは、メタノール、エタノール、およびn-プロパノールからなる群から選択され得る。ある特定の実施形態では、C-Cアルコールはメタノールである。
【0013】
いくつかの実施形態では、高温が溶媒の沸点またはその付近である。これらの実施形態のいくつかにおいて、高温は約60℃より高い。
【0014】
いくつかの実施形態では、吸着剤は活性炭である。これらの実施形態のいくつかにおいて、活性炭は粒状活性炭(GAC)である。
【0015】
いくつかの実施形態では、プロセスは、PFAS用の吸着剤として再使用するのに適した再生吸着剤を提供する。
【0016】
いくつかの実施形態において、プロセスは、PFAS含有溶媒を提供する。
【0017】
第2の態様では、PFAS含有吸着剤から吸着剤を再生するプロセスであって、PFAS含有吸着剤を第1の態様のプロセスに供することを含むプロセスが本明細書に開示される。
【0018】
第3の態様では、PFAS用の吸着剤としての使用に適した再生吸着剤が本明細書に開示され、吸着剤が第1の態様のプロセスから得られる。
【0019】
第4の態様では、第1の態様のプロセスから得られたPFAS含有溶媒が本明細書に開示される。
【0020】
第5の態様では、ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去するための連続ソックスレー抽出のプロセスであって、フラスコと、連続溶媒流を可能にする寸法の液体アームを有する抽出器と、凝縮器とを組み立てること、PFAS含有吸着剤を抽出器に入れ、溶媒をフラスコに入れること、ならびにポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去するために、溶媒を加熱して、凝縮器、抽出器、およびフラスコを通る溶媒の流れを作り出すこと、を含む、プロセスが本明細書に開示される。
【0021】
いくつかの実施形態では、抽出器がソックスレー抽出器である。
【0022】
いくつかの実施形態では、PFAS含有吸着剤が、抽出器内のガラスまたはセルロースシンブル内に配置される。
【0023】
いくつかの実施形態では、溶媒が低イオン強度溶媒である。これらの実施形態のいくつかにおいて、溶媒が、C-Cアルコールなどのアルコール溶媒である。C-Cアルコールは、メタノール、エタノール、およびn-プロパノールからなる群から選択され得る。ある特定の実施形態では、C-Cアルコールはメタノールである。
【0024】
いくつかの実施形態では、高温が溶媒の沸点またはその付近である。これらの実施形態のいくつかにおいて、高温は約60℃より高い。
【0025】
いくつかの実施形態では、吸着剤は活性炭である。これらの実施形態のいくつかにおいて、活性炭は粒状活性炭(GAC)である。
【0026】
第6の態様では、ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)を環境に優しい生成物に分解するプロセスが本明細書に開示され、50ppmを超える濃度でPFASを含有する水溶液を提供すること、ならびに少なくとも1つの超音波トランスデューサを使用して、水溶液中のPFASの実質的にすべてを二酸化炭素およびフッ化物に分解するのに十分な周波数および電力で、かつ十分な時間にわたって、水溶液を超音波にかけること、を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサの周波数が少なくとも1000kHzである。これらの実施形態のいくつかでは、超音波トランスデューサの周波数が1140kHzである。
【0028】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサの電力が少なくとも200W/L入力である。これらの実施形態のいくつかでは、超音波トランスデューサの電力が250W/L入力である。
【0029】
いくつかの実施形態では、水溶液中のPFASの濃度が約75ppmである。
【0030】
いくつかの実施形態では、PFASが、少なくとも約1mg/時間の速度で分解される。これらの実施形態のいくつかにおいて、PFASが、約1mg/時~約2mg/時の速度で分解される。
【0031】
いくつかの実施形態において、PFASを含有する水溶液は、第1の態様のプロセスから得られるPFAS含有溶媒から得られる。これらの実施形態のいくつかにおいて、PFASを含有する水溶液が、PFAS含有溶媒から実質的に全ての溶媒を除去して粗PFAS組成物を提供し、次いで粗PFAS組成物を水と混合して、PFASを含有する水溶液を提供することによって得られる。
【0032】
第7の態様では、ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去し、PFASを環境に優しい生成物に分解するためのシステムが本明細書に開示され、システムは、
PFAS含有吸着剤の床に実質的に純粋な溶媒を高温で導入し、PFAS含有溶媒を吸着剤から連続的に除去するように構成された溶媒抽出ステーションであって、導入および除去が同時に連続的に実行される、溶媒抽出ステーションと、
溶媒抽出ステーションから得られたPFASを分解するように構成されたPFAS分解ステーションであって、溶媒抽出ステーションから得られたPFASの水溶液を、水溶液中のPFASの実質的にすべてを二酸化炭素およびフッ化物に分解するのに十分な周波数および電力で、かつ十分な時間にわたって超音波にかけるように構成された少なくとも1つの超音波トランスデューサを備える、PFAS分解ステーションと、を含む。
【0033】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】様々な溶媒でのGACからのPFOAのソックスレー溶出のデータを示す。反応条件=約3μg(PFOA)/g(GAC)のPFOA充填、ソックスレー時間=24時間。
【0035】
図2】様々なPFOA充填でのGACからのPFOAのソックスレー溶出のデータを示す。反応条件:溶媒=メタノール、ソックスレー時間=24時間。
【0036】
図3】様々な溶媒および持続時間でのGACからのPFOAのタンブリング溶出のデータを示す。GACに対するPFOA充填=約3μg/g。ASTM D7968-14は、水酸化アンモニウムの添加によってpHを9に調整したメタノール:水が1:1の溶媒を使用した。比較のために、メタノール中のソックスレー溶出は66%の溶出を記録した。
【0037】
図4】様々な溶媒でのGACからのPFOAの音波支援溶出のデータを示す。GACに対するPFOA充填=約3μg/g、音波処理時間は40分間であり、溶媒を1回置換した。比較のために、メタノール中のソックスレー溶出は66%の溶出を記録した。
【0038】
図5】メタノール中でのソックスレー抽出でのGAC再生のデータを示す。同じGACを使用したPFOA充填(3mg(PFOA/g(GAC))および溶出(ソックスレー、メタノール、24時間)を5サイクル繰り返した。
【0039】
図6】メタノール中のソックスレーによるGAC再生でのPFOA最大充填および動態の変化についてのデータを示す。プロットは、0.1gのGACと撹拌している100mLの500ppm PFOAについて、経時的なGACへのPFOA充填の変化を示す。GACは、異なる数のPFOA充填およびソックスレー再生サイクル(図5に示すデータ)から得られ、例えば、2回の再生はサイクル2後のGACであり、4回の再生はサイクル4後のGACである。
【0040】
図7】溶解有機物(DOM)を含むGACからの(a)PFOA吸着およびソックスレー溶出(メタノール中)、(b)PFOAと同時のDOM吸着および溶出のデータを示す。同じGACを使用したPFOA充填(3mg(PFOA)/g(GAC))および溶出(ソックスレー、メタノール、24時間)を3サイクル繰り返した。
【0041】
図8】メタノール中のソックスレー抽出を24時間使用したPFAS溶出のデータを示す。各PFASを約1μg/gまで充填した(総PFAS充填=5μg/g)。実験を2回行って、平均値を報告し、エラーバーは値の10%である。使用される頭字語:PFBA(パーフルオロブタン酸)、PFPeA(パーフルオロペンタン酸)、PFHpA(パーフルオロヘプタン酸)、PFNA(パーフルオロノン酸)、PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)。
【0042】
図9】94時間にわたる(a)PFOA、(b)PFOS、(c)PFBA、および(d)PFDAの放出を示す、GACからのソックスレー溶出中のPFASの動態放出についてのデータを示す。条件:各PFASに対して1μg/gのPFAS充填;溶媒=メタノール;エラーバーは値の10%である。標識された数字は、記録された最大濃度で100%の放出を仮定して、各時点で放出されたパーセンテージである。
【0043】
図10】工業用PFAS処理プラントで使用されるGACからのPFAS溶出のデータを示す。プラントの前部(区画1)または中央部(区画3)のいずれかからの20gの乾燥GACを、メタノール(300mL)中のソックスレー溶出によって24時間処理した。区画1における吸着前の入口水も試験した。
【0044】
図11】超音波処理時間で測定されたPFOAを示す超音波PFOA破壊のデータを示す。条件:1140kHz、250W/L、600mL、20℃。
【0045】
図12】PFASの捕捉、溶出、および破壊、ならびにGACの捕捉、再生、および再利用を含む、PFAS汚染水源の改善のための処理チェーンの概略図を示す。
【0046】
図13】熱量測定による超音波装置(1140kHz)からの入力電力の決定のためのデータを示す。水1Lを60秒間超音波処理した。超音波装置のスイッチがオンになったときの温度変化の勾配を使用してP=m.Cp.dT/dtを用いてPを決定し、ここで、mは水の質量、Cpは水の熱容量、dT/dtは勾配である。
【0047】
図14】メタノール中でのソックスレー抽出によるGAC再生のデータを示す。同じGACを使用したPFOA充填(3mg(PFOA/g(GAC))および溶出(ソックスレー、メタノール、24時間)を5サイクル繰り返した。これらの結果は、図5に提示されたものと重複する実験である。
【0048】
図15】94時間にわたる(a)PFPeA、(b)PFHpA、(c)PFNA、および(d)組み合わされたPFASの放出を示す、GACからのソックスレー溶出中のPFASの動態放出についてのデータを示す。条件:各PFASに対して1μg/gのPFAS充填;溶媒=メタノール;エラーバーは値の10%である。標識された数字は、記録された最大濃度で100%の放出を仮定して、各時点で放出されたパーセンテージである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本開示は、GACの再生およびPFASの環境的に責任のある保存または破壊のためのGACからのPFASの溶出のためのプロセスの本発明者らによる開発から生じる。メタノール中でのソックスレー抽出は、他の公知の技術よりも高い溶出効率(66%)を示した。効率は、PFAS充填で3mg(PFAS)/g(GAC)で100%に増加した。溶出後、GACは5サイクルまで同様の最大吸着容量を示すことが示された。メタノール中のソックスレー溶出は、商業的な水処理プラントからのGACに適用され、GAC枯渇を決定するために使用され、GACの大きな床内のPFAS移動度についての洞察を提供した。続いて、まずメタノールを回収し、PFASを水性懸濁液に移し、次いでPFASを超音波分解して二酸化炭素とフッ化物のみを生成することにより、メタノール中に溶出したPFASを破壊した。この効率的なプロセスは、閉じたプロセスループで世界中のPFAS汚染サイトを改善するために使用され得る。
【0050】
ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去するための溶媒抽出プロセスが本明細書に開示される。このプロセスは、PFAS含有吸着剤の床に実質的に純粋な溶媒を高温で導入すること、PFAS含有溶媒を吸着剤から連続的に除去することを含み、導入および除去は、所望の量のPFASが吸着剤から除去されるまで同時にかつ連続的に実行される。
【0051】
溶媒抽出プロセスは、実質的に純粋な溶媒をPFAS含有吸着剤の床に連続的に導入し、PFAS含有溶媒を吸着剤から連続的に除去することを可能にする任意の適切な抽出装置を使用して実行することができる。ソックスレー抽出装置が特に適している。ソックスレー抽出は、溶媒を還流し、次いで固体材料を収容するチャンバに回収し、(溶出した材料と共に)空になるまで沸騰用フラスコに充填し、プロセスを繰り返し、その都度チャンバを蒸留した高温溶媒で充填する循環プロセスである。本発明者らの知る限りでは、ソックスレーは、GACなどの固体吸着剤からのPFASの溶出には使用されていない。
【0052】
本発明者らの研究は、PFAS含有吸着剤からのPFASの除去が、本明細書に記載のプロセスを使用すると、タンブリングまたは超音波処理などの従来技術の方法よりも効率的であることを示した。
【0053】
溶媒は、低イオン強度溶媒であってもよい。アルコール溶媒、例えばC-Cアルコールが好適であり得る。C-Cアルコールは、メタノール、エタノール、およびn-プロパノールからなる群から選択され得る。特定の有利な実施形態では、溶媒はメタノールである。メタノールは、(1)PFASをGACから置換し、(2)GACへの再吸着を防ぐために液相にPFASを可溶化する能力のために、GACからのPFAS溶出のための好ましい溶媒であり得る[11]。しかし、GACを用いたほとんどの先行技術のプロセスは、約40%の典型的な値で比較的低い溶出を報告している[11]。認められている理由は、GACに対するPFASの高い親和性、GACの高い表面積および内部細孔構造により、PFASが吸着剤に再吸着する可能性が高いことである[12]。GAC溶出のための方法は、典型的には、溶媒混合物中のGACを1~12時間振盪することを含む。
【0054】
実質的に純粋な溶媒がPFAS含有吸着剤の床と接触する高温は、溶媒の沸点またはその付近であり得る。特定の実施形態では、高温は約60℃を超える。
【0055】
吸着剤は、活性炭またはイオン交換樹脂などの任意の固体PFAS吸着剤であってもよい。活性炭は、粒状活性炭(GAC)である。例えば、PFAS含有吸着剤は、公開された国際特許出願第WO2020/023993号(その詳細は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている本出願人のPFAS除去システムから得ることができる。
【0056】
溶媒で所望の時間抽出した後、このプロセスは、PFASおよびPFAS含有溶媒の吸着剤として再使用するのに適した再生吸着剤を提供する。
【0057】
このプロセスは、PFAS含有吸着剤から吸着剤を再生するために使用され得る。
【0058】
説明したように、プロセスはソックスレー抽出装置を使用して実行することができる。したがって、ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去するための連続ソックスレー抽出のプロセスも本明細書に開示される。このプロセスは、フラスコと、連続溶媒流を可能にする寸法の液体アームを有する抽出器と、凝縮器とを組み立てること、PFAS含有吸着剤を抽出器に入れ、溶媒をフラスコに入れること、ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去するために、溶媒を加熱して、凝縮器、抽出器、およびフラスコを通る溶媒の流れを生成することを含む。
【0059】
抽出器はソックスレー抽出器であってもよい。PFAS含有吸着剤は、抽出器内のガラスまたはセルロースシンブル内に配置されてもよい。
【0060】
ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)を環境に優しい生成物に分解するプロセスも本明細書に開示される。プロセスは、50ppmを超える濃度でPFASを含有する水溶液を提供すること、少なくとも1つの超音波トランスデューサを使用して、水溶液中のPFASの実質的にすべてを二酸化炭素およびフッ化物に分解するのに十分な周波数および電力で、かつ十分な時間にわたって、水溶液を超音波にかけることを含む。
【0061】
特定の実施形態では、超音波トランスデューサの周波数は少なくとも1000kHzである。
【0062】
特定の実施形態では、超音波トランスデューサの周波数は1140kHzである。
【0063】
特定の実施形態では、超音波トランスデューサの電力は、少なくとも200W/L入力である。例えば、超音波トランスデューサの電力は250W/L入力であってもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、水溶液中のPFASの濃度は約75ppmである。
【0065】
特定の実施形態では、PFASは、少なくとも約1mg/時間、例えば約1mg/時間~約2mg/時間の速度で分解される。
【0066】
特定の実施形態では、少なくとも65%のフッ化物は、分解プロセスにおいてPFASから回収される。
【0067】
ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)を環境に優しい生成物に分解するプロセスは、本明細書に記載のプロセスから得られたPFAS含有溶媒から得られたPFASを含有する水溶液で実行することができる。より具体的には、PFASを含む水溶液は、PFAS含有溶媒から実質的にすべての溶媒を除去して粗PFAS組成物を提供し、次いで粗PFAS組成物を水と混合してPFASを含む水溶液を提供することによって得ることができる。
【0068】
ポリ-およびパーフルオロアルキル物質(PFAS)含有吸着剤からPFASを除去し、PFASを環境に優しい生成物に分解するためのシステムも本明細書に開示される。このシステムは、PFAS含有吸着剤の床に実質的に純粋な溶媒を高温で導入し、PFAS含有溶媒を吸着剤から連続的に除去するように構成された溶媒抽出ステーションであり、導入および除去は同時に連続的に実行される溶媒抽出ステーションと、溶媒抽出ステーションから得られたPFASを分解するように構成されたPFAS分解ステーションであり、分解ステーションは、溶媒抽出ステーションから得られたPFASの水溶液を、水溶液中のPFASの実質的にすべてを二酸化炭素およびフッ化物に分解するのに十分な周波数および電力で、かつ十分な時間にわたって超音波にかけるように構成された少なくとも1つの超音波トランスデューサを備えるPFAS分解ステーションと、を含む。
【実施例
【0069】
化学物質、材料、および試薬
【0070】
ペルフルオロブタン酸(PFBA、99%、CAS=375-22-4、Alfa Aesar)、ペルフルオロペンタン酸(PFPeA、97%、CAS=2706-90-3、Alfa Aesar)、ペルフルオロヘプタン酸(PFHpA、98%、CAS=375-85-9、Alfa Aesar)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA、96%、CAS=335-67-1、Sigma-Aldrich)、ペルフルオロノナン酸(PFNA、97%、CAS=375-95-1、Alfa Aesar)、ペフルオロデカン酸(PFDA、97%、CAS=335-76-2、Alfa Aesar)、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS、メタノール中100ppm、CAS=1763-23-1、Supelco)、フミン酸(HA、CAS=1415-93-6、Aldrich)、メタノール(液体クロマトグラフィーグレード、CAS=67-56-1、Merck)、水(超純粋、18.2MΩ.cm、Arium pro、Sartorius)、2,2,2-トリフルオロエタノール(TFE、>99%、CAS=75-89-8)、Sigma-Aldrich)、鉄(III)アセチルアセトネート(Fe(acac)、CAS=14024-18-1、Oakwood chemical)、酸化重水素(D2O、99.9%、CAS=7789-20-0、Cambridge Isotope Laboratories Inc.)。
【0071】
メタノール中500ppmのPFAS標準溶液を調製し、冷蔵庫内で最大30日間暗所に保った。各使用前にPFAS濃度を測定した。
【0072】
蒸気活性炭から供給される活性炭(GAC、Acticarb GS900、8×30メッシュ)は、Activated Carbon Technologies Pty Ltd(オーストラリア)から購入した。
【0073】
PFAS頭字語のリスト
【0074】
購入されず、現場から回収された試料から多くのPFASが観察されたが、これらの化学物質のリストを以下に示す。
【0075】
パーフルオロブタンスルホン酸(PFBS)、パーフルオロペンタンスルホン酸(PFPeS)、パーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)、パーフルオロヘプタンスルホン酸(PFHpS)、パーフルオロデカンスルホン酸(PFDS)、パーフルオロヘキサン酸(PFHxA)、パーフルオロウンデカン酸(PFUnDA)、パーフルオロドデカン酸(PFDoDA)、パーフルオロトリデカン酸(PFTrDA)、パーフルオロテトラデカン酸(PFTeDA)、パーフルオロオクタンスルホンアミド(FOSA)、N-メチルパーフルオロオクタンスルホンアミド(MeFOSA)、N-エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド(EtFOSA)、N-メチルパーフルオロオクタンスルホンアミドエタノール(MeFOSE)、-エチルパーフルオロオクタンスルホンアミドエタノール(EtFOSE)、N-メチルパーフルオロオクタンスルホンアミド酢酸(MeFOSAA)、N-エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド酢酸(EtFOSAA)、4:2フルオロテロマースルホン酸(4:2FTS)、6:2フルオロテロマースルホン酸(6:2FTS)、8:2フルオロテロマースルホン酸(8:2FTS)、10:2フルオロテロマースルホン酸(10:2FTS)。
【0076】
GACへのPFASのバッチ吸着
【0077】
GAC粒子全体にわたって均一なPFAS充填でGACへのPFASの予想充填を定量化するために、バッチ条件でGACへのPFAS吸着を行った。一般に、g(PFAS)/g(GAC)でのGACへの3つの異なるPFAS充填の下で実験を行った。標準条件は3μg(PFAS)/g(GAC)であり、これはPFAS捕捉パイロットプラントでの1年後の炭素の計算されたPFAS充填に基づいて選択された。3mg(PFOA)/g(GAC)の高いPFAS充填を選択して、NMRによるPFAS吸着および溶出の定量化を可能にし、結果物の迅速な生成を可能にした。GACの吸着限界を試験するために最大PFAS充填実験を行い、GACのPFAS濃度および質量は、最大500mg(PFAS)/g(GAC)のPFAS充填が可能であるように選択され、これは文献に報告されている値(典型的には200mg(PFAS)/g(GAC))よりもはるかに大きい[1]。
【0078】
PFOA標準条件
【0079】
1ppmのPFOAを含む水溶液を、メタノールに500ppmのPFOAを含む試料を希釈することによって調製した。1ppmのPFOAの100mLを、20gのGACを含有するスクリューキャップ蓋付きの250mLのPP容器に注いだ。混合物を、150rpmで24時間作動するオービタルシェーカー(Major Sciences、MS-NOR)中で撹拌した。
【0080】
次いで、GACを予め秤量したソックスレーシンブル(ガラス微細繊維、30×100mm、Whatman)に直接真空濾過した。濾液を回収し、測定して、GACに対するPFAS充填を決定した。GACを55℃で48時間乾燥させた。
【0081】
高PFOA充填
【0082】
500ppmのPFOAを使用して(短時間の音響化学支援によりPFOAを水に溶解することによって)、高PFOA充填実験を行った。他のすべての手順は、上記のPFOA標準条件と同じであった。
【0083】
最大PFOA充填
【0084】
500ppmのPFOAの100mLを、0.10gのGACを含有する(スクリューキャップ蓋付きの)250mLのPP容器に注いだ。混合物を150rpmで動作するオービタルシェーカー上に置いた。試料を、シリンジまたはピペットを用いて7日間にわたって所望の時間間隔で取り出した。溶液を3000rpmで3分間遠心分離し(Eppendorf,mini spin plus)、測定前に炭素微粒子を除去した。
【0085】
多重PFAS試験
【0086】
複数のPFASを含む実験は、メタノール中の標準溶液から希釈した0.2ppm(1~2ppmの総PFAS濃度)の各PFAS(上記の化学、材料、および試薬の欄に記載されている)を使用して行った。吸着実験は、上記のPFOA標準条件に記載されているように実行した。
【0087】
ソックスレー
【0088】
ソックスレー法
【0089】
250mLの抽出器容量を有するソックスレーガラス製品を、Glassco Laboratory Equipments Pvt.Ltd.(Haryana、インド)から購入した。典型的な手順は、3つの沸騰石およびメタノール300mLを丸底フラスコに添加した後、PFAS充填GACを含有するシンブルを含有するソックスレー抽出器を充填した(室温に冷却し、秤量した)。装置は、室温水流を有するAllihin凝縮器を用いて完成された。シリコーン系真空グリースを、全てのアースジョイントに軽く塗布した。このフラスコをマントル(Electromantle)で加熱し、ガラス製品をアルミニウム箔で包んで熱損失を低減した。ソックスレー抽出器にメタノールを充填する典型的な時間は30~45分であった。ソックスレー抽出を24時間行った(典型的な反応)。
【0090】
さらなる実験
【0091】
溶出の動態を、2つ口丸底フラスコでソックスレーを運転することによって決定した。側管をガラス栓で栓をした。メタノールサイフォンの完了後、試料をシリンジで抽出した。
【0092】
調査した他の溶媒は、超純水、エタノール、およびイソプロパノールであった。
【0093】
特性評価-NMR
【0094】
NMR分析は、Moodyらの研究に基づいた[18]。試料600μL(水中またはメタノール中)を、内部標準としてトリフルオロエタノール60μL(4618ppm、1.5mLのD2O中に5μLのTFE)および緩和剤として鉄アセチルアセトネート40μL(メタノール1mL中に25mg)と混合した。
【0095】
Bruker Avance III 500MHzを用いてNMRを実行し、Bruker TopSpin3.6.2を用いて位相調整、バックグラウンド減算、および積分を含めて分析した。
【0096】
TFE中の末端CF3基の積分面積を、検出されたPFAS分子の末端CF3基と比較することによって、分析を行った。検量線は、10ppmの検出限界で毎週作成した。
【0097】
特性評価-LC-MS
【0098】
液体クロマトグラフィー-質量分析を、EPA法537を使用してNATA認定分析研究所によって実行した。試料をポリプロピレンボトルに保存した。メタノール中のいくつかの濃縮PFAS試料をLC-MSに直接注入した。
【0099】
代替溶出法
【0100】
活性炭からPFASを抽出するための文献は限られているため、汚染された土壌からPFASを抽出するための標準的な方法に基づいて比較方法を選択した。
【0101】
タンブリング
【0102】
土壌中のPFAS汚染を決定するためのASTM D7968-14は、タンブリングを使用してPFASを除去する。10gのPFOA充填GAC((約3μg/g)を50mLのPPファルコンチューブに入れる。溶媒30mLを添加し、混合物を1時間タンブリング加工する(ベンチマーク回転ミキサー、30rpm)。溶液をデカントし、さらに溶媒30mLを添加し、ファルコンチューブをさらに1時間回転させる。GACおよび溶液を真空濾過によって濾過する。両方の濾液を合わせ、EPA法537によって分析する。
【0103】
調査した溶媒は、水、メタノール、および0.2%水酸化アンモニウムを含む1:1メタノール水であった。
【0104】
音波処理
【0105】
音波処理抽出は、公開されたプロトコルに従って行った[19]。2gのPFOA充填GAC(約3μg/g)を50mLのPPファルコンチューブ中で測定した。メタノール30mLを添加し、超音波処理浴(40kHz、100W、Unisonics Australia)中でチューブを30分間超音波処理した。溶液を真空濾過(ガラス微細繊維、グレード393、Filtech)によって除去し、GACを30mLの新鮮なメタノールに再懸濁し、さらに30分間超音波処理し、次いで再び濾過した。濾液を合わせ、PFAS溶出をEPA法537によって決定した。
【0106】
また、溶媒として水を使用して実験を行った。参考文献[19]は、1%アンモニアを含むメタノールを使用している。タンブリング抽出において、純粋なメタノールがメタノール/アンモニアよりも効果的であることが判明したので、純粋なメタノールを使用した。
【0107】
GAC再生
【0108】
GACの吸着能力がPFASのソックスレー抽出後に変化したかどうかを調べるために、GACを一連のPFAS充填に供し、続いてソックスレー抽出実験を行った。
【0109】
反復実験
【0110】
上記の高PFOA充填の欄の詳細に従って、GACに3mg/gのPFOAを充填し、次いで、ソックスレー法の欄の詳細に従って、メタノール中で24時間ソックスレー抽出に供した。シンブル中の抽出されたGACを55℃のオーブンで48時間乾燥させ、次いでPFAS充填実験のために蓋付きの250mLのPP容器に秤量した。このプロセスを5回繰り返し、実験を2回行った。GAC約0.1gを、特性評価のために各工程で保持した。
【0111】
フミン酸を用いた実験
【0112】
OMがPFASよりも有意に高い濃度(ppm対ppt)で多くのPFAS汚染水源に存在するので、PFASの捕捉およびソックスレー溶出に対する有機物(OM)の効果を調査した。フミン酸(HA)をOMの代用として使用した。これらの実験では、GACに3mg/gのPFOAを、上記の高PFOA充填の欄の詳細に従って、吸着中に溶液中にも500ppmのHAが存在するように充填した(最終HA最大充填も約3mg/gであった)。炭素を濾過し、乾燥させ、上記のソックスレー法の欄で提供された手順に従ってPFASおよびHAをメタノールで抽出した。同じ炭素をこのプロセスの3回の反復に使用して、これらの条件下での炭素再生を決定した。
【0113】
500ppmのHAはHAの溶解限界に近かった。より高い濃度での実験は不可能であった。以前のPFOA充填実験はすべて、100mLの溶液および20gのGACを用いて行ったので、これらの値を一定に保つことにした。その後、得られた3mg/gのHA充填は、これらの条件下で可能な限り最高であった。
【0114】
実地調査で使用した炭素の再生
【0115】
南オーストラリア州の地下水(70pptを超えるPFASを有する)処理プラントで使用されるGACを試験した。GACは4ヶ月間使用した。処理プラントは、限外濾過とそれに続く長い一連の緩く充填されたGACからなる。GACをプラントの2つの部分(開始部および中央部)から収集した。
【0116】
ソックスレー前の炭素の乾燥および処理
【0117】
植物由来のGACを55℃のオーブンで48時間乾燥させた。乾燥GAC20gを秤量し、次いで、濾液が視覚的に透明になるまで水100mLで5回洗浄した。次いで、GACを55℃で48時間再び乾燥させた。次いで、上記のソックスレー法の欄の詳細に従って、メタノール中のソックスレー抽出を行った。
【0118】
PFASの吸着および溶出の計算
【0119】
PFAS充填およびGACへの吸着%の計算
【0120】
使用したGACの質量(mGAC、g)、吸着に使用したPFASの濃度([PFAS]i、μg/Lまたはppb)、使用したPFAS溶液の体積(VPFAS、i、L)、および吸着後の濾液の濃度([PFAS]filt、μg/L)から、以下のようにしてPFAS充填(充填PFAS、μgPFAS/gGAC)を計算した。
【数1】
【0121】
PFAS吸着(%AdsPFAS)を以下のように計算した:
【数2】
【0122】
GACからのPFAS溶出の計算
【0123】
PFAS溶出(%Elut PFAS)を、PFAS充填(μgPFAS/gGAC)、その充填で使用した乾燥GACの質量(mGAC、elut、g)、溶出後の濾液のPFAS濃度([PFAS]elut、μg/L)、および溶出後の濾液の体積(Velut、filt、L)から以下のように計算した:
【数3】
【0124】
計算誤差の原因
【0125】
吸着の前後および溶出の前後に一定の体積の液体を維持することは実験的に困難である。液体を捕捉するための真空濾過を用いても、最初に乾燥したGACへの液体の吸着に起因して、体積≒15%(GAC1g当たり1~2gの溶媒)の著しい損失が依然として存在する。両方の場合において、保存値をとるように選択した。吸着のための体積は、初期体積(PFAS充填を過大評価する)に等しいと仮定される。溶出のための体積は、回収された最終体積(典型的には、PFAS溶出を過小評価する300mLスタートから約250mL)を使用する。
【0126】
PFASの超音波破壊
【0127】
超音波破壊は、1140kHzで動作する超音波トランスデューサ(E/805/T/M)を備えた超音波出力多周波発生器(250W、Meinhardt Ultrasonics、ドイツ)を使用して実行した。投入電力は、熱量測定法を用いて82W/L(投入電力の約32%)であると決定され、図13を参照されたい[20]。
【0128】
トランスデューサに直接フランジ接続したカスタム1Lガラス反応器(Meinhardt Ultrasonics、UST02/1000)で手順を実行した。PFOA溶液600mLを添加した(90ppmまたは5ppm)。溶液を蠕動ポンプ(0.15L/分)によって混合した。冷却ジャケット(10℃)に水を流しながら反応器を冷却した。溶液をそのまま1時間混合してPFOA吸着の影響を防止した後、t=0分間試料を採取した。試料を取り出し、溶液および発電機の熱を監視しながら、溶液を60分間のステップで超音波処理に供した。反応は、空気中で、ガスの活性バブリングなしで行った。
【0129】
結果
【0130】
溶媒およびPFAS充填の効果を含むソックスレー溶出
【0131】
初期実験は、約3μg(PFOA)/g(GAC)の充填でGACに吸着されたPFOAを使用して行った。この値は、局所PFAS処理施設(PFAS汚染のレベル、処理された水の量、およびプラント内のGACの質量を考慮する)での1年間の運転後のGACに対するPFASのおおよその充填と考えられた。溶媒300mLによる24時間のソックスレー処理を、水、メタノール、エタノール、およびイソプロパノール中のGACで行い、結果を図1に示した。水はPFOA(0.4%)の溶出に全く有効ではないが、各アルコール溶媒は様々な程度の溶出を有することが観察された。メタノール(66%)が最も効果的であり、分子サイズが増加する傾向があり、エタノール(55%)およびイソプロパノール(16%)での溶出効率が低下した。
【0132】
メタノールは、GACからのPFAS溶出のための好ましい溶媒であることがいくつかのグループによって報告されている[11]。以前の結果は約40%の典型的な溶出値を示している[11]が、これらの結果は、GACを溶媒中、室温で振盪することによって得られた。本発明者らの結果は、後続の各サイクルが純粋な溶媒を使用し、溶媒がPFAS溶解度を最大化し、GACへのPFASの非共有結合を減少させる沸点未満まで加熱されるというソックスレー抽出の利点を強調している。
【0133】
PFAS溶出に影響を及ぼし得る別の要因は、GACへの初期PFAS充填である。低充填(3μg/g)でのGACからのPFOA溶出を高充填(3mg/g)と比較する実験を行った。本発明者らは、低充填での66%(3回の繰り返し)と比較して、高充填でのPFOAからの101%(13回の繰り返し)の溶出を見出した。本発明者らの説明は、GAC中にPFOAに対して非常に高い親和性を有するいくつかの部位があり、条件にかかわらず溶出されず、約1μg(PFOA)/g(GAC)が溶出され得ないことである。高充填では、この少量のGACが残る可能性が高いが、総PFOAの%(0.03%)としては重要ではない。
【0134】
ソックスレー溶出と他の溶出法との比較
【0135】
タンブリング
【0136】
ソックスレー抽出の有効性を公知のPFAS溶出手順、すなわちタンブリングおよび超音波処理と比較する実験を行った。
【0137】
タンブリングは、溶媒30mLと共に50mLコニカルチューブ中にPFOA充填GAC(3μg/g)を測定することを伴った。次いで、チューブを所望の時間回転させ、溶液を1時間毎(2時間実験用)または毎日交換した。溶液を合わせ、PFOAについて測定した。タンブリング溶出の結果を図3に示す。ソックスレー溶出と同様に、0.1%のPFOAのみが水中で溶出したが、メタノールは2時間後に11%の溶出を記録し、7日後に13%に増加した。この値は、24時間にわたるソックスレー溶出について記録された66%よりも著しく少ない溶出である。pHを9に調整したメタノール:水が1:1の溶媒系(ASTM D7968-14から)も使用した。PFOA溶出は1%であり、これは純粋なメタノールよりも有意に少なく、水からわずかに改善された。
【0138】
pH9で水/メタノールを使用した場合の溶出不良は、実験で使用したGACへのPFOAの吸着機構の洞察を与える。メタノールは、GACとPFASのC-F基との間の疎水性相互作用を破壊するために使用される。一方、塩基性pHを有する水溶液を使用して、PFAS頭部基と吸着剤の親水性成分との相互作用を破壊する[1]。ASTM D7968-14は土壌洗浄法であり、高い割合の頭部相互作用を含む土壌に関与する相互作用について最適化されている。
【0139】
純粋なメタノールが水性混合物を大幅に上回っており、本発明者らには、疎水性相互作用が、調査されたPFASとGACとの間の主な相互作用であるという強力な証拠がある。
【0140】
音波処理
【0141】
音波処理溶出は公知であるが、主に土壌洗浄戦略に使用されている[19]。PFOA充填GACを20mL溶媒を含む50mLコニカルチューブに添加することによって音波処理を行った。これを20分間浴超音波処理し、溶液をデカントし、20mLの新鮮な溶媒を添加し、さらに20分間超音波処理した。溶媒を濾過によって回収し、最初にデカントした溶媒と合わせた。
【0142】
図4は、水およびメタノール中のGACからの音波支援PFOA溶出を示す。本発明者らは、水中での非常に低い溶出(0.3%)およびメタノール中での15%の溶出を再び観察する。得られた値は、タンブリング支援溶出(11~13%)から得られた値と同様であるが、ソックスレー溶出で観察された値(66%)よりもはるかに低い。
【0143】
音波支援溶出中に、GAC粒子が分解し、炭素微粒子が生成されたことも観察された。微粉はGAC吸着剤床の目詰まりを引き起こす可能性があるため、微粉の生成はGACを再使用するプロセスに有害である。
【0144】
方法の比較
【0145】
調査した方法から、ソックスレー抽出はタンブリングおよび超音波処理よりもはるかに優れている。ソックスレー抽出は、手動介入なしに一貫した自動補充溶媒の利点を有する。溶媒は、音波処理またはタンブリングの両方のためにも手動で変更したが、ソックスレー抽出で生じるのと同じ速度または回数ではなかった。しかし、2時間(2回溶媒置換)~7日間(5回溶媒置換)を比較したタンブリング結果は、実験期間の延長および溶媒の変更にもかかわらず、ほとんど改善を示さない(11対13%)。
【0146】
ソックスレー抽出の他の利点は、溶媒の高温である。この変数は、音波処理またはタンブリングには適用されなかったが、ソックスレー抽出を使用した改善された溶出の供給源として過小評価することはできない。
【0147】
ソックスレー溶出によるGACの再生-GACからのPFOAの繰り返し充填および溶出
【0148】
GACからPFASを溶出することに加えて、本発明者らはまた、GACが再生され、PFAS吸着のために再使用できるかどうかを定量したいと考えた。これを、5サイクルにわたってGACからのPFOAの吸着および溶出を監視することによって調査した。約3mg(PFOA)/g(GAC)のPFOA充填を選択したのは、それが現場試料の予想をはるかに上回ると考えられるPFOA充填であるからである。
【0149】
図5は、同じGACを使用して繰り返しサイクルで充填され、次いでGACから溶出されたPFOAのパーセンテージを示す。吸着は最初の4サイクルでは100%のままであり、5回目のサイクルまでわずかに低下する(98±1%)。溶出は、88~112%の範囲のすべての値で同様の傾向に従う。先に論じたように、ソックスレー後の溶液の最終体積には実験誤差があり、これはこれらの値の大きなエラーバーの原因である。測定に誤差が生じる可能性があるにもかかわらず、吸着と溶出の両方がサイクル全体を通して高い効率を示し続けることは明らかである。この実験は、実験間の結果がよく一致した状態で2回行った(図14)。
【0150】
ソックスレー溶出によるGACの再生-再生を伴うGAC最大吸着容量の試験
【0151】
図5の実験は、本技術分野で使用されているGACから予想される充填を超えるPFOA充填で行ったが、GACがバッチ吸着反応でPFOAの100%を吸着しているので、GACの最大吸着容量がソックスレー処理で減少しているかどうかを確認することは困難である。GACの吸着容量がサイクルと共に減少するかどうかを決定するために、さらなる実験を行った。これを達成するために、100%未満の吸着をもたらすPFOA濃度を使用して、PFOAをGACに充填した。
【0152】
図6は、7日間にわたる最大充填実験の時間に対するPFOA充填を示す。500ppmのPFOAの初期溶液から、残りのPFOA濃度はすべての実験において240ppmを超えた。各プロットの傾きは、調査した条件下でPFOA充填が平衡最大充填にあるかまたは非常に近いことを示す。GAC再生を繰り返すと(図5に示す実験からサイクル2およびサイクル4の後に2回の再生および4回の再生がある)、223±4mg(PFOA)/g(GAC)である最大PFOA充填に観察可能な差はない。
【0153】
図6のデータを使用して、フロイントリッヒ分析を行うことによってPFOA吸着の動態をGACと比較することもできる。線の傾きから、吸着速度定数が得られる。GAC、2回の再生、4回の再生の値は、有効数字3桁以内で同一であり、4.22×10-2mg(PFOA)/g(GAC)/hの値が得られた。
【0154】
ソックスレー溶出に対する有機物の影響
【0155】
環境、特に地下水中のPFAS汚染は、ppb(μg/L)~ppt(ng/L)の範囲である。水中の他の汚染物質は、はるかに高い濃度で存在し、したがってPFASの吸着および溶出中に存在する可能性が高い。最も高い予想濃度を有する材料は、主に物質(植物、動物)の有機小分子への分解によって形成される化合物のクラスである溶解有機物(DOM)である[21]。DOMは、典型的には、mg/L範囲のレベルで地下水中に見られる。
【0156】
PFOA吸着およびソックスレー溶出に対するDOMの効果を調べるために、DOMの一般的な代表である500ppmフミン酸を用いて実験を行った。PFOAの吸着および溶出は、ソックスレー溶出によるGACの再生-GACからのPFOAの繰り返し充填および溶出の欄に提示されたデータと同じ方法で行い、HAの吸着および溶出は、250nmで励起された蛍光発光によって監視した。
【0157】
図7(a)は、得られたPFOAの吸着(%)および溶出(%)を示し、図7(b)ではDOM吸着および溶出を示す。PFOA吸着は各サイクルで100%のままであり、溶出は、DOMなしの実験の誤差内である(図5)。DOM吸着は各サイクルで100%未満であり、実験中、溶液の色が暗褐色から半透明の褐色に変化することが観察された(しかし、明確ではない)。これは、吸着容量に達したか、または溶液中に残っている材料がGACに対して低い親和性を有したことを示している。材料の総充填が約6mg(PFOA+DOM)/g(GAC)であり、これはソックスレー溶出によるGACの再生-再生の欄を用いたGAC最大吸着容量の試験(約223mg(PFOA)/g(GAC))で決定された最大PFOA吸着量よりもはるかに低いことを考慮すると、残りの材料はGACに対する吸着親和性が低かった可能性が高い。
【0158】
DOMの溶出は非常に低く(10%未満)、これは、メタノールなどの低イオン強度溶媒へのHAの溶解度が低いことを考慮すると驚くべきことではない[22]。しかし、調査された条件下でのPFOA吸着または溶出のいずれかに有害であることは示されていない。理想的には、DOMとPFASの両方がGAC再生のために溶出される。この分野では、PFAS捕捉(塩素またはオゾン処理など)[23]が完了する必要がある前に水からDOMを除去する手順、またはメタノール中でのソックスレー抽出によるPFAS除去の前に水または任意の高イオン強度溶媒中での逆洗浄によってDOMを除去する必要がある。
【0159】
PFASタイプの効果
【0160】
全ての以前の実験は、全てのPFASのモデル化合物としてPFOAを使用して行った。ソックスレー溶出の結果がPFOAの予期せぬ特性によるものでないことを確実にするために、鎖長が増加したPFAS(C4、C5、C7、C9)だけでなくスルホン酸頭部基(C8、PFOS)で汚染されたGACを使用してソックスレー溶出を行った。これらのPFASのすべてを、最終PFAS充填約5μg/g(低充填、現場関連)で炭素上に充填し、各個々のPFASを約1μg/gで充填した。
【0161】
図8は、調査した各PFASについて得られた溶出効率を示す。本発明者らには、PFOAと比較して、溶出の差はほとんど観察されない(65±7%、図1)。さらに、鎖長または頭部基は有意な効果を有しない(実験の誤差以下)。メタノール中のこれらのPFAS分子のそれぞれの高い溶解度を考慮すると、ほとんど差が観察されないことは驚くべきことではない。消火泡に使用されるPFASは、数千の異なるPFAS分子からなることが分かっている[24]。溶出の非特異的性質は、考えられる全てのPFASに適用できることが重要である。
【0162】
PFAS溶出の動態
【0163】
ソックスレー溶出の最適期間を決定するために、また溶出速度がPFASの種類によって変化するかどうかを決定するために、PFASの溶出の動態研究を行った(例えば、より短いPFASをより早く溶出させる)。PFAS汚染炭素(総PFAS=各PFASについて5μg/g~約1μg/g)を、メタノール中のソックスレー溶出を使用して4日間再生し、試料を1時間、24時間、70時間、94時間で取り出した。
【0164】
94時間にわたるPFOA、PFOS、PFBA、およびPFDAのPFAS放出を図9に示す。PFPeA、PFHpA、PFNA、および複合PFASの放出を図15に示す。データは、y軸上に記録されたPFAS濃度(μg/L、ppb)で提示される。各PFASは、擬一次速度式を有する放出の同様の対数プロファイルを示す。各プロットに示される最良適合線は自然対数であり、0.9を超えるR値がそれぞれの場合に得られた。PFASの放出は、最初の24時間にわたる急速な初期放出に続き、調査した全てのPFASにおいてその時間に85%超が放出され、続いて非常に緩やかな放出が行われ、各場合で72時間と98時間との間にほとんど差は観察されなかった。ソックスレー溶出を継続するために必要なエネルギーを考慮すると、24時間で溶出を停止し、少量の残留した強く吸着されたPFASを有するGACを再使用することがより費用効果的であることが証明され得る。第1の収集物(1時間)は、PFASと、長鎖PFAS(PFDA=25%)よりも高い値(PFBA=34%、PFPeA=31%)を記録する短鎖PFASとの間で最大の変動を示し、より短いパーフルオロ鎖長でより速い放出を示し得る。また、PFOS(22%)は、PFOA(30%)よりも1時間後に低い放出を示し、これは、スルホネート基がGACへのより強い固定をもたらすか、またはメタノールへの溶解度がより低くなり得ることを示し得る。初期速度にかかわらず、24時間までに、調査したPFAS間の差はほとんどない(7%以内)。
【0165】
市販の処理プラントからのGACへのソックスレー溶出の適用
【0166】
工業規模のプラントで数ヶ月間PFAS汚染地下水を処理するために使用されたGACは、Membrane Systems Australiaから入手した。植物は、1日当たり最大2mLまで処理することができる。入口水は、大きくゆるく充填されたGAC濾過床に吸着する前に限外濾過で処理した。濾過床の前端部(区画1)および中央部(区画3)からGACを得た。限外濾過後、水を試験し、0.09ppbのPFOSおよび0.04ppbのPFHxSを記録した(図10)。この値は、飲料水に関する現地EPAの制限(0.07ppb)を上回っており、近隣のオーストラリア連邦航空局で2005年まで定期的に使用されていた水性フィルム形成フォーム3M Light Water(商標)によって汚染された地下水と一致している[2c]。
【0167】
濾液が透明になるまで炭素を水で洗浄し、次いでメタノール中で24時間ソックスレー抽出する前に乾燥させた。図10(a)は、区画1および区画3からの炭素についてソックスレー後のメタノール溶液のPFAS濃度を示し、一方、図10(b)は、測定された全PFASの%としてデータを示す。いくつかの興味深い観察がある。
【0168】
PFOSおよびPFHxSのみが入口水中で検出されたにもかかわらず(報告の限界=0.02ppb)、ある範囲のPFASがGACから溶出し、PFOSおよびPFHxSの電気化学的生成の副生成物に起因し得る、またはレガシー使用の複数のAFFF液体の結果であり得る[2c,25]。両方の区画からの最も豊富なPFASは、C6PFAS(PFHxSおよびPFHxA)であり、予想されるC8PFOSではない。ソックスレー溶出が以前の実験でC6とC8との間で同様の速度および量を示したことを考慮すると(図9)、この原因を決定することは困難である。複雑なマトリックス中のLC-MSからのピークの割り当てには機器誤差があり得る。
【0169】
予想されるように、区画1は、ほとんどのPFAS捕捉が濾過床の開始時に発生していることを示す、区画3よりも著しく高いPFAS充填を有するが、区画3からのPFASの観察は、以下のうちの1つを示している:(a)一部のPFASはかなりの質量のGACを迂回している(可能性は低い)、(b)区画1は過充填され、PFASは迂回している、(c)PFASはGACから吸着および脱着し、濾過床を通過している。図10(b)のデータは、より短いPFAS(C4-C5)が区画3中により高い%組成で存在し、より長い鎖のPFAS(C6-C10、PFOSAおよびn:2PFAS)が区画1中により高い%組成で存在するため、PFASの吸着および脱着が起こり得ることを示唆している。これは、より水溶性のPFASがGAC濾過床においてより移動し得ることを示唆している。
【0170】
PFASを観察することに加えて、本発明者らはまた、DOMおよびトリクロロエタン(TCE)の充填を決定しようとした。TCEは検出されなかった(LOR5μg/L)が、ソックスレープロセス中に蒸発した可能性がある。抽出プロセス中に(ソックスレーの前に炭素を水で洗浄した後でさえも)メタノール溶液が褐色に変化して大量のDOMが検出された。250nmでの励起後の蛍光発光(フミン酸からのシグナルに較正)を使用して、DOMの濃度を決定した。区画1は378mg/Lの濃度でDOMを溶出し、一方、区画3は78mg/Lを記録した。これらの値は、溶出されたPFASよりも桁違いに高い。
【0171】
溶出したPFASの濃度を文脈に入れるために、表1は、PFASの充填をμg(PFAS)/g(GAC)で示し、1.5および0.17μg/gの値が得られた。1.5μg/gのPFASは、この原稿の実験で使用された値と同様である(「低充填」実験では約3μg/g)。DOMの高充填は、DOMがGACの過充填およびPFAS飛躍的進歩を可能にする原因となることを示す。GAC上の(および水中でも)DOMの充填を監視することがより容易であるので、これはGAC枯渇を予測する迅速な方法として使用することができる。
【0172】
表1:工業用PFAS処理プラントから抽出された炭素に対するPFASおよびDOM充填の概要。
【表1】
【0173】
地下水用PFAS処理鎖
【0174】
汚染水の迅速な改善は、汚染水源の安全な使用を確実にするだけでなく、接続水源へのPFAS汚染の拡散を防ぐために、世界中の現場で必要とされている。溶出PFASおよび再生GACの両方に対するソックスレー抽出の有効性は、大量の汚染水からPFASを捕捉し、少量の溶媒(メタノール)に移すために有望である。
【0175】
現在、PFAS破壊方法は、PFASを無毒性の副生成物に制御可能に分解する能力において信頼性が低い。よりよく理解されている破壊方法の1つは、PFASを二酸化炭素およびフッ化物に無機化することが示されている超音波破壊である[14,26]。
【0176】
GACから溶出したPFASの超音波破壊は、メタノール(例えば、回転蒸留)の溶媒回収およびPFASの水への移動を必要とする。回収した溶媒は、PFAS溶出に再利用することができる。PFASは、水中で濃縮し、高周波、高出力の超音波にさらされると、二酸化炭素およびフッ化物に急速に分解すると予想される。以前の研究は、より高い周波数[17]、より高い出力[17]、高いPFAS濃度[16]、低いVOC汚染[26]、およびより高い熱伝導率を有するガス(例えばAr)によるバブリング[27]が、より高いPFAS破壊速度(mgPFAS破壊/時間)をもたらすことを示している。
【0177】
概念実証として、本発明者らは、PFOA(600mL、75ppm)を破壊するために高周波(1140kHz)、高出力(250W/L入力)超音波トランスデューサを使用してPFOAの分解を調査した。図11は、超音波PFOA破壊の結果を示す。10時間にわたって、[PFOA]は、75ppmから40ppmへの準線形減少を示す。線形プロットは、1ppmを超える濃度でのPFASの超音波破壊について以前に報告されたゼロ次反応速度(PFOAの濃度に依存しない)を示す[28]。平均破壊速度は、1.9mg(PFOA)/時間または45.6mg/日であった。
【0178】
0.1ppbのPFAS汚染で1mL/日で動作する地下水処理プラントは、1日当たり100mgのPFASを捕捉する。一連の超音波分解反応器が、捕捉されたPFASを破壊する要求に追いつくことが実現可能である。
【0179】
これらの結果は、GACによる濾過を介したPFAS捕捉の処理鎖、続いてメタノール中のソックスレーによるPFAS溶出およびGAC再生、続いて溶媒回収および交換を行って水中に濃縮PFASを生成し、次いでこれを二酸化炭素およびフッ化物に無機化することが、環境中のPFASの改善のための実行可能なプロトコルであることを示している。この処理鎖を図12に示す。
【0180】
結論
【0181】
メタノール溶媒によるソックスレー抽出は、より一般的なタンブリング法または超音波処理法よりも高い効率でGACからPFASを溶出することが示されている。より高いPFAS充填は、溶出効率を高める。ソックスレー再生後、GACはそのPFAS吸着能力を最大5サイクル維持することが示されている。溶解有機物は溶出効率を低下させないが、メタノールへの溶出は吸着有機物の除去に有効ではない。ソックスレーを市販のPFAS処理プラントから得られた炭素に適用し、PFAS充填を監視し、PFASがGAC床をどのように移動するかを監視するためにも使用した。
【0182】
最後に、本発明者らは、環境的に安全な製品へのPFASの吸着、溶出、および超音波破壊を含む完全なPFAS処理鎖を報告する。これらの結果は、水路内のPFASの改善プロセスに適用可能であり、直ちに適用することができる。
【0183】
本明細書で使用される「含む(comprise)」および「含む(include)」という用語ならびにそれらの派生語(例えば、comprises,comprising,includes,including)のいずれも、その用語が言及する特徴を含むと解釈されるべきであり、特に明記または暗示されない限り、任意の追加の特徴の存在を除外することを意味しないことが理解されよう。
【0184】
本明細書における任意の先行技術への言及は、そのような先行技術が共通の一般知識の一部を形成することを示唆する任意の形態の承認ではなく、そのように解釈されるべきではない。
【0185】
本開示は、その使用において、記載された特定の1つまたは複数の用途に限定されないことが当業者には理解されよう。本開示は、本明細書に記載または描写される特定の要素および/または特徴に関して、その好ましい実施形態において制限されない。本開示は、開示された1つまたは複数の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって記載および定義される範囲から逸脱することなく、多数の再構成、修正、および置換が可能であることが理解されよう。
【0186】
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図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】