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特表2024-522939電池駆動ビークル用の電力管理システム及びその動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】電池駆動ビークル用の電力管理システム及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240614BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20240614BHJP
   B60L 58/18 20190101ALI20240614BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 302C
H02J7/02 G
B60L58/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519487
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022019562
(87)【国際公開番号】W WO2022256062
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】63/196,740
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/515,900
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523456870
【氏名又は名称】マグノリア グループ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,マーク アダム
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA07
5G503AA08
5G503BA02
5G503BB01
5G503DA04
5G503DA07
5G503DA18
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC09
5H125AC12
5H125BC06
5H125BC24
5H125BC28
5H125CB02
5H125EE27
(57)【要約】
電気モーターと、ビークル内の部品を移動させることによって生成された運動摩擦エネルギーをキャプチャするための運動エネルギーデバイスとを含む、電池駆動ビークルの電力管理システム。中央直流(DC)過充電コンポーネント(CDCSC)は運動摩擦エネルギーを電流に変換する。CDCSCは、電気モーターに電力を供給するために、電池パック(すなわち、第1の電池パック及び第2の電池パック)に電流を方向付ける電流トグルを接続する。電流トグルは、電流を電池パックに方向付け、電力を再充電/貯蔵する。電力管理システムは、電池パックからの電力出力を統御し、電池パックの消耗/効率を管理し、電池パックから電気モーターに送出電力供給量を管理するパラレルポートを含む。電気モーターは、ビークルのドライブシャフトに接続される。電力管理システムは、外部伝送のためにキャプチャされた過剰な運動摩擦エネルギーを貯蔵する追加の電池パックを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池駆動ビークル用の電力管理システムであって、
複数の運動キャプチャデバイスであって、前記電池駆動ビークルの可動部分の運動から運動摩擦エネルギーをキャプチャする、前記複数の運動キャプチャデバイスと、
前記複数の運動キャプチャデバイスを接続する中央直流(DC)過充電コンポーネント(CDCSC)であって、前記CDCSCは、前記運動摩擦エネルギーをDC電流に変換する、前記中央直流過充電コンポーネント(CDCSC)と、
第1の電池パック及び第2の電池パックであって、前記第1の電池パックは前記第2の電池パックとは異なる、前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックと、
前記CDCSCから前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックに前記DC電流を方向付けるように構成された制御トグルと、
前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックを接続するパラレルポートであって、前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックから電力を取り、前記電池駆動ビークルに電力を供給するために電気モーターに送達する、前記パラレルポートと、
前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックとは異なる第3の電池パックと、
を備え、
前記第1の電池パックがフルに再充電されるとき、前記第1の電池パックは前記パラレルポートを介して前記電気モーターに電力を供給し、前記制御トグルは、前記第2の電池パックを再充電するために、前記CDCSCから前記第2の電池パックに前記DC電流を方向付け、
前記第1の電池パックが既定の消耗閾値レベルに達すると、前記制御トグルは、前記第1の電池パックを再充電するために、前記CDCSCから前記第1の電池パックに前記DC電流を切り替え、前記第2の電池パックは前記パラレルポートを介して電気モーターに電力を供給し、
前記電流トグルは前記DC電荷を前記第3の電池パックに方向付け、これは、
前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックがフルに再充電されているとき、または、
前記第2の電池パックが前記電気モーターに電力を供給しているとき、前記第1の電池パックを再充電するために、前記運動充電デバイスから発生した残留電荷を必要としないとき、または、
前記第1の電池パックが前記電気モーターに電力を供給しているとき、前記第2の電池パックを再充電するために、前記運動充電デバイスから発生した残留電荷を必要としないとき、
に行われる、
前記電力管理システム。
【請求項2】
前記複数の運動キャプチャデバイスは、前記電池駆動ビークルのアクスル、ドライブシャフト、ブレーキ、センサー、アクスル摩擦再充電、車輪回転摩擦再充電、ブレーキパッド摩擦、外部のビークル/機構摩擦キャプチャ、風/水、及び太陽面のうちの1つから運動摩擦エネルギーをキャプチャする、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項3】
前記複数の運動キャプチャデバイスは、フロー伝送ケーブルを介して前記CDCSCに単数または複数の別個の電荷を送達する、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記第3の電池パックは、前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックが前記既定の消耗閾値レベル以下であるとき、前記電気モーターに電力を供給する、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項5】
前記第3の電池パックは、伝送ポートを介してエネルギーを貯蔵して外部電池パックに伝送する、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項6】
熱光起電力(TPV)熱センサーをさらに備え、
前記TPV熱センサーは、前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックを囲み、
前記TPV熱センサーは、前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックから生成された熱をキャプチャして、別個のDC電流を生じさせ、
前記TPV熱センサーは、前記CDCSCに前記DC電流をフィードし、前記電力管理システムで発生した電流の追加供給源として働く、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項7】
前記制御トグルは、前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックの再充電を切り替えるために、前記消耗点または所定の閾値レベルの充電を維持及び記録する、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項8】
前記第1の電池パックは第1の電力出力フローガバナーを備え、
前記第1の電力出力フローガバナーは、駆動電力を前記電気モーターに提供するために前記第1の電池パックの電力出力上限を維持し、
前記第1の電力出力フローガバナーは、前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックの再充電を切り替えるために、前記電流トグルと通信する、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項9】
前記第2の電池パックは第2の電力出力フローガバナーを備え、
前記第2の電力出力フローガバナーは、駆動電力を前記電気モーターに提供するために前記第2の電池パックの電力出力上限を維持し、
前記第2の電力出力フローガバナーは、前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックの再充電を切り替えるために、前記電流トグルと通信する、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項10】
前記電気モーターは、前記電池駆動ビークルにおける前記可動部分の運動によって顕著な運動摩擦エネルギーを生じさせるように動作し、
前記複数の運動キャプチャデバイスは、前記運動摩擦エネルギーをキャプチャし、前記電気モーターに電力を供給するために前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックのうちの1つを再充電するためにループを生じさせる、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項11】
前記第1の電池パック、前記第2の電池パック、及び前記第3の電池パックのそれぞれは、グラフェン材料を適所に保持する内部固定ポストに取り付けられた、薄いグラフェンシート材料の同心円を伴う球形の電池シェルを有する、グラフェン球形電池(GSB)を備える、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項12】
前記グラフェン球形電池は、電池ケーシングを囲む熱光起電力(TPV)センサーケーシングを備え、
前記電池ケーシングは、取付ポストを使用して取り付けられたグラフェンシートを備え、前記グラフェンシート自体の形状を保持し、
前記TPVセンサーケーシングは、前記電気モーターに電力を供給するための電池ポートを備える、請求項11に記載の電力管理システム。
【請求項13】
電池駆動ビークルに電力を供給するための電力管理システムの動作方法であって、
前記電池駆動ビークルの可動部分の運動から運動摩擦エネルギーをキャプチャするステップと、
前記キャプチャされた運動摩擦エネルギーをDC電流に変換するステップと、
第1の電池パック及び第2の電池パックを再充電するために、前記DC電流を方向付けるステップと、
前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックから、前記電池駆動ビークルの電気モーターに電力を供給するために電力を取るステップと、
前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックを再充電するために前記DC電流を切り替えるステップと、
を含み、前記切り替えるステップは、
前記第1の電池パックがフル充電されるときに前記第2の電池パックを再充電するために、前記DC電流を前記第2の電池パックに方向付け、前記電気モーターに電力を供給するために前記第1の電池パックを利用するステップと、
前記第1の電池パックが既定の消耗閾値レベルに達すると、前記第1の電池パックを再充電するために、前記DC電流を前記第1の電池パックに方向付け、前記電気モーターに電力を供給するために前記第2の電池パックを利用するステップと、
前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックとは異なる第3の電池パックを提供するステップと、
を含み、前記方法は、さらに、
前記第3の電池パックを再充電するために前記DC電流を切り替えることを含み、前記切り替えることは、
前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックがフルに再充電されているとき、または、
前記第2の電池パックが前記電気モーターに電力を供給しているとき、前記第1の電池パックを再充電するために、前記運動充電デバイスから発生した残留電荷を必要としないとき、または、
前記第1の電池パックが前記電気モーターに電力を供給しているとき、前記第2の電池パックを再充電するために、前記運動充電デバイスから発生した残留電荷を必要としないとき、
に行われる、
前記方法。
【請求項14】
前記電気モーターの動作により、前記電池駆動ビークルの前記可動部分の運動によって顕著な運動摩擦エネルギーを生じさせることと、
前記電気モーターに電力を供給するために、前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックのうちの1つを再充電するためのループを生じさせるために、前記顕著な運動摩擦エネルギーをキャプチャすることと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第3の電池パックに蓄えられたエネルギーを貯蔵して、外部電池パックに伝送することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックが前記既定の消耗閾値レベル以下であるとき、前記第3の電池パックを使用して前記電気モーターに電力を供給することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックを囲む熱光起電力(TPV)熱センサーを提供することと、
顕著なDC電流を生じさせるために、前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックから生成された熱をキャプチャすることと、
前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックを再充電するために、前記電力管理システムで発生した電流の追加供給源として、前記DC電流をフィードすることと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記DC電流の方向を切り替えるステップは、
前記第1の電池パック及び前記第2の電池パックの再充電を切り替えるために、前記既定の消耗閾値充電レベルを維持することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の電池パックの電力出力を統御し、前記第1の電池パックの消耗及び効率を管理するための第1の電力出力フローガバナーを提供することと、
前記第2の電池パックの電力出力を統御し、前記第2の電池パックの消耗及び効率を管理するための第2の電力出力フローガバナーを提供することと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の電池パック、前記第2の電池パック、及び前記第3の電池パックのそれぞれに対して適所にグラフェン材料を保持する内部固定ポストから、渦巻きパターンでグラフェンシート自体を取り囲む、延長した前記グラフェンシートを有する、球形の電池シェルを提供することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、ここでは参照により本明細書に明示的に組み込まれる、以下の仮出願及び非仮出願の利益を主張する。
【0002】
米国仮特許出願第63/196,740号、2021年6月4日出願、代理人整理番号MMIL001USP、及び発明の名称「POWER MANAGEMENT SYSTEM FOR A BATTERY-OPERATED VEHICLE AND A METHOD OF OPERATING THE SAME」。
【0003】
本発明の主題は、概して、電池駆動ビークル用の電力管理システムに関する。より具体的には、本発明の主題は、外部のプラグイン再充電の必要性なしに、より長時間及び長距離にわたって電池駆動ビークルを動作させるために無停電電力供給ループを提供する発電、再充電、及び管理システムに関する。
【背景技術】
【0004】
電池駆動ビークルとも呼ばれる電気ビークル(またはEVビークル)がビークルの推進に1つ以上の電気モーターを使用することが知られている。電気モーターは、概して、ビークルに搭載された再充電可能電池によって給電される。典型的には、電気ビークルの運転者は、ビークルに電気エネルギーを伝送する充電ステーションに、ビークルを接続することによって、ビークルの電池を再充電する。単一の充電で電気ビークルを駆動できる距離は、とりわけ、使用される電池のタイプ、ビークルの重量によって決まる。
【0005】
いくつかの電気ビークルは、充電式電池に貯蔵できるのが少量のエネルギーであるため、動作可能距離が制限され、制限された距離(例えば、100~250マイル)しか走行できない。これらの電池が放電されると、再び電気ビークルを使用できるようになる前に、これらの電池を再充電する必要がある。典型的には、電池のタイプによっては、電池を充電するのに時間がかなりかかり、例えば最長3~6時間かかる。
【0006】
電気ビークルの電池を充電するために、過去にいくつかの技術が開示されてきた。そのような例の1つは、特許権が付与された米国特許第7602140号、発明の名称「Apparatus for supplying power for a vehicle」(「‘140特許」)に開示されている。‘140特許には、第1の電池、第2の電池、スイッチングデバイス、監視デバイス、及び制御デバイスを含むビークル用の電力を供給するためのデバイスが開示されている。第1の電池は、ビークルに搭載される負荷デバイスに電気的に接続される。第2の電池は、バックアップ用電源として機能する。スイッチングデバイスは、第1の電池及び第2の電池を切り替える。監視デバイスは、第1の電池及び第2の電池のそれぞれの残存容量を監視する。制御デバイスは、監視デバイスによって監視された情報に基づいて、第2の電池の残存容量が第1の電池の残存容量よりも少ないと判定したとき、第1の電池及び第2の電池の切り替えを行うようにスイッチングデバイスを制御する。
【0007】
別の例は、特許権が付与された米国特許第8639406号、発明の名称「Switch controlled battery charging and powering system for electric vehicles」(「‘406特許」)に開示されている。‘406特許では、スイッチ制御電池充電システム及び給電システムを使用して電気ビークルを動作させるための方法及び装置が提供されている。本明細書に開示された装置及び方法は、交互に複数回再充電され、また、交互に第1のスイッチ及び第2のスイッチを使用して電気モーターに電力を供給する、第1の電池パック及び第2の電池パックを含む。いくつかの実施態様では、電池パックは、ビークルのホイールアクスルまたはモーターのシャフトに動作可能に接続された発電機を使用して充電される。
【0008】
別の例は、PCT公報第2016081988号、発明の名称「Power management for an electric vehicle」(「‘988公報」)に開示されている。‘988公報には、電気ビークル用の給電システムが開示されている。電気モーターは、ビークルを移動させるための駆動機械的出力を提供するように配置される。発電機は、ビークルの運動により、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するように配置される。このシステムは、互いに電気的に絶縁される第1及び第2の再充電可能電力貯蔵デバイスを含む。コントローラーは、モーターに電力を供給するために、第1及び第2の充電可能蓄電デバイスの一方を電気モーターと選択的に接続し、充電を受けるために第1及び第2の蓄電デバイスの他方を発電機と選択的に接続するように構成される。
【0009】
別の例は、特許権が付与された米国特許第9610848号、発明の名称「On-board charging system and control method thereof」(「‘848特許」)に開示されている。‘848特許には、昇圧コンバータにより発電電力の電圧が昇圧された後、太陽電池による発電電力でメイン電池を充電する車載充電システムが開示されており、昇圧コンバータにより電圧を昇圧するとき、昇圧率を計算するように構成された昇圧率計算部を含む。計算された昇圧比が判定閾値以上であると判定された場合、補助電池を充電対象電池として設定し、そして、計算された昇圧比が判定閾値以上であると判定されなかった場合、メイン電池を充電対象電池として設定する。
【0010】
別の例は、特許権が付与された米国特許第7486034号「Power supply device for vehicle and method of controlling the same」(「‘034特許」)に開示されている。‘034特許には、第1の蓄電デバイスとして機能する電池と、第2の蓄電デバイスとして機能する電池と、車輪を駆動させるモーター発電機と、第1の蓄電デバイス及び第2の蓄電デバイスのうちの1つを選択し、選択された蓄電デバイスをモーター発電機に接続する選択スイッチと、第1の蓄電デバイス及び第2の蓄電デバイスのそれぞれの充電状態に応じて選択スイッチの切り替えを制御する制御デバイスと、を含むビークル用電力供給装置が開示されている。選択スイッチが第1の蓄電デバイスを選択している場合、充電が行われ、第1の蓄電デバイスの充電状態が第1の所定レベルよりも高くなるとき、制御デバイスは、選択スイッチに第2の蓄電デバイスを選択することを命令する。
【0011】
上述した開示は、電気ビークルを動作させるための電源システムを提供するが、それに関するいくつかの問題がある。例えば、電気ビークルは、動作可能距離の不確実性または動作可能距離の制限に関する問題がある。したがって、特に実際の動作可能距離が250マイル未満である場合を考えると、電気ビークルに繰り返しの再充電が依然として必要であるので、かなりの長距離運転は不可能である。
【0012】
したがって、外部のプラグイン再充電の必要性なしに、より長時間及び長距離にわたって電池駆動ビークルまたは電気ビークルを動作させるための無停電電力供給ループを提供する電力管理システムの必要性がある。
【発明の概要】
【0013】
本発明の主題の目的は、外部のプラグイン再充電の必要性なしに、より長時間及び長距離にわたって電池駆動ビークルまたは電気ビークルを動作させるための無停電電力供給ループを提供し、既知の技術の欠点を回避する電力管理システムを提供することである。
【0014】
本発明の主題の別の目的は、外部のプラグイン再充電の必要性なしに、EV及び同様の機械動力付き機械及び産業システムに、一定で再生可能な無停電電力送達と、動作可能距離及び動作可能距離時間の両方において桁違い(10倍プラス)に増加させる送達を行うことが可能である、電気ビークル用の電力管理システム(EV)を提供することである。
【0015】
本発明の主題の別の目的は、発電及び管理システムとして動作し、より長い持続時間及び/または長距離にわたり電池駆動ビークルを動作させるために無停電電力供給ループを提供する電力管理システムを提供することである。
【0016】
本発明の主題の別の目的は、より少ないエネルギーを使用して、より効率的な動作機能をもたらす電力管理システムを提供することである。
【0017】
1つ以上の目的を達成するために、本発明の主題は、電池駆動ビークル(または単なるビークル)用の電力管理システムを提供する。電力管理システムは電気モーターを含む。電気モーターは、ビークルのドライブシャフトに接続される。ビークルが運動し、その結果、ビークルの可動部分の運動をもたらす。可動部分は、限定ではないが、アクスル、ドライブシャフト、車輪、ブレーキ、センサー、アクスル摩擦再充電、車輪回転摩擦再充電、ブレーキパッド摩擦、外部のビークル/機構摩擦キャプチャ、風/水(船体摩擦、航跡等)、及びビークル上の太陽面等を含む。電力管理システムは、ビークルの可動部分の上、近く、及び/または周囲に接続される運動エネルギーデバイスを含む。運動エネルギーデバイスは、可動部分によって生成された運動摩擦エネルギーをキャプチャする。中央直流(DC)過充電コンポーネント(CDCSC)は、運動摩擦エネルギーを電流(DC電流)に変換する。CDCSCは、2つの別個の同一の電池パック、すなわち電気モーターに電力を供給する第1の電池パック及び第2の電池パックに電流を方向付ける電流トグルに接続される。ここでは、いずれにしても、動作時に任意の所与の時点に電気モーターにアクティブに電力を供給する電池は一次電池源(または一次電池供給源)とも呼ばれ、他の電池は、二次電池源(これは、他の電池パックにおける充電が消耗すると一次電池供給源になる)とも呼ばれる。電流トグルは、電力を電気モーターに提供する電池パック、すなわち一次電池パックと、一次電池動作によって生じる運動エネルギーの還流によって常に再充電される二次電池源とに係合する。一次電池は電気モーターに電力を供給し、次に、電気モーターは可動部分の運動によって顕著な運動摩擦エネルギーを生じさせる。これらの可動部分は、運動キャプチャデバイスの中に入れられる、または運動キャプチャデバイスと接触する。
【0018】
一次電池源が所定の消耗点(所定の閾値)に達し、再充電を必要とするとき、電流トグルスイッチは、別個の電池パックの機能を切り替え/スワップし、電気フローをルーティングして一次電池源を再充電し、第2の電池パックを電気モーターへの一次電池源にすることを可能にする。第1の電池パック及び第2の電池パックのそれぞれは、別個の電力出力フローガバナー及びフロールーティング用ハードウェア及びソフトウェアを含み、充電、再充電、及び貯蔵機構の動作効率を最大化する。この一定の電力、一定の運動キャプチャ、一定のDC過充電及び再充電ループは、エネルギーを節約することを可能にする。
【0019】
追加の電力効率値として、一次電池源がまだ動作しており消耗されていない間に、二次電池源(充電位置にある)が運動充電デバイスのフィードからフル充電を達成した場合、運動充電デバイスから発生した残留電荷(「オーバーフロー充電」または「ロールオーバー充電」と呼ばれる、二次電池源の再充電のためにすぐに必要としない電荷)は、第3の別個のモジュール、すなわち第3の電池パックに方向付けされる。第3の電池パックは、オーバーフロー充電を受けて貯蔵する別個の電力収集ハードウェア源または電池パックであり、ビークルまたは電力管理システムが使用中でないとき、貯蔵された電荷を第3の電池パックに伝送することが可能である。
【0020】
本発明の主題の1つの有利な特徴では、電力管理システムは、電池からの電力出力を統御し、電池/電源の消耗及び効率を管理する。電力管理システムは、電池パックに接続されるパラレルポートを提示する。パラレルポートは、電池パックから電気モーターに複数の送出電力供給量のうちの主要なものを方向付ける。
【0021】
本発明の主題の1つの有利な特徴では、電力管理システムは、複数の発電機、複数の変圧器、及び複数のモーターが不要である。さらに、電力管理システムは、外部伝送/使用のために別個の電池源(第3の電池パック)でキャプチャされた過剰な運動エネルギーを貯蔵する。加えて、電力管理システムにより、複数の追加センサーキャプチャコンポーネントが、電池パックに電荷を送達することを可能にする。
【0022】
加えて、通常の動作条件下で、本明細書に開示されている電力管理システムにより、電池駆動電気ビークルは、中断なく、または再充電のための「プラグイン」のために時間がかかる停止を必要としないで、ほぼ無制限の動作可能距離(距離)が実現することが可能になる。
【0023】
本明細書の主題の特徴及び利点は、添付の図に示されるように、選択された実施形態の以下の詳細な説明を考慮してさらに明らかになるであろう。理解されるように、開示された主題は、全て主題の範囲から逸脱することなく、様々な点において修正することが可能である。したがって、図面及び説明は、本質的に例示であると見なすべきである。
【0024】
本発明の主題のさらなる特徴及び利点は、添付の図面と組み合わせて以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の主題の一実施形態による、電力管理システムがビークルに実装される環境を示す。
図2】本発明の主題の例示的な実施形態による、アクスルの長さ及び/またはドライブシャフトの長さにわたって接続している1つ以上の運動キャプチャデバイスを示す。
図3】本発明の主題の例示的な実施形態による、アクスルの長さ及び/またはドライブシャフトの長さにわたって接続している1つ以上の運動キャプチャデバイスを示す。
図4】本発明の主題の例示的な実施形態による、アクスルの長さ及び/またはドライブシャフトの長さにわたって接続している1つ以上の運動キャプチャデバイスを示す。
図5】電力管理システムのブロック図を示す。
図6】Aは本主題の一実施形態による電池の斜視図を示す。Bは本主題の一実施形態による電池の上面図を示す。
図7】本主題の別の実施形態による、電池110の上面図を示す。
図8】本主題の一実施形態による、電力管理システムの動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
なお、添付の図面を通して、同様の特徴は同様の参照番号によって識別されることに留意されたい。
【0027】
電池駆動ビークル用の電力管理システムの本発明の特徴及び動作原理を説明する前に、本主題が記載した仕様の範囲内で変わり得るため、本主題は説明されるような特定のシステムに限定されるものではないことに理解されたい。電池駆動ビークル用の電力管理システムの様々な特徴は、本明細書に開示されているコンポーネント/サブコンポーネントの内部に変更を取り入れることによって提供され得る。また、説明で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためにすぎず、本発明の主題の範囲は本発明の主題の範囲を限定することを意図しなく、添付の特許請求の範囲だけによって限定されることも理解されたい。「含む/備える(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、及び「含む(including)」という単語、及び他の形態は、これらの単語のうちのいずれか1つに続く1つの項目または複数の項目が、そのような1つの項目もしくは複数の項目の網羅的な列挙を意味するものではないこと、または列挙された1つの項目もしくは複数の項目だけに限定されることを意味するものではないことであって、意味において同等であり、オープンエンドであると解釈される。
【0028】
本発明の主題は、電池駆動ビークルの電力管理システムを説明することを理解されたい。電力管理システムは電気モーターを含む。電気モーターは、ビークルのドライブシャフトに接続される。ビークルが運動し、その結果、ビークルの可動部分の運動をもたらす。電力管理システムは、可動部分によって生成された運動摩擦エネルギーをキャプチャするための運動エネルギーデバイスを含む。中央直流(DC)過充電コンポーネント(CDCSC)は、運動摩擦エネルギーを電流に変換する。CDCSCは、電気モーターに電力を供給するために、電池パック(すなわち、第1の電池パック及び第2の電池パック)に電流を方向付ける電流トグルを接続する。電流トグルは、電力を再充電または貯蔵するために、電流を電池パックに方向付ける。電力管理システムは、電池パックからの電力出力を統御し、電池パックの消耗及び効率を管理する。電力管理システムは、電池パックから電気モーターに送出電力供給量を方向付けるパラレルポートを含む。電気モーターは、ビークルのドライブシャフトに接続される。電力管理システムは、外部伝送のためにキャプチャされた過剰な運動摩擦エネルギーを貯蔵する追加の電池パックを含む。
【0029】
電池駆動ビークル用の電力管理システムの様々な特徴及び実施形態は、図1図8の説明と併せて説明される。
【0030】
本発明の主題は、電池駆動ビークル用の電力管理システムを開示する。図1は、本発明の主題の一実施形態による、電力管理システム12がビークル14に実装される環境10を示す。本明細書で使用される場合、「ビークル」という用語は、EVとも呼ばれる全電気式ビークル、または電池駆動ビークル、PHEVとも呼ばれるプラグインハイブリッドビークル、またはハイブリッドビークル(HEV)、複数の推進源を利用するハイブリッドビークル(複数の推進源のうちの1つは電気駆動システムである)のいずれかを指す。ここで、ビークル14は、モーターサイクル、自動車、トラック、ボート、列車、または電池に貯蔵されたエネルギーで動作する任意の他のビークルを含む。
【0031】
本明細書では、ビークル14が自動車であることを考慮して説明する。しかしながら、当業者は、上記に提示された他のビークル12が、また、ビークル14を動作させるために本明細書に開示されている電力管理システム12を実装し得ることを理解する。ビークル14は、例えば、ビークル14の前部及び後部にホイール18を接続するアクスル16を包含する。アクスル16は、ビークル14の運動を制御するドライブシャフトまたはパワートレイン20に接続される。本発明の主題の一実施形態によると、電力管理システム12は、第1の運動キャプチャデバイス22a、第2の運動キャプチャデバイス22b、及び第3の運動キャプチャデバイス22c(まとめて運動キャプチャデバイス22)等の1つ以上の運動キャプチャデバイスと呼ばれる)を含む。図1は、アクスル16に接続された第1の運動キャプチャデバイス22a及び第2の運動キャプチャデバイス22bと、ドライブシャフト20に接続された第3の運動キャプチャデバイス22cとを示す。しかしながら、当業者は、運動キャプチャデバイス22がビークル14に存在する可動部分に応じて任意の数で接続されることを理解する。当業者は、図2では、より小さい構成のより小さい複数の運動キャプチャデバイス22を含有するアクスル16が示されることを理解する。さらに、図3及び図4は、アクスル16のかなりの長さまたは全長に延在する単一の細長い運動キャプチャデバイス22を示す。図2図3、及び図4は、アクスル16の長さにわたって接続される1つ以上の運動キャプチャデバイス22を示す。当業者は、本発明の主題の範囲から逸脱することなく、ドライブシャフト20の長さにわたって1つ以上の運動キャプチャデバイス22が接続されることを理解する。
【0032】
ここで、図1及び図5を参照して、ビークル14における電力管理システム12の動作を説明する。上記に述べたように、図1は、電力管理システム12がビークル14に実装される環境10を示す。図5は、本発明の主題の一実施形態による、電力管理システム12のブロック図を示す。上記に述べたように、電力管理システム12は運動キャプチャデバイス22を含む。運動キャプチャデバイス22は、アクスル16及び/またはドライブシャフト20に接続される。運動キャプチャデバイス22は、様々なパターンで、アクスル16及び/またはドライブシャフト20の上、近く、及び/または周囲に接続される。運動キャプチャデバイス22のそれぞれは、ビークル14の可動部分の運動から運動摩擦エネルギーをキャプチャする。一例では、運動キャプチャデバイス22は、アクスル16、ドライブシャフト20、制動センサー、アクスル摩擦再充電、車輪回転摩擦再充電、ブレーキパッド摩擦、外部のビークル/機構摩擦キャプチャ、風/水(船体摩擦、航跡等)、ビークル14上の太陽面等から運動摩擦エネルギーをキャプチャする。運動キャプチャデバイス22のそれぞれは、ビークル14の可動部分の運動によって生成された運動摩擦エネルギーをキャプチャし、運動摩擦エネルギーを、フロー伝送ケーブル(複数可)23を介して中央直流(DC)過充電コンポーネント24(以後、CDCSCと呼ばれる)に伝送する。一実施態様では、例えば、図2に示されるように、1つ以上の運動キャプチャデバイス22はアクスル16及び/またはドライブシャフト20に取り付けられ、運動キャプチャデバイス22のそれぞれは、フロー伝送ケーブル23を介して、単一または複数の別個の電荷(複数可)をCDCSC24に送達する。図2は、アクスル16が7個の運動キャプチャデバイス22を含む例示的な実施形態を示す。7個の運動キャプチャデバイス22は、すなわち、第1の運動キャプチャデバイス22a、第2の運動キャプチャデバイス22b、第3の運動キャプチャデバイス22c、第4の運動キャプチャデバイス22d、第5の運動キャプチャデバイス22e、第6の運動キャプチャデバイス22f、及び第7の運動キャプチャデバイス22gである。当業者は、運動キャプチャデバイス22によって生成された運動摩擦エネルギーをCDCSC24に伝送するために使用されるフロー伝送ケーブル23の数が、アクスル16及び/またはドライブシャフト20の上方に設置された運動キャプチャデバイス22の必要性及び/またはパターンに応じて変化することを理解する。
【0033】
別の実施態様では、アクスル16及び/またはドライブシャフト20は、全体的にまたは実質的に、単一の運動キャプチャデバイス22aを囲む、または含有する。図3は、単一の運動キャプチャデバイス22がアクスル16のかなりの長さに沿って接続される例示的な実施形態を示す。加えて、ドライブデバイス20のかなりの長さに沿って運動キャプチャデバイス22が接続される。ここでは、運動キャプチャデバイス22aは、アクスル16及び/またはドライブシャフト20に直接的または十分に係合する。運動キャプチャデバイス22aは、例えば図3に示されるように、単一または複数の別個のレポートを用いて、電荷(複数可)をCDCSC24に電荷伝送ケーブル23を介して伝送する。
【0034】
別の実施態様では、アクスル16及び/またはドライブシャフト20は、運動キャプチャデバイス22aとともにプレキャストされている(一緒に製造される、または完全に統合される)。図4は、アクスル16の全長にわたって単一の運動キャプチャデバイス22が延在する例示的な実施形態を示す。随意に、運動キャプチャデバイス22は、ドライブデバイス20の全長にわたって延在する。ここでは、運動キャプチャデバイス22aは、アクスル16及び/またはドライブシャフト20に直接的及び/または十分に係合する。運動キャプチャデバイス22aは、例えば、図4に示されるように、単一または複数の別個のレポートを用いて、電荷(複数可)をCDCSC24に電荷伝送ケーブル23を介して伝送する。
【0035】
運動キャプチャデバイス22によってキャプチャされた運動摩擦エネルギーを受けると、CDCSC24は、キャプチャした運動摩擦エネルギーをDC電流に変換する。その後、CDCSC24は、DC電流を、電池パック(すなわち、第1の電池パック32及び第2の電池パック36)に電流トグル28を介して方向付ける。DC電流は、第1の電池パック32及び第2の電池パック36を充電または再充電するために使用される。電流トグル28は、DC電流を、第1の電池パック32及び第2の電池パック36のうちの1つの一定の再充電をトラフィック(traffick)及び提供するように方向付ける。一例では、電流トグル28はコントローラー30を含む。コントローラー30は、流入するDC電流の流れを、第1の電池パック32及び第2の電池パック36のうちの1つに同時に切り替え、そのとき、コントローラー30は、すぐに、後で切り替えるために再充電を始める。コントローラー30は、第1の電池パック32及び第2の電池パック36の充電レベルを記憶するソフトウェア/モジュールを含む。さらに、コントローラー30は、消耗点または所定の充電点を維持及び記録し、第1の電池パック32及び第2の電池パック36の充電を電流トグル28によって切り替える。加えて、電流トグル28は、第1の電池パック32及び第2の電池パック36がフル充電されたとき、またはロールオーバーオプションが係合するとき、流入するDC電荷を第3の電池パック44に方向付ける。ロールオーバー充電は、二次電池源の再充電にすぐに必要としない充電を示す。言い換えれば、一次電池源がまだ動作しており消耗されていない間に、二次電池源(充電位置にある)が運動充電デバイスのフィードからフル充電に達成すると、運動充電デバイスから発生した残留電荷は、「オーバーフロー充電」または「ロールオーバー充電」と呼ばれる。一実施態様では、電流トグル28は、充電、出力レベル、第1の電池パック32及び第2の電池パック36の切り替えの必要性、ならびにアクスル16及びドライブシャフト20の機能レポートを監視する。
【0036】
一実施態様では、CDCSC24は熱光起電力(TPV)熱センサー26に接続される。TPV熱センサー26は、電池パック(すなわち、第1の電池パック32及び第2の電池パック36)を囲む1つ以上の熱管理及び転移センサーを含む。TPV熱センサー26は、熱接触センサーとして働く。TPV熱センサー26は、第1の電池パック32及び第2の電池パック36から生成された熱をキャプチャし、顕著なDC電流(電流電荷)を生じさせる。次に、別個のDC電流はCDCSC24に方向付けされ供給される(図5)。本発明の主題の一実施形態によれば、TPV熱センサー26は、電力管理システム12における(運動キャプチャデバイス22によって生じる運動摩擦エネルギーに加えて)発生した電流の追加供給源を提供する。したがって、TPV熱センサー26は、電池パック(すなわち、第1の電池パック32及び第2の電池パック36)用の追加の再充電電力及び熱管理システムとして機能する。
【0037】
別の一実施態様では、CDCSC24は追加センサーに接続される。追加センサーは、限定ではないが、太陽、ビークル表面にわたる風流抵抗、船体にわたる水流(水抵抗)、圧縮、追加摩擦等を含む。
【0038】
図1及び図5から確認できるように、電流トグル28は、電池パック(すなわち、第1の電池パック32及び第2の電池パック36)に接続され、これらを充電するためのDC電流の流れを方向付け及び制御する。第1の電池パック32及び第2の電池パック36は同一のスペックであるが別個の電池パックである。本明細書で使用される「電池パック」という用語は、単一部品または複数部品のハウジング内に収容された個々の電池の複数のまとまりを指し、個々の電池は、特定の用途に合わせて所望の電圧及び容量を達成するために電気的に相互接続される。「電池」、「セル」、及び「電池セル」という用語は、交換可能に使用され得、そして、様々な異なるセルのタイプ、化学的性質、及び構成を指し得る。それらの用語は、限定ではないが、リチウムイオン(例えば、リン酸鉄リチウム、コバルト酸リチウム、他のリチウム金属酸化物等)、リチウムイオンポリマー、ニッケル金属水素化物、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、リチウムニッケルコバルトアルミニウム、リチウムニッケルマンガンコバルト、ニッケル亜鉛、銀亜鉛、または他の電池のタイプ/構成を含む。
【0039】
ここで、第1の電池パック32及び第2の電池パック36のそれぞれは、必要に応じて、非金属空気式電池パックまたは金属空気式電池パックを含む。金属空気セルによって提供された高エネルギー密度及び大きな容量対重量比を考慮すると、それらはビークル14での使用に非常に適している。しかしながら、それらの電力密度は制限されるため、リチウムイオン電池パック等のより従来型の電源と組み合わせたときに最も適切に使用される。本明細書で使用される場合、金属空気セルは、電極の一方の構成として酸素を利用し、他方の電極の構成に金属(例えば、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、鉄、リチウム、バナジウム等)を利用する任意のセルを指す。非金属空気セルを利用した電池パックは高電力密度を提供し、したがって、エネルギー及び電力の最適な組み合わせを達成する複合電源を提供する。非金属空気セルを使用する例示的な電池は、限定ではないが、リチウムイオン(例えば、リン酸鉄リチウム、コバルト酸リチウム、他のリチウム金属酸化物等)、リチウムイオンポリマー、ニッケル金属水素化物、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、ニッケル亜鉛、銀亜鉛等を含む。
【0040】
第1の電池パック32は、第1の電力出力フローガバナー34を含む。第1の電力出力フローガバナー34は、第1の電池パック32の出力流に対してインストールされるソフトウェア及び/またはハードウェアモジュールを示し、電流トグル28に通信可能に接続される。第1の電池パック32及び第2の電池パック36のうちの1つが駆動電力を電気モーター42に提供するための一次電池源として働くとき、第1の電力出力フローガバナー34は、第1の電力出力フローガバナー34の電力出力上限を維持する。第1の電力出力フローガバナー34は、電池電力を管理し、電力管理システム12及び/またはビークル14の動作性能を最大化するのに重要である最大で、ほぼ無制限のEV動作可能距離及び中断しない動作時間に効果的に達する。第1の電力出力フローガバナー34は、最長のタイムフレームにわたって、電池電力を使用することで最大電力を電気モーター42に送達するのに十分であることを保証し、したがって、完全な再充電時間を得るために、第2の電池パック36を充電することを可能にする。第1の電力出力フローガバナー34は、ビークル14が、ビークル14のユーザーにとっての通常速度及び動作要件を達成するために、加速能力及びトルクの多くのものを依然として維持することを保証するように動作する。加えて、第1の電力出力フローガバナー34は、電池電源が消耗しないように効率的な電力フローを維持する。
【0041】
同様に、第2の電池パック36は、第2の電力出力フローガバナー38を含む。第2の電力出力フローガバナー38は、第2の電池パック36の出力流に対してインストールされるソフトウェア及び/またはハードウェアモジュールを示し、電流トグル28に通信可能に接続される。第2の電池パック32及び第2の電池パック36のうちの1つが駆動電力を電気モーター42に提供するための一次電池源として働くとき、第2の電力出力フローガバナー38は、第2の電力出力フローガバナー38の電力出力上限を維持する。第2の電力出力フローガバナー38は、電池電力を管理し、電力管理システム12及び/またはビークル14の動作性能を最大化するのに重要である最大で、ほぼ無制限のEV動作可能距離及び中断しない動作時間に効果的に達する。第2の電力出力フローガバナー38は、最長のタイムフレームにわたって、電池電力を使用することで最大電力を電気モーター42に送達するのに十分であることを保証し、したがって、完全な再充電時間を得るために、第1の電池パック32を充電することを可能にする。第2の電力出力フローガバナー38は、ビークル14が、ビークル14のユーザーにとっての通常速度及び動作要件を達成するために、加速能力及びトルクの多くのものを依然として維持することを保証するように動作する。加えて、第2の電力出力フローガバナー38は、電池電源が消耗しないように効率的な電力フローを維持する。
【0042】
第1の電池パック32及び第2の電池パック36のそれぞれはパラレルポート40に接続され、パラレルポート40は、第1の電池パック32及び第2の電池パック36のうちの1つからの電力出力を電気モーター42に方向付け/送達する。本発明の主題によると、パラレルポート40はアダプタとして働き、電気モーター42に電力を供給するために、第1の電池パック32及び第2の電池パック36のうちの1つから電気モーター42への電流フローを制御及び規定する。言い換えれば、パラレルポート40は、第1の電池パック32及び第2の電池パック36の両方に接続され、電気モーター42を動作させるために、一次電池源として働く電池パックのいずれかからの電力出力を受ける。第1の電池パック32及び第2の電池パック36のうちの1つからの電力出力は、パラレルポート40に送達され、次に、パラレルポート40は、ドライブシャフト20のトグルスイッチを切り替え、適切な電池から電気モーター42にフローf(図1)を方向付ける。
【0043】
本発明の主題の一実施形態によれば、電気モーター42に電力を供給する電池パックは一次電池源と呼ばれ、他方の電池パックが電気モーター42に電力を供給する間に再充電されている電池は二次電池源と呼ばれる。言い換えれば、電流トグル28は、別個ではあるがスペックが同一の2つの電池パック、第1の電池パック32及び第2の電池パック36に係合する。電池パック、すなわち、一次電池源(例えば、第1の電池パック32)は電気モーター42に電力を提供し、二次電池源(例えば、第2の電池パック36)は、一次電池源の動作(出力電力)によって生じる運動エネルギーの還流によって常に再充電される。一次電池源は電気モーター42に電力を供給し、次に、電気モーター42は、運動キャプチャデバイス22によってキャプチャされる機械部品/可動部分の運動によって顕著な運動摩擦エネルギーを生じさせることによって、電気モーター42に電力を供給するために電池パックのうちの1つを動作させるためにループを生じさせる。当業者は、本明細書に開示されている電力管理システムが、別の場合にビークル14の可動部分の運動から失われる運動エネルギーを利用し、ビークル14が運動中に常時、電気モーター42に電力を供給する電池パックを再充電するために運動エネルギーを電流に変換することを理解する。
【0044】
第1の電池パック32がフル充電され、蓄積された電荷から電気モーター42に電力を供給すると仮定すると、次に、第1の電池パック32は、第1の電池パック32の電力が既定の閾値レベルまで消耗するまで充電されるとき、第1の電池パック32が主電池源となり、第2の電池パック36が二次電池源となる。上記のシナリオを考慮すると、電流トグル28は、第2の電池パック36での充電が100%に達するまで、または第1の電池パック32の電力が既定の閾値レベルに近い値もしくはそれよりも低い値に達するまで、第2の電池パック36を再充電するために、DC電流を第2の電池パック36に方向付ける。第1の電池パック32(一次電池源として働く)が電気モーター42に電力を供給している間に第2の電池パック36の充電が100%に達する場合、第2の電力パック38は電流トグル28とコミュニケートすることにより、電流トグル28に電流を第3の電池パック44に方向付けさせる。さらに、第1の電池パック32の充電が既定の閾値レベルに近い値またはそれよりも低い値に達する場合、第2の電力出力フローガバナー38は、電流トグル28とコミュニケートすることにより、電流トグル28は、電池出力流が第1の電池パック32から第2の電池パック36に変化したことをパラレルポート40に通知し、したがって、第2の電池パック36を一次電池源にし、第1の電池パック32を充電し、二次電池源として働くことを可能にする。
【0045】
通知後、パラレルポート40は、第2の電池パック36からの電力出力を電気モーター42に方向付け、ドライブシャフト20、ひいてはビークル44を動作させることを可能にする。同時に、電流トグル28は、(還流システムとして)、DC電流の流れを切り替え、第1の電池パック32を充電する。第1の電池パック32が100%充電されるとき、または第2の電池パック36の電力が、既定の閾値レベルに近い値もしくはそれよりも低い値に達するとき、上記のプロセスを繰り返す。ここで、各々の電池パックの電力出力フローガバナーは、一次電池源として働くとき、電池パックが電気モーター42に電力を供給しているとき、電力出力上限を維持する。動作性能を最大化するのに重要なこととして、各々の電力出力フローガバナーは、ビークル14の最大で、ほぼ無制限の動作可能距離及び中断しない動作時間に効果的に達するために電池電力を管理することが挙げられる。運転者がビークル14を運転する際、長期間にわたり最高電力で最大の「全速力」で走行すると仮定すると、電流トグル28及び電力出力フローガバナーは、(二次電池源がフルに再充電される前に)一次電池源の早期消耗を生じさせないように、最大効率の電力流出が適切であることを保証する。一次電池源の電力出力フローガバナーによって、最長タイムフレームの間、電気モーター42に最大電力を送達するのに十分な電池電力の使用量が保証され、したがって、二次電池源の充電によってフル充電時間を得ることを可能にする(そして、正味の余剰のDC電流が第3の電池パック44に送信される)。一次電池源として動作する各々の電池パックの電力出力フローガバナーによって、ビークル14が、加速能力及びトルクの多くのものを維持し、ユーザーにとっての通常速度及び動作要件を達成すると同時に、電池パックをループで再充電することが保証される。
【0046】
電気モーター42に電力を供給する一次電池源がフルに再充電されており、そして二次電池源がフルに再充電されている場合、ロールオーバーオプションまたはロールオーバー充電は電流トグル28で行われる。DC電流の最大効率で動作可能なキャプチャ及び収集として、電流トグル28は、流入するDC電流を第3の電池パック44に方向付ける。
【0047】
電気モーター42は、第1の電池パック32及び第2の電池パック36のうちの1つの電力出力から動作し、ドライブシャフト20を駆動させる。ドライブシャフト20はビークル14の可動部分の運動を生じさせる。その可動部分として、アクスル16、ドライブシャフト20、ブレーキ、センサー(図示せず)、アクスル摩擦再充電、車輪回転摩擦再充電、ブレーキパッド摩擦、外部のビークル/機構摩擦キャプチャ、風/水(船体摩擦、航跡等)、ビークル14上の太陽面等が挙げられる。可動部分の運動は、運動エネルギー放出、再キャプチャ、再処理、方向転換を生じさせる。上記に説明したように、運動キャプチャデバイス22は、アクスル16、ドライブシャフト20、制動、センサー(図示せず)、アクスル摩擦再充電、車輪回転摩擦再充電、ブレーキパッド摩擦、外部のビークル/機構摩擦キャプチャ、風/水(船体摩擦、航跡等)、ビークル14上の太陽面等から運動摩擦エネルギーをキャプチャするように構成されている。運動キャプチャデバイス22は、ビークル14の可動部分の運動によって生成された運動摩擦エネルギーをキャプチャし、この運動摩擦エネルギーを、フロー伝送ケーブル23(複数可)を介してCDCSC24に伝送する。この一定の電力、一定の運動摩擦エネルギーキャプチャ、一定のDC過給及び再充電ループによって、エネルギーが節約されることが保証される。
【0048】
電力管理システム12は、図1及び図5に示されるように、第3の電池パック44を含む。第1の電池パック32及び第2の電池パック36と同様に、第3の電池パック44は、単一部品または複数部品のハウジング内に収容された個々の電池の複数のまとまりを示し、個々の電池は、特定の用途に合わせて所望の電圧及び容量を達成するために電気的に相互接続される。第3の電池パック44は、ロールオーバー充電またはオーバーフロー充電を受けて貯蔵する別個の電力収集ハードウェア源または電池パックとして働き、ビークル14または電力管理システム12が使用中でないとき、貯蔵された電荷を第3の電池パック44に伝送することが可能である。第1の電池パック32が電気モーター42に電力を供給し、第2の電池パック36がフル充電されているとき、そしてその時点を超える全ての余剰時間(第2の電池パック36の再充電が不要な時間)にわたって、また第1の電池パック32の定義された消耗点(所定の再充電点)まで、電流トグル28は、(運動キャプチャデバイス22によってキャプチャされた運動摩擦エネルギーから変換された)DC電流を第3の電池パック44にロールオーバーする。同様に、第2の電池パック36が電気モーター42に電力を供給し、第1の電池パック32がフル充電されているとき、そして、その時点を超える全ての余剰時間(第1の電池パック32の再充電が不要な時間)にわたって、また第2の電池パック36の定義された消耗点(所定の再充電点)まで、電流トグル28は、(運動キャプチャデバイス22によってキャプチャされた運動摩擦エネルギーから変換された)DC電流を第3の電池パック44にロールオーバーする。電流トグル28は、流入するDC電流を第3の電池パック44に方向付け、運動キャプチャデバイス22によってキャプチャされた運動摩擦エネルギーを効率的に利用する。
【0049】
本発明の主題では、第3の電池パック44は、DC電流の超過しかつ未割当てのものを収集及び貯蔵する。言い換えれば、第3の電池パック44は(動作時間に応じて)部分的または全容量まで満たされる。その後、第3の電池パック44は、保存された電力を、伝送ポート46を介して外部電池パック48に伝送する。一例では、外部電池パック48は、その中に保存された電池電力から家電製品及び他の電力機器に電力を供給するためにユーザーによって使用されるスタンドアローン型のホーム/産業/グリッド電池給電システムを示す。転送ポート46は、「双方向」充電プラットフォームを可能にするユニバーサル接続適応可能性を含む。動作に関して、移送ポート46は、余剰電荷を受ける、または電荷を出力して、外部電池パック48に流出する移送を管理する。第1の電池パック32及び第2の電池パック36の両方が(システム変更または故障の可能性により)消耗した場合、第3の電池パック44を使用して、電気モーター42に電力を供給できる。ここでは、第3の電池パック44からの電池充電量は、(電流トグル28及び関与するセンサーを介して)パラレルポート40に流れるように方向付けされ、ひいては、(存在する場合、その内部に貯蔵された電荷から)電気モーター42に電力を供給するために方向付けされる。
【0050】
図6A及び図6Bは、各々、本発明の主題の一実施形態による、グラフェン球形電池(GSB)または単に電池100の斜視図及び上面図を示す。第1の電池パック32、第2の電池パック36、及び第3の電池パック44のそれぞれは、電池100の設計を組み込んでいる。一実施態様では、電池100は、独自の同心円層状の設計、例えば、球形のスタンドアローン構造を有する。電池100は、グラフェン材料を適所に保持する内部固定ポストに取り付けられた超薄グラフェンシート材料の同心円を伴う球形の電池シェルを有する。図6Bから確認できるように、電池100は、電池ケーシング104を囲む熱光起電力(TPV)センサーケーシング102を有する。電池ケーシング104は、複数のグラフェンシート106を含む。グラフェンシート106は、その形状を保持するために取付ポスト108の助けにより取り付けられる。外側において、TPVセンサーケーシング102は、電気モーター42に電力を供給する電池ポート110を含む。ここで、水または他の超伝導流体は、独立したまたは結合したグラフェンシート106の全ての周囲及びそれらの間を流れる。
【0051】
電池100は、反応流体及び触媒流体と相互作用する導電性かつ反応性がある表面積が大きくなるにつれて、結果として生じる電荷が最大化するという原理に基づいて動作する。ケーシングシェル内で、テープで貼り付けられたまたは組み合わされた電池の大きな束を有する既存のリチウムイオン電池パックと比較すると、本明細書に開示されている電池100は、充電電位及び出力電位の効率についてかなりの向上をもたらし、そして車載電池パッケージの総重量及びサイズの著しい低下をもたらす。図6A及び図6Bに示されるように、グラフェンシート106の内部構造レイアウトは、交互にまたは独立して、電池固定ポストの中心から外側電池ケーシング104に至るまで小さい形状から大きくなる、独立型グラフェンシート106の同心円または球体を含む。代替として、グラフェンシート106は、電池固定ポストにおける中心から外側電池ケーシングアンカーに至るまで、渦巻き形態で、延在し、途切れない、拡張している、及びグラフェンシート106自体を取り囲むものを含み、図7(別の実施形態)に示されるような電池ケーシングを満たす。電池ポート110は、球形の電池ケーシング104の完全性構造を維持し、グラフェンシート106に固定を提供する。電池ポート110は、パラレルポートまたは別個のポート(1つは流入用、別のものは流出用)を含む。電池100は、「二次電池」の位置(第2の電池パック36)への再充電の流入を最適化し、「一次電池」(第1の電池パック32)に対する電力能力の流出も最適化する。グラフェンシート106及び反応性流体の超伝導能力は、既存のリチウムイオン電池パックよりも優れている。
【0052】
図7は、本発明の主題の別の実施形態による、電池150の上面図を示す。本実施形態では、電池150は、連続的または拡張する「渦巻き構造」を含む。電池100と同様に、電池150は、電池ケーシング154を囲む熱光起電力(TPV)センサーケーシング152を有する。電池ケーシング154は、複数のグラフェンシート156を含む。グラフェンシート156は、その形状を保持するために、取付ポスト158の助けにより取り付けられる。外側において、TPVセンサーケーシング152は、電気モーター42に電力を供給する電池ポート110を有する。ここで、水または他の超伝導流体は、独立したまたは結合したグラフェンシート156の全ての周囲に及びそれらの間を流れる。
【0053】
図8は、本発明の主題の1つの例示的な実施形態による、電池駆動ビークル用の電力管理システムを動作させる方法200を示す。方法200が記載される順序は、限定として解釈すべきではなく、記載されている任意の数の方法ブロックは、方法200または代替の方法を実施するために、任意の順序で組み合わせることができる。加えて、個々のブロックは、本明細書に説明された主題の主旨及び範囲から逸脱することなく、方法200から削除され得る。さらに、方法200は、任意の適切なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせで実施できる。しかしながら、説明を容易にするため、下記に説明される実施形態では、上述の電力管理システム12を使用して、方法200を実施し得る。
【0054】
上記に述べたように、電力管理システム12は、ビークル14のアクスル及び/またはドライブシャフト20に接続される。ステップ202に示されるように、ビークル14が運動しているとき、電力管理システム12は動作する。ビークル14の運動は、運動部材に運動摩擦エネルギーを生成させる。ステップ204において示されるように、運動キャプチャデバイス22は、可動部分によって生成された運動エネルギーをキャプチャする。ステップ206において、運動キャプチャデバイス22は、キャプチャされた運動エネルギーを中央直流電流(DC)過充電コンポーネント24(CDCSC)に伝送する。ステップ208において、CDCSC24は運動摩擦エネルギーをDC電流に変換する。CDCSC24は電流トグル28に接続され、それによって、電流トグル28は、第1の電池パック32,第2の電池パック36、及び第3の電池パック44の1つにDC電流を方向付ける(ステップ210)。
【0055】
ステップ212において、電流トグル28は、第1の電池パック32及び第2の電池パック36がフル充電されているかどうかをチェックする。第2の電池パック36がフル充電され(または電気モーター42に電力を供給するのに十分な充電量を有し)、そして第1の電池パック32が(所定のレベル未満で)消耗される、または充電が必要になることを考慮すると、電流トグル28は、第1の電池パック32を充電するためにDC電流を方向付け、電気モーター42を動作させるために一次電池源として第2の電池パック36を使用する(ステップ214)。ステップ216において、電流トグル28は、第2の電力出力フローガバナー38を用いて、第2の電池パック36が既定の閾値レベルの充電量以下であるかをチェックする。ステップ218に示されるように、第2の電池パック36が十分な充電量を有する場合、電流トグル28は、第2の電力出力フローガバナー38と連動して、パラレルポート40に、電気モーター42を動作させるために、電力フローfを第2の電池パック36から電気モーター42に方向付けることを命令する。第2の電池パック36の充電量が既定の閾値レベルの充電量以下である場合(ステップ216)、方法200はステップ120に進む。ステップ120において、電流トグル28は、第2の電池パック36を充電するためにDC電流を方向付け、電気モーター42を動作させるために一次電池源として第1の電池パック36を使用する。ステップ222において、電流トグル28は、第1の電力出力フローガバナー34を用いて、第1の電池パック32が既定の閾値レベルの充電量以下であるかをチェックする。ステップ224に示されるように、第1の電池パック32が十分な充電量を有する場合、電流トグル28は、第1の電力出力フローガバナー32と連動して、パラレルポート40に、電気モーター42を動作させるために、電力フローfを第1の電池パック32から電気モーター42に方向付けることを命令する。第1の電池パック32の充電量が既定の閾値レベルの充電量以下である場合(ステップ222)、方法200はステップ214に戻る。
【0056】
ステップ218及び224において電気モーター42に電力を供給すると、電気モーター42はドライブシャフト20を駆動させ、次に、ドライブシャフト20は、ステップ204において、ビークル12の可動部分を動作させ、運動キャプチャデバイス22によってキャプチャされた運動摩擦エネルギーを生成する。これにより、第1の電池パック32及び第2の電池パック36のうちの1つの電力から、電気モーター42を動作させるために一定の電力供給ループを生じさせる。
【0057】
ステップ214において第1の電池パック32を充電する時点では、電流トグル28は、第1の電池パック32がフル充電されていると同時に、第2の電池パック36が電気モーター42への十分な充電量を有しているかどうかを判定する(ステップ226)。第1の電池パック32がフル充電されていると同時に、第2の電池パック36が電気モーター42への十分な充電量を有する場合、電流トグル28は、第3の電池パック44を充電するためにDC電流を方向付ける(ステップ230)。十分な充電量がない場合(ステップ226)、方法200はステップ216に進む。
【0058】
同様に、ステップ220において第2の電池パック36を充電する時点では、電流トグル28は、第2の電池パック36がフル充電されていると同時に、第2の電池パック32が電気モーター42への十分な充電量を有しているかどうかを判定する(ステップ228)。第2の電池パック36がフル充電されていると同時に、第1の電池パック32が電気モーター42への十分な充電量を有する場合、電流トグル28は、第3の電池パック44を充電するためにDC電流を方向付ける(ステップ230)。十分な充電量がない場合(ステップ228)、方法200はステップ222に進む。ステップ230において第3の電池パック44を充電した後、ステップ232に示されるように、電池電力は外部電池パック48に伝送される。
【0059】
上記に基づいて、当業者は、本明細書に開示されている電力管理システムは、外部の電源からの再充電を必要としないので、より少ないエネルギーを使用して、より効率的で一定の動作機能を提供することを理解する。これにより、外部のプラグイン再充電の必要性なしに、ビークルは、EV及び同様の機械動力付き機械及び産業システムへの、動作可能距離及び動作可能時間の両方において、一定の、再生可能な、かつ無停電電力供給をもたらすことが可能になる。本明細書に開示されている電力管理システムにより、電池パック及び/または電気モーターの寿命全体にわたる使用が可能になる。
【0060】
さらに、通常の動作条件下で、本明細書に開示されている電力管理システムにより、電池駆動電気ビークルは、中断なく、または再充電のための「プラグイン」のために時間がかかる停止を必要としないで、ほぼ無制限の動作可能距離(距離)を実現することが可能になる。本明細書に開示されている電力管理システムは、新しい電池駆動ビークルに組み込まれ、または従来のリチウムもしくは他の市場標準の電池源で動作する現在の電気モーター駆動ビークルで改良され、ダウンタイム/オフライン再充電の必要性がなくなり、動作可能距離及び寿命が飛躍的に長くなる。
【0061】
さらに、本明細書に開示されている電力管理システムは、ほとんどのタイプのビークル(陸上車、水上車、及び空上機)、同様に、軍事輸送及び軍事配備、資源抽出井戸掘削を含む産業機械作業、多くの産業プラント及び精製所の作業、井戸管理、自治体インフラ及び都市交通、建設ビークル及び解体ビークル、過酷な状況発電、ならびに大気圏外シナリオを含む、複数の運用例において適合可能かつ有効である。
【0062】
本明細書に開示されている電力管理システムは、可動部分が運動するとビークルに電力を供給するので、電力管理システムは、真空空間でも、日光、水、風が不足し、適切な断熱がある、全ての合理的な気象条件から独立して動作する。
【0063】
本明細書に開示されている電力管理システムは、エネルギー効率、電力管理プラットフォームの拡張、及び大部分のコンセプトに対する制御に対して長く求められている必要性を提供する。本明細書に開示されている電力管理システムは、電力管理及び車載再充電フロープラットフォーム、ならびにエネルギー効率の必要性を提供する。
【0064】
運動エネルギーキャプチャデバイスは、独自の運動エネルギーキャプチャ/収集ハードウェア設計を提供し、運動エネルギーキャプチャ/収集プロセスの効率化及び適合性を高める。提案された運動エネルギーキャプチャデバイスを用いる場合、全重量及び構造力学に関連するビークルシステムを考慮すると、エネルギー伝送及び変換機能の効率が向上する。加えて、運動キャプチャデバイスは、複数のセンサーキャプチャコンポーネント(太陽、TPV、風、圧縮)を統合/利用する能力を提供する。
【0065】
本明細書に開示されている電力管理システムについて、提供されるハードウェア及び総重量が少なくなり、ひいては、ビークルの抵抗及び無駄なシステムの冗長性が少なくなる。
【0066】
本発明の主題は、様々な可能な実施形態に関して特に詳細に説明してきたが、当業者は、本発明の主題が他の実施形態で実施され得ることを認識するであろう。まず、コンポーネントの特定の名前、用語の大文字使用、属性、データ構造、または任意の他のプログラミングもしくは構造的態様は必須ではなく、または重要ではなく、そして、主題またはその特徴を実装するメカニズムは、異なる名前、形式、またはプロトコルを有し得る。さらに、本システムは、説明されるようなハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実装され得、または全体的にハードウェアエレメントに実装され得る。また、本明細書に説明された様々なシステムコンポーネント間での機能の特定の分割は、単なる例示であり、必須ではない。単一のシステムコンポーネントによって行われた機能は、代わりに、複数のコンポーネントによって行われ得、そして複数のコンポーネントによって行われた機能は、代わりに単一のコンポーネントによって行われ得る。
【0067】
上記の説明のいくつかの部分は、情報について動作のアルゴリズム及び記号表現に関して本発明の主題の特徴を提示する。これらのアルゴリズムの記述及び表現は、データ処理分野の当業者が自身の業務内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用する手段である。これらの動作は、機能的または論理的に記述されているが、コンピュータープログラムによって実施されると理解されたい。
【0068】
さらに、本発明の主題の特定の態様は、アルゴリズムの形態で本明細書に説明されたプロセスのステップ及び命令を含む。本発明の主題のプロセスのステップ及び命令は、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで具体化でき、そして、ソフトウェアで具体化されたとき、リアルタイムネットワークオペレーティングシステムによって使用された異なるプラットフォームに常駐するようにダウンロードされ、異なるプラットフォームから動作され得ることに留意されたい。
【0069】
本明細書で提示されたアルゴリズム及び動作は、任意の特定のコンピューターまたは他の装置に本質的に関連していない。本明細書の教示に従ってプログラムとともに様々な汎用システムを使用し得、または、それは必要な動作を行うためにさらに特殊な装置を構築することが便利であることを証明し得る。これらの様々なシステムに必要な構造は、同等のバリエーションと一緒に、当業者に明らかであろう。また、本発明の主題は、任意の特定のプログラミング言語を参照して説明されていない。本明細書に説明された本発明の主題の教示を実施するために様々なプログラミング言語を使用し得、特定の言語への任意の言及は、本発明の主題の実施可能性及び最良の形態の開示のために提供されることが認識される。
【0070】
図に示されたコンポーネントは、例示だけを目的として提供されており、限定的な意味で解釈すべきではないと理解されたい。当業者は、本発明の主題の実施態様を実装するために使用され得る代替のコンポーネントを認識するであろうし、そのような実施態様は本発明の主題の範囲内であろう。
【0071】
好ましい実施形態を上記に説明し、添付の図面に示してきたが、本主題から逸脱することなく修正が行われ得ることは当業者に明らかであろう。そのような修正は、本主題の範囲に含まれる可能な変形例とみなされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
【国際調査報告】