(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】逆方向双流体誘導復熱器を備えた復熱バーナ
(51)【国際特許分類】
F23L 15/04 20060101AFI20240614BHJP
F23D 14/66 20060101ALI20240614BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20240614BHJP
F28F 21/04 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
F23L15/04
F23D14/66 B
F28D9/00
F28F21/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519965
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2021066827
(87)【国際公開番号】W WO2022263006
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/066647
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523389383
【氏名又は名称】シュンク インジニアケラミク ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】SCHUNK INGENIEURKERMIK GMBH
【住所又は居所原語表記】Hanns-Martin-Schleyer Strasse 5, 47877 Willich, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】523470289
【氏名又は名称】キュッパース ソルーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Kueppers Solutions GmbH
【住所又は居所原語表記】Robert-Schuman-Str. 6, 44263 Dortmund, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100218280
【氏名又は名称】安保 亜衣子
(74)【代理人】
【識別番号】100108914
【氏名又は名称】鈴木 壯兵衞
(72)【発明者】
【氏名】デトレフ ブランズ
(72)【発明者】
【氏名】ラース シュネッター
(72)【発明者】
【氏名】カミル ヴロッカ
(72)【発明者】
【氏名】イエンス テ カート
【テーマコード(参考)】
3K017
3K023
3L103
【Fターム(参考)】
3K017DC03
3K023QA18
3K023QB01
3K023QC01
3K023QC05
3K023TA00
3L103AA05
3L103BB05
3L103CC24
3L103CC27
(57)【要約】
双流体を誘導するために流路が互いに分離した双流体システム(2,3)を有する復熱器(1)を備える復熱バーナである。双流体システム(2,3)のそれぞれは両側で開口する少なくとも一つの流路(4,5)を含み、双流体はバーナ入口(10)とバーナ出口(11)の反対側の末端で吸気入力と排出出力(6,7;8,9)を介して出入し、流体の一方が予熱される燃焼空気で構成され、他方はバーナの排気ガスで構成される。復熱器(1)は一体で作られた伝熱筐体(12)に双流体システム(2,3)を収容し、そのジャケット状の外壁部(14)はバーナ入口(10)で、一体で取り付けられた入力(6)と出力(8)とを含む流体溜(13)を形成している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに逆方向に流れる双流体のそれぞれの流路が分離して誘導される双流体システム(2,3)を有する復熱器(1)を備える復熱バーナにおいて、
前記双流体システムのそれぞれは、両側で開口する少なくとも一つの流路(4,5)を含み、前記双流体はバーナ入口(10)とバーナ出口(11)の反対側の末端で吸気入力と排出出力(6,7;8,9)を介して出入し、前記双流体の一方は予熱される燃焼空気で構成され、他方は前記バーナの排気ガスで構成され、
前記復熱器(1)は一体で作られた伝熱筐体(12)に前記双流体システム(2,3)を収容し、前記バーナ入口(10)でそのジャケット状の外壁部(14)は、一体で取り付けられた前記吸気入力(6)と前記排出出力(8)を含む流体溜(13)を形成することを特徴とする復熱バーナ。
【請求項2】
前記流体溜(13)は、予熱される燃焼空気用の前記吸気入力(6)と前記バーナからの排気ガス用の前記排出出力(8)とのための首管(17,18)を一体に接続するための肩部を有する前記伝熱筐体(12)の鋸歯状部を形成するテーパー状の壁を有する外壁部(14)で構成されることを特徴とする請求項1に記載の復熱バーナ。
【請求項3】
前記流体溜(13)の内部空間は、前記吸気入力(6)と前記排出出力(8)とに前記双流体を流体的に分離して誘導するために少なくとも一つの導入壁(19)を囲んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の復熱バーナ。
【請求項4】
前記少なくとも一つの導入壁(19)は回転体の横面として構成されていることを特徴とする請求項3に記載の復熱バーナ。
【請求項5】
前記少なくとも一つの導入壁(19)は、前記吸気入力(6)又は前記排出出力(8)に前記少なくとも一方の流路(4,5)を移動するために前記流体溜(13)に空間分離システム(21)を挿入することを特徴とする請求項3又は4に記載の復熱バーナ。
【請求項6】
前記少なくとも一つの導入壁(19)は前記伝熱筐体(12)と一体で構成できることを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載の復熱バーナ。
【請求項7】
前記双流体システム(2,3)のそれぞれの前記少なくとも一方の流路(4,5)は、前記双流体を誘導するために複数の部分的な双流路に分割されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の復熱バーナ。
【請求項8】
少なく共一方の流路(4,5)の前記部分的な双流路は流路壁開口部(22)により流体的に接続できることを特徴とする請求項7に記載の復熱バーナ。
【請求項9】
前記少なくとも一方の流路(4,5)は、各々の場合で、少なくとも一つの流通流路として数多くの並べられた管部を有しており、前記管部は極小曲面要素から形成され、前記管部は連続して連なることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の復熱バーナ。
【請求項10】
前記極小曲面要素は、三重周期極小曲面によって構成されることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の復熱バーナ。
【請求項11】
前記三重周期極小曲面から生じる前記セル構造は、方形立体形状、円筒形、又は球形であることを特徴とする請求項10に記載の復熱バーナ。
【請求項12】
第3又は第4の流体システムを更に備え、前記第3又は第4の流体システムの少なくとも何れかは、各々が第3又は第4の流体の少なくとも何れかのために両側で開口する少なくとも一つの流路を有していて、前記伝熱筐体(12)に一体化されていることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の復熱バーナ。
【請求項13】
前記第3又は第4の流体システムの少なくとも何れかのための入口又は出口の少なくとも何れかの接続部品(24)は、前記流体溜(13)に一体で取り付けられていることを特徴とする請求項12に記載の復熱バーナ。
【請求項14】
前記伝熱筐体(12)には、燃焼空気が流入可能な本体内部構造部(25)が前記流体溜(13)内に延びるように配置され、予熱される前記燃焼空気が前記本体内部構造部(25)に対し横方向から直接流入できることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の復熱バーナ。
【請求項15】
鋭角または鈍角の流入角が前記吸気入力(6)の領域に形成できることを特徴とする請求項14に記載の復熱バーナ。
【請求項16】
前記吸気入力(6)と前記排出出力(8)は、一直線上に整列された状態で前記復熱器(1)上で互いに相対して配置されることを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の復熱バーナ。
【請求項17】
燃焼管は、前記バーナ入口(10)において、前記伝熱筐体(12)内を貫通して延長され前記燃焼室に向けて開口するように導入されていることを特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載の復熱バーナ。
【請求項18】
前記伝熱筐体(12)は、セラミック又は金属或いは両方の材料から作られていることを特徴とする請求項1~17のいずれか1項に記載の復熱バーナ。
【請求項19】
前記復熱器(1)は一体型のセラミック復熱器として設計されていることを特徴とする請求項1~18のいずれか1項に記載の復熱バーナ。
【請求項20】
前記セラミックは、シリコン含侵の反応結合炭化珪素(RBSiC)、シリコン含侵の反応結合炭化珪素/炭化ホウ素(RBSiC/B
4C)、シリコン含侵の炭化珪素(RBSiC)、窒化物結合炭化珪素(NSiC)、無加圧焼結炭化珪素(SSiC)、再結晶炭化珪素(RSiC)、酸化アルミニウム、ケイ酸塩結合炭化珪素、酸化ジルコニウムを含む非酸化物系又は酸化物系の少なくとも何れかのセラミック材料から作られていることを特徴とする請求項18又は19に記載の復熱バーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブル部分に記載された、互いに逆方向に流れる双流体を誘導する復熱器を備えた復熱バーナの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
復熱バーナの効率は、バーナ供給ガス流とバーナの排気ガス流の間で熱を交換することで高められる。供給ガス流とバーナの排気ガス流の間で熱を交換する復熱器は、このために用いられる。復熱器は、異なる材料、特に金属とセラミック材料から製造できる。特に、金属材料は低温領域と中温領域で用いられ、セラミック材料は高温領域で用いられる。材料を組み合わせて用いることで、復熱器の個々の部分が良好な伝熱を呈するように最適化できる。
【0003】
セラミック材料から構成した復熱バーナ用復熱器は、特許文献1から周知である。復熱器は、内菅と外管と伝熱中間管とを含んでいる。中間管は、内管と外管の間の環状空間を二つの同心状の本質的にリング状の流路に分割する。予熱される燃焼空気は内部流路を流れ、バーナからの排気ガスは外部流路を流れる。
【0004】
鉄製の復熱器に比べると、セラミック製復熱器は、耐熱性が高いという優れた利点を有する。しかし、セラミック製復熱器の耐熱性が高いという利点は、セラミック管が平滑管または伝熱面が制限された波形管として構成されて復熱器の効率が非常に低下するという犠牲のもとで実現する。復熱器の効率を改善するために、伝熱面の面積を広げることが知られている。そのために、中間管の壁は、長さ方向と円周上に分布する多くの点で、外側に湾曲して外向きの突起を形成すると共に、内側に湾曲して内向きの突起を形成している。
【0005】
突起により中間管の伝熱面が大きく広がるので、復熱器の効率が非常に高くなる。逆向きの突起は窪みを作るので、ガスは流路上で交互に圧縮され膨張される。そこで、中間管の長さ方向に沿って収縮部と拡大部が連続する直線状の流路が形成される。そこで、復熱器の長さ方向にわたって均一な流れ状態になり、境界層の形成が防止される。この結果、復熱器の効率を破断した鉄製の復熱器の効率に近づける流れ状態になる。復熱器の全体はシリコン含侵型炭化珪素(SiSiC)から作られている。
【0006】
セラミック製の復熱器を備える復熱バーナは、特許文献2から周知であり、熱交換面を広げるために復熱器の長手方向に延びるひだ(プリーツ)を有している。ひだは、徐々に曲がり、特に波状である。ひだは大きな熱交換面を確保することを意図している。最適な伝熱は、ひだの形状と数を設計することで実現する。復熱器は、好都合に炭化珪素セラミック製であり、好都合には泥漿鋳込み鋳造部品として製造される。
【0007】
特許文献3は、やはり管部からなる復熱バーナ用のセラミック製の復熱器を開示している。この復熱器の管は、末端に燃焼室があり、流出する燃焼ガスと流入する燃焼空気とを分離して、それらの間で熱を交換するために用いられる。復熱器上に形成された放射状の鋸歯状部が、復熱器の表面積を広げると共に燃焼ガスから燃焼空気への伝熱を高める。鋸歯状部は、復熱器の外部と内部の両側で流れ境界層を繰返し引き裂くので、滑らかな表面と比べると、伝熱が非常に増大する。復熱器に保持されたセラミック製の燃焼室は、炭化珪素を用いて製造できる。復熱器の管部が末端で燃焼室と一体に構成されると、結果として単純で堅固な設計になる。燃焼室の壁は滑らかである。燃焼室は、任意の更なる試みなしに泥漿鋳込み鋳造プロセスを用いて製造中に復熱器上に形成できる。炭化珪素セラミックは、適切な耐熱性と伝熱性を有するので、復熱器用のセラミック材料として特に適している。
【0008】
周知のセラミック製の復熱器は、そこで、熱交換面を増大するために、表面が複雑に作られた管部をベースにしている。これらの構造の表面は、特に復熱器がセラミック製のときに丸くなる傾向がある。更に、高精度でコスト効率の高い製造は不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】ドイツ特許公開第19616288号公報
【特許文献2】欧州特許第1486728号明細書
【特許文献3】ドイツ特許第19541922号二次公報明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って本発明の目的は、良好な伝熱を維持し、同時にコスト効率の高い製造が可能であって、逆方向双流体誘導復熱器を備えた復熱バーナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1に記載された一連の発明の特徴によって解決される。請求項1に記載の発明の特徴によれば、互いに逆方向に流れる双流体のための二つの流体システム(以下において「双流体システム」という。)を、一体品の伝熱筐体に収容する復熱器を備える復熱バーナが提供される。本発明によれば、伝熱筐体には、バーナ入口が連なる末端に流体溜が作られ、流体溜は予熱される燃焼空気の入口と排気ガスの出口とを一体化して接続している。流体溜を有する伝熱筐体の形状から、内部空間を囲む一種の容器壁としてバーナ入口で伝熱筐体の外壁が定まる。2つの流路(以下において「双流路」という。)は、2つの流体(以下において「双流体」という。)の流入または流出のために、この内部空間に構成できる。
【0012】
流体溜は唯一の外部境界領域をなす伝熱筐体の材料延長部で構成されるので、双流路が貫通する本体内部構造部は、流体溜を構成する壺の底部のように終端するか、又は熱交換器の延長部によって流体溜に内に突き出ることができる。このようにして、熱交換特性の向上は、流動流体の入口用首管と出口用首管を一体化して実現できる。入口と出口の接続点に起因する不連続性の問題が回避される。これは、耐摩耗性を高めると共に、復熱器の復熱バーナへの統合化を改善するための選択肢を広めることになる。
【0013】
好都合に、互いに逆方向に流れる双流体を誘導するために設けられた双流体システムを一体化するために、一体型の空間形状が伝熱筐体に対して選択できる。復熱器の長手方向に延長する双流路が形成できるので、例えば、蛇行する双流路の場を展開することになる。
【0014】
例えば、ジャイロイド、二重ジャイロイド、方形立体形状状に配置したセル構造、円筒状に配置したセル構造、又は球状に配置したセル構造を有するジャイロイドとして、三重周期極小曲面(TPMS)を有するセル構造を有する熱交換器の構造を構成するために、付加製造技術(アディティブ・マニュファクチャリング)が使用できる。双流体の流量は、セル構造を選択して最適化できる。双流体のそれぞれの流れの長さは、従来の技術の場合のように大きな収縮または膨張を伴うことなく、本発明によって増加できる。
【0015】
本発明による復熱器は、金属またはセラミック少なくとも何れかの材料から製造できる。冷たい/低温の燃焼空気または新鮮な空気は、流体技術の観点と熱交換効率の改善の両方により、流体溜を介して復熱器に更に効果的に流入できる。伝熱筐体の空間は、伝熱筐体の内部に流体場を作るために使用できる。
【0016】
伝熱筐体に設けられた双流路は、特に幾つかの流路が復熱器の長手方向に好都合に配置される場合に、バーナ入口の一端で切断/開放できるので、ほぼ同時の双流体の流入が前述の入口を介して可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、伝熱面の面積の拡大が伝熱特性を改善するだけでなく、双流路のそれぞれの流体的条件も改善することが分かったことは驚くべきことである。双流路のそれぞれの流体的条件が改善されることは特に重要なことである。一体的な接続の構成は、利用可能な追加の熱交換面を生じさせるので、特にバーナ入口の燃焼空気吸気口にとって機能を強化する接続になる。そこで、本発明によれば伝熱面の面積も拡大できる。
【0018】
特に好都合なことは、熱交換本体は三重周期極小曲面(TPMS)の特殊な設計であるジャイロイド構造を有する。ジャイロイド構造は、例えば、熱交換器の空間を双流体システム、即ち、復熱器の長手方向に互いに交差せずに走行する双流路に分割できる。第3又は第4の流体の少なくとも一方の流体のための追加の流路を、特にジャイロイド構造と組み合わせて伝熱筐体に一体化できる。双流路は部分的な双流路にも分割でき、部分的な双流路は主流部の流体溜において協同の作用を生むこともできる。
【0019】
吸気入力、排出出力、燃焼室を備えた復熱器の好都合なオールセラミックの設計、即ち、復熱バーナの全ての関連部品を一体化する利点は、接続インターフェイスを更に最小化できることである。本発明の課題解決の効果として、有益な材料特性(例えば、高い伝熱率)と、反応結合炭化珪素(RBSiC)製による3Dプリントが自在の材料変形特性による復熱器の効率の向上がある。
【0020】
低い維持費用は、従来技術において復熱器に使用が意図されていた鉄や銅の材料を除外したことで実現している。好ましくは、個々の領域を一体型に設計することにより一体型(オールセラミック)復熱器を達成することは、反応結合炭化珪素素材に適した3D技術を用いることにより実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態によるセラミック製の復熱器を備える、復熱バーナの部分切断斜視図を示す。
【
図2】
図1に示した復熱バーナの長手方向の部分を示す。
【
図4】
図1に基づいて、復熱バーナに追加する長手方向部材を示す。
【
図5】第2実施形態に係る復熱バーナにおいて、ジャケット管のない復熱器の部分断面斜視図を示す。
【
図6】
図5に示した復熱器の長手方向の部分を示す。
【
図7】第3実施形態に係る復熱バーナにおいて、ジャケット管のない復熱器の部分断面斜視図を示す。
【
図8】第4実施形態に係る復熱バーナにおける復熱器の断面を示す。
【
図9】第5実施形態に係る復熱バーナにおいて、ジェット管のない復熱器の部分断面斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の更なる実施形態とその効果は、以降の説明と従属請求項から知ることができる。本発明は、以降、添付した図面を参照して更に詳細に説明される。本発明は、次に詳細に説明するように、対応する機能領域と互いに無関係な三つの領域、即ち、バーナ入口接続領域、復熱器領域、バーナ出口を有する炎出口領域に分割できる復熱バーナに関する。
【0023】
図1~
図4は、例えば、金属材料またはセラミック材料の少なくとも何れから構成できる復熱器1を備えた第1実施形態に係る復熱バーナを示す。復熱器1は互いに別個の流体システム2と流体システム3を有し、各々が、互いに逆方向に流れる双流体を誘導するために、両側で開口する少なくとも一つの流路4及び流路5をそれぞれ有している。少なくとも二つの流体(双流体)はそれぞれ、バーナ入口10とバーナ出口11の反対側の末端で吸気入力6及び吸気入力7、そして排出出力8及び排出出力9とを介して、それぞれ出入することができる。
【0024】
逆方向の双流体の一方は予熱される燃焼空気からなり、双流体の他方はバーナからの排気ガスからなる。
図1~
図4の実施形態で、予熱される燃焼空気は流路5を流れ、排気ガスは、隣接する復熱器ジャケット20でシールされて、外側に開いた流路4を流れる。伝熱筐体12は復熱器1として設けられ、復熱器1は、一体で作られた伝熱筐体12に流体システム2及び流体システム3をそれぞれ収容し、そのジャケット形状の外壁部14が、一体で取り付けられた入力6と出力8とを備えるバーナ入口10に流体溜13を構成している。
【0025】
特に
図2に示すように、加熱される燃焼空気または新鮮な空気のための入力6は、予熱される燃焼空気が入力6に側面から直接流入できるように、伝熱筐体12と少なくとも部分的に軸方向に重なるように位置決めできる。流体溜13は、伝熱筐体12に対して壁がテーパー状の外壁部14から構成されるので、伝熱筐体12の球状延長部15が構成される。球状延長部15には、予熱される燃焼空気用の入力6とバーナからの排気ガス用の出力8のための首管17及び首管18を一体に接続する肩部16を設けることができる。
【0026】
互いに逆方向に流れる双流体を、入力6と出力8に流体的に分離して誘導するために、流体溜13は少なくとも一つの導入壁19を囲む内部空間を構成する。少なくとも一つの導入壁19は、
図5に基づいた実施形態に示すように、回転体の横面として構成できる。少なくとも一つの導入壁19では、
図7に示すように、入力6または出力8に少なくとも一つの流路を移動するために、流体溜13に空間分離システム21を挿入できる。好ましくは、少なくとも一つの導入壁19は、伝熱筐体12と一体に構成できる。
【0027】
図1~
図4に更に示すように、流体システム2及び流体システム3のそれぞれの流路4及び流路5は、逆方向の双流体を誘導するために、複数の部分的な双流路に分割される。少なく共一方の流路4及び流路5の部分的な流路は、流路壁開口部22を介して流体的に接続できる。少なくとも一つの流路4及び流路5は、各々、流路4及び流路5として数多くの並べられた管部を有し、管部は極小曲面要素から作られ、管部は連続して連なっている。
【0028】
極小曲面要素は、好ましくは三重周期極小曲面から構成されている。三重周期極小曲面から生じるセル構造は、方形立体形状、円筒形、又は球形にできる。
図1~
図4に示した第1実施形態は方形立体形状のセル構造である。
図8は、セル構造が円筒状である実施形態を示す。復熱バーナ1は、例えば、伝熱筐体12を通る燃焼管用に燃焼ガス接続部品23を更に含んでいるので、燃焼ガスをバーナ出口11に送ることができる。燃焼管の代わりに、燃焼ガス路を、燃焼ガス接続部品23から伝熱筐体12に一体化して成形することもできる。
【0029】
図9に示すように、第3又は第4の流体システムの少なくとも何れかにおいて、各々が第3又は第4の流体の少なくとも何れかのために両側で開口する少なくとも一つの流路を有しており、第3又は第4の流体システムは伝熱筐体に一体化できる。第3又は第4の流体システムの少なくとも何れかについては、入口または出口の少なくとも何れかの接続部品24は、流体溜に一体化して形成できる。
【0030】
図1~
図4は、伝熱筐体12は、空気が流れることができる本体内部構造部25を有することができ、本体内部構造部25が流体溜13の内部に延びるように位置決めできるので、結果として、予熱される燃焼空気が本体内部構造部25に側面から直接流入できることを示している。鋭角または鈍角の流れ角は、出力8だけでなく入力6の領域に形成できる。
【0031】
図1~
図4による実施形態が示すように、入力6と出力8は、例えば、復熱器1で互いに相対して配置できる。
図5と
図6に基づく第2実施形態は、互いに或る角度で配置された入力6と出力8とを接続する部品を示す。
【0032】
図7は、前述のように、入力6と出力8のための相対する接続部品と、流体溜13内に空間分離システム21とを備えた第3実施形態を示す。復熱器1のオールセラミック型は好ましくは一体型である。セラミックは、シリコン含浸型炭化珪素からなることが好ましい。非酸化物系又は酸化物系の少なくとも何れかのセラミック材料が特に好ましく、特に、シリコン含侵の反応結合炭化珪素(RBSiC)、シリコン含侵の反応結合炭化珪素/炭化ホウ素(RBSiC/B
4C)、シリコン含侵の炭化珪素(RBSiC)、窒化物結合炭化珪素(NSiC)、無加圧焼結炭化珪素(SSiC)、再結晶炭化珪素(RSiC)、酸化アルミニウム、ケイ酸塩結合炭化珪素、酸化ジルコニウムが好ましい。
【符号の説明】
【0033】
1…復熱器、2,3…双流体システム、4,5…流路、6…入力(吸気入力)、8…出力(排出出力)、10…バーナ入口、11…バーナ出口、12…伝熱筐体、13…流体溜、14…外壁部、15…球状延長部、16…肩部 、17…首管、19…導入壁
20…復熱器ジャケット、21…空間分離システム、22…流路壁開口部、23…燃焼ガス接続部品、24…接続部品、25…本体内部構造部
【国際調査報告】