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特表2024-522945膨張性を有する粒子発泡材料を発泡させるための発泡装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】膨張性を有する粒子発泡材料を発泡させるための発泡装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 44/34 20060101AFI20240614BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20240614BHJP
   C08J 9/16 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B29C44/34
B29C44/00 G
C08J9/16 CES
C08J9/16 CET
C08J9/16 CFF
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521224
(86)(22)【出願日】2022-06-20
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 AT2022060207
(87)【国際公開番号】W WO2022266683
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】A50499/2021
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523478643
【氏名又は名称】フィル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ハーラルト ゼーアシェン
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ ホーエンジンナー
【テーマコード(参考)】
4F074
4F214
【Fターム(参考)】
4F074AA24
4F074AA32
4F074AA78
4F074BA00
4F074CA31
4F074CC49Y
4F074DA32
4F214AA11
4F214AA13
4F214AA31
4F214AB02
4F214AC01
4F214AG20
4F214UA21
4F214UB01
4F214UF01
(57)【要約】
本発明は、発泡炉(6)によって膨張性を有する粒子発泡材料(2)を発泡させるための発泡装置(1)であって、発泡炉(6)は粒子発泡材料(2)を受容するための内部空間(5)を有し、発泡炉(6)の内部空間(5)に配置された照射器(11)が形成され、搬送面(13)を有する搬送装置(4)が形成され、搬送面(13)に受容された粒子発泡材料(2)を発泡炉(6)の内部空間(5)を通して搬送方向(14)に案内する働きをする発泡装置(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡炉(6)によって膨張性を有する粒子発泡材料(2)を発泡させるための発泡装置(1)であって、
前記発泡炉(6)は前記粒子発泡材料(2)を受容するための内部空間(5)を有し、
前記発泡炉(6)の内部空間(5)に配置される照射器(11)が形成され、
搬送面(13)を有する搬送装置(4)が形成され、前記搬送面(13)に受容された粒子発泡材料(2)を前記発泡炉(6)の前記内部空間(5)を通して搬送方向(14)に案内する働きをする、発泡装置(1)。
【請求項2】
前記発泡炉(6)の前記内部空間(5)は、上側が前記照射器(11)によって区切られ、下側が前記搬送装置(4)の前記搬送面(13)によって区切られ、両側が第1の反射要素(22)と第2の反射要素(23)とによって区切られることを特徴とする、請求項1に記載の発泡装置(1)。
【請求項3】
前記第1の反射要素(22)と前記第2の反射要素(23)は、それぞれ前記照射器(11)に対して鋭角に配置されており、前記照射器(11)の領域における前記第1の反射要素(22)と前記第2の反射要素(23)との間の第1の間隔(24)は、前記搬送装置(4)の領域における前記第1の反射要素(22)と前記第2の反射要素(23)との間の第2の間隔(25)より大きく、特に前記第1の反射要素(22)と前記第2の反射要素(23)はそれぞれ前記照射器(11)に対して70°~98°、特に90°~95°、好適には92.5°~94.5°の角度(26、27)に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の発泡装置(1)。
【請求項4】
前記搬送装置(4)の前記搬送面(13)に受容凹部(28)が形成され、前記受容凹部(28)は、前記粒子発泡材料(2)の粒子(15)を1個のみそれぞれ受容する働きをすることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の発泡装置(1)。
【請求項5】
前記受容凹部(28)を画定するメッシュ構造(32)が形成されていることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の発泡装置(1)。
【請求項6】
前記搬送装置(4)の前記搬送面(13)は、加熱時に前記受容凹部(28)の拡大部(34)が増大するように設計された熱的に活性化可能な材料を含むことを特徴とする、請求項4又は5に記載の発泡装置(1)。
【請求項7】
複数の供給路(35)が形成され、前記供給路(35)は搬送方向(14)に見て互いに並んで配置され、前記供給路(35)はそれぞれ前記受容凹部(28)の列(39)と整列されていることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の発泡装置(1)。
【請求項8】
前記供給路(35)はそれぞれ供給路直径(37)を有し、前記粒子発泡材料(2)の粒子(15)は粒径(16)を有し、前記供給路直径(37)は前記粒径(16)の100.1%~199%、特に105%~170%、好適には110%~130%であることを特徴とする、請求項7に記載の発泡装置(1)。
【請求項9】
前記供給路(35)は、それぞれ前記搬送装置(4)の搬送面(13)に対して所定の供給路間隔(38)で配置され、前記粒径(16)は供給路間隔(38)の100.1%~199%、特に105%~170%、110%~130%であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の発泡装置(1)。
【請求項10】
搬送方向(14)に見て、少なくとも第1の水準(40)と第2の水準(41)の受容凹部(28)が形成され、前記第1の水準(40)の個々の前記受容凹部(28)が複数の列(39)に配置され、前記第2の水準(41)の個々の前記受容凹部(28)が複数の列(39)に配置されていることを特徴とする、請求項7~9の何れか一項に記載の発泡装置(1)。
【請求項11】
投入領域(17)にスクレーパ(18)が形成され、該スクレーパ(18)は前記搬送装置(4)の搬送面(13)に対して所定のスクレーパ間隔(19)で配置され、前記粒径(16)は前記スクレーパ間隔(19)の50%~99.9%、特に70%~97%、好適には85%~92%であることを特徴とする、請求項1~10の何れか一項に記載の発泡装置(1)。
【請求項12】
前記粒子発泡材料(2)を冷却する働きをする冷却装置(20)が形成されていることを特徴とする、請求項1~11の何れか一項に記載の発泡装置(1)。
【請求項13】
前記粒子発泡材料(2)の個々の粒子(15)を互いに分離する働きをする分離装置(21)が形成されていることを特徴とする、請求項1~12の何れか一項に記載の発泡装置(1)。
【請求項14】
中間貯蔵タンク(42)と別の発泡炉(43)が形成され、前記搬送方向(14)に見て、前記中間貯蔵タンク(42)は前記発泡炉(6)の下流側に配置され、前記別の発泡炉(43)は前記中間貯蔵タンク(42)の下流側に配置されていることを特徴とする、請求項1~13の何れか一項に記載の発泡装置(1)。
【請求項15】
前記搬送装置(4)の前記搬送面(13)に作用する振動装置(44)が形成されていることを特徴とする、請求項1~14の何れか一項に記載の発泡装置(1)。
【請求項16】
個々の粒子(15)からなる顆粒の形の膨張性を有する粒子発泡材料(2)を発泡させる方法であって、以下の方法ステップ、即ち
前記粒子発泡材料(2)を搬送装置(4)の搬送面(13)に載せるステップと、
前記粒子発泡材料(2)を前記搬送装置(4)によって発泡炉(6)の内部空間(5)に導入するステップと、
前記発泡炉(6)の前記内部空間(5)に配置された照射器(11)で前記粒子発泡材料(2)を照射するステップと、
前記発泡炉(6)の前記内部空間(5)から前記粒子発泡材料(2)を取り出すステップと、を含む方法。
【請求項17】
前記粒子発泡材料(2)を前記発泡炉(6)の前記内部空間(5)から取り出した後、前記粒子発泡材料(2)は中間貯蔵タンク(42)に一時的に貯蔵され、次いで別の発泡炉(43)に案内されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膨張性を有する粒子発泡材料を発泡させるための発泡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特にポリスチレン(PS)、赤血球生成促進性プロトポルフィリン症(EPP:発泡ポリプロピレン)又は発泡熱可塑性ポリウレタン(eTPU)からなるポリマー発泡体は、出発製品であるポリスチレン顆粒若しくはポリスチレンビーズから、多段階プロセスで最終発泡部品、特に車両、構造補強、遮音又は軽量化のために、例えば断熱パネル、断熱成形品又は輸送用梱包材に加工される。予備発泡プロセスで発泡剤を含んだ顆粒を予備発泡させて体積を増加させつつ発泡ビーズ若しくは発泡体中間製品を製造するが、この発泡体中間製品が最終製品の機械的及び熱的特性を実質的に決定する。ポリマー発泡体、特にポリスチレン粒子発泡体は、新旧の建物の断熱材として現在最も重要な材料である。今後も法的要件の枠内で、ますます建築物の断熱性能の向上が求められ、これは断熱層の厚みを増すか、断熱材の熱伝導率を下げることによって達成できる。実用にとって同じく重要なのは機械的強度であり、強度の増加は出発材料の料使用量の増加を伴うことが知られている。しかしながら、出発材料の量が増えると断熱性が低下するので、ここでは妥協点を見出す必要がある。更に熱伝導率は、セル/壁厚の比を大きくすることで下がることが文献から知られている。これにより、機械的特性からいわば切り離して熱伝導率を変化させることが可能になる。
【0003】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4は、粒子発泡材料を製造するための様々な方法及び装置を開示している。これらの方法及び装置は、不十分な発泡結果しか得られず、したがって材料の密度が過大になり得るという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0348372(B1)号明細書
【特許文献2】米国特許第3015479(A)号明細書
【特許文献3】オーストリア特許出願公開第518099(A1)号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102013225132(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、従来技術の欠点を克服し、改善された発泡結果を達成することができる装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、特許請求の範囲に記載された装置及び方法によって解決される。
【0007】
本発明によれば、膨張可能な粒子発泡材料を発泡させるための発泡装置が形成される。この発泡装置は、膨張可能な粒子発泡材料を受容するための内部空間を有する発泡炉を含み、発泡炉の内部空間に配置された照射器が形成され、搬送面を有する搬送装置が形成され、搬送面に受容された粒子発泡材料を発泡炉の内部空間を通して搬送方向に案内する働きをする。
【0008】
本発明による装置は、粒子発泡材料の改善された発泡結果を達成できるという利点をもたらす。
【0009】
更に、発泡炉の内部空間は、上側が照射器によって区切られ、下側が搬送装置の搬送面によって区切られ、両側が第1の反射要素と第2の反射要素によって区切られることが好都合であり得る。このことは、照射器の照射が反射要素によって反射されることができ、粒子発泡材料への均一な照射を達成できるという利点を有する。更に、反射要素によって、粒子発泡材料の個々の粒子への均一な照射を達成するために、粒子発泡材料の個々の粒子が上方からだけでなく、側方からも照射されるようにするとことができる。
【0010】
変形例では、反射要素が鏡面金属板の形態で形成されているようにすることができる。このように形成された反射要素は、製造が容易である上に堅牢であるという利点をもたらす。
【0011】
更に、第1の反射要素と第2の反射要素は、それぞれ照射器に対して鋭角に配置されており、照射器の領域における第1の反射要素と第2の反射要素との間の第1の間隔は、搬送装置の領域における第1の反射要素と第2の反射要素との間の第2の間隔より大きく、特に第1の反射要素と第2の反射要素はそれぞれ照射器に対して70°~98°、特に90°~95°、好適には92.5°~94.5°の角度に配置されているようにすることができる。このことは、反射要素をこのように配置することにより、粒子発泡材料への驚くほど均一で驚くほど良好な熱入力を達成できるという利点をもたらす。
【0012】
更に、搬送装置の搬送面に受容凹部が形成され、受容凹部はそれぞれ粒子発泡材料の粒子を1個のみ受容する働きをするようにすることができる。このことは、粒子発泡材料の各粒子が、発泡していない状態で隣接粒子に接触しないようにすることができるという利点をもたらす。こうすることにより、発泡プロセス中に粒子発泡材料の個々の粒子の不均一な発泡若しくは個々の粒子の変形を防止できる。
【0013】
更に、受容凹部の半径は1.5mm~4mm、特に1.8mm~3mm、好適には2mm~2.5mmであるようにすることができる。
【0014】
更に、受容凹部の深さは0.1mm~3mm、特に0.3mm~2mm、好適には0.6mm~1.5mmであるようにすることができる。
【0015】
更に、受容凹部の表面直径は0.2mm~4mm、特に0.3mm~2mm、好適には0.5mm~1.2mmであるようにすることができる。
【0016】
特に、上記数値に従って形成された受容凹部は、粒子発泡材料の粒子がそれぞれ1個のみ受容凹部に受容されることにより粒子発泡材料の粒子を相応に分離して搬送面に渡せるという驚くべき利点をもたらす。
【0017】
代替実施形態では、受容凹部を画定するメッシュ構造が形成されているようにすることができる。このことは、メッシュ構造が発泡粒子材料の粒子を1個のみ受容する働きをすることができるという利点をもたらす。
【0018】
特に、メッシュ構造の下方に搬送床が形成されており、メッシュ構造は搬送床に対して相対的に変位するようにすることができる。これにより、粒子発泡材料の個々の粒子がメッシュ構造を通って案内され、搬送床に載っているか、若しくは搬送床上で転動することを達成できる。粒子発泡材料の個々の粒子が搬送床上で転動することにより、粒子発泡材料の粒子の全面的に均一な加熱、ひいては均一な発泡を達成することができる。
【0019】
変形例によれば、搬送装置の搬送面は、加熱時に受容凹部の拡大部が増大するように設計された熱的に活性化可能な材料を含むことが可能である。このことは、この方策により搬送装置の搬送面の形状寸法、特に凹部構造若しくはメッシュ構造が、加熱時に粒子発泡材料の個々の粒子と同時に加熱できるという利点をもたらす。これにより、搬送面を粒子発泡材料の個々の粒子の大きさの変化に適応させることができる。
【0020】
更に、複数の供給路が形成されており、供給路は搬送方向に見て互いに並んで配置されており、供給路はそれぞれ受容凹部の列と整列されていると好都合であり得る。このことは、粒子発泡材料の粒子を供給路によって受容凹部に的確に案内でき、若しくはその中に配置できるという利点をもたらす。
【0021】
更に、供給路の上方に、粒子発泡材料の個々の粒子を流し込めるバルクコンテナが形成されていることも考えられる。供給路はバルクコンテナに直接接続することができる。
【0022】
変形例では、個々の供給路は、供給路を振動させることができる振動装置と連結されているようにすることができる。このことは、この方策によりバルクコンテナに投入された粒子を容易に分離して供給路に搬入できるという利点をもたらす。
【0023】
更に、供給路はそれぞれ供給路直径を有し、粒子発泡材料の粒子は粒径を有し、供給路直径は粒径の100.1%~199%、特に105%~170%、好適には110%~130%であるようにすることができる。この方策により、粒子発泡材料の個々の粒子を供給路内で容易に分離できるようにすることができる。
【0024】
更に、供給路は、それぞれ搬送装置の搬送面に対して供給路間隔で配置され、粒径は供給路間隔の100.1%~199%、特に105%~170%、好適には110%~130%であるようにすることができる。この方策により、粒子発泡材料の粒子は、受容凹部に受容された場合のみ供給路から出られることを達成できる。これにより、粒子発泡材料の個々の粒子の改善された分離若しくは搬送面への均一な載置を達成することができる。
【0025】
代替実施形態では、粒径は、供給路間隔の51%~99.9%、特に70%~98%、好適には80%~90%であるようにすることができる。このような構成において、搬送面が少なくとも一部の領域で凹部を有しない平坦面として設計される場合にも、粒子発泡材料の粒子の分離を達成することができる。
【0026】
第1の実施形態では、搬送装置の搬送面が循環するベルトに形成されているようにすることができる。特に、そのようなベルトは金属ベルト、特にステンレス鋼ベルトの形態で形成されているようにすることができる。
【0027】
代替実施形態では、搬送装置の搬送面が面状の搬送装置、特に支持板に形成されているようにすることができる。更に、支持板には受容凹部が複数の穴の形態で形成されているようにすることができる。
【0028】
特別の構成形態によれば、搬送方向に見て、少なくとも第1の水準と第2の水準の受容凹部が形成されており、第1の水準の個々の受容凹部が複数の列に配置され、第2の水準の個々の受容凹部が複数の列に配置されていることが可能である。このことは、搬送面上における粒子発泡材料の個々の粒子のより高い堆積密度を達成することができるという利点を有する。
【0029】
有利な別の実施形態によれば、投入領域にスクレーパが形成され、スクレーパは搬送装置の搬送面に対してスクレーパ間隔で配置され、粒径はスクレーパ間隔の50%~99.9%、特に70%~97%、好適には85%~92%であるようにすることができる。このことは、スクレーパによって搬送装置の搬送面で粒子発泡材料の粒子の分離を達成できるという利点をもたらす。
【0030】
特に、粒子発泡材料を冷却する働きをする冷却装置が形成されていると有利であり得る。これにより、粒子発泡材料の発泡品質の驚くべき改善を達成することができる。特に、冷却装置が搬送装置の領域に形成されているようにすることができる。更に、冷却装置がコンベアベルトの下側、特にコンベアベルトの搬送面とは反対側の面に配置されているようにすることができる。
【0031】
更に、粒子発泡材料の個々の粒子を互いに分離する働きをする分離装置が形成されているようにすることができる。このことは、粒子発泡材料の互いに付着する粒子を分離装置によって容易に互いに分離できるという利点をもたらす。特に、分離装置は粒子の凝集物を砕くスパイクローラの形態で形成されているようにすることができる。
【0032】
第1の実施例では、分離装置が粒子発泡材料の発泡した個々の粒子を分離するために用いられ、分離装置は照射器の下流側に配置されていることが考えられる。代替的又は追加的に、分離装置は発泡材料の発泡すべき粒子を分離するために用いられ、分離装置は照射器の上流側に配置されていることも考えられる。分離装置は、空気衝撃を与えるための装置を含むことができる。それにより、粒子の分離は空気衝撃によって支援されるか、又は空気衝撃だけで行うことができる。
【0033】
更に、中間貯蔵タンクと別の発泡炉が形成され、搬送方向に見て、中間貯蔵タンクは発泡炉の下流側に配置され、別の発泡炉は中間貯蔵タンクの下流側に配置されているようにすることができる。このことは、改善された発泡結果を達成するために、予備発泡した粒子発泡材料を中間貯蔵タンク内で冷却でき、若しくは中間貯蔵タンク内で寝かせておくことができるという利点をもたらす。
【0034】
搬送装置の搬送面に作用する振動装置が形成されている構成形態も有利である。この方策により、粒子の均一な照射、ひいては粒子の均一な加熱を達成するために、粒子発泡材料の個々の粒子が搬送中に回転できるようにすることができる。特に、振動装置は超音波振動を発するように設計されているようにすることができる。
【0035】
更に、照射器は赤外線照射器の形態で形成されているようにすることができる。別の実施形態では、照射器が熱エネルギーを放出する他の装置の形態で形成されているようにすることができる。
【0036】
本発明によれば、個々の粒子からなる顆粒の形の膨張性を有する粒子発泡材料を発泡させる方法が想定されており、本方法は以下の方法ステップ、即ち
粒子発泡材料を搬送装置の搬送面に載せるステップと、
粒子発泡材料を搬送装置によって発泡炉の内部空間に導入するステップと、
発泡炉の内部空間に配置された照射器で粒子発泡材料を照射するステップと、
発泡炉の内部空間から粒子発泡材料を取り出すステップと、を含む。
【0037】
本発明による方法は、これにより粒子発泡材料の改善された発泡結果を達成できるという利点をもたらす。
【0038】
変形例によれば、粒子発泡材料を発泡炉の内部から取り出した後、粒子発泡材料は中間貯蔵タンクに一時的に貯蔵され、次いで別の発泡炉に案内されることが可能である。このことは、改善された発泡結果を達成するために、予備発泡した粒子発泡材料を中間貯蔵タンク内で冷却でき、若しくは中間貯蔵タンク内で寝かせておくことができるという利点をもたらす。
【0039】
更に、搬送装置をトレイ又は連結された区画として有利に設計することも可能である。これらは、横方向又は搬送方向に対して横断方向に移動し、例えば積み重ねることもできる。これにより、搬送装置の長さを短くしたり、緩衝スペースを設けたり、冷却ステーションに送ったりすることができる。
【0040】
更に、搬送面を形成する搬送装置のトレイ又はエレメントが、冷却回路で作動する冷却媒体で冷却されるようにすることもできる。
【0041】
特に、この場合に粒子発泡材料の粒子が接触冷却によって冷却されると有利である。変形例では冷却に冷却媒体の噴霧を使用することも考えられる。
【0042】
この場合、トレイの搬送サイクルを可能にするために、発泡炉の内部空間を通過した後で、トレイを発泡炉の内部空間の外に送り戻すことができる。
【0043】
有利な実施形態では、トレイ又は区画は、その中に受容凹部と構造を成形できるように、成形可能及び/又はプレス可能な材料から形成されているようにすることができる。
【0044】
トレイが、受容凹部が形成されているメッシュ構造と連結していると有利であり得る。
【0045】
特に、メッシュ構造はメッシュ幅を変更できるように設計されていることが考えられる。
【0046】
本発明をよりよく理解するために、以下の図を用いてより詳細に説明する。
【0047】
図はそれぞれ非常に簡略化された概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1は発泡炉を備えた発泡装置の第1の実施例の縦断面図である。
図2図2は発泡装置の第1の実施例の断面図である。
図3図3は受容凹部を有する搬送面の詳細な縦断面図である。
図4図4はメッシュ構造を有する搬送装置の別の実施形態の詳細図である。
図5図5は供給路の詳細図である。
図6図6は受容凹部と複数の供給路を有する搬送面の平面図である。
図7図7は発泡炉と中間貯蔵タンクと別の発泡炉とを有する発泡装置の別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
最初に確認しておくと、記載された異なる実施形態において同じ部材には同じ参照符号若しくは同じ部材名称を付す。この場合、説明全体に含まれている開示内容は同じ参照符号若しくは同じ部材名称を有する同じ部材に転用することができる。説明の中で選択された位置を表す言葉、例えば上、下、横なども直接説明されている表示された図を基準としており、これらの位置を表す言葉は位置が変化した場合には新しい位置に準用される。
【0050】
図1は粒子発泡材料2を発泡させるための発泡装置の第1の実施例を示している。
【0051】
発泡装置1は粒子発泡材料2を搬送装置4上に投入できる顆粒供給装置3を含むことができる。
【0052】
搬送装置4は、粒子発泡材料2を発泡させることができる発泡炉6の内部空間5を通って延びることができる。発泡とは粒子発泡材料2の体積を増加させることと理解されたい。
【0053】
発泡炉6の内部空間5は発泡炉6の内部空間5の断熱を提供する複数の壁7で仕切ることができる。
【0054】
特に、互いに対向して配置された2つの壁7には、搬送装置4が通る入口開口部8若しくは出口開口部9が形成されているようにすることができる。入口開口部8若しくは出口開口部9は、搬送装置4に、又は搬送装置4に受容された粒子発泡材料2にできるだけ近接して形成されるように、可能な限り小さい寸法に設計することが好ましい。そうすることにより、発泡炉6の内部空間5と発泡炉6の周囲との間の空気交換はほとんど防止できる。その結果、発泡炉6の内部空間5と発泡炉6の外部空間との間の対流もほとんど回避することができる。このことは特に良好な発泡結果につながる。
【0055】
更に、取り出し装置10を形成することができ、この中に発泡した粒子発泡材料2を搬送装置4によって搬入できる。
【0056】
図1に示す実施例による発泡装置1は連続的に作動する発泡装置1である。搬送装置4はベルトコンベアの形態で形成することができる。ここでは、粒子発泡材料2を受容するための搬送面13をコンベアベルトに形成することができる。搬送装置4を用いて粒子発泡材料2を、発泡炉6を通って搬送方向14に搬送することができる。
【0057】
代替的に、搬送装置4は、例えばスクリューコンベア又はスクレーパコンベアの形態で形成されるようにすることもできる。搬送装置4の別の実施例は、図4を参照して説明する。
【0058】
図1に示すように、発泡炉6の内部空間5に、粒子発泡材料2の発泡プロセスを刺激する働きをする照射器11が配置されているようにすることができる。図1には、照射器11は、概略的にしか示されていない。照射器11は、搬送装置4の搬送面13に対して間隔12だけ離れている。
【0059】
第1の実施例では、照射器が発泡炉6の内部空間5内に移動可能に収容されて、間隔12を変えられるようにすることもできる。
【0060】
別の実施例では、照射器11は発泡炉6の内部空間5に固定して収容されているようにすることもできる。
【0061】
照射器11は、赤外線照射器として設計することができ、これは通常、必要な安定性を提供する金属製ハウジングを含む。金属フレームには断熱材が組み込まれて、エネルギーが照射器の背面に流れるのを阻止する。抵抗材料として波形金属箔を使用することで、広い照射面が確保されている。前面には通常、機械的損傷や接触から保護するための保護グリルが設けられている。このように構成された赤外線照射器11は、面状照射を特徴とする。このような照射器11は、例えば850℃の温度で動作させることができるが、これは約3.5μmの波長に相当する。
【0062】
図1から更に分かるように、粒子発泡材料2は個々の粒子15を含んでいる。粒子15は粒径16を有する。図1から明らかなように、粒径16は粒子発泡材料2を加熱又は照射することによって拡大する。
【0063】
更に、投入領域17にはスクレーパ18が形成されているようにすることができる。スクレーパ18は、搬送装置4の搬送面13に対してスクレーパ間隔19で配置できる。特に、スクレーパ18は、粒子発泡材料2の個々の粒子15の搬送面13上の分布を調整するために用いられる。
【0064】
図1から更に分かるように、粒子発泡材料2を冷却するために用いる冷却装置20が形成されているようにすることができる。冷却装置20は搬送方向14に見て照射器11の下流側に配置できる。特に、粒子発泡材料2を下から冷却できるようにするために、冷却装置20が搬送面13の下方に設けられるようにすることができる。代替実施形態では、冷却装置20が粒子発泡材料2を上から直接冷却するために形成されているようにすることもできる。
【0065】
図1から更に分かるように、投入領域17に及び/又は照射器11の下流側に個々の粒子15を互いに分離する働きをする分離装置21が形成されているようにすることができる。本実施例では、分離装置21は機械的分離装置として設計されている。
【0066】
図2には、発泡装置1が、図1の断面線II-IIに沿った断面図で示されており、ここでも前出の図1と同じ部分には同じ参照符号若しくは部材名称が使用される。不必要な重複を避けるため、前出の図1における詳細な説明が指示若しくは参照される。
【0067】
図2から分かるように、搬送装置4の両側には第1の反射要素22と第2反射要素23が配置されている。反射要素22、23は、搬送面への照射の均一な効果を達成できるようにするために、照射器11から発せられた照射を反射する働きをする。
【0068】
図2から分かるように、反射要素22、23は互いにV字形に配置されて、照射器11の領域における第1の反射要素22と第2の反射要素23との間の第1の間隔24は、搬送装置4の領域における第1の反射要素22と第2の反射要素23との間の第2の間隔25より大きくなるようにすることができる。
【0069】
図2から分かるように、第1の反射要素22は照射器11に対して第1の角度26で配置されるようにすることができる。この場合、第1の角度26は第2の反射要素23に向けられた側で測定される。更に、第2の反射要素23は照射器11に対して第2の角度27で配置されているようにすることができる。この場合、第2の角度26は第1の反射要素22に向けられた側で測定される。
【0070】
図3には、受容凹部28を有する搬送面13の詳細図が縦断面図で示されており、ここでも前出の図1及び図2と同じ部分には同じ参照符号若しくは部材名称が使用される。不必要な重複を避けるため、前出の図1及び図2における詳細な説明が指示若しくは参照される。
【0071】
図3は、搬送面13の詳細図を示しており、搬送面13は、搬送流の中で発泡していない粒子15が示され、その右側に既に発泡した粒子15が示されているように表現されている。図3から分かるように、搬送面13には粒子発泡材料2の個々の粒子15を受容する働きをする受容凹部28が形成されているようにすることができる。
【0072】
受容凹部28は球冠形若しくは球欠の形で形成され、半径29を有することができる。更に、受容凹部28は深さ30を持つことができる。表面直径31は搬送面13の最も外側の点に面した直径である。
【0073】
図3による表現では、搬送装置4若しくは搬送面13は、正確に受容凹部28の中心を通る切断面で示されている。
【0074】
図3から更に分かるように、スクレーパ18が設けられ、スクレーパ間隔19は、粒子15が受容凹部28内にあるときはスクレーパ18の下を通過するように寸法設定されていて、粒子15が受容凹部28の外にあるときはスクレーパ18によって押しとどめられて、別の空いている受容凹部28が粒子15の領域に移動して来るまで搬送方向14に搬送できないようにすることができる。
【0075】
図3から更に分かるように、搬送装置4の搬送面13に作用する振動装置44が形成されているようにすることができる。
【0076】
図4には、搬送装置4の別の実施形態の詳細図が示されており、ここでも前出の図1図3と同じ部分には同じ参照符号若しくは部材名称が使用される。不必要な重複を避けるため、前出の図1図3における詳細な説明が指示若しくは参照される。
【0077】
図4から分かるように、搬送装置4はメッシュ構造32を含んでおり、それによって個々の粒子15は間隔を保たれて、搬送方向14に移動できるようにすることができる。この場合、個々の粒子15は固定された搬送床33に載っていて、搬送床33上を転動する。特に、メッシュ構造32によって拡大部34を有する受容凹部28が形成されているようにすることができる。
【0078】
図5には、発泡装置1の別の実施形態の詳細図が示されており、ここでも前出の図1図4と同じ部分には同じ参照符号若しくは部材名称が使用される。不必要な重複を避けるため、前出の図1図4における詳細な説明が指示若しくは参照される。
【0079】
図5から分かるように、個々の粒子15を搬送面13に供給する働きをする供給路35が形成されているようにすることができる。供給路35は、個々の粒子15を投入できるバルクコンテナ36と連結されていることができる。更に、供給路35は円筒形に形成されて、供給路直径37を有するようにすることができる。供給路35は搬送面13に対して供給路間隔38で配置できる。供給路間隔38は、粒子15が受容凹部28内にあるときは供給路35の下を通過するように寸法設定されていて、粒子15が受容凹部28の外にあるときは供給路35によって押しとどめられて、別の空いている受容凹部28が粒子15の領域に移動して来るまで搬送方向14に搬送できないようにすることができる。
【0080】
図6には、発泡装置1の別の実施形態の詳細図が示されており、ここでも前出の図1図5と同じ部分には同じ参照符号若しくは部材名称が使用される。不必要な重複を避けるため、前出の図1図5における詳細な説明が指示若しくは参照される。
【0081】
図6は、搬送装置4の搬送面13の平面図である。図6から分かるように、個々の受容凹部28は複数の列39に配置されているようにすることができる。更に、搬送方向に見て、少なくとも第1の水準40と第2の水準41の受容凹部28が形成されているようにすることができる。第1の水準40と第2の水準41の受容凹部28を形成することにより、搬送面13の受容量を増やすことができる。
【0082】
図6から更に分かるように、複数の供給路35が搬送方向14に対して横断方向に搬送装置4の全幅にわたり分布して配置され、個々の供給路35は受容凹部28の列39と整列されているようにすることもできる。ここで、個々の供給路35は、同様に複数の水準に分けて配置することもできる。更に、個々の供給路35は共通のバルクコンテナ36と連結されているようにすることができる。更に、粒子15を分離するために、供給路35及び/又はバルクコンテナ36に振動が加えられるようにすることができる。
【0083】
図7には、発泡装置1の別の実施形態の詳細図が示されており、ここでも前出の図1図6と同じ部分には同じ参照符号若しくは部材名称が使用される。不必要な重複を避けるため、前出の図1図6における詳細な説明が指示若しくは参照される。
【0084】
図7から分かるように、搬送方向14に見て、照射器11の下流側に粒子を一時的に貯蔵及び/又は冷却するために用いる中間貯蔵タンク42が配置されているようにすることができる。
【0085】
実施例は可能な実施形態を示すものであり、この箇所で注記しておくと、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、個々の実施形態を互いに様々に組み合わせることも可能であり、本発明による技術的行為に関する教示に基づくこの変更の可能性は当該技術分野に従事する当業者の能力の範囲内にある。
【0086】
保護の範囲は特許請求の範囲によって決定される。しかしながら、特許請求の範囲を解釈するために、明細書と図面が援用される。図示及び説明された種々の実施例の個々の特徴や特徴の組み合せは、それ自体で独立した発明的解決策を構成することができる。これらの独立した発明的解決策の根底にある課題は、本明細書から読み取ることができる。
【0087】
本発明の説明において値の範囲に関するすべての指示は、当該範囲内のすべての任意の部分範囲を含むものと理解すべきである。例えば、1~10という指示には、下限1を起点として上限10に至るまでのすべての部分範囲が含まれていると理解すべきである。即ち、すべての部分範囲は、例えば1~1.7、又は3.2~8.1、又は5.5~10のように、下限の1又はそれ以上から始まって上限の10又はそれ以下で終わる。
【0088】
最後に形式的に指摘しておくと、構造を理解しやすくするために、部材は一部縮尺通りではなく、及び/又は拡大して、及び/又は縮小して表現されている。
【符号の説明】
【0089】
1 発泡装置
2 粒子発泡材料
3 顆粒供給装置
4 搬送装置
5 内部空間
6 発泡炉
7 壁
8 入口開口部
9 出口開口部
10 取り出し装置
11 照射器
12 間隔
13 搬送面
14 搬送方向
15 粒子
16 粒径
17 投入領域
18 スクレーパ
19 スクレーパ間隔
20 冷却装置
21 分離装置
22 第1の反射要素
23 第2の反射要素
24 第1の間隔
25 第2の間隔
26 第1の角度
27 第2の角度
28 受容凹部
29 受容凹部の半径
30 受容凹部の深さ
31 受容凹部の表面直径
32 メッシュ構造
33 搬送床
34 拡大部
35 供給路
36 バルクコンテナ
37 供給路直径
38 供給路間隔
39 列
40 第1の水準
41 第2の水準
42 中間貯蔵タンク
43 別の発泡炉
44 振動装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
特にポリスチレン(PS)、発泡ポリプロピレン(EPP)又は発泡熱可塑性ポリウレタン(eTPU)からなるポリマー発泡体は、出発製品であるポリスチレン顆粒若しくはポリスチレンビーズから、多段階プロセスで最終発泡部品、特に車両、構造補強、遮音又は軽量化のために、例えば断熱パネル、断熱成形品又は輸送用梱包材に加工される。予備発泡プロセスで発泡剤を含んだ顆粒を予備発泡させて体積を増加させつつ発泡ビーズ若しくは発泡体中間製品を製造するが、この発泡体中間製品が最終製品の機械的及び熱的特性を実質的に決定する。ポリマー発泡体、特にポリスチレン粒子発泡体は、新旧の建物の断熱材として現在最も重要な材料である。今後も法的要件の枠内で、ますます建築物の断熱性能の向上が求められ、これは断熱層の厚みを増すか、断熱材の熱伝導率を下げることによって達成できる。実用にとって同じく重要なのは機械的強度であり、強度の増加は出発材料の料使用量の増加を伴うことが知られている。しかしながら、出発材料の量が増えると断熱性が低下するので、ここでは妥協点を見出す必要がある。更に熱伝導率は、セル/壁厚の比を大きくすることで下がることが文献から知られている。これにより、機械的特性からいわば切り離して熱伝導率を変化させることが可能になる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡炉(6)によって膨張性を有する粒子発泡材料(2)を発泡させるための発泡装置(1)であって、
前記発泡炉(6)は前記粒子発泡材料(2)を受容するための内部空間(5)を有し、
前記発泡炉(6)の内部空間(5)に配置される照射器(11)が形成され、
搬送面(13)を有する搬送装置(4)が形成され、前記搬送面(13)に受容された粒子発泡材料(2)を前記発泡炉(6)の前記内部空間(5)を通して搬送方向(14)に案内する働きをする、発泡装置(1)。
【請求項2】
前記発泡炉(6)の前記内部空間(5)は、上側が前記照射器(11)によって区切られ、下側が前記搬送装置(4)の前記搬送面(13)によって区切られ、両側が第1の反射要素(22)と第2の反射要素(23)とによって区切られることを特徴とする、請求項1に記載の発泡装置(1)。
【請求項3】
前記第1の反射要素(22)と前記第2の反射要素(23)は、それぞれ前記照射器(11)に対して鋭角に配置されており、前記照射器(11)の領域における前記第1の反射要素(22)と前記第2の反射要素(23)との間の第1の間隔(24)は、前記搬送装置(4)の領域における前記第1の反射要素(22)と前記第2の反射要素(23)との間の第2の間隔(25)より大きく、特に前記第1の反射要素(22)と前記第2の反射要素(23)はそれぞれ前記照射器(11)に対して70°~98°、特に90°~95°、好適には92.5°~94.5°の角度(26、27)に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の発泡装置(1)。
【請求項4】
前記搬送装置(4)の前記搬送面(13)に受容凹部(28)が形成され、前記受容凹部(28)は、前記粒子発泡材料(2)の粒子(15)を1個のみそれぞれ受容する働きをすることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の発泡装置(1)。
【請求項5】
前記受容凹部(28)を画定するメッシュ構造(32)が形成されていることを特徴とする、請求項に記載の発泡装置(1)。
【請求項6】
前記搬送装置(4)の前記搬送面(13)は、加熱時に前記受容凹部(28)の拡大部(34)が増大するように設計された熱的に活性化可能な材料を含むことを特徴とする、請求項に記載の発泡装置(1)。
【請求項7】
複数の供給路(35)が形成され、前記供給路(35)は搬送方向(14)に見て互いに並んで配置され、前記供給路(35)はそれぞれ前記受容凹部(28)の列(39)と整列されていることを特徴とする、請求項に記載の発泡装置(1)。
【請求項8】
前記供給路(35)はそれぞれ供給路直径(37)を有し、前記粒子発泡材料(2)の粒子(15)は粒径(16)を有し、前記供給路直径(37)は前記粒径(16)の100.1%~199%、特に105%~170%、好適には110%~130%であることを特徴とする、請求項7に記載の発泡装置(1)。
【請求項9】
前記供給路(35)は、それぞれ前記搬送装置(4)の搬送面(13)に対して所定の供給路間隔(38)で配置され、前記粒子発泡材料(2)の粒子(15)の粒径(16)は供給路間隔(38)の100.1%~199%、特に105%~170%、110%~130%であることを特徴とする、請求項に記載の発泡装置(1)。
【請求項10】
搬送方向(14)に見て、少なくとも第1の水準(40)と第2の水準(41)の受容凹部(28)が形成され、前記第1の水準(40)の個々の前記受容凹部(28)が複数の列(39)に配置され、前記第2の水準(41)の個々の前記受容凹部(28)が複数の列(39)に配置されていることを特徴とする、請求項に記載の発泡装置(1)。
【請求項11】
投入領域(17)にスクレーパ(18)が形成され、該スクレーパ(18)は前記搬送装置(4)の搬送面(13)に対して所定のスクレーパ間隔(19)で配置され、前記粒子発泡材料(2)の粒子(15)の粒径(16)は前記スクレーパ間隔(19)の50%~99.9%、特に70%~97%、好適には85%~92%であることを特徴とする、請求項に記載の発泡装置(1)。
【請求項12】
前記粒子発泡材料(2)を冷却する働きをする冷却装置(20)が形成されていることを特徴とする、請求項に記載の発泡装置(1)。
【請求項13】
前記粒子発泡材料(2)の個々の粒子(15)を互いに分離する働きをする分離装置(21)が形成されていることを特徴とする、請求項に記載の発泡装置(1)。
【請求項14】
中間貯蔵タンク(42)と別の発泡炉(43)が形成され、前記搬送方向(14)に見て、前記中間貯蔵タンク(42)は前記発泡炉(6)の下流側に配置され、前記別の発泡炉(43)は前記中間貯蔵タンク(42)の下流側に配置されていることを特徴とする、請求項に記載の発泡装置(1)。
【請求項15】
前記搬送装置(4)の前記搬送面(13)に作用する振動装置(44)が形成されていることを特徴とする、請求項に記載の発泡装置(1)。
【請求項16】
個々の粒子(15)からなる顆粒の形の膨張性を有する粒子発泡材料(2)を発泡させる方法であって、以下の方法ステップ、即ち
前記粒子発泡材料(2)を搬送装置(4)の搬送面(13)に載せるステップと、
前記粒子発泡材料(2)を前記搬送装置(4)によって発泡炉(6)の内部空間(5)に導入するステップと、
前記発泡炉(6)の前記内部空間(5)に配置された照射器(11)で前記粒子発泡材料(2)を照射するステップと、
前記発泡炉(6)の前記内部空間(5)から前記粒子発泡材料(2)を取り出すステップと、を含む方法。
【請求項17】
前記粒子発泡材料(2)を前記発泡炉(6)の前記内部空間(5)から取り出した後、前記粒子発泡材料(2)は中間貯蔵タンク(42)に一時的に貯蔵され、次いで別の発泡炉(43)に案内されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【国際調査報告】