(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-25
(54)【発明の名称】線材工場におけるコイル高さ制御の自動化方法
(51)【国際特許分類】
B65H 54/80 20060101AFI20240618BHJP
B21C 47/14 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
B65H54/80
B21C47/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572019
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 US2022029956
(87)【国際公開番号】W WO2022246017
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】316012658
【氏名又は名称】プライメタルズ テクノロジーズ ユーエスエー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Primetals Technologies USA LLC
【住所又は居所原語表記】5895 Windward Parkway,Alpharetta,Georgia 30005,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ディー・パルフレマン
(72)【発明者】
【氏名】ポール・バリー・リッチーズ
【テーマコード(参考)】
3F057
4E026
【Fターム(参考)】
3F057BA01
3F057BB05
3F057BC01
3F057BD02
4E026BE03
4E026BE10
(57)【要約】
線材圧延機における自動化された高さ制御及びコイル形成が記載されており、視覚システム及びスマートセンサの改良を利用することによって、二次検査及びパルピットからのオペレータ入力を必要とせずに、コイル形成とコイル高さとの両方をリアルタイムで制御できるようになった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイルプレート降下速度(CPDS)と蓄積速度(AR)とからコイル形成速度(CFR)を算出するステップと、
(b)CFRが閾値を下回る場合に、
(b1)CPDSを第1の所定量の分増加させる、及び/又は、
(b2)リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、コイルプレート速度(CPS)を第3の所定量の分減少させるステップと、
(c)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(b1)及び/又は(b2)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、ステップ(a)及び(b)を繰り返し実行するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
線材圧延機内のコイル形成を監視する第1のカメラ及び線材圧延機内のコイル高さを測定する第2のカメラ又はレーザーから収集されたデータからCPDS及びARを算出するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のカメラが、線材圧延機の改質領域内のコイルプレートに堆積されているコイルの外縁を検査し、前記外縁が滑らかに形成されていること、及びコイルが前記コイルプレート及び改質チャンバ軸に対して垂直に落下していることを確実にする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(1)RDSが低いゆえに冷却コンベヤからのコイルリングが塊になっている、又は(2)CPDSが可変である、のいずれかの条件、又はこれらの条件の組合せに基づいて、段付きコイル形成を第1のカメラを通じて検出するステップと、
RDSを第4の所定量の分増加させ、CPDSが可変でなくなったかを検査するステップと、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
コイルリングが傾斜して形成されていることを第1のカメラを通じて検出するステップと、
前記コイルリングが所定の速度で改質領域に入ることを確実にするために、前記改質領域に対する冷却コンベヤの位置を調整する、及び/又は前記冷却コンベヤの出口ローラ速度を変更するステップと、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイル高さ及びコイル形成を監視する複数のカメラと、
(b)コンピュータ可読プログラムコードを格納するストレージと、
(c)前記ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行するプロセッサと、を含み、
前記プロセッサが、
(1)複数のカメラからデータを受信し、
(2)前記複数のカメラから受信したデータから、コイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)を算出し、
(3)CPDS及びARからコイル形成速度(CFR)を算出し、
(4)CFRが閾値を下回る場合に、
(4.1)CPDSを第1の所定量の分増加させる、及び/又は、
(4.2)リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、コイルプレート速度(CPS)を第3の所定量の分減少させ、
(5)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(4.1)及び/又は(4.2)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、(1)から(4)を繰り返し実行する、システム。
【請求項7】
前記複数のカメラの内の少なくとも1つのカメラが、線材圧延機の改質領域内のコイルプレートに堆積されているコイルの外縁を検査し、前記外縁が滑らかに形成されていること、及びコイルが前記コイルプレート及び改質チャンバ軸に対して垂直に落下していることを確実にする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行し、
(1)RDSが低いゆえに冷却コンベヤからのコイルリングが塊になっている、又は(2)CPDSが可変である、のいずれかの条件、又はこれらの条件の組合せに基づいて、段付きコイル形成を、前記複数のカメラの内の少なくとも1つのカメラを通じて検出し、
RDSを第4の所定量の分増加させ、CPDSが可変でなくなったかを検査する、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサが、前記ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行し、
前記複数のカメラの内の少なくとも1つのカメラを通じて、コイルリングが傾斜して形成されていることを検出し、
前記コイルリングが所定の速度で改質領域に入ることを確実にするために、改質領域に対する冷却コンベヤの位置を調整し、及び/又は、冷却コンベヤの出口ローラ速度を変更する、請求項6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に線材圧延機に関する。より具体的には、本発明は、線材圧延機におけるコイル高さ及びコイル形成の自動化に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの線材圧延工場にとって重要なのは、工場から出荷される最終製品のコイル形成及びコイル高さである。コイル形成は、下流の加工設備で効率的に巻き戻すために重要であり、コイル高さは物流上の理由から制御される必要がある。コイルが短ければ短いほど、コンテナ又はトラック1台当たりで輸送できるコイルが多くなるので、費用を削減することが可能になる。
【0003】
線材圧延機では、コイル高さ(ひいてはコイル形成)は、ロッドごとに変化する。なぜなら、製品が必要とする冷却速度に基づいて改質ステーションに供給を行うコンベヤの速度、改質容器内での製品分配器の速度、及び敷設ヘッドでのコイル形成自体を含む、多くの要因が作用するからである。
【0004】
先行技術では、これらの機能はすべて手動によるプリセットであるので、いずれも他の機能とは相互作用しない。したがって、先行技術には、上記で特定された要因の多くに関する制御、監視、又は調整における自動化された機能が欠如している。先行技術における制御は、メインパルピットから、又はローカルステーションからの手動によるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
長年にわたって、線材圧延機においてコイル高さを減少させるために、様々な技術が開発されてきた。しかしながら、これらの開発は、線材を冷却コンベヤから回収し、完成品のコイルとして再梱包するために使用される装置に集中して行われてきた。
【0006】
上記引用文献の正確な利点、特徴、及び利点が何であれ、本発明の目的を達成又は成就するものはない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、本発明は、方法を提供し、この方法は:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)からコイル形成速度(CFR)を算出するステップ、
(b)CFRが閾値を下回る場合、
(b1)CPDSを第1の所定量の分増加させる、及び/又は
(b2)リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、コイルプレート速度(CPS)を第3の所定量の分減少させるステップ、並びに
(c)改質領域におけるARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(b1)及び/又は(b2)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、ステップ(a)及び(b)を繰り返し実行するステップ、
を含む。
【0008】
さらに別の態様において、本発明は、システムを提供し、このシステムは:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイル高さ及びコイル形成を監視する複数のカメラ、
(b)コンピュータ可読プログラムコードを格納するストレージ、並びに、
(c)ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行するプロセッサを、
を含み、プロセッサは、
(1)複数のカメラからデータを受信し、
(2)複数のカメラから受信したデータからコイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)を算出し、
(3)CPDS及びARからコイル形成速度(CFR)を算出し、
(4)CFRが閾値を下回る場合、
(4.1)CPDSを第1の所定量の分増加させる、及び/又は
(4.2)リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、コイルプレート速度(CPS)を第3の所定量の分減少させ、
(5)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(4.1)及び/又は(4.2)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、(1)~(4)を繰り返し実行する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1(A)】線材圧延機における所望のコイル形成を示す図である。
【
図1(B)】線材圧延機における望ましくない段付きコイル形成を示す図である。
【
図1(C)】そのような望ましくない傾斜した形成を示す図である。
【
図2】高さ制御を確実にするための本発明に係るシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、好ましい態様で図示及び記載されているが、装置は、多くの異なる構成、形態及び材料で製造され得る。本発明の好ましい態様が図面に描かれており、本明細書において詳細に記載されるが、本開示は、本発明の原理及びその構造に関する関連した機能仕様の例示として理解されるべきであり、本発明を図示された態様に限定することを意図するものではない。当業者であれば、本発明の範囲内で他の多くの可能な変型例を想到するであろう。
【0011】
本発明は、レーザー及びカメラ(又は複数のカメラ)を用いてコイル高さ形成を監視するために、コイルプレート降下速度、リング分配器の動作速度、及び寸法が大きい場合、敷設ヘッドでのぐらつき、又は改質容器への冷却コンベヤの進入速度を制御することを規定している。本発明は、コイル高さに影響を与え得る各機能を制御するために必要なアルゴリズムを提供する。
【0012】
図1(A)は、線材圧延機における望ましいコイル形成を示している。しかしながら、コイルプレート降下速度に対してリング分配器の速度が低すぎる場合、コイル形成に段差が生じることがある。
図1(B)は、そのような望ましくない段付き形成を描写している。本発明では、このような段付き形成を1台のカメラで検出し、別のカメラ(又はコイル高さレーザー)で検証し、段差が視認不可能になるまで、分配器の速度を反復的に増加させることができる。
【0013】
線材圧延機における別の望ましくないコイル形成は、コイルの頂部が傾斜している状況であり、これはコイルプレートの移動速度が過度に大きく、リング分配器速度とコイルプレート速度との組合せが正しくないことを示している。
図1(C)は、このような望ましくない傾斜した形成を描写している。
【0014】
ぐらついたコイルについては、コイルが高すぎる場合、敷設ヘッドのぐらつき設定を調整することができる。この場合、リング間の直径の変化率は、コイルからコイルへと徐々に増加させることができる。
【0015】
図2は、本発明に係るシステムを描写している。「改質」ステーション(冷却コンベヤからの線材をコイルに改質することから命名された)の開発は、リング分配器202及び無段階改質の導入によって、主な焦点となった。
【0016】
リング分配器202は、その名が示すように、コンベヤ204から集められたコイルの個々のリングを分配し、改質領域が正確に充填され、ランダムに落下するリングよりも短いコイルが密に形成されることを確実にする。この装置の速度は可変であるが、検査ステーションで完成したコイル形成を検査した後、オペレータによってのみ調整される。
【0017】
無段階改質は、改質チャンバ内でコイル本体が形成される際に、形成プロセス中のコイルの落下を取り除き、コイルプレートの降下を正しいパラメータ内で正確に制御することによって、コイル形状を改善するために開発された。この降下速度は、コイルの降下がその全体の高さ及び形成に重要であるので、改質容器に配置されたセンサを通じて制御される。
【0018】
本発明は、二次検査及びパルピットからのオペレータ入力を行わずに、コイル形成及びコイル高さの両方をリアルタイムで制御できるように、視覚システム及びスマートセンサの改良を活用して、自動化されたコイル形成及び高さ制御を提供する。
【0019】
敷設ヘッド制御は、最終的にコイルを形成するリングを作成するので、コイル形成において大きな役割を果たしている。しかしながら、本開示に関しては、機械が正常に動作していることを前提としている。
【0020】
本発明は、コイル高さを測定できるスマートカメラ及び/又はレーザー206を利用している。任意で、2つのカメラを用いることも可能であり、第1のカメラ208で形成を監視し、第2のカメラ206で高さを測定する。
【0021】
コイル高さを制御するために、以下のような基本的な制御が採用される。最適なコイル高さは、線材1トン当たり0.9m~1mと考えられている。一態様において、最適なコイル高さは、達成可能な最もよく知られた高さの経験的データから導き出され、標準的な改質容器/コイル形成(内径1250/外径850)の場合、この高さと重量との比率は、コイルのもつれのない加工を可能にする。
【0022】
本発明によると、コイルプレートの降下速度は、レーザー又はカメラシステム208を通じて、改質容器210内で測定された蓄積速度と相関する。これら2つの信号に基づいて、コイル形成速度がkg/s単位で算出され、所定の理想的な速度と比較される。この速度が低すぎる場合には、コイル降下速度を増加させ、及び/又はリング分配器及びコイルプレートの速度を変更する。この速度が低すぎる場合には、リング分配器速度を増加させ、コイルプレート速度を減少させる。その後、システムが安定し、コイル高さが最適であることを確実にするために、改質領域における回収率がサンプリングされる(例えば、10秒ごと)。
【0023】
コイル形成カメラ208は、コイルの外縁を検査し、コイルの外縁が滑らかに形成されていること、及び全てのコイルがコイルプレート及び改質チャンバ軸に対して垂直に落下していることを確実にすることができるので、コイル形成カメラ208は、上述したプロセスと並行して動作することができる。
【0024】
本発明の制御は、リング分配器202、冷却コンベヤの出口ゾーン、及びコイルプレート降下制御速度に関連付けることができる。
【0025】
コイル形成は二次的なスレーブ機能であるので、コイル高さ制御が本発明による一次的な原動力であることに留意すべきである。
【0026】
段付きコイル形成が検出される場合、2つの原因が考えられる:リング分配器速度が低すぎて冷却コンベヤからのリングが塊になっているか、又はコイルプレートの降下速度が可変である(例えば、正弦波状に速度が上がり、速度が下がる)。段差の形成が検出されると、本発明に係る制御は、まずリング分配器速度を上げて段差を除去し、コイル降下制御を、降下速度が均一かどうかに関して検査する。
【0027】
リングが傾斜して形成されている場合は、リングが正しい速度で改質領域に入ることを確実にするために、改質領域に対する冷却コンベヤの出口ゾーンの位置、及び/又は冷却コンベヤの出口ローラ速度が変更される。
【0028】
上述した単純なシステムに加えて、収集したデータ及び/又は画像を品質保証データベースとして使用することも可能である。
【0029】
一実施形態において、本発明は、方法を提供し、この方法は:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)からコイル形成速度(CFR)を算出するステップであって、CFRは、最適なコイル重量比(圧延される製品は既知の量であり、トン/時間の圧延速度も既知の量であり、コイルの高さが測定され、システムが0.9m/t以上である場合、RDSの速度を増加させ、コイルプレートの速度を低下させる)に基づいているステップ、
(b)CFRが閾値を下回る場合、(b1)CPDSを第1の所定量の分増加させる、又は(b2)リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、コイルプレート速度(CPS)を第3の所定量の分減少させるステップ、
(c)改質領域でARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さ(輸送及び巻戻しに関して上述したように、最適コイル高さは線材重量1トン当たり0.9m~1.0mである)を下回り、(b1)又は(b2)に反応してCFRが閾値を下回らなくなるまで、ステップ(a)及び(b)を繰り返し実行するステップ、
を含む。
【0030】
例として、5.5mm圧延の場合、RDSは25rpmに設定され、CPSは0.01m/sの領域となり、これは線材1トン当たり1mのCFRにほぼ相当する。例えば、CFRが0.8m/tと測定された場合、CFRが1m/tに達するまで、CPSは2%刻みで増加し、RDSは2%刻みで減少する。
【0031】
別の態様において、本発明は、方法を提供し、この方法は:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイルプレート降下速度(CPDS)と蓄積速度(AR)とからコイル形成速度(CFR)を算出するステップ、
(b)CFRが閾値を下回る場合、CPDSを第1の所定量の分増加させ、リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、コイルプレート速度(CPS)を第3の所定量の分減少させるステップ、
(c)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(b)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、ステップ(a)及び(b)を繰り返し実行するステップ、
を含む。
【0032】
さらに別の態様では、本発明は、システムを提供し、このシステムは:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイル高さ及びコイル形成を監視する複数のカメラ、
(b)コンピュータ可読プログラムコードを格納するストレージ、並びに、
(c)ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行するプロセッサ、
を含み、プロセッサは、
(1)複数のカメラからデータを受信し、
(2)複数のカメラから受信したデータからコイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)を算出し、
(3)CPDS及びARからコイル形成速度(CFR)を算出し、
(4)CFRが閾値を下回る場合、CPDSを第1の所定量の分増加させる、又はリング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、コイルプレート速度(CPS)を第3の所定量の分減少させ、
(5)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(4)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、(1)~(4)を繰り返し実行する。
【0033】
別の態様では、本発明は、システムを提供し、このシステムは:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイル高さ及びコイル形成を監視する複数のカメラ、
(b)コンピュータ可読プログラムコードを格納するストレージ、並びに、
(c)ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行するプロセッサ、
を含み、プロセッサは、
(1)複数のカメラからデータを受信し、
(2)複数のカメラから受信したデータからコイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)を算出し、
(3)CPDS及びARからコイル形成速度(CFR)を算出し、
(4)CFRが閾値を下回る場合、CPDSを第1の所定量の分増加させ、リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、コイルプレート速度(CPS)を第3の所定量の分減少させ、
(5)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(4)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、(1)~(4)を繰り返し実行する。
【0034】
上述した特徴及び適用は、コンピュータ可読記憶媒体(コンピュータ可読媒体ともいう)に記録された命令セットとして規定されるソフトウェアプロセスとして実装され得る。これらの命令が1以上の処理ユニット(例えば、1以上のプロセッサ、プロセッサのコア、又は他の処理ユニット)によって実行される場合、これらの命令は、命令において指示された行為を処理ユニットに実行させる。本開示の範囲内の態様はまた、保存されたコンピュータ実行可能な命令又はデータ構造を伝える又は有するための有形及び/又は持続性のコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。このような持続性のコンピュータ可読記憶媒体は、任意の特殊用途プロセッサの機能設計を含む、汎用又は特殊用途コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、このような持続性のコンピュータ可読媒体は、フラッシュメモリ、RAM、ROM、EEPROM、CD‐ROM若しくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気ストレージデバイス、又はコンピュータ実行可能命令、データ構造、若しくはプロセッサチップ設計の形態で所望のプログラムコード手段を伝達若しくは格納するために使用できる任意の他の媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体には、無線又は有線接続で通過する搬送波及び電子信号は含まれない。
【0035】
コンピュータ実行可能命令には、例えば、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、又は特殊用途処理装置に特定の機能又は機能群を実行させる命令及びデータが含まれる。コンピュータ実行可能命令には、スタンドアロン又はネットワーク環境にあるコンピュータによって実行されるプログラムモジュールも含まれる。一般に、プログラムモジュールには、ルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造、オブジェクト、及び特定のタスクを実行する、又は特定の抽象データ型を実装する、特殊用途プロセッサなどの設計に固有の機能が含まれる。コンピュータ実行可能命令、関連データ構造、及びプログラムモジュールは、本明細書に開示される方法のステップを実行するためのプログラムコード手段の例を表している。このような実行可能命令又は関連データ構造の特定のシーケンスは、そのようなステップに記載された機能を実装するための対応する行為の例を表している。
【0036】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサには、一例として、汎用及び特殊用途のマイクロプロセッサの両方、及びあらゆる種類のデジタルコンピュータの任意の1以上のプロセッサが含まれる。一般に、プロセッサは、読取専用メモリ又はランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必要不可欠な要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリ装置とである。一般に、コンピュータは、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク又は光ディスクなどの、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶装置を含んでいるか、又は、大容量記憶装置からデータを受信するか、若しくは大容量記憶装置にデータを転送するか、若しくはその両方を行うために、動作可能に連結される。しかしながら、コンピュータがこのような装置を備えている必要はない。さらに、コンピュータを他の装置に組み込むことも可能である。
【0037】
本明細書において、「ソフトウェア」という用語は、磁気ストレージ又は例えばソリッドステートドライブなどのフラッシュストレージに格納された、読取専用メモリ又はアプリケーションに常駐するファームウェアを含むことを意図しており、プロセッサによる処理のためにメモリに読み込むことができる。また、複数のソフトウェア技術を、個別のソフトウェア技術のまま、より大きなプログラムのサブパートとして実装することができる場合もある。また、複数のソフトウェア技術を別個のプログラムとして実装し得る場合もある。最後に、ここに記載するソフトウェア技術を共に実装する別個のプログラムの任意の組合せは、主題となる技術の範囲内である。いくつかの実装では、ソフトウェアプログラムは、1以上の電子システム上で動作するようにインストールされると、ソフトウェアプログラムのオペレーションを実行する、1以上の特定のマシン実装を定義する。
【0038】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られる)は、コンパイラ型言語又はインタープリタ型言語、宣言型言語又は手続き型言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で記述することが可能であり、スタンドアロンプログラム、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、又はコンピュータ環境での使用に適した他のユニットとして、任意の形式で展開され得る。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応してもよいが、対応する必要はない。プログラムは、他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語ドキュメントに格納された1以上のスクリプト)を保持するファイルの一部、問題のプログラム専用の単一のファイル、又は複数の調整されたファイル(例えば、1以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を格納するファイル)に格納され得る。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータ上で実行されるか、又は、1つのサイトに配置された複数のコンピュータ上で実行されるか、若しくは複数のサイトに分散して配置され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0039】
上述したこれらの機能は、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア又はハードウェアに実装され得る。本技術は、1以上のコンピュータプログラム製品を用いて実装され得る。プログラマブルプロセッサ及びコンピュータは、モバイル機器に含まれるか、又はモバイル機器としてパッケージ化され得る。プロセス及び論理流れは、1以上のプログラマブルプロセッサ及び1以上のプログラマブル論理回路によって実行され得る。汎用及び特殊目的のコンピュータデバイスおよびストレージデバイスは、通信ネットワークを通じて相互接続され得る。
【0040】
いくつかの実装は、機械可読媒体又はコンピュータ可読媒体(代替的に、コンピュータ可読ストレージ媒体、機械可読媒体、又は機械可読ストレージ媒体と呼ばれる)にコンピュータプログラム命令を格納するマイクロプロセッサ、ストレージ、及びメモリなどの電子部品を含む。このようなコンピュータ可読媒体のいくつかの例としては、RAM、ROM、読取専用コンパクトディスク(CD‐ROM)、記録可能コンパクトディスク(CD‐R)、書き換え可能コンパクトディスク(CD‐RW)、読取専用デジタル多用途ディスク(例えば、DVD‐ROM、2層DVD‐ROM)、様々な記録可能/書き換え可能DVD(例えば、DVD‐RAM、DVD‐RW、DVD+RWなど)、フラッシュメモリ(例えば、SDカード、ミニSDカード、マイクロSDカードなど)、磁気又はソリッドステートハードドライブ、読取専用及び記録可能なBlu-Ray(登録商標)ディスク、超高密度光ディスク、その他の光学又は磁気媒体、フロッピーディスクなどが含まれる。コンピュータ可読媒体は、少なくとも1つの処理ユニットによって実行可能であり、様々なオペレーションを実行するための命令セットを含むコンピュータプログラムを格納することができる。コンピュータプログラム又はコンピュータコードの例としては、例えばコンパイラによって生成されるマシンコード、及び、インタプリタを使用してコンピュータ、電子部品、若しくはマイクロプロセッサによって実行される高位レベルのコードを含むファイルなどが含まれる。
【0041】
上記の議論は主に、ソフトウェアを実行するマイクロプロセッサ又はマルチコアプロセッサについて言及しているが、いくつかの実装は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1以上の集積回路によって実行される。いくつかの実装では、このような集積回路は、回路自体に格納された命令を実行する。
【0042】
本出願の明細書及び請求項で使用される場合、「コンピュータ」、「サーバ」、「プロセッサ」、及び「メモリ」という用語はすべて、電子装置又は他の技術的装置を表している。これらの用語は、人又は人の群を除外する。本明細書において、ディスプレイ又は表示という用語は、電子装置上に表示することを意味する。本出願の明細書及び請求項で使用される場合、「1つのコンピュータ可読媒体」及び「複数のコンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータによって読取可能な形式で情報を記憶する、有形で物理的な物体に完全に限定される。これらの用語は、無線信号、有線ダウンロード信号、及びその他の短時間信号を除外する。
【0043】
開示されたプロセスにおけるステップの特定の順序又は階層は、例示的なアプローチを説明するものであると理解すべきである。設計の好みに基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序又は階層は、配列し直してもよく、又は示されたステップのすべてが実行されてもよいことが理解されるべきである。ステップのいくつかは同時に実行されてもよい。例えば、特定の状況では、マルチタスク及び並列処理が有利であり得る。さらに、上に示した様々なシステムコンポーネントの分離は、そのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載したプログラムコンポーネント及びシステムを、一般に、単一のソフトウェア製品に共に統合することも、複数のソフトウェア製品にパッケージ化することもできることを理解すべきである。
【0044】
これらの態様に対する様々な修正はすぐに明らかになり、本明細書で定義された一般的な原理は他の態様にも適用することができる。したがって、請求項は、本明細書で示される態様に限定されることを意図するものではなく、単数形の要素への言及は、特に断らない限り、「1つのみ」を意味することを意図するものではなく「1つ以上」を意味するものであるという、言語が主張するところと全範囲が矛盾しないと認められる。特に断らない限り、「いくつか」という語句は1つ以上を表している。男性代名詞(例えばhis)は、女性代名詞及び中性代名詞(例えばher及びits)を含み、逆もまた同様である。見出しや小見出しがある場合、それは便宜上のものであり、対象技術を限定するものではない。
【0045】
例えば、「態様」という語句は、当該態様が対象技術にとって必要不可欠であること、又は当該態様が対象技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。ある態様に関する開示は、すべての構成に適用される場合もあれば、1つ以上の構成に適用される場合もある。例えば、「態様」という語句は、1以上の態様を指す場合があり、その逆もまた然りである。また、例えば「構成」という語句は、当該構成が対象技術に必要不可欠であること、又は、当該構成が対象技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。構成に関する開示は、すべての構成に適用される場合もあれば、1つ以上の構成に適用される場合もある。例えば、構成という語句は、1以上の構成を指す場合があり、その逆もまた然りである。
【0046】
上述した様々な態様は、説明のためにのみ提供されており、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本明細書において図示され記載された例示的な態様及び用途に従うことなく、並びに、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書において記載される原理に対して行われ得る様々な修正及び変更を容易に認識するであろう。
【0047】
本明細書には、多くの具体的な実装の詳細が記載されているが、これらは、任意の発明の範囲又は特許請求され得るものに対する制限として理解されるべきではなく、むしろ、特定の発明の特定の態様に特有であり得る特徴の記載として理解されるべきである。別個の態様の文脈で本明細書に記載されている特定の特徴は、組み合わせて単一の態様において実装することも可能である。逆に、単一の態様の文脈において記載される様々な特徴は、複数の態様において別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。さらに、特徴は、特定の組合せで作用するものとしてすでに記載されており、初めはそのようなものとして特許請求されることさえあるが、特許請求された組合せからの1以上の特徴は、場合によっては組合せから削除される可能性があり、特許請求された組合せは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変型例に向けられ得る。
【0048】
同様に、図面には特定の順序でオペレーションが描かれているが、これは、望ましい結果を得るために、そのようなオペレーションを示された特定の順序で実行すること、若しくはシーケンスで実行すること、又は示されたすべてのオペレーションを実行することを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況においては、マルチタスク及び並列処理が有利であり得る。さらに、上述した態様における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての態様においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、記載されたプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品において共に統合され得るか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ると理解されるべきである。
【0049】
上述のように、主題の特定の態様を説明したが、他の態様は以下の請求項の範囲内である。例えば、請求項に記載された行為は、異なる順序で実行されたとしても、望ましい結果を得ることができる。一例として、添付の図に描かれたプロセスは、望ましい結果を得るために、必ずしも示された特定の順序、又はシーケンスを必要としない。特定の実装では、マルチタスク及び並列処理が有利であり得る。
【0050】
線材工場におけるコイル高さ制御を自動化するシステム及び方法を効果的に実装するための上記の態様において、システム及び方法が示されている。様々な好ましい態様が示され、記載されてきたが、このような開示によって本発明を限定する意図はなく、むしろ、添付の請求項に定義されているように、本発明の精神及び範囲内でのすべての変更及び代替構造をカバーすることが意図されていることが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0051】
202 リング分配器、204 コンベヤ、206 第2のカメラ、208 第1のカメラ、210 改質容器
【手続補正書】
【提出日】2024-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)
コイル高さ制御を自動化するシステムが、線材圧延機の改質領域におけるコイルプレート降下速度(CPDS)と蓄積速度(AR)とからコイル形成速度(CFR)を算出するステップと、
(b)
前記システムが、CFRが閾値を下回る場合に、
(b1)CPDSを第1の所定量の分増加させる
、又は、
(b2)リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、
CPDSを第3の所定量の分減少させるステップと、
(c)
前記システムが、改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(b1
)又は(b2)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、ステップ(a)及び(b)を繰り返し実行するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記システムが、線材圧延機内のコイル形成を監視する第1のカメラ及び線材圧延機内のコイル高さを測定する第2のカメラ又はレーザーから収集されたデータからCPDS及びARを算出するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記システムが、前記第1のカメラ
を用いて、線材圧延機の改質領域内のコイルプレートに堆積されているコイルの外縁を検査し、前記外縁が滑らかに形成されていること、及びコイルが前記コイルプレート及び改質チャンバ軸に対して垂直に落下していることを確実にする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(1)RDSが低いゆえに冷却コンベヤからのコイルリングが塊になっている、又は(2)CPDSが可変である、のいずれかの条件、又はこれらの条件の組合せに基づいて、
前記システムが、段付きコイル形成を第1のカメラを通じて検出するステップと、
前記システムが、RDSを第4の所定量の分増加させ、CPDSが可変でなくなったかを検査するステップと、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記システムが、コイルリングが傾斜して形成されていることを第1のカメラを通じて検出するステップと、
前記コイルリングが所定の速度で改質領域に入ることを確実にするために、
前記システムが、前記改質領域に対する冷却コンベヤの位置を調整する、及び/又は前記冷却コンベヤの出口ローラ速度を変更するステップと、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
(a)コイル高さ制御を自動化するシステムが、線材圧延機の改質領域におけるコイルプレート降下速度(CPDS)と蓄積速度(AR)とからコイル形成速度(CFR)を算出するステップと、
(b)前記システムが、CFRが閾値を下回る場合に、CPDSを第1の所定量の分増加させ、リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、CPDSを第3の所定量の分減少させるステップと、
(c)前記システムが、改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(b)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、ステップ(a)及び(b)を繰り返し実行するステップと、
を含む方法。
【請求項7】
前記システムが、線材圧延機内のコイル形成を監視する第1のカメラ及び線材圧延機内のコイル高さを測定する第2のカメラ又はレーザーから収集されたデータからCPDS及びARを算出するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記システムが、前記第1のカメラを用いて、線材圧延機の改質領域内のコイルプレートに堆積されているコイルの外縁を検査し、前記外縁が滑らかに形成されていること、及びコイルが前記コイルプレート及び改質チャンバ軸に対して垂直に落下していることを確実にする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(1)RDSが低いゆえに冷却コンベヤからのコイルリングが塊になっている、又は(2)CPDSが可変である、のいずれかの条件、又はこれらの条件の組み合わせに基づいて、前記システムが、段付きコイル形成を第1のカメラを通じて検出するステップと、
前記システムが、RDSを第4の所定量の分増加させ、CPDSが可変でなくなったかを検査するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記システムが、コイルリングが傾斜して形成されていることを第1のカメラを通じて検出するステップと、
前記コイルリングが所定の速度で改質領域に入ることを確実にするために、前記システムが、前記改質領域に対する冷却コンベヤの位置を調整する、及び/又は前記冷却コンベヤの出口ローラ速度を変更するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイル高さ及びコイル形成を監視する複数のカメラと、
(b)コンピュータ可読プログラムコードを格納するストレージと、
(c)前記ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行するプロセッサと、を含み、
前記プロセッサが、
(1)複数のカメラからデータを受信し、
(2)前記複数のカメラから受信したデータから、コイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)を算出し、
(3)CPDS及びARからコイル形成速度(CFR)を算出し、
(4)CFRが閾値を下回る場合に、
CPDSを第1の所定量の分増加させる
、又は、
リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、
CPDSを第3の所定量の分減少させ、
(5)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、
(42)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、(1)から(4)を繰り返し実行する、システム。
【請求項12】
前記複数のカメラの内の少なくとも1つのカメラが、線材圧延機の改質領域内のコイルプレートに堆積されているコイルの外縁を検査し、前記外縁が滑らかに形成されていること、及びコイルが前記コイルプレート及び改質チャンバ軸に対して垂直に落下していることを確実にする、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサが、前記ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行し、
(1)RDSが低いゆえに冷却コンベヤからのコイルリングが塊になっている、又は(2)CPDSが可変である、のいずれかの条件、又はこれらの条件の組合せに基づいて、段付きコイル形成を、前記複数のカメラの内の少なくとも1つのカメラを通じて検出し、
RDSを第4の所定量の分増加させ、CPDSが可変でなくなったかを検査する、
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行し、
前記複数のカメラの内の少なくとも1つのカメラを通じて、コイルリングが傾斜して形成されていることを検出し、
前記コイルリングが所定の速度で改質領域に入ることを確実にするために、改質領域に対する冷却コンベヤの位置を調整し、及び/又は、冷却コンベヤの出口ローラ速度を変更する、
請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイル高さ及びコイル形成を監視する複数のカメラと、
(b)コンピュータ可読プログラムコードを格納するストレージと、
(c)前記ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行するプロセッサと、
を含み、前記プロセッサが、
(1)複数のカメラからデータを受信し、
(2)前記複数のカメラから受信したデータから、コイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)を算出し、
(3)CPDS及びARからコイル形成速度(CFR)を算出し、
(4)CFRが閾値を下回る場合に、
CPDSを第1の所定量の分増加させ、リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、CPDSを第3の所定量の分減少させ、
(5)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(4)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、(1)から(4)を繰り返し実行する、システム。
【請求項16】
前記複数のカメラの内の少なくとも1つのカメラが、線材圧延機の改質領域内のコイルプレートに堆積されているコイルの外縁を検査し、前記外縁が滑らかに形成されていること、及びコイルが前記コイルプレート及び改質チャンバ軸に対して垂直に落下していることを確実にする、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記プロセッサが、前記ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行し、
(1)RDSが低いゆえに冷却コンベヤからのコイルリングが塊になっている、又は(2)CPDSが可変である、のいずれかの条件、又はこれらの条件の組み合わせに基づいて、段付きコイル形成を、前記複数のカメラの内の少なくとも1つのカメラを通じて検出し、
RDSを第4の所定量の分増加させ、CPDSが可変でなくなったかを検査する、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサが、前記ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行し、
前記複数のカメラの内の少なくとも1つのカメラを通じて、コイルリングが傾斜して形成されていることを検出し、
前記コイルリングが所定の速度で改質領域に入ることを確実にするために、改質領域に対する冷却コンベヤの位置を調整し、及び/又は、冷却コンベヤの出口ローラ速度を変更する、請求項15に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に線材圧延機に関する。より具体的には、本発明は、線材圧延機におけるコイル高さ及びコイル形成の自動化に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの線材圧延工場にとって重要なのは、工場から出荷される最終製品のコイル形成及びコイル高さである。コイル形成は、下流の加工設備で効率的に巻き戻すために重要であり、コイル高さは物流上の理由から制御される必要がある。コイルが短ければ短いほど、コンテナ又はトラック1台当たりで輸送できるコイルが多くなるので、費用を削減することが可能になる。
【0003】
線材圧延機では、コイル高さ(ひいてはコイル形成)は、ロッドごとに変化する。なぜなら、製品が必要とする冷却速度に基づいて改質ステーションに供給を行うコンベヤの速度、改質容器内での製品分配器の速度、及び敷設ヘッドでのコイル形成自体を含む、多くの要因が作用するからである。
【0004】
先行技術では、これらの機能はすべて手動によるプリセットであるので、いずれも他の機能とは相互作用しない。したがって、先行技術には、上記で特定された要因の多くに関する制御、監視、又は調整における自動化された機能が欠如している。先行技術における制御は、メインパルピットから、又はローカルステーションからの手動によるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
長年にわたって、線材圧延機においてコイル高さを減少させるために、様々な技術が開発されてきた。しかしながら、これらの開発は、線材を冷却コンベヤから回収し、完成品のコイルとして再梱包するために使用される装置に集中して行われてきた。
【0006】
上記引用文献の正確な利点、特徴、及び利点が何であれ、本発明の目的を達成又は成就するものはない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、本発明は、方法を提供し、この方法は:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)からコイル形成速度(CFR)を算出するステップ、
(b)CFRが閾値を下回る場合、
(b1)CPDSを第1の所定量の分増加させる、又は
(b2)リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、CPDSを第3の所定量の分減少させるステップ、並びに
(c)改質領域におけるARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(b1)又は(b2)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、ステップ(a)及び(b)を繰り返し実行するステップ、
を含む。
【0008】
別の態様において、本発明は、方法を提供し、この方法は:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)からコイル形成速度(CFR)を算出するステップ、
(b)CFRが閾値を下回る場合、CPDSを第1の所定量の分増加させ、リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、CPDSを第3の所定量の分減少させるステップ、並びに
(c)改質領域におけるARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(b)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、ステップ(a)及び(b)を繰り返し実行するステップ、
を含む。
【0009】
さらに別の態様において、本発明は、システムを提供し、このシステムは:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイル高さ及びコイル形成を監視する複数のカメラ、
(b)コンピュータ可読プログラムコードを格納するストレージ、並びに、
(c)ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行するプロセッサを、
を含み、プロセッサは、
(1)複数のカメラからデータを受信し、
(2)複数のカメラから受信したデータからコイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)を算出し、
(3)CPDS及びARからコイル形成速度(CFR)を算出し、
(4)CFRが閾値を下回る場合、CPDSを第1の所定量の分増加させる、又はリング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、CPDSを第3の所定量の分減少させ、
(5)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(4)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、(1)~(4)を繰り返し実行する。
【0010】
別の態様において、本発明は、システムを提供し、このシステムは:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイル高さ及びコイル形成を監視する複数のカメラ、
(b)コンピュータ可読プログラムコードを格納するストレージ、並びに、
(c)ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行するプロセッサ、
を含み、プロセッサは、
(1)複数のカメラからデータを受信し、
(2)複数のカメラから受信したデータからコイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)を算出し、
(3)CPDS及びARからコイル形成速度(CFR)を算出し、
(4)CFRが閾値を下回る場合、CPDSを第1の所定量の分増加させ、リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、CPDSを第3の所定量の分減少させ、
(5)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(4)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、(1)~(4)を繰り返し実行する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1(A)】線材圧延機における所望のコイル形成を示す図である。
【
図1(B)】線材圧延機における望ましくない段付きコイル形成を示す図である。
【
図1(C)】そのような望ましくない傾斜した形成を示す図である。
【
図2】高さ制御を確実にするための本発明に係るシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、好ましい態様で図示及び記載されているが、装置は、多くの異なる構成、形態及び材料で製造され得る。本発明の好ましい態様が図面に描かれており、本明細書において詳細に記載されるが、本開示は、本発明の原理及びその構造に関する関連した機能仕様の例示として理解されるべきであり、本発明を図示された態様に限定することを意図するものではない。当業者であれば、本発明の範囲内で他の多くの可能な変型例を想到するであろう。
【0013】
本発明は、レーザー及びカメラ(又は複数のカメラ)を用いてコイル高さ形成を監視するために、コイルプレート降下速度、リング分配器の動作速度、及び寸法が大きい場合、敷設ヘッドでのぐらつき、又は改質容器への冷却コンベヤの進入速度を制御することを規定している。本発明は、コイル高さに影響を与え得る各機能を制御するために必要なアルゴリズムを提供する。
【0014】
図1(A)は、線材圧延機における望ましいコイル形成を示している。しかしながら、コイルプレート降下速度に対してリング分配器の速度が低すぎる場合、コイル形成に段差が生じることがある。
図1(B)は、そのような望ましくない段付き形成を描写している。本発明では、このような段付き形成を1台のカメラで検出し、別のカメラ(又はコイル高さレーザー)で検証し、段差が視認不可能になるまで、分配器の速度を反復的に増加させることができる。
【0015】
線材圧延機における別の望ましくないコイル形成は、コイルの頂部が傾斜している状況であり、これはコイルプレートの移動速度が過度に大きく、リング分配器速度とコイルプレート速度との組合せが正しくないことを示している。
図1(C)は、このような望ましくない傾斜した形成を描写している。
【0016】
ぐらついたコイルについては、コイルが高すぎる場合、敷設ヘッドのぐらつき設定を調整することができる。この場合、リング間の直径の変化率は、コイルからコイルへと徐々に増加させることができる。
【0017】
図2は、本発明に係るシステムを描写している。「改質」ステーション(冷却コンベヤからの線材をコイルに改質することから命名された)の開発は、リング分配器202及び無段階改質の導入によって、主な焦点となった。
【0018】
リング分配器202は、その名が示すように、コンベヤ204から集められたコイルの個々のリングを分配し、改質領域が正確に充填され、ランダムに落下するリングよりも短いコイルが密に形成されることを確実にする。この装置の速度は可変であるが、検査ステーションで完成したコイル形成を検査した後、オペレータによってのみ調整される。
【0019】
無段階改質は、改質チャンバ内でコイル本体が形成される際に、形成プロセス中のコイルの落下を取り除き、コイルプレートの降下を正しいパラメータ内で正確に制御することによって、コイル形状を改善するために開発された。この降下速度は、コイルの降下がその全体の高さ及び形成に重要であるので、改質容器に配置されたセンサを通じて制御される。
【0020】
本発明は、二次検査及びパルピットからのオペレータ入力を行わずに、コイル形成及びコイル高さの両方をリアルタイムで制御できるように、視覚システム及びスマートセンサの改良を活用して、自動化されたコイル形成及び高さ制御を提供する。
【0021】
敷設ヘッド制御は、最終的にコイルを形成するリングを作成するので、コイル形成において大きな役割を果たしている。しかしながら、本開示に関しては、機械が正常に動作していることを前提としている。
【0022】
本発明は、コイル高さを測定できるスマートカメラ及び/又はレーザー206を利用している。任意で、2つのカメラを用いることも可能であり、第1のカメラ208で形成を監視し、第2のカメラ206で高さを測定する。
【0023】
コイル高さを制御するために、以下のような基本的な制御が採用される。最適なコイル高さは、線材1トン当たり0.9m~1mと考えられている。一態様において、最適なコイル高さは、達成可能な最もよく知られた高さの経験的データから導き出され、標準的な改質容器/コイル形成(内径1250/外径850)の場合、この高さと重量との比率は、コイルのもつれのない加工を可能にする。
【0024】
本発明によると、コイルプレートの降下速度は、レーザー又はカメラシステム208を通じて、改質容器210内で測定された蓄積速度と相関する。これら2つの信号に基づいて、コイル形成速度がkg/s単位で算出され、所定の理想的な速度と比較される。この速度が低すぎる場合には、コイルプレート降下速度を増加させ、及び/又はリング分配器及びコイルプレート降下速度を変更する。この速度が低すぎる場合には、リング分配器速度を増加させ、コイルプレート降下速度を減少させる。その後、システムが安定し、コイル高さが最適であることを確実にするために、改質領域における回収率がサンプリングされる(例えば、10秒ごと)。
【0025】
コイル形成カメラ208は、コイルの外縁を検査し、コイルの外縁が滑らかに形成されていること、及び全てのコイルがコイルプレート及び改質チャンバ軸に対して垂直に落下していることを確実にすることができるので、コイル形成カメラ208は、上述したプロセスと並行して動作することができる。
【0026】
本発明の制御は、リング分配器202、冷却コンベヤの出口ゾーン、及びコイルプレート降下制御速度に関連付けることができる。
【0027】
コイル形成は二次的なスレーブ機能であるので、コイル高さ制御が本発明による一次的な原動力であることに留意すべきである。
【0028】
段付きコイル形成が検出される場合、2つの原因が考えられる:リング分配器速度が低すぎて冷却コンベヤからのリングが塊になっているか、又はコイルプレートの降下速度が可変である(例えば、正弦波状に速度が上がり、速度が下がる)。段差の形成が検出されると、本発明に係る制御は、まずリング分配器速度を上げて段差を除去し、コイル降下制御を、降下速度が均一かどうかに関して検査する。
【0029】
リングが傾斜して形成されている場合は、リングが正しい速度で改質領域に入ることを確実にするために、改質領域に対する冷却コンベヤの出口ゾーンの位置、及び/又は冷却コンベヤの出口ローラ速度が変更される。
【0030】
上述した単純なシステムに加えて、収集したデータ及び/又は画像を品質保証データベースとして使用することも可能である。
【0031】
一実施形態において、本発明は、方法を提供し、この方法は:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)からコイル形成速度(CFR)を算出するステップであって、CFRは、最適なコイル重量比(圧延される製品は既知の量であり、トン/時間の圧延速度も既知の量であり、コイルの高さが測定され、システムが0.9m/t以上である場合、RDSの速度を増加させ、コイルプレート降下速度を低下させる)に基づいているステップ、
(b)CFRが閾値を下回る場合、(b1)CPDSを第1の所定量の分増加させる、又は(b2)リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、CPDSを第3の所定量の分減少させるステップ、
(c)改質領域でARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さ(輸送及び巻戻しに関して上述したように、最適コイル高さは線材重量1トン当たり0.9m~1.0mである)を下回り、(b1)又は(b2)に反応してCFRが閾値を下回らなくなるまで、ステップ(a)及び(b)を繰り返し実行するステップ、
を含む。
【0032】
例として、5.5mm圧延の場合、RDSは25rpmに設定され、CPDSは0.01m/sの領域となり、これは線材1トン当たり1mのCFRにほぼ相当する。例えば、CFRが0.8m/tと測定された場合、CFRが1m/tに達するまで、CPDSは2%刻みで増加し、RDSは2%刻みで減少する。
【0033】
別の態様において、本発明は、方法を提供し、この方法は:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイルプレート降下速度(CPDS)と蓄積速度(AR)とからコイル形成速度(CFR)を算出するステップ、
(b)CFRが閾値を下回る場合、CPDSを第1の所定量の分増加させ、リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、CPDSを第3の所定量の分減少させるステップ、
(c)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(b)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、ステップ(a)及び(b)を繰り返し実行するステップ、
を含む。
【0034】
さらに別の態様では、本発明は、システムを提供し、このシステムは:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイル高さ及びコイル形成を監視する複数のカメラ、
(b)コンピュータ可読プログラムコードを格納するストレージ、並びに、
(c)ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行するプロセッサ、
を含み、プロセッサは、
(1)複数のカメラからデータを受信し、
(2)複数のカメラから受信したデータからコイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)を算出し、
(3)CPDS及びARからコイル形成速度(CFR)を算出し、
(4)CFRが閾値を下回る場合、CPDSを第1の所定量の分増加させる、又はリング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、CPDSを第3の所定量の分減少させ、
(5)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(4)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、(1)~(4)を繰り返し実行する。
【0035】
別の態様では、本発明は、システムを提供し、このシステムは:
(a)線材圧延機の改質領域におけるコイル高さ及びコイル形成を監視する複数のカメラ、
(b)コンピュータ可読プログラムコードを格納するストレージ、並びに、
(c)ストレージに格納されたコンピュータ可読プログラムコードを実行するプロセッサ、
を含み、プロセッサは、
(1)複数のカメラからデータを受信し、
(2)複数のカメラから受信したデータからコイルプレート降下速度(CPDS)及び蓄積速度(AR)を算出し、
(3)CPDS及びARからコイル形成速度(CFR)を算出し、
(4)CFRが閾値を下回る場合、CPDSを第1の所定量の分増加させ、リング分配器速度(RDS)を第2の所定量の分増加させ、CPDSを第3の所定量の分減少させ、
(5)改質領域のARをサンプリングし、蓄積コイル高さが最適コイル高さを下回り、(4)に反応して、CFRが閾値を下回らなくなるまで、(1)~(4)を繰り返し実行する。
【0036】
上述した特徴及び適用は、コンピュータ可読記憶媒体(コンピュータ可読媒体ともいう)に記録された命令セットとして規定されるソフトウェアプロセスとして実装され得る。これらの命令が1以上の処理ユニット(例えば、1以上のプロセッサ、プロセッサのコア、又は他の処理ユニット)によって実行される場合、これらの命令は、命令において指示された行為を処理ユニットに実行させる。本開示の範囲内の態様はまた、保存されたコンピュータ実行可能な命令又はデータ構造を伝える又は有するための有形及び/又は持続性のコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。このような持続性のコンピュータ可読記憶媒体は、任意の特殊用途プロセッサの機能設計を含む、汎用又は特殊用途コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、このような持続性のコンピュータ可読媒体は、フラッシュメモリ、RAM、ROM、EEPROM、CD‐ROM若しくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気ストレージデバイス、又はコンピュータ実行可能命令、データ構造、若しくはプロセッサチップ設計の形態で所望のプログラムコード手段を伝達若しくは格納するために使用できる任意の他の媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体には、無線又は有線接続で通過する搬送波及び電子信号は含まれない。
【0037】
コンピュータ実行可能命令には、例えば、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、又は特殊用途処理装置に特定の機能又は機能群を実行させる命令及びデータが含まれる。コンピュータ実行可能命令には、スタンドアロン又はネットワーク環境にあるコンピュータによって実行されるプログラムモジュールも含まれる。一般に、プログラムモジュールには、ルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造、オブジェクト、及び特定のタスクを実行する、又は特定の抽象データ型を実装する、特殊用途プロセッサなどの設計に固有の機能が含まれる。コンピュータ実行可能命令、関連データ構造、及びプログラムモジュールは、本明細書に開示される方法のステップを実行するためのプログラムコード手段の例を表している。このような実行可能命令又は関連データ構造の特定のシーケンスは、そのようなステップに記載された機能を実装するための対応する行為の例を表している。
【0038】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサには、一例として、汎用及び特殊用途のマイクロプロセッサの両方、及びあらゆる種類のデジタルコンピュータの任意の1以上のプロセッサが含まれる。一般に、プロセッサは、読取専用メモリ又はランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必要不可欠な要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリ装置とである。一般に、コンピュータは、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク又は光ディスクなどの、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶装置を含んでいるか、又は、大容量記憶装置からデータを受信するか、若しくは大容量記憶装置にデータを転送するか、若しくはその両方を行うために、動作可能に連結される。しかしながら、コンピュータがこのような装置を備えている必要はない。さらに、コンピュータを他の装置に組み込むことも可能である。
【0039】
本明細書において、「ソフトウェア」という用語は、磁気ストレージ又は例えばソリッドステートドライブなどのフラッシュストレージに格納された、読取専用メモリ又はアプリケーションに常駐するファームウェアを含むことを意図しており、プロセッサによる処理のためにメモリに読み込むことができる。また、複数のソフトウェア技術を、個別のソフトウェア技術のまま、より大きなプログラムのサブパートとして実装することができる場合もある。また、複数のソフトウェア技術を別個のプログラムとして実装し得る場合もある。最後に、ここに記載するソフトウェア技術を共に実装する別個のプログラムの任意の組合せは、主題となる技術の範囲内である。いくつかの実装では、ソフトウェアプログラムは、1以上の電子システム上で動作するようにインストールされると、ソフトウェアプログラムのオペレーションを実行する、1以上の特定のマシン実装を定義する。
【0040】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られる)は、コンパイラ型言語又はインタープリタ型言語、宣言型言語又は手続き型言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で記述することが可能であり、スタンドアロンプログラム、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、又はコンピュータ環境での使用に適した他のユニットとして、任意の形式で展開され得る。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応してもよいが、対応する必要はない。プログラムは、他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語ドキュメントに格納された1以上のスクリプト)を保持するファイルの一部、問題のプログラム専用の単一のファイル、又は複数の調整されたファイル(例えば、1以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を格納するファイル)に格納され得る。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータ上で実行されるか、又は、1つのサイトに配置された複数のコンピュータ上で実行されるか、若しくは複数のサイトに分散して配置され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0041】
上述したこれらの機能は、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア又はハードウェアに実装され得る。本技術は、1以上のコンピュータプログラム製品を用いて実装され得る。プログラマブルプロセッサ及びコンピュータは、モバイル機器に含まれるか、又はモバイル機器としてパッケージ化され得る。プロセス及び論理流れは、1以上のプログラマブルプロセッサ及び1以上のプログラマブル論理回路によって実行され得る。汎用及び特殊目的のコンピュータデバイスおよびストレージデバイスは、通信ネットワークを通じて相互接続され得る。
【0042】
いくつかの実装は、機械可読媒体又はコンピュータ可読媒体(代替的に、コンピュータ可読ストレージ媒体、機械可読媒体、又は機械可読ストレージ媒体と呼ばれる)にコンピュータプログラム命令を格納するマイクロプロセッサ、ストレージ、及びメモリなどの電子部品を含む。このようなコンピュータ可読媒体のいくつかの例としては、RAM、ROM、読取専用コンパクトディスク(CD‐ROM)、記録可能コンパクトディスク(CD‐R)、書き換え可能コンパクトディスク(CD‐RW)、読取専用デジタル多用途ディスク(例えば、DVD‐ROM、2層DVD‐ROM)、様々な記録可能/書き換え可能DVD(例えば、DVD‐RAM、DVD‐RW、DVD+RWなど)、フラッシュメモリ(例えば、SDカード、ミニSDカード、マイクロSDカードなど)、磁気又はソリッドステートハードドライブ、読取専用及び記録可能なBlu-Ray(登録商標)ディスク、超高密度光ディスク、その他の光学又は磁気媒体、フロッピーディスクなどが含まれる。コンピュータ可読媒体は、少なくとも1つの処理ユニットによって実行可能であり、様々なオペレーションを実行するための命令セットを含むコンピュータプログラムを格納することができる。コンピュータプログラム又はコンピュータコードの例としては、例えばコンパイラによって生成されるマシンコード、及び、インタプリタを使用してコンピュータ、電子部品、若しくはマイクロプロセッサによって実行される高位レベルのコードを含むファイルなどが含まれる。
【0043】
上記の議論は主に、ソフトウェアを実行するマイクロプロセッサ又はマルチコアプロセッサについて言及しているが、いくつかの実装は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1以上の集積回路によって実行される。いくつかの実装では、このような集積回路は、回路自体に格納された命令を実行する。
【0044】
本出願の明細書及び請求項で使用される場合、「コンピュータ」、「サーバ」、「プロセッサ」、及び「メモリ」という用語はすべて、電子装置又は他の技術的装置を表している。これらの用語は、人又は人の群を除外する。本明細書において、ディスプレイ又は表示という用語は、電子装置上に表示することを意味する。本出願の明細書及び請求項で使用される場合、「1つのコンピュータ可読媒体」及び「複数のコンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータによって読取可能な形式で情報を記憶する、有形で物理的な物体に完全に限定される。これらの用語は、無線信号、有線ダウンロード信号、及びその他の短時間信号を除外する。
【0045】
開示されたプロセスにおけるステップの特定の順序又は階層は、例示的なアプローチを説明するものであると理解すべきである。設計の好みに基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序又は階層は、配列し直してもよく、又は示されたステップのすべてが実行されてもよいことが理解されるべきである。ステップのいくつかは同時に実行されてもよい。例えば、特定の状況では、マルチタスク及び並列処理が有利であり得る。さらに、上に示した様々なシステムコンポーネントの分離は、そのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載したプログラムコンポーネント及びシステムを、一般に、単一のソフトウェア製品に共に統合することも、複数のソフトウェア製品にパッケージ化することもできることを理解すべきである。
【0046】
これらの態様に対する様々な修正はすぐに明らかになり、本明細書で定義された一般的な原理は他の態様にも適用することができる。したがって、請求項は、本明細書で示される態様に限定されることを意図するものではなく、単数形の要素への言及は、特に断らない限り、「1つのみ」を意味することを意図するものではなく「1つ以上」を意味するものであるという、言語が主張するところと全範囲が矛盾しないと認められる。特に断らない限り、「いくつか」という語句は1つ以上を表している。男性代名詞(例えばhis)は、女性代名詞及び中性代名詞(例えばher及びits)を含み、逆もまた同様である。見出しや小見出しがある場合、それは便宜上のものであり、対象技術を限定するものではない。
【0047】
例えば、「態様」という語句は、当該態様が対象技術にとって必要不可欠であること、又は当該態様が対象技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。ある態様に関する開示は、すべての構成に適用される場合もあれば、1つ以上の構成に適用される場合もある。例えば、「態様」という語句は、1以上の態様を指す場合があり、その逆もまた然りである。また、例えば「構成」という語句は、当該構成が対象技術に必要不可欠であること、又は、当該構成が対象技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。構成に関する開示は、すべての構成に適用される場合もあれば、1つ以上の構成に適用される場合もある。例えば、構成という語句は、1以上の構成を指す場合があり、その逆もまた然りである。
【0048】
上述した様々な態様は、説明のためにのみ提供されており、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本明細書において図示され記載された例示的な態様及び用途に従うことなく、並びに、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書において記載される原理に対して行われ得る様々な修正及び変更を容易に認識するであろう。
【0049】
本明細書には、多くの具体的な実装の詳細が記載されているが、これらは、任意の発明の範囲又は特許請求され得るものに対する制限として理解されるべきではなく、むしろ、特定の発明の特定の態様に特有であり得る特徴の記載として理解されるべきである。別個の態様の文脈で本明細書に記載されている特定の特徴は、組み合わせて単一の態様において実装することも可能である。逆に、単一の態様の文脈において記載される様々な特徴は、複数の態様において別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。さらに、特徴は、特定の組合せで作用するものとしてすでに記載されており、初めはそのようなものとして特許請求されることさえあるが、特許請求された組合せからの1以上の特徴は、場合によっては組合せから削除される可能性があり、特許請求された組合せは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変型例に向けられ得る。
【0050】
同様に、図面には特定の順序でオペレーションが描かれているが、これは、望ましい結果を得るために、そのようなオペレーションを示された特定の順序で実行すること、若しくはシーケンスで実行すること、又は示されたすべてのオペレーションを実行することを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況においては、マルチタスク及び並列処理が有利であり得る。さらに、上述した態様における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての態様においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、記載されたプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品において共に統合され得るか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ると理解されるべきである。
【0051】
上述のように、主題の特定の態様を説明したが、他の態様は以下の請求項の範囲内である。例えば、請求項に記載された行為は、異なる順序で実行されたとしても、望ましい結果を得ることができる。一例として、添付の図に描かれたプロセスは、望ましい結果を得るために、必ずしも示された特定の順序、又はシーケンスを必要としない。特定の実装では、マルチタスク及び並列処理が有利であり得る。
【0052】
線材工場におけるコイル高さ制御を自動化するシステム及び方法を効果的に実装するための上記の態様において、システム及び方法が示されている。様々な好ましい態様が示され、記載されてきたが、このような開示によって本発明を限定する意図はなく、むしろ、添付の請求項に定義されているように、本発明の精神及び範囲内でのすべての変更及び代替構造をカバーすることが意図されていることが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0053】
202 リング分配器、204 コンベヤ、206 第2のカメラ、208 第1のカメラ、210 改質容器