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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-25
(54)【発明の名称】オストミポーチ
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/452 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
A61F5/452
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023574131
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 GB2022051368
(87)【国際公開番号】W WO2022254193
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】2107773.0
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508080986
【氏名又は名称】コンバテック リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ホールデン,クレア
(72)【発明者】
【氏名】ヤング,アリス
(72)【発明者】
【氏名】エバンズ,ケビン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC18
4C098CD01
(57)【要約】
オストミポーチは、ストーマ排出を収容するための空洞を画定する柔軟なシート素材の内壁及び外壁と、ストーマ排出を空洞から排出するための展開可能なドレンと、少なくとも1枚の快適素材のシートとを備える。ドレンは、ストーマ排出を排出するための拡張形態とドレンの収容のための格納形態との間で移動する。快適素材の第1シートは、外壁に取り付けられており、快適素材の第1シートの一部は、フラップを形成する。フラップは、折り線に沿って、カバー位置とアクセス位置との間で折り畳まり、折り線は、格納位置における展開可能なドレンとオストミポーチの最上縁との間に位置している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オストミポーチであって、
ストーマ排出を収容するための空洞を画定する柔軟なシート素材の内壁及び外壁と、
ストーマ排出を前記空洞から排出するための展開可能なドレンと、
少なくとも1枚の快適素材のシートと
を備えており、
前記展開可能なドレンは、前記ストーマ排出を前記空洞から排出するための拡張形態と前記展開可能なドレンの収容のための格納形態との間で移動可能であり、
快適素材の第1シートは、前記外壁に取り付けられており、前記快適素材の第1シートの少なくとも一部は、フラップを形成しており、前記フラップは、前記展開可能なドレンが前記格納形態にあるときに前記フラップが前記展開可能なドレンを覆うカバー位置と、前記格納形態における前記展開可能なドレンが前記フラップによって覆われておらず、展開のためにアクセス可能となる、アクセス位置との間で、折り線に沿って折り畳まるように構成されており、
前記折り線は、前記格納位置における前記展開可能なドレンと前記オストミポーチの最上縁との間に位置している、オストミポーチ。
【請求項2】
前記快適素材の第1シートは、前記外壁に、その外周部の少なくとも一部の少なくとも周りに取り付けられる、
請求項1に記載のオストミポーチ。
【請求項3】
前記折り線は、前記快適素材の第1シートと前記外壁との間の取り付けが終端する前記外周部の周りの2点間に延びる線によって画定される、
請求項2に記載のオストミポーチ。
【請求項4】
前記フラップは、前記折り線からの遠位の縁が前記オストミポーチの前記外周部の形状と一致するような形状である、
請求項1~3の何れか1つに記載のオストミポーチ。
【請求項5】
前記フラップを形成する前記快適素材は、ホットメルト接着剤で被覆されている、
請求項1~4の何れか1つに記載のオストミポーチ。
【請求項6】
前記展開可能なドレンを前記格納位置に保持するように構成された固定具配置をさらに備えており、
前記固定具配置は、前記展開可能なドレンの外表面に位置する第1固定具と前記空洞の外表面に位置する第2固定具とを有する、
請求項1~5の何れか1つに記載のオストミポーチ。
【請求項7】
前記第2固定具は、前記空洞の前記外壁に固定されるタブを有する、
請求項6に記載のオストミポーチ。
【請求項8】
前記タブは、前記タブが固定形態と非固定形態との間で折り畳まるように構成されたタブ折り線を有する、
請求項7に記載のオストミポーチ。
【請求項9】
前記タブの折り畳み可能な部分は、前記フラップが前記アクセス位置にあるときに露出される、
請求項8に記載のオストミポーチ。
【請求項10】
前記タブ折り線は、前記フラップの前記折り線と前記ポーチの下側縁との間に配置されている、
請求項9に記載のオストミポーチ。
【請求項11】
前記フラップの前記折り線は、前記タブ折り線と前記ポーチの前記最上縁との間に配置されている、
請求項8~10の何れか1つに記載のオストミポーチ。
【請求項12】
前記タブ折り線は、前記フラップの前記折り線の下方少なくとも0.5mmに配置されている、
請求項8~11の何れか1つに記載のオストミポーチ。
【請求項13】
前記タブ折り線は、前記フラップの前記折り線の下方少なくとも1mmに配置されている、
請求項8~12の何れか1つに記載のオストミポーチ。
【請求項14】
前記タブ折り線は、前記フラップの前記折り線の下方10mm以下に配置されている、
請求項8~13の何れか1つに記載のオストミポーチ。
【請求項15】
前記タブ折り線は、前記フラップの前記折り線の下方5mm以下に配置されている、
請求項8~14の何れか1つに記載のオストミポーチ。
【請求項16】
前記フラップの前記折り線は、前記ドレンが前記格納位置にあるとき、前記ポーチの下側縁から20mm~50mmの間の距離に配置されている、
請求項1~15の何れか1つに記載のオストミポーチ。
【請求項17】
前記フラップの前記折り線は、前記ドレンが前記格納位置にあるとき、前記ポーチの下側縁から30mm~40mmの間の距離に配置されている、
請求項16に記載のオストミポーチ。
【請求項18】
前記フラップの前記折り線は、前記格納されたドレンの上側縁の上方少なくとも1mmの距離に配置されている、
請求項1~17の何れか1つに記載のオストミポーチ。
【請求項19】
前記フラップは、前記アクセス位置に移動するために、前記折り線から遠位の前記フラップの端部が前記ポーチから離れて前記ポーチの前記最上縁に向かって持ち上げられるように、前記折り線の周りに折り畳まるように構成されている、
請求項1~18の何れか1つに記載のオストミポーチ。
【請求項20】
前記ポーチは、前記空洞を見るための窓開口部をさらに有する、
請求項1~19の何れか1つに記載のオストミポーチ。
【請求項21】
前記窓開口部は、前記外壁に配置されており、前記快適素材の第1シートは、第1部分及び第2部分を有しており、前記第1部分は、前記第2部分に部分的に重複する、又は前記第2部分は、前記窓を形成する重複領域において前記第1部分に重複する、
請求項20に記載のオストミポーチ。
【請求項22】
オストミポーチを形成する方法であって、
ストーマ排出を収容するための空洞を画定する内壁及び外壁と、ストーマ排出を前記空洞から排出するための展開可能なドレンとを提供すること、ここで前記展開可能なドレンは、前記ストーマ排出を前記空洞から排出するための拡張形態と前記展開可能なドレンの収容のための格納形態との間で移動可能であり、
前記外壁に織布快適素材の第1シートを取り付け、前記格納位置にあるときの前記展開可能なドレンを覆うようにフラップを配置したままとすること、
を備えており、ここで前記フラップは、折り線に沿って折り畳まるように構成されており、
前記折り線は、前記格納形態における前記展開可能なドレンと前記オストミポーチの最上縁との間に位置している、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オストミポーチに関するものであり、特に排出可能なオストミポーチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
オストミポーチは、オストメイトの身体で形成されたストーマからのストーマ排出を収集し、保持するために使用され得る。一般にストーマは、オストメイトの身体の胴部における外科的開口部であるが、開口部によって露出される内部組織、臓器、又はその一部のことも指し得る。オストミポーチは概して、ストーマ排出が、形成されたストーマを通ってオストメイトから排出され得る空洞を形成するために、共にシールされる一対の壁の形態をとる。
【0003】
オストミポーチの性質及び用途を考慮すると、ポーチは、オストメイトによってできるだけ容易且つ慎重に装着され得ることが望ましい。オストメイトにとっての利便性を高めるために、ポーチが長時間装着されることも利点である。この理由のため、いくつかのオストミポーチには、オストメイトがストーマ排出を空洞から断続的に排出することを可能とする、ドレンが設けられ得る。ドレンは概して、ポーチが閉じる収容位置と、ドレンが開口し、例えばポーチのドレン開口部を開口することによってポーチの内容物がそこから排出されることを可能とする、展開位置と、の間においていくつかの方法(例えば折り畳む及び/又は巻くことによって)で移動可能である。
【0004】
使用者にとって、オストミポーチ及び/又はドレンの内容物が通常の使用中に隠れていることは望ましくあり得る(排出処理が幾分不快と考えられているため、排出可能なデバイスを特定できることは、望ましくない特徴である)。
【0005】
従って、いくつかの公知の解決手段は、ドレンを隠すためのいくつかの種類の装置を含んでおり、例えばConvaTec社のEsteem(登録商標)+Convex Invisiclose Drainable Pouch with Lock-it Pocket(商標)ポーチでは、ポーチの基部に配置された快適素材の追加層又は複数の層を有する装置が提供されており、ドレンが上方に折り畳まれてポケットが反転したときにドレンが隠れることができるようなポケットを形成する。しかし、そのようなポーチは、追加の製造工程を必要とし、使い易さの観点から増加する複雑さから煩わしく、場合によっては、オストメイトがドレンを完全に収容する(及び隠す)ために両手を使用することを要求し得る。例えば、Lock-it Pocket(商標)は、ドレンを確実に保持するために、親指をLock-it Pocket(商標)の底の角に置き、お金袋を閉じるように裏返しにすることによって、閉じられる。これにより、確かに慎重さと確実性とが改善される一方で、製品は依然として平坦な基部を有しており、上方に折り畳まれたドレンの形態からその形態をとっており、従って、排出可能なデバイスとして特定できるものである(排出処理が幾分不快と考えられているため、望ましくない特徴と考えられる)。
【0006】
SALTs Confidence BEの排出可能なポーチは、不透明な快適層と、隣接する不透明フィルム層との基部が、空洞を形成する2つのフィルム層の外周部に基部を除いて溶着され、従って小さなフラップを形成し、ドレンがフラップと空洞との間に形成される開口部に収容/折り畳まれて導入されるときにその背後にドレンが隠れることができる、代替案を提供する。しかし、このフラップは空洞を形成するフィルム層で溶着されることによって形成される方法のため、ポーチ全体を傷つけるリスクがある。具体的には、発明者らは、フラップが折り畳まれる折り線が収容されるドレンに重なるので、使用者がドレンを露出させるために過度な力を適用し得、その結果被覆層の接着が損傷し得ると、判断した。ポーチの損傷によって、ポーチがあまりにもすぐに廃却される結果となり得るため、望ましくなく、損傷は、ポーチの機能を妨げるものとして理解される。
【0007】
先行技術の1つ以上の問題を克服する、又は少なくとも部分的に軽減することは、本発明の実施形態の目的である。
【発明の概要】
【0008】
本発明の幅広い側面によれば、展開可能なドレンと、折り線に沿ってカバー位置とアクセス位置との間で折り畳まるように構成された快適素材のフラップと、を備えるオストミポーチが提供されており、折り線は、格納位置における展開可能なドレンとオストミポーチの最上縁との間に位置する(すなわち格納されたときの展開可能なドレンの上方に位置する)。
【0009】
オストミポーチは、柔軟なシート素材の内壁と外壁とを備え得る。内壁と外壁とは、ストーマ排出を収容するための空洞を画定し得る。オストミポーチは、少なくとも1枚の快適素材のシートを有し得る。展開可能なドレンは、ストーマ排出を空洞から排出するための拡張形態と、展開可能なドレンの収容のための格納形態との間で移動可能であり得る。快適素材の第1シートは、外壁に取り付けられ得る。快適素材の第1シートの少なくとも一部は、フラップを形成し得る。フラップは、展開可能なドレンが格納形態にあるときにフラップが展開可能なドレンを覆うカバー位置と、格納形態における展開可能なドレンがフラップによって覆われておらず、展開のためにアクセス可能となっている、アクセス位置との間で、折り線に沿って折り畳まるように構成され得る。
【0010】
本発明の一側面によれば、ストーマ排出を収容するための空洞を画定する柔軟なシート素材の内壁及び外壁と、ストーマ排出を空洞から排出するための展開可能なドレンと、少なくとも1枚の快適素材のシートとを備えるオストミポーチが提供されており、展開可能なドレンは、ストーマ排出を空洞から排出するための拡張形態と展開可能なドレンの収容のための格納形態との間で移動可能であり、快適素材の第1シートは、外壁に取り付けられており、快適素材の第1シートの少なくとも一部は、フラップを形成しており、フラップは、展開可能なドレンが格納形態にあるときにフラップが展開可能なドレンを覆うカバー位置と、格納形態における展開可能なドレンがフラップによって覆われておらず、展開のためにアクセス可能となっている、アクセス位置との間で、折り線に沿って折り畳まるように構成されており、折り線は、格納位置における展開可能なドレンとオストミポーチの最上縁との間に位置する。
【0011】
有利に、格納位置における展開可能なドレンとオストミポーチの最上縁との間における折り線の位置(すなわち折り線が展開可能なドレンに重ならないような)は、フラップが上方に折り畳まれたとき、(格納された)ドレン全体にアクセスできることを意味する(上述のSALTS Confidence BE (RTM)製品とは異なる)。これにより、展開可能なドレンへの容易なアクセスが可能となり、快適素材の接着への損傷のリスクが低減する。これは結果として、排出中のポーチ全体の損傷のリスクを低減し得る。損傷のリスクが低減するため、個々のポーチの寿命が増加し得、必要とされるポーチの数が減少する。これは、環境廃棄物の量を減少させるという環境的利益をもたらし得る。
【0012】
以下で提示される任意の特徴は、適宜本発明の任意の側面に適用し得る。
【0013】
内壁と外壁とは、ストーマ排出を空洞から排出するための展開可能なドレンを画定し得る。ドレンは、内壁及び外壁の細長い延長部を有し得る。内壁と外壁とは共に、空洞におけるドレン入口から延びる細長いドレンチャネルと、空洞内からのドレン排出がポーチから排出され得る、ドレンチャネルの遠位端のドレン開口部とを画定し得る。
【0014】
内壁と外壁とは、空洞及び/又はドレンを画定するために、その外周部の周りでシール(例えば溶着)され得る。シール/溶着は、単一の連続的な縁シールを構成し得る。単一の連続的な縁シールは、ドレンチャネルの第1縁(例えば左側の縁)からポーチのドレンチャネルの第2縁(例えば右側の縁)まで延び得る。単一の連続的な縁シールは、例えば任意に2mm~6mmの間、又は3mm~5mmの間、又は約4mmの幅の溶着部を有してもよい。単一の連続的な縁シールは、オストミポーチの外周部の周りで一定の幅を有してもよい。
【0015】
快適素材の第1シートは、外壁に、少なくとも外周部の一部の周りで接合され得る。該接合は、溶着、接着剤、又は同等の手段の使用によるものであり得る。快適素材の第1シートを外壁に取り付ける溶着は、空洞を画定する溶着と連続していてもよい。単一の接合作業は、内壁、外壁、及び快適素材の第1シートを共に接合させるために使用され得る。例えば、単一の溶着は、3つの層を接合させるために使用されてもよい。快適素材の第1シートは、外壁に、その外周部で直接取り付けられてもよい。
【0016】
折り線は、快適素材の第1シートと外壁との間の取り付けが終端する外周部の周りの2点の間に延びる線によって画定され得る。折り線は、快適素材の第1シートと外壁との間のさらなる取り付けの点によって画定されてもよい。折り線は、ドレンが格納位置にあるときのポーチの最低縁から、20mm~50mmの間、又は30mm~40mmの間、例えば約35mm、例えば約34mmの距離に配置され得る。
【0017】
フラップは、アクセス位置に移動するために、折り線からのフラップ遠位端がポーチから離れてポーチの最上縁に向かって持ち上がるように、折り線周りに折り畳まるように構成され得る。フラップは、カバー位置に移動するために、折り線からのフラップ遠位端がポーチの最低縁に向かって移動するように、折り線周りに折り畳まるように構成され得る。ポーチの最低縁は、ドレンと空洞との間の境界面によって画定され得る。ドレンと空洞との間の境界面は、ドレンと空洞との間の折り線によって画定され得る。
【0018】
フラップは、折り線からの遠位端がオストミポーチの外周部の形状と一致するような形状であり得る。フラップは、オストミポーチの1つ以上の輪郭に対応するような形状であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、ポーチは、1つ以上の湾曲した縁を有し得、フラップは、ポーチの湾曲した縁の輪郭に対応して同様に湾曲し得る。フラップの遠位端は、溶着の出現を与えるために加熱され得る(ポーチの外周部の周りの溶着線と合わせるように)。
【0019】
快適素材の第1シートは、第1部分と第2部分とを有し得、第1部分と第2部分とは、第1部分が第2部分に部分的に重複する、又は第2部分が重複領域において第1部分に部分的に重複する、ように外壁に接合され得る。第1部分と第2部分とは、空洞を見るための窓開口部を形成するために重複領域において互いに分離可能であり得る。重複領域は、ポーチの使用時に水平方向に延びるように角度づけられてもよい。快適素材の第1シートの第1部分と第2部分とは、下にある外壁の拡張を収容するために、重複領域において互いにスライドするように構成されていてもよい。第1部分と第2部分とは、重複領域の第1端部と第2端部とで互いに接合されてもよい。第1部分と第2部分とは、重複領域の第1端部と第2端部とにおいて、任意にポーチの外周溶着の部分として、互いに溶着されてもよい。快適素材の第1シートの1つ以上の部分の外縁は、外壁の形状、形態、及び輪郭に対応するような形状及びサイズであってもよい。
【0020】
オストミポーチは、快適素材の第2シートを備え得る。快適素材の第2シートは、内壁に取り付けられ得る。オストミポーチには、快適素材の第2シートと内壁との間に開口部が設けられ得る。開口部は、展開可能なドレンに近接し得る。快適素材のシート又はそれぞれのシートは、それぞれの壁に、その外周部の周りで取り付けられ得る。開口部は、外周部の領域における取り付けの間隙によって設けられてもよい。
【0021】
存在する場合、快適素材の第2シートは、単一の部分又は複数の部分を有し得る。快適素材の第2シートは、内壁の一部のみを覆ってもよい。しかし、快適素材の第2シートは好ましくは、内壁の全体を実質的に覆う。開口部は、ポーチの内壁における入口の位置に対応する内側快適層に設けられ得る。内側快適層は、内壁の形状、形態、及び輪郭に対応するような形状及びサイズであってもよい。内側快適層には、内壁の入口とオストミウェハとの流体接続を可能にするために、内壁の入口の位置に対応するウェハ開口部が設けられ得る。
【0022】
展開可能なドレンは、例えばドレンにおける1つ以上の折り線の周りでドレンを巻く又は折り畳むことによって、収容位置と展開位置との間で移動可能であり得る。使用中において、ドレンは、ドレンを上に向かってオストメイトから離れる方向に折り畳む及び/又は巻くことによって、展開位置から収容位置に移動し得る。
【0023】
格納位置において、ドレンは、ポーチの最低縁から20mm~50mmの間、又は25mm~40mmの間、例えばポーチの最低縁から約30mmで延び得る。特にそれは、ポーチの最低縁から、例えば最後から2番目の折り畳みによって画定される格納されたドレンの上側縁(ドレンの頂部)が、20mm~50mmの間、又は25mm~40mmの間、例えばポーチの最低縁から約30mmで延び得る、距離である。
【0024】
折れ線は、格納されたドレンの上側縁の少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、又は少なくとも5mm、少なくとも7.5mm、少なくとも1cm、又は少なくとも2cm上方に配置され得る。折り線は、格納されたドレンの上側縁の5cm以下、3cm以下、2cm以下、又は1cm以下、例えば好ましくは1mm~10mmの間、より好ましくは約4mm上方に配置され得る。格納位置におけるドレンの上側縁の上方のそのような折り線の配置によって、折り線がドレンの頂部とポーチの最上縁との間に配置されることが可能となる。
【0025】
オストミポーチは、格納位置における展開可能なドレンを保持するように構成された固定具配置をさらに備え得る。固定具配置は、展開可能なドレンの外表面(好ましくは内壁)に位置する第1固定具を有し得る。固定具配置は、空洞の外表面(特に外壁)に位置する第2固定具を有し得る。第2固定具には、タブが設けられ得る。タブは、空洞の外壁に固定され得る。フラップがアクセス位置にあるとき、タブ全体は露出され得る。タブは、タブが固定形態と非固定形態との間で折り畳まるように構成された折り線を有し得る。フラップが折り畳まるように構成された折り線は、(a)タブが折り畳まるように構成された折り線と、(b)オストミポーチの最上縁と、の間に配置され得る。これは、タブが引き上げられるときにフラップと空洞との間の折り目に過度の力がかからないので、有益である。
【0026】
タブが折り畳まるように構成された折り線は、フラップが折り畳まるように構成された折り線の少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、又は少なくとも2mm下方にあり得る。タブが折り畳まるように構成された折り線は、フラップが折り畳まるように構成された折り線の10mm以下、5mm以下、2mm以下、下方にあり得る。例えば、タブが折り畳まるように構成された折り線は、フラップが折り畳まるように構成された折り線から好ましくは2mm~7mmの間、より好ましくは約5mmにあり得る。
【0027】
実施形態において、固定具は、フックアンドループ又はフックアンドフックの固定具であってもよく、例えば第1固定具は、フック固定具のストリップを有し得、第2固定具は、ループ固定具のストリップを有し得、共にフックアンドループ固定具配置を形成する。同様に、第2固定具がループ固定具のストリップを有し、第1固定具がフック固定具のストリップを有してもよい。第1及び第2固定具は、それぞれフック固定具のストリップを有してもよく、2重フック固定具配置を形成する。代替的な固定具は、再シール可能な接着を含み得る。
【0028】
ドレンは、1つ以上の収縮(pursing)ストリップを有し得る。収縮(pursing)ストリップは、硬質で折り曲げ可能な材料を構成し得る。収縮(pursing)ストリップは、ポーチの内壁及び外壁と関連付けられ得る。例えば、収縮(pursing)ストリップは、ポーチの内壁又は外壁に接着又は別の方法で固定され得る。収縮(pursing)ストリップは、その一部において、ストーマ排出を空洞から排出するためのドレン開口部をポーチに画定するために、ポーチの内壁と外壁との分離を援助し得る。例えば、使用中において、収縮(pursing)ストリップは、オストメイト/使用者による力の適用下で曲がる又はアーチ状となり得る。ストリップの曲げ又はアーチは、ポーチ内の開口部(すなわちドレン開口部)を画定するための、ポーチの内壁及び/又は外壁の対応する動作を引き起こし得る。
【0029】
実施形態において、ドレンは、一対の収縮(pursing)ストリップを有し得る。一対の収縮(pursing)ストリップは、ドレンの両側に設けられ得る。例えば、ドレンは、内壁に第1収縮(pursing)ストリップ、外壁に第2収縮(pursing)ストリップを有し得る。収縮(pursing)ストリップは、互いに重なっていてもよい。代替的に、収縮(pursing)ストリップは、オフセットされていてもよい。
【0030】
実施形態において、ドレンは、2つ以上のセグメントに細分され得る。セグメントは、ドレンが展開位置と収容位置との間を移動するときに折り畳まれ得る折り線によって画定され得る。例えば、ドレンセグメントは、展開位置から収容位置への移動において、互いに重なるように順次折り畳まれ得る。ドレンは、少なくとも2つのセグメントを有し得、第1収縮(pursing)ストリップがポーチの内壁に位置し、ドレンの第1セグメントの少なくとも一部を画定し、第2収縮(pursing)ストリップがポーチの外壁に位置し、ドレンの第2セグメントの少なくとも一部を画定する。ドレンは、3つのセグメントに細分されてもよく、第2固定具がポーチの内壁に設けられ、ドレンの第3セグメントの少なくとも一部を画定する。
【0031】
ドレンは、ポーチの下側部分に設けられ得、例えばポーチが実質的に垂直な方向で使用されるように構成されている場合におけるポーチの底部に依存している。
【0032】
内壁及び外壁の柔軟なシート素材は、単層又は複数の層の積層物を構成し得る。内壁及び/又は外壁の柔軟なシート素材は、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)及び/又はエチレンビニルアセテート(EVA)を構成し得る。内壁及び/又は外壁の厚さは、例えば50~150マイクロメートルの間、又は75~125マイクロメートルの間、又は75~100マイクロメートルの間であり得る。
【0033】
快適素材は、柔軟なシート素材から形成され得る。柔軟なシート素材の材料は、ポリエステル、ナイロン、ビスコース、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、及びエチレンビニルアセテート(EVA)のうち1つ又は複数を構成し得る。快適層は、2つ以上の層の積層物を構成し得る。快適層は、少なくとも1つの布層と少なくとも1つのフィルム層とを有し得る。少なくとも1つのフィルム層は、少なくとも1つの布層に積層されてもよく、任意に少なくとも1つの快適層全領域に渡って少なくとも1つの布層に積層されてもよい。少なくとも1つの布層は、織布層又は不織布層を有し得る。布層は、ポリエステル、ナイロン、ビスコース、ポリエチレン、又はポリプロピレンを構成し得る。少なくとも1つのフィルム層は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、又はエチレンビニルアセテート(EVA)を構成し得る。快適層の厚さは、例えば、50~1000マイクロメートルの間、又は60~500マイクロメートルの間、又は75~300マイクロメートルの間、又は100~200マイクロメートルの間であり得る。
【0034】
(第1シート及び/又は第2シートの)快適層は、布層、例えば不織布層又は織布層であり得る。布層は、ホットメルト接着剤(例えばEVAの網)を有し得る。ホットメルト接着剤は、快適層の内側表面に配置され得る。ホットメルト接着剤は、布層を貫通し得る。網は、必要な材料の量を低減させるように、その中にボイドを有する接着剤の塊を有してもよい。
【0035】
ホットメルト接着剤の被覆は、網として適用され得る。ホットメルト接着剤の網は、塊と塊における複数のボイドとを構成し得る。網は、ラティス、メッシュ、又はグリッドであり得る。網は、ネット又はドットであってもよい。ボイドは、規則的に間隔があけられてもよい。ボイドは、不規則に間隔があけられてもよい。ボイドは、規則的な形状であってもよい。網は、接着剤の規則的で一定の分布を有してもよい。ボイドは、不規則な形状であってもよい。網は、接着剤の不規則で一貫性のない分布を有してもよい。それぞれのボイドは、塊と比較して、快適層に提供されるホットメルト接着剤の不在(すなわち実質的に不在)を含んでもよい。ボイドは、網の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、又は少なくとも70%を構成し得る。
【0036】
従ってこのタイプの網は、フルフィルムより、より薄く及び/又はより少ない材料でつくることができ、同様にフィルムと関連付けられる布擦れ音を防止する。
【0037】
ホットメルト接着剤は、ポリオレフィン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、シリコンゴム、フルオロポリマ、ポリカーボネート、スチレンブロックコポリマ、ポリエステル、ポリアミド、又はポリカプロラクトンのうち1つ又は複数を構成し得る。特にそれは、EVA又はコポリエステルから構成し得る。一実施形態において、ホットメルト接着剤は、ポリオレフィンである。一実施形態において、ホットメルト接着剤は、エチレンビニルアセテート(EVA)である。一実施形態において、ホットメルト接着剤は、ポリウレタンである。一実施形態において、ホットメルト接着剤は、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)である。一実施形態において、ホットメルト接着剤は、シリコンゴムである。一実施形態において、ホットメルト接着剤は、フルオロポリマである。一実施形態において、ホットメルト接着剤は、ポリカーボネートである。一実施形態において、ホットメルト接着剤は、スチレンブロックコポリマである。一実施形態において、ホットメルト接着剤は、ポリエステルである。一実施形態において、ホットメルト接着剤は、ポリアミドである。一実施形態において、ホットメルト接着剤は、ポリカプロラクトンである。ホットメルト接着剤の面積密度は、少なくとも5、10、15、16、又は20g/m、及び/又は50、40、35、30、又は25g/m以下、好ましくは10~50g/m、16~35g/m、20~30g/m、又は23~27g/m、例えば25g/mであり得る。
【0038】
ホットメルト接着剤は、0.05mm未満、0.04mm未満、0.03mm未満、0.02mm未満、又は0.01mm未満、例えば0.005mm未満の最大厚さ又は平均(ミーン)厚さを有し得る。薄い層/網としてのホットメルト接着剤を提供することによって、必要量が低減し、コスト、必要な出発材料の重量等の点で対応する利点を伴う。
【0039】
快適素材のシートの内側表面は、1つ以上の領域に分割され得る。ホットメルト接着剤は、領域又は1つ以上の領域に適用され得る。2つ以上の領域がある場合、網の特定の特性は、それぞれの領域のために選択され得る。領域のうちの1つ以上には、ホットメルト接着剤が適用されなくてもよい。
【0040】
快適素材の第1シートは、外側表面と内側表面とを有してもよく、内側表面の少なくとも一部(好ましくはフラップを少なくとも含む)は、ホットメルト接着剤の網で被覆されている。
【0041】
ポーチの内壁は、ストーマ排出を空洞に受け入れるための入口を有し得る。
【0042】
ポーチは、内壁の入口内に位置する、又は別の方法で該入口と関連付けられる、オストミウェハ、又は内壁の入口内に位置する、又は別の方法で該入口と関連付けられる、開放可能な継手、の何れかを有し得る。実施形態において、開放可能な継手は、オストミウェハを有する身体装着部品と結合するように構成され得る。存在する場合、オストミウェハは、内壁及び/又は内側快適層の開口部を通って延び得る。オストミウェハには、使用時、オストメイトにポーチを固定する前に使用者によって除去され得る開放可能なライナーが設けられ得る。
【0043】
実施形態において、空洞は、1つ以上の部分、例えば上側部分と下側部分とを有し得る。空洞は、上側部分と下側部分との間に位置するウエスト部分を有してもよい。ウエスト部分は、上側部分及び/又は下側部分の最大幅より小さい最小幅を有し得る。
【0044】
実施形態において、空洞は、上側部分と、下側部分と、上側部分と下側部分との間に位置するウエスト部分とを有し得る。
【0045】
上側及び/又は下側部分は概して、丸みを帯びた形状であり得る。例えば、上側部分は、ウエスト部分の第1縁(例えば左側の縁)からウエスト部分の第2縁(例えば右側の縁)に延びる連続的に湾曲した縁を有し得る。下側部分は、ウエスト部分の第1縁(例えば左側の縁)からウエスト部分の第2縁(例えば右側の縁)に延びる連続的に湾曲した縁を有し得る。
【0046】
上側及び/又は下側部分の連続的に湾曲した縁は、凸状に湾曲し得る。上側及び/又は下側部分の連続的に湾曲した縁には、如何なる変曲点又は輪郭の急な変化が存在し得ない。
【0047】
上側及び/又は下側部分とウエスト部分との間の接合点は、上側又は下側部分の左側縁とウエスト部分の左側縁との間の単一の変曲点、及び上側又は下側部分の右側縁とウエスト部分の右側縁との間の単一の変曲点、によって画定され得る。
【0048】
本発明の他の幅広い側面によれば、オストミポーチの排出方法が提供されており、該方法は、快適素材のフラップを、格納形態における展開可能なドレンとオストミポーチの最上縁との間に位置する折り線に沿って、展開可能なドレンを露出させるアクセス位置に、上方に折り畳むことを備える。
【0049】
本発明の一側面によれば、オストミポーチの排出方法が提供されており、該方法は、快適素材のフラップを、格納形態における展開可能なドレンとオストミポーチの最上縁との間に位置する折り線に沿って、展開可能なドレンを露出させるアクセス位置に、上方に折り畳むこと、展開可能なドレンを拡張形態に展開すること、ストーマ排出を空洞から排出すること、展開可能なドレンを格納形態に収容すること、及びフラップを折り線に沿って展開可能なドレンを覆うカバー位置に下方に折り畳むこと、を備える。該方法は、展開可能なドレンを拡張位置に展開する前に固定具を開放するステップをさらに備え得る。該方法は、展開可能なドレンを格納形態に固定具で固定するステップをさらに備え得る。該方法は、展開可能なドレンを展開する前に固定具を開放するステップをさらに備え得る。
【0050】
本発明の一側面によれば、本明細書に説明されている任意の側面に係るオストミポーチを使用してストーマ排出を収集する方法が提供される。該方法は、オストミポーチをオストメイトのストーマの周りに取り付けることを備える。オストミポーチは、ポーチが1ピースのオストミポーチを構成する場合、ポーチのオストミウェハの使用によってストーマの周りに取り付けられ得る。代替的に、該方法は、2ピースのオストミポーチの身体装着部品のオストミウェハをストーマの周りに取り付けること、ポーチを身体装着部品に取り付けること、を備え得る。ポーチは、オストミウェハがストーマの周りに取り付けられる前又は後に身体装着部品に取り付けられてもよい。オストミポーチが開口又は排出可能なポーチを有している場合、該方法は、ストーマ排出をオストミポーチから排出することを備え得る。オストミポーチは、本発明の先行する側面の方法に従って排出され得る。
【0051】
本発明の他の幅広い側面によれば、オストミポーチを形成する方法が提供されており、該方法は、快適素材の第1シートをオストミポーチの外壁に取り付けること、格納位置にあるときの展開可能なドレンを覆うようにフラップを配置したままとすること、を備えており、ここでフラップは、折り線に沿って折り畳まるように構成されており、折り線は、格納形態における展開可能なドレンとオストミポーチ最上縁との間に位置する。
【0052】
本発明の一側面によれば、オストミポーチを形成する方法が提供されており、該方法は、ストーマ排出を収容するための空洞を画定する内壁及び外壁と、ストーマ排出を空洞から排出するための展開可能なドレンとを提供すること、ここで展開可能なドレンは、ストーマ排出を空洞から排出するための拡張形態と展開可能なドレンの収容のための格納形態との間で移動可能であり、快適素材の第1シートを外壁に取り付けること、格納位置にあるときの展開可能なドレンを覆うようにフラップを配置したままとすること、を備えており、ここでフラップは、折り線に沿って折り畳まるように構成されており、折り線は、格納形態における展開可能なドレンとオストミポーチの最上縁との間に位置する。
【0053】
何れの方法においても、ポーチは、上記で概説された本発明の任意の側面のポーチであり得、上記で開示された任意の追加的な特徴、又はそれらの組み合わせを備え得る。
【図面の簡単な説明】
【0054】
本発明がより明確に理解され得るために、次にそれらの1つ以上の実施形態は、例示のみの方法によって添付の図面を参照して、説明される。
図1】本発明に係るオストミポーチの実施形態の身体側の透視図である。
図2図1のオストミポーチの衣類側の透視図である。
図3a】展開位置における図1のオストミポーチのドレンの断面概略図である。
図3b】格納位置における図1のオストミポーチのドレンの断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
ここで及び本明細書全体を通して使用される場合、用語「ストーマ排出」は、オストメイトによって生産され、ストーマから分泌され得る、又はオストメイトのストーマに存在する、任意のガス、液体、又は固体を指す。ストーマ排出は、ガス、流体、液体及び/又は固体のストーマ排出を有し得る。
【0056】
用語「ストーマ」は、身体の開口部を指す。一般に、ストーマは、身体の胴部における外科的開口部である。いくつかの実施例において、用語「ストーマ」は、開口部によって露出される内部組織、臓器、又はその一部のことも指す。非限定的な実施例として、内部組織は、結腸、回腸、小腸、大腸、空腸、及び十二指腸、並びにそれらの組み合わせから選択され得る。内部組織は、小腸又は大腸の端部又はループであってもよい。
【0057】
用語「オストメイト」は、本明細書に記載されるオストミポーチを使用し得る患者を指す。オストメイトは通常、外科的開口部を有する患者を指すが、本明細書で使用される場合、「オストメイト」は、ストーマが外科手術又は他の手段によってつくられたか否かに関わらず、ストーマを有する患者を指し得る。
【0058】
用語「使用者」は、オストメイト、又はオストメイトを補助する、例えば空洞からストーマ排出を空にする、他の人を指し得る。
【0059】
本明細書に開示されるオストミポーチは例えば、食道瘻造設、胃瘻造設、胆嚢瘻造設、総胆管瘻造設、盲腸瘻造設、人工肛門形成術、十二指腸瘻造設、回腸瘻造設、空腸瘻造設、虫垂造瘻術、気管開口術、尿路変更術、腎瘻造設、尿管造瘻術、又は膀胱瘻造設によってつくられたストーマを管理するのに使用され得る。本明細書に開示されるオストミポーチは、シャント、カテーテル、プラグ、又は糞便管理システムを含むがこれに限定されない追加のデバイスと共に使用され得る。
【0060】
本明細書において、特徴の位置及び向きは、オストミポーチが「使用中」であること、「使用中であるように方向づけられている」こと、又は同様のものであることを基準として説明され得る。そのような用語は、例えばオストメイトの立位姿勢においてオストミポーチがオストメイトの身体に接着されている又は別の方法で固定されているときのオストミポーチの意図された向きを指しており、オストミポーチが現在そのような使用をしているかどうか、又はオストメイトの実際の位置に関係ない。用語「上側」及び「下側」並びに関連する用語は、オストミポーチが使用中であり得る際にオストミポーチの一部又は部分が方向づけられるときの相対的な位置を指している。例えば、オストミポーチのある部分は、オストミポーチの「上側」部分と呼ばれ得、ポーチの最上縁を指し得る。そのような実施例において、前記部分/縁は、立っているオストメイトの身体に取り付けられているときのオストミポーチの最上部分(垂直方向における)であることが意図される。しかし、当業者であれば、オストメイトへの取り付け前において前記部分が常に最上部分であり得るとは限らず、加えてオストメイトが非立位姿勢、例えば横臥姿勢をとっている場合、取り付けたときに該部分が常に最上部分であり得るとは限らないことを、理解する。
【0061】
用語「左側」及び「右側」並びに関連する用語は、後方から見たときのオストミポーチを参照し得る(例えば図1に示すように)。従って、例示的な実施例のように、オストミ器具の「左側」縁は、オストミポーチがオストメイトの前胴に取り付けられている状況におけるオストメイトの左手側を向いている。
【0062】
用語「凹」及び「凸」並びに関連する用語は、オストミポーチの外側から見たときのオストミポーチの特徴の形状を指す。従って、例示的な実施例のように、円形のオストミウェハは、凸形状の外周縁を有するものと考えられる。
【0063】
用語「内側」及び「外側」は、オストミポーチがオストメイトの身体に取り付けられている(例えば接着又は別の方法で)ときのオストメイトの身体を基準としたオストミポーチの一部又は部分の相対的な位置を指す。「内側」は、「外側」である比較位置よりオストメイトの身体に相対的に近い位置を指す。「外側」は、「内側」である比較位置よりオストメイトの身体から相対的に離れた位置を指す。本技術分野において、内側は、「身体側」と同義であり、一方で外側は、「衣類側」と同義である。
【0064】
オストミポーチは概して、接着剤層を含むオストミウェハによってオストメイトの身体に取り付けられる。オストミウェハは概して、取り付け前に使用者によって必要なサイズに切断され得るスタータホールと呼ばれることもあるストーマ用の開口部を有する。オストミウェハは概して、オストミウェハをオストメイトの身体に接着するための接着剤層を身体に面する側に有する。概して、開放ライナーは、オストミウェハの身体に面する側を覆い、皮膚に装着される前に使用者によって除去される。本明細書において、用語「オストミウェハ」は、用語「アダプタ」、「ウェハ」、「ベースプレート」、又は「層状接着ウェハ」と互換的に使用され得る。「オストミウェハ」、「アダプタ」、「ウェハ」、「ベースプレート」、又は「層状接着ウェハ」は、オストメイトとポーチとの間にスキンバリアを形成し得る。本明細書において、用語「オストミウェハ」は、「2ピース器具」用及び「1ピース器具」用のオストミウェハを含む。
【0065】
「2ピースポーチ」は、オストミウェハがポーチに開放可能な結合によって取り付けられる別の身体装着部品の一部を形成するオストミポーチを指す。2ピースポーチは、身体装着部品が損傷なくポーチから分離されることを可能とし、そのことによって該部品の少なくとも1つは、機能的に使用可能であり続ける。例えば、身体装着部品は、オストメイトの身体の決まった場所で留まり得る。対照的に、「1ピースポーチ」は、オストミウェハが器具を損傷するリスクなく容易に分離されることができない程度に、オストミウェハが器具に永久的に取り付けられるオストミポーチを指す。1ピースポーチは、一体式のユニットとして使用されることが意図されている。
【0066】
オストミポーチは一般に、「閉」ポーチ又は「開」ポーチとして構成され得る。本明細書において、「閉ポーチ」は、ストーマ排出が空洞から排出されることが意図されていないオストミポーチを指す。従って、閉ポーチは概して、1回使用の、使い捨て及び再使用不可能なポーチとして構成され得る。本明細書において、「開ポーチ」は、ストーマ排出が空洞から排出され、ポーチを再使用することが可能である、オストミポーチを指す。従って、開ポーチは、身体に取り付けられている間に複数回再使用して空にすることができるような、再使用可能なポーチとして構成され得るが、これは必須ではない。開ポーチにおいて、ストーマ排出は、オストメイトの動作により扇動されて断続的に排出され得る、又は空洞がドレン、例えば夜間ドレンラインに流体的に接続されることにより断続的又は連続的に排出され得る。
【0067】
閉ポーチ又は開ポーチの使用は、一部において使用者の選択によるものであり得るが、同様に閉ポーチ又は開ポーチの何れかは、特にオストメイトのニーズに依存して、及びオストメイトのストーマの位置に依存して、より適され得る。例えば、回腸瘻造設によって形成されたストーマにとってのストーマ排出は、緩く、排出しやすい傾向であり得、開ポーチが適しているという結果につながり得る。人工肛門形成術によって形成されたストーマにとってのストーマ排出は、より固体である傾向があり、使用者によって容易に排出され得ない。そのような場合では、閉ポーチがより適し得る。
【0068】
「can」、「could」、「might」、又は「may」等の条件を表す語は、特に別段の記載がない限り、又は使用される文脈内で別段理解されない限り、概して特定の実施形態が特定の特徴、要素、及び/又はステップを含み、一方で他の実施形態が含んでいないことを伝えることを意図している。従って、そのような条件を表す語は概して、特徴、要素、及び/又はステップが1つ以上の実施形態に何らか必要とされること、又は1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素、及び/又はステップが任意の特定の実施形態において含まれるか又は実行されるか否かを、使用者のインプット又は行動の有無で決定するロジックを必ず含むこと、を伴うように意図されていない。
【0069】
図1~3は、例示的なオストミポーチ10を示しており、ストーマ排出を収容する空洞12を画定するためにその外周部11の少なくとも一部の周りがシールされている、内壁19及び外壁21と、展開可能なドレン13とを有している。従ってポーチ10は、「開」であり、以下で詳細に説明されるドレン開口部15を除いたポーチ10の外周部11の周りにおける連続的なシールである、単一として設けられたシール14を有する。この実施形態において、空洞は、第1の上側部分16と第2の下側部分17とを含んでおり、それらは概して凸状の湾曲した縁を有する丸みを帯びた形状である。上側部分16と下側部分17とは、上側部分16及び下側部分17より狭い幅のウエスト部分18によって分離されている。ウエスト部分18は、凹状の湾曲した縁を有する。展開可能なドレン13は、ポーチの下側部分17から延びて設けられている。
【0070】
当業者であれば、オストミポーチの形状が上述のものに限定されず、加えてここに開示されている技術がウエスト部分無し、又は複数のウエスト部分を有するポーチ等、他のポーチの形状に同様に適用し得ることを、容易に理解する。
【0071】
この実施形態の内壁19と外壁21とは、柔軟なプラスチックシート素材で形成されている。ポーチ10はまた、外側快適層31を形成する快適素材の第1シートを含んでおり、この実施形態においてはまた、内側快適層32を形成する快適素材の第2シートを含む。内側快適層32は内壁19に重なり、外側快適層31は外壁21に重なっている。この実施形態において、快適層31、32は、織布素材で形成されており、ポーチ10の外側表面を画定する。内壁19及び外壁21にそれぞれ面している内側及び外側快適層31、32の表面は、快適層が介在層の必要無しにポーチに溶着されることを可能とするように、ホットメルト接着剤(この実施例ではEVA)の網で被覆されている。しかし、快適層が様々な他の材料で形成され、複数の層等として提供され得ることが理解される。
【0072】
この実施形態において、外側快適層は、2つの部分、下側部分17とウエスト部分18とを覆い、上側部分16を部分的に覆う、第1部分31aと、上側部分16を部分的に覆う第2部分31bとで提供されている。第1及び第2部分は、重複領域において部分的に重複している。第2部分31bは、外壁21にその外周部11の周りで接合されている。第1部分31aは、外壁21にその外周部の一部に沿って接合されており、第1部分31aは、右外周部35aと左外周部35bとに沿って接合されており、該接合は、下側溶着端35a’、35b’で終端している。第1部分31aの下側縁は、外壁に接合されておらず、代わりにフラップ33を形成する。フラップ33は、フラップ折り線34に沿って折り畳まり、折り線は、第1部分31aの左右の外周部接合の下側溶着端35a’、35b’の間に延びている。フラップ33は、格納位置における展開可能なドレン(以下でさらに詳しく述べられる)を覆うカバー位置にあるとき、フラップ折り線34からの遠位縁36が、ドレンが格納位置にあるときのポーチの形状と一致するような、形状である。
【0073】
外側快適層の第1及び第2部分31a、31bは、使用中において、空洞を見るための窓開口部を形成するために、重複領域22において互いに分離可能である。示された実施形態において、第2部分31bは、重複領域において第1部分31aに重なっているが、当業者であれば、そのような重複が逆の方法で形成され得る、すなわち第1部分31aが重複領域22において第2部分31bと重複することを認識し、もちろん他の実施形態において、外側快適層は、重複無しで1つの部分に形成されてもよい。
【0074】
内壁19は、開口部50を有しており、そこでストーマ排出を空洞に受け入れるためのポーチ10のストーマ入口51を画定している。ストーマ入口51は、ポーチの上側部分16に配置されている。この実施形態において、内側快適層32には、ストーマ入口と同心円状に配置された開口部35が設けられており、それにより、オストミウェハ52が使用中にストーマに適用されることが可能となる。この実施形態において、オストミウェハ53は、永久的にポーチに取り付けられており、すなわちポーチは、1ピースポーチであるが、もちろん分離可能(すなわち2ピースポーチ)であってもよい。
【0075】
この実施形態において、内壁と内側快適層との間の溶着は、その外周部全体に広がっておらず、ドレン13に近接する部分76は、内壁と内側快適層との間の間隙が形成されるように溶着されていないままである。
【0076】
上述のように、内壁19と外壁21とは、展開可能なドレン13をさらに画定する。ドレン13は、内壁及び外壁と一体であり、この実施形態では、細長く、下側部分17の下側縁から延びており、外周部11の周りの溶着は、ドレンのそれぞれの縁に沿って、ポーチがシールされていないままのドレン開口部15、すなわち内壁と外壁とが互いに接合されていない外周部11の領域まで延びている。使用中において、ドレン開口部15は、ストーマ排出を空洞から除去するために使用され得る。
【0077】
この実施形態において、ドレン13は、ドレン13を横方向に横断して延びる第1及び第2折り線63、64によって、その長さに沿って3つの等しい部分66、67、68に区切られており、第3折り線65は、(ドレンが格納されているときの)ポーチの最低縁を画定するドレンと空洞の境界面で、ドレンを横方向に横断して延びている。この実施形態は、ドレン開口部15に近接する部分66を画定する内壁19の部分に配置されている第1収縮(pursing)ストリップ61を含む。第2収縮(pursing)ストリップ62は、この実施形態のドレン13の中間部分67を画定する外壁21の部分に配置されている。第1固定手段69は、空洞に近接する部分68を画定する内壁の部分に配置されており、この示された実施形態において、固定手段は、自己把持固定フックテープのストリップである。当業者であれば、他の固定手段もまた適していること、収縮(pursing)ストリップが望ましいが任意の特徴であること、及び他の配置が本発明の範囲内であること、を理解する。
【0078】
第2固定具70は、この例示的なポーチの外壁21の下側部分に配置されている。第2固定具70は、下側溶着端35a’、35b’間を延びる折り線の中央且つ下方に配置されている。この特定の実施形態の第2固定具70は、折り畳み可能な発泡タブで形成されており、該タブは、タブ折り線75周りに折り畳まり、タブ折り線は、第2固定具70の2つの部分、接着部分71と固定部分73とを画定する。接着部分71の一方側には、発泡タブを外壁21の外表面に接着する接着剤72が被覆されている。固定部分73には、接着部分上の接着剤72に対するタブの反対表面に配置された第2固定手段74(この示された実施形態では自己把持固定フックテープのストリップ)が設けられている。この実施形態において、折り畳み可能な発泡タブは、その折り線75がフラップ33の折り線64と平行であるが、下方に配置される(すなわち折り畳み可能な発泡タブの折り線は、ポーチの下側縁により近く配置されている)ように、配置されている。
【0079】
使用中、ドレン13は、拡張形態(図3aに示されるような)と格納形態(図3bに示されるような)との間で移動可能である。この実施形態において、ドレン13は、拡張形態から以下の方法で格納形態に移動する。まず、ドレンの中間部分67を形成する外壁21の部分とドレン開口部15に近接する部分66とが接触するように、ドレン開口部15に近接するドレンの部分66は、第1折り線63周りに身体から離れて折り畳まれる。次に、ドレンは、ドレン開口部15に近接する部分66を形成する内壁19と空洞に近接する部分68を形成する外壁21とが接触するように、第2折り線64周りに身体から離れて折り畳まれる。第3の折り畳みは、第3折り線周りに行われ、中間部分67を形成する内壁19の部分62が空洞の外壁21と接触するように、再度ドレン13を身体から離れて折り畳む。格納形態において、第2折り線64によって形成されるように格納されたドレンの頂部は、下側溶着端35a’、35b’の間で延びる線の下方に配置される。当業者であれば、ドレンが折り畳みの回数に対応する増減に適用され得るより多くの又はより少ない部分を備え得ることを認識する。さらに、ドレンの折り畳みの代替として、ドレンは、巻き等の代替方法で格納され得ることを認識する。
【0080】
ドレン13が格納形態にあるとき、3つの折り線63、64、65周りに繰り返された折り畳みは、ストーマ排出が空洞から漏れないように、ドレン13を効果的にシールする。ドレンは、第1及び第2固定手段69、74が接触するように第2固定具70を折り線72周りに折り畳むことによって、格納形態において保持され得る。その後、フラップ33は、格納形態におけるドレン13を覆うように、フラップ折り線34周りに下方に折り畳まれ得る。
【0081】
逆に、ポーチ10の排出を可能とするために、ドレン13は、格納形態から展開形態に移動し得る。まず、フラップは、格納されたドレン13と固定タブ70とを完全に露出させるために、フラップ折り線34周りに折り返される(すなわちフラップ折り線が格納されたドレン又は固定タブに重ならない)。その後固定タブ70は、ドレンから取り外され得、折り畳み動作が逆の順で行われ、ドレンを格納形態から拡張形態に移動させ(すなわち第3折り線65、そして第2折り線64、最後に第1折り線63周りに展開する)、ドレン12は、もはやシールされておらず、ストーマ排出は、ドレン開口部15を介して空洞から排出され得る。
【0082】
本明細書において、材料の量、デバイスの寸法、その他同様のものを示す全ての数値は、実施例又は別途明確に示されている場合を除き、言語「約」によって修飾されているものとして理解されるべきである。
【0083】
1つ以上の実施形態は、例示のみの方法によって上述されている。多くの変形は、添付の特許請求の範囲によって与えられる保護範囲から逸脱することなく、可能である。
図1
図2
図3a
図3b
【国際調査報告】