(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-25
(54)【発明の名称】無脊椎有害生物を防除するための縮合ピリジン
(51)【国際特許分類】
C07D 491/048 20060101AFI20240618BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240618BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240618BHJP
A61P 33/14 20060101ALI20240618BHJP
A61K 31/4355 20060101ALI20240618BHJP
C07D 413/04 20060101ALI20240618BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20240618BHJP
A01P 7/02 20060101ALI20240618BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20240618BHJP
A01N 43/80 20060101ALI20240618BHJP
A01N 43/90 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
C07D491/048 CSP
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P33/14
A61K31/4355
C07D413/04
A61K31/4439
A01P7/02
A01P7/04
A01N43/80 102
A01N43/80 101
A01N43/90 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574147
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 US2022031512
(87)【国際公開番号】W WO2022256284
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ミン・シュウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・フィリップ・ラーム
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ジョン・ディアンジェリス
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4H011
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZB37
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC67
4C086CB22
4C086GA08
4C086GA09
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZB37
4H011AC01
4H011AC04
4H011BB10
4H011BC03
4H011BC07
4H011BC18
4H011BC19
4H011BC20
4H011DA03
4H011DA14
4H011DA15
4H011DA16
4H011DH02
4H011DH03
4H011DH20
(57)【要約】
全ての幾何異性体及び立体異性体を含めた式(I)の化合物、そのN-オキシド、及び塩を開示し、式中、R
1、R
2、R
3、A及びTは、本開示において定義されている通りである。式(I)の化合物を含有する組成物、及び無脊椎有害生物又はその環境と生物学的有効量の本開示の化合物又は組成物とを接触させることを含む無脊椎有害生物を防除するための方法をまた開示する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1から選択される化合物、そのN-オキシド又は塩
【化1】
[式中、
Tは、
【化2】
であり、
Aは、O、S又はCH
2であり;
R
1、R
2、及びR
3は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ、C
1~C
4ハロアルキルチオ、C
1~C
4アルキルスルフィニル、C
1~C
4ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
4アルキルスルホニル又はC
1~C
4ハロアルキルスルホニルであり;
Xは、O又はSであり;
Jは、C(=Z)NR
4R
5又はCH(R
6)N(R
13)C(=Z)R
14であり;
各Zは、独立に、O又はSであり;
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
4~C
7アルキルシクロアルキル、C
4~C
7シクロアルキルアルキル、C
2~C
7アルキルカルボニル又はC
2~C
7アルコキシカルボニルであり;
R
5は、水素、OR
10、NR
11R
12、SO
2NR
11R
12、C(R
12)=NOR
11、CHR
12NHR
11若しくはQ
1;又はR
7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
4~C
7アルキルシクロアルキル若しくはC
4~C
7シクロアルキルアルキルであるか;或いは
R
4及びR
5は、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される2個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)
2から選択され、前記環は、ハロゲン、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ、C
1~C
2ハロアルコキシ、シアノ及びニトロから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
R
6は、水素、ハロゲン、シアノ、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3ハロアルキルであり;
各R
7は、独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、Q
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノ、C
2~C
8ジアルキルアミノ、C
3~C
6シクロアルキルアミノ、C
2~C
7アルキルカルボニル、C
2~C
7アルコキシカルボニル、C
2~C
7アルキルアミノカルボニル、C
3~C
7シクロアルキルアミノカルボニル、C
3~C
7アルケニルアミノカルボニル、C
3~C
7アルキニルアミノカルボニル、C
3~C
9ジアルキルアミノカルボニル、C
2~C
7ハロアルキルカルボニル、C
2~C
7ハロアルコキシカルボニル、C
2~C
7ハロアルキルアミノカルボニル、C
3~C
9ハロジアルキルアミノカルボニル又は-CONH
2であり;
Q
1は、5員若しくは6員芳香族環又は4~11員飽和若しくは不飽和環若しくは環系であり、それぞれは1個までの酸素、1個までの硫黄及び3個までの窒素から選択される3個までのヘテロ原子を任意選択で含有し、ここで、2個までの炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立に選択され、硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)
2から選択され、各環若しくは環系は、R
8から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されており;
各Q
2は、独立に、フェニル環、5員若しくは6員芳香族複素環式環又は3員~6員非芳香族複素環式環であり、各環は、R
9から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されており;
各R
8は、独立に、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノ、C
2~C
6ジアルキルアミノ、C
2~C
4アルコキシカルボニル、C
2~C
7アルキルアミノカルボニル、C
3~C
9ジアルキルアミノカルボニル、-CONH
2、シアノ又はニトロであり;
各R
9は、独立に、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノ、C
2~C
6ジアルキルアミノ、シアノ、ニトロ、フェニル又はピリジニルであり;
R
10は、水素;又は1個若しくは複数個のハロゲンでそれぞれが任意選択で置換されている、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
4~C
7アルキルシクロアルキル若しくはC
4~C
7シクロアルキルアルキルであり;
R
11は、水素、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
4~C
7アルキルシクロアルキル、C
4~C
7シクロアルキルアルキル、C
2~C
7アルキルカルボニル、C
2~C
7ハロアルキルカルボニル又はC
2~C
7アルコキシカルボニルであり;
R
12は、水素若しくはQ
3;又はR
7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
4~C
7アルキルシクロアルキル若しくはC
4~C
7シクロアルキルアルキルであるか;或いは
R
11及びR
12は、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)
2から選択され、前記環は、ハロゲン、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ、C
1~C
2ハロアルコキシ、シアノ及びニトロから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
Q
3は、フェニル環又は5員若しくは6員複素環式環であり、各環は、R
9から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されており;
R
13は、水素、C
1~C
6アルキル、C
2~C
7アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、C
2~C
7アルコキシカルボニル又はC
2~C
4アルコキシアルキルであり;
R
14は、ハロゲン、OR
19、S(=O)
nR
20又はNR
21C(=O)R
22で任意選択で置換されているC
1~C
6アルキルであるか;或いは
R
14は、1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、シアノ、C
1~C
2アルキル及びC
1~C
2ハロアルキルから選択される4個までの置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C
3~C
6シクロアルキル又はC
4~C
7シクロアルキルアルキルであるか;或いは
R
14は、(CH
2)
mQ
4であるか;或いは
R
14は、OR
16又はNR
17aR
17bであり;
Q
4は、炭素原子、並びに1個の酸素及び1個の硫黄から独立に選択される1個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~6員飽和複素環式環であり、ここで、硫黄原子環員は、S、S(=O)又はS(=O)
2から選択され、各環は、R
18から独立に選択される2個までの置換基で任意選択で置換されており;
R
16は、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり;
R
17aは、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル又はC
3~C
6シクロアルキルであり;
R
17bは、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル又はC
3~C
6シクロアルキルであるか;或いは
R
17a及びR
17bは、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)
2から選択され、前記環は、ハロゲン、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ、C
1~C
2ハロアルコキシ、シアノ及びニトロから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
各R
18は、独立に、ハロゲン、シアノ、C
1~C
2アルキル又はC
1~C
2ハロアルキルであり;
R
19は、水素、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり;
R
20は、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり;
R
21は、水素又はC
1~C
4アルキルであり;
R
22は、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル又はC
3~C
6シクロアルキルであり;
nは、独立に、0、1又は2であり;
mは、0又は1である]。
【請求項2】
Aが、Oであり;
R
1、R
2、及びR
3が、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、シアノ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ又はC
1~C
4ハロアルコキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Tが、T-1、T-2、T-3、T-4、T-5、T-6又はT-9であり;
R
1、R
2、及びR
3が、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ又はC
1~C
2ハロアルコキシであり;
Zが、Oである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Tが、T-1、T-2、T-3、T-6又はT-9であり;
R
1、R
2、及びR
3が、それぞれ独立に、水素、ハロゲン又はC
1~C
2ハロアルキルであり;
R
4が、水素、C
2~C
7アルキルカルボニル又はC
2~C
7アルコキシカルボニルであり;
R
6が、水素、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3ハロアルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R
4が、水素であり;
R
5が、水素若しくはQ
1;又はR
7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル若しくはC
4~C
7シクロアルキルアルキルであり;
R
6が、水素であり;
各R
7が、独立に、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ、C
1~C
4アルキルスルフィニル、C
1~C
4アルキルスルホニル、C
2~C
5アルキルカルボニル、C
2~C
5アルコキシカルボニル、C
2~C
5アルキルアミノカルボニル、C
3~C
5シクロアルキルアミノカルボニル又は-CONH
2であり;
Q
1が、1個までの酸素、1個までの硫黄及び2個までの窒素から選択される2個までのヘテロ原子を任意選択で含有する4~6員飽和若しくは不飽和環であり、ここで、1個までの炭素原子環員が、C(=O)であり、硫黄原子環員が、S、S(=O)及びS(=O)
2から選択され、各環が、R
8から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されており;
R
13が、水素、C
1~C
4アルキル、C
2~C
7アルキルカルボニル又はC
2~C
7アルコキシカルボニルであり;
R
14が、ハロゲンで任意選択で置換されているC
1~C
6アルキルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R
5が、Q
1;又はR
7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C
1~C
4アルキル、シクロプロピル若しくはシクロプロピルメチルであり;
Q
1が、1個までの酸素、1個までの硫黄及び2個までの窒素から選択される2個までのヘテロ原子を任意選択で含有する4~6員飽和環であり、ここで、硫黄原子環員が、S、S(=O)及びS(=O)
2から選択され;
R
13が、水素であり;
R
14が、メチル又はエチルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Tが、T-1、T-2又はT-6である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
群:
N-(シクロプロピルメチル)-4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
N-シクロプロピル-4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
N-シクロプロピル-7-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキサミド;
7-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[(1R)-1-メチル-2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル]チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキサミド;
7-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-(1,1-ジオキシド-3-チエタニル)チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキサミド;
N-[[4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-イル]メチル]アセトアミド;
N-[[4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-イル]メチル]プロパンアミド;
4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[(1R)-1-メチル-2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル]チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
N-シクロプロピル-4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-(1,1-ジオキシド-3-チエタニル)チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
N-[[4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]-2,3-ジヒドロフロ[2,3-c]ピリジン-7-イル]メチル]プロパンアミド;
4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-6,7-ジヒドロ-N-[(1R)-1-メチル-2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル]-5H-シクロペンタ[c]ピリジン-1-カルボキサミド
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物、並びに界面活性剤、固体賦形剤及び液体賦形剤からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる構成要素を含む組成物であって、少なくとも1種のさらなる生物学的活性化合物又は薬剤を任意選択でさらに含む、組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種のさらなる生物学的活性化合物又は薬剤が、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホスメチル、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ボレート、ブプロフェジン、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シクロキサプリド、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルエンスルホン、フルオピラム、フルピプロール、フルピラジフロン、フルバリネート、タウ-フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホスチアゼート、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ハイドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性石鹸、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロール、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノクロトホス、モンフルオロトリン、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオンメチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミカーブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンブト、ピフルブミド、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロル、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、チオキサザフェン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメエート、トリクロルホン、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-内毒素、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全ての菌株、核多角体病ウイルスの全ての菌株、昆虫病原菌、昆虫病原性ウイルス及び昆虫病原性真菌からなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種のさらなる生物学的活性化合物又は薬剤が、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カルバリル、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルエンスルホン、フルピプロール、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ハイドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モンフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメエート、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-内毒素、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全ての菌株及び核多角体病ウイルスの全ての菌株からなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
殺寄生生物有効量の請求項1に記載の化合物及び少なくとも1種の担体を含む、無脊椎動物寄生性有害生物から動物を保護するための組成物。
【請求項13】
経口投与のための形態の、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
無脊椎有害生物又はその環境と生物学的有効量の請求項1に記載の化合物とを接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法。
【請求項15】
前記環境が、植物である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記環境が、動物である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記環境が、種子である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記種子が、塗膜形成剤又は接着剤を含む組成物として配合された請求項1に記載の化合物でコーティングされている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
処理の前に種子の約0.0001~1重量%の量で請求項1に記載の化合物を含む、処理された種子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書中にその全体が組み込まれている2021年6月02日に出願された米国仮特許出願第63/195965号明細書の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、農業的及び非農業的な用途に好適な、ある種の縮合ピリジン、それらのN-オキシド、塩、及び組成物、並びに、無脊椎有害生物、例えば農業的及び非農業的両方の環境に存在する節足動物を防除するためのそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
無脊椎有害生物の駆除は、高い作物効率を達成するのに極めて重要である。成長中の及び貯蔵される農作物への無脊椎有害生物による損害は、生産性の著しい低下を引き起こし、それによって消費者へのコストの増加をもたらし得る。林業、温室作物、観賞植物、苗床作物、貯蔵食品及び繊維製品、家畜、家族、芝生、木材製品、並びに公衆衛生及び動物の健康における無脊椎有害生物の駆除もまた重要である。多くの製品が、これらの目的のために商業的に入手可能であるが、より効果的であり、費用がかからず、毒性が少なく、環境上より安全であるか、又は異なる作用部位を有する新規化合物が引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、式1の化合物(全ての幾何異性体及び立体異性体を含めた)、そのN-オキシド、及び塩、並びにこれらを含有する組成物、並びに無脊椎有害生物を防除するためのそれらの使用を対象とする
【化1】
[式中、
Tは、
【化2】
であり、
Aは、O、S又はCH
2であり;
R
1、R
2、及びR
3は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ、C
1~C
4ハロアルキルチオ、C
1~C
4アルキルスルフィニル、C
1~C
4ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
4アルキルスルホニル又はC
1~C
4ハロアルキルスルホニルであり;
Xは、O又はSであり;
Jは、C(=Z)NR
4R
5又はCH(R
6)N(R
13)C(=Z)R
14であり;
各Zは、独立に、O又はSであり;
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
4~C
7アルキルシクロアルキル、C
4~C
7シクロアルキルアルキル、C
2~C
7アルキルカルボニル又はC
2~C
7アルコキシカルボニルであり;
R
5は、水素、OR
10、NR
11R
12、SO
2NR
11R
12、C(R
12)=NOR
11、CHR
12NHR
11若しくはQ
1;又はR
7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
4~C
7アルキルシクロアルキル若しくはC
4~C
7シクロアルキルアルキルであるか;或いは
R
4及びR
5は、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される2個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)
2から選択され、前記環は、ハロゲン、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ、C
1~C
2ハロアルコキシ、シアノ及びニトロから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
R
6は、水素、ハロゲン、シアノ、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3ハロアルキルであり;
各R
7は、独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、Q
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノ、C
2~C
8ジアルキルアミノ、C
3~C
6シクロアルキルアミノ、C
2~C
7アルキルカルボニル、C
2~C
7アルコキシカルボニル、C
2~C
7アルキルアミノカルボニル、C
3~C
7シクロアルキルアミノカルボニル、C
3~C
7アルケニルアミノカルボニル、C
3~C
7アルキニルアミノカルボニル、C
3~C
9ジアルキルアミノカルボニル、C
2~C
7ハロアルキルカルボニル、C
2~C
7ハロアルコキシカルボニル、C
2~C
7ハロアルキルアミノカルボニル、C
3~C
9ハロジアルキルアミノカルボニル又は-CONH
2であり;
Q
1は、5員若しくは6員芳香族環又は4~11員飽和若しくは不飽和環若しくは環系であり、それぞれは1個までの酸素、1個までの硫黄及び3個までの窒素から選択される3個までのヘテロ原子を任意選択で含有し、ここで、2個までの炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立に選択され、硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)
2から選択され、各環若しくは環系は、R
8から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されており;
各Q
2は、独立に、フェニル環、5員若しくは6員芳香族複素環式環又は3員~6員非芳香族複素環式環であり、各環は、R
9から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されており;
各R
8は、独立に、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノ、C
2~C
6ジアルキルアミノ、C
2~C
4アルコキシカルボニル、C
2~C
7アルキルアミノカルボニル、C
3~C
9ジアルキルアミノカルボニル、-CONH
2、シアノ又はニトロであり;
各R
9は、独立に、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル、C
1~C
6アルキルアミノ、C
2~C
6ジアルキルアミノ、シアノ、ニトロ、フェニル又はピリジニルであり;
R
10は、水素;又は1個若しくは複数個のハロゲンでそれぞれが任意選択で置換されている、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
4~C
7アルキルシクロアルキル若しくはC
4~C
7シクロアルキルアルキルであり;
R
11は、水素、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
4~C
7アルキルシクロアルキル、C
4~C
7シクロアルキルアルキル、C
2~C
7アルキルカルボニル、C
2~C
7ハロアルキルカルボニル又はC
2~C
7アルコキシカルボニルであり;
R
12は、水素若しくはQ
3;又はR
7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
4~C
7アルキルシクロアルキル若しくはC
4~C
7シクロアルキルアルキルであるか;或いは
R
11及びR
12は、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)
2から選択され、前記環は、ハロゲン、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ、C
1~C
2ハロアルコキシ、シアノ及びニトロから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
Q
3は、フェニル環又は5員若しくは6員複素環式環であり、各環は、R
9から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されており;
R
13は、水素、C
1~C
6アルキル、C
2~C
7アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、C
2~C
7アルコキシカルボニル又はC
2~C
4アルコキシアルキルであり;
R
14は、ハロゲン、OR
19、S(=O)
nR
20又はNR
21C(=O)R
22で任意選択で置換されているC
1~C
6アルキルであるか;或いは
R
14は、1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、シアノ、C
1~C
2アルキル及びC
1~C
2ハロアルキルから選択される4個までの置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C
3~C
6シクロアルキル又はC
4~C
7シクロアルキルアルキルであるか;或いは
R
14は、(CH
2)
mQ
4であるか;或いは
R
14は、OR
16又はNR
17aR
17bであり;
Q
4は、炭素原子、並びに1個の酸素及び1個の硫黄から独立に選択される1個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~6員飽和複素環式環であり、ここで、硫黄原子環員は、S、S(=O)又はS(=O)
2から選択され、各環は、R
18から独立に選択される2個までの置換基で任意選択で置換されており;
R
16は、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり;
R
17aは、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル又はC
3~C
6シクロアルキルであり;
R
17bは、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル又はC
3~C
6シクロアルキルであるか;或いは
R
17a及びR
17bは、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)
2から選択され、前記環は、ハロゲン、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル、C
1~C
2アルコキシ、C
1~C
2ハロアルコキシ、シアノ及びニトロから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
各R
18は、独立に、ハロゲン、シアノ、C
1~C
2アルキル又はC
1~C
2ハロアルキルであり;
R
19は、水素、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり;
R
20は、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり;
R
21は、水素又はC
1~C
4アルキルであり;
R
22は、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル又はC
3~C
6シクロアルキルであり;
nは、独立に、0、1又は2であり;
mは、0又は1である]。
【0005】
本開示はさらに、式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む、組成物も提供する。一つの実施形態においては、本開示はさらに、式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、並びに、界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む、無脊椎有害生物を防除するための組成物も提供するが、前記組成物には、場合によっては、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤がさらに含まれる。
【0006】
本開示はさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書記載の組成物として)と接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法を提供する。本開示はさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物と接触させるような方法にも関するが、前記組成物には、場合によっては、生物学的有効量の、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は生物活性薬剤をさらに含む。
【0007】
本開示はまた、無脊椎有害生物又はその環境と生物学的有効量の前述の組成物のいずれかとを接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法を提供し、ここで、環境は、植物である。
【0008】
本開示はまた、無脊椎有害生物又はその環境と生物学的有効量の前述の組成物のいずれかとを接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法を提供し、ここで、環境は、動物である。
【0009】
本開示はまた、無脊椎有害生物又はその環境と生物学的有効量の前述の組成物のいずれかとを接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法を提供し、ここで、環境は、種子である。
【0010】
本開示はまた、種子と生物学的有効量の式1の化合物、そのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書に記載されている組成物として)とを接触させることを含む、無脊椎有害生物から種子を保護するための方法を提供する。本開示はまた、処理された種子(すなわち、式1の化合物と接触した種子)に関する。
【0011】
本開示はまた、作物植物、そこから作物植物が成長する種子又は作物植物の生息地(例えば、成長培地)と生物学的有効量の式1の化合物(例えば、本明細書に記載されている組成物として)とを接触させることを含む、作物植物の勢いを増加させるための方法を提供する。
【0012】
本開示はさらに、動物に対して、駆虫的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩を(例えば、本明細書記載の組成物として)投与することを含む、無脊椎の寄生有害生物から動物を保護するための方法も提供する。本開示はさらに、無脊椎有害生物からの動物の保護における、式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書記載の組成物としての)の使用も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で用いるところでは、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」、「で特徴付けられる(characterized by)」、又はそれらの任意の他の変形は、明確に示される任意の制限を受けて、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、又は方法は、それらの要素のみに必ずしも限定されず、明確にリストされないか、又はそのような組成物、混合物、プロセス、又は方法に固有の他の要素を含んでもよい。
【0014】
移行句「からなる(consisting of)」は、明記されないいかなる要素、工程、又は原料をも排除する。特許請求の範囲における場合、そのようなものは、それらと通常関係がある不純物を除いて列挙されるもの以外の材料の包含をクレームから締め出す。語句「からなる」が、前文の直後よりもむしろ、クレームの本体の条項に現れる場合、それは、当該条項に記述される要素のみを限定し;他の要素は、全体としてクレームから排除されない。
【0015】
移行句「から本質的になる(consisting essentially of)」は、文字通り開示されるものに加えて、材料、工程、特徴、成分、又は要素を含む組成物、又は方法を定義するために用いられ、ただし、これらの追加の材料、工程、特徴、成分、又は要素は、特許請求される開示の基本的な及び新規な特性に実質的に影響を及ぼさない。用語「から本質的になる」は、「含む(comprising)」と、「からなる(consisting of)」との中間領域を占める。
【0016】
出願人らが、実施形態又はその一部を、「含む(comprising)」などの開放端用語を使って定義している場合、(特に明記しない限り)この記載が、用語「から本質的になる」又は「からなる」を用いてそのような実施形態をまた記載していると解釈されるべきであることが容易に理解されるはずである。
【0017】
さらに、明確にそれとは反対を述べられない限り、「又は(or)」は、包括的な「又は」を意味し、排他的な「又は」を意味しない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)且つBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)且つBが真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方ともが真である(又は存在する)。
【0018】
また、本開示の要素又は成分に先行する不定冠詞「a」及び「an」は、要素又は成分の場合(すなわち、出現)の数に関して非限定的であることを意図する。それ故「a」又は「an」は、1つ若しくは少なくとも1つを含むと読まれるべきであり、要素又は成分の単数語形はまた、特に数が明らかに単数形であることを意図しない限り複数形を含む。
【0019】
本開示に言及されるように、用語「無脊椎有害生物」には、有害生物として経済的に重要な節足動物、腹足類、線形動物及び蠕虫が含まれる。用語「節足動物」には、昆虫、ダニ(mite)、クモ、サソリ、ムカデ類、ヤスデ、ダンゴムシ及びコムカデが含まれる。用語「腹足類」には、カタツムリ、ナメクジ及び他の柄眼目が含まれる。用語「線形動物」には、植食性線形動物及び動物に寄生する蠕虫線形動物などの、線形動物門のメンバーが含まれる。用語「蠕虫」には、回虫(線形動物門)、犬糸状虫(線形動物門、双腺綱)、吸虫(扇形動物門、吸虫綱)、こう頭虫(こう頭虫門)、及び条虫(扇形動物門、条虫綱)などの、寄生蠕虫の全てが含まれる。
【0020】
本開示との関連で、「無脊椎有害生物駆除」は、無脊椎有害生物成長の阻害(死亡、摂食低下、及び/又は交尾途絶を含む)を意味し、関連表現は、類似して定義される。
【0021】
用語「農学的」は、例えば、食品及び繊維のための農作物の生産を指し、トウモロコシ又はコーン、ダイズ及び他のマメ科植物、イネ、穀物(例えば、小麦、オート麦、大麦、ライ麦及びイネ)、葉物野菜(例えば、レタス、キャベツ、及び他のアブラナ科作物)、結果野菜(例えば、トマト、コショウ、ナス、十字花植物及びウリ科植物)、ジャガイモ、サツマイモ、ブドウ、綿、果樹(例えば、ナシ状果、核果及び柑橘類)、小果(例えば、ベリー及びサクランボ)並びに他のスペシャルティ作物(例えば、キャノーラ、ヒマワリ及びオリーブ)の成長を含む。
【0022】
用語「非農学的」は、例えば園芸作物(例えば、田畑で成長させられない温室植物、苗床植物又は観賞植物)以外の農作物、居住の、農業の、商業の及び工業構造物、芝生(例えば、芝農場、牧場、ゴルフコース、芝土、スポーツフィールドなど)、木製品、貯蔵製品、農森林管理及び植物管理、公衆衛生(すなわち、ヒト)及び動物の健康(例えば、家畜化された動物、例えばペット、家畜及び家禽など、家畜化されていない動物、例えば野生生物など)用途を言う。
【0023】
用語「作物成長力」は、作物の成長又はバイオマス蓄積の速度を言う。「成長力の増加」は、未処理対照作物に対して作物の成長又はバイオマス蓄積の増加を言う。用語「作物収量」は、作物の収穫後に得られた、量及び品質の両方の観点からの、作物材料リターンを言う。「作物収量の増加」は、未処理対照作物に対して作物収量の増加を言う。
【0024】
「生物学的有効量(biologically effective amount)」という用語は、無脊椎有害生物の害から植物を保護したり、或いは所望の効果(例えば、植物の活力の増大)を得たりするために、防除対象の無脊椎有害生物若しくはその環境に対して、又は植物、それから植物が生育する種子、若しくはその植物の領域(例えば、生育環境)に対して適用(すなわち、接触)させて、所望の生物学的効果をもたらすのに十分な、生物活性化合物(例えば、式1の化合物)の量を指している。
【0025】
非農学的適用は、典型的には獣医学における使用のために配合された組成物の形態の殺寄生生物有効(すなわち、生物学的有効)量の本開示の化合物を保護される動物に投与することによって、無脊椎動物寄生性有害生物から動物を保護することを含む。本開示及び特許請求の範囲において言及するように、用語「殺寄生生物性」及び「殺寄生生物的に」は、有害生物からの動物の保護を実現する無脊椎寄生性有害生物に対する観察可能な効果を指す。殺寄生生物性効果は典型的には、標的無脊椎動物寄生性有害生物の出現又は活性を減少させることに関連する。有害生物に対するこのような効果は、壊死、死亡、成長の遅延、移動性の減少、又は宿主動物上若しくは中に留まる能力の減少、摂食の低減、及び繁殖の阻害を含む。無脊椎寄生性有害生物に対するこれらの効果は、動物の寄生又は感染の制御(予防、低減又は除去を含めた)を実現する。
【0026】
構造フラグメントにおける波線は、分子の残部へのフラグメントの付着点を示す。例えば、式1における可変部分TがT-1と定義されるとき、縮合ピリジンT-1のアスタリスク(
*)で同定されている位置において結合を二分する波線は、下記で示すように縮合ピリジンT-1が式1の構造の残部に前記位置において付着していることを意味する。
【化3】
【0027】
フラグメントの定義の最初における「-」は、分子の残部への前記フラグメントの付着点を示す;例えば、「-CH2CH2OMe」は、フラグメント2-メトキシエチルを示す。
【0028】
環状フラグメントは、括弧内の2つの「-」の使用によって表される;例えば、フラグメント1-シアノシクロプロピルは、「-C(CN)(-CH
2CH
2-)」によって表され、ここで、炭素原子は、下記で例示するように2炭素鎖の両方の末端炭素原子に結合している。
【化4】
【0029】
上の説明における、単独、又は「アルキルチオ」又は「ハロアルキル」のような化合物用語で使用される、「アルキル」という用語には、直鎖状又は分岐状のアルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、又は各種のブチル、ペンチル若しくはヘキシル異性体が含まれる。「アルケニル」には、直鎖状又は分岐状のアルケン、例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、並びに各種のブテニル、ペンテニル、及びヘキセニル異性体が含まれる。「アルケニル」にはさらに、1,2-プロパジエニル及び2,4-ヘキサジエニルのような、ポリエンも含まれる。「アルキニル」には、直鎖状又は分岐状のアルキン例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、並びに各種のブチニル、ペンチニル及びヘキシニル異性体が含まれる。「アルキニル」にはさらに、複数の三重結合、例えば2,5-ヘキサジイニル(2,5-hexadiynyl)からなる残基を含むことも可能である。
【0030】
「アルキルアミノ」は、直鎖状若しくは分岐状アルキルで置換されているNH基を含む。「アルキルアミノ」の例には、CH3CH2NH、CH3CH2CH2NH、(CH3)2CHNH並びに異なるブチルアミノ、ペンチルアミノ及びヘキシルアミノ異性体が含まれる。「ジアルキルアミノ」の例には、(CH3)2N、(CH3CH2)2N、CH3CH2(CH3)N及び(CH3)2CHCH2CH2(CH3CH2)Nが含まれる。「アルケニルアミン」は、直鎖状若しくは分岐状アルケンで置換されているNH基を含む。「アルケニルアミン」の例には、CH2=CHNH、CH3CH=C(CH3)CH2NH、(CH3)2CHCH=CHNH並びに異なるブテニルアミン、ペンテニルアミン及びヘキセニルアミン異性体が含まれる。「アルキニルアミン」は、直鎖状若しくは分岐状アルキンで置換されているNH基を含む。「アルキニルアミン」の例には、HC≡CNH、CH3C≡CCH2NH、(CH3)2CHC≡CNH並びに異なるブチニルアミン、ペンチニルアミン及びヘキシニルアミン異性体が含まれる。
【0031】
「アルコキシ」には、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ並びに異なるブトキシ、ペントキシ及びヘキシルオキシ異性体が含まれる。「アルコキシアルキル」は、アルキル上のアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルキル」の例には、CH3OCH2、CH3OCH2CH2、CH3CH2OCH2、CH3CH2CH2CH2OCH2及びCH3CH2OCH2CH2が含まれる。
【0032】
「アルキルチオ」には、分岐鎖若しくは直鎖アルキルチオ部分、例えば、メチルチオ、エチルチオ、並びに異なるプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ及びヘキシルチオ異性体が含まれる。「アルキルスルフィニル」は、アルキルスルフィニル基の両方のエナンチオマーを含む。「アルキルスルフィニル」の例には、CH3S(O)-、CH3CH2S(O)-、CH3CH2CH2S(O)-、(CH3)2CHS(O)-並びに異なるブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル及びヘキシルスルフィニル異性体が含まれる。「アルキルスルホニル」の例には、CH3S(O)2-、CH3CH2S(O)2-、CH3CH2CH2S(O)2-、(CH3)2CHS(O)2-、並びに異なるブチルスルホニル、ペンチルスルホニル及びヘキシルスルホニル異性体が含まれる。
【0033】
「アルキルカルボニル」は、C(=O)部分に結合している直鎖状若しくは分岐状アルキル基を示す。「アルキルカルボニル」の例には、CH3C(=O)、CH3CH2CH2C(=O)、(CH3)2CHC(=O)並びに異なるブチルカルボニル、ペンチルカルボニル及びヘキシルカルボニル異性体が含まれる。「アルコキシカルボニル」の例には、CH3OC(=O)、CH3CH2OC(=O)、CH3CH2CH2OC(=O)、(CH3)2CHOC(=O)、並びに異なるブトキシカルボニル、ペンチルカルボニル及びヘキシルカルボニル異性体が含まれる。「アルキルアミノカルボニル」の例には、CH3NHC(=O)、CH3CH2NHC(=O)、CH3CH2CH2NHC(=O)、(CH3)2CHNHC(=O)、並びに異なるブチルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル及びヘキシルアミノカルボニル異性体が含まれる。「ジアルキルアミノカルボニル」の例には、(CH3)2NC(=O)、(CH3CH2)2NC(=O)、CH3CH2(CH3)NC(=O)、(CH3CH2)2CH(CH3)NC(=O)及びCH3CH2CH2(CH3CH2)NC(=O)が含まれる。用語「アルケニルアミノカルボニル」は、C(=O)基に付着し、且つそれを介して連結している直鎖状若しくは分岐状アルケニルアミノを示す。「アルケニルアミノカルボニル」の例には、CH2=CHNHC(=O)、CH3CH=C(CH3)CH2NHC(=O)及び(CH3)2CHCH=CHNHC(=O)が含まれる。用語「アルキニルアミノカルボニル」は、C(=O)基に付着し、且つそれを介して連結している直鎖状若しくは分岐状アルキニルアミノを示す。「アルキニルアミノカルボニル」の例には、HC≡CNHC(=O)、CH3CH≡CCH2NHC(=O)及び(CH3)2CHC≡CNHC(=O)が含まれる。
【0034】
「シクロアルキル」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。用語「アルキルシクロアルキル」は、シクロアルキル部分上のアルキル置換を示し、例えば、エチルシクロプロピル、i-プロピルシクロブチル、3-メチルシクロペンチル及び4-メチルシクロヘキシルを含む。用語「シクロアルキルアルキル」は、アルキル部分上のシクロアルキル置換を示す。「シクロアルキルアルキル」の例には、直鎖状若しくは分岐状アルキル基に結合したシクロプロピルメチル、シクロペンチルエチル、及び他のシクロアルキル部分が含まれる。「シクロアルキルアミノ」は、シクロアルキルで置換されているNH基を示す。「シクロアルキルアミノ」の例には、シクロプロピルアミノ及びシクロヘキシルアミノが含まれる。「シクロアルキルアミノカルボニル」は、C(=O)基に結合しているシクロアルキルアミノ、例えば、シクロペンチルアミノカルボニル及びシクロヘキシルアミノカルボニルを示す。
【0035】
用語「ハロゲン」は、単独で若しくは複合語、例えば、「ハロアルキル」において、又は記述、例えば、「ハロゲンで置換されているアルキル」において使用されるとき、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む。さらに、複合語、例えば、「ハロアルキル」において使用されるとき、又は記述、例えば、「ハロゲンで置換されているアルキル」において使用されるとき、前記アルキルは、同じ又は異なり得るハロゲン原子で部分的又は完全に置換し得る。「ハロアルキル」又は「ハロゲンで置換されているアルキル」の例には、F3C-、ClCH2-、CF3CH2-及びCF3CCl2-が含まれる。用語「ハロシクロアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハロアルキルチオ」、「ハロアルキルカルボニル」、「ハロアルコキシカルボニル」、「ハロアルキルアミノカルボニル」、「ハロジアルキルアミノカルボニル」などは、用語「ハロアルキル」と類似して定義される。「ハロシクロアルキル」の例には、クロロシクロプロピル、フルオロシクロブチル及びクロロシクロヘキシルが含まれる。「ハロアルコキシ」の例には、CF3O-、CCl3CH2O-、HCF2CH2CH2O-及びCF3CH2O-が含まれる。「ハロアルキルチオ」の例には、CCl3S-、CF3S-、CCl3CH2S-及びClCH2CH2CH2S-が含まれる。「ハロアルキルスルフィニル」の例には、CF3S(O)-、CCl3S(O)-、CF3CH2S(O)-及びCF3CF2S(O)-が含まれる。「ハロアルキルスルホニル」の例には、CF3S(O)2-、CCl3S(O)2-、CF3CH2S(O)2-及びCF3CF2S(O)2-が含まれる。
【0036】
化学的略語S(O)及びS(=O)は、本明細書において使用するように、スルフィニル部分を表す。化学的略語SO2、S(O)2及びS(=O)2は、本明細書において使用するように、スルホニル部分を表す。化学的略語C(O)及びC(=O)は、本明細書において使用するように、カルボニル部分を表す。化学的略語CO2、C(O)O及びC(=O)Oは、本明細書において使用するように、オキシカルボニル部分を表す。「CHO」は、ホルミルを意味する。
【0037】
置換基における炭素原子の合計数は、「Ch~Ci」接頭表記(式中、h及びiは、1~9の数である)によって示される。例えば、C1~C4アルキルスルホニルは、メチルスルホニルからブチルスルホニルまでを表し;C2アルコキシアルキルは、CH3OCH2-を表し;C3アルコキシアルキルは、例えば、CH3CH(OCH3)-、CH3OCH2CH2-又はCH3CH2OCH2-を表し;C4アルコキシアルキルは、全部で4個の炭素原子を含むアルコキシ基で置換されているアルキル基の様々な異性体を表し、例としては、(CH3)2CHOCH2-、CH3CH2CH2OCH2-及びCH3CH2OCH2CH2-が含まれる。
【0038】
化合物が置換基の数が変化し得ることを示す下付き文字を有する前記置換基で置換されているとき(例えば、提示1における(Rv)r、式中、rは、1、2、3又は4である)、前記置換基は、他に示さない限り、確定した置換基の群から独立に選択される。さらに、下付き文字が範囲、例えば(R)h~iを示すとき、置換基の数は、h~i(両端を含む)の整数から選択し得る。ある基が水素であることが可能な置換基、例えば、R1を含有していて、次いで、この置換基が水素であるとしたとき、これは、前記基が非置換であると同等であることが認識される。可変基がある位置、例えば、提示1における(Rv)r(式中、rは、0であり得る)に任意選択で付着していることが示されるとき、水素は、たとえ可変基の定義において列挙されていなくてもその位置にあり得る。基上の1つ若しくは複数の位置が「置換されていない」又は「非置換」であると言われるとき、水素原子が付着して、自由原子価を占有する。
【0039】
任意選択の置換基の数は、表された制限によって限定し得る。例えば、語句「R18から独立に選択される2個までの置換基で任意選択で置換されている」は、(潜在的な接続点の数が許容する場合)0個、1個又は2個の置換基が存在し得ることを意味する。置換基の数について特定される範囲(例えば、提示1において、rは、0~4の整数である)が環上の置換基について利用可能な位置の数(例えば、提示1において、U-9上の(Rv)rについて2つの位置のみが利用可能である)を超えるとき、範囲の実際の上の方の端は、利用可能な位置の数であると認識される。
【0040】
本開示における置換基の命名は、当業者に化学構造を正確に伝えることにおいて簡潔さを実現する認められた用語法を使用する。簡潔さのために、部位識別文字は省略し得る。
【0041】
他に示さない限り、「環」又は「環系」は、式1の構成要素(例えば、置換基Q1)として、炭素環又は複素環である。用語「環系」は、2個若しくはそれより多い接続された環を示す。用語「二環式環系」は、1個若しくは複数個の共通の原子を共有する2個の環からなる環系を示す。「二環式環系」は、「オルト縮合」、「架橋二環式」又は「スピロ二環式」でよい。「オルト縮合二環式環系」において、共通の原子は隣接しており、したがって、環は2個の隣接する原子及びこれらを接続する結合を共有している。「架橋二環式環系」は、環の隣接していない環員へと1個若しくは複数個の原子のセグメントを結合することによって形成される。「スピロ二環式環系」は、環の同じ環員へと2個若しくはそれより多い原子のセグメントを結合することによって形成される。用語「縮合複素二環式環系」は、少なくとも1個の環原子が炭素でない縮合二環式環系を示す。用語「環員」は、環若しくは環系の骨格を形成する原子(例えば、C、O、N、B若しくはS)又は他の部分(例えば、C(=O)、C(=S)、S(=O)若しくはS(=O)2)を指す。
【0042】
用語「炭素環式環」、「炭素環」又は「炭素環式環系」は、環骨格を形成する原子が炭素のみから選択される環若しくは環系を示す。用語「複素環式環」、「複素環」又は「複素環式環系」は、環骨格を形成する少なくとも1個の原子が炭素でなく、例えば、窒素、酸素又は硫黄である環若しくは環系を示す。典型的には、複素環式環には、4個以下の窒素、2個以下の酸素、及び2個以下の硫黄しか含まない。特に断らない限り、炭素環式環又は複素環式環は、飽和環であっても、或いは不飽和環であってもよい。「飽和している(saturated)」は、単結合によって相互に結合されている原子からなる主鎖を有する環を指すが、特に断らない限り、原子の残りの原子価は、水素原子によって占められている。特に断らない限り、「不飽和な環」は、部分的又は全面的に不飽和であってよい。「完全に不飽和な環」という表現は、その環の中の原子の間の結合が、原子価結合理論に従った単結合又は二重結合であり、そしてさらに、その環の中の原子の間の結合に、累積的な二重結合は除いて(すなわち、C=C=CやC=C=Nは除いて)、可能な限り多くの二重結合が含まれているような、原子の環を意味している。「部分的に不飽和な環」という用語は、二重結合を介して隣接する環メンバーに結合されている少なくとも一つの環メンバーを含み、そして概念的、潜在的に、存在している(すなわち、その部分的に不飽和な形態にある)二重結合の数よりも大きい、隣接する環メンバーとの間の非累積的な(すなわち、その完全に不飽和なカウンターパートの形態にある)二重結合の数を収容している環を表している。
【0043】
他に示さない限り、複素環式環及び環系は、前記炭素又は窒素上の水素の置き換えによって任意の利用可能な炭素又は窒素を介して付着することができる。
【0044】
用語「芳香族」は、完全不飽和環の環原子のそれぞれが、本質的に同じ平面上にあり、そしてその環平面に垂直なp-軌道を有し、そして(4n+2)個のπ電子(式中、nは、正の整数である)が、その環と関わって、ヒュッケル則を満たしていることを示している。
【0045】
用語「芳香族環系」は、環系の少なくとも1個の環が芳香族である、炭素環式環又は複素環式環系を示す。完全不飽和炭素環式環がヒュッケル則を満たすとき、前記環はまた「芳香族環」又は「芳香族炭素環式環」と称される。用語「芳香族炭素環式環系」は、環系の少なくとも1個の環が芳香族である、炭素環式環系を示す。完全不飽和複素環式環がヒュッケル則を満たすとき、前記環はまた「ヘテロ芳香族環」又は「芳香族複素環式環」と称される。用語「芳香族複素環式環系」は、環系の少なくとも1個の環が芳香族である複素環式環系を示す。
【0046】
用語「非芳香族環系」は、完全飽和、及び部分又は完全不飽和であり得る炭素環式環又は複素環式環系を示し、ただし、環系における環のどれも芳香族ではない。用語「非芳香族炭素環式環系」は、環系における環が芳香族でない炭素環式環を示す。用語「非芳香族複素環式環系」は、環系における環が芳香族でない複素環式環系を示す。
【0047】
複素環式環に関連して、「場合によっては置換された」という用語は、非置換であるか、又は非置換の類似体によって保持されている生物学的活性を消失させることがない、少なくとも1種の非水素置換基を有している基であることを示している。本明細書で使用するとき、特に断らない限り、以下の定義が適用されるものとする。「場合によっては置換された」という用語は、「置換若しくは非置換の」という文言、又は「(非)置換の」という用語と相互に交換可能に使用される。特に断らない限り、場合によっては置換された基では、その基のそれぞれの交換可能な位置に置換基を有していてよく、そしてそれぞれの置換は互いに独立している。
【0048】
他に記載しない限り、Q1が5員若しくは6員窒素含有複素環式環であるとき、これは任意の利用可能な炭素又は窒素環原子を介して式1の残部に付着し得る。上で述べたように、Q1は、(とりわけ)概要において定義されているような置換基の群から選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されているフェニルであり得る。1~5個の置換基で任意選択で置換されているフェニルの一例は、提示1におけるU-1として例示される環であり、式中、Rvは、Q1について概要において定義したようなR8であり、rは、0~5の整数である。
【0049】
上で述べたように、Q
1は、(とりわけ)飽和若しくは不飽和であり得、概要において定義されているような置換基の群から選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されている、5員若しくは6員複素環式環であり得る。1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されている5員若しくは6員不飽和芳香族複素環式環の例は、提示1において例示されている環U-2~U-61を含み、ここで、R
vは、Q
1について概要において定義されているような任意の置換基(すなわち、R
8)であり、rは、0~4の整数であり、各U基上の利用可能な位置の数によって制限される。U-29、U-30、U-36、U-37、U-38、U-39、U-40、U-41、U-42及びU-43は1つのみの利用可能な位置を有するため、これらのU基について、rは、整数0又は1に限定され、rが0であることは、U基が非置換であり、水素が(R
v)
rによって示される位置において存在することを意味する。
【化5】
【化6】
【0050】
Q1が、Q1について概要において定義されているような置換基の群から選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されている5員若しくは6員飽和若しくは不飽和の非芳香族複素環式環であるとき、複素環の1個又は2個の炭素環員は、任意選択でカルボニル部分の酸化された形態でよいことが留意される。
【0051】
5員若しくは6員の飽和又は非芳香族不飽和複素環式環の例は、提示2において例示するような環G-1~G-35を含む。G基上の付着点が移動性として例示されているとき、G基は、水素原子の置き換えによってG基の任意の利用可能な炭素又は窒素を介して式1の残部に付着し得ることが留意される。Rvに対応する任意選択の置換基は、水素原子を置き換えることによって任意の利用可能な炭素又は窒素に付着することができる。これらのG環について、rは典型的には、0~4の整数であり、各G基上の利用可能な位置の数によって制限される。
【0052】
Q
1がG-28~G-35から選択される環を含むとき、G
2は、O、S又はNから選択されることが留意される。G
2がNであるとき、窒素原子は、H又はQ
1、Q
2又はQ
3について概要において定義されるようなR
vに対応する置換基(すなわち、R
8若しくはR
9)による置換によって、その原子価を満たすことができることが留意される。
【化7】
【0053】
上で述べたように、Q
1は、(とりわけ)概要において定義されているような置換基の群から選択される1個若しくは複数個の置換基(すなわち、R
8)で任意選択で置換されている8員、9員若しくは10員のオルト縮合二環式環系であり得る。1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されている8員、9員若しくは10員のオルト縮合二環式環系の例は、提示3において例示されている環U-81~U-123を含み、式中、R
vは、Q
1について概要において定義されているような任意の置換基(すなわち、R
8)であり、rは典型的には、0~4の整数である。
【化8】
【化9】
【0054】
Rv基を構造U-1~U-123において示すが、これらは任意選択の置換基であるため、これらは存在する必要がないことが留意される。原子に付着しているときRvがHであるとき、これは前記原子が非置換であるのと同じであることが留意される。それらの原子価を満たすのに置換を必要とする窒素原子は、H又はRvで置換されている。(Rv)r及びU基の間の付着点が移動性として例示されるとき、(Rv)rは、U基の任意の利用可能な炭素原子又は窒素原子に付着することができることに留意されたい。U基上の付着点が移動性として例示されているとき、U基は、水素原子の置換えによってU基の任意の利用可能な炭素又は窒素を介して式1の残部に付着することができることに留意されたい。いくつかのU基は4個未満のRv基で単に置換することができることが留意される(例えば、U-2~U-5、U-7~U-48、及びU-52~U-61)。
【0055】
芳香族及び非芳香族複素環式環及び環系の調製を可能とする多種多様の合成法が当技術分野において公知である;詳細なレビューについて、全8巻のComprehensive Heterocyclic Chemistry,A.R.Katritzky and C.W.Rees editors-in-chief,Pergamon Press,Oxford,1984、及び全12巻のComprehensive Heterocyclic Chemistry II,A.R.Katritzky,C.W.Rees and E.F.V.Scriven editors-in-chief,Pergamon Press,Oxford,1996を参照されたい。
【0056】
本開示の化合物では、1種又は複数の立体異性体が存在可能である。立体異性体とは、同一の構成を有しているが、それらの原子の空間配置が異なっている異性体であって、鏡像異性体、ジアステレオマー、cis-trans-異性体(幾何異性体とも呼ばれる)、及びアトロプ異性体が含まれる。アトロプ異性体は、単結合の回りでの束縛回転から生じるものであって、その回転の障壁が高いために、それらの異性体種を単離することが可能である。当業者のよく理解するところであろうが、一つの立体異性体が、他の立体異性体よりも高濃度にするか、又は他の立体異性体から分離するときに、反応性がより高くてもよいし、及び/又は有利な効果を示してもよい。それに加えて、当業者であれば、前記立体異性体の分離法、富化法、及び/又は選択的な調製法を知っている。立体異性の全ての態様についての包括的な議論については、次の文献を参照されたい:Ernest L.Eliel and Samuel H.Wilen,Stereochemistry of Organic Compounds,John Wiley & Sons,1994。
【0057】
本開示の化合物は、立体異性体の混合物又は個々の立体異性体として存在し得る。例えば、式1の2つの可能なエナンチオマーは、アスタリスク(
*)で同定されたイソオキサゾリンキラル中心が関与する式1’及び式1’’と示される。類似して、他のキラル中心が、例えば、R
5において可能である。
【化10】
【0058】
本明細書において描かれる分子の描写は、立体化学配置を描写するための標準的な慣習に従う。立体配置を示すために、図の平面から見る人に向かって立ち上がる結合は実線のくさびによって示され、ここで、くさびの幅の広い端部は図の平面から見る人に向かって立ち上がる原子に付着している。図の平面の下に向かい見る人から離れる結合は、破線のくさびによって示され、ここで、くさびの幅の広い端部は、見る人からさらに離れている原子に付着している。
【0059】
本開示の化合物は、式1において存在する可能なキラル炭素原子によって立体異性体として存在することができる。このように、本開示は、式1の化合物の個々の立体異性体、及び式1の化合物の立体異性体の混合物を含む。
【0060】
本開示は、ラセミ混合物、例えば、等しい量の式1’及び1’’のエナンチオマーを含む。さらに、本開示は、式1のエナンチオマーにおいてラセミ混合物と比較して濃縮されている化合物を含む。式1の本質的に純粋なエナンチオマー、例えば、式1’及び式1’’の化合物もまた含まれる。
【0061】
鏡像異性的に濃縮されたとき、1つのエナンチオマーが他のエナンチオマーより多い量で存在し、濃縮の程度は、(2x-1)100%(式中、xは、混合物中の優勢なエナンチオマーのモル分率である)として定義される鏡像体過剰率(「ee」)の表現によって定義することができる(例えば、20%のeeは、60:40比のエナンチオマーに対応する)。好ましくは、本開示の組成物は、少なくとも50%鏡像体過剰率;より好ましくは、少なくとも75%鏡像体過剰率;さらにより好ましくは、少なくとも90%鏡像体過剰率;最も好ましくは、少なくとも94%鏡像体過剰率のより活性な異性体を有する。より活性な異性体の鏡像異性的に純粋な実施形態が特に留意される。
【0062】
式1の化合物は、さらなるキラル中心を含み得る。例えば、置換基及び他の分子構成物、例えば、R5は、それら自体がキラル中心を含有し得る。本開示は、ラセミ混合物、及びこれらのさらなるキラル中心における濃縮され本質的に純粋な立体配置を含む。
【0063】
本開示の化合物は、式1におけるアミド結合(例えば、C(=O)-N)の周りの束縛回転によって、1つ若しくは複数の配座異性体として存在することができる。本開示は、配座異性体の混合物を含む。さらに、本開示は、他の配座異性体に対して1つの配座異性体が濃縮されている化合物を含む。
【0064】
本開示は、全ての立体異性体、配座異性体及び全ての割合のこれらの混合物、並びに同位体形態、例えば、重水素化化合物を含む。
【0065】
当業者の認識するところであろうが、全部の窒素含有複素環がN-オキシドを形成できる訳ではないが、その理由は、その窒素が、酸化されてオキシドとなるには、利用可能な孤立電子対を必要とするからである。N-オキシドを形成することが可能なそれらの窒素含有複素環は、当業者のよく知るところであろう。第三級アミンがN-オキシドを形成することが可能であることもまた、当業者のよく知るところであろう。複素環及び第三級アミンのN-オキシドを調製するための合成方法は、ペルオキシ酸例えば過酢酸及び3-クロロ過安息香酸(MCPBA)、過酸化水素、アルキルヒドロペルオキシド例えば、t-ブチルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、並びにジオキシラン例えばジメチルジオキシランを用いて、複素環及び第三級アミンを酸化させることも含めて、当業者の極めてよく知るところである。N-オキシドを調製するためのこれらの方法は、文献に広く記述され、総説が書かれているが、例えば、以下の文献を参照されたい:T.L.Gilchrist,Comprehensive Organic Synthesis,vol.7,pp.748-750(S.V.Ley,Ed.,Pergamon Press);M.Tisler and B.Stanovnik,Comprehensive Heterocyclic Chemistry,vol.3,pp.18-20(A.J.Boulton and A.McKillop,Eds.,Pergamon Press);M.R.Grimmett and B.R.T.Keene,Advances in Hetrocyclic Chemistry,vol.43,pp.149-161(A.R.Katritzky,Ed.,Academic Press);M.Tisler and B.Stanovnik,Advances in Hetrocyclic Chemistry,vol.9,pp.285-291(A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Press);及びG.W.H.Cheeseman and E.S.G.Werstiuk,Advances in Hetrocyclic Chemistry,vol.22,pp.390-392(A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Press)。
【0066】
当業者の認識するところであるが、環境内及び生理学的条件下では、化合物の塩は、それらに相当する非塩の形態とは平衡関係にあることが理由で、塩は、その非塩の形態と、生物学的実用性を分け合っている。したがって、式1の化合物の広く各種の塩が、無脊椎有害生物を防除するのに有用である。式1の化合物の塩としては、例えば以下のような無機酸又は有機酸との酸付加塩が挙げられる:臭化水素酸、塩化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピン酸、サリチル酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸、又は吉草酸。式1の化合物に、カルボン酸又はフェノールのような酸性の残基が含まれているような場合には、塩としてはさらに、例えば以下のような有機又は無機の塩基を用いて形成されたものが含まれる:ピリジン、トリエチルアミン若しくはアンモニア、又はアミド、水素化物、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、若しくはバリウムの水酸化物又は炭酸塩。したがって、本開示には、式1から選択される化合物、それらのN-オキシド及び好適な塩が含まれる。
【0067】
式1から選択される化合物、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、及び塩は、典型的には、二つ以上の形態で存在し、そのため、式1には、式1の化合物で表される化合物の、全ての結晶性及び非晶性の形態が含まれる。非晶性の形態には、固体である実施形態例えばワックス及びゴム、さらには液体である実施形態例えば溶液及び溶融物が含まれる。結晶性の形態には、実質的に単結晶タイプを表す実施形態、及び多形の混合物(すなわち、複数の結晶性タイプ)を表す実施形態が含まれる。「多形(polymorph)」という用語は、各種の結晶性の形態で結晶化することが可能な、化合物の特定の結晶性の形態を表しており、これらの形態は、結晶格子の中での、各種の分子の配列及び/又は配座を有している。複数の多形が、同一の化学組成を有することできるが、それらはさらに、その格子の中に弱く、又は強く結合されることが可能な、共結晶された水又は他の分子の存否によって、組成が異なっていることも可能である。多形は、結晶の形状、密度、硬度、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸濁性、溶解速度、及び生物学的アベイラビリティーのような、化学的、物理的、及び生物学的性質の面で異なっている可能性がある。当業者が認めるところであろうが、式1で表される化合物の多形が、式1で表される同一の化合物の他の多形、又は複数の多形の混合物に比較して、有利な効果(例えば、有用な配合を調製する際の適合性、改良された生物学的性能)を示すことが可能である。式1で表される化合物の特定の多形の調製及び単離は、例えば、選択された溶媒及び温度を使用する結晶化など、当業者には公知の方法によって達成することができる。本開示の化合物は、1つ若しくは複数の結晶性多形として存在し得る。本開示は、個々の多形、及び他の多形に対して1つの多形が濃縮されている混合物を含めた多形の混合物の両方を含む。多形の網羅的な考察について、R.Hilfiker,Ed.,Polymorphism in the Pharmaceutical Industry,Wiley-VCH,Weinheim,2006を参照されたい。
【0068】
概要において記載するような本開示の実施形態は、下記に記載するものを含む。下記の実施形態において、式1は、その立体異性体、N-オキシド及び塩を含み、「式1の化合物」への言及は、実施形態においてさらに定義しない限り、概要において特定した置換基の定義を含む。
【0069】
実施形態1。Tが、T-1、T-2、T-3、T-4、T-5、T-6、T-7又はT-8である、式1の化合物。
【0070】
実施形態2。Tが、T-1、T-2、T-4、T-5又はT-6である、実施形態1に記載の化合物。
【0071】
実施形態3。Tが、T-1、T-2、T-5又はT-6である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0072】
実施形態4。Tが、T-1、T-2又はT-6である、実施形態3に記載の化合物。
【0073】
実施形態5。Tが、T-1又はT-2である、実施形態3に記載の化合物。
【0074】
実施形態6。Tが、T-1又はT-5である、実施形態3に記載の化合物。
【0075】
実施形態7。Tが、T-2又はT-6である、実施形態3に記載の化合物。
【0076】
実施形態8。Tが、T-5又はT-6である、実施形態3に記載の化合物。
【0077】
実施形態9。Tが、T-1である、実施形態3に記載の化合物。
【0078】
実施形態10。Tが、T-2である、実施形態3に記載の化合物。
【0079】
実施形態11。Tが、T-5である、実施形態3に記載の化合物。
【0080】
実施形態12。Tが、T-6である、実施形態3に記載の化合物。
【0081】
実施形態13。Tが、T-3、T-4、T-7、T-8、T-9又はT-10である、式1の化合物。
【0082】
実施形態14。Tが、T-3、T-4、T-7又はT-8である、式1又は実施形態13に記載の化合物。
【0083】
実施形態15。Tが、T-3である、実施形態14に記載の化合物。
【0084】
実施形態16。Tが、T-4である、実施形態14に記載の化合物。
【0085】
実施形態17。Tが、T-7である、実施形態14に記載の化合物。
【0086】
実施形態18。Tが、T-8である、実施形態14に記載の化合物。
【0087】
実施形態19。Tが、T-9又はT-10である、式1又は実施形態13に記載の化合物。
【0088】
実施形態20。Tが、T-9である、実施形態19に記載の化合物。
【0089】
実施形態21。Tが、T-10である、実施形態19に記載の化合物。
【0090】
実施形態22。Aが、O又はCH2である、式1又は実施形態1~21のいずれか1つに記載の化合物。
【0091】
実施形態23。Aが、O又はSである、式1又は実施形態1~21のいずれか1つに記載の化合物。
【0092】
実施形態24。Aが、Oである、実施形態22又は実施形態23に記載の化合物。
【0093】
実施形態25。Aが、CH2である、実施形態22に記載の化合物。
【0094】
実施形態26。Aが、Sである、実施形態23に記載の化合物。
【0095】
実施形態27。R1、R2、及びR3が、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、シアノ、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ又はC1~C4ハロアルコキシである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0096】
実施形態28。R1、R2、及びR3が、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル、C1~C2アルコキシ又はC1~C2ハロアルコキシである、実施形態27に記載の化合物。
【0097】
実施形態29。R1、R2、及びR3が、それぞれ独立に、水素、ハロゲン又はC1~C2ハロアルキルである、実施形態28に記載の化合物。
【0098】
実施形態30。R1、R2、及びR3が、それぞれ独立に、水素又はハロゲンである、実施形態29に記載の化合物。
【0099】
実施形態31。Xが、Oである、式1又は実施形態1~30のいずれか1つに記載の化合物。
【0100】
実施形態32。Xが、Sである、式1又は実施形態1~30のいずれか1つに記載の化合物。
【0101】
実施形態33。Jが、C(=Z)NR4R5である、式1又は実施形態1~32のいずれか1つに記載の化合物。
【0102】
実施形態34。Jが、CH(R6)N(R13)C(=Z)R14である、式1又は実施形態1~32のいずれか1つに記載の化合物。
【0103】
実施形態35。Zが、Oである、実施形態33に記載の化合物。
【0104】
実施形態36。Zが、Sである、実施形態33に記載の化合物。
【0105】
実施形態37。ZがOである、実施形態34に記載の化合物。
【0106】
実施形態38。Zが、Sである、実施形態34に記載の化合物。
【0107】
実施形態39。R4が、水素、C1~C6アルキル、C4~C7アルキルシクロアルキル、C4~C7シクロアルキルアルキル、C2~C7アルキルカルボニル又はC2~C7アルコキシカルボニルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0108】
実施形態40。R4が、水素、C1~C4アルキル、C2~C7アルキルカルボニル又はC2~C7アルコキシカルボニルである、実施形態39に記載の化合物。
【0109】
実施形態41。R4が、水素、C2~C7アルキルカルボニル又はC2~C7アルコキシカルボニルである、実施形態40に記載の化合物。
【0110】
実施形態42。R4が、C1~C4アルキル、C2~C7アルキルカルボニル又はC2~C7アルコキシカルボニルである、実施形態41に記載の化合物。
【0111】
実施形態43。R4が、水素である、実施形態42に記載の化合物。
【0112】
実施形態44。R5が、水素、OR10、NR11R12、SO2NR11R12、C(R12)=NOR11、CHR12NHR11若しくはQ1;又はR7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C6シクロアルキル若しくはC4~C7シクロアルキルアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0113】
実施形態45。R5が、水素、SO2NR11R12、C(R12)=NOR11、CHR12NHR11若しくはQ1;又はR7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C6シクロアルキル若しくはC4~C7シクロアルキルアルキルである、実施形態44に記載の化合物。
【0114】
実施形態46。R5が、水素若しくはQ1;又はR7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル若しくはC4~C7シクロアルキルアルキルである、実施形態45に記載の化合物。
【0115】
実施形態47。R5が、水素若しくはQ1;又はR7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C1~C4アルキル、C3~C5シクロアルキル若しくはC4~C6シクロアルキルアルキルである、実施形態46に記載の化合物。
【0116】
実施形態48。R5が、水素である、実施形態47に記載の化合物。
【0117】
実施形態49。R5が、Q1;又はR7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C1~C4アルキル、C3~C5シクロアルキル若しくはC4~C6シクロアルキルアルキルである、実施形態47に記載の化合物。
【0118】
実施形態50。R5が、Q1;又はR7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C1~C4アルキル、シクロプロピル若しくはシクロプロピルメチルである、実施形態49に記載の化合物。
【0119】
実施形態51。R5が、Q1である、実施形態50に記載の化合物。
【0120】
実施形態52。R5が、R7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されているC1~C4アルキルである、実施形態50に記載の化合物。
【0121】
実施形態53。R5が、シクロプロピル又はシクロプロピルメチルである、実施形態50に記載の化合物。
【0122】
実施形態54。R5が、シクロプロピルである、実施形態53に記載の化合物。
【0123】
実施形態55。R5が、シクロプロピルメチルである、実施形態53に記載の化合物。
【0124】
実施形態56。R4及びR5が、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C1~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル、C1~C2アルコキシ、C1~C2ハロアルコキシ、シアノ及びニトロから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0125】
実施形態57。R4及びR5が、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C1~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル、C1~C2アルコキシ、C1~C2ハロアルコキシ、シアノ及びニトロから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態56に記載の化合物。
【0126】
実施形態58。R6が、水素、シアノ、C1~C3アルキル又はC1~C3ハロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0127】
実施形態59。R6が、水素、C1~C3アルキル又はC1~C3ハロアルキルである、実施形態58に記載の化合物。
【0128】
実施形態60。R6が、水素である、実施形態59に記載の化合物。
【0129】
実施形態61。各R7が、独立に、ハロゲン、シアノ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルキルチオ、C1~C6アルキルスルフィニル、C1~C6アルキルスルホニル、C1~C6アルキルアミノ、C2~C8ジアルキルアミノ、C3~C6シクロアルキルアミノ、C2~C7アルキルカルボニル、C2~C7アルコキシカルボニル、C2~C7アルキルアミノカルボニル、C3~C7シクロアルキルアミノカルボニル、C3~C7アルケニルアミノカルボニル、C3~C7アルキニルアミノカルボニル、C3~C9ジアルキルアミノカルボニル、C2~C7ハロアルキルカルボニル、C2~C7ハロアルコキシカルボニル、C2~C7ハロアルキルアミノカルボニル、C3~C9ハロジアルキルアミノカルボニル又は-CONH2である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0130】
実施形態62。各R7が、独立に、ハロゲン、シアノ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルキルチオ、C1~C6アルキルスルフィニル、C1~C6アルキルスルホニル、C2~C7アルキルカルボニル、C2~C7アルコキシカルボニル、C2~C7アルキルアミノカルボニル、C3~C7シクロアルキルアミノカルボニル、C2~C7ハロアルキルカルボニル、C2~C7ハロアルコキシカルボニル、C2~C7ハロアルキルアミノカルボニル又は-CONH2である、実施形態61に記載の化合物。
【0131】
実施形態63。各R7が、独立に、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルキルチオ、C1~C6アルキルスルフィニル、C1~C6アルキルスルホニル、C2~C7アルキルカルボニル、C2~C7アルコキシカルボニル、C2~C7アルキルアミノカルボニル、C3~C7シクロアルキルアミノカルボニル又は-CONH2である、実施形態62に記載の化合物。
【0132】
実施形態64。各R7が、独立に、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルチオ、C1~C4アルキルスルフィニル、C1~C4アルキルスルホニル、C2~C5アルキルカルボニル、C2~C5アルコキシカルボニル、C2~C5アルキルアミノカルボニル、C3~C5シクロアルキルアミノカルボニル又は-CONH2である、実施形態63に記載の化合物。
【0133】
実施形態65。Q1が、5員若しくは6員芳香族環又は4~6員飽和若しくは不飽和環であり、それぞれが1個までの酸素、1個までの硫黄及び3個までの窒素から選択される3個までのヘテロ原子を任意選択で含有し、ここで、2個までの炭素原子環員が、C(=O)及びC(=S)から独立に選択され、硫黄原子環員が、S、S(=O)及びS(=O)2から選択され、各環が、R8から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0134】
実施形態66。Q1が、1個までの酸素、1個までの硫黄及び3個までの窒素から選択される3個までのヘテロ原子を任意選択で含有する5員若しくは6員芳香族環であり、ここで、1個までの炭素原子環員が、C(=O)であり、各環が、R8から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態65に記載の化合物。
【0135】
実施形態67。Q1が、1個までの酸素、1個までの硫黄及び2個までの窒素から選択される2個までのヘテロ原子を任意選択で含有する4~6員飽和若しくは不飽和環であり、ここで、1個までの炭素原子環員が、C(=O)であり、硫黄原子環員が、S、S(=O)及びS(=O)2から選択され、各環が、R8から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態66に記載の化合物。
【0136】
実施形態68。Q1が、1個までの酸素、1個までの硫黄及び2個までの窒素から選択される2個までのヘテロ原子を任意選択で含有する4~6員飽和環であり、ここで、硫黄原子環員が、S、S(=O)及びS(=O)2から選択される、実施形態67に記載の化合物。
【0137】
実施形態69。各Q2が、独立に、R9から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されているフェニル環である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0138】
実施形態70。各Q2が、5員若しくは6員芳香族複素環式環であり、各環が、R9から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0139】
実施形態71。各Q2が、独立に、3員~6員非芳香族複素環式環であり、各環が、R9から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0140】
実施形態72。各R8が、独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C3~C6ハロシクロアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルコキシ、C1~C6アルキルチオ、C1~C6ハロアルキルチオ、C1~C6アルキルスルフィニル、C1~C6ハロアルキルスルフィニル、C1~C6アルキルスルホニル、C1~C6ハロアルキルスルホニル、C1~C6アルキルアミノ、C2~C6ジアルキルアミノ、C2~C4アルコキシカルボニル、C2~C7アルキルアミノカルボニル、C3~C9ジアルキルアミノカルボニル、シアノ又はニトロである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0141】
実施形態73。各R8が、独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C3~C6ハロシクロアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルコキシ又はシアノである、実施形態72に記載の化合物。
【0142】
実施形態74。各R8が、独立に、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C3~C6ハロシクロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシ又はシアノである、実施形態73に記載の化合物。
【0143】
実施形態75。各R8が、独立に、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4ハロアルコキシ又はシアノである、実施形態74に記載の化合物。
【0144】
実施形態76。各R9が、独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C3~C6ハロシクロアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルコキシ又はシアノである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0145】
実施形態77。各R9が、独立に、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C3~C6ハロシクロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシ又はシアノである、実施形態76に記載の化合物。
【0146】
実施形態78。各R9が、独立に、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4ハロアルコキシ又はシアノである、実施形態77に記載の化合物。
【0147】
実施形態79。R10が、水素;又は1個若しくは複数個のハロゲンでそれぞれが任意選択で置換されている、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C4~C7アルキルシクロアルキル若しくはC4~C7シクロアルキルアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0148】
実施形態80。R10が、水素;又は1~3個のハロゲンでそれぞれが任意選択で置換されている、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C4~C7アルキルシクロアルキル若しくはC4~C7シクロアルキルアルキルである、実施形態79に記載の化合物。
【0149】
実施形態81。R10が、1~3個のハロゲンでそれぞれが任意選択で置換されている、C3~C6シクロアルキル、C4~C7アルキルシクロアルキル又はC4~C7シクロアルキルアルキルである、実施形態80に記載の化合物。
【0150】
実施形態82。R10が、水素;又は1~3個のハロゲンで任意選択で置換されているC1~C6アルキルである、実施形態80に記載の化合物。
【0151】
実施形態83。R11が、水素、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C6シクロアルキル、C4~C7アルキルシクロアルキル又はC4~C7シクロアルキルアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0152】
実施形態84。R11が、水素、C1~C6アルキル、C2~C7アルキルカルボニル、C2~C7ハロアルキルカルボニル又はC2~C7アルコキシカルボニルである、式1又は実施形態1~82のいずれか1つに記載の化合物。
【0153】
実施形態85。R11が、水素、C1~C4アルキル、C2~C5アルキルカルボニル、C2~C5ハロアルキルカルボニル又はC2~C5アルコキシカルボニルである、実施形態84に記載の化合物。
【0154】
実施形態86。R11が、水素である、実施形態85に記載の化合物。
【0155】
実施形態87。R12が、水素;又はR7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C6シクロアルキル、C4~C7アルキルシクロアルキル若しくはC4~C7シクロアルキルアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0156】
実施形態88。R12が、水素;又はR7から独立に選択される1~3個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキルである、実施形態87に記載の化合物。
【0157】
実施形態89。R12が、水素;又はR7から独立に選択される1~3個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されているC1~C4アルキルである実施形態88に記載の化合物。
【0158】
実施形態90。R12が、C1~C4アルキルである、実施形態89に記載の化合物。
【0159】
実施形態91。R11及びR12が、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C1~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル、C1~C2アルコキシ、C1~C2ハロアルコキシ、シアノ及びニトロから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0160】
実施形態92。R11及びR12が、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C1~C2アルキル及びC1~C2ハロアルキルから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態91に記載の化合物。
【0161】
実施形態93。Q3が、R9から独立に選択される1~3個の置換基で任意選択で置換されているフェニル環である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0162】
実施形態94。Q3が、R9から独立に選択される1~3個の置換基で任意選択で置換されている5員若しくは6員複素環式環である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0163】
実施形態95。R13が、水素、C1~C6アルキル、C2~C7アルキルカルボニル、C2~C4ハロアルキルカルボニル又はC2~C7アルコキシカルボニルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0164】
実施形態96。R13が、水素、C1~C4アルキル、C2~C7アルキルカルボニル又はC2~C7アルコキシカルボニルである、実施形態95に記載の化合物。
【0165】
実施形態97。R13が、水素、C2~C7アルキルカルボニル又はC2~C7アルコキシカルボニルである、実施形態96に記載の化合物。
【0166】
実施形態98。R13が、水素である、実施形態97に記載の化合物。
【0167】
実施形態99。R14が、ハロゲンで任意選択で置換されているC1~C6アルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0168】
実施形態100。R14が、ハロゲンで任意選択で置換されているC1~C4アルキルである、実施形態99に記載の化合物。
【0169】
実施形態101。R14が、メチル又はエチルである、実施形態100に記載の化合物。
【0170】
実施形態102。R14が、OR19で任意選択で置換されているC1~C6アルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0171】
実施形態103。R14が、S(=O)nR20で任意選択で置換されているC1~C6アルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0172】
実施形態104。R14が、NR21C(=O)R22で任意選択で置換されているC1~C6アルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0173】
実施形態105。R14が、ハロゲン、シアノ、C1~C2アルキル及びC1~C2ハロアルキルから選択される2個までの置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C3~C6シクロアルキル又はC4~C7シクロアルキルアルキルである、式1又は実施形態1~98のいずれか1つに記載の化合物。
【0174】
実施形態106。R14が、1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、シアノ、C1~C2アルキル及びC1~C2ハロアルキルから選択される2個までの置換基で任意選択で置換されているC3~C6シクロアルキルである、式1又は実施形態1~98のいずれか1つに記載の化合物。
【0175】
実施形態107。R14が、1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、シアノ、C1~C2アルキル及びC1~C2ハロアルキルから選択される2個までの置換基で任意選択で置換されているC4~C7シクロアルキルアルキルである、式1又は実施形態1~98のいずれか1つに記載の化合物。
【0176】
実施形態108。R14が、OR16である、式1又は実施形態1~98のいずれか1つに記載の化合物。
【0177】
実施形態109。R14が、NR17aR17bである、式1又は実施形態1~98のいずれか1つに記載の化合物。
【0178】
実施形態110。Q4が、R18から独立に選択される2個までの置換基で任意選択で置換されている、炭素原子、並びに1個の酸素及び1個の硫黄から独立に選択される1個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~6員飽和複素環式環である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0179】
実施形態111。R16が、C1~C2アルキル又はC1~C2ハロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0180】
実施形態112。R17aが、水素、C1~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル又はC3~C5シクロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0181】
実施形態113。R17aが、C1~C2アルキル又はC1~C2ハロアルキルである、実施形態112に記載の化合物。
【0182】
実施形態114。R17aが、水素である、実施形態112に記載の化合物。
【0183】
実施形態115。R17bが、水素、C1~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル又はC3~C5シクロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0184】
実施形態116。R17bが、水素、C1~C2アルキル又はC1~C2ハロアルキルである、実施形態115に記載の化合物。
【0185】
実施形態117。R17bが、水素又はC1~C4アルキルである、実施形態116に記載の化合物。
【0186】
実施形態118。R17bが、水素である、実施形態117に記載の化合物。
【0187】
実施形態119。R17a及びR17bが、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C1~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル、C1~C2アルコキシ、C1~C2ハロアルコキシ、シアノ及びニトロから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0188】
実施形態120。R17a及びR17bが、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C1~C2アルキル及びC1~C2ハロアルキルから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態119に記載の化合物。
【0189】
実施形態121。各R18が、独立に、ハロゲン、C1~C2アルキル又はC1~C2ハロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0190】
実施形態122。R19が、水素、C1~C2アルキル又はC1~C2ハロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0191】
実施形態123。R20が、C1~C2アルキル又はC1~C2ハロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0192】
実施形態123。R21が、水素又はC1~C2アルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0193】
実施形態124。R22が、C1~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル又はC3~C6シクロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0194】
実施形態125。nが、0である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0195】
実施形態126。nが、1又は2である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0196】
実施形態127。nが、1である、実施形態126に記載の化合物。
【0197】
実施形態128。nが、2である、実施形態126に記載の化合物。
【0198】
実施形態129。mが、0である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0199】
実施形態130。mが、1である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0200】
実施形態S1。式1の化合物が、式1’の化合物である、実施形態1~130実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0201】
実施形態S2。式1の化合物が、式1’’の化合物である、実施形態1~130実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0202】
実施形態S3。式1’の化合物と式1’’の化合物の比が、60:40超である、式1’の化合物及び式1’’の化合物からなる組成物。
【0203】
実施形態S3a。式1’の化合物と式1’’の化合物の比が、80:20超である、実施形態S3に記載の組成物。
【0204】
実施形態S3b。式1’の化合物と式1’’の化合物の比が、90:10超である、実施形態S3に記載の組成物。
【0205】
実施形態S3c。式1’の化合物と式1’’の化合物の比が、99:1超である、実施形態S3に記載の組成物。
【0206】
実施形態S4。式1’’の化合物と式1’の化合物の比が、60:40超である、式1’’の化合物及び式1’の化合物からなる組成物。
【0207】
実施形態X。無脊椎有害生物を防除するための方法であって、無脊椎有害生物又はその環境と生物学的有効量の式1の化合物とを接触させることを含む、方法。
【0208】
実施形態X1。環境が、土壌又は植物群葉である、請求項Xに記載の方法。
【0209】
実施形態Y1。式1又は先行する実施形態のいずれか1項に記載の化合物、並びに界面活性剤、固体賦形剤及び液体賦形剤からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる構成要素を含む組成物であって、少なくとも1種のさらなる生物学的活性化合物若しくは薬剤を場合によってはさらに含む、組成物。
【0210】
実施形態Y2。少なくとも1種のさらなる生物学的活性化合物若しくは薬剤が、
アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホスメチル、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ボレート、ブロマントラニリプロール、ブプロフェジン、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シクロキサプリド、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロジアミド、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジクロラントラニリプロール、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルエンスルホン、フルピプロール、フルオピラム、フルピラジフロン、フルバリネート、タウ-フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホスチアゼート、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ハイドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性石鹸、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロール、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノクロトホス、モノフルオロトリン、ニコチン、N-[1,1-ジメチル-2-(メチルチオ)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-[1,1-ジメチル-2-(メチルスルフィニル)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-[1,1-ジメチル-2-(メチルスルホニル)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオンメチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミカーブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンブト、ピフルブミド、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロル、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、テトラクロラントラニリプロール、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、チオキサザフェン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメエート、トリクロルホン、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-内毒素、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全ての菌株、核多角体病ウイルスの全ての菌株、昆虫病原菌、昆虫病原性ウイルス及び昆虫病原性真菌からなる群から選択される、実施形態Y1に記載の組成物。
【0211】
実施形態Y3。少なくとも1種のさらなる生物学的活性化合物若しくは薬剤が、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カルバリル、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルエンスルホン、フルピプロール、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ハイドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モンフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメエート、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-内毒素、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全ての菌株及び核多角体病ウイルスの全ての菌株からなる群から選択される、実施形態Y2に記載の組成物。
【0212】
実施形態Y4。液体肥料をさらに含む、実施形態Y1~Y3のいずれか1項に記載の組成物。
【0213】
実施形態Y5。液体肥料が、水性である、実施形態Y4に記載の組成物。
【0214】
実施形態Y6。実施形態Y1~Y3のいずれか1項に記載の組成物を含む、土壌灌液配合物。
【0215】
実施形態Y7。実施形態Y1~Y3のいずれか1項に記載の組成物、及び噴射剤を含む、噴霧組成物。
【0216】
実施形態Y8。実施形態Y1~Y3のいずれか1項に記載の組成物、1種若しくは複数の食材、場合によっては誘引物質、及び場合によっては保湿剤を含む、誘引組成物。
【0217】
実施形態Y9。無脊椎有害生物を防除するためのトラップ装置であって、実施形態Y8に記載の誘引組成物、及び前記誘引組成物を受容するように適合されたハウジングを含み、ここで、ハウジングは、無脊椎有害生物がハウジングの外側の場所から前記誘引組成物にアクセスすることができるように、無脊椎有害生物が開口部を通過することを可能とするような大きさの少なくとも1つの開口部を有し、ハウジングは、無脊椎有害生物についての潜在的又は既知の活性の生息地中若しくは近くにおいて置かれるようにさらに適合されている、トラップ装置。
【0218】
実施形態Y10。微粉、粉末、顆粒、ペレット、小粒、芳香錠、錠剤、及び充填剤入りフィルムから選択される固体組成物である、実施形態Y1~Y3のいずれか1項に記載の組成物を含む組成物。
【0219】
実施形態Y11。水分散性又は水溶性である、実施形態Y10に記載の組成物。
【0220】
実施形態Y12。点滴潅漑システム、植え付け中の間の畝間、手持ち型の噴霧器、背負い型の噴霧器、ブーム噴霧器、地上噴霧器、空中散布、無人空中輸送手段、又は種子処理において使用するための、実施形態Y1~Y3のいずれか1項に記載の組成物を含む、液体又は乾燥配合物。
【0221】
実施形態Y13。超低容量で噴霧される、実施形態Y12に記載の液体又は乾燥配合物。
【0222】
上述の実施形態1~Y13、及び本明細書に記載されている任意の他の実施形態を含めた本開示の実施形態は、どのように組合せてもよく、実施形態における各種の記述は、式1の化合物に関連するだけでなく、出発化合物、及び式1の化合物を調製するのに有用な中間化合物にも関連する。さらに、上記の実施形態1~Y13及び本明細書に記載されている任意の他の実施形態、及び任意のこれらの組合せを含めた、本開示の実施形態は、本開示の組成物及び方法にも関連する。
【0223】
実施形態1~Y13の組合せを、下記によって例示する。
実施形態A。Aが、Oであり;
R1、R2、及びR3が、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、シアノ、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ又はC1~C4ハロアルコキシである、式1の化合物。
【0224】
実施形態B。Tが、T-1、T-2、T-3、T-4、T-5、T-6又はT-9であり;
R1、R2、及びR3が、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル、C1~C2アルコキシ又はC1~C2ハロアルコキシであり;
Zが、Oである、実施形態Aに記載の化合物。
【0225】
実施形態C。Tが、T-1、T-2、T-3、T-6又はT-9であり;
R1、R2、及びR3が、それぞれ独立に、水素、ハロゲン又はC1~C2ハロアルキルであり;
R4が、水素、C2~C7アルキルカルボニル又はC2~C7アルコキシカルボニルであり;
R6が、水素、C1~C3アルキル又はC1~C3ハロアルキルである、実施形態Bに記載の化合物。
【0226】
実施形態D。R4が、水素であり;
R5が、水素若しくはQ1;又はR7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル若しくはC4~C7シクロアルキルアルキルであり;
R6が、水素であり;
各R7が、独立に、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルチオ、C1~C4アルキルスルフィニル、C1~C4アルキルスルホニル、C2~C5アルキルカルボニル、C2~C5アルコキシカルボニル、C2~C5アルキルアミノカルボニル、C3~C5シクロアルキルアミノカルボニル又は-CONH2であり;
Q1が、1個までの酸素、1個までの硫黄及び2個までの窒素から選択される2個までのヘテロ原子を任意選択で含有する4~6員飽和若しくは不飽和環であり、ここで、1個までの炭素原子環員が、C(=O)であり、硫黄原子環員が、S、S(=O)及びS(=O)2から選択され、各環が、R8から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択で置換されており;
R13が、水素、C1~C4アルキル、C2~C7アルキルカルボニル又はC2~C7アルコキシカルボニルであり;
R14が、ハロゲンで任意選択で置換されているC1~C6アルキルである、実施形態Cに記載の化合物。
【0227】
実施形態E。R5が、Q1;又はR7から独立に選択される1個若しくは複数個の置換基でそれぞれが任意選択で置換されている、C1~C4アルキル、シクロプロピル若しくはシクロプロピルメチルであり;
Q1が、1個までの酸素、1個までの硫黄及び2個までの窒素から選択される2個までのヘテロ原子を任意選択で含有する4~6員飽和環であり、ここで、硫黄原子環員が、S、S(=O)及びS(=O)2から選択され;
R13が、水素であり;
R14が、メチル又はエチルである、実施形態Dに記載の化合物。
【0228】
実施形態F。Tが、T-1、T-2又はT-6である、実施形態Eに記載の化合物。
【0229】
実施形態G。式1の化合物が、式1’である、式1又は実施形態A~Fのいずれか1つに記載の化合物。
【0230】
実施形態H。式1の化合物が、式1’’である、式1又は実施形態A~Fのいずれか1つに記載の化合物。
【0231】
特定の実施形態は、
N-(シクロプロピルメチル)-4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
N-シクロプロピル-4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
N-シクロプロピル-7-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキサミド;
7-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[(1R)-1-メチル-2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル]チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキサミド;
7-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-(1,1-ジオキシド-3-チエタニル)チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキサミド;
N-[[4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-イル]メチル]アセトアミド;
N-[[4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-イル]メチル]プロパンアミド;
4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[(1R)-1-メチル-2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル]チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
N-シクロプロピル-4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-(1,1-ジオキシド-3-チエタニル)チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド;
N-[[4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]-2,3-ジヒドロフロ[2,3-c]ピリジン-7-イル]メチル]プロパンアミド;
4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-6,7-ジヒドロ-N-[(1R)-1-メチル-2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル]-5H-シクロペンタ[c]ピリジン-1-カルボキサミド
からなる群から選択される式1の化合物を含む。
【0232】
本開示の化合物が有利な代謝パターン及び/又は土壌残留パターンで特徴づけられ、一連の農学的及び非農学的無脊椎有害生物を駆除する活性を示すことに注目すべきである。
【0233】
無脊椎有害生物駆除スペクトル及び経済的重要性の理由から、無脊椎有害生物を駆除することによって無脊椎有害生物により引き起こされる損害若しくは被害からの農作物の保護が本開示の実施形態であることに特に注目すべきである。本開示の化合物は、植物でのそれらの有利な転座特性又は組織性のために、式1の化合物又は本化合物を含む組成物と直接接触しない葉面部位又は他の植物部位をも保護する。
【0234】
本開示の実施形態としてさらに注目すべきは、先行する実施形態のいずれかの化合物、さらには本明細書で記述された各種その他の実施形態及びそれらの各種組み合わせのいずれか、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物であって、前記組成物が場合によってはさらに、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤を含む組成物である。
【0235】
本開示の実施形態としてさらに注目すべきは、以下のものである:前述の実施形態のいずれか、さらには本明細書に記載の他の実施形態いずれかの化合物及びそれらの各種組合せ、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む、無脊椎有害生物を防除するための組成物であって、前記組成物には、場合によっては、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤をさらに含んでいる。本開示の実施形態にはさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の、先行する実施形態のいずれかに記載の(例えば、本明細書に記載された組成物としての)化合物と接触させること含む、無脊椎有害生物を防除するための方法も含まれる。
【0236】
本開示の実施形態にはさらに、土壌灌液液体配合物の形態にある、先行する実施形態のいずれかの化合物を含む組成物も含まれる。本開示の実施形態にはさらに、生物学的有効量の、先行する実施形態のいずれかの化合物を含む、土壌灌液としての液体組成物と接触させる、無脊椎有害生物を防除するための方法も含まれる。
【0237】
本開示の実施形態にはさらに、生物学的有効量の先行する実施形態のいずれかの化合物と、噴射剤とを含む、無脊椎有害生物を防除するための組成物を噴霧することも含まれる。本開示の実施形態にはさらに、生物学的有効量の、先行する実施形態のいずれかに記載の化合物、1種又は複数の餌物質、場合によっては誘引剤、そして場合によっては湿潤剤を含む、無脊椎有害生物を防除するための誘引組成物も含まれる。本開示の実施形態にはさらに、前記誘引組成物、及び前記誘引組成物を受容するように適応されたハウジングを含む、無脊椎有害生物を防除するためのデバイスも含まれるが、ここで、そのハウジングは、無脊椎有害生物が、ハウジングの外側位置から前記誘引組成物へアクセスできるようにした、前記無脊椎有害生物が通過できるような大きさの少なくとも一つの開口部を有し、そしてそのハウジングがさらに、前記無脊椎有害生物の可能性があるか又は公知の活動領域の内部又は近傍に設置されるように適応される。
【0238】
本開示の実施形態はまた、種子を、生物学的有効量の先行実施形態のいずれかの化合物と接触させる工程を含む、無脊椎有害生物からの種子の保護方法を含む。
【0239】
本開示の実施形態はまた、寄生虫駆除上有効量の先行実施形態のいずれかの化合物を動物に投与する工程を含む、無脊椎寄生性有害生物からの動物の保護方法を含む。
【0240】
本開示の実施形態にはさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書記載の組成物として)と接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法も含まれるが、但し、その方法は、治療によるヒト又は動物の身体の薬物療法とは異なる。
【0241】
本開示はさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む組成物と接触させるような方法にも関し、前記組成物には、場合によっては、生物学的有効量の少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤も含むが、但しその方法は、治療によるヒト又は動物の身体の薬物療法とは異なる。
【0242】
本開示の実施形態はまた、作付けされたエリア上への本明細書において開示する組成物を分散させるための無人空中輸送手段(UAV)の使用を含む。一部の実施形態では、作付けされたエリアは、作物を有するエリアである。一部の実施形態では、作物は、単子葉植物又は双子葉植物から選択される。一部の実施形態では、作物は、イネ、トウモロコシ、オオムギ、ダイズ、コムギ、野菜、タバコ、チャノキ、果樹及びサトウキビから選択される。一部の実施形態では、本明細書において開示する組成物は、超低容量での噴霧のために配合される。ドローンによって施用される生成物は、噴霧担体として水又は油を使用し得る。ドローンによる全体的施用のために使用される典型的な噴霧容量(生成物を含めた)は、5.0リットル/ha~100リットル/ha(概ね0.5~10gpa)である。これは、超低噴霧容量(ULV)から低噴霧容量(LV)の範囲を含む。一般ではないが、1.0リットル/ha(0.1gpa)もの低い、さらにより低い噴霧容量を使用することができる状況が存在し得る。
【0243】
式1の化合物は、スキーム1~32において記載されているような下記の方法及びバリエーションの1つ若しくは複数によって調製することができる。以下の式1~49の化合物における置換基の定義は、他に断りのない限り、概要において上記に定義されている通りである。式1a~1kの化合物は、式1の化合物のサブセットであり;式5aは、式5のサブセットであり;式6aは、式6のサブセットであり;式15aは、式15のサブセットであり;式19aは、式19のサブセットであり;式27a及び27bは、式27のサブセットであり;式30a及び30bは、式30のサブセットであり;式32aは、式32のサブセットであり;式36aは、式36のサブセットであり;式38aは、式38のサブセットであり;式40aは、式40のサブセットであり;式42aは、式42のサブセットであり;式44a及び44bは、式44のサブセットであり;式46aは、式46のサブセットである。各サブセット式についての置換基は、他に断りのない限り、その親式について定義した通りである。周囲温度又は室温は、約20~25℃であると定義する。
【0244】
スキーム1において示すように、式1aの化合物(すなわち、式1、式中、Tは、T-2であり、Jは、C(=Z)NR
4R
5であり、Zは、Oである)は、カップリング試薬の存在下で式2のカルボン酸と式3のアミンとを反応させることによって調製することができる。有用なカップリング試薬には、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド及びカルボニルジイミダゾールが含まれる。この方法において有用なさらなるカップリング試薬には、プロピルホスホン酸無水物(T3P)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)及びN-[(1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)(ジメチルアミノ)メチレン]-N-メチル-メタンアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)が含まれる。これらのカップリング試薬は一般に、塩基、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下で使用される。典型的な反応条件は、無水非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N-ジメチルホルムアミド、及び室温から70℃の間の反応温度を含む。スキーム1の方法において有用な反応条件、及び他の十分に確立したカップリング条件について、例えば、Journal of Organic Chemistry 2008, 73(7),2731-2737;Tetrahedron Letters 2009,50(45),6200-6202;及びOrganic letters 2011,13(12),2988-91を参照されたい。また、本実施例1ステップI及び本実施例4ステップHは、スキーム1の方法を例示する。
【化11】
【0245】
代わりに、スキーム2において示すように、式1aの化合物は、酸掃去剤の存在下で式4の酸塩化物と式3のアミンとを反応させることによって調製することができる。典型的な酸掃去剤には、アミン塩基、例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン及びピリジンが含まれる。他の掃去剤には、水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、又は炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムが含まれる。ある特定の場合において、ポリマーに支持された酸掃去剤、例えば、ポリマー結合N,N-ジイソプロピルエチルアミン及びポリマー結合4-(ジメチルアミノ)ピリジンを使用することは有用である。
【化12】
【0246】
式4の酸塩化物は、多数の周知の方法によって式2のカルボン酸から容易に調製される。例えば、溶媒、例えば、ジクロロメタン又はトルエン中、及び任意選択で触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの存在下で、カルボン酸と塩素化試薬、例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル又はオキシ塩化リンとを反応させることによって、式4の対応する酸塩化物を提供することができる。
【化13】
【0247】
式1aの化合物はまた、スキーム4において示すように、式3のアミンによる式5のハロゲン化アリール(式中、Y1は、Cl、Br又はIである)のアミノカルボニル化によって調製することができる。
【0248】
この反応は典型的には、パラジウム触媒の存在下でCO雰囲気下で式5のハロゲン化アリール(式中、Y1は、Br又はIである)によって実行される。本方法のために使用されるパラジウム触媒は典型的には、0(すなわち、Pd(0))又は2(すなわち、Pd(II))の正式な酸化状態でのパラジウムを含む。多種多様のこのようなパラジウム含有化合物及び錯体は、本方法のための触媒として有用である。スキーム4の方法における触媒として有用なパラジウム含有化合物及び錯体の例には、PdCl2(PPh3)2(すなわち、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド)、Pd2(dba)3(すなわち、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))、Pd(PPh3)4(すなわち、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))、Pd(C5H7O2)2(すなわち、パラジウム(II)アセチル-アセトネート)、及びジクロロ-[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)が含まれる。スキーム4の方法は一般に液相中で行われ、したがって、最も有効となるために、パラジウム触媒は好ましくは、液相中で良好な溶解性を有する。有用な溶媒には、例えば、エーテル、例えば、1,2-ジメトキシエタン、アミド、例えば、N,N-ジメチルアセトアミド、及び非ハロゲン化芳香族炭化水素、例えば、トルエンが含まれる。
【0249】
スキーム4の方法は、約25~約150℃の範囲の広範囲の温度に亘り行うことができる。より速い反応速度及びより高い生成物収率を典型的には実現する約60~約110℃の温度に注目すべきである。臭化アリール及びアミンによるアミノカルボニル化についての一般方法及び手順は、文献において周知である;例えば、Synthesis 1989,715;及びPalladium in Heterocyclic Chemistry:A Guide for the Synthetic Chemist,2000を参照されたい。
【化14】
【0250】
スキーム5において示すように、式2のカルボン酸は、好ましくは、水混和性共溶媒、例えば、メタノール、エタノール又はテトラヒドロフラン中で約0~45℃の温度にて僅かに過剰な水酸化物塩基(例えば、水酸化リチウム)を使用して、対応する式6の化合物の塩基性又は酸性加水分解の周知の方法によって調製することができる。生成物は、任意選択で蒸発による有機溶媒の除去の後で、酸性化、次いで、濾過又は抽出によって単離することができる。本実施例1ステップH及び本実施例4ステップGは、スキーム5の方法を例示する。
【化15】
【0251】
スキーム6において示すように、式8のアルコールは、スキーム4の反応において式3のアミンに代えて用いられ、式6のエステルを得ることができる。
【化16】
【0252】
式5aの化合物(すなわち、式5、式中、Aは、Oである)は、スキーム7において概要を述べるように2ステップ手順によって式9のアルデヒドから調製することができる。第1のステップにおいて、式9のアルデヒドはヒドロキシルアミンと反応して、式10のオキシムが得られる。この反応のための一般手順は、化学文献において記述されている;例えば、Bioorg.Med.Chem.2004,12,3965を参照されたい。
【0253】
第2のステップにおいて、式10のオキシムは式11のスチレンと反応して、式5aの化合物が生成される。この反応は典型的には式10のオキシムの塩素化及びそれに続く脱塩化水素化が関与し、in situで生じた酸化ニトリルが得られ、次いで、これは式11のスチレンによる1,3-双極子環化付加を受け、式5aの化合物が得られる。典型的な手順において、塩素化試薬、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、N-クロロスクシンイミド又はクロラミン-Tは、スチレンの存在下でオキシムと合わさる。脱塩化水素化ステップを促進するために、塩基性条件下にて反応を実行することが必要であり得る。典型的な塩基には、ピリジン及びトリエチルアミンが含まれる。反応は、室温から溶媒の還流温度の範囲の温度を伴って、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、ジオキサン、及びトルエンを含めた多種多様の溶媒中で行うことができる。オレフィンとのニトリル酸化物の環化付加についての一般手順は、化学文献において文書で十分に裏付けられているが、例えば、Synthesis,1982,6,508-509;Tetrahedron,2000,56,1057-1064;及び欧州特許出願公開第1,538,138-A1号明細書、及びその中で引用されている参照文献を参照されたい。
【化17】
【0254】
式6aのエステル(すなわち、式6、式中、Aは、Oである)は、上記のスキーム7(式中、Y1は、C(=O)OY2で置き換えられている)において記載されている1,3-双極子環化付加方法と類似して調製することができることを当業者は認識する。
【0255】
式6aのエステル(すなわち、式6、式中、Aは、Oである)はまた、スキーム8において概要を述べるように式12のケトンから2ステップ手順によって調製することができる。第1のステップにおいて、式12のケトンは式13のトリフルオロメチルケトンと縮合して、式14の化合物が得られる。この反応は典型的には、塩基、例えば、水酸化カルシウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウムの存在下で、溶媒又は混合溶媒、例えば、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、2-メトキシ-2-メチルプロパン(MTBE)、(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,2-ジクロロエタン又はアセトニトリル中で行われる。本実施例1ステップF及び本実施例4ステップEは、スキーム8の方法の縮合ステップを例示する。
【0256】
第2のステップにおいて、式14の縮合生成物をヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミン塩で処理して、式6aのイソオキサゾリン化合物が得られる。この反応は典型的には、塩基性条件下にて行われる。典型的な塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)が含まれる。反応は、溶媒又は混合溶媒、例えば、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、2-メトキシ-2-メチルプロパン(MTBE)、(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,2-ジクロロエタン又はアセトニトリル中で行うことができる。スキーム8の方法のための一般手順は、化学文献に文書で十分に裏付けられており、例えば、国際公開第2009/126668号パンフレットを参照されたい。本実施例1ステップG及び本実施例4ステップFは、スキーム8の方法の環化ステップを例示する。
【化18】
【0257】
式5aのハロゲン化アリールは、上記のスキーム8(式中、C(=O)OY2は、Y1で置き換えられている)に記載されている方法と類似して調製することができることを当業者は認識する。
【0258】
式12のケトンは、当技術分野において公知の多種多様の方法によって調製することができるが、例えば、国際公開第2013/190123号パンフレット、Tetrahedron Letters 2008,49(42),6104;及びJ.Organo-metallic Chemistry 2005,690(15),3546、並びにその中で引用されている参照文献を参照されたい。スキーム9において示すように、式12のケトンは、パラジウム触媒の存在下で式15の化合物とビニルエーテル、例えば、n-ブチルビニルエーテル、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン又はエチルビニルエーテルとを反応させることによって調製することができ、カップリングされた生成物が得られ、次いで、これは酸で加水分解され、式12の化合物が得られる。スキーム9の方法において触媒として有用なパラジウム含有化合物及び錯体の例には、PdCl
2(PPh
3)
2(すなわち、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド)、Pd(PPh
3)
4(すなわち、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))、及び[Pd(OAc)
2][Ph
3P(CH
2)
3PPh
3]が含まれる。本実施例1ステップE及び実施例4ステップDは、スキーム9の方法を例示する。
【化19】
【0259】
式15aの化合物(すなわち、式15、式中、Y
3は、Clである)は、スキーム10において概要を述べるようなステップにおいて当業者に公知の一般方法によって調製することができる。第1のステップにおいて、式17のメチルケトンは、上記のスキーム9において記載されている方法と類似して式16の市販のブロミドから調製することができることを当業者は認識する。式17のメチルケトンの酸化によって、式18のカルボン酸が得られる。式18のカルボン酸のエステル化によって、式15aの化合物が得られる。本実施例1ステップB、C及びDは、スキーム10の方法を例示する。
【化20】
【0260】
スキーム11において示すように、式1bの化合物(すなわち、式1、式中、Tは、T-2であり、Jは、CH(R6)N(R13)C(=Z)R14であり、R13は、Hであり、Zは、Oである)は、スキーム1と類似の方法を使用して、式19のアミンと式20のカルボン酸又は式21の無水物とを反応させることによって調製することができる。式21の無水物を使用した式1bの化合物の合成について、実施例8のステップEを参照されたい。
【0261】
代わりに、スキーム11においてまた示すように、式1bの化合物(すなわち、式1、式中、Tは、T-2であり、Jは、CH(R
6)N(R
13)C(=Z)R
14であり、R
13は、Hであり、Zは、Oである)は、スキーム2と類似の方法を使用して、式19のアミンと式22の酸塩化物とを反応させることによって調製することができる。
【化21】
【0262】
スキーム12において示すような式5の化合物からの式19aの化合物(すなわち、式19、式中、R
6は、Hである)の調製は、文献において周知である。例えば、国際公開第2015/163936号パンフレット;及びJournal of Medicinal Chemistry 1978,21,613-623において報告されている方法を使用して、式5のハロゲン化アリール(好ましくは、式中、Y
1は、Br又はIである)は、式23のニトリルへと転換することができる。それに続くステップにおいて、周知の還元方法を使用して、式23のニトリルは、式19aのアミンに変換することができる。例えば、Journal of Organic Chemistry 2015,80,7281-7187;Journal of Medicinal Chemistry 2016,57,3215-3230及びその中の参照文献を参照されたい。
【化22】
【0263】
式19aの化合物はまた、スキーム13において概要を述べるようなステップにおいて当業者に公知の一般方法によって調製することができる。第1のステップにおいて、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中、適切な温度での、適切な量の還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム又は水素化ジイソブチルアルミニウムは、式24のアルコールへの式6のエステルの転換をもたらす。式24のアルコールは、試薬、例えば、塩化チオニル、オキシ塩化リン又は四臭化炭素を使用して式25のハロゲン化物に変換することができる。このハロゲン化反応は典型的には、無極性溶媒、例えば、トルエン又はジクロロメタン中で行われる。スキーム13の還元及びハロゲン化方法は、本実施例8ステップA及びBによって例示される。
【化23】
【0264】
スキーム14において示すように、式26の化合物は、式25のハロゲン化物とカリウムフタルイミドとを反応させること調製することができる。式26の化合物は、典型的には、ヒドラジン水化物の存在下でアミンに変換することができる。例えば、国際公開第2009/145816号パンフレットを参照されたい。また、本実施例8ステップC及びDは、スキーム14のステップを例示する。
【化24】
【0265】
スキーム15において示すように、式1cの化合物(すなわち、式1、式中、Tは、T-1である)は、スキーム1~8及び11~14において上記のものと類似した方法によって式27の化合物から調製することができる。本実施例6ステップH、I、J及びKは、スキーム15(式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、CO
2Y
2であり、Y
2は、メチルである)のステップを例示する。
【化25】
【0266】
式27aの化合物(すなわち、式27、式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、CO
2Y
2である)は、スキーム16において概要を述べるようなステップを使用して当業者に公知の一般方法によって調製することができる。ステップのこのシークエンスのための一般手順は、化学文献において記述されている;例えば、国際公開第2016/037578号パンフレットを参照されたい。式29の化合物は、塩化リン、例えば、オキシ塩化リン及び五塩化リンによる処理によって、式28の化合物に変換することができる(条件について、実施例6、ステップEを参照されたい)。式27bのメチルケトン(すなわち、式27、式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、Clである)は、上記のスキーム9において記載されている方法と類似して式28の化合物から調製することができる。上記のスキーム6に記載されているカルボニル化と類似した方法に従って、式27bの化合物は式27aの化合物に変換することができる。式29の化合物は市販されており、当業者に公知の一般方法によって調製することができる。本実施例6ステップE、F及びGは、スキーム15のステップを例示する。
【化26】
【0267】
スキーム17において示すように、式1dの化合物(すなわち、式1、式中、Tは、T-5である)は、スキーム1~8及び11~14における上記のものと類似した方法によって式30の化合物から調製することができる。本実施例2ステップB、C、D及びEは、スキーム17(式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、CO
2Y
2であり、Y
2は、メチルである)のステップを例示する。
【化27】
【0268】
式30aのエステル(すなわち、式30、式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、CO
2Y
2である)は、スキーム18において概要を述べるようなステップにおいて当業者に公知の一般方法によって調製することができる。式30bのメチルケトン(すなわち、式30、式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、Clである)は、上記のスキーム9において記載されている方法と類似して式31の化合物から調製することができる。上記のスキーム6において記載されているカルボニル化と類似した方法に従って、式30bの化合物は式30aのエステルに変換することができる。式31の化合物は市販されており、当業者に公知の一般方法によって調製することができる。本実施例2ステップAは、スキーム18のカルボニル化ステップを例示する。
【化28】
【0269】
スキーム19において示すように、式1eの化合物(すなわち、式1、式中、Tは、T-6である)は、スキーム1~8及び11~14における上記のものと類似した方法によって式32の化合物から調製することができる。本実施例5ステップG、H、I及びJは、スキーム19(式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、CO
2Y
2であり、Y
2は、メチルである)のステップを例示する。
【化29】
【0270】
式32aの化合物(すなわち、式32、式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、CO
2Y
2である)は、スキーム20において概要を述べるようなステップにおいて当業者に公知の一般方法によって調製することができる。上記のスキーム6において記載されているカルボニル化と類似の方法を使用して、式35の化合物を式34のエステルに変換することができる。それに続くステップにおいて、式34のエステルは、ハロゲン化リン、例えば、オキシ塩化リン及び五塩化リンによる処理によって、式33の化合物に変換することができる(条件について、実施例5、ステップEを参照されたい)。式32aのメチルケトンは、上記のスキーム9において記載されている方法と類似して式33の化合物から調製することができる。式61の化合物は市販されており、当業者に公知の一般方法によって調製することができる。本実施例5ステップD、E及びFは、スキーム20のステップを例示する。
【化30】
【0271】
スキーム21において示すように、式1fの化合物(すなわち、式1、式中、Tは、T-4である)は、スキーム1~8及び11~14において上記で記載するものと類似した方法によって式36の化合物から調製することができる。本実施例3ステップC、D、E及びFは、スキーム21(式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、CO
2Y
2であり、Y
2は、メチルである)のステップを例示する。
【化31】
【0272】
式36aのケトン(すなわち、式36、式中、Y4は、メチルであり、Y5は、CO2Y2である)は、スキーム22において概要を述べるようなステップにおいて当業者に公知の一般方法によって調製することができる。式12の化合物は、接触水素化によって式37の化合物に還元することができる。典型的な条件は、周囲温度にて溶媒、例えば、酢酸エチルに懸濁した金属触媒、例えば、不活性担体、例えば、活性炭素に担持されたパラジウムの存在下で、式12の化合物を70~700kPaの圧力にて水素ガスに曝露させることが関与する。また、スキーム22の方法は、実施例3、ステップAにおいて例示されている。式12の化合物中に存在し得る他の官能基はまた接触水素化条件下で還元されることができ、このように、触媒及び条件の適切な選択が必要とされることを当業者は認識する。
【0273】
それに続くステップにおいて、式37のアルコールは、式36aの対応するケトンに酸化することができる。典型的には穏やかな酸化条件は、塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下での塩化オキサリル及びジメチルスルホキシドが関与する(すなわち、スワーン酸化)。穏やかな酸化のために有用であるさらなる試薬には、二酸化マンガン、Dess-Martinペルヨージナン、塩化クロム酸ピリジウム又は重クロム酸ピリジニウムが含まれる。スワーン酸化条件を使用したスキーム22の方法を、実施例3ステップBにおいて例示する。
【化32】
【0274】
スキーム23において示すように、式1gの化合物(すなわち、式1、式中、Tは、T-3である)は、スキーム1~8及び11~14における上記のものと類似した方法によって式38の化合物から調製することができる。
【化33】
【0275】
スキーム24において示すように、式38aのケトン(すなわち、式38、式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、CO
2Y
2である)は、スキーム22における上記のものと類似した方法によって式27aの化合物から調製することができることを当業者は認識する。
【化34】
【0276】
スキーム25において示すように、式1hの化合物(すなわち、式1、式中、Tは、T-7である)は、スキーム1~8及び11~14における上記のものと類似した方法によって式40の化合物から調製することができる。
【化35】
【0277】
スキーム26において示すように、式40aのケトン(すなわち、式40、式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、CO
2Y
2である)は、スキーム22における上記のものと類似した方法によって式30aの化合物から調製することができることを当業者は認識する。
【化36】
【0278】
スキーム27において示すように、式1iの化合物(すなわち、式1、式中、Tは、T-8である)は、スキーム1~8及び11~14における上記のものと類似した方法によって式42の化合物から調製することができる。
【化37】
【0279】
スキーム28において示すように、式42aのケトン(すなわち、式42、式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、CO
2Y
2である)は、スキーム22における上記のものと類似した方法によって式32aの化合物から調製することができることを当業者は認識する。
【化38】
【0280】
スキーム29において示すように、式1jの化合物(すなわち、式1、式中、Tは、T-9である)は、スキーム1~8及び11~14における上記のものと類似した方法によって式44の化合物から調製することができる。
【化39】
【0281】
式44aのエステル(すなわち、式44、式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、CO
2Y
2である)は、スキーム30において概要を述べるようなステップにおいて当業者に公知の一般方法によって調製することができる。式44bのメチルケトン(すなわち、式44、式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、Clである)は、上記のスキーム9において記載されている方法と類似して式45の化合物から調製することができる。上記のスキーム6において記載したカルボニル化と類似した方法に従って、式44bの化合物は式44aのエステルに変換することができる。式45の化合物は市販されており、当業者に公知の一般方法によって調製することができる。
【化40】
【0282】
スキーム31において示すように、式1kの化合物(すなわち、式1、式中、Tは、T-10である)は、スキーム1~8及び11~14における上記のものと類似した方法によって式46の化合物から調製することができる。
【化41】
【0283】
式46aの化合物(すなわち、式46、式中、Y
4は、メチルであり、Y
5は、CO
2Y
2である)は、スキーム32において概要を述べるようなステップにおいて当業者に公知の一般方法によって調製することができる。上記のスキーム6において記載されているカルボニル化と類似の方法を使用して、式49の化合物は、式48のエステルに変換することができる。式48のエステルは、スキーム20において記載されているものと類似した方法によって式47の化合物に変換することができる。式46aのメチルケトンは、上記のスキーム9において記載した方法と類似して式47の化合物から調製することができる。式49の化合物は市販されており、当業者に公知の一般方法によって調製することができる。
【化42】
【0284】
上記の方法によって調製した式1の化合物(式中、Zは、Oである)は、種々の標準的なチオ化試薬、例えば、五硫化リン又は2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン-2,4-ジスルフィド(ローソン試薬)を使用して対応するチオアミド(式中、Zは、Sである)に変換することができる。このタイプの反応は周知であり、例えば、Heterocycles 1995,40,271-278;J.Med.Chem.2008,51,8124-8134;J.Med.Chem.1990,33,2697-706;Synthesis 1989,(5),396-3977;J.Chem. Soc.,Perkin Trans.1,1988,1663-1668;Tetrahedron 1988 44,3025-3036;及びJ.Org.Chem.1988 53(6),1323-1326を参照されたい。
【0285】
スキーム1~32は、種々の置換基を有する式1の化合物を調製する方法を例示する。スキーム1~32について特に留意したもの以外の置換基を有する式1の化合物は、スキーム1~32について記載したものと類似の方法を含めた有機合成化学の当技術分野において公知の一般方法によって調製することができる。
【0286】
様々な官能基を他の官能基へと変換して、異なる式1の化合物を提供することができることを当業者は認識する。式1の化合物、又はそれらの調製のための中間体は、芳香族ニトロ基を含有し得るが、これはアミノ基に還元され、次いで、当技術分野において周知の反応(例えば、ザントマイヤー反応)によって様々なハロゲン化物に変換することができる。同様の公知の反応によって、芳香族アミン(アニリン)は、ジアゾニウム塩を介してフェノールへと変換することができ、これは次いで、アルキル化されて、アルコキシ置換基を有する式1の化合物を調製することができる。同様に、ザントマイヤー反応によって調製される芳香族ハロゲン化物、例えば、ブロミド又はヨージドは、銅触媒条件、例えば、ウルマン反応又はその公知の変形形態下でアルコールと反応して、アルコキシ置換基を含有する式1の化合物を得ることができる。さらに、いくつかのハロゲン基、例えば、フッ素又は塩素は、塩基性条件下にてアルコールで置き換えて、対応するアルコキシ置換基を含有する式1の化合物を提供することができる。ハロゲン化物、好ましくは、ブロミド又はヨージドを含有する式1の化合物又はその前駆体は、式1の化合物を調製するための遷移金属触媒クロスカップリング反応のための特に有用な中間体である。これらのタイプの反応は文献において文書で十分に裏付けられている;例えば、Tsuji in Transition Metal Reagents and Catalysts:Innovations in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,Chichester,2002;Tsuji in Palladium in Organic Synthesis,Springer,2005;及びMiyaura and Buchwald in Cross Coupling Reactions:A Practical Guide,2002;及びその中で引用されている参照文献を参照されたい。
【0287】
本発明の化合物の調製において有用な中間体の例を表I-1~I-432において示す。下記の略語を下記の表において使用する:Meは、メチルを意味し、Etは、エチルを意味し、i-Prは、イソ-プロピルを意味し、t-Buは、tert-ブチルを意味し、CNは、シアノを意味する。
【0288】
【0289】
【0290】
本開示はまた、表I-2~I-16を含み、これらのそれぞれは、表1における行見出し(すなわち、「R1は、Clであり、R2は、Hであり、R3は、Clであり、Xは、Oである」)が下記に示すそれぞれの行見出しで置き換えられることを除いて、上記の表1と同じに構成される。
【0291】
【0292】
表I-17
【化44】
表I-17は、表I-1における構造が表I-17についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-1と同じに構成される。
【0293】
表I-18~表I-32
表I-18は、表I-2における構造が表I-17についての上記の構造で置き換えられる。表I-19~I-32は、表I-3~I-16と同じ様式で構成されることを除いて、表I-2と同じに構成される。
【0294】
表I-33
【化45】
表I-33は、表I-1における構造が表I-33についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-1と同じに構成される。
【0295】
表I-34~表I-48
表I-34は、表I-2における構造が表I-33についての上記の構造で置き換えられる。表I-35~I-48は、表I-3~I-16と同じ様式で構成されることを除いて、表I-2と同じに構成される。
【0296】
表I-49
【化46】
表I-49は、表I-1における構造が表I-49についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-1と同じに構成される。
【0297】
表I-50~表I-64
表I-50は、表I-2における構造が表I-49についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-2と同じに構成される。表I-51~I-64は、表I-3~I-16と同じ様式で構成される。
【0298】
表I-65
【化47】
表I-65は、表I-1における構造が表I-65についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-1と同じに構成される。
【0299】
表I-66~表I-80
表I-66は、表I-2における構造が表I-65についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-2と同じに構成される。表I-67~I-80は、表I-3~I-16と同じ様式で構成される。
【0300】
表I-81
【化48】
表I-81は、表I-1における構造が表I-81についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-1と同じに構成される。
【0301】
表I-82~表I-96
表I-82は、表I-2における構造が表I-81についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-2と同じに構成される。表I-83~I-96は、表I-3~I-16と同じ様式で構成される。
【0302】
表I-97
【化49】
表I-97は、表I-1における構造が表I-97についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-1と同じに構成される。
【0303】
表I-98~表I-112
表I-98は、表I-2における構造が
表I-3~I-16と同じ様式で構成されることを除いて、表I-2と同じに構成される。
【0304】
表I-113
【化50】
表I-113は、表I-1における構造が表I-113についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-1と同じに構成される。
【0305】
表I-114~表I-128
表I-114は、表I-2における構造が表I-113についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-2と同じに構成される。表I-115~I-128は、表I-3~I-16と同じ様式で構成される。
【0306】
【0307】
【0308】
本開示はまた、表I-130~I-136を含み、これらのそれぞれは、表1における行見出し(すなわち、「R1は、Clであり、R2は、Hであり、R3は、Clであり、Xは、Oである」)が下記で示すそれぞれの行見出しで置き換えられることを除いて、上記の表129と同じに構成される。
【0309】
【0310】
表I-137
【化52】
表I-137は、表I-129における構造が表I-137についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-129と同じに構成される。
【0311】
表I-138~表I-144
表I-138は、表I-130における構造が表I-137についての上記の構造で置き換えられることを除いて、表I-130と同じに構成される。表I-139~I-144は、表I-131~I-136と同じ様式で構成される。
【0312】
表I-145
【化53】
表I-145は、表I-1における縮合ピリジン構造のフェニルイソオキサゾリンフラグメントが表I-145についての上記のキラルフェニルイソオキサゾリンフラグメントで置き換えられることを除いて、表I-1と同じに構成される。
【0313】
表I-146~表I-288
表I-146は、表I-2における縮合ピリジン構造のフェニルイソオキサゾリンフラグメントが表I-145についての上記のキラルフェニルイソオキサゾリンフラグメントで置き換えられることを除いて、表I-2と同じに構成される。表I-147~I-288は、表I-3~I-144と同じ様式で構成される。
【0314】
表I-289
【化54】
表I-289は、表I-1における縮合ピリジン構造のフェニルイソオキサゾリンフラグメントが表I-289についての上記のキラルフェニルイソオキサゾリンフラグメントで置き換えられることを除いて、表I-1と同じに構成される。
【0315】
表I-290~表I-432
表I-290は、表I-2における縮合ピリジン構造のフェニルイソオキサゾリンフラグメントが表I-290についての上記のキラルフェニルイソオキサゾリンフラグメントで置き換えられることを除いて、表I-2と同じに構成される。表I-291~I-432は、表I-3~I-144と同じ様式で構成される。
【0316】
式1の化合物を調製するための上で記載したいくつかの試薬及び反応条件は、中間体中に存在する特定の官能基と適合性でなくてもよいことが認識される。これらの場合において、合成への保護/脱保護シークエンス又は官能基の相互変換の組込みは、所望の生成物を得ることにおいて補助する。保護基の使用及び選択は、化学合成の当業者には明らかであろう(例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991を参照されたい)。場合によって、個々のスキームにおいて示された試薬の導入の後、詳細には記載しないさらなる通例の合成ステップが、式1の化合物の合成を完了させるために必要とし得ることを当業者は認識する。式1の化合物を調製するために提示される特定のシークエンスによって示されるもの以外の順序で上記のスキームにおいて例示されているステップの組合せを行うことが必要であり得ることを当業者はまた認識する。
【0317】
当業者はまた、本明細書に記載される式1の化合物及び中間体が、置換基を追加するために又は存在する置換基を変更するために様々な親電子的な、求核的な、ラジカルの、有機金属の、酸化、及び還元反応にかけられ得ることを認めるであろう。
【0318】
さらなる入念な検討なしに、先行記載を用いる当業者は、最大程度に本発明を利用することができると考えられる。以下の実施例は、それ故、単に例示的なものであり、何であれ決して本開示を限定するものではないと解釈されるべきである。以下の実施例におけるステップは、全体的な合成変換における各ステップについての手順を例示し、各ステップのための出発材料は、その手順が他の実施例又はステップにおいて記載されている特定の調製操作によって必ずしも調製され得なかった。百分率は、クロマトグラフィー溶媒混合物を除いて、又は他に示されている場合を除いて重量による。クロマトグラフィー溶媒混合物についての部及び百分率は、他に示さない限り容量による。用語「LCMS」は、液体クロマトグラフィー質量分析法を意味する。1H NMRスペクトルは、テトラメチルシランからの低磁場ppmで報告する;「s」は、一重線を意味し、「d」は、二重線を意味し、「t」は、三重線を意味し、「m」は、多重項を意味し、「br s」は、幅広い一重線を意味し、「dd」は、二重線の二重線を意味する。圧力は、環境大気圧に対して測定した圧力と定義される。用語「psig」は、ポンド/平方インチゲージを意味する。
【実施例】
【0319】
実施例1
N-シクロプロピル-4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド(化合物3)の調製
ステップA:7-ブロモ-4-クロロフロ[3,2-c]ピリジンの調製。
7-ブロモフロ[3,2-c]ピリジン-4(5H)-オン(0.5g、4.67mmol)及びオキシ塩化リン(5mL)の混合物を120℃にて1時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮した。結果として生じた材料をジクロロメタン(50mL)で希釈し、炭酸水素ナトリウム(10%水溶液)、それに続いて水及び飽和ブライン溶液で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(0.45g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.39(s,1H),7.80-7.79(d,1H),6.99-6.98(d,1H).
LCMS:m/z:231.9 [M+H]+
【0320】
ステップB:1-(4-クロロフロ[3,2-c]ピリジン-7-イル)エタン-1-オンの調製。
撹拌した7-ブロモ-4-クロロフロ[3,2-c]ピリジン(すなわち、ステップAの生成物)(0.45g、1.94mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)溶液に、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(0.7g、1.94mmol)、それに続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.022g、0.019mmol)を加え、110℃にて5時間加熱し、室温に冷却した。反応混合物を塩酸(1.5Nの水溶液)で希釈し、1時間撹拌し、ジクロロメタン(50mL)で抽出し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(0.23g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.84(s,1H),7.86-7.85(d,1H),7.03-7.02(d,1H),2.85(s,3H).
LCMS:m/z:196[M+H]+
【0321】
ステップC:4-クロロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボン酸の調製。
1-(4-クロロフロ[3,2-c]ピリジン-7-イル)エタン-1-オン(すなわち、ステップBの生成物)(0.23g、1.18mmol)のメタノール(5mL)溶液に、0℃にて次亜塩素酸ナトリウム(10%水溶液、2.95mmol)を加え、0℃にて3時間撹拌した。反応混合物を水(25mL)で希釈し、塩酸(1.5Nの水溶液)で酸性化し、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物(0.15g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 13.82(br s,1H),8.73(s,1H),8.38-8.37(d,1H),7.23-7.22(d,1H).
LCMS:m/z:197.9[M+H]+
【0322】
ステップD:メチル4-クロロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
4-クロロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボン酸(すなわち、ステップCの生成物)(0.15g、0.76mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)溶液に、炭酸カリウム(0.2g、1.5mmol)、及びヨウ化メチル(0.16g、1.12mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(0.15g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.91(s,1H),7.73-7.72(d,1H),6.91-6.90(d,1H),4.07(s,3H).
LCMS:m/z:211.9[M+H]+]+
【0323】
ステップE:メチル4-アセチルフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
メチル4-クロロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップDの生成物)(1.1g、5.2mmol)の1,4-ジオキサン(15mL)溶液に、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(2.8g、7.8mmol)、それに続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.3g、0.26mmol)を加えた。反応混合物を150℃にてマイクロ波反応器において密封したチューブ中で1時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、塩酸(1.5Nの水溶液)で希釈し、1時間撹拌し、ジクロロメタン(50mL)で抽出し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(0.70g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 9.14(s,1H),7.93-7.92(d,1H),7.66-7.65(d,1H),4.09(s,3H),2.85(s,3H).
LCMS:m/z:220.1[M+H]+]+
【0324】
ステップF:メチル4-[(2Z)-3-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]フロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
メチル4-アセチルフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップEの生成物)(0.70g、3.19mmol)及び1-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オン(1.66g、6.38mmol)の1,2-ジクロロエタン(10mL)溶液に、炭酸カリウム(0.65g、4.7mmol)及びトリエチルアミン(0.53g、5.2mmol)を加え、110℃にて16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(0.70g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 9.18(s,1H),7.94-7.93(d,1H),7.53-7.52(d,1H),7.32-7.31(d,2H),4.11(s,3H).
LCMS:m/z:462[M+H]+
【0325】
ステップG:メチル4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
メチル4-[(2Z)-3-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]フロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップFの生成物)(0.7g、1.51mmol)の1,2-ジメトキシエタン(20mL)溶液に、0℃にてヒドロキシルアミン塩酸塩(0.21g、3.03mmol)及び水酸化リチウム一水和物(0.127g、3.03mmol)を加え、3時間に亘り室温へと温めた。反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(0.18g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 9.08(s,1H),7.91(s,1H),7.65-7.63(d,2H),7.51-7.50(d,1H),4.44-4.40(d,1H),4.08(s,3H),4.08-4.04(d,1H).
LCMS:m/z:476.9[M+H]+
【0326】
ステップH:4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボン酸の調製。
メチル4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップGの生成物)(0.18g、0.377mmol)のメタノール(3mL)、テトラヒドロフラン(3mL)及び水(1mL)の混合物溶液に、0℃にて水酸化リチウム一水和物(0.032g、0.755mmol)を加え、5時間の期間に亘り室温へと温めた。反応混合物を塩酸(1.5Nの水溶液)で酸性化し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物(0.17g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 9.08(s,1H),7.91(s,1H),7.65-7.63(d,2H),7.51-7.50(d,1H),4.44-4.40(d,1H),4.08-4.04(d,1H).
LCMS:m/z:463[M+H]+
【0327】
ステップI:N-シクロプロピル-4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド(化合物3)の調製
撹拌した4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボン酸(すなわち、ステップHの生成物)(0.06g、0.129mmol)、シクロプロピルアミン(0.014g、0.259mmol)及びトリエチルアミン(0.032g、0.32mmol)の酢酸エチル(5mL)溶液に、0℃にてプロピルホスホン酸無水物(酢酸エチル中50%溶液)(0.123g、0.195mmol)を加え、室温にて16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配による溶出)によって精製し、本発明の化合物である表題化合物を固体(0.05g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 9.22(s,1H),7.87-7.86(d,1H),7.64-7.63(d,2H),7.55-7.54(d,1H),7.34(s,3H),4.44-4.40(m,1H),4.07-4.02(m,1H),3.05-3.03(m,1H),0.99-0.94(q,2H),0.77-0.74(q,2H).
LCMS:m/z:501.9[M+H]+
【0328】
実施例2
N-シクロプロピル-7-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[3,2-c]ピリジン-4-カルボキサミド(化合物21)の調製
ステップA:メチル7-アセチルフロ[3,2-c]ピリジン-4-カルボキシレートの調製。
1-(4-クロロフロ[3,2-c]ピリジン-7-イル)エタン-1-オン(1.0g、5.12mmol)のメタノール(30mL)溶液に、酢酸ナトリウム(0.84g、10.2mmol)及びジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.33g、0.41mmol)を加えた。反応混合物を圧力反応器中に密封し、14psigの一酸化炭素に供し、70℃にて加熱し、16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(0.52g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 9.12(s,1H),7.93-7.92(d,1H),7.59-7.58(d,1H),4.12(s,3H),2.91(s,3H).
LCMS:m/z:219.9[M+H]+
【0329】
ステップB:メチル7-[(2Z)-3-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]フロ[3,2-c]ピリジン-4-カルボキシレートの調製。
撹拌したメチル7-アセチルフロ[3,2-c]ピリジン-4-カルボキシレート(すなわち、ステップAの生成物)(0.7g、3.19mmol)及び1-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オン(1.66g、6.39mmol)の1,2-ジクロロエタン(15mL)溶液に、炭酸カリウム(0.66g、4.78mmol)及びトリエチルアミン(0.482g、4.78mmol)を加えた。反応混合物を110℃にて16時間加熱し、室温に冷却し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(0.70g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.99(s,1H),7.97-7.96(d,1H),7.75-7.74(d,1H),7.61(d,1H),7.28-7.26(d,2H),4.12(s,3H).
LCMS:m/z:462[M+H]+
【0330】
ステップC:メチル7-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[3,2-c]ピリジン-4-カルボキシレートの調製。
撹拌したメチル7-[(2Z)-3-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]フロ[3,2-c]ピリジン-4-カルボキシレート(すなわち、ステップBの生成物)(0.65g、1.4mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、0℃にてヒドロキシルアミン塩酸塩(0.24g、3.5mmol)及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(0.425g、2.8mmol)を加えた。反応混合物を5時間の期間に亘り室温へと温めた。反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(0.55g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 9.04(s,1H),7.91(s,1H),7.66-7.64(d,2H),7.57(s,1H),4.44-4.40(d,1H),4.12(s,3H),4.01-3.98(d,1H).
LCMS:m/z:476.8[M+H]+
【0331】
ステップD:7-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[3,2-c]ピリジン-4-カルボン酸の調製。
撹拌したメチル7-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[3,2-c]ピリジン-4-カルボキシレート(すなわち、ステップCの生成物)(0.5g、1.05mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)及び水(1mL)溶液に、0℃にて水酸化リチウム一水和物(0.13g、3.14mmol)を加え、6時間に亘り室温へと温めた。反応混合物を塩酸(1.5Nの水溶液)で酸性化し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物(0.43g)を得た。
1H NMR(DMSO-d6,400MHz)δ 13.66(br s,1H),8.84(s,1H),8.41(s,1H),7.88(s,2H),7.48-7.46(s,1H),4.65-4.48(dd,2H).
LCMS:m/z:462.8[M+H]+
【0332】
ステップE:N-シクロプロピル-7-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[3,2-c]ピリジン-4-カルボキサミド(化合物21)の調製
撹拌した7-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]フロ[3,2-c]ピリジン-4-カルボン酸(すなわち、ステップDの生成物)(0.12g、0.259mmol)の酢酸エチル(5mL)溶液に、シクロプロピルアミン(0.029g、0.52mmol)及びトリエチルアミン(0.065g、0.647mmol)を加え、0℃に冷却した。プロピルホスホン酸無水物(酢酸エチル中50%溶液)(0.247g、0.388mmol)を反応混合物に加え、室温にて16時間撹拌した。次いで、反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、本発明の化合物である表題化合物を固体(0.10g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.85(s,1H),8.15(s,1H),7.87(s,1H),7.79(s,1H),7.64(s,1H),4.44-4.40(d,1H),4.00-3.99(d,1H),3.0-2.95(m,1H),0.95-0.92(t,2H),0.76-0.74(t,2H).
【0333】
実施例3
N-シクロプロピル-4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド(化合物17)の調製
ステップA:メチル4-(1-ヒドロキシエチル)-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
メチル4-アセチルフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、実施例1ステップEの生成物)(1.4g、6.39mmol)の酢酸エチル(30mL)溶液に、パラジウム(炭素上10%、0.7g)を加えた。反応混合物を圧力反応器中で密封し、72psigの水素に供し、72時間撹拌し、酢酸エチルですすぎながらCelite(登録商標)珪藻土濾過助剤を通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(1.1g)を得た。
LCMS:m/z:224[M+H]+
【0334】
ステップB:メチル4-アセチル-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
撹拌したジメチルスルホキシド(1.9g、24.4mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、塩化オキサリル(2.05g、26.3mmol)を-78℃にて加え、1時間撹拌した。メチル4-(1-ヒドロキシエチル)-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップAの生成物)(1.0g、4.5mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を、反応混合物へと滴下で加え、4時間に亘り室温へと温めた。トリエチルアミン(4.1g、40.7mmol)の滴下の添加によって反応混合物をクエンチした。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(0.40g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.95(s,1H),4.90-4.85(t,2H),3.98(s,3H),3.64-3.60(t,2H),2.74(s,3H).
LCMS:m/z:222.1[M+H]+
【0335】
ステップC:メチル4-[(2Z)-3-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
撹拌したメチル4-アセチル-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップBの生成物)(0.4g、1.79mmol)及び1-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オン(0.92g、3.58mmol)の1,2-ジクロロエタン(10mL)溶液に、炭酸カリウム(0.37g、2.68mmol)及びトリエチルアミン(0.27g、2.68mmol)を加えた。反応混合物を110℃にて16時間加熱し、室温に冷却し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(0.40g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.96(s,1H),8.17(s,1H),7.60-7.58(d,1H),7.27-7.26(d,1H),4.89-4.84(t,2H),3.99(s,3H),3.53-3.49(t,2H).
LCMS:m/z:463.9[M+H]+
【0336】
ステップD:メチル4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
撹拌したメチル4-[(2Z)-3-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップCの生成物)(0.4g、0.86mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、0℃にてヒドロキシルアミン塩酸塩(0.15g、2.16mmol)及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(0.26g、1.72mmol)を加えた。反応混合物を5時間の期間に亘り室温へと温めた。反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、表題化合物(0.30g)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.88(s,1H),7.61-7.59(d,2H),4.92-4.88(t,2H),4.34-4.30(d,1H),3.97(s,3H),3.97-3.94(d,1H),3.57-3.50(t,2H).
LCMS:m/z:478.7[M+H]+
【0337】
ステップE:4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボン酸の調製。
撹拌したメチル4-[(2Z)-3-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップDの生成物)(0.3g、0.645mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)及び水(1mL)溶液に、0℃にて水酸化リチウム一水和物(0.073g、1.73mmol)を加え、6時間に亘り室温へと温めた。反応混合物を塩酸(1.5Nの水溶液)で酸性化し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物(0.25g)を得た。
1H NMR(DMSO-d6,400MHz)δ 13.32(s,1H),8.74(s,1H),7.91(s,2H),4.83-4.79(t,2H),4.34-4.32(m,2H),3.48-3.43(t,2H).
LCMS:m/z:464.7[M+H]+
【0338】
ステップF:N-シクロプロピル-4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド(化合物17)の調製
撹拌した4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-7-カルボン酸(すなわち、ステップEの生成物)(0.08g、0.172mmol)の酢酸エチル(5mL)溶液に、シクロプロピルアミン(0.019g、0.34mmol)及びトリエチルアミン(0.043g、0.43mmol)を加え、0℃に冷却した。プロピルホスホン酸無水物(酢酸エチル中の50%溶液)(0.164g、0.258mmol)を反応混合物に加え、室温にて16時間撹拌した。次いで、反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水、それに続いて飽和ブライン溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)によって精製し、本発明の化合物である表題化合物を固体(0.07g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 9.07(s,1H),7.60-7.59(d,2H),7.36(s,1H),4.92-4.87(t,2H),4.35-4.30(d,1H),3.98-3.93(d,1H),3.60-3.54(m,2H),2.97-2.93(m,1H),0.91-0.88(q,2H),0.77-0.66(q,2H).
LCMS:m/z:503.9[M+H]+
【0339】
実施例4
4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-3-チエタニルチエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド(化合物27)の調製
ステップA:7-ブロモチエノ[3,2-c]ピリジン-4(5H)-オンの調製。
撹拌したチエノ[3,2-c]ピリジン-4(5H)-オン(15.0g、98.7mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(150mL)溶液に、0℃にてN-ブロモスクシンイミド(17.6g、98.7mmol)を少しずつ加え、室温にて4時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(300mL)上に注ぎ、濾過し、水(200mL)で洗浄した。収集した固体を減圧下で乾燥させ、表題化合物をオフホワイト色の固体(18.0g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,500MHz)δ 12.77(br s,1H),7.77-7.72(m,1H),7.66-7.60(m,1H),7.52(s,1H).
【0340】
ステップB:メチル4-オキソ-4,5-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
窒素パージした7-ブロモチエノ[3,2-c]ピリジン-4(5H)-オン(すなわち、ステップAの生成物)(10.0g、43.5mmol)のメタノール(200mL)溶液に、トリエチルアミン(13.2g、130.4mmol)、それに続いてジクロロ-[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(3.1g、4.34mmol)を加えた。反応混合物をスチール製容器中に密封し、150psigの一酸化炭素に供し、100℃に16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン(2L)中のメタノールの50%溶液ですすぎながらCelite(登録商標)珪藻土濾過助剤を通して濾過し、減圧下で濃縮した。結果として生じた材料を、n-ペンタン(200mL)中のジエチルエーテルの50%溶液で粉砕し、濾過し、表題化合物を固体(4.0g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,500MHz)δ 12.05(br s,1H),8.03(s,1H),7.73-7.71(m,1H),7.54-7.50(m,1H),3.86(s,3H).
【0341】
ステップC:メチル4-ブロモ-チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
撹拌したメチル4-オキソ-4,5-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップBの生成物)(5.0g、23.9mmol)の1,2-ジクロロエタン(50mL)溶液に、オキシ臭化リン(13.7g、47.8mmol)を少しずつ加え、90℃にて16時間加熱した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)上に注ぎ、ジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた抽出物をブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の30%酢酸エチルで溶出)によって精製し、表題化合物を固体(3.7g)として得た。
1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 8.87(s,1H),7.72(d,1H),7.57(d,1H),4.06(s,3H).
【0342】
ステップD:メチル4-アセチル-チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
メチル4-ブロモ-チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップCの生成物)(4.0g、14.7mmol)のトルエン(40mL)溶液に、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(7.0g、19.1mmol)を加え、窒素で15分間パージした。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(1.0g、1.47mmol)を反応混合物に加え、100℃にて16時間撹拌し、室温に冷却した。反応混合物を塩酸(1.5Nの水溶液、50mL)で希釈し、10時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)で塩基性化し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機抽出物を飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の50%酢酸エチルで溶出)によって精製し、表題化合物を固体(2.1g)として得た。
1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 9.18(s,1H),8.41(d,1H),7.80(d,1H),4.10(s,3H),2.87(s,3H).
【0343】
ステップE:メチル4-[(2Z)-3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]-チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
撹拌したメチル4-アセチル-チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップDの生成物)(3.5g、12.8mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に、1-(3,5-ジクロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オン(3.4g、14.1mmol)、炭酸カリウム(2.0g、14.9mmol)及びトリエチルアミン(0.15g、1.49mmol)を加えた。反応混合物を反応混合物の沸点にて10時間加熱し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。結果として生じた材料のLCMSは、アルドール縮合生成物の存在を示した。撹拌した結果として生じた材料のアセトニトリル(80mL)溶液に、ヘキサクロロエタン(6.0g、25.2mmol)、トリエチルアミン(7.6g、75.5mmol)及びトリフェニルホスフィン(6.6g、25.2mmol)を加えた。反応混合物を90℃にて24時間加熱し、室温に冷却し、氷冷水(100mL)上に注ぎ、酢酸エチル(2×)で抽出した。有機抽出物を飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の10%酢酸エチルで溶出)によって精製し、表題化合物を固体(2.1g)として得た。
1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 9.20(s,1H),8.25-8.21(m,2H),7.82(d,1H),7.37(s,1H),7.21-7.18(m,2H),4.11(s,3H).
【0344】
ステップF:メチル4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
撹拌したメチル4-[(2Z)-3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]-チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップEの生成物)(2.1g、4.58mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、0℃にてヒドロキシルアミン(50%水溶液)(0.34g、11.4mmol)、それに続いて1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(1.39g、9.15mmol)を加えた。反応混合物を5時間の期間に亘り室温へと温めた。反応混合物に、氷冷水(50mL)を加え、ジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、n-ペンタン(40mL)中のジエチルエーテルの10%溶液で粉砕し、濾過し、乾燥させ、表題化合物(1.8g)を得た。
1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 9.10(s,1H),8.33(d,1H),7.98(d,1H),7.56(s,2H),7.44(s,1H),4.48-4.42(m,1H),4.13-4.06(m,4H).
【0345】
ステップG:4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボン酸の調製。
撹拌したメチル4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップFの生成物)(1.8g、3.80mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)及び水(5mL)溶液に、0℃にて水酸化リチウム一水和物(0.073g、1.93mmol)を加え、5時間に亘り室温へと温め、減圧下で濃縮した。結果として生じた材料を塩酸(1.0Nの水溶液)で6のpHまで酸性化した。結果として生じた固体を濾過し、水(40mL)で洗浄し、乾燥させ、希釈し、表題化合物を固体(1.6g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,500 MHz)δ 9.05(s,1H),8.21(d,1H),8.15(d,1H),7.82-7.80(m,1H),7.85-7.80(m,2H),4.56(d,1H),4.38(d,1H).
【0346】
ステップH:4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-3-チエタニルチエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミド(化合物27)の調製
4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボン酸(すなわち、ステップGの生成物)(0.9g、2.0mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(8mL)溶液に、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(1.1g、2.9mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(758mg、5.87mmol)及び3-アミノチエタン(295mg、2.35mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度にて16時間撹拌し、氷冷水(80mL)上に注いだ。結果として生じた固体を濾過し、水(50mL)で洗浄し、乾燥させ、本発明の化合物である表題化合物を固体(600mg)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,500 MHz)δ 9.58(d,1H),9.13(s,1H),8.18(d,1H),8.12(d,1H),7.83-7.78(m,3H),5.37-5.28(m,1H),4.57(d,1H),4.37(d,1H),3.65-3.60(m,2H),3.27-3.22(m,2H).
【0347】
実施例5
7-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[(1R)-1-メチル-2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル]チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキサミド(化合物7)の調製
ステップA:7-メトキシチエノ[2,3-c]ピリジンの調製。
7-クロロ-チエノ[2,3-c]ピリジン(10.0g、59.2mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)溶液に、ナトリウムメトキシド(メタノール中の30%溶液)(21mL、118.3mmol)を加えた。反応混合物を密封したチューブ中で140℃にて1時間加熱し、室温に冷却した。結果として生じた表題化合物のN,N-ジメチルホルムアミド溶液をステップBにおいて直接使用した。
1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 8.02-8.00(m,1H),7.70-7.65(m,1H),7.38-7.24(m,2H),4.18(s,3H).
【0348】
ステップB:チエノ[2,3-c]ピリジン-7(6H)-オンの調製。
7-メトキシチエノ[2,3-c]ピリジンのN,N-ジメチルホルムアミド溶液(すなわち、ステップAの生成物)(9.7g、58.8mmol)に、さらなるN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)、及びピリジン塩酸塩(34.0g、293.9mmol)を加えた。反応混合物を密封したチューブ中で100℃にて10時間加熱し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)中に注ぎ、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。結果として生じた材料をペンタン(50mL)中のジエチルエーテルの30%溶液で粉砕し、表題化合物を固体(5.0g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,500MHz)δ 11.49(br s,1H),8.04-8.03(m,1H),7.39-7.38(m,1H),7.28-7.26(m,1H),6.73-6.71(m,1H).
【0349】
ステップC:4-ブロモチエノ[2,3-c]ピリジン-7(6H)-オンの調製。
4-ブロモチエノ[2,3-c]ピリジン-7(6H)-オン(すなわち、ステップBの生成物)(5.0g、32.9mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(200mL)溶液に、0℃にてN-ブロモスクシンイミド(7.0g、39.5mmol)を少しずつ加え、室温にて16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(250mL)上に注ぎ、濾過し、水(50mL)で洗浄した。収集した固体を減圧下で乾燥させ、表題化合物を固体(5.5g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,500MHz)δ 11.8(br s,1H),8.17-8.16(m,1H),7.65-7.64(m,1H),7.35-7.34(m,1H).
【0350】
ステップD:メチル7-オキソ-6,7-ジヒドロチエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキシレートの調製。
窒素パージした4-ブロモチエノ[2,3-c]ピリジン-7(6H)-オン(すなわち、ステップCの生成物)(5.5g、23.9mmol)のメタノール(200mL)溶液に、トリエチルアミン(7.25g、71.7mmol)、それに続いてジクロロ-[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(1.74g、2.39mmol)を加えた。反応混合物をスチール製容器中に密封し、150psigの一酸化炭素に供し、100℃に16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)ですすぎながらCelite(登録商標)珪藻土濾過助剤を通して濾過した。濾液を水、それに続いてブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。結果として生じた材料をn-ペンタン(100mL)中のジエチルエーテルの50%溶液で粉砕し、濾過し、表題化合物を固体(4.0g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,500MHz)δ 8.21-8.19(m,1H),8.05-8.02(m,1H),7.94-7.98(m,1H),3.82(s,3H).
【0351】
ステップE:メチル7-ブロモチエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキシレートの調製。
撹拌したメチル7-オキソ-6,7-ジヒドロチエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキシレート(すなわち、ステップEの生成物)(4.0g、19.1mmol)の1,2-ジクロロエタン(40mL)溶液に、オキシ臭化リン(10.9g、38.3mmol)を少しずつ加え、90℃にて16時間加熱した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)上に注ぎ、ジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた抽出物をブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の80%酢酸エチルで溶出)によって精製し、表題化合物を固体(7.0g)として得た。
1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 8.96(s,1H),8.22(d,1H),7.93(d,1H),4.03(s,3H).
【0352】
ステップF:メチル7-アセチルチエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキシレートの調製。
メチル7-ブロモチエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキシレート(すなわち、ステップEの生成物)(5.0g、18.4mmol)のトルエン(50mL)溶液に、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(8.6g、23.9mmol)を加え、窒素で15分間パージした。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(1.28g、1.84mmol)を反応混合物に加え、100℃にて16時間撹拌し、室温に冷却した。反応混合物を塩酸(1.0Nの水溶液、60mL)で希釈し、10時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)で塩基性化し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機抽出物を飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の70%酢酸エチルで溶出)によって精製し、表題化合物を固体(3.0g)として得た。
1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 9.26(s,1H),8.24(d,1H),8.03(d,1H),4.08(s,3H),2.91(s,3H).
【0353】
ステップG:メチル7-[(2Z)-3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキシレートの調製。
撹拌したメチル7-アセチルチエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキシレート(すなわち、ステップFの生成物)(3.0g、12.8mmol)の2-メチルテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、分子篩及び炭酸カリウム(8.82g、63.8mmol)を加えた。反応混合物を80℃に加熱し、1-(3,5-ジクロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オン(6.2g、25.6mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を90℃にて10時間加熱し、室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)ですすぎながらCelite(登録商標)珪藻土濾過助剤を通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の80%酢酸エチルで溶出)によって精製し、表題化合物を固体(2.0g)として得た。
1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 9.30(s,1H),8.41-8.39(m,1H),8.25(d,1H),8.02(d,1H),7.42-7.39(m,1H),7.23-7.20(m,2H),4.08(s,3H).
【0354】
ステップH:メチル7-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキシレートの調製。
撹拌したメチル7-[(2Z)-3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキシレート(すなわち、ステップGの生成物)(2.0g、4.36mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、0℃にてヒドロキシルアミン(50%水溶液)(0.7mL、10.9mmol)、それに続いて1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(1.32g、8.71mmol)を加えた。反応混合物を5時間の期間に亘り室温へと温めた。反応混合物を氷冷水(50mL)上に注ぎ、ジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、n-ペンタン(40mL)中のジエチルエーテルの10%溶液で粉砕し、濾過し、乾燥させ、表題化合物(1.5g)を得た。
1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 9.17(s,1H),8.28-8.27(m,1H),7.99-7.97(m,1H),7.58-7.55(m,2H),7.44-7.40(m,1H),4.48-4.45(m,1H),4.10-4.06(m,1H),4.05(s,3H).
【0355】
ステップI:7-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボン酸の調製。
撹拌したメチル7-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキシレート(すなわち、ステップHの生成物)(1.5g、3.16mmol)のテトラヒドロフラン(16mL)及び水(4mL)溶液に、0℃にて水酸化リチウム一水和物(0.4g、9.5mmol)を加え、6時間に亘り室温へと温め、減圧下で濃縮した。結果として生じた材料を塩酸(1.0Nの水溶液)で6のpHまで酸性化した。結果として生じた固体を濾過し、水(40mL)で洗浄し、乾燥させ、希釈し、表題化合物を固体(1.2g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,500 MHz)δ 9.10(s,1H),8.40-8.37(m,1H),8.28-8.25(m,1H),7.82-7.78(m,3H),4.58-4.52(m,1H),4.45-4.40(m,1H).
【0356】
ステップJ:7-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[(1R)-1-メチル-2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル]チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボキサミド(化合物7)の調製
7-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]チエノ[2,3-c]ピリジン-4-カルボン酸(すなわち、ステップIの生成物)の溶液に、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(0.25g、0.65mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.2mL、1.30mmol)及び(2R)-2-アミノ-N-メチルプロパンアミド(64.7mg、0.52mmol)。反応混合物を周囲温度にて16時間撹拌し、氷冷水(20mL)上に注いだ。結果として生じた固体を濾過し、水(10mL)で洗浄し、乾燥させ、本発明の化合物である表題化合物を固体(140mg)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,500 MHz)δ 8.91-8.89(m,1H),8.32-8.30(m,1H),8.00-7.98(m,1H),7.82-7.78(m,3H),7.53-7.48(m,1H),7.07-7.03(m,1H),4.56-4.37(m,3H),1.38-1.36(m,3H).
【0357】
実施例6
N-シクロプロピル-4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド(化合物15)の調製
ステップA:3-フランアクリル酸の調製。
ピリジン(400mL)中の3-フランカルボキサルデヒド(20g、208mmol)、ピペリジン(16mL)及びマロン酸(54.3g、522mmol)の撹拌した混合物を65℃に16時間加熱し、塩酸(6.0Nの水溶液)で2のpHまで酸性化し、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(250mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を固体(20g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 7.70-7.68(d,1H),7.66(s,1H),7.45(s,1H),6.62(s,1H),6.18-6.14(d,1H).
LCMS:m/z:139[M+H]+
【0358】
ステップB:3-(3-フラニル)-2-プロペノイルアジドの調製。
3-フランアクリル酸(すなわち、ステップAの生成物)(30g、217mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に、トリエチルアミン(36.3mL、258mmol)及びジフェニルホスホラルアジド(DPPA)(50.9mL、237mmol)を加え、4時間撹拌した。反応混合物を氷冷の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)上に注ぎ、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(250mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を固体(40g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 7.70-7.63(t,2H),7.45(s,1H),6.59(s,1H),6.16-6.12(d,1H).
【0359】
ステップC:フロ[2,3-c]ピリジン-7(6H)-オンの調製。
撹拌した3-(3-フラニル)-2-プロペノイルアジド(すなわち、ステップBの生成物)(35g、215mmol)の1,2-ジクロロベンゼン(250mL)溶液に、ヨウ素(0.21g、0.85mmol)を加え、180℃にて2時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の50%酢酸エチルで溶出)によって精製し、表題化合物を固体(20.0g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 7.79(d,1H),7.28-7.26(d,1H),6.73-6.72(d,1H),6.61-6.59(d,1H).
LCMS:m/z:136[M+H]+
【0360】
ステップD:4-ブロモフロ[2,3-c]ピリジン-7(6H)-オンの調製。
フロ[2,3-c]ピリジン-7(6H)-オン(すなわち、ステップCの生成物)(14g、104mmol)の酢酸(140mL)溶液に、0℃にて臭素(5.3mL、104mmol)を加え、2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で8のpHへと塩基性化し、30分間撹拌し、濾過した。結果として生じた固体を水(250mL)で洗浄し、乾燥させ、表題化合物を固体(14g)として得た。
1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 12.43(brs,1H),7.84(d,1H),7.38(s,1H),6.78(d,1H).
LCMS:m/z:214 [M+H]+
【0361】
ステップE:4-ブロモ-7-クロロフロ[2,3-c]ピリジンの調製。
4-ブロモフロ[2,3-c]ピリジン-7(6H)-オン(すなわち、ステップDの生成物)(14g、65.7mmol)のオキシ塩化リン(250mL)溶液を120℃にて12時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、飽和炭酸カリウム水溶液で10のpHへと塩基性化し、ジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(250mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、デカントし、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の10%酢酸エチルで溶出)によって精製し、表題化合物を固体(8.0g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.30(s,1H),7.88-7.87(d,1H),6.93-6.92(d,1H).
LCMS:m/z:232 [M+H]+
【0362】
ステップF:1-(7-クロロフロ[2,3-c]ピリジン-4-イル)エタン-1-オンの調製。
撹拌した4-ブロモ-7-クロロフロ[2,3-c]ピリジン(すなわち、ステップEの生成物)(8g、34.6mmol)のトルエン(200mL)溶液に、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(15.3mL、45.0mmol)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(2.43g、3.46mmol)を加え、100℃にて3時間加熱した。反応混合物を0℃に冷却し、塩酸(2Nの水溶液)(270mL)を加え、室温にて1時間撹拌し、氷冷の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)上に注ぎ、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(250mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、デカントし、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の10%酢酸エチルで溶出)によって精製し、表題化合物を固体(3.4g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.76-8.75(d,1H),7.94-7.93(d,1H),7.60-7.59(d,1H),2.72(s,3H).
LCMS:m/z:196[M+H]+
【0363】
ステップG:メチル4-アセチルフロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
撹拌した1-(7-クロロフロ[2,3-c]ピリジン-4-イル)エタン-1-オン(すなわち、ステップFの生成物)(3g、15.3mmol)のメタノール(160mL)溶液に、ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(1.12g、1.53mmol)及びトリエチルアミン(6.48mL、46.1mmol)を加えた。反応混合物をスチール製容器中に密封し、100psigの一酸化炭素に供し、100℃に16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、Celite(登録商標)珪藻土濾過助剤を通して濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の30%酢酸エチルで溶出)によって精製し、表題化合物を固体(1.5g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 9.06(s,1H),8.03(d,1H),7.64-7.63(d,1H),4.13(s,3H),2.78(s,3H).
LCMS:m/z:220[M+H]+
【0364】
ステップH:メチル4-[(2Z)-3-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
撹拌したメチル4-アセチルフロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップGの生成物)(1.0g、4.56mmol)のトルエン(30mL)溶液に、2,2,2-トリフルオロ-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタン-1-オン(2.2g、9.13mmol)及びトリエチルアミン(1.92mL、13.7mmol)を加えた。反応混合物を100℃にて16時間加熱した。メチル4-アセチルフロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキシレートの消費に続いて、無水酢酸(0.46g、4.56mmol)を反応混合物に加え、100℃にて12時間撹拌し、冷却し、水酸化ナトリウム(1Nの水溶液)で12のpHへと塩基性化し、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(250mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、デカントし、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の10%酢酸エチルで溶出)によって精製し、表題化合物を固体(0.6g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.87(s,1H),8.01(s,1H),7.54-7.49(m,3H),7.43-7.38(m,3H),4.10(s,3H).
LCMS:m/z:444[M+H]+
【0365】
ステップI:メチル4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキシレートの調製。
メチル4-[(2Z)-3-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-4,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップHの生成物)(0.6g、1.35mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、ヒドロキシルアミン(50%水溶液)(0.22mL、3.38mmol)、それに続いて1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(0.51mL、3.38mmol)を加え、6時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(200mL)中に注ぎ、DCM(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、デカントし、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の10%酢酸エチルで溶出)によって精製し、表題化合物を固体(0.33g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.52(s,1H),8.03(s,1H),7.93(s,1H),7.86-7.84(d,1H),7.74-7.72(d,1H),7.65-7.61(t,1H),7.53-7.52(d,1H),4.33-4.32(d,1H),4.12(s,3H),3.94-3.90(d,1H).
LCMS:m/z:459[M+H]+
【0366】
ステップJ:4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボン酸の調製。
メチル4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、ステップIの生成物)(0.33g、0.72mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)及び水(1mL)溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.09g、2.16mmol)を加え、3時間撹拌し、減圧下で濃縮した。結果として生じた材料を塩酸(1.0Nの水溶液)で2のpHまで酸性化し、濾過した。結果として生じた固体を水(50mL)で洗浄し、乾燥させ、表題化合物を固体(0.23g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.52(s,1H),8.03(s,1H),7.93(s,1H),7.86-7.84(d,1H),7.74-7.72(d,1H),7.65-7.61(t,1H),7.53-7.52(d,1H),4.33-4.32(d,1H),3.94-3.90(d,1H).
LCMS:m/z:445 [M+H]+
【0367】
ステップK:N-シクロプロピル-4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド(化合物15)の調製
撹拌した4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボン酸(すなわち、ステップJの生成物)(0.10g、0.22mmol)のジクロロメタン(8mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.1mL)溶液に、シクロプロピルアミン(0.012mL、0.22mmol)及びトリエチルアミン(0.09mL、0.67mmol)、それに続いてプロピルホスホン酸無水物(0.28mL、0.45mmol)を加えた。反応混合物を16時間撹拌し、氷冷水(100mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、デカントし、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の20%酢酸エチルで溶出)によって精製し、本発明の化合物である表題化合物を固体(0.05g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.32(s,1H),8.05-8.04(d,1H),8.00(s,1H),7.91(br s,1H),7.86-7.84(d,1H),7.73-7.71(d,1H),7.64-7.60(t,1H),7.47-7.46(d,1H),4.31-4.27(d,1H),3.92-3.88(d,1H),3.02-2.98(m,1H),0.94-0.89(m,2H),0.73-0.69(m,2H).
LCMS:m/z:484[M+H]+
【0368】
実施例7
N-シクロプロピル-4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド(化合物9)の調製
撹拌した4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボン酸(すなわち、実施例6ステップJの生成物)(0.1g、0.22mmol)、塩化アンモニウム(0.016g、0.29mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(0.17g、0.45mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.09mL、0.67mmol)を加え、8時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(100mL)上に注ぎ、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、デカントし、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の10%酢酸エチルで溶出)によって精製し、本発明の化合物である表題化合物を固体(0.065g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,500MHz)δ 8.66(s,1H),8.50-8.49(d,1H),8.23(br s,1H),7.99-7.98(d,1H),7.93-7.91(d,2H),7.83-7.80(t,2H),7.41-7.40(d,1H),4.73-4.69(d,1H),4.53-4.50(d,1H).
LCMS:m/z:444[M+H]+
【0369】
実施例8
N-[[4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-イル]メチル]アセトアミド(化合物1)の調製
ステップA:4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-メタノールの調製。
撹拌したメチル4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキシレート(すなわち、実施例1ステップIの生成物)(0.8g、1.74mmol)のメタノール(40mL)、テトラヒドロフラン(6mL)及び水(2mL)溶液に、0℃にて水素化ホウ素ナトリウム(0.46g、12.2mmol)を加えた。反応混合物を室温にて24時間撹拌し、氷冷水(100mL)上に注ぎ、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、デカントし、減圧下で濃縮し、n-ペンタンで粉砕し、表題化合物を固体(0.5g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.38(s,1H),7.93(s,1H),7.88-7.84(t,2H),7.73-7.71(d,1H),7.64-7.60(t,1H),7.45(s,1H),5.12(s,2H),4.32-4.28(d,1H),3.93-3.89(d,2H).
LCMS:m/z:431[M+H]+
【0370】
ステップB:7-クロロメチル-4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジンの調製。
撹拌した4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-メタノール(すなわち、ステップAの生成物)(0.1g、0.23mmol)のトルエン(10mL)溶液に、0℃にて塩化チオニル(0.1mL、0.69mmol)を加え、室温にて3時間撹拌し、氷冷水(100mL)上に注ぎ、アンモニア水溶液で14のpHへと塩基性化し、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、デカントし、減圧下で濃縮し、表題化合物を固体(0.1g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.40(s,1H),7.92(s,1H),7.85-7.83(d,1H),7.73-7.71(d,1H),7.64-7.60(t,1H),7.46-7.45(d,1H),7.18-7.15(m,1H),4.99(s,2H),4.30-4.26(d,1H),3.91-3.87(d,1H).
LCMS:m/z:449[M+H]+
【0371】
ステップC:2-[[4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-イル]メチル]-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオンの調製。
撹拌した7-クロロメチル-4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン(すなわち、ステップBの生成物)(0.1g、0.22mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)溶液に、カリウムフタルイミド(0.061g、0.33mmol)を加え、120℃にて5時間加熱した。反応混合物を氷冷水(100mL)上に注ぎ、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、デカントし、減圧下で濃縮し、表題化合物を固体(0.04g)として得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 8.27(s,1H),7.91-7.89(m,3H),7.85-7.84(d,1H),7.81-7.79(d,1H),7.77-7.75(m,2H),7.71-7.69(d,1H),7.61-7.57(t,1H),7.41-7.41(d,1H),5.37(s,2H),4.21-4.17(d,1H),3.83-3.79(d,1H).
LCMS:m/z:560[M+H]+
【0372】
ステップD:4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-メタンアミンの調製。
撹拌した2-[[4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-イル]メチル]-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン(すなわち、ステップCの生成物)(0.4g、0.71mmol)のイソプロパノール(20mL)及び水(1.2mL)溶液に、0℃にて水素化ホウ素ナトリウム(0.13g、3.57mmol)を加え、8時間撹拌し、氷冷水(100mL)上に注ぎ、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、デカントし、減圧下で濃縮し、表題化合物を液体(0.3g)として得て、これをステップEにおいて直接使用した。
【0373】
ステップE:N-[[4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-イル]メチル]アセトアミド(化合物1)の調製
撹拌した4-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]フロ[2,3-c]ピリジン-7-メタンアミン(すなわち、ステップDの生成物)(0.3g、0.69mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に、0℃にて無水酢酸(0.08mL、0.83mmol)、ピリジン(0.12mL、1.39mmol)及び触媒量の4ジメチルアミノピリジンを加えた。反応混合物を室温にて1時間撹拌し、氷冷水(100mL)上に注ぎ、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、デカントし、減圧下で濃縮した。結果として生じた材料を分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー(酢酸エチルで溶出)によって精製し、本発明の化合物である表題化合物を固体(0.033g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,400MHz)δ 8.58(s,1H),8.53-8.50(t,1H),8.40(d,1H),7.99-7.97(d,1H),7.92-7.90(d,2H),7.83-7.79(t,1H),7.72-7.66(m,1H),7.30(d,1H),4.70-4.62(m,3H),4.48-4.43(d,1H),1.87(s,3H).
LCMS:m/z:472[M+H]+
【0374】
当技術分野において公知の方法と一緒に本明細書に記載されている手順によって、表1~144の下記の化合物を調製することができる。下記の略語を下記の表において使用する:Meは、メチルを意味し、OMeは、メトキシを意味し、Etは、エチルを意味し、OEtは、エトキシを意味し、n-Prは、n-プロピルを意味し、i-Prは、イソプロピルを意味し、c-Prは、シクロプロピルを意味し、Phは、フェニルを意味し、CNは、シアノを意味する。
【0375】
【0376】
【0377】
【0378】
【0379】
【0380】
【0381】
本開示はまた表2~142を含み、これらのそれぞれは、表1における行見出し(すなわち、「R1は、Clであり、R2は、Hであり、R3は、Clであり、Tは、T-1であり、Xは、Oである」)が下記に示すそれぞれの行見出しで置き換えられることを除いて、上記の表1と同じに構成される。
【0382】
【0383】
【0384】
【0385】
【0386】
【0387】
配合物/有用性
本開示の化合物は一般に、キャリアとして働く、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分とともに、組成物、すなわち、調合物中の無脊椎有害生物駆除活性成分として使用されるであろう。調合物又は組成物成分は、活性成分の物理的特性、適用様式並びに土壌タイプ、湿気及び温度などの環境因子と整合するように選択される。
【0388】
有用な調合物には、液体及び固体組成物が含まれる。液体組成物には、場合によっては増粘してゲルにすることができる、溶液(乳化性濃縮物を含む)、懸濁液、エマルジョン(マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮物及び/又はサスポエマルジョンを含む)などが含まれる。一般的なタイプの水性液体組成物は、可溶性濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルジョン、マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮物及びサスポエマルジョンである。一般的なタイプの非水性液体組成物は、乳化性濃縮物、マイクロ乳化性濃縮物、分散性濃縮物及び油分散系である。
【0389】
一般的なタイプの固体組成物は、水分散性(「濡らすことができる」)又は水溶性であり得る、微粉、粉末、顆粒、ペレット、小粒、芳香錠、錠剤、充填剤入りフィルム(種子コーティングを含む)などである。フィルム形成溶液又は流動性懸濁液から形成されたフィルム及びコーティングは、種子処理用に特に有用である。活性成分は、(マイクロ)カプセル化し、さらに懸濁液又は固体調合物にすることができるか;或いはまた活性成分の全体調合物は、カプセル化する(又は「上塗りする」)ことができる。カプセル化は、活性成分の放出を制御する、又は遅くすることができる。乳化性顆粒は、乳化性濃縮物調合物及び乾燥粒状調合物の両方の利点を兼ね備える。高強度組成物は、さらなる調合物用の中間体として主に使用される。
【0390】
噴霧可能な調合物は典型的には、噴霧前に好適な媒体に希釈される。そのような液体及び固体調合物は、調合されて噴霧媒体、通常水、しかし時々、芳香族又はパラフィン系炭化水素又は植物油のような別の好適な媒体に容易に希釈される。散布量は、1ヘクタール当たり約1~数千リットルの範囲であり得るが、より典型的には1ヘクタール当たり約10~数百リットルの範囲にある。噴霧可能な調合物は、空中若しくは地上散布による茎葉処理のために、又は植物の生育培地への適用のために水又は別の好適な媒体とタンク混合することができる。液体及び乾燥調合物は、植え付け中に、細流かんがいシステムへ直接計量供給するか又は畝間へ計量供給することができる。液体及び固体調合物は、浸透吸収によって成長中の根及び他の地下植物部位並びに/又は群葉を保護するために、植え付け前の種子処理として作物及び他の望ましい植生の種子上へ適用することができる。
【0391】
これらに限定されないが、作物を有するフィールドなどの標的エリア上に本明細書において開示する組成物を分配する1つの方法は、ドローンを使用することによる。例えば、化学製品でフィールドを処理するための農業用途におけるドローン又は無人空中輸送手段(UAV)の使用は急速に拡大している。化学製品の容器は、UAV及びUAVに搭載されている材料分配システムにカップリングしており、UAVは化学製品が分配されている間に処理されているエリア上を飛ぶ。
【0392】
配合物は典型的には、合計が100重量パーセントとなる下記の概ねの範囲内の有効量の活性成分、賦形剤及び界面活性剤を含有する。
【0393】
【0394】
固体希釈剤には、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト及びカオリンなどの粘土、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖類(例えば、ラクトース、サッカロース)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸及び重炭酸ナトリウム、並びに硫酸ナトリウムが含まれる。典型的な固体希釈剤は、Watkinsら,Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers,2nd Ed.,Dorland Books,Caldwell,New Jerseyに記載されている。
【0395】
液体希釈剤には、例えば、水、N,N-ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N-アルキルピロリドン(例えば、N-メチルピロリドン)、アルキルホスフェート(例えば、トリエチルホスフェート)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセロールトリアセテート、ソルビトール、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、イソホロン及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、ヘプチルアセテート、オクチルアセテート、ノニルアセテート、トリデシルアセテート及びイソボルニルアセテートなどのアセテート、アルキル化乳酸エステル、二塩基性酸エステルアルキル及びアリールベンゾエートなどの他のエステル、γ-ブチロラクトン、並びにメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、クレゾール及びベンジルアルコールなどの、線状、分岐、飽和若しくは不飽和であってもよい、アルコールが含まれる。液体希釈剤にはまた、植物種油及び果実油(例えば、オリーブ油、ヒマシ油、亜麻仁油、ごま油、コーン(トウモロコシ)油、ピーナツ油、ヒマワリ油、グレープシード油、サフラワー油、綿実油、大豆油、菜種油、ココナツ油及びパーム核油)、動物源脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、タラ肝油、魚油)、並びにそれらの混合物などの、飽和及び不飽和脂肪酸(典型的にはC6~C22)のグリセロールエステルが含まれる。液体希釈剤にはまた、アルキル化(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)脂肪酸であって、脂肪酸が植物及び動物源からのグリセロールエステルの加水分解によって得られてもよいし、蒸留によって精製することができる脂肪酸が含まれる。典型的な液体希釈剤は、Marsden,Solvents Guide,2nd Ed.,Interscience,New York,1950に記載されている。
【0396】
本開示の固体及び液体組成物は多くの場合、1つ若しくは複数の界面活性剤を含む。液体に添加される場合、界面活性剤(surfactant)(「界面活性剤(surface-active agent)としても知られる」は一般に、液体の表面張力を、変性し、ほとんどの場合低下させる。界面活性剤分子中の親水性及び親油性基の性質に依存して、界面活性剤は、湿潤剤、分散剤、乳化剤又は消泡剤として有用であり得る。
【0397】
界面活性剤は、非イオン、アニオン又はカチオン界面活性剤として分類することができる。本組成物に有用な非イオン界面活性剤には、(分岐若しくは線状であってもよい)天然及び合成アルコールをベースとする、そしてアルコールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造されるアルコールアルコキシレートなどのアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミド及びエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化大豆油、ヒマシ油及び菜種油などのアルコキシル化トリグリセリド;(フェノール類と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造される)オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート及びドデシルフェノールエトキシレートなどのアルキルフェノールアルコキシレート;エチレンオキシド又はプロピレンオキシドと、末端ブロックがプロピレンオキシドから調製されている逆ブロックポリマーとから製造されるブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪酸エステル及び油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物から製造されるものを含む);脂肪酸エスエル、グリセロールエステル、ラノリンベースの誘導体、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステル及びポリエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどのポリエトキシレートエステル;ソルビタンエステルなどの他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキッドpeg(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフト若しくは櫛形ポリマー及び星形ポリマーなどの高分子界面活性剤;ポリエチレングリコール(peg);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーンベースの界面活性剤;並びにサッカロースエステル、アルキルポリグリコシド及びアルキル多糖類などの糖誘導体が含まれるが、それらに限定されない。
【0398】
有用なアニオン界面活性剤には、アルキルアリールスルホン酸及びそれらの塩;カルボキシル化アルコール又はアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホネート誘導体;リグニン及びリグノスルホネートなどのリグニン誘導体;マレイン酸若しくはコハク酸又はそれらの酸無水物;オレフィンスルホネート;アルコールアルコキシレートのホスフェートエステル、アルキルフェノールアルコキシレートのホスフェートエステル及びスチリルフェノールエトキシレートのホスフェートエステルなどのホスフェートエステル;タンパクベースの界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテルスルフェート;油及び脂肪酸のスルフェート及びスルホネート;エトキシル化アルキルフェノールのスルフェート及びスルホネート;アルコールのスルフェート;エトキシル化アルコールのスルフェート;N,N-アルキルタウレートなどのアミン及びアミドのスルホネート;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、並びにドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホネート;縮合ナフタレンのスルホネート;ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホネート;分別石油のスルホネート;スルホスクシネート;並びにジアルキルスルホスクシネート塩などのスルホスクシネート及びそれらの誘導体が含まれるが、それらに限定されない。
【0399】
有用なカチオン界面活性剤には、アミド及びエトキシル化アミド;N-アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミン及びジプロピレンテトラアミン、並びに(アミンと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造される)エトキシル化アミン、エトキシル化ジアミン及びプロポキシル化アミンなどのアミン;アミン酢酸塩などのアミン塩及びジアミン塩;第四級塩、エトキシル化第四級塩及びジ四級化塩などの第四級アンモニウム塩;並びにアルキルジメチルアミンオキシド及びビス-(2-ヒドロキシエチル)-アルキルアミンオキシドなどのアミンオキシドが含まれるが、それらに限定されない。
【0400】
非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との混合物又は非イオン界面活性剤とカチオン界面活性剤との混合物もまた、本組成物に有用である。非イオン、アニオン及びカチオン界面活性剤並びにそれらの推奨される使用は、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって出版されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and International Editions;Sisely and Wood、Encyclopedia of Surface Active Agents,Chemical Publ.Co.,Inc.,New York,1964;及びA.S.Davidson and B.Milwidsky,Synthetic Detergents,Seventh Edition,John Wiley and Sons,New York,1987を含む様々な出版された参考文献に開示されている。
【0401】
本開示の組成物はまた、調合助剤として当業者に公知の、調合補助剤及び添加剤を含有してもよい(それらのいくつかは、固体希釈剤、液体希釈剤又は界面活性剤としてもまた機能すると考えられ得る)。そのような調合補助剤及び添加剤は、pH(緩衝剤)、処理中の発泡(ポリオルガノシロキサンなどの消泡剤)、活性成分の沈降(懸濁剤)、粘度(チキソトロピック増粘剤)、容器中の微生物増殖(抗菌剤)、製品凍結(不凍剤)、色(染料/顔料分散系)、洗脱(フィルム形成剤又はステッカー)、蒸発(蒸発防止剤)、及び他の調合属性を制御し得る。フィルム形成剤には、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びワックスが含まれる。調合補助剤及び添加剤の例としては、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって出版されたMcCutcheon’s Volume 2: Functional Materials,annual International and North American editions;及びPCT公開国際公開第03/024222号パンフレットにリストアップされているものが挙げられる。
【0402】
式1の化合物及び任意の他の活性成分は典型的には、活性成分を溶媒に溶解させることによって、又は液体若しくは乾燥希釈剤中ですり潰すことによって本組成物中へ組み込まれる。乳化性濃縮物などの、溶液は、成分を単に混合することによって調製することができる。乳化性濃縮物としての使用を意図される液体組成物の溶媒が水混和性である場合、乳化剤が典型的には、水での希釈時に活性含有溶媒を乳化させるために添加される。2,000μm以下の粒子径の、活性成分スラリーは、3μmよりも下の平均径の粒子を得るために媒体ミルを用いて湿式ミリングすることができる。水性スラリーは、完成懸濁液濃縮物にすることができる(例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照されたい)か又は噴霧乾燥によってさらに処理して水分散性顆粒を形成することができる。乾燥調合物は通常、2~10μm範囲の平均粒子径を生み出す、乾式ミリング法を必要とする。微粉及び粉末は、ブレンドし、そして通常(ハンマーミル又は流体エネルギーミルを使ってなどで)すり潰すことによって調製することができる。顆粒及びペレットは、あらかじめ形成された粒状キャリア上へ活性材料を噴霧することによって、又は凝集技術によって調製することができる。Browning,「Agglomeration」,Chemical Engineering,December 4,1967,pp 147-48,Perry’s Chemical Engineer’s Handbook,4th Ed.,McGraw-Hill,New York,1963,pages8-57及びそれに続くもの、並びに国際公開第91/13546号パンフレットを参照されたい。ペレットは、米国特許第4,172,714号明細書に記載されているように調製することができる。水分散性及び水溶性顆粒は、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書及び独国特許第3,246,493号明細書に教示されているように調製することができる。錠剤は、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書及び米国特許第5,208,030号明細書に教示されているように調製することができる。フィルムは、英国特許第2,095,558号明細書及び米国特許第3,299,566号明細書に教示されているように調製することができる。
【0403】
調合物の技術分野に関するさらなる情報については、T.S.Woods,「The Formulator’s Toolbox-Product Forms for Modern Agriculture」in Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food-Environment Challenge,T.Brooks and T.R.Roberts,Eds.,Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry,The Royal Society of Chemistry,Cambridge,1999,pp.120-133を参照されたい。また、米国特許第3,235,361号明細書、列6、行16~列7、行19及び実施例10~41;米国特許第3,309,192号明細書、列5、行43~列7、行62並びに実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138~140、162~164,166,167及び169~182;米国特許第2,891,855号明細書、列3、行66~列5、行17及び実施例1~4;Klingman,Weed Control as a Science,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1961,pp 81-96;Hance et al.,Weed Control Handbook,8th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1989;並びにDevelopments in formulation technology,PJB Publications,Richmond,UK,2000を参照されたい。
【0404】
以下の実施例において、配合物は全て、慣用される方法で調製される。化合物の番号は、索引表Aでの化合物を指している。さらなる入念な検討なしに、先行記載を用いる当業者は、最大程度に本開示を利用することができると考えられる。以下の実施例は、それ故、単に例示的なものであり、何であれ決して本開示を限定するものではないと解釈されるべきである。百分率は、特に示される場合を除いて重量による。
【0405】
実施例A
高強度濃縮物
化合物24 98.5%
シリカエーロゲル 0.5%
合成アモルファス微粉シリカ 1.0%
【0406】
実施例B
水和剤
化合物22 65.0%
ドデシルフェノールポリエチレングリコールエーテル 2.0%
リグニンスルホン酸ナトリウム 4.0%
ケイアルミン酸ナトリウム 6.0%
モンモリロナイト(焼成品) 23.0%
【0407】
実施例C
顆粒
化合物20 10.0%
アタパルジャイト顆粒(低揮発性物質、0.71/0.30mm;U.S.S.No.25-50篩) 90.0%
【0408】
実施例D
押出加工ペレット
化合物18 25.0%
無水硫酸ナトリウム 10.0%
粗リグニンスルホン酸カルシウム 5.0%
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム 1.0%
カルシウム/マグネシウムベントナイト 59.0%
【0409】
実施例E
乳化性濃縮物
化合物16 10.0%
ポリオキシエチレンソルビトールヘクスオレエート 20.0%
C6~C10脂肪酸メチルエステル 70.0%
【0410】
実施例F
マイクロエマルジョン
化合物14 5.0%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー 30.0%
アルキルポリグリコシド 30.0%
モノオレイン酸グリセリル 15.0%
水 20.0%
【0411】
実施例G
種子処理
化合物12 20.00%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー 5.00%
モンタン酸ワックス 5.00%
リグニンスルホン酸カルシウム 1.00%
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー 1.00%
ステアリルアルコール(POE20) 2.00%
ポリオルガノシラン 0.20%
着色剤、赤色染料 0.05%
水 65.75%
【0412】
実施例H
棒状肥料
化合物10 2.5%
ピロリドン-スチレンコポリマー 4.8%
トリスチリルフェニル16-エトキシレート 2.3%
タルク 0.8%
トウモロコシデンプン 5.0%
徐放性肥料 36.0%
カオリン 38.0%
水 10.6%
【0413】
実施例I
懸濁液濃縮物
化合物8 35%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーンをベースとする消泡剤 0.1%
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン 0.1%
水 53.7%
【0414】
実施例J
水中エマルジョン
化合物6 10.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーンをベースとする消泡剤 0.1%
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油をベースとする炭化水素 20.0
水 58.7%
【0415】
実施例K
油分散体
化合物4 25%
ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート 15%
有機変性ベントナイトクレイ 2.5%
脂肪酸メチルエステル 57.5%
【0416】
実施例L
サスポエマルジョン
化合物2 10.0%
イミダクロプリド 5.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーンをベースとする消泡剤 0.1%
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油をベースとする炭化水素 20.0%
水 53.7%
【0417】
本開示の化合物は、幅広いスペクトルの無脊椎有害生物に対して活性を示す。これらの有害生物には、例えば、植物群葉、根、土壌、収穫済み作物又は他の食料、建造物又は動物外皮などの様々な環境に生息する無脊椎動物が含まれる。これらの有害生物には、例えば、群葉(葉、茎、花及び果実を含む)、種子、木、織物繊維又は動物血液若しくは組織上で摂食し、それによって、例えば、成長中の又は貯蔵される農作物、森林、温室作物、観賞植物、苗床作物、貯蔵される食料若しくは繊維製品、又は家屋若しくは他の構造物若しくはそれらの内容物に被害若しくは損害を引き起こすか、又は動物の健康若しくは公衆衛生に有害である無脊椎動物が含まれる。当業者は、全ての化合物が、全ての成長段階の全ての有害生物に対して等しく有効であるわけではないことを十分理解するであろう。
【0418】
これらの本化合物及び組成物はしたがって、農作物を植食性の無脊椎有害生物から保護するために農学的に、そしてまた他の園芸作物及び植物を植食性の無脊椎有害生物から保護するために非農学的に有用である。この有用性には、遺伝子工学(すなわち、遺伝子組み換え)によって導入された、又は有利な形質を提供するために突然変異生成によって変性された遺伝物質を含有する作物及び他の植物(すなわち、農学的及び非農学的の両方の)を保護することが含まれる。そのような形質の例としては、除草剤への耐性、植食性の有害生物(例えば、昆虫、ダニ、アブラムシ、クモ、線形動物、カタツムリ、植物病原性真菌類、細菌及びウィルス)に対する抵抗性、改善された植物成長、高温若しくは低温、低い若しくは高い土壌湿気、及び高い塩分濃度などの不利な生育条件への増加した耐性、増加した開花又は結果、より大きい収穫収量、より速い成熟、収穫産物のより高い品質及び/若しくは栄養価、又は収穫産物の改善された貯蔵若しくは加工特性が挙げられる。遺伝子組み換え植物は、多形質を発現させるように変性することができる。遺伝子工学又は突然変異生成によって提供される形質を含有する植物の例としては、YIELD GARD(登録商標)、KNOCKOUT(登録商標)、STARLINK(登録商標)、BOLLGARD(登録商標)、NuCOTN(登録商標)及びNEWLEAF(登録商標)、INVICTA RR2 PROTMなどの殺虫性のバチルス・チュウリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素を発現させるコーン、綿、大豆及びジャガイモの変種、及びROUNDUP READY(登録商標)、LIBERTY LINK(登録商標)、IMI(登録商標)、STS(登録商標)及びCLEARFIELD(登録商標)などのコーン、綿、大豆及び菜種の除草剤耐性亜種、並びにグリホサート除草剤に対する抵抗性を提供するためのN-アセチルトランスフェラーゼ(GAT)を発現させる作物、又はアセト乳酸シンターゼ(ALS)を阻害する除草剤に対する抵抗性を提供するHRA遺伝子を含有する作物が挙げられる。本化合物及び組成物は、遺伝子工学によって導入された、又は突然変異生成によって変性された形質と向上効果を示し、このようにして形質の表現型発現又は有効性を高め得るか、又は本化合物及び組成物の無脊椎有害生物駆除有効性を増加させ得る。具体的には、本発明の化合物及び組成物は、無脊椎有害生物に対して毒性を有するタンパク質又はその他の天然物の表現型発現(phenotypic expression)と向上効果を示して、これらの有害生物に、単に加えた以上の防除を与えることができる。
【0419】
本開示の組成物はまた、植物栄養物、例えば、窒素、リン、カリ、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、ホウ素、マンガン、亜鉛、及びモリブデンから選択される少なくとも1つの植物栄養物を含む肥料組成物を場合によっては含むことができる。窒素、リン、カリ、硫黄、カルシウム及びマグネシウムから選択される少なくとも1つの植物栄養物を含む少なくとも1つの肥料組成物を含む組成物に注目すべきである。少なくとも1つの植物栄養物をさらに含む本開示の組成物は、液体若しくは固体の形態にあり得る。顆粒、小スティック又は錠剤の形態での固体調合物に注目すべきである。肥料組成物を含む固体調合物は、本開示の化合物又は組成物を調合成分と一緒に肥料組成物と混合し、そして次に顆粒化又は押出などの方法によってこの調合物を調製することによって調製することができる。或いはまた、固体調合物は、揮発性溶媒中の本開示の化合物又は組成物の溶液又は懸濁液を、寸法安定性のある混合物、例えば、顆粒、小スティック又は錠剤の形態での事前調製された肥料組成物上へ噴霧し、次に溶媒を蒸発させることによって調製することができる。
【0420】
非農学的使用は、作物の田畑以外のエリアでの無脊椎有害生物駆除を意味する。本化合物及び組成物の非農学的使用には、貯蔵される穀物、豆及び他の食料での、並びに衣類及びカーペットなどの織物での無脊椎有害生物の駆除が含まれる。本化合物及び組成物の非農学的使用にはまた、観賞植物、森林での、道路沿い及び鉄道施設用地に沿った、芝土での、並びに芝土、ゴルフコース及び牧場などの芝生上での無脊椎有害生物駆除が含まれる。本化合物及び組成物の非農学的使用にはまた、ヒト及び/又は連れによって占有されてもよい家屋及び他の建物、農場、大牧場、動物園又は他の動物での無脊椎有害生物駆除が含まれる。本化合物及び組成物の非農学的使用にはまた、建物に使用された木材又は他の構造材料に損害を与え得るシロアリなどの有害生物の駆除が含まれる。
【0421】
本化合物及び組成物の非農学的使用にはまた、寄生性であるか、又は伝染病をうつす無脊椎有害生物を駆除することによるヒト及び動物の健康の保護が含まれる。動物寄生生物の駆除には、ホスト動物の体の表面(例えば、肩、脇の下、腹部、大腿部の内側部)に寄生する外部寄生生物及びホスト動物の体の内部(例えば、胃、腸、肺、静脈、皮下、リンパ組織)に寄生する内部寄生生物の駆除が含まれる。外部寄生性又は病気媒介有害生物には、例えば、ツツガムシの幼虫、マダニ(tick)、シラミ、蚊、ハエ、ダニ及びノミが含まれる。内部寄生生物には、犬糸状虫、十二指腸虫及び蠕虫が含まれる。本開示の化合物及び組成物は、動物上の寄生生物によるまん延又は感染の全身及び/又は非全身制御に好適である。本開示の化合物及び組成物は、外部寄生性有害生物又は病気媒介有害生物と闘うのに特に好適である。本開示の化合物及び組成物は、畜牛、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、水牛、ウサギ、めんどり、七面鳥、アヒル、ガチョウ及びハチなどの、農作業動物;犬、猫、愛玩鳥及び観賞魚などの愛玩動物及び家畜;並びにハムスター、モルモット、ラットおよぶマウスなどの、いわゆる実験動物にはびこる寄生生物と闘うのに好適である。これらの寄生生物と闘うことによって、災難及びパフォーマンス低下(肉、ミルク、羊毛、皮、卵、蜜の観点からの)が低減され、その結果本開示の化合物を含む組成物の適用は、動物のより経済的な、且つ、簡単な畜産を可能にする。
【0422】
農学的又は非農学的無脊椎有害生物の例には、鱗翅目(Lepidoptera)、ヤガ科(Noctuidae)における、例えば、ヨトウムシ、ネキリムシ、シャクトリムシ、及びタバコガ(例えば、ピンクステムボーラー(イネヨトウ(Sesamia inferens)Walker)、コーンスタークボーラー(セサミア・ノナグリオイデス(Sesamia nonagrioides)Lefebvre)、南部ヨトウムシ(スポドプテラ・エリダニア(Spodopteraeridania)Cramer)、ツマジロクサヨトウ(スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)J.E.Smith)、シロイチモジヨトウガの幼虫(シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)Huebner)、コットンリーフワーム(スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)Boisduval)、イエローストリップヨトウムシ(スポドプテラ・オルニトガリ(Spodoptera ornithogalli)Guenee)、ブラックネキリムシ(タマナヤガ(Agrotis ipsilon)Hufnagel)、ベルベットビーンイモムシ(アンチカルシア・ゲムマタリス(Anticarsia gemmatalis)Huebner)、グリーンフルーツワーム(リトファン・アンテンナタ(Lithophane antennata)Walker)、キャベツヨトウムシ(バラトラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)Linnaeus)、ダイズシャクトリムシ(プソイドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)Walker)、イラクサギンウワバ(イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)Huebner)、タバコバドワーム(ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)Fabricius))における卵、幼虫及び成虫;
メイガ科(Pyralidae)からのボーラー、繭を作る昆虫、ウェブワーム、コーンワーム、キャベッジワーム及び葉を食い荒らす虫(例えば、ヨーロッパコーンボーラー(オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)Huebner)、ネーブルオレンジワーム(アミエロイス・トランシテラ(Amyelois transitella)Walker)、コーンルートウェブワーム(クランブス・カリギノセルス(Crambus caliginosellus)Clemens)、ソッドウェブワーム(メイガ科(Pyralidae):蠕ツトガ科(Crambinae))例えば、ソッドワーム(ヘルペトグランマ・リカルシサリス(Herpetogramma licarsisalis)Walker)、サトウキビステムボーラー(チロ・インフスカテルラス(Chilo infuscatellus)Snellen)、トマトスモールボーラー(ネオロイシノデス・エレガンタリス(Neoleucinodes elegantalis)Guenee)、グリーンハマキムシ(コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis))、ブドウリーフフォルダー(デスミア・フネラリス(Desmia funeralis)Huebner)、メロンワーム(ディアファニア・ニチダリス(Diaphania nitidalis)Stoll)、キャベッジセンターグラブ(ヘルアラ・ヒドラリス(Helluala hydralis)Guenee)、イエローステムボーラー(サンカメイチュウ(Scirpophaga incertulas)Walker)、アーリーシュートボーラー(シルポファガ・インフスカテルス(Scirpophaga infuscatellus)Snellen)、ホワイトステムボーラー(スシルポファガ・インノタタ(Scirpophaga innotata)Walker)、トップシュートボーラー(スシルポファガ・ニベラ(Scirpophaga nivella)Fabricius)、ダークヘッドのライスボーラー(チロ・ポリクリスス(Chilo polychrysus)Meyrick)、ストライプドライスボーラー(ニカメイガ(Chilo suppressalis)Walker)、キャベツクラスターイモムシ(クロシドロミア・ビノタリス(Crocidolomia binotalis)English));ハマキガ科(Tortricidae)におけるハマキムシ、ブッドワーム、シードワーム、及びフルーツワーム(例えば、コドリンガ(コドリンガ(Cydia pomonella)Linnaeus)、グレープベリーガ(エンドピザ・ビテアナ(Endopiza viteana)Clemens)、ナシヒメシンクイ(ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)Busck)、ミカンニセコドリンガ(Cryptophlebia leucotreta)Meyrick)、シトラスボーラー(エクジトロファ・アウランチアナ(Ecdytolopha aurantiana)Lima)、赤色縞ハマキムシ(アルギロテニア・ベルチナナ(Argyrotaenia velutinana)Walker)、斜め縞ハマキムシ(コリストネウラ・ロサセアナ(Choristoneura rosaceana)Harris)、薄茶リンゴガ(エピフィアス・ポスティフィッタナ(Epiphyas postvittana)Walker)、ヨーロッパグレープベリーガ(エウポエシリア・アムビグエラ(Eupoecilia ambiguella)Huebner)、リンゴ芽ガ(パンデミス・ピルサナ(Pandemis pyrusana)Kearfott)、雑食性ハマキムシ(プラチノタ・スツルタナ(Platynota stultana)Walsingham)、縞のある果樹ハマキガ(パンデミス・セラサナ(Pandemis cerasana)Huebner)、リンゴブラウンハマキガ(パンデミス・ヘパラナ(Pandemis heparana)Denis&Schiffermueller));
並びに多くの他の経済的に重要な鱗翅目(Lepidoptera)(例えば、コナガ(コナガ(Plutella xylostella)Linnaeus)、ワタキバガの幼虫(ペクチノホラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)Saunders)、マイマイガ(マイマイガ(Lymantria dispar)Linnaeus)、モモ果実ボーラー(カルポシナ・ニポネンシス(Carposina niponensis)Walsingham)、モモ小枝ボーラー(アナルシア・リネアテラ(Anarsia lineatella)Zeller)、ジャガイモキバガの幼虫(ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)Zeller)、スポテッドテニフォームハモグリムシ(リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)Fabricius)、アジアリンゴハモグリムシ(リソコレティス・リンゴニエラ(Lithocolletis ringoniella)Matsumura)、ライスリーフフォルダー(レロデア・エウファラ(Lerodea eufala)Edwards)、リンゴハモグリムシ(ロイコプテラ・シテラ(Leucoptera scitella)Zeller));チャバネゴキブリ科(Blattellidae)及びゴキブリ科(Blattidae)からのゴキブリを含めたゴキブリ目(Blattodea)(例えば、トウヨウゴキブリ(トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)Linnaeus)、アジアゴキブリ(ブラッテラ・アサヒナイ(Blatella asahinai)Mizukubo)、ドイツゴキブリ(ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)Linnaeus)、褐色縞ゴキブリ(スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa)Fabricius)、ワモンゴキブリ(ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)Linnaeus)、ブラウンゴキブリ(ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)Burmeister)、マデイラゴキブリ(ロイコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)Fabricius))、スモーキーブラウンゴキブリ(ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa)Service)、オーストラリアゴキブリ(ペリプラネタ・オーストララシアエ(Periplaneta australasiae)Fabr.)、ロブスターゴキブリ(ナウホエタ・シネレア(Nauphoeta cinerea)Olivier)及びスムースゴキブリ(シムプロセ・パレンス(Symploce pallens)Stephens))の卵、若虫及び成虫;
ヒゲナガゾウムシ科(Anthribidae)、マメゾウムシ科(Bruchidae)、及びゾウムシ科(Curculionida)からのゾウムシを含めた甲虫目(Coleoptera)の卵、葉面摂食、果物摂食、根摂食、種子摂食並びに小胞状組織摂食幼虫及び成虫(例えば、ワタミハナゾウムシ(アントノムス・グランディス(Anthonomus grandis)Boheman)、イネミズゾウムシ(リソルホプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)Kuschel)、穀物倉ゾウムシ(シトフィラス・グラナリウス(Sitophilus granarius)Linnaeus)、ライスゾウムシ(シトフィラス・オリザエ(Sitophilus oryzae)Linnaeus))、スズメノカラビラゾウムシ(リストロノツス・マキュリコリス(Listronotus maculicollis)Dietz)、ブルーグラスゾウムシ(スフェノフォルス・パルウルス(Sphenophorus parvulus)Gyllenhal)、シバオサゾウムシ(スフェノフォルス・ベナタス・ベスチタス(Sphenophorus venatus vestitus))、デンバーゾウムシ(スフェノフォルス・シカトリストリツス(Sphenophorus cicatristriatus)Fahraeus));ハムシ科(Chrysomelida)におけるノミハムシ、ウリハムシ、ルートワーム、ハムシ、コロラドハムシ、及びハモグリムシ(例えば、コロラドハムシ(コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)Say)、ウェスタンコーンルートワーム(ジアブロチカ・ビルギフェラ・ビルギフェラ(Diabrotica virgifera virgifera)LeConte));コガネムシ科(Scarabaeidae)からのコガネムシ及び他の甲虫(例えば、マメコガネ(マメコガネ(Popillia japonica)Newman)、セマダラコガネ(アノマラ・オリエンタリス(Anomala orientalis)Waterhouse、エキソマラ・オリエンタリス(Exomala orientalis)(Waterhouse)Baraud)、北部コガネカブト(シクロセファラ・ボレアリス(Cyclocephala borealis)Arrow)、南部コガネカブト(シクロセファラ・イマキュラタ(Cyclocephala immaculata)Olivier又はC.ルリダ(C.lurida)Bland)、フンコロガシ及び地虫(マグソコガネ属の種(Aphodius spp.))、クソコガネの1種(アタエニウス・スプレツルス(Ataenius spretulus)Haldeman)、アオコフキコガネ(コチニス・ニチダ(Cotinis nitida)Linnaeus)、アカビロウドコガネ(アカビロウドコガネ(Maladera castanea)Arrow)、コフキコガネ(フィロファガ属の種(Phyllophaga spp.))及びヨーロッパコガネムシ(リオトウス・マジャリス(Riotous majalis)Razoumowsky));カツオブシムシ科(Dermestidae)からのカツオブシムシ;コメツキムシ科(Elateridae)からのコメツキムシ幼虫;キクイムシ科(Scolytidae)からのキクイムシ、及びゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)からのコクヌストモドキが含まれる。
【0423】
さらに、農学的及び非農学的有害生物には、クギヌキハサミムシ科(Forficulidae)からのハサミムシ(例えば、ヨーロッパハサミムシ(フォルフィキュラ・オーリキュラリア(Forficula auricularia)Linnaeus)、ブラックハサミムシ(チェリソチェス・モリオ(Chelisoches morio)Fabricius))を含めた革翅目(Dermaptera)の卵、成虫及び幼虫;半翅目(Hemiptera)、例えば、メクラカメムシ科(Miridae)からのカスミカメムシ、セミ科(Cicadidae)からのセミ、オオヨコバイ科(Cicadellidae)からのリーフホッパー(例えば、ミドリヒメヨコバイ属(Empoasca)の種)、トコジラミ科(Cimicidae)からのトコジラミ(例えば、シメックス・レクチュラリウス(Cimex lectularius)Linnaeus)、ビワハゴロモ科(Fulgoridae)及びウンカ科(Delphacidae)からのウンカ、ツノゼミ科(Membracidae)からのツノゼミ、ヒラズキジラミ科(Liviidae)、キジラミ科(Psyllidae)及びトガリキジラミ科(Triozidae)からのキジラミ、コナジラミ科(Aleyrodidae)からのコナジラミ、アブラムシ科(Aphididae)からのアブラムシ、ネアブラムシ科(Phylloxeridae)からのネアブラムシ、コナカイガラムシ科(Pseudococcidae)からのコナカイガラムシ、カタカイガラムシ科(Coccidae)、マルカイガラムシ科(Diaspididae)及びワタフキカイガラムシ科(Margarodidae)からのカイガラムシ、グンバイムシ科(Tingidae)からのグンバイムシ、カメムシ科(Pentatomidae)からのカメムシ、アメリカコバネナガカメムシ(例えば、毛深いアメリカコバネナガカメムシ(ブリサス・ロイコプテルス・ヒルツス(Blissus leucopterus hirtus)Montandon)及び南部アメリカコバネナガカメムシ(ブリサス・インスラリス(Blissus insularis)Barber))並びにナガカメムシ科(Lygaeidae)からの他のシードバグ、アワフキムシ科(Cercopidae)からのアワフキムシ、ヘリカメムシ科(Coreidae)からのヘリカメムシ、並びにホシカメムシ科(Pyrrhocoridae)からのアカホシカメムシ及びコットンステイナーの卵、幼体、成虫及び若虫が含まれる。
【0424】
農学的及び非農学的有害生物にはまた、ダニ目(Acari)(ダニ)、例えば、ハダニ科(Tetranychidae)におけるハダニ及びアカダニ(例えば、ヨーロッパアカダニ(リンゴハダニ(Panonychus ulmi)Koch)、ナミハダニ(ナミハダニ(Tetranychus urticae)Koch)、McDanielダニ(テトラニクス・マクダニエリ(Tetranychus mcdanieli)McGregor));ヒメハダニ科(Tenuipalpidae)におけるフラットダニ(例えば、シトラスフラットダニ(ブドウヒメハダニ(Brevipalpus lewisi)McGregor));フシダニ科(Eriophyidae)におけるサビダニ及び芽ダニ、及び他の葉面摂食ダニ、及びヒト及び動物の健康において重要なダニ、すなわち、トリハダダニ科(Epidermoptidae)におけるチリダニ、ニキビダニ科(Demodicidae)におけるニキビダニ、ニクダニ科(Glycyphagidae)におけるコナダニ;カタダニとして一般に知られるマダニ科(Ixodidae)におけるダニ(例えば、シカダニ(イクソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)Say)、オーストラリアまひダニ(イクソデス・ホロシクラス(Ixodes holocyclus)Neumann)、アメリカイヌダニ(デルマセンター・バリアビリス(Dermacentor variabilis)Say)、ローンスターダニ(アンブリオマ・アメリカナム(Amblyomma americanum)Linnaeus))、及びヒメダニとして一般に知られるヒメダニ科(Argasidae)におけるダニ(例えば、回帰熱ダニ(オルニトドロス・ツリカタ(Ornithodoros turicata))、一般家禽ダニ(アルガス・ラジアツス(Argas radiatus)));キュウセンダニ科(Psoroptidae)、シラミダニ科(Pyemotidae)、及びヒゼンダニ科(Sarcoptidae)におけるヒゼンダニ及び疥癬虫の卵、幼虫、若虫及び成虫;バッタ、ワタリバッタ及びコオロギ(例えば、移住性バッタ(例えば、メラノプラス・サングイニペス(Melanoplus sanguinipes)Fabricius、M.ディファレンシャリス(M.differentialis)Thomas)、アメリカバッタ(例えば、シストセルカ・アメリカーナ(Schistocerca americana)Drury)、砂漠ワタリバッタ(サバクトビバッタ(Schistocerca gregaria)Forskal)、移住性ワタリバッタ(ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)Linnaeus)、ブッシュワタリバッタ(ゾノセラス(Zonocerus)種)、イエコオロギ(アセタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)Linnaeus)、ケラ(例えば、黄褐色ケラ(スカプテリスクス・ビシナス(Scapteriscus vicinus)Scudder)及び南部ケラ(スカプテリスクス・ボレリイ(Scapteriscus borellii)Giglio-Tos))を含めた直翅目(Orthoptera)の卵、成虫及び幼体;
ハモグリムシ(例えば、リリオミザ属(Liriomyza)の種、例えば、マメ野菜ハモグリムシ(トマトモグリバエ(Liriomyza sativae)Blanchard))、ミジ、ショウジョウバエ(ミバエ科(Tephritidae))、キモグリ(例えば、オスシネラ・フリット(Oscinella frit)Linnaeus)、ソイルマゴット、イエバエ(例えば、イエバエ(Musca domestica)Linnaeus)、小イエバエ(例えば、ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis)Linnaeus、F.フェモラリス(F.femoralis)Stein)、サシバエ(例えば、サシバエ(Stomoxys calcitrans)Linnaeus)、フェースフライ、ノサシバエ、クロバエ(例えば、オビキンバエ属(Chrysomya)の種、ホルミア(Phormia)種)、及び他のキンバエ有害生物、ウマバエ(例えば、アブ属(Tabanus)の種)、ウマバエ(例えば、ウマバエ属(Gastrophilus)の種、オエストルス(Oestrus)種)、ウシバエ(例えば、ヒフバエ属(Hypoderma))、メクラアブ(例えば、クリソップス(Chrysops)種)、ヒツジシラミバエ(例えば、メロファグス・オビヌス(Melophagus ovinus)Linnaeus)及び他の短角類、カ(例えば、ヤブカ属(Aedes)の種、ハマダラカ属(Anopheles)の種、イエカ属(Culex)の種)、ブヨ(例えば、プロシムリウム(Prosimulium)種、シムリウム属(Simulium)の種)、ヌカカ、スナバエ、クロバネキノコバエ、並びにネギアザミウマ(ネギアザミウマ(Thrips tabaci)Lindeman)、ヒラズハナアザミウマ(フランクリニエラ属(Frankliniella)の種)、及び他の葉面摂食アザミウマを含めた他の糸角類を含めた双翅目(Diptera)の卵、成虫及び幼体;アザミウマ目(Thysanoptera)の卵、成虫及び幼体;フロリダオオアリ(カムポノツス・フロリダヌス(Camponotus floridanus)Buckley)、アカオオアリ(カムポノツス・フェルギネウス(Camponotus ferrugineus)Fabricius)、クロオオアリ(カムポノツス・ペンシルバニクス(Camponotus pennsylvanicus)De Geer)、シロアシアリ((テクノミルメックス・アルビペス(Technomyrmex albipes)fr.Smith)、オオアタマアリ(フェイドール(Pheidole)種)、ゴーストアリ(タピノマ・メラノセファルム(Tapinoma melanocephalum)Fabricius)を含めたアリ科(Formicidae)のアリを含めた膜翅目(Hymenoptera)の害虫;
イエヒメアリ(モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)Linnaeus)、チビヒアリ(ワスマニア・アウロプンクタータ(Wasmannia auropunctata)Roger)、ヒアリ(ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata)Fabricius)、アカヒアリ(ソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta)Buren)、アルゼンチンアリ(イリドミルメックス・フミリス(Iridomyrmex humilis)Mayr)、クレイジーアリ(パラトレキナ・ロンギコルニス(Paratrechina longicornis)Latreille)、ペイブメントアリ(テトラモリウム・カエスピツム(Tetramorium caespitum)Linnaeus)、トウモロコシ畑アリ(ラシウス・アリエヌス(Lasius alienus)Forster)及び臭いのあるイエアリ(タピノマ・セシル(Tapinoma sessile)Say)が含まれる。ハチ(クマバチを含めた)、スズメバチ、イエロー・ジャケット、カリバチ、及びハバチ(ネオジプリオン属(Neodiprion)の種を含めた他の膜翅目(Hymenoptera);セフス属(Cephus)の種);シロアリ科(Termitidae)におけるシロアリ(例えば、マクロテルメス属(Macrotermes)の種、オドントテルメス・オベサス(Odontotermes obesus)Rambur)、レイビシロアリ科(Kalotermitidae)(例えば、クリプトテルメス属(Cryptotermes)の種)、及びミゾガシラシロアリ科(Rhinotermitidae)(例えば、レチクリテルメス属(Reticulitermes)の種、コプトテルメス属(Coptotermes)の種、ヘテロテルメス・テヌイス(Heterotermes tenuis)Hagen)、東部地下シロアリシロアリ(レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)Kollar)、西部地下シロアリ(レチクリテルメス・ヘスペルス(Reticulitermes hesperus)Banks)、イエシロアリ(コプトテルメス・ホルモサヌス(Coptotermes formosanus)Shiraki)、ウエストインディアンドライウッドシロアリ(インシシテルメス・イミグランス(Incisitermes immigrans)Snyder)、パウダーポストシロアリ(クリプトテルメス・ブレビス(Cryptotermes brevis)Walker)、ドライウッドシロアリ(インシシテルメス・スナイデリ(Incisitermes snyderi)Light)、南東部地下シロアリ(レチクリテルメス・バージニカス(Reticulitermes virginicus)Banks)、西部ドライウッドシロアリ(インシシテルメス・ミノル(Incisitermes minor)Hagen)、樹上シロアリ、例えば、ナスティテルメス属(Nasutitermes)の種及び経済的に重要な他のシロアリを含めた等翅目(Isoptera)の害虫;総尾目(Thysanura)の害虫、例えば、シミ(レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)Linnaeus)及びマダラシミ(テルモビア・ドメスチカ(Thermobia domestica)Packard);アタマジラミ(ペジクルス・フマヌス・カピチス(Pediculus humanus capitis De Geer)、コロモジラミ(ペジクルス・フマヌス(Pediculus humanus)Linnaeus)、ニワトリジラミ(メナカンタス・ストラミネウス(Menacanthus stramineus)Nitszch)、犬刺咬シラミ(トリコデクテス・カニス(Trichodectes canis)De Geer)、綿毛状シラミ(ゴニオコテス・ガリナエ(Goniocotes gallinae)De Geer)、ヒツジジラミ(ボビコラ・オビス(Bovicola ovis)Schrank)、ウシジラミ(ウシジラミ(Haematopinus eurysternus)Nitzsch)、ハナナガウシジラミ(リノグナツス・ビツリ(Linognathus vituli)Linnaeus)並びにヒト及び動物を攻撃する他の吸血及び刺咬寄生性シラミを含めたハジラミ目(Mallophaga)の害虫;オリエンタルラットノミ(ケオピスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)Rothschild)、ネコノミ(シテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)Bouche)、イヌノミ(シテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)Curtis)、ニワトリノミ(セラトフィラス・ガリナエ(Ceratophyllus gallinae)Schrank)、吸着ノミ(エキドノファガ・ガリナセア(Echidnophaga gallinacea)Westwood)、ヒトノミ(プレックス・イリタンス(Pulex irritans)Linnaeus)及び哺乳動物及び鳥に影響を及ぼす他のノミを含めたノミ目(Siphonoptera)の害虫。カバーされるさらなる節足動物有害生物には、真正クモ目(Araneae)におけるクモ、例えば、ドクイトグモ(ロクソスセレス・レクルーサ(Loxosceles reclusa)Gertsch&Mulaik)及びクロゴケグモ(ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)Fabricius)、並びにゲジ目(Scutigeromorpha)におけるムカデ、例えば、イエムカデ(スクチゲラ・コレオプトラタ(Scutigera coleoptrata)Linnaeus)が含まれる。
【0425】
貯蔵した穀物の無脊椎有害生物の例には、ナガシンクイムシ(プロステファヌス・トルンカツス(Prostephanus truncatus))、コナナガシンクイムシ(リゾペルタ・ドミニカ(Rhyzopertha dominica))、ライスゾウムシ(スチオフィルス・オリザ(Stiophilus oryzae))、トウモロコシゾウムシ(シトフィルス・ゼアマイス(Stiophilus zeamais)、ヨツモンマメゾウムシ(カロソブルーカス・マキュラタス(Callosobruchus maculatus))、コクヌストモドキ(トリボリウム・カスタネウム(Tribolium castaneum))、穀物倉ゾウムシ(スチオフィルス・グラナリウス(Stiophilus granarius))、ノシメマダラメイガ(プロディア・インタープンクテラ(Plodia interpunctella))、地中海コクヌストモドキ(エフェスチア・クエーニエラ(Ephestia kuhniella))及びクムネコクヌスト又はサビカクムネヒラタムシ(クリプトレスチス・フェルギノイス(Cryptolestis ferrugineus))が含まれる。
【0426】
本開示の化合物はまた、経済的に重要な農業有害生物(すなわち、メロイドギネ属(Meloidogyne)の根瘤線形動物、プラチレンクス属(Pratylenchus)のネグサレセンチュウ(lesion nematodes)、トリコドルス属(Trichodorus)のユミハリセンチュウ(stubby root nematodes)など)並びに動物及びヒト健康有害生物(すなわち、馬における普通円虫(Strongylus vulgaris)、犬におけるイヌ回虫(Toxocara canis)、羊における捻転胃虫(Haemonchus contortus)、犬における犬糸状虫(Dirofilaria immitis Leidy)、馬における寄生蠕虫類(Anoplocephala perfoliata)、反すう動物における肝テツ(Fasciola hepatica Linnaeus)などの、全ての経済的に重要な吸虫、条虫、及び回虫など)などの、しかしそれらに限定されない円虫目、カイチュウ目、蟯虫、桿線虫目、旋尾線虫目、及びエノプルス目の商業的に重要なメンバーを含む線虫綱、条虫綱、吸虫綱、及びこう頭虫鋼のメンバーへの活性を有する。
【0427】
本開示の化合物は、鱗翅目(Lepidoptera)の有害生物(例えば、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)Huebner(コットンリーフワーム)、アルキプス・アルギロスピラ(Archips argyrospila)Walker(フルーツツリーリーフローラー)、A.ロサナ(A.rosan)Linnaeus(ヨーロッパリーフローラー)及び他のアルキプス属の種(Archips species)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)Walker(ライスステムボーラー)、クナファロクロシス・メジナリス(Cnaphalocrocis medinalis)Guenee(ライスリーフローラー)、クランブス・カリギノセルラス(Crambus caliginosellus)Clemens(コーンルートウェブワーム)、クランブス・テテレルス(Crambus teterrellus)Zincken(ブルーグラスウェブワーム)、コドリンガ(Cydia pomonella)Linnaeus(コドリンガ)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)Boisduval(スパイニーボウルワーム)、エアリアス・ビッテラ(Earias vittella)Fabricius(スポテッドボウルワーム)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)Huebner(アメリカンボウルワーム)、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)Boddie(アメリカタバコガの幼虫)、ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)Fabricius(ニセアメリカタバコガ)、ヘルペトグランマ・リカルシサリス(Herpetogramma licarsisalis)Walker(ソッドウェブワーム)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)Denis&Schiffermueller(グレープベリーガ)、ペクチノホラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)Saunders(ワタアカミムシガの幼虫)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)Stainton(ミカンハモグリガ)、ピエリス・ブラシカエ(Pieris brassicae)Linnaeus(ラージホワイトバタフライ)、モンシロチョウ(Pieris rapae)Linnaeus(スモールホワイトバタフライ)、コナガ(Plutella xylostella)Linnaeus(コナガ)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)Huebner(シロイチモンジョトウ)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)Fabricius(ハスモンヨトウ、クラスターいも虫)、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)J.E.Smith(ツマジロクサヨトウ)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)Huebner(キャベツシャクトリムシ)及びトマトキバガ(Tuta absoluta)Meyrick(トマトハモグリバエ))に対して特に高い活性を示す。
【0428】
本開示の化合物はまた、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)Harris(エンドウヒゲナガアブラムシ)、マメアブラムシ(Aphis craccivora)Koch(ササゲアブラムシ)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)Scopoli(クロマメアブラムシ)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)Glover(ワタアブラムシ、メロンアブラムシ)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)De Geer(リンゴアブラムシ)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)Patch(スピレアアブラムシ)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)Kaltenbach(フォックスグローブアブラムシ)、イチゴケナガアブラムシ(Chaetosiphon fragaefolii)Cockerell(イチゴアブラムシ)、ジウラフィス・ノキシア(Diuraphis noxia)Kurdjumov/Mordvilko(ロシアコムギアブラムシ)、ジサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea)Passerini(バラ色リンゴアブラムシ)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)Hausmann(リンゴワタムシ)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)Geoffroy(ミーリープラムアブラムシ)、リパフィス・プソイドブラッシカ(Lipaphis pseudobrassicae)Davis(ニセダイコンアブラムシ)、メトポロフィウム・ジルホズム(Metopolophium dirhodum)Walker(穀物アブラムシ)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)Thomas(ジャガイモアブラムシ)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)Sulzer(モモ-ジャガイモアブラムシ、モモアカアブラムシ)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)Mosley(レタスアブラムシ)、天疱瘡(Pemphigus)種(根アブラムシ及びコブアブラムシ)、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis)Fitch(トウモロコシアブラムシ)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)Linnaeus(バードチェリー-オートアブラムシ)、シザフィス・グラミナム(Schizaphis graminum)Rondani(ムギミドリアブラムシ)、シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)Fabricius(イングリッシュグレインアブラムシ)、テリオアフィス・マクラタ(Therioaphis maculata)Buckton(スポテッドアルファルファアブラムシ)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii)Boyer de Fonscolombe(黒ミカンアブラムシ)、及びトキソプテラ・シトリシズス(Toxoptera citricidus)Kirkaldy(茶ミカンアブラムシ);アデルゲス属(Adelges)の種(カサアブラムシ);フィロキセラ・デバスタトリクス(Phylloxera devastatrix)Pergande(ペカンフィロキセラ);タバココナジラミ(Bemisia tabaci)Gennadius(タバココナジラミ、サツマイモコナジラミ)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)Bellows&Perring(シルバーリーフコナジラミ)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)Ashmead(ミカンコナジラミ)及びオンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)Westwood(オンシツコナジラミ);エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae)Harris(ポテトリーフホッパー)、ラオデルファックス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)Fallen(スモーラーブラウンプラントホッパー)、マクロレステス・クアドリリネアツス(Macrosteles quadrilineatus)Forbes(アスターリーフホッパー)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)Uhler(グリーンリーフホッパー)、ネフォテティクス・ニグロピクツス(Nephotettix nigropictus)Stal(ライスリーフホッパー)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)Stal(ブラウンプラントホッパー)、ペレグリヌス・マイディス(Peregrinus maidis)Ashmead(コーンプラントホッパー)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)Horvath(ホワイトバックドプラントホッパー)、タゴソデス・オリジコルス(Tagosodes orizicolus)Muir(ライスデルファシッド)、ティフロシバ・ポマリア(Typhlocyba pomaria)McAtee(ホワイトアップルリーフホッパー)、エリトロネウラ属(Erythroneura)の種(ブドウリーフホッパー);マギシダダ・セプテンデシム(Magicidada septendecim)Linnaeus(周期ゼミ);イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)Maskell(ワタフキカイガラムシ)、クアドラスピディオツス・ペルニシオサス(Quadraspidiotus perniciosus)Comstock(サンホセカイガラムシ);ミカンコナカイガラムシ(Planococcus citri)Risso(ミカンコナカイガラムシ);シュードコッカス属(Pseudococcus)の種(他のコナカイガラムシ複合体);カコプシラ・ピリコラ(Cacopsylla pyricola)Foerster(セイヨウナシキジラミ)、トリオザ・ジオスピリ(Trioza diospyri)Ashmead(カキキジラミ)を含めた半翅目(Hemiptera)からのメンバーに対してかなりの活性を有する。
【0429】
本開示の化合物はまた、アクロステルナム・ヒラレ(Acrosternum hilare)Say(アオカメムシ)、アナサ・トリスチス(Anasa tristis)De Geer(ヘリカメムシ)、ブリサス・ロイコプテラス・ロイコプテラス(Blissus leucopterus leucopterus)Say(アメリカコバネナガカメムシ)、シメックス・レクチュラリウス(Cimex lectularius)Linnaeus(トコジラミ)、コリツカ・ゴッシピイ(Corythucha gossypii)Fabricius(コットンレースバグ)、シルトペルチス・モデスタ(Cyrtopeltis modesta)Distant(トマトバグ)、ディスデルカス・スツレルス(Dysdercus suturellus)Herrich-Schaffer(コットンステイナー)、オイキスツス・セルブス(Euchistus servus)Say(ブラウンカメムシ)、オイキスツス・バリオラリウス(Euchistus variolarius)Palisot de Beauvois(ワンスポッテッドカメムシ)、グラプトステツス属の種(Graptosthetus spp.)(シードバグの複合体)、クサギカメムシ(Halyomorpha halys)Stal(ブラウン大理石様カメムシ)、レプトグロッスス・コルクルス(Leptoglossus corculus)Say(リーフフーティッドパインシードバグ)、リグス・リネオラリス(Lygus lineolaris)Palisot de Beauvois(ミドリメクラガメ)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)Linnaeus(ミナミアオカメムシ)、オエバラス・プグナクス(Oebalus pugnax)Fabricius(ライスカメムシ)、オンコペルタス・ファシアタス(Oncopeltus fasciatus)Dallas(ラージミルクウィードバグ)、シューダトモスセリス・セリアツス(Pseudatomoscelis seriatus)Reuter(コットンフリーホッパー)を含めた半翅目(Hemiptera)からのメンバーに対して活性を有する。本開示の化合物によって防除される他の昆虫目には、アザミウマ目(Thysanoptera)(例えば、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)Pergande(ミカンキイロアザミウマ)、シルトトリプス・シトリ(Scirthothrips citri)Moulton(ミカンアザミウマ)、セリコトリプス・バリアビリス(Sericothrips variabilis)Beach(ダイズアザミウマ)、及びネギアザミウマ(Thrips tabaci)Lindeman(ネギアザミウマ);並びに甲虫目(Coleoptera)(例えば、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)Say(コロラドハムシ)、エピラクナ・バリベスチス(Epilachna varivestis)Mulsant(インゲンテントウ)、及びアグリオテス属(Agriotes)、アトウス属(Athous)又はリモニウス属(Limonius)のコメツキムシ幼虫)が含まれる。
【0430】
ミカンキイロアザミウマ(ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis))を防除するための本開示の化合物の使用に注目すべきである。コナガ(コナガ(Plutella xylostella))を防除するための本開示の化合物の使用に注目すべきである。ツマジロクサヨトウ(スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda))を防除するための本開示の化合物の使用に注目すべきである。
【0431】
本開示の化合物はまた、作物の成長力を高めるのに有用である。本方法は、作物(例えば、群葉、花、果実若しくは根)又は作物がそれから成長する種子を、所望の植物成長力効果を達成するのに十分な量(すなわち、生物学的有効量)の式1の化合物と接触させる工程を含む。典型的には式1の化合物は、調合組成物で適用される。式1の化合物は多くの場合作物又はその種子に直接適用されるが、それはまた、作物の場所、すなわち、作物の環境、特に式1の化合物を作物に移動させるのに十分に接近した環境の部分に適用される。本方法にとって適切な場所は、最も一般的には成長培地(すなわち、植物に栄養物を提供する媒体)、典型的には植物がそこで成長する土壌を含む。作物の成長力を高めるための作物の処理はしたがって、作物、作物がそれから成長する種子又は作物の場所を、生物学的有効量の式1の化合物と接触させる工程を含む。
【0432】
高められた作物成長力は、以下の観察される効果の1つ若しくは複数をもたらすことができる:(a)優れた種子発芽、作物出現及び作物群生によって実証されるような最適作物体系;(b)速い及び頑丈な葉成長(例えば、葉面積指数によって測定される)、植物高さ、ひこばえの数(例えば、イネについて)、根塊及び作物の植物塊の全体乾燥重量によって実証されるような高められた作物成長;(c)開花までの時間、開花の継続時間、花の数、総バイオマス蓄積(すなわち、収穫高)及び/又は農産物の果実若しくは穀物品位市場性(すなわち、収穫品質)によって実証されるような、改善された作物収量;(d)植物病気感染及び節足動物、線形動物又は軟体動物有害生物まん延に耐える又はそれらを防ぐ作物の高められた能力;並びに(e)極端な熱、準最適な湿気又は植物毒素化学薬品への暴露などの環境ストレスに耐える作物の高められた能力。
【0433】
本開示の化合物は、殺すか又は別のやり方で植物の環境での植食性の無脊椎有害生物の摂食を防ぐことによって未処理植物と比べて処理植物の成長力を高め得る。植食性の無脊椎有害生物のそのような駆除の不在下で、有害生物は、植物組織若しくは樹液を消費するか、又はウィルスなどの植物病原菌をうつすことによって植物成長力を低下させる。植食性の無脊椎有害生物の不在下でさえも、本開示の化合物は、植物の代謝を修正することによって植物成長力を高め得る。一般に、作物の成長力は、非理想的な環境、すなわち、それが理想的な環境で示すであろう最大限の遺伝子的ポテンシャルを達成する植物に不利な1つ若しくは複数の態様を含む環境で植物が成長させられる場合に、植物を本開示の化合物で処理することによって最も顕著に高められるであろう。
【0434】
作物植物の成長力を増加させるための本方法に注目すべきであり、ここで、作物植物は植食性の無脊椎有害生物を含む環境において成長する。作物植物の成長力を増加させるための本方法にもまた注目すべきであり、ここで、作物植物は植食性の無脊椎有害生物を含まない環境において成長する。作物植物の成長力を増加させるための本方法にもまた注目すべきであり、ここで、作物植物は、作物植物の成長を支援するために理想的であるより少ないある量の水分を含む環境において成長する。作物植物の成長力を増加させるための本方法に注目すべきであり、ここで、作物は、イネである。作物植物の成長力を増加させるための本方法にもまた注目すべきであり、ここで、作物は、メイズ(トウモロコシ)である。作物植物の成長力を増加させるための本方法にもまた注目すべきであり、ここで、作物は、ダイズである。
【0435】
本開示の化合物はまた、殺虫剤、殺真菌剤、抗線虫剤、殺菌剤、ダニ駆除剤、除草剤、除草剤解毒剤、成長調整物質、例えば昆虫脱皮阻害剤及び発根刺激剤など、不妊化剤、情報物質、忌避剤、誘引物質、フェロモン、摂食刺激剤、他の生物学的に活性な化合物若しくは昆虫病原性細菌、さらにより幅広いスペクトルの農学的及び農学的有用性を与える多成分殺有害生物剤を形成するためのウィルス若しくは真菌類を含む1つ若しくは複数の他の生物学的に活性な化合物若しくは試剤と混合することができる。したがって、本開示はさらに、生物学的有効量の式1の化合物、界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加の成分、並びに少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は生物活性薬剤を含む、組成物にも関する。本開示の混合物では、他の生物活性化合物又は薬剤を、本発明の化合物(式1の化合物)とともに配合して、プレミックスを形成させることが可能であるか、又は、他の生物活性化合物又は薬剤を、本発明の化合物(式1の化合物を含む)とは別途に配合して、その2種の配合物を共に(例えば、噴霧タンク中で)組み合わせた後で施用するか、又は別な方法として、順次に施用することも可能である。
【0436】
それと共に本開示の化合物を配合することができるこのような生物学的活性化合物又は薬剤の例は、殺虫剤、例えば、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アシノナピル、アフィドピロペン([(3S,4R,4aR,6S,6aS,12R,12aS,12bS)-3-[(シクロプロピルカルボニル)オキシ]-1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b-デカヒドロ-6,12-ジヒドロキシ-4,6a,12b-トリメチル-11-オキソ-9-(3-ピリジニル)-2H,11H-ナフト[2,1-b]ピラノ[3,4-e]ピラン-4-イル]メチルシクロプロパンカルボキシレート)、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホスメチル、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンズピリモキサン、ビフェントリン、カッパ-ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ボレート、ブロフラニリド、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロロプラレトリン、クロルピリホス、クロルピリホス-e、クロルピリホスメチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロロプラレトリン、クロチアニジン、シアントラニリプロール、(3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)、シクラニリプロール(3-ブロモ-N-[2-ブロモ-4-クロロ-6-[[(1-シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)、シクロプロトリン、シクロキサプリド((5S,8R)-1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2,3,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-9-ニトロ-5,8-エポキシ-1H-イミダゾ[1,2-a]アゼピン)、シエノピラフェン、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロジアミド、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジクロロメソチアズ、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジンプロピリダズ、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エマメクチンベンゾエート、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、イプシロン-メトフルトリン、エトキサゾール、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン(2-エチル-3,7-ジメチル-6-[4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-4-キノリニルメチルカーボネート)、フロニカミド、フルアザインドリジン、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン(メチル(αE)-2-[[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)、フルエンスルホン(5-クロロ-2-[(3,4,4-トリフルオロ-3-ブテン-1-イル)スルホニル]チアゾール)、フルヘキサホン、フルオピラム、フルピプロール(1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)アミノ]-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル)、フルピラジフロン(4-[[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル](2,2-ジフルオロエチル)アミノ]-2(5H)-フラノン)、フルピリミン、フルバリネート、タウ-フルバリネート、フルキサメタミド、ホノホス、ホルメタネート、ホスチアゼート、ガンマ-シハロトリン、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル2,2-ジメチル-3-[(1Z)-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]シクロプロパンカルボキシレート)、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ハイドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性石鹸、イソフェンホス、イソシクロセラム、カッパ-テフルトリン、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル(1R,3S)-3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロール、メトフルトリン、メトキシフェノジド、イプシロン-メトフルトリン、イプシロン-モンフルオロトリン、モノクロトホス、モンフルオロトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル3-(2-シアノ-1-プロペン-1-イル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、オキサゾスルフィル、パラチオン、パラチオンメチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミカーブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンブト、ピフルブミド(1,3,5-トリメチル-N-(2-メチル-1-オキソプロピル)-N-[3-(2-メチルプロピル)-4-[2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン(メチル(αE)-2-[[[2-[(2,4-ジクロロフェニル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-4-ピリミジニル]オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロピジオン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロル(N-[メチルオキシド[1-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]エチル]-λ4-スルファニリデン]シアナミド)、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、カッパ-テフルトリン、テルブホス、テトラクロラントラニリプロール、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート)、テトラニリプロール、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、チオキサザフェン(3-フェニル-5-(2-チエニル)-1,2,4-オキサジアゾール)、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメエート、トリクロルホン、トリフルメゾピリム(2,4-ジオキソ-1-(5-ピリミジニルメチル)-3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩)、トリフルムロン、チクロピラゾフロル、ゼータ-シペルメトリン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-内毒素、昆虫病原菌、昆虫病原性ウイルス又は昆虫病原性真菌である。
【0437】
殺虫剤、例えば、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アシノナピル、アフィドピロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、ブロフラニリド、カズサホス、カルバリル、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロロプラレトリン、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、イプシロン-メトフルトリン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フルキサメタミド、フロニカミド、フルベンジアミド、フルエンスルホン、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルフェンスルホン、フルピプロール、フルピリミン、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ガンマ-シハロトリン、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ハイドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソシクロセラム、カッパ-テフルトリン、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モンフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメエート、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、チクロピラゾフロル、ゼータ-シペルメトリン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-内毒素、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全ての菌株及び核多角体病ウイルスの全ての菌株に注目すべきである。
【0438】
本開示の化合物と混合するための生物学的作用物質の一実施形態には、バチルス・チュウリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、及びCellCap(登録商標)プロセスによって製造されるMVP(登録商標)及びMVPII(登録商標)バイオ殺虫剤(CellCap(登録商標)、MVP(登録商標)及びMVPII(登録商標)は、Mycogen Corporation,Indianapolis,Indiana,USAの商標である)などのバチルス・チュウリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のカプセル化デルタ-エンドトキシンなどの昆虫病原性細菌;黒きょう病菌などの昆虫病原性真菌類;及びバキュロウィルス、核多核体病ウィルス(NPV)、例えばアメリカタバコガ(Helicoverpa zea)多核体病ウィルス(HzNPV)、アナグラファ・ファルシフェラ(Anagrapha falcifera)多核体病ウィルス(AfNPV)などを含む昆虫病原性(天然に存在する及び遺伝子操作された両方の)ウィルス;並びにシディア・ポモネラ(Cydia pomonella)グラニュロシスウィルス(CpGV)などのグラニュロシスウィルス(GV)が含まれる。
【0439】
本開示の化合物と混合するための生物学的作用物質の一実施形態は、(i)アクチノマイセス属(Actinomycetes)、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)、アルスロバクター属(Arthrobacter)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、オーレオバクテリウム属(Aureobacterium)、アゾバクター属(Azobacter)、バチルス属(Bacillus)、ベイエリンキア属(Beijerinckia)、ブラディリゾビウム属(Bradyrhizobium)、ブレビバチルス属(Brevibacillus)、バークホルデリア属(Burkholderia)、クロモバクテリウム属(Chromobacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、クラビバクター属(Clavibacter)、コマモナス属(Comamonas)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、クルトバクテリウム属(Curtobacterium)、エンテロバクター属(Enterobacter)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)、グルコノバクター属(Gluconobacter)、ハイドロゲノファーガ属(Hydrogenophaga)、クレブシエラ属(Klebsiella)、メチロバクテリウム属(Methylobacterium)、パエニバチルス属(Paenibacillus)、パスツリア属(Pasteuria)、フォトラブダス属(Photorhabdus)、フィロバクテリウム属(Phyllobacterium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、リゾビウム属(Rhizobium)、セラチア属(Serratia)、スフィンゴバクテリウム属(Sphingobacterium)、ステノトロホモナス属(Stenotrophomonas)、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、バリオボラックス属(Variovorax)、又はゼノラブダス属(Xenorhabdus)の細菌、例えば、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、ブラディリゾビウム・ジャポニクム(Bradyrhizobium japonicum)、クロモバクテリウム・スブツガ(Chromobacterium subtsugae)、パスツリア・ニシザワエ(Pasteuria nishizawae)、パスツリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans)、パスツリア・ユーセジ(Pasteuria usage)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、及びストレプトマイセス・リジクス(Streptomyces lydicus)の細菌;(ii)真菌、例えば、黒きょう病菌;(iii)バキュロウィルス、核多角体病ウィルス、例えば、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)核多角体病ウィルス、アナグラファ・ファルシフェラ(Anagrapha falcifera)核多角体病ウィルス;顆粒病ウィルス、例えば、コドリンガ(Cydia pomonella)顆粒病ウィルスを含めたウィルスの1つ又は組合せを含む。
【0440】
他の無脊椎有害生物防除活性成分が異なる化学的分類に属するか、又は式1の化合物と異なる作用部位を有するそのような組合せに特に注目すべきである。ある特定の場合において、同様の防除スペクトルを有するが、異なる作用部位を有する少なくとも1つの他の無脊椎有害生物防除活性成分との組合せは、耐性管理のために特に有利であろう。したがって、本開示の組成物は、同様の防除スペクトルを有するが、異なる化学的分類に属するか又は異なる作用部位を有する生物学的有効量の少なくとも1つの追加の無脊椎有害生物防除活性成分をさらに含むことができる。これらのさらなる生物学的活性化合物又は薬剤には、これらに限定されないが、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤、例えば、カルバメートであるメソミル、オキサミル、チオジカルブ、トリアザメエート、有機ホスフェートであるクロルピリホス;GABA作動性クロライドチャネルアンタゴニスト、例えば、シクロジエンであるジエルドリン及びエンドスルファン、並びにフェニルピラゾールであるエチプロール及びフィプロニル;ナトリウムチャネルモジュレーター、例えば、ピレスロイドであるビフェントリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、ジメフルトリン、エスフェンバレレート、メトフルトリン及びプロフルトリン;ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アゴニスト、例えば、ネオニコチノイドであるアセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、及びチアメトキサム、及びスルホキサフロル;ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アロステリック活性化剤、例えば、スピノシンであるスピネトラム及びスピノサド;クロライドチャネル活性化剤、例えば、アベルメクチンであるアバメクチン及びエマメクチン;幼若ホルモン模倣物、例えば、ジオフェノラン、メトプレン、フェノキシカルブ及びピリプロキシフェン;選択的同翅類摂食遮断剤、例えば、ピメトロジン及びフロニカミド;ダニ成長抑制剤、例えば、エトキサゾール;ミトコンドリアATPシンターゼの阻害剤、例えば、プロパルギット;プロトン勾配の途絶による酸化的リン酸化の脱共役剤、例えば、クロルフェナピル;ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)チャネル遮断薬、例えば、ネライストキシン類似体であるカルタップ;キチン生合成の阻害剤、例えば、ベンゾイル尿素であるフルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン及びトリフルムロン、及びブプロフェジン;双翅類脱皮撹乱物質、例えば、シロマジン;エクジソン受容体アゴニスト、例えば、ジアシルヒドラジンであるメトキシフェノジド及びテブフェノジド;オクトパミン受容体アゴニスト、例えば、アミトラズ;ミトコンドリア複合体III電子伝達阻害剤、例えば、ハイドラメチルノン;ミトコンドリア複合体I電子伝達阻害剤、例えば、ピリダベン;電位依存性ナトリウムチャネル遮断薬、例えば、インドキサカルブ;アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害剤、例えば、テトロン酸及びテトラミン酸であるスピロジクロフェン、スピロメシフェン及びスピロテトラマト;ミトコンドリア複合体II電子伝達阻害剤、例えば、β-ケトニトリルであるシエノピラフェン及びシフルメトフェン;リアノジン受容体モジュレーター、例えば、アントラニル酸ジアミドであるクロラントラニリプロール、シアントラニリプロール及びシアントラニリプロール、ジアミド、例えば、フルベンジアミド、及びリアノジン受容体配位子、例えば、リアノジン;生物活性に関与している標的部位が未知であるか若しくは特性決定されていない化合物、例えば、アザジラクチン、ビフェナゼート、ピリダリル、ピリフルキナゾン及びトリフルメゾピリム;昆虫中腸膜の微生物撹乱物質、例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringensis)及びこれらが産生するデルタ-内毒素、及びバチルス・スフェリクス(Bacillus sphaericus);並びに核多角体病ウイルス(NPV)及び他の天然若しくは遺伝子改変された殺虫性ウイルスを含めた生物学的作用物質が含まれる。
【0441】
本開示の化合物をそれとともに配合することができる生物活性化合物又は薬剤のさらなる例は、殺真菌剤、例えば、アシベンゾラル-S-メチル、アルジモルフ、アメトクトラジン、アミノピリフェン、アミスルブロム、アリラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル(ベナラキシル-Mを含めた)、ベンダニル、ベノミル、ベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブ-イソプロピルを含めた)、ベンゾビンジフルピル、ベトキサジン、ビナプアクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジン-S、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、カルボキシン、カルプロパミド、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、クモキシストロビン、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロベンチアゾクス、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール(ジニコナゾール-Mを含めた)、ジノカップ、ジピメチトロン、ジチアノン、ジチオラン、ドデモルフ、ドジン、エコナゾール、エタコナゾール、エディフェンホス、エノクサストロビン(エネストロブリンとしてまた公知である)、エポキシコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナミンストロビン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンピコキサミド、フェンプロピディン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、フェンチンアセタート、フェンチンヒドロキシド、ファーバム、フェリムゾン、フロメトキン、フロリルピコキサミド、フルオピモミド、フルアジナム、フルジオキソニル、フルフェノキシストロビン、フルインダピル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオキサピプロリン、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペット、フサライド(フタリドとしてまた公知である)、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、グアザチン、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、インピルフルキサム、イオジカルブ、イプコナゾール、イペントリフルコナゾール、イプフルフェノキン、イソフェタミド、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソフルシプラム、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、クレソキシムメチル、ランコトリオン、マンコゼブ、マンジプロパミド、マンデストロビン、マネブ、マパニピリン、メフェントリフルコナゾール、メプロニル、メプチルジノカプ、メタラキシル(メタラキシル-M/メフェノキサムを含めた)、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メチラム、メトミノストロビン、メチルテトラプロール、メトラフェノン、ミクロブタニル、ナフチチン、ネオ-アソジン(メタンアルソン酸鉄)、ヌアリモール、オクチリノン、オフレース、オリサストロビン、オキサジキシル、オキサチアピプロリン、オキソリン酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ペルフラゾエート、亜リン酸(その塩、例えば、ホセチル-アルミニウムを含めた)、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロビネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン(Adepidyn(登録商標))、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラプロポイン、ピラオキシストロビン、ピラジフルミド、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブタカルブ、ピリダクロメチル、ピリフェノックス、ピリオフェノン、ペリソオキサゾール、ピリメタニル、ピリフェノックス、ピロールニトリン、ピロキロン、キンコナゾール、キノメチオネート、キノフメリン、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム、セダキサン、シメコナゾール、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テブフロキン、テクロフタラム、テクロフタラム、テクナゼン、テルビナフィン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、チオファネート-メチル、チラム、チアジニル、トルクロホスメチル、トルプロカルブ、トリフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアリモール、トリアゾキシド、三塩基性硫酸銅、トリクロピリカルブ、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリモプルアミドトリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリフォリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、バリダマイシン、バリフェナレート(バリフェナールとしてまた公知である)、ビンクロゾリン、ジネブ、ザイラム、ゾキサミド及び1-[4-[4-[5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン;殺線虫剤、例えば、フルオピラム、スピロテトラマト、チオジカルブ、ホスチアゼート、アバメクチン、イプロジオン、フルエンスルホン、二硫化ジメチル、チオキサザフェン、1,3-ジクロロプロペン(1,3-D)、メタム(ナトリウム及びカリウム)、ダゾメット、クロロピクリン、フェナミホス、エトプロホス、カズサホス、テルブホス、イミシアホス、オキサミル、カルボフラン、チオキサザフェン、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)及びパスツリア・ニシザワエ(Pasteuria nishizawae);殺菌剤、例えば、ストレプトマイシン;殺ダニ剤、例えば、アミトラズ、チノメチオナート、クロロベンジレート、シヘキサチン、ジコホール、ジエノクロール、エトキサゾール、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾックス、プロパルギット、ピリダベン及びテブフェンピラドである。
【0442】
ある特定の場合において、本開示の化合物と他の生物活性のある(特に、無脊椎有害生物防除)化合物又は薬剤(すなわち、活性成分)との組合せは、増進された効果をもたらし得る。有効な有害生物防除を確実にする一方で、環境中に放出される活性成分量を低減させることは常に望ましい。増進された無脊椎有害生物防除が農学的に満足なレベルの無脊椎有害生物防除を生じさせる散布量で起こるとき、このような組合せは、作物の生産コストを低減し、環境への負荷を減少させるのに有利であり得る。
【0443】
本開示の化合物及びその組成物は、無脊椎有害生物に対して毒性を持つタンパク質(例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-内毒素)を発現するように遺伝学的に形質転換された植物に適用することができる。このような適用は、より幅広いスペクトルの植物保護を実現し、且つ抵抗性制御のために有利であり得る。発現された毒素タンパク質と組み合わせた外部から適用された本開示の無脊椎有害生物防除化合物は、増進された効果を実現し得る。
【0444】
これらの農業用保護剤(すなわち、殺虫剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び生物学的作用物質)についての一般的参照文献には、The Pesticide Manual,13th Edition,C.D.S.Tomlin,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2003及びThe BioPesticide Manual,2nd Edition,L.G.Copping,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2001が含まれる。
【0445】
本開示の化合物は、これらに限定されないが、DNA、RNA、及び/又は化学修飾されたヌクレオチドを含めたポリヌクレオチドとともに合わせるか、又は配合し、殺虫性効果を与える遺伝的に由来する転写物のダウンレギュレーション、干渉、抑制又はサイレンシングを介して特定の標的の量に影響を与えることができる。
【0446】
これら各種の混合パートナーの1種又は複数を使用するような実施形態においては、これら各種の混合パートナー(合計したもの)の、式1の化合物に対する重量比は、典型的には、約(1:3000)~約(3000:1)の間である。注目すべきは、約(1:300)~約(300:1)の間の重量比(例えば、約(1:30)~約(30:1)の間の比率)である。当業者ならば、所望の生物学的活性スペクトルを得るのに必要な、有効成分の生物学的有効量を、単純な実験で容易に決めることができる。これら追加の成分を含むことによって、無脊椎有害生物の防除スペクトルを、式1の化合物単独で防除されるスペクトルよりも、拡張することが可能であることは、明らかであろう。
【0447】
典型的には組成物の形態にあり、生物学的有効量の、1種又は複数の開示の化合物を、農業的領域及び/又は非農業的領域も含めた有害生物の発生環境に対して、保護すべき領域に対して、或いは防除対象の有害生物に対して、直接施用することにより、無脊椎有害生物が、農業的用途及び非農業的用途において防除される。
【0448】
したがって、本開示には、農業的用途及び/又は非農業的用途において無脊椎有害生物を防除するための方法が含まれるが、それに含まれるのは、無脊椎有害生物又はその環境を、本開示の化合物の1種又は複数の生物学的有効量と、又は少なくとも1種のそのような化合物を含む少なくとも1種のそのような化合物又は組成物及び少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は生物活性薬剤の生物学的有効量を含む組成物と、接触させることである。本開示の化合物及び少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は生物活性薬剤の生物学的有効量を含む適切な組成物の例としては、その追加の活性化合物が、本開示の化合物と同じ顆粒の上に、又は本開示の化合物のものとは別の顆粒の上に存在している、粒状の組成物が挙げられる。
【0449】
農作物を無脊椎有害生物から保護するために、本開示の化合物又は組成物との接触を達成するためには、その化合物又は組成物を、典型的には植え付け前の作物の種子に対して、作物の茎葉(例えば、葉、茎、花、果実)に対して、又は作物を植え付ける前又は後の土壌又はその他の生育環境に対して、施用する。
【0450】
接触させる方法の一つの実施形態が、噴霧によるものである。別な方法として、本開示の化合物を含む顆粒状組成物を、植物の茎葉又は土壌に施用することもできる。本開示の化合物はさらに、液体配合物の土壌灌液、土壌への顆粒状配合物、育苗箱処理、又は移植の際の浸液(a dip of transplant)として施用された本開示の化合物を含む組成物と接触させることによって、植物による吸収を介して、効果的に送達することもできる。注目すべきは、土壌灌液の液体配合物の形態にある本開示の組成物である。注目すべきはさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の本開示の化合物、又は生物学的有効量の本開示の化合物を含む組成物と接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法である。さらに注目すべきは、その環境が土壌であり、そして組成物が、土壌灌液配合物としてその土壌に施用されるような、この方法である。さらに注目すべきは、発生の領域に対して局所的に施用しても、本開示の化合物がやはり効果的であるということである。接触させるためのその他の方法としては、直接噴霧及び残存性噴霧、空中散布、ゲル、種子コーティング、マイクロカプセル化、浸透性吸収、誘引剤、耳標、ボーラス(bolus)、噴霧塗(fogger)、くん蒸剤、エアロゾル、粉剤、その他によって本開示の化合物又は組成物を施用することが挙げられる。接触させる方法の一つの実施形態は、本開示の化合物又は組成物を含む、寸法的に安定な肥料の顆粒、棒、又は錠剤である。本開示の化合物はさらに、無脊椎動物を防除するための道具(例えば、虫除けネット)を作製するための材料の中に含浸させることもできる。
【0451】
本開示の化合物は、植物全体、植物の各部分、及び種子を処理するのに有用である。植物及び種子の変種、並びに栽培品種は、慣用される繁殖方法及び育種方法によるか、或いは遺伝工学的方法によって得ることができる。遺伝子組換え(genetically modified、又はtoransgenic)植物又は種子とは、異種起源の遺伝子(導入遺伝子)が、植物のゲノム又は種子のゲノムの中に安定的に組み入れられたものである。植物のゲノムの中の特定の位置によって規定される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子組換え事象と呼ばれる。
【0452】
本開示において扱うことが可能な遺伝子組換え植物及び種子栽培品種としては、1種又は複数の生物的ストレス(有害生物例えば、線虫、昆虫、ダニ、真菌など)若しくは非生物的ストレス(干ばつ、低温、土壌塩分など)に対する抵抗性があるもの、又はその他の望ましい特性を有するものが挙げられる。植物及び種子は、遺伝子組換えによって、例えば、除草剤耐性、昆虫抵抗性、改良されたオイル特性、又は干ばつ耐性などの特性を示すことができる。単一の遺伝子形質転換事象又は形質転換事象の組合せを含有する有用な遺伝子改変された植物及び種子を、表Zにおいて列挙する。表Zにおいて列挙する遺伝子組換えについてのさらなる情報は、下記のデータベースから得ることができる:
OECD BioTrack Product Database[オンラインデータベース]。インターネット<https://biotrackproductdatabase.oecd.org/byidentifier.aspx>を使用して経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development)(OECD)から検索
USDA Animal and Plant Health Inspection Service[オンラインデータベース]。インターネット<http://www.aphis.usda.gov>を使用して米国農務省から検索
Deliberate Release and Placing on the EU Market of GMOs - GMO Register[オンラインデータベース]。インターネット<http://gmoinfo.jrc.ec.europa.eu>を使用して欧州委員会共同研究センター(European Commission Joint Research Centre)から検索
【0453】
下記の略語を下記の表Zにおいて使用する。tol.は、耐性であり、res.は、抵抗性であり、SUは、スルホニル尿素であり、ALSは、アセト乳酸シンターゼであり、HPPDは、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼであり、NAは、利用不可能である。
【0454】
【0455】
【0456】
【0457】
【0458】
【0459】
【0460】
【0461】
【0462】
本開示の化合物を用いて遺伝子組換え植物及び種子を処理すると、向上効果が得られる可能性がある。例えば、散布量の減少、活性スペクトルの拡大、生物的/非生物的ストレスに対する耐性の向上、又は貯蔵安定性の向上が、遺伝子組換え植物及び種子への本開示の化合物の施用の単なる相加作用から予想されるよりは、大きくなる可能性がある。
【0463】
本開示の化合物は、無脊椎有害生物から種子を保護するための種子処理剤においても有用である。本発明の開示及び特許請求の文脈においては、種子を処理するということは、種子を、生物学的有効量の本開示の化合物(典型的には本開示の組成物として配合されている)と接触させることを意味している。この種子処理によって、その種子が、無脊椎土壌有害生物から保護され、そして一般的には、発芽中の種子から生長している幼苗の、土壌と接触状態にある根及び植物の他の部分もまた保護することができる。その種子処理はさらに、本開示の化合物の転流によるか、又は生長しつつある植物の内部の第二の有効成分によって、茎葉の保護を与えることもできる。種子処理剤は、特殊化された特性を発現させる目的で遺伝子形質転換された植物が、それから生長させられるようなものも含めて、あらゆるタイプの種子に適用することができる。代表例としては、以下のものが挙げられる:無脊椎有害生物に対して有毒なタンパク質、例えばバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)トキシンを発現するもの、又は、例えば、グリホサートに対する抵抗性を付与するグリホサートアセチルトランスフェラーゼのような除草剤耐性を発現するもの。本開示の化合物を用いた種子処理剤は、処理種子から生長している植物の活力を向上させることもできる。
【0464】
種子処理の一つの方法は、播種する前に、本開示の化合物(すなわち、配合された組成物として)を用いて、種子を噴霧又は散粉(spraying or dusting)することによる。種子処理のために配合された組成物には、一般的には、塗膜形成剤又は接着剤が含まれる。したがって、典型的には、本開示の種子コーティング組成物には、生物学的有効量の式1の化合物、それらのNーオキシド、又は塩、及び塗膜形成剤又は接着剤が含まれる。種子は、種子の転動ベッドの中に流動性の懸濁液濃縮物を直接噴霧し、次いでそれらの種子を乾燥させることにより、コーティングすることができる。別な方法として、他のタイプの配合物、例えば濡らした粉体、溶液、サスポエマルジョン、乳剤(emulsifiable concentrate)、及び水中エマルジョンを種子の上に噴霧することも可能である。このプロセスは、種子の上にフィルムコーティングを適用する場合に、特に有用である。当業者であれば、各種のコーティング機械及びプロセスが利用可能である。適切なプロセスとしては、P.Kosters et al.,Seed Treatment:Progress and Prospects,1994,BCPC Monograph No.57、及びその中に記されている参考文献に記載されたものが挙げられる。
【0465】
式1の化合物及びそれらの組成物は、単独、或いは他の殺虫剤及び殺真菌剤との組み合わせのいずれにおいても、以下のような作物のための種子処理には、特に有用である:例えばトウモロコシ(maze又はcorn)、ダイズ、ワタ、穀物(例えば、コムギ、オートムギ、オオムギ、ライムギ、及びイネ)、ジャガイモ、野菜類、及びアブラナ(これらに限定される訳ではない)。
【0466】
式1の化合物とともに配合して、種子処理において有用な混合物を与える、その他の殺虫剤としては、以下のものが挙げられる:アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アミトラズ、エバーメクチン、アザジラクチン、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、クロルアントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダシハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキザゾール、フェノチオカルブ、フェノキシカルプ、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルバリネート、ホルメタネート、フォスチアゼート、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メタフルミゾン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロール、テブフェノジド、テトラメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-エンドトキシン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全ての菌株、及び核多角体病ウィルスの全ての菌株。
【0467】
式1の化合物とともに配合して、種子処理において有用な混合物を与える、殺真菌剤としては、以下のものが挙げられる:アミスルブロム、アゾキシストロビン、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、シモキサニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、フルアジナム、フルジオキソニル、フルキンコナゾール、フルオピコリド、フルオキサストロビン、フルトリアホール、フルキサピロキサド、イプコナゾール、イプロジオン、メタラキシル、メフェノキサム、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンフルフェン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、セダキサン、シルチオファム、テブコナゾール、チアベンダゾール、チオファネート-メチル、サイラム、トリフロキシストロビン、及びトリチコナゾール。
【0468】
種子処理剤のために有用な式1の化合物を含む組成物は、細菌、例えば、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)(例えば、菌株GB34)及びバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)(例えば、分離株1582)、根粒菌接種材料/エキステンダー、イソフラボノイド及びリポ-キトオリゴ糖をさらに含むことができる。
【0469】
処理種子は典型的には、種子の100kg当たり約0.1g~1kg(すなわち、処理前の種子の約0.0001~1重量%)の量で本開示の化合物を含む。種子処理のために調合される流動性懸濁液は典型的には、約0.5~約70%の活性成分と、約0.5~約30%のフィルム形成付着剤と、約0.5~約20%の分散剤と、0~約5%の増粘剤と、0~約5%の顔料及び/又は染料と、0~約2%の消泡剤と、0~約1%の保存剤と、0~約75%の揮発性液体希釈剤とを含む。
【0470】
本開示の化合物は、無脊椎有害生物によって消費されるか、又はトラップ、餌ステーションなどのデバイス内で使用される餌組成物中へ組み込むことができる。そのような餌組成物は、(a)活性成分、すなわち生物学的有効量の式1の化合物、それらのNーオキシド、又は塩と;(b)1つ若しくは複数の食品材料と;場合によっては(c)誘引物質と、場合によっては(d)1つ若しくは複数の保湿剤とを含む顆粒の形態にあり得る。約0.001~5%活性成分と、約40~99%食品材料及び/又は誘引物質と;場合によっては約0.05~10%保湿剤とを含む顆粒又は餌組成物であって、非常に低い散布率で、特に直接接触によってよりもむしろ摂食によって致死である活性成分の用量で土壌無脊椎有害生物を駆除するのに有効である顆粒又は餌組成物に注目すべきである。いくつかの食品材料は、食品源及び誘引物質の両方として機能することができる。食品材料は、炭水化物、タンパク質及び脂肪を含む。食品材料の例は、野菜粉、砂糖、デンプン、動物脂、植物油、酵母エキス及び乳固形分である。誘引物質の例は、果実若しくは植物エキス、香料、又は他の動物若しくは植物成分などの、付香剤及び香味剤、フェロモン又は標的無脊椎有害生物を誘引することが知られている他の試剤である。保湿剤、すなわち、湿気保持剤の例は、グリコール及び他のポリオール、グリセリン及びソルビトールである。アリ、シロアリ及びゴキブリからなる群から選択される少なくとも1つの無脊椎有害生物を駆除するために用いられる餌組成物(及びそのような餌組成物を利用する方法)に注目すべきである。無脊椎有害生物を駆除するためのデバイスは、本餌組成物と、餌組成物を受け入れるのに適合したハウジングとを含むことができ、ここで、ハウジングは、無脊椎有害生物が開口部を通過することを可能にするためのサイズの少なくとも1つの開口部を有し、だから無脊椎有害生物はハウジングの外側の場所から餌組成物にアクセスすることができ、そしてここで、ハウジングは、無脊椎有害生物についての潜在的な又は既知の活動の場所に又はその近くに置かれるようにさらに適合させられている。
【0471】
本開示の化合物は、他の補助剤を伴わずに適用することができるが、殆どの場合、適用は、適切な担体、賦形剤、及び界面活性剤とともに、そして場合により、意図する最終用途によって食物と組み合わせた1種若しくは複数の活性成分を含む配合物の適用である。適用の1つの方法は、本開示の化合物の水分散液又は精製油溶液を噴霧することが関与する。噴霧油、噴霧油濃縮、散布機ステッカー、補助剤、他の溶媒、及びピペロニルブトキシドとの組合せは、化合物の有効性を増進させることが多い。非農学的使用のために、このような噴霧は、ポンプを用いて、又は加圧された容器、例えば、加圧されたエアゾールスプレー缶からそれを放出することによって、噴霧容器、例えば、缶、ボトル又は他の容器から適用することができる。このような噴霧組成物は、様々な形態、例えば、噴霧、ミスト、泡、煙又は霧をとることができる。このように、このような噴霧組成物は、場合によっては、噴射剤、発泡剤などをさらに含むことができる。注目すべきは、生物学的有効量の本開示の化合物又は組成物及び担体を含む噴霧組成物である。このような噴霧組成物の一実施形態は、生物学的有効量の本開示の化合物又は組成物及び噴射剤を含む。代表的な噴射剤には、これらに限定されないが、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン、ハイドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ジメチルエーテル、及び上記の混合物が含まれる。注目すべきは、個々に又は組み合わせたものを含めた、カ、ブヨ、サシバエ、メクラアブ、ウマバエ、カリバチ、イエロー・ジャケット、スズメバチ、ダニ、クモ、アリ、ブヨなどからなる群から選択される少なくとも1種の無脊椎有害生物を防除するために使用される、噴霧組成物(及び噴霧容器から分配されるそのような噴霧組成物を利用した方法)である。
【0472】
本開示の一実施形態は、本開示の殺有害生物組成物(界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤と調合された式1の化合物、又は式1の化合物と少なくとも1つの他の殺有害生物剤との調合混合物)を水で希釈する工程と、補助剤を場合によっては添加して希釈組成物を形成する工程と、無脊椎有害生物又はその環境を、有効量の前記希釈組成物と接触させる工程とを含む、無脊椎有害生物の駆除方法に関する。
【0473】
十分な濃度の本殺有害生物組成物を水で希釈することによって形成された噴霧組成物は、無脊椎有害生物を駆除するのに十分な効能を提供することができるが、別々に調合された補助剤生成物をまた、空気圧縮タンク混合物に添加することができる。これらの追加の補助剤は、「噴霧補助剤」又は「タンクミックス補助剤」として一般に知られ、殺有害生物剤の性能を向上させる、又は噴霧混合物の物理的特性を変えるために空気圧縮タンクで混合される任意の物質を含む。補助剤は、界面活性剤、乳化剤、石油ベースの作物油、作物由来種油、酸性化剤、緩衝剤、増粘剤又は消泡剤であり得る。補助剤は、効能(例えば、生物学的利用率、付着性、浸透性、カバレージの一様性及び保護の耐久性)を高めるために、又は不適合性、発泡、ドリフト、蒸発、気化及び分解に関連した噴霧適用問題を最小限にするか若しくは排除するために使用される。最適性能を得るために、補助剤は、活性成分、調合物及び標的(例えば、作物、害虫)の特性に関して選択される。
【0474】
噴霧補助剤の中で、作物油を含む油、作物油濃縮物、植物油濃縮物及びメチル化種油濃縮物が、場合によりより均一な及び一様な噴霧沈着物を促進することによって、殺有害生物剤の効能を向上させるために最も一般的に使用される。油又は他の水と混ざらない液体によって潜在的に引き起こされる植物毒性が懸念される状況では、本開示の組成物から調製される噴霧組成物は一般に、油ベースの噴霧補助剤を含有しないであろう。しかしながら、油ベースの噴霧補助剤によって引き起こされる植物毒性が商業的に重要でない状況では、本発明の組成物から調製される噴霧組成物は、無脊椎有害生物の駆除、並びに雨堅牢性を潜在的にさらに高めることができる、油ベースの噴霧補助剤をまた含有することができる。
【0475】
「作物油」と特定される製品は典型的には、95~98%パラフィン又はナフサベースの石油と、乳化剤として機能する1~2%の1つ若しくは複数の界面活性剤とを含有する。「作物油濃縮物」と特定される製品は典型的には、80~85%の乳化性石油ベースの油と、15~20%の非イオン界面活性剤とからなる。「植物油濃縮物」と正しく特定される製品は典型的には、80~85%の植物油(すなわち、最も一般的には綿、亜麻仁、大豆又はヒマワリからの、種油又は果実油)と、15~20%の非イオン界面活性剤とからなる。補助剤性能は、植物油を、植物油に典型的には誘導される脂肪酸のメチルエステルで置き換えることによって向上させることができる。メチル化種油濃縮物の例としては、MSO(登録商標)Concentrate(UAP-Loveland Products,Inc.)及びPremium MSO Methylated Spray Oil(Helena Chemical Company)が挙げられる。
【0476】
噴霧混合物に添加される補助剤の量は一般に、約2.5容積%を越えず、より典型的にはその量は、約0.1~約1容積%である。噴霧混合物に添加される補助剤の散布率は典型的には、1ヘクタール当たり約1~5Lである。噴霧補助剤の代表例としては、Adigor(登録商標)(Syngenta)液体炭化水素中の47%メチル化菜種油、Silwet(登録商標)(Helena Chemical Company)ポリアルキレンオキシド変性ヘプタメチルトリシロキサン及びAssist(登録商標)(BASF)83%パラフィンベースの鉱油中の17%界面活性剤ブレンドが挙げられる。
【0477】
非農学的適用は、典型的には、獣医学における使用のために配合された組成物の形態での殺寄生生物有効(すなわち、生物学的有効)量の本開示の化合物を、保護される動物に投与することによって、動物、特に、脊椎動物、より特定すると、恒温脊椎動物(例えば、哺乳動物又は鳥)、及び最も特に、哺乳動物を無脊椎動物寄生性有害生物から保護することを含む。したがって、注目すべきは、動物に殺寄生生物有効量の本開示の化合物を投与することを含む、動物を保護するための方法である。本開示及び特許請求の範囲において言及するように、用語「殺寄生生物性」及び「殺寄生生物的に」は、有害生物からの動物の保護を実現する無脊椎寄生性有害生物に対する観察可能な効果を指す。殺寄生生物性効果は典型的には、標的無脊椎動物寄生性有害生物の出現又は活性を減少させることと関連している。有害生物に対するこのような効果は、壊死、死亡、成長の遅延、移動性の減少、又は宿主動物上若しくは中に留まる能力の減少、摂食の低減、及び繁殖の阻害を含む。無脊椎寄生性有害生物に対するこれらの効果は、動物の寄生又は感染の制御(予防、低減又は除去を含めた)を実現する。殺寄生生物有効量の本開示の化合物を保護される動物に投与することによって防除される無脊椎動物寄生性有害生物の例には、外部寄生生物(節足動物、ダニ目など)及び内部寄生生物(蠕虫、例えば、線虫、吸虫、条虫、鈎頭虫など)が含まれる。特に、本開示の化合物は、ハエ、例えば、ノサシバエ(Haematobia (Lyperosia) irritans)(ノサシバエ)、サシバエ(Stomoxys calcitrans)(サシバエ)、シムリウム属(Simulium)の種(ブヨ)、ツェツェバエ属(Glossina)の種(ツェツェバエ)、ヒドロタエア・イリタンス(Hydrotaea irritans)(ヘッドフライ)、ムスカ・アウツムナリス(Musca autumnalis)(フェースフライ)、イエバエ(Musca domestica)(イエバエ)、モレリア・シンプレックス(Morellia simplex)(スウィートフライ)、アブ属(Tabanus)の種(ウマバエ)、ヒポデルマ・ボビス(Hypoderma bovis)、ヒポデルマ・リネアツム(Hypoderma lineatum)、ヒロズキンバエ(Lucilia sericata)、ヒツジキンバエ(Lucilia cuprina)(グリーンブローフライ)、オオクロバエ属(Calliphora)の種(ブローフライ)、プロトフォルミア属(Protophormia)の種、オエストルス・オビス(Oestrus ovis)(ネイサルボットフライ)、サシバエ属(Culicoides)の種(ミジ)、ヒッポボスカ・エキン(Hippobosca equine)、ガストロフィルス・インステスチナリス(Gastrophilus instestinalis)、ガストロフィルス・ハエモロイダリス(Gastrophilus haemorrhoidalis)及びガストロフィルス・ナスリス(Gastrophilus naslis);シラミ、例えば、ボビコラ(ダマリニア)ボビス(Bovicola(Damalinia)bovis)、ボビコラ・エキ(Bovicola equi)、ハエマトピヌス・アシニ(Haematopinus asini)、フェリコラ・スブロストラツス(Felicola subrostratus)、ヘテロドキスス・スピニゲル(Heterodoxus spiniger)、リグノナツス・セトスス(Lignonathus setosus)及びトリコデクテス・カニス(Trichodectes canis);ヒツジシラミバエ、例えば、メロファグス・オビヌス(Melophagus ovinus);ダニ、例えば、キュウセンヒゼンダニ属(Psoroptes)の種、サルコプテス・スカベイ(Sarcoptes scabei)、コリオプテス・ボビス(Chorioptes bovis)、デモデキス・エキ(Demodex equi)、ケイルエチエラ属(Cheyletiella)の種、ノトエドレス・カチ(Notoedres cati)、ツツガムシ属(Trombicula)の種及びオトデクテス・シアノチス(Otodectes cyanotis)(ミミダニ);ダニ、例えば、マダニ属(Ixodes)の種、ウシマダニ属(Boophilus)の種、コイタマダニ属(Rhipicephalus)の種、キララマダニ属(Amblyomma)の種、カクマダニ属(Dermacentor)の種、イボマダニ属(Hyalomma)の種及びチマダニ属(Haemaphysalis)の種;並びにノミ、例えば、シテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)(ネコノミ)及びシテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)(イヌノミ)を含めた外部寄生生物に対して有効である。
【0478】
獣医学セクターにおける非農学的適用は、通常の手段により、例えば、錠剤、カプセル剤、ドリンク、ドレンチ調製物、粒質物、ペースト、ボーラス、フィードスルー手順、若しくは坐剤の形態での経腸投与により;又は非経口投与、例えば、注射(筋内、皮下、静脈内、腹腔内を含めた)若しくは埋込物により;経鼻投与により;例えば、浸漬若しくは液浸、噴霧、洗浄、粉末によるコーティング、又は動物の小領域への適用の形態における、及び本開示の化合物若しくは組成物を含む物品、例えば、首輪、耳標、テイルバンド、肢バンド若しくは端綱を介した局所投与による。
【0479】
典型的には、本開示による殺寄生生物性組成物は、式1の化合物、そのN-オキシド又は塩と、意図する投与経路(例えば、経口、局所又は非経口投与、例えば、注射)に関して、且つ標準的な実務に従って選択される添加剤及び助剤を含む1種若しくは複数の薬学的又は獣医学的に許容される担体との混合物を含む。さらに、適切な担体は、pH及び水分含有量に対する安定性などの考慮を含めた組成物中の1種若しくは複数の活性成分との適合性に基づいて選択される。したがって、注目すべきは、寄生性有効量の本開示の化合物及び少なくとも1種の担体を含む、無脊椎動物寄生性有害生物から動物を保護するための組成物である。
【0480】
静脈内、筋内及び皮下注射を含めた非経口投与のために、本開示の化合物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルジョン中で配合することができ、補助剤、例えば、懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散化剤を含有し得る。注射のための医薬組成物は、好ましくは、医薬製剤の当技術分野において公知のような他の添加剤又は助剤を含有する生理学的に適合性の緩衝液中の、活性成分(例えば、活性化合物の塩)の水溶性形態の水溶液を含む。
【0481】
溶液(吸収のために最も容易に利用可能な形態)、エマルジョン、懸濁液、ペースト、ゲル、カプセル剤、錠剤、ボーラス、粉末、顆粒、ルーメン-リテンション及び飼料/水/リックブロックの形態での経口投与のために、本開示の化合物は、経口投与組成物に適した当技術分野において公知の結合剤/充填剤、例えば、糖(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、米デンプン、バレイショデンプン)、セルロース及び誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース)、タンパク質誘導体(例えば、ゼイン、ゼラチン)、及び合成ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン)とともに配合することができる。必要に応じて、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、崩壊剤(例えば、架橋ポリビニルピロリジノン、寒天、アルギン酸)及び染料又は顔料を加えることができる。ペースト及びゲルはまた、組成物が口腔と接触を続け、且つ容易に排出されないことにおいて補助する接着剤(例えば、アカシア、アルギン酸、ベントナイト、セルロース、キサンタンガム、コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム)を含有することが多い。
【0482】
殺寄生生物性組成物が飼料濃縮物の形態である場合、担体は典型的には、高性能飼料、穀類飼料又はタンパク質濃縮物から選択される。このような飼料濃縮物含有組成物は、殺寄生生物性活性成分に加えて、動物の健康若しくは成長を促進し、屠殺のために動物からの肉の質を改善させる添加物、又は他に畜産にとって有益である添加物を含むことができる。これらの添加物は、例えば、ビタミン、抗生物質、化学療法剤、制菌剤、制真菌薬、抗コクシジウム剤及びホルモンを含むことができる。
【0483】
本開示の化合物は、経口投与及び摂取からの全身的利用可能性を実現する都合よい薬物動態学的及び薬力学的特性を有することが発見されてきた。したがって、保護される動物による摂取の後、血流中の殺寄生生物有効濃度の本開示の化合物は、処置された動物を吸血有害生物、例えば、ノミ、ダニ及びシラミから保護する。したがって、注目すべきは、経口投与(すなわち、殺寄生生物有効量の本開示の化合物に加えて、経口投与に適した結合剤及び充填剤、並びに飼料濃縮物担体から選択される1種若しくは複数の担体を含む)のための形態の、動物を無脊椎寄生性有害生物から保護するための組成物である。
【0484】
局所投与のための配合物は典型的には、粉末、クリーム、懸濁液、スプレー、エマルジョン、泡、ペースト、エアゾール、軟膏剤、軟膏又はゲルの形態である。より典型的には、局所配合物は、使用前に希釈される濃縮物の形態でよい水溶性溶液である。局所投与に適した殺寄生生物性組成物は典型的には、本開示の化合物及び1種若しくは複数の局所的に適切な担体を含む。ライン又はスポットとしての動物の外面への局所的な殺寄生生物性組成物の適用(すなわち、「スポットオン」処理)において、活性成分は、動物の表面に亘り移動し、その外部表面積の大部分又は全てカバーする。その結果、処置された動物は、動物の表皮に寄生する無脊椎有害生物、例えば、ダニ、ノミ及びシラミから特に保護される。したがって、局所局部的投与のための配合物は、皮膚を亘る活性成分の輸送及び/又は動物の表皮への浸透を促進する少なくとも1種の有機溶媒を含むことが多い。このような配合物中で担体として一般に使用される溶媒には、プロピレングリコール、パラフィン、芳香族化合物、エステル、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、グリコールエーテル、並びにアルコール、例えば、エタノール及びn-プロパノールが含まれる。
【0485】
有効な防除のために必要とされる適用の割合(すなわち、「生物学的有効量」)は、防除される無脊椎動物の種、有害生物の生活環、ライフステージ、そのサイズ、場所、時節、宿主作物又は動物、摂食行動、交尾行動、周囲水分、温度などなどの要因によって決まる。通常の状況下で、1ヘクタール当たり約0.01~2kgの活性成分の散布量は、農学的生態系において有害生物を防除するのに十分であるが、せいぜい0.0001kg/ヘクタールは十分であり得るか、又は8kg/ヘクタールと同量を必要とし得る。非農学的適用のために、有効な使用割合は、約1.0~50mg/平方メートルの範囲であるが、せいぜい0.1mg/平方メートルは十分であり得るか、又は150mg/平方メートルと同量を必要とし得る。当業者は、望ましいレベルの無脊椎有害生物防除にとって必要である生物学的有効量を容易に決定することができる。
【0486】
一般に、獣医学における使用のために、式1の化合物、そのN-オキシド又は塩は、無脊椎寄生性有害生物から保護される動物に殺寄生生物有効量で投与される。殺寄生生物有効量は、観察可能な効果を達成して、標的無脊椎寄生性有害生物の出現又は活性を減少させるのに必要とされる活性成分の量である。寄生性有効用量は、本開示の様々な化合物及び組成物、望ましい寄生性効果及び期間、標的無脊椎有害生物種、保護される動物、適用のモードなどのために変化することができ、特定の結果を達成するのに必要とされる量は、単純な実験法によって決定することができることを当業者は認識する。
【0487】
恒温動物への経口投与のために、本開示の化合物の1日投与量は典型的には、約0.01mg/kg~約100mg/kg、より典型的には、約0.5mg/kg~約100mg/kg(動物体の体重)の範囲である。局所(例えば、皮膚)投与のために、ディップ及びスプレーは典型的には、約0.5ppm~約5000ppm、より典型的には、約1ppm~約3000ppmの本開示の化合物を含有する。
【0488】
本明細書に記載の方法によって調製された本開示の化合物を索引表Aにおいて示す。Meは、メチルを意味し、Etは、エチルを意味し、c-Prは、シクロ-プロピルを意味する。略語「Cmpd.No.」は、「化合物番号」を表し、略語「Ex.」は、「実施例」を表し、どの実施例において化合物が調製されるかを示す数字が続く。略語「m.p.」は、融点を表す。構造フラグメントにおける波線又は「-」は、分子の残部へのフラグメントの付着点を示す。「MS」欄において報告する数値は、最も高い同位体存在度を有する分子へのH+(1の分子量)の添加によって形成される最も高い同位体存在度の正に帯電している親イオン(M+1)、又はH+(1の分子量)の喪失によって形成される最も高い同位体存在度の負に帯電しているイオン(M-1)の分子量である。より低い存在度の1つ若しくは複数のより高い原子量の同位体(例えば、37Cl、81Br)を含有する分子イオンの存在は報告しない。報告するMSピークは、エレクトロスプレーイオン化(ESI)又は大気圧化学イオン化(APCI)を使用して質量分析法によって観察された。X欄におけるダッシュ「-」は、「X」がT置換基(例えば、T-9)において存在しないことを意味する。
【0489】
索引表Aにおいて、J-1~J-5は、提示5において下記で定義するような下記の意味を有する。下記で例示するように、左に突出する結合は、基Tの位置Jにおいて接続している。
【0490】
【0491】
【0492】
【0493】
下記の試験は、特定の有害生物に対する本開示の化合物の防除有効性を示す。「防除有効性」は、相当に低減された摂食をもたらす無脊椎有害生物の発生の阻害(死亡率を含めた)を表す。しかし、化合物によってもたらされる有害生物防除保護は、これらの種に限定されない。化合物の説明について索引表Aを参照されたい。
【0494】
生物学的実施例
試験A~Gについての配合及び噴霧方法
試験化合物は、10%のアセトン、90%の水及び300ppmのActivator90(登録商標)非イオン性界面活性剤(Loveland Products、Loveland、Colorado、USA)を含有する溶液を使用して配合した。配合した化合物を、各試験ユニットの上部上の1.27cm(0.5インチ)上に配置したアトマイザーノズルによって1mLの液体中で施用した。試験化合物を示した割合で噴霧し、各試験を3回反復した。
【0495】
試験A
コナガ(コナガ(Plutella xylostella)(L.))の防除を評価するために、試験ユニットは、内側に12~14日齢のカラシナ植物を有する小さな開放容器からなった。接種器を使用して、トウモロコシの穂軸粗粒子を介して試験ユニット中に供給した約50匹の新生幼虫をこれに事前外寄生させた。幼虫は試験ユニット中に供給された後に試験植物上へと移動した。
【0496】
試験化合物を配合し、2及び0.4ppmで噴霧した。配合した試験化合物の噴霧の後、各試験ユニットを1時間乾燥させ、次いで、黒色の網を張ったキャップを上部に置いた。試験ユニットを成長チャンバーにおいて25℃及び70%相対湿度にて6日間保持した。次いで、植物摂食による損傷を消費した群葉に基づいて視覚的にアセスメントし、幼虫を死亡率についてアセスメントした。
【0497】
2ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、非常に良好から優れたレベルの防除有効性(40%若しくはそれ未満の摂食による損傷及び/又は100%の死亡率)をもたらした:1、2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、23、24、25、27、28、29、30、31、及び32。
【0498】
0.4ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、非常に良好から優れたレベルの防除有効性(40%若しくはそれ未満の摂食による損傷及び/又は100%の死亡率)をもたらした:1、5、6、7、10、11、12、13、14、16、23、24、28、30、及び31。
【0499】
試験B
ツマジロクサヨトウ(スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(J.E.Smith))の防除を評価するために、試験ユニットは、内側に4~5日齢のトウモロコシ(メイズ)植物を有する小さな開放容器からなった。一片の昆虫食餌上に10~15匹の1日齢の幼虫を事前外寄生させた。
【0500】
試験化合物を配合し、2及び0.4ppmで噴霧した。配合した試験化合物の噴霧の後、試験ユニットを成長チャンバーにおいて25℃及び70%相対湿度にて6日間維持した。次いで、植物摂食による損傷を消費した群葉に基づいて視覚的にアセスメントし、幼虫を死亡率についてアセスメントした。
【0501】
2ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、非常に良好から優れたレベルの防除有効性(40%若しくはそれ未満の摂食による損傷及び/又は100%の死亡率)をもたらした:1、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、23、24、27、28、29、30、及び31。
【0502】
0.4ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、非常に良好から優れたレベルの防除有効性(40%若しくはそれ未満の摂食による損傷及び/又は100%の死亡率)をもたらした:1、5、7、10、13、14、23、及び30。
【0503】
試験C
接触及び/又は全身的手段によるコーンプラントホッパー(ペレグリヌス・マイディス(Peregrinus maidis)(Ashmead))の防除を評価するために、試験ユニットは、内側に3~4日齢のトウモロコシ(メイズ)植物を有する小さな開放容器からなった。試験化合物の施用の前に白色の砂を土壌の上部へと加えた。
【0504】
試験化合物を配合し、50及び10ppmで噴霧した。配合した試験化合物の噴霧の後、試験ユニットを1時間乾燥させ、その後、これらに約15~20匹の若虫(18~21日齢)を事後外寄生させた。黒色の網を張ったキャップを各試験ユニットの上部上に置き、試験ユニットを成長チャンバーにおいて22~24℃及び50~70%相対湿度にて6日間保持した。次いで、各試験ユニットを昆虫死亡率について視覚的にアセスメントした。
【0505】
50ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、少なくとも80%の死亡率をもたらした:1及び23。
【0506】
10ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、少なくとも80%の死亡率をもたらした:23。
【0507】
試験D
接触及び/又は全身的手段によるポテトリーフホッパー(エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae)(Harris))の防除を評価するために、試験ユニットは、内側に5~6日齢のソレイユビーン植物(初生葉が出現)を有する小さな開放容器からなった。白色の砂を土壌の上部へと加え、試験化合物の施用の前に初生葉の1つを切除した。
【0508】
試験化合物を配合し、50及び10ppmで噴霧した。配合した試験化合物の噴霧の後、試験ユニットを1時間乾燥させ、その後、これらに5匹のポテトリーフホッパー(18~21日齢の成虫)を事後外寄生させた。黒色の網を張ったキャップを試験ユニットの上部上に置き、試験ユニットを成長チャンバーにおいて20℃及び70%相対湿度にて6日間保持した。次いで、各試験ユニットを昆虫死亡率について視覚的にアセスメントした。
【0509】
50ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、少なくとも80%の死亡率をもたらした:1、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、23、26、及び27。
【0510】
10ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、少なくとも80%の死亡率をもたらした:1、6、7、11、13、14、16、及び23。
【0511】
試験E
接触及び/又は全身的手段によるモモアカアブラムシ(モモアカアブラムシ(Myzus persicae)(Sulzer))の防除を評価するために、試験ユニットは、内側に12~15日齢のダイコン植物を有する小さな開放容器からなった。培養植物から切除した一片の葉上に試験植物の葉上に30~40匹のアブラムシを置くことによって、これを事前外寄生させた(切断葉法)。葉片が乾燥するにつれアブラムシは試験植物上へと移動した。事前外寄生の後に、試験ユニットの土壌を砂の層で覆った。
【0512】
試験化合物を配合し、50及び10ppmで噴霧した。配合した試験化合物の噴霧の後、各試験ユニットを1時間乾燥させ、次いで、黒色の網を張ったキャップを上部に置いた。試験ユニットを成長チャンバーにおいて19~21℃及び50~70%相対湿度にて6日間保持した。次いで、昆虫死亡率について各試験ユニットを視覚的にアセスメントした。
【0513】
50ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、少なくとも80%の死亡率をもたらした:1、6、7、10、13、及び23。
【0514】
10ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、少なくとも80%の死亡率をもたらした:10及び23。
【0515】
試験F
接触及び/又は全身的手段によるワタメロンアブラムシ(ワタアブラムシ(Aphis gossypii)(Glover))の防除を評価するために、試験ユニットは、内側に5日齢のオクラ植物を有する小さな開放容器からなった。これを切断葉法により一片の葉上で30~40匹の昆虫を事前外寄生させ、試験ユニットの土壌を砂の層で覆った。
【0516】
試験化合物を配合し、50及び10ppmで噴霧した。噴霧の後、試験ユニットを成長チャンバーにおいて19℃及び70%相対湿度にて6日間維持した。次いで、各試験ユニットを昆虫死亡率について視覚的にアセスメントした。
【0517】
50ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、少なくとも80%の死亡率をもたらした:1、6、7、10、12、13、23、30、及び31。
【0518】
10ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、少なくとも80%の死亡率をもたらした:23。
【0519】
試験G
接触及び/又は全身的手段によるミカンキイロアザミウマ(ミカンキイロアザミウマ(Frankliniellla occidentalis)(Pergande))の防除を評価するために、試験ユニットは、内側に8~9日齢のソレイユビーン植物を有する小さな開放容器からなった。
【0520】
試験化合物を配合し、2及び0.4ppmで噴霧した。噴霧の後、試験ユニットを1時間乾燥させ、次いで、約90匹のアザミウマ(成虫及び若虫)を各ユニットに加えた。黒色の網を張ったキャップを上部に置き、試験ユニットを25℃及び45~55%相対湿度にて6日間保持した。次いで、植物損傷及び昆虫死亡率について各試験ユニットを視覚的にアセスメントした。
【0521】
2ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、非常に良好から優れたレベルの防除有効性(30%若しくはそれ未満の植物損傷及び/又は100%の死亡率)をもたらした:5、6、7、8、10、11、12、13、14、16、23、24、28、及び30。
【0522】
0.4ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、非常に良好から優れたレベルの防除有効性(30%若しくはそれ未満の植物損傷及び/又は100%の死亡率)をもたらした:6、7、及び10。
【国際調査報告】