(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-25
(54)【発明の名称】電気化学セル内のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ、およびそれを使用および製造する方法
(51)【国際特許分類】
C25B 13/02 20060101AFI20240618BHJP
C25B 9/73 20210101ALI20240618BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20240618BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20240618BHJP
C25B 9/23 20210101ALI20240618BHJP
C25B 11/031 20210101ALI20240618BHJP
【FI】
C25B13/02 302
C25B9/73
C25B9/00 A
C25B1/04
C25B9/23
C25B11/031
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574158
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 US2021065005
(87)【国際公開番号】W WO2022256043
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523331876
【氏名又は名称】ベルダジー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マクウェイド, トーマス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ギリアム, ライアン ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4K011
4K021
【Fターム(参考)】
4K011AA10
4K011AA11
4K011DA01
4K021AA01
4K021BA02
4K021DA04
4K021DA09
4K021DA11
4K021DB04
4K021DB11
4K021DB12
4K021DB49
4K021DB53
4K021DC03
4K021EA02
(57)【要約】
独特のリブおよび溶接部構成を備えているアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリを含む、電気化学セルおよび/または電解装置、およびそれらを使用および製造する方法が、本明細書において提供される。アノードおよび/またはカソードパンの内側の1つ以上のリブの数は、約1~75個である。一実施形態において、1つ以上のリブの厚さは、約1~3mmである。一実施形態において、1つ以上のリブの高さは、約10~110mmである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノードおよび/またはカソードパンアセンブリであって、前記アノードおよび/またはカソードパンアセンブリは、
アノードおよび/またはカソードパンと、
1つ以上のリブであって、前記1つ以上のリブは、前記アノードおよび/または前記カソードパンの内側に垂直に位置付けられている、1つ以上のリブと、
前記1つ以上のリブに溶接された電極と、
前記電極を前記1つ以上のリブに溶接する1つ以上の溶接部と
を備えている、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項2】
前記アノードおよび/または前記カソードパンの内側の前記1つ以上のリブの数は、約1~75個である、請求項1に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項3】
前記1つ以上のリブの厚さは、約1~3mmである、請求項1または請求項2に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項4】
前記1つ以上のリブの高さは、約10~110mmである、請求項1-3のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項5】
2つ以上のリブ間のピッチは、約40~200mmである、請求項1-4のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項6】
前記1つ以上のリブの各々は、1つ以上の切り込みと、1つ以上の隆起とを備えている、請求項1-5のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項7】
前記電極は、平面電極またはエキスパンドメタルまたはメッシュである、請求項1-6のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項8】
前記エキスパンドメタルまたは前記メッシュ電極の各ストランドは、約0.5~3mmの厚さを有する、請求項7に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項9】
前記1つ以上の溶接部は、線、スポット、パターン、またはそれらの組み合わせの形態である、請求項1-8のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項10】
前記スポットの形態であるリブあたりの前記1つ以上の溶接部の数は、リブあたり約10~50個の溶接部である、請求項9に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項11】
2つ以上の溶接部が前記スポットの形態であるときの前記溶接部間の距離は、xおよびy方向において独立して約25~200mmである、請求項9または10に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項12】
前記線の形態であるリブあたりの前記1つ以上の溶接部の数は、リブあたり約1~75個の溶接部である、請求項9に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項13】
2つ以上の溶接部が前記線の形態であるときの前記溶接部間の距離は、xおよびy方向において独立して約40~200mmである、請求項9または12に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項14】
前記パターンは、ドット、ドットのアレイ、破線、スポット、線セグメント、長線、長円形幾何学形状、長方形幾何学形状、円形幾何学形状、六角形幾何学形状、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項9に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項15】
各溶接部の断面積は、約6mm
2~3,300mm
2である、請求項1-14のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項16】
溶接部面積に対する電極面積の比率は、15倍~2,000倍の範囲内である、請求項1-15のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項17】
前記アノードおよび/または前記カソードパンアセンブリは、約300mA/cm
2~6,000mA/cm
2の高電流密度で動作する電気化学セルの内側にある、請求項1-16のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項18】
各溶接部を通した前記電流密度は、6A/mm
2未満である、請求項1-17のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項19】
前記アノードおよび/または前記カソードパンアセンブリは、それぞれ、約200~10,000kg/時の高流量のアノード液またはカソード液を備えている、請求項1-18のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項20】
前記1つ以上のリブの前記厚さ、前記1つ以上のリブの前記高さ、前記1つ以上のリブ間の前記ピッチ、リブあたりの前記溶接部の前記数、各溶接部間の前記距離、各溶接部の前記断面積、および/または溶接部面積に対する電極面積の比率は、前記セルの内部温度に対する高い、潜在的に増減する電力消散率の影響を最小化し、高い局所温度、機械的侵食、および/または疲労に起因する膜損傷を防止する、請求項1-19のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項21】
前記アノードおよび/または前記カソードパンアセンブリは、水素ガス生産電気化学セルの内側にある、請求項1-20のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項22】
アノード液および/またはカソード液をさらに備え、前記アノード液および/または前記カソード液は、アルカリ溶液を備えている、請求項1-21のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
【請求項23】
電気化学セルであって、前記電気化学セルは、請求項1-22のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されたイオン交換膜とを備えている、電気化学セル。
【請求項24】
多数の請求項23に記載の個々の電気化学セルを備えている電解装置。
【請求項25】
方法であって、前記方法は、
電気化学セルのアノードおよび/またはカソードパンの内側に1つ以上のリブを垂直に位置付けることと、
前記1つ以上のリブの上に電極を位置付けることと、
1つ以上の溶接部を通して前記電極を前記1つ以上のリブに溶接することと
を含む、方法。
【請求項26】
前記電極を前記1つ以上のリブと直角に設置することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記電気化学セルの前記アノードおよび/またはカソードパンの内側に1~75個のリブを垂直に位置付けることをさらに含む、請求項25-26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
約1~3mmである前記1つ以上のリブの前記厚さ、約10~110mmである前記1つ以上のリブの高さ、および/または約40~200mmである2つ以上のリブ間のピッチを提供することをさらに含む、請求項25-27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記1つ以上のリブの各々は、1つ以上の切り込みと、1つ以上の隆起とを備えている、請求項25-28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記電極は、平面電極またはエキスパンドメタルまたはメッシュである、請求項25-29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
約0.5~3mmの厚さを有する前記エキスパンドメタルまたは前記メッシュ電極の各ストランドを提供することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
線、スポット、パターン、またはそれらの組み合わせの形態における前記1つ以上の溶接部を提供することをさらに含む、請求項25-31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
リブあたり約10~50個の溶接部である前記スポットの形態であるリブあたりの前記1つ以上の溶接部の数を提供することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
2つ以上の溶接部が前記スポットの形態であるとき、xおよびy方向において独立して約25~200mmである前記溶接部の各々の間の距離を提供することをさらに含む、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
リブあたり約1~75個の溶接部である前記線の形態であるリブあたりの前記1つ以上の溶接部の数を提供することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
2つ以上の溶接部が前記線の形態であるとき、xおよびy方向において独立して約40~200mmである前記溶接部の各々の間の距離を提供することをさらに含む、請求項32または35に記載の方法。
【請求項37】
約6mm
2~3,300mm
2である各溶接部の断面積を提供することをさらに含む、請求項25-36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
15倍~2,000倍の範囲内の溶接部面積に対する電極面積の比率を提供することをさらに含む、請求項25-37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
約200~10,000kg/時の高流量のアノード液またはカソード液の下で、前記アノードおよび/または前記カソードパンアセンブリをそれぞれ動作させることをさらに含む、請求項25-38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
電気化学セルを組み立てるために前記アノードおよび/または前記カソードパンアセンブリを位置付け、約300mA/cm
2~6,000mA/cm
2の高電流密度で前記電気化学セルを動作させることをさらに含む、請求項25-39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記電気化学セルは、水素ガス生産セルである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記セルの内部温度に対する増減する電力消散の影響を最小化することをさらに含む、請求項25-41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
高い局所温度、機械的侵食、および/または疲労に起因する膜損傷を防止することをさらに含む、請求項25-42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
アノードおよび/またはカソードパンアセンブリを製造するためのプロセスであって、前記プロセスは、
電気化学セルのアノードおよび/またはカソードパンの内側に1つ以上のリブを垂直に位置付けることと、
前記1つ以上のリブの上に電極を位置付けることと、
1つ以上の溶接部を通して前記電極を前記1つ以上のリブに溶接することと
を含む、プロセス。
【請求項45】
前記電気化学セルの前記アノードおよび/またはカソードパンの内側に前記1つ以上のリブを冶金的に取り付けることを含む、請求項44に記載のプロセス。
【請求項46】
電気化学セルを組み立てるためのプロセスであって、前記プロセスは、
請求項1-22のいずれか1項に記載のアノードパンアセンブリをカソードパンとカソードとを備えているカソードパンアセンブリと一緒に接合することによって、個々の電気化学セルを組み立てること、または、
請求項1-22のいずれか1項に記載のカソードパンアセンブリをアノードパンとアノードとを備えているアノードパンアセンブリと一緒に接合することによって、個々の電気化学セルを組み立てること、または、
請求項1-22のいずれか1項に記載のアノードパンアセンブリとカソードパンアセンブリとを一緒に接合することによって、個々の電気化学セルを組み立てること、および、
前記アノードパンアセンブリと前記カソードパンアセンブリとを並列に設置し、イオン交換膜によってそれらを分離すること、および、
前記電気化学セルにセル電流および電解原料をフィーダを用いて供給すること
を含む、プロセス。
【請求項47】
前記電気化学セルは、水素ガス生産セルである、請求項46に記載のプロセス。
【請求項48】
電解装置を組み立てるためのプロセスであって、前記プロセスは、
請求項46または47に記載の個々の電気化学セルを組み立てることと、
複数の前記組み立てられた電気化学セルをスタックにおいて並んで設置し、前記電気化学セル間の電気接触を維持するためにそれらを一緒に固定することと
を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、それらの各々が、本明細書に完全に組み込まれる2021年6月1日に出願された米国仮出願第63/195,531号の利益を主張する2021年12月21日に出願された米国特許出願第17/557,467号の継続出願である。
【0002】
水素は、多くの不可欠な化学プロセスのために要求されるので、水素の生産は、いかなる工業化社会においても重要な役割を果たす。2019年時点で、年間約7,000万トンの水素が、石油精製、およびアンモニア(ハーバー法を通して)およびメタノール(一酸化炭素の還元を通して)の生産において、輸送における燃料としても等、種々の使用のために世界中で生産され得る。
【0003】
水素の大部分(約95%)は、天然ガスの水蒸気変成、メタンの部分酸化、および石炭ガス化によって、化石燃料から生産され得る。水素生産の他の方法は、バイオマスガス化、CO2を排出しないメタン熱分解、および水の電解を含む。電解は、電気を使用し、水を水素および酸素に分解することから成る。しかしながら、全ての方法およびシステムは、概して、化石燃料ベースの生産方法より高価であり、化石燃料ベースの方法は、環境を破壊する。したがって、費用競争力があり、環境に配慮した水素ガス生産電解システムに関する必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
例えば、化石燃料の商業的に説得力のある代替を可能にし得るイオン交換膜(IEM)水電解技術における水素ガス生産等の電解プロセスを実行するように設計された電気化学セルにおいて使用されるアノードパンアセンブリおよび/またはカソードパンアセンブリ構成に関連する方法およびシステムが、本明細書において提供される。本明細書に提供されるアノードパンアセンブリおよび/またはカソードパンアセンブリ構成は、高電流密度での電気化学セルの動作を可能にする独特のリブおよび溶接部構成を含む。高電流密度での生産に起因して、標的化生産率が、より少ないセルで満たされ、それによって、資本経費を削減し、電解システムを水素ガス生産のための実行可能な源にし得る。
【0005】
一側面において、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリが、提供され、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリは、アノードおよび/またはカソードパンと、1つ以上のリブであって、1つ以上のリブは、アノードおよび/またはカソードパンの内側に垂直に位置付けられている、1つ以上のリブと、1つ以上のリブに溶接された電極と、電極を1つ以上のリブに溶接する1つ以上の溶接部とを備えている。
【0006】
前述の側面のいくつかの実施形態において、アノードおよび/またはカソードパンの内側の1つ以上のリブの数は、約1~75個である。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、1つ以上のリブの厚さは、約1~3mmである。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、1つ以上のリブの高さは、約10~110mmである。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、2つ以上のリブ間のピッチは、約40~200mmである。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、1つ以上のリブの各々は、1つ以上の切り込みと、1つ以上の隆起とを備えている。
【0007】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、電極は、平面電極またはエキスパンドメタルまたはメッシュである。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、エキスパンドメタルまたはメッシュ電極の各ストランドは、約0.5~3mmの厚さを有する。
【0008】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、1つ以上の溶接部は、線、スポット、パターン、またはそれらの組み合わせの形態である。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、スポットの形態であるリブあたりの1つ以上の溶接部の数は、リブあたり約10~50個の溶接部である。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、2つ以上の溶接部がスポットの形態であるときの溶接部の各々の間の距離は、xおよびy方向において独立して約25~200mmである。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、線の形態であるリブあたりの1つ以上の溶接部の数は、リブあたり約1~75個の溶接部である。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、2つ以上の溶接部が線の形態であるときの溶接部の各々の間の距離は、xおよびy方向において独立して約40~200mmである。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、パターンは、ドット、ドットのアレイ、破線、スポット、線セグメント、長線、長円形幾何学形状、長方形幾何学形状、円形幾何学形状、六角形幾何学形状、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0009】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、各溶接部の断面積は、約6mm2~3,300mm2である。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、溶接部面積に対する電極面積の比率は、15倍~2,000倍の範囲内である。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、各溶接部を通した電流密度は、6A/mm2未満である。
【0010】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリは、それぞれ、約200~10,000kg/時の高流量のアノード液またはカソード液を備えている。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリは、約300mA/cm2~6,000mA/cm2の高電流密度で起動する電気化学セルの内側にある。
【0011】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、1つ以上のリブの厚さ、1つ以上のリブの高さ、1つ以上のリブ間のピッチ、リブあたりの溶接部の数、各溶接部間の距離、各溶接部の断面積、および/または溶接部面積に対する電極面積の比率は、セルの内部温度に対する高い、潜在的に増減する電力消散率の影響を最小化し、高い局所温度、機械的侵食、および/または疲労に起因する膜損傷を防止する。
【0012】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリは、水素ガス生産電気化学セルの内側にある。いくつかの実施形態において、水素ガス生産電気化学セルにおいて、水素が、カソードにおいて発生させられ、酸素が、アノードにおいて発生させられる。
【0013】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリは、それぞれ、アノード液および/またはカソード液等の電解質をさらに備え、アノード液および/またはカソード液は、アルカリ溶液を備えている。
【0014】
一側面において、電気化学セルが、提供され、電気化学セルは、前述の側面および実施形態のいずれかに記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリと、アノードとカソードとの間に配置されたイオン交換膜とを備えている。電気化学セルにおいて、前述のアノードパンアセンブリ(カソードパンとカソードとを備えている通常または従来のカソードパンアセンブリを伴う)または前述のカソードパンアセンブリ(アノードパンとアノードとを備えている通常または従来のアノードパンアセンブリを伴う)のいずれか、またはアノードパンアセンブリおよびカソードパンアセンブリの両方が、存在し得、したがって、それらの構成の全てが、十分に本開示の範囲内であることを理解されたい。
【0015】
一側面において、多数の個々の前述の電気化学セルを備えている電解装置が、提供される。
【0016】
一側面において、方法が、提供され、方法は、電気化学セルのアノードおよび/またはカソードパンの内側に1つ以上のリブを垂直に位置付けることと、1つ以上のリブの上に電極を位置付けることと、1つ以上の溶接部を通して電極を1つ以上のリブに溶接することとを含む。
【0017】
前述の側面のいくつかの実施形態において、方法は、電極を1つ以上のリブと直角に設置することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、電気化学セルのアノードおよび/またはカソードパンの内側に1~75個のリブを垂直に位置付けることをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、約1~3mmである1つ以上のリブの厚さ、約10~110mmである1つ以上のリブの高さ、および/または約40~200mmである2つ以上のリブ間のピッチを提供することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、1つ以上のリブの各々は、1つ以上の切り込みと、1つ以上の隆起とを備えている。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、電極は、平面電極またはエキスパンドメタルまたはメッシュである。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、約0.5~3mmの厚さを有するエキスパンドメタルまたはメッシュ電極の各ストランドを提供することをさらに含む。
【0018】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、線、スポット、パターン、またはそれらの組み合わせの形態における1つ以上の溶接部を提供することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、リブあたり約10~50個の溶接部であるスポットの形態であるリブあたりの1つ以上の溶接部の数提供することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、2つ以上の溶接部がスポットの形態であるとき、xおよびy方向において独立して約25~200mmである溶接部の各々の間の距離提供することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、リブあたり約1~75個の溶接部である線の形態であるリブあたりの1つ以上の溶接部の数提供することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、2つ以上の溶接部が線の形態であるとき、xおよびy方向において独立して約40~200mmである溶接部の各々の間の距離を提供することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、約6mm2~3,300mm2である各溶接部の断面積を提供することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、15倍~2,000倍の範囲内の溶接部面積に対する電極面積の比率を提供することをさらに含む。
【0019】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、約200~10,000kg/時の高流量のアノード液またはカソード液の下で、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリをそれぞれ動作させることをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、電気化学セルを組み立てるためにアノードおよび/またはカソードパンアセンブリを位置付け、約300mA/cm2~6,000mA/cm2の高電流密度で電気化学セルを起動することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、電気化学セルは、水素ガス生産セルである。
【0020】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、セルの内部温度に対する増減する電力消散の影響を最小化することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、高い局所温度、機械的侵食、および/または疲労に起因する膜損傷を防止することをさらに含む。
【0021】
一側面において、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリを製造するためのプロセスが、提供され、プロセスは、電気化学セルのアノードおよび/またはカソードパンの内側に1つ以上のリブを垂直に位置付けることと、1つ以上のリブの上に電極を位置付けることと、1つ以上の溶接部を通して電極を1つ以上のリブに溶接することとを含む。前述の側面のいくつかの実施形態において、プロセスは、電気化学セルのアノードおよび/またはカソードパンの内側に1つ以上のリブを冶金的に取り付けることを含む。
【0022】
一側面において、電気化学セルを組み立てるためのプロセスが、提供され、プロセスは、
前述のアノードパンアセンブリをカソードパンとカソードとを備えているカソードパンアセンブリと一緒に接合することによって、個々の電気化学セルを組み立てること、または、
前述のカソードパンアセンブリをアノードパンとアノードとを備えているアノードパンアセンブリと一緒に接合することによって、個々の電気化学セルを組み立てること、または、
前述のアノードパンアセンブリと前述のカソードパンアセンブリとを一緒に接合することによって、個々の電気化学セルを組み立てること、および、
アノードパンアセンブリとカソードパンアセンブリとを並列に設置し、イオン交換膜によってそれらを分離すること、および、
電気化学セルにセル電流および電解原料をフィーダを用いて供給することを含む。
【0023】
前述の側面のいくつかの実施形態において、電気化学セルは、水素ガス生産セルである。
【0024】
一側面において、電解装置を組み立てるためのプロセスが、提供され、プロセスは、前述の個々の電気化学セルを組み立てることと、複数の組み立てられた電気化学セルをスタックにおいて並んで設置し、電気化学セル間の電気接触を維持するためにそれらを一緒に固定することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の新規の特徴が、添付される請求項に詳細に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解が、本発明の原理が利用される例証的実施形態を記載する以下の詳細な説明、および付随の図面を参照することによって取得され得る。
【0026】
【
図1】
図1は、1つ以上のリブと、電極と、電極をリブに溶接する1つ以上の溶接部とを備えているアノードパンアセンブリまたはカソードパンアセンブリに関連するいくつかの実施形態を図示する。左側の図は、アセンブリの正面図を図示し、右側の図は、アセンブリの側面図の断面を図示する。
【0027】
【
図2】
図2は、アノードパンまたはカソードパンの内側の1つ以上のリブの断面および拡大図に関連するいくつかの実施形態を図示する。
【0028】
【
図3】
図3Aおよび3Bは、アノードパンまたはカソードパンの内側の1つ以上のリブの断面および拡大図に関連するいくつかの実施形態を図示する。
【0029】
【
図4】
図4は、1つ以上のリブと、電極と、電極をリブに溶接する1つ以上の溶接部とを備えているアノードパンアセンブリまたはカソードパンアセンブリの断面および拡大図に関連するいくつかの実施形態を図示する。
【0030】
【
図5】
図5は、パンに溶接されるリブに溶接される電極の断面を備えているシミュレートされたモデルを図示する(本明細書の実施例1に説明される)。
【発明を実施するための形態】
【0031】
独特のリブおよび溶接部構成を備えているアノードパンアセンブリおよび/またはカソードパンアセンブリに関連する構成要素、方法、および電気化学セルが、本明細書において提供され、パンアセンブリは、例えば、IEM(例えば、アニオン交換膜(AEM)アルカリ水電解技術等)における高電流密度での水素ガス生産等の電解プロセスを実行するために設計されている。
【0032】
典型的に、商業的なアルカリ水電解セルは、100~400mA/cm2において動作し得る。例えば、商業的な塩素アルカリ電気化学セルは、典型的に、最大約500mA/cm2の電流密度において動作し得る。しかしながら、出願人は、オペレータが、より少ないセルでそれらの標的化生産率を満たし、それによって、資本経費を削減し得るように、高電流密度で動的に動作し得る独特の電気化学セルおよびその構成要素を設計した。さらに、セルの高い動作電流密度の範囲は、オペレータに大きいターンダウン比を提供し、オペレータが、電力価格が低いとき、生産を最大化し、電力価格が高いとき、電力消費を減らすことを可能にし得る。
【0033】
本発明がより詳細に説明される前に、本発明が、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、当然ながら、変動し得ることを理解されたい。さらに、本明細書に使用される専門用語が、特定の実施形態を説明する目的のみのためのものであり、本発明の範囲は、添付される請求項によってのみ限定されるであろうから、限定であることを意図していないことを理解されたい。
【0034】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別様に決定付けない限り、その範囲の上限と下限との間の下限の単位の10分の1までの各介在する値、およびその記載される範囲内の任意の他の記載される、または介在する値が、本発明内に包含されることを理解されたい。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立してより小さい範囲内に含まれ得、また、記載される範囲内の任意の具体的に除外される限界に従って、本発明内に包含される。記載される範囲が限界のうちの一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のうちの一方または両方を除外する範囲も、本発明内に含まれる。
【0035】
数値で本明細書に提示されるある範囲は、「約」数値として解釈され得る。「約」は、これが先行する厳密な数、およびその用語が先行する数に近い、またはそれに近似する数に関する文言上の支援を提供するためのものである。数が具体的に列挙される数に近い、またはそれに近似するかどうかを決定することにおいて、近い、または近似する列挙されない数は、これが提示される文脈において、具体的に列挙される数の実質的な均等物を提供する数であり得る。
【0036】
別様に定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に説明されるものと類似する、または同等の任意の方法および材料も、本発明の実践または試験において使用されることができるが、代表的な例証的方法および材料が、ここで説明される。
【0037】
本明細書に引用される全ての刊行物および特許は、各個々の刊行物または特許が具体的かつ個々に参照することによって組み込まれることが示される場合と同程度に、参照することによって本明細書に組み込まれ、それに関連して刊行物が引用される方法および/または材料を開示および説明するために、参照することによって本明細書に組み込まれる。任意の刊行物の引用は、出願日に先立つその開示に関するものであり、本発明が先行発明によってそのような刊行物に先立つ権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、実際の刊行日と異なり得、独立して確認される必要があり得る。
【0038】
本明細書および添付される請求項に使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」が、文脈が明確に別様に決定付けない限り、複数指示物を含むことに留意されたい。請求項が、任意の随意の要素を除外するように起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、本文言は、請求項要素の列挙に関連する「単に」、「~のみ」等の排他的専門用語の使用、または「否定的」限定の使用のための先行詞としての役割を果たすことを意図している。
【0039】
本開示を熟読することに応じて当業者に明白であるであろうように、本明細書に説明および例証される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離される、またはそれと組み合わせられ得る離散的構成要素および特徴を有する。任意の列挙される方法は、列挙される事象の順序において、または論理的に可能な任意の他の順序において実行されることができる。
【0040】
(アノードおよび/またはカソードパンアセンブリ)
前に記載されるような高電流密度での電気化学セルの動作は、限定ではないが、セル内で発生させられる大量の熱、かなりの温度および圧力増減、膜侵食または疲労、および/または電流の流れに起因するジュール熱に対抗するための電解質の高流量等の重要な課題をもたらし得る。
【0041】
高電流密度で大量のガスを生産する電気化学セルでは、ガス/液体混合物は、液体電解質より低い比熱、低い密度、および/または低い熱伝導率を有し得る。熱除去効率は、ガスホールドアップが増加するにつれて、低下させられ得る。局所温度は、ガスポケットが電極の領域を覆う場合、潜在的に、急速に上昇し得る。電極のかなりの領域が覆われている場合、覆われていない領域は、より多く働く必要性があり、それは、局所ジュール熱を増加させ得る。このように生じた局所ホットスポットは、膜に損傷を与え得る。電流密度が、セル内で増加させられるにつれて、電力消散も、劇的に上昇し得る。大きい空間的および/または時間的温度増減は、膜に損傷を与え得る。セルの内部温度分布に対する内部電力消散の影響は、出願人の電気化学セル内のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリにおけるリブ幾何学形状および/または間隔、および/または溶接部密度および断面構成の使用を通して最小化され得る。
【0042】
本明細書に提供される電気化学セル内のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリにおける独特のリブ幾何学形状および/または間隔、および/または溶接部密度および断面構成は、限定ではないが、ホットスポットを回避するためにセルエリアにわたって電流を分配すること、セルの高さに沿った電解質の大きい空間的および/または時間的温度増減を回避すること、および/または、ホットスポットに起因する膜損傷を回避すること等、これらの課題のうちの1つ以上を克服することができる。
【0043】
本明細書に提供されるような1つ以上のリブと、溶接部とを備えているアノードおよび/またはカソードパンアセンブリの設計は、高電流密度での動作を伴う活性エリアにわたる効率的な電流分布が存在することを保証する一方、リブおよび溶接部の断面積は、動作および経済的目的のためにセルが効果的であることも確実にする。
【0044】
典型的な電気化学セルでは、アノードおよびアノード電解質を格納するアノードパンが、存在する。カソードおよびカソード電解質を格納するカソードパンが、存在し、アノードパンおよびカソードパンは、1つ以上のダイヤフラム、膜電極アセンブリ(MEA)、またはイオン交換膜(IEM)によって分離される。アノードパンおよび/またはカソードパンは、ガスおよび液体を収集し、セルから外にそれらを流動させる収集システム等の構成要素をさらに備え得る(「Anode and/or cathode pan assemblies in an electrochemical cell,and methods to use and manufacture thereof」と題された、本明細書と同日付に出願された米国仮出願(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるマニホールドおよび/または出口管等)。
【0045】
IEMは、アノードおよびカソードにおける所望の反応に応じて、アニオン交換膜(AEM)、カチオン交換膜(CEM)、または両方であり得る。これらの構成要素間に、種々の追加の分離器構成要素が、例えば、アノードからAEMを分離し、カソードからCEMを分離し、および/またはCEMからAEMを分離するために、および膜に機械的完全性を提供するために提供され得る。これらの構成要素に加えて、個々のガスケットまたはガスケットテープが、流体漏出からコンパートメントをシールするために、構成要素間に、およびその外側外周に沿って提供され得る。
【0046】
上記に説明される全ての構成要素は、互いに平行に整列させられ得、随意の周辺ボルト留めが、電気化学セル内でそれらを一緒に積み重ねるために提供され得る。フィルタプレス構成では、いかなる周辺ボルト留めも、要求されないこともある。電気化学セルのスタックでは、1つの電気化学セルのアノードは、隣接する電気化学セルのカソードと接触する。電流は、動作中、電気化学セルのスタックを通過する。
【0047】
独特のリブおよび溶接部構成を備えているアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ、およびそれを含む電気化学セルが、本明細書において提供される。一側面において、アノードおよび/またはカソードパンと、1つ以上のリブであって、1つ以上のリブは、アノードおよび/またはカソードパンの内側に垂直に位置付けられている、1つ以上のリブと、1つ以上のリブに溶接された電極と、電極を1つ以上のリブに溶接する1つ以上の溶接部とを備えているアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ、それを形成、使用、および製造する方法が、本明細書において提供される。
【0048】
例証的実施形態において、本発明のアノードパンアセンブリまたはカソードパンアセンブリは、
図1に示される(左上の図は、アセンブリの正面図を図示し、左下の図は、アセンブリの側面図であり、右側の図は、アセンブリの側面図の拡大断面図を図示する)。電気化学セルにおいて、本明細書に提供されるようなアノードパンアセンブリまたは本明細書に提供されるようなカソードパンアセンブリのいずれか、または両方が、使用され得ることを理解されたい。例えば、
図1に示されるアセンブリは、必要性およびアノードおよびカソードにおける反応に応じて、アノードパンアセンブリまたはカソードパンアセンブリまたは両方であり得る。
【0049】
図1に図示されるように、アノードパンアセンブリまたはカソードパンアセンブリ100は、それぞれ、アノードパンまたはカソードパン101を備えている。アノードパンまたはカソードパン(左の図に示される)の深さの内側に、1つ以上のリブ102が、格納される。右側の図は、アノードパンアセンブリまたはカソードパンアセンブリ100の側面図の拡大断面図を図示する。拡大側面図は、1つ以上のリブ102を備えている、構成要素の積み重ねを示す。1つ以上のリブ102は、アノードまたはカソードパン101に対して直角である。アノードまたはカソードパン101の上および1つ以上のリブ102の上に、電極103(アノードパンアセンブリに関してアノードおよびカソードパンアセンブリに関してカソード)が、設置される。電極103は、1つ以上の溶接部104を通して1つ以上のリブ102に溶接される。リブは、タブ105を通してアノードまたはカソードパンの床106に取り付けられる。
【0050】
セルの動作中、電流は、溶接部を通してカソードの中に流動し、それは、次いで、カソードから1つ以上のリブに流れる。電流は、次いで、1つ以上のリブを通して、タブを通してカソードパンに流動し、最終的に、パンに接触する導体(隣接するハーフセルパンまたは接触プレート)の中に流れる。電流は、次いで、タブから別のパンに流動し、リブを通して、次いで、アノードおよび溶接部に流れる。1つ以上のリブ102は、タブ105を通してパン床106に溶接される。タブ105は、リブ102の底部とパン床106との間の溶接部間隔を設定し得る。電流は、パン床からリブを通して、次いで、アノードを横断して流れるので、タブ105は、リブとパンとの間に適正な溶接部断面を提供する。タブ105は、活性エリアにわたってより良好な電流分布を促進し、リブとパンとの間の電気接触を提供する。しかしながら、いくつかの実施形態において、リブは、パン床に直接溶接され得、タブを通して接続されないこともある。
【0051】
1つ以上のリブの幾何学形状および間隔は、ハーフセルを通した電流の流れを決定付けることができる。リブの幾何学形状は、限定ではないが、リブの数、リブの高さ、リブの設計、2つのリブ間のピッチ、および/またはリブの厚さを含む。電流が、溶接部を通して流れるにつれて、溶接部の幾何学形状、間隔または密度、および/または断面積も、ハーフセルを通した電流の流れに影響を及ぼすことができる。ますます高い電流がセルを通して流れるとき、溶接部の密度および断面積は、局所ジュール熱に大きい影響を及ぼし、局所ホットスポットからの膜損傷を回避することができる。高電流密度での電気化学セルの効率的な動作を促進するリブおよび溶接部の独特の幾何学形状、間隔、および断面積が、本明細書において提供される。
【0052】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される1つ以上のリブは、伝導性金属から作製される固体プレートであり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される1つ以上のリブは、電解質が側方に移動するための孔または開口部を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される1つ以上のリブは、1つ以上の切り込み(本明細書にさらに説明されるような)を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される1つ以上のリブは、孔および切り込みの両方を有する。
【0053】
いくつかの実施形態において、リブの幾何学形状は、アノードおよび/またはカソードパン内のリブの数を含む。いくつかの実施形態において、アノードおよび/またはカソードパンの内側の1つ以上のリブの数は、電流分布および電力消散に影響を及ぼすことができる。いくつかの実施形態において、アノードおよび/またはカソードパンの内側の1つ以上のリブの数は、約1~75個、または約1~60個、または約1~50個、または約1~40個、または約1~30個、または約1~20個、または約1~10個、または約1~5個、または約5~75個、または約5~60個、または約5~50個、または約5~40個、または約5~30個、または約5~20個、または約5~10個、または約10~75個、または約10~60個、または約10~50個、または約10~40個、または約10~30個、または約10~20個、または約20~75個、または約20~60個、または約20~50個、または約20~40個、または約20~30個、または約30~75個、または約30~60個、または約30~50個、または約30~40個、または約40~75個、または約40~60個、または約40~50個、または約50~75個、または約50~60個、または約60~75個である。例えば、
図1は、5つのリブ102を含むアノードまたはカソードパン101を図示する。いくつかの実施形態において、アノードおよび/またはカソードパンの内側の1つ以上のリブの数は、約5~30個または約10~20個である。
【0054】
アノードまたはカソードパンの内側の1つ以上のリブの断面および拡大図が、
図2に示される。電極および溶接部は、この図に示されていない。アノードおよび/またはカソードパンアセンブリ100は、パン内に垂直に位置付けられるリブ102を有するアノードおよび/またはカソードパン101を備えている。リブ102は、タブ105を通してパンの床に溶接される。2つのリブ102間のピッチまたは距離は、Pとマーキングされ、1つ以上のリブの高さは、Hとマーキングされ、1つ以上のリブの厚さまたは幅は、Wとマーキングされる。リブは、電解質の移動のための孔および切り込み108および隆起109を備えているものとして
図2に図示される。切り込み108および隆起109は、1つ以上のリブ102の上へのバッフルプレート107の嵌りを促進する。「Anode and/or cathode pan assemblies in an electrochemical cell,and methods to use and manufacture thereof」と題された、本明細書と同日付に出願された米国仮出願に説明されるバッフルプレートは、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。1つ以上のリブは、限定ではないが、ニッケル、ステンレス鋼等の任意の伝導性金属から作製され得る。
【0055】
リブ上の孔および切り込み(および隆起)が存在せず、リブが伝導性金属の固体プレートであり得ること、リブが孔を有し、切り込みを有していないこと、または、リブが切り込みを有するが、孔を有していないこともあることを理解されたい。全てのそのような構成は、十分に本発明の範囲内である。存在する場合、孔は、任意の特定の形状またはサイズではないこともある。例えば、孔は、円形、スリット、穿孔、またはメッシュであり得る。
【0056】
前述の実施形態の図示が、
図3Aおよび3Bに示される。
図3Aは、固体プレートとしてのリブ(孔または切り込みなしおよびバッフルプレートなし)を伴うアノードおよび/またはカソードアセンブリを図示する。
図3Bは、孔を有するが、切り込みのないリブ(バッフルプレートなし)を伴うアノードおよび/またはカソードアセンブリを図示する。
【0057】
切り込み108および隆起109が、1つ以上のリブ102内に存在する場合、隆起の長さは、約0.25~1.0m、または約0.25~0.8m、または約0.25~0.6m、または約0.25~0.5m、または約0.25~0.4m、または約0.25~0.3m、または約0.5~1.0m、または約0.5~0.8m、または約0.5~0.6m、または約0.6~1.0m、または約0.6~0.8m、または約0.7~1.0m、または約0.7~0.8m、または約0.8~1.0mである。いくつかの実施形態において、リブ内の切り込みの長さは、約5~100mm、または約5~80mm、または約5~60mm、または約5~50mm、または約5~40mm、または約5~30mm、または約5~20mm、または約5~10mm、または約10~100mm、または約10~50mm、または約10~40mm、または約10~30mm、または約10~20mm、または約20~100mm、または約20~50mm、または約20~40mm、または約20~30mm、または約30~100mm、または約30~50mm、または約30~40mm、または約40~100mm、または約40~50mm、または約50~100mm、または約75~100mmである。
【0058】
いくつかの実施形態において、リブの幾何学形状は、リブの高さH、リブ間のピッチP、およびアノードおよび/またはカソードパン内のリブの厚さまたは幅Wをさらに含む。いくつかの実施形態において、高さ、ピッチ、および厚さを含むリブの幾何学形状は、電流分布および電力消散に影響を及ぼすことができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリにおいて、
1つ以上のリブの厚さ(
図2のW)は、約1~3mm、または約1~2.5mm、または約1~2mm、または約1~1.5mm、または約2~3mm、または約2~2.5mm、または約2.5~3mmであり、および/または、
1つ以上のリブの高さ(
図2のH)は、約10~110mm、または約10~100mm、約10~75mm、または約10~70mm、または約10~60mm、または約10~50mm、または約10~40mm、または約10~30mm、または約20~110mm、または約20~75mm、または約20~70mm、または約20~60mm、または約20~50mm、または約20~40mm、または約20~30mm、または約30~110mm、または約30~75mm、または約30~70mm、または約30~60mm、または約30~50mm、または約30~40mm、または約40~110mm、または約40~75mm、または約40~70mm、または約40~60mm、または約40~50mm、または約50~110mm、または約50~75mm、または約50~70mm、または約50~60mm、または約60~110mm、または約60~75mm、または約70~110mm、または約70~80mmであり、および/または、
2つ以上のリブ間のピッチ(
図2のP)は、約40~200mm、または約40~150mm、または約40~140mm、または約40~130mm、または約40~120mm、または約40~110mm、または約40~100mm、または約40~80mm、または約40~70mm、または約60~200mm、または約60~150mm、または約60~140mm、または約60~130mm、または約60~120mm、または約60~110mm、または約60~100mm、または約60~80mm、または約80~200mm、または約80~150mm、または約80~100mm、または約100~200mm、または約100~150mm、または約100~140mm、または約100~130mm、または約100~120mm、または約125~200mm、または約125~150mm、または約125~140mm、または約130~150mm、または約75~120mmである。
【0060】
図1に示されるように、電極103は、1つ以上のリブ102の上に溶接される。さらに、溶接部104を通してリブ102に溶接された電極103は、
図4にも図示されている。いくつかの実施形態において、電極は、平面電極またはエキスパンドメタルまたはメッシュである。電極がエキスパンドメタルまたはメッシュである実施形態において、各ストランドの厚さは、約0.5~3mm、または約0.5~2.5mm、または約0.5~2mm、または約0.5~1.5mm、または約0.5~1mm、または約1~3mm、または約1~2.5mm、または約1~2mm、または約1~1.5mm、または約1.5~3mm、または約1.5~2.5mm、または約1.5~2mm、または約2~3mm、または約2.5~3mmである。
【0061】
溶接部の幾何学形状、間隔または密度、および/または断面積は、ハーフセルを通した電流の流れに影響を及ぼす。動作電流密度が増加させられ、さらに多くの電流がセルを通して流れると、溶接部の密度または間隔および断面積は、局所ジュール熱に大きい影響を及ぼすことができ、それらは、局所ホットスポットに起因する膜損傷を回避するために採用されることができる。
図4の溶接部は、スポットとして図示される。しかしながら、溶接部は、線、スポット、パターン、または任意の他の形状、またはそれらの組み合わせの形態であり得る。例えば、スポット溶接機は、スポットを作成することができ、レーザ溶接機は、線、および/またはスポット、および/またはパターンを生産することができる。パターンは、例えば、ドットの組み合わせ、ドットのアレイ、破線、スポット、線、線セグメント、長方形幾何学形状、円形幾何学形状、六角形幾何学形状等を含む。
【0062】
溶接技法の種々の例は、限定ではないが、レーザ溶接、TiG溶接、およびスポット溶接を含む。レーザ溶接は、リブを電極に溶接する1つ以上のリブの全長に沿った単一の線形溶接部を可能にし得る。例えば、1つ以上のリブが、固体プレートまたは孔を伴う(いかなる切り込みも伴わない)プレートであるとき、リブを電極に溶接するリブの全長に沿った単一の線形溶接部が、存在し得る。レーザ溶接(またはTiG)は、線セグメントの形態における溶接部を作成するためにも使用され得る。例えば、1つ以上のリブが、切り込みを伴う固体プレートまたは孔および切り込みを伴うプレートであるとき、リブを電極に溶接するリブの全長に沿ったリブの隆起(切り込みではない)の上に溶接線のセグメントが、存在し得る。レーザ溶接は、ドット、ドットのアレイ、破線、スポット、線セグメント、長線、長円形幾何学形状、長方形幾何学形状、円形幾何学形状、六角形幾何学形状、またはそれらの組み合わせを備えている溶接部パターンも生産することができる。溶接部幾何学形状は、溶接先端およびアンビルの形状によって決定付けられ得る。TiG溶接部が、手動で作成され得、それらは、恣意的な形態であり得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、溶接部の幾何学形状は、アノードおよび/またはカソードパン内の溶接部の数を含む。いくつかの実施形態において、アノードおよび/またはカソードパン内の電極をリブに溶接する溶接部の数は、電流分布および電力消散に影響を及ぼすことができる。いくつかの実施形態において、スポットの形態であるリブあたりの1つ以上の溶接部の数は、リブあたり約10~50個の溶接部、またはリブあたり約10~40個の溶接部、またはリブあたり約10~30個の溶接部、またはリブあたり約10~20個の溶接部、またはリブあたり約20~50個の溶接部、またはリブあたり約20~40個の溶接部、またはリブあたり約20~30個の溶接部、またはリブあたり約30~40個の溶接部、またはリブあたり約35~40個の溶接部、またはリブあたり約40~50個の溶接部である。
【0064】
いくつかの実施形態において、2つ以上の溶接部がスポットの形態であるときの溶接部間の距離は、xおよびy方向において独立して約25~200mmである。いくつかの実施形態において、2つ以上の溶接部がスポットの形態であるときの溶接部間の距離は、xおよびy方向において独立して約25~200mm、または約25~150mm、または約25~100mm、または約25~75mm、または約25~50mm、または約50~200mm、または約50~150mm、または約50~100mm、または約50~75mm、または約75~200mm、または約75~150mm、または約75~100mm、または約100~200mm、または約100~150mmである。
【0065】
いくつかの実施形態において、上で提供されるスポット溶接部の数のうちのいずれかは、上で提供される2つ以上のスポット溶接部の各々の間の距離と組み合わせられることができる。
【0066】
いくつかの実施形態において、線の形態であるリブあたりの1つ以上の溶接部の数は、リブあたり約1~75個の溶接部、またはリブあたり約1~70個の溶接部、またはリブあたり約1~60個の溶接部、またはリブあたり約1~50個の溶接部、またはリブあたり約1~40個の溶接部、またはリブあたり約1~30個の溶接部、またはリブあたり約1~20個の溶接部、またはリブあたり約1~10個の溶接部、またはリブあたり約2~75個の溶接部、またはリブあたり約2~70個の溶接部、またはリブあたり約2~60個の溶接部、またはリブあたり約2~50個の溶接部、またはリブあたり約2~40個の溶接部、またはリブあたり約2~30個の溶接部、またはリブあたり約2~20個の溶接部、またはリブあたり約2~10個の溶接部、またはリブあたり約10~75個の溶接部、またはリブあたり約10~70個の溶接部、またはリブあたり約10~60個の溶接部、またはリブあたり約10~50個の溶接部、またはリブあたり約10~40個の溶接部、またはリブあたり約10~30個の溶接部、またはリブあたり約10~20個の溶接部、またはリブあたり約25~75個の溶接部、またはリブあたり約25~50個の溶接部、またはリブあたり約50~75個の溶接部、またはリブあたり約60~75個の溶接部である。
【0067】
いくつかの実施形態において、2つ以上の溶接部が線の形態であるときの溶接部間の距離は、xおよびy方向において独立して約40~200mmである。いくつかの実施形態において、2つ以上の溶接部が線の形態であるときの溶接部間の距離は、xおよびy方向において独立して約40~200mm、または約40~150mm、または約40~100mm、または約40~75mm、または約75~200mm、または約75~150mm、または約75~100mm、または約100~200mm、または約100~150mm、または約150~200mmである。
【0068】
いくつかの実施形態において、1つ以上のリブが1つ以上の切り込みと1つ以上の隆起とを備えているとき、溶接部は、電極を1つ以上のリブの隆起に溶接する1つ以上の線セグメントを備えている。いくつかの実施形態において、前述の線セグメントは、電極を1つ以上のリブの隆起の全長または隆起の部分長に溶接する。いくつかの実施形態において、線セグメント溶接部の長さは、隆起の長さであるか、または、線セグメント溶接部の長さは、約0.25~1.0m、または約0.25~0.8m、または約0.25~0.6m、または約0.25~0.5m、または約0.25~0.4m、または約0.25~0.3m、または約0.5~1.0m、または約0.5~0.8m、または約0.5~0.6m、または約0.6~1.0m、または約0.6~0.8m、または約0.7~1.0m、または約0.7~0.8m、または約0.8~1.0mである。
【0069】
いくつかの実施形態において、2つの線セグメント溶接部間の距離は、約5~100mm、または約5~80mm、または約5~60mm、または約5~50mm、または約5~40mm、または約5~30mm、または約5~20mm、または約5~10mm、または約10~100mm、または約10~50mm、または約10~40mm、または約10~30mm、または約10~20mm、または約20~100mm、または約20~50mm、または約20~40mm、または約20~30mm、または約30~100mm、または約30~50mm、または約30~40mm、または約40~100mm、または約40~50mm、または約50~100mm、または約75~100mmである。
【0070】
いくつかの実施形態において、上で提供される線溶接部の数のうちのいずれかは、上で提供される線溶接部の各々の間の距離と組み合わせられることができる。
【0071】
いくつかの実施形態において、溶接部がパターンであるとき、パターンは、ドット、ドットのアレイ、破線、スポット、線セグメント、長線、長円形幾何学形状、長方形幾何学形状、円形幾何学形状、六角形幾何学形状、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施形態において、各溶接部の断面積は、約6mm2~3,300mm2、または約6mm2~3,000mm2、または約6mm2~2,000mm2、または約6mm2~1,000mm2、または約6mm2~500mm2、または約6mm2~300mm2、または約6mm2~100mm2、または約50mm2~3,300mm2、または約50mm2~3,000mm2、または約50mm2~2,000mm2、または約50mm2~1,000mm2、または約50mm2~500mm2、または約50mm2~300mm2、または約50mm2~100mm2、または約100mm2~3,300mm2、または約100mm2~3,000mm2、または約100mm2~2,000mm2、または約100mm2~1,000mm2、または約100mm2~500mm2、または約100mm2~300mm2、または約500mm2~3,300mm2、または約500mm2~3,000mm2、または約500mm2~2,000mm2、または約500mm2~1,000mm2、または約1,000mm2~3,300mm2、または約1,000mm2~3,000mm2、または約1,000mm2~2,000mm2、または約2,000mm2~3,000mm2、または約2,500mm2~3,000mm2である。
【0072】
いくつかの実施形態において、溶接部の幾何学形状、間隔または密度、および/または断面積は、溶接部面積に対する電極面積の比率が、15倍~2,000倍、または15倍~1,000倍、または15倍~500倍の範囲内であるようなものである。
【0073】
いくつかの実施形態において、溶接部の幾何学形状、間隔または密度、および/または断面積は、各溶接部を通した電流密度が、6A/mm2未満、または5A/mm2未満、または4A/mm2未満、または3A/mm2未満、または2A/mm2未満、または1A/mm2未満、または約1~6A/mm2、または約1~4A/mm2であるようなものである。
【0074】
いくつかの実施形態において、スポットの形態であるリブあたりの1つ以上の溶接部の数は、リブあたり約10~50個の溶接部であり、2つ以上の溶接部がスポットの形態であるときの溶接部間の距離は、xおよびy方向において独立して約25~200mmであり、各溶接部の断面積は、約6mm2~3,300mm2であり、および/または各溶接部を通した電流密度は、6A/mm2未満または4A/mm2未満である。
【0075】
いくつかの実施形態において、線の形態であるリブあたりの1つ以上の溶接部の数は、リブあたり約1~75個の溶接部であり、2つ以上の溶接部が線の形態であるときの溶接部間の距離は、xおよびy方向において独立して約40~200mmであり、各線溶接部の断面積は、約6mm2~3,300mm2であり、および/または各溶接部を通した電流密度は、6A/mm2未満または4A/mm2未満である。
【0076】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるアノードおよび/またはカソードパンアセンブリを備えている電気化学セルは、約300mA/cm2~6,000mA/cm2、または約300mA/cm2~5,000mA/cm2、または約300mA/cm2~4,000mA/cm2、または約300mA/cm2~3,000mA/cm2、または約300mA/cm2~2,000mA/cm2、または約300mA/cm2~1,000mA/cm2、または約300mA/cm2~800mA/cm2、または約300mA/cm2~600mA/cm2、または約300mA/cm2~500mA/cm2、または約500mA/cm2~6,000mA/cm2、または約500mA/cm2~5,000mA/cm2、または約500mA/cm2~4,000mA/cm2、または約500mA/cm2~3,000mA/cm2、または約500mA/cm2~2,000mA/cm2、または約500mA/cm2~1,000mA/cm2、または約500mA/cm2~800mA/cm2、または約500mA/cm2~600mA/cm2、または約600mA/cm2~6,000mA/cm2、または約600mA/cm2~5,000mA/cm2、または約600mA/cm2~4,000mA/cm2、または約600mA/cm2~3,000mA/cm2、または約600mA/cm2~2,000mA/cm2、または約600mA/cm2~1,000mA/cm2、または約600mA/cm2~800mA/cm2、または約800mA/cm2~6,000mA/cm2、または約800mA/cm2~5,000mA/cm2、または約800mA/cm2~4,000mA/cm2、または約800mA/cm2~3,000mA/cm2、または約800mA/cm2~2,000mA/cm2、または約800mA/cm2~1,000mA/cm2、または約1,000mA/cm2~6,000mA/cm2、または約1,000mA/cm2~5,000mA/cm2、または約1,000mA/cm2~4,000mA/cm2、または約1,000mA/cm2~3,000mA/cm2、または約1,000mA/cm2~2,000mA/cm2、または約2,000mA/cm2~6,000mA/cm2、または約2,000mA/cm2~5,000mA/cm2、または約2,000mA/cm2~4,000mA/cm2、または約2,000mA/cm2~3,000mA/cm2、または約3,000mA/cm2~6,000mA/cm2、または約3,000mA/cm2~5,000mA/cm2、または約3,000mA/cm2~4,000mA/cm2、または約4,000mA/cm2~6,000mA/cm2、または約5,000mA/cm2~6,000mA/cm2の高密度電流において動作する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるアノードおよび/またはカソードパンアセンブリを備えている電気化学セルは、約300mA/cm2~3,000mA/cm2、または約300mA/cm2~2,000mA/cm2、または約300mA/cm2~1,000mA/cm2、または約300mA/cm2~800mA/cm2、または約300mA/cm2~600mA/cm2、または約300mA/cm2~500mA/cm2、または約300mA/cm2~400mA/cm2の高密度電流において動作する。
【0077】
いくつかの実施形態において、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリは、それぞれ、約200~10,000kg/時、または約200~9,000kg/時、または約200~8,000kg/時、または約200~7,000kg/時、または約200~6,000kg/時、または約200~5,000kg/時、または約200~4,000kg/時、または約200~3,000kg/時、または約200~2,000kg/時、または約200~1,000kg/時、または約500~10,000kg/時、または約500~9,000kg/時、または約500~8,000kg/時、または約500~7,000kg/時、または約500~6,000kg/時、または約500~5,000kg/時、または約500~4,000kg/時、または約500~3,000kg/時、または約500~2,000kg/時、または約500~1,000kg/時、または約800~10,000kg/時、または約800~9,000kg/時、または約800~8,000kg/時、または約800~7,000kg/時、または約800~6,000kg/時、または約800~5,000kg/時、または約800~4,000kg/時、または約800~3,000kg/時、または約800~2,000kg/時、または約800~1,000kg/時、または約1,000~10,000kg/時、または約1,000~9,000kg/時、または約1,000~8,000kg/時、または約1,000~7,000kg/時、または約1,000~6,000kg/時、または約1,000~5,000kg/時、または約1,000~4,000kg/時、または約1,000~3,000kg/時、または約1,000~2,000kg/時、または約3,000~10,000kg/時、または約3,000~9,000kg/時、または約3,000~8,000kg/時、または約3,000~7,000kg/時、または約3,000~6,000kg/時、または約3,000~5,000kg/時、または約5,000~10,000kg/時、または約5,000~8,000kg/時、または約5,000~6,000kg/時、または約6,000~10,000kg/時、または約6,000~8,000kg/時、または約8,000~10,000kg/時の高流量のアノード液またはカソード液を備えている。アノード液および/またはカソード液の例は、水、または、アルカリ(例えば、アルカリ金属水酸化物)を伴う水、例えば、水中のNaOHまたはKOH等を含む。
【0078】
いくつかの実施形態において、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリを通したアノード液および/またはカソード液の表面液体速度は、0.1m/秒未満、または0.08m/秒未満、または0.05m/秒未満、または0.01m/秒未満である。
【0079】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるアノードおよび/またはカソードパンアセンブリは、水素ガス生産電気化学セルの内側にある。
【0080】
故に、一側面において、例えば、水素ガス生産電気化学セル等の電気化学セルであって、電気化学セルは、アノードパンと、1つ以上のリブであって、1つ以上のリブは、アノードパンの内側に垂直に位置付けられている、1つ以上のリブと、1つ以上のリブに溶接される、アノードと、アノードを1つ以上のリブに溶接する1つ以上の溶接部とを備えているアノードパンアセンブリを備えている、電気化学セルが、提供される。前述の側面のいくつかの実施形態において、電気化学セルは、カソードパンアセンブリ上に位置付けられたカソードと、アノードとカソードとの間に配置されたイオン交換膜とをさらに備えている。
【0081】
前述の側面におけるカソードパンアセンブリは、任意の従来のカソードパンアセンブリであり得る。
【0082】
1つ以上のリブおよび/または溶接部の幾何学形状および間隔および/または構成要素の場所および設置の種々の寸法の全ては、本明細書に説明されており、前述の側面に適用されることができる。
【0083】
一側面において、例えば、水素ガス生産電気化学セル等の電気化学セルであって、電気化学セルは、カソードパンと、1つ以上のリブであって、1つ以上のリブは、カソードパンの内側に垂直に位置付けられている、1つ以上のリブと、1つ以上のリブに溶接されたカソードと、カソードを1つ以上のリブに溶接する1つ以上の溶接部とを備えているカソードパンアセンブリを備えている、電気化学セルが、提供される。前述の側面のいくつかの実施形態において、電気化学セルは、アノードパンアセンブリ上に位置付けられたアノードと、アノードとカソードとの間に配置されたイオン交換膜とをさらに備えている。
【0084】
前述の側面におけるアノードパンアセンブリは、任意の従来のアノードパンアセンブリであり得る。1つ以上のリブおよび/または溶接部の幾何学形状および間隔および/または構成要素の場所および設置の種々の寸法の全ては、本明細書に説明されており、前述の側面に適用されることができる。
【0085】
一側面において、例えば、水素ガス生産電気化学セル等の電気化学セルであって、電気化学セルは、
アノードパンと、1つ以上のリブであって、1つ以上のリブは、アノードパンの内側に垂直に位置付けられている、1つ以上のリブと、1つ以上のリブに溶接された電極と、電極を1つ以上のリブに溶接する1つ以上の溶接部とを備えているアノードパンアセンブリと、
カソードパンと、1つ以上のリブであって、1つ以上のリブは、カソードパンの内側に垂直に位置付けられている、1つ以上のリブと、1つ以上のリブに溶接された電極と、電極を1つ以上のリブに溶接する1つ以上の溶接部とを備えているカソードパンアセンブリと、
アノードとカソードとの間に配置されたイオン交換膜と
を備えている、電気化学セルが、提供される。
【0086】
いくつかの実施形態において、多数の前述の側面の個々の電気化学セルを備えている電解装置が、提供される。
【0087】
アノードおよび/またはカソードパンアセンブリの構成要素は、限定ではないが、ニッケル、ステンレス鋼、ステンレス鋼合金等の導電性材料から作製され得る。アノードおよびカソードパンは、伝導性金属から作製され得る。伝導性金属は、アノードパンまたはカソードパンとして使用されるために好適な任意の伝導性金属を含む。例えば、いくつかの実施形態において、アノードパンアセンブリにおけるアノードパンまたはカソードパンアセンブリにおけるカソードパンは、限定ではないが、ニッケル、ステンレス鋼、ステンレス鋼合金等の伝導性金属から作製される。
【0088】
電解装置は、単一のセル、または直列または並列に接続されたセルのスタックを備え得る。電解装置は、直列または並列に接続された5個または6個または50個または100個またはそれを上回る電気化学セルのスタックであり得る。各セルは、本明細書に説明されるアノードおよび/またはカソードパンアセンブリと、アノードと、カソードと、イオン交換膜とを備えている。
【0089】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される電解装置は、単極式電解装置である。単極式電解装置では、電極は、並列に接続され得、全てのアノードおよび全てのカソードは、並列に接続される。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される電解装置は、双極式電解装置である。双極式電解装置では、電極は、直列に接続され得、全てのアノードおよび全てのカソードは、直列に接続される。いくつかの実施形態において、電解装置は、単極式および双極式電解装置の組み合わせであり、ハイブリッド電解装置と呼ばれ得る。
【0090】
上記に説明されるような双極式電解装置のいくつかの実施形態において、セルは、直列に積み重ねられ、電解装置全体を構成し、2つの方向に電気的に接続される。双極式電解装置では、双極式プレートと呼ばれる単一のプレートが、カソードおよびアノードの両方のための基部プレートとしての役割を果たし得る。電解質溶液は、セルスタックの内部の共通のマニホールドおよび収集器を通して液圧で接続され得る。スタックは、全てのフレームおよびプレートを互いに対してシールするために、外部から圧縮され得、それは、典型的に、フィルタプレス設計と称される。いくつかの実施形態において、双極式電解装置は、典型的に、単一要素設計として公知である個々にシールされ、バックツーバック接触を通して電気的に接続された一連のセルとしても設計され得る。単一要素設計は、並列にも接続され得、その場合、それは、単極式電解装置であるであろう。
【0091】
いくつかの実施形態において、セルサイズは、活性エリア寸法によって表され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に使用される電解装置の活性エリアは、0.5~1.5メートルの高さおよび0.25~3メートルの幅に及び得る。個々のコンパートメント厚は、10mm~100mmに及び得る。
【0092】
電気触媒の例が、本明細書に説明されており、限定ではないが、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、または白金-ロジウム、白金-ルテニウム、またはRuO2でコーティングされたニッケルメッシュ等のそれらの組み合わせ等の白金属金属の高分散金属または合金を含む。電極は、当技術分野で周知のプロセスを使用して、電気触媒でコーティングされ得る。
【0093】
いくつかの実施形態において、イオン交換膜は、アニオン交換膜(アルカリ性条件のため)またはカチオン交換膜(酸性条件のため)である。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるような電気化学セル内のカチオン交換膜は、従来のものであり、例えば、日本のAsahi Kasei(Tokyo)から、または米国のMembrane International(Glen Rock,NJ)またはChemoursから入手可能である。CEMの例は、限定ではないが、N2030WX(Chemours)、F8020/F8080、およびF6801(Aciplex)を含む。本明細書の方法およびシステムにおいて望ましいCEMは、最小抵抗損失、90%を上回る選択性、および高い安定性を有し得る。例にすぎないが、完全に四級化されたアミン含有ポリマーが、AEMとして使用され得る。
【0094】
カチオン性交換膜の例は、限定ではないが、アニオン基、例えば、スルホン基および/またはカルボキシル基を含むパーフルオロ化ポリマーから成るカチオン性膜を含む。しかしながら、いくつかの実施形態において、電解質間の特定のカチオンまたはアニオン種の移動を制限または可能にすることの必要性に応じて、より制限的であり、したがって、カチオンの1つの種の移動を可能にする一方、カチオンの別の種の移動を制限するカチオン交換膜が、使用され得ることを理解されたい。同様に、いくつかの実施形態において、電解質間の特定のアニオン種の移動を制限または可能にすることの必要性に応じて、より制限的であり、したがって、アニオンの1つの種の移動を可能にする一方、アニオンの別の種の移動を制限するアニオン交換膜が、使用され得る。そのような制限的なカチオン交換膜およびアニオン交換膜は、商業的に入手可能であり、当業者によって選択されることができる。
【0095】
いくつかの実施形態において、膜は、それらが酸性および/またはアルカリ性電解質溶液中で適宜機能し得るように選択され得る。膜の他の望ましい特性は、室温から150℃またはそれより高い温度範囲内の電解質溶液における高いイオン選択性、低いイオン抵抗性、高い破裂強度、および高い安定性を含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、0℃~150℃、0℃~100℃、0℃~90℃、または0℃~80℃、または0℃~70℃、または0℃~60℃、または0℃~50℃、または0℃~40℃、または0℃~30℃、またはより高い範囲内で安定する膜が、使用され得る。他の実施形態に関して、電解質中で所望の生成物または複数の生成物を達成するために、1つのタイプのイオン(CEMではカチオン、AEMではアニオン)の移動を可能にするが、別のものの移動を可能にしない、または1つのタイプのアニオンの移動を可能にするが、別のものの移動を可能にしないイオン特有イオン交換膜を利用することが、有用であり得る。
【0097】
膜のオーム抵抗は、アノードおよびカソードを横断する電圧降下に影響を及ぼし得、例えば、膜のオーム抵抗が増加するにつれて、アノードおよびカソードを横断する電圧は、増加し得、逆も同様である。使用され得る膜は、限定ではないが、比較的に低いオーム抵抗および比較的に高いイオン移動度を伴う膜、および温度に伴って増加し、したがって、オーム抵抗を減少させる、比較的に高い水和特性を伴う膜を含む。当技術分野で公知のより低いオーム抵抗を伴う膜を選択することによって、規定された温度におけるアノードおよびカソードを横断する電圧降下は、低下させられることができる。
【0098】
電圧は、電気化学セルのアノードおよびカソードを横断して電流を印加するための任意の手段によって、電気化学セルに印加され得る。そのような手段は、当技術分野で周知であり、限定ではないが、電力源、燃料セル、太陽光によって給電されるデバイス、風力によって給電されるデバイス、およびそれらの組み合わせ等のデバイスを含む。電流を提供するための電力源のタイプは、当業者に公知の任意の電源であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、電圧は、セルのアノードおよびカソードを外部直流(DC)電源に接続することによって印加され得る。電源は、DCに整流される交流(AC)であり得る。DC電源は、必要な量の電圧を電気化学セルに印加するために、調節可能な電圧および電流を有し得る。
【0099】
(方法)
いくつかの側面において、本明細書に提供されるアノードおよび/またはカソードパンアセンブリを作製、製造、および/または使用する方法が、提供される。
【0100】
一側面において、方法であって、方法は、電気化学セルのアノードおよび/またはカソードパンの内側に1つ以上のリブを垂直に位置付けることと、1つ以上のリブの上に電極を位置付けることと、1つ以上の溶接部を通して電極を1つ以上のリブに溶接することとを含む、方法が、提供される。セルの内部温度に対する増減する電力消散の影響を最小化し、膜侵食および/または疲労を防止する1つ以上のリブの厚さ、1つ以上のリブの高さ、1つ以上のリブ間のピッチ、リブあたりの溶接部の数、各溶接部間の距離、各溶接部の断面積、および/または溶接部面積に対する電極面積の比率の全ては、本明細書に提供されている。
【0101】
前述の側面のいくつかの実施形態において、方法は、電極を1つ以上のリブと直角に設置することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、1つ以上のリブの厚さを約1~3mmであるように提供し、1つ以上のリブの高さを約10~110mmであるように提供し、および/または2つ以上のリブ間のピッチを約40~200mmであるように提供することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、1つ以上のリブの各々は、1つ以上の切り込みと、1つ以上の隆起とを備えている。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、電極は、平面電極またはエキスパンドメタルまたはメッシュである。
【0102】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、約0.5~3mmの厚さを有するエキスパンドメタルまたはメッシュ電極の各ストランドを提供することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、線、スポット、パターン、またはそれらの組み合わせの形態における1つ以上の溶接部を提供することをさらに含む。本明細書に提供される側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、スポットの形態であるリブあたりの1つ以上の溶接部の数をリブあたり約10~50個の溶接部であるように提供することをさらに含む。
【0103】
本明細書に提供される側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、2つ以上の溶接部がスポットの形態であるときの溶接部間の距離をxおよびy方向において独立して約25~200mmであるように提供することをさらに含む。
【0104】
本明細書に提供される側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、線の形態であるリブあたりの1つ以上の溶接部の数をリブあたり約1~75個の溶接部であるように提供することをさらに含む。
【0105】
本明細書に提供される側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、2つ以上の溶接部が線の形態であるときの溶接部間の距離をxおよびy方向において独立して約40~200mmであるように提供することをさらに含む。
【0106】
本明細書に提供される側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、各溶接部の断面積を約6mm2~3,300mm2であるように提供することをさらに含む。
【0107】
本明細書に提供される側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、15倍~2,000倍の範囲内の溶接部面積に対する電極面積の比率を提供することをさらに含む。
【0108】
本明細書に提供される側面および実施形態のいくつかの実施形態において、1つ以上のリブは、アノードおよび/またはカソードパンに冶金的に取り付けられる。本明細書に使用される「冶金的」またはその文法的均等物は、要素をパンおよび/または電気化学セルに取り付けるための任意の冶金的技法を含む。そのような技法は、限定ではないが、拡散接合、はんだ付け、溶接、クラッディング、例えば、レーザクラッディング、ろう付け等を含む。
【0109】
本明細書に提供される側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、約200~10,000kg/時の高流量のアノード液またはカソード液の下で、本明細書に提供されるアノードおよび/またはカソードパンアセンブリをそれぞれ動作させることをさらに含む。高流量のアノード液および/またはカソード液は、本明細書に提供されている。
【0110】
本明細書に提供される側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、電気化学セルを組み立てるために本明細書に提供されるアノードおよび/またはカソードパンアセンブリを位置付け、約300mA/cm2~6,000mA/cm2の高電流密度で電気化学セルを動作させることをさらに含む。電気化学セルを動作させるための高電流密度の種々の範囲が、本明細書に提供されている。
【0111】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、電気化学セルは、水素ガス生産セルである。アノードアセンブリまたはカソードアセンブリ内の1つ以上のリブおよび電極を通して流れるガスは、それぞれ、酸素ガスおよび水素ガスである。
【0112】
前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、セルの内部温度に対する増減する電力消散の影響を最小化することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、1つ以上のリブを通したアノード液および/またはカソード液の表面液体速度が0.1m/秒未満、または0.08m/秒未満、または0.05m/秒未満であることを確実にすることをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、高流量のアノード液またはカソード液および/またはガスに適応することをさらに含む。アノードおよびカソードを通した高流量のアノード液および/またはカソード液は、本明細書に例示されている。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、圧力増減を0.5psi未満、または0.4psi未満、または0.3psi未満、または0.2psi未満、または0.1psi未満に防止することをさらに含む。前述の側面および実施形態のいくつかの実施形態において、方法は、局所ホットスポット、侵食、および/または疲労に起因する膜損傷を防止することをさらに含む。
【0113】
一側面において、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリを製造するためのプロセスであって、プロセスは、電気化学セルのアノードおよび/またはカソードパンの内側に1つ以上のリブを垂直に位置付けることと、1つ以上のリブの上に電極を位置付けることと、1つ以上の溶接部を通して電極を1つ以上のリブに溶接することとを含む、プロセスが、提供される。セルの内部温度に対する増減する電力消散の影響を最小化し、局所ホットスポット、侵食、および/または疲労に起因する膜損傷を防止する1つ以上のリブの厚さ、1つ以上のリブの高さ、1つ以上のリブ間のピッチ、リブあたりの溶接部の数、各溶接部間の距離、各溶接部の断面積、および/または溶接部面積に対する電極面積の比率の全ては、本明細書に提供されている。
【0114】
前述の側面のいくつかの実施形態において、プロセスは、電気化学セルのアノードおよび/またはカソードパンの内側に1つ以上のリブを冶金的に取り付けることを含む。前述の側面のいくつかの実施形態において、プロセスは、電気化学セルのアノードおよび/またはカソードパンの内側に1つ以上のリブを冶金的に取り付け、1つ以上のリブの上にバッフルプレートを冶金的に取り付けることを含む。
【0115】
一側面において、電気化学セルを組み立てるためのプロセスであって、プロセスは、
本明細書に説明されるアノードパンアセンブリをカソードパンとカソードとを備えている従来のカソードパンアセンブリと一緒に接合することによって、個々の電気化学セルを組み立てることと、
アノードパンアセンブリおよびカソードパンアセンブリを並列に設置し、イオン交換膜によってそれらを分離することと、
電気化学セルにセル電流および電解原料をフィーダを用いて供給することと
を含む、プロセスが、提供される。
【0116】
一側面において、電気化学セルを組み立てるためのプロセスであって、プロセスは、
本明細書に説明されるカソードパンアセンブリをアノードパンとアノードとを備えている従来のアノードパンアセンブリと一緒に接合することによって、個々の電気化学セルを組み立てることと、
アノードパンアセンブリおよびカソードパンアセンブリを並列に設置し、イオン交換膜によってそれらを分離することと、
電気化学セルにセル電流および電解原料をフィーダを用いて供給することと
を含む、プロセスが、提供される。
【0117】
一側面において、電気化学セルを組み立てるためのプロセスであって、プロセスは、
本明細書に説明されるアノードパンアセンブリと本明細書に説明されるカソードパンアセンブリとを一緒に接合することによって、個々の電気化学セルを組み立てることと、
アノードパンアセンブリおよびカソードパンアセンブリを並列に設置し、イオン交換膜によってそれらを分離することと、
電気化学セルにセル電流および電解原料をフィーダを用いて供給することと
を含む、プロセスが、提供される。
【0118】
前述の側面のいくつかの実施形態において、電気化学セルは、水素ガス生産セルである。アノードパンアセンブリまたはカソードパンアセンブリにおける1つ以上のリブおよび/または電極を通して流れるガスは、それぞれ、酸素ガスおよび水素ガスである。
【0119】
一側面において、電解装置を組み立てるためのプロセスであって、プロセスは、前述の個々の電気化学セルを組み立てることと、複数の組み立てられた電気化学セルをスタックにおいて並んで設置し、電気化学セル間の電気接触を維持するためにそれらを一緒に固定することとを含む、プロセスが、提供される。
【0120】
以下の例は、当業者に、本発明を作製および/または使用する方法の開示および説明を提供するように記載され、本発明者らが自身の発明と見なすものの範囲を限定することを意図せず、または、それらは、下記の実験が実施される全てまたは唯一の実験であることを表すことを意図していない。本明細書に説明されるものに加えた本発明の種々の修正が、前述の説明および付随の図から当業者に明白であるであろう。そのような修正は、添付される請求項の範囲内に該当する。使用される数(例えば、量、温度等)に関する正確度を確実にするための努力が、行われているが、ある程度の実験誤差および逸脱が、考慮されるべきである。別様に示されない限り、部分は、重量部であり、分子量は、重量平均分子量であり、温度は、摂氏の尺度であり、圧力は、大気圧またはその近傍にある。
【0121】
実施例および別の場所では、略語は、以下の意味を有する。
【表1-1】
【0122】
(実施例)
(実施例1)
溶接部を通した電流および温度分布
図5は、パンに溶接されたリブに溶接された電極の断面内のジュール熱のシミュレーションを実証する(全ての構成要素は、Niである)。通常の電流密度が、電極に割り当てられ、パンは、接地電位にあると仮定された。対流熱伝達係数(100W/m
2・K)が、内面に割り当てられ、内部流体(KOH)流体の温度は、90℃を割り当てられた。モデル化された構造を通した温度分布は、電極に印加された電流密度の関数として計算された。溶接部を通した電流密度の対応する範囲が、計算された。最後に、最大温度が、溶接部を通した電流密度の関数としてプロットされた(
図5)。
図5から明白であるように、最大温度は、溶接部を通した電流密度が増加するにつれて急速に増加した。溶接部を通した電流密度は、その溶接部の断面積に対するその溶接部を給送する電極面積の比率が増加するにつれて(活性エリアにわたる比較的により少ないおよび/またはより小さい溶接部に対応する)増加するので、溶接部密度および幾何学形状が、高電流密度で動作するセル内の温度分布に対して大きな影響を及ぼすことが、明白である。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学セルであって、前記電気化学セルは、
第1のパンアセンブリであって、前記第1のパンアセンブリは、
第1のパンであって、前記第1のパンは、前記第1のパンの第1の内部を通して流れる第1の電解質を受け取るように構成されている、第1のパンと、
前記第1のパンの内側に垂直に位置付けられた1つ以上の第1のリブと、
前記第1のパンの前記第1の内部の少なくとも一部を覆っている第1の電極と、
前記第1の電極を前記1つ以上のリブに溶接する複数の溶接部と
を備え、
前記複数の溶接部は、前記電極にわたって分布したアレイを形成している、第1のパンアセンブリと、
第2のパンアセンブリであって、前記第2のパンアセンブリは、
第2のパンであって、前記第2のパンは、前記第2のパンの第2の内部を通して流れる第2の電解質を受け取るように構成されている、第2のパンと、
前記第2のパンの前記第2の内部の少なくとも一部を覆っている第2の電極と
を備えている、第2のパンアセンブリと、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された分離器と
を備え、
前記複数の溶接部の数、サイズ、および位置は、高い局所温度に起因する分離器損傷を減らすために、前記電気化学セルの内部温度に対する電力消散の影響が減らされるようなものである、電気化学セル。
【請求項2】
前記複数の溶接部の各々は、線、スポット、パターン、またはそれらの組み合わせの形態である、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項3】
前記パターンは、ドット、ドットのアレイ、破線、スポット、線セグメント、長線、長円形幾何学形状、長方形幾何学形状、円形幾何学形状、六角形幾何学形状、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項4】
各溶接部の断面積は、約6mm
2
~約3,300mm
2
である、請求項1-3のいずれか1項に記載の電気化学セル。
【請求項5】
溶接部面積に対する電極面積の比率は、約15:1~約2,000:1である、請求項1-4のいずれか1項に記載の電気化学セル。
【請求項6】
前記第1の電解質および/または前記第2の電解質は、アルカリ溶液を備えている、請求項1-5のいずれか1項に記載の電気化学セル。
【請求項7】
前記分離器は、イオン交換膜を備えている、請求項1-6のいずれか1項に記載の電気化学セル。
【請求項8】
請求項1-7のいずれか1項に記載の複数の電気化学セルを備えている電解装置。
【請求項9】
方法であって、前記方法は、
電気化学セルの第1のパンの内側に1つ以上のリブを垂直に位置付けることと、
前記1つ以上のリブの上に第1の電極を位置付けることと、
複数の溶接部を用いて前記第1の電極を前記1つ以上のリブに溶接することであって、前記複数の溶接部は、前記第1の電極にわたって溶接部の分布したアレイを形成している、ことと、
第2の電極が前記第1の電極に近接しているように、前記第2の電極を備えている第2のパンを前記第1のパンに近接して位置付けることと、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に分離器を位置付けることと
を含み、
前記複数の溶接部の数、サイズ、および位置は、高い局所温度に起因する分離器損傷を減らすために、前記電気化学セルの内部温度に対する電力消散の影響が減らされるようなものである、方法。
【請求項10】
約200kg/時~約10,000kg/時の流量で前記第1のパンの前記第1の内部を通して前記第1の電解質を流動させることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
約200kg/時~約10,000kg/時の流量で前記第2のパンの前記第2の内部を通して前記第2の電解質を流動させることをさらに含む、請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
約300mA/cm
2
~約6,000mA/cm
2
の電流密度で前記電気化学セルを動作させることをさらに含む、請求項9-11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の溶接部の各々を通した電流密度が6A/mm
2
未満であるように、前記電気化学セルを動作させることをさらに含む、請求項9-12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の電極または前記第2の電極において水素ガスを生産することをさらに含む、請求項9-13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記電気化学セルの前記アノードおよび/または前記カソードパンの内側に前記1つ以上のリブを冶金的に取り付けることをさらに含む、請求項9-14のいずれか1項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
一側面において、電解装置を組み立てるためのプロセスが、提供され、プロセスは、前述の個々の電気化学セルを組み立てることと、複数の組み立てられた電気化学セルをスタックにおいて並んで設置し、電気化学セル間の電気接触を維持するためにそれらを一緒に固定することとを含む。
本発明はさらに、例えば、以下を提供する。
(項目1)
アノードおよび/またはカソードパンアセンブリであって、前記アノードおよび/またはカソードパンアセンブリは、
アノードおよび/またはカソードパンと、
1つ以上のリブであって、前記1つ以上のリブは、前記アノードおよび/または前記カソードパンの内側に垂直に位置付けられている、1つ以上のリブと、
前記1つ以上のリブに溶接された電極と、
前記電極を前記1つ以上のリブに溶接する1つ以上の溶接部と
を備えている、アノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目2)
前記アノードおよび/または前記カソードパンの内側の前記1つ以上のリブの数は、約1~75個である、項目1に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目3)
前記1つ以上のリブの厚さは、約1~3mmである、項目1または項目2に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目4)
前記1つ以上のリブの高さは、約10~110mmである、項目1-3のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目5)
2つ以上のリブ間のピッチは、約40~200mmである、項目1-4のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目6)
前記1つ以上のリブの各々は、1つ以上の切り込みと、1つ以上の隆起とを備えている、項目1-5のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目7)
前記電極は、平面電極またはエキスパンドメタルまたはメッシュである、項目1-6のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目8)
前記エキスパンドメタルまたは前記メッシュ電極の各ストランドは、約0.5~3mmの厚さを有する、項目7に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目9)
前記1つ以上の溶接部は、線、スポット、パターン、またはそれらの組み合わせの形態である、項目1-8のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目10)
前記スポットの形態であるリブあたりの前記1つ以上の溶接部の数は、リブあたり約10~50個の溶接部である、項目9に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目11)
2つ以上の溶接部が前記スポットの形態であるときの前記溶接部間の距離は、xおよびy方向において独立して約25~200mmである、項目9または10に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目12)
前記線の形態であるリブあたりの前記1つ以上の溶接部の数は、リブあたり約1~75個の溶接部である、項目9に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目13)
2つ以上の溶接部が前記線の形態であるときの前記溶接部間の距離は、xおよびy方向において独立して約40~200mmである、項目9または12に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目14)
前記パターンは、ドット、ドットのアレイ、破線、スポット、線セグメント、長線、長円形幾何学形状、長方形幾何学形状、円形幾何学形状、六角形幾何学形状、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、項目9に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目15)
各溶接部の断面積は、約6mm
2
~3,300mm
2
である、項目1-14のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目16)
溶接部面積に対する電極面積の比率は、15倍~2,000倍の範囲内である、項目1-15のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目17)
前記アノードおよび/または前記カソードパンアセンブリは、約300mA/cm
2
~6,000mA/cm
2
の高電流密度で動作する電気化学セルの内側にある、項目1-16のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目18)
各溶接部を通した前記電流密度は、6A/mm
2
未満である、項目1-17のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目19)
前記アノードおよび/または前記カソードパンアセンブリは、それぞれ、約200~10,000kg/時の高流量のアノード液またはカソード液を備えている、項目1-18のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目20)
前記1つ以上のリブの前記厚さ、前記1つ以上のリブの前記高さ、前記1つ以上のリブ間の前記ピッチ、リブあたりの前記溶接部の前記数、各溶接部間の前記距離、各溶接部の前記断面積、および/または溶接部面積に対する電極面積の比率は、前記セルの内部温度に対する高い、潜在的に増減する電力消散率の影響を最小化し、高い局所温度、機械的侵食、および/または疲労に起因する膜損傷を防止する、項目1-19のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目21)
前記アノードおよび/または前記カソードパンアセンブリは、水素ガス生産電気化学セルの内側にある、項目1-20のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目22)
アノード液および/またはカソード液をさらに備え、前記アノード液および/または前記カソード液は、アルカリ溶液を備えている、項目1-21のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリ。
(項目23)
電気化学セルであって、前記電気化学セルは、項目1-22のいずれか1項に記載のアノードおよび/またはカソードパンアセンブリと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されたイオン交換膜とを備えている、電気化学セル。
(項目24)
多数の項目23に記載の個々の電気化学セルを備えている電解装置。
(項目25)
方法であって、前記方法は、
電気化学セルのアノードおよび/またはカソードパンの内側に1つ以上のリブを垂直に位置付けることと、
前記1つ以上のリブの上に電極を位置付けることと、
1つ以上の溶接部を通して前記電極を前記1つ以上のリブに溶接することと
を含む、方法。
(項目26)
前記電極を前記1つ以上のリブと直角に設置することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記電気化学セルの前記アノードおよび/またはカソードパンの内側に1~75個のリブを垂直に位置付けることをさらに含む、項目25-26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
約1~3mmである前記1つ以上のリブの前記厚さ、約10~110mmである前記1つ以上のリブの高さ、および/または約40~200mmである2つ以上のリブ間のピッチを提供することをさらに含む、項目25-27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記1つ以上のリブの各々は、1つ以上の切り込みと、1つ以上の隆起とを備えている、項目25-28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記電極は、平面電極またはエキスパンドメタルまたはメッシュである、項目25-29のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
約0.5~3mmの厚さを有する前記エキスパンドメタルまたは前記メッシュ電極の各ストランドを提供することをさらに含む、項目30に記載の方法。
(項目32)
線、スポット、パターン、またはそれらの組み合わせの形態における前記1つ以上の溶接部を提供することをさらに含む、項目25-31のいずれか1項に記載の方法。
(項目33)
リブあたり約10~50個の溶接部である前記スポットの形態であるリブあたりの前記1つ以上の溶接部の数を提供することをさらに含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
2つ以上の溶接部が前記スポットの形態であるとき、xおよびy方向において独立して約25~200mmである前記溶接部の各々の間の距離を提供することをさらに含む、項目32または33に記載の方法。
(項目35)
リブあたり約1~75個の溶接部である前記線の形態であるリブあたりの前記1つ以上の溶接部の数を提供することをさらに含む、項目32に記載の方法。
(項目36)
2つ以上の溶接部が前記線の形態であるとき、xおよびy方向において独立して約40~200mmである前記溶接部の各々の間の距離を提供することをさらに含む、項目32または35に記載の方法。
(項目37)
約6mm
2
~3,300mm
2
である各溶接部の断面積を提供することをさらに含む、項目25-36のいずれか1項に記載の方法。
(項目38)
15倍~2,000倍の範囲内の溶接部面積に対する電極面積の比率を提供することをさらに含む、項目25-37のいずれか1項に記載の方法。
(項目39)
約200~10,000kg/時の高流量のアノード液またはカソード液の下で、前記アノードおよび/または前記カソードパンアセンブリをそれぞれ動作させることをさらに含む、項目25-38のいずれか1項に記載の方法。
(項目40)
電気化学セルを組み立てるために前記アノードおよび/または前記カソードパンアセンブリを位置付け、約300mA/cm
2
~6,000mA/cm
2
の高電流密度で前記電気化学セルを動作させることをさらに含む、項目25-39のいずれか1項に記載の方法。
(項目41)
前記電気化学セルは、水素ガス生産セルである、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記セルの内部温度に対する増減する電力消散の影響を最小化することをさらに含む、項目25-41のいずれか1項に記載の方法。
(項目43)
高い局所温度、機械的侵食、および/または疲労に起因する膜損傷を防止することをさらに含む、項目25-42のいずれか1項に記載の方法。
(項目44)
アノードおよび/またはカソードパンアセンブリを製造するためのプロセスであって、前記プロセスは、
電気化学セルのアノードおよび/またはカソードパンの内側に1つ以上のリブを垂直に位置付けることと、
前記1つ以上のリブの上に電極を位置付けることと、
1つ以上の溶接部を通して前記電極を前記1つ以上のリブに溶接することと
を含む、プロセス。
(項目45)
前記電気化学セルの前記アノードおよび/またはカソードパンの内側に前記1つ以上のリブを冶金的に取り付けることを含む、項目44に記載のプロセス。
(項目46)
電気化学セルを組み立てるためのプロセスであって、前記プロセスは、
項目1-22のいずれか1項に記載のアノードパンアセンブリをカソードパンとカソードとを備えているカソードパンアセンブリと一緒に接合することによって、個々の電気化学セルを組み立てること、または、
項目1-22のいずれか1項に記載のカソードパンアセンブリをアノードパンとアノードとを備えているアノードパンアセンブリと一緒に接合することによって、個々の電気化学セルを組み立てること、または、
項目1-22のいずれか1項に記載のアノードパンアセンブリとカソードパンアセンブリとを一緒に接合することによって、個々の電気化学セルを組み立てること、および、
前記アノードパンアセンブリと前記カソードパンアセンブリとを並列に設置し、イオン交換膜によってそれらを分離すること、および、
前記電気化学セルにセル電流および電解原料をフィーダを用いて供給すること
を含む、プロセス。
(項目47)
前記電気化学セルは、水素ガス生産セルである、項目46に記載のプロセス。
(項目48)
電解装置を組み立てるためのプロセスであって、前記プロセスは、
項目46または47に記載の個々の電気化学セルを組み立てることと、
複数の前記組み立てられた電気化学セルをスタックにおいて並んで設置し、前記電気化学セル間の電気接触を維持するためにそれらを一緒に固定することと
を含む、プロセス。
【国際調査報告】