IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 青海春天▲薬▼用▲資▼源科技股▲分▼有限公司の特許一覧

特表2024-523005性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善における、アルコールと冷感剤との組成物の使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-25
(54)【発明の名称】性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善における、アルコールと冷感剤との組成物の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/06 20060101AFI20240618BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240618BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240618BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240618BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20240618BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240618BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240618BHJP
   A61K 31/045 20060101ALI20240618BHJP
   A61K 31/22 20060101ALI20240618BHJP
   A61K 31/16 20060101ALI20240618BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20240618BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20240618BHJP
   A61K 31/194 20060101ALI20240618BHJP
   A61K 31/20 20060101ALI20240618BHJP
   A61K 31/201 20060101ALI20240618BHJP
   A61K 31/075 20060101ALI20240618BHJP
   A61P 5/24 20060101ALI20240618BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240618BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20240618BHJP
   C12G 3/04 20190101ALN20240618BHJP
   C12G 3/05 20190101ALN20240618BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P1/16
A61P9/00
A61P15/00
A61P25/20
A61P35/00
A61P37/04
A61K31/045
A61K31/22
A61K31/16
A61K31/19
A61K31/122
A61K31/194
A61K31/20
A61K31/201
A61K31/075
A61P5/24
A61P43/00 121
A23L33/10
C12G3/04
C12G3/05
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023575352
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2022074407
(87)【国際公開番号】W WO2022252663
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110614624.2
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523455493
【氏名又は名称】青海春天▲薬▼用▲資▼源科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼雪峰
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼国霞
【テーマコード(参考)】
4B018
4B115
4C084
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018MD08
4B018MD09
4B018MD93
4B018ME14
4B018MF02
4B115LG02
4B115LG03
4B115LH11
4B115LP02
4C084AA23
4C084MA16
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZA051
4C084ZA052
4C084ZA361
4C084ZA362
4C084ZA751
4C084ZA752
4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZB091
4C084ZB092
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC031
4C084ZC032
4C084ZC751
4C084ZC752
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA03
4C206CA09
4C206CA25
4C206CB15
4C206DA02
4C206DA03
4C206DA04
4C206DA07
4C206DA36
4C206DB03
4C206DB04
4C206DB33
4C206DB43
4C206DB45
4C206DB56
4C206GA03
4C206GA06
4C206GA23
4C206KA01
4C206MA03
4C206MA06
4C206MA36
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZA05
4C206ZA36
4C206ZA75
4C206ZA81
4C206ZB09
4C206ZB26
4C206ZC03
4C206ZC75
(57)【要約】
医薬並びにヘルスケア製品及び食品分野に関する、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍との闘い、並びに免疫及び睡眠の質の改善におけるアルコールと冷感剤との組成物の使用。組成物の成分は、アルコール及び冷感剤を含む。加えて、組成物は有機酸を含む。組成物中では、アルコール含量は1~99体積%であり、冷感剤の含量は0.05~500ppmである。組成物は、性機能を調節すること、心血管系及び脳血管系を保護すること、肝細胞再生を促進すること、腫瘍と闘うこと、並びに短期間内で免疫及び睡眠の質を改善することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善における、アルコールと冷感剤との組成物の使用。
【請求項2】
請求項1に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善における、アルコールと冷感剤との組成物の使用であって、前記組成物中のアルコールが、1体積%~99体積%であり、中の前記冷感剤が0.05ppm~500ppmである、使用。
【請求項3】
請求項2に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善における、アルコールと冷感剤との組成物の使用であって、前記組成物中のアルコールの含有量が30体積%~80体積%であり、前記冷感剤の含有量が10ppm~200ppmである、使用。
【請求項4】
請求項3に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善における、アルコールと冷感剤との組成物の使用であって、前記組成物中のアルコールの含有量が30体積%~60体積%であり、前記冷感剤の含有量が10ppm~100ppmである、使用。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善における、アルコールと冷感剤との組成物の使用であって、前記冷感剤が、温度受容体TRPM8の受容体を活性化する能力を有する物質であり、酢酸メンチル、乳酸L-メンチル、コハク酸モノメチル、グルタル酸L-モノメチル、L-メントールエチレングリコールカルボナート、L-メントール 1-(又は2-)-プロピレングリコールカルボナート、3-L-メントキシプロパン-1,2-ジオール、3-L-メントキシ-2-メチルプロパン-1,2-ジオール、N-エチル-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタミド、メントール又はメントンのうちの少なくとも1つを含む、使用。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善における、アルコールと冷感剤との組成物の使用であって、前記組成物が有機酸を含む、使用。
【請求項7】
請求項6に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善における、アルコールと冷感剤との組成物の使用であって、前記有機酸が150ppm~30,000ppmである、使用。
【請求項8】
請求項7に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善における、アルコールと冷感剤との組成物の使用であって、前記有機酸が1,000ppm~10,000ppmである、使用。
【請求項9】
請求項8に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善における、アルコールと冷感剤との組成物の使用であって、前記有機酸が1,000ppm~6,000ppmである、使用。
【請求項10】
請求項6~9のいずれか一項に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善における、アルコールと冷感剤との組成物の使用であって、前記有機酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ブタン酸、コハク酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸又はラウリン酸のうちの少なくとも1つから選択される、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬、ヘルスケア及び食品分野に属し、具体的には、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善におけるアルコールと冷感剤との組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
大部分の人間は、重圧の下で忙しく仕事しており、社会的な場での大量飲酒及び運動不足の場合が多い。生活と仕事の圧が増加すると、人間の身体は長期にわたる交感神経の圧上昇状態になる傾向がある。交感神経の過剰興奮が持続することによって、自己免疫低下、性機能障害及び不十分な睡眠又は不眠症といった多くの疾患が引き起こされる。
【0003】
長期にわたる過剰飲酒によって、心血管疾患及び脳血管疾患、アルコール性肝障害(alcoholic liver disease、ALD)並びに腫瘍が引き起こされる。2021年には、WHOの支部である国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer、IARC)は、Lancet腫瘍学におけるアルコール関連がんの世界的重責に関する報告書を発行した。この報告書は、2020年には、76.7%の男性及び23.3%の女性を含む世界規模でおよそ740,000件の新規がんが飲酒に関連していることを示している。心血管疾患及び脳血管疾患を有する中国の患者は、2億7000万人を超えている。アルコール性肝障害(ALD)は、肝傷害の一般的な臨床型である。最新の疫学調査は、ALDが、世界規模で公衆衛生を深刻な危険にさらす共通する疾患の1つであり続けており、年々増加していることを見出した。アルコール依存患者の90%超は脂肪肝にかかりやすく、10%~35%はアルコール性肝炎を発症し、約8%~20%の慢性アルコール依存患者は肝硬変に進行するか、肝臓がんを引き起こすことさえある。中国では、毎年300万人近くが心血管疾患及び脳血管疾患で死亡しており、年間の総死因の51%を占めている。ただし、生存者の75%は、様々な程度で働く能力を失っており、40%は重度の障害を負った。
【0004】
非特許文献1では、中国全省にわたって100,000人を調査した。調査結果は、回答者の83.81%が睡眠問題にしばしば悩まされていたことを示している。調査は、中国の睡眠問題が年々増加しており、睡眠問題が徐々に社会問題に変化し、睡眠問題を抱える人々が自己免疫低下、性機能障害及び他の症状を併発することが多いことを示している。
【0005】
免疫の低下、性機能低下及び不十分な睡眠といった上記健康問題を有する人々の大部分は、実際の疾患について検出することができず、かつ長期間にわたり薬物によって効果的に処置されることができない。一般に、ダイエットを通じて、又は栄養補助食品を投与することによってこれらは処置されるが、そうした方法は、免疫低下、性機能低下、不十分な睡眠及び他の健康問題の短期的な緩和には有効ではない可能性がある。加えて、ダイエット又は栄養補助食品を通じた処置には長い時間がかかり、効果が出るのが遅いため、患者はこうした処置を継続することが困難である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】2018 China Sleep Quality Survey Report released by the Sleep and Breathing Center of Beijing Chaoyang Hospital
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善におけるアルコールと冷感剤との組成物の使用を提供する。
【0008】
更には、組成物中のアルコールは、1体積%~99体積%であり、中の冷感剤は、0.05ppm~500ppmである。
【0009】
好ましくは、組成物中のアルコールは、30体積%~80体積%であり、中の冷感剤は、10ppm~200ppmである。
【0010】
より好ましくは、組成物中のアルコールは、30体積%~60体積%であり、中の冷感剤は、10ppm~100ppmである。
【0011】
更には、冷感剤は、温度受容体TRPM8の受容体を活性化させる能力を有する物質である。冷感剤は、酢酸メンチル、乳酸L-メンチル、コハク酸モノメチル、グルタル酸L-モノメチル、L-メントールエチレングリコールカルボナート、L-メントール1-(又は2-)-プロピレングリコールカルボナート、3-L-メントキシプロパン-1,2-ジオール、3-L-メントキシ-2-メチルプロパン-1,2-ジオール、N-エチル-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタミド、メントール又はメントンのうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
更には、組成物は有機酸を含む。
【0013】
更には、有機酸は150ppm~30,000ppmである。
【0014】
更には、有機酸は1,000ppm~10,000ppmである。
【0015】
更には、有機酸は1,000ppm~6,000ppmである。
【0016】
更には、有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ブタン酸、コハク酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸又はラウリン酸のうちの少なくとも1つから選択される。
【0017】
本発明の有益な効果は、特定のアルコール濃度のベース酒に冷感剤を添加するか、メントールを含む冷感剤天然植物(ペパーミント及びスペアミント)を添加して種々の溶液の発酵段階全てに関与させて冷感剤を得て、次いで、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善といった能力を有する組成物を調製するために、ブレンド又は精製によって冷感剤及びアルコールを制御するという点である。本発明の組成物は、副交感神経シグナル伝達経路を活性化し、それによって一般的な食事療法及び栄養補助食品が、短期間内での性機能、免疫及び睡眠の質を改善させることができないという問題を大幅に解決し、かつ生物の保護、回復及び修復を可能にすることで、5~7日以内に性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善といった役割を果たすことができる。冷感剤を含むベース酒中の更なる有機酸は、良好な効果を有する。本発明の組成物は、医薬、食品及びヘルスケア製品分野で利用されることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の詳細な説明
「酒」という用語は、蒸留酒、発酵酒、アルコール飲料又は混成アルコール飲料である。
【0019】
人体は複雑系であり、単一の調整ではなく、種々の調整によって身体機能のバランスを維持する。本発明は、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善におけるアルコールと冷感剤との組成物の使用を提供する。本発明の組成物中のアルコールは、1体積%~99体積%であり、中の冷感剤は、0.05ppm~500ppmである。好ましくは、組成物中のアルコールは、30体積%~80体積%であり、中の冷感剤は、10ppm~200ppmである。より好ましくは、組成物中のアルコールは、30体積%~60体積%であり、中の冷感剤は、10ppm~100ppmである。
【0020】
本発明のアルコールは、蒸留酒、発酵酒又は食用アルコールのうちの少なくとも1つから選択される。
【0021】
蒸留酒は、酒、ブランデー、ウイスキー、ウォッカ、ラム、ジン、テキーラ又は果実蒸留酒のうちの少なくとも1つから選択される。
【0022】
発酵酒は、シャルトリューズ、ビール、酒、果実酒、精白ライスリキュール又はミルクリキュールのうちの少なくとも1つから選択される。
【0023】
冷感剤は、温度受容体TRPM8の受容体を活性化させる能力を有する物質であり、かつ酢酸メンチル、乳酸L-メンチル、コハク酸モノメチル、グルタル酸L-モノメチル、L-メントールエチレングリコールカルボナート、L-メントール1-(又は2-)-プロピレングリコールカルボナート、3-L-メントキシプロパン-1,2-ジオール、3-L-メントキシ-2-メチルプロパン-1,2-ジオール、N-エチル-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタミド、メントール又はメントンのうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
更には、出願人は、冷感剤を含むベース酒への有機酸の添加は、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善において良好な効果を有することを見出した。
【0025】
有機酸は、150ppm~30,000ppmである。更には、有機酸は1,000ppm~10,000ppmである。更には、有機酸は1,000ppm~6,000ppmである。
【0026】
有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ブタン酸、コハク酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸又はラウリン酸のうちの少なくとも1つから選択される。
【0027】
本発明の組成物はまた、アルコール濃度を調整するための水を含む。
【0028】
本発明の組成物を調製するための方法は、以下の工程:アルコール中に冷感剤を溶解する工程、次いで水を添加して混合物を十分混合する工程を含む。代替的には、アルコール中に冷感剤を溶解する工程、次いで有機酸を添加する工程、最後に水を添加して混合物を十分混合する工程を含む。
【0029】
試験結果は、5~7日間の短期間にわたってある用量のアルコール、冷感剤又は有機酸を単独で飲用する健常な成人は、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善においては有意な効果を有さないということを示す。冷感剤と有機酸とのある用量の組成物、又はアルコールと有機酸とのある用量の組成物を短期間で飲用することは、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善においては有意な効果を有さない。ただし、アルコールと冷感剤とのある用量の組成物を短期間で飲用することは、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善において、改善効果を有する。アルコールと冷感剤と有機酸とのある用量の組成物を短期間で飲用することは、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善において、有意な改善効果を有する。
【0030】
本願の組成物は、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善のために使用される。このことは、人体の組成物中のアルコール及び冷感剤の摂取量に主に関連している。人体の味への適応及び人体のアルコール耐性といった観点では、組成物の摂取量は、組成物中のアルコール及び冷感剤の含量によって変化することがある。組成物中のアルコール及び冷感剤が少ないときには、組成物の摂取量を増加してアルコール及び冷感剤の摂取量を増加させることができる。これによって、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善といった役割を果たしている。組成物中のアルコール及び冷感剤が多いときには、組成物を水で希釈して、味の適応及びアルコール耐性に関する人体の個別の要件を満たし、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善といった効果を得ることができる。
【0031】
表Aは、推奨摂取量範囲を示す。
【数1】
【0032】
臨床研究は、アルコールの長期過剰摂取によって睡眠及び性機能障害が引き起こされ、更には心血管疾患及びアルコール性肝障害の発症、更には人体の免疫系に大きな影響を及ぼす腫瘍の発生が引き起こされる可能性があることを示している。中枢神経系におけるアルコールの抑制作用は、用量増加に伴い、大脳皮質から下って大脳辺縁系、小脳、網状構造及び延髄に到るまでの興奮作用を意味する。これは、アルコールが、脳のシナプス後膜γ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid、GABA)受容体に作用し、それによって脳でのGABAの抑制作用を抑制するという事実による。アルコール濃度が増加すると、アルコールは他の受容体に更に結合し、それによって広範な効果を引き起こす。研究は、アルコールが免疫機能を低下させ、インターフェロン分泌を抑制し、かつ新たに導入された抗原に対する元の抗体の応答性に干渉することを示している。研究は、長期大量飲酒によってラットの性機能障害が引き起こされた可能性があることを示した。これは、血清レベルを低下させ、ラットの性機能障害を直接抑制するため、アルコールが視床下部-下垂体-性腺軸を抑制するといった事実が原因である。加えて、アルコール抑制によって、陰茎組織のコリンアセチルトランスフェラーゼ活性を抑制し、結果、ラットの性機能を間接的に抑制することから、陰茎の平滑筋萎縮が更に引き起こされる可能性がある。
【0033】
研究は、メントール誘導体が睡眠潜時を短縮し、チオセミカルバジドの中枢性興奮作用に拮抗して睡眠の質を改善する可能性があり、同時に、L-メントール及びその誘導体が、ラットの海馬領域でのグルタマート受容体及びアセチルコリンステラーゼの発現レベルを有意に抑制する可能性があり、それによってラットの認知能力及び記憶を改善させることを示している。加えて研究は、L-メントール及びその誘導体は、生物に抗うつ作用、抗けいれん作用及び催眠作用を有することもまた示している。研究者らは、いくつかのメントール誘導体がTRPM8を活性化することが可能であり、これらが、高い開発ポテンシャルを有しながら、メントールよりも高い有効性及び特異性を有することを見出した。研究は、TRPM8活性化が血管の圧力を改善し、高血圧を予防することができると示している。TRPM8は、広範に分布している。前立腺がんで発現されるTRPM8に加えて、いくつかの非前立腺原発腫瘍でもTRPM8は発現され、腫瘍細胞の生存及び増殖に関連している。抗腫瘍療法の新たな標的となる可能性が高い。
【0034】
有機酸は、細胞性免疫系を調節し、宿主細胞を誘導して抗菌ペプチドを産生して間接的な細菌抑制を達成することができ、それによって身体の免疫がもたらされる。一方、研究は、コハク酸がラットの海馬のCAI領域にてGABA及びGlu神経伝達物質系の両方に調節作用を有し、カルシウムイオンを中心とする調節機構を通じてGABA系に作用し得るということを報告した。
【0035】
本発明は最初に、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善におけるアルコールと冷感剤との組成物の有用な作用、特に、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善におけるアルコールと冷感剤と有機酸の組成物の有用な作用について調査した。本発明によれば、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善について組成物の機能を評価するため、血液中の3種の免疫グロブリン(IgA、IgG、IgM)、セロトニン(5-HT)、エストラジオール(E)、テストステロン(T)及び一酸化窒素(NO)を測定する。ただし、男性については、インターフェロン-γ(IFN-γ)が測定される必要があり、女性については、プロゲステロン(P)、ドーパミン(DA)、エンドルフィン(β-EP)が測定される必要がある。また、ヒトの深い睡眠の割合を測定する。
【0036】
免疫グロブリンは、体内の抗感染の重要物質である。ウイルス感染及び細菌感染に対して、良好なレベルの免疫グロブリンを維持することが重要である。臨床的には、免疫グロブリンIgA、IgG及びIgMが多くの場合検査される。IgA、IgG及びIgMの濃度は、体液性免疫機能のレベルを表し、高濃度は強い体液性免疫機能を示す。
【0037】
インターフェロン-γ(IFN-γ)は、Tリンパ球によって分泌される代表的なサイトカインであり、免疫反応及び炎症反応、腫瘍予防並びに細胞分裂抑制について抗ウイルス作用及び免疫調節作用を有する。IFN-γは、抗腫瘍細胞増殖、腫瘍血管新生の抑制及び免疫調節作用のため、広範に関係する抗腫瘍薬となっている。IFN-γは、種々の腫瘍の増殖を大幅に抑制することができ、臨床試験に適用されてきた。IFN-γは、腫瘍細胞及び抗原提示細胞表面の接着分子及びMHC分子の発現レベルを増加することによって、身体の免疫系が腫瘍を認識及び死滅するのを支援し、より多くの免疫細胞の動員を促進し、それによって抗腫瘍作用を良好に発揮する。研究は、腫瘍微細環境では、IFN-γはCD4+Th1細胞を活性化してその免疫機能を発揮するだけではなく、がん細胞の増殖の抑制、がん性細胞のアポトーシス促進、がん細胞の直接死滅、がん細胞中の主要組織適合性複合体クラスI分子の高い発現レベルの促進もまた行い、結果、特異的T細胞によってがん細胞が認識されることを示している。
【0038】
セロトニン(5-HT)は、重要な免疫調節因子である。これは、抗腫瘍、抗ウイルスなどに関連するナチュラルキラー(natural killer、NK)細胞による致死を促進し、マクロファージの食作用を強化し、T細胞の増殖及び活性化を促進させることができる。アミン神経伝達物質として、セロトニンは天然の気分安定剤であり、我々にとって幸福感、感情的な平静さ及び集中的な注意力を得るのに重要である。同時に、近年の研究は、5-HTはまた、細胞の有糸分裂を促進し、組織修復に関与していることが見出された。近年、多くの研究が、5-HTが肝臓再生中に肝細胞の増殖を調節しているという点で重要な役割を果たしていることが見出された。血小板は、血液中で5-HTの主なキャリアであり、種々の器官に5-HTを輸送することができる。
【0039】
エストラジオールはエストロゲンであり、高いエストラジオールは、精巣によるアンドロゲンの合成及び分泌を抑制することができる。これによって、不十分なアンドロゲンの分泌による性機能障害が引き起こされる。エストロゲンは、性的興奮段階での膣粘膜の厚さ及び弾性、並びに膣潤滑性を維持する。
【0040】
アンドロゲン及びエストロゲンは、男性及び女性生殖器の発達、機能維持、代謝及び老化にとって重要である。男性の身体におけるテストステロン/エストラジオールの比(T/E)を高く維持することは、勃起機能、精子形成及び受精能力の維持にとっては非常に重要である。女性の性的欲求は、最初にテストステロン(T)によって決定される。テストステロンサプリメントは、女性の性的欲求及び良好な気分を増大させることができる。テストステロン/エストラジオール(T/E)比が増加するとき、テストステロンは女性にとって非常に効果的な催淫薬である。
【0041】
一酸化窒素(NO)は、勃起機能に関連する血清指標であり、海綿体血管平滑筋を弛緩させ、勃起を引き起こすことができる。これは、男性の勃起機能を確実なものにするためには重要な物質である。一酸化窒素は、生殖器の血流を増加させ、正常な性機能を維持する上で重要な役割を果たすことができる。これは、陰核及び膣の充血を引き起こし、陰核の感受性及び膣の潤滑性を増加させることができる。一方、これは心血管系及び脳血管系にも密接に関連している。1980年に最初に発見された内皮細胞由来弛緩因子(Endothelium-derived relaxing factor、EDRF)は、現在NOであることが確認されている。これは、血管拡張作用を有し、虚血といった生理学的状態における生物学的情報の細胞内及び細胞間伝達についてはメッセンジャーとしての役割を果たす。研究は、一酸化窒素が動脈の平滑筋細胞に接触してこれを弛緩させてこれを拡張し、高血圧の低下をもたらし、血流を改善することを示している。加えて、一酸化窒素は、いくつかの危険な領域における血液凝固を防止する。血液が心臓又は脳で凝固する場合、患者は心疾患又は脳卒中を患う。身体が十分な量の一酸化窒素を産生すると仮定すると、心疾患のリスクは大幅に減少する。したがって、一酸化窒素は血圧を効果的に低下させ、脳卒中及び心疾患を予防することができる。
【0042】
プロゲステロンは、女性の性的欲求を増加させ、ドーパミンは性的欲求及び性的興奮を増加させる。
【0043】
血清エンドルフィン(β-EP)は、身体において非常に重要な神経調節物質であり、身体の天然アヘン及び「快楽ホルモン」として知られている。これは、人々が若々しく幸福な状態を維持するのに役立つ。同時に、これは女性の内分泌系を調節し、うつを軽減して喜びを高めることができる。
【0044】
睡眠は、ヒトの健康の保護、並びに正常な生理学的及び心理学的活動の維持にとって極めて重要である。睡眠の質はまた、身体の免疫機能保護に大きな役割を果たす。
【0045】
多くの研究は、副交感神経系が、神経系、内分泌系及び免疫系において重要な調節という役割を果たしており、その基礎的な機能として、唾液腺、胃腸、肝臓及び胆汁及び膵臓の分泌を増大させ、腸の蠕動運動を高めるために消化腺の分泌を促進すること、栄養素及びエネルギー吸収を促進すること、膵臓ランゲルハンス島細胞によるインスリン分泌を促進すること、エネルギー蓄積を高めるために肝グリコーゲンの生成を促進すること、刺激を低下させるために瞳孔を狭めること、心拍数を低下させること、不必要な消費を節約するために血圧などを低下させること、内分泌調節に関与し、生殖器の血管の拡張及び勃起、並びに性器の分泌増大を引き起こすために生殖活動を支援することが挙げられることを示している。研究はまた、副交感神経の活動電位が男性の勃起を直接引き起こすことができることを示している。まとめると、副交感神経は我々の身体を弛緩させるのに役立ち、それによって我々は平静さと落ち着き、喜びとリラックス状態を知覚することが可能であり、それによってエネルギー蓄積及び疲労回復を高めて身体の保養、回復及び保護を達成する。加えて、こうすることで絶えず過剰に興奮している交感神経を正常な状態に回復させ、身体の慢性的なストレス状態を改善することができる。
【0046】
副交感神経が刺激されているときには、これは神経信号の伝達物質として大量のアセチルコリン(Ach)を放出する。アセチルコリンは、副交感神経を通じて標的器官に伝達される。M受容体は、ムスカリン受容体の省略であり、副交感神経の節後線維によって神経支配されたエフェクター細胞に広く見られる。M受容体は、副交感神経から信号(アセチルコリン)を受け取り、細胞内部で一連の生化学反応を発生させ、交感神経終末にて興奮作用を提示する。対照的に、M受容体は、PLC/PIP2/IP3シグナル伝達経路を介して副交感神経の興奮作用を達成する。
【0047】
細胞内M受容体は、Gタンパク質に結合し、Gαqタンパク質結合型受容体介在ホスホリパーゼC(phospholipase C、PLC)シグナル伝達系は、広範なシグナル伝達機構である。Gαqタンパク質の活性化後、PLCβが活性化され、次いで細胞膜上でホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸(phosphatidylinositol-4,5-bisphosphate、PIP2)は、2つの二次メッセンジャー、すなわちイノシトール三リン酸(inositol triphosphate、IP3)及びジアシルグリセロールピロリン酸(diacylglycerol pyrophosphate、DAG)に加水分解される。M3受容体は、小胞体膜に広く見られ、細胞内カルシウム動員を誘発することが可能であるチャネルタンパク質として機能する。これはIP3に結合し、細胞内カルシウム動員を誘発することができ、細胞内カルシウムレベルの増加を引き起こす。これは細胞内カルシウムシグナル伝達系を開始する。加えて、例えばイオンチャネル機能、細胞周期、腺分泌、平滑筋収縮、血管拡張及び生殖器勃起といった一連の生理学的プロセスは、カルシウムイオンのカルモジュリンなどの酵素活性の変化を介して調節される。したがって、M3受容体は、PLC/PIP2/IP3シグナル伝達経路を介して副交感神経の興奮作用を達成する。
【0048】
実験を通じて、本発明の組成物はムスカリンアセチルコリン受容体(M3受容体)の発現レベル、並びにPLC/PIP2/IP3シグナル伝達経路のPLC及びIP3の含量を増加させることができることが見出される。これは、性機能を調節し、心血管系及び脳血管系を保護し、肝細胞再生を促進し、腫瘍を予防し、かつ免疫及び睡眠の質を改善する組成物の機能が、副交感神経シグナル伝達経路を介して調節されることを示している。
【0049】
以下は、特定の実施形態を通じて本発明の実施形態を更に説明するものであるが、これは本発明の保護範囲が実施形態に記載の範囲に限定されることを示すものではない。
【実施例
【0050】
実施例1 本発明の組成物1の調製
組成物1は、4:5:1の重量比で、酢酸メンチル、乳酸L-メンチル及びコハク酸モノメチルによって調製された冷感剤、14:15:1.5:1:1の重量比で、酢酸、乳酸、プロピオン酸、ブタン酸及びヘキサン酸によって調製された有機酸、並びにベース酒として4.5体積%のビールといった成分を含む。
【0051】
アルコールが1体積%であり、冷感剤が0.05ppmであり、有機酸が150ppmである組成物1を、上記冷感剤、有機酸、精製水とブレンドしたベース酒で調製した。
【0052】
実施例2 本発明の組成物2の調製
組成物2は、2:5:3の重量比でコハク酸モノメチル、グルタル酸L-モノメチル及びN-エチル-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミドによって調製された冷感剤、7:8:1:2:1:1の重量比で、酢酸、乳酸、プロピオン酸、コハク酸、ペンタン酸及びヘプタン酸によって調製された有機酸、並びにベース酒として40体積%のウイスキーといった成分を含む。
【0053】
アルコールが30体積%であり、冷感剤が10ppmであり、有機酸が1000ppmである組成物2を、上記冷感剤、有機酸、精製水とブレンドしたベース酒で調製した。
【0054】
実施例3 本発明の組成物3の調製
組成物3は、2:3:2:3の重量比で、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタミド、乳酸L-メンチル、コハク酸モノメチル及びL-メントールエチレングリコールカルボナートによって調製された冷感剤、1:8:5:2:1:1:1:の重量比で、ギ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、オクタン酸、ノナン酸及びデカン酸によって調製された有機酸、並びにベース酒として60体積%の中国白酒といった成分を含む。
【0055】
アルコールが60体積%であり、冷感剤が100ppmであり、有機酸が6000pmである組成物3を、上記冷感剤、ベース酒とブレンドした有機酸で調製した。
【0056】
実施例4 本発明の組成物4の調製
組成物4は、3:4:3の重量比でコハク酸モノメチル、グルタル酸L-モノメチル及びN-エチル-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミドによって調製された冷感剤、5:5:1:2:1:1の重量比で、酢酸、乳酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸及び酒石酸によって調製された有機酸、並びにベース酒として12体積%の中国白酒といった成分を含む。
【0057】
アルコールが80体積%であり、冷感剤が200ppmであり、有機酸が10000ppmである組成物4を、上記冷感剤、有機酸、食用アルコールとブレンドしたベース酒で調製した。
【0058】
実施例5 本発明の組成物5の調製
組成物5は、4:1:2:3:1の重量比で、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタミド、乳酸L-メンチル、3-L-メントキシプロパン-1,2-ジオール、L-メントール1-(又は2-)-プロピレングリコールカルボナート及びグルタル酸L-モノメチルによって調製された冷感剤、5:1:1:2:2の重量比で、乳酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、クエン酸及びリンゴ酸によって調製された有機酸、並びにベース酒として99体積%の脱水食用アルコールといった成分を含む。
【0059】
アルコールが99体積%であり、冷感剤が500ppmであり、有機酸が30000pmである組成物5を、上記冷感剤、ベース酒とブレンドした有機酸で調製した。
【0060】
実施例6 本発明の組成物6の調製
組成物6は、2:3:5の重量比で、酢酸メンチル、乳酸L-メンチル及びN,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタミドによって調製された冷感剤、3:1:1:4:2の重量比で、酢酸、コハク酸、ヘキサン酸、クエン酸及びリンゴ酸によって調製された有機酸、並びにベース酒として50体積%の中国白酒といった成分を含む。
【0061】
アルコールが50体積%であり、冷感剤が50ppmであり、有機酸が3000pmである組成物6を、上記冷感剤、ベース酒とブレンドした有機酸で調製した。
【0062】
実施例7 本発明の組成物7の調製
組成物7は、4:6の重量比で、乳酸L-メンチル及びコハク酸モノメチルによって調製された150ppmの冷感剤、3:3:1:1:2の重量比で、酢酸、乳酸、コハク酸、ヘキサン酸及び酒石酸によって調製された有機酸、並びにベース酒として70体積%の食用アルコールといった成分を含む。
【0063】
アルコールが70体積%であり、冷感剤が150ppmであり、有機酸が8000pmである組成物7を、上記冷感剤、ベース酒とブレンドした有機酸で調製した。
【0064】
比較例1 低アルコール組成物8の調製
組成物8は、4:5:1の重量比で、酢酸メンチル、乳酸L-メンチル及びコハク酸モノメチルによって調製された冷感剤、14:15:1.5:1:1の重量比で、酢酸、乳酸、プロピオン酸、ブタン酸及びヘキサン酸によって調製された有機酸、並びにベース酒として15体積%の清酒といった成分を含む。
【0065】
アルコールが0.5体積%であり、冷感剤が5ppmであり、有機酸が500ppmである組成物8を、上記冷感剤、有機酸、精製水とブレンドしたベース酒で調製した。
【0066】
比較例2 低冷感剤組成物9の調製
組成物9は、2:5:3の重量比でコハク酸モノメチル、グルタル酸L-モノメチル及びN-エチル-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミドによって調製された冷感剤、7:8:1:2:1:1の重量比で、酢酸、乳酸、プロピオン酸、コハク酸、ペンタン酸及びヘプタン酸によって調製された有機酸、並びにベース酒として53体積%の▲ジャン▼(Jiang)香型白酒といった成分を含む。
【0067】
アルコールが53体積%であり、冷感剤が0.04ppmであり、有機酸が2000pmである組成物9を、上記冷感剤、ベース酒とブレンドした有機酸で調製した。
【0068】
実施例8 酸性が低い組成物10の調製
組成物10は、2:3:2:3の重量比で、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタミド、乳酸L-メンチル、コハク酸モノメチル及びL-メントールエチレングリコールカルボナートによって調製された冷感剤、1:8:5:2:1:1:1:の重量比で、ギ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、オクタン酸、ノナン酸及びデカン酸によって調製された有機酸、並びにベース酒として50体積%の食用アルコールといった成分を含む。
【0069】
アルコールが50体積%であり、冷感剤が50ppmであり、有機酸が100pmである組成物10を、上記冷感剤、ベース酒とブレンドした有機酸で調製した。
【0070】
比較例3 アルコールを含まない組成物11の調製
組成物11は、2:3:3:1の重量比で、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタミド、グルタル酸L-モノメチル、コハク酸モノメチル及びL-メントールエチレングリコールカルボナートによって調製された冷感剤、5:5:1:2:1:1の重量比で、酢酸、乳酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸及び酒石酸によって調製された有機酸といった成分を含む。
【0071】
冷感剤が5ppmであり、有機酸が1000ppmである組成物11を、上記冷感剤、精製水とブレンドした有機酸で調製した。
【0072】
比較例4 冷感剤を含まない組成物12の調製
組成物12は、3:1:1:4:2の重量比で、酢酸、コハク酸、ヘキサン酸、クエン酸及びリンゴ酸によって調製された有機酸、並びにベース酒として53体積%の▲ジャン▼(Jiang)香型白酒といった成分を含む。
【0073】
アルコールが53体積%であり、有機酸が2000pmである組成物12を、ベース酒とブレンドした上記有機酸で調製した。
【0074】
実施例9 有機酸を含まない組成物13の調製
組成物13は、4:1:2:3の重量比で、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタミド、3-L-メントキシプロパン-1,2-ジオール、L-メントール1-(又は2-)-プロピレングリコールカルボナート及びグルタル酸L-モノメチルによって調製された冷感剤、並びにベース酒として60体積%の食用アルコールといった成分を含む。
【0075】
アルコールが60体積%であり、冷感剤が100ppmである組成物13を、ベース酒とブレンドした上記冷感剤で調製した。
【0076】
実施例10 有機酸を含まない組成物14の調製
組成物14は、10:8:2:1の重量比で、酢酸メンチル、コハク酸モノメチル、メントール及びメントンによって調製された冷感剤、並びにベース酒として1体積%の食用アルコールといった成分を含む。
【0077】
アルコールが1体積%であり、冷感剤が0.05ppmである組成物14を、ベース酒とブレンドした上記冷感剤で調製した。
【0078】
実施例11 有機酸を含まない組成物15の調製
組成物15は、3:2:1:2:2の重量比で、酢酸メンチル、乳酸L-メンチル、コハク酸モノメチル、グルタル酸L-モノメチル及びL-メントールエチレングリコールカルボナートによって調製された冷感剤、並びにベース酒として30体積%の食用アルコールといった成分を含む。
【0079】
アルコールが30体積%であり、冷感剤が10ppmである組成物15を、ベース酒とブレンドした上記冷感剤で調製した。
【0080】
実施例12 有機酸を含まない組成物16の調製
組成物16は、2:1:3:1の重量比で、コハク酸モノメチル、3-L-メントキシ-2-メチルプロパン-1,2-ジオール、N-エチル-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド及び2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブチルアミドによって調製された冷感剤、並びにベース酒として99体積%の食用アルコールといった成分を含む。
【0081】
アルコールが99体積%であり、冷感剤が500ppmである組成物16を、ベース酒とブレンドした上記冷感剤で調製した。
【0082】
上記組成物中のアルコール、冷感剤及び有機酸の量を表Bに示す。
【数2】
【0083】
効果の検証
性機能、心血管系及び脳血管系、肝細胞再生、腫瘍の予防、免疫及び睡眠の質の改善を、実施例及び比較例で調製された組成物の指標について評価する。具体的な方法は以下の通りであった:
【0084】
対象:31人の健常男性(19~56歳)及び36人の健常女性(25~50歳)。参加者は、試験酒試料並びに試験方法及び要件を十分に理解し、かつインフォームドコンセント用紙に署名した後に試験に一律に参加した。
【0085】
飲用量及び時間:50mL/1人/1日、7日間連続して夕食時にまとめて飲用する。飲用の最初の7日前から、飲用終了時に種々の指標を試験するまで、他のアルコール飲料及び機能性飲料並びに栄養補助食品の飲用を中止する。前後対照比較法を使用した。
【0086】
試験指標
血清学的指標:飲用前及び飲用7日後に採血し、男性については、3種の免疫グロブリン(IgA、IgG、IgM)、インターフェロン-γ(IFN-γ)、セロトニン(5-HT)、エストラジオール(E)、テストステロン(T)及び一酸化窒素(NO)を試験した。女性については、3種の免疫グロブリン(IgA、IgG、IgM)、セロトニン(5-HT)、エストラジオール(E)、テストステロン(T)、プロゲステロン(P)、一酸化窒素(NO)、ドーパミン(DA)及びエンドルフィン(β-EP)を試験した。
【0087】
血液試料試験機関:Chengdu Lilai Biotechnology Co.,Ltd
【0088】
スリープブレスレット及び尺度の評価:睡眠モニタリングブレスレット(Huawei Bracelet 4)は、飲用前2日間から飲用後2日間までの毎日の睡眠データを監視した。飲用前2日間のモニタリングの目的は、2日間の平均データを取得し、かつブレスレットの異常データ又は不完全な記録を避けることであった。
【0089】
統計方法:ソフトウェアSPSS 22.0、対応ありT検定
【0090】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した男性の血清免疫グロブリン指標を試験し、表1で示される結果を得た。
【表1】
【0091】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群の免疫グロブリンレベルは様々な程度まで増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまたわずかに増加したが、それらの増加率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、免疫グロブリンレベルにおいては有意な差が見られなかった。本発明の組成物が男性の免疫グロブリンレベルを増加させることを証明しており、それによって該組成物が、男性の免疫グロブリンレベルを増加させることで免疫を強化することができると示している。
【0092】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した女性の血清免疫グロブリン指標を試験し、表2で示される結果を得た。
【表2】
【0093】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群の免疫グロブリンレベルは様々な程度まで増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまたわずかに増加したが、それらの増加率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、免疫グロブリンレベルにおいては有意な差が見られなかった。本発明の組成物が女性の免疫グロブリンレベルを増加させることを証明しており、それによって該組成物が、女性の免疫グロブリンレベルを増加させることで免疫を強化することができると示している。
【0094】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した男性のインターフェロン-γ(IFN-γ)指標を試験し、表3で示される結果を得た。
【表3】
【0095】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群のIFN-γレベルは増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまたわずかに増加したが、それらの増加率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、IFN-γレベルにおいては有意な差が見られなかった。本発明の組成物が男性のIFN-γを増加させることを証明しており、それによって該組成物が、男性のIFN-γレベルを増加させることで腫瘍を防止し、かつ免疫を強化することができると示している。
【0096】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した男性のセロトニン(5-HT)指標を試験し、表4で示される結果を得た。
【表4】
【0097】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群のセロトニン(5-HT)レベルは有意に増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまたわずかに増加したが、それらの増加率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、セロトニン(5-HT)レベルにおいては有意な差が見られなかった。本発明の組成物が男性のセロトニン(5-HT)レベルを増加させることを証明しており、それによって該組成物が、男性の5-HTレベルを増加させることで肝細胞再生を促進し、かつ免疫を強化することができると示している。
【0098】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した女性のセロトニン(5-HT)指標を試験し、表5で示される結果を得た。
【表5】
【0099】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群のセロトニン(5-HT)レベルは有意に増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまたわずかに増加したが、それらの増加率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、セロトニン(5-HT)レベルにおいては有意な差が見られなかった。本発明の組成物が女性のセロトニン(5-HT)レベルを増加させることを証明しており、それによって該組成物が、女性の5-HTレベルを増加させることで肝細胞再生を誘発し、かつ免疫を強化することができると示している。
【0100】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した男性のエストラジオール(E)指標を試験し、表6で示される結果を得た。
【表6】
【0101】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群のエストラジオール(E)レベルは減少し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまたわずかに減少したが、それらの減少率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、エストラジオール(E)レベルにおいては有意な差が見られなかった。本発明の組成物が男性のエストラジオール(E)レベルを減少させることを証明しており、それによって該組成物が、男性のEレベルを減少させることで性機能を調節することができると示している。
【0102】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した女性のエストラジオール(E)指標を試験し、表7で示される結果を得た。
【表7】
【0103】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群のエストラジオール(E2)レベルは増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまたわずかに増加したが、それらの減少率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、エストラジオール(E2)レベルにおいては有意な差が見られなかった。本発明の組成物が女性のエストラジオール(E2)レベルを増加させることを証明しており、それによって該組成物が、女性のE2レベルを増加させることで性機能を調節することができると示している。
【0104】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した男性のテストステロン/エストラジオール(T/E2)指標を試験し、表8で示される結果を得た。
【表8】
【0105】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群のテストステロン/エストラジオール(T/E)の比は増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまたわずかに増加したが、それらの増加率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、テストステロン/エストラジオール(T/E)の比において増加はほぼ見られなかった。本発明の組成物が男性のテストステロン/エストラジオール(T/E)の比をいくらか増加させることを証明しており、それによって該組成物が、男性のテストステロン/エストラジオール(T/E)の比を増加させることで性機能を調節することができると示している。
【0106】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した女性のテストステロン/エストラジオール(T/E)指標を試験し、表9で示される結果を得た。
【表9】
【0107】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群のテストステロン/エストラジオール(T/E)の比は増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまたわずかに増加しなかったことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、テストステロン/エストラジオール(T/E)の比において増加はほぼ見られなかった。本発明の組成物が女性のテストステロン/エストラジオール(T/E)の比をいくらか増加させることを証明しており、それによって該組成物が、女性のテストステロン/エストラジオール(T/E)の比を増加させることで性機能を調節することができると示している。
【0108】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した男性の一酸化窒素(NO)指標を試験し、表10で示される結果を得た。
【表10】
【0109】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群の一酸化窒素レベルは有意に増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまたわずかに増加したが、それらの増加率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、一酸化窒素レベルにおいて増加はほぼ見られなかった。本発明の組成物は、男性の一酸化窒素レベルを効果的に増加可能であることを証明しており、それによって該組成物が、性機能を調節し、かつ男性の一酸化窒素レベルを増加させることで心血管系及び脳血管系を保護することができると示している。
【0110】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した女性の一酸化窒素(NO)指標を試験し、表11で示される結果を得た。
【表11】
【0111】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群の一酸化窒素レベルは有意に増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16は有意な増加を示さなかったことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、一酸化窒素レベルにおいて増加はほぼ見られなかった。本発明の組成物は、女性の一酸化窒素レベルを効果的に増加可能であることを証明しており、それによって該組成物が、性機能を調節し、かつ女性の一酸化窒素レベルを増加させることで心血管系及び脳血管系を保護することができると示している。
【0112】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した女性のプロゲステロン(P)指標を試験し、表12で示される結果を得た。
【表12】
【0113】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群のプロゲステロン(P)レベルは有意に増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまたわずかに増加したが、それらの増加率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、プロゲステロン(P)レベルにおいて増加はほぼ見られなかった。本発明の組成物が女性のプロゲステロン(P)レベルを効果的に増加可能であることを証明しており、それによって該組成物が、女性のプロゲステロン(P)レベルを増加させることで性機能を調節することができると示している。
【0114】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した女性のドーパミン(DA)指標を試験し、表13で示される結果を得た。
【表13】
【0115】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群のドーパミン(DA)レベルは有意に増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまた増加したが、それらの増加率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、ドーパミン(DA)レベルにおいて増加はほぼ見られなかった。本発明の組成物が女性のドーパミン(DA)レベルを効果的に増加可能であることを証明しており、それによって該組成物が、女性のドーパミン(DA)レベルを増加させることで性機能を調節することができると示している。
【0116】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用した女性のエンドルフィン(β-EP)指標を試験し、表14で示される結果を得た。
【表14】
【0117】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群のエンドルフィン(β-EP)レベルは有意に増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまた増加したが、それらの増加率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、エンドルフィン(β-EP)レベルにおいて増加はほぼ見られなかった。本発明の組成物が女性のエンドルフィン(β-EP)レベルを効果的に増加可能であることを証明しており、それによって該組成物が、女性のβ-EPレベルを増加させることで性機能を調節することができると示している。
【0118】
上記試験情報に従い、実施例及び比較例で調製された組成物を引用したヒトの深い睡眠の割合を試験し、表15で示される結果を得た。
【表15】
【0119】
上記試験結果によれば、実施例における組成物を飲用する試験群については、そうした試験群の深い睡眠の割合は様々な程度(extend)まで増加し、酸性が低い組成物10及び有機酸を含まない組成物13~16もまた増加したが、それらの増加率は、組成物1~7のものよりも劣っていたことが見出された。ただし、比較例のアルコールを含まない組成物、低アルコール組成物、冷感剤を含まない組成物及び低冷感剤組成物を飲用した前後では、深い睡眠の割合においては有意な差が見られなかった。本発明の組成物は、ヒトの深い睡眠の割合を増加させることができることを証明しており、それによって、ヒトの深い睡眠の割合を増加させることによって組成物が睡眠の質を改善させ得ることを示している。
【0120】
上記データから、本発明の組成物が、唾液分泌の増加と持続を伴いつつ、性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善といった機能を有するということが知ることができる。この現象に関する分析は、性機能を調節し、心血管系及び脳血管系を保護し、肝細胞再生を促進し、腫瘍を予防し、かつ免疫及び睡眠の質を改善する組成物の機能が、副交感神経シグナル伝達経路を活性化することによって調節されることを示している。したがって、試験されているシグナル伝達経路におけるM3受容体の発現レベル、並びにPLC及びIP3の含量は、副交感神経シグナル伝達経路の活性化を包含することができる。試験方法は以下の通りである:
【0121】
7日間の順応給餌後、SPF雄のマウスを、無作為化された数式に従って、それぞれ10匹ずつのマウスの群に無作為化した。ブランク対照群:生理食塩水群、試験群1:組成物6、試験群2:50体積%の純食用アルコール、試験群3:50ppmの冷感剤を含む水溶液、試験群4:3000ppm有機酸を含む水溶液
【0122】
投与方法:シリンジに、生理食塩水及び各試験群の試料をそれぞれ15mL/kgの用量で吸引し、それらをマウスの口腔内へと少量でゆっくりと滴下した。3日間連続で1日1回マウスに投与した。
【0123】
3日目の薬物投与30分後に、脊髄脱臼によってマウスを屠殺し、マウスの顎下腺組織をホモジナイザで均質化し、7000r/分で5分間遠心分離にかけ、上清を採取した。酵素結合免疫吸着測定法(Enzyme-linked immunosorbent、ELISA)アッセイを使用してM3、PLC及びIP3を決定した。表16に示した結果を取得した。
【0124】
【表16】
【0125】
上記試験結果により、組成物6を飲用した試験群1は、対照群よりも高いM3、PLC及びIP3の発現レベルを有しており(p<0.05)、アルコール、冷感剤又は有機酸のみを含む試験群2、3、4と対照群との間には有意な差は見られなかった。これは、本発明の組成物がM3受容体の発現レベルを増加させ、かつ副交感神経のPLC/IP3経路を活性化させることができることを示している。
【0126】
上記試験結果を通じて、本発明の組成物は、副交感神経シグナル伝達経路を活性化することによって性機能の調節、心血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善といった役割を果たすことができ、かつ医薬、食品及びヘルスケア製品の分野で広範に利用可能であることを検証することが可能である。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善のための組成物の調製における、アルコール冷感剤、及び有機酸の組成物の使用であって、前記組成物中のアルコールの含有量が1体積%~99体積%であり、前記冷感剤の含有量が0.05ppm~500ppmであり、前記有機酸の含有量が150ppm~30,000ppmである、使用
【請求項2】
請求項に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善のための組成物の調製における、アルコール冷感剤、及び有機酸の組成物の使用であって、前記組成物中のアルコールの含有量が30体積%~80体積%であり、前記冷感剤の含有量が10ppm~200ppmであり、前記有機酸の含有量が1,000ppm~10,000ppmである、使用。
【請求項3】
請求項に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善のための組成物の調製における、アルコール冷感剤、及び有機酸の組成物の使用であって、前記組成物中のアルコールの含有量が30体積%~60体積%であり、前記冷感剤の含有量が10ppm~100ppmであり、前記有機酸の含有量が1,000ppm~6,000ppmである、使用。
【請求項4】
請求項1~のいずれか一項に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善のための組成物の調製における、アルコール冷感剤、及び有機酸の組成物の使用であって、前記冷感剤が、温度受容体TRPM8の受容体を活性化する能力を有する物質であり、酢酸メンチル、乳酸L-メンチル、コハク酸モノメチル、グルタル酸L-モノメチル、L-メントールエチレングリコールカルボナート、L-メントール 1-(又は2-)-プロピレングリコールカルボナート、3-L-メントキシプロパン-1,2-ジオール、3-L-メントキシ-2-メチルプロパン-1,2-ジオール、N-エチル-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタミド、メントール又はメントンのうちの少なくとも1つを含む、使用。
【請求項5】
請求項のいずれか一項に記載の性機能の調節、心血管系及び脳血管系の保護、肝細胞再生の促進、腫瘍の予防及び/又は処置、並びに免疫及び睡眠の質の改善のための組成物の調製における、アルコール冷感剤、及び有機酸の組成物の使用であって、前記有機酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ブタン酸、コハク酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸又はラウリン酸のうちの少なくとも1つから選択される、使用。
【国際調査報告】