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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-25
(54)【発明の名称】高温接合炉
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/00 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
B23K20/00 310P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577110
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 DE2022100420
(87)【国際公開番号】W WO2022258110
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102021115227.5
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523465665
【氏名又は名称】ピーヴィエー インダストリアル バキューム システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】PVA INDUSTRIAL VACUUM SYSTEMS GMBH
【住所又は居所原語表記】Im Westpark 10-12, 35435 Wettenberg GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(74)【代理人】
【識別番号】100149799
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】ブロイッヒ,ウード
(72)【発明者】
【氏名】ウィンハウアー,イェルク
(72)【発明者】
【氏名】ナウマン,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】アイヒ,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ファイファー,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,パトリック
【テーマコード(参考)】
4E167
【Fターム(参考)】
4E167AA02
4E167AA03
4E167AA06
4E167AA08
4E167AA13
4E167BA10
4E167BA18
(57)【要約】
自動高温接合炉は、例えば金属や金属ワークピースなどの接合材料の拡散接合用に準備されており、加熱デバイスを備えた加熱チャンバーと、加熱チャンバー内に配置され接合炉内で処理されるワークピースを受け入れるワークピースホルダーと、ワークピースに押圧力を加えるように配置され準備された加圧デバイスと、少なくとも1つのセンサーシグナルを生成するためのセンサーデバイスと、少なくとも1つのセンサーシグナルに応じて少なくとも加圧デバイスを制御するために準備された制御デバイスとを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば、金属と金属ワークピース(50)等の接合材料の拡散接合用の自動高温接合炉(1)であって、
加熱デバイス(14)を備えた加熱チャンバー(15)と、
前記加熱チャンバー内に配置され、前記接合炉内で処理されるワークピース(50)を保持するためのワークピースホルダー(34)と、
押圧力を前記ワークピースにかけように配置され、適合された加圧デバイス(20)と、
少なくとも一つのセンサーシグナル(170)を発生するためのセンサーデバイス(4,5,42)と、を備え、
少なくとも一つの前記センサーシグナル(170)に応じて、少なくとも前記加圧デバイスを制御するように適合させた制御デバイス(44,46,48)を含むことにより特徴づけられる、自動高温接合炉。
【請求項2】
請求項1に記載の自動高温接合炉(1)であって、
前記センサーデバイス(4,5,42)が、
前記ワークピース(50)の厚さ、
前記加圧デバイス(20)の加圧パンチ(32)の位置、
前記プレス機当接部の位置(18)、又は、
前記加圧デバイス(20)又は前記加圧シリンダー(24)又は伝動部(26)の押圧力、油圧、又は経路、
のプロセスパラメータの少なくとも一つを検出し、それらから少なくとも一つの前記センサーシグナル(170)を発生する、自動高温接合炉。
【請求項3】
1つ以上のプロセスパラメータを同時に検出し、少なくとも1つの更なるセンサーシグナル(170)を発生する、少なくとも1つの追加のセンサーデバイス(4,5,42)を更に含む、請求項1又は2に記載の自動高温接合炉。
【請求項4】
前記加圧デバイス(20)は、
押圧力発生デバイス(28)として油圧装置を備え、油圧を上昇させることによって押圧力を増大させる、及び/又は
前記加圧デバイス(20)は電動スピンドルを備える、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自動高温接合炉。
【請求項5】
プロセスパラメータ仕様を入力するためのユーザー操作可能な端末(45)などの入力デバイス(48)をさらに備える、並びに/又は
例えばプロセスパラメータ及び/又は制御プログラムを表示又は選択するための出力デバイス(46)をさらに備える、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動高温接合炉。
【請求項6】
前記加圧デバイス(20)は、前記押圧力を前記ワークピース(50)に加える加圧プレート(36)を備え、及び/又は、
前記加圧デバイス(20)は加圧シリンダー(24)を備え、及び/又は、
前記加圧デバイス(20)は、複数の加圧パンチ(24)を、例えば2つ、3つ、4つまたはそれ以上備える、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の自動高温接合炉。
【請求項7】
前記自動高温接合炉は外側フレーム(7,8,10)を備え、
前記加圧デバイス(20)は前記外側フレーム上に配置される、及び/又は前記外側フレームに支持される、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の自動高温接合炉。
【請求項8】
前記外側フレーム(7,8,10)は、移動可能及び/又は変形可能であるように設計されている、請求項7に記載の自動高温接合炉。
【請求項9】
さらに、プレス機当接部(18)を有し、
前記プレス機当接部(18)が、前記加圧デバイス(20)によって前記ワークピース(50)へ圧縮力が加えられることにより、
横方向の変位及び/又は変形を生じるように設けられている、
請求項7又は8のいずれか一項に記載の自動高温接合炉。
【請求項10】
前記加圧デバイス(20)は、
加圧操作中に支持フレーム要素(10)に予張力を高めることができるように設定される、
請求項6乃至9のいずれか一項に記載の自動高温接合炉。
【請求項11】
前記センサーデバイス(4,42)は、前記加圧パンチ(32)の位置を検出し、及び/又は、
前記センサーデバイス(4,42)は、前記ワークピース(50)に加えられる押圧力を検出する、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の自動高温接合炉。
【請求項12】
前記センサー手段(4,42)は、
少なくとも±10μm以下、
好ましくは±1μm以下、
より好ましくは±0.1μm以下の精度で、
及び/または
±1μm以上、好ましくは±0.1μm以上、
より好ましくは±0.05μm以上の精度で、前記加圧パンチ(32)の前記位置を検出するように適合される、
請求項11に記載の自動高温接合炉。
【請求項13】
前記制御デバイス(44,46,48)は、
接合操作のために挿入された前記ワークピース(50)に必要な押圧力を前記センサーシグナル(170)の検出および評価によって決定するように、かつ、
決定された必要な押圧力に基づいて前記加圧デバイス(20)を自動的に制御するように設計される、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の自動高温接合炉。
【請求項14】
前記制御デバイス(44,46,48)は、前記加熱デバイス(14)をさらに制御するように適合されている、
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の自動高温接合炉。
【請求項15】
前記ワークピースホルダー(34)は、加圧対抗要素として機能し、
及び/又は前記加圧デバイス(20)は、前記ワークピース(50)を前記ワークピースホルダー(34)に対して押し付ける、
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の自動高温接合炉。
【請求項16】
前記制御デバイス(44,46,48)は、
少なくとも1つの選択可能な制御プログラム、例えば、前処理プログラム及び/又は加圧プログラムを提供する、
請求項1乃至15のいずれか一項に記載の自動高温接合炉。
【請求項17】
前記制御デバイス(44,46,48)は、さらに
選択された前記制御プログラムの実行中に少なくとも1つの前記センサーシグナル(170)に応じて、例えば、前記加圧デバイス(20)の押圧力、温度、及び/又は経路などのプロセスパラメータを変化させように前記制御プログラムを適合させるよう設けられている、
請求項16に記載の自動高温接合炉。
【請求項18】
少なくとも1つの前記制御プログラムは前記高温接合炉のプログラムメモリに格納され、
及び/又は、前記制御デバイス(44,46,48)はプログマブルロジックコントローラ(PLC)を備える、
請求項17に記載の自動高温接合炉。
【請求項19】
例えば、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の自動高温接合炉(1)における拡散接合方法であって、
接合炉にワークピース(50)を充填する工程と、
前記ワークピースを接合温度まで加熱する工程と、
拡散接合プロセスを実行するために加圧デバイス(20)で前記ワークピースを加圧する工程と、
例えば、センサー(4,42)及び/又は自動制御デバイス(44,46,48)によって、加圧中に結合プロセスに必要な押圧力を検出または決定する工程と、
検出又は決定された、前記接合プロセスに必要な押圧力に応じて前記加圧デバイスを制御する工程と、を含む、
自動高温接合炉における拡散接合方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
例えば一定の時間間隔で、前記接合操作に必要な押圧力を繰り返し検出または決定する工程、及び
繰り返し検出または決定された押圧力に応じて前記加圧デバイス(20)を適合的に制御する工程をさらに含む方法。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の方法であって、
少なくとも1つのセンサーデバイス(4,42)によって前記接合プロセスを継続的に監視する工程、及び
監視値の設定値からの逸脱が検出された場合に前記接合プロセスを継続的に適合させる工程をさらに含む方法。
【請求項22】
請求項19乃至21のいずれか一項に記載の方法であって、
前記ワークピース(50)を加圧する前に、プロセスパラメータ仕様を入力する工程、及び
自動プロセス制御のための設定値を指定する際に、前記プロセスパラメータの仕様に考慮する工程をさらに含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動高温接合炉及び拡散接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属ワークピースは拡散接合(diffusion bonding)によって接合できることが一般に知られている。例えば、金属ワークピースをプレス機で高温で加圧し接合すると、拡散溶接が可能となる。拡散接合プロセスは、さまざまな影響に依存する複雑な手順であり、同じプロセス条件下であっても、必ずしも同等の、または少なくとも満足のいく結果が得られるとは限らない。
【0003】
例えば、接合プロセスでは、ワークピースの変形を考慮する必要がある。例えば、接合されるワークピースの内部に冷却チャネルやその他のボアや開口部がある場合、ワークピースにかかる押圧力が局所的に逸れ、その結果、同一寸法の立体と比較して異なる全体的な変形となる可能性がある。接合される材料の前歴も、接合結果に関して影響する。この場合、金属複合材料の粒径と、各金属層の製造プロセス、例えば圧延による、が特に関係する。
【0004】
したがって、本願の発明者らは、例えばワークピースに加えられる可能性のある表面圧力について、単に標準的な文献値に従うだけでは、接合プロセスにおいて再現性のある成功に容易にいたることはできないことを認識した。
【0005】
それぞれのワークピースのそれぞれの材料が基本的にほとんど同じである場合、すなわち、同じ製造プロセスを使用して製造され、同じ温度に前処理されていて、材料内で同様の粒子サイズが想定される場合でも、材料間のばらつきも考慮する必要がある。これは、ワークピースが原材料の同じ1片から切断された場合にも当てはまり、特定の材料及び/又は材料の組み合わせでは、これはさらに困難になる可能性がある。
【0006】
したがって、特別に訓練を受けた人員が接合プロセスを監視する場合でも、一人の従業員は一度に1つの炉しか監視できないため、並行して実行できる接合プロセスの数は制限される。一連のプロセスが完了するには24時間以上かかる場合がある。ユーザー側で集中的なトレーニングに加えて、高度な経験と基礎となるプロセスの理解が必要であり、それがなければ満足のいく結果、つまり強固な接合結果を得ることは出来ない。これが、金属の拡散接合がこれまで産業界で比較的珍しかったもう1つの理由である。
【0007】
前記を考慮し、本発明は、プロセスシーケンスを自動化し、接合結果をさらに改善し、訓練を受けた人員であってもこの品質で達成できない、またはめったに達成できない形で、一貫した結果を提供するという課題に関する。
【0008】
本発明は、典型的な用途の場合のように、例えば微細構造特性に関して異なる出発材料であっても、接合プロセス中に一貫して高品質の最終結果が達成されることを保証することに特に注意を払う。
【0009】
この問題は、独立請求項で定義される発明によって解決される。従属請求項は、本発明のさらなる実施形態および好ましい実施形態を提供する。
【0010】
拡散接合プロセスでは、ワークピースまたはバッチが制御された方法で変形される。接合材料に存在する細孔、ワークピース内部の凹み、接合面の数とサイズ、接合材料の前歴などは、プロセスシーケンスに影響を与える可能性のある不確定要素である。プレス機でワークピースまたはバッチに力が加えられると、例えば表面粗さが減少することにより、接合面での材料接触が改善される。このようにして、固有の相互拡散を生成または誘発することが出来る。したがって、加圧を使用して接合面領域の接触面を増やす。これらのプロセスはワークピースごとに異なる。そしてその違いは非常に重要で、最初のコンポーネントは十分な強度で接合できるが、次の構成材は同じパラメータで接合されるが不十分な強度又は品質しか得られない場合がある。一方、あるコンポーネントの形状は保持されるが、同じパラメータを備えた次の同じコンポーネントは、例えば、加圧プロセスにより冷却チャネルの領域で変形する可能性がある。
【0011】
本発明によれば、例えば接合材料の拡散接合のために準備された自動高温接合炉(high-temperature joining furnace)が提供される。接合材料は金属類であってもよい。金属類は、金属を含むあらゆる材料または物質であってもよい。例えば、鉄、銅、アルミニウム、チタンなどの金属が挙げられ高級鋼やステンレス鋼、工具鋼、超合金、青銅、錫などの合金も挙げられる。接合材料は、非金属または複合材料であってもよい。
【0012】
自動高温接合炉は、コンポーネントの力補助はんだ付けまたは焼結用に構成することも出来る。例えば、自動高温接合炉は、フィラー材料の有無にかかわらず、力を利用して材料を精製できるように構成されている。
【0013】
自動高温接合炉は、加熱デバイスを備えた加熱チャンバーを備えている。加熱デバイスは、炉の内部とワークピースを処理温度まで加熱するように設計されている。
【0014】
加熱チャンバー内には、接合炉で処理されるワークピースを保持するワークピースホルダーが配置されている。通常、ワークピースホルダーは加熱チャンバーの下部に配置される。例えば、ワークピースホルダーはプレートを備えることができるが、接合されるワークピースが挿入されるホルダーを備えることもできる。ワークピースホルダーは、加圧対抗要素の一部とすることも、その上に配置することも出来る。
【0015】
接合炉はまた、加圧デバイスを備えている。加圧デバイスはワークピースに押圧力を加えるように配置および設計されている。例えば、加圧デバイスは、加圧パンチなどの上部の部品がワークピースを上方から加圧するように配置され、それによってワークピースはワークピースホルダーまたは加圧抵抗要素に押し付けられる。すなわち、ワークピースは上部の部品または加圧パンチと加圧対抗要素またはワークピースホルダーの間に固定される。このために、上部の部品は、例えば、加圧プレートを備えることができ、これによって押圧力が表面全体に均一に分配され、ワークピースが均一に加圧される。用途に応じて、加圧プレートの表面を平坦にし、加圧プレートの表面でワークピースに、均一に押圧力を加えることが出来る。加圧プレートをワークピースの所望の表面形状に合わせて成形するために、加圧プレートは、凹部、凸部、または段差を有することも出来る。したがって、加圧プレートは一般的な用語で「加圧要素」と表現することができる。以下では、「加圧プレート」という用語が使用されるが、これは、この用語が本説明に照らして当業者にとってより理解しやすいと思われるためである。
【0016】
加圧プレートは移動可能であり、例えば、加圧プレートは1つまたは複数の加圧パンチによって動かされ、そして加圧パンチは1つまたは複数の加圧シリンダーによって作動する。押圧力が加わると、ワークピースは連続的に変形または接合される。
【0017】
加圧デバイスは、例えば可動のワークピースホルダーを設け、例えばワークピースホルダー上のワークピースを上方に移動させることにより、ワークピースを下方から加圧するように配置することもできる。本発明のさらなる実施形態では、両側に力を加えるために第1および第2の加圧プレート、例えば上部および下部の加圧プレート、または左および右の加圧プレートを設けることができる。表示した方向の「上」および「下」は、単に重力の作用する方向に整列していることが好ましい。「左」または「右」の配置も考えられるが、保護領域の外に配置するべきではなく、上」または「下」の配置には設計上の利点がある。
【0018】
ワークピースを加圧するには、通常、外部からの力を受けることができる、加圧パンチとして機能する1つまたは少なくとも1つの部品、および押圧力に対抗する加圧対抗要素が使用される。ワークピースは加圧パンチと加圧対抗要素の間に固定され、そこで接合または変形される。
【0019】
接合炉内のセンサーデバイスは、少なくとも1つのセンサーシグナルを提供する。例えば、センサーデバイスは、加圧パンチの位置や延出長さ、あるいは加圧プレートの位置を検出することができる。少なくとも1つのセンサーシグナルに応じて、少なくとも加圧デバイスを制御するように設計された制御デバイスも備えられる。
【0020】
接合炉のセンサーデバイスは、プロセスパラメータを検出することが可能である。プロセスパラメータは、ワークピースの厚さ、または加圧デバイスの圧力ラム若しくは加圧ラムの位置であり得る。プロセスパラメータは、加えられる押圧力、油圧、または加圧デバイスの移動距離であってもよい。次に、センサーシグナルは、センサーデバイスによって記録された値に基づいて、すなわち、前記プロセスパラメータの1つから生成することが出来る。異なるプロセスパラメータを同時に記録するために、いくつかのセンサーデバイスを備えることが出来る。さらなるセンサーデバイスは、第1のセンサーデバイスと同時に1つまたは複数のプロセスパラメータを検出することができ、したがって、少なくとも1つまたは複数のさらなるセンサーシグナルを生成することができる。1つまたは複数のセンサーシグナルを処理して、接合プロセスまたは接合炉を制御することができるため、制御において異なるプロセスパラメータを考慮することができる。
【0021】
加圧デバイスは油圧装置を備えることができ、油圧を上昇させることによって押圧力が増大する。加圧デバイスは、例えば、回転によって送りを生成し、ワークピースに押圧力を加える電動スピンドルを含むこともできる。
【0022】
接合炉は、プロセスパラメータ設定を入力するための入力デバイスを含むことができる。入力デバイスは、例えば、ユーザーが操作する端末であってもよい。接合プロセスの開始前に保存できるプロセスパラメータの仕様には、例えば、所望のプロセス温度、プロセス時間、ワークピースの材料、基礎となる材料に関するパラメータ及びその他のデータ並びにワークピースの接合面の数及び/又は量が含まれる。すなわちプロセスパラメータの一部はオペレータが保存でき、一部はオペレータの介入なしに接合炉によって生成または計算することができる。必要に応じて、接合炉はオペレータの入力なしですべてのプロセスパラメータを自ら決定出来る。例示的実施形態では、オペレータはコンポーネント情報、すなわち、使用されるコンポーネントに関する様々な詳細を入力するだけである。コンポーネント情報には、溶接される正味の接合面積、コンポーネントの材質、厚さ、及び/又は、許容総塑性変形量が含まれる。溶接プロセス依存の仕様をオペレータが入力する必要がないことが、すなわち溶接プロセス依存のプロセスパラメータが接合炉によって独立して決定されることが好ましい。
【0023】
例えば、ワークピースは、異なる材料の多数の層、例えば、互いに積み重ねられた少なくとも2つの異なる材料から構成され得、2つの異なる材料間で接合される各表面は、接合面として記載する。例えば、25層からなる板状ワークピースの場合、ワークピースには24個の接合面が配置されることになる。ワークピースのキャビティに関する情報も、プロセスパラメータの仕様で考慮に入れることができる。
【0024】
接合炉は、プロセスパラメータ及び/又は制御プログラムを表示または選択できる出力デバイスを含むこともできる。例えば、接合炉の現在の工程についての情報を出力デバイスに表示することができる。
【0025】
加圧デバイスは、押圧力が伝達される加圧プランジャーを備えることができ、及び/又は押圧力がワークピースに加えられる加圧プレートを備えることができる。
【0026】
加圧デバイスは加圧シリンダーを備えることができる。加圧シリンダーが加圧パンチに押圧力を作用させて、加圧パンチをワークピースの方向に調整することができるように加圧シリンダーに加圧パンチを接続する。加圧デバイスは、複数の加圧シリンダー、例えば2つ、3つまたは4つの加圧シリンダーを備えていてもよい。
【0027】
例えば加圧プレートを介してワークピース上に共に働く複数の加圧パンチを使用することが好ましい。ワークピースは2つ以上の加圧パンチによりできるだけ均一に、又は表面上にできるだけ均等な分布で押圧力を受ける。複数の加圧パンチは、一連の加圧パンチが加圧プレートに作用するように、互いに隣り合って配置することができる。本発明の目的は、接合するワークピースに押圧力をできるだけ均一に分散することである。そうでないと接合に必要な押圧力により加圧プレートまたは加圧要素が変形し、接合されるワークピースに押圧力が均一にかからなくなる可能性があるためである。
【0028】
高温接合炉はハウジングを備えることができる。例えば、加熱デバイス、加熱チャンバー、ワークピースホルダー及び/又は加圧デバイスをハウジング内に収容することができる。加圧デバイスは、プレスマウントを用いてハウジング上に配置することができる、及び/又はハウジングに支持されことができる。例えば、プレスマウントは、プレスマウントに接続された加圧シリンダーが高温接合炉のハウジングに支持されるように、ハウジングに取り付けられるか、またはハウジングに載置される。
【0029】
ハウジング上の加圧デバイスを支持する目的で、ハウジングは、支持フレームまたは支持ケージなどの支持または保持構造を有することができる。支持構造または保持構造は、ハウジングとは別個の構成要素であってもよいし、ハウジングと一体化された構成要素であってもよい。
【0030】
支持若しくは保持構造及び/又はプレスマウントは、移動可能及び/又は変形可能となるように設計することができる。例えば、ワークピースに加圧がされる時、加圧デバイスはプレスマウントに支持される。それで例えば支持または保持構造が変形することによってプレスマウントは移動及び/又は変形する。本明細書では、プレスマウントと加圧デバイス、例えば加圧パンチを備えた加圧シリンダーとの間で、バネの予張力と同様に蓄積力を吸収することができるため、たとえば、押圧力を増大したとき、ワークピースに対するプレス効果を均一に、またはより穏やかに高めることができる。
プレスマウント又は支持若しくは保持構造の移動可能及び/又は変形可能な設計は、加圧デバイスを準備するために使用することができ、加圧デバイスは、予押圧力がすでにワークピースに加えられている初期位置に準備される。プレスマウントが移動可能及び/又は変形可能である場合、この予押圧力はより細かく与えられるため、より正確に調整が可能である。
【0031】
接合炉は、加圧デバイスにより圧縮力をワークピースに加えることによってプレスマウントの横方向の移動及び/又は変形が起こるように設定することが出来る。すなわち、プレス機の当接部として機能するプレスマウントに圧縮力を加えると、プレスマウントの横方向の移動及び/又は変形が生じる。プレスマウント内またはその領域で圧縮力を吸収することにより、プレスマウントと加圧デバイスの間、又はプレスマウント、加圧シリンダーと加圧パンチの間にバネ効果が発生する。
【0032】
加圧デバイスは、加圧プロセス中、または押圧力が増大するときに、予め与えられた緊張力が加圧パンチとハウジングとの間で増大することができるように設定することが出来る。加圧デバイス内に予張力が存在することにより、より微細な加圧が可能になり、したがって加圧プロセス中のパンチ位置のより正確な検出及び/又は追跡が可能になる。さらに、予め与えられた緊張力の蓄積により、圧力補正または押圧力補正のより正確な設定または計測が可能になる。
【0033】
例えば、プレスマウントは、圧縮力が加えられると、1mmより大きく、例えば3mmより大きく、または5mmより大きく、さらには10mmより大きく移動又は変形してもよい。これにより、一種の「バネ機構」、すなわち予圧力が形成される。プレスマウントはまた、圧縮力が加えられたときに、3mm未満、好ましくは6mm未満、より好ましくは12mm未満だけ移動または変形してもよい。たわみの最小値と最大値は、間隔として組み合わせることが出来る。例えば、3mmより大きく6mm未満を「3mmと6mmの間の範囲」として組み合わせる。
【0034】
センサーデバイスは、加圧スタンプの位置を検出するように設定することが出来る。センサーデバイスは、ワークピースに加えられる押圧力を検出するように設計することも出来る。
【0035】
センサーデバイスは、少なくとも±10μm以下、すなわち10μm又はそれより良い精度でプランジャーの位置を検出するように適合され得る。必要に応じて、センサーデバイスは±1μm以下、さらに好ましくは±0.1μm以下の精度で加圧スタンプの位置を検出することができる。一方、加圧スタンプの位置に関するセンサーデバイスの測定分解能は、±1μm以上、好ましくは±0.1μm以上、より好ましくは±0.05μm以上である。
【0036】
制御デバイスは、センサーシグナルを記録して評価することによって、接合プロセスのために挿入されたワークピースに必要な押圧力を決定するように設定することが出来る。さらに、制御デバイスは、決定された必要な押圧力に基づいて加圧デバイスを自動制御することができる。すなわち、制御デバイスは、記録または評価されたセンサーシグナルを考慮して加圧デバイスを制御する。
【0037】
必要に応じて、制御デバイスは、接合プロセス中の異なる時間に、加熱チャンバー内で異なる温度を維持できるように、加熱デバイスを調整または制御することもできる。
【0038】
接合炉は、充填及び取り出し口を有することができる。一例として、充填及び取り出し口は、開口部の状態を検出する安全回路に接続されている。
【0039】
ワークピースホルダーは、加圧デバイスの加圧対抗要素として有利に機能することができる。したがって、加圧デバイスは、ワークピースをワークピースホルダーに押し付けて、ワークピースを加圧デバイスとワークホルダーとの間に固定することができる。
【0040】
制御デバイスは、少なくとも1つの選択可能な制御プログラムを提供することができる。選択可能な制御プログラムは、特定の材料の組み合わせに頻繁に適用される基本的な押圧力や、接合プロセスを開始できる最小の押圧力などの基本パラメータを事前に選択することが出来る。選択可能な制御プログラムには、前処理プログラム及び/又は圧迫実行プログラムを含めることができる
【0041】
制御デバイスは、例えば制御プログラムの実行中に、少なくとも1つのセンサーシグナルに応じて、選択された制御プログラムを適合させるように設計されることが好ましい。制御プログラムは、例えば押圧力、温度及び/又は加圧デバイスの経路などのプロセスパラメータが、接合プロセス中に変更又は影響を受けるように適合させることができる。
【0042】
すなわち、制御デバイスは、制御プログラムの実行中、つまり溶接プロセス中に、少なくとも1つのセンサーシグナルを検出して処理し、それを使用して溶接プロセスの制御パラメータを変更するように設計することができる。
【0043】
少なくとも1つの制御プログラムが、高温接合炉のプログラムメモリに格納されうる。制御デバイスは、プログラマブルロジックコントローラを備えるか、プログラマブルロジックコントローラによって形成されうる。
【0044】
本発明はさらに、自動高温接合炉、例えば上述のような自動高温接合炉における拡散接合方法についても記載する。拡散接合方法は、接合炉にワークピースを充填する工程、ワークピースを接合温度まで加熱する工程、拡散接合プロセス処理を実行するために加圧デバイスでワークピースを加圧する工程、加圧中に、例えば自動制御デバイスによって、接合プロセスに必要な押圧力を検出又は決定する工程、検出又は決定された、接合プロセスに必要な押圧力に応じて、加圧デバイスを制御する工程を含む。例えば、必要な押圧力は、距離の測定により加圧経路を介して決定することが出来る。
【0045】
この方法は、接合プロセスに必要な押圧力を、例えば一定の時間間隔で繰り返し検出または決定する工程、及び繰り返し検出または決定された押圧力に応じて加圧デバイスを適合的に制御する工程によって、さらに改善することもできる。
【0046】
この方法は、少なくとも1つのセンサーデバイスによって接合プロセスを継続的に監視する工程、及び監視値の目標値からの逸脱が検出された場合に、接合プロセスを継続的に適合させる工程によって、さらに改善することもできる。
【0047】
この方法は、ワークピースを加圧する前に、例えばユーザーによってプロセスパラメータ仕様を入力する工程によってさらに改善することもできる。
【0048】
さらに、自動プロセス制御の設定値を提供する際に、プロセスパラメータの仕様を考慮する工程も、方法のさらなる改善の1例となることができる。
【0049】
以下、実施形態および図面を参照して本発明をより詳細に説明するが、同一および類似の要素には同じ参照符号を付すこともあり、様々な実施形態の特徴を互いに組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
以下の通りである。
図1】ワークピースが挿入された状態の第一実施形態の高温接合炉の側断面図である。
図2】加圧デバイスがワークピースに押圧力を及ぼしている状態の別の実施形態の高温接合炉の側断面図である。
図3】異なる加圧デバイスを備えた、別の実施形態の高温結接合炉の側断面図である。
図4】高温接合炉の斜視図である。
図5】高温接合炉の別の斜視図である。
図6】周辺アタッチメントを備えた高温接合炉の斜視図である。
図7】高温接合炉の上面図である。
図8】高温接合炉の斜視図である。
図9】接合プロセスのフローチャートである。
【発明の詳細な説明】
【0051】
図1は、高温接合炉1の第1の実施形態を示す。ハウジング12の内部には加熱チャンバー15が配置されており、その中にワークピース50が後続の加圧プロセスのために配置される。接合炉1は、ワークピース50、または複数のワークピース50またはバッチを、加熱チャンバー15に挿入または加熱チャンバー15から取り出すことができる、充填及び取り出し口11を有する。ワークピース50は、加熱チャンバー15の下側に配置されたワークピースホルダー34上に置かれる。ワークピースホルダーは、加圧対抗要素38であってもよいし、加圧対抗要素38上に配置されてもよい。図1に示す例では、ワークピース50は加圧対抗要素38上に直接配置されている。
【0052】
本実施形態では、接合炉1のハウジング12の上側に加圧デバイス20が配置されている。これは、ワークピース50上に、及びワークピースホルダー34または加圧対抗要素38に対して、上からの押圧力を発生させることができるようにするためである。複数の加圧パンチ32、図1に示す例では4つの加圧パンチ32が加圧シリンダー24に接続されている。加圧シリンダー24は、例えば油圧シリンダーである。加圧シリンダー24により伝動部26を介して加圧パンチ32がワークピース50の方向に向けられる。圧力分散要素22は、加圧デバイス20の押圧力を複数の加圧パンチ32に分配するために、ハウジング12の収容部6内に配置される。
【0053】
必要に応じて、複数の加圧パンチ32の代わりに、単一の加圧パンチ32を使用することもできる(図3参照)。一方で、複数の加圧パンチ32、例えば4、8、または12個の加圧パンチ32は、加圧要素36にわたって押圧力を均等に(より均等に)分配することができる。例えば、複数の加圧パンチ32を利用することで、加熱チャンバー15の熱の密封を改善することもできる。各加圧パンチ32は、加熱チャンバー15の断熱材16に比較的小さな開口しか必要としないので、加熱チャンバー15からのエネルギー損失をより低くすることができる。さらに、複数の加圧パンチ32を使用することにより、加熱チャンバー15の外表面を介した熱エネルギー損失がより均一化もされ、加熱チャンバー15内の温度分布が全体的になより均一化する。これは、加熱チャンバー15の下側の加圧対抗プランジャー29にも同様に当てはまる。より低い及び/又はより均一な熱損失と同様に、加圧対抗要素38にわたる、より均一な圧力分布という理由も考慮に入れられる。
【0054】
押圧力発生デバイス28、本明細書の実施例では油圧ユニット28は、圧力をかけられた油圧流体を加圧シリンダー24に加え、押圧力発生デバイス28によって解放または解除され、ワークピース50に加えられる。例えば、モーターユニット3は、押圧力発生デバイス28において油圧を発生させることができる。
【0055】
第1のセンサーデバイス4は上側に配置されており、加圧シリンダー24の経路を測定するために使用される。したがって、第1のセンサー4は、加圧シリンダー24の距離、加圧パンチ32の距離、または加圧シリンダー24の伸び(ストローク)を検出し、これから第1のセンサーシグナル170を提供する。加えられた押圧力に関する情報を引き出し、それをセンサーシグナル170として提供するために、例えば油圧を測定する用のさらなるセンサー5を押圧力発生デバイス28内及び/又は加圧シリンダー24内に配置することができる。
【0056】
ワークピースホルダー34は、加熱チャンバー15内にワークピース50を収容するために、加熱デバイス14内に配置されている。また、加熱チャンバー15を収容する断熱材16の損傷をできるだけ少なくするために、ワークピースホルダー34には、加圧対抗要素38からの力の分配をできるだけ均一に分散させる複数の加圧対抗パンチ29が設けられている。そうすることで加圧対抗要素38の変形をできるだけ少なくすることが出来る。加圧対抗パンチ29は断熱材16を貫通しており、断熱材16の損傷を最小限にする必要があるため、全体として比較的小さい貫通面積を生じさせることができ、または加圧対抗パンチ29をより良好に熱的に密封することができる
【0057】
また、下側には第2のセンサーデバイス42も配置されており、例えばワークピース50に加えられた押圧力を検出することができる。例えば、第2のセンサーデバイス42は圧力センサーである。第2センサーデバイス42として、例えば、1つの加圧対抗パンチ29の領域に1つずつ、2つ以上の複数の圧力センサーを用いることも出来る。これにより、加圧対抗要素38に作用する圧力分布を検出し、センサーシグナルとして出力することができる。このようにして、ワークピースまたはチャージ50上の圧力分布が所望の方法で、例えばワークピースまたはチャージ50にわたってで均一に発生しているかどうかを検出することが可能である。
【0058】
別の実施形態では、押圧力をワークピースまたはチャージ50に両側から加えることができる。例えば、図1の実施形態を、例えば加圧対抗パンチ29及び加圧対抗要素38から成る(受動的)サブアセンブリの代わりに、さらなる加圧デバイス20'が、高温接合炉の下側に配置されるように変更することが出来る。
【0059】
この例では、自動プロセス制御デバイス44が接合炉1の基礎構造物8の領域に配置されている。入力デバイス48及び出力デバイス46、例えばキーボード48およびスクリーン46は、制御デバイス44への入力および出力を可能にし、したがってプロセスシーケンスに対する手動での影響またはプロセスパラメータの入力を可能にする。
【0060】
図2では、操作位置にある加圧デバイス20が示されており、加圧プレート36がワークピース50に対して完全に接触して配置され、押圧力がワークピース50に加えられる。加圧シリンダー24または伝動部26は、解除位置で示されている。本実施形態では、各加圧パンチ32には2つの圧力分散部品37が設けられている。これらは、加圧プレート36とそれぞれの加圧パンチ32とが作る角に配置され、加圧プレート36にさらに均一に押圧力を伝達するのに役立つ。
【0061】
加圧デバイス20によってワークピース50に加えられる押圧力は、圧力センサー42によって検出され、センサーシグナル170として制御デバイス44に送信される。それ以外は、図2の実施形態は、図1に示し説明した実施形態に一致する。
【0062】
図3は、接合炉1の別の実施形態を示しており、加圧パンチ32が押圧力発生デバイス28から加圧プレート36に力を伝達する。このよりコンパクトな設計は、ワークピース50の均一な変形が達成できるように、表面全体に押圧力を分散するように加圧プレート36が設計されている場合には、必要に応じて選択することができる。
【0063】
図4乃至図5を参照すると、高温接合炉1のさらなる実施形態が示されており、加圧デバイス20を支持するために外側フレーム7、9、10が含まれている。加圧シリンダー24は、支持フレーム要素10に取り付けられており、押圧力を加圧デバイス20から高温接合炉1内に配置されたワークピース50(図1乃至図3参照)に伝達することができる。押圧力が加えられると、全体の力は外側フレーム7、9、10によって吸収され、操作中、外側フレーム7、9、10は接合炉1から離れる一方向に曲がることができる。外側フレーム7、9、10の曲げは、加圧デバイス20に動的な支持を提供し、その結果、プレス機当接部18がフレーム7、9、10に形成される。
【0064】
すなわち、加圧デバイス20は、ワークピース50に押圧力を加えるよう自身を支えるために、外側フレーム7、9、10に「支持部」で支持されている。この「支持部」は、押圧力を吸収するための当接部を形成するため、プレス機当接部18と呼ぶ。したがって、図4乃至図5において、プレス機当接部18は、加圧デバイス20が支持される場所のみである。加圧デバイス20は、支持フレームまたは外側フレーム7、9、10にボルトで固定するか、または取り外し不可能に接続することができる。
【0065】
図4において、プレス機当接部18の位置変位を検出することができる位置センサー5が設けられている。位置変位は、加圧デバイス20によって加えられる押圧力についての判断を導くために使用することもでき、その情報はセンサーシグナルとして提供することができる。
【0066】
図6乃至図8は、高温接合炉1のさらなる実施形態を示しており、さらなる付属品を取り付けて完成した状態が示されている。真空発生器54、例えばターボ分子ポンプは、真空抽出システムを提供する。これにより、高温接合炉1内での接合プロセスを真空に近い条件、例えば高真空や超高真空に近い条件で行うことができる。押圧力発生デバイス28は、別個のハウジング内に配置されており、必要に応じてより大きなユニットをそこに収容することができる。入力及び/又は出力デバイス48、46は、PLC44および入出力デバイス48、46を含むユーザー端末45内に配置される。
【0067】
図9を参照すると、接合プロセス100のフロー図が示されている。最初のステップ110では、システムにワークピースまたは1つ以上のワークピースのバッチが充填される。これは通常、ユーザーによって実行されるが、自動化することも出来る。
【0068】
ステップ120では、システムをパラメータ化する。本明細書では、例えばワークピースまたはバッチ50の材料および接合面などの様々な仕様は、入力デバイス48を使用して制御デバイス44に格納することができる。例えば、ワークピース50またはバッチの意図された圧縮も、パーセンテージまたは距離、例えばミリメートルで入力することもできる。例えば、温度仕様も保存することが出来る。ステップ120で入力されたパラメータは、制御デバイス44に送信される。ステップ125において、制御デバイス44を用いて制御パラメータのセットを生成することができる。充填口11を閉じた後、接合炉1は操作可能な状態となる。加熱段階130は、制御ユニット44によって提供される温度パラメータで始まる。
【0069】
ステップ150において、プレス機が準備される。これには、当接部18が変位、変形を受ける、または予め与えられた緊張力、それと共に加圧デバイス20の初期位置が想定されるように加圧デバイス20に予圧を加えることが含まれる。
【0070】
次に、加圧プロセスまたは接合プロセスがステップ160で実行され、自動プロセス制御44によって監視及び調整される。センサー4、5、42は、プロセス制御44によって処理されるセンサーシグナル170を供給する。ステップ165では、準備された制御パラメータが、センサー4、42によって提供されるセンサーシグナル170に応じてチェックまたは調整される。制御パラメータが調整されると、接合プロセス160は、ステップ165から調整された制御パラメータを使用して修正された形式で継続される。これは制御ループとして実施され、対話的に実行されうる。例えば、接合プロセス中に改善されたパラメータ構成を設定でき、改善された接合結果を達成することが出来る。
【0071】
すなわち、ステップ120の例では、溶接時間に依存する距離がパラメータ値として指定される。溶接時間に依存する距離はシステム制御によって指定することが出来る。すなわち、溶接時間に依存する距離を決定、記録、または計算するようにシステム制御を設定することが出来る。例えば、対象となるき距離は、加圧シリンダー24または加圧ラム32のために決定することが出来る。ステップ150では、最初の押圧力の適用が行われ、ステップ160で、実際の加圧プロセスが始まる。加圧プロセス160の実行中に、対応する単位時間当たりの距離に達したかどうかのチェック165がされ、必要に応じて押圧力が変更される。

XXXエキスパートシステム
【0072】
オペレータは、正味の接合領域、材質、厚さ、許容総変形量などのコンポーネント情報を提供するだけでよく、ユーザーがプロセス情報を指定する必要はない。
【0073】
溶接温度、据え込み、設定値の力の仕様などのプロセスの知識は必要なく、
また、ユーザーは試行錯誤してプロセスパラメータに到達する必要がない。開発時間が短縮され、プロセスを「設計」する必要がなくなり、プロセスエンジニアも不要になる。あるシステムから次のシステムへのシステム変動を伴う場合、プロセス設計には数日から1週間乃至2週間かかる場合がある。
【0074】
プロセスパラメータはコンポーネント情報から導出され、制御システムで生成される。
【0075】
システムはおおよその押圧力の範囲を認識しており、目標値はコンポーネントの変形量である。
【0076】
変位センサー、パンチが作動する。(パンチの当接?)。
【0077】
変位センサーは真空チャンバーの外側、低温環境の加圧シリンダーの外側に配置される。
【0078】
システムには予荷重(圧縮、弾性)がかかる。例えば、シリンダーは5mm延び、コンポーネントは0.3mm下がる(可逆変形)。
【0079】
コンポーネントの塑性変形を取得することを目標とする。
【0080】
ただし、塑性変形はコンポーネント自体では測定されず、間接的な測定によるものである。
【0081】
微小な変形(クリープ;変形率)を調整するには、それを検出する必要がある。
【0082】
エキスパート仕様は、純粋に可逆的な(弾性)始動力を生成する(システムの応答)。
【0083】
次に1分間待つ。->パンチは所定の位置に留まる。
力の増加 例:2200トン->1.5mm->パンチストップ?
力の増加 例:2400トン->1.5mm->パンチストップ?
→力の増加 例: 2600トン->1.5mm->パンチは非常にゆっくりと連続的に移動する。(クリープ速度)
→溶接時間はエキスパートシステムから得られる、これはシステムのデフォルトである。例:30分
→次に、以下のように計算する。例:30分に1mm
→加圧パンチのクリープ速度を決定する。
→新たなステップが例えば1分後に応答する。
その後、クリープ速度を測定する。(マイクロメートル単位)
→新たなステップ応答。クリープ速度が高すぎる可能性があり、力を増加しない。
→(=フィードバック)
→顧客が材料を知らなかったり、間違った材料を指定した場合はどうなるか?
システムはプレス応答を通じて材料を自動的に認識する。
→異なる出発原料->システムは同等化することができる。XXX
【0084】
本実施例では、例えば、増加する押圧力は、ステップ125で生成された制御パラメータのセットにすでに格納されており、接合プロセス160の過程で適合的に追跡される。加圧シリンダー24の最大または所望の最終値までの所望のたわみを、最初の制御パラメータのセットにあらかじめ格納することもできる。制御パラメータのチェックまたは調整165中に、加圧シリンダー24のたわみ及び/又はワークピースの変形の所望の最終値が、ワークピースまたはバッチ50が損傷または過度の変形を受ける押圧力を超えることなく達成できるかどうか判断することもできる。
【0085】
ステップ180では、ワークピースまたはバッチ50に後処理を行うことができる。これには、定義された温度定数でのさらなる焼き戻し、さらなる加熱または冷却が含まれる。後処理180に続いて、ワークピースまたはバッチ50は十分に冷却され、ステップ190でシステム1から取り出すことができる。
【0086】
前述の実施形態は例示として理解されるべきであり、本発明はこれらに限定されず、特許請求の範囲の保護範囲を逸脱することなく多くの方法で変更できることが当業者には明らかである。さらに、その特徴は、明細書に開示されているかどうかに関係なく、特許請求の範囲、図面などは、他の特徴と合わせて説明されている場合でも、本発明の必須の構成要素を個別に定義することは明らかである。
すべての図において、同じ参照符号は同じ対象を表し、1つの図でのみ言及されている、または少なくともすべての図では言及されていない対象の説明も、その対象が説明で明示的に説明されていないこれらの図に転用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 高温接合炉
3 モーターユニット
4 第1のセンサーデバイス
5 追加のセンサーデバイス
6 ハウジング12のプレス機取付部
7 支持フレーム要素(水平、下)
8 下部構造
9 支持フレーム要素(垂直)
10 支持フレーム要素(水平、上)
11 充填及び/又は取り出し口
12 ハウジング
14 加熱デバイス
15 加熱チャンバー
16 断熱材
18 プレス機当接部若しくは外側フレーム又は支持フレーム要素上のプレス機の支持領域
20 加圧設備
22 圧力分散要素
24 加圧シリンダー
26 伝動部
28 押圧力発生デバイス
29 加圧対抗パンチ
32 加圧パンチ
34 ワークピースホルダー
36 加圧プレート
37 圧力分配器
38 加圧対抗要素
42 第2のセンサーデバイス
44 プログラマブルロジックコントローラ
45 PLCを備えたユーザー端末、入出力デバイス
46 分注デバイス
48 入力デバイス
50 ワークピース
54 真空発生器(真空ポンプ)
100 接合プロセス
110 充填
120 パラメータ化
125 制御パラメータの生成
130 加熱段階
140 必要に応じた前処理
150 準備
160 加圧又は接合工程
165 制御パラメータのチェックまたは調整
170 センサーシグナルの提供
180 該当する場合の後処理
190 システムからの取り出し
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】